説明

アルミニウム成型品の加飾方法

【課題】
アルミニウム形成品において、アルマイト膜や封孔処理膜は非常に硬い膜であり、その上面に更に硬い金属膜を多層に蒸着して行くと全体の層の強度が衰え夫々の膜同士が引っ張り合いマイクロクラックや密着不良が発生するものと考慮される。
【解決手段】
本発明は、アルミニウム成型品Aに陽極酸化被膜Aaを形成する行程と、陽極酸化被膜に発生した微細孔に染色処理Abをする工程と、染色処理をした後にUV硬化性樹脂塗料等を吹付塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で多層の蒸着膜2を形成する工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルミニウム成型品の加飾方法に関するものであり、更に詳細には、携帯電話、デジタルカメラ、AV機器、電子部品、車両の内装、車両の外装パーツ、パーソナルコンピュータ、PDA関連パーツ、化粧品容器等に使用するアルミニウム成型品に陽極酸化被膜を形成し、陽極酸化被膜に堅くて非常に薄く耐摩耗性に優れている金属膜や酸化金属膜、酸化化合物膜を形成して加飾する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に金属又は酸化金属又は酸化化合物を蒸着技術等で積層した多色多層膜はレインボーカラー等に加飾でき美しいものであり、一方、アルミニウム成型品は酸化の進行が早いため化成処理、塗装や印刷、メッキ、或いは、陽極酸化被膜を形成するつまりアルマイト処理することが通常的に行われている。
【0003】
然し乍ら、アルミニウム形成品を化学薬品の溶液に含浸させ、表面に化学反応でアルミニウムの薄膜を形成する化成処理を施した場合、耐食性や塗料密着性は向上するものの、耐摩耗性に課題があるもので、塗料をブラシ、スプレー等で塗装やインクを印刷機で印刷を施した場合、顔料や染料により自由に色彩や模様は施せるものであるが、損傷剥離の可能性があり、更に、塗膜やインクでアルミニウムが隠れてしまい重厚な金属感が無く成り、又、メッキによって表面に金属膜を形成した場合、後の曲げ加工により剥離する課題を有しており、更には、陽極酸化被膜を形成した場合、陽極酸化被膜は多数の微細孔と、この微細孔を連結するように発生したマイクロクラックとを有しており、これら微細孔とマイクロクラックとはアルミニウム成型品の表面まで達しておりアルミニウムの酸化、及び、陽極酸化被膜が剥離する要因と成るために封孔処理を必要としていた。
【0004】
一般的な封孔処理としては陽極酸化被膜が形成されたアルミニウム形成品に染色工程後、水蒸気又は熱水又は酢酸ニッケル、酢酸コバルト、ホウ酸等の重金属塩溶液中に入れて陽極酸化被膜に水和反応を起こし膨潤させ微細孔の表面が密封状態となるものであり、耐食性、堅牢度が向上するものである。
【0005】
そして、封孔処理としては、例えば、先に開示された、単官能ビニル重合性単量体5〜70重量%と多官能ビニル重合性単量体30〜90重量%からなるビニル重合性単量体混合物を主成分として含有する光硬化性樹脂組成物をセラミック溶射皮覆の表面に塗布し、可視光線を照射して硬化させるもの(特許文献1参照)や、アルミニウムの筺体及びその製造法としては、アルマイト処理したアルミニウムパネル表面に蒸着膜が形成された電子機器筺体である。蒸着膜の表面に撥水性膜が形成されていてもよい。また、アルマイト処理したアルミニウムパネル表面にスクリーン印刷により表示部が形成され、この表示部を覆って蒸着膜が形成されてもよい。蒸着膜は例えばAl層、ZrO層、SiO層が積層されたものである。このような電子機器筺体は、アルマイト処理したアルミニウムパネルの表面に蒸着膜を蒸着形成することにより作成される。このとき、例えばアルミニウムパネルを蒸気流に対して斜めに傾けて設置すれば、グラデーション効果が得られるもの(特許文献2参照)等が開示されている。
【特許文献1】特許第3165926号公報
【特許文献2】特開平10−147857号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
然し乍ら、単官能ビニル重合性単量体5〜70重量%と多官能ビニル重合性単量体30〜90重量%からなるビニル重合性単量体混合物を主成分として含有する光硬化性樹脂組成物をセラミック溶射皮覆の表面に塗布し、可視光線を照射して硬化させるものでは、封孔処理に関するものであるが、セラミック溶射皮覆の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布させ可視光線を照射して硬化させて封孔処理するものであるが、セラミックに対する封孔処理である。
【0007】
更に、アルミニウムの筺体に金属蒸着層を備えるものとしての、アルマイト処理したアルミニウムパネル表面に蒸着膜が形成された電子機器筺体である。蒸着膜の表面に撥水性膜が形成されてもいてもよい。また、アルマイト処理したアルミニウムパネル表面にスクリーン印刷により表示部が形成され、この表示部を覆って蒸着膜が形成されてもよい。蒸着膜は例えばAl層、ZrO層、SiO層が積層されたものである。このような電子機器筺体は、アルマイト処理したアルミニウムパネルの表面に蒸着膜を蒸着形成することにより作成される。このとき、例えばアルミニウムパネルを蒸気流に対して斜めに傾けて設置すれば、グラデーション効果が得られるものでは、アルマイト処理したアルミニウムパネルの表面に蒸着膜を蒸着形成するものであるが、封孔処理した上面に蒸着膜を蒸着形成したもので、封孔処理膜と多層金属膜の下地との相関性が悪く、突然表面にマイクロクラックや密着不良が屡々発生しており、その要因としては、アルマイト膜や封孔処理膜は非常に硬い膜であり、その上面に更に硬い金属膜を多層に蒸着して行くと全体の層の強度が衰え夫々の膜同士が引っ張り合いマイクロクラックや密着不良が発生するものと考慮される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述の課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、請求項1に記載のアルミニウム成型品の加飾方法は、アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、染色処理をした後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、を含むものである。
【0009】
更に、請求項2に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項1に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、蒸着膜の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程を含むものである。
【0010】
