説明

アレーアンテナの校正装置および校正方法

【課題】アレーアンテナの複数素子を効率良く同時に校正する校正装置と方法を提供。
【解決手段】校正対象周波数帯域幅に複数のサブキャリアを配した校正用信号を発生する手段166、校正用信号の各サブキャリアを送信アレーアンテナの各アンテナ素子の校正用信号として割り当てる手段165、割り当てられたサブキャリアに基づき放射する校正用信号を形成し送信アレーアンテナを含む送信手段101〜164に入力する手段161、校正用受信アンテナ171で受信された各アンテナ素子から放射された校正用信号を各アンテナ素子に割り当てられたサブキャリア単位に分波する手段176、分波された校正用信号のサブキャリアと手段165で生成された校正用信号のサブキャリアから各アンテナ素子の振幅位相を校正するための補正値を求める手段177、補正値に基づき送信手段における各アンテナ素子のための振幅位相の校正を行う手段164,177を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アレーアンテナ、特にディジタルビームフォーミングを行う送信用アレーアンテナにおける校正装置および校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アレーアンテナにおいて、所望の放射特性を得るためには各アンテナ素子の振幅位相特性を把握し、所定の値に補正する校正技術が必須となる。この際に、素子毎の振幅位相偏差を精度よくかつ高速に測定することが重要である。例えば、下記特許文献1には、ある素子の信号の位相を移相器により変化させながらアレーアンテナの合成電力値のみを用いて各素子の振幅位相特性を測定する、振幅情報のみで校正を行う方法が示されている。また、下記特許文献2には、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)方式に適用する送信ディジタルビームフォーミングアンテナにおいて、各素子に直交する拡散符号を割り当てて校正用信号を生成することで同時に複数素子の振幅位相特性を測定する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3−38548号公報
【特許文献2】特開平2002−353724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の技術においては、各素子の移相器の位相値を変化させて、合成出力の振幅値のみから校正値を算出しているが、1素子毎にしか校正処理が行えないために素子数が多いアレーアンテナにおいては測定に時間がかかる課題があった。また、特許文献2の技術においては、拡散符号による符号多重を行っているため、校正系の受信機においては各素子の信号成分を分離するために素子数分の相関演算(逆拡散処理)を行う必要があり、演算規模が大きくなる問題があった。また、校正用信号を観測帯域内で拡散するため、特定の周波数における校正値を測定することが困難であった。
【0005】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、複数素子を同時に校正でき、素子数が多いアレーアンテナにおいても効率的な校正が行えるアレーアンテナの校正装置および校正方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、送信信号を生成し送信アレーアンテナの各アンテナ素子から放射させる送信手段と、校正対象とする周波数帯域幅に複数のサブキャリアを配置した校正用信号を発生するマルチキャリア校正用信号生成手段と、マルチキャリアの前記校正用信号の各サブキャリアを前記送信アレーアンテナの各アンテナ素子の校正用信号として割り当てるサブキャリア割り当て手段と、前記サブキャリア割り当て手段によって割り当てられたサブキャリアに基づき各アンテナ素子から放射する校正用信号を形成し、前記送信手段に送信信号として入力する校正用信号形成手段と、各アンテナ素子から放射された校正用信号を受信する校正用受信アンテナと、受信した校正用信号を各アンテナ素子に割り当てられたサブキャリア単位に分波する分波手段と、前記分波手段で分波された受信された校正用信号のサブキャリアと前記サブキャリア割り当て手段で生成された校正用信号のサブキャリアとから各アンテナ素子の振幅位相を校正するための補正値を求める補正値演算手段と、前記補正値に基づき前記送信手段における各アンテナ素子のための振幅位相の校正を行う校正手段と、を備えたことを特徴とするアレーアンテナの校正装置およびその校正方法にある。
【発明の効果】
【0007】
この発明では、複数素子を同時に校正でき、素子数が多いアレーアンテナにおいても効率的な校正が行えるアレーアンテナの校正装置および校正方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係るアレーアンテナの校正装置の構成を示す図である。
