説明

アルミニウム合金の材質判定方法と材質判定装置

【課題】高品位のアルミニウム合金展伸材をそのまま展伸材として水平リサイクルし、省エネルギー化・省資源化に役立てることができるアルミニウム合金の材質判定技術を提供する。
【解決手段】下記材質判定のうち、少なくとも一方を有することを特徴とするアルミニウム合金の材質判定方法。
(A)測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射し、透過X線強度を測定し、その測定値から減弱係数の比の値を求め、求めた比の値に基づきアルミニウム合金の材質を判定すること、
(B)測定対象であるアルミニウム合金に渦電流プローブを用いて渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出し、その検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを求め、求めたインピーダンスの値に基づきアルミニウム合金の材質を判定すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金の材質判定方法と材質判定装置に関し、詳しくはアルミニウム合金のリサイクルにおいてアルミニウム合金のグループ分けを行う場合に適用して好適なアルミニウム合金の材質判定方法と材質判定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金を判定する方法として、特許文献1には、2以上の異なるエネルギーレベルのX線を照射し、センサーで透過X線強度を測定し、厚みと組成を決める方法が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、2つの異なるエネルギーレベルのX線を排金属に照射し、センサーで透過X線強度を測定し、平均原子番号の大小により排金属のグループ分けを行っている。例えば、平均原子番号の大きなものとしては真鍮、銅、亜鉛、ステンレス等があり、平均原子番号の小さいものとしては、アルミニウム合金、アルミニウム等がある。ここでは、空気によるイジェクターを備え、両者を別々の収容容器にグループ分けして収容するようになっている。
【0004】
一方、アルミニウム合金はスクラップの価値が高く、リサイクル原料として有効に活用する取り組みが行われている。アルミニウム合金は4桁の数字からなる国際アルミニウム合金名が使用されており、1000番台、2000番台、3000番台・・・等でそれぞれ添加成分が異なり、適用される対象物品等も異なっている。
【0005】
アルミニウム合金のリサイクルでは、再溶解により少量・微量成分が規定量を超えるため、順次低品位アルミ用途へと適用される、いわゆるカスケードリサイクルが行われている。
【0006】
そして、従来のアルミニウム合金の判定方法では、特許文献1や特許文献2に示すように、他の金属等の中からアルミニウム合金を判定しているにすぎず、アルミニウム合金の系列ごと詳細な判別は行われていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US2004/0066890 A1
【特許文献2】US2009/0261024 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、高品位のアルミニウム合金展伸材をそのまま展伸材として水平リサイクルし、省エネルギー化・省資源化に役立てることができるアルミニウム合金の材質判定方法及び材質判定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、第1には、下記材質判定のうち、少なくとも一方を有することを特徴とするアルミニウム合金の材質判定方法を提供する。
【0010】
(A)測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射し、透過X線強度を測定し、その測定値から減弱係数の比の値を求め、求めた比の値に基づきアルミニウム合金の材質を判定すること、
(B)測定対象であるアルミニウム合金に渦電流プローブを用いて渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出し、その検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを求め、求めたインピーダンスの値に基づきアルミニウム合金の材質を判定すること。
【0011】
また、第2には、上記第1の発明において、測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射し、透過X線強度を測定し、その測定値から減弱係数の比の値を求め、求めた比の値に基づきアルミニウム合金の材質を判定するとともに、測定対象であるアルミニウム合金に渦電流プローブを用いて渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出し、その検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを求め、求めたインピーダンスの値に基づきアルミニウム合金の材質を判定し、両方の判定の結果に基づいて最終的なアルミニウム合金の材質を判定することを特徴とするアルミニウム合金の材質判定方法を提供する。
【0012】
また、第3には、上記第1又は第2の発明において、測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2種類のX線を別々に照射し、低い方のX線照射エネルギーが60〜100keVであり、高い方のX線照射エネルギーが120〜300keVであることを特徴とするアルミニウム合金の材質判定方法を提供する。
【0013】
また、第4には、下記材質判定機構のうち、少なくとも一方を有することを特徴とするアルミニウム合金の材質判定装置を提供する。
【0014】
(A)測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射するX線照射部と、アルミニウム合金を透過した透過X線強度を測定するX線強度測定部と、このX線強度測定部で測定した2以上の透過X線強度からそれぞれ減弱係数を求め、減弱係数の比を算出する減弱係数比算出部と、この減弱係数比算出部で算出した減弱係数の比を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じた減弱係数の比と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部を備える材質判定機構、
