説明

アルミニウムをベースとするフレーク状顔料

本発明は、(A1)SiOzからなる層、(B)層(A1)上のアルミニウムからなる層、および(A2)層(B)上のSiOzからなる層(式中、0.70≦z≦2.0)を含むアルミニウムフレーク、その製造方法、ならびにペイント、静電塗装、インクジェット印刷、化粧品、塗装、印刷インク、プラスチック材料、セラミックおよびガラスの艶出し、セキュリティ印刷、干渉顔料の製造での、その使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
(A1)SiOzからなる層、
(B)層(A1)上のアルミニウムからなる層、および
(A2)層(B)上の層SiOzからなる層
(式中、0.70≦z≦2.0)を含むアルミニウムフレーク、その製造方法、ならびに、ペイント、静電塗装、インクジェット印刷、化粧品、塗装、印刷インク、プラスチック材料、セラミックおよびガラスの艶出し、セキュリティ印刷、干渉顔料の製造での、その使用に関する。
【0002】
PVD(物理蒸着、physical vapor deposition)によってSiOまたはSiO2保護層を上に蒸着したアルミニウムフレークは、公知である。
【0003】
WO00/69975には、
(a)絶縁材料、たとえば一酸化ケイ素または二酸化ケイ素の層、
(b)金属、たとえばアルミニウムの層、
(c)絶縁材料、たとえば一酸化ケイ素または二酸化ケイ素の層
を含むアルミニウムフレークが開示されている。絶縁体の層の厚さは、金属の光学特性が有意な影響を受けないような厚さ、すなわち10〜20nmの範囲にある。
【0004】
US-A-6,013,370には、
(a)絶縁材料、たとえば二酸化ケイ素の層、
(b)金属、たとえばアルミニウムの層、
(c)絶縁材料、たとえば二酸化ケイ素の層
を含むアルミニウムフレークが開示されている。絶縁体層の厚さは、金属の光学特性が有意な影響を受けないような厚さ、すなわち50〜200nmの範囲にある。
【0005】
WO00/24946の実施例2には、SiOで被覆されたアルミニウムフレークの製造が記載されている。詳細な説明によれば、SiO保護層の厚さは15nm以下である。
【0006】
驚くべきことには、SiOz(式中、0.70≦z≦2.0、好ましくは1.4≦z≦2.0)層の層の厚さが200〜350nm、好ましくは250〜300nmの範囲にあると、従来技術から知られているアルミニウムフレークに比べて、より明るい外観と優れた鮮明性を有する金属フレークを得ることができることが今や見出された。
【0007】
したがって、本発明は、
(A1)SiOzからなる層、
(B)層(A1)上のアルミニウムからなる層、および
(A2)層(B)上のSiOzからなる層
(式中、0.70≦z≦2.0、好ましくは1.4≦z≦2.0)を含むアルミニウムフレーク、その製造方法、ならびに、ペイント、静電塗装、インクジェット印刷、化粧品、塗装、印刷インク、プラスチック材料、セラミックおよびガラスの艶出し、セキュリティ印刷、エフェクト顔料の製造での、その使用に関する。
【0008】
好適な実施態様では、本発明は
(D1)SiO2からなる層、
(B)層(D1)上のアルミニウムからなる層、および
(D2)層(B)上のSiO2からなる層
を含むアルミニウムフレークに関する。
【0009】
SiOzまたはSiO2層の厚さは200〜350nm、好ましくは250〜300nmである。
【0010】
アルミニウムからなる層(B)の厚さは、通常10〜100nm、好ましくは30〜50nmである。
【0011】
用語「0.70≦z≦2.0のSiOz」は、酸化ケイ素層のケイ素に対する酸素のモル比が平均値で0.70〜2.0であることを意味する。酸化ケイ素層の組成は、ESCA(electron spectroscopy for chemical analysis)により測定することができる。
【0012】
用語「0.70≦y≦1.95のSiOy」は、酸化ケイ素層のケイ素に対する酸素のモル比が平均値で0.70〜1.95であることを意味する。酸化ケイ素層の組成は、ESCA(electron spectroscopy for chemical analysis)により測定することができる。
【0013】
本発明によれば、用語「アルミニウム」はアルミニウムおよびアルミニウム合金を含む。アルミニウム合金は、たとえば、G. Wassermann in Ullmanns Enzyklopadie der Industriellen Chemie, 4. Auflage, Verlag Chemie, Weinheim, Band 7, S. 281 to 292に記載されている。特に好適なのは、WO00/12634の10〜12頁に記載される耐食性アルミニウム合金であり、これはアルミニウムのほかに、ケイ素、マグネシウム、マンガン、銅、亜鉛、ニッケル、バナジウム、鉛、アンチモン、スズ、カドミウム、ビスマス、チタン、クロムおよび/または鉄を20重量%未満、好ましくは10重量%未満の量で含む。
【0014】
アルミニウムフレークは、実質的に平行な2面を有し、この面の間の距離がコアの最も短い軸であるアルミニウムコアを有し、平行な面は酸化ケイ素で被覆されているが側面は被覆されていない。さらに、酸化ケイ素で被覆されたアルミニウムフレークは、長さ2μm〜5mm、幅2μm〜2mm、厚さ410〜800nm、長さ対厚さの比2:1以上である。アルミニウムフレークは、長さと幅が1〜60μm、好ましくは2〜40μm、最も好ましくは5〜20μmであるのが好ましい。長さ対厚さの比は、約2:1〜約150:1である。長さ対幅の比は、3:1〜1:1である。
【0015】
酸化ケイ素/アルミニウムフレークは均一な形状ではない。それでも、簡潔に説明するために、フレークは「直径」を有するものとして参照する。酸化ケイ素/アルミニウムフレークは面平行度が高く、所定の厚さが平均厚さの±10%、特に±5%の範囲にある。酸化ケイ素/アルミニウムフレークの厚さは410〜800nm、極めて特に530〜650nmである。本発明ではフレークの直径は、好ましくは約2〜40μmの範囲、より好ましくは約5〜20μmの範囲にある。したがって、本発明のフレークのアスペクト比は、好ましくは約8〜40の範囲にある。
【0016】
耐候安定性および耐光堅牢度を高めるために、0.70≦y≦1.8のSiOy層を、200℃より高い、好ましくは400℃より高く600℃より低い温度で、空気または別の酸素含有ガスを用いて、SiO2層に酸化または転化することができる。たとえば、SiOy(y=1)で被覆されたアルミニウムフレークを、酸素を含有する雰囲気中で500〜600℃で数時間加熱することにより、SiOz(z=1.40〜2.00)で被覆されたアルミニウムフレークに転化することができる。この方法では、全てのSiOyがSiO2に転化しない場合、SiOy層の表面上にSiO2層が形成し、yはアルミニウム層に向かって徐々に減少していく。
【0017】
したがって本発明の別の好適な実施態様は、
(C1)SiO2からなる層、
(A1)層(C1)上のSiOyからなる層、
(B)層(A1)上のアルミニウムからなる層、
(A2)層(B)上のSiOyからなる層、および
(C2)層(A2)上のSiO2からなる層
(式中、0.70≦y<1.95、好ましくは1.0≦y≦1.8、最も好ましくは1.4≦y≦1.8)を含むアルミニウムフレークに関する。
【0018】
アルミニウムからなる層(B)の厚さは通常10〜100nm、好ましくは30〜50nmである。
【0019】
SiOzからなる層(A1)および(A2)の厚さ、SiO2からなる層(D1)および(D2)の厚さ、SiOyからなる層(A1)およびSiO2からなる層(C1)の厚さ、ならびにSiOyからなる層(A2)およびSiO2からなる層(C2)の厚さは、アルミニウムフレークが最終生成物である場合は、200〜350nm、好ましくは250〜300nmであり、アルミニウムフレークが干渉顔料用中間体である場合は200〜500nmである。アルミニウムフレークが最終生成物である場合、yが約1のSiOyは厚さ約250±10nm、SiO2は厚さ約300±10nmであるのが特に好ましい。
【0020】
本発明によるアルミニウムフレークは、公知のアルミニウムフレークの通常の用途に使用できる。たとえば、ペイント、静電塗装、インクジェット印刷、化粧品、塗装、印刷インク、プラスチック材料、セラミックおよびガラスの艶出し、ならびにセキュリティ印刷での、本発明によるアルミニウムフレークの使用が挙げられる。
