説明

アンジオテンシンII受容体拮抗薬

式(A)


式(B)


式(C)


式(D)


高血圧症を治療するために有用である構造(A)を有する化合物(Rはアンジオテンシン受容体拮抗薬活性基であり、ならびにYは、1)−(CH、2)−C(O)(CH、3)−C(R)OC(O)O(CH(nは1または2である。)、4)−C(R)OC(O)CHCH、5)−C(R)OC(O)OCHCHC(R)R、式(B)および式(C)であり、ただしYが−C(O)(CHのとき、Rは式(D)であり、R、R、RおよびRは独立して水素およびC1−4アルキルからなる群から選択され、RはCH(ONO)CH(ONO)Rであり、RはCH、CHCHおよびCH(CHから選択される。)、または医薬として許容される該化合物の塩または水和物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
米国特許第5,138,069号は、2−ブチル−4−クロロ−1−[p−(o−1H−テトラゾール−5−イルフェニル)−ベンジル]イミダゾール−5−メタノールカリウム塩および2−ブチル−4−クロロ−1−[(2’−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸について一般的および具体的に説明している。米国特許第5,136,069号の欄261〜263は、カプセル、錠剤、注射製剤、および懸濁液を含め、その特許で説明されている化合物を調製するための一般的手順を説明している。米国特許第5,153,197号は、高血圧患者を治療する目的で、これらの化合物の単独での、および利尿薬と組み合わせての用途について説明している。
【0002】
WO2005011646は、アンジオテンシンII受容体遮断薬ニトロ誘導体、それらを含む薬剤組成物および心血管疾患、腎臓疾患および慢性肝臓疾患、炎症性の過程および代謝症候群の治療の目的での、それらの使用について説明している。この刊行物は、そのそれぞれが多様な方法で一酸化窒素基に共有結合的に結合した、多様なアンジオテンシン受容体遮断薬化合物について説明している。具体的な例としては、一つの共有結合のある一酸化窒素基を持つアンジオテンシン受容体遮断薬、および独立的な二つの共有結合のある一酸化窒素基を持つアンジオテンシン受容体遮断薬が含まれる。
【0003】
WO2005023182は、心血管系化合物のニトロソ化およびニトロシル化、および少なくとも一つのニトロソ化およびニトロシル化された心血管系化合物および任意に少なくとも一つの一酸化窒素ドナーから構成される組成について説明している。ニトロソ化またはニトロシル化された心血管系化合物は、アルドステロン拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、カルシウムチャネル遮断薬、エンドセリン拮抗薬、ヒドララジン化合物、中性エンドペプチダーゼ阻害剤またはレニン阻害剤でもよい。酸化窒素ドナーは、S−ニトロソチオール、亜硝酸塩、硝酸塩、N−オキソ−N−ニトロソアミン、フロキサン、およびシドノンイミンから選択できる。
【0004】
WO2005070868は、血栓性心血管事象の危険のあるシクロオキシゲナーゼ−2媒介性の疾患または状態の治療のための併用療法を説明しているが、これには、選択したシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤の、5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル酢酸塩、6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイル二硝酸塩、5−ヒドロキシペンタン−1,2−ジイル二硝酸塩、(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロ安息香酸塩、(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロ安息香酸塩、(2R)−6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイル二硝酸塩、(2S)−6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイル二硝酸塩、(2S)−プロパン−1,2−ジイル二硝酸塩、および(2R)−プロパン−1,2−ジイル二硝酸塩などの一酸化窒素供給化合物と組み合わせての投与が関連する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,138,069号
【特許文献2】米国特許第5,136,069号
【特許文献3】米国特許第5,153,197号
【特許文献4】国際公開第2005/011646号
【特許文献5】国際公開第2005/023182号
【特許文献6】国際公開第2005/070868号
【発明の概要】
【0006】
(発明の要旨)
本発明には、2−ブチル−4−クロロ−1−[(2’−(1−H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]−イミダゾール−5−カルボン酸塩ビス(ニトロオキシ)誘導体を含めたアンジオテンシンII受容体拮抗薬ビス(ニトロオキシ)誘導体、およびこれらの形態のさまざまな医薬品として容認できる塩および水和物、ならびにこれらの形態を患者に調節して持続的に送達するための薬剤の製剤形態が含まれる。
【0007】
塩には、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸およびこれに類するものに由来する無毒性の塩、または例えば、無機酸または有機酸または塩基から形成される四級アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、よう化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、櫛状、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩などが含まれる。塩基塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩およびカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩など)、有機塩基を持つ塩(ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンなど)、およびアミノ酸を持つ塩(アルギニン、リジン、その他など)が含まれる。また、塩基性の窒素を含む基は、低級ハロゲン化アルキル(メチル、エチル、プロピル、およびブチル塩化物、臭化物およびヨウ化物など)、硫酸ジアルキル(ジメチル、ジエチル、ジブチルなど)、および硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物(デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル塩化物、臭化物およびヨウ化物など)、ハロゲン化アラルキル(ベンジルおよびフェネチル臭化物など)、その他などの薬剤で四級化できる。
【0008】
発明には、高血圧、うっ血性心不全、肺性高血圧、腎不全、腎虚血、腎不全、腎線維症、心不全、心肥大、心臓線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎疝痛、糖尿病に起因する合併症(腎障害、脈管障害および神経障害など)、緑内障、眼内圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成後の再狭窄、血管または心臓の手術後の合併症、勃起障害、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安、認知障害、免疫抑制薬による治療の合併症、およびレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られるその他の疾患などの状態のうち一つ以上を持つ患者に、本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬を投与することにより治療する方法が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の化合物は、次の一般式を持つアンジオテンシンII受容体拮抗薬ビス(ニトロオキシ)誘導体
【0010】
【化1】

