説明

アルミニウム−銅触媒を用いた、アミンの連続的な製造方法

60〜300℃の範囲の温度で、銅及び酸化アルミニウム含有触媒の存在下、第一級又は第二級アルコール、アルデヒド、及び/又はケトンを、水素、並びにアンモニア、第一級及び第二級アミンの群から選択される窒素化合物と反応させることにより、アミンを連続的に製造するための方法であって、前記反応を気相で行い、触媒の触媒活性物質が水素による還元前に、酸化アルミニウム(Al23)を20〜75質量%、銅の酸素含有化合物をCuOとして計算して20〜75質量%、ナトリウムの酸素含有化合物をNaO2として計算して0〜2質量%、及びニッケルの酸素含有化合物をNiOとして計算して5質量%未満含み、かつ触媒成形体が、直径1〜4mmの範囲、高さ1〜4mmの範囲のタブレット形態を有する、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、60〜300℃の範囲の温度で、銅及び酸化アルミニウム含有触媒の存在下、第一級又は第二級アルコール、アルデヒド、及び/又はケトンを、水素、並びにアンモニア、第一級及び第二級アミンの群から選択される窒素化合物と反応させることにより、アミンを連続的に製造するための方法に関する。
【0002】
とりわけこの方法生成物は、燃料添加剤(US−A−3,275,554;DE2125039A及びDE3611230A)、界面活性剤、薬剤と植物保護剤、エポキシ樹脂用硬化剤、ポリウレタン用触媒を製造する際の中間生成物、第四級アンモニウム化合物、可塑剤、腐食抑制剤、合成樹脂、イオン交換体、繊維助剤、着色剤、加硫促進剤及び/又は乳化剤を製造するための中間生成物として使用される。
【0003】
EP 257 443 A (BASF AG)は、アルカリ金属水酸化物の存在下、液相でほとんど銅だけを含む触媒を用いたアンモニアとアルコールとの反応によって、トリアルキルアミン(例えばジメチルエチルアミン)を製造する方法に関する。
【0004】
EP 227 904 A (BASF AG)は、液相で、アルカリ金属水酸化物と、活性金属としてほぼ銅のみを含有する触媒若しくは純粋な銅触媒との存在下で、ジメチルアミンとシクロヘキサノールとの反応によって、ジメチルエチルアミン又はN,N−ジメチルシクロヘキシルアミンを製造することを教示している。
【0005】
US 4,910,304 A (BASF AG)は、245℃及び250barでのCu/Al完全接触を用いた、ペンタンジオール若しくはジエチレングリコール(DEG)と、メチルアミン及び45%のKOH溶液との反応による、N−メチルピペリジン及びN−メチルモルホリンの製造を開示している。
【0006】
EP 137 478 A (BASF AG)は、塩基性の銅及びアルミニウム含有炭酸塩の温度処理により得られた銅含有触媒を用いた、5〜25barでの気相におけるメチルアミンによるペンタンジオールの接触アミノ化によって、N−メチルピペリジン又はN−メチルモルホリンを製造する方法に関する。
【0007】
EP 235 651 A1 (BASF AG)は、ジエタノールアミン及びメチルアミンから、金属含有触媒を用いてN−メチルピペリラジンを製造する方法を教示している。この反応は液相(トリクル運転法)で行われる(3頁最後の段落)。実施例によるとCu/Al23触媒は、高さ及び直径が4mmのタブレット形態で使用される。
【0008】
EP 816 350 A (BASF AG)は、SiO2ビーズを塩基性炭酸銅で含浸することによって得られた触媒を用いた、液相又は気相での第一級アミンとジオールとの反応によって、N−メチルピペリジン及びN−メチルモルホリンを製造する方法を記載している。
【0009】
US 4,739,051 A (BASF AG)は、水素化条件下、気相で常圧、及び200℃でCu/Ni/Al完全触媒を用いて、DEG又はペンタンジオールと、アンモニアとの反応による、モルホリン及びピペリジンの製造(収率は97若しくは95%)を教示している。
【0010】
EP 514 692 A2 (BASF AG)は、銅、及びニッケル、及び酸化ジルコニウム及び/又は酸化アルミニウムを含有する触媒の存在下、アルコールからアミンを製造する方法を開示している。
【0011】
EP 1 020 455 A (BASF AG)は、圧力下、高められた温度で、水素及び銅含有水素化触媒の存在下、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応によって、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテルを製造する方法に関する。
【0012】
EP 1 106 600 A (BASF AG)は、アミノ化反応におけるZrO2−Cu−Co−Ni触媒の使用を教示している。実施例によれば、5×3mmのタブレットが触媒成形体として使用される。
【0013】
US 4,806,690 A (Dow Chemical Comp.)は、Co−Cu−Fe及びZn及び/又はZr触媒の存在下での、アルコール、アルデヒド、及びケトンのアミノ化に関する。実施例では、8〜16メッシュの触媒粒子が使用される。
【0014】
DE 19 85 9776 A (BASF AG)は、銅及びTiO2からの触媒(触媒材料の成形前に金属の銅が添加されたもの)を用いた、アルコール又はアルデヒド若しくはケトンと、アミンとの反応による、アミンの製造に関する。実施例によれば、触媒は直径3mmのタブレット成形体として使用される。
【0015】
EP 440 829 A1 (US 4,910,304) (BASF AG)は、銅触媒を用いたジオールのアミノ化を記載している。この反応は液相(トリクル運転法)で行われる(3頁最後の段落)。適切な触媒は、DE 24 45 303 A (BASF AG)で開示された触媒であり、これは一般組成がCumAl6(CO30.5m3(OH)m+12[式中、mは2〜6の任意の値(非整数を含む)である]の塩基性の銅及びアルミニウム含有炭酸塩の温度処理によって得られるものであり、例えば上記引用文献の実施例1に開示された銅含有沈殿触媒であり、これは硝酸銅及び硝酸アルミニウム溶液を、二炭酸ナトリウムによって処理し、その沈殿物を引き続き洗浄、乾燥、及び温度処理することによって製造されるものである。
【0016】
EP 440 829 Aの実施例では、長さ3mm、直径3mmの円筒形成形体が使用される。
【0017】
WO 07/036496 A1 (BASF AG)は、Cu−Ni−Co触媒の存在下での、ジエチレングリコールと、アンモニアとの反応を記載している。触媒成形体は、タブレット形態で高さが<3mmである。
【0018】
WO 07/036498 A1 (BASF AG)は、Cu−Ni−Co触媒の存在下での、モノエタノールアミンと、アンモニアとの反応に関する。触媒成形体は、タブレット形態で高さが<3mmである。
【0019】
WO 07/093514 A1及びWO 07/093552 A1 (ともにBASF AG)は、Ru−Co触媒の存在下での、モノエチレングリコールと、アンモニアとの反応を教示している。触媒成形体は、タブレット形態で高さが<3mmである。
【0020】
WO 05/110969 A1 (BASF AG)は、銅含有触媒の存在下、60〜300℃の範囲の温度で第一級又は第二級アルコール、アルデヒド、及び/又はケトンと、水素及び窒素化合物(アンモニア、第一級及び第二級アミンから選択されるもの)との反応によって、アミンを連続的に製造する方法を記載しており、ここで触媒の触媒活性物質は、水素による還元前に酸化アルミニウム(Al23)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)及び/又は二酸化ケイ素(SiO2)を20〜85質量%含み、この反応は気相で等温的に反応器中で行われる。
【0021】
本発明は、改善された経済的なアミンの製造方法を見出すという課題に基づいていた。この方法はとりわけ、より良好な収率、空時収率(RZA)、及び選択性を可能にするのが望ましい。
【0022】
[空時収量は、生成物量/(触媒容積×時間)′(kg/(l Kat×h))及び/又は、生成物量/(反応器容積×時間)′(kg/(l Reaktor×h)で記載される]。
【0023】
これに従って、60〜300℃の範囲の温度で、銅及び酸化アルミニウム含有触媒の存在下、第一級又は第二級アルコール、アルデヒド、及び/又はケトンを、水素、並びにアンモニア、第一級及び第二級アミンの群から選択される窒素化合物と反応させることにより、アミンを連続的に製造するための方法が判明し、この反応は、気相で行われ、かつ触媒の触媒活性物質が、水素による還元前に、
酸化アルミニウム(Al23)を20〜75質量%、
銅の酸素含有化合物をCuOとして計算して20〜75質量%、
ナトリウムの酸素含有化合物をNaO2として計算して0〜2質量%、
ニッケルの酸素含有化合物をNiOとして計算して5質量%未満、
含み、触媒成形体が、直径1〜4mmの範囲、高さ1〜4mmの範囲のタブレット形態を有することを特徴とする。
