説明

アルファ化され、化学的に改変された耐性デンプン製品およびその使用

【課題】新規の化学的に改変された耐性デンプンのアルファ化形態を提供する。
【解決手段】化学的に改変された耐性デンプンのアルファ化形態が提供される。これは、αアミラーゼ消化に対し高い程度の耐性、脂肪様のきめおよび顕著な凍結融解安定性を有する。デンプン製品は、二デンプンリン酸ジエステルとして形成される。これは、そのゼラチン化温度を超えて加熱されることによって、結晶相の融解を受ける。この製品は、滑らかなきめを生成する顆粒の形態学を維持する。アルファ化された耐性デンプンは、種々の食品に使用され得、このデンプンは、製品に高い食事性繊維、低脂肪および/または低カロリーの特徴を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、2005年12月5日に出願された米国特許出願第11/294,314号(これは、2005年11月21日に出願された米国特許出願第11/283,934号の一部継続である)のPCTであり、2005年2月18日に出願された米国仮特許出願第60/654,100号の優先権の利益を主張する。これらの各々は、参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、化学的に改変された耐性デンプン(resistant starch)のアルファ化形態(pregelatinized form)、このようなデンプンを含む食品、およびこれらを調製する方法に関する。耐性デンプン製品は、低いカロリー密度(low caloric density)、高い食事性繊維含量、および脂肪様のきめならびに凍結融解の繰り返しのサイクルの間の優れた安定性を示す。
【背景技術】
【0003】
(背景)
デンプンは、植物において食料の備蓄としての役割を果たし、そしてデンプンの消化が唾液および膵臓のαアミラーゼによって媒介されるヒトの食事において重要な成分である。αアミラーゼ酵素は、マルトース、マルトトリオース、およびデキストリン(これらは、小腸の刷子縁においてさらにd−グルコースに加水分解される)の形成を触媒する。しかしながら、一部のデンプンは、αアミラーゼによる消化に耐性である。Englystら(1992、Eur.J.Clin Nutr)は、摂取されたデンプンを、その起こり得るインビボでの消化の末路(digestive fate)に基づいて分類した。彼らは、食事性デンプンについて以下の3つのクラスを提唱した:1)迅速に消化可能なデンプン(RDS)(これは、ヒトの腸内で消化される可能性がある);2)ゆっくりと消化可能なデンプン(SDS)(これは、小腸内でゆっくりだが、完全に消化される可能性がある);および3)耐性デンプン(RS)(これは、小腸内で消化されない可能性がある)。
【0004】
RSは、耐性の原因に依存して以下の4つのカテゴリーに細分されている(Englystら、1992、Eerlingenら、1993):RS1、消化不能なマトリクスに捕捉されていることに起因する、物理的に接近不能なデンプン;RS2、結晶性(crystallinity)を有する生のデンプン顆粒;RS3、老化した(retrograded)アミロース;および、RS4、化学的に改変されたデンプン。
【0005】
SDSと一緒になって、RSは、強烈なインスリン応答を引き起こさない低減した血糖上昇指数を有する食品に関連しており、全ての個人(特に、II型糖尿病を有する個人)に有益であると考えられている。
【0006】
RSはまた、穏やかな下剤であることが示されている、食事性繊維の一成分として認識されている。RSは、結腸で部分的に単鎖脂肪酸へ発酵される。この単鎖脂肪酸は、便のpHを下げ、続いて7−デヒドロキシラーゼ(これは、結腸癌の危険性の増大に関連する二次的な胆汁酸を形成する)の活性を阻害する。単鎖脂肪酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、および酪酸)はまた、結腸の血流および電解質の吸収を刺激することが示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要旨)
一局面において、アルファ化耐性デンプンは、個別の、架橋されたデンプン顆粒を複数含み、この顆粒は、結晶相を欠く。結晶相の欠如は、例えば、吸熱性ゼラチン化転移(endothermic gelatinization transition)を示さないアルファ化デンプンの示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry)のグラフによって示され得る。または代替的に、結晶相の欠如はまた、アルファ化デンプンを、顕微鏡下で直線偏光によって観る場合に、複屈折の欠如として観察され得る。
【0008】
一局面において、食品は、アルファ化耐性デンプンから作製され得る。アルファ化耐性デンプンは、凍結融解の連続的なサイクルの間、約20〜25%より多い水分含量を失うことなく安定であり得る。
【0009】
一局面において、アルファ化耐性デンプンは、水中でデンプン顆粒の分散物を形成する工程、この顆粒をこの分散物中で膨張させ、そして結晶相を有する工程を包含する方法によって調製され得る。架橋剤は、この顆粒が膨張される間に、この分散物に添加され、次に、この顆粒の形態学を破壊することなく、顆粒の結晶相を完全に融解させるために、架橋されたデンプンの分散物は加熱される。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1)
個別の、架橋されたデンプン顆粒を複数含むアルファ化デンプンであって、該顆粒は、結晶相を欠く、アルファ化デンプン。
(項目2)
上記デンプン顆粒が、穀類、根、塊茎およびマメからなるデンプン供給源の群に由来する、項目1に記載のデンプン。
(項目3)
上記デンプン顆粒が、コムギ、モチコムギ、トウモロコシ、モチトウモロコシ、高アミローストウモロコシ、オートムギ、コメ、タピオカ、リョクトウ、サゴ、サツマイモ、ジャガイモ、オオムギ、ライコムギ、モロコシおよびバナナからなるデンプン供給源の群に由来する、項目2に記載のデンプン。