(式中、Rは以下から構成される群から選択され、
【0011】
【化2】


Yは以下から構成される群から選択され、
1) −(CH
2) −C(O)(CH
3) −C(R)OC(O)O(CH(nは1または2である。)、
4) −C(R)OC(O)CHCH
5) −C(R)OC(O)OCHCHC(R)R
【0012】
【化3】

ただし、Yが−C(O)(CHのとき、Rは次のとおりであり、
【0013】
【化4】

、R、RおよびRは、水素およびC1−4アルキルで構成される群から独立的に選択され、
は、−CH(ONO)CH(ONO)Rであり、
は、CH、CHCHおよびCH(CHである。)
またはそれらの医薬品として容認できる塩である。
【0014】
一実施形態において、RはCHで、RはHまたはCHで、その他すべての変数は既に定義したとおりである。
【0015】
別の実施形態において、RはCHまたはHで、RはHで、その他すべての変数は既に定義したとおりである。
【0016】
別の実施形態において、Rは以下から構成される群から選択され、
【0017】
【化5】

また、その他すべての変数は既に定義したとおりである。
【0018】
別の実施形態において、Rは以下から構成される群から選択され、
【0019】
【化6】

また、その他すべての変数は既に定義したとおりである。
【0020】
別の実施形態において、Rは以下から構成される群から選択され、
【0021】
【化7】

また、その他すべての変数は既に定義したとおりである。
【0022】
別の実施形態において、化合物は以下に示す化合物の群から選択される。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】


【0025】
【表3】

別の実施形態において、化合物は次の構造を持つ。
【0026】
【化8】

別の実施形態において、化合物は次の構造を持つ。
【0027】
【化9】

別の実施形態において、化合物は次の構造を持つ。
【0028】
【化10】

ここで
Yは−C(R)OC(O)OCHCHC(R)Rである。
およびRはCHである。
およびRは、水素およびC1−4アルキルで構成される群から独立的に選択される。
は、−CH(ONO)CH(ONO)Rであり、および
は、CH、CHCHおよびCH(CHから選択される。
【0029】
本発明の化合物は、最高二つ((R)および(S))または(R,R)、(S,S)、(R,S)、および(S,R)の四つの立体異性体を提供する一つまたは二つの不斉中心を持ちうる。本発明には、すべての立体異性体およびその混合物が含まれる。別途明確に言及のない限り、一つの立体異性体への言及は考えられる任意の立体異性体に適用される。立体異性の組成が特定されないときには、考えられるすべての立体異性体が含まれる。「*」印の付いた構造は、不斉中心である炭素原子の位置を示す。
【0030】
注記のある場合を除き、本書で使用するとき、「アルキル」は、特定数の炭素原子を持つ分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意味する。アルキル基について一般的に使用される略語が、明細書全体において使用され、例えば、メチルは、「Me」またはCHを含めた従来的な略語で表現することができ、または末端基として延びた結合であるシンボル、例えば、
【0031】
【化11】

、エチルは「Et」またはCHCHにより表現することができ、プロピルは「Pr」またはCHCHCHにより表現することができ、ブチルは「Bu」またはCHCHCHCHにより表現することができる。「C1−4アルキル」(または「C−Cアルキル」)は、例えば、特定数の炭素原子を持つすべての異性体を含めた直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。C1−4アルキルには、n−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルが含まれる。数が特定されていない場合、直鎖または分岐鎖のアルキル基について1〜4個の炭素原子が意図される。
【0032】
下記に示す化合物1および2について、意識のある遠隔計測下にあるイヌに経口的に投与した時の収縮期の血圧低下について研究した。化合物1に比較して、化合物2は、同一の用量(10mg/kg)で、作用のピーク効果および持続時間が長い(データ表1を参照)。
【0033】
【化12】

【0034】
【表4】

【0035】
血管弛緩
血管緊張低下を誘発する化合物の能力を、単離したウサギ胸部大動脈の製剤において生体外で試験した(Wanstall J.C.et al.,Br.J.Pharmacol.,134:463−472,2001)。オスのニュージーランドウサギをチオペンタール−Na(50mg/kg、IV)で麻酔し、全採血により犠牲にし、胸部を開き、大動脈を解剖した。大動脈輪の製剤(長さ4mm)を、小器官チェンバー(5ml)内で生理食塩水(PSS)中、37°Cで準備した。PSSの組成物は、(mM):NaCl 130、NaHCO14.9、KHPO1.2、MgSO1.2、HEPES 10、CaCl、アスコルビン酸170およびブドウ糖1.1(95% O/5% CO、pH7.4)であった。各環を2gの受動張力下で載せた。BIOPAC MP150システムに取り付けたガラストランスデューサ(Grass FT03)で、等尺性緊張を記録した。製剤を1時間平衡化させた後、ノルアドレナリン(NA、1μM)で準最大に収縮させ、収縮が安定した時にアセチルコリン(ACh、10μM)を加えた。Achに対する弛緩薬の反応が、機能的内皮の存在を示した。NAで収縮しなかった、またはAchに対する弛緩を示さなかった血管は破棄した。安定した予備収縮に達した時、機能的内皮の存在下で、どちらかの血管弛緩薬剤に対する累積濃度反応曲線が得られた。それぞれの動脈環を、阻害剤および血管弛緩薬の一つの組み合わせのみにさらした。さらに、化合物により誘発された血管緊張低下に対する可溶性グアニリルシクラーゼ阻害剤ODQ(1−H−(1,2,4)−オキサジアゾール(4,3−a)キノキサリン−1−オン)の効果を、大動脈環をODQ(10μM)で20分間、前保温して検査した。
【0036】
実施例3および4は、血管弛緩について評価したものである。生体外で、ウサギ大動脈切片で測定した組織ベースの血管弛緩の測定では、表示されたEC50(その化合物について考えられる最大の反応の50%を生成する化合物のモル濃度−データ表2)により血管弛緩が示された。
【0037】
【表5】

