説明

アルファアドレナリン介在症状の治療方法

本明細書においては、対象者における症状および疾患を、対象者に有効量のα‐アドレナリンモジュレーターを含有する製薬組成物投与することによって治療するための化合物および方法を開示する。また、上記化合物および方法は、急性および慢性双方のタイプの疼痛を緩和するのにも有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2008年6月9日に出願された米国仮特許出願第61/059,837号に基づき、該出願に対する35 U.S.C. § 120による優先権を主張する;さらに、該出願は、参考として本明細書に合体させる。
【0002】
本発明は、本明細書において開示するような化合物を使用して疼痛を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床上の疼痛は、損傷性および神経障害性の疼痛を包含する。各タイプの疼痛は、損傷部位および隣接正常組織における過敏性に特徴を有する。損傷性疼痛は、通常、時間的に限定され、利用可能なオピオイド療法に良好に応答するけれども、神経障害性疼痛は、例えば、切断術後に頻繁な“幻痛(ghost pain)”において明らかなように、誘因事象が癒えた後持続し得る。慢性神経障害性疼痛のような慢性疼痛症候群は、手術、圧迫損傷または外傷、感染性因子、毒薬、炎症性障害、或いは糖尿病または虚血のような代謝疾患のような種々の原因のいずれかによって誘発される。
【0004】
残念なことに、慢性神経障害性疼痛のような慢性疼痛は、一般に、利用可能な薬物療法に対して耐性である。さらにまた、現行の療法は、認知変化、鎮静状態、嘔気、および麻酔薬の場合の中毒のような重篤な副作用を有する。神経障害性および他の慢性疼痛に苦しんでいる多くの患者は、高齢であるか或いは利用し得る鎮痛療法に関連する副作用に対するその寛容性を制約している病状を有している。神経障害性疼痛を許容し得ない副作用の発生なしに軽減することにおける現行療法の不適切さは、多くの場合、慢性疼痛患者の鬱病および自殺傾向となって現れている。
【0005】
現行の鎮痛薬の代替薬として、呼吸抑制作用および中毒潜在力を持っていないα2アドレナリン作用薬が開発されてきている。そのような薬物は、脊髄に投与したときに有用な鎮痛薬である。しかしながら、αアドレナリン作用薬の望ましくない薬理特性、特に、鎮静および低血圧は、これらの薬物の使用を、経口または他の末梢経路で投与したときに制限する。従って、経口または他の末梢経路によって投与することができ且つ鎮静および低血圧のような望ましくない副作用のない有効な鎮痛薬が求められている。本発明は、この要求を満たし、なお且つ、関連する利点を提供する。
【0006】
また、本発明においては、今日まで疼痛を制御するための日常の投薬生涯に直面してきた慢性疼痛患者にとっての新規な療法を提供する。残念なことに、三環系抗鬱薬、抗けいれん薬および局所麻酔薬注射のような慢性神経障害性疼痛の利用し得る治療法は、症状を一時的に且つさまざまな度合で軽減するに過ぎない。感作疼痛状態を逆転させ或いは癒す利用し得る治療法はない。例えば、月に1回または数回投与することができ且つ鎮痛活性を数週間または数ヶ月間保持する有効な薬物は、現在のところ利用できない。従って、慢性疼痛からの長期の緩和を提供する新規な方法が求められている。本発明は、この要求を満たし、さらにまた、関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【0007】
本明細書においては、対象者における症状または疾患をその対象者に有効量のα‐アドレナリンモジュレーターを含有する医薬組成物を投与することによって治療するための化合物および方法を説明する。また、上記化合物および方法は、急性および慢性双方のタイプの疼痛を緩和するのにも有用である。
【0008】
本明細書においては、下記の構造を有し、α‐アドレナリンレセプターの少なくとも1種を活性化する化合物を投与することを特徴とする、哺乳類におけるα‐アドレナリンレセプターの活性化によって緩和される症状または疾患の治療方法を説明する:
【化1】


(式中、R1およびR2は、各々、個々に、水素、C1‐4アルキル、C1‐4アルコキシ、OH、ハロゲン、NR'2、CN、CO2R'、C(O)NR'R''、アルコール、C1‐4ハロゲン化アルキル、C1‐4ハロゲン化アルコキシ、および置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;R'は、水素、C1‐4アルキルおよびC1‐4ハロゲン化アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;R''は、水素およびC1‐4アルキル、置換または非置換アリールまたはヘテロアリールから選ばれる)。
【0009】
また、本明細書においては、下記の構造を有し、α‐アドレナリンレセプターの少なくとも1種を活性化する化合物を含むことを特徴とする、哺乳類におけるα‐アドレナリンレセプターの活性化によって緩和される症状または疾患の治療用組成物も説明する:
【化2】


