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アレルギー予防・治療剤および食品
説明

アレルギー予防・治療剤および食品

【課題】ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)を利用して、安全で、長期間投与・摂取可能な、アレルギー予防・治療(アレルギー反応により誘発され得る疾患の発症予防止効果も含む)剤および食品を提供する。
【解決手段】ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)、特にはホンシメジNITE P−260株の、菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)のいずれかをそのまま、あるいはその乾燥物、あるいはそれらの抽出物(例えば熱水抽出液、アルカリ溶液抽出液、有機溶媒抽出液)を含有する、アレルギー予防・治療剤および食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物やヒトにおけるアレルギーの予防・治療のための薬剤および食品に関する。本発明の薬剤および食品は、医薬品として投与することができるだけでなく、種々の形態、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)やいわゆる健康食品(いずれも飲料を含む)、または飼料として飲食物の形で与えることも可能である。さらには、口中に一時的に含むものの、そのほとんどを口中より吐き出す形態、例えば、歯磨き剤、洗口剤、チューインガム、うがい剤などの形で与えることも、あるいは鼻から吸引させる吸入剤の形で与えることも可能である。
【背景技術】
【0002】
近年、日本を初めとする先進国において、生活環境等の変化により、アレルギー疾患の罹患率は急増している(厚生省統計情報部保健福祉動向調査、1991年)。日本人の場合、3人に1人は何らかのアレルギー症状をもっているといわれており、いわゆる「国民病」として、社会的問題になっている。
【0003】
アレルギーは、外部から生体内に自己以外の物質などが異物として侵入することによって発症する免疫疾患であり、発症機序に基づき、I〜V型の5種類にタイプ分類される。すなわち、I型アレルギー反応は即時型、II型アレルギー反応は細胞傷害型、III型アレルギー反応は免疫複合体型、IV型アレルギー反応は遅延型、V型アレルギー反応は細胞刺激型といわれる。I型では気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、アナフィラキシー、食物アレルギー、蕁麻疹などが、II型では溶血性貧血やグッドパスチャー症候群、肺出血、腎炎などが、III型では血清病や膠原病(全身性エリテマトーデスや関節リウマチなど)、糸球体腎炎、過敏性肺炎などが、IV型では接触性皮膚炎や移植片拒絶反応などが、V型ではバセドウ病や重症筋無力症、I型糖尿病などが関与疾患とされている。いずれの疾患も発症に至るまでの過程は複雑・多様であり、アレルギーのトリガーが引かれてから、症状を呈するまでには、体内で様々な反応が起きる。本疾患の原因物質は主としてタンパク質であり、修飾因子は遺伝的背景や成育環境などであるが、反応の強さはアレルギー応答を調節する物質の摂取または暴露によっても影響される。
【0004】
これらアレルギー反応に由来する症状や愁訴は、患者のQOL(quality of life;生活の質)に重大な影響を及ぼすだけではなく、場合によっては致死的な転帰をたどることもある。アレルギーを予防するためには、抗原物質との接触を避けることが基本であり、低アレルゲン加工食品摂取や抗原物質注射による減感作療法も行われる。さらに、アレルゲンの速やかな同定も治療方針をたてる上で重要である。発症した場合の治療薬として、症状が軽症の時は抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬、重症の時はステロイド剤の使用が一般的である。また、ビタミン類や脂肪酸、抗酸化物質、細菌製剤の投与も試みられている。しかし、薬の効き目が個々人により異なること、製剤等の服用を中断することによる疾患の再燃、治療中に発生する副作用などが問題視されており、有効な治療若しくは予防法の開発が求められている。
【0005】
本発明者は、これらアレルギー反応を調節する方法を鋭意検討する過程で、I〜V型アレルギーの実験モデルを作成し、食用キノコ由来物質等の活性を評価したところ、ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)、特にはホンシメジNITE P−260株が、優れたアレルギー反応抑制活性を有することを見出し、本発明に至った。
【0006】
ホンシメジは、担子菌キシメジ科シメジ属に属するキノコであり、「香りマツタケ、味シメジ」と古くからいわれるように、古来より食され、副作用の心配は少ない。本キノコは稀少な菌根菌であり、菌糸体の形での増殖は可能であるが、人工栽培はできないとされていた。しかし、最近の研究で、ある条件を選べば、栽培できるような技術が報告されている。すなわち、栄養菌糸体だけでなく、子実体でも利用可能であり、産業応用上必須な量的供給には問題ない。
【0007】
なお従来、シメジ属に属するキノコを利用した技術として制癌剤を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)が、I〜V型アレルギーのどのタイプにも有効なキノコまたは成分は、本発明者が知る限りにおいて、これまで報告がされていない。
【0008】
【特許文献1】特公昭51−167号公報
【特許文献2】特公昭52−44632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、ホンシメジ、特にはNITE P−260株が、アレルギーに対し優れた予防・治療効果を有することを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明の課題は、ホンシメジ、特にはNITE P−260株、を利用したアレルギー予防・治療剤および食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)NITE P−260株を提供する。
【0012】
また本発明は、ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)またはその抽出物を含む、アレルギー予防・治療剤および食品を提供する。
【0013】
また本発明は、ホンシメジ(L. shimeji)が菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)である、上記アレルギー予防・治療剤および食品を提供する。
【0014】
また本発明は、ホンシメジ(L. shimeji)がNITE P−260株である、上記アレルギー予防・治療剤および食品を提供する。
【0015】
また本発明は、ホンシメジ(L. shimeji)がNITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)の、乾燥粉末である、上記アレルギー予防・治療剤および食品を提供する。
【0016】
また本発明は、ホンシメジ抽出物が、NITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)の、熱水抽出液、アルカリ溶液抽出液、または有機溶媒抽出液である、上記アレルギー予防・治療剤および食品を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、安全で、安定的に大量供給が可能な、アレルギー予防・治療のための薬剤および食品が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)NITE P−260株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに平成18年9月1日付で寄託したものである。このホンシメジ(L. shimeji)NITE P−260株は、福島県南会津郡にて採取したホンシメジCM502−2株から子実体組織を切り出し、試験管内で培養し、生育した菌糸を継代することにより得たものである。
【0019】
本発明のホンシメジNITE P−260株の子実体の形態は、今関六也・本郷次雄編の「原色日本新菌類図鑑(1)」、保育社(大阪)、昭和62年発行、プレート(Plate)9および58頁記載のホンシメジ子実体に合致するものであった。
【0020】
本発明のホンシメジNITE P−260株の継代は、ペプトン・デキストロース・イースト(以下、PDY)寒天斜面培地で実施することができ、現在、株式会社クレハ・生物医学研究所にて維持されている。前記菌株の菌糸体を大量培養する場合には、液体培地に本菌を接種し、例えば、静置培養、振盪培養、またはタンク培養により実施することができる。また、固形培地に接種し、静置培養により子実体を形成させることもできる。
【0021】
本発明のホンシメジNITE P−260株の菌糸体をPDY寒天平板培地に接種すると、白色の菌糸が放射状に密に生育し、比較的大きなコロニーを形成する。また、走査型電子顕微鏡観察では、後述のように、太さ2〜3μmの枝状の菌糸が無数に存在し、担子菌類特有のループ状のクランプ構造の存在を認める。
【0022】
以下、本発明のホンシメジNITE P−260株の分類学的性質について記載する。
【0023】
〔本発明菌株の培養的・形態的性質〕
(1)麦芽エキス寒天培地での生育状態
麦芽エキス寒天(Malt Extract Agar)(OXOID Ltd.、英国)50gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注して麦芽エキス寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始15日目のコロニーの肉眼観察では、白色の菌糸がマット状に密に伸長し、コロニー裏面はほとんど着色しなかった。培養開始10日目および15日目のコロニー径は56±3mm、77±2mmに達し、培養開始20日目にはコロニーは内径約83mmのシャーレ全体を覆っていた。
【0024】
(2)ポテト・グルコース寒天培地での生育状態
ポテト・デキストロース寒天培地「ダイゴ」(日水製薬(株))39gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してポテト・グルコース寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始15日目の観察では、白色菌糸が放射状に伸長、コロニー裏面はほとんど着色しなかったが、コロニーの厚さは上記(1)におけるコロニーに比べると薄かった。培養開始10日目および15日目のコロニー径は40±5mm、69±1mmに達し、培養開始20日目にはコロニーは内径約83mmのシャーレ全体を覆っていた。
【0025】
(3)ツァペック寒天培地での生育状態
ディフコ・ツァペック溶液寒天(DifcoTM Czapek Solution Agar)(Becton Dickinson and Company,米国)49gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してツァぺック寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始15日目の観察では、気菌糸は極めて少なく、白色菌糸がかろうじて判別できる程度に樹状に希薄に伸長、コロニー裏面の中心部はほとんど着色しなかった。培養開始10日目および15日目のコロニー径は38±3mmおよび63±3mmであり、培養開始20日目にはコロニーは約83mmのシャーレ先端部に達していた。
【0026】
(4)サブロー寒天培地での生育状態
サブロー寒天培地「ニッスイ」顆粒(日水製薬(株))65gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してサブロー寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始20日目の観察では、白色菌糸が放射状で比較的密に伸長、コロニー裏面はほとんど着色しなかった。培養開始10日目、15日目および20日目のコロニー径は、それぞれ、30±5mm、58±3mmおよび66±4mmであった。
【0027】
(5)オートミール寒天培地での生育状態
ディフコ・オートミール寒天(DifcoTM Oat Meal Agar)(Becton Dickinson and Company,米国)72.5gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してオートミール寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始15日目の観察では、白色菌糸がマット状に密に伸長、コロニー裏面はほとんど着色しなかった。培養10日目および15日目のコロニー径は53±6mmおよび83±1mmに達し、培養開始20日目にはコロニーは内径約83mmのシャーレ全体を覆っていた。
【0028】
(6)合成ムコール寒天培地での生育状態
グルコース40g、アスパラギン2.0g、リン酸一カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水塩0.025g、チアミン塩酸塩0.5mgおよび寒天15gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注して合成ムコール寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始20日目の観察では、白色菌糸が放射状、やや希薄に伸長、コロニー裏面はほとんど着色しなかった。培養10日目および15日目のコロニー径は18±3mmおよび33±6mmであり、培養開始20日目には47±12mmに達した。
【0029】
(7)YpSs寒天培地での生育状態
可溶性デンプン15g、酵母エキス4g、リン酸二カリウム1g、硫酸マグネシウム・7水塩0.5gおよび寒天15gを蒸留水1Lに溶解、pHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してYpSs寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始20日目の観察では、白色の菌糸が放射状に伸長、コロニー裏面はほとんど着色しなかった。コロニーの厚さは上記(1)や(2)でのコロニーに比べると明らかに薄かった。培養10日目および15日目のコロニー径は15±5mmおよび58±6mmであり、培養開始20日目には80±2mmに達した。
【0030】
(8)グルコース・ドライイースト寒天培地での生育状態
グルコース10g、乾燥酵母(エビオス錠、アサヒフードアンドヘルスケア(株))5g、リン酸二カリウム1g、硫酸マグネシウム・7水塩0.5gおよび寒天15gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してグルコース・ドライイースト寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始20日目の観察では、白色の菌糸が放射状にやや希薄に伸長、コロニー裏面はほとんど着色しなかった。培養10日目および15日目のコロニー径は40±4mmおよび65±5mmに達し、培養開始20日目にはコロニーは内径約83mmのシャーレ全体を覆っていた。
【0031】
(9)コーンミール寒天培地での生育状態
コーンミール寒天(Corn Meal Agar)(シグマアルドリッチ社)17gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してコーンミール寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。培養開始20日目の観察では、白色の菌糸が放射状、やや希薄に伸長、コロニー裏面はほとんど着色しなかった。培養開始10日目および15日目のコロニー径は32±4mmおよび57±2mmであり、培養20日目には81±1mmに達した。
【0032】
(10)PDY寒天平板で生育した菌糸の形態
グルコース20g、ポリペプトン2g、酵母エキス2g、硫酸マグネシウム・7水塩0.5g、リン酸一カリウム0.5gおよび寒天20gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してPDY寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中央部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器中で14日間培養した。培養終了後、ニードルを用いて、寒天平板上に生育したコロニーの一部をサンプリングした。このサンプリングしたものを試料とし、これをOCTコンパウンド(凍結用包埋剤)を塗布した試料台に載せ、フィールドエミッションSEM専用装置ALTOA2500(オックスフォード・インストゥルメンツ(株))を用い、添付マニュアルに準じてサンプル調製した。すなわち、スラッシュ・チャンバー内に液体窒素を入れて減圧状態にすることにより、スラッシュ窒素を作製した。次に、交換棒に上記試料を取り付け、チャンバー内のスラッシュ窒素に入れて凍結させた後、プレパレーション・チャンバーに取り付けた。−95℃にて付着水分を昇華させた後、金属蒸着を行った。そして、走査型電子顕微鏡JSM−7401(日本電子(株))を用いて、処理試料の表面状態を観察した。
【0033】
上記顕微鏡写真を図1〜2に示す。図1は撮影倍率1,000倍、図2は撮影倍率5,000倍で図1の部分拡大写真である。いずれも加速電圧2.0kVで撮影した。図1〜2に示す顕微鏡写真から明らかなように、本発明菌株のコロニー表面には、太さ2〜3μmの菌糸およびループ状のクランプが観察された。この構造は菌糸の隔壁部にある突起であり、担子菌に特有のものである。なお、表面に付着している球形物質は、菌糸付着の水分が凍結したものである。
【0034】
〔本発明菌株の生理学的性質〕
(1)最適生育条件および生育の範囲(温度、pH)
グルコース20g、ポリペプトン2g、酵母エキス2g、硫酸マグネシウム・7水塩0.5g、リン酸一カリウム0.5gおよび寒天20gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してペプトン・デキストロース・イースト寒天平板(以下、PGY寒天平板)を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃および35℃の恒温器中で培養し、経時的にコロニー径を測定した(各培養温度:n=3)。結果を表1に示す。
【0035】
表1の結果から明らかなように、ホンシメジNITE P−260株は10〜30℃の範囲で増殖し、最適生育温度は20〜25℃であった。
【0036】
【表1】