(項目4)
上記顆粒が、リン酸化剤(phosphorylating agent)、アジピン酸,、エピクロルヒドリンおよびこれらの混合物からなる群より選択される架橋剤によって架橋される、項目2に記載のデンプン。
(項目5)
上記リン酸化剤が、トリメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、塩化ホスホリルおよびこれらの混合物からなる群より選択される、項目4に記載のデンプン。
(項目6)
上記デンプン顆粒が酸化されている、項目1に記載のデンプン。
(項目7)
上記デンプンが、連続的な凍結融解のサイクルの間、約25%より多い水分含量を損失することなく安定である、項目1に記載のデンプン。
(項目8)
上記デンプンが、連続的な凍結融解のサイクルの間、約20%より多い水分含量を損失することなく安定である、項目1に記載のデンプン。
(項目9)
上記デンプンが、少なくとも約0.1重量%のリンを含む、項目1に記載のデンプン。
(項目10)
上記デンプンが、少なくとも約2.5ml/gの冷水を吸収する、項目1に記載のデンプン。
(項目11)
上記デンプンが、少なくとも約3.0ml/gの冷水を吸収する、項目1に記載のデンプン。
(項目12)
上記アルファ化デンプンの示差走査熱量測定のグラフが、吸熱性ゼラチン化転移を示さない、項目1に記載のデンプン。
(項目13)
上記アルファ化デンプンが、顕微鏡下、直線偏光で見る場合に、複屈折の欠如が観察される、項目1に記載のデンプン。
(項目14)
項目1に記載のデンプンを含む、食品。
(項目15)
上記食品が、シリアル穀類、冷凍デザート、ヨーグルト、アイスクリーム、低脂肪ブラウニー、低脂肪ピーナッツバタークッキー、低脂肪砂糖クッキー、低脂肪シナモンロール、繊維富化シナモンロールフィリング、低脂肪バターミルクビスケット、低脂肪ブルーベリーマフィン、低脂肪ホワイトケーキ、高繊維の即席マッシュポテト、低脂肪肉製品、低脂肪チーズケーキ、食事性繊維富化サラダドレッシング、低脂肪アイスクリーム、サンデースタイルヨーグルト、および低脂肪クリームフィリングからなる群より選択される、項目14に記載の食品。
(項目16)
未調理の食品の重量に基づいて、約1〜50重量%の間の量で、項目1に記載のデンプンを含む食品。
(項目17)
未調理の食品の重量に基づいて、約2〜10重量%の間の量で、項目1に記載のデンプンを含む食品。
(項目18)
AOAC method 991.43を使用して、αアミラーゼ消化に対して、少なくとも約20%の耐性を示す、架橋かつアルファ化された顆粒状のデンプン。
(項目19)
アルファ化デンプンを調製する方法であって、該方法は、
水中でデンプン顆粒の分散物を形成する工程であって、該顆粒は結晶相を有する、工程;
該顆粒が膨張する間に、該分散物に架橋剤を添加する工程;および
該顆粒の形態学を破壊することなく、該顆粒の結晶相を完全に融解するために、該架橋されたデンプン分散物を加熱する工程、
を包含する、方法。
(項目20)
上記デンプン顆粒を単離する工程、および
該単離されたデンプン顆粒と食品組成物とを混合する工程、
をさらに包含する、項目19に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、アルファ化され、架橋された耐性デンプンの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す。
【図2】図2は、10サイクルの凍結融解の間での、水分の損失を示す。
【図3】図3は、10サイクルの凍結融解後の、アルファ化され、架橋された耐性デンプンのSEMを示す。
【図4】図4は、ゼラチン化吸熱の消失がアルファ化され、架橋されたデンプンについて観察される示差走査熱量測定のグラフを示す。
【図5】図5は、天然のデンプン(A)で観察される複屈折がアルファ化され、架橋されたデンプン(B)において消失している偏光顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(詳細な説明)
本明細書で使用される場合、用語「アルファ化された(pregelatinized)」とは、個々の顆粒構造を維持する非晶質(noncrystalline)デンプンをいう。
【0012】
本明細書で使用される場合、「結晶相の完全な融解」または「完全なゼラチン化」とは、直線偏光下で顕微鏡により観察した場合に、デンプン顆粒の複屈折の喪失、および/または、デンプン製品を示差走査熱量測定で試験した場合に、ゼラチン化吸熱(gelatinization endotherm)が存在しないことをいう。
【0013】
低いカロリー密度、高い食事性繊維含量、優れた凍結融解安定性、および脂肪様のきめを有する化学的に改変された耐性デンプンのアルファ化形態が提供される。この製品は、デンプンを架橋し、続いて顆粒構造の結晶相を融解させることによって調製される。結晶性の喪失は、直線偏光顕微鏡(plane polarized light microscope)によって見られる顆粒における複屈折の消失、および/または示差走査熱量測定(DSC)のグラフにおけるゼラチン化吸熱のピークの消失によって特徴付けられる。
【0014】
アルファ化され、化学的に改変された耐性デンプン製品は、Association of Official Analytical Chemists 2002 (AOAC) Method 991.43によって測定されるように、αアミラーゼ消化に対して少なくとも約20%の耐性、より好ましくは少なくとも約35%の耐性、そして最も好ましくはα−アミラーゼ消化に対して少なくとも約50%の耐性を示す。さらに、この製品は、水中で脂肪様のきめを有する滑らかな顆粒構造を示し、凍結融解の繰り返しのサイクルの間に、制限された水分損失を示し、そして冷水および熱水に容易に分散する。この製品は、低脂肪、低カロリーおよび高繊維食品(特に、冷凍食品適用)に有利に使用され得る。例えば、冷凍食品は、シリアル穀類(cereal grain)、冷凍デザート、ヨーグルトおよびアイスクリームからなる群より選択され得る。
