アロイにされた熱可塑性ポリマーからの配向フィルムの製造方法、そのような製造のための装置、および得られる生成物
部分的に非相溶性の2つのポリマーのブレンドを押し出してフィルムを形成し、ブレンド中のアロイは主として1つの方向に伸びるフィブリルを有し、それぞれのフィブリルは平均で5ミクロン以下の幅と厚さを有し、フィブリルはより高い融点を有するポリマー成分で構成され、フィブリルはより低い弾性率を有する第2のポリマーのマトリックスで取り囲まれる。押出ダイの出口オリフィスの上流のグリッドチャンバー中にグリッドを提供し、融点の高いポリマーが部分的に結晶化している温度での熱延伸と両方のポリマーが実質的に固体である状態での冷延伸というシーケンシャルな延伸をすることにより、特別なモルホロジーが達成される。第2の冷延伸は20℃で少なくとも25%の破壊伸びを与えるような条件下で行われる。フィルムは高い耐衝撃性を有する直交積層を形成するための特定の値を有する。好ましくはフィブリルを形成するポリマーはポリプロピレンであり、マトリックスを形成するポリマーはエチレンポリマー、好ましくはLLDPEである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な配向したモルホロジー、およびポリマーアロイ中の特別な種類の配向に関し、直交積層に使用するためのフィルムりおよびロープ、縒るかまたはおられたテープ織物の製造に使用されるフィルムに関して特殊な目的が想定される。
【0002】
1つの目的は、高い温度での機械的な特性を改善することであり、これに関連してヒートシール特性が改善される。
別の目的は、エネルギー吸収特性を犠牲にせずに、クリープ特性を最適化するモルホロジーの形成である。
第3の目的は、微視的または超微視的な薄いリボン状に形成されたフィブリルを含むモルホロジーの形成である。それはバリヤー特性を促進するか、発泡剤の改善された作用を可能にする。
第4の目的は、好適なモルホロジーに基づき、熱可塑性フィルムの横方向の配向を容易にし改善することであり、特には直交積層のイン−ライン製造を合理化することを目的とする。
【0003】
ロープ、縒るかまたは織られた工業的な製品の製造は、すべて一軸配向のスリットフィルムに基づき、フィルムが良好なヒートシール特性を有する場合には、多くの例において、合理化することができる。さらに、多くの用途において、ポリアミドのような高価格のポリマーの使用を強いることなく、その用途において改良された引っ張りエネルギーの吸収を達成する必要が存在する。最後に、配向したテープにおける細かいセル状の発泡構造の形成は、新たな市場開発の機会をもたらすかもしれない。
【0004】
配向された熱可塑性ポリマーフィルムからの直交積層は、比較的低価格で、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンのような安いポリオレフィンに基づいて、異なるタイプの高強度特性の適当な組み合わせを達成することができるという利点を提供する。原価の低減は、寸法の縮小による消費原料の低減により得られる。しかしこれは配向、延伸および直交積層プロセスのコストと比較検討されなければならない。フィルムごと必要とされる強度特性のプロフィルは異なる。たとえば、極限引張強さ、降伏強度、室温および高温でのクリープ特性、エネルギー吸収、引裂伝播抵抗、穴あき強度、およびヒートシール強度があげられ、最後の4つの特性は、すべてゆっくりとしていると同時に、衝撃下での試験である。いくつかの点で優れた強さを示すフィルムまたはフィルムのラミネートは、他の点については非常に劣った強度を示すことがある。例として、破壊点近くまで延伸することにより一軸方向に配向したフィルムの直交積層は、優れた引張強さ、降伏張力およびクリープ特性を示すが、非常に貧弱なエネルギー吸収、衝撃性の条件下における引裂伝播抵抗、およびヒートシール衝撃強度を示す。異なるタイプの強度特性の適当な折衷は、ポリマー組成の選択、延伸比率および他の延伸条件、一軸配向の代わりに不均衡な二軸配向を使用すること、および/またはラミネートの異なるフィルムにおいて配向の主方向の間の角度を選択することにより達成されていた。
【0005】
そのような直交積層は、1968年以来発明者の古い特許に主として基づいて、大規模な工業的規模で製造されていた。しかし他のフィルム材料および織られたテープ織物との厳しい競争のため、製造原価の低減および/または用途のさらなる拡大をするために、プロセスをさらに合理化し、プロセスパラメータの簡単な変更によって、異なる強度特性あるいは強度特性の組み合わせを最適化することに対する必要があった。
直交積層はバッグ、柔軟な仲介のバルクコンテナ、防水布およびカバーシート、建築物のライナー、ジオテキスタイルの代用品としての池ライナ、および温室フィルムとして使用されてきており、また現在も使用されている。
【0006】
2つの異なるプロセスシーケンスが産業上使用される。1つは、長さ方向の高い溶融配向を与えつつチューブ状のフィルムを押し出し、さらに平坦な形態の固体化したチューブを比較的小さな延伸比率で一軸延伸し、チューブを螺旋状に切断してバイアスに配向したウエブに変換し、そのような2つのウエブをローラーの間で連続的に積層し、2つのウエブの配向方向が反対にバイアスするようにする。ラミネーションは押出ラミネーション、あるいはフィルムが共押出される場合には、ラミネーション層を使用した加熱によることができる。この製造法と生成物の特許の根拠はGB−A−0,192,976およびGB−A−0,816,607、および対応する特許である。
【0007】
産業上8用される別のプロセスシーケンスでは、選択されたポリマーのブレンドからなる主層、および最終ラミネートにおいてラミネート層として部分的に寄与し、部分的にヒートシール層として寄与するより少ない層を有するチューブ状フィルムを最初に共押出する。押出装置から引っ張り出される間に、チューブ状フィルムには主として押出方向に強い溶融配向が与えられる。それ以上の延伸を行うことなく、チューブは螺旋形にカットされ、連続的にローラー装置中で熱および圧力によって直交積層され、同じ装置内で二軸配向される。この配向の交わるコンポーネントは、数対のインターメッシュ溝が彫られたローラーの間で実行される。この製造法はGB−A−1,526,722および対応する特許に基づく。これが本発明に関して特に適切であるので、主な方法クレームは以下のように言い換えられる。
【0008】
本発明はラミネートの製造方法に関し、溶融したポリマーのブレンドの少なくとも2つの層を押し出し、各層は固体化した際に他のポリマーのマトリックス中に1つのポリマーの粒子の分散体を含む程度に非相溶性のポリマーのブレンドを含み、溶融中であって押出の前、間、もしくは後に各層をアテヌエーティングし、各層中の粒子をゆがめ、フィルムに固体化した後にスプリッタビリティーの主方向を有するフィブリル状の粒子構造にし、前述の主方向が互いに交わるように各層を結合し、それらがまだ固体化されていない場合には層を固体化し、本質的に一軸の工程によりそれを配向することにより、得られたラミネートを二軸配向させることを含む。これにより、十分に低い温度で二軸配向が行われ、各フィルムのスプリッタビリティーの主方向が保持され、ラミネートを引き裂いた際にフィルムが部分的にデラミネートするほどに結合は十分に弱い。
【0009】
好ましい実施態様は、溝が彫られたローラー間での直交方向の延伸を含んでいる。この延伸方法の改良およびポリマーの望ましい選択は、US−A−4,629,525、US−A−5,028,289およびUS−A−5,626,944に記載されている。
【0010】
螺旋形の切断を行なう実際的な方法は、US−A−5,248,366に記載されている。この特許公報に見られるように、チューブ状のフィルムの長さ方向のウエブ方向に対して最大30度の角度を形成するバイアスされた溶融配向は、環状の押出装置(あるいはこの装置の出口)と、この装置からチューブ状のフィルムを引き出す手段の間で相対的な回転をさせ、それによって配向を螺旋形にすることによって生じさせることができる。これは、それぞれが回転する環状のダイを備えた2つの共押出ラインを使用し、それぞれのチューブ状のフィルムを長さ方向に切断し、1つの延伸/ラミネーティングラインで、2つの切断フィルムをその配向方向に基づいて結合し、完全にインラインで直交積層を製造する可能性を提供する。しかしながら、各フィルム中の約30度の配向の制限は本質的な欠点である。
【0011】
発明者の知るところでは、現在、直交積層の産業的な製造はすべて、インラインの代わりに個別の工程で行われる。また、これは製造の経済に重要な影響がある。考えられる限りでは、長さ方向に配向したフィルムをテンターフレーム中で横方向に延伸されたフィルムとラミネートすることができる。しかし公知のテンターフレーム法で製造されたものの引っ張り強度は、直交積層のほとんどの用途で不適当なものであることが経験的に知られている。先に記載したとおり、この課題の解決は本発明の目的の一つである。
【0012】
枕バッグあるいはサイドにひだを有するバッグに通常使用されている、簡単な「ピールタイプ」シールでの直交積層のヒートシールも課題を提供する。この課題の解決策はUS−A−5,205,650、EP−A−1,007,331およびWO−A−0196102に示唆されている。
【0013】
しかしながら、最初2つの発明は、フィルムをヒートシールされた製品(たとえば、バッグ)への変換を行うための会社に特殊装置が必要であるという欠点を有し、したがってフィルムの製造に関して重大なマーケティングの制限がありうる。最後の発明では、その解決策は、直交積層フィルムの組成および製造工程にのみ関係する。しかし、そのようなフィルムのヒートシール特性のさらなる改良は、依然として非常に望ましい。上記のように、これも本発明の目的である。
【0014】
別の重大問題は、強度特性の改良によって許容される、低いゲージで作られる直交積層のもろさだった。剛性と弾性は、バッグの製造および/または自動ハンドリングにおいて特に重要である。この問題は、上記のUS−A−5,626,944において部分的に解決される。この特許はリブを有するラミネート構造であって、それぞれのリブが非常に浅いUのような断面を有し、溝を有するローラー間で横方向の延伸を特別に行うことによって形成される。
【0015】
より根本的な解決はWO−A−02/102592に示され、ラミネートの少なくとも1つのフィルムが約1mmから3mmの間の波長を一般に有する、段ボール板紙の溝のような溝を形成する。
本発明は、前述の公知の直交積層技術の工程に加えて、または補足的に行うことができる。
【0016】
本発明の第1の態様は、上述のフィブリルグレイン構造に、フィブリルが固体であり、それを取り囲むポリマー物質(これは固体状態では通常少なくとも部分的に結晶質である)が溶融している温度において強い延伸が加えられるというコンセプトに基づいている。最初に固体化し、その後に部分的にフィルムを再溶融し、ついで延伸を行うことも可能であるが、特には、本発明の方法は、部分的に溶融したフィルムが押出装置から引き出されている間に摩擦表面の上で配向することを含む。この熱延伸および主として配向されたフィブリルを有するフィルム組成物の完全な固体化の後、フィルムはより低い、好ましくは非常に低い温度でさらに延伸される。そのような後の冷延伸は、通常フィブリルの長さに沿った微視的な区間でフィブリルもしくはフィブリルネットワークを破壊するだろう。その一方でフィルム材料は概して完全なままであり、この冷延伸にさらされていないフィルムよりも、よい破壊伸びを示す。この状態は、改善された降伏張力、およびクリープ特性を示し、エネルギー吸収および衝撃下でのフィルム挙動、たとえば衝撃引き裂きまたは衝撃孔開けに対して悪影響を与えないことが見いだされた。この発見は以下においてさらに記載される。
【0017】
より高度に溶融したフィブリルは、周囲のより低度に溶融したポリマー物質よりもより大きな程度の配向をするという現象は、昇温時に改良された強度特性を有するフィルム、特には改良されたヒートシール特性を有するフィルムを提供する。以下に示される本発明の例の収縮試験との関連で、P1中における強度を生成する配向の本質的な部分は、P2の融点以上で維持されることが見いだされた。
【0018】
本発明の第1の態様は、発明者がWO03/033241に示した方法および装置のさらなる発展である。この先行するケースでは、制御可能な温度の環状の摩擦装置でのチューブ状のフィルムの押出であって、フロー中の温度がポリマーフローの結晶化範囲内もしくは若干上の温度に維持されるものを開示する。その発明の実施例は、ポリマーフローが少なくとも2つの相溶性の、もしくは相溶化されたポリマーのブレンドを含んでいるという点、および1つが結晶状態に主にあり、他方が溶融状態に主にある状態で、大部分の配向が起こるという点で特徴づけられる。摩擦装置の孔、あるいは微多孔質の金属を介した加圧された空気での空気潤滑、または、あるいは別法として摩擦装置に対するフローの吸収によって、配向をコントロールする摩擦を調節することができる。フローが接触する表面はさらに溝が彫られたパターンを有することができ、溝はダイの軸の囲りで円形であり、制御された減圧にさらされる。摩擦装置の上流に、一般に環状、円筒状または円錐形のショック−冷却パートがあることができ、好ましくは微多孔質の金属もしくは孔を介して空気潤滑によって潤滑することができる。更に、このショック−冷却パートと摩擦装置の間に、温度微調整部分があることができ、好ましくは同様に空気潤滑される。
【0019】
この開示の公開は、本発明における優先権を発生する最初の出願と同日に行われたので、本出願に対する先行技術とはならない。WO03/033241の中の開示は、本出願において参照され、本出願の一部とされる。本出願の図面および記載は、本発明の最初の出願にほぼ使用されている。
【0020】
WO−A−03033241における開示は、a)フィルム中のアロイのモルホロジーを取り扱っていない、b)後のストレッチングプロセスに言及せず、c)チューブ状のフィルムの押出および延伸に制限されている。一方本発明は、平坦およびチューブ状のフィルムの押出および関連づけられた延伸に関する。
【0021】
本発明の第1の態様の方法はより詳細に画定される。それは、以下の工程および選択を含む。
配向フィルムは、少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られ、ポリマーをブレンドし、ブレンドを押出、延伸することにより製造される。両方のポリマーは、約100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、機械的に決定したP1の融点は、機械的に決定したP2の融点よりも少なくとも20℃高い。これらのポリマーは最終のフィルムのアロイ中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分混合することによって、実際的な目的のためには十分に相溶性とされる程度に非相溶性である。20℃で、非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示す。レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合と延伸の条件を適合させることにより、P2により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンであるアロイが生成される。ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下である。延伸は、両方の成分が少なくとも部分的に溶融された状態で、フィルムの押出の後、ドローダウンすることにより部分的に起こり、後の工程により高い配向を示す。
【0022】
本発明の第1の態様を特徴づけるものは以下のとおりである:
前述のドローダウン(以下においてアテヌエーション(attenuation)またはホットアテヌエーションとも呼ばれる)の後に、P1が固体状態でP2が実質的に溶融した状態で熱延伸され、P1を選択的に配向させる。20℃でゆっくりと引っ張ることにより配向方向で少なくとも25%伸びる程度に配向を制限し、ここで熱延伸はフィルムを摩擦により保持する装置(摩擦装置)により引っ張ることにより行われる。
「選択的に配向」とは、P2が配向されないことを意味するものではない。常にある程度は配向する。
【0023】
記述された熱延伸の後、両方の成分が固体の状態で、フィルムは好ましくはさらに延伸される(冷延伸)。20℃でのゆっくりとした引っ張りにより、すべての方向で、フィルムが少なくとも25%伸びることができるように、得られた配向は制限される。「ゆっくりとした引っ張り」とは、細い、たとえば、約15mm幅の試料を毎分約50%の伸びに対応する速度で延伸することをいう。この特性は、破断時伸びとも呼ばれる。
【0024】
ポリマーP2がそのエネルギー吸収特性を適切に働かせるために、非配向状態でのこのポリマー物質の弾性率Eは、前述のように非配向状態でのP1のポリマー物質のEよりも少なくとも15%低くなければならない。しかしながら、多くの場合に、P1に対してさらに小さなEを有するP2、たとえば、P2のEよりも25%低いE、または50%ないしはそれ以上低いEを有するものを選択することがより好ましい。
よいオーダーのために、ブレンディングの一部が、重合体の生成の間、ポリマーP1とP2が単離される前、またはその後に、異なった場所で又は異なる工程として、行われてもよい。
【0025】
好ましくは、ポリマーP1およびP2は、最終のフィルムが繰り返し屈曲された際に内部にボイドが生じる何らの傾向も示さない程度に相溶性であるか、または相溶化される。
上記のように、この相溶化はアロイ化剤の使用、またはより経済的にフィブリルの断面寸法を十分に小さくすることにより行うことができる。なぜなら、内部にボイドが生じる傾向はこれらの寸法に依存するからである。
本発明で使用されるポリマーの適当な例は次のとおりである:
P1:プロピレンの結晶性コポリマーを包含するプロピレンポリマー、ポリアミド、またはポリエチレンテレフタレート、および
P2:プロピレンコポリマー、あるいはエチレンとたとえば、他のアルファオレフィンとの結晶性コポリマーを方向する、エチレンポリマー。
【0026】
フィルムが直交積層の製造のために作られる場合、好ましくは、それはラミネート中で他の層と向かい合う側の上に、結合を容易にするか又は制御ように選択されたラミネート層を有する共押出されたフィルムである。更に、ラミネートの最も外側の層が、それぞれ、全体のラミネートの表面を形成する共押出された改質された層を有し、ラミネートのヒートシールを容易および/または改良するように選択され、および/またはその摩擦特性または印刷特性を改良するように選択されることが最も効果的である。
【0027】
上記の配向フィルムは、US−A−3,949,042(Utz)に記述されるプロセスの簡単な改良によって作ることができる。この特許によれば、結晶性ポリマーは押出装置の出口部分を通過する際の冷却により固体化され、出口オリフィスから離れる時に、引っ張り出し手段の引っ張りにより配向される。さらに、この特許によれば、出口チャンネルを通る固体化しているかまたは固体化されたポリマーの通過は、冷却が始まる前に主なポリマーの両側に共押出された、より融点の低いポリマーの少ない層で「潤滑する」ことによって可能になる。この特許はさらに、押し出された、配向フィルムは直交積層を作るために使用することができることを示唆する。したがって、融点の高いポリマーが、本発明で使用されるもののような適当なブレンドで置き換えられた場合には、本発明のフィルムはUtzの方法により製造することができることが理解されるであろう。しかしながら、押出技術に熟練した当業者が容易に理解できるように、US−A−3,949,042により作られたフィルムは、その構造ではあまりに曲がってしまい、実際に使用可能ではない。出口チャンネルを通るその通路の間の長さにわたり、フローのその中心は溶融されたままであるが、その両側の薄い領域では固体化するであろう。「潤滑」にもかかわらず、これは規則的なラミネートフローを不可能にする。なぜなら、固体化された領域がねじれ、そのために層状組織を妨害するからである。得られた生成物は非常に荒い表面および極端な厚さの変化を示すだろう。結晶化可能なポリマーのフローが、フィブリルのディスパージョンのフローによって置き換えられた場合、このカオスの効果は、構造のフィブリル特性の妨害に帰着するだろう。
【0028】
Dutch Van Leer organisationまたはその子会社の一つに対して認められた1975年頃からの特許(発明者は本特許の出願時にはされをさらに同定することはできなかった)は、チューブの内側のマンドレルの上の固体状態の押し出されたチューブの長さ方向の配向に関し、チューブは押出ダイから引き出される。固体のフィルムが引かれる時に生ずる、チューブをしっかりとマンドレルに保持しようと作用する強い収縮力のため、この方法を実行するのは実際上非常に難しい。
最後に、押し出されたチューブの内部のマンドレルがチューブの較正に広く使用されたことが述べられるべきである。例として、GB−A2112703およびEP−A−028536Bが参照される。
【0029】
本発明の説明に戻ると、押出ダイを通過する通路の間、互いに分散されたポリマー−イン−ポリマーブレンドのフロー中に適度に高い張力を維持するか、または適当な手段によりフローがダイから出るすぐ前にディスパージョンの細かさを増大させることにが、所望の細かなフィブリル構造を得るために重要であることが見いだされた。好ましくは、平坦で、厚さが一般に1ミクロン程度またはそれ以下、より好ましくは一般に0.5ミクロン程度またはそれ以下であり、さらに好ましくは一般に0.1ミクロン程度またはそれ以下であり、幅が一般に5ミクロン程度またはそれ以下であるフィブリルを作るように条件が適用される。最も有利には、フィブリルの断面寸法の低減は、押出中に、押出装置の出口オリフィスのすぐ上流に位置するチャンバー内の少なくとも1つのスクリーンまたはグリッドを溶融ブレンドが通過する工程を含み、ここで該チャンバーは出口オリフィスのギャップよりも大きなギャップを有する。そのようなグリッドがそれぞれ数ミリメートル伸びる壁を、フローがグリッドに入るときのフローの方向、好ましくはそのフローに実質的に平行な方向に有する場合、最良の結果が得られる。そのようなグリッド中の主な壁は好ましくは傾斜し、各々がグリッドに入るフローの主な表面と、約10度から約70度の間の角度を形成する。最も有利には、グリッドに入るフローの主な表面に対して、反対の方向に傾斜する少なくとも2つのそのようなグリッドが使用される。
【0030】
好ましくは、前記角度、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのフローの主な表面に垂直な、装置の長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる。
フィブリルの形成、ポリマーアロイ中の配向されたモルホロジー、上記のような平坦で薄いフィブリル、およびこれに関連して記載された押出ダイの末端のグリッドチャンバーの使用は、本発明の第2の態様として記載される。第1の態様におけるような、結晶したフィブリルの後の延伸に関連した使用とは関係なく、それ自身が進歩性を有すると認められる。高度にアテヌエートされたモルホロジーを有する非常に平坦なフィブリルは、第1の態様の特徴と無関係に、直交積層およびスリットフィルム製品に改善された強度特性を提供することができる。更に、それは直交積層、スリットフィルムおよび他のフィルム製品、たとえば、細かいセル状の発泡した構造を有するフィルムを製造するために使用することができる。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のフィルム内にアロイにされた、最終的に伸ばされた非常に平坦なポリプロピレンミクロフィブリルは、フィルムを高度に耐油性とし、LLDPEとアロイにされた非常に平坦なポリアミドミクロフィブリルは、同じ性能を与えるとともに、さらに酸素に対して良好なバリア特性を提供する。本発明のこの第2の態様は、より詳細に以下で説明される。
【0031】
発明の第1の態様に戻ると、これは異なるシーケンスの工程で実行することができる。1つのシーケンスでは、フィルムは押出の後、P1とP2の両方が溶融している間に好ましくは熱ドローダウンされ、冷却して両方を固体化し、その後の工程で空気潤滑されたエンゲージメントにおいて制御された温度の加熱体で加熱され、P1は固体を維持しつつ、P2を少なくとも部分的に溶融する。その後直ちに、P2がまだ部分的に溶融して、P1が固体の間に、フィルムをP1の選択的な配向、すなわち冷延伸し、ついでP2を固体化する。摩擦装置は、好ましくは、丸い端部を有する1以上のバーを有し、端部の調節可能なアークに追従してその上をフィルムが引きずられ、1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される。1つ又は複数の端部に接する行程の長さは、P2の全体が固体化するのを防ぐように適合される。そのような摩擦装置の例であって、平坦な形にフィルムが押し出されるために適合したものが、図5に示される。また、チューブ状のフィルムに適した別の例は、言及されたWO03/033241の図6に示される。
【0032】
少なくとも押出からP2の固体化までの工程は、好ましくはインラインで行われる。ラインは、冷却およびそれに引き続く加熱の間に作用するホールドバック装置、たとえば上記の中の1つに類似したものも含み、好ましくはP2の固体化に続く工程も、先の工程とインラインで行われる。
好ましくはブレンド工程をさらに含む押出から、P1とP2の両方が固体化されてから行われる引き出し(以下において冷延伸または冷引き出しと呼ばれる)までの工程のシーケンスは、図1のフローシートに示される。図面中の2つの中断するラインは、P1の最初の固体化の後、および/または両成分の第2の固体化の後、フィルムをスプールすることにより通常中断されてもよいことを示す。しかし好ましくは、すべての工程はインラインで行われる。一軸配向されたテープを形成するためのフィルムの切断も、これが最終生成物である場合、好ましくは即時連続的に行なわれる。同様に、直交積層は冷延伸直後に実行されることができる。これは後にさらに記述される。冷延伸工程(フローチャート図1の中のボックス「冷延伸」によって示される)は、長さ方向、および横方向の延伸を含むことができ、いくつかの工程を含むことができる。
【0033】
平坦なフィルムがこの工程のシーケンスで押し出される場合、冷却および引き続く加熱の間の制御されたホールドバックが、ローラー配置により好ましく確立され、これは冷却を提供することもできる。これは図4の中で例証される。
【0034】
しかしながら、上述のように、少なくとも押出から少なくとも最終のP2の固体化まで、フィルムはチューブの形態で形成され、取り扱われることができる。さらにこの場合にも、冷却およびそれに引き続く加熱の間に制御されたホールドバックが、丸い端部を有する1以上の環状のバーを有するように設けられ、端部の丸い調節可能なアークに追従してその上をフィルムが引きずられ、1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される。この装置も、WO03/033241の図6に示されるようにして作ることができる。
【0035】
これはWO03/033241の図3を参照して、示された線(数字118を参照)の末端だけでなく、ショック冷却部分(116)と温度ライン調節部分(117)の間に摩擦装置が存在する。各々は、どちらも国際公開公報の、前述の摩擦装置(118)のように、または図6に示されるようにして構築することができる。
【0036】
加熱は、フィルムのそれぞれの側にある2つの加熱体を有する、空気潤滑されたエンゲージメント中のフィルムに好ましくは行われる。前述の加熱体の間の空間は好ましくは調整可能である。これは本出願の図4においても例示される。異なる工程のシークエンスでは、押出直後のフィルムの冷却は、P1の固体化に限定され、P2は少なくとも部分的に溶融したままに維持される。その後直ちに、摩擦によって保留する装置上のP1の選択的な配向が、結晶状態のP1、および少なくとも部分的に溶融したP2について実行される。工程のこのシーケンスは図2のフローシートに示される。さらにこの場合も、摩擦により保持する装置は、丸い端部を有する1以上のバーを有し、端部の調節可能なアークに追従してその上をフィルムが引きずられ、1つ又は複数のバーの温度、および1つ又は複数の端部と接触する行程の長さは、P2が全体的に固体化するのを防止するようにされる。
【0037】
P1は固体になるが、その一方でP2は少なくとも部分的に溶融したままである状態への冷却は、制御された温度の冷却体とフィルムの、空気潤滑されたエンゲージメントにより好ましくは行われる。さらにこの場合、好ましくは、フィルムは、フィルムの両方の側にある2つの温度制御体と空気潤滑されたエンゲージメントにある。前述の加熱体間のスペーシングは好ましくは調整可能である。
【0038】
両方の成分の完全な固体化の後の配向に関しては、その前のフィルムの熱延伸と同じ長さ方向で、少なくとも1つの冷延伸の第1工程が好ましくは行われる。異なる延伸プロセスのための条件の適当な選択によって、および任意に押し出されたブレンドへの細かく分散された破砕を促進する物質の追加によって、長さ方向の冷延伸はP1フィブリルの破壊箇所、およびそのような破壊に関連して該箇所およびその周辺のP2の追加の配向を生むために好ましくは適応される。これによって、該箇所は配向の方向に対して角度を有して一般に線形の広がりを有するであろう。これは図8に例証される。
【0039】
この特徴はフィルム、このフィルムから作られたテープまたは直交積層に、エネルギー吸収特性を犠牲にすることなく、改善されたクリープ特性および降伏点を与える役目をする。これは以下において、比較の応力/歪みのグラフにより示される。実験の事実は、P1の配向されたフィブリルがP2の配向の発展に対して及ぼす影響を制御することにより説明される。
クリープ/降伏抵抗および良好なエネルギー吸収特性の組み合わせを最適化するために、長さ方向の冷延伸が好ましくは約50℃、またはより低温、たとえば30℃またはそれ以下で行われることが見いだされた。
アニーリングのための熱処理を続いて行うことができる。
【0040】
長さ方向の冷延伸の後、横方向の冷延伸を行うことができ、好ましくは、同時に長さ方向の収縮が許容される。長さ方向の収縮は、横方向の延伸の前にフィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成され、これはテンターフレーム手段により行うことができる。しかしながら、横方向の冷延伸は、長さ方向の冷延伸を先に行うことなく行うことができ、好ましくはフィルムが縦方向で縮むことが許容される。さらにこの場合、その収縮は、横方向の延伸に先立ち、フィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成することができる。また、これはテンターフレーム手段によって実行することができる。
【0041】
公知のテンターフレーム技術および公知のフィルム組成物を使用することでは、通常の用途に有用な直交積層中の層として適した横方向配向フィルム製造することは可能ではなかった。その理由は適当な降伏/クリープ抵抗および良好なエネルギー吸収特性の適当な組み合わせを達成することが不可能だったからである。これは今、本発明の使用によって解決される。したがって、直交積層の製造が、長さ方向に延伸されたチューブ状のフィルムを螺旋状に切断し、長さ方向に配向したフィルムと横方向に配向したフィルムとし、その後2つをラミネートし、すべてが1つのインライン製造工程で行われる、イントロダクションで言及された既存の製造方法と比較して合理化されることができる。横方向の配向を行うことについてのさらに詳しい情報は、図7a、bおよびcに記載される。
【0042】
本発明の第1の態様では、より高温で溶融するポリマーP1がフィブリルあるいはフィブリルネットワーク(閉じこめられた相または分散された相)を形成し、より低温で溶融するポリマーP2(マトリックス)がそれを取り囲む。これに関連して、次のガイドラインを与えることができる。
P1の濃度が低いほど、それが閉じこめられた相となる可能性が高くなる(他のものが変化しない場合)。
【0043】
溶融アテヌエーションの所定の条件において、P2と比較してP1の溶融粘度が高いほど、それが閉じこめられた相となる可能性が高くなる(他の特徴が変化しない場合)。P1が固体化する点の近くにおいてその溶融粘度は増大し、ゆっくりとした冷却はP2−イン−P1の分散体をP1−イン−P2の分散体に変換する場合のあることを示すいくつかの証拠を発明者は見いだした。さらに、そのような変換がP1の結晶化中に起こる場合のあることは真実のように思われる。好ましくは、混合中のP1の重量割合は、75%未満、より好ましくは5から60%、たとえば、10から60%、最も好ましくは20から50%である。
【0044】
しかしながら、それが実現可能な場合、適切に高い溶融粘度(たとえば少なくとも0.1,好ましくは約0.5のメルトフローインデックスを与える)を与えるように、P1のポリマーに比較的高い分子量のものを使用することによってP1−イン−P2の閉じこめを得ることが望ましい。または、この成分の比較的低濃度を使用し、次いで早い冷却(ショック−冷却およびそのための装置としてさらに記載される)により両成分を固体化し、溶融アテヌエーションされた構造が、固定されるようにすることにより、P1−イン−P2の閉じこめを得ることが望ましい。なぜなら、ゆっくりとした冷却はより不規則な形の、低い強度のフィブリルを形成するように思われるからである。
【0045】
よりよいオーダーのために、本発明が直交積層を生産するために使用される場合、ラミネーションが冷延伸に先立って実行されることができることが述べられるべきである。また、押し出され熱延伸されたフィルムがチューブ状の場合、それが通常行われるように螺旋状の切断が使用されてもよい(イントロダクションを参照)。
【0046】
