説明

アンカを持つ大動脈修復部材血管内送達システム

【課題】補綴器具にかかる圧縮力を最小化して、スムーズな送達と血管内での正確な位置決めできるEVAR送達システムの提供。
【解決手段】送達システムは、補綴器具の内部に同軸上に位置する、第一の細長い部材を備える。第二の細長い部材は、第一の細長い部材の一部分を取り囲み、第二の細長い部材の一部分は、補綴器具の内部に同軸上に位置する。送達システムは、さらに、第二の細長い部材に取り付けられた、近端部アンカを備える。アンカは、補綴器具の近端部と係合されて、補綴器具を径方向に圧縮される構成を維持する。補綴器具が径方向に圧縮される構成に維持されている間に、少なくとも1つの外側の鞘は、引っ込んで補綴器具を露出するようにされている。第一の細長い部材、及び、第二の細長い部材は、互いに軸方向に動くことができ、アンカから補綴器具の係合を解いて径方向に圧縮された補綴器具は膨張できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大動脈修理(EVAR)送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大動脈修理(EVAR)送達システムは、典型的には、鞘が引っ込むことで補綴器具が送達システム内のスタビライザーによって所定の位置に保持される、鞘引っ込み機構によって補綴器具を送達する。従来のEVAR送達システムは、このようにして、配置されて圧縮力を補綴器具に伝達する。このような圧縮力は、鞘を引っ込めて補綴器具を露出するのに必要な力を加える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、補綴器具にかかる圧縮力を最小化して、スムーズな送達と血管内での正確な位置決めできる、EVAR送達システムの必要性は依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
送達システムは、からだの内腔に補綴器具を配置するようにされており、補綴器具は、近端、末端、径方向に圧縮された構成を有している。ここで使用されているように、用語“近端”は、からだの外側のアクセス位置に近い端を示し、一方、用語“末端”は、からだの外側のアクセス位置から遠い端を示している。送達システムは、近端と末端を有し、補綴器具内に同軸に配置されて、近端と末端を有する、第一の細長い部材を備えている。第二の細長い部材は、第一の細長い部材の一部を取り囲み、第二の細長い部材の一部は、補綴器具内に同軸に配置される。第二の細長い部材は、近端と末端を有する。送達システムは、さらに、第二の細長い部材に取り付けられている、近端アンカを備えている。アンカは、補綴器具の近端と係合するようにされて、補綴器具をその径方向に圧縮された構成に維持する。補綴器具がその径方向に圧縮された構成に維持されたまま、少なくとも1つの外側の鞘引っ込んで補綴器具が露出されるようにされている。第一の細長い部材、および、第二の細長い部材は、お互いに軸方向に動いてアンカから補綴器具の係合を解くことができ、径方向に圧縮された補綴器具を膨張させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】補綴器具が径方向に圧縮された構成に維持されて、引っ込んで補綴器具を露出させた外側の鞘と共に図示された、からだの内腔に補綴器具を配置した、送達システムの平面図である。
【図1B】補綴器具の近端が膨張して、補綴器具の末端が径方向に圧縮されている構成に維持されている状態の、図1Aに示した送達システムである。
【図1C】補綴器具の近端が膨張して、補綴器具の末端が膨張している、図1Aに示した送達システムである。
【図2A】補綴器具が径方向に圧縮された構成に維持されて、近端の外側の鞘と末端の外側の鞘とが協働している状態を図示した、からだの内腔に補綴器具を配置した、送達システムの平面図である。
【図2B】補綴器具の末端が膨張して、補綴器具の近端が径方向に圧縮されている構成に維持されている状態の、図2Aに示した送達システムである。