【0015】
実際には、任意の未改変のデンプン(穀類、根、塊茎およびマメからなる群より選択されるデンプンを含む)が、本明細書に記載の方法にしたがって改変され得る。さらなるデンプンとしては、以下から選択されるものが含まれる:コムギ、モチコムギ(waxy wheat)、トウモロコシ、モチトウモロコシ(waxy corn)、高アミローストウモロコシ、オートムギ、コメ、タピオカ、リョクトウ、サゴ、サツマイモ、ジャガイモ、オオムギ、ライコムギ、モロコシ、バナナおよび他の植物学的供給源(モチ状、部分的なモチ状、および高アミロース改変体(「モチ状(waxy)」は、少なくとも約95重量%のアミロペクチンを含む事が意図され、「高アミロース」は、少なくとも約40重量%のアミロースを含む事が意図される))。化学的、物理的または遺伝的に改変された形態のデンプンもまた使用され得る。改変技術としては、以下が挙げられる:1)21 CFR 172.892にしたがって化学薬品および/または酵素による処理;2)老化(再結晶)、熱処理、部分的なゼラチン化、アニーリング(annealing)および焙煎のような物理的な変換;3)遺伝的改変(遺伝子操作または染色体操作(例えば、交雑、転座、逆位(inversion)および形質転換)が含まれる);および4)上記の組み合わせ。
【0016】
アルファ化され、化学的に改変された耐性デンプンは、最初に水中でデンプン顆粒の分散物を形成する工程を包含するプロセスによって調製され、このデンプン顆粒は、インタクトな結晶相を有する。この分散物は、代表的に、その約15重量%より多いデンプン、そしてより代表的には約30重量%より多いデンプンを含む。架橋剤は、ゼラチン化を避ける条件下で分散物に添加される。架橋後、このデンプン顆粒を、過剰な水の中で加熱し、顆粒の結晶相を完全に融解させる。適切な架橋条件およびパラメータは、米国特許第5,855,946号(これは、明示的に本明細書に参考として援用される)に示される。
【0017】
デンプンは、種々の架橋剤を使用して化学的に架橋することができる。しかしながら、FDA食品医薬品局は、食品製造に使用される化学薬品の組成および濃度を規制する。21 CFR §172.892(d)を参照のこと。これは、製造の間の試薬濃度または最終製品のリン含量(phosphorus content)のいずれかを、以下のように制限する。
【0018】
オキシ塩化リン(反応混合物中、0.1%を超えないこと)
トリメタリン酸ナトリウム(sodium trimetaphosphate)(リンとして算出して、残余のリン酸が0.04%を超えないこと)
トリメタリン酸ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウム(sodium tripolyphosphate)(リンとして算出して、残余のリン酸が0.4%を超えないこと)。
【0019】
したがって、好ましい架橋剤は、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、塩化ホスホリル、およびこれらの混合物からなる群より選択されるもの架橋剤である。当業者は、同様な効果を有する他の架橋剤が使用され得、かつそれが米国外で規制され得ないことを認識する。例えば、アジピン酸およびエピクロルヒドリン(epichlorohydrin)が使用され得る。
【0020】
一般的に、STMPおよびSTPPの混合物を使用する場合、それは、約1〜20重量%のSTMP、好ましくは5〜12重量%のSTMP、および約0.01〜0.2重量%のSTPP、好ましくは0.05〜0.12重量%のSTPPを含まなければならない。STMP/STPP混合物は、約1〜20重量%、そして好ましくは約5〜12重量%のレベルで有利に使用される。STMPが単独で使用される場合、それは、約1〜20重量%、そして好ましくは約5〜12重量%のレベルで使用され得る。他に特に指定されない限り、パーセンテージは、100重量%とみなす最初の未改変のデンプンの重量に基づく。本明細書に記載される架橋されたデンプンは、リン酸化され、二デンプン(distarch)リン酸ジエステルを形成する。架橋されたデンプンは、少なくとも約0.1重量%のリン、および好ましくは約0.2重量%のリンを含む。例えば、架橋されたデンプンは、その約0.1〜0.4重量%の範囲のリンを含み得る。
【0021】
架橋反応は、約10〜13の塩基性pH、好ましくは約11〜12の塩基性pHで実行される。アルカリ性は、改変デンプンの優勢な形態としてリン酸二デンプン(distarch phosphate)(すなわち、架橋されたデンプン)の収量を改善する。一リン酸一デンプン(monostarch monophosphate)の形成をもたらす競合的な置換反応は最小限にされる。この反応は、約25〜70℃、好ましくは約30〜50℃で実行される。十分な反応時間は、約10分間〜約24時間、好ましくは約1〜12時間である。
【0022】
特定の場合において、塩の添加の組み合わせおよび温度上昇の速度の制御を使用して、通常のゼラチン化温度より高い温度で架橋反応を実行することが可能である。例えば、STMPまたはSTMP/STPP混合物を、架橋剤として使用する場合、硫酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムの形態の塩を、約0.1〜20重量%(100重量%とみなす出発デンプンの重量に基づく)の量でデンプン分散物中に添加する。添加された塩は、架橋反応の間のゲルの形成を遅滞させ、デンプン顆粒へのアルカリ(塩基)の吸収を増大させる。顆粒内のアルカリの増大は、デンプンを化学試薬(例えば、STMPおよびSTPP)に対しより反応性にし、リン酸二デンプンの形成により好ましい反応条件を提供する。架橋反応が完了したら、この分散物を塩酸溶液で中和し、未反応の塩を除去するためにデンプンを水で洗浄する。