【0021】
完成したアルミニウムフレークを、光、天候および化学物質に対する安定性をさらに高めるか、顔料の取り扱い、特に種々の媒体への組み込みを容易にする、後被覆または後処理にかけることもできる。たとえば、EP-A-477433、EP-A-826745またはEP-A-1084198に記載されている方法が、後処理または後被覆として適切である。
【0022】
さらに、アルミニウムフレークをさらなる層で被覆することにより、干渉顔料に転化することができる。このような顔料の基本構造は、たとえば、次の特許:EP-A-571836、EP-A-708154、EP-A-768343、EP-A-1025168およびWO00/34395に記載されている。
【0023】
水性組成物中でアルミニウムフレーク(フレーク状アルミニウム)を使用可能にするために、これらの顔料を水による腐食から保護する必要がある。R. Besold, Aluminiumpigmente fuer wassrige Beschichtungen-Widerspruch oder Wirklichkeit?, Farbe+Lack 97(1991)311 - 314によれば、アルミニウム顔料の安定化について2つのグループに分けることができる多数の方法が知られている。
−顔料表面へのコロージョンインヒビターの吸着
−リン酸エステル:DE-A-3020073、EP-A-170474、EP-A-133644、US-A-4,565,716、US-A-4,808,231、
−ホスフェートおよびホスファイト:US-A-4,565,716、US-A-4,808,231、EP-A-240367、
−バナジン酸塩:EP-A-305560、EP-A-104075、
−クロム酸塩:US-A-2,904,523、US-A-4,693,754、EP-A-259592、
−ダイマー酸:DE-A-3002175、ならびに
−連続した無機保護層での顔料の閉じこめ:
−SiO2:US-A-2,885,366、US-A-3,954,496、
−Fe23:DE-A-3003352、
−TiO2:DE-A-3813335、
または有機保護層:
−DE-A-3630356、DE-A-3147177、EP-A-477433、特にリン酸で変性した樹脂:EP-A-170474、CA-A-1,273,733、AT-A-372696、DE-A-3807588、EP-A-319971
【0024】
特に好適な実施態様では、酸化ケイ素/金属基材をベースとする干渉顔料は、「高」屈折率、すなわち屈折率が約l.65よりも高い、好ましくは約2.0よりも高い、最も好ましくは約2.2よりも高い絶縁材料のさらなる層を含み、これを酸化ケイ素/金属基材の表面全体に付着する。このような絶縁材料の例は、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、二酸化チタン(TiO2)、炭素、酸化インジウム(In23)、インジウム酸化スズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、酸化クロム(Cr23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ユウロピウム(Eu23)、酸化鉄、たとえば酸化鉄(II)/鉄(III)(Fe34)、酸化鉄(III)(Fe23)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd23)、酸化プラセオジム(Pr611)、酸化サマリウム(Sm23)、三酸化アンチモン(Sb23)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se23)、酸化スズ(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)またはこれらの組合せである。絶縁材料は、金属酸化物が好ましい。金属酸化物は単独の酸化物または酸化物の混合物とすることができ、吸収特性のあるまたはないたとえばTiO2、ZrO2、Fe23、Fe34、Cr23、チタン酸鉄、酸化鉄水和物、亜酸化チタンまたはZnOであり、TiO2が特に好ましい。TiO2層の上に低屈折率の金属酸化物を付着することにより、色のより濃い顔料を得ることが可能である。使用することのできる適切な低屈折率絶縁材料の例として、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)および金属フッ化物、たとえばフッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化アルミニウムナトリウム(たとえばNa3AlF6またはNa5Al314)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)、これらの組合せ、または屈折率約1.65以下の他の任意の低屈折率材料が含まれるが、これらに限定されない。たとえば、ジエンまたはアルケン、たとえばアクリレート(たとえば、メタクリレート)、ペルフルオロアルケンのポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)のポリマー、パリレン、p−キシレン、これらの組合せなどを含む有機モノマーおよびポリマーを低屈折率材料として用いることができる。さらに、上述の材料は、蒸発、凝縮および架橋した透明なアクリレート層を含み、これらは、U.S. Pat. No. 5,877,895またはEP-A-733,919(これらは参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている方法により付着させることができる。SiO2、Al23、AlOOH、B23またはこれらの混合物が好ましい。SiO2が最も好ましい。
【0025】
金属酸化物層を、CVD(化学蒸着、chemical vapor deposition)により、または湿式化学被覆により付着することができる。金属酸化物層は、水蒸気の存在下(比較的低分子量の金属酸化物、たとえば磁鉄鉱)、または酸素および適切な場合には水蒸気の存在下(たとえば、酸化ニッケルおよび酸化コバルト)、金属カルボニルを分解することにより得ることができる。金属酸化物層は、特に、金属カルボニル(たとえば、五カルボニル鉄、ヘキサカルボニルクロム;EP-A-45 851)の酸化気相分解によって、金属アルコラート(たとえば、チタンおよびジルコニウムテトラ−n−およびイソプロパノラート;DE-A-41 40 900)または金属ハロゲン化物(たとえば、四塩化チタン;EP-A-338 428)の気相加水分解によって、有機スズ化合物(特にアルキルスズ化合物、たとえばテトラブチルスズおよびテトラメチルスズ;DE-A-44 03 678)の酸化分解によって、またはEP-A-668 329に記載されている有機ケイ素化合物(特にジ−t−ブトキシアセトキシシラン)の気相加水分解によって付着し、被覆作業を流動床反応器中で行うことができる(EP-A-045 851およびEP-A-106 235)。
【0026】
ホスフェート、クロメートおよび/またはバナデートを含有するならびにホスフェートおよびSiO2を含有する金属酸化物層は、DE-A-42 36 332、EP-A-678 561およびEP-A-826 745に記載されている不動態化法にしたがって、金属のオキシドハライド(たとえば、CrO2Cl2、VOCl3)、特にリンオキシハライド(たとえば、POCl3)、リン酸および亜リン酸エステル(たとえば、ジおよびトリメチルならびにジおよびトリエチルホスファイト)およびアミノ基含有有機ケイ素化合物(たとえば、3−アミノプロピルトリエトキシおよびトリメトキシシラン)の気相加水分解または気相酸化分解によって付着することができる。
【0027】
