説明

アンダーカット構造を有するアクセスアセンブリ

【課題】体腔にアクセスするためのアセンブリを提供すること。
【解決手段】アクセスアセンブリは、組織の開口部を通って受け取られるように構成された柔軟性のある外側スリーブを含む。外側スリーブは、外側スリーブを通る通路と、外側スリーブの内側表面の周りに形成されたノッチとを規定する。アクセスアセンブリはさらに、外側スリーブの通路を通り、内側表面に形成されたノッチ内における選択的受け取りのために構成された支持プレートを含む。支持プレートは、少なくとも第1の開口部を規定し、第1の開口部は、第1の開口部を通して外科手術器具を受け取るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年12月20日出願した米国仮出願第61/424,938の利益および優先権を主張する。上記出願の全内容は、参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科手術手順に用いられるアクセスアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、アンダーカット構造を有するアクセスアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
開口部または切開を通って体腔内に受け取るために構成されたアクセスアセンブリは、開口部または切開を通ってアクセスアセンブリを挿入する方法として既知である。従来的には、アクセスアセンブリは、体壁の組織を通って体腔内に受け取られる剛体のカニューレを含む。次に、内視鏡器具、腹腔鏡器具および他の適切な器具が、密封した方式で体腔にアクセスするために、カニューレの近位端に配置されたハウジングを通って向けられ得る。
【0004】
体腔にアクセスし、密封した方式で体腔を通る器具の受け取りを可能にするために構成された圧縮可能なアセンブリも既知である。このような圧縮可能なアセンブリは、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、フォーム、ゲルおよび他の圧縮可能な材料からなり、切開内への挿入を容易にするために、圧縮されるように構成される。典型的には、このようなアセンブリは、外科医によって、彼/彼女の指を用いて、または把握デバイス、例えば、鉗子の支援を用いて変形される。アセンブリの圧縮は、アセンブリのプロフィールを減少させ、それによって、切開内のアセンブリの受け取りを容易にする。圧縮力を解放する際に、圧縮されたアセンブリは、圧縮されていない構成に戻る。
【0005】
手によるかまたは挿入デバイスを用いて、圧縮アクセスアセンブリに圧縮力を適用する間に、過度のハンドリングは、アセンブリを損傷させ得る。さらに、設置の間にアクセスアセンブリ上に圧縮力を維持することと、アクセスアセンブリの取り外しの間に圧縮力を再適用することとは、結果として周囲の組織への損傷をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに、限定された圧縮力を用いて、開口部を通って受け取られ、開口部から取り外されることが可能であるアクセスアセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
体腔にアクセスするためのアセンブリが提供される。アクセスアセンブリは、組織の開口部を通って受け取られるように構成された柔軟性のある外側スリーブを含む。外側スリーブは、外側スリーブを通る通路と、外側スリーブの内側表面の周りに形成されたノッチとを規定する。アクセスアセンブリはさらに、外側スリーブの通路を通り、内側表面に形成されたノッチ内における選択的受け取りのために構成された支持プレートを含む。支持プレートは、少なくとも第1の開口部を規定し、第1の開口部は、第1の開口部を通して外科手術器具を受け取るように構成されている。組織の開口部は、切開または自然の開口であり得る。
【0008】
1つの実施形態において、外側スリーブは、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、フォーム、およびゲルのうちの少なくとも1つからなる。支持プレートは、複数の開口部を含み得る。アクセスアセンブリは、支持プレートの第1の開口部から延在する第1のカニューレをさらに含み得る。第1のカニューレは、支持プレートの第1の開口部内に選択的に固定され得る。第1のカニューレは、バルブアセンブリを含み得る。バルブアセンブリは、バルブ部材を含み得る。支持プレートは、支持プレートが、外側スリーブに形成されたノッチ内に動作可能に受け取られた場合に、外側スリーブに対して回転可能であり得る。
【0009】