【0023】
ゼラチン化工程において、架橋されたデンプン顆粒を過剰な水の中で加熱し、顆粒の結晶相を融解させる。加熱の初期段階において、デンプン顆粒の非晶質相内で、可逆的な水和および膨張が起こる。デンプンの結晶相を融解させた後、デンプン分子は、より緩く会合するようになる。このことは、結晶ネットワーク(crystalline network)内の水素結合を破壊するために必要とされる。本発明の手段は、顆粒状のデンプンの完全なゼラチン化を達成するために十分な温度、過剰な水の中で、架橋された耐性デンプンを加熱する工程を包含する。例えば、架橋された耐性デンプンの水性分散物(10〜30%w/w)を、ゼラチン化温度より高い温度で、約30分間、攪拌しながら加熱する。次に、調理された製品を冷却し、遠心分離し、そして従来のオーブン、熱水ヒーター(hydrothermal heater)、ジェット調理器(jet cooker)、噴霧調理器(spray cooker)、押し出し器、ドラムドライヤーおよび/または噴霧乾燥機内で乾燥させる。高アミロースではないデンプンの場合、加熱の好ましい温度は、80℃よりも高い。高アミロースデンプンの場合、温度は110℃よりも高くあり得る。生じた製品は、約20%未満、好ましくは約15%未満の水分含量まで乾燥させる。
【0024】
天然または従来(未改変)のデンプンにおいて、結晶相の熱融解(thermal melting)は、アミロース画分(これは長期間の保存中に、再会合してゲル系の外に水を排出する(劣化(staling)を生じる))の浸出をもたらす。本発明の手段にしたがうデンプン製品では、アミロースの浸出は無視できるほどであり、連続的なゲルを形成しない。結晶相の非晶質相への完全な変換後、製品は、滑らかな表面を有する顆粒状形態(図1)を保持する。これは、食品適用において滑らかかつ優美なきめを有利に与える。長期間の保存の間に維持される、制限されたアミロースの再会合およびインタクトな顆粒状形態は、凍結融解の繰り返しのサイクルの間に、水の損失を最小限にすることに寄与する(図2、3)。
【0025】
デンプン製品の結晶相の消失を、示差走査熱量測定(DSC)および偏光顕微鏡によって確認する。DSCは、温度の関数として熱の流れを測定する。天然の顆粒状のデンプンを過剰な水とともに加熱した(デンプン:水=1:3)場合、結晶相の融解は、鋭い吸熱性のピークとして記録される。曲線下の面積は、デンプンの結晶相を非晶質相へ変換するために必要とされる熱エネルギー(エンタルピー、ΔH)である。偏光顕微鏡によって、屈折の固有のパターン(「複屈折」または「マルタ十字(Maltese cross)」と呼ばれる)として、天然のデンプン顆粒の整然とした構造が示される。DSC吸熱および複屈折の存在の両方が、天然の顆粒状デンプンの整然とした結晶相と相関することが周知である。本明細書に記載される製品は、DSCによってゼラチン化吸熱を示さず(図4)、かつ偏光顕微鏡によって複屈折を示さず(図5B)、したがって、天然の結晶相の破壊を確実にしている。
【0026】
本明細書に開示されるアルファ化デンプンは、高い食事性繊維、低脂肪および/または低カロリー含量(low calorie content)を有する食品組成物に使用され得る。例えば、アルファ化デンプンは、食品(パスタ、ヌードル、チーズ、アイスクリーム、ヨーグルト、ブラウニーおよびケーキなどが挙げられるが、これらに限定されない)に組み入れられ得る。食品へのアルファ化デンプンの組み込みは、最終製品の食事性繊維の要件を満たす。アルファ化デンプンは、組成全体のうち、約0.1〜50重量%の間のレベルで組み入れられ得る。さらに、アルファ化耐性デンプンは、0.1〜90%の脂肪、油および/または他のカロリーの高い(dense)成分を置き換えるために使用され得、それによってカロリーが低減された食品を形成し得る。
【0027】
以下の実施例は、本明細書に報告された手段にしたがった、特定のアルファ化され、化学的に改変された耐性デンプン製品、およびこのような製品を調製する方法を示す。これらの実施例は、説明のみのために提供され、これらの実施例内の何物も本発明の範囲を限定するとはみなされず、本発明の範囲は上記の特許請求の範囲によって規定されることが理解されるべきである。
【実施例】
【0028】
(材料および方法)
以下は、実施例で使用される材料および一般的な方法を記載する。試験方法を含む全ての文献の参照は、参考として本明細書に援用される。
【0029】
(材料)
以下の物品を、Sigma Chemical Co.(St.Louis,Mo.)から購入した;トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES、カタログ番号M 8250)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS、カタログ番号T 1503)、および全食事性繊維アッセイキット(TDF−100 A)。この食事性繊維キットは、熱安定性αアミラーゼ(47,000U/ml)(1ユニットは、3分間、pH6.9、および20℃でデンプンから1.0mgのマルトースを遊離させる)、アミログルコシダーゼ(3690U/ml)(1ユニットは、3分間、pH4.5、および20℃でデンプンから1.0mgのグルコースを遊離させる)、およびプロテアーゼ(7〜15U/g)(1ユニットは、30分間、pH7.5および30℃で、N,N−ジメチル化カゼインを基質として使用して、TCA可溶性生成物として測定される0.5のA280を生成する)を含んだ。コムギデンプン(Midsol 50)およびヒドロキシプロピル化(約4.5%)コムギデンプン(Midsol 40)は、MGP Ingredients,Inc.(Atchison,Kansas)製であり、タピオカデンプンは、Cargill Inc.(Hammond,IN)製であり、そしてジャガイモデンプンは、Penford Food Ingredients(Englewood,CO)製であった。塩化ホスホリルは、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wisconsin)製であった。
