説明

アレルギー性鼻炎抑制剤

【課題】アレルギー性鼻炎の即時相反応及び遅発相反応に対して十分な効果を有する抽出物の提供。
【解決手段】ユソウボク、バハマユソウボク、およびパロサントからなる群より選択される1種または2種以上の植物抽出物からなるアレルギー性鼻炎抑制剤。本発明のアレルギー性鼻炎抑制剤は、アレルギー性鼻炎の即時相反応および遅発相反応を顕著に抑制し、かつくしゃみ症状を有効に抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物抽出物を含有するアレルギー性鼻炎抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アレルギー性鼻炎の症状に関しては、一般に即時相反応と遅発相反応と呼ばれる症状がある。
花粉やダニ等の抗原がアレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜上に吸引されると、肥満細胞の表面でIgE抗体と結合しヒスタミンやロイコトリエンを主とする化学伝達物質が放出され、アレルギー反応が起こる。これらの化学伝達物質に対する鼻粘膜の知覚神経終末、血管の反応として、くしゃみ、水様性鼻汁(鼻水)、鼻粘膜腫脹(鼻閉)が見られる。これがアレルギー性鼻炎の即時相反応と呼ばれる症状である。
また抗原に曝露された後、鼻粘膜内では肥満細胞等で産生されるサイトカインやケモカインにより好酸球を中心とする様々な炎症細胞が集まり、産生されるシステイニルロイコトリエンの働きにより鼻粘膜腫脹(鼻閉)が起こる。これがアレルギー性鼻炎の遅発相反応と呼ばれる症状であり、抗原が体内に入ってから通常6〜10時間後にみられる症状である。
【0003】
アレルギー性鼻炎の即時相反応は通勤・通学等の外出時における不快な症状を引き起こし、遅発相反応は就寝時の鼻閉による不眠を引き起こすことにより共にQOL(クオリティオブライフ)を大きく損なっている。
【0004】
近年、このようなアレルギー性鼻炎の症状は、ヒスタミン・ロイコトリエン等のケミカルメディエーターが関与していることが明らかにされている(非特許文献1)。
【0005】
従来、アレルギー性鼻炎の症状の改善には、抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー薬が汎用されてきた(非特許文献2)。しかしながら、このような抗アレルギー薬では、上記鼻炎症状の内、即時相症状に対しては一定の効果を示すものの、遅発相症状に対しては満足できる効果が得られていないのが現状である。
又、これらの抗アレルギー薬は化学合成製品である為、眠気やめまいあるいは吐き気を催したり、倦怠感が起こったり、さらには下痢を催したりする副作用があるという問題点も有している(非特許文献2)。
【0006】
このような背景の下、安全性に問題が少ないという点から天然物である植物から抗アレルギー効果を有する抽出物を探索する試みが行われており、甜茶(特許文献1)・フキ(特許文献2)等が開示されている。しかしながら、アレルギー性鼻炎の即時相反応及び遅発相反応の両者に対して十分な効果を有する抽出物は未だ得られていないのが現状である。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決すべく、植物としてユソウボクなどに注目した。本発明で使用するユソウボクについて、以下説明する。
本発明で使用するユソウボク(Guaiacum officinale L.、癒瘡木)・バハマユソウボク(Guaiacum sanctum L.)はハマビシ科グナファリウム属に含まれる。また、パロサント(Bulnesia sarmientoi)はハマビシ科ブルネシア属に含まれる。
ユソウボクは中南米に分布する植物であり、古くから心材を細切れにしたものは煎じ薬として利用されていた(非特許文献3)。その心材を加熱し得られた樹脂はグアヤク脂として食品添加物に利用されている(非特許文献4)。
また、グアヤク脂に関しては含まれている化合物のいくつかに5−リポキシゲナーゼ阻害活性がある事が知られている(特許文献3)。5−リポキシゲナーゼはアラキドン酸代謝経路においてロイコトリエンの産生に関わる酵素である。