また、体腔にアクセスする方法が提供される。方法は、外側スリーブと支持プレートとを有するアクセスアセンブリを提供するステップと、組織の開口部を通した外側スリーブの受け取りを可能にするために、外側スリーブを折り曲げるステップと、組織を通して圧縮された外側スリーブを挿入するステップと、圧縮された外側スリーブが開口部内において圧縮を解放することを可能にするステップと、外側スリーブの折り曲げを解放させ、かつ開口部内にシールを生成するために、外側スリーブの中に支持プレートを挿入するステップと、手順を完成するために、アクセスアセンブリを通して1つ以上の器具を操作ステップとを含む。方法は、体腔にアクセスするために、組織の切開を生成するステップをさらに含み得る。
【0010】
本発明は、例えば、以下項目を提供する。
(項目1)
アクセスアセンブリであって、該アクセスアセンブリは、
組織の開口部を通って受け取られるように構成された柔軟性のある外側スリーブであって、該外側スリーブは、該外側スリーブを通る通路と、該外側スリーブの内側表面の周りに形成されたノッチとを規定する、外側スリーブと、
該外側スリーブの該通路を通り、該内側表面に形成された該ノッチ内における選択的受け取りのために構成された支持プレートであって、該支持プレートは、少なくとも第1の開口部を規定し、該第1の開口部は、該第1の開口部を通して外科手術器具を受け取るように構成されている、支持プレートと
を含む、アクセスアセンブリ。
(項目2)
上記外側スリーブは、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、フォーム、およびゲルのうちの少なくとも1つからなる、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目3)
上記支持プレートは、複数の開口部を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目4)
上記支持プレートは、3つの開口部を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目5)
上記アクセスアセンブリは、上記支持プレートの上記第1の開口部から延在する第1のカニューレをさらに含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目6)
上記第1のカニューレは、上記支持プレートの上記第1の開口部内に選択的に固定される、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目7)
上記第1のカニューレは、バルブアセンブリを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目8)
上記バルブアセンブリは、バルブ部材を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目9)
上記組織の開口部は、切開である、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目10)
上記組織の開口部は、自然の開口である、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目11)
上記支持プレートは、該支持プレートが、上記外側スリーブに形成された上記ノッチ内に動作可能に受け取られた場合に、該外側スリーブに対して回転可能である、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目12)
体腔にアクセスするためのシステムであって、該システムは、
外側スリーブと支持プレートとを有するアクセスアセンブリと、
組織の開口部を通した該外側スリーブの受け取りを可能にするために、該外側スリーブを折り曲げる手段と、
組織を通して該圧縮された外側スリーブを挿入する手段と、
該圧縮された外側スリーブが該開口部内において圧縮を解放することを可能にする手段と、
該外側スリーブの折り曲げを解放させ、かつ該開口部内にシールを生成するために、該外側スリーブの中に該支持プレートを挿入する手段と、
手順を完成するために、該アクセスアセンブリを通して1つ以上の器具を操作する手段と
を含む、システム。
(項目13)
上記システムは、上記体腔にアクセスするために、組織の切開を生成する手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12a)
体腔にアクセスする方法であって、該方法は、
外側スリーブと支持プレートとを有するアクセスアセンブリを提供するステップと、
組織の開口部を通した該外側スリーブの受け取りを可能にするために、該外側スリーブを折り曲げるステップと、
組織を通して該圧縮された外側スリーブを挿入するステップと、
該圧縮された外側スリーブが該開口部内において圧縮を解放することを可能にするステップと、
該外側スリーブの折り曲げを解放させ、かつ該開口部内にシールを生成するために、該外側スリーブの中に該支持プレートを挿入するステップと、
手順を完成するために、該アクセスアセンブリを通して1つ以上の器具を操作ステップと
