説明

アルブミン変異体及び複合体

アルブミンの三次元構造に基づいて、本発明者は、遊離チオール基を有する、1又は複数のシステイン残基を有する変異体ポリペプチド(変異タンパク質)をデザインした(以下、「チオアルブミン」と呼ぶ)。変異体ポリペプチドは、システイン残基の硫黄原子を介して、結合パートナー、例えば生物活性化合物に結合させる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合コンピテントポリペプチドの調製方法であって、
a)アルブミン配列の少なくとも1種のインスタンスを含んでなる三次元モデルを提供する段階、任意には、アルブミン配列のアミノ酸配列を供する段階、
b)モデル配列又はアミノ酸配列のN若しくはC末端に関して1番目、2番目、3番目、4番目若しくは5番目の残基に相当するアミノ酸残基、或いはアルブミン配列の各インスタンスにおいて、三次元モデルに関して、以下の条件:
i)少なくとも80%の溶媒表面接触性;
ii)少なくとも30のBファクタースコア;
iii)熱不安定性を生じることが知られる多型が存在しないこと、
を満たすアルブミン配列におけるアミノ酸残基を選択する段階、
c)選択残基のN側又はC側において、選択残基をシステインで置換する、又はシステインを挿入する段階、
d)各変化がアミノ酸欠失、置換、又は挿入であるさらなる変化を、アルブミン配列へ任意に加える段階、並びに、
e)生じるアミノ酸配列を有するポリペプチドを調製する段階、
を含んでなる方法。
【請求項2】
前記残基が:
a)二次構造内に存在せず、任意には、Bファクターが少なくとも60であり且つ/又は任意には表面接触性が少なくとも90%である;
b)二次構造にあり、任意には、Bファクターが少なくとも40であり且つ/又は任意には表面接触性が少なくとも90%である;
c)二次構造内に存在せず、任意には、Bファクターが少なくとも50である;或いは、
d)二次構造内に存在し、任意には、Bファクターが少なくとも30である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法によって得られる結合コンピテントポリペプチド。
【請求項4】
配列番号1の残基1〜585と少なくとも60%同一であるアミノ酸配列、又はこの断片若しくは融合物を含んでなるポリペプチドであって、ここで:
a)配列番号1の位置34と等価な位置に、結合コンピテントシステイン残基が存在し;且つ
b)ポリペプチド中の他の箇所に、2個又はそれ以上の結合コンピテントシステイン残基が存在する、
請求項3に記載の結合コンピテントポリペプチド。
【請求項5】
配列番号1の残基1〜585と少なくとも60%同一であるアミノ酸配列、又はこの断片若しくは融合物を含んでなるポリペプチドであって、ここで:
a)配列番号1の位置34と等価な位置に、結合コンピテントシステイン残基が存在せず;且つ、
b)ポリペプチド中の他の箇所に、3個又はそれ以上の結合コンピテントシステイン残基が存在する、
請求項3に記載の結合コンピテントポリペプチド。
【請求項6】
配列番号1の残基1〜585と少なくとも60%同一であるアミノ酸配列、又はこの断片若しくは融合物を含んでなるポリペプチドであって、ここで:
a)配列番号1の位置34と等価な位置に、結合コンピテントシステイン残基が存在し;且つ、
b)ポリペプチド中の他の箇所に、2個又はそれ以上の結合コンピテントシステイン残基が存在する、結合コンピテントポリペプチド。
【請求項7】
配列番号1の残基1〜585と少なくとも60%同一であるアミノ酸配列、又はこの断片若しくは融合物を含んでなるポリペプチドであって、ここで:
a)配列番号1の位置34と等価な位置に、結合コンピテントシステイン残基が存在せず;且つ、
b)ポリペプチド中の他の箇所に、3個又はそれ以上の結合コンピテントシステイン残基が存在する、結合コンピテントポリペプチド。
【請求項8】
配列番号1の位置2及び585と等価な位置に、結合コンピテントシステイン残基を含んでなる、請求項3〜7のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項9】
4個又はそれ以上の結合コンピテントシステイン残基を含んでなる、請求項3〜8のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項10】
a)配列番号1の位置2及び585と等価な位置の結合コンピテントシステイン残基;並びに、
b)配列番号1の位置364及び562と等価な位置の一方又は両方における結合コンピテントシステイン残基、
を含んでなる、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項11】
前記ポリペプチドが、1又は複数の:
a)配列番号1の残基L585、D1、A2、D562、A364、A504、E505、T79、E86、D129、D549、A581、D121、E82、S270、Q397及びA578のいずれかと等価な位置に相当する位置における、システイン以外のアミノ酸のシステインでの置換;
b)配列番号1の残基L585、D1、A2、D562、A364、A504、E505、T79、E86、D129、D549、A581、D121、E82、S270、Q397及びA578のいずれかと等価な位置に相当するアミノ酸のN又はC側に隣接する位置におけるシステインの挿入;
c)C369、C361、C91、C177、C567、C316、C75、C169、C124及びC558のいずれかにおいて結合コンピテントシステインを生じるための、配列番号1のC360、C316、C75、C168、C558、C361、C91、C124、C169及びC567のいずれかに相当する位置におけるシステインの欠失;
d)アルブミン配列のN末端残基のN側又はアルブミン配列のC末端残基のC側へのシステインの付加、
を含んでなるポリペプチドであって、
これにより、(a)、(b)、(c)及び(d)の置換、欠失、付加又は挿入事象は、ポリペプチド配列の結合コンピテントシステイン残基数を、当該置換、挿入、欠失及び付加事象前のポリペプチドに対して増加する結果となる、
請求項3〜10のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項12】
少なくとも1個のシステイン残基が、異なるアミノ酸残基、特にSer、Thr、Val又はAlaで置換された、請求項3〜11のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項13】
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の結合コンピテントシステイン残基を含んでなる、請求項3〜12のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項14】
前記ポリペプチドが3個又はそれ以上の結合コンピテントシステイン残基を含んでなる場合に、ポリペプチドが折り畳まれると、2個又はそれ以上の結合コンピテントシステイン残基の間に少なくとも10Åの距離が存在する、請求項3〜13のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項15】
1又は複数の結合コンピテントシステインが、生物活性分子に結合される、請求項3〜14のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項16】
前記ポリペプチドが、配列番号1と少なくとも70、75、80、85、90又は95%の同一性を有する、請求項3〜15のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項17】
前記ポリペプチドが、配列番号1と少なくとも95%の配列同一性を有し、(a)A2+L585、(b)A2+A364+D562+L585C、(c)A2及びアルブミンのC末端のC側の隣接部位(d)T79+A364;(e)A364+D1;(f)T79+D562+A364;(g)D562+A364+D1;(h)T79+D562+A364+A504;(i)T79+D562+A364+L585;C)T79+D562+A364+D1;(k)T79+D562+A364+L585+D1;(I)E86+D562+A364+A504+A2;(m)S270+A581;(n)S270+D129;(o)S270+A581+E82;(p)S270+A581+D129;(q)S270+A581+E82+D129;(r)S270+A581+E82+D129+Q397;(s)C369+C177;(t)A364+A581;(u)T79+A364+A581;(v)A364+A581+D129;(w)A364+C177;(x)D562+C369;(y)D129+C369;(z)A581+C369;又は(ai)D562+D129+C369に位置する結合コンピテント残基を含んでなる、請求項3〜16のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項18】