【図2C】補綴器具の近端が膨張して、補綴器具の末端が膨張している、図2Aに示した送達システムである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ここでは具体的な実施態様を参照して本願発明を説明するが、本願発明は、示された詳細に限定されるものではない。むしろ、それら詳細においては、本願発明を逸脱せずに、請求項の均等物の範囲で、様々な設計変更等ができるものと思われる。
【0007】
図1A−1Cの全体に、補綴器具12をからだの内腔(図示しない)内に配置する、送達システム10が示されている。図1Aに示すように、補綴器具12は、近端12P、末端12D、および、その径方向に圧縮された構成を備えている。送達システム10は、近端(図示しない)、および、末端10Dを備えている。先端14は、送達システム10の末端10Dに取り付け、あるいは、鋳物形成(モールド形成)されており、押しハンドル(図示せず)は、近端に配置されて、からだの内腔の外に留まっている。
【0008】
送達システム10は、補綴器具12内に同軸に位置する、第一の細長い部材16を備えて、近端(図示しない)と末端16Dを有している。第二の細長い部材18は、第一の細長い部材16の一部を取り囲み、第二の細長い部材18の一部は、補綴器具12内に同軸的に配置されている。第二の細長い部材18は、近端(図示しない)と末端18Dを有する。
【0009】
送達システム10は、第二の細長い部材18に取り付けられる、近端アンカ20P、および、第一の細長い部材16に取り付けられる、末端アンカ20Dをさらに備えている。近端アンカ20Pは、補綴器具12の近端12Pと係合するようにされ、末端アンカ20Dは、補綴器具12の末端12Dと係合するようにされて、補綴器具12をその径方向に圧縮された構成に維持している。図1A−1Cに示した実施態様において、より具体的には、近端アンカ20Pと末端アンカ20D各々は、補綴器具12内のアパーチャ24と係合するようにされている、尖端22を備えている。近端アンカ20Pの尖端22は、送達システム10の近端に向かって伸延しており、末端アンカ20Dの尖端22は、送達システム10の末端10Dに向かって伸延している。
【0010】
補綴器具12は、自己膨張ステント、(図1A−1Cに示したように、)ステントグラフト(ステント移植皮弁)、あるいは、その他のものから成ることもできる。ステント移植皮弁12の端部12Pおよび12Dは、グラフトに覆われていない、ステントのワイヤ端のループを表している。明確にするために、ステントグラフト12のグラフトによって覆われているステントの部分は図示していない。アパーチャ24は、ステントのワイヤ端ループ内の開口を表している。図1Aに示すように、近端アンカ20Pと末端アンカ20Dの尖端22は、補綴器具12のステントの、それぞれ、ワイヤ端のループ12P、12Dにその内で、開口24を通して引っ掛けられている(すなわち、係合している)。このようにアンカ20P、20Dがそれぞれ補綴器具12の端12P、12Dに係合することで、補綴器具12はその径方向に圧縮された構成に維持される。言い換えると、アンカ20P、20Dの尖端22は、補綴器具12の端12P、12Dを効果的に把持して補綴器具12が自己膨張するのを防止することができる。
【0011】
図1Aに示すように、外側の鞘26は、アンカ20P、20D間の張力のもとで補綴器具12を径方向に圧縮された構成を維持したままで、引っ込んで補綴器具12を露出するようにされている。補綴器具に張力をかけて保持することは、自己膨張ステントが外側の鞘26にかける径方向の力を最小化して、補綴器具12と外側の鞘26との間の摩擦力を最小化して、外側の鞘26を引っ込めて補綴器具12を露出するのに必要な力を加える。
【0012】
第一の細長い部材16、第二の細長い部材18は、互いに軸方向に動いて補綴器具12とアンカ20P、20Dとの係合を解くことができ、図1Cに示したように、径方向に圧縮された補綴器具12を膨張させることができる。ひとつの実施態様では、第一の細長い部材16、第二の細長い部材18の各々は、ハイポチューブ(HYPOTUBE)あるいは単一内腔押出形成品を備えている。第一の細長い部材16は、送達システム10をからだの内腔(図示しない)を通して案内ワイヤ(図示しない)全体に渡って修理されるべき領域まで案内することができる。