を含む、方法。
(項目13a)
上記方法は、上記体腔にアクセスするために、組織の切開を生成するステップをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0011】
(摘要)
体腔にアクセスするためのアセンブリが提供される。アクセスアセンブリは、組織の開口部を通って受け取られるように構成された柔軟性のある外側スリーブを含む。外側スリーブは、外側スリーブを通る通路と、外側スリーブの内側表面の周りに形成されたノッチとを規定する。アクセスアセンブリはさらに、外側スリーブの通路を通り、内側表面に形成されたノッチ内における選択的受け取りのために構成された支持プレートを含む。支持プレートは、少なくとも第1の開口部を規定し、第1の開口部は、第1の開口部を通して外科手術器具を受け取るように構成されている。
【0012】
柔軟性のあるアクセスアセンブリの実施形態は、図面を参照して、本明細書において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本開示に従うアクセスアセンブリの実施形態の透視図である。
【図2】図2は、図1のアクセスアセンブリの分解透視図である。
【図3】図3は、図1および図2のアクセスアセンブリの断面側面図である。
【図4】図4は、崩された構成における図1〜3のアクセスアセンブリの外側スリーブの透視図である。
【図5】図5は、組織の切開を通って受け取られた図4の外側スリーブの断面側面図である。
【図6】図6は、切開を通って受け取られ、切開に受け取られた図1〜3のアクセスアセンブリの支持プレートをさらに含む図4および図5の外側スリーブの断面側面図である。
【図7】図7は、本開示の代替的な実施形態に従う支持プレートの拡大された部分図である。
【図8】図8は、本開示の代替的な実施形態に従うアクセスアセンブリの分解透視図である。
【図9】図9は、図8のアクセスアセンブリの透視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
ここで、本開示されたアクセスアセンブリの実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、同様の数字は、いくつかの図面の各々において同一または対応する構成要素を示す。技術分野において共通であるように、用語「近位」は、ユーザーまたはオペレータ、例えば、外科医または内科医により近い部分または部品を指し、その一方で、用語「遠位」は、ユーザーからより離れた部分または部品を指す。本開示のアクセスアセンブリは、腹腔壁の切開を通って腹腔にアクセスすることに関するように説明されるが、本開示のアセンブリは、他の閉じた手順、例えば、腹腔鏡、関節鏡、内視鏡に用いられるために変更され得る。さらに、本開示のアクセスアセンブリは、自然の開口、例えば、肛門、膣を通って内腔にアクセスするのに用いられるために変更され得る。
【0015】
最初に図1を参照すると、本開示の実施形態に従うアクセスアセンブリは、一般的にアクセスアセンブリ100として示される。アクセスアセンブリ100は、組織の開口部、例えば、切開を通る挿入のために構成され、その結果、挿入の後、アクセスアセンブリ100は、開口部内にシールを生成し、外科医は、手順を完成するために、開口部を通して1つ以上の外科器具を挿入し得、そして操作し得る。
【0016】
図1〜3を参照すると、アクセスアセンブリ100は、外側組織シールまたはスリーブ110と、内側支持プレートまたはディスク120とを含む。スリーブ110および支持ディスク120は、例えば、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、フォーム、ゲル等のようなさまざまな材料で形成され得る。スリーブ110および支持プレート120は、同じまたは異なる材料から作られ得る。1つの実施形態において、スリーブ110は、フォーム構造を形成するために、不活性気体、例えば、COまたは窒素を用いて注入されたTPE材料で形成され、内側支持プレート120は、実質的固体支持構造を形成するために、実質的硬質熱可塑性エラストマーで形成される。
【0017】
なお、図1〜3を参照すると、スリーブ110の外側表面110aは、潤滑な表面を生成し、かつ切開「I」(図5)内にスリーブ110の挿入を容易にするために、潤滑剤、例えば、パリレンNまたはCを用いてコートされ得る。さらに、または代替的には、外側スリーブは、切開「I」の周りの組織「T」との係合を容易にするために、刻みをつけられるかまたはテクスチャードコーティング(示されていない)を含み得る。さまざまな他のコーティング、例えば、親水性、疎水性、生体薬剤、抗感染、鎮痛薬のコーティングはまた、アクセスアセンブリ100の特性を改善し、または具体的な手順に対してアクセスアセンブリ100を適合するために、利用され得る。オプション的には、外側スリーブ110は、保護の外側層(示されていない)を含み得る。スリーブ110の内側表面110bは、そこに支持プレート120の挿入を容易にするために、潤滑剤を用いてコートされ得る。