(式中、R1およびR2は、各々、個々に、水素、C1‐4アルキル、C1‐4アルコキシ、OH、ハロゲン、NR'2、CN、CO2R'、C(O)NR'R''、アルコール、C1‐4ハロゲン化アルキル、C1‐4ハロゲン化アルコキシ、および置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;R'は、水素、C1‐4アルキルおよびC1‐4ハロゲン化アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;R''は、水素およびC1‐4アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれる)。
【0010】
1つの実施態様においては、上記症状または疾患は、高血圧症、鬱血性心不全、喘息、鬱病、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、視神経症、疼痛、内臓痛、角膜痛、頭痛、片頭痛、癌性疼痛、背痛、過敏性腸症候群性疼痛、筋肉痛、糖尿病性神経障害に関連する疼痛、糖尿病性網膜症の治療、他の網膜変性症状、卒中、認知障害、神経精神病症状、薬物依存症、薬物中毒、離脱症状、強迫障害、肥満、インスリン耐性、ストレス関連症状、下痢、利尿、鼻閉、痙性、注意力欠陥障害、精神病、不安神経症、自己免疫疾患、クローン病、胃炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症および他の神経変性疾患から成る群から選ばれる。1つの実施態様においては、上記症状または疾患は、疼痛である。
【0011】
1つの実施態様においては、R1およびR2は、各々、個々に、ハロゲンまたはハロゲン化アルキルである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐クロロ‐3‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐ジフルオロメトキシ)‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2,3‐ジメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(トリフルオロメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2,3‐ジメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジル)‐4,5-ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐クロロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐メチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2,3‐ジメチルベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。もう1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐フルオロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである。
【0012】
1つの実施態様においては、上記化合物は、N‐(2‐クロロ‐3‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐ジフルオロメトキシ)‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(トリフルオロメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジル)‐4,5-ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐クロロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐メチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジメチルベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐フルオロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンおよびこれらの組合せからなる群から選ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】脊髄神経損傷モデルラット(Chung model rats)におけるN‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンの30μg/kg、100μg/kgまたは300μg/kgでの単回経口投与の末梢鎮痛効果を示す。
【図2】1mg/kgおよび10mg/kg投与量のN‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンの腹腔内注入30分後の鎮静作用(総活動数)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
用語の定義
プロドラッグ:“プロドラッグ”とは、投与後に治療活性化合物に転換する化合物である。範囲を限定するつもりはないが、転換は、エステル基またはある種の他の生物学的に不安定な基の加水分解によって生じ得る。プロドラッグ製剤は、当該技術において周知である。例えば、Richard B. Silverman, Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2nd Ed., Elsevier Academic Press: Amsterdam, 2004, pp. 496‐557の1つの章である“Prodrugs and Drug Delivery Systems”は、その題材についてのさらなる詳細を提供している。
【0015】
ハロゲン:本明細書において使用するとき、“ハロゲン”とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素のような、元素の周期表の第VIIA族において見出される置換基を称するのに使用する。
互変体:本明細書において使用するとき、“互変体”は、隣接の単結合と二重結合間のプロトンの移動を称する。互変異生化過程は可逆的である。本明細書において説明する化合物は、下記の互変異性化を受ける:
【化3】

【0016】
本明細書においては、サブタイプ選択性α2Aおよび/またはα2Cアドレナリンモジュレーターとして、下記の一般的構造を有するN‐(2および/または3‐置換ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン化合物を説明する:
【化4】


(式中、R1およびR2は、各々、個々に、水素、C1‐4アルキル、C1‐4アルコキシ、OH、ハロゲン、NR'2、CN、CO2R'、C(O)NR'R''、アルコール、C1‐4ハロゲン化アルキル、C1‐4ハロゲン化アルコキシ、および置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;R'は、水素、C1‐4アルキルおよびC1‐4ハロゲン化アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;R''は、水素およびC1‐4アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれる)。
【0017】
1つの実施態様においては、R1およびR2は、各々、個々に、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルコキシ、OH、ハロゲン、NR'2、CN、CO2R'、C(O)NR'R''、アルコール、C1‐10ハロゲン化アルキル、C1‐10ハロゲン化アルコキシ、および置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;R'は、水素、C1‐10アルキルおよびC1‐10ハロゲン化アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;そして、R''は、水素およびC1‐10アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選択される。
【0018】
R1およびR2は、各々、個々に、C1‐10アルキルであり得、これらのアルキルとしては、C3‐10シクロアルキルおよびC3‐10枝分れアルキルがある。また、R1およびR2は、各々、個々に、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールであり得、これらとしては、芳香族、複素環式芳香族または多複素環式芳香族(multi‐heteroaromatic)基があり得る。置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールは、フェニル、ピリジニル、チエニル、フリル、ナフチル、キノリニル、インダニルまたはベンゾフリルから選択し得る。典型的な置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールとしては、限定するつもりはないが、ベンゼン、ピリデイン(pyrideines)、チオフェン、フラン、ナフタレン、キノリン、インダンおよびベンゾフランがある。アリール基は、任意の一般的な有機仮想(fictional)基によって置換し得る。そのようなアリール基は、式1にアリール基上の任意の利用可能な位置で結合させ得る。
【0019】
典型的なアリール基は、ベンゼンである(下記の式2):
【化5】


(式中、R4‐9の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐9は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0020】
もう1つのアリール基は、下記の式3におけるようなピリジンであり得る:
【化6】


(式中、R4‐8の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐8は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0021】
もう1つのアリール基は、下記の式4におけるようなチオフェンであり得る:
【化7】


(式中、R4‐7の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐7は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0022】
もう1つのアリール基は、下記の式5におけるようなフランであり得る:
【化8】


(式中、R4‐7の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐7は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0023】
もう1つのアリール基は、下記の式6におけるようなナフタレンであり得る:
【化9】


(式中、R4‐11の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐11は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0024】
もう1つのアリール基は、下記の式7におけるようなキノリンであり得る:
【化10】