ユソウボクから得られた精油成分はグァヤックウッドオイルとして利用されている(非特許文献5)。また、グアイヤックウッドオイル(特許文献4における表記。グァヤックウッドオイルと同一の物であると考えられる。)がIL-4産生抑制活性を有することが知られている(特許文献4)。また、グアイヤックウッドオイルに含まれる精油成分であるグアイオールがIL−4産生抑制活性を有することも知られている(特許文献4)。
グナファリウム属のバハマユソウボク(Guaiacum sanctum L.)及びブルネシア属のパロサント(Bulnesia sarmientoi)も中南米に分布する植物である(非特許文献5及び6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平09-124498号公報
【特許文献2】特開2005-179308号公報
【特許文献3】特2754644号公報
【特許文献4】特3905267号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】鼻アレルギー診療ガイドライン p14-16,2005年版
【非特許文献2】鼻アレルギー診療ガイドライン p70-81,2005年版
【非特許文献3】牧野和漢薬草大図鑑、北隆館、p242
【非特許文献4】天然物便覧、食品と科学社、p91
【非特許文献5】香りの百科、朝倉書店、p145−146
【非特許文献6】天然香料基原物質の解説、食品化学新聞社、p152
【非特許文献7】B.E.Pennock, C.P.Cox, R.M.Rogers Journal of applied Physiology 46(2):399-406, 1979
【非特許文献8】薬学雑誌 123(1):1-8,2003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、植物抽出物中の薬効成分を活用することによって得られる安全かつアレルギー性鼻炎の即時相反応及び遅発相反応に高い効果を有するアレルギー性鼻炎抑制剤に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ユソウボク、バハマユソウボク、パロサントから選択される1種又は2種以上の植物抽出物を用いることを特徴とするアレルギー性鼻炎抑制剤により即時相及び遅発相の鼻炎症状を改善することを目的とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のアレルギー性鼻炎抑制剤は、即時相及び遅発相の鼻炎症状を有効に改善する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ユソウボク抽出物とグアイオールのHPLC分析結果を示す。
【図2】ユソウボク抽出物投与後の鼻閉症状(特異的気道抵抗の変化)の結果を示す。(a)は、投与2週間後の結果を示し、(b)は、投与4週間後の結果を示す。
【図3】ユソウボク抽出物投与のくしゃみ症状への影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、ユソウボク、バハマユソウボク、パロサントから選択される1種又は2種以上の植物抽出物を用いることを特徴とするアレルギー性鼻炎抑制剤に関する。
本発明に係る植物抽出物おいては、ハマビシ科グナファリウム属に含まれるユソウボク、バハマユソウボク、さらにハマビシ科ブルネシア属に含まれるパロサントの心材(生または乾燥品)から得られるものを使用することが出来る。抽出率の向上を考慮すると乾燥させたものが適している。
【0015】
本発明の有効成分である上記植物の抽出物を得る方法については特に限定しないが、上記植物を適当な粉砕手段で粉砕し、ユソウボク抽出物に含まれるグアイオールを除去することを目的とした二段階抽出を含む溶媒抽出等の方法により抽出物を調製する。抽出溶媒としては、水及びメタノール、エタノール、n−プロパノール並びにn−ブタノール等の低級アルコール、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒の1種または2種以上を混合して使用するが、好ましくは水または親水性の有機溶媒を使用する。
【0016】
さらに、本発明に係る植物抽出物は、人に対する薬剤または飲食品として用いられる可能性を考慮すると、抽出溶媒としては安全性の面から水とエタノールとの組み合わせを用いるのが好ましい。
【0017】
