説明

アルツハイマー病治療用の環状ケタールベータ−セクレターゼインヒビター

本発明は式(I)の環状ケタール化合物を目的とする。これはベータ−セクレターゼ酵素のインヒビターであり、アルツハイマー病のようなベータ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用である。さらに本発明の目的は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに、ベータ−セクレターゼ酵素が関与するこのような疾患を治療するためのこれらの化合物および組成物の使用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベータ−セクレターゼ酵素のインヒビターとして有用でありまたアルツハイマー病のようなベータ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用な環状ケタール化合物を目的とする。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病の特徴は、細胞外プラークおよび細胞内神経原線維の縺れの形態でアミロイドが脳内に沈着することである。アミロイドの蓄積速度は、形成速度、凝集速度および脳から排出される速度によって総合的に左右される。アミロイドプラークの主成分が4kDアミロイドタンパク質(βA4、Aβ、β−タンパク質およびβAPなどと呼ばれることもある)であり、該アミロイドタンパク質がより大きいサイズの前駆体タンパク質のタンパク質分解産物であるという説はほぼ是認されている。アミロイド前駆体タンパク質(APPまたはAβPP)は、大きい外部ドメイン、膜被覆領域および短い細胞質テールをもつ受容体様構造を有している。Aβドメインは、細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインの双方の部分を包含し、従って、該ドメインの遊離は、NH−末端およびCOOH−末端を生成する2つの異なるタンパク質分解イベントの存在に関与する。すなわち、APPを膜から遊離するメカニズムおよびAPPの可溶性COOH−切断形態を生成するメカニズムを含む少なくとも2つの分泌メカニズムが存在する。APPおよびそのフラグメントを膜から遊離するプロテアーゼは“セクレターゼ”と命名されている。多くのAPPは、Aβタンパク質内部を開裂してα−APPを遊離し完全形Aβの遊離を阻止する推定α−セクレターゼによって遊離される。少数のAPPはβ−セクレターゼ(“β−セクレターゼ”)によって遊離される。β−セクレターゼは、APPのNH−末端の近傍を開裂し、全Aβドメインを含有するCOOH−末端フラグメント(CTF)を生成する。
【0003】
すなわち、β−セクレターゼまたはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質開裂酵素(“BACE”)の活性がAPPの開裂、Aβの産生、および、アルツハイマー病の特徴であるβアミロイドプラークの脳内蓄積に導く。(参照:R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1367−1368;H.Fukumotoら,Arch.Neurol,vol.59,Sep 2002,pp.1381−1389;J.T.Huseら,J.Biol.Chem.,vol 277,No.18,発行日May 3,2002,pp.6278−16284;K.C.Chen and WJ.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm,vol.292,pp702−708,2002).従って、β−セクレターゼまたはBACEを阻害できる治療薬はアルツハイマー病の治療に有用であろう。
【0004】
本発明の化合物は、β−セクレターゼまたはBACEの活性を阻害することによって、すなわち、不溶性Aβの形成を防止しAβの産生を阻止することによってアルツハイマー病の治療に有用である。
【0005】
(発明の開示)
本発明は、β−セクレターゼ酵素のインヒビターとして有用な一般式(I)
【0006】
【化11】

で示される環状ケタール化合物およびそれらの個々の鏡像異性体およびジアステレオマーならびに医薬的に許容されるそれらの塩を目的とする。
【0007】
本発明はさらに、治療有効量の式(I)の化合物または医薬的に許容されるその塩と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を目的とする。本発明の目的はさらに、アルツハイマー病のようなβ−セクレターゼ酵素が関与する哺乳動物の疾患の治療方法、および、このような疾患を治療するための本発明の化合物および医薬組成物の使用である。
【0008】
1つの実施態様で、本発明は、一般式(I):
【0009】
【化12】

によって表される環状ケタール化合物および医薬として許容されるその塩ならびにその個々の鏡像異性体およびジアステレオマーを目的とする。
【0010】
式中の、
YはNまたはCHであり;
Qは−C0−3アルキレンであり、前記アルキレンは未置換または1つ以上の
(1)ハロ、
(2)−C3−12シクロアルキル、
(3)−OH、
(4)−CN、
(5)−O−C1−10アルキル、および、
(6)−C1−10アルキル
で置換されており;
は、
(1)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、
(2)ヘテロアリール、
(3)−C1−10アルキル、および、
(4)場合によってはC6−10アリール基に融合した−C3−8シクロアルキルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは未置換または1つ以上の
(a)ハロ、
(b)未置換またはハロゲン置換−C1−10アルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−C3−12シクロアルキル、および
(g)−NR1213
で置換されており、ここにR12およびR13
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、および、
(iii)−C0−6アルキル−C6−10アルキルから成るグループから選択されており;
は、
(1)(R−SO)N(R)、
ここにRは、
(a)C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)C2−10アルキニル、または、
(d)−C3−8シクロアルキル、
から選択され、これらのアルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−C2−10アルケニル、
(vii)−C2−10アルキニル、
(viii)−C3−8シクロアルキル、
(ix)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、または、
(x)ヘテロアリール
で置換され、これらのアリールおよびヘテロアリールは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)−C1−10アルキル、
(vii)−C2−10アルケニル、または、
(viii)−C2−10アルキニル
で置換され、
は、
(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、または、
(d)−C2−10アルキニル
から成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、または、
(vii)ヘテロアリール
で置換され、これらのシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、または、
(vi)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール
で置換されている、
(2)
【0011】
【化13】

および
(3)
【0012】
【化14】

から成るグループから選択され;

【0013】
【化15】

から成るグループから選択され、
ここにRは、
(1)−C1−10アルキル、
(2)−C2−10アルケニル、または、
(3)−C2−10アルキニルから成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるかまたは1つ以上のハロによって置換され、
6a、R6bおよびR6cは独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−10アルキル、
(4)−C2−10アルケニル、
(5)−C2−10アルキニル、
(6)−OH、
(7)−CN、
(8)−C3−8シクロアルキル、および、
(9)−O−C1−10アルキル
から成るグループから選択され、
およびR10は独立に、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、または、
(5)−C3−8シクロアルキル
から成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは未置換であるかまたは1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、または、
(e)−O−C1−10アルキルで置換されているか、
または、RとR10とはそれらが結合している窒素原子と共にピロリジン環を形成しており、該ピロリジン環は未置換であるかまたは1つ以上の
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)−C2−10アルキニル、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−(CH)n−フェニル、
(f)−CN
で置換されており、これらのアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−OC1−10アルキル、または、
(v)−C3−8シクロアルキル
で置換されており、これらのシクロアルキルおよびフェニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−C2−10アルケニル、
(iv)−C2−10アルキニル、
(v)−OH、
(vi)−CN、
(vii)−C3−8シクロアルキル、または、
(viii)−O−C1−10アルキル
で置換されており、
は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、または、
(5)−CH−フェニル
から成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニル、アルキニルまたはフェニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、および、
(e)−O−C1−10アルキル
で置換されており、
12は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)ハロ、
(6)−C3−8シクロアルキル、
(7)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、および、
(8)ヘテロアリール
から成るグループから選択され、これらのアリールおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C3−8シクロアルキル、
(f)−C1−10アルキル、
(g)−C2−10アルケニル、または、
(h)−C2−10アルキニル
で置換されており;
nは0、1、2、3または4であり;
pは1、2、3または4である。
【0014】
1つの実施態様で、本発明は、Rが置換または未置換のフェニルであり、Qが好ましくはCHである式(I)の化合物を目的とする。好ましくはRが未置換フェニルまたは4−フルオロフェニルである。
【0015】
別の実施態様では、Rがヘテロアリールである。Rの好ましいヘテロアリール基は、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジル)、チエニル(好ましくは2−チエニルまたは3−チエニル)、チアゾールおよびインジニルを含む。
【0016】
別の実施態様では、RがC1−12アルキルまたはC3−8シクロアルキル基である。Rの好ましいC1−12アルキル基はC1−6アルキル(好ましくはメチルおよびイソプロピルのような未置換のC1−6アルキル)を含む。好ましいC3−8シクロアルキル基は、好ましくは未置換のシクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。シクロアルキル基の環炭素原子の2つが結合してC6−12アリールを形成してもよい。この実施態様の融合基の一例は
【0017】
【化16】