本発明による方法の第2の態様は、以下により正確に記述される。それは、ポリマー材料P1’およびポリマー材料P2’の緊密混合物を含む熱可塑性ポリマー材料を、ダイを通して押出およびアテヌエーションしてアロイのフィルムまたはシートを形成する方法に関する。ダイを通るフロー通路は、出口ギャップを有する出口オリフィスを含み、該方法は出口オリフィスの上流に、ブレンドが通過する1以上のグリッドを含むグリッドチャンバーが提供される点に特徴を有する。1つ又は複数のグリッドは、ブレンド中のP1’またはP2’の分散相の平均サイズを縮小するように選択されたサイズの口径を有する。1つ又は複数のグリッドは、出口ギャップよりも広いギャップを有するチャンバー内の場所に位置する。グリッドチャンバーはさらにスクリーンとダイ出口の間にギャップ減少部分を有し、ここではその間をブレンドが流れるギャップが、少なくともダイ出口のギャップへの道の一部で減少される。
このダイの好ましい態様はすでに本発明の第1の態様に関して明確に記述された。
【0047】
フィルム製品のほとんどの用途については、少なくともブレンドフローの1つの側に、表層が好ましくは共押出される。これはフローが1つ又は複数のグリッドと出会う前に最良に行われる。なぜなら、その後に主層と表層のブレンドの相溶化を助けることができるからである。本発明の第1の態様とは独立して、この第2の態様はアロイ化された配向フィルムの強度特性を改善するために使用することができる。この方法は次の態様によって特徴づけられる:
P1’およびP2’は、それらが最終フィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションによる機械的方法により、実際的な目的のためには十分なように相溶化される程度に非相溶性であり、P2’は20℃での非配向状態において、P1’の弾性率よりも少なくとも15%低い弾性率を示す。好ましくは、しかし必須ではないが、P1’の機械的に決定した融点はP2’よりも少なくとも約20℃高い。レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合およびアテヌエーションの条件の適合により、アロイはP2’により取り囲まれた顕微鏡的に細かなP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは1つの方向に主として伸び、一般に約5ミクロンまたはそれ以下、好ましくは約1ミクロンまたはそれ以下、さらにより好ましくは約0.1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、少なくとも厚さの5倍の幅を有する。更に、少なくともP1’が固体化した後、フィルムは延伸される。
【0048】
実際にはブレンドが常に行われているランダムブレンド手法により、マトリックスとしての他のポリマー中に閉じこめられた1つのポリマーの顕微鏡的または超顕微鏡的に細かいフィブリルを形成するために、それらの幅に沿った一様な断面を有するフィブリルを与えることは常に不可能であろう。なぜなら、それらのマトリックス中の濃度が非常に小さい場合を除いて、フィブリルは互いに規則的になることを防止するからである。非常に細かなフィブリルの結晶によって引き起こされたこの不規則性は、得られるフィルムの強度に対してマイナスの影響を与える。しかしながら、非常に平坦なフィブリルにおいては、これらの結果はある程度均等にされ、特にアロイが急速に冷却された時にそうであり、したがって、本発明の第2の態様は、生成されたフィルム、およびこのフィルムから作られたテープまたは直交積層の強度に関して利益を本質的に与える。
【0049】
発明の第2の態様の使用では、固体化の後の延伸工程はフィブリルの方向に対して横方向であることができる。その後、好ましくは、フィルムは、この延伸中にフィブリルの方向に収縮することが許される。フィルムに細かな横方向のプリーツを与えることにより、収縮の可能性を確立することができる。フィブリルの方向に対して横方向の延伸工程の前に、フィブリル方向の延伸を行うことができ、後の工程は固体である。
【0050】
本発明の第2の態様の強度促進用ポリマーの選択については、P1’は、例えばプロピレンの結晶化コポリマーまたはプロピレンホモポリマーを包含するプロピレンポリマー、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートからなることができ、P2’は、たとえば、プロピレンコポリマー、エチレンのコポリマーを包含するエチレンポリマー、好ましくは他のアルファー−オレフィンとのコポリマーから主としてなり、P2’は好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである。
上述の、本発明の第2の態様の別の実施態様においては、P1’は望ましいバリヤー特性を示すように選ばれる。
【0051】
この使用は、次の特徴によってさらに特徴づけられる:
P1’およびP2’は、それらが最終フィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションによる機械的方法により、実際的な目的のためには十分なように相溶化される程度に非相溶性である。レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合およびアテヌエーションの条件の適合により、アロイはP2’により取り囲まれた顕微鏡的に細かなP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは1つの方向に主として伸び、一般に約5ミクロンまたはそれ以下、好ましくは約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、少なくとも厚さの5倍の幅を有する。
【0052】
フレーク形状の粒子状物質、例えばマイカ粉末はバリヤー効果を発揮することは公知である。なぜなら、それは迷路の中でのように、ガス分子、芳香物質あるいは有害液体が浸透し、拡散することを強いるからである。しかしながら、そのようなフレーク形状の粒子状物質は、その濃度、したがってそれらの影響が低くなければ、通常、フィルムの強度に悪影響を与える。したがって、通常は、バリヤー特性は、フィルムの主な層と一緒に、結合層の共押出を任意に含む共押出によって達成される。2つのヒートシール層が必要な場合、ダイは通常6層以上で構成されなければならず、2つのバリア層が必要な場合、9層が必要である。そのようなダイは商業的に利用可能であるが高価である。本発明の第2の態様の使用の際、1,2またはそれ以上のバリヤーを形成するポリマー、P1’a、P1’b等を、高価なタイポリマーを使用することなく、主ポリマーP2’とともにアロイにすることができる。ヒートシールのための特別の表層が必要でない場合、上述のグリッドチャンバーが追加で設けられた場合には、これは単純な1要素ダイで十分であることを意味する。ヒートシールのための表層が必要な場合、3層の共押出ダイが必要である。しかし、どんな場合も、投資の節約は非常に重要である。もちろん、バリヤー結果は高価なダイで達成されるようには高くない。しかし多くの用途には十分なものである。
【0053】
適用可能なバリヤーポリマーの例:
ポリプロピレンまたはポリプロピレンテレフタレートは、ポリエチレンに主として基づく直交積層を、油による破壊から保護することができる。ナイロン6あるいは66は同じ作用をし、さらに酸素に対するバリアを形成することができる。また、EVOHは、非常に効率的に酸素と油およびほとんどの芳香物質に対するバリアを形成することができる。
最後に、上述のように、本発明の第2の態様は細かなセル状の発泡された構造を有するフィルムを作るために使用することができ、特にテープまたは直交積層のために使用されるという利点を有する。
【0054】
この使用は次の特徴によって特徴づけられる:
P1’およびP2’は、それらが最終フィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションによる機械的方法により、実際的な目的のためには十分なように相溶化される程度に非相溶性である。 レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合およびアテヌエーションの条件の適合により、アロイはP2’により取り囲まれた顕微鏡的に細かなP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは1つの方向に主として伸び、一般に約5ミクロンまたはそれ以下、好ましくは約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、少なくとも厚さの5倍の幅を有する。押出の前または押出の間に発泡剤が添加される。発泡剤はP2’に可溶であるが、一般にP1’には不溶性である。発泡は押出工程の後に行われる。
【0055】
発泡剤がP1’に一般に可溶ではないので、フィブリルは発泡剤に対するバリアの役割をし、そのためそれらは効率的で細かな発泡を強く促進する。フィルム(あるいはフィルムを裂くことにより作られたテープ)は、発泡の前、間、後にさらに強く配向されることができ、それらはスプリットファイバーネットワークに、たとえばスプリットファイバー(フィブリル化フィルム)を作る技術において公知のようなラビング操作により変換することができる。
【0056】
上記よりすでに明らかなように、記載された新規な方法は以下の新規な製品A、BおよびCを製造するために使用することができる。3つのすべては直交積層のための使用が特に想定され、AおよびCは特にロープ、縒った製品および織物タイプの製品が想定され、製品Cはさらにスプリットファイバー(フィルムからのファイバー)製品が想定される。
【0057】
以下の記載において、本発明の第1の態様に関連する記述について、ポリマーP1およびP2について参照される。
しかしながら、記述はP1’とP2’のブレンド、第2の態様によってそこから生産された製品にも等しく関係する。
【0058】
製品A:
既知の特徴は以下のとおりである:
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られた押出フィルムであり、P1およびP2の両者は100℃において少なくとも部分的に結晶性であり、フィルム中では別個の相として存在するが、相溶化剤の使用または十分な混合により機械的に、実際上の目的のためには十分に相溶性である程度に、非相溶性である。20℃での非配向状態において、P2はP1の弾性率(E)よりも少なくとも15%小さいEを示す。アロイは、P2に囲まれたP1の微視的な細かいフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成される。このモルホロジーでは、フィブリルはそれぞれ主として1つの方角に伸びて、平均で約5ミクロンまたはそれ以下の幅および厚さを一般に有する。
【0059】
特徴は次の選択肢であり、組み合わせることができる:
a) P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する。
b) 配向フィルムはP1フィブリルの破壊の位置を示し、その位置は一般に線形に伸び、配向の方向に対して角をなしてしている。
【0060】
重要な例として、P1は、プロピレンの結晶性コポリマーを包含するポリプロピレン、ポリアミドのコポリマーまたはポリエチレンテレフタレートからなることができ、P2は主としてプロピレンコポリマー、あるいはエチレンの結晶性コポリマーを包含するポリエチレンからなることができ、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである。
結合特性および/または摩擦特性を向上させるために、アロイ層の少なくとも1つの側の上に、少量の共押出された表面層を有するべきである。
【0061】
発泡製品である製品Bは、以下の特徴を示す:
それは少なくとも2つのポリマーP1とP2のアロイから作られた押出フィルムであり、両者は約100℃以下で少なくとも部分的に結晶性であり、最終フィルム中では別個の相として存在するが、相溶化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションにより機械的に、実際上の目的のためには十分に相溶性である程度に、非相溶性である。アロイは、アロイは、P2に囲まれたP1の微視的な細かいフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸びる。
【0062】
特徴的なものは以下のとおりである:
P1のフィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する。さにP1は望ましいバリア特性を示すように選択される。
バリヤー成形ポリマーP1は、たとえば、EVOH、またはビニリデンクロライドのコポリマーを包含するポリビニリデンクロライド、またはポリアミドから成ることができる。
結合特性の向上および/または摩擦特性の改良のために、アロイ層の少なくとも1つの側の上に、少量の共押出された表面層を有するべきである。
製品Cはセル状の発泡フィルムであり、発泡剤を使用して押出することができる。
【0063】
それは次の新規な機能を含む:
発泡されたフィルムは、少なくとも2つのポリマーP1とP2から作られ、両者は約100℃以下で少なくとも部分的に結晶性であり、最終フィルム中では別個の相として存在するが、相溶化剤の使用または十分な混合により機械的に、実際上の目的のためには十分に相溶性である程度に、非相溶性である。アロイは、P2に囲まれたP1の微視的な細かいフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、平坦で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する。
【0064】
本発明は、図面を参照して一層詳細に説明される。
図1および2は、本発明の第1の態様による方法の2つの異なる方法のフローシートである。
図3aは、共押出ダイの出口の改良を示す。ダイの出口は平坦または環状であることができ、フィブリル分散体をより細かくし、フィブリルを明確に平坦にするために2つのグリッド形状のスクリーンが提供される。
スケッチは図7bのa−a線に沿った断面を表す。
図3bは図7aの線b−bに沿った断面を示す。また、同様に、図7cは図7aの線c−cに沿った断面を示す。
環状ダイの場合には、これらの図は開かれた環状断面を示す。
図4は、フローシート図1に対応する機械ラインを非常に概略的に示す。
図5は図4の摩擦保持装置の拡大図で、実物の概略半分のスケールで示される。
図6もフローシート図2に対応する機械ラインを非常に概略的に示す。
図7aは、横方向の「冷延伸」の好ましい方法を示す、テンターフレームのダイヤグラム様の表現である。
図7bは横方向のプリーツ加工を行なう図7a中のユニットを示す。
図7cは、図7aの2台の狭いオーブンの断面図を概略的に示す。
図8は、その主な表面と平行な、フィルムの模式的な断面図であり、破壊されたP1フィブリルの直線領域で、P2が追加の配向を有する、請求項に記載された微構造を表わす。
図9から11は実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す。
図12aからdは、実施例で製造されたフィルムの、昇温下での収縮特性を示すグラフである。
上述されたように、WO03/033241のすべての図および図に関する記述は、本発明に属することと見なされる。
【0065】
フローシート図1および対応する機械ラインの図4において、工程1は通常融点の高いポリマーP1および融点の低いポリマーP2のドライブレンドを含み、ついで押出機中でブレンドされ、引き続いて押出ダイ中でフィルム(シート)の形成をし、該ダイはその出口オリフィスのすぐ上流に図3a、bおよびcに記載されたグリッドチャンバーを有している。その押出は通常フィルムに適当な表層を供給するために適応された共押出である。
そうすることができるので、グリッドチャンバーが省略された時には、フィルム押出に先立った溶融状態での成分の別途のブレンドが通常必要であろう。
さらに、P1とP2の製造の一部として、重合に関連してブレンディングを行なうことは可能である。
【0066】
請求項において言及されているように、P1/P2の分散体が微視的または超顕微鏡的な断面寸法に到達し、P1中にP2が取り込まれるのではなく、P2中に取り込まれたフィブリルまたはフィブリルネットワークの形体のP1を得ることが必要である。
これに関連する条件は、本発明の一般的な記述で議論されており、後で簡潔に繰り返される。
【0067】
フローシート図1は平坦に押出されるフィルム、およびチューブ状の形体で押し出されるフィルムについて適用可能であるが、図4の中で示されるラインは平坦なダイ(205)から平坦な形体で押出されるフィルムについてのみ適合される。
チューブ状の形体で押し出されるフィルムに対応するプロセスは、WO03/033241の図面に示されている。
【0068】
本発明の平坦なままの切断、工程2:
溶融アテヌエーションおよび工程3:
P1およびP2の固体化は、両方とも引っ張り冷却ロール手段、(206)、(207)および(208)によって実行される。これらは同じ周縁速度で運転され、循環水あるいは循環する油で冷却される。ゴムでコーティングされたニップローラー(209)は、最後の冷却ローラー(208)とともにニップを形成する。経済的な理由のために、プロセスを中断せずにP2が再び溶融される場合(工程3a)、冷却は必要以上に強くすべきではない。
【0069】
押し出され、溶解アテヌエーションされたフィルム(211)に対して、空気潤滑を介してバー(210)が押しつけられる。空気潤滑は細孔質の金属によって実行される。それは、ローラーに隣接しているバーの一部を形成する。空気潤滑バーは2つの機能を有する。1つはフィルムおよびローラー(206)の間の大気のエントレインメントを防ぐことであり、他方はアテヌエートされているフィルムの横方向の収縮への傾向を制限するためである。この段階の空気のエントレインメントは、フィルムの膜厚の均一性を損なう。バー(210)の構造の詳細は示されていないが、これは空気潤滑に熟練している人にとって明白である。このバーおよび潤滑空気を加熱する必要も冷却する必要もない。
【0070】
両側の矢(212)は、バーの位置がローラーに対して調整可能であることを示す。好ましくは、ローラーの方へバーを押すスプリングがある。その一方で潤滑する空気の圧力は反対方向に働いている。また、これらのスプリングの張力、および空気圧がスペーシングを決定する。ローラー(206)およびバー(210)の間のこのスペーシングは、好ましくは1mm未満であるべきである。しかしながら、フィルムの端は、常に横方向の収縮により多少厚くなり、工程3aの前に1cmあるいは数cm、トリムすることが必要なことがある。
【0071】
P1ではなくP2を溶融する工程3aは、2つのオーブン部分(213)および(214)から成る特別のオーブンの中で行われる。フィルム(211)は、両方と空気潤滑されたエンゲージメントにある。各オーブン部分のフィルムに隣接するセクションは、細孔金属からなり、残部は空気を分配するための1つのチャンネルシステムを備えた固体金属であり、循環する熱い油で加熱される。チャンネルシステムはここに示されない。しかし、同様のチャンネルシステムはWO03/033241の図1−5に示される。フィルム(211)に隣接しているそれぞれのオーブン部分の表面の温度は、正確にコントロールされる。油を循環させることによる加熱は電気的な加熱によって代用されることができる。空気はあらかじめ熱せられることができる。しかし、通常は、その温度は、予熱なしで、細孔金属を通ることにより正確に調節される。
【0072】
両側の矢(215)は、2つのオーブン部分間のスペーシングは相互に調整可能であり、加熱および空気潤滑の影響を最適化する。さらにこの場合、調節は、好ましくは調整可能な張力を有するスプリングを介して起こる。1つ(213)だけの部分を使用する代わりに、2つのオーブン部分(213)および(214)を使用するのには2つの理由がある。1つは、最も効率的な加熱を達成することであり、他方は幾分かの長さ方向の延伸の結果、フィルムに長さ方向のプリーツが形成されることを防止することである。これはフィルムが最も暖かい部分(213)の下流端に生じる。別のオーブン部分(214)なしでは、この延伸には横方向の収縮が伴うだろう。それは、部分(213)の上流端にいくらかのプリーツをつけるだろう。それほど効率的ではないが、プリーツが生じることを防ぐ方法としては、フィルムとエンゲージする1つ又は複数の細孔表面を若干丸く、たとえば曲率半径1−2mmとすることである。これは図4にも示される。
【0073】
部分(213)および(214)から成る特別のオーブンは、WO03/033241のチューブ状のフィルムのホットドローイングに関する図3−5における温度微調整部分(117)に相当する。しかしながら、フローシートの中で示されるプロセスを行なうために、本出願の図1、およびWO03/033241の図3−5は、ショック冷却部分(116)と温度微調整部分(117)との間の適当な「ホールドバック」装置により補足されなければならない。この「ホールドバック」装置は、溶融アテヌエーション(工程2)と熱延伸(工程5)の間の割合の調節に寄与するために、制御された摩擦抵抗を働かせなければならない。本発明のチューブ状の実施のための各々の「ホールドバック」装置は、両方ともW003/033241の部分(118)または図6の中で示されたように構成することができる。
【0074】
さらに、本発明のチューブ状の押出に関して、この場合には、フィルムが細孔部分の上を移動する間に、フィルムのプリーツを形成する傾向がない。なぜなら、チューブ状の形状がこれを防ぐからである。しかし効率的な温度調節のため、フィルムの両面に温度調節された金属部分からの、および両側への空気潤滑を介して加熱/冷却をすることは依然として利益がある。これらの部分の表面が円錐形である場合(例えばWO03/033241の図4の温度微調整部分117)、オーブン部分のうちの1つの軸の移動により、オーブン中のスペーシングの調節を確立することができる。
【0075】
延伸プロセスの重要な部分は、すなわちP1が固体で結晶状態にあり、P2が少なくとも部分的に溶融している間に、A4で図5においてほぼ原寸大として示される延伸バー(216)および(217)に作用される摩擦保持力により熱延伸を行うことである。フィルムは単にそれぞれのバーの末端領域(218)および(219)にのみ触れる。また、これらの末端領域は数mmの曲率半径で丸くされる。2つの矢印(220)および(221)によって示されるように、バーは相互に調整可能である。
【0076】
バーは、フィルムが非常に強く粘着してバーの上のスムーズな通過が妨げらることがなく温度で、できるだけ高温に維持される。これは、バーの温度がフィルムの表面の物質の融点より低くなければならないことをしばしば意味する。他方では、フィルムの主なボディ中のP2は少なくとも部分的に溶融したままで維持されなくてはならず、好ましくは、フィルムがバー(219)を去った時に、再度これらの領域のP2を溶融するために、固体化された表面領域を十分に再加熱することができる。スタートアップ時を除く冷却からなるバーの温度制御は、水あるいは油の循環(手段は示されない)によって起こる。
【0077】
熱延伸は、駆動されるプルローラー(222および223)によって行われる。ゴムコーティングされたニップローラー(224)は、第2のプルローラー(223)とニップを形成する。ローラー(222および223)はP2を固体化する(工程6)水冷の鉄製ローラーである。工程7、冷延伸、すなわちP1とP2の両方が固体の間に行われる配向は、長さ方向、横方向またはこれらの組み合わせであることができる。図4は長さ方向の冷延伸を示す。好ましくは、フィルムはローラー(224)を離れる時に幾分高い温度、たとえば約50℃で維持される。それは、冷やされ駆動されたローラー(225および226)によって引かれる。ゴムコーティングされたニップローラー(227)は、第2の駆動されるローラー(226)をとニップを形成する。フィルムが延伸バー(228)を通過し去る時に、配向が起こる。これは鋭い端に準ずる端部を有し、たとえば、約0.5mmの曲率半径で丸くされ、フィルムはその上を引かれる。中心軸(それは図面の中で示される)のまわりのバーの回転によって、摩擦は変えることができる。
【0078】
フローシート図2および対応する図6の機械ライン図面は、本発明の第1の態様の実施のための異なるルートを示す。ここでは最初に両方の成分を固体化した後に、ついでP2を再溶融せず、工程2の溶融アテヌエーションから、工程2aの制御された保持、工程3aと進み、ここでP1は固体化され、P2は溶融されたままである。
【0079】
図6の中で示されるように、平坦なフィルムの場合、制御された溶融アテヌエーションを行う工程2aの制御された保持は、冷却ローラー(206)の手段により都合よく行うことができる。ここではフィルムが接着することを防止するために冷却されるが、フィルムの実質的な部分が固体化するほど強くてはならない。したがって、フィルムは、ローラーの非常に短かい距離(例えば1−2cm)の上を通る。それは、図4のバー(210)に一般に類似する空気潤滑バー(210)手段によってローラー(206)に対して押される。しかし、フィルムに面する表面の幅が約5−10mm以下であるように構成することが重要である。この装置はこの工程の間にフィルムの過度の冷却を回避するために熱されることができる。
【0080】
図2の工程3aは、P2を少なくとも部分的に溶融しつつP1を固体化することに関し、図1の工程3aはP1を固体に保持しつつP2を溶融することに関する。好ましくは両方の工程は本質的な同じ装置、すなわち記載されたオーブン装置(213)および(214)で行われる。すべての後の工程も同じであることができる。
【0081】
図1に表わされるルートは、急速冷却のため通常P1の最も規則的なフィブリルを生産するが、P1の溶融粘度がP2のそれと比較して十分に高い場合および/またはP1の濃度が十分に低い場合に限り、適用可能である。そうでなければ、図2に表わされるルートは、P2中のフィブリルP1の所望のモルホロジーを達成する、よりよい可能性を与える。なぜなら、上述のように、ゆっくりとした冷却はP2−イン−P1構造のP1−イン−P2構造への変換をもたらすことがあるからである。
【0082】
図3a、bおよびcにおいて、ダイ中のP1−イン−P2分散体を含む主なフローは、たとえば約2.5mmの厚さから約20mmの厚さに発泡し、ついで、たとえば結合、ヒートシール特性および/または摩擦特性の改良のために選択された2つの少量の表面層とともに共押出される。
20mmの深さのグリッドチャンバー中の3つの層の複合フローは、2つのグリッド状のスクリーン(301)および(302)を通る。各々の厚さ数mm(たとえば5−10mm)の部分は、それぞれ図3bおよび3cに示される。各々はラメラ(lamellae)(303)および(304)のアレイを含み、それぞれは、たとえば、約1mmの厚さであり、たとえば、互いに約1mmの間隔をおいている。それが通過する時に最も効率的にフローに剪断力が与えられるように、スクリーン(301)および(302)は互いの鏡像である。
【0083】
スクリーン(302)の直後にフローは、共押出ダイからの出口に都合のよい厚さ、たとえば2.5mmに圧縮される。これによって、ポリマーディスパージョン中のポリマーはさらにアテヌエートされ、各フィブリルの所望の最終の断面寸法を形成し、同時にラメラ(303)および(304)により形成されたダイ−ラインが平坦になり、一般にフィルムの主表面に対して約10から15度の角度を形成する。引き続く延伸プロセスは、通常角度を約1度またはそれ以下に小さくする。これらのダイ−ラインは、しばしば最終フィルム中で検知することができ、例えば、P1を溶解しないがP2を溶解する溶剤でフィルムの断面を処理することによってできる。例として、P1がポリプロピレンで、P2がLLDPEならば、90℃で30分のキシレンでの処理はダイラインを発現させるだろう。
【0084】
そのような処理の後、走査電子顕微鏡の使用により、平面フィブリルの断面の寸法も研究することができる。図1に示されるすべてのプロセスを通過した最終フィルムを参照すると、0.1ミクロン以下の平均厚さを有するフィブリルを容易に得ることができることが見いだされる。これはもちろんランダム分布であり、一般に幅は厚さの10倍以上である。
【0085】
P1がホモポリプロピレンでありP2がLLDPEである実施態様において、調べられた試料の、主表面の近くの非常に薄い領域および少量の表面からより深い領域以外のLLDPEを溶解することが事実上不可能であることが見いだされた。これはフィブリルの顕著な平坦性によって説明される。それは、LLDPE分子が主表面に至り、抽出されるまでに、迷路を通って拡散することをLLDPE分子に強いる。同様の理由で、これらのグリッドを含んでいるグリッドチャンバーが利用される場合、フィルムはかなり良好なバリヤー特性を示すことができる。
【0086】
これとは対照的に、グリッドチャンバーが押出ダイから撤去された時には、ポリプロピレンフィブリルを残したまま、LLDPEをほとんどすべて容易に溶解できることが見いだされた。顕微鏡による観察は、フィブリルの著しくはない平坦性を示した。
1つ又は複数のグリッドは図面の中で示されるもの以外の形に作ることができる。つまり、フローの方向と平行ではない角度にラメラをすることができる。しかし、例証された形は、ダイラインが生産されたフィルムの主表面とほとんど平行になるという長所を持つ。また、更に、1つ又は複数のグリッドを洗浄するのが比較的簡単である。
【0087】
図3bおよびcに示されるグリッド形状を保ちつつフィブリルの達成された平坦度は、フローの主表面に垂直な長さ方向の断面、たとえばこれらの図面のa−a線において数えることができる壁の数に依存する。好ましくは、この数は4未満であるべきでない;図面では、それは6である。
【0088】
図7a、bおよびcは、P1およびP2の固体化の後の横方向の延伸の好ましい方法および装置を示す。任意に、先行してP1およびP2が同じ状態で長さ方向の延伸を行うことができ、両方のプロセスは冷延伸と呼ばれる。その目的は、主として長さ方向に一軸に延伸されたフィルムとラミネーションされる、主として横方向に一軸に配向されたフィルムの製造である。比較的高い延伸温度を必要とし、延伸の量を制限するのが難しいので、通常のテンターフレームプロセスはそれに関してはあまり適当ではない。直交積層において完全に満足できるエネルギー吸収、強度特性を得るために、延伸温度は好ましくは低く、例えば約50℃であるべきであり、配向の程度は究極限界から遠くあるべきである。
【0089】
横方向の配向をほぼ一軸にするために、フィルムには最初細かなプリーツが提供される。それは横方向の延伸の間にその長さ方向の収縮を可能にする。この工程段階は「ゴムベルト間に押し込む」とラベルされ(図7aのボックス参照)、図7bに示される。フィルム(211)は、2つのローラー(229および230)の間のニップに導かれ、2つの無限ゴムベルト(231および232)に支持される。それは、2つのローラー(233および234)間のニップからプリーツがつけられた形状で供給される。第1の対のベルトローラー(229および230)は、第2の対のベルトローラー(233および234)より著しく速い、たとえば、約2倍の円周速度で運転される。2つの速度間の比率は調整可能である。このようにして、2つのゴムベルトは、それらが、第2の対のベルトローラー(233および234)間のニップを去る時には伸び、第1の対のベルトローラー(229および230)間のニップを去るときにはほとんど延伸されていない状態に戻る。ベルトがフィルムを運ぶので、フィルムはベルト(231および232)間に押し込まれ、横方向にプリーツがつけられる。それが横方向の延伸の間の長さ方向の収縮の傾向に対応するように、プリーツをつける程度は通常調節されるべきである。
【0090】
押し込みプロセスに先立って、フィルムは1対のインターメッシングギアローラーを通過することができる。それは、漸増的に長さ方向に延伸し、それにより横方向に伸びた薄いラインを形成する。そのようなラインの間の距離は、例えば約0.5−3mmであることができる。少しの程度の漸増的な長さ方向の延伸でさえ、均一なプリーツの形成に役立ち、さらに長さ方向の延伸ゾーンが横方向の延伸のイニシエーターの役割をすることが見いだされた。
プリーツがつけられたフィルムが押し込み装置を去る時に、その端は、公知のテンターフレーム構造であることができる、エンドレスのテンタ−チェインのクランプにより保持され、グリップされる(図7aの模式図を参照)。
【0091】
オーブン構造は新規である。既知のテンターフレームでは、熱風によってフィルムを熱するオーブンが、テンタリングプロセス全体の間、実質上フィルム表面全体の上に伸びる。テンターフレーム用の1つ又は複数のオーブンの新規な概念は、図7aに模式的に示され、その断面図は、図7bに詳細に示される。2つの部分(235/236と237)から成るオーブンは、それぞれ細孔金属から作られ、焼結金属から作られた支持部分(239および240)を有する。構成要素(235)および部分(237)は、電気発熱体(241)手段によって、適切なコントロールされた延伸温度(例えば50℃)に加熱される。加圧された空気は、一方が部分235/236と237の間にあり、他方が支持部分(239と240)にある複数のチャンネル(242)を通って分配される。構成要素(236)は熱されない。またこれを通る空気潤滑は冷却を提供し、一方、隣接した部分(235)および(237)を通るチャンネルを通る空気潤滑は加熱を提供する。
加熱した要素(235)は、焼結物質の断熱壁(246)手段によって、冷却要素(236)から断熱される。冷却要素(236)は、その最も近いテンターチェーンに面するそれぞれのオーブンの側にある。
【0092】
両側の矢印(243)によって示されるように、要素(235)と(237)の間のスペーシングは調整可能である。この調節は距離の簡単なセッティングであることができ、あるいは調整可能な張力を有するばねを介することができる。(235)と(237)の間の望ましいスペーシングは約0.5〜2mmの間である。図7cは、右手側でひだがつけられた形状(244)でオーブンに入り、左手側からテンターされ、プリーツが延伸された状態(245)でオーブンから出てゆく。
【0093】