(式中、R4‐10の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐10は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0025】
もう1つのアリール基は、下記の式8におけるようなインダンであり得る:
【化11】


(式中、R4‐13の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐13は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0026】
もう1つのアリール基は、下記の式9におけるようなベンゾフランであり得る:
【化12】


(式中、R4‐9の少なくとも1個は、式1でなければならない、そして、残りのR4‐9は、各々、個々に、限定するものではないが、水素、C1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、チオール、或いはC1‐10アルキル、C1‐10アルケニル、C1‐10アルキニル(alkynl)、アリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、シアノ、ニトロまたはチオール基によって置換したカルボキシ基のような一般的な有機官能基によって置換し得る)。
【0027】
α2アドレナリンレセプターは、分子法および薬物法にによって特性決定されている;これらの方法は、α1A、α1B、α1D、α2A、α2Bおよびα2Cサブタイプを含む。これらのα‐レセプターの活性化は、生理反応を惹起し得る。本明細書において説明するアドレナリンモジュレーターは、α2Bおよび/またはα2Cレセプターの1つまたは双方を活性化し、有用な治療作用を有する。
【0028】
下記の構造体を、本発明の説明に従って意図する。
【化13】

【0029】
本明細書において説明する化合物は、α2Bおよび/またはα2C活性化によって緩和される広い範囲の症状および疾患(限定するものではないが、高血圧症、鬱血性心不全、喘息、鬱病、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、視神経症、疼痛、内臓痛、角膜痛、頭痛、片頭痛、癌性疼痛、背痛、過敏性腸症候群性疼痛、筋肉痛、糖尿病性神経障害に関連する疼痛、糖尿病性網膜症の治療、他の網膜変性症状、卒中、認知障害、神経精神病症状、薬物依存症、薬物中毒、離脱症状、強迫障害、肥満、インスリン耐性、ストレス関連症状、下痢、利尿、鼻閉、痙性、注意力欠陥障害、精神病、不安神経症、自己免疫疾患、クローン病、胃炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症および他の神経変性疾患のような)の治療において有用であり得る。
【0030】
本出願人は、これらの化合物がα2Bおよびα2Cレセプターを活性化しまたは調節することを発見した。さらに、これらの化合物は、特に慢性疼痛モデルにおいて、α2Bおよびα2Cレセプターの作用薬に一般的に見られる鎮静作用および心血管減衰(cardiovascular depression)のような望ましくない副作用を最小限にしながら極めて有効な鎮痛剤として作用する。
【0031】
そのような化合物は、医薬的に有効な投与量で投与し得る。そのような投与量は、通常、所望する治療効果を達成するのに必要な最小投与量である;慢性疼痛の治療においては、この量は、おおよそ、疼痛によって生じる不快感を許容レベルまで低下させるのに必要な量であるであろう。一般に、そのような投与量は、1〜1000mg/日の範囲内、より好ましくは10〜500mg/日の範囲内である。しかしながら、如何なる場合も投与すべき化合物の実際の投与量は、疼痛の重症度、患者の年齢および体重、患者の一般的な健康状態、疼痛の原因および投与経路のような関連状況を勘案する医師によって決定されるであろう。
【0032】
上記化合物は、哺乳類、特に、人間における疼痛の治療において有用であり得る。好ましくは、患者に、上記化合物を、錠剤、液剤、カプセル剤、粉末等のような任意の許容し得る剤形で経口投与する。しかしながら、他の経路も、特に患者が嘔気に苦しんでいる場合は、望ましくまたは必要であり得る。そのような他の経路としては、限定なしで、経皮、非経口、皮下、経鼻、髄腔内、筋肉内、静脈内および直腸内の伝達方式がある。さらに、製剤は、活性化合物の放出を所定時間に亘って遅延させるようにまたは放出させる薬物量を治療過程内の所定時間において注意深く制御するように設計し得る。
【0033】
もう1つの実施態様は、式1の化合物、製薬上許容し得る誘導体、塩類、プログラムおよび/またはこれらの化合物の組合せと製薬上許容し得る賦形剤とを含む治療用組成物に関する。そのような賦形剤は、担体または希釈剤であり得る;この賦形剤は、活性化合物と通常に混合するか、或いは活性化合物を希釈するかまたは封入せしめる。希釈剤である場合、担体は、活性化部に対して賦形剤またはビヒクルとして作用する固形、半固形または液体物質であり得る。また、製剤は、湿潤剤、乳化剤、保存剤、甘味剤および/または香味料も含み得る。眼科用または点滴形式におけるようにして使用する場合、製剤は、通常、製剤の浸透圧に影響を与える1種以上の塩を含有する。
【0034】
もう1つの実施態様は、必要とする哺乳類に式1の化合物、およびその製薬上許容し得る塩およびその誘導体を投与することによる、疼痛の、特に、慢性疼痛の治療方法に関する。上述したように、上記化合物は、通常、所望の伝達方式と調和した形で製剤化する。
ある種の実施態様は、1種以上の製薬組成物を対象者に投与することに依存する方法を提供する。本明細書において使用するとき、用語“対象者”とは、疼痛を経験し得る任意の動物、例えば、ヒトまたは霊長類、ウマ、ウシ、イヌもしくはネコのような他の動物を意味する。
【0035】
本明細書において説明する方法は、急性および慢性双方の疼痛を治療するのに使用し、非限定的な例としては、この疼痛は、起原的に神経障害性、内臓性または炎症性である。特定の実施態様においては、本発明の方法は、神経障害性疼痛;内臓痛;術後疼痛;癌または癌治療に由来する疼痛;および、炎症性疼痛を治療するのに使用する。
【0036】
急性および慢性双方の疼痛を、本明細書において説明する方法によって治療し得、用語“疼痛”とは、急性および慢性双方の疼痛を包含する。本明細書において使用するとき、用語“急性疼痛”とは、切断、圧壊、熱傷のような損傷によって或いはカプサイシン、即ち、チリペッパー中の活性成分への暴露時に経験する刺激のような化学刺激によってもたらされる緊急の、一般に高閾値の疼痛を意味する。本明細書において使用するときの用語“慢性疼痛”とは、急性疼痛以外の疼痛を意味し、限定なしに、神経因性疼痛、内臓痛、炎症性痛覚、頭痛、筋肉痛および関連痛がある。慢性疼痛は、比較的長期間、例えば、数年を有し、また、継続的または間欠的であり得ることを理解されたい。
【0037】
特に断らない限り、化合物に関する言及は、示した構造式または化学名を有する化学存在物の化合物、製薬上許容し得る塩、プロドラッグ、互変体、代替固体形状物、非共有複合体およびこれらの組合せを包含するものと広く解釈すべきである。
【0038】
製薬上許容し得る塩は、動物またはヒトに投与するのに適する親化合物の任意の塩である。また、製薬上許容し得る塩は、酸、他の塩、または酸もしくは塩に転換するプロドラッグの投与の結果として生体内で生じ得る任意の塩も称する。塩は、1個以上の相応する対イオンと結合した共役酸または塩基のような、上記化合物の1種以上のイオン形を含む。塩は、1個以上の脱プロトン化酸性基(例えば、カルボン酸/カルボン酸塩)、1個以上のプロトン化塩基性基(例えば、アミン/アンモニウム)、または双方(例えば、両性イオン)から生じるか或いはこれらを取込み得る。
【0039】
プロドラッグは、投与後に治療活性化合物に転換する化合物である。例えば、転換は、エステル基またはある種の他の生物学的に不安定な基の加水分解によって生じ得る。プロドラッグ製剤は、当該技術において周知である。例えば、Richard B. Silverman, Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, 2nd Ed., Elsevier Academic Press: Amsterdam, 2004, pp. 496‐557の1つの章である“Prodrugs and Drug Delivery Systems”は、その題材についてのさらなる詳細を提供している。
【0040】
互変体は、互いに急速平衡にある異性体である。例えば、互変体は、プロトン、水素原子または水素化物イオンの移動に関連し得る。上述した化合物によって限定するつもりはないが、上記化合物の各種互変体が可能であり得る。例えば、限定するつもりはないが、互変体は、下記に示すように、4,5‐ジヒドロオキサゾールと隣接窒素間で可能である。
【化14】

