説明

アンダーウェア

【課題】 抵抗なく上半身の筋肉をサポートするアンダーウェアを提供する。
【解決手段】 最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身の各筋肉に対応する部位に配置し、圧迫することでそれら筋肉の動きをサポートするアンダーウェアWであって、大胸筋101及び腹直筋102に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部Xを最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置するとともに、この第1伸縮編成部Xに連続する状態で、僧帽筋103の肩部分に対応する部位には、伸縮率が第1伸縮編成部Xよりも高い第2伸縮編成部Yを最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、これら第1伸縮編成部X及び第2伸縮編成部Yに連続する状態で、前鋸筋116から外腹斜筋108にかけての部分に対応する部位には、伸縮率が第2伸縮編成部Yよりも高い第3伸縮編成部Zを最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業時や運動時に着用することで、上半身を構成する各筋肉を適度に圧迫して筋肉の動きをサポートするアンダーウェアに関し、詳しくは、一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
このように上半身を構成する筋肉を適度に圧迫してそれら筋肉をサポートするアンダーウェアの従来構成としては、ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が最も低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上下方向となる縦向きで配置し、この第1伸縮編成部に連続する状態で、外腹斜筋から前鋸筋、大胸筋、僧帽筋の肩部分にかけての部分に対応する部位に、伸縮率が最も高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上下方向となる縦向きで配置するとともに、ウェアの袖部において、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位には、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高く、第3伸縮編成部よりも低い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、上腕三頭筋に対応する部位には、第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が袖丈方向となる向きに配置し、前腕部分に対応する部位には、第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置して形成してあるものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
また、別の従来構成としては、ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が最も低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上下方向となる縦向きで配置し、この第1伸縮編成部に連続する状態で、外腹斜筋から前鋸筋、大胸筋、僧帽筋の肩部分にかけての部分に対応する部位に、伸縮率が最も高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置するとともに、ウェアの袖部において、上腕部分に対応する部には、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高く、第3伸縮編成部よりも低い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置して形成してあるものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】実公昭51−29124号公報
【特許文献2】実公昭52−14103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、各種作業並びに各種スポーツにおいては、動作毎に作用する筋肉が異なり、また、それら筋肉の動きも伸縮する方向も異なるため、その前面における外腹斜筋から前鋸筋、大胸筋、僧帽筋にかけて部分に対応する部位が一連の伸縮編成部で形成されているように、複数の動きの異なる筋肉に対して同じ伸縮率で同じ向きに伸縮する一連の伸縮編成部を複数設けて形成してある従来のアンダーウェアであると、各種作業並びに各種スポーツの動作における筋肉の様々な動きに対し、適切にサポートすることが困難であった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、合理的な改良により上記問題を効果的に解消する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1特徴構成は、アンダーウェアに係り、その特徴は、
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアにおいて、
ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置するとともに、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
更に、これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してある点にある。
【0005】
つまり、この構成であれば、ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、ウェアを着用する際、ウェア胴体部の前面が左右幅方向に伸縮し易くなり、ウェアを容易に着用することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける大胸筋の主要部分や腹直筋の動きがスムーズになるようにサポートすることができる。また、ウェア胴体部の前面の第1伸縮編成部が、着用者の大胸筋の主要部分及び腹直筋に対して密着して適度に圧迫することで、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0006】
また、大胸筋の主要部分に対する圧力により、大胸筋とそれの内側にある小胸筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは大胸筋)と深層筋(ここでは小胸筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0007】
そして、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げによる筋肉の伸縮が、大胸筋の主要部分や腹直筋に比べて大きい僧帽筋の肩部分に対応する部位に、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、腕の上げ下げ等の動作により左右幅方向に伸縮して作用する僧帽筋の肩部分の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、僧帽筋の肩部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、僧帽筋の筋力を向上させることができる。
【0008】
更に、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや上半身の捻りによる筋肉の伸縮が非常に大きい前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分(すなわち、脇腹部分)に対応する部位に、伸縮率が第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置しているので、腕の上げ下げや上半身の捻り等の動作により上方ほど外方に傾く斜め方向に伸縮して作用するこれら前鋸筋及び外腹斜筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に適度な圧力を付与するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0009】
また、外腹斜筋に対する圧力により、外腹斜筋とそれの内側にある内腹斜筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは外腹斜筋)と深層筋(ここでは内腹斜筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に向上させることができる。