【0018】
ここで、特に図2および図3を参照すると、アクセスアセンブリ100のスリーブ110は、開放の第1の端部112と開放の第2の端部114とを有する湾曲した外側表面を規定する。外側スリーブ110の第1の端部112は、患者の体腔「C」(図5)内に受け取られるように構成される。円形断面プロフィールを有することを含むように示されるが、外側スリーブ110は、卵形を含む他の断面構造プロフィールを含み得ることが考えられる。リムまたはフランジ116は、外側スリーブ110の第1の端部112に、外側スリーブ110の外側表面110aの周りに形成される。外側スリーブ110の外側表面110aの周りに完全に延在するように形成されることが示されるが、リム116は、外側スリーブ110の外側表面110aの周りに部分的のみ、および/または断続的に延在し得る。外側スリーブ110の第2の端部114は、外側に向かってフレア型にされ、切開「I」の外部に維持されるように構成される。1つの実施形態において、フレア型の第2の端部114は、アクセスアセンブリ100を通って挿入される器具(示されていない)が、アクセスアセンブリ100と組織「T」との間、外側スリーブ110と支持プレート120との間、および/または支持プレート120と器具との間のシールの一体性を損なうことなしに、操作され得る境界を描く。第1の端部112上のリム116および外側スリーブ110のフレア型の第2の端部114は、切開「I」内にアクセスアセンブリ100を受け取る際に、切開「I」を通るアクセスアセンブリ100の長手方向の動きを防ぐことを支援する。
【0019】
組織「T」の厚さが、患者の体の組成と、下部にある腔がアクセスされる位置とに依存するので、概してアクセスアセンブリ100と、特に外側スリーブ110の長さおよび大きさは、所与の手順に適するように変更され得る。このように、脂肪質の腹組織を有する成人患者は、児童のための大きさを有するアクセスアセンブリより、第1の端部112と第2の端部114との間により大きい距離を有するアクセスアセンブリ100を必要とし得る。第2の端部114のフレア型の構成は、アクセスアセンブリが組織の幅広い厚さに使用されることを可能にする。アクセスアセンブリ100の第2の端部114は、外側スリーブ110が必要な長さを超過する場合に、手順の前、またはその間に、臨床医によって短くするために構成され得ることが考えられる。
【0020】
なお、図2および図3を参照すると、外側スリーブ110は、外側スリーブ110を通って延在する長手方向の開口部115を規定する。示されるように、長手方向の開口部115は、外側スリーブ110の形状に対応する湾曲したテーパ状の形を含む。代替的には、開口部115は、円錐形、階段状、または開口部内の支持プレート120の受け取りおよび開口部を通る1つ以上の器具の通過を容易にするために構成される他の形状であり得る。外側スリーブ110は、第1の端部112上の内部表面110bの周りにノッチ117を規定するアンダーカット構造をさらに含む。ノッチ117は、ノッチ117内に支持プレート120を選択的に受け取るように構成される。ノッチ117は、第1の端部112の内側表面全体の周りに延在し得る。代替的には、ノッチ117は、第1の端部112の内側表面の周りに部分的にのみ、および/または断続的に延在し得る。図5で理解されるように、外側スリーブ110が切開「I」を通って受け取られる場合に、支持プレート120が体腔「C」内に位置決めされるように、ノッチ117は、外側スリーブ110の第1の端部112の近傍に位置決めされる。言い換えると、アクセスアセンブリ100が、切開「I」内に正しく位置決めされる場合に、支持プレート120は、組織「T」より下に位置決めされる。しかしながら、スリーブ110は、ノッチ117と、それによって支持プレート120とが、組織「T」と水平に整列して位置決めされ、または代替的に、組織「T」の上に位置決めされるように構成され得ることが考えられる。
【0021】
なお、図2および図3を参照すると、アクセスアセンブリ100の支持プレート120は、スリーブ110の長手方向の開口部115を通って、ノッチ117内に受け取られるように構成された円筒形の実質的に剛体の本体を含む。示されるように、支持プレート120は、実質的に平面であり、外側スリーブ110の円形の断面プロフィールに対応するための円形プロフィールを含み、しかしながら、支持プレート120は、変化する厚さで形成され得、代替的な構成の外側スリーブに対応するように構成されたプロフィールを含み得ることが考えられる。支持プレート120は、ノッチ117内に選択的に受け取られるように構成される。1つの実施形態において、支持プレート120は、ノッチ117内に回転可能であるように構成される。このように、支持プレートを通って挿入される1つ以上の外科手術デバイス「D1」、「D2」は、手順の間にさらに操作され得る。