金属ジルコニウム、チタン、鉄および亜鉛の酸化物、これらの金属の酸化物水和物、チタン酸鉄、亜酸化チタンまたはこれらの混合物の層は、湿式化学法による沈殿により付着させるのが好ましく、適切な場合には、金属酸化物を還元することが可能である。湿式化学被覆の場合、真珠箔顔料の製造用に開発された湿式化学被覆法を使用することができる。これらは、たとえばDE-A-14 67 468、DE-A-19 59 988、DE-A-20 09 566、 DE-A-22 14 545、DE-A-22 15 191、DE-A-22 44 298、DE-A-23 13 331、DE-A-25 22 572、DE-A-31 37 808、 DE-A-31 37 809、DE-A-31 51 343、DE-A-31 51 354、DE-A-31 51 355、DE-A-32 11 602およびDE-A-32 35 017、DE 195 99 88、WO 93/08237、WO 98/53001およびWO03/6558に記載されている。
【0028】
高屈折率金属酸化物はTiO2および/または酸化鉄が好ましく、低屈折率金属酸化物はSiO2が好ましい。TiO2の層はルチルまたはアナターセ変性であることができるが、ルチル変性が好ましい。TiO2層は、EP-A-735,114、DE-A-3433657、DE-A-4125134、EP-A-332071、EP-A-707,050またはWO93/19131に記載されているように、公知の手段、たとえばアンモニア、水素、炭化水素蒸気またはこれらの混合物、あるいは金属粉末により還元することもできる。
【0029】
被覆を目的として基材粒子を水に懸濁させ、どんな副次的沈殿も生じずに、金属酸化物または金属酸化物水和物が粒子上に直接沈殿するように選択した加水分解に適切なpHで、加水分解性金属塩を1種以上加える。pHは、塩基の同時計量供給により常に一定に保つ。次いで、顔料を分離し、洗浄し、乾燥し、適切な場合には仮焼し、仮焼温度は対象の被膜についてできる限り最適化する。必要なら、さらなる層の沈殿を目的として、個々の被膜を付着した後に、顔料を分離し、乾燥し、適切な場合には仮焼し、次に再懸濁することができる。
【0030】
金属酸化物層はさらに、たとえばDE-A-195 01 307に記載されている方法と同様に、適切な場合には有機溶剤および塩基触媒の存在下で、ゾル−ゲル法によって、1種以上の金属酸エステルの制御された加水分解による金属酸化物層の製造により得られる。適切な塩基触媒は、たとえばアミン、たとえばトリエチルアミン、エチレンジアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミンおよびメトキシプロピルアミンである。有機溶剤は、水混和性の有機溶剤、たとえばC1-4アルコール、特にイソプロパノールである。
【0031】
適切な金属酸エステルは、バナジウム、チタン、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウムおよびホウ素のアルキルおよびアリールアルコラート、カルボキシレート、ならびにカルボキシル基もしくはアルキル基もしくはアリール基置換アルキルアルコラートまたはカルボキシレートから選択される。アルミン酸トリイソプロピル、チタン酸テトライソプロピル、ジルコニウム酸テトライソプロピル、オルトケイ酸テトラエチルおよびホウ酸トリエチルの使用が好ましい。さらに、前述の金属のアセチルアセトナトおよびアセトアセチルアセトナトを使用できる。このタイプの金属酸エステルの好適な例は、ジルコニウムアセチルアセトナト、アルミニウムアセチルアセトナト、チタンアセチルアセトナトおよびジイソブチルオレイルアセトアセチルアルミナトまたはジイソプロピルオレイルアセトアセチルアセトナトおよび金属酸エステルの混合物、たとえばDynasil(登録商標)(Huls)、混合アルミニウム/ケイ素金属酸エステルである。
【0032】
高屈折率の金属酸化物として、二酸化チタンを使用するのが好ましく、本発明の実施態様によれば、二酸化チタン層の付着には、US-B-3 553 001に記載されている方法を使用する。
【0033】
被覆される材料の懸濁液にチタン塩水溶液をゆっくり加えるが、懸濁液は約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱し、塩基、たとえばアンモニア水溶液またはアルカリ金属水酸化物の水溶液などの同時計量添加により、実質的に一定のpH値、約0.5〜5、特に約1.2〜2.5に保つ。沈殿TiO2が望ましい層厚さに達したら、チタン塩溶液と塩基の添加を止める。
【0034】
滴定法とも呼ぶこの方法は、過剰のチタン塩を避ける事実により特徴づけられる。それは、単位時間当りの加水分解のための供給が、水和物TiO2で均一に被覆するために必要な量だけであり、被覆される粒子の利用できる表面によって単位時間あたり吸収できることにより達成される。基本的に、アナターセ型TiO2が出発顔料の表面に生成する。しかし、少量のSnO2の添加により、ルチル構造を形成させるのが可能である。
【0035】
TiO2層の厚さは通常5〜100nmの範囲にあり、特に10〜25nmである。
【0036】
TiO2は場合により通常の方法:US-B-4,948,631(NH3、750〜850℃)、WO93/19131(H2、>900℃)またはDE-A-19843014(固体の還元剤、たとえばケイ素など、>600℃)で還元することができる。
【0037】
適切な場合には、二酸化チタン層の上にSiO2(保護)層を付着することができ、そのために次の方法を用いることができる:約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱した被覆される材料の懸濁液に、ソーダ水ガラス溶液を計量添加する。10%塩酸の同時添加により、pHを4〜10、好ましくは6.5〜8.5に維持する。水ガラス溶液の添加後、30分攪拌を行う。
【0038】
干渉顔料を得るには、SiO2またはSiOyで被覆されたアルミニウムフレークを水に懸濁し、酸または塩基の同時添加により対象の金属酸化物水和物の沈殿に必要なpH値を確立して一定に保ち、対応する水溶性の金属化合物を添加し従来の方法によって加水分解することにより、高屈折率の金属酸化物水和物と適切な場合には低屈折率の金属酸化物水和物とで被覆し、続いて被覆されたキャリヤ材料を水性の懸濁液から分離し、乾燥し、適切な場合には、仮焼するのが好ましい(たとえば、DE 1959988、DE 2215191、DE 2244298、DE 2313331、DE 2522572、DE 3137808、DE 3137809、DE 3151343、DE 3151355、DE 3211602、DE 3235017、WO93/08237およびWO98/530011参照)。
【0039】
高屈折率の金属酸化物層の代わりに、US-B-6,524,381の材料、たとえばダイヤモンド状炭素およびアモルファス炭素を、たとえばUS-B-6,524,381に記載されているように、SiOzで被覆された金属基材上にプラズマアシステッド真空法により(振動コンベヤー、回転ドラムコーター、振動ドラムコーターおよびフリーフォールチャンバーを用いて)付着することができる。
【0040】
したがって、本発明は、表面上に炭素層、特に厚さが5〜150nm、特に20〜70nm、さらに特に30〜70nmであるダイヤモンド状炭素層を有する、酸化ケイ素/アルミニウム基材をベースとする面平行構造(顔料)にも関する。
【0041】
たとえばUS-B-6,015,597に記載されている方法では、ダイヤモンド状ネットワーク(DLN)被膜を、炭素含有ガス、たとえばアセチレン、メタン、ブタジエンおよびこれらの混合物、場合によりAr、場合により追加の成分を含有するガスからプラズマ付着法により粒子上に付着する。付着は減圧(大気圧に比べて)下、制御された環境中で行われる。炭素含有ガスに電界を印加することにより、炭素リッチなプラズマが反応チャンバー中に生成する。被覆される粒子を反応器内の容器またはコンテナに保持し、プラズマに接近させながら攪拌する。プラズマ内の種は粒子表面上で反応して共有結合を形成し、粒子の表面にDLNをもたらす。
【0042】
用語「ダイヤモンド状ネットワーク(DLN)」は、炭素および場合により水素、窒素、酸素、フッ素、ケイ素、硫黄、チタンおよび銅よりなる群から選択される1種以上の追加成分を含むアモルファスフィルムまたは被膜を意味する。ダイヤモンド状ネットワークは、炭素約30〜100原子%と、残部を占める任意の追加の成分とを含む。
【0043】
SiOzで被覆されたフレークのダイヤモンド状炭素層またはダイヤモンド状ネットワークによる被覆は、たとえば、EP-A-1034320に記載されている、
