説明

アルファ−2−デルタリガンドを含む組合せ

本発明は、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬ならびにそれらの薬学的に許容できる塩を含む組合せ、特に相乗的組合せ、それらの医薬組成物ならびに疼痛、特に神経障害性疼痛を治療する際でのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の組合せに関する。さらに本発明は、疼痛を治療するためのアルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の組合せに関する。さらに本発明は、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の組合せを有効量で使用することにより疼痛を治療する方法に関する。さらに本発明は、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の相乗的組合せおよび疼痛を治療するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルファ−2−デルタ受容体リガンドは、ヒトカルシウムチャンネルアルファ−2−デルタサブユニットのどのサブタイプに結合する分子である。カルシウムチャンネルアルファ−2−デルタサブユニットは、いくつかの受容体サブタイプを含み、これらは、下記の文献に記載されている:
例えば、N.S.Gee、J.P.Brown、V.U.Dissanayake、J.Offord、R.Thurlow、およびG.N.Woodruff、J−Biol−Chem 271(10):5768−76、1996、(1型);Gong,J.Hang、W.Kohler、Z.Li.およびT−Z.Su、J.Membr.Biol.184(1):35−43、2001、(2および3型);E.Marais、N.Klugbauer、およびF.Hofmann、Mol.Pharmacol.59(5):1243−1248、2001.(2および3型);およびN.Qin、S.Yagel、M.L.Momplaisir、E.E.Codd、およびM.R.D’Andrea.Mol.Pharmacol.62(3):485−496、2002、(4型)。これらは、GABA類似体としても知られている。
【0003】
アルファ−2−デルタリガンドは、多数の適応症を治療するために記載されている。最もよく知られているアルファ−2−デルタリガンドであるガバペンチン(Neurontin(登録商標))、1−(アミノメチル)−シクロヘキシル酢酸は、米国特許第4024175号明細書を含む特許ファミリー内の特許文献中で初めて記載された。この化合物は、てんかんおよび神経障害性疼痛を治療するために承認されている。
【0004】
第2のアルファ−2−デルタリガンドであるプレガバリン、(S)−(+)−4−アミノ−3−(2−メチルプロピル)ブタン酸は、欧州特許出願第641330号明細書では、てんかんを治療する際に有効な抗痙攣治療薬として、欧州特許第0934061号明細書では疼痛を治療するために記載された。
【0005】
他のアルファ−2−デルタリガンドは、次の文献に記載されている。
【0006】
国際公開第0128978号パンフレットは、下式の一連の新規の二環式アミノ酸、その薬学的に許容できる塩およびそのプロドラッグを記載している:
【0007】
【化1】

[上式中、nは、1から4の整数であり、立体中心が存在する場合、各中心は独立に、RまたはSであってよく、好ましい化合物は、nが2から4の整数である前記の式I〜IVの化合物である]。
【0008】
国際公開第2004/039367号パンフレットは、下式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩を記載している
【0009】
【化2】

[上式中、
Xは、O、S、NHまたはCHであり、Yは、CHまたは直接結合であるか、Yは、O、SまたはNHであり、Xは、CHであり、
Rは、3〜12員のシクロアルキル、4〜12員のヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、環はいずれも、
ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシカルボニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシC〜Cアルキル、C〜CアルコキシC〜Cアルキル、ペルフルオロC〜Cアルキル、ペルフルオロC〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルアミノ、ジ−C〜Cアルキルアミノ、アミノC〜Cアルキル、C〜CアルキルアミノC〜Cアルキル、ジ−C〜CアルキルアミノC〜Cアルキル、C〜Cアシル、C〜Cアシルオキシ、C〜CアシルオキシC〜Cアルキル、C〜Cアシルアミノ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルチオカルボニル、C〜Cアルキルチオキソ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C〜Cアルキルアミノスルホニル、ジ−C〜Cアルキルアミノスルホニル、3〜8員シクロアルキル、4〜8員ヘテロシクロアルキル、フェニルおよび単環ヘテロアリール
から独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい]。
【0010】
慣用の抗精神病薬は、ドーパミン(D)受容体のアンタゴニストである。非定型抗精神病薬も、Dアンタゴニスト特性を有するが、これらの受容体に対して異なる結合動態を示し、他の受容体、特に5−HT2A、5−HT2Cおよび5−HT2Dで活性を示す(Schmidt B et al、Soc.Neurosci.Abstr.24:2177、1998)。
【0011】
非定型抗精神病薬の群には、クロザピン(クロザリル(登録商標))、8−クロロ−11−(4−メチル−1−ピペラジニル)−5H−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン(米国特許第3539573号明細書);リスペリドン(リスパダール(登録商標))、3−[2−[4−(6−フルオロ−1,2−ベンズイソオキサゾール−3−イル)ピペリジノ]エチル]−2−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−4H−ピリド−[1,2−a]ピリミジン−4−オン(米国特許第4804663号明細書);オランザピン(ジプレキサ(登録商標))、2−メチル−4−(4−メチル−1−ピペラジニル)−10H−チエノ[2,3−b][1,5]ベンゾジアゼピン(米国特許第5229382号明細書);ケチアピン(セロケル(登録商標))、5−[2−(4−ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−イル−1−ピペラジニル)エトキシ]エタノール(米国特許第4879288号明細書);アリピプラゾール(アビリファイ(登録商標)、7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]−ブトキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリルおよび7−{4−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル]−ブトキシ}−3,4−ジヒドロ−2(1H)−キノリノン(米国特許第4734416号明細書および同第5006528号明細書;セルチンドール、1−[2−[4−[5−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−3−イル]−1−ピペリジニル]エチル]イミダゾリジン−2−オン(米国特許第4710500号明細書);アミスルプリド(米国特許第4410822号明細書);ジプラシドン(ゲオドン(登録商標)、5−[2−[4−(1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル)ピペラジン−3−イル]エチル]−6−クロロインドリン−2−オン塩酸塩水和物(米国特許第4831031);アセナピン、トランス−5−クロロ−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−2−メチル−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロールマレエート;(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸(提出の時点で未刊行のPCT出願PCT/IB2004/002985号明細書)が含まれる。
【0012】
本出願に挙げられているすべての特許および出願の内容は、参照により本願明細書に援用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
アルファ−2−デルタリガンドと非定型抗精神病薬との併用治療は、疼痛治療に改善をもたらすことが判明した。さらに、同時に、連続して、または別々に投与すると、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬は、相乗的に相互作用して、疼痛を制御することができる。この相乗作用により、各化合物で必要とされる用量を低減することができるので、副作用の低減および化合物の臨床有効性の増強が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、本発明は、第1の態様として、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬を含む組合せ製品を提供する。
【0015】
代わりの態様またはさらなる態様として、本発明は、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬を含む相乗的組合せ製品を提供する。
【0016】
本発明の有用な環式アルファ−2−デルタリガンドは、次の式(I)またはその薬学的に許容できる塩により表される:
【0017】
【化3】

[上式中、Xは、カルボン酸またはカルボン酸生物学的等価体であり、
nは、0、1または2であり、
、R1a、R、R2a、R、R3a、RおよびR4aは独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択されるか、
およびRもしくはRおよびRは一緒になって、C〜Cシクロアルキル環を形成し、これは、C〜Cアルキルから選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよい]。
【0018】
式(I)中で、適切には、R、R1a、R2a、R3a、RおよびR4aは、Hであり、RおよびRは独立に、Hおよびメチルから選択されるか、R1a、R2a、R3aおよびR4aはHであり、RおよびRもしくはRおよびRは一緒になって、1個または2個のメチル置換基で置換されていてもよいC〜Cシクロアルキル環を形成する。適切なカルボン酸生物学的等価体は、テトラゾリルおよびオキサジアゾロニルから選択される。Xは好ましくは、カルボン酸である。
【0019】
式(I)中、好ましくは、R、R1a、R2a、R3a、RおよびR4aは、Hであり、RおよびRは独立に、Hおよびメチルから選択されるか、R1a、R2a、R3aおよびR4aはHであり、RおよびRもしくはRおよびRは一緒になって、C〜Cシクロアルキル環を形成するか、nが0である場合、R、R1a、R2a、R3a、RおよびR4aは、Hであり、RおよびRはシクロペンチル環を形成するか、nが1である場合、R、R1a、R2a、R3a、RおよびR4aは、Hであり、RおよびRは両方ともメチルであるか、R、R1a、R2a、R3a、RおよびR4aは、Hであり、RおよびRはシクロブチル環を形成するか、nが2である場合、R、R1a、R、R2a、R、R3a、RおよびR4aは、Hであるか、nが0であり、R、R1a、R2a、R3a、RおよびR4aは、Hであり、RおよびRはシクロペンチル環を形成する。
【0020】
本発明の有効な非環式アルファ−2−デルタリガンドは、次の式(II)またはその薬学的に許容できる塩により表される:
【0021】
【化4】

[上式中、nは、0または1であり、Rは、水素または(C〜C)アルキルであり、Rは、水素または(C〜C)アルキルであり、Rは、水素または(C〜C)アルキルであり、Rは、水素または(C〜C)アルキルであり、Rは、水素または(C〜C)アルキルであり、Rは水素または(C〜C)アルキルである]。
【0022】
式(II)では適切には、Rは、C〜Cアルキルであり、Rは、メチルであり、R〜Rは、水素であり、nは、0または1である。さらに適切には、Rは、メチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルであり、Rは、メチルであり、R〜Rは、水素であり、nは、0または1である。Rがメチルである場合、R〜Rは、水素であり、nは0であり、Rは適切には、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルである。Rがメチルである場合、R〜Rは、水素であり、nは、1であり、Rは適切には、メチルまたはn−プロピルである。式(II)の化合物は適切には、3S,5R配置である。
【0023】
本発明で使用するためのアルファ−2−デルタリガンドの例は、米国特許第4024175号明細書に、特に、ガバペンチン、欧州特許第641330号明細書に、特にプレガバリン、米国特許第5563175号明細書、国際公開第9733858号パンフレット、国際公開第9733859号パンフレット、国際公開第9931057号パンフレット、国際公開第9931074号パンフレット、国際公開第9729101号パンフレット、国際公開第02085839号パンフレットに、特に[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプチ−6−イル]酢酸、国際公開第9931075号パンフレットに、特に3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンおよびC−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、国際公開第9921824号パンフレットに、特に、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、国際公開第0190052号パンフレット、国際公開第0128978号パンフレットに、特に(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプチ−3−イル)−酢酸、欧州特許第0641330号明細書、国際公開第9817627号パンフレット、国際公開第0076958号パンフレットに、特に(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチルオクタン酸、PCT/IB03/00976号パンフレットに、特に(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸および(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、国際公開第2004/039367号パンフレットに、特に(2S,4S)−4−(3−フルオロ−フェノキシメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4S)−4−(2,3−ジフルオロ−ベンジル)−ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよび(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリン、欧州特許第1178034号明細書、欧州特許第1201240号明細書、国際公開第9931074号パンフレット、国際公開第03000642号パンフレット、国際公開第0222568号パンフレット、国際公開第0230871号パンフレット、国際公開第0230881号パンフレット、国際公開第02100392号パンフレット、国際公開第02100347号パンフレット、国際公開第0242414号パンフレット、国際公開第0232736号パンフレットおよび国際公開第0228881号パンフレットに一般的または具体的に開示されている化合物またはその薬学的に許容できる塩であり、これらはすべて、参照により本願明細書に援用される。
【0024】
本発明の好ましいアルファ−2−デルタリガンドには:ガバペンチン、プレガバリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−フルオロ−フェノキシメチル)−ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4S)−4−(2,3−ジフルオロ−ベンジル)−ピロリジン−2−カルボン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよび(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンまたはそれらの薬学的に許容できる塩が含まれる。本発明の特に好ましいアルファ−2−デルタリガンドは、ガバペンチン、プレガバリン、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプチ−3−イル)−酢酸、((2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよび(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンまたはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される。