【0041】
他の互変体は、上記化合物が、例えば、限定するものではないが、エノール、ケト、ラクタミン(lactamin)、アミド、イミド酸、アミンおよびイミン基を含むときに可能である。互変体は、一般に、均衡状態に達し、その二重結合は2つの結合長間で共鳴的に共有される。
立体化学を明確且つ一義的に示さない限り、構造体は、純粋なまたは任意の可能性ある混合物中の双方でのあらゆる可能性ある立体異性体を包含するものとする。
代替固体形状物は、本明細書において説明する方法を実施することにより生じ得る形状物とは異なる固体形状物である。例えば、代替固形状物は、多形体物、種々の種類の非晶質固体形状物、ガラス状物等であり得る。
【0042】
非共有複合体は、上記化合物と1種以上のさらなる化学種間で形成され得、上記化合物と上記さらなる化学種との間において共有結合相互作用を含まない複合体である。これらの非共有複合体は、上記化合物とさらなる化学種間で特定の比率を有していても或いは有していなくてもよい。例としては、溶媒和物、水和物、電荷移動複合体等があり得る。
【0043】
以下の実施例は、本明細書において説明する化合物を調製するための合成方法を提供する。当業者であれば、これらの実施例が、熟練技術者が本明細書において説明する化合物を合成するのを可能にし得ることを理解し得るであろう。
【実施例1】
【0044】
一般的反応1
スキームA
【化15】

【0045】
上記のスキームAにおいては、式11は、商業的に入手し得、或いは、式10から種々の還元的アミノ化方法によって合成した。それらの方法の1つは、David J. H等によって公表されている(J. Org. Chem. 48: 289‐294 (1983))。重要な工程は、式12を得るための式11に対する第2位置に適切な離脱基を有するイミダゾリンによるカップリングである。離脱基はメチルチオール(R=(O)COMe)または硫酸(R=H)であり得る。また、当業者にとって既知のまたは当業者にとって既知の既知の手順の修正による他の既知のカップリング手順も存在する。
【0046】
スキームB
【化16】

【0047】
スキームBにおいては、置換安息香酸、置換エステルまたは置換ベンジルアルコール(これらは全て商業的に入手可能である)から式11を合成するもう1つの方法を示している。式13をエステルに転換した:このエステルは、試薬としての水素化アルミニウムリチウム(LAH)またはボランによって式14に還元し得る。アルコール(式14)のアジド(式15)への転換は、ジフェニルホスホリルアジドとの1工程での光延反応またはアルコールの良好な離脱基(アジドアニオンで置換し得る)への転換のような方法によって達成し得る。アジドのアミンへの脱窒素は、トリフェニルホスフィンのようなホスフィンによって実施した。その後の塩基性加水分解により、中間体をアミンに遊離させた。
また、本明細書において説明する化合物は、当業者にとって既知の他の方法によっても合成し得る。
【実施例2】
【0048】
N‐(2‐クロロ‐3‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンの合成
【化17】

