説明

アロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置

【課題】マイナスイオン発生器のストレス低減効果や疲労回復効果をさらに高めるとともにリラックス効果や癒やし効果をもたらすアロマ芳香を発生することができるアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置を提供する。また、ま不必要な時はアロマ芳香の発生を中断できるアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置を提供する。
【解決手段】電子放射式マイナスイオン発生装置とアロマ含浸剤収容容器が開閉できるアロマ芳香発生装置を組み合わせ、電池電源と電源スイッチ1−6、電子放射式マイナスイオン発生部と該発生部より発生したマイナスイオンを送り出すための送風路を有した送風装置とを備え、前記送風路にアロマ剤等の薬剤含浸部材を配置した構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、われわれの生活を取り巻く環境において、自動車の排気ガスやほこり、ばい煙によって空気が汚染されてくると大気中にはプラスイオンが増加し、体がだるくなったり不調を感じさせるようになると言われている。
【0003】
一方、雨が勢い良く降ったり、大気中の湿度が少ない時はすがすがしさを感じさせ、このときは大気中にマイナスイオンが増えているという事実が確認されている。
【0004】
このマイナスイオンは細胞の活性化を促進し、精神を安定化し、疲労回復効果すなわち自己治癒力を高める効果があり、ダニや細菌などには殺菌力が効いたり、花粉などのアレルゲンに対しては刺激を低減させたりする効果があるとされている。
【0005】
また、マイナスイオンの精神安定化効果や疲労回復効果は現代社会に生活する我々を取り巻く各種のストレスを癒やすという効果に繋がることも期待できる。
【0006】
上記のような浮遊細菌や花粉を取り除くために、空気清浄機や空気調節機が開発されているが、室内のような閉鎖空間用であり、屋外で使用することはできない。
【0007】
現在屋外で活動する場合にはもっぱらマスクが用いられるが、大気を完全に遮断することが難しく、活動時に息苦しさを感ずるという欠点がある。
【0008】
一方、屋外において上記マスクに頼らない方法として、小型のマイナスイオン発生器を携帯して周囲の空気を浄化する方法がある。これは、大気中に浮遊する細菌等を、イオン発生器からのマイナスイオンが取り囲んで不活性殺菌する効果があるといわれている。
【0009】
このような携帯型マイナスイオン発生装置に利用できるマイナスイオン発生方法としては、電気放電による方法やトルマリン等の天然鉱石を用いる方法が知られている。
【0010】
上記電気放電方式にはコロナ放電方式と電子放射方式が知られているが、コロナ放電方式では人体に有害なオゾンを発生する恐れがあるため電子放射方式が有望である。
【0011】
上記のような携帯型マイナスイオン発生器としては特許文献1,2に開示されるものに代表される先行技術思想がある。しかし、発生されたマイナスイオンは無味無臭のため、該発生器を携行する使用者には、果たしてマイナスイオンが正常に発生しており効果を発揮しているのかをはっきり認識することができない。
【0012】
特許文献3に開示されるのは、イオン発生と共にアロマ芳香を発生させる携行型発生器に係る技術思想であり、マイナスイオン発生をアロマの芳香で確認でき、更にアロマの癒し効果とマイナスイオンの相乗効果が期待できる優れた考案である。
【0013】
しかし、当該文献に開示される方法では、トルマリンやレアアース鉱石のような鉱物に送風するだけなので多量のイオン発生は期待できない。また、アロマの芳香は万人に好まれるものではないため多人数が集まる人ごみや劇場等では他人に迷惑がかかる恐れがあることから使用が制限されてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000−157639号公報
【特許文献2】特開2005−38731号公報
【特許文献3】特開2004−242737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前述のように、個人が簡単に携帯でき、各種効果のあるマイナスイオンを携帯者の周囲に大量に発生させると同時にマイナスイオンの発生を確認できるようアロマも同時に発生できる機能を有し、かつ、不必要なときはアロマの発生のみを中止できるアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置を実現することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような各課題を解決する本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置は、(請求項1)の如く、マイナスイオン発生器と発生したマイナスイオンを吸気口からの外気を携帯者呼吸器付近の排気口に送風する送風機と、マイナスイオンを排気口に導くための送風路と、送風路中にアロマ剤のような液材を含浸した部材を設置することによりマイナスイオンとアロマの芳香を同時に携帯者に供給することができるアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置とすることができる。