である。
【0018】
本発明の化合物の1つの好ましい実施態様では、Rが、
(1)(R−SO)N(R)−,ここにRは−C1−6アルキルであり、このアルキルは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−6アルキル、または、
(v)−C1−6アルキル
で置換され、
は、
(a)水素、
(b)−C1−6アルキル
から成るグループから選択され、前記アルキルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−6アルキル、
(v)−C1−6アルキルで置換されている、
(2)
【0019】
【化17】

(3)
【0020】
【化18】

から成るグループから選択される。
【0021】
本発明の化合物の1つの好ましい実施態様では、R
【0022】
【化19】

から成るグループから選択され、式中のRが、場合により1つ以上のハロゲン(好ましくはフルオロ)で置換されたC1−6アルキルであり、
6a、R6bおよびR6cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−OH、
(5)−CN、および、
(6)−O−C1−6アルキル
から成るグループから選択され、
およびR10が独立に、
(1)水素、および、
(2)−C1−6アルキル
から選択されるか、または、
とR10とはそれらが結合している窒素原子と共にピロリジン環を形成し、該ピロリジン環は未置換であるかまたは1つ以上の
(a)C1−6アルキル、
(b)−(CH)n−フェニル
で置換され、これらのアルキルおよびフェニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、
(iii)−OH、
(iv)−CN、または、
(v)−O−C1−6アルキル
で置換されており、
は水素であり、
12は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル
から成るグループから選択される。
【0023】
本発明の化合物のより好ましい実施態様では、R
【0024】
【化20】

であり、式中のR、R6a、R6bおよびR6cが上記の定義と同義である。好ましい実施態様では、Rが場合により1つ以上のハロゲン(好ましくはフルオロ)で置換されたC1−6アルキルであり、R6a、R6bおよびR6cは独立に
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−OH、
(5)−CN、および、
(6)−O−C1−6アルキル
から成るグループから選択される。
【0025】
より好ましい実施態様では、Rが上記に定義の(a)であり、Rがメチルである。別の好ましい実施態様では、Rが上記に定義の(a)であり、R6aおよびR6bが水素であり、R6cがフルオロである。
【0026】
本発明の化合物の別の好ましい実施態様ではYがCHである。
【0027】
本発明の化合物の別の好ましい実施態様ではYがNである。
【0028】
式(I)の化合物の属に式(II)
【0029】
【化21】

[式中、R、RおよびYは上記に記載の通り]の化合物の亜属および医薬的に許容されるそれらの塩ならびにそれらの個々の鏡像異性体およびジアステレオマーが包含される。
【0030】
本発明はさらに、治療有効量の本発明の式の環状ケタール化合物の投与によるアルツハイマー病のようなβ−セクレターゼ酵素が関与する哺乳動物の疾患の治療方法を目的とする。
【0031】
本発明はさらに、治療有効量の本発明の環状ケタール化合物または医薬的に許容されるその塩と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を目的とする。
【0032】
本発明はさらに、本発明の環状ケタール化合物または医薬的に許容されるその塩を医薬担体または希釈剤と組合せる段階を含む、ヒトおよび動物のβ−セクレターゼ酵素活性を阻害する医薬または組成物の製造方法を目的とする。
【0033】
本発明はさらに、本発明の環状ケタール化合物または医薬的に許容されるその塩を医薬担体または希釈剤と組合せる段階を含む、ヒトのアルツハイマー病を治療する医薬または組成物の製造方法を目的とする。
【0034】
本文中に単独でまたは他の置換基の一部として使用した“アルキル”という用語は、指定数の炭素原子を有している飽和した直鎖状または分枝状の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C1−10アルキルは、1から10個までの炭素原子を有しているアルキルを意味する)。本発明に使用するための好ましいアルキル基は、1から6個までの炭素原子を有しているC1−6アルキル基である。アルキル基の代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどである。
【0035】
例えば、“−Cアルキル−C6−12アリール”という用語中の“Cアルキル”という用語は結合を表す。
【0036】
本文中に単独でまたは他の置換基の一部として使用した“アルキレン”という用語は、指定数の炭素原子を有している飽和した直鎖状または分枝状の二価の炭化水素ラジカルを意味する。Cアルキレンという用語はアルキレン基が存在しないことを意味する。
【0037】
本文中に単独でまたは他の置換基の一部として使用した“アルケニル”という用語は、1つの炭素−炭素二重結合と指定数の炭素原子とを有している直鎖状または分枝状の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルケニルは、2から10個までの炭素原子を有しているアルケニル基を意味する)。本発明に使用するための好ましいアルケニル基は、2から6個までの炭素原子を有しているC2−6アルケニル基である。代表的なアルケニル基はエテニルおよびプロペニルを含む。
【0038】
本文中に単独でまたは他の置換基の一部として使用した“アルキニル”は、1つの炭素−炭素三重結合と指定数の炭素原子とを有している直鎖状または分枝状の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルキニルは2から10個の炭素原子を有しているアルキニル基を意味する)。本発明に使用するための好ましいアルキニル基は、2から6個までの炭素原子を有しているC2−6アルキニル基である。代表的なアルキニル基はエチニルおよびプロピニルを含む。
【0039】
本文中に単独でまたは他の置換基の一部として使用した“シクロアルキル”という用語は、指定数の炭素原子を有している飽和環状炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C3−12シクロアルキルは、3から12個までの炭素原子を有しているシクロアルキル基を意味する)。本発明に使用されたシクロアルキルという用語は、単環式、二環式および三環式の飽和炭素環、ならびに、スピロ融合環系のような架橋および融合した炭素環を含む。
【0040】
本発明に使用するための好ましいシクロアルキル基は、3から8個までの炭素原子を有している単環式C3−8シクロアルキル基である。単環式シクロアルキル基の代表例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。代表的な架橋シクロアルキル基は、アダマンチルおよびノルボルニルを含む。代表的な融合シクロアルキル基はデカヒドロナフタレンを含む。
【0041】
本文中に単独でまたは他の置換基の一部として使用した“アリール”という用語は、指定数の炭素原子を有している芳香族または環状ラジカルを意味する(例えば、C6−10アリールは6から10個までの炭素原子を有しているアリール基を意味する)。“アリール”という用語は、多環系(融合環系のような)および単環系を包含し、分子の一部が芳香族で一部が非芳香族の多環系を含む。本発明に使用するための好ましい単環アリール基はフェニルである。好ましい融合環アリール基は、ナフチル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルを含む。
【0042】
“ハロ”または“ハロゲン”という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
【0043】
本文中に単独でまたは他の置換基の一部として使用した“ヘテロアリール”という用語は、少なくとも1つの環ヘテロ原子(O、NまたはS)を有している芳香族環状基を意味する.“ヘテロアリール”という用語は多環系および単環系を含む。好ましいヘテロアリール基は5から12個までの環原子を有している。本発明に使用するための代表的なヘテロアリール基は、ベンズオキサゾリル、トリアジニル、フラニル、ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾリル、インダゾリル、ナフチリジニル、トリアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソキサゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびジヒドロインドリルを含む。
【0044】
本文中に定義されたヘテロアリール基が置換されているとき、置換基はヘテロアリール基の環炭素原子、または、置換可能な原子価を有している環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素またはイオウ)に結合し得る,好ましくは置換基が環炭素原子に結合している。同様に、本文中でヘテロアリール基が置換基として定義されているとき、結合点は、ヘテロアリール基の環炭素原子、または、置換可能な原子価を有している環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素またはイオウ)に存在し得る。好ましくは結合点が環炭素原子に存在する。
【0045】
非対称中心をもつ化合物は、鏡像異性体(光学異性体)、ジアステレオマー(立体配置異性体)または双方を生成し、混合物および純粋化合物または部分的に純粋な化合物の形態のすべての可能な鏡像異性体およびジアステレオマーが本発明の範囲内に包含されるものとする。本発明はこれらの化合物のこのような異性体形態すべてを含意する。
【0046】
本文中に記載の化合物は1つ以上の二重結合を含有してもよく、従ってシス/トランス異性体および他の配座異性体を生成し得る。本発明はこのような可能な異性体およびこのような異性体の混合物をすべて包含する。
【0047】
上記の式(I)はいくつかの位置の立体化学を確定しないで示している。本発明は式(I)のすべての立体異性体および医薬的に許容されるそれらの塩を包含する。
【0048】
鏡像異性体的またはジアステレオマー的に濃縮された化合物の個別的合成またはそれらのクロマトグラフィー分離は、本文中に開示した方法を適宜修正することによって当業界で公知のようにして得られる。それらの絶対的立体化学は、必要な場合には既知の絶対的立体配置の非対称中心を有する試薬で誘導体化した結晶質生成物または結晶質中間体のx−線結晶学によって決定し得る。
【0049】
所望の場合には、個々の鏡像異性体またはジアステレオマーが単離されるように化合物のラセミ混合物を分離するとよい。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性体的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、次いで、分別結晶化またはクロマトグラフィーのような標準方法で個々のジアステレオマーを分離する当業界で公知の方法によって行うことができる。カップリング反応はしばしば、鏡像異性体的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。次に、付加されたキラル残基の開裂によってジアステレオマー誘導体を純粋な鏡像異性体に変換し得る。キラル固定相を使用するクロマトグラフィー分離によって化合物のラセミ混合物を直接分離することもできる。該方法は当業界で公知である。
【0050】
あるいは、光学的に純粋な出発材料または既知の立体配置の試薬を使用する当業界で公知の方法による立体選択的合成によって化合物の一方の鏡像異性体またはジアステレオマーを得ることもできる。
【0051】
本発明の特許請求の範囲に記載の化合物は以下の一般手順を用いる方法に従って製造できる。
【0052】
スキーム1では、アミン1を対応するシッフ塩基に変換し、これを塩基およびアルキル化剤で処理して中間体2に変換する。Boc保護基に相互交換し還元するとグリコシル化可能なヘミケタール4が得られる。
【0053】
【化22】