【0022】
支持プレート120は、1対の開口部122と124を規定する。カニューレ126と128は、それぞれ、開口部122と124から延在する。示されるように、カニューレ126と128は、それぞれの開口部122と124内に固定的に取り付けられる。いくつかの実施形態において、カニューレ126と128は、それぞれ、開口部122と124内に選択的に固定されるように構成される。例えば、開口部122と124は、それぞれ、カニューレ126と128のねじ切り端部(示されていない)を係合するように構成されたねじ切りの近位部分を含み得る。このように、手順の間に使用されるカニューレの構成は、手順まで、手順の間に臨床医によって選択され得、そして/または交換され得る。カニューレ126と128は、手順の要求を満たすために、手順の間に取り替えられ得、または交換され得る。代替的な実施形態において、カニューレ126と128は、支持プレート120と一体に形成され得る。
【0023】
カニューレ126と128の各々は、それぞれ、カニューレを通って延在する長手方向の通路127と129を規定する。カニューレ126と128の各々は、それぞれ、バルブハウジング130と132を含み得る。バルブハウジング130と132の各々は、それぞれ、バルブ部材134と136を含み得る。バルブ部材134と136の各々は、カニューレを通って挿入された外科手術デバイス「D1」と「D2」(図6)がない場合に、それぞれ、カニューレ126と128のそれぞれの通路127と129を密封するように構成される。カニューレ126と128、およびバルブハウジング130と132の各々は、類似な構成の器具を受け取るために同じ構成を有し得る。代替的には、カニューレ126と128、およびバルブハウジング130と132の構成は、それぞれ、異なり得る。2つのカニューレ126と128を含むように示されるが、支持プレート120は、カニューレなしに(図8)提供され得、単一のカニューレまたは3つ以上のカニューレを提供され得ることが考えられる。
【0024】
ここで、アクセスアセンブリ100の使用が、図4〜6を参照して説明される。以下の議論は、上に議論されるように、切開「I」を通って体腔「C」にアクセスするために、アクセスアセンブリ100を用いることを含むが、アクセスアセンブリ100は、自然に生じる開口、例えば、肛門を含む他の開口部を通って、他の腔または管腔にアクセスするために使用され得る。最初に、切開「I」(図5)が、組織「T」において生成され、アクセスアセンブリ100は、体腔「C」にアクセスするために、切開を通って挿入される。
【0025】
図4を参照すると、支持プレート120は、外側スリーブ110とプレート120とが互いから分離するように提供されていない場合には、外側スリーブ110から取り外される。一旦分離されると、外側スリーブ110は、外側スリーブ110の断面プロフィールを減らし、かつ切開「I」を通る外側スリーブ110の第1の端部112の挿入を容易にするために、半径方向および/または横方向に圧縮され、そして/または折りたたまれる。
【0026】
図5に向けると、一旦外側スリーブ110の第1の端部112が、リム116が体腔「C」内に受け取られるように、切開「I」を通って受け取られると、外側スリーブ110は、最初の圧縮されていない状態に戻ることを可能にされる。外側スリーブ110は、外側スリーブ110に対する組織「T」の力のために、切開「I」内で部分的にのみ圧縮を解放され得る。次に、外側スリーブ110が組織「T」の切開「I」内に維持されるように、支持プレート120は、外側スリーブ110の通路115内に挿入される。
【0027】
図6を参照すると、外側スリーブ110内の支持プレート120の挿入は、外側スリーブ110に、最初の圧縮されておらず、そして/または折りたたまれていない状態に戻させる。外側スリーブ110の圧縮が解放されることまたは拡張は、切開「I」を通る注入ガスの逸脱を防ぐために、外側スリーブ110と組織「T」との間にシールを生成する。上に議論されるように、外側スリーブ110および支持プレート120はまた、体腔「C」から注入ガスの逸脱を防ぐために、外側スリーブ110と支持プレート120と間にシースを形成するように構成される。
【0028】
なお、図6を参照すると、一旦支持プレート120が外側スリーブ110に受け取られると、アクセスアセンブリ100は、従来の方式で動作する。カニューレ126と128の各々は、1つ以上の外科手術デバイス「D1」と「D2」を選択的に受け取るように構成される。手順の間に、支持プレート120は、外側スリーブ110を通る器官または他の組織の除去を可能にするために、外側スリーブ110から分離され得ることが考えられる。支持プレート120の取り外しはさらに、アクセスアセンブリ100を通って腔「C」内へのより大きい器具の通過を可能にする。組織「T」の切開「I」を通って位置決めされる間に、アクセスアセンブリ100は、任意数の手順を完成するために使用され得る。