【0030】
(耐性コムギデンプン)
耐性コムギデンプンを、米国特許第5,855,946号に記載の方法にしたがって調製した。
【0031】
コムギデンプン(50g、無水ベース(dry basis)、水(70ml)、およびトリメタリン酸ナトリウム(5.94g、11.88%、デンプンベース、sb)を、STPP(0.06g、0.12%、sb)および硫酸ナトリウム(5g、10%、sb)を含んでか、または含まずに、丸底フラスコ内に置き、そしてこの混合物を、1.0M水酸化ナトリウム(約25ml)を添加することによりpH11.5に調整した。スラリーを連続的に攪拌し、温め、そして45℃で3時間保持した。この時間後、スラリーのpHが、約0.2〜0.3pH単位下がったことが見出された。1.0M塩酸(通常、約20ml未満)を添加することによって、このスラリーをpH6.5に調整し、そしてデンプンを遠心分離によって収集し、水で洗浄(4×100ml)し、そして40℃で乾燥させた。耐性デンプンの収率は約99%より多かった。
【0032】
(耐性ジャガイモデンプン)
耐性ジャガイモデンプンを、コムギデンプンの代わりにジャガイモデンプンを用いて、上記のように調製した。
【0033】
(耐性タピオカデンプン)
耐性タピオカデンプンを、コムギデンプンの代わりにタピオカデンプンを用いて、上記のように調製し得る。
【0034】
(酸化耐性コムギデンプン)
耐性コムギデンプン(60g)を、200mlの水に分散させ、30分間混合した。分散物を、45℃に温め、pHを、1M水酸化ナトリウムを使用して11.0に調整した。次亜塩素酸ナトリウム7.5%(乾燥デンプンベース)をスラリーに加え、45℃で16時間、連続的に攪拌した。この分散物を、1.0N塩酸を用いてpH6.0に調整し、次に、室温(25℃)まで冷却した。無機塩を除去するために、ゼラチン化されていないデンプンを水で洗浄した。
【0035】
(一般的方法)
全食事性繊維の測定
全ての化学分析を三連で行った。架橋された耐性デンプンのアルファ化形態における全食事性繊維を、AOAC Official Method 991.43(1995)に関してSigma TDF−10OAキットを使用して決定した。デンプン(1.00g、無水ベース)を、400mlトールタイプ(tall−form)のビーカー内の0.05M MES−TRIS緩衝溶液(40ml、pH8.2)に分散させ、熱安定性αアミラーゼ溶液(50μL)を添加した。この混合物を、振とう型水浴(Precision、model 25、Winchester,VA)中で、95℃で35分間インキュベートした。60℃まで冷却した後、この混合物とプロテアーゼ(100μL)とを混合し、30分間インキュベートした。消化物を、0.561N塩酸を用いてpH4.5に調整した。グルコアミラーゼ(100μL)を添加し、混合物を60℃で30分間インキュベートした。4容積の95%エタノールを添加することによって、不溶性残渣を沈殿させた。残渣を珪藻土充填フィルター上に集め、一晩105℃で乾燥させ、計量し、全食事性繊維として算出した。
【0036】
(示差走査熱量測定)
デンプンの熱的な特性を、Perkin−Elmer Pyres 6(これは、インジウムおよび亜鉛標準を使用する温度およびエンタルピー測定のために較正されている)を使用する示差走査熱量測定(DSC)により決定した。デンプンと水とを約1:3の比(15mg:45μL)で混合し、ステンレス鋼パン(pan)に封入した。走査を、10℃/分の速度で5℃および180℃との間で行い、冷却を、25℃/分の速度で180℃および5℃との間で観察した。
【0037】
(凍結融解安定性)
アルファ化され、化学的に改変された耐性デンプンの凍結融解安定性を、デンプンが凍結(−25℃)および融解(25℃)の繰り返しのサイクルを受けた場合の、放出された水の量によって評価した。
【0038】
デンプン(10g、無水ベース)および水(200ml)を、250ml遠心チューブ内で混合した。このチューブを、沸騰している水浴中で30分間加熱した。チューブ中のデンプンおよび水の混合物を、最初の5分間の加熱の間、1分毎にチューブを反転させることによって混合した。その後、残りの時間、この混合を5分間隔で繰り返した。チューブを室温まで冷却し、3,000×gで10分間遠心分離した。上清をデカントで移した後、チューブ全体の質量を測定した。チューブ内のデンプンと水との混合物を、−25℃で一晩凍結し、次に、室温まで完全に解凍させた。遠心分離後、放出された水を注意深くデカントで移し、測定した。残りのデンプン/水画分を凍結融解の繰り返しのサイクルに供した。各々の凍結融解のサイクル後の、水の損失を測定し、デンプンと水との最初の重量(これは、最初の凍結の前に測定した)で割った。
【0039】
(水和試験)
製品を、冷水および熱水水和試験によって試験した。冷水水和試験において、5gのデンプンを、250mlビーカー中で、100mlの冷水中に連続的に攪拌しながら30分間分散させた。次に、デンプン/水混合物を目盛り付きシリンダーに移し、そして膨張した容積を24時間後に測定した。膨張した容積(SP25)を、デンプンの乾燥重量で割った、目盛り付きシリンダー内のデンプンの膨張した容積を測定することによって決定した。
【0040】
熱水水和試験において、5gのデンプンを100mlの冷水に分散させ、そしてこの混合物を連続的に攪拌しながら95℃で30分間加熱した。その後、この混合物を、24時間後の測定のために目盛り付きシリンダーに移した。冷水水和試験の場合、膨張した容積(SP95)を、デンプンの乾燥重量で割った、目盛り付きシリンダー内のデンプンの膨張した容積を測定することによって決定した。
【0041】
(実施例1)
耐性コムギデンプン(4kg)を、16Lの水に分散させ、85℃まで加熱し、1分間維持した。アルファ化デンプンを、噴霧乾燥によって集め、以下のように評価した。
【0042】
【表1】