【0038】
本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、高血圧、うっ血性心不全、肺性高血圧、腎不全、腎虚血、腎不全、腎線維症、心不全、心肥大、心臓線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎疝痛、糖尿病に由来する合併症(腎障害、脈管障害および神経障害など)、緑内障、眼内圧力亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成後の再狭窄、血管または心臓の手術後の合併症、勃起障害、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安、認知障害、免疫抑制薬による治療の合併症、およびレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られるその他の疾患などに関連する疾患の治療および/または予防に有用である。
【0039】
本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、高血圧、うっ血性心不全、肺性高血圧、腎不全、腎虚血、腎不全、腎線維症、心不全、心肥大、心臓線維症、心筋虚血、心筋症、糖尿病に起因する合併症(腎障害、脈管障害および神経障害など)に関連する疾患の治療および/または予防に特に有用である。
【0040】
一実施形態において、本発明は、レニン−アンジオテンシン系の調節不全に伴う疾患を治療および/または予防する方法に関連し、特に上述の疾患の治療または予防をする方法に関連し、前記方法は患者に医薬品として有効な量の本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬の投与で構成される。
【0041】
本発明は、上述の疾患の治療および/または予防のために薬剤を調製するための本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬の使用にも関連する。
【0042】
上述の本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラット、ホシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル、またはトランドラプリル)、中性エンドペプチダーゼ阻害剤(例えば、チオルファンおよびホスホラミドン)、アルドステロン拮抗薬、レニン阻害剤(例えば、ジ−およびトリ−ペプチドの尿素誘導体(米国特許第5,116,835号を参照)、アミノ酸および誘導体(米国特許第5,095,119号および第5,104,869号)、非ペプチド結合で結合したアミノ酸鎖(米国特許第5,114,937号)、ジ−およびトリ−ペプチド誘導体(米国特許第5,106,835号)、ぺプチジルアミノジオール(米国特許第5,063,208号および第4,845,079号)およびペプチジルベータ−アミノアシルアミノジオールカルバミン酸塩(米国特許第5,089,471号)から構成されるその他の薬理学的に活性の化合物と組み合わせ、また、米国特許第5,071,837号、第5,064,965号、第5,063,207号、第5,036,054号、第5,036,053、第5,034,512号および第4,894,437号で開示されているその他の多様なペプチド類似体、および小分子レニン阻害剤(ジオールスルホンアミドおよびスルフィニル(米国特許第5,098,924号)、N−モルホリノ誘導体(米国特許第5,055,466号)、N−複素環式アルコール類(米国特許第4,885,292号)およびピロールイミダゾロン(米国特許第5,075,451号)を含み、またペプスタチン誘導体(米国特許第4,980,283)およびスタトンを含むペプチドのフルオロ−およびクロロ−誘導体(米国特許第5,066,643号)、エナルクレイン、RO 42−5892、A 65317、CP 80794、ES 1005、ES 8891、SQ 34017、アリスキレン((2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキルプロポキシ)フェニル]−ヘミフマル酸オクタンアミド)SPP600、SPP630およびSPP635)、エンドセリン受容体拮抗薬、血管拡張薬、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、アムロジピン、ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ガロパミル、ニルジピン、ニモジピン、ニカルジピン)、カリウムチャネル活性化剤(例えば、ニコランジル、ピナシジル、クロマカリム、ミノキシジル、アプリカリム、ロプラゾラム)、利尿薬(例えば、ヒドロクロロチアジド)、交感神経遮断薬、βアドレナリン遮断薬(例えば、プロプラノロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール、または酒石酸メトプロロール)、αアドレナリン拮抗薬(例えば、ドキサゾシン、プラゾシンまたはαメチルドーパ)中心αアドレナリン作動薬、末梢性の血管拡張薬(例えば、ヒドララジン)、高脂血症治療薬(例えば、シンバスタチン、ロバスタチン、エゼチミブ、アトルバスタチン、プラバスタチン)、インスリン感作物質および関連化合物などの代謝改変剤(例えば、ムラグリタザル、グリピジド、メトホルミン、ロシグリタゾン)または上述の疾患の予防または治療に有用なその他の薬物(ニトロプルシドおよびジアゾキシドなど)との組み合わせでも有用である。
【0043】
アンジオテンシンII受容体拮抗薬を使用した投与法は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および病状、治療する状態の重症度、投与経路、患者の腎臓および肝臓の機能、および採用する特定の化合物またはその塩を含めた多様な要因に従い選択される。通常の技術を持つ医師または獣医であれば、状態の進行を阻止、対抗、または制止するために必要な薬物の有効量をすぐに決定および処方できる。
【0044】