【0037】
次に、グルコース20g、ポリペプトン2g、酵母エキス2g、硫酸マグネシウム・7水塩0.5gおよびリン酸一カリウム0.5gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整した。100mL容フラスコに上記液(培地)を20mLずつ分注後、121℃、20分間の滅菌処置を行った。ホンシメジNITE P−260株をフラスコ内の上記培地に接種し、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃および35℃の恒温器中で培養、21日目に内容物を取り出し、濾過により菌体を分離、蒸留水にて洗浄した後、凍結乾燥して乾燥質量を測定した(各培養温度:n=3)。結果を表2に示す。
【0038】
表2の結果から明らかなように、菌体質量を指標とした場合でも、ホンシメジNITE P−260株の生育温度は5〜30℃であり、最適生育温度は20〜25℃であることが確認できた。
【0039】
【表2】

【0040】
次に、蒸留水100mLに、グルコース2.0g、ポリペプトン0.2g、酵母エキス0.2g、硫酸マグネシウム・7水塩0.05gおよびリン酸一カリウム0.05gを加えて溶解させた後、1N塩酸または1N水酸化ナトリウム溶液にて培地のpHを下記表3に示す値にそれぞれ調整した。100mL容フラスコにpH調整済み培地を20mLずつ分注後、121℃、20分間の滅菌処置を行った。ホンシメジNITE P−260株をフラスコに接種し、25℃の恒温器中で培養、20日目に内容物を取り出し、濾過により菌体を分離、蒸留水にてよく洗浄した後、凍結乾燥して乾燥質量を測定した(各培地pH:n=3)。結果を表3に示す。
【0041】
表3の結果から明らかなように、ホンシメジNITE P−260株の生育限界はpH4.0〜10.0の範囲にあり、最適生育pHは6.5付近であった。
【0042】
【表3】

【0043】
(2)フェノールオキシダーゼ反応検定用培地での生育
麦芽エキス寒天(Malt Extract Agar)5.0g、タンニンン酸0.5gおよび没食子酸0.5gに蒸留水100mLを加え、液のpHを6.1に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してフェノールオキシダーゼ反応検定用寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近の培地にホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。
【0044】
培養開始5日目および10日目の観察では、気菌糸の生育はほとんどみられず、シャーレ裏面の褐変域は径18±3mmおよび20±3mmであった。培養開始20日目、褐変域の径は43±7mmに達したが、菌糸の生育は極めて遅かった。
【0045】
次に、ポテト・デキストロース寒天培地「ダイゴ」3.9g、タンニン酸0.5gおよび没食子酸0.5gに蒸留水1Lを加え、液のpHを5.5に調整して121℃、20分間の滅菌後、当該液を無菌シャーレに約15mLずつ分注してフェノールオキシダーゼ反応検定用寒天平板を作成した。本シャーレを室温に放置して寒天を固化させた後、シャーレ中心部付近の培地にホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器で培養した。
【0046】
培養開始10日目および15日目の観察では、気菌糸の生育は不良で、シャーレ裏面の褐変域は径8±3mmおよび10±1mmであった。
【0047】
(3)栄養要求性
滅菌処理した菌根菌用合成培地(Ohta,”Trans. Mycol. Soc. Jpn.”,31,323,1990)10mLの入った100mL容三角フラスコに、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器中で培養し、40日目にフラスコから菌体を取り出し、蒸留水でよく洗浄した後に乾燥させ、質量を測定したところ、菌体672±13mgが得られた。
【0048】
前記菌根菌用合成培地中の炭素(C)源であるグルコースの代わりに、6種類の糖質関連物質のいずれか1つを加えた各培地に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器中で培養し、培養終了後、菌体質量を測定した。糖質関連物質の添加量はグルコースの炭素相当量になるように設定した。
【0049】
その結果、菌体質量が多かった糖質関連物質から菌体質量が少なかった糖質関連物質を順に示せば、以下の通りである。
【0050】
デンプン>グルコース>フラクトース>トレハロース>スクロース>マルトース>マンニトール。
【0051】
すなわち、ホンシメジNITE P−260株はデンプン、グルコース、フラクトース、トレハロースを添加した培地で良好な生育を示したが、糖アルコールの資化能力は低かった。
【0052】
次に、前記培地中の窒素(N)源である酒石酸アンモニウムの代わりに、9種類の窒素関連物質のいずれか1つを加えた各培地に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器中で培養し、培養終了後、菌体質量を測定した。なお、窒素関連物質の添加量は酒石酸アンモニウムの窒素相当量になるように設定した。
【0053】
その結果、菌体質量が多かった窒素関連物質から菌体質量が少なかった窒素関連物質を順に示せば、以下の通りである。
【0054】
コーンスティープリカー>ポリペプトン>酵母エキス>カザミノ酸>硫酸アンモニウム>酒石酸アンモニウム>硝酸アンモニウム>炭酸アンモニウム>塩化アンモニウム>硝酸カリウム。
【0055】
すなわち、ホンシメジNITE P−260株は有機態窒素を添加した培地で良好な生育を示したが、無機態窒素の資化能力は劣っていた。
【0056】
さらに、前記合成培地に、特定のミネラル1〜10mg/Lをさらに追加した培地に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器中で培養し、培養終了後、菌体質量を測定した。
【0057】
その結果、供試ミネラル5種類のうち、硫酸コバルト・7水塩、硫酸ニッケル・6水塩および硫酸銅・7水塩を追加した実験群で、菌体質量は対照群に比べて明らかに増加した。
【0058】
一方、前記合成培地に、特定のビタミンをさらに追加した培地に、ホンシメジNITE P−260株を接種し、25℃の恒温器中で培養し、培養終了後、菌体質量を測定したところ、供試ビタミン8種類のうち、培地に葉酸を追加した実験群で、菌体質量は明らかに増加した。
【0059】
すなわち、コバルト、ニッケル、銅および葉酸はホンシメジNITE P−260株の増殖を促進する成分と考えられる。
【0060】
〔対峙培養による帯線生成の有無観察〕
ホンシメジNITE P−260株と、財団法人発酵研究所から分譲を受けたホンシメジの標準菌株(IFO8335、IFO32187、IFO32188、IFO32189)との異同について、寒天培地上で対峙培養を行うことにより調べた。
【0061】
すなわち、PGY寒天平板の中央部付近に、径約6mmのホンシメジNITE P−260株の菌ブロックと供試菌株の菌ブロックを2cm間隔で対峙して接種し、25℃の恒温器中で培養した。培養開始13日後、両コロニーの境界部に帯線が生じるか否かを判定した。併せて供試菌株どうしでの対峙培養も行った。結果を表4に示す。
【0062】
表4に示す結果から明らかなように、ホンシメジNITE P−260株はすべての供試菌株と拮抗し、寒天平板上に帯線が生じたことから、新規菌株であることは明らかである。
【0063】
【表4】