*クールター計数器(Coulter Multicizer II、Beckman Coulter,Inc.)によって測定した。
【0043】
(実施例2)
耐性ジャガイモデンプン(4kg)を16Lの水に分散させ、85℃まで加熱し、そして1分間維持した。アルファ化デンプンを噴霧乾燥によって集めた。
【0044】
【表2】

*クールター計数器(Coulter Multicizer II、Beckman Coulter,Inc.)によって測定した。
【0045】
(実施例3)
耐性タピオカデンプンを200mlの水に分散させ、85℃まで加熱し、そして1分間維持した。アルファ化デンプンを集め、オーブン乾燥させた。
【0046】
【表3】

*クールター計数器(Coulter Multicizer II、Beckman Coulter,Inc.)によって測定した。
【0047】
(実施例4)
ゼラチン化されていない酸化デンプンを大量の水に分散させ、85℃まで加熱し、そして1分間維持した。アルファ化デンプン製品を、オーブン乾燥によって集めた。
【0048】
【表4】

デンプンの明度(lightness)(L*)を、Y=93.7、x=0.3163およびy=0.3329を有する製造者の標準タイルによって較正したCR−410 Minolta chromameter(Ramsey,NJ,USA)を用いて測定した。*クールター計数器(Coulter Multicizer II、Beckman
Coulter,Inc.)によって測定した。
【0049】
(実施例5)
低脂肪ブラウニー
低脂肪ブラウニーを以下のように調製した:
1.全成分を乾燥混合(dry blend)する。
2.混合しながら、速度1で卵、水および油を添加する。
3.Hobartミキサー、Model 200(Troy,Ohio)を用いて、速度2で1分間混合し、そしてボウルを擦る。
4.速度2で1分間混合する。
5.600gのバターを9×9金属パンに置く。
6.365°Fで24〜26分間焼く。
【0050】
【表5】

(実施例6)
低脂肪ピーナッツバタークッキー
低脂肪ピーナッツバタークッキーを以下のように調製した:
1.クリームショートニング、ピーナッツバター、砂糖およびアルファ化耐性コムギデンプンをHobartミキサー、model 200(Troy,Ohio)内に置き、速度2で2分間混合し、そして直ちにボウルを擦る。
2.卵およびバニラを添加し、速度3で1分間混合し、そして直ちにボウルを擦る。
3.小麦粉、ソーダおよび食塩を添加し、速度3で1分間混合し、そして直ちにボウルを擦る。
4.対流オーブン内、ファン速度4、365°Fで8分間焼く。
【0051】
【表6】