2個の電極を備えた容量結合反応器システムを排気可能な反応チャンバーに設け、
多数の粒子を一方の電極の近くに置き、
チャンバーを排気し、
高周波エネルギーを粒子の近くの電極に作用させ、もう一方の電極を接地し、
炭素を含有する供給源、たとえば炭化水素ガス、たとえばアセチレン、メタン、ブタジエンまたはこれらの混合物を、反応チャンバーに導入し、これにより多数の粒子の近くに、反応種を含むプラズマを形成し、
さらに接地電極の周りにイオン雲を形成し、
粒子を実質的にイオン雲内に保持しながら、フレーク表面をプラズマ中の反応種にさらすような方法で、フレークを攪拌する
工程を含む方法および装置により行うことができる。ダイヤモンド状ネットワークは炭素からなることができ、該当する場合には、水素、窒素、酸素、フッ素、ケイ素、硫黄、チタンまたは銅からなる成分1種以上を含んでもよい。
【0044】
したがって本発明は、層(A1)および(A2)上または層(C1)および(C2)上に、好ましくはアルミニウムフレークの表面全体にわたって、「高」屈折率の絶縁材料、特にTiO2、または炭素、好ましくはダイヤモンド状炭素の層からなる層(E)を含む本発明によるアルミニウムフレークをベースとする顔料、ならびに、層(D1)および(D2)上に、好ましくはアルミニウムフレークの表面全体にわたって、「高」屈折率の絶縁材料、特にTiO2、または炭素、好ましくはダイヤモンド状炭素からなる層(E)を含む、本発明によるアルミニウムフレークをベースとする顔料にも関する。
【0045】
炭素層の厚さは通常5〜150nm、好ましくは30〜70nmである。
【0046】
さらに、SiOzで被覆されたアルミニウムフレークは、EP-A-0 982 376に記載されているように、窒素をドープした炭素層で被覆されていてもよい。EP-A-0 982 376に記載されている方法は、次の工程
(a)酸化ケイ素で被覆されたアルミニウムフレークを液体に懸濁させ、
(b)適切な場合には、表面改質剤および/または重合触媒を加え、
(c)工程(b)の前または後に、窒素および炭素原子を含む1種以上のポリマー、またはこのようなポリマーを形成することができる1種以上のモノマーを加え、
(d)フレークの表面にポリマー被膜を形成し、
(e)被覆されたフレークを単離し、ついで
(f)被覆されたフレークを気体雰囲気中で温度100〜600℃に加熱すること
を含む。
【0047】
ポリマーはポリピロール、ポリアミド、ポリアニリン、ポリウレタン、ニトリルゴムまたはメラミンホルムアルデヒド樹脂、好ましくはポリアクリロニトリルとすることができ、あるいはモノマーをピロール誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトンニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドまたはクロトンアミド、好ましくはアクリロニトリル、メタクリロニトリルまたはクロトンニトリル、最も好ましくはアクリロニトリルとする。
【0048】
工程(f)では、フレークを、最初は酸素含有雰囲気中で100℃〜300℃に、次に不活性ガス雰囲気中で200〜600℃に加熱するのが好ましい。
【0049】
したがって本発明は、酸化ケイ素で被覆されたアルミニウムフレークの表面全体にわたって炭素50〜95重量%、窒素5〜25重量%、ならびに元素水素、酸素および/または硫黄0〜25重量%からなる層(F)(重量百分率データは層(F)の合計重量に関する)を含む、本発明によるアルミニウムフレークをベースとする顔料にも関する。
【0050】
窒素をドープした炭素層の厚さは通常10〜150nm、好ましくは30〜70nmである。
【0051】
本発明は、ペイント、生地(たとえば、PCT/EP03/11188参照)、インクジェット印刷(たとえば、PCT/EP03/50690参照)、化粧品(たとえば、PCT/EP03/09269参照)、印刷インク、プラスチック材料、塗装、特に自動車の仕上げ塗装、セラミックおよびガラスの艶出し、ならびにセキュリティ印刷での、本発明によるアルミニウムフレークをベースとする顔料の使用にも関する。
【0052】
アルミニウムコア上に存在する層をPVDにより付着する場合、これらの層はコアの平行な面上にだけ存在するが、側面には存在しない。(さらなる)層を湿式化学沈殿により付着する場合、これらはフレークの表面全体にわたって覆う。
【0053】
SiOyで被覆されたアルミニウムフレークは、次の工程
a)キャリヤ上に分離剤を蒸着して分離剤層を生成し、
b)分離剤層上にSiOy層を蒸着し、
c)SiOy層上にAl層を蒸着し、
d)Al層上にSiOy層を蒸着し、
e)溶剤中で分離剤層を溶解し、次いで
f)溶剤からSiOyで被覆されたアルミニウムフレークを分離すること
(式中、0.70≦y≦1.95、好ましくは1.0≦y≦1.80、最も好ましくは1.10≦y≦1.80)を含む方法(US-B-6,270,840、WO00/18978、WO02/090613、WO03/90613)によって本質的に得ることができる。
【0054】
酸化ケイ素層(SiOy)は、蒸発器中、1300℃より高い温度で、SiとSiO2の混合物の反応により生成する一酸化ケイ素蒸気から形成するのが好ましい。0.70≦y≦0.99のSiOy層は、1300℃より高い温度で、ケイ素を20重量%までの量で含有する一酸化ケイ素を蒸発させることにより形成するのが好ましい。
【0055】
上述した方法は、面平行度が高く、所定の厚さが平均厚さの±10%、好ましくは±5%の範囲にあり、反射の低い、酸化ケイ素で被覆されたアルミニウムフレークが得られる。
【0056】
SiOy層は、ケイ素および石英(SiO2)の微粉末の好ましくは化学量論混合物を、たとえば、DE 43 42 574 C1およびUS-A-6 202 591に記載されている蒸発器中で、高真空下、1300℃より高温に加熱することにより得る。反応生成物は一酸化ケイ素ガスであり、これを真空下、通過するキャリヤ上に直接導き、そこでSiOとして凝縮させる。非化学量論混合物を使用することもできる。蒸発器は、SiおよびSiO2の混合物、SiOy、またはこれらの混合物を含む装入材料を含有し、互いに反応する物質(SiおよびSiO2)の粒子サイズは、0.3mm未満であるのが有利である。Si対SiO2の重量比は0.15:1〜0.75:1(重量部)の範囲にあるのが有利であり、化学量論の混合物が存在するのが好ましい。蒸発器に存在するSiOyは、直接蒸発する。SiとSiO2は1300℃より高い温度で反応して一酸化ケイ素蒸気を形成する。キャリヤ上に凝縮させる分離剤は、ラッカー、US-B-6 398 999に記載されている熱可塑性ポリマー、たとえばアクリルもしくはスチレンポリマー、またはこれらの混合物、有機溶剤または水に可溶性で真空中で気化可能な有機物質、たとえば、アントラセン、アントラキノン、アセトアミドフェノール、アセチルサリチル酸、ショウノウ酸無水物、ベンゾイミダゾール、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ビフェニル−2,2−ジカルボン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ジヒドロキシアントラキノン、ヒダントイン、3−ヒドロキシ安息香酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸1水和物、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシクマリン、3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、イソフタル酸、4,4−メチレン−ビス−3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、ナフタレン−1,8−ジカルボン酸無水物、フタルイミドおよびそのカリウム塩、フェノールフタレイン、フェノチアジン、サッカリンおよびその塩、テトラフェニルメタン、トリフェニレン、トリフェニルメタノールまたはこれらの物質2種以上の混合物とすることができる。分離剤は、好ましくは、水に可溶性で真空中で気化可能な無機塩(たとえばDE 198 44 357を参照)、たとえば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムナトリウム、四ホウ酸二ナトリウムである。