【0013】
わかりやすくするために、外側の鞘26内の、第一の細長い部材16、第二の細長い部材18は(隠れ線で)示されていない。しかしながら、第二の細長い部材18は、外側の鞘26内で近端方向に押しハンドル(図示せず)に向かって伸延しており、第一の細長い部材16は、第二の細長い部材18の中で近端方向に押しハンドル(図示せず)に向かって伸延していることは理解されるべきである。第一の細長い部材16、および、第二の細長い部材18は、押しハンドルの位置で、互いに軸方向に操作される。
【0014】
第二の細長い部材18は、近端アンカ20Pを外側の鞘26内へ移動しやすくするために、近端アンカ20Pの近端側の近傍にパイロット部材28を備えている。パイロット部材28は、アンカ20Pの実効直径よりも大きな実効直径を有する、相対的に大きな断面積からその相対的に小さい端に向かってテーパ形状をなしている。パイロット部材28の形状は、図1A−1Cに示されるような六角形に限定されず、近端アンカ20Pを外側の鞘26の中へ移動しやすいようにテーパを持った様々な形状からなることができる。(すなわち、アンカ20Pが外側の鞘26の中に移動したとき、尖端22が外側の鞘26に捕獲されるのを防止する。)
【0015】
使用時、送達システム10は、当初、挿入前構成(図示しない)を採っている。より具体的には、パイロット先端14のみが外側の鞘26から突出するように、第一の細長い部材16、第二の細長い部材18、近端アンカ20P、末端アンカ20D、および、補綴器具12は、すべて、外側の鞘26の中にロードされている。この構成では、送達システム10は、からだの内腔(図示しない)の中に挿入されている。
【0016】
図1Aに示すように、外側の鞘26は、補綴器具12がアンカ20Pとアンカ20Dによって径方向に圧縮された構成に維持されたままで、近端方向に引っ込んで補綴器具12を露出する。
【0017】
図1Bに示すように、第二の細長い部材18は、末端方向に進んでから近端アンカ20Pから補綴器具12の近端12Pの係合を解いて、補綴器具12の近端12Pを膨張させる。より具体的には、第二の細長い部材18の末端が移動して、補綴器具12のアパーチャ24から尖端22の係合を解いて、補綴器具12の近端12Pにかかっている圧縮力の反発を解放して、補綴器具12を自己膨張できるようにする。
【0018】
図1Cに示すように、第一の細長い部材16は、近端側に引っ込んで末端20Dから補綴器具12の末端12Dの係合を解いて、補綴器具12の末端12Dが膨張できる。より具体的には、第一の細長い部材16が近端側へ移動して、補綴器具12のアパーチャ24から尖端22の係合が解けて、補綴器具12の末端12Dにかかっている圧縮力を解放して、補綴器具12は自己膨張できる。
【0019】
近端アンカ20P、および、末端アンカ20Dは、外側の鞘26(図示しない)の内側にしっかりと固定される。より具体的には、第二の細長い部材18は、典型的には、外側の鞘26の中に近端側に引っ込む。上に説明したように、パイロット部28のテーパ形状により、アンカ20Pが外側の鞘26の中に移動するとき、近端アンカ20Pの尖端22が外側の鞘26に捕捉されるのを防止することで、アンカ20Pの外側の鞘26の中への移動が容易になる。第一の細長い部材16もまた、典型的には、外側の鞘26の中へ引っ込む。末端アンカ20Dの尖端22は、送達システム10の末端10Dに向かって伸延する(すなわち、外側の鞘26から遠ざかる)ので、末端アンカ20Dは容易に外側の鞘26の中へ摺動する。
【0020】
送達システム10は、補綴器具12がない(上述した)挿入前の構成に戻り、からだの内腔(図示しない)から取外される。
【0021】
図2A−2Bは、からだの内腔(図示しない)内に補綴器具112を展開する、別の構成例である送達システム110を示す。図1A−1Cに示すシステムとの注意すべき差異は、送達システム110は、ただ1つのアンカである近端アンカ120Pを備えていることである。
【0022】
