アルドラーゼ、それらをコードする核酸ならびにそれらの作製および使用方法

【課題】 HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチド、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを作製および使用する方法を提供する。
【解決手段】 アルドラーゼ活性を有するポリペプチド、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを天然の起源から単離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2006年3月7日に提出された米国特許仮出願第60/780,515号の利益を請求するものである。
【0002】
技術分野
本発明は、分子生物学および細胞生物学ならびに生化学に関する。より具体的には、本発明は、アルドラーゼ活性を有するポリペプチド、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを作製および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モナチンは、化学式:
【化1】

を有する強力な甘味料である。
【0004】
モナチンは、4種の潜在的な立体異性配置をもたらす2個のキラル中心を含む。すなわち、R,R配置(「R,R立体異性体」または「R,Rモナチン」);S,S配置(「S,S立体異性体」または「S,Sモナチン」);R,S配置(「R,S立体異性体」または「R,Sモナチン」);およびS,R配置(「S,R立体異性体」または「S,Rモナチン」)である。本明細書で用いられる用語「モナチン」は、別途指摘しない限り、モナチンの4種全部の立体異性体を含む組成物、モナチン立体異性体のいずれかの組合せを含む組成物(モナチンのR,RおよびS,S立体異性体のみを含む組成物など)、ならびに単一の異性形態を指すように用いられる。
【0005】
本開示の目的のために、モナチン炭素主鎖を、上記に例示されたように番号付けし、アルコール基に直接共有結合した炭素を、2位炭素として同定し、アミノ基に直接共有結合した炭素を4位炭素として同定する。結果として、本明細書におけるR,Rモナチン、S,Sモナチン、R,Sモナチン、およびS,Rモナチンに対する参照は、特に指摘しない限り、それぞれ2R,4Rモナチン、2S,4Sモナチン、2R,4Sモナチン、および2S,4Rモナチンを意味する。
【0006】
文献においては、モナチン炭素主鎖も、アルコール基に結合した炭素が4位炭素であり、アミノ基に結合した炭素が2位炭素であるように、代替的な慣例を用いて番号付けされていることに留意すべきである。従って、例えば、本開示における2S,4Rモナチンに対する参照は、代替的な番号付け慣例を用いる文献においては、2R,4Sモナチンに対する参照と同じであってよい。
【0007】
さらに、様々な命名法のため、モナチンは、2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-アミノグルタル酸;4-アミノ-2-ヒドロキシ-2-(1H-インドール-3-イルメチル)-ペンタンジオン酸;4-ヒドロキシ-4-(3-インドイルメチル)グルタル酸;および3-(1-アミノ-1,3-ジカルボキシ-3-ヒドロキシ-ブト-4-イル)インドールなどの、いくつかの代替的な化学名によって知られる。
【0008】
モナチンの特定の異性形態を、南アフリカのトランスバール地方に自生するシュレロチトン・イリシホリアス(Schlerochiton ilicifolius)の根皮中に見出すことができる。参照により本明細書に組み入れられるものとする米国特許出願第10/422,366号(「366号出願」)および同第10/979,821号(「821号出願」)は、特に、モナチンのin vitroおよびin vivo産生のためのポリペプチド、経路、および微生物を開示している。
【発明の概要】
【0009】
発明の概要
本発明は、限定されるものではないが、HMGおよびKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性を含むアルドラーゼ活性(本明細書では以後「アルドラーゼ」と呼ぶ)を有するポリペプチド、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびに該ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを作製および使用するための方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明はまた、本発明に従うポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む組成物(医薬組成物、燃料および燃料添加用組成物、食品および食品添加物、飲料および飲料添加物、飼料および飼料添加物、薬剤および薬剤添加物、栄養補助食品)も提供する。これらの組成物を、錠剤、ゲル、ピル、埋め込み物、液体、スプレー、フィルム、ミセル、粉末、食品、飼料ペレットまたは任意の型のカプセル形態などの様々な形態に製剤化することができる。
【0010】
いくつかの実施形態においては、アルドラーゼおよび/またはその組成物は、医薬、産業、および/または農業状況において有用であってよい。
【0011】
いくつかの実施形態においては、アルドラーゼおよび/またはその組成物は、炭素-炭素結合を形成させるか、または切断するのに有用であってよい。
【0012】
いくつかの実施形態においては、α-ケト酸受容体と、ピルビン酸またはピルビン酸誘導体供与体との間の炭素-炭素結合形成反応を触媒するアルドラーゼを提供する(以下の反応スキームを参照)。いくつかの実施形態においては、前記受容体はケトンまたはアルデヒドであってもよい。いくつかの実施形態においては、4-ヒドロキシ-2-オキソグルタル酸アルドラーゼ(2-ケト-4-ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ、2-オキソ-4-ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ、KHG-アルドラーゼ、EC 4.1.3.16)活性を有し、以下の反応:4-ヒドロキシ-2-オキソグルタル酸<=>ピルビン酸+グリオキシル酸を触媒するアルドラーゼを提供する。いくつかの実施形態においては、HMG-アルドラーゼ(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソグルタル酸アルドラーゼ、ピルビン酸アルドラーゼ、γ-メチル-γ-ヒドロキシ-α-ケトグルタル酸アルドラーゼ、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ケトグルタル酸アルドラーゼ、EC 4.1.3.17)活性を有し、以下の反応:4-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソグルタル酸<=>2-ピルビン酸を触媒するアルドラーゼを提供する。HMGアルドラーゼは、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-オキソアジピン酸および4-カルボキシ-4-ヒドロキシ-2-オキソヘキサジオン酸に対しても作用するであろう。
【化2】

【0013】
[式中、
R=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R2=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R3=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル、カルボン酸]。
【0014】
いくつかの実施形態においては、3,4-置換-2-ケト-グルタル酸の産生を容易にする、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼを提供する。一実施形態においては、本発明は、3,4-置換-2-ケト-グルタル酸を作製する方法であって、(a)限定されるものではないが、HMGアルドラーゼおよび/もしくはKMGアルドラーゼ活性などの、ピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)供与体および受容体化合物を提供すること;ならびに(c)アルドラーゼが3,4-置換-2-ケト-グルタル酸の合成を触媒し、必要に応じて、該供与体および受容体がピルビン酸もしくはピルビン酸供与体およびα-ケト酸受容体、ケトンおよび/もしくはアルデヒドである条件下で、工程(a)のポリペプチドと、工程(b)の化合物とを接触させることを含む前記方法を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態においては、モナチン前駆体であるR-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(R-MP)の産生を容易にするアルドラーゼを提供する。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼを、D-アミノトランスフェラーゼと共に用いて、4-置換D-グルタミン酸またはその誘導体を作製することができる。4-置換D-グルタミン酸および/またはその誘導体は、細菌のグルタミン酸ラセマーゼを阻害することが見出されているため(WO 0214261A3)、これらの化合物を抗生物質として用いることができる。一実施形態においては、本発明は、4-置換D-グルタミン酸を作製する方法であって、(a)限定されるものではないが、HMGアルドラーゼおよび/またはKMGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)α-ケト酸受容体およびピルビン酸またはピルビン酸供与体を提供すること;ならびに(c)アルドラーゼが4-置換D-グルタミン酸の合成を触媒し、必要に応じて、該ポリペプチドがピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼおよび/またはKHGアルドラーゼ活性を有し、必要に応じて、該方法がD-アミノトランスフェラーゼの使用をさらに含む条件下で、工程(a)のポリペプチドと、工程(b)の化合物とを接触させることを含む、前記方法を提供する。
【0016】
本発明は、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する核酸配列を含む単離された、合成または組換え核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、1種以上の核酸は、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などの、ピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有する少なくとも1種のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態においては、配列同一性を、配列比較アルゴリズムを用いる分析により、または視覚的検査により決定する。
【0017】
代替的な実施形態においては、1種以上の核酸は、本発明のポリペプチドに特異的に結合することができる抗体を生成することができる少なくとも1種のポリペプチドをコードするか、またはこれらの核酸を、アルドラーゼをコードする核酸を同定もしくは単離するためのプローブとして、またはアルドラーゼを発現する核酸の発現を阻害するために用いることができる。
【0018】
本発明に従う核酸としては、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、および配列番号334に記載の配列を有する1種以上のポリペプチドを含む酵素などの、本発明に従う酵素をコードする単離された、合成または組換え核酸、ならびにそのサブ配列、その変異体および酵素的に活性な断片も挙げられる。いくつかの実施形態においては、前記ポリペプチドは、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有する。
【0019】
いくつかの実施形態においては、本発明は、好ましくは混合された培養物から誘導された、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼをコードする核酸などのピルビン酸アルドラーゼをコードする核酸などのアルドラーゼをコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150個以上の領域に渡って、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する配列などの、本発明に従うポリヌクレオチドを含む混合された培養物から単離された、炭素-炭素結合を形成するか、または切断する酵素をコードする核酸を提供する。
【0020】
いくつかの実施形態においては、本発明は、好ましくは環境資源などの一般的な資源から誘導された、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334などの、本発明に従うポリペプチドなどの、本発明に従う酵素を含む、本発明に従うポリヌクレオチド配列およびそれらによりコードされるポリペプチドを含む、ピルビン酸アルドラーゼ酵素、HMGおよび/またはKHG酵素をコードする核酸などのアルドラーゼ酵素をコードする核酸ならびにその酵素的に活性な断片を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明はまた、好ましくは、混合された環境資源などの環境資源から誘導された、ピルビン酸アルドラーゼ酵素、HMGおよび/またはKHG酵素をコードする核酸などのアルドラーゼ酵素をコードする核酸も提供する。
【0021】
いくつかの実施形態においては、配列比較アルゴリズムは、フィルタリング設定をblastall-p blastp-d「nr pataa」-F Fに設定し、他のオプション全部をデフォルトに設定する、BLASTバージョン2.2.2アルゴリズムである。
【0022】
本発明の他の実施形態は、本発明に従う核酸配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の連続した塩基を含む単離された、合成または組換え核酸、それと実質的に同一な配列、およびそれと相補的な配列である。
【0023】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う単離された、合成または組換え核酸は、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有する、温度安定性のポリペプチドをコードする。本発明に従う温度安定性ポリペプチドは、約-100℃〜-80℃、約-80℃〜約-40℃、約-40℃〜約-20℃、約-20℃〜約0℃、約0℃〜約37℃、約0℃〜約5℃、約5℃〜約15℃、約15℃〜約25℃、約25℃〜約37℃、約37℃〜約45℃、約45℃〜約55℃、約55℃〜約70℃、約70℃〜約75℃、約75℃〜約85℃、約85℃〜約90℃、約90℃〜約95℃、約95℃〜約100℃、約100℃〜約105℃、約105℃〜約110℃、約110℃〜約120℃、または95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃以上の温度範囲を含む条件下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を保持することができる。本発明に従う温度安定性ポリペプチドは、約-100℃〜-80℃、約-80℃〜約-40℃、約-40℃〜約-20℃、約-20℃〜約0℃、約0℃〜約5℃、約5℃〜約15℃、約15℃〜約25℃、約25℃〜約37℃、約37℃〜約45℃、約45℃〜約55℃、約55℃〜約70℃、約70℃〜約75℃、約75℃〜約85℃、約85℃〜約90℃、約90℃〜約95℃、約95℃〜約100℃、約100℃〜約105℃、約105℃〜約110℃、約110℃〜約120℃、または95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃以上の範囲の温度において、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を保持することができる。いくつかの実施形態においては、本発明に従う温度安定性ポリペプチドは、約pH 3.0、約pH 3.5、約pH 4.0、約pH 4.5、約pH 5.0、約pH 5.5、約pH 6.0、約pH 6.5、約pH 7.0、約pH 7.5、約pH 8.0、約pH 8.5、約pH 9.0、約pH 9.5、約pH 10.0、約pH 10.5、約pH 11.0、約pH 11.5、約pH 12.0以上で、上記の範囲の温度でアルドラーゼ活性を保持する。
【0024】
他の実施形態においては、前記単離された、合成または組換え核酸は、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有する、耐熱性であるポリペプチドをコードする。本発明に従う耐熱性ポリペプチドは、約-100℃〜-80℃、約-80℃〜約-40℃、約-40℃〜約-20℃、約-20℃〜約0℃、約0℃〜約5℃、約5℃〜約15℃、約15℃〜約25℃、約25℃〜約37℃、約37℃〜約45℃、約45℃〜約55℃、約55℃〜約70℃、約70℃〜約75℃、約75℃〜約85℃、約85℃〜約90℃、約90℃〜約95℃、約95℃〜約100℃、約100℃〜約105℃、約105℃〜約110℃、約110℃〜約120℃、または95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃以上の範囲の温度を含む条件に曝露した後、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などの、ピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を保持することができる。本発明に従う耐熱性ポリペプチドは、約-100℃〜-80℃、約-80℃〜約-40℃、約-40℃〜約-20℃、約-20℃〜約0℃、約0℃〜約5℃、約5℃〜約15℃、約15℃〜約25℃、約25℃〜約37℃、約37℃〜約45℃、約45℃〜約55℃、約55℃〜約70℃、約70℃〜約75℃、約75℃〜約85℃、約85℃〜約90℃、約90℃〜約95℃、約95℃〜約100℃、約100℃〜約105℃、約105℃〜約110℃、約110℃〜約120℃、または95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、100℃、101℃、102℃、103℃、104℃、105℃、106℃、107℃、108℃、109℃、110℃、111℃、112℃、113℃、114℃、115℃以上の範囲の温度に曝露した後、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を保持することができる。いくつかの実施形態においては、本発明に従う耐熱性ポリペプチドは、約pH 3.0、約pH 3.5、約pH 4.0、約pH 4.5、約pH 5.0、約pH 5.5、約pH 6.0、約pH 6.5、約pH 7.0、約pH 7.5、約pH 8.0、約pH 8.5、約pH 9.0、約pH 9.5、約pH 10.0、約pH 10.5、約pH 11.0、約pH 11.5、約pH 12.0以上で、上記の範囲の温度に曝露した後、アルドラーゼ活性を保持する。
【0025】
本発明は、ストリンジェントな条件下で、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、もしくは配列番号338に記載の配列、またはその断片もしくはサブ配列などの、本発明に従う核酸にハイブリダイズする配列を含む単離された、合成または組換え核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、前記核酸は、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。前記核酸は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200個以上の残基長または完全長の遺伝子もしくは転写物であってよい。いくつかの実施形態においては、ストリンジェントな条件は、約65℃の温度で約15分間の0.2X SSC中での洗浄を含む洗浄工程を含む。
【0026】
本発明は、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定または単離するための核酸プローブであって、本発明に従う配列の約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000個以上の連続する塩基を含み、結合またはハイブリダイゼーションにより該核酸を同定する、前記プローブを提供する。前記プローブは、本発明に従う配列の約10〜100個の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチド、またはその断片もしくはサブ配列、例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100個以上の塩基、またはその間の任意の所望の長さを含んでもよい。
【0027】
本発明は、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定または単離するための核酸プローブであって、本発明の核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、または完全(100%)な配列同一性を有するポリヌクレオチドなどの、本発明に従う核酸の少なくとも約10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000個以上の残基の配列を含む核酸を含む、前記プローブを提供する。いくつかの実施形態においては、前記配列同一性を、配列比較アルゴリズムを用いる分析により、または視覚的検査により決定する。他の実施形態においては、前記プローブは、本発明に従う核酸配列の少なくとも約10〜100個の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチド、またはそのサブ配列、例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100個以上、またはその間の任意の所望の長さを含んでもよい。
【0028】
本発明は、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する(PCRなどによる)ための増幅プライマー対であって、各プライマー対が、本発明に従う配列を含む核酸、またはその断片もしくはサブ配列を増幅することができる、前記プライマー対を提供する(配列表を参照)。前記増幅プライマー配列対の1つまたはそれぞれのメンバーは、少なくとも約10〜50個以上の連続する塩基の配列、または約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36個以上の連続する塩基の配列を含むオリゴヌクレオチドを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、それぞれのプライマー対が、本発明に従う核酸のほぼ最初の(5'側)の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36個以上の残基により記載される配列を有する第1のメンバーと、第1のメンバーの相補鎖のほぼ最初の(5'側)の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36個以上の残基により記載される配列を有する第2のメンバーとを含む、増幅プライマー対を提供する。
【0029】
本発明は、本発明に従う増幅プライマー対を用いる、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅により作製されたピルビン酸アルドラーゼをコードする核酸、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼをコードする核酸などのアルドラーゼをコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う増幅プライマー対を用いる、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅により作製されたピルビン酸アルドラーゼをコードする核酸、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼをコードする核酸などのアルドラーゼをコードする核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う増幅プライマー対を用いる、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅による、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのアルドラーゼを作製する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記増幅プライマー対は、環境ライブラリーなどの遺伝子ライブラリーなどのライブラリーに由来する核酸を増幅する。
【0030】
本発明は、本発明に従う核酸配列、またはその断片もしくはサブ配列を増幅することができる増幅プライマー配列対を用いる鋳型核酸の増幅を含む、限定されるものではないが、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法を提供する。
【0031】
本発明は、本発明に従う核酸またはそのサブ配列を含む発現カセットを提供する。いくつかの実施形態においては、前記発現カセットは、プロモーターに機能し得る形で連結された核酸を含んでもよい。このプロモーターは、ウイルス、細菌、哺乳動物、菌類、酵母、または植物のプロモーターであってよい。いくつかの実施形態においては、植物プロモーターは、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、小麦、タバコまたは大麦プロモーターであってよい。該プロモーターは、構成的プロモーターであってよい。構成的プロモーターは、CaMV35Sを含んでもよい。他の実施形態においては、前記プロモーターは誘導的プロモーターであってよい。いくつかの実施形態においては、該プロモーターは組織特異的プロモーターまたは環境的に調節されるか、もしくは発生調節されるプロモーターであってよい。かくして、前記プロモーターは、種子特異的、根特異的、幹特異的または器官脱離誘導プロモーターなどであってよい。いくつかの実施形態においては、前記発現ベクターは、植物または植物ウイルス発現ベクターをさらに含んでもよい。
【0032】
本発明は、本発明に従う発現カセット(ベクターなど)または本発明に従う核酸を含むクローニングビヒクルを提供する。このクローニングビヒクルは、ウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージまたは人工染色体であってよい。前記ウイルスベクターとしては、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターが挙げられる。クローニングビヒクルとしては、細菌人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1由来ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)、または哺乳動物人工染色体(MAC)が挙げられる。
【0033】
本発明は、本発明に従う核酸もしくは本発明に従う発現カセット(ベクターなど)、または本発明に従うクローニングビヒクルを含む形質転換細胞を提供する。いくつかの実施形態においては、形質転換細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞、菌類細胞、酵母細胞、昆虫細胞または植物細胞であってよい。いくつかの実施形態においては、前記植物細胞は、大豆、菜種、アブラナ、トマト、サトウキビ、穀類、ジャガイモ、小麦、イネ、トウモロコシ、タバコまたは大麦細胞であってよい。
【0034】
本発明は、本発明に従う核酸または本発明に従う発現カセット(ベクターなど)を含むトランスジェニック非ヒト動物を提供する。いくつかの実施形態においては、前記動物はマウス、ラット、ブタ、ヤギまたはヒツジである。
【0035】
本発明は、本発明に従う核酸または本発明に従う発現カセット(ベクターなど)を含むトランスジェニック植物を提供する。トランスジェニック植物は、穀類植物、トウモロコシ植物、ジャガイモ植物、トマト植物、小麦植物、アブラナ植物、菜種植物、大豆植物、イネ植物、大麦植物またはタバコ植物であってよい。
【0036】
本発明は、本発明に従う核酸または本発明に従う発現カセット(ベクターなど)を含むトランスジェニック種子を提供する。トランスジェニック種子は、穀類植物、トウモロコシ植物、小麦穀粒、アブラナ、菜種、大豆種子、パーム核、ヒマワリ種子、ゴマ種子、ピーナッツまたはタバコ植物種子であってよい。
【0037】
本発明は、本発明に従う核酸と相補的であるか、またはストリンジェントな条件下でそれにハイブリダイズすることができる核酸を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、細胞中でのピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素メッセージの翻訳を阻害する方法であって、本発明に従う核酸と相補的であるか、またはストリンジェントな条件下でそれにハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを、該細胞に投与するか、または該細胞中で発現させることを含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さ約10〜約50、約20〜約60、約30〜約70、約40〜約80、または約60〜約100塩基、例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100個以上の塩基である。
【0038】
本発明は、細胞中でのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素メッセージの翻訳を阻害する方法であって、本発明に従う核酸と相補的であるか、またはストリンジェントな条件下でそれにハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを、該細胞に投与するか、または該細胞中で発現させることを含む、前記方法を提供する。
【0039】
本発明は、本発明に従う配列のサブ配列を含む二本鎖阻害RNA(RNAi、またはRNA干渉)分子(転写を阻害するための小さい干渉RNA、もしくはsiRNA、および翻訳を阻害するための、マイクロRNA、もしくはmiRNAなど)を提供する。いくつかの実施形態においては、siRNAは、約21〜約24残基であるか、または少なくとも長さ約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100個以上の二本鎖ヌクレオチドである。いくつかの実施形態においては、本発明は、細胞中でのHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の発現を阻害する方法であって、二本鎖阻害RNA(siRNAまたはmiRNA)を、該細胞に投与するか、または該細胞中で発現させることを含み、該RNAが本発明に従う配列のサブ配列を含む、前記方法を提供する。
【0040】
本発明は、本発明に従うポリペプチドもしくはペプチドに対して、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350個以上の領域に渡って、または該ポリペプチドの完全長に渡って、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、または完全(100%)な配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離された、合成または組換えポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態においては、配列同一性を、配列比較アルゴリズムを用いる分析により、または視覚的検査により決定する。本発明に従うポリペプチドまたはペプチド配列としては、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、および配列番号334、ならびにそのサブ配列、その変異体およびその酵素的に活性な断片が挙げられる。本発明に従うポリペプチドとしては、長さ少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600個以上の残基の断片、または完全長の酵素も挙げられる。本発明に従うポリペプチドまたはペプチド配列は、本発明に従う核酸によりコードされる配列を含む。本発明に従うポリペプチドまたはペプチド配列は、本発明に従う抗体により特異的に結合されたポリペプチドもしくはペプチド(エピトープなど)、または本発明に従う抗体を生成することができるポリペプチドもしくはペプチド(免疫原など)を含む。
【0041】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うポリペプチドは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素活性などのピルビン酸アルドラーゼなどの少なくとも1種のアルドラーゼ酵素活性を有する。他の実施形態においては、本発明に従うポリヌクレオチドは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素活性などのピルビン酸アルドラーゼなどの少なくとも1種のアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする。
【0042】
本発明の別の実施形態は、単離された、合成または組換えポリペプチドもしくはペプチドであって、それと実質的に同一であり、かつそれと相補的である少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150個以上の連続する塩基の本発明に従うポリペプチドもしくはペプチド配列を含む前記ポリペプチドもしくはペプチドを提供する。該ペプチドは、免疫原性断片、モチーフ(結合部位など)、シグナル配列、プレプロ配列または活性部位などであってよい。
【0043】
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする配列と、シグナル配列とを含む単離された、合成または組換え核酸であって、本発明に従う配列を含む前記核酸を提供する。「シグナル配列」は、分泌シグナルまたは宿主細胞からの本発明に従うアルドラーゼの分泌を容易にする他のドメインを意味する。シグナル配列を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどの別のアルドラーゼ、または非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼ酵素(異種)などの非ピルビン酸アルドラーゼなどの非アルドラーゼから誘導することができる。いくつかの実施形態においては、本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする配列を含む単離された、合成または組換え核酸であって、該配列がシグナル配列を含まず、該核酸が本発明に従う配列を含む、前記核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、シグナル配列の全部または一部を欠く本発明に従うポリペプチドを含む単離された、合成または組換えポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態においては、単離された、合成または組換えポリペプチドは、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素シグナル配列などのピルビン酸アルドラーゼなどの異種アルドラーゼまたは非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼ酵素シグナル配列などの非ピルビン酸アルドラーゼなどの非アルドラーゼなどの異種シグナル配列を含む本発明に従うポリペプチドを含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うシグナル配列を含む第1ドメインと、少なくとも第2ドメインを含むキメラタンパク質を提供する。該タンパク質は融合タンパク質であってよい。第2ドメインは酵素を含んでもよい。該タンパク質は非酵素であってもよい。
【0045】
本発明は、本発明に従うシグナルペプチド(SP)、プレプロ配列および/もしくは触媒ドメイン(CD)を含む少なくとも第1ドメインと、該シグナルペプチド(SP)、プレプロ配列および/もしくは触媒ドメイン(CD)と天然に結合しない、異種ポリペプチドもしくはペプチドを含む少なくとも第2ドメインとを含むキメラポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態においては、異種ポリペプチドまたはペプチドは、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのアルドラーゼではない。異種ポリペプチドまたはペプチドは、シグナルペプチド(SP)、プレプロ配列および/または触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシ末端、または両末端にあってよい。
【0046】
本発明は、本発明に従うシグナルペプチド(SP)、プロプロドメインおよび/もしくは触媒ドメインを含む少なくとも第1ドメインと、該シグナルペプチド(SP)、プレプロドメインおよび/もしくは触媒ドメイン(CD)と天然に結合しない、異種ポリペプチドもしくはペプチドを含む少なくとも第2ドメインとを含むキメラポリペプチドをコードする単離された、合成または組換え核酸を提供する。
【0047】
本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、もしくは配列番号334などの、本発明に従うポリペプチドの残基1〜14、1〜15、1〜16、1〜17、1〜18、1〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜28、1〜29、1〜30、1〜31、1〜32、1〜33、1〜34、1〜35、1〜36、1〜37、1〜38、1〜40、1〜41、1〜42、1〜43、1〜44、1〜45、1〜46もしくは1〜47に記載の配列からなるか、またはそれを含む単離された、合成または組換えシグナル配列(シグナルペプチドなど)を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドの最初の14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70個以上のアミノ末端残基を含むシグナル配列を提供する。
【0048】
いくつかの実施形態においては、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性は、タンパク質1ミリグラムあたり、約10〜約12,000単位の比活性を含む。他の実施形態においては、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性は、タンパク質1ミリグラムあたり、約1000〜約10,000単位、またはタンパク質1ミリグラムあたり約5000〜約7500単位の比活性を含む。あるいは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性は、タンパク質1ミリグラムあたり約10〜約7500単位、またはタンパク質1ミリグラムあたり約5000〜約12,000単位の範囲の比活性を含む。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性は、タンパク質1ミリグラムあたり約10〜約5000単位、またはタンパク質1ミリグラムあたり約7500〜約10,000単位の範囲の比活性を含む。他の実施形態においては、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性は、タンパク質1ミリグラムあたり約10〜約2500単位の範囲の比活性を含む。あるいは、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性は、タンパク質1ミリグラムあたり約10〜約1000単位の範囲の比活性を含む。HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどの様々なアルドラーゼの活性を測定するための例示的な方法は、一般的基質である4-カルボキシ-4-ヒドロキシ-2-オキソアジピン酸(「CHA」)を用いる。典型的なアッセイは、50 mMリン酸ナトリウムpH 7.5、1 mM MgCl2、1 mM CHA、10μg/ml ラクトバチルス・レイシュマニ(Lactobacillus leichmanii)由来D-乳酸デヒドロゲナーゼ(「LDH」)(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)、0.5 mM NADHを含む。このアッセイを、測定しようとする酵素を添加することにより開始させる。NAD+の形成に結合されたピルビン酸の遊離
を、340 nmで分光光度計中で連続的にモニターする。酵素活性の単位を、1分あたり1 ODにより340 nmでの吸光度を低下させるのに十分なピルビン酸を遊離する量と定義する。
【0049】
他の実施形態においては、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼの耐熱性は、約0℃〜約20℃、約20℃〜約37℃、約37℃〜約50℃、約50℃〜約70℃、約70℃〜約75℃、約75℃〜約80℃、約80℃〜約85℃、約85℃〜約90℃、約90℃〜約95℃、約95℃〜約100℃、約100℃〜約110℃以上の温度などの、高温に加熱した後、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼの比活性の少なくとも半分の保持を含む。あるいは、耐熱性は、上記のような高温に加熱した後、タンパク質1ミリグラムあたり約10〜約12,000単位、またはタンパク質1ミリグラムあたり約5000〜約10,000単位の比活性の保持を含んでもよい。他の実施形態においては、耐熱性は、上記のような高温に加熱した後、タンパク質1ミリグラムあたり約10〜約5000単位の範囲の比活性の保持を含んでもよい。
【0050】
本発明は、少なくとも1個の糖鎖付加部位を含む、本発明に従う単離された、合成または組換えポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態においては、糖鎖はN結合糖鎖であってよい。いくつかの実施形態においては、前記ポリペプチドを、ピチア・パストリス(P. pastoris)もしくはシゾサッカロミセス・ポンベ(S. pombe)宿主または哺乳動物宿主細胞中で発現させた後、糖鎖付加することができる。
【0051】
いくつかの実施形態においては、前記ポリペプチドは、約pH 6.5、pH 6、pH 5.5、pH 5、pH 4.5、pH 4.0、pH 3.5、pH 3.0以下(より酸性)のpHを含む条件下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を保持することができる。他の実施形態においては、前記ポリペプチドは、約pH 7、pH 7.5、pH 8.0、pH 8.5、pH 9、pH 9.5、pH 10、pH 10.5、pH 11.0、pH 11.5、pH 12、pH 12.5以上(より塩基性)のpHを含む条件下で、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を保持することができる。いくつかの実施形態においては、前記ポリペプチドは、約pH 6.5、pH 6、pH 5.5、pH 5、pH 4.5、pH 4.0、pH 3.5、pH 3.0以下(より酸性)のpHを含む条件に曝露した後、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を保持することができる。他の実施形態においては、前記ポリペプチドは、約pH 7、pH 7.5、pH 8.0、pH 8.5、pH 9、pH 9.5、pH 10、pH 10.5、pH 11.0、pH 11.5、pH 12、pH 12.5以上(より塩基性)のpHを含む条件に曝露した後、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を保持することができる。
【0052】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼは、小腸などの消化管のアルカリ条件などのアルカリ条件下で活性を有する。いくつかの実施形態においては、前記ポリペプチドは、胃の酸性pHに曝露した後、活性を保持することができる。
【0053】
本発明は、液体、固体またはゲルを含む、本発明に従うポリペプチド(ペプチドなど)を含むタンパク質調製物を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドと、ポリペプチドまたは他の(第2の)ドメインなどの第2のメンバーとを含むヘテロダイマーを提供する。該ヘテロダイマーの第2のメンバーは、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどの異なるアルドラーゼ、異なる酵素または別のタンパク質であってよい。いくつかの実施形態においては、第2のドメインはポリペプチドであってよく、ヘテロダイマーは融合タンパク質であってよい。いくつかの実施形態においては、第2のドメインはエピトープまたはタグであってよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドを含む、限定されるものではないが、ホモダイマー、ホモトリマー、ホモテトラマー、ホモペンタマー、およびホモヘキサマーなどのホモマルチマーを提供する。
【0054】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を有する固定されたポリペプチド(ペプチドなど)であって、固定されたポリペプチドが本発明に従うポリペプチド、本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチド、または本発明に従うポリペプチドと、第2のドメインとを含むポリペプチドを含む、前記ポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態においては、前記ポリペプチドを、細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、黒鉛粒子、ビーズ、ゲル、プレート、アレイまたは毛細管上に固定することができる。
【0055】
本発明はまた、本発明に従うプローブなどの、本発明に従う固定された核酸を含むアレイも提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う抗体を含むアレイも提供する。
【0056】
本発明は、本発明に従うポリペプチドまたは本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドに特異的に結合する単離された、合成または組換え抗体を提供する。本発明に従うこれらの抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体であってよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドまたは本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドに特異的に結合する抗体などの、本発明に従う抗体を含むハイブリドーマを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、これらの抗体をコードする核酸を提供する。
【0057】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドを単離または同定する方法であって、(a)本発明に従う抗体を提供する工程;(b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;および(c)該抗体が該ポリペプチドに特異的に結合することができる条件下で、工程(b)のサンプルを工程(a)の抗体と接触させ、それによって、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドを単離または同定する工程を含む、前記方法を提供する。
【0058】
本発明は、抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼなどの抗アルドラーゼ酵素抗体を作製する方法であって、体液性免疫応答を生成するのに十分な量の本発明に従う核酸もしくは本発明に従うポリペプチドまたはそのサブ配列を、非ヒト動物に投与し、それによって、抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼなどの抗アルドラーゼ酵素抗体を作製することを含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼなどの抗アルドラーゼ免疫応答(細胞性または体液性)を作製する方法であって、免疫応答(細胞性または体液性)を生成するのに十分な量の本発明に従う核酸もしくは本発明に従うポリペプチドまたはそのサブ配列を、非ヒト動物に投与することを含む、前記方法を提供する。
【0059】
本発明は、組換えポリペプチドを製造する方法であって、(a)プロモーターに機能し得る形で連結された本発明に従う核酸を提供する工程;および(b)該ポリペプチドの発現を可能にする条件下で、工程(a)の核酸を発現させ、それによって、組換えポリペプチドを製造することを含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記方法は、宿主細胞を工程(a)の核酸で形質転換した後、工程(a)の核酸を発現させ、それによって形質転換細胞中で組換えポリペプチドを製造することをさらに含んでもよい。
【0060】
本発明は、HMGおよび/またはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを同定するための方法であって、(a)本発明に従うポリペプチド、または本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素基質を提供する工程;ならびに(c)工程(a)のポリペプチドまたはその断片もしくは変異体を、工程(b)の基質と接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程であって、基質の量の減少または反応生成物の量の増加がHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドを検出する前記工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記基質は、炭水化物、炭水化物を含む化合物および/または炭水化物模倣物質である。
【0061】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素基質を同定するための方法であって、(a)本発明に従うポリペプチド、または本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)試験基質を提供する工程;ならびに(c)工程(a)のポリペプチドを、工程(b)の試験基質と接触させ、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出する工程であって、基質の量の減少または反応生成物の量の増加が、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素基質として該試験基質を同定する前記工程を含む、前記方法を提供する。
【0062】
本発明は、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法であって、(a)ポリペプチドへの核酸の翻訳を許容する条件下で、該核酸または該核酸を含むベクターを発現させる工程であって、該核酸が本発明に従う核酸を含む前記工程、または本発明に従うポリペプチドを提供する工程;(b)試験化合物を提供する工程;(c)該ポリペプチドを該試験化合物と接触させる工程;ならびに(d)工程(b)の試験化合物が該ポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する工程を含む、前記方法を提供する。
【0063】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性の調節因子を同定する方法であって、(a)本発明に従うポリペプチドまたは本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)試験化合物を提供する工程;(c)工程(a)のポリペプチドを、工程(b)の試験化合物と接触させ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の活性を測定する工程であって、試験化合物の非存在下での該活性と比較した、該試験化合物の存在下で測定されたHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性の変化が、該試験化合物がHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を調節するという決定を提供する前記工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素基質を提供し、基質の量の減少もしくは反応生成物の量の増加、または基質の量の増加もしくは反応生成物の量の減少を検出することにより測定することができる。試験化合物を含まない基質もしくは反応生成物の量と比較して、試験化合物を含む基質の量の減少もしくは反応生成物の量の増加は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性の活性化因子として該試験化合物を同定する。試験化合物を含まない基質もしくは反応生成物の量と比較した、試験化合物を含む基質の量の増加もしくは反応生成物の量の減少は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性の阻害剤として該試験化合物を同定する。
【0064】
本発明は、プロセッサーと、本発明に従うポリペプチド配列または核酸配列(本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドまたはペプチドなど)をその上に保存したデータ記憶装置とを含むコンピューターシステムを提供する。いくつかの実施形態においては、このコンピューターシステムは、配列比較アルゴリズムと、少なくとも1種の参照配列を有するデータ記憶装置とをさらに含んでもよい。他の実施形態においては、配列比較アルゴリズムは、多型性を示すコンピュータープログラムを含む。いくつかの実施形態においては、前記コンピューターシステムは、前記配列中の1個以上の特徴を同定する識別子をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチド配列または核酸配列を保存したコンピューターにより読み取り可能な媒体を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、配列中の特徴を同定する方法であって、(a)本発明に従うポリペプチド配列または核酸配列を含む配列中の1個以上の特徴を同定するコンピュータープログラムを用いて該配列を読み取る工程;および(b)該コンピュータープログラムを用いて該配列中の1個以上の特徴を同定する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、第1の配列と第2の配列とを比較するための方法であって、(a)配列を比較するコンピュータープログラムの使用を介して、第1の配列と第2の配列とを読み取る工程であって、第1の配列が本発明に従うポリペプチド配列または核酸配列を含む前記工程;および(b)コンピュータープログラムを用いて、第1の配列と第2の配列の間の差異を決定する工程を含む、前記方法を提供する。第1の配列と第2の配列の間の差異を決定する工程は、多型性を同定する工程をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態においては、前記方法は、配列中の1個以上の特徴を同定する識別子をさらに含んでもよい。他の実施形態においては、前記方法は、コンピュータープログラムを用いて第1の配列を読み取り、該配列中の1個以上の特徴を同定することを含んでもよい。
【0065】
本発明は、環境サンプルなどのサンプルから、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法であって、(a)HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対であって、本発明に従う核酸を増幅することができる前記プライマー対を提供する工程;(b)サンプル中の核酸が、増幅プライマー対へのハイブリダイゼーションにとって利用しやすくなるように、サンプルから核酸を単離するか、またはサンプルを処理する工程;および(c)工程(b)の核酸を、工程(a)の増幅プライマー対と混合し、サンプルから核酸を増幅し、それによって、サンプルから、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程を含む、前記方法を提供する。増幅プライマー配列対の一方またはそれぞれのメンバーは、少なくとも約10〜50個の連続する塩基の本発明に従う配列を有するものなどの、本発明に従う増幅プライマー配列対を含むオリゴヌクレオチドを含んでもよい。本発明の一実施形態においては、前記サンプルは環境サンプルである。
【0066】
本発明は、環境サンプルなどのサンプルから、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する方法であって、(a)本発明に従う核酸またはそのサブ配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;(b)サンプル中の核酸が、工程(a)のポリヌクレオチドプローブへのハイブリダイゼーションにとって利用しやすくなるように、サンプルから核酸を単離するか、またはサンプルを処理する工程;(c)工程(b)の単離された核酸または処理されたサンプルを、工程(a)のポリヌクレオチドプローブと混合する工程;ならびに(d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブに特異的にハイブリダイズする核酸を単離し、それによって、サンプルから、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離または回収する工程を含む、前記方法を提供する。前記サンプルは、水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、空気サンプルまたは生物学的サンプルを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、生物学的サンプルを、細菌細胞、原生動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、菌類細胞または哺乳動物細胞から誘導することができる。本発明の一実施形態においては、前記サンプルは環境サンプルである。
【0067】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変異体を作製する方法であって、(a)本発明に従う核酸を含む鋳型核酸を提供する工程;および(b)鋳型配列中の1個以上のヌクレオチド、もしくはその組合せを改変、欠失または付加して、鋳型核酸の変異体を作製する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記方法は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの変異体アルドラーゼ酵素ポリペプチドを生成させるために前記変異体核酸を発現させることをさらに含んでもよい。改変、付加または欠失を、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、性的PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、帰納的集合突然変異誘発、指数集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再集合、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成連結再集合(SLR)、染色体飽和突然変異誘発(CSM)またはその組合せを含む方法により導入することができる。他の実施形態においては、前記改変、付加または欠失を、組換え、帰納的配列組換え、ホスホチオエート改変DNA突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップ二本鎖突然変異誘発、点不一致修復突然変異誘発、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学的突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限選択突然変異誘発、制限精製突然変異誘発、人工遺伝子合成、集合突然変異誘発、キメラ核酸マルチマー作製およびその組合せを含む方法により導入する。
【0068】
いくつかの実施形態においては、鋳型核酸によりコードされるポリペプチドのものから変化するか、もしくは異なる活性または変化するか、もしくは異なる安定性を有するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素が産生されるまで、前記方法を繰り返すことができる。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの変異体アルドラーゼ酵素ポリペプチドは耐熱性であり、高温に曝露した後でもいくらかの活性を保持する。他の実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの変異体アルドラーゼ酵素ポリペプチドは、鋳型核酸によりコードされるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素と比較して、増加した糖鎖を有する。あるいは、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの変異体アルドラーゼは、高い温度下でHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有し、ここで、鋳型核酸によりコードされるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、高い温度下で活性ではない。いくつかの実施形態においては、鋳型核酸のものから変化したコドン使用を有するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする配列が産生されるまで、前記方法を繰り返すことができる。他の実施形態においては、鋳型核酸のものよりも高いか、もしくは低いレベルのメッセージ発現または安定性を有するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素遺伝子が産生されるまで、前記方法を繰り返すことができる。
【0069】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを改変して、宿主細胞中でのその発現を増加させる方法であって、(a) HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする本発明に従う核酸を提供する工程;ならびに(b)工程(a)の核酸中の好ましくない、またはあまり好ましくないコドンを同定し、置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする好ましいか、または中立的に用いられるコドンであって、好ましいコドンは宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中で過剰に存在するコドンであり、好ましくないか、またはあまり好ましくないコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中で過小に存在するコドンである前記コドンでそれを置換し、それによって、該核酸を改変して宿主細胞中でのその発現を増加させる工程を含む、前記方法を提供する。
【0070】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを改変する方法であって、(a)本発明に従う核酸を提供する工程;ならびに(b)工程(a)の核酸中のコドンを同定し、置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする異なるコドンでそれを置換し、それによって、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸中のコドンを改変する工程を含む、前記方法を提供する。
【0071】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを改変して、宿主細胞中でのその発現を増加させる方法であって、(a) HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素ポリペプチドをコードする本発明に従う核酸を提供する工程;ならびに(b)工程(a)の核酸中の好ましくないか、またはあまり好ましくないコドンを同定し、置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする好ましいか、または中立的に用いられるコドンであって、好ましいコドンは宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中で過剰に存在するコドンであり、好ましくないか、またはあまり好ましくないコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中で過小に存在するコドンである前記コドンでそれを置換し、それによって、宿主細胞中でのその発現を増加させるように該核酸を改変する工程を含む、前記方法を提供する。
【0072】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸中のコドンを改変して、宿主細胞中でのその発現を減少させる方法であって、本発明に従う核酸を提供する工程;ならびに(b)工程(a)の核酸中の少なくとも1個の好ましいコドンを同定し、置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする好ましいか、または中立的に用いられるコドンであって、好ましいコドンは宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中で過剰に存在するコドンであり、好ましくないか、またはあまり好ましくないコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中で過小に存在するコドンである前記コドンでそれを置換し、それによって、宿主細胞中でのその発現を減少させるように該核酸を改変する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、宿主細胞は、細菌細胞、菌類細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞または哺乳動物細胞であってよい。
【0073】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの複数の改変されたアルドラーゼ酵素の活性部位または基質結合部位であって、第1の活性部位または第1の基質結合部位を含む第1の核酸から誘導された前記部位をコードする核酸のライブラリーを製造する方法であって、(a)第1の核酸配列が、本発明に従う核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、該核酸がHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性部位またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素基質結合部位をコードする、第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする第1の核酸を提供する工程;(b)第1の核酸中の複数の標的化されたコドンで天然のアミノ酸変異体をコードする変異原性オリゴヌクレオチドのセットを提供する工程;ならびに(c)変異原性オリゴヌクレオチドのセットを用いて、突然変異誘発された各アミノ酸コドンで様々なアミノ酸変異をコードする活性部位をコードするか、または基質結合部位をコードする変異体核酸のセットを作製し、それによって、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの複数の改変されたアルドラーゼ酵素活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを製造する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記方法は、最適化された指向性進化系、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成連結再集合(SLR)、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、性的PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、帰納的集合突然変異誘発、指数集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再集合、およびその組合せを含む方法により、工程(a)の第1の核酸を突然変異誘発させることを含む。他の実施形態においては、前記方法は、組換え、帰納的配列組換え、ホスホチオエート改変DNA突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップ二本鎖突然変異誘発、点不一致修復突然変異誘発、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学的突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限選択突然変異誘発、制限精製突然変異誘発、人工遺伝子合成、集合突然変異誘発、キメラ核酸マルチマー作製およびその組合せを含む方法により、工程(a)の第1の核酸または変異体を突然変異誘発させることを含む。
【0074】
本発明は、小分子を作製する方法であって、(a)小分子を合成または改変することができる複数の生合成酵素であって、該酵素の1つが本発明に従う核酸によりコードされるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含む、前記酵素を提供する工程;(b)少なくとも1種の工程(a)の酵素の基質を提供する工程;ならびに(c)複数の生物触媒反応を容易にする条件下で、工程(b)の基質と前記酵素とを反応させて、一連の生物触媒反応により小分子を作製する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、小分子を改変する方法であって、(a)本発明に従うポリペプチド、または本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチド、またはそのサブ配列を含む、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を提供する工程;(b)小分子を提供する工程;ならびに(c) HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素により触媒される酵素反応を容易にする条件下で、工程(a)の酵素と工程(b)の小分子とを反応させ、それによって、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素反応により小分子を改変する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記方法は、工程(a)の酵素のための複数の小分子基質を含み、それによって、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素により触媒される少なくとも1種の酵素反応により産生される改変された小分子のライブラリーを作製する方法を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、前記方法は、複数の酵素反応により産生される改変された小分子のライブラリーを形成する酵素による複数の生物触媒反応を容易にする条件下で複数のさらなる酵素を含んでもよい。他の実施形態においては、前記方法は、所望の活性を示す特定の改変された小分子が前記ライブラリー内に存在するかどうかを決定するために該ライブラリーを試験する工程をさらに含んでもよい。前記ライブラリーを試験する工程は、所望の活性を有する特定の改変された小分子の存在または非存在について、改変された小分子の一部を試験することにより、ライブラリー内の複数の改変された小分子の一部を産生させるのに用いられる、1種を除いて全部の生物触媒反応を体系的に排除し、所望の活性の特定の改変された小分子を産生する少なくとも1種の特異的生物触媒反応を同定する工程をさらに含んでもよい。
【0075】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の機能的断片を決定する方法であって、(a)本発明に従うポリペプチドもしくは本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチド、またはそのサブ配列を含む、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を提供する工程;ならびに(b)工程(a)の配列から、複数のアミノ酸残基を検出し、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性の残存する配列を試験し、それによって、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の機能的断片を決定する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素基質を提供し、基質の量の減少または反応生成物の量の増加を検出することにより測定する。
【0076】
本発明は、リアルタイム代謝フラックスを用いることによる新規表現型または改変された表現型の全細胞遺伝子操作のための方法であって、(a)細胞の遺伝子組成を改変することにより、改変された細胞を作製する工程であって、該遺伝子組成を、本発明に従う核酸の細胞への添加により改変する前記工程;(b)改変された細胞を培養して、複数の改変された細胞を生成する工程;(c)リアルタイムで工程(b)の細胞培養物をモニターすることにより、該細胞の少なくとも1種の代謝パラメーターを測定する工程;ならびに(d)工程(c)のデータを分析して、測定されたパラメーターが、同様の条件下で未改変の細胞中での比較可能な測定値と異なるかどうかを決定し、それによって、リアルタイム代謝フラックス分析を用いて該細胞中の遺伝子操作された表現型を同定する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記細胞の遺伝子組成を、細胞中の配列の欠失もしくは該配列の改変、または遺伝子の発現をノックアウトすることを含む方法により改変することができる。いくつかの実施形態においては、前記方法は、新しく遺伝子操作された表現型を含む細胞を選択することをさらに含んでもよい。他の実施形態においては、前記方法は、選択された細胞を培養し、それによって、新しく遺伝子操作された表現型を含む新しい細胞株を作製することを含んでもよい。
【0077】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素ポリペプチドの耐熱性または温度安定性を増加させる方法であって、本発明に従うポリペプチドの少なくとも30個の連続するアミノ酸;または本発明に従う核酸配列によりコードされるポリペプチドを含む、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素ポリペプチドを糖鎖付加し、それによって、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼポリペプチドの耐熱性または温度安定性を増加させることを含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素比活性は、約37℃〜約95℃を超える範囲の温度で温度安定性または耐熱性であってよい。
【0078】
本発明は、細胞中でHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの組換えアルドラーゼポリペプチドを過剰発現させる方法であって、本発明に従う核酸または本発明に従う核酸配列を含む核酸を含むベクターを発現させることを含み、配列比較アルゴリズムを用いる分析または視覚的検査により配列同一性を決定し、高い活性のプロモーター、二シストロン性ベクターの使用により、または該ベクターの遺伝子増幅により、過剰発現を行う、前記方法を提供する。
【0079】
本発明は、トランスジェニック植物を作製する方法であって、(a)本発明に従う核酸配列を含む異種核酸配列を細胞中に導入し、それによって、形質転換植物細胞を作製する工程;および(b)形質転換細胞からトランスジェニック植物を作製する工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、工程(a)は、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションにより、前記異種核酸配列を導入することをさらに含んでもよい。他の実施形態においては、工程(a)は、DNA粒子ボンバードメントにより、植物組織に直接的に異種核酸配列を導入することをさらに含んでもよい。あるいは、工程(a)は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主を用いて、植物細胞DNA中に異種核酸配列を導入することをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態においては、植物細胞は、サトウキビ、ビート、大豆、トマト、ジャガイモ、トウモロコシ、イネ、小麦、タバコまたは大麦細胞であってよい。
【0080】
本発明は、植物細胞中で異種核酸配列を発現させる方法であって、(a)本発明に従う核酸を含む、プロモーターに機能し得る形で連結された異種核酸配列を用いて該植物細胞を形質転換する工程;(b)異種核酸配列が該植物細胞中で発現される条件下で該植物を増殖させる工程を含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、植物細胞中で異種核酸配列を発現させる方法であって、(a)本発明に従う配列を含む、プロモーターに機能し得る形で連結された異種核酸配列を用いて該植物細胞を形質転換する工程;(b)該異種核酸配列が該植物細胞中で発現される条件下で該植物を増殖させる工程を含む、前記方法を提供する。
【0081】
本発明は、本発明に従うポリペプチド、または本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドを含む飼料または食品を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドを含む、食品、飼料、液体、例えば、飲料(フルーツジュースもしくはビールなど)、パンもしくはパン生地もしくはパン製品、または飲料前駆体(麦芽汁など)を提供する。他の実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドを含む、食品、飼料、または飲料添加物を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドなどの、本発明に従うポリペプチドを含む、ヒトまたは動物などのための、食品または栄養補助食品を提供する。
【0082】
いくつかの実施形態においては、前記食品または栄養補助食品中のポリペプチドを糖鎖付加することができる。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドなどの、本発明に従うポリペプチドを含む食用酵素送達マトリックスを提供する。いくつかの実施形態においては、前記送達マトリックスは、ペレットを含む。いくつかの実施形態においては、前記ポリペプチドを糖鎖付加することができる。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性は、耐熱性である。他の実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性は、温度安定性である。
【0083】
本発明は、本発明に従うポリペプチドを含む食品、飼料または栄養補助食品を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、動物飼料中で栄養補助食品としてHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を使用する方法であって、本発明に従うポリペプチドの少なくとも30個の連続するアミノ酸を含むHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含有する栄養補助食品を調製すること;ならびに動物に該栄養補助食品を投与することを含む、前記方法を提供する。前記動物は、ヒト、反芻動物または単胃動物であってよい。HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を、細菌、酵母、植物、昆虫、菌類および動物からなる群より選択される生物中でのHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードするポリペプチドの発現により調製することができる。前記生物を、シゾサッカロミセス・ポンベ(S. pombe)、サッカロミセス・セレビジア(S. cerevisiae)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、大腸菌(E. coli)、ストレプトミセス(Streptomyces)種、バチルス(Bacillus)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、アスペルギルス(Asperugillus)種およびラクトバチルス(Lactobacillus)種からなる群より選択することができる。
【0084】
本発明は、本発明に従うポリペプチドなどの、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの温度安定性組換えアルドラーゼ酵素を含む食用酵素送達マトリックスを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素補給物を動物に送達するための方法であって、顆粒状の食用担体と、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの温度安定性組換えアルドラーゼ酵素とを含むペレットであって、水性媒体中に、そこに含まれるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を容易に分散させる前記ペレットの形態の食用酵素送達マトリックスを調製すること、ならびに該食用酵素送達マトリックスを該動物に投与することを含む、前記方法を提供する。HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの組換えアルドラーゼ酵素は、本発明に従うポリペプチドを含んでもよい。HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を糖鎖付加して、ペレット化する条件で温度安定性を提供することができる。前記送達マトリックスを、穀物胚芽と、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素とを含む混合物を沈降させることにより形成させることができる。ペレット化条件は、蒸気の適用を含んでもよい。ペレット化条件は、約5分間、約80℃を超える温度の適用を含んでもよく、該酵素は、酵素1ミリグラムあたり、少なくとも350〜約900単位の比活性を保持する。
【0085】
いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素、または本発明に従う核酸によりコードされるポリペプチドを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態においては、前記医薬組成物は、消化剤として働く。
【0086】
いくつかの実施形態においては、炭素-炭素結合を含む化合物を、約pH 3.0〜約9.0、約3.0〜約10.0、約3.0〜約11.0以上の範囲のpHで、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有する、本発明に従うポリペプチドと接触させる。他の実施形態においては、炭素-炭素結合を含有する化合物を、少なくとも約55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃以上の温度で、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素と接触させる。
【0087】
本開示は、特に、モナチン、モナチン誘導体、およびその塩を製造するためのプロセス、例えば、R,RおよびS,Rモナチンなどの、モナチンの特定の立体異性体の前駆体である、R-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(R-αケト酸モナチン、R-モナチン前駆体、R-MP、およびαケト形態のモナチンとも呼ばれる)の製造における反応を容易にするのに有用であるポリペプチドを提供する。本開示はまた、本発明の1種以上のポリペプチドを用いて、モナチン、モナチン誘導体、および塩ならびにその内部縮合産物を作製する方法も提供する。R-MP、モナチンの立体異性体および/またはモナチン誘導体の立体異性体を合成する方法は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、および配列番号334のいずれかのアルドラーゼ活性を有する1種以上のポリペプチド、またはその酵素的に活性な断片の使用を含む。
【0088】
また、R-MP、モナチンの立体異性体および/またはモナチン誘導体の立体異性体を合成する方法は、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する核酸配列によりコードされるアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの使用を含んでもよい。
【0089】
さらに、R-MP、モナチンの立体異性体および/またはモナチン誘導体の立体異性体の方法は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの使用を含んでもよい。
【0090】
本発明は、多工程経路においてモナチン、モナチン誘導体、その塩、およびその組合せから選択される産物を製造することを含み、該経路における反応を、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、もしくは配列番号334のアミノ酸配列、またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列を含む単離されたポリペプチドもしくは組換えポリペプチドから選択される1種以上のポリペプチドにより容易にする、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、その断片またはサブ配列は、少なくとも0.2 mg MP/mgタンパク質/時間のアルドラーゼ活性を有する。他の実施形態においては、その断片またはサブ配列は、少なくとも0.1 mg MP/mgタンパク質/時間のアルドラーゼ活性を有する。いくつかの実施形態においては、本発明に従う1種以上のポリペプチドにより容易になる反応を、約1.0〜約10.0 mM MgCl2で実施する。他の実施形態においては、本発明に従う1種以上のポリペプチドにより容易になる反応を、約pH 7.0〜約pH 11.5で実施する。さらに他の実施形態においては、本発明に従う1種以上のポリペプチドにより容易になる反応を、約0.005%〜約1%のポリソルベート洗剤中で実施する。
【0091】
いくつかの実施形態においては、前記反応は、インドール-3-ピルビン酸と、C3炭素源との反応である。いくつかの実施形態においては、前記反応は、S-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イル-メチル)-4-ケトグルタル酸よりもR-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イル-メチル)-4-ケトグルタル酸を優先的に産生する。
【0092】
いくつかの実施形態においては、多工程経路により作製される産物は、モナチン、その塩およびその組合せである。
【0093】
他の実施形態においては、少なくとも1種のR,R-モナチン、R,S-モナチン、またはその組合せを、多工程経路においてS,S-モナチンまたはS,R-モナチンよりも多い量で製造する。いくつかの実施形態においては、R,Rモナチンを、多工程経路において、R,S-モナチン、S,S-モナチンおよびS,R-モナチンよりも多い量で製造する。
【0094】
本発明は、多工程経路において、モナチン、モナチン誘導体、その塩、およびその組合せから選択される産物を製造することを含み、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338に対して、少なくとも50%の配列同一性(%)を有する配列を含む核酸配列によりコードされる少なくとも1種のポリペプチドにより、該経路における反応を容易にする、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、配列同一性(%)は、少なくとも95%である。他の実施形態においては、配列同一性(%)は、100%である。
【0095】
本発明は、S-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イル-メチル)-4-ケトグルタル酸よりもR-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イル-メチル)-4-ケトグルタル酸を優先的に製造する反応を含み、配列番号28、配列番号116、配列番号298、配列番号44、配列番号54、配列番号148、配列番号46、配列番号134、配列番号142、配列番号122、配列番号74、配列番号64、配列番号108、配列番号96、配列番号126、配列番号80、配列番号36、配列番号62、配列番号112、配列番号130、配列番号94、配列番号58、配列番号50、配列番号106、配列番号42、配列番号278、配列番号162、配列番号276、配列番号178、配列番号166、配列番号218、配列番号224、配列番号226、配列番号244、配列番号250、配列番号252、配列番号264、配列番号268、配列番号272、配列番号184、配列番号282、配列番号186、配列番号192、配列番号200、配列番号284、配列番号172、配列番号180、配列番号168、配列番号228、配列番号236、配列番号238、配列番号240、および配列番号156に対して少なくとも95%の配列同一性を有する配列を含む核酸配列によりコードされる少なくとも1種のポリペプチドを用いて、多工程経路において1つの反応を容易にする、前記方法を提供する。
【0096】
本発明は、多工程経路において、モナチン、モナチン誘導体、その塩、およびその組合せから選択される産物を製造することを含み、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸配列によりコードされる少なくとも1種のポリペプチドにより、該経路における反応を容易にする、前記方法を提供する。
【0097】
本発明はまた、多工程経路において、モナチン前駆体、その塩、およびその組合せから選択される産物を製造することを含み、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、もしくは配列番号334のアミノ酸配列、またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列を含む単離された、もしくは組換えポリペプチドから選択される1種以上のポリペプチドにより、該経路における反応を容易にし、該モナチン前駆体、その塩、およびその組合せが甘味料である、前記方法も提供する。
【0098】
本発明はさらに、多工程経路において、モナチン前駆体、その塩、およびその組合せから選択される産物を製造することを含み、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338に対して少なくとも50%の配列同一性(%)を有する配列を含む核酸配列によりコードされる少なくとも1種のポリペプチドにより、該経路における反応を容易にし、該モナチン前駆体、その塩、およびその組合せが甘味料である、前記方法を提供する。
【0099】
本発明はさらに、多工程経路において、モナチン前駆体、その塩、およびその組合せから選択される産物を製造することを含み、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む核酸配列によりコードされる少なくとも1種のポリペプチドにより、該経路における反応を容易にし、該モナチン前駆体、その塩、およびその組合せが甘味料である、前記方法を提供する。
【0100】
中間体/生成物(モナチン、モナチン前駆体、またはモナチン誘導体など)が、どこで形成されたものか、本明細書および特許請求の範囲で同定されたとしても、簡潔にしようとする努力においては、用語「および/またはその塩」は適用可能な場合が含まれると理解されるべきである。換言すれば、例えば、語句「インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する」は、「インドール-3-ピルビン酸をMPおよび/またはその塩に変換する」と読むと理解されるべきである。実際、当業者であれば、反応条件下で、中間体/生成物の塩が実際に存在することを示したことを理解するであろう。
【0101】
いくつかの実施形態に従えば、前記方法は、モナチンまたはモナチン誘導体組成物であって、該組成物のモナチンまたはモナチン誘導体成分が、モナチンまたはモナチン誘導体のR,RおよびS,R形態のみを含む、前記組成物を製造する。特定の異性体のみが形成されることを示すのに用いられる場合、用語「のみ」とは、前記経路が、ラセミ化が起こらなかった場合、同定された異性体のみを産生することを意味する。結果として、用語「のみ」は、他の異性体が存在しないことを意味すると取られるべきではなく、むしろ、当業者であれば、他の異性形態が、ラセミ化が起こり得ることに起因して、比較的少量で存在し得ると理解するであろう。いくつかの実施形態に従えば、前記方法は、前記組成物のモナチンまたはモナチン誘導体成分が、モナチンまたはモナチン誘導体のR,R形態のみを含む組成物を産生する(他の異性形態をもたらすラセミ化が起こる程度を除く)。
【0102】
本明細書で用いられる場合、語句「モナチン組成物」は、モナチンの1種以上の異性体を含む組成物を意味し、この用語はモナチンの単一の異性形態のみを意味し、他に何も意味しなくてもよい。
【0103】
本明細書で用いられる場合、語句「モナチン誘導体組成物」は、モナチン誘導体の1種以上の異性体を含む組成物を意味し、この用語はモナチン誘導体の単一の異性形態のみを意味し、他に何も意味しなくてもよい。
【0104】
本明細書で用いられる場合、語句「モナチン誘導体」は、下記構造:
【化3】