【0010】
要するに、前述のように第1伸縮編成部と第2伸縮編成部と第3伸縮編成部とを連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として上半身の捻りや腕の上げ下げ等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に作用する各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで、筋力を向上させ運動能力を効果的に向上させることができる。
【0011】
なお、大胸筋は、主として肩関節の水平内転、屈曲、内転、内旋、伸展及び外転に作用する。小胸筋は、肩甲骨の下制、外転及び下方回旋に作用する。腹直筋は、主として上半身の前屈、側屈及び回旋に作用する。僧帽筋は、肩関節の屈曲、伸展、外転、内転及び外旋、並びに、肩甲骨の挙上及び下制に作用する。前鋸筋は、肩甲骨の外転及び上方回旋に作用する。外腹斜筋及び内腹斜筋は、主に上半身の回旋動作、屈曲及び側屈に作用する。
【0012】
本発明の第2特徴構成は、アンダーウェアに係り、その特徴は、
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアにおいて、
僧帽筋の肩部分に対応する部位に配置される伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きに構成されているとともに、
この伸縮編成部に連続する状態で、三角筋に対応する部位に配置される伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きに構成されている点にある。
【0013】
身体の肩に相当する箇所は、僧帽筋の肩部分と三角筋とから構成されていて、腕の上げ下げ等の動作において、僧帽筋の肩部分及び三角筋は左右幅方向の横向きに伸縮するが、腕を上げた筋肉収縮状態では三角筋は隆起して大きくなる。
【0014】
つまり、この構成であれば、僧帽筋の肩部分に対応する部位に配置される伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きに構成することで、左右幅方向に伸縮する僧帽筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、僧帽筋の肩部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、僧帽筋の筋力を向上させることができる。
【0015】
また、三角筋に対応する部位に配置される伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きに構成することで、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動きにおける収縮で隆起する三角筋の動きに対して抵抗することなく、三角筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、三角筋に対して密着して適度な圧力を付与するので、三角筋の筋力を向上させることができる。
【0016】
要するに、前述のようにこれら伸縮編成部を連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に作用する各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで、筋力を向上させ運動能力を効果的に向上させることができる。
【0017】
なお、三角筋は、肩関節の水平屈曲、内旋、屈曲、伸展、外転、水平伸展及び外旋に作用する。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、アンダーウェアに係り、その特徴は、
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアにおいて、
ウェア袖部において、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置するとともに、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
更に、これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してある点にある。
【0019】
つまり、この構成であれば、ウェア袖部において、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置しているので、ウェアを着用する際に、ウェア袖部が腕周方向に伸縮し、ウェア袖部に腕を容易に挿入することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける肘の屈伸動作による上腕二頭筋及び上腕筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができる。また、この第1伸縮編成部が、着用者の上腕二頭筋及び上腕筋に対して密着して適度に圧迫するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0020】
そして、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として肘の屈伸動作による筋肉の伸縮が、上腕二頭筋に比べて大きい上腕三頭筋に対応する部位に、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置しているので、腕の屈曲動作による上腕三頭筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができるとともに、上腕三頭筋及び腕橈骨筋の上腕部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、上腕三頭筋及び腕橈骨筋の筋力を向上させることができる。
【0021】
また、肘関節に対応する部位にも第2伸縮編成部を配置することで、肘を屈曲させた際に伸縮性のよい第2伸縮編成部が伸びるので、抵抗なく肘を屈曲させることができる。
【0022】
更に、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動作による筋肉の伸縮が大きい烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位に、伸縮率が第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置しているので、腕の上げ下げや腕の捻り等の動作による烏口腕筋及び大胸筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができるとともに、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0023】
また、大胸筋の上腕側部分に対する圧力により、大胸筋とそれの内側にある小胸筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは大胸筋)と深層筋(ここでは小胸筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0024】
そして更に、胸を張った状態(肩関節から腕を水平に伸長させた状態)において、大胸筋の上腕側部分が上腕側に伸長するのに連動して、第3伸縮編成部がその大胸筋の上腕側部分の伸長方向(つまり、上方ほど外方に傾く斜め方向)に伸縮するので、肩関節から腕を水平方向に屈伸させる動作もスムーズに行うことができる。
【0025】
要するに、前述のようにこれら伸縮編成部を連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として肘の屈伸や腕の上げ下げ、並びに、腕の捻り等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に作用する各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで、筋力を向上させ運動能力を効果的に向上させることができる。
【0026】
なお、上腕二頭筋は、肘関節の屈曲及び前腕の回外に作用し、肩関節の屈曲を補助する。上腕筋は、肘関節の屈曲に作用する。上腕三頭筋は、肘関節の伸展、及び、肩関節の伸展に作用する。腕橈骨筋は、肘関節の屈曲、前腕の回内及び回外に作用する。肘筋は、肘関節の伸展に作用する。烏口腕筋は、肩関節の屈曲、内転及び水平屈曲に作用する。
【0027】
本発明の第4特徴構成は、アンダーウェアに係り、その特徴は、
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアにおいて、