【0017】
また、(請求項2)の如く、送風路中のアロマ含浸部材は開閉可能な容器中に設置しており、該容器は容器の蓋を外部より開閉することができ、開の場合はアロマ含浸部材が送風路中に露出してマイナスイオンとともにアロマ芳香を排気口から放出し、該容器の蓋が閉の場合はアロマ含浸部材には送風が当たらないよう遮断されるようにしてもよい。
【0018】
更に、(請求項3)の如く、上記アロマ含浸部材は外部より交換可能な構造としてもよい。
【0019】
また、(請求項4)の如く、外部電源接続端子を有し、室内での固定使用のような場合には電池の消耗を避けるため外部の電源やパソコンのUSB電源を用いるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0020】
以上、説明したように、本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置を携行することにより、マイナスイオンによる肩こりやイライラ感を軽減するストレス軽減効果、疲労を回復させたり夜良く眠れるような疲労軽減効果、リラックス効果が得られる。
【0021】
また、マイナスイオンとともに発生するアロマ芳香により上記効果をさらに促進し、精神を落ち着かせて癒やしの効果をもたらすものである。
【0022】
さらに、含浸剤としてアロマの代わりにアレルギー低減薬剤を含浸させれば、ストレス低減等の効果に加えて花粉症等のアレルギー反応抑制効果も得られる。
【0023】
さらに、含浸剤として殺虫剤を用いてカやハエを寄せ付けないという効果を期待することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の一実施例を試作した製品の概要図である。
【図2】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の一実施例を携行する場合の概略図である。
【図3】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の一実施例の内部構造を示す概略図である。
【図4】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の一実施例のブロックダイヤグラムである。
【図5】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の含浸部材収容容器の一実施例説明図である。
【図6】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の別の実施例を試作した製品の概要図である。
【図7】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の図6に示す実施例の内部構造を示す概略図である。
【図8】本発明に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置の図6に示す実施例の含浸部材収容容器の実施例説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を主略する箇所については公知技術によるものとする。
【0026】
図1は本発明の一実施形態に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置1−1の概略図である。
【0027】
マイナスイオン発生部とアロマ発生部はケース1−2に収容されており、ケース1−2の前面には空気取り入れ口1−3があり、該取り入れ口から取り入れられた空気はマイナスイオンとアロマ芳香が添加され、空気排出口1−4から排出される。
【0028】
また、ケース1−2の側面には電源スイッチ1−6とアロマ芳香を添加するか否かをON/OFFするアロマON/OFFレバー1−8とアロマ含浸剤を挿入する挿入口1−7および外部電源接続端子1−9が設置されている。
【0029】
さらに、ケース1−2の上部には吊り金具1−5が設けられており、ここに吊り紐1−10を結び、図2のごとく首から下げれば空気排出口1−4からのマイナスイオンとアロマが使用者2−1の鼻腔と口付近に到達するようにできる。
【0030】
図3は本発明の一実施形態に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置1−1の内部構造の概略図である。ケース1−2下部には電源電池3−1が収容され、空気取り入れ口1−3の後ろには空気中の埃等が入り込まないようなフィルター3−10(図示省略)が設置され、その後ろにファンモーターに代表される送風装置3−3がある。
【0031】