図2Aに示したとおり、図1A−1Cに示すシステムのように、送達システム110は、近端112P、末端112D、および、径方向に圧縮された構成を有する、補綴器具112を備えている。送達システム110は、近端(図示しない)および末端110Dを備えている。先端114は、送達システム110の末端110Dに取り付けられている、あるいは、送達システム110の末端110Dを覆うようにモールド形成され、押しハンドル(図示しない)は、近端に配置されて、からだの内腔の外側に留まっている。
【0023】
送達システム110は、補綴器具112内で同軸に配置されて、近端(図示しない)および末端116Dを備えた、第一の細長い部材116を備えている。第二の細長い部材118は、第一の細長い部材116の一部を取り囲み、第二の細長い部材118の一部は、補綴器具112内で同軸に配置される。第二の細長い部材118の一部は、近端(図示しない)および末端116Dを備えた、第一の細長い部材118Dを備えている。
【0024】
送達システム110は、さらに、第二の細長い部材118に取り付けられている、近端アンカ120Pを備えている。近端アンカ120Pは、補綴器具の近端112Pに係合するようにされて、補綴器具の近端112Pを径方向に圧縮された構成に維持している。図1A−1Cに示した送達システム10を参照して上述したように、近端アンカ120Pは、補綴器具112内でアパーチャ124に係合するようにされている、尖端122を備えている。補綴器具の近端112Pの尖端122は、送達システム110の近端の方へ伸延している。
【0025】
図2A‐Cに示したとおり、図1A−1Cに示した送達システム10を参照して上述したように、補綴器具112は、自己膨張ステント、自己膨張ステントグラフト、あるいは、その他のものからなることができる。わかりやすくするために、ステントグラフト112で覆われたステント部は図示していない。図2A、2Bに示したように、補綴器具の近端112Pの尖端122は、開口124を通して補綴器具112のステントのワイヤ端ループ112Pと112D内でそれぞれ引っ掛けられている(すなわち、係合している)。このようなアンカ120Pと補綴器具112の端112Pとの係合によって、補綴器具112の端112Pを径方向に圧縮された構成に維持している。換言すると、アンカ120Pの先端122は、効果的に補綴器具112の近端112Pを把持して、補綴器具112の近端112Pが自己膨張するのを防止する。
【0026】
図2Aに示したように、外側の鞘の末端126Dは、外側の鞘の近端126Pと噛み合っている(協働している)。図2Bに示したように、外側の鞘の末端126Dは、補綴器具112の近端112Pを径方向に圧縮された構成に維持したまま、進んで補綴器具112を露出して補綴器具112の末端112Dが自己膨張するようにされている。補綴器具112の末端が外側の鞘の末端126Dにかける径方向に膨張する力は、外側の鞘の末端126Dが進むときに補綴器具112にかかる末端摩擦力を発生させて、補綴器具112がアンカ120Pに対して張力を持った状態を維持して、径方向の膨張力をおよび付随する摩擦力を減少させる傾向にある。したがって、この構造は、鞘をアンカ120Pなしでシステムに対して進ませる必要な力を最小化する。
【0027】
図2Cに示すように、第一の細長い部材116と第二の細長い部材118は、互いに軸方向に動くことができ、補綴器具112をアンカ120Pとの係合から解いて、径方向に圧縮された補綴器具112の近端112Pは自己膨張することができる。図1A−1Cに示した送達システム10を参照して上述したように、第一の細長い部材116と第二の細長い部材118の各々は、ハイポチューブ(hypotube)あるいは単一の内腔突起を備えている。第一の細長い部材116は、からだの内腔(図示しない)を通して案内ワイヤ(図示しない)の全体に渡って修復されるべき領域まで送達システム110を案内することができる。
【0028】
図2Cにおいて、わかりやすくするため、外側の鞘の近端126P内の第一の細長い部材116は図示していない。同様に、外側の鞘の近端126P内の第二の細長い部材118は図示していない。しかしながら、第二の細長い部材118は、外側の鞘の近端126P内で近端方向へ押しハンドル(図示しない)に向かって伸延していること、および、第一の細長い部材116は、第二の細長い部材118内で近端方向へ押しハンドル(図示しない)に向かって伸延していることは理解されるべきである。押しハンドル位置で、第一の細長い部材116と第二の細長い部材118が互いに対して軸方向に操作される。