更には、請求項3に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程と、印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、蒸着膜の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むものである。
【0011】
加えて、請求項4に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で印刷層を形成する行程と、印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等をして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、蒸着膜の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの中塗り層を形成する工程と、中塗り層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むものである。
【0012】
更に、請求項5に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程と、印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、蒸着膜の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの中塗り層を形成する工程と、中塗り層の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むものである。
【0013】
更に、請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程と、印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、蒸着膜の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの第1の中塗り層を形成する工程と、第1の中塗り層の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの第2の中塗り層を形成する工程と、第2の中塗り層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むものである。
【0014】
更に、請求項7に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項1乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、蒸着膜の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程を含むものである。
【0015】
更に、請求項8に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項2乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、トップコート層の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等でトップコート層に印刷層を形成する行程を含むものである。
【0016】
更に、請求項9に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項4乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、中塗り層の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で中塗り層に印刷層を形成する行程を含むものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明のアルミニウム成型品の加飾方法は、アルミニウム成型品に形成した陽極酸化被膜に染色処理をして、その上に下塗り層を介装して金属膜等を多層に蒸着して蒸着膜を形成するもので、硬い陽極酸化被膜に比較的柔らかい下塗り層を介装して、その上面に更に硬い金属膜等を多層に蒸着することからクラックや密着不良の発生が防止されるものであり、多層の蒸着膜の加飾と染料や顔料を用いたカラー加飾の染色処理とが有効に活用でき、且つ、多層の蒸着膜の強度の向上と、密着性、耐候性、封孔性等の機能性を向上させることができ画期的で実用性の高い発明である。
【0018】
更に、多層の蒸着膜の表面にトップコート層を形成することで、トップコート層は耐摩耗性が一気に向上させるため、装飾性やデザイン性が要求され且つ耐摩耗性が要求される部位の製品に好適に使用できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明はアルミニウム成型品の加飾方法に関するものであり、更に詳細には、携帯電話、デジタルカメラ、AV機器、電子部品、車両の内装、車両の外装パーツ、パーソナルコンピュータ、PDA関連パーツ、化粧品容器等に使用するアルミニウム成型品に陽極酸化被膜を形成し、陽極酸化被膜に堅くて非常に薄く耐摩耗性に優れている金属膜や酸化金属膜、酸化化合物膜を形成して加飾する方法に関するものであり、請求項1に記載のアルミニウム成型品の加飾方法は、アルミニウム成型品Aの表面に陽極酸化被膜Aaを形成する行程と、該陽極酸化被膜Aaに発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理Abをする工程と、該染色処理Abをした後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、該下塗り層1の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜2を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0020】
更に、請求項2に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項1に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、前記蒸着膜2の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層3を形成する工程を含むことを特徴とするものである。
【0021】