ウェアの前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置するとともに、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
更に、この第2伸縮編成部に連続する状態で、三角筋に対応する部位には、前記第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
そして、これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してある点にある。
【0028】
つまり、この構成であれば、ウェアの前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、ウェアを着用する際、ウェアの前面が左右幅方向に伸縮し易くなり、ウェアを容易に着用することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける大胸筋の主要部分や腹直筋の動きがスムーズになるようにサポートすることができる。また、ウェア胴体部の前面の第1伸縮編成部が、着用者の大胸筋の主要部分及び腹直筋に対して密着して適度に圧迫することで、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0029】
また、大胸筋の主要部分に対する圧力により、大胸筋とそれの内側にある小胸筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは大胸筋)と深層筋(ここでは小胸筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0030】
そして、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げによる筋肉の伸縮が、大胸筋の主要部分や腹直筋に比べて大きい僧帽筋の肩部分に対応する部位に、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、腕の上げ下げ等の動作により左右幅方向に伸縮して作用する僧帽筋の肩部分の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、僧帽筋の肩部分に適度な圧力を付与して筋肉の筋力を向上させることができる。
【0031】
また、僧帽筋の肩部分と共に身体の肩に相当する三角筋に対応する部位に配置される第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きに構成することで、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動きにおける収縮で隆起する三角筋の動きに対して抵抗することなく、三角筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、三角筋に適度な圧力を付与して筋肉の筋力を向上させることができる。
【0032】
更に、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや上半身の捻りによる筋肉の伸縮が非常に大きい前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分(すなわち、脇腹部分)に対応する部位に、伸縮率が第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置しているので、腕の上げ下げや上半身の捻り等の動作により上方ほど外方に傾く斜め方向に伸縮して作用するこれら前鋸筋及び外腹斜筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に適度な圧力を付与してそれら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0033】
また、外腹斜筋に対する圧力により、外腹斜筋とそれの内側にある内腹斜筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは外腹斜筋)と深層筋(ここでは内腹斜筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0034】
要するに、前述のように第1伸縮編成部と第2伸縮編成部と第3伸縮編成部とを連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として上半身の捻りや腕の上げ下げ、腕の捻り等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に作用する各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで筋力を向上させて、運動能力を効果的に向上させることができる。
【0035】
本発明の第5特徴構成は、アンダーウェアに係り、その特徴は、
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアにおいて、
ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置するとともに、
ウェア袖部において、三角筋に対応する部位には、前記第2伸縮性素材をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この三角筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部に連続する状態で、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位には、第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部に連続する状態で、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位には、前記第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
更に、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部と、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部とに連続する状態で、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してある点にある。
【0036】
つまり、この構成であれば、ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、ウェアを着用する際、ウェア胴体部の前面が左右幅方向に伸縮し易くなり、ウェアを容易に着用することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける大胸筋の主要部分や腹直筋の動きがスムーズになるようにサポートすることができる。また、ウェア胴体部の前面の第1伸縮編成部が、着用者の大胸筋の主要部分及び腹直筋に対して密着して適度に圧迫することで、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0037】
また、大胸筋の主要部分に対する圧力により、大胸筋とそれの内側にある小胸筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは大胸筋)と深層筋(ここでは小胸筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0038】
そして、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げによる筋肉の伸縮が、大胸筋の主要部分や腹直筋に比べて大きい僧帽筋の肩部分に対応する部位に、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、腕の上げ下げ等の動作により左右幅方向に伸縮して作用する僧帽筋の肩部分の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、僧帽筋の肩部分に適度な圧力を付与して筋肉の筋力を向上させることができる。
【0039】
また、ウェア袖部において、僧帽筋の肩部分と共に身体の肩に相当する三角筋に対応する部位に配置される第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きに構成することで、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動きにおける収縮で隆起する三角筋の動きに対して抵抗することなく、三角筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、三角筋に適度な圧力を付与して筋肉の筋力を向上させることができる。