【0024】
本発明によればとりわけ、気相アミノ化において、特別な触媒と、特別な触媒成形体寸法との有利な組み合わせ、好ましくは等温的な運転法(前掲原料のアミノ化)との組み合わせが知られることとなった。
【0025】
本発明による方法によって例えば、5×5mmのタブレットに比較してより高い空時収率が達成され、反応の選択性が改善され、とりわけそれゆえ、スクランブリング生成物(Scramblingprodukt)の生成がより少ない、すなわちアルキル基が分子内部又は分子間で移動することによって生じる副生成物が少ない(例えば、アルキルアミンの不均化、例えばDMAをTMA、MMA、DMAに;実施例1参照)。
【0026】
その上、意外なことに本発明による方法では、例えば5×5mmのタブレットと比較して、より大きな触媒活性、すなわちより高い触媒負荷が、少なくとも同一の収率で達成され、また反応温度は少なくとも同一の収率で、有利なことに比較的低く調整することができる。
【0027】
総じて、本発明による方法において触媒形状を小さくすることによって、気相でアルデヒド、ケトン、及びアルコールから出発するアミノ化生成物の製造の際に明らかな効率性の上昇が達成される。
【0028】
触媒成形体は好ましくは、直径が1.1〜3.5mmの範囲、高さが1.1〜3.5mmの範囲のタブレット形態を有する。
【0029】
触媒成形体は特に好ましくは、直径が1.2〜3.2mmの範囲、とりわけ1.3〜2.8mmの範囲、さらに特に1.4〜2.5mmの範囲、そして高さが1.2〜3.2mmの範囲、とりわけ1.3〜2.8mmの範囲、さらに特に1.4〜2.5mmの範囲のタブレット形態を有する。
【0030】
極めて特に好ましくは、タブレット形態で成形触媒は、直径対高さの比が0.7〜2.0の範囲、とりわけ0.8〜1.5の範囲、さらに特に0.9〜1.2の範囲である。
【0031】
本発明による方法において、触媒は好ましくは、触媒活性物質のみから成る形態で、及び触媒を成形体として使用する場合には、場合により成形助剤(例えば黒鉛又はステアリン酸)とともに使用し、つまりさらなる触媒活性添加物を含まない。
【0032】
この関連において、酸化物担体材料の酸化アルミニウム(Al23)は、触媒活性物質に属するとみなされる。
【0033】
触媒は、触媒活性物質が粉砕、成形助剤との混合、成形、及び触媒成形体としての温度処理の後(つまりタブレットとして)、反応器に配置されるように使用される。
【0034】
この触媒の成分の濃度の記載(質量%)は、そのつど−他に記載がなければ−その最後の熱処理後、水素による還元前の完成触媒の触媒活性物質に対する。
【0035】
触媒の触媒活性物質は、その最後の熱処理後、水素によるその還元前に、この触媒活性成分及び上記触媒担体材料の質量の合計として定義され、かつ、実質的に次の成分を含有する:
酸化アルミニウム(Al23)、及び銅の酸素含有化合物、及び好ましくはナトリウムの酸素含有化合物。
【0036】
上記触媒活性物質の成分の合計は、Al23、CuO、及びNa2Oとして計算して、通常70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、特に好ましくは90質量%〜100質量%、さらに好ましくは98質量%〜100質量%、さらに好ましくは≧99質量%、極めて特に好ましくは100質量%である。
【0037】
本発明による方法において使用される触媒の触媒活性物質は、更に、周期律表の第I A〜VI A及びI B〜VII B及びVIII群から選択された、1種又は数種の元素(酸化数0)又はその無機若しくは有機の化合物を含有することができる。
【0038】
このような元素若しくはその化合物のための例は次のものである:遷移金属、例えばNi若しくはNiO、Co若しくはCoO、Re若しくはレニウム酸化物、Mn若しくはMnO2、Mo若しくはモリブデン酸化物、W若しくはタングステン酸化物、Ta若しくはタンタル酸化物、Nb若しくはニオブ酸化物又はニオブオキサラート、V若しくはバナジウム酸化物若しくはバナジルピロホスフェート;ランタニド、例えばCe若しくはCeO2、又はPr若しくはPr23;アルキル金属酸化物、例えばK2O;アルカリ金属炭酸塩、例えばNa2CO3;アルカリ土類金属酸化物、例えばCaO、SrO;アルカリ土類金属炭酸塩、例えばMgCO3、CaCO3及びBaCO3;酸化ホウ素(B23)。
【0039】
本発明による方法で使用される触媒の触媒活性物質は、最後の熱処理後、水素による還元前に、
酸化アルミニウム(Al23)を20〜75質量%、好ましくは25〜65質量%、特に好ましくは30〜55質量%、
銅の酸素含有化合物をCuOとして計算して20〜75質量%、好ましくは30〜70質量%、特に好ましくは40〜65質量%、極めて特に好ましくは45〜60質量%、
ナトリウムの酸素含有化合物をNaO2として計算して0〜2質量%、好ましくは0.05〜1質量%、特に好ましくは0.1〜0.5質量%、
ニッケルの酸素含有化合物をNiOとして計算して5質量%未満、例えば0.1〜4質量%、好ましくは1質量%未満、例えば0〜0.8質量%、
含む。
【0040】
触媒の触媒活性物質は水素による還元前に、コバルトの酸素含有化合物をCoOとして計算して特に好ましくは1質量%未満、例えば0〜0.5質量%含む。
【0041】
極めて特に好ましくは、本発明による方法で使用される触媒の触媒活性物質は、それぞれ金属形態(酸化数0)でも、イオン形態でも、とりわけ酸化形態でもニッケル、コバルト、及び/又はルテニウムを含まない。
【0042】
銅の酸素含有化合物とは、とりわけ酸価銅(I)、及び酸化銅(II)であり、好ましくは酸化銅(II)である。
【0043】
極めて特に好ましくは、本発明による方法で使用される触媒の触媒活性物質は、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、及び/又は二酸化ケイ素(SiO2)を含まない。
【0044】
特に好ましい実施形態では、本発明による方法で使用される触媒の触媒活性物質は、さらなる触媒活性成分を、元素の形でも、イオンの形でも含まない。
【0045】
特に好ましい実施態様において、触媒活性物質には、さらなる金属又は金属化合物がドープされていない。
【0046】
しかしながら好ましくは、Cu、場合によりNiの金属獲得に由来する通常の添加痕跡元素は、ここから除外されている。
【0047】
本発明による方法において使用される触媒の製造のためには様々な方法が可能である。これらは例えば、水酸化物、炭酸塩、酸化物、及び/又はアルミニウム、銅、場合によりナトリウムの成分の他の塩と、水との粉末状混合物を解膠し、引き続きこうして得られた物質を押出成形し、温度処理することによって得られる。
【0048】
本発明による方法において使用される触媒は、例えば粉末又はタブレット状成形体で存在する酸化アルミニウム(Al23)の含浸によっても製造できる。
【0049】
ここで酸化アルミニウムは、様々な変性で使用することができ、好ましいのはα−(アルファ)、γ−(ガンマ)、又はθ−(シータ)Al23である。好ましくは、γ−Al23を使用する。
【0050】
酸化アルミニウム成形体の製造は、慣用の方法により行うことができる。
【0051】
酸化アルミニウムの含浸は、同様に慣用の方法により、例えば、EP 599 180 A、EP 673 918 A、又はA. B. Stiles, Catalyst Manufacture - Laboratory and Commercial Preparations, Marcel Dekker, New York (1983)に記載された方法により行われ、1つ又は複数の含浸段階でそのつど相応する金属塩溶液を施与することにより行われ、その際金属塩として、例えば相応する硝酸塩、酢酸塩又は塩化物が使用される。この物質は含浸に引き続き、乾燥され、かつ場合によりか焼される。
【0052】
この含浸は、いわゆる「incipient wetness」法により行うことができ、その際無機酸化物(すなわち酸化アルミニウム)は、その水吸収能力に相応して、最大で含浸溶液による飽和まで湿らせる。この含浸はしかしながら、上清(ueberstehend)溶液でも行うことができる。
【0053】
多工程の含浸法では、個々の含浸工程の間に乾燥させ、かつ場合によりか焼させることが目的に適う。多工程の含浸は特に有利には、無機酸化物を比較的大量の金属で負荷すべき場合に、特に適用すべきである。
【0054】
複数の金属成分を無機酸化物に施与するために、この含浸は、場合により全ての金属塩で同時に、又は場合により個々の金属塩の任意の順序で相互に順番に行うことができる。
【0055】
本発明による方法で使用される触媒を製造するためには、沈殿法を適用するのが好ましい。そこでこれらの触媒は例えば、鉱物塩基を用いて難溶性の酸素含有アルミニウム化合物のスラリーの存在下で、塩の水溶液から成分を一緒に沈殿させ、引き続き得られた沈殿物を洗浄、乾燥、か焼することによって得ることができる。難溶性の、酸素含有アルミニウム化合物としては例えば、酸化アルミニウムが使用できる。難溶性のアルミニウム化合物のスラリーは、この化合物の微粒子状粉末を、強力な撹拌で水中に懸濁させることによって製造できる。このスラリーは有利には、アルミニウム塩の水溶液から、鉱物塩基で難溶性アルミニウム化合物を沈殿させることによって得ることができる。
