説明

アルミニウム電解コンデンサ電解液及びその核心溶質の製造方法

【課題】本発明は、アルミニウム電解コンデンサの電解液及びその核心溶質の製造方法に関して、特に、高い熱安定性を有する中高圧アルミニウム電解コンデンサ用電解液に関する。
【解決手段】溶媒と溶質を含むアルミニウム電解コンデンサ電解液であって、前記溶質は、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸或いはその塩を含み、前記溶媒は、アルコール系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、スルホキシド系、及びエステル系の溶媒から選ばれる一種又は二種以上から形成する混合溶媒であり、かつ、その中、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸或いはその塩の含有量は、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸で、0.1〜30質量%、好ましくは2.5〜15質量%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ電解液を提供する。その他、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸及びそのアンモニウム塩の製造方法も提供する。α位に分枝鎖を含有する酸及びその塩から得られた電解液は、エチレングリコールにおいて、一層良い溶解性と熱安定性を有する。得られたコンデンサは、寿命が長く、低温性能に優れている利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム電解コンデンサの電解液及びその核心溶質の製造方法に関して、特に、中高圧アルミニウム電解コンデンサの電解液及びその核心溶質の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中高圧アルミニウム電解コンデンサの電解液は、主溶媒としてエチレングリコールが使用され、主溶質としてホウ酸又は五ホウ酸アンモニウム等の無機化合物が使用された。このような電解液に、導電率が低い問題点があり、その後、電解液主溶質として、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の直鎖状二酸またはそれらのアンモニウム塩等に替えて用いられ、さらに、以上の無機塩と以上のような有機酸を配合して溶質とすることもあるが、このような電解液は、高温熱安定性が悪い問題点がある。高温で長期にわたってその導電率が大幅に低下するため、コンデンサの抵抗値が上昇しコンデンサの寿命に悪い影響を及ぼしてしまう。そのなか、ホウ酸又はその塩は、高温でエチレングリコールと反応して水を生成するので、コンデンサの寿命に悪い影響を及ぼし、それに、セバシン酸アンモニウム、ドデカン二酸アンモニウム及びその酸は、エチレングリコールに室温で6%未満ほど低い溶解性を有するので、アルミニウム電解コンデンサの低温性能を劣化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第1の目的は、今のアルミニウム電解コンデンサ電解液の高温熱安定性が悪く、高温導電率が低いことについて、高い熱安定性を有する中高圧アルミニウム電解コンデンサ用電解液を提供することである。
【0004】
本発明の第2の目的は、前述電解液の核心溶質の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の目的は、次のような技術によって達成される。
【0006】
溶媒と溶質を含むアルミニウム電解コンデンサ電解液であって、前記溶質は、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸或いはその塩を含み、前記溶媒は、アルコール系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、スルホキシド系、及びエステル系の溶媒から選ばれる一種又は二種以上から形成する混合溶媒であり、かつ、その中、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸或いはその塩の含有量は、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸で、0.1〜30質量%、好ましくは2.5〜15質量%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ電解液が提供される。
【0007】
好ましく、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸は、次の化学式1(化1)を有する。
【化1】

(上式中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を表し、この炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。また、主鎖及び分枝鎖には、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシル基等を含んでもよい。
R2は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、この炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい。また、主鎖と分枝鎖に、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、ヒドロキシル基、又はカルボキシル基等を含んでもよい。
nは2〜15の整数である。)
【0008】
好ましく、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸塩とは、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸とアンモニア又はアミンから形成する塩である。
【0009】
好ましく、前記溶媒は、エチレングリコール又はγ−ブチロラクトンから選ばれる一種又は二種の混合物である。
【0010】
好ましく、前記電解液に、さらに、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸、リン酸モノアルキルエーテル、或いはそれらのアンモニア又はアミン塩から選ばれる少なくとも一種のものを含んでもよく、また、それらの総含有量が0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%である。
【0011】
好ましく、前記電解液に、さらに、p−ニトロフェノール、p−ニトロベンジルアルコール、o−ニトロアニソール、m−ニトロアセトフェノン、p−ニトロベンゼンカルボン酸等のニトロ化合物から選ばれる一種又は二種以上の混合物を含んでもよく、また、それらの総含有量が0.05〜15質量%、好ましくは0.1〜4質量%である。
【0012】
好ましく、前記電解液に、さらに、他の有機酸又はそのアンモニウム塩、例えば、ホウ酸又は五ホウ酸アンモニウム、セバシン酸、アゼライン酸、ベンゼンカルボン酸、アジピン酸、ドデカン二酸、1,6−ドデカン二酸、1,7−セバシン酸から選ばれる少なくとも一種の酸又はそのアンモニウム塩であってもよく、また、それらの総含有量は1〜20質量%である。
【0013】
好ましく、前記電解液に、さらに、火花電圧を向上させることができる高分子化合物、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールボレート、ポリビニルアルコールホスフェート、ポリビニルピロリドンを含んでもよく、また、それらの総含有量は通常0.2〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
【0014】
好ましく、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸或いはその塩は、好ましくは主鎖がアジピン酸又はピメリン酸であり、すなわち、本発明にかかるα位に分枝鎖を含有するジカルボン酸がアジピン酸又はピメリン酸の誘導体である。α位に分枝鎖を含有するので、高温でエステル化とアミド化が発生しにくく、電解液電気伝導度の低下が遅くなり、その上、主鎖がアジピン酸又はピメリン酸であるため、エチレングリコールにおいての溶解性を大幅に向上することができる。
【0015】
本発明の第2の目的は、次のような技術によって達成される。
【0016】
本発明にかかるα位に分枝鎖を含有するジカルボン酸が次のような化学式2(化2)(化学反応式(1),(2),(3))により製造されたものである。
【化2】