アンジオテンシンII受容体拮抗薬の経口投与量は、指示された効果に使用するとき、体重1kgで1日当たり約0.0125(mg/kg/日)〜約7.5mg/kg/日の間であり、望ましくは0.0125mg/kg/日〜3.75mg/kg/日、およびさらに望ましくは0.3125mg/kg/日〜1.875mg/kg/日である。例えば、80kgの患者であれば、約1mg/日〜600mg/日、望ましくは1mg/日〜300mg/日、およびさらに望ましくは25mg/日〜150mg/日を受けることになる。したがって、1日1回の投与用に適切に調製された薬剤は、1mg〜600mg、望ましくは1mg〜300mg、およびさらに望ましくは25mg〜300mg、例えば、25mg、50mg、100mg、150、200、250および300mgを含むことになる。有益なことに、アンジオテンシンII受容体拮抗薬は1日に2回、3回、または4回に分割して投与することができる。1日2回の投与では、適切に調整された薬剤は、0.5mg〜300mg、望ましくは0.5mg〜150mg、さらに望ましく12.5mg〜150mg、例えば、12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mgおよび150mgを含むことになる。
【0045】
本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、錠剤、カプセルおよび顆粒などの経口形態で投与できる。アンジオテンシンII受容体拮抗薬は、一般に有効成分を下記に記載する適切な製薬用結合剤と混合して投与される。% w/wは、合計組成と比較した表示組成成分の重量パーセントを示す。これらの剤形(投与形態)で使用される適切な賦形剤には、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、二カルシウムリン酸塩、ラクトース、マンニトール、およびデンプン、望ましくは微結晶性セルロース、二カルシウムリン酸塩、ラクトースまたはその混合物が含まれる。適切な結合剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ゼラチン、天然糖類(ブドウ糖またはベータ−ラクトースなど)、コーン系甘味料、天然ゴムおよび合成ゴム(アカシア、トラガントまたはアルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース、およびポリビニールピロリドンが含まれる。これらの剤形に使用される潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウム酢酸塩、塩化ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸およびこれに類するもの、望ましくはステアリン酸マグネシウムが含まれる。適切な被覆の組成には、不溶性ポリマーの水分散液または有機溶液(エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロースおよびEudragit(登録商標)として商業的に知られているアクリル酸塩共重合体)が含まれる。可塑剤には、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、トリアセチンおよびヒマシ油が含まれる。粘着防止剤には、タルク、カオリン、コロイド状シリカまたはその混合物が含まれる。
【0046】
2−ブチル−4−クロロ−1−[(2’−(1−H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]−イミダゾール−5−カルボン酸は、一カリウム塩(ロサルタンカリウム塩としても知られる)として入手できる2−ブチル−4−クロロ−1−[p−(o−1H−テトラゾール−5−イルフェニル)−ベンジル]イミダゾール−5−メタノールの活性代謝物である。ロサルタンカリウム塩は、COZAAR(登録商標)(Merck & Co.,Inc.(ニュージャージー州ホワイトハウス・ステーション)の有効成分として商業的に入手できる。ロサルタンカリウム塩の調製については、米国特許第5,138,069号、第5,130,439号、および第5,310,928号に記載されている。ロサルタンカリウム塩の合成に有用なテトラゾリルフェニルボロン酸中間体については、米国特許第5,206,374号に記載されている。ロサルタンの製造に有用な手順を記載したその他の特許には、米国特許第4,820,843号、第4,870,186号、第4,874,867号、第5,039,814号、および第5,859,258号が含まれる。
【0047】
実施例2の出発物質として、また1−メチル−1−{[(4−ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩(中間体4)の調製に使用される、2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸は、『Keiji Kubo et al.,Journal of Medicinal Chemistry,1993,Vol.36,2343−2349』に報告されている方法で調製できる。
【0048】
(S)−3−メチル−2−(N−((2’−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)ペンタンアミド)ブタン酸(トリチルバルサルタン)または4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−プロピル−1−((2’−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(トリチルオルメサルタン)を出発物質として、実施例1〜3に報告した方法を適用すると、対応するバルサルタンおよびオルメサルタンエステルを得ることができる。
【0049】
(S)−3−メチル−2−(N−((2’−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)ペンタンアミド)ブタン酸(トリチルバルサルタン)は、中間体3、手順Cで類似化合物として説明した(S)−2−(N−((2’−(2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)ペンタンアミド)−3−メチルブタン酸(バルサルタン、US5,399,578)を塩化トリチルと反応させて調製することができる。
【0050】
4−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−2−プロピル−1−((2’−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(トリチルオルメサルタン)は、『Hiroaki Yanagisawa、Journal of Medicinal Chemistry 1996、39、323−338』に報告されている方法に従い得ることができる。
【0051】
【化13】

