説明

アレー測角装置

【課題】入射角度が未知である到来信号の受信データを用いて、受信チャネル特性の測定や校正を行う際に、到来する信号の物理特性から座標系を推定することにより、校正処理を高精度かつ低コストに実施することができる。
【解決手段】信号発生源30からの到来信号を受信する複数のセンサ素子2と、受信された到来信号から受信データを生成し、当該受信データに基づいて到来信号の入射角度を推定する受信機3と、推定された入射角度に基づいて移動プラットホーム1の移動方向を推定する移動方向推定処理部12と、推定された入射角度に基づいて、センサ素子2が有する受信チャネル特性差を推定する校正用パラメータ推定処理部13と、推定された移動方向と受信チャネル特性差とを用いて、受信機3で推定された入射角度を校正する改良校正測角処理部14とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はアレー測角装置に関し、特に、移動通信や車載用レーダ等に用いるためのアレー測角装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセンサ素子を用いて到来する信号の入射角度を測定する装置では、各センサの受信チャネル特性を事前に測定するか、全センサの受信チャネル特性が同一となるように校正する必要がある。このため、入射角度に対応する受信データの観測を行い、各センサの受信チャネル特性を計測したり、校正したりする必要がある。従来技術においては、入射角度が既知である到来信号の受信データを用いて、受信チャネル特性の測定や校正が行われていた。
【0003】
複数のセンサを用いて到来する信号の入射角度を推定する先行技術として、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法などが存在する(例えば、非特許文献1参照。)。このような先行技術では、到来する信号の数が1、または、到来する複数の信号が無相関である場合、全センサの受信チャネル特性と入射角度の関係を事前に計測しておく必要がある。
【0004】
一方、到来する複数の信号が完全相関である場合、全センサの受信チャネル特性が同一となるように校正する必要がある(例えば、非特許文献2参照。)。
【0005】
従来の校正方式では、予め設定した入射角度に対応する受信データを測定する。とりわけ、全センサの受信チャネル特性と入射角度との関係を用いる入射角度推定方式では、入射角度が既知であることを前提とする。また、各センサの受信チャネル特性を表すパラメータを推定する校正方式として、既存技術が存在する(例えば、非特許文献3参照。)。各センサの受信チャネル特性を表すパラメータは校正用パラメータと同義である。このような校正方式についても、入射角度が既知な受信データを用いるものである。
【0006】
しかし、センサの受信チャネル特性は、例えば増幅器の温度特性の影響などにより、経時的に変動する。よって、事前に計測した受信データが有する受信チャネル特性の情報は、経時変動した受信チャネル特性の校正処理に使用できない。このような場合、校正処理に用いる受信データを更新することが望ましいが、入射角度が既知な到来信号の受信データを計測する作業はセンサ運用中において困難であることが多い。また、入射角度が既知な到来信号を設定するための設備を付加することは、装置のコストを増大させる。
【0007】
そこで、入射角度が未知な到来信号の受信データを用いて校正処理を行うことで、センサ受信チャネル特性の経時変動に対応することが考えられる。このような校正方式として提案されている従来技術がある(例えば、非特許文献4参照。)。この従来技術は、校正用パラメータを推定する校正方式である。
【0008】
図3は、非特許文献4に示される校正処理の処理の流れを示したフローチャートである。図3において、ステップS1は測角処理、ステップS2は校正用パラメータを推定する校正用パラメータ推定処理、ステップS3は校正用パラメータを用いた校正測角処理、ステップS4は校正処理の収束判定を行う収束判定処理である。
【0009】
図3における信号処理では、ステップS1の測角処理において、複数の受信データの概略の測角値(θハット)(0)を得る。この測角値(θハット)(0)を入射角度と仮定し、ステップS2の校正用パラメータ推定処理で、当該入射角度を用いて、各センサの受信チャネル特性を表すパラメータ(pハット)(1)を推定する。次に、ステップS3の校正測角処理では、推定したパラメータ(pハット)(1)で校正した測角処理を行い、測角値(θハット)(1)を推定する。ステップS4の収束判定処理では、推定したパラメータ(pハット)(1)と測角値(θハット)(1)が収束しているかを判定する。収束していれば処理を終え、収束していなければステップS2の校正用パラメータ推定処理へ戻り、上記と同様に、ステップS2の校正用パラメータ推定処理とステップS3の校正測角処理を反復計算し、パラメータ(pハット)(i)と測角値(θハット)(i)を収束させる。なお、i番目の反復計算では、ステップS2の校正用パラメータ推定処理2において測角値(θハット)(i−1)を用いてパラメータ(pハット)(i)を推定し、ステップS3の校正測角処理においてパラメータ(pハット)(i)で校正した測角処理で測角値(θハット)(i)を推定する。
