説明

アレルギー性鼻炎を治療するためのシクレソニドと抗ヒスタミン剤との組合せ物の使用

【課題】アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を伴う症状に極めて有効で安全な治療をもたらす医薬組成物を見出す。
【解決手段】作用成分として少なくとも1つの抗ヒスタミン剤、その立体異性体、製薬学的に相容性の塩、溶媒化合物または生理的に官能性の誘導体およびシクレソニド、シクレソニドの製薬学的に相容性の塩、シクレソニドのエピマーを、場合によってはシクレソニド、シクレソニドの溶媒化合物、シクレソニドの生理的に官能性の誘導体またはその溶媒化合物および製薬学的に認容性の担持剤および/または1つ以上の賦形剤との任意の混合比で有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤治療、殊にアレルギー性鼻炎の治療に使用するためのシクレソニドと抗ヒスタミン剤との新規の組合せ物に関する。殊に、新規の組合せ物は、シクレソニドおよび抗ヒスタミン剤を含有し、290mOsm未満の浸透圧を有する水性の医薬組成物の形で投与される。
【背景技術】
【0002】
アレルギー性鼻炎は、普通の疾患であり、患者の数は、着実に増加している。この疾患は、周囲の空中に浮遊しているアレルゲンによって引き起こされ、この場合このアレルゲンは、鼻粘膜内でアレルギー性炎症を引き起こし、しばしば結膜炎を伴う。アレルゲンにより、アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎(アレルゲン、例えばイネ科植物の花粉、西洋杉の花粉)と四季を通じてのアレルギー性鼻炎(室内のアレルゲン、例えばカビ、動物に由来するアレルゲンおよびハウスダストのダニ類)とに細分化される。アレルギー性鼻炎は、生命の特性に大きな影響を持っている。患者は、痒みおよび鼻水の出る鼻、鼻の閉塞、頭痛および疲労に苦しむ。アレルギー性結膜炎は、しばしばアレルギー性鼻炎と連係しており、共通の治療を必要とする。結膜炎の主な症状は、灼熱感および目の痒みおよび流涙である。この疾患に含まれる基本的な機序は、アレルギー性鼻炎と同様である。
【0003】
アレルギー性鼻炎の通常の治療は、主に症状の除去に焦点が当てられる。経口的抗ヒスタミン剤およびよりいっそう少ない広さの局所的な抗ヒスタミン剤は、最も幅広く使用された医薬品である。経口的抗ヒスタミン剤は、ヒスタミンによって導かれる症状のみを緩和する。アレルゲンの接触は、粘膜の肥満細胞の脱顆粒を引き起こし、ヒスタミンが放出される。ヒスタミンは、痒みおよびくしゃみおよび鼻分泌の増加にとって重要である。抗ヒスタミン剤は、ヒスタミンとヒスタミン−H1−受容体との結合およびそのヒスタミンにより媒介された症状を遮断する。この明らかな経路に加えて、アレルゲンは、鼻粘膜の好酸球性炎症を引き起こし、この好酸球性炎症は、主に種々の症状、例えば鼻の過反応性、鼻の閉塞および所謂フロアー変化の恐怖にとって重要であり、この場合このフロアー変化の恐怖は、治療していないアレルギー性鼻炎が静脈洞炎および気管支喘息に発展しうることを意味する。
【0004】
グルココルチコイドによる治療法は、通常、基礎アレルギー性炎症を標的とする唯一の治療法である。典型的には、グルココルチコイドに対する体系的な副作用、例えば免疫抑制、減少された蛋白質合成、児童の欠陥的成長を回避させるために、グルココルチコイドでの局所的な治療は、投与の好ましい方法である。
【0005】
鼻ステロイドの欠点は、作用の遅い開始および連続的な治療の必要性にある。この鼻ステロイドは、症状の除去が観察されうる前に4〜6日の連続的な治療を必要とする。それ故、患者には、花粉の季節が始まる前にグルココルチコイドの摂取を開始することが推奨されている。作用の遅い開始、論上必然の治療の必要性およびステロイドにより誘発された副作用の恐れは、鼻腔内ステロイドの使用および患者のコンプライアンスに対して不利な衝撃を及ぼす。
【0006】
治療、まさに症状の除去にとって有効な他の薬物は、例えば鼻腔内でのムスカリセン様作用を有するアンタゴニスト(鼻分泌を減少させるためのイプラトロピウム)、アドレナリン受容体アゴニスト(鼻コンゲスチンを減少させるためのキシロメタゾリン)である。
【0007】
WO 97/01337には、ベクロメタソン、フルニソリド、トリアムシノロン、デキサメタソンまたはブデソニドを抗ヒスタミン剤レボカバスチン、アゼラスチンまたはアザタジンおよび滅菌水と組み合わせて含有する鼻内噴霧処方物または点鼻液処方物が記載されている。
【0008】
WO 97/46243の記載は、鼻腔内ステロイドおよび抗ヒスタミン剤を含有する鼻内噴霧処方物に関する。
【0009】
WO 98/48839の記載は、治療的に有効量の抗炎症剤ならびに血管収縮薬、ノイラミニダーゼ阻害剤、ロイコトリエン阻害剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、抗コリン作動性薬、麻酔剤および粘液溶解剤から構成される群から選択された、治療的に有効量の少なくとも1つの薬剤を有する局所的に適用しうる鼻腔用組成物に関する。
【0010】