公知のテンターフレームオーブンでは、フィルムは、その幅全体で同時に延伸される。そしてこれを均一に引き出すのにはかなり高い温度が必要であり、これは一般に直交積層の製造において適切ではない。本発明の構成では、パラメータが互いに適切に調節される場合、テンタリングは非常に狭いゾーンである、ネッキングゾーンで起こり、これは数mmまたはそれ以下の幅しか無く、図示された2つの狭いオーブンのそれぞれの冷却要素(236)上に位置する。空気潤滑により、フィルムは摩擦によりオーブンを通って移動する。ネッキングゾーンは、保持クランプを有するチェーンのそれぞれに近い位置から徐々にフィルムの中央の方向へ展開している。したがって、狭いオーブンと最も近いチェーンの間のフィルムはすべて設定された延伸比率まで完全に横方向に延伸され、一方、2つの狭く長いオーブンの間のフィルムは全く横方向に延伸されていない。2つの狭い長いオーブン下流端で、フィルムはすべてほぼ均等に延伸される。
【0094】
延伸条件が適切にセットされる時、上記のネッキングゾーンは冷却部分の上に位置するであろう。これは延伸比率が良好に制御されるという効果がある。これは最終生産物上のインパクトアクション(衝撃)下でのさらなる延伸を許容する目的のために、直交積層の生産で一般に望ましい。
【0095】
理解されるように、記述されたテンターフレームプロセスは請求項で定義された発明における使用に限定されないが、直交積層の製造に本発明を利用することは発明者の知る最良の方法である。本発明のさらなる態様として、上述のオーブン配置を利用してプリーツを付けたフィルムの横方向の延伸方法、およびそのための装置が提供される。
【0096】
本発明により達成されるモルホロジー、すなわち一般に非配向の、または単に冷延伸されたP2マトリックス中の配向したP1フィブリルが、テンターフレームプロセスで安定して作用することが銘記される。請求項に記載された、横方向に延伸された領域でのP1フィブリルの内部破壊と、その領域におけるP2の対応する追加の延伸を原理的に示す、図8に示された構造は、フィブリルの平坦性が顕著でない場合にはP2の溶剤による除去の後に直接観察することができる。しかし、上記のように、グリッドチャンバーの使用により得られるような顕著な平坦性を有する場合には、P2の除去を事実上不可能にする。この場合、構造に関する研究は困難であるが、フィブリルの配向と平行に、フィルムの主表面と垂直にミクロトームによって連続的に切断し、多くの部分を分析することによって行なうことができる。
【0097】
本発明は、さらに新規な方法の実行のための装置に関する。1つの態様は熱可塑性物質の押出のための新規な装置に関し、溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィス、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、さらに前記の第2の延伸手段の下流に延伸手段を含み、該第2の延伸手段と前記のさらなる延伸手段との間に追加の冷却する手段を有することを特徴とする装置に関する。
【0098】
異なる態様は、熱可塑性物質の押出のための新規な装置に関し、溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、
該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、該出口オリフィスの上流にグリッドチャンバーが設けられ、該グリッドチャンバーはその中を押出された物質が通る1以上のグリッドを含み、1つ又は複数のグリッドは、ギャップが該出口オリフィスギャップよりも広いチャンバー内の場所に位置し、該グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドとダイ出口との間にギャップ減少部分を含み、そこではギャップが出口オリフィスのギャップへの道の少なくとも一部において減少することを特徴とする装置に関する。
【0099】
新規な装置の好ましい機能は、上記の記述から知られる。
以下の実施例は、本発明により形成された特定のフィルムおよびその分析を例証する。
実施例
目的:
ポリプロピレン(P1)およびLLDPE(P2)のブレンドを使用し、下記に関する発明の影響を実証することを目的とする:
a)フィルムをP2とP1の融点の間の温度に加熱したとき、顕著な分子配向が維持されること、
b)エネルギー吸収と関係のある強度特性を犠牲にすることなく、降伏点とクリープ特性における著しい改良が達成されること、
c)P1の非常に平坦なフィブリルを含む請求項に記載されたモルホロジーが、記述されたグリッドチャンバー(図3a、bおよびc)の使用により達成されること、
d)図8にスケッチとして示された破壊されたフィブリルのモルホロジーを達成することができること。
これはb)で言及された改良の基礎であると考えられる。
【0100】
ポリマーブレンドの調査:
P1は機械的な融点が160℃であり、PPに通常使用される条件で測定されたメルトフローインデックスが0.5であるポリプロピレン(PP)のコポリマーである。
P2はd=0.92であり、LLDPEに通常使用される条件で測定されたメルトフローインデックスが1.00であるLLDPEである。
次のブレンドが試験された:
20%のPP+80%のLLDPE、
33%のPP+67%のLLDPE、
50%のPP+50%のLLDPE。
【0101】
実験生成物の生産工程の概略:
これは、遅い実験室規模あるいは小さなパイロット規模プロセスとして実行される。熱電対によってフィルム上での直接の温度測定可能にし、かつ調節をより簡単にするために遅い。
【0102】
乾式混合の後、2つのポリマーは溶融混合され、実験の目的のために構築された小さな遊星型多軸スクリュー押出機によって押し出された。プロセスは、末端が幅2.5mm、長さ300mmの出口オリフィスである平坦なダイ中で行われた。このダイは共押出用のものではなく、単一押出用のものであり、一般に図3a、bおよびcの中で示されるような2つのラメラが形成されたグリッドを有するグリッドチャンバーが供給される。グリッドの直前および直後に、およびそれらの間の狭いスペースにおいて、チャンバーは高さ20mmである。グリッド中のラメラはフローの主な表面に60度の角度で置かれ、それらは各々厚さ1.0mmである。また、隣接したラメラ間のスペーシングは1.0mmである。
【0103】
以下に述べられる例外を除いて、そのプロセスは、図1および図4の中で示されるルートに従う。ルートは図1に示されるように中断される。また、フィルムは各中断の後にスプールに巻かれる。最初の中断に続き、スプールに巻かれたフィルムが再びローラー(206)、(207)、(208)および(209)を通り、その後、それは引く代わりに、ホールドバックするために使用される。
【0104】
熱電対でフィルム温度を直接測定できるようにするために、上部(219)は除かれるが、オーブンを通過する際のフィルムの過剰のプリーツは、半径2500mm(しかし2つ端では1000mm)に丸められた表面(213)を有することにより回避される。摩擦によって保持する装置は、0.2mmの半径を有する、図5に示される形状を持っている。
【0105】
冷引っ張り(冷延伸)は引っ張り試験のために構築された実験室用の装置で、20℃で約15cmの長さの試験片を引っ張ることにより行われる。
プロセスに関するデータ:
すべての温度は℃で示される。
押出機の下流端の温度:240−250℃
ダイの入口の溶融温度:215−220℃
ダイ温度:220℃
押出の後に使用された時のローラー(206)、(207)および(208)の温度:10℃
溶融ドローダウン(アテヌエーション)の後の膜厚:0.3−0.35mm
溶融ドローダウンの後のフィルム速度:1.6m/分
熱延伸の入口のフィルム速度:0.785m/分
熱延伸の前にホールドバックのために使用された時のローラー(206)、(207)および(208)の温度:115−120℃
熱延伸比率:3.00:1
速度セッティングによって調節された:
緩和の後、数%だけ収縮。
【0106】
熱延伸温度:
各組成物のために、2つの試験が行なわれる。
1つの試験は「130℃熱引っ張り試験」と呼ばれ、延伸バー(216)の直前の温度が130−140℃であり、延伸バー(217)の直後の温度が128−135℃である。
別の試験は「115℃熱引っ張り試験」と呼ばれ、延伸バー(216)の直前の温度が118−123℃であり、延伸バー(217)の直後の温度が110−120℃である。
2つのシリーズの冷延伸試験:両方のシリーズで温度は20℃である。
1つのシリーズでは延伸比1.50:1で、他方では2.00:1である。
両者の比率は緩和された状態で測定された。
【0107】
走査電子顕微鏡でのモルホロジーの調査
2つの異なるサンプルからの試験片が調査される。1つは、33%のPPおよび67%のLLDPEからなり、他方は両方のポリマーの50%から成る。各ケースでは、フィルムは比率3.00:1で熱延伸され、2.00:1で冷延伸される。
【0108】
実質的にすべてのLLDPEを溶出することを目的として、いくつかの試験片を約5時間90℃のキシレンで処理した。この間、試験片のそれぞれの面に細かい金属スクリーンを置いて保持した。しかしながら、平坦なPPフィブリルのバリヤー効果のため、ほとんどLLDPEは溶出されなかった。500−10,000倍での主表面のひとつの観察により、平坦なフィブリルは一般に約0.05−0.1ミクロンの厚さと、その厚さより約10−20倍の幅を有することが知られた。
【0109】
横断面と縦断面に関する研究が、続いて行われた。試験片が、調べられる部分をクランプ表面と水平にして、クランプに取り付けた。取り付けた試験片を90℃の暖かいキシレンの中で30分間処理した。この後、モルホロジーがSEMで調べられ、前述の寸法が確認された。縦断面の顕微鏡写真は、さらにPPフィブリルが壊れている領域の断面を示す(図8でスケッチされた表現を参照)。これらの領域は、顕微鏡写真にホールとして現われる。それらは、平均で数ミクロンの幅と平均で約1ミクロンの厚さを有していた。
【0110】
応力/歪み試験
これらのテストは以下のそれぞれの組成物のサンプルについて行なわれる:
20%のPP、33%のPPおよび50%のPP。応力/歪みのグラフは、図9a−c、10a−cおよび11a−cとして記録される。各組成物について、応力/歪みグラフが、以下の表に示される条件で延伸されたサンプルについて得られた。
【0111】
「押出された」は、溶融アテヌエーションの後で熱延伸の前にリールに巻き取られたことを意味し、「130℃」はLLDPEが明瞭に溶解した時に、ほぼ130℃で3.00:1で熱延伸されたことを意味する:「115℃」はLLDPEが半固体の時に、ほぼ115℃で1.50:1で熱延伸されたことを意味する:「1:1」は冷延伸をしなかったことを意味する。「1.5:1」は20℃で1.50:1で延伸したことを意味する。「2:1」は20℃で2.00:1で延伸したことを意味する。左欄に示された条件の組み合わせにおいて、1つの試験片のみがテストされる。
延伸速度は非常にゆっくりと、すなわち50%伸び/分に設定された。
【0112】
フィルムが最初にほぼ130℃またはほぼ115℃で「熱引っ張り」され、ついで1.5:または2:1で「冷引っ張り」された場合には、降伏現象は非常に異常であり、特に低い速度の場合にそうである。グラフに示されるとおり、広い弾性範囲、すなわた22−30%までが存在し、その範囲内ではフィルムはフックの法則にほぼ従う。弾性限界の上では、張力は滑らかに上昇し、またサンプルが破壊するまでに広範囲の伸びがまだ存在する。発明者の知識では、プラスチックフィルムの同様の挙動は知られていない。通常、鋭敏でなく非常に速度依存性の変化が弾性変形から永久変形の間に存在する。またはフィルムが高度に配向されていれば、テストは弾性伸びから直接破壊する。
表に記録された弾性限界と降伏値は、簡単な幾何学的な内挿法によってグラフから得られ、これは図に示された。
【0113】
表に「弾性限界」として示された値が本当かどうかを直接確かめるために、高い値を示したそれぞれのサンプルを、グラフから決定された値から2%下まで伸ばし、その伸びにおいて約30秒保持し、再度緩和した。それはその元の長さに戻った。
【0114】
発明者は、応力/歪みグラフのこの形状が図8の中で示される微構造の結果であると信じる。この構造では、PPフィブリルが破壊されている領域内に高度に過延伸されたLLDPEが存在し、これらの領域外ではLLDPEはPPよりも非常に少なく延伸されている。弾性変形から永久変形への変化は、PPフィブリルの破壊が伝播し始めることを意味する。弾性変形から永久変形への非常に鋭い変化は高いクリープ抵抗を示すだろう。
【0115】
収縮試験
応力/歪み試験をされたサンプルは、「押し出されたまま」のサンプルとは別に、若干高い温度から180℃まで徐々に加熱して、フリー収縮についても試験をした。読みは90℃から開始した。
熱引っ張りしていないが20℃で3.00:1の比率で冷引っ張りをした3つのサンプル(20%のPP、33%のPPおよび50%のPP)が試験された。試験結果は図12a−dに記録される。
【0116】
試験は、融点の測定に使用されたタイプの熱した金属板上で実行された。温度は熱電対で板面上で測定された。試験片は対物レンズ(顕微鏡用)によってプレートに対して保持された。プレート、試験片および対物レンズは、注意深くタルクで潤滑された。同じサンプルからの2つの試験片が常に同時にテストされた。また、グラフに示される収縮の値は2つの試験片からの読みの平均である。
【0117】
図12b−dの中のグラフはすべて、2つの異なるサンプルの収縮を示す。1つは約130℃で、すなわちLLDPEが明瞭に溶けている状態で熱引っ張りされ、他方は115℃、すなわちLLDPEが半固体の状態で熱引っ張りされた。「冷引っ張り1:1」は全く冷延伸されなかったことを示す。すべてのグラフは3つの異なる領域を示す。1つはLLDPEの融点より下、第2はこの融点とPPの融点との間、第3はPPの融点以上である。
【0118】
図12aの中の収縮20%のPPサンプルを研究すると、第2の領域では収縮がなかったことが示されている。これは90℃から120℃でLLDPE分子により加えられた収縮力が本質的にPP分子の配向により消されたことを示す。33%のPPと50%のPPの対応するサンプルでは、結果は全くではないがほぼ同様であった。したがって、本質的に強度に寄与するすべての分子配向は、LLDPEの融点以上では失われる。幾分かの溶融配向がPP中に残されるが、これはPPの融点以上において本質的な収縮を起こす。しかし、これは単なる溶融配向なので、これは強度に顕著に寄与することができない。
【0119】
図12b−dに示される9枚の2つのグラフの各々では、LLDPEの融点のわずかに上の温度で熱引っ張りされたフィルムの収縮が、この融点よりわずかに下の温度で熱引っ張りされた類似のフィルムのものと直接比較することができる。
【0120】
125℃から160℃で加熱することによる125℃での長さに対する収縮は、LLDPEがそのすべての配向を失ったときにどの程度の配向がPP中に残るかを示す。すべてのケースにおいて、LLDPEの融点より上の温度で熱引っ張りされたサンプルは、その融点より下の温度で熱引っ張りされたサンプルより優れていることは明らかである。
【0121】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の態様による方法の2つの異なる方法のフローシートである。
【図2】本発明の第1の態様による方法の2つの異なる方法のフローシートである。
【図3】共押出ダイの出口の改良を示す図である。
【図4】フローシート図1に対応する機械ラインを概略的に示す図である。
【図5】図4の摩擦保持装置の拡大図である。
【図6】フローシート図2に対応する機械ラインを概略的に示す図である。
【図7】図7aは、横方向の「冷延伸」の好ましい方法を示す、テンターフレームのダイヤグラム様の表現である。図7bは横方向のプリーツ加工を行なう図7a中のユニットを示す。図7cは、図7aの2台の狭いオーブンの断面図を概略的に示す。
【図8】その主な表面と平行な、フィルムの模式的な断面図である。
【図9】実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す図である。
【図10】実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す図である。
【図11】実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す図である。
【図12】実施例で製造されたフィルムの、昇温下での収縮特性を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な配向したモルホロジー、およびポリマーアロイ中の特別な種類の配向に関し、直交積層に使用するためのフィルムりおよびロープ、縒るかまたはおられたテープ織物の製造に使用されるフィルムに関して特殊な目的が想定される。
【0002】
1つの目的は、高い温度での機械的な特性を改善することであり、これに関連してヒートシール特性が改善される。
別の目的は、エネルギー吸収特性を犠牲にせずに、クリープ特性を最適化するモルホロジーの形成である。
第3の目的は、微視的または超微視的な薄いリボン状に形成されたフィブリルを含むモルホロジーの形成である。それはバリヤー特性を促進するか、発泡剤の改善された作用を可能にする。
第4の目的は、好適なモルホロジーに基づき、熱可塑性フィルムの横方向の配向を容易にし改善することであり、特には直交積層のイン−ライン製造を合理化することを目的とする。
【0003】
ロープ、縒るかまたは織られた工業的な製品の製造は、すべて一軸配向のスリットフィルムに基づき、フィルムが良好なヒートシール特性を有する場合には、多くの例において、合理化することができる。さらに、多くの用途において、ポリアミドのような高価格のポリマーの使用を強いることなく、その用途において改良された引っ張りエネルギーの吸収を達成する必要が存在する。最後に、配向したテープにおける細かいセル状の発泡構造の形成は、新たな市場開発の機会をもたらすかもしれない。
【0004】
配向された熱可塑性ポリマーフィルムからの直交積層は、比較的低価格で、例えばポリエチレンまたはポリプロピレンのような安いポリオレフィンに基づいて、異なるタイプの高強度特性の適当な組み合わせを達成することができるという利点を提供する。原価の低減は、寸法の縮小による消費原料の低減により得られる。しかしこれは配向、延伸および直交積層プロセスのコストと比較検討されなければならない。フィルムごと必要とされる強度特性のプロフィルは異なる。たとえば、極限引張強さ、降伏強度、室温および高温でのクリープ特性、エネルギー吸収、引裂伝播抵抗、穴あき強度、およびヒートシール強度があげられ、最後の4つの特性は、すべてゆっくりとしていると同時に、衝撃下での試験である。いくつかの点で優れた強さを示すフィルムまたはフィルムのラミネートは、他の点については非常に劣った強度を示すことがある。例として、破壊点近くまで延伸することにより一軸方向に配向したフィルムの直交積層は、優れた引張強さ、降伏張力およびクリープ特性を示すが、非常に貧弱なエネルギー吸収、衝撃性の条件下における引裂伝播抵抗、およびヒートシール衝撃強度を示す。異なるタイプの強度特性の適当な折衷は、ポリマー組成の選択、延伸比率および他の延伸条件、一軸配向の代わりに不均衡な二軸配向を使用すること、および/またはラミネートの異なるフィルムにおいて配向の主方向の間の角度を選択することにより達成されていた。
【0005】
そのような直交積層は、1968年以来発明者の古い特許に主として基づいて、大規模な工業的規模で製造されていた。しかし他のフィルム材料および織られたテープ織物との厳しい競争のため、製造原価の低減および/または用途のさらなる拡大をするために、プロセスをさらに合理化し、プロセスパラメータの簡単な変更によって、異なる強度特性あるいは強度特性の組み合わせを最適化することに対する必要があった。
直交積層はバッグ、柔軟な仲介のバルクコンテナ、防水布およびカバーシート、建築物のライナー、ジオテキスタイルの代用品としての池ライナ、および温室フィルムとして使用されてきており、また現在も使用されている。
【0006】
2つの異なるプロセスシーケンスが産業上使用される。1つは、長さ方向の高い溶融配向を与えつつチューブ状のフィルムを押し出し、さらに平坦な形態の固体化したチューブを比較的小さな延伸比率で一軸延伸し、チューブを螺旋状に切断してバイアスに配向したウエブに変換し、そのような2つのウエブをローラーの間で連続的に積層し、2つのウエブの配向方向が反対にバイアスするようにする。ラミネーションは押出ラミネーション、あるいはフィルムが共押出される場合には、ラミネーション層を使用した加熱によることができる。この製造法と生成物の特許の根拠はGB−A−0,192,976およびGB−A−0,816,607、および対応する特許である。
【0007】
産業上8用される別のプロセスシーケンスでは、選択されたポリマーのブレンドからなる主層、および最終ラミネートにおいてラミネート層として部分的に寄与し、部分的にヒートシール層として寄与するより少ない層を有するチューブ状フィルムを最初に共押出する。押出装置から引っ張り出される間に、チューブ状フィルムには主として押出方向に強い溶融配向が与えられる。それ以上の延伸を行うことなく、チューブは螺旋形にカットされ、連続的にローラー装置中で熱および圧力によって直交積層され、同じ装置内で二軸配向される。この配向の交わるコンポーネントは、数対のインターメッシュ溝が彫られたローラーの間で実行される。この製造法はGB−A−1,526,722および対応する特許に基づく。これが本発明に関して特に適切であるので、主な方法クレームは以下のように言い換えられる。
【0008】
本発明はラミネートの製造方法に関し、溶融したポリマーのブレンドの少なくとも2つの層を押し出し、各層は固体化した際に他のポリマーのマトリックス中に1つのポリマーの粒子の分散体を含む程度に非相溶性のポリマーのブレンドを含み、溶融中であって押出の前、間、もしくは後に各層をアテヌエーティングし、各層中の粒子をゆがめ、フィルムに固体化した後にスプリッタビリティーの主方向を有するフィブリル状の粒子構造にし、前述の主方向が互いに交わるように各層を結合し、それらがまだ固体化されていない場合には層を固体化し、本質的に一軸の工程によりそれを配向することにより、得られたラミネートを二軸配向させることを含む。これにより、十分に低い温度で二軸配向が行われ、各フィルムのスプリッタビリティーの主方向が保持され、ラミネートを引き裂いた際にフィルムが部分的にデラミネートするほどに結合は十分に弱い。
【0009】
好ましい実施態様は、溝が彫られたローラー間での直交方向の延伸を含んでいる。この延伸方法の改良およびポリマーの望ましい選択は、US−A−4,629,525、US−A−5,028,289およびUS−A−5,626,944に記載されている。
【0010】
螺旋形の切断を行なう実際的な方法は、US−A−5,248,366に記載されている。この特許公報に見られるように、チューブ状のフィルムの長さ方向のウエブ方向に対して最大30度の角度を形成するバイアスされた溶融配向は、環状の押出装置(あるいはこの装置の出口)と、この装置からチューブ状のフィルムを引き出す手段の間で相対的な回転をさせ、それによって配向を螺旋形にすることによって生じさせることができる。これは、それぞれが回転する環状のダイを備えた2つの共押出ラインを使用し、それぞれのチューブ状のフィルムを長さ方向に切断し、1つの延伸/ラミネーティングラインで、2つの切断フィルムをその配向方向に基づいて結合し、完全にインラインで直交積層を製造する可能性を提供する。しかしながら、各フィルム中の約30度の配向の制限は本質的な欠点である。
【0011】
発明者の知るところでは、現在、直交積層の産業的な製造はすべて、インラインの代わりに個別の工程で行われる。また、これは製造の経済に重要な影響がある。考えられる限りでは、長さ方向に配向したフィルムをテンターフレーム中で横方向に延伸されたフィルムとラミネートすることができる。しかし公知のテンターフレーム法で製造されたものの引っ張り強度は、直交積層のほとんどの用途で不適当なものであることが経験的に知られている。先に記載したとおり、この課題の解決は本発明の目的の一つである。
【0012】
枕バッグあるいはサイドにひだを有するバッグに通常使用されている、簡単な「ピールタイプ」シールでの直交積層のヒートシールも課題を提供する。この課題の解決策はUS−A−5,205,650、EP−A−1,007,331およびWO−A−0196102に示唆されている。
【0013】
しかしながら、最初2つの発明は、フィルムをヒートシールされた製品(たとえば、バッグ)への変換を行うための会社に特殊装置が必要であるという欠点を有し、したがってフィルムの製造に関して重大なマーケティングの制限がありうる。最後の発明では、その解決策は、直交積層フィルムの組成および製造工程にのみ関係する。しかし、そのようなフィルムのヒートシール特性のさらなる改良は、依然として非常に望ましい。上記のように、これも本発明の目的である。
【0014】
別の重大問題は、強度特性の改良によって許容される、低いゲージで作られる直交積層のもろさだった。剛性と弾性は、バッグの製造および/または自動ハンドリングにおいて特に重要である。この問題は、上記のUS−A−5,626,944において部分的に解決される。この特許はリブを有するラミネート構造であって、それぞれのリブが非常に浅いUのような断面を有し、溝を有するローラー間で横方向の延伸を特別に行うことによって形成される。
【0015】
より根本的な解決はWO−A−02/102592に示され、ラミネートの少なくとも1つのフィルムが約1mmから3mmの間の波長を一般に有する、段ボール板紙の溝のような溝を形成する。
本発明は、前述の公知の直交積層技術の工程に加えて、または補足的に行うことができる。
【0016】
本発明の第1の態様は、上述のフィブリルグレイン構造に、フィブリルが固体であり、それを取り囲むポリマー物質(これは固体状態では通常少なくとも部分的に結晶質である)が溶融している温度において強い延伸が加えられるというコンセプトに基づいている。最初に固体化し、その後に部分的にフィルムを再溶融し、ついで延伸を行うことも可能であるが、特には、本発明の方法は、部分的に溶融したフィルムが押出装置から引き出されている間に摩擦表面の上で配向することを含む。この熱延伸および主として配向されたフィブリルを有するフィルム組成物の完全な固体化の後、フィルムはより低い、好ましくは非常に低い温度でさらに延伸される。そのような後の冷延伸は、通常フィブリルの長さに沿った微視的な区間でフィブリルもしくはフィブリルネットワークを破壊するだろう。その一方でフィルム材料は概して完全なままであり、この冷延伸にさらされていないフィルムよりも、よい破壊伸びを示す。この状態は、改善された降伏張力、およびクリープ特性を示し、エネルギー吸収および衝撃下でのフィルム挙動、たとえば衝撃引き裂きまたは衝撃孔開けに対して悪影響を与えないことが見いだされた。この発見は以下においてさらに記載される。
【0017】
より高度に溶融したフィブリルは、周囲のより低度に溶融したポリマー物質よりもより大きな程度の配向をするという現象は、昇温時に改良された強度特性を有するフィルム、特には改良されたヒートシール特性を有するフィルムを提供する。以下に示される本発明の例の収縮試験との関連で、P1中における強度を生成する配向の本質的な部分は、P2の融点以上で維持されることが見いだされた。
【0018】
本発明の第1の態様は、発明者がWO03/033241に示した方法および装置のさらなる発展である。この先行するケースでは、制御可能な温度の環状の摩擦装置でのチューブ状のフィルムの押出であって、フロー中の温度がポリマーフローの結晶化範囲内もしくは若干上の温度に維持されるものを開示する。その発明の実施例は、ポリマーフローが少なくとも2つの相溶性の、もしくは相溶化されたポリマーのブレンドを含んでいるという点、および1つが結晶状態に主にあり、他方が溶融状態に主にある状態で、大部分の配向が起こるという点で特徴づけられる。摩擦装置の孔、あるいは微多孔質の金属を介した加圧された空気での空気潤滑、または、あるいは別法として摩擦装置に対するフローの吸収によって、配向をコントロールする摩擦を調節することができる。フローが接触する表面はさらに溝が彫られたパターンを有することができ、溝はダイの軸の囲りで円形であり、制御された減圧にさらされる。摩擦装置の上流に、一般に環状、円筒状または円錐形のショック−冷却パートがあることができ、好ましくは微多孔質の金属もしくは孔を介して空気潤滑によって潤滑することができる。更に、このショック−冷却パートと摩擦装置の間に、温度微調整部分があることができ、好ましくは同様に空気潤滑される。
【0019】
この開示の公開は、本発明における優先権を発生する最初の出願と同日に行われたので、本出願に対する先行技術とはならない。WO03/033241の中の開示は、本出願において参照され、本出願の一部とされる。本出願の図面および記載は、本発明の最初の出願にほぼ使用されている。
【0020】
WO−A−03033241における開示は、a)フィルム中のアロイのモルホロジーを取り扱っていない、b)後のストレッチングプロセスに言及せず、c)チューブ状のフィルムの押出および延伸に制限されている。一方本発明は、平坦およびチューブ状のフィルムの押出および関連づけられた延伸に関する。
【0021】
本発明の第1の態様の方法はより詳細に画定される。それは、以下の工程および選択を含む。
配向フィルムは、少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られ、ポリマーをブレンドし、ブレンドを押出、延伸することにより製造される。両方のポリマーは、約100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、機械的に決定したP1の融点は、機械的に決定したP2の融点よりも少なくとも20℃高い。これらのポリマーは最終のフィルムのアロイ中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分混合することによって、実際的な目的のためには十分に相溶性とされる程度に非相溶性である。20℃で、非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示す。レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合と延伸の条件を適合させることにより、P2により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンであるアロイが生成される。ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下である。延伸は、両方の成分が少なくとも部分的に溶融された状態で、フィルムの押出の後、ドローダウンすることにより部分的に起こり、後の工程により高い配向を示す。
【0022】
本発明の第1の態様を特徴づけるものは以下のとおりである:
前述のドローダウン(以下においてアテヌエーション(attenuation)またはホットアテヌエーションとも呼ばれる)の後に、P1が固体状態でP2が実質的に溶融した状態で熱延伸され、P1を選択的に配向させる。20℃でゆっくりと引っ張ることにより配向方向で少なくとも25%伸びる程度に配向を制限し、ここで熱延伸はフィルムを摩擦により保持する装置(摩擦装置)により引っ張ることにより行われる。
「選択的に配向」とは、P2が配向されないことを意味するものではない。常にある程度は配向する。
【0023】
記述された熱延伸の後、両方の成分が固体の状態で、フィルムは好ましくはさらに延伸される(冷延伸)。20℃でのゆっくりとした引っ張りにより、すべての方向で、フィルムが少なくとも25%伸びることができるように、得られた配向は制限される。「ゆっくりとした引っ張り」とは、細い、たとえば、約15mm幅の試料を毎分約50%の伸びに対応する速度で延伸することをいう。この特性は、破断時伸びとも呼ばれる。
【0024】
ポリマーP2がそのエネルギー吸収特性を適切に働かせるために、非配向状態でのこのポリマー物質の弾性率Eは、前述のように非配向状態でのP1のポリマー物質のEよりも少なくとも15%低くなければならない。しかしながら、多くの場合に、P1に対してさらに小さなEを有するP2、たとえば、P2のEよりも25%低いE、または50%ないしはそれ以上低いEを有するものを選択することがより好ましい。
よいオーダーのために、ブレンディングの一部が、重合体の生成の間、ポリマーP1とP2が単離される前、またはその後に、異なった場所で又は異なる工程として、行われてもよい。
【0025】
好ましくは、ポリマーP1およびP2は、最終のフィルムが繰り返し屈曲された際に内部にボイドが生じる何らの傾向も示さない程度に相溶性であるか、または相溶化される。
上記のように、この相溶化はアロイ化剤の使用、またはより経済的にフィブリルの断面寸法を十分に小さくすることにより行うことができる。なぜなら、内部にボイドが生じる傾向はこれらの寸法に依存するからである。
本発明で使用されるポリマーの適当な例は次のとおりである:
P1:プロピレンの結晶性コポリマーを包含するプロピレンポリマー、ポリアミド、またはポリエチレンテレフタレート、および
P2:プロピレンコポリマー、あるいはエチレンとたとえば、他のアルファオレフィンとの結晶性コポリマーを方向する、エチレンポリマー。
【0026】
フィルムが直交積層の製造のために作られる場合、好ましくは、それはラミネート中で他の層と向かい合う側の上に、結合を容易にするか又は制御ように選択されたラミネート層を有する共押出されたフィルムである。更に、ラミネートの最も外側の層が、それぞれ、全体のラミネートの表面を形成する共押出された改質された層を有し、ラミネートのヒートシールを容易および/または改良するように選択され、および/またはその摩擦特性または印刷特性を改良するように選択されることが最も効果的である。
【0027】