【0056】
本発明による方法で使用される触媒は好ましくは、その全ての成分を共沈殿(混合沈殿)させることによって製造される。このために適切には、触媒成分含有水性塩溶液は、熱の中で撹拌しながら、水性鉱物塩基、とりわけアルカリ金属塩基、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、又は水酸化カリウムと、完全に沈殿するまで混合する。使用される塩の種類は、一般的に重要ではない:この処置の場合には主に、塩の水溶性が重要なので、良好な水溶性(この比較的強度に濃縮された塩溶液を製造するために必要となる)がその基準となる。もちろん、個々の成分の塩を選択する際には、不所望の沈殿を引き起こしたり、錯形成により沈殿を困難にする若しくは妨げることによって、妨害につながらないアニオンを有する塩のみが選択される。
【0057】
この沈殿反応で得られる沈殿は一般的に、化学的に単一ではなく、かつとりわけ、使用される1つ又は複数の金属の酸化物、オキシドハイドレート(Oxidhydrate)、水酸化物、炭酸塩、及び不溶性と塩基性の塩の混合物から成る。沈殿物の濾過性については、エージングすれば、つまり沈殿後さらにしばらくの時間、場合により熱の中で、又は空気の導通下で放置すれば、有利であると実証されている。
【0058】
この沈殿法により得られる沈殿物は、通常通り、本発明により使用される触媒にさらに加工される。これらは洗浄後に、好ましくは80〜200℃で、好適には100〜150℃で乾燥させ、その後か焼される。か焼は好ましくは、300〜800℃の温度で、好適には400〜600℃の温度で、とりわけ450℃〜550℃の温度で行う。
【0059】
か焼の後、触媒は適切にコンディショニングし、例えば粉砕によって特定の粒径に調整し、かつ/又は粉砕後に成形助剤、例えば黒鉛又はステアリン酸と混合し、プレスで成形物、つまりタブレットにプレスし、温度処理する。この熱処理温度は、この際有利には、か焼の際の温度に相応する。
【0060】
このようにして製造された触媒は、触媒活性金属を、その酸素含有化合物の混合物の形で、即ち、特に酸化物及び混合酸化物として含有する。
【0061】
このようにして製造された触媒は、このまま貯蔵され、かつ場合によりハンドリングされる。触媒としてのその使用前に、触媒は通常は予備還元される。前記触媒はしかしながら、予備還元無しに使用することもでき、その際触媒は次いで、水素化アミノ化の条件下で反応器中に存在する水素を用いて還元される。
【0062】
予備還元のためには、前記触媒はまず、有利には150〜200℃で、例えば12〜20時間の期間にわたり、窒素−水素−雰囲気に曝され、かつ、引き続き、約24時間まで、有利には200〜400℃で、水素雰囲気中で処理される。この予備還元の際、触媒中に存在する酸素含有金属化合物の一部は、相応する金属へと還元され、その結果この触媒は、様々な種類の酸素化合物と一緒に、触媒の活性形態で存在する。
【0063】
本発明による方法に従った反応は、好ましくは管型反応器で行う。
【0064】
本発明による方法に従った管型反応器での反応は、極めて特に好ましくは循環ガス法で行う。
【0065】
好ましくは主な部分が水素ガスから成る循環ガスは、一方では原料の蒸発に役立ち、一方ではアミノ化反応の反応相手として役立つ。
【0066】
循環ガス運転法においては、出発物質(アルコール、アルデヒド及び/又はケトンと、水素及び窒素化合物)は、好ましくは循環ガス流中で蒸発され、ガス状で反応器に供給される。
【0067】
原料(アルコール、アルデヒド、及び/又はケトン、窒素化合物)は、水溶液としても蒸発され、循環ガス流を用いて触媒床に導通されることもできる。
【0068】
循環ガス流を有する、適した反応器のための例は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 5th Ed., Vol. B4,199-238頁、"Fixed-Bed Reactors"中に見出される。この反応は極めて特に好ましくは、管束型反応器中で、又は単一ストランド装置(Monostranganlage)中で行われる。
【0069】
単一ストランド装置の場合、好ましくは等温反応が行われる管型反応器は、複数の(例えば2個若しくは3個の)、個々の管型反応器の互いに前後した接続からなっていてよい。
【0070】
この循環ガス量は有利には、40〜1500m3(運転圧力で)/[m3触媒(充填体積)(Schuettvolumen)×h]の範囲内、特に100〜700m3(運転圧力で)/[m3触媒(充填体積)×h]の範囲内にある。
【0071】
この循環ガスはH2を、有利には少なくとも10体積%、特に50〜100体積%、特に有利には80〜100体積%含有する。
【0072】
本発明による方法に従った好ましい等温的な反応は、好ましくは最大±8℃、特に最大±5℃、とりわけ最大±4℃、極めて特に好ましくは最大±3℃の温度偏差で、例えば最大±0℃〜±2℃の温度偏差で、又は最大±0℃〜±1℃の温度偏差で行う。
【0073】
この温度偏差は、その都度の触媒床におけるその都度の温度と関連しており、特に原料を触媒床に入れる際、そして反応混合物が触媒床から出る際の温度と関連している。この際に、複数の触媒床が並列に、又は直列に接続又は連結されていてよい。
【0074】
複数の触媒床が直列で接続されている場合、本発明による好ましい等温運転法における上記の温度偏差は、触媒床におけるその都度の温度と関連しており、特に原料が第一触媒床に入る際の、そして反応混合物が最後の触媒床から出る際の温度と関連している。
【0075】
好ましい実施態様においては、反応管の温度調節を、外側から熱媒流で行い、この際に熱媒体とは例えば、油、塩溶融物、又は熱を転移可能な他の液体であってよい。
【0076】
本発明による反応進行には、液相での合成と比較して、好ましくは気相での非等温性の合成と比較して、とりわけ高い反応温度(例えば200〜300℃)で、とりわけより良好な収率、及び暴走反応(Durchgehreaktion)についてのより高い安全性という利点がある。
【0077】
好ましくは等温性の気相運転法によって、暴走反応の可能性は、合成の間著しく減少する。反応器内にある物質(暴走反応に寄与しかねないもの)は、液相法の物質のほんの一部である。
【0078】
本発明による方法は連続的に実施され、その際触媒は有利には、反応器中に固定床として配置されている。この際、触媒固定床の、上方からの、また同様に下方からの流れ(Anstroemung)が可能である。このガス流はこの際、温度、圧力及び量により、難沸性の(高沸性の)反応生成物も気相中に残存するように調整される。
【0079】
アミン成分(窒素化合物)は好ましくは、使用されるアルコール、アルデヒド、及び/又はケトンに対してそのつど0.90〜100倍のモル量で、殊に1.0〜10倍のモル量で使用される。
【0080】
本発明による方法は好ましくは、1〜300barの範囲、好ましくは1〜50barの範囲、特に好ましくは1〜30barの範囲の絶対圧力で行われる。
【0081】
本発明による方法は、アルコールアミノ化の場合には好ましくは、80〜300℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲、特に好ましくは170〜230℃の範囲の温度で行う。
【0082】
本発明による方法は、アルデヒドアミノ化及び/又はケトンアミノ化の場合には好ましくは、60〜200℃の範囲、好ましくは80〜170℃の範囲、特に好ましくは100〜150℃の範囲の温度で行う。
【0083】
有利には、5〜800標準立方メートル/h、殊に20〜300標準立方メートル/hの排ガス量で運転される。[標準立方メートル(Nm3)=標準条件に換算された体積]。
【0084】
本発明による方法では好ましくは、アルコール、アルデヒド、及び/又はケトンを水溶液として使用する。
【0085】
本発明による方法では好ましくは、アンモニア、第一級又は第二級アミンを水溶液として使用する。
【0086】
触媒負荷は好ましくは、触媒1l(充填体積)及び時間あたり、0.1〜2.0kg、好ましくは0.1〜1.0kg、特に好ましくは0.2〜0.6kgの範囲のアルコール、アルデヒド、及び/又はケトンである。
【0087】
より高い温度、より高い全圧及びより高い触媒負荷の適用が可能である。アミノ化剤、アルコール成分、アルデヒド成分及び/又はケトン成分及び形成された反応生成物の分圧の合計から所定の温度で生じる反応器中の圧力は、水素の圧入によって所望された反応圧力へと適切に高められる。
【0088】
反応の過程で形成された反応水は、一般的に、変換率、反応速度、選択性及び触媒可使時間に対して妨げとなる作用を示さず、かつそれゆえ適切には反応生成物の後処理に際して初めて、例えば蒸留によりこれから除去される。