【0057】
工程e)は通常、工程a)およびb)での圧力より高く大気圧より低い圧力で行う。
【0058】
(可動)キャリヤは、ポリマーで被覆されたもしくは被覆されない1個以上の連続金属ベルト、または1個以上のポリイミドもしくはポリエチレンテレフタレートベルトを含むのが好ましい。可動キャリヤは、軸の周りを回転する1個以上のディスク、シリンダーまたは他の回転対称体をさらに含んでもよい。
【0059】
SiOyで被覆されたアルミニウムフレークを、分離剤の溶剤から、好ましくは洗浄、続いてろ過、沈降、遠心分離、デカンテーションまたは蒸発により分離する。さらに、溶剤中に含まれる溶解した分離剤を洗浄した後に、SiOyで被覆されたアルミニウムフレークを溶剤とともに凍結し、続いて凍結乾燥の処理を行ってもよく、この間に三重点未満での昇華の結果、溶剤が分離し、乾燥フレークが個々の面平行構造の形態で後に残る。
【0060】
凝縮した亜酸化ケイ素は、0.95≦y≦1.8、好ましくは約1.0≦y≦1.5の式SiOyに相当し、y値1未満は蒸発器材料中の過剰なケイ素によって得られる。超高真空以外の数10-2Paの工業用の真空中では、蒸発したSiOは常に、1≦y≦1.8、特に1.1≦y≦1.5のSiOyとして凝縮するが、それは高真空装置は、表面からガスが放出する結果、蒸発温度でSiOと容易に反応する水蒸気を常に微量含有するからである。
【0061】
詳細には、0.5Pa未満の真空下、蒸発器を経由して通る連続金属ベルトとすることができるキャリヤ上に、塩、たとえばNaCl、続いて亜酸化ケイ素(SiOy)、AlおよびSiOyの層を順次蒸着する。塩の蒸着厚さは、約20〜100nm、好ましくは30〜60nmであり、SiOの蒸着厚さは、生成物の使用目的によるが、200〜500nmであり、アルミニウムの蒸着厚さは10〜100nmである。その先の経路では、閉じてループを形成したベルト状キャリヤを、公知の構造のダイナミック真空ロックチャンバー(US 6,270,840を参照)により1〜5×104Paの圧力、好ましくは600〜109Paの圧力、特に103〜5×103Paの圧力の領域に通し、分離浴に浸漬する。溶剤の温度は、その蒸気圧が示された圧力範囲にあるように選択するべきである。機械的援助を用いて、分離剤層は迅速に溶解し、生成物層はフレークに粉砕し、そして溶剤中に懸濁液の形態で存在する。その後の経路では、ベルトを乾燥し、まだそれに付着するあらゆる汚染物質を除去する。それを第2グループのダイナミック真空ロックチャンバーに通して蒸発チャンバーに戻し、分離剤およびSiOの生成物層の被覆工程を繰り返す。
【0062】
両方の場合でこうして得られる、生成物構造と分離剤が溶解した溶剤とを含む懸濁液を、次に公知の技術にしたがってさらなる操作で分離する。そのために、生成物構造をまず液体で濃縮し、溶解した分離剤を洗い流すために新たな溶剤で数回すすぐ。次に、まだ湿った固体の形態の生成物を、ろ過、沈降、遠心分離、デカンテーションまたは蒸発によって分離し、乾燥する。
【0063】
洗浄後の面平行構造の大気圧での分離は、固形分約50%に濃縮した懸濁液を凍結し、公知の方法で、約−10℃、圧力50Paで凍結乾燥を行うことにより、温和な条件下で行うことができる。乾燥物質が生成物として後に残り、被覆または化学転化によって、さらなる加工工程を行うことができる。
【0064】
連続ベルトを使用する代わりに、DE-A-199 52 032にしたがって、回転体を用いて、分離剤ならびにSiOy、AlおよびSiOyの蒸着、分離、およびキャリヤの乾燥の工程を行うことにより、生成物を製造することが可能である。回転体は、1個以上のディスク、シリンダーまたは任意の他の回転対称体とすることができる。
【0065】
次に、フレークを酸化加熱処理にかけることができる。たとえば、空気または他の酸素含有ガスが、200℃より高い、好ましくは400℃より多い、特に400〜600℃の温度で、ばら材料の形態のまたは流動床中のプレートレット(platelet)を通過する。
【0066】
フィルム断片の顔料サイズへの微粉砕は、たとえば、液体媒体中での、超音波または高速スターラを用いる機械的手段によって、または断片を乾燥した後、ロータリー分級機を備えたエアジェットミルで実施することができる。顔料微粉砕を液体媒体中で行うか乾燥状態で行うかによるが、微粉砕工程の時またはその後の工程の際に、上述の方法の1つによって、アルミニウム顔料の自由金属表面の不動態化を行う。
【0067】
アルミニウムフレークまたは顔料を、光、天候および化学物質に対する安定性をさらに高める、あるいは顔料の取り扱い、特に種々の媒体への組み込みを容易にする、後被覆または後処理にかけることもできる。たとえば、EP-A-1084198、EP-A-826745、DE-A-22 15 191、DE-A-31 51 354、DE-A-32 35 017またはDE-A-33 34 598に記載されている方法が、後処理または後被覆として適切である。
【0068】
適切な場合にはSiO2保護層を付着することができ、そのために次の方法を用いることができる:約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱した被覆される材料の懸濁液に、ソーダ水ガラス溶液を計量添加する。10%塩酸の同時添加により、pHを4〜10、好ましくは6.5〜8.5に維持する。水ガラス溶液の添加後、30分攪拌を行う。
【0069】
本発明による顔料は極めて均一な厚みを有することが認められ、その結果極めて高い色純度および色の濃さが得られる。金属または非金属の無機プレートレット形状粒子または顔料は、エフェクト顔料(特に金属エフェクト顔料または干渉顔料)であり、すなわち、塗装媒体に色を付与するほかに、追加の特性、たとえば色(フロップ)、ラスター(表面光沢ではない)またはテクスチャーの角度依存を付与する顔料である。金属エフェクト顔料(アルミニウムフレーク)では、方向が配向した顔料粒子で実質的に配向した反射が起こる。干渉顔料(顔料)の場合、色付与効果(colour-imparting effect)は、高屈折性薄層中での光の干渉現象によるものである。
【0070】
本発明による顔料は全ての通常の目的に使用することができ、たとえば塊でのポリマーの着色、塗装(自動車部門用を含むエフェクト仕上げ塗装を含む)および印刷インク(オフセット印刷、凹版印刷、金付けおよびフレキソ印刷を含む)、さらに、たとえば化粧品、インクジェット印刷、生地の染色用の用途、セラミックおよびガラスの艶だし、ならびに紙およびプラスチックのレーザマーキングに使用することができる。このような用途は参考資料、たとえば”Industrielle Organische Pigmente”(W. Herbst and K. Hunger, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim/New York, 2nd, completely revised edition, 1995)から公知である。
【0071】
本発明による顔料が干渉顔料(エフェクト顔料)である場合、それはゴニオクロマチック(goniochromatic)であり、鮮明で、高度に飽和した(ラスター)色をもたらす。したがって、それは従来の透明な顔料、たとえば有機顔料、たとえばジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、ペリレン、イソインドリノンなどと組合せるのに極めて適切であり、透明な顔料がエフェクト顔料と同様の色を有することが可能である。しかし、たとえばEP-A-388 932またはEP-A-402 943と同様に、透明な顔料の色とエフェクト顔料の色が相補的である場合に、特に興味深い組合せの効果が得られる。
【0072】
本発明による顔料は、高分子量有機材料の顔料着色に対して優れた結果で用いることができる。
【0073】