【0064】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品は、有効成分として、ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)またはその抽出物を含む。
【0065】
ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)は、菌糸体、培養物(Broth)、子実体のいずれの形態のものも用いることができ、生でも乾燥したものでもよい。本発明では子実体は胞子も含むものとする。これら菌糸体、培養物(Broth)、子実体の抽出物も用いることができる。
【0066】
本発明では特に上記したホンシメジNITE P−260株が好ましく用いられる。具体的には、(i)ホンシメジNITE P−260株〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体〕、(ii)ホンシメジNITE P−260株の有機溶媒可溶性画分〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体のクロロホルム・メタノール混合液抽出画分〕、(iii)ホンシメジNITE P−260株の熱水抽出画分〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体の熱水抽出画分〕、および(iv)ホンシメジNITE P−260株のアルカリ溶液抽出画分〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体のアルカリ溶液抽出画分〕等の態様が好ましく例示される。ただしこれら例示に限定されるものでない。
【0067】
(i)ホンシメジNITE P−260株
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品における有効成分として好適に用いられるホンシメジNITE P−260株の菌糸体としては、例えば、培養により得られる菌糸体(すなわち培養菌糸体)と培地との混合物から適当な除去手段(例えば、濾過)により培地を除去しただけの状態で使用することもできるし、あるいは、培地を除去した後の菌糸体から適当な除去手段(例えば、凍結乾燥)により水分を除去した菌糸体乾燥物の状態で使用することもでき、さらには前記菌糸体乾燥物を粉砕した菌糸体乾燥物粉末の状態で使用することもできる。
【0068】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品における有効成分として好適に用いられるホンシメジNITE P−260株の培養物(Broth)としては、例えば、培養により得られる菌糸体(すなわち培養菌糸体)または子実体(すなわち培養子実体)と培地との混合物の状態で使用することもできるし、あるいは、前記混合物から適当な除去手段(例えば、凍結乾燥や熱風乾燥)により水分を除去した培養物(Broth)乾燥物の状態で使用することもでき、さらには前記培養物(Broth)乾燥物を粉砕した培養物(Broth)乾燥物粉末の状態で使用することもできる。なお培養工程は、特に限定されるものでなく、一般にホンシメジ菌を培養する方法を任意に用いることができる。
【0069】
培養工程は公知の方法で行うことができる。例えば静置培養では、ホンシメジ菌を固形培地または液体培地で培養または保存したもの(ホンシメジ菌含有培養液)を、液体培地に接種する。該静置液体培養での培養温度は15〜30℃が好ましく、より好ましくは20〜25度である。培養期間は10〜60日間程度が好ましく、より好ましくは20〜40日間程度である。静置液体培養では通常100mL〜2L容の三角フラスコを用いて行う。
【0070】
また、振盪培養では通常300mL〜5L容の三角フラスコを用いて行う。振盪培養では、培養温度は15〜30℃が好ましく、より好ましくは20〜25℃である。培養期間は7〜28日間程度が好ましく、より好ましくは10〜14日間程度である。振盪培養ではフラスコを35〜200rpmの回転数で振盪させるのが好ましい。
【0071】
菌床栽培では、例えば、広葉樹おがこと、精麦済み粒状の大麦に、カリウムや鉄などを主成分とする無機栄養成分を添加した培地を用い、20〜25℃で菌糸培養を行い、菌糸が培地全体に蔓延した頃(接種してから約40〜50日後)、ピートや鹿沼土を用いて、培地上に厚さ1cm位の覆土を施し、さらに7〜10日間培養した後、室温を15℃近辺にすると、約1ヶ月位で子実体を収穫することができる。また、培養期間中、適宜の湿度調整や光照射により、子実体形成を促進させることができる。
【0072】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品における有効成分として好適に用いられるホンシメジNITE P−260株の子実体としては、例えば、子実体をそのままで、または子実体を破砕した状態で使用することもできるし、あるいは、子実体から適当な除去手段(例えば、凍結乾燥)により水分を除去した子実体乾燥物の状態で使用することもでき、さらには、前記子実体乾燥物を粉砕した子実体乾燥物粉末の状態で使用することもできる。
【0073】
(ii)ホンシメジNITE P−260株の有機溶媒可溶性画分(=有機溶媒抽出液)
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品における有効成分として好適に用いられるホンシメジNITE P−260株の有機溶媒抽出液は、例えば、培養により得られるホンシメジNITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体を、有機溶媒で抽出することにより得ることができる。
【0074】
抽出に用いる有機溶媒は、ホンシメジNITE P−260株に含有される抗アレルギー作用を示す成分を抽出できる溶媒である限り、特に限定されるものではなく、例えば、脂溶性有機溶媒(例えば、クロロホルム、メタノール、エーテル、エタノール、酢酸エチルまたはヘキサン)またはそれらの混合物(例えば、クロロホルムとメタノールとの混合液)を用いることができる。なかでもクロロホルムとメタノールとの混合液が好ましい。
【0075】
有機溶媒としてクロロホルムとメタノールとの混合液を使用する場合には、その混合比〔クロロホル:メタノール(v/v)〕は、例えば、10:1〜1:10であることができる。
【0076】
有機溶媒抽出は、15〜30℃の温度で実施することが好ましい。また、抽出の際には、抽出効率が向上するように、攪拌または振盪しながら実施することが好ましい。抽出時間は特に限定されるものでなく、ホンシメジの状態(子実体、菌糸体または培養物のいずれかの状態であるか、あるいは、破砕物または粉体の状態に加工した場合にはその加工状態、など)、有機溶媒の種類・温度、攪拌・振盪の有無等、実施条件に応じて適宜決定することができるが、通常0.25〜3時間程度であり、0.5〜1.5時間程度が好ましい。
【0077】
得られた有機溶媒抽出画分は、例えば、不溶物が混在する状態でそのまま、あるいは、不溶物を除去した抽出液の状態で、さらには、適当な処理(例えば、濃縮若しくは希釈、乾燥または再溶解)を施した状態で、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の有効成分として用いることができる。
【0078】
なお、有機溶媒としてクロロホルムとメタノールとの混合液を使用する場合には、有機溶媒抽出を実施することにより、水層、中間層およびクロロホルム/メタノール混合層とが形成される。この場合、クロロホルム/メタノール混合層単独、あるいは、中間層とクロロホルム/メタノール混合層との混合物(すなわち、非水層)を、ホンシメジの有機溶媒抽出画分として使用することができる。
【0079】
(iii)ホンシメジNITE P−260株の熱水抽出画分(=熱水抽出液)
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品における有効成分として好適に用いられるホンシメジNITE P−260株の熱水抽出液は、例えば、培養により得られるホンシメジNITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体を、熱水で抽出することにより得ることができる。
【0080】
抽出に用いる熱水の温度は、ホンシメジNITE P−260株に含有される抗アレルギー作用を示す成分が、活性を失わない状態で、熱水抽出液中に充分抽出されることのできる温度である限り、特に限定されるものではないが、60〜100℃程度が好ましく、80〜98℃程度がより好ましい。
【0081】
菌糸体または子実体を熱水抽出に用いる場合には、抽出効率が向上するように、粉砕物または粉末の状態に加工することが好ましい。
【0082】
また、抽出の際には、抽出効率が向上するように、撹拌または振盪しながら実施することが好ましい。抽出時間は、例えば、ホンシメジの状態(子実体、菌糸体または培養物のいずれかの状態であるか、あるいは、破砕物または粉体の状態に加工した場合にはその加工状態、など)、熱水の温度、攪拌若しくは振盪の有無等、実施の条件に応じて適宜決定することができるが、通常1〜6時間程度であり、2〜3時間程度が好ましい。
【0083】
得られた熱水抽出液は、不溶物が混在する状態で、そのまま、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の有効成分として用いることもできるし、あるいは、不溶物を除去してから、あるいは、不溶物を除去し、さらに、抽出液中の低分子画分を除去してから、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の有効成分として用いることもできる。例えば、不溶物が混在する熱水抽出液を遠心分離することにより不溶物を除去し、得られる上清のみを、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の有効成分として用いることができる。あるいは、不溶物が混在する熱水抽出液を遠心分離して得られる前記上清を透析し、低分子画分(好ましくは分子量3500以下の画分)を除去してから、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の有効成分として用いることができる。
【0084】
(iv)ホンシメジNITE P−260株のアルカリ液抽出画分(=アルカリ液抽出液)
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品における有効成分であるホンシメジNITE P−260株のアルカリ溶液抽出液の製法は、例えば、上述したホンシメジNITE P−260株の熱水抽出液の製造方法に準じた方法により実施することができる。すなわち、熱水の代わりにアルカリ溶液を用いること以外は、ホンシメジNITE P−260株の熱水抽出液の前記製造方法と同様の方法により調製することができる。例えば、培養により得られるホンシメジNITE P−260株の菌糸体(すなわち、培養菌糸体)、培養物(Broth)、または子実体を、アルカリ溶液で抽出することにより得ることができる。
【0085】
アルカリ溶液抽出に用いるアルカリ溶液としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)の水酸化物、特には水酸化ナトリウムの水溶液を用いることができる。アルカリ溶液のpHは8〜13が好ましく、9〜12がより好ましい。アルカリ溶液抽出は、0〜30℃程度で実施するのが好ましく、0〜25℃程度がより好ましい。抽出時間は、例えば、菌糸体残渣の状態(例えば、破砕物または粉体の状態に加工した場合にはその加工状態)、アルカリ溶液のpH若しくは温度、または攪拌若しくは振盪の有無若しくは条件に応じて、適宜決定することができるが、通常30分間〜5時間程度であり、1〜3時間程度が好ましい。得られたアルカリ溶液抽出液は、そのまま、あるいは所望により中和処理を実施してから、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の有効成分として用いる。
【0086】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品は、有効成分であるホンシメジ、特にはホンシメジNITE P−260株〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体〕、ホンシメジNITE P−260株の有機溶媒可溶性画分〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体のクロロホルム・メタノール混合液抽出画分〕、ホンシメジNITE P−260株の熱水抽出液〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体の熱水抽出液〕、あるいは、ホンシメジNITE P−260株のアルカリ溶液抽出液〔例えば、当該株の菌糸体、培養物(Broth)、または子実体のアルカリ溶液抽出液〕を、単独で、あるいは所望により薬学的に許容し得る担体とともに、動物、好ましくは哺乳動物(特にはヒト)に投与することができる。上記有効成分はいずれもアレルギー症状に対する予防若しくは治療活性を有する。
【0087】
本発明において「アレルギー予防・治療」とは、動物やヒトなどにおいて、アレルギー反応により生じる疾患の発症の予防、アレルギー反応により生じる疾患の発症後(病的状態)の治療を意味するが、アレルギー反応により生じる疾患の発症を遅延・抑制せしめる効果も含む。またアレルギー反応により生じる疾患により誘発され得る疾患の発症防止効果(アレルギー反応により生じる疾患に付随して発生する各種症状の防止)も含む。したがって、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の投与・摂取時期は、特に限定されるものではないが、日常的に継続投与・摂取するのが好ましい。
【0088】
アレルギー反応により生じる疾患の種類や症状は多種多様であるが、後述の実施例に示すように、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品はアレルギー反応のタイプI〜V型のいずれにも有効なことから、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品は、単に特定症状・疾患に対してだけでなく、アレルギー誘発症状全般に対して有効性が見込まれる。
【0089】
本発明の対象となる具体的疾患として、アナフィラキシーショック、気管支喘息、花粉症、蕁麻疹、枯草熱、アレルギー性鼻炎、アレルギー性胃腸症、アレルギー性口内炎、アレルギー性紫斑病、アレルギー性肉芽腫、自己免疫性溶血性貧血、胎児赤芽球症、薬物による溶血性貧血、橋本甲状腺炎、血小板減少性紫斑病、顆粒細胞減少症、血清病、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、肺好酸球増多症、アレルギー性肺胞炎、肺結核、接触皮膚炎、全身性エリテマトーデス、PN型血管炎などが挙げられる。
【0090】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の投与時期は、その投与によりアレルギー反応が抑制可能である限り、特に限定されるものではなく、例えば、予防的投与、治療的投与、治療後の再発予防的投与が可能である。
【0091】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品の投与・摂取剤型としては特に限定されるものでなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、または注射剤、外用液剤、軟膏剤、座剤、局所投与のクリーム、点眼薬などの非経口剤を挙げることができる。
【0092】
経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、デンプンコーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、または合成ケイ酸アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、または酸化防止剤等を用いて、常法により製造することができる。
【0093】
非経口投与方法としては、注射(皮下、静脈内など)等が例示される。なかでも注射剤が最も好適に用いられる。
【0094】
例えば、注射剤の調製においては、有効成分の他に生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、または乳化剤などを任意に用いることができる。
【0095】
また、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本発明のアレルギー予防・治療剤および食品をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療すべき組織中に外科的に移植することができる。
【0096】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品は、これに限定されるものではないが、ホンシメジNITE P−260株あるいはその抽出物(例えば、当該株の、有機溶媒抽出液、熱水抽出液、アルカリ溶液抽出液)等の有効成分を0.01〜99質量%、好ましくは0.1〜80質量%の量で含有することができる。
【0097】
本発明のアレルギー予防・治療剤および食品を用いる場合の投与・摂取量は、被投与者の年齢、性別、体重、または投与・摂取方法などに応じて適宜決定することができ、経口的にまた非経口的に投与・摂取することが可能である。
【0098】
また、投与・摂取形態も医薬品に限定されるものではなく、種々の形態、例えば、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)やいわゆる健康食品(いずれも飲料を含む)、または飼料として飲食物の形で与えることも可能である。さらには、口中に一時的に含むものの、そのほとんどを口中より吐き出す形態、例えば、歯磨き剤、洗口剤、チューインガム、うがい剤などの形で与えることも、あるいは鼻から吸引させる吸入剤の形で与えることも可能である。例えば、ホンシメジNITE P−260株あるいはその抽出物(例えば、当該株の、有機溶媒抽出液、熱水抽出液、アルカリ溶液抽出液)等の有効成分を、添加剤(食品添加剤など)として、所望の食品(飲料を含む)、飼料、歯磨剤、洗口剤、チューインガム、またはうがい剤等に添加することができる。
【0099】
なお、上記において、特定保健用食品は、その食品が持つ健康機能の表示が認められる食品(食品ごとに厚生労働省の許可を必要とする)をいい、栄養機能食品は栄養成分の機能を明記できる食品(厚生労働省が作成した規格基準を満たす必要あり)をいい、いわゆる健康食品とは上記保健機能食品以外の食品一般を広く意味するもので、健康補助食品等を含むものである。
【実施例】
【0100】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例によってなんら限定されるものでない。
【0101】
(実施例1)
[天然由来ホンシメジ子実体の粉末、および該子実体抽出画分の調製]
福島県南会津郡で採取したホンシメジCM502−2株〔=ホンシメジNITE P−260株〕の子実体1,050gを軽く水洗した後、凍結乾燥し、得られた乾燥物を粉砕、メッシュを通して粉末92gを得た(なお、本子実体組織の一部は無菌状態で切り出し、試験管内で培養して菌糸継代株樹立に用いた)。
【0102】
上記子実体粉末1.0gを、300mL容のビーカーに入れ、次いでクロロホルムとメタノールとの混合液(2:1、v/v。以下、「ChMe液」と記す)50mLを加え、25℃で1時間攪拌抽出した。この操作を3回繰り返した後、水層部、中間層、およびChMe液層をそれぞれ回収した。ChMe液層と中間層とを合わせ(「非水層」)、ロータリーエバポレーターを用いて乾固し、乾固物0.55g(以下、「天然子実体抽出画分」と記す)を得た。
【0103】
(実施例2)
[菌床栽培由来ホンシメジ子実体の培養物、および該子実体抽出画分の調製]
ホンシメジCM502−2株の菌床栽培は、吉田らの方法に準じた(吉田ら、日菌報、日本菌学会、1994年、第35巻、192頁)。すなわち、可溶性デンプン100g、グルコース25g、ペクチン1g、酵母エキス3g、リン酸一カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水塩0.5g、チアミン塩酸塩1.0mgおよび炭酸カルシウム5gに蒸留水1000mLを加えた後、活性炭粉末5gを加え、均一に分散するようによく攪拌した。
【0104】
ピートモスを充填した市販のフィルター付菌床栽培袋に、ピートモス0.16g/培地mLになるように上記培地を加え、中央部に径1.5cmの穴をあけた後、121℃、75分間の滅菌処理を施した。滅菌済み培養基の水分含量は84〜65%、pHは5.5であった。
【0105】
この培養基に、株式会社クレハ・生物医学研究所で樹立および維持しているホンシメジCM502−2株菌糸体を接種し、23℃、湿度75%に調整した恒温器内で、遮光下、3ヶ月間培養して菌糸を生育・熟成させた。次に、温度17℃、湿度90%に調整した培養器に上記培養基を移し、約50ルクスの白色蛍光灯を照射したところ、20日目頃から子実体原基が生じ、30日頃から子実体が発生した。培養開始35日目の成熟子実体収量は41.1g湿質量/培地mLであった。
【0106】
培養終了後、子実体を分離し、蒸留水で充分に洗浄した後、凍結乾燥した。得られた乾燥物を粉砕、メッシュを通して粉末3.29gを得た。さらに、実施例1と同様にして有機溶媒抽出(ChMe液抽出)を行い、回収した中間層とChMe液層とを合わせ(「非水層」)、ロータリーエバポレーターを用いて乾固し、乾固物0.19g(以下、「菌床栽培子実体由来抽出画分」と記す)を得た。
【0107】
(実施例3)
[静置培養菌糸体の培養物、および該菌糸体抽出画分の調製]
株式会社クレハ・生物医学研究所で樹立および維持しているホンシメジCM502−2株菌糸体を滅菌済み培地(3%グルコース、0.2%麦芽エキス、0.75%酵母エキス、pH6.5)100mLの入った500mL容三角フラスコ20本に接種し、25℃の恒温器中で21日間静置培養を行った。培養終了後、濾紙濾過により菌糸体を分離し、蒸留水で充分に洗浄した後、凍結乾燥した。得られた乾燥物を粉砕、メッシュを通して粉末6.50gを得た。
【0108】
実施例1と同様の方法で、上記菌糸体粉末1.0gを、300mL容のビーカーに入れ、次いでChMe液50mLを加え、25℃で1時間攪拌抽出した。この操作を3回繰り返した後、水層部、中間層、およびChMe液層をそれぞれ回収した。ChMe液層と中間層とを合わせ(「非水層」)、ロータリーエバポレーターを用いて乾固し、乾固物0.32g(以下、「静置菌糸体抽出画分」と記す)を得た。
【0109】
(実施例4)
[振盪培養由来ホンシメジ菌糸体の培養物、および該菌糸体抽出画分の調製]
株式会社クレハ・生物医学研究所で樹立および維持しているホンシメジCM502−2株菌糸体を滅菌済み培地(3%グルコース、0.2%麦芽エキス、0.75%酵母エキス、pH6.5)100mLの入った500mL容三角フラスコ20本に接種し、22℃で250rpmの振盪培養機で3週間培養を行った。培養終了後、培養物(Broth)を濾紙濾過により、菌糸体を分離し、蒸留水で充分に洗浄した後、凍結乾燥した。得られた乾燥物を粉砕、メッシュを通して粉末8.50gを得た。
【0110】
実施例1と同様の方法で、上記菌糸体粉末1.0gを、300mL容のビーカーに入れ、次いでChMe液50mLを加え、25℃で1時間攪拌抽出した。この操作を3回繰り返した後、水層部、中間層、およびChMe液層をそれぞれ回収した。ChMe液層と中間層とを合わせ(「非水層」)、ロータリーエバポレーターを用いて乾固し、乾固物0.41g(以下、「菌糸体抽出画分」と記す)を得た。
【0111】
(実施例5)
[ジャーファメンター培養由来ホンシメジ菌糸体の培養物、および該菌糸体抽出画分の調製]
株式会社クレハ・生物医学研究所で樹立および維持しているホンシメジCM502−2株菌糸体を滅菌済み培地(3%グルコース、0.2%麦芽エキス、0.75%酵母エキス、pH6.5)100mLの入った500mL容三角フラスコ20本に接種し、22℃で250rpmの振盪培養機で2週間培養を行った。得られた培養物(Broth)から菌糸体ペレットを回収し、滅菌蒸留水で洗浄後、ホモゲナイザー処理によりペレットを軽く解砕したものを種菌懸濁液とした。また、グルコース30gおよび酵母エキス3gを蒸留水1000mLに溶解し、塩酸にて液のpHを5.5に調整後、当該液を121℃、20分間の滅菌処理したものを培地とした。
【0112】
培養装置として「サクラ・バイオリアクターTBR−1」(サクラ精機(株))を用い、2L容培養用ポットおよび付属部品を121℃、20分間の滅菌処理した後、培養システムを組み立てた。培養用ポットに培地1Lを入れた後、エタノール火炎下、導入口の部分から種菌懸濁液をポット容器に入れた。空気導入用滅菌フィルター口に空気導入管を接続し、容器内に滅菌空気を導入、空気排出口のシリコン栓を抜き取った。培地温度を24℃、攪拌速度を200rpm、通気量を0.6〜0.9L/minとし、14日間培養した。
【0113】
培養終了後、濾紙濾過により菌糸体を分離し、蒸留水で充分に洗浄した後、凍結乾燥した。得られた乾燥物を粉砕、メッシュを通して粉末5.16gを得た。この粉末5.0gに蒸留水500mLを加え、98℃の湯浴下、2時間の攪拌抽出を行い、室温まで冷却した後に8,000rpmで30分間遠心分離して上清1を得た。残渣に蒸留水500mLを加え同様の操作を行い、上清2を得た。次に、残渣に0.1N水酸化ナトリウム溶液500mLを加え、25℃で1時間攪拌抽出を行った後、遠心分離して上清3を得た。
【0114】
塩酸にて、上清3のpHを7.0に調整した後、上清1および上清2と混合し、透析膜チューブ(分画分子量:約8,000)に入れて流水中で48時間透析した。透析終了後、透析内液を回収、ロータリーエバポレーターを用いて約200mLまでに濃縮し、凍結乾燥したところ、粉末853mgを得た。
【0115】
(実施例6)
[I型アレルギーに対する作用の検討−1]
I型アレルギーは抗原刺激後数秒から数分で起こる免疫反応である。抗原感作によりIgE抗体が産生されると、IgEはマスト細胞や好塩基性白血球膜上のFcεRI(高親和性IgE受容体)に結合する。曝露抗原が細胞膜に結合しているIgEに結合すると、それらの細胞からヒスタミンやセロトニン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出され、血管の透過性が亢進し、平滑筋の強い収縮が起こり、発疹、嘔吐、くしゃみ、ふるえ、腹痛、下痢、呼吸困難などの症状を呈し、場合によっては死に至る。そこで、能動的全身アナフィラキシーを指標として、ラットのI型アレルギーモデルに対するCM502−2株の作用を調べた。
【0116】
(i)試験動物
日本チャールス・リバー(株)から7週齢の雄性Wistarラットを購入し、1週間予備飼育の後、試験に供した。飼育は、温度22±5℃、湿度50±10%、12時間明暗サイクルの環境下にある飼育室で行った。
【0117】
(ii)CM502−2株の投与
実施例1で調製した天然子実体抽出画分、実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分を、それぞれ所定量をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC溶液)に懸濁させ、ゾンデを用いて経口投与した。
【0118】
(iii)実験群構成および処置
能動的全身性アナフィラキシー反応は、S. Nakamuraらの方法に準じて実施した(S. Nakamura他、Effects of N-556 on experimental allergy models in rats、"Jpn J Allergol"、39:1621−1628、1990)。すなわち、ジニトロフェニル結合アスカリス(以下、「DNP−As」と記す。コスモバイオ(株))のPBS(=リン酸緩衝化生理食塩水)溶液 2.5mg/0.1mLと百日咳死菌(コスモバイオ(株))のPBS懸濁液1×1010細胞/0.1mLを混合し、その0.2mLをラット四肢足蹠部に注射した。5日後、DNP−AsのPBS溶液 0.5mg/0.1mLをラット背部筋肉内に注射することにより、追加免疫を行った。
【0119】
最終注射9日後、ジニトロフェニル結合卵白アルブミン(以下「DNP−OVA」と記す。コスモバイオ(株))のPBS溶液 0.5mg/0.1mLまたは0.1mg/0.1mLをラット静脈内に注射することにより、アナフィラキシーを誘導した。注射後2時間目までは、20分ごとに症状および生死を観察した。最終観察は、注射後24時間目に行った。
【0120】
実験群は以下の12群からなる。
【0121】
実験群6−I: DNP−Asで免疫したWistarラットに、DNP−OVAを0.5mg静脈内注射する感作・対照群−1(n=6)、
実験群6−II: DNP−Asで免疫したWistarラットに、DNP−OVAを0.1mg静脈内注射する感作・対照群−2(n=6)、
実験群6−III: 実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kgを投与したDNP−As免疫Wistarラットに、DNP−OVAを0.5mg静脈内注射する感作・子実体群−1(n=6)、
実験群6−IV: 実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kgを投与したDNP−As免疫Wistarラットに、DNP−OVAを0.1mg静脈内注射する感作・子実体群−2(n=6)、
実験群6−V: 実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分300mg/kgを投与したDNP−As免疫Wistarラットに、DNP−OVAを0.5mg静脈内注射する感作・菌糸体群−1(n=6)、
実験群6−VI: 実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分300mg/kgを投与したDNP−As免疫Wistarラットに、DNP−OVAを0.1mg静脈内注射する感作・菌糸体群−2(n=6)、
実験群6−VII: 健常Wistarラットに、DNP−OVAを0.5mg静脈内注射する非感作・対照群−1(n=6)、
実験群6−VIII: 健常Wistarラットに、DNP−OVAを0.1mg静脈内注射する非感作・対照群−2(n=6)、
実験群6−IX: 実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kgを投与した健常Wistarラットに、DNP−OVAを0.5mg静脈内注射する非感作・子実体群−1(n=6)、
実験群6−X: 実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kgを投与した健常Wistarラットに、DNP−OVAを0.1mg静脈内注射する非感作・子実体群−2(n=6)、
実験群6−XI: 実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分300mg/kgを投与した健常Wistarラットに、DNP−OVAを0.5mg静脈内注射する非感作・菌糸体群−1(n=6)、
実験群6−XII: 実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分300mg/kgを投与した健常Wistarラットに、DNP−OVAを0.1mg静脈内注射する非感作・菌糸体群−2(n=6)。
【0122】
(iv)成績
下記表5に示すように、DNP−As感作ラットに0.5mgのDNP−OVAを静脈内注射して能動的アナフィラキシーを誘導した実験群では、全例がアナフィラキシー症状を呈して20分以内に死亡した(実験群6−I;死亡率100%)。一方、DNP−As感作ラットに0.1mgのDNP−OVAを静脈内注射した実験群では、全例がアナフィラキシー症状を呈したものの、実験群6−Iに比して比較的軽度であり、静脈内注射24時間後の観察では、6匹中4匹が死亡し、2匹がショック死を免れた(実験群6−II;死亡率67%)。
【0123】
初回感作から14日間、天然子実体抽出画分(実施例1で調製)300mg/kg/日を投与したDNP−As免疫Wistarラットに、0.5mgのDNP−OVAを静脈内注射して能動的アナフィラキシーを誘導した実験群では、6匹中5匹がアナフィラキシー症状を呈して24時間以内に死亡した(実験群6−III;死亡率83%)。一方、同ラットに0.1mgのDNP−OVAを静脈内注射した実験群では、全例がアナフィラキシー症状を呈したが、その程度は実験群6−IIIに比して軽度であり、静脈内注射24時間後の観察では、6匹中2匹が死亡したものの、4匹がショック死を免れた(実験群6−IV;死亡率33%)。
【0124】
初回感作から14日間、静置菌糸体抽出画分(実施例3で調製)300mg/kg/日を投与したDNP−As免疫Wistarラットに、0.5mgのDNP−OVAを静脈内注射して能動的アナフィラキシーを誘導した実験群では、6匹中4匹がアナフィラキシー症状を呈して24時間以内に死亡した(実験群6−V;死亡率67%)。一方、同ラットに0.1mgのDNP−OVAを静脈内注射した実験群では、全例がアナフィラキシー症状を呈したが、その程度は実験群6−Vに比して軽度であり、静脈内注射24時間後の観察では、6匹中2匹が死亡したものの、4匹がショック死を免れた(実験群6−VI;死亡率33%)。
【0125】
なお、DNP−As非感作ラットに、0.5mgまたは0.1mgのDNP−OVA抗原を静脈内注射しても、アナフィラキシー症状は全くみられなかった(実験群6−VIIおよび6−VIII;死亡率0%)。また、初回感作から14日間、天然子実体抽出画分または静置菌糸体抽出画分300mg/kgを投与したDNP−As非感作ラットに、0.5mgまたは0.1mgのDNP−OVA抗原を静脈内注射しても、アナフィラキシー症状は全くみられなかった(実験群6−IX、6−X、6−XIおよび6−XII;死亡率0%)。
【0126】
これらの成績は、低用量の抗原(1mg/匹)を用いて能動的アナフィラキシー反応を誘導する系において、ホンシメジ子実体抽出画分および菌糸体抽出画分が、上記反応を抑制することを示している。
【0127】
【表5】