【0010】
【非特許文献1】R. O. Schmidt,“Multiple emitter location and signal parameter estimation,”IEEE Trans., vol. AP−34, no.3, pp. 276−280, March 1986
【非特許文献2】T. Shan, M. Wax, T. Kailath, “On spatial smoothing for direction-of-arrival estimation of coherent signals,”IEEE Trans. Acoustics, Speech, and Signal Processing, vol. 33, no.4, pp. 806 - 811, Aug 1985
【非特許文献3】B. Friedlander, A. J. Weiss,“Direction finding in the presence of mutual coupling,”IEEE Trans. Antennas and Propagation, vol.39, no. 3, pp. 273 - 284, March 1991
【非特許文献4】V. C. Soon, L. Tong, T.F. Huang、R. Liu,“A subspace method for estimating sensor gains and phases,”IEEE Trans. Signal Processing, vol. 42, no. 4, pp. 973 - 976, Apr 1994
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、各センサの受信チャネル特性の誤差に座標系を回転する成分が含まれる場合、全て測角値が同様の座標系回転誤差を含む。よって、上述した図3に示す従来の信号処理では、ステップS1の測角処理における測角値(θハット)(0)に同様の座標系回転誤差が発生するため、ステップS2の校正用パラメータ推定処理で座標系回転誤差を推定することができない。このように、全ての測角値に同一の誤差が発生すると、誤差要因を校正できないことは入射角度が未知の受信データを用いる校正処理の欠点である。
【0012】
このように、従来技術においては、入射角度が未知である場合、座標系を回転させる観測誤差を校正することができないという問題点があった。
【0013】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、入射角度が未知である到来信号の受信データを用いて、受信チャネル特性の測定や校正を行う際に、到来する信号の物理特性から座標系を推定することにより、校正処理を高精度かつ低コストに実施することを可能にするアレー測角装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、移動可能なプラットホームに取付けられて用いられるアレー測角装置であって、信号発生源である目標からの到来信号を受信するアレーアンテナを構成している複数のセンサ素子と、前記センサ素子で受信された前記到来信号を受信データとして出力する受信手段と、前記受信手段により生成された前記受信データに基づいて前記目標信号の入射角度を推定する測角処理手段と、前記測角処理手段により推定された前記入射角度に基づいて、前記プラットホームの移動方向を推定する移動方向推定処理手段と、前記測角処理手段により推定された前記入射角度に基づいて、前記センサ素子が有する受信チャネル特性差を推定する校正信号推定処理手段と、前記移動方向推定処理手段により推定された前記移動方向と前記校正信号推定処理手段により推定された前記受信チャネル特性差とを用いて、前記測角処理手段により推定された前記入射角度を校正する改良校正測角処理手段とを備えたアレー測角装置である。
【発明の効果】
【0015】