抽出条件としては、高温、室温、低温のいずれかの温度で抽出することが可能であるが、50〜90℃で1〜5時間程度抽出するのが好ましい。得られた抽出物は、濾過し、抽出溶媒を留去した後、減圧下において濃縮または凍結乾燥してもよい。また、これらの抽出物を有機溶剤、カラムクロマトグラフィ等により分画精製したものも使用することができる。
【0018】
このようにして得られたハマビシ科グナファリウム属植物であるユソウボクの抽出物をアレルギー性鼻炎モデル動物に投与して評価した結果、即時相及び遅発相の鼻閉並びにくしゃみ症状を抑制する効果をユソウボクの抽出物に見出し、本発明を完成させるに至った。
【0019】
以下、具体的実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施例によって本発明は限定されるものではないことは、容易に理解されよう。
【実施例1】
【0020】
以下の方法により、ユソウボク抽出物の鼻閉に対する動物実験を行った。
1)材料
ユソウボクの材部を粉砕し、ヘキサン脱脂で精油を除去した後に、60%EtOHで70℃・2時間抽出し、濾過後に凍結乾燥したものをユソウボク抽出物として用いた。なお、ユソウボク抽出物をHPLCにて分析した。その結果を図1に示す。図1から判るように、ユソウボク抽出物にグアイオールは定量限界以下しか含まれていなかった。
本実施例では、Hartley系モルモット (雄性、3週齢、クリーンレベル)45匹を使用した。また、スギ花粉を感作及び惹起に用いる抗原とした。
【0021】
2)感作
水酸化アルミニウムゲルに吸着させたスギ花粉抽出エキス懸濁液を調製し、1日に2回、7日間連日モルモットに点鼻することにより、鼻局所での感作を行った。
【0022】
3)反応惹起
点鼻による感作後、1週間に1回、定量的吸入器具を用いてスギ花粉を吸入させることにより反応惹起を行った。この定量的吸入器具は一端が25μm孔径のナイロンメッシュで覆われたテフロン(登録商標)製の円筒状の容器であり、これに花粉を3mg充填して他端をモルモットの片側鼻孔に押し当て、他方の鼻孔を実験者の指で閉塞し、無麻酔下・自発呼吸下に1分吸入させることによって行った。なお、反応惹起はその後の被験試料の投与期間を含めた飼育期間中継続して行った。
【0023】
4)被験試料の投与
試験開始8週間後から試料の投与を開始した。投与は経口ゾンデを用い、0.5%カルボキシメチルセルロース溶液(以下、CMC溶液とする)に被験試料を懸濁して行った。陽性対照群に対してはCMC溶液のみを経口投与した。ユソウボク抽出物では250mg/Kg/Day投与群と50mg/Kg/Day投与群の2群を設定した。投与期間は4週間とした。なお、投与量を算出する為に週に1回体重測定を行った。
【0024】
5)鼻閉の測定方法
鼻閉はダブルフロープレチスモグラフ法(非特許文献7)(Pulmus-I,II,III, M.I.P.S社)により特異的気道抵抗(specific airway resistance、以下sRawとする)の変化を測定することによって評価した。
M.I.P.S社の呼吸機能測定装置Pulmus-I,II,IIIを用いて、平常時のモルモットのsRawを測定して基準値とし、スギ花粉による反応惹起を行ってから1時間後・2時間後・4時間後・6時間後のsRawを測定して、それぞれの値から基準値を引いた値をsRawの変化(Change in sRaw)とした。
被験試料の投与の前にモルモット45匹のsRawを測定し、反応惹起から1時間後のsRawの変化が均等になるように15匹づつ、3群(陽性対照群、ユソウボク抽出物250mg/Kg/Day投与群、ユソウボク抽出物50mg/Kg/Day投与群)に分けた。
経口投与2週間後に、スギ花粉による反応惹起後、1時間後・2時間後・4時間後・6時間後のsRawの変化を測定した。
経口投与4週間後に、スギ花粉による反応惹起後、1時間後・2時間後・3時間後・4時間後・6時間後のsRawの変化を測定した。
ここで、n数は投与4週間後の50mg/Kg/Day投与群のみ14で、他は15である。
得られた2週間後と4週間後のsRawの変化を図2の(a)および(b)に示す。なお、図2の(a)および(b)において、統計解析の結果、陽性対照群に対して有意差が認められた場合には印を付した(*p<0.05, **p<0.01 2way ANOVA)。
【0025】
6)くしゃみ回数の測定方法
スギ花粉による反応惹起後、1時間のくしゃみ回数を目視で確認して記録した。測定は経口投与2週間後と4週間後で行い、n数は投与4週間後の50mg/Kg/Day投与群のみ14で、他は15である。