(実施例7)
低脂肪砂糖クッキー
低脂肪砂糖クッキーを以下のように調製した:
1.クリームショートニングおよび砂糖を、Hobartミキサー、model 200(Troy,Ohio)内で一緒にし、速度2で2分間混合する。
2.全ての乾燥成分を乾燥混合する。
3.水を添加する。
4.速度2で1分間混合し、そしてボウルを擦る。
5.速度2で1分間混合する。
6.こね粉を伸ばし、77mmクッキーカッターを用いて切断する。
7.ファン速度4、355°Fで、12分間焼く。
【0052】
【表7】

(実施例8)
低脂肪シナモンロール
低脂肪シナモンロールを以下のように調製した:
1.全成分を混合ボウルに添加する。
2.低速度で、2分間混合する。
3.高速度で、12〜18分間混合する。
4.望ましいこね粉の温度は76〜78°Fである。
5.10分間の床時間(floor time)、放置する。
6.こね粉を1/4インチの厚みまで伸ばす。
7.繊維富化(fiber enriched)シナモンロールフィリングを所望する量まで適用する。
8.30〜60分間、106°F/102°Fを試験する(proof)。
9.375°Fで、20分間焼く。
【0053】
【表8】

(実施例9)
繊維富化シナモンロールフィリング
繊維富化シナモンロールフィリングを以下のように調製した:
1.全成分を一緒に添加し、完全に乾燥混合する。
2.シナモンロールフィリング混合物の75%の水(32℃)を計量する。
3.上記の水の半分をフィリング混合物に添加する。
4.塊が完全になくなるように混合する。
5.残りの水を加え、水が完全に混ざるまで混合する。
6.使用する前に、フィリングを30分間水和させる。
【0054】
【表9】

*Pregel 46=MGP Ingredients,Inc.により供給される改変食品デンプン。
【0055】
(実施例10)
低脂肪バターミルクビスケット
低脂肪バターミルクビスケットを以下のように調製した:
1.全乾燥成分を混合する。
2.ショートニングおよび成分を添加する。
3.1〜3分間混合する。
4.約3/4インチの厚みまで伸ばす。
5.所望の大きさにビスケットを切断する。
6.400°Fで19〜23分間焼く。
【0056】
【表10】

(実施例11)
低脂肪ブルーベリーマフィン
低脂肪ブルーベリーマフィンを以下のように調製した:
1.全成分を乾燥混合する。
2.卵を添加し、Hobartミキサー Model 120(Troy,Ohio)を用いて、速度1で1分間混合する。
3.速度2で2分間混合する。
4.水および油を添加し、速度1で1分間混合し、そしてボウルを擦る。
5.速度1で1分間混合する。
6.均一に混ざるまで、ブルーベリーをバターに注意深く混ぜ込む。
7.裏打ちされたマフィンカップ、または油を塗ったマフィンカップに63〜65グラムを計量する。
8.375°Fで、22〜24分間焼く。
【0057】
【表11】

*Pregel 46=MGP Ingredients,Inc.により供給される改変食品デンプン。
【0058】
(実施例12)
低脂肪ホワイトケーキ
低脂肪ホワイトケーキを以下のように調製した:
1.全成分を乾燥混合する。
2.混合しながら、HobartミキサーModel 120(Troy Ohio)を使用して、速度1で1分間、11.83%の水を添加する。
3.Hobartミキサー model 120を使用して、速度2で、3分間混合する。
4.混合しながら、速度1で8.85%の水を加え、ボウルを擦る。
5.速度2で、2分間混合する。
6.8.85%の水を添加し、速度1で2分間混合する。
7.40Ogのバターを計量し、8インチ円形パンに入れる。
8.350〜355°Fで24〜26分間焼く。
【0059】
【表12】

*Pregel 46=MGP Ingredients,Inc.により供給される改変食品デンプン。
【0060】
(実施例13)
高繊維の即席マッシュポテト
高繊維の即席マッシュポテトを以下のように調製した:
【0061】
【表13−1】

【0062】
【表13−2】

*Fibersym 80ST=MGP Ingredients,Inc.により供給される改変食品デンプン。
【0063】
調理説明:レンジ上
1.ソースパンにおいて、水、ミルク、マーガリンおよび食塩を沸騰するまで加熱する(200〜205°F)。
2.熱源(heat)から外す。フォークを使用して、混合するまでジャガイモ片を攪拌する。液体が吸収されるまで放置する。
3.フォークを用いて泡立たせる。
【0064】
調理説明:電子レンジ(microwave)
1.電子レンジ用(microwave safe)ボウルにおいて、水、ミルク、マーガリン、食塩およびマッシュポテトの包みを湿るまで合わせる。
2.プラスティックラップで覆いをし、熱くなるまで、高(high)で2〜4分間、電子レンジにかける。
3.注意深く電子レンジから取り出す。ジャガイモが所望の粘稠度になるまで、フォークを用いて泡立てる。
【0065】
(実施例14)
低脂肪肉製品
低脂肪肉製品(乾燥ソーセージ、半乾燥ソーセージ、エマルジョンソーセージ(emulsified sausage)および高脂肪ソーセージを含む)を以下のように調製した:
1.肉を粉砕するか、たたき切るか、または細かく刻む。
2.調味料および食塩と混合する。
3.脂肪代用物質(fat replacer substance)を添加する。
4.保存および/または被包性(encapsulated)の酸、出発培養細菌(starter culture bacteria)を混合する。
5.皮に詰める(5mm〜200mmの大きさの範囲)。
6.Code of Federal Regulations、表題9、パート200〜最後に概説される、保存、調理、または乾燥手順にしたがう。
【0066】
【表14】