WO 01/22955の記載は、ロテプレドノール、所謂ソフトステロイド(soft steroid)と抗ヒスタミン剤との新規の組合せ物に関する。
【0011】
WO 03/049770には、H1アンタゴニスト/抗アレルギー剤および安全なステロイドで鼻炎を治療するための組成物および方法が開示されている。
【0012】
米国特許第5164194号明細書の記載は、アゼラスチンの鼻腔内処方物に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO 97/01337
【特許文献2】WO 97/46243
【特許文献3】WO 98/48839
【特許文献4】WO 01/22955
【特許文献5】WO 03/049770
【特許文献6】米国特許第5164194号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の課題は、アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を伴う症状に極めて有効で安全な治療をもたらす医薬組成物を見出すことであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
ところで、意外なことに、シクレソニドと少なくとも1つの抗ヒスタミン剤との組み合わされた投与は、アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を伴う症状に極めて有効で安全な治療をもたらすことが見出された。殊に、低張水性製薬学的処方物としてシクレソニドと抗ヒスタミン剤とを組み合わせて投与することによって、グルココルチコイド様副作用の恐れなしに作用の迅速な開始および症状の急速な除去が観察される。このような本発明による低張水性製薬学的組成物を鼻粘膜に投与することによって、作用成分は、急速に鼻粘膜に侵入し、極めて長い保持時間を有する。それ故に、極めて低い用量のシクレソニドおよび一日1回、最大一日2回の治療は、有効な治療の達成に必要とされる。
【0016】
それ故、1つの視点で、本発明は、アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を治療するための、シクレソニドと少なくとも1つの抗ヒスタミン剤との組み合わされた投与に関する。それ故、本発明の別の対象は、作用成分として少なくとも1つの抗ヒスタミン剤、その製薬学的に相容性の塩および/または溶媒化合物または生理的に官能性の誘導体およびシクレソニド、シクレソニドの製薬学的に相容性の塩、シクレソニドのエピマーを、シクレソニド、シクレソニドの溶媒化合物、シクレソニドの生理的に官能性の誘導体またはその溶媒化合物および製薬学的に認容性の担持剤および/または1つ以上の賦形剤との任意の混合比で有する、アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を治療するための医薬組成物である。
【0017】
前記組合せ物の化合物が同時に同じ製薬学的処方物(以下、固定された組合せ物とも呼ぶ)でかまたは異なる製薬学的処方物(以下、自由な組合せ物とも呼ぶ)でかまたは逐次的に任意の順序で投与されてよいことは、評価される。逐次的投与の場合、第2の化合物の投与における遅延は、前記組合せ物の有効な治療効果を失うほどのものではない。1例として、2つの薬剤は、別々に経口的処方物として準備されてよいか、または1つの薬剤が経口的調製物であることができ、他方の薬剤が吸入剤であることができるか、或いは双方の薬剤は、粘膜への適用に適した形で準備されてよい(鼻腔内への適用)。投与は、同時であってよい。或いは、2つの薬剤は、時間的に接近して投与されてもよいし、時間的に離れて投与されてもよく、例えば1つの薬剤は、朝に投与され、第2の薬剤は、晩に投与される。
【0018】
従って、本発明は、哺乳動物、例えばヒトにおいてアレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を予防または治療するための方法をも提供し、この方法は、少なくとも1つの抗ヒスタミン剤またはその製薬学的に相容性の塩、溶媒化合物もしくは生理的に官能性の誘導体およびシクレソニドまたはその製薬学的に相容性の塩、溶媒化合物もしくは生理的に官能性の誘導体、ならびに製薬学的に相容性の担持剤および/または1つ以上の賦形剤を有する、治療的に有効量の製薬学的処方物を投与することを特徴とする。1つの好ましい視点によれば、少なくとも1つの抗ヒスタミン剤およびシクレソニドならびに製薬学的に相容性の担持剤および/または1つ以上の賦形剤を有する治療的に有効量の組合せ物を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0019】