【0054】
スキーム2では、アニリン5をスルホニル化、アルキル化、次いで加水分解/還元してアルコール6とする。あるいは、臭素を存在させてもよく(アルコール8)、これは後でPd(0)触媒を介して該位置にスルホンアミド、アリールなどのような種々の基を導入するための手がかりとなる。
【0055】
【化23】

【0056】
スキーム3はタイプ10のビアリールアルコールの製造を示す。
【0057】
【化24】

【0058】
スキーム4はタイプ12のクロロピリジンアルコールの製造を示す。
【0059】
【化25】

【0060】
スキーム5はヘミケタール4とアルコール6との結合によるタイプ13のケタールの形成を示す。メチルエステルの加水分解およびアミンの標準結合によってタイプ14の構造が得られる。
【0061】
【化26】

【0062】
スキーム6はスキーム5と同様の手順でタイプ16のビアリールケタールを製造できることを示す。
【0063】
【化27】

【0064】
スキーム7はヘミケタール4とアルコール12との結合によるケタール17の形成を示す。Pd(0)介在アミノ化によってタイプ18の生成物が得られる。
【0065】
【化28】

【0066】
共有出願である2005年11月3日公開のWO2005/103043および2005年11月3日公開のWO2005/103020に記載された合成に従って式(I)の別の化合物を合成するために上記スキームを変更してもよい。
【0067】
“実質的に純粋な”という用語は、当業界で公知の分析技術によって検定した単離材料が少なくとも90%純度、好ましくは95%純度、よりいっそう好ましくは99%純度であることを意味する。
【0068】
“医薬的に許容される塩”という用語は、無機または有機の塩基および無機または有機の酸を含む医薬的に許容される無毒性塩基または酸から製造された塩を表す。本発明の化合物は、化合物の遊離塩基形態に存在する酸官能基の数次第で、一塩、二塩または三塩になり得る。無機塩基に由来の遊離塩基および塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在でき、また水和物の形態でも存在できる。医薬的に許容される無毒性有機塩基に由来の塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然産生置換アミンを含む置換アミン、環状アミンの塩、ならびに、塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどを含む。本発明の化合物が塩基性のとき、塩は無機および有機の酸を含む医薬的に許容される無毒性酸から製造し得る。このような酸は、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸が特に好ましい。
【0069】
本発明の目的は、本文中に開示した本発明の環状ケタール化合物をβ−セクレターゼ酵素活性またはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質開裂酵素(“BACE”)活性のインヒビターとして使用することであり、このような阻害を必要とする哺乳動物のような患者または対象に有効量の化合物を投与する段階を含む。“β−セクレターゼ酵素”、“β−部位アミロイド前駆体タンパク質開裂酵素”および“BACE”という用語は本明細書で互換的に使用されている。ヒト以外に、様々な他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療し得る。
【0070】
本発明の化合物の使用目的は、アルツハイマー病を治療、軽減、管理または危険低下することである。例えば、化合物は、アルツハイマー型認知症の予防、および、アルツハイマー型の早期、中期または後期認知症の治療に有用であろう。化合物はまた、アミロイド前駆体タンパク質(APPとも呼ぶ)の異常開裂が介在する疾患およびβ−セクレターゼの阻害によって治療または予防できる他の状態の治療、軽減、管理または危険低下に有用であろう。このような状態は、軽い認識能力低下、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、退行性認知症、オランダ型アミロイド症を伴う遺伝性脳出血(HCHWA−D)、クロイツフェルト−ヤコブ病、プリオン異常症、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、卒中、膵炎、封入体性筋炎、他の末梢アミロイド症、糖尿病およびアテローム性動脈硬化症を含む。
【0071】
本発明の化合物が投与される対象または患者は、一般にはβ−セクレターゼ酵素活性の阻害が望まれるヒト男性または女性であるが、β−セクレターゼ酵素活性の阻害または上記障害の治療が望まれる他の哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジーまたは他の類人猿もしくは霊長類も含まれる。
【0072】
本発明の化合物は、本発明の化合物が効用をもつ疾患または状態を治療するために1種以上の他の薬物と併用してもよい。この場合、薬物の併用はいずれかの薬物単独よりも安全で有効である。さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用または毒性を治療、予防、管理、軽減または危険低下する1種以上の他の薬物と併用し得る。このような他の薬物は、それらの常用の経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは順次に投与するとよい。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1種以上の他の有効成分を含有する組成物を含む。組合せ医薬は単一剤形の組合せ製品の一部として投与されてもよく、または、1種以上の追加薬物を個別投薬形態で治療計画の一部として投与するキットもしくは治療プロトコルで投与されてもよい。
【0073】
単一投薬形態またはキット形態で本発明の化合物に併用される他の薬物の例は、抗アルツハイマー薬例えば他のβ−セクレターゼインヒビター;アルファ7ニコチンアゴニスト例えばSR180711、MEM3454およびMEM63908;ガンマ−セクレターゼインヒビター例えばLY450139、LY411575およびTAK070;ガンマセクレターゼモジュレーター例えばE2012;タウ−リン酸化インヒビター;Aβオリゴマー形成のブロッカー;5−HT4アゴニスト例えばPRX03140;5HT6アンタゴニスト例えばGSK742457、SGS−518、SAM315、E6795、SL−65.0155、SRA−333およびキサリプロデン(Xaliproden);p25/CDK5インヒビター;HMG−CoAレダクターゼインヒビター;NK1/NK3受容体アンタゴニスト;イブプロフェンを含むNSAID類;ビタミンE;抗アミロイド抗体(抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体を含む)例えばバピニューズマブ(bapineuzmab)、AAB002、RN1219、ACC001、CAD106およびAZD3102;5−HT1Aアンタゴニスト例えばレコゾタン;COX−2インヒビター;抗炎症化合物例えば(R)−フルルビプロフェン、ニトロフルルビプロフェン、ロシグリタゾン、ND−1251、VP−025、HT−0712およびEHT−202;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体逆アゴニスト例えばAVE1625;抗生物質例えばドキシサイクリンおよびリファンピシン;N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト例えばメマンチン、ネラメキサンおよびEVT101;NR2Bアンタゴニスト;アンドロゲン受容体モジュレーター;アセチルコリンエステラーゼインヒビター例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、タクリン、フェンセリン、ラドスチジルおよびABT−089;mGluR5モジュレーター;成長ホルモン分泌促進薬、例えばイブタモレン、イブタモレンメシラートおよびカプロモレリン;ヒスタミンH受容体アンタゴニスト例えばABT834、ABT239、GSK189254およびCEP16795;AMPAアゴニストまたはAMPAモジュレーター例えばCX717、LY404187およびS−18986;PDE