(B)測定対象であるアルミニウム合金に渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出する渦電流プローブと、この渦電流プローブによる検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを算出するインピーダンス算出部と、このインピーダンス算出部により算出したインピーダンスの値を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じたインピーダンスの値と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部を備える材質判定機構。
【0015】
また、第5には、上記第4の発明において、測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射するX線照射部と、アルミニウム合金を透過した透過X線強度を測定するX線強度測定部と、このX線強度測定部で測定した2以上の透過X線強度からそれぞれ減弱係数を求め、減弱係数の比を算出する減弱係数比算出部と、この減弱係数比算出部で算出した減弱係数の比を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じた減弱係数の比と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定機構、及び、測定対象であるアルミニウム合金に渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出する渦電流プローブと、この渦電流プローブによる検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを算出するインピーダンス算出部と、このインピーダンス算出部により算出したインピーダンスの値を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じたインピーダンスの値と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部を備える材質判定機構からなり、上記2つの材質判定機構の判定結果を基にアルミニウム合金の最終的な材質判定を行うことを特徴とすることを特徴とするアルミニウ合金の材質判定装置を提供する。
【0016】
さらに、第6には、上記第4又は第5の発明において、測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2種類のX線を別々に照射し、低い方のX線照射エネルギーが60〜100keVであり、高い方のX線照射エネルギーが120〜300keVであることを特徴とするアルミニウム合金の材質判定装置を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アルミニウム合金の中から、さらに合金種を判定することができ、高品位のアルミニウム合金展伸材をそのまま展伸材として水平リサイクルし、省エネルギー化・省資源化に資することが可能となる。
【0018】
また、本発明において、X線透過強度のデータと渦電流によるインピーダンスのデータの両方を用いて材質判定を行うと、より精度が高く、詳細な材質判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のアルミニウム合金の材質判定の概略図である。
【図2】図1の材質判定装置のX線透過強度のデータを用いた材質判定機構のブロック図である。
【図3】図1の材質判定装置の渦電流によるインピーダンスのデータを用いた材質判定機構のブロック図である。
【図4】X線透過強度のデータに基づいて算出した各アルミニウム合金の減弱定数比の分布を示す図である。
【図5】渦電流プローブにより測定した各アルミニウム合金のインピーダンス分布を示す図である。
【図6】X線透過強度のデータと渦電流によるインピーダンスのデータの両方を用いたアルミニウム合金の材質判定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本実施形態のアルミニウム合金の材質判定の概略図である。
【0022】
図1において、1は測定対象物であるアルミニウム合金である。このアルミニウム合金1は、例えばリサイクルの対象のものであり、プレート状やバルク状等の形状のものであってよい。本実施形態では、測定対象物であるアルミニウム合金1は、再溶解させずにそのまま展伸材として水平リサイクルすることを意識している。
【0023】
本実施形態では、アルミニウム合金1に対してX線測定2と渦電流によるインピーダンス測定3を行い、それぞれ材質判定4、5を行い、これらの両材質判定4、5を組み合わせて、最終判定6を行う。もちろん、ケースによっては、材質判定4あるいは材質判定5単独で材質判定を行ってもよい。
【0024】
図2は、本実施形態のアルミニウム合金の材質判定装置においてX線測定2により材質判定を行う場合の材質判定機構の構成を模式的に示すブロック図である。このX線測定2による材質判定機構は、アルミニウム合金1に強度の異なる2種のX線を別々に照射するX線照射部11と、アルミニウム合金1を透過した透過X線強度を測定するX線強度測定部12と、このX線強度測定部12で測定した2つの透過X線強度のデータからそれぞれ減弱係数を求め、減弱係数の比を算出する減弱係数比算出部13と、この減弱係数比算出部13で算出した減弱係数の比を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じた減弱係数の比と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部14を有する。また、材質判定部14は、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じた減弱係数の比を記憶しているデータベース15にアクセス可能となっている。X線強度測定部12で測定した透過X線強度のデータの処理、減弱係数比算出部13の処理、材質判定部14での判定は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)を用いて行うことができる。なお、ここでは2種類の強度の異なるX線を用いたが3種類以上とすることもできる。