前記処方物は、殆んどの適した経路が例えば受容体の症状および疾患に依存しうるけれども、経口、皮下、皮内、筋肉内、静脈内および関節内を含めて非腸管外、鼻腔内、吸入(種々の型の計量化された用量の加圧エアロゾル、ネブライザーまたは注入器を用いて発生させることができる微細粒子のダストまたはミストを含む)、直腸および局所(皮膚、頬側、舌下および眼内への投与を含む)に適した処方物を含む。本発明による1つの好ましい実施態様において、処方物は、局所的投与に適している。1つの好ましい実施態様において、本発明による処方物は、アレルギー性鼻炎の治療の場合には、粘膜への適用に適した処方物である。アレルギー性結膜炎の治療の場合には、1つの好ましい処方物は、結膜炎への投与に適した処方物である(結膜嚢への適用)。前記処方物は、有利に単位用量形で存在することができ、薬剤の分野において十分に公知の任意の方法によって調製されることができる。全ての方法は、1つ以上の補助的な成分/賦形剤を構成する担持剤に関連した作用成分をもたらす工程を含む。一般に、処方物は、作用成分と液体担持剤もしくは微粒状の固体担持剤またはこれら双方との関連を均一かつ緊密にもたらし、次に必要に応じて、生成物を望ましい処方物に形成させることによって調製される。
【0020】
1つの好ましい実施態様において、本発明は、作用成分として少なくとも1つの抗ヒスタミン剤とシクレソニドとの組合せ物を有する、粘膜に適用してアレルギー性鼻炎を治療する水性の医薬組成物に関する。殊に、水性の医薬組成物は、滅菌された水性の医薬組成物である。
【0021】
更に、本発明は、作用成分として少なくとも1つの抗ヒスタミン剤とシクレソニドとの組合せ物を1つ以上の水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質と一緒に有しかつ290mOsm未満の浸透圧を有する、粘膜に適用してアレルギー性鼻炎を治療するための水性の医薬組成物に関する。好ましくは、浸透圧は、150mOsm未満、よりいっそう好ましくは72mOsm未満、よりいっそう好ましくは60mOsm未満、よりいっそう好ましくは40mOsm未満、よりいっそう好ましくは30mOsm未満、さらによりいっそう好ましくは20mOsm未満(例えば、10mOsm未満)である。
【0022】
本発明によれば、浸透圧を調節するための物質(浸透圧調節剤)を添加することは、特に必要ないが、しかし、添加する場合には、任意の物質を使用することができる。本発明において、浸透圧を調節するための物質(浸透圧調節剤)は、浸透圧の調節のために添加されることができ、この浸透圧を調節するための物質の詳細な例は、塩、例えば塩化ナトリウムおよび水溶性の糖、例えばグルコースを含み、この場合グルコースは、特に好ましい例である。
【0023】
1つの好ましい実施態様において、医薬組成物は、WO 01/28562またはWO 01/28563にシクレソニドについて記載されたような医薬組成物である。
【0024】
従って、1つの視点において、本発明は、作用成分として少なくとも1つの抗ヒスタミン剤とシクレソニドとの組合せ物を1つ以上の水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質と一緒に有しかつ290mOsm未満の浸透圧を有する、粘膜に適用してアレルギー性鼻炎を治療するための水性の医薬組成物に関する。
【0025】
水不溶性物質または僅かに水溶性の物質は、任意の物質であることができ、好ましい例は、セルロース、よりいっそう好ましくは結晶質セルロース、特に好ましくは微晶質セルロースを含む。本発明によれば、水性媒体中に固体粒子の形で存在する水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質の濃度は、好ましくは前記組成物の全体量に対して有利に0.3w/w%以上、特に有利に0.5w/w%〜5w/w%である。
【0026】
付加的に、水性ポリマー物質は、当該の医薬組成物中に添加されてもよい。このような水性ポリマー物質の詳細な例は、プロピレングリコールアルギネート、ペクチン、低級メトキシルペクチン、グアールゴム、アラビアゴム、カラギナン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンゴムヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含み、一方、特に好ましい例は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコールおよびヒドロキシプロピルセルロース含む。微晶質セルロースと配合されたカルボキシメチルセルロースナトリウムは、本発明で使用することができる、前記水溶性物質と水不溶性物質との組合せ物の1例である。更に、前記の水溶性ポリマー物質を添加する場合には、この物質の濃度は、有利に水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質に対して1w/w%〜30w/w%である。
【0027】
本発明の1つの好ましい実施態様において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、本発明による医薬組成物中に含有されている。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、任意の等級であることができ、1つの詳細な例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910である。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、任意の濃度で存在していてよいけれども、その濃度は、有利に前記組成物の全体量に対して0.001w/w%〜30w/w%、特に有利に0.01w/w%〜5w/w%、殊に有利に0.01w/w%〜1w/w%、最も有利に0.01w/w%〜0.5w/w%である。
