説明

アルモダフィニルの新規な結晶形とその調製方法

【課題】アルモダフィニルの結晶形、その結晶形の調製方法、その結晶形の医薬製剤を提供する。
【解決手段】たとえば、2θ=約6.5、10.3、17.9、19.5、21.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。2θ=約7.8、20.8、21.4、23.5、32.6±0.2°の位置に追加のピークを持ち、さらに約154℃の位置に吸熱のピークを持つDSCサーモグラム;TGAで測定したときの約25℃〜約120℃の温度における約0.3%の重量損失のうちの少なくとも1つを有することを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願
【0002】
本出願は、2006年2月21日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第60/775,572号と、2006年11月13日に出願されたアメリカ合衆国仮出願第60/858,758号の恩恵を主張するものであり、参考としてその内容はこの明細書に組み込まれているものとする。
【0003】
本発明は、アルモダフィニルの結晶形、その結晶形の調製方法、その結晶形の医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0004】
モダフィニルは、そのR鏡像異性体とS鏡像異性体のラセミ混合物として、現在セファロン社によってプロビジル(登録商標)の商品名で市販されている。プロビジル(登録商標)は、ナルコレプシーに付随する過眠、交代勤務睡眠障害(SWSD)、閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下症候群(OSA/HS)の治療が適応である。
【0005】
モダフィニルのどちらの鏡像異性体も薬理学的に活性だが、S鏡像異性体はR鏡像異性体よりも身体から3倍速く排泄されることが研究によって明らかになっている。Prisinzano他、Tetrahedron:Asymmetry、第5巻、1053〜1058ページ、2004年。したがってモダフィニルのラセミ混合物ではなくてR鏡像異性体の医薬組成物を開発することが好ましい。
【0006】
モダフィニルのR鏡像異性体はアルモダフィニルとして知られており、2-[(R)-(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミドという化学名を持つ。アルモダフィニルの分子量は273.34であり、以下の化学構造を有する。
【0007】
【化1】

【0008】
アルモダフィニルはヌビジル(Nuvigil)(登録商標)として市販されている。
【0009】
アルモダフィニルとその調製方法は、アメリカ合衆国特許第4,927,855号(“855号特許”)とヨーロッパ特許第0233106号に初めて開示されている。どちらの特許も元々はラフォン・ラボラトリーズに譲渡されたものである。'855号特許には、以下の一般スキームによるアルモダフィニルの合成法が記載されている。
【0010】
【化2】

【0011】
'855号特許の第2欄、16〜53行を参照のこと。
【0012】
アルモダフィニルは、いくつかの結晶形で存在することができる。そのうちのいくつかが、WO 05/023198(“WO '198”)、WO 05/077894(“WO '894”)、WO 04/060858(“WO '858”)に開示されている。WO '858には、アルモダフィニルの結晶形I〜IVとアモルファス形態のほか、アルモダフィニルの炭酸ジメチル溶媒和物、酢酸溶媒和物、アセトニトリル溶媒和物が開示されている。WO '858の10〜12ページ。WO '894には、アルモダフィニルの結晶形III〜Vのほか、アルモダフィニルのクロロホルム溶媒和物、クロロベンゼン溶媒和物、酢酸溶媒和物が開示されている。WO '894の3ページと8ページ。WO '198には、アルモダフィニルの別の溶媒和形態(例えばアセトニトリル溶媒和物、エタノール溶媒和物、ベンジルアルコール溶媒和物、イソプロパノール溶媒和物)が開示されている。WO '198の9ページ。結晶形Iは、d-スペーシング値が約13.40、8.54、6.34、5.01、4.68、4.62、4.44、4.27、4.20、4.15、4.02、3.98、3.90、3.80、3.43(オングストローム)であることを特徴とする。結晶形IVは、d-スペーシング値が約13.88、12.38、10.27、8.58、7.34、6.16、5.66、5.12、5.00、4.64、4.48、4.26、4.18、4.09、3.82、3.66、3.53、3.42、3.28、3.20(オングストローム)であることを特徴とする。
【0013】
異なる結晶形(多形)が生じるというのは、いくつかの分子および分子錯体の性質である。単一の分子(例えばアルモダフィニル)が、物理的性質(例えば融点、X線回折パターン、赤外吸収フィンガープリント、NMPスペクトル)の明確に異なるさまざまな固体を生み出すことができる。多形の物理的性質の違いは、バルクの固体において隣り合った分子(錯体)の配向と分子間相互作用から生まれる。したがって多形は、同じ分子式でありながら互いに異なる固体であり、多形ファミリーの他の形態とは異なる有利な物理的性質および/または不利な物理的性質を持つ。医薬としての多形の最も重要な物理的性質の1つは、水溶液への溶解度(特に患者の胃液への溶解度)である。例えば胃腸管を通じた吸収がゆっくりだと、患者の胃または腸での条件において不安定な薬にとって、ゆっくりと溶けて有害な環境に蓄積しないことが望ましい場合がしばしばある。逆に、薬の有効性がその薬の血流レベルのピークと相関していて(スタチン薬に共通する性質)、その薬が胃腸系によって迅速に吸収されるのであれば、より素早く溶ける形態が、同じ量のよりゆっくり溶ける形態よりも大きな有効性を示す傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
薬の結晶の新しい多形が発見されると材料の範囲が広がるため、製剤研究者は、その材料を利用し、目的とする放出プロファイルまたは他の望む特性を持った薬の医薬剤形を設計できるようになる。したがってアルモダフィニルのより多くの結晶形を見いだす必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施態様により、2θ=約6.5、10.3、17.9、19.5、21.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が提供される。
【0016】
本発明の一実施態様により、上記結晶形の調製方法として、アセトニトリルからその結晶形を結晶化させる操作を含む方法が提供される。
【0017】
2θ=約7.0、9.3、12.2、14.4、16.2±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。
【0018】
本発明の一実施態様により、上記結晶形の調製方法として、酢酸からその結晶形を結晶化させる操作を含む方法が提供される。
【0019】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニル酢酸溶媒和物の結晶の調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Bを乾燥させる操作を含む方法が提供される。
【0020】
本発明の一実施態様により、2θ=約5.4、9.1、10.3、10.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が提供される。
【0021】
本発明の一実施態様により、上記結晶形の調製方法として、ジオキサンからその結晶形を結晶化させる操作を含む方法が提供される。
【0022】
本発明の一実施態様により、2θ=約9.4、12.5、14.5、18.6±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が提供される。
【0023】
本発明の一実施態様により、上記結晶形の調製方法として、炭酸ジメチルからその結晶形を結晶化させる操作を含む方法が提供される。
【0024】
本発明の一実施態様により、2θ=約7.1、9.1、12.2、16.3±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が提供される。
【0025】
本発明の一実施態様により、上記結晶形の調製方法として、メチルエチルケトンの中でその結晶を結晶化させる操作を含む方法が提供される。
【0026】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法として、上記いずれかの結晶形を乾燥させるか湿潤化する操作を含む方法が提供される。
【0027】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Cを乾燥させる操作を含む方法が提供される。
【0028】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Dを乾燥させる操作を含む方法が提供される。