【0089】
反応排出物が適切に放圧された後、この反応排出物から過剰の水素及び場合によっては存在する過剰のアミノ化剤が除去され、かつ得られた反応粗製生成物は、例えば分別精留によって精製される。適した後処理法は、例えばEP−A−1312600及びEP−A−1312599(ともにBASF AG)の中で記載されている。
【0090】
未反応の原料、及び場合により生じる適した副生成物は、合成に再び返送することができる。反応しなかった原料は、不連続的な又は連続的な運転方式で、分離器中における循環ガス流中での該生成物の凝縮後に新たに触媒床上に流通させることができる。
【0091】
本発明による方法において、アンモニア以外にアミノ化剤として適切な第一級及び第二級アミンは、その沸点に基づき、方法技術的に工程パラメータの範囲で気相で維持可能なアミンである。同じことが、方法生成物のアミンと、方法原料(アルコール、アルデヒド、ケトン)に当てはまる。
【0092】
本発明による方法で製造可能なのは例えば、式Iのアミン
【化1】

[式中、
1、R2は水素(H)、アルキル、例えばC1〜C20アルキル、シクロアルキル、例えばC3〜C12シクロアルキル、アルコキシアルキル、例えばC230アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、例えばC330ジアルキルアミノアルキル、アリール、アラルキル、例えばC720アラルキル、及びアルキルアリール、例えばC720アルキルアリール、又は共通して−(CH2j−X−(CH2k−であり、
3、R4は、水素(H)、アルキル、例えばC120アルキル、シクロアルキル、例えばC312シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、例えばC120ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、例えばC120アミノアルキル、ヒドロキシアルキルアミノアルキル、例えばC220ヒドロキシアルキルアミノアルキル、アルコキシアルキル、例えばC230アルコキシアルキル、ジアルキルアミノアルキル、例えばC330ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノアルキル、例えばC230アルキルアミノアルキル、R5−(OCR67CR89n−(OCR67)、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、例えばC7〜C20アラルキル、ヘテロアリールアルキル、例えばC420ヘテロアリールアルキル、アルキルアリール、例えばC720アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、例えばC420アルキルヘテロアリール、及びY−(CH2m−NR5−(CH2q、又は共通して−(CH2l−X−(CH2m−であり、又は
2、及びR4は共通して、−(CH2l−X−(CH2m−であり、
5、R10は水素(H)、アルキル、例えばC14アルキル、アルキルフェニル、例えばC740アルキルフェニルであり、
6、R7、R8、R9は、水素(H)、メチル又はエチルであり、
Xは、CH2、CHR5、酸素(O)、硫黄(S)、又はNR5であり、
Yは、N(R102、ヒドロキシ、C220アルキルアミノアルキル、又はC320ジアルキルアミノアルキルであり、
nは、1〜30の整数であり、かつ
j、k、l、m、qは、1〜4の整数である]
である。
【0093】
よって本発明による方法は、好ましくはアミンIを製造するために使用可能なことが見出され、本方法は、式II
【化2】

の第一級又は第二級アルコール、
及び/又は式VI若しくはVIIの
【化3】

アルデヒド及び/又はケトンを、
式III
【化4】

の窒素化合物と反応させるものであり、上記式中、R1、R2、R3、R4は、前掲の意味を有する。
【0094】
原料のアルコールは、アミノアルコールであってもよく、例えば式IIのアミノアルコールであってよい。
【0095】
基R2及びR4の定義から明らかなように、反応は相応するアミノアルコール、アミノケトン、又はアミノアルデヒド中で分子内でも行われうる。
【0096】
これに従ってアミンIの製造のために、純粋に形式的に、窒素化合物IIIの水素原子が、水1モル当量の脱離下でR4(R3)CH−基によって置換される。
【0097】
本発明による方法はまた、好ましくは式IV
【化5】

[式中、
11及びR12は水素(H)、アルキル、例えばC120アルキル、シクロアルキル、例えばC312シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、例えばC720アラルキル、及びアルキルアリール、例えばC720アルキルアリールであり、
ZはCH2、CHR5、酸素(O)、NR5、又はNCH2CH2OHであり、かつ
1、R6、R7は前掲の意味を有する]
の環状アミンを、
式V
【化6】

のアルコールと、アンモニア又は式(VIII)
1−NH2(VIII)
の第一級アミンとの反応によって製造する際に適用することを見出した。
【0098】
化合物I、II、III、IV、V、VI、VII、及びVIIIにおける置換基R1〜R12、変項X、Y、Z、添え字j、k、l、m、n、及びqは、互いに無関係に以下の意味を有する:
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12
水素(H)
3、R4
アルキル、例えばC120アルキル、好ましくはC114アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、s−ヘキシル、シクロペンチルメチル、n−ヘプチル、イソヘプチル、シクロヘキシルメチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、2−n−プロピル−n−ヘプチル、n−トリデシル、2−n−ブチル−n−ノニル、及び3−n−ブチル−n−ノニル、
ヒドロキシアルキル、例えばC120ヒドロキシアルキル、好ましくはC18ヒドロキシアルキル、特に好ましくはC1〜C4ヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−n−プロピル、2−ヒドロキシ−n−プロピル、3−ヒドロキシ−n−プロピル、及び1−(ヒドロキシメチル)エチル、
アミノアルキル、例えばC120アミノアルキル、好ましくはC18アミノアルキル、例えばアミノメチル、2−アミノエチル、2−アミノ−1,1−ジメチルエチル、2−アミノ−n−プロピル、3−アミノ−n−プロピル、4−アミノ−n−ブチル、5−アミノ−n−ペンチル、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル及びN−(2−アミノエチル)アミノメチル、
ヒドロキシアミノアルキル、例えばC220ヒドロキシアルキルアミノアルキル、好ましくはC38ヒドロキシアルキルアミノアルキル、例えば(2−ヒドロキシエチルアミノ)メチル、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチル、及び3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロピル、
5−(OCR67CR89n−(OCR67)、好ましくはR5−(OCHR7CHR9n−(OCR67)、特に好ましくはR5−(OCH2CHR9n−(OCR67)、
アルキルアミノアルキル、例えばC230アルキルアミノアルキル、好ましくはC220アルキルアミノアルキル、とりわけ好ましくはC28アルキルアミノアルキル、例えばメチルアミノメチル、2−メチルアミノエチル、エチルアミノメチル、2−エチルアミノエチル、及び2−(イソプロピルアミノ)エチル、(R5)HN−(CH2q
Y−(CH2m−NR5−(CH2q
ヘテロアリールアルキル、例えばC420ヘテロアリールアルキル、例えばピリド−2−イルメチル、フラン−2−イルメチル、ピロール−3−イルメチル、及びイミダゾール−2−イルメチル、
アルキルヘテロアリール、例えばC420アルキルヘテロアリール、例えば2−メチル−3−ピリジニル、4,5−ジメチル−イミダゾール−2−イル、3−メチル−2−フラニル、及び5−メチル−2−ピラジニル、
ヘテロアリール、例えば2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、ピラジニル、ピロール−3−イル、イミダゾール−2−イル、2−フラニル、及び3−フラニル、
1、R2、R3、R4
シクロアルキル、例えばC312シクロアルキル、好ましくはC38シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチル、とりわけ好ましくはシクロペンチル、及びシクロヘキシル、