【0028】
界面活性剤および/または湿潤剤は、本発明においては本質的ではないけれども、添加されてよく、その詳細な例は、Polysorbate 80、グリセリンモノステアレート、ポリオキシルステアレート、ラウロマクロゴール、ソルビタンオレエートおよびスクロース脂肪酸エステルを含む。
【0029】
本発明において使用される有効量のシクレソニドおよび局所的な抗ヒスタミン剤は、それぞれの疾患の型および程度ならびに患者の年齢および体重等に応じて決定されることができる。好ましくは、本発明による医薬組成物は、1日に1回または2回それぞれの鼻孔に1〜4回の噴霧として投与される。1回の行為当たり抗ヒスタミン剤の投与量は、抗ヒスタミン剤の型および投与の経路に依存する。有利に、用量は、1回の行為当たり10μg〜500μg、好ましくは25μg〜250μgである。アゼラスチンの場合、用量は、好ましくは米国特許第5164194号明細書に記載の範囲内である。
【0030】
シクレソニド(以下、作用成分とも呼ばれる)は、化学的名称[11β,16α(R)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンを有する化合物のINN(国際一般的名称)である。シクレソニドおよびその製造は、ドイツ連邦共和国特許第4129535号明細書に開示されている。また、本明細書中で使用されるようなシクレソニドは、シクレソニド、シクレソニドの溶媒化合物、シクレソニドの生理的に官能性の誘導体またはその溶媒化合物との任意の混合比でシクレソニドの製薬学的に相容性の塩、シクレソニドのエピマー(例えば、[11β,16α(S)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン)を含む。"生理的に官能性の誘導体"の用語は、例えば体内で転位可能であるかまたはシクレソニドの活性の代謝産物であることによってシクレソニドと同じ生理的機能を有するシクレソニドの化学的誘導体を意味する。本発明と関連して挙げることができるシクレソニドの生理的に官能性の誘導体は、例えば化学的名称16α,17−(22R,S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、16α,17−(22S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンおよび殊に16α,17−(22R)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンを有するシクレソニドの21−ヒドロキシ誘導体である。この化合物およびその製造は、WO 9422899に開示されている。
【0031】
好ましくは、シクレソニドは、固体粒子の形で水性媒体中に分散される。
【0032】
本発明のシクレソニドの濃度は、好ましくは前記組成物の全体量に対して0.01w/w%〜1w/w%、特に有利に0.05w/w%〜0.5w/w%である。
【0033】
本発明で使用されることができるシクレソニド粒子は、任意の寸法であることができるけれども、このシクレソニド粒子は、10nm〜100μmの範囲内、特に有利に100nm〜10μmの範囲内である。
【0034】
本発明に関連して挙げることができる抗ヒスタミン剤は、アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を治療するために適した任意の抗ヒスタミン剤であることができる。挙げることができる例は、(E)−6−[(E)−3−(1−ピロリジニル)−1−p−トリルプロペニル]−2−ピリジンアクリル酸[INN:ACRIVASTINE]、6,11−ジヒドロ−11−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ−[1,2−b]ピリジン[INN:AZATADINE]、4−[(4−クロロフェニル)メチル]−2−(ヘキサヒドロ−1−メチル−1H−アゼピン−4−イル)−1(2H)フタラジノン[INN:AZELASTINE]、(+)−(S)−4−[4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(2−ピリジル)メトキシ]ピペリジン−1−イル]−ブタン酸[INN:BEPOTASTINE]、(+/−)−[2−[4−(p−クロロ−α−フェニルベンジル)−1−ピペラジニル]エトキシ]−酢酸[INN:CETIRIZINE]、(+)−2−{2−[(p−クロル−α−メチル−α−フェニルベンジル)オキシ]−エチル}−1−メチルピロリジン[INN:CLEMASTINE]、8−クロロ−6,11−ジヒドロ−11−(4−ピペリジリデン)−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ−[1,2−b]ピリジン[INN:DESLORATADINE]、[3−(4−クロロフェニル)−3−ピリジン−2−イル−プロピル]−ジメチルアミン[INN:DEXCHLORPHENIRAMINE]、4′−第三ブチル−4−[4−(ジフェニルメトキシ)−ピペリジノ]ブチロフェノン[INN:EBASTINE]、[2−[4−[ビス(p−フルオロフェニル)メチル]−1−ピペラジニル]エトキシ]−酢酸[INN:EFLETIRIZINE]、1−(2−エトキシエチル)−2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−ベンズイミダゾール[INN:EMEDASTINE]、3−アミノ−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンズ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン[INN:EPINASTINE]、(+/−)−p−[1−ヒドロキシ−4−[4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジノ]−ブチル]−α−メチルヒドラトロパ酸[INN:FEXOFENADINE]、3−[4−(8−フルオロ−5,11−ジヒドロベンズ[b]オキセピノ[4,3-b]ピリジン−11−イリデン)−ピペリジン−1−イル]プロピオン酸[調査コード:HSR-609]、(−)−(3S,4R)−1−[シス−4−シアノ−4−(p−フルオロフェニル)シクロヘキシル]−3−メチル−4−フェニルイソニペコチン酸[INN:LEVOCABASTINE]、[2−[4−[(R)−p−クロロ−α−フェニルベンジル]−1−ピペラジニル]エトキシ]−酢酸[INN:LEVOCETIRIZINE]、エチル4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イリデン)−1−ピペリジンカルボキシレート[INN:LORATADINE]、2−[N−[1−(4−フルオロベンジル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−4−ピペリジニル]−N−メチル−アミノピリミジン−4(3H)−オン[INN:MIZOLASTINE]、1−(4−フルオロベンジル)−2−(ピペリジン−4−イルアミノ)−1H−ベンズイミダゾール[INN:NORASTEMIZOLE]、3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−N−メチル−1−プロパナミン[INN:NORTRIPTYLINE]、9−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン[INN:PEMIROLAST]、8−クロロ−11−[1−(5−メチルピリジン−3−イルメチル)−ピペリジン−4−イリデン]−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン[INN:RUPATADINE]、1−[2−[(p−クロロ−α−メチル−α−フェニルベンジル)オキシ]エチル]ヘキサヒドロ−1H−アゼピン[INN:SETASTINE]、S−(7−カルボキシ−4−ヘキシル−9−オキソキサンテン−2−イル)−S−メチルスルホキシミン[INN:SUDEXANOX]、1−(p−第三ブチルフェニル)−4−[4′−(α−ヒドロキシジフェニルメチル)−1′−ピペリジル]−ブタノール[INN:TERFENADINE]、N−ベンジル−N,N′−ジメチル−N−(2−ピリジル)−エチレンジアミン[INN:TRIPELENAMINE]および1−(4−フルオロベンジル)−2−(ピペリジン−4−イルアミン)−1H−ベンズイミダゾール[INN:TECASTEMIZOLE]およびこれらの混合物である。また、抗ヒスタミン剤は、製薬学的に相容性の塩および/または溶媒化合物の形で存在していてもよい。化学構造に依存して、抗ヒスタミン剤は、異なる立体異性体の形で存在することができる。抗ヒスタミン剤の用語は、純粋な立体異性体(例えば、純粋なエピマー、ジアステレオ異性体またはエナンチオマー)および任意の混合比でのその混合物を含む。抗ヒスタミン剤の適当な薬理学的に相容性の塩は、殊に酸、例えば塩酸、臭化水素酸、燐酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、蓚酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、または1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸との水溶性の酸付加塩および水不溶性の酸付加塩であり、この場合前記酸は、一塩基酸であるかまたは多塩基酸であるか否か、およびどの塩が望ましいかに依存して、等モル量比かまたはそれとは異なる比で塩の製造に使用される。"生理的に官能性の誘導体"の用語の場合には、例えば体内で転位可能であるかまたは抗ヒスタミン剤の活性の代謝産物であることによって抗ヒスタミン剤と同じ生理的機能を有する抗ヒスタミン剤の化学的誘導体を意味する。1つの好ましい実施態様において、抗ヒスタミン剤は、局所的な作用を長時間作用させる抗ヒスタミン剤である。アザタジン、アゼラスチン、レボカバスチンおよびその製薬学的に相容性の塩は、特に好ましい。アザタジンは、例えば米国特許第3326924号明細書の記載から公知である。アザタジンの好ましい塩は、マレイン酸塩、硫酸塩、コハク酸塩および酢酸塩を含む。アゼラスチンは、米国特許第3813384号明細書および米国特許第5164194号明細書の記載から公知である。好ましいのは、有機酸との酸付加塩、例えばヒドロハロゲン塩および有機酸との塩である。好ましい塩は、塩酸塩、ヒドロブロミド、エンボン酸との塩、マレイン酸との塩、クエン酸との塩および酒石酸との塩を含む。レボカバスチンは、米国特許第4369184号明細書の記載から公知である。適当な塩は、塩酸塩、ヒドロブロミドならびに硫酸との塩、硝酸との塩、酢酸との塩およびプロピオン酸との塩である。