上記の配向フィルムは、US−A−3,949,042(Utz)に記述されるプロセスの簡単な改良によって作ることができる。この特許によれば、結晶性ポリマーは押出装置の出口部分を通過する際の冷却により固体化され、出口オリフィスから離れる時に、引っ張り出し手段の引っ張りにより配向される。さらに、この特許によれば、出口チャンネルを通る固体化しているかまたは固体化されたポリマーの通過は、冷却が始まる前に主なポリマーの両側に共押出された、より融点の低いポリマーの少ない層で「潤滑する」ことによって可能になる。この特許はさらに、押し出された、配向フィルムは直交積層を作るために使用することができることを示唆する。したがって、融点の高いポリマーが、本発明で使用されるもののような適当なブレンドで置き換えられた場合には、本発明のフィルムはUtzの方法により製造することができることが理解されるであろう。しかしながら、押出技術に熟練した当業者が容易に理解できるように、US−A−3,949,042により作られたフィルムは、その構造ではあまりに曲がってしまい、実際に使用可能ではない。出口チャンネルを通るその通路の間の長さにわたり、フローのその中心は溶融されたままであるが、その両側の薄い領域では固体化するであろう。「潤滑」にもかかわらず、これは規則的なラミネートフローを不可能にする。なぜなら、固体化された領域がねじれ、そのために層状組織を妨害するからである。得られた生成物は非常に荒い表面および極端な厚さの変化を示すだろう。結晶化可能なポリマーのフローが、フィブリルのディスパージョンのフローによって置き換えられた場合、このカオスの効果は、構造のフィブリル特性の妨害に帰着するだろう。
【0028】
Dutch Van Leer organisationまたはその子会社の一つに対して認められた1975年頃からの特許(発明者は本特許の出願時にはされをさらに同定することはできなかった)は、チューブの内側のマンドレルの上の固体状態の押し出されたチューブの長さ方向の配向に関し、チューブは押出ダイから引き出される。固体のフィルムが引かれる時に生ずる、チューブをしっかりとマンドレルに保持しようと作用する強い収縮力のため、この方法を実行するのは実際上非常に難しい。
最後に、押し出されたチューブの内部のマンドレルがチューブの較正に広く使用されたことが述べられるべきである。例として、GB−A2112703およびEP−A−028536Bが参照される。
【0029】
本発明の説明に戻ると、押出ダイを通過する通路の間、互いに分散されたポリマー−イン−ポリマーブレンドのフロー中に適度に高い張力を維持するか、または適当な手段によりフローがダイから出るすぐ前にディスパージョンの細かさを増大させることにが、所望の細かなフィブリル構造を得るために重要であることが見いだされた。好ましくは、平坦で、厚さが一般に1ミクロン程度またはそれ以下、より好ましくは一般に0.5ミクロン程度またはそれ以下であり、さらに好ましくは一般に0.1ミクロン程度またはそれ以下であり、幅が一般に5ミクロン程度またはそれ以下であるフィブリルを作るように条件が適用される。最も有利には、フィブリルの断面寸法の低減は、押出中に、押出装置の出口オリフィスのすぐ上流に位置するチャンバー内の少なくとも1つのスクリーンまたはグリッドを溶融ブレンドが通過する工程を含み、ここで該チャンバーは出口オリフィスのギャップよりも大きなギャップを有する。そのようなグリッドがそれぞれ数ミリメートル伸びる壁を、フローがグリッドに入るときのフローの方向、好ましくはそのフローに実質的に平行な方向に有する場合、最良の結果が得られる。そのようなグリッド中の主な壁は好ましくは傾斜し、各々がグリッドに入るフローの主な表面と、約10度から約70度の間の角度を形成する。最も有利には、グリッドに入るフローの主な表面に対して、反対の方向に傾斜する少なくとも2つのそのようなグリッドが使用される。
【0030】
好ましくは、前記角度、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのフローの主な表面に垂直な、装置の長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる。
フィブリルの形成、ポリマーアロイ中の配向されたモルホロジー、上記のような平坦で薄いフィブリル、およびこれに関連して記載された押出ダイの末端のグリッドチャンバーの使用は、本発明の第2の態様として記載される。第1の態様におけるような、結晶したフィブリルの後の延伸に関連した使用とは関係なく、それ自身が進歩性を有すると認められる。高度にアテヌエートされたモルホロジーを有する非常に平坦なフィブリルは、第1の態様の特徴と無関係に、直交積層およびスリットフィルム製品に改善された強度特性を提供することができる。更に、それは直交積層、スリットフィルムおよび他のフィルム製品、たとえば、細かいセル状の発泡した構造を有するフィルムを製造するために使用することができる。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のフィルム内にアロイにされた、最終的に伸ばされた非常に平坦なポリプロピレンミクロフィブリルは、フィルムを高度に耐油性とし、LLDPEとアロイにされた非常に平坦なポリアミドミクロフィブリルは、同じ性能を与えるとともに、さらに酸素に対して良好なバリア特性を提供する。本発明のこの第2の態様は、より詳細に以下で説明される。
【0031】
発明の第1の態様に戻ると、これは異なるシーケンスの工程で実行することができる。1つのシーケンスでは、フィルムは押出の後、P1とP2の両方が溶融している間に好ましくは熱ドローダウンされ、冷却して両方を固体化し、その後の工程で空気潤滑されたエンゲージメントにおいて制御された温度の加熱体で加熱され、P1は固体を維持しつつ、P2を少なくとも部分的に溶融する。その後直ちに、P2がまだ部分的に溶融して、P1が固体の間に、フィルムをP1の選択的な配向、すなわち冷延伸し、ついでP2を固体化する。摩擦装置は、好ましくは、丸い端部を有する1以上のバーを有し、端部の調節可能なアークに追従してその上をフィルムが引きずられ、1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される。1つ又は複数の端部に接する行程の長さは、P2の全体が固体化するのを防ぐように適合される。そのような摩擦装置の例であって、平坦な形にフィルムが押し出されるために適合したものが、図5に示される。また、チューブ状のフィルムに適した別の例は、言及されたWO03/033241の図6に示される。
【0032】
少なくとも押出からP2の固体化までの工程は、好ましくはインラインで行われる。ラインは、冷却およびそれに引き続く加熱の間に作用するホールドバック装置、たとえば上記の中の1つに類似したものも含み、好ましくはP2の固体化に続く工程も、先の工程とインラインで行われる。
好ましくはブレンド工程をさらに含む押出から、P1とP2の両方が固体化されてから行われる引き出し(以下において冷延伸または冷引き出しと呼ばれる)までの工程のシーケンスは、図1のフローシートに示される。図面中の2つの中断するラインは、P1の最初の固体化の後、および/または両成分の第2の固体化の後、フィルムをスプールすることにより通常中断されてもよいことを示す。しかし好ましくは、すべての工程はインラインで行われる。一軸配向されたテープを形成するためのフィルムの切断も、これが最終生成物である場合、好ましくは即時連続的に行なわれる。同様に、直交積層は冷延伸直後に実行されることができる。これは後にさらに記述される。冷延伸工程(フローチャート図1の中のボックス「冷延伸」によって示される)は、長さ方向、および横方向の延伸を含むことができ、いくつかの工程を含むことができる。
【0033】
平坦なフィルムがこの工程のシーケンスで押し出される場合、冷却および引き続く加熱の間の制御されたホールドバックが、ローラー配置により好ましく確立され、これは冷却を提供することもできる。これは図4の中で例証される。
【0034】
しかしながら、上述のように、少なくとも押出から少なくとも最終のP2の固体化まで、フィルムはチューブの形態で形成され、取り扱われることができる。さらにこの場合にも、冷却およびそれに引き続く加熱の間に制御されたホールドバックが、丸い端部を有する1以上の環状のバーを有するように設けられ、端部の丸い調節可能なアークに追従してその上をフィルムが引きずられ、1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される。この装置も、WO03/033241の図6に示されるようにして作ることができる。
【0035】
これはWO03/033241の図3を参照して、示された線(数字118を参照)の末端だけでなく、ショック冷却部分(116)と温度ライン調節部分(117)の間に摩擦装置が存在する。各々は、どちらも国際公開公報の、前述の摩擦装置(118)のように、または図6に示されるようにして構築することができる。
【0036】
加熱は、フィルムのそれぞれの側にある2つの加熱体を有する、空気潤滑されたエンゲージメント中のフィルムに好ましくは行われる。前述の加熱体の間の空間は好ましくは調整可能である。これは本出願の図4においても例示される。異なる工程のシークエンスでは、押出直後のフィルムの冷却は、P1の固体化に限定され、P2は少なくとも部分的に溶融したままに維持される。その後直ちに、摩擦によって保留する装置上のP1の選択的な配向が、結晶状態のP1、および少なくとも部分的に溶融したP2について実行される。工程のこのシーケンスは図2のフローシートに示される。さらにこの場合も、摩擦により保持する装置は、丸い端部を有する1以上のバーを有し、端部の調節可能なアークに追従してその上をフィルムが引きずられ、1つ又は複数のバーの温度、および1つ又は複数の端部と接触する行程の長さは、P2が全体的に固体化するのを防止するようにされる。
【0037】
P1は固体になるが、その一方でP2は少なくとも部分的に溶融したままである状態への冷却は、制御された温度の冷却体とフィルムの、空気潤滑されたエンゲージメントにより好ましくは行われる。さらにこの場合、好ましくは、フィルムは、フィルムの両方の側にある2つの温度制御体と空気潤滑されたエンゲージメントにある。前述の加熱体間のスペーシングは好ましくは調整可能である。
【0038】
両方の成分の完全な固体化の後の配向に関しては、その前のフィルムの熱延伸と同じ長さ方向で、少なくとも1つの冷延伸の第1工程が好ましくは行われる。異なる延伸プロセスのための条件の適当な選択によって、および任意に押し出されたブレンドへの細かく分散された破砕を促進する物質の追加によって、長さ方向の冷延伸はP1フィブリルの破壊箇所、およびそのような破壊に関連して該箇所およびその周辺のP2の追加の配向を生むために好ましくは適応される。これによって、該箇所は配向の方向に対して角度を有して一般に線形の広がりを有するであろう。これは図8に例証される。
【0039】
この特徴はフィルム、このフィルムから作られたテープまたは直交積層に、エネルギー吸収特性を犠牲にすることなく、改善されたクリープ特性および降伏点を与える役目をする。これは以下において、比較の応力/歪みのグラフにより示される。実験の事実は、P1の配向されたフィブリルがP2の配向の発展に対して及ぼす影響を制御することにより説明される。
クリープ/降伏抵抗および良好なエネルギー吸収特性の組み合わせを最適化するために、長さ方向の冷延伸が好ましくは約50℃、またはより低温、たとえば30℃またはそれ以下で行われることが見いだされた。
アニーリングのための熱処理を続いて行うことができる。
【0040】
長さ方向の冷延伸の後、横方向の冷延伸を行うことができ、好ましくは、同時に長さ方向の収縮が許容される。長さ方向の収縮は、横方向の延伸の前にフィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成され、これはテンターフレーム手段により行うことができる。しかしながら、横方向の冷延伸は、長さ方向の冷延伸を先に行うことなく行うことができ、好ましくはフィルムが縦方向で縮むことが許容される。さらにこの場合、その収縮は、横方向の延伸に先立ち、フィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成することができる。また、これはテンターフレーム手段によって実行することができる。
【0041】
公知のテンターフレーム技術および公知のフィルム組成物を使用することでは、通常の用途に有用な直交積層中の層として適した横方向配向フィルム製造することは可能ではなかった。その理由は適当な降伏/クリープ抵抗および良好なエネルギー吸収特性の適当な組み合わせを達成することが不可能だったからである。これは今、本発明の使用によって解決される。したがって、直交積層の製造が、長さ方向に延伸されたチューブ状のフィルムを螺旋状に切断し、長さ方向に配向したフィルムと横方向に配向したフィルムとし、その後2つをラミネートし、すべてが1つのインライン製造工程で行われる、イントロダクションで言及された既存の製造方法と比較して合理化されることができる。横方向の配向を行うことについてのさらに詳しい情報は、図7a、bおよびcに記載される。
【0042】
本発明の第1の態様では、より高温で溶融するポリマーP1がフィブリルあるいはフィブリルネットワーク(閉じこめられた相または分散された相)を形成し、より低温で溶融するポリマーP2(マトリックス)がそれを取り囲む。これに関連して、次のガイドラインを与えることができる。
P1の濃度が低いほど、それが閉じこめられた相となる可能性が高くなる(他のものが変化しない場合)。
【0043】
溶融アテヌエーションの所定の条件において、P2と比較してP1の溶融粘度が高いほど、それが閉じこめられた相となる可能性が高くなる(他の特徴が変化しない場合)。P1が固体化する点の近くにおいてその溶融粘度は増大し、ゆっくりとした冷却はP2−イン−P1の分散体をP1−イン−P2の分散体に変換する場合のあることを示すいくつかの証拠を発明者は見いだした。さらに、そのような変換がP1の結晶化中に起こる場合のあることは真実のように思われる。好ましくは、混合中のP1の重量割合は、75%未満、より好ましくは5から60%、たとえば、10から60%、最も好ましくは20から50%である。
【0044】
しかしながら、それが実現可能な場合、適切に高い溶融粘度(たとえば少なくとも0.1,好ましくは約0.5のメルトフローインデックスを与える)を与えるように、P1のポリマーに比較的高い分子量のものを使用することによってP1−イン−P2の閉じこめを得ることが望ましい。または、この成分の比較的低濃度を使用し、次いで早い冷却(ショック−冷却およびそのための装置としてさらに記載される)により両成分を固体化し、溶融アテヌエーションされた構造が、固定されるようにすることにより、P1−イン−P2の閉じこめを得ることが望ましい。なぜなら、ゆっくりとした冷却はより不規則な形の、低い強度のフィブリルを形成するように思われるからである。
【0045】
よりよいオーダーのために、本発明が直交積層を生産するために使用される場合、ラミネーションが冷延伸に先立って実行されることができることが述べられるべきである。また、押し出され熱延伸されたフィルムがチューブ状の場合、それが通常行われるように螺旋状の切断が使用されてもよい(イントロダクションを参照)。
【0046】
本発明による方法の第2の態様は、以下により正確に記述される。それは、ポリマー材料P1’およびポリマー材料P2’の緊密混合物を含む熱可塑性ポリマー材料を、ダイを通して押出およびアテヌエーションしてアロイのフィルムまたはシートを形成する方法に関する。ダイを通るフロー通路は、出口ギャップを有する出口オリフィスを含み、該方法は出口オリフィスの上流に、ブレンドが通過する1以上のグリッドを含むグリッドチャンバーが提供される点に特徴を有する。1つ又は複数のグリッドは、ブレンド中のP1’またはP2’の分散相の平均サイズを縮小するように選択されたサイズの口径を有する。1つ又は複数のグリッドは、出口ギャップよりも広いギャップを有するチャンバー内の場所に位置する。グリッドチャンバーはさらにスクリーンとダイ出口の間にギャップ減少部分を有し、ここではその間をブレンドが流れるギャップが、少なくともダイ出口のギャップへの道の一部で減少される。
このダイの好ましい態様はすでに本発明の第1の態様に関して明確に記述された。
【0047】
フィルム製品のほとんどの用途については、少なくともブレンドフローの1つの側に、表層が好ましくは共押出される。これはフローが1つ又は複数のグリッドと出会う前に最良に行われる。なぜなら、その後に主層と表層のブレンドの相溶化を助けることができるからである。本発明の第1の態様とは独立して、この第2の態様はアロイ化された配向フィルムの強度特性を改善するために使用することができる。この方法は次の態様によって特徴づけられる:
P1’およびP2’は、それらが最終フィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションによる機械的方法により、実際的な目的のためには十分なように相溶化される程度に非相溶性であり、P2’は20℃での非配向状態において、P1’の弾性率よりも少なくとも15%低い弾性率を示す。好ましくは、しかし必須ではないが、P1’の機械的に決定した融点はP2’よりも少なくとも約20℃高い。レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合およびアテヌエーションの条件の適合により、アロイはP2’により取り囲まれた顕微鏡的に細かなP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは1つの方向に主として伸び、一般に約5ミクロンまたはそれ以下、好ましくは約1ミクロンまたはそれ以下、さらにより好ましくは約0.1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、少なくとも厚さの5倍の幅を有する。更に、少なくともP1’が固体化した後、フィルムは延伸される。
【0048】
実際にはブレンドが常に行われているランダムブレンド手法により、マトリックスとしての他のポリマー中に閉じこめられた1つのポリマーの顕微鏡的または超顕微鏡的に細かいフィブリルを形成するために、それらの幅に沿った一様な断面を有するフィブリルを与えることは常に不可能であろう。なぜなら、それらのマトリックス中の濃度が非常に小さい場合を除いて、フィブリルは互いに規則的になることを防止するからである。非常に細かなフィブリルの結晶によって引き起こされたこの不規則性は、得られるフィルムの強度に対してマイナスの影響を与える。しかしながら、非常に平坦なフィブリルにおいては、これらの結果はある程度均等にされ、特にアロイが急速に冷却された時にそうであり、したがって、本発明の第2の態様は、生成されたフィルム、およびこのフィルムから作られたテープまたは直交積層の強度に関して利益を本質的に与える。
【0049】
発明の第2の態様の使用では、固体化の後の延伸工程はフィブリルの方向に対して横方向であることができる。その後、好ましくは、フィルムは、この延伸中にフィブリルの方向に収縮することが許される。フィルムに細かな横方向のプリーツを与えることにより、収縮の可能性を確立することができる。フィブリルの方向に対して横方向の延伸工程の前に、フィブリル方向の延伸を行うことができ、後の工程は固体である。
【0050】
本発明の第2の態様の強度促進用ポリマーの選択については、P1’は、例えばプロピレンの結晶化コポリマーまたはプロピレンホモポリマーを包含するプロピレンポリマー、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートからなることができ、P2’は、たとえば、プロピレンコポリマー、エチレンのコポリマーを包含するエチレンポリマー、好ましくは他のアルファー−オレフィンとのコポリマーから主としてなり、P2’は好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである。
上述の、本発明の第2の態様の別の実施態様においては、P1’は望ましいバリヤー特性を示すように選ばれる。
【0051】
この使用は、次の特徴によってさらに特徴づけられる:
P1’およびP2’は、それらが最終フィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションによる機械的方法により、実際的な目的のためには十分なように相溶化される程度に非相溶性である。レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合およびアテヌエーションの条件の適合により、アロイはP2’により取り囲まれた顕微鏡的に細かなP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは1つの方向に主として伸び、一般に約5ミクロンまたはそれ以下、好ましくは約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、少なくとも厚さの5倍の幅を有する。
【0052】
フレーク形状の粒子状物質、例えばマイカ粉末はバリヤー効果を発揮することは公知である。なぜなら、それは迷路の中でのように、ガス分子、芳香物質あるいは有害液体が浸透し、拡散することを強いるからである。しかしながら、そのようなフレーク形状の粒子状物質は、その濃度、したがってそれらの影響が低くなければ、通常、フィルムの強度に悪影響を与える。したがって、通常は、バリヤー特性は、フィルムの主な層と一緒に、結合層の共押出を任意に含む共押出によって達成される。2つのヒートシール層が必要な場合、ダイは通常6層以上で構成されなければならず、2つのバリア層が必要な場合、9層が必要である。そのようなダイは商業的に利用可能であるが高価である。本発明の第2の態様の使用の際、1,2またはそれ以上のバリヤーを形成するポリマー、P1’a、P1’b等を、高価なタイポリマーを使用することなく、主ポリマーP2’とともにアロイにすることができる。ヒートシールのための特別の表層が必要でない場合、上述のグリッドチャンバーが追加で設けられた場合には、これは単純な1要素ダイで十分であることを意味する。ヒートシールのための表層が必要な場合、3層の共押出ダイが必要である。しかし、どんな場合も、投資の節約は非常に重要である。もちろん、バリヤー結果は高価なダイで達成されるようには高くない。しかし多くの用途には十分なものである。
【0053】
適用可能なバリヤーポリマーの例:
ポリプロピレンまたはポリプロピレンテレフタレートは、ポリエチレンに主として基づく直交積層を、油による破壊から保護することができる。ナイロン6あるいは66は同じ作用をし、さらに酸素に対するバリアを形成することができる。また、EVOHは、非常に効率的に酸素と油およびほとんどの芳香物質に対するバリアを形成することができる。
最後に、上述のように、本発明の第2の態様は細かなセル状の発泡された構造を有するフィルムを作るために使用することができ、特にテープまたは直交積層のために使用されるという利点を有する。
【0054】
この使用は次の特徴によって特徴づけられる:
P1’およびP2’は、それらが最終フィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションによる機械的方法により、実際的な目的のためには十分なように相溶化される程度に非相溶性である。 レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合およびアテヌエーションの条件の適合により、アロイはP2’により取り囲まれた顕微鏡的に細かなP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは1つの方向に主として伸び、一般に約5ミクロンまたはそれ以下、好ましくは約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、少なくとも厚さの5倍の幅を有する。押出の前または押出の間に発泡剤が添加される。発泡剤はP2’に可溶であるが、一般にP1’には不溶性である。発泡は押出工程の後に行われる。
【0055】
発泡剤がP1’に一般に可溶ではないので、フィブリルは発泡剤に対するバリアの役割をし、そのためそれらは効率的で細かな発泡を強く促進する。フィルム(あるいはフィルムを裂くことにより作られたテープ)は、発泡の前、間、後にさらに強く配向されることができ、それらはスプリットファイバーネットワークに、たとえばスプリットファイバー(フィブリル化フィルム)を作る技術において公知のようなラビング操作により変換することができる。
【0056】
上記よりすでに明らかなように、記載された新規な方法は以下の新規な製品A、BおよびCを製造するために使用することができる。3つのすべては直交積層のための使用が特に想定され、AおよびCは特にロープ、縒った製品および織物タイプの製品が想定され、製品Cはさらにスプリットファイバー(フィルムからのファイバー)製品が想定される。
【0057】
以下の記載において、本発明の第1の態様に関連する記述について、ポリマーP1およびP2について参照される。
しかしながら、記述はP1’とP2’のブレンド、第2の態様によってそこから生産された製品にも等しく関係する。
【0058】
製品A:
既知の特徴は以下のとおりである:
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られた押出フィルムであり、P1およびP2の両者は100℃において少なくとも部分的に結晶性であり、フィルム中では別個の相として存在するが、相溶化剤の使用または十分な混合により機械的に、実際上の目的のためには十分に相溶性である程度に、非相溶性である。20℃での非配向状態において、P2はP1の弾性率(E)よりも少なくとも15%小さいEを示す。アロイは、P2に囲まれたP1の微視的な細かいフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成される。このモルホロジーでは、フィブリルはそれぞれ主として1つの方角に伸びて、平均で約5ミクロンまたはそれ以下の幅および厚さを一般に有する。
【0059】
特徴は次の選択肢であり、組み合わせることができる:
a) P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する。
b) 配向フィルムはP1フィブリルの破壊の位置を示し、その位置は一般に線形に伸び、配向の方向に対して角をなしてしている。
【0060】
重要な例として、P1は、プロピレンの結晶性コポリマーを包含するポリプロピレン、ポリアミドのコポリマーまたはポリエチレンテレフタレートからなることができ、P2は主としてプロピレンコポリマー、あるいはエチレンの結晶性コポリマーを包含するポリエチレンからなることができ、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである。
結合特性および/または摩擦特性を向上させるために、アロイ層の少なくとも1つの側の上に、少量の共押出された表面層を有するべきである。
【0061】
発泡製品である製品Bは、以下の特徴を示す:
それは少なくとも2つのポリマーP1とP2のアロイから作られた押出フィルムであり、両者は約100℃以下で少なくとも部分的に結晶性であり、最終フィルム中では別個の相として存在するが、相溶化剤の使用または十分な混合およびアテヌエーションにより機械的に、実際上の目的のためには十分に相溶性である程度に、非相溶性である。アロイは、アロイは、P2に囲まれたP1の微視的な細かいフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸びる。
【0062】
特徴的なものは以下のとおりである:
P1のフィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する。さにP1は望ましいバリア特性を示すように選択される。
バリヤー成形ポリマーP1は、たとえば、EVOH、またはビニリデンクロライドのコポリマーを包含するポリビニリデンクロライド、またはポリアミドから成ることができる。
結合特性の向上および/または摩擦特性の改良のために、アロイ層の少なくとも1つの側の上に、少量の共押出された表面層を有するべきである。
製品Cはセル状の発泡フィルムであり、発泡剤を使用して押出することができる。
【0063】
それは次の新規な機能を含む:
発泡されたフィルムは、少なくとも2つのポリマーP1とP2から作られ、両者は約100℃以下で少なくとも部分的に結晶性であり、最終フィルム中では別個の相として存在するが、相溶化剤の使用または十分な混合により機械的に、実際上の目的のためには十分に相溶性である程度に、非相溶性である。アロイは、P2に囲まれたP1の微視的な細かいフィブリルまたはフィブリルネットワークの分散体として本質的に形成され、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、平坦で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する。
【0064】
本発明は、図面を参照して一層詳細に説明される。
図1および2は、本発明の第1の態様による方法の2つの異なる方法のフローシートである。
図3aは、共押出ダイの出口の改良を示す。ダイの出口は平坦または環状であることができ、フィブリル分散体をより細かくし、フィブリルを明確に平坦にするために2つのグリッド形状のスクリーンが提供される。
スケッチは図7bのa−a線に沿った断面を表す。
図3bは図7aの線b−bに沿った断面を示す。また、同様に、図7cは図7aの線c−cに沿った断面を示す。
環状ダイの場合には、これらの図は開かれた環状断面を示す。
図4は、フローシート図1に対応する機械ラインを非常に概略的に示す。
図5は図4の摩擦保持装置の拡大図で、実物の概略半分のスケールで示される。
図6もフローシート図2に対応する機械ラインを非常に概略的に示す。
図7aは、横方向の「冷延伸」の好ましい方法を示す、テンターフレームのダイヤグラム様の表現である。
図7bは横方向のプリーツ加工を行なう図7a中のユニットを示す。
図7cは、図7aの2台の狭いオーブンの断面図を概略的に示す。
図8は、その主な表面と平行な、フィルムの模式的な断面図であり、破壊されたP1フィブリルの直線領域で、P2が追加の配向を有する、請求項に記載された微構造を表わす。
図9から11は実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す。
図12aからdは、実施例で製造されたフィルムの、昇温下での収縮特性を示すグラフである。
上述されたように、WO03/033241のすべての図および図に関する記述は、本発明に属することと見なされる。
【0065】
フローシート図1および対応する機械ラインの図4において、工程1は通常融点の高いポリマーP1および融点の低いポリマーP2のドライブレンドを含み、ついで押出機中でブレンドされ、引き続いて押出ダイ中でフィルム(シート)の形成をし、該ダイはその出口オリフィスのすぐ上流に図3a、bおよびcに記載されたグリッドチャンバーを有している。その押出は通常フィルムに適当な表層を供給するために適応された共押出である。
そうすることができるので、グリッドチャンバーが省略された時には、フィルム押出に先立った溶融状態での成分の別途のブレンドが通常必要であろう。
さらに、P1とP2の製造の一部として、重合に関連してブレンディングを行なうことは可能である。
【0066】
請求項において言及されているように、P1/P2の分散体が微視的または超顕微鏡的な断面寸法に到達し、P1中にP2が取り込まれるのではなく、P2中に取り込まれたフィブリルまたはフィブリルネットワークの形体のP1を得ることが必要である。
これに関連する条件は、本発明の一般的な記述で議論されており、後で簡潔に繰り返される。
【0067】
フローシート図1は平坦に押出されるフィルム、およびチューブ状の形体で押し出されるフィルムについて適用可能であるが、図4の中で示されるラインは平坦なダイ(205)から平坦な形体で押出されるフィルムについてのみ適合される。
チューブ状の形体で押し出されるフィルムに対応するプロセスは、WO03/033241の図面に示されている。
【0068】
本発明の平坦なままの切断、工程2:
溶融アテヌエーションおよび工程3:
P1およびP2の固体化は、両方とも引っ張り冷却ロール手段、(206)、(207)および(208)によって実行される。これらは同じ周縁速度で運転され、循環水あるいは循環する油で冷却される。ゴムでコーティングされたニップローラー(209)は、最後の冷却ローラー(208)とともにニップを形成する。経済的な理由のために、プロセスを中断せずにP2が再び溶融される場合(工程3a)、冷却は必要以上に強くすべきではない。
【0069】
押し出され、溶解アテヌエーションされたフィルム(211)に対して、空気潤滑を介してバー(210)が押しつけられる。空気潤滑は細孔質の金属によって実行される。それは、ローラーに隣接しているバーの一部を形成する。空気潤滑バーは2つの機能を有する。1つはフィルムおよびローラー(206)の間の大気のエントレインメントを防ぐことであり、他方はアテヌエートされているフィルムの横方向の収縮への傾向を制限するためである。この段階の空気のエントレインメントは、フィルムの膜厚の均一性を損なう。バー(210)の構造の詳細は示されていないが、これは空気潤滑に熟練している人にとって明白である。このバーおよび潤滑空気を加熱する必要も冷却する必要もない。
【0070】
両側の矢(212)は、バーの位置がローラーに対して調整可能であることを示す。好ましくは、ローラーの方へバーを押すスプリングがある。その一方で潤滑する空気の圧力は反対方向に働いている。また、これらのスプリングの張力、および空気圧がスペーシングを決定する。ローラー(206)およびバー(210)の間のこのスペーシングは、好ましくは1mm未満であるべきである。しかしながら、フィルムの端は、常に横方向の収縮により多少厚くなり、工程3aの前に1cmあるいは数cm、トリムすることが必要なことがある。
【0071】
P1ではなくP2を溶融する工程3aは、2つのオーブン部分(213)および(214)から成る特別のオーブンの中で行われる。フィルム(211)は、両方と空気潤滑されたエンゲージメントにある。各オーブン部分のフィルムに隣接するセクションは、細孔金属からなり、残部は空気を分配するための1つのチャンネルシステムを備えた固体金属であり、循環する熱い油で加熱される。チャンネルシステムはここに示されない。しかし、同様のチャンネルシステムはWO03/033241の図1−5に示される。フィルム(211)に隣接しているそれぞれのオーブン部分の表面の温度は、正確にコントロールされる。油を循環させることによる加熱は電気的な加熱によって代用されることができる。空気はあらかじめ熱せられることができる。しかし、通常は、その温度は、予熱なしで、細孔金属を通ることにより正確に調節される。