【0052】
(2R,3R)−6−ヒドロキシヘキサン−2,3−ジイル二硝酸塩
表題の化合物を、試薬ヘキサ−5−エン−1−オールを(4E)−ヘキサ−4−エン−1−オールに置き換えたことを除き、WO2005070868(A1)の実施例4および6の手順に従い調製した。H NMR(500MHz、CDCl)δ5.2〜5.4(m、2H)、3.7〜3.8(m、2H)、1.66〜1.98(m、4H)、1.46(d、J=6.2Hz、3H)。
【0053】
【化14】

【0054】
(2R,3R)−6−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン2,3−ジイル二硝酸塩
手順A:3−メチル−ヘキサ−4−エン−1−オール
3−メチルヘキサ−4−エナール(『Wei X.,et al in J.Org.Chem.2007,72(11),4250』に説明のあるとおり調製)(16.5g、146mmol)を無水エタノールに0°Cで溶かした溶液に、NaBH(12.9g、175mmol)を30分内に加えた。混合物を0°Cで4時間撹拌し、固体塩化アンモニウムで急冷した。水を加え、混合物をCHClで抽出した。混合有機質層をMgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製生成物を87〜88°Cで蒸留して、無色の油が得られた。
【0055】
手順B:3−メチルヘキサ−4−エニル4−ニトロ安息香酸塩
新たに結晶化した4−ニトロベンゾイルクロリド(10.1g、54.5mmol)をCHCl(ml 20)に溶かした溶液を、3−メチル−ヘキサ−4−エン−1−オール(5.4g、47.5mmol)およびTEA(8.6ml、61.8mmol)をCHCl(ml 50)に0°C、窒素下で溶かした溶液に滴下して加えた。混合物を0°Cで1時間撹拌し、氷水(100g)を注ぎ入れた。CHClを分離し、水相をCHClで2回抽出した。混合有機質層をMgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製生成物を171〜173°C、4mmHgで蒸留して、表題の化合物が黄色の油として得られた。
【0056】
手順C:(2R,3R)−6−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン2,3−ジイル二硝酸塩
試薬ヘキサ−5−エン−1−イル4−ニトロ安息香酸塩を3−メチルヘキサ−4−エニル4−ニトロ安息香酸塩で置き換えたことを除き、表題の化合物を、WO2005070868(A1)の実施例4の手順に従い調製した。
H NMR(300MHz、CDCl)δ5.38〜5.33(m、1H)、5.30〜5.13(m、1H)、3.79〜3.59(m、2H)、2.27〜2.18(m、1H)、1.83〜1.64(m、1H)、1.63〜1.40(m、5H)、1.16〜1.00(m、3H)。
【0057】
【化15】

【0058】
2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸
手順A:2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(E3174)
水(10L)を22L四ツ口丸底フラスコに入れた。水を0℃に冷ました。0℃で、カリウム水酸化物(855g、15.24mol)を加えた後、ロサルタンカリウム(500g、1.09mol)、過ヨウ素酸ナトリウム(554g、2.59mol)および塩化ルテニウム(III)水和物(12g、0.05mol)を加え、反応混合物を0℃で夜通し撹拌した。反応混合物をろ過した。撹拌中、イソプロパノール(90mL)をろ液に加えた。溶液を25℃に温め、2.5時間撹拌した。2.5時間後、温度を30℃より低く維持しながら、リン酸(1200mL)を加えた。混合物を30分間撹拌し、生成物を濾過し、水で洗浄した。残留物を真空乾燥機内で55℃で夜通し乾燥させた。固体をメタノール(4L)およびイソプロピル酢酸塩(12L)に溶かし、木炭(活性炭)(100g)を加えた。混合物を室温で3.5時間撹拌し、濾過し、濃縮した。生成物を再びジクロロメタン/メタノールに溶かし、ヘプタンで沈殿させると、表題の化合物が緑がかった茶色の泡まつとして得られ、これを次の手順でそれ以上精製することなく使用した。
【0059】
手順B:2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸
2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(235g、0.54mol)のジクロロメタン(4.5L)溶液に、トリエチルアミン(85mL、0.59mol)を加えた後、塩化トリチル(159g、0.56mol)のジクロロメタン(800mL)溶液を加え、反応混合物を室温で夜通し撹拌した。反応混合物を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカ上でのクロマトグラフィーで、20〜80% アセトン/ヘプタンで溶出すると、表題の化合物がオレンジ色の固体として得られた。
【0060】
【化16】

【0061】
1−メチル−1−{[(4−ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸
酸化第二水銀(1.17g、5.39mmol)および2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸(7.36g、10.8mmol)を無水テトラヒドロフラン(95mL)に入れたオレンジ色の懸濁液を、室温で24時間撹拌した。次に2−クロルイソプロピルp−炭酸ニトロフェニル(US5,684,018に記載されているとおりに調製)(1.40g、5.39mmol)を加え、反応を室温で約7日間撹拌し、TLC(ヘキサン/酢酸エチルの比率6/4)で監視した。混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1、カラム65i、TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチルの比率7/3、R=0.20)で精製すると、表題の生成物が得られた。
【実施例1】
【0062】
【化17】