【0025】
本発明において有用な非定型抗精神病薬には、米国特許第4831031号明細書の開示に含まれているもの、即ち、式(I)の化合物が含まれる:
【0026】
【化5】

[上式中、Arは、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノまたはニトロにより置換されていてもよいナフチル;キノリル;イソキノリル;6−ヒドロキシ−8−キノリル;フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、シアノまたはニトロによりそれぞれ置換されていてもよいベンゾイソチアゾリルまたはその酸化物または二酸化物;ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル;ベンゾトリアゾリル;ベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;インドリル;1個または2個のフルオロにより置換されていてもよいインダニル;1−トリフルオロメチルフェニルにより置換されていてもよい3−インダゾリル;またはフタラジニルであり、
nは、1または2であり、
XおよびYは、それらが結合しているフェニルと一緒になって、キノリル;2−ヒドロキシキノリル;ベンゾチアゾリル;2−アミノベンゾチアゾリル;ベンゾイソチアゾリル;インダゾリル;3−ヒドロキシインダゾリル;インドリル;スピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリニル];1から3個の(C〜C)アルキルもしくはクロロ、フルオロまたはフェニルのうちの1個(前記のフェニルは1個のクロロまたはフルオロにより置換されていてもよい)により置換されていてもよいオキシインドリル;ベンゾオキサゾリル;2−アミノベンゾオキサゾリル;ベンゾオキサゾロニル;2−アミノベンゾオキサゾリニル;ベンゾチアゾロニル;ベンゾイミダゾロニル;またはベンゾトリアゾリルを形成する]。特に好ましい式(I)の化合物は、ジプラシドンである。
【0027】
本発明で使用するための非定型抗精神病薬の例は、米国特許第4831301号明細書、特にジプラシドン;米国特許第5229382号明細書、特にオランザピン;米国特許第3539573号明細書、特にクロザピン;米国特許第4804663号明細書、特にリスペリドン;米国特許第4710500号明細書、特にセルチンドール;米国特許第4879288号明細書、特にケチアピン;米国特許第4734416号明細書、特にアリピプラゾール;米国特許第4401822号明細書、特にアミスルプリド;PCT/IB2004/002985号パンフレット、特に(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;およびアセナピンに一般的および具体的に開示されている化合物もしくは薬学的に許容できる塩であり、これらはすべて、参照により本願明細書に援用される。
【0028】
本発明で使用するのに適した非定型抗精神病薬には、ジプラシドン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、セルチンドール、ケチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、アミスルプリド、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸もしくはこれらの薬学的に許容できる塩が含まれる。好ましくは、非定型抗精神病薬は、ジプラシドンまたはその薬学的に許容できる塩である。
【0029】
文献の方法を使用して、その効力および選択性を評価し、続いて、標準的な薬学的実施に従いその毒性、吸収、代謝、薬物動態などを評価することにより、個々の非定型抗精神病薬の適性を容易に決定することができる。
【0030】
本発明の別か、他の態様として、ガバペンチンまたはその薬学的に許容できる塩と、ジプラシドン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、セルチンドール、ケチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、アミスルプリド、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸またはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される非定型抗精神病薬との組合せを提供する。特に好ましい組合せは、ガバペンチンおよびジプラシドンならびにそれらの薬学的に許容できる塩を含む。
【0031】
本発明の別か、他の態様として、プレガバリンと、ジプラシドン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、セルチンドール、ケチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、アミスルプリド、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸またはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される非定型抗精神病薬との組合せを提供する。特に好ましい組合せは、プレガバリンおよびジプラシドンならびにそれらの薬学的に許容できる塩を含む。
【0032】
本発明の別か、他の態様として、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプチ−3−イル)−酢酸またはその薬学的に許容できる塩と、非定型抗精神病薬との組合せを提供する。適切には、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプチ−3−イル)−酢酸またはその薬学的に許容できる塩と、ジプラシドン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、セルチンドール、ケチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、アミスルプリド、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸またはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される非定型抗精神病薬との組合せを提供する。特に好ましい組合せは、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプチ−3−イル)−酢酸およびジプラシドンならびにそれらの薬学的に許容できる塩を含む。
【0033】
本発明の別か、他の態様として、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンまたはその薬学的に許容できる塩と、非定型抗精神病薬との組合せを提供する。適切には、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンまたはその薬学的に許容できる塩と、ジプラシドン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、セルチンドール、ケチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、アミスルプリド、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸またはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される非定型抗精神病薬との組合せを提供する。特に好ましい組合せは、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびジプラシドンならびにそれらの薬学的に許容できる塩を含む。
【0034】
本発明の別か、他の態様として、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンまたはその薬学的に許容できる塩と、非定型抗精神病薬との組合せを提供する。適切には、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンまたはその薬学的に許容できる塩と、ジプラシドン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、セルチンドール、ケチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、アミスルプリド、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸またはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される非定型抗精神病薬との組合せを提供する。特に好ましい組合せは、(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびジプラシドンならびにそれらの薬学的に許容できる塩を含む。
【0035】
本発明のさらに他の好ましい態様として、組合せは、
ガバペンチンおよびジプラシドン;
ガバペンチンおよびオランザピン;
ガバペンチンおよびクロザピン;
ガバペンチンおよびリスペリドン;
ガバペンチンおよびセルチンドール;
ガバペンチンおよびクェチアピン;
ガバペンチンおよびアリピプラゾール;
ガバペンチンおよびアセナピン;
ガバペンチンおよびアミスルプリド;
ガバペンチンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸;
ガバペンチンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
プレガバリンおよびジプラシドン;
プレガバリンおよびオランザピン;
プレガバリンおよびクロザピン;
プレガバリンおよびリスペリドン;
プレガバリンおよびセルチンドール;
プレガバリンおよびクェチアピン;
プレガバリンおよびアリピプラゾール;
プレガバリンおよびアセナピン;
プレガバリンおよびアミスルプリド;
プレガバリンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸;
プレガバリンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびジプラシドン;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびオランザピン;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびクロザピン;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびリスペリドン;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびセルチンドール;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびクェチアピン;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびアリピプラゾール;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびアセナピン;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸およびアミスルプリド;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸;
[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびジプラシドン;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびオランザピン;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびクロザピン;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびリスペリドン;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびセルチンドール;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびクェチアピン;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびアリピプラゾール;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびアセナピン;
(1α,3α,5α)(3−アミノメチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸およびアミスルプリド;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびジプラシドン;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびオランザピン;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびクロザピン;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびリスペリドン;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびセルチンドール;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−dメチル−シクロペンチル)−酢酸およびクェチアピン;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびアリピプラゾール;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびアセナピン;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸およびアミスルプリド;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸;
(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびジプラシドン;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびオランザピン;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびクロザピン;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびリスペリドン;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびセルチンドール;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびクェチアピン;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびアリピプラゾール;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびアセナピン;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよびアミスルプリド;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチルヘプタン酸;
(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチルオクタン酸;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびジプラシドン;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびオランザピン;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびクロザピン;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびリスペリドン;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびセルチンドール;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびクェチアピン;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびアリピプラゾール;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびアセナピン;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよびアミスルプリド;
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチルヘプタン酸;および