【0029】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Aを約20℃〜約40℃の温度で相対湿度100%に曝露する操作を含む方法が提供される。
【0030】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形IVを乾燥させる操作を含む方法が提供される。
【0031】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形IVに約2トン〜約10トンの圧力を加えてアルモダフィニルの結晶形Iを得る操作を含む方法が提供される。この方法を途中で止めると混合物が得られる。
【0032】
本発明の一実施態様により、TGAで測定したとき約25℃〜約100℃の範囲における重量損失が約0.3%であることを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が提供される。
【0033】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形IVを粉砕する操作を含む方法が提供される。
【0034】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルTHF溶媒和物の結晶が提供される。
【0035】
本発明の一実施態様により、2θ=約7.3、9.3、10.4、12.3、14.4、17.8、21.6、23.6、24.7±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルTHF溶媒和物の結晶形が提供される。
【0036】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルTHF溶媒和物の調製方法として、THFから結晶形を結晶化させる操作を含む方法が提供される。
【0037】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物の結晶が提供される。
【0038】
本発明の一実施態様により、2θ=約7.3、9.3、10.4、12.3、14.4、17.8、21.6、23.6、24.7±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物の結晶が提供される。
【0039】
本発明の一実施態様により、上記結晶形の調製方法として、酢酸メチルからその結晶形を結晶化させる操作を含む方法が提供される。
【0040】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法として、アルモダフィニルTHF溶媒和物を乾燥させる操作を含む方法が提供される。
【0041】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Eを乾燥させる操作を含む方法が提供される。
【0042】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法として、アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物を乾燥させる操作を含む方法が提供される。
【0043】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニル水和物の結晶が提供される。
【0044】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニル・ヘミ水和物の結晶が提供される。
【0045】
本発明の一実施態様により、2θ=約6.8、10.5、13.5、14.2、19.2、20.2、21.1、22.5、23.7、26.2±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニル・ヘミ水和物の結晶が提供される。
【0046】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニル・ヘミ水和物の調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Aを水分に曝露する操作を含む方法が提供される。
【0047】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニル一水和物の結晶が提供される。
【0048】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニル一水和物の調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Iを水分に曝露する操作を含む方法が提供される。
【0049】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの結晶形A、B、C、D、Eのうちの少なくとも1つの治療に有効な量と、少なくとも1種類の薬理学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が提供される。
【0050】
本発明の一実施態様により、アルモダフィニルの医薬組成物の調製方法として、アルモダフィニルの結晶形A、B、C、D、Eのうちの少なくとも1つと少なくとも1種類の薬理学的に許容可能な賦形剤を混合する操作を含む方法が提供される。
【0051】
本発明の一実施態様により、上記の医薬組成物を利用して過眠を治療するための薬を製造する方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
本発明には、アルモダフィニルの結晶形と、アルモダフィニルのそのような結晶形の製造方法が含まれる。それぞれの固体形態は、製剤を製造する際に医薬製剤の製造者にとって有用な性質を有する。そのような性質とそれ以外の性質は、プロセス設計を行なう化学者にとって、アルモダフィニルの合成条件、および/または精製条件、および/または保管条件をスケール・アップして設計する際に役立つ可能性もある。この明細書に記載した方法は、アルモダフィニルの結晶形を実験室や工業スケールで製造するのにも役立つ。
【0053】
この明細書では、“室温”という用語は、約10℃〜約30℃の温度を意味する。
【0054】
この明細書では、“減圧”という用語は、約100mmHg未満の圧力を意味する。
【0055】
この明細書では、“周囲圧”という用語は、約760mmHg未満の圧力を意味する。
【0056】
この明細書では、“含水量”という用語は、Pharmacopeial Forum、第24巻、第1号、5438ページ(1998年1月〜2月)に記載されている乾燥に基づく損失法(“LOD法”)、または含水量を測定するためのカール・フィッシャー法、または熱重量分析(TGA)法に基づく含水量を意味する。この明細書では、特に断わらない限り、割合はすべて重量%である。
【0057】
当業者には、アルモダフィニルに関する“一水和物”という用語は、アルモダフィニルのすべての分子に1分子の水が存在していることを意味することも理解されよう。言い換えるならば、アルモダフィニル一水和物は、含水量が約5〜7%w/wである。同様に、当業者には、アルモダフィニルに関する“ヘミ水和物”という用語は、アルモダフィニルの2分子につき1分子の水が存在していることを意味することも理解されよう。したがってアルモダフィニルヘミ水和物は、含水量が約3〜4%w/wである。
【0058】
本発明の一実施態様には、2θ=約6.5、10.3、17.9、19.5、21.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が含まれる。この明細書ではそれをアルモダフィニルの結晶形Aと定義する。アルモダフィニルの結晶形Aは、実質的に図1に示してあるように2θ=約7.8、20.8、21.4、23.5、32.6±0.2°の位置に追加のピークを持つ粉末XRDパターン;実質的に図2に示してあるように約154℃の位置に吸熱のピークを持つDSCサーモグラム;TGAで測定したときの約25℃〜約120℃の温度における約0.3%の重量損失のうちの少なくとも1つをさらに特徴とすることができる。重量損失の測定値が0.3%というのは、アルモダフィニルの結晶形Aが当業者によって無水であると考えられることを意味する。アルモダフィニルの結晶形Aは、融点が約146℃〜約147℃である。
【0059】
結晶形Aは、錠剤を調製する間に圧縮段階で用いる約2〜10トンの圧力下で安定である。
【0060】