更には、請求項3に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、アルミニウム成型品Aの表面に陽極酸化被膜Aaを形成する行程と、該陽極酸化被膜Aaに発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理Abをする工程と、該染色処理Abをした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層4を形成する行程と、該印刷層4を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、該下塗り層1の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜2を形成する工程と、該蒸着膜2の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層4の直上にレーザーマーキング5を刻設する工程と、該レーザーマーキング5を刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層3を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0022】
加えて、請求項4に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、 アルミニウム成型品Aの表面に陽極酸化被膜Aaを形成する行程と、該陽極酸化被膜Aaに発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理Abをする工程と、該染色処理Abをした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で印刷層4を形成する行程と、該印刷層4を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等をして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、該下塗り層1の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜2を形成する工程と、該蒸着膜2の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層の直上にレーザーマーキング5を刻設する工程と、該レーザーマーキング5を刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの中塗り層6を形成する工程と、該中塗り層6の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層3を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0023】
更に、請求項5に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、アルミニウム成型品Aの表面に陽極酸化被膜Aaを形成する行程と、該陽極酸化被膜Aaに発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理Abをする工程と、該染色処理Abをした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層4を形成する行程と、該印刷層4を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、該下塗り層1の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜2を形成する工程と、該蒸着膜2の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの中塗り層6を形成する工程と、該中塗り層6の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層の直上にレーザーマーキング5を刻設する工程と、該レーザーマーキング5を刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層3を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0024】
更に、請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、アルミニウム成型品Aの表面に陽極酸化被膜Aaを形成する行程と、該陽極酸化被膜Aaに発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理Abをする工程と、該染色処理Abをした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層4を形成する行程と、該印刷層4を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層1を形成する工程と、該下塗り層1の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜2を形成する工程と、該蒸着膜2の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの第1の中塗り層6aを形成する工程と、該第1の中塗り層6aの上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層の直上にレーザーマーキング5を刻設する工程と、該レーザーマーキング5を刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの第2の中塗り層6bを形成する工程と、該第2の中塗り層6bの上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層3を形成する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0025】
更に、請求項7に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項1乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、前記蒸着膜2の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層4を形成する行程を含むことを特徴とするものである。
【0026】
更に、請求項8に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項2乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、前記トップコート層3の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等でトップコート層に印刷層4を形成する行程を含むことを特徴とするものである。
【0027】
更に、請求項9に記載のアルミニウム形成品の加飾方法は、請求項4乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法において、前記中塗り層6.6a.6bの上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で中塗り層に印刷層4を形成する行程を含むことを特徴とするものである。