顔料着色に本発明による顔料または顔料組成物を使用できる高分子量有機材料は、天然由来でも合成品でもよい。高分子量有機材料は、分子量が通常約103〜108g/molまたはそれより大きい。これは、たとえば天然樹脂、乾性油、ゴムもしくはカゼインまたはこれらから誘導した天然物質、たとえば塩素化ゴム、油変性アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルもしくはエステル、たとえばエチルセルロース、酢酸セルロース、セルロースプロピオネート、セルロースアセトブチレートまたはニトロセルロースとすることができるが、特に、重合、重縮合または重付加により得られるような完全合成有機ポリマー(熱硬化性プラスチックおよび熱可塑性プラスチック)が挙げられる。重合樹脂のクラスから、特に、ポリオレフィン、たとえばポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリイソブチレン、さらに置換ポリオレフィン、たとえば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはブタジエンの重合生成物、ならびに前記モノマーの共重合物、特にABSまたはEVAを挙げることができる。
【0074】
重付加樹脂および重縮合樹脂のシリーズから、たとえばホルムアルデヒドとフェノール類の縮合物、いわゆるフェノプラスト、ホルムアルデヒドと尿素、チオウレアまたはメラミンとの縮合物、いわゆるアミノプラスト、表面塗装樹脂として用いるポリエステル、アルキド樹脂などの飽和樹脂またはマレエート樹脂などの不飽和樹脂、さらに直鎖状ポリエステルおよびポリアミド、ポリウレタンまたはシリコーンを挙げることができる。
【0075】
前記高分子量化合物は単独または混合物で、プラスチック塊または溶融物の形で存在することができる。これらはそのモノマーの形態でまたは重合した状態で、塗装もしくは印刷インク用の被膜形成剤またはバインダー、たとえば煮アマニ油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂および尿素ホルムアルデヒド樹脂またはアクリル樹脂のように溶解した形態で存在してもよい。
【0076】
使用目的によって、本発明による(エフェクト)顔料または(エフェクト)顔料組成物をトナーとして用いるのが有利か、配合物の形態で用いるのが有利かを確かめた。高分子量有機材料、特にポリエチレンの着色用エフェクト顔料の使用に悪影響がないという条件で、コンディショニング方法または対象とする用途によって、コンディショニングプロセスの前または後に、所定量のテクスチャー改良剤をエフェクト顔料に加えるのが有利である。適切な薬剤は、特に、炭素原子数18以上の脂肪酸、たとえばステアリン酸またはベヘン酸、またはアミドまたはこれらの金属塩、特にマグネシウム塩、ならびに可塑剤、ワックス、樹脂酸、たとえばアビエチン酸、ロジン石鹸、アルキルフェノールまたは脂肪族アルコール、たとえばステアリルアルコール、または炭素原子数8〜22の脂肪族1,2−ジヒドロキシ化合物、たとえば1,2−ドデカンジオール、さらに変性コロホニウムマレエート樹脂またはフマル酸コロホニウム樹脂である。テクスチャー改良剤は、最終生成物に基づいて好ましくは0.1〜30重量%、特に2〜15%重量の量で加える。
【0077】
本発明による(エフェクト)顔料は、顔料着色する高分子量有機材料に、任意の着色有効量で加えることができる。顔料着色組成物は、高分子量有機材料、及び高分子量有機材料に基づいて、本発明による顔料0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%を含むのが有利である。実際には濃度1〜20重量%、特に約10重量%用いることが多い。
【0078】
高濃度、たとえば30重量%より高い濃度は、通常濃縮物(マスターバッチ)の形態であり、着色剤として比較的顔料含量の低い顔料着色材料の製造に使用でき、本発明による顔料は通常の組成物中で極めて低粘度であるのでそれでも良好に加工できる。
【0079】
有機材料の顔料着色を目的として、本発明によるエフェクト顔料は単独で使用できる。しかし、種々の色合いまたは色効果を得るために、本発明によるエフェクト顔料に加えて、任意の望ましい量の他の色付与成分、たとえば白色、有色、黒色またはエフェクト顔料を高子量有機物質に加えることも可能である。有色顔料を本発明によるエフェクト顔料との混合状態で用いる場合、合計量は高分子量有機材料に基づいて0.1〜10重量%であるのが好ましい。特に高い目視角度依存色度(goniochromicity)は、本発明によるエフェクト顔料と、別の色、特に、エフェクト顔料を用いて作られる色合いと有色顔料を用いて作られる色合いの、測定角度10°での色相の差(△H*)が20〜340、特に150〜210である相補的な色の有色顔料との好適な組合せにより提供される。
【0080】
本発明によるエフェクト顔料は透明な有色顔料と組み合わせるのが好ましく、透明な有色顔料は本発明によるエフェクト顔料と同じ媒体中に存在しても隣接する媒体中に存在してもよい。エフェクト顔料および有色顔料が隣接する媒体中に有利に存在する配列の例が多層エフェクト被膜である。
【0081】
本発明による顔料を用いる高分子量有機物質の顔料着色は、たとえばこのような顔料(適切な場合にはマスターバッチの形態で)と基材とを、ロールミルまたは混合または粉砕装置を用いて混合することにより行う。次に、顔料着色材料を、それ自体公知の方法、たとえばカレンダリング、圧縮成形、押出、被覆、流し込みまたは射出成形を用いて望ましい最終形態に至らせる。プラスチック工業で一般的な任意の添加剤、たとえば可塑剤、充填剤または安定剤を、一般的な量で顔料の組み込み前または後にポリマーに加えることができる。特に、軟質成形品を製造するためまたはその脆性を減らすために、可塑剤、たとえばリン酸、フタル酸またはセバシン酸のエステルを、成形に先立って高分子量化合物に加えるのが望ましい。
【0082】
塗装および印刷インクの顔料着色において、高分子量有機材料および本発明によるエフェクト顔料を、適切な場合には通常の添加剤、たとえば充填剤、他の顔料、乾燥剤または可塑剤とともに、同じ有機溶剤または溶剤混合物に微細に分散または溶解し、個々の成分を別々に溶解または分散させるか、多数の成分を一緒に溶解または分散させ、その後初めて全成分を合わせることができる。
【0083】
顔料着色する高分子量有機材料中での本発明によるエフェクト顔料の分散、および本発明による顔料組成物の加工は、エフェクト顔料がより小さな部分に壊れないように、比較的弱い剪断力しか発生しない条件下で行うのが好ましい。
【0084】
プラスチックは、本発明の顔料を0.1〜50重量%、特に0.5〜7重量%の量で含む。塗装領域では、本発明の顔料を0.1〜10重量%の量で使用する。バインダー系、たとえば凹版、オフセットまたはスクリーン印刷用のペイントおよび印刷インクの顔料着色では、顔料を印刷インクに0.1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、特に8〜15重量%の量で組み込む。
【0085】
たとえばプラスチック、塗装または印刷インク中、特に塗装または印刷インク中、さらに特に塗装中で得られる色合いは、優れた特性、特に極めて高い彩度、優れた堅牢性、および高い目視角度依存色度に特徴がある。
【0086】
顔料着色する高分子量材料が塗装である場合、それは特に専用の塗装、特に自動車の仕上げ塗装である。
【0087】
本発明によるエフェクト顔料は、唇または皮膚の化粧および髪または爪の着色にも適切である。
【0088】
したがって、本発明は、本発明による顔料、特にエフェクト顔料を、化粧品配合物または組成物の合計重量に基づいて0.0001〜90重量%、化粧品用に適切なキャリヤ材料を10〜99.9999%含む化粧品配合物または組成物にも関する。
【0089】
このような化粧品配合物または組成物は、たとえば口紅、ほお紅、ファンデーション、マニキュア液およびヘアシャンプーである。
【0090】
顔料は単独または混合物の形態で用いることができる。さらに、本発明による顔料を他の顔料および/または着色剤とともに、たとえば前述したようなまたは化粧品配合物で公知の組合せで使用することが可能である。
【0091】
本発明による化粧品配合物および組成物は、本発明による顔料を配合物の合計重量に基づいて0.005〜50重量%の量で含有するのが好ましい。
【0092】
本発明による化粧品配合物および組成物に適切なキャリヤ材料は、このような組成物に用いる通常の材料を含む。
【0093】