IVインヒビター例えばMEM141、HT0712およびAVE8112;GABA逆アゴニスト;GABAα5受容体リガンド;GABA受容体リガンド;カリウムチャンネルブロッカー;神経細胞ニコチンアゴニスト例えばABT089;プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター例えばPAZ417;カテプシンBインヒビター;GSK3βインヒビター例えばAZD1080、SAR502250およびCEP16805;選択的M1アゴニスト;神経細胞ニコチンアゴニスト、微小管親和性調節キナーゼ(MARK)リガンド;P−450インヒビター例えばリトナビル;または、本発明の化合物の有効性、安全性、利便性を強化するかまたは望ましくない副作用もしくは毒性を減少させる受容体または酵素に影響を与える他の薬物を含む。上記の組合せリストは単なる代表例であり、本発明はこれらに限定されないものとする。
【0074】
本文中に使用した“組成物”という用語は、特定した成分を所定の量または割合で含む生成物、および、特定した量の特定した成分の組合せから直接または間接に得られる生成物を含意する。医薬組成物に関するこの用語は、1種以上の有効成分と場合により不活性成分を含む担体とを含む生成物、および、2種以上の成分の組合せ、錯化もしくは凝集、または、1種以上の成分の解離、または、1種以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用から直接または間接に得られる生成物を含意する。
【0075】
一般に、医薬組成物は、有効成分を液体担体または微細分割固体担体または双方に均一および均質に会合させ、次いで、必要ならば生成物を所望の配合物に付形することによって調製される。医薬組成物中には本発明の化合物から成る有効化合物が疾患の進行または病状に所望効果を発揮する十分な量で含有される。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを混合することによって調製されたいかなる組成物も包含する。
【0076】
担体は、例えば経口または非経口(静脈内を含む)の投与に望ましい製剤の形態次第で多様な形態を有し得る。従って本発明の医薬組成物は、カプセル、カシェ剤または錠剤のようなおのおのが所定量の有効成分を含有する経口投与に好適な個別単位として提供されてもよい。さらに本発明の組成物は、粉末、顆粒、溶液、水性液体中の懸濁液、非水性液体、水中油型エマルションまたは油中水型液体エマルションとして提供されてもよい。上記に挙げた常用の剤形以外に、本発明の化合物はまた調節放出手段および/またはデリバリーデバイスによって投与されてもよい。
【0077】
経口使用予定の医薬組成物は、医薬組成物の製造業界で公知のいずれかの方法に従って調製でき、このような組成物は、医薬的にエレガントで服用し易い製剤を提供するために、甘味料、着香料、着色料および保存料から成るグループから選択された1種以上の補助物質を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適した医薬的に許容される無毒性賦形剤と混合された本発明の化合物を含有し得る。これらの賦形剤は例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸のような造粒および崩壊剤、デンプン、ゼラチンまたはアラビアガムのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤を含む。錠剤は剤皮なしでもよく、または、胃腸管での崩壊および吸収を遅延させこれによって長期間持続作用を与えるように公知の技術によって剤皮をかけてもよい。
【0078】
本発明の組成物を含有する錠剤は、場合によっては1種以上の補助成分またはアジュバントと共に圧縮または成形することによって調製し得る。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性または分散剤と混合した粉末または顆粒のような自由流動形態の本発明の化合物を適当な機械に入れて圧縮することによって製造できる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤した粉末状化合物の混合物を適当な機械に入れて成形することによって製造できる。各錠剤は好ましくは約0.1mgから約500mgの有効成分を含有し、カシェ剤またはカプセルのおのおのは好ましくは約0.1mgから約500mgの本発明の化合物を含有している。
【0079】
経口使用するための組成物はまた、本発明の化合物を例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンのような不活性固体希釈剤と混合した硬質ゼラチンカプセルとして提供されてもよく、または、本発明の化合物を水もしくはピーナツ油、液体パラフィン、オリーブ油のような油媒体と混合した軟質ゼラチンカプセルとして提供されてもよい。
【0080】
他の医薬組成物は、水性懸濁液の調製に適した賦形剤と混合した有効物質を含有する水性懸濁液を含む。さらに、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、ココヤシ油のような植物油または液体パラフィンのような鉱油に本発明の化合物を懸濁させることによって油性懸濁液を配合してもよい。油性懸濁液はまた様々な賦形剤を含有し得る。本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルションの形態でもよく、これはさらに甘味料、着香料のような賦形剤を含有し得る。
【0081】
医薬組成物は水性もしくは油性の注射用滅菌懸濁液の形態でもよく、または、このような注射用滅菌溶液もしくは分散液を用時調製するための滅菌粉末の形態でもよい。どの場合にも、最終注射剤形態が無菌であり、実際に注射に適した流動性を有していなければならない。医薬組成物は製造および保存の条件下で安定でなければならない。従って、細菌類および真菌類のような微生物の汚染作用を防ぐように保存されるのが好ましい。
【0082】
本発明の医薬組成物は、例えばエアゾール、クリーム、軟膏、ローション、散布剤などのような外用に適した形態でもよい。さらに組成物は、経皮デバイスに使用するための適当な形態でもよい。これらの配合物は慣用の加工方法で調製し得る。一例として、クリームまたは軟膏は、親水性材料と水とを約5重量%から約10重量%の本発明の化合物と混合し、所望の稠度を有するクリームまたは軟膏を得ることによって調製される。
【0083】
本発明の医薬組成物はまた、固体担体を用いる直腸投与に適した形態でもよい。混合物が単位薬用量の座薬剤を形成するのが好ましい。適当な担体はカカオ脂および当業界で常用の他の材料を含む。
【0084】
“医薬的に許容される”という表現は、担体、希釈剤または賦形剤が配合物の他の成分と適合性であり配合物のレシピエントに有害でないことを意味する。
【0085】
化合物“の投与”または化合物“を投与する”という用語は、治療有効形態および治療有効量で個体の体内に導入できる形態で本発明の化合物を要治療個体に提供することを意味すると理解されたい。非限定例は、錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液などの経口剤形;IV、IM、IPなどの注射剤形;クリーム、ゼリー、粉末、貼付薬などの経皮剤形;バッカル剤形;吸入用の粉末、噴霧、懸濁液など;直腸坐剤を含む。