【図2】この発明による校正装置のマルチキャリア校正用信号生成部で生成される校正用信号の周波数配置の一例を示す図である。
【図3】この発明による校正装置のサブキャリア割り当て部におけるマルチキャリア校正用信号の各サブキャリアのアンテナ素子毎への割り当てを説明するための図である。
【図4】この発明による校正装置の分波部における分波を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るアレーアンテナの校正装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明によるアレーアンテナの校正装置および校正方法を好適な実施の形態に基づいて図面を参照しながら説明する。なお、各実施の形態において同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るアレーアンテナの校正装置の構成を示す図であり、特に送信用のディジタルビームフォーミングアンテナの例を示している。図1において、送信アレーアンテナを構成するK個の各アンテナ素子101,102,…,103(3個を図示、以下同様)にはそれぞれ、大電力増幅器(High Power Amplifier:HPA)111,112,…,113、アップコンバータ(U/C)121,122,…,123、送信アナログフィルタ(Filter)131,132,…,133、DA変換器(D/A)141,142,…,143、スイッチ151,152,…,153が順に接続されている。
【0011】
各スイッチ151,152,…,153の切換端子の一方の端子はそれぞれ送信DBFネットワーク164に接続され、他方の端子はそれぞれ逆離散フーリエ変換器(IDFT)161,162,…,163に接続されている。またマルチキャリア校正用信号生成部166がサブキャリア割り当て部165に接続され、サブキャリア割り当て部165は逆離散フーリエ変換器(IDFT)161,162,…,163および校正部177に接続されている。
【0012】
一方、校正用受信アンテナ171には、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier : LNA)172、ダウンコンバータ(D/C)173、受信アナログフィルタ(Filter)174、AD変換器(A/D)175、分波部176が順に接続されている。分波部176はさらに校正部177に接続され、校正部177はさらに送信DBFネットワーク164に接続されている。
【0013】
なお、送信DBFネットワーク164,D/A141,142,…,143,Filter131,132,…,133,U/C121,122,…,123,HPA111,112,…,113,アンテナ素子101,102,…,103が送信手段を構成し(そのうちそれぞれのD/Aからアンテナ素子までが系を構成)、マルチキャリア校正用信号生成部166がマルチキャリア校正用信号生成手段を構成し、サブキャリア割り当て部165がサブキャリア割り当て手段を構成し、IDFT161,162,…,163,スイッチ151,152,…,153が校正用信号形成手段を構成し、分波部176が分波手段を構成し、校正部177が補正値演算手段を構成し、送信DBFネットワーク164、校正部177が校正手段を構成し、LNA172、D/C173、Filter174、AD変換器(A/D)175が校正用受信手段を構成する。
【0014】
まず、校正対象となるアレーアンテナの送信系の動作について説明する。送信DBFネットワーク164は、通常の運用時においてビーム形成機能を司る部分であり、送信すべき通信信号に対して各アンテナ素子(以下単に素子とも云う)に対応したウエイト(振幅位相)を調整する機能を有する。ここで生成された各素子のための信号は後述する周波数変換処理などを経て、アンテナ素子101〜103より放射される。一方、この発明において主題となる校正処理のための主要な機能として、マルチキャリア校正用信号生成部166とサブキャリア割り当て部165がある。
【0015】
マルチキャリア校正用信号生成部166では、校正に用いるマルチキャリア基準信号(以下、校正用信号)を生成する。図2にその校正用信号の周波数配置例を示す。図2では、校正対象となる帯域内にN=P×K本のキャリア(これをサブキャリア201と呼ぶ)を配置した信号c(n)、(n=1、2、…、N)を示している。Kは素子数、Pは整数を表す。ここで、各サブキャリア間隔は受信側で分離できるような周波数間隔になっていればよいが、特に直交する周波数間隔に配置するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交波周波数分割多重)信号とすると最も密に配置することができるので、ここではOFDM信号として扱う。サブキャリアの本数は、少なくとも同時に校正したい素子数以上は必要であり、できれば全素子数の整数倍(図2ではP×K)となっていることが望ましい。
【0016】