(ここで、
R1は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子であり、この炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい、また、主鎖又は分枝鎖には、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシル基等を含んでもよく、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基または水素原子であり、
R2は炭素数1〜20の炭化水素基であり、この炭化水素基は、直鎖状又は分枝鎖状であってもよく、飽和又は不飽和であってもよい、また、主鎖及び分枝鎖には、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基、ヒドロキシ基、カルボキシル基等を含んでもよく、好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基であり、
R3、R4は同一又は異なっていてもよく炭素数1〜5の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜2の炭化水素基であり、
Xは塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子又はスルホン基等であり、
nは2〜15の整数であり、好ましくは2〜3である。)
【0017】
好ましく、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸が、次のようなステップで得られたものである。
(1)反応物Aと塩基を、反応物Aと塩基のモル比が0.8〜1.2:1となるように秤量し、反応溶媒に入れるステップと、
(2)30℃〜150℃の範囲から選ばれる温度で、1〜10時間の加熱反応を行うステップと、
(3)前記反応が終わった後、溶媒を蒸発させ、希酸で中性に中和するステップと、
(4)油層を取り分け、減圧蒸留により中間産物Bが得られるステップと、
(5)前記中間産物Bを溶媒に加え、等モルの塩基を加え、さらにR2Xを加えるステップと、
(6)60℃〜200℃の範囲から選ばれる温度で、2〜50時間の加熱反応を行うステップと、
(7)前記反応が終わった後、溶媒を蒸発させ、酸で中性に中和するステップと、
(8)油層を分離し、減圧蒸留により所望のエステルが得られるステップと、
(9)得られるエステルは、強塩基(KOH又はNaOH)により分解、酸性化、洗浄したあと、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸が得られるステップ。
【0018】
好ましく、アンモニウム塩を形成する必要があると、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸とアンモニア又はアミンを反応してα位に分枝鎖を含有するアンモニウム塩を形成することにより、電解液にエステル化或いはアミド化しにくくなるので、電解液に一層良い熱安定性を持たせる。
【0019】
前記好ましい結果に基づいて、反応物Aはアジピン酸ジメチル(エチル)、ピメリン酸ジメチル(エチル)、2−メチル−アジピン酸ジメチル等であることが好ましい。
【0020】
前記好ましい結果として、本発明にかかるα位に分枝鎖を含有するジカルボン酸は、好ましくは、アジピン酸又はピメリン酸の誘導体、例えば、α−ヘキシルアジピン酸、α−ブチルアジピン酸、α−メチル−α’−ブチルアジピン酸、α−ヘキシルピメリン酸等である。
【0021】
化学式2(化2)の化学反応式(1)と(2)に用いられる強塩基は、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属のアルコキシド、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属の水素化物、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属の炭化水素基化合物、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属のアンモニア又はアミン化合物から選ばれ、その中、化学反応式1において塩基と反応物Aの比例は、0.8〜1.2:1、好ましくは1.0〜1.10:1で、塩基がやや過量であり、化学反応式2において塩基と反応物Bのモル比は1:1である。前記二つの化学反応式において塩基は同一又は異なっていてもよく、前記塩基は、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、トリフェニルメタンナトリウム等が挙げられる。
【0022】
前記化学式2(化2)の化学反応式(1)と(2)の溶媒として、同一又は異なっていてもよく、アルコール系、エーテル系、アルコールエーテル系、アミド系、スルホン系、スルホキシド系などから選ばれ、好ましくは、メタノール、エタノール、tert−ブタノール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等である。
【0023】
R2XとBの反応モル比が理論的に1:1、好ましくは0.8〜1.2:1、より好ましくは1.0〜1.1:1で、R2Xは等量又はやや過量である。
【0024】
化学式2(化2)の化学反応式(1)の反応温度は30℃〜150℃の範囲から選ばれ、好ましくは、40〜80℃であり、反応時間は1〜10時間、好ましくは2〜7時間である。
【0025】
化学式2(化2)の化学反応式(2)の反応温度は60℃〜200℃の範囲から選ばれ、好ましくは、70〜150℃であり、反応時間は2〜50時間、好ましくは5〜30時間である。
【0026】
反応物Aは強塩基と溶媒との反応が終わった後、反応液を酸で中性に中和し、油層を取り分け、減圧蒸留により中間産物Bが得られる。そして、中間産物Bを溶媒と強塩基に加え、更にR2Xと反応させ、反応液を酸で中性に中和し、油層を取り分け、減圧蒸留によりエステルが得られる。濃NaOH又はKOHによりそのエステルが酸性型に分解され、酸性化した後で洗浄し、本発明にかかるα位に分枝鎖を含有するジカルボン酸が得られる。そのジカルボン酸をアンモニア又はアミンと反応してアンモニウム塩を形成する。そのジカルボン酸或いは塩は、本発明にかかる中高圧溶質になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に基づいて提供する技術手段は、従来の技術と比べると、次のような幾つかの利点がある。