【0086】
“有効量”または“治療有効量”という用語は、組織、系、動物またはヒト体内に研究者、獣医、内科医または他の臨床医が求める生物学的または医学的応答を誘発する主題化合物の量を意味する。
【0087】
本文中に使用した“治療”または“治療する”という用語は、本発明の化合物の投与を意味しており、(1)疾患の病理または症状を体験または体現している動物の疾患の阻害(すなわち、病理および/または症状のそれ以上の進行を停止する)、または、(2)疾患の病理または症状を体験または体現している動物の疾患の軽減(すなわち、病理および/または症状の逆行)を含む。“管理する”という用語は、管理されている状態の予防、治療、根治、改善またはその他の重篤度の軽減を含む。
【0088】
本発明の化合物を含有する組成物は、単位剤形で提供されるのが便利であり、製薬業界で公知の方法のいずれかによって調製され得る。“単位剤形”という用語は、有効成分および非有効成分の全部を合せて適切な1つの系が調製され、患者または患者に薬剤を投与する人物は全投薬量を内包する単一の容器またはパッケージを開封すればよく、2つ以上の容器またはパッケージから取り出した成分を混ぜ合わせる必要のない単一投与形態を意味する。単位剤形の典型例は、経口投与用の錠剤もしくはカプセル、注射剤用の単一量バイアル、または、直腸投与用の坐剤である。単位剤形のこのリストに限定性はなく、単位剤形の典型例を示すだけである。
【0089】
本発明の化合物を含有する組成物はキットとして提供されるのが便利である。キットは、有効成分、非有効成分、担体、希釈剤などの2種以上の成分を、患者または患者に薬剤を投与する人物が実際の剤形を調製するための使用説明書と共に含む。このようなキットは必要な材料および成分をすべて内包した状態で提供されてもよく、または、患者もしくは患者に薬剤を投与する人物が必要な個々の材料または成分を使用もしくは製造するための使用説明書を含んでいてもよい。
【0090】
本発明の化合物が処方されるアルツハイマー病または他の疾患を治療、軽減、管理または危険低下するとき、一般には、動物体重1kgあたり約0.1mgから約100mgの1日薬用量を好ましくは1日1回投与または1日2から6回の分割投与または持続放出形態で投与すると満足な結果が得られる。合計1日薬用量は、約1.0mgから約2000mg、好ましくは約0.1mgから約20mg/kg体重である。70kgの成人の場合、合計1日薬用量は一般に約7mgから約1,400mgであろう。この用法は最適治療応答を与えるように調整し得る。化合物は、1日1から4回、好ましくは1日1回または2回の用法で投与するとよい。
【0091】
単一剤形を製造するために担体材料と組合せることができる本発明の化合物の量は、治療される宿主および特定投与形態に従属して変更されるであろう。例えば、ヒトに経口投与する予定の配合物は、使い易い適量の担体材料に配合された約0.005mgから約2.5gの本発明の化合物を含有するのが便利であろう。単位剤形は一般に、約0.005mgから約1000mgの本発明化合物、典型的には0.005mg、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgの本発明の化合物を含有し、これらは1日あたり1回、2回または3回投与される。
【0092】
しかしながら、個々の患者の個々の投与レベルおよび投薬頻度が様々に変更されること、それらは、使用される特定化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与方式および時間、排泄速度、併用薬物、個々の状態の重篤度、治療されている宿主などの様々な要因に左右されることは理解されよう。
【0093】
β−セクレターゼ酵素活性インヒビターとしての本発明の化合物の有効性は、当業界で公知の方法によって証明され得る。酵素阻害は以下のアッセイで定量できる。
【0094】
HPLCアッセイ:BACE1によって開裂されたクマリン結合N−末端フラグメントを遊離する基質(クマリン−CO−REVNFEVEFR)を用いた同種エンドポイントHPLCアッセイを使用する。基質のKmは100μMよりも大きく、基質の溶解度限界が理由で定量できない。典型的な反応は、約2nMの酵素、1.0μMの基質、および、バッファ(50mMのNaOAc,pH4.5、0.1mg/mlのBSA、0.2%CHAPS、15mMのEDTAおよび1mMのデフェロキサミン)を反応全量100μl中に含む。反応を30分間進行させ、25μLの1Mのトリス−HCl,pH8.0を添加して反応停止させる。得られた反応混合物をHPLCに充填し、生成物を5分間の直線勾配で基質から分離する。これらの条件下で10%未満の基質がBACE1によってプロセスされる。これらの試験に使用した酵素は、バキュロウイルス発現系で産生された可溶性の(膜貫通ドメインおよび細胞質エクステンシン(extension)を除いた)ヒトタンパク質である。化合物の阻害力価を測定するために、12種類の濃度のインヒビターを調製する。濃度範囲はECLによって予測された力価に従属する。インヒビターのDMSO溶液を反応混合物に入れる(最終DMSO濃度は10%である)。すべての実験は室温で上述の標準反応条件を使用して行う。化合物のIC50を決定するために4パラメーター数式を曲線適合に使用する。解離定数再現誤差は典型的には2倍未満である。
【0095】
ECLアッセイ:同種エンドポイントの電気化学発光(ECL)アッセイはビオチニル化BACE基質を使用して行う。基質のKmは100μMよりも大きく、基質の溶解度限界が理由で定量できない。典型的な反応は、約0.1nMの酵素、0.25μMの基質、および、バッファ(50mMのNaOAc,pH4.5、0.1mg/mlのBSA、0.2%CHAPS、15mMのEDTAおよび1mMのデフェロキサミン)を反応全量100μl中に含む。反応を30分間進行させ、次いで25μLの1Mのトリス−HCl,pH8.0を添加して反応停止させる。得られた酵素生成物は、該生成物のC−末端残基を特異的に認識するルテニル化抗体を添加することによって検定し得る。ストレプトアビジン被覆磁気ビーズを溶液に添加し、サンプルをM−384(Igen Inc.,Gaithersburg, MD)分析にかける。これらの条件下で10%未満の基質がBACE1によってプロセスされる。これらの試験に使用した酵素は、バキュロウイルス発現系で産生された可溶性の(膜貫通ドメインおよび細胞質エクステンシンを除いた)ヒトタンパク質である。化合物の阻害力価を測定するために、100μMを出発濃度として3倍ずつ系列希釈した12種類の濃度のインヒビターを調製する。インヒビターのDMSO溶液を反応混合物に入れる(最終DMSO濃度は10%である)。すべての実験は室温で上述の標準反応条件を使用して行う。化合物のIC50を決定するために4パラメーター数式を曲線適合に使用する。解離定数再現誤差は典型的には2倍未満である。
【0096】
特に、以下の実施例の化合物はECLアッセイで一般にはIC50が約1nMから100μMとなるベータ−セクレターゼ酵素阻害活性を有していた。このような結果は、化合物の固有活性がベータ−セクレターゼ酵素活性インヒビターであることを示す。
【0097】
本発明の化合物のいくつかの製造方法を以下のスキームおよび実施例に示す。出発材料は当業界で公知の手順または本文中に示した手順に従って製造される。本発明をより十分に理解できるように実施例を以下に示す。これらの実施例は単なる代表例であり、本発明を限定すると解釈されてはならない。
【0098】
中間体I tert−ブチル(3−ベンジル−2−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)カーバメート:(スキーム1)
【0099】
【化29】