【0105】
[式中、
Ra、Rb、Rc、Rd、およびReは各々独立に、水素原子、ヒドロキシル基、C1-C3アルキル基、C1-C3アルコキシ基、アミノ基、またはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、もしくはフッ素原子などのハロゲン原子から選択される任意の置換基である]
を有する。しかしながら、Ra、Rb、Rc、Rd、およびReは同時に全部水素であってはならない。あるいは、RbとRc、および/またはRdとReは、一緒になって、それぞれC1-C4アルキレン基を形成してもよい。
【0106】
本明細書で用いる場合、「置換されたインドール-3-ピルビン酸」は、インドール-3-ピルビン酸のインドール環の1個以上の炭素原子が、上記で定義されたRa、Rb、Rc、Rd、およびRe置換基の1個以上で独立に置換されていることを意味する。しかしながら、Ra、Rb、Rc、Rd、およびReは同時に全部水素であってはならない。あるいは、RbとRc、および/またはRdとReは、一緒になって、それぞれC1-C4アルキレン基を形成してもよい。
【0107】
本明細書で用いる場合、「置換トリプトファン」は、トリプトファンのインドール環の1個以上の炭素原子が、上記で定義されたRa、Rb、Rc、Rd、およびRe置換基の1個以上で独立に置換されていることを意味する。しかしながら、Ra、Rb、Rc、Rd、およびReは同時に全部水素であってはならない。あるいは、RbとRc、および/またはRdとReは、一緒になって、それぞれC1-C4アルキレン基を形成してもよい。一実施形態においては、置換トリプトファンは、インドール環上で、最終モナチン誘導体と同じ置換基を含む。
【0108】
さらに、本明細書に記載のモナチンを製造するための生合成経路は、甘い可能性が高いモナチン誘導体を得るために置換トリプトファンを利用することができる。いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の生合成経路において用いられる置換トリプトファンとしては、塩素化トリプトファンおよび5-ヒドロキシトリプトファンが挙げられる。
【0109】
例えば、R,Rモナチンに対する構造類似性を有する塩素化D-トリプトファンは、非栄養性甘味料として同定されている(特に、6-クロロ-D-トリプトファン)。同様に、モナチンのハロゲン化形態およびヒドロキシ置換形態は甘いことがわかっている。米国特許公開出願第2005/0118317号を参照されたい。ハロゲンおよびヒドロキシル基は、D-もしくはL-トリプトファン、インドール-3-ピルビン酸、MP、またはモナチンへのその後の変換を妨害することなく、特に、トリプトファンのインドール中のベンゼン環の1〜4位上で、水素と置換可能であってよい。置換インドールは、PLP-酵素のための好適な基質であることが文献中で示されており、置換トリプトファンをもたらした。Fukuda, D.S.ら、「発酵による置換L-トリプトファンの製造(Production of Substituted L-Tryptophans by Fermentation)」、Appl. Environ. Microbiol., 21:841-43 (1971)を参照。ハロゲンは、トリプトファンシンターゼβサブユニット触媒機構を立体的に阻害しないようであり、鏡像特異性も無傷であった。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態においては、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸を製造すること、インドール-3-ピルビン酸から2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」もしくは「MP」)を製造すること、およびMPからモナチンを製造することを含む、モナチン組成物を製造するためのプロセスを提供する。インドール-3-ピルビン酸を製造するためのL-トリプトファンの反応を、R-MP、R,Rモナチンまたは両方よりも、L-トリプトファンに対してより高い特異性、より高い活性、またはその両方を有する酵素により容易にする。特定の実施形態に従って、インドール-3-ピルビン酸の反応を、R-特異的アルドラーゼ活性を有し、結果としてR-MPを産生する酵素により容易にする。特定の実施形態に従って、一方の異性形態から他方の異性形態へのトリプトファン反応のアミノ酸副生成物のエピマー化を容易にすることができるラセマーゼ酵素を提供する。
【0111】
本発明に従ういくつかの実施形態においては、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸を製造すること、インドール-3-ピルビン酸から2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」または「MP」)を製造すること、およびMPからモナチンを製造することを含む、モナチン組成物を製造するためのプロセスを提供する。インドール-3-ピルビン酸を製造するためのL-トリプトファンの反応を、R-MP、R,Rモナチン、またはその両方よりもL-トリプトファンに対してより高い特異性、より高い活性、またはその両方を有する酵素により容易にし、モナチンを形成するためのMPの反応を、R-MPに対して立体選択的である酵素により容易にする。用語「立体選択的」は、酵素が、他方の異性体よりも一方の異性体(この場合、R-MP対S-MP)に対してより高い特異性、より高い活性、またはその両方を有することを意味する。好ましい実施形態においては、立体選択的酵素は、他方と比較して、一方の異性体に対して限定的な活性を有する。「限定された」活性とは、例えば、本明細書に提供される実験に従って決定されるように、最小であるか、または感知できない活性を意味する。
【0112】
上記段落中のものなどの一連の反応を参照する場合、本発明は、各工程を明確に実施する必要はなく、該工程を暗黙のうちに実施してよいことで十分であることに留意すべきである。換言すれば、例えば、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸を製造すること、インドール-3-ピルビン酸から2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」または「MP」)を製造すること、およびMPからモナチンを製造することを含む、モナチン組成物を製造するためのプロセスであって、それぞれの反応を好適な酵素により容易にする前記プロセスを、L-トリプトファンを該酵素と混合し、列挙された反応が起こるような条件を設定することにより実施することができる。そのような例においては、L-トリプトファンはインドール-3-ピルビン酸を産生するように反応し、L-トリプトファン反応から産生されたインドール-3-ピルビン酸はMPを形成するように反応し、およびインドール-3-ピルビン酸反応から産生されたMPはモナチンを形成するように反応することができる。このプロセスを、例えば、L-トリプトファン産生を起こさせるのに好適な条件下で、L-トリプトファンを産生することができる化合物を提供し、その化合物と、上記の一連の反応を容易にすることができる酵素とを、それらの反応を起こさせるのに好適である条件下で混合することにより実施することもできる。さらに別の例としては、前記プロセスを、記載の経路に従うモナチンを産生するように遺伝子操作された微生物を提供し、発酵プロセスを起こさせるのに好適な条件を提供することにより実施することができる。例えば、大量のL-トリプトファンを天然に産生する微生物を遺伝子操作して、モナチンへの経路における反応を容易にするのに用いられる1種以上の酵素を産生または過剰産生させることができ、それによって該微生物がモナチンを産生するような好適な条件を提供することができる。
【0113】
本発明に従う他の実施形態においては、L-トリプトファンがインドール-3-ピルビン酸に変換される場合、基質がL-アミノ酸を形成し、インドール-3-ピルビン酸がMP(R-MPとS-MPの両方を含んでもよいが、好ましくは、R-MPのみ、またはそれを優先的に含む)を形成するように反応し、R-MPがR,Rモナチンに変換される場合、L-アミノ酸が該基質を再生するように反応する(「リサイクル」とも呼ぶ)、モナチンを製造するためのプロセスを提供する。R,Rモナチンを形成するR-MPの反応を、D-メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.41)などの立体反転アミノトランスフェラーゼまたはD-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素により容易にする。
【0114】
本発明に従う他の実施形態においては、L-トリプトファンからD-トリプトファンを製造すること、D-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸を製造すること、インドール-3-ピルビン酸からR-MPを製造すること、およびR-MPからR,Rモナチンを製造することを含む、モナチン組成物を製造するためのプロセスを提供する。L-トリプトファンからD-トリプトファンの製造を、トリプトファンラセマーゼおよびその機能的等価物により容易にする。特定のさらなる実施形態においては、インドール-3-ピルビン酸を形成するD-トリプトファンの反応およびモナチンを形成するMPの反応を、同じ酵素により容易にする。さらに他のさらなる実施形態においては、インドール-3-ピルビン酸の反応を、R-特異的アルドラーゼ活性を有し、結果としてR-MPが形成される酵素により容易にし、インドール-3-ピルビン酸を形成するD-トリプトファンの反応およびR,Rモナチンを形成するR-MPの反応を、同じ酵素により容易にする。
【0115】
本発明に従ういくつかの実施形態においては、反応を触媒するR-特異的アルドラーゼ活性を有する酵素を用いて、置換インドール-3-ピルビン酸とピルビン酸からモナチン誘導体を製造することを含む、モナチン誘導体を製造するためのプロセスを提供する。
【0116】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面および以下の記載で説明する。本発明に従う他の特徴、課題、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書に記載の説明から認識されるべきあるように、本発明は、全て本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な実施形態において改変することができる。従って、図面および詳細な説明は、天然における例示的なもの、および非限定的なものと見なされるべきである。
【0117】
本明細書で引用される、全ての刊行物、特許、特許出願、GenBank配列およびATCC寄託物は、あらゆる目的で参照により本明細書に明確に組み入れられるものとする。
【0118】
図面の簡単な説明
以下の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、特許請求の範囲により包含されるような本発明の範囲を限定することを意味しない(図面の簡単な説明については、別節を参照)。様々な図面における同様の参照記号は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】図1は、本発明に従って、L-トリプトファンからR,Rモナチンを製造するための酵素プロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、R-MPに対するよりも基質としてのL-トリプトファンに対するより高い特異性および/もしくは選択性を有するL-トリプトファンの反応において、L-アミノトランスフェラーゼ(その例はL-トリプトファンアミノトランスフェラーゼ、L-芳香族アミノトランスフェラーゼ、L-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、およびL-アラニンアミノトランスフェラーゼを含む)を使用することを含み、ならびに/またはプロセスは、基質としてR,Rモナチンに対する限定された活性および/もしくは特異性を有するL-アミノ酸オキシダーゼを使用することを含む。図1に記載の特定の例においては、L-アミノトランスフェラーゼまたはL-アミノ酸オキシダーゼは、L-トリプトファンをインドール-3-ピルビン酸に変換し、インドール-3-ピルビン酸はR-特異的アルドラーゼおよびピルビン酸と反応して、R-α-ケト酸モナチン(R-MP)を産生し、R-MPはD-アミノトランスフェラーゼもしくはD-アミノ酸デヒドロゲナーゼによりR,Rモナチンに変換される。図1に示されるように、前記反応は可逆的であるが、本発明の目的のためには、該反応が逆方向に進行する必要はない。
【図2】図2は、本発明に従ってR,Rモナチンを製造するための別のプロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、R-MPを、R-MPに対して立体選択的であるモナチンに変換する酵素を使用することを含む。図2に記載の特定の例においては、トリプトファンが、可逆的反応においてインドール-3-ピルビン酸に変換されることが示される。インドール-3-ピルビン酸を、非立体特異的アルドラーゼと反応させて、α-ケト酸モナチン(R-およびS-MPの両方)を可逆的に形成させることができる。R-MPは、立体選択的D-アミノトランスフェラーゼまたは立体選択的D-アミノ酸デヒドロゲナーゼにより、R,Rモナチンに可逆的に変換される。立体選択的D-アミノトランスフェラーゼまたはD-アミノ酸デヒドロゲナーゼを用いる場合、非立体特異的アルドラーゼにより形成された任意のS-MPを、インドール-3-ピルビン酸に戻し変換することができる。本発明の目的のためには、可逆的であると示された反応は逆方向に進行する必要はない。
【図3】図3は、本発明に従ってL-トリプトファンからR,Rモナチンを製造するためのさらに別のプロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、R,Rモナチンを形成する反応と共役させた反応において基質としてインドール-3-ピルビン酸を形成する反応と共役させた反応においてトリプトファンラセマーゼおよびD-アミノ酸生成物を用いて、L-トリプトファンをD-トリプトファンに変換することを含む。図3に記載の特定の例においては、L-トリプトファンを、可逆反応においてトリプトファンラセマーゼによりD-トリプトファンに変換する。D-トリプトファンを、α-ケトグルタル酸(α-KG)および広特異性D-アミノトランスフェラーゼと反応させて、インドール-3-ピルビン酸とD-グルタミン酸とを生成させる。インドール-3-ピルビン酸をピルビン酸およびR特異的アルドラーゼと反応させ、R-α-ケト酸モナチン(R-MP)に変換させ、R-MPを広特異性D-アミノトランスフェラーゼおよびD-グルタミン酸と反応させて、R,Rモナチンおよびα-ケトグルタル酸(α-KG)を形成させる。図3に示されるように、それぞれの反応は可逆的であるが、本発明の目的のためには、反応が逆方向に進行する必要はない。
【図4】図4は、本発明に従ってL-トリプトファンからR,Rモナチンを製造するためのさらに別のプロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、L-トリプトファン反応と共役させた反応において形成されたL-アミノ酸を、D-アミノ酸に変換することを含む;このD-アミノ酸は、R-MPをR,Rモナチンに変換する反応のためのアミノ供与体として働く。図4に記載の特定の例においては、L-トリプトファンをL-アミノトランスフェラーゼおよびα-ケトグルタル酸と反応させて、インドール-3-ピルビン酸およびL-グルタミン酸を生成させる。インドール-3-ピルビン酸をピルビン酸およびR特異的アルドラーゼと反応させて、R-α-ケト酸モナチン(R-MP)に変換し、R-MPを広特異性D-アミノトランスフェラーゼおよびD-グルタミン酸と反応させて、R,Rモナチンおよびα-ケトグルタル酸を形成させる。図4に示されるように、この反応は可逆的であるが、本発明の目的のためには、反応が逆方向に進行する必要はない。
【図5】図5は、本発明に従ってL-トリプトファンからR,Rモナチンを製造するためのさらに別のプロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、L-トリプトファン反応と共役させた反応により形成されるL-アミノ酸を、R-MPからR,Rモナチンへの反応と共役させた反応のための基質として用いることができるように、立体反転酵素を用いてR-MPのR,Rモナチンへの変換を酵素的に容易にすることを含む。図5に記載の特定の例においては、L-トリプトファンをL-アミノトランスフェラーゼおよびオキサロ酢酸、ピルビン酸またはα-ケトグルタル酸(α-KG)と反応させて、インドール-3-ピルビン酸、およびL-アスパラギン酸(オキサロ酢酸を用いる場合)、L-アラニン(ピルビン酸を用いる場合)またはL-グルタミン酸(α-KGを用いる場合)を生成させる。インドール-3-ピルビン酸をピルビン酸およびR特異的アルドラーゼと反応させ、R-α-ケト酸モナチン(R-MP)に変換し、R-MPを立体反転アミノトランスフェラーゼおよびL-アスパラギン酸、L-アラニンまたはL-グルタミン酸と反応させて、R,Rモナチンおよびオキサロ酢酸(L-アスパラギン酸を用いる場合)、ピルビン酸(L-アラニンを用いる場合)またはα-ケトグルタル酸(α-KG、L-グルタミン酸を用いる場合)を形成させる。図5に示されるように、この反応は可逆的であるが、本発明の目的のためには、反応が逆方向に進行する必要はない。
【図6】図6は、本発明に従ってR,Rモナチンを製造するためのさらに別のプロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、インドール-3-ピルビン酸を形成する反応において産生されたL-アミノ酸を、一連の変換反応を通して、R,Rモナチンを形成する反応においてR-MPとの反応物質として用いたD-アミノ酸にリサイクルすることを含む。図6に記載の特定の例においては、L-トリプトファンを、L-アミノトランスフェラーゼおよびオキサロ酢酸と可逆的に反応させて、インドール-3-ピルビン酸およびL-アスパラギン酸を生成させる。インドール-3-ピルビン酸を、可逆的な様式でピルビン酸およびR特異的アルドラーゼと反応させ、R-α-ケト酸モナチン(R-MP)に変換し、R-MPをD-アミノトランスフェラーゼおよびD-アラニンと可逆的に反応させて、R,Rモナチンおよびピルビン酸を形成させる。L-アスパラギン酸を、アスパラギン酸4-デカルボキシラーゼを用いて、L-アラニンおよびCO2に変換する。L-アラニンを、アラニンラセマーゼを用いてD-アラニンに変換する。本発明の目的のために、可逆的であると示された反応は逆方向に進行する必要はない。
【図7】図7は、本発明に従ってR,Rモナチンを製造するためのさらに別のプロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、その反応のL-アミノ酸副生成物を別の生成物に変換することにより、L-トリプトファン反応を前方に押す(すなわち、インドール-3-ピルビン酸の生成に向かう反応を駆動する)ことを含む。この例においては、L-アミノ酸、L-アスパラギン酸副生成物を、デカルボキシラーゼを用いる不可逆反応においてL-アラニンに変換する。図7に記載の特定の例においては、L-トリプトファンをL-アミノトランスフェラーゼと、およびα-ケトグルタル酸(α-KG)またはオキサロ酢酸と可逆的に反応させて、インドール-3-ピルビン酸およびL-グルタミン酸(α-KGを用いる場合)またはL-アスパラギン酸(オキサロ酢酸を用いる場合)を生成させる。インドール-3-ピルビン酸をピルビン酸およびR特異的アルドラーゼと可逆的に反応させ、R-α-ケト酸モナチン(R-MP)に変換する。R-MPを、可逆的反応においてD-アミノトランスフェラーゼおよびD-アミノ酸と反応させて、R,Rモナチンおよびオキサロ酢酸、ピルビン酸またはα-KGのいずれかを形成させる。L-アミノトランスフェラーゼ反応の生成物であったL-グルタミン酸またはL-アスパラギン酸を、グルタミン酸またはアスパラギン酸デカルボキシラーゼを用いて、4-アミノブタン酸およびCO2(L-グルタミン酸が基質である場合)またはβ-アラニンおよびCO2(L-アスパラギン酸が基質である場合)に変換する。本発明の目的のためには、可逆的であると示された反応は逆方向に進行する必要はない。
【図8】図8は、本発明に従ってR,Rモナチンを製造するためのさらに別のプロセスの例を示す流れ図である。この例においては、プロセスは、L-トリプトファン反応のアミノ酸副生成物を、一連の変換反応を通してR-MP反応のアミノ酸反応物質にリサイクルすることを含む。図8に記載の特定の例においては、L-トリプトファンを、L-アミノトランスフェラーゼと、およびα-ケトグルタル酸(α-KG)と可逆的に反応させて、インドール-3-ピルビン酸およびL-グルタミン酸を生成させる。インドール-3-ピルビン酸を、ピルビン酸およびR特異的アルドラーゼと可逆的に反応させて、R-α-ケト酸モナチン(R-MP)に変換する。R-MPを可逆的な様式でD-アミノトランスフェラーゼおよびD-アラニンと反応させて、R,Rモナチンおよびピルビン酸を形成させる。L-アラニンアミノトランスフェラーゼおよびピルビン酸を用いて、L-アミノトランスフェラーゼ反応の生成物であるL-グルタミン酸を、副生成物としてのL-アラニンと共に、α-KGに可逆的に変換して戻す。アラニンラセマーゼは、L-アラニンを、第3の反応(D-アミノトランスフェラーゼ反応)において有用であるD-アラニンに可逆的に変換する。本発明の目的のためには、可逆的であると示された反応は逆方向に進行する必要はない。
【図9】図9は、コンピューターシステムのブロック図である。
【図10】図10は、新規配列とデータベース中の配列の間の相同性レベルを決定するために、新規ヌクレオチドまたはタンパク質配列を、配列データベースと比較するためのプロセスの一実施形態を例示する流れ図である。
【図11】図11は、2個の配列が相同であるかどうかを決定するためのコンピューターにおけるプロセスの一実施形態を例示する流れ図である。
【図12】図12は、配列中の特徴の存在を検出するための同定プロセス300の一実施形態を例示する流れ図である。
【図13】図13は、LC/MS/MSにより測定された、モナチン前駆体(MP)の形成における58種の異なるアルドラーゼ(それぞれその特定の配列番号により識別される)の活性を例示する。
【図14】図14は、LC/MS/MSにより測定された、モナチン前駆体(MP)の形成における58種の異なるアルドラーゼ(それぞれその特定の配列番号により識別される)の活性を例示する。
【図15】図15は、配列番号88のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドによるモナチンの産生に対するジチオトレイトールの効果を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0120】
発明の詳細な説明
いくつかの実施形態を上記で説明してきたが、以下でより詳細に説明する。本発明の実施形態は、記載の態様の1つ以上を含む。
【0121】
省略および用語
本発明の開示をより良好に説明し、本発明の開示の実施において当業者を導くために、用語および方法の以下の説明を提供する。本明細書で用いられる「含む(including)」は、「含む(comprising)」を意味する。さらに、単数形の「a」または「an」または「the」は、本文が明確に別途指摘しない限り、複数の参照を含む。例えば、「タンパク質を含む(comprising a protein)」に対する参照は、1つまたは複数のそのようなタンパク質を含み、「細胞を含む(comprising the cell)」に対する参照は、1個以上の細胞および当業者には公知のその等価物に対する参照などを含む。用語「約」は、任意の測定中に生じる実験誤差の範囲を包含する。特に指摘しない限り、全ての測定数値は、単語「約」が明確に用いられない場合でも、その前に単語「約」を有すると仮定される。
【0122】
保存的置換:ポリペプチド中の別のアミノ酸への1個のアミノ酸の置換であって、置換が該ポリペプチドの活性に対してほとんど影響しないか、または全く影響しない前記置換。この置換は、交換されたアミノ酸が構造的または機能的に類似するようであるかどうかに関係なく、保存的であると考えられる。例えば、理想的には、1個以上の保存的置換を含むトリプトファンアミノトランスフェラーゼポリペプチドは、トリプトファンアミノトランスフェラーゼ活性を保持する。例えば、部位特異的突然変異誘発または当業者には公知の他の方法などの標準的な手順を用いて、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を操作することにより、1個以上の保存的置換を含むように、該ポリペプチドを作製することができる。
【0123】
タンパク質中で元のアミノ酸に置換することができ、該ポリペプチドの活性に対してほとんど影響しないか、または全く影響しない場合、保存的置換と見なすことができるアミノ酸の非限定例としては、SerもしくはThrで置換したAla;Gln、His、もしくはLysで置換したArg;Glu、Gln、Lys、His、Aspで置換したAsn;Asn、Glu、もしくはGlnで置換したAsp;SerもしくはAlaで置換したCys;Asn、Glu、Lys、His、Asp、もしくはArgで置換したGln;Asn、Gln、Lys、もしくはAspで置換したGlu;Proで置換したGly;Asn、Lys、Gln、Arg、Tyrで置換したHis;Leu、Met、Val、Pheで置換したIle;Ile、Met、Val、Pheで置換したLeu;Asn、Glu、Gln、His、Argで置換したLys;Ile、Leu、Val、Pheで置換したMet;Trp、Tyr、Met、Ile、もしくはLeuで置換したPhe;Thr、Alaで置換したSer;SerもしくはAlaで置換したThr;Phe、Tyrで置換したTrp;His、Phe、もしくはTrpで置換したTyr;およびMet、Ile、Leuで置換したValが挙げられる。
【0124】
保存的置換に関するさらなる情報を、特に、Ben-Bassatら(J. Bacteriol. 169:751-7, 1987)、O'Reganら(Gene 77:237-51, 1989)、Sahin-Tothら(Protein Sci. 3:240-7, 1994)、Hochuliら(Bio/Technology 6:1321-5, 1988)、WO 00/67796 (Curdら)および遺伝学および分子生物学の標準的な教科書に見出すことができる。
【0125】
誘導される:本明細書および特許請求の範囲の目的のために、以下のいずれか1つ以上:1)物質が生物/資源中に存在する;2)物質が天然の宿主から除去される;または3)物質が天然の宿主から除去され、例えば、突然変異誘発により進化する、が真実である場合、該物質は該生物または資源から「誘導される」。
【0126】
単離された:本明細書で用いられる用語「単離された」とは、任意の物質がその天然の宿主から除去されており、該物質を精製する必要がないことを指す。例えば、「単離された核酸」とは、それが誘導される生物の天然のゲノム中で直接に連続的である両方の配列(5'末端上の一方および3'末端上の一方)と直接に連続的ではない天然の核酸を指す。例えば、単離された核酸は、限定されるものではないが、天然のゲノム中の組換えDNA分子に直接フランキングする通常認められる核酸配列の1つが除去されるか、または存在しないという条件で、任意の長さの組換えDNA分子であってよい。かくして、単離された核酸は、限定されるものではないが、ベクター、自己複製するプラスミド、ウイルス(レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルスなど)、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれた他の配列ならびに組換えDNAとは関係なく、別の分子として存在する組換えDNA分子(PCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ処理により製造されたcDNAもしくはゲノムDNA断片)を含む。さらに、単離された核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である組換えDNA分子を含んでもよい。
【0127】
本明細書で用いられる用語「単離された」は、材料(本発明に従うタンパク質または核酸など)が、その元の環境(それが天然である場合、天然の環境など)から除去されることを意味する。例えば、生きている動物中に存在する天然のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されたものではないが、天然系に同時に存在する材料のうちのいくらか、または全部から分離された、同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されたものである。そのようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であってもよく、および/またはそのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部であってもよく、そのようなベクターもしくは組成物がその天然の環境の一部ではない点で依然として単離されたものであってよい。
【0128】
核酸を参照して本明細書で用いられる用語「単離された」は、非天然核酸配列が天然で見出されず、天然のゲノム中で直接に連続的な配列を有さないため、任意の非天然核酸をも含んでもよい。例えば、遺伝子操作された核酸などの非天然核酸は、単離された核酸であると考えられる。遺伝子操作された核酸を、一般的な分子クローニング技術または化学的核酸合成技術を用いて作製することができる。単離された非天然核酸は、他の配列と無関係であるか、またはベクター、自己複製するプラスミド、ウイルス(レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルスなど)、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA中に組み込むことができる。さらに、非天然核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の一部である核酸分子を含んでもよい。
【0129】
精製された:本明細書で用いられる用語「精製された」は、絶対的な純度を必要とせず、むしろ、相対的な用語として意図される。かくして、例えば、精製されたポリペプチドもしくは核酸調製物は、対象のポリペプチドまたは核酸が、生物内のその天然の環境にあるポリペプチドもしくは核酸よりも高い濃度にあるか、またはそれが除去された環境中よりも高い濃度にあるものであってよい。
【0130】
ライブラリーから取得された個々の核酸を、電気泳動的に均一になるまで従来通り精製した。これらのクローンから取得された配列を、該ライブラリーまたは全ヒトDNAから直接的に取得することはできない。本発明に従う精製された核酸を、少なくとも104〜106倍に、生物中のゲノムDNAの残りから精製した。いくつかの実施形態においては、用語「精製された」は、少なくとも1桁の規模、例えば、いくつかの実施形態においては、2〜3桁、もしくは4〜5桁の規模により、ゲノムDNAの残りから、またはライブラリーもしくは他の環境中の他の配列から精製された核酸を含む。
【0131】
アミノ酸:本明細書で用いられる「アミノ酸」または「アミノ酸配列」とは、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質配列、またはこれらのいずれかの断片、部分、もしくはサブユニット、および天然分子もしくは合成分子を指す。「アミノ酸」または「アミノ酸配列」は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、もしくはタンパク質配列、またはこれらのいずれかの断片、部分、もしくはサブユニット、および天然分子もしくは合成分子を含む。本明細書で用いられる用語「ポリペプチド」とは、ペプチド結合もしくは改変されたペプチド結合により互いに連結されたアミノ酸、すなわち、ペプチド等量式を指し、20種の遺伝子によりコードされるアミノ酸以外の改変されたアミノ酸を含んでもよい。前記ポリペプチドを、翻訳後プロセッシングなどの天然のプロセスにより、または当業界でよく知られた化学的改変技術により改変することができる。改変は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシ末端などの、ポリペプチド中の任意の位置で生じてもよい。所与のポリペプチド中のいくつかの部位に、同じか、または変化する程度で、同じ型の改変が存在してもよいことが理解されるであろう。また、所与のポリペプチドは、多くの型の改変を有してもよい。改変としては、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質もしくは脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋環状化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ-カルボキシル化、糖鎖付加、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、PEG化、グルカンヒドロラーゼ処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化およびアルギン化などのタンパク質へのアミノ酸の転移RNAを介する付加が挙げられる(Creighton, T.E., Proteins - Structure and Molecular Properties、第2版、W.H. Freeman and Company, New York (1993); Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson(編)、Academic Press, New York, pp. 1-12 (1983))。本発明に従うペプチドおよびポリペプチドは、以下でさらに詳細に説明するように、全ての「模倣物質」および「ペプチド模倣物質」形態をも含む。
【0132】
アルドラーゼ活性を有するポリペプチド:「アルドラーゼ活性を有するポリペプチド」は、それ自身、または1種以上のさらなるポリペプチド(同じか、もしくは異なる配列を有する)と結合したポリペプチドが、アルドラーゼの酵素活性を有するタンパク質であることを意味する。
【0133】
組換え:「組換え」ポリペプチドまたはタンパク質とは、組換えDNA技術により産生された、すなわち、所望のポリペプチドまたはタンパク質をコードする外因性DNA構築物により形質転換された細胞から産生されたポリペプチドまたはタンパク質を指す。「合成」ポリペプチドまたはタンパク質は、化学的合成により調製されたものである。固相化学ペプチド合成法を用いて、本発明に従うポリペプチドまたは断片を合成することもできる。そのような方法は、1960年代以来公知であり(Merrifield, R. B., J. Am. Chem. Soc., 85: 2149-2154, 1963) (Stewart, J. M.およびYoung, J. D., Solid Phase Peptide Synthesis、第2版、Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp. 11-12も参照))、市販の研究用ペプチド設計および合成キット(Cambridge Research Biochemicals)において最近用いられてきた。そのような市販の研究用キットは、H. M. Geysenら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 81:3998 (1984)の教示を一般的に利用したものであり、全て1個のプレートに接続された、複数の「ロッド」または「ピン」の先端上でのペプチド合成を提供する。
【0134】
実質的に同一:2個の核酸またはポリペプチドの文脈における語句「実質的に同一」とは、公知の配列比較アルゴリズムの1つを用いて、または視覚的検査により測定されるように、最大の一致について比較および整列された場合、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基(配列)同一性を有する、2個以上の配列を指す。他の実施形態においては、実質的な同一性は、少なくとも約100個以上の残基の領域に渡って存在し、最も一般的には、前記配列は少なくとも約150〜200個以上の残基に渡って実質的に同一である。いくつかの実施形態においては、前記配列は、コード領域の全長に渡って、実質的に同一である。
【0135】
さらに、「実質的に同一の」アミノ酸配列は、1個以上の保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失、または挿入により、参照配列と異なる配列である。いくつかの実施形態においては、前記置換は分子の活性部位ではない部位で起こるか、またはあるいは、該置換は、該ポリペプチドがその機能的(酵素的)特性を本質的に保持するという条件で、該分子の活性部位である部位で起こる。保存的アミノ酸置換は、例えば、1個のアミノ酸を、別の同じクラスに置換する(イソロイシン、バリン、ロイシン、もしくはメチオニンなどの1個の疎水性アミノ酸の、別のものへの置換、または1個の極性アミノ酸の、別のものへの置換、例えば、アルギニンのリジンへの置換、グルタミン酸のアスパラギン酸への置換もしくはグルタミンのアスパラギンへの置換など)。1個以上のアミノ酸を、例えば、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼポリペプチドから欠失させ、その生物学的活性を有意に変化させることなく、該ポリペプチドの構造の改変をもたらすことができる。例えば、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の生物学的活性にとって必要ではないアミノ末端またはカルボキシ末端アミノ酸を、除去することができる。本発明に従う改変されたポリペプチド配列を、改変されたポリペプチド配列を基質と接触させ、改変されたポリペプチドが、アッセイにおいて特異的基質の量を減少させるか、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの機能的アルドラーゼポリペプチドと該基質との酵素反応の副生成物を増加させるかどうかを決定することなどの、任意の数の方法により、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の生物学的活性についてアッセイすることができる。
【0136】
断片:タンパク質もしくはポリペプチドまたは核酸に関して本明細書で用いられる「断片」は、それぞれ、タンパク質、ポリペプチドまたは核酸の一部である。断片は、該断片が誘導されたより長いタンパク質、ポリペプチドもしくは核酸配列と同じか、または実質的に同じアミノ酸もしくは核酸配列を有してもよい。より長いタンパク質、ポリペプチドまたは核酸のものと比較して、異なる三次元構造を有する断片も含まれる。これの一例は、有意により高い活性を有する成熟酵素を作製するために切断により改変することができる低い活性のプロタンパク質などの「プロ型」分子である。タンパク質またはポリペプチドの断片は、タンパク質またはポリペプチドの酵素的に活性な部分であってよい。
【0137】
立体反転アミノトランスフェラーゼ:「立体反転アミノトランスフェラーゼ」は、アミノ供与体として反対のキラリティ基質を用いながら、キラルアミノ酸生成物(モナチンなど)を優先的または選択的に産生することができるポリペプチドである。例えば、立体反転アミノトランスフェラーゼは、基質としてL-グルタミン酸を優先的または選択的に用いて、R,Rモナチンを産生するD-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(D-4-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼとも呼ばれる)であってよい。立体反転アミノトランスフェラーゼの非限定例としては、D-メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.41)およびD-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性またはD-4-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素が挙げられる。
【0138】
本発明は、限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性などのアルドラーゼ活性を有するポリペプチド、それらをコードするポリヌクレオチドならびにこれらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドを作製および使用する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素、これらの酵素をコードするポリヌクレオチド、そのようなポリヌクレオチドおよびポリペプチドの使用も提供する。
【0139】
いくつかの実施形態においては、本発明は、それぞれ、未改変の、または未進化のアルドラーゼと比較して増加した比活性を有する、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの改変されたか、または進化したアルドラーゼを提供する。
【0140】
いくつかの実施形態においては、3,4-置換-2-ケト-グルタル酸の産生を容易にする、限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼが提供される。一実施形態においては、本発明は、3,4-置換-2-ケト-グルタル酸を作製する方法であって、(a)限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)供与体および受容体化合物を提供すること;ならびに(c)アルドラーゼが3,4-置換-2-ケト-グルタル酸の合成を触媒する条件下で、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の化合物とを接触させることを含み、必要に応じて、該供与体および受容体がピルビン酸もしくはピルビン酸供与体ならびにα-ケト酸受容体、ケトンおよび/もしくはアルデヒドである、前記方法を提供する。
【0141】
本発明の別の実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼを、D-アミノトランスフェラーゼと共に用いて、4-置換D-グルタミン酸またはその誘導体を作製することができる。4-置換D-グルタミン酸および/またはその誘導体は細菌のグルタミン酸ラセマーゼを阻害することがわかっているため、これらの化合物を抗生物質として用いることができる。一実施形態においては、本発明は、4-置換D-グルタミン酸を作製する方法であって、(a)限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを提供すること;(b)α-ケト酸受容体およびピルビン酸もしくはピルビン酸供与体を提供すること;ならびに(c)アルドラーゼが4-置換D-グルタミン酸の合成を触媒する条件下で、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の化合物とを接触させることを含み、必要に応じて、該ポリペプチドがピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性を有し、必要に応じて、該方法がD-アミノトランスフェラーゼの使用をさらに含む、前記方法を提供する。
【0142】
いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う酵素、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む組成物(酵素調製物、食品および食品添加物、飼料および飼料添加物、飲料および飲料添加物、薬剤および薬剤添加物、ならびに栄養補助食品など)を提供する。これらの組成物を、液体、ゲル、ピル、錠剤、スプレー、フィルム、ミセル、粉末、食品、飼料ペレットなどの様々な形態またはナノカプセル化形態などのカプセル化形態中で製剤化することができる。
【0143】
ポリペプチドが、限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を有するかどうかを決定するためなどの、限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性を含むアルドラーゼ活性を測定するためのアッセイは、当業界でよく知られており、本発明の範囲内にある;E.E. Dekker & R.P. Kitson, J. Biol. Chem. 267, 10507-10514, 1992; Taha TS, Deits TL、「アゾトバクター・ビネランディに由来する2-ケト-3-デオキシ-6-ホスホグルコン酸アルドラーゼの精製および特性評価:この酵素が2-ケト-4-ヒドロキシグルタル酸切断に向かう二機能である証拠(Purification and characterization of 2-keto-3-deoxy-6-phosphogluconate aldolase from Azotobacter vinelandii: evidence that the enzyme is bifunctional towards 2-keto-4-hydroxy glutarate cleavage)」、Biochem Biophys Res Commun. 1994 Apr 15;200(1):459-66; Dekker EE, Kobes RD, Grady SR、「ウシ肝臓由来2-ケト-4-ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ(2-keto-4-hydroxyglutarate aldolase from bovine liver)」、Methods Enzymol. 1975; 42:280-5; Dekker EE, Nishihara H, Grady SR, Methods Enzymol. 1975;42:285-90, 「大腸菌由来2-ケト-4-ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ(2-keto-4-hydroxyglutarate aldolase from Escherichia coli)」; Nishihara H, Dekker EE, Biochim Biophys Acta. 1969 Jul 8;185(1):255-7、「大腸菌由来立体特異的2-ケト-4-ヒドロキシグルタル酸アルドラーゼ(A stereospecific 2-keto-4-hydroxyglutarate aldolase from Escherichia coli)」を参照されたい。ポリペプチドが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を有するかどうかを決定するための好適なアッセイの一例を、実施例3に記載する。
【0144】
いくつかの実施形態においては、本発明のアルドラーゼを、例えば、約3.0〜約12.0の範囲などの様々なpH条件で有効に用いることができる。他の実施形態においては、本発明のアルドラーゼを、約pH 3.0、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5または12.0で用いることができる。本発明に従う酵素のいくつかの産業的または製薬的適用などにおける、酸性またはアルカリ性条件下で行われた反応条件も有利であってよい。
【0145】
本発明は、様々な剤形および製剤中の本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼポリペプチドを提供する。本発明に従う方法においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼポリペプチドを、様々な剤形および製剤中で用いる。例えば、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの精製されたアルドラーゼポリペプチドを、R-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(R-MP)ならびにR,RおよびS,Rモナチンなどのモナチンの特定の立体異性体、およびその塩、ならびにR,RおよびS,Rモナチン誘導体配置などの、モナチン誘導体の特定の立体異性体、およびその塩の製造において展開された酵素調製物において、または医薬もしくは栄養補助用途において用いることができる。あるいは、本発明に従う酵素を、R-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(R-MP)ならびにR,RおよびS,Rモナチンなどのモナチンの特定の立体異性体、およびその塩、ならびにR,RおよびS,Rモナチン誘導体配置などの、モナチン誘導体の特定の立体異性体、およびその塩を製造するためのプロセス、食品、液体または飼料などを加工するためのプロセスにおいて直接用いることができる。
【0146】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼポリペプチドを、当業界で公知の手順を用いて、微生物中で発現させることができる。いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼポリペプチドを、固相支持体上に固定した後、本発明に従う方法において用いることができる。固相支持体上に酵素を固定する方法は、当業界で一般的に知られており、例えば、J. Mol. Cat. B: Enzymatic 6 (1999) 29-39; Chivataら、「生物触媒:固定された細胞および酵素(Biocatalysis: Immobilized cells and enzymes)」、J Mol. Cat. 37 (1986) 1-24: Sharmaら、「固定された生物材料技術および用途(Immobilized Biomaterials Techniques and Applications)」、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 21 (1982) 837-54: Laskin (編)、「バイオテクノロジーにおける酵素および固定された細胞(Enzymes and Immobilized Cells in Biotechnology)」を参照されたい。
【0147】
核酸、プローブおよび阻害分子
本発明は、配列表に記載のものなどの単離された核酸および組換え核酸;配列表に記載のものなどの、本発明に従うポリヌクレオチド配列を含む、ポリペプチドをコードする核酸;本発明に従う核酸を含む発現ベクターおよび種々のクローニングビヒクルなどの発現カセットを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う核酸を用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの新規アルドラーゼポリペプチド配列を探索、同定または単離するための方法も含む。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う核酸を用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼをコードする遺伝子および転写物の発現を阻害するための方法を含んでもよい。
【0148】
また、合成連結再集合、最適化指向性進化系および/または遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)などの飽和突然変異誘発などにより、本発明に従う核酸の変異体を作製することを含む、本発明に従う核酸を改変する方法も提供される。用語「飽和突然変異誘発」、遺伝子部位飽和突然変異誘発、または「GSSM」は、以下に詳細に説明するように、縮重オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリヌクレオチド中に点突然変異を導入する方法を含む。用語「最適化指向性進化系」または「最適化指向性進化」は、以下に詳細に説明するように、関連遺伝子などの、関連する核酸配列の断片を再集合させる方法を含む。用語「合成連結再集合」または「SLR」は、以下に詳細に説明するように、非確率論的様式でオリゴヌクレオチド断片を連結する方法を含む。用語「変異体」とは、1個以上の塩基対、コドン、イントロン、エクソン、またはアミノ酸残基で改変され、(それぞれ)本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼの生物学的活性を依然として保持する、本発明に従うポリヌクレオチドまたはポリペプチドを指す。例えば、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、性的PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、帰納的集合突然変異誘発、指数集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再集合、GSSMおよびその任意の組合せなどの方法を含む任意の数の手段により、変異体を製造することができる。
【0149】
本発明に従う核酸を、cDNAライブラリーのクローニングおよび発現、PCRによるメッセージもしくはゲノムDNAの増幅などにより作製、単離および/または操作することができる。例えば、本発明に従う配列を、最初に環境資源から誘導した。かくして、いくつかの実施形態においては、本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸、ならびに好ましくは、環境資源、混合培養物、もしくは細菌資源などの一般的資源から誘導された、それらによりコードされるポリペプチドを提供する。
【0150】
本発明に従う方法の実施においては、本明細書に記載のように、鋳型核酸を操作することにより、相同遺伝子を改変することができる。いくつかの実施形態においては、本発明を、科学文献および特許文献によく記載された、当業界で公知の任意の方法またはプロトコルまたは装置と組み合わせて実施することができる。
【0151】
本明細書で用いられる語句「核酸」または「核酸配列」とは、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、またはこれらのいずれかの断片、一本鎖もしくは二本鎖であってよく、センスもしくはアンチセンス(相補)鎖であってもよいゲノムもしくは合成起源のDNAもしくはRNA、ペプチド核酸(PNA)、または天然もしくは合成起源の、任意のDNA様もしくはRNA様材料を指す。語句「核酸」または「核酸配列」は、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、またはこれらのいずれかの断片、一本鎖もしくは二本鎖であってよく、センスもしくはアンチセンス鎖であってもよいゲノムもしくは合成起源のDNAもしくはRNA(mRNA、rRNA、tRNA、iRNAなど)、ペプチド核酸(PNA)、または天然もしくは合成起源の、任意のDNA様もしくはRNA様材料、例えば、iRNA、リボ核タンパク質(iRNPなどの二本鎖iRNAなど)を含む。前記用語は、天然ヌクレオチドの公知の類似体を含む、核酸、すなわち、オリゴヌクレオチドを包含する。この用語は、合成主鎖を有する核酸様構造物も包含し、例えば、Mata (1997) Toxicol. Appl. Pharmacol. 144:189-197; Strauss-Soukup (1997) Biochemistry 36:8692-8698; Samstag (1996) Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153-156を参照されたい。「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成されたものであってよい、一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは2個の相補的ポリデオキシヌクレオチド鎖を含む。そのような合成オリゴヌクレオチドは、5'リン酸を有さず、かくして、キナーゼの存在下でリン酸をATPと共に添加することなく、別のオリゴヌクレオチドに結合しないであろう。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化されていない断片に結合することができる。
【0152】
特に、ポリペプチドまたはタンパク質「のコード配列」または「をコードするヌクレオチド配列」は、好適な調節配列の制御下に置いた場合、ポリペプチドまたはタンパク質に転写および翻訳され得る核酸配列である。用語「遺伝子」とは、ポリペプチド鎖の産生に関与するDNAの断片を意味する;それは、コード領域の前後の領域(リーダーおよびトレイラー)ならびに、適用可能な場合、個々のコード断片(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含む。プロモーターのところで転写を開始するRNAポリメラーゼが、コード配列をmRNAに転写する場合、該プロモーター配列は該コード領域に「機能し得る形で連結」されている。本明細書で用いられる「機能し得る形で連結された」とは、2個以上の核酸(DNAなど)断片間の機能的関係を指す。それは、転写される配列に対する転写調節配列の機能的関係を指してもよい。例えば、プロモーターが、好適な宿主細胞または他の発現系においてコード配列の転写を刺激または調節する場合、該プロモーターは、本発明に従う核酸などのコード配列に機能し得る形で連結されている。一般的には、転写される配列に機能し得る形で連結されたプロモーター転写調節配列は、該転写される配列と物理的に連続している、すなわち、それらはシス作用性である。しかしながら、エンハンサーなどのいくつかの転写調節配列は、それらが転写を増強するコード配列と物理的に連続的であるか、またはそれに対して近接する部位に位置する必要はない。
【0153】
本明細書で用いられる用語「発現カセット」とは、そのような配列と適合可能な宿主中で、構造遺伝子(すなわち、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素などのタンパク質コード配列)の発現に影響することができるヌクレオチド配列を指す。発現カセットは、ポリペプチドコード配列;および必要に応じて、転写終結シグナルなどの他の配列に機能し得る形で連結された少なくとも1個のプロモーターを含む。発現を行うのに必要な、または役立つさらなる因子、例えば、エンハンサー、α因子などを用いてもよい。かくして、発現カセットとしては、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、任意の形態の組換え「裸のDNA」ベクターなどが挙げられる。「ベクター」は、細胞に感染し、それをトランスフェクトし、一過的または永続的に形質導入することができる核酸を含む。ベクターは、裸の核酸、またはタンパク質もしくは脂質と複合体化させた核酸であってよいことが認識されるであろう。ベクターは、必要に応じて、ウイルスもしくは細菌の核酸および/またはタンパク質、および/または膜(細胞膜、ウイルス脂質エンベロープなど)を含む。ベクターとしては、限定されるものではないが、DNAの断片を結合させ、複製されるようになるレプリコン(RNAレプリコン、バクテリオファージなど)が挙げられる。かくして、ベクターとしては、限定されるものではないが、RNA、自律的に自己複製する環状もしくは線状DNAまたはRNA(プラスミド、ウイルスなど、米国特許第5,217,879号を参照)が挙げられ、また発現および非発現プラスミドの両方を含む。組換え微生物または細胞培養物を、「発現ベクター」を担持するものと記載する場合、これは、染色体外の環状および線状DNAならびに宿主染色体中に組み込まれたDNAの両方を含む。ベクターが宿主細胞により維持される場合、該ベクターは自律的構造物として有糸分裂の間に細胞により安定的に複製されるか、または宿主のゲノム内に組み込まれる。
【0154】
本明細書で用いられる用語「組換え」は、核酸がその天然の環境中で隣接しない「主鎖」核酸に隣接する核酸を包含する。いくつかの実施形態においては、「富化された」核酸は、核酸主鎖分子の集団中の約5%以上の数の核酸挿入物を表すであろう。本発明に従う主鎖分子は、発現ベクター、自己複製する核酸、ウイルス、組込み核酸および目的の核酸挿入物を維持するか、または操作するのに用いられる他のベクターまたは核酸などの核酸を含む。いくつかの実施形態においては、富化された核酸は、組換え主鎖分子の集団中の約15%以上の数の核酸挿入物を表す。いくつかの実施形態においては、富化された核酸は、組換え主鎖分子の集団中の約50%以上の数の核酸挿入物を表す。いくつかの実施形態においては、富化された核酸は、組換え主鎖分子の集団中の約90%以上の数の核酸挿入物を表す。
【0155】
本発明の一実施形態は、本発明に従う配列のうちの1つを含む単離された、合成もしくは組換え核酸、または本発明に従う核酸の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400もしくは500個以上の連続する塩基を含む断片である。この単離された、合成または組換え核酸は、cDNA、ゲノムDNAおよび合成DNAなどのDNAを含んでもよい。このDNAは二本鎖または一本鎖であってよく、一本鎖である場合、コード鎖であるか、または非コード(アンチセンス)鎖であってよい。あるいは、単離された、合成または組換え核酸はRNAを含む。
【0156】
本発明に従う単離された、合成または組換え核酸を用いて、本発明に従うポリペプチドの1つ、または本発明に従うポリペプチドの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続するアミノ酸を含む断片を調製することができる。従って、本発明の別の実施形態は、本発明に従うポリペプチドの1つ、または本発明に従うポリペプチドの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続するアミノ酸を含む断片をコードする単離された、合成または組換え核酸である。これらの核酸のコード配列は、本発明に従う核酸の1つのコード配列の1つと同一であるか、または遺伝子コードの冗長性もしくは縮重性の結果として、本発明に従うポリペプチドの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続するアミノ酸を有する本発明に従うポリペプチドの1つをコードする異なるコード配列であってもよい。遺伝子コードは、当業者にはよく知られており、B. Lewin, Genes VI, Oxford University Press, 1997の214ページなどで取得することができる。
【0157】
本発明のポリペプチドの1つをコードする単離された核酸およびそれと実質的に同一の配列としては、限定されるものではないが、本発明に従う核酸のコード配列ならびに該コード配列の5'および/もしくは3'側のイントロンもしくは非コード配列などの、リーダー配列またはプロタンパク質配列および非コード配列などのさらなるコード配列が挙げられる。かくして、本明細書で用いられる用語「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、該ポリペプチドのコード配列を含むポリヌクレオチドならびにさらなるコードおよび/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。
【0158】
あるいは、本発明の核酸配列およびそれと実質的に同一の配列を、部位特異的突然変異誘発などの従来の技術、または当業者にはよく知られている他の技術を用いて突然変異誘発させて、本発明に従うポリヌクレオチドにサイレントな変化を導入することができる。本明細書で用いられる「サイレントな変化」は、例えば、前記ポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列を変化させない変化を含む。宿主生物中で頻繁に生じるコドンまたはコドン対を導入することにより、ポリペプチドをコードするベクターを含む宿主細胞により産生される該ポリペプチドのレベルを増加させるためには、そのような変化が望ましい。
【0159】
本発明はまた、本発明に従うポリペプチドにおけるアミノ酸置換、付加、欠失、融合およびトランケーションをもたらすヌクレオチド変化を有するポリヌクレオチドにも関する。そのようなヌクレオチド変化を、部位特異的突然変異誘発、無作為化学的突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIII欠失および他の組換えDNA技術などの技術を用いて導入することができる。あるいは、そのようなヌクレオチド変化は、本明細書に提供されるように、高い、中程度の、または低いストリンジェンシーの条件下で、本発明に従う配列の1つ(またはそれと相補的な配列)の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、または500個の連続する塩基を含むプローブに特異的にハイブリダイズする核酸を同定することにより単離された天然の対立遺伝子多型であってよい。
【0160】
一般的技術
RNA、siRNA、miRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルスまたはそのハイブリッドであろうと、本発明を実施するのに用いられる核酸を、遺伝子操作された、増幅された、および/または組換え発現/生成された、様々な資源から単離することができる。これらの核酸から生成された組換えポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)を、個別に単離またはクローニングし、所望の活性について試験することができる。細菌、哺乳動物、酵母、昆虫または植物細胞発現系などの任意の組換え発現系を用いることができる。
【0161】
あるいは、これらの核酸を、Adams (1983) J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444; Frenkel (1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth. Enzymol. 68:90; Brown (1979) Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage (1981) Tetra. Lett. 22:1859; 米国特許第4,458,066号などに記載のよく知られた化学合成技術により、in vitroで合成することができる。
【0162】
サブクローニング、標識プローブ(Klenowポリメラーゼ、ニックトランスレーション、増幅を用いるランダムプライマー標識など)、配列決定、ハイブリダイゼーションなどの、核酸の操作に関する技術は、科学文献および特許文献によく記載されており、Sambrook(編)、MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL (第2版), Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, (1989); CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, Ausubel(編)、John Wiley & Sons, Inc., New York (1997); LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY: HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, Tijssen(編)、Elsevier, N.Y. (1993)を参照されたい。
【0163】
本発明に従う方法を実施するのに用いられる核酸を取得および操作する別の有用な手段は、ゲノムサンプルからクローニングすること、および必要に応じて、ゲノムクローンまたはcDNAクローンなどから単離または増幅された挿入物をスクリーニングおよび再クローニングすることである。本発明に従う方法において用いられる核酸の起源としては、哺乳動物人工染色体(MAC) (米国特許第5,721,118号、同第6,025,155号を参照);ヒト人工染色体(Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335を参照);酵母人工染色体(YAC);細菌人工染色体(BAC); P1人工染色体(Woon (1998) Genomics 50:306-316を参照);P1由来ベクター (PACs)(Kern (1997) Biotechniques 23:120-124を参照);コスミド、組換えウイルス、ファージもしくはプラスミドなどに含まれるゲノムまたはcDNAライブラリーが挙げられる。
【0164】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うポリペプチドをコードする核酸を、翻訳されたポリペプチドまたはその断片の分泌を指令することができるリーダー配列を用いて、好適な段階で集合させる。
【0165】
本発明は、融合タンパク質およびそれらをコードする核酸を提供する。本発明に従うポリペプチドを、増加した安定性または単純化された精製などの所望の特性を付与するN末端同定ペプチドなどの異種ペプチドまたはポリペプチドに融合させることができる。本発明に従うペプチドおよびポリペプチドを、より免疫原性の高いペプチドを製造することなどのために、それに連結した1個以上のさらなるドメインとの融合タンパク質として合成し、発現させて、組換え合成されたペプチドをより容易に単離し、抗体および抗体を発現するB細胞などを同定および単離することもできる。検出および精製を容易にするドメインとしては、固定された金属上での精製を可能にするポリヒスチジン配列およびヒスチジン-トリプトファンモジュールなどの金属キレート化ペプチド、固定された免疫グロブリン上での精製を可能にするAタンパク質ドメイン、ならびにFLAGS伸長/親和性精製系(Immunex Corp, Seattle WA)中で用いられるドメインなどが挙げられる。精製ドメインと、精製を容易にするモチーフを含むペプチドまたはポリペプチドの間の、Xa因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen, Carlsbad, CA)などの切断可能なリンカー配列の含有。例えば、発現ベクターは、6個のヒスチジン残基に連結されたエピトープをコードする核酸配列、次いで、チオレドキシンおよびエンテロキナーゼ切断部位を含んでもよい(Williams (1995) Biochemistry 34:1787-1797; Dobeli (1998) Protein Expr. Purif. 12:404-414などを参照)。ヒスチジン残基は、検出および精製を容易にするが、エンテロキナーゼ切断部位は、融合タンパク質の残りの部分からエピトープを精製するための手段を提供する。融合タンパク質をコードするベクターに属する技術および融合タンパク質の用途は、科学文献および特許文献によく記載されており、Kroll (1993) DNA Cell. Biol., 12:441-53などを参照されたい。
【0166】
転写および翻訳制御配列
本発明は、RNA合成/発現を指令または調節するプロモーターまたはエンハンサーなどの発現(転写または翻訳)制御配列に機能し得る形で連結された本発明に従う核酸(DNAなど)配列を提供する。発現制御配列は、発現ベクター中にあってよい。細菌プロモーターの例としては、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、λPR、PLおよびtrpが挙げられる。真核プロモーターの例としては、CMV極初期、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来LTR、およびマウスメタロチオネインIが挙げられる。
【0167】
本明細書で用いられる用語「プロモーター」は、植物または動物細胞などの細胞中でコード配列の転写を駆動することができる全ての配列を含む。かくして、本発明に従う構築物中で用いられるプロモーターとしては、シス作用性転写制御エレメントならびに遺伝子の転写のタイミングおよび/もしくは速度の調節またはモジュレーションに関与する調節配列が挙げられる。例えば、プロモーターは、転写調節に関与する、エンハンサー、プロモーター、転写ターミネーター、複製起点、染色体組込み配列、5'および3'非翻訳領域、またはイントロン配列などのシス作用性転写制御エレメントであってよい。これらのシス作用性配列は、転写を実行する(スイッチを入れる/切る、調節する、モジュレートするなど)タンパク質または他の生体分子と相互作用することができる。「構成的」プロモーターは、発生または細胞分化の多くの環境条件および段階の下で連続的に発現を駆動するものである。「誘導的」または「調節可能な」プロモーターは、環境条件または発生条件の影響下で、本発明に従う核酸の発現を指令する。誘導的プロモーターによる転写に影響し得る環境条件の例としては、嫌気性条件、温度上昇、乾燥、または光の存在が挙げられる。
【0168】
「組織特異的」プロモーターは、植物または動物などの、特定の細胞または組織または器官においてのみ活性である転写制御エレメントである。組織特異的調節を、所与の組織にとって特異的なタンパク質をコードする遺伝子が発現されることを確保する特定の固有の因子により達成することができる。そのような因子は、哺乳動物および植物中に存在して、特異的組織が発達するのを可能にすることが知られている。
【0169】
細菌中でポリペプチドを発現させるのに好適なプロモーターとしては、大腸菌lacもしくはtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、λPRプロモーター、λPLプロモーター、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)などの解糖酵素をコードするオペロンに由来するプロモーター、および酸ホスファターゼプロモーターが挙げられる。真核プロモーターとしては、CMV極初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、レトロウイルス由来LTR、およびマウスメタロチオネインIプロモーターが挙げられる。原核もしくは真核細胞またはそのウイルスにおける遺伝子の発現を制御することが知られる他のプロモーターを用いてもよい。細菌中で前記ポリペプチドまたはその断片を発現させるのに好適なプロモーターとしては、大腸菌lacもしくはtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、λPRプロモーター、λPLプロモーター、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)などの解糖酵素をコードするオペロンに由来するプロモーター、および酸ホスファターゼプロモーターが挙げられる。菌類プロモーターとしては、α因子プロモーターが挙げられる。真核プロモーターとしては、CMV極初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、レトロウイルス由来LTR、およびマウスメタロチオネインIプロモーターが挙げられる。原核もしくは真核細胞またはそのウイルスにおける遺伝子の発現を制御することが知られる他のプロモーターを用いてもよい。
【0170】
組織特異的植物プロモーター
本発明は、組織特異的な様式で、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を発現することができるものなどの、組織特異的な様式で発現させることができる発現カセットを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、組織特異的な様式で、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を発現する植物または種子も提供する。組織特異性は、種子特異的、茎特異的、葉特異的、根特異的、果実特異的などであってよい。
【0171】
用語「植物」は、全植物、植物の一部(葉、茎、花、根など)、植物プロトプラスト、種子および植物細胞ならびに同じものの子孫を含む。本発明に従う方法において用いることができる植物のクラスは、一般的には、被子植物(単子葉植物および双子葉植物)ならびに裸子植物などの、形質転換技術の影響を受けやすい高等植物のクラスと同じぐらい広い。それは、倍数体、二倍体、半数体および半接合体状態などの、様々な倍数性レベルの植物を含む。本明細書で用いられる用語「トランスジェニック植物」は、本発明に従う核酸および種々の組換え構築物(発現カセットなど)などの、異種核酸配列が挿入された植物または植物細胞を含む。
【0172】
いくつかの実施形態においては、CaMV 35Sプロモーターなどの構成的プロモーターを、植物もしくは種子の特定の部分における、または該植物を通した発現のために用いることができる。例えば、過剰発現のために、再生された植物などの植物のいくつか、または全ての組織において核酸の発現を指令する植物プロモーター断片を用いることができる。そのようなプロモーターは、本明細書では「構成的」プロモーターと呼ばれ、多くの環境条件および発生もしくは細胞分化の状態の下で活性である。構成的プロモーターの例としては、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S転写開始領域、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのT-DNAから誘導された1'もしくは2'プロモーター、当業者には公知の様々な植物遺伝子に由来する他の転写開始領域が挙げられる。そのような遺伝子としては、シロイヌナズナ(Arabidopsis)に由来するACT11 (Huang (1996) Plant Mol. Biol. 33: 125-139);シロイヌナズナに由来するCat3(GenBank番号U43147、Zhong (1996) Mol. Gen. Genet. 251:196-203);セイヨウアブラナ(Brassica napus)に由来するステアロイル-アシル担体タンパク質をコードする遺伝子(GenBank番号X74782、Solocombe (1994) Plant Physiol. 104:1167-1176);トウモロコシに由来するGPc1(GenBank番号X15596、Martinez (1989) J. Mol. Biol 208:551-565);トウモロコシに由来するGPc2(GenBank番号U45855、Manjunath (1997) Plant Mol. Biol. 33:97-112);米国特許第4,962,028号; 同第5,633,440号に記載の植物プロモーターなどが挙げられる。
【0173】
本発明は、ウイルスから誘導された組織特異的または構成的プロモーターを使用し、トバモウイルスサブゲノミックプロモーター(Kumagai (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:1679-1683);感染したイネ植物中の師管細胞においてのみ複製し、そのプロモーターが強力な師管特異的受容体遺伝子発現を駆動する、イネタングロバチルス状ウイルス(RTBV);脈管エレメント、葉肉細胞、および根の先端において最も活性が高い、キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CVMV)プロモーター(Verdaguer (1996) Plant Mol. Biol. 31:1129-1139)などが挙げられる。
【0174】
いくつかの実施形態においては、前記植物プロモーターは、特定の組織、器官もしくは細胞型(すなわち、組織特異的プロモーター)においてHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を発現する核酸の発現を指令するか、またはさもなければ、より正確な環境もしくは発生条件下、または誘導的プロモーターの制御下にあってもよい。転写に影響し得る環境条件の例としては、嫌気性条件、温度上昇、光の存在、または化合物/ホルモンの噴霧が挙げられる。例えば、本発明は、トウモロコシの乾燥誘導性プロモーター(Busk (1997)上掲);ジャガイモに由来する、寒冷、乾燥、および高塩誘導性プロモーター(Kirch (1997) Plant Mol. Biol. 33: 897-909)を含む。
【0175】
いくつかの実施形態においては、組織特異的プロモーターは、その組織内の発生段階の特定の時間枠内でのみ転写を促進する。シロイヌナズナLEAVY遺伝子プロモーターを特性評価している、Blazquez (1998) Plant Cell 10:791-800を参照されたい。また、シロイヌナズナ(A. thaliana)花芽分裂組織同一性遺伝子AP1のプロモーター領域中の保存された配列モチーフを認識する転写因子SPL3を記載している、Cardon (1997) Plant J 12: 367-77;および分裂組織プロモーターeIF4を記載している、Mandel (1995) Plant Molecular Biology, Vol. 29, pp 995-1004を参照されたい。特定の組織の生活環を通して活性である組織特異的プロモーターを用いることができる。いくつかの実施形態においては、本発明に従う核酸を、主に綿繊維細胞中でのみ活性なプロモーターに機能し得る形で連結する。いくつかの実施形態においては、本発明に従う核酸を、Rinehart (1996)上掲により記載のものなどの、主に綿繊維細胞増殖の段階の間に活性であるプロモーターに機能し得る形で連結する。前記核酸を、綿繊維細胞(上掲)中で優先的に発現されるFbl2A遺伝子プロモーターに機能し得る形で連結することができる。また、綿繊維特異的プロモーターおよびトランスジェニック綿植物の構築のための方法を記載している、John (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5769-5773; Johnら、米国特許第5,608,148号および同第5,602,321号も参照されたい。根特異的プロモーターを用いて、本発明に従う核酸を発現させることもできる。根特異的プロモーターの例としては、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子に由来するプロモーターが挙げられる(DeLisle (1990) Int. Rev. Cytol. 123:39-60)。本発明に従う核酸を発現させるのに用いることができる他のプロモーターとしては、胚珠特異的、胚特異的、内胚葉特異的、外皮特異的、種子外皮特異的プロモーター、もしくはそのいくつかの組合せ;葉特異的プロモーター(トウモロコシにおける葉特異的プロモーターを記載している、Busk (1997) Plant J. 11:1285-1295を参照);アグロバクテリウム・リゾジェンス(Agrobacterium rhizogenes)に由来するORF13プロモーター(根において高い活性を示す、Hansen (1997)上掲を参照);トウモロコシ花粉特異的プロモーター(Guerrero (1990) Mol. Gen. Genet. 224:161-168を参照);果実熟成、老化および落の器官脱離およびより低い程度で、花の器官脱離の間に活性であるトマトプロモーターを用いることができる(Blume (1997) Plant J. 12:731-746を参照);ジャガイモSK2遺伝子に由来する雌しべ特異的プロモーター(Ficker (1997) Plant Mol. Biol. 35:425-431を参照);活発に成長する根もしくは繊維の表皮層に外来遺伝子の発現を標的化するのに有用な道具になる、トランスジェニックアルファルファの成長性の、および花の茎頂の表皮性組織において活性である、エンドウ豆に由来するBlec4遺伝子;胚珠特異的BEL1遺伝子(Reiser (1995) Cell 83:735-742, GenBank番号U39944を参照);ならびに/または分裂組織および/もしくは急速に分裂する細胞において高レベルの転写を与えることができる植物プロモーター領域を記載している、Kleeの米国特許第5,589,583号に記載のプロモーターが挙げられる。
【0176】
いくつかの実施形態においては、オーキシンなどの植物ホルモンに対して曝露した際に誘導的である植物プロモーターを用いて、本発明に従う核酸を発現させる。例えば、本発明は、大豆(グリシン・マックスL)におけるオーキシン応答エレメントE1プロモーター断片(AuxRE) (Liu (1997) Plant Physiol. 115:397-407);オーキシン応答性シロイヌナズナGST6プロモーター(サリチル酸および過酸化水素に対しても応答する) (Chen (1996) Plant J. 10: 955-966); タバコに由来するオーキシン誘導性parCプロモーター(Sakai (1996) Plant Cell Physiol. 37:906-913); 植物ビオチン応答エレメント(Streit (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:933-937); ならびにストレスホルモンであるアブシジン酸に対して応答するプロモーター (Sheen (1996) Science 274:1900-1902)を使用することができる。
【0177】
本発明に従う核酸を、除草剤または抗生物質などの、植物に適用することができる化学的試薬への曝露の際に誘導性である植物プロモーターに機能し得る形で連結することもできる。例えば、ベンゼンスルホンアミド除草剤安全化剤により活性化される、トウモロコシIn2-2プロモーターを用いることができる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577);異なる除草剤安全化剤の適用は、根、排水組織、および茎頂分裂組織中での発現などの、異なる遺伝子発現パターンを誘導する。コード配列は、アヴィーナ・サティヴァ(Avena sativa)L.(オート)アルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子を含むトランスジェニックタバコ植物(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473);またはサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)について記載されたものなどの、テトラサイクリン誘導性プロモーターなどの制御下にあってよい。化学的に(ホルモンまたは殺虫剤など)誘導されるプロモーター、すなわち、畑においてトランスジェニック植物に適用することができる化合物に対して応答するプロモーターを用いて、本発明に従うポリペプチドの発現を、該植物の発生の特定の段階で誘導することができる。かくして、本発明はまた、宿主範囲が、作物の発生の任意の段階で誘導性である、トウモロコシ、イネ、大麦、大豆、トマト、小麦、ジャガイモもしくは他の作物などの植物種を標的化するのに限定されている、本発明に従うポリペプチドをコードする誘導性遺伝子を含むトランスジェニック植物も提供する。
【0178】
当業者であれば、組織特異的植物プロモーターが、標的組織以外の組織中の機能し得る形で連結された配列の発現を駆動し得ることを認識できるであろう。かくして、いくつかの実施形態においては、組織特異的プロモーターは、標的組織または細胞型において優先的に発現を駆動するものであるが、他の組織においても同様にいくらかの発現を誘導してもよい。
【0179】
本発明に従う核酸を、化学的試薬への曝露の際に誘導性である植物プロモーターに機能し得る形で連結することもできる。これらの試薬としては、トランスジェニック植物上に適用する、例えば、噴霧することができる除草剤、合成オーキシン、または抗生物質などが挙げられる。本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を産生する核酸の誘導的発現により、栽培者はHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの最適なアルドラーゼ酵素発現および/もしくは活性を有する植物を選択することができるであろう。かくして、植物部分の発生を制御することができる。この方法においては、本発明は、植物および植物部分の収穫を容易にするための手段を提供する。例えば、様々な実施形態においては、ベンゼンスルホンアミド除草剤安全化剤により活性化される、トウモロコシIn2-2プロモーターを用いる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577);異なる除草剤安全化剤の適用は、根、排水組織、および茎頂分裂組織中での発現などの異なる遺伝子発現パターンを誘導する。本発明に従うコード配列もまた、アヴィーナ・サティヴァ(Avena sativa)L.(オート)アルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子を含むトランスジェニックタバコ植物(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473);またはサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)について記載されたものなどの、テトラサイクリン誘導性プロモーターの制御下にある。
【0180】
いくつかの実施形態においては、適切なポリペプチド発現は、コード領域の3'末端のポリアデニル化領域を必要とするかもしれない。ポリアデニル化領域を、天然の遺伝子、様々な他の植物(または動物もしくは他のものの)遺伝子、またはアグロバクテリウムのT-DNA中の遺伝子から誘導することができる。
【0181】
発現ベクターおよびクローニングビヒクル
本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする配列などの、本発明に従う核酸を含む発現ベクターおよびクローニングビヒクルを提供する。本発明に従う発現ベクターおよびクローニングビヒクルは、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(ワクシニア、アデノウイルス、ファウルポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびSV40の誘導体など)、P1に基づく人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、ならびに目的の特定の宿主にとって特異的な任意の他のベクター(バチルス、アスペルギルスおよび酵母など)を含んでもよい。本発明に従うベクターとしては、染色体、非染色体および合成DNA配列が挙げられる。多数の好適なベクターが当業者には公知であり、市販されている。ベクターの例としては、細菌:pQE(商標)ベクター(Qiagen, Valencia, CA), pBLUESCRIPT(商標)プラスミド、pNHベクター、λ-ZAPベクター(Stratagene, La Jolla, CA); ptrc99a、pKK223-3、pDR540、pRIT2T (GE Healthcare, Piscataway, NJ)、pETベクター(Novagen, Madison, WI); 真核生物: pXT1、pSG5 (Stratagene, La Jolla, CA)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40 (Pharmacia)が挙げられる。しかしながら、任意の他のプラスミドまたは他のベクターが、宿主中で複製可能であり、生存可能である限り、それらを用いることができる。低コピー数または高コピー数のベクターを、本発明と共に用いることができる。「プラスミド」は、市販のものであるか、無制限の基礎上で公共的に利用可能なものであるか、または公開された手順に従って利用可能なプラスミドから構築することができる。本明細書に記載のものと等価なプラスミドが当業界で公知であり、当業者には明らかであろう。
【0182】
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含んでもよい。このベクターは、発現を増幅するための好適な配列を含んでもよい。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与および受容部位、転写終結配列、ならびに5'フランキング非転写配列を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、SV40スプライスおよびポリアデニル化部位から誘導されたDNA配列を用いて、必要とされる非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
【0183】
いくつかの実施形態においては、前記発現ベクターは、該ベクターを含む宿主細胞の選択を可能にする1個以上の選択マーカー遺伝子を含む。そのような選択マーカーとしては、ジヒドロ葉酸リダクターゼをコードする遺伝子または真核細胞培養物に対してネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌においてテトラサイクリンもしくはアンピシリン耐性を付与する遺伝子、およびサッカロミセス・セレビジアのTRP1遺伝子が挙げられる。選択マーカーと共にクロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは他のベクターを用いて、任意の所望の遺伝子からプロモーター領域を選択することができる。
【0184】
いくつかの実施形態においては、真核細胞中で前記ポリペプチドまたはその断片を発現させるためのベクターは、発現レベルを増加させるためのエンハンサーを含む。エンハンサーは、長さ約10〜約300 bpであってよいDNAのシス作用性エレメントである。それらは、その転写を増加させるためのプロモーター上で働くことができる。エンハンサーの例としては、複製起点100〜270 bpの後ろ側にあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後ろ側にあるポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。
【0185】
核酸配列を、様々な手順により、ベクター中に挿入することができる。一般的には、該配列を、好適な制限エンドヌクレアーゼを用いて、挿入物およびベクターを消化した後、該ベクター中の所望の位置に連結する。あるいは、挿入物およびベクターの両方の平滑末端を連結することができる。様々なクローニング技術が当業界で公知であり、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. 1997およびSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(第2版), Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)などに記載されている。そのような手順および他のものは当業者の技術の範囲内にあると見なされる。
【0186】
前記ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、またはファージの形態にあってよい。他のベクターとしては、染色体、非染色体および合成DNA配列、SV40の誘導体;細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAの組合せから誘導されたベクター、ワクシニア、アデノウイルス、ファウルポックスウイルス、および仮性狂犬病ウイルスなどのウイルスDNAが挙げられる。原核および真核宿主と共に用いるための様々なクローニングおよび発現ベクターは、Sambrookなどにより記載されている。
【0187】
用いることができる具体的な細菌ベクターとしては、よく知られたクローニングベクターpBR322 (ATCC 37017)、pKK223-3 (Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)、GEM1 (Promega Biotec, Madison, WI, USA)、pQE70、pQE60、pQE-9 (Qiagen, Valencia, CA)、pD10、psiX174、pBLUESCRIPT II KS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A (Stratagene, La Jolla, CA)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、DR540、pRIT5 (Pharmacia)、pKK232-8、pET (Novagen, Madison, WI)、およびpCM7が挙げられる。具体的な真核ベクターとしては、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG (Stratagene, La Jolla, CA)、pSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL (Pharmacia)が挙げられる。しかしながら、宿主細胞中で複製可能であり、生存可能である限り、任意の他のベクターを用いることができる。
【0188】
本発明に従う核酸を、発現カセット、ベクターもしくはウイルス中で発現させ、植物細胞および種子中で一過的もしくは安定的に発現させることができる。一過的発現系の例の1つは、スーパーコイルDNAを含むエピソームミニ染色体の転写により、核中で生成されるカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)のウイルスRNAなどのエピソーム発現系を用いる。Covey (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1633-1637を参照されたい。あるいは、コード配列、すなわち、本発明に従う配列の全部またはサブ配列を、宿主の染色体DNAの完全な一部になる植物宿主細胞ゲノムに挿入することができる。センスまたはアンチセンス転写物を、この様式で発現させることができる。本発明に従う核酸に由来する配列(プロモーターまたはコード領域など)を含むベクターは、植物細胞または種子上で選択可能な表現型を付与するマーカー遺伝子を含んでもよい。例えば、このマーカーは、カナマイシン、G418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンに対する耐性などの抗生物質耐性、またはクロロスルフロンもしくはバスタに対する耐性などの除草剤耐性などの殺生物剤耐性をコードしてもよい。
【0189】
植物中で核酸およびタンパク質を発現することができる発現ベクターは、当業界でよく知られており、アグロバクテリウム種、ジャガイモXウイルス(Angell (1997) EMBO J. 16:3675-3684を参照)、タバコモザイクウイルス(Casper (1996) Gene 173:69-73を参照)、トマトブッシースタントウイルス (Hillman (1989) Virology 169:42-50を参照)、タバコエッチウイルス(Dolja (1997) Virology 234:243-252を参照)、ビーンゴールデンモザイクウイルス (Morinaga (1993) Microbiol Immunol. 37:471-476を参照)、カリフラワーモザイクウイルス(Cecchini (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:1094-1101を参照)、トウモロコシAc/Ds転移因子 (Rubin (1997) Mol. Cell. Biol. 17:6294-6302; Kunze (1996) Curr. Top. Microbiol. Immunol. 204:161-194を参照)、およびトウモロコシサプレッサー-ミューテーター(Spm)転移因子 (Schlappi (1996) Plant Mol. Biol. 32:717-725を参照);ならびにその誘導体に由来するベクターなどが挙げられる。
【0190】
いくつかの実施形態においては、前記発現ベクターは、2種の生物、例えば、発現のためには哺乳動物もしくは昆虫細胞ならびにクローニングおよび増幅のためには原核宿主において維持することができる2個の複製系を有してもよい。さらに、発現ベクターを組み込むためには、発現ベクターは宿主細胞ゲノムと相同な少なくとも1個の配列を含んでもよい。それは、発現構築物にフランキングする2個の相同配列を含んでもよい。組込みベクターを、該ベクター中への含有のための好適な相同配列を選択することにより、宿主中の特定の位置に指向させることができる。組込みベクターのための構築物は、当業界でよく知られている。
【0191】
また、本発明に従う発現ベクターは、細菌を、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンなどの薬剤に対して耐性にする遺伝子などの、形質転換された細菌株の選択を可能にする選択マーカー遺伝子を含んでもよい。選択マーカーとしては、ヒスチジン、トリプトファンおよびロイシンの生合成経路におけるものなどの、生合成遺伝子も挙げられる。
【0192】
発現ベクター中のDNA配列を、好適な発現制御配列(プロモーター)に機能し得る形で連結して、RNA合成を指令させる。具体的な名称の細菌プロモーターとしては、lacI、lacZ、T3、T7、gpt、λPR、PLおよびtrpが挙げられる。真核プロモーターとしては、CMV極初期、HSVチミジンキナーゼ、初期および後期SV40、レトロウイルス由来LTRならびにマウスメタロチオネインIが挙げられる。好適なベクターおよびプロモーターの選択は、当業者のレベルの範囲内にある。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム結合部位および転写ターミネーターを含む。このベクターは、発現を増幅させるための好適な配列を含んでもよい。クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターまたは選択マーカーを有する他のベクターを用いて、任意の所望の遺伝子からプロモーター領域を選択することができる。さらに、いくつかの実施形態においては、発現ベクターは、真核細胞培養物のためのジヒドロ葉酸リダクターゼもしくはネオマイシン耐性など、または大腸菌におけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン耐性などの、形質転換された宿主細胞の選択のための表現型形質を提供する1個以上の選択マーカー遺伝子を含む。
【0193】
哺乳動物発現ベクターは、複製起点、任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与体および受容体部位、転写終結配列および5'フランキング非転写配列を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、SV40スプライスおよびポリアデニル化部位から誘導されたDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
【0194】
真核細胞中でポリペプチドまたはその断片を発現させるためのベクターは、発現レベルを増加させるためのエンハンサーを含んでもよい。エンハンサーは、その転写を増加させるためのプロモーター上で作用する、通常は長さ約10〜約300 bpのDNAのシス作用性エレメントである。その例としては、複製起点塩基対100〜270の後ろ側のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後ろ側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。
【0195】
さらに、前記発現ベクターは、該ベクターを含有する宿主細胞の選択を可能にする1個以上の選択マーカー遺伝子を含んでもよい。そのような選択マーカーとしては、ジヒドロ葉酸リダクターゼをコードする遺伝子もしくは真核細胞培養物のためのネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌におけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン耐性を付与する遺伝子、およびサッカロミセス・セレビジアTRP1遺伝子が挙げられる。
【0196】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うポリペプチドの1つをコードする核酸、およびそれと実質的に同一の配列、または少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続するアミノ酸を含むその断片を、好適な段階で、翻訳されるポリペプチドまたはその断片の分泌を指令することができるリーダー配列と共に集合させる。いくつかの実施形態においては、前記核酸は、本発明に従うポリペプチドの1つ、または少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続するアミノ酸を含むその断片を、増加した安定性または単純化された精製などの、所望の特性を与えるN末端同定ペプチドなどの異種ペプチドまたはポリペプチドに融合させた融合ポリペプチドをコードしてもよい。
【0197】
好適なDNA配列を、様々な手順により前記ベクター中に挿入することができる。一般的には、前記DNA配列を、挿入物およびベクターを好適な制限エンドヌクレアーゼを用いて消化した後、該ベクター中の所望の位置に連結する。あるいは、挿入物およびベクターの両方の平滑末端を連結することができる。様々なクローニング技術が、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. 1997およびSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に開示されている。そのような手順および他のものは当業者の範囲内にあると考えられる。
【0198】
前記ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス粒子、またはファージの形態にあってもよい。他のベクターとしては、染色体、非染色体および合成DNA配列、SV40の誘導体;細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAの組合せから誘導されたベクター、ワクシニア、アデノウイルス、ファウルポックスウイルスおよび仮性狂犬病ウイルスなどのウイルスDNAが挙げられる。原核および真核宿主と共に用いるための様々なクローニングおよび発現ベクターが、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor, N.Y., (1989)により記載されている。
【0199】
宿主細胞および形質転換細胞
本発明はまた、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする配列などの、本発明に従う核酸配列を含む形質転換細胞、または本発明に従うベクターを提供する。宿主細胞は、当業者には知られた任意の宿主細胞であってよく、例えば、細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または植物細胞などの原核細胞、真核細胞が挙げられる。細菌細胞の例としては、ストレプトミセス(Streptomyces)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)、シュードモナス(Pseudomonas)もしくはバチルス(Bacillus)の任意の種、例えば、大腸菌(E. coli)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、シュードモナス・フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、もしくはサルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)が挙げられる。菌類細胞の例としては、アスペルギルス(Aspergillus)の任意の種が挙げられる。酵母細胞の例としては、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)、もしくはシュワニオミセス(Schwanniomyces)、例えば、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロミセス・セレビジア(Saccharomyces cerevisiae)、もしくはシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)が挙げられる。昆虫細胞の例としては、スポドプテラ(Spodoptera)またはショウジョウバエ(Drosophila)の任意の種、例えば、ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9が挙げられる。動物細胞の例としては、CHO、COSもしくはBowesメラノーマまたは任意のマウスもしくはヒト細胞系が挙げられる。様々な高等植物種を形質転換する技術は、よく知られており、技術文献および科学文献に記載されている。Weising (1988) Ann. Rev. Genet. 22:421-477; 米国特許第5,750,870号を参照されたい。
【0200】
前記ベクターを、形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃、またはTi媒介性遺伝子導入などの様々な技術のいずれかを用いて宿主細胞中に導入することができる。具体的な方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーション(Davis, L., Dibner, M., Battey, I., Basic Methods in Molecular Biology, (1986))が挙げられる。
【0201】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う核酸またはベクターを、スクリーニングのために細胞中に導入し、かくして、該核酸は、該核酸のその後の発現にとって好適な様式で該細胞に進入する。導入方法は、標的化される細胞型によって大きく影響される。方法の例としては、CaPO4沈降、リポソーム融合、リポフェクション(LIPOFECTIN(商標)など)、エレクトロポレーション、ウイルス感染などが挙げられる。候補核酸は、宿主細胞のゲノム中に安定に組み込まれるか(例えば、レトロウイルス導入を用いる)、または細胞質中に一過的もしくは安定的に存在してもよい(すなわち、標準的な調節配列、選択マーカーなどを用いる、伝統的プラスミドの使用を介して)。多くの製薬上重要なスクリーニングはヒトまたはモデル哺乳動物細胞標的を必要とするため、そのような標的をトランスフェクトすることができるレトロウイルスベクターを用いることができる。
【0202】
好適な場合、遺伝子操作された宿主細胞を、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択するか、または本発明に従う遺伝子を増幅するために、好適に改変された従来の栄養培地中で培養することができる。好適な宿主株の形質転換および好適な細胞密度への該宿主株の増殖後、選択されたプロモーターを好適な手段(温度シフトもしくは化学的誘導など)により誘導し、該細胞が所望のポリペプチドもしくはその断片を産生することができるさらなる期間に渡って、それらを培養することができる。
【0203】
細胞を、遠心分離により収穫し、物理的もしくは化学的手段により破壊することができ、得られた粗抽出物をさらなる精製のために保持する。タンパク質の発現に用いられる微生物細胞を、凍結乾燥循環、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用などの任意の都合のよい方法により破壊することができる。そのような方法は当業者にはよく知られている。発現されたポリペプチドまたはその断片を、硫酸アンモニウムもしくはエタノール沈降、酸抽出、陰イオンもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーなどの方法により、組換え細胞培養物から回収および精製することができる。タンパク質再折り畳み工程を、必要に応じて、前記ポリペプチドの配置を完了させるのに用いることができる。必要に応じて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、最終的な精製工程に用いることができる。
【0204】
宿主細胞中の構築物を、従来の様式で用いて、組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生させることができる。組換え生産手順において用いられる宿主に応じて、前記ベクターを含む宿主細胞により産生されるポリペプチドを糖鎖付加するか、または非糖鎖付加することができる。本発明に従うポリペプチドは、最初のメチオニンアミノ酸残基を含んでも、または含まなくてもよい。
【0205】
無細胞翻訳系を用いて、本発明に従うポリペプチドを産生させることができる。無細胞翻訳系は、前記ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に機能し得る形で連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを用いることができる。いくつかの実施形態においては、DNA構築物を線状化した後、in vitro転写反応を行うことができる。次いで、転写されたmRNAを、ウサギ網状赤血球抽出物などの好適な無細胞翻訳抽出物と共にインキュベートして、所望のポリペプチドまたはその断片を産生させる。
【0206】
発現ベクターは、真核細胞培養物のためのジヒドロ葉酸リダクターゼもしくはネオマイシン耐性、または大腸菌におけるテトラサイクリンもしくはアンピシリン耐性などの形質転換された宿主細胞の選択のための表現型形質を提供する1個以上の選択マーカー遺伝子を含んでもよい。
【0207】
本発明に従う核酸などの、目的のポリヌクレオチドを含有する宿主細胞を、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択するか、または遺伝子を増幅するために、好適に改変された従来の栄養培地中で培養することができる。温度、pHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞と共に以前に用いられたものであり、当業者には明らかであろう。次いで、特定の酵素活性を有すると同定されたクローンを配列決定して、増強された活性を有する酵素をコードするポリヌクレオチド配列を同定することができる。
【0208】
本発明は、細胞中でHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの組換えアルドラーゼ酵素を過剰発現させる方法であって、少なくとも約100個の残基の領域に渡って、本発明に従う配列に対して少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有する核酸配列であって、配列同一性を、配列比較アルゴリズムを用いる分析または視覚的検査により決定する前記配列を含む核酸、または本発明に従う核酸配列、もしくはそのサブ配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸などの、本発明に従う核酸を含むベクターを発現させることを含む、前記方法を提供する。過剰発現を、高活性プロモーター、二シストロン性ベクターの使用などの任意の手段によるか、または該ベクターの遺伝子増幅により行うことができる。
【0209】
本発明に従う核酸を、in vitroもしくはin vivo発現系において、発現、または過剰発現させることができる。細菌、昆虫、酵母、菌類もしくは哺乳動物培養物などの任意の細胞培養系を用いて、組換えタンパク質を発現または過剰発現させることができる。過剰発現を、プロモーター、エンハンサー、ベクター(レプリコンベクター、二シストロン性ベクターなどの使用(Gurtu (1996) Biochem. Biophys. Res. Commun. 229:295-8を参照))、培地、培養系などの好適な選択により行うことができる。いくつかの実施形態においては、細胞系中での、グルタミン合成酵素(Sanders (1987) Dev. Biol. Stand. 66:55-63を参照)などの選択マーカーを用いる遺伝子増幅を用いて、本発明に従うポリペプチドを過剰発現させる。
【0210】
この手法に関するさらなる詳細は、公共の文献に記載されており、および/または当業者には公知である。特に非限定的な例においては、そのような公共的に利用可能な文献としては、EP 0659215 (W0 9403612 A1) (Nevalainenら); Lapidot, A., Mechaly, A., Shoham, Y., 「バチルス・ステアロサーモフィルスT-6に由来する温度安定性キシラナーゼの過剰発現および1工程精製(Overexpression and single-step purification of a thermostable xylanase from Bacillus stearothermophilus T-6)」、J. Biotechnol. Nov 51:259-64 (1996); Luthi, E., Jasmat, N.B., Bergquist, P.L.,「極度高熱性細菌カルドセルム・サッカロリチクムに由来するキシラナーゼ:大腸菌における遺伝子の過剰発現および遺伝子産物の特性評価(Xylanase from the extremely thermophilic bacterium Caldocellum saccharolyticum: overexpression of the gene in Escherichia coli and characterization of the gene product)」、Appl. Environ. Microbiol. Sep 56:2677-83 (1990); ならびにSung, W.L., Luk, C.K., Zahab, D.M., Wakarchuk, W.,「大腸菌におけるバチルス・サブチリスおよびサーキュランスのキシラナーゼの過剰発現(Overexpression of the Bacillus subtilis and circulans xylanases in Escherichia coli)」、Protein Expr. Purif. Jun 4:200-6 (1993)が挙げられるが、これらの参考文献は、本出願の本発明の酵素を教示していない。
【0211】
宿主細胞は、原核細胞、真核細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または植物細胞などの、当業者には公知の任意の宿主細胞であってよい。好適な宿主の代表例としては、大腸菌、ストレプトミセス、バチルス・サブチリス、バチルス・セレウス、サルモネラ・ティフィムリウムならびにシュードモナス属、ストレプトミセス属およびスタフィロコッカス属内の様々な種などの細菌細胞、アスペルギルスなどの菌類細胞、例えば、ピチア・パストリス、サッカロミセス・セレビジア、もしくはシゾサッカロミセス・ポンベなどのピチア、サッカロミセス、シゾサッカロミセス、シュワニオミセスの任意の種などの酵母、ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9などの昆虫細胞、CHO、COSもしくはBowesメラノーマなどの動物細胞ならびにアデノウイルスが挙げられる。好適な宿主の選択は、当業者の能力の範囲内にある。
【0212】
前記ベクターを、形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃、またはTi媒介性遺伝子導入などの様々な技術のいずれかを用いて宿主細胞に導入することができる。具体的な方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーション(Davis, L., Dibner, M., Battey, I., Basic Methods in Molecular Biology, (1986))が挙げられる。
【0213】
好適な場合、遺伝子操作された宿主細胞を、プロモーターを活性化し、形質転換体を選択するか、または本発明に従う遺伝子を増幅するために、好適に改変された従来の栄養培地中で培養することができる。好適な宿主株の形質転換および好適な細胞密度への該宿主株の増殖後、選択されたプロモーターを好適な手段(温度シフトもしくは化学的誘導など)により誘導し、該細胞が所望のポリペプチドもしくはその断片を産生することができるさらなる期間に渡って、それらを培養することができる。
【0214】
細胞を、遠心分離により収穫し、物理的もしくは化学的手段により破壊することができ、得られた粗抽出物をさらなる精製のために保持する。タンパク質の発現に用いられる微生物細胞を、凍結乾燥循環、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用などの任意の都合のよい方法により破壊することができる。そのような方法は当業者にはよく知られている。発現されたポリペプチドまたはその断片を、硫酸アンモニウムもしくはエタノール沈降、酸抽出、陰イオンもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーなどの方法により、組換え細胞培養物から回収および精製することができる。タンパク質再折り畳み工程を、必要に応じて、前記ポリペプチドの配置を完了させるのに用いることができる。必要に応じて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、最終的な精製工程に用いることができる。
【0215】
様々な哺乳動物細胞培養系を用いて、組換えタンパク質を発現させることもできる。哺乳動物発現系の例としては、サル腎臓線維芽細胞のCOS-7系(Gluzman, Cell, 23: 175, 1981により記載)ならびにC127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系などの、適合性ベクターからタンパク質を発現させることができる他の細胞系が挙げられる。
【0216】
宿主細胞中の構築物を従来の様式で用いて、組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生させることができる。組換え産生手順において用いられる宿主に応じて、前記ベクターを含有する宿主細胞により産生されるポリペプチドを糖鎖付加するか、または非糖鎖付加することができる。本発明に従うポリペプチドは、最初のメチオニンアミノ酸残基を含んでも、または含まなくてもよい。
【0217】
あるいは、本発明に従うポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150個以上の連続するアミノ酸のその断片を、以下に考察されるような、従来のペプチド合成装置により合成的に製造することができる。他の実施形態においては、前記ポリペプチドの断片または部分を、ペプチド合成により対応する完全長ポリペプチドを製造するのに用いることができる;従って、前記断片を、完全長ポリペプチドを製造するための中間体として用いることができる。
【0218】
無細胞翻訳系を用いて、本発明に従うポリペプチドの1つ、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150個以上の連続するアミノ酸を含む断片を、該ポリペプチドまたはその断片をコードする核酸に機能し得る形で連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを用いて産生させることもできる。いくつかの実施形態においては、前記DNA構築物を線状化した後、in vitro転写反応を行うことができる。次いで、転写されたmRNAを、ウサギ網状赤血球抽出物などの好適な無細胞翻訳抽出物と共にインキュベートして、所望のポリペプチドまたはその断片を産生させる。
【0219】
核酸の増幅
本発明の実施においては、本発明に従う核酸ならびにHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸、または本発明に従う改変された核酸を、PCRなどの増幅により再生することができる。また、増幅を用いて、本発明に従う核酸をクローニングまたは改変することもできる。かくして、本発明は、本発明に従う核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。当業者であれば、これらの配列の任意の部分または完全長のための増幅プライマー配列対を設計することができる。
【0220】
いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う核酸のほぼ最初の(5'側)の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは25個以上の残基、および相補鎖のほぼ最初の(5'側)の15、16、17、18、19、20、21、22、23、24もしくは25個以上の残基により記載のプライマー対などの、本発明に従う増幅プライマー対により増幅された核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対であって、該プライマー対が、本発明に従う配列、またはその断片もしくはサブ配列を含む核酸を増幅することができる前記プライマー配列対を提供する。増幅プライマー配列対の一方またはそれぞれのメンバーは、前記配列の少なくとも約10〜50個以上の連続する塩基、または該配列の約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは25個以上の連続する塩基を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う核酸のほぼ最初(5'側)の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは25個以上の残基により記載された配列を有する第1のメンバー、および第1のメンバーの相補鎖のほぼ最初(5'側)の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは25個以上の残基により記載された配列を有する第2のメンバーを含む増幅プライマー対を提供する。
【0221】
本発明は、本発明に従う増幅プライマー対を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅により生成されたHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う増幅プライマー対を用いて、PCRなどの増幅により生成されたHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を作製する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記増幅プライマー対は、環境ライブラリーなどの遺伝子ライブラリーなどのライブラリーに由来する核酸を増幅する。
【0222】
増幅反応を用いて、サンプル中の核酸の量(細胞サンプル中のメッセージの量など)を定量し、該核酸を検出するか、またはサンプル中の特定の核酸の量を定量することもできる。本発明のいくつかの実施形態においては、細胞またはcDNAライブラリーから単離されたメッセージを増幅する。
【0223】
当業者であれば、好適なオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択および設計することができる。増幅方法も当業界でよく知られており、ポリメラーゼ連鎖反応、PCR(PCR PROTOCOLS, A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS, Innis(編), Academic Press, N.Y. (1990)およびPCR STRATEGIES (1995), Innis(編), Academic Press, Inc., N.Y.を参照);リガーゼ連鎖反応(LCR) (Wu (1989) Genomics 4:560; Landegren (1988) Science 241:1077; Barringer (1990) Gene 89:117を参照); 転写増幅 (Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173を参照); ならびに自己持続型配列複製 (Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874を参照); Q-βレプリカーゼ増幅 (Smith (1997) J. Clin. Microbiol. 35:1477-1491を参照)、自動化Q-βレプリカーゼ増幅アッセイ (Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271を参照)および他のRNAポリメラーゼを介する技術 (NASBA, Cangene, Mississauga, Ontarioなど)などが挙げられる;Berger (1987) Methods Enzymol. 152:307-316; Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. 1997およびSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号; Sooknanan (1995) Biotechnology 13:563-564も参照されたい。
【0224】
核酸およびポリペプチド中の配列同一性の決定
本発明は、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550個以上の残基の領域に渡って、本発明に従う核酸(配列表を参照)に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%)配列同一性(相同性)を有する配列を含む核酸を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチド(配列表を参照)に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の、または完全な(100%)配列同一性を有する配列を含むポリペプチドを提供する。配列同一性(相同性)の程度を、デフォルトパラメーターを用いるBLAST 2.2.2.またはFASTAバージョン3.0t78などの、本明細書に記載のものなどの任意のコンピュータープログラムおよび関連するパラメーターを用いて決定することができる。
【0225】
本発明に従う核酸配列は、本発明に従う配列およびそれと実質的に同一の配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、または500個以上の連続するヌクレオチドを含んでもよい。本発明に従う核酸配列の相同配列および断片は、これらの配列に対して少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性(相同性)を有する配列を指してもよい。相同性(配列同一性)を、デフォルトパラメーターを用いるFASTAバージョン3.0t78などの、本明細書に記載の任意のコンピュータープログラムおよびパラメーターを用いて決定することができる。相同配列としては、本発明に従う核酸配列中でウリジンがチミンを置換するRNA配列も挙げられる。相同配列を、本明細書に記載の手順のいずれかを用いて取得することか、または配列決定の誤差の補正から得ることができる。本発明に従う核酸配列を、伝統的な一文字形式(Stryer, Lubert. Biochemistry、第3版、W. H Freeman & Co., New Yorkの背表紙内側を参照)または配列中のヌクレオチドの同一性を記録する任意の他の形式で表すことができることが理解されるであろう。
【0226】
いくつかの実施形態においては、本明細書で同定される配列比較プログラムを、本発明に従って、すなわち、核酸またはポリペプチド配列が本発明に従う範囲内にあるかどうかを決定するために、この態様において用いる。しかしながら、タンパク質および/または核酸配列同一性(相同性)を、当業界で公知の任意の配列比較アルゴリズムまたはプログラムを用いて評価することができる。そのようなアルゴリズムおよびプログラムとしては、限定されるものではないが、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTAおよびCLUSTALWが挙げられる(PearsonおよびLipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448, 1988; Altschulら、J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Thompson Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994; Higginsら、Methods Enzymol. 266:383-402, 1996; Altschulら、J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Altschulら、Nature Genetics 3:266-272, 1993を参照)。
【0227】
いくつかの実施形態においては、相同性または同一性を、配列分析ソフトウェア(Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705など)を用いて測定する。そのようなソフトウェアは、様々な欠失、置換および他の改変に対して相同性の程度を割り当てることにより類似する配列を一致させる。いくつかの実施形態においては、2個以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈における用語「相同性」および「同一性」とは、任意の数の配列比較アルゴリズムを用いるか、もしくは手動によるアラインメントおよび視覚的検査により測定されるように、比較ウインドウもしくは指定領域上で最大の一致に関して比較し、整列された場合、同じであるか、もしくは特定の割合の、同じであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する2個以上の配列またはサブ配列を指す。いくつかの実施形態においては、配列比較のために、1個の配列は、試験配列を比較する、参照配列として働く。配列比較アルゴリズムを用いる場合、試験および参照配列をコンピューターに入力し、サブ配列座標を指定し、必要に応じて、配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。デフォルトパラメーターを用いるか、または代替パラメーターを指定することができる。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムのパラメーターに基づいて、参照配列と比較した試験配列に関する配列同一性(%)を算出する。
【0228】
本明細書で用いられる「比較ウインドウ」は、2個の配列を最適に整列させた後、配列を同じ数の連続する位置の参照配列と比較することができる、20〜600、通常は約50〜約200、より通常は約100〜約150個からなる群より選択される連続する位置の数の任意の1つの断片に対する参照を含む。比較のための配列のアラインメントの方法は、当業界でよく知られている。比較のための配列の最適なアラインメントを、Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482, 1981の部分的相同性アルゴリズム、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol 48:443, 1970の相同性アラインメントアルゴリズム、person & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444, 1988の類似性方法の検索、これらのアルゴリズムのコンピューター装置(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP, BESTFIT, FASTAおよびTFASTA)、または手動によるアラインメントおよび視覚的検査などにより行うことができる。相同性または同一性を決定するための他のアルゴリズムとしては、例えば、BLASTプログラム(National Center for Biological InformationのBasic Local Alignment Search Tool)に加えて、ALIGN、AMAS (Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS (Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET (Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN (Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS (BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTAL V、CLUSTAL W、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Watermanアルゴリズム、DARWIN、Las Vegasアルゴリズム、FNAT (Forced Nucleotide Alignment Tool)、Framealign、Framesearch、DYNAMIC、FILTER、FSAP (Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP (Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC (Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN (Local Sequence Alignment)、LCP (Local Content Program)、MACAW (Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP (Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA (Pattern-Induced Multi-sequence Alignment)、SAGA (Genetic AlgorithmによるSequence Alignment)およびWHAT-IFが挙げられる。そのようなアラインメントプログラムを用いてゲノムデータベースをスクリーニングして、実質的に同一である配列を有するポリヌクレオチド配列を同定することもできる。いくつかのゲノムデータベースが利用可能であり、例えば、ヒトゲノムの実質的な一部は、Human Genome Sequencing Project (Gibbs, 1995)の一部として利用可能である。例えば、マイコプラズマ・ジェニタリウム(M. genitalium) (Fraserら、Science 270:397-403 (1995))、メタノコッカス・ジャナンシ(M. jannaschii) (Bultら、Science 23:1058-73 (1996))、インフルエンザ菌(H. influenzae) (Fleischmannら、Science 269:496-512 (1995))、大腸菌(E. coli)(Blattnerら、Science 277:1453-74 (1997))および酵母(S. cerevisiae) (Mewesら、Nature 387:7-65 (1997))ならびにキイロショウジョウバエ(D. melanogaster) (Adamsら、Science 287:2185-95 (2000))などの、少なくとも21種の他のゲノムが既に配列決定されている。マウス、線虫(C.elegans)およびシロイヌナズナ種などの、モデル生物のゲノムの配列決定においても重大な進歩が為されてきた。いくつかの機能的情報と共に注釈された遺伝子情報を含むいくつかのデータベースが、異なる機関により維持されており、インターネットを介してアクセスすることができる。
【0229】
いくつかの実施形態においては、それぞれ、Altschulら、Nuc. Acids Res. 25:3389-3402, 1977およびAltschulら、J. Mol. Biol. 215:403-410, 1990に記載されているBLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムを用いる。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通して公共的に利用可能である。このアルゴリズムは、データベース配列中の同じ長さのワードと共に整列した場合、いくつかの正の値の閾値スコアTに一致するか、またはこれを満足する、問い合わせ配列中の長さWの短いワードを同定することにより、高スコアの配列対(HSP)を最初に同定することを含む。Tを、近隣ワードスコア閾値と呼ぶ(Altschulら、上掲)。これらの最初の近隣ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを発見するための検索を開始するための種として働く。このワードヒットを、累積アラインメントスコアを増加させることができる限り、各配列に沿って両方向に伸長させる。累積スコアを、ヌクレオチド配列については、パラメーターMを用いて算出する(一致する残基の対に関する報酬スコア;常に0より大きい)。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを用いて、累積スコアを算出する。累積アラインメントスコアが、その最大を達成した値から量Xにより低下する場合;累積スコアが、1以上の負のスコアの残基のアラインメントの蓄積に起因して、0以下になる場合;またはいずれかの配列の末端に到達した場合、各方向におけるワードヒットの伸長を停止させる。BLASTアルゴリズムのパラメーターW、TおよびXは、アラインメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列に関する)は、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=-4および両方の鎖の比較をデフォルトとして使用する。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、3のワード長、10の期待値(E)を使用し、BLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915, 1989を参照)は50のアラインメント(B)、10の期待値(E)、M=5、N=-4および両方の鎖の比較をデフォルトとして使用する。
【0230】
BLASTアルゴリズムは、2個の配列間の類似性の統計学的分析も実施する(Karlin & Altschul, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873, 1993を参照)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの尺度は、2個のヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の一致が偶然生じる確率の示唆を提供する、最小合計確率(P(N))である。例えば、試験核酸と参照核酸の比較における最小合計確率が約0.2未満であり、いくつかの実施形態においては、約0.01未満であり、他の実施形態においては、約0.001未満である場合、核酸は参照配列と類似すると考えられる。
【0231】
いくつかの実施形態においては、タンパク質および核酸配列の相同性を、Basic Local Alignment Search Tool (「BLAST」)を用いて評価する。特に、5つの特異的BLASTプログラムを用いて、以下のタスクを実行する:
(1)BLASTPおよびBLAST3は、タンパク質配列データベースに対してアミノ酸問い合わせ配列を比較する;
(2)BLASTNは、ヌクレオチド配列データベースに対してヌクレオチド問い合わせ配列を比較する;
(3)BLASTXは、タンパク質配列データベースに対して問い合わせヌクレオチド配列(両方の鎖)の6枠の概念的翻訳産物を比較する;
(4)TBLASTNは、6個全部の読み枠(両方の鎖)において翻訳されたヌクレオチド配列データベースに対して問い合わせタンパク質配列を比較する;および
(5)TBLASTXは、ヌクレオチド配列データベースの6枠翻訳物に対してヌクレオチド問い合わせ配列の6枠翻訳物を比較する。
【0232】
BLASTプログラムは、いくつかの実施形態においては、タンパク質もしくは核酸配列データベースから取得された、問い合わせアミノ酸もしくは核酸配列と試験配列の間で、本明細書では「高スコアリング断片対」と呼ばれる、類似する断片を同定することにより相同配列を同定する。高スコアリング断片対は、いくつかの実施形態においては、多くは当業界で公知であるスコアリングマトリックスにより同定される(すなわち、整列される)。いくつかの実施形態においては、用いられるスコアリングマトリックスは、BLOSUM62マトリックスである(Gonnet (1992) Science 256:1443-1445; Henikoff and Henikoff (1993) Proteins 17:49-61)。いくつかの実施形態においては、PAMまたはPAM250マトリックスを用いることもできる(SchwartzおよびDayhoff(編)、1978、「距離関係を検出するためのマトリックス:タンパク質の配列および構造の地図(Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure)」、Washington: National Biomedical Research Foundation)。BLASTプログラムは、米国国立医学図書館を通してアクセス可能である。
【0233】
上記アルゴリズムと共に用いられるパラメーターを、試験する配列長および相同性の程度に応じて適合させることができる。いくつかの実施形態においては、前記パラメーターは、使用者に由来する説明書の不在下でのアルゴリズムにより用いられるデフォルトパラメーターであってよい。
【0234】
コンピューターシステムおよびコンピュータープログラム製品
本発明は、本発明に従う核酸およびポリペプチド配列をその上に記録または保存した、コンピューター、コンピューターシステム、コンピューターにより読み取り可能な媒体、コンピュータープログラム製品などを提供する。さらに、本発明に従う方法の実施においては、配列同一性(核酸が本発明に従う範囲内にあるかどうかを決定する)、構造的相同性、モチーフなどをコンピューター内で決定および同定するために、本発明に従う核酸またはポリペプチド配列を、コンピューターにより読み取り、アクセスすることができる任意の媒体上に保存し、記録し、およびその上で操作することができる。
【0235】
本明細書で用いられる用語「記録された」および「保存された」とは、コンピューター媒体上に情報を保存するためのプロセスを指す。当業者であれば、コンピューターで読み取り可能な媒体上に情報を記録して、本発明に従う1種以上の核酸および/またはポリペプチド配列を含む製品を作製するための任意の公知の方法を容易に採用することができるであろう。本明細書で用いられる用語「コンピューター」、「コンピュータープログラム」および「プロセッサー」は、その最も広い一般的な文脈で用いられ、以下に詳細に説明するような全ての装置を含む。特定のポリペプチドもしくはタンパク質「のコード配列」または「をコードする配列」は、好適な調節配列の制御下に置かれた場合、ポリペプチドもしくはタンパク質に転写および翻訳される核酸配列である。
【0236】
本発明に従うポリペプチドは、本発明に従う配列およびそれと実質的に同一の配列、ならびに前記配列のいずれかのサブ配列および酵素的に活性な断片を含む。いくつかの実施形態においては、実質的に同一の、または相同なポリペプチド配列とは、本発明に従う配列に対して、少なくとも50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、または完全(100%)な配列同一性(相同性)を有するポリペプチド配列を指す。
【0237】
相同性(配列同一性)を、本明細書に記載のコンピュータープログラムおよびパラメーターのいずれかを用いて決定することができる。本発明に従う核酸またはポリペプチドを、コンピューターにより読み取り、アクセスすることができる任意の媒体上に保存、記録し、およびその上で操作することができる。本明細書で用いられる用語「記録された」および「保存された」とは、コンピューター媒体上に情報を保存するためのプロセスを指す。当業者であれば、コンピューターで読み取り可能な媒体上に情報を記録して、本発明に従う1種以上の核酸、本発明に従う1種以上のポリペプチド配列を含む製品を作製するための任意の現在公知の方法を容易に採用することができるであろう。本発明の別の実施形態は、少なくとも2、5、10、15もしくは20種以上の本発明に従う核酸またはポリペプチドをその上に記録したコンピューターで読み取り可能な媒体である。
【0238】
本発明の別の実施形態は、1種以上の本発明に従う核酸配列をその上に記録したコンピューターで読み取り可能な媒体である。本発明の別の実施形態は1種以上の本発明に従うポリペプチド配列をその上に記録したコンピューターで読み取り可能な媒体である。本発明の別の実施形態は、少なくとも2、5、10、15もしくは20種以上の前記核酸またはポリペプチド配列をその上に記録したコンピューターで読み取り可能な媒体である。
【0239】
コンピューターで読み取り可能な媒体としては、磁気的に読み取り可能な媒体、光学的に読み取り可能な媒体、電子的に読み取り可能な媒体および磁気/光学媒体が挙げられる。例えば、コンピューターで読み取り可能な媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、または読み出し専用メモリー(ROM)ならびに当業者には公知の他の型の他の媒体であってよい。
【0240】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載の配列情報を保存し、操作するコンピューターシステムなどのシステム(インターネットに基づくシステムなど)を含む。コンピューターシステム100の一例を、図9においてブロック図型で示す。本明細書で用いられる「コンピューターシステム」とは、本発明に従う核酸配列のヌクレオチド配列、または本発明に従うポリペプチド配列を分析するのに用いられるハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネントおよびデータ保存コンポーネントを指す。いくつかの実施形態においては、コンピューターシステム100は、配列データを処理、アクセスおよび操作するためのプロセッサーを含む。プロセッサー105は、例えば、Intel Corporation社製Pentium III、Sun社、Motorola社、Compaq社、AMD社もしくはInternational Business Machines社製の類似するプロセッサーなどの、任意のよく知られた型の中央演算装置であってよい。
【0241】
いくつかの実施形態においては、コンピューターシステム100は、プロセッサー105と、データを保存するための1個以上の内部データ保存コンポーネント110と、データ保存コンポーネント上に保存されたデータを回収するための1個以上のデータ回収装置とを含む多用途システムである。当業者であれば、現在利用可能なコンピューターシステムのいずれか1つが好適であると容易に理解できるであろう。
【0242】
一実施形態においては、コンピューターシステム100は、メインメモリ115(一実施形態においては、RAMとして実装)に接続されたバスに接続されたプロセッサー105およびハードドライブなどの1個以上の内部データ記憶装置110ならびに/またはその上にデータを記録した他のコンピューターで読み取り可能な媒体を含む。いくつかの実施形態においては、コンピューターシステム100はさらに、内部データ記憶装置110上に保存されたデータを読み取るための1個以上のデータ回収装置118を含む。
【0243】
データ回収装置118は、例えば、フロッピーディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープドライブ、またはデータ保存システムを遠隔操作する(インターネットなどを介する)ために接続することができるモデムなどであってよい。いくつかの実施形態においては、内部データ記憶装置110は、その上に記録された制御ロジックおよび/またはデータを含むフロッピーディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどの取り出し可能なコンピューターで読み取り可能な媒体である。コンピューターシステム100は、有利には、データ回収装置に一度挿入されたデータ保存コンポーネントから、制御ロジックおよび/もしくはデータを読み取るための好適なソフトウェアを含むか、またはそれによりプログラムされていてもよい。
【0244】
コンピューターシステム100は、コンピューター使用者に出力を展示するのに用いられるディスプレイ120を含む。コンピューターシステム100を、ネットワークまたは広域ネットワーク中で他のコンピューターシステム125a-cに連結して、コンピューターシステム100への集中アクセスを提供することができることにも留意すべきである。
【0245】
本発明に従う核酸配列のヌクレオチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列にアクセスし、それを処理するためのソフトウェア(検索ツール、比較ツールおよびモデリングツールなど)は、実行中にメインメモリ115中に保持されてもよい。
【0246】
いくつかの実施形態においては、コンピューターシステム100はさらに、コンピューターで読み取り可能な媒体上に保存された、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、コンピューターで読み取り可能な媒体上に保存された参照ヌクレオチドまたはポリペプチド配列とを比較するための配列比較アルゴリズムを含んでもよい。「配列比較アルゴリズム」とは、データ保存手段内に保存された、ヌクレオチド配列と、他のヌクレオチド配列および/または化合物とを比較するための、コンピューターシステム100上に実装された(ローカルもしくは遠隔で)1種以上のプログラムを指す。例えば、配列比較アルゴリズムは、コンピューターで読み取り可能な媒体上に保存された、本発明に従う核酸配列のヌクレオチド配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、コンピューターで読み取り可能な媒体上に保存された参照配列とを比較して、相同性または構造モチーフを同定してもよい。
【0247】
図10は、新規ヌクレオチドまたはタンパク質配列と、配列のデータベースとを比較して、該新規配列とデータベース中の配列の間の相同性レベルを決定するためのプロセス200の一実施形態を例示する流れ図である。配列のデータベースは、コンピューターシステム100内に保存された個人的データベース、またはインターネットを通して利用可能であるGENBANKなどの公共データベースであってよい。
【0248】
プロセス200は、開始状態201で始まり、次いで、比較使用とする新規配列をコンピューターシステム100中のメモリーに保存する状態202に移行する。上記で考察されたように、このメモリーは、RAMまたは内部記憶装置などの任意の型のメモリーであってよい。
【0249】
次いで、プロセス200は、配列のデータベースを分析および比較のために開く状態204に移行する。次いで、プロセス200は、データベース中に保存された第1の配列をコンピューター上のメモリーに読み出す状態206に移行する。次いで、状態210で比較を実行して、第1の配列が第2の配列と同じであるかどうかを決定する。この工程は、新規配列と、データベース中の第1の配列との正確な比較を実施することに限定されないことに留意することが重要である。2個のヌクレオチドまたはタンパク質配列が、同一ではない場合でもそれらを比較するためのよく知られる方法は、当業者には公知である。例えば、ギャップを1個の配列に導入して、2個の試験される配列間に相同性レベルを生じさせることができる。ギャップまたは他の特徴が、比較の間に配列中に導入されるかどうかを制御するパラメーターは、通常、コンピューターシステムの使用者により入力される。
【0250】
一度、状態210で2個の配列の比較を実施したら、2個の配列が同じであるかどうかを、決定状態210で決定を行う。勿論、用語「同じ」は、絶対的に同一である配列に限定されない。使用者により入力された相同性パラメーター内にある配列を、プロセス200中で「同じ」であるとマーキングする。
【0251】
2個の配列が同じであるという決定が行われた場合、プロセス200は、データベースに由来する配列の名称を使用者に展示する状態214に移行する。この状態は、展示された名称を有する配列が、入力された相同性制約を満足することを使用者に通知する。一度、保存された配列の名称を使用者に展示したら、プロセス200は、より多くの配列がデータベース中に存在するかどうかの決定を行う決定状態218に移行する。それ以上の配列がデータベース中に存在しない場合、プロセス200は終結状態220で終結する。しかしながら、より多くの配列がデータベース中に存在しない場合、プロセス200は、ポインターが、次の配列を新規配列と比較することができるように、データベース中の次の配列に移行する状態224に移行する。この様式で、新規配列を整列させ、データベース中の全ての配列と比較する。
【0252】
配列が相同ではないという決定が決定状態212で行われた場合、プロセス200はすぐに決定状態218に移行して、任意の他の配列が比較のためにデータベース中で利用可能であったかどうかを決定するであろうことに留意すべきである。
【0253】
従って、本発明の一実施形態は、プロセッサー、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチドおよびそれと実質的に同一の配列をその上に保存したデータ記憶装置、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と比較しようとする参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列ならびに比較を行うための配列比較因子をその上に回収可能に保存したデータ記憶装置を含むコンピューターシステムである。配列比較因子は、比較される配列間の相同性レベルを示唆するか、もしくは上記核酸中の構造モチーフが、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、もしくは本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列をコードするかどうかを同定するか、またはそれはこれらの核酸コードおよびポリペプチドコードと比較される配列中の構造モチーフを同定することができる。いくつかの実施形態においては、データ記憶装置は、少なくとも2、5、10、15、20、25、30もしくは40個以上の本発明に従う核酸配列の配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列をその上に保存していてもよい。
【0254】
本発明の別の実施形態は、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と、参照ヌクレオチド配列との間の相同性のレベルを決定するための方法である。この方法は、相同性レベルを決定するコンピュータープログラムの使用を介して、核酸コードもしくはポリペプチドコードおよび参照ヌクレオチドもしくはポリペプチド配列を読み取り、該コンピュータープログラムを用いて、該核酸コードもしくはポリペプチドコードと、参照ヌクレオチドもしくはポリペプチド配列との間の相同性を決定することを含む。このコンピュータープログラムは、本明細書で具体的に列挙されたもの(デフォルトパラメーターまたは任意の改変されたパラメーターを用いるBLAST2Nなど)などの相同性レベルを決定するための任意の数のコンピュータープログラムであってよい。この方法を、上記のコンピューターシステムを用いて実装することができる。また、この方法を、前記コンピュータープログラムの使用を介して、少なくとも2、5、10、15、20、25、30もしくは40個以上の本発明に従う上記核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列を読み取り、該核酸コードもしくはポリペプチドコードと、参照ヌクレオチド配列もしくはポリペプチド配列との間の相同性を決定することにより実施することもできる。
【0255】
図11は、2個の配列が相同であるかどうかを決定するためのコンピューターにおけるプロセス250の一実施形態を例示する流れ図である。プロセス250は開始状態252で始まり、次いで、比較しようとする第1の配列がメモリーに保存される状態254に移行する。次いで、比較しようとする第2の配列は、状態256でメモリーに保存される。次いで、プロセス250は、第1の配列中の1文字目を読み取る状態260に移行した後、第2の配列の1文字目を読み取る状態262に移行する。前記配列がヌクレオチド配列である場合、該文字は通常はA、T、C、GまたはUであることを理解すべきである。前記配列がタンパク質配列である場合、いくつかの実施形態においては、それは、第1および第2の配列を容易に比較することができるように、一文字アミノ酸コードにある。
【0256】
次いで、2個の文字が同じであるかどうかの決定を、決定状態264で行う。それらが同じである場合、プロセス250は、第1および第2の配列中の次の文字を読み取る、状態268に移行する。次いで、次の文字が同じであるかどうかの決定を行う。それらが同じである場合、プロセス250は2個の文字が同じではなくなるまで、このループを継続する。次の2個の文字が同じではないという決定を行う場合、プロセス250は、読み取る配列のいずれかに任意のより多くの文字が存在するかどうかを決定するための決定状態274に移行する。
【0257】
読み取る任意のより多い文字が存在しない場合、プロセス250は、第1および第2の配列の間の相同性のレベルを使用者に展示する状態276に移行する。第1の配列中の配列の合計数から、同じであった配列間の文字の割合を算出することにより、相同性のレベルを決定する。かくして、最初の100個のヌクレオチド配列中の全ての文字が第2の配列中の全ての文字と共に整列された場合、相同性レベルは100%である。
【0258】
あるいは、前記コンピュータープログラムは、本発明に記載の核酸配列のヌクレオチド配列と、1個以上の参照ヌクレオチド配列とを比較して、本発明に従う核酸コードおよびそれと実質的に同一の配列が、1個以上の位置で、参照核酸配列と異なるかどうかを決定するコンピュータープログラムであってよい。必要に応じて、そのようなプログラムは、本発明に従う参照ポリヌクレオチドもしくは核酸配列およびそれと実質的に同一の配列に関して、挿入、欠失もしくは置換されたヌクレオチドの長さおよび同一性を記録する。いくつかの実施形態においては、前記コンピュータープログラムは、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列が、参照ヌクレオチド配列に関して、塩基変異多型(SNP)を含むかどうかを決定するプログラムであってよい。
【0259】
従って、本発明の別の実施形態は、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列が、1個以上のヌクレオチドで、参照ヌクレオチド配列とは異なるかどうかを決定する方法であって、核酸配列間の差異を同定するコンピュータープログラムの使用を介して、該核酸コードおよび参照ヌクレオチド配列を読み取り、該コンピュータープログラムを用いて、該核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の差異を同定する工程を含む、前記方法である。いくつかの実施形態においては、前記コンピュータープログラムは、塩基変異多型を同定するプログラムである。この方法を、上記のコンピューターシステムおよび図11に例示される方法により実行することができる。また、この方法を、前記コンピュータープログラムの使用を介して、少なくとも2、5、10、15、20、25、30、もしくは40個以上の本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列ならびに参照ヌクレオチド配列を読み取り、該コンピュータープログラムを用いて、該核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の差異を同定することにより実行することもできる。
【0260】
他の実施形態においては、コンピューターに基づく系はさらに、本発明に従う核酸配列または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列内の特徴を同定するための識別子を含んでもよい。「識別子」とは、本発明に従う核酸配列、または本発明に従うポリペプチド配列内の特定の特徴を同定する1個以上のプログラムを指す。いくつかの実施形態においては、識別子は、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列中のオープンリーディングフレームを同定するプログラムを含んでもよい。
【0261】
図12は、配列中の特徴の存在を検出するための識別子プロセス300の一実施形態を例示する流れ図である。プロセス300は開始状態302で始まり、次いで、特徴についてチェックしようとする第1の配列を、コンピューターシステム100中のメモリー115に保存する、状態304に移行する。次いで、プロセス300は、配列特徴のデータベースを開く状態306に移行する。そのようなデータベースは、該特徴の名称に沿った各特徴の属性の一覧を含むであろう。例えば、特徴の名称は「開始コドン」であってよく、その属性は「ATG」であってよい。別の例は、特徴名「TAATAAボックス」であってよく、特徴の属性は「TAATAA」であってよい。そのようなデータベースの例は、University of Wisconsin Genetics Computer Groupにより作製されている。あるいは、この特徴は、αヘリックス、βシートなどの構造的ポリペプチドモチーフ、または酵素活性部位、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフなどの機能的ポリペプチドモチーフまたは当業者には公知の他のモチーフであってよい。
【0262】
一度、特徴のデータベースが状態306で開かれたら、プロセス300は、第1の特徴をデータベースから読み取る状態308に移行する。次いで、第1の特徴の属性と第1の配列との比較を、状態310で行う。次いで、特徴の属性が第1の配列中に見出されるかどうかの決定を、決定状態316で行う。属性が見出された場合、プロセス300は、見出された特徴の名称を使用者に展示する状態318に移行する。
【0263】
次いで、プロセス300は、データベース中に存在する特徴を移行させるかどうかの決定を行う決定状態320に移行する。さらなる特徴が存在しない場合、プロセス300は終結状態324で終結する。しかしながら、さらなる特徴がデータベース中に存在する場合、プロセス300は状態326で次の配列特徴を読み取り、次の特徴の属性を第1の配列と比較する状態310に戻る。特徴の属性が決定状態316で第1の配列中で見出されない場合、プロセス300は決定状態320に直接移行して、任意のさらなる特徴がデータベース中に存在するかどうかを決定することに留意すべきである。
【0264】
従って、本発明の実施形態は、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列内の特徴を同定する方法であって、該核酸コードまたはポリペプチドコードを、その中の特徴を同定するコンピュータープログラムの使用を介して読み取り、該コンピュータープログラムを用いて該核酸コード内の特徴を同定することを含む、前記方法である。いくつかの実施形態においては、前記コンピュータープログラムは、オープンリーディングフレームを同定するコンピュータープログラムを含む。該コンピュータープログラムの使用を介して、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、もしくは本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列の単一の配列または少なくとも2、5、10、15、20、25、30もしくは40個以上を読み取り、該コンピュータープログラムを用いて、該核酸コードもしくはポリペプチドコード内の特徴を同定することにより、前記方法を実施することができる。
【0265】
本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列を、様々な形式の様々なデータ処理プログラム中で保存および操作することができる。例えば、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチドおよびそれと実質的に同一の配列を、Microsoft WORD(商標)もしくはWORDPERFECT(商標)などのワードプロセッシングファイル中のテキストとして、またはDB2(商標)、SYBASE(商標)、もしくはORACLE(商標)などの、当業者には公知の様々なデータベースプログラム中のASCIIファイルとして保存することができる。さらに、多くのコンピュータープログラムおよびデータベースを、配列比較アルゴリズム、識別子、または本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチドおよびそれと実質的に同一の配列と比較しようとする参照ヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の起源として用いることができる。以下の一覧は、本発明を限定するものではなく、本発明に従う核酸配列およびそれと実質的に同一の配列、または本発明に従うポリペプチド配列およびそれと実質的に同一の配列と共に有用であるプログラムおよびデータベースに対するガイダンスを提供することを意図するものである。
【0266】
用いることができるプログラムおよびデータベースとしては、限定されるものではないが、MACPATTERN(商標)(EMBL)、DISCOVERYBASE(商標) (Molecular Applications Group)、GENEMINE(商標) (Molecular Applications Group)、LOOK(商標) (Molecular Applications Group)、MACLOOK(商標) (Molecular Applications Group)、BLASTおよびBLAST2 (NCBI)、BLASTNおよびBLASTX (Altschulら、J. Mol. Biol. 215: 403, 1990)、FASTA (PearsonおよびLipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 2444, 1988)、FASTDB (Brutlagら、Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)、CATALYST(商標) (Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE(商標) (Molecular Simulations Inc.)、Cerius2.DBAccess(商標) (Molecular Simulations Inc.)、HYPOGEN(商標) (Molecular Simulations Inc.)、INSIGHT II(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、DISCOVER(商標) (Molecular Simulations Inc.)、CHARMm(商標) (Molecular Simulations Inc.)、FELIX(商標) (Molecular Simulations Inc.)、DELPHI(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、QuanteMM(商標)、(Molecular Simulations Inc.)、Homology (Molecular Simulations Inc.)、MODELER(商標) (Molecular Simulations Inc.)、ISIS(商標) (Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design (Molecular Simulations Inc.)、WebLab (Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer (Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer (Molecular Simulations Inc.)、SeqFold (Molecular Simulations Inc.)、MDL Available Chemicals Directoryデータベース、MDL Drug Data Reportデータベース、Comprehensive Medicinal Chemistryデータベース、Derwents's World Drug Indexデータベース、BioByteMasterFileデータベース、GenbanデータベースならびにGenseqnデータベースが挙げられる。多くの他のプログラムおよびデータベースが、当業者には明らかであり、本開示に与えられる。
【0267】
上記プログラムを用いて検出することができるモチーフとしては、ロイシンジッパー、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフ、糖鎖付加部位、ユビキチン化部位、αヘリックスおよびβシートをコードする配列、コードされたタンパク質の分泌を指令するシグナルペプチドをコードするシグナル配列、ホメオボックス、酸性ストレッチ、酵素活性部位、基質結合部位および酵素切断部位などの転写調節に関与する配列が挙げられる。
【0268】