本発明により、アセトニトリルから結晶化させることによってアルモダフィニルの結晶形Aを調製する方法が提供される。この方法は、アルモダフィニルをアセトニトリルと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含んでいる。アルモダフィニルとアセトニトリルの混合物を加熱すると、溶液またはスラリーが得られる。一般に、アルモダフィニルは、アセトニトリルに対して約0.05g/ml〜約0.15g/mlの割合で混合することができる。加熱によって約60℃〜ほぼ還流温度にすることが好ましいが、約45℃〜60℃の温度にするほうが好ましい。約20分間〜約30分間にわたって加熱することが好ましい。冷却によってほぼ室温にすることが好ましいが、約15℃〜約30℃の温度まで冷却するほうが好ましく、約18℃〜約25℃の温度まで冷却することが最も好ましい。望む粒子サイズに応じ、冷却ステップの間に溶液またはスラリーを撹拌することができる。約3時間〜約17時間にわたって冷却することが好ましい。例えば2000mgのアルモダフィニルを30mlのアセトニトリルと混合し、約1時間にわたって還流温度に加熱する。得られたアルモダフィニルの結晶形Aは、濾過によって分離することができる。この結晶は、さらに乾燥させることができる。乾燥は、真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱することにより実現する。
【0061】
本発明の別の一実施態様には、2θ=約7.0、9.3、12.2、14.4、16.2±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が含まれる。この明細書ではそれをアルモダフィニルの結晶形Bと定義する。アルモダフィニルの結晶形Bは、実質的に図4に示してあるように2θ=約21.3、23.3、24.2、24.7、25.1±0.2°の位置に追加のピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とすることができる。この結晶形は、酢酸溶媒和物の可能性がある。
【0062】
本発明にはさらに、酢酸から結晶化させることによってアルモダフィニルの結晶形Bを調製する方法が含まれる。この方法は、アルモダフィニルを酢酸と混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含んでいる。アルモダフィニルは、約0.07g/ml〜約0.12g/mlの割合の酢酸と混合することが好ましい。加熱によって約70℃〜ほぼ還流温度にすることが好ましいが、約75℃の温度にするほうが好ましい。加熱によって溶液が得られることが好ましい。加熱は、アルモダフィニルが酢酸に望むように溶けるのに十分な時間にわたって実施するとよい。冷却によって約0℃未満にすることが好ましいが、約-5℃〜約-20℃の温度まで冷却するほうが好ましい。例えば100mgのアルモダフィニルを1mlの酢酸に溶かした後、約20分間にわたって還流温度に加熱する。次にこの溶液を-19℃まで冷却する。得られたアルモダフィニルの結晶形Bは、デカンテーションまたは濾過によって分離する。
【0063】
本発明によりさらに、図8に示したアルモダフィニル酢酸溶媒和物の調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Bを乾燥させる操作を含む方法が提供される。この方法は、アルモダフィニルの結晶形Bを約45℃〜約55℃の温度、好ましくは約50℃の温度に加熱する操作を含んでいることが好ましい。この方法は、周囲圧下または減圧下で実施することができる。アルモダフィニル酢酸溶媒和物を得るのに必要な時間は、乾燥温度などの他の因子によって異なる可能性がある。例えば結晶形Bを真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱すると、アルモダフィニル酢酸溶媒和物が得られる。
【0064】
本発明の別の一実施態様には、2θ=約5.4、9.1、10.3、10.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が含まれる。この明細書ではそれをアルモダフィニルの結晶形Cと定義する。アルモダフィニルの結晶形Cは、実質的に図5に示してあるように2θ=約12.2、21.7、22.3、23.2、27.6±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とすることができる。この結晶形は、ジオキサン溶媒和物の可能性がある。
【0065】
アルモダフィニルの結晶形Cの1つの調製方法は、その結晶形Cをジオキサンから結晶化させる操作を含んでいる。この方法は、アルモダフィニルをジオキサンと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含んでいる。アルモダフィニルは、約0.04g/ml〜約0.25g/mlの割合のジオキサンと混合することが好ましい。加熱によって約55℃〜ほぼ還流温度にすることが好ましいが、約65℃の温度にするほうが好ましい。加熱によって溶液が得られることが好ましい。例えば35.5mgのアルモダフィニルを0.8mlのジオキサンと混合し、アルモダフィニルがジオキサンに溶けるまで65℃に加熱する。冷却によって約0℃未満にすることが好ましい。溶液は約-5℃〜約-20℃の温度に冷却するほうが好ましく、-19℃に冷却することが最も好ましい。得られたアルモダフィニルの結晶形Cは、デカンテーションまたは濾過によって分離する。
【0066】
本発明の別の一実施態様には、2θ=約9.4、12.5、14.5、18.6±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が含まれる。この明細書ではそれをアルモダフィニルの結晶形Dと定義する。アルモダフィニルの結晶形Dは、実質的に図6に示してあるように2θ=約21.7、23.7、24.8、27.8、29.0、34.1±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とすることができる。この結晶形は、炭酸ジメチル溶媒和物の可能性がある。
【0067】
アルモダフィニルの結晶形Dの1つの調製方法は、その結晶形Dを炭酸ジメチルから結晶化させる操作を含んでいる。この方法は、アルモダフィニルを炭酸ジメチルと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含んでいる。アルモダフィニルは、約0.1g/ml〜約0.2g/mlの割合の炭酸ジメチルと混合することが好ましい。加熱によって約55℃〜ほぼ還流温度にすることが好ましいが、約60℃〜約70℃の温度にするほうがより好ましく、約65℃の温度にすることが最も好ましい。加熱によって溶液が得られることが好ましい。場合によっては水を炭酸ジメチルに添加できる。水と炭酸ジメチルは、重量比を約0.95:1.15にすることが好ましいが、1:1のほうが好ましい。例えば47.1mgのアルモダフィニルを0.4mlの炭酸ジメチルおよび0.4mlの水と混合し、アルモダフィニルが溶けるまで65℃の温度に加熱する。冷却によって約15℃〜約30℃の温度にすることが好ましいが、約18℃〜約25℃の温度にするほうが好ましい。望む粒子サイズに応じ、冷却ステップの間に溶液を撹拌することができる。約3時間〜約17時間にわたって冷却することが好ましい。得られたアルモダフィニルの結晶形Dは、デカンテーションまたは濾過によって分離する。
【0068】
本発明の別の一実施態様には、2θ=約7.1、9.1、12.2、16.3±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形が含まれる。この明細書ではそれをアルモダフィニルの結晶形Eと定義する。アルモダフィニルの結晶形Eは、実質的に図7に示してあるように2θ=約24.4、24.6、27.4、28.8、29.9、33.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とすることができる。この結晶形は、メチルエチルケトン溶媒和物の可能性がある。
【0069】
本発明により、メチルエチルケトンから結晶化させることによってアルモダフィニルの結晶形Eを調製する方法がさらに提供される。この方法は、アルモダフィニルをメチルエチルケトンと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含んでいる。アルモダフィニルは、約0.02g/ml〜約0.2g/mlの割合のメチルエチルケトンと混合することが好ましい。加熱によって約35℃〜約45℃の温度にすることが好ましいが、約40℃の温度にするほうが好ましい。例えば約0.2gの量のアルモダフィニルを約16時間にわたって加熱するとよい。例えば18.3mgのアルモダフィニルを1mlのメチルエチルケトンと混合してスラリーにし、16時間にわたって40℃に加熱する。冷却によって約5℃〜約-5℃の温度にすることが好ましいが、約0℃の温度にするほうが好ましい。得られたアルモダフィニルの結晶形Eは、デカンテーションまたは濾過によって分離できる。
【0070】
本発明には、上記の新規な結晶形を乾燥させるか湿潤化することによってアルモダフィニルの結晶形Iを調製する方法も含まれる。
【0071】
アルモダフィニルの結晶形Iを調製する1つの方法は、アルモダフィニルの結晶形Cを乾燥させる操作を含んでいる。乾燥には、アルモダフィニルの結晶形Cを少なくとも4時間にわたって約45℃〜約55℃にの温度に加熱する操作が含まれることが好ましい。より好ましいのは、約50℃の温度に加熱することである。この方法は、周囲圧下または減圧下で実施することができる。時間は、乾燥させる材料の量によって異なるであろう。例えば約0.04gのアルモダフィニルの結晶形Cは、一般に約4時間乾燥させるとアルモダフィニルの結晶形Iになる。