【0100】
段階A:シッフ塩基導入
DCM(50mL)中の3−アミノジヒドロフラン−2(3H)−オン臭化水素酸塩(5g,27.5mmol)の溶液にベンゾフェノンイミン(5g,27.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を水およびDCMで希釈し、有機層を抽出し、炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると、3−[(ジフェニルメチレン)アミノ]ジヒドロフラン−2(3H)−オンが粘性の無色ゲルとして生じ、これは白色固体に結晶化した。
【0101】
段階B:アルキル化
0℃に冷却したDMF(10mL)中の3−[(ジフェニルメチレン)アミノ]ジヒドロフラン−2(3H)−オン(1g,3.8mmol)の溶液にNaHMDS(4.7mL,4.7mmol,1M THF)をシリンジからゆっくりと添加した。得られた明るいオレンジ色溶液を0℃で2分間撹拌し、ここで、ベンジルブロミド(0.47mL,4mmol)をシリンジから添加した。0℃で5分間撹拌後、水で反応停止させ、EtOAcで抽出し、水性LiClで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(90gシリカゲル、0から40%のEtOAc、ヘキサン中)によって精製すると、3−ベンジル−3−[(ジフェニルメチレン)アミノ]ジヒドロフラン−2(3H)−オンが白色固体として得られた。MS M+1=356。
【0102】
段階C:加水分解
MeOH(50mL)およびTHF(50mL)中の3−ベンジル−3−[(ジフェニルメチレン)アミノ]ジヒドロフラン−2(3H)−オン(5.67g,15.95mmol)の溶液に6NのHCl(5.3mL,32mmol)を添加した。室温で5分間撹拌後、反応混合物を真空下で濃縮し、水およびベンゾフェノンで希釈し、ジエチルエーテルで抽出した(3×)。6NのNaOHで水相をpH10の塩基性にし、DCMで抽出し(×2)、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に濃縮すると、3−アミノ−3−ベンジルジヒドロフラン−2(3H)−オンが無色油として得られた。これをそのまま次段階に移した。
【0103】
段階D:Boc導入
THF(25mL)中の3−アミノ−3−ベンジルジヒドロフラン−2(3H)−オン(2.55g,13.3mmol)の溶液に、ジtertブチルジカーボネート(3.2g,14.7mmol)を添加した。反応混合物を真空下に濃縮すると、粗tert−ブチル(3−ベンジル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)カーバメートが白色固体として得られた。MS M+Na=314。
【0104】
段階E:還元
−78℃に冷却したTHF(100mL)中のtert−ブチル(3−ベンジル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)カーバメート(4.18g,14.3mmol)の溶液に、DIBAL−H(57.4mL,57.4mL,1M ヘキサン)を15分間で滴下した。反応混合物を−78℃で5時間撹拌し、EtOAcで反応停止させ、ジエチルエーテルおよび水性ロッシェル塩で希釈した。ゲルが破壊され層が形成されるまで激しく撹拌した。有機層を抽出し、水性ロッシェル塩、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(120gのシリカゲル、0から40%のEtOAc、ヘキサン中)によって精製すると、tert−ブチル(3−ベンジル−2−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)カーバメート(中間体I)が白色フォームとして得られた(約1:1のジアステレオマー比)。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.35−7.12(m,5H),5.35(s,0.5H),5.32(s,0.5H),5.97(s,0.5H),4.25(s,0.5H),4.20−4.08(m,1H),4.00−3.86(m,1H),3.48−2.88(m,3H),2.28−1.84(m,2H),1.49(s,4.5H),1.47(s,4.5H)。MS M+Na=316。
【0105】
中間体A メチル 3−(ヒドロキシメチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンゾエート:(スキーム2)
【0106】
【化30】