この発明は、移動可能なプラットホームに取付けられて用いられるアレー測角装置であって、信号発生源である目標からの到来信号を受信するアレーアンテナを構成している複数のセンサ素子と、前記センサ素子で受信された前記到来信号を受信データとして出力する受信手段と、前記受信手段により生成された前記受信データに基づいて前記目標信号の入射角度を推定する測角処理手段と、前記測角処理手段により推定された前記入射角度に基づいて、前記プラットホームの移動方向を推定する移動方向推定処理手段と、前記測角処理手段により推定された前記入射角度に基づいて、前記センサ素子が有する受信チャネル特性差を推定する校正信号推定処理手段と、前記移動方向推定処理手段により推定された前記移動方向と前記校正信号推定処理手段により推定された前記受信チャネル特性差とを用いて、前記測角処理手段により推定された前記入射角度を校正する改良校正測角処理手段とを備えたアレー測角装置であるので、入射角度が未知である到来信号の受信データを用いて、受信チャネル特性の測定や校正を行う際に、到来する信号の物理特性から座標系を推定することにより、校正処理を高精度かつ低コストに実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るアレー測角装置の構成を示した構成図である。図1に示すように、本実施の形態1に係るアレー測角装置は、移動可能な移動プラットホーム1に設けられた、アレーアンテナを構成している複数(L個)のセンサ素子2−1,2−2,・・・,2−Lと、受信機3と、信号処理装置4とから構成されている。受信機3は、センサ素子2−1,2−2,・・・,2−Lで受信した到来信号に対して増幅およびA/D変換等の必要な所定の処理を加えた後に受信データとして出力する。信号処理装置4は、移動プラットホーム1の移動方向を推定する移動方向推定処理部12と、各センサ素子2−1,2−2,・・・,2−L間の受信チャネルの特性差を示す校正用パラメータを推定する校正用パラメータ推定処理部13と、推定された上記移動方向と校正用パラメータとを用いて改良校正測角処理を行う改良校正測角処理部14とを備える。本実施の形態1で対象とする移動プラットホーム1では、図1のように移動方向を測角処理における座標系の基準軸とすることが出来る。信号処理装置7では、移動プラットホーム1の移動方向を推定することにより基準軸を定め、従来の校正処理による座標系を基準軸に一致させる。例えば、センサ素子2−1,2−2,・・・,2−Lが、移動プラットホーム1の移動方向を入射角度0°に定めるセンサであれば、推定した移動方向と従来の校正処理による0°方向の間に存在する角度差を補償するパラメータを推定する。なお、図1において、20は移動プラットホーム1の移動方向ベクトルを示し、30は信号発生源(目標)を示している。また、31は信号発生源から出力された信号を示し、21は移動方向ベクトル20に対する信号31の入射角度を示している。
【0017】
次に、動作について説明する。
仮に、各センサ素子2−1,2−2,・・・,2−Lの受信チャネル特性の誤差に座標系を回転させる成分が含まれる場合について、入射角度が既知の受信データを用いる校正処理を適用すると、校正用パラメータ推定処理で座標系を回転させる成分も推定することができる。これは、入射角度真値を校正用パラメータ推定処理へ入力することで、推定処理において正しい座標系が定義できるためである。このことから、推定処理において正確な座標系が定義可能であれば、座標系を回転する成分を推定できると考えられる。
【0018】
そこで、本実施の形態1では、座標系を推定する機能を追加することで、入射角度が未知な受信データを用いる校正処理を補償する。すなわち、入射角度が未知な受信データを用いる校正処理による校正用パラメータと、座標系を推定する機能による推定結果の差異を補償パラメータとして新たに推定し、校正用パラメータと補償パラメータを合わせることによる新たな校正用パラメータを得る。そして、新たな校正用パラメータを用いた測角処理を行う。
【0019】
図2は、本実施の形態1に係るアレー測角装置の処理の流れを示したフローチャートである。図2において、ステップS11は図3に示したステップS1と同様の測角処理であり、ステップS13は図3に示したステップS2と同様の校正用パラメータ推定処理であり、ステップS15は図3に示したステップS4と同様の収束判定処理である。これらについては、上述の通りであるため、ここでは簡単に説明する。図2と図3との違いは、図2において、ステップS12の処理が追加されたことと、図3のステップS3の代わりにステップS14の処理が行われることである。なお、ステップS12は、移動プラットホーム1の移動方向を推定する処理であり、ステップS14は、校正用パラメータと移動方向の情報とを用いる測角処理である。
【0020】