(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリンおよび(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸;
もしくはこのような組合せの一方または両方の成分の薬学的に許容できる塩または溶媒和物から選択される。
【0036】
本発明の特に好ましい組合せには、組合せの各変動が、各変動での適切なパラメーターから選択されているものが含まれる。本発明のさらに好ましい組合せには、組合せの各変動が各変動に適切か、特に適切か、好ましいか、さらに好ましいパラメーターから選択されているものが含まれる。
【0037】
単一剤形での本発明の組合せが、哺乳動物被験者、好ましくはヒトに投与するために適している。投与は、1日1回(o.d.)、2回(b.i.d.)または3回(t.i.d.)であってよく、適切には、bi.i.d.またはt.i.d.、さらに適切には、b.i.d.であり、特に適切にはo.d.である。
【0038】
したがって、本発明の他の態様として、疼痛を治癒的、予防的または対症的治療するための1日1回、2回または3回、適切には2回または3回、さらに適切には2回、特に適切には1回投与製剤を製造する際に、アルファ−2−デルタリガンドと非定型抗精神病薬との組合せ、特には相乗的組合せを使用することを提供する。
【0039】
1種または複数の成分の相乗相互作用を決めるために、様々なw/w比範囲および用量で成分を、治療を必要とする患者に投与することにより、各作用に関する各成分の有効および絶対用量範囲の最適範囲を最終的に測定される。患者で臨床試験を実施する際の複雑さおよび経費により、相乗作用のための一次モデルとしてこの試験形態をヒトに使用することは、実際的ではない。しかしながら、ある1種での相乗作用を観察することにより、他の種での効果を予測することができ、本願明細書に記載されているように、相乗作用を測定するための動物モデルが存在し、さらに、薬物動態/薬力学的方法を適用することにより、他の種で必要とされる有効な用量および血漿濃度比範囲ならびに絶対用量および血漿濃度を予測するために、このような試験の結果を使用することができる。動物モデルとヒトで観察された効果との間で確立された相関関係は、異痛を誘発するために手術(例えば慢性絞縮傷)または化学的(例えばストレプトゾシン)手順を受けた齧歯類での静的および動的異痛測定を使用すると、動物における相乗作用が最も良好に示されることを示唆している。このようなモデルでのプラトー効果により、その価値は、神経障害性疼痛患者においては用量節約の利点へと翻訳されるであろう相乗作用に関して、最も良く評価される。神経障害性疼痛を治療するために使用される既存の薬剤が部分的な応答しかもたらさない他のモデルは、相乗的に作用して、2種の成分の最大許容用量で最大効果の上昇をもたらす組合せの可能性を予測するために特に適している。
【0040】
したがって、本発明の他の態様では、相乗相互作用を同定するために一次的に使用された非ヒト動物モデル、好ましくは、ラットモデルで観察された絶対範囲に対応するw/w組合せ範囲で、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の組合せもしくはこれらの薬学的に許容できる塩また溶媒和物を含むヒトに投与するための相乗的組合せを提供する。適切には、ヒトでの比範囲は、1:50から50:1、1:50から20:1、1:50から10:1、1:50から1:1、1:20から50:1、1:20から20:1、1:20から10:1、1:20から1:1、1:10から50:1、1:10から20:1、1:10から10:1、1:10から1:1、1:1から50:1、1:1から20:1および1:1から10:1重量部から選択される非ヒト範囲に対応する。さらに適切には、ヒト範囲は、1:10から20:1重量部の非ヒト範囲に対応する。好ましくは、ヒト範囲は、1:1から10:1重量部の相乗的非ヒト範囲に対応する。
【0041】
ヒトでは、動物で相乗作用が証明された薬剤が、その相乗効果に一致する作用をヒトにおいても有することを証明するために、ヒトにおいて、いくつかの実験用疼痛モデルを使用することができる。この目的に適うヒトモデルの例には、熱/カプサイシンモデル(Petersen,K.L.& Rowbotham,M.C.(1999)NeuroReport 10、1511−1516)、反復カプサイシン外傷の使用(Witting,N.、Svesson,P.、Arendt−Nielsen、L.& Jensen,T.S.(2000)Somatosensory Motor Res.17、5−12)を含むi.dカプサイシンモデル(Andersen,O.L.、Felsby,S.、Nocolaisen,L.、Bjerring,P.、Jsesn,T.S.& Arendt−Nielsen,L.(1996)Pain 66、51−62)および総和およびワインドアップ応答(Curatolo,M.et al.(2000)Anesthesiology 93、1517−1530)が含まれる。これらのモデルでは、疼痛強度または痛覚過敏の領域の主観的評価を終点として使用することもできるし、電気生理学的または画像技術(機能的磁気共鳴画像など)により、より客観的な終点を使用することもできる(Bornhovd,K.、Quante,M.、Glauche,V.、Bromm,B.、Weiller,C.& Buchel、C.(20002)Brain 125、1326−1336)。このようなモデルがすべて、動物試験で観察された組合せの相乗作用を支持する証拠をヒトにおいて提供すると結論づける前に、客観的実証の証拠を必要とする。
【0042】
ヒトにおける本発明では、適切なアルファ−2−デルタリガンド:非定型抗精神病薬の比範囲は、1:50から50:1、1:50から20:1、1:50から10:1、1:50から1:1、1:20から50:1、1:20から20:1、1:20から10:1、1:20から1:1、1:10から50:1、1:10から20:1、1:10から10:1、1:10から1:1、1:1から50:1、1:1から20:1および1:1から10:1、さらに適切には1:10から20:1、好ましくは1:1から10:1重量部から選択される。
【0043】
相乗作用に関する各成分の最適な用量は、公表されている手順に従い動物モデルで決定することができる。しかしながら、ヒトでは(疼痛の実験用モデルでも)、組合せの各成分の治療関連用量すべてで暴露−応答関係全体を決定するための試験は、経費が非常に高くなりうる。少なくとも当初は、動物で最適な相乗作用をもたらした用量から推測された用量で、相乗作用と一致する効果が観察されるかどうかを推定することが必要であろう。用量を動物からヒトへと拡大する際に、相対的な体重/体表面積、各成分の相対的吸収、分布、代謝および排泄ならびに相対的血漿タンパク質結合を考慮すべきであり、これらの理由から、ヒト(および患者)で予測される最適な用量比は、動物で最適であると判明した用量比と同じではないはずである。しかしながら、動物およびヒト薬物動態分野の専門家であれば、2種の関係を、理解し、算出することができる。動物とヒトとの効果のブリッジを確立する際には、動物試験で使用された各成分で得られた血漿濃度が重要であり、それというのも、これらは、ヒトにおいて効力をもたらすと予測される各成分の血漿濃度に関与するためである。薬物動態/薬力学的モデリング(アイソボログラム、相互作用指数および応答曲面モデリングを含む)および刺激は、特に、これらの成分の一方または両方が既にヒトで試験されている場合には、ヒトでの相乗作用用量比を予測するために役立つ。
【0044】
動物またはヒトで観察された断定相乗作用は単に、薬物動態相互作用によるものかどうかを決定することが重要である。例えば、他方の化合物による一方の化合物の代謝阻害は、薬力学的相乗作用の誤った印象を与えうる。
【0045】
したがって、本発明の他の態様では、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬もしくはこれらの薬学的に許容できる塩また溶媒和物を含有する、ヒトに投与するための相乗的組合せを提供し、この際、各成分の用量範囲は、相乗相互作用を同定するために一次的に使用された非ヒト動物モデル、好ましくは、ラットモデルで観察された絶対範囲に対応する。
【0046】
適切には、ヒトで使用するためのアルファ−2−デルタリガンドの用量は、b.i.d.またはt.i.d.で、適切にはt.i.dで1〜1200mg、1〜500mg、1〜100mg、1〜50mg、1〜25mg、500〜1200mg、100〜1200mg、100〜500mg、50〜1200mg、50〜500mgまたは50〜100mg、適切には、50〜100mgから選択される範囲であり、非定型抗精神病薬の用量は、b.i.d.またはt.i.d.で、適切にはt.i.dで1〜200mg、1〜100mg、0.25〜25mg、1〜50mg、1〜25mg、10〜100mg、10〜50mgまたは10〜25mg、適切には10〜100mgから選択される範囲である。
【0047】
治療効果をもたらすために必要な本発明のアルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の組合せの血漿濃度範囲は、治療される種および使用される成分に左右されることは、専門的な読者には明らかであろう。例えば、ラットにおけるガバペンチンでは、Cmax値は、0.520μg/mlから10.5μg/mlの範囲である。
【0048】
標準的PK/PDおよび相対法を使用すると、動物モデルで観察された血漿濃度値を外挿して、異なる種、特にヒトでの値を予測することができる。したがって、本発明の他の態様では、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬を含有する、ヒトに投与するための相乗的組合せを提供し、この際、各成分の血漿濃度は、相乗相互作用を同定するために一次的に使用された非ヒト動物モデル、好ましくは、ラットモデルで観察された絶対範囲に対応する。適切には、血漿濃度範囲はヒトでは、ラットモデルにおけるアルファ−2−デルタリガンドでの0.05μg/mlから10.5μg/mlの範囲に対応する。
【0049】
本発明の特に好ましい組合せには、組合せの各変動が、各変動での適切なパラメーターから選択されているものが含まれる。本発明のさらに好ましい組合せには、組合せの各変動が各変動に関して、さらに適切か、特に適切か、好ましいか、さらに好ましいパラメーターから選択されているものが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
本発明の化合物は、当技術分野の専門家によく知られている方法により調製される。特に、それぞれ参照により本明細書に援用される前記で挙げられた特許、特許出願および刊行物は、本発明による組合せ、医薬組成物、方法およびキットで使用することができる化合物を例示しており、これらの化合物を調製する方法に関している。
【0051】
本発明の組合せの化合物は、非溶解形態で、さらに水和物形態を含む溶解形態で存在しうる。通常、同位体置換を含んでもよい水和物形態を含む溶媒和物の形態は(例えば、D2O、d6−アセトン、d6−DMSO)、非溶解形態と同等であり、本発明の範囲内に包含される。
【0052】
いくつかの本発明の化合物は、1個または複数のキラル中心を有し、各中心は、RまたはS配置で存在してよい。本発明は、鏡像異性およびエピマー形態、さらにこれらの適切な混合物のすべてを含む。ジアステレオ異性体もしくはシスおよびトランス異性体の分離は、慣用の技術、例えば、本発明の化合物またはその適切な塩または誘導体の立体異性体混合物の分別結晶、クロマトグラフィーまたはH.P.L.Cにより達成することができる。
【0053】
本発明のアルファ−2−デルタリガンドのうちの数種は、アミノ酸である。アミノ酸は、両性であるので、薬理学的に相容性の塩は、適切な非毒性無機または有機酸または塩基の塩であり得る。適切な酸付加塩は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩、d−ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩(edisylate)、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプ酸塩(gluceptate)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩(hibenzate)、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸/臭化物、ヨウ化水素酸/ヨウ化物、リン酸水素塩、イセチオン酸塩、D−およびL−乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、リン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、D−およびL−酒石酸塩およびトシル酸塩である。適切な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩から生じ、例は、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、コリン、ジオラミン、オラミン(olamine)、アルギニン、グリシン、トロメタミン、ベンザチン、リシン、メグルミンおよびジエチルアミン塩である。4級アンモニウムイオンとの塩も、例えば、テトラメチルアンモニウムイオンを用いて調製することができる。本発明の化合物は、両性イオンとして生じてもよい。
【0054】
本発明のアミノ酸化合物での適切な塩は、塩酸塩である。適切な塩の概観に関しては、StahlおよびWermuth、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection,and Use、Wiley−VCH、Weinheim、Germany(2002)参照。
【0055】
包接化合物、薬物−ホスト包接錯体も、本発明の範囲内であり、前記の溶媒和物とは異なり、薬物およびホストは、非化学量論的量で存在する。このような錯体の概観に関しては、HaleblianによるJ Pharm Sci、64(8)、1269−1288(1975年8月)参照。
【0056】
下記では、本発明の化合物に関する記載はすべて、その塩に、さらに、本発明の化合物およびその塩の溶媒和物および包接化合物に関する記載を包含する。
【0057】
その多形も、本発明の化合物の範囲内に含まれる。
【0058】
本発明の前記化合物のプロドラッグも、本発明の範囲に含まれる。化学的に変性された薬物またはプロドラッグは、親とは異なる薬物導体プロファイルを有するべきであり、粘膜上皮を介しての吸収をより容易にし、塩形成および/または可溶性を良好にし、全身安定性を改善する(例えば血漿半減期の上昇)。これらの化学修飾は、
(1)例えば、エステラーゼまたはリパーゼにより分解され得るエステルまたはアミド誘導体。エステル誘導体では、エステルは、既知の手段による薬物分子のカルボン酸成分に由来してよい。アミド誘導体では、アミドは、既知の手段による薬物分子のカルボン酸成分またはアミン成分に由来してよい。
(2)特異的または非特異的的プロテイナーゼにより認識されうるペプチド。ペプチドは、既知の手段により、薬物分子のアミンまたはカルボン酸成分とのアミド結合形成を介して薬物分子に結合していてよい。
(3)プロドラッグ形態または変性プロドラッグ形態の膜選択を介して作用部位に蓄積する誘導体。
(4)1から3の何らかの組合せ
であってよい。
【0059】
アミノアシル−グリコールエステルおよび−乳酸エステルは、アミノ酸のプロドラッグとして知られている(Wermuth C.G.、Chemistry and Industry、1980:433−435)。アミノ酸のカルボニル基は、既知の手段によりエステル化することができる。プロドラッグおよびソフトドラッグは、当技術分野で知られている(Palomino E.、Drugs of the Future、1990;15(4):361−368)。後者2つの引用は、参照により本願明細書に援用される。
【0060】
本発明の組合せは、疼痛、特に神経障害性疼痛を一般治療するのに有用である。生理学的疼痛は、外部環境からの潜在的に有害な刺激からの危険を警戒するように設計された重要な保護メカニズムである。このシステムは、一次感覚ニューロンの特殊なセットを介して作動し、末梢変換メカニズムを介して有害刺激によりもっぱら活性化される(Millan 1999 Prog.Neurobio.57:1−164 for an integrative Review)。これらの感覚線維は、侵害受容器として知られており、遅い伝導速度を伴う小口径軸索により特徴づけられる。侵害受容器は、有害刺激の強度、期間および質をコード化し、さらに脊髄へのその組織分布的に構成される投射により、刺激の位置をコード化する。侵害受容器は、主に2種、A−デルタ線維(ミエリン化)およびC繊維(非ミエリン化)が存在する侵害神経線維に存在する。侵害受容器インプットにより生じた活性は、背角での複雑なプロセスの後に、直接にか、脳幹リレー核を介して、視床腹側基底(ventrobasal thalamus)へと、次いで、疼痛の感覚が生じる皮質へと伝達される。
【0061】