前記ポリペプチドが、生物活性化合物に結合できるさらなるリンカーをさらに含んでなる、請求項3〜17のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項19】
請求項3〜18のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項20】
請求項19に記載のポリヌクレオチドを含んでなる、プラスミド。
【請求項21】
請求項19に記載のポリヌクレオチド及び/又は請求項20に記載のプラスミドを含んでなる、宿主細胞。
【請求項22】
酵母細胞、特に出芽酵母細胞である、請求項21に記載の宿主細胞。
【請求項23】
生物活性化合物及び請求項3〜22のいずれか1項に記載のポリペプチドを含んでなる複合体であって、ここで生物活性化合物が、ポリペプチドの結合コンピテントシステイン残基を介してポリペプチドに結合される複合体。
【請求項24】
1又は複数のさらなる生物活性化合物をさらに含んでなり、各生物活性化合物が、ポリペプチドの結合コンピテントシステイン残基を介してポリペプチドに結合される、請求項23に記載の複合体。
【請求項25】
a)前記ポリペプチドの発現が可能な条件下で、請求項21又は22に記載の宿主細胞を培養する段階;及び、
b)宿主細胞及び/又は宿主細胞成長培地からポリペプチドを回収する段階、
を含んでなる、請求項3〜24のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
【請求項26】
前記ポリペプチドの結合コンピテントシステイン残基を介して、請求項3〜17のいずれか1項に記載のポリペプチドに、生物活性化合物を結合させる段階を含んでなる、請求項23又は24に記載の複合体の製造方法。
【請求項27】
前記宿主細胞が増強されたシャペロン活性を示す、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
請求項23又は24に記載の複合体、及び少なくとも1個の医薬的に許容されるキャリア又は希釈剤を含んでなる組成物。
【請求項29】
請求項3〜18のいずれか1項に記載のポリペプチド、及び/又は請求項23若しくは24に記載の複合体を含んでなるゲル。
【請求項30】
疾病の治療、疾患の治療及び/又は診断のための、請求項23若しくは24に記載の複合体、又は請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法によって生成される複合体の使用。
【請求項31】
前記ポリペプチドの受容体結合能力及び/又は結合コンピテンスを測定する段階、並びに受容体結合能力及び/又は結合コンピテンスを有するポリペプチドを選択する段階をさらに含んでなる、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項32】
ゲルの産生のための、請求項3〜18のいずれか1項に記載のポリペプチド、及び/又は請求項23又は24に記載の複合体の使用。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図1−8】
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【図1−9】
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【図1−10】
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【図1−11】
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【図1−12】
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【図1−13】
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【図1−14】
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【図1−15】
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【図1−16】
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【図1−17】
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【図1−18】
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【図1−19】
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【図1−20】
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【図1−21】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7】
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【図2−8】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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【図3−9】
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【図3−10】
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【図3−11】
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【図3−12】
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【図3−13】
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【図3−14】
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【図3−15】
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【図3−16】
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【図3−17】
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【図3−18】
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【図3−19】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C−1】
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【図5C−2】
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【図5D−1】
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【図5D−2】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2012−517235(P2012−517235A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549569(P2011−549569)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051751
【国際公開番号】WO2010/092135
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(509198343)ノボザイムス バイオファーマ デーコー アクティーゼルスカブ (11)
【Fターム(参考)】