【0072】
アルモダフィニルの結晶形Iを調製する別の方法は、アルモダフィニルの結晶形Dを乾燥させる操作を含んでいる。この方法を中断すると混合物を得ることができる。乾燥には、アルモダフィニルの結晶形Iが形成されるのに十分な時間にわたってアルモダフィニルの結晶形Dを周囲圧下または減圧下で約50℃の温度に加熱する操作が含まれることが好ましい。時間は、アルモダフィニルの結晶形Dの量によって異なるであろう。例えば約0.05gのアルモダフィニルの結晶形Dは、一般に約4時間乾燥させる。
【0073】
アルモダフィニルの結晶形Iを調製する別の方法は、アルモダフィニルの結晶形Iが形成されるのに十分な時間にわたってアルモダフィニルの結晶形Aを約20℃〜約40℃の温度(約30℃〜約40℃の温度が好ましい)で100%の相対湿度に曝露する操作を含んでいる。曝露は、約7日間〜約14日間の期間にわたることが好ましく、7日間であることがより好ましい。時間は、アルモダフィニルの結晶形Aの量によって異なるであろう。例えば約200mgのアルモダフィニルの結晶形Aは、一般に7日間にわたって100%の相対湿度に曝露するとアルモダフィニルの結晶形Iになる。
【0074】
アルモダフィニルの結晶形Iは、アルモダフィニルの結晶形IVを乾燥させることによっても調製できる。この方法は、アルモダフィニルの結晶形IVを少なくとも約10分間にわたって約120℃〜約150℃の温度に加熱する操作を含んでいることが好ましい。約145℃の温度に加熱することが好ましい。加熱は、約15分間〜約30分間の期間にわたって実施することが好ましい。例えば200mgのアルモダフィニルの結晶形IVを約10分間にわたって加熱する。結晶形IVは、WO 04/060858に従って調製することができる。
【0075】
アルモダフィニルの結晶形Iを調製するさらに別の方法は、アルモダフィニルの結晶形IVに約2〜約10トンの圧力を加えてアルモダフィニルの結晶形Iを得る操作を含んでいる。圧力は、約1分間〜約5分間にわたって加えることが好ましい。時間は、アルモダフィニルの結晶形IVの量によって異なるであろう。例えば100mgのアルモダフィニルの結晶形IVを1分間にわたって10トンでプレスする。
【0076】
結晶形IVは、TGAで測定したとき約25℃〜約120℃の範囲における重量損失が約0.3%であることを特徴とする。
【0077】
アルモダフィニルの結晶形Iを調製する別の方法は、アルモダフィニルの結晶形IVを粉砕する操作を含んでいる。粉砕は、約1分間〜約5分間の期間にわたって実施することが好ましく、約1分間の期間にわたって実施することがより好ましい。アルモダフィニルの結晶形IVの量に応じて異なる粉砕法を利用できる。例えば200mgのアルモダフィニルの結晶形IVは、乳鉢と乳棒を用いて1分間にわたって粉砕する。
【0078】
本発明には、アルモダフィニルTHF溶媒和物が含まれる。
【0079】
本発明には、2θ=約7.3、9.3、10.4、12.3、14.4、17.8、21.6、23.6、24.7±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルTHF溶媒和物も含まれる。このTHF溶媒和物は、TGAで測定したとき約25℃〜約100℃の範囲における重量損失が39%であることを特徴とすることができる。
【0080】
本発明の別の一実施態様には、THFから結晶化させる操作を含むアルモダフィニルTHF溶媒和物の調製方法が含まれる。この方法は、アルモダフィニルをTHFと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含んでいる。アルモダフィニルは、約0.1g/ml〜約0.2g/mlの割合のTHFと混合することが好ましい。加熱によって約55℃〜還流温度にすることが好ましいが、約65℃の温度にするほうが好ましい。加熱後に溶液が得られることが好ましい。冷却によってほぼ室温にすることが好ましいが、約15℃〜約30℃の温度にすることがより好ましく、約18℃〜約25℃の温度にすることが最も好ましい。冷却は、少なくとも3時間にわたることが好ましい。望む粒子サイズに応じ、冷却ステップの間に溶液を撹拌することができる。例えば2gのアルモダフィニルを40mlのTHFと混合し、約1時間にわたって還流温度に加熱すると、溶液が形成される。次に、この溶液を室温に冷却して3時間にわたって撹拌すると、アルモダフィニルTHF溶媒和物の結晶が形成される。アルモダフィニルTHF溶媒和物の結晶は、濾過またはデカンテーションによって分離することができる。
【0081】
本発明には、アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物が含まれる。
【0082】
本発明には、2θ=約7.3、9.3、10.4、12.3、14.4、17.8、21.6、23.6、24.7±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物も含まれる。
【0083】
本発明の別の一実施態様には、酢酸メチルから結晶化させる操作を含むアルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物の調製方法が含まれる。この方法は、アルモダフィニルを酢酸メチルと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含んでいる。アルモダフィニルは、約0.02g/ml〜約0.5g/mlの割合の酢酸メチルと混合することが好ましい。加熱によって約45℃〜約55℃の温度にすることが好ましいが、約50℃〜還流温度にするほうが好ましい。加熱後に溶液が得られることが好ましい。冷却によってほぼ室温にすることが好ましいが、約15℃〜約30℃の温度にすることがより好ましく、約18℃〜約25℃の温度にすることが最も好ましい。冷却は、約12時間〜約48時間にわたることが好ましく、約15時間〜約28時間にわたることがより好ましい。場合によっては追加の冷却ステップを実施し、約-5℃〜約-20℃の温度に冷却することが好ましい。望む粒子サイズに応じ、冷却ステップの間に溶液を撹拌することができる。例えば20.5mgのアルモダフィニルを1mlの酢酸メチルと混合し、1時間にわたって45℃〜約55℃の温度、より好ましくは約50℃の温度に加熱すると、溶液が形成される。次に、この溶液を室温に冷却しながら2日間にわたって撹拌する。2日後、この溶液を-19℃に冷却すると、アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物が形成された。得られたアルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物の結晶は、デカンテーションまたは濾過によって分離できる。
【0084】
本発明の別の一実施態様には、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法として、アルモダフィニルTHF溶媒和物を乾燥させる操作を含む方法が含まれる。この方法は、アルモダフィニルの結晶形IVが形成されるのに十分な時間にわたってアルモダフィニルTHF溶媒和物を約45℃〜約55℃の温度(約50℃がより好ましい)に加熱する操作を含んでいる。加熱は、周囲圧下または減圧下で行なうことができる。例えばアルモダフィニルTHF溶媒和物を真空炉の中で減圧下にて4時間にわたって50℃の温度に加熱すると、アルモダフィニルの結晶形IVが得られる。
【0085】
本発明にはさらに、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Eを乾燥させる操作を含む方法が含まれる。乾燥には、アルモダフィニルの結晶形Eを約45℃〜約55度の温度、より好ましくは約50℃に加熱する操作が含まれることが好ましい。乾燥は、アルモダフィニルの結晶形IVが形成されるのに十分な時間にわたって周囲圧下または真空下で行なうことができる。時間は、出発材料であるアルモダフィニルの結晶形Eの量によって決まるであろう。例えば約0.2gのアルモダフィニルを真空下で約4時間にわたって乾燥させる。例えばアルモダフィニルの結晶形Eを真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱すると、アルモダフィニルの結晶形IVが得られる。
【0086】
アルモダフィニルの結晶形IVを調製するさらに別の方法は、アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物を乾燥させる操作を含んでいる。この方法は、アルモダフィニルの結晶形IVが形成されるのに十分な時間にわたってアルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物を約45℃〜約55℃の温度、より好ましくは約50℃に加熱する操作を含んでいる。加熱は、周囲圧下または減圧下で行なうことができる。例えばアルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物を真空炉の中で減圧下にて4時間にわたって50℃の温度に加熱すると、アルモダフィニルの結晶形IVが得られる。