【0049】
8.0mLのテトラヒドロフラン(THF)中の2‐クロロ‐3‐フルオロベンズアルデヒド1 (1.00g;3B Medical Systems社から商業的に入手し得る)の7.08ミリモル溶液に、8.50mLの1.0M リチウムビス(トリメチルシリル)‐アミドをシリンジによって0℃で添加した。得られた溶液を0℃で3時間撹拌した。8.50mLの1.0M LAHをシリンジによって添加した。3時間後、反応混合物を粉砕した氷上に注意深く注いだ。塩化アンモニウム(水溶液)とロッシェル塩(水溶液)をこの混合物に添加した。水性層を200mLのクロロホルム/イソプロパノール(3:1)で3回抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。混合物を濾過し、溶媒を真空下に除去して(2‐クロロ‐3‐フルオロフェニル)メタンアミン2を得た。生成物の質量は0.92gであった。
【0050】
10.0mLのエタノール中の0.92gの(2‐クロロ‐3‐フルオロフェニル)メタンアミン2と0.790gの4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐スルホン酸 (Astatech社から商業的に入手し得る)との混合物を、密閉チューブ内で、90℃に16時間加熱した。その後、反応混合物を室温に冷却した。次に、エタノールを真空下に除去した。残存残留物を重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性化し、pHを約10に2M 水酸化ナトリウムで調節した。水性層を100mLのクロロホルム/イソプロパノール(3:1)で3回抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、その後、混合物を濾過した。アミノ変成シリカゲルを濾液に加え、溶媒を真空下に除去した。アミノ変成シリカゲル上でのクロマトグラフィー (ジクロロメタン中の3.5%メタノール)により精製して、0.575gのN‐(2‐クロロ‐3‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン3を黄色固形物として得た。
1H NMR (300MHz、CD3OD):δ 7.32〜7.21 (m、2H)、7.15〜7.09 (m、1H)、4.42 (s、2H)、3.48 (s、4H)。
【0051】
また、以下の各化合物も実施例2に従って調製し得る。
【化18】


N‐(2‐ジフルオロメトキシ)‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.43〜7.32 (m、2H)、7.24〜7.16 (m、2H)、6.90 (t、J=73.8Hz、1H)、4.43 (s、2H)、3.62 (s、4H)。
【0052】
【化19】

N‐(2,3‐ジメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.11〜7.04 (m、3H)、4.33 (s、2H)、3.56 (s、4H)。
【0053】
【化20】


N‐(トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.76〜7.65 (m、2H)、7.58〜7.50 (m、2H)、4.61 (s、2H)、3.74 (s、4H)。
【0054】
【化21】


N‐(トリフルオロメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.51〜7.48 (m、1H)、7.39〜7.28 (m、3H)、4.45 (s、2H)、3.60 (s、4H)。
【0055】
【化22】


N‐(2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.40 (t、J=7.5Hz、1H)、7.28 (q、J=7.2Hz、1H)、7.11〜7.03 (m、2H)、4.41 (s、2H)、3.56 (s、4H)。
【0056】
【化23】


N‐(2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.66 (t、J=7.5Hz、1H)、7.57 (q、J=7.5Hz、1H)、7.30 (t、J=7.5Hz、1H)、4.42 (s、2H)、3.50 (s、4H)。
【0057】
【化24】


N‐(2,3‐ジメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:
1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.05〜6.87 (m、3H)、4.34 (s、2H)、3.83 (s、6H)、3.55 (s、4H)。
【実施例3】
【0058】
N‐(3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジル)‐4,5-ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンの合成
【化25】