次に、サブキャリア割り当て部165では予め定めた基準にしたがって、前記マルチキャリア校正用信号の各サブキャリアをアンテナ素子毎に割り当てる。ここでは、図3を用いて説明する。低域周波数側(図の左端)を起点として、1サブキャリア毎にアンテナ素子に順に割り当てていく。すなわち、K本間隔で等間隔に各アンテナ素子101〜103はサブキャリアを割り当てられることになる。こうすることで、各アンテナ素子に対する校正用信号はサブキャリアが帯域内に均一に分布するマルチキャリア信号となるため、各系(それぞれのアンテナ素子からDA変換器までの系)の周波数特性を把握することが可能となる。なお、帯域内に平均的に分布していれば、上述の等間隔配置である制約はなく、ランダムに配置するなどしてももちろんよい。また、特定の周波数帯域を観測したい場合には、その帯域内に集中的に配置してもよい。
【0017】
このようにして、アンテナ素子毎の校正用信号のサブキャリア配置が決定すると、各サブキャリア信号は逆離散フーリエ変換などにより時間波形に変換される。図1では、IDFT161,162,…,163により逆離散フーリエ変換を施している。つまり、以下のように各アンテナ素子から送信する校正用信号s(t)、(k=1、2、…、K)を形成する。
【0018】
【数1】

【0019】
ただし、c(n)はc(n)のうち素子kに対して割り当てられたサブキャリア信号であり、以下のようになる。
【0020】
【数2】

【0021】
なお、式(2)は上述の等間隔でサブキャリアを割り当てた場合であり、この発明による効果はこの配置のみに限定されるものではない。
【0022】
これら送信する校正用信号は、スイッチ151,152,…,153がそれぞれIDFT161,162,…,163側に接続されて、通常の運用モードとは切換えられ、校正対象となる送信系に送出される。なお、図1では理解しやすいように物理的なスイッチ151、152、153を用いて校正系と通信系を独立に示しているが、当該部分はディジタル信号処理で実行できるため、実際には物理的な経路の切換えではなく、各系に出力される信号を通信信号から上述の校正用信号に置き換えるだけでよい。したがって、スイッチの周波数特性などが校正精度に影響を与える恐れもない。
【0023】
各校正用信号は、K個のD/A変換器141,142,…,143によりディジタル波形からアナログ波形に変換される。その後、送信アナログフィルタ131,132,…,133は、アナログ信号に変換された各校正用信号のイメージ成分を除去し、K個のU/C121,122,…,123は各校正用信号を、高周波のRF(Radio Frequency)信号に周波数変換する。K個のHPA111,112,…,113は、無線周波数に変換された各校正用信号を電力増幅し、K個の送信用のアンテナ素子101,102,…,103で構成された送信アレーアンテナは、増幅された各校正用信号を空間に放射する。
【0024】
次に、校正値を求めるための受信系の動作について説明する。校正用受信アンテナ171で受信された各素子の校正用信号が重畳された受信信号は、LNA172によって増幅され、D/C173によって低い周波数帯に周波数変換される。その後、受信アナログフィルタ174によりイメージ成分が除去され、A/D175によりアナログ信号がディジタル信号に変換される。
【0025】
分波部176では、送信時とは逆の処理による、離散フーリエ変換により時間波形を周波数軸の信号に変換し、図4のようなサブキャリア単位に分波する。受信信号は、送信アレーアンテナの各アンテナ素子101,102,…,103から放射された校正用信号が重畳されており、帯域内にサブキャリアが密に配置された波形となっている。しかし、サブキャリア割り当て部165において素子間で重複しないように割り当てており、分離識別は容易である。たとえば、校正用信号のフォーマットをOFDM信号としている場合には、高速フーリエ変換(FFT)により実現できる。したがって、分波部176は各アンテナ素子101,102,…,103から放射された校正用信号を分離して校正部177に出力することになる。
【0026】
校正部177では、サブキャリア割り当て部165にて各素子に割り当てられたサブキャリア信号群と、分波部176から出力されたサブキャリア信号群を比較することで、送信アレーアンテナの各系(各素子)における所定の値からの振幅位相の誤差を検出する。この誤差に基づき校正の際の補正値が決まる。各素子における分波部176で分離したサブキャリア信号のサブキャリア割り当て部165からの校正用信号のサブキャリア信号からのずれ量は、対象とする帯域内の平均値βとして次式で求める。
【0027】
【数3】

【0028】
ここで、xは分波部176で分離したP×K本からなるサブキャリア信号群である。つまり、素子毎にP本のサブキャリアを割り当てており、その平均値として、校正用信号cとの比を演算している。この平均値βの素子間の相対値から、所定の励振振幅位相に対するずれ量(誤差量)を評価できる。たとえば、校正用受信アンテナ171をアンテナ素子101〜103で構成される送信アレーアンテナ開口面の座標軸の法線上、つまり正面方向で、遠方界と見なせる程度の距離に配置した場合には、すべての平均誤差βが等振幅、等位相であれば各系のばらつき(誤差)はゼロと見なせる。こうして、補正値を演算して、送信DBFネットワーク164のウエイト(重み付け)に反映することで、送信アレーアンテナの校正処理、すなわち各アンテナ素子の振幅位相の校正が実施できる。