本発明による化粧品配合物および組成物は、たとえばスティック、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、分散液、粉末または溶液の形態とすることができる。これらは、たとえば口紅、マスカラ配合物、ほお紅、アイシャドウ、ファンデーション、アイライナー、粉おしろいまたはマニキュア液である。
【0094】
配合物がスティック、たとえば口紅、アイシャドウ、ほお紅またはファンデーションの形態ならば、配合物はかなりの部分が脂肪成分からなり、脂肪成分は1種以上のワックス、たとえばオゾケライト、ラノリン、ラノリンアルコール、水素化ラノリン、アセチル化ラノリン、ラノリンワックス、ミツロウ、カンデリラろう、微晶ろう、カルナウバろう、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ココア脂、ラノリン脂肪酸、ペトロラタム、石油ゼリー、モノ、ジもしくはトリグリセリドまたは25℃で固体であるこれらの脂肪酸エステル、シリコーンワックス、たとえばメチルオクタデカン−オキシポリシロキサンおよびポリ(ジメチルシロキシ)−ステアロキシシロキサン、ステアリン酸モノエタノールアミン、松脂およびこれらの誘導体、たとえばグリコールアビエテートおよびグリセロールアビエテート、25℃で固体の水素化油、糖グリセリドおよびカルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよびアルミニウムのオレエート、ミリステート、ラノレート、ステアレートおよびジヒドロキシステアレートからなることができる。
【0095】
脂肪成分は1種以上のワックスと1種以上のオイルとの混合物からなっていてもよく、その場合たとえば次のオイルが適切である:パラフィン油、パーセリンオイル(purcelline oil)、ペルヒドロスクアレン(perhydrosqualene)、スイートアーモンドオイル、アボカドオイル、カロフィラムオイル(calophyllum oil)、ヒマシ油、ゴマ油、ホホバ油、沸点約310〜410℃の鉱油、シリコーン油、たとえばジメチルポリシロキサン、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、オレイルアルコール、穀物粒オイル、たとえば小麦麦芽オイル、イソプロピルラノレート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、セチルミリステート、ヘキサデシルステアレート、ブチルステアレート、デシルオレエート、アセチルグリセリド、アルコールおよびポリアルコールのオクタノエートおよびデカノエート(たとえばグリコールおよびグリセロール)、アルコールおよびポリアルコールのリシノレエート(たとえばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルラノレート、イソプロピルアジペート、ヘキシルラウレートおよびオクチルドデカノール)。
【0096】
スティックの形態のこのような配合物中の脂肪成分は、通常、配合物合計重量の99.91重量%まで占めることができる。
【0097】
加えて、本発明による化粧品配合物および組成物は、さらなる成分、たとえばグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、モノアルカノールアミド、非有色ポリマー、無機または有機の充填剤、防腐剤、UVフィルターまたは他の添加物ならびに通常の化粧品中の添加剤、たとえば天然もしくは合成または部分的に合成のジまたはトリグリセリド、鉱油、シリコーン油、ワックス、脂肪アルコール、Guerbetアルコールまたはそのエステル、日光保護フィルターを含む親油性の機能化粧品有効成分、またはこのような物質の混合物を含むことができる。
【0098】
皮膚化粧品に適切な親油性の機能化粧品有効成分、有効成分組成物または有効成分抽出物は、皮膚上のまたは局所の用途に承認された成分または成分の混合物である。例として次のものが挙げられる:
−皮膚表面および髪のクレンジング作用を有する有効成分:これは皮膚を洗浄する作用をなす全ての物質、たとえばオイル、石鹸、合成洗剤および固体の物質を含む;
−防臭および制汗作用を有する有効成分:これはアルミニウム塩または亜鉛塩を主成分とする制汗剤、殺菌性または静菌性防臭物質、たとえばトリクロサン、ヘキサクロロフェン、アルコールおよびカチオン物質、たとえば第四級アンモニウム塩を含む防臭剤、およびにおい吸収剤、たとえばGrillocin(登録商標)(亜鉛リシノレエートおよび種々の添加剤)またはクエン酸トリエチル(場合により酸化防止剤、たとえばブチルヒドロキシトルエンとの組合せ)またはイオン交換樹脂を含む;
−日光に対する保護を与える有効成分(UVフィルター):適切な有効成分は、日光から紫外線を吸収し熱に変換することができるフィルター物質(日焼け止め剤)である;望ましい作用によって次の光保護剤が好ましい:日焼けの原因となる約280〜315nmの範囲の高エネルギー紫外線を選択的に吸収したとえば315〜400nm(UV−A範囲)の長波長範囲を透過する光保護剤(UV−B吸収剤)、ならびに315〜400nmのUV−A範囲の長波長放射線だけを吸収する光保護剤(UV−A吸収剤);適切な光保護剤は、たとえば、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフラン誘導体、有機ケイ素基1個以上を含むポリマーUV吸収剤、桂皮酸誘導体、カンファー誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびこれらの塩、アントラニル酸メチル、ベンゾトリアゾール誘導体のクラスの中からの有機UV吸収剤、および/または酸化アルミニウムまたは二酸化ケイ素で被覆されたTiO2、酸化亜鉛またはマイカから選択される無機ミクロ顔料(micropigment)である;
−虫に対する有効成分(駆除剤)は虫が皮膚に触れそこで活動するのを妨げるのを意図する薬剤である;これらは虫を追い払いゆっくり蒸発する;最も頻繁に用いられる駆除剤はジエチルトルアミド(DEET)である;他の一般的な駆除剤はたとえば”Pflegekosmetik” (W. Raab and U. Kindl,Gustav-Fischer-Verlag Stuttgart/New York, 1991) on page 161に見られる;
−化学的および機械的影響に対する保護用の有効成分:これらは皮膚と外部の有害な物質の間に防壁を形成する全ての物質、たとえば水溶液に対する保護用のパラフィン油、シリコーン油、植物油、PCL生成物およびラノリン、有機溶剤の影響に対する保護用のフィルム形成剤、たとえばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸トリエタノールアミン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールもしくはセルロースエーテル、または皮膚上の激しい機械的応力に対する保護用「滑剤」として鉱油、植物油またはシリコーン油を主成分とする物質を含む;
−保湿物質:たとえば次の物質が湿分制御剤(保湿剤)として用いられる:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、コラーゲン、エラスチンおよびヒアルロン酸;
−ケラトプラスチック効果(keratoplastic effect)を有する有効成分:過酸化ベンゾイル、レチノイン酸、コロイド硫黄およびレゾルシノール;
−抗微生物剤、たとえばトリクロサンまたは第四級アンモニウム化合物;
−皮膚上に塗布することのできる油性または油溶性のビタミンまたはビタミン誘導体:たとえばビタミンA(遊離酸またはその誘導体の形態のレチノール)、パンテノール、パントテン酸、葉酸、およびこれらの組合せ、ビタミンE(トコフェロール)、ビタミンF;必須脂肪酸;またはナイアシンアミド(ニコチン酸アミド);
−ビタミンベース胎盤抽出物:特にビタミンA、C、E、B1、B2、B6、B12、葉酸およびビオチン、アミノ酸および酵素ならびに微量元素マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄または銅の化合物を含む有効成分組成物;
−皮膚修復コンプレックス(skin repair complexe):ビフィズスグループバクテリアの培養物を不活性化し破壊して得られる;