図2の信号処理では、まず、目標である信号発生源30により目標信号が生成されて出力される。出力された目標信号は、到来信号となって到来し、アレーアンテナを構成している複数のセンサ素子2−1、2−2、・・・、2−Lにより受信される。このとき、ステップS11の測角処理において、受信機3により、複数のセンサ素子2−1、2−2、・・・、2−Lで受信された到来信号から受信データを生成し、当該受信データを用いて、例えば、H. Krim、 M. Viberg、“Two decades of array signal processing research: the parametric approach”IEEE Signal Processing Magazine、 vol. 13、 no. 4、 pp. 67-94、 Jul 1996(以下、非特許文献5とする。)などに示される演算処理により概略の測角値(θハット)(0)を得る。測角値(θハット)(0)は、非特許文献3または非特許文献4に示される校正処理を施さない観測データと同様の観測誤差の影響を有する。この観測誤差に座標系を回転する成分が含まれることにより、測角値(θハット)(0)は前記座標系回転量に相当する一定の角度誤差を含む。次に、信号処理装置4の移動方向推定処理部12は、この測角値(θハット)(0)を入射角度21と仮定して、ステップS12の移動方向推定処理により、移動プラットホーム1の移動方向ベクトル(ξハット)(1)を推定する。移動方向ベクトル(ξハット)(1)を推定する手段には、特開2007−3395号公報や特開2006−349568号公報などの文献に記載の方法がある。次に、信号処理装置4の校正用パラメータ推定処理部13は、ステップS13の校正用パラメータ推定処理において、例えば、非特許文献4に示す方式等を用いて、入射角度21と仮定した測角値(θハット)(0)に基づいて、各センサ素子2−1、2−2、・・・、2−Lの受信チャネル特性差を表す校正用パラメータ(pハット)(1)を推定する。校正用パラメータ(pハット)(1)の具体例には、非特許文献3における行列Wまたは非特許文献4におけるベクトルvなどが挙げられる。次に、信号処理装置4の改良校正測角処理部14は、ステップS14の改良校正測角処理において、推定した移動方向ベクトル(ξハット)(1)と校正用パラメータ(pハット)(1)とを用いて、ステップS11で推定した概略の測角値(θハット)(0)を校正する測角処理を行い、測角値(θハット)(1)を得る。例えば、移動方向ベクトル(ξハット)(1)が示す移動方向から到来する信号の観測データ理論値により観測データを除算した校正観測データを得る。さらに前記校正観測データを校正用パラメータ(pハット)(1)で校正し、非特許文献5に示される演算により測角値(θハット)(1)を算出する。次に、信号処理装置4の改良校正測角処理部14は、ステップS15の収束判定処理において、ステップS13で推定した校正用パラメータ(pハット)(1)とステップS14で推定した測角値(θハット)(1)とが収束しているかを判定する。収束判定処理では、i回目の反復計算において推定した移動方向ベクトル(ξハット)(i)および校正用パラメータ(pハット)(i)と、i−1回目の反復計算において推定した移動方向ベクトル(ξハット)(i−1)および校正用パラメータ(pハット)(i−1)の差が所定閾値より小さい場合を収束状態と判定する。収束していれば処理を終え、収束していなければステップS12の校正用パラメータ推定処理へ戻る。以降、図3の信号処理と同様に、処理が収束するまで反復計算を行う。
【0021】
なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS12の移動方向推定処理とステップS13の校正用パラメータ推定処理との処理の順序を入れ替えてもよいこととする。
【0022】
また、図2におけるステップS13の校正用パラメータ推定処理では、上述の非特許文献4に記載される校正用パラメータを推定する処理に限定されず、上述の非特許文献3に記載されるような校正用パラメータを推定する処理を採用することも可能である。
【0023】
また、図2におけるステップS14の改良校正測角処理では、移動プラットホーム1の移動方向ベクトル(ξハット)(1)と校正用パラメータ(pハット)(1)とを用いて全センサ素子2−1,2−2,・・・,2−Lの受信チャネル特性と入射角度の関係を再現し、測角処理を行うことができる。また、移動プラットホーム1の移動方向ベクトル(ξハット)(1)(及び、校正用パラメータ(pハット)(1))を用いて受信データにおける受信チャネル特性差の誤差を補償し、測角処理を行うことができる。とりわけ、受信データから受信チャネル特性の誤差を校正する方式は、到来する複数の信号が完全相関である場合に、上述したMUSIC法などによる測角処理を実施するために採用される。
【0024】
また、図2におけるステップS12の移動方向推定処理の一例として、信号発生源30と移動プラットホーム1との間の相対速度を推定する機能をさらに有し、推定した入射角度と相対速度とを用いて移動プラットホーム1の移動方向を推定するようにしてもよい。相対速度は入射角度の関数で表現される。例えば、移動プラットホーム1と静止物体の相対速度に注目すると、相対速度は移動プラットホーム1の移動方向で最大となる物理特性を有する。この物理特性から、移動プラットホーム1の移動方向が推定可能である。