【実施例】
【0028】
以下、本発明のアルミニウム成型品の加飾方法を実施例の図面を用いて詳細に説明すると、図1は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例1の説明のための説明図であり、図2は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例2の説明のための説明図であり、図3は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例3の説明のための説明図であり、図4は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例4の説明のための説明図であり、図5は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例5の説明のための説明図であり、図6は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例6の説明のための説明図であり、図7は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例7の説明のための説明図であり、図8は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例8の説明のための説明図であり、図9は本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例9の説明のための説明図である。
【0029】
即ち、本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例1は、図1に図示する如く、アルミニウム成型品Aと陽極酸化被膜Aaと染色処理Abと下塗り層1と蒸着膜2とで構成されるものである。
【0030】
そして、アルミニウム成型品Aは、軽くて加工が容易で一定の強度を有していることから、携帯電話、デジタルカメラ、AV機器、電子部品、車両の内装、車両等の外装パーツ、パーソナルコンピュータ、PDA関連等のパーツ、化粧品容器等に汎用されているが、酸化し易く柔らかいことから表面に陽極酸化被膜Aaを形成する工程を実施するものである。
【0031】
次に、陽極酸化被膜Aaを形成する工程は、アルミニウム成型品Aを薄い硫酸水溶液に浸して、アルミニウム成型品Aを陽極とし、硫酸水溶液に侵されない鉛板や炭素板を陰極として配線をし、直流電流を流すことにより、陽極に接続されたアルミニウム成型品Aの表面が酸化され、酸化アルミニウムの被膜を成長させるものであり、形成された陽極酸化被膜Aaは化学成分や性質がルビーと略同じで硬くて安定しているものである。
【0032】
然し乍ら、陽極酸化被膜Aaは最初の段階で生じる被膜は無孔性のものであるが、被膜の成長と共に多孔質となり無数の微細孔や微細孔と微細孔を連結するようにマイクロクラックが形成されるもので、この無数の微細孔やマイクロクラックはアルミニウム成型品Aの表面まで達しており、経時の使用ではアルミニウム成型品Aの表面が酸化して陽極酸化被膜Aaの剥離等を起こすものである。
【0033】
その為に、無数の微細孔やマイクロクラックに染色処理Abをする工程を実施するものであり、無数の微細孔やマイクロクラックに透明又はカラーの染料や顔料の粒子を吸着させたり、或いは、熱硬化性の樹脂微粉パウダーを充填して加熱するもので、陽極酸化被膜Aaは本来の金属光沢を保ったまま着色が可能なものである。
【0034】
次に、下塗り層1を形成する工程では、後述する蒸着膜2を形成するためのものであり、陽極酸化被膜Aaに染色処理Abをする工程を実施した後に、UV硬化性樹脂塗料、1液ウレタンアクリル系樹脂塗料、2液ウレタンアクリル系樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等の塗装をするか、又は、直接転写箔を熱転写又は水転写をして、1〜50ミクロンの下塗り層1を形成するものである。
【0035】
次いで、蒸着膜2を形成する工程では、前記下塗り層1の上面にアルミニウム、クロム、チタン、金、銀、錫等の金属を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等の手段で多層に蒸着して蒸着膜2を形成するか、又は、窒化チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の酸化金属、又は、酸化珪素等の酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で多層に蒸着して蒸着膜2を形成するものであり、例えば、金属を多層に真空蒸着をしてレインボーカラー又は玉虫色に積層するものである。
【0036】
つまり、本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例1では、アルミニウム形成品Aの表面に陽極酸化被膜Aaを形成し、陽極酸化被膜Aaの微細孔とマイクロクラックに染色処理Abを行い、次いで、封孔処理をしないで下塗り層1を形成し、更に、金属で多層の蒸着膜2を形成するもので、硬い陽極酸化被膜Aaに更に硬い金属で多層の蒸着膜2を形成しても、比較的柔らかい下塗り層1を介装しているため剥離やクラック等の発生を防げるものであり、加えて、下塗り層1が陽極酸化被膜Aaの微細孔とマイクロクラックを封鎖して封孔処理を必要としないものである。
【0037】
更に、本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例2は図2に図示する如く、実施例1のアルミニウム成型品の加飾方法の多層の蒸着膜2の表面に耐摩耗性に優れたトップコート層3を形成する工程を実施するもので、蒸着膜2の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層3を形成するものである。
【0038】
更には、本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例3は図3に図示する如く、アルミニウム成型品Aと陽極酸化被膜Aaと染色処理Abと印刷層4と下塗り層1と蒸着膜2とレーザーマーキング5とトップコート層3とで構成されるものである。
【0039】
つまり、実施例3は実施例2に加えて、アルミニウム形成品Aの表面に陽極酸化被膜Aaを形成し、陽極酸化被膜Aaの微細孔とマイクロクラックに染色処理Abを行い、印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で印刷層4を形成する行程を含み、更に、蒸着膜2にレーザーマーキング処理してレーザーマーキング5を刻設する工程を実施するものであり、レーザーマーキング5はアルミニウム形成品Aに印刷層4を形成した場合、少なくとも印刷層4の直上に刻設して蒸着膜2の上方から目視できるようにするものであり、次に、レーザーマーキング5を刻設した後にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂で1〜50ミクロンのトップコート層3を形成する工程を実施するものであり、他の行程は実施例2と重複するので省略する。