【0025】
X線照射部11は強度(エネルギーAとB:A>B)の異なる2種のX線をアルミニウム合金1に照射する。高い方のエネルギーAのX線照射条件は、120〜300keVが好ましく、140〜260keVがより好ましく、160〜240keVがさらに好ましく、180〜220keVが特に好ましい。低い方のエネルギーBのX線照射条件は、60〜100KeVが好ましく、70〜90keVがより好ましい。このようなエネルギー照射条件の範囲は、アルミニウム合金のグループ化をより正確に行うために選定されるものである。
【0026】
X線強度測定部12は、正確にはアルミニウム合金(以下、試料とも称する)1を透過したX線の強度と、試料1がない状態でのX線強度を測定する。X線強度測定部12には半導体検出器等の公知のディテクターを用いることができる。
【0027】
Iを試料のない状態でのX線透過値、I’を試料透過後のX線透過値とすると次の関係式が適用される。
【0028】
I’=Iexp−μd ・・・(1)
μ={ln(I/I’)}/d ・・・(2)
ここで、dは試料の厚さ、μは試料の減弱係数である。
【0029】
さらにエネルギーAとエネルギーBのX線を試料1に照射した場合、減弱係数μ及びμで比をとると、次式となる。
【0030】
μ/μ={ln(I/I’)}/{ln(I/I’)} ・・・(3)
ここで比μ/μは厚さdに依存しなくなるため、X線の透過強度の値を測定するだけでの評価が可能になる。
【0031】
アルミニウム合金は合金系列ごとに添加元素がきまっているため、これらの特徴(原子番号が大きい程、X線を強く遮断する・透過しにくくなる。エネルギーが大きくなると線質が硬くなる{物質を透過する傾向が強くなる}・小さくなると線質が柔らかくなる{物質を透過する傾向が弱くなる}特長がある)をμ/μにて算出し、グループ分けすることで、アルミニウム合金の材質判定を行うことができる。減弱係数μ、μとその比μ/μは減弱係数比算出部13で算出する。材質判定部14は、減弱係数比算出部13で算出した比の値を、データベース15に記憶されている、予め測定しておいたアルミニウム合金の比と比較し、材質の判定を行う。
【0032】
図3は、本実施形態のアルミニウム合金の材質判定装置において渦電流によるインピーダンス測定3により材質判定を行う場合の材質判定機構の構成を模式的に示すブロック図である。渦電流によるインピーダンス測定では、非鉄金属の場合、電気伝導率の差により材質判定を行う。この渦電流によるインピーダンス測定3による材質判定機構は、アルミニウム合金1に渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出する渦電流プローブ21と、検出した渦電流からアルミニウム合金1のインピーダンスを求めるインピーダンス算出部22と、このインピーダンス算出部22で算出したインピーダンスの値を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じたインピーダンスの値と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部23を有する。また、材質判定部23は、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じたインピーダンスの値を記憶しているデータベース24にアクセス可能となっている。インピーダンス算出部22におけるインピーダンスの算出、材質判定部23における材質判定は、上記と同様、例えばパーソナルコンピュータ(PC)で行うことができる。
【0033】
渦電流プローブ21は、例えば、磁性体からなるコアと、このコアに巻回され、高周波電圧を印加するコイルと、試料1内に形成された渦電流を検出する検出コイルを基本要素として、電気伝導率を測定する。渦電流プローブ21としては、インピーダンス測定を可能にするものであれば、各種のものを用いることができる。
【0034】
以上のようにして材質判定部14と23で材質判定した結果を組み合わせて最終的な材質判定を行う。この最終的な材質判定は、上記のパーソナルコンピュータ(PC)を用いて行うことができる。
【実施例】
【0035】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
X線透過
発光分析用アルミニウム合金標準試料(日本軽金属株式会社製、ディスク状径60mm、厚さ24.8mm、幅28.4mm)を7種類用いた。それぞれのアルミニウム合金標準試料について表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
照射X線のエネルギーAを200keV、エネルギーBを80keVとして、それぞれのアルミニウム合金について減弱定数の比μ/μを求めた。n=6の平均値および標準偏差を計算し分布としたものを図4に示す。次の3つのグループに判定可能であった。
【0038】
グループa:6061、3004、5052及び1200
グループb:2024及び8000
グループc:7075
渦電流によるインピーダンスについて
X線透過で用いたものと同じ試料を使用した。5052合金を基準とし、各アルミニウム合金のインピーダンスを測定した。図5に分布を示す。次の3つのグループに判定可能であった。
【0039】
グループd:1200
グループe:5052、6061及び8000
グループf:2024、3004及び7075
X線透過及び渦電流によるインピーダンス
X線透過及び渦電流によるインピーダンスによりアルミニウム合金の判定を組み合わせた結果を図6に示す。7種のアルミニウム合金中、6グループに判定可能であった。
【0040】
グループ1:1200
グループ2:5052及び6061
グループ3:3004
グループ4:8000
グループ5:2024
グループ6:7075
【符号の説明】
【0041】
1 測定対象物(アルミニウム合金)
2 X線測定
3 渦電流によるインピーダンス測定
4、5 材質判定
6 最終判定
11 X線照射部
12 X線強度測定部
13 減弱係数比算出部
14 材質判定部