【0072】
両側の矢(215)は、2つのオーブン部分間のスペーシングは相互に調整可能であり、加熱および空気潤滑の影響を最適化する。さらにこの場合、調節は、好ましくは調整可能な張力を有するスプリングを介して起こる。1つ(213)だけの部分を使用する代わりに、2つのオーブン部分(213)および(214)を使用するのには2つの理由がある。1つは、最も効率的な加熱を達成することであり、他方は幾分かの長さ方向の延伸の結果、フィルムに長さ方向のプリーツが形成されることを防止することである。これはフィルムが最も暖かい部分(213)の下流端に生じる。別のオーブン部分(214)なしでは、この延伸には横方向の収縮が伴うだろう。それは、部分(213)の上流端にいくらかのプリーツをつけるだろう。それほど効率的ではないが、プリーツが生じることを防ぐ方法としては、フィルムとエンゲージする1つ又は複数の細孔表面を若干丸く、たとえば曲率半径1−2mmとすることである。これは図4にも示される。
【0073】
部分(213)および(214)から成る特別のオーブンは、WO03/033241のチューブ状のフィルムのホットドローイングに関する図3−5における温度微調整部分(117)に相当する。しかしながら、フローシートの中で示されるプロセスを行なうために、本出願の図1、およびWO03/033241の図3−5は、ショック冷却部分(116)と温度微調整部分(117)との間の適当な「ホールドバック」装置により補足されなければならない。この「ホールドバック」装置は、溶融アテヌエーション(工程2)と熱延伸(工程5)の間の割合の調節に寄与するために、制御された摩擦抵抗を働かせなければならない。本発明のチューブ状の実施のための各々の「ホールドバック」装置は、両方ともW003/033241の部分(118)または図6の中で示されたように構成することができる。
【0074】
さらに、本発明のチューブ状の押出に関して、この場合には、フィルムが細孔部分の上を移動する間に、フィルムのプリーツを形成する傾向がない。なぜなら、チューブ状の形状がこれを防ぐからである。しかし効率的な温度調節のため、フィルムの両面に温度調節された金属部分からの、および両側への空気潤滑を介して加熱/冷却をすることは依然として利益がある。これらの部分の表面が円錐形である場合(例えばWO03/033241の図4の温度微調整部分117)、オーブン部分のうちの1つの軸の移動により、オーブン中のスペーシングの調節を確立することができる。
【0075】
延伸プロセスの重要な部分は、すなわちP1が固体で結晶状態にあり、P2が少なくとも部分的に溶融している間に、A4で図5においてほぼ原寸大として示される延伸バー(216)および(217)に作用される摩擦保持力により熱延伸を行うことである。フィルムは単にそれぞれのバーの末端領域(218)および(219)にのみ触れる。また、これらの末端領域は数mmの曲率半径で丸くされる。2つの矢印(220)および(221)によって示されるように、バーは相互に調整可能である。
【0076】
バーは、フィルムが非常に強く粘着してバーの上のスムーズな通過が妨げらることがなく温度で、できるだけ高温に維持される。これは、バーの温度がフィルムの表面の物質の融点より低くなければならないことをしばしば意味する。他方では、フィルムの主なボディ中のP2は少なくとも部分的に溶融したままで維持されなくてはならず、好ましくは、フィルムがバー(219)を去った時に、再度これらの領域のP2を溶融するために、固体化された表面領域を十分に再加熱することができる。スタートアップ時を除く冷却からなるバーの温度制御は、水あるいは油の循環(手段は示されない)によって起こる。
【0077】
熱延伸は、駆動されるプルローラー(222および223)によって行われる。ゴムコーティングされたニップローラー(224)は、第2のプルローラー(223)とニップを形成する。ローラー(222および223)はP2を固体化する(工程6)水冷の鉄製ローラーである。工程7、冷延伸、すなわちP1とP2の両方が固体の間に行われる配向は、長さ方向、横方向またはこれらの組み合わせであることができる。図4は長さ方向の冷延伸を示す。好ましくは、フィルムはローラー(224)を離れる時に幾分高い温度、たとえば約50℃で維持される。それは、冷やされ駆動されたローラー(225および226)によって引かれる。ゴムコーティングされたニップローラー(227)は、第2の駆動されるローラー(226)をとニップを形成する。フィルムが延伸バー(228)を通過し去る時に、配向が起こる。これは鋭い端に準ずる端部を有し、たとえば、約0.5mmの曲率半径で丸くされ、フィルムはその上を引かれる。中心軸(それは図面の中で示される)のまわりのバーの回転によって、摩擦は変えることができる。
【0078】
フローシート図2および対応する図6の機械ライン図面は、本発明の第1の態様の実施のための異なるルートを示す。ここでは最初に両方の成分を固体化した後に、ついでP2を再溶融せず、工程2の溶融アテヌエーションから、工程2aの制御された保持、工程3aと進み、ここでP1は固体化され、P2は溶融されたままである。
【0079】
図6の中で示されるように、平坦なフィルムの場合、制御された溶融アテヌエーションを行う工程2aの制御された保持は、冷却ローラー(206)の手段により都合よく行うことができる。ここではフィルムが接着することを防止するために冷却されるが、フィルムの実質的な部分が固体化するほど強くてはならない。したがって、フィルムは、ローラーの非常に短かい距離(例えば1−2cm)の上を通る。それは、図4のバー(210)に一般に類似する空気潤滑バー(210)手段によってローラー(206)に対して押される。しかし、フィルムに面する表面の幅が約5−10mm以下であるように構成することが重要である。この装置はこの工程の間にフィルムの過度の冷却を回避するために熱されることができる。
【0080】
図2の工程3aは、P2を少なくとも部分的に溶融しつつP1を固体化することに関し、図1の工程3aはP1を固体に保持しつつP2を溶融することに関する。好ましくは両方の工程は本質的な同じ装置、すなわち記載されたオーブン装置(213)および(214)で行われる。すべての後の工程も同じであることができる。
【0081】
図1に表わされるルートは、急速冷却のため通常P1の最も規則的なフィブリルを生産するが、P1の溶融粘度がP2のそれと比較して十分に高い場合および/またはP1の濃度が十分に低い場合に限り、適用可能である。そうでなければ、図2に表わされるルートは、P2中のフィブリルP1の所望のモルホロジーを達成する、よりよい可能性を与える。なぜなら、上述のように、ゆっくりとした冷却はP2−イン−P1構造のP1−イン−P2構造への変換をもたらすことがあるからである。
【0082】
図3a、bおよびcにおいて、ダイ中のP1−イン−P2分散体を含む主なフローは、たとえば約2.5mmの厚さから約20mmの厚さに発泡し、ついで、たとえば結合、ヒートシール特性および/または摩擦特性の改良のために選択された2つの少量の表面層とともに共押出される。
20mmの深さのグリッドチャンバー中の3つの層の複合フローは、2つのグリッド状のスクリーン(301)および(302)を通る。各々の厚さ数mm(たとえば5−10mm)の部分は、それぞれ図3bおよび3cに示される。各々はラメラ(lamellae)(303)および(304)のアレイを含み、それぞれは、たとえば、約1mmの厚さであり、たとえば、互いに約1mmの間隔をおいている。それが通過する時に最も効率的にフローに剪断力が与えられるように、スクリーン(301)および(302)は互いの鏡像である。
【0083】
スクリーン(302)の直後にフローは、共押出ダイからの出口に都合のよい厚さ、たとえば2.5mmに圧縮される。これによって、ポリマーディスパージョン中のポリマーはさらにアテヌエートされ、各フィブリルの所望の最終の断面寸法を形成し、同時にラメラ(303)および(304)により形成されたダイ−ラインが平坦になり、一般にフィルムの主表面に対して約10から15度の角度を形成する。引き続く延伸プロセスは、通常角度を約1度またはそれ以下に小さくする。これらのダイ−ラインは、しばしば最終フィルム中で検知することができ、例えば、P1を溶解しないがP2を溶解する溶剤でフィルムの断面を処理することによってできる。例として、P1がポリプロピレンで、P2がLLDPEならば、90℃で30分のキシレンでの処理はダイラインを発現させるだろう。
【0084】
そのような処理の後、走査電子顕微鏡の使用により、平面フィブリルの断面の寸法も研究することができる。図1に示されるすべてのプロセスを通過した最終フィルムを参照すると、0.1ミクロン以下の平均厚さを有するフィブリルを容易に得ることができることが見いだされる。これはもちろんランダム分布であり、一般に幅は厚さの10倍以上である。
【0085】
P1がホモポリプロピレンでありP2がLLDPEである実施態様において、調べられた試料の、主表面の近くの非常に薄い領域および少量の表面からより深い領域以外のLLDPEを溶解することが事実上不可能であることが見いだされた。これはフィブリルの顕著な平坦性によって説明される。それは、LLDPE分子が主表面に至り、抽出されるまでに、迷路を通って拡散することをLLDPE分子に強いる。同様の理由で、これらのグリッドを含んでいるグリッドチャンバーが利用される場合、フィルムはかなり良好なバリヤー特性を示すことができる。
【0086】
これとは対照的に、グリッドチャンバーが押出ダイから撤去された時には、ポリプロピレンフィブリルを残したまま、LLDPEをほとんどすべて容易に溶解できることが見いだされた。顕微鏡による観察は、フィブリルの著しくはない平坦性を示した。
1つ又は複数のグリッドは図面の中で示されるもの以外の形に作ることができる。つまり、フローの方向と平行ではない角度にラメラをすることができる。しかし、例証された形は、ダイラインが生産されたフィルムの主表面とほとんど平行になるという長所を持つ。また、更に、1つ又は複数のグリッドを洗浄するのが比較的簡単である。
【0087】
図3bおよびcに示されるグリッド形状を保ちつつフィブリルの達成された平坦度は、フローの主表面に垂直な長さ方向の断面、たとえばこれらの図面のa−a線において数えることができる壁の数に依存する。好ましくは、この数は4未満であるべきでない;図面では、それは6である。
【0088】
図7a、bおよびcは、P1およびP2の固体化の後の横方向の延伸の好ましい方法および装置を示す。任意に、先行してP1およびP2が同じ状態で長さ方向の延伸を行うことができ、両方のプロセスは冷延伸と呼ばれる。その目的は、主として長さ方向に一軸に延伸されたフィルムとラミネーションされる、主として横方向に一軸に配向されたフィルムの製造である。比較的高い延伸温度を必要とし、延伸の量を制限するのが難しいので、通常のテンターフレームプロセスはそれに関してはあまり適当ではない。直交積層において完全に満足できるエネルギー吸収、強度特性を得るために、延伸温度は好ましくは低く、例えば約50℃であるべきであり、配向の程度は究極限界から遠くあるべきである。
【0089】
横方向の配向をほぼ一軸にするために、フィルムには最初細かなプリーツが提供される。それは横方向の延伸の間にその長さ方向の収縮を可能にする。この工程段階は「ゴムベルト間に押し込む」とラベルされ(図7aのボックス参照)、図7bに示される。フィルム(211)は、2つのローラー(229および230)の間のニップに導かれ、2つの無限ゴムベルト(231および232)に支持される。それは、2つのローラー(233および234)間のニップからプリーツがつけられた形状で供給される。第1の対のベルトローラー(229および230)は、第2の対のベルトローラー(233および234)より著しく速い、たとえば、約2倍の円周速度で運転される。2つの速度間の比率は調整可能である。このようにして、2つのゴムベルトは、それらが、第2の対のベルトローラー(233および234)間のニップを去る時には伸び、第1の対のベルトローラー(229および230)間のニップを去るときにはほとんど延伸されていない状態に戻る。ベルトがフィルムを運ぶので、フィルムはベルト(231および232)間に押し込まれ、横方向にプリーツがつけられる。それが横方向の延伸の間の長さ方向の収縮の傾向に対応するように、プリーツをつける程度は通常調節されるべきである。
【0090】
押し込みプロセスに先立って、フィルムは1対のインターメッシングギアローラーを通過することができる。それは、漸増的に長さ方向に延伸し、それにより横方向に伸びた薄いラインを形成する。そのようなラインの間の距離は、例えば約0.5−3mmであることができる。少しの程度の漸増的な長さ方向の延伸でさえ、均一なプリーツの形成に役立ち、さらに長さ方向の延伸ゾーンが横方向の延伸のイニシエーターの役割をすることが見いだされた。
プリーツがつけられたフィルムが押し込み装置を去る時に、その端は、公知のテンターフレーム構造であることができる、エンドレスのテンタ−チェインのクランプにより保持され、グリップされる(図7aの模式図を参照)。
【0091】
オーブン構造は新規である。既知のテンターフレームでは、熱風によってフィルムを熱するオーブンが、テンタリングプロセス全体の間、実質上フィルム表面全体の上に伸びる。テンターフレーム用の1つ又は複数のオーブンの新規な概念は、図7aに模式的に示され、その断面図は、図7bに詳細に示される。2つの部分(235/236と237)から成るオーブンは、それぞれ細孔金属から作られ、焼結金属から作られた支持部分(239および240)を有する。構成要素(235)および部分(237)は、電気発熱体(241)手段によって、適切なコントロールされた延伸温度(例えば50℃)に加熱される。加圧された空気は、一方が部分235/236と237の間にあり、他方が支持部分(239と240)にある複数のチャンネル(242)を通って分配される。構成要素(236)は熱されない。またこれを通る空気潤滑は冷却を提供し、一方、隣接した部分(235)および(237)を通るチャンネルを通る空気潤滑は加熱を提供する。
加熱した要素(235)は、焼結物質の断熱壁(246)手段によって、冷却要素(236)から断熱される。冷却要素(236)は、その最も近いテンターチェーンに面するそれぞれのオーブンの側にある。
【0092】
両側の矢印(243)によって示されるように、要素(235)と(237)の間のスペーシングは調整可能である。この調節は距離の簡単なセッティングであることができ、あるいは調整可能な張力を有するばねを介することができる。(235)と(237)の間の望ましいスペーシングは約0.5〜2mmの間である。図7cは、右手側でひだがつけられた形状(244)でオーブンに入り、左手側からテンターされ、プリーツが延伸された状態(245)でオーブンから出てゆく。
【0093】
公知のテンターフレームオーブンでは、フィルムは、その幅全体で同時に延伸される。そしてこれを均一に引き出すのにはかなり高い温度が必要であり、これは一般に直交積層の製造において適切ではない。本発明の構成では、パラメータが互いに適切に調節される場合、テンタリングは非常に狭いゾーンである、ネッキングゾーンで起こり、これは数mmまたはそれ以下の幅しか無く、図示された2つの狭いオーブンのそれぞれの冷却要素(236)上に位置する。空気潤滑により、フィルムは摩擦によりオーブンを通って移動する。ネッキングゾーンは、保持クランプを有するチェーンのそれぞれに近い位置から徐々にフィルムの中央の方向へ展開している。したがって、狭いオーブンと最も近いチェーンの間のフィルムはすべて設定された延伸比率まで完全に横方向に延伸され、一方、2つの狭く長いオーブンの間のフィルムは全く横方向に延伸されていない。2つの狭い長いオーブン下流端で、フィルムはすべてほぼ均等に延伸される。
【0094】
延伸条件が適切にセットされる時、上記のネッキングゾーンは冷却部分の上に位置するであろう。これは延伸比率が良好に制御されるという効果がある。これは最終生産物上のインパクトアクション(衝撃)下でのさらなる延伸を許容する目的のために、直交積層の生産で一般に望ましい。
【0095】
理解されるように、記述されたテンターフレームプロセスは請求項で定義された発明における使用に限定されないが、直交積層の製造に本発明を利用することは発明者の知る最良の方法である。本発明のさらなる態様として、上述のオーブン配置を利用してプリーツを付けたフィルムの横方向の延伸方法、およびそのための装置が提供される。
【0096】
本発明により達成されるモルホロジー、すなわち一般に非配向の、または単に冷延伸されたP2マトリックス中の配向したP1フィブリルが、テンターフレームプロセスで安定して作用することが銘記される。請求項に記載された、横方向に延伸された領域でのP1フィブリルの内部破壊と、その領域におけるP2の対応する追加の延伸を原理的に示す、図8に示された構造は、フィブリルの平坦性が顕著でない場合にはP2の溶剤による除去の後に直接観察することができる。しかし、上記のように、グリッドチャンバーの使用により得られるような顕著な平坦性を有する場合には、P2の除去を事実上不可能にする。この場合、構造に関する研究は困難であるが、フィブリルの配向と平行に、フィルムの主表面と垂直にミクロトームによって連続的に切断し、多くの部分を分析することによって行なうことができる。
【0097】
本発明は、さらに新規な方法の実行のための装置に関する。1つの態様は熱可塑性物質の押出のための新規な装置に関し、溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィス、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、さらに前記の第2の延伸手段の下流に延伸手段を含み、該第2の延伸手段と前記のさらなる延伸手段との間に追加の冷却する手段を有することを特徴とする装置に関する。
【0098】
異なる態様は、熱可塑性物質の押出のための新規な装置に関し、溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、
該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、該出口オリフィスの上流にグリッドチャンバーが設けられ、該グリッドチャンバーはその中を押出された物質が通る1以上のグリッドを含み、1つ又は複数のグリッドは、ギャップが該出口オリフィスギャップよりも広いチャンバー内の場所に位置し、該グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドとダイ出口との間にギャップ減少部分を含み、そこではギャップが出口オリフィスのギャップへの道の少なくとも一部において減少することを特徴とする装置に関する。
【0099】
新規な装置の好ましい機能は、上記の記述から知られる。
以下の実施例は、本発明により形成された特定のフィルムおよびその分析を例証する。
実施例
目的:
ポリプロピレン(P1)およびLLDPE(P2)のブレンドを使用し、下記に関する発明の影響を実証することを目的とする:
a)フィルムをP2とP1の融点の間の温度に加熱したとき、顕著な分子配向が維持されること、
b)エネルギー吸収と関係のある強度特性を犠牲にすることなく、降伏点とクリープ特性における著しい改良が達成されること、
c)P1の非常に平坦なフィブリルを含む請求項に記載されたモルホロジーが、記述されたグリッドチャンバー(図3a、bおよびc)の使用により達成されること、
d)図8にスケッチとして示された破壊されたフィブリルのモルホロジーを達成することができること。
これはb)で言及された改良の基礎であると考えられる。
【0100】
ポリマーブレンドの調査:
P1は機械的な融点が160℃であり、PPに通常使用される条件で測定されたメルトフローインデックスが0.5であるポリプロピレン(PP)のコポリマーである。
P2はd=0.92であり、LLDPEに通常使用される条件で測定されたメルトフローインデックスが1.00であるLLDPEである。
次のブレンドが試験された:
20%のPP+80%のLLDPE、
33%のPP+67%のLLDPE、
50%のPP+50%のLLDPE。
【0101】
実験生成物の生産工程の概略:
これは、遅い実験室規模あるいは小さなパイロット規模プロセスとして実行される。熱電対によってフィルム上での直接の温度測定可能にし、かつ調節をより簡単にするために遅い。
【0102】
乾式混合の後、2つのポリマーは溶融混合され、実験の目的のために構築された小さな遊星型多軸スクリュー押出機によって押し出された。プロセスは、末端が幅2.5mm、長さ300mmの出口オリフィスである平坦なダイ中で行われた。このダイは共押出用のものではなく、単一押出用のものであり、一般に図3a、bおよびcの中で示されるような2つのラメラが形成されたグリッドを有するグリッドチャンバーが供給される。グリッドの直前および直後に、およびそれらの間の狭いスペースにおいて、チャンバーは高さ20mmである。グリッド中のラメラはフローの主な表面に60度の角度で置かれ、それらは各々厚さ1.0mmである。また、隣接したラメラ間のスペーシングは1.0mmである。
【0103】
以下に述べられる例外を除いて、そのプロセスは、図1および図4の中で示されるルートに従う。ルートは図1に示されるように中断される。また、フィルムは各中断の後にスプールに巻かれる。最初の中断に続き、スプールに巻かれたフィルムが再びローラー(206)、(207)、(208)および(209)を通り、その後、それは引く代わりに、ホールドバックするために使用される。
【0104】
熱電対でフィルム温度を直接測定できるようにするために、上部(219)は除かれるが、オーブンを通過する際のフィルムの過剰のプリーツは、半径2500mm(しかし2つ端では1000mm)に丸められた表面(213)を有することにより回避される。摩擦によって保持する装置は、0.2mmの半径を有する、図5に示される形状を持っている。
【0105】
冷引っ張り(冷延伸)は引っ張り試験のために構築された実験室用の装置で、20℃で約15cmの長さの試験片を引っ張ることにより行われる。
プロセスに関するデータ:
すべての温度は℃で示される。
押出機の下流端の温度:240−250℃
ダイの入口の溶融温度:215−220℃
ダイ温度:220℃
押出の後に使用された時のローラー(206)、(207)および(208)の温度:10℃
溶融ドローダウン(アテヌエーション)の後の膜厚:0.3−0.35mm
溶融ドローダウンの後のフィルム速度:1.6m/分
熱延伸の入口のフィルム速度:0.785m/分
熱延伸の前にホールドバックのために使用された時のローラー(206)、(207)および(208)の温度:115−120℃
熱延伸比率:3.00:1
速度セッティングによって調節された:
緩和の後、数%だけ収縮。
【0106】
熱延伸温度:
各組成物のために、2つの試験が行なわれる。
1つの試験は「130℃熱引っ張り試験」と呼ばれ、延伸バー(216)の直前の温度が130−140℃であり、延伸バー(217)の直後の温度が128−135℃である。
別の試験は「115℃熱引っ張り試験」と呼ばれ、延伸バー(216)の直前の温度が118−123℃であり、延伸バー(217)の直後の温度が110−120℃である。
2つのシリーズの冷延伸試験:両方のシリーズで温度は20℃である。
1つのシリーズでは延伸比1.50:1で、他方では2.00:1である。
両者の比率は緩和された状態で測定された。
【0107】
走査電子顕微鏡でのモルホロジーの調査
2つの異なるサンプルからの試験片が調査される。1つは、33%のPPおよび67%のLLDPEからなり、他方は両方のポリマーの50%から成る。各ケースでは、フィルムは比率3.00:1で熱延伸され、2.00:1で冷延伸される。
【0108】
実質的にすべてのLLDPEを溶出することを目的として、いくつかの試験片を約5時間90℃のキシレンで処理した。この間、試験片のそれぞれの面に細かい金属スクリーンを置いて保持した。しかしながら、平坦なPPフィブリルのバリヤー効果のため、ほとんどLLDPEは溶出されなかった。500−10,000倍での主表面のひとつの観察により、平坦なフィブリルは一般に約0.05−0.1ミクロンの厚さと、その厚さより約10−20倍の幅を有することが知られた。
【0109】
横断面と縦断面に関する研究が、続いて行われた。試験片が、調べられる部分をクランプ表面と水平にして、クランプに取り付けた。取り付けた試験片を90℃の暖かいキシレンの中で30分間処理した。この後、モルホロジーがSEMで調べられ、前述の寸法が確認された。縦断面の顕微鏡写真は、さらにPPフィブリルが壊れている領域の断面を示す(図8でスケッチされた表現を参照)。これらの領域は、顕微鏡写真にホールとして現われる。それらは、平均で数ミクロンの幅と平均で約1ミクロンの厚さを有していた。
【0110】
応力/歪み試験
これらのテストは以下のそれぞれの組成物のサンプルについて行なわれる:
20%のPP、33%のPPおよび50%のPP。応力/歪みのグラフは、図9a−c、10a−cおよび11a−cとして記録される。各組成物について、応力/歪みグラフが、以下の表に示される条件で延伸されたサンプルについて得られた。
【0111】
「押出された」は、溶融アテヌエーションの後で熱延伸の前にリールに巻き取られたことを意味し、「130℃」はLLDPEが明瞭に溶解した時に、ほぼ130℃で3.00:1で熱延伸されたことを意味する:「115℃」はLLDPEが半固体の時に、ほぼ115℃で1.50:1で熱延伸されたことを意味する:「1:1」は冷延伸をしなかったことを意味する。「1.5:1」は20℃で1.50:1で延伸したことを意味する。「2:1」は20℃で2.00:1で延伸したことを意味する。左欄に示された条件の組み合わせにおいて、1つの試験片のみがテストされる。
延伸速度は非常にゆっくりと、すなわち50%伸び/分に設定された。
【0112】
フィルムが最初にほぼ130℃またはほぼ115℃で「熱引っ張り」され、ついで1.5:または2:1で「冷引っ張り」された場合には、降伏現象は非常に異常であり、特に低い速度の場合にそうである。グラフに示されるとおり、広い弾性範囲、すなわた22−30%までが存在し、その範囲内ではフィルムはフックの法則にほぼ従う。弾性限界の上では、張力は滑らかに上昇し、またサンプルが破壊するまでに広範囲の伸びがまだ存在する。発明者の知識では、プラスチックフィルムの同様の挙動は知られていない。通常、鋭敏でなく非常に速度依存性の変化が弾性変形から永久変形の間に存在する。またはフィルムが高度に配向されていれば、テストは弾性伸びから直接破壊する。
表に記録された弾性限界と降伏値は、簡単な幾何学的な内挿法によってグラフから得られ、これは図に示された。
【0113】
表に「弾性限界」として示された値が本当かどうかを直接確かめるために、高い値を示したそれぞれのサンプルを、グラフから決定された値から2%下まで伸ばし、その伸びにおいて約30秒保持し、再度緩和した。それはその元の長さに戻った。
【0114】
発明者は、応力/歪みグラフのこの形状が図8の中で示される微構造の結果であると信じる。この構造では、PPフィブリルが破壊されている領域内に高度に過延伸されたLLDPEが存在し、これらの領域外ではLLDPEはPPよりも非常に少なく延伸されている。弾性変形から永久変形への変化は、PPフィブリルの破壊が伝播し始めることを意味する。弾性変形から永久変形への非常に鋭い変化は高いクリープ抵抗を示すだろう。
【0115】
収縮試験
応力/歪み試験をされたサンプルは、「押し出されたまま」のサンプルとは別に、若干高い温度から180℃まで徐々に加熱して、フリー収縮についても試験をした。読みは90℃から開始した。
熱引っ張りしていないが20℃で3.00:1の比率で冷引っ張りをした3つのサンプル(20%のPP、33%のPPおよび50%のPP)が試験された。試験結果は図12a−dに記録される。
【0116】
試験は、融点の測定に使用されたタイプの熱した金属板上で実行された。温度は熱電対で板面上で測定された。試験片は対物レンズ(顕微鏡用)によってプレートに対して保持された。プレート、試験片および対物レンズは、注意深くタルクで潤滑された。同じサンプルからの2つの試験片が常に同時にテストされた。また、グラフに示される収縮の値は2つの試験片からの読みの平均である。
【0117】
図12b−dの中のグラフはすべて、2つの異なるサンプルの収縮を示す。1つは約130℃で、すなわちLLDPEが明瞭に溶けている状態で熱引っ張りされ、他方は115℃、すなわちLLDPEが半固体の状態で熱引っ張りされた。「冷引っ張り1:1」は全く冷延伸されなかったことを示す。すべてのグラフは3つの異なる領域を示す。1つはLLDPEの融点より下、第2はこの融点とPPの融点との間、第3はPPの融点以上である。
【0118】
図12aの中の収縮20%のPPサンプルを研究すると、第2の領域では収縮がなかったことが示されている。これは90℃から120℃でLLDPE分子により加えられた収縮力が本質的にPP分子の配向により消されたことを示す。33%のPPと50%のPPの対応するサンプルでは、結果は全くではないがほぼ同様であった。したがって、本質的に強度に寄与するすべての分子配向は、LLDPEの融点以上では失われる。幾分かの溶融配向がPP中に残されるが、これはPPの融点以上において本質的な収縮を起こす。しかし、これは単なる溶融配向なので、これは強度に顕著に寄与することができない。
【0119】
図12b−dに示される9枚の2つのグラフの各々では、LLDPEの融点のわずかに上の温度で熱引っ張りされたフィルムの収縮が、この融点よりわずかに下の温度で熱引っ張りされた類似のフィルムのものと直接比較することができる。
【0120】
125℃から160℃で加熱することによる125℃での長さに対する収縮は、LLDPEがそのすべての配向を失ったときにどの程度の配向がPP中に残るかを示す。すべてのケースにおいて、LLDPEの融点より上の温度で熱引っ張りされたサンプルは、その融点より下の温度で熱引っ張りされたサンプルより優れていることは明らかである。
【0121】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の第1の態様による方法の2つの異なる方法のフローシートである。
【図2】本発明の第1の態様による方法の2つの異なる方法のフローシートである。
【図3】共押出ダイの出口の改良を示す図である。
【図4】フローシート図1に対応する機械ラインを概略的に示す図である。
【図5】図4の摩擦保持装置の拡大図である。
【図6】フローシート図2に対応する機械ラインを概略的に示す図である。
【図7】図7aは、横方向の「冷延伸」の好ましい方法を示す、テンターフレームのダイヤグラム様の表現である。図7bは横方向のプリーツ加工を行なう図7a中のユニットを示す。図7cは、図7aの2台の狭いオーブンの断面図を概略的に示す。
【図8】その主な表面と平行な、フィルムの模式的な断面図である。
【図9】実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す図である。
【図10】実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す図である。
【図11】実施例のフィルムについての応力歪み曲線を示す図である。
【図12】実施例で製造されたフィルムの、昇温下での収縮特性を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のブレンドを形成し、ここで両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、機械的に決定したP1の融点は、機械的に決定したP2の融点よりも少なくとも20℃高く、
ブレンドを伸張してフィルムを形成し、該フィルムを延伸し、
ここで、ポリマーは延伸されたフィルム中において別個の相として存在し、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、
配向したフィルムはP2により取り囲まれたP1のフィブリルの分散体であるポリマーのアロイを含み、
ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であるような幅と厚さを有し、
フィルムの押出の後にドローダウンによりフィルムのさらなる延伸が幾分か行われ、この時両方の成分は少なくとも部分的に溶融され、幾分かは後の工程で行われ、
ここで、ドローダウンの後にフィルムが熱延伸され、この時P1は固体状態であり、P2は実質的に溶融しており、P1が選択的に配向され、該熱延伸の方向において破壊伸びが少なくとも25%であるように延伸が行われ、該熱延伸は摩擦的保持装置の上をフィルムを引っ張ることにより行うことを特徴とする、
配向フィルムの製造方法。
【請求項2】
熱延伸の後に、両方の成分P1とP2が固体の状態でフィルムがさらに延伸され、生成されたフィルムが20℃で(ゆっくりとした引っ張りで)破壊伸びがすべての方向において少なくとも25%であるように延伸される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
フィブリルが平坦であり、平均厚さがほぼ1ミクロンまたはそれ以下であり、好ましくはほぼ0.5ミクロンまたはそれ以下であり、より好ましくはほぼ0.1ミクロンまたはそれ以下であり、平均幅がほぼ5ミクロンまたはそれ以下である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
フィブリルの断面寸法を減少させるために、押出中の溶融ブレンドが、押出装置の出口オリフィスのすぐ上流のチャンバー内に位置する少なくとも1つのスクリーンまたはグリッドを通過し、該チャンバーは出口オリフィスのギャップよりも高いギャップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
グリッドのそれぞれが溶融ブレンドのフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