【0040】
そして、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置しているので、ウェアを着用する際に、ウェア袖部が腕周方向に伸縮し、ウェア袖部に腕を容易に挿入することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける肘の屈伸動作による上腕二頭筋及び上腕筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができる。また、この第1伸縮編成部が、着用者の上腕二頭筋及び上腕筋に対して密着して適度に圧迫するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0041】
そして、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として肘の屈伸動作による筋肉の伸縮が、上腕二頭筋に比べて大きい上腕三頭筋に対応する部位に、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置しているので、腕の屈曲動作による上腕三頭筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができるとともに、上腕三頭筋及び腕橈骨筋の上腕部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、上腕三頭筋及び腕橈骨筋の筋力を向上させることができる。
【0042】
また、肘関節に対応する部位にも第2伸縮編成部を配置することで、肘を屈曲させた際に伸縮性のよい第2伸縮編成部が伸びるので、抵抗なく肘を屈曲させることができる。
【0043】
更に、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動作による筋肉の伸縮が大きい烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位に、伸縮率が第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置しているので、腕の上げ下げや腕の捻り等の動作による烏口腕筋及び大胸筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができるとともに、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0044】
また、大胸筋の上腕側部分に対する圧力により、大胸筋とそれの内側にある小胸筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは大胸筋)と深層筋(ここでは小胸筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0045】
そして更に、胸を張った状態(肩関節から腕を水平に伸長させた状態)において、大胸筋の上腕側部分が上腕側に伸長するのに連動して、第3伸縮編成部がその大胸筋の上腕側部分の伸長方向(つまり、上方ほど外方に傾く斜め方向)に伸縮するので、肩関節から腕を水平方向に屈伸させる動作もスムーズに行うことができる。
【0046】
要するに、前述のようにこれら伸縮編成部を連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げ、腕の捻り、並びに、肘の屈曲等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に作用する各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで、筋力を向上させ運動能力を効果的に向上させることができる。
【0047】
本発明の第6特徴構成は、アンダーウェアに係り、その特徴は、
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアにおいて、
ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置するとともに、
ウェア袖部において、三角筋に対応する部位には、前記第2伸縮性素材をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この三角筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部に連続する状態で、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に、前記第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部に連続する状態で、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位には、前記第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
更に、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部と、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部とに連続する状態で、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位には、前記第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してある点にある。
【0048】
つまり、この構成であれば、ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、ウェアを着用する際、ウェア胴体部の前面が左右幅方向に伸縮し易くなり、ウェアを容易に着用することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける大胸筋の主要部分や腹直筋の動きがスムーズになるようにサポートすることができる。また、ウェア胴体部の前面の第1伸縮編成部が、着用者の大胸筋の主要部分及び腹直筋に対して密着して適度に圧迫することで、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0049】
また、大胸筋の主要部分に対する圧力により、大胸筋とそれの内側にある小胸筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは大胸筋)と深層筋(ここでは小胸筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0050】
そして、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げによる筋肉の伸縮が、大胸筋の主要部分や腹直筋に比べて大きい僧帽筋の肩部分に対応する部位に、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、腕の上げ下げ等の動作により左右幅方向に伸縮して作用する僧帽筋の肩部分の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、僧帽筋の肩部分に適度な圧力を付与して筋肉の筋力を向上させることができる。
【0051】
また、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや上半身の捻りによる筋肉の伸縮が非常に大きい前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分(すなわち、脇腹部分)に対応する部位に、伸縮率が第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置しているので、腕の上げ下げや上半身の捻り等の動作により上方ほど外方に傾く斜め方向に伸縮して作用するこれら前鋸筋及び外腹斜筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に適度な圧力を付与するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0052】
また、外腹斜筋に対する圧力により、外腹斜筋とそれの内側にある内腹斜筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは外腹斜筋)と深層筋(ここでは内腹斜筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に向上させることができる。
【0053】