アルコキシアルキル、例えばC230アルコキシアルキル、有利にはC20アルコキシアルキル、とりわけ有利にはC28アルコキシアルキル、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、n−ブトキシメチル、イソブトキシメチル、s−ブトキシメチル、t−ブトキシメチル、1−メトキシエチル、及び2−メトキシエチル、とりわけ有利にはC24アルコキシアルキル、
ジアルキルアミノアルキル、例えばC330ジアルキルアミノアルキル、有利にはC320ジアルキルアミノアルキル、とりわけ有利にはC310ジアルキルアミノアルキル、例えばN,N−ジメチルアミノメチル、(N,N−ジブチルアミノ)メチル、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジブチルアミノ)エチル、2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチル、及び2−(N,N−ジ−イソプロピルアミノ)エチル、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル、(R52N−(CH2q
アリール、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、及び9−アントリル、有利にはフェニル、1−ナフチル、及び2−ナフチル、とりわけ有利にはフェニル、
アルキルアリール、例えばC720アルキルアリール、有利にはC712アルキルフェニル、例えば2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,3,4−トリメチルフェニル、2,3,5−トリメチルフェニル、2,3,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2−n−プロピルフェニル、3−n−プロピルフェニル、及び4−n−プロピルフェニル、
アラルキル、例えばC720アラルキル、有利にはC712フェニルアルキル、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、及び4−フェニルブチル、とりわけ有利にはベンジル、1−フェネチル、及び2−フェネチル、
3とR4、又はR2とR4は共通して、−(CH2l−X−(CH2m−基、例えば

1、R2
アルキル、例えばC120アルキル、有利にはC18アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、s−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、とりわけ有利にはC14アルキル、又は
1、R2は共通して、−(CH2j−X−(CH2k−基、例えば

5、R10
アルキル、有利にはC14アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、及びt−ブチル、有利にはメチル及びエチル、とりわけ有利にはメチル、
アルキルフェニル、有利にはC740アルキルフェニル、例えば2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−、3−、4−ノニルフェニル、2−、3−、4−デシルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−、3,5−ジノニルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−及び3,5−ジデシルフェニル、殊にC720アルキルフェニル、
6、R7、R8、R9
メチル又はエチル、好ましくはメチル、
11、R12
アルキル、例えばC120アルキル、シクロアルキル、例えばC312シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、例えばC720アラルキル、及びアルキルアリール、例えばC720アルキルアリール、それぞれ上記定義の通りであり、
X:
CH2、CHR5、酸素(O)、硫黄(S)又はNR5、有利にはCH2及びO、
Y:
N(R102、好ましくはNH2及びN(CH32
ヒドロキシ(OH)、
220アルキルアミノアルキル、有利にはC216アルキルアミノアルキル、例えばメチルアミノメチル、2−メチルアミノエチル、エチルアミノメチル、2−エチルアミノエチル、及び2−(イソプロピルアミノ)エチル、
320ジアルキルアミノアルキル、有利にはC316ジアルキルアミノアルキル、例えばジメチルアミノメチル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジエチルアミノエチル、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エチル、及び2−(ジイソプロピルアミノ)エチル、
Z:
CH2、CHR5、O、NR5、又はNCH2CH2OH、
j,l:
1〜4の整数(1、2、3又は4)、有利には2及び3、とりわけ有利には2、
k、m、q:
1〜4の整数(1、2、3又は4)、有利には2、3及び4、とりわけ有利には2及び3、
n:
1〜30の整数、有利には1〜8の整数(1、2、3、4、5、6、7又は8)、とりわけ有利には1〜6の整数
である。
【0099】
アルコールとして適しているのは、上記前提でとりわけ実用的な、脂肪族OH官能基を有する全ての第一級及び第二級アルコールである。アルコールは、直鎖状、分枝鎖状、又は環状であってよい。第二級アルコールは第一級アルコールと同様に、アミノ化される。そのうえアルコールは、水素化アミノ化の条件下で不活性に挙動する、例えばアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を、又は場合によっては水素化アミノ化の条件下で水素化される、例えばCC−二重結合又はCC−三重結合である置換基又は官能基を有することができる。多価アルコールをアミノ化すべき場合、これは反応条件の制御を介して得られ、有利にはアミノアルコール、環状アミン、又は繰り返しアミノ化された生成物を得ることができる。
【0100】
1,4−ジオールのアミノ化は、反応条件の選択に従って、1−アミノ−4−ヒドロキシ化合物、1,4−ジアミノ化合物に、又は1つの窒素原子を有する五員環(ピロリジン)につながる。
【0101】
1,6−ジオールのアミノ化は、反応条件の選択に従って、1−アミノ−6−ヒドロキシ化合物、1,6−ジアミノ化合物に、又は1つの窒素原子を有する七員環(ヘキサメチレンイミン)につながる。
【0102】
1,5−ジオールのアミノ化は、反応条件の選択に従って、1−アミノ−5−ヒドロキシ化合物、1,5−ジアミノ化合物に、又は1つの窒素原子を有する六員環(ピペリジン)につながる。これに従ってジグリコールからは、NH3によるアミノ化によって、モノアミノジグリコール(=ADG=H2N−CH2CH2−O−CH2CH2−OH)、ジアミノジグリコール、又は特に好ましくはモルホリンを得ることができる。ジエタノールアミンからは、相応して特に好ましくはピペラジンが得られる。トリエタノールアミンからは、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジンが得られる。
【0103】
有利には、例えば以下の脂環式アルコールがアミノ化される:
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、トリデカノール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェニル−エタノール、2−(p−メトキシフェニル)エタノール、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノール、1−フェニル−3−ブタノール、エタノールアミン、n−プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、2−アミノ−1−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−ペンタノールアミン(1−アミノ−5−ペンタノール)、n−ヘキサノールアミン(1−アミノ−6−ヘキサノール)、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−アルキルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、3−(2−ヒドロキシエチルアミノ)プロパン−1−オール、2−(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、2−(N,N−ジエチルアミノ)エタノール、2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エタノール、2−(N,N−ジ−イソ−プロピルアミノ)エタノール、2−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)エタノール、2−(N,N−ジ−イソ−ブチルアミノ)エタノール、2−(N,N−ジ−s−ブチルアミノ)エタノール、2−(N,N−ジ−t−ブチルアミノ)エタノール、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロパノール、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロパノール、3−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)プロパノール、3−(N,N−イソ−プロピルアミノ)プロパノール、3−(N,N−ジ−n−ブチルアミノ)プロパノール、3−(N,N−ジ−イソ−ブチルアミノ)プロパノール、3−(N,N−ジ−s−ブチルアミノ)プロパノール、3−(N,N−ジ−t−ブチルアミノ)プロパノール、1−ジメチルアミノ−ペンタノール−4、1−ジエチルアミノ−ペンタノール−4、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ビス[4−ヒドロキシシクロヘキシル]プロパン、メトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ポリイソブチルアルコール、ポリプロピルアルコール、ポリエチレングリコールエーテル、ポリプロピレングリコールエーテル、及びポリブチレングリコールエーテル。