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、本発明に従う配列(配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、または配列番号338など)にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離された、合成または組換え核酸を提供する。ストリンジェントな条件は、高ストリンジェント条件、中ストリンジェント条件および/または低ストリンジェント条件、例えば、本明細書に記載の高い、および低下したストリンジェンシー条件であってよい。いくつかの実施形態においては、それは、以下に考察するように、核酸が本発明の範囲内にあるかどうかを決定する条件を説明する洗浄条件のストリンジェンシーである。
【0269】
「ハイブリダイゼーション」とは、核酸鎖が、塩基対形成を介して相補鎖に結合するプロセスを指す。ハイブリダイゼーション反応は、目的の特定の配列を、それが低濃度で存在するサンプルにおいても同定することができるように、感受性であり、選択的であってよい。好適には、ストリンジェントな条件を、例えば、プレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション溶液中の塩もしくはホルムアミドの濃度、またはハイブリダイゼーション温度により定義することができ、当業界でよく知られている。他の実施形態においては、塩の濃度を低下させること、ホルムアミドの濃度を増加させること、またはハイブリダイゼーション温度を上昇させることにより、ストリンジェンシーを増加させることができる。他の実施形態においては、本発明に従う核酸を、本明細書に記載されるように、様々なストリンジェンシー条件(高い、中程度、および低いなど)下でハイブリダイズするその能力により定義する。
【0270】
いくつかの実施形態においては、高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションは、約37℃〜42℃で約50%のホルムアミドを含む。いくつかの実施形態においては、ハイブリダイゼーション条件は、約30℃〜35℃で約35%〜25%のホルムアミド中での低下したストリンジェンシー条件を含む。いくつかの実施形態においては、ハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド、5X SSPE、0.3%SDSおよび200μg/mlの剪断され、変性されたサケ精子DNA中で42℃などの、高ストリンジェンシー条件を含む。いくつかの実施形態においては、ハイブリダイゼーション条件は、これらの低下したストリンジェンシー条件を含むが、35℃の低下した温度で35%のホルムアミドを含む。目的の核酸のプリン:ピリミジン比を算出し、それに従って温度を調整することにより、特定のレベルのストリンジェンシーに対応する温度範囲をさらに狭めることができる。上記範囲および条件に対する変更は、当業界でよく知られている。
【0271】
他の実施形態においては、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする能力により定義される本発明に従う核酸は、約5個の残基と、本発明に従う核酸の完全長との間であってよい;例えば、それらは、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000個以上の長さの残基であってよい。完全長より短い核酸も含まれる。これらの核酸は、ハイブリダイゼーションプローブ、標識プローブ、PCRオリゴヌクレオチドプローブ、siRNAもしくはmiRNA(一本鎖もしくは二本鎖)、アンチセンスまたは抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、活性部位などをコードする配列などとして有用であってよい。
【0272】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う核酸を、約37℃〜42℃で約50%のホルムアミドの条件を含む高ストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力により定義する。いくつかの実施形態においては、本発明に従う核酸を、約30℃〜35℃で約35%〜25%のホルムアミド中での条件を含む低下したストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力により定義する。
【0273】
あるいは、本発明に従う核酸を、50%ホルムアミド、5X SSPE、0.3%SDS、およびcot-1もしくはサケ精子DNA(200μg/mlの剪断され、変性されたサケ精子DNAなど)などの対応する核酸ブロッキング核酸中、42℃での条件を含む高ストリンジェンシー下でハイブリダイズするその能力により定義する。いくつかの実施形態においては、本発明に従う核酸を、35℃または42℃の低下した温度で35%または40%のホルムアミドを含む低下したストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするその能力により定義する。
【0274】
核酸ハイブリダイゼーション反応においては、特定のレベルのストリンジェンシーを達成するのに用いられる条件は、ハイブリダイズさせる核酸の性質に応じて変化するであろう。例えば、核酸のハイブリダイズする領域の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列組成(GC対AT含量など)および核酸の型(RNA対DNAなど)を、ハイブリダイゼーション条件の選択において考慮することができる。さらなる考慮は、核酸の1つが、例えば、フィルター上に固定されているかどうかである。
【0275】
ハイブリダイゼーションを、低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシーまたは高ストリンジェンシーの条件下で実行することができる。核酸ハイブリダイゼーションの例として、固定された変性核酸を含むポリマー膜を、最初に、0.9 M NaCl、50 mM NaH2PO4、pH 7.0、5.0 mM Na2EDTA、0.5% SDS、10X Denhardt'sおよび0.5 mg/mlポリリボアデニル酸からなる溶液中、45℃で30分間プレハイブリダイズさせる。次いで、約2 x 107 cpm(比活性4〜9 x 108 cpm/μg)の32P末端標識オリゴヌクレオチドプローブを該溶液に添加する。12〜16時間インキュベートした後、0.5%SDSを含む1X SET(150 mM NaCl、20 mM Tris-HCl、pH 7.8、1 mM Na2EDTA)中、室温で30分間、次いで、オリゴヌクレオチドプローブのために新鮮な1X SET中、Tm-10℃で30分間、膜を洗浄する。次いで、ハイブリダイゼーションシグナルの検出のために、オートラジオグラフフィルムに膜を曝露する。前記ハイブリダイゼーションの全部を、高ストリンジェンシーの条件下であると考えることができる。
【0276】
ハイブリダイゼーション後、フィルターを洗浄して、非特異的に結合した検出可能なプローブを除去することができる。フィルターを洗浄するのに用いられるストリンジェンシーを、ハイブリダイズさせる核酸の性質、ハイブリダイズさせる核酸の長さ、相補性の程度、核酸配列組成(GC対AT含量など)および核酸の型(RNA対DNAなど)に応じて変化させることもできる。徐々に高くなるストリンジェンシー条件の洗浄の例は、以下の通りである:室温で15分間の2X SSC、0.1%SDS(低ストリンジェンシー);室温で30分間〜1時間の0.1X SSC、0.5%SDS(中程度ストリンジェンシー);ハイブリダイゼーション温度〜68℃で15〜30分間の0.1X SSC、0.5%SDS(高ストリンジェンシー);および72℃で15分間の0.15M NaCl(非常に高いストリンジェンシー)。最終的な低ストリンジェンシー洗浄を、室温で0.1X SSC中で行うことができる。上記の例は、フィルターを洗浄するのに用いることができる1組の条件を単に例示するに過ぎない。当業者であれば、異なるストリンジェンシーの洗浄について多くの方策が存在することを知っているであろう。いくつかの他の例を以下に与える。
【0277】
いくつかの実施形態においては、ハイブリダイゼーション条件は、1X 150 mM NaCl、20 mM Tris-HCl、pH 7.8、1 mM Na2EDTA、0.5%SDSを含む溶液中、室温で30分間の洗浄、次いで、新鮮な溶液中で30分間の洗浄を含む洗浄工程を含む。
【0278】
プローブにハイブリダイズした核酸を、オートラジオグラフィーまたは他の従来の技術により同定する。
【0279】
上記手順を改変して、プローブ配列に対する配列同一性(相同性)が低下している核酸を同定することができる。例えば、検出可能なプローブに対する配列同一性(相同性)が低下している核酸を取得するために、低ストリンジェントな条件を用いることができる。例えば、ハイブリダイゼーション温度を、約1MのNa+濃度を有するハイブリダイゼーションバッファー中、68℃から42℃まで、5℃ずつ低下させることができる。ハイブリダイゼーション後、フィルターを、ハイブリダイゼーションの温度で、2X SSC、0.5%SDSで洗浄することができる。これらの条件は、50℃を超える場合は「中程度」条件および50℃未満の場合は「低い」条件であると考えられる。「中程度」ハイブリダイゼーション条件の特定例は、上記ハイブリダイゼーションを55℃で行う場合である。「低ストリンジェンシー」ハイブリダイゼーション条件の特定例は、上記ハイブリダイゼーションを45℃で行う場合である。
【0280】
あるいは、ハイブリダイゼーションを、42℃の温度で、ホルムアミドを含む6X SSCなどのバッファー中で行うことができる。この場合、ハイブリダイゼーションバッファー中のホルムアミドの濃度を、50%から0%まで、5%ずつ低下させて、プローブに対する相同性のレベルが低下したクローンを同定することができる。ハイブリダイゼーション後、フィルターを、50℃で6X SSC、0.5%SDSを用いて洗浄することができる。これらの条件は、25%を超えるホルムアミドの場合、「中程度」の条件であり、25%未満のホルムアミドの場合、「低い」条件であると考えられる。「中程度」のハイブリダイゼーション条件の特定例は、上記ハイブリダイゼーションを30%ホルムアミドで行う場合である。「低ストリンジェンシー」ハイブリダイゼーション条件の特定例は、上記ハイブリダイゼーションを10%ホルムアミドで行う場合である。
【0281】
しかしながら、ハイブリダイゼーション形式の選択は重要ではない。それは、核酸が本発明の範囲内にあるかどうかを決定する条件を記載する洗浄条件のストリンジェンシーである。本発明の範囲内にある核酸を同定するのに用いられる洗浄条件としては、pH 7で約0.02モルの塩濃度および少なくとも約50℃もしくは約55℃から約60℃の温度;または72℃で約15分間の約0.15 M NaClの塩濃度;または少なくとも約50℃もしくは約55℃から約60℃の温度で、約15〜約20分間の約0.2X SSCの塩濃度;またはハイブリダイゼーション複合体を、室温で15分間、0.1%SDSを含む約2X SSCの塩濃度を有する溶液で2回洗浄した後、68℃で15分間、0.1%SDSを含む0.1X SSCにより2回洗浄する;または等価な条件が挙げられる。SSCバッファーおよび等価な条件の説明については、Sambrook(編)、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (第2版), vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory (1989)、LABORATORY TECHNIQUES IN BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY: HYBRIDIZATION WITH NUCLEIC ACID PROBES, Part I. 「理論および核酸調製(Theory and Nucleic Acid Preparation)」、Tijssen(編)、Elsevier, N.Y. (1993)およびAusubel(編)、John Wiley & Sons, Inc., New York (1997)を参照されたい。
【0282】
これらの方法を用いて、本発明に従う核酸およびそれと実質的に同一の配列を単離または同定することができる。例えば、前記方法を用いて、本発明に従う配列の1つおよびそれと実質的に同一の配列、または少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続する塩基を含むその断片およびそれと相補的な配列からなる群より選択される核酸配列に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性(相同性)を有する配列を有する核酸を単離または同定することができる。配列同一性(相同性)を、アラインメントアルゴリズムを用いて測定することができる。例えば、相同なポリヌクレオチドは、本明細書に記載のコード配列の1つの天然の対立遺伝子多型であるコード配列を有してもよい。そのような対立遺伝子多型は、本発明に従う核酸と比較した場合、1個以上のヌクレオチドの置換、欠失または付加を有してもよい。さらに、上記手順を用いて、本発明に従うポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個の連続するアミノ酸を含むその断片に対して、配列アラインメントアルゴリズム(デフォルトパラメーターを用いるFASTAバージョン3.0t78アルゴリズムなど)を用いて決定されるように、少なくとも約99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、もしくは少なくとも50%の配列同一性(相同性)を有するポリペプチドをコードする核酸を単離することができる。
【0283】
オリゴヌクレオチドプローブおよびそれらを使用する方法
本発明はまた、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸もしくはその断片を同定、増幅もしくは単離するため、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素遺伝子を同定するためなどに用いることができる核酸プローブも提供する。いくつかの実施形態においては、前記プローブは、本発明に従う核酸の少なくとも約10個の連続する塩基を含む。あるいは、本発明に従うプローブは、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150個または約10〜50個、約20〜60個、約30〜70個の連続する塩基の本発明に従う核酸に記載の配列であってよい。このプローブは、結合および/またはハイブリダイゼーションにより核酸を同定する。このプローブを、キャピラリーアレイなどの、本発明に従うアレイ(以下の考察を参照)において用いることができる。本発明に従うプローブを用いて、他の核酸またはポリペプチドを単離することもできる。
【0284】
本発明に従う単離された、合成もしくは組換え核酸、それと相補的な配列、または少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個の連続する塩基の本発明に従う核酸の1つを含むその断片、またはそれと相補的な配列をプローブとして用いて、土壌サンプルなどの生物学的サンプルが、本発明に従う核酸配列を有する生物もしくは該核酸が得られた生物を含むかどうかを決定することもできる。そのような手順においては、前記核酸が単離された生物を潜在的に担持する生物学的サンプルを取得し、核酸を該サンプルから取得する。前記核酸を、プローブがそこに存在する任意の相補的配列に特異的にハイブリダイズすることができる条件下で、該プローブと接触させる。
【0285】
必要な場合、プローブを、相補的配列を含むことが知られるサンプルに由来する相補的配列ならびに相補的配列を含まない対照配列と接触させることにより、該プローブが相補的配列に特異的にハイブリダイズすることができる条件を決定することができる。ハイブリダイゼーションバッファーの塩濃度、ハイブリダイゼーションバッファーのホルムアミド濃度、またはハイブリダイゼーション温度などのハイブリダイゼーション条件を変化させて、プローブが相補的核酸に特異的にハイブリダイズすることができる条件を同定することができる。
【0286】
サンプルが、前記核酸が単離された生物を含む場合、前記プローブの特異的ハイブリダイゼーションを検出する。該プローブを放射性アイソトープ、蛍光染料または検出可能な生成物の形成を触媒することができる酵素などの検出可能な薬剤で標識することにより、ハイブリダイゼーションを検出することができる。
【0287】
サンプル中の相補的核酸の存在を検出するために標識されたプローブを使用するための多くの方法が、当業者には公知である。これらのものとしては、サザンブロット、ノーザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション手順およびドットブロットが挙げられる。これらの手順のそれぞれに関するプロトコルは、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. (1997)およびSambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に提供されている。
【0288】
あるいは、2個以上のプローブ(少なくとも1個は、核酸サンプル中に存在する任意の相補的配列に特異的にハイブリダイズすることができる)を増幅反応において用いて、該サンプルが、本発明に従う核酸配列を含有する生物(該核酸が単離された生物など)を含むかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態においては、前記プローブはオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態においては、増幅反応はPCR反応を含んでもよい。PCRプロトコルは、AusubelおよびSambrook、上掲に記載されている。あるいは、増幅は、リガーゼ連鎖反応、3SR、または鎖置換反応を含んでもよい(Barany, F.,「PCR世界におけるリガーゼ連鎖反応(The Ligase Chain Reaction in a PCR World)」、PCR Methods and Applications 1:5-16, 1991; E. Fahyら、「自己持続型配列複製:PCRに代わる定温転写に基づく増幅系(Self-sustained Sequence Replication (3SR): An Isothermal Transcription-based Amplification System Alternative to PCR)」、PCR Methods and Applications 1:25-33, 1991; およびWalker G.T.ら、「鎖置換増幅-定温in vitro DNA増幅技術(Strand Displacement Amplification-an Isothermal in vitro DNA Amplification Technique)」、Nucleic Acid Research 20:1691-1696, 1992を参照)。そのような手順においては、サンプル中の核酸を前記プローブと接触させ、増幅反応を実施し、任意の得られる増幅産物を検出する。増幅産物を、反応生成物に対してゲル電気泳動を実施し、ゲルを臭化エチジウムなどの挿入剤で染色することにより検出することができる。あるいは、1個以上のプローブを、放射性アイソトープで標識し、放射性増幅産物の存在を、ゲル電気泳動の後にオートラジオグラフィーにより検出することができる。
【0289】
本発明に従う配列の末端の近くの配列に由来するプローブを、染色体ウォーキング手順において用いて、本発明に従う配列の近くに位置するゲノム配列を含むクローンを同定することもできる。そのような方法は、宿主生物に由来するさらなるタンパク質をコードする遺伝子の単離を可能にする。
【0290】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う単離された、合成もしくは組換え核酸、それと相補的な配列、または少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400、もしくは500個以上の連続する塩基の本発明に従う配列の1つを含む断片、またはそれと相補的な配列をプローブとして用いて、関連する核酸を同定および単離する。いくつかの実施形態においては、関連する核酸は、前記核酸が単離された生物以外の生物に由来するcDNAまたはゲノムDNAであってよい。例えば、他の生物は、関連する生物であってよい。そのような手順においては、核酸サンプルを、プローブが関連する配列に特異的にハイブリダイズすることができる条件下で該プローブと接触させる。次いで、該プローブと、関連する生物に由来する核酸とのハイブリダイゼーションを、上記の方法のいずれかを用いて検出する。
【0291】
検出可能なプローブにハイブリダイズする、cDNAまたはゲノムDNAなどの核酸を同定するのに用いられるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変化させることにより、該プローブとは異なるレベルの相同性を有する核酸を同定および単離することができる。前記プローブの融点未満の変化する温度でハイブリダイゼーションを行うことにより、ストリンジェンシーを変化させることができる。この融点、Tmは、標的配列の50%が完全に相補的なプローブにハイブリダイズする温度(規定のイオン強度およびpHの下)である。非常にストリンジェントな条件を、特定のプローブについて、等しいか、またはTmよりも約5℃低くなるように選択する。前記プローブの融点を、以下の式を用いて算出することができる。
【0292】
14〜70ヌクレオチドの長さのプローブについては、融点(Tm)を、式:Tm=81.5 + 16.6 (log[Na+] + 0.41(画分G+C)-(600/N)(式中、Nはプローブの長さである)を用いて算出する。
【0293】
ホルムアミドを含む溶液中でハイブリダイゼーションを実行する場合、融点を、式:Tm=81.5 + 16.6 (log[Na+] + 0.41(画分G+C)-(0.63%ホルムアミド)-(600/N)(式中、Nはプローブの長さである)を用いて算出することができる。
【0294】
プレハイブリダイゼーションを、6X SSC、5X Denhardt's試薬、0.5%SDS、100mg/ml変性断片化サケ精子DNAまたは6X SSC、5X Denhardt's試薬、0.5%SDS、100mg/ml変性断片化サケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実行することができる。SSCおよびDenhardt's溶液のための処方は、Sambrookら、上掲に列挙されている。
【0295】
いくつかの実施形態においては、検出可能なプローブを上記に列挙されたプレハイブリダイゼーション溶液に添加することにより、ハイブリダイゼーションを行う。前記プローブが二本鎖DNAを含む場合、ハイブリダイゼーション溶液に添加する前に、それを変性させる。いくつかの実施形態においては、プローブが、それと相補的な、または相同な配列を含むcDNAもしくはゲノムDNAにハイブリダイズすることができる十分な時間、フィルターをハイブリダイゼーション溶液と接触させる。長さ200ヌクレオチドを超えるプローブについては、ハイブリダイゼーションを、Tmより15〜25℃低い温度で実行することができる。オリゴヌクレオチドプローブなどの、より短いプローブについては、ハイブリダイゼーションを、Tmより5〜10℃低い温度で行うことができる。いくつかの実施形態においては、6X SSC中でのハイブリダイゼーションのために、ハイブリダイゼーションを約68℃で行う。通常、50%ホルムアミドを含有する溶液中でのハイブリダイゼーションのために、ハイブリダイゼーションを約42℃で行う。
【0296】
アルドラーゼ酵素の発現の阻害
本発明は、アンチセンス、siRNA、miRNA、リボザイムを含む核酸などの、アルドラーゼ酵素をコードする核酸などの、本発明に従う核酸と相補的な核酸(アンチセンス配列など)を提供する。アンチセンス配列を含む本発明に従う核酸は、アルドラーゼ酵素をコードする遺伝子の輸送、スプライシングまたは転写を阻害することができる。この阻害を、ゲノムDNAまたはメッセンジャーRNAの標的化を介して行うことができる。標的化された核酸の転写または機能を、例えば、ハイブリダイゼーションおよび/または切断により阻害することができる。本発明により提供される1つの例示的なセットの阻害剤としては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の産生もしくは機能を防止または阻害する場合、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素遺伝子またはメッセージに結合することができるオリゴヌクレオチドが挙げられる。この結合は、配列特異的ハイブリダイゼーションを介するものであってよい。別の有用なクラスの阻害剤としては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素メッセージの不活化または切断を引き起こすオリゴヌクレオチドが挙げられる。このオリゴヌクレオチドは、リボザイムなどの、そのような切断を引き起こす酵素活性を有してもよい。このオリゴヌクレオチドを化学的に改変するか、または相補的核酸を切断することができる酵素もしくは組成物にコンジュゲートさせることができる。多くの異なるそのようなオリゴヌクレオチドのプールを、所望の活性を有するものについてスクリーニングすることができる。かくして、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素配列を含む、siRNA、miRNAおよびリボザイムならびに本発明に従う抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼなどの抗アルドラーゼ抗体などの、核酸および/またはタンパク質レベルでの、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素発現の阻害のための様々な組成物を提供する。
【0297】
HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素発現の阻害は、様々な産業用途を有してもよい。例えば、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素発現の阻害は、損傷を遅延させるか、または防止することができる。いくつかの実施形態においては、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNAおよびmiRNAなどの、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の発現および/または活性を阻害する本発明に従う組成物の使用を用いて、損傷を遅延させるか、または防止する。かくして、いくつかの実施形態においては、本発明は、植物もしくは植物産物(穀物、穀類、果実、種子、根、葉など)に対して、損傷を遅延させるか、または防止するための本発明に従う抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、siRNAおよびmiRNAを適用することを含む方法および組成物を提供する。これらの組成物を、植物(トランスジェニック植物など)または別の生物(本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素遺伝子を用いて形質転換された細菌もしくは他の微生物など)により発現させることもできる。
【0298】
HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素発現の阻害のための本発明に従う組成物(アンチセンス、iRNA、リボザイム、抗体など)を、抗病原体剤などの医薬組成物として、またはサルモネラ菌などの抗微生物剤などの他の治療剤中で用いることができる。
【0299】
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本発明は、いくつかの実施形態においては、mRNAを標的化することにより、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を阻害することができる、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素メッセージに結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計するための戦略は、科学文献および特許文献によく記載されており、当業者であれば、本発明に従う新規試薬を用いて、そのようなHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素オリゴヌクレオチドを設計することができる。例えば、有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドをスクリーニングするための遺伝子ウォーキング/RNAマッピングプロトコルは、当業界でよく知られており、強力なアンチセンス配列選択のための容易で信頼できる方法を提供するための標準的な分子技術に基づく、RNAマッピングアッセイを記載している、Ho (2000) Methods Enzymol. 314: 168-183を参照されたい。Smith (2000) Eur. J. Pharm. Sci. 11:191-198も参照されたい。
【0300】
天然の核酸を、アンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の長さのものであってよい;例えば、他の実施形態においては、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約5〜約100、約10〜約80、約15〜約60、約18〜約40である。最適な長さを、日常的なスクリーニングにより決定することができる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、任意の濃度で存在してもよい。最適な濃度を、日常的なスクリーニングにより決定することができる。この潜在的な問題を解決することができる様々な合成の非天然ヌクレオチドおよび核酸類似体が公知である。例えば、N-(2-アミノエチル)グリシン単位などの、非イオン性主鎖を含むペプチド核酸(PNA)を用いることができる。ホスホロチオエート結合を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを、WO 97/03211; WO 96/39154; Mata (1997) Toxicol Appl Pharmacol 144:189-197; Antisense Therapeutics, Agrawal(編) (Humana Press, Totowa, N.J., 1996)に記載のように用いることもできる。本発明により提供される合成DNA主鎖類似体を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、上記のような、ホスホロジチオエート、メチルホスホナート、ホスホルアミダート、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3'-チオアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3'-N-カルバメート、およびモルホリノカルバメート核酸を含んでもよい。
【0301】
コンビナトリアル化学方法を用いて、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのセンスおよびアンチセンスアルドラーゼ酵素配列などの、任意の標的に対する好適な結合親和性および特異性を有する特異的オリゴヌクレオチドについて迅速にスクリーニングすることができる多数のオリゴヌクレオチドを作製することができる(Gold (1995) J. of Biol. Chem. 270:13581-13584を参照)。
【0302】
阻害的リボザイム
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素メッセージに結合することができるリボザイムを提供する。これらのリボザイムは、mRNAを標的化することなどにより、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を阻害することができる。リボザイムを設計し、標的化のためのHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素特異的アンチセンス配列を選択するための戦略は、科学文献および特許文献においてよく知られており、当業者であれば、本発明に従う新規試薬を用いてそのようなリボザイムを設計することができる。リボザイムは、標的RNAを切断するRNAの酵素部分に近い位置に保持されるリボザイムの標的RNA結合部分を介して、標的RNAに結合することにより作用する。かくして、リボザイムは、相補的塩基対形成を介して標的RNAを認識し、それに結合し、一度正確な部位に結合したら、該標的RNAを切断し、不活化するように酵素的に働く。そのような様式での標的RNAの切断は、切断がコード配列中で起こる場合、コードされたタンパク質を直接合成するその能力を破壊するであろう。リボザイムがそのRNA標的に結合し、それを切断した後、それを、新しい標的を反復的に結合および切断するそのRNAから遊離させることができる。
【0303】
いくつかの状況においては、治療的処理を行うのに必要なリボザイムの有効な濃度は、アンチセンスオリゴヌクレオチドのものよりも低いものであってよいため、リボザイムの酵素的性質は、アンチセンス技術(核酸分子が核酸標的に単純に結合して、その転写、翻訳もしくは別の分子との結合を阻害する場合)などの他の技術よりも有利であってよい。この潜在的な利点は、酵素的に作用するリボザイムの能力を反映する。かくして、単一のリボザイム分子は、標的RNAの多くの分子を切断することができる。いくつかの実施形態においては、リボザイムは、高度に特異的な阻害剤であり、阻害の特異性は、結合の塩基対形成機構だけでなく、該分子が結合するRNAの発現を阻害する機構に依存する。すなわち、阻害は、RNA標的の切断により引き起こされ、従って特異性を、非標的化RNAの切断の速度に対する、標的化RNAの切断の速度の比率として定義する。この切断機構は、塩基対形成に関与するさらなる因子に依存する。かくして、リボザイムの作用の特異性は、同じRNA部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドのものよりも高いものであってよい。
【0304】
酵素的リボザイムRNA分子などの本発明に従うリボザイムを、ハンマーヘッドモチーフ、ヘアピンモチーフ中で、デルタ肝炎ウイルスモチーフ、I群イントロンモチーフおよび/またはRNAガイド配列と結合したRNaseP様RNAとして形成させることができる。ハンマーヘッドモチーフの例は、Rossi (1992) Aids Research and Human Retroviruses 8:183; ヘアピンモチーフはHampel (1989) Biochemistry 28:4929、およびHampel (1990) Nuc. Acids Res. 18:299; デルタ肝炎ウイルスモチーフはPerrotta (1992) Biochemistry 31:16; RNasePモチーフはGuerrier-Takada (1983) Cell 35:849; ならびにI群イントロンは米国特許第4,987,071号などにより記載されている。これらの特異的モチーフの列挙は、限定されることを意図するものではない。当業者であれば、本発明の酵素的RNA分子などの、本発明に従うリボザイムは、標的遺伝子RNA領域の1個以上と相補的な特異的基質結合部位を有してもよいことを認識するであろう。本発明に従うリボザイムは、該分子にRNA切断活性を付与するその基質結合部位内またはその周囲のヌクレオチド配列を有してもよい。
【0305】
RNA干渉(RNAi)
いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素配列を含む、いわゆる「RNAi」分子と呼ばれる、RNA阻害分子を提供する。RNAi分子は、siRNA、miRNAおよび/または短いヘアピンRNA(shRNA)分子などの、二本鎖RNA(dsRNA)分子を含んでもよい。siRNA (小さい阻害的RNA)およびmiRNA (マイクロRNA)などのRNAi分子は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素遺伝子の発現を阻害することができる。いくつかの実施形態においては、siRNAおよび/またはmiRNAなどのRNAi分子は、約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29個以上の長さの二本鎖ヌクレオチドである。本発明は任意の特定の作用機構により制限されないが、RNAiは細胞に進入し、内因性mRNAなどの、類似するか、または同一の配列の一本鎖RNA(ssRNA)の分解を引き起こすことができる。細胞が二本鎖RNA (dsRNA)に曝露された場合、相同な遺伝子に由来するmRNAは、RNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスにより選択的に分解される。RNAiの背後の可能な基本機構は、特定の遺伝子配列に一致する二本鎖RNA(dsRNA)の、その配列に一致するmRNAの分解を誘発する短い干渉RNAと呼ばれる短い断片への破壊である。いくつかの実施形態においては、本発明に従うRNAiを、遺伝子サイレンシング治療剤において用いる。Shuey (2002) Drug Discov. Today 7:1040-1046を参照されたい。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う、siRNAおよび/またはmiRNAなどのRNAi分子を用いてRNAを選択的に分解する方法を提供する。前記プロセスを、in vitro、ex vivoまたはin vivoで実施することができる。いくつかの実施形態においては、本発明に従うRNAi分子を用いて、細胞、器官または動物において機能を喪失する突然変異を作製することができる。
【0306】
一態様においては、RNAiの細胞内導入は、RNAi(マイクロRNAなど)を吸着させることを含む、RNA結合タンパク質に結合した標的細胞特異的リガンドの内在化による。前記リガンドは、ユニークな標的細胞表面抗原に特異的である。前記リガンドを、細胞表面抗原に結合させた後、自然発生的に内在化させることができる。ユニークな細胞表面抗原がそのリガンドへの結合後に天然に内在化しない場合、内在化を、アルギニンに富むペプチドもしくは他の膜透過性ペプチドの、リガンドもしくはRNA結合タンパク質の構造中への組込み、またはそのようなペプチドのリガンドもしくはRNA結合タンパク質への結合により促進することができる。米国特許出願公開第20060030003号; 第20060025361号; 第20060019286号; 第20060019258号を参照されたい。一態様においては、本発明は、RNAi分子を含む核酸-脂質粒子として本発明の核酸を細胞に導入することなど、送達のための脂質に基づく製剤を提供する。例えば、米国特許出願公開第20060008910号を参照されたい。
【0307】
核酸の改変-本発明の変異体酵素の作製
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードするものなどの、本発明に従う核酸の変異体を作製する方法を提供する。これらの方法を、様々な組合せ中で反復するか、または使用して、鋳型核酸によりコードされるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素のものとは変化したか、もしくは異なる活性または変化したか、もしくは異なる安定性を有するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を作製することができる。これらの方法を様々な組合せ中で反復するか、または使用して、遺伝子/メッセージ発現、メッセージ翻訳またはメッセージ安定性における変異などを作製することもできる。他の実施形態においては、細胞の遺伝子組成を、ex vivoでの相同な遺伝子の改変、次いで、細胞中へのその再挿入などにより変化させる。
【0308】
本発明に従う核酸を、任意の手段により変化させることができる。例えば、無作為方法もしくは確率論的方法、または非確率論的方法、または「指向性進化」方法、米国特許第6,361,974号を参照されたい。遺伝子の無作為突然変異のための方法は、当業界でよく知られており、米国特許第5,830,696号を参照されたい。例えば、変異原を用いて、遺伝子を無作為に突然変異させることができる。変異原としては、組換えによる修復を受けやすいDNA破壊を導入するために、単独または組み合わせて用いられる、紫外線もしくはγ放射線、またはマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレンなどの化学的変異原などが挙げられる。他の化学的変異原としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンまたは蟻酸が挙げられる。他の変異原は、ニトロソグアニジン、5-ブロモウラシル、2-アミノプリン、またはアクリジンなどのヌクレオチド前駆体の類似体である。これらの薬剤を、ヌクレオチド前駆体の代わりにPCR反応に添加することにより、前記配列を突然変異させることができる。プロフラビン、アクリフラビン、キナクリンなどの挿入剤を用いることもできる。
【0309】
無作為PCR突然変異誘発(Rice (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5467-5471を参照); またはコンビナトリアル多カセット突然変異誘発(Crameri (1995) Biotechniques 18:194-196を参照)などの、分子生物学における任意の技術を用いることができる。あるいは、遺伝子などの核酸を、無作為、または「確率論的」断片化の後に再集合させることができる。米国特許第6,291,242号; 第6,287,862号; 第6,287,861号; 第5,955,358号; 第5,830,721号; 第5,824,514号; 第5,811,238号; 第5,605,793号を参照されたい。他の実施形態においては、改変、付加または欠失を、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発、アセンブリーPCR、性的PCR突然変異誘発、in vivo突然変異誘発、カセット突然変異誘発、帰納的集合突然変異誘発、指数集合突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発、遺伝子再集合(GeneReassemblyなど、米国特許第6,537,776号を参照)、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成連結再集合(SLR)、組換え、帰納的配列組換え、ホスホチオエート改変DNA突然変異誘発、ウラシル含有鋳型突然変異誘発、ギャップ二本鎖突然変異誘発、点不一致修復突然変異誘発、修復欠損宿主株突然変異誘発、化学的突然変異誘発、放射性突然変異誘発、欠失突然変異誘発、制限選択突然変異誘発、制限精製突然変異誘発、人工遺伝子合成、集合突然変異誘発、キメラ核酸マルチマー作製、染色体飽和突然変異誘発(CSM)および/またはこれらの組合せならびに他の方法により導入する。
【0310】
以下の刊行物は、様々な帰納的組換え手順および/または本発明に従う方法に組み入れることができる方法を記載している:Stemmer (1999) 「標的化および他の臨床特性のためのウイルスの分子育種(Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties)」、Tumor Targeting 4:1-4; Ness (1999) Nature Biotechnology 17:893-896; Chang (1999) 「DNAファミリーシャッフリングを用いるサイトカインの進化(Evolution of a cytokine using DNA family shuffling)」、Nature Biotechnology 17:793-797; Minshull (1999) 「分子育種によるタンパク質進化(Protein evolution by molecular breeding)」、Current Opinion in Chemical Biology 3:284-290; Christians (1999) 「DNAファミリーシャッフリングを用いるAZTリン酸化のためのチミジンキナーゼの指向性進化(Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling)」、Nature Biotechnology 17:259-264; Crameri (1998)「多様な種に由来する遺伝子ファミリーのDNAシャッフリングは指向性進化を加速する(DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution)」、Nature 391:288-291; Crameri (1997) 「DNAシャッフリングによるヒ酸解毒経路の分子進化(Molecular evolution of an arsenate detoxification pathway by DNA shuffling)」、Nature Biotechnology 15:436-438; Zhang (1997)「DNAシャッフリングおよびスクリーニングによるガラクトシダーゼ由来の有効なフコシダーゼの指向性進化(Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screening)」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4504-4509; Pattenら(1997)「薬剤およびワクチンへのDNAシャッフリングの適用(Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines)」、Current Opinion in Biotechnology 8:724-733; Crameriら(1996)「DNAシャッフリングによる抗体-ファージライブラリーの構築および進化(Construction and evolution of antibody-phage libraries by DNA shuffling)」、Nature Medicine 2:100-103; Gatesら(1996)「lacリプレッサーヘッドピースダイマー上での展示を介するペプチドライブラリーに由来するリガンドの親和性選択単離(Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor headpiece dimer)」、Journal of Molecular Biology 255:373-386; Stemmer (1996)「性的PCRおよびアセンブリーPCR(Sexual PCR and Assembly PCR)」、The Encyclopedia of Molecular Biology. VCH Publishers, New York. pp.447-457; CrameriおよびStemmer (1995)「コンビナトリアル多カセット突然変異誘発は突然変異体および野生型カセットの全ての順列を作製する(Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes)」、BioTechniques 18:194-195; Stemmerら(1995)「多数のオリゴデオキシリボヌクレオチドに由来する遺伝子およびプラスミド全体の1工程集合(Single-step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides)」、Gene, 164:49-53; Stemmer (1995)「分子的計算の進化(The Evolution of Molecular Computation)」、Science 270: 1510; Stemmer (1995)「配列スペースの検索(Searching Sequence Space)」、Bio/Technology 13:549-553; Stemmer (1994)「DNAシャッフリングによるin vitroでのタンパク質の迅速な進化(Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling)」、Nature 370:389-391; and Stemmer (1994)「無作為断片化および再集合によるDNAシャッフリング:分子進化のためのin vitroでの組換え(DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution)」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 10747-10751。
【0311】
多様性を生成する突然変異方法としては、例えば、部位特異的突然変異誘発(Lingら(1997)「DNA突然変異誘発に対する手法:総論(Approaches to DNA mutagenesis: an overview)」、Anal Biochem. 254(2): 157-178; Daleら(1996)「ホスホロチオエート法を用いるオリゴヌクレオチド特異的無作為突然変異誘発(Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method)」、Methods Mol. Biol. 57:369-374; Smith (1985)「in vitro突然変異誘発(In vitro mutagenesis)」、Ann. Rev. Genet. 19:423-462; Botstein & Shortle (1985)「in vitro突然変異誘発の戦略および適用(Strategies and applications of in vitro mutagenesis)」、Science 229:1193-1201; Carter (1986)「部位特異的突然変異誘発(Site-directed mutagenesis)」、Biochem. J. 237:1-7;ならびにKunkel (1987)「オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発の効率(The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis)」、Nucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F.およびLilley, D. M. J.(編)、Springer Verlag, Berlin)); 鋳型を含むウラシルを用いる突然変異誘発 (Kunkel (1985)「表現型選択を用いない迅速かつ効率的な部位特異的突然変異誘発(Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection)」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkelら(1987)「表現型選択を用いない迅速かつ効率的な部位特異的突然変異誘発(Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection)」、Methods in Enzymol. 154, 367-382; およびBassら(1988)「新しいDNA結合特異性を有するTrpリプレッサー変異体(Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities)」、Science 242:240-245); オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発 (Methods in Enzymol. 100: 468-500 (1983); Methods in Enzymol. 154: 329-350 (1987); Zoller (1982)「M13由来ベクターを用いるオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発:任意のDNA断片における点突然変異の作製のための効率的かつ一般的な手順(Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment)」、Nucleic Acids Res. 10:6487-6500; Zoller & Smith (1983)「M13ベクター中にクローニングされたDNA断片のオリゴヌクレオチド特異的部位突然変異誘発(Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors)」、Methods in Enzymol. 100:468-500; およびZoller (1987)「オリゴヌクレオチド特異的部位突然変異誘発:2個のオリゴヌクレオチドプライマーと一本鎖DNA鋳型を用いる単純な方法(Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template)」、Methods in Enzymol. 154:329-350);ホスホロチオエート改変DNA突然変異誘発(Taylor (1985)「ニックDNAを調製するための制限酵素反応におけるホスホロチオエート改変DNAの使用(The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA)」、Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764; Taylor (1985)「ホスホロチオエート改変DNAを用いる高頻度でのオリゴヌクレオチド特異的突然変異の迅速な作製(The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA)」、Nucl. Acids Res. 13: 8765-8787 (1985); Nakamaye (1986)「ホスホロチオエート基による制限エンドヌクレアーゼNci I切断の阻害およびオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発に対するその適用(Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis)」、Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698; Sayers (1988)「ホスホロチオエートに基づくオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発におけるY-Tエキソヌクレアーゼ(Y-T Exonucleases in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis)」、Nucl. Acids Res. 16:791-802;ならびにSayersら(1988)「臭化エチジウムの存在下での制限エンドヌクレアーゼを用いる反応によるホスホロチオエート含有DNAの鎖特異的切断(Strand specific cleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide)」、Nucl. Acids Res. 16: 803-814); ギャップ二本鎖DNAを用いる突然変異誘発 (Kramerら(1984)「オリゴヌクレオチド特異的突然変異構築に対するギャップ二本鎖DNA手法(The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction)」、Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456; Kramer & Fritz (1987) Methods in Enzymol.「ギャップ二本鎖DNAを介する突然変異のオリゴヌクレオチド特異的構築(Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA)」、154:350-367; Kramer (1988)「突然変異のオリゴヌクレオチド特異的構築に対するギャップ二本鎖DNA手法における改善された酵素的in vitro反応(Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations)」、Nucl. Acids Res. 16: 7207; およびFritz (1988)「突然変異のオリゴヌクレオチド特異的構築:in vitroでの酵素反応を用いないギャップ二本鎖DNA手順(Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro)」、Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999)が挙げられる。
【0312】
本発明を実施するのに用いることができるさらなるプロトコルとしては、点不一致修復(Kramer (1984)「点不一致修復(Point Mismatch Repair)」、Cell 38:879-887)、修復欠損宿主株を用いる突然変異誘発 (Carterら(1985)「M13ベクターを用いる改良されたオリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発(Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors)」、Nucl. Acids Res. 13: 4431-4443; およびCarter (1987)「M13ベクターを用いる改良されたオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors)」、Methods in Enzymol. 154: 382-403)、欠失突然変異誘発 (Eghtedarzadeh (1986)「大きい欠失を作製するためのオリゴヌクレオチドの使用(Use of oligonucleotides to generate large deletions)」、Nucl. Acids Res. 14: 5115)、制限選択および制限精製 (Wellsら(1986)「スブチリシンの転移状態の安定化における水素結合形成の重要(Importance of hydrogen-bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin)」、Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423)、総遺伝子合成による突然変異誘発 (Nambiarら(1984)「リボヌクレアーゼSタンパク質をコードする遺伝子の総合成およびクローニング(Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein)」、Science 223: 1299-1301; SakamarおよびKhorana (1988)「ウシロッド外側断片グアニンヌクレオチド結合タンパク質(トランスデュリン)のa-サブユニットの遺伝子の総合成および発現(Total synthesis and expression of a gene for the a-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin)」、Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372; Wellsら(1985)「カセット突然変異誘発:規定の部位で複数の突然変異を作製するための効率的な方法(Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites)」、Gene 34:315-323; およびGrundstromら(1985)「微小規模ショットガン遺伝子合成によるオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発(Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale shot-gun gene synthesis)」、Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316)、二本鎖破壊修復 (Mandecki (1986); Arnold (1993)「通常の環境のためのタンパク質工学(Protein engineering for unusual environments)」、Current Opinion in Biotechnology 4:450-455.「大腸菌のプラスミド中でのオリゴヌクレオチド特異的二本鎖破壊修復:部位特異的突然変異誘発のための方法(Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181)が挙げられる。上記方法の多くに関するさらなる詳細を、様々な突然変異誘発方法に関するトラブルシューティング問題のための有用な対照も記載する、Methods in Enzymology Volume 154に見出すことができる。
【0313】
本発明を実施するのに用いることができるプロトコルは、Stemmerの米国特許第5,605,793号(1997年2月25日)、「in vitroでの組換えのための方法(Methods for In Vitro Recombination)」;Stemmerらの米国特許第5,811,238号(1998年9月22日)、「反復選択および組換えによる所望の特性を有するポリヌクレオチドを作製するための方法(Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination)」;Stemmerらの米国特許第5,830,721号(1998年11月3日)、「無作為断片化および再集合によるDNA突然変異誘発(DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;Stemmerらの米国特許第5,834,252号(1998年11月10日)、「末端相補的ポリメラーゼ反応(End-Complementary Polymerase Reaction)」;Minshullらの米国特許第5,837,458号 (1998年11月17日)、「細胞および代謝工学のための方法および組成物(Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering)」;StemmerおよびCrameriのWO 95/22625、「無作為断片化および再集合による突然変異誘発(Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」;StemmerおよびLipschutzによるWO 96/33207、「末端相補的ポリメラーゼ連鎖反応(End Complementary Polymerase Chain Reaction)」; StemmerおよびCrameriによるWO 97/20078、「反復選択および組換えによる所望の特性を有するポリヌクレオチドを作製するための方法(Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination)」;MinshullおよびStemmerによるWO 97/35966、「細胞および代謝工学のための方法および組成物(Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering)」;PunnonenらによるWO 99/41402、「遺伝子ワクチンベクターの標的化(Targeting of Genetic Vaccine Vectors)」;PunnonenらによるWO 99/41383、「抗原ライブラリー免疫化(Antigen Library Immunization)」; PunnonenらによるWO 99/41369、「遺伝子ワクチンベクター工学(Genetic Vaccine Vector Engineering)」; PunnonenらによるWO 99/41368、「遺伝子ワクチンの免疫調節特性の最適化(Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines)」; StemmerおよびCrameriによるEP 752008、「無作為断片化および再集合によるDNA突然変異誘発(DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly)」; StemmerによるEP 0932670、「帰納的配列組換えによる進化する細胞DNA取込み(Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination)」; StemmerらによるWO 99/23107、「ウイルスゲノムシャッフリングによる向ウイルス性および宿主範囲の改変(Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling)」;AptらによるWO 99/21979、「ヒトパピローマウイルスベクター(Human Papillomavirus Vectors)」;del Cardayre らによるWO 98/31837、「帰納的配列組換えによる全細胞および生物の進化(Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination)」;PattenおよびStemmerによる WO 98/27230、「ポリペプチド工学のための方法および組成物(Methods and Compositions for Polypeptide Engineering)」;Stemmer らによるWO 98/27230、「帰納的配列シャッフリングおよび選択による遺伝子治療の最適化のための方法(Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection)」;WO 00/00632、「高度に多様なライブラリーを作製するための方法(Methods for Generating Highly Diverse Libraries)」;WO 00/09679、「in vitroで組換えられたポリヌクレオチド配列バンクを取得するための方法および得られる配列(Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences)」;Arnold らによるWO 98/42832、「無作為または規定のプライマーを用いるポリヌクレオチド配列の組換え(Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers)」、ArnoldらによるWO 99/29902、「ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列を作製するための方法(Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences)」、VindによるWO 98/41653、「DNAライブラリーの構築のためのin vitro方法(An in Vitro Method for Construction of a DNA Library)」、BorchertらによるWO 98/41622、「DNAシャッフリングを用いてライブラリーを構築するための方法(Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling)」、ならびにPatiおよびZarlingによるWO 98/42727、「相同組換えを用いる配列変更(Sequence Alterations using Homologous Recombination)」などに記載されている。
【0314】
本発明を実施するのに用いることができるプロトコル(様々な多様性作製方法に関する詳細を提供する)は、1999年9月28日に提出されたPattenらによる米国特許継続出願第(USSN)09/407,800号、「コドン変更された遺伝子のシャッフリング(SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES)」; del Cardayreらによる米国特許第6,379,964号、「帰納的配列組換えによる全細胞および生物の進化(EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION)」; Crameriらによる米国特許第6,319,714号; 第6,368,861号; 第6,376,246号; 第6,423,542号; 第6,426,224号およびPCT/US00/01203、「オリゴヌクレオチドを介する核酸組換え(OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION)」; Welchらによる米国特許第6,436,675号、「合成シャッフリングのためのコドン変化オリゴヌクレオチドの使用(USE OF CODON-VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING)」; 2000年1月18日に提出されたSelifonovらによる(PCT/US00/01202)、「所望の特性を有するポリヌクレオチドおよびポリペプチド文字列を作製するための方法(METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS)」および、例えば、2000年1月18日に提出されたSelifonovらによる(U.S. Ser. No. 09/618,579)、「所望の特性を有するポリヌクレオチドおよびポリペプチド文字列を作製するための方法(METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS)」; 2000年1月18日に提出されたSelifonovおよびStemmerによる(PCT/US00/01138)、「進化シミュレーションにおける使用のためのデータ構造を投入する方法(METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS)」; ならびに2000年9月6日に提出されたAffholterによる(米国特許継続第09/656,549号)、「一本鎖核酸鋳型を介する組換えおよび核酸断片の単離(SINGLE-STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE-MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION)」; ならびに米国特許第6,177,263号; 第6,153,410号などに記載されている。
【0315】
非確率論的方法または「指向性進化」方法としては、遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM)、合成連結再集合(SLR)などの飽和突然変異誘発などが挙げられ、またはその組合せを用いて本発明に従う核酸を改変して、新しいか、または変化した特性(高酸性もしくはアルカリ性条件、高温もしくは定温などの下での活性など)を有するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を作製する。改変された核酸によりコードされるポリペプチドを、活性についてスクリーニングした後、炭素-炭素結合の形成もしくは切断または他の活性について試験することができる。キャピラリーアレイプラットフォームの使用などの、任意の試験様式またはプロトコルを用いることができる。米国特許第6,361,974号; 第6,280,926号; 第5,939,250号を参照されたい。
【0316】
遺伝子部位飽和突然変異誘発、またはGSSM
本発明はまた、本明細書に記載の、ならびに米国特許第6,171,820号および第6,579,258号にも記載の、遺伝子部位飽和突然変異誘発、またはGSSMを用いる酵素を作製するための方法も提供する。いくつかの実施形態においては、単一アミノ酸置換の完全な範囲が、改変しようと標的化された酵素活性部位またはリガンド結合部位中のアミノ酸残基などの、それぞれのアミノ酸位置で表される子孫ポリペプチドのセットを作製するために、縮重N,N,G/T配列を含むコドンプライマーを用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素または本発明に従う抗体などのポリヌクレオチドに点突然変異を導入する。これらのオリゴヌクレオチドは、連続的な第1の相同配列、縮重N,N,G/T配列、および必要に応じて、第2の相同配列を含んでもよい。そのようなオリゴヌクレオチドの使用に由来する下流の子孫翻訳産物は、N,N,G/T配列の縮重性が20種全部のアミノ酸のためのコドンを含むため、ポリペプチドに沿ってそれぞれのアミノ酸部位で全ての可能なアミノ酸変化を含む。いくつかの実施形態においては、1個のそのような縮重オリゴヌクレオチド(1個の縮重N,N,G/Tカセットなどから構成される)を、親ポリヌクレオチド鋳型中のそれぞれの元のコドンを、完全な範囲のコドン置換にかけるのに用いる。他の実施形態においては、親ポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2個の元のコドンを、完全な範囲のコドン置換にかけるために、同じオリゴヌクレオチドまたは異なるオリゴヌクレオチドにおいて、少なくとも2個の縮重カセットを用いる。例えば、2個以上のN,N,G/T配列を1個のオリゴヌクレオチド中に含有させて、2個以上の部位にアミノ酸突然変異を導入することができる。この複数のN,N,G/T配列は、直接連続的であるか、または1個以上のさらなるヌクレオチド配列により分離されていてもよい。他の実施形態においては、付加および欠失を導入するのに役立つオリゴヌクレオチドを、単独で、またはN,N,G/T配列を含むコドンと組み合わせて使用して、アミノ酸付加、欠失、および/もしくは置換の任意の組合せまたは順列を導入することができる。
【0317】
いくつかの実施形態においては、2個以上の連続するアミノ酸位置の同時突然変異誘発を、連続的N,N,G/Tトリプレット、すなわち、縮重(N,N,G/T)n配列を含むオリゴヌクレオチドを用いて行う。他の実施形態においては、N,N,G/T配列よりも低い縮重性を有する縮重カセットを用いる。例えば、いくつかの例においては、1個だけのN(Nはトリプレットの第1、第2もしくは第3の位置にあってよい)から構成される縮重トリプレット配列を使用する(オリゴヌクレオチドにおいてなど)ことが望ましい。その任意の組合せおよび順列を含む任意の他の塩基を、トリプレットの残りの2個の位置において用いることができる。あるいは、いくつかの例においては、縮重N,N,Nトリプレットを使用する(オリゴにおいてなど)ことが望ましい。
【0318】
いくつかの実施形態においては、縮重トリプレット(N,N,G/Tトリプレットなど)の使用により、ポリペプチド中のそれぞれの、および全てのアミノ酸位置での完全な範囲の可能な天然アミノ酸(合計20種のアミノ酸)を体系的かつ容易に作製することができる(他の実施形態においては、前記方法はまた、アミノ酸残基、もしくはコドン、位置あたり全部よりも少ない可能な置換の作製も含む)。例えば、100個のアミノ酸ポリペプチドについては、2000種の異なる種(すなわち、位置X 100のアミノ酸位置あたり20種の可能なアミノ酸)を作製することができる。オリゴヌクレオチドまたは縮重N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチドのセットの使用を介して、32種の個々の配列は、20種全部の可能な天然アミノ酸をコードすることができる。かくして、親ポリヌクレオチド配列を、少なくとも1個のそのようなオリゴヌクレオチドを用いて飽和突然変異誘発にかける反応容器中で、20種の異なるポリペプチドをコードする32種の異なる子孫ポリヌクレオチドが生成される。対照的に、部位特異的突然変異誘発における非縮重オリゴヌクレオチドの使用は、反応容器あたり1個だけの子孫ポリペプチド産物をもたらす。必要に応じて、非縮重オリゴヌクレオチドを、開示された縮重プライマーと組み合わせて用いることができる;例えば、非縮重オリゴヌクレオチドを用いて、作用ポリヌクレオチドにおいて特異的点突然変異を作製することができる。これは、特異的サイレント点突然変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点突然変異、ならびに停止コドンの生成およびポリペプチド断片の対応する発現を引き起こす点突然変異を作製するための1つの手段を提供する。
【0319】
いくつかの実施形態においては、それぞれの飽和突然変異誘発反応容器は、20種全部のアミノ酸が、親ポリヌクレオチドにおいて突然変異誘発されたコドン位置に対応する1個の特定のアミノ酸位置で表されるような(他の実施形態は20種全部より少ない天然の組合せを用いる)、少なくとも20種の子孫ポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)分子をコードするポリヌクレオチドを含む。それぞれの飽和突然変異誘発反応容器から生成された32倍の縮重子孫ポリペプチドを、クローン増幅にかけ(発現ベクターなどを用いて、大腸菌宿主などの好適な宿主中にクローニングするなど)、発現スクリーニングにかけることができる。個々の子孫ポリペプチドを、性質の好ましい変化を示すためにスクリーニングにより同定する場合(アルカリ性もしくは酸性条件下で、増加した炭素-炭素形成もしくは切断活性などの親ポリペプチドと比較した場合)、それを配列決定して、そこに含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を同定することができる。
【0320】
いくつかの実施形態においては、本明細書に開示された飽和突然変異誘発を用いて親ポリペプチド中のそれぞれの、および全てのアミノ酸位置を突然変異誘発させる際に、2個以上のアミノ酸位置で好ましいアミノ酸変化を同定することができる。これらの好ましいアミノ酸置換の全部または一部の組合せを含む1個以上の新しい子孫分子を作製することができる。例えば、2個の特定の好ましいアミノ酸変化が、ポリペプチド中の3個のアミノ酸位置のそれぞれにおいて同定された場合、その順列は、それぞれの位置および3個の位置の3つの可能性(元のアミノ酸に由来する変化はなし、および2個の好ましい変化のそれぞれ)を含む。かくして、以前に試験された7(6個の単一点突然変異(すなわち、3個の位置のそれぞれで2個)および任意の位置に変化がない)などの、3 x 3 x 3もしくは合計27の可能性が存在する。
【0321】
さらに別の実施形態においては、部位飽和突然変異誘発を、スクリーニングと共に、シャッフリング、キメラ化、組換えおよび他の突然変異誘発プロセスと一緒に用いることができる。本発明は、反復的様式の、飽和突然変異誘発などの、任意の突然変異誘発プロセスの使用を提供する。一例においては、任意の突然変異誘発プロセスの反復的使用を、スクリーニングと組み合わせて用いる。
【0322】
本発明はまた、完全な範囲の単一アミノ酸置換がそれぞれのアミノ酸位置で表される子孫ポリペプチドのセットを作製するために、ポリペプチド中に点突然変異を導入するための特許コドンプライマー(縮重N,N,N配列を含む)の使用も提供する(遺伝子部位飽和突然変異誘発(GSSM))。用いるオリゴは、第1の相同配列、縮重N,N,N配列、およびいくつかの実施形態においては、必須ではないが、第2の相同配列から連続的に構成される。そのようなオリゴの使用に由来する下流の子孫翻訳産物は、N,N,N配列の縮重性が20種全部のアミノ酸のためのコドンを含むため、ポリペプチドに沿ったそれぞれのアミノ酸部位での全ての可能なアミノ酸変化を含む。
【0323】
いくつかの実施形態においては、1個のそのような縮重オリゴ(1個の縮重N,N,Nカセットから構成される)を、親ポリヌクレオチド鋳型中のそれぞれの元のコドンを、完全な範囲のコドン置換にかけるために用いる。他の実施形態においては、親ポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2個の元のコドンを、完全な範囲のコドン置換にかけるために、同じオリゴまたは異なるオリゴ中で、少なくとも2個の縮重N,N,Nカセットを用いる。かくして、2個以上のN,N,N配列を1個のオリゴ中に含有させて、2個以上の部位にアミノ酸突然変異を導入することができる。この複数のN,N,N配列は、直接連続的であるか、または1個以上のさらなるヌクレオチド配列により分離されたものであってよい。他の実施形態においては、付加および欠失を導入するのに役立つオリゴを、単独で、またはN,N,N配列を含むコドンと組み合わせて使用して、アミノ酸付加、欠失および/もしくは置換の任意の組合せまたは順列を導入することができる。
【0324】
いくつかの実施形態においては、連続的N,N,Nトリプレットを含むオリゴ、すなわち、縮重(N,N,N)n配列を用いて、2個以上の連続するアミノ酸位置を同時に突然変異させることができる。他の実施形態においては、本発明は、N,N,N配列よりも低い縮重性を有する縮重カセットの使用を提供する。例えば、いくつかの例においては、1個だけのN(Nはトリプレットの第1、第2もしくは第3の位置にあってよい)から構成される縮重トリプレット配列を使用する(オリゴにおいてなど)ことが望ましい。その任意の組合せおよび順列を含む任意の他の塩基を、トリプレットの残りの2個の位置において用いることができる。あるいは、いくつかの例においては、縮重N,N,Nトリプレット配列、N,N,G/T、もしくはN,N,G/Cトリプレット配列を使用する(オリゴにおいてなど)ことが望ましい。
【0325】
いくつかの実施形態においては、いくつかの理由から、縮重トリプレット(N,N,G/TもしくはN,N,G/Cトリプレット配列など)の使用が有利である。いくつかの実施形態においては、本発明は、ポリペプチド中のそれぞれの、および全てのアミノ酸位置で、完全な範囲の可能なアミノ酸(合計20種のアミノ酸)の置換を体系的かつ非常に容易に作製するための手段を提供する。かくして、100アミノ酸のポリペプチドについて、本発明は、2000種の異なる種(すなわち、100個のアミノ酸位置あたり20個の可能なアミノ酸)を体系的かつ非常に容易に作製するための方法を提供する。縮重N,N,G/TもしくはN,N,G/Cトリプレット配列を含むオリゴの使用を介して、20種の可能なアミノ酸をコードする32種の個々の配列が提供されることが理解される。かくして、親ポリヌクレオチド配列を、1個のそのようなオリゴを用いて飽和突然変異誘発にかける反応容器中で、20種の異なるポリペプチドをコードする32種の異なる子孫ポリヌクレオチドが生成される。対照的に、部位特異的突然変異誘発における非縮重オリゴの使用は、反応容器あたり1個だけの子孫ポリペプチド産物をもたらす。
【0326】
本発明はまた、必要に応じて、開示された縮重プライマーと共に用いることができる、非縮重オリゴの使用も提供する。いくつかの状況においては、作用ポリヌクレオチドにおいて特定の点突然変異を作製するために、非縮重オリゴを使用することが有利であることが理解される。これは、特異的サイレント点突然変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点突然変異ならびに停止コドンの生成およびポリペプチド断片の対応する発現を引き起こす点突然変異を作製するための手段を提供する。
【0327】
かくして、本発明のいくつかの実施形態においては、それぞれの飽和突然変異誘発反応容器は、20種全部のアミノ酸が、親ポリヌクレオチド中で突然変異誘発されたコドン位置に対応する1個の特定のアミノ酸位置で表されるような、少なくとも20個の子孫ポリペプチド分子をコードするポリヌクレオチドを含む。それぞれの飽和突然変異誘発反応容器から生成された32倍縮重子孫ポリペプチドを、クローン増幅にかけ(発現ベクターを用いて好適な大腸菌宿主中でクローニングするなど)、発現スクリーニングにかけることができる。個々の子孫ポリペプチドを、性質における好ましい変化(親ポリペプチドと比較した場合)を示すためのスクリーニングにより同定する場合、それを配列決定して、そこに含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を同定することができる。
【0328】
いくつかの実施形態においては、本明細書に開示された飽和突然変異誘発を用いて親ポリペプチド中のそれぞれの、および全てのアミノ酸位置を突然変異誘発させる際に、2個以上のアミノ酸位置で好ましいアミノ酸変化を同定する。これらの好ましいアミノ酸置換の全部または一部の組合せを含む1個以上の新しい子孫分子を作製することができる。例えば、2個の特定の好ましいアミノ酸変化が、ポリペプチド中の3個のアミノ酸位置のそれぞれにおいて同定された場合、その順列は、それぞれの位置および3個の位置の3つの可能性(元のアミノ酸に由来する変化はなし、および2個の好ましい変化のそれぞれ)を含む。かくして、以前に試験された7(6個の単一点突然変異(すなわち、3個の位置のそれぞれで2個)および任意の位置に変化がない)などの、3 x 3 x 3もしくは合計27の可能性が存在する。
【0329】
本発明は、2個の関連するポリヌクレオチドを、ハイブリッドポリヌクレオチドが組換えおよび還元的再集合により作製されるように、好適な宿主細胞中に導入するプロセスなどの、さらなる突然変異誘発プロセスと組み合わせた飽和突然変異誘発の使用を提供する。
【0330】
遺伝子の配列全体に沿って突然変異誘発を実施することに加えて、本発明は、ポリヌクレオチド配列中の任意数の塩基であって、突然変異しようとする塩基の数は、いくつかの実施形態においては、15〜100,000の全ての整数である前記塩基のそれぞれを置換するのに用いることができる突然変異誘発を提供する。かくして、分子に沿って全ての位置を突然変異誘発する代わりに、全てまたは別々の数の塩基(いくつかの実施形態においては、合計15〜100,000のサブセット)を突然変異誘発にかけることができる。いくつかの実施形態においては、別々のヌクレオチドを、ポリヌクレオチド配列に沿って、それぞれの位置もしくは位置群を突然変異させるのに用いる。突然変異誘発させる3個の位置の群は、コドンであってよい。変異原性カセットとも呼ばれる、異種カセットを含む変異原性プライマーを用いて、突然変異を導入することができる。カセットの例は、1〜500塩基を有してもよい。そのような異種カセット中の各ヌクレオチド位置は、N、A、C、G、T、A/C、A/G、A/T、C/G、C/T、G/T、C/G/T、A/G/T、A/C/T、A/C/G、もしくはEであり、ここでEはA、C、G、もしくはTではない任意の塩基である(Eをデザイナーオリゴと呼ぶことができる)。
【0331】
いくつかの実施形態においては、飽和突然変異誘発は、突然変異誘発させる規定のポリヌクレオチド配列(ここで、突然変異誘発させる配列は、いくつかの実施形態においては、約15〜100,000塩基長である)中で、変異原性カセット(ここで、各カセットは、いくつかの実施形態においては、約1〜500塩基長である)の完全なセットを突然変異誘発させることから構成される。かくして、突然変異の群(1〜100個の突然変異)を、突然変異誘発させる各カセット中に導入する。1個のカセットに導入しようとする突然変異群は、1ラウンドの飽和突然変異誘発の適用の間に第2のカセットに導入される突然変異の第2群とは異なるものであっても、または同じであってもよい。そのような群は、特定のコドンの欠失、付加群および特定のヌクレオチドカセットの群により例示される。
【0332】
いくつかの実施形態においては、突然変異誘発させる規定の配列としては、全遺伝子、経路、cDNA、オープンリーディングフレーム(ORF)全体および全プロモーター、エンハンサー、リプレッサー/トランスアクチベーター、複製起点、イントロン、オペレーター、または任意のポリヌクレオチド官能基が挙げられる。一般的には、この目的のための「規定の配列」は、15塩基のポリヌクレオチド配列および15塩基〜15,000塩基の長さのポリヌクレオチド配列などの任意のポリヌクレオチドであってよい(本発明は具体的に、その間の全ての整数を命名する)。コドン群の選択における考慮は、縮重変異原性カセットによりコードされるアミノ酸の型を含む。
【0333】
いくつかの実施形態においては、変異原性カセットに導入することができる突然変異群のために、本発明は、具体的には、それぞれの位置で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20個のアミノ酸をコードする縮重コドン置換(縮重オリゴを用いる)ならびにそれによりコードされるポリペプチドのライブラリーを提供する。
【0334】
合成連結再集合(SLR)
本発明は、新しいか、もしくは変化した特性を有する、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素または抗体などのポリペプチドを作製するための、「合成連結再集合」または単に「SLR」、「指向性進化プロセス」と呼ばれる非確率論的遺伝子改変系を提供する。
【0335】
SLRは、非確率論的にオリゴヌクレオチド断片を一緒に連結する方法である。この方法は、核酸構成要素を、非確率論的に集合させるよりもむしろ、シャッフリングし、濃縮するか、または無作為にキメラ化する点で、確率論的オリゴヌクレオチドシャッフリングとは異なる。米国特許第6,773,900号; 第6,740,506号; 第6,713,282号; 第6,635,449号; 第6,605,449号; 第6,537,776号を参照されたい。いくつかの実施形態においては、SLRは、以下の工程:(a)相同遺伝子をコードする配列を含む鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程;(b)所定の配列で鋳型ポリヌクレオチドと共に乗り換え再集合するように設計された複数の構成要素ポリヌクレオチドであって、相同遺伝子の変異体である配列および該変異体配列にフランキングする鋳型ポリヌクレオチドと相同な配列を含む前記ポリヌクレオチドを提供すること;(c)該構成要素ポリヌクレオチドが、鋳型ポリヌクレオチドと共に乗り換え再集合して、相同遺伝子配列変異体を含むポリヌクレオチドを生成するように、該構成要素ポリヌクレオチドと鋳型ポリヌクレオチドとを混合する工程を含む。
【0336】
SLRは、再配列しようとするポリヌクレオチド間の高レベルの相同性の存在に依存しない。かくして、この方法を用いて、10100個を超える異なるキメラから構成される子孫分子のライブラリー(またはセット)を非確率論的に作製することができる。SLRを用いて、101000個を超える異なる子孫キメラから構成されるライブラリーを作製することができる。かくして、本発明の実施形態は、設計により選択された全体の集合順序を削る最終処理されたキメラ核酸分子のセットを作製する非確率論的方法を含む。この方法は、役に立つ相互に適合可能な連結可能な末端を有する複数の特異的核酸構築要素を設計により作製し、設計された全体の集合順序が達成されるように、これらの核酸構築要素を集合させる工程を含む。
【0337】
集合させる核酸構成要素の相互に適合可能な連結可能な末端は、それらが構成要素を所定の順序で結合させることができる場合、この型の順序付けられた集合にとって「役立つ」と考えられる。かくして、核酸構成要素を結合させることができる全体の集合順序を、連結可能な末端の設計により特定する。2つ以上の集合工程を用いる場合、核酸構成要素を結合させることができる全体の集合順序も、集合工程の連続的順序により特定する。いくつかの実施形態においては、アニーリングした構成断片を、リガーゼ(T4 DNAリガーゼなど)などの酵素で処理して、構成断片の共有結合を達成する。
【0338】
いくつかの実施形態においては、オリゴヌクレオチド構成要素の設計を、最終処理されたキメラポリヌクレオチドの子孫セットを作製するための基礎として役立つ前駆体核酸配列鋳型のセットを分析することにより取得する。かくして、これらの親オリゴヌクレオチド鋳型は、キメラ化またはシャッフリングなどの突然変異誘発を行う核酸構成要素の設計を助ける配列情報の起源として役立つ。この方法のいくつかの実施形態においては、複数の親核酸鋳型の配列を、1個以上の境界点を選択するために整列させる。この境界点は、相同性の領域に位置してもよく、1個以上のヌクレオチドから構成される。これらの境界点は、いくつかの実施形態においては、少なくとも2個の前駆体鋳型により共有される。それによって、この境界点を用いて、親ポリヌクレオチドを再配置するために作製されるオリゴヌクレオチド構成要素の境界を描くことができる。前駆体分子中で同定および選択された境界点は、最終的なキメラ子孫分子の集合における潜在的なキメラ化点として働く。境界点は、少なくとも2個の親ポリヌクレオチド配列により共有された相同性の領域(少なくとも1個の相同ヌクレオチド塩基から構成される)であってよい。あるいは、境界点は、少なくとも半分の親ポリヌクレオチド配列により共有された相同性の領域であってもよく、または、それは少なくとも2/3の親ポリヌクレオチド配列により共有された相同性の領域であってもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、役に立つ境界点は、少なくとも3/4の親ポリヌクレオチド配列により共有された相同性の領域であるか、またはそれはほとんど全部の親ポリヌクレオチド配列により共有されたものであってもよい。いくつかの実施形態においては、境界点は、全ての親ポリヌクレオチド配列により共有された相同性の領域である。
【0339】
いくつかの実施形態においては、連結再集合プロセスを徹底的に実施して、子孫キメラポリヌクレオチドの包括的なライブラリーを作製する。換言すれば、核酸構成要素の全ての可能な順序の組合せを、最終処理されたキメラ核酸分子のセット中で表す。同時に、他の実施形態においては、それぞれの組合せ中の集合順序(すなわち、それぞれの最終処理されたキメラ核酸の5'から3'配列中のそれぞれの構成要素の集合の順序)は、上記のような設計(または非確率論)によるものである。本発明の非確率論的性質のため、望ましくない副生成物の可能性は大きく低下する。
【0340】
他の実施形態においては、連結再集合方法を体系的に実施する。例えば、この方法を実施して、1個ずつなどの、体系的にスクリーニングすることができる区分を有する、子孫分子の体系的に区切られたライブラリーを作製する。換言すれば、本発明は、連続段階集合反応の選択的かつ賢明な使用と組み合わせた、特異的核酸構成要素の選択的かつ賢明な使用を介して、子孫生成物の特異的セットをいくつかの反応容器中のそれぞれにおいて作製する設計を達成することができる。これにより、体系的な試験およびスクリーニング手順を実施することが可能になる。かくして、これらの方法により、潜在的に非常に多数の子孫分子を、より小さい群において体系的に試験することが可能になる。高度に可撓性であるが、同様に包括的かつ体系的である様式でキメラ化を実施するその能力のため、特に、前駆体分子間の相同性が低レベルである場合、これらの方法は、多数の子孫分子から構成されるライブラリー(またはセット)の作製を提供する。連結再集合の本発明の非確率論的性質のため、いくつかの実施形態において作製される子孫分子は、設計により選択された全体の集合順序を有する最終処理されたキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和突然変異誘発および最適化指向性進化方法を用いて、異なる子孫分子種を作製することもできる。本発明は、境界点の選択、核酸構成要素のサイズおよび数、ならびにカップリングのサイズおよび設計に関する自由な選択および制御を提供することが理解される。さらに、分子間相同性に関する要件は、本発明の操作可能性のために高度に緩和されることが理解される。実際、境界点を、分子間相同性がほとんどないか、または全くない領域中でも選択することができる。例えば、コドンの揺れ、すなわち、コドンの縮重性のため、ヌクレオチド置換を、対応する前駆体鋳型において元々コードされるアミノ酸を変化させることなく、核酸構成要素に導入することができる。あるいは、元のアミノ酸のコードが変化するように、コドンを変化させることができる。本発明は、そのような置換を核酸構成要素に導入して、分子間相同境界点の発生を増加させ、かくして、構成要素間で達成しようとするカップリングの数を増加させることが可能になり、次いで、より多い数の子孫キメラ分子を作製することが可能になる。
【0341】
合成遺伝子再集合
いくつかの実施形態においては、本発明は、確率論的シャッフリングにいくらか関連し、核酸構成要素をシャッフルも濃縮も無作為にキメラ化もさせず、むしろ非確率論的に集合させることを省く、合成遺伝子再集合と呼ばれる非確率論的方法を提供する。米国特許第6,537,776号を参照されたい。
【0342】
合成遺伝子再集合方法は、シャッフルしようとするポリヌクレオチド間の高レベルの相同性の存在に依存しない。本発明を用いて、10100個を超える異なるキメラから構成される子孫分子のライブラリー(またはセット)を非確率論的に作製することができる。あるいは、合成遺伝子再集合を用いて、101000個を超える異なる子孫キメラから構成されるライブラリーを作製することもできる。
【0343】
かくして、いくつかの実施形態においては、本発明は、設計により選択された全体の集合順序を有する最終処理されたキメラ核酸分子のセットを製造する非確率論的方法であって、役に立つ相互に適合可能な連結可能末端を有する複数の特異的核酸構成要素を設計により作製し、設計された全体の集合順序が達成されるように、これらの核酸構成要素を集合させる工程から構成される、前記方法を提供する。
【0344】
集合させようとする核酸構成要素の相互に適合可能な連結可能末端は、それらが所定の順序で構成要素を結合させることができる場合、この型の順序の集合にとって「役に立つ」と考えられる。かくして、いくつかの実施形態においては、核酸構成要素を結合させることができる全体の集合順序を、連結可能末端の設計により特定し、2個以上の集合工程を用いる場合、核酸構築要素を結合させることができる全体の集合順序も、集合工程の連続的順序により特定する。本発明の一実施形態においては、アニーリングした構成断片を、リガーゼ(T4 DNAリガーゼなど)などの酵素を用いて処理して、構成断片の共有結合を達成する。
【0345】
別の実施形態においては、核酸構成要素の設計を、最終処理されたキメラ核酸分子の前駆体セットを作製するための基礎として役立つ前駆体核酸鋳型のセットの配列の分析の際に取得する。かくして、これらの前駆体核酸鋳型は、突然変異させる、すなわち、キメラ化するか、またはシャッフルする核酸構成要素の設計を援助する配列情報の起源として役立つ。
【0346】
一例においては、本発明は、関連する遺伝子ファミリーと関連する産物のそのコードされるファミリーのキメラ化を提供する。特定例においては、コードされる産物は酵素である。本発明のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を、本明細書に記載の方法に従って突然変異誘発させることができる。
【0347】
かくして、本発明の一実施形態に従えば、複数の前駆体核酸鋳型(本発明に従うポリヌクレオチドなど)の配列を整列させて、相同性の領域に位置させることができる1個以上の境界点を選択する。境界点を用いて、作製しようとする核酸構成要素の境界を描くことができる。かくして、前駆体分子中で同定および選択された境界点は、子孫分子の集合における潜在的なキメラ化点として役立つ。
【0348】
いくつかの実施形態においては、役に立つ境界点は、少なくとも2個の前駆体鋳型により共有された相同性の領域(少なくとも1個の相同なヌクレオチド塩基から構成される)であるが、この境界点は少なくとも半分の前駆体鋳型、少なくとも2/3の前駆体鋳型、少なくとも3/4の前駆体鋳型およびいくつかの実施形態においては、ほとんど全部の前駆体鋳型により共有された相同性の領域であってよい。いくつかの実施形態においては、さらにより役に立つ境界点は、全ての前駆体鋳型により共有された相同性の領域である。
【0349】
一実施形態においては、遺伝子再集合を徹底的に実施して、包括的なライブラリーを作製する。換言すれば、核酸構成要素の全ての可能な順序の組合せを、最終処理されたキメラ核酸分子のセットにおいて表す。同時に、それぞれの組合せにおける集合順序(すなわち、それぞれの最終処理されたキメラ核酸の5'から3'配列におけるそれぞれの構成要素の集合の順序)は、設計による(または非確率論的)。前記方法の非確率論的方法のため、望ましくない副生成物の可能性が大きく低下する。
【0350】
他の実施形態においては、前記方法は、遺伝子再集合プロセスを体系的に実施して、例えば、1つずつなど、体系的にスクリーニングすることができる区分を有する、体系的に区切られたライブラリーを作製することを提供する。換言すれば、本発明は、連続段階集合反応の選択的かつ賢明な使用と組み合わせた、特異的核酸構成要素の選択的かつ賢明な使用を介して、子孫生成物の特異的セットをいくつかの反応容器中のそれぞれにおいて作製する実験設計を達成することができる。これにより、体系的な試験およびスクリーニング手順を実施することが可能になる。かくして、これらの方法により、潜在的に非常に多数の子孫分子を、より小さい群において体系的に試験することが可能になる。
【0351】
高度に可撓性であるが、同様に包括的かつ体系的である様式でキメラ化を実施するその能力のため、特に、前駆体分子間の相同性が低レベルである場合、本発明は、多数の子孫分子から構成されるライブラリー(またはセット)の作製を提供する。連結再集合の本発明の非確率論的性質のため、いくつかの実施形態において作製される子孫分子は、設計により選択された全体の集合順序を有する最終処理されたキメラ核酸分子のライブラリーを含む。いくつかの実施形態においては、そのような作製されたライブラリーは、103から101000を超える異なる子孫分子種から構成される。
【0352】
いくつかの実施形態においては、記載のように作製された、最終処理されたキメラ核酸分子のセットは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドから構成される。一実施形態においては、このポリヌクレオチドは、人工遺伝子であってよい遺伝子である。別の実施形態においては、このポリヌクレオチドは、人工の遺伝子経路であってよい遺伝子経路である。いくつかの実施形態においては、本発明は、真核生物(植物など)中で操作可能な経路などの人工遺伝子経路に組み入れることができる本発明により作製された1個以上の人工遺伝子を提供する。
【0353】
別の例においては、構成要素を作製する工程の合成性質は、必要に応じて、in vitroプロセス(突然変異誘発などによる)またはin vivoプロセス(宿主生物の遺伝子スプライシング能力を用いることなどによる)において後に除去することができるヌクレオチド(例えば、コドンもしくはイントロンもしくは調節配列であってよい1個以上のヌクレオチドなど)の設計および導入を可能にする。多くの例においては、これらのヌクレオチドの導入は、役に立つ境界点を作製する潜在的な利益に加えて、多くの他の理由から望ましいものでもあることが理解される。
【0354】
かくして、いくつかの実施形態においては、本発明は、イントロンを導入することができる核酸構成要素を提供する。かくして、本発明は、本発明に従う人工遺伝子に導入することができる機能的イントロンを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う人工遺伝子経路に導入することができる機能的イントロンも提供する。従って、本発明は、1個(以上)の人工的に導入されたイントロンを含む人工遺伝子であるキメラポリヌクレオチドの作製を提供する。
【0355】
本発明は、1個(以上)の人工的に導入されたイントロンを含む人工遺伝子経路であるキメラポリヌクレオチドの作製も提供する。いくつかの実施形態においては、人工的に導入されたイントロンは、天然のイントロンが遺伝子スプライシングにおいて機能的に働く多くの方法において、遺伝子スプライシングのための1種以上の宿主細胞において機能的である。いくつかの実施形態においては、本発明は、組換えおよび/またはスプライシングのために宿主生物中に導入しようとする人工のイントロンを含有するポリヌクレオチドを製造するプロセスを提供する。
【0356】
本発明を用いて作製された人工遺伝子はまた、別の核酸との組換えのための基質として働くことができる。同様に、本発明を用いて作製された人工遺伝子経路はまた、別の核酸との組換えのための基質として働くことができる。いくつかの実施形態においては、この組換えを、人工の、イントロンを含有する遺伝子と、組換えパートナーとして働く核酸との間の相同性の領域により容易にするか、またはそこで行う。いくつかの実施形態においては、組換えパートナーは、人工遺伝子もしくは人工遺伝子経路などの、本発明により作製された核酸であってもよい。組換えを、人工遺伝子中の1個(以上)の人工的に導入されたイントロンに存在する相同性の領域により容易にするか、またはそこで行うことができる。
【0357】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う合成遺伝子再集合方法は、いくつかの実施形態においては、それぞれ2個の連結可能末端を有する、複数の核酸構成要素を利用する。それぞれの核酸構成要素上の2個の連結可能末端は、2個の平滑末端(すなわち、それぞれ、0個のヌクレオチドの突出部を有する)であってよく、またはいくつかの実施形態においては1個の平滑末端と1個の突出部、またはさらにいくつかの実施形態においては、2個の突出部であってもよい。いくつかの実施形態においては、この目的のための有用な突出部は、3'突出部または5'突出部であってよい。かくして、核酸構成要素は、3'突出部またはあるいは5'突出部またはあるいは2個の3'突出部またはあるいは2個の5'突出部を有してもよい。核酸構成要素を集合させて、最終処理されたキメラ核酸分子を形成する全体の順序を、目的のある実験設計により決定し、それは無作為ではない。
【0358】
いくつかの実施形態においては、核酸構成要素を、2個の一本鎖核酸(一本鎖オリゴとも呼ぶ)の化学的合成により作製し、それらがアニーリングして、二本鎖核酸構成要素を形成することができるように、それらを接触させる。二本鎖核酸構成要素は、可変サイズのものであってよい。これらの構成要素のサイズは、小さいか、または大きいものであってよい。構成要素のサイズの例は、1塩基対(突出部を含まない)から100,000塩基対(突出部を含まない)の範囲である。1 bp〜10,000 bp(その間の全ての整数値を含む)の下限と、2 bp〜100,000 bp(その間の全ての整数値を含む)の上限を有する、他の例示的なサイズ範囲も提供される。
【0359】
本発明にとって役に立つ二本鎖核酸構成要素を作製することができる多くの方法が存在し、これらは当業界で公知であり、当業者によって容易に実施することができる。いくつかの実施形態においては、二本鎖核酸構成要素を、最初に2個の一本鎖核酸を作製し、それらをアニーリングさせて二本鎖核酸構成要素を形成させることにより作製する。二本鎖核酸構成要素の2個の鎖は、突出部を形成する任意のものから離れた、かくして、任意の突出部から離れた、不一致を含まない、全てのヌクレオチドにおいて相補的であってよい。別の実施形態においては、二本鎖核酸構成要素の2個の鎖は、突出部を形成する任意のものとは離れた、全てより少ないヌクレオチドで相補的である。かくして、この実施形態に従えば、二本鎖核酸構成要素を用いて、コドン縮重性を導入することができる。いくつかの実施形態においては、コドン縮重性を、本明細書に記載の部位飽和突然変異誘発、1個以上のN,N,G/Tカセットまたはあるいは1個以上のN,N,Nカセットを用いて導入する。
【0360】
本発明に従うin vivo組換え方法を、特定のポリヌクレオチドもしくは配列の未知のハイブリッドもしくは対立遺伝子のプールに対して盲目的に実施することができる。しかしながら、特定のポリヌクレオチドの実際のDNAもしくはRNA配列を知ることは必要ではない。遺伝子の混合集団内での組換えを用いる手法は、任意の有用なタンパク質、例えば、本発明に従うアルドラーゼまたはその変異体の作製にとって有用であってよい。この手法を用いて、特異性または活性が変化したタンパク質を作製することができる。この手法はまた、ハイブリッド核酸配列、例えば、プロモーター領域、イントロン、エクソン、エンハンサー配列、遺伝子の31個の非翻訳領域もしくは51個の非翻訳領域の作製にとっても有用であってよい。かくして、この手法を用いて、発現率が増加した遺伝子を作製することができる。この手法はまた、反復的DNA配列の研究においても有用であってよい。最後に、この手法は、本発明に従うリボザイムまたはアプタマーを作製するのに有用であってよい。
【0361】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の本発明は、組換えを介する、DNA、RNAまたはタンパク質などの高度に複雑な線状配列の指向性分子進化を可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に関する。
【0362】
最適化指向性進化系
本発明は、新しいか、または変化した特性を有する、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素または抗体などのポリペプチドを作製するための、「最適化指向性進化系」と呼ばれる非確率論的遺伝子改変系を提供する。いくつかの実施形態においては、最適化指向性進化は、組換えを介する、核酸の指向性分子進化を可能にする還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に関する。
【0363】
最適化指向性進化により、進化したキメラ配列の大きい集団の作製が可能になり、ここで、作製された集団は所定の数の交叉事象を有する配列について有意に富化されている。交叉事象は、一方の親変異体から別の親変異体に向かう配列のシフトが生じるキメラ配列中の点である。そのような点は通常、2個の親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結されて単一の配列を形成する連結点にある。この方法は、配列の最終的なキメラ集団が、選択された数の交叉事象について富化されるように、オリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の算出を可能にする。これは、所定の数の交叉事象を有するキメラ変異体の選択に対するより多くの対照を提供する。
【0364】
さらに、この方法は、他の系と比較して、大量の可能なタンパク質変異体スペースを探索するための便利な手段を提供する。以前は、例えば、反応中に1013個のキメラ分子が生成された場合、特定の活性についてそのような多数のキメラ変異体を試験することは極端に困難であった。さらに、子孫集団の有意な部分は、特定の活性の増加したレベルを有する可能性が低いタンパク質をもたらす非常に多数の交叉事象を有するであろう。これらの方法を用いることにより、キメラ分子の集団を、特定の数の交叉事象を有するこれらの変異体について富化することができる。かくして、依然として反応中に1013個のキメラ分子を作製することができるが、さらなる分析のために選択されるそれぞれの分子は、例えば、3種のみの交叉事象を有する可能性が最も高い。得られる子孫集団を、所定数の交叉事象を有するように非対称にすることができるため、キメラ分子間の機能的多様性に関する限界が低下する。これは、元の親ポリヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドが特定の性質に影響する原因となり得ることを計算する場合、より管理可能な数の変数を提供する。
【0365】
キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製するための1つの方法は、各親配列の断片または一部に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。いくつかの実施形態においては、それぞれのオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを一緒に混合することにより、正確な順序で集合された各オリゴヌクレオチド断片を有する新しい変異体が得られるような、重複のユニークな領域を含む。あるいは、本発明に従うこれらの方法を実施するためのプロトコルを、米国特許第6,773,900号; 第6,740,506号; 第6,713,282号; 第6,635,449号; 第6,605,449号; 第6,537,776号; 第6,361,974号に見出すことができる。
【0366】
それぞれの親変異体のために作製されたオリゴヌクレオチドの数は、究極的に作製されたキメラ分子における得られる交叉の総数との関係を担持する。例えば、3個の親ヌクレオチド配列変異体を、例えば、高温でより高い活性を有するキメラ変異体を見出すために連結反応を受けるように提供することができる。一例として、それぞれの親変異体のそれぞれの部分に対応する50個のオリゴヌクレオチド配列のセットを作製することができる。従って、連結再集合プロセスの間に、それぞれのキメラ配列内に最大で50個の交叉事象が存在してもよい。作製されたキメラポリヌクレオチドのそれぞれが、変化する順序でそれぞれの親変異体に由来するオリゴヌクレオチドを含む確率は、非常に低い。それぞれのオリゴヌクレオチド断片が、同じモル量で連結反応中に存在する場合、いくつかの位置においては、同じ親ポリヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドは、互いに隣りあって連結し、かくして、交叉事象をもたらさない可能性がある。それぞれの親に由来するそれぞれのオリゴヌクレオチドの濃度を、この例における任意の連結工程の間に一定に保持する場合、同じ親変異体に由来するオリゴヌクレオチドが、キメラ配列内で連結し、交叉を作製しない機会は1/3である(3個の親と仮定)。
【0367】
従って、確率密度関数(PDF)を決定して、設定された数の親変異体、各変異体に対応するいくつかのオリゴヌクレオチド、および連結反応中の各工程の間の各変異体の濃度を与えた、連結反応中の各工程の間に生じる可能性がある交叉事象の集団を予測することができる。PDFの決定の背後にある統計値および計算を、以下に記載する。これらの方法を用いることにより、そのような確率密度関数を計算し、かくして、特定の連結反応から得られる所定数の交叉事象についてキメラ子孫集団を富化することができる。さらに、標的数の交叉事象を予め決定した後、所定数の交叉事象の中心にある確率密度関数をもたらす連結反応中の各工程の間にそれぞれの親オリゴヌクレオチドの出発量を算出するように、系をプログラムすることができる。これらの方法は、組換えを介して、ポリペプチドをコードする核酸の指向性分子進化を可能にする、還元的再集合、組換えおよび選択の反復サイクルの使用に関する。この系は、進化したキメラ配列の大きい集団の作製を可能にし、ここで、作製された集団は、所定数の交叉事象を有する配列について有意に富化されている。交叉事象は、一方の親変異体から別の親変異体に向かう配列のシフトが生じるキメラ配列中の点である。そのような点は通常、2個の親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結されて単一の配列を形成する連結点にある。この方法は、配列の最終的なキメラ集団が、選択された数の交叉事象について富化されるように、オリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の算出を可能にする。これは、所定の数の交叉事象を有するキメラ変異体の選択に対するより多くの対照を提供する。
【0368】
さらに、これらの方法は、他の系と比較して、大量の可能なタンパク質変異体スペースを探索するための便利な手段を提供する。本明細書に記載の方法を用いることにより、キメラ分子の集団を、特定の数の交叉事象を有する変異体について富化することができる。かくして、依然として反応中に1013個のキメラ分子を作製することができるが、さらなる分析のために選択されるそれぞれの分子は、例えば、3種のみの交叉事象を有する可能性が最も高い。得られる子孫集団を、所定数の交叉事象を有するように非対称にすることができるため、キメラ分子間の機能的多様性に関する限界が低下する。これは、元の親ポリヌクレオチドに由来するオリゴヌクレオチドが特定の性質に影響する原因となり得ることを計算する場合、より管理可能な数の変数を提供する。
【0369】
いくつかの実施形態においては、前記方法は、それぞれの親配列の断片または部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することにより、キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する。いくつかの実施形態においては、それぞれのオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを一緒に混合することにより、正確な順序で集合された各オリゴヌクレオチド断片を有する新しい変異体が得られるような、重複のユニークな領域を含む。米国特許第6,773,900号; 第6,740,506号; 第6,713,282号; 第6,635,449号; 第6,605,449号; 第6,537,776号; 第6,361,974号も参照されたい。
【0370】
交叉事象の決定
本発明の実施形態は、所望の交叉確率密度関数(PDF)を受けるシステムおよびソフトウェア、再集合させようとする親遺伝子の数、ならびに入力として再集合における断片の数を含む。このプログラムの出力は、再集合された遺伝子を作製するための方策、およびこれらの遺伝子の評価された交叉PDFを決定するのに用いることができる「断片PDF」である。いくつかの実施形態においては、本明細書に記載のプロセッシングを、技術的計算のためのMATLAB(商標)(The Mathworks, Natick, Massachusetts)、プログラミング言語および開発環境中で実施する。
【0371】
反復プロセス
本発明に従う任意のプロセスを、反復することができ、例えば、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの変化したか、または新しいアルドラーゼ表現型酵素をコードする核酸などを、同定し、再単離し、再改変し、活性について再試験することができる。このプロセスを、所望の表現型が操作されるまで反復することができる。例えば、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性などの、生化学的同化または異化経路全体を細胞中で操作することができる。
【0372】
同様に、特定のオリゴヌクレオチドが、所望の形質(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの新しいアルドラーゼ酵素表現型など)に対する影響を全く持たないことが決定された場合、除去しようとする配列を含むより大きい親オリゴヌクレオチドを合成することにより、変数としてそれを除去することができる。より大きい配列内への前記配列の組込みは交叉事象を妨げないため、子孫ポリヌクレオチド中にこの配列の変動はもはや存在しないであろう。オリゴヌクレオチドが所望の形質と最も関連し、および関連しないことを決定するこの反復的実施は、特定の形質または活性を提供し得る全ての可能なタンパク質変異体のより効率的な探索を可能にする。
【0373】
in vivoシャッフリング
様々な実施形態においては、分子のin vivoシャッフリングを本発明に従う方法において用いて、本発明に従う抗体またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの本発明に従うアルドラーゼ酵素などの、本発明に従うポリペプチドの変異体を提供する。マルチマーを組換えるために天然の特性の細胞を用いて、in vivoシャッフリングを実施することができる。in vivoでの組換えは分子多様性に対する主要な天然の経路を提供したが、遺伝子組換えは依然として、1)相同性の認識;2)鎖切断、鎖侵入、および組換えキアズマの産生を誘導する代謝工程;ならびに3)個別の組換え分子中へのキアズマの分解を含む比較的複雑なプロセスである。キアズマの形成には、相同配列の認識が必要である。
【0374】
他の実施形態においては、本発明は、少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドに由来するハイブリッドポリヌクレオチドを製造するための方法を含む。いくつかの実施形態においては、本発明を用いて、少なくとも1個の領域の部分的配列相同性を共有する少なくとも第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチド(本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする配列の一方または両方など)を、好適な宿主細胞中に導入することにより、ハイブリッドポリヌクレオチドを製造することができる。部分的配列相同性の領域は、ハイブリッドポリヌクレオチドを産生する配列再編成をもたらすプロセスを促進する。本明細書に記載の用語「ハイブリッドポリヌクレオチド」は、本発明の方法から得られる任意のヌクレオチド配列であり、少なくとも2個の元のポリヌクレオチド配列に由来する配列を含む。そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列組込みを促進する分子間組換え事象から生じ得る。さらに、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子内のヌクレオチド配列を変化させる反復配列を用いる分子内還元的再集合プロセスから生じ得る。
【0375】
いくつかの実施形態においては、in vivoでの再集合は、「組換え」と集合的に呼ばれる「分子間」プロセスに焦点を当てる;細菌においては、「RecA-依存的」現象として一般的に考えられる。いくつかの実施形態においては、本発明は、配列を組換え、再集合させる宿主細胞の組換えプロセス、または欠失による細胞中の類似反復配列の複雑性を減少させるための還元的プロセスを媒介する細胞の能力に依存し得る。「還元的再集合」のこのプロセスは、「細胞内」のRecA非依存的プロセスにより起こる。
【0376】
本発明の他の実施形態においては、新規ポリヌクレオチドを、還元的再集合のプロセスにより作製することができる。この方法は、連続的配列(元のコード配列)を含む構築物の作製、その好適なベクターへの挿入およびその好適な宿主細胞へのその後の導入を含む。個々の分子同一性の再集合は、相同性の領域を有する構築物中の連続的配列間、または類似する反復単位間の組合せプロセスにより起こる。再集合プロセスは、反復配列の複雑性および程度を組換え、および/または低下させ、新しい分子種の産生をもたらす。様々な処理を適用して、再集合の速度を増強させることができる。これらのものとしては、紫外線、もしくはDNAを損傷する化合物を用いる処理および/または増強されたレベルの「遺伝子不安定性」を示す宿主細胞系の使用が挙げられる。かくして、再集合プロセスは、相同組換えまたはその自身の進化を指令する類似反復配列の天然の特性を含んでもよい。
【0377】
反復または「類似反復」配列は、遺伝子不安定性において役割を果たしている。いくつかの実施形態においては、「類似反復」は、その元の単位構造に限定されない反復である。類似反復単位を、構築物中の配列のアレイ;類似配列の連続的単位として提供することができる。一度連結されたら、連続配列間の接続部は、必然的に見えなくなり、得られる構築物の類似反復性質は今や分子レベルで連続的である。欠失プロセスでは、細胞は、類似反復配列間で機能する得られる構築物の複雑性を低下させるように実行する。類似反復単位は、滑り事象が起こり得る鋳型の実際には無制限のレパートリーを提供する。いくつかの実施形態においては、かくして、類似反復を含む構築物は、欠失(および潜在的には、挿入)事象が、類似反復単位内の実質的に任意の位置で起こり得る十分な分子的弾力性を効率的に提供する。
【0378】
類似反復配列が全て同じ方向に、例えば、頭部から尾部に、またはその逆に連結される場合、細胞は個々の単位を識別することができない。結果として、還元的プロセスは、配列を通して起こり得る。対照的に、例えば、前記単位を、頭部から尾部よりもむしろ、頭部から頭部に提供する場合、反転は、欠失形成が個別の単位の損失を好むように、隣接する単位の終点を描く。かくして、本発明の方法に関しては、前記配列が同じ方向にあることが好ましい。類似反復配列の無作為の方向は、再集合効率の損失をもたらすが、一致する方向の配列が最も高い効率を提供するであろう。しかしながら、同じ方向にある連続配列が少ないほど、効率が低下するが、新しい分子の効率的な回収のための十分な弾力性を依然として提供することができる。同じ方向の類似反復配列を有する構築物を作製して、より高い効率を可能にすることができる。
【0379】
配列を、以下に記載のような様々な方法のいずれかを用いて、頭部から尾部への方向に集合させることができる:
a)作製された一本鎖が方向を提供する場合、ポリAおよびポリT尾部を含むプライマーを用いることができる。プライマーの最初の数塩基をRNAから作製し、従って、RNaseHを容易に除去することにより、これを達成する。
【0380】
b)ユニークな制限切断部位を含むプライマーを用いることができる。複数部位、一連のユニークな配列ならびに反復合成および連結工程が必要である。
【0381】
c)プライマーの内部の数塩基をチオール化し、エキソヌクレアーゼを用いて適切な尾部の分子を作製することができる。
【0382】
いくつかの実施形態においては、再集合された配列の回収は、低下した反復指数(RI)を有するクローニングベクターの同定に依存する。次いで、再集合されたコード配列を、増幅により回収することができる。生成物を再クローニングし、発現させる。低下したRIを有するクローニングベクターの回収を、
1)構築物の複雑性が低下した場合に安定に維持されるベクターのみの使用、
2)物理的手段による短くしたベクターの物理的回収。この場合、クローニングベクターを、標準的なプラスミド単離手順を用いて回収し、標準的な手順を用いて、アガロースゲル上、もしくは低分子量カットオフを有するカラム上でサイズ分画することができる、
3)挿入物のサイズが減少する場合に選択することができる介在遺伝子を含むベクターの回収、
4)発現ベクターを用いる直接的選択技術の使用および好適な選択、
により行うことができる。
【0383】
関連する生物に由来するコード配列(例えば、遺伝子)は、高い程度の相同性を示し、全く異なるタンパク質産物をコードしてもよい。これらの型の配列は、類似反復として本発明において特に有用である。しかしながら、以下に例示する例は、ほぼ同一の元のコード配列(類似反復)の再集合を示すが、このプロセスはそのようなほぼ同一の反復に限定されない。
【0384】
以下の例は、本発明に従う例示的方法を示す。3つのユニークな種から誘導されたコード核酸配列(類似反復)を記載する。各配列は、異なるセットの特性を有するタンパク質をコードする。それぞれの配列は、該配列中のユニークな位置で、1個または数個の塩基対により異なる。類似反復配列を別々に、または集合的に増幅し、全ての可能な順列および組合せが、連結された分子の集団中で利用可能となるように、無作為な集合物中に連結する。類似反復単位の数を、集合条件により制御することができる。構築物中の類似反復単位の平均数を、反復指数(RI)と定義する。
【0385】
一度形成されたら、前記構築物を、公開されたプロトコルに従ってアガロースゲル上でサイズ分画し、クローニングベクター中に挿入し、好適な宿主細胞中にトランスフェクトするか、またはしなくてもよい。次いで、細胞を増殖させ、「還元的再集合」を行う。還元的再集合プロセスの速度を、必要に応じて、DNA損傷の導入により刺激することができる。RIの低下が、「分子内」機構による反復配列間の欠失形成により媒介されるか、または「分子間」機構を介して組換え様事象により媒介されるかどうかは重要ではない。最終結果は、全ての可能な組合せへの前記分子の再集合である。
【0386】
必要に応じて、前記方法は、シャッフルされたプールのライブラリーメンバーをスクリーニングして、例えば、タンパク質性受容体、オリゴ糖、ビリオンなどの所定の大分子、または他の所定の化合物もしくは構造物に結合するか、もしくはさもなければそれらと相互作用するか、またはそれらとの特定の反応(酵素の触媒ドメイン)を触媒する能力を有する個々のシャッフルされたライブラリーメンバーを同定するさらなる工程を含む。
【0387】
そのようなライブラリーから同定されたポリペプチドを、治療、診断、研究および関連する目的(触媒、水溶液の浸透圧を増加させるための溶質など)のために用いることができ、ならびに/またはシャッフリングおよび/もしくは選択の1個以上のさらなるサイクルにかけることができる。
【0388】
他の実施形態においては、組換えもしくは再集合の前、またはその間に、本発明に従う方法により作製されたポリヌクレオチドを、元のポリヌクレオチド中への突然変異の導入を促進する薬剤またはプロセスにかけることができる。そのような突然変異の導入は、得られるハイブリッドポリヌクレオチドおよびそれにコードされるポリペプチドの多様性を増加させるであろう。突然変異誘発を促進する薬剤またはプロセスとしては、限定されるものではないが、(+)-CC-1065、もしくは(+)-CC-1065-(N3-アデニン(SunおよびHurley, (1992)を参照)などの合成類似体; DNA合成を阻害することができるN-アセチル化もしくは脱アシル化4'-フルオロ-4-アミノビフェニル付加物(例えば、van de Pollら(1992)を参照);またはDNA合成を阻害することができるN-アセチル化もしくは脱アシル化4-アミノビフェニル付加物(また、van de Pollら(1992), pp.751-758を参照);三価クロム、三価クロム塩、7-ブロモメチル-ベンズ[a]アントラセン(「BMA」)、トリス(2,3-ジブロモプロピル)リン酸(「Tris-BP」)、1,2-ジブロモ-3-クロロプロパン(「DBCP」)、2-ブロモアクロレイン(2BA)、ベンゾ[a]ピレン-7,8-ジヒドロジオール-9-10-エポキシド(「BPDE」)、白金(II)ハロゲン塩、N-ヒドロキシ-2-アミノ-3-メチルイミダゾ[4,5-f]-キノリン(「N-ヒドロキシ-IQ」)およびN-ヒドロキシ-2-アミノ-1-メチル-6-フェニルイミダゾ[4,5-f]-ピリジン(「N-ヒドロキシ-PhIP」)などのDNA複製を阻害することができる多環式芳香族炭化水素(PAH)DNA付加物が挙げられる。PCR増幅を遅延させるか、または停止させるための手段の例は、UV光(+)-CC-1065および(+)-CC-1065-(N3-アデニン)からなる。特に包含される手段は、DNA付加物またはさらなるプロセッシングの前にポリヌクレオチドを含む溶液を加熱することを含むプロセスにより放出もしくは除去することができる、ポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドプールに由来する該DNA付加物を含むポリヌクレオチドである。
【0389】
他の実施形態においては、本発明は、野生型タンパク質をコードする二本鎖鋳型ポリヌクレオチドを含むサンプルを、ハイブリッドまたは再集合したポリヌクレオチドの産生を提供する本発明に従う条件下で処理することにより、生物学的活性を有する組換えタンパク質を製造する方法に関する。
【0390】
配列変異体の作製
本発明はまた、本発明に従う核酸(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)配列の配列変異体を作製するさらなる方法も提供する。いくつかの実施形態においては、本発明はまた、本発明に従う核酸およびポリペプチドを用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を単離するためのさらなる方法も提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、上記のような、無作為方法もしくは確率論的方法、または非確率論的方法、または「指向性進化」方法などの任意の手段により変化させることができる、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ酵素などのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼをコードする配列(遺伝子、cDNAもしくはメッセージ)の変異体を提供する。
【0391】
単離された変異体は、天然のものであってもよい。また、変異体をin vitroで作製することもできる。部位特異的突然変異誘発、無作為化学的突然変異誘発、エキソヌクレアーゼIII欠失手順、および標準的なクローニング技術などの遺伝子操作技術を用いて、変異体を作製することができる。あるいは、そのような変異体、断片、類似体、または誘導体を、化学的合成または改変手順を用いて作製することができる。変異体を作製する他の方法も、当業者には公知である。これらのものとしては、天然の単離物から得られた核酸配列を改変して、産業用途または研究用途におけるその価値を増強する特徴を有するポリペプチドをコードする核酸を作製する手順が挙げられる。そのような手順においては、天然の単離物から得られた配列に関して、1個以上のヌクレオチド差異を有する多数の変異体配列を作製および特性評価する。これらのヌクレオチド差異は、天然の単離物に由来する核酸によりコードされるポリペプチドに関して、アミノ酸変化をもたらし得る。
【0392】
例えば、変異体を、変異性PCRを用いて作製することができる。変異性PCRのいくつかの実施形態においては、PCR産物の全長に沿って、高率の点突然変異が得られるように、DNAポリメラーゼの複製忠実度が低い条件下でPCRを実施する。変異性PCRは、Leung, D.W.ら(1989) Technique 1:11-15; およびCaldwell, R.C. & Joyce, G.F., (1992) PCR Methods Applic. 2:28-33などに記載されている。簡単に述べると、そのような手順においては、突然変異誘発させようとする核酸を、PCRプライマー、反応バッファー、MgCl2、MnCl2、Taqポリメラーゼおよび好適な濃度のdNTPと混合して、PCR産物の全長に沿って高率の点突然変異を達成する。例えば、突然変異誘発させようとする20フェムトモルの核酸、30ピコモルの各PCRプライマー、50mM KCl、10mM Tris HCl (pH 8.3)および0.01%ゼラチン、7mM MgCl2、0.5mM MnCl2、5ユニットのTaqポリメラーゼ、0.2mM dGTP、0.2mM dATP、1mM dCTP、および1mM dTTPを含む反応バッファーを用いて、この反応を実施することができる。PCRを、94℃で1分間、45℃で1分間、および72℃で1分間の30サイクル行うことができる。しかしながら、これらのパラメーターを好適に変化させることができることが理解されるであろう。突然変異誘発された核酸を好適なベクター中にクローニングし、該突然変異誘発された核酸によりコードされるポリペプチドの活性を評価する。
【0393】
いくつかの実施形態においては、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発を用いて変異体を作製して、目的の任意のクローニングされたDNA中に部位特異的突然変異を作製する。オリゴヌクレオチド突然変異誘発は、Reidhaar-Olson (1988) Science 241:53-57などに記載されている。簡単に述べると、そのような手順においては、クローニングされたDNA中に導入しようとする1個以上の突然変異を担持する複数の二本鎖オリゴヌクレオチドを合成し、突然変異誘発させようとするクローニングされたDNA中に挿入する。いくつかの実施形態においては、突然変異誘発されたDNAを含むクローンを回収し、発現させ、それにコードされるポリペプチドの活性を評価する。
【0394】
変異体を作製するための別の方法は、アセンブリーPCRである。アセンブリーPCRは、小さいDNA断片の混合物からのPCR産物の集合を含む。多数の異なるPCR反応が、同じバイアル中で同時に起こり、1つの反応の生成物が別の反応の生成物をプライミングする。アセンブリーPCRは、米国特許第5,965,408号などに記載されている。
【0395】
いくつかの実施形態においては、性的PCR突然変異誘発が、本発明に従う変異体を作製する例示的な方法である。性的PCR突然変異誘発のいくつかの実施形態においては、配列相同性に基づくDNA分子の無作為断片化、次いで、PCR反応におけるプライマー伸長による交叉の固定の結果として、強制的な相同組換えが、in vitroで、異なるが高度に関連するDNA配列のDNA分子間で起こる。性的PCR突然変異誘発は、Stemmer (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751などに記載されている。簡単に述べると、そのような手順においては、組換えようとする複数の核酸をDNaseで消化して、50〜200ヌクレオチドの平均サイズを有する断片を作製する。所望の平均サイズの断片を精製し、PCR混合物中に再懸濁する。核酸断片間の組換えを容易にする条件下で、PCRを行う。例えば、精製された断片を、0.2mMの各dNTP、2.2mM MgCl2、50mM KCl、10mM Tris HCl、pH 9.0、および0.1%Triton X-100の溶液中に、10〜30 ng/μlの濃度で再懸濁することにより、PCRを実施することができる。100μlの反応混合物あたり2.5ユニットのTaqポリメラーゼを添加し、以下の計画:94℃で60秒間、94℃で30秒間、50〜55℃で30秒間、72℃で30秒間(30〜45回)および72℃で5分間を用いてPCRを実施する。しかしながら、これらのパラメーターを好適に変化させてもよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態においては、オリゴヌクレオチドを、PCR反応中に含有させることができる。他の実施形態においては、DNAポリメラーゼのKlenow断片を、第1のセットのPCR反応において用い、Taqポリメラーゼをその後のセットのPCR反応において用いることができる。組換え配列を単離し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。
【0396】
いくつかの実施形態においては、変異体を、in vivo突然変異誘発により作製する。いくつかの実施形態においては、1種以上のDNA修復経路において突然変異を担持する大腸菌株などの細菌株中で、目的の配列を増殖させることにより、目的の配列中の無作為突然変異を作製する。そのような「突然変異」株は、野生型の親よりも高い無作為突然変異率を有する。これらの株の1つにおける前記DNAの増殖は、最終的には該DNA内で無作為突然変異を生成するであろう。in vivo突然変異誘発のための使用にとって好適な突然変異株は、「多数遺伝子集団からの表現型作製のための方法(Methods for Phenotype Creation from Multiple Gene Populations)」という表題の、1991年10月31日に公開された、PCT公開WO 91/16427に記載されている。
【0397】
カセット突然変異誘発を用いて、変異体を作製することもできる。カセット突然変異誘発においては、二本鎖DNA分子の小さい領域を、天然の配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド「カセット」と置換する。このオリゴヌクレオチドは、完全および/または部分的に無作為化された天然配列を含むことが多い。
【0398】
帰納的集合突然変異誘発を用いて、変異体を作製することもできる。帰納的集合突然変異誘発は、メンバーがアミノ酸配列において異なる表現型的に関連する突然変異体の多様な集団を作製するために開発されたタンパク質工学(タンパク質突然変異誘発)のためのアルゴリズムである。この方法は、組合せカセット突然変異誘発の連続ラウンドを制御するフィードバック機構を使用する。帰納的集合突然変異誘発は、Arkin (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815などの記載されている。
【0399】
いくつかの実施形態においては、指数集合突然変異誘発を用いて、変異体を作製する。指数集合突然変異誘発は、高い割合のユニークかつ帰納的な突然変異体を含む組合せライブラリーを作製するプロセスであって、小さい群の残基を同時に無作為化して、それぞれの変化した位置で、機能的タンパク質をもたらすアミノ酸を同定する、前記プロセスである。指数集合突然変異誘発は、Delegrave (1993) Biotechnology Res. 11:1548-1552などに記載されている。無作為および部位特異的突然変異誘発は、Arnold (1993) Current Opinion in Biotechnology 4:450-455などに記載されている。
【0400】
いくつかの実施形態においては、異なるポリペプチドをコードする複数の核酸の一部を一緒に融合させて、「介入合成によるDNA再集合の方法(Method of DNA Reassembly by Interrupting Synthesis)」という発明の名称の、1996年7月9日に提出された、米国特許第5,965,408号および「突然変異誘発による所望の活性を有する酵素の作製(Production of Enzymes Having Desired Activities by Mutagenesis)」という発明の名称の、1996年5月22日に提出された、米国特許第5,939,250号に記載のようなキメラポリペプチドをコードするキメラ核酸配列を作製する、シャッフリング手順を用いて変異体を作製する。
【0401】
本発明に従うポリペプチドの変異体は、本発明に従う配列のポリペプチドの1個以上のアミノ酸残基が、保存された、または保存されていないアミノ酸残基(いくつかの実施形態においては、保存されたアミノ酸残基)と置換された変異体であってよく、そのような置換されたアミノ酸残基は遺伝子コードによりコードされたものであっても、またはそうでなくてもよい。
【0402】
いくつかの実施形態においては、保存的置換は、ポリペプチド中の所与のアミノ酸を、同様の特性を有する別のアミノ酸により置換するものである。いくつかの実施形態においては、本発明に従う保存的置換は、以下の置換:アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンなどの脂肪族アミノ酸の、別の脂肪族アミノ酸との置換;セリンの、トレオニンとの置換もしくはその逆;アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性残基の、別の酸性残基との置換;アスパラギンおよびグルタミンなどのアミド基を担持する残基の、アミド基を担持する別の残基との置換;リジンおよびアルギニンなどの塩基性残基の、別の塩基性残基との交換;ならびにフェニルアラニン、チロシンなどの芳香族残基の、別の芳香族残基との置換を含む。
【0403】
他の変異体は、本発明に従うポリペプチドの1個以上のアミノ酸残基が置換基を含むものである。いくつかの実施形態においては、他の変異体は、前記ポリペプチドが、該ポリペプチドの半減期を増加させるための化合物(例えば、ポリエチレングリコール)などの別の化合物と結合させたものである。さらなる変異体は、リーダー配列、分泌配列、プロタンパク質配列またはポリペプチドの精製、富化、もしくは安定化を容易にする配列などの、さらなるアミノ酸をポリペプチドに融合させたものである。
【0404】
いくつかの実施形態においては、前記断片、誘導体および類似体は、本発明に従うポリペプチドおよびそれと実質的に同一の配列と同じ生物学的機能または活性を保持する。他の実施形態においては、前記断片、誘導体または類似体は、該断片、誘導体、または類似体をプロタンパク質部分の切断により活性化して、活性なポリペプチドを産生することができるような、プロタンパク質を含む。
【0405】
宿主細胞中での高レベルのタンパク質発現を達成するためのコドン最適化
本発明は、コドン使用を改変(最適化など)するために、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸を改変する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、宿主細胞中でのその発現を増加または減少させるために、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸中のコドンを改変するための方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明はまた、宿主細胞中でのその発現を増加させるために改変された、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸、そのように改変されたHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素、ならびにHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの改変されたアルドラーゼ酵素を作製する方法も提供する。この方法は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸中の「好ましくない」または「あまり好ましくない」コドンを同定し、1個以上のこれらの好ましくないか、またはあまり好ましくないコドンを、置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする「好ましいコドン」と置換することを含み、該核酸中の少なくとも1個の好ましくないか、またはあまり好ましくないコドンを、同じアミノ酸をコードする好ましいコドンにより置換した。好ましいコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中に過剰に現れるコドンであり、好ましくないか、またはあまり好ましくないコドンは、宿主細胞中の遺伝子中のコード配列中にあまり現れないコドンである。
【0406】
本発明に従う核酸、発現カセットおよびベクターを発現させるための宿主細胞としては、細菌、酵母、菌類、植物細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞が挙げられる(上記の考察を参照)。かくして、本発明は、全てのこれらの細胞中でのコドン使用を最適化するための方法、コドン変更された核酸およびコドン変更された核酸により作製されたポリペプチドを提供する。宿主細胞の例としては、大腸菌などのグラム陰性細菌;ストレプトミセス種、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバチルス・ラクチス、ラクトコッカス・クレモリス、バチルス・サブチリス、バチルス・セレウスなどのグラム陽性細菌が挙げられる。宿主細胞の例としては、種々の酵母、例えば、サッカロミセス・セレビジアなどのサッカロミセス種、シゾサッカロミセス・ポンベ、ピチア・パストリス、およびクリヴェロミセス・ラクチス、ハンセヌラ・ポリモルファ、アスペルギルス・ニガー、ならびに哺乳動物細胞および細胞系ならびに昆虫細胞および細胞系などの真核生物も挙げられる。かくして、本発明はまた、これらの生物および種における発現のために最適化された核酸およびポリペプチドも含む。
【0407】
例えば、細菌細胞から単離されたHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードする核酸のコドンを、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素が誘導された細菌とは異なる細菌細胞、酵母、菌類、植物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞中で、該核酸が最適に発現されるように改変する。コドンを最適化するための方法は、当業界でよく知られており、例えば、米国特許第5,795,737号; Baca (2000) Int. J. Parasitol. 30:113-118; Hale (1998) Protein Expr. Purif. 12:185-188; Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253を参照されたい。また、マウス系におけるコドン最適化を記載している、Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253; 酵母におけるコドン最適化を記載している、Outchkourov (2002) Protein Expr. Purif. 24:18-24; 大腸菌におけるコドン最適化を記載している、Feng (2000) Biochemistry 39:15399-15409; 大腸菌における分泌に影響するコドン使用の最適化を記載している、Humphreys (2000) Protein Expr. Purif. 20:252-264も参照されたい。
【0408】
トランスジェニック非ヒト動物
本発明は、本発明に従う核酸、ポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)、発現カセットもしくはベクターまたはトランスフェクトもしくは形質転換された細胞を含むトランスジェニック非ヒト動物を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、これらのトランスジェニック非ヒト動物を作製および使用する方法も提供する。
【0409】
トランスジェニック非ヒト動物は、本発明に従う核酸を含む、イヌ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ウマ、魚、ブタ(全てのブタ、イノシシおよび関連する動物を含む)、ウシ、ラットならびにマウスなどであってよい。これらの動物を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を試験するためのin vivoモデルなどにおいて、またはin vivoでHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を変化させる薬剤をスクリーニングするためのモデルとして用いることができる。トランスジェニック非ヒト動物中で発現させようとするポリペプチドのコード配列を、構成的であるか、または組織特異的、発生特異的もしくは誘導性転写調節因子の制御下となるように設計することができる。
【0410】
トランスジェニック非ヒト動物を、当業界で公知の任意の方法を用いて設計および作製することができる;形質転換された細胞および卵ならびにトランスジェニックマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、魚およびウシの作製および使用を記載している、米国特許第6,211,428号; 第6,187,992号; 第6,156,952号; 第6,118,044号; 第6,111,166号; 第6,107,541号; 第5,959,171号; 第5,922,854号; 第5,892,070号; 第5,880,327号; 第5,891,698号; 第5,639,940号; 第5,573,933号; 第5,387,742号; 第5,087,571号を参照されたい。また、トランスジェニック乳畜のミルク中での組換えタンパク質の製造を記載している、Pollock (1999) J. Immunol. Methods 231:147-157;トランスジェニックヤギの作製を証明している、Baguisi (1999) Nat. Biotechnol. 17:456-461なども参照されたい。米国特許第6,211,428号は、その脳において、DNA配列を含む核酸構築物を発現するトランスジェニック非ヒト動物の作製および使用を記載している。米国特許第5,387,742号は、クローニングされた組換えもしくは合成DNA配列を、マウス受精卵に注入し、注入された卵を偽妊娠したメスに埋め込み、トランスジェニックマウスと呼ばれるまで成長させることを記載している。米国特許第6,187,992号は、トランスジェニックマウスの作製および使用を記載している。
【0411】
「ノックアウト動物」を用いて、本発明に従う方法を実施することもできる。例えば、いくつかの実施形態においては、本発明に従うトランスジェニック動物または改変動物は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を発現する遺伝子と置換された内因性遺伝子、または本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含む融合タンパク質を発現しないように遺伝子操作された「ノックアウトマウス」などの「ノックアウト動物」を含む。
【0412】
トランスジェニック植物および種子
本発明は、本発明に従う核酸、ポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)、発現カセットもしくはベクターまたはトランスフェクトされたか、もしくは形質転換された細胞を含むトランスジェニック植物および種子を提供する。本発明はまた、本発明の核酸もしくはポリペプチドが植物、植物部分、種子などに対して異種性であるものなどの、本発明の核酸および/もしくはポリペプチド(キシラナーゼなど)を含む、果実、油、種子、葉、抽出物などの任意の植物部分などの植物生成物または副生成物も提供する。トランスジェニック植物(植物部分、果実、種子などを含む)は、双子葉植物または単子葉植物であってよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、これらのトランスジェニック植物および種子を作製および使用する方法も提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物または植物細胞を、当業界で公知の任意の方法に従って構築することができる。例えば、米国特許第6,309,872号を参照されたい。
【0413】
本発明に従う核酸および発現構築物を、任意の手段により植物細胞に導入することができる。例えば、核酸もしくは発現構築物を、所望の植物宿主のゲノム中に導入することができるか、または該核酸もしくは発現構築物はエピソームであってもよい。所望の植物のゲノム中への導入は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの宿主のアルドラーゼ酵素産生が、内因性転写もしくは翻訳制御エレメントにより調節されるようなものであってよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、相同組換えなどによる遺伝子配列の挿入が、内因性遺伝子の発現を破壊した「ノックアウト植物」も提供する。「ノックアウト」植物を作製する手段は当業界でよく知られており、Strepp (1998) Proc Natl. Acad. Sci. USA 95:4368-4373; Miao (1995) Plant J 7:359-365を参照されたい。以下のトランスジェニック植物に関する考察も参照されたい。
【0414】
本発明に従う核酸を用いて、ジャガイモ、トマト、大豆、ビート、トウモロコシ、小麦、イネ、大麦などのデンプン産生植物などの本質的には任意の植物に対して、所望の形質を付与することができる。本発明に従う核酸を用いて植物の代謝経路を操作して、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の宿主による発現を最適化または変化させることができる。本発明に従う核酸は、植物中で天然に産生される化合物もしくは酵素の発現もしくは活性レベルを変化させるか、またはその特性を変化させることができる。あるいは、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を、トランスジェニック植物の作製において用いて、その植物によって天然には産生されない化合物を産生させることができる。これは、製造費用を低下させるか、または新規産物を作製することができる。
【0415】
いくつかの実施形態においては、トランスジェニック植物の作製における第1工程は、植物細胞中での発現のための発現構築物を作製することを含む。これらの技術は、当業界でよく知られている。それらは、プロモーター、mRNAへのリボソームの効率的な結合を容易にするためのコード配列を選択およびクローニングし、好適な遺伝子ターミネーター配列を選択することを含んでもよい。1つの例示的な構成的プロモーターは、一般的には、植物における高い程度の発現をもたらす、カリフラワーモザイクウイルスに由来するCaMV35Sである。他のプロモーターは、より特異的であり、植物の内部もしくは外部環境で合図を送るように応答する。光誘導性プロモーターの例は、主要なクロロフィルa/b結合タンパク質をコードする、cab遺伝子に由来するプロモーターである。
【0416】
いくつかの実施形態においては、前記核酸を改変して、植物細胞中でのより多い発現を達成する。例えば、本発明に従う配列は、そのいくつかがG-Cヌクレオチド対を好む植物中に認められるものと比較して、より高い割合のA-Tヌクレオチド対を有するようである。従って、コード配列中のA-Tヌクレオチドを、アミノ酸配列を有意に変化させることなく、G-Cヌクレオチドで置換して、植物細胞中での遺伝子産物の産生を増強することができる。
【0417】
選択マーカー遺伝子を遺伝子構築物に付加して、トランスジーンを上手く取り込んだ植物細胞または組織を同定することができる。植物細胞中での遺伝子の組込みおよび発現の達成は稀な事象であり、標的化された組織または細胞のほんの数%においてしか生じないため、これは必須である。選択マーカー遺伝子は、抗生物質または除草剤などの、通常は植物に対して毒性的である薬剤に対する耐性を提供するタンパク質をコードする。好適な抗生物質または除草剤を含む培地上で増殖させた場合、選択マーカー遺伝子を取り込んだ植物細胞のみが生存するであろう。他の挿入された遺伝子に関しては、マーカー遺伝子は、適切な機能のためのプロモーターおよびターミネーター配列も必要とする。
【0418】
いくつかの実施形態においては、トランスジェニック植物または種子の作製は、本発明に従う配列、および必要に応じて、マーカー遺伝子を標的発現構築物(プラスミドなど)中に組込むと共に、プロモーターおよびターミネーター配列を配置させることを含む。これは、好適な方法を介して植物中に改変された遺伝子を導入することを含んでもよい。例えば、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションなどの技術を用いて、構築物を植物細胞のゲノムDNA中に直接導入するか、またはDNA粒子ボンバードメントなどの弾道方法を用いて構築物を植物組織に直接導入することができる。例えば、トランスジーンを小麦に導入するための粒子ボンバードメントの使用を考察している、Christou (1997) Plant Mol. Biol. 35:197-203; Pawlowski (1996) Mol. Biotechnol. 6:17-30; Klein (1987) Nature 327:70-73; Takumi (1997) Genes Genet. Syst. 72:63-69;ならびに植物細胞中にYACを導入するための粒子ボンバードメントの使用に関する、Adam (1997)上掲を参照されたい。例えば、Rinehart (1997)上掲は、トランスジェニック綿植物を作製するために粒子ボンバードメントを用いた。粒子を加速するための装置は、米国特許第5,015,580号に記載されている;および、市販のBio-Rad (Biolistics) PDS-2000粒子加速装置(Bio-Rad, Hercules, CA);また、Johnの米国特許第5,608,148号;ならびに裸子植物の粒子を介する形質転換を記載している、Ellisの米国特許第5,681,730号も参照されたい。
【0419】
いくつかの実施形態においては、プロトプラストを固定し、発現構築物などの核酸を注入することができる。プロトプラストからの植物再生は、穀類については容易ではないが、プロトプラストに誘導されたカルスに由来する体細胞胚形成を用いれば、豆類においては植物再生が可能である。組織化された組織を、DNAを、細胞およびオルガネラ中に深くDNAを担持する、細胞の1/100の大きさのタングステンマイクロ発射体上でコーティングする、遺伝子銃技術を用いて裸のDNAで形質転換することができる。次いで、形質転換された組織を、通常は体細胞胚形成により、再生するように誘導する。この技術は、トウモロコシおよびイネなどのいくつかの穀物種においては成功した。
【0420】
発現構築物などの核酸を、組換えウイルスを用いて植物細胞中に導入することもできる。植物細胞を、タバコモザイクウイルス由来ベクター(Rouwendal (1997) Plant Mol. Biol. 33:989-999)などのウイルスベクターを用いて形質転換することができる。Porta (1996) 「植物中での遺伝子の発現のためのウイルスレプリコンの使用(Use of viral replicons for the expression of genes in plants)」、Mol. Biotechnol. 5:209-221を参照されたい。
【0421】
あるいは、発現構築物などの核酸を、好適なT-DNAフランキング領域と組み合わせて、従来のアグロバクテリウム・ツメファシエンスベクターに導入することができる。アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主のビルレンス機能は、細胞を細菌により感染させる場合、植物細胞DNA中への前記構築物および隣接するマーカーの挿入を指令するであろう。バイナリーベクターの解除および使用などの、アグロバクテリウム・ツメファシエンスを介する形質転換技術は、科学文献によく記載されている。Horsch (1984) Science 233:496-498; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803 (1983); Gene Transfer to Plants, Potrykus(編)(Springer-Verlag, Berlin 1995)を参照されたい。アグロバクテリウム・ツメファシエンス細胞中のDNAは、細菌染色体ならびにTi(腫瘍誘導性)プラスミドとして知られる別の構造物中に含まれる。Tiプラスミドは、感染プロセスにおいて植物細胞に移動するT-DNA(約20 kb長)と呼ばれるDNAのストレッチと、該感染プロセスを指令する一連のvir(ビルレンス)遺伝子とを含む。アグロバクテリウム・ツメファシエンスは、傷を介してのみ植物に感染することができる:植物の根または茎に傷をつけた場合、それは特定の化学シグナルを発し、それに応答して、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのvir遺伝子が活性化されるようになり、植物の染色体へのTiプラスミドに由来するT-DNAの移動にとって必要な一連の事象を指令する。次いで、T-DNAは、傷を介して植物細胞に進入する。1つの推測は、T-DNAは、植物DNAが複製または転写されるまで待った後、露出した植物DNA中に自身を挿入することである。トランスジーンベクターとしてアグロバクテリウム・ツメファシエンスを使用するためには、T-DNA境界領域およびvir遺伝子を保持しながら、T-DNAの腫瘍誘導分泌を除去しなければならない。次いで、植物細胞に移動し、植物の染色体に組み込まれるようになる、T-DNA境界領域の間にトランスジーンを挿入する。
【0422】
本発明は、重要な穀物などの、本発明に従う核酸を用いる単子葉植物の形質転換を提供する。Hiei (1997) Plant Mol. Biol. 35:205-218を参照されたい。また、ゲノムDNA中へのT-DNA組込みを考察している、Horsch, Science (1984) 233:496; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci USA 80:4803; Thykjaer (1997) 上掲; Park (1996) Plant Mol. Biol. 32:1135-1148も参照されたい。また、穀物、または他の単子葉植物の細胞中で機能的である遺伝子を含むDNAの安定な組込みのためのプロセスを記載している、D'Halluinの米国特許第5,712,135号も参照されたい。
【0423】
いくつかの実施形態においては、第3の工程は、組み込まれた標的遺伝子を次の世代に伝播することができる全植物の選択および再生を含む。そのような再生技術は、組織培養増殖培地中での特定の植物ホルモンの操作を使用することができる。いくつかの実施形態においては、前記方法は、所望のヌクレオチド配列と一緒に導入された殺生物剤および/または除草剤を使用する。培養されたプロトプラストからの植物再生は、Evansら、Protoplasts Isolation and Culture, Handbook of Plant Cell Culture, pp. 124-176, MacMillilan Publishing Company, New York, 1983; およびBinding, Regeneration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73, CRC Press, Boca Raton, 1985に記載されている。再生体を、植物カルス、外植片、器官、またはその一部から得ることもできる。そのような再生技術は、Klee (1987) Ann. Rev. of Plant Phys. 38:467-486に一般的に記載されている。未熟な胚などのトランスジェニック組織から全植物を得るために、それらを栄養素およびホルモンを含む一連の培地中、制御された環境条件下で成長させることができ、そのプロセスは組織培養として知られる。一度、全植物が生成されたら、種子を作り、子孫の評価を開始する。
【0424】
いくつかの実施形態においては、発現カセットをトランスジェニック植物に安定に組み込んだ後、それを性的交配により他の植物中に導入することができる。交配させようとする種に応じて、標準的な育種技術のいずれかを用いることができる。本発明に従う核酸のトランスジェニック発現は表現型変化をもたらすため、本発明に従う組換え核酸を含む植物を、第2の植物と性的に交配させて、最終産物を得ることができる。かくして、本発明に従う種子を、本発明に従う2種のトランスジェニック植物間の交配、または本発明に従う植物と別の植物との交配から誘導することができる。両方の親植物が、本発明に従うポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)を発現する場合、所望の効果(開花作用が変化した植物を作製するための本発明に従うポリペプチドの発現など)を増強することができる。標準的な増殖手段により、所望の効果を未来の植物世代に継代することができる。
【0425】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う核酸およびポリペプチドを、任意の植物もしくは種子中で発現させるか、またはそれに挿入する。本発明に従うトランスジェニック植物は、双子葉植物または単子葉植物であってよい。本発明に従う単子葉トランスジェニック植物の例は、牧草(ブルーグラス、イチゴツナギ)、ウシノケグサなどの飼い葉、ロリウム、アグロスチス(Agrostis)などの温帯型牧草、ならびに小麦、オート麦、ライ麦、大麦、イネ、ソルガム、およびトウモロコシなどの穀物である。本発明に従う双子葉トランスジェニック植物の例は、タバコ、ルピン、ジャガイモ、サトウダイコン、エンドウ豆、マメおよび大豆などのマメ科植物、ならびにカリフラワー、菜種、および密接に関連するモデル生物シロイヌナズナなどのアブラナ科植物(アブラナ科ファミリー)である。かくして、本発明に従うトランスジェニック植物および種子としては、限定されるものではないが、アナカーディウム(Anacardium)、アラキス(Arachis)、アスパラガス(Asparagus)、アトロパ(Atropa)、アベナ(Avena)、アブラナ(Brassica)、シトラス(Citrus)、シトルルス(Citrullus)、カプシカム(Capsicum)、カルタムス(Carthamus)、ココス(Cocos)、コフィア(Coffea)、キュウリ(Cucumis)、カボチャ(Cucurbita)、ニンジン(Daucus)、アブラヤシ(Elaeis)、フラガリア(Fragaria)、グリシン(Glycine)、ワタ(Gossypium)、ヒマワリ(Helianthus)、ヘテロカリス(Heterocallis)、大麦(Hordeum)、ヒヨス(Hyoscyamus)、レタス(Lactuca)、アマ(Linum)、ロリウム(Lolium)、ルピナス(Lupinus)、ライコペルシコン(Lycopersicon)、リンゴ(Malus)、マニホット(Manihot)、マヨラナ(Majorana)、ウマゴヤシ(Medicago)、タバコ(Nicotiana)、オリーブ(Olea)、オリザ(Oryza)、パニウム(Panieum)、パニセタム(Pannisetum)、ワニナシ(Persea)、インゲンマメ(Phaseolus)、ピスタチア(Pistachia)、エンドウ(Pisum)、ナシ(Pyrus)、サクラ(Prunus)、ダイコン(Raphanus)、トウゴマ(Ricinus)、ライムギ(Secale)、セネキオ(Senecio)、シナピス(Sinapis)、ナス(Solanum)、ソルガム(Sorghum)、テオブロムス(Theobromus)、トリゴネラ(Trigonella)、トリチカム(Triticum)、ソラマメ(Vicia)、ブドウ(Vitis)、ビニャ(Vigna)およびトウモロコシ(Zea)属に由来する種などの広範囲の植物が挙げられる。
【0426】
代替的な実施形態においては、本発明に従う核酸を、ワタ、カポック(Kapok, Ceiba pentandra)、デザートウイロー、メキシコハマビシ、ウインターファット、バルサ、ラミー、ケナフ、ヘンプ、ローゼル、ジュート、サイザル・アバカおよびアマなどの繊維細胞を含む植物中で発現させる。代替的な実施形態においては、本発明に従うトランスジェニック植物は、ゴシピウム・アルボレウム(G. arboreum)、ゴシピウム・ヘルバセウム(G. herbaceum)、ゴシピウム・バルバデンス(G. barbadense)、およびゴシピウム・ヒルスタム(G. hirsutum)などの任意のワタ種のメンバーなどのワタ属のメンバーであってよい。
【0427】
本発明は、大量の本発明に従うポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素または抗体など)を製造するのに用いられるトランスジェニック植物も提供する。例えば、Palmgren (1997) Trends Genet. 13:348; Chong (1997) Transgenic Res. 6:289-296を参照されたい(アグロバクテリウム・ツメファシエンスを介する葉片形質転換法を用いるオーキシン誘導性の二方向マンノピンシンターゼ(mas1'2')プロモーターを用いる、トランスジェニックジャガイモ植物中でヒトミルクタンパク質β-カゼインの製造)。
【0428】
当業者であれば、公知の手順を用いて、トランスジェニック植物中のトランスジーンmRNAまたはタンパク質の増加または減少を検出することにより、本発明に従う植物についてスクリーニングすることができる。
【0429】
ポリペプチドおよびペプチド
いくつかの実施形態においては、本発明は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、または配列番号334に記載の配列を有するタンパク質およびその酵素的に活性な断片などの、本発明に従う配列に対して、配列同一性(少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性、もしくは相同性など)を有する単離された、合成または組換えポリペプチドを提供する。配列同一性(%)は、該ポリペプチドの完全長に渡るものであってもよく、または該同一性は少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700個以上の残基の領域に渡るものであってもよい。
【0430】
また、本発明のいくつかの実施形態に従うポリペプチドは、前記ポリペプチドの完全長よりも短いものであってもよい。他の実施形態においては、本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素などの酵素などの、約5〜完全長のポリペプチドのサイズ範囲のポリペプチド(ペプチド、断片)を提供する;サイズの例は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の連続する残基などの、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700個以上の残基である。本発明に従うペプチド(本発明に従うポリペプチドのサブ配列など)は、標識プローブ、抗原(免疫原)、寛容原、モチーフ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性部位(「触媒ドメイン」など)、シグナル配列および/またはプレプロドメインなどとして有用であってよい。
【0431】
他の実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ活性を有する本発明に従うポリペプチドは、限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸活性などのアルドラーゼ活性と相関する、アミノ酸残基などの特定の構造エレメントを共有するポリペプチドに属するメンバーである。これらの共有された構造エレメントを、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ変異体の日常的作製に用いることができる。本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素のこれらの共有された構造エレメントを、本発明に従うポリペプチド属の範囲内のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素変異体の日常的作製のための案内として用いることができる。
【0432】
本明細書で用いられる用語「HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ」は、アルドール付加反応もしくはレトロ-アルドール反応を触媒することができる任意のポリペプチドもしくは酵素(本発明に従うポリペプチドなど、以下の表1ならびに実施例4、5および6も参照)、またはR-2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(R-MP)ならびにR,RおよびS,Rモナチンなどのモナチンの特定の立体異性体、およびその塩の製造などにおける、炭素-炭素結合を含む材料の任意の改変を包含する。
【0433】
本発明のいくつかの実施形態に従うポリペプチドは、アルドール反応における炭素-炭素結合の形成を触媒し、以下の一般的スキームに示されるように、4-ヒドロキシ-2-ケト酪酸フレームワークの合成における求核成分としてピルビン酸またはホスホエノールピルビン酸を利用する能力を有する。
【化4】