【0028】
本発明にかかるα位に分枝鎖を含有するジカルボン酸或いはその塩から得られた電解液は、エチレングリコールにおいて、一層良い溶解性と熱安定性を有する。
【0029】
当該電解液を含有する中高圧アルミニウム電解コンデンサは、寿命が長く、低温性能に優れている利点がある。発明を実施する形態において、本発明の具体的な効果を詳しく説明して分析する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の内容をさらに説明するために、具体的な実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0031】
実施例1
アジピン酸ジエチル70g(0.4mol)を500ml三つ口フラスコに仕込み、ジエチレングリコールジメチルエーテル210gを加え、攪拌しながらナトリウムメトキシド23g(0.43mol)を加え、50℃に加熱して3時間減圧反応させ、反応が終わった後、溶媒を蒸発させた。残り物をH2SO4で中性に中和し、油層を取り分け、減圧蒸留により中間産物B 40gが得られ、その中間産物Bを500ml三つ口フラスコに仕込み、ナトリウムメトキシド15.2gを加え、さらに、tert−ブタノール140gを加え、還流下で(80-85℃)ブロモヘキサン49gを滴下して24時間反応させた。反応が終わった後、tert−ブタノールを蒸発させ、H2SO4で中性に中和し、油層を取り分けて減圧蒸留し、加熱で濃NaOH溶液を使用して酸性型に分解させた。H2SO4で中和した後で洗浄し、乾燥して2−へキシルアジピン酸47gが得られた。総収率は約51%である。
【0032】
実施例2
アジピン酸ジエチル70g(0.4mol)を500ml三つ口フラスコに仕込み、ジエチレングリコールジメチルエーテル210gを加え、攪拌しながらナトリウムメトキシド23g(0.43mol)を加え、50℃に加熱して3時間減圧反応させ、反応が終わった後、溶媒を蒸発させた。残り物をH2SO4で中性に中和し、油層を取り分け、減圧蒸留により中間産物B 41gが得られ、その中間産物Bを500ml三つ口フラスコに仕込み、ギ酸ナトリウム15.6gを加え、さらに、tert−ブタノール140gを加え、還流下で(80-85℃)ブロモブタン42gを滴下して24時間反応させた。反応が終わった後、tert−ブタノールを留去し、H2SO4で中性に中和した。油層を取り分けて減圧蒸留し、加熱で濃NaOH溶液を使用して酸性型に分解させた。H2SO4で中和した後で洗浄し、乾燥して2−ブチルアジピン酸37gが得られた。収率は約46%である。
得られた酸をアンモニアと反応させ、アンモニウム塩になり、エチレングリコール溶液に調製して電解液とする。その効果を説明するために、従来のセバシン酸アンモニウムのエチレングリコール溶液と比べた結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
実施例3
実施例1で得られた酸のアンモニウム塩を作成して、5%エチレングリコール溶液250gを調製し、さらに、0.1%次亜燐酸アンモニウム、0.4% p−ニトロベンジルアルコールを加えて電解液を作成した。得られた電解液を500mlステンレス瓶に仕込み、密封、105℃で恒温して各パラメーターを測定した。その結果を表2に示す。
【0035】
比較例1
5%セバシン酸アンモニウムエチレングリコール溶液250gに、0.1%次亜燐酸アンモニウム、0.4% p−ニトロベンジルアルコールを加えてを加え、500mlステンレス瓶に仕込み、密封、105℃で恒温して測定した。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
表1と表2のデータを分析した結果を次に示す。
【0038】
実施例1で得られた酸のアンモニウム塩は室温下で20%エチレングリコール溶液に調製することができ、かつ、透明な溶液が得られる。それに対して、セバシン酸アンモニウムは10%エチレングリコール溶液に調製すると、室温下で溶質が析出したので、本発明にかかる溶質はエチレングリコール溶液において一層良い溶解性を有する。
【0039】
実施例3で得られた電解液の導電率初期値は、30℃で1610μS/cmであるが、比較例1の電解液の導電率は、30℃で2010μS/cmであるので、初期値は比較例1電解液のほうが高いである。105℃、500時間恒温した後、実施例3電解液の導電率は、30℃で1040μS/cmになるように35%低下したが、比較例1は同じ場合、690μS/cmになるように66%低下した。105℃、1172時間を経て、実施例3の電解液は、30℃での導電率が921μS/cmになるように43%低下したが、比較例1は同じ条件において、598μS/cmになるように70%低下した。セバシン酸アンモニウムの5%エチレングリコール溶液に基づく電解液と比べて、本発明にかかる酸のアンモニウム塩の5%エチレングリコール溶液に基づく電解液は、導電率の低下が相対的に遅いである。セバシン酸アンモニウムに基づく電解液は、導電率の初期値がもっと高いといっても、恒温した後、本発明にかかる酸のアンモニウム塩に基づく電解液は、導電率が一層高いである。以上のことから、本発明にかかる酸及びそのアンモニウム塩から得られた電解液が一層良い熱安定性があることが分かる。
【0040】
前述の実施例は、本発明を実施するための最良の形態であり、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。要するに本発明の主旨を損なわずになされた種々の変形は、依然として本発明の技術的範囲に属するものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸の製造方法であって、
前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸が、次のような化学式3(化3)で表され、
【化3】