【0059】
5.0mLの硫酸 (H2SO4)を、100mLのメタノール (MeOH)中の5.0gの3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐安息香酸4の溶液にゆっくり添加した。得られた溶液を加熱して1夜還流させた。溶液を室温に冷却し、重炭酸ナトリウムで失活させてpH7とした。水性層を酢酸エチルで数回抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。得られた混合物を濾過した。溶媒を減圧下に蒸発させ、5.3gの3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐安息香酸メチルエステル5を得た。
【0060】
2.4gの水素化ホウ素リチウム(LiBH4)を、0℃の200mLのエーテル(Et2O)中の5.3gの3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐安息香酸メチルエステル5の溶液に添加した。5分間の撹拌後、5mLのメタノールを添加した。反応混合物を室温に温め、その温度に2.5時間保った。その後、2.4g以上の水素化ホウ素リチウムを添加した。反応混合物を塩化アルミニウムで失活させた。標準の水性処理およびシリカゲルカラム精製(ヘキサン/酢酸エチル2:1)の後、4.0gの3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐フェニル‐メタノール6を得た。
【0061】
6.00gのホスホルアミド酸ジフェニルと4.1gの1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ‐7‐エンを、0℃の100mLのトルエン中の4.0gの3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐フェニル‐メタノール6に添加した。混合物を室温で1夜撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム水溶液で失活させた。水性層を酢酸エチル/THFで抽出した。プールした有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。混合物を濾過した。溶媒を真空下に除去した。残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィーによって精製して、1‐アジドメチル‐3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンゼン7を得た。
【0062】
1.1gの水酸化カリウム(KOH)と5.8gのトリフェニルホスフィン(Ph3P)を、100mLのTHFと10mLの水中の1‐アジドメチル‐3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンゼン7の溶液に添加した。混合物を1夜室温で撹拌した。混合物を濃塩酸水溶液で失活させた。標準の酸/塩基水性処理後、3.9gの粗3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジルアミン8を得た(2工程後に)。
【0063】
10mLの酢酸 (HOAc)を、100mLのメタノール中の3.9gの3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジルアミン8と3.1gのメチル 2‐(メチルチオ)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐1‐カルボキシレートの溶液に添加した。得られた溶液を穏やかな還流まで加熱し、1夜還流させた。溶液を室温に冷却し、水酸化ナトリウムで失活させ、酢酸エチルで抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。その後、混合物を濾過した。溶媒を真空下に除去した。残存残留物をシリカゲル上でのクロマトグラフィー (ジクロロメタン中の10%飽和アンモニアメタノール)によって精製して、(3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジル‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐イル)‐アミン9を得た。
1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.51 (d、J=3Hz、1H)、7.25〜7.29 (m、1H)、6.80 (d、J=9Hz、1H)、4.46 (s、2H)、3.84 (s、4H)、3.63 (s、3H)。
【0064】
また、以下の化合物も実施例3に従って調製し得る。
【化26】


N‐(2‐クロロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.51〜7.53 (m、1H)、7.28〜7.29 (m、1H)、7.14〜7.21 (m、2H)、4.59 (s、2H)、3.58 (s、4H)。
【0065】
【化27】


N‐(2‐メチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.08〜7.12 (m、4H)、4.45(d、J=6Hz、2H)、3.54 (s、4H)、2.28 (s、3H)。
【0066】
【化28】


N‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン:1H NMR (300MHz、CD3OD):δ= 7.40〜7.31 (m、2H)、7.16〜67.10 (m、1H)、4.42 (s、2H)、3.56 (s、4H)。
【実施例4】
【0067】
N‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンの合成
【化29】

【0068】
5.32gの(2,3‐ジクロロフェニル)メタンアミン10と4.56gの4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐スルホン酸の混合物を、40.0mLのエタノール(EtOH)中で混合し、密閉チューブ内で、90℃で16時間加熱した。その後、反応混合物を室温に冷却した。次に、エタノールを真空下に除去した。残存残留物を重炭酸ナトリウム水溶液で塩基性化し、pHを2M 水酸化ナトリウムで約10に調整した。水性層を400mLのクロロホルム/イソプロパノール(3:1)で3回抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、その後、混合物を濾過した。濾液をアミノ変成ゲル (ジクロロメタン中4〜5%メタノール)に加えて、3.99gの化合物11を黄色固形物として得た。
1H NMR (300MHz、CD3OD):δ 7.43 (dd、J=7.8、1.8Hz、1H、7.37〜7.33、m、1H)、7.26 (t、J=7.8Hz、1H)、4.43 (s、2H)、3.51 (s、4H)。
【実施例5】
【0069】
生物学的固有活性データ
本明細書において説明するある種の化合物を、α‐アドレナリン活性について、Receptor Selection and Amplification Technology (RSAT)アッセイ (Messier et al., 1995, Pharmacol. Toxicol. 76, pp. 308‐311) を使用して試験した。α2アドレナリンレセプターの各々を単独で発現する細胞を各種化合物と一緒にインキュベートし、レセプター介在成長応答を測定した。化合物活性は、標準の完全作用薬と比較したその相対的有効性として表している(下記の表1参照)。本明細書において説明する化合物は、α2Bおよび/またはα2Cレセプターを活性化する。
【0070】
【表1】