【0434】
[式中、
R=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R2=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R3=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル、カルボン酸]。
【0435】
理論により束縛されるものではないが、全てのピルビン酸アルドラーゼにより触媒される縮合において調製された保存された4炭素断片は、密に、かつ示差的に官能化されると考えられる。さらに、各付加物においては、炭素の4種の異なる酸化状態が、4個の連続する炭素中に含まれる。かくして、ピルビン酸アルドラーゼにより調製されたフレームワークは、以下のスキームに示されるように、α-アミノ-γ-ヒドロキシカルボン酸、β-ヒドロキシカルボン酸、α,γ-ジヒドロキシカルボン酸、および2-デオキシアルドラーゼ糖の調製を可能にする。
【化5】

【0436】
従って、本発明のいくつかの実施形態に従うピルビン酸アルドラーゼは、合成的に多用途であってよく、動物飼料、ヒト用食品、産業プロセス、および医薬品における使用のための様々な製品の調製において使用することができる(例えば、Gijsen, H.J.M.ら、「炭水化物および炭水化物模倣物質の化学酵素的合成における近年の進歩(Recent Advances in the Chemoenzymatic Synthesis of Carbohydrates and Carbohydrate Mimetics)」、Chem. Rev. 1996, 96, 443-473; Henderson, D.P.ら、J. Org. Chem.,「多酵素合成を介するニッコーマイシンKXおよびKZのN末端アミノ酸部分の立体特異的調製(Stereospecific Preparation of the N-Terminal Amino Acid Moiety of Nikkomycins KX and KZ via a Multiple Enzyme Synthesis)」、1997, 62, 7910-7911; Wymer, N. & Toone, E.J.「炭水化物の酵素触媒合成(Enzyme-catalyzed Synthesis of Carbohydrates)」、Current Opin. Chemical Biology, 2000, 4, 110-119を参照されたい)。
【0437】
本発明のいくつかの実施形態に従うポリペプチドは、2つ以上の型の酵素活性、具体的には、アルドラーゼ活性および例えば、以下の表1に記載のような、さらなる活性を有してもよい。例えば、本発明に従うポリペプチドは、アルドラーゼ活性、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性を有してもよい。さらに、該ポリペプチドは、そのEC分類に基づくさらなる酵素活性を有するか、または有すると考えられる。表1は、「予測されるEC番号」の欄を含む。EC番号は、Enzyme Commission of the Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology (IUBMB)により開発された、標準化された酵素命名法のスキームに従う酵素の型に割り当てられた番号である。「予測されたEC番号」欄における結果を、Kegg (Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes)データベースに対するBLAST検索により決定する。トップのBLAST一致(「ヒット」とも呼ばれる)がe-6以下のE値を有する場合、トップの一致に割り当てられたEC番号を表に入力する。トップヒットのEC番号を、本発明の配列のEC番号が何であるかに対する案内として用いる。一部のみのEC番号が与えられる例においては、トップヒットに基づいて広い分類のみを割り当てることができる。例えば、1列目においては、配列番号1によりコードされる、配列番号2については、予測されるEC番号を「2...」として列挙する。従って、割り当てられる分類は広くはトランスフェラーゼである。配列番号25によりコードされる配列番号26については、トップヒットに基づいて割り当てることができる最も特異的な分類は、アルデヒド-リアーゼである。
【表1】