本発明の一実施形態に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置1−1の電源スイッチ1−6をONにすると送風装置3−3が動作して、空気取り入れ口1−3から取り込まれた空気は、送風路3−4を通って上方のマイナスイオン発生部3−5の脇を通り、該発生部3−5の上方に設置された放電針3−6の周辺で発生したマイナスイオンが添加され送風路3−7を通ってさらに上方に送られる。
【0032】
送風路3−7中にはアロマ発生部3−8があり、アロマON/OFFレバー1−8がONの場合は後述の通りアロマ発生部3−8が開状態となり、アロマ含浸剤が送風路3−7中に露出してアロマ芳香が送風空気に添加され、前記マイナスイオンとともにマイナスイオン+アロマ芳香空気として空気放出口1−4より放出される。
【0033】
マイナスイオンだけを添加された空気は無味無臭であり、周囲の人に迷惑をかけることはないが、アロマ芳香が添加された場合は周囲の人に迷惑となる場合がある。この場合はアロマON/OFFレバー1−8をOFFとすればアロマ発生部3−8は密閉されて送風空気にはアロマ芳香は添加されない。
【0034】
図4は本発明の一実施形態に係るアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置1−1の動作を説明するブロックダイヤグラムである。電池電源3−1あるいは外部電源端子1−9からの電源が電源スイッチ1−6でONとなると、電子放射方式のマイナスイオン発生部3−5と送風装置3−3に印加される。なお、外部電源端子1−9は、通常のDCアダプター用のジャックでもパソコン用のUSBジャックでも良く、デスクワーク時には内蔵電池の消耗を避けるため本端子より外部電源やパソコンUSB電源を入力してやることができる。
【0035】
マイナスイオン発生部3−5はブロッキング発振回路等で構成されるパルス発生回路4−1で発生されたパルスがコックロフト・ウオルトン回路等で構成される昇圧回路4−2によって昇圧され、マイナス電極回路4−3の放電針3−6から放電が行われ、周囲の空気をマイナスイオン化する。
【0036】
マイナスイオン発生部3−5の動作とともに送風装置3−3が動作し、外部の空気を取り入れ口1−3からフィルター3−10を通して取り入れる。取り入れられた空気は送風路3−4を通って放電針3−6付近に発生するマイナスイオンとともに送風路3−7に設置されているアロマ発生部3−8を経由してアロマ芳香が添加され空気放出口1−4から放出される。アロマ発生部3−8はアロマ含浸部材を収容する収容容器4−6とアロマ含浸部材4−5とを備えて構成される。
【0037】
次に、図5を用いてアロマ発生部3−8について説明する。5−aはアロマ含浸部材を収容する収容容器4−6が閉の状態の概略図である。該収容容器4−6は5−bに示す内筒5−3と5−cに示すレバー5−1が付いた外筒5−4から構成される。内筒5−3はケース1−2に対して固定であり、筒の上下に約90度の切欠き5−5と5−6とがある。
【0038】
一方外筒5−4は5−3と同様な切欠き5−7と5−8とを有し、内筒5−3の外側を摺動するように設置されている。すなわち、ケース1−2の側面の切欠き5−2から突出した外筒5−4のレバー5−1を回転させることにより、互いの切欠き部が重なったときには収容容器4−6の上下が開状態となり、収容容器4−6に収容された5−dに示すアロマ含浸部材4−5が送風路3−7中に露出する。逆に、切欠き部が全く重ならないようにレバー5−1を設定すれば、収容容器4−6は密閉状態となり、アロマ含浸部材4−6は送風路3−7から遮断される。なお、アロマ含浸部材4−5はアロマ薬剤等を含浸できるような、繊維素材や織物、紙、吸水性ポリマー、多孔質素材等で構成される。
【0039】
図6、7、8は、アロマ発生の別の方法を説明する図である。図6では図1に示すアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置1−1の裏面にアロマ発生部を設置したような形態とした例である。ケース1−2の裏面にアロマ含浸部材6−3を収容する収容容器6−1を設置し、側面からアロマ含浸部材6−3を挿入する。アロマ芳香のON/OFFはやはり裏面のONN/OFFレバー6−2で行う。
【0040】
図7は、図6のアロマ発生部のケース1−2内の状態を示す概略図である。アロマ発生にかかわる部分のみに番号を振り、図1と同じ部材の番号は省略してある。図7ではアロマ発生がONの状態を示し、遮断板7−1は切欠き部7−2を覆っておらず、切欠き部7−2内のアロマ含浸部材6−3は送風路3−7に露出している。
【0041】
図8はアロマ発生のON/OFF動作を説明する図である。8−aでは、レバー6−2が取り付けられた遮断板7−1が切欠き7−2を覆っておらず、アロマ含浸部材6−3が送風路3−7に露出しており送風路3−7中にアロマ芳香を発生する。8−bでは、レバー6−2を押し下げ切欠き7−2を遮断板7−1で覆ってしまい、送風路3−7中にはアロマ芳香を発生しない。
【0042】