激しい急性疼痛および慢性疼痛は、病態生理学的プロセスにより駆動される同じ経路が関与し、保護メカニズムをもたらさなくなり、代わりに、幅広い疾患状態に伴う症状の軽減に寄与し得る。疼痛は、多くの外傷および疾患状態の特徴である。疾患または外傷を介して体組織に実際の外傷が生じると、侵害受容器活性化の特徴は、変化する。外傷の回りでは末梢的、局所的に、侵害受容器が終了する場所では中心的に感覚がある。このことは、損傷部位および正常組織周辺での過敏症をもたらす。急性疼痛では、これらのメカニズムが有用であり、修復プロセスを生じさせ、外傷が治ると、過敏症は正常に戻る。しかしながら、多くの慢性疼痛状態では、過敏症は、治癒プロセスよりもずっと長く続き、通常、神経系の外傷に基づく。この外傷は往々にして、求心性線維の適応失調をもたらす(Woolf & Salter 2000 Science 288:1765−1768)。不快で異常な感覚が患者の症状の特徴を成している場合、臨床的疼痛が存在する。患者は、まったく異質である傾向を有し、様々な疼痛症状を伴いうる。いくつかの典型的な疼痛サブタイプが存在する:1)鈍いか、激しいか、刺すような自発的疼痛;2)有害刺激に対する疼痛応答が悪化する(痛覚過敏);3)正常で無害な刺激により疼痛が生じる(異痛症)(Meyer et al.、1994 Textbook of Pain 13−44)。背痛、関節痛、CNS外傷または神経障害性疼痛を伴う患者は、同様の症状を有しうるが、ベースとなるメカニズムは異なり、したがって、別々の治療ストラテジーを必要としうる。したがって、疼痛は、異なる病態生理学により、いくつかの別々のエリアに分けることができ、これらには、侵害受容性、炎症性、神経障害性疼痛などが含まれる。いくつかのタイプの疼痛は、複数の病因を有し、したがって、1つを上回るエリアに分類することができ、例えば、背痛、癌疼痛は、侵害受容性および神経障害性成分の両方を伴う。
【0062】
侵害受容性疼痛は、組織外傷または、外傷をもたらしうる激しい刺激により誘発される。疼痛求心性は、外傷部位の侵害受容器による刺激の伝導により活性化され、その末端レベルの脊髄を鋭敏にする。次いで、これは、脊髄路から脳へとリレーされ、そこで、疼痛が知覚される(Meyer et al.、1994 Textbook of Pain 13−44)。侵害受容器の活性化は、2種のタイプの求心性神経線維を活性化する。ミエリン化Aデルタ繊維は、迅速に伝え、鋭い刺痛感覚をもたらす一方で、非ミエリン化C線維は、比較的遅い速度で伝え、鈍いか、疼く痛みを伝える。弱から深刻な急性侵害受容器疼痛は、これらに限られないが、筋違え/ねんざ、手術後疼痛(何らかのタイプの手術の後の疼痛)、外傷後疼痛、火傷、心筋梗塞、急性膵炎および腎仙痛の顕著な形態である。さらに、癌関連急性疼痛症候群は通常、化学療法毒性、免疫療法、ホルモン療法および放射線療法などの治療相互作用による。弱から深刻な急性侵害性疼痛は、これらに限られないが、腫瘍関連疼痛(例えば、骨疼痛、頭痛および顔面痛、内臓痛)であってよいか、癌治療に伴う(例えば化学療法後症候群、慢性外科手術後疼痛症候群、放射線後症候群)癌疼痛、椎間板ヘルニアまたは破裂もしくは腰椎間関節、仙腸関節、副棘筋(paraspinal muscles)または後縦靱帯の異常に基づきうる背痛の主要な形態である。
【0063】
神経外傷性疼痛は、神経系の一次病変または機能障害により開始されるか、誘発される疼痛と定義される(IASP定義)。神経損傷は、外傷および疾患により生じうるので、「神経障害性疼痛」との用語は、多様な病因を伴う多くの障害を包含する。これらには、これらに限られないが、糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛、背痛、癌神経障害、HIV神経障害、幻肢痛、手根管症候群、慢性アルコール中毒、甲状腺機能低下症、三叉神経痛、尿毒症またはビタミン欠乏症が含まれる。神経障害性疼痛は、保護的役割を有していないので、病的である。本来の原因が無くなった後に、通常、数年間続き、患者の生活の質を著しく低下させることが、往々にしてある(WoolfおよびMannion 1999 Lancet 353:1959−1964)。往々にして、同じ疾患を伴う患者でも、異質であるので、神経障害性疼痛の症状は、治療が困難である(Woolf & Decosterd 1999 Pain Supp.6:p141−p147;WoolfおよびMannion 1999 Lancet 353:1959−1964)。これらには、継続しうる自発疼痛もしくは痛覚過敏などの発作性および異常誘発疼痛(侵害性刺激に対する高い感受性)および胃痛症(正常で無害な刺激に対する感受性)が含まれる。
【0064】
炎症プロセスは、組織外傷また外来物質の存在に応答して活性化される複雑な一連の生化学的および細胞的事象であり、腫脹および疼痛をもたらす(LevineおよびTaiwo 1994:Textbook of Pain 45−56)。関節性疼痛は、炎症性疼痛集団の大部分を形成している。リウマチ疾患は、先進国での最も一般的な炎症状態の1つであり、慢性関節リウマチは、障害の一般的な原因である。RAの正確な病因は知られていないが、現在の仮説は、遺伝的および微生物因子の両方が重要であり得ると示唆している(Grennan & Jayson 1994 Textbook of Pain 397−407)。ほぼ1600万人のアメリカ人が症候性変形性関節症(OA)または変形性関節疾患を有し、その大部分が、60才以上であり、これは、人口年齢が上昇するにつれて、4000万人まで増加し、大規模な国民的健康問題になると推測されている(Houge & Mersfelder 2002 Ann Pharmacother.36:679−686;McCarthy et al.、1994 Textbook of Pain 387−395)。疼痛により、OAを伴う大抵の患者は、医療的注意を求めている。関節炎は、心理社会的および物理的機能に多大な影響を有し、後半生での障害の原因をもたらすことが知られている。炎症性疼痛の他のタイプには、これらに限られないが、炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。
【0065】
他のタイプの疼痛には、これらに限られないが;
これらに限られないが、筋肉痛、線維筋痛、脊椎炎、血清陰性(非リウマチ様)関節症、非関節リウマチ、ジストロフィン異常症、糖原分解、多発性筋炎、化膿性筋炎を含む筋骨格障害;
これらに限られないが、中枢発作後疼痛、多発性硬化症、脊髄外傷、パーキンソン病およびてんかんを含む神経系の病変または機能障害により誘発される疼痛と定義される中枢疼痛または視床痛;
これらに限られないが、アンギナ、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、心膜炎、レイノー現象、浮腫性硬化症、浮腫性硬化症、骨格筋虚血を含む心臓および血管疼痛;
内臓痛および胃腸痛。内臓には、腹腔の臓器が包含される。これらの臓器には、性器、脾臓および消化系部分が含まれる。内臓に伴う疼痛は、消化系内臓痛と非消化系内臓痛とに分けることができる。一般に遭遇される胃腸管障害(GI)には、機能性腸疾患(FBD)および炎症性腸疾患(IBD)が含まれる。これらのGI障害には、現在のところ僅かしか制御できない幅広い疾患状態が含まれ、FBDでは、胃食道逆流、消化不良、過敏性腸症候群(IBS)および機能性腹痛症候群(FAPS)、IBDでは、クローン病、回腸炎および潰瘍性大腸炎が含まれ、これらはすべて通常、内臓痛をもたらす。他のタイプの内臓痛には、月経困難症、骨盤痛、膀胱炎および膵炎に伴う疼痛が含まれる;
これらに限られないが、前兆を伴う偏頭痛、前兆を伴わない偏頭痛、群発頭痛、緊張性頭痛を含む頭痛;
これらに限られないが、歯痛、側頭下顎筋筋膜疼痛症候群を含む口顔疼痛
が含まれる。
【0066】
さらに他の態様では、疼痛、特に神経障害性疼痛を治癒的、予防的または対症的治療するための医薬品を製造する際のアルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の使用を提供する。
【0067】
別の形態として、本発明は、疼痛、特に神経障害性疼痛を治癒的、予防的または対症的治療するための医薬品を製造する際の相乗作用量のアルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬の使用を提供する。
【0068】
別の態様として、疼痛、特に神経障害性疼痛を治癒的、予防的または対症的治療する方法を提供するが、これは、治療的有効量のアルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬を前記の治療を必要とする哺乳動物に同時に、連続して、または別々に投与することを含む。
【0069】
別の形態として、疼痛、特に神経障害性疼痛を治癒的、予防的または対症的治療する方法を提供するが、これは、治療的相乗作用量のアルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬を前記の治療を必要とする哺乳動物に同時に、連続して、または別々に投与することを含む。
【0070】
本発明のアルファ−2−デルタリガンドの生物学的活性は、[H]ガバペンチンおよびブタ脳組織に由来するαδサブユニットを使用する放射リガンド結合アッセイで測定することができる(Gee N.S.、Brown J.P.、Dissanayake V.U.K.、Offord J.、Thurlow R.、Woodruff G.N.、J.Biol.Chem.、1996;271:5879−5776)。結果は、αδ結合親和性μMまたはnMで表すことができる。
【0071】
非定型抗精神病薬として作用する本発明の化合物の能力は、確立されている手順、特に、前記の文献に記載されている手順に従い測定することができる。
【0072】
本発明の組合せの成分を、疼痛を治療するために別々に、同時に、または連続して投与することができる。組合せは、1種または複数の他の薬理学的活性薬剤と共に投与することもできる。適切な付加的薬剤には:
(i)オピオイド鎮痛薬、例えば、モルヒネ、ヘロイン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、レボルファノール、レバロルファン、メタドン、メペリジン、フェンタニル、コカイン、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、プロポキシフェン、ナルメフェン(nalmefene)、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ナルブフィンおよびペンタゾシン;
(ii)非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルシナル(diflusinal)、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルフェニサル(flufenisal)、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク、トルメチン、ゾメピラックおよびこれらの薬学的に許容できる塩;
(iii)バルビツール酸塩鎮静薬、例えば、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、ブタビタール(butabital)、メホバルビタール、メタルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、セコバルビタール、タルブタール、テアミラール(theamylal)、チオペンタールおよびこれらの薬学的に許容できる塩;
(iv)鎮静作用を有するベンゾジアゼピン、例えば、クロロジアゼポキシド、クロラゼペート、ジアゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム(temazepam)、トリアゾラムおよびこれらの薬学的に許容できる塩;
(v)鎮静作用を有するHアンタゴニスト、例えば、ジフェニルヒドラミン、ピリラミン、プロメタジン、クロルフェニラミン、クロルシクリジンおよびこれらの薬学的に許容できる塩;
(vi)その他の鎮静薬、例えば、グルテチミド、メプロバメート、メタカロン、ジクロラールフェナゾンおよびこれらの薬学的に許容できる塩;
(vii)骨格筋弛緩薬、例えば、バクロフェン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メトカルバモール、オルフレナジン(orphrenadine)およびこれらの薬学的に許容できる塩;
(viii)NMDA受容体アンタゴニスト、例えば、デキストロメトルファン、((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)およびその代謝産物デキストルファン((+)−3−ヒドロキシ−N−メチルモルフィナン)、ケタミン、メマンチン(memantine)、ピロロキノリンキノンおよびシス−4−(ホスホノメチル)−2−ピペリジンカルボン酸およびこれらの薬学的に許容できる塩;
(ix)アルファ−アドレナリン作用性化合物、例えば、ドキサゾシン(doxazosin)、タムスロシン(tamsulosin)、クロニジンおよび4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2−(5−メタンスルホンアミド−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノール−2−イル)−5−(2−ピリジル)キナゾリン;
(x)三環式抗うつ薬、例えば、デシプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン(amytriptiline)およびノルトリプチリン(nortriptiline);
(xi)抗痙攣薬、例えば、カルバマゼピンおよびバルプロ酸塩;
(xii)タキキニン(NK)アンタゴニスト、特に例えば、Nk−3、NK−2およびNK−1アンタゴニスト、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]ナフチリジン−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モルホリニル]メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、ラネピタント(lanepitant)、ダピタント(dapitant)および3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミノ]−2−フェニル−ピペリジン(2S,3S)
(xiii)ムスカリンアンタゴニスト、例えば、オキシブチン、トルテロジン(tolterodine)、プロピベリン(propiveine)、塩化トロプシウム(tropsium)およびダリフェナシン(darifenacin);
(xiv)COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、ロフェコキシブおよびバルデコキシブ(valdecoxib);
(xv)非選択的COX阻害剤(好ましくはGI保護を伴う)、例えば、ニトロフルルビプロフェン(nitroflurbiprofen)(HCT−1026);
(xvi)コールタール鎮痛薬、特に、パラセタモール;
(xvii)神経弛緩薬、例えば、ドロペリドール;
(xviii)バニロイド受容体アゴニスト、例えば、レシンフェラトキシン(resinferatoxin);
(xix)ベータアドレナリン化合物、例えば、プロプラノロール;
(xx)局所麻酔薬、例えば、メキシレチン;
(xxi)コルチコステロイド、例えば、デキサメタゾン;
(xxii)セロトニン受容体アゴニストおよびアンタゴニスト;
(xxiii)コリン作動性(ニコチン様)鎮痛薬;
(xxiv)その他の薬剤、例えば、トラマドール(登録商標);
(xxv)PDEV阻害剤、例えば、シルデナフィル(sildenafil)、バルデナフィル(vardenafil)またはタラダフィル(taladafil);
(xxvi)セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、フルオキセチン、パロキセチン(paroxetine)、シタロプラム(citalopram)およびセルトラリン(sertraline);
(xxvii)混合セロトニン−ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、例えば、ミルナシプラン(milnacipran)、ヴェンラファキシン(venlafaxine)およびデュロキセチン(duloxetine);
(xxviii)ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、例えば、レボキセチン(reboxetine)
が含まれる。
【0073】
本発明は、疼痛、特に神経障害性疼痛を治癒的、予防的治療する際に同時に、別々に、または連続して使用するための、アルファ−2−デルタリガンド、非定型抗精神病薬および前記で挙げたものなどの1種または複数の他の治療薬を含有する製品にも及ぶ。
【0074】
本発明の組合せは、単独で投与することもできるが、成分の一方または両方を通常は、投与の所定の経路および標準的な薬剤学的手法を考慮して選択される適切な医薬添加剤、希釈剤または担体と混合して投与することができる。適切には、補助剤を加えることができる。補助剤は、防腐剤、酸化防止剤、香料または着色剤である。本発明の化合物は、即時、遅延、変更、持続、心拍性または制御放出タイプであってよい。
【0075】