(上式中、
R1は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子であり、
R2は炭素数1〜20の炭化水素基であり、
nは2〜15の整数である。)
かつ、
下記の化学式4(化4)の三つの反応を含む
【化4】

(ここで、
R1は炭素数1〜20の炭化水素基または水素原子であり、
R2は炭素数1〜20の炭化水素基であり、
R3、R4は炭素数1〜5の炭化水素基であり、
Xは塩素、臭素、ヨウ素又はスルホン基であり、
nは2〜15の整数である。)
ことを特徴とするα位に分枝鎖を含有するジカルボン酸の製造方法。
【請求項2】
(1)反応物Aと塩基を、反応物Aと塩基のモル比が0.8〜1.2:1となるように秤量し、反応溶媒に入れるステップと、
(2)30℃〜150℃の範囲から選ばれる温度で、1〜10時間の加熱反応を行うステップと、
(3)前記反応が終わった後、溶媒を蒸発させ、希酸で中性に中和するステップと、
(4)油層を取り分け、減圧蒸留により中間産物Bが得られるステップと、
(5)前記中間産物Bを溶媒に加え、等モルの塩基を加え、さらにR2Xを加えるステップと、
(6)60℃〜200℃の範囲から選ばれる温度で、2〜50時間の加熱反応を行うステップと、
(7)前記反応が終わった後、溶媒を蒸発させ、酸で中性に中和するステップと、
(8)油層を分離し、減圧蒸留によりエステル系化合物が得られるステップと、
(9)得られるエステル系化合物は、強塩基により分解、酸性化、洗浄したあと、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸が得られるステップと、
を有する製造方法により、前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸を製造する、
ことを特徴とする請求項1記載のα位に分枝鎖を含有するジカルボン酸の製造方法。
【請求項3】
前記α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸の塩とは、α位に分枝鎖を含有するジカルボン酸とアンモニア又はアミンから形成する塩である、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のアルミニウム電解コンデンサ電解液。


【公開番号】特開2012−134550(P2012−134550A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−70588(P2012−70588)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【分割の表示】特願2009−214020(P2009−214020)の分割
【原出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(507184498)シンセン新宙邦科技株式会社 (5)
【Fターム(参考)】