なお、8−cに示すごとく遮蔽板7−1にはレバー6−2がネジ7−3で取り付けられており、ケース1−2の溝7−4に沿って上下移動し、切欠き部7−4の開閉を行う。
【0043】
上記のようにアロマ発生について2方法の例を説明したように、アロマ発生のON/OFF方法については種々の方法が考えられる。上記2例以外のアロマ芳香発生をON/OFFする方法も、本発明の思想範疇に含まれる。
【0044】
また、上記説明においては送風装置によってマイナスイオンとアロマ芳香を送風していたが、よく知られるように電子放射方式のマイナスイオン発生においては放電針に沿ってイオン風という空気の流れができるため、これを利用してマイナスイオンとアロマ芳香をケース外に送出し、送風装置を省略することもできる。
【0045】
上述してきたように、本願発明によるアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置を携帯することにより、マイナスイオンのストレス軽減効果、疲労回復効果に加えて、アロマ芳香による精神リラックス効果、癒やし効果が期待できる。
【0046】
上記までの説明ではアロマ含浸部材にはアロマ芳香を発生する薬剤を含浸させる場合について説明してきたが、アロマ剤に変えて花粉症等のアレルギー症状抑制薬剤を含浸させたものを用いれば、息苦しいマスクを装着することなく、マイナスイオンのストレス軽減効果と相まってアレルギー症状を抑えることが期待できる。
【0047】
さらに含浸薬剤として殺虫剤を用いれば顔にまとわりつく蚊や蠅を寄せ付けないという利用方法もある。
【0048】
同様に、咽用の吸入剤等を含浸させれば、咽の痛みを和らげたり風邪の防止利用にも役立つと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
上述してきたように、本願発明によるアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置を携帯することにより、マイナスイオンのストレス軽減効果、疲労回復効果に加えて、アロマ芳香による精神リラックス効果、癒やし効果が期待できる。したがって、本発明は家電産業他各種産業にて利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0050】
1−1…本願アロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置、1−2…ケース、1−3…空気取り入れ口、1−4…空気排出口、1−5…吊り金具、1−6…電源スイッチ、1−7…挿入口、1−8…アロマON/OFFレバー、1−9…外部電源接続端子、1−10…吊り紐、2−1…使用者、3−1…電源電池、3−3…送風装置、3−4…送風路、3−5…マイナスイオン発生部、3−6…放電針、3−7…送風路、3−8…アロマ発生部、3−10…フィルター、4−1…パルス発生回路、4−2…昇圧回路、4−3…マイナス電極回路、4−5…アロマ含浸部材、4−6…収容容器、5−1…レバー、5−2…切欠き、5−3…内筒、5−4…外筒、5−5…切欠き、5−6…切欠き、5−7…切欠き、5−8…切欠き、6−1…収容容器、6−2…レバー、6−3…アロマ含浸部材、7−1…遮蔽板、7−2…切欠き部、7−3…ネジ、7−4…切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池電源と電源スイッチ、電子放射式マイナスイオン発生部と該発生部より発生したマイナスイオンを送り出すための送風路を有した送風装置とを備え、前記送風路にアロマ剤等の薬剤含浸部材を配置したことを特徴とするアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置。
【請求項2】
上記請求項1記載のアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置において、前記薬剤含浸部材を前記送風路中に露出したり遮断したりする手段をさらに有することを特徴とするアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置。
【請求項3】
上記請求項1もしくは2記載のアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置において、前記薬剤含浸部材を交換可能としたことを特徴とするアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置。
【請求項4】
上記請求項1もしくは2記載のアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置において、外部電源接続端子をさらに備えることを特徴とするアロマ発生可能携帯型マイナスイオン発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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