【0128】
(実施例7)
[I型アレルギーに対する作用検討−2]
1950年代に米国のZ. Ovaryにより確立された受身皮膚アナフィラキシー(PCA;passive cutaneous anaphylaxis)反応は、細胞親和性をもつIgG抗体やIgE抗体を高感度に検出するために開発されたものである。その原理は、動物の皮膚をあらかじめ抗体で受動感作した後、抗原と色素の混液を注射し、I型免疫反応により誘導される皮膚小血管の透過性亢進状態を、漏出色素量を指標として判定する。本反応は、抗体検出やI型アレルギー反応の発生・抑制メカニズム解析だけでなく、抗アレルギー活性をもつ薬剤や天然由来物質のスクリーニングに広く用いられる。
【0129】
そこで、PCA反応を指標として、ラットのI型アレルギーモデルに対するCM502−2株の作用を調べた。
【0130】
(i)試験動物
日本チャールス・リバー(株)から7週齢の雄性Wistarラットを購入し、1週間予備飼育の後、試験に供した。飼育は、温度22±5℃、湿度50±10%、12時間明暗サイクルの環境下にある飼育室で行った。
【0131】
(ii)CM502−2株の投与
実施例2で調製した菌床栽培子実体抽出画分、実施例4で調製した振盪培養菌糸体抽出画分を、それぞれ所定量をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC溶液)に懸濁させ、ゾンデを用いて経口投与した。
【0132】
(iii)実験群構成および処置
PCA反応は、塩崎らの方法に準じて実施した(塩崎哲也ら、「緑茶抽出成分(茶ポリフェノール、カフェイン)のI型アレルギーに対する効果」、薬学雑誌、社団法人日本薬学会、1997年、第117巻、448−454頁)。すなわち、上記ラット背部の背中線に沿って、縦横:約4cm×約5cmを剃毛し、剃毛部の右背側部2箇所に抗ジニトロフェニル(以下、DNP)IgE抗体(Sera-Labo)溶液25ng/mLを0.05mL皮内注射し、左背側部2箇所にリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBS)を同量注射した。
【0133】
注射24時間後、DNP−OVA(=ジニトロフェニル結合卵白アルブミン)溶液20μg/mLとエバンスブルー(EB:Evans blue。シグマアルドリッチジャパン(株))溶液5mg/mLの等量混合溶液1.0mLを、上記ラット尾静脈内に注射し、30分後にラットを放血致死させて、皮内注射部位の青染部を切り取り、2N水酸化ナトリウム溶液1.0mL中に25℃で24時間漬け込むことにより色素を可溶化させた。次いで、濾紙濾過により固形物を除去し、色素溶解液を5Mリン酸溶液で中和し、アセトン3.0mLを加えて青色色素を抽出した。分光光度計を用いて、抽出液の620nm吸収を測定し、次式:〔DNP皮内注射部位(2箇所)の平均吸光度−PBS注射部位(2箇所)の平均吸光度〕から、各被検個体の色素漏出度を算出した。
【0134】
実験群は、
(1)Wistarラットに溶媒を投与し、30分、60分または180分後にPCAを実施する対照群(n=6×3)、
(2)Wistarラットに実施例2で調製した菌床栽培子実体抽出画分300mg/kgを投与し、30分、60分または180分後にPCAを実施する子実体群(n=6×3)、
(3)Wistarラットに実施例4で調製した振盪培養菌糸体抽出画分300mg/kgを投与し、30分、60分または180分後にPCAを実施する菌糸体群(n=6×3)、
からなる。
【0135】
(iv)成績
抗DNP−IgE抗体感作ラットにDNP−OVA抗原を静脈内投与する前、時間を変えてCM502−2株を経口投与した際の、PCA反応抑制率を下記表6に示す。PCA反応による局部皮膚での色素漏出状況を検討したところ、抗原静注60分前に、子実体抽出画分または菌糸体抽出画分を経口投与した区の漏出量が最も少なく、その前後では色素漏出量は大きくなる傾向がみられた。
【0136】
【表6】