グリッドのそれぞれの主な壁が傾き、それぞれがグリッドに入るフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのフローの主な表面に垂直な、装置の長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つのグリッドを有し、1つのグリッドの壁が、他のグリッドの壁と反対方向に傾いている、請求項6記載の方法。
【請求項9】
押出とP1とP2が溶融された状態でのブレンドのアテヌエーションに引き続き、フィルムが最初に冷却されP1とP2を固体化し、その後フィルムを空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の加熱体で加熱し、P1を個体に維持しつつ少なくとも部分的にP2を溶融し、その直後に、P1が個体で少なくとも部分的にP2を溶融したままで、フィルムをP1の選択的な配向に供し、続いてP2を固体化する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
摩擦的保持装置が、バー端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上のバーを有し、該1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持され、1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項1記載の方法。
【請求項11】
少なくとも押出からP2の固体化までの工程がインラインで行われ、ラインが冷却および引き続く加熱工程の間で作動するホールドバック装置を有し、好ましくはP2の固体化に続く工程も、その前の工程とともにインラインで行われる、請求項9記載の方法。
【請求項12】
フィルムが平坦なフィルムとして押出され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、冷却を提供することもできるローラー配置により確立される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
フィルムが押出から少なくともP2の最終の固体化までチューブ状の形体で形成され、処理され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、丸くされた端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上の円形リングにより確立され、該1つ又は複数のリングはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
フィルムの加熱が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
押出直後のフィルムが冷却されP1を固体化し、P2は溶融または半溶融状態にあり、さらにすぐに引き続いて、摩擦的保持装置の上でのP1の選択的な配向が、ポリマーのそのような状態で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
摩擦的保持装置が、端部の調節可能な弓長さを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる1以上の丸くされた端部を有するバーを有し、1つ又は複数のバーと1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記状態への冷却がフィルムの空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の冷却体により行われる、請求項15記載の方法。
【請求項18】
フィルムの冷却が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記のさらなる延伸が、フィルムの熱延伸と同じく長さ方向において行われる、請求項2記載の方法。
【請求項20】
異なる延伸プロセスのための条件の適当な選択により、および任意に押出されたブレンドへの細かく分散された破壊促進物質の添加により、完全な固体化の後の長さ方向の配向が、P1フィブリルの裂け目位置を作るように適合され、該位置またはその周辺でのP2の過剰な配向の裂け目に関連して、該位置は配向の方向と角度を有して直線的に伸びる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記のさらなる延伸が約50℃またはより低い温度で行われる、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記のさらなる延伸に引き続き、P1およびP2が固体の状態で横方向の延伸が、好ましくは長さ方向の同時の収縮を許容しつつ行われる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
長さ方向の収縮が、横方向の延伸の前にフィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記のさらなる延伸が先のフィルムの長さ方向の配向と横方向において行われ、好ましくはフィルムの該長さ方向における収縮が許容される、請求項2記載の方法。
【請求項25】
横方向の延伸の前にフィルムに横方向のプリーツを形成することにより収縮が達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
少量の表面層がブレンドの少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項1記載の方法。
【請求項27】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項1記載の方法。
【請求項28】
ポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項27記載の方法。
【請求項29】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項27または28記載の方法。
【請求項30】
上記の工程の後に、一軸または不均衡な配向を示すフィルムが、一軸または不均衡な二軸配向の同様に若しくは異なって製造された1以上のフィルムとラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項1記載の方法。
【請求項31】
上記の工程に加え、フィルムが長さ方向に配向した狭いテープに切断される、請求項1記載の方法。
【請求項32】
ポリマー物質P1’とポリマー物質P2’の緊密ブレンドが形成され、該ブレンドがダイを通して押出され、フローが出口ギャップを有する出口オリフィスを含むダイを通って流れる、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法であって、
出口オリフィスの上流にそれをブレンドが通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドはブレンド中のP1’またはP2’の分散された相の平均サイズを小さくするように選択されたサイズの開口を有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口ギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらにスクリーンとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ブレンドが通るギャップが、少なくともダイ出口のギャップへの道の一部で小さくなっている、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法。
【請求項33】
あるグリッドまたはグリッドのそれぞれが、フローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項32記載の方法。
【請求項34】
グリッドのそれぞれの主な壁が実質的に水平であり、グリッドに入るブレンドフローの主な表面に対してそれぞれが約10から約70度の間の角度を形成するように傾いている、請求項33記載の方法。
【請求項35】
角度、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのブレンドフローの主な表面に垂直な、ダイの長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項34記載の方法。
【請求項36】
少なくとも2つのグリッドを有し、グリッドに入るときのブレンドフローの方向に対して、それらは互いに反対方向に傾いている、請求項34記載の方法。
【請求項37】
ブレンドフローの少なくとも1つの側に共押出された表面層があり、好ましくは該フローが1つ又は複数のグリッドに出会う前にある、請求項32記載の方法。
【請求項38】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合およびアテヌエーションをすることによって相溶化される程度に非相溶性であり、20℃で、非配向状態でのP2’は、P1’の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合と押出の条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下、より好ましくは約0.1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらに少なくともP1’が固体化された後にフィルムが延伸される、請求項32記載の方法。
【請求項39】
前記延伸がフィブリルの方向の横方向であり、好ましくはフィルムは該延伸の間にフィブリルの方向での収縮が許容される、請求項38記載の方法。
【請求項40】
フィルムの横方向に細かなプリーツを付けることにより、収縮の可能性が導入される、請求項38記載の方法。
【請求項41】
フィブリルの方向に延伸した後に、フィブリルの方向の横方向に延伸する工程が行われ、後者は固体の状態で行われる、請求項40記載の方法。
【請求項42】
P1’がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2’が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項38記載の方法。
【請求項43】
ポリプロピレンがプロピレンの結晶性コポリマーである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
ポリエチレンがエチレンのコポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項42または43記載の方法。
【請求項45】
フィルムに強い一軸または不均衡な二軸配向が与えられ、引き続いて一軸または不均衡な二軸配向の、同様に又は異なるように製造された1以上のフィルムがラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項38記載の方法。
【請求項46】
引き続いてフィルムが狭い長さ方向に配向したテープに切断される、請求項38記載の方法。
【請求項47】
P1’が望ましいバリア特性を有するように選択され、P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合とエクステンションによって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることによりアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、請求項32記載の方法。
【請求項48】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合と押出によって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、
押出の前または押出の間に揮発性の発泡剤が加えられ、該発泡剤がP2’に可溶であるが一般にP1’には不溶性であり、押出の後に発泡が行われる、請求項32記載の方法。
【請求項49】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含む押出された配向フィルムであって、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、
それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であり、
a) P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、および/または
b) 配向フィルムはP1フィブリルの破壊の位置を示し、その位置は一般に線形に伸び、配向の方向に対して角をなしてしている、
配向フィルム。
【請求項50】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項49記載のフィルム。
【請求項51】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項50記載のフィルム。
【請求項52】
ポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項51記載のフィルム。
【請求項53】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項51記載のフィルム。
【請求項54】
他の配向フィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項49記載の押出されたフィルム。
【請求項55】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項49記載のフィルム。
【請求項56】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含む押出された配向フィルムであって、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらにP1が望ましいバリア特性を有するように選択される、押出された配向フィルム。
【請求項57】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項56記載のフィルム。
【請求項58】
P1がEVOH、塩化ビニリデンポリマー、またはポリアミドからなる、請求項5記載のフィルム。
【請求項59】
一軸または不均衡二軸配向され、他の配向フィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項56記載の押出されたフィルム。
【請求項60】
発泡剤の存在下で押出することにより作られるセル状に発泡したフィルムであって、フィルムは少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られ、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、セル状に発泡したフィルム。
【請求項61】
一軸または二軸配向され、他のフィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項60記載のフィルム。
【請求項62】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項60記載のフィルム。
【請求項63】
スプリットファイバー製品である、請求項60記載のフィルム。
【請求項64】
20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示す、請求項60から63のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項65】
P2がプロピレンまたはポリエチレンのコポリマーであり、好ましくはエチレンおよび他のアルファーオレフィンのコポリマーであり、好ましくはLLDPEである、請求項56から65のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項66】
アロイ中において、P1の重量割合が5から75%、好ましくは20から50%の範囲である、請求項56から66のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項67】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、
該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、さらに前記の第2の延伸手段の下流に延伸手段を含み、該第2の延伸手段と前記のさらなる延伸手段との間に追加の冷却する手段を有する装置。
【請求項68】
前記の摩擦デバイスに孔が提供されるか、または微多孔質の金属で作られ、空気を内部又は外部へ通過させ、それにより潤滑空気を提供し、デバイスと物質との間の摩擦を制御する、請求項67記載の装置。
【請求項69】
押出されたフローが通過する摩擦デバイスの上流にショック冷却部分を有し、その内部を通る冷却媒体の流れにより冷却される、請求項67または68記載の装置。
【請求項70】
ショック冷却部分と摩擦デバイスとの間に加熱手段を、物質の制御された加熱のために有する、請求項69記載の装置。
【請求項71】
加熱手段が、押出された物質の相対する2つの面の上に一対の固定された加熱ブロックを有する、請求項70記載の装置。
【請求項72】
ダイが出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーを有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスとの間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、請求項67から71のいずれか1項記載の装置。
【請求項73】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、装置。
【請求項74】
グリッドのそれぞれがフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項72または73記載の装置。
【請求項75】
グリッドのそれぞれの主な壁が実質的に平坦であり、傾き、それぞれがグリッドに入る押出物のフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項73または74記載の方法。
【請求項76】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときの押出物のフローの主な表面に垂直な、ダイの長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項75記載の装置。
【請求項77】
少なくとも2つのグリッドを有し、互いに反対方向に傾いている、請求項75または76記載の装置。
【請求項78】
押出物の少なくとも1つの側に表面層を共押出する手段を有する、請求項67から77のいずれか1項記載の装置。
【請求項79】
第2の延伸手段の下流で、押出されたフィルムを横方向に延伸する手段を有する、請求項67から78のいずれか1項記載の装置。
【請求項80】
横方向に延伸する手段の上流に、長さ方法にプリーツを付ける手段を有し、好ましくはその間を押出された物質が通過する一対のゴムベルトを有する、請求項79記載の装置。
【請求項81】
横方向に延伸する手段が、オーブンを有するテンターフレームを有する、請求項79または80記載の装置。
【請求項82】
前記オーブンが物質の相対する2つの面の上に配置された固定された加熱ブロックを有し、加熱手段、好ましくは電気加熱手段を有する、請求項81記載の装置。
【請求項83】
加熱ブロックの下流において、物質の少なくとも1つの側に冷却ブロックを有し、該冷却ブロックには冷却空気が通過するためのチャンネルが提供され、好ましくは冷却ブロックは微多孔質の金属で作られ、そのため該チャンネルは押出された物質の面するブロックの表面と流体連絡を有する、請求項82記載の装置。
【請求項84】
加熱ブロックは微多孔質の金属で作られ、加熱された空気が通過するためのチャンネルと流体連絡を有し、それにより加熱された空気が、それらの間を通過する物質に向いた表面からブロックから出てゆき、それらの間の物質の通過を潤滑する、請求項82または83記載の装置。
【請求項85】
さらなる延伸手段が長さ方向の延伸手段であり、装置が好ましくは該長さ方向の延伸の前に物質中に横方向のプリーツを付けるプリーティング手段を含む、請求項67から72のいずれか1項記載の装置。
【請求項86】
ラミネーションステーションを有し、この中で第2のシート物質が押出物とラミネートされ、該ラミネーションステーションは好ましくは長さ方向の冷延伸手段の上流に存在する、請求項85記載の装置。
【請求項87】
物質をチューブ状に押出ための押出ダイが環状であり、さらに該第2の延伸ステーションの下流でラミネーションステーションの上流に螺旋切断手段を有し、ここで物質のチューブは螺旋状に切断され、押出された物質の2層が、配向の主方向が互いに角度を有するように互いにラミネートされる、請求項86記載の装置。
【請求項88】
押出ダイが平坦なダイである、請求項67から86のいずれか1項記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のブレンドを形成し、ここで両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、機械的に決定したP1の融点は、機械的に決定したP2の融点よりも少なくとも20℃高く、
ブレンドを伸張してフィルムを形成し、該フィルムを延伸し、
ここで、ポリマーは延伸されたフィルム中において別個の相として存在し、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、
配向したフィルムはP2により取り囲まれたP1のフィブリルの分散体であるポリマーのアロイを含み、
ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であるような幅と厚さを有し、
フィルムの押出の後にドローダウンによりフィルムのさらなる延伸が幾分か行われ、この時両方の成分は少なくとも部分的に溶融され、幾分かは後の工程で行われ、
ここで、ドローダウンの後にフィルムが熱延伸され、この時P1は固体状態であり、P2は実質的に溶融または半溶融しており、P1が選択的に配向され、20℃においてゆっくりと引っ張りを行ったときの該熱延伸の方向における破壊伸びが少なくとも25%であるように延伸が行われ、該熱延伸は摩擦的保持装置の上をフィルムを引っ張ることにより行うことを特徴とする、
配向フィルムの製造方法。
【請求項2】
熱延伸の後に、両方の成分P1とP2が固体の状態でフィルムがさらに延伸され、好ましくは生成されたフィルムが20℃で(ゆっくりとした引っ張りで)破壊伸びがすべての方向において少なくとも25%であるように延伸される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
フィブリルが平坦であり、平均厚さがほぼ1ミクロンまたはそれ以下であり、好ましくはほぼ0.5ミクロンまたはそれ以下であり、より好ましくはほぼ0.1ミクロンまたはそれ以下であり、平均幅がほぼ5ミクロンまたはそれ以下である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
フィブリルの断面寸法を減少させるために、押出中の溶融ブレンドが、押出装置の出口オリフィスのすぐ上流のチャンバー内に位置する少なくとも1つのスクリーンまたはグリッドを通過し、該チャンバーは出口オリフィスのギャップよりも高いギャップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
グリッドのそれぞれが溶融ブレンドのフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
グリッドのそれぞれの主な壁が傾き、それぞれがグリッドに入るフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのフローの主な表面に垂直な、装置の長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つのグリッドを有し、1つのグリッドの壁が、他のグリッドの壁と反対方向に傾いている、請求項6記載の方法。
【請求項9】
押出とP1とP2が溶融された状態でのブレンドのアテヌエーションに引き続き、フィルムが最初に冷却されP1とP2を固体化し、その後フィルムを空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の加熱体で加熱し、P1を個体に維持しつつ少なくとも部分的にP2を溶融し、その直後に、P1が個体で、P2を溶融または少なくとも部分的に溶融したままで、フィルムをP1の選択的な配向に供し、続いてP2を固体化する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
摩擦的保持装置が、バー端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上のバーを有し、該1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持され、1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項1記載の方法。
【請求項11】
少なくとも押出からP2の固体化までの工程がインラインで行われ、ラインが冷却および引き続く加熱工程の間で作動するホールドバック装置を有し、好ましくはP2の固体化に続く工程も、その前の工程とともにインラインで行われる、請求項9記載の方法。
【請求項12】
フィルムが平坦なフィルムとして押出され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、冷却を提供することもできるローラー配置により確立される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
フィルムが押出から少なくともP2の最終の固体化までチューブ状の形体で形成され、処理され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、丸くされた端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上の円形リングにより確立され、該1つ又は複数のリングはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
フィルムの加熱が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
押出直後のフィルムが冷却されP1を固体化し、P2は溶融または半溶融状態にあり、さらにすぐに引き続いて、摩擦的保持装置の上でのP1の選択的な配向が、ポリマーのそのような状態で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
摩擦的保持装置が、端部の調節可能な弓長さを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる1以上の丸くされた端部を有するバーを有し、1つ又は複数のバーと1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記状態への冷却がフィルムの空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の冷却体により行われる、請求項15記載の方法。
【請求項18】
フィルムの冷却が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記のさらなる延伸が、フィルムの熱延伸と同じく長さ方向において行われる、請求項2記載の方法。
【請求項20】
異なる延伸プロセスのための条件の適当な選択により、および任意に押出されたブレンドへの細かく分散された破壊促進物質の添加により、完全な固体化の後の長さ方向の配向が、P1フィブリルの裂け目位置を作るように適合され、該位置またはその周辺でのP2の過剰な配向の裂け目に関連して、該位置は配向の方向と角度を有して直線的に伸びる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記のさらなる延伸が約50℃またはより低い温度で行われる、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記のさらなる延伸に引き続き、P1およびP2が固体の状態で横方向の延伸が、好ましくは長さ方向の同時の収縮を許容しつつ行われる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
長さ方向の収縮が、横方向の延伸の前にフィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記のさらなる延伸が先のフィルムの長さ方向の配向と横方向において行われ、好ましくはフィルムの該長さ方向における収縮が許容される、請求項2記載の方法。
【請求項25】
横方向の延伸の前にフィルムに横方向のプリーツを形成することにより収縮が達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
少量の表面層がブレンドの少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項1記載の方法。
【請求項27】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項1記載の方法。
【請求項28】
P1のためのポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項27記載の方法。
【請求項29】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項27または28記載の方法。
【請求項30】
上記の工程の後に、一軸または不均衡な配向を示すフィルムが、一軸または不均衡な二軸配向の同様に若しくは異なって製造された1以上のフィルムとラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項1記載の方法。
【請求項31】
上記の工程に加え、フィルムが長さ方向に配向した狭いテープに切断される、請求項1記載の方法。
【請求項32】
ポリマー物質P1’とポリマー物質P2’の緊密ブレンドが形成され、該ブレンドがダイを通して押出され、押出されたフィルムが押出後に延伸され、フローが出口ギャップを有する出口オリフィスを含むダイを通って流れる、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法であって、
出口オリフィスの上流にそれをブレンドが通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドは、(フローの主表面に垂直な長さ方向のセクションにおいて)フローの方向に数ミリ伸びた複数の壁を有する少なくとも4つの近接して離隔したラメラを有し、該ラメラの間にブレンド中のP1’またはP2’の分散された相の平均サイズを小さくするように選択されたサイズの開口を有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口ギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらにスクリーンとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ブレンドが通るギャップが、少なくともダイ出口のギャップへの道の一部で小さくなっている、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法。
【請求項33】
それぞれのグリッド中のラメラが、グリッドに入るブレンドフローの主表面に対して約10から約70度の間の角度を形成するように傾いている、請求項32記載の方法。
【請求項34】
それぞれのグリッド中のラメラが実質的に水平である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
ラメラがグリッドに入るときのフローに実質的に平行である、請求項33記載の方法。
【請求項36】
少なくとも2つのグリッドを有し、グリッドに入るときのブレンドフローの方向に対して、それらは互いに反対方向に傾いている、請求項34記載の方法。
【請求項37】
ブレンドフローの少なくとも1つの側に共押出された表面層があり、好ましくは該フローが1つ又は複数のグリッドに出会う前にある、請求項32記載の方法。
【請求項38】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合およびアテヌエーションをすることによって相溶化される程度に非相溶性であり、20℃で、非配向状態でのP2’は、P1’の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合と押出の条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下、より好ましくは約0.1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらに少なくともP1’が固体化された後にフィルムが延伸される、請求項32記載の方法。
【請求項39】
前記延伸がフィブリルの方向の横方向であり、好ましくはフィルムは該延伸の間にフィブリルの方向での収縮が許容される、請求項38記載の方法。
【請求項40】
フィルムの横方向に細かなプリーツを付けることにより、収縮の可能性が導入される、請求項38記載の方法。
【請求項41】