【0029】
図1A−1Cに示した送達システム10を参照して上述したように、アンカ120Pを外側の鞘の近端126Pの中へ容易に動かせるように、第二の細長い部材118は、近端アンカ120Pの近端方向の近傍にパイロット部128を備えている。
【0030】
図2Aに示すように、使用時、送達システム110は、当初、挿入前構成をとっている。より具体的には、外側の鞘の末端126Dから突出した尖端114を伴って、第一の細長い部材116の一部、近端アンカ120P、および、補綴器具112は、外側の鞘の末端126D内にロードされている。第二の細長い部材118の大半の部分は、外側の鞘の近端126P内にロードされている。外側の鞘の近端126Pと外側の鞘の末端126Dは、互いに嵌合している。この構成で、送達システム110は、からだの内腔(図示しない)中に挿入されている。
【0031】
図2Bに示すように、補綴器具112の近端112Pを近端アンカ120Pで径方向に圧縮された構成に維持したままで、外側の鞘の末端126Dは、噛み合っている(嵌合している、あるいは、協働している)外側の鞘の近端126Pから離れて末端方向へ進んで補綴器具112を露出して補綴器具112の末端112Dが膨張できるようにする。
【0032】
図2Cに示すように、第二の細長い部材118は、末端方向へ進んで、近端アンカ120Pから補綴器具112の近端112Pの係合を解き、補綴器具112の近端112Pが膨張できるようにする。
【0033】
近端アンカ120Pは、外側の鞘の近端126P(図示しない)の内にしっかりと取り付けられている。より具体的には、第二の細長い部材118は、典型的には、外側の鞘の近端126Pの中へ近端方向に引っ込んでいる。図1A−1Cに示した送達システム10を参照して上に説明したように、パイロット部128のテーパ形状によって、アンカ120Pが外側の鞘の近端126Pの中へ移動するときに尖端122が外側の鞘の近端126Pに捕捉されるのを防止することで、アンカ120Pの外側の鞘の近端126Pの中への動き易くなる。第一の細長い部材116もまた、典型的には、近端方向へ外側の鞘の近端126Pの中に引っ込んでいる。
【0034】
外側の鞘の末端126Dは、外側の鞘の近端126Pと嵌合している。送達システム110は、補綴器具112を伴わない(上述した)その挿入前構成に戻って、からだの内腔(図示せず)から取り出される。
【0035】
第一の細長い部材16、116、第二の細長い部材18、118、近端アンカ20P、120P、末端アンカ20D、尖端22を形成する材料の例として、ステンレススチールがある。しかしながら、本願発明は、本材料に限定されず、例えば、金属材料(例えば、チタン)あるいは非金属材料(例えば、ポリマーあるいはその他の合成材料)を含む、強度と柔軟性の双方を含む所望の特性を提供する、如何なる材料も含むことができる。
【0036】
以上、本願発明の好適な実施態様を示し記述したが、これらの実施態様は単に例として提供したものであることは理解されるべきである。当業者であれば、本願発明の思想から逸脱せずに、多くのバリエーション、設計変更、および、置換をなし得る。したがって、添付の請求項はこれらすべてのバリエーションは、本願発明の思想および範囲内にあると考えるものである。
【0037】
本発明に関連する好ましい態様として、例えば、以下のものをあげることができる。
[1]からだの内腔に補綴器具を配置する、送達システムであって、
前記補綴器具は、近端、末端、および、径方向に圧縮された構成を備えていて、
前記送達システムは、近端、および、末端と、を有して、かつ、
前記補綴具の内部に同軸に配置されて、近端、末端を備えた、第一の細長い部材と、
前記第一の細長い部材の一部分を取り囲む、第二の細長い部材であって、該第二の細長い部材の一部分は、前記補綴具の内部に同軸に配置されて、前記第二の細長い部材は、近端、末端を備える、第二の細長い部材と、
