説明

アロエを含有したわらび餅およびその製造方法

【課題】 日常生活の中で味覚を楽しみながら気軽に食することにより、糖尿病や高血圧症、その他の様々な疾病の予防または症状の緩和を、意識せずに継続的に行うことができる形態のわらび餅と、そのわらび餅の製造方法を提供する。
【解決手段】寒天粉とワラビ粉と小麦粉から成る主材料と、抹茶と甘味料から成る補助材料と、アロエと青汁の両方またはアロエの単独から成る健康促進材料とを、加熱混練してわらび餅を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然界に存在する植物を利用して、糖尿病や高血圧症、その他の様々な疾病の予防または症状の緩和を実現し、併せて体質改善や健康増進にも寄与するように設けたわらび餅に係るものであり、さらに詳しくは、利用植物としてアロエを採用した形態のわらび餅と、そのわらび餅の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自然界に存在する植物を利用して、糖尿病や高血圧症、その他の様々な疾病の予防または症状の緩和を実現するように構成された食品は、従来から数多く提供されている。例えば、血糖値の降下を目的として、あじさいの新芽葉やアマチャの葉等を含有して製造される健康食品あるいは健康菓子がある(特許文献1参照)。また消化管内での食物残渣から生じる有害な腐敗産物による人体の悪影響を抑制して、健康や美容を維持増進できるように、アロエ葉肉や寒天を含有して製造された健康食品もあった(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−97061号公報
【特許文献2】特願2008−542191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の健康食品および健康菓子は、例えば餅を製造する際に、あじさいの新芽葉等を手揉みで微砕化し、これを餅の材料に適宜配合して製造するようになっていて、あじさいの葉が緑色がかって点々と散りばめられた外観と独特の風味を有しているので、消費者の好みに必ずしも合致しない場合があるとともに、夏用の和菓子としてはあまり適当ではないので、一年を通して継続的に食することが困難であるという欠点があった。
【0005】
また上記特許文献2に記載されたアロエおよび寒天を含有した健康食品は、消化管の通過時間を改善して温和に便秘を改善させるようになっており、いわば薬剤の代用として飲用されるものであって、日常生活の中で味覚を楽しみながら気軽に食することにより、意識せずに所望の効果をもたらすことは想定されていない。
【0006】
そこで本発明は、均一な美しい緑色に着色された外観およびわらび餅特有の優れた食感を備えて成る和菓子であって、日常生活の中で味覚を楽しみながら気軽に食することにより、糖尿病や高血圧症、その他の様々な疾病の予防または症状の緩和を、意識せずに継続的に行うことができるように構成されたアロエ含有のわらび餅と、そのわらび餅の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するために以下のような技術的手段を講ずるものである。
すなわち本発明における請求項1は、寒天粉とワラビ粉と小麦粉から成る主材料と、抹茶と甘味料から成る補助材料と、自然界に存在する植物から成る健康促進材料とを用いて製造されるわらび餅であって、前記した健康促進材料としてアロエと青汁の両方を使用するか、またはアロエの単独を使用することを特徴とするものである。
【0008】
本発明における請求項2は、寒天粉とワラビ粉と小麦粉から成る主材料と、抹茶と甘味料から成る補助材料と、自然界に存在する植物から成る健康促進材料とを加熱混練して製造されるわらび餅の製造方法であって、前記健康促進材料としてアロエを使用するとともに、そのアロエを液汁様にしてろ過する工程と、小麦粉と抹茶を水を介して撹拌混合する工程と、総ての材料を合わせて加熱混練した後に型容器に流し込む工程とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0009】