最後に挙げたポリアルキレングリコールエーテルは、本発明による反応の際に、その遊離ヒドロキシ基を相応するアミンに変換することによって変換される。
【0104】
特に好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、脂肪アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)、2−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)エタノール、N−メチルジエタノールアミン、及び2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールである。
【0105】
本発明による方法で使用可能なケトンとしては、上述の前提下で、実質的に全ての脂肪族及び芳香族のケトンが適している。脂肪族ケトンは直鎖状、分枝鎖状又は環状であってよく、該ケトンはヘテロ原子を含有してよい。そのうえ該ケトンは、水素化アミノ化の条件下で不活性に挙動する、例えばアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基、又は場合によっては水素化アミノ化の条件下で水素化される、例えばCC−二重結合又はCC−三重結合である置換基又は官能基を有しいてよい。多価ケトンをアミノ化すべき場合、反応条件の制御を介して、アミノケトン、アミノアルコール、環状アミン又は繰り返しアミノ化された生成物を得ることができる。
【0106】
有利には、例えば以下のケトンがアミノ化して水素化される:
アセトン、エチルメチルケトン、メチルビニルケトン、イソブチルメチルケトン、ブタノン、3−メチルブタン−2−オン、ジエチルケトン、テトラロン、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、m−メトキシアセトフェノン、1−アセチルナフタリン、2−アセチルナフタリン、1−フェニル−3−ブタノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロペンテノン、シクロヘキサノン、シクロヘキセノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロドデカノン、アセチルアセトン、メチルグリオキサール、及びベンゾフェノン。
【0107】
本発明による方法で使用可能なアルデヒドとしては、上述の前提下で、実質的に全ての脂肪族及び芳香族のアルデヒドが適している。脂肪族アルデヒドは、直鎖状、分枝鎖状又は環状であってよく、これらのアルデヒドはヘテロ原子を含有してよい。そのうえ該アルデヒドは、水素化アミノ化の条件下で不活性に挙動する、例えばアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基、又は場合によっては水素化アミノ化の条件下で水素化される、例えばCC−二重結合又はCC−三重結合である置換基又は官能基を有していてよい。多価アルデヒド又はケトアルデヒドをアミノ化すべき場合、反応条件の制御を介して、アミノアルコール、環状アミン又は繰り返しアミノ化された生成物を得ることができる。
【0108】
有利には、例えば以下のアルデヒドがアミノ化して水素化される:
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ピバリンアルデヒド、n−ペンタナール、n−ヘキサナール、2−エチルヘキサナール、2−メチルペンタナール、3−メチルペンタナール、4−メチルペンタナール、グリオキサール、ベンズアルデヒド、p−メトキシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、(p−メトキシフェニル)アセトアルデヒド、(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアルデヒド、4−ホルミルテトラヒドロピラン、3−ホルミルテトラヒドロフラン、5−ホルミルバレロニトリル、シトロネラール、アクロレイン、メタクロレイン、エチルアクロレイン、シトラール、クロトンアルデヒド、3−メトキシプロピオンアルデヒド、3−アミノプロピオンアルデヒド、ヒドロキシピバリンアルデヒド、ジメチロールプロピオンアルデヒド、ジメチロールブチルアルデヒド、フルフラール、グリオキサール、グルタルアルデヒド、並びにヒドロホルミル化オリゴマー及びポリマー、例えばヒドロホルミル化ポリイソブテン(ポリイソブテンアルデヒド)又は1−ペンテンとシクロペンテンとの複分解によって得られかつヒドロホルミル化されたオリゴマー。
【0109】
水素の存在下でのアルコール、アルデヒド、又はケトンの水素化アミノ化に際してのアミノ化剤として、第一級又は第二級の、脂肪族又は脂環式又は芳香族のアミンが使用できる。
【0110】
アンモニアをアミノ化剤として使用する際には、アルコール性ヒドロキシ基若しくはアルデヒド基若しくはケト基をまず第一級アミノ基(−NH2)に変換する。こうして形成される第一級アミンは、さらなるアルコール若しくはアルデヒド若しくはケトンと反応させて、相応する第二級アミンにすることができ、これを再度さらなるアルコール若しくはアルデヒド若しくはケトンと反応させて、相応する、好適には対称性の第三級アミンにすることができる。反応バッチの、又は原料流の組成に従って(連続的な運転法の場合)、及び適用される反応条件に従って、及び圧力、温度、反応時間(触媒負荷)に従って、この方法で所望通りに好ましい第一級、第二級、又は第三級アミンとなることが判明した。
【0111】
多価のアルコール若しくはジアルデヒド又はオリゴアルデヒド若しくはジケトン又はオリゴケトン若しくはケトアルデヒドから、分子内水素化アミノ化によって、環状アミン、例えばピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ピペラジン、及びモルホリンが製造できる。
【0112】
アンモニアと同様に、第一級又は第二級アミンは、アミノ化剤として使用できる。
【0113】
このアミノ化剤は好適には、非対称的な置換されたジアルキルアミン又はトリアルキルアミン、例えばエチルジイソプロピルアミン、及びエチルジシクロヘキシルアミンを製造するために使用される。例えば、以下のモノアルキルアミン及びジアルキルアミンがアミノ化剤として使用される:メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、ジ−s−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、s−ペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、s−ヘキシルアミン、イソヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、ピペリジン、モルホリン、及びピロリジン。
【0114】