【0087】
本発明の別の一実施態様には、水和物の形態のアルモダフィニルが含まれる。
【0088】
本発明には、アルモダフィニル・ヘミ水和物が含まれる。
【0089】
本発明には、2θ=約6.8、10.5、13.5、14.2、19.2、20.2、21.1、22.5、23.7、26.2±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニル・ヘミ水和物も含まれる。
【0090】
本発明には、アルモダフィニル・ヘミ水和物の調製方法として、アルモダフィニルの結晶形Aを約20℃〜約40℃の温度で少なくとも約7日間にわたって約100%の湿度に曝露する操作を含む方法も含まれる。温度は約30℃であることが好ましい。
【0091】
本発明の別の一実施態様には、アルモダフィニル一水和物が含まれる。アルモダフィニル一水和物は、アルモダフィニルの結晶形Iを約30℃〜約60℃の温度で少なくとも7日間にわたって約100%の相対湿度に曝露する操作を含む方法によって調製できる。約30℃〜約40℃に加熱することが好ましい。一例では、200mgのアルモダフィニルの結晶形Iを100%の相対湿度にて13日間にわたって30℃に加熱する。
【0092】
本発明のさらに別の一実施態様には、アルモダフィニルの結晶形A、B、C、D、E、THF溶媒和物、酢酸メチル溶媒和物、ヘミ水和物、一水和物のうちの少なくとも1つ(結晶形Aが好ましい)の治療に有効な量と、少なくとも1種類の薬理学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物が含まれる。さまざまな結晶形を薬理学的に許容可能な賦形剤と混合することによってこのような医薬組成物を調製する方法も提供される。この医薬組成物は、過剰嗜眠の治療に使用できる。
【0093】
薬理学的に許容可能な賦形剤としては、医薬製剤で一般に使用される賦形剤が挙げられる。製剤で使用される薬理学的に許容可能な賦形剤としては、希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、着香剤、甘味剤、保存剤などがある。
【0094】
製剤で使用される希釈剤としては、医薬製剤で一般に使用される希釈剤が挙げられる。希釈剤としては、例えば、セルロース由来の材料(粉末化セルロース、微結晶セルロース、マイクロファインセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、他の置換されたセルロース、他の置換されていないセルロースなど);デンプン;あらかじめゼラチン化されたデンプン;無機希釈剤(炭酸カルシウム、二リン酸カルシウムなど);蝋;糖類;糖アルコール(マンニトールやソルビトールなど);アクリレートのポリマーとコポリマー;ペクチン;デキストリン;ゼラチンなどがある。
【0095】
製剤で使用される結合剤としては、医薬製剤で一般に使用される結合剤が挙げられる。結合剤としては、例えば、アラビアゴム、あらかじめゼラチン化されたデンプン、アルギン酸ナトリウム、グルコースなどがある。
【0096】
製剤で使用される崩壊剤としては、医薬製剤で一般に使用される崩壊剤が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースなどがある。
【0097】
製剤で使用される潤滑剤としては、医薬製剤で一般に使用される潤滑剤が挙げられる。潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムなどがある。
【0098】
本発明の医薬製剤は、経口投与の剤形、非経口投与(例えば皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与)の剤形、吸入剤、眼内投与の剤形として提供することができる。ここに挙げたどのケースでも最適な経路は治療する症状の性質と重篤度によって異なるとはいえ、本発明における最も好ましい経路は経口である。投与量は、単位投与量の剤形として提供できることが好ましく、薬学においてよく知られている任意の方法で剤形を調製できることが好ましい。
【0099】
剤形には、固体剤形(例えば錠剤、粉末、カプセル、座薬、サッシェ、トローチ、ロゼンジ)や、懸濁液、エリキシルなどがある。
【0100】
カプセル投与物には、カプセルの中に収容された固体組成物が含まれる。カプセルは、ゼラチンまたは従来からある他のカプセル用材料で製造することができる。
【0101】
錠剤と粉末は、例えば腸溶性コーティングで覆うことができる。腸溶性コーティングを有する粉末形態は、フタル酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチル-フタル酸セルロース、ポリフタル酸ビニルアルコール、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンとマレイン酸のコポリマー、メタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマー、または同様の材料を含むコーティングを備えることができ、望むのであれば、適切な可塑剤および/または増量剤とともに使用できる。コーティングした錠剤は、錠剤の表面にコーティングすること、または腸溶性コーティングを有する粉末または顆粒を含む錠剤にすることができる。
【0102】
本発明の別の一実施態様には、ナルコレプシーに付随する過眠、交代勤務睡眠障害(“SWSD”)、閉塞性睡眠時無呼吸/呼吸低下症候群(“OSA/HS”)に苦しんでいる患者の治療法として、治療を必要としている患者に、本発明による少なくとも1種類のアルモダフィニルの結晶形と少なくとも1種類の薬理学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬製剤を治療に有効な量投与する操作を含む方法が含まれる。
【0103】
本発明をいくつかの好ましい実施態様を参照してこれまで説明してきたため、当業者には、この明細書の内容を考慮すれば他の実施態様は明らかであろう。本発明は、本発明のいろいろなアルモダフィニルの結晶形の調製について詳細に説明した以下の実施例を参照することによってさらに明確になる。当業者にとって、本発明の範囲を逸脱することなく材料と方法の両方に対する多くの変更が可能であることは明らかであろう。
【実施例】
【0104】
PXRD:
【0105】
X線粉末解析のデータは、従来技術で知られている方法を利用して取得した。固体検出器を備えたシンタグ社の粉末X線回折装置のモデルX'TRAを、1.5418オングストロームの銅放射線およびバックグラウンドがゼロの丸いアルミニウム製サンプル・ホルダとともに使用した。走査パラメータは、範囲:2θが2〜40°;走査モード:連続走査;ステップのサイズ:0.05°;5°/分の速度であった。ピークの位置はすべて、2θが±0.2°の範囲内である。
【0106】
当業者であれば、PXRDの測定には、各ピークに関して一般に2θの約±0.2°程度のわずかな不確定さが伴うことが理解できよう。したがってこの明細書に記載したPXRDのピークに関するデータは、“2θ=A、B、Cなど±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターン”の形態で表示してある。これは、問題の結晶形に関し、Aの位置にあるピークは、所定の装置で所定の走査において2θ=A±0.2°に現われる可能性があり、Bの位置にあるピークは、2θ=B±0.2°に現われる可能性があることを意味する。個々のピークの同定におけるこのように小さくて不可避な不確定さが個々の結晶形の同定に関する不確定さにつながることはない。なぜなら、結晶形をあいまいさなく同定するのに役立つのは、一般に、特定の範囲内の特定の任意の1つのピークではなく、複数のピークの特定の組み合わせだからである。
【0107】
DSC:
【0108】
DSC分析は、メトラー821スターeを用いて実施した。穴が3つあって蓋で覆われた標準的な40μlのアルミナるつぼの中で、約4mgのサンプルを分析した。各サンプルを25℃から200℃まで10℃/分の速度で走査した。るつぼには窒素ガスを40ml/分の流速で常に流した。
【0109】
TGA:
【0110】
TGA分析をメトラーM3熱重量分析装置を用いて実施した。穴が1つあって蓋で覆われた標準的な150μlのアルミナるつぼの中で、約8mgのサンプルを分析した。各サンプルを25℃から200℃まで10℃/分の速度で走査した。るつぼには窒素ガスを40ml/分の流速で常に流した。
【0111】
実施例1
アルモダフィニルの結晶形Aの調製
【0112】
アルモダフィニル(2g)を30mlのアセトニトリルと混合し、1時間にわたって還流温度に加熱した後、室温まで冷却した。すると結晶が形成された。その結晶を濾過によって回収し、真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱した。XRD分析により、生成物がアルモダフィニルの結晶形Aであることがわかった。
【0113】
実施例2