【0438】
本発明に従うポリペプチドおよびペプチドは、天然の起源から単離されたもの、合成のもの、または組換え生成されたポリペプチドであってよい。ペプチドおよびタンパク質を、in vitroまたはin vivoで組換え発現させることができる。本発明に従うペプチドおよびポリペプチドを、当業界で公知の任意の方法を用いて作製および単離することができる。本発明に従うポリペプチドおよびペプチドを、当業界でよく知られた化学的方法を用いて、全部または部分的に合成することもできる。Caruthers (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 215-223; Horn (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225-232; Banga, A.K., Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems (1995) Technomic Publishing Co., Lancaster, PAなどを参照されたい。例えば、ペプチド合成を様々な固相技術(Roberge (1995) Science 269:202; Merrifield (1997) Methods Enzymol. 289:3-13などを参照)を用いて実施し、自動化合成を、製造業者により提供される説明書に従ってABI 431A Peptide Synthesizer (Perkin Elmer)などを用いて達成することができる。
【0439】
本発明に従うペプチドおよびポリペプチドを、糖鎖付加することもできる。糖鎖を、化学的に、もしくは細胞生合成機構により翻訳後的に付加することができ、後者は、該配列にとって天然であるか、またはペプチドとして付加するか、もしくは核酸コード配列中に付加することができる公知の糖鎖モチーフの使用を含む。糖鎖をO結合またはN結合することができる。
【0440】
いくつかの実施形態においては、指示される場合、本発明に従うペプチドおよびポリペプチドは、全ての「模倣物質」および「ペプチド模倣物質」形態を含んでもよい。用語「模倣物質」および「ペプチド模倣物質」とは、本発明に従うポリペプチドと実質的に同じ構造的および/または機能的特性を有する合成化合物を指す。模倣物質は、アミノ酸の合成の非天然類似体から全体が構成されてもよく、または部分的に天然のペプチドアミノ酸と部分的に非天然のアミノ酸とのキメラ分子である。模倣物質は、保存的置換が模倣物質の構造および/または活性を実質的に変化させない限り、任意の量の天然アミノ酸保存的置換を含んでもよい。保存的変異体であるか、または本発明に従うポリペプチドに属するメンバー(本発明に従う配列に対して約50%以上の配列同一性を有するものなど)である本発明に従うポリペプチドに関しては、模倣物質が本発明に従う範囲内にあるかどうか、すなわち、その構造および/または機能が実質的に変化していないかどうかを、日常的な実験により決定することができる。かくして、いくつかの実施形態においては、模倣組成物は、それがHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有する場合、本発明に従う範囲内にある。
【0441】
本発明に従うポリペプチド模倣組成物は、非天然構造成分の任意の組合せを含んでもよい。代替的な実施形態においては、本発明に従う模倣組成物は、以下の3つの構造群:a)天然のアミド結合(「ペプチド結合」連結以外の残基連結基;b)天然のアミノ酸残基の代わりの非天然残基;またはc)二次構造模倣性を誘導する、すなわち、βターン、γターン、βシート、αヘリックスコンフォメーションなどの二次構造を誘導するか、もしくは安定化する残基のうちの1つまたは全部を含む。例えば、本発明に従うポリペプチドを、その残基の全部またはいくつかが、天然のペプチド結合以外の化学的手段により連結される場合、模倣物質として特性評価することができる。個々のペプチド模倣残基を、ペプチド結合、他の化学的結合またはグルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能性マレイミド、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)もしくはN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)などのカップリング手段により連結することができる。伝統的なアミド結合(「ペプチド結合」)連結に対する代替物であってよい連結基としては、ケトメチレン(-C(=O)-NH-については-C(=O)-CH2など)、アミノメチレン(CH2-NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH2-O)、チオエーテル(CH2-S)、テトラゾール(CN4-)、チアゾール、レトロアミド、チオアミド、またはエステルなどが挙げられる(Spatola (1983)、Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, Vol. 7, pp 267-357, 「ペプチド主鎖改変(Peptide Backbone Modifications)」、Marcell Dekker, NYを参照)。
【0442】
本発明に従うポリペプチドを、天然のアミノ酸残基の代わりに全部またはいくつかの非天然残基を含有させることにより、模倣物質として特性評価することもできる。非天然残基は、科学文献および特許文献によく記載されている;天然アミノ酸残基の模倣物質として有用ないくつかの非天然組成物の例およびガイドラインを、以下に記載する。芳香族アミノ酸の模倣物質を、D-もしくはL-ナフィルアラニン;D-もしくはL-フェニルグリシン;D-もしくはL-2チエニルアラニン;D-もしくはL-1,-2,3-,もしくは4-ピレネイルアラニン;D-もしくはL-3チエニルアラニン;D-もしくはL-(2-ピリジニル)-アラニン;D-もしくはL-(3-ピリジニル)-アラニン;D-もしくはL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-もしくはL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;D-p-フルオロ-フェニルアラニン;D-もしくはL-p-ビフェニルフェニルアラニン;D-もしくはL-p-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D-もしくはL-2-インドール(アルキル)アラニン;およびD-もしくはL-アルキルアイニン(式中、アルキルは置換もしくは非置換メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ-ブチル、sec-イソチル、イソ-ペンチル、もしくは非酸性アミノ酸である)などにより置換することにより作製することができる。非天然アミノ酸の芳香環としては、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンズイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、およびピリジル芳香環などが挙げられる。
【0443】
酸性アミノ酸の模倣物質を、負の電荷を維持しながら、非カルボン酸アミノ酸;(ホスホノ)アラニンなどによる置換により作製することができる。カルボキシル側鎖(アスパルチルもしくはグルタミルなど)を、1-シクロヘキシル-3(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミドまたは1-エチル-3(4-アゾニア-4,4-ジメトルペンチル)カルボジイミドなどのカルボジイミド(R'-N-C-N-R')との反応により選択的に改変することもできる。アスパルチルまたはグルタミルを、アンモニウムイオンとの反応により、アスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換することもできる。塩基性アミノ酸の模倣物質を、(リジンおよびアルギニンに加えて)アミノ酸オルニチン、シトルリン、または(グアニジノ)-酢酸、もしくは(グアニジノ)アルキル-酢酸(式中、アルキルは上記で定義されたものである)などとの置換により作製することができる。ニトリル誘導体(COOHの代わりにCN-部分を含むものなど)を、アスパラギンまたはグルタミンに置換することができる。アスパラギニルおよびグルタミニル残基を、対応するアスパラチルまたはグルタミル残基に脱アミノ化することができる。アルギニルを、フェニルグリオキサル、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロ-ヘキサンジオン、もしくはニンヒドリンなどの1種以上の従来の試薬などと、いくつかの実施形態においては、アルカリ条件下で反応させることにより、アルギニン残基模倣物質を作製することができる。チロシルを、芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンなどと反応させることにより、チロシン残基模倣物質を作製することができる。N-アセチルイミジゾールおよびテトラニトロメタンを用いて、それぞれ、O-アセチルチロシル種および3-ニトロ誘導体を形成させることができる。システイニル残基を、2-クロロ酢酸もしくはクロロアセトアミドおよび対応するアミンなどのα-ハロ酢酸などと反応させて、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得ることにより、システイン残基模倣物質を作製することができる。また、システイニル残基を、ブロモ-トリフルオロアセトン、α-ブロモ-β-(5-イミドゾイル)プロピオン酸;クロロアセチルリン酸、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド;メチル2-ピリジルジスルフィド;p-クロロメルクリベンゾエート;2-クロロメルクリ-4ニトロフェノール;またはクロロ-7-ニトロベンゾ-オキサ-1,3-ジアゾールなどと反応させることにより、システイン残基模倣物質を作製することもできる。リジニルを、コハク酸または他のカルボン酸無水物などと反応させることにより、リジン模倣物質を作製することができる(およびアミノ末端残基を変化させることができる)。また、メチルピコリンイミダート、リン酸ピリドキサル、ピリドキサル、クロロボロヒドリド、トリニトロ-ベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオンなどのイミドエステルとの反応、およびグリオキシル酸とのトランスアミダーゼ触媒反応により、リジンおよび他のα-アミノ含有残基模倣物質を作製することもできる。メチオニンスルホキシドなどとの反応により、メチオニンの模倣物質を作製することができる。プロリンの模倣物質としては、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3-もしくは4-ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3-もしくは4-メチルプロリン、または3,3-ジメチルプロリンなどが挙げられる。ヒスチジルを、ジエチルプロカルボナートまたはパラ-ブロモフェナシルブロミドなどと反応させることにより、ヒスチジン残基模倣物質を作製することができる。他の模倣物質としては、プロリンとリジンの水酸化;セリルもしくはトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リジン、アルギニンおよびヒスチジンのα-アミノ基のメチル化;N-末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化もしくはN-メチルアミノ酸との置換;またはC末端カルボキシル基のアミド化により作製されたものなどが挙げられる。
【0444】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うポリペプチドのアミノ酸などの残基を、反対のキラリティのアミノ酸(またはペプチド模倣物質残基)により置換することもできる。いくつかの実施形態においては、L配置(化合物の構造に応じて、RもしくはSとも呼ぶことができる)中で天然に生じる任意のアミノ酸を、D-アミノ酸とも呼ばれるが、R-もしくはS-形態とも呼ぶことができる、同じ化学構造型もしくはペプチド模倣物質であるが、反対のキラリティのアミノ酸と置換することができる。
【0445】
本発明はまた、翻訳後プロセッシング(リン酸化、アシル化など)などの天然のプロセスによるか、または化学的改変技術により、本発明に従うポリペプチドを改変するための方法、および得られる改変されたポリペプチドも提供する。改変は、ペプチド主鎖、アミノ酸側鎖およびアミノまたはカルボキシル末端などの、ポリペプチドの任意の場所で行うことができる。所与のポリペプチド中のいくつかの部位に、同じか、または変化する程度で同じ型の改変が存在してもよいことが理解されるであろう。また、所与のポリペプチドは、多くの型の改変を有してもよい。いくつかの実施形態においては、改変としては、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドもしくはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質もしくは脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋環状化、ジスルフィド結合形成、デメチル化、共有架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ-カルボキシル化、糖鎖付加、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストル化、酸化、PEG化、タンパク質溶解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、およびアルギニル化などのタンパク質へのアミノ酸の転移RNAを介する付加が挙げられる。Creighton, T.E.,「タンパク質-構造および分子特性(Proteins - Structure and Molecular Properties)」、第2版、W.H. Freeman and Company, New York (1993); 「タンパク質の翻訳後共有改変(Posttranslational Covalent Modification of Proteins)」、B.C. Johnson(編), Academic Press, New York, pp. 1-12 (1983)を参照されたい。
【0446】
固相化学ペプチド合成法を用いて、本発明に従うポリペプチドまたは断片を合成することもできる。そのような方法は、1960年代前半以来、当業界で公知であり(Merrifield, R. B., J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154, 1963) (Stewart, J. M.およびYoung, J. D., Solid Phase Peptide Synthesis、第2版、Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp. 11-12)も参照)、近年では市販の研究用ペプチド設計および合成キット(Cambridge Research Biochemicals)において用いられている。そのような市販の研究用キットは、H. M. Geysenら、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 81:3998 (1984)の教示を一般的に用いてきており、全て1個のプレートに接続された多数の「ロッド」または「ピン」の先端上でのペプチドの合成を提供する。そのような系を用いる場合、ロッドもしくはピンのプレートを反転させ、好適なアミノ酸をピンもしくはロッドの先端に結合させるか、またはアンカーさせるための溶液を含む、対応するウェルもしくは容器の第2のプレートに挿入する。そのようなプロセス工程、すなわち、好適な溶液中へのロッドおよびピンの先端の反転および挿入を繰り返すことにより、アミノ酸を所望のペプチドに構築する。さらに、いくつかの利用可能なFMOCペプチド合成系が利用可能である。例えば、ポリペプチドまたは断片の集合を、Applied Biosystems, Inc. Model 431A(商標)自動化ペプチド合成装置を用いて固相支持体上で行うことができる。そのような装置は、直接的合成による、または他の公知の技術を用いて結合させることができる一連の断片の合成による、本発明に従うペプチドへの容易なアクセスを提供する。
【0447】
本発明に従うポリペプチドは、活性または不活性な形態のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含む。例えば、本発明に従うポリペプチドは、「活性な」成熟タンパク質を生成するプロタンパク質転換酵素などの、プロタンパク質プロセッシング酵素などによる、プレプロ配列の「成熟」またはプロセッシングの前のプロタンパク質を含む。本発明に従うポリペプチドは、エンド-もしくはエキソ-ペプチダーゼまたはプロテイナーゼ作用、リン酸化事象、アミド化、糖鎖付加または硫酸化、ダイマー化事象などの翻訳後プロセッシング事象による「活性化」の前などの他の理由から不活性な、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含む。本発明に従うポリペプチドは、酵素の触媒ドメインまたは活性部位などの活性サブ配列などの全ての活性形態を含む。
【0448】
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの固定されたアルドラーゼ酵素、抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼなどの抗アルドラーゼ抗体ならびにその断片を含む。いくつかの実施形態においては、本発明は、ドミナントネガティブ突然変異体または本発明に従う抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼなどの抗アルドラーゼ抗体などを用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を阻害する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含む、融合タンパク質、ヘテロダイマーなどのヘテロ複合体を含む。
【0449】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うポリペプチドは、極端なpHおよび/もしくは温度で、またはいくつかの実施形態においては、酸化剤の存在下などの様々な条件下で、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有してもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、温度、酸化剤などに対する、異なる触媒効率および安定性を有するHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの代替的なアルドラーゼ酵素調製物を誘導し、洗浄条件を変更する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素変異体を、部位特異的突然変異誘発および/または無作為突然変異誘発の技術を用いて製造することができる。いくつかの実施形態においては、指向性進化を用いて、代替的な特異性および安定性を有する、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの様々なアルドラーゼ酵素変異体を製造することができる。
【0450】
本発明に従うタンパク質はまた、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性の活性化因子または阻害剤などの、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素調節因子を同定するための研究試薬としても有用である。簡単に述べると、試験サンプル(化合物、培地、抽出物など)をHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素アッセイに添加して、基質切断を阻害するその能力を決定する。この方法で同定された阻害剤を、産業および研究において用いて、望ましくないタンパク質溶解を減少させるか、または防止することができる。HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素に関しては、阻害剤を組み合わせて、活性のスペクトルを増加させることができる。
【0451】
本発明に従う酵素は、タンパク質を消化するための研究試薬として、またはタンパク質配列決定においても有用である。例えば、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を用いて、自動化配列決定装置などを用いて、配列決定のためにより小さい断片にポリペプチドを破壊することができる。
【0452】
本発明はまた、本発明に従う核酸、ポリペプチドおよび抗体を用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの新しいアルドラーゼ酵素を探索する方法も提供する。いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の発現に基づく探索のために、ファージミドライブラリーをスクリーニングする。他の実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の発現に基づく探索のために、λファージライブラリーをスクリーニングする。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングは、毒性クローンの検出;改善された基質へのアクセス;宿主を遺伝子操作する必要性の低下、ライブラリーの大量の切り出しから得られる任意の偏りに関する可能性の回避;および低いクローン密度でのより速い増殖を可能にすることができる。ファージまたはファージミドライブラリーのスクリーニングは、液相または固相中にあってもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、液相中でのスクリーニングを提供する。これは、アッセイ条件におけるより高い可撓性;さらなる基質可撓性;弱いクローンに対するより高い感受性;および固相スクリーニング上での自動化の容易性を与える。
【0453】
本発明は、本発明に従うタンパク質および核酸ならびに数千の生物触媒反応および1日あたりなどの短期間でのスクリーニングアッセイの実行、ならびに高レベルの正確性および再現性の確保を可能にするロボット自動化を使用するスクリーニング方法を提供する(以下のアレイの考察を参照)。結果として、誘導体化合物のライブラリーを、約数週間で製造することができる。小分子などの分子の改変に関するさらなる教示については、PCT/US94/09174;米国特許第6,245,547号を参照されたい。
【0454】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うポリペプチドまたは断片を、生化学的富化または精製手順を通して取得する。潜在的に相同なポリペプチドまたは断片の配列を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素アッセイ(以下の実施例3、4および5を参照)、ゲル電気泳動ならびに/またはマイクロ配列決定により決定することができる。本発明に従う有望なポリペプチドまたは断片の配列を、上記の任意のプログラムを用いて、本発明に従うポリペプチド、または少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、もしくは150個以上の連続するアミノ酸のその断片と比較することができる。
【0455】
本発明の別の実施形態は、本発明に従うポリペプチドの酵素機能を保持する、本発明に従う断片または変異体を同定するためのアッセイである。例えば、前記ポリペプチドの断片または変異体を用いて、該断片または変異体が、本発明に従うポリペプチドの酵素活性を保持することを示す、生化学反応を触媒することができる。変異体の断片が、本発明に従うポリペプチドの酵素活性を保持するかどうかを決定するためのアッセイの例は、ポリペプチド断片または変異体を、該ポリペプチド断片または変異体が機能することができる条件下で基質分子と接触させる工程および基質のレベルの減少またはポリペプチドと基質との間の反応の特定の反応生成物のレベルの増加を検出する工程を含む。
【0456】
本発明は、ユニークな触媒特性の酵素を開発する。化学的形質転換における生物触媒(すなわち、精製酵素、もしくは粗酵素、非生細胞もしくは生細胞)の使用は通常、特定の出発化合物と反応する特定の生物触媒の同定を必要とするが、本発明は、小分子などの、多くの出発化合物中に存在する官能基にとって特異的である選択された生物触媒および反応条件を使用する。それぞれの生物触媒は、1個の官能基、またはいくつかの関連する官能基にとって特異的であり、この官能基を含む多くの出発化合物と反応することができる。
【0457】
いくつかの実施形態においては、生物触媒反応は、単一の出発化合物に由来する誘導体の集団を産生する。これらの誘導体を別のラウンドの生物触媒反応にかけて、第2の集団の誘導体化合物を製造することができる。元の小分子または化合物の数千の変異体を、生物触媒誘導体化のそれぞれの反復を用いて製造することができる。
【0458】
酵素は、残りの分子に影響することなく、出発化合物の特定部位で反応するが、そのプロセスは、伝統的な化学的方法を用いて達成することは非常に難しい。この高い程度の生物触媒特異性は、ライブラリー内の単一の活性な化合物を同定するための手段を提供する。このライブラリーは、それを製造するのに用いられる一連の生物触媒反応、いわゆる「生合成履歴」を特徴とする。生物活性のためのライブラリーのスクリーニングおよび生合成履歴の追跡は、活性化合物を産生する特異的反応順序を同定する。この反応順序を繰り返し、合成される化合物の構造を決定する。この様式の同定は、他の合成およびスクリーニング手法と違って、固定技術を必要とせず、実質的に任意の型のスクリーニングアッセイを用いて、溶液中で自由に化合物を合成および試験することができる。官能基上の酵素反応の高い程度の特異性は、生物触媒により産生されるライブラリーを作り上げる特定の酵素反応の「追跡」を可能にすることに留意することが重要である。
【0459】
いくつかの実施形態においては、手順の工程を、数千の生物触媒反応および/または1日あたりのスクリーニングアッセイの実行を可能にし、ならびに高レベルの正確性および再現性を可能にするロボット自動化を用いて実施する。ロボット自動化を用いてアルドラーゼ活性についてスクリーニングして、ポリペプチドが本発明に従う範囲内にあるかどうかを決定することもできる。結果として、いくつかの実施形態においては、誘導体化合物のライブラリーを、「伝統的な」化学または酵素スクリーニング方法を用いて製造する場合は数年かかるところ、数週間で製造することができる。
【0460】
一実施形態においては、本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドまたはその酵素的に活性な断片を、小分子と接触させて、改変された小分子を作製することを含む、小分子を改変する方法を提供する。改変された小分子のライブラリーを試験して、所望の活性を示す、改変された小分子がライブラリー内に存在するかどうかを決定する。ライブラリーの一部を作製するのに用いられる生物触媒反応のそれぞれを体系的に排除した後、所望の活性を有する改変された小分子の存在または非存在について、ライブラリーの一部において産生される小分子を試験することにより、所望の活性の改変された小分子を産生する特異的生物触媒反応を同定する。所望の活性の改変された小分子を産生する特異的生物触媒反応を、必要に応じて繰り返す。各生物触媒が、1個の構造部分もしくは一群の関連する構造部分にとって特異的であり;および各生物触媒が異なる構造部分を含む多くの異なる小分子と反応する、小分子の構造内に認められる異なる構造部分と反応する一群の生物触媒を用いて、この生物触媒反応を行う。
【0461】
HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素シグナル配列、プレプロおよび触媒ドメイン
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素シグナル配列(シグナルペプチド(SP))、プレプロドメインおよび触媒ドメイン(CD)を提供する。本発明に従うSP、プレプロドメインおよび/またはCDは、単離された、合成もしくは組換えペプチドであってよく、またはキメラタンパク質中の異種ドメインなどの融合タンパク質の一部であってよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、これらの触媒ドメイン(CD)、プレプロドメインおよびシグナル配列(本発明に従うポリペプチドのアミノ末端残基を含む/からなる配列を有するペプチドなどのSP)をコードする核酸を提供する。
【0462】
本発明は、本発明に従うポリペプチドなどの、本発明に従うポリペプチドの、残基1〜14、1〜15、1〜16、1〜17、1〜18、1〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜29、1〜30、1〜31、1〜32、1〜33、1〜34、1〜35、1〜36、1〜37、1〜38、1〜40、1〜41、1〜42、1〜43、1〜44、1〜45、1〜46、もしくは1〜47以上に記載の配列からなるか、またはそれを含む単離された、合成または組換えシグナル配列(シグナルペプチドなど)を提供する。以下の表1、実施例4、5および6、ならびに配列表も参照されたい。例えば、上記の表1は、配列番号65などによりコードされる配列番号66に記載の配列を有するポリペプチドなどにおける、本発明に従うシグナル(リーダー)配列の例が、アミノ末端の27残基、または配列番号66の最初の27個のアミノ酸に対応する、MSIVVTKIERAGAAAVAALRTSGVATV(配列番号407)を含む(もしくはそれからなる)シグナル配列を有することを記載している。
【0463】
いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドの最初の14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70個以上のアミノ末端残基を含むシグナル配列を提供する。
【0464】
本発明は、シグナル配列および/もしくはプレプロ配列を有するか、または有さないポリペプチドを含む。いくつかの実施形態においては、本発明は、異種シグナル配列および/またはプレプロ配列を有するポリペプチドを含む。プレプロ配列(異種プレプロドメインとして用いられる本発明に従う配列など)を、タンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端に配置することができる。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う配列を含む、単離された、合成または組換えシグナル配列、プレプロ配列および触媒ドメイン(「活性部位」など)も含む。本発明に従うシグナル配列を含むポリペプチドは、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの別のアルドラーゼ酵素または別の酵素もしくは他のポリペプチドであってよい。「プレプロ」ドメイン配列およびシグナル配列を同定するための方法は、当業界でよく知られており、Van de Ven (1993) Crit. Rev. Oncog. 4(2):115-136を参照されたい。例えば、プレプロ配列を同定するために、前記タンパク質を細胞外スペースから精製し、N末端タンパク質配列を決定し、未処理の形態と比較する。
【0465】
本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素シグナル配列(SP)ならびに/またはプレプロ配列は、単離された、合成もしくは組換えペプチド、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの別のアルドラーゼ酵素または融合(キメラ)タンパク質などの、例えば、非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼなどの非アルドラーゼポリペプチドに連結された配列であってもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素シグナル配列を含むポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素シグナル配列SPならびに/またはプレプロを含むポリペプチドは、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素に対して異種性である配列(本発明に従うSPおよび/もしくはプレプロと、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの別のアルドラーゼ酵素、または、例えば、非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼなどの非アルドラーゼタンパク質に由来する配列とを含む融合タンパク質など)を含む。いくつかの実施形態においては、本発明は、酵母シグナル配列を有する配列などの異種SPおよび/またはプレプロ配列を有する、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を提供する。本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、pPICシリーズベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)などのベクター中の異種SPおよび/またはプレプロを含んでもよい。
【0466】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うSPおよび/またはプレプロ配列を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの新規アルドラーゼポリペプチドの同定に従って同定する。タンパク質が選別され、その適切な細胞の位置に輸送される経路は、タンパク質標的化経路と呼ばれることが多い。これらの標的化系の全部において最も重要なエレメントの1つは、シグナル配列と呼ばれる、新しく合成されたポリペプチドのアミノ末端にある短いアミノ酸配列である。このシグナル配列は、タンパク質を細胞中のその好適な位置に指向させ、輸送中または該タンパク質がその最終的な目的地に到達した場合に除去される。多くのリソソーム、膜、または分泌されるタンパク質は、小胞体の内腔にそれらを転座させるアミノ末端シグナル配列を有する。このシグナル配列は、長さ約10〜65個以上のアミノ酸残基で変化してもよい。シグナル配列の認識の様々な方法が、当業者には公知である。例えば、いくつかの実施形態においては、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの新規アルドラーゼ酵素シグナルペプチドを、SignalPと呼ばれる方法により同定する。SignalPは、シグナルペプチドとその切断部位の両方を認識する混合神経ネットワークを使用する(Nielsen (1997)「原核生物および真核生物のシグナルペプチドの同定と、その切断部位の予測(Identification of prokaryotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites)」、Protein Engineering 10:1-6)。
【0467】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、SPおよび/またはプレプロ配列もしくは「ドメイン」を有さない。いくつかの実施形態においては、本発明は、SPおよび/またはプレプロドメインの全部もしくは一部を欠く、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの異なるアルドラーゼ酵素の核酸配列に機能し得る形で連結されたHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの1種のアルドラーゼ酵素に由来するシグナル配列(SP)および/またはプレプロをコードする核酸配列を提供するか、または必要に応じて、非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼなどの非アルドラーゼタンパク質に由来するシグナル配列(SP)および/またはプレプロドメインが望ましい。
【0468】
本発明はまた、本発明に従うシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)と、異種配列とを含む単離された、合成または組換えポリペプチドも提供する。この異種配列は、SP、プレプロドメインおよび/またはCDと天然では結合しない配列(酵素などに)である。SP、プレプロドメインおよび/またはCDが天然には結合しない配列は、SP、プレプロドメインおよび/もしくはCDのアミノ末端、カルボキシ末端、ならびに/またはSPおよび/もしくはCDの両末端上にあってもよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、それが天然に結合する任意の配列(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素配列など)と結合しないという条件で、本発明に従うシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)を含むポリペプチドを含む(もしくはそれからなる)単離された、合成または組換えポリペプチドを提供する。同様に、いくつかの実施形態においては、本発明は、これらのポリペプチドをコードする単離された、合成または組換え核酸を提供する。かくして、いくつかの実施形態においては、本発明に従う単離された、合成または組換え核酸は、本発明に従うシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)をコードする配列と、異種配列(すなわち、本発明に従うシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/または触媒ドメイン(CD)と天然には結合しない配列)とを含む。この異種配列は、SP、プレプロドメインおよび/もしくはCDをコードする配列の3'末端、5'末端、ならびに/またはその両方の末端上にあってもよい。
【0469】
HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのハイブリッド(キメラ)アルドラーゼ酵素ならびにペプチドライブラリー
いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従う配列を含む、ペプチドライブラリーなどの、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのハイブリッドアルドラーゼ酵素ならびに融合タンパク質を提供する。本発明に従うペプチドライブラリーを用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼの酵素基質、受容体、酵素などの標的のペプチド調節因子(活性化因子または阻害因子など)を単離することができる。本発明に従うペプチドライブラリーを用いて、サイトカイン、ホルモンなどのリガンドなどの標的の正式な結合パートナーを同定することができる。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うシグナル配列(SP)、プレプロドメインおよび/もしくは触媒ドメイン(CD)またはその組合せと、異種配列(上記参照)とを含むキメラタンパク質を提供する。
【0470】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う融合タンパク質(ペプチド部分など)のコンフォメーションを安定させて(線状ペプチドに関して)、標的に対するより高い結合親和性を可能にする。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素と、公知かつ無作為なペプチドなどの他のペプチドとの融合物を提供する。それらを、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の構造が有意に摂動せず、該ペプチドが代謝的または構造コンフォメーション的に安定化するような様式で融合させることができる。これにより、細胞内でのその存在およびその量の両方について容易にモニターされるペプチドライブラリーの作製が可能になる。
【0471】
本発明に従うアミノ酸配列変異体は、所定の性質の変異、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素配列の対立遺伝子多型または種間多型などの、天然形態とは別に設定される特性を特徴としてもよい。いくつかの実施形態においては、本発明に従う変異体は、天然の類似体と同質の生物活性を示す。あるいは、この変異体を、改変された特徴を有するものについて選択することができる。いくつかの実施形態においては、アミノ酸配列変異を導入するための部位または領域は所定のものであるが、突然変異自体は所定のものである必要はない。例えば、所与の部位での突然変異の性能を最適化するために、標的コドンまたは領域で無作為突然変異誘発を行って、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの発現されたアルドラーゼ酵素変異体を所望の活性の最適な組合せについてスクリーニングすることができる。公知の配列を有するDNA中の所定の部位に置換突然変異を作製するための技術は、本明細書で考察されるように、よく知られており、例えば、M13プライマー突然変異誘発およびPCR突然変異誘発などが挙げられる。突然変異体のスクリーニングを、炭素-炭素結合の形成または切断のアッセイなどを用いて行うことができる。他の実施形態においては、アミノ酸置換は1個の残基であってもよい;挿入は約1〜20個のアミノ酸の規模であってよいが、かなりより大きい挿入を行うこともできる。欠失は、約1〜約20、30、40、50、60、70残基以上の範囲であってよい。最適な特性を有する最終的な誘導体を得るために、置換、欠失、挿入またはその任意の組合せを用いることができる。一般的には、これらの変更を、2〜3個のアミノ酸上で行って、分子の変化を最小化する。しかしながら、特定の環境下では、より大きい変更も許容される。
【0472】
本発明は、ポリペプチド主鎖の構造、α-ヘリックスもしくはβ-シート構造などの二次または三次構造が改変された、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を提供する。いくつかの実施形態においては、電荷または疎水性を改変する。いくつかの実施形態においては、側鎖のかさ高さを改変する。機能または免疫学的同一性における実質的な変化を、あまり保存的ではない置換を選択することにより作製する。例えば、変化の領域中のポリペプチド主鎖の構造、例えば、α-ヘリックスもしくはβ-シート構造;活性部位にあってよい分子の電荷もしくは疎水性部位;または側鎖により有意に影響する置換を作製することができる。いくつかの実施形態においては、本発明は、(a)セリルもしくはトレオニルなどの親水性残基を、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルもしくはアラニルなどの疎水性残基に(もしくはそれにより)置換する;(b)システインもしくはプロリンを、任意の他の残基に(もしくはそれにより)置換する;(c)リジル、アルギニル、もしくはヒスチジルなどの陽性側鎖を有する残基を、グルタミルもしくはアスパルチルなどの陰性残基に(もしくはそれにより)置換する;または(d)フェニルアラニンなどのかさ高い側鎖を有する残基を、グリシンなどの側鎖を有さないものに(もしくはそれにより)置換する、本発明に従うポリペプチドにおける置換を提供する。この変異体は、同質の生物活性(すなわち、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性など)を示してもよいが、変異体を選択して、必要に応じてHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の特性を改変することができる。
【0473】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、エピトープもしくは精製タグ、シグナル配列または他の融合配列などを含む。いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を、ランダムペプチドに融合させて、融合ポリペプチドを形成させることができる。本明細書に記載の「融合された」または「機能し得る形で連結された」とは、ランダムペプチドと、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素とを、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素構造の安定性の崩壊を最小化して、それがHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を保持するような様式で一緒に連結することを意味する。同様に、融合ポリペプチド(または融合ポリペプチドをコードする融合ポリヌクレオチド)は、複数のループに複数のペプチドなどのさらなる成分を含んでもよい。
【0474】
いくつかの実施形態においては、前記ペプチドおよびそれらをコードする核酸を無作為化し、完全に無作為化するか、またはそれらを、全体的に、もしくは位置あたりのヌクレオチド/残基頻度などのそれらの無作為化において偏らせる。「無作為化された」とは、それぞれの核酸およびペプチドが、それぞれ、本質的に無作為のヌクレオチドおよびアミノ酸からなることを意味する。いくつかの実施形態においては、前記ペプチドを生じる核酸を、化学的に合成することができ、かくして、それらは任意の位置に任意のヌクレオチドを含んでもよい。かくして、前記核酸を発現させてペプチドを形成させる場合、任意のアミノ酸残基を任意の位置に組み込むことができる。合成プロセスを設計して、無作為化された核酸を生成し、該核酸の長さに渡って、全部もしくは多くの可能な組合せの形成を可能にして、かくして無作為化された核酸のライブラリーを形成することができる。このライブラリーは、所望の応答を示す1種以上の細胞を提供するのに確率的に十分な範囲の細胞応答に影響する無作為化された発現産物の十分に構造的に多様な集団を提供することができる。かくして、本発明は、少なくとも1個のライブラリーメンバーが、いくつかの分子、タンパク質、または他の因子に対する親和性を該ライブラリーに与える構造を有するような、十分な大きさの相互作用ライブラリーを提供する。
【0475】
いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、シグナルペプチド、炭水化物結合分子、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素触媒ドメイン、リンカーならびに/または別の触媒ドメインを含むマルチドメイン酵素である。
【0476】
本発明は、生物学的に活性なハイブリッドポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのハイブリッドアルドラーゼ酵素など)をコードし得るキメラポリペプチドを作製するための方法および配列を提供する。いくつかの実施形態においては、元のポリヌクレオチド(本発明に従う核酸など)は、生物学的に活性なポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態においては、本発明に従う方法は、得られるハイブリッドポリヌクレオチドが、元の生物学的に活性なポリペプチド(本発明に従うアルドラーゼもしくは抗体など)から誘導されるが、それとは異なる活性を示すポリペプチドをコードするように、元のポリヌクレオチドの配列を組み込む細胞プロセスを利用することにより、新しいハイブリッドポリペプチドを製造する。例えば、元のポリヌクレオチドは、異なる微生物に由来するか、またはそれに見出される特定の酵素(アルドラーゼなど)をコードしてもよい。1種の生物もしくは変異体に由来する第1のポリヌクレオチドによりコードされる酵素は、例えば、高い塩分などの、特定の環境条件下で効率的に機能し得る。異なる生物もしくは変異体に由来する第2のポリヌクレオチドによりコードされる酵素は、極端な高温などの、異なる環境条件下で効率的に機能し得る。その第1および第2の元のポリヌクレオチドに由来する配列を含むハイブリッドポリヌクレオチドは、元のポリヌクレオチドによりコードされる両酵素の特性を示す酵素をコードし得る。かくして、本発明に従うハイブリッドポリヌクレオチドによりコードされる酵素は、高い塩分および極端な温度などの、第1および第2のポリヌクレオチドによりコードされるそれぞれの酵素により共有される環境条件下で効率的に機能することができる。
【0477】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う方法により作製されるハイブリッドポリペプチドは、元の酵素においては示されない特殊な酵素活性を示してもよい。例えば、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドの組換えおよび/または還元的再集合の後、ハイブリッドポリヌクレオチドによりコードされる得られるハイブリッドポリペプチドを、それぞれの元の酵素から得られる、ヒドロラーゼ、ペプチダーゼ、ホスホリラーゼ活性などの、非HMGおよび/もしくは非KHGアルドラーゼなどの非ピルビン酸アルドラーゼなどの特殊な非アルドラーゼ酵素活性についてスクリーニングすることができる。いくつかの実施形態においては、ハイブリッドポリペプチドをスクリーニングして、ハイブリッドポリペプチドが機能する温度、pHまたは塩濃度などの、元の親ポリペプチドからハイブリッドポリペプチドを識別するそれらの化学的官能性を確認する。
【0478】
いくつかの実施形態においては、本発明は、生物学的に活性なハイブリッドポリペプチドを製造し、
1)少なくとも第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドが、部分的配列相同性の少なくとも1個の領域を共有する、機能し得る形で連結された少なくとも第1のポリヌクレオチドと、機能し得る形で連結された第2のポリヌクレオチドとを、好適な宿主細胞に導入すること;
2)機能し得る形で連結されたハイブリッドポリヌクレオチドをもたらす配列再組織化を促進する条件下で該宿主細胞を増殖させること;
3)ハイブリッドポリヌクレオチドによりコードされるハイブリッドポリペプチドを発現させること;
4)増強された生物学的活性の同定を促進する条件下でハイブリッドポリペプチドをスクリーニングすること;および
5)ハイブリッドポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離すること、
により増強された活性についてそのようなポリペプチドをスクリーニングする方法に関する。
【0479】
アルドラーゼ酵素の単離および探索
本発明は、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素ならびにそれらをコードする核酸を単離および探索する方法を提供する。ポリヌクレオチドもしくは酵素を、個々の生物 (「単離物」)、規定の培地中で増殖させた生物の集合(「富化培養物」)、または未培養の生物(「環境サンプル」)から単離することができる。生物を、in vivoバイオパンニングなどにより単離することができる(以下の考察を参照)。環境サンプルから新規生物活性をコードするポリヌクレオチドを誘導する培養物非依存的手法の使用は、生物多様性の未開発の資源を評価することが可能になるため、それが最も好ましい。ポリヌクレオチドまたは酵素を、細菌などの多くの生物のいずれか1種から単離することもできる。全細胞に加えて、ポリヌクレオチドまたは酵素を、細菌などの、これらの生物の培養物から誘導された粗酵素調製物から単離することもできる。
【0480】
「環境ライブラリー」を環境サンプルから作製し、それは、好適な原核生物宿主中で増殖することができるクローニングベクター中で達成された天然の生物の集合的ゲノムを発現する。クローニングされたDNAは、最初は環境サンプルから直接的に抽出されるため、前記ライブラリーは、純粋な培養物中で増殖させることができる少量の原核生物に制限されない。さらに、これらのサンプル中に存在する環境DNAの正規化により、元のサンプル中に存在する全ての種に由来するDNAのより等しい発現が可能になる。これは、優性種と比較して、数桁分過少発現され得るサンプルの少ない構成要素から興味深い遺伝子を発見する効率を劇的に増加させることができる。
【0481】
いくつかの実施形態においては、1種以上の未培養の微生物から作製された遺伝子ライブラリーを、目的の活性についてスクリーニングする。目的の生物活性分子をコードする潜在的な経路を、遺伝子発現ライブラリーの形態で原核細胞中で最初に捕捉する。いくつかの実施形態においては、目的の活性をコードするポリヌクレオチドを、そのようなライブラリーから単離し、宿主細胞中に導入する。この宿主細胞を、新規活性もしくは増強された活性を有する潜在的に活性な生物分子を作製する組換えおよび/または還元的再集合を促進する条件下で増殖させる。
【0482】
in vivoバイオパンニングを、FACSに基づく機械、および非光学(磁気など)に基づく機械を用いて実施することができる。いくつかの実施形態においては、転写されるRNAを安定化するエレメントを含むベクターを用いて、複雑な遺伝子ライブラリーを構築する。例えば、RNAの転写される領域にフランキングするように設計されたヘアピンなどの二次構造をもたらす配列の含有は、その安定性を増強するのに役立ち、かくして、細胞内でのその半減期を増加させることができる。バイオパンニングプロセスにおいて用いられるプローブ分子は、標的分子へのプローブの結合に際してのみ蛍光を発する受容体分子を用いて標識されたオリゴヌクレオチドからなる。これらのプローブを、いくつかの形質転換方法の1つを用いて、ライブラリーに由来する組換え細胞中に導入する。このプローブ分子は、転写された標的mRNAに結合し、DNA/RNAヘテロ二本鎖分子をもたらす。標的へのプローブの結合は、スクリーニングプロセスの間にFACS機械により検出および選別される蛍光シグナルをもたらすであろう。
【0483】
いくつかの実施形態においては、サブクローニングを行って、目的の配列をさらに単離する。サブクローニングにおいては、DNAの一部を増幅し、一般的には、制限酵素により消化して、所望の配列を切り出し、その所望の配列をレシピエントベクター中に連結し、増幅する。サブクローニング中の各工程で、その部分を目的の活性について試験して、構造タンパク質をコードするDNAが排除されなかったことを確保する。例えば、ゲル電気泳動の後、ベクターに連結することにより、サブクローニングの任意の段階で挿入物を精製するか、またはレシピエントベクターを含む細胞およびレシピエントベクターを含まない細胞を、例えば、レシピエントベクターを含まない細胞を殺傷することができる抗生物質を含む選択培地に入れることができる。cDNA挿入物をベクター中にサブクローニングする特定の方法は当業界でよく知られている(Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))。他の実施形態においては、本発明に従う酵素は、サブクローンである。そのようなサブクローンは、例えば、長さ、突然変異、タグまたは標識により、親クローンとは異なってもよい。
【0484】
前記ポリヌクレオチドを探索、単離または調製することができる微生物としては、真性細菌(Eubacteria)および古細菌(Archaebacteria)などの原核微生物ならびに菌類、いくつかの藻類および原生動物などの下等な真核微生物が挙げられる。核酸を、生物を増殖させることなく回収するか、もしくは1種以上の培養された生物から回収することができる場合、ポリヌクレオチドを環境サンプルから探索、単離または調製することができる。いくつかの実施形態においては、そのような微生物は、超好熱菌、好冷菌、低温菌、好塩菌、好圧菌および好酸菌などの極限微生物であってよい。極限微生物から単離された酵素をコードするポリヌクレオチドを用いることができる。本発明の酵素は、陸地の温泉および深海の温泉口に認められるものなどの、100℃を超える温度、または北極の水に認められるものなどの、0℃未満の温度で、死海に認められるものなどの飽和した塩環境中で、石炭鉱床および地熱硫黄泉に認められるものなどの0付近のpH値で、または下水スラッジに認められるものなどの、11より高いpH値で機能することができる。いくつかの実施形態においては、本発明に従う酵素は、広範囲の温度およびpHを通して高い活性を有する。
【0485】
上記に記載のように選択および単離されたポリヌクレオチドを、好適な宿主細胞に導入する。好適な宿主細胞は、組換えおよび/または還元的再集合を促進することができる任意の細胞である。いくつかの実施形態においては、選択されたポリヌクレオチドは、既に好適な制御配列を含むベクター中にある。前記宿主細胞は、哺乳動物細胞などの高等真核細胞、もしくは酵母細胞などの下等真核細胞であってよく、またはいくつかの実施形態においては、前記宿主細胞は、細菌細胞などの原核細胞であってよい。宿主細胞中への前記構築物の導入を、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストランを介するトランスフェクション、またはエレクトロポレーションにより行うことができる。
【0486】
宿主の例としては、大腸菌、ストレプトミセス、サルモネラ・ティフィミリウムなどの細菌細胞;酵母などの菌類細胞;ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9などの昆虫細胞;CHO、COSもしくはBowesメラノーマなどの動物細胞;アデノウイルス;ならびに植物細胞などが挙げられる;上記の考察を参照されたい。好適な宿主の選択は、本明細書に記載の教示から、当業者の技術の範囲内にあると考えられる。
【0487】
様々な哺乳動物細胞培養系を用いて、組換えタンパク質を発現させることができる;哺乳動物発現系の例としては、「SV40により形質転換されたサル細胞は初期SV40突然変異体の複製を支援する(SV40-transformed simian cells support the replication of early SV40 mutants)」(Gluzman, 1981)に記載のサル腎臓線維芽細胞のCOS-7系ならびに、例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系などの適合可能なベクターを発現することができる他の細胞系が挙げられる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、好適なプロモーターおよびエンハンサーならびにまた任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与体および受容体部位、転写終結配列および5'フランキング非転写配列を含んでもよい。SV40スプライスおよびポリアデニル化部位から誘導されたDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
【0488】
他の実施形態においては、本発明に従う核酸、ポリペプチドおよび方法を、生化学経路において用いるか、またはこれらを用いて、1個以上のオペロンもしくは遺伝子クラスターまたはその一部に由来する生化学経路をコードする新規ポリヌクレオチドを作製する。例えば、細菌および多くの真核生物は、遺伝子の産物が関連するプロセスに関与する該遺伝子を調節するための協働機構を有する。この遺伝子は、単一の染色体上に「遺伝子クラスター」と呼ばれる構造中でクラスター化し、クラスター全体の転写を開始する単一のプロモーターなどの、単一の調節配列の制御下で一緒に転写される。かくして、遺伝子クラスターは、通常はその機能に関して、同一であるか、または関連する隣接遺伝子の群である(遺伝子クラスターによりコードされた生化学経路の例は、ポリケチドである)。
【0489】
いくつかの実施形態においては、遺伝子クラスターDNAを、異なる生物から単離し、連結された遺伝子クラスターからの検出可能なタンパク質またはタンパク質に関連するアレイの活性の産生を制御および調節することができる発現調節配列を含むベクターなどの、ベクター中に連結する。外因性DNA導入に関する例外的に大きい能力を有するベクターの使用は、そのような遺伝子クラスターを用いる使用にとって好適であり、例えば、本明細書に記載されており、大腸菌のf因子(または稔性因子)が挙げられる。大腸菌のこのf因子は、コンジュゲーションの間の自身の高頻度の移動に影響するプラスミドであり、混合微生物サンプルに由来する遺伝子クラスターなどの、大きいDNA断片を達成し、安定に増殖することが理想的である。一実施形態においては、「フォスミド」と呼ばれるクローニングベクターまたは細菌人工染色体(BAC)ベクターを用いる。これらは、ゲノムDNAの大きい断片を安定に取り込むことができる大腸菌f因子から誘導されたものである。混合された未培養の環境サンプルに由来するDNAを組み込んだ場合、これにより安定な「環境DNAライブラリー」の形態の大きいゲノム断片を達成することが可能となる。本発明における使用のための別の型のベクターは、コスミドベクターである。コスミドベクターは元々、ゲノムDNAの大きい断片をクローニングおよび増殖するために設計されたものである。コスミドベクターへのクローニングは、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に詳細に記載されている。一度、好適なベクター中に連結されたら、異なるポリケチド合成酵素遺伝子クラスターを含む2個以上のベクターを、好適な宿主細胞中に導入することができる。この遺伝子クラスターにより共有される部分的配列相同性の領域は、ハイブリッド遺伝子クラスターをもたらす配列再組織化をもたらすプロセスを促進するであろう。次いで、新規ハイブリッド遺伝子クラスターを、元の遺伝子クラスターには認められない増強された活性についてスクリーニングすることができる。
【0490】
様々な酵素活性をスクリーニングするための方法は、当業者には公知であり、本明細書を通して考察されている。以下の実施例1、2および3を参照されたい。本発明に従うポリペプチドおよびポリヌクレオチドを単離する場合、そのような方法を用いることができる。
【0491】
いくつかの実施形態においては、本発明は、全細胞手法(以下の考察を参照されたい)を用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ、またはこれらの酵素の活性を改変するための化合物を探索および単離する方法を提供する。ゲノムDNAライブラリーから、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼをコードする推定クローンをスクリーニングすることができる。
【0492】
スクリーニング方法および「オンライン」モニタリング装置
本発明に従う方法の実施においては、様々な装置および方法を、本発明に従うポリペプチドおよび核酸と共に用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素のポリペプチドの活性をスクリーニングし、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性の活性化因子もしくは阻害因子などの潜在的な調節因子としての化合物をスクリーニングし、本発明に従うポリペプチドに結合する抗体についてスクリーニングし、本発明に従う核酸にハイブリダイズする核酸についてスクリーニングし、本発明に従うポリペプチドを発現する細胞についてスクリーニングすることなどができる。スクリーニングサンプルについて以下に詳細に記載されるアレイ形式に加えて、代替的な形式を用いて、本発明に従う方法を実施することもできる。そのような形式としては、例えば、質量分析装置、高効率HPLCおよび他の形式の液体クロマトグラフィーなどのクロマトグラフ、ならびに1536穴プレート、384穴プレートなどのより小さい形式が挙げられる。高効率スクリーニング装置を適合させ、これを用いて本発明に従う方法を実施することができる。米国特許出願第20020001809号; 第20050272044号を参照されたい。
【0493】
キャピラリーアレイ
本発明に従う核酸またはポリペプチドを、アレイに固定するか、または適用することができる。アレイを用いて、本発明に従う核酸もしくはポリペプチドに結合するか、またはその活性を調節する能力について、組成物のライブラリー(小分子、抗体、核酸など)についてスクリーニングするか、またはそれをモニターすることができる。GIGAMATRIX(商標)、Diversa Corporation, San Diego, CAなどのキャピラリーアレイ;および米国特許出願第20020080350 A1号; WO 0231203 A; WO 0244336 Aなどに記載のアレイは、サンプルを保持し、スクリーニングするための代替的な装置を提供する。いくつかの実施形態においては、キャピラリーアレイは、隣接するキャピラリーのアレイ中に形成された複数のキャピラリーを含み、各キャピラリーは、サンプルを保持するための内腔を規定する少なくとも1個の壁を含む。この内腔は、その壁が液体またはサンプルの保持のための内腔を形成する限り、円筒形、四角形、六角形または任意の他の幾何学的形状であってよい。キャピラリーアレイのキャピラリーを、近い位置に一緒に保持して、平面構造を形成させることができる。並べて融合(キャピラリーがガラス製である場合など)、接着、結合、または固定することにより、キャピラリーを一緒に結合することができる。さらに、キャピラリーアレイは、アレイ中の隣接するキャピラリーの間に廃棄され、それによって、複数の通過穴を含む固相平面装置を形成する、間隙物質を含んでもよい。
【0494】
キャピラリーアレイを、任意の数の個々のキャピラリー、例えば、100個〜4,000,000個のキャピラリーから形成させることができる。さらに、約100,000個以上の個々のライブラリーを有するキャピラリーアレイを、標準的な研究用装置への固定のために標準的なサイズおよび形状のMicrotiter(登録商標)プレート中で形成させることができる。毛細管作用を用いて、または細い針を用いるマイクロインジェクションを用いて、内腔を手動もしくは自動で充填する。続いて、さらなる分析または特性評価のために、目的のサンプルを個々のキャピラリーから除去することができる。例えば、細い、針のようなプローブを、選択されたキャピラリーとの液体連絡中に配置して、内腔に材料を添加するか、またはそこから材料を引き出す。
【0495】
シングルポットスクリーニングアッセイにおいては、アッセイ成分を混合して、目的の溶液を得た後、キャピラリーアレイに挿入する。アレイの少なくとも一部を目的の溶液中に浸す場合、毛細管作用により内腔を充填する。それぞれのキャピラリー中での化学的もしくは生物学的反応および/または活性を、検出可能な事象についてモニターする。検出可能な事象は「ヒット」と呼ばれることが多く、通常は、視覚的検出により、「非ヒット」をもたらすキャピラリーから識別することができる。かくして、キャピラリーアレイにより、「ヒット」の大量の平行検出が可能になる。
【0496】
マルチポットスクリーニングアッセイにおいては、リガンドなどの、ポリペプチドまたは核酸を、第1の成分に導入し、これをキャピラリーアレイの少なくとも一部のキャピラリーに導入することができる。次いで、気泡を、第1の成分の後ろのキャピラリー中に導入することができる。次いで、第2の成分をキャピラリー中に導入し、第2の成分を気泡により第1の成分から分離することができる。次いで、キャピラリーアレイの両側に静水圧を印加して気泡を壊すことにより、第1および第2の成分を混合する。次いで、キャピラリーアレイを、2つの成分の反応または非反応をもたらす検出可能な事象についてモニターする。
【0497】
結合スクリーニングアッセイにおいては、目的のサンプルを、検出可能な粒子で標識された第1の液体として、キャピラリーの内腔を、検出可能な粒子を内腔に結合させるための結合材料でコーティングした、キャピラリーアレイのキャピラリーに導入することができる。次いで、第1の液体を、結合した検出可能な粒子がキャピラリー内に維持されたキャピラリー管から除去し、第2の液体を、該キャピラリー管に導入することができる。次いで、キャピラリーを、前記粒子と第2の液体との反応または非反応から得られる検出可能な事象についてモニターする。
【0498】
アレイ、または「バイオチップ」
本発明に従う核酸またはポリペプチドを、アレイに固定するか、またはそれに適用することができる。アレイを用いて、本発明に従う核酸もしくはポリペプチドに結合するか、またはその活性を調節する能力について、組成物(小分子、抗体、核酸など)のライブラリーをスクリーニングするか、またはそれをモニターすることができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態においては、モニターされるパラメーターは、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素遺伝子の転写発現である。細胞の転写物、または細胞の転写物を代表するか、もしくはそれと相補的である核酸を含むサンプルのハイブリダイゼーションにより、アレイ、もしくは「バイオチップ」上の固定された核酸へのハイブリダイゼーションにより、細胞の転写物の1種以上、または全部を測定することができる。マイクロチップ上の核酸の「アレイ」を用いることにより、細胞の転写物のいくつか、または全部を、同時に定量することができる。あるいは、ゲノム核酸を含むアレイを用いて、本発明に従う方法により作製された新しく遺伝子操作された株の遺伝子型を決定することもできる。「ポリペプチドアレイ」を用いて、複数のタンパク質を同時に定量することもできる。本発明を、「マイクロアレイ」もしくは「核酸アレイ」もしくは「ポリペプチドアレイ」もしくは「抗体アレイ」もしくは「バイオチップ」とも呼ばれる任意の公知の「アレイ」またはその変形を用いて実施することができる。アレイは、一般的には複数の「スポット」またはそれぞれの標的エレメントが、mRNA転写物などのサンプル分子への特異的結合のために、基質表面の規定の領域上に固定された、オリゴヌクレオチドなどの規定量の1種以上の生物学的分子を含む「標的エレメント」である。
【0499】
本明細書で用いられる用語「アレイ」または「マイクロアレイ」または「バイオチップ」または「チップ」は、それぞれの標的エレメントが、以下にさらに詳細に考察されるような、基質表面の規定の領域上に固定された規定量の1種以上のポリペプチド(抗体など)または核酸を含む、複数の標的エレメントである。
【0500】
本発明に従う方法の実施においては、任意の公知のアレイならびに/またはアレイを作製および使用する方法を、例えば、米国特許第6,277,628号; 第6,277,489号; 第6,261,776号; 第6,258,606号; 第6,054,270号; 第6,048,695号; 第6,045,996号; 第6,022,963号; 第6,013,440号; 第5,965,452号; 第5,959,098号; 第5,856,174号; 第5,830,645号; 第5,770,456号; 第5,632,957号; 第5,556,752号; 第5,143,854号; 第5,807,522号; 第5,800,992号; 第5,744,305号; 第5,700,637号; 第5,556,752号; 第5,434,049号に記載のように、全部もしくは一部、またはその変形に組み入れることができる; WO 99/51773; WO 99/09217; WO 97/46313; WO 96/17958なども参照されたい。; Johnston (1998) Curr. Biol. 8:R171-R174; Schummer (1997) Biotechniques 23:1087-1092; Kern (1997) Biotechniques 23:120-124; Solinas-Toldo (1997) Genes, Chromosomes & Cancer 20:399-407; Bowtell (1999) Nature Genetics Supp. 21:25-32なども参照されたい。また、公開された米国特許出願第20010018642号; 第20010019827号; 第20010016322号; 第20010014449号; 第20010014448号; 第20010012537号; 第20010008765号も参照されたい。
【0501】
抗体および抗体に基づくスクリーニング方法
本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素に特異的に結合する単離された、合成または組換え抗体を提供する。これらの抗体を用いて、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素または関連するポリペプチドを単離、同定または定量することができる。これらの抗体を用いて、本発明の範囲内の他のポリペプチドまたはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの他の関連するアルドラーゼ酵素を単離することができる。この抗体を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の活性部位に結合するように設計することができる。かくして、本発明は、本発明に従う抗体を用いて、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を阻害する方法を提供する(本発明に従う抗HMGおよび/もしくは抗KHGアルドラーゼなどの抗ピルビン酸アルドラーゼなどの抗アルドラーゼ酵素組成物の適用に関しては、上記の考察を参照されたい)。
【0502】
用語「抗体」は、抗原もしくはエピトープに特異的に結合することができる、免疫グロブリン遺伝子(複数も可)、もしくはその断片から誘導され、その後にモデリングされ、またはそれにより実質的にコードされるペプチドもしくはポリペプチドを含む。Fundamental Immunology、第3版、W.E. Paul(編)、Raven Press, N.Y. (1993); Wilson (1994) J. Immunol. Methods 175:267-273; Yarmush (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85-97を参照されたい。用語「抗体」は、抗原結合部分、すなわち、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価フラグメントであるFabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2個のFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab')2フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント;(v)VHドメインからなるdAbフラグメント(Wardら、(1989) Nature 341:544-546);ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)などの、抗原に結合する能力を保持する「抗原結合部位」(断片、サブ配列、相補性決定領域(CDR)など)を含む。一本鎖抗体も、用語「抗体」における参照により含まれる。
【0503】
本発明は、本発明に従うポリペプチドの免疫原性断片(サブ配列など)などの本発明に従う酵素の断片を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うポリペプチドもしくはペプチドを含む組成物およびアジュバントもしくは担体などを提供する。
【0504】
前記抗体を、免疫沈降、染色、免疫親和性カラムなどにおいて用いることができる。必要に応じて、特異的抗原をコードする核酸配列を、免疫した後、ポリペプチドもしくは核酸を単離し、増幅もしくはクローニングし、本発明に従うアレイ上にポリペプチドを固定することにより作製することができる。あるいは、本発明に従う方法を用いて、改変しようとする細胞により産生される抗体の構造を改変することができ、例えば、抗体の親和性を増加させるか、または低下させることができる。さらに、抗体を作製するか、または改変する能力は、本発明に従う方法により細胞中に遺伝子操作された表現型であってよい。
【0505】
免疫化の方法、抗体(ポリクローナルおよびモノクローナル)を産生および単離する方法は、当業者には公知であり、科学文献および特許文献に記載されている。Coligan, CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY, Wiley/Greene, NY (1991); Stites (編) BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY (第7版) Lange Medical Publications, Los Altos, CA (“Stites”); Goding, MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND PRACTICE (第2版) Academic Press, New York, NY (1986); Kohler (1975) Nature 256:495; Harlow (1988) ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Publications, New Yorkを参照されたい。抗体を、動物を用いる伝統的なin vivo方法に加えて、組換え抗体結合部位を発現するファージ展示ライブラリーなどを用いてin vitroで作製することもできる。Hoogenboom (1997) Trends Biotechnol. 15:62-70; Katz (1997) Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45を参照されたい。
【0506】
本発明に従うポリペプチドまたは少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150個の連続するアミノ酸を含むその断片を用いて、該ポリペプチドまたは断片に特異的に結合する抗体を作製することもできる。得られる抗体を免疫親和性クロマトグラフィー手順において用いて、該ポリペプチドを単離もしくは精製するか、または該ポリペプチドが生物学的サンプル中に存在するかどうかを決定することができる。そのような手順においては、抽出物などのタンパク質調製物、または生物学的サンプルを、本発明に従うポリペプチドの1つ、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150個の連続するアミノ酸を含むその断片に特異的に結合することができる抗体と接触させる。
【0507】
免疫親和性手順においては、抗体を、ビーズまたは他のカラムマトリックスなどの固相支持体に結合させる。タンパク質調製物を、抗体が本発明に従うポリペプチドの1つ、またはその断片に特異的に結合する条件下で該抗体と接触させる。非特異的に結合したタンパク質を除去するために洗浄した後、特異的に結合したポリペプチドを溶出させる。
【0508】
抗体に結合する生物学的サンプル中のタンパク質の能力を、当業者には公知の任意の様々な手順を用いて決定することができる。例えば、蛍光剤、酵素標識、または放射標識などの検出可能な標識を用いて抗体を標識することにより、結合を決定することができる。あるいは、サンプルへの抗体の結合を、その上に検出可能な標識を有する二次抗体を用いて検出することができる。具体的なアッセイとしては、ELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、ラジオイムノアッセイおよびウェスタンブロットが挙げられる。
【0509】
本発明に従うポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150個の連続するアミノ酸を含むその断片に対して生成されたポリクローナル抗体を、動物中への該ポリペプチドの直接的注入または動物、例えば、非ヒトへの該ポリペプチドの投与により取得することができる。そのように得られた抗体は、前記ポリペプチド自体を結合することができる。この様式で、該ポリペプチドの断片のみをコードする配列でさえ用いて、全天然ポリペプチドに結合し得る抗体を作製することができる。次いで、そのような抗体を用いて、そのポリペプチドを発現する細胞から該ポリペプチドを単離することができる。
【0510】
モノクローナル抗体の調製のためには、連続的細胞系培養物により産生された抗体を提供する任意の技術を用いることができる。例としては、ハイブリドーマ技術(KohlerおよびMilstein, Nature, 256:495-497, 1975)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、Immunology Today 4:72, 1983)およびEBV-ハイブリドーマ技術(Coleら、1985, Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96)が挙げられる。
【0511】
一本鎖抗体の製造のために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を適合させて、本発明に従うポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150個の連続するアミノ酸を含むその断片に対する一本鎖抗体を製造することができる。あるいは、トランスジェニックマウスを用いて、これらのポリペプチドまたはその断片に対するヒト化抗体を発現させることができる。
【0512】
本発明に従うポリペプチド、または少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100もしくは150個の連続するアミノ酸を含むその断片に対して生成された抗体を、他の生物およびサンプルに由来する同様のポリペプチドについてスクリーニングするのに用いることができる。そのような技術においては、前記生物に由来するポリペプチドを、前記抗体と接触させ、該抗体に特異的に結合するポリペプチドを検出する。上記の手順のいずれかを用いて、抗体結合を検出することができる。1つのそのようなスクリーニングアッセイは、Shulman H, Eberhard A, Eberhard C, Ulitzur S, Keinan E, Bioorg Med Chem Lett. 2000 Oct 16;10(20):2353-6,「発光性細菌による抗体触媒作用の感度が高く迅速な検出(Highly sensitive and rapid detection of antibody catalysis by luminescent bacteria)」に記載されている。
【0513】
キット
本発明は、本発明に従う核酸、発現カセット、ベクター、細胞、トランスジェニック種子または植物もしくは植物部分、ポリペプチド(アルドラーゼ酵素など)および/もしくは抗体などの組成物を含むキットを提供する。このキットはまた、本明細書に記載のように、本発明に従う方法ならびに産業的、医学的および食事的使用を教示する説明材料を含んでもよい。
【0514】
全細胞遺伝子操作および代謝パラメーターの測定
本発明に従う方法は、細胞の遺伝子組成を改変することにより、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの新しいか、または改変されたアルドラーゼ酵素活性などの、新しい表現型を有する新しい細胞株を開発するための、細胞の全細胞進化、または全細胞遺伝子操作を提供する。米国特許出願第20040033975号を参照されたい。
【0515】
本発明に従う酵素をコードする配列などの、本発明に従う核酸の細胞への添加により、遺伝子組成を改変することができる。WO0229032; WO0196551を参照されたい。
【0516】
新しい表現型を検出するために、改変された細胞の少なくとも1個の代謝パラメーターを、「リアルタイム」または「オンライン」時間枠で細胞中でモニターする。いくつかの実施形態においては、細胞培養物などの複数の細胞を、「リアルタイム」または「オンライン」でモニターする。いくつかの実施形態においては、複数の代謝パラメーターを、「リアルタイム」または「オンライン」でモニターする。本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を用いて、代謝パラメーターをモニターすることができる。
【0517】
代謝フラックス分析(MFA)は、公知の生化学的構造に基づく。質量保存の法則および細胞内代謝に関する偽安定状態仮説(PSSH)に基づいて、線形独立代謝マトリックスを構築する。本発明に従う方法の実施においては、
・全ての経路基質、生成物および中間代謝物の同一性、
・経路の代謝物を相互転換する全ての化学反応の同一性、経路反応の化学量
・反応を触媒する全ての酵素の同一性、酵素反応動力学、
・アロステリック相互作用、酵素-酵素相互作用などの経路成分間の調節的相互作用、
・酵素の細胞内区分化もしくは該酵素の任意の他の超分子組織化、ならびに
・任意の濃度勾配の代謝物、酵素もしくはエフェクター分子またはその移動に対する拡散障壁の存在、
などの代謝ネットワークを確立する。
【0518】
一度、所与の株に関する代謝ネットワークが構築されたら、オンラインメタボロームデータが利用可能である場合、マトリックス概念による数学的表現を導入して、細胞内代謝フラックスを評価することができる。代謝表現型は、細胞内の全代謝ネットワークの変化に依存する。代謝表現型は、環境条件、遺伝子調節、発達状態および遺伝子型などに関する経路使用の変化に依存する。本発明に従う方法のいくつかの実施形態においては、オンラインMFA計算の後、細胞の力学的振舞い、その表現型および他の特性を、経路使用を調査することにより分析する。例えば、酵母発酵の間に、グルコース供給を増加させ、酸素を減少させた場合、呼吸経路の利用を低下および/または停止させ、発酵経路の利用が優勢になるであろう。細胞培養物の生理学的状態の制御は、経路の分析の後に可能になるであろう。本発明に従う方法は、所望の向きに沿って移動する細胞の生理学的状態を制御するために、基質供給、温度、誘導因子の使用などを変化させる方法を決定することにより、発酵を操作する方法を決定するのを助けることができる。本発明に従う方法の実施においては、MFAをトランスクリプトームおよびプロテオームデータと比較して、代謝遺伝子操作または遺伝子シャッフリングなどのための実験およびプロトコルを設計することもできる。
【0519】
本発明に従う方法の実施においては、細胞中の新しいか、または改善された特性などの、任意の改変されたか、または新しい表現型を付与および検出することができる。代謝または増殖の任意の態様をモニターすることができる。
【0520】
mRNA転写物の発現のモニタリング
本発明のいくつかの実施形態においては、遺伝子操作された表現型は、mRNA転写物(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素メッセージなど)の発現を増加もしくは減少させること、または細胞中で新しい転写物(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素)を生成させることを含む。この増加したか、または減少した発現を、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の存在について試験することによるか、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性アッセイにより追跡することができる。mRNA転写物、またはメッセージを、ノーザンブロット、定量的増幅反応、アレイへのハイブリダイゼーションなどの当業界で公知の任意の方法により検出および定量することもできる。定量的増幅反応としては、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、もしくはRT-PCRなどの定量的PCR;定量的リアルタイムRT-PCR、または「リアルタイム動力学RT-PCR」などが挙げられる(Kreuzer (2001) Br. J. Haematol. 114:313-318; Xia (2001) Transplantation 72:907-914を参照)。
【0521】
本発明のいくつかの実施形態においては、遺伝子操作された表現型を、相同遺伝子のノックアウト発現により作製する。プロモーターまたはエンハンサーなどの遺伝子のコード配列または1個以上の転写制御エレメントをノックアウトすることができる。かくして、転写物の発現を完全に除去するか、または減少だけさせることができる。
【0522】
本発明のいくつかの実施形態においては、遺伝子操作された表現型は、相同遺伝子の発現を増加させることを含む。シスもしくはトランスに作用する転写調節エレメントなどの陰性対照エレメントのノックアウト、または陽性対照エレメントの突然変異誘発により、これを行うことができる。細胞の1種以上の、もしくは全ての転写物を、細胞の転写物、または細胞の転写物を代表するか、もしくはそれと相補的な核酸を含むサンプルのハイブリダイゼーションにより、アレイ上の固定された核酸へのハイブリダイゼーションにより測定することができる。
【0523】
ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸の発現のモニタリング
本発明のいくつかの実施形態においては、遺伝子操作された表現型は、ポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素など)の発現を増加もしくは減少させること、または細胞中で新しいポリペプチドを生成させることを含む。この増加したか、または減少した発現を、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの存在するアルドラーゼ酵素の量を決定することによるか、またはHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性アッセイにより追跡することができる。ポリペプチド、ペプチドおよびアミノ酸を、核磁気共鳴(NMR)、分光分析、ラジオグラフィー(タンパク質放射標識)、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー、免疫沈降、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイなどの様々な免疫学的方法、ゲル電気泳動(SDS-PAGEなど)、抗体を用いる染色、蛍光活性化細胞選別装置(FACS)、熱分解質量分析、フーリエ変換赤外分光法、ラマン分光法、GC-MS、およびLE-電子スプレーならびにcap-LC-タンデム-電子スプレー質量分析などの、当業界で公知の任意の方法により検出および定量することができる。米国特許第6,057,103号に記載の方法、またはその変形を用いて、新規生物活性をスクリーニングすることもできる。さらに、以下に詳細に考察するように、細胞の1種以上の、または全てのポリペプチドを、タンパク質アレイを用いて測定することができる。
【0524】
産業的、薬学的および他の用途
本発明に従うポリペプチド(HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼを有するものなど)は、炭素-炭素結合の形成または切断を触媒することができる。本発明に従う酵素は、高度に選択的な触媒であってよい。いくつかの実施形態においては、本発明は、製薬もしくは栄養(ダイエット)補助食品産業、食品および飼料産業など、食品および飼料製品ならびに食品および飼料添加物を作製する方法などの、本発明に従う酵素を用いる産業プロセスを提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、医薬品もしくはダイエット補助食品もしくは栄養補助食品、または補助食品および添加物を作製するためなどの、製薬産業における本発明に従う酵素を用いるプロセスを提供する。
【0525】
バイオマス変換およびクリーンバイオ燃料の製造
本発明は、限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼを含むアルドラーゼなどの酵素(酵素の混合物、または「カクテル」など)ならびに飼料、食品および化合物に加えて、本発明の酵素を用いて、バイオマスもしくは任意のリグノセルロース材料(例えば、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを含む任意の組成物)を燃料(例えば、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、バイオディーゼル)に変換する方法を提供する。かくして、本発明の組成物および方法は、石油に基づく製品の使用に対する有効かつ持続的な代替物または添加物を、例えば、バイオエタノールとガソリンの混合物として提供する。本発明は、天然のバイオマス変換に関与する化学的サイクルにおける関与のための本発明の酵素を発現する生物を提供する。一実施形態においては、変換のための酵素および方法を、代謝可能な炭素部分へのセルロースおよびヘミセルロースポリマーの効率的な脱重合のための酵素集合体において用いる。本発明は、これらの重要な新規「バイオマス変換」および代替的なエネルギー産業プロセスを可能にする最も有効な酵素を探索し、実装するための方法を提供する。
【0526】
本発明の方法は、変換されたリグノセルロース材料(本発明の酵素により加工される)を取得し、発酵および/または化学合成により、それを燃料(例えば、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、バイオディーゼル)にすることも含む。一実施形態においては、産生された糖類を発酵し、および/または非発酵産物を気化させる。
【0527】
本発明の酵素(例えば、本発明の組換え酵素を作り、いくつかの実施形態においては分泌する微生物、例えば、菌類、酵母もしくは細菌などの生物など)を、任意のバイオマス変換プロセスの任意の段階、例えば、任意の1工程、数工程で用いるか、または含有/組み込むか、または全工程、もしくはバイオマス変換プロセスの以下の方法の全部、もしくはこれらのバイオ燃料代替物の全部に含有させることができる:
・直接的燃焼:直接的加熱による材料の燃焼は最も簡単なバイオマス技術である;バイオマス資源が手近なものである場合、非常に経済的であり得る。
【0528】
・熱分解:これは、酸素の非存在下での加熱によるバイオマスの温度分解である。一実施形態においては、バイオマスを、華氏約800〜1400度の温度に加熱するが、燃焼を支援するために酸素を導入せずに、気体、燃料油および炭の作製を得る。
【0529】
・気化:バイオマスを用いて、加熱もしくは嫌気性消化を介してメタンを製造することができる。一酸化炭素と水素の混合物である合成ガスを、バイオマスから誘導することができる。
【0530】
・埋立て地ガス:これは、埋立て地における埋められた生ゴミの崩壊(嫌気性消化)により生成される。有機性廃棄物が腐敗する場合、それは、天然ガスの主成分である約50%のメタンからなるガスを生成する。
【0531】
・嫌気性消化:これは、有機物質を、天然ガスの主成分であるメタンと、二酸化炭素の混合物に変換する。一実施形態においては、汚水(下水)、肥料、または食品加工廃棄物などのバイオマスを、水と混合し、空気を含まない消化槽に供給する。
【0532】
・発酵。
【0533】
・アルコール発酵:デンプンを糖に変換し、この糖をアルコールに発酵させた後、蒸留によりアルコール水混合物を分離することにより、燃料アルコールを製造する。小麦、大麦、ジャガイモ、および古紙、おがくず、および糖を含むわら、デンプン、またはセルロースなどの原料を、酵母を用いる発酵によりアルコールに変換することができる。
【0534】
・トランスエステル化:油をバイオディーゼルに変換する例示的反応は、トランスエステル化と呼ばれる。トランスエステル化プロセスは、アルコール(メタノールなど)を、野菜油、動物脂肪、またはリサイクルされた潤滑油に含まれるトリグリセリド油と反応させ、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンを形成する。この反応には、加熱と、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどの強力な塩基性触媒が必要である。
【0535】
・バイオディーゼル:バイオディーゼルは、野菜油、動物脂肪またはリサイクルされた潤滑油から作製された脂肪酸アルキルエステルの混合物である。バイオディーゼルを、その純粋な形態で自動車のための燃料として用いることができるが、それは通常、微粒子、一酸化炭素、炭化水素およびディーゼル発電自動車に由来する大気毒性のレベルを低下させるための石油ディーゼル添加物として用いる。
【0536】
・加水分解:これは、本発明の酵素を用いて触媒される、化合物、例えば、リグノセルロース材料などのバイオマスの加水分解を含む。
【0537】
・コジェネレーション:これは、単一の燃料および施設を用いる、2種以上の形態のエネルギーの同時生産である。一実施形態においては、バイオマスコジェネレーションは、コジェネレーションが熱および電気の両方を生成するため、バイオマス生成のみよりも高い潜在的成長力を有する。
【0538】
一実施形態においては、本発明のポリペプチドは、限定されるものではないが、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性などのピルビン酸アルドラーゼ活性などのアルドラーゼ活性、または有機材料、例えば、任意の農作物もしくは他の再生可能な原料、農業残渣もしくは動物廃棄物などの植物および動物から誘導される組成物などのバイオマス、または都市ごみおよび産業廃棄物の有機成分、または藻類もしくは酵母などの微生物から、バイオディーゼル、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、またはバイオメタノールを生成するための他の酵素活性を有する。一実施形態においては、本発明のポリペプチドを、リグノセルロースバイオマスをエタノール、ブタノール、プロパノール、メタノールに変換するためのプロセスにおいて用いるか、またはさもなければ、それらをバイオ燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、もしくはバイオディーゼルなど)として用いることができるように生物材料を加水分解もしくは消化するためのプロセス、またはバイオマスを燃料に加工するのをより容易にするためのプロセスにおいて用いる。代替的な実施形態においては、本発明のポリペプチドを、アルコール(メタノールなど)を、野菜油、動物脂肪もしくはリサイクルされた潤滑油に含まれるトリグリセリド油と反応させ、脂肪酸アルキルエステル(バイオディーゼル)およびグリセリンを形成するトランスエステル化プロセスのためのプロセスにおいて用いる。一実施形態においては、大豆油またはリサイクルされた料理油から、バイオディーゼルを作製する。動物の脂肪、他の野菜油、および他のリサイクルされた油を用いて、その費用および利用可能性に応じて、バイオディーゼルを製造することもできる。別の実施形態においては、全種類の脂肪および油の混合物を用いて、本発明のバイオディーゼル燃料を製造する。
【0539】
本発明の酵素を、グリセリン精製において用いることもできる。グリセリン副生成物は、未反応の触媒と、酸で中和された石けんを含む。水とアルコールを除去して、50%〜80%の粗グリセリンを製造する。残留する夾雑物は、未反応の脂肪および油を含み、これは、本発明のポリペプチドを用いるプロセスであってよい。本発明の大規模なバイオディーゼル工場においては、グリセリンを、製薬産業および化粧品産業のために、例えば、99%以上の純度にさらに精製することができる。
【0540】
バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルを、燃料酸化物と共に用いて燃焼特性を改善することができる本発明のポリペプチドを用いて作製する。酸素の添加は、より完全な燃焼をもたらし、これは一酸化炭素の放出を低下させる。これは、石油燃料をバイオ燃料(例えば、本発明の燃料)と置換する別の環境的利益である。本発明の組成物および/もしくは方法を用いて作製されたバイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/もしくはバイオディーゼルを、ガソリンと混合して、E10ブレンド(約5〜10%のエタノールと約90〜95%のガソリン)を形成することができるが、それをE85などのより高い濃度で、またはその純粋な形態で用いることができる。本発明の組成物および/もしくは方法を用いて作製されたバイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/もしくはバイオディーゼルを、石油ディーゼルと混合して、B20ブレンド(20%のバイオディーゼルおよび80%の石油ディーゼル)を形成することができるが、最大でB100(純粋なバイオディーゼル)までの他のブレンドレベルを用いることができる。
【0541】
本発明はまた、リグノセルロースバイオマスを含む組成物から、エタノール(「バイオエタノール」)、ブタノール(「バイオブタノール」)、プロパノール(「バイオプロパノール」、メタノール(「バイオメタノール」)、および/またはディーゼル(「バイオディーゼル」)を作製するためのプロセスも提供する。リグノセルロースバイオマス材料を、食品もしくは飼料製品の副産物として、または植物残渣および古紙などのリグノセルロース廃棄産物として、農作物から取得することができる。本発明のポリペプチドを用いる処理のための好適な植物資源または植物残渣の例としては、昆布、藻類、穀物、種子、茎、葉、外皮、皮、トウモロコシの穂軸、トウモロコシ茎葉、わら、草(例えば、ソルグハストラム・ニュータンス(Sorghastrum nutans)などのインディアングラス;もしくはスイッチグラス、例えば、パニカム・ビルガタム(Panicum virgatum)などのパニカム種)などならびに樹木、木材チップ、木材パルプ、およびおがくずが挙げられる。本発明のポリペプチドを用いる処理にとって好適な古紙の例としては、廃棄コピー用紙、コンピューターのプリンター用紙、ノート用紙、ノートパッド用紙、タイプライター用紙などならびに新聞、雑誌、段ボール、および包装用紙が挙げられる。
【0542】
一実施形態においては、本発明の酵素および方法を、バイオマスからエタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよび/もしくはディーゼルを作製するより「伝統的な」手段、例えば、乾燥させたリグノセルロース材料を反応器中で強酸と金属塩の希釈溶液を含む触媒にかけることにより、リグノセルロース材料を加水分解することを含む方法と共に用いることができる;これはセルロース加水分解の活性化エネルギー、または温度を低下させて、より高い糖の収率を得ることができる;例えば、米国特許第6,660,506号; および第6,423,145号を参照されたい。
【0543】
本発明の酵素の使用を含む別の実施形態は、セルロースのグルコースへの主要な脱重合を含まずに主にヘミセルロースの脱重合を行うために選択された温度および圧力で、水性媒体中で第1段階の加水分解工程に材料をかけることにより、ヘミセルロース、セルロースおよびリグニンを含むリグノセルロース材料を加水分解することを含む。この工程は、液体の水相が、ヘミセルロースの脱重合の結果生じる分解された単糖類を含み、固相がセルロースおよびリグニンを含むスラリーをもたらす。第2段階の加水分解工程は、セルロースの少なくとも主要部分が脱重合されるような条件を含み、そのような工程は、セルロースの分解された/可溶性脱重合産物を含む液体水相をもたらす。例えば、米国特許第5,536,325号を参照されたい。本発明の酵素を、この例示的プロセスの任意の段階で添加することができる。
【0544】
本発明の酵素の使用を含む別の実施形態は、約0.4%〜2%の強酸を用いる1つ以上の段階の希酸加水分解により、リグノセルロースを含有するバイオマス材料を処理すること;およびアルカリ脱リグニンにより酸加水分解されたバイオマス材料の未反応の固体リグノセルロース成分を処理して、生分解性温度可塑剤の前駆体および誘導体を製造することを含む。例えば、米国特許第6,409,841号を参照されたい。本発明の酵素を、この例示的プロセスの任意の段階で添加することができる。
【0545】
本発明の酵素の使用を含む別の実施形態は、予備加水分解容器中でリグノセルロース材料を予備加水分解すること;酸性液体を固体リグノセルロース材料に添加して、混合物を作製すること;混合物を反応温度まで加熱すること;リグノセルロース材料を、リグノセルロース材料に由来する少なくとも約20%のリグニンを含む可溶化部分と、セルロースを含む固体画分に分画するのに十分な時間、反応温度を維持すること;固体画分中のセルロースが酵素消化をより受けやすい反応温度で、またはその付近の反応温度の間に、固体画分から可溶化部分を除去すること;ならびに可溶化部分を回収することを含む。例えば、米国特許第5,705,369号を参照されたい。本発明の酵素を、この例示的プロセスの任意の段階で添加することができる。
【0546】
本発明は、本発明の酵素または方法を用いることにより作製された燃料等級のアルコールと混合された液体炭化水素に基づく自動車燃料組成物(例えば、火花点火モーター用など)を作製するための方法を提供する。一実施形態においては、本発明の酵素の使用により作製された燃料は、例えば、石炭ガス液体もしくは天然ガス液体-エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよび/またはディーゼルブレンドなどを含む。一実施形態においては、共溶媒は、バイオマス由来2-メチルテトラヒドロフラン(MTHF)である。例えば、米国特許第6,712,866号を参照されたい。
【0547】
一実施形態においては、リグノセルロースの酵素的分解、例えば、リグノセルロース材料からのエタノールの製造のための本発明の方法は、バイオマス材料の超音波処理の使用を含んでもよい;例えば、米国特許第6,333,181号を参照されたい。
【0548】
別の実施形態においては、セルロース基質から、バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/またはバイオディーゼルを製造するための本発明の方法は、セルロース基質、本発明の酵素および発酵剤を含むスラリーの形態で反応混合物を提供し(例えば、半連続的固体供給バイオリアクターなどの反応溶液内で)、反応混合物を、発酵反応を開始および維持するのに十分な条件下で反応させることを含む(例えば、米国特許出願第20060014260号に記載されている)。一実施形態においては、実験または理論的計算は、最適な供給頻度を決定することができる。一実施形態においては、さらなる量のセルロース基質および酵素を、最適化された供給頻度に従う間隔で、反応容器中に提供する。
【0549】
本発明のバイオ燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/もしくはバイオディーゼル)を作製するための1つの例示的プロセスは、米国特許出願公開第20050069998号;第20020164730号に記載されている;一実施形態においては、リグノセルロースバイオマスを粉末化する段階(例えば、15〜30 mmのサイズに)、反応器中で1〜10分間、得られた生成物を蒸気爆発予備処理(例えば、190〜230℃の温度で)にかける段階;サイクロンもしくは製造の関連生成物中の予備処理された材料を回収する段階;ならびにフィルタープレス中での濾過により固体および液体画分を分離し、発酵沈降物に固体画分を導入し、本発明の1種以上の酵素、例えば、セルラーゼおよび/もしくはβ-グルコシダーゼ酵素(例えば、クエン酸バッファーpH 4.8中に溶解)を添加する段階を含む。
【0550】
本発明の酵素を使用することを含む本発明のバイオ燃料(バイオエタノール、バイオブタノール、バイオプロパノール、バイオメタノール、および/もしくはバイオディーゼルなど)を作製するための別の例示的プロセスは、少なくともヘミセルロースとセルロースを含むリグノセルロース原料を含む出発材料を予備処理することを含む。一実施形態においては、出発材料は、ジャガイモ、大豆(菜種)、大麦、ライ麦、トウモロコシ、オート麦、小麦、ビートもしくはサトウキビまたは成分または廃棄物または食品もしくは飼料製造の副産物を含む。出発材料(「原料」)を、ヘミセルロースとセルロースの少なくとも部分的加水分解を行う植物の繊維構造を破壊する条件で反応させる。破壊条件は、例えば、出発材料を、約5秒〜60分間、pH 0.5〜2.5で180℃〜270℃の平均温度;もしくは、5秒〜120秒間、pH 0.5〜2.5で220℃〜270℃の温度、または等価な条件にかけることなどを含んでもよい。これは、酵素、例えば、本発明のセルラーゼ酵素により消化される接近性が増加した減少を生成する。米国特許第6,090,595号を参照されたい。
【0551】
リグノセルロース材料の加水分解のための例示的条件としては、約30℃〜48℃の温度、および/または約4.0〜6.0のpHでの反応が挙げられる。他の例示的条件としては、約30℃〜60℃の温度および約4.0〜8.0のpHが挙げられる。
【0552】
本発明に従う酵素は、精巧な立体選択性、部位選択性および化学選択性を有する反応を触媒することができる。本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を、様々な溶媒中で機能し、極端なpH(例えば、高いpHおよび低いpH)、極端な温度(例えば、高温および低温)、極端な塩分レベル(例えば、高塩分および低塩分)で機能し、その天然の生理学的基質とは構造的に関連しない化合物との反応を触媒するように、遺伝子操作することができる。
【0553】
飼料および食品または飼料添加物および食品添加物
ダイエット補助食品もしくは栄養補助食品、または補助食品および食品添加物の提供に加えて、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素活性を有するタンパク質、ならびに/または本発明に従う抗体などの、本発明に従うポリペプチドを用いて、ヒトおよび動物用の飼料および食品ならびに食品添加物もしくは飼料添加物を処理するための組成物および方法も提供する。いくつかの実施形態においては、本発明は、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素ならびに/または本発明に従う抗体を含む、動物飼料、食品、および添加物を提供する。動物は、任意の家畜または任意の動物であってよい。
【0554】
本発明に従う動物飼料添加物は、飼料成分と容易に混合することができる顆粒化された酵素製品であってよい。あるいは、本発明に従う飼料添加物は、プレミックスの成分を形成することができる。本発明に従う顆粒化酵素製品はコーティングされたものであっても、またはコーティングされていないものであってもよい。酵素顆粒の粒子径は、飼料およびプレミックス成分のものと適合可能であってよい。あるいは、本発明に従う動物飼料添加物は、安定化された液体組成物であってよい。これは、水性または油に基づくスラリーであってよい。米国特許第6,245,546号を参照されたい。
【0555】
飼料もしくは食品の改変における、本発明のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、in vitro(飼料もしくは食品の成分を改変することにより)またはin vivoで食品もしくは飼料を加工することができる。
【0556】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う酵素を、β-ガラクトシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ、他のアルドラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド-β-1,4-ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β-ラッカーゼ、エンド-β-1,3(4)-ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、リダクターゼ、オキシダーゼ、デカルボキシラーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの別の酵素と共に添加する。これらの酵素消化産物は、動物によってより消化可能である。かくして、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、飼料もしくは食品の利用可能なエネルギー、またはセルロースを分解することによる食品もしくは飼料の消化性に寄与することができる。
【0557】
他の実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を、穀物、穀類、トウモロコシ、大豆、菜種、ルピンなどのトランスジェニック飼料作物(トランスジェニック植物、種子などとして)中で直接的に該酵素を発現させることにより供給することができる。上記で考察されたように、本発明は、本発明に従うポリペプチドをコードする核酸配列を含むトランスジェニック植物、植物部分および植物細胞を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素が回収可能な量で産生されるように、前記核酸を発現させる。HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を、任意の植物または植物部分から回収することができる。あるいは、組換えポリペプチドを含む植物または植物部分を、栄養値、おいしさなどを改善することなどの、食品もしくは飼料の品質を改善するためなどに用いることができる。
【0558】
いくつかの実施形態においては、本発明に従う酵素送達マトリックスは、個別の複数の粒子、ペレットまたは顆粒の形態にある。「顆粒」とは、マトリックスから水を除去するためのペレット化、押出し成型、もしくは同様のコンパクト化などにより、圧縮またはコンパクト化された粒子を意味する。該粒子のそのような圧縮またはコンパクト化は、該粒子の粒子内凝集も促進する。例えば、穀物に基づく基質をペレットミル中でペレット化することにより、顆粒を調製することができる。それにより調製されたペレットを、動物飼料中のアジュバントとしての使用にとって好適な顆粒サイズに挽くか、または粉砕する。前記マトリックスはそれ自身、動物飼料における使用のために認可されているため、それを動物飼料における酵素の送達のための希釈剤として用いることができる。
【0559】
いくつかの実施形態においては、本発明の酵素送達マトリックスおよび方法に含まれるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、高温および/もしくは蒸気を用いてペレット化された酵素送達マトリックスを調製することができる製造の間に、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素の不活性化に抵抗するような、本明細書に記載のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどの温度安定性アルドラーゼ酵素である。本発明の酵素送達マトリックスを含む飼料の消化の間に、水性消化液は活性酵素の放出を引き起こすであろう。温度安定性である他の型の温度安定性酵素および栄養補給物質を、任意の型の水性条件下での放出のために該送達マトリックスに組み入れることもできる。
【0560】
いくつかの実施形態においては、動物飼料に香料もしくは栄養補給物質を添加すること、胃腸条件での動物飼料補給物質および酵素の放出を遅延させることなどの多くの様々な目的のために、コーティングを酵素マトリックス粒子に適用する。いくつかの実施形態においては、例えば、マトリックス粒子からの酵素の放出を遅延させるか、または酵素が放出される条件を制御することが望ましい場合にいつでも、機能的目標を達成するために前記コーティングを適用する。コーティング材料の組成物は、それが影響を受けやすい因子(熱、酸もしくは塩基、酵素または他の化合物など)により選択的に崩壊するようなものである。あるいは、様々なそのような崩壊剤の影響を受けやすい2種以上のコーティングを、前記マトリックス粒子に連続的に印加することができる。
【0561】
本発明はまた、酵素放出マトリックスを調製するためのプロセスにも関する。本発明に従えば、このプロセスは、酵素放出マトリックスとしての使用にとって好適な粒子径の、穀物に基づく基質の個々の複数の粒子であって、本発明に従うアミノ酸配列によりコードされるHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含む前記粒子を提供することを含む。いくつかの実施形態においては、前記プロセスは、酵素放出マトリックスの粒子を顆粒にコンパクト化または圧縮し、いくつかの実施形態においては、ペレット化により達成することを含む。用いる場合、かび阻害剤および結束剤を、任意の好適な時間に添加することができ、ならびにいくつかの実施形態においては、所望の比率で穀物に基づく基質と混合した後、顆粒に基づく基質をペレット化させる。いくつかの実施形態においては、ペレットミル飼料中の水分含量は、最終生成物中の水分含量に関して、上記の範囲にあり、いくつかの実施形態においては、約14〜15%である。いくつかの実施形態においては、前記酵素の水性調製物の形態で水分を原料に添加して、原料をこの水分含量にする。いくつかの実施形態においては、ペレットミル中の温度を、蒸気を用いて約82℃にする。このペレットミルを、原料に対して十分な作用を与えてペレットを提供する任意の条件下で操作することができる。ペレット化プロセス自体は、酵素含有組成物から水を除去するための費用効果的なプロセスである。
【0562】
本発明に従う組成物および方法を、フルクト-オリゴ糖(FOS);ガラクト-オリゴ糖(GOS)、GRAS(一般的に安全と認められる)材料などの、高分子量糖類である、プレバイオティックの投与と組み合わせて実施することができる。これらのプレバイオティックは、いくつかのプロバイオティック乳酸菌(LAB)により代謝され得る。それらは、大部分の腸管微生物により消化されない。
【0563】
食品処理および食品加工
本発明は、本発明に従う酵素を含む食品および飼料、ならびに食品および飼料の加工において本発明に従う酵素を使用する方法を提供する。本発明に従うHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素は、食品加工産業において多くの用途を有する。いくつかの実施形態においては、本発明は、植物細胞、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、もしくは動物細胞、または任意の植物もしくは植物部分、または食品もしくは飼料、廃棄物などのセルロースを含む組成物を加水分解するための方法を提供する。
【0564】
例えば、本発明は、飼料、飲料(フルーツジュースもしくはビールなど)などの液体、パンもしくはパン生地またはパン製品、または飲料(ビールなど)もしくは飲料前駆体(麦芽汁など)などの中に、本発明のHMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼなどのアルドラーゼ酵素を含む飼料または食品を提供する。
【0565】
本発明に従う食品処理プロセスはまた、トリプトファナーゼもしくはチロシンデカルボキシラーゼ、ラッカーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、他のアルドラーゼ、セルラーゼ、エンドグリコシダーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β-ラッカーゼ、エンド-β-1,3(4)-ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、リダクターゼ、オキシダーゼ、デカルボキシラーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの他の酵素の任意の組合せの使用も含む。
【0566】
医薬組成物および栄養補助食品
本発明はまた、本発明に従うアルドラーゼを含む医薬組成物および栄養補助食品(ダイエット補助食品など)も提供する。アルドラーゼ活性は、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼ活性を含む。いくつかの実施形態においては、医薬組成物および栄養補助食品(ダイエット補助食品)を、経口摂取のために製剤化する。
【0567】
歯周治療化合物は、米国特許第6,776,979号に記載のような、本発明に従う酵素を含んでもよい。酸性消化管症候群の治療または予防のための組成物および方法は、米国特許第6,468,964号に記載のような、本発明に従う酵素を含んでもよい。
【0568】
他の実施形態においては、創傷包帯、埋込み物などは、本発明に従う酵素(本発明に従う配列などを含む)などの抗微生物(抗生物質作用など)酵素を含む。本発明に従う酵素を、アルギン酸包帯、抗微生物障壁包帯、熱傷包帯、圧迫包帯、診断ツール、ゲル包帯、水選択的包帯、ハイドロセルラー(気泡)包帯、親水コロイド包帯、I.V包帯、切開ドレープ、低粘着性包帯、臭い吸収包帯、ペースト包帯、術後包帯、瘢痕管理、スキンケア、透明フィルム包帯および/または創傷閉合において用いることもできる。本発明に従う酵素を、創傷洗浄、創傷床調製物において用いて、床擦れ、下腿潰瘍、熱傷、糖尿病性足部潰瘍、瘢痕、IV固定、外傷および軽傷を治療することができる。本発明に従う酵素を、軟膏などの、滅菌酵素創傷清拭組成物中で用いることができる。様々な実施形態においては、前記アルドラーゼを、錠剤、ゲル、ピル、埋込み物、液体、スプレー、フィルム、ミセル、粉末、食品、飼料ペレットとして、またはカプセル化製剤として製剤化する。
【0569】
本発明に従う医薬組成物および栄養補助食品はまた、β-ガラクトシダーゼ、カタラーゼ、ラッカーゼ、セルラーゼ、他のアルドラーゼ、エンドグリコシダーゼ、エンド-β-1,4-ラッカーゼ、アミログルコシダーゼ、グルコシダーゼ、グルコースイソメラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、リポオキシゲナーゼ、β-ラッカーゼ、エンド-β-1,3(4)-ラッカーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、アミラーゼ、フィターゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、リダクターゼ、オキシダーゼ、デカルボキシラーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラーゼ、マンナナーゼ、キシロラッカーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼおよび/またはトランスグルタミナーゼなどの他の酵素の任意の組合せの使用も含んでもよい。
【0570】
モナチンのR,Rおよび他の立体異性体を製造するための生合成経路
特に、WO 03/091396 A2(図1〜3および11〜13を参照)に記載のように、生物学的変換(すなわち、ポリペプチドを用いて、基質の生成物への反応を容易にすること)を含む多工程経路を通して、トリプトファンからモナチンを製造することができる。記載の経路は、トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸への生物学的変換、インドール-3-ピルビン酸から2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(「MP」)への生物学的変換、およびMPからモナチンへの生物学的変換を含む。いくつかの実施形態においては、本発明のポリペプチドを用いて、MPを形成するインドール-3-ピルビン酸の反応を容易にすることができる。いくつかの実施形態においては、本発明のポリペプチドを用いて、R-MPの産生を優先的に容易にすることができる。
【0571】
いくつかの実施形態においては、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、もしくは配列番号334の単離された、もしくは組換えポリペプチドから選択された1個以上のポリペプチド、またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程としての、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0572】
別の実施形態においては、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304のいずれかのHMGアルドラーゼ活性を有する単離された、もしくは組換えポリペプチドから選択される1個以上のポリペプチド、またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、HMGアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造する多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0573】
さらに別の実施形態においては、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、もしくは配列番号334のいずれかのKHGアルドラーゼ活性を有する単離された、もしくは組換えポリペプチドから選択される1個以上のポリペプチド、またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、KHGアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0574】
さらに、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する1個以上の核酸によりコードされる1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、アルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチド、またはその断片もしくはサブ配列は、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0575】
本発明の別の実施形態においては、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する核酸配列によりコードされるHMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、HMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0576】
本発明のさらに別の実施形態においては、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する核酸配列によりコードされるHMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、KHGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0577】
さらに、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、アルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0578】
本発明の別の実施形態においては、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるHMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、HMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0579】
本発明のさらに別の実施形態においては、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるKHGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。一実施形態においては、KMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン、モナチン誘導体、その塩およびその組合せから選択される生成物を製造するための多工程経路内の一工程として、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応を容易にするのに有用であってよい。
【0580】
本明細書に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との間の反応を容易にするのに有用であってよい。C3炭素源としては、限定されるものではないが、オキサロ酢酸、ピルビン酸またはピルビン酸誘導体、例えば、ホスホエノールピルビン酸が挙げられる。一実施形態においては、C3炭素源はピルビン酸である。
【0581】
インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応生成物のモナチンへの変換にとって有用な酵素の例としては、以下の酵素分類のメンバー:トリプトファンアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.27)、トリプトファンデヒドロゲナーゼ(1.4.1.19)、D-アミノ酸デヒドロゲナーゼ(1.4.99.1)、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ (1.4.1.2-4)、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼ (EC 1.4.1.20)、トリプトファン-フェニルピルビン酸トランスアミナーゼ (2.6.1.28)、またはより一般的には、アミノトランスフェラーゼファミリーのメンバー (2.6.1.-)、例えば、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.1)、チロシン(芳香族)あみのトランスフェラーゼ(2.6.1.5)、D-トリプトファンアミノトランスフェラーゼ、もしくはD-アラニン(2.6.1.21)アミノトランスフェラーゼ (WO 03/091396 A2の図2を参照)が挙げられる。この反応を、化学反応を用いて実施することもできる。ケト酸(MP)のアミノ化を、アンモニアとシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元的アミノ化により実施する。WO 03/091396 A2の図11〜13は、MPをモナチンに変換するのに用いることができ、ならびにインドール-3-ピルビン酸またはトリプトファンからのモナチンの収率の増加を提供するさらなるポリペプチドを示す。一実施形態においては、これらの酵素を、インドール-3-ピルビン酸とピルビン酸との反応生成物であるMPの、モナチンへの変換を触媒させるのに用いる。
【0582】
モナチン組成物の味のプロフィールを、該組成物中のモナチンの種々の立体異性体の相対量を制御することにより変更することができる。本開示は、所望の割合のR,Rモナチンおよび/またはS,Rモナチンを含むモナチン組成物を製造するための経路および物質を提供する。
【0583】
開示された経路により製造されるモナチン化合物のキラリティは、生物学的変換に用いられるpHおよびポリペプチドの両方により影響を受け得る。本明細書に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを用いて、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する反応において、モナチンの2位炭素のキラリティ(上記の式Iを参照)を制御することができる。
【0584】
一度、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応の反応生成物が製造されたら、アミノ基を立体特異的に付加することができる。4位炭素のRまたはS配置(上記の式Iを参照)を、D-またはL-芳香酸アミノトランスフェラーゼを用いるかどうかに依存して作製することができる。多くのアミノトランスフェラーゼはL-異性体に特異的であるが、D-トリプトファンアミノトランスフェラーゼは特定の植物中に存在する(KohibaおよびMito, Proceedings of the 8th International Symposium on Vitamin B6 and Carbonyl Catalysis, Osaka, Japan 1990)。さらに、D-アラニンアミノトランスフェラーゼ(2.6.1.41)および(R)-3-アミノ-2-メチルプロパン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.61)、(S)-3-アミノ-2-メチルプロパン酸アミノトランスフェラーゼ(2.6.1.22)の両方が同定された。特定のアミノトランスフェラーゼは、C2炭素での特定の配置を有するこの反応のための基質のみを受容することができる。従って、インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応生成物への変換が立体特異的ではない場合でも、最終生成物の立体化学を、アミノトランスフェラーゼの好適な選択を通して制御することができる。反応は可逆的であるため、未反応の反応生成物(望ましくない異性体)を、その構成要素にリサイクルして戻し、反応生成物のラセミ混合物を再形成させることができる。
【0585】
インドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応の反応生成物へのアミノ基の付加のための好適なアミノ供与体の例としては、限定されるものではないが、アラニン、アスパラギン酸、リジン、グルタミン酸、グリシン、およびトリプトファンなどのアミノ酸が挙げられる。
【0586】
ここで図面を参照して、以下のことに留意すべきである。流れ図は、モナチンを製造するための経路、限定されるものではないが、該経路を実施するための任意の特定の方法を同定する。例えば、前記経路を、in vivo、in vitro、またはその組合せで実施することができる。
【0587】
さらに、前記経路の実施は、該経路が潜在的に進行することができるように、十分な成分、もしくは成分の起源、および反応条件を提供する限り、それぞれの同定された成分(反応物および酵素など)を実行者により明確に提供することを必要としない。換言すれば、例えば、図面が、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸を製造すること、インドール-3-ピルビン酸から2-ヒドロキシ-2-(インドール-3-イルメチル)-4-ケトグルタル酸(「モナチン前駆体」もしくは「MP」)を製造すること、およびMPからモナチンを製造することを含み、それぞれの反応を好適な酵素により容易にする、モナチン組成物を製造するためのプロセスを記載する場合、その経路の実施が、L-トリプトファンを、α-ケトグルタル酸および同定された反応を容易にするために意図された酵素と、インドール-3-ピルビン酸もしくはMPを明確に提供することなく、それぞれの反応を起こさせるのに好適な条件下で混合することを含むことが意図される。そのような例においては、L-トリプトファンは、α-ケトグルタル酸と反応して、インドール-3-ピルビン酸を産生することができる。設定される条件および提供される酵素に起因して、L-トリプトファン反応物から産生されたインドール-3-ピルビン酸が反応してMPを形成し、次いで、設定される条件および提供される酵素に起因して、インドール-3-ピルビン酸反応物から産生されたMPが反応してモナチンを形成することができる。
【0588】
記載された経路の実施が、実行者が同定された出発材料または酵素を明確に提供することを必要としないことにも留意すべきである。換言すれば、出発材料としてL-トリプトファンを同定する任意の経路の実施が、L-トリプトファン産生を生じさせるのに好適な条件下で、L-トリプトファンを産生することができる化合物を提供すること、およびその化合物を、それらの反応を起こすのに好適である条件下で、一連の記載の反応を容易にすることができる酵素と混合することを含むことが意図される。別の例として、同定された経路を実施することは、記載の経路に従ってモナチンを産生するように遺伝子操作された微生物を提供すること、および発酵プロセスを行うための好適な条件を提供することを含むことも意図される。例えば、大量のL-トリプトファンを天然に産生する微生物を遺伝子操作して、前記経路におけるモナチンへの反応を容易にするのに用いられる1種以上の酵素を産生または過剰産生させることができ、それによって該微生物がモナチンを産生するような好適な条件を提供することができる。
【0589】
図1は、R-特異的アルドラーゼが、インドール-3-ピルビン酸とピルビン酸との反応を容易にして、R-MPを形成させる特定の実施形態を同定する。図1の流れ図は、R,Rモナチンなどのモナチン組成物を作成するための本発明に従うプロセスを図式的に記載している。図1に示されるように、経路全体は、インドール-3-ピルビン酸を形成するトリプトファンの反応、MPを産生するインドール-3-ピルビン酸の反応、およびR,Rモナチンなどのモナチンを産生するMPの反応を含む。
【0590】
図1はさらに、S,S、R,SおよびS,R型のモナチンを犠牲にして、R,R型のモナチンの産生を増加させるように設計された、この経路全体の特定の順列を例示する。特に、図1は、L-トリプトファン反応において用いられるアミノトランスフェラーゼ酵素が、MPと4Sモナチンの反応に対してその反応に対するより高い活性および/もしくは特異性を有するか、またはオキシダーゼが、4RモナチンよりもL-トリプトファンに対するより高い活性および/もしくは特異性を有する;インドール-3-ピルビン酸の反応を容易にする酵素が、本明細書に開示されるアルドラーゼ活性を有するポリペプチドであり、MPの反応を容易にする酵素が、好ましくは、MPのR異性体に関してより効率的に作用するように進化させた、広い特異性のD-酵素である実施形態を例示している。
【0591】
図1はまた、R,Rモナチンの製造をより経済的にするように設計された特定の順列を例示する。例えば、図1においては、L-トリプトファンは、D-トリプトファンまたはL-およびD-トリプトファンの組合せとは反対に、出発材料として同定されている。特定の形態のトリプトファンの選択は、モナチン組成物における究極のモナチン化合物のキラリティに影響しないが(トリプトファン反応は、キラリティを有さないインドール-3-ピルビン酸を形成するため)、少なくともL-トリプトファンは現在はあまり高価ではなく、D-トリプトファンよりも容易に取得可能であるため、出発材料としてL-トリプトファンを使用することを好む場合もある。
【0592】
ここで、図1に示された最初の反応に焦点を当てると、トリプトファンをインドール-3-ピルビン酸に変換する場合、α-ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、およびピルビン酸のいずれか1種以上が反応して、アミノ酸(それぞれ、グルタミン酸、アスパラギン酸、およびアラニン)を形成する。図1は、トリプトファン出発材料がL-トリプトファンであり、α-ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、および/またはピルビン酸がL-異性体型のアミノ酸(それぞれ、L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、および/またはL-アラニン)を産生する実施形態を記載する。
【0593】
図1に示されるように、R,Rモナチンの産生を増強するための手法は、L-トリプトファンと、MPもしくはモナチンとは反対に、トリプトファンに対するより高い特異性、より高い活性、またはその両方を有する酵素との反応を容易にすること、およびMPとD-酵素との反応を容易にすることを含む。WO 03/091396 A2に開示されるように、特定の酵素は、インドール-3-ピルビン酸を産生するトリプトファンの反応、ならびにモナチンを産生するMPのアミノ化反応を容易にすることができる。アミノ化工程におけるL-アミノトランスフェラーゼの使用は、モナチンのC-4位置にSキラル中心を作るが、D-酵素の使用は、モナチンのC-4位置にDキラル中心を作る。かくして、トリプトファン反応を容易にする、L-アミノトランスフェラーゼもMP反応において活性である例においては、存在するMPの形態に応じて、R,SおよびS,Sモナチンを形成させることができる。さらに、特定の他の酵素(L-アミノ酸オキシダーゼ)は、トリプトファンのインドール-3-ピルビン酸への反応を容易にするだけでなく、R,Rモナチンの分解のための副活性を有してもよい。いくつかの実施形態に従って、この4R副活性を最小化するか、または排除する。4S形態のモナチンに対するオキシダーゼ副活性は、最終生成物に由来するそれらを減少させるか、または最小化し、所望の最終組成物に応じて望ましいものであり得る。結果として、MPもしくはモナチンに対するトリプトファンのために選択されたL酵素の特異性および/または活性が高くなるほど、S,SおよびR,Sモナチンに対して産生されるR,RおよびS,Rの量が多くなる。
【0594】
図1に例示された実施形態に従うトリプトファン反応にとって好適な酵素としては、インドール-3-ピルビン酸を形成するL-トリプトファンの反応を容易にすることができ、モナチンの4S異性体を形成するR-MPの反応よりも、その反応に対する特異性が高いL-アミノトランスフェラーゼ;およびインドール-3-ピルビン酸を形成するL-トリプトファンの反応を容易にすることができ、MPを形成するモナチンの4R異性体の反応に対してその反応についてのより高い特異性および/もしくは活性を有するL-アミノ酸オキシダーゼ、ならびに前記のいずれかの機能的等価物が挙げられる。より具体的には、好適な酵素の非限定例を、L-トリプトファンアミノトランスフェラーゼ(E.C. 2.6.1.27)およびチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼ(E.C. 2.6.1.5)およびL-アミノ酸オキシダーゼ(E.C. 1.4.3.2)、ならびにアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素から誘導された突然変異体から選択することができる。
【0595】
実施例16は、それぞれ、インドール-3-ピルビン酸およびL-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、およびL-アラニンを形成する、L-トリプトファンおよびα-KG、オキサロ酢酸、ピルビン酸、もしくはその組合せの反応を容易にするのに有用な、Pro 9からTyrへの置換およびArg 122からGlyへの置換を含む突然変異体HEXaspCポリペプチドである特異的酵素を同定する。「限定された」活性を有する別の特異的酵素は、S.meliloti由来L-トリプトファンアミノトランスフェラーゼであるTatAである。図1に示された経路の好ましい実施形態に従うトリプトファン反応にとって好適な他の酵素としては、以下の特徴を有するものが挙げられる:実施例16に記載のようにL-トリプトファンの1/10以下の速度でMPをトランスアミノ化する酵素または実施例18に記載のように、ラセマーゼと共に用いる場合、90%を超えるモナチンの4R異性体を産生する酵素。
【0596】
モナチンへのMPの変換と比較して、インドール-3-ピルビン酸へのL-トリプトファンの変換についてより高い特異性を有さない酵素の例としては、HEXAspC (実施例16)、レイシュマニア・メジャー(Leishmania major)の広い特異性のアミノトランスフェラーゼ(WO 03/091396 A2)、ブタのアミノトランスフェラーゼ(WO 03/091396 A2)およびロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)のTatA(実施例18)が挙げられる。しかしながら、これらの酵素を、例えば、トリプトファンに対して、R-MPおよび/またはR,Rモナチンに対する限定された活性を有するように、突然変異誘発を介して進化させることができる。
【0597】
ここで、図1で同定される第2の反応に焦点を当てると、インドール-3-ピルビン酸のMPへの反応を容易にするための酵素の選択は、産生されるS,Rモナチンに対するR,R,モナチンの相対量に影響する。一般的には、産生されるS-MPに対するR-MPの相対量が多くなるほど、産生されるS,Rモナチンに対するR,Rモナチンの相対量が多くなる(D-酵素がMPのモナチンへの反応を容易にする場合)。R,R形態のモナチンをその唯一のモナチン成分として有するモナチン組成物が望ましい場合、S-MPとは反対にR-MPを選択的に産生する酵素(「R特異的酵素」)を用いるべきである。本明細書に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、S-MPとは反対に、R-MPを選択的に産生する際に有用である。高度にR-特異的アルドラーゼ酵素のいくつかの例を、上記の表1、以下の実施例4、5および6、ならびに配列表に示す。
【0598】
ここで、図1に同定される経路の最終工程に焦点を当てると、R,Rモナチンを形成するR-MPの反応を、広い特異性のD-アミノトランスフェラーゼ、例えば、D-アラニンアミノトランスフェラーゼ(E.C. 2.6.1.21、D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼもしくはD-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られる)またはD-アミノ酸デヒドロゲナーゼにより容易にすることが示される。上記で考察されたように、MPのモナチンへの変換は、モナチンのC-4炭素にキラル中心を作るアミノ化反応である。C-4位置でR-キラル型が望ましい場合、アミノ酸中で「R」キラル中心を作る酵素を用いるべきである。
【0599】
いくつかの実施形態に従えば、D-アミノトランスフェラーゼは、インドール-3-ピルビン酸に対するよりも、R-MPに対するより高い特異性、より高い活性、またはその両方を有する。いくつかの実施形態に従えば、D-アミノトランスフェラーゼは、インドール-3-ピルビン酸に対する限定された活性を有する。そのような特徴を有する酵素を、例えば、実施例16に示されるような、存在する酵素から進化させるか、または突然変異させることができる。
【0600】
実施例9〜12は、D-トリプトファンからのR,R-モナチンの製造を例示している。
【0601】
図2は、R,RモナチンおよびS,Rモナチンを製造する方法を例示している。図1の実施形態においては、R-MPを形成するインドール-3-ピルビン酸の反応において用いられるアルドラーゼは、形成されるR,R:S,Rの比率に影響し、図2の実施形態においては、MPのモナチンへの変換は、形成されるR,R:S,Rの比率に影響する。図2の経路に従えば、インドール-3-ピルビン酸のMPへの変換を容易にするために非立体特異的酵素を用いる場合、S-MPとR-MPの両方を形成させることができる。非立体選択的アルドラーゼを用いて、インドール-3-ピルビン酸をMPに変換する場合、MPをR,RモナチンまたはS,Rモナチンに変換するには、立体選択的トランスアミナーゼが必要である。図2に示されるように、R-MPにとって立体特異的であるD-アミノトランスフェラーゼまたはD-アミノ酸デヒドロゲナーゼの使用は、R,Rモナチンの産生をもたらす。
【0602】
図3は、R,Rモナチンの産生を標的化するための別の代替的な経路を例示している。図3の経路は、図1の経路の改変であり、インドール-3-ピルビン酸を、L-トリプトファンから、直接的というよりも間接的に製造する。より具体的には、L-トリプトファンをD-トリプトファンに変換した後、D-トリプトファンをインドール-3-ピルビン酸に変換する。
【0603】
L-トリプトファンのD-トリプトファンへの変換を、トリプトファンラセマーゼまたはその機能的等価物により容易にすることができる。実施例15は、トリプトファンラセマーゼの潜在的な起源およびそのような酵素を同定するためのスクリーニング方法を提供する。また、トリプトファンラセマーゼを、存在するアミノ酸ラセマーゼから、改善された性能のために進化させることができる(突然変異誘発または組換え遺伝子操作などを介する)ことも意図される。
【0604】
トリプトファンラセマーゼの非限定例としては、アミノ酸ラセマーゼ(EC 5.1.1.-)の相同体もしくは突然変異体、例えば、相同体もしくは突然変異体がL-トリプトファンをD-トリプトファンに変換することができるセリンラセマーゼが挙げられる。アミノ酸ラセマーゼを誘導することができる起源の非限定例としては、サルモネラ・ティフィムリウム、大腸菌、バチルス・サブチリス、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、シゾサッカロミセス・ポンベ、バチルス・セレウス、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、ラクトバチルス・ファーメンティ(Lactobacillus fermenti)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、アキフェックス・ピロフィルス(Aquifex pyrophilus)、ラクトバチルス(Lactobacilli)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、アナベナ種(Anabaena)、シュードモナス・ストリアータ(Pseudomonas striata)、レンチナス・エドデス(Lentinus edodes)、スカファルカ・ブロウトニ(Scapharca brouhtonii)、デスルフロコッカス種(Desulfurococcus)、サーモコッカス種(Thermococcus)、およびシュードモナス・ストリアータ(Pseudomonas striata)などの微生物が挙げられる。アミノ酸ラセマーゼを誘導することができる起源のさらなる非限定例としては、カイコ、ラット脳、またはマウス脳が挙げられる。
【0605】
好適なトリプトファンラセマーゼを誘導することができる潜在的な起源の非限定例としては、シュードモナス、例えば、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)(シュードモナス・オーレレオファシエンス(Pseudomonas aurereofaciens))(ATCC15926)、およびバークホルデリア・ピロシナ(Burkholderia pyrrocina)(ATCC15958)などの微生物が挙げられる。好適なトリプトファンラセマーゼを誘導することができる潜在的な起源のさらなる非限定例としては、植物、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)などのタバコ植物、トリチカム・エスチバム(Triticum aestivum)などの小麦植物、ビート、トマト、およびスクレロチトン・イリシフォリウス(Sclerochiton ilicifolius)が挙げられる。
【0606】
図3に示される経路は、R,Rモナチンが所望の生成物である場合でも、モナチンを製造する反応と同じ酵素を、インドール-3-ピルビン酸を製造する反応に用いることができることなどの特定の利益を有する。すなわち、図1に例示された経路においては、L-アミノトランスフェラーゼ(もしくは好適なL-酵素)は、インドール-3-ピルビン酸を産生する反応を容易にするが、D-アミノトランスフェラーゼは、モナチンを産生する反応を容易にする。対照的に、図3の経路においては、インドール-3-ピルビン酸を産生する反応を容易にする特定のD-アミノトランスフェラーゼはまた、モナチンを産生する反応を容易にすることもできる。結果として、図3に従う経路においては、モナチンを形成する反応と同じ酵素を、インドール-3-ピルビン酸を形成する反応のために用いることを望む場合、広い特異性のD-アミノトランスフェラーゼが好ましい。対照的に、図1、2、4、6、7および8に従う経路においては、R-MPと比較して、インドール-3-ピルビン酸に対する限定された活性および/または特異性を有するD-アミノトランスフェラーゼを選択する場合、モナチンの産生をより効率的に前方に進行させることができる。
【0607】
図3に図式的に示される経路の別の利益は、インドール-3-ピルビン酸を産生する反応と共役させた反応のアミノ酸生成物を、モナチンを産生する反応と共役させた反応における出発材料として用いることができることである。すなわち、図1に例示される経路においては、L-トリプトファンはインドール-3-ピルビン酸を産生するように反応し、同時に、オキサロ酢酸、α-ケトグルタル酸および/またはピルビン酸はL-アミノ酸を産生するように反応する。モナチンを形成するR-MPの反応は、基質としてD-アミノ酸を用いる反応と共役するため、インドール-3-ピルビン酸を形成する反応のL-アミノ酸は、示された条件下で、R-MP反応に共役した反応における使用のためにリサイクルされない。対照的に、図3に例示される経路においては、インドール-3-ピルビン酸を形成するD-トリプトファンの反応を、D-アミノ酸生成物を形成する反応と共役させ、D-アミノ酸を、R-MP反応と共役させた反応における使用のためにリサイクルすることができる。これにより、非化学量のアミノ受容体を1工程で用いることが可能になる。本発明のいくつかの実施形態においては、D-アミノ酸は、D-アラニンである。
【0608】
図4および5は、図1に示される経路のさらなる改変であって、L-トリプトファン反応と共役させた反応により形成されるアミノ酸生成物と、MPのモナチンへの反応と共役させた反応のアミノ酸反応物とのリサイクルに関する、前記改変を例示している。
【0609】
図4を参照すると、L-アミノ酸のD-アミノ酸への変換およびその逆を容易にすることができる酵素を提供するリサイクルを達成する。より具体的には、図4に示されるように、L-トリプトファンがインドール-3-ピルビン酸を形成するように反応する場合にα-KGがL-グルタミン酸を形成するように反応する場合、L-グルタミン酸のD-グルタミン酸への変換およびその逆を容易にすることができるグルタミン酸ラセマーゼ(EC 5.1.1.3)または機能的等価物を提供することができる。そのような例においては、インドール-3-ピルビン酸の産生と同時に形成されるL-グルタミン酸は、D-グルタミン酸へのその変換の理由で除去され、次いで、L-グルタミン酸の変換から形成されたD-グルタミン酸が、MPからモナチンへの反応と共役させた反応のための基質として利用可能となる。同様に、D-グルタミン酸の反応において形成されたα-KGは、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸への反応と共役させた反応のための基質として利用可能となる。
【0610】
グルタミン酸ラセマーゼを誘導することができる潜在的な起源の非限定例としては、ペディオコッカス・ペントサセウス、バチルス・プミルス、ラクトバチルス・ファーメンティ、ラクトバチルス・ブレビス、大腸菌、アキフェックス・ピロフィルス、およびバチルス・サブチリスが挙げられる。より具体的には(また、非限定的である)、グルタミン酸ラセマーゼを、ペディオコッカス・ペントサセウスのmurI遺伝子(Genbank受託番号L22789)、またはラクトバチルス・ブレビスのグルタミン酸ラセマーゼなどの核酸から発現させることができる。
【0611】
L-トリプトファンがインドール-3-ピルビン酸を形成するように反応する場合に、オキサロ酢酸がL-アスパラギン酸を形成するように反応する場合、L-アスパラギン酸をD-アスパラギン酸に変換する、アスパラギン酸ラセマーゼ(EC 5.1.1.13)または機能的等価物を提供することができる。そのような例においては、インドール-3-ピルビン酸の産生と同時に、L-アスパラギン酸は、D-アスパラギン酸へのその変換の理由で除去され、次いで、L-アスパラギン酸の変換から形成されたD-アスパラギン酸は、MPからモナチンへの反応と共役させた反応のための基質として利用可能となる。同様に、D-アスパラギン酸の反応において形成されたオキサロ酢酸が利用可能となり、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸への反応と共役させた反応のための基質として働く。
【0612】
アスパラギン酸ラセマーゼ活性を有する好適な酵素の非限定例としては、ASPR-101 (BioCatalytics, Inc., Pasadena, CA)およびL-アスパラギン酸からD-アスパラギン酸への変換を容易にすることができるアミノ酸ラセマーゼ(EC 5.1.1.-)の相同体もしくは突然変異体が挙げられる。
【0613】
アスパラギン酸ラセマーゼを誘導することができる潜在的な起源の非限定例としては、デスルフロコッカス(Desulfurococcus)、サーモコッカス(Thermococcus)、二枚貝軟体動物、スカファルカ・ブロウトニ(Scapharca brouhtonii)、アシネトバクター(Acinetobacter)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)、アーケオグロブス(Archaeoglobus)、バチルス(Bacillus)、ボルデテラ(Bordetella)、ブラジリゾビウム(Bradyrhizobium)、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)、バークホルデリア(Burkholderia)、カンピロバクター(Campylobacter)、カンジダ(Candida)、カウロバクター(Caulobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、デスルフィトバクテリウム(Desulfitobacterium)、デスルホタレア(Desulfotalea)、エンテロコッカス(Enterococcus)、エルウィニア(Erwinia)、エシェリシア(Escherichia)、フェロプラズマ(Ferroplasma)、ヘリコバクター(Helicobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、ラクトバチルス(Lactobacillus)、マンハイミア(Mannheimia)、メジカゴ(Medicago)、メソリゾビウム(Mesorhizobium)、メタノコッカス(Methanococcus)、メタノサルシナ(Methanosarcina)、オセアノバチルス(Oceanobacillus)、オエノコッカス(Oenococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ポラリバクター(Polaribacter)、シュードモナス(Pseudomonas)、ピロコッカス(Pyrococcus)、ラルソニア(Ralsonia)、シゲラ(Shigella)、シノリゾビウム(Sinorhizobium)、サルモネラ(Salmonella)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、サーモアナエロバクター(Thermoanaerobacter)、ビブリオ(Vibrio)、ウォリネラ(Wolinella)、キサントモナス(Xanthomonas)、キサントバクター(Xanthobacter)、イェルシニア(Yersinia)およびザイモモナス(Zymomonas)が挙げられる。
【0614】
L-トリプトファンがインドール-3-ピルビン酸を形成するように反応する場合に、ピルビン酸がL-アラニンを形成するように反応する場合、アラニンラセマーゼまたは機能的等価物を提供して、L-アラニンをD-アラニンに変換することができる。そのような例においては、インドール-3-ピルビン酸の産生と同時に形成されたL-アラニンは、D-アラニンへのその変換の理由で除去され、次いで、L-アラニンの変換から形成されたD-アラニンが利用可能となり、MPからモナチンへの反応と共役させた反応のための基質として働く。同様に、D-アラニンの反応において形成されたピルビン酸が利用可能となり、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸への反応と共役させた反応のための基質として働く。
【0615】
好適なアラニンラセマーゼの非限定例としては、A8936(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)が挙げられる。
【0616】
アラニンラセマーゼを誘導することができる潜在的な起源の非限定例としては、ブルセラ・アボルタス(Brucella abortus)、ストレプトコッカス・ファカリス(Streptococcus faecalis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccaroyces pombe)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、およびレンチナス・エドデス(Lentinus edodes)が挙げられる。
【0617】
実施例18および21は、上記ラセマーゼの使用、所望のモナチン生成物の比率を増加させることに対するその影響、およびラセマーゼ酵素のための潜在的な起源の提供を例示する。
【0618】
図5を参照すると、立体反転アミノトランスフェラーゼを用いて、R-MPのモナチンへの反応を容易にする。典型的には、R,Rモナチン(もしくはS,Rモナチン)を形成するR-MP(もしくはS-MP)の反応を、D-アミノ酸の反応と共役させるが、立体反転アミノトランスフェラーゼは、L-アミノ酸を用いてR,Rモナチン(もしくはS,Rモナチン)を形成するR-MP(もしくはS-MP)の共役反応を容易にすることができる。この方法で、L-トリプトファンアミノトランスフェラーゼ反応のL-アミノ酸生成物を、MPのモナチンへのトランスアミノ化のための基質として用いることができ、MPからモナチンへの反応と共役させた反応の生成物(すなわち、オキサロ酢酸、ピルビン酸、および/もしくはα-KG)を、L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸への反応と共役させた反応のための出発材料として用いることができる。用いることができる立体反転アミノトランスフェラーゼの非限定例としては、D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.72、D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼとしても知られる)およびD-メチオニンアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.41、D-met-アミノトランスフェラーゼおよびD-メチオニン-ピルビン酸アミノトランスフェラーゼとしても知られる)が挙げられる。D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを誘導することができる潜在的な起源の非限定例としては、シュードモナス・プチダ(Pseudomonasu putida)のLW-4およびシュードモナス・スツツェリ(Pseudomonas stutzeri)のST-201などのシュードモナスが挙げられる。D-メチオニンアミノトランスフェラーゼを誘導することができる潜在的な起源の非限定例としては、カリフラワーおよびピーナッツが挙げられる。
【0619】
実施例19および20は共に、立体反転酵素の潜在的な起源、およびそのような酵素を作製する方法を提供する。この実施例はまた、そのような酵素を同定するためのスクリーニング方法も提供する。また、そのような酵素を、公知であるか、または天然で認められる立体反転酵素から進化させることができることも意図される。非限定例としては、立体反転アミノトランスフェラーゼは、D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼの相同体もしくは突然変異体、またはアミノ酸ラセマーゼ(EC 5.1.1.-)の相同体もしくは突然変異体であってよい。
【0620】
図6〜8も、図1の経路に対する改変を例示している。図6〜8中に例示された経路は、トリプトファン反応の副産物を除去し、いくつかの実施形態においては、MP反応のための基質を提供することにより、平衡反応を前方へ押す方法を提供する。
【0621】
図6を参照すると、示された経路は、それを異なるL-アミノ酸に変換することにより、トリプトファン反応と共役させた反応のL-アミノ酸生成物を除去した後、新しく形成されたL-アミノ酸をD-アミノ酸に変換することにより、MP反応と共役させた反応のための基質を提供する。具体的には、L-トリプトファンは、オキサロ酢酸と同時に反応して、インドール-3-ピルビン酸とL-アスパラギン酸を形成することが示される。アスパラギン酸4-デカルボキシラーゼ(EC 4.1.1.12)または機能的等価物を用いて、L-アスパラギン酸からL-アラニンおよび二酸化炭素への変換を容易にし、アラニンラセマーゼ活性を有する酵素を用いて、L-アラニンからD-アラニンへの変換を容易にし、D-アラニンはR-MPからモナチンへの変換のためのアミノ供与体として役立ち得る。
【0622】
図7を参照すると、示された経路は、トリプトファン反応と共役させた反応のL-アミノ酸生成物を除去するためのさらなる方法を例示する。図面に提供された実施形態は、例えば、揮発性(二酸化炭素など)に起因して、または未反応の最終生成物への同時変換により、逆方向に反応することができない副生成物をもたらす。そのような手法の例としては、α-KGがL-トリプトファンと同時に反応してL-グルタミン酸を産生する場合、L-グルタミン酸から4-アミノブタン酸(副生成物としての二酸化炭素を含む)への変換を容易にすることができる、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(EC 4.1.1.15)または機能的等価物を提供することができる。L-グルタミン酸デカルボキシラーゼを誘導することができる潜在的な起源の非限定例としては、クロストリジウム・ペルフリンジェンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・ウェルチ(C. welchii)、または大腸菌が挙げられる。
【0623】
トリプトファン反応を前方に移動させるためのそのような手法の別の例としては、オキサロ酢酸がL-トリプトファンと同時に反応する場合、L-アスパラギン酸からβ-アラニン(副生成物として二酸化炭素を含む)への変換を容易にするアスパラギン酸デカルボキシラーゼ(EC 4.1.1.11)または機能的等価物を提供することができることが挙げられる。
【0624】
図8を参照すると、示される経路は、トリプトファン反応と共役させた反応のL-アミノ酸生成物を除去し、MP反応と共役させた反応のための基質を提供するためのさらに別の方法を例示する。具体的には、α-KGがL-トリプトファンと同時に反応して、L-グルタミン酸を形成する場合、L-アラニンを形成する、ピルビン酸とL-グルタミン酸の反応を容易にすることができる、L-アラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有する酵素とピルビン酸を提供することができる。アラニンラセマーゼまたは機能的等価物を提供して、L-アラニンからD-アラニンへの変換を容易にすることもでき、D-アラニンを、モナチンおよびピルビン酸を形成するために、MPと共に基質として用いることができる。実施例18および21を参照されたい。
【0625】
モナチン誘導体のR,Rおよび他の立体異性体を製造するための生合成経路
記載された本発明の方法は、本明細書に記載のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを用いて、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にすることができることを含む。
【0626】
置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用な酵素としては、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、もしくは配列番号334のいずれかのアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチド、またはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列が挙げられる。
【0627】
一実施形態においては、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50、配列番号52、配列番号54、配列番号56、配列番号58、配列番号60、配列番号62、配列番号64、配列番号66、配列番号68、配列番号70、配列番号72、配列番号74、配列番号76、配列番号78、配列番号80、配列番号82、配列番号84、配列番号86、配列番号88、配列番号90、配列番号92、配列番号94、配列番号96、配列番号98、配列番号100、配列番号102、配列番号104、配列番号106、配列番号108、配列番号110、配列番号112、配列番号114、配列番号116、配列番号118、配列番号120、配列番号122、配列番号124、配列番号126、配列番号128、配列番号130、配列番号132、配列番号134、配列番号136、配列番号138、配列番号140、配列番号142、配列番号144、配列番号146、配列番号148、配列番号150、配列番号152、配列番号154、配列番号156、配列番号158、配列番号160、配列番号162、配列番号164、配列番号166、配列番号168、配列番号170、配列番号172、配列番号174、配列番号176、配列番号178、配列番号180、配列番号182、配列番号184、配列番号186、配列番号188、配列番号190、配列番号192、配列番号194、配列番号196、配列番号198、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、配列番号212、配列番号214、配列番号216、配列番号218、配列番号220、配列番号222、配列番号224、配列番号226、配列番号228、配列番号230、配列番号232、配列番号234、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号242、配列番号244、配列番号246、配列番号248、配列番号250、配列番号252、配列番号254、配列番号256、配列番号258、配列番号260、配列番号262、配列番号264、配列番号266、配列番号268、配列番号270、配列番号272、配列番号274、配列番号276、配列番号278、配列番号280、配列番号282、配列番号284、配列番号286、配列番号288、配列番号290、配列番号292、配列番号294、配列番号296、配列番号298、配列番号300、配列番号302、配列番号304のいずれかのHMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列は、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であり得る。
【0628】
別の実施形態においては、配列番号306、配列番号308、配列番号310、配列番号312、配列番号314、配列番号316、配列番号318、配列番号320、配列番号322、配列番号324、配列番号326、配列番号328、配列番号330、配列番号332、もしくは配列番号334のいずれかのKHGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドまたはアルドラーゼ活性を有するその断片もしくはサブ配列は、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であり得る。
【0629】
あるいは、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する核酸配列によりコードされるアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であってよい。
【0630】
本発明の一実施形態においては、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する核酸配列によりコードされるHMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であってよい。
【0631】
本発明の別の実施形態においては、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500個以上の残基の領域に渡って、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338などの、本発明に従う核酸に対して、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、もしくは完全(100%)な配列同一性を有する核酸配列によりコードされるKHGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であってよい。
【0632】
配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であってよい。
【0633】
本発明の一実施形態においては、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49、配列番号51、配列番号53、配列番号55、配列番号57、配列番号59、配列番号61、配列番号63、配列番号65、配列番号67、配列番号69、配列番号71、配列番号73、配列番号75、配列番号77、配列番号79、配列番号81、配列番号83、配列番号85、配列番号87、配列番号89、配列番号91、配列番号93、配列番号95、配列番号97、配列番号99、配列番号101、配列番号103、配列番号105、配列番号107、配列番号109、配列番号111、配列番号113、配列番号115、配列番号117、配列番号119、配列番号121、配列番号123、配列番号125、配列番号127、配列番号129、配列番号131、配列番号133、配列番号135、配列番号137、配列番号139、配列番号141、配列番号143、配列番号145、配列番号147、配列番号149、配列番号151、配列番号153、配列番号155、配列番号157、配列番号159、配列番号161、配列番号163、配列番号165、配列番号167、配列番号169、配列番号171、配列番号173、配列番号175、配列番号177、配列番号179、配列番号181、配列番号183、配列番号185、配列番号187、配列番号189、配列番号191、配列番号193、配列番号195、配列番号197、配列番号199、配列番号201、配列番号203、配列番号205、配列番号207、配列番号209、配列番号211、配列番号213、配列番号215、配列番号217、配列番号219、配列番号221、配列番号223、配列番号225、配列番号227、配列番号229、配列番号231、配列番号233、配列番号235、配列番号237、配列番号239、配列番号241、配列番号243、配列番号245、配列番号247、配列番号249、配列番号251、配列番号253、配列番号255、配列番号257、配列番号259、配列番号261、配列番号263、配列番号265、配列番号267、配列番号269、配列番号271、配列番号273、配列番号275、配列番号277、配列番号279、配列番号281、配列番号283、配列番号285、配列番号287、配列番号289、配列番号291、配列番号293、配列番号295、配列番号297、配列番号299、配列番号301、配列番号303、配列番号305の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるHMGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であってよい。
【0634】
本発明の一実施形態においては、配列番号307、配列番号309、配列番号311、配列番号313、配列番号315、配列番号317、配列番号319、配列番号321、配列番号323、配列番号325、配列番号327、配列番号329、配列番号331、配列番号333、配列番号335、配列番号336、配列番号337、および配列番号338の核酸に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸配列によりコードされるKHGアルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、置換されたインドール-3-ピルビン酸とC3炭素源との反応を容易にするのに有用であってよい。
【0635】
一実施形態においては、置換されたインドール-3-ピルビン酸の置換基は、インドール環の任意の炭素原子に結合したハロゲン原子である。別の実施形態においては、前記置換基は、インドール環の任意の炭素に結合した塩素原子である。さらに別の実施形態においては、モナチン誘導体は、4-ヒドロキシ-4-(6-メチルインドール-3-イルメチル)グルタミン酸である。
【0636】
アルドラーゼ活性を有し、本発明のいくつかの実施形態に従うポリペプチドを、1つ以上の工程が化学合成反応である多工程経路において用いることができる。例えば、いくつかの実施形態においては、アルドラーゼ活性を有する1個以上のポリペプチドは、モナチン前駆体を得るピルビン酸とインドール-3-ピルビン酸との反応を容易にすることができる。次いで、モナチン前駆体を精製することができる。次いで、モナチン前駆体の還元的アミノ化反応を用いて、モナチンを得ることができる。
【0637】
アルドラーゼ活性を有し、本発明のいくつかの実施形態に従うポリペプチドならびにモナチンおよびモナチン誘導体を製造するためのプロセスにおいて用いられる他の酵素を、純粋な、粗い、単離された、または硫酸アンモニウム懸濁形態で用いることができる。
【0638】
アルドラーゼ活性を有し、本発明のいくつかの実施形態に従うポリペプチドを、ジチオトレイトール(「DTT」)およびβ-メルカプトエタノールなどの安定化剤を用いて最適化することができる。
【0639】
本明細書に開示された1個以上のポリペプチドを用いて製造されるモナチンまたはモナチン誘導体は、一般的には、製造されるモナチンまたはモナチン誘導体の全重量の、少なくとも約50〜約99%のR,R-モナチンまたはR,R-モナチン誘導体である。他の実施形態においては、本明細書に開示された1個以上のポリペプチドを用いて製造されるモナチンまたはモナチン誘導体は、製造されるモナチンの全重量の、60%を超えるR,R-モナチンまたはR,R-モナチン誘導体である;例えば、R,R-モナチンまたはR,R-モナチン誘導体は、製造されるモナチンまたはモナチン誘導体の全量の70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%である。あるいは、様々な量のモナチンまたはモナチン誘導体の2種以上の調製物を混合して、望ましい割合のR,R-モナチンまたはR,R-モナチン誘導体である調製物を得ることができる。例えば、60%のR,R-モナチンであるモナチン調製物を、90%のR,R-モナチンであるモナチン調製物と混合することができる;等量の60%および90%R,R-モナチン調製物を混合する場合、得られるモナチン調製物は75%R,R-モナチンであろう。
【0640】
本明細書に開示された1個以上のポリペプチドを用いて製造される、モナチンもしくはモナチン誘導体、または中間体(モナチン前駆体など)を、該反応の成分から精製することができる。一実施形態においては、モナチン、モナチン誘導体またはモナチン前駆体などの中間体を、合成された酵素調製物から精製しようとする物質を簡単に除去することにより精製することができる。
【0641】
他の実施形態においては、前記中間体、モナチン前駆体、モナチンまたはモナチン誘導体を、得られる「精製された」組成物もしくは調製物が、全有機化合物の少なくとも約5〜60重量%のモナチンとなるように、それが合成された調製物から精製する。別の実施形態においては、モナチン、モナチン誘導体またはモナチン前駆体などの中間体を、全有機化合物の少なくとも約70重量%、80重量%、90重量%、95重量%もしくは99重量%の純度の程度まで精製することができる。本明細書に開示された1個以上のポリペプチドを用いて製造された、モナチン、モナチン誘導体または中間体(モナチン前駆体など)を、当業者には公知の任意の方法により、反応の成分から精製することができる。最適には、精製されたモナチンまたは中間体を、所望の程度の純度が達成されるまで、繰り返し再結晶させることができる。
【実施例】
【0642】
以下の実施例は、特許請求された本発明を限定するものではなく、例示するために提供されるものである。
【0643】
実施例1
モナチン、モナチン前駆体、トリプトファン、アラニン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸の検出
本実施例は、モナチン、モナチン前駆体(「MP」)、トリプトファン、アスパラギン酸、アラニン、およびグルタミン酸の存在を検出するのに用いられる方法を記載する。また、本実施例は、モナチンの4種の立体異性体の分離および検出のための方法も記載する。
【0644】
モナチンおよびトリプトファンのLC/MS/MS多反応モニタリング(「MRM」)分析
in vitroもしくはin vivoでの生化学反応から誘導されたモナチンおよびトリプトファンについての混合物の分析を、クロマトグラフとMicromass Quattro Ultimaトリプル四重極質量分析計との間に直列に配置されたWaters 996 Photo-Diode Array(PDA)吸収モニターを備えたWaters 2795液体クロマトグラフなどのWaters/Micromass液体クロマトグラフィータンデム質量分析計(LC/MS/MS)装置を用いて実施した。Xterra MS C8逆相クロマトグラフィーカラム、2.1 mm x 250 mmを40℃で用いて、LC分離を行った。LC移動相は、A) (i) 0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸もしくは(ii) 0.3%蟻酸および10 mM蟻酸アンモニウムを含む水ならびにB) (i)0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸もしくは(ii) 0.3%蟻酸および10 mM蟻酸アンモニウムを含むメタノールからなっていた。
【0645】
LC移動相がA)0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸を含む水およびB)0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸を含むメタノールからなる場合、勾配溶出は、5%のBから35%のBへの線状、0〜4分、35%のBから60%のBへの線状、4〜6.5分、60%のBから90%のBへの線状、6.5〜7分、90%のBでアイソクラチック、7〜11分、90%のBから95%のBへの線状、11〜12分、95%のBから5%のBへの線状、12〜13分、泳動の間に2分間の再平衡化時間であった。流速は0.25 mL/分であり、PDA吸収を200 nmから400 nmでモニターした。ESI-MSの全パラメーターを、目的の分析物のプロトン化分子イオン([M+H]+)の生成に基づいて最適化および選択した。モナチンおよびトリプトファンのLC/MS/MS多反応モニタリング(MRM)分析のために、以下の装置パラメーターを用いた:キャピラリー:3.5 kV;コーン:40 V;Hex 1: 20 V;絞り:0 V;Hex 2: 0 V; 光源温度:100℃;脱溶媒和温度:350℃;脱溶媒和ガス:500 L/h;コーンガス:50 L/h;低質量分解能(Q1):12.0;高質量分解能(Q1):12.0;イオンエネルギー:0.2;入口:-5 V;衝突エネルギー:8;出口:1V;低質量分解能(Q2):15;高質量分解能(Q2):15;イオンエネルギー(Q2):3.5;乗数:650。5個のモナチン特異的な親から娘へのMRM遷移を用いて、in vitroおよびin vivo反応においてモナチンを特異的に検出する。モニターされる遷移は、293.1〜158.3、293.1〜168.2、293.1〜211.2、293.1〜230.2、および293.1〜257.2である。トリプトファンを、MRM遷移204.7〜146.4を用いてモニターする。モナチンおよびトリプトファンの内部標準定量のために、各分析物とd5-トリプトファンおよびd5-モナチンの4種の異なる比率を含む4種の補正標準を分析する。これらのデータを、線形最小二乗分析にかけて、モナチンおよびトリプトファンに関する補正曲線を形成させる。各サンプルに固定量のd5-トリプトファンおよびd5-モナチン(d5-モナチンを、WO 03/091396 A2に由来する方法に従って、d5-トリプトファンから合成した)を添加し、応答比(モナチン/d5-モナチン;トリプトファン/d5-トリプトファン)を上記の補正曲線と組み合わせて用いて、混合物中の各分析物の量を算出する。
【0646】
LC移動相がA) 0.3%蟻酸および10 mM蟻酸アンモニウムを含む水ならびにB) 0.3%蟻酸および10 mM蟻酸アンモニウムを含むメタノールであった場合、勾配溶出は、5%のBから45%のBの線状、0〜8.5分、45%のBから90%のBの線状、8.5〜9分、90%のBから90%のBでのアイソクラチック、9〜12.5分、95%のBから5%のBの線状、12.5〜13分、泳動の間の4分間の再平衡化時間であった。流速は0.27 mL/分であり、PDA吸収を210 nm〜400 nmでモニターした。ESI-MSの全パラメーターを、目的の分析物のプロトン化分子イオン([M+H]+)の生成、および特徴的な断片イオンの産生に基づいて最適化および選択した。この第2の移動相について用いられた装置パラメーターは、上記と同じである。4種のモナチン特異的な親から娘へのMRM遷移および1種のトリプトファン特異的な親から娘への遷移を用いて、in vitroおよびin vivo反応においてモナチンおよびトリプトファンを特異的に検出する。モニターされる遷移は、293.1〜158.0、293.1〜168.0、293.1〜211.5、および293.1〜257.0である。トリプトファンを、MRM遷移205.2〜146.1を用いてモニターする。モナチンおよびトリプトファンの内部標準定量のために、各分析物とd5-トリプトファンおよびd5-モナチンの4種の異なる比率を含む4種の補正標準を分析する。これらのデータを、線形最小二乗分析にかけて、モナチンおよびトリプトファンに関する補正曲線を形成させる。各サンプルに固定量のd5-トリプトファンおよびd5-モナチン(d5-モナチンを、WO 03/091396 A2に由来する方法に従って、d5-トリプトファンから合成した)を添加し、応答比(モナチン/d5-モナチン;トリプトファン/d5-トリプトファン)を上記の補正曲線と組み合わせて用いて、混合物中の各分析物の量を算出する。d5-トリプトファンおよびd5-モナチンについてモニターされる親から娘への質量遷移は、それぞれ210.2〜151.1、および298.1〜172.0である。
【0647】
モナチンの正確な質量測定
高分解能MS分析を、Applied Biosystems-Perkin Elmer Q-Starハイブリッド四極/飛行時間質量分析計を用いて実行した。プロトン化されたモナチンについて測定された質量は、内部質量補正標準としてトリプトファンを用いた。元素組成C14H17N2O5に基づく、プロトン化されたモナチンの計算された質量は293.1137である。実施例2および3に記載の生物触媒プロセスを用いて製造されたモナチンは、293.1144の測定された質量を示した。これは、2 ppm未満の質量測定誤差であり、酵素的に製造されるモナチンの元素組成の最終的な証拠を提供する。
【0648】
モナチンのキラルLC/MS/MS(「MRM」)測定
in vitroおよびin vivo反応におけるモナチンの立体異性体分布の決定を、1-フルオロ-2-4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド(「FDAA」)を用いる誘導体化、次いで、逆相LC/MS/MS MRM測定により達成した。
【0649】
FDAAを用いるモナチンの誘導体化
50μLのサンプルもしくは標準物および10μLの内部標準に、アセトン中のFDAAの1%溶液100μLもしくは200μLを添加した。それぞれ、20もしくは40μLの1.0 M重炭酸ナトリウムを添加し、混合物を時々混合しながら、40℃で1時間インキュベートした。サンプルを除去および冷却し、20μLの2.0 M HClで中和した(緩衝化された生物学的混合物の中和を行うには、より多くのHClが必要であるかもしれない)。ガス抜きが完了した後、サンプルはLC/MS/MSによる分析にとって準備が整った。
【0650】
in vitroおよびin vivo反応におけるモナチンの立体異性分布の決定のためのLC/MS/MS多反応モニタリング
上記のLC/MS/MS装置を用いて、分析を行った。モナチン(特に、FDAA-モナチン)の4種全部の立体異性体を分離することができるLC分離を、Phenomenex Luna 2.0 x 250 mm (3μm)C18(2)逆相クロマトグラフィーカラム上、40℃で行った。LC移動相は、A)0.05%(質量/体積)の酢酸アンモニウムを含む水およびB)アセトニトリルからなっていた。溶出は、13%のBでアイソクラチック、0〜2分、13%のBから30%のBの線状、2〜15分、30%のB〜80%のBの線状、15〜16分、80%のBでアイソクラチック、16〜21分、および80%のBから13%のBの線状、21〜22分、泳動の間の8分間の再平衡化時間であった。流速は0.23 mL/分であり、PDA吸収を200 nm〜400 nmでモニターした。ESI-MSの全パラメーターを、FDAA-モナチンの脱プロトン化分子イオン([M-H]-)の生成、および特徴的な断片イオンの産生に基づいて最適化および選択した。
【0651】
モナチンのLC/MS分析のために、以下の装置パラメーターを陰性イオンESI/MSモードで用いた:キャピラリー:2.0 kV;コーン:25 V;Hex 1: 10 V;絞り:0 V;Hex 2: 0 V; 光源温度:100℃;脱溶媒和温度:350℃;脱溶媒和ガス:500 L/h;コーンガス:50 L/h;低質量分解能(Q1):12.0;高質量分解能(Q1):12.0;イオンエネルギー:0.2;入口:-5 V;衝突エネルギー:20;出口:1V;低質量分解能(Q2):12;高質量分解能(Q2):12;イオンエネルギー(Q2):3.0;乗数:650。3種のFDAA-モナチン特異的な親から娘への遷移を用いて、in vitroおよびin vivo反応においてFDAA-モナチンを特異的に検出する。モナチンのためにモニターした遷移は、543.2〜268.1、543.2〜499.3、および548.2〜530.3である。モニターしたモナチン内部標準誘導体質量遷移は、548.2〜530.3であった。FDAA-モナチン立体異性体の同定は、精製された合成モナチン立体異性体と比較したクロマトグラフィー保持時間、および質量分析データに基づく。反応の進行をモニターし、S,S立体異性体の保持時間の確認のために、内部標準を用いる。
【0652】
グルタミン酸およびアラニンなどのアミノ酸の液体クロマトグラフィー-ポストカラム蛍光検出
in vitroおよびin vivo反応におけるグルタミン酸およびアラニンの決定のためのポストカラム蛍光検出を用いる液体クロマトグラフィー(LC/OPA)を、Waters 2690 LC系またはWaters 474走査蛍光検出器、およびWatersポストカラム反応モジュールと組み合わせた等価物上で実施した。モナチンおよびトリプトファンの半定量分析も、この方法を用いて実施した。LC分離を、相互作用ナトリウム負荷イオン交換カラム上、60℃で行った。移動相Aは、PickeringのNa 328バッファー(Pickering Laboratories, Inc.;Mountain View, CA)であった。移動相Bは、PickeringのNa 740バッファーであった。勾配溶出は、0%のBから100%のB、0〜20分、100%のBでアイソクラチック、20〜36分、および100%のBから0%のBの線状、36〜37分であり、サンプルマトリックスに応じて、泳動の間に少なくとも5分間の再平衡化時間を用いた。移動相に関する流速は0.5 mL/分であった。OPAポストカラム誘導体化溶液に関する流速は0.5 mL/分であった。蛍光検出器設定は、EX 338-340 nmおよびEm 420-425 nmであった。分析のための内部標準として、ノルロイシンを用いた。アミノ酸の同定は、精製された標準物に関するクロマトグラフィー保持時間に基づいていた。
【0653】
LC/MS/MSによるL-およびD-アミノ酸の検出
生化学反応実験に由来する、リジン、アラニン、メチオニン、チロシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸などのL-およびD-アミノ酸の混合物を含むサンプルを、最初に蟻酸で処理して、タンパク質を変性させた。次いで、サンプルを遠心分離し、0.45μmナイロンシリンジフィルターを通して濾過した後、LC/MS/MS分析を行った。L-およびD-アミノ酸の同定は、保持時間および質量選択的検出に基づいていた。Waters 2690液体クロマトグラフィー系およびASTEC 2.1 mm x 250 mm Chirobiotic TAGクロマトグラフィーカラムを、45℃に設定されたカラム温度で用いることにより、LC分離を達成した。LC移動相AおよびBは、それぞれ、0.25%酢酸およびメタノール中の0.25%酢酸であった。アイソクラチック溶出を全ての方法に用いて、LおよびD異性体を分離した。リジンを、80%の移動相A、および20%のBを用いて溶出させた。グルタミン酸、アラニン、およびメチオニンを、60%の移動相Aおよび40%のBの溶出ならびに0.25 mL/分の流速を用いて分離した。アスパラギン酸、トリプトファン、チロシン、ロイシン、およびフェニルアラニンを、30%の移動相Aおよび70%のBを、フェニルアラニン以外の全部については0.3 mL/分の流速で用いて、異性体的に分離し、フェニルアラニンについては0.25 mL/分の流速で泳動した。
【0654】
L-およびD-アミノ酸の分析のための検出系は、Waters 996 Photo-Diode Array (PDA)検出器およびMicromass Quattro Ultimaトリプル四極質量分析計を含んでいた。195から350 nmを走査するPDAを、クロマトグラフィー系および質量分析計の間に直列に配置した。陽性電子スプレーイオン化モード(+ESI)で動作するMicromass Quattro Ultimaトリプル四極質量分析計に関するパラメーターを、以下のように設定した:キャピラリー:3.0 kV;コーン:20 V;Hex 1: 15 V;絞り:1 V;Hex 2: 0 V; 光源温度:100℃;脱溶媒和温度:350℃;脱溶媒和ガス:530 L/h;コーンガス:30 L/h;低質量分解能(Q1):12.5;高質量分解能(Q1):12.5;イオンエネルギー1:0.2;入口:-5;衝突エネルギー:8;出口1:10;低質量分解能(Q2):12.5;高質量分解能(Q2):12.5;イオンエネルギー2:0.5;乗数:650 V。多反応モニタリング(MRM)モードでのMS/MS実験を、グルタミン酸については147.8〜84.2および147.8〜102.1、アスパラギン酸については134.00〜74.30および134.00〜88.2、リジンについては147.3〜85.0、メチオニンについては150.3〜104.8、チロシンについては182.3〜137.0、ロイシンについては132.3〜87.0、およびフェニルアラニンについては166.3〜121.0の反応遷移を選択的にモニターするように設定した。2種の遷移を列挙する場合、後者の遷移を定量のために用いた。トリプトファンについては、多反応モニタリング(MRM)モードでのMS/MS実験を、205.2〜118.2、205.2〜146.1、および205.2〜188.2の反応遷移、ならびにd8-DLトリプトファンについては、212.1〜151.1の遷移を選択的にモニターするように設定した。遷移205.2〜146.1の分析物応答と、内部標準d8-D,L-トリプトファンのものとの比率を決定することにより、トリプトファンの定量を達成した。あるいは、トリプトファン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸の定量は、それぞれ、m/z=146.5、m/z=102.1、およびm/z=88.2のシグナル応答に基づいていた。
【0655】
標準物およびアッセイのためのモナチンおよびモナチン前駆体(「MP」)の製造
モナチンの製造
R,RおよびS,Sモナチンのラセミ混合物を、米国特許第5,128,482号に記載のように合成的に製造した。
【0656】
R,RおよびS,Sモナチンを、誘導体化および加水分解工程により分離した。簡単に述べると、モナチンラセミ混合物をエステル化し、遊離アミノ基をCbzでブロックし、ラクトンを形成させ、固定化されたプロテアーゼ酵素を用いてS,Sラクトンを選択的に加水分解した。また、モナチンを、Bassoli, A.ら、Eur. J. Org. Chem., 8:1652-1658, (2005)に記載のように分離することもできる。
【0657】
MPの製造
アミノ受容体としてピルビン酸ナトリウムを用いて、0.1 Mリン酸カリウムバッファー中のAT-103広範囲D-アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics, Pasadena, CA)を用いるR,Rモナチンのトランスアミノ化により、R-MPを製造した。アミノ受容体としてピルビン酸ナトリウムを用いて、0.1 Mリン酸カリウムバッファー中のAT-103 L-アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics, Pasadena, CA)を用いるS,Sモナチンのトランスアミノ化により、S-MPを製造した。30℃および約8.0〜8.3のpHで約20時間、両反応を実行した。水中で溶出する、RohmおよびHaas (Philadelphia, PA)疎水性樹脂(XADTM1600)を用いる調製規模のHPLCを用いて、両化合物を精製した。90%を超える純度のモナチンを含むサンプルを回収し、凍結乾燥した。
【0658】
実施例2
モナチン前駆体の検出
本実施例は、モナチン前駆体の2種のエナンチオマーの分離および検出に用いられる方法を記載する。
【0659】
モナチン前駆体の検出のための非キラル方法
96穴プレートから得た反応サンプルを、CTCPal自動サンプラー(LEAP Technologies, Carrboro, N.C.)を用いるAgilent Zorbax RX-C18, 3.5μm, 3.0 x 150 mmカラム上に注入した。生成物を、H2O/ACN(0.1%蟻酸)勾配を用いて分離した:
時間:0.00分 5%B
時間:4.00分 100%B
時間:5.00分 100%B
時間:5.10分 5%B
時間:6.50分 5%B。
【0660】
勾配を、0.8 mL/分で、LC-10ADvpポンプ(Shimadzu, Kyoto, Japan)により提供した。生成物を、API4000 TurboIon-Sprayトリプル四極質量分析計(Applied Biosystems, Foster City, CA)を用いて検出した。イオンスプレーおよび多イオンモニタリングを、陰イオンモードで目的の分析物について実施し、各分析を6.5分間継続した。
【0661】
ピルビン酸=87.1[M-H+]-
インドール-3-ピルビン酸=202.1[M-H+]-
生成物=290.0[M-H+]-
【0662】
RおよびSモナチン前駆体のキラルCE分析
P/ACE(商標)MDQキャピラリー電気泳動装置(Beckman Coulter, Fullerton, CA)を用いた。キラル開発キットを用いたが、これは少量のいくつかのキラル選択剤、必要なバッファーおよび2個のキャピラリー(Beckman Coulter, Fullerton, CA)を含む。あるいは、MPアッセイのみのために、以下の試薬および他の供給物を、Beckman Coulter (Fullerton, CA)または他の会社から別々に取得することができる:
コーティングされたキャピラリーN-CHO;50μm ID、65 cm全長の、もしくは融合されたシリカキャピラリー、
25 mMリン酸バッファー、pH 5
25 mgのヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン
キャピラリー条件化溶液、10 mL(あるいは、0.5%ポリエチレンオキシド溶液、MW600,000もしくは300,000ダルトン)。
【0663】
キャピラリー電気泳動(「CE」)分析
中性コーティングされたキャピラリー、50μm ID、60 cm(検出のためには50 cm)もしくは30(20) cmを、214 nmでDAD検出(もしくは単純なUV)と共に用いた。分離キャピラリーを15℃で、サンプルを4℃で温度安定化した。分離バッファーは、20 mMヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、25 mMリン酸、pH 5であった。典型的には、サンプル注入は0.5 psi, 5 sであった。分離は500 V/cm、逆転した極性(30 cmキャピラリーについては15 kV、60 cmについて30 kV)で行った。分離の間に用いた典型的な電流は、-28μAであった。MPピークに関する典型的な移動時間は、約3.5分(20 cmの有効長)または8分(50 cm)であった。
【0664】
サンプル泳動の前の、任意的なキャピラリークリーニング/洗浄/条件化工程は、H2Oを4分間、0.1 M HClを1分間、H2Oを1.5分間、キャピラリー条件化溶液を4分間、H2Oを1分間、分離バッファーを4分間使用した。
【0665】
泳動方法の概要は、キャピラリーの長さに応じて、分離バッファーでの洗浄を1〜2分間、0.5 psiで5秒間のサンプル注入、逆転した電圧極性15もしくは30 kVで5〜10分間の分離であった。
【0666】
実施例3
ピルビン酸アルドラーゼのための一般的アッセイ
種々のピルビン酸アルドラーゼの活性を測定するための例示的な方法は、一般的な基質、4-カルボキシ-4-ヒドロキシ-2-オキソアジピン酸(CHA)を用いる。CHAアッセイを、文献に記載のアッセイ(例えば、E.E. Dekker & R.P. Kitson, J. Biol. Chem. 267, 10507-10514, 1992を参照)から適合させた。典型的なアッセイは、50 mMリン酸ナトリウムpH 7.5、1 mM MgCl2、1 mM CHA、10μg/mlのラクトバチルス・レイチマニ(Lactobacillus leichmanii)由来D-硫酸デヒドロゲナーゼ(LDH)(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)、0.5 mM NADHを含んでいた。このアッセイを、酵素を添加することにより開始させた(典型的には、1〜5μL)。NAD+の形成と共役させた、ピルビン酸の遊離を、340 nmで分光光度計中で連続的にモニターした。
【0667】
CHAを、Tack, B.F. Chapman, P.J.およびS. Dagley. J. Biol. Chem. 247 6438-6443 (1972)に記載の手順に従って合成した。
【0668】
HMGおよび/もしくはKHGアルドラーゼなどのピルビン酸アルドラーゼ酵素などの酵素活性の単位を、1分間あたり1ODにより、340 nmでの吸光度を低下させるのに十分なピルビン酸を遊離させる量と定義する。
【0669】
実施例4
Diversa環境ライブラリーからの新規ケト-ヒドロキシ-グルタル酸(KHG)およびヒドロキシ-メチル-ケト-グルタル酸(HMG)アルドラーゼの発見
150種を超えるユニークなHMGアルドラーゼおよび15種のKHGアルドラーゼを、Diversa DNAライブラリーをスクリーニングすることにより発見した。これらのアルドラーゼ遺伝子を配列決定し、好適な発現ベクター中にサブクローニングした。次いで、このベクターを、酵素の特性評価にとって十分な量のアルドラーゼの産生のために、好適な発現宿主に形質転換した。選択されたセットのアルドラーゼを、CHAに対する活性について、またモナチン前駆体(MP)の形成について試験した。本特許で発見され、記載された全ての酵素は、以下の一般的な反応スキームに例示されるように、α-ケト酸受容体とピルビン酸もしくはピルビン酸誘導体との間の他の炭素-炭素結合形成反応における使用のための能力を有する。
【化6】