得られた2週間後と4週間後のくしゃみ回数の測定結果を図3に示す。
【0026】
7)結果
7−1)鼻閉
鼻閉には即時相反応のものと遅発相反応のものがある(即時相の鼻閉は反応惹起後、1時間から2時間程度まで、遅発相は4時間から6時間程度までで考える)。図2の(a)から判るように、2週間投与のユソウボク抽出物250mg/Kg/Day投与群では即時相の鼻閉に効果が認められ、図2の(b)から判るように、4週間投与のユソウボク抽出物250mg/Kg/Day投与群では即時相と遅発相の鼻閉に効果が認められた(4時間と6時間後では有意差は取れなかったが、鼻閉を抑制している傾向が認められる)。
ロイコトリエンの受容体拮抗薬であるプランルカストは遅発相反応の鼻閉を強く抑制するが、即時相反応の鼻閉をほとんど抑制しない(非特許文献8)。よって、ロイコトリエンは遅発相反応の鼻閉に大きな影響を示すが、即時相反応の鼻閉にはほとんど関与していないと考えられている。
【0027】
7−2)くしゃみ
図3から判るように、2週間後及び4週間後の双方において、ユソウボク抽出物はいずれの濃度でも有意な抑制を示さなかった。しかし、250mg/Kg/Day投与群では2週間後及び4週間後において陽性対照群よりもくしゃみ回数が低い傾向が見られる。くしゃみ症状に対してはロイコトリエンはほとんど関与してないと考えられている。
【0028】
[参考例1]
参考として、以下の方法により、ユソウボク抽出物等のロイコトリエン産生に対する細胞試験を行った。
1)材料
i)ユソウボク抽出物
実施例1と同様に、ユソウボクの材部を粉砕し、ヘキサン脱脂で精油を除去した後に、60%EtOHで70℃・2時間抽出し、濾過後に凍結乾燥したものをユソウボク抽出物として用いた。
ii)バハマユソウボク抽出物
バハマユソウボクの材部を粉砕し、ヘキサン脱脂で精油を除去した後に、60%EtOHで70℃・2時間抽出し、濾過後に凍結乾燥したものをバハマユソウボク抽出物として用いた。
iii)パロサント抽出物
パロサントの材部を粉砕し、ヘキサン脱脂で精油を除去した後に、60%EtOHで70℃・2時間抽出し、濾過後に凍結乾燥したものをパロサント抽出物として用いた。
iv)甜茶抽出物
甜茶の葉・茎部を粉砕し、水で70℃・2時間抽出し、濾過後に凍結乾燥したものを甜茶抽出物として用いた。
【0029】
2)方法
上記の各抽出物を試料として、ロイコトリエン産生抑制効果を調べた。
本試験は、ラット好塩基性細胞株(RBL−2H3細胞、資源番号JCRB0023)を用いて産生されるシステイニルロイコトリエン量を測定し、植物抽出物がシステイニルロイコトリエンの産生を抑制する効果を確認するものである。なお、ロイコトリエンの中でロイコトリエンC、D、Eの三つがシステイニルロイコトリエンと呼ばれる。
RBL−2H3細胞をウシ胎児血清(10%)、ペニシリン(50U/ml)、ストレプトマイシン(50μg/ml)を含有するMinimum Essential Medium Eagle(EMEM培地)中で37℃、5%CO2で継代培養を行った。
【0030】
試験日の前日にRBL−2H3細胞を24穴平底マイクロプレートに2.0×10個(400μl/well)ずつ播種した。試験当日、培養上清を除去し、終濃度でDMSOを2%含むEMEM培地に溶解した被験試料をウェルに200μl添加し37℃で2時間培養した。その後にプレートを500μlのPIPES 緩衝液(119mM NaCl、5mM KCl、1mM CaCl 、0.4mM MgCl、5.6mM glucose、25mM PIPES、40mM NaOH、0.1% BSA、pH7.2)で2回洗浄し、終濃度でDMSOを2%含むPIPES 緩衝液を200μl加えた。次に10μlの刺激剤(カルシウムイオノフォアA23187:終濃度5μM)を加えて15分間反応させた。反応終了後、10分間、氷冷して反応を止めた後に上清180μlを回収、1000rpmで3分間、遠心分離して上清150μlを得た。
得られた上清中に含まれるシステイニルロイコトリエン量(ロイコトリエンC、D及びE各量の合計)をケイマンケミカル社製システイニルロイコトリエンEIAキットにて測定し、各試料のロイコトリエン産生抑制率を以下の式により算出した。
ロイコトリエン産生抑制率(%)=〔(C-B-S)/(C-B)〕×100