15 データベース
21 渦電流プローブ
22 インピーダンス算出部
23 材質判定部
24 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記材質判定のうち、少なくとも一方を有することを特徴とするアルミニウム合金の材質判定方法。
(A)測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射し、透過X線強度を測定し、その測定値から減弱係数の比の値を求め、求めた比の値に基づきアルミニウム合金の材質を判定すること、
(B)測定対象であるアルミニウム合金に渦電流プローブを用いて渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出し、その検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを求め、求めたインピーダンスの値に基づきアルミニウム合金の材質を判定すること。
【請求項2】
測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射し、透過X線強度を測定し、その測定値から減弱係数の比の値を求め、求めた比の値に基づきアルミニウム合金の材質を判定するとともに、測定対象であるアルミニウム合金に渦電流プローブを用いて渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出し、その検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを求め、求めたインピーダンスの値に基づきアルミニウム合金の材質を判定し、両方の判定の結果に基づいて最終的なアルミニウム合金の材質を判定することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の材質判定方法。
【請求項3】
測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2種類のX線を別々に照射し、低い方のX線照射エネルギーが60〜100keVであり、高い方のX線照射エネルギーが120〜300keVであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム合金の材質判定方法。
【請求項4】
下記材質判定機構のうち、少なくとも一方を有することを特徴とするアルミニウム合金の材質判定装置。
(A)測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射するX線照射部と、アルミニウム合金を透過した透過X線強度を測定するX線強度測定部と、このX線強度測定部で測定した2以上の透過X線強度からそれぞれ減弱係数を求め、減弱係数の比を算出する減弱係数比算出部と、この減弱係数比算出部で算出した減弱係数の比を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じた減弱係数の比と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部を備える材質判定機構、
(B)測定対象であるアルミニウム合金に渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出する渦電流プローブと、この渦電流プローブによる検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを算出するインピーダンス算出部と、このインピーダンス算出部により算出したインピーダンスの値を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じたインピーダンスの値と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部を備える材質判定機構。
【請求項5】
測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2以上のX線を別々に照射するX線照射部と、アルミニウム合金を透過した透過X線強度を測定するX線強度測定部と、このX線強度測定部で測定した2以上の透過X線強度からそれぞれ減弱係数を求め、減弱係数の比を算出する減弱係数比算出部と、この減弱係数比算出部で算出した減弱係数の比を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じた減弱係数の比と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部を備える材質判定機構、及び、測定対象であるアルミニウム合金に渦電流を形成させ、形成された渦電流を検出する渦電流プローブと、この渦電流プローブによる検出結果から渦電流によるアルミニウム合金のインピーダンスを算出するインピーダンス算出部と、このインピーダンス算出部により算出したインピーダンスの値を、予め求めておいたアルミニウム合金の種類に応じたインピーダンスの値と比較することにより、アルミニウム合金の材質を判定する材質判定部を備える材質判定機構からなり、上記2つの材質判定機構の判定結果を基にアルミニウム合金の最終的な材質判定を行うことを特徴とすることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム合金の材質判定装置。
【請求項6】
測定対象であるアルミニウム合金に強度の異なる2種類のX線を別々に照射し、低い方のX線照射エネルギーが60〜100keVであり、高い方のX線照射エネルギーが120〜300keVであることを特徴とする請求項4又は5に記載のアルミニウム合金の材質判定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−73185(P2012−73185A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219707(P2010−219707)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(506209422)地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター (134)
【Fターム(参考)】