nd = 測定せず
【実施例6】
【0071】
生物学的固有活性データ
種々の濃度のN‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンを、Chungモデルラット(脊髄神経損傷モデルラット)に投与した。慢性疼痛(特に末梢神経障害)についてのKim and Chung 1992, Pain 150, pp 355‐363に従うモデル(Chungモデル)は、実験動物における片側のL5 (および必要に応じてのL6)脊髄神経の外科的結紮を含む。手術から回復しているラットは、体重が増加し、清浄ラットの活性と同様な一般的活性を示す。しかしながら、これらのラットは、足の異常を発症し、後足が中度に反転し、足指が結合している。さらに重要なことに、手術によって影響を受けた側の後足は、術後の約1週間以内では、ヒトにおいて弱い接触感を発生させる刺激のような低閾値の機械的刺激からの疼痛に対して敏感になっているようである。正常には無痛の接触に対するこの感受性は、“接触性アロディニア(tactile allodynia)”(又は”接触性異痛”)と称し、少なくとも2ヶ月間続く。その応答としては、患部後足を持ち上げての刺激からの逃避、足を舐める動作および足の空中での数秒間の保持がある。これらの応答は、対照群においては通常見られない。
【0072】
ラットは、術前に麻酔する。手術部位は毛を剃り、ベタダイン(betadine)またはノボカイン(Novacaine)のいずれかによって準備する。切開は、胸椎Xlllから下方へ仙骨に向かって行う。筋肉組織を脊髄椎骨(左側)からL4〜S2レベルで分離する。L6椎骨を探し、横突起を小骨鉗子によって注意深く除去し、L4〜L6脊髄神経を露出する。L5およびL6脊髄神経を分離し、6〜0蚕糸できつく結紮する。同じ手順を対照として右側において行うが、脊髄神経の結紮は実施しない。
【0073】
完全止血を確認し、その後、傷口を縫合する。少量の抗生物質軟膏を切開領域に塗布し、ラットを制御管理高温ランプ(regulated heat‐temperature lamp)下の回復プラスチックケージに移す。少なくとも手術7日後の試験日において、試験群当り典型的に6匹のラットに、試験薬物を、腹腔内(i.p.)注射または強制経口投与によって投与する。i.p.注射においては、各化合物をd H2O中で調合し、食道から胃にゆっくり挿入する18ゲージの7.62cm(3インチ)強制投与針を使用して1ml/kg体重の容量で投与する。
【0074】
接触性アロディニアを、剛性において漸増の差異を有する1連の微細毛であるフォンフレイ毛(Von Frey hair)を使用して、薬物投与前および投与後30分において測定する。ラットを、金網の底を有するプラスチックケージに入れ、約30分間順応させる。フォンフレイ毛を、僅かなバックリング(buckling)を生じさせるのに十分な力でラットの後足の中央足底領域に金網越しに垂直に適用し、6〜8秒間維持する。適用する力は、0.41〜15.1グラムの範囲であると算出されている。足を敏速に退去する場合、陽性反応とみなす。正常動物はこの範囲の刺激に対して反応しないが、術的に結紮した足は、1〜2グラムの毛に応答して退去する。50%の足退去閥値は、Dixon, W.J., Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 20:441‐462 (1980)(参考として本明細書に合体させる)の方法を使用して判定する。薬物投与後閾値を投与前閾値と比較し、触覚感受性のパーセント逆転を、15.1グラムの正常閾値に基いて算出する。
【0075】
下記の表2は、30μg/kg、100μg/kgまたは300μg/kg投与量でのピークアロディニア逆転を示す。
表2

【0076】
表2に示すように、30μg/kgの経口投与量は、28%のアロディニア逆転を生じていた。鎮痛効果は、約30分内で迅速に見られた。図1は、30分でピークパーセントアロディニア軽減を示し、その後、約120分でベースラインに安定した軽減を示す。
【実施例7】
【0077】
生体内活性データ
データは、N‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンを腹腔内(IP)投与した野生タイプのラットから得た。ラットを6匹の群に分割し、1mg/kgまたは10mg/kgの投与量のN‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンを投与して、薬物投与の鎮静効果を評価した。図2および下記の表3の双方においてみられるように、10mg/kgは、投与したラットにおいて有意な鎮静効果を有していた。

表3

【0078】
特に断らない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用する成分の量、分子量のような性質、反応条件等を表す全ての数値は、用語“約”によって全ての場合に修正されているものと解釈すべきである。従って、そうでないことを示さない限りは、本明細書および特許請求の範囲において示す数値パラメーターは、本発明によって得られるように探求した所望の性質に応じて変動し得る近似値である。最低限でも、また、特許請求の範囲と等価の原則の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも、報告した有意の桁数に照らして、さらに、一般的な丸め方法を適用して解釈すべきである。本発明の広い範囲を示している数値範囲およびパラメーターが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例において示す数値は、できる限り正確に報告している。しかしながら、如何なる数値も、それぞれの試験測定値において見出される標準偏差に必然的に由来するある種の誤差を本質的に含んでいる。
【0079】
本発明を説明する関連において(特に、特許請求の範囲の関連において)使用する用語 “a”、“an”、“the”(英文原稿における冠詞)および同様な指示対象(referents)は、特に断らない限り或いは前後関係において明確に否定しない限り、単数形および複数形の双方に及ぶものと解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、単に、その範囲内に属する各別々の値を個々に言及する簡便な表記方法として機能させることを意図している。本明細書において特に断らない限り、個々の値は、あたかも各々の値を個々に本明細書で示すようにして、各々本明細書に含ませている。本明細書において説明する方法は、特に断らない限り或いは前後関係において明確に否定しない限り、全て任意の適切な順序で実施し得る。ありとあらゆる例の使用或いは本明細書において使用する典型的な表現(例えば、“ような”)は、本発明を良好に明確にするためにのみ使用し、別途特許請求する本発明の範囲に限定をもたらすものではない。本明細書における表現は、本発明の実施に不可欠である特許請求していないあらゆる要素も示すものと解釈すべきではない。
【0080】
本明細書において開示する発明の代替要素または実施態様のグループ化は、限定と解釈すべきではない。各グループ構成メンバーは、個々に或いはそのグループの他のメンバーまたは本明細書において見出される他の要素との任意の組合せで参照または特許請求し得る。1つのグループの1以上のメンバーを、便宜性および/または特許性を理由として、1つのグループに含ませるまたはそのグループから除外することが予想される。何らかのそのような包含または除外が生じた場合、本明細書は、補正して特許請求の範囲において使用する全てのマーカッシュ群の文書記載を満たすような群を含むものとみなす。
【0081】
本発明を実施するのに本発明者等が知る最良の形態を含む本発明のある種の実施態様を、本明細書において説明している。勿論、これらの説明している実施態様の変形は、当業者にとっては、上記の説明を読むことで明らかとなろう。本発明者等は、熟練技術者がそのような変形を適切なものとして使用することを期待しており、また、本発明者等は、本発明においては、本明細書において具体的に説明したのとは他の形で実施することを意図している。従って、本発明は、適用法によって認められるような、特許請求の範囲において記載している主題の全ての修正および等価物を包含する。さらにまた、その全ての可能性ある変形における上記の要素の如何なる組合せも、特に断らない限り或いは前後関係において明確に否定しない限り、本発明に包含される。
【0082】
さらにまた、多くの特許および刊行物を本明細書の全体に亘って参照してきた。上記で引用した文献および刊行物の各々は、個々に、その全体を参考として本明細書に合体させる。
終りに当って、本明細書において開示する発明の各実施態様は、本発明の原理の説明であることを理解すべきである。使用し得る他の修正も本発明の範囲内である。即ち、例えば、限定するものではないが、本発明の別の形態は、本明細書における教示に従って使用し得る。従って、本発明は、正確に開示し説明した通りの発明に限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構造を有し、α‐アドレナリンレセプターの少なくとも1種を活性化する化合物を投与することを特徴とする、哺乳類におけるα‐アドレナリンレセプターの活性化によって緩和される症状または疾患の治療方法:
【化1】