【0107】
WO2005/032471に記載の中間体Aの製造手順に従い段階A(メシルクロリドによるスルホニル化)、段階B(プロピルヨージドによるアルキル化)、段階C(モノ−加水分解)、段階E(ボランによる還元)によって中間体Aを製造した。
【0108】
中間体B メチル メチル 2’−シアノ−5−(ヒドロキシメチル)ビフェニル−3−カルボキシレート:(スキーム3)
【0109】
【化31】

【0110】
WO2005/032471に記載の中間体Bの製造手順に従い最後の臭素化を削除して中間体Bを製造した。
【0111】
中間体C N−[6−クロロ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミド:(スキーム4)
【0112】
【化32】

【0113】
段階A:スルホンアミド導入
ジオキサン(190mL)中のメチル 2,6−ジクロロイソニコチネート(4.8g,23.3mmol)およびN−プロピルメタンスルホンアミド(3.8g,28.0mmol)の溶液をアルゴンで脱ガスした。三塩基性リン酸カリウム(6.9g,32.6mmol)、キサントホス(810mg,1.40mmol)およびPddba(427mg,0.47mmol)を添加し、反応混合物を密閉下、100℃で16時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、真空下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(2×300gのシリカゲル、0から35%のEtOAc、ヘキサン中)によって精製すると、メチル 2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]イソニコチネートが得られた。H NMR(400MHz,CDOD)δ7.87(s,1H),7.72(s,1H),3.97(s,3H),3.91(t,J=7.2Hz,2H),3.14(s,3H),1.68−1.52(m,2H),0.94(t,J=7.4Hz,3H)。
【0114】
段階B:還元
0℃に冷却したTHF(50mL)中のメチル 2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]イソニコチネート(3.52g,11.47mmol)の溶液にホウ水素化リチウム(17.3mL,34.4mmol,2M THF)をシリンジでゆっくりと添加した。反応混合物を自然に室温まで昇温させ、室温で3時間撹拌した。EtOAc、MeOHおよび水を順次に用いて反応混合物を慎重に反応停止させた。反応混合物をEtOAcで希釈し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に濃縮すると、N−[6−クロロ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミドが粘性の黄色結晶として得られた。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.27(s,1H),7.23(s,1H),4.72(s,2H),3.80(t,J=8Hz,2H),3.00(s,3H),2.02(s,1H),1.59−1.46(m,2H),0.90(t,J=7.6Hz,3H)。
【実施例1】
【0115】
3−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[(メチルスルホニルプロピル)アミノ]ベンズアミド(スキーム5)
【0116】
【化33】

【0117】
段階A:グリコシル化/Boc除去
トルエン(0.6mL)中のtert−ブチル(3−ベンジル−2−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)カーバメート(50mg,0.17mmol,中間体I)および、メチル 3−(ヒドロキシメチル)−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンゾエート(62mg,0.21mmol,中間体A)の溶液に触媒量のpTsAを添加し、反応混合物を密閉下、160℃で4時間撹拌した。反応混合物をイオン交換クロマトグラフィー(Varian SCX、MeOH次いでNH/MeOH)によって精製し、次いで、分取HPLC(5−>95%のCHCN/HO、0.1%TFA添加、C18 Sunfire Waters、30×150mm)によって精製すると、メチル 3−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンゾエートが白色固体として得られた(TFA塩)。1:1のジアステレオマー混合物。MS M+1=477。
【0118】
段階B:加水分解
THF(0.5mL)およびMeOH(0.5mL)中のメチル 3−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンゾエートTFA塩(40mg,0.07mmol)の溶液に1NのLiOH(0.6mL,0.6mmol)を添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌する。1NのHCl(0.4mL,0.4mmol)を添加し、反応混合物を真空下に濃縮すると、3−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸が白色固体として得られる。これをそのまま次段階のカップリングに使用する。
【0119】
段階C:カップリング
DMF(0.6mL)中の3−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]安息香酸(25mg,0.04mmol)、4−フルオロ−R−アルファ−メチル−ベンジルアミン(10mg,0.08mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.02mL,0.11mmol)、BOP試薬(25mg,0.06mmol)の溶液を室温で20分間撹拌し、分取HPLC(5−>95% CHCN/HO、0.1%TFA添加、C18 Sunfire Waters、30×150mm)によって精製すると、3−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−N−[(1R)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ベンズアミド(2つのジアステレオマーは分離)が得られる。MS M+1=584。
【実施例2】
【0120】
3’−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−5’−{[(2R)−2−プロプ−1−イン−1−イルピロリジン−1−イル]カルボニル}ビフェニル−2−カルボニトリル(スキーム6)
【0121】
【化34】

【0122】
3’−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−5’−{[(2R)−2−プロプ−1−イン−1−イルピロリジン−1−イル]カルボニル}ビフェニル−2−カルボニトリルは、実施例1の記載と同様の手順に従って、中間体IとBとのカップリング(段階A)、次いで加水分解(段階B)および(2R)−2−プロプ−1−イン−1−イルピロリジンとのカップリング(段階C)によって製造した。MS M+1=520。
【実施例3】
【0123】
N−[4−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−6−((2−メトキシエチル){[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミド(スキーム7)
【0124】
【化35】

【0125】
段階A:グリコシル化/Boc除去
トルエン(3mL)中のtert−ブチル(3−ベンジル−2−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イル)カーバメート(500mg,1.70mmol、中間体I)およびN−[6−クロロ−4−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミド(451mg,1.62 mmol、中間体C)の溶液に触媒量のpTsAを添加し、反応混合物を密閉下、160℃で4.5時間撹拌した。追加量の中間体A(150mg)を添加し、反応混合物を密閉下、160℃で20時間撹拌した。反応混合物を真空下に濃縮し、粗N−(4−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−6−クロロピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミドを次段階に使用した。MS M+1=454。
【0126】
段階B:Boc導入
THF(10mL)中の粗N−(4−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−6−クロロピリジン−2−イル)−N−プロピルメタンスルホンアミド(800mg,1.76mmol)の溶液にジイソプロピルエチルアミン(1.53mL,8.8mmol)およびジtertブチルジカーボネート(770mg,3.52mmol)を添加し、反応混合物を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(120gのシリカゲル、0から35%のEtOAc、ヘキサン中)によって精製すると、tert−ブチル[3−ベンジル−2−({2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]カーバメートが褐色フォームとして得られた。MS M+1=554。
【0127】
段階C:アミノ化
DMA(5mL)中のtert−ブチル[3−ベンジル−2−({2−クロロ−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]カーバメート(270mg,0.49mmol)および(2−メトキシエチル){[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミン(174mg,1.22mmol、2005年4月20日出願の共有国際特許出願PCT/US2005/013480に記載の手順で製造)の溶液をアルゴンで10分間脱ガスした。三塩基性リン酸カリウム(310mg,1.46mmol)、ジ−トリtertブチルホスフィンパラジウム(25mg,0.05mmol)を添加し、反応混合物をアルゴン下に密閉して120℃で40分間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、水性塩化リチウムで洗浄し(×3)、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(40gのシリカゲル、0から40%のEtOAc、ヘキサン中)によって精製すると、tert−ブチル[3−ベンジル−2−({2−((2−メトキシエチル){[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]カーバメートが黄色フォームとして得られた。MS M+1=661。
【0128】
段階D:Boc除去
tert−ブチル[3−ベンジル−2−({2−((2−メトキシエチル){[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)−6−[(メチルスルホニル)(プロピル)アミノ]ピリジン−4−イル}メトキシ)テトラヒドロフラン−3−イル]カーバメート(180mg,0.27mmol)をDCM(2mL)中のTFA(2mL)で1時間30分処理した。反応混合物を分取HPLC(5−>95% CHCN/HO、0.1% TFA添加、C18 Sunfire Waters、30×150mm)によって精製すると、N−[4−{[(3−アミノ−3−ベンジルテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ]メチル}−6−((2−メトキシエチル){[(1S,2S)−2−メチルシクロプロピル]メチル}アミノ)ピリジン−2−イル]−N−プロピルメタンスルホンアミドが得られた。MS M+1=561。
【0129】
本明細書では以下の略号を使用する:
Me:メチル
Et:エチル
t−Bu:tert−ブチル
Ar:アリール
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
Ac:アセチル
DMF:N,N’−ジメチルホルムアミド
HMDS:ヘキサメチルジシラザン
THF:テトラヒドロフラン
DIBAL:ジイソブチルアルミニウム水素化物
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TMS:トリメチルシリル
pTsA:パラトルエンスルホン酸
DCM:メチレンクロリド
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
CHAPS:3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート
BSA:ウシ血清アルブミン
TFA:トリフルオロ酢酸
rt:室温
aq:水性
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
Ms:メシル
MS:質量分析法。
【0130】
本発明をいくつかの具体的実施態様について記載し説明してきたが、本発明の要旨および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な応用、変更、修正、置換、削除または追加が可能であることは当業者に理解されよう。従って、本発明は特許請求の範囲によって定義され、これらの特許請求の範囲は妥当な限り広義に解釈されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
YはNまたはCHであり;
Qは−C0−3アルキレンであり、前記アルキレンは未置換または1つ以上の
(1)ハロ、
(2)−C3−12シクロアルキル、
(3)−OH、
(4)−CN、
(5)−O−C1−10アルキル、および、
(6)−C1−10アルキル
で置換されており;
は、
(1)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、
(2)ヘテロアリール、
(3)−C1−10アルキル、および、
(4)場合によってはC6−10アリール基に融合した−C3−8シクロアルキルであり、これらのアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは未置換または1つ以上の
(a)ハロ、
(b)未置換またはハロゲン置換−C1−10アルキル、
(c)−OH、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−C3−12シクロアルキル、および
(g)−NR1213
で置換されており、ここにR12およびR13
(i)水素、
(ii)−C1−10アルキル、および、
(iii)−C0−6アルキル−C6−10アルキルから成るグループから選択されており;
は、
(1)(R−SO)N(R)、
ここにRは、
(a)C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)C2−10アルキニル、または、
(d)−C3−8シクロアルキル、
から選択され、これらのアルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−C2−10アルケニル、
(vii)−C2−10アルキニル、
(viii)−C3−8シクロアルキル、
(ix)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、または、
(x)ヘテロアリール
で置換され、これらのアリールおよびヘテロアリールは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)−C1−10アルキル、
(vii)−C2−10アルケニル、または、
(viii)−C2−10アルキニル
で置換され、
は、
(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、または、
(d)−C2−10アルキニル
から成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、
(vi)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、または、
(vii)ヘテロアリール
で置換され、これらのシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−10アルキル、
(v)−C3−8シクロアルキル、または、
(vi)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール
で置換されている、
(2)
【化2】