本発明による方法によって特に好ましく製造されるアミンは例えば、モルホリン(アミノジグリコールから)、モルホリン及び/又は2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)(DEG及びアンモニアから)、6−ジメチルアミノヘキサノール−1(ヘキサンジオール及びジメチルアミン(DMA)から)、トリエチルアミン(エタノール及びジエチルアミン(DEA)から)、ジメチルエチルアミン(エタノール及びDMAから)、N−(C14アルキル)モルホリン(DEG及びモノ(C14アルキル)アミンから)、N−(C14アルキル)ピペリジン(1,5−ペンタンジオール及びモノ(C14アルキル)アミンから)、ピペラジン(アミノエチルエタノールアミン(AEEA)及びアンモニアから)、N−メチルピペラジン(ジエタノールアミン及びMMAから)、N,N’−ジメチルピペラジン(N−メチルジエタノールアミン及びMMAから)、エチレンジアミン(EDA)及び/又はジエチレントリアミン(DETA)及び/又はPIP(モノエタノールアミン(MEOA)及びアンモニアから)、2−エチルヘキシルアミン及びビス(2−エチルヘキシル)アミン(2−エチルヘキサノール及びNH3から)、トリデシルアミン及びビス(トリデシル)アミン(トリデカノール及びNH3から)、n−オクチルアミン(n−オクタノール及びNH3から)、1,2−プロピレンジアミン(2−ヒドロキシ−プロピルアミン及びNH3から)、1−ジエチルアミノ−4−アミノペンタン(1−ジエチルアミノ−4−ヒドロキシペンタン及びNH3から)、N,N−ジ(C14アルキル)シクロヘキシルアミン(シクロヘキサノン及び/又はシクロヘキサノール及びジ(C14アルキル)アミンから)、ポリイソブテンアミン(Pib−Oxo及びNH3から)、n−プロピルアミン(例えばモノアミン/ジプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン)(プロピオンアルデヒド及び/又はn−プロパノール及びNH3若しくはDMAから)、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミン(i−プロパノール及び/又はアセトン及びDMAから)、N,N−ジメチル−N−ブチルアミン(1−ブタノール、2−ブタノール、又はイソブタノール、及び/又はブタナール、i−ブタナール、又はブタノン、及びDMAから)、2−(2−ジ(C14アルキル)アミノエトキシ)エタノール、及び/又はビス(2−ジ(C14アルキル)アミノエチル)エーテル(DEG及びジ(C14アルキル)アミンから)、1,2−エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、及び/又はピペラジン(PIP)(モノエチレングリコール(MEG)及びアンモニアから)、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン、及び/又は1−アミノ−8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクタン(トリエチレングリコール(TEG)及びアンモニアから)、1−メトキシ−2−プロピルアミン(1−メトキシ−イソプロピルアミン、MOIPA)(1−メトキシ−2−プロパノール及びアンモニアから)である。
【0115】
実施例
以下の実施例のために、組成がCuO55質量%、γ−Al2345質量%(最後の熱処理後、水素による還元前)の銅触媒を使用した。
【0116】
触媒の製造は、硝酸銅水溶液でγ−Al23粉末を含浸することにより行った。タブレット化は、通常の方法に従って行った。反応開始前に、触媒は水素流中、約200℃で還元した(下記参照)。
【0117】
この試験は、下から上に貫流される気相炉反応器で、連続的な運転方法で、下から上に180mlのセラミックビーズ(6〜9mm)、1リットルの触媒、及び3.3リッターの不活性材料(V2Aリング、直径6mm)が充填された内径4cmのオイル加熱式ダブルジャケット管(長さ3.5m)で行うか、或いは下から上に20mlのセラミックビーズ(6〜9mm)、1リットルの触媒、及び1.33リッターの不活性材料(V2Aリング、直径6mm)が充填された内径4.11cmのオイル加熱式ダブルジャケット管(長さ2.1m)で行った。反応器は、20若しくは25barで稼働させた。
【0118】
触媒成形体はタブレット形状で、大きさが5×5mm(5掛ける5mm、つまり直径5mmで高さ5mm)、3×3mm、並びに1.5×1.5mmのものを使用した。反応器に組み込み後、全ての触媒を以下の前工程で圧力無しで活性化させた:12時間、180℃(オイル循環反応器)で20Nl/h H2及び400Nl/h H2、12時間200℃で20Nl/h H2及び400Nl/h H2、6時間N2を200Nl/h H2によって置き換え、6時間200℃で200Nl/h H2。(Nl=標準リットル=標準条件に換算された体積)。
【0119】
新鮮な水素、循環ガス、圧力ガス、及び原料の供給は、3つの長い熱交換器のシステムを介して所望の反応温度に加熱した。第三の熱交換器は、熱導入を介して反応器の直前で制御した。ダブルジャケット反応器のオイル加熱は、同様に所望の反応器温度に調整した。2つのさらなる熱交換パイプ(Rohrschlangenwaermetauscher)を介して、反応器排出物はまず水流で、引き続きクリオスタットで10℃に冷却し、そして圧力分離器へと輸送した。ここでは液相と気相の分離を行った。液相は30℃の温度に温度調節された低圧分離器で放圧され、ここから炭酸ガスが排ガスによって排出され、液体は排出槽に搬送された。循環ガス濃縮器によって、気相を圧力分離器から規定の量で返送し、そして新たに使用物質のための担体ガスとして用いた。圧力調整によって、過剰ガスがマッフル炉に燃焼のため輸送されるようにした。排出物の反応率と選択性は、ガスクロマトグラフィー分析によって測定した。
【0120】
実施例1
210℃、装置圧力20bar、DEG負荷0.5kg/リットル×h、循環ガス量10Nm3/h及び300Nl/hの新鮮な水素で、ジエチレングリコール(DEG)とジメチルアミン(DMA)との反応によってビス−(ジメチルアミノエチル)−エーテル(BDMAE)にする際に、様々な成形体を試験した。(Nm3=標準立方メートル=標準条件に換算された体積)。成形体が5×5mmから3×3mm、1.5×1,5mmへと段階的に小さくなるにつれて、アミノ化反応の反応率も選択性も改善することが観察された。ここで5×5mmの成形体と1.5×1.5mmの成形体を比較すると、反応率は最大5%、選択性は最大5%向上した。1.5×1.5mmの成形体を用いる場合、合成排出物中のBDMAE含分は、使用されたDMA量を29質量%(5×5mm)から40質量%超(1.5×1.5mm)に向上させることによって改善することができ、障害となる副生成物は観察されなかった。これはつまり、5×5cmの成形体でDMA含分を相応して向上させる際に現れる、DMAからモノメチルアミン(MMA)及びトリメチルアミン(TMA)へのスクランブリング傾向が、低減されたということである。
【0121】
実施例2
大きさが3×3mm、及び5×5mmの成形体を、240℃、装置圧力20bar、及びブタンジオール負荷0.29kg/リッター×hで、ブタンジオールとアンモニアを反応させてピロリジンにする際に試験した。3×3mmの成形体を用いると、5×5mmの成形体に比較して、反応生成物への選択性が8%向上して、89%になることが観察された。
【0122】
実施例3
大きさが3×3mm、及び5×5mmの成形体を、220〜240℃、装置圧力20bar、及びペンタンジオール負荷0.31kg/リッター×hで、ペンタンジオールとアンモニアを反応させてピペリジンにする際に試験した。3×3mmの成形体を用いると、5×5mmの成形体に比較して、反応生成物への選択性が10%超向上して、約92%になることが観察された。
【0123】
実施例4
大きさが3×3mm、及び5×5mmの成形体を、100℃、装置圧力20bar、及び負荷0.32kg/リッター×hで、プロパナールとジメチルプロピルアミンを反応させてN,N−ジメチルアミンにする際に試験した。3×3mmの成形体を用いると、5×5mmの成形体に比較して、反応生成物への選択性が2%向上して、95%になることが観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
60〜300℃の範囲の温度で、銅及び酸化アルミニウム含有触媒の存在下、第一級又は第二級アルコール、アルデヒド、及び/又はケトンを、水素、並びにアンモニア、第一級及び第二級アミンの群から選択される窒素化合物と反応させることにより、アミンを連続的に製造するための方法において、前記反応を気相で行い、触媒の触媒活性物質が水素による還元前に、
酸化アルミニウム(Al23)を20〜75質量%、
銅の酸素含有化合物をCuOとして計算して20〜75質量%、
ナトリウムの酸素含有化合物をNaO2として計算して0〜2質量%、及び
ニッケルの酸素含有化合物をNiOとして計算して5質量%未満
含み、かつ触媒成形体が、直径1〜4mmの範囲、高さ1〜4mmの範囲のタブレット形態を有することを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記触媒成形体が、直径1.1〜3.5mmの範囲、高さ1.1〜3.5mmの範囲のタブレット形態を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記触媒成形体が、直径1.2〜3.2mmの範囲、高さ1.2〜3.2mmの範囲のタブレット形態を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
触媒の触媒活性物質が水素による還元前に、ニッケルの酸素含有化合物をNiOとして計算して1質量%未満含むことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