(式中、R1およびR2は、各々、個々に、水素、C1‐4アルキル、C1‐4アルコキシ、OH、ハロゲン、NR'2、CN、CO2R'、C(O)NR'R''、アルコール、C1‐4ハロゲン化アルキル、C1‐4ハロゲン化アルコキシ、および置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;
R'は、水素、C1‐4アルキルおよびC1‐4ハロゲン化アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;
R''は、水素およびC1‐4アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれる)。
【請求項2】
前記症状または疾患が、高血圧症、鬱血性心不全、喘息、鬱病、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、視神経症、疼痛、内臓痛、角膜痛、頭痛、片頭痛、癌性疼痛、背痛、過敏性腸症候群性疼痛、筋肉痛、糖尿病性神経障害に関連する疼痛、糖尿病性網膜症の治療、他の網膜変性症状、卒中、認知障害、神経精神病症状、薬物依存症、薬物中毒、離脱症状、強迫障害、肥満、インスリン耐性、ストレス関連症状、下痢、利尿、鼻閉、痙性、注意力欠陥障害、精神病、不安神経症、自己免疫疾患、クローン病、胃炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症および他の神経変性疾患からなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
R1およびR2が、各々、個々に、ハロゲンまたはハロゲン化アルキルである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記化合物が、N‐(2‐クロロ‐3‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記化合物が、N‐(2‐ジフルオロメトキシ)‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記化合物が、N‐(2,3‐ジメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記化合物が、N‐(トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記化合物が、N‐(トリフルオロメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記化合物が、N‐(2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記化合物が、N‐(2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、N‐(2,3‐ジメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記化合物が、N‐(3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジル)‐4,5-ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記化合物が、N‐(2‐クロロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、N‐(2‐メチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記化合物が、N‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、N‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記化合物が、N‐(2,3‐ジメチルベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記化合物が、N‐(2‐フルオロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミンである、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記症状または疾患が、疼痛である、請求項1記載の方法。
【請求項20】
下記の構造を有し、α‐アドレナリンレセプターの少なくとも1種を活性化する化合物を含むことを特徴とする、哺乳類におけるα‐アドレナリンレセプターの活性化によって緩和される症状または疾患の治療用組成物:
【化2】


(式中、R1およびR2は、各々、個々に、水素、C1‐4アルキル、C1‐4アルコキシ、OH、ハロゲン、NR'2、CN、CO2R'、C(O)NR'R''、アルコール、C1‐4ハロゲン化アルキル、C1‐4ハロゲン化アルコキシ、および置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;
R'は、水素、C1‐4アルキルおよびC1‐4ハロゲン化アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれ;
R''は、水素およびC1‐4アルキル、置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールから選ばれる)。
【請求項21】
前記症状または疾患が、高血圧症、鬱血性心不全、喘息、鬱病、緑内障、高眼圧、虚血性神経障害、視神経症、疼痛、内臓痛、角膜痛、頭痛、片頭痛、癌性疼痛、背痛、過敏性腸症候群性疼痛、筋肉痛、糖尿病性神経障害に関連する疼痛、糖尿病性網膜症の治療、他の網膜変性症状、卒中、認知障害、神経精神病症状、薬物依存症、薬物中毒、離脱症状、強迫障害、肥満、インスリン耐性、ストレス関連症状、下痢、利尿、鼻閉、痙性、注意力欠陥障害、精神病、不安神経症、自己免疫疾患、クローン病、胃炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症および他の神経変性疾患からなる群から選ばれる、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
前記症状または疾患が、疼痛である、請求項20記載の組成物。
【請求項23】
前記化合物が、N‐(2‐クロロ‐3‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐ジフルオロメトキシ)‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(トリフルオロメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐フルオロ‐3‐トリフルオロメチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジメトキシ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(3‐ブロモ‐2‐メトキシ‐ベンジル)‐4,5-ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐クロロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐メチル‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(3‐クロロ‐2‐フルオロ‐ベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジクロロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2,3‐ジメチルベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、N‐(2‐フルオロベンジル)‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐イミダゾール‐2‐アミン、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項20記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−522893(P2011−522893A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513592(P2011−513592)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/046432
【国際公開番号】WO2009/152052
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】