そして、ウェア袖部において、僧帽筋の肩部分と共に身体の肩に相当する三角筋に対応する部位に配置される第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きに構成することで、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動きにおける収縮で隆起する三角筋の動きに対して抵抗することなく、三角筋の動きをサポートして、動作をスムーズなものにすることができるとともに、三角筋に適度な圧力を付与して筋肉の筋力を向上させることができる。
【0054】
また、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置しているので、ウェアを着用する際に、ウェア袖部が腕周方向に伸縮し、ウェア袖部に腕を容易に挿入することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける肘の屈伸動作による上腕二頭筋及び上腕筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができる。また、この第1伸縮編成部が、着用者の上腕二頭筋及び上腕筋に対して密着して適度に圧迫するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0055】
そして、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として肘の屈伸動作による筋肉の伸縮が、上腕二頭筋に比べて大きい上腕三頭筋に対応する部位に、伸縮率が第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置しているので、腕の屈曲動作による上腕三頭筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができるとともに、上腕三頭筋及び腕橈骨筋の上腕部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、上腕三頭筋及び腕橈骨筋の筋力を向上させることができる。
【0056】
また、肘関節に対応する部位にも第2伸縮編成部を配置することで、肘を屈曲させた際に伸縮性のよい第2伸縮編成部が伸びるので、抵抗なく肘を屈曲させることができる。
【0057】
更に、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや腕の水平移動等の動作(特に、肩関節から腕を水平に屈伸させた時)による筋肉の伸縮が大きい烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位に、伸縮率が第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置しているので、腕の上げ下げや腕の捻り等の動作による烏口腕筋及び大胸筋の伸縮がスムーズになるようにサポートすることができるとともに、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対して密着して適度な圧力を付与するので、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0058】
また、大胸筋の上腕側部分に対する圧力により、大胸筋とそれの内側にある小胸筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは大胸筋)と深層筋(ここでは小胸筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0059】
そして更に、胸を張った状態(肩関節から腕を水平に伸長させた状態)において、大胸筋の上腕側部分が上腕側に伸長するのに連動して、第3伸縮編成部がその大胸筋の上腕側部分の伸長方向(つまり、上方ほど外方に傾く斜め方向)に伸縮するので、肩関節から腕を水平方向に屈伸させる動作もスムーズに行うことができる。
【0060】
要するに、前述のようにこれら伸縮編成部を連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げ、腕の捻り、並びに、肘の屈曲等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に作用する各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで、筋力を向上させ運動能力を効果的に向上させることができる。
【0061】
本発明の第7特徴構成は、第1〜第6特徴構成のいずれか1つの特徴構成の実施において好適な構成であり、その特徴は、
ウェア胴体部において、外腹斜筋の腰部分及び広背筋の腰部分に対応する部位に、前記伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置して形成してある点にある。
【0062】
つまり、この構成であれば、ウェア胴体部において、外腹斜筋の腰部分及び広背筋の腰部分に対応する部位に、伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、ウェアを着用する際、ウェア胴体部が左右幅方向に伸縮し易くなり、ウェアを容易に着用することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける腰部の捻りなどの動きがスムーズになるようにサポートすることができる。また、伸縮編成部が、着用者の外腹斜筋の腰部分及び広背筋の腰部分に対して密着して適度に圧迫することで、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0063】
また、外腹斜筋に対する圧力により、外腹斜筋とそれの内側にある内腹斜筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは外腹斜筋)と深層筋(ここでは内腹斜筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0064】
要するに、前述のように伸縮編成部を連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腰の捻り等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に作用する各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで筋力を向上させて、運動能力を効果的に向上させることができる。
【0065】
なお、広背筋は、肩関節の内転、伸展、内旋及び水平伸展に作用する。
【0066】
本発明の第8特徴構成は、第1〜第7特徴構成のいずれか1つの特徴構成の実施において好適な構成であり、その特徴は、
ウェア胴体部の後面において、僧帽筋の主要部分及び広背筋の脊柱側部分に対応する部位にそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置された前記第1伸縮編成部と、僧帽筋の肩部分、棘下筋、小円筋及び大円筋に対応する部位にそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置された前記第2伸縮編成部との境界線を肩甲骨の内側縁形状に沿って配置してある点にある。
【0067】
つまり、この構成であれば、各種作業並びに各種スポーツにおける腕の上げ下げや腕の揺動等の肩を基点とする動作において大きく動く肩甲骨の内側縁形状に沿って、僧帽筋の主要部分及び広背筋の脊柱側部分に対応する部位に配置された第1伸縮編成部と、僧帽筋の肩部分、棘下筋、小円筋及び大円筋に対応する位置に配置された第2伸縮編成部との境界線を配置してあるので、大きく動く肩甲骨に対して伸縮率の異なる2つの伸縮編成部を配置することがなく、第1伸縮編成部よりも伸縮率の高い第2伸縮編成部に覆われることとなり、これによって、各動作において肩甲骨に違和感を与えることがなく、肩甲骨の大きな動きにも対応できるとともに、第1伸縮編成部が僧帽筋の主要部分及び広背筋の脊柱側部分に、第2伸縮編成部が僧帽筋の肩部分、棘下筋、小円筋及び大円筋に対して、それら各筋肉の動きが各動作においてスムーズになるようにサポートすることができる。
【0068】
そして、僧帽筋の主要部分及び広背筋の脊柱側部分に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、ウェアを着用する際、ウェア胴体部の後面が左右幅方向に伸縮し易くなり、ウェアを容易に着用することができるとともに、各種作業並びに各種スポーツにおける僧帽筋の主要部分や広背筋の脊柱側部分の動きがスムーズになるようにサポートすることができる。
【0069】
また、僧帽筋の主要部分に対する圧力により、僧帽筋の主要部分とそれの内側にある肩甲挙筋及び菱形筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは僧帽筋)と深層筋(ここでは肩甲挙筋及び菱形筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0070】