【0040】
更には、本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例4は図4に図示する如く、アルミニウム成型品Aと陽極酸化被膜Aaと染色処理Abと印刷層4と下塗り層1と蒸着膜2とレーザーマーキング5と中塗り層6とトップコート層3とで構成されるものである。
【0041】
つまり、実施例4は実施例3に加えて、蒸着膜2にレーザーマーキング処理して少なくとも印刷層4の直上にレーザーマーキング5を刻設した後にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂で1〜50ミクロンの中塗り層6を形成し、更に、中塗り層6の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂で1〜50ミクロンのトップコート層3を形成したものであり、他の行程は実施例2と重複するので省略する。
【0042】
更には、本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例5は図5に図示する如く、アルミニウム成型品Aと陽極酸化被膜Aaと染色処理Abと印刷層4と下塗り層1と蒸着膜2と中塗り層6とレーザーマーキング5とトップコート層3とで構成されるものである。
【0043】
つまり、実施例5は実施例4のアルミニウム成型品の加飾方法に代えて、蒸着膜2にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂で1〜50ミクロンの中塗り層6を形成し、中塗り層6を形成した後に、レーザーマーキング処理してレーザーマーキング5を刻設するものであり、レーザーマーキング処理はレーザーの照射時間により中塗り層6のみの刻設も、図示する如く、蒸着膜2迄の刻設も自在なものであり、他の行程は実施例4と重複するので省略する。
【0044】
更には、本発明のアルミニウム成型品の加飾方法の実施例6は図6に図示する如く、アルミニウム成型品Aと陽極酸化被膜Aaと染色処理Abと印刷層4と下塗り層1と蒸着膜2と第1の中塗り層6aとレーザーマーキング5と第2の中塗り層6bとトップコート層3とで構成されるものである。
【0045】
つまり、実施例6は実施例5に加えて、蒸着膜2にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂で1〜50ミクロンの第1の中塗り層6aを形成し、第1の中塗り層6aを形成した後に、レーザーマーキング処理して少なくとも印刷層4の直上にレーザーマーキング5を刻設し、更に、UV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂で1〜50ミクロンの第2の中塗り層6bを形成するものであり、他の行程は実施例5と重複するので省略する。
【0046】
そして、本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例7は図7に図示する如く、実施例1乃至実施例6において、蒸着膜2の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で部分的に数字や文字等の印刷層4を形成したものである。
【0047】
更には、本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例8は図8に図示する如く、実施例2乃至実施例6において、トップコート層3の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で部分的に数字や文字等の印刷層4を形成したものであり、つまり、アルミニウム形成品Aに積層した表層に位置するトップコート層3に印刷層4を備えたものである。
【0048】
更に、本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例9は図9に図示する如く、実施例4乃至実施例6において、夫々の中塗り層6、及び、第1の中塗り層6a、第2の中塗り層6bの上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で印刷層4を形成したものである。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明のアルミニウム形成品の加飾方法は、前述の各工程を順次実施するものであり、つまり、アルミニウム成型品の表面を酸化させて陽極酸化被膜を形成し、その上に多層のレインボーカラー等の蒸着層を形成し、その後に、封孔処理に代わる下塗り層を形成することから従来課題であった、膜の強度や、密着性、耐候性、封孔性等の機能性を改善させ向上させることに加え、トップコート層の耐摩耗性を向上させるものであり、意匠性と耐摩耗性とを求められる製品へ好適に使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例1の説明のための断面図である。
【図2】図2は本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例2の説明のための断面図である。
【図3】図3は本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例3の説明のための断面図である。
【図4】図4は本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例4の説明のための断面図である。
【図5】図5は本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例5の説明のための断面図である。
【図6】図6は本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例6の説明のための断面図である。
【図7】図7は本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例7の説明のための断面図である。
【図8】図8本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例8の説明のための断面図である。
【図9】図9本発明のアルミニウム形成品の加飾方法の実施例9の説明のための断面図である。
【符号の説明】
【0051】
A アルミニウム形成品
Aa 陽極酸化被膜
Ab 染色処理
1 下塗り層
2 蒸着膜
3 トップコート層
4 印刷層
5 レーザーマーキング
6 中塗り層
6a 第1の中塗り層