−植物および植物抽出物:たとえばアルニカ、アロエ、バードライカン(beard lichen)、アイビー、ネットル、朝鮮人参、ヘンナ、カムミール、マリゴールド、ローズマリー、セージ、つくしまたはタイム;
−動物抽出物:たとえばロイヤルゼリー、プロポリス、タンパク質または胸腺抽出物;
−皮膚上に塗布することのできる化粧品オイル:Miglyol 812タイプの中性オイル、杏仁油、アボカドオイル、ババス油、綿実油、ルリヂサオイル、アザミオイル、ラッカセイ油、γ−オリザノール(gamma-oryzanol)、ローズヒップ種子オイル、大麻油、ヘーゼルナッツ油、クロフサスグリの種子オイル、ホホバ油、サクランボの種オイル、サーモンオイル、アマニ油、コーン種子オイル、マカダミアナッツ油、アーモンドオイル、イブニングプリムローズオイル、ミンクオイル、オリーブ油、ペカンナッツオイル、桃仁油、ピスタチオナッツ油、菜種油、稲種子オイル、ヒマシ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、ティー・ツリー油、葡萄種子オイルまたは小麦麦芽オイル。
【0099】
スティック形状の配合物は無水であるのが好ましいが、特定の場合には所定量の水を含んでもよい。ただし、一般に化粧品配合物の合計重量に基づいて40重量%を超えない。
【0100】
本発明による化粧品配合物および組成物が半固体生成物の形態、すなわち軟膏またはクリームの形態であるなら、それらは同様に無水でも水性でもよい。このような配合物および組成物は、たとえばマスカラ、アイライナー、ファンデーション、ほお紅、アイシャドウ、または目の下のくまを処理する組成物である。
【0101】
一方、このような軟膏またはクリームが水性であるなら、それらは特に、顔料のほかに、脂肪相1〜98.8重量%、水性相1〜98.8重量%および乳化剤0.2〜30重量%を含む、油中水形または水中油形のエマルションである。
【0102】
このような軟膏およびクリームは、さらに従来の添加剤、たとえば香料、酸化防止剤、防腐剤、ゲル形成剤、UVフィルター、着色剤、顔料、真珠箔剤、非有色ポリマーならびに無機または有機充填剤も含むことができる。
【0103】
配合物が粉末の形態であるなら、それらは実質的に鉱物または無機または有機充填剤、たとえばタルク、カオリン、スターチ、ポリエチレン粉末またはポリアミド粉末、ならびに添加物、たとえばバインダー、着色剤からなる。
【0104】
このような配合物は、通常化粧品に使用される種々の添加物、たとえば芳香剤、酸化防止剤、防腐剤などを同様に含んでもよい。
【0105】
本発明による化粧品配合物および組成物がマニキュア液なら、それらは本質的に、溶剤系中の溶液の形態でニトロセルロースおよび天然または合成ポリマーからなり、この溶液が他の添加物、たとえば真珠箔剤を含むことが可能である。
【0106】
その実施態様では、有色ポリマーを約0.1〜5重量%の量で含む。
【0107】
本発明による化粧品配合物および組成物は、髪の着色にも使用することができ、その場合それらは化粧品産業で慣例的に用いるベース物質および本発明による顔料で構成されるシャンプー、クリームまたはゲルの形で用いられる。
【0108】
本発明による化粧品配合物および組成物は、たとえば成分を一緒に混合または攪拌することによる、場合により混合物を溶融するように加熱を伴う、従来の方法で調製する。
【0109】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。特記しない限り、%および部はそれぞれ重量%および重量部である。
【0110】
実施例
実施例1
真空チャンバー中で、約10-2Pa未満の圧力で、金属キャリヤ上にNaCl層約50nmを蒸着した。次に、同じ圧力で、次の材料:SiO、AlおよびSiO、を順次蒸着し、これにより次の層構造:
SiO(270nm)/Al(40nm)/SiO(270nm)を有するフィルムを金属ベルト上に生成した。
【0111】
次に、分離剤を水に溶解し、その結果、フレークが基材から分離した。得られた懸濁液を、大気圧でのろ過によって濃縮し、脱イオン水で数回すすいで含まれるNa+およびCl-イオンを全て除去した。乾燥後、金属化ラスター色を示し、従来技術から知られているアルミニウムフレークに比べてより明るい外観と優れた鮮明性を有するSiO被覆アルミニウムフレークを得た。
【0112】
天候と光に対する堅牢度を高めるために、200℃に加熱した空気が通るオーブン中で、顔料をばら材料の形態で200℃で2時間加熱してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)SiOzからなる層、
(B)層(A1)上のアルミニウムからなる層、および
(A2)層(B)上のSiOzからなる層
(式中、0.70≦z≦2.0)を含むアルミニウムフレーク。
【請求項2】
(C1)SiO2からなる層、
(A1)層(C1)上のSiOyからなる層、
(B)層(A1)上のアルミニウムからなる層、
(A2)層(B)上のSiOyからなる層、および
(C2)層(A2)上のSiO2からなる層
(式中、0.95≦y≦2.0)を含む、請求項1記載のアルミニウムフレーク。
【請求項3】
(D1)SiO2からなる層、
(B)層(D1)上のアルミニウムからなる層、および
(D2)層(B)上のSiO2からなる層
を含み、SiO2層の厚さが200〜500nm、特に200〜350nmである、アルミニウムフレーク。
【請求項4】
アルミニウムからなる層(B)の厚さが10〜100nm、好ましくは30〜50nmである、請求項1〜3のいずれか1項記載のアルミニウムフレーク。
【請求項5】
SiOzからなる層(A1)および(A2)の厚さ、SiO2からなる層(D1)および(D2)の厚さ、SiOyからなる層(A1)およびSiO2からなる層(C1)の厚さ、ならびにSiOyからなる層(A2)およびSiO2からなる層(C2)の厚さが200〜350nm、好ましくは250〜300nmである、請求項1または2記載のアルミニウムフレーク。
【請求項6】
層(A1)および(A2)の上か、層(C1)および(C2)の上か、層(D1)および(D2)の上か、アルミニウムフレークの表面全体にわたって、「高」屈折率の絶縁材料、特にTiO2、または炭素、好ましくはダイヤモンド状炭素からなる層(E)を含む、請求項l、2、3、4および5のいずれか1項記載のアルミニウムフレークをベースとする顔料。
【請求項7】
アルミニウムフレークの表面全体にわたって、炭素50〜95重量%、窒素5〜25重量%、ならびに元素水素、酸素および/または硫黄0〜25重量%からなる層(F)(重量百分率データは層(F)の合計重量に関する)を含む、請求項l、2、3、4および5のいずれか1項記載のアルミニウムフレークをベースとする顔料。
【請求項8】
層(E)または(F)の厚さが10〜150nm、好ましくは30〜70nmである、請求項6または7のいずれか1項記載の顔料。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項記載のアルミニウムフレークの、ペイント、静電塗装、インクジェット印刷、化粧品、塗装、印刷インク、プラスチック材料、セラミックおよびガラスの艶出し、ならびにセキュリティ印刷での使用、あるいは、請求項6、7または8記載の顔料の、ペイント、インクジェット印刷、化粧品、塗装、印刷インク、プラスチック材料、セラミックおよびガラスの艶出し、ならびにセキュリティ印刷での使用。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項記載のアルミニウムフレーク、あるいは請求項6、7または8記載の顔料を含む組成物。

【公表番号】特表2006−509088(P2006−509088A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558100(P2004−558100)
【出願日】平成15年12月1日(2003.12.1)
【国際出願番号】PCT/EP2003/050914
【国際公開番号】WO2004/052999
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
TEFLON
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】