そして、加えて広背筋の脊柱側部分に対しても適度に圧力をかけることで、僧帽筋の主要部分、菱形筋及び広背筋の脊柱側部分と、それら筋肉に亘る部分の内側にある脊柱起立筋との筋力のバランスを調整することで、身体の背面部において筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0071】
また、僧帽筋の肩部分、棘下筋、小円筋及び大円筋に対応する部位に、第1伸縮編成部よりも伸縮率が高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置しているので、各種作業並びに各種スポーツにおける僧帽筋の肩部分、棘下筋、小円筋及び大円筋の動きがスムーズになるようにサポートすることができる。更に、この第2伸縮編成部が僧帽筋の肩部分、棘下筋、小円筋及び大円筋に対して密着して適度に圧迫することで、それら筋肉の筋力を向上させることができる。
【0072】
更に、僧帽筋の肩部分に対する圧力により、僧帽筋の肩部分とそれの内側にある棘上筋との筋力のバランスを調整し、これによって、浅層筋(ここでは僧帽筋)と深層筋(ここでは棘上筋)との筋力バランスが非均等になることによる運動能力の低下を抑制しながら、運動能力を効果的に上昇させることができる。
【0073】
要するに、前述のように第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とを連続する状態で配置することで、各種作業並びに各種スポーツにおいて、主として腕の上げ下げや腕の捻り等の動作(例えば、野球における投球動作や打撃動作、ゴルフにおけるスウィング動作、テニスにおけるストローク動作等)時に、肩甲骨の動きをスムーズにすることができるとともに、各筋肉の動きをサポートして、それら一連の動きをスムーズに行えるようにするとともに、それら筋肉に適度な圧力を付与することで筋力を向上させて、運動能力を効果的に向上させることができる。
【0074】
なお、棘上筋は、肩関節の外転を補助し、上腕骨頭を安定させるのに作用する。棘下筋は、肩関節の外旋、水平伸展及び伸展に作用する。小円筋は、肩関節の外旋、水平伸展及び伸展に作用する。大円筋は、肩関節の伸展、内旋及び内転に作用し、広背筋の動きを補助する。肩甲挙筋は、肩甲骨の挙上に作用する。菱形筋は、肩甲骨の内転及び挙上に作用する。脊柱起立筋は、上半身の伸展(後屈)及び側屈に作用する。
【0075】
本発明の第9特徴構成は、第1〜第8特徴構成のいずれか1つの特徴構成の実施において好適な構成であり、その特徴は、
前記ウェア胴体部又はウェア袖部のそれぞれにおいて、それらを構成する複数の伸縮編成部が非縫合の一連編成で形成されている点にある。
【0076】
つまり、この構成であれば、ウェア胴体部又はウェア袖部のそれぞれを構成する複数の伸縮編成部を縫合して形成しているのではなく、一連に編成して形成してあるので、着用者に対する縫合部分の違和感を付与することがなく、ウェアを着心地の良いものにすることができる。
【0077】
また、複数の伸縮編成部を縫合することにより形成したウェアだと、連続する伸縮編成部それぞれの最大伸縮方向が同一方向であっても、縫合箇所においてそれらの伸縮率が低下してしまい、各種作業並びに各種スポーツにおける動作に対してスムーズにサポートするのが困難であったが、この構成であれば、各種作業並びに各種スポーツにおける動作に対してスムーズにサポートすることができる。
【0078】
本発明の第10特徴構成は、第9特徴構成の実施において好適な構成であり、その特徴は、
前記ウェア胴体部に対してウェア袖部を裏表にした状態で縫合してある点にある。
【0079】
ウェア胴体部及びウェア袖部を、複数の伸縮編成部の非縫合の一連編成により形成すると、ウェア胴体部の前面及び後面における両側縁部分と両肩ライン部分(つまり、ウェア胴体部の前面と後面との境界線部分)、及び、ウェア袖部の前面及び後面における上側縁部分に、突出してある鰭状縁部が形成される。また、ウェア袖部の前面及び後面における下側縁部分には筒状のウェア袖部を形成するための縫合縁部が形成されている。
つまり、この構成であれば、ウェア胴体部については鰭状縁部が外面に露呈する側を表面とし、ウェア袖部については鰭状縁部及び縫合縁部がない側を表面として、それらウェア胴体部とウェア袖部とを縫合することで、ウェア胴体部については鰭状縁部が身体に接しないのでウェアの着心地がよく、そして、ウェア袖部については、各種作業並びに各種スポーツにおいて、特に野球の場合、半袖のユニフォームの下に着用するのでウェア袖部が外面に露呈してしまうが、ウェア袖部の鰭状縁部及び縫合縁部は内面側にあるので、ウェア着用時の外観においても美観を損ねることなく良好な外観にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
〔実施形態〕
図1及び図2は、各種作業並びに各種スポーツにおいて、作業者や選手が上半身に着用する本願発明であるアンダーウェアW示し、アンダーウェアWは、ウェア胴体部tとウェア袖部aとウェア衿部nを縫合することで形成されていて、ウェア胴体部t及びウェア袖部aのそれぞれは、伸縮率が最も低い第1伸縮編成部Xと、第1伸縮編成部Xよりも伸縮率が高い第2伸縮編成部Yと、伸縮率が最も高い第3伸縮編成部Zとを連続的に非縫合状態で一連に編成することで形成されているとともに、ウェア衿部nは第3伸縮編成部Zから形成されている。
【0081】
ウェア袖部aは、ウェア胴体部tに対して裏表逆にした状態でそれに縫合されており、これにより、第1伸縮編成部X、第2伸縮編成部Y及び第3伸縮編成部Zを連続的に非縫合状態で一連に編成した際に、ウェア胴体部tの前面t1及び後面t2における両側縁部分Sと両肩ライン部分L(つまり、ウェア胴体部tの前面t1と後面t2との境界線部分)、及び、ウェア袖部aの前面及び後面における上側縁部分に突出した状態で現出する鰭状縁部eを、ウェア袖部aについては内面側に位置させている。
【0082】
また、ウェア袖部aの前面及び後面における下側縁部分には、筒状のウェア袖部aを形成するための縫合縁部が形成されており、ウェア袖部aを裏返してウェア胴体部tと縫合することで、この縫合縁部もウェア袖部aの内面側に位置する。
【0083】
つまり、ウェア胴体部tについては鰭状縁部eが外面に露呈する側を表面とし、ウェア袖部aについては鰭状縁部e及び縫合部分がない側を表面として、それらウェア胴体部tとウェア袖部aとを縫合することで、ウェア胴体部tについては鰭状縁部eが身体に接しないのでウェアWの着心地がよく、そして、ウェア袖部aについては、各種作業並びに各種スポーツにおいて、特に野球の場合、半袖のユニフォームの下に着用するのでウェア袖部aが外面に露呈してしまうが、ウェア袖部aの鰭状縁部e及び縫合縁部は内面側にあるので、ウェアWを着用した時にその外観を損なうこともない。
【0084】
図3は身体の上半身の前面の筋肉を示し、図4は上半身の後面の筋肉を示している。
【0085】
第1伸縮編成部Xは、ウェア胴体部tの前面t1の大胸筋101の主要部分及び腹直筋102に対応する部位(第1部位1)と、ウェア胴体部tの後面t2の僧帽筋103の主要部分及び広背筋104の脊柱側部分に対応する部位と(第2部位2)、ウェア袖部aの上腕二頭筋105及び上腕筋106から前腕筋群107に対応する部位(第3部位3)とに配置されている。
【0086】
第2伸縮編成部Yは、ウェア胴体部tの前面t1の僧帽筋103の肩部分に対応する部位(第4部位4)、ウェア胴体部tの前面t1の外腹斜筋108の下方部分に対応する部位(第5部位5)、ウェア胴体部tの後面t2の広背筋104から僧帽筋103、棘下筋109、小円筋110及び大円筋111にかけての部分に対応する部位(第6部位6)と、ウェア袖部aの三角筋112に対応する部位(第7部位7)と、ウェア袖部aの上腕三頭筋113、腕橈骨筋114の上腕部分及び肘筋115に対応する部位(第8部位8)とに配置されている。
【0087】
第3伸縮編成部Zは、ウェア胴体部tの前面t1の前鋸筋116から外腹斜筋108にかけての部分に対応する部位(第9部位9)と、ウェア袖部aの烏口腕筋117及び大胸筋101の上腕側部分に対応する部位(第10部位10)とに配置されているとともに、ウェア衿部n(第11部位11)にも採用されている。
【0088】
つまり、ウェア胴体部tの前面t1は、第1部位1、第4部位4、第5部位5及び第9部位9から形成されているとともに、ウェア胴体部tの後面t2は、第2部位2及び第6部位6から形成され、ウェア袖部aは、第3部位3、第7部位7、第8部位8及び第10部位10から形成されている。
【0089】
上記第1部位1〜第11部位11それぞれにおけるそれらの最大伸縮方向について説明する。
【0090】
ウェア胴体部tの前面t1の各部位1,4,5,9の最大伸縮方向について、第1部位1、第4部位4及び第5部位5はウェア胴体部tの左右幅方向となる横向きに、第9部位9は上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きに配置されている。