本発明の組合せの成分は例えば、これらに限られないが、次の経路:経口、頬または舌下で、錠剤、カプセル剤、マルチおよびナノ粒子、ゲル剤、フィルム(粘膜接着を含む)、散剤、腔坐剤、エリキシル剤、ロゼンジ(液体充填を含む)、咀嚼剤(chew)、液剤、懸濁剤およびスプレー剤の形で投与することができる。本発明の化合物は、LiangおよびChen著Ashley Publications、2001に記載されているように、浸透圧剤形として、または高エネルギー分散液の形態で、またはコーティング粒子または即時溶解、即時分解剤形として投与することもできる。本発明の化合物は、凍結乾燥または噴霧乾燥された結晶または非晶質生成物として投与することができる。本発明の化合物の適切な処方は、望ましい場合には、米国特許第6106864号明細書に記載されているような親水性または疎水性マトリックス、イオン交換樹脂複合体、コーティングまたは非コーティング形態および他のタイプ中にあってよい。
【0076】
このような医薬組成物、例えば、錠剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、グリシンおよびデンプン(好ましくは、トウモロコシ、馬鈴薯またはタピオカデンプン)などの添加剤、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよび一定の錯体ケイ酸塩などの崩壊剤ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、トリグリセリド、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ベントナイトスクロース、ソルビトール、ゼラチンおよびアカシアなどの顆粒結合剤を含んでよい。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、PEGおよびタルクなどの滑剤、またはラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤を固体組成物に加えることもできる。加えて、炭水化物、リン脂質およびタンパク質などのポリマーが含まれてもよい。
【0077】
即時分散または溶解用量処方物(FDDF)は、次の成分を含有してもよい:アスパルテーム、アセスルフェーム(acesulfame)カリウム、クエン酸、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ジアスコルビン酸、アクリル酸エチル、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、メタクリル酸メチル、ミント着香剤、ポリエチレングリコール、ヒュームドシリカ、二酸化ケイ素、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ソルビトールまたはキシリトール。FDDFを記載するために本願明細書で使用される分散または溶解との用語は、使用される薬物物質の可溶性に依存しており、即ち、薬物物質が非可溶性である場合には、即時分散剤形を調製することができ、薬物物質が可溶性である場合には、即時溶解剤形を調製することができる。
【0078】
錠剤などの固体剤形は、標準的なプロセスにより、例えば、直接的な圧縮もしくは湿潤、無水または溶融顆粒化、溶融物凝固ならびに押出プロセスにより製造される。単層または多層であってよい錠剤核を、当技術分野で知られている適切なオーバーコートでコーティングすることもできる。
【0079】
同様のタイプの固体組成物を、ゼラチン、デンプンまたはHPMCカプセルなどのカプセル中で充填剤として使用することもできる。これらに関する好ましい添加剤には、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。液体組成物を、ゼラチンカプセルなどの軟質または硬質カプセル中で充填剤として使用することもできる。水性および油性懸濁液、溶液、シロップおよび/またはエリキシルでは、本発明の化合物を、様々な甘味剤または着香剤、着色剤または染料と、乳化剤および/または懸濁剤と、さらに水、エタノール、プロピレングリコール、メチルセルロース、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、グリセリン、オイル、ヒドロコロイド剤およびこれらの組合せなどの希釈剤と組み合わせることができる。さらに、これらの化合物および添加剤を含有する処方物は、使用する前に水または他の適切なビヒクルで構成するための無水製品として示すこともできる。
【0080】
液体形態の製剤には、液剤、懸濁剤およびエマルション、例えば、水または水プロピレングリコール溶液が含まれる。注射剤では、液体製剤を、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液の形態で処方することができる。活性成分を水に溶かし、所望の場合には、適切な着色剤、香料、安定剤および増粘剤を加えることにより、経口使用に適した水性溶液を調製することができる。微細な活性成分を水に、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび他のよく知られている懸濁剤などの粘性材料と共に分散させることにより、経口使用に適した水性懸濁液を製造することができる。
【0081】
本発明の組合せの成分は、注射により、即ち、静脈内、筋肉内、皮内、十二指腸内または腹腔内、動脈内、くも膜下、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、脊髄内または皮下で投与することもできるし、注入、無針注射器またはインプラント注入技術により投与することもできる。このような非経口投与では、これらは、無菌水性溶液、懸濁液またはエマルションの形態(またはミセルを含んでもよい系)で最も良好に使用され、これらは、当技術分野で知られている他の物質、例えば、血液と等張性の溶液を調製するために十分なグルコースなどの塩または炭水化物を含んでもよい。必要ならば、水溶液は、適切に緩衝されるべきである(好ましくは3から9のpHに)。非経口投与のいくつかの形態では、これらは、モノ−またはジグリセリドを含む不揮発性油およびオレイン酸を含む脂肪酸などの無菌非水性系の形態で、使用することができる。無菌条件、例えば凍結乾燥下での適切な非経口処方物の調製は、当技術分野の専門家によく知られている標準的な製剤技術により容易に達成することができる。もしくは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば無菌の発熱物質不含水)で構成するための粉末形態であってもよい。
【0082】
さらに、本発明の組合せの成分は、鼻腔内に、または吸入により投与することができる。これらは、無水粉末吸入器からの無水粉末の形態で(単独で、混合物として、例えば、ラクトースとの無水ブレンドとして、または例えばリン脂質と混合された成分粒子として)、もしくは加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、微細ミストを生じさせるために電気流体力学を使用するアトマイザー)またはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示の形態で、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134A(商標)または1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA(商標))などのヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素、Perflubron(商標)などの他の過フッ化炭化水素もしくは他の適切なガスを使用して、または使用しないで簡便に送達される。加圧エアロゾルの場合には、用量単位を、計測量を送達するためのバルブを備えることにより、決定することができる。加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーは、例えば、エタノール(水性エタノールでもよい)または分散、可溶化または延長放出に適した適切な薬剤と溶剤としての噴射剤との混合物を使用する活性化合物の溶液または懸濁液を含有してもよく、これは、滑剤、例えば、トリオレイン酸ソルビタンを付加的に含有してもよい。吸入器または注入器で使用するためのカプセル、ブリスターおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンまたはHPMC製)は、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末ベースならびに1−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムなどの性能調節剤を含む粉末混合物を含有するように処方することができる。
【0083】
吸入用の無水粉末処方物または懸濁液処方物では使用する前に、本発明の組合せの成分を、吸入により送達するために適したサイズ(通常、5ミクロン未満と考えられる)まで超微粉砕する。幅広い方法、例えば、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、超臨界流体結晶化の使用もしくは噴霧乾燥により、超微粉砕を達成することができる。
【0084】
微細なミストを生じさせるために電気流体力学を使用するアトマイザーで使用するために適した溶液処方物は、1回の作動当たり1μgから10mgの本発明の化合物を含有してよく、この作動用量は、1から100μlまで変動してよい。通常の処方物は、本発明の組合せの成分、プロピレングリコール、無菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含有してよい。プロピレングリコールの代わりに、別の溶剤、例えば、グリセリンまたはポリエチレングリコールを使用することもできる。
【0085】
もしくは、本発明の組合せの成分を、皮膚、粘膜、真皮、または経皮に局所的に、例えば、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏、散布剤、包帯剤、発泡剤、フィルム、皮膚パッチ、ウェハ、インプラント、スポンジ、線維、包帯、マイクロエマルションおよびこれらの組合せの形態で投与することができる。このような用途では、本発明の化合物は、例えば、次の1種または複数との混合物として懸濁または溶解していてよい:鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックス、合成モノ−またはジグリセリドを含む不揮発性油ならびにオレイン酸を含む脂肪酸、水、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、エタノールなどのアルコール。もしくは、浸透増強剤を使用することもできる。次のものを使用することもできる;ナノ粒子(ニオソームまたはリポソームなど)または懸濁または溶解した形態のポリマー、炭水化物、タンパク質、リン脂質。加えて、イオン浸透療法、電気穿孔法、音波泳動法および音泳動法(sonophoresis)を使用して、これらを送達することもできる。
【0086】
もしくは、本発明の組合せの成分を直腸で、例えば、坐剤またはペッサリの形態で投与することもできる。これらは、膣経路により投与することもできる。例えば、薬物と、通常の温度では固体であるが、体腔内では液化および/または溶解して、薬物を放出するカカオ脂、合成グリセリドエステルまたはポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性添加剤とを混合することにより、これらの組成物を調製することができる。
【0087】
本発明の組合せの成分を、眼経路で投与することもできる。眼使用では、化合物を、等張性で、pH調節されている無菌生理食塩水中の超微粉砕懸濁液として、または好ましくは、等張性で、pH調節されている無菌生理食塩水中の溶液として処方することができる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー(例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース)またはヘテロ多糖(例えばゲランゴム)などのポリマーを加えることもできる。もしくは、これらを、ワセリンまたは鉱油などの軟膏に処方するか、生分解性(例えば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)または非生分解性(シリコーン)インプラント、ウェハ、ドロップ、レンズに導入するか、ニオソームまたはリポソームなどの粒状または小胞系を介して送達することができる。処方物を、塩化ベンズアルコニウムなどの防腐剤と組み合わせることもできる。加えて、これらを、イオン導入法を使用して送達することもできる。例えば、これらに限られないが、滴剤を使用して、耳に投与することもできる。
【0088】
本発明の組合せの成分は、シクロデキストリンと組み合わせて使用することもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と包接および非包接複合体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン複合体の形成により、薬物分子の可溶性、溶解速度、テイストマスキング、生物学的利用率および/または安定性を変化させることができる。薬物−シクロデキストリン複合体は通常、大抵の剤形および投与経路のために使用することができる。薬物との直接的な複合化とは別に、シクロデキストリンを、補助助剤として、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として使用することもできる。アルファ−、ベータ−およびガンマシクロデキストリンが一般にはよく使用され、適切な例は、国際公開第91/11172号パンフレット、国際公開第94/02518号パンフレットおよび国際公開98/55148号パンフレットに記載されている。
【0089】
「投与」との用語は、ウイルスまたは非ウイルス技術による送達を包含する。ウイルス送達メカニズムは、これらに限られないが、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクターおよびバキュロウイルスベクターを含む。非ウイルス送達メカニズムは、脂質仲介トランスフェクション、リポソーム、イムノリポソーム、リポフェクチン(lipofectin)、カチオン面両親媒性物質(catonic facial amphiphiles、CFA)およびこれらの組合せを含む。このような送達メカニズムのための経路には、これらに限られないが、粘膜、鼻腔、口腔、非経口、胃腸、局所または舌下経路が含まれる。
【0090】
したがって、本発明の他の態様として、アルファ−2−デルタリガンド、非定型抗精神病薬またはこれらの薬学的に許容できる塩ならびに適切な添加剤、希釈剤または担体を含む組合せを含む医薬組成物を提供する。適切には、組成物は、疼痛、特に神経障害性疼痛を治療する際に使用するのに適している。
【0091】
本発明の別の態様として、アルファ−2−デルタリガンド、非定型抗精神病薬またはこれらの薬学的に許容できる塩ならびに適切な添加剤、希釈剤または担体を含有する相乗的組合せを有する医薬組成物を提供する。適切には、組成物は、疼痛、特に神経障害性疼痛を治療する際に使用するために適している。
【0092】
非ヒト動物投与では、本願明細書で使用される「医薬」との用語は、「獣医学的」に代えることができる。
【0093】
医薬製剤の成分は好ましくは、単位剤形である。このような形態では、製剤は、適切な量の活性成分を含む単位用量に分割される。単位剤形は、包装された製剤であってよく、この包装は、バイアルまたはアンプル中に小包装された錠剤、カプセルおよび粉末などの個別量の製剤を含有する。さらに、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはロゼンジ自体でもよいし、包装された形態の適切な数のものであってもよい。1単位用量製剤中の活性成分の量は、個々の適用および活性成分の効力に従い0.1mgから1gで変動するか、調節することができる。医療用途では、薬物を、100または300mgの例えばカプセルとして1日3回投与することができる。治療用途では、本発明の医薬方法で利用される化合物を、1日約0.01mgから約100mg/kgの当初用量で投与する。約0.01mgから約100mg/kgの1日用量範囲が、好ましい。しかしながら、用量は、患者の要求、治療される状態の重度および使用される化合物に応じて変動しうる。個々の状況で適切な用量を決定することは、当分野の技術の範囲内である。通常、治療を、最適な化合物用量未満の比較的低い用量で開始する。その後で、その状況下で最適な効果に達するまで、少しずつ増加させながら、用量を増やす。簡便には、全1日用量を分割し、望ましい場合には、1日の間に少量ずつ投与する。
【0094】
獣医学的用途では、本発明による組合せもしくはその獣医学的に許容できる塩また溶媒和物を、通常の獣医学的実施に従い適切に許容される処方物として投与し、獣医外科医が、個々の動物に最も適しているであろう投与計画および投与経路を決定する。
【実施例】
【0095】
生物学的実施例
方法
動物
Charles River(Margate、Kent、U.K.)から得たオスのSDラット(200〜250g)を6匹からなる群で飼育する。すべての動物を、自由に食物および水を摂らせながら12時間明暗サイクル(7時00分に点灯)で維持した。すべての実験を、薬物治療を知らない観察者が実施する。
【0096】
ラットでのCCI手術
イソフルレンで、動物に麻酔をかけた。座骨神経を、BennettおよびXie(1988)が以前に記載したように結紮する。手順の間、動物を恒温ブランケットの上に置く。外科処置の後に、総座骨神経を、大腿二頭筋を介しての鈍的切開により大腿の中央部で暴露する。座骨三分岐の近くで、神経約7mmから付着組織を除去し、4結紮(4−0シルク)を、約1mm空けてその回りでゆるく結んだ。切開を層で閉じ、創傷を、局所抗生物質で処置する。