【0063】
1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩
手順A:(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル1−クロロエチル炭酸塩
1−クロロエチルクロロギ酸塩(1.55mL、14.2mmol)を、撹拌した(2R,3R)−6−ヒドロキシヘキサン−2,3−ジイル二硝酸塩(中間体1、2.60g、11.6mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に滴下して加えた後、ピリジン(1.20mL、14.8mmol)を加えた。16時間後、反応混合物を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、5〜25%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出させて精製すると、表題の化合物が無色の油として得られた。H NMR(500MHz、CDCl)δ6.41(q、J=5.7Hz、1H)、5.18〜5.28(m、2H)、4.18〜4.32(m、2H)、1.83(d、J=5.7Hz、3H)、1.68〜1.90(m、4H)、1.42(d、J=6.4Hz、3H)。
【0064】
手順B:1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩
(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル1−クロロエチル炭酸塩(1.15g、3.48mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を、撹拌した2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(2.54g、3.74mmol)および炭酸セシウム(1.25g、3.84mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)懸濁液に加えた。溶液を70°Cで2時間撹拌した。水(100mL)を加え、溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混合有機質層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、真空内で濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、20〜60%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出させて精製すると、表題の化合物が白色の固体として得られた。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.90(d、J=7.4Hz、1H)、7.49(dt、J=1.4、7.6Hz、1H)、7.45(dt、J=1.1、7.5Hz、1H)、7.31〜7.36(m、4H)、7.26(t、J=7.8Hz、6H)、7.10(d、J=8.0Hz、6H)、6.93(d、J=7.8Hz、2H)、6.86(q、J=5.5Hz、1H)、6.79(d、J=8.0Hz、2H)、5.54(d、J=15.4Hz、1H)、5.32(d、J=16.2Hz、1H)、5.14〜5.24(m、2H)、4.10〜4.20(m、2H)、2.50(t、J=7.8Hz、2H)、1.7〜1.9(m、4H)、1.62(クインテット、J=7.7Hz、2H)、1.54(d、J=5.5Hz、3H)、1.37(d、J=6.1Hz、3H)、1.27(セクステット、J=7.4Hz、2H)、0.85(t、J=7.3Hz、3H)。
【0065】
手順C:1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩
1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩(1.63g、1.68mmol)のメタノール(30mL)懸濁液を70°Cに2時間加熱した。反応混合物を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、3〜9%のメタノール/ジクロロメタンで溶出させて精製すると、表題の化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDCN)δ7.71(dd、J=0.9、7.8Hz、1H)、7.64(dt、J=1.2、7.6Hz、1H)、7.54(dt、J=1.1、7.6Hz、1H)、7.51(d、J=7.5Hz、1H)、7.10(d、J=8.2Hz、2H)、6.98(d、J=8.0Hz、2H)、6.81(q、J=5.5Hz、1H)、5.53(d、J=16.7Hz、1H)、5.48(d、J=17.1Hz、1H)、5.25〜5.35(m、2H)、4.11(t、J=5.8Hz、2H)、2.60(t、J=7.7Hz、2H)、1.70〜1.84(m、4H)、1.58(クインテット、J=7.6Hz、2H)、1.49(d、J=5.5Hz、3H)、1.35(d、J=6.3Hz、3H)、1.31(セクステット、J=7.5Hz、2H)、0.85(t、J=7.4Hz、3H)、LC−MS:m/z731.3(M+H)。
【実施例2】
【0066】
【化18】