および
(3)
【化3】

から成るグループから選択され;

【化4】

から成るグループから選択され、
ここにRは、
(1)−C1−10アルキル、
(2)−C2−10アルケニル、または、
(3)−C2−10アルキニルから成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるかまたは1つ以上のハロによって置換され、
6a、R6bおよびR6cは独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−10アルキル、
(4)−C2−10アルケニル、
(5)−C2−10アルキニル、
(6)−OH、
(7)−CN、
(8)−C3−8シクロアルキル、および、
(9)−O−C1−10アルキル
から成るグループから選択され、
およびR10は独立に、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、または、
(5)−C3−8シクロアルキル
から成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキルは未置換であるかまたは1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、または、
(e)−O−C1−10アルキルで置換されているか、
または、RとR10とはそれらが結合している窒素原子と共にピロリジン環を形成しており、該ピロリジン環は未置換であるかまたは1つ以上の
(a)−C1−10アルキル、
(b)−C2−10アルケニル、
(c)−C2−10アルキニル、
(d)−C3−8シクロアルキル、
(e)−(CH)n−フェニル、
(f)−CN
で置換されており、これらのアルキル、アルケニルまたはアルキニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−OC1−10アルキル、または、
(v)−C3−8シクロアルキル
で置換されており、これらのシクロアルキルおよびフェニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−10アルキル、
(iii)−C2−10アルケニル、
(iv)−C2−10アルキニル、
(v)−OH、
(vi)−CN、
(vii)−C3−8シクロアルキル、または、
(viii)−O−C1−10アルキル
で置換されており、
は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、または、
(5)−CH−フェニル
から成るグループから選択され、これらのアルキル、アルケニル、アルキニルまたはフェニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C3−8シクロアルキル、および、
(e)−O−C1−10アルキル
で置換されており、
12は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)ハロ、
(6)−C3−8シクロアルキル、
(7)フェニルおよびナフチルから成るグループから選択されたアリール、および、
(8)ヘテロアリール
から成るグループから選択され、これらのアリールおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1つ以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−O−C1−10アルキル、
(e)−C3−8シクロアルキル、
(f)−C1−10アルキル、
(g)−C2−10アルケニル、または、
(h)−C2−10アルキニル
で置換されており;
nは0、1、2、3または4であり;
pは1、2、3または4である]
の化合物および医薬として許容されるその塩ならびにその個々の鏡像異性体およびジアステレオマー。
【請求項2】
がフェニルであり、QがCHである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が4−フルオロフェニルでありQがCHである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、ピリジル、チエニル、チアゾールおよびインジニルから成るグループから選択されたヘテロアリールである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がC1−12アルキルまたはC3−8シクロアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、
(1)(R−SO)N(R)−,ここにRは−C1−6アルキルであり、このアルキルは未置換または1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−6アルキル、または、
(v)−C1−6アルキル
で置換され、
は、
(a)水素、
(b)−C1−6アルキル
から成るグループから選択され、前記アルキルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−O−C1−6アルキル、
(v)−C1−6アルキルで置換されている、
(2)
【化5】

および
(3)
【化6】

から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項7】

【化7】

から成るグループから選択され、式中のRが、場合により1つ以上のハロゲン(好ましくはフルオロ)で置換されたC1−6アルキルであり、
6a、R6bおよびR6cが独立に、
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−OH、
(5)−CN、および、
(6)−O−C1−6アルキル
から成るグループから選択され、
およびR10が独立に、
(1)水素、および、
(2)−C1−6アルキル
から選択されるか、または、
とR10とはそれらが結合している窒素原子と共にピロリジン環を形成し、該ピロリジン環は未置換であるかまたは1つ以上の
(a)C1−6アルキル、
(b)−(CH)n−フェニル
で置換され、これらのアルキルおよびフェニルは未置換であるかまたは1つ以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、
(iii)−OH、
(iv)−CN、または、
(v)−O−C1−6アルキル
で置換されており;
12は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル
から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】

【化8】

であり、式中のR、R6a、R6bおよびR6cが上記の定義と同義である。好ましい実施態様でRが場合により1つ以上のハロゲン(好ましくはフルオロ)で置換されたC1−6アルキルであり、R6a、R6bおよびR6cは独立に
(1)水素、
(2)ハロ、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−OH、
(5)−CN、および、
(6)−O−C1−6アルキル
から成るグループから選択される請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
がメチルであり、R6aおよびR6bが水素であり、R6cがフルオロである請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
YがCHである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
YがNである請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
式(II)
【化9】

[式中、R、RおよびYは請求項1の定義と同義である]の化合物および医薬的に許容されるその塩ならびにその個々の鏡像異性体およびジアステレオマー。
【請求項13】
【化10】


から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物および医薬的に許容されるその塩。
【請求項14】
治療有効量の請求項1に記載の化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項15】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を哺乳動物に投与する段階を含む、その必要がある哺乳動物のBACE1酵素活性の阻害方法。
【請求項16】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を哺乳動物に投与する段階を含む、その必要がある哺乳動物のBACE2酵素活性の阻害方法。
【請求項17】
治療有効量の請求項1に記載の化合物を患者に投与する段階を含む要治療患者のアルツハイマー病の治療方法。
【請求項18】
アルツハイマー病治療用医薬を製造するための請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−503085(P2009−503085A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525082(P2008−525082)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029766
【国際公開番号】WO2007/019111
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】