アルモダフィニルの結晶形Aの調製
【0114】
アルモダフィニル(100mg)を1mlのアセトニトリルと混合し、20分間にわたって還流温度に加熱した後、室温に冷却して一晩にわたって撹拌した。すると結晶が形成された。その結晶を濾過によって回収し、真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱した。XRD分析により、生成物がアルモダフィニルの結晶形Aであることがわかった。
【0115】
実施例3
アルモダフィニル・ヘミ水和物の調製
【0116】
アルモダフィニルの結晶形A(200mg)を30℃で7日間にわたって100%の湿度に曝露した。以下の表に示してあるように、アルモダフィニルの結晶形Aは、この条件下でアルモダフィニルの結晶形Iに変換された。アルモダフィニルの結晶形IのXRDパターンを図3に示してある。
【0117】
【表1】

【0118】
実施例4
アルモダフィニルの結晶形Bとアルモダフィニル酢酸溶媒和物の調製
【0119】
アルモダフィニル(100g)を1mlの酢酸と混合し、20分間にわたって75℃に加熱すると、溶液が形成された。次にこの溶液を-19℃まで冷却すると結晶が形成された。その後、結晶をデカンテーションによって回収した。結晶をXRDで分析すると、アルモダフィニルの結晶形Bであることがわかった。次にその結晶を真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱し、XRDで分析した。XRDにより、酢酸溶媒和物の存在がわかった。
【0120】
実施例5
アルモダフィニルの結晶形Cとアルモダフィニルの結晶形Iの調製
【0121】
アルモダフィニル(35.5mg)を0.8mlのジオキサンと混合し、一晩にわたって65℃に加熱した。完全に溶解したことが観察された。この溶液を-19℃まで冷却すると結晶が形成された。その後、結晶をデカンテーションによって回収した。
【0122】
結晶をXRDで分析すると、アルモダフィニルの結晶形Cであることがわかった。次にその結晶を真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱し、XRDで分析した。XRDにより、アルモダフィニルの結晶形Iの存在がわかった。
【0123】
実施例6
アルモダフィニルの結晶形Dの調製
【0124】
アルモダフィニル(47.1mg)を0.4mlの炭酸ジメチルおよび0.4mlの水と混合し、65℃に加熱した後、室温まで冷却した(加熱と冷却を2回繰り返した)。溶液を室温にて一晩にわたって撹拌すると、結晶が形成された。その後、結晶をデカンテーションによって回収した。
【0125】
結晶をXRDで分析すると、アルモダフィニルの結晶形Dであることがわかった。次にその結晶を真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱し、XRDで分析した。XRDにより、アルモダフィニルの結晶形Iの存在がわかった。
【0126】
実施例7
アルモダフィニルの結晶形Dの調製
【0127】
アルモダフィニル(100g)を1mlの炭酸ジメチルと混合し、20分間にわたって65℃に加熱すると、溶液が形成された。次にこの溶液を室温に冷却して一晩にわたって撹拌すると、結晶が形成された。結晶をデカンテーションによって回収し、XRDによってアルモダフィニルの結晶形Dであることを突き止めた。
【0128】
実施例8
アルモダフィニルの結晶形Eとアルモダフィニルの結晶形IVの調製
【0129】
アルモダフィニル(18.3mg)を1mlのメチルエチルケトンと混合し、16時間にわたって40℃に加熱すると、溶液が形成された。次にこの溶液を0℃まで冷却すると、結晶が形成された。その後、結晶をデカンテーションによって回収した。
【0130】
結晶をXRDで分析すると、アルモダフィニルの結晶形Eであることがわかった。次にその結晶を真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱し、XRDで分析した。XRDにより、アルモダフィニルの結晶形IVの存在がわかった。
【0131】
実施例9
アルモダフィニルの結晶形IVからのアルモダフィニルの結晶形Iの調製
【0132】
アルモダフィニルの結晶形IV(200mg)を10分間にわたって145℃に加熱し、加熱されたサンプルを形成した。その加熱されたサンプルをXRDで分析すると、アルモダフィニルの結晶形Iの存在がわかった。
【0133】
実施例10
アルモダフィニルの結晶形IVからのアルモダフィニルの結晶形Iの調製
【0134】
アルモダフィニルの結晶形IV(100mg)を2〜10トンの圧力で1分間にわたってプレスし、プレスされたサンプルを形成した。そのプレスされたサンプルをXRDで分析すると、アルモダフィニルの結晶形Iの存在がわかった。
【0135】
実施例11
アルモダフィニルの結晶形IVからのアルモダフィニルの結晶形Iの調製
【0136】
アルモダフィニルの結晶形IV(100mg)を乳鉢と乳棒を用いて数分間にわたって粉砕し、粉砕されたサンプルを形成した。その粉砕されたサンプルをXRDで分析すると、アルモダフィニルの結晶形Iの存在がわかった。
【0137】
実施例12
THF溶媒和物とアルモダフィニルの結晶形IVの調製
【0138】
アルモダフィニル(2g)を40mlのTHFと混合し、1時間にわたって還流温度に加熱すると、溶液が形成された。次にこの溶液を室温に冷却して3時間にわたって撹拌すると、結晶が形成された。その後、結晶を濾過によって回収した。
【0139】
結晶をXRDで分析すると、THF溶媒和物であることがわかった。次にこの結晶を真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱した後、XRDで分析した。XRDにより、アルモダフィニルの結晶形IVの存在がわかった。
【0140】
実施例13
THF溶媒和物とアルモダフィニルの結晶形IVの調製
【0141】
アルモダフィニル(100mg)を1mlのTHFと混合し、20分間にわたって65℃に加熱すると、溶液が形成された。次にこの溶液を室温に冷却して一晩にわたって撹拌すると、結晶が形成された。その後、結晶をデカンテーションによって回収した。
【0142】
結晶をXRDで分析すると、THF溶媒和物であることがわかった。次にこの結晶を真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱した後、XRDで分析した。XRDにより、アルモダフィニルの結晶形IVの存在がわかった。
【0143】
実施例14
酢酸メチル溶媒和物とアルモダフィニルの結晶形IVの調製
【0144】
アルモダフィニル(20.5mg)を1mlの酢酸メチルと混合し、60分間にわたて50℃に加熱すると、溶液が形成された。次にこの溶液を室温に冷却して2日間にわたって撹拌した。次にこの溶液をさらに-19℃まで冷却すると、結晶が形成された。その後、結晶をデカンテーションによって回収した。
【0145】
結晶をXRDで分析すると、酢酸メチル溶媒和物として同定された。次に結晶を真空炉の中で4時間にわたって50℃に加熱した後、XRDで分析した。XRDにより、アルモダフィニルの結晶形IVの存在がわかった。
【0146】
実施例15
アルモダフィニル一水和物の調製
【0147】
【表2】

【0148】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】アルモダフィニルの結晶形Aの粉末XRDパターンである。
【図2】アルモダフィニルの結晶形AのDSCサーモグラムである。
【図3】結晶形Aを30℃で7日間にわたって相対湿度100%に曝露することによって調製したアルモダフィニル・ヘミ水和物の粉末XRDパターンである。
【図4】アルモダフィニルの結晶形Bの粉末XRDパターンである。
【図5】アルモダフィニルの結晶形Cの粉末XRDパターンである。
【図6】アルモダフィニルの結晶形Dの粉末XRDパターンである。
【図7】アルモダフィニルの結晶形Eの粉末XRDパターンである。
【図8】炭酸ジメチル溶媒和物、酢酸メチル溶媒和物、THF溶媒和物の粉末XRDパターンである。
【図9】WO 04/060858によるアルモダフィニル酢酸溶媒和物の粉末XRDパターンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2θ=約6.5、10.3、17.9、19.5、21.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。
【請求項2】
実質的に図1に示してあるように2θ=約7.8、20.8、21.4、23.5、32.6±0.2°の位置に追加のピークを持つ粉末XRDパターン;実質的に図2に示してあるように約154℃の位置に吸熱のピークを持つDSCサーモグラム;TGAで測定したときの約25℃〜約120℃の温度における約0.3%の重量損失のうちの少なくとも1つをさらに特徴とする、請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
無水である、請求項1または2に記載の結晶形。
【請求項4】