【0035】
水溶性の抗ヒスタミン剤、例えばアゼラスチン塩酸塩の場合には、抗ヒスタミン剤は、本発明による医薬組成物中に溶解される。
【0036】
局所的な抗ヒスタミン剤の濃度は、前記組成物の全体量に対して好ましくは0.01w/w%〜0.5w/w%、特に好ましくは0.05w/w%〜0.2w/w%である。
【0037】
水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質を水性媒体中に分散させる任意の方法は、本発明による水性の医薬組成物の製造に使用されることができ、その詳細な例は、ホモミキサーを使用する方法である。
【0038】
公知の防腐剤、pH調節剤、保存剤、緩衝液、着色剤、匂い矯正薬等は、必要に応じて本発明による医薬組成物に添加されてよく、この医薬組成物の処方物の物理的性質、安定性、外観または匂い等が改善される。
【0039】
防腐剤の例は、ベンズアルコニウムクロリドを含み、pH調節剤の例は、塩酸および水酸化ナトリウムを含み、保存剤の例は、カリウムソルベートを含み、緩衝液の例は、燐酸およびその塩を含み、着色剤の例は、赤色染料No.2を含み、匂い矯正薬の例は、メントールを含む。
【0040】
独特のガレヌス製剤処方物によれば、シクレソニドは、迅速に鼻粘膜に侵入し、極めて長い保持時間を有する。それ故、効果的な治療の達成のために、極めて低い用量のシクレソニドおよび1日1回、最大1日2回の治療が必要とされる。局所的な抗ヒスタミン剤(例えば、アゼラスチンまたはレボカバスチン)との組合せ物での低張水性懸濁液中での低い用量のシクレソニドは、アレルギー性鼻炎を伴う全ての症状の極めて有効で安全な治療をもたらす。この組合せ物の明らかな利点は、副作用のようなグルココルチコイドの恐れなしに作用の迅速な開始および急速な症状の除去である。
【0041】
別の実施態様において、本発明は、シクレソニドとアゼラスチンとの組合せ物に関し、シクレソニドは、WO 01/28562またはWO 01/28563にシクレソニドについて記載されているように医薬組成物中に使用され、アゼラスチンは、米国特許第5164194号明細書に記載の医薬組成物中に使用されている。
【0042】
鼻粘膜について記載する場合には、本発明による処方物は、プラスチック製スクィーズボトルまたはプラスチック製ボトルもしくはガラス製ボトル中に充填されることができ、この場合これらのボトルは、軽量型噴霧ポンプおよび鼻用アダプターまたは適当なドロッパを備えている。眼について記載する場合には、本発明による処方物は、プラスチック製スクィーズボトルまたはプラスチック製ボトルもしくはガラス製ボトル中に充填されることができ、この場合これらのボトルは、適当なドロッパを備えている。
【実施例】
【0043】
下記した成分を含有するシクレソニドの水性の医薬組成物は、ホモミキサーで処理することによって製造される。ホモミキサーでの処理は、例えば6000rpmで30分間実施される。
【0044】
例1:シクレソニドとアゼラスチン塩酸塩との組合せ物
シクレソニド: 0.05%
アゼラスチン塩酸塩 0.14%
微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム 1.7%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.1%
鼻用塗布装置によって導出される噴霧液100mgは、それぞれシクレソニド50μgおよびアゼラスチン塩酸塩140μgを導出する。
【0045】
例2:
シクレソニド: 0.05%
レボカバスチン塩酸塩 0.054%
微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム 1.7%
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910 0.1%
鼻用塗布装置によって導出される噴霧液100mgは、それぞれシクレソニド50μgおよびレボカバスチン塩酸塩54μgを導出する(レボカバスチン50μgに対して等量)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を治療するための医薬組成物において、作用成分として少なくとも1つの抗ヒスタミン剤、その立体異性体、製薬学的に相容性の塩、溶媒化合物または生理的に官能性の誘導体およびシクレソニド、シクレソニドの製薬学的に相容性の塩、シクレソニドのエピマーを、場合によってはシクレソニド、シクレソニドの溶媒化合物、シクレソニドの生理的に官能性の誘導体またはその溶媒化合物および製薬学的に認容性の担持剤および/または1つ以上の賦形剤との任意の混合比で有することを特徴とする、アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を治療するための医薬組成物。