【0097】
CCI誘発静的および動的異痛症の維持に対する組合せの効果
ガバペンチンおよび非定型抗精神病薬に対する用量応答を初めは、CCIモデルのみで行う。組合せを、固定比設計に従い試験する。組合せの各固定用量比に対する用量応答を行う。各試験日に、フライ毛に対する基線足引っ込め閾値(baseline paw withdrawal threshold、PWT)および綿芽刺激に対する足引っ込め潜伏時間(PWL)を薬物治療前に決定する。
【0098】
異痛症の評価
Semmes−Weinsteinフライ毛を使用して(Stoelting、Illinois、U.S.A)、静的異痛症を測定する。動物を、その足裏にアクセスすることができるワイヤメッシュ底を備えたケージに入れる。実験の開始前に、動物をこの環境に慣らす。力を順に増しながら(0.7、1.2、1.5、2、3.6、5.5、8.5、11.8、15.1および29g)、6秒間まで、動物の右後ろ足の足裏表面をフライ毛で触れることにより、静的異痛症を試験する。引っ込め応答が生じたら、応答が生じなくなるまで、フライ毛を下げ始めて、その足を再試験する。足を持ち上げさせ、さらに応答を誘発するために必要な最高の力は、カットオフポイントを示している。応答を誘発するために必要な最少の力は、グラムでPWTと記録される。
【0099】
綿芽で後ろ足の足底面を軽く打つことにより、動的異痛症を評価する。通常の運動活性を記録することを回避するために、活発でない完全に慣れたラットで、この手順を行うように配慮する。各時点で、少なくとも3回の測定を行い、その平均が、足引っ込め潜伏時間(PWL)を示す。15秒以内に反応が示されない場合には、手順を終え、動物をその引っ込め時間に当てる。したがって、15秒は、引っ込めを実際には示していない。引っ込め応答は往々にして、繰り返し足を脇によけたり、打ったりしながら達成される。動物が、間の軽擦の8秒前の綿刺激に応答したら、動的異痛症が存在すると考えられる。
【0100】
組合せ研究
用量応答を、アルファ−2−デルタリガンド(p.o.)および非定型抗精神病薬(s.c.またはp.o.)の両方に対して、単独で行う。次いで、組合せのいくつかの固定用量比を試験することができる。各固定用量比に対する用量応答を、それぞれ別々の比の抗異痛作用の期間により決定された各実験での時間経過に従って行う。組合せの様々な固定用量重量比を試験することができる。
【0101】
本発明の適切な非定型抗精神病化合物は、参照文献に記載されているように調製することもできるし、これらの文献をベースとすれば、当技術分野の専門家には明らかである。
【0102】
本発明の適切なアルファ−2−デルタリガンド化合物は、下記に記載されているように調製することもできるし、前記の特許文献を参照して調製することもでき、これらは、次の非限定的実施例および中間体により詳述される。
【0103】
次の実施例および調製は、PCT/IB2004/002985号パンフレットに開示されている非定型抗精神病薬の調製を詳述している。
【0104】
(実施例1)
(S)−3−((E)−2−メチル−ペント−2−エノイル)−4−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
ジャケット付き20L反応器に、環流凝縮器および窒素入口を取り付けた。フラスコに、(E)−2−メチル−2−ペンテン酸1006g(8.81mol)、(S)−(+)−4−フェニル−オキサゾリジン−2−オン1250g(7.661mol)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)2179g(8.81mol)、塩化リチウム81g(1.915mol)および酢酸エチル(EtOAc)12.5Lを充填した。反応を75℃に20時間加熱し、次いで、室温に冷却した。反応溶液を1NのHClの4Lアリコットで3回、0.2NのNaOH4Lで1回抽出した。20L反応器に蒸留ヘッドを取り付けた。有機相を蒸留し、連続して、EtOAc6.5Lを除去し、次いでヘプタン8Lを反応器に戻し供給し;EtOAc/ヘプタン4lを除去し、その後ヘプタン8Lを反応器に加え;EtOAc/ヘプタン4Lを除去し、その後、ヘプタン8Lを反応器に加えた。付加的なEtOAc/ヘプタン2Lを蒸留により除去した後に、反応混合物を内部温度40℃まで冷却し、反応内容物を濾過器に充填し、窒素5psig下に濾過し、ヘプタン8Lで洗浄した。固体を窒素5psig下に一晩乾燥させると、表題の化合物1772gが得られた:H−NMR(DMSO)7.363〜7.243(m,5H)、6.137〜6.096(m,1H)、5.434〜5.394(m,1H)、4.721〜4.678(t,1H,J=8.578)、4.109〜4.069(m,1H)、2.119〜2.044(m,2H)、1.703〜1.700(d,3H,J=1.364)、0.945〜0.907(t,3H,J=7.603);元素分析C1517の計算値:C,69.48;H,6.61;N,5.40。実測値:C,68.66;H,6.60;N,5.60;MS(イオンモード:APCI)m/z=260[M+1]
【0105】
(4S,5R)−3−((E)−2−メチル−ペント−2−エノイル)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン
(E)−2−メチル−2−ペンテン酸(5.3g、47mmol)のTHF250ml溶液に0℃で、トリエチルアミン16.3mL(117mmol)、次いで、塩化ピバロイル5.8ml(47mmol)を加えると、粘稠性の懸濁液が生じた。混合物を0℃で1時間攪拌するが、この時点で、塩化リチウム2.0g(4.7mmol)を1回で加え、続いて、(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノン10g(42mmol)を4回のバッチで加えた。攪拌を、固体を添加している間ずっと続けた。反応混合物を0℃で1時間、周囲温度で1時間攪拌し、粗いフリットで真空濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc/水に分配し、有機相をMgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物に、MTBE200mlを加え、渦状に攪拌しながら、混合物を慎重に加温した。この温かいスラリーを濾過すると、表題の化合物13.0g(収率83%)が無色の固体として得られた:H NMR(CDCl)δ7.12(m,3H)、7.08(m,3H)、6.93(m,2H)、6.86(m,2H)、6.14(m,1H)、5.90(d,J=7.8Hz,1H)、5.69(d,J=7.8Hz,1H)、2.23(五重線,J=7.6Hz,2H)、1.92(s,3H)、1.07(t,J=7.6Hz,3H)。表題のアシル化オキサゾリジノンを次のステップで、(S)−3−((E)−2−メチル−ペント−2−エノイル)−4−フェニル−オキサゾリジン−2−オンの代わりに使用することもできる。
【0106】
(2R,3R,4S)−3−(2,3−ジメチル−ペンタノイル)−4−フェニル−オキサゾリジン−2−オン
ジャケット付き20L反応器に、ガス入口および2L滴下漏斗を取り付けた。窒素掃引を反応器の上で開始し、プロセスの間ずっと維持した。反応器に、塩化リチウム392g(9.26mol)、臭化銅硫化ジメチル錯体1332g(6.479g)およびテトラヒドロフラン11Lを充填した。反応を室温で30分間攪拌し、次いで、−15℃に冷却した。この反応混合物に、反応温度が−10℃を上回らないような速度で、3.0Mの塩化マグネシウムメチル4.268L(12.80mol)を加えた。添加が完了したら、クプラート溶液を−5℃で一晩攪拌し続けた。このクプラート溶液に、(S)−3−((E)−2−メチル−ペント−2−エノイル)−4−フェニル−オキサゾリジン−2−オン500g(3.09mol)を固体として加えた。反応を−3℃で2時間攪拌した。クエンチ溶液の温度が25℃を上回らないような速度で、反応溶液を、酢酸800mLおよびテトラヒドロフラン2Lを含有する22L丸底フラスコに充填した。クエンチされた溶液に水6Lを加えた。生じたエマルションを濾過し、層を分離した。有機層を4.8MのNHOH9Lで、続いて飽和NHCl9Lで抽出した。有機層をマグネゾールプラグで浄化した。有機相を濃縮すると、粗製の固体822gが得られた。この粗製の固体をMeOH中20%のHO8Lから再結晶化させ、濾過し、真空炉中で乾燥させると、白色の固体550gが得られた。白色の固体をMeOH中20%のHO5Lから再結晶化させ、濾過し、真空炉中で乾燥させると、表題の化合物475gが得られた:H−NMR(DMSO)7.338〜7.224(m,5H)、5.431〜5.399(q,1H,J=4.288)、4.696〜4.652(t,1H,J=8.773)、4.120〜4.087(m,1H)、3.622〜3.556(m,1H)、1.648〜1.584(m,1H)、1.047〜0.968(m,1H)、0.900〜0.883(d,3H,J=6.823)、0.738〜0.721(d,3H,J=6.628)、0.693〜0.656(t,3H,J=7.408);元素分析C1621の計算値:C,69.79;H,7.69;N,5.09。実測値:C,69.81;H,7.61;N,5.07;MS(イオンモード:APCI)m/z=276[M+1]
【0107】
(2R,3R)−2,3−ジメチル−ペンタノン酸
ジャケット付き20Lフラスコに、ガス入口を取り付けた。窒素パージを、反応器上方で開始し、プロセスの間ずっと維持した。このフラスコに、(2R,3R,4S)−3−(2,3−ジメチル−ペンタノイル)−4−フェニル−オキサゾリジン−2−オン450g(1.634mol)およびテトラヒドロフラン3.375Lを充填した。反応器の内容物を15℃で攪拌した。氷浴内に置かれた別の3L丸底フラスコに、水500mL、LiOH−HO137g(3.269mol)および30%wt/wtH942mL(9.81mol)を充填した。3L丸底フラスコの内容物を3分間攪拌し、次いで、温度が25℃を上回らないような速度で、ジャケット付き20L反応器に注いだ。反応を15℃で2時間攪拌し、次いで、25℃まで上げ、さらに2時間攪拌した。反応器のジャケット温度を−20℃に設定した。反応温度が25℃を上回らないような速度で、反応に飽和NaHSO1.66Lを加えた。層を分離した。水性層を1LアリコットのMTBEで2回抽出した。有機相を合わせ、濃縮すると、固体/油状物混合物が得られた。固体/油状物混合物をヘキサン1.7L中でスラリー化した。スラリーを濾過し、集めた固体をヘキサン1.7Lで洗浄した。ヘキサン濾液を1NのNaOHの1.35Lアリコットで2回抽出した。水性抽出物を合わせ、ジクロロメタン800mLで抽出した。次いで、水性層を濃塩酸240mlLで酸性化した。水溶液をジクロロメタンの1Lアリコットで2回抽出した。有機抽出物を合わせ、MgSO上で乾燥させ、濃縮すると、表題の化合物201gが得られた。H NMR(DMSO)11.925(bs,1H)、2.204〜2.135(m,1H)、1.556〜1.490(m,1H)、1.382〜1.300(m,1H)、1.111〜1.000(m,1H)、0.952〜0.934(d,3H,J=7.018)、0.809〜0.767(m,6H);ガスクロマトグラム9.308分、面積で98.91%;元素分析C14の計算値:C,64.58;H,10.84;N,0。実測値:C,64.39;H,10.77;N,0.18;MS(イオンモード:APCI)m/z=131[M+1]
【0108】
(4R,5R)−4,5−ジメチル−3−オキソ−ヘプタン酸エチルエステル
窒素入口を備えた1L丸底フラスコに、塩化マグネシウム22g(230mmol)、エチルマロン酸カリウム39g(230mmol)およびジメチルホルムアミド200mLを充填した。フラスコの内容物を50℃で1時間攪拌し、次いで、35℃に冷却した。別の窒素不活性化された500mLフラスコに、ジメチルホルムアミド200mL、カルボニルジイミダゾール28.6g(177mmol)および(2R,3R)−2,3−ジメチルペンタン酸20gを30分かけて滴加した。ガスの発生が止まったら、500mlフラスコの内容物を1Lフラスコに加えた。反応を35℃で2日間攪拌した。反応を室温に冷却し、1NのHCl800mLで希釈した。水溶液をMTBEの1Lアリコットで3回抽出した。有機抽出物を合わせ、飽和NaHCO200mLで抽出した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濃縮すると、表題の化合物31.74gが得られた:H NMR(CDCl)4.180〜4.120(m,2H)、3.454(s,2H)、2.522〜2.453(q,1H,J=7.018)、1.738〜1.673(m,1H)、1.418〜1.328(m,1H)、1.270〜1.217(m,3H)、1.113〜1.010(m,4H)、0.889〜0.815(m,5H);MS(イオンモード:APCI)m/z=201[M+1]
【0109】
(4R,5R)−3−メトキシイミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸エチルエステル
(4R,5R)−4,5−ジメチル−3−オキソ−ヘプタン酸エチルエステル(21.23g、106mmol)をEtOH200mLに溶かし、メトキシアミン−HCl10.6g(127mmol)および酢酸ナトリウム固体10.6g(127mmol)に加えた。このスラリーを室温で48時間攪拌した。MTBE(200mL)および水100mLを加え、生じた相を分離した。有機相を水100mLで洗浄し、蒸発させると、2相混合物が得られた。ヘキサン(100mL)を加え、相を分離した。水性相をヘキサン50mLで抽出し、合わせた有機相を水50mLで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させると、表題の化合物21.24g(収率87.4%)が澄明な黄色の油状物として得られた:H NMR(CDCl,399.77MHz)δ0.84〜0.88(m,6H)、1.07(d,J=7.1Hz,3H)、1.24(t,J=7.1Hz,3H)、1.4〜1.6(m,2H)、2.24(m,1H)、3.08(d,J=15.8Hz,1H)、3.19(d,J=15.8Hz,1H)、3.80(s,3H)、4.10〜4.2(m,3H)。低分解能マススペクトル:多目的m/e C1223NO(M+H)の計算値:230。実測値:m/e 230。
【0110】
(4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプト−2−(Z)−エノン酸エチルエステル
(4R,5R)−3−メトキシイミノ−4,5−ジメチル−ヘプタノン酸エチルエステル21.1g(92mmol)のメタノール(200mL)溶液をスポンジニッケル(10g、Johnson Matthey A7000)で処理した。生じたスラリーをParrシェーカータイプの水素化器で50psi、室温で20時間水素化した。この時点で、付加的なニッケル触媒10gを加え、水素化を全部で42.0時間続けた。スラリーを濾過し、固体を新鮮なメタノールで洗浄し、合わせた濾液を蒸発させると、表題の化合物17.75g(収率96.8%)が無色の油状物として得られた:H NMR(CDCl,399.77MHz)δ0.83〜0.89(m,6H)、1.1(d,J=6.8Hz,3H)、1.25(t,J=7.1Hz,2H)、1.35〜1.6(m,4H)、1.85〜1.93(m,1H)、4.1(q,J=7.0Hz,2H)、4.5(s,1H)。低分解能マススペクトル:多目的m/e C1121NO(M+H)の計算値:200。実測値:m/e 200。
【0111】
(4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−ヘプト−2−(Z)−エノン酸エチルエステル
(4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプト−2−(Z)−エノン酸エチルエステル15.84g(79.84mmol)およびピリジン6.89g(7.04mL、87.82mL)の溶液を塩化メチレン200mL中で攪拌し、0℃に冷却した。塩化アセチル6.85g(6.21mL、87.82mL)の塩化メチレン20mL溶液を1時間かけて滴加した。溶液を室温まで加温し、2時間攪拌した。1Mの塩酸(100mL)を加え、相を分離した。有機相を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、NaSO上で簡単に乾燥させた。溶剤を蒸発させ、次いで、生じた油状物を、ヘキサン/EtOAc8:1(v/v)を備えたシリカ(シリカ200g、230〜400メッシュ)の短いカラムに通過させた。生成物を含有するフラクションを蒸発させると、表題の化合物13.75g(収率71.7%)が澄明なほぼ無色の油状物として得られた:H NMR(CDCl,399.77MHz)δ0.84(t,J=7.1Hz,3H)、0.95(d,J=6.8Hz,3H)、1.0(d,J=7.0Hz,3H)、1.29(t,J=7.2Hz,3H)、1.30〜1.45(m,3H)、2.13(s,3H)、3.79〜3.82(m,1H)、4.11〜4.18(m,2H)、5.01(s,1H)。低分解能マススペクトル:多目的m/e C1323NO(M+H)の計算値:242。実測値:m/e 242。
【0112】