【0137】
上記表6の結果をもとに、CM502−2株投与60分後にPCA反応を実施するスケジュールで、CM502−2株の用量依存性を検討した結果を下記表7に示す。
【0138】
なおCM502−2株として、実施例2で調製した菌床栽培子実体抽出画分、実施例4で調製した振盪培養菌糸体抽出画分を、それぞれ所定量をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC溶液)に懸濁させ、ゾンデを用いて経口投与した。
【0139】
実験群は以下のとおりである。
【0140】
実験群7−I: 健常Wistarラットを用いる対照群(n=6)、
実験群7−II: Wistarラットに実施例2で調製した菌床栽培子実体抽出画分75mg/kgを投与する子実体1群(n=6)、
実験群7−III: Wistarラットに実施例2で調製した菌床栽培子実体抽出画分150mg/kgを投与する子実体2群(n=6)、
実験群7−IV: Wistarラットに実施例2で調製した菌床栽培子実体抽出画分300mg/kgを投与する子実体3群(n=6)、
実験群7−V: Wistarラットに実施例4で調製した振盪培養菌糸体抽出画分75mg/kgを投与する菌糸体1群(n=6)、
実験群7−VI: Wistarラットに実施例4で調製した振盪培養菌糸体抽出画分150mg/kgを投与する菌糸体2群(n=6)、および
実験群7−VII: Wistarラットに実施例4で調製した振盪培養菌糸体抽出画分300mg/kgを投与する菌糸体3群(n=6)。
【0141】
【表7】