【0091】
ウェア胴体部tの後面t2の各部位2,6の最大伸縮方向について、第2部位2及び第6部位6はウェア胴体部tの左右幅方向となる横向きに配置されている。
【0092】
ウェア袖部aの各部位3,7,8,10の最大伸縮方向について、第3部位3、第7部位7及び第8部位8はウェア袖部aの腕周方向となる向きに、第10部位10は上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きに配置されている。
【0093】
次に、このアンダーウェアWを野球選手(投手)が着用した際の投手の投球動作中における上半身の各筋肉の動き及びそれら筋肉に対するアンダーウェアWの各伸縮編成部X,Y,Zの各部位1〜11によるサポート形態について説明する。
【0094】
図5〜図7は投手の投球動作の流れを示している。
【0095】
図5は足を最も高い位置まで上げた第1姿勢P1、図6は足を踏み出してボールBを持つ手を最も後方に位置させた第2姿勢P2、図7はボールBが手から離れた第3姿勢P3を示しており、投球動作開始から第1姿勢P1までをワインドアップ期、第1姿勢P1から第2姿勢P2までをコッキング期、第2姿勢P2から第3姿勢P3までを加速期、第3姿勢P3から投球動作終了までをフォロースルー期という。
【0096】
ワインドアップ期では、図5の第1姿勢P1のように投手は体重の後方側の足(右投げ投手の場合は右足)に体重をかけた状態で左足を上げると共に両肘又は片肘を折り曲げる動作(肘関節の屈曲)を行う。この時、上腕二頭筋105、上腕筋106、上腕三頭筋113、腕橈骨筋114、肘筋115及び前腕筋群107が作用し、ウェア袖部aの第3部位3及び第8部位8が腕周方向に伸縮しながら、適度に圧力を付与して筋力上昇のサポートをする。
【0097】
コッキング期は、左足を上げた第1姿勢P1からその足を踏み出して地面につくまでのアーリーコッキング期と、ボールBを持つ右手を上に掲げた図6に示す第2姿勢P2までのレイトコッキング期とに分かれ、アーリーコッキング期では、上半身を捻る動作(上半身の回旋)、両腕を身体の両側方に振り上げる動作(肘関節の屈曲、肩関節の外転、肩関節の内旋、肩関節の伸展、肩甲骨の挙上、肩甲骨の内転)を行い、レイトコッキング期では、前腕の捻り動作(肘関節における前腕の回外)、及び、右手を上に掲げる動作(肩関節の水平外転、肩関節の屈曲、肩関節の外旋、肩甲骨の上方回旋)を行う。この時、上半身の回旋においては外腹斜筋108及びそれの深層筋である内腹斜筋が作用するとともに、肘関節の屈曲においては上腕二頭筋105、上腕筋106、上腕三頭筋113、腕橈骨筋114、肘筋115及び前腕筋群107が作用し、肩関節の外転においては大胸筋101、大胸筋101の深層筋である小胸筋、三角筋112、僧帽筋103及び僧帽筋103の深層筋である棘上筋が作用し、肩関節の内旋においては大胸筋101、広背筋104、大円筋111及び肩甲骨の内部にある肩甲下筋が作用し、肩関節の伸展においては広背筋104、大円筋111、小円筋110、三角筋112が作用し、肩甲骨の挙上においては僧帽筋103、及び、僧帽筋の深層筋である菱形筋と肩甲挙筋が作用し、肩甲骨の内転においては僧帽筋103及び菱形筋が作用し(以上、アーリーコッキング期)、肘関節の回外においては上腕二頭筋105、腕橈骨筋114及び前腕筋群107が作用するとともに、肩関節の水平外転においては三角筋112、棘下筋109及び小円筋が作用し、肩関節の屈曲においては三角筋112、大胸筋101及び烏口腕筋117が作用し、肩関節の外旋においては棘上筋及び小円筋110が作用し、肩甲骨の上方回旋においては菱形筋、前鋸筋116、僧帽筋103が作用し(以上、レイトコッキング期)、これら各筋肉の動きに対して、ウェア胴体部tの第1部位1、第2部位2、第5部位5及び第6部位6が左右幅方向の横向きに伸縮し、ウェア胴体部tの第4部位4が上下方向に、ウェア袖部aの第3部位3、第7部位7及び第8部位8が腕周方向に、ウェア胴体部tの第9部位9及びウェア袖部aの第10部位10が上方ほど外方に傾く斜め方向に、それぞれ伸縮しながら、適度に圧力を付与して筋力上昇のサポートをする。
【0098】
そして、加速期では、上方に掲げたボールBを持つ右腕の振り下ろし、ボールBをリリースする動作(上半身の回旋、上半身の前屈及び側屈、肩甲骨の上方回旋及び下方回旋、肩甲骨の外転、肩関節の水平内転、肩関節の屈曲及び伸展、肩関節の外旋)、腕を捻る動作(肘関節の回内)、及び、図7の第3姿勢P3のように腕を伸長させた動作(肘関節の伸展)を行い、そのまま、フォロースルー期へと移行する。この時、上半身の回旋においては外腹斜筋108及び内腹斜筋が作用するとともに、上半身の前屈及び側屈においては腹直筋102、外腹斜筋108及び内腹斜筋が作用し、肩甲骨の上方回旋においては菱形筋、前鋸筋116及び僧帽筋103が作用し、肩甲骨の下方回旋においては小胸筋、菱形筋及び肩甲挙筋が作用し、肩関節の水平内転においては大胸筋101及び三角筋112が作用し、肩甲骨の外転においては前鋸筋116及び小胸筋が作用し、肩関節の屈曲においては三角筋112、大胸筋101及び烏口腕筋117が作用し、肩関節の伸展においては広背筋104、大円筋111、小円筋110、三角筋112が作用し、肩関節の外旋においては棘下筋109及び小胸筋が作用し、肘関節の回内においては前腕筋群107及び腕橈骨筋114が作用し、肘関節の伸展においては上腕二頭筋105、上腕筋106、上腕三頭筋113、肘筋115及び前腕筋群107が作用し、それら筋肉の動きに対して、ウェア胴体部tの第1部位1、第2部位2、第5部位5及び第6部位6が左右幅方向の横向きに伸縮し、ウェア胴体部tの第4部位4が上下方向に、ウェア袖部aの第3部位3、第7部位7及び第8部位8が腕周方向に、ウェア胴体部tの第9部位9及びウェア袖部aの第10部位が上方ほど外方に傾く斜め方向に、それぞれ伸縮しながら、適度に圧力を付与して筋力上昇のサポートをする。
【0099】
肘関節の動作について、屈曲とは肘関節を曲げることをいい、伸展とは屈曲させた肘関節を伸ばすことをいう。
そして、前腕の回外とは前腕部を肘関節を支点として腕丈を軸心として外方側に捻る(回動する)ことをいい、前腕の回内とは回外の反対で前腕部を内方側に捻ることをいう。
【0100】
肩関節の動作について、屈曲とは前方に上腕を挙上する動作をいい、伸展とはその屈曲させた上腕を前方に下げること、並びに、下垂状態から後方に動かすこと(過伸展)をいう。
そして、外転とは側方に上腕を挙上する動作をいい、内転とはその外転させた上腕を側方に下げることをいう。
また、水平内転とは上腕を屈曲又は外転させた状態から内側又は前方へ水平移動させることをいい、水平外転とはその水平内転させた上腕を外側又は後方へ水平移動させることをいう。
そして、内旋とは下垂状態にある上腕を親指が外側から内側に向くように捻ることをいい、外旋とは内旋の逆で下垂状態にある上腕を親指が外側から内側に向くように捻ることをいう。
【0101】
肩甲骨の動作について、挙上とは肩甲骨を上方に引き上げる動作(例えば、首をすくめる動作)をいい、下制とは肩甲骨を下方に引き下げる動作をいう。
そして、上方回旋とは肩甲骨を上方に回旋させる動作(肩甲骨の下部を外方に回旋させる動作)をいい、下方回旋とは肩甲骨を下方に回旋させる動作(肩甲骨の下部を内方に回旋させる動作)をいう。
また、内転とは肩甲骨を脊柱側(内方側)に引き寄せる動作をいい、外転とは肩甲骨を外方側に引き離す動作をいう。
【0102】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
【0103】
上述の実施形態では、第1伸縮編成部X、第2伸縮編成部Y及び第3伸縮編成部Zの3つの伸縮編成部からアンダーウェアWを形成しているが、本発明はこれに限るものではなく、4つ以上の伸縮編成部から形成する構成にしてもよい。
【0104】
上述の実施形態では、長袖のアンダーシャツWで形成してあるが、七部袖、半袖、ノースリーブ等、袖の有無及び袖の丈長は任意のものであってもよい。
【0105】
上述の実施形態では、ウェア袖部aをウェア胴体部tに対して裏返した状態で縫合してあるが、ウェア袖部aを裏返さずにウェア胴体部tと縫合してもよく、また、ウェア袖部aとウェア胴体部tとの両方を裏返した状態で縫合してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、野球の他に、ゴルフ、テニス、バレーボール、ソフトボール、ラグビー、サッカー(主としてゴールキーパー)、バドミントン、ボーリング、各種陸上競技、スキー等、各種スポーツ及び各種作業において着用することで、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施形態のアンダーウェアの前面視図
【図2】本発明の実施形態のアンダーウェアの後面視図
【図3】人体の上半身前面筋肉図
【図4】人体の上半身後面筋肉図
【図5】本発明のアンダーウェアを着用した投手の投球動作を示す図