触媒の触媒活性物質が水素による還元前に、コバルトの酸素含有化合物をCoOとして計算して1質量%未満含むことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
触媒の触媒活性物質が水素による還元前に、
酸化アルミニウム(Al23)を25〜65質量%、及び
銅の酸素含有化合物をCuOとして計算して30〜70質量%
含むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
触媒の触媒活性物質が水素による還元前に、
ナトリウムの酸素含有化合物をNaO2として計算して0.05〜1質量%
含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
触媒の触媒活性物質が、ニッケル、コバルト、及び/又はルテニウムを含まないことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記反応が、等温的に、最大±8℃の温度偏差で行われることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応が管型反応器で行われることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記反応が管型反応器で、循環ガス運転法で行われることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
循環ガス量が、40〜1500m3(稼働圧)/[m3触媒(充填体積)×h]の範囲であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応が、管束型反応器で、又は単一ストランド装置で行われることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記反応が、1〜300barの範囲の絶対圧で行われることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
1つ若しくは複数の反応管の温度調節が、外側から油流で、又は塩溶融物で行われることを特徴とする、請求項10から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
循環ガスが、水素(H2)を少なくとも10体積%含むことを特徴とする、請求項11から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
アミン成分(窒素化合物)が、使用されるアルコール、アルデヒド、及び/又はケトンに対して0.90〜100倍のモル量で使用されることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記触媒が、反応器内で固定床として配置されていることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
アルコール、アルデヒド、及び/又はケトンが水溶液として使用されることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
アンモニア、第一級又は第二級アミンが、水溶液として使用されることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応によって、モルホリン、及び/又は2,2’−ジモルホリノジエチルエーテルを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
シクロヘキサノン及び/又はシクロヘキサノールと、ジ(C14アルキル)アミンとの反応によって、N,N−ジ(C14アルキル)シクロヘキシルアミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
1,5−ペンタンジオールとアンモニアとの反応によって、ピペリジンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
1,4−ブタンジオールとアンモニアとの反応によって、ピロリジンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
1,6−ヘキサンジオールとアンモニアとの反応によって、ヘキサメチレンイミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
ジエチレングリコールとモノ(C14アルキル)アミンとの反応によって、N−(C14アルキル)モルホリンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
N−エチルモルホリンを製造するための、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
1,5−ペンタンジオールとモノ(C14アルキル)アミンとの反応によって、N−(C14アルキル)ピペリジンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
エタノールとジメチルアミンとの反応によって、N,N−ジメチルエチルアミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
n−プロパノール及び/又はプロパナールと、ジメチルアミン(DMA)との反応によって、N,N−ジメチル−N−プロピルアミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
i−プロパノール及び/又はアセトンと、DMAとの反応によって、N,N−ジメチル−N−イソプロピルアミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
1−ブタノール及び/又はブタナールと、DMAとの反応によって、N,N−ジメチルN−(n−ブチル)アミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
i−ブタノール及び/又はi−ブタナールと、DMAとの反応によって、N,N−ジメチル−N−(イソ−ブチル)アミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
2−ブタノール及び/又はブタノンと、DMAとの反応によって、N,N−ジメチル−N−(2−ブチル)アミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
n−プロパノール及び/又はプロパナールと、モノエチルアミンとの反応によって、エチルプロピルアミンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
ジエチレングリコールと、ジ(C14アルキル)アミンとの反応によって、2−(2−ジ(C14アルキル)アミノエトキシ)エタノール及び/又はビス(2−ジ(C14アルキル)アミノエチル)エーテルを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
アミノエチルエタノールアミン(AEEA)と、アンモニアとの反応によって、ピペラジンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
モノエチレングリコール(MEG)と、アンモニアとの反応によって、1,2−エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、及び/又はピペラジン(PIP)を製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
トリエチレングリコール(TEG)と、アンモニアとの反応によって、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサ−オクタン及び/又は1−アミノ−8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクタンを製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
1−メトキシ−2−プロパノールと、アンモニアとの反応によって、1−メトキシ−2−プロピルアミン(1−メトキシ−イソプロピルアミン、MOIPA)を製造するための、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2012−502941(P2012−502941A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527293(P2011−527293)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061691
【国際公開番号】WO2010/031719
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】