【0029】
なお、式(3)では除算により平均値βを検出しているが、素子間の誤差を相対値で比較するのであれば、次式のように複素共役により求めてもよい。
【0030】
【数4】

【0031】
ここで、*は複素共役を表す。なお、式(3)、式(4)では各素子に等分してP本を割り当てた例で説明したが、サブキャリア割り当て部165での割り当て基準により誤差量の求め方は異なる。
【0032】
また、上記説明では帯域内平均値として誤差量を求める説明を行ったが、サブキャリア単位で演算することで、帯域内の複数の周波数での校正値を各々求めることも容易にできる。すなわち、P個の校正値を演算することもできる。このとき、複数サンプルの校正用信号を送信することで、時間平均を行って精度を向上させることも可能である。
【0033】
以上のような処理によって、この発明では、送信アレーアンテナにおいて、受信信号を一括で分波して複数の素子の誤差量を同時に検出することが可能であり、高速な校正処理を実現する。さらに、帯域内の複数周波数での校正値を独立に観測することもできるため、システムの要求に応じて柔軟な校正が可能となる。
【0034】
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係るアレーアンテナの校正装置の構成を示す図である。図5の装置では、サブキャリア割り当て部165の出力側に、各サブキャリア信号の振幅および位相を調整する機能を有する調整手段を構成する調整部181,182,…,182がそれぞれ挿入されている。
【0035】
上記実施の形態1では、マルチキャリア校正用信号生成部166において生成した校正用信号を各素子に割り当てることを基本としていたが、この実施の形態2では、各素子に割り当てた後で、サブキャリア信号の振幅あるいは位相を調整する機能を追加する。
【0036】
サブキャリア割り当て部165において決定した各素子の校正用信号は、図3のように帯域内にまばらに配置された信号となっている。通常、マルチキャリア信号は様々な周波数成分をもつキャリアを重畳しているために、時間波形として振幅値が非常に多くなってしまうタイミングが生じる。いわゆるPAPR(Peak to Average Power Ratio:ピーク対平均電力比)が大きい。これは、増幅器を飽和させないためにバックオフを大きくすることになり、電力的に効率がよくない。校正系としても、できるだけ系としてのダイナミックレンジを確保したいので、校正用信号のPAPRを抑えることが必要となる。
【0037】
そこで、各アンテナ素子の校正用信号に対して、各サブキャリア信号の振幅あるいは位相を調整して、逆離散フーリエ変換器(IDFT)161,162,…,163の出力信号のPAPRが低くなるように調整する。特に位相については、すべてのサブキャリアの位相が同相の場合には、あるタイミングですべてのサブキャリア信号が同相で重畳されるためにPAPRが非常に大きくなってしまう。そこで、調整部181,182,…,183にて各サブキャリア信号の初期位相をランダムに設定し、ばらつかせるようにする。
【0038】
このような処理により、上記実施例の形態1と比較して、アンテナ素子毎の校正用信号の振幅あるいは位相を調整することにより、アンテナ素子毎の送信信号のPAPRを低減でき、校正系としてのダイナミックレンジを向上させることができる。
【0039】
なお、上記各実施の形態においては、マルチキャリア校正用信号生成部166で生成する各サブキャリア信号を変調信号ではなく、連続波(CW信号)としてもよい。この際、調整部181,182,…,183により、各CW信号の初期位相をランダムに設定することで、送信波形のPAPRを低減でき、HPA111,112,…,113の効率を下げないように校正処理を実施できる。
【符号の説明】
【0040】
101〜103 アンテナ素子、111〜113 大電力増幅器(HPA)、121〜123 アップコンバータ(U/C)、131〜133 送信アナログフィルタ(Filter)、141〜143 DA変換器(D/A)、151〜153 スイッチ、161〜163 逆離散フーリエ変換器(IDFT)、164 送信DBFネットワーク、165 サブキャリア割り当て部、166 マルチキャリア校正用信号生成部、171 校正用受信アンテナ、172 低雑音増幅器(LNA)、173 ダウンコンバータ(D/C)、174 受信アナログフィルタ(Filter)、175 AD変換器(A/D)、176 分波部、177 校正部、181〜183 調整部、201 サブキャリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を生成し送信アレーアンテナの各アンテナ素子から放射させる送信手段と、