【図6】本発明のアンダーウェアを着用した投手の投球動作を示す図
【図7】本発明のアンダーウェアを着用した投手の投球動作を示す図
【符号の説明】
【0108】
101 大胸筋
102 腹直筋
103 僧帽筋
104 広背筋
105 上腕二頭筋
106 上腕筋
108 外腹斜筋
109 棘下筋
110 小円筋
111 大円筋
112 三角筋
113 上腕三頭筋
114 腕橈骨筋
115 肘筋
116 前鋸筋
117 烏口腕筋
W アンダーウェア
X 第1伸縮編成部
Y 第2伸縮編成部
Z 第3伸縮編成部
a ウェア袖部
t ウェア胴体部
t1 ウェア胴体部の前面
t2 ウェア胴体部の後面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアであって、
ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置するとともに、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
更に、これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してあるアンダーウェア。
【請求項2】
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアであって、
僧帽筋の肩部分に対応する部位に配置される伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きに構成されているとともに、
この伸縮編成部に連続する状態で、三角筋に対応する部位に配置される伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きに構成されているアンダーウェア。
【請求項3】
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアであって、
ウェア袖部において、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置するとともに、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
更に、これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してあるアンダーウェア。
【請求項4】
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアであって、
ウェアの前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置するとともに、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
更に、この第2伸縮編成部に連続する状態で、三角筋に対応する部位には、前記第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
そして、これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してあるアンダーウェア。
【請求項5】
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアであって、
ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置するとともに、
ウェア袖部において、三角筋に対応する部位には、前記第2伸縮性素材をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この三角筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部に連続する状態で、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位には、第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部に連続する状態で、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位には、前記第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
更に、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部と、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部とに連続する状態で、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してあるアンダーウェア。
【請求項6】
一方向での伸縮率がそれと直交する他方向よりも大きく、かつ、その最大伸縮方向での伸縮率が異なる複数の伸縮編成部を上半身を構成する各筋肉に対応する部位に配置し、それら筋肉を適度に圧迫することで筋肉の動きをサポートするアンダーウェアであって、
ウェア胴体部の前面において、大胸筋の主要部分及び腹直筋に対応する部位に、伸縮率が低い第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
この第1伸縮編成部に連続する状態で、僧帽筋の肩部分に対応する部位には、伸縮率が前記第1伸縮編成部よりも高い第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置し、
これら第1伸縮編成部と第2伸縮編成部とに連続する状態で、前鋸筋から外腹斜筋にかけての部分に対応する部位には、伸縮率が前記第2伸縮編成部よりも高い第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置するとともに、
ウェア袖部において、三角筋に対応する部位には、前記第2伸縮性素材をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この三角筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部に連続する状態で、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に、前記第1伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
この上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部に連続する状態で、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位には、前記第2伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が腕周方向となる向きで配置し、
更に、上腕二頭筋及び上腕筋に対応する部位に配置された第1伸縮編成部と、上腕三頭筋、腕橈骨筋の上腕部分及び肘筋に対応する部位に配置された第2伸縮編成部とに連続する状態で、烏口腕筋及び大胸筋の上腕側部分に対応する部位には、前記第3伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が上方ほど外方に傾く斜め方向となる向きで配置して形成してあるアンダーウェア。
【請求項7】
ウェア胴体部において、外腹斜筋の腰部分及び広背筋の腰部分に対応する部位に、前記伸縮編成部をそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置して形成してある請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンダーウェア。
【請求項8】
ウェア胴体部の後面において、僧帽筋の主要部分及び広背筋の脊柱側部分に対応する部位にそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置された前記第1伸縮編成部と、僧帽筋の肩部分、棘下筋、小円筋及び大円筋に対応する部位にそれの最大伸縮方向が左右幅方向となる横向きで配置された前記第2伸縮編成部との境界線を肩甲骨の内側縁形状に沿って配置してある請求項1〜7のいずれか1項に記載のアンダーウェア。
【請求項9】
前記ウェア胴体部又はウェア袖部のそれぞれにおいて、それらを構成する複数の伸縮編成部が非縫合の一連編成で形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載のアンダーウェア。
【請求項10】
前記ウェア胴体部に対してウェア袖部を裏表にした状態で縫合してある請求項9記載のアンダーウェア。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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