【0029】
切開「I」内からのアクセスアセンブリ100の取り外しは、挿入の逆の順序で生じる。最初に、支持プレート120が、外側スリーブ110から分離される。次に、外側スリーブ110は、切開「I」からの引き込みを可能にするように圧縮される。代替的には、内側コア120と外側スリーブ110との両方は、アクセスアセンブリ100が単一のユニットとして取り外され得るように、同時に圧縮され得る。一旦アクセスアセンブリ100が切開「I」から取り外されると、切開「I」は、従来の方式で閉じられる。
【0030】
ここで、図7を参照すると、代替的な実施形態において、支持プレート120は、1対の開口部122と124を規定する。各々の開口部122、124内に動作可能に係合されるのは、それぞれのインサート123と125である。インサート123と125は、接着剤、溶接、結合または他の適切な手段を用いて、開口部122と124に固定的に取り付けられ得る。代替的には、インサート123と125は、開口部122、124内に選択的に受け取られ得る。1つの実施形態において、インサート123と125は、支持プレート120の内側表面120aおよび外側表面120bを選択的に係合するために構成された近位フランジおよび遠位フランジ(示されていない)を含む。インサート123と125は、それぞれ、矢印「A」と「B」によって示されるように、支持プレート120に対するカニューレ126と128の動きを可能にする材料で形成される。インサート123と125はさらに、支持プレート120とカニューレ126および128との間にシールを形成するように構成される。カニューレ126と128は、インサート123と125に固定的に取り付けられ得る。代替的には、カニューレ126と128は、インサート123と125から選択的に位置決め可能および/または取り外し可能である。このように、カニューレ126と128は、再位置決めされ得、そして/または取り替えられ得る。カニューレ126と128がそれぞれのインサート123と125を通って受け取られることが示されるが、インサート123と125は、そこを通って1つ以上の器具を受け取るために構成されるように代えられ得ることが考えられる。このように、インサート123と125は、インサートを通って挿入される器具がない場合に、それぞれの開口部122と124を密封するためのシール部材(示されていない)を含み得る。上に議論されるように、支持プレート120は、矢印「C」によって示されるように、外側スリーブ110内において長手方向軸「X」に沿って回転されるように構成され得る。
【0031】
ここで、図8および図9を参照すると、本開示に従うアクセスアセンブリの代替的な実施形態は、一般的にアクセスアセンブリ200として示される。アクセスアセンブリ200は、本明細書の前述のアクセスアセンブリ100に実質的に類似し、それゆえに、アクセスアセンブリ200とアクセスアセンブリ100との間の差異のみに関するように説明される。アクセスアセンブリ200は、外側スリーブ210と支持プレート220とを含む。外側スリーブ210の第1の端部212は、切開「I」を通って受け取られるように構成された概ねテーパ状の構成を含む。第1の端部212は、ノッチ217を規定するアンダーカット構造を含む。第1の端部212は、フランジ部分216をさらに含む。
【0032】
図8で理解されるように、第1または最初の状態において、例えば、支持プレート220がない場合に、フランジ部分216は、半径方向に内側に向かって延在する。このように、外側スリーブ210の第1の端部212は、切開「I」内の受け取りの簡単さのために構成される。図9で理解されるように、第2の状態において、例えば、外側スリーブ210に支持プレート220を受け取る際に、外側スリーブ210は、そのフランジ部分216および第1の端部212が半径方向に外側に向かってフレア型になるように構成される。このように、フランジ部分216は、切開「I」内にアクセスアセンブリ200を受け取る際に、切開「I」を通るアクセスアセンブリ200の長手方向の動きまたは引き込みを防ぐことを支援する。
【0033】
なお、図8を参照すると、支持プレート220は、複数の開口部222、224、226を含む。開口部222、224、226の各々は、上に議論されるような、カニューレ(示されていない)および/またはインサート(示されていない)を含み得る。代替的には、開口部222、224、226は、開放にされ得る。支持プレート220は、タブ225、または挿入デバイス50を選択的に係合するように構成される他の適切な構造を含む。挿入デバイス50は、外側スリーブ210のノッチ217内に支持プレート220の挿入を容易にするために、支持プレート220に選択的に取り付けられ得る。タブ225からの挿入デバイス50の分離は、開口部222、224、226を通って挿入された器具のよりよい操作のために、外側スリーブ210内に間隔を生成する。