【0670】
[式中、
R=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R2=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル
R3=H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ベンジル、置換ベンジル、カルボン酸である]。
【0671】
実施例5
選択されたアルドラーゼの特性評価
選択されたアルドラーゼを、以下のスキームに示されるような、インドール-3-ピルビン酸およびピルビン酸のモナチン前駆体(MP)への変換を触媒するその能力に関して特性評価した。
【化7】

【0672】
図13および14は、LC/MS/MSにより測定されるように、MPの形成における58種の異なるアルドラーゼの活性を示す。
【0673】
アルドール反応を、20 mMインドール-3-ピルビン酸(「I3P」)、50 mMピルビン酸、100 mMリン酸ナトリウムpH 7、1 mM MgCl2、100μg/mLアルドラーゼを用いて行った。反応物を、暗室中、室温でインキュベートした。様々な時間でアリコート(30μL)を除去し、サンプルを氷上で保存することにより、反応を停止させた。各アリコートの一部をCE分析のために提出したが、残りの部分を50%アセトニトリル中、1:1000に希釈し、LC/MS分析のために提出した。
【表2】


【0674】
98%を超えるR-MPの選択性は、S-MPが検出されなかったことを示すことに留意されたい。CEアッセイの選択性を考慮すれば、上記結果は、形成された少なくとも98%のMPがR-エナンチオマーであることを示している。かくして、98%を超えるとして列挙された酵素は、R-MPに対する少なくとも98%の選択性であり、最大で100%の選択性であってもよい。
【0675】
表2はまた、一般的アルドラーゼ基質、CHAに対する酵素の活性、ならびにSDS-PAGEにより決定される、各酵素の相対的発現を示す。いくつかの酵素は、CHAに対する検出可能な活性を示さなかったが、それらはMPの作製においては活性を示したことに留意されたい。
【0676】
まとめると、アルドラーゼは、様々な範囲の活性、発現および選択性を示す。さらに、R-MPに対する非常に高い選択性を示す多くのアルドラーゼが存在する。
【0677】
実施例6
植物ピルビン酸アルドラーゼの発見
スクレロチトン・イリシフォリウス(Sclerochiton ilicifolius)から調製されたcDNAから、アルドラーゼ遺伝子を抽出するために、縮重PCRプライマー(以下を参照)を設計し、使用した。この遺伝子の5'および3'末端を回収した後、完全長遺伝子をPCR増幅した。
【0678】

【0679】
実施例7
バチルス・スフェリクス(Bacillus sphaericus)のD-アミノ酸アミノトランスフェラーゼのクローニング
バチルス・スフェリクスのD-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.21、D-アラニンアミノトランスフェラーゼもしくはD-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)を、様々なアルドラーゼを用いる組合せアッセイにおける使用のために、組換え的に産生させた。この酵素は、モナチンの製造について以前に記載されたD-アミノトランスフェラーゼと相同である(米国特許公開第20040063175号および同第20050282260号)。
【0680】

バチルス・スフェリクス(ATCC番号10208)を、30℃で一晩、栄養培地上で増殖させた。コロニー群を、100μLの滅菌水に入れ、95℃で5分間加熱し、細胞を破壊した。3μLを、その後のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅において用いた。
【0681】
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコル
NcoIおよびBamHI部位を用いる、pET 28bおよびpET 30aベクター(Novagen, Madison, WI)中へのクローニングのために、プライマーを設計した。pET 30構築物は、N-末端His-タグおよびS-タグを含むが、pET 28構築物はタグを含まない。
【0682】
バチルス・スフェリクスのdatプライマー:
N末端:5'-GATATACCATGGCATACTCATTATGGAATG-3' (配列番号383)およびC末端: 5'-GTTATCGGATCCTTAGGCATTAATTGAAATTG-3' (配列番号384)。
【0683】
コード領域を、以下のPCRプロトコルを用いて増幅した。50μL反応物においては、3μLの鋳型、1.6μMの各プライマー、0.25 mMの各dNTP、3.5 UのExpand High Fidelity Polymeraze (Roche, Indianapolis, IN)、およびMgを含む1X Expand(商標)バッファーを用いた。用いたサーモサイクラーのプログラムは、94℃で3分間のホットスタート、次いで、以下の工程の8回の繰り返し:94℃で30秒、52℃で30秒、および72℃で2分間を含んでいた。22回のその後のサイクルを、58℃のアニーリング温度で行った。30サイクルの後、サンプルを72℃で7分間維持した後、4℃で保存した。正確なサイズのクリーンなPCR産物を取得した(dat遺伝子については約850 bp)。
【0684】
クローニング
Qiagen QIAquick PCR精製キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いてPCR産物を精製し、BamHIバッファー(New England Biolabs, Ipswich, MA)中のBamHIおよびNcoIで消化した。
【0685】
消化したベクターおよび挿入物を、Qiagen QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen, Valencia, CA)を用いて精製した。Roche Rapid DNA Ligation Kit (Roche, Indianapolis, IN)を用いて連結を行い、QIAquick PCR精製キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて精製した。連結物を、Bio-Radエレクトロポレーションマニュアル(Bio-Rad, Hercules, CA)に記載のように0.2 cmキュベットおよびBio-Rad Gene Pulser II系を用いて大腸菌DH10B中に形質転換した。細胞を、37℃、225 rpmで30分間、900μLのSOC培地中に回収させた。細胞を、カナマイシン(25μg/mL)を含むLB-寒天プレート上に塗布した。
【0686】
Qiagenスピンミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いてプラスミドDNAを精製し、BamHIおよびNcoIを用いる制限消化により、正確な挿入物についてスクリーニングした。正確な挿入物を有するように見えるプラスミドの配列を、Agencourt BioScience Corporation (Beverly, MA)でジデオキシ鎖終結DNA配列決定により検証した。配列決定により、受託番号AAC33964(gi:3513755)に列挙されたアミノ酸配列を有するタンパク質を産生する、NCBI受託番号AF081278の領域中に認められるコード配列:134.985(gi:3513754)を検証された。
【0687】
遺伝子発現およびアッセイ
プラスミドDNAを、大腸菌発現宿主BL21(DE3)(Novagen, Madison, WI)中にサブクローニングした。培養物を増殖させ、Qiagenミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いてプラスミドを単離し、制限消化により分析して、同一性を確認した。典型的には、カナマイシン(50μg/mL)を含むLB培地中で誘導を行った。細胞を0.4〜0.8のOD600まで増殖させ、0.1 mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘導し、誘導後4時間でサンプリングした。Novagen BugBuster(商標)試薬(Novagen, Madison, WI)に添付のプロトコルに従って、細胞抽出物を調製した(ベンゾナーゼヌクレアーゼおよびRoche完全プロテアーゼ阻害剤カクテルを添加した(Roche, Indianapolis, IN))。SDS-PAGEにより判定されるように、非常に高いレベルの可溶性タンパク質が、予測された分子量で得られた。いくつかの反応のために、pET 30遺伝子産物を、製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI)に従ってHis-Bindカートリッジを用いて精製した。溶離画分をPD-10(GE Healthcare, Piscataway, NJ)カラム上で脱塩し、25〜100 mMのリン酸カリウムバッファー、pH 7.5中で溶出させた。
【0688】
細胞抽出物を、以下のプロトコルを用いるピルビン酸およびD-トリプトファンからのアラニンの以下の製造により、D-アミノトランスフェラーゼ活性について分析した。典型的には、1 mLの反応物を、100 mMリン酸カリウムバッファー(pH 7.5)、50μMリン酸ピリドキサル、25 mMピルビン酸ナトリウム、および50 mM D-トリプトファン中で実行した。無細胞抽出物または精製酵素の添加により、反応を開始させ、緩やかに振とうしながら、30℃で15分〜一晩インキュベートした。2%の最終濃度で蟻酸を添加して反応を停止させ、沈降したタンパク質を遠心分離により除去した。タンパク質を添加しない対照反応も行った。また、0時間点を陰性対照として用いた。実施例1に記載のOPA誘導体化を用いて、アラニンを検出した。
【0689】
実施例8
配列番号8、配列番号4、配列番号12および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドならびにコマモナス・テストステロニ(C. testosteroni)のProAの総モナチン産生および異性体分布の比較
AT-103トランスアミナーゼ(広い特異性のD-アミノトランスフェラーゼ)を、BioCatalytics (Pasadena, CA)から購入し、この酵素または実施例7で製造された組換え酵素を、HMGアルドラーゼとの共役反応において用いて、米国特許出願公開第20050282260号に記載のD-トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを製造した。コマモナス・テストステロニ由来ProAアルドラーゼを、比較目的のための基準アルドラーゼとして使用し、米国特許出願公開第20040063175号およびWO 03091396 A2に記載のように調製した。試験したアルドラーゼを単離し、実施例4に記載のように形質転換した。
【0690】
試験量の各アルドラーゼを製造するために、50 mLの培養物を、アンピシリン(100μg/mL)を含むLB培地中で、約0.5のOD600まで増殖させた。配列番号7、配列番号3および配列番号11の構築物を含む株を、100μMのIPTGを用いて誘導した。配列番号27の構築物を含む株を、200μg/Lのアンヒドロテトラサイクリンを用いて誘導した。細胞を誘導後5時間増殖させ、細胞抽出物を製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI, Bugbuster試薬)に従って調製した。ベンゾヌクレアーゼおよびプロテアーゼ阻害剤も添加した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質を、Bio-Rad Laboratories Experion Automated Electrophoresis Station (Bio-Rad, Hercules, CA)上で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を用いて、濃度および発現率について分析した。
【0691】
1 mLの反応混合物あたり、以下のものを添加した:約50μgのアルドラーゼ(特に指摘しない限り、細胞抽出物中に供給)、4 mM MgCl2、50 mM D-トリプトファン、0.5 mgの精製されたバチルス・スフェリクスのD-アミノトランスフェラーゼ、200 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、および0.05 mM PLP。アルドラーゼを添加しない陰性対照を用いて、実験を2回行った。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で1時間、2時間、および一晩(17〜20時間)インキュベートした。マグネシウムおよびリン酸により触媒される非酵素反応に起因して、アルドラーゼを含まない少量のモナチン(<0.5 ppm)が、一晩の反応中で製造される。それらの値を、以下に示される数から差し引き、平均した結果を示す。これらの方法を用いてモナチンを製造する場合に検出される唯一の立体異性体は、R,RおよびS,Rである。R,Rの割合を以下に列挙し、逆相LCピーク面積により決定した。
【表3】

【0692】
配列番号28(18時間)のサンプルも、実施例1に列挙されたFDAA誘導体化方法により立体異性体分布について分析し、94.9%のR,Rおよび5.1%のS,Rモナチンの結果を得た。
【0693】
出発基質としてL-トリプトファンを用いて、およびアルドラーゼと、米国特許出願公開第20050282260号に記載のように製造されたHexAspC広特異性L-アミノトランスフェラーゼとを結合させて、平行して同じ実験を行い、精製した。これらの反応は、主にS,SモナチンおよびR,Sモナチンを生じるべきである。また、L-トリプトファントランスアミノ化のためのアミノ受容体として、10 mMのα-ケトグルタル酸を反応物に補給した。再度、2回の結果を総モナチンについて以下のように平均し(存在するアルドラーゼを含まないバックグラウンドレベルを差し引く)、S,Sモナチンの割合を、逆相LCピーク面積に基づいて示す。いくらかの場合、アルドラーゼは全くR特異的であり、ほとんど総モナチンを産生しないため、立体異性体分布の逆相評価は、S,S/R,Rモナチンピークと共に溶出することができるトリプトファンピークのいくらかのテイリングに起因して、正確性が低い。その傾向は、アルドラーゼのR特異性の比較においては依然として有益である。FDAA誘導体化方法を用いるさらなる分析の結果を、いくつかのサンプルについて括弧内に示すが、これはより正確である。上記の総モナチン数である約400 ppmは、結果を定量するのに用いられる標準物の規模の線形範囲よりも高く、従って定量的な結果である。典型的には、コマモナス・テストステロニのProAアルドラーゼは、米国特許出願公開第20050282260号に示されるように、95〜100%のS,Sモナチンを産生する。
【表4】

【0694】
当業者であれば、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドのR特異性は、基準ProA酵素と比較して非常に高く、これは、これらの反応におけるS-MPに対するHexAspCアミノトランスフェラーゼの高い程度特異性にも関わらず、産生されるS,Sモナチンの割合が低いことを反映していることがわかるであろう。S,Sモナチン産生とR,Rモナチン産生を比較する場合、総モナチン数は、アルドラーゼ活性を示唆しない。D-アミノトランスフェラーゼは、特に、これらの反応中に存在するMPの濃度で、HexAspCよりも活性が低い。
【0695】
配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドと、コマモナス・テストステロニに由来するProA酵素のさらなる比較のために、D-アミノトランスフェラーゼとアルドラーゼの比率の変化を、D-トリプトファンから開始する反応において用いた(これらの実験については2つのサンプルを用いない)。反応を上記のように行った。アルドラーゼ濃度を一定に維持する反応については、約50μgを用いた。D-アミノトランスフェラーゼを一定に維持する反応については、0.5 mgを用いた。2および10 mg/mLの濃度のD-アミノトランスフェラーゼについては、凍結乾燥された酵素を用いた。2つの最も高いD-アミノトランスフェラーゼ濃度については、2回行った。
【表5】


【0696】
400 ppmを超えるモナチンレベルについては、結果は標準曲線の線形範囲にはなく、近似値のみである。産生されるR,Rモナチンの最大量は、好適に希釈された場合、1100 ppmであった。FDAA立体異性体分析を、10 mg/mLのD-アミノトランスフェラーゼサンプルを用いて、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについて行った。2時間で、サンプルは98.5%のR,Rモナチンを含んでいた。17時間で、サンプルは95.9%のR,Rモナチンを含んでいた。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、長いインキュベーション時間および大量のアミノトランスフェラーゼを用いた後でも、高い割合のR,Rモナチンを産生した。十分なD-アミノトランスフェラーゼを供給する場合、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、コマモナス・テストステロニのProAアルドラーゼと同じぐらい多くの総モナチンを産生するが、これは同様の比活性を示している。
【表6】

【0697】
アルドラーゼ濃度を変化させた場合、総モナチンの増加はほとんどない。R,Rの割合は、時間と共に減少し、特に、D-アミノトランスフェラーゼが限定的である場合、アルドラーゼ濃度と共に減少する。
【0698】
試験したアルドラーゼのR特異性をさらに試験するために、米国特許出願公開第20050282260号に記載のように製造および精製された、L-トリプトファンおよびHexAspCアミノトランスフェラーゼから出発する実験を行った。HexAspCは、S-MP対R-MPのトランスアミノ化に対する強い選択性を示し、かくして、50%を超える割合のR,Sモナチンは、高度に立体特異的なアルドラーゼを示す。10 mMのα-ケトグルタル酸をアミノ受容体として供給した;しかしながら、高濃度では、ピルビン酸はL-アミノトランスフェラーゼによっても利用される。これらの反応においては、典型的にはS,SおよびR,Sモナチンのみが、FDAA誘導体化プロトコルの検出限界内で産生される。
【表7】

【0699】
【表8】

【0700】
配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドなどの、高度にR特異的であるアルドラーゼについては、少ない総モナチンが産生され、アルドラーゼ量の増加は総モナチン(ならびにS,Sの割合)を増加させる。これらのアルドラーゼは、少ないS-MP基質を産生するが、これは用いられるL-アミノトランスフェラーゼのための好ましい基質である。ProAなどのあまりR特異的ではない酵素については、アルドラーゼの増加は総モナチン産生またはS,Sモナチンの割合を有意に改善しない。添加するL-アミノトランスフェラーゼ量の増加は、産生されるS,Sモナチンの割合を減少させる。上記分析に基づけば、配列番号8のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、R特異性の点で、ProAと、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドとの間であり、R-MPの割合がアルドール工程のみについて測定された上記データと一致する。
【0701】
配列番号27のサブクローニング
以下のプライマーを用いてアルドラーゼ遺伝子をPCR増幅した:5’-gaggagctcgagtcagacgtatttcagtcctttttc-3’ (配列番号385)および5’-agaagacatatgatttatcagccggggac-3’ (配列番号386)。アルドラーゼ遺伝子(配列番号27)は、配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする。得られるPCR産物を、XhoIおよびNdeIで消化して、プライマー中で遺伝子操作した部位を切断した。断片をゲル精製(QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen, Valencia, CA))し、XhoIおよびNdeIで消化し、ゲル精製されたpET28bと連結した(T4 DNAリガーゼを用いて)。連結物を、TOP10F'化学的コンピテント細胞に形質転換した。プレート上で増殖しているクローンを挿入物についてスクリーニングし、挿入物を含むいくつかの単離物をDNA配列分析(Agencourt, Beverly, MA)に提出した。
【0702】
配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの精製
確認されたアルドラーゼクローンを、BL21 DE3またはBL21 DE3 pLysS中に形質転換した。好適な抗生物質と共に増殖させた一晩培養物を、新鮮な培地中に希釈し(典型的には、1:100)、37℃で通気しながら約0.6のOD600まで増殖させた。次いで、培養物を1 mM IPTGで誘導し、30℃(通気しながら)にシフトさせ、インキュベーションを一晩継続した。細胞を遠心分離により収穫した。典型的には、細胞ペレットを1回の凍結解凍サイクルにかけて、細胞溶解を援助した。細胞ペレットをBugBusterおよびBenzonase(Novagen, Madison, WI)中で溶解させた(製造業者のプロトコルに従う)。細胞破片を遠心分離により除去した。粗タンパク質抽出物を、製造業者のプロトコルに従って調製されたHisBindカラム(Novagen, Madison, WI)に印加した。カラムを洗浄し、タンパク質を製造業者のプロトコルに従って溶出させた。精製されたタンパク質を、PD-10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて脱塩した。交換のために用いたバッファーは、50 mMリン酸カリウムpH 7.5、100 mM NaCl、4 mM MgCl2であった。精製されたタンパク質を、Amicon遠心分離濃縮装置(Millipore, Billerica, MA)を用いて濃縮した。
【0703】
実施例9
配列番号40、配列番号298、配列番号36、配列番号62、配列番号64、配列番号96、配列番号54、配列番号122、配列番号142、配列番号42、配列番号130、配列番号112、配列番号108、配列番号94、配列番号80、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドの総モナチン産生および異性体分布の比較
AT-103トランスアミナーゼ(広特異性D-アミノトランスフェラーゼ)を、BioCatalytics (Pasadena, CA)から購入し、この酵素または実施例7で作製された組換え酵素を、HMGアルドラーゼとの共役反応において用いて、米国特許出願公開第20050282260号に記載のようにD-トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを製造した。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチド(his-タグ付)を、比較目的のための基準アルドラーゼとして用い、実施例8の最後に記載のように製造および精製した。試験した他のアルドラーゼを、実施例4に記載のように単離および形質転換した。
【0704】
試験量の各アルドラーゼを作製するために、25 mL培養物を、アンピシリン(100μg/mL)を含むLB培地中で、約0.4のOD600まで増殖させた。この株を100μMのIPTGで誘導した。細胞を誘導後4時間増殖させ、細胞抽出物をベンゾヌクレアーゼを用いて製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI, Bugbuster試薬)に従って調製した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質を、Bio-Rad Laboratories Experion Automated Electrophoresis Station (Bio-Rad, Hercules, CA)上で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を用いて濃度および発現率について分析した。
【0705】
反応混合物1 mLあたり、以下のものを添加した:約50μgのアルドラーゼ(特に指摘しない限り、細胞抽出物中に供給)、4 mM MgCl2、50 mg/mL D-トリプトファン、2 mg AT-103 (BioCatalytics, Pasadena, CA)、200 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、および0.05 mM PLP。D-トリプトファンはこれより高い濃度では可溶性ではないが、これを用いて反応が飽和量のD-トリプトファンで維持されることを確保した。アルドラーゼを添加しない陰性対照と共に、実験を2回行った。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で2時間および一晩(17〜20時間)インキュベートした。マグネシウムおよびリン酸により触媒される非酵素反応に起因して、アルドラーゼを含まない少量のモナチン(<0.5 ppm)が、一晩で産生される。R,Rモナチンの割合(%)の典型的な値は、これらのサンプルについては50%である。陰性対照値を、以下に示される数から差し引き、平均した結果を示す。これらの方法を用いてモナチンを製造する場合に検出される唯一の立体異性体は、R,RおよびS,Rである。R,Rの割合(%)を以下に列挙し、逆相LCピーク面積により決定した。同じ実験を、細胞抽出物および配列番号28のアルドラーゼ活性を有する精製されたポリペプチドを-20℃で2ヶ月間保存した後に行い、この時点で50 mM D-トリプトファンを実施例8において用いた。約50μgを再度用いた配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを除いて、2回、アルドラーゼの量を添加した。これらの結果を表9の右側に示す。異性体分布に関するFDAA誘導体化の結果を括弧内に示す。
【表9】

【0706】
当業者であれば、活性の比率に基づいて、特定の酵素が他のアルドラーゼよりも保存に対してより安定であることを理解できるであろう。ほとんど4-ヒドロキシ-4-メチルグルタミン酸である二次生成物を、これらの反応の間に形成させることもできる。上記酵素を、そのピーク面積を副生成物に対して比較することにより、モナチン産生に対するその特異性について順位付けした。その結果は、配列番号122>配列番号42>配列番号80>配列番号108>配列番号96>配列番号112>配列番号130>配列番号36>配列番号94>配列番号298>配列番号40>配列番号142>配列番号54>配列番号64>配列番号28>配列番号62のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドであった。
【0707】
最初に実験に基づいて、配列番号298、配列番号54、および配列番号42のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、活性レベルおよび産生されるR,Rモナチンの割合(%)の点で、最も有望であるように見えた。これらの酵素を、his-タグを含む、および含まないpET発現ベクター中にサブクローニングした。
【0708】
配列番号297、配列番号53、および配列番号41のクローニング
クローニングのために用いたプライマー:
【表10】

【0709】
配列番号297、配列番号53、および配列番号41を、PCRにより増幅し、好適な酵素(配列番号297および配列番号53を含むPCR産物についてはNdeIとBamHI、配列番号41を含むPCR産物についてはNcoIとBamHI)で消化し、ゲル精製した(QIAquick Gel Extraction Kit (Qiagen, Valencia, CA))。配列番号297と配列番号53を、NdeIとBamHIで消化し、ゲル精製されたpET28中に個別に連結した。配列番号41を、NcoIとBamHIで消化し、ゲル精製されたpET30に連結した。連結物を、TOP10中に形質転換した。コロニーを挿入物についてスクリーニングした。挿入物を含む単離物を、DNA配列分析(Agencourt, Beverly, MA)に提出した。
【0710】
アルドラーゼの精製
確認されたアルドラーゼクローンを、BL21 DE3またはBL21 DE3 pLysS中に形質転換した。好適な抗生物質と共に増殖させた一晩培養物を、新鮮な培地中に希釈し(典型的には、1:100)、37℃で通気しながら約0.6のOD600まで増殖させた。次いで、培養物を1 mM IPTGで誘導し、30℃(通気しながら)にシフトさせ、インキュベーションを一晩継続した。細胞を遠心分離により収穫した。典型的には、細胞ペレットを1回の凍結解凍サイクルにかけて、細胞溶解を援助した。細胞ペレットをBugBusterおよびBenzonase(Novagen, Madison, WI)中で溶解させた(製造業者のプロトコルに従う)。細胞破片を遠心分離により除去した。粗タンパク質抽出物を、製造業者のプロトコルに従って調製されたHisBindカラム(Novagen, Madison, WI)に印加した。カラムを洗浄し、タンパク質を製造業者のプロトコルに従って溶出させた。精製されたタンパク質を、PD-10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて脱塩した。交換のために用いたバッファーは、50 mMリン酸カリウムpH 7.5、100 mM NaCl、4 mM MgCl2であった。精製されたタンパク質を、Amicon遠心分離濃縮装置(Millipore, Billerica, MA)を用いて濃縮した。
【0711】
精製されたアルドラーゼの試験
精製されたアルドラーゼを、D-トリプトファンからR,Rモナチンを産生するその能力について試験した。1 mLの反応混合物あたり、以下のものを添加した:約50μgの精製されたアルドラーゼ、4 mM MgCl2、50 mM D-トリプトファン、0.5 mgの精製されたバチルス・スフェリクスのD-アミノトランスフェラーゼ、200 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、および0.05 mM PLP。サンプルを2時間および一晩で取得した。結果を以下の表11に示す。
【表11】

【0712】
出発基質としてL-トリプトファンを使用し、アルドラーゼと、米国特許出願公開第20050282260号に記載のように製造および精製されたHexAspC広特異性L-アミノトランスフェラーゼ(0.5 mgの精製されたタンパク質)とを結合させる同じ実験を行った。総モナチン産生(存在するアルドラーゼを含まないバックグラウンドレベルを差し引く)についての結果を以下の表12に示し、S,Sモナチンの割合を、逆相LCピーク面積に基づいて示す。400 ppmを超える数は、標準曲線の線形範囲の外側にあり、近似である。
【表12】

【0713】
これらのデータおよび上記のR,Rモナチンのデータは、R-MP特異性について、アルドラーゼ活性を有するポリペプチドが、配列番号28>配列番号54>配列番号298>配列番号42の順番を有することを示している。
【0714】
実施例10
配列番号116、配列番号76、配列番号44、配列番号148、配列番号46、配列番号134、配列番号74、配列番号126、配列番号102、配列番号58、配列番号88、配列番号50、配列番号106、配列番号304、配列番号300、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについての総モナチン産生および異性体分布の比較
実施例7で作製された組換え酵素を、HMGアルドラーゼとの共役反応において用いて、米国特許出願公開第20050282260号に記載のようにD-トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを製造した。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを、これらのアッセイにおける基準アルドラーゼとして用い、実施例8に記載のように精製した。
【0715】
試験量の各アルドラーゼを作製するために、25 mLの培養物を、アンピシリン(100μg/mL)を含むLB培地中で、約0.5のOD600まで増殖させた。培養物を1 mMのIPTGで誘導した。細胞を30℃にシフトし、一晩増殖させた。細胞抽出物を製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI, Bugbuster試薬)に従って調製した。ベンゾヌクレアーゼも添加した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質を、Bio-Rad Laboratories Experion Automated Electrophoresis Station (Bio-Rad, Hercules, CA)上で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を用いて濃度および発現率について分析した。
【0716】
反応混合物1 mLあたり、以下のものを添加した:約50μgのアルドラーゼ(特に指摘しない限り、細胞抽出物中に供給)、4 mM MgCl2、50 mM D-トリプトファン、0.5 mgの精製されたバチルス・スフェリクスのD-アミノトランスフェラーゼ、200 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、および0.05 mM PLP。ジチオトレイトール(「DTT」)を、以下に記載のようにサンプルに添加した(最終濃度2 mM)。実験を2回行った。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で2時間、および一晩(20時間)インキュベートした。平均した結果を以下に示す。これらの方法を用いてモナチンを産生する場合に検出される唯一の立体異性体は、R,RおよびS,Rである。R,Rの割合(%)を以下に示すが、これは逆相LCピーク面積により決定されたものである。
【表13】

【0717】
総モナチン産生数は、1 ppm〜200 ppm以上の範囲であり、R,Rの割合は0%〜99%の範囲であった。アミノトランスフェラーゼが、全てのアルドラーゼについて同じであったため、アルドラーゼの変化は、産生されるモナチンの量および産生されるモナチンの立体異性体分布の両方に対して有意な影響を有し得る。DTT(以下のサンプル中のような)は、産生される総モナチンの量を増加させるようであった。
【0718】
出発基質としてL-トリプトファンを使用し、アルドラーゼ(細胞抽出物として供給)と、部分的に精製されたHexAspC広特異性L-アミノトランスフェラーゼ(0.5 mgのHexAspC)とを結合させる上記と同じ実験を行った。平均された結果(2回の)を、総モナチン産生(存在するアルドラーゼを含まないバックグラウンドレベルを差し引く)について以下の表14に示し、S,Sモナチンの割合(%)を、逆相LCピーク面積に基づいて示す。400 ppmを超える数は、標準曲線の線形範囲の外側にあり、近似である。配列番号28のアルドラーゼ活性を有する精製されたポリペプチドを基準として用いた。配列番号304および配列番号300(植物由来)のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを、2 mM DTTと共に、およびそれなしに使用した。ShannonおよびMarcus (The Journal of Biological Chemistry 237: 3342-3347, 1962)は、ピーナッツHMGアルドラーゼの元の精製における還元剤としてメルカプトエタノールを用いた。
【表14】

【0719】
実施例11
モナチン産生に対するジチオトレイトール(DTT)の効果
実施例10における酵素のいくつかを、さらなる試験のために選択した。植物由来アルドラーゼは、還元剤としてのDTTの添加の際に改善を示した。環境サンプルからの微生物由来アルドラーゼも、高い割合のシステイン残基を含むことに留意した。従って、さらなる実験を行って、DTTが非植物アルドラーゼについてモナチン産生を同様に増加させるかどうかを見た。
【0720】
反応混合物1 mLあたり、以下のものを添加した:約50μgのアルドラーゼ(特に指摘しない限り、細胞抽出物中に供給)、4 mM MgCl2、50 mM D-トリプトファン、2 mg AT-103、200 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、および0.05 mM PLP。ジチオトレイトールを、以下に記載のようにサンプルに添加した(最終濃度2 mM)。実験を2回行った。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で2時間インキュベートした。LC/MS/MSにより決定されるように、モナチンのバックグラウンド産生を差し引いて(アルドラーゼなしの対照)、総モナチンについて平均された結果を以下に示す。
【表15】

【0721】
アルドラーゼなしの対照は、DTTを用いても用いなくても10 ppmの総モナチンを産生したが、これはDTTが副生成物の減少による反応全体に影響せず、D-アミノトランスフェラーゼ活性にも影響しないことを示唆している。配列番号46、配列番号58、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは全て、DTTの添加に由来する利益を示した。配列番号46のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドは、最も高い利益を示し、2 mM DTTを用いる場合の約1.8倍高い活性を示した。アルドラーゼ活性を有する2種のポリペプチドは、DTTにより阻害されたようであるが(配列番号116および配列番号50)、配列番号44のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについては、実験誤差内で、効果は認められなかった。しかしながら、用いた各アルドラーゼについて、還元剤を提供する利益を検出するためのDTTの最適濃度が存在することが可能である。
【0722】
配列番号88のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを、モナチン産生に対するDTT濃度の効果を試験するために選択した。共役反応を、上記のように実行した。結果を図15にプロットする。このアッセイにおけるDTTの最適濃度は、添加したアルドラーゼの量について、2.5〜5 mMであった。興味深いことに、DTTを添加しなかった場合、産生されたモナチンの量はほとんど2.5 mM DTTであったが、最適下の量のDTT(0.5〜1 mM)の添加は、多すぎるDTT(20 mM)の添加と同様に、実際に阻害的であるようである。
【0723】
実施例12
配列番号278、配列番号162、配列番号276、配列番号178、配列番号202、配列番号166、配列番号218、配列番号224、配列番号226、配列番号244、配列番号250、配列番号252、配列番号264、配列番号268、配列番号272、配列番号184、配列番号282、配列番号186、配列番号192、配列番号200、配列番号280、配列番号284、配列番号172、配列番号180、配列番号168、配列番号228、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号270、配列番号156、および配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドについての総モナチン産生および異性体分布の比較
実施例7で作製された組換え酵素を、HMGアルドラーゼとの共役反応において用いて、米国特許出願公開第20050282260号に記載のようにD-トリプトファンおよびピルビン酸からモナチンを製造した。配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドを、これらのアッセイにおける基準として用い、実施例8に記載のように精製した。
【0724】
試験量の各アルドラーゼを作製するために、25 mLの培養物を、アンピシリン(100μg/mL)を含むLB培地中で、約0.5のOD600まで増殖させた。培養物を1 mMのIPTGで誘導した。細胞を30℃にシフトし、一晩増殖させた。細胞抽出物を製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI, Bugbuster試薬)に従って調製した。ベンゾヌクレアーゼも添加した。細胞抽出物中の可溶性タンパク質を、Bio-Rad Laboratories Experion Automated Electrophoresis Station (Bio-Rad, Hercules, CA)上で分離し、Experion Softwareバージョン1.1.98.0を用いて濃度および発現率について分析した。
【0725】
反応混合物1 mLあたり、以下のものを添加した:配列番号278、配列番号162、配列番号276、配列番号178、配列番号202、配列番号166、配列番号218、配列番号224、配列番号226、配列番号244、配列番号250、配列番号252、配列番号264、配列番号268、配列番号272、配列番号184、配列番号282、配列番号186、配列番号192、および配列番号200のアルドラーゼ活性を有する約200μgのポリペプチドまたは配列番号280、配列番号284、配列番号172、配列番号180、配列番号168、配列番号228、配列番号236、配列番号238、配列番号240、配列番号270、および配列番号156のアルドラーゼ活性を有する50μgのポリペプチド(特に指摘しない限り、細胞抽出物中に供給)、4 mM MgCl2、50 mM D-トリプトファン、0.5 mgの精製されたバチルス・スフェリクスのD-アミノトランスフェラーゼ、200 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、ならびに0.05 mM PLP。実験を2回行った。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で2時間、および一晩(20時間)インキュベートした。平均した結果を以下に示す。これらの方法を用いてモナチンを産生する場合に検出される唯一の立体異性体は、R,RおよびS,Rである。R,Rの割合(%)を以下に示すが、これは逆相LCピーク面積により決定されたものである。
【表16】


【0726】
総モナチン産生数は、検出不可能から600 ppm以上までの範囲であり、R,Rの割合は61%〜100%の範囲であった。アミノトランスフェラーゼは全てのアルドラーゼについて同じであったため、アルドラーゼの変化は、産生されるモナチンの量および産生されるモナチンの立体異性体分布の量に対する有意な影響を有し得る。
【0727】
出発基質としてL-トリプトファンを使用し、アルドラーゼ(細胞抽出物として供給)と、米国特許出願公開第20050282260号に記載のように製造および精製されたHexAspC広特異性L-アミノトランスフェラーゼ(0.5 mgの精製されたタンパク質)とを結合させる同じ実験を行った。総モナチン産生(存在するアルドラーゼを含まないバックグラウンドレベルを差し引く)についての結果を以下の表17に示し、S,Sモナチンの割合(%)を、逆相LCピーク面積に基づいて示す。400 ppmを超える数は、標準曲線の線形範囲の外側にあり、近似である。表12は、基準R特異的酵素、同時にアッセイされた配列番号28のアルドラーゼ活性を有するポリペプチドに関する結果を示す。
【表17】

【0728】
実施例13
D-アミノトランスフェラーゼを用いるインドール-3-ピルビン酸からのモナチンの製造
AT-103トランスアミナーゼは、BioCatalytics (Pasadena, CA)から購入されたトランスアミナーゼライブラリーの一部であり、この酵素を、コマモナス・テストステロニ由来ProAアルドラーゼを用いる共役反応におけるモナチンの産生について試験した。アルドラーゼを、WO 03/091396 A2に記載のように調製した。AT-103は、アミノ供与体としてD-アミノ酸(D-グルタミン酸、D-アスパラギン酸、またはD-アラニン)を必要とするバチルス種に由来する広特異性D-トランスアミナーゼ(E.C. 2.6.1.21)である。酵素および追加成分/基質を、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、100 mMアミノ供与体、および0.1 mM PLPを含むキット中に提供された反応バッファーに直接添加した。1 mLの反応バッファーに、細胞抽出物中に提供された4 mgのインドール-3-ピルビン酸、20 mgのピルビン酸、約50μgのProA、1μLの2 M MgCl2、および2 mgのアミノトランスフェラーゼ酵素を添加した。反応を2回行った。反応物を、緩やかに振とうしながら(100 rpm)、30℃で一晩インキュベートした。サンプルを濾過し、実施例1に記載のように逆相LC/MS/MS分析のために提出した。結果は、AT-103酵素を用いた場合、約370μg/mLのモナチンが産生されることを示していた。結果をさらに分析して、クロマトグラフィー分離の間に分解する2種の立体異性体プールのピーク面積に基づいて、S,R/R,S対R,R/S,Sモナチンの比率を決定した。AT-103により産生された総モナチンのうち、混合された異性体と比較して、69%がR,R/S,Sモナチンであった。この酵素は、D-アミノ酸に対する広い特異性を有することが知られる、WO 03/091396 A2に記載のバチルス・サブチリスのDAT酵素と相同である。実施例1に記載のFDAA方法を用いて、キラル分析を行って、D-アミノトランスフェラーゼがR,Rモナチンを優先的に作製し、予想されたように、いくらかのS,Rモナチンを作製することを検証した。S,SモナチンまたはR,Rモナチンおよび基質としてのα-ケトグルタル酸を用いるさらなるトランスアミノ化実験により、BioCatalyticsの酵素が、予想されるように、炭素4でのD-配置にとって高度に選択的であることが検証された。これらの実験においては、S,Sモナチンと、基質としてのα-ケトグルタル酸との反応において、グルタミン酸は検出されなかった。
【0729】
AT-103(広範囲のD-トランスアミナーゼ)およびProAアルドラーゼとの共役反応における副生成物として産生されるS,SモナチンまたはR,Sモナチンの量を減少させるために、アルドラーゼを、製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI)に従って、His-Bindカートリッジを用いて精製した。精製された酵素は、好ましくは細胞抽出物中に存在してもよい野生型L-アミノトランスフェラーゼ活性(天然の大腸菌AspCまたはTyrB活性など)を含まないべきである。PD-10カラム(G25 Sephadex, GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いてHis-Bind溶離液を脱塩してイミダゾールを除去し、50 mM Tris-Cl, pH 7中に溶出させた。1 mLの容量で実験を2回行い、100 mM Tris-Clバッファー、pH 7.8、50μgのProAアルドラーゼ、4 mgのインドール-3-ピルビン酸、1もしくは2 mgのD-アミノトランスフェラーゼ、200 mMピルビン酸ナトリウム、2 mM MgCl2、3 mMリン酸カリウム、0.1 mM PLP、よび14.7 mgのD-グルタミン酸を含んでいた。チューブを、緩やかに振とうしながら、30℃でインキュベートした。2時間の時点で取得し、-20℃ですぐに凍結した。NaOHを用いて、2時間の時点でpHを5から7〜8の間に調整し、アッセイを一晩インキュベートした。サンプルを濾過し、実施例1に記載のようにモナチンについて分析した。2時間のサンプルは、おそらく低いpHに起因して、検出可能な量のモナチンを有さなかった。一晩のサンプルは、1 mgのD-アミノトランスフェラーゼを用いた場合、約190 ng/mLのモナチンを含み、約84%がR,Rモナチンであり、16%がS,Rモナチンであった。2 mgのD-アミノトランスフェラーゼを用いた場合、540 ng/mLのモナチンが産生され、約71%がR,Rモナチンであった。
【0730】
100 mMリン酸カリウムpH 7.5、0.1 mM PLP、および100 mM D-グルタミン酸を含む、BioCatalyticsのアミノトランスフェラーゼバッファー(BioCatalytics, Pasadena, CA)を用いて、同様の実験を行った。固体インドール-3-ピルビン酸およびD-アミノトランスフェラーゼを、上記のように添加した。ProAアルドラーゼ(50μg)、MgCl2、および50 mMピルビン酸を、保存溶液から添加した。アッセイを上記のように処理したが、この場合、pH調整は必要なかった。モナチンを含まない、BioCatalyticsにより供給された酵素およびバッファーのみを用いて、陰性対照を行った。実験結果を表18に示す。
【表18】

【0731】
リン酸バッファー中でのモナチンの産生は、Tris緩衝化系中での産生よりも明らかに高い。
【0732】
WO 03/091396 A2に由来するクローニングされたバチルス・サブチリスのDATの活性と、BioCatalyticsの酵素(AT-103)(BioCatalytics, Pasadena, CA)の活性とを比較するために、さらなるアッセイを行った。また、バチルス・サブチリスのdat遺伝子をpET30a中にサブクローニングして、His-6タグを除去した。タグを有さない酵素およびタグ付き酵素を、WO 03/091396 A2に記載のように、BL21(DE3)中で産生させた。細胞抽出物を作製し、総タンパク質アッセイを行って、以前に記載のようにタンパク質濃度を評価した。500μgのD-アミノトランスフェラーゼ、50μgのProAアルドラーゼ、100 mMリン酸カリウムpH 7.5、3 mM MgCl2、4 mgのインドール-3-ピルビン酸、200 mMのピルビン酸ナトリウム、7.35 mg(50 mM)のD-グルタミン酸、および0.1 mM PLPを含む、2回の1 mLの反応を行った。サンプルを30℃で1時間、2時間、および一晩インキュベートし、LC/MS/MS分析のために濾過した。このサンプルは、実施例1に記載のFDAA誘導体化プロトコルにより決定されたように、モナチンのS,RおよびR,R立体異性体のみを含んでいた。結果を、以下の表19にまとめる。RRの割合(%)を、逆相クロマトグラフィーにより分離されたピーク面積により決定した。
【表19】

【0733】
HIS-6タグの除去は、バチルス・サブチリスのD-アミノトランスフェラーゼの活性を改善させたようである;しかしながら、BioCatalyticsのD-アミノトランスフェラーゼ相同体は、明らかに最も高い活性を有していた。BioCatalyticsのD-アミノトランスフェラーゼ相同体はまた、R-モナチン前駆体に対するより高い基質特異性を示した。インキュベーション時間の増加により、産生される鏡像異性的に過剰のR,Rモナチンが減少するようである。
【0734】
バチルスのD-アミノトランスフェラーゼ酵素は、アミノ受容体としてのピルビン酸およびアミノ供与体としてのD-アラニンに対する好みを有するため、類似するか、またはより良い結果で、MPのモナチンへの変換のためのアミノ供与体としてD-アラニンを用いることができると予想された。500μgのD-アミノトランスフェラーゼ、50μgの精製されたProAアルドラーゼ、100 mMのリン酸カリウムpH 7.5、3 mM MgCl2、4 mgのインドール-3-ピルビン酸、100 mMピルビン酸ナトリウム、25 mM D-グルタミン酸またはD-アラニン、および0.1 mM PLPを含む、2回の1 mLの反応を行った。サンプルを2時間インキュベートし、上記のように処理した後、分析した。D-アラニンをアミノ供与体として用いた場合、予想されたように、わずかにより高いレベルのモナチンが産生された(23対21 ppm)。さらに、高濃度のピルビン酸は、トランスアミノ化工程を阻害し、かくして、長時間に渡るより少量のピルビン酸の投与は、モナチン産生の全体の速度を改善することができる。当業者であれば、上記の表と比較して、ピルビン酸の1/2がこの事例において用いられた場合でも、有意により多くのモナチンが産生されたことが、上記データから理解できるであろう。AT-103は、S-MPに対する限定された活性を有する酵素の一例である。この試験において用いたProAアルドラーゼが、90〜95%のS-MPよりも多くする場合でも、AT-103は最大で92%のR,Rモナチンを作る。
【0735】
実施例14
D-トリプトファンからのR,Rモナチンの製造
反応混合物1 mLあたり、以下のものを添加した:約60μgのコマモナス・テストステロニのProAアルドラーゼ(WO 03/091396 A2に記載のように、細胞抽出物中で供給)、4 mM MgCl2、50 mM D-トリプトファン、0.5 mgのBioCatalyticsのD-アミノトランスフェラーゼ(AT-103) (BioCatalytics, Pasadena, CA)、100 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5または100 mM酢酸ナトリウムバッファーpH 8、0.05 mM PLP、3 mMリン酸カリウム(酢酸反応に対してのみ)、および10 mM α-ケトグルタル酸。アルドラーゼを添加しない陰性対照と共に、実験を2回行った。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で一晩(20時間)インキュベートした。酢酸ナトリウムサンプルの実際のpHは、約5であったが、リン酸緩衝化サンプルの最終的なpHは、約7であった。アルドラーゼはpH 5では有意な活性を有さないようであり、ProAアルドラーゼを含むサンプルは、陰性対照よりもわずかに上であったが、おそらく実験誤差以上ではなかった。リン酸カリウムにおいては、ProAアルドラーゼは、1.7:1のR,R:S,Rの比率で73.4 ppmのモナチンを産生した(D-トリプトファンに由来する約63%のR,R)。
【0736】
バチルスのD-アミノトランスフェラーゼ酵素は、アミノ受容体としてのピルビン酸およびアミノ供与体としてのD-アラニンに対する好みを有するため、D-トリプトファンからR,RまたはS,Rモナチンを製造する場合、α-ケトグルタル酸の添加は必要ないと予想された。精製されたProAアルドラーゼ(50〜60μg)、および2.5時間のインキュベーション時間を用いて、上記実験を繰り返した(100 mMリン酸カリウムバッファー中で)。α-ケトグルタル酸を用いて、および用いずに、2回の実験を行った。10 mMのα-ケトグルタル酸を添加した場合、56.1 ppmのモナチンがD-トリプトファンから形成された(79.5%のR,R、20.5%のS,R)。α-ケトグルタル酸を用いない場合、102.5 ppmのモナチンが形成された(79%のR,R、21%のS,R)。
【0737】
実施例15
トリプトファンラセマーゼ
D-トリプトファンを出発材料として用いた場合、D-アミノトランスフェラーゼおよびアルドラーゼを用いて、R,R-モナチンを製造した(図14)。それにも関わらず、L-トリプトファンは、いくつかの理由から、好ましい出発材料であってよい。例えば、L-トリプトファンは、あまり高価ではなく、D-トリプトファンよりも容易に入手可能であり得る。本開示は、活性なトリプトファンラセマーゼを取得するためのいくつかの方法を記載している。R,R-モナチンの収率を、R特異的アルドラーゼ、すなわち、R-MPを優先的または選択的に産生するアルドラーゼを用いて改善する。図3は、トリプトファンラセマーゼ、D-アミノトランスフェラーゼおよびR特異的アルドラーゼを用いて、L-トリプトファンから、立体異性的に富化されたR,Rモナチンを製造する方法を例示している。
【0738】
増殖のために活性なラセマーゼを必要とする株を構築することにより、トリプトファンラセマーゼのための選択を作製する。トリプトファン栄養要求株は、最少培地上で増殖させた場合、L-トリプトファンの起源を必要とする。培地にD-トリプトファンを補給することは、D-トリプトファンをL-トリプトファンに変換するラセマーゼを選択する1つの方法である。トリプトファン栄養要求株を、D-トリプトファンを補給した最少培地上での増殖のために試験した。Coli Genetic Stock Centerに由来するCAG18455およびCAG18579ならびにNRRL12264 (また、lipA-、溶原化され、そのプラスミドで回復させたλDE3)株は、D-トリプトファンを補給した場合は増殖しなかったが、L-トリプトファンを補給した場合は増殖した。大腸菌を宿主生物として用いることができるが、酵母、他の細菌、または他の真核生物などの、他の宿主生物を用いることもできる。トリプトファン栄養要求株(特に、NRRL12264(また、lipA-、溶原化され、そのプラスミドで回復させたλDE3))は、それをD-アミノトランスフェラーゼで形質転換した場合、D-トリプトファン上で増殖するであろう。これは、D-トリプトファンを細胞中に輸送する大腸菌の能力を確認する。
【0739】
SalcherおよびLingensは、シュードモナス・オーレレオファシエンス(Pseudomonas aurereofaciens))(ATCC15926)におけるトリプトファンラセマーゼの存在を記載した。トリプトファンラセマーゼは、タバコ、ビート、トマト、および小麦などのいくつかの植物においても記載されており、この酵素は浸透ストレスまたは乾燥の条件により誘導されるようである。トリプトファンラセマーゼは、スクレロチトン・イリシフォリウス中の天然のモナチン産生経路において役割を果たし得る。このラセマーゼ活性を単離するために、ATCC15926(またはトリプトファンラセマーゼ活性を有する別の生物)から発現ライブラリーを構築し、該ライブラリーをトリプトファン栄養要求株中に形質転換する。トリプトファン源としてD-トリプトファンを用いて増殖する株を選択する。また、同様の方法を用いて、公知のラセマーゼを有する多くの株をスクリーニングして、D-トリプトファンに対する活性を有するラセマーゼを探索する。例としては、アラニン、セリン、およびグルタミン酸ラセマーゼが挙げられる(T. YoshimuraおよびN. Esaki, 「アミノ酸ラセマーゼ:機能と機構(Amino Acid Racemases: Functions and Mechanisms.)」、Journal of Bioscience and Bioengineering, Vol. 96, No. 2, 103-109, 2003)。アラニンラセマーゼはPLP依存的であり、サルモネラ・ティフィムリウムからクローニングされている(dadB遺伝子)。他の起源は、大腸菌、シュードモナス・エルギノーサ、ビブリオ・コレラ、シゾサッカロミセス・ポンベ、およびバチルス・セレウスである。担子菌類のキノコ、レンチナス・エドデスも、広い活性のアラニンラセマーゼを含む。セリンラセマーゼもPLP依存的であり、真核生物(カイコ、ラット脳、マウス脳cDNAなど)ならびに細菌(エンテロコッカス・ガリナルム)中に認められる。グルタミン酸ラセマーゼは、PLP非依存的であり、ペディオコッカス・ペントサセウス、バチルス・プミルス、ラクトバチルス・ファーメンティ、ラクトバチルス・ブレビス、大腸菌、アキフェックス・ピロフィルス、およびバチルス・サブチリスからクローニングされている。グルタミン酸ラセマーゼは、非常に特異的であり、結果として、構造的に類似するアミノ酸であるアスパラギン酸、アスパラギン、およびグルタミンでさえ、この酵素の基質ではない。アスパラギン酸ラセマーゼも存在し、PLP非依存的である。これらの酵素は、ラクトバチルス、ストレプトコッカス株、ならびにデスルフロコッカスおよびサーモコッカス株などのいくつかの古細菌に認められる。二枚貝軟体動物であるスカファルカ・ブロウトニも、アスパラギン酸ラセマーゼを含む。文献中に見出される他のラセマーゼとしては、アナベナ種およびシュードモナス・ストリアータに由来するアミノ酸ラセマーゼ(EC 5.1.1.10)、プロリンラセマーゼ、多機能フェニルアラニンラセマーゼが挙げられる。関連するエピメラーゼまたはラセマーゼも試験する。潜在的なラセマーゼを試験して、それらがD-トリプトファンアミノトランスフェラーゼではないことを確保する。このスクリーニングを、配列分析および/または酵素アッセイにより行う。
【0740】
ラセマーゼとして試験を通過する酵素を、実施例17に記載のようにモナチンに対する活性についてスクリーニングする。理想的には、トリプトファンに対して非常に特異的であり、モナチンに対するラセマーゼ活性をほとんど有さないか、または全く有さない酵素を得る。
【0741】
トリプトファンラセマーゼを、存在するラセマーゼ、トランスアミナーゼ、もしくはエピメラーゼから進化および/または改良することもできる(突然変異誘発もしくは組換え操作を介して)。さらに、アラニンアミノトランスフェラーゼの結晶構造は公知であるため、これらを、合理的な構造に基づく突然変異誘発のための基礎として用いることができる。上記のプロセスを、トリプトファンラセマーゼ活性のための内部選択として、および改善された活性についてのスクリーンとして用いる。
【0742】
トリプトファンラセマーゼライブラリー
ライブラリーの構築:
バークホルデリア・ピロシナ(Burkholderia pyrrocina)(ATCC15958)およびシュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)(ATCC15926)を、American Type Culture Collectionから取得した。それらをATCCにより推奨されるように増殖させ、Mekalanos JJの方法(「ビブリオ・コレラにおける毒素遺伝子の複製および増幅(Duplication and amplification of toxin genes in Vibrio cholerae.)」、Cell. 1983. 35:253-63)に従って、ゲノムDNAを調製した。ゲノムDNAを、Sau3AI制限酵素を用いて部分的に消化した。1〜3 Kbpの断片を、Qiagen QIAquick Gel Extraction Kit (Qiagen, Valencia, CA)を用いてゲル精製した。精製されたDNAを、BamHIで消化し、上記のように精製されたpTrc99a (Amersham, Piscataway, NJ)中に連結した。連結を、挿入物とベクターの3:1のモル比を用いて、室温で一晩のインキュベーションを行った。連結されたライブラリーを、TOP10F'化学的コンピテント細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA)中に形質転換し、100μg/mlのアンピシリンを含むLB培地上に塗布した。形質転換プレートの一晩のインキュベーション後、コロニーをプレートから引っ掻いて取り、液体LB培地を用いて洗浄し、好適なサイズの細胞ペレットを、Qiagen QIAquickミニプレップキット (Qiagen, Valencia, CA)を用いて微量調製した。約30,000個のコロニーをプールし、微量調製した。
【0743】
プールされたプラスミドを、CAG18455 (trpC83::Tn10, rph-1)またはCAG18579 (trpC::Tn10kan, rph-1)中に形質転換した。両方の株は、培地にトリプトファンを補給しない限り、M9最少培地(Difco)上で増殖しないので、トリプトファン栄養要求性である。形質転換体を、D-トリプトファンを補給したM9最少培地上に塗布した。これは、D-トリプトファンをL-トリプトファンに変換することができる株を選択する。
【0744】
前記ライブラリーの形質転換の前に、L-またはD-トリプトファンを含む最少培地上での増殖について、前記株を試験した。D-トリプトファンを補給した最少培地上での増殖のために前記株を試験したところ、増殖が観察されなかった。両方の株は、D-トリプトファンの代わりにL-トリプトファンを補給した同一の培地上で増殖した。さらに、NRRL12264の誘導体(用いた株は、他の染色体にコードされる突然変異(serB、ΔtrpED、tnaA2、aroP)に加えて、この株はトリプトファンオペロンプラスミドから回復し、λDE3で溶原化され、lipAを欠失していた(この株はD-トリプトファンを補給した最少培地上では増殖できないが、D-トリプトファンの代わりにL-トリプトファンを補給した同一の培地上では増殖できる))を、バチルス・サブチリス由来D特異的アミノトランスフェラーゼ(WO 03/091396)を用いて形質転換した。D-アミノトランスフェラーゼの発現を、T7プロモーターにより駆動した。形質転換された株は、D-トリプトファンを補給したM9最少培地上で増殖することができた。
【0745】
D-トリプトファン培地上で増殖するコロニーをスクリーニングする。プラスミドを単離し、親株(CAG18455またはCAG18579)中に再形質転換して、D-トリプトファン培地上での増殖がプラスミドに依存し、宿主突然変異には依存しないことを確認する。トリプトファン栄養要求性を補完するプラスミドのヌクレオチド配列を分析する。トリプトファンラセマーゼ遺伝子を含むように決定されるクローンを、さらに分析する。
【0746】
他の組織源に由来するトリプトファンラセマーゼを、同様の様式で単離する。タバコ組織培養細胞(Nicotiana tabacum L. var. Wisconsin 38) (Miura, G.A.およびMills, S.E. 「タバコの細胞培養物中でのD-トリプトファンのL-トリプトファンへの変換(The conversion of D-tryptophan to L-tryptophan in cell cultures of tobacco.)」、Plant Physiol. 1971. 47:483-487)および小麦の粗タンパク質抽出物(トリチカム・エスチバム(Triticum aestivum)) (Rekoslavskaya, N.I., Yur’eve, O.V., Shibanova, L.A.、およびSalyaev, R.K.「小麦発芽の間のD-トリプトファンの合成および生理学的機能(Synthesis and physiological function of D-tryptophan during wheat germination.)」、Russian J. Plant Physiol. 1997. 44:196-203)の両方におけるトリプトファンラセマーゼ活性の文献報告が存在する。cDNA発現ライブラリーを、文献に記載のように、組織から作製し、発現ライブラリーを用いて、上記のようにトリプトファン栄養要求株を形質転換する。
【0747】
トリプトファンラセマーゼアッセイ
潜在的にトリプトファンラセマーゼを有するとして同定されたクローンを、BL21などの、組換えタンパク質の発現のために一般的に用いられる大腸菌株中に形質転換する。細胞を、0.4〜0.6の600 nmでの光密度まで、LB培地中で増殖させる。ラセマーゼの発現を駆動するプロモーターを、IPTG(0.1 mMの最終濃度)で誘導する。誘導後、37℃で1〜3時間(通気しながら)、細胞に前記タンパク質を発現させる。細胞を収穫し、フレンチプレス、超音波処理、または化学的手段(BugBuster (Novagen, Madison, WI)など)により溶解する。溶解した細胞を遠心分離して、細胞破片を除去する。清澄化された抽出物を、アッセイにおいて間接的に用いる。
【0748】
最終濃度が50 mMリン酸カリウム(pH 7.0)および2 mM L-トリプトファンとなるように、抽出物の量を変化させながら溶液に添加する。ピリドキサル-5'-リン酸を、10μMの最終濃度で添加する。サンプルをインキュベートした後、LC/MSにより分析する。基質としてL-トリプトファンのみを用いた場合のD-トリプトファンピークの存在は、陽性の結果を示す。D-トリプトファン濃度は、平衡に達するまでの時間の増加と共に増加すべきであり、また、その速度は、酵素の濃度が、それがもはや基質で飽和しないほど十分に高くなるまで、タンパク質濃度と共に増加するべきである。D-トリプトファンを、上記のようにL-トリプトファンに変換することもできる。
【0749】
相補的遺伝子がD-アミノトランスフェラーゼをコードしてもよい。「相補的遺伝子」は、発現された場合、生物中での突然変異を無効にする遺伝子である。例えば、生物が、細胞によるトリプトファンの合成にとって必要な遺伝子の1つにおいて無効な突然変異を有する場合、相補的遺伝子は、発現された場合、前記株の最少培地(すなわち、トリプトファンを含まない)上での増殖を可能にする遺伝子であってよい。この反応には、アミノ受容体として、α-ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、またはピルビン酸などのα-ケト酸が必要である。これらの化合物は細胞抽出物中に存在する(少量で)可能性が高いであろう。これらの化合物を、PD-10脱塩カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて除去し、このアッセイを粗抽出物中でさらに実施することができる。トリプトファンラセマーゼ活性を、従来のカラムクロマトグラフィーを用いて精製する。最後に、潜在的なトリプトファンラセマーゼとして同定されたオープンリーディングフレームを、親和性タグを有する発現ベクター中にクローニングする。次いで、潜在的なトリプトファンラセマーゼを、アフィニティクロマトグラフィーにより精製する。いずれの場合も、精製されたタンパク質を、本質的には上記のような酵素アッセイにおいて用いる。
【0750】
トリプトファンラセマーゼの逆遺伝子操作
トリプトファンラセマーゼを、硫酸アンモニウム分画法および従来のカラムクロマトグラフィーなどの従来のタンパク質精製技術により、植物または微生物起源から精製することができる。一度、スポットを2-Dゲル上で単離することができるようにタンパク質を精製したら、ペプチドマイクロ配列決定技術または従来のエドマン型アミノ酸配列決定を用いる(この型の研究に用いられるプロトコルおよび装備の説明については、golgi.harvard.edu/microchem/を参照されたい)。しかしながら、いくつかの事例においては、生物のゲノム配列を、そのような配列がまだ決定されていないため、タンパク質精製のためのタンパク質の起源として用いることができない。そのような状況においては、第1セットの縮重プライマーを、最も近い公知のタンパク質起源類から利用可能な配列に基づいて設計することができる。次いで、トリプトファンラセマーゼをコードする配列を単離するための確立されたプロトコルに従って、縮重PCRおよびゲノムウォーキングを実施する。
【0751】
トリプトファンラセマーゼモナチン産生
1 mLの反応混合物あたり、以下のものを添加する:約60μgのコマモナス・テストステロニのProAアルドラーゼ(WO 03/091396 A2に記載のように、細胞抽出物中で供給)、100μL/mLのトリプトファンラセマーゼ細胞抽出物もしくは1 mg/mLの精製されたトリプトファンラセマーゼ、4 mM MgCl2、50 mM L-トリプトファン、0.5 mg BioCatalytics D-アミノトランスフェラーゼ(AT-103)(BioCatalytics, Pasadena, CA)、100 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、0.05 mM PLP、および10 mM α-ケトグルタル酸。ピルビン酸は、広特異性D-アミノトランスフェラーゼにとって許容し得るアミノ受容体であるため、α-ケトグルタル酸は任意である。アルドラーゼを添加しないか、またはトリプトファンラセマーゼを添加しない陰性対照と共に、実験を2回行った。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で約1時間または一晩(20時間)インキュベートする。
【0752】
トリプトファンラセマーゼを、モナチンに対する活性について試験する。実施例17と同様のアッセイを、基質としてのモナチンと共に使用し、トリプトファンに対する該酵素の活性と比較する。理想的な酵素は、トリプトファンに対する活性を有するが、他のアミノ酸、特に、グルタミン酸およびモナチンに対する活性をほとんど有さないか、または全く有さない。前記酵素がモナチンに対する有意な活性を有する場合、該酵素を突然変異誘発させて、トリプトファン活性を未変化のまま維持するか、またはモナチン産生において有用である酵素にとって十分に高いレベルに維持しながら、モナチンおよび/もしくはグルタミン酸に対する活性を低下させることができる。突然変異誘発に用いることができる技術としては、限定されるものではないが、変異性PCR、部位特異的突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発標的(基質結合に関与する部位)を同定するためのモデリング、変異原性株を介する継代、およびDNAシャッフリングが挙げられる。
【0753】
突然変異誘発されたラセマーゼを、上記のようなプレートアッセイを用いて、トリプトファン活性についてスクリーニングすることができる。次いで、トリプトファン活性を保持するクローンを、モナチンに対する活性の喪失についてスクリーニングする。
【0754】
実施例16
HEXAspCの部位特異的突然変異誘発
実験の概要
大腸菌AspCのヘキサ突然変異体(HEXaspC)は、WO 03/091396 A2の実施例6に記載のように、S,Sモナチンの製造にとって、AspCと比較してより高い活性を有することが見出された。HEX(受託番号:/AHFA gi:127190)は、AspCに由来する以下の突然変異を含む(大腸菌の番号):V35L、K37Y、T43I、N64L、T104S、およびN285S。構造分析および文献報告(S. RothmanおよびJ. Kirsch, J. Mol. Biol. (2003), 327, 593-608; S. Rothmanら、Protein Science (2004), 13: 763-772)に基づいて、モナチン産生経路において用いられた基質:L-トリプトファン、S-MP、またはその両方に対する動力学活性を増加させることが予想される5種以上の突然変異体を作製した。該突然変異体のうちの2種は、トリプトファンとS,Sモナチンの両方のトランスアミノ化速度を増加させた。突然変異体のうちの2種は、S,Sモナチンの形成に対する増加した立体選択性を示したが、1種は立体選択性が低かった。これに基づいて、類似する突然変異を有するバチルス種に由来する広特異性D-アミノトランスフェラーゼが、図3に示され、図15に記載されたR,Rモナチン経路においてD-アミノトランスフェラーゼとして有用であることが予想される。突然変異体の1種(HEXaspCP9T/R122G)は、L-トリプトファントランスアミノ化に対する増加した活性を有するが、S,Sモナチン産生またはS,Sモナチントランスアミノ化における活性は有意に低下していた。かくして、この酵素は、図1、2、4、5、6、7、および8に示され、実施例18および19に記載されたR,Rモナチン産生経路の第1工程において有用であると予想される。一般的には、L-トリプトファンに対するAspCのものと類似する活性ならびにR-MPおよびS-MPに対する限定された活性を有するアミノトランスフェラーゼは、図1、2、3、4、5、6、7、および8に記載のプロセスにとって有用である。
【0755】
方法および材料
pUC19中にクローニングされたHEX遺伝子は、J.F. Kirsch教授(Department of Molecular and Cell Biology, University of California, Berkeley, Berkeley, CA 94720-3206)により提供されたものであり、これをpET23a中への該遺伝子のクローニングのための鋳型として用いた。James J. OnufferおよびJack F. Kirsch、「相同性モデリングおよび部位特異的突然変異誘発による大腸菌チロシンアミノトランスフェラーゼのものに対する、大腸菌アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの基質特異性の再設計(Redesign of the substrate specificity of Escherichia coli aspartate aminotransferase to that of Escherichia coli tyrosine aminotransferase by homology modeling and site-directed mutagenesis)」、Protein Science, 4: 1750-1757 (1995)を参照されたい。また、NCBI受託番号1AHF_A GI:1127190 (HEXアミノ酸配列)も参照されたい。pET23aベクター(Novagen, Madison, WI)にHEX遺伝子をクローニングするために、以下のプライマーを設計した:
HEXaspCプライマー:
N末端: 5’-GCGGAACATATGTTTGAGAACATTACCGCC-3’(配列番号393);
C末端: 5’-ATAACCGGATCCTTACAGCACTGCCACAATCG-3’ (配列番号394)。
【0756】
遺伝子増幅のために、以下のPCRプロトコルを用いた:100μLの反応物中、50 ngのDNA鋳型、1.0μMの各プライマー、0.2 mMの各dNTP、1 UのPfu Turbo Polymerase (Stratagene, La Jolla, CA)、および1X クローン化Pfuバッファーを添加した。サーモサイクラープログラムは、94℃のホットスタートで5分間;次いで、94℃での変性工程(30秒)、55℃でのアニーリング工程(1分)、および72℃での伸長工程(2分)の25サイクル、ならびに最後に、72℃での終結工程(7分)を用いた。標準的な分子生物学技術を用いて、NdeIおよびBamHI制限部位を用いてpET23a中にPCR産物をクローニングした。
【0757】
位置130のトリプトファン残基は、ピリドキシル環との相互作用を積み重ねるのに重要であると考えられるが、タンパク質モデリング観察に基づいて、S-モナチン前駆体(MP)基質に関する立体障害の起源でもあるようである。従って、より小さい疎水性側鎖を有するアミノ酸(フェニルアラニン)を用いて、トリプトファンを置換した。残りの突然変異は、文献中の動力学データに基づくものであったが、新しい組合せの望ましい突然変異を作製した。W130Fを除いて、HEXaspCに対する全ての突然変異を、製造業者の説明書に従うことにより、Stratagene Multi-Changeキット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて作製した。PCR反応の伸長温度を66℃に低下させたことを唯一除いて、W130F突然変異を、製造業者の説明書に従ってStratagene QuikChangeキット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて作製した。マルチチェンジキットのためのプライマーを、W130F単一突然変異プライマーについて以外は、<www.stratagene.com>上のQuikChangeマルチキットプライマー設計ツールを用いて設計した。
【0758】
プライマー配列を、以下の表20に列挙する。
【表20】