6b 第2の中塗り層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、該陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、該染色処理をした後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、該下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項2】
前記蒸着膜の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項3】
アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、該陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、該染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程と、該印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、該下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、該蒸着膜の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、該レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項4】
アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、該陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、該染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で印刷層を形成する行程と、該印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコート等をして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、該下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、該蒸着膜の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、該レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの中塗り層を形成する工程と、該中塗り層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項5】
アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、該陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、該染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程と、該印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、該下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、該蒸着膜の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの中塗り層を形成する工程と、該中塗り層の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、該レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項6】
アルミニウム成型品の表面に陽極酸化被膜を形成する行程と、該陽極酸化被膜に発生した多数の微細孔とマイクロクラックに染色処理をする工程と、該染色処理をした後の表面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程と、該印刷層を形成した後にUV硬化性樹脂塗料又は1液ウレタンアクリル系樹脂塗料又は2液ウレタンアクリル系樹脂塗料又はアクリルシリコン樹脂塗料を吹き付け塗装又はデッピング塗装又はスピンコートをして又は直接転写箔を熱転写又は水転写をして1〜50ミクロンの下塗り層を形成する工程と、該下塗り層の上面に金属を真空蒸着法又はスパッタリング法又はイオンプレーティング法又はCVD法で又は酸化金属又は酸化化合物をエレクトリックビーム型の真空蒸着法で単層又は多層の蒸着膜を形成する工程と、該蒸着膜の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの第1の中塗り層を形成する工程と、該第1の中塗り層の上面にレーザーマーキング処理して少なくとも前記印刷層の直上にレーザーマーキングを刻設する工程と、該レーザーマーキングを刻設した上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンの第2の中塗り層を形成する工程と、該第2の中塗り層の上面にUV硬化性樹脂又は1液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルウレタン系樹脂又は2液アクリルシリコン系樹脂を塗布する手段により1〜50ミクロンのトップコート層を形成する工程と、を含むことを特徴とするアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項7】
前記蒸着膜の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で成型品に印刷層を形成する行程を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項8】
前記トップコート層の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等でトップコート層に印刷層を形成する行程を含むことを特徴とする請求項2乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法。
【請求項9】
前記中塗り層の上面に印刷又はホットスタンプ加工又は転写加工等で中塗り層に印刷層を形成する行程を含むことを特徴とする請求項4乃至請求項6に記載のアルミニウム形成品の加飾方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−137969(P2006−137969A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326492(P2004−326492)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(591257513)株式会社フクダコーポレーション (17)
【Fターム(参考)】