【請求項2】
作用成分を1つ以上の水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質と一緒に有しかつ290mOsm未満の浸透圧を有する水性の医薬組成物であり、粘膜に適用してアレルギー性鼻炎を治療する、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
浸透圧が150mOsm未満である、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項4】
浸透圧が60mOsm未満である、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項5】
浸透圧が40mOsm未満である、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項6】
浸透圧が20mOsm未満である、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項7】
さらに浸透圧調節剤を有する、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項8】
水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質がセルロースである、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項9】
セルロースが微晶質セルロースである、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項10】
1つ以上の水不溶性物質および/または僅かに水溶性の物質が水性媒体中に固体粒子として存在する、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項11】
さらに水溶性ポリマー物質を有する、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項12】
水不溶性物質と水溶性ポリマーとの組合せ物が存在し、この組合せ物が微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムである、請求項11記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項13】
さらに界面活性剤および/または湿潤剤を有する、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項14】
粘膜が鼻粘膜である、請求項2記載の粘膜に適用する医薬組成物。
【請求項15】
抗ヒスタミン剤が(E)−6−[(E)−3−(1−ピロリジニル)−1−p−トリルプロペニル]−2−ピリジンアクリル酸[INN:ACRIVASTINE]、6,11−ジヒドロ−11−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ−[1,2−b]ピリジン[INN:AZATADINE]、4−[(4−クロロフェニル)メチル]−2−(ヘキサヒドロ−1−メチル−1H−アゼピン−4−イル)−1(2H)フタラジノン[INN:AZELASTINE]、(+)−(S)−4−[4−[1−(4−クロロフェニル)−1−(2−ピリジル)メトキシ]ピペリジン−1−イル]−ブタン酸[INN:BEPOTASTINE]、(+/−)−[2−[4−(p−クロロ−α−フェニルベンジル)−1−ピペラジニル]エトキシ]−酢酸[INN:CETIRIZINE]、(+)−2−{2−[(p−クロル−α−メチル−α−フェニルベンジル)オキシ]−エチル}−1−メチルピロリジン[INN:CLEMASTINE]、8−クロロ−6,11−ジヒドロ−11−(4−ピペリジリデン)−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ−[1,2−b]ピリジン[INN:DESLORATADINE]、[3−(4−クロロフェニル)−3−ピリジン−2−イル−プロピル]−ジメチルアミン[INN:DEXCHLORPHENIRAMINE]、4′−第三ブチル−4−[4−(ジフェニルメトキシ)−ピペリジノ]ブチロフェノン[INN:EBASTINE]、[2−[4−[ビス(p−フルオロフェニル)メチル]−1−ピペラジニル]エトキシ]−酢酸[INN:EFLETIRIZINE]、1−(2−エトキシエチル)−2−(ヘキサヒドロ−4−メチル−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−ベンズイミダゾール[INN:EMEDASTINE]、3−アミノ−9,13b−ジヒドロ−1H−ジベンズ[c,f]イミダゾ[1,5−a]アゼピン[INN:EPINASTINE]、(+/−)−p−[1−ヒドロキシ−4−[4