【0142】
表7に示すように、子実体および菌糸体由来のいずれのCM502−2株でも、投与量に依存して、色素漏出量はほぼ同程度抑制された。これらの成績は、CM502−2株が、アナフィラキシー反応の諸過程うち、皮膚小血管の透過性亢進抑制を介して、抗アレルギー作用を発現していることを示している。
【0143】
(実施例8)
[II型アレルギーに対する作用検討−1]
1973年にJH.PlayfairとS.Marshall-Clarkeにより、異種赤血球の頻回注射が、マウスにヒト自己免疫疾患類似の貧血症状を誘導することが報告された(JH. Playfair & S.Marshall-Clarke:"Induction of red cell autoantibodies in normal mice"、Nature New Biology、243:213-214、1973)。本症状は、自己抗体と補体による赤血球障害により誘導されるものであり、典型的なII型アレルギーモデルとされている。そこで、本モデルを用いて、II型アレルギーに対するCM502−2株の作用を調べた。
【0144】
(i)試験動物
日本チャールス・リバー(株)から7週齢の雌性C57BL/6NCrj(以下、C57BL/6)マウスを購入し、1週間予備飼育の後、試験に供した。飼育は、温度22±5℃、湿度50±10%、12時間明暗サイクルの環境下にある飼育室で行った。
【0145】
(ii)CM502−2株の投与
実施例1で調製した天然子実体抽出画分、実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分を、それぞれ所定量をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC溶液)に懸濁させ、ゾンデを用いて経口投与した。
【0146】
(iii)実験群構成および処置
自己免疫溶血症状の誘導は、A. Mqadmiらの方法に準じた(A.Mqadmiら:CD4+CD25+ regulatory T cells control induction of autoimmune hemolytic anemia."Blood"、105、3746−3748、2005)。すなわち、エーテル麻酔下、雌性F344ラット(8週齢、日本チャールス・リバー(株)から購入)の腹部大静脈から採血し、凝固防止のためにへパリンを加えた後、histopaqueTM−1077(シグマアルドリッチ社)を用いて、試薬添付マニュアルの方法に準じて赤血球を分離・回収した。RPMI培地で上記赤血球を1×109cells/mL濃度に調整し、その0.2mL(2×108cells)を、C57BL/6マウス尾静脈に注射した。本処置は週1回、10週間継続した。最終処置1週間後に、エーテル麻酔下、マウス腹部大静脈から採血し、凝固防止のためにへパリンを加えた後、末梢血液中の赤血球数を計数した。さらに、histopaqueTM−1077を用いて赤血球と血漿を分離・回収した。次に、所定量の赤血球と蛍光色素標識抗マウスIgG(Fluorescence-labeled anti-mouse IgG、Vector Lab.社、米国)の1000倍希釈液とを25℃で1時間反応後、フローサイトメトリー(Flow Cytometry)を用いて蛍光色素標識赤血球数を測定し、陽性率(全赤血球に対するマウスIgG結合赤血球数%)を算出した。さらに、標識赤血球懸濁液(5×107cells/0.2mL)を健常C57BL/6マウス尾静脈に注射し、毛細管を用いて経時的に眼窩静脈叢から採血し、フローサイトメトリーにより蛍光色素標識赤血球数を測定して、次式:〔注入10分後の赤血球中の標識赤血球数×100/注入直後の赤血球中の標識赤血球数〕からクリアランス率(%)を算出した。結果を表8に示す。
【0147】
実験群は下記構成とした。
【0148】
実験群8−I: C57BL/6マウスにラット赤血球を週1回、10週間処置する感作・対照群(n=8)、
実験群8−II: C57BL/6マウスにラット赤血球を週1回、10週間処置する期間中、実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kg量を経口投与する感作・子実体群(n=8)、
実験群8−III: C57BL/6マウスにラット赤血球を週1回、10週間処置する期間中、実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分300mg/kg量を経口投与する感作・菌糸体群(n=8)、
実験群8−IV: 無処置のC57BL/6マウスを用いる非感作・対照群(n=8)、
実験群8−V: 無処置のC57BL/6マウスに、実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kg量を、経口投与する非感作・子実体群(n=8)、
実験群8−VI: 無処置のC57BL/6マウスに、実施例3で調製した静置菌糸体抽出画分300mg/kg量を、経口投与する非感作・菌糸体群(n=8)。
【0149】
(iv)成績
下記表8に示すように、実験群8−I(感作・対照群)では、実験群8−IV(非感作・対照群)に比べ、末梢赤血球数は有意に少なく、マウスIgG結合赤血球の陽性率は81%、クリアランス率は23%で、自己免疫性溶血疾患の症状を明らかに呈していた。一方、実験群8−II(感作・子実体群)および実験群8−III(感作・菌糸体群)では、実験群8−Iに比し、感作による末梢赤血球数の減少は防止され、マウスIgG結合赤血球の陽性率は低値傾向にあり、標識赤血球の残存率も高値であった。すなわち、CM502−2株の投与により、自己免疫性溶血疾患の症状は軽減された。
【0150】
なお、実験群8−V(非感作・子実体群)および実験群8−VI(非感作・菌糸体群)では、末梢赤血球数は実験群8−IVとほぼ同レベルであり、マウスIgG結合赤血球は検出限界以下で、クリアランス%も実験群8−IVとほとんど変わりなかった。
【0151】
【表8】

【0152】
(実施例9)
[II型アレルギーに対する作用検討−2]
実施例8においてCM502−2株のII型アレルギー改善作用が示されたので、そのメカニズムを解析するため、CM502−2株の補体に対する作用を調べた。
【0153】
(i)試験材料と方法
免疫溶血試験は森らの方法に準じた(森陸司ら、「アミノ安息香酸誘導体のin vitroにおける溶血反応阻害作用」、薬学雑誌、社団法人日本薬学学会、1975年、第95巻、1477−1482頁)。すなわち、アルセバー氏液に保存された緬羊血液((株)日本バイオテスト研究所から購入)を2,000rpm、5分間遠心分離し、生理食塩水で3回洗浄後、得られたパック細胞(packed cells)(赤血球)にpH7.5のゼラチン・ベロナール緩衝液を加えて10%懸濁液(v/v)とした。次に、この懸濁液0.25mLに3.05mLの0.1%炭酸ナトリウム溶液を加えて完全溶血させたとき、541nmにおける吸光度が0.455になるように、同緩衝液を適量加えて調整したものを、羊赤血球懸濁液として実験に用いた。試験管に上記緩衝液5mL、被検液1mL、羊赤血球懸濁液0.5mL、2,500倍希釈の抗羊赤血球家兎血清0.5mL、補体溶液(モルモットの新鮮血清を緩衝液で100倍希釈したもの)1mLを順次加えて静かに攪拌し、37℃で90分間反応させた。氷冷により反応を停止させ、5℃、3,000rpm、10分間遠心分離の後、分光光度計を用いて540nmにおける上清の吸光度を測定した。なお、ゼラチン・ベロナール緩衝液のみを添加したものを対照とし、補体の代わりにゼラチン・ベロナール緩衝液を加えたものを検体ごとにとり、それぞれの盲検値として補正した。被検物質による溶血阻害率は次式:[{1−(被検物質添加群の吸光度−対応する盲検値)/(対照群の吸光度−対照群の盲検値)}×100%]に従って算出した。
【0154】
(ii)被検液(CM502−2株抽出物)の調製
実施例1で調製した天然子実体抽出画分、実施例5で調製した菌糸体抽出画分を、それぞれ所定量をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた。
【0155】
(iii)成績
免疫溶血反応に及ぼすCM502−2株のインビトロ(in vitro)添加の影響を下記表9に示す。CM502−2株添加により、反応は用量依存的に阻害された。特に、200μg/mL添加時の溶血阻害率は、実施例1で調製した子実体由来画分で35%、実施例5で調製した菌糸体抽出画分で27%に達した。
【0156】
免疫溶血反応においてはCa2+およびMg2+が重要な役割を演じており、これらの陽イオンを捕捉若しくは不活性化する物質は阻害活性を有することが知られている。また、アミノ安息香酸誘導体など、ある種の化合物は赤血球に作用し、膜の安定化を介して抗補体作用を示す。現在のところCM502−2株の作用メカニズムは不明であるが、特定金属イオンとのキレート形成の可能性は低く、細胞膜を安定化させ、補体の作用を阻害しているものと推測される。
【0157】
【表9】