【0759】
HEXaspC突然変異体遺伝子の発現および酵素活性の分析
Novagen Overnight Express(商標)Autoinduction System 2(カタログ番号71366-3;溶液1〜6)(Novagen, Madison, WI)の液体培養物(5 mL)を、以下の株の新鮮なプレートまたは凍結グリセロール保存物から接種した:
大腸菌BL21(DE3)::HEXaspCpET23a
大腸菌BL21(DE3)::HEXaspCW130FpET23a
大腸菌BL21(DE3)::HEXaspCT156ApET23a
大腸菌BL21(DE3)::HEXaspCP9T/T156ApET23a
大腸菌BL21(DE3)::HEXaspCP9T/R122GpET23a
大腸菌BL21(DE3)::HEXaspCR122G/T156ApET23a。
【0760】
培養物を、230 rpm、37℃で6〜8時間インキュベートした。各培養物のOD600を決定し、25 mL中で0.03〜0.05のOD600を得るのに必要な培養物の容量を算出した。算出された容量の各液体培養物を、25 mLの同じ培地を含むフラスコに移した。Overnight Express(商標)Autoinduction System 2は、誘導剤としてラクトースを使用し、細胞増殖のモニタリングを必要としないIPTG誘導性発現系を用いる高レベル発現のための、完全な、化学的に定義された培地である。Overnight Express培養物を、230 rpmで振とうさせながら、30℃で18時間インキュベートした。細胞を遠心分離により収穫し、冷50 mM MOPS, pH 7.0で1回洗浄した。次いで、1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼ(Novagenカタログ番号70746-3)(Novagen, Madison, WI)、5μL/mLのProtease Inhibitor Cocktail Set II (Novagenカタログ番号539132)(Novagen, Madison, WI)および0.33μL/10 mLのr-Lysozyme (Novagenカタログ番号71110-3)(Novagen, Madison, WI)を含むBugbuster(商標)(一次アミンを含まない)Extraction Reagent (Novagenカタログ番号70923-3)(Novagen, Madison, WI)を用いて、Novagenの推奨されるプロトコルに従って、細胞を溶解させた。緩やかに振とうしながら25℃で15分間インキュベートした後、各懸濁液から得た細胞破片を、4℃で15分間、21,000gでの遠心分離によりペレット化した。上清を注意深くデカンテーションし、無細胞抽出物として分析した。30% Bugbuster(商標)(一次アミンを含まない)Extraction Reagent中に細胞破片画分を懸濁し、10分間21,000gで遠心分離し、遠心分離されたペレットを10%のBugbuster(商標)(一次アミンを含まない)Extraction Reagent中に懸濁し、再度遠心分離して、洗浄されたペレットを単離することにより、封入体画分を単離した。無細胞抽出物と封入体画分を、4〜15%勾配のゲル(BioRad番号161-1104、Hercules, CA)上でのSDS-PAGEにより、タンパク質発現について分析した。細胞抽出物サンプルについては、20μgの可溶性タンパク質を、各ゲルレーンに載せた(1Xタンパク質ローディングバッファーと予備混合し、95℃で5分間加熱した)。封入体画分を1Xタンパク質ローディングバッファー(0.2 mL)中に溶解し、95℃で10分間加熱し、ゲルレーンあたり5μLの各溶液を載せた。各レーンに載せた総可溶性タンパク質と比較した各HEX突然変異体の量を、Labworks BioImaging 1D-ゲルツール(UVP, Inc. Upland, CA)を用いるバンド強度分析により算出し、以下に報告する:
【表21】

【0761】
ゲルの分析は、HEXaspCR122A/T156A突然変異体が、封入体として実質的な量で認められる唯一のタンパク質であることを示していた。HEXaspCP9T/T156Aタンパク質は、HEXaspCタンパク質よりも約90%高い、最も高いレベルの発現を与えた。対照的に、W130F、T156AおよびP9T/R122Gタンパク質は、HEXaspCよりも低い濃度で発現された。
【0762】
S,S-モナチンの製造のためのHEXaspC突然変異体タンパク質の活性を、以下の反応条件を用いて測定した:それぞれ1 mLの反応物は、50 mM TAPS, pH 8.2、4 mM MgCl2、3 mMリン酸ナトリウム、pH 8.0、200 mMピルビン酸ナトリウム(pHを8に調整)、5 mM α-ケトグルタル酸(pHを8に調整)、50 mMトリプトファン、0.05 mMピリドキサル3-リン酸、50μg/mL ProAアルドラーゼ(無細胞抽出物として添加)および変化する濃度(約50〜500μg/mL)のアミノトランスフェラーゼ(無細胞抽出物として添加)を含んでいた。脱気した水を用いて、保存溶液を調製し、反応混合物の容量を1.0 mLに調整した。リン酸ピリドキサルを、酵素の添加の直前に添加した。反応チューブを、緩やかに振とうしながら、30℃で4時間インキュベートした。サンプル(0.01 mL)を、酵素の添加の1、2および4時間後に回収し、濾過し、実施例1に記載のように、LC/MS/MSにより分析した。モナチン産生を、反応物中に存在するアミノトランスフェラーゼの量に基づいて正規化した。これらのアッセイの条件下で、HEXaspCおよびHEXaspCT156Aは、1 mgのアミノトランスフェラーゼあたりほとんどの総モナチンを産生したが、P9T/R122Gタンパク質は、最も少なく産生し、次いで、HEXaspCW130Fであった。HEXaspCW130FおよびP9T/R122G酵素は、高い酵素濃度を用いた場合でも(300μg/mLを超える)、S-MPに対する最も高い立体選択性(98%を超えるS,S-モナチン)を示した。S,S-モナチン産物の割合(%)は、高濃度のP9T/T156A酵素を含む酵素反応物中で、90%未満に低下した。他の突然変異体は、元のHEXaspC突然変異体(約95%のS,S-モナチン)と非常に類似する生成物立体選択性を示した。実施例1に記載のFDAA誘導体化試薬を用いる、HEXaspC酵素を含む反応の生成物の分析により、形成される第2の立体異性体が、R,S-モナチンであることが示された。
【0763】
トリプトファンおよびモナチンアミノトランスフェラーゼ活性のアッセイ
前記突然変異体を、S,Sモナチンおよび基質としてのL-トリプトファンを用いてトランスアミノ化活性について試験した。実施例1に記載のようなOPA-ポストカラム誘導体化を用いるHPLCによって、反応の副生成物であるグルタミン酸の形成を行うことにより、アミノトランスフェラーゼ活性を測定した。反応混合物は、1.0 mL中に、100 mM HEPESバッファー、pH 8.0、20 mMα-ケトグルタル酸、0.08 mMリン酸ピリドキサル、25 mMトリプトファンまたはS,Sモナチン、および酵素(細胞抽出物タンパク質中、2.5 mgとして供給)を含んでいた。酵素以外の全成分を一緒に混合し、酵素を添加して、反応を開始させ、反応溶液を30℃で(緩やかに振とうしながら)90分間インキュベートした。酵素を添加しない陰性対照と共に、反応を2回行った。10%蟻酸(最終濃度)の添加により反応を停止させ、混合物を21,000 rpmで遠心分離し、上清を注意深く除去し、濾過した。データをバックグラウンドレベルのグルタミン酸およびタンパク質を沈降させるための酸の添加に由来する希釈率について補正した後、添加した突然変異体アミノトランスフェラーゼの量により正規化した。基質としてトリプトファンを用いた場合、HEXaspCは、1時間あたり1 mgのアミノトランスフェラーゼあたり、13.0 mMグルタミン酸を産生した。突然変異体の、割合として表される相対活性は、以下の通りである:HEXaspCW130F (156%)、HEXaspCT156A (151%)、HEXaspCP9T/T156A (63.7%)、HEXaspCP9T/R122G (116%)、およびHEXaspCR122G/T156A (107%)。基質としてS,Sモナチンを用いた場合、HEXaspCは、1時間あたり、1 mgのアミノトランスフェラーゼあたり7.43 mMのグルタミン酸を産生した。突然変異体の、割合として表される相対活性は、以下の通りである:HEXaspCW130F (113%)、HEXaspCT156A (87.7%)、HEXaspCP9T/T156A (67.3%)、HEXaspCP9T/R122G (11.2%)、およびHEXaspCR122G/T156A (114%)。
【0764】
HEXaspCP9T/R122G突然変異体は、トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸への変換に関する増加した活性を有したが、S,Sモナチントランスアミノ化に関する減少した活性を有していた。トリプトファンのモナチン活性に対する比率は、HEXaspCに関する1.75と比較して、18.2であったが、これは、それを実施例18および19に記載のものなどのL-アミノトランスフェラーゼを必要とする経路を用いるR,Rモナチンの産生にとって望ましい候補にしている。そのようなものとして、HEXaspCP9T/R122Gは、S,Sモナチン(およびMP)に対する限定された活性を有するアミノトランスフェラーゼの一例である。
【0765】
多くの突然変異体は、L-トリプトファン活性を改善したが、2種の突然変異体のみが、L-トリプトファンおよびS,Sモナチンの両方に対する活性を増加させる(HEXaspCW130FおよびHEXaspCR122G/T156A)。25 mMの基質をこれらのアッセイにおいて用いたが、該酵素はほとんど飽和していた可能性が高く、その活性は酵素のkcatの反映である。しかしながら、S,Sモナチン産生のためのアッセイ(上記)を行う条件下では、S-MPの濃度が酵素を飽和するのに十分ではないようであり、かくして、kcatの増加を反映しない。同様の基質については、作製されたいくつかの突然変異はkcatを増加させるが、アミノ酸基質についての見かけのKmも増加させることが報告された。高濃度の基質を用いた場合、これらの2種の突然変異体はHEXaspCと比較してS,Sモナチンの産生比率における利益を提供すると予想される。HEXaspCT156A突然変異は、S,Sモナチン産生についての上記の条件下で、MPトランスアミノ化速度に有意に影響することなく、増加したトリプトファントランスアミノ化速度を有するようである。
【0766】
HEXaspCおよび1種のバチルス種のD-アミノトランスフェラーゼ酵素の構造の比較により(例えば、S. Sugio, G.A. Petsko, J.M. Manning, K. Soda,およびD. Ringe, Biochemistry 34 (1995) pp. 9661-9669を参照)、W130F、R122G、T156AおよびAspCのHEX突然変異を、D-アミノトランスフェラーゼ構造における対応する残基に対してマッピングすることができる。広特異性D-アミノトランスフェラーゼにおける同様の突然変異は、実施例14に記載のようにR,Rモナチンの全体の産生を改善すると予想される。例えば、AspC中のトリプトファン130により提供される官能性は、セリン179-181の側鎖とグルタミン酸166(YM-1番号付けスキーム)の間の水素結合により、バチルスのD-アミノトランスフェラーゼ中で置換される。立体障害を低下させるために、グルタミン酸をアスパラギン酸残基に突然変異させることができる。いくつかのD-アミノトランスフェラーゼは、位置179にトレオニン残基を有するが、これは立体障害を増加させるため、回避すべきである。バチルス・スフェリクスの酵素は、位置181にセリンの代わりにアラニンを有するが、これも立体障害を低下させ得る。
【0767】
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの研究からのさらなる情報を、D-アミノトランスフェラーゼにも同様に適用することができる。AspC酵素は、ジカルボン酸基質の側鎖と相互作用する活性部位中にアルギニンを有するが、D-アミノトランスフェラーゼは、Ser240からSer243へのループを有する。Ser240、Thr242、およびSer243の側鎖は、同じ方向に向いており、非極性および極性の基質の両方が相互作用することができる表面を提供するSer180のヒドロキシル基を有するポケットを形成する。Ser180は、PLP結合に関与する;しかしながら、当業者であれば、R-MPに関するD-アミノトランスフェラーゼの活性を改善するために、Ser240、Thr242、もしくはSer243残基を、より大きい基質を受容するか、または負に荷電した基質を好むように改変することができる。例えば、Thr242をSerに突然変異させて、側鎖の長さを減少させることができる。Ser243などの、これらの残基の1個を、リジンもしくはアルギニンに突然変異させることができる。残基(YM-1番号)Val130-Val136は、D-アミノトランスフェラーゼの活性部位を横切るβ鎖中に位置し、活性にとって重要でもある。Tyr31、Val33、Glu32、およびLys35は、該活性部位に面すると考えられる。Tyr31、Glu32、およびVal33は、全てのバチルス相同体において不変である。Roら(FEBS Lett 398 (1996) pp. 141-145)は、Val33をAlaに突然変異誘発させ、α-ケトグルタル酸トランスアミノ化に対する触媒効率のわずかな増加およびよりかさ高い基質(立体傷害性が低い)に対する触媒効率の有意な改善を見出した。いくつかの相同体においては、Lys35をArgと置換するが、立体障害が関心事である場合、Lys残基が好ましい。また、再びMPなどの大分子の低い立体障害に起因して、イソロイシンなどの保存的置換よりも、バリン34および36が好ましい。
【0768】
実施例17
グルタミン酸およびアスパラギン酸ラセマーゼのクローニング、発現、および試験
本実施例は、L-グルタミン酸とD-グルタミン酸(またはL-およびD-アスパラギン酸もしくはL-およびD-アラニン)の間で相互変換するのに用いることができる、アミノ酸ラセマーゼ酵素をクローニングおよび試験するのに用いられる方法を記載する。グルタミン酸、アスパラギン酸、またはアラニンラセマーゼは、経路中の工程がL-アミノ酸(L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、もしくはL-アラニン)を産生し、経路中の別の工程がD-アミノ酸(D-グルタミン酸、D-アスパラギン酸、もしくはD-アラニン)を消費する場合、R,Rモナチンを産生する生合成経路において有用である。図4は、L-トリプトファン特異的アミノトランスフェラーゼ、R-特異的アルドラーゼ、D-アミノトランスフェラーゼおよびグルタミン酸(またはアスパラギン酸もしくはアラニン)ラセマーゼを用いて、L-トリプトファンからR,Rモナチンを産生するための生合成経路を例示する。
【0769】
遺伝子をpET28およびpET30ベクターにクローニングして、タグ付けされていないタンパク質と、切断可能なN末端HIS6-タグ/T7-タグを有する融合タンパク質の両方を作製した。得られたタンパク質を、固定化金属アフィニティクロマトグラフィーを用いて精製した。
【0770】
実験の概要
ラクトバチルス・ブレビス(GenBank受託番号D29627、核酸配列)、およびペディオコッカス・ペントサセウス(murI遺伝子)(GenBank受託番号L22789)に由来するグルタミン酸ラセマーゼ(EC 5.1.1.3)をコードする遺伝子を大腸菌中にクローニングし、発現させた。L-グルタミン酸のD-グルタミン酸への変換およびD-グルタミン酸のL-グルタミン酸への変換における活性について、抽出物を試験した。BioCatalyticsアスパラギン酸ラセマーゼ酵素(EC 5.1.1.13)(BioCatalytics, Pasadena, CA)も、L-およびD-アスパラギン酸の間の相互変換について試験した。
【0771】
クローニングのためのゲノムDNAの単離
ラクトバチルス・ブレビスのゲノムDNA(ATCC 8287D)を、American Type Culture Collectionから取得した。ペディオコッカス・ペントサセウス(ATCC 25745)を、ラクトバチルスMRS培地中、37℃で増殖させ、Mekalanos JJ.「ビブリオ・コレラにおける毒素遺伝子の複製および増幅(Duplication and amplification of toxin genes in Vibrio cholerae.)」、Cell. 1983. 35: 253-63の方法を用いるゲノムDNA単離のために2 mlを用いた。
【0772】
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコル
pET28およびpET30ベクター(Novagen, Madison, WI)中へのクローニングのために、5'制限部位と突出部を有するプライマーを消化した。
【0773】
ラクトバチルス・ブレビスのグルタミン酸ラセマーゼプライマー:
N末端: 5'-GCGGCGCCATGGAAAATGATCCGATTGGTCTAATG -3’ (配列番号401)、および
C末端: 5'-GCGGCGGTCGACGCAATTACAATTGTGTTTGTC-3’ (配列番号402)。
【0774】
ペディオコッカス・ペントサセウスのグルタミン酸ラセマーゼプライマー:
N末端: 5'- GCGGCGCCATGGATGTATGTATAATTTTATTTAG -3’ (配列番号403)、および
C末端: 5'-GCGGCGGTCGACAAATTTCATTATTCATTCTAATTT -3’ (配列番号404)。
【0775】
ラクトバチルス・ブレビス由来遺伝子を、以下のPCRプロトコルを用いて増幅した。50μLの反応物中、0.150μgの鋳型、1.6μMの各プライマー、0.4 mMの各dNTP、2.8 UのExpand High Fidelity(商標)ポリメラーゼ(Roche, Indianapolis, IN)、0.5 U Pfuポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, CA)およびMgを含む1X Expand(商標)バッファーを用いた。用いたサーモサイクラープログラムは、96℃で3分間のホットスタート、以下の工程の8回の反復:94℃で30秒間、52℃で45秒間、および72℃で2分間、次いで、以下の工程の22回の反復:94℃で30秒間、60℃で45秒間、および72℃で2分間、を含んでいた。22回の反復後、サンプルを72℃で7分間保持した後、4℃で保存した。このPCRプロトコルは、DNAサイズマーカーとの比較により判断されるように、約830 bpの産物を生成した。
【0776】
ペディオコッカス・ペントサセウス由来遺伝子を、以下のPCRプロトコルを用いて増幅した。50μLの反応物中、0.15μgの鋳型、1.6μMの各プライマー、0.4 mMの各dNTP、2.8 U Expand High Fidelity(商標)ポリメラーゼ、0.5 U PfuポリメラーゼおよびMgを含む1X Expand(商標)バッファーを添加した。用いたサーモサイクラープログラムは、96℃で3分間のホットスタート、以下の工程の8回の反復:94℃で30秒間、37℃で45秒間、および72℃で2分間、次いで、以下の工程の8回の反復:94℃で30秒間、45℃で45秒間、および72℃で2分間、次いで、以下の工程の14回の反復:94℃で30秒間、55℃で45秒間、および72℃で2分間、を含んでいた。14回の反復後、サンプルを72℃で7分間保持した後、4℃で保存した。このPCRプロトコルは、DNAサイズマーカーとの比較により判断されるように、約840 bpの産物を生成した。
【0777】
クローニング
PCR産物を、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて0.8% TAE-アガロースゲルからゲル精製した。PCR産物を、SmartSpec 3000(商標)分光光度計を用いて定量した。この産物を、製造業者の推奨されるプロトコル(New England Biolabs, Beverly, MA)に従って制限酵素NcoIおよびSalIで消化し、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて0.8% TAE-アガロースゲルからゲル精製した。ベクターpET28およびpET30を、制限酵素NcoIおよびSalIを用いる消化、次いで、エビアルカリホスファターゼを用いる処理およびQiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いる0.8% TAE-アガロースゲルからの精製により調製した。
【0778】
消化されたベクターおよび挿入物を、Rapid(商標)DNA連結キット(Roche, Indianapolis, IN)を用いて連結した。約50 ngの処理された挿入物、100 ngの処理されたベクター(挿入物:ベクターのモル比は3:1)、5 UのT4 DNAリガーゼ、および1X連結バッファーを、室温で5分間インキュベートした。連結反応を、High Pure PCR Product Purification Kit (Roche, Indianapolis, IN)を用いて精製し、これを用いて大腸菌DH10Bエレクトロコンピテント細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA)を形質転換した。10μlの各連結反応を40μlのDH10B細胞に添加し、以下の条件下:0.2 cmキュベット中、2.5 kV、25μF、200 ohmで、Bio-Rad Gene Pulser II (Bio-Rad, Hercules, CA)を用いるエレクトロポレーションにより形質転換した。細胞を、1 mLの室温のSOC中、225 rpmで振とうしながら37℃で1時間回収させた。細胞を、カナマイシン(50μg/mL)を含むLBプレート上に塗布した。
【0779】
プラスミドDNAを、Qiagenスピンミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、得られる形質転換体から精製し、NcoIおよびSalIを用いる制限消化により、正確な挿入物についてスクリーニングした。正確な挿入物を有するように見えるプラスミドの配列を、ジデオキシ鎖終結DNA配列決定により検証した。
【0780】
遺伝子発現およびアッセイ
配列分析により検証されたプラスミドDNAを、大腸菌発現宿主BL21(DE3)(Novagen, Madison, WI)中にサブクローニングした。培養物を増殖させた。Qiagenミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いてプラスミドを単離し、制限消化により分析して、同一性を確認した。
【0781】
最初に、BL21(DE3)中での誘導を、pET28(非タグ付き)およびpET30(ヒスチジンタグ付き)ベクターの両方におけるラクトバチルス・ブレビスおよびペディオコッカス・ペントサセウスのグルタミン酸ラセマーゼを用いて実施した。カナマイシン(50 mg/L)を含む250 mL LB中で、0.5〜0.6のOD600まで増殖させ、100 mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)で誘導し、誘導後0および3時間でサンプリングした培養物を用いて、時間経過試験を実施した。600μL(0時間)および275μL(3時間)に由来する細胞を、2-メルカプトエタノールを含む40μLのドデシル硫酸ナトリウムバッファー中に再懸濁し、95℃で10分間加熱し、冷却した。これらの総細胞タンパク質サンプルのアリコートを、4〜15%勾配ゲルを用いるSDS-PAGEにより分析した。
【0782】
また、5 mLの培養物に由来する細胞ペレットを、0.625μLのベンゾナーゼヌクレアーゼおよび3μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルセット番号3(Calbiochem-Novabiochem Corp., San Diego, CA)を含む0.625 mLのNovagen BugBuster(商標)試薬(Novagen, Madison, WI)中に室温で20分間、緩やかに振とうしながら懸濁し、16,000 x gで遠心分離して細胞破片を除去することにより、3時間培養物から細胞抽出物を調製した。上清(細胞抽出物)を、細胞可溶性タンパク質の分析のために4〜15%勾配ゲル上に載せた。
【0783】
クローニングされたラクトバチルス・ブレビスのグルタミン酸ラセマーゼおよびペディオコッカス・ペントサセウスのグルタミン酸ラセマーゼに由来する3時間サンプルは、正確なサイズ(約31 kDa)に一致する総タンパク質および可溶性タンパク質の両方を示した。ラクトバチルス・ブレビスのpET30(ヒスチジンタグ付き)遺伝子産物は、ラクトバチルス・ブレビスのpET28(非タグ付き)遺伝子産物、ならびに両ベクター中のペディオコッカス・ペントサセウスの遺伝子産物よりも高いレベルで過剰発現され、またより可溶性であった(20%を超える可溶性タンパク質)。ペディオコッカス・ペントサセウス遺伝子産物は、pET28およびpET30ベクター中で等しい過剰発現および可溶性を示したが、これはラクトバチルス・ブレビスのpET30遺伝子産物について観察されたものよりも有意に低かった。
【0784】
誘導された培養物(250 mL)に由来する細胞を遠心分離し、0.85% NaClで1回洗浄した。細胞ペレットを、5μL/mLプロテアーゼ阻害剤カクテルセット番号3 (Calbiochem-Novabiochem Corp., San Diego, CA)および1μL/mLのベンゾナーゼヌクレアーゼを含む5 mL/gの湿細胞重量のBugBuster(商標)(Novagen, Madison, WI)試薬中に再懸濁した。サンプルを、回転式振とう器上、室温で20分間インキュベートした。不溶性の細胞破片を、4℃で20分間の16,000 x gでの遠心分離により除去した。
【0785】
以下のプロトコルを用いて、グルタミン酸ラセマーゼ活性について細胞抽出物をアッセイした。400μLの反応を、10 mMリン酸カリウム(pH 8.0)、0.2 mM DTT、および10 mM L-グルタミン酸またはD-グルタミン酸中で行った。20〜100μLの無細胞抽出物の添加により反応を開始させ、室温でインキュベートした。1分、5分、10分、20分および1時間(対照反応として役立つ0分サンプル)の時間経過に渡って、サンプルアリコートを取得した。2 M蟻酸(25μL)を各40μLのサンプルアリコートに添加して、反応を停止させ、沈降したタンパク質を遠心分離により除去した。上清を除去し、それらをLC/MS/MSにより分析するまで-80℃で凍結した。
【0786】
100 mM IPTGを用いるpET30誘導(3時間)に由来する細胞抽出物からのアッセイ結果は、ラクトバチルス・ブレビス(Genbank受託番号BAA06106.1 GI:468450)およびペディオコッカス・ペントサセウス(Genbank受託番号AAA16761.1 GI:349029)酵素が、両グルタミン酸異性体に対する有意なレベルのラセマーゼ活性を有することを示している。ペディオコッカス・ペントサセウスのラセマーゼ(20μLの細胞抽出物)は、いずれかの基質から開始して10〜20分以内にL-およびD-グルタミン酸の間の平衡に到達した。ラクトバチルス・ブレビスの酵素(20μLの細胞抽出物)も、約20分以内に平衡に到達した。
【0787】
BioCatalytics, Inc. (Pasadena, CA)から購入された部分精製されたアスパラギン酸ラセマーゼ酵素(カタログ番号ASPR-101)を、上記のものと同様のプロトコルを用いて、L-アスパラギン酸およびD-アスパラギン酸に対する活性についてアッセイした。市販の酵素は、両異性体に対するラセマーゼ活性を示した。0.5〜1 mgの酵素を用いた場合、20〜60分以内に平衡に到達した。
【0788】
また、全部で3種のラセマーゼ(ラクトバチルス・ブレビスのグルタミン酸ラセマーゼ、ペディオコッカス・ペントサセウスのグルタミン酸ラセマーゼおよびBioCatalyticsのアスパラギン酸ラセマーゼ)を、以下のプロトコルを用いて、S,Sモナチンに対する活性についてアッセイした。400μLの反応を、10 mMリン酸カリウム(pH 8.0)、0.2 mM DTT、および10 mM S,Sモナチン中で実行した。無細胞抽出物(ラクトバチルス・ブレビスおよびペディオコッカス・ペントサセウス)または精製された酵素(BioCatalyticsのアスパラギン酸ラセマーゼ)の添加により反応を開始させ、室温でインキュベートした。1分、5分、10分、20分および1時間(対照反応として役立つ0分サンプル、ならびに酵素を含まないサンプル)の時間経過に渡って、サンプルアリコートを取得した。2 M蟻酸(25μL)を各40μLのサンプルアリコートに添加して反応を停止させ、沈降したタンパク質を遠心分離により除去した。上清を除去し、それらをLC/MS/MSにより分析するまで-80℃で凍結した(実施例1)。S,Sモナチン濃度の減少は長時間に渡って認められず、S,Rモナチンの増加も認められなかった(酵素を含まない対照においても、最初は5%未満の夾雑副生成物として存在)。従って、アッセイしたラセマーゼはいずれもモナチンに対する活性を示さなかった。
【0789】
実施例18
グルタミン酸またはアスパラギン酸ラセマーゼを用いるL-トリプトファンからのR,Rモナチンの製造
本実施例は、L-トリプトファン(L-チロシン、もしくは芳香族)アミノトランスフェラーゼ、ProAアルドラーゼ、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸ラセマーゼ、および広特異性D-アミノ酸アミントランスフェラーゼを用いて、L-トリプトファンから立体異性的に富化されたR,Rモナチンを製造する方法を記載する。図5は、その経路を例示するダイアグラムである。立体異性的に富化されたR,Rモナチンの製造に対するこの手法は、モナチン前駆体(MP)からのモナチンの製造において低い活性を有する工程1のための酵素を必要とする。初期の結果に基づいて、本発明者らは、WO 03/091396 A2に由来する実施例1に記載のシノリゾビウム・メリロチ(Sinorhizobium meliloti)およびロドバクター・スフェロイデス(Rhodobacter sphaeroides)のtatA遺伝子産物を用いた。
【0790】
材料および方法
ラクトバチルス・ブレビスおよびペディオコッカス・ペントサセウスに由来するグルタミン酸ラセマーゼを、実施例17に記載のように大腸菌中で産生させた。いくつかの事例においては、これらの酵素のHis6-タグ付きバージョンを、製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI)に従ってHis-Bind 900カートリッジを用いて精製し、PD-10カラム(G25 Sephadex, GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて脱塩してイミダゾールを除去した。前記酵素を25 mMリン酸カリウムpH 8.0中に溶出させた。アスパラギン酸ラセマーゼ(ASPR-101)およびD-アミノトランスフェラーゼ(AT-103)をBioCatalytics, Inc. (Pasadena, CA)から購入した。シノリゾビウム・メリロチおよびロドバクター・スフェロイデスのチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼを、WO 03/091396 A2に由来する実施例1に記載のように調製した。コマモナス・テストステロニのProAアルドラーゼを、WO 03/091396 A2に由来する実施例4に記載のように調製した。製造業者のプロトコル(Hercules, CA)に従って、Bio-Rad Protein Assayを用いて、総タンパク質アッセイを行った。
【0791】
ラセマーゼを用いて製造されたS,Sモナチンの量の低下
反応混合物(1 mL容量、2回行った)は、100 mMリン酸カリウムバッファー(pH 8)、2 mM MgCl2、0.05 mMピリドキサル5'-リン酸(PLP)、200 mMピルビン酸ナトリウム、5 mM α-ケトグルタル酸ナトリウムもしくはオキサロ酢酸ナトリウム、細胞抽出物中で供給された約280μg/mLのシノリゾビウム・メリロチのTatA、1 mg/mLのBioCatalytics D-アミノトランスフェラーゼ(AT-103)(BioCatalytics, Pasadena, CA)、100μL/mLのグルタミン酸ラセマーゼ細胞抽出物もしくは1 mg/mLのアスパラギン酸ラセマーゼ、および細胞抽出物として提供された約100μg/mLのProAアルドラーゼを含んでいた。固形トリプトファンを、10.2 mg/mlの濃度で添加した。陰性対照は、ラセマーゼを含まなかった。サンプルを、30℃で(250 rpmで振とうしながら)1時間、2時間、または一晩インキュベートした。サンプルを遠心分離して沈殿物を除去し、シリンジ濾過し、-80℃で保存した後、実施例1に記載のLC/MS/MS方法を用いてモナチンについて分析した。多くのサンプルは、細胞抽出物中に存在する天然のL-アミノトランスフェラーゼの量に起因して、95%を超えるS,Sモナチンを含んでいた。しかしながら、ラセマーゼを含むサンプルは、MPのトランスアミノ化にL-グルタミン酸をあまり利用できなくするラセマーゼ酵素の結果として、総モナチンの量を低下させた。ラセマーゼを用いない場合、1545〜2355 ppmのモナチン(主にS,S)が時間経過の間に産生された。存在するラセマーゼを用いる場合、わずかに340〜879 ppm(ラクトバチルス・ブレビス酵素)、444〜531 ppm(ペディオコッカス・ペントサセウス酵素)、および506〜1460 ppmのモナチン(アスパラギン酸ラセマーゼ)が産生された。これらのデータは、ラセマーゼが、モナチンを製造するのに必要な反応条件において活性であることを示している。アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼなどの細胞抽出物酵素からのS,Sモナチンの形成を最小化するために、精製された酵素およびより高い比率のD-アミノトランスフェラーゼ:L-アミノトランスフェラーゼ酵素を用いて、さらなる実験を行った。
【0792】
L-トリプトファンからモナチンの4-R含有異性体への変換
約54μgの精製L-アミノトランスフェラーゼ(シノリゾビウム・メリロチもしくはロドバクター・スフェロイデスのTatA)、1 mgのアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics, Pasadena, CA)、1 mgのD-アミノトランスフェラーゼ、アミノ受容体としてのオキサロ酢酸、および75μgの精製されたアルドラーゼを用いて、上記実験を繰り返した。2時間のサンプリング時間および一晩のインキュベーション時間を用いて、反応を2回行った。シノリゾビウム・メリロチのL-アミノトランスフェラーゼを用いるが、ラセマーゼを用いない陰性対照を行った。逆相クロマトグラフィーに基づくR,R/S,SおよびS,R/R,Sモナチンピーク定量の定量に加えて、各立体異性体の割合を、実施例1に記載のFDAA誘導体化技術を用いて決定した。結果は以下の通りである:
【表22】

【0793】
明らかに、ラセマーゼの存在は、シノリゾビウム・メリロチのTatAをL-トリプトファントランスアミノ化のための酵素として用いる場合に産生されるモナチンの総量を増加させた。モナチンレベルは、2時間アッセイにおいては平均で6.4から16.5 ppmまで増加し、一晩のアッセイにおいては、41〜73 ppmまで増加した。さらに、形成されたR,Rの割合(%)は、ラセマーゼ酵素を用いることにより、約1%から58%にまで増加した。別の強力な甘味料である、モナチンのS,R立体異性体は、他の主要な成分であり、陰性対照におけるほぼ0から31%まで増加した。ロドバクター・スフェロイデスのTatAは、明らかに、シノリゾビウム・メリロチのL-トランスアミナーゼよりもS-MPに対するより高い活性を有するが、これはモナチンの4-R異性体が所望の産物である場合、MPと比較してL-トリプトファンに対する高い基質特異性を有する酵素を有する重要性を示している。約10%の総モナチンが、2時間の時点で4Sである場合、シノリゾビウム・メリロチのTatAをMPに対する限定された活性を有するものと考えることができる。
【0794】
実験を、精製されたシノリゾビウム・メリロチのTatA(54μg)およびラクトバチルス・ブレビスのグルタミン酸ラセマーゼを用いて繰り返した。精製されたグルタミン酸ラセマーゼを用いた場合、1 mLの反応物あたり約64μgを用いた。グルタミン酸ラセマーゼを含む細胞抽出物も試験し、1.4 mgの可溶性タンパク質を用いた。さらに、ラセマーゼ陰性対照を用いず、全てのサンプルを2回行った。結果は以下の通りである:
【表23】

【0795】
さらに、ラセマーゼの添加は、L-トリプトファンから産生される総モナチンを増加させ、ならびにS,Sモナチンと比較して、モナチンの4R-含有異性体の相対量を増加させる。精製されたアルドラーゼ、ラセマーゼ、およびL-アミノトランスフェラーゼの使用は、所望の立体異性体形成を制御する能力を大きく改善する。LからD-アミノトランスフェラーゼの比率はまた、最終生成物の立体化学を操作する方法でもある。
【0796】
実施例13中の表18および19に示される結果と、上記の条件と同様の反応条件を用いる結果とを比較する場合、当業者であれば、約7〜29 ppmのモナチンを、インドール-3-ピルビン酸から形成させ、形成されたR,Rモナチンの割合が約51〜90%であったことがわかるであろう。アスパラギン酸ラセマーゼの使用は、産生されるモナチンの総量を、約40〜58%のR,R%を含む16〜78 ppmのモナチンに増加させた。さらに、より安定で費用が安い生材料である、L-トリプトファンを用いた。実施例14においては、約73 ppmのモナチンが、約1.7:1のR,R:S,R比でD-トリプトファンから産生された。4R異性体の総量は、80%を超える総モナチンであった。R,R-モナチンおよびS,R-モナチンの両方は強力な甘味料であるため(スクロースよりも1000倍以上甘い)、高価なD-アミノ酸基質を必要とせずに、これらの異性体を富化する能力が重要である。
【0797】
実施例13および14に記載のように、D-アラニンは、MPからモナチンへのトランスアミノ化のためのアミノ供与体として役立ち得る。多くのL-アミノトランスフェラーゼは、いくらかの程度までアミノ受容体としてピルビン酸を利用する能力を有し、L-アラニンを産生する。上記反応は高濃度のピルビン酸を使用するため、ピルビン酸のいくらかをL-アラニンに変換する可能性が高い。例えば、L-トリプトファンのトランスアミノ化の間に、実施例16に記載のHexAspC酵素は、α-ケトグルタル酸が存在しない場合、2時間以内に10〜18%のピルビン酸(50〜200 mMの初期濃度)をL-アラニンに変換することが見出された。この酵素は、両方のアミノ受容体が高濃度(50 mMを超える)で存在する場合、α-ケトグルタル酸に対して10倍の選択性を示した。AspC(WO 03/091396 A2に記載)はまた、ピルビン酸からいくらかのL-アラニンも産生した。従って、当業者であれば、上記反応におけるα-ケトグルタル酸もしくはオキサロ酢酸の添加を省略し、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸ラセマーゼの代わりにアラニンラセマーゼ(EC 5.1.1.1)を利用することができることが期待される。アラニンラセマーゼ酵素は、ブルセラ・アボルタスおよびストレプトコッカス・フェカリスにおいて初めて同定された(Marr, A.G.およびWilson, P.W. Arch. Biochem. Biophys., 49 (1954) 424-433ならびにWood, W.A.およびGunsalus, I.C. J. Biol. Chem., 190 (1951) 403-416)。サルモネラ・ティフィムリウム中のdadB遺伝子は、アラニンラセマーゼ活性の起源として同定され、数百個の相同体をゲノムデータベース中に見出すことができる。アラニンラセマーゼ活性の他の公知の起源は、大腸菌、バチルス・サブチリス、シュードモナス・エルギノーサ、ビブリオ・コレラ、シゾサッカロミセス・ポンベ、およびバチルス・セレウスである。担子菌類キノコ、レンチナス・エドデスはまた、広い活性のアラニンラセマーゼを含む。バチルス・ステアロサーモフィルスに由来する温度安定性相同体は、Sigma-Aldrich社(カタログ番号A8936)(Sigma-Aldrich, S
t. Louis, MO)からの購入にとって入手可能であり、商業的用途のために固定した(Inagaki, K., Biochemistry, 25: 3268, 1986)。アラニンラセマーゼを、変異原性PCRなどの無作為方法、変異原性株を介する継代、または当業者には公知の他の方法により、グルタミン酸またはアスパラギン酸ラセマーゼに変換する。アラニンラセマーゼのより集中した進化は、Lys129、Met134などの活性部位残基、ならびにGly283とTrp288(バチルス・ステアロサーモフィルスに由来する番号)の間などの残基に集中している。
【0798】
実施例19
D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(D-4-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ)
図3に示されるように、D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、モナチンの製造のための生合成経路において有用である。例えば、D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼは、アミノ供与体としてL-グルタミン酸を用いてR-MPからR,Rモナチンを産生する。
【0799】
オリゴヌクレオチドプライマーからシュードモナス・スツツェリの4D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼのPCR合成
本実施例は、アミノ供与体としてL-グルタミン酸を用いて、Rモナチン前駆体をR,Rモナチンに変換するのに用いることができる立体反転酵素である4D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを合成するのに用いられた方法を記載する。
【0800】
プライマー設計
シュードモナス・スツツェリの4D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(4D-HPG AT)の公開された配列(Genbank受託番号AY319935、核酸配列;Genbank受託番号AAQ8290、タンパク質配列)を、PCRプライマー設計のための鋳型として用いた。あるいは、シュードモナス・プチダに由来する4-D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(CAD42450(タンパク質)、AX467211(ヌクレオチド))を、配列鋳型として用いる。合計34個のフォワードプライマーおよび35個のリバースプライマーを設計した;フォワードおよびリバースプライマーは、20個の重複塩基対を有する40マーであった。さらに、pET28およびpET30ベクター(Novagen, Madison, WI)中へのクローニングのための5'制限部位および突出部を有する2個の外側プライマーを設計した。
【0801】
シュードモナス・スツツェリの4D-HPG AT外側プライマー:N末端(NdeI部位を含む):
5'-GGCCGGCATATGTCGATCCTTAACGACTACAAACGT -3’ (配列番号405)、およびC末端(XhoI部位を含む): 5'-GGAAGGCTCGAGTCATGATTGGTTTCCAGACAAATT -3’ (配列番号406)。
【0802】
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコル
シュードモナス・スツツェリに由来する遺伝子配列を、以下のプロトコルを用いて増幅した。100μLの一次PCR反応は、0.05μMのそれぞれの内部69プライマー、0.4 mMの各dNTP、10 UのrTthポリメラーゼXL(Roche, Indianapolis, IN)、0.625 U Pfuポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, CA)、1X XLバッファーおよび1 mM Mg(OAc)2を含んでいた。用いたサーモサイクラープログラムは、94℃で3分間のホットスタート、以下の工程の15回の反復:94℃で30秒間、42℃で30秒間、および68℃で15秒間、次いで、以下の工程の10回の反復:94℃で30秒間、52℃で30秒間、および68℃で30秒間、次いで、以下の工程の10回の反復:94℃で30秒間、60℃で30秒間、および68℃で1分15秒間を含んでいた。最後の10サイクルの後、サンプルを68℃で7分間保持した後、4℃で保存した。このPCRプロトコルは、0.8%TAE-アガロースゲル上で約0.5 kbに生成物のスメアを生成した。
【0803】
二次PCR反応を、鋳型として一次PCR反応物を用いて設定した。100μLの二次PCR反応は、2.5μLの一次PCR反応物、0.5μMのそれぞれの2個の外側プライマー(NdeIおよびXhoI制限部位を含む)、0.4 mMの各dNTP、10 UのrTthポリメラーゼXL、0.625 UのPfuポリメラーゼ、1X XLバッファーおよび1 mM Mg(OAc)2を含んでいた。用いたサーモサイクラープログラムは、94℃で3分間のホットスタート、以下の工程の10回の反復:94℃で30秒間、52℃で30秒間、および68℃で1分30秒間、次いで、以下の工程の15回の反復:94℃で30秒間、60℃で30秒間、および68℃で1分30秒間を含んでいた。15回の反復後、サンプルを68℃で7分間保持し、次いで、4℃で保存した。このPCRプロトコルは、0.8%TAE-アガロースゲル上で約1.4 kbに異なる生成物バンドを生成した。
【0804】
PCR産物を、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いる0.8%TAE-アガロースゲルからゲル精製した。該産物をTOPOクローニングし、製造業者のプロトコル(Invitrogen, Carlsbad, CA)に従って、TOP 10細胞中に形質転換した。Qiagenスピンミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて得られる形質転換体からプラスミドDNAを精製し、NdeIおよびXhoIを用いる制限消化により正確な挿入物についてスクリーニングした。正確な挿入物を有するようであるプラスミドの配列を、普遍的M13フォワードおよびM13リバースプライマーを用いるジデオキシ鎖終結DNA配列決定により検証した。配列決定した10個のクローンの全部が、所望の配列に由来する少なくとも1個の突然変異を有していた。最良のクローンは、アミノ酸変化をもたらした単一塩基対の突然変異を有していた。このクローンの配列を、製造業者の推奨(Stratagene, La Jolla, CA)に従うQuickChange Mutagenesisプロトコルを用いて補正した。
【0805】
補正されたTOPOクローンを、製造業者の推奨されたプロトコル(New England Biolabs, Beverly, MA)に従って制限酵素NdeIおよびXhoIで消化し、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて0.8%TAE-アガロースゲルからゲル精製した。ベクターpET28およびpET30を、制限酵素NdeIおよびXhoIを用いる消化、次いで、エビアルカリホスファターゼを用いる処理およびQiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いる0.8%TAE-アガロースゲルからの精製により調製した。
【0806】
消化されたベクターと挿入物を、NEB Quick Ligation Kit (Beverly, MA)を用いて連結した。約50 ngの処理された挿入物、100 ngの処理されたベクター(挿入物:ベクターのモル比は3:1)、5 UのT4 DNAリガーゼ、および1X連結バッファーを、室温で5分間インキュベートした。連結混合物を、TOP10F'化学コンピテント細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA)中に形質転換した。細胞を、225 rpmで振とうしながら、37℃で1時間、0.25 mLの室温のSOC中で回収させた。カナマイシン(50μg/mL)を含むLBプレート上に、細胞を塗布した。Qiagenスピンミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、得られた形質転換体からプラスミドDNAを精製し、NdeIおよびXhoIを用いる制限消化により正確な挿入物についてスクリーニングした。
【0807】
遺伝子発現およびアッセイ
プラスミドDNAを、大腸菌発現宿主BL21(DE3)(Novagen, Madison, WI)中に形質転換した。培養物を増殖させ、Qiagenミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いてプラスミドを単離し、制限消化により分析して、同一性を確認した。
【0808】
最初に、BL21(DE3)中での誘導を、pET28(ヒスチジンタグ付き)およびpET30(タグ付きでない)ベクターの両方中のシュードモナス・スツツェリ4D-HPGを用いて実施する。カナマイシン(50 mg/mL)を含む250 mLのLB中で、0.5〜0.6のOD600まで増殖させ、100 mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)で誘導し、誘導後0および3時間でサンプリングした培養物を用いて、時間経過試験を行う。0時間および3時間に由来する好適な容量の細胞を、2-メルカプトエタノールを含む40μLのドデシル硫酸ナトリウムバッファー中に再懸濁し、95℃で10分間加熱し、冷却した。これらの細胞タンパク質サンプルのアリコートを、4〜15%勾配ゲルを用いるSDS-PAGEにより分析する。
【0809】
また、5 mLの培養物に由来する細胞ペレットを、0.625μLのベンゾナーゼヌクレアーゼおよび3μLのプロテアーゼ阻害剤カクテルセット番号3(Calbiochem-Novabiochem Corp., San Diego, CA)を含む0.625 mLのNovagen BugBuster(商標)試薬(Novagen, Madison, WI)中に、緩やかに振とうしながら室温で20分間懸濁し、16,000 x gで遠心分離して細胞破片を除去することにより、3時間培養物から細胞抽出物を調製する。細胞可溶性タンパク質の分析のために、4〜15%勾配のゲル上に、上清(細胞抽出物)を載せる。必要に応じて、製造業者のプロトコル(Novagen, Madison, WI)に従ってHis-Bind 900カートリッジを用いてタンパク質を精製し、PD-10カラム(G25 Sephadex, GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて脱塩してイミダゾールを除去する。
【0810】
D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(DPGAT)を含む生物
立体反転D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(D-4-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼと呼ばれる)を含む、シュードモナス属および同様の属の生物を、以下の様式で単離する。土壌サンプルを、以下の培地:(1リットルあたり)15 gの寒天、3.4 gのKH2PO4、3.55 gのNa2HPO4、0.2 gのMgSO4・7H2O、8 mgのCaCl2・2H2O、10 mgの酵母抽出物、1 mlの1000x微量元素溶液、1 gのD-フェニルグリシン(D-4-ジヒドロキシフェニルグリシン)を含むペトリ皿上でインキュベートする。
【0811】
単離物を、立体反転アミノトランスフェラーゼの存在についてPCRにより試験するか(公知のD-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼから設計されたプライマー)、または以下のように立体反転アミノトランスフェラーゼの存在についてさらに富化する:プレートから単離されたものを、寒天を含まない上記の液体培地中、振とうしながら30℃で、約1.0のOD600まで増殖させることができる。細胞を遠心分離により収穫し、0.85%NaClで2回洗浄する。10 mg(湿重量)のサンプルを、1 mlのリン酸カリウムバッファー(pH 7.0)および5 mM D-フェニルグリシン(またはD-4-ヒドロキシフェニルグリシン)中に懸濁する。中和された15 mMの(アミノオキシ)酢酸を、上記のように調製された2回のサンプルに添加する。D-フェニルグリシン(またはD-4-ヒドロキシグリシン)の消費を、HPLCにより測定する。D-フェニルグリシン(またはD-4-ヒドロキシフェニルグリシン)を分解することができるが、(アミノオキシ)酢酸の存在下ではより遅い速度で分解する単離物を、さらなる分析のために選択する。立体反転アミノトランスフェラーゼの存在について、PCRにより単離物を試験する(公知のD-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼから設計されたプライマー)。
【0812】
立体反転アミノトランスフェラーゼの存在を、上記のように液体培地中で培養物を増殖させ、細胞を収穫し、無細胞粗抽出物(CFE)を作製し、D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ(またはD-4-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ)酵素活性について試験することにより確認する。CFEを、以下の最終濃度:0.1 M CAPES (pH 9.5)、60 mM L-グルタミン酸(ナトリウム塩)、5 mMベンゾイル蟻酸(または4-ヒドロキシ安息香酸)および50μM PLPを有する反応混合物に添加する。以下の濃度:50 mMリン酸カリウム(pH 7.0)、60 mM D-フェニルグリシン(またはD-4-ヒドロキシフェニルグリシン)、5 mMα-ケトグルタル酸、50μM PLPを有する反応混合物にCFEを添加することにより、逆反応を測定する。このアッセイを35℃でインキュベートし、アリコートを様々な時点で取得し、2分間沸騰させることにより停止させる。Gil-Av, E., Tishbee, A., Hare, P.E., 「逆相クロマトグラフィーによる未誘導体化アミノ酸の分解(Resolution of underivatized amino acids by reversed phase chromatography.)」、J. Am. Chem. Soc., 102: 5115-5117 (1980)のHPLC方法または実施例1に記載の方法(グルタミン酸形成の測定)により、生成物を定量することができる。
【0813】
PCRに基づく方法の代替として、立体反転D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを、硫酸アンモニウム分画法などの従来のタンパク質精製技術、および従来のカラムクロマトグラフィーにより、単離された細菌から精製する。一度、タンパク質が合理的な程度まで精製されたら、ペプチドマイクロ配列決定技術または従来のエドマン型アミノ酸配列決定を用いる(この型の研究に用いるプロトコルおよび装備の説明については、golgi.harvard.edu/microchem/を参照されたい)。最も近い公知のタンパク質起源類から入手可能な配列に基づいて、縮重プライマーを設計する。次いで、縮重PCRおよびゲノムウォーキングを、確立されたプロトコルに従って実施して、立体反転D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼをコードする配列を単離する。
【0814】
DPGATモナチン製造
上記の(1)および(2)に記載のような、D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを、粗無細胞タンパク質抽出物中で用いるか、または上記の(1)に記載のように精製する。シノリゾビウム・メリロチおよびロドバクター・スフェロイデスのチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼを、WO 03/091396 A2に由来する実施例1に記載のように調製する。コマモナス・テストステロニのProAアルドラーゼを、WO 03/091396 A2に由来する実施例4に記載のように調製する。製造業者のプロトコル(Hercules, CA)に従って、Bio-Rad Protein Assayを用いて、総タンパク質アッセイを行う。
【0815】
反応混合物(1 mL容量、2回行う)は、100 mMリン酸カリウムバッファー(pH 8)、2 mM MgCl2、0.05 mMピリドキサル5'-リン酸(PLP)、200 mMピルビン酸ナトリウム、5 mMのα-ケトグルタル酸ナトリウム、細胞抽出物中で提供された約280μg/mLのシノリゾビウム・メリロチのTatA、100μL/mLのD-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ細胞抽出物または1 mg/mLの精製されたD-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ、および細胞抽出物として提供された約100μg/mLのProAアルドラーゼを含む。固形トリプトファンを、10.2 mg/mlの濃度で添加する。D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを用いない陰性対照を設定する。サンプルを、緩やかに振とうしながら、30℃で約1時間または一晩インキュベートする。サンプルを遠心分離して沈降物を除去し、シリンジ濾過し、-80℃で保存した後、実施例1に記載のLC/MS/MS方法を用いてモナチンについて分析する。
【0816】
モナチン産生に関する改善された活性を有するD-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを、変異原性PCR、変異原性株を介する継代、または部位特異的突然変異誘発などの、当業者には公知の突然変異誘発技術により作製する。改善されたD-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを、窒素源としてR,R-モナチンを含む最少培地上での増殖により選択する。最初は、選択は増殖に基づくが、改善されたアミノトランスフェラーゼを選択する時、スクリーンは増殖速度に基づく。すなわち、突然変異型の遺伝子を有する細胞を増殖させ、該遺伝子を、窒素源としてR,R-モナチンを含む最少培地中で発現させる。突然変異型の遺伝子を有する細胞の増殖速度を、非突然変異型のものと比較する。より速い増殖速度を有するこれらの細胞を選択し、アミノトランスフェラーゼをさらに分析する。D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを、変異性PCRおよび変異原性株を介する継代などの利用可能な技術またはDNAシャッフリングおよび指向性進化技術などのライセンスを取得した方法により、突然変異誘発する。
【0817】
DPGATアッセイ
組換えD-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼを含む細胞を増殖させ、タンパク質を発現させ、実施例17に記載のように、または標準的なプロトコルにより、細胞を溶解した。タンパク質を、記載の方法を用いてその天然の宿主中で発現させる(Wiyakrutta, W., Meevootisom, V.「シュードモナス・スツツェリST-201に由来する立体反転D-フェニルグリシンアミノトランスフェラーゼ:精製、特性評価、およびD-フェニルグリシン合成への適用(A stereoinverting D-phenylglycine aminotransferase from Pseudomonas stutzeri ST-201: purification, characterization, and application for D-phenylglycine synthesis.)」、J. Biotechnol., 55: 193-203 (1997))。
【0818】
無細胞抽出物を、以下の最終濃度:100 mMリン酸カリウム(pH 7.0-8.5)、60 mM D-フェニルグリシン(またはD-4-ヒドロキシフェニルグリシン)、5 mM α-ケトグルタル酸、50μM PLPを有する反応混合物に添加した。アッセイを室温でインキュベートし、様々な時点でアリコートを取得し、等量の蟻酸を添加することにより停止させた。生成物(L-グルタミン酸)を、実施例1に記載の方法により定量する。
【0819】
実施例20
D-メチオニンアミノトランスフェラーゼ遺伝子の発見
背景
D-メチオニン-ピルビン酸アミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.41)は、稀であるが、立体反転トランスアミナーゼの別の例であると考えられる。この酵素は、D-メチオニンおよびピルビン酸の、L-アラニンおよび4-メチルチオ-2-オキソブタン酸への可逆的変換を触媒する。オキサロ酢酸、フェニルピルビン酸、2-オキソ酪酸、2-オキソ吉草酸、2-オキソヘプタン酸、グリオキシレート、およびオキソグルタル酸も、アミノ受容体として役立ち得る。
【0820】
DまたはLメチオニンのトランスアミノ化は、高等植物(カリフラワー、トマト、リンゴ、エンドウ茎、バナナ、ピーナッツ)ならびに土壌微生物(大腸菌、シュードモナス・ピシ、シュードモナス・エルギノーサ、バチルス・マイコイデス(Bacillus mycoides)、アシネトバクター・カルコアセティクス(Acinetobacter calcoaceticus)、エロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)B12E、リゾビウム・トリフォリ(Rhizobium trifolii)N2P7、ペニシリウム・デジタタム(Penicillium digitatum)、サッカロミセス・セレビジア、コリネバクテリウムD7F)におけるエチレン産生の経路の一部であると考えられる。D.C. Billington, B.T. Golding、およびS.B. Primrose Biochem J. (1979) 182, 827-836。細菌においては、典型的には、L-メチオニンは、エチレン産生研究における基質として使用され、大腸菌由来TyrBまたはAspCなどの広特異性酵素がトランスアミノ化を担っていると考えられる。しかしながら、S.B. Primrose J. Gen. Microbiol. (1976), 95(1), 159-65およびS.B. Primrose J. Gen. Microbiol. (1977), 98, 519-528は、大腸菌株SPA O (University of Warwick culture collection)が、バッチ培養物中でL-メチオニンからとほぼ同じぐらいのエチレンをD-メチオニンから産生することを示した。大腸菌においては広特異性D-アミノトランスフェラーゼが同定されていないため、1つの可能な説明は、大腸菌のD-アミノ酸デヒドロゲナーゼ(dadA遺伝子によりコードされる)が、D-メチオニンを4-メチルチオ-2-オキソブタン酸に変換することであろう。また、大腸菌中にメチオニンラセマーゼが存在する可能性もあるが、そのような酵素は文献中に記載されていない。
【0821】
大腸菌とは対照的に、カリフラワー小花(ミトコンドリア抽出調製物)および発芽ピーナッツ種子においては、エチレンの産生は、L-メチオニンおよびピルビン酸と比較して、酵素抽出物にD-メチオニンおよびピルビン酸を供給する場合に、より高かった(L.W. Mapson, J.F. March、およびD.A. Wardale Biochem J. (1969) 115, 653-661; J.I. Durham, P.W. Morgan, J.M. PrescottおよびC.M. Lyman Phytochemistry (1973) 12, 2123-2126)。従って、メチオニンラセマーゼとL-アミノトランスフェラーゼの組合せの可能性は、データにより支持されない。デヒドロゲナーゼ活性は、カリフラワーの細胞抽出物の透析によっては排除されず、アッセイ混合物中にはNADが存在しなかった。酸素の消費は注記されず、FADに対する要求もないため、オキシダーゼ活性は排除された。ピーナッツ組織に由来するD-メチオニンアミノトランスフェラーゼを精製したところ、これはPLPに依存し、L-メチオニンアミノトランスフェラーゼ活性には依存しないことが示された。これらのD-メチオニン-ピルビン酸アミノトランスフェラーゼが、実際に副生成物としてD-アラニンを産生し(実施例13および14に記載のバチルス酵素と同様)、前記細胞がD-アラニンをL-アラニン(または類似体アミノ供与体)にリサイクルして戻すアラニンラセマーゼを含む可能性がある。いずれの場合も、高等植物からの広特異性D-アミノトランスフェラーゼの発見は、R,RモナチンまたはS,Rモナチンを製造するプロセスの開発にとって有利である。
【0822】
実験の概要
D-メチオニンアミノトランスフェラーゼを、標準的なクロマトグラフィープロトコルおよびPharmacia AKTA Expolorer系を用いて、カリフラワー小花および発芽ピーナッツ胚から部分的に精製する。相同タンパク質のタンパク質配列を、LC/MS/MSフィンガープリント技術により決定し、Harvard Microchemistry施設によりデータベース検索を実施する。植物遺伝子のコード領域を、標準的なPCRプロトコルを用いて、または実施例19に記載のような遺伝子の合成により、cDNAライブラリーからクローニングする。
【0823】
あるいは、cDNA発現ライブラリーを、D-メチオニン(および産生するエチレン)の存在下で増殖させたカリフラワー組織またはピーナッツ種子から構築する(Stratagene, La Jolla, CA)。このライブラリーを、RC519またはAB1931株などの、大腸菌のGenetic Stock Center (Yale)から得た大腸菌のメチオニン栄養要求株に形質転換する。D-メチオニンを含む最少培地上で増殖することができる株のプラスミドは、目的のコード領域を含む(実施例15、同様のスクリーニング技術を参照)。
【0824】
一度、目的のコード領域を取得し、標準的な大腸菌研究用株において発現させたら、得られる遺伝子産物をアッセイにおいて用いて、pHを7.5(アミノトランスフェラーゼの最適pH)にする以外は、D-ヒドロキシフェニルグリシンアミノトランスフェラーゼの代わりに実施例19に記載のようにR,Rモナチンを製造することができる。D-メチオニンアミノトランスフェラーゼが、D-アミノ酸供与体基質に対する厳しい要件を有する場合、該酵素を用いて、実施例13および14に記載のようにR,Rモナチンを作製することができる。前記遺伝子を突然変異誘発させ、実施例19に記載のように活性の増加についてスクリーニングすることができる。
【0825】
方法
カリフラワーからの単離
400グラムの新鮮に摘んだカリフラワー小花を、浸漬を変化させ、ミキサーを用いて混合することにより、400 mLの4℃スクロース/バッファー溶液(0.4 Mスクロースおよび0.1 Mリン酸ナトリウムバッファーpH 7.4)を用いて抽出する。細胞破片を、チーズクロスを用いる濾過により除去し、得られた溶液を4℃で30分間、40,000 x gで遠心分離する。固形材料(ミトコンドリア器官を含む)を、20 mLの10 mMリン酸ナトリウムバッファーpH 7.4中に再懸濁し、200 mLの冷(-30℃)アセトンを用いて、酵素を抽出する。懸濁液を再度遠心分離し、沈降物をSavant Speed Vacを用いて乾燥する。固形材料を10 mMリン酸ナトリウムバッファーpH 7.4中に溶解し、残留アセトンをPD-10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて除去する。
【0826】
アミノトランスフェラーゼ活性を、0.1 Mリン酸ナトリウムバッファーpH 7.4中の5 mM D-メチオニン、1 mMピルビン酸、0.05 mM PLPおよび2 mM EDTAを用いる酵素調製物のインキュベーションによりアッセイする。アッセイを、25℃で16時間実施する。4-メチルチオ-2-オキソブタン酸を、LC/MS(328のm/z)および実施例1に記載の類似方法を用いて、2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体の形成により測定する。2M硫酸中の2,4-ジニトロフェニルヒドラジンの0.4%(w/v)溶液を調製し、インキュベーション後、半量をアッセイ混合物に添加する。混合物を緩やかに振とうしながら30℃で30分間混合し、沈降物を遠心分離により回収し、LC/MSにより分析する。標準的なクロマトグラフィー技術により分離されたタンパク質画分を、同様の様式で活性についてアッセイするが、副生成物アラニンを、実施例1に記載のOPAポストカラム誘導体化技術により測定する。
【0827】
ピーナッツ(落花生(Arachia hypogea L. cv. Starr))からの単離
発芽ピーナッツ胚ホモジェネート(子葉を含まない)に由来するD-メチオニンアミノトランスフェラーゼを、J.I. Durham, P.W. Morgan, J.M. PrescottおよびC.M. Lyman Phytochemistry (1973) 12, 2123-2126の方法に従って精製する。酵素を安定化するために、粗抽出物の調製の間に還元剤を使用し、細胞破片を33,000X gでの遠心分離により除去する。35〜50%の硫酸アンモニウム画分を、低温でのインキュベーションにより、および沈降物中のタンパク質の除去によりさらに精製する。アセトンを用いて上清をさらに分画する。次いで、活性プールを、ゲル濾過クロマトグラフィー(Sephadex 200, GE Healthcare, Piscataway, NJ)によりさらに精製する。
【0828】
タンパク質画分はトランスアミナーゼタンパク質と共に富化されるようになるため、2D-ゲル電気泳動を用いて、マイクロ配列決定のために目的の酵素を分離する。NCBIに蓄積された植物配列中の相同コード領域の解明後、標準的な分子生物学技術を用いて、大腸菌中でD-アミノトランスフェラーゼタンパク質を組換え的に産生させる。カリフラワー小花もしくはピーナッツ種子からの細胞抽出物または組換え的に産生された相同酵素を、実施例19(立体反転トランスアミナーゼの場合)もしくは実施例13および14(広特異性D-アミノトランスフェラーゼの場合)に記載のようにR,Rモナチンの製造において用いることができると予想される。
【0829】
実施例21
L-アラニンアミノトランスフェラーゼ/アラニンラセマーゼ/D-アラニンアミノトランスフェラーゼ
図4、6、および8は、L-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(L-アラニン-アミノトランスフェラーゼおよび/もしくはL-トリプトファン-アミノトランスフェラーゼなど)、R特異的アルドラーゼ、アラニンラセマーゼならびにD-アラニンアミノトランスフェラーゼを用いて、L-トリプトファンから立体異性的に富化されたR,Rモナチンを製造するための生合成経路を例示する。
【0830】
トリプトファン特異的アミノトランスフェラーゼは、実施例16に記載されている。あるいは、シノリゾビウム・メリロチおよびロドバクター・スフェロイデスのチロシン(芳香族)アミノトランスフェラーゼを、WO 03/091396 A2に由来する実施例1に記載のように調製する。コマモナス・テストステロニのProAアルドラーゼを、WO 03/091396 A2に由来する実施例4に記載のように調製する。製造業者のプロトコル(Bio-Rad, Hercules, CA)に従ってBio-Rad Protein Assayを用いて、総タンパク質アッセイを行う。アラニンラセマーゼを、Sigma-Aldrich (St. Louis, MO)(カタログ番号A8936)から購入する。D-アラニンアミノトランスフェラーゼを、BioCatalytics (カタログ番号AT-103) (BioCatalytics, Pasadena, CA)から購入する。
【0831】
L-アラニンアミノトランスフェラーゼは、真核生物、細菌、および古細菌中に広く分布している。以下の生物が、L-アラニンアミノトランスフェラーゼ(E.C. 2.6.1.2)を含むものとして(配列相同性に基づいて)同定された:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、アスヒブヤ・ゴシピ(Ashbya gossypii)、アゾトバクター・ビネランディ(Azotobacter vinelandii)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ケノルハブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、クラミドモナス・レインハルチ(Chlamydomonas reinhardtii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、デバリオミセス・ハンセニ(Debaryomyces hansenii)、ヒト(Homo sapiens)、オオムギ(Hordeum vulgare)、クリヴェロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、イネイモチ病菌(Magnaporthe grisea)、タルウマゴヤシ(Medicago truncatula)、ハツカネズミ(Mus musculus)、アカパンカビ(Neurospora crassa)、イネ(Oryza sativa)、ファネロカエート・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、テーダマツ(Pinus taeda)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、ピロコッカス・アビシ(Pyrococcus abyssi)、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、ピロコッカス・ホリコシ(Pyrococcus horikoshii)、ドブネズミ(Rattus norvegicus)、サッカロミセス・セレビジア(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、タキフグ・ルブリペス(Takifugu rubripes)、トリパノソーマ・クルージ(Trypanosoma cruzi)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリティクス(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ・ブルニフィクス(Vibrio vulnificus)、ヤロウニア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、およびトウモロコシ(Zea mays)。さらに、多くのアミノトランスフェラーゼは、低レベルのアラニンアミノトランスフェラーゼ活性を有し、所与の高レベルのL-グルタミン酸およびピルビン酸は、それをL-アラニンおよびα-ケトグルタル酸に変換することができる。低い活性を有する酵素を、変異性PCRおよび変異原性株を介する継代などの標準的な突然変異誘発技術を用いて、または指向性進化技術により改善する。L-アラニンアミノトランスフェラーゼの遺伝子を、プライマーを設計するのに公共的に利用可能な技術ならびに遺伝子/酵素を増幅、クローニング、発現および精製するための標準的な技術を用いてクローニングする。
【0832】
反応混合物(1 mL容量、2回行う)は、100 mMリン酸カリウムバッファー(pH 8)、2 mM MgCl2、0.05 mMピリドキサル5'-リン酸(PLP)、200 mMピルビン酸ナトリウム、5 mM α-ケトグルタル酸ナトリウム、細胞抽出物中で供給された約280μg/mLのシノリゾビウム・メリロチのTatA(または他のL-トリプトファン特異的アミノトランスフェラーゼ)、100μL/mLのアラニンラセマーゼ細胞抽出物または1 mg/mLの精製されたアラニンラセマーゼ、細胞抽出物中で供給された約280μg/mLのD-アラニンアミノトランスフェラーゼおよび細胞抽出物として提供された約100μg/mLのProAアルドラーゼを含む。固形トリプトファンを、10.2 mg/mlの濃度で添加する。アラニンラセマーゼを用いない陰性対照を設定する。サンプルを緩やかに振とうしながら30℃で約1時間または一晩インキュベートする。サンプルを遠心分離して沈降物を除去し、シリンジ濾過し、-80℃で保存した後、実施例1に記載のLC/MS/MS方法を用いてモナチンについて分析する。これらの反応混合物において、L-トリプトファンアミノトランスフェラーゼが、アミノ受容体として、ピルビン酸ではなく、α-ケトグルタル酸を使用することができる場合、当業者であれば、図6に示されるように、L-グルタミン酸およびピルビン酸をL-アラニンおよびα-ケトグルタル酸に変換する、L-アラニンアミノトランスフェラーゼを添加することができる。
【0833】
実施例22
配列番号276、244、218、228、162、50、74、44、および116のアルドラーゼをコードする遺伝子のサブクローニング
配列番号276、244、218、228、162、50、74、44、および116のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子を、精製を可能にするためのN末端His-タグを有するpET28b発現ベクター(Novagen, Madison, WI)中にサブクローニングした。配列番号275は、配列番号276のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号243は、配列番号244のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号217は、配列番号218のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号227は、配列番号228のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号161は、配列番号162のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号49は、配列番号50のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号73は、配列番号74のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号43は、配列番号44のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。配列番号115は、配列番号116のアミノ酸配列を有するアルドラーゼをコードする遺伝子の配列である。
【0834】
クローニングに用いたプライマーを、表24に示す。
【表24】

【0835】
上記アルドラーゼをコードする遺伝子を、PCRにより増幅し、好適な酵素(NdeIおよびBamHI)で消化し、ゲル精製した(QIAquick(登録商標)Gel Extraction Kit (Qiagen, Valencia, CA))。消化物を、NdeIおよびBamHIで消化し、ゲル精製されたpET28中に個々に連結した。連結物をTOP10細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA)中に形質転換した。個々のクローンからのミニプレップDNAを、アガロースゲル電気泳動を用いるサイズ分析により、挿入物の存在について分析した。挿入物を含む単離物を、DNA配列分析(Agencourt, Beverly, MA)に提出した。
【0836】
アルドラーゼの精製
確認されたアルドラーゼクローンを、BL21(DE3)またはBL21(DE3)pLysS中に形質転換した。Terrific Broth中、30℃で一晩、誘導を実行した。好適な抗生物質と共に増殖させた一晩培養物を、新鮮な培地中に希釈し(典型的には、1:100)、通気しながら37℃で約0.6のOD600まで増殖させた。次いで、培養物を1 mM IPTGで誘導し、30℃にシフトし(通気しながら)、インキュベーションを一晩継続した。細胞を、遠心分離により収穫した。典型的には、細胞ペレットを、1回の凍結解凍サイクルにかけて、細胞溶解を補助した。細胞ペレットを、BugBusterおよびBenzonase Nuclease (Novagen, Madison, WI)(製造業者のプロトコルに従う)中に溶解した。細胞破片を遠心分離により除去した。粗タンパク質抽出物を、製造業者のプロトコルに従って調製された10 mg許容量のHIS-Bindカラム(Novagen, Madison, WI)に印加した。カラムを洗浄し、製造業者のプロトコルに従ってタンパク質を溶出させた。精製されたタンパク質を、PD-10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて脱塩し、4 mM MgCl2、200 mM NaClを含む50 mMリン酸カリウムバッファー、pH 7.5中に溶出させた。精製されたタンパク質を、Amicon遠心分離濃縮装置(5000 MWカットオフ)(Millipore, Billerica, MA)を用いて濃縮した。濃縮後、配列番号44、配列番号28、および配列番号276のアルドラーゼがいくらかのレベルの沈降を示したが、その活性は依然として非常に高かったことに留意した。タンパク質を、分析するまで-80℃で保存した。
【0837】
Pierce BCAキット(Pierce, Rockford IL)およびタンパク質標準としてウシ血清アルブミン(「BSA」)を用いるマイクロタイタープレートプロトコルを用いてタンパク質アッセイを行った。Experion Pro260電気泳動システム(Bio-Rad, Hercules, CA)またはSDS-PAGEを用いて、精製されたサンプル中のアルドラーゼの割合を評価し、可溶性細胞抽出物および総タンパク質中の発現レベルを評価した。
【0838】
精製されたアルドラーゼの試験
精製されたアルドラーゼを、D-トリプトファンからR,Rモナチンを産生するその能力について試験し、同じ様式で調製された配列番号28および配列番号54のアルドラーゼと比較した。25μg/mLを用いた配列番号244を除いて、アッセイあたり同じ濃度の酵素(50μg/mL)を用いて、精製されたタンパク質を用いてマイクロ遠心管中でアッセイを行った(2回)。配列番号243は、あまり発現せず、より少量の精製タンパク質を得た。2 mg/mLのBioCatalytics AT-103 (BioCatalytics, Pasadena, CA)を、D-アミノトランスフェラーゼとして用いた。1 mLの反応混合物あたり、以下のものを添加した:アルドラーゼ、4 mM MgCl2、50 mM D-トリプトファン、D-アミノトランスフェラーゼ、200 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、および0.05 mM PLP。サンプルを30℃でインキュベートした。30分、1時間、3時間、および一晩(19時間)のサンプルを取得した。表25は、逆相ピーク面積により決定された、各時点で産生された総モナチンの平均した結果および産生されたR,Rモナチン(%)を示す。表25の3列目においては、いくつかの反応について、実施例1に記載のようなさらなるFDAA誘導体化LC/MS/MS分析を行い、それらの結果を括弧内に示す。
【表25】

【0839】
配列番号276のアルドラーゼは、R,Rモナチンの産生のための高レベルの活性、ならびに最も高い立体特異性を保持した。塩化ナトリウムを省略するバッファー中でのこの酵素の保存は、以前に注記された沈降のレベルを低下させるようである。保存バッファー中のマグネシウム濃度は、沈降のレベルに対する影響を有さないようである。
【0840】
配列番号276、配列番号28、および配列番号244のアルドラーゼは全て、R,Rモナチンの産生のための高い活性および高い立体選択性を示した。これらの3種の酵素を、実施例23に記載のように調製し、10 mL血清バイアルを用いて、実施例24に記載のように嫌気的にアッセイした。7 mLのアッセイを、0.05 mg/mLの各アルドラーゼ(精製されたもの)および実施例24に記載のように調製された2 mg/mLの精製されたバチルス・スフェリクスのD-アミノトランスフェラーゼを用いて行った。D-トリプトファンからのモナチンの産生における各アルドラーゼの活性を、実施例27に記載のように調製されたシノリゾビウム・メリロチのHMGアルドラーゼと比較した。実施例1に記載のLC-OPA方法を用いて、総モナチンを評価した。形成されたR,Rモナチンの割合を、実施例1に記載のFDAA誘導体化方法を用いて決定した。その結果を以下の表26に示す。
【表26】

【0841】
これらの結果は、配列番号276のアルドラーゼが、同様により多い容量の嫌気的反応中で高レベルのR,Rモナチンを産生することを示している。
【0842】
実施例23
配列番号276のアルドラーゼの発現および精製
pET28bプラスミド上に配列番号275として記載されたアルドラーゼ遺伝子を担持する大腸菌BL21(DE3)pLysSのクローニングを、上記の実施例22に記載する。
【0843】
アミノ末端HIS6-精製タグを有する配列番号276のアルドラーゼを、振とうフラスコ中、50μg/mLのカナマイシンを含むEMD Biosciences Overnight Express System II (Novagen, Madison, WI)(溶液1〜6)を用いて産生させる。この発現系は、細胞増殖をモニターする必要なしにIPTG-誘導系の発現を誘導する。アルドラーゼ構築物の液体培養物またはプレートからの培地(1 Lフラスコ中)の200 mLのアリコートの接種後、培養物を225 rpmで振とうしながら30℃で一晩インキュベートした。OD600nmが最小で6に達した時、遠心分離により細胞を収穫し、バッファーで1回洗浄した。
【0844】
前記アルドラーゼを含む無細胞抽出物を調製するために、細胞を3〜4倍量の100 mMリン酸カリウム、pH 7.8中に懸濁した後、懸濁液の温度を15℃未満に維持しながら、Microfluidicsホモジェナイザー(Microfluidics, Newton, MA)(18,000 psiで3回通過)を用いて破壊した。あるいは、1μL/mL Benzonase(登録商標)Nuclease、5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Sett II、および0.033μL/mL rLysozyme(商標)を含むEMD Biosciences BugBuster(登録商標)(一次アミンを含まない)Extraction Reagent (Novagen, Madison, WI)を用いて、製造業者のプロトコルに従って無細胞抽出物を調製した。その後の精製工程は全て、4℃で行った。細胞懸濁液を15,000〜20,000 x gで20〜30分間遠心分離して、細胞破片を除去した。無細胞抽出物の20〜25 mLのアリコートを、200 mM塩化ナトリウムを含む100 mMリン酸カリウムで予め平衡化させたGE Healthcare Chelating Sepharose(商標)Fast Flow樹脂(ニッケル(II)型)(GE Healthcare, Piscataway, NJ)の45 mLカラムに印加した。ニッケル型の樹脂を作製するために、樹脂を150 mLの200 mMニッケル(II)硫酸六水和物、次いで150 mLの蒸留水で洗浄した。サンプルを載せた後、25 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファーおよび500 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファーでカラムを洗浄/溶出した。HIS6-タグ付きタンパク質は最後の洗浄で溶出した。500 mMのイミダゾール洗浄物を、製造業者の説明書に従って、Millipore/Amicon Centricon Plus-70遠心分離濾過装置(MWCO 10kDa)(Millipore, Billerica, MA)を用いて15〜20 mLに濃縮した。100 mMリン酸カリウム、pH 7.8で予め平衡化させた、使い捨てのGE Healthcare PD10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)(カラムあたり2.5 mLのサンプル)を通過させることにより、イミダゾールおよび塩化ナトリウムを除去した。精製されたアルドラーゼを、カラムあたり3.5 mLの同じバッファーを用いて溶出させた。
【0845】
各画分のタンパク質濃度を、タンパク質標準としてBSAを用いて、Pierce BCAアッセイキット(Pierce, Rockford, IL)を用いて決定した。各画分の純度および無細胞抽出物中の発現レベルを、Bio-Rad Experionマイクロキャピラリーチップシステム(Bio-Rad, Hercules, CA)またはMini PROTEIN(登録商標)3細胞装置(Bio-Rad, Hercules, CA)中で泳動したBio-Rad 4〜15%SDS-ポリアクリルアミド勾配ゲルを用いて決定した。タンパク質を、Bio-Rad Bio-Safe G-250クマシー染色(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いてポリアクリルアミドゲル中で可視化し、水で脱色した。典型的には、この手順は、Experionソフトウェアにより判定されるように、85〜95%純粋である400 mLの一晩培養物から約50 mgの酵素を産生する。精製された酵素のアリコート(1〜5 mL)を、使用するまで-80℃で保存した。この様式での酵素の調製は、以前に注記された酵素の沈降レベルを低下させた。保存バッファー中のマグネシウムの存在は、沈降レベルに対する影響を有さなかった。
【0846】
実施例24
配列番号276のアルドラーゼを用いるR,R-モナチンの製造:反応条件の最適化
実施例7でクローニングされたバチルス・スフェリクス(ATCC株10208)のD-アラニンアミノトランスフェラーゼを、増殖および誘導のためにEMD Biosciences Overnight Express System II (Novagen, Madison, WI)を用いて、以下に記載のようなHIS6-タグ付きタンパク質として精製した。EMD Biosciences Overnight Express System II (溶液1〜6)(Novagen, Madison, WI)は、振とうフラスコ中で50μg/mLのカナマイシンを含んでいた。この発現系は、細胞増殖をモニターする必要なしにIPTG-誘導系の発現を誘導する。アミノトランスフェラーゼ構築物の液体培養物またはプレートからの培地(1Lフラスコ中)の200 mLアリコートの接種後、培養物を225 rpmで振とうしながら、30℃で一晩インキュベートした。OD600nmが最小で6に達した時、細胞を遠心分離により収穫し、バッファーで1回洗浄した。
【0847】
D-アラニンアミノトランスフェラーゼを含む無細胞抽出物を調製するために、50μMリン酸ピリドキサル(PLP)を含む3〜4倍量の100 mMリン酸カリウム、pH 7.8に細胞を懸濁した後、懸濁液の温度を15℃未満に維持しながら、Microfluidicsホモジェナイザー(Microfluidics, Newton, MA)(18,000 psiで3回通過)を用いて破壊した。あるいは、1μL/mL Benzonase(登録商標)Nuclease、5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Sett II、および0.033μL/mL rLysozyme(商標)を含むEMD Biosciences BugBuster(登録商標)(一次アミンを含まない)Extraction Reagent (Novagen, Madison, WI)を用いて、製造業者のプロトコルに従って無細胞抽出物を調製した。その後の精製工程は全て、4℃で行った。細胞懸濁液を15,000 x gで20〜30分間遠心分離して、細胞破片を除去した。無細胞抽出物の20〜25 mLのアリコートを、200 mM塩化ナトリウムおよび50μM PLPを含む100 mMリン酸カリウムで予め平衡化させたGE Healthcare Chelating Sepharose(商標)Fast Flow樹脂(ニッケル(II)型)(GE Healthcare, Piscataway, NJ)の45 mLカラムに印加した。ニッケル型の樹脂を作製するために、樹脂を150 mLの200 mMニッケル(II)硫酸六水和物、次いで150 mLの蒸留水で洗浄した。サンプルを載せた後、25 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファー、50 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファーおよび500 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファーでカラムを洗浄/溶出した。HIS6-タグ付きタンパク質は最後の洗浄で溶出した。500 mMのイミダゾール洗浄物を、製造業者の説明書に従って、Millipore/Amicon Centricon Plus-70遠心分離濾過装置(MWCO 10kDa)(Millipore, Billerica, MA)を用いて15〜20 mLに濃縮した。0.5μM PLPを含む100 mMリン酸カリウム、pH 7.8で予め平衡化させた、使い捨てのGE Healthcare PD10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)(カラムあたり2.5 mLのサンプル)を通過させることにより、イミダゾールおよび塩化ナトリウムを除去した。精製されたアミノトランスフェラーゼを、カラムあたり3.5 mLの同じバッファーを用いて溶出させた。
【0848】
各画分のタンパク質濃度を、タンパク質標準としてBSAを用いて、Pierce BCAアッセイキット(Pierce, Rockford, IL)を用いて決定した。各画分の純度および無細胞抽出物画分中の発現レベルを、Bio-Rad Experionマイクロキャピラリーチップシステム(Bio-Rad, Hercules, CA)またはMini PROTEIN(登録商標)3細胞装置中で泳動したBio-Rad 4〜15%SDS-ポリアクリルアミド勾配ゲル(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて決定した。タンパク質を、Bio-Rad Bio-Safe G-250クマシー染色(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いてポリアクリルアミドゲル中で可視化し、水で脱色した。典型的には、この手順は、Experionソフトウェアによるか、またはSDS-PAGEゲルの分析から判定されるように、85〜95%純粋である200 mLの一晩培養物から約50 mgの酵素を産生する。精製された酵素のアリコート(1〜5 mL)を、使用するまで-80℃で保存した。
【0849】
配列番号276のアルドラーゼ(実施例22においてクローニングされた)を、実施例23に記載のようにHIS6-タグ付きタンパク質として精製した。
【0850】
配列番号276のアルドラーゼのための好ましい金属コファクターを、様々な二価金属をスクリーニングすることにより決定した。反応を、7 mLの最終容量を用いて10 mLの血清ボトル中で嫌気的に設定した。100 mMリン酸カリウム(pH 7.8)、200 mMピルビン酸ナトリウム、0.05 mM PLPおよび0.01%(v/v)Tween 80からなるバルク溶液を、48.8 mLの最終容量となるように調製し、窒素を用いて30分間散布した。D-トリプトファン(143 mg;最終濃度100 mM)を、7個の10 mLの血清バイアル中に分注した。それぞれのバイアルに、塩化物塩(4 mMの最終濃度)から調製された、0.014 mLの二価金属陽イオンの2 M溶液を添加した。陰性対照として、0.014 mLのdH2Oを添加した。血清バイアルをゴム隔膜でフタをし、16〜18ゲージ針を介して窒素を散布した。嫌気的条件下で、5.625 mLの嫌気性バルク溶液を、それぞれの嫌気性血清ボトルに添加した。続いて、バチルス・スフェリクスのD-アラニンアミノトランスフェラーゼおよび配列番号276のアルドラーゼを、それぞれ、2 mg/mLおよび0.05 mg/mLの最終濃度となるように、各血清ボトルに嫌気的に添加した。溶液を、緩やかに混合しながら、18時間、室温でインキュベートした。アミノ酸の液体クロマトグラフィー-ポストカラム蛍光検出の方法を用いて、実施例1に記載の方法に従って、最終的なモナチンを分析した(表27)。
【表27】

【0851】
配列番号276のアルドラーゼのための反応条件を、統計ソフトウェアDesign Expert 7.0.0 (Stat-Ease, Inc.; Minneapolis, MN)を用いて設計された2レベル一部実施要件実験を用いてさらに調査した。スクリーニング設計は、4個の中心点を有する2レベルで5個の因子の単一のブロックからなっていた(合計20回)。最適化しようとする5個の因子は、金属コファクター濃度、反応pH、Tween(登録商標)80濃度、ピルビン酸とトリプトファンの比、およびアルドラーゼ濃度であった(表28)。
【0852】
143 mgのD-トリプトファンを含む円錐ポリプロピレンチューブ(14 mL)を、嫌気性グローブボックス(Coy Laboratory Products, Inc; Grass Lake, MI)中で一晩、脱酸素化した。2 M MgCl2;1 Mリン酸カリウムpH 7.0、7.75、および8.5;10%(v/v)Tween(登録商標)80;2 Mピルビン酸ナトリウム、ならびに10 mM PLP(ピリドキサル5'-リン酸)の保存溶液を、脱気した水の中で調製し、嫌気性グローブボックス中で一晩平衡化させた。精製されたバチルス・スフェリクスのD-アラニンアミノトランスフェラーゼおよび配列番号276のアルドラーゼの保存溶液を、氷上で解凍し、すぐに嫌気性グローブボックス中で用いた。保存溶液を、D-トリプトファンを含む14 mLの円錐チューブに添加して、統計学的設計により決定された濃度を得た(表28)。脱気した水を各チューブに添加して、酵素添加物と共に、最終容量を7.0 mLにした。チューブを緩やかに混合しながら、最大で24時間、嫌気性グローブボックス中、室温でインキュベートした。モナチン濃度および異性体純度を、アミノ酸の液体クロマトグラフィー-ポストカラム蛍光検出法ならびにin vitroおよびin vivo反応方法(FDAA誘導体化方法)におけるモナチンの立体異性体分布の決定のためのLC/MS/MS多反応モニタリングを用いる実施例1に記載の方法に従って分析した。
【表28】

【0853】
データの統計学的分析により、反応のpH、ピルビン酸:トリプトファン比およびアルドラーゼ濃度は、モナチン力価、異性体純度および炭素収率に影響する有意な因子であることが示された。過剰のピルビン酸の条件下で、最も高いモナチン力価および最も高い異性体純度の目標を最大化するために、因子を検証するDesign Expertソフトウェアを用いて、望ましいグラフを作成した。反応条件は、最適値が1 mM MgCl2、pH>8.0、0.01%(v/v)Tween(登録商標)80、および0.01 mg/mLの配列番号276のアルドラーゼであることを示していた。これは、用いられるアルドラーゼの典型的な量における5倍の低下、ならびに典型的に用いられる二価金属の量における4倍の低下である。
【0854】
さらなる実験を行って、反応プロセスの最適pH範囲を決定した。1 M EPPSバッファーの保存溶液を、pH 7.0〜9.0の間で0.2 pH単位ずつの増分で調製した。これらの溶液を脱気して、嫌気性グローブボックス中で一晩平衡化させた。143 mgのD-トリプトファンを含むポリプロピレンチューブ(14 mL)を、嫌気性グローブボックス中で一晩、脱酸素化した。2 M MgCl2、10%(v/v)Tween(登録商標)80、2 Mピルビン酸ナトリウムおよび10 mM PLPの保存溶液を、脱気した水の中で調製し、嫌気性グローブボックス中で平衡化させた。精製されたバチルス・スフェリクスのD-アラニンアミノトランスフェラーゼおよび配列番号276のアルドラーゼの調製物を氷上で解凍し、嫌気性グローブボックス中ですぐに使用した。保存溶液を14 mLの円錐チューブに添加して、チューブあたり7 mLの総量中、100 mM EPPS、200 mMピルビン酸、100 mMトリプトファン、1 mM MgCl2、0.01%(v/v)Tween(登録商標)80、0.05 mM PLP、2 mg/mLのバチルス・スフェリクスのD-アラニンアミノトランスフェラーゼ、および0.01 mg/mLの配列番号276のアルドラーゼの最終濃度を得た。反応物を緩やかに攪拌しながら、22時間、嫌気性グローブボックス中、室温でインキュベートした。サンプルを除去しLC/MS/MS多反応モニタリング法を用いて実施例1に記載のようにモナチンについて分析した(表29)。
【表29】