フィブリルの方向に延伸した後に、フィブリルの方向の横方向に延伸する工程が行われ、後者は固体の状態で行われる、請求項40記載の方法。
【請求項42】
P1’がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2’が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項38記載の方法。
【請求項43】
P1のためのポリプロピレンがプロピレンの結晶性コポリマーである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
ポリエチレンがエチレンのコポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項42または43記載の方法。
【請求項45】
フィルムに強い一軸または不均衡な二軸配向が与えられ、引き続いて一軸または不均衡な二軸配向の、同様に又は異なるように製造された1以上のフィルムがラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項38記載の方法。
【請求項46】
引き続いてフィルムが狭い長さ方向に配向したテープに切断される、請求項38記載の方法。
【請求項47】
P1’が望ましいバリア特性を有するように選択され、P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合とエクステンションによって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることによりP2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、請求項32記載の方法。
【請求項48】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合と押出によって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、
押出の前または押出の間に揮発性の発泡剤が加えられ、該発泡剤がP2’に可溶であるが一般にP1’には不溶性であり、押出の後に発泡が行われる、請求項32記載の方法。
【請求項49】
配向の主方向が互いに直交するように、他の配向フィルムと積層された直交積層の形体、またはロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体の押出された配向フィルムであって、
該フィルムは少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含み、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、
それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であり、
a) P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、および/または
b) 配向フィルムはP1フィブリルの破壊の位置を示し、その位置は一般に線形に伸び、配向の方向に対して角をなしてしている、
配向フィルム。
【請求項50】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項49記載のフィルム。
【請求項51】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項49記載のフィルム。
【請求項52】
ポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項51記載のフィルム。
【請求項53】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項51記載のフィルム。
【請求項54】
直交積層である、請求項49記載の押出されたフィルム。
【請求項55】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項49記載のフィルム。
【請求項56】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含む押出された配向フィルムであって、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、最終のフィルム中で別個の相として存在するが、実用的な目的のためには十分な程度に相溶化される程度に非相溶性であり、P2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらにP1が望ましいバリア特性を有するように選択され、さらにフィルムの主表面に垂直な長さ方向の断面に少なくとも4つのダイラインを有する、押出された配向フィルム。
【請求項57】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項56記載のフィルム。
【請求項58】
P1がEVOH、塩化ビニリデンコポリマー、またはポリアミドからなる、請求項5記載のフィルム。
【請求項59】
一軸または不均衡二軸配向され、他の配向フィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項56記載の押出されたフィルム。
【請求項60】
発泡剤の存在下で押出することにより作られるセル状に発泡したフィルムであって、フィルムは少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られ、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、セル状に発泡したフィルム。
【請求項61】
一軸または二軸配向され、他のフィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項60記載のフィルム。
【請求項62】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項60記載のフィルム。
【請求項63】
スプリットファイバー製品である、請求項60記載のフィルム。
【請求項64】
20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示す、請求項60から63のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項65】
P2がプロピレンまたはポリエチレンのコポリマーであり、好ましくはエチレンおよび他のアルファーオレフィンのコポリマーであり、好ましくはLLDPEである、請求項56から65のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項66】
アロイ中において、P1の重量割合が5から75%、好ましくは20から50%の範囲である、請求項56から66のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項67】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、
該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、さらに前記の第2の延伸手段の下流に延伸手段を含み、該第2の延伸手段と前記のさらなる延伸手段との間に追加の冷却する手段を有する装置。
【請求項68】
前記の摩擦デバイスに孔が提供されるか、または微多孔質の金属で作られ、空気を内部又は外部へ通過させ、それにより潤滑空気を提供し、デバイスと物質との間の摩擦を制御する、請求項67記載の装置。
【請求項69】
押出されたフローが通過する摩擦デバイスの上流にショック冷却部分を有し、その内部を通る冷却媒体の流れにより冷却される、請求項67または68記載の装置。
【請求項70】
ショック冷却部分と摩擦デバイスとの間に加熱手段を、物質の制御された加熱のために有する、請求項69記載の装置。
【請求項71】
加熱手段が、押出された物質の相対する2つの面の上に一対の固定された加熱ブロックを有する、請求項70記載の装置。
【請求項72】
ダイが出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーを有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスとの間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、請求項67から71のいずれか1項記載の装置。
【請求項73】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、装置。
【請求項74】
グリッドのそれぞれがフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項72または73記載の装置。
【請求項75】
グリッドのそれぞれの主な壁が実質的に平坦であり、傾き、それぞれがグリッドに入る押出物のフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項73または74記載の方法。
【請求項76】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときの押出物のフローの主な表面に垂直な、ダイの長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項75記載の装置。
【請求項77】
少なくとも2つのグリッドを有し、互いに反対方向に傾いている、請求項75または76記載の装置。
【請求項78】
押出物の少なくとも1つの側に表面層を共押出する手段を有する、請求項67から77のいずれか1項記載の装置。
【請求項79】
第2の延伸手段の下流で、押出されたフィルムを横方向に延伸する手段を有する、請求項67から78のいずれか1項記載の装置。
【請求項80】
横方向に延伸する手段の上流に、長さ方法にプリーツを付ける手段を有し、好ましくはその間を押出された物質が通過する一対のゴムベルトを有する、請求項79記載の装置。
【請求項81】
横方向に延伸する手段が、オーブンを有するテンターフレームを有する、請求項79または80記載の装置。
【請求項82】
前記オーブンが物質の相対する2つの面の上に配置された固定された加熱ブロックを有し、加熱手段、好ましくは電気加熱手段を有する、請求項81記載の装置。
【請求項83】
加熱ブロックの下流において、物質の少なくとも1つの側に冷却ブロックを有し、該冷却ブロックには冷却空気が通過するためのチャンネルが提供され、好ましくは冷却ブロックは微多孔質の金属で作られ、そのため該チャンネルは押出された物質の面するブロックの表面と流体連絡を有する、請求項82記載の装置。
【請求項84】
加熱ブロックは微多孔質の金属で作られ、加熱された空気が通過するためのチャンネルと流体連絡を有し、それにより加熱された空気が、それらの間を通過する物質に向いた表面からブロックから出てゆき、それらの間の物質の通過を潤滑する、請求項82または83記載の装置。
【請求項85】
さらなる延伸手段が長さ方向の延伸手段であり、装置が好ましくは該長さ方向の延伸の前に物質中に横方向のプリーツを付けるプリーティング手段を含む、請求項67から72のいずれか1項記載の装置。
【請求項86】
ラミネーションステーションを有し、この中で第2のシート物質が押出物とラミネートされ、該ラミネーションステーションは好ましくは長さ方向の冷延伸手段の上流に存在する、請求項85記載の装置。
【請求項87】
物質をチューブ状に押出ための押出ダイが環状であり、さらに該第2の延伸ステーションの下流でラミネーションステーションの上流に螺旋切断手段を有し、ここで物質のチューブは螺旋状に切断され、押出された物質の2層が、配向の主方向が互いに角度を有するように互いにラミネートされる、請求項86記載の装置。
【請求項88】
押出ダイが平坦なダイである、請求項67から86のいずれか1項記載の装置。
【請求項89】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に物質を延伸する延伸手段を含み、
ダイが出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーを有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスの間にギャップが減少する部分を有し、ここではギャップが出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっており、またそれぞれのグリッドは(フローの主表面に垂直な長さ方向のセクションにおいて)溶融物質のフローの方向に数ミリ伸びた複数の壁を有する少なくとも4つの近接して離隔したラメラを有し、開口を有するラメラの間を溶融物質が流れることができる、装置。
【請求項90】
それぞれのグリッド内のラメラが傾き、グリッドに入る押出物フローの主表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項89記載の装置。
【請求項91】
ラメラが実質的に平坦であり、好ましくはグリッドに入るときのフローに実質的に平行である、請求項90記載の装置。
【請求項92】
互いに反対の方向に傾いている少なくとも2つのグリッドを有する、請求項90または91記載の装置。
【請求項93】
押出物の少なくとも1つの側で、表面層を共押出する手段を有する、請求項89から92のいずれか1項記載の装置。
【請求項94】
押出ダイが環状ダイであり、物質のチューブが押出される、請求項89から93のいずれか1項記載の装置。
【請求項95】
押出ダイが平坦なダイである、請求項89から93のいずれか1項記載の装置。
【請求項96】
フィブリルの幅が厚さの少なくとも10倍である、請求項49a、56または60記載のフィルム。
【請求項97】
フィルムの主表面に垂直な長さ方向の断面が、少なくとも4つのダイラインを有する、請求項49記載のフィルム。
【請求項1】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のブレンドを形成し、ここで両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、機械的に決定したP1の融点は、機械的に決定したP2の融点よりも少なくとも20℃高く、
ブレンドを伸張してフィルムを形成し、該フィルムを延伸し、
ここで、ポリマーは延伸されたフィルム中において別個の相として存在し、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、
配向したフィルムはP2により取り囲まれたP1のフィブリルの分散体であるポリマーのアロイを含み、
ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であるような幅と厚さを有し、
フィルムの押出の後にドローダウンによりフィルムのさらなる延伸が幾分か行われ、この時両方の成分は少なくとも部分的に溶融され、幾分かは後の工程で行われ、
ここで、ドローダウンの後にフィルムが熱延伸され、この時P1は固体状態であり、P2は実質的に溶融しており、P1が選択的に配向され、該熱延伸の方向において破壊伸びが少なくとも25%であるように延伸が行われ、該熱延伸は摩擦的保持装置の上をフィルムを引っ張ることにより行うことを特徴とする、
配向フィルムの製造方法。
【請求項2】
熱延伸の後に、両方の成分P1とP2が固体の状態でフィルムがさらに延伸され、生成されたフィルムが20℃で(ゆっくりとした引っ張りで)破壊伸びがすべての方向において少なくとも25%であるように延伸される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
フィブリルが平坦であり、平均厚さがほぼ1ミクロンまたはそれ以下であり、好ましくはほぼ0.5ミクロンまたはそれ以下であり、より好ましくはほぼ0.1ミクロンまたはそれ以下であり、平均幅がほぼ5ミクロンまたはそれ以下である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
フィブリルの断面寸法を減少させるために、押出中の溶融ブレンドが、押出装置の出口オリフィスのすぐ上流のチャンバー内に位置する少なくとも1つのスクリーンまたはグリッドを通過し、該チャンバーは出口オリフィスのギャップよりも高いギャップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
グリッドのそれぞれが溶融ブレンドのフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
グリッドのそれぞれの主な壁が傾き、それぞれがグリッドに入るフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのフローの主な表面に垂直な、装置の長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つのグリッドを有し、1つのグリッドの壁が、他のグリッドの壁と反対方向に傾いている、請求項6記載の方法。
【請求項9】
押出とP1とP2が溶融された状態でのブレンドのアテヌエーションに引き続き、フィルムが最初に冷却されP1とP2を固体化し、その後フィルムを空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の加熱体で加熱し、P1を個体に維持しつつ少なくとも部分的にP2を溶融し、その直後に、P1が個体で少なくとも部分的にP2を溶融したままで、フィルムをP1の選択的な配向に供し、続いてP2を固体化する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
摩擦的保持装置が、バー端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上のバーを有し、該1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持され、1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項1記載の方法。
【請求項11】
少なくとも押出からP2の固体化までの工程がインラインで行われ、ラインが冷却および引き続く加熱工程の間で作動するホールドバック装置を有し、好ましくはP2の固体化に続く工程も、その前の工程とともにインラインで行われる、請求項9記載の方法。
【請求項12】
フィルムが平坦なフィルムとして押出され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、冷却を提供することもできるローラー配置により確立される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
フィルムが押出から少なくともP2の最終の固体化までチューブ状の形体で形成され、処理され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、丸くされた端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上の円形リングにより確立され、該1つ又は複数のリングはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
フィルムの加熱が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
押出直後のフィルムが冷却されP1を固体化し、P2は溶融または半溶融状態にあり、さらにすぐに引き続いて、摩擦的保持装置の上でのP1の選択的な配向が、ポリマーのそのような状態で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
摩擦的保持装置が、端部の調節可能な弓長さを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる1以上の丸くされた端部を有するバーを有し、1つ又は複数のバーと1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記状態への冷却がフィルムの空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の冷却体により行われる、請求項15記載の方法。
【請求項18】
フィルムの冷却が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記のさらなる延伸が、フィルムの熱延伸と同じく長さ方向において行われる、請求項2記載の方法。
【請求項20】
異なる延伸プロセスのための条件の適当な選択により、および任意に押出されたブレンドへの細かく分散された破壊促進物質の添加により、完全な固体化の後の長さ方向の配向が、P1フィブリルの裂け目位置を作るように適合され、該位置またはその周辺でのP2の過剰な配向の裂け目に関連して、該位置は配向の方向と角度を有して直線的に伸びる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記のさらなる延伸が約50℃またはより低い温度で行われる、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記のさらなる延伸に引き続き、P1およびP2が固体の状態で横方向の延伸が、好ましくは長さ方向の同時の収縮を許容しつつ行われる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
長さ方向の収縮が、横方向の延伸の前にフィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記のさらなる延伸が先のフィルムの長さ方向の配向と横方向において行われ、好ましくはフィルムの該長さ方向における収縮が許容される、請求項2記載の方法。
【請求項25】
横方向の延伸の前にフィルムに横方向のプリーツを形成することにより収縮が達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
少量の表面層がブレンドの少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項1記載の方法。
【請求項27】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項1記載の方法。
【請求項28】
ポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項27記載の方法。
【請求項29】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項27または28記載の方法。
【請求項30】
上記の工程の後に、一軸または不均衡な配向を示すフィルムが、一軸または不均衡な二軸配向の同様に若しくは異なって製造された1以上のフィルムとラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項1記載の方法。
【請求項31】
上記の工程に加え、フィルムが長さ方向に配向した狭いテープに切断される、請求項1記載の方法。
【請求項32】
ポリマー物質P1’とポリマー物質P2’の緊密ブレンドが形成され、該ブレンドがダイを通して押出され、フローが出口ギャップを有する出口オリフィスを含むダイを通って流れる、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法であって、
出口オリフィスの上流にそれをブレンドが通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドはブレンド中のP1’またはP2’の分散された相の平均サイズを小さくするように選択されたサイズの開口を有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口ギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらにスクリーンとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ブレンドが通るギャップが、少なくともダイ出口のギャップへの道の一部で小さくなっている、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法。
【請求項33】
あるグリッドまたはグリッドのそれぞれが、フローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項32記載の方法。
【請求項34】
グリッドのそれぞれの主な壁が実質的に水平であり、グリッドに入るブレンドフローの主な表面に対してそれぞれが約10から約70度の間の角度を形成するように傾いている、請求項33記載の方法。
【請求項35】
角度、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのブレンドフローの主な表面に垂直な、ダイの長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項34記載の方法。
【請求項36】
少なくとも2つのグリッドを有し、グリッドに入るときのブレンドフローの方向に対して、それらは互いに反対方向に傾いている、請求項34記載の方法。
【請求項37】
ブレンドフローの少なくとも1つの側に共押出された表面層があり、好ましくは該フローが1つ又は複数のグリッドに出会う前にある、請求項32記載の方法。
【請求項38】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合およびアテヌエーションをすることによって相溶化される程度に非相溶性であり、20℃で、非配向状態でのP2’は、P1’の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合と押出の条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下、より好ましくは約0.1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらに少なくともP1’が固体化された後にフィルムが延伸される、請求項32記載の方法。
【請求項39】
前記延伸がフィブリルの方向の横方向であり、好ましくはフィルムは該延伸の間にフィブリルの方向での収縮が許容される、請求項38記載の方法。
【請求項40】
フィルムの横方向に細かなプリーツを付けることにより、収縮の可能性が導入される、請求項38記載の方法。
【請求項41】
フィブリルの方向に延伸した後に、フィブリルの方向の横方向に延伸する工程が行われ、後者は固体の状態で行われる、請求項40記載の方法。
【請求項42】
P1’がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2’が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項38記載の方法。
【請求項43】
ポリプロピレンがプロピレンの結晶性コポリマーである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
ポリエチレンがエチレンのコポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項42または43記載の方法。
【請求項45】
フィルムに強い一軸または不均衡な二軸配向が与えられ、引き続いて一軸または不均衡な二軸配向の、同様に又は異なるように製造された1以上のフィルムがラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項38記載の方法。
【請求項46】
引き続いてフィルムが狭い長さ方向に配向したテープに切断される、請求項38記載の方法。
【請求項47】
P1’が望ましいバリア特性を有するように選択され、P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合とエクステンションによって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることによりアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、請求項32記載の方法。
【請求項48】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合と押出によって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、
押出の前または押出の間に揮発性の発泡剤が加えられ、該発泡剤がP2’に可溶であるが一般にP1’には不溶性であり、押出の後に発泡が行われる、請求項32記載の方法。
【請求項49】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含む押出された配向フィルムであって、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、
それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であり、
a) P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、および/または
b) 配向フィルムはP1フィブリルの破壊の位置を示し、その位置は一般に線形に伸び、配向の方向に対して角をなしてしている、
配向フィルム。
【請求項50】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項49記載のフィルム。
【請求項51】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項50記載のフィルム。
【請求項52】
ポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項51記載のフィルム。
【請求項53】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項51記載のフィルム。
【請求項54】
他の配向フィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項49記載の押出されたフィルム。
【請求項55】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項49記載のフィルム。
【請求項56】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含む押出された配向フィルムであって、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらにP1が望ましいバリア特性を有するように選択される、押出された配向フィルム。
【請求項57】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項56記載のフィルム。
【請求項58】
P1がEVOH、塩化ビニリデンポリマー、またはポリアミドからなる、請求項5記載のフィルム。
【請求項59】
一軸または不均衡二軸配向され、他の配向フィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項56記載の押出されたフィルム。
【請求項60】
発泡剤の存在下で押出することにより作られるセル状に発泡したフィルムであって、フィルムは少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られ、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、セル状に発泡したフィルム。
【請求項61】
一軸または二軸配向され、他のフィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項60記載のフィルム。
【請求項62】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項60記載のフィルム。
【請求項63】
スプリットファイバー製品である、請求項60記載のフィルム。
【請求項64】
20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示す、請求項60から63のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項65】
P2がプロピレンまたはポリエチレンのコポリマーであり、好ましくはエチレンおよび他のアルファーオレフィンのコポリマーであり、好ましくはLLDPEである、請求項56から65のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項66】
アロイ中において、P1の重量割合が5から75%、好ましくは20から50%の範囲である、請求項56から66のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項67】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、
該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、さらに前記の第2の延伸手段の下流に延伸手段を含み、該第2の延伸手段と前記のさらなる延伸手段との間に追加の冷却する手段を有する装置。
【請求項68】
前記の摩擦デバイスに孔が提供されるか、または微多孔質の金属で作られ、空気を内部又は外部へ通過させ、それにより潤滑空気を提供し、デバイスと物質との間の摩擦を制御する、請求項67記載の装置。
【請求項69】
押出されたフローが通過する摩擦デバイスの上流にショック冷却部分を有し、その内部を通る冷却媒体の流れにより冷却される、請求項67または68記載の装置。
【請求項70】
ショック冷却部分と摩擦デバイスとの間に加熱手段を、物質の制御された加熱のために有する、請求項69記載の装置。