前記第二の細長い部材に取り付けられた、近端アンカであって、該近端アンカは、前記補綴器具の前記近端に係合して、前記補綴器具を前記径方向に圧縮された構成に保持する、近端アンカと、
前記補綴器具を前記補綴器具を前記径方向に圧縮された構成に維持して、引っ込んで前記補綴器具を露出する、少なくとも1つの外側の鞘とを備えていて、
前記第一の細長い部材と前記第二の細長い部材とは互いに軸方向に動くことができることで、前記補綴器具を前記アンカとの係合を解いて、径方向に圧縮された前記補綴器具が膨張することができる、送達システム。
[2]前記アンカは、前記補綴器具内でアパーチャと係合する尖端を備える、上記[1]に記載の送達システム。
[3]前記アンカの前記尖端は、前記送達システムの前記近端に向かって伸延する、上記[2]に記載の送達システム。
[4]前記第一の細長い部材に取り付けられた末端アンカをさらに備える、上記[1]に記載の送達システム。
[5]前記近端アンカ、および、前記末端アンカの各々は、前記補綴器具内でアパーチャと係合する尖端を備える、上記[4]に記載の送達システム。
[6]前記近端アンカの前記尖端は、前記送達システムの前記近端に向かって伸延し、前記末端アンカの前記尖端は、前記送達システムの前記末端に向かって伸延する、上記[5]に記載の送達システム。
[7]前記第二の細長い部材は、前記近端アンカが前記外側の鞘の中へ容易に移動できるように、パイロット部を前記近端アンカの近端側の近傍にさらに備える、上記[1]に記載の送達システム。
[8]前記パイロット部は、相対的に大きな断面から相対的に小さな断面に向うテーパーを持つ、上記[7]に記載の送達システム。
[9]前記第一の細長い部材、および、前記第二の細長い部材の各々は、ハイポチューブ、あるいは、単一内腔押出成形品を備えた、上記[1]に記載の送達システム。
[10]前記補綴器具は、ステント、あるいは、ステントグランとを備えた、上記[1]に記載の送達システム。
[11]前記補綴器具は、前記近端アンカを受けるためにその近端に被覆されていない部分を持つステントを備えた、上記[1]に記載の送達システム。
[12]前記補綴器具は、前記末端アンカを受けるためにその末端に被覆されていない部分を持つステントを備えた、上記[4]に記載の送達システム。
[13]前記補綴器具は、前記近端アンカ、前記末端アンカを受けるために、その近端、末端に、それぞれ、被覆されていない部分を持つステントを備えた、上記[4]に記載の送達システム。
[14]からだの内腔に補綴器具を配置する方法であって、
前記補綴器具は、近端、末端、および、径方向に圧縮された構成を備え、
前記方法は、
(a)送達システムを前記からだの内腔に挿入するステップであって、
前記送達システムが、
近端と末端と、を備えて、
前記補綴器具内に同軸に配置された、第一の細長い部材であって、該第一の細長い部材は、近端、および、末端とを備えた、第一の細長い部材と、
前記第一の細長い部材の一部を取り囲む、第二の細長い部材であって、前記第二の細長い部材の一部は、前記補綴器具内に同軸に位置し、前記第二の細長い部材は、近端、および、末端とを備えた、第一の細長い部材とを備えた、第二の細長い部材と、
前記第二の細長い部材に取り付けられて、前記補綴器具の前記近端に係合する、近端アンカと、
前記第一の細長い部材に取り付けられて、前記補綴器具の前記末端に係合する、末端アンカと、
外側の鞘とを備える、
ステップと、
(b)前記近端アンカおよび前記末端アンカ間の張力で、前記補綴器具がその径方向に圧縮された構成を維持して、前記外側の鞘を近端側に引っ込めて前記補綴器具を露出するステップと、
(c)前記第二の細長い部材を末端方向に進めて、前記補綴器具の前記近端を前記近端アンカから係合を解いて、前記補綴器具の前記近端を膨張させることができるステップと、を含む、からだの内腔に補綴器具を配置する方法。
[15] からだの内腔に補綴器具を配置する方法であって、
(d)前記第一の細長い部材を近端方向に進めて、前記補綴器具の前記末端を前記末端アンカから係合を解いて、前記補綴器具の前記末端を膨張させることができるステップと、
(e)前記近端アンカと前記末端アンカと前記外側の鞘内に固定するステップと、 (f)前記からだの内腔から前記送達システムを取外すステップとを、