融点が約146℃〜約147℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項5】
約2〜10トンの圧力下で安定である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項6】
アセトニトリルから上記結晶形を結晶化させる操作を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶形の調製方法。
【請求項7】
アルモダフィニルをアセトニトリルと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
約60℃〜ほぼ還流温度の温度、より好ましくは約45℃〜60℃の温度に加熱する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ほぼ室温まで冷却する、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
約15℃〜約30℃まで冷却する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
約18℃〜約25℃まで冷却する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
約3時間〜約17時間にわたって冷却する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
上記結晶を乾燥させる操作をさらに含む、請求項6〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
真空炉の中で50℃にて4時間にわたって加熱することによって乾燥させる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
2θ=約7.0、9.3、12.2、14.4、16.2±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。
【請求項16】
2θ=約21.3、23.3、24.2、24.7、25.1±0.2°の位置に追加のピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とする、請求項15に記載の結晶形。
【請求項17】
実質的に図4に示した粉末XRDパターンを特徴とする、請求項15または16に記載の結晶形。
【請求項18】
酢酸溶媒和物である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の結晶形。
【請求項19】
酢酸から上記結晶形を結晶化させる操作を含む、請求項15〜18のいずれか1項に記載の結晶形の調製方法。
【請求項20】
アルモダフィニルを酢酸と混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
約70℃〜ほぼ還流温度の温度に加熱する、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
約75℃に加熱する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
約0℃未満の温度まで冷却する、請求項20または21に記載の方法。
【請求項24】
約-5℃〜約-20℃の温度まで冷却する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上記分離がデカンテーションまたは濾過による、請求項19〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
アルモダフィニルの結晶形Bを乾燥させる操作を含む、アルモダフィニル酢酸溶媒和の結晶の調製方法。
【請求項27】
アルモダフィニルの結晶形Bを約45℃〜約55℃に加熱する操作を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
2θ=約5.4、9.1、10.3、10.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。
【請求項29】
2θ=約12.2、21.7、22.3、23.2、27.6±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とする、請求項28に記載の結晶形。
【請求項30】
実質的に図5に示した粉末XRDパターンを特徴とする、請求項28または29に記載の結晶形。
【請求項31】
ジオキサン溶媒和物である、請求項28または29に記載の結晶形。
【請求項32】
ジオキサンから上記結晶形を結晶化させる操作を含む、請求項28〜30のいずれか1項に記載の結晶形の調製方法。
【請求項33】
アルモダフィニルをジオキサンと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
約55℃〜ほぼ還流温度の温度に加熱する、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
約0℃未満の温度まで冷却する、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
約-5℃〜約-20℃の温度まで冷却する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
上記分離がデカンテーションまたは濾過による、請求項32〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
2θ=約9.4、12.5、14.5、18.6±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。
【請求項39】
2θ=約21.7、23.7、24.8、27.8、29.0、34.1±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とする、請求項38に記載の結晶形。
【請求項40】
実質的に図6に示した粉末XRDパターンを特徴とする、請求項38または39に記載の結晶形。
【請求項41】
炭酸ジメチル溶媒和物である、請求項38または39に記載の結晶形。
【請求項42】
炭酸ジメチルから上記結晶形を結晶化させる操作を含む、請求項38〜40のいずれか1項に記載の結晶形の調製方法。
【請求項43】
アルモダフィニルを炭酸ジメチルと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
約55℃〜ほぼ還流温度の温度に加熱する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
約60℃〜約70℃の温度に加熱する、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
上記炭酸ジメチルが水との混合物である、請求項42〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
水と上記炭酸ジメチルの比が約0.95:1.15である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
水と上記炭酸ジメチルの体積比が約1:1である、請求項45または46に記載の方法。
【請求項49】
約15℃〜約30℃の温度まで冷却する、請求項42〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
上記分離がデカンテーションまたは濾過による、請求項42〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
2θ=約7.1、9.1、12.2、16.3±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。
【請求項52】
2θ=約24.4、24.6、27.4、28.8、29.9、33.8±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンをさらに特徴とする、請求項51に記載の結晶形。
【請求項53】
実質的に図7に示した粉末XRDパターンを特徴とする、請求項51または52に記載の結晶形。
【請求項54】
メチルエチルケトン溶媒和物である、請求項51または52に記載の結晶形。
【請求項55】
メチルエチルケトンから上記結晶を結晶化させる操作を含む、請求項51または52に記載の結晶形の調製方法。
【請求項56】
アルモダフィニルをメチルエチルケトンと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
約35℃〜約45の温度、より好ましくは約40℃の温度に加熱する、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
約5℃〜約-5℃の温度、より好ましくは約0℃の温度まで冷却する、請求項55〜57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