但し、S=試料と刺激剤を添加した場合のロイコトリエン産生量、C=刺激剤のみを添加した場合のロイコトリエン産生量、B=試料及び刺激剤を双方共に添加しない場合のロイコトリエン産生量とする。
【0031】
その結果、得られた各抽出物のロイコトリエン産生抑制率を以下の表1に示した。
【0032】
【表1】

【0033】
表1の結果から、ユソウボク抽出物、バハマユソウボク抽出物、パロサント抽出物の5ppmの濃度で、顕著なロイコトリエン産生抑制率が認められた。
【0034】
本発明にかかるユソウボク抽出物とグアヤク脂では、基原となる植物は同一であり、グアヤク脂に含まれる化合物の中にロイコトリエンの産生を抑制するものがあることが公知となっている。しかし、実施例1で説明したように、ユソウボク抽出物が即時相及び遅発相の鼻閉及びくしゃみ症状に対して抑制効果を有することは公知となっていない。本発明に係るユソウボク抽出物の即時相反応における鼻閉抑制作用には、実施例1で説明したようにロイコトリエンが関与していないと考えられるので、ロイコトリエン産生抑制作用以外の作用によりユソウボク抽出物は即時相の鼻閉及びくしゃみ症状に対して抑制効果を示していることを、本研究によって確認した。
【0035】
次に、実施例1及び参考例1で調製した植物抽出物を用いて、錠剤、散剤、吸入剤、点鼻薬、チューインガム、キャンディ、チョコレート、ビスケット、グミゼリー、錠菓、アイスクリーム、シャーベット、飲料を常法にて調製した。以下にその処方を示した。なお、これらによって本発明品の範囲を制限するものではない。
【実施例2】
【0036】
下記処方にしたがって錠剤を調製した。
D−マンニトール 42.6%
乳糖 42.6
結晶セルロース 8.5
ヒドロキシプロピルセルロース 4.3
実施例1のユソウボク抽出物 2.0
100.0%
【実施例3】
【0037】
下記処方にしたがって散剤を調製した。
乳糖 62.5%
馬鈴薯でんぷん 12.5
参考例1のバハマユソウボク抽出物 25.0
100.0%
【実施例4】
【0038】
下記処方にしたがって吸入剤を調製した。
エタノール 5.0%
参考例1のパロサント抽出物 1.0
L−メントール 2.0
水 92.0
100.0%
【実施例5】
【0039】
下記処方にしたがって点鼻薬を調製した。
サリチル酸メチル 0.03g
マレイン酸クロルフェニラミン 0.3
dl−塩酸メチルエフェドリン 0.3
ポリソルベート80 0.2
塩化ベンザルコニウム 0.01
塩化ナトリウム 0.6
1N水酸化ナトリウム 適量
実施例1のユソウボク抽出物 0.01
水 適量
100.0ml
(pH6.5)
【実施例6】
【0040】
下記処方にしたがってチューインガムを調製した。
ガムベース 20.0%
砂糖 54.7
グルコース 15.0
水飴 9.3
香料 0.5
実施例1のユソウボク抽出物 0.5
100.0%
【実施例7】
【0041】
下記処方にしたがってチューインガムを調製した。
ガムベース 20.0%
砂糖 54.5
グルコース 10.0
水飴 13.0
香料 0.5
参考例1のパロサント抽出物 2.0
100.0%
【実施例8】
【0042】
下記処方にしたがってチューインガムを調製した。
ガムベース 20.0%
砂糖 50.5
グルコース 14.0
水飴 13.0
香料 0.5
参考例1のバハマユソウボク抽出物 2.0
100.0%
【実施例9】
【0043】
下記処方にしたがってキャンディを調製した。
砂糖 50.0%
水飴 33.0
クエン酸 1.0
香料 0.2
L−メントール 1.0
実施例1のユソウボク抽出物 0.4
水 14.4
100.0%
【実施例10】
【0044】
下記処方にしたがってキャンディを調製した。
砂糖 38.0%
水飴 42.0
クエン酸 1.0
香料 0.2
参考例1のパロサント抽出物 0.4
水 18.4
100.0%
【実施例11】
【0045】
下記処方にしたがってチョコレートを調製した。
カカオビター 20.0%
全脂粉乳 20.0
カカオバター 17.0
粉糖 41.85
レシチン 0.45
香料 0.1
参考例1のバハマユソウボク抽出物 0.6
100.0%
【実施例12】
【0046】
下記処方にしたがってビスケットを調製した。
砂糖 31.7%
小麦粉 26.8
片栗粉 26.8
バター 3.2
卵 10.2
重曹 0.3
実施例1のユソウボク抽出物 1.0
100.0%
【実施例13】
【0047】
下記処方にしたがってグミゼリーを調製した。