【請求項71】
加熱手段が、押出された物質の相対する2つの面の上に一対の固定された加熱ブロックを有する、請求項70記載の装置。
【請求項72】
ダイが出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーを有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスとの間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、請求項67から71のいずれか1項記載の装置。
【請求項73】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、装置。
【請求項74】
グリッドのそれぞれがフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項72または73記載の装置。
【請求項75】
グリッドのそれぞれの主な壁が実質的に平坦であり、傾き、それぞれがグリッドに入る押出物のフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項73または74記載の方法。
【請求項76】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときの押出物のフローの主な表面に垂直な、ダイの長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項75記載の装置。
【請求項77】
少なくとも2つのグリッドを有し、互いに反対方向に傾いている、請求項75または76記載の装置。
【請求項78】
押出物の少なくとも1つの側に表面層を共押出する手段を有する、請求項67から77のいずれか1項記載の装置。
【請求項79】
第2の延伸手段の下流で、押出されたフィルムを横方向に延伸する手段を有する、請求項67から78のいずれか1項記載の装置。
【請求項80】
横方向に延伸する手段の上流に、長さ方法にプリーツを付ける手段を有し、好ましくはその間を押出された物質が通過する一対のゴムベルトを有する、請求項79記載の装置。
【請求項81】
横方向に延伸する手段が、オーブンを有するテンターフレームを有する、請求項79または80記載の装置。
【請求項82】
前記オーブンが物質の相対する2つの面の上に配置された固定された加熱ブロックを有し、加熱手段、好ましくは電気加熱手段を有する、請求項81記載の装置。
【請求項83】
加熱ブロックの下流において、物質の少なくとも1つの側に冷却ブロックを有し、該冷却ブロックには冷却空気が通過するためのチャンネルが提供され、好ましくは冷却ブロックは微多孔質の金属で作られ、そのため該チャンネルは押出された物質の面するブロックの表面と流体連絡を有する、請求項82記載の装置。
【請求項84】
加熱ブロックは微多孔質の金属で作られ、加熱された空気が通過するためのチャンネルと流体連絡を有し、それにより加熱された空気が、それらの間を通過する物質に向いた表面からブロックから出てゆき、それらの間の物質の通過を潤滑する、請求項82または83記載の装置。
【請求項85】
さらなる延伸手段が長さ方向の延伸手段であり、装置が好ましくは該長さ方向の延伸の前に物質中に横方向のプリーツを付けるプリーティング手段を含む、請求項67から72のいずれか1項記載の装置。
【請求項86】
ラミネーションステーションを有し、この中で第2のシート物質が押出物とラミネートされ、該ラミネーションステーションは好ましくは長さ方向の冷延伸手段の上流に存在する、請求項85記載の装置。
【請求項87】
物質をチューブ状に押出ための押出ダイが環状であり、さらに該第2の延伸ステーションの下流でラミネーションステーションの上流に螺旋切断手段を有し、ここで物質のチューブは螺旋状に切断され、押出された物質の2層が、配向の主方向が互いに角度を有するように互いにラミネートされる、請求項86記載の装置。
【請求項88】
押出ダイが平坦なダイである、請求項67から86のいずれか1項記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のブレンドを形成し、ここで両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、機械的に決定したP1の融点は、機械的に決定したP2の融点よりも少なくとも20℃高く、
ブレンドを伸張してフィルムを形成し、該フィルムを延伸し、
ここで、ポリマーは延伸されたフィルム中において別個の相として存在し、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、
配向したフィルムはP2により取り囲まれたP1のフィブリルの分散体であるポリマーのアロイを含み、
ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であるような幅と厚さを有し、
フィルムの押出の後にドローダウンによりフィルムのさらなる延伸が幾分か行われ、この時両方の成分は少なくとも部分的に溶融され、幾分かは後の工程で行われ、
ここで、ドローダウンの後にフィルムが熱延伸され、この時P1は固体状態であり、P2は実質的に溶融または半溶融しており、P1が選択的に配向され、20℃においてゆっくりと引っ張りを行ったときの該熱延伸の方向における破壊伸びが少なくとも25%であるように延伸が行われ、該熱延伸は摩擦的保持装置の上をフィルムを引っ張ることにより行うことを特徴とする、
配向フィルムの製造方法。
【請求項2】
熱延伸の後に、両方の成分P1とP2が固体の状態でフィルムがさらに延伸され、好ましくは生成されたフィルムが20℃で(ゆっくりとした引っ張りで)破壊伸びがすべての方向において少なくとも25%であるように延伸される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
フィブリルが平坦であり、平均厚さがほぼ1ミクロンまたはそれ以下であり、好ましくはほぼ0.5ミクロンまたはそれ以下であり、より好ましくはほぼ0.1ミクロンまたはそれ以下であり、平均幅がほぼ5ミクロンまたはそれ以下である、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
フィブリルの断面寸法を減少させるために、押出中の溶融ブレンドが、押出装置の出口オリフィスのすぐ上流のチャンバー内に位置する少なくとも1つのスクリーンまたはグリッドを通過し、該チャンバーは出口オリフィスのギャップよりも高いギャップを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
グリッドのそれぞれが溶融ブレンドのフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
グリッドのそれぞれの主な壁が傾き、それぞれがグリッドに入るフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときのフローの主な表面に垂直な、装置の長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項6記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つのグリッドを有し、1つのグリッドの壁が、他のグリッドの壁と反対方向に傾いている、請求項6記載の方法。
【請求項9】
押出とP1とP2が溶融された状態でのブレンドのアテヌエーションに引き続き、フィルムが最初に冷却されP1とP2を固体化し、その後フィルムを空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の加熱体で加熱し、P1を個体に維持しつつ少なくとも部分的にP2を溶融し、その直後に、P1が個体で、P2を溶融または少なくとも部分的に溶融したままで、フィルムをP1の選択的な配向に供し、続いてP2を固体化する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
摩擦的保持装置が、バー端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上のバーを有し、該1つ又は複数のバーはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持され、1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項1記載の方法。
【請求項11】
少なくとも押出からP2の固体化までの工程がインラインで行われ、ラインが冷却および引き続く加熱工程の間で作動するホールドバック装置を有し、好ましくはP2の固体化に続く工程も、その前の工程とともにインラインで行われる、請求項9記載の方法。
【請求項12】
フィルムが平坦なフィルムとして押出され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、冷却を提供することもできるローラー配置により確立される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
フィルムが押出から少なくともP2の最終の固体化までチューブ状の形体で形成され、処理され、冷却および引き続く加熱工程の間の制御されたホールドバックが、丸くされた端部の調節可能なアークを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる丸くされた端部を有する1以上の円形リングにより確立され、該1つ又は複数のリングはフィルムが1つ又は複数の端部に固着するのを防ぐ温度に維持される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
フィルムの加熱が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項11記載の方法。
【請求項15】
押出直後のフィルムが冷却されP1を固体化し、P2は溶融または半溶融状態にあり、さらにすぐに引き続いて、摩擦的保持装置の上でのP1の選択的な配向が、ポリマーのそのような状態で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
摩擦的保持装置が、端部の調節可能な弓長さを追随しつつその上をフィルムが引っ張られる1以上の丸くされた端部を有するバーを有し、1つ又は複数のバーと1つ又は複数の端部と接触しつつ移動する距離がP2が完全に固体化するのを防止するように適合されている、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記状態への冷却がフィルムの空気潤滑エンゲージメントにおいて、制御された温度の冷却体により行われる、請求項15記載の方法。
【請求項18】
フィルムの冷却が空気潤滑エンゲージメントにおいて2つの加熱体で行われ、該加熱体はフィルムのそれぞれの側に1つずつ提供され、該加熱体の間の距離は好ましくは調製可能である、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記のさらなる延伸が、フィルムの熱延伸と同じく長さ方向において行われる、請求項2記載の方法。
【請求項20】
異なる延伸プロセスのための条件の適当な選択により、および任意に押出されたブレンドへの細かく分散された破壊促進物質の添加により、完全な固体化の後の長さ方向の配向が、P1フィブリルの裂け目位置を作るように適合され、該位置またはその周辺でのP2の過剰な配向の裂け目に関連して、該位置は配向の方向と角度を有して直線的に伸びる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記のさらなる延伸が約50℃またはより低い温度で行われる、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記のさらなる延伸に引き続き、P1およびP2が固体の状態で横方向の延伸が、好ましくは長さ方向の同時の収縮を許容しつつ行われる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
長さ方向の収縮が、横方向の延伸の前にフィルム中に横方向のプリーツを形成することにより達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記のさらなる延伸が先のフィルムの長さ方向の配向と横方向において行われ、好ましくはフィルムの該長さ方向における収縮が許容される、請求項2記載の方法。
【請求項25】
横方向の延伸の前にフィルムに横方向のプリーツを形成することにより収縮が達成され、後者はテンターフレーム手段により行われる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
少量の表面層がブレンドの少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項1記載の方法。
【請求項27】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項1記載の方法。
【請求項28】
P1のためのポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項27記載の方法。
【請求項29】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項27または28記載の方法。
【請求項30】
上記の工程の後に、一軸または不均衡な配向を示すフィルムが、一軸または不均衡な二軸配向の同様に若しくは異なって製造された1以上のフィルムとラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項1記載の方法。
【請求項31】
上記の工程に加え、フィルムが長さ方向に配向した狭いテープに切断される、請求項1記載の方法。
【請求項32】
ポリマー物質P1’とポリマー物質P2’の緊密ブレンドが形成され、該ブレンドがダイを通して押出され、押出されたフィルムが押出後に延伸され、フローが出口ギャップを有する出口オリフィスを含むダイを通って流れる、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法であって、
出口オリフィスの上流にそれをブレンドが通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドは、(フローの主表面に垂直な長さ方向のセクションにおいて)フローの方向に数ミリ伸びた複数の壁を有する少なくとも4つの近接して離隔したラメラを有し、該ラメラの間にブレンド中のP1’またはP2’の分散された相の平均サイズを小さくするように選択されたサイズの開口を有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口ギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらにスクリーンとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ブレンドが通るギャップが、少なくともダイ出口のギャップへの道の一部で小さくなっている、熱可塑性ポリマーアロイのフィルムまたはシート形成方法。
【請求項33】
それぞれのグリッド中のラメラが、グリッドに入るブレンドフローの主表面に対して約10から約70度の間の角度を形成するように傾いている、請求項32記載の方法。
【請求項34】
それぞれのグリッド中のラメラが実質的に水平である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
ラメラがグリッドに入るときのフローに実質的に平行である、請求項33記載の方法。
【請求項36】
少なくとも2つのグリッドを有し、グリッドに入るときのブレンドフローの方向に対して、それらは互いに反対方向に傾いている、請求項34記載の方法。
【請求項37】
ブレンドフローの少なくとも1つの側に共押出された表面層があり、好ましくは該フローが1つ又は複数のグリッドに出会う前にある、請求項32記載の方法。
【請求項38】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合およびアテヌエーションをすることによって相溶化される程度に非相溶性であり、20℃で、非配向状態でのP2’は、P1’の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合と押出の条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下、より好ましくは約0.1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらに少なくともP1’が固体化された後にフィルムが延伸される、請求項32記載の方法。
【請求項39】
前記延伸がフィブリルの方向の横方向であり、好ましくはフィルムは該延伸の間にフィブリルの方向での収縮が許容される、請求項38記載の方法。
【請求項40】
フィルムの横方向に細かなプリーツを付けることにより、収縮の可能性が導入される、請求項38記載の方法。
【請求項41】
フィブリルの方向に延伸した後に、フィブリルの方向の横方向に延伸する工程が行われ、後者は固体の状態で行われる、請求項40記載の方法。
【請求項42】
P1’がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2’が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項38記載の方法。
【請求項43】
P1のためのポリプロピレンがプロピレンの結晶性コポリマーである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
ポリエチレンがエチレンのコポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項42または43記載の方法。
【請求項45】
フィルムに強い一軸または不均衡な二軸配向が与えられ、引き続いて一軸または不均衡な二軸配向の、同様に又は異なるように製造された1以上のフィルムがラミネートされ、フィルムの主配向方向が互いに直交するように配置される、請求項38記載の方法。
【請求項46】
引き続いてフィルムが狭い長さ方向に配向したテープに切断される、請求項38記載の方法。
【請求項47】
P1’が望ましいバリア特性を有するように選択され、P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合とエクステンションによって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることによりP2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、請求項32記載の方法。
【請求項48】
P1’とP2’は最終のフィルム中で別個の相として存在するが、アロイ化剤の使用によって、あるいは機械的に十分な混合と押出によって相溶化される程度に非相溶性であり、必須ではないが好ましくは機械的に決定したP1’の融点は、機械的に決定したP2’の融点よりも少なくとも20℃高く、
レオロジー的条件、成分のパーセント、および混合とアテヌエーションの条件を適合させることにより、P2’により取り囲まれた、顕微鏡的に微少なP1’のフィブリルまたはフィブリルネットワークのディスパージョンがアロイ中に形成され、ここでそれぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、約5ミクロン程度またはそれ以下、好ましくは約1ミクロン程度またはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、
押出の前または押出の間に揮発性の発泡剤が加えられ、該発泡剤がP2’に可溶であるが一般にP1’には不溶性であり、押出の後に発泡が行われる、請求項32記載の方法。
【請求項49】
配向の主方向が互いに直交するように、他の配向フィルムと積層された直交積層の形体、またはロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体の押出された配向フィルムであって、
該フィルムは少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含み、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示し、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、
それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、一般に幅と厚さの2つの寸法の平均が5ミクロン程度、またはそれ以下であり、
a) P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、および/または
b) 配向フィルムはP1フィブリルの破壊の位置を示し、その位置は一般に線形に伸び、配向の方向に対して角をなしてしている、
配向フィルム。
【請求項50】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項49記載のフィルム。
【請求項51】
P1がポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンテレフタレートからなり、P2が主としてプロピレンコポリマーまたはポリエチレンからなる、請求項49記載のフィルム。
【請求項52】
ポリプロピレンが、プロピレンの結晶性コポリマーである、請求項51記載のフィルム。
【請求項53】
ポリエチレンがエチレンの結晶性コポリマーであり、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項51記載のフィルム。
【請求項54】
直交積層である、請求項49記載の押出されたフィルム。
【請求項55】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項49記載のフィルム。
【請求項56】
少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイの層を含む押出された配向フィルムであって、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、最終のフィルム中で別個の相として存在するが、実用的な目的のためには十分な程度に相溶化される程度に非相溶性であり、P2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、一般にフィルムの主表面と並行で、一般に約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有し、さらにP1が望ましいバリア特性を有するように選択され、さらにフィルムの主表面に垂直な長さ方向の断面に少なくとも4つのダイラインを有する、押出された配向フィルム。
【請求項57】
少量の表面層がアロイ層の少なくとも1つの面の上に共押出され、結合特性を向上させ、および/またはフィルムの摩擦特性を改良する、請求項56記載のフィルム。
【請求項58】
P1がEVOH、塩化ビニリデンコポリマー、またはポリアミドからなる、請求項5記載のフィルム。
【請求項59】
一軸または不均衡二軸配向され、他の配向フィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項56記載の押出されたフィルム。
【請求項60】
発泡剤の存在下で押出することにより作られるセル状に発泡したフィルムであって、フィルムは少なくとも2つのポリマーP1およびP2のアロイから作られ、
両方のポリマーは100℃以下において少なくとも部分的に結晶性であり、アロイはP2により取り囲まれたP1の顕微鏡的に細かなフィブリルもしくはフィブリルのネットワークの分散体を含み、それぞれのフィブリルは主として1つの方向に伸び、
P1フィブリルは平坦で、約1ミクロンまたはそれ以下の厚さと、厚さの少なくとも5倍の幅を有する、セル状に発泡したフィルム。
【請求項61】
一軸または二軸配向され、他のフィルムとラミネートされ、主な配向方向が互いに直交する、請求項60記載のフィルム。
【請求項62】
ロープ、縒るか又は織られたテープ製品の形体である、請求項60記載のフィルム。
【請求項63】
スプリットファイバー製品である、請求項60記載のフィルム。
【請求項64】
20℃において非配向状態でのP2は、P1の弾性率(E)よりも少なくとも15%低い弾性率を示す、請求項60から63のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項65】
P2がプロピレンまたはポリエチレンのコポリマーであり、好ましくはエチレンおよび他のアルファーオレフィンのコポリマーであり、好ましくはLLDPEである、請求項56から65のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項66】
アロイ中において、P1の重量割合が5から75%、好ましくは20から50%の範囲である、請求項56から66のいずれか1項記載のフィルム。
【請求項67】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、
該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、さらに前記の第2の延伸手段の下流に延伸手段を含み、該第2の延伸手段と前記のさらなる延伸手段との間に追加の冷却する手段を有する装置。
【請求項68】
前記の摩擦デバイスに孔が提供されるか、または微多孔質の金属で作られ、空気を内部又は外部へ通過させ、それにより潤滑空気を提供し、デバイスと物質との間の摩擦を制御する、請求項67記載の装置。
【請求項69】
押出されたフローが通過する摩擦デバイスの上流にショック冷却部分を有し、その内部を通る冷却媒体の流れにより冷却される、請求項67または68記載の装置。
【請求項70】
ショック冷却部分と摩擦デバイスとの間に加熱手段を、物質の制御された加熱のために有する、請求項69記載の装置。
【請求項71】
加熱手段が、押出された物質の相対する2つの面の上に一対の固定された加熱ブロックを有する、請求項70記載の装置。
【請求項72】
ダイが出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーを有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスとの間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、請求項67から71のいずれか1項記載の装置。
【請求項73】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に少なくとも2つの工程により物質を延伸する延伸手段を含み、その最初の工程では物質は第1の延伸手段により長さ方向に高温で延伸され、第二の工程では第2の延伸手段により長さ方向に低温で延伸され、さらに2つの延伸手段の間に押出された物質を冷却する手段を有し、該冷却する手段が、押出された物質と接触するように配置された摩擦デバイスを含み、出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーが提供され、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドとダイ出口の間にギャップが減少する部分を有し、ギャップが、少なくとも1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっている、装置。
【請求項74】
グリッドのそれぞれがフローの方向に数ミリ伸びる壁を有する、請求項72または73記載の装置。
【請求項75】
グリッドのそれぞれの主な壁が実質的に平坦であり、傾き、それぞれがグリッドに入る押出物のフローの主な表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項73または74記載の方法。
【請求項76】
傾き、壁の厚さおよび壁の間の距離が、グリッドに入るときの押出物のフローの主な表面に垂直な、ダイの長さ方向のセクション内で、少なくとも4つのそのような壁が存在するようにされる、請求項75記載の装置。
【請求項77】
少なくとも2つのグリッドを有し、互いに反対方向に傾いている、請求項75または76記載の装置。
【請求項78】
押出物の少なくとも1つの側に表面層を共押出する手段を有する、請求項67から77のいずれか1項記載の装置。
【請求項79】
第2の延伸手段の下流で、押出されたフィルムを横方向に延伸する手段を有する、請求項67から78のいずれか1項記載の装置。
【請求項80】
横方向に延伸する手段の上流に、長さ方法にプリーツを付ける手段を有し、好ましくはその間を押出された物質が通過する一対のゴムベルトを有する、請求項79記載の装置。
【請求項81】
横方向に延伸する手段が、オーブンを有するテンターフレームを有する、請求項79または80記載の装置。
【請求項82】
前記オーブンが物質の相対する2つの面の上に配置された固定された加熱ブロックを有し、加熱手段、好ましくは電気加熱手段を有する、請求項81記載の装置。
【請求項83】
加熱ブロックの下流において、物質の少なくとも1つの側に冷却ブロックを有し、該冷却ブロックには冷却空気が通過するためのチャンネルが提供され、好ましくは冷却ブロックは微多孔質の金属で作られ、そのため該チャンネルは押出された物質の面するブロックの表面と流体連絡を有する、請求項82記載の装置。
【請求項84】
加熱ブロックは微多孔質の金属で作られ、加熱された空気が通過するためのチャンネルと流体連絡を有し、それにより加熱された空気が、それらの間を通過する物質に向いた表面からブロックから出てゆき、それらの間の物質の通過を潤滑する、請求項82または83記載の装置。
【請求項85】
さらなる延伸手段が長さ方向の延伸手段であり、装置が好ましくは該長さ方向の延伸の前に物質中に横方向のプリーツを付けるプリーティング手段を含む、請求項67から72のいずれか1項記載の装置。
【請求項86】
ラミネーションステーションを有し、この中で第2のシート物質が押出物とラミネートされ、該ラミネーションステーションは好ましくは長さ方向の冷延伸手段の上流に存在する、請求項85記載の装置。
【請求項87】
物質をチューブ状に押出ための押出ダイが環状であり、さらに該第2の延伸ステーションの下流でラミネーションステーションの上流に螺旋切断手段を有し、ここで物質のチューブは螺旋状に切断され、押出された物質の2層が、配向の主方向が互いに角度を有するように互いにラミネートされる、請求項86記載の装置。
【請求項88】
押出ダイが平坦なダイである、請求項67から86のいずれか1項記載の装置。
【請求項89】
熱可塑性物質の押出のための装置であって、
溶融物質がそれを通って流れる出口オリフィスを有するダイ、および押出された後に物質を延伸する延伸手段を含み、
ダイが出口オリフィスの上流にそれを押出物が通過する1以上のグリッドを有するグリッドチャンバーを有し、1つ又は複数のグリッドはチャンバー中の出口オリフィスギャップよりも広いギャップを有する位置にあり、グリッドチャンバーはさらに1つ又は複数のグリッドと出口オリフィスの間にギャップが減少する部分を有し、ここではギャップが出口オリフィスのギャップへの道の一部で小さくなっており、またそれぞれのグリッドは(フローの主表面に垂直な長さ方向のセクションにおいて)溶融物質のフローの方向に数ミリ伸びた複数の壁を有する少なくとも4つの近接して離隔したラメラを有し、開口を有するラメラの間を溶融物質が流れることができる、装置。
【請求項90】
それぞれのグリッド内のラメラが傾き、グリッドに入る押出物フローの主表面に対して約10から約70度の間の角度を形成する、請求項89記載の装置。
【請求項91】
ラメラが実質的に平坦であり、好ましくはグリッドに入るときのフローに実質的に平行である、請求項90記載の装置。
【請求項92】
互いに反対の方向に傾いている少なくとも2つのグリッドを有する、請求項90または91記載の装置。
【請求項93】
押出物の少なくとも1つの側で、表面層を共押出する手段を有する、請求項89から92のいずれか1項記載の装置。
【請求項94】
押出ダイが環状ダイであり、物質のチューブが押出される、請求項89から93のいずれか1項記載の装置。
【請求項95】
押出ダイが平坦なダイである、請求項89から93のいずれか1項記載の装置。
【請求項96】
フィブリルの幅が厚さの少なくとも10倍である、請求項49a、56または60記載のフィルム。
【請求項97】
フィルムの主表面に垂直な長さ方向の断面が、少なくとも4つのダイラインを有する、請求項49記載のフィルム。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【公表番号】特表2006−524150(P2006−524150A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505359(P2006−505359)
【出願日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004687
【国際公開番号】WO2004/094129
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(501445553)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月26日(2004.4.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004687
【国際公開番号】WO2004/094129
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(501445553)
【Fターム(参考)】
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