上記分離がデカンテーションまたは濾過による、請求項55〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
上記いずれかの結晶形を乾燥させるか湿潤化する操作を含む、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法。
【請求項61】
アルモダフィニルの結晶形Cを乾燥させる操作を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
上記乾燥操作が、アルモダフィニルの結晶形Cを約45℃〜約55℃の温度に加熱する操作を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
上記乾燥を約50℃の温度で実施する、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
アルモダフィニルの結晶形Dを乾燥させる操作を含む、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法。
【請求項65】
上記乾燥操作が、アルモダフィニルの結晶形Dを約50℃の温度に加熱する操作を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
アルモダフィニルの結晶形Aを、約20℃〜約40℃の温度で相対湿度100%に曝露する操作を含む、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法。
【請求項67】
上記曝露が約7日間〜約14日の期間にわたる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
アルモダフィニルの結晶形IVを乾燥させる操作を含む、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法。
【請求項69】
上記乾燥操作が、アルモダフィニルの結晶形IVを約120℃〜150℃の温度に加熱する操作を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
アルモダフィニルの結晶形IVに約2トン〜約10トンの圧力を加えてアルモダフィニルの結晶形Iを得る操作を含む、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法。
【請求項71】
TGAで測定したとき約25℃〜約100℃の範囲における重量損失が約0.3%であることを特徴とするアルモダフィニルの結晶形。
【請求項72】
アルモダフィニルの結晶形IVを粉砕する操作を含む、アルモダフィニルの結晶形Iの調製方法。
【請求項73】
アルモダフィニルTHF溶媒和物の結晶。
【請求項74】
2θ=約7.3、9.3、10.4、12.3、14.4、17.8、21.6、23.6、24.7±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニルTHF溶媒和物の結晶。
【請求項75】
上記アルモダフィニルTHF溶媒和物の結晶が、TGAで測定したとき約25℃〜約100℃の範囲における重量損失が39%であることを特徴とする、請求項74に記載の結晶形。
【請求項76】
THFから上記結晶を結晶化させる操作を含む、アルモダフィニルTHF溶媒和物の調製方法。
【請求項77】
アルモダフィニルをTHFと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
約55℃〜ほぼ還流温度の温度、より好ましくは約65℃の温度に加熱する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
ほぼ室温まで、より好ましくは約15℃〜約30℃の温度まで、最も好ましくは約18℃〜約25℃の温度まで冷却する、請求項76〜78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
上記分離がデカンテーションまたは濾過による、請求項76〜79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物の結晶。
【請求項82】
2θ=約7.3、9.3、10.4、12.3、14.4、17.8、21.6、23.6、24.7±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物の結晶。
【請求項83】
酢酸メチルから上記結晶を結晶化させる操作を含む、アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物の調製方法。
【請求項84】
アルモダフィニルを酢酸メチルと混合し;加熱し;冷却し;分離する操作を含む、請求項82または83に記載の方法。
【請求項85】
約50℃〜ほぼ還流温度の温度に加熱する、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
ほぼ室温まで、より好ましくは約15℃〜約30℃の温度まで、最も好ましくは約18℃〜約25℃の温度まで冷却する、請求項84または85に記載の方法。
【請求項87】
第2の冷却ステップをさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項88】
上記分離がデカンテーションまたは濾過による、請求項84に記載の方法。
【請求項89】
アルモダフィニルTHF溶媒和物を乾燥させる操作をさらに含む、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法。
【請求項90】
アルモダフィニルTHF溶媒和物を約45℃〜約55℃の温度に加熱してアルモダフィニルの結晶形IVを形成する操作を含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
アルモダフィニルの結晶形Eを乾燥させる操作を含む、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法。
【請求項92】
上記乾燥操作が、アルモダフィニルの結晶形Eを約45℃〜55℃の温度に加熱する操作を含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物を乾燥させる操作を含む、アルモダフィニルの結晶形IVの調製方法。
【請求項94】
アルモダフィニル酢酸メチル溶媒和物を約45℃〜約55℃の温度に加熱する操作を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
アルモダフィニル水和物の結晶。
【請求項96】
アルモダフィニル・ヘミ水和物の結晶。
【請求項97】
2θ=約6.8、10.5、13.5、14.2、19.2、20.2、21.1、22.5、23.7、26.2±0.2°の位置にピークを持つ粉末XRDパターンを特徴とするアルモダフィニル・ヘミ水和物の結晶。
【請求項98】
アルモダフィニルの結晶形Aを水分に曝露する操作を含む、アルモダフィニル・ヘミ水和物の調製方法。
【請求項99】
上記曝露が、約20℃〜約40℃の温度で少なくとも約7日間にわたって約100%の湿度にすることである、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
アルモダフィニル一水和物の結晶。
【請求項101】
アルモダフィニルの結晶形Iを水分に曝露する操作を含む、アルモダフィニル一水和物の調製方法。
【請求項102】
上記曝露が、約30℃〜約60℃の温度で少なくとも約7日間にわたって約100%の湿度にすることである、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
約30℃〜約40℃の温度に加熱する、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
アルモダフィニルの結晶形A、B、C、D、Eのうちの少なくとも1つの治療に有効な量と、少なくとも1種類の薬理学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項105】
上記結晶形が結晶形Aである、請求項104に記載の医薬組成物。
【請求項106】
アルモダフィニルの結晶形A、B、C、D、Eのうちの少なくとも1つと、少なくとも1種類の薬理学的に許容可能な賦形剤を混合する操作を含む、医薬組成物の調製方法。
【請求項107】
請求項104に記載の医薬組成物を利用して過眠を治療するための薬を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−173620(P2009−173620A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−67406(P2008−67406)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【分割の表示】特願2008−531455(P2008−531455)の分割
【原出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】