ポリデキストロース水溶液 40.0%
ソルビトール水溶液 8.0
パラチノース水溶液 9.0
マルトース水溶液 20.0
トレハロース水溶液 11.0
ゼラチン 10.0
酒石酸 1.0
参考例1のバハマユソウボク抽出物 1.0
100.0%
【実施例14】
【0048】
下記処方にしたがって錠菓を調製した。
砂糖 76.1%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
香料 0.15
実施例1のユソウボク抽出物 0.1
水 4.0
100.0%
【実施例15】
【0049】
下記処方にしたがって錠菓を調製した。
砂糖 74.7%
乳糖 18.9
ショ糖脂肪酸エステル 0.15
参考例1のパロサント抽出物 2.0
水 4.25
100.0%
【実施例16】
【0050】
下記処方にしたがって錠菓を調製した。
砂糖 56.7%
乳糖 18.9
ショ糖脂肪酸エステル 0.15
実施例1のユソウボク抽出物 20.0
水 4.25
100.0%
【実施例17】
【0051】
下記処方にしたがってタブレットを調製した。
砂糖 35.85%
ショ糖脂肪酸エステル 0.15
実施例1のユソウボク抽出物 60.0
水 4.0
100.0%
【実施例18】
【0052】
下記処方にしたがってタブレットを調製した。
砂糖 2.9%
ショ糖脂肪酸エステル 0.1
参考例1のパロサント抽出物 95.0
水 2.0
100.0%
【実施例19】
【0053】
下記処方にしたがってアイスクリームを調製した。
卵黄 11.0%
砂糖 14.0
牛乳 37.0
生クリーム 37.0
バニラビーンズ 0.5
実施例1のユソウボク抽出物 0.5
100.0%
【実施例20】
【0054】
下記処方にしたがってシャーベットを調製した。
オレンジ果汁 16.0%
砂糖 31.0
参考例1のバハマユソウボク抽出物 3.0
水 50.0
100.0%
【実施例21】
【0055】
下記処方にしたがって飲料を調製した。
オレンジ果汁 30.0%
異性化糖 15.33
クエン酸 0.1
ビタミンC 0.04
香料 0.1
実施例1のユソウボク抽出物 0.01
水 54.42
100.0%
【実施例22】
【0056】
下記処方にしたがって飲料を調製した。
グレープ果汁 25.0%
異性化糖 15.33
クエン酸 0.1
ビタミンC 0.05
香料 0.1
参考例1のパロサント抽出物 0.01
水 適量
100.0%
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、花粉症等のアレルギー症状に対応する商品群への添加素材として有用である。また、本発明は花粉症における鼻づまりに有用である。さらに、キャンディやガム等の製品への適用、および新たな健康機能製品への適用も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユソウボク、バハマユソウボク、およびパロサトからなる群より選択される1種または2種以上の植物抽出物を有効成分とすることを特徴とするアレルギー性鼻炎抑制剤。
【請求項2】
前記植物抽出物が、極性溶媒により抽出されたものであることを特徴とする請求項1に記載のアレルギー性鼻炎抑制剤。
【請求項3】
前記植物抽出物が、乾燥重量に換算して0.01〜25.0重量%含有された請求項1に記載のアレルギー性鼻炎抑制剤。
【請求項4】
アレルギー性鼻炎の即時相反応および遅発相反応を抑制することを特徴とする請求項1乃至3に記載のアレルギー性鼻炎抑制剤。
【請求項5】
アレルギー性鼻炎における鼻閉症状を抑制する事を特徴とする請求項1乃至3に記載のアレルギー性鼻炎抑制剤。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のアレルギー性鼻炎抑制剤を含むことを特徴とする飲食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−26267(P2011−26267A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175459(P2009−175459)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(307013857)株式会社ロッテ (101)
【Fターム(参考)】