【0034】
さまざまな変更が本明細書に開示された実施形態に加えられ得ることが理解される。例えば、支持プレートは、支持プレートを通る規格外の大きさを有する外科手術デバイスの通過を容易にするために、支持プレートを通る単一の開口部を有するカニューレ部材を形成し得る。それゆえに、上記説明は、限定としてではなく、むしろ単に特定の実施形態の代表的な例として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付した請求項の範囲および精神内に他の変更を考える。
【符号の説明】
【0035】
100 アクセスアセンブリ
110 外側スリーブ
110a 外側表面
110b 内側表面
112 第1の端部
114 第2の端部
116 フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスアセンブリであって、該アクセスアセンブリは、
組織の開口部を通って受け取られるように構成された柔軟性のある外側スリーブであって、該外側スリーブは、該外側スリーブを通る通路と、該外側スリーブの内側表面の周りに形成されたノッチとを規定する、外側スリーブと、
該外側スリーブの該通路を通り、該内側表面に形成された該ノッチ内における選択的受け取りのために構成された支持プレートであって、該支持プレートは、少なくとも第1の開口部を規定し、該第1の開口部は、該第1の開口部を通して外科手術器具を受け取るように構成されている、支持プレートと
を含む、アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記外側スリーブは、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、フォーム、およびゲルのうちの少なくとも1つからなる、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記支持プレートは、複数の開口部を含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記支持プレートは、3つの開口部を含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記アクセスアセンブリは、前記支持プレートの前記第1の開口部から延在する第1のカニューレをさらに含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のカニューレは、前記支持プレートの前記第1の開口部内に選択的に固定される、請求項5に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のカニューレは、バルブアセンブリを含む、請求項5に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記バルブアセンブリは、バルブ部材を含む、請求項7に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記組織の開口部は、切開である、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記組織の開口部は、自然の開口である、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記支持プレートは、該支持プレートが、前記外側スリーブに形成された前記ノッチ内に動作可能に受け取られた場合に、該外側スリーブに対して回転可能である、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項12】
体腔にアクセスするためのシステムであって、該システムは、
外側スリーブと支持プレートとを有するアクセスアセンブリと、
組織の開口部を通した該外側スリーブの受け取りを可能にするために、該外側スリーブを折り曲げる手段と、
組織を通して該圧縮された外側スリーブを挿入する手段と、
該圧縮された外側スリーブが該開口部内において圧縮を解放することを可能にする手段と、
該外側スリーブの折り曲げを解放させ、かつ該開口部内にシールを生成するために、該外側スリーブの中に該支持プレートを挿入する手段と、
手順を完成するために、該アクセスアセンブリを通して1つ以上の器具を操作する手段と
を含む、システム。
【請求項13】
前記システムは、前記体腔にアクセスするために、組織の切開を生成する手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−130686(P2012−130686A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−274964(P2011−274964)
【出願日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】