−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピペリジノ]−ブチル]−α−メチルヒドラトロパ酸[INN:FEXOFENADINE]、3−[4−(8−フルオロ−5,11−ジヒドロベンズ[b]オキセピノ[4,3-b]ピリジン−11−イリデン)−ピペリジン−1−イル]プロピオン酸[調査コード:HSR-609]、(−)−(3S,4R)−1−[シス−4−シアノ−4−(p−フルオロフェニル)シクロヘキシル]−3−メチル−4−フェニルイソニペコチン酸[INN:LEVOCABASTINE]、[2−[4−[(R)−p−クロロ−α−フェニルベンジル]−1−ピペラジニル]エトキシ]−酢酸[INN:LEVOCETIRIZINE]、エチル4−(8−クロロ−5,6−ジヒドロ−11H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イリデン)−1−ピペリジンカルボキシレート[INN:LORATADINE]、2−[N−[1−(4−フルオロベンジル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−4−ピペリジニル]−N−メチル−アミノピリミジン−4(3H)−オン[INN:MIZOLASTINE]、1−(4−フルオロベンジル)−2−(ピペリジン−4−イルアミノ)−1H−ベンズイミダゾール[INN:NORASTEMIZOLE]、3−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イリデン)−N−メチル−1−プロパナミン[INN:NORTRIPTYLINE]、9−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン[INN:PEMIROLAST]、8−クロロ−11−[1−(5−メチルピリジン−3−イルメチル)−ピペリジン−4−イリデン]−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン[INN:RUPATADINE]、1−[2−[(p−クロロ−α−メチル−α−フェニルベンジル)オキシ]エチル]ヘキサヒドロ−1H−アゼピン[INN:SETASTINE]、S−(7−カルボキシ−4−ヘキシル−9−オキソキサンテン−2−イル)−S−メチルスルホキシミン[INN:SUDEXANOX]、1−(p−第三ブチルフェニル)−4−[4′−(α−ヒドロキシジフェニルメチル)−1′−ピペリジル]−ブタノール[INN:TERFENADINE]、N−ベンジル−N,N′−ジメチル−N−(2−ピリジル)−エチレンジアミン[INN:TRIPELENAMINE]および1−(4−フルオロベンジル)−2−(ピペリジン−4−イルアミン)−1H−ベンズイミダゾール[INN:TECASTEMIZOLE]およびこれらの混合物、立体異性体、その製薬学的に相容性の塩および/または溶媒化合物の群から選択されたものである、請求項1から14までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
抗ヒスタミン剤がアゼラスチン、レボカバスチン、その塩または溶媒化合物である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
アレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を治療する医薬組成物を製造するための少なくとも1つの抗ヒスタミン剤との組合せ物でのシクレソニドの使用。
【請求項18】
哺乳動物、例えばヒトにおいてアレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を予防または治療するための方法において、少なくとも1つの抗ヒスタミン剤またはその製薬学的に相容性の塩、溶媒化合物もしくは生理的に官能性の誘導体およびシクレソニドまたはその製薬学的に相容性の塩、溶媒化合物もしくは生理的に官能性の誘導体、ならびに製薬学的に相容性の担持剤および/または1つ以上の賦形剤を有する、治療的に有効量の製薬学的処方物を投与することを特徴とする、哺乳動物、例えばヒトにおいてアレルギー性鼻炎および/またはアレルギー性結膜炎を予防または治療するための方法。

【公開番号】特開2011−21043(P2011−21043A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248760(P2010−248760)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【分割の表示】特願2004−532150(P2004−532150)の分割
【原出願日】平成15年8月29日(2003.8.29)
【出願人】(507229021)ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (90)
【氏名又は名称原語表記】Nycomed GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2, D−78467 Konstanz, Germany
【Fターム(参考)】