【0067】
1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩
手順A:(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル1−クロロエチル炭酸塩
1−クロロエチルクロロギ酸塩(1.55mL、14.2mmol)を、撹拌した(2R,3R)−6−ヒドロキシヘキサン−2,3−ジイル二硝酸塩(中間体1、2.60g、11.6mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に滴下して加えた後、ピリジン(1.20mL、14.8mmol)を加えた。16時間後、反応混合物を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、5〜25%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出させて精製すると、表題の化合物が無色の油として得られた。H NMR(500MHz、CDCl)δ6.41(q、J=5.7Hz、1H)、5.18〜5.28(m、2H)、4.18〜4.32(m、2H)、1.83(d、J=5.7Hz、3H)、1.68〜1.90(m、4H)、1.42(d、J=6.4Hz、3H)。
【0068】
手順B:1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩
(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル1−クロロエチル炭酸塩(2.94g、8.89mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)溶液を、撹拌した2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸(7.46g、10.9mmol)および炭酸セシウム(3.95g、12.1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)懸濁液に加えた。溶液を70°Cで2時間撹拌した。水(100mL)を加え、溶液を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。混合有機質層を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、真空内で濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、20〜60%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出させて精製すると、表題の化合物が白色の固体として得られた。H NMR(500MHz、CDCl)δ7.84(dd、J=1.6、7.3Hz、1H)、7.76(dd、J=1.0、7.9Hz、1H)、7.58(dd、J=1.0、7.9Hz、1H)、7.45(dt、J=1.7、7.4Hz、1H)、7.42(dt、J=1.7、7.4Hz、1H)、7.32(t、J=7.4Hz、3H)、7.29(dd、J=1.5、7.4Hz、1H)、7.24(t、J=7.8Hz、6H)、7.17(t、J=7.9Hz、1H)、6.98(d、J=8.2Hz、2H)、6.92(d、J=8.2Hz、6H)、6.85(q、J=5.4Hz、1H)、6.78(d、J=8.2Hz、2H)、5.56(s、2H)、5.12〜5.22(m、2H)、4.58〜4.68(m、2H)、4.06〜4.20(m、2H)、1.64〜1.94(m、4H)、1.41〜1.46(m、6H)、1.33(d、J=6.4Hz、3H)、LC−MS:m/z999.5(M+Na)。
【0069】
手順C:1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩
1−[({[(4R,5R)−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩(2.47g、2.53mmol)のメタノール(30mL)懸濁液を70°Cに2時間加熱した。反応混合物を真空内で濃縮し、残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、3〜9%のメタノール/ジクロロメタンで溶出させて精製すると、表題の化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDCN)δ7.71(d、J=7.6Hz、1H)、7.61(dt、J=1.1、7.6Hz、1H)、7.48〜7.56(m、3H)、7.42(d、J=7.6Hz、1H)、7.12(t、J=7.9Hz、1H)、6.96(d、J=8.3Hz、2H)、6.89(d、J=8.2Hz、2H)、6.78(q、J=5.4Hz、1H)、5.56(d、J=16.7Hz、1H)、5.53(d、J=16.7Hz、1H)、5.24〜5.40(m、2H)、4.44〜4.58(m、2H)、4.06〜4.18(m、2H)、1.7〜1.9(m、4H)、1.36〜1.44(m、6H)、1.34(d、J=6.2Hz、3H)、LC−MS:m/z735.3(M+H)。
【0070】
手順D:
表題の化合物の個々のジアステレオマーを、超臨界流体クロマトグラフィー(Chiralpak AD−H、25%のメタノール/二酸化炭素)で、時間的に最初に溶出されるジアステレオマーAと、時間的に2番目に溶出されるジアステレオマーBに分離した。
ジアステレオマーA:
H NMR(500MHz、CDCN)δ7.73(dd、J=1.3、7.7Hz、1H)、7.61(dt、J=1.4、7.7Hz、1H)、7.54(dt、J=1.3、7.6Hz、1H)、7.50(dd、J=1.1、7.9Hz、1H)、7.40(dd、J=1.1、7.8Hz、1H)、7.37(dd、J=0.8、7.9Hz、1H)、7.07(t、J=7.9Hz、1H)、6.93(d、J=8.5Hz、2H)、6.85(d、J=8.2Hz、2H)、6.75(q、J=5.4Hz、1H)、5.53(s、2H)、5.24〜5.36(m、2H)、4.50(qd、J=7.1、10.2Hz、1H)、4.39(qd、J=7.1、10.2Hz、1H)、4.12(t、J=6.0Hz、2H)、1.68〜1.84(m、4H)、1.39(t、J=7.0Hz、3H)、1.38(d、J=5.4Hz、3H)、1.34(d、J=6.4Hz、3H)、LC−MS:m/z735.3(M+H)。
ジアステレオマーB:
HNMR(500MHz、CDCN)δ7.70(dd、J=1.1、7.7Hz、1H)、7.61(dt、J=1.4、7.6Hz、1H)、7.58(dd、J=0.9、7.8Hz、1H)、7.50〜7.56(m、2H)、7.44(d、J=7.7Hz、1H)、7.15(t、J=7.9Hz、1H)、6.99(d、J=8.2Hz、2H)、6.91(d、J=8.2Hz、2H)、6.80(q、J=5.5Hz、1H)、5.55(s、2H)、5.24〜5.36(m、2H)、4.50〜4.60(m、2H)、4.08〜4.18(m、2H)、1.70〜1.84(m、4H)、1.44(d、J=5.2Hz、3H)、1.42(t、J=7.1Hz、3H)、1.34(d、J=6.1Hz、3H)、LC−MS:m/z735.3(M+H)。
【実施例3】
【0071】
【化19】

【0072】
1−[({[(4R,5R)−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩
手順A:(4R,5R)−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル1−クロロエチル炭酸塩
(2R,3R)−6−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2,3−ジイル二硝酸塩(中間体2、0.78g、3.26mmol)をCHCl(15mL)に入れて0°Cに冷却した溶液に、1−クロロエチルクロロギ酸塩(0.355mL、3.26mmol)を加えた。次にピリジン(0.263mL、3.26mmol)溶液を滴下して加えた。溶液を室温で夜通し撹拌した。次に、これをCHCl(25mL)で希釈し、HCl1N(2×15mL)、飽和NaHCO溶液(15mL)およびブラインで洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させ、濃縮すると、表題の化合物が無色の油として得られた。
HNMR(300MHz、DMSO−d6)δ6.53〜6.43(m、1H)、5.51〜5.30(m、2H)、4.35〜4.14(m、2H)、2.14〜2.01(m、1H)、1.83〜1.70(m、4H)、1.67〜1.43(m、1H)、1.44〜1.32(m、3H)、1.05〜0.90(m、3H)。
【0073】
手順B:1−[({[(4R,5R)−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩
(4R,5R))−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル1−クロロエチル炭酸塩(1.01g、3.26mmol)を、2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(中間体3、3.32g、4.88mmol)およびCsCO(2.40g、7.33mmol)をDMF(18mL)に入れて攪拌した溶液に加えた。溶液を室温で夜通し撹拌した。混合物をNaHPO5%(40mL)の溶液で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層を水(4x20mL)とブラインで洗浄した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1、SNAP100gカラム、TLC方法:n−ヘキサン/EtOAcの比率7:3、Rf:0.45)で精製すると、表題の化合物が得られ、これを次の手順でそれ以上の特性評価を行わずに使用した。
【0074】
手順C:1−[({[(4R,5R)−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩
1−[({[(4R,5R)−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸塩(1.08g、1.09mmol)を、CHCl(3mL)に溶かし、MeOHを加えた(17mL)。溶液をマイクロ波装置(70°C、40分)内で加熱した。次に溶液を濃縮させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1、SNAP100gカラム、CHCl/MeOHの比率98:2)で精製すると、表題の化合物が得られた。
HNMR(300MHz、CDCl)δ8.16(d、1H)、7.70〜7.52(m、2H)、7.45(d、1H)、7.22(d、2H)、7.04(d、2H)、6.89(q、1H)、5.56(s、2H)、5.38〜5.25(m、1H)、5.20〜4.99(m、1H)、4.35〜4.03(m、2H)、2.74(t、2H)、2.18〜2.01(m、2H)、1.97〜1.70(m、3H)、1.70〜1.50(m、4H)、1.50〜1.33(m、5H)、1.11〜0.89(m、6H)。
【実施例4】
【0075】
【化20】