(実施例15)
低脂肪チーズケーキ
低脂肪チーズケーキを以下のように調製した:
1.22℃で、Hobartミキサー(速度#1、2分間)によってNeufchatelチーズを泡立てる。
2.全乾燥成分(砂糖、アルファ化耐性コムギデンプン、Midsol 46および乳漿蛋白濃縮物)を混合する。チーズ混合物に添加し、速度1で完全に混合する。
3.卵、薄い(light)サワークリームおよび水を添加し、均質な塊が達成されるまで、速度2で混合する。
4.500gの上記の塊を8インチ円形パイクラストパン上に注ぐ。1インチの熱水を有する容器内にこのパンを置く。
5.177℃で10分間焼き、次に、150℃まで温度を下げる。70〜75分間焼く。食事に出す前に一晩冷蔵する。
【0067】
【表15】

Midsol46=MGP Ingredients,Inc.により供給される改変食品デンプン。
【0068】
(実施例16)
食事性繊維富化サラダドレッシング
食事性繊維富化および低カロリーサラダドレッシングを以下のように調製した:
アルファ化耐性コムギデンプンを使用して、サラダドレッシング中の植物油のうち50%を置き換えた。このサラダドレッシングは、食事性繊維の顕著なレベル(32gの一人前を消費する場合、2,000カロリーの食事に基づいて、7%の一日あたりの値)を提供し、1/3のカロリーを有する。
1.全成分(ベースペースト)を一緒に混合し、蒸気調理器(steam cooker)に入れる。
2.190−200°Fまでベースペーストを調理する。
3.一晩、ベースペーストを室温まで冷却する。
4.フードプロセッサーに、ベースペースト(60.5%)を計量する。
5.水およびアルファ化耐性デンプンを混合し、5分間放置する。
6.低速で卵黄(4.0%)を添加し、次に、冷たい油(17.5%)を添加する。
7.工程5のデンプンペースト(17.5%)を添加する。
8.「高」速で混合し、1.5分間液化させる。
9.びんに充填し、冷蔵する。
【0069】
【表16】

Midsol 4およびMidsol 1020=MGP Ingredients,Inc.により供給される改変食品デンプン。
【0070】
(実施例17)
低脂肪アイスクリーム
低脂肪(25%)かつ食事性繊維富化アイスクリームを以下の手順によって調製した:1.乾燥成分を混合する。
2.一定に攪拌しながら、乾燥成分を生温いミルク(110°F)に添加する。
3.140°Fまで加熱し、2000psi(第一段階)および500psi(第二段階)で均質化する。
4.最高180°Fまでで25秒間、低温殺菌する。
5.40°Fまで冷却し、顔料および香味料を添加し、よく混合する。
6.引き込み温度(draw temperature)が21°Fおよび約100%のオーバーラン(overrun)に達するまで、凍結する。
7.21°Fで包装する。
8.最長24時間、−45°F〜−50°Fでの硬化に移す。
9.−10°F〜−20°Fで保存する。
【0071】
【表17】

混合物1000gあたり、バニラ(2×)7ml、所望のベニノキ顔料。
【0072】
(実施例18)
低脂肪サンデースタイルヨーグルト
サンデースタイルヨーグルトを、以下の手順によって調製した:
1.乾燥成分を混合する。
2.ミルク(110°F)中での再構成。
3.2重の均質化(double homogenize)(2000/500psi)。
4.低温殺菌する(200°F、5分間)。
5.107°Fまで冷却する。
6.培養物の接種(0.98%)。
7.果実(15%)および接種したミルク(85%)でカップを満たす。
8.インキュベーション(107°F)。
9.酸性度を弱める(0.9%乳酸)。
10.40〜45°Fで保存する。
【0073】
【表18】

上記の成分の全重量100%に基づいて、ストロベリーピューレを15.0%添加する。Midsol46=MGP Ingredients,Inc.により供給される改変食品デンプン。
【0074】
(実施例19)
低脂肪クリームフィリング
低脂肪クリームフィリングを、以下のように提案した:
1.全成分および水(1部)を、速度1で1分間混合する。次に、速度2で5分間混合する。
2.ボウルを擦る。
3.速度1で1分間混合しながら、水(2部)をゆっくり添加する。次に、速度2で5分間混合する。
4.ボウルを擦る。
5.速度1で1分間混合しながら、水(3部)をゆっくり添加する。次に、速度2で5分間混合する。
6.ボウルを擦る。
7.速度1で10分間混合する。
【0075】
【表19】

要旨に記載され、上記の特許請求の範囲に規定される本発明から逸脱すること無く、上記の組成および方法に変更がなされ得る。したがって、上記の説明に含まれるか、または添付の図面に示される事項は、限定的ではなく例示として解釈されるべきであることに留意しなければならない。
【0076】
引用された全ての参考文献は、参考として本明細書に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−224867(P2012−224867A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−180241(P2012−180241)
【出願日】平成24年8月15日(2012.8.15)
【分割の表示】特願2007−556375(P2007−556375)の分割
【原出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(308032471)エムジーピーアイ プロセッシング, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】