【0158】
(実施例10)
[III型アレルギーに対する作用検討]
III型アレルギーは、抗原と抗体の凝集体である免疫複合体が組織に沈着することにより生じる。免疫複合体が補体を活性化しC5aなどのアナフィラトキシンが放出され、血管透過性を亢進させることにより、好中球、単球、リンパ球、肥満細胞(マスト細胞)の遊走および活性化が起こり、組織傷害が惹起される。局所に免疫複合体が沈着することにより生じるアルサス反応(Arthus reaction)は、典型的なIII型アレルギーとされている。そこで、マウスを用いて、本反応に対するCM502−2株の作用を検討した。
【0159】
(i)試験動物
日本チャールス・リバー(株)から7週齢の雄性BALB/cマウスを購入し、1週間予備飼育の後、試験に供した。飼育は、温度22±5℃、湿度50±10%、12時間明暗サイクルの環境下にある飼育室で行った。
【0160】
(ii)CM502−2株の投与
実施例1で調製した天然子実体抽出画分、実施例4で調製した菌糸体抽出画分を、それぞれ所定量をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC溶液)に懸濁させ、ゾンデを用いて経口投与した。
【0161】
(iii)実験群構成および処置
能動的アルサス反応の誘導は小谷らの方法に準じた(小谷敬子ら、「サラゾスルファピリジンおよびブシラミンのIII型およびIV型アレルギー反応に対する抑制効果」、炎症、日本炎症・再生医学会、1997年、第17巻、87〜89頁)。すなわち、緬羊血液((株)日本バイオテスト研究所)を2,000rpm、5分間遠心分離し、生理食塩水で3回洗浄後、得られたパック細胞(packed cells)(羊赤血球)にPBSを加えて、2.5×109cells/mL濃度に調整し、その0.2mL(5×108cells)を、マウス尾静脈に2週間隔で2回注射した。2回目処置の5日後、ノギスを用いてマウス右足蹠部の厚さを測定した後、同部位皮下に0.05mLの赤血球(2×108cells)を注射し、3時間後、再び同部位の足蹠厚を測定した。反応の強さは、注射前後の足蹠厚さの差により算出した。
【0162】
実験群は以下のとおりである。
【0163】
実験群10−I: BALB/cマウスを羊赤血球で感作する感作・対照群(n=6)、
実験群10−II: BALB/cマウスを羊赤血球で感作する期間中、実施例1で調製した子実体由来抽出画分300mg/kg量を経口投与する感作・子実体群(n=6)、
実験群10−III: BALB/cマウスを羊赤血球で感作する期間中、実施例4で調製した菌糸体由来抽出画分300mg/kg量を経口投与する感作・菌糸体群(n=6)、
実験群10−IV: 健常BALB/cマウスを用いる非感作・対照群(n=6)、
実験群10−V: 健常BALB/cマウスに、実施例1で調製した子実体由来抽出画分300mg/kg量を経口投与する非感作・子実体群(n=6)、
実験群10−VI: 健常BALB/cマウスに、実施例4で調製した菌糸体由来抽出画分300mg/kg量を経口投与する非感作・菌糸体群(n=6)。
【0164】
(iv)成績
下記表10に示すように、羊赤血球感作マウス足蹠部に抗原を注射して能動アルサス反応を誘導した時、対照群の足蹠厚の増加は0.58±0.19mmであった(実験群10−I)。一方、CM502−2株の子実体および菌糸体の抽出画分を経口投与した群の足蹠厚の増加は、それぞれ、0.27±0.11mmおよび0.22±0.10mmであり(実験群10−IIおよび10−III)、CM502−2株により反応は明らかに抑制された。なお、非感作マウス足蹠部に抗原を注射しても、足蹠部はほとんど腫脹せず、CM502−2株を投与しても影響を認めなかった(実験群10−IV、10−V、および10−VI)。すなわち、CM502−2株によるIII型アレルギー反応の抑制が示された。
【0165】
【表10】

【0166】
(実施例11)
[IV型アレルギーに対する作用検討−1]
化学物質や薬品、植物成分などのハプテンの皮膚接触により、自己免疫性の皮膚炎を発生することが知られている。実験的には、塩化ピクリルやジニトロクロロベンゼン(DNCB:dinitrochlorbenzene)のような化学物質をマウスやモルモットの皮膚に塗布後、しばらくしてから、同物質を再接触させると、軽度の紅斑や腫脹、硬結を伴う遅延型反応が再現性よく出現する。そこで、IV型アレルギーモデルとして汎用されている塩化ピクリル接触性皮膚炎に対するCM502−2株の作用を調べた。
【0167】
(i)試験動物
日本チャールス・リバー(株)から7週齢のC57BL/6マウスを購入し、1週間予備飼育の後、試験に供した。飼育は、温度22±5℃、湿度50±10%、12時間明暗サイクルの環境下にある飼育室で行った。
【0168】
(ii)CM502−2株の投与
実施例1で調製した天然子実体抽出画分、実施例3で調製した菌糸体抽出画分を、それぞれ所定量をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC溶液)に懸濁させ、ゾンデを用いて経口投与した。
【0169】
(iii)実験群構成および処置
接触性皮膚炎の誘発は、G.L. Asherson & W. Ptakの方法に準じて実施した(”Contact and delayed hypersensitivity in the mouse I. Active sensitization and passive transfer”、Immunology、15:405−416、1968)。すなわち、前日に腹部を剃毛したマウスの腹部に、木綿棒を用いて、7%塩化ピクリル・エチルアルコール溶液0.1mLを塗布することにより、マウスを抗原感作した。7日後、マウスの両耳朶に、それぞれ、1%塩化ピクリル・エチルアルコール溶液0.02mLを塗布して接触性皮膚炎を誘発させた。さらに、その3日後に再び、腹部に7%塩化ピクリル・エチルアルコール溶液0.1mLを塗布して再感作した。その後、7日目に再びマウスの両耳朶に1%塩化ピクリル・エチルアルコール溶液0.02mLを塗布し、24時間後の耳朶の厚さを、ダイアルシックネスゲージ(Dial Thickness Gauge)を用いて測定し、誘発前の耳朶の厚さを差し引き、接触性皮膚炎による腫脹度とした。
【0170】
実験群は以下の構成とした。
【0171】
実験群11−I: 無処置のC57BL/6マウスに塩化ピクリルを感作する対照群(n=8)、
実験群11−II: 塩化ピクリルで感作したC57BL/6マウスに、実施例1で調製した天然子実体抽出画分75mg/kg量を、感作3日前から実験終了時まで連日経口投与する子実体群−1(n=8)、
実験群11−III: 塩化ピクリルで感作したC57BL/6マウスに、実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kg量を、感作3日前から実験終了時まで連日経口投与する子実体群−2(n=8)、
実験群11−IV: 塩化ピクリルで感作したC57BL/6マウスに、実施例3で調製した菌糸体抽出画分75mg/kg量を、感作3日前から実験終了時まで連日経口投与する菌糸体群−1(n=8)、
実験群11−V: 塩化ピクリルで感作したC57BL/6マウスに、実施例3で調製した菌糸体抽出画分300mg/kg量を、感作3日前から実験終了時まで連日経口投与する菌糸体群−2(n=8)、
実験群11−VI: 非感作C57BL/6マウスの両耳朶に塩化ピクリルを塗布する非感作・対照群(n=8)、
実験群11−VII: 非感作C57BL/6マウスに、実施例1で調製した天然子実体抽出画分75mg/kg量を、実験群11−IIと同期間経口投与する非感作・子実体群−1(n=8)、
実験群11−VIII: 非感作C57BL/6マウスに、実施例1で調製した天然子実体抽出画分300mg/kg量を、実験群11−IIIと同期間経口投与する非感作・子実体群−2(n=8)、
実験群11−IX: 非感作C57BL/6マウスに、実施例3で調製した菌糸体抽出画分75mg/kg量を、実験群11−IVと同期間経口投与する非感作・菌糸体群−1(n=8)、
実験群11−X: 非感作C57BL/6マウスに、実施例3で調製した菌糸体抽出画分300mg/kg量を、実験群11−Vと同期間経口投与する非感作・菌糸体群−2(n=8)。
【0172】
(iv)成績
下記表11に示すように、塩化ピクリル感作マウス耳朶に抗原液を塗布してIV型アレルギー反応を誘導した時、対照群の耳朶厚の増加は0.58±0.09mmであった(実験群11−I)。一方、子実体抽出画分300mg/kgおよび菌糸体抽出画分300mg/kgを経口投与した群の耳朶厚の増加は、それぞれ、0.34±0.09mmおよび0.29±0.07mmであり(実験群11−IIIおよび11−V)、CM502−2株により反応は明らかに抑制された。なお、非感作マウス足蹠部に抗原を注射しても、足蹠部はほとんど腫脹せず、CM502−2株を投与しても影響を認めなかった(実験群11−VI、11−VII、11−VIII、11−IXおよび11−X)。すなわち、CM502−2株によるIV型アレルギー反応の抑制が示された。
【0173】
【表11】

【0174】
(実施例12)
[IV型アレルギーに対する作用検討−2]
(i)試験動物
日本チャールス・リバー(株)から7週齢のC57BL/6マウスを購入し、1週間予備飼育の後、試験に供した。飼育は、温度22±5℃、湿度50±10%、12時間明暗サイクルの環境下にある飼育室で行った。
【0175】
(ii)CM502−2株の投与
実施例3で得た静置培養菌糸体の培養物(粉末)、実施例4で得た振盪培養由来菌糸体の培養物(粉末)の所定量をPBSに均一分散させた後、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC溶液)に懸濁させ、ゾンデを用いて経口投与した。
【0176】
(iii)実験群構成および処置
実験群12−I: 無処置のC57BL/6マウスに塩化ピクリルを感作する対照群(n=8)、
実験群12−II: 塩化ピクリルで感作したC57BL/6マウスに、実施例3で得た静置培養菌糸体の培養物(粉末)500mg/kg量を、感作3日前から実験終了時まで連日経口投与する子実体粉末群(n=8)、
実験群12−III: 塩化ピクリルで感作したC57BL/6マウスに、実施例4で得た振盪培養由来菌糸体の培養物(粉末)500mg/kg量を、感作3日前から実験終了時まで連日経口投与する菌糸体粉末群(n=8)、
実験群12−IV: 非感作C57BL/6マウスに、実施例3で得た静置培養菌糸体の培養物(粉末)500mg/kg量を実験群12−IIと同期間経口投与する非感作・子実体粉末群(n=8)、
実験群12−V: 非感作C57BL/6マウスに、実施例4で得た振盪培養由来菌糸体の培養物(粉末)500mg/kg量を、感作3日前から実験終了時まで連日経口投与する非感作・菌糸体粉末群(n=8)。
【0177】
上記各群に、実施例11と同様のプロトコールを用いて接触性皮膚炎に及ぼす作用を評価した。
【0178】
(iv)成績
下記表12に示すように、感作・対照群(実験群12−I)の耳朶厚の増加に比し、感作・子実体粉末群(実験群12−II)および感作・菌糸体粉末群(実験群12−III)において、耳朶厚の増加は抑制された。なお、非感作マウス足蹠部に抗原を注射しても、足蹠部はほとんど腫脹せず、CM502−2株を投与してもほとんど影響なかった。
【0179】
【表12】