【0076】
1−[({[(4R,5R)−3メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]−1−メチルエチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩
手順A:1−[({[(4R,5R)−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]−1−メチルエチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩
(2R,3R)−6−ヒドロキシ−4−メチルヘキサン−2,3−ジイル二硝酸塩(中間体2、0.78g、3.26mmol)を、1−メチル−1−{[(4−ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩(中間体4、1.96g、2.17mmol)をCHCl(20mL)に入れて攪拌した溶液に加えた。溶液を室温で夜通し撹拌した。溶液をCHCl(20mL)で希釈し、NaHPO5%(2×20mL)およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1、SNAP100gカラム、TLC法、n−ヘキサン/EtOAcの比率6:4、Rf:0.45)で精製すると、表題の化合物が得られ、これをそれ以上精製することなく使用した。
【0077】
手順B:1−[({[(4R,5R)−3メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]−1−メチルエチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩
1−[({[(4R,5R)−3−メチル−4,5−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル]オキシ}カルボニル)オキシ]−1−メチルエチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸塩(1.77g、1.76mmol)をCHCl(5mL)に溶かし、MeOHを加えた(30mL)。室温で72時間撹拌した後、溶液を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1、SNAP100gカラム、CHCl/MeOHの比率98:2)で精製すると、表題の化合物が白色の固体として得られた。
HNMR(300MHz、CD3OD)δ8.04(d、1H)、7.64〜7.59(m、2H)、7.53(d、1H)、7.32(d、1H)、6.92(t、1H)、6.87〜6.74(m、3H)、6.69(d、1H)、5.62(s、2H)、5.38〜5.22(m、1H)、5.15〜5.00(m、1H)、4.39〜3.96(m、4H)、2.16〜1.97(m、1H)、1.94〜1.70(m、1H)、1.65(s、6H)、1.49〜1.31(m、6H)、1.02(dd、3H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iを有する化合物:
【化1】

(式中、Rは
【化2】


から構成される群から選択され、
Yは
1)−(CH
2)−C(O)(CH
3)−C(R)OC(O)O(CH、ここでnは1または2で、
4)−C(R)OC(O)CHCH
5)−C(R)OC(O)OCHCHC(R)R
【化3】

から構成される群から選択され、
ただし、Yが−C(O)(CHのとき、Rは
【化4】

であり、
、R、RおよびRは、水素およびC1−4アルキルで構成される群から独立的に選択され、
は、−CH(ONO)CH(ONO)Rであり、
は、CH、CHCHおよびCH(CHである。)
または該化合物の医薬品として容認できる塩。
【請求項2】
がCHであり、ならびにRがHまたはCHである請求項1の化合物。
【請求項3】
がCHまたはHであり、ならびにRがHである請求項1の化合物。
【請求項4】
Rが
【化5】

から構成される群から選択される請求項1の化合物。
【請求項5】

【化6】

から構成される群から選択される請求項1の化合物。
【請求項6】

【化7】

から構成される群から選択される請求項1の化合物。
【請求項7】

【化8】

(式中、Zは
【化9】

から構成される群から選択される。)
を有する請求項1の化合物またはそれらの医薬品として容認できる塩。
【請求項8】

【化10】

(式中、Zは
【化11】

から構成される群から選択される。)
を有する請求項1の化合物またはそれらの医薬品として容認できる塩。
【請求項9】

【化12】

(式中、Zは
【化13】

から構成される群から選択される。)
を有する請求項1の化合物またはそれらの医薬品として容認できる塩。
【請求項10】
構造
【化14】

を有する化合物またはそれらの医薬品として容認できる塩または水和物。
【請求項11】
構造
【化15】

を有する化合物またはそれらの医薬品として容認できる塩または水和物。
【請求項12】

【化16】

(式中
Yは−C(R)OC(O)OCHCHC(R)Rであり、
およびRはCHであり、
およびRは、水素およびC1−4アルキルで構成される群から独立的に選択され、
は、−CH(ONO)CH(ONO)Rであり、および
は、CH、CHCHおよびCH(CHから選択される。)
を有する請求項1の化合物。
【請求項13】
請求項1の化合物および医薬品として容認できる担体を含む薬剤組成物。
【請求項14】
請求項1の化合物、利尿薬、および医薬品として容認できる担体を含む薬剤組成物。
【請求項15】
患者の高血圧を治療する方法であって、前記患者に治療効果量の請求項13の組成物を投与することを含む方法。
【請求項16】
請求項10の化合物および医薬品として容認できる担体を含む薬剤組成物。
【請求項17】
請求項10の化合物、利尿薬、および医薬品として容認できる担体を含む薬剤組成物。
【請求項18】
患者の高血圧を治療する方法であって、前記患者に治療効果量の請求項16の組成物を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2011−504500(P2011−504500A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534968(P2010−534968)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/012984
【国際公開番号】WO2009/070241
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【出願人】(398034032)ニコックス エス エイ (36)
【住所又は居所原語表記】Taissounieres HB4,1681 route des Dolines−BP313,06560 Sophia Antipolis−Valbonne,France
【Fターム(参考)】