【0855】
結果は、モナチン形成が、pHが7.0〜8.0の間で増加するにつれて増加することを示していた。モナチン形成は、pH 8.0〜8.2の範囲で最大に達し、pH 8.4以上では低下した。さらに、モナチンの異性体純度は、pH 8.4以上で低下した。
【0856】
さらなる反応最適化を、配列番号276のアルドラーゼ(0.01 mg/mL)、2 mg/mLのT243N 4978 DAT(タグ付きでない、実施例26由来)、1 mM MgCl2、200 mMピルビン酸ナトリウム、0.05 mM PLP、0.01%Tween-80、および100 mM D-トリプトファンpH 8.5を用いて行った。前記細胞を用いてアルドラーゼを産生させ、Microfluidicsホモジェナイザー(Microfluidics, Newton, MA)(20,000 psiで3回通過)を用いて、50 mM EPPS, pH 8.4中でD-アミノトランスフェラーゼを破壊した。細胞破片を遠心分離(20,000 x gで30分間)により除去し、清澄化された細胞抽出物を酵素反応において用いた。追加のバッファーを用いなかったが、水酸化ナトリウムを用いて反応混合物をpH 8.5に調整し、窒素でフラッシュした後、酵素を添加した。250 mLの反応を、上部空間中の窒素を用いて、30℃で0.7 LのSixfor攪拌発酵器(Infors AG, Bottmingen, Switzerland)中で実行した。リン酸カリウムを、0、5、10、20、および50 mMの最終濃度となるように添加した。5〜10 mMのリン酸の添加が最適であり、3.5 g/Lのモナチン(実施例1に記載のようにLC/MS/MSにより定量される)を産生することがわかった。
【0857】
実施例25
新規バチルスD-アミノ酸アミノトランスフェラーゼのクローニング
バチルスのD-アミノ酸アミノトランスフェラーゼ(「DAAT」または「DAT」)(EC 2.6.1.21、D-アラニンアミノトランスフェラーゼもしくはD-アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとしても公知である)を、組換え的に製造した。このアミノトランスフェラーゼを、R,Rモナチンの製造のためにアルドラーゼとの共役アッセイにおいて用いた。このアミノトランスフェラーゼ酵素は、モナチンの製造について以前に記載されたD-アミノトランスフェラーゼと相同である(米国特許出願公開第20040063175号および米国特許出願公開第20050282260号)。生物ATCC 4978(元々はバチルス・ロータンス(Bacillus rotans)として預託されたバチルス・スフェリクス)を、ATCCから注文し、それを用いてゲノムDNAを調製した。公知のバチルスのD-アミノトランスフェラーゼのタンパク質配列保存の領域中で縮重プライマーを設計し、上記のATCC株からの内部DAAT遺伝子配列のポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)増幅に用いた。BD GenomeWalker(商標)Universal Kit (Clontech, Mountain View, CA)を用いて、ゲノムウォーキングを行った。配列分析(Agencourt BioScience Corporation, Beverly, MA)により、ATCC 4978に由来するDAAT遺伝子の完全長コード配列を検証した。ATCC 4978に由来するDAAT遺伝子のDNA配列は、配列番号357であり、以下に示す。配列番号357の遺伝子を、標準的なPCRプロトコルにより増幅し、標準的な組換えDNA技術を用いてクローニングすることができる。配列番号357の遺伝子を、当業者には公知の集合的PCR方法などの、当業者には公知の任意の方法により再構築することもできる。
【0858】
ATCC 4978のDAAT DNA配列は、
atgagttata gcttatggaa tgaccaaatt gtgaatgatg aagaagtagt agttgataag gaggaccgtg gctatcaatt tggcgatggt gtttatgaag ttgtaaaagt atataacggt gaattattta cagcggagga gcatgtcgat cgtttttacg cgagtgctga aaaaattcgc gttacgatcc cttatacaaa agacaaattg catcaattat tgcatcagtt agttgaaatg aataaagttc aaacaggaca tatttatttc caaattacgc gtggtgcagg ccctcgtaat catattttcc ctggtgatga agtgaagcca gtattaacag gtaataccaa ggaaaatcca cgtcccgtag caaactttga aaaaggtgtg aaagcaacat ttgtagaaga cattcgttgg ttacgctgtg acattaaatc attaaattta cttggtgcgg tacttgctaa acaagaagca catgaaaaag gatgctatga agcggtttta catcgtgatg aaatcgtaac agaaggctct tcttcaaata tttatggaat taaagatggc gtattataca cacatccagc gaataacttc atcttaaatg gtattacacg tcaagtaatc attaaatgtg ctgctgaaat tggcttacca gtgaaggaag aagcaatgac aaaaactcag cttcttgcaa tggatgaagt gattgtttca tcaacgactt cagaagtaac gccaattatc gacatagatg gaacagtaat tggtgcgggt aaaccgggtg actggacacg taaattacaa gcacaatttg atacgaaaat cccaaaaggt attcgcgcat aa(配列番号357)
である。
【0859】
上記DNA配列によりコードされるATCC 4978に由来するDAAT遺伝子のアミノ酸配列は、配列番号358であり、以下に示す通りである:
Met Ser Tyr Ser Leu Trp Asn Asp Gln Ile Val Asn Asp Glu Glu Val Val Val Asp Lys Glu Asp Arg Gly Tyr Gln Phe Gly Asp Gly Val Tyr Glu Val Val Lys Val Tyr Asn Gly Glu Leu Phe Thr Ala Glu Glu His Val Asp Arg Phe Tyr Ala Ser Ala Glu Lys Ile Arg Val Thr Ile Pro Tyr Thr Lys Asp Lys Leu His Gln Leu Leu His Gln Leu Val Glu Met Asn Lys Val Gln Thr Gly His Ile Tyr Phe Gln Ile Thr Arg Gly Ala Gly Pro Arg Asn His Ile Phe Pro Gly Asp Glu Val Lys Pro Val Leu Thr Gly Asn Thr Lys Glu Asn Pro Arg Pro Val Ala Asn Phe Glu Lys Gly Val Lys Ala Thr Phe Val Glu Asp Ile Arg Trp Leu Arg Cys Asp Ile Lys Ser Leu Asn Leu Leu Gly Ala Val Leu Ala Lys Gln Glu Ala His Glu Lys Gly Cys Tyr Glu Ala Val Leu His Arg Asp Glu Ile Val Thr Glu Gly Ser Ser Ser Asn Ile Tyr Gly Ile Lys Asp Gly Val Leu Tyr Thr His Pro Ala Asn Asn Phe Ile Leu Asn Gly Ile Thr Arg Gln Val Ile Ile Lys Cys Ala Ala Glu Ile Gly Leu Pro Val Lys Glu Glu Ala Met Thr Lys Thr Gln Leu Leu Ala Met Asp Glu Val Ile Val Ser Ser Thr Thr Ser Glu Val Thr Pro Ile Ile Asp Ile Asp Gly Thr Val Ile Gly Ala Gly Lys Pro Gly Asp Trp Thr Arg Lys Leu Gln Ala Gln Phe Asp Thr Lys Ile Pro Lys Gly Ile Arg Ala(配列番号358)。
【0860】
ATCC 4978株から得られた新規D-アミノトランスフェラーゼは、バチルス・スフェリクスのATCC 10208として公開されたD-アミノトランスフェラーゼ配列と比較して、異なるアミノ酸残基変化を有するタンパク質配列を有する。ATCC 4978に由来するDAATは、バチルス・スフェリクス(ATCC 10208)に由来するDAATと72%の同一性しか有さない。この株は現在、ATCCにおいてバチルス・スフェリクスとして記載されているが、それはバチルス・ロータンスとして預託されたものである。配列アラインメントおよびこの新規DAATと、バチルス・スフェリクス由来DAATとの間の強調された差異に基づいて、これらの、ならびに他のDAAT配列における、R,Rモナチン生合成のためのDAAT活性の増加におけるそれらの役割(個々に、または組み合わせた)について評価することができるいくつかの候補残基を同定する。
【0861】
実施例26
ATCC 4978に由来するD-アミノトランスフェラーゼの突然変異体の特性評価
実験の概要
バチルス株ATCC 4978に由来する新規D-アミノトランスフェラーゼ遺伝子(実施例25に記載)を、部位特異的方法を用いて突然変異誘発させた。突然変異遺伝子を発現させ、特に、1種以上のアルドラーゼと結合させた場合、モナチン産生経路に関する目的の活性についてアッセイした。
【0862】
部位特異的突然変異誘発標的に関する実施例16に記載の考えに加えて、YM-1結晶構造の活性部位中へのR-MPの実際のドッキングにより他の考えを開発し、一次アミノ酸配列アラインメントを用いて、4978アミノトランスフェラーゼタンパク質がその領域において類似する構造的特徴を有する可能性があるかどうかを決定した。以下のさらなる突然変異が有益である(4978のアミノトランスフェラーゼのアミノ酸番号を用いる)ことが予想された。アラニン153のアルギニンへの突然変異誘発は、基質(R-MP)の第2のカルボキシル基を安定化させると考えられた。この変化は、立体障害を増加させて補正し、位置181および182のセリン残基を、アラニンまたはグリシンに変化させた。また、当業者であれば、位置180、181、もしくは182にアルギニンを導入し、他のセリン残基の1個以上をアラニンもしくはグリシンに変換して、アルギニンのよりかさ高い側鎖のための場所を作ることができると仮定された。アミノ酸200のフェニルアラニンは、R-MPが活性部位にドッキングすると予測される場所に空間的に近く、モナチントランスアミノ化をかなり良好に触媒するD-アミノトランスフェラーゼの間に、この残基における大量の変動性が存在する。この位置でのアミノ酸改変が有用であると考えられた。ロイシン151のフェニルアラニンへの突然変異は、前記基質のインドール環との相互作用を潜在的に改善すると予測された。
【0863】
文献に基づいて、トレオニン243のアスパラギンへの突然変異は、トランスアミノ化反応に対するR-MP選択性を改善し得ると仮定された。同様に、アスパラギン100のアラニンへの突然変異誘発は、モナチンのトランスアミノ化反応に対する前記酵素の比活性を改善し得ると考えられた(RoらFEBS Lett 398:141-145, (1996); Sugio, Sら、Biochemistry 34:9661-9669, (1995); EP1580268)。
【0864】
Leeらは、141〜144領域(ループ)の突然変異体を特性評価し、LRcD(本発明者らのタンパク質にとって天然である)よりもむしろEYcYを用いるD-アミノトランスフェラーゼが、ジカルボン酸基質に対するより低いKmを有する傾向があることを見出した(Lee SG, Hong SP, Song JJ, Kim SJ, Kwak MS, Sung MH.「ジオバチルス種由来温度安定性D-アミノ酸アミノトランスフェラーゼの機能的および構造的特性評価(Functional and structural characterization of thermostable D-amino acid aminotransferases from Geobacillus spp.)」、Appl Environ Microbiol. 2006 Feb;72(2):1588-94)。α-ケトグルタル酸と同様、MPはジカルボン酸基質であり、MPの濃度は典型的なモナチン産生反応混合物中でかなり低いため、Kmの低下はモナチン産生のための突然変異DATの活性を潜在的に補助することができる。
【0865】
以下に、4978のD-アミノトランスフェラーゼ突然変異体を作製する方法、ならびにこれたの突然変異体を用いるアッセイ結果を記載する。
【0866】
突然変異誘発
突然変異誘発のためのプライマーを、Stratagene Multi-Changeキット(Stratagene, La Jolla, CA)中に記載された提言に従って設計した。このプライマーを5'-リン酸化した。製造業者の説明書に従って、Stratagene Multi-Changeキット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて突然変異誘発を行った。突然変異誘発のために用いた鋳型は、実施例25に記載のpET30(非タグ付き)またはpET28(タグ付き)4978 DAT構築物であった。プライマーを以下の表30に列挙する:
【表30】

【0867】
大腸菌XL10-Gold細胞(Stratagene, La Jolla, CA)を形質転換し、得られた精製されたプラスミド調製物を配列決定して、正確な突然変異が組み込まれたことを検証した。
【0868】
発現およびアッセイ
正確な突然変異体または野生型4978 DATを含むプラスミドDNA調製物を、大腸菌発現宿主BL21(DE3)(Novagen, Madison, WI)に形質転換した。培養物を上記のプロトコルを用いて増殖させ、プラスミドをQiagenミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて単離し、上記のように制限消化により分析して、挿入物の存在を確認した。
【0869】
典型的には、DAAT遺伝子の誘導を、カナマイシン(50μg/mL)を含むLB培地中で実施した。細胞を37℃で0.4〜0.8のOD600nmまで増殖させ、0.1 mM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘導し、誘導後3〜4時間でサンプリングした。
【0870】
細胞抽出物を、BugBuster ReagentおよびBenzonase Nuclease (Novagen, Madison, WI)を用いて調製した。10.2 mgのD-トリプトファン、0.05 mM PLP、4 mM MgCl2、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、約50μgのアルドラーゼ、200 mMピルビン酸、および細胞抽出物として供給された0.150〜0.5 mg/mLのD-アミノトランスフェラーゼを含む1 mlのアッセイを、緩やかに振とうしながら、30℃で行った。Bio-Rad総タンパク質キット(クマシー)(Bio-Rad, Hercules, CA)またはPierce BCAキット(Pierce, Rockford, IL)を用いて総タンパク質アッセイを行い、D-アミノトランスフェラーゼの発現率(%)を、SDS-PAGEまたはBio-Rad Experion Automated Electrophoresis System (Bio-Rad, Hercules, CA)により評価した。サンプルを、3時間および一晩で取得した。
【0871】
配列番号28のR特異的アルドラーゼを、約0.150 mg/mLのD-アミノトランスフェラーゼを用いるアッセイにおいて用いた。
【0872】
第1のアッセイは、以下の突然変異体(非タグ付き)がトランスアミノ化活性を有することを示した(順に、最も高いものから最も低いもの):T243N、T243S、T243N/N100A、N100A。また、T243Nは、産生されるR,Rモナチンの立体純度を上昇させるようであることにも留意した。アッセイを、精製されたコマモナス・テストステロニProAアルドラーゼ(100μg/ml)および0.50 mg/mlのD-アミノトランスフェラーゼ突然変異体(非タグ付き、細胞抽出物として供給)を用いて繰り返した。サンプルを2時間および一晩で取得した。活性タンパク質に関する結果を、以下に示し、2回の結果を平均した。R,Rモナチンの割合(%)を、逆相HPLC上のピーク面積により決定した後、実施例1に記載のFDAA誘導体化方法を用いて測定した。表31の3列目において、実施例1に記載のさらなるFDAA-誘導体化LC/MS/MS分析を、いくつかの反応について行った。これらの結果を括弧内に示す。D-トリプトファンからはR,RおよびS,Rモナチンのみが産生される。T243R突然変異体は、試験した条件下ではモナチンを産生せず、T243A突然変異体は非常に低レベルのモナチンを産生したように見えた。
【表31】

【0873】
Bio-Rad Experionソフトウェアを用いて、D-アミノトランスフェラーゼの割合を評価するアッセイを行ったが、T243SおよびT243N突然変異体は、野生型酵素と比較して増加した活性を有していたことが明らかである。また、T243N突然変異体は、形成されるR,Rモナチンの割合を劇的に増加させるさらなる利益を提供した。この酵素は、トランスアミノ化反応においてS-MPと比較してR-MPに対する増加した選択性を有する。N100A突然変異体は、文献中で提言されたこととは反対に、単独で、またはT243Nと組み合わせて、活性を増加させなかった。上記のように、類似する方法を用いて、非タグ付4978 DATのV34A部位特異的突然変異体も作製した。V34A部位特異的突然変異体は、試験した条件下で、野生型酵素よりも有意に低い活性を有することがわかった。
【0874】
最初のアッセイにおける目的の別の点は、N末端Hisタグを用いて作製した場合、野生型酵素がより高い活性を有するようであることであった。その後の突然変異誘発を、タグ付き型の該遺伝子に対して行った。さらに、上記の最も有望な突然変異体を、N末端Hisタグを有するpET28b中にサブクローニングした。これらを、Novagen HIS-bindカラムおよび推奨されたバッファー(Novagen, Madison, WI)と共に製造業者のプロトコルを用いて精製した。溶出画分のバッファーを、GE Healthcare PD10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて、アッセイにおいて用いたバッファーに交換した。
【0875】
精製されたD-アミノトランスフェラーゼ(0.5 mg/ml)および精製されたR-特異的アルドラーゼの配列番号276(50μg/ml)ならびに10.2 mgのD-トリプトファン、0.05 mM PLP、200 mMピルビン酸、4 mM MgCl2、および100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5を含む1 mlのアッセイを、緩やかに振とうしながら30℃で行った。2回のサンプルを2時間および一晩インキュベートした。陽性対照として、バチルス・スフェリクスのDAT(実施例7でクローニングされた)を、同じアッセイにおいて用いた。結果を表32に示す。
【表32】

【0876】
上記のデータは、T243N突然変異体が明らかに、2時間で最も高い量のモナチンを産生することを示している。時間が増加するにつれて、T243N突然変異体とバチルス・スフェリクスのDAT陽性対照との比が低下する。この結果は、T243N突然変異体が、バチルス・スフェリクスのDATほど、モナチン反応の間に安定ではないことを示唆している。同様の条件下でアッセイした場合、T243S(精製されたタグ付き)酵素は、T243N突然変異体と同様のレベルの活性を有した;しかしながら、産生されたR,Rモナチンの割合は、より低かった(2時間および一晩の両方で97.2%)。T243N/N100A突然変異体は、T243N突然変異体よりも低い活性を有していた。しかしながら、T243SおよびT243N/N100Aは両方とも、野生型2978 DATよりも高い活性を有していた。
【0877】
トランスアミノ化アッセイを行って、バチルス・スフェリクスのDATの代わりにT243N突然変異体を用いる場合に、反応率が改善するかどうかを決定した。1時間、2時間、および5時間の時点を取って、1/2 mLのアッセイを30℃で行った。アッセイは、25 mMモナチンもしくはD-トリプトファン、25 mMピルビン酸、100 mMリン酸カリウムpH 7.5、50μM PLP、および0.1 mgのD-アミノトランスフェラーゼ(タグ付き、精製されたもの)を含んでいた。100μg未満のDATを用いた場合、アラニンの量を、100μgのD-アミノトランスフェラーゼに対して正規化した。サンプルを蟻酸で処理し、副生成物であるアラニンの存在についてLC-OPAにより分析した。結果を表33および34に示す。
【表33】

【0878】
【表34】

【0879】
D-トリプトファン反応については、結果は、いくつかの酵素が2時間で平衡に達したことを示している。R,Rモナチン反応は明らかに速度制限的であり、この活性に対する改善は、D-トリプトファンからのモナチン産生速度に対するより大きな影響を有する。
【0880】
さらなるアッセイを行って、T243N 4978 DAT突然変異体の安定性を試験した。野生型酵素も、時間と共に活性を喪失する。実施例27は、T243NのD-アミノトランスフェラーゼ突然変異体の安定性を改善する方法を記載する。新鮮に調製された非タグ付き型およびタグ付き型のT243N突然変異体を調製し、活性について比較する場合、非タグ付き型はより良好な一時的安定性を有し、それはモナチン産生反応において使用するための全体的により良い型の酵素になる。
【0881】
4978 DATのさらなる突然変異体を、当業者には一般的に知られる方法により作製した。しかしながら、これらの突然変異は全部、それらを調製する条件下で不溶性であり、かくして、活性についてアッセイすることができないタンパク質をもたらした。不溶性タンパク質をもたらした突然変異は、
S180A/S181A/S182R;
L151F;
V34G
S181R
A153R/S181A/S182A;
A153R/S182A;
A153R/S182G;
S180R/S181A/S182G;
S180R/S181A/S182A;
S180R/S181G/S182G;
S180G/S181R/S182G; および
S180A/S181R/S182A
であった。
【0882】
さらなる突然変異誘発
F200M 4978 DAT突然変異体を作製するために、実施例25に由来する野生型4978 DATオープンリーディングフレーム(タグ付き)を、プライマー73および80(以下)ならびにPfuTurbo DNAポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて増幅し、pCRII-Blunt (Invitrogen, Carlsbad, CA)中にクローニングした。その配列を検証した(Agencourt, Beverly, MA9。5'および3'領域を、それぞれプライマー80および96ならびに99および103を用いて増幅した。次いで、増幅されたDNAを、Qiagen QIAquick Gel Extraction Kit (Qiagen, Valencia, CA)を用いてゲル精製した。増幅されたDNAを、プライマー80および99を用いて再度PCRにかけた。増幅されたDNAを上記のようにゲル精製し、pCRII Blunt中にクローニングし、その配列を検証した。DATオープンリーディングフレームを、NdeI/XhoI制限消化断片としてpET28b中にサブクローニングした。
【表35】

【0883】
QuikChange(登録商標)Multi Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene, La Jolla, CA)を用いて、さらなる部位特異的突然変異誘発のために、以下のプライマーを設計した。製造業者の説明書に従って、Stratagene Multi-Changeキット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて突然変異誘発を行った。突然変異誘発に用いた鋳型は、実施例25に記載のpET28(タグ付き)4978 DAT構築物であった。また、鋳型としてF200Y突然変異体を用いて、およびT243N(上記に列挙)プライマーを用いるさらなる周回の突然変異誘発を行って、二重突然変異体を作製した。
【表36】

【0884】
突然変異体をコードする領域を、DNA配列決定(Agencourt)により検証した。配列検証されたプラスミドを、BL21(DE3)細胞(Novagen, Madison, WI)中に形質転換した。
【0885】
発現およびアッセイ
500 mlのバッフルフラスコ中、50μg/mlカナマイシンを含む100 mlのLBを含む培養物に、1 mlの一晩培養物を接種し、37℃で約0.6の光密度(600 nm)まで増殖させた。タンパク質の産生を、1 mMの最終濃度のIPTGにより誘導した。細胞を、IPTGの添加後4.5時間、30℃でインキュベートした。細胞を遠心分離し、-80℃で凍結した。細胞を破壊し(1μL/mLのベンゾナーゼヌクレアーゼ、5μL/mLのプロテアーゼ阻害剤カクテルII、および0.033μL/mLのrLysozymeを含むNovagen BugBuster試薬(Novagen, Madison, WI)を用いて、Novagenの推奨されるプロトコルに従って調製)、SDS-PAGEにより分析した。突然変異体(141-LRcD-144 -> EYcY)および(243-TS-244 -> NR)は、それらを調製する条件下で不溶性タンパク質をもたらした。突然変異体243-TS-244 -->NKは、試験した条件下で定量可能な活性を有さなかったが、これはおそらく野生型と比較して弱い活性の酵素であり、S244K突然変異体も同様である。
【0886】
Hisタグ付きタンパク質を、以下のように精製した。HIS-bindカラム(Novagen, Madison, WI)を、200 mM NaClおよび50μM PLPを含む、10 mLの100 mMリン酸カリウム、pH 7.8を用いて平衡化させた。無細胞抽出物をカラムに載せた。カラムを、10 mLの平衡化バッファー、25 mMイミダゾールを含む10 mLの平衡化バッファー、および50 mMイミダゾールを含む10 mLの平衡化バッファーで洗浄した。タンパク質を、500 mMイミダゾールを含む5 mlの平衡化バッファーを用いて溶出させた。タンパク質を、50μM PLPを含む100 mMリン酸カリウム、pH 7.8中で平衡化させたPD10カラムを用いて脱塩した。精製されたタンパク質を濃縮し、Bradford Assay (Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて定量した。
【0887】
D-アミノトランスフェラーゼ突然変異体を、500μg/mlのD-アミノトランスフェラーゼ、50μg/mlの配列番号276のアルドラーゼ、4 mM MgCl2、50 mMリン酸カリウムpH 8、200 mMピルビン酸ナトリウム、0.05 mM PLPおよびアッセイ条件のための20.4 mg/ml D-トリプトファンを用いてアッセイした。最終容量は1.25 mlであった。サンプル(200μl)を0.5、1、2および14時間後に取得し、実験が完了するまで凍結した。サンプルを濾過し、1〜10倍に希釈し、実施例1に記載のようにLC/MS/MSにより分析した。
【0888】
実施例25に由来する野生型4978 D-アミノトランスフェラーゼを、相対活性(%)のための参照として用いた。表37は、各時点での各突然変異体の相対活性を示す。
【表37】

【0889】
T243Nが、R,R-モナチンの産生における活性について、試験した全てのもののうち最良の突然変異体であった。
【0890】
実施例27
ATCC 4978株由来D-アミノトランスフェラーゼのT243N突然変異体の安定化
実施例25に示されるように、T243N突然変異体DATの最初の活性は、バチルス・スフェリクスのDATよりも有意に高いが、活性はより急速に低下する。以下に記載の嫌気的プロトコルを用いるさらなる実験により、T243N突然変異体のDATの最初の活性が、バチルス・スフェリクスのDATよりも最大で8倍高いが、嫌気的条件下でも活性は急速に低下することが示された。以下の研究を行って、長時間に渡ってより高い活性を維持することに努めた。
【0891】
4978株(実施例25に記載)に由来するD-アミノトランスフェラーゼのT243N突然変異体およびシノリゾビウム・メリロチのHMGアルドラーゼを、以下に記載のようにHIS6-タグ付きタンパク質として精製した。配列番号276のアルドラーゼを、実施例23に記載のように精製した。
【0892】
ATCC 4978 (T243N突然変異体)からのDATの精製
アミノ末端HIS6-精製タグ(実施例26に記載)を有するATCC株4978に由来するD-アミノトランスフェラーゼのT243N突然変異体を、振とうフラスコ中、50μg/mLカナマイシンを含むEMD Biosciences Overnight Express System II (溶液1〜6)(Novagen, Madison, WI)を用いて作製した。この発現系は、細胞増殖をモニターする必要なしにIPTG誘導系の発現を誘導する。プラスミドpET28b上にATCC株4978に由来するT243N突然変異体D-アミノトランスフェラーゼの遺伝子を担持する大腸菌BL21(DE3)宿主の液体培養物またはプレートから、200 mLアリコートの培地(1 Lフラスコ中)に接種した後、培養物を225 rpmで振とうしながら、30℃で一晩インキュベートした。OD600が最小で6に達した時、細胞を遠心分離により収穫し、バッファーで1回洗浄した。
【0893】
1μL/mL Benzonase(登録商標)Nuclease (Novagen, Madison, WI), 5μL/mL Protease Inhibitor Cocktail Set II (Calbiochem - Novabiochem Corp., San Diego, CA)、および0.033μL/mL rLysozyme(商標)(Novagen, Madison, WI)を含むEMD Biosciences BugBuster(登録商標)(一次アミンを含まない) Extraction Reagent (Novagen, Madison, WI)を用いて、製造業者のプロトコルに従って、無細胞抽出物を調製した。その後の精製工程を全て4℃で行った。細胞抽出物を15,000 x gで20〜30分間遠心分離して、細胞破片を除去した。20〜25 mLアリコートの無細胞抽出物を、200 mM塩化ナトリウムおよび50μM PLPを含む100 mMリン酸カリウムで予め平衡化したGE Healthcare Chelating Sepharose(商標)Fast Flow樹脂(ニッケル(II)型)(GE Healthcare, Piscataway, NJ)の45 mLカラムに印加した。ニッケル型の樹脂を作製するために、樹脂を150 mLの200 mM硫酸ニッケル(II)六水和物で洗浄した後、150 mLの蒸留水で洗浄した。サンプルを載せた後、カラムを、25 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファー、50 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファーおよび500 mMイミダゾールを含む150 mLの平衡化バッファーで洗浄/溶出した。HIS6-タグ付きタンパク質は、最後の洗浄液中に溶出した。500 mMイミダゾール洗浄液を、製造業者の説明書に従って、Millipore/Amicon Centricon Plus-70遠心分離濾過装置(MWCO 10 kDa)(Millipore, Billerica, MA)を用いて15〜20 mLに濃縮した。0.5μM PLPを含む100 mMリン酸カリウム、pH7.8で予め平衡化させた使い捨てのGE Healthcare PD10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)(カラムあたり2.5 mLのサンプル)を通過させることにより、イミダゾールおよび塩化ナトリウムを除去した。精製されたアミノトランスフェラーゼを、カラムあたり3.5 mLの同じバッファーを用いて溶出させた。各画分のタンパク質濃度を、タンパク質標準としてBSAを含むPierce BCAアッセイキット(Pierce, Rockford, IL)を用いて決定した。
【0894】
各画分の純度および無細胞抽出物画分中の発現レベルを、Bio-Rad Experionマイクロキャピラリーチップシステム(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いるか、またはMini PROTEIN(登録商標)3細胞装置中で泳動させたBio-Rad 4-15%SDS-ポリアクリルアミド勾配ゲル(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて決定した。Bio-Rad Bio-Safe G-250クマシー染色(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて、ポリアクリルアミドゲル中でタンパク質を可視化し、水で脱色した。典型的には、この手順は、Experionソフトウェアにより、またはSDS-PAGEゲルの分析から判定されるように、200 mLの一晩培養物から、約20 mgの酵素をもたらし、85〜90%純粋である。精製された酵素のアリコート(1〜5 mL)を、使用するまで-80℃で保存した。
【0895】
配列番号276のアルドラーゼの精製を、実施例23に記載する。
【0896】
シノリゾビウム・メリロチのHMGアルドラーゼの精製
アミノ末端HIS6-精製タグ(米国特許出願公開第20040063175号およびWO 03091396 A2に記載のクローニング)を含むシノリゾビウム・メリロチのHMGアルドラーゼを、50 mg/Lのカナマイシンを含むLuria-Bertani培地中で増殖させた培養物を0.2 mM IPTGで誘導することにより産生させた。pET30(Xa/LIC)中にシノリゾビウム・メリロチのHMGアルドラーゼの遺伝子を担持する大腸菌BL21(DE3)宿主の液体培養物またはプレートから、800 mLアリコートの培地に接種した後、培養物を225 rpmで振とうしながら37℃でインキュベートした。光密度が0.5〜0.75のOD600nmに達した時、IPTGを添加し、培養物を225 rpmで振とうしながら30℃で4時間インキュベートした。細胞を遠心分離により収穫し、バッファーで1回洗浄した。
【0897】
シノリゾビウム・メリロチのアルドラーゼを含む無細胞抽出物を調製するために、100 mM NaClを含む、3〜4倍量の50 mM EPPS (N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(3-プロパンスルホン酸)、pH 8.2中に細胞を懸濁した後、懸濁液の温度を15℃未満に維持しながら、Microfluidicsホモジェナイザー(Microfluidics, Newton, MA) (18,000 psiで2回通過)を用いて破壊した。細胞懸濁液を15,000〜20,000 x gで20〜30分間遠心分離して、細胞破片を除去した。HIS6-タグ付きタンパク質を、1つの例外を除いて製造業者の推奨されたプロトコルに従って、EMD Biosciences HIS-Bind(登録商標)カラム(Novagen, Madison, WI)を用いて精製した:カラムを、洗浄バッファーのみの代わりに、結合バッファー:洗浄バッファーの1:1溶液で洗浄した。溶出画分を、製造業者の説明書に従って、Millipore/Amicon 15 mL遠心分離濾過装置(MWCO 5 kDa) (Millipore, Billerica, MA)を用いて7〜10 mLに濃縮した。100 mM NaClを含む50 mM EPPS, pH 8.2で予め平衡化させた使い捨てのGE Healthcare PD10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)(カラムあたり2.5 mLのサンプル)を通過させることにより、イミダゾールおよび塩化ナトリウムを除去した。精製されたアルドラーゼを、カラムあたり3.5 mLの同じバッファーを用いて溶出させた。各画分のタンパク質濃度を、タンパク質標準としてBSAを用いるPierce BCAアッセイキット(Pierce, Rockford, IL)を用いて決定した。
【0898】
各画分の純度および無細胞抽出物画分中の発現レベルを、Mini PROTEIN(登録商標)3細胞装置中で泳動させたBio-Rad 4-15%SDS-ポリアクリルアミド勾配ゲル(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて決定した。Bio-Rad Bio-Safe G-250クマシー染色(Bio-Rad, Hercules, CA)を用いて、ポリアクリルアミドゲル中でタンパク質を可視化し、水で脱色した。典型的には、この手順は、800 mLの一晩培養物から、約15〜20 mgの酵素をもたらし、これは85〜95%純粋である。精製された酵素のアリコート(1〜5 mL)を、使用するまで-80℃で保存した。
【0899】
モナチン産生アッセイ
143 mgのD-トリプトファンを含む円錐ポリプロピレンチューブ(14 mL)を、嫌気性グローブボックス中で一晩、脱酸素化した。1 M EPPSバッファー(pH 8.2)、2 M MgCl2、2 Mピルビン酸ナトリウムおよび10 mM PLPの保存溶液を、脱気した水の中で調製し、嫌気性グローブボックス中で一晩平衡化させた。10%(v/v)Tween 80、1%(v/v)Tween 20、1%(v/v)Triton X-100、100%アセトン、100%エタノールおよび50%(v/v)グリセロールの保存溶液を、2 mLマイクロ遠心管中のそれぞれ0.7 gのトレハロース、イノシトール、ソルビトールおよびエリスリトールと共に、嫌気性グローブボックス中で平衡化させた。精製された酵素の調製物を氷上で解凍し、嫌気性グローブボックス中ですぐに使用した。保存溶液を14 mLの円錐チューブに添加して、100 mM EPPS、200 mMピルビン酸、100 mMトリプトファン、1 mM MgCl2、0.05 mM PLP、0.5 mg/mL D-アミノトランスフェラーゼ、および0.01 mg/mLの配列番号276のアルドラーゼまたは0.05 mg/mLのシノリゾビウム・メリロチのHMGアルドラーゼの最終濃度を得た。提唱された酵素安定化成分を、様々な最終濃度(表38および39)で添加して、最終反応容量を、チューブあたり7 mLにした。反応物を、緩やかに振とうしながら、最大で24時間、嫌気性グローブボックス中、室温でインキュベートした。サンプルを定期的に取り出し、LC/MS/MS多反応モニタリング法を用いて実施例1に記載のようにモナチンについて分析した。酵素の添加後0〜3時間の間に取り出したサンプルから、初速を算出した。
【表38】

【0900】
【表39】

【0901】
Triton X-100、Tween 20もしくはTween 80などの0.01%〜0.1%(v/v)洗剤、またはグリセロール、トレハロース、イノシトールもしくはソルビトールなどの1%〜10%(w/v)ポリオールの添加により、実験の存続期間に渡って、T243N D-アミノトランスフェラーゼの安定性が改善された。
【0902】
実施例28
A) シュードモナス・プチダKT2440の広特異性アミノ酸ラセマーゼ(BAR)のクローニング
BARを、文献(Roise, D., Soda, K., Yagi, T., Walsch, C.T., Biochemistry 23, 5195-5201, (1984))からの情報を用いて、シュードモナス・プチダのKT2440中で同定した。シュードモナス・ストリアータに由来するBAR酵素の活性部位は配列決定され、報告されている(LTAVLKADAYGXGIGL (配列番号375))。この配列を用いて、NCBIで入手可能なシュードモナス・プチダのKT2440のゲノム配列をBLASTにかけた。ほとんど同一の共通配列を有するタンパク質を同定した。American Type Culture Collection (ATCC, Manassas, VA)から得たゲノムDNAに由来する遺伝子をクローニングするために、プライマーを設計した(5’-AGAAGACATATGCCCTTTCGCCGTAGGG-3’ (配列番号376)および5’-AGAAGAGGATCCTCAGTCGACGAGTATCTTCG-3’(配列番号377))。
【0903】
標準的な条件下でPCRを行って、PCR産物を精製した(QIAquick PCR精製キット、Qiagen, Valencia, CA)。精製されたPCR産物を、NdeIおよびBamHIで消化した。消化したPCR産物をゲル精製し(QIAquick Gel Extraction Kit, Qiagen, Valencia, CA)、同様の様式で消化され、ゲル精製されたpET30およびpET28に連結した。挿入物を含むクローンを配列決定し(Agencourt, Beverly, MA)、正確な配列を有する単離物を同定し(pET30 KT2440 BARおよびpET28 KT2440 BAR)、後の研究において用いた。
【0904】
KT2440 BAR DNA配列は、
atgccctttcgccgtacccttctggctgcatccctggcacttctgatcaccggacaggcccccctgtatgcggcaccaccgttgtcgatggacaacggcaccaacaccctgaccgtgcaaaacagcaatgcctgggtcgaagtcagcgccagcgccctgcagcacaacatccgcacgctgcaggccgagctggccggcaagtccaagctgtgcgccgtgctcaaggccgatgcctatggccacggtatcggcctggtaatgccatcgatcatcgcccaaggcgtgccctgcgtggcggtggccagcaacgaggaggcccgcgtggtccgcgccagtggcttcaccgggcaactggtgcgggtacgcctggccagcctcagcgagctggaagatggcttgcagtacgacatggaagagctggtgggcagcgcggaatttgcccgccaggccgatgccatcgccgcgcgccatggcaagaccttgcgcattcacatggcgctcaactccagcggcatgagccgcaacggggtggagatggccacctggtccggccgtggcgaagcgctgcagatcaccgaccagaagcacctcaagctggtcgcgctgatgacccacttcgccgtggaagacaaggacgatgtacgcaagggcctggcggcattcaacgagcagaccgactggttgatcaagcacgccaggctggaccgcagcaagctcaccctgcacgccgccaactcgttcgctacgctggaagtgccggaagcgcgcctggacatggtacgaacgggtggcgcgctgttcggcgacaccgtgccggcgcgcaccgagtacaaacgtgcgatgcagttcaaatcgcacgtggcggcggtgcacagctatccggccggcaacaccgtgggctatgaccgcaccttcaccctggcccgtgattcgcggctggccaacattacggtcgggtactccgatggctaccgccgggtattcaccaacaagggccatgtgctgatcaacggccaccgtgtgccggtcgtgggcaaggtgtcgatgaacacgctgatggtcgatgtcaccgacttccctgatgtgaaggggggtaacgaagtggtgctgttcggcaagcaggccgggggcgaaatcacccaggccgagatggaagaaatcaacggcgcgttgctcgccgatttgtacaccgtatggggcaattccaacccgaagatactcgtcgactga (配列番号378)
である。
【0905】
KT2440 BARアミノ酸配列は、
Mpfrrtllaaslallitgqaplyaapplsmdngtntltvqnsnawvevsasalqhnirtlqaelagksklcavlkadayghgiglvmpsiiaqgvpcvavasneearvvrasgftgqlvrvrlaslseledglqydmeelvgsaefarqadaiaarhgktlrihmalnssgmsrngvematwsgrgealqitdqkhlklvalmthfavedkddvrkglaafneqtdwlikharldrskltlhaansfatlevpearldmvrtggalfgdtvparteykramqfkshvaavhsypagntvgydrtftlardsrlanitvgysdgyrrvftnkghvlinghrvpvvgkvsmntlmvdvtdfpdvkggnevvlfgkqaggeitqaemeeingalladlytvwgnsnpkilvd (配列番号379)
である。
【0906】
B) シュードモナス・プチダのKT2440のBARの精製
上記のpET30 KT2440 BARプラスミドを、BL21 DE3 pLysS (Invitrogen, Carlsbad, CA)中に形質転換した。得られた株を、通気しながら37℃で0.4〜0.6のOD600nmまでLBまたはTerrific Broth中で増殖させ、1 mM IPTGで誘導した。インキュベーションを、通気しながら37℃で3〜4時間継続した。細胞を遠心分離により収穫し、細胞ペレットを、使用するまで-80℃で保存した。細胞ペレットを氷上で解凍した。細胞をBugBuster (Novagen, Madison, WI)およびBenzonase (Novagen, Madison, WI)を用いて溶解した。細胞破片を遠心分離により除去し、無細胞抽出物をすぐに使用するか、または-80℃で保存した。また、KT2440 BAR遺伝子をpET28のNdeI-BamHI部位にクローニングし、BL21 DE3 pLysS中に形質転換した。この構築物は、可溶性タンパク質をあまり効率的に発現しないようであったので、タグ付けされていない型(pET30 KT2440 BAR)を将来の研究において用いた。
【0907】
少なくとも5本のカラム容量のバッファーA(25 mMリン酸カリウムpH 8.0、10μMピリドキサル-5'リン酸(PLP))で平衡化させたUnoQカラム(Bio-Rad, Hercules, CA)に抽出物を印加した。カラムを2本のカラム容量のバッファーAで洗浄した。タンパク質を、20本のカラム容量上で、0〜100%のバッファーBからバッファーB(バッファーA +1 M NaCl)の直線勾配を用いて溶出させ、5 mlの画分を、勾配を開始した時間から回収した。画分を、実施例4の7部に記載されたAmplex Red法を用いてアッセイした。簡単に述べると、100μgのD-アミノ酸オキシダーゼ(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)、0.05 mM FAD、25 mM L-trp、およびアッセイしようとする少量の画分を、50μLのH2Oと混合し、製造業者のプロトコルに指示されたように調製された50μLのAmplex Red反応バッファーに添加した。活性を有する画分をPD-10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて脱塩し、Amicon遠心分離濃縮装置(Millipore, Billerica, MA)を用いて濃縮した。精製されたタンパク質を-80℃で保存した。
【0908】
C) トリプトファンラセマーゼ活性を有するジオバチルス・ステアロサーモフィルスのアラニンラセマーゼ突然変異体Y354Aの産生およびアッセイ
以下に示される、野生型ジオバチルス・ステアロサーモフィルスのアラニンラセマーゼ(配列番号380)を、pET30中にクローニングし、部位特異的突然変異誘発のための鋳型として用いて、Y354A変化を作製した。配列番号380の遺伝子を、標準的なPCRプロトコルにより増幅し、標準的な組換えDNA技術を用いてクローニングした。また、配列番号380の遺伝子を、当業者には公知のアセンブリーPCR方法などの、当業者には公知の任意の方法により再構築することができる。
【0909】
野生型ジオバチルス・ステアロサーモフィルスのアラニンラセマーゼのDNAおよびアミノ酸配列を、配列番号380として以下に示す:
atggacgagt ttcaccgcga tacgtgggcg gaagtggatt tggacgccat ttacgacaat gtggagaatt tgcgccgttt gctgccggac gacacgcaca ttatggcggt cgtgaaggcg aacgcctatg gacatgggga tgtgcaggtg gcaaggacag cgctcgaagc gggggcctcc cgcctggcgg ttgccttttt ggatgaggcg ctcgctttaa gggaaaaagg aatcgaagcg ccgattctag ttctcggggc ttcccgtcca gctgatgcgg cgctggccgc ccagcagcgc attgccctga ccgtgttccg ctccgactgg ttggaagaag cgtccgccct ttacagcggc ccttttccta ttcatttcca tttgaaaatg gacaccggca tgggacggct tggagtgaaa gacgaggaag agacgaaacg aatcgtagcg ctgattgagc gccatccgca ttttgtgctt gaaggggtgt acacgcattt tgcgactgcg gatgaggtga acaccgatta tttttcctat cagtataccc gttttttgca catgctcgaa tggctgccgt cgcgcccgcc gctcgtccat tgcgccaaca gcgcagcgtc gctccgtttc cctgaccgga cgttcaatat ggtccgcttc ggcattgcca tgtatgggct tgccccgtcg cccggcatca agccgctgct gccgtatcca ttaaaagaag cattttcgct ccatagccgc ctcgtacacg tcaaaaaact gcaaccaggc gaaaaggtga gctatggtgc gacgtacact gcgcagacgg aggagtggat cgggacgatt ccgatcggct atgcggacgg ctggctccgc cgcctgcagc actttcatgt ccttgttgac ggacaaaagg cgccgattgt cggccgcatt tgcatggacc agtgcatgat ccgcctgcct ggtccgctgc cggtcggcac gaaggtgaca ctgattggtc gccaagggga cgaggtaatt tccattgatg atgtcgctcg ccatttggaa acgatcaact acgaagtgcc ttgcacgatc agttatcgag tgccccgtat ttttttccgc cataagcgta taatggaagt gagaaacgcc gttggccgcg ga (配列番号380)。
【0910】
アラニンラセマーゼ(ジオバチルス・ステアロサーモフィルス)のコードされるアミノ酸配列を、配列番号381として以下に示す:
Met Asp Glu Phe His Arg Asp Thr Trp Ala Glu Val Asp Leu Asp Ala Ile Tyr Asp Asn Val Glu Asn Leu Arg Arg Leu Leu Pro Asp Asp Thr His Ile Met Ala Val Val Lys Ala Asn Ala Tyr Gly His Gly Asp Val Gln Val Ala Arg Thr Ala Leu Glu Ala Gly Ala Ser Arg Leu Ala Val Ala Phe Leu Asp Glu Ala Leu Ala Leu Arg Glu Lys Gly Ile Glu Ala Pro Ile Leu Val Leu Gly Ala Ser Arg Pro Ala Asp Ala Ala Leu Ala Ala Gln Gln Arg Ile Ala Leu Thr Val Phe Arg Ser Asp Trp Leu Glu Glu Ala Ser Ala Leu Tyr Ser Gly Pro Phe Pro Ile His Phe His Leu Lys Met Asp Thr Gly Met Gly Arg Leu Gly Val Lys Asp Glu Glu Glu Thr Lys Arg Ile Val Ala Leu Ile Glu Arg His Pro His Phe Val Leu Glu Gly Val Tyr Thr His Phe Ala Thr Ala Asp Glu Val Asn Thr Asp Tyr Phe Ser Tyr Gln Tyr Thr Arg Phe Leu His Met Leu Glu Trp Leu Pro Ser Arg Pro Pro Leu Val His Cys Ala Asn Ser Ala Ala Ser Leu Arg Phe Pro Asp Arg Thr Phe Asn Met Val Arg Phe Gly Ile Ala Met Tyr Gly Leu Ala Pro Ser Pro Gly Ile Lys Pro Leu Leu Pro Tyr Pro Leu Lys Glu Ala Phe Ser Leu His Ser Arg Leu Val His Val Lys Lys Leu Gln Pro Gly Glu Lys Val Ser Tyr Gly Ala Thr Tyr Thr Ala Gln Thr Glu Glu Trp Ile Gly Thr Ile Pro Ile Gly Tyr Ala Asp Gly Trp Leu Arg Arg Leu Gln His Phe His Val Leu Val Asp Gly Gln Lys Ala Pro Ile Val Gly Arg Ile Cys Met Asp Gln Cys Met Ile Arg Leu Pro Gly Pro Leu Pro Val Gly Thr Lys Val Thr Leu Ile Gly Arg Gln Gly Asp Glu Val Ile Ser Ile Asp Asp Val Ala Arg His Leu Glu Thr Ile Asn Tyr Glu Val Pro Cys Thr Ile Ser Tyr Arg Val Pro Arg Ile Phe Phe Arg His Lys Arg Ile Met Glu Val Arg Asn Ala Val Gly Arg Gly (配列番号381)。
【0911】
QuickChange-Multi部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて、突然変異誘発を行った。以下の変異原性プライマーを用いて、Y354A変化を作製した:5’-gccatttggaaacgatcaacgcggaagtgccttgcacgatcag-3’ (配列番号382)。部位特異的突然変異誘発を、製造業者のプロトコルに記載のように行った。いくつかの単離物を配列決定し(Agencourt, Beverly, MA)、正確な配列を有する単離物を選択し、さらなる分析のために用いた。
【0912】
pET30Y354A単一突然変異体を、大腸菌BL21(DE3)pLysS中に形質転換した。精製されたタンパク質を、以下の様式で調製した。この株を、0.4〜0.6のOD600nmまで、LBまたはTerrific Broth(通気しながら37℃で)中で増殖させ、1 mM IPTGを用いて誘導した。インキュベーションを、通気しながら約3時間、37℃で継続した。細胞を遠心分離により収穫し、細胞ペレットを-80℃で保存した。
【0913】
細胞ペレットを氷上で解凍した後、好適な容量のBugBuster (Novagen, Madison, WI)+Benzonaseヌクレアーゼ(Novagen, Madison, WI)中に再懸濁した。細胞破片を遠心分離により除去し、無細胞抽出物を、結合バッファーで平衡化させたHIS-Bindカラム(Novagen, Madison, WI)に印加した。カラムを結合バッファーおよび洗浄バッファーで洗浄し、タンパク質を溶出バッファーを用いて溶出させた(製造業者のプロトコルで指示されたように)。精製されたタンパク質を、PD-10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)を用いて脱塩した。タンパク質を、製造業者のプロトコルに従って、50 mMリン酸カリウムpH 8.0および10μMピリドキサル-5'リン酸中で脱塩した。タンパク質を、Amicon遠心分離濃縮装置(Millipore, Billerica, MA)を用いて濃縮した。精製され、濃縮されたタンパク質を、小さいアリコートに分割し、使用するまで-80℃で保存した。
【0914】
精製されたY354Aを、アラニンおよびトリプトファンアッセイの両方において、野生型アラニンラセマーゼ(上記の様式で調製)と比較した。アッセイを、400μLの濃縮精製されたタンパク質(1 mg/mlを超える)および50 mMの基質を用いて、50 mMリン酸カリウムバッファー、pH 8、ならびに10μM PLP中、37℃で行った。D-アラニンおよびD-トリプトファンの検出を、実施例1に記載のキラルアミノ酸方法を用いて実施した。
【表40】

【0915】
これらのデータを、内部標準を使用せずに分析した;かくして、これらのデータは、半定量的であり、比較目的のために用いるべきである。にもかかわらず、これらの結果は、Y354A単一突然変異はアラニンラセマーゼの特異性を広げるのに十分であり、それは代替的な基質を用いてアミノ酸ラセミ化を触媒することができることを示している。
【0916】
D) BAR酵素のアッセイ
BAR酵素を、以下のようにアッセイした。Amplex Redアッセイを、本実施例に記載のように設定した。シュードモナス・プチダのKT2440のBARを、200μgで用いた(本実施例に記載のように精製されたもの)。野生型ジオバチルス・ステアロサーモフィルスのアラニンラセマーゼおよびY354Aを、本実施例に記載のように精製し、200μg/mLまたは1000μg/mLで用いた。CEは、本実施例に記載のように調製された無細胞抽出物である。60分の時点についての結果を、以下の表41に示す。
【表41】

【0917】
また、精製されたタンパク質を、上記のように、50 mMリン酸カリウムpH 8、10μM PLP、および30 mM L-トリプトファン中でトリプトファンラセマーゼ活性についてアッセイした。200μg/mLまたは1000μg/mLの精製された酵素を、前記アッセイにおいて用いた(括弧内に示す)。D-トリプトファンを、検出のために実施例1に記載のキラルアミノ酸方法を用いて分析した。
【表42】

【0918】
前記アッセイは、シュードモナス・プチダのKT2440のBAR酵素が、ジオバチルス・ステアロサーモフィルス由来酵素およびそのY354A突然変異体よりもトリプトファンに対する非常に高い活性を有することを示唆している。
【0919】
E) シュードモナス・プチダのKT2440のBARを用いるモナチン産生
精製されたシュードモナス・プチダのKT2440のBAR(上記のように精製されたもの)(100μg)または精製されたY354A(上記のように精製されたもの)(500μg)、D-アミノトランスフェラーゼ(BioCatalytics AT-103 (Pasadena, CA))(500μg)、および配列番号276のアルドラーゼ(実施例23で精製されたもの)(50μg)を用いて、モナチン産生アッセイを行った。L-トリプトファンから開始するモナチン産生実験を、以下のように行った。上記の酵素に加えて、1 mLの反応混合物あたり、以下のものを添加した:4 mM MgCl2、50 mM L-トリプトファン、100 mMピルビン酸ナトリウム、100 mMリン酸カリウムバッファーpH 7.5、および0.05 mM PLP。
【0920】
対照として、ラセマーゼを用いず、L-トリプトファンの代わりにD-トリプトファンから開始して、上記のように実験を行った。結果の概要を以下の表43に提示する。
【表43】

【0921】
この実験においてY354Aを用いた場合、モナチンは検出されなかった。このラセマーゼは、過去においては(データは示さない)モナチンを製造するのに用いられたが、より高レベルの酵素を用いた(より高レベルのモナチンを認めるためには、少なくとも2 mg〜最大10 mg)。シュードモナス・プチダのKT2440のBARを用いて、L-トリプトファンからモナチンを製造した。この実験において用いた100μgは、2時間後にモナチン産生を認めるのに十分ではなかったが、18時間後にはモナチン産生を認めるのに十分であった。立体異性体分布は、産生されたモナチンの多くがR,R異性体であることを示していた。R,S異性体は産生されなかった。この結果は、KT2440のBARは、モナチンのR,R異性体を検出可能にラセミ化することができない(R,R異性体のラセミ化はR,S異性体をもたらすであろう)ことを示唆している。この実験において、有意な量のS,S異性体が産生された。これはおそらく、この実験において用いたAT-103が高度に精製されており、細胞抽出物に由来するL-アミノトランスフェラーゼを含み、S-MPのトランスアミノ化のためのアミノ供与体として役立つ大量のL-トリプトファンが存在するという事実に起因するものである。
【0922】
実施例29
シュードモナス・タトローレンス(Pseudomonas taetrolens)のアルギニンラセマーゼのクローニングおよび発現
実験の概要
シュードモナス・タトローレンス(シュードモナス・グラベオランス(P. graveolens)としても知られる)のアルギニンラセマーゼ(Genbank受託番号AB096176、核酸配列)およびそのI384M突然変異体をクローニングし、発現させ、およびL-トリプトファンからD-トリプトファンへの変換における活性について試験した。この遺伝子は、KT2440に由来するシュードモナス・プチダのBARと72%同一であり、上記のNBRC 12996に由来するシュードモナス・プチダのBAR遺伝子と73%同一である。アミノ酸配列は、両方のシュードモナス・プチダのBARタンパク質と72%同一である。
【0923】
ポリメラーゼ連鎖反応プロトコル
シュードモナス・タトローレンス(ATCC 4683)を、225 rpmで振とうしながら、28℃で栄養培地中で増殖させた。ポリメラーゼ連鎖反応を、pET28およびpET30ベクター(Novagen, Madison, WI)中へのクローニングのための5'制限部位および突出部を用いて設計されたプライマーを用いて全細胞上で実施した。
【0924】
プライマー配列は、
N末端: 5'-ATAATACATATGCCCTTCTCCCGTACCC -3' (配列番号408)および
C末端: 5'-GCGGCGGGATCCTTACTGATCTTTCAGGATT-3' (配列番号409)
であった。
【0925】
シュードモナス・タトローレンスから誘導された遺伝子を、以下のPCRプロトコルを用いて増幅した。25μLの増殖された細胞を、96℃で10分間溶解させた。細胞破片を遠心分離により除去し、上清をPCRのための鋳型として用いた。100μLの反応は、5μLの鋳型(溶解された細胞上清)、1.6μMの各プライマー、0.3 mMの各dNTP、10 UのrTthポリメラーゼXL(Applied Biosystems, Foster City, CA)、1X XLバッファーおよび1 mM Mg(OAc)2を含んでいた。用いたサーモサイクラープログラムは、94℃で3分間のホットスタート、以下の工程の8回の反復:94℃で30秒間、52℃で30秒間、および68℃で2分間、次いで、以下の工程の22回の反復:94℃で30秒間、58℃で30秒間、および68℃で2分間を含んでいた。22回の反復後、サンプルを68℃で7分間保持した後、4℃で保存した。このPCRプロトコルにより、1230 bpの産物が生成された。
【0926】
クローニング
PCR産物を、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて0.8%TAE-アガロースゲルからゲル精製した。この産物をTOPOクローニングし、製造業者のプロトコル(Invitrogen, Carlsbad, CA)に従ってTOP 10細胞中に形質転換した。プラスミドDNAを、Qiagenスピンミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、得られた形質転換体から精製し、NdeIおよびBamHIを用いる制限消化により、正確な挿入物についてスクリーニングした。正確な挿入物を有するように見えるプラスミドの配列を、普遍的M13フォワードおよびM13リバースプライマーを用いるジデオキシ鎖終結DNA配列決定により検証した。
【0927】
正確なTOPOクローンを、製造業者の推奨されたプロトコル(New England Biolabs, Beverly, MA)に従って、制限酵素NdeIおよびBamHIを用いて消化し、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、0.8%TAE-アガロースゲルからゲル精製した。ベクターpET28およびpET30を、制限酵素NdeIおよびBamHIを用いる消化により調製した後、エビアルカリホスファターゼ(Roche, Indianapolis, IN)を用いて処理し、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、0.8%TAE-アガロースゲルからゲル精製した。消化したベクターと挿入物を、Rapid(商標)DNA Ligation Kit (Roche, Indianopolis, IN)を用いて連結した。約50 ngの処理された挿入物、100 ngの処理されたベクター(挿入物:ベクターのモル比3:1)、5 UのT4 DNAリガーゼ、および1X連結バッファーを、室温で5分間インキュベートした。連結反応物を、High Pure PCR Product Purification Kit (Roche, Indianapolis, IN)を用いて脱塩し、これを用いて大腸菌DH10Bエレクトロコンピテント細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA)を形質転換した。10μLの各連結反応物を、40μLのDH10B細胞に添加し、これを以下の条件:0.2 cmキュベット中、2.5 kV、25μF、200オームの下でBioRad Gene Pulser IIを用いて、エレクトロポレーションにより形質転換した。225 rpmで振とうしながら、37℃で1時間、1 mLの室温SOC中で細胞を回収させた。細胞を、カナマイシン(50μg/mL)を含むLBプレート上に塗布した。Qiagenスピンミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて得られた形質転換体からプラスミドDNAを精製し、NdeIおよびBamHIを用いる制限消化により、正確な挿入物についてスクリーニングした。
【0928】
遺伝子発現およびアッセイ
プラスミドDNAを、大腸菌発現宿主BL21(DE3)pLysS (Novagen, Madison, WI)中に形質転換した。培養物を増殖させ、プラスミドをQiagenミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて単離し、制限消化により分析して、同一性を確認した。
【0929】
BL21DE3 pLysS中での誘導を、最初にpET28(ヒスチジンタグ付き)およびpET30(非タグ付き)ベクターの両方において実施した。カナマイシン(50 mg/L)を含む100 mLのLB中で、0.5のOD600まで37℃で増殖させ、100μM IPTG(イソプロピルチオガラクトシド)を用いて誘導し、誘導後0および3時間でサンプリングした培養物を用いて時間経過試験を行った。0時間および3時間の時点に由来する細胞を、2-メルカプトエタノールを含む1Xドデシル硫酸ナトリウム中に再懸濁し、95℃で10分間加熱し、冷却した。これらの総細胞タンパク質サンプルのアリコートを、4〜15%勾配ゲルを用いるSDS-PAGEにより分析した。
【0930】
また、ベンゾナーゼヌクレアーゼおよびプロテアーゼ阻害剤カクテルセット番号3 (Calbiochem-Novabiochem Corp., San Diego, CA)を含むNovagen BugBuster(商標)試薬中に5 mLの培養物に由来する細胞ペレットを、緩やかに振とうしながら室温で20分間懸濁し、16,000 x gで遠心分離して細胞破片を除去することにより、3時間培養物から細胞抽出物を調製した。上清(細胞抽出物)を、細胞可溶性タンパク質の分析のために4〜15%勾配ゲル上に載せた。
【0931】
クローニングされたシュードモナス・タトローレンスのアルギニンラセマーゼに由来する3時間サンプルは、pET30(非タグ付き)ベクター中で正確なサイズ(約45 kDa)に対応する総タンパク質バンドを示した。シュードモナス・タトローレンスのpET30遺伝子産物は、シュードモナス・タトローレンスのpET28(ヒスチジンタグ付き)遺伝子産物よりも高いレベルで過剰発現されたが、いずれのベクターも視認できる可溶性タンパク質バンドをもたらさなかった。
【0932】
誘導された培養物(100 mL)から得た細胞を遠心分離し、0.85%NaClで1回洗浄した。細胞ペレットを、5μL/mLのプロテアーゼ阻害剤カクテルセット番号3 (Calbiochem-Novabiochem Corp., San Diego, CA)および1μL/mLのベンゾナーゼヌクレアーゼを含むBugBuster(商標)(Novagen, Madison, WI)試薬の5 mL/g湿細胞重量中に再懸濁した。サンプルを、回転式振とう器上、室温で20分間、インキュベートした。不溶性細胞破片を、4℃で20分間、16,000 X gでの遠心分離により除去した。
【0933】
以下のプロトコルを用いて、トリプトファンラセマーゼ活性について、細胞抽出物をアッセイした。1 mLの反応を、50 mMリン酸カリウム(pH 8.0)、0.05 mM PLPおよび30 mM L-トリプトファン中で行った。無細胞抽出物の添加により反応を開始させ、30℃で一晩インキュベートした。サンプルのアリコートを、一晩のインキュベーションの後に取得した(0分のサンプルは対照反応として役立つ)。濃蟻酸(5μL)を、それぞれ250μLのサンプルアリコートに添加して反応を停止させ、沈降したサンプルを遠心分離により除去した。上清を除去し、それらを実施例1に記載のキラルアミノ酸法によりD-トリプトファンについて分析するまで-80℃で凍結した。
【0934】
100μMのIPTGを用いるpET28およびpET30の誘導(3時間)に由来する細胞抽出物からのアッセイ結果は、シュードモナス・タトローレンスクローンが、L-トリプトファンに対するラセマーゼ活性を示すことを証明している。さらに、タグ付き型のBARは、非タグ付き型(pET28)よりも活性が低く、沈降するか、または可溶性が低いようである。以下の表44は、最初の結果を示すが、非常に低い可溶性タンパク質が得られたため、定量的ではない。
【表44】

【0935】
pET30(非タグ付き)構築物の誘導を、上記と同じ条件を用いて繰り返したところ、視認できる可溶性タンパク質バンドがSDS-PAGEにおいて観察された。このアッセイを上記と同じ条件を用いて繰り返したところ、以下の表45に示されるような結果が得られた。
【表45】

【0936】
さらに、容量の倍増はより高い活性まで高めなかったことに留意した。さらなる研究のために、細胞抽出物の調製後に、前記タンパク質をBugbusterからできるだけ早く除去し、0.01 mM PLPを含む50 mMリン酸バッファーpH 8中に該タンパク質を保存することが決定された。Bugbuster中の洗剤は、この反応を阻害するか、または保存の際に活性の喪失を引き起こし得る。
【0937】
pET30構築物の誘導を再度行って、細胞抽出物を陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて処理して(実施例28に記載のように)、より純粋な抽出物を得た。このアッセイを、この部分的に精製された調製物を用いて繰り返した。以下の表46のラセマーゼ抽出物カラム中の括弧内の数値は、アッセイにおいて用いられた部分的に精製されたラセマーゼ酵素のおおよその量を示す。アッセイの結果を以下の表46に示す。
【表46】

【0938】
この事例における一晩のサンプルの非線形性はおそらく、反応が平衡に達しているという事実に起因する。明確に、シュードモナス・タトローレンスのBARは、トリプトファンのラセミ化のための有意な活性を有し、12996のBARおよびKT2440のBARも同様である。KT2440のBARおよびシュードモナス・タトローレンスのBARは類似する活性を有し、12996のBARよりもわずかに高いようである。
【0939】
シュードモナス・タトローレンスのアルギニンラセマーゼのDNA配列を、配列番号410として以下に示す。PCR配列は、公開されたNCBI配列と比較して2つの変化を与えた。具体的には、PCR配列は、位置902にグアニンよりもむしろアデノシン、位置921にグアニンよりもむしろシトシンを含んでいた。これらのDNAの変化は、1個のサイレントな突然変異ならびにアミノ酸位置301にグリシンからアスパラギン酸への1個の変化をもたらした:
ATGCCCTTCTCCCGTACCCTGCTCGCCCTTTCCCTTGGCATGGCATTGCTGCAAAACCCGGCCTTTGCTGCGCCACCCCTGTCGATGACCGACGGCGTAGCTCAAGTGAATACCCAGGACAGCAATGCCTGGGTCGAAATCAATAAAGCCGCGTTCGAGCACAACATACGGACTCTGCAAACCGCCCTCGCCGGCAAGTCGCAGATCTGCGCCGTACTCAAGGCGGATGCCTATGGCCACGGTATCGGCTTGTTGATGCCCTCGGTGATCGCCATGGGTGTTCCCTGTGTCGGTGTCGCCAGCAACGAAGAAGCCCGCGTCGTGCGCGAGAGCGGTTTCAAGGGTCAACTGATACGCGTGCGCACCGCTGCCCTGAGCGAACTGGAAGCTGCACTGCCGTACAACATGGAAGAGCTGGTGGGCAACCTGGACTTCGCGGTCAAGGCCAGCCTGATTGCCGAGGATCACGGTCGCCCGCTGGTGGTGCACCTGGGTCTGAATTCCAGCGGCATGAGCCGTAACGGAGTGGACATGACCACCGCTCAGGGCCGTCGTGATGCGGTAGCTATCACCAAGGTGCCAAACCTGGAAGTGCGGGCGATCATGACCCACTTCGCGGTCGAAGATGCTGCCGACGTGCGTGCCGGGCTCAAGGCCTTCAATCAGCAAGCCCAATGGCTGATGAACGTGGCCCAGCTTGATCGCAGCAAGATCACCCTGCACGCGGCCAACTCGTTCGCCACACTGGAGGTGCCCGAATCGCATCTGGACATGGTCCGCCCCGGCGGCGCGCTGTTCGGCGACACCGTACCGTCCCACACCGAGTACAAGCGGGTCATGCAGTTCAAGTCCCACGTGGCGTCGGTCAACAGCTACCCCAAGGGCAACACCGTCGGTTATGACCGCACGTACACCCTGGGCCGCGACTCGCGGCTGGCCAACATCACCGTCGGCTACTCTGACGGCTACCGCCGCGCGTTTACCAATAAAGGGATTGTGCTGATCAACGGCCATCGCGTGCCAGTGGTGGGCAAAGTCTCGATGAACACCCTGATGGTGGACGTCACTGACGCGCCGGATGTGAAAAGCGGCGATGAAGTGGTGCTGTTCGGGCACCAGGGCAAGGCCGAGATTACCCAGGCTGAGATCGAAGACATCAACGGTGCACTGCTTGCGGATCTGTATACCGTGTGGGGCAATTCCAACCCTAAAATCCTGAAAGATCAGTAA (配列番号410)。
【0940】
配列番号410の遺伝子によりコードされたタンパク質を、シグナルペプチド予測プログラムSignal P 3.0 (www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)により分析したところ、23アミノ酸のリーダー配列が予測された。
【0941】
シュードモナス・タトローレンスのBARのI384M突然変異誘発
非タグ付きタンパク質をもたらす、pET30中のシュードモナス・タトローレンスのBAR遺伝子を用いて、QuickChange-Multi部位特異的突然変異誘発キット(Stratagene, La Jolla, CA)を用いて突然変異誘発を行った。以下の変異原性プライマーを用いて、I384M変化を作製した:5'-TACCCAGGCTGAGATGGAAGACATCAACG-3' (配列番号411)。
【0942】
部位特異的突然変異誘発を、製造業者のプロトコルに記載のように行った。いくつかの単離物を配列決定し(Agencourt, Beverly, MA)、正確な配列を有する単離物を選択し、さらなる分析に用いた。
【0943】
プラスミドを、BL21(DE3)細胞(Novagen, Madison, WI)中に形質転換した。組換えタンパク質を、製造業者のプロトコルに従って、50μg/mLのカナマイシンを含むOvernight Express II培地(Novagen, Madison, WI)中で産生させた。無細胞抽出物を、製造業者のプロトコルに従ってBugBuster (Novagen, Madison, WI)を用いて調製し、脱塩し、上記のExperion法を用いて標的タンパク質の発現率(%)について分析した。
【0944】
総タンパク質アッセイを、Pierce BCAキット(Pierce, Rockford, IL)を用いて行った。突然変異酵素を用いるトリプトファンラセマーゼアッセイを、陽性対照として同じ様式で調製された野生型酵素を用いて実施した。アッセイは、1 mLあたり、無細胞抽出物中に30 mM L-トリプトファン、50 mMリン酸カリウムpH 8、10μM PLP、および約100μgのラセマーゼタンパク質を含んでいた。100μgを用いなかった場合(Experionの発現率(%)およびPierceの総タンパク質数に基づく)、結果を正規化した。0、30分、2時間、および一晩のサンプルを回収し、2%蟻酸で処理し、濾過し、実施例1に記載のキラルアミノ酸法を用いる分析のために1:10に希釈した。
【0945】
野生型酵素は、30分以内に49.1 ppmのD-トリプトファンを産生するようであったが、I384M変異体は108 ppmを産生した。2時間の時点も同様であった。229.4 ppmのD-トリプトファンが、野生型酵素により産生され、それに対してI384M変異体については541.7 ppmであった。I384M変異体は、シュードモナス・タトローレンスのBARのほぼ2倍の活性を有するようである。該突然変異体について、一晩の時点でもより高いが、反応が平衡に達するため、活性間の差異は低下した。実施例28に記載のようにモナチン産生についてアッセイを行った場合、I384Mは野生型シュードモナス・タトローレンスの酵素よりも利益を提供しないようであった。
【0946】
実施例30
エロモナス・キャビエ(Aeromonas caviae)抽出アッセイ
エロモナス・キャビエATCC 14486を、37℃で栄養培地中で増殖させた。培養物(200 mL)から得た細胞を遠心分離し、0.85%NaClを用いて1回洗浄した。細胞ペレットを、5μL/mLプロテアーゼ阻害剤カクテルセット番号3 (Calbiochem-Novabiochem Corp., San Diego, CA)および1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼを含むBugBuster(商標)(Novagen, Madison, WI)試薬の5 mL/g湿細胞重量中に再懸濁した。サンプルを、回転式振とう器上、室温で20分間インキュベートした。不溶性細胞破片を、4℃で20分間、16,000 X gでの遠心分離により除去した。無細胞抽出物を、PD-10カラム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)上で脱塩した。
【0947】
無細胞抽出物を、以下のプロトコルを用いて、トリプトファンラセマーゼ活性についてアッセイした。1 mLの反応を、50 mMリン酸カリウム(pH 8.0)、0.05 mM PLPおよび30 mM L-トリプトファン中で行った。反応を、無細胞抽出物(100μLまたは500μL)の添加により開始させ、30℃で一晩インキュベートした。サンプルのアリコートを2時間で、および一晩のインキュベーションの後に取得した(0分のサンプルは対照反応として役立つ)。濃蟻酸(5μL)をそれぞれ250μLのサンプルアリコートに添加して反応を停止させ、沈降したタンパク質を遠心分離により除去した。上清を除去し、それらを実施例1に記載のキラルアミノ酸法によりD-トリプトファンについて分析するまで-80℃で凍結した。
【0948】
エロモナス・キャビエの細胞抽出物に由来するアッセイ結果は、表47に示されるように、L-トリプトファンに対するラセマーゼ活性を示した。
【表47】

【0949】
エロモナス・キャビエ細胞抽出物中で活性を見つけた後、縮重プライマーを設計して(公知のBAR相同性の保存された領域に基づく)、この種に由来するBAR遺伝子を取得した。縮重プライマー配列を以下に示す:
Aer deg F2: 5'-GCCAGCAACGARGARGCMCGCGT-3' (配列番号412); および
Aer deg R1: 5'-TGGCCSTKGATCAGCACA-3' (配列番号413)
(式中、KはGもしくはTを示し、RはAもしくはGを示し、SはCもしくはGを示し、MはAもしくはCを示す)。
【0950】
上記のプライマーを用いて、エロモナス・キャビエ(ATCC 14486)ゲノムDNAに由来する715 bpのDNA断片をPCR増幅した。以下のPCRプロトコルを用いた:50μLの反応は、0.5μLの鋳型(約100 ngのエロモナス・キャビエのゲノムDNA)、1.6μMの各プライマー、0.3 mMの各dNTP、10 U rTthポリメラーゼXL (Applied Biosystems, Foster City, CA)、1X XLバッファー、1 mM Mg(OAc)2および2.5μLジメチルスルホキシドを含んでいた。用いたサーモサイクラープログラムは、94℃で3分間のホットスタート、以下の工程の30回の反復:94℃で30秒間、53℃で30秒間、および68℃で2分間を含んでいた。30回の反復後、サンプルを68℃で7分間保持した後、4℃で保存した。このPCRプロトコルにより、715 bpの産物が生成された。
【0951】
クローニング
PCR産物を、Qiagenゲル抽出キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いる0.8%TAE-アガロースゲルからゲル精製した。この産物をTOPOクローニングし、製造業者のプロトコル(Invitrogen, Carlsbad, CA)に従ってTOP 10細胞中に形質転換した。プラスミドDNAを、Qiagenスピンミニプレップキット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて、得られた形質転換体から精製し、EcoRIを用いる制限消化により正確な挿入物についてスクリーニングした。正確な挿入物を有するようであるプラスミドの配列を、普遍的M13フォワードプライマーを用いて、ジデオキシ鎖終結DNA配列決定により検証した。
【0952】
エロモナス・キャビエのPCR産物のDNA配列を、配列番号414として以下に示し、縮重プライマー配列領域に下線を付す:
GCCAGCAACGARGARGCMCGCGTTGCCCGCGAGAAGGGCTTCGAAGGTCGCCTGATGCGGGTACGTGCCGCCACCCCGGATGAAGTGGAGCAGGCCCTGCCCTACAAGCTGGAGGAGCTCATCGGCAGCCTGGAGAGCGCCAAGGGGATCGCCGACATCGCCCAGCGCCATCACACCAACATCCCGGTGCACATCGGCCTGAACTCCGCCGGCATGAGCCGCAACGGCATCGATCTGCGCCAGGACGATGCCAAGGCCGATGCCCTGGCCATGCTCAAGCTCAAGGGGATCACCCCGGTCGGCATCATGACCCACTTCCCGGTGGAGGAGAAAGAGGACGTCAAGCTGGGGCTGGCCCAGTTCAAGCTGGACTACCAGTGGCTCATCGACGCCGGCAAGCTGGATCGCAGCAAGCTCACCATCCACGCCGCCAACTCCTTCGCCACCCTGGAAGTACCGGAAGCCTACTTTGACATGGTGCGCCCGGGCGGCATCATCTATGGCGACACCATTCCCTCCTACACCGAGTACAAGAAGGTGATGGCGTTCAAGACCCAGGTCGCCTCCGTCAACCACTACCCGGCGGGCAACACCGTCGGCTATGACCGCACCTTCACCCTCAAGCGCGACTCCCTGCTGGCCAACCTGCCGATGGGCTACTCCGACGGCTACCGCCGCGCCATGAGCAACAAGGCCTATGTGCTGATCMASGGCCA (配列番号414)(式中、RはAもしくはGを示し、SはCもしくはGを示し、およびMはAもしくはCを示す)。
【0953】
部分的エロモナス・キャビエのBAR酵素のアミノ酸配列を、配列番号415として以下に示す:
ASNEEARVAREKGFEGRLMRVRAATPDEVEQALPYKLEELIGSLESAKGIADIAQRHHTNIPVHIGLNSAGMSRNGIDLRQDDAKADALAMLKLKGITPVGIMTHFPVEEKEDVKLGLAQFKLDYQWLIDAGKLDRSKLTIHAANSFATLEVPEAYFDMVRPGGIIYGDTIPSYTEYKKVMAFKTQVASVNHYPAGNTVGYDRTFTLKRDSLLANLPMGYSDGYRRAMSNKAYVLIXG
(式中、XはH、Q、N、またはKである)(配列番号415)。
【0954】
上記の配列番号415の共通タンパク質配列断片は、エロモナス・ヒドロフィラ(A. hydrophila)の公開されたTIGR配列に対して、アミノ酸レベルで89%相同である。高度に関連するエロモナス・ヒドロフィラタンパク質ならびにエロモナス・キャビエの細胞抽出物は、広特異性ラセマーゼ活性を示すため、エロモナス・キャビエの完全長コード領域は、一度得られたら、トリプトファンに対する活性についても広い特異性を有するラセマーゼを産生すると予想された。ゲノムウォーカー法を用いて、配列番号416として以下に示されるエロモナス・キャビエのBAR遺伝子の完全長遺伝子配列を得た:
atgcacaaga aaacactgct cgcgaccctg atctttggcc tgctggccgg ccaggcagtc gccgccccct atctgccgct cgccgacgac caccgcaacg gtcaggaaca gaccgccgcc aacgcctggc tggaagtgga tctcggcgcc ttcgagcaca acatccagac cctgaagaat cgcctcggtg acaagggccc gcagatctgc gccatcatga aggcggacgc ctacggtcac ggcatcgacc tgctggtccc ttccgtggtc aaggcaggca tcccctgcat cggcatcgcc agcaacgaag aagcacgtgt tgcccgcgag aagggcttcg aaggtcgcct gatgcgggta cgtgccgcca ccccggatga agtggagcag gccctgccct acaagctgga ggagctcatc ggcagcctgg agagcgccaa ggggatcgcc gacatcgccc agcgccatca caccaacatc ccggtgcaca tcggcctgaa ctccgccggc atgagccgca acggcatcga tctgcgccag gacgatgcca aggccgatgc cctggccatg ctcaagctca aggggatcac cccggtcggc atcatgaccc acttcccggt ggaggagaaa gaggacgtca agctggggct ggcccagttc aagctggact accagtggct catcgacgcc ggcaagctgg atcgcagcaa gctcaccatc cacgccgcca actccttcgc caccctggaa gtaccggaag cctactttga catggtgcgc ccgggcggca tcatctatgg cgacaccatt ccctcctaca ccgagtacaa gaaggtgatg gcgttcaaga cccaggtcgc ctccgtcaac cactacccgg cgggcaacac cgtcggctat gaccgcacct tcaccctcaa gcgcgactcc ctgctggcca acctgccgat gggctactcc gacggctacc gccgcgccat gagcaacaag gcctatgtgc tgatccatgg ccagaaggcc cccgtcgtgg gcaagacttc catgaacacc accatggtgg acgtcaccga catcaagggg atcaaacccg gtgacgaggt ggtcctgttc ggacgccagg gtgatgccga ggtgaaacaa tctgatctgg aggagtacaa cggtgccctc ttggcggaca tgtacaccgt ctggggctat accaacccca agaagatcaa gcgctaa (配列番号416)。
【0955】
エロモナス・キャビエの天然のBARの対応するアミノ酸配列を、配列番号417として以下に示す:
1 mhkktllatl ifgllagqav aapylpladd hrngqeqtaa
41 nawlevdlga fehniqtlkn rlgdkgpqic aimkadaygh
81 gidllvpsvv kagipcigia sneearvare kgfegrlmrv
121 raatpdeveq alpykleeli gslesakgia diaqrhhtni
161 pvhiglnsag msrngidlrq ddakadalam lklkgitpvg
201 imthfpveek edvklglaqf kldyqwlida gkldrsklti
241 haansfatle vpeayfdmvr pggiiygdti psyteykkvm
281 afktqvasvn hypagntvgy drtftlkrds llanlpmgys
321 dgyrramsnk ayvlihgqka pvvgktsmnt tmvdvtdikg
361 ikpgdevvlf grqgdaevkq sdleeyngal ladmytvwgy
401 tnpkkikr
(配列番号417)。
【0956】
配列番号417の最初の21個のN末端アミノ酸残基は、Signal P 3.0 (www.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)プログラムを用いて、シグナルペプチドであると予測される。実験の証拠により、発現産物が大腸菌のペリプラズム中に分泌され、シグナルペプチドが予測されるように切断されることが確認された。上記の方法を用いてクローニングし、発現させた場合、完全長遺伝子は、シュードモナス・タトローレンスのBARと比較可能であるが、それより高い活性を有することがわかった。
【0957】
実施例31
代替的な発現宿主における配列番号276のアルドラーゼの産生
配列番号275の遺伝子を、標準的な分子生物学手順を用いて、大腸菌のmetE遺伝子ならびにNgoMIV制限部位と、β-ラクタマーゼ遺伝子(bla)の容易な除去のために添加された第2のpsiI制限部位に挿入されたプロモーターを含むpET23dベクター(Novagen, Madison, WI)の誘導体中にサブクローニングした。ミオイノシトールオキシゲナーゼ遺伝子のための挿入物を含むこのベクターの構築物は、PCT WO2006066072(実施例2および20)に記載されている。アルドラーゼ挿入物を、DNA配列決定(Agencourt Bioscience Corporation; Beverly, MA)により確認し、正確な挿入配列を有するプラスミドを、大腸菌発現宿主BW30384(DE3)ΔompTΔmetE中に形質転換した。この発現宿主の構築および形質転換プロトコルも、PCT WO2006066072(実施例21および22)に記載されている。このアルドラーゼ遺伝子を、100 mg/Lアンピシリンを含むNovagen Overnight Express(商標)Autoinduction System II (Novagen, Madison, WI)を用いて発現させた。この系は、バチルス・スフェリクス(ATCC株10208)のD-アラニンアミノトランスフェラーゼの発現について実施例24に記載されている。1μL/mLベンゾナーゼヌクレアーゼ、0.033μL/mLのr-リゾチーム、および5μL/mLのProtease Inhibitor Cocktail Set IIを含むNovagen BugBuster(商標)Extraciton Reagent (一次アミンを含まない)(Novagen, Madison, WI)を用いて、細胞溶解について製造業者の推奨されるプロトコルに従って、アルドラーゼを含む無細胞抽出物を製造した。無細胞抽出物中の可溶性タンパク質を、Bio-Rad Laboratories Experion(商標)Automated Electrophoresis Station (Bio-Rad, Hercules, CA)上で分離し、実施例12に記載のようにExperion Softwareバージョン1.1.98.0を用いて、可溶性タンパク質発現(%)について分析した。
【0958】
大腸菌におけるアルドラーゼ発現を改善することを試みるために、DNAコード配列の2〜7個のコドンを、Roche ProteoExpert RTS大腸菌HYアルゴリズムを用いて野生型配列の分析から示唆された変化に突然変異させた。25μLの反応混合物あたり0.75μLのQuik Solutionを用いる製造業者の提言されたプロトコルに従って、QuikChange(登録商標)Multi Site-Directed Mutagenesis KitまたはQuikChange(登録商標)II XL Site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene, La Jolla, CA)およびXL10-Gold(登録商標)ウルトラコンピテント細胞中への形質転換を用いて作製した。www.stratagene.com.qcprimerdesignでオンラインで入手可能なStratageneのウェブベースのQuikChange(登録商標)Primer Design Programを用いて設計されたプライマー(それぞれ長さ45ヌクレオチド)を用いて、突然変異を作製した。
【表48】

【0959】
上記コドン変化を有するアルドラーゼ遺伝子配列を、大腸菌発現宿主BW30384(DE3)ΔompTΔmetE中に形質転換した後、Novagen Overnight Express(商標)Autoinduction System II (Novagen, Madison, WI)を用いて発現させた。これらの突然変異はいずれも、野生型配列と比較した場合、より高いレベルの遺伝子発現をもたらなかった。Bio-Rad Experion Pro260ソフトウェア1.1.98.0により分析された無細胞抽出物からの典型的な結果を、以下の表49に示し、タンパク質発現の表題の列は総可溶性タンパク質(%)の値を示す。
【0960】
無細胞抽出物(アッセイあたり0.025 mg/mLの可溶性タンパク質)を、実施例7に記載のプロトコルを用いて、200 mMピルビン酸ナトリウムおよび100 mM D-トリプトファンからR,R-モナチンを産生するその能力についてアッセイした。反応(7 mL総量)を、2 mg/mLの最終濃度の精製されたバチルス・スフェリクス(ATCC 10208)のD-アミノトランスフェラーゼを用いて、嫌気性グローブボックス中、14 mLのポリプロピレンチューブ中で行った。酵素の添加後、1、4および20時間で産生されたモナチンの濃度を、以下の表49に示す。表49は、野生型アルドラーゼ配列を含む構築物から生成された無細胞抽出物が、ProteoExpert突然変異を担持する構築物に由来する無細胞抽出物よりも、20時間でわずかにより高い濃度のモナチンを産生したことを示している。このモナチン濃度を、実施例1に記載のLC/MS/MS方法により決定した。
【表49】

【0961】
これらのデータは、配列番号276のアルドラーゼを、IPTG誘導を用いずに代替的な発現宿主中で産生させることができることを示している。
【0962】
bla遺伝子をベクターから除去し、アルドラーゼを製造するためのその後の発酵を、別の酵素のためのPCT WO2006066072に記載のような抗生物質の使用を用いずに行った。30℃での供給バッチ式発酵における発現レベルは、誘導後6〜8時間で最大に達し、Experionデータに従えば、25〜30%の可溶性タンパク質で配列番号276のアルドラーゼを産生した。安定性試験により、細胞の濃縮および破壊の前に、発酵産物を15または30℃で6時間放置した(酸素制限条件ならびに通気条件の両方の下で)場合、アルドラーゼ活性の見かけの喪失はないことが示された。アルドラーゼは、-80℃で5日間保存した場合、無細胞抽出物または細胞ペレットとして等しく安定に保存されることがわかった。バッファー中で細胞ペレットを洗浄した後、-80℃で保存することは必要ではなく、実際には活性のわずかな低下を引き起こした。蒸留水に再懸濁した細胞、発酵上清、または100 mMリン酸カリウムバッファー(pH 7.8)は、室温または4℃で11日間保存した場合、活性またはタンパク質濃度(SDS-PAGEにより判定)を喪失しないことがわかった。リン酸カリウムバッファー中で作製された無細胞抽出物は、4℃または室温で5日間保存した場合、アルドラーゼ活性の喪失を示した。細胞を、アルドラーゼ活性の比較可能な回収と共に、リン酸バッファー、最大で25%の培養上清または水中で破壊することができる;しかしながら、水への1 mM MgCl2の添加を、アルドラーゼ活性をわずかに改善することがわかった。これらのデータは、アルドラーゼタンパク質が商業的に有用であるのに十分に安定であることを示している。
【0963】
本発明のいくつかの実施形態を記載した。本発明の実施形態は、上記態様の1つ以上を含む。本発明に従う精神および範囲から逸脱することなく、種々の改変を行うことができることが理解されるであろう。従って、他の実施形態も特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1個のポリペプチドをコードする核酸であって、該核酸がcDNA、転写物(mRNA)若しくは遺伝子の完全長に渡って、配列番号243の配列に対して、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、若しくは100%の配列同一性を有する配列を含み、
該核酸が、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1個のポリペプチドをコードするか、又はアルドラーゼ特異的抗体を生成することができるエピトープ若しくは免疫原として作用するポリペプチド若しくはペプチドをコードする、前記核酸;
(b)少なくとも1個のポリペプチドをコードする核酸であって、該核酸が、(a)の配列を含む核酸の相補体に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、
該核酸が、アルドラーゼ活性を有する少なくとも1個のポリペプチドをコードするか、又はアルドラーゼ特異的抗体を生成することができるエピトープ若しくは免疫原として作用するポリペプチド若しくはペプチドをコードする、前記核酸;
(c)アルドラーゼ活性を有する少なくとも1個のポリペプチドをコードする核酸であって、該ポリペプチドが、配列番号244の配列又はその酵素的に活性な断片を含む、前記核酸;
(d)アルドラーゼ活性を有するが、シグナル配列を欠くポリペプチドをコードする(a)、(b)若しくは(c)の核酸;
(e)アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードし、異種配列をさらに含む(a)、(b)、(c)若しくは(d)の核酸;又は、
(f)(a)、(b)、(c)、(d)若しくは(e)と相補的な核酸配列、
を含む、単離された、合成又は組換え核酸。
【請求項2】
(a)請求項1に記載の配列を含む核酸を増幅することができるか、又は、
(b)請求項1に記載の配列の最初(5'側)の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35個以上の残基の配列を有する第1のメンバー、及び該第1のメンバーの相補鎖の最初(5'側)の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35個以上の残基の配列を有する第2のメンバーを含む、
増幅プライマー対であって、
必要に応じて、(a)の増幅プライマー配列対のメンバーが、該配列の少なくとも10〜50個の連続する塩基、若しくは該配列の約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35個以上の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、前記プライマー対。
【請求項3】
請求項1に記載の核酸を含む発現カセット、ベクター又はクローニングビヒクル。
【請求項4】
請求項1に記載の核酸を含むか、又は請求項3に記載の発現カセット、ベクター若しくはクローニングビヒクルを含む形質転換細胞。
【請求項5】
請求項1に記載の核酸を含むか、又は請求項3に記載の発現カセット、ベクター若しくはクローニングビヒクル、請求項4に記載の形質転換細胞を含むトランスジェニック非ヒト動物、植物、植物部分又は種子。
【請求項6】
アルドラーゼ活性を有する単離された、合成又は組換えポリペプチド若しくはペプチドであって、
(a)該ポリペプチド若しくは酵素の完全長に渡って、配列番号244に対して、少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、若しくは100%の配列同一性を有するアミノ酸配列、及び/又はその酵素的に活性な断片;
(b)ポリペプチドが、(i)アルドラーゼ活性を有するか、若しくは(ii)(a)の配列を有するポリペプチドに特異的に結合する抗体を生成することができる免疫原性活性を有する、請求項1に記載の核酸によりコードされるアミノ酸配列、及び/又はその酵素的に活性な断片;
(c)アルドラーゼ活性を有するが、シグナル配列を欠く(a)又は(b)のポリペプチド;
(d)アルドラーゼ活性を有し、異種配列をさらに含む(a)、(b)又は(c)のポリペプチド;又は、
(e)ポリペプチドが少なくとも1個の糖鎖付加部位を含む、(a)、(b)、(c)若しくは(d)のポリペプチド、
を含む、前記ポリペプチド若しくはペプチド。
【請求項7】
請求項6に記載のポリペプチドに特異的に結合する、単離された、合成又は組換え抗体。
【請求項8】
組換えポリペプチドを製造する方法であって、
(a)請求項1に記載の核酸を提供する工程;及び
(b)ポリペプチドの発現を可能にする条件下で、工程(a)の核酸を発現させることにより、組換えポリペプチドを製造する工程、
を含む、前記方法。
【請求項9】
アルドラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変異体を作製する方法であって、
(a)請求項1に記載の核酸を含む鋳型核酸を提供する工程;及び
(b)鋳型配列において1個以上のヌクレオチドを改変、欠失若しくは付加するか、又はその組合せを行って、鋳型核酸の変異体を作製する工程、
を含む、前記方法。
【請求項10】
アルドラーゼポリペプチドをコードする核酸中のコドンを改変するための方法である、請求項9に記載の方法であって、下記工程:
(a)請求項1に記載の核酸を提供する工程;及び
(b)工程(a)の核酸中のコドンを同定し、それを、置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする異なるコドンと置換し、それによってアルドラーゼをコードする核酸中のコドンを改変する工程、
を含む、前記方法。
【請求項11】
請求項6に記載のアミノ酸配列の、アミノ末端残基1〜14、1〜15、1〜16、1〜17、1〜18、1〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜28、1〜29、1〜30、1〜31、1〜32、1〜33、1〜34、1〜35、1〜36、1〜37、1〜38、1〜40、1〜41、1〜42、1〜43若しくは1〜44に記載のアミノ酸配列から成る、単離された、合成若しくは組換えシグナル又はリーダー配列。
【請求項12】
組成物中の炭素-炭素結合を切断する方法であって、下記工程:
(a)請求項6に記載のポリペプチド若しくは請求項1に記載の核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;
(b)炭素-炭素結合を含む組成物を提供する工程;及び
(c)アルドラーゼが該組成物中の炭素-炭素結合を切断する条件下で、工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と接触させる工程、
を含む、前記方法。
【請求項13】
炭素-炭素結合を形成させる方法であって、下記工程:
(a)請求項6に記載のポリペプチド若しくは請求項1に記載の核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;
(b)供与体及び受容体化合物を提供する工程;及び
(c)アルドラーゼが炭素-炭素結合を形成する条件下で、工程(a)のポリペプチドを工程(b)の化合物と接触させる工程、
を含む、前記方法。
【請求項14】
請求項6に記載のポリペプチド若しくは請求項1に記載の核酸によりコードされるポリペプチドを含む組成物であって、
必要に応じて、アルドラーゼを、錠剤、ゲル、ピル、埋込み物、液体、スプレー、粉末、食品、飼料ペレットとして、若しくはカプセル化製剤として製剤化し、
必要に応じて、該組成物は、食品、飼料、飲料、食品添加物、飼料添加物、飲料添加物、栄養補助食品、パン生地若しくはパン製品であり、並びに
必要に応じて、該組成物は燃料であり、必要に応じて、該燃料はエタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール及び/若しくはディーゼルである、
前記組成物。
【請求項15】
請求項6に記載のポリペプチド若しくは請求項1に記載の核酸によりコードされるポリペプチドと、炭素-炭素結合を含有する化合物を含む組成物とを接触させることを含む、食品、飼料又は飲料を作製する方法。
【請求項16】
4-置換D-グルタミン酸を作製する方法であって、下記工程:
(a)請求項6に記載のポリペプチド若しくは請求項1に記載の核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;
(b)α-ケト酸受容体及びピルビン酸若しくはピルビン酸供与体を提供する工程;及び
(c)アルドラーゼが、4-置換D-グルタミン酸の合成を触媒する条件下で、工程(a)のポリペプチドを工程(b)の化合物と接触させる工程、
を含み、
必要に応じて、該ポリペプチドが、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ及び/若しくはKHGアルドラーゼ活性を有し、並びに
必要に応じて、該方法がさらに、D-アミノトランスフェラーゼの使用を含む、
前記方法。
【請求項17】
抗生物質としての請求項16に記載の4-置換D-グルタミン酸の使用。
【請求項18】
3,4-置換2-ケト-グルタル酸を作製する方法であって、下記工程:
(a)請求項6に記載のポリペプチド若しくは請求項1に記載の核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;
(b)供与体及び受容体化合物を提供する工程;及び
(c)アルドラーゼが、3,4-置換2-ケト-グルタル酸の合成を触媒する条件下で、工程(a)のポリペプチドを工程(b)の化合物と接触させる工程、
を含み、
必要に応じて、該ポリペプチドが、ピルビン酸アルドラーゼ、HMGアルドラーゼ及び/若しくはKHGアルドラーゼ活性を有し、並びに
必要に応じて、供与体及び受容体が、ピルビン酸若しくはピルビン酸供与体並びにα-ケト酸受容体、ケトン及び/若しくはアルデヒドである、
前記方法。
【請求項19】
バイオマス又は任意のリグノセルロース材料を燃料に変換する方法であって、該バイオマス又はリグノセルロース材料を、請求項6に記載のポリペプチド若しくは請求項1に記載の核酸によりコードされるポリペプチド又はその酵素的に活性な断片と接触させることを含み、
必要に応じて、該バイオマス又はリグノセルロース材料を予備処理した後、アルドラーゼと接触させ、
必要に応じて、該バイオマス又はリグノセルロース材料を、セルロース及び/若しくはヘミセルロース分解酵素と接触させた後、アルドラーゼと接触させ、並びに
必要に応じて、該燃料が、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール及び/若しくはディーゼルである、
前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−66469(P2013−66469A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225075(P2012−225075)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【分割の表示】特願2008−558521(P2008−558521)の分割
【原出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(508268621)ヴェレニウム コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】