本発明における請求項3は、請求項2に記載したアロエを含有したわらび餅の製造方法において、上記した健康促進材料としてアロエと青汁の両方を使用するとともに、総ての材料を合わせて加熱混練する際に、該青汁を混入することを特徴とするものである。
【0010】
以上のように本発明においては、アロエと青汁の両方を含有させたわらび餅の製造と、アロエのみを含有させたわらび餅の製造を選択することができるので、青汁の風味を好まない消費者に対して、アロエのみを含有したわらび餅を提供することも可能である。
【発明の効果】
【0011】
アロエや青汁に様々な効能が備わっていることは既に周知の事実である。
まずアロエについて説明すれば、アロエを食すると身体の免疫力を高めることができ、糖尿病や高血圧症、肥満等の生活習慣病や身体の老化現象に対して顕著な予防および症状の緩和効果を発揮することができる。またアロエには殺菌消炎作用や皮膚の柔軟化作用、頭皮の活性化作用等もあるので、アトピー性皮膚炎の改善や美肌効果、頭皮疾患(薄毛、禿など)の回復にも大きく貢献するものである。
【0012】
また青汁には、鉄分、食物繊維、ビタミンC等が豊富に含まれており、新陳代謝の促進作用、動脈硬化の予防作用、ダイエット作用等に顕著な効能を有するものである。
【0013】
したがって本発明に成るわらび餅には、上記したアロエや青汁が有する様々な効能を備えているので、アロエの効能と青汁の効能が相乗的に発揮されて、糖尿病や高血圧症などの症状の緩和や予防等を、より効果的且つ効率的に行うことができるとともに、味覚を楽しむ和菓子として日常生活の中で気軽に食するのみで、意識せずに多種多様な症状に対応することができるという特筆すべき効果を奏するものである。
【0014】
なおまた本発明のわらび餅には、抹茶および青汁によって均一な美しい緑色が付与されているので、外観が美麗で食感にも優れているという長所があり、また夏期に冷やして食すれば非常に美味であるので、季節に関わりなくアロエの効能を継続的に実現することができるという長所もある。
【0015】
さらに本発明の製造方法において、アロエや青汁をわらび餅に混入する手段が極めて簡単であるので、一般家庭や小規模商店の手造り製造から工場における大規模製造に至るまで、その規模を問わずに、アロエ含有のわらび餅を迅速容易に製造することができるとともに、構造の複雑な設備を必要としないので、低コストで安価な製品を市場に提供することができるという利点もある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明で製造されるわらび餅について詳細に説明するが、本発明では、下記に記載した材料を用いて製造されるものである。
アロエ 400重量部
水 900重量部
抹茶 5重量部
寒天粉 25重量部
青汁 24重量部
ワラビ粉 90重量部
小麦粉 40重量部
ノンシュガー甘味料(液状) 350重量部
【0017】
上記の各材料のうち、寒天粉とワラビ粉と小麦粉は、一般的な公知のわらび餅の製造にも用いられる基本的な材料(本発明では主材料と称する)であり、また抹茶と液状のノンシュガー甘味料は、わらび餅に味や風味を付与するための補助的な材料(本発明では補助材料と称する)である。なおこれらの各材料は、従来のわらび餅の製造に使用される一般的なものを使用するので、詳しい説明は省略する。また本発明では甘み成分として液状のノンシュガー甘味料を用いるようになっていて、糖尿病等のリスクが高い砂糖は使用しない構成となっている。
【0018】
上記したわらび餅の製造材料のうち、主材料および補助材料を除いたアロエと青汁が、本発明の主眼となる健康促進材料である。この場合のアロエは、肉厚状の細長い葉の外周に棘を有した形状のユリ科の多年草であるので、使用前に、あらかじめ棘を取り除いて洗浄しておくようにする。また青汁としては、大麦若葉粉末や明日葉を主原料とし、必要に応じてケールやゴーヤー等も併用して製造される公知の青汁を用いるものとする。
【0019】
なお本発明で使用する健康促進材料において、アロエと青汁の両方を使用するようにすればアロエの効能と青汁の効能が相乗的に発揮されるので、発明の目的を達成するために非常に好適であるが、場合によってはアロエのみを単独で使用し、青汁を除外して製造するようにする。