【0025】
あるいは、図2におけるステップS12の移動方向推定処理の別の一例として、信号発生源30と移動プラットホーム1との間の相対距離を推定する機能をさらに有し、推定した入射角度と相対距離とを用いて移動プラットホーム1の移動方向を推定するようにしてもよい。信号発生源30と移動プラットホーム1との相対位置を入射角度と相対距離とから推定し、観測時刻が異なる複数の観測データに亘って相対位置を追尾することにより、移動プラットホーム1の移動方向を推定する。例えば、直進中の移動プラットホーム1と静止物体との相対位置に注目すると、観測時刻の変化により相対位置の軌跡は直線を描く。この直線が移動プラットホーム1の移動方向に平行であることから、移動プラットホーム1の移動方向が推定可能である。
【0026】
以上のように、本実施の形態1においては、移動プラットホーム1の移動方向を推定し、校正処理において、推定した移動プラットホーム1の移動方向を基準軸として座標系を補償する処理を付加するようにしたので、入射角度が未知の到来信号の受信データのみで各センサ素子間の受信チャネル特性差を校正することができる。また、当該校正を行う構成は、装置外部に入射角度を既知とする信号源を設けないため、低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1に係るアレー測角装置の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るアレー測角装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】従来の信号処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1 移動プラットホーム、2−1,2−2,2−3 センサ素子、3 受信機、4 信号処理装置、12 移動方向推定処理部、13 校正用パラメータ推定処理部、14 改良校正測角処理部、S1,S11 測角処理、S2,S13 校正用パラメータ推定処理、S3 校正測角処理、S4,S15 収束判定処理、S14 改良校正測角処理。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能なプラットホームに取付けられて用いられるアレー測角装置であって、
信号発生源である目標からの到来信号を受信するアレーアンテナを構成している複数のセンサ素子と、
前記センサ素子で受信された前記到来信号を受信データとして出力する受信手段と、
前記受信手段により出力された前記受信データに基づいて前記目標信号の入射角度を推定する測角処理手段と、
前記測角処理手段により推定された前記入射角度に基づいて、前記プラットホームの移動方向を推定する移動方向推定処理手段と、
前記測角処理手段により推定された前記入射角度に基づいて、前記センサ素子が有する受信チャネル特性差を推定する校正信号推定処理手段と、
前記移動方向推定処理手段により推定された前記移動方向と前記校正信号推定処理手段により推定された前記受信チャネル特性差とを用いて、前記測角処理手段により推定された前記入射角度を校正する改良校正測角処理手段と
を備えたことを特徴とするアレー測角装置。
【請求項2】
前記校正信号推定処理手段は、さらに、
前記移動方向推定手段により推定された前記移動方向を用いて、推定した前記受信チャネル特性差の誤差を補償する
ことを特徴とする請求項1に記載のアレー測角装置。
【請求項3】
前記移動方向推定手段は、
前記目標と前記プラットホーム間の相対速度を推定する機能をさらに有し、
前記測角処理手段により推定された前記入射角度と前記相対速度とに基づいて、前記プラットホームの移動方向を推定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアレー測角装置。
【請求項4】
前記移動方向推定手段は、
前記目標と前記プラットホーム間の相対距離を推定する機能をさらに有し、
前記測角処理手段により推定された前記入射角度と前記相対距離とに基づいて、前記プラットホームの移動方向を推定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアレー測角装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−192476(P2009−192476A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35975(P2008−35975)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】