さらに含む、上記[14に記載の方法。
[16] からだの内腔に補綴器具を配置する方法であって、
前記補綴器具は、近端、末端、および、径方向に圧縮された構成を備え、
前記方法は、
(a)送達システムを前記からだの内腔に挿入するステップであって、
前記送達システムは、
近端と末端と、
前記補綴器具内に同軸に位置する、第一の細長い部材であって、該第一の細長い部材は、近端、および、末端とを備えた、第一の細長い部材と、
前記第一の細長い部材の一部を取り囲む、第二の細長い部材であって、前記第二の細長い部材の一部は、前記補綴器具内に同軸に配置され、前記第二の細長い部材は、近端、および、末端とを備えた、第一の細長い部材とを備えた、第二の細長い部材と、
前記第二の細長い部材に取り付けられて、前記補綴器具の前記近端に係合する、近端アンカと、
前記第一の細長い部材に取り付けられて、前記補綴器具の前記末端に係合する、末端アンカと、
近端の外側の鞘と、
前記近端の外側の鞘と協働する、末端の外側の鞘とを備える、
ステップと、
(b)前記補綴器具の近端がその径方向に圧縮された構成を維持して、協働している前記近端の外側の鞘から離して、前記末端の外側の鞘を末端側に進めて、前記補綴器具を露出することで、前記補綴器具の末端を膨張させることができるステップと、
(c)前記第二の細長い部材を末端方向に進めて、前記補綴器具の前記近端を前記近端アンカから係合を解いて、前記補綴器具の前記近端を膨張させることができるステップと、を含む、からだの内腔に補綴器具を配置する方法。
[17]
からだの内腔に補綴器具を配置する方法であって、
(d)前記近端アンカを前記近端の外側の鞘の内部に固定するステップと、
(e)前記末端の外側の鞘を前記近端の外側の鞘と協働させるステップと、
(f)前記送達システムを前記からだの内腔から取外すステップとを、
さらに含む、上記[16]に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
からだの内腔に補綴器具を配置する、送達システムであって、
前記補綴器具は、近端、末端、および、径方向に圧縮された構成を備えていて、
前記送達システムは、近端、および、末端と、を有して、かつ、
前記補綴具の内部に同軸に配置されて、近端、末端を備えた、第一の細長い部材と、
前記第一の細長い部材の一部分を取り囲む、第二の細長い部材であって、該第二の細長い部材の一部分は、前記補綴具の内部に同軸に配置されて、前記第二の細長い部材は、近端、末端を備える、第二の細長い部材と、
前記第二の細長い部材に取り付けられた、近端アンカであって、該近端アンカは、前記補綴器具の前記近端に係合して、前記補綴器具を前記径方向に圧縮された構成に保持する、近端アンカと、
前記補綴器具を前記補綴器具を前記径方向に圧縮された構成に維持して、引っ込んで前記補綴器具を露出する、少なくとも1つの外側の鞘とを備えていて、
前記第一の細長い部材と前記第二の細長い部材とは互いに軸方向に動くことができることで、前記補綴器具を前記アンカとの係合を解いて、径方向に圧縮された前記補綴器具が膨張することができる、送達システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公開番号】特開2013−107020(P2013−107020A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−52112(P2013−52112)
【出願日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【分割の表示】特願2009−507730(P2009−507730)の分割
【原出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506192652)ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド (172)
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
【Fターム(参考)】