(3R,4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸エチルエステル
メタノール200mL中に(4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−ヘプト−2−(Z)−エノン酸エチルエステル13.75g(57mmol)を含有する溶液を5%Pd/Al(1.5g、Johnson Matthey #2127、ロット13449)で処理した。生じたスラリーをParrシェーカータイプの水素化器で40psigから50psi、室温で全部で3.8時間水素化した。スラリーを濾過し、固体を新たなメタノールで洗浄し、合わせた濾液を蒸発させると、表題の化合物13.63g(収率98.6%)が無色の油状物として得られた:H NMR(CDCl,399.77MHz)δ0.82(d,J=7.0Hz,3H)、0.86(t,J=7.3Hz,3H)、0.90(d,J=6.5Hz,3H)、0.98〜1.1(m,2H)、1.25(t,J=7.2Hz,2H)、1.3〜1.6(m,2H)、1.96(s,3H)、2.48(dd,J=16,5.65Hz,1H)、2.53(dd,J=16,5.2Hz,1H)、4.08〜4.19(m,2H)、4.27〜4.34(m,1H)、5.86(br d,J=8.9Hz,1H)。低分解能マススペクトル:多目的m/e C1325NO(M+H)の計算値:244。実測値:m/e 244。
【0113】
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸塩酸塩
(3R,4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸エチルエステル(13.63g、56.0mmol)を環流下に、1Mの塩酸200mlと共に72時間加熱した。溶液を冷却し、MTBEの50mLアリコットで2回抽出した。水性相を蒸発させて、半固体にした。アセトニトリル(4×100mL)を加え、蒸発させると、表題の化合物10.75g(収率89%)が白色の結晶固体として得られた:H NMR(CDOD,399.77MHz)0.87(t,J=7.3Hz,3H)、0.94(t,J=6.6Hz,6H)、1.02〜1.15(m,1H)、1.37〜1.53(m,2H)、1.58〜1.68(m,1H)、2.64(dd,J=17.5,7.4Hz,1H)、2.73(dd,J+17.5,4.8Hz,1H)、3.54〜3.61(m,1H)。低分解能マススペクトル:多目的m/e C20ClNO(M+H)の計算値:174。実測値:m/e 174。
【0114】
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸塩酸塩(10.8g、51.5mmol)をメタノール50mLに溶かした。この溶液に、トリエチルアミン(5.2g、7.2mL、51.5mmol)を加えた。溶液を10分間攪拌し、次いで、蒸発させて、綿状の固体にした。ジクロロメタン(376mL)を加え、生じたスラリーを室温で45分間攪拌した。次いで、アセトニトリル188mLを加え、スラリーを30分間攪拌し、次いで濾過した。固体をジクロロメタン−アセトニトリル2:1(v/v)20mLで洗浄し、窒素プレス上で乾燥させると、表題の化合物7.64g(収率85.6%)が白色の固体として得られた:H NMR(CDOD,399.77MHz)0.88(t,J=7.5Hz,3H)、0.91(d,J=7.0Hz,3H)、0.94(d,J=6.6Hz,3H)、0.98〜1.12(m,1H)、1.32〜1.43(m,1H)、1.43〜1.64(m,2H)、2.26(dd,J=16.5,9.9Hz,1H)、2.47(dd,J=19.5,3.7Hz,1H)、3.28〜3.36(m,1H)。低分解能マススペクトル:多目的m/e C19NO(M+H)の計算値:174。実測値:m/e 174。
【0115】
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸−1/6−コハク酸錯体−1/6−水和物、即ち、6−((3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸):1−(コハク酸):1−(HO)
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸(7.6g、44mmol)およびコハク酸(2.6g、22mmol)を水20.2mLに懸濁させた。このスラリーを100℃に加熱して、固体を溶かした。アセトニトリル(253mL)をこの熱い溶液に加えた。混合物を55℃で1時間攪拌し、次いで、一晩かけて徐々に室温まで冷却した。生じた固体を濾過し、アセトニトリル10mLで洗浄し、窒素プレス上で乾燥させると、表題の化合物6.21g(収率72%)が綿状の白色の結晶として得られた:H NMR(CDOD,399.77MHz)H NMR(CDOD,399.77MHz)0.88(t,J=7.5Hz,3H)、0.91(d,J=7.0Hz,3H)、0.94(d,J=6.6Hz,3H)、0.98〜1.12(m,1H)、1.32〜1.43(m,1H)、1.43〜1.64(m,2H)、2.26(dd,J=16.5,9.9Hz,1H)、2.47(dd,J=19.5,3.7Hz,1H)、2.50(s,0.67H)、3.28〜3.36(m,1H)。低分解能マススペクトル:多目的m/e C19NO(M+H)の計算値:174。実測値:m/e 174。元素分析 6−((3S,4R,5R 3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸):1−(コハク酸):1−(HO)、C5812213の計算値:C,59.26;H,10.46;N,7.15。実測値:C,59.28;H,10.58;N,7.09。KF C5812213の計算値:HO、1.43重量%。実測値:HO、1.50重量%。
【0116】
(実施例2)
(4S,5R)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン
オーバーヘッド攪拌機、熱電対および蒸留ヘッドを備えた5L丸底フラスコに、EtOH100mlおよびトルエン3.5L中の(1R,2S)−ジフェニル−2−アミノエタノール550g(2.579mol)、カルボン酸ジエチル457g(3.868mol、1.5当量)、NaOEt18g(0.258mol、0.1当量)を充填した。90℃の内部温度が達成され、EtOH蒸留が始まるまで、反応を加熱した。110℃の内部温度が達成されるまで(7時間)、反応を環流させた。蒸留ヘッドを介して溶剤500mLが除去される毎に、トルエン500mlを反応に戻し添加した。溶剤が全部で約1.6L除去された。反応を放置して室温まで冷却し、次いで、N2psigを用いて、3Lの粗いガラス漏斗で濾過した。窒素を一晩ケークの上に吹かすと、表題の化合物580g(収率94%)が得られた:H NMR(DMSO)7.090〜6.985(m,6H)、6.930〜6.877(m,4H)、5.900(d,1H,J=8.301)、5.206(d,1H,J=8.301)。
【0117】
(4S,5R)−3−((E)−2−メチル−ヘキセ−2−エノイル)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン(選択肢A)
ジャケット付き20L反応器に、環流凝縮器を取り付けた。この反応器に、(4S,5R)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン1100g(4.597mol)、(E)−2−メチル−2−ペンテン酸884g(6.896mol)、EEDQ1705g(6.896mol)、LiCl48g(1.149mol)およびEtOAc16Lを充填した。反応混合物を65℃に加熱し、200分間保持した。反応混合物を室温まで冷却し、1NのHClの3.5Lアリコットで3回抽出した。合わせた水性抽出物を濾過すると、白色の固体が得られた。回収した白色の固体を、有機層に戻し添加した。20L反応器に、蒸留ヘッドを取り付け、有機層を蒸留して、連続して、EtOAc13.5L(この後、ヘプタン5Lを反応器に加えた);EtOAc/ヘプタン5L(この後、ヘプタン5Lを反応器に加えた);EtOAc/ヘプタン2.7L(この後、ヘプタン2.7Lを反応器に加えた)を除去した。反応器の内容物を25℃まで冷却し、生じた混合物を窒素5psig下に濾過し、一方で、ヘプタン4Lで洗浄した。湿ったケークを窒素圧下に一晩乾燥させると、表題の化合物1521gが得られた:H NMR(DMSO)7.12〜6.94(m,8H)、6.834(dd,2H,J=7.813,1.709)、6.060(d,1H,J=8.057)、6.050(td,1H,J=7.447,1.221)、5.795(d,1H,J=8.057)、2.119〜2.064(m,2H)、1.778(d,3H,J=0.997)、1.394(m,2H)、0.874(t,3H,J=7.324);元素分析 C2223の計算値:C,75.62;H,6.63;N,4.01。実測値:C,75.26;H,6.72;N,3.95。
【0118】
(4S,5R)−3−(2−(E)−メチル−ヘキセ−2−エノイル)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン(選択肢B)
(E)−2−メチル−2−ヘキセノン酸(6.0g、47mmol)のTHF250mL溶液に0℃で、トリエチルアミン16.3mL(117mmol)、次いで、塩化ピバロイル5.8mL(47mmol)を加えると、粘稠性の懸濁液が生じた。混合物を0℃で1時間攪拌し、この時点で、塩化リチウム2.0g(47mmol)を1回で加え、続いて、(4S,5R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリジン10.0g(42mmol)を4バッチで加えた。攪拌を固体添加の間ずっと維持した。生じた混合物を0℃で1時間、次いで、周囲温度で1時間攪拌し、粗いフリットで真空濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc/水に分配し、有機物をMgSO上で乾燥させ、濃縮した。残留物に、MTBE100mlを加え、混合物を渦状に攪拌しながら慎重に加温した。温かいスラリーを濾過すると、表題の化合物10.5g(収率64%)が無色の固体として得られた:H NMR(CDCl)δ7.12(m,3H)、7.07(m,3H)、6.94(m,2H)、6.84(m,2H)、6.17(m,1H)、5.89(d,J=7.8Hz,1H)、5.68(d,J=7.8Hz,1H)、2.18(m,2H)、1.92(s,3H)、1.50(m,2H)、0.96(t,J=7.6Hz,3H)。
【0119】
(4S,5R)−3−((2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサノイル)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン
22L4口丸底フラスコに、添加漏斗、機械式攪拌機および窒素入口を取り付けた。系を、窒素で1時間パージした。THF(6L)をフラスコに充填し、続いて、CuBr・S(CH1236g(6.01mol)およびLiCl364g(8.59mol)を充填した。反応を周囲温度で15分間攪拌した。溶液を−35℃に冷却し、反応混合物の内部温度が−25℃未満に維持されるような速度で、CHMgClのTHF中3Mの溶液3.96L(11.88mol)を充填した。CHMgClの添加が終了した後に、反応を1時間攪拌した。(4S,5R)−3−((E)−2−メチル−ヘキセ−2−エノイル)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン(1.00Kg、2.86mol)を固体として1回で加え、反応を−30℃で4時間攪拌した。反応混合物を2時間かけて、機械式攪拌機、輸送管、真空管を備えていて、氷水浴中で冷却されている1:1の酢酸:THF溶液4L溶液を含有する別の22Lフラスコに移した。クエンチされた溶液を30分間攪拌し、次いで、飽和NHCl水溶液中2MのNHOH4Lおよび水2Lで希釈した。二相混合物を15分間攪拌し、相を分離した。有機相を2MのNHOH溶液の4Lアリコットで4回洗浄した。洗浄液または有機相に青色が観察されなくなったら、有機相を水8Lで希釈し、蒸留ポットの内部温度が95℃に達するまで、THFを留去した。懸濁液を周囲温度まで冷却し、濾過した。固体を、水4Lで洗浄し、吸引乾燥すると、オフホワイト色の固体868.2gが得られた。この材料を、1時間当たり5℃の速度で冷却しながら、95:5のヘプタン:トルエン2Lから再結晶化させると、表題の化合物317.25gが白色の固体として得られた:H NMR(CDCl)7.12〜6.85(m,10H)、5.90(d,1H,J=8.06Hz)、5.72(d,1H,J=7.81)、3.83〜3.76(m,1H)、1.95〜1.89(m,1H)、1.35〜1.31(m,1H)。1.11(d,3H,J=6.84)、1.10〜0.95(m,3H)、0.92(d,3H,J=6.59)、0.76(t,3H,J=7.20)MS(APCI)M+1=366.2。
【0120】
(2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサン酸
機械式攪拌機、500mL添加漏斗、窒素入口および温度計を備えた12L4口丸底フラスコに、THF4515mLおよび(4S,5R)−3−((2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサノイル)−4,5−ジフェニル−オキサゾリジン−2−オン330.0gを充填した。アセトン/氷浴を使用して、生じた液体混合物(すべて固体は溶解している)を−5℃から0℃に冷却した。LiOH−HO60.6gの脱イオン水1800mL溶液を0℃から5℃に冷却し、2Lエルレンマイアーフラスコ中の冷たい30%(wt/wt)過酸化水素512gと合わせた。氷/水浴を使用して、溶液を冷たく保った。12L反応フラスコ中のオキサゾリジノン/THF溶液が−5℃から0℃に達したら、添加漏斗に、冷LiOH/水/H溶液約1/4を充填した。反応器ヘッドスペース中の酸素濃度を最少にするために、窒素掃引を維持しながら、反応温度が0℃から5℃に維持される速度で、LiOH/水/H溶液を、激しく攪拌されているオキサゾリジノン/THF溶液に滴加した。すべての溶液が反応混合物に加えられるまで(0.45mol規模で約40分)、必要ならば、滴加漏斗に、LiOH/水/H溶液約1/4を再充填した。添加が完了した後に、混合物を0℃から5℃で5時間攪拌したが、その間に、反応混合物は、均一な溶液から白色のスラリーに変化した。NaSO341gおよびNaHSO188gの脱イオン水2998mL溶液(15重量%)を、滴加漏斗を介して約1.5時間かけて反応混合物に滴加したが(反応は発熱性であった)、その間、反応を0℃から10℃に維持した。添加の後に、反応混合物を0℃から10℃で1時間攪拌した。反応混合物を、ヨウ化カリウム−デンプン試験紙で試験して、過酸化物が存在しないことを保証した。反応混合物に、EtOAc2000mLを充填し、5分間攪拌した。相を分離し、水相をEtOAc2000mLで抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(2×1500mL)で洗浄した。無色の有機溶液を真空濃縮して(35℃〜40℃)、「湿った」白色の固体にした。ヘプタン(1000mL)を加え、スラリーを真空濃縮して(35〜40℃)、湿った白色の固体にした。ヘプタン(5000mL)を加え、スラリーを0℃から5℃に16時間、次いで、−10℃から−5℃に1時間維持した。冷スラリーをセライトの薄いパッドで濾過し、濾過ケークを−10℃〜−5℃のヘプタン100mLで洗浄した。無色の濾液を真空濃縮(40℃〜45℃)すると、表題の化合物130gが淡黄色の油状物として得られた:H NMR(400MHz,クロロホルム−D)0.89(t,J=7.00Hz,3H)、0.94(d,J=6.8Hz,3H)、1.13(d,J=7.0Hz,3H)、1.75〜1.82(m,1H)、2.34〜2.41(m,1H);GCキラル純度:99.18%(ジアステレオマー0.82%)(酸直接法)。化学純度:100%。元素分析 C16の計算値:C,66.63;H,11.18。実測値:C,66.15;H,11.41。
【0121】
(4R,5R)−4,5−ジメチル−3−オキソ−オクタン酸エチルエステル(選択肢A)