校正対象とする周波数帯域幅に複数のサブキャリアを配置した校正用信号を発生するマルチキャリア校正用信号生成手段と、
マルチキャリアの前記校正用信号の各サブキャリアを前記送信アレーアンテナの各アンテナ素子の校正用信号として割り当てるサブキャリア割り当て手段と、
前記サブキャリア割り当て手段によって割り当てられたサブキャリアに基づき各アンテナ素子から放射する校正用信号を形成し、前記送信手段に送信信号として入力する校正用信号形成手段と、
各アンテナ素子から放射された校正用信号を受信する校正用受信アンテナと、
受信した校正用信号を各アンテナ素子に割り当てられたサブキャリア単位に分波する分波手段と、
前記分波手段で分波された校正用信号のサブキャリアと前記サブキャリア割り当て手段で生成された校正用信号のサブキャリアとから各アンテナ素子の振幅位相を校正するための補正値を求める補正値演算手段と、
前記補正値に基づき前記送信手段における各アンテナ素子のための振幅位相の校正を行う校正手段と、
を備えたことを特徴とするアレーアンテナの校正装置。
【請求項2】
前記サブキャリア割り当て手段の校正用信号は、各サブキャリアが直交する周波数間隔で配置されたOFDM信号であることを特徴とする請求項1に記載のアレーアンテナの校正装置。
【請求項3】
前記サブキャリア割り当て手段は、各アンテナ素子の校正用信号として校正対象とする帯域内に均一にサブキャリアを配置することを特徴とする請求項1または2に記載のアレーアンテナの校正装置。
【請求項4】
前記サブキャリア割り当て手段は、各アンテナ素子の校正用信号として校正対象とする帯域内にランダムにサブキャリアを配置することを特徴とする請求項1または2に記載のアレーアンテナの校正装置。
【請求項5】
前記サブキャリアとして連続波を用いることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のアレーアンテナの校正装置。
【請求項6】
前記サブキャリア割り当て手段で割り当てられた各サブキャリアの初期位相がランダムになるように調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載のアレーアンテナの校正装置。
【請求項7】
校正対象とする周波数帯域幅に複数のサブキャリアを配置した校正用信号を発生するマルチキャリア校正用信号生成ステップと、
マルチキャリアの前記校正用信号の各サブキャリアを送信アレーアンテナの各アンテナ素子の校正用信号として割り当てるサブキャリア割り当てステップと、
前記サブキャリア割り当てステップによって割り当てられたサブキャリアに基づき各アンテナ素子から放射する校正用信号を形成し、送信信号を生成して前記送信アレーアンテナの各アンテナ素子から放射させる送信手段へ送信信号として入力する校正用信号形成ステップと、
各アンテナ素子から放射された校正用信号を校正用受信アンテナで受信し、受信した校正用信号を各アンテナ素子に割り当てられたサブキャリア単位に分波する分波ステップと、
前記分波ステップで分波された校正用信号のサブキャリアと前記サブキャリア割り当てステップで生成された校正用信号のサブキャリアとから各アンテナ素子の振幅位相を校正するための補正値を求める補正値演算ステップと、
前記補正値に基づき前記送信手段における各アンテナ素子のための振幅位相の校正を行う校正ステップと、
を備えたことを特徴とするアレーアンテナの校正方法。
【請求項8】
前記サブキャリア割り当てステップの校正用信号は、各サブキャリアが直交する周波数間隔で配置されたOFDM信号であることを特徴とする請求項7に記載のアレーアンテナの校正方法。
【請求項9】
前記サブキャリア割り当てステップで、各アンテナ素子の校正用信号として校正対象とする帯域内に均一にサブキャリアを配置することを特徴とする請求項7または8に記載のアレーアンテナの校正方法。
【請求項10】
前記サブキャリア割り当てステップで、各アンテナ素子の校正用信号として校正対象とする帯域内にランダムにサブキャリアを配置することを特徴とする請求項7または8に記載のアレーアンテナの校正方法。
【請求項11】
前記サブキャリアとして連続波を用いることを特徴とする請求項7から10までのいずれか1項に記載のアレーアンテナの校正方法。
【請求項12】
前記サブキャリア割り当てステップで割り当てられた各サブキャリアの初期位相がランダムになるように調整する調整ステップを備えたことを特徴とする請求項7から11までのいずれか1項に記載のアレーアンテナの校正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−106858(P2011−106858A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259783(P2009−259783)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】