【0020】
続いて、本発明で製造するアロエを含有したわらび餅の製造方法について説明するが、まず製造の前段階として、上記の各材料をそれぞれの比率で計量して準備しておくようにする。(使用材料の準備)
【0021】
次に、アロエ400重量部に対して500重量部に計量された水の中に約2〜3cm程度の輪切り状にカットしたアロエを投入し、ミキサーを用いて1分〜2分程度撹拌すると液汁様に変化させることができるので、その液汁様のものを、茶こし状の器具や織り目の大きな布等の適宜なろ過具を用いてろ過する。この場合に、本発明ではアロエの小片をミキサーにかけて液汁様にする方法を用いたが、アロエを液汁様にすることができれば、如何なる方法を採用しても差し支えない。(アロエの調合)
【0022】
また別途に準備した小麦粉40重量部と抹茶5重量部を、残りの水400重量部を介して撹拌混合する。(抹茶風味の調合)
【0023】
続いて、大気開放型の鍋または釜の中に、上記したアロエのろ過液、小麦粉と抹茶の混合液、その他の材料(寒天粉、ワラビ粉、液状のノンシュガー甘味料、青汁)を総て収容し、中火で約7分〜8分程度加熱し、収容した材料がゾル状に変化を始めたら約10分〜15分程度撹拌混練を行うようにする。(加熱混練)
【0024】
なおこの実施形態は、健康促進材料としてアロエと青汁の両方を使用する形態であるので、上記した加熱混練工程で青汁を混入する構成とするが、青汁を使用しない形態の場合は、加熱混練工程で青汁を混入しないものとする。
【0025】
上記した各工程を経てゾル状に形成された材料は型容器に流し入れられ、水道水などを介して冷却され、所定形状に成形されるが、このようにして成形されたわらび餅は、一般的に市販されているわらび餅と同様に、計量、充填、包装等の手順を経て市場に提供される。(成形および仕上げ)
【0026】
本発明は以上に説明したように、使用材料の準備工程→アロエの調合工程→抹茶風味の調合工程→加熱混練工程→成形および仕上げ工程を経て製造されるわらび餅である。また一般的に市販されているわらび餅と本発明のわらび餅を比較した場合に、本発明では、アロエと青汁の成分またはアロエの単独成分がわらび餅に含有されているので、糖尿病や高血圧症などの症状の緩和や予防、体質改善や健康増進を実現することができるとともに、味覚を楽しむ和菓子として日常生活の中で気軽に食するのみで、意識せずに多種多様な症状に対応することができるという点が最大の特徴である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
寒天粉とワラビ粉と小麦粉から成る主材料と、抹茶と甘味料から成る補助材料と、自然界に存在する植物から成る健康促進材料とを用いて製造されるわらび餅であって、前記した健康促進材料としてアロエと青汁の両方を使用するか、またはアロエの単独を使用することを特徴とするアロエを含有したわらび餅。
【請求項2】
寒天粉とワラビ粉と小麦粉から成る主材料と、抹茶と甘味料から成る補助材料と、自然界に存在する植物から成る健康促進材料とを加熱混練して製造されるわらび餅の製造方法であって、前記健康促進材料としてアロエを使用するとともに、そのアロエを液汁様にしてろ過する工程と、小麦粉と抹茶を水を介して撹拌混合する工程と、総ての材料を合わせて加熱混練した後に型容器に流し込む工程とを備えて成ることを特徴とするアロエを含有したわらび餅の製造方法。
【請求項3】
上記した健康促進材料としてアロエと青汁を使用するとともに、総ての材料を合わせて加熱混練する際に、該青汁を混入することを特徴とする請求項2に記載のアロエを含有したわらび餅の製造方法。

【公開番号】特開2013−42754(P2013−42754A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199980(P2011−199980)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(511224025)
【Fターム(参考)】