環流凝縮器、機械式攪拌機、窒素入口および温度計を備えた5L三口丸底フラスコに、無水THF1390mLおよびエチルマロン酸カリウム389.3gを充填した。内部温度が50℃未満であるように、MgCl(217.8g)を3つの等しいポーションで加えた。温度制御される加熱マントを使用して、生じた灰色のスラリーを55℃から60℃に加熱した。混合物を55℃から60℃で5時間攪拌した。500mL添加漏斗、機械式攪拌機、窒素入口および温度計を備えた2L3口丸底フラスコに、無水THF680mLおよび1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)286.8gを充填した。添加漏斗に、(2R,3R)−2,3−ジメチルヘキサノン酸219.9gの無水THF350mL溶液を少量ずつ充填した。COの発生を制御し、反応温度を20℃から25℃に維持する速度で、ジメチル−ヘキサノン酸/THF溶液全体を、攪拌CDI/THF懸濁液に滴加した。添加の後に、反応混合物を20℃から25℃で1時間攪拌したが、その間に、スラリーは淡黄色の溶液になった。5時間の反応時間の後に、マロン酸塩/MgCl反応混合物を20℃から25℃に冷却し、凝縮器を1L添加漏斗に代えた。添加漏斗に、ジメチルヘキサン酸/CDI/THF懸濁液反応混合物を少量ずつ充填した。この反応混合物全体を、攪拌マロン酸塩/MgCl/THF反応混合物に約10分かけて滴加した。添加が終了した後に、反応混合物を35℃から40℃に加熱した。多少の発泡が記録された。反応混合物を35℃から40℃に16時間攪拌した。反応混合物を20℃から25℃に冷却し、機械式攪拌機および温度計を備えた12L3口丸底フラスコに、2NのHCl水溶液3060mLを充填した。内部温度を20℃〜25℃に維持しながら、反応混合物(灰色の懸濁液)をHCl水溶液に少量ずつ加えた。反応温度を氷/水浴で抑えた;反応混合物のpHは、約1であった。添加の後に、反応混合物を20℃から25℃で2時間攪拌した。反応混合物に次いで、EtOAc4000mLを充填し、5分間攪拌した。相を分離し、水相をEtOAc2000mLで抽出した。合わせた有機抽出物を1NのHCl水溶液(2×1500mL);水1000mL(不完全相の分離);半飽和NaCO水溶液(2×1500mL);水1000mL;およびブライン(2×1000mL)で順次洗浄した。(水性塩基洗浄により、未反応のマロン酸エステル−酸が除去された)。麦わら色の有機溶液を真空下に濃縮すると(35℃〜40℃)、多少白色の固体が存在する濁った淡黄色の油状物が得られた。この油状物を、n−ヘプタン1500mLに再び溶かし、濾過した。濾液を真空下に濃縮すると(40℃〜45℃)、表題の化合物327gが淡黄色の油状物として得られた:H NMR(400MHz,クロロホルム−D)d ppm 0.82(t,J=7.1Hz,3H)、0.85(d,J=6.8Hz,3H)、0.99(d,J=7.1Hz,3H)、1.20(t,J=7.3Hz,3H)、2.42〜2.49(m,1H)、3.39(s,2H)4.12(q,J=7.16Hz,3H)。GC化学純度:96.24%。
【0122】
(4R,5R)−4,5−ジメチル−3−オキソ−オクタン酸エチルエステル(選択肢B)
ジクロロメタン20mL中に(2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサン酸2.0g(13.9mmol)を含有する溶液に、クロロメチレンジメチル−アンモニウム塩化物2.1g(16.6mmol)を加えた。生じた溶液を窒素下に1.5時間攪拌した後に、溶剤を蒸発させると、(2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサノイル塩化物が得られた。ブチルリチウム(32.7ml、52.4mmol)を、ジイソプロピルアミン(4.9g、48.5mmol)の無水THF(20mL)溶液に窒素下に0℃で加え、20分間攪拌した。溶液を−78℃に冷却し、酢酸エチル4.3g(48.5mmol)を加えた。溶液をこの温度で45分間攪拌した。無水THF(20mL)中の(2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサノイル塩化物を、酢酸エチルエノラートに−78℃で徐々に加え、生じた反応混合物を放置して室温に加温した。反応混合物を室温で2.5時間攪拌し、0℃に冷却した。飽和塩化アンモニウム溶液で反応をクエンチし、酢酸エチルに抽出した。溶液をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。生じた残留物をシリカプラグで濾過し、ヘキサン/酢酸エチルの60/40溶液で溶離すると、表題の化合物2.7g(収率89.2%)が油状物として得られた。
【0123】
(4R,5R)−4,5−ジメチル−3−オキソ−オクタン酸エチルエステル(選択肢C)
ジクロロメタン10mL中に(2R,3R)−2,3−ジメチルヘキサン酸1.0g(6.9mmol)を含有する溶液に、クロロメチレンジメチル−アンモニウム塩化物1.1g(8.3mmol)を加えた。生じた溶液を窒素下に1.5時間攪拌した。続いて、溶剤を蒸発させると、(2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサノイル塩化物が得られた。アセトニトリル50mL中にモノエチルマロン酸カリウム2.5g(14.6mmol)を含有する溶液に、塩化マグネシウム1.7g(17.3mmol)およびトリエチルアミン1.2g(11.4mmol)を加えた。生じた混合物を室温で2.5時間攪拌した。反応を0℃に冷却し、(2R,3R)−2,3−ジメチル−ヘキサノイル塩化物のアセトニトリル(20mL)溶液を徐々に加え、続いて、トリエチルアミン(0.4g、0.4mmol)を加えた。反応を40℃に加熱し、この温度で6時間攪拌した。反応混合物を25℃に冷却し、塩化アンモニウムの飽和溶液でクエンチし、酢酸エチルに抽出した。溶液をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。生じた残留物をシリカプラグで濾過し、ヘキサン/酢酸エチルの60/40溶液で溶離すると、表題の化合物1.3g(収率87.8%)が油状物として得られた。
【0124】
(4R,5R)−3−メトキシアミノ−4,5−ジメチル−(Z)−オクト−2−エノン酸エチルエステル
磁気攪拌および窒素入口を備えた2L3口丸底フラスコに、(4R,5R)−4,5−ジメチル−3−オキソ−オクタン酸エチルエステル153g(0.71mol)および無水EtOH600mLを充填した。氷浴を用いて、溶液を0℃〜5℃に冷却し、塩酸メトキシルアミン65.6g(0.79mol)を加え、続いて、酢酸ナトリウム58.6g(0.71mol)を加えた。このフラスコ内容物を室温まで徐々に加温し(約2時間)、反応混合物を室温でさらに24時間攪拌した。溶剤(EtOH)を減圧下に除去し、混合物に、CHCl(2×300ml)を充填し、続いてこれを除去した。混合物を室温に冷却し、CHCl(300mL)で希釈し、室温で0.5時間攪拌し、窒素5psig下に濾過した。フィルターケークをCHCl(150mL)で洗浄した。濾液を真空下に濃縮すると(50℃)、表題の化合物172g(収率99%)が淡黄色の油状物として得られた:H NMR(400MHz,クロロホルム−D)0.87(t,J=3.5Hz,5H)、0.89(d,J=7.2Hz,3H)、1.08(d,J=7.0Hz,3H)、1.24(t,J=7.2Hz,4H)、1.3〜1.55(m,2H)、2.25(m,1H)、3.15(q,J=19.5Hz,2H)3.81(s,3H)、4.14(q,J=7.0Hz,2H)。
【0125】
(4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−(Z)−オクト−2−エノン酸エチルエステル
反応容器に、(4R,5R)−3−メトキシアミノ−4,5−ジメチル−(Z)−オクト−2−エノン酸エチルエステル171g、MeOH1600mLおよびラネーニッケル(Ra−Ni)触媒65gを充填した。メトキシアミノエステルを、水素と50psigから55psigで反応させた。水素化の間、さらなるRa−Niを反応の8時間目(20g)、21時間目(20g)および37時間目(8g)に加えた。反応が完了したら(51時間)、Ra−Niを濾別し、濾液を減圧下に濃縮すると、表題の化合物150g(収率>99%)が油状物として得られた:H NMR(400MHz,クロロホルム−D):0.86(t,J=4.5Hz,3H)、0.88(d,J=4.9Hz,3H)、1.05〜1.50(m,6H)、1.10(d,J=7.0Hz,3H)、1.24(t,J=7.2Hz,3H)、1.87(m,1H)、3.45(s,2H)4.08(q,J=7.0Hz,2H)。
【0126】
(4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−(Z)−オクト−2−エノン酸エチルエステル
オーバーヘッド攪拌機、熱電対、添加漏斗および窒素入口を備えた1L3口丸底フラスコに、(4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−(Z)−オクト−2−エノン酸エチルエステル150g(0.70mol)および無水CHCl50mLを加えた。反応混合物を−20℃に冷却した。混合物に、塩化アセチル(60ml、0.84mol)およびピリジン(66.8g、0.84mmol)を順次、0.5時間間隔で加えた。添加の後に、混合物を−20℃〜0℃で2時間攪拌し、次いで、濾過して、ピリジン・HCl塩を除去した。濾液をCHCl200mlで希釈し、NHClアリコットで2回洗浄した。有機溶液をシリカゲル(50g)、MgSO(20g)および炭(20g)で処理し、室温で0.5時間攪拌した。固体を濾別し、濾液を減圧下に濃縮すると、表題の化合物166.5g(収率93%)が油状物として得られた:H NMR(400MHz,クロロホルム−D)0.85(t,J=7.4Hz,3H)、0.95(d,J=6.8Hz,3H)、1.00(d,J=7.0Hz,3H)、1.11(m,1H)1.29(t,J=5.8Hz,3H)、1.40〜1.25(m,2H)、1.65(m,1H)2.13(s,3H)、3.80(m,1H)4.2〜4.14(m,3H)、5.01(s,1H)、11.28(s,1H)。
【0127】
(3R,4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸エチルエステル
反応器に、(4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−(Z)−オクト−2−エノン酸エチルエステル(基質)166g、MeOH2650mLおよびPd/SrCO(ロット#D25N17)触媒36gを充填した。基質を、Hと50psigから51psigの圧力で反応させた。水素化の間、付加的な触媒を、反応の67時間目(10g)に加えた。反応が完了したら(90時間)、Pd/SrCOを濾別し、濾液を減圧下に濃縮すると、表題の化合物167g(収率>99%)が油状物として得られた:H NMR(400MHz,クロロホルム−D):0.82(d,J=6.8Hz,3H)、0.88(t,J=7.2Hz,3H)、0.90(d,J=6.6Hz,3H)、1.25(t,J=7.3Hz,3H)、1.00〜1.58(m,6H)、1.96(s,3H)、2.52(q,J=5.2Hz,2H)、3.47(s,1H)、4.10〜4.30(m,2H)、4.12(t,J=7.1Hz,1H)、5.9(d,1H)。
【0128】
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸塩酸塩
窒素下に、粗製(3R,4R,5R)−3−アセチルアミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸エチルエステル167gを6NのHCl1100mLで希釈し、室温で16時間攪拌し、次いで、環流までさらに24時間加熱した。反応混合物を濃縮し、イソプロピルアルコール(IPA)500mLを再び充填し、次いで、これを除去した。アセトニトリル(500mL)を粗製の白色HCl塩に加え、混合物を20℃から25℃で1時間攪拌した。生じたスラリーを濾過し、固体を単離すると、表題の化合物97gが得られた(収率67%、化学純度89.7%;2種の主要なジアステレオ異性体(6.8%および1.5%)を伴うキラル純度90.7%):H NMR(CDOD):δ0.89t J=7.0Hz,3H)、0.94t,J=6.9Hz,6H)、1.65〜1.0(m,4H)、2.61(dd,J=7.6Hz,1H)、2.73(dd,J=4.6HZ,1H)、3.27(m,J=1.6Hz,2H)、3.56(m,1H)、4.82(s,3H)。
【0129】
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸
(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸塩酸塩(92g、0.41mol)を2L3口丸底フラスコ内の無水MeOH250mLから260mLに溶かした。この溶液に、EtN(0.45mol、45.8g)を滴加すると、白色の沈殿物が生じた。生じたスラリーを室温で15分間攪拌した。溶剤を乾燥するまで除去した。白色の固体をCHCl(1L)1Lに分散させ、1時間攪拌した。CHCN(0.6L)を加え、スラリーをさらに0.5時間攪拌した。スラリーを濾過し、固体をCHCNの50mLアリコットで2回洗浄すると、表題の化合物71gが白色の固体(収率92%;キラル純度98.8%;化学純度99.7%)として得られた:H NMR(400MHz,CDOD):0.89(t,J=7.2Hz,3H)、0.91(d,J=5.1Hz,3H)、0.93(d,J=6.6Hz,3H)、1.02〜1.65(m,4H)、2.26(dd,J=10.2Hz,1H)、2.50(dd,J=3.7Hz,1H)、3.27(m,J=1.6Hz,2H)3.33〜3.28(m,1H)、4.82(s,3H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬もしくはそれらの薬学的に許容できる塩を含む疼痛を治療するための組合せ。
【請求項2】
前記のアルファ−2−デルタリガンドは、ガバペンチン、プレガバリン、[(1R,5R,6S)−6−(アミノメチル)ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−イル]酢酸、3−(1−アミノメチル−シクロヘキシルメチル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、C−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−シクロヘプチル]−メチルアミン、(3S,4S)−(1−アミノメチル−3,4−ジメチル−シクロペンチル)−酢酸、(1α,3α,5α)(3−アミノ−メチル−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)−酢酸、(3S,5R)−3−アミノメチル−5−メチル−オクタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチルヘプタン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−ノナン酸、(3S,5R)−3−アミノ−5−メチル−オクタン酸、(2S,4S)−4−(3−クロロフェノキシ)プロリンおよび(2S,4S)−4−(3−フルオロベンジル)プロリン、もしくはその薬学的に許容できる塩から選択される、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
前記のアルファ−2−デルタリガンドは、ガバペンチンである、請求項1または2に記載の組合せ。
【請求項4】
前記のアルファ−2−デルタリガンドは、プレガバリンである、請求項1または2に記載の組合せ。
【請求項5】
前記の非定型抗精神病薬は、ジプラシドン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、セルチンドール、ケチアピン、アリピプラゾール、アセナピン、アミスルプリド、(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−ヘプタン酸および(3R,4R,5R)−3−アミノ−4,5−ジメチル−オクタン酸またはこれらの薬学的に許容できる塩から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項6】
前記の非定型抗精神病薬は、ジプラシドンである、請求項1から5のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項7】
治療的に有効な量の請求項1から6のいずれか一項に記載の組合せまたはそれらの薬学的に許容できる塩ならびに適切な担体または添加剤を含有する、疼痛を治癒的、予防的または対症的治療するための医薬組成物。
【請求項8】
疼痛を治癒的、予防的または対症的に治療するための医薬品の製造における、非定型抗精神病薬と組み合わせてのアルファ−2−デルタリガンドまたはそれらの薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項9】
前記の疼痛は、神経障害性疼痛である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
治療的に有効な量のアルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬もしくはそれらの薬学的に許容できる塩を前記の治療を必要とする哺乳類に同時に、連続して、または別々に投与することを含む、疼痛を治癒的、予防的または対症的治療する方法。
【請求項11】
前記の疼痛は、神経障害性疼痛である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
疼痛を治療する際に同時に、別々に、または連続して使用するための組合せ製剤としての、アルファ−2−デルタリガンドおよび非定型抗精神病薬もしくはそれらの薬学的に許容できる塩を含有する製品。

【公表番号】特表2007−527905(P2007−527905A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502427(P2007−502427)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000510
【国際公開番号】WO2005/092318
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】