【0180】
(実施例13)
[V型アレルギーに対する作用検討]
バセドウ病(若しくはグレイブス病)は、甲状腺自己抗体によって甲状腺が微慢性に腫大する自己免疫疾患である。本疾患はV型アレルギーに分類され、甲状腺肥大に加え、眼球突出、頻脈、甲状腺機能亢進症などをきたす。抗甲状腺刺激ホルモン受容体抗体(TSRAb)による甲状腺の過剰刺激が、病態発現に密接に関与していると考えられている。
【0181】
バセドウ病の病態を反映する動物モデルは少ないが、1996年、下条らは、ヒト甲状腺ホルモン(TSH)遺伝子とMHCクラスII抗原遺伝子導入線維芽細胞を用いたモデルを開発し、病態誘導におけるTh2関連の免疫応答の重要性を報告した(Shimojo N., et al., "Induction of Graves-like disease in mice by immunization with fibroblasts transfected with the thyrotropin receptor and a class II molecule", Proc. Acad. Sci., U.S.A., 93, 11074-79, 1996)。以降、類似のモデル系を用い、病態解析や新規治療方法が検討されている。最近では、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)や、インターロイキン−4、インターロイキン−10などを用いた免疫調節療法による症状制御の可能性が注目されている。
【0182】
そこで、本発明では、抗甲状腺刺激ホルモン受容体抗体によるマウス甲状腺細胞のインビトロ(in vitro)3Hチミジン取り込み反応に及ぼすCM502−2株の影響を検討した。
【0183】
(i)マウス甲状腺細胞懸濁液の調製
日本チャールス・リバー(株)から7週齢のBALB/c雌性マウスを購入した。飼育は、温度22±5℃、湿度50±10%、12時間明暗サイクルの環境下にある飼育室で行った。マウスが8週齢になった時点で、エーテル麻酔によりマウスを屠殺し、ピンセットとハサミを用いて、甲状腺を摘出し、RPMI1640培地入りのシャーレ中にて組織を軽く解してピペッティングした後、200メッシュのステンレス製フィルターを通して単細胞懸濁液を得た。RPMI1640培地にて、本細胞を3回洗浄後、10%ウシ胎児血清(FBS:Fetal Bovine Serum)含有RPMI1640培地に懸濁し、2×106cells/mL培地に調整した。
【0184】
(ii)CM502−2株由来成分の調製
実施例3で調製したホンシメジ静置培養菌糸体抽出画分の所定量をDMSOに溶解させ、サンプルとした。
【0185】
(iii)抗体溶液の調製
マウス由来受容体と反応することが知られている抗ヒト甲状腺刺激ホルモン受容体抗体〔TSHR(H−155):sc−13936、Santa Cruz Biotechnology Inc.、米国〕をRPMI1640培地に溶解し、2mg/mL濃度に調整した。
【0186】
(iv)補体溶液の調製
モルモットをエーテル麻酔により屠殺し、注射針を装着した10mL容注射筒を用いて、腹部大静脈から血清を採取し、室温にて1時間放置後、3000rpmで10分間遠心分離し、上清(血清)を回収して補体とした。本補体は、使用時に、RPMI1640培地で100倍希釈した。
【0187】
(v)甲状腺細胞培養反応
96ウエルの培養用平底プレートの各ウエルに、上記(i)で調製した細胞懸濁液150μLに上記(ii)で調製した溶液(CM502−2株菌糸体抽出画分)を加え、37℃の炭酸ガス培養器中で3時間反応させた後、上記(iii)で調製した抗体溶液50μLおよび上記(iv)で調製した補体溶液25μLを加え、さらに48時間培養した。培養終了4時間前に、各ウエルに、3Hチミジン(アマーシャム社)1.0μCi加えた。培養終了後、セルハーベスターを用いて、細胞をフィルター上に回収し、室温乾燥させた。フィルターをバイアルに入れ、シンチレーターを加えた後、シンチレーションカウンターを用いて、放射能を測定した。なお、甲状腺細胞の3Hチミジン取り込み阻害率は次式:[{1−(実験群13−II〜実験群13−VIIの放射能)/(実験群13−Iの放射能)}×100%]に従って算出した。
【0188】
なお上記実験手続において、菌糸体抽出画分、抗体溶液、補体溶液については、下記のとおり実験群に応じて無添加とした。実験群は以下の構成とした(各群:n=3)。
【0189】
実験群13−I: 細胞懸濁液のみの対照群(菌糸体抽出画分、抗体溶液、補体溶液のいずれも添加せず)、
実験群13−II: 細胞懸濁液に菌糸体抽出画分を100μg/mL添加した菌糸体抽出画分添加群(抗体溶液、補体溶液の添加なし)、
実験群13−III: 細胞懸濁液に抗体溶液(50μL)を添加した抗体溶液添加群(菌糸体抽出画分、補体溶液の添加なし)、
実験群13−IV: 細胞懸濁液に菌糸体抽出画分を100μg/mL、および補体溶液(25μL)を添加した補体溶液・菌糸体画分添加群(抗体溶液の添加なし)、
実験群13−V: 細胞懸濁液に抗体溶液(50μL)、および補体溶液(25μL)を添加した抗体溶液・補体溶液添加群(菌糸体抽出画分の添加なし)
実験群13−VI: 細胞懸濁液に菌糸体抽出画分を50μg/mL、抗体溶液(50μL)、および補体溶液(25μL)を添加した抗体溶液・補体溶液・菌糸体抽出画分添加群、
実験群13−VII: 細胞懸濁液に菌糸体抽出画分を100μg/mL、抗体溶液(50μL)、および補体溶液(25μL)を添加した抗体溶液・補体溶液・菌糸体抽出画分添加群。
【0190】
(vi)成績
細胞の放射能取り込みに及ぼすCM502−2株静置培養菌糸体由来物のインビトロ(in vitro)添加の影響を下記表13に示す。CM502−2株由来物の添加により、3Hチミジン取り込み反応は用量依存的に阻害された。特に、実験群13−VのCM502−2株非添加・コントロールの阻害率58.0%に比し、実験群13−VIIのCM502−2株100μg/mL添加時の阻害率は35.8%であり、抗甲状腺刺激ホルモン受容体抗体による甲状腺機能変化は明らかに軽減されていた。
【0191】
現在のところ、作用メカニズムは不明であるが、CM502−2株が甲状腺細胞の抗体感受性に影響を及ぼしているのか、またはCM502−2株が補体の作用を阻害しているものと推測される。
【0192】
【表13】

【0193】
(まとめ)
I〜V型アレルギーのモデル動物を作成し、ホンシメジCM502−2株の活性を評価した。
(1)DNP結合卵白アルブミン(DNP−OVA)に対するラットの能動的全身アナフィラキシー反応は、CM502−2株の子実体および菌糸体の各抽出画分の投与により抑制された。受身アナフィラキシー反応を用いたメカニズム解析により、これら画分は皮膚小血管の透過性亢進抑制を介して作用を発現していると考えられた。
(2)異種細胞(ラット赤血球)の頻回注射により誘導される自己免疫溶血反応は、CM502−2株の子実体および菌糸体の各抽出画分の投与により抑制された。抗体と補体を用いたインビトロ(in vitro)メカニズム解析により、これら画分は補体を介して作用を発現していると考えられた。
(3)羊赤血球に対するマウスの能動的アルサス反応は、CM502−2株の子実体および菌糸体の各抽出画分の投与により抑制された。
(4)マウスの塩化ピクリル接触性皮膚炎は、CM502−2株の子実体および菌糸体の各抽出画分の投与により抑制された。
(5)抗甲状腺刺激ホルモン受容体抗体によるマウス甲状腺細胞の3Hチミジン取り込み反応低下は、CM502−2株の子実体抽出画分の共存により軽減された。
【0194】
以上により、ホンシメジCM502−2株(=NITE P−260株)は、I型、II、III、IVおよびV型アレルギーを抑制することが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】PDY寒天平板で生育したホンシメジNITE P−260株の菌糸の顕微鏡写真(図面代用写真)である。
【図2】図1に示す顕微鏡写真の部分拡大写真(図面代用写真)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)NITE P−260株。
【請求項2】
ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)またはその抽出物を含む、アレルギー予防・治療剤。
【請求項3】
ホンシメジ(L. shimeji)が菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)である、請求項2記載のアレルギー予防・治療剤。
【請求項4】
ホンシメジ(L. shimeji)がNITE P−260株である、請求項2または3記載のアレルギー予防・治療剤。
【請求項5】
ホンシメジ(L. shimeji)がNITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)の、乾燥粉末である、請求項2〜4のいずれか1項に記載のアレルギー予防・治療剤。
【請求項6】
ホンシメジ抽出物が、NITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)の、熱水抽出液、アルカリ溶液抽出液、または有機溶媒抽出液である、請求項2〜5のいずれか1項に記載のアレルギー予防・治療剤。
【請求項7】
ホンシメジ(Lyopyhyllum shimeji)またはその抽出物を含む、アレルギー予防・治療のための食品。
【請求項8】
ホンシメジ(L. shimeji)が菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)である、請求項7記載のアレルギー予防・治療のための食品。
【請求項9】
ホンシメジ(L. shimeji)がNITE P−260株である、請求項7または8記載のアレルギー予防・治療のための食品。
【請求項10】
ホンシメジ(L. shimeji)がNITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)の、乾燥粉末である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のアレルギー予防・治療のための食品。
【請求項11】
ホンシメジ抽出物が、NITE P−260株の菌糸体、培養物(Broth)または子実体(胞子を含む)の、熱水抽出液、アルカリ溶液抽出液、または有機溶媒抽出液である、請求項7〜10のいずれか1項に記載のアレルギー予防・治療のための食品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−137912(P2008−137912A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323622(P2006−323622)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】