アンチセンス抗ウイルス性化合物およびインフルエンザウイルス感染を処置するための方法
本発明は、アンチセンス抗ウイルス化合物、ならびにそれらの化合物を用いて、Orthomyxoviridae科のウイルスの増殖の阻害およびウイルス感染の処置をもたらす方法に関する。その化合物は、哺乳動物におけるインフルエンザウイルス感染の処置において特に有用である。本発明の実施形態は、別の態様において、一本鎖で分節型のマイナスセンスゲノムを有し、かつOrthomyxoviridae科から選択される、感染しているインフルエンザウイルスの哺乳動物宿主細胞内での複製を阻害する抗ウイルス化合物を含む。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドであって、
a)ヌクレアーゼ抵抗性骨格;
b)12〜40ヌクレオチド塩基、ならびに
c)i)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのマイナスセンスウイルスRNAセグメントの5’または3’末端の25塩基
ii)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのプラスセンスcRNAの5’または3’末端の末端の30塩基
iii)インフルエンザウイルスのmRNAのAUG開始コドンの周辺の45塩基、および
iv)選択的スプライシングに供されるインフルエンザmRNAのスプライス供与部位またはスプライス受容部位の周辺の50塩基
から選択される標的領域にハイブリダイズする少なくとも10塩基長の標的化配列
を含む、単離された抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドが、ウイルス標的領域とヘテロ二重鎖構造を形成する能力により特徴付けられ、ここで、前記ヘテロ二重鎖構造が:
a)前記ウイルスのプラスセンス鎖またはマイナスセンス鎖および前記オリゴヌクレオチド化合物から構成され、そして
b)少なくとも45℃の解離Tmにより特徴付けられる、
請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドが、
i)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのM1またはM2領域のマイナスセンスウイルスRNAセグメントの5’または3’末端の25塩基、
ii)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのM1またはM2領域のプラスセンスcRNAの5’または3’末端の末端の30塩基
iii)インフルエンザのM1またはM2 mRNAのAUG開始コドンの周辺の45塩基、および
iv)インフルエンザM1またはM2 RNAのスプライス供与部位またはスプライス受容部位の周辺の50塩基
から選択される標的領域と相補的な少なくとも10塩基を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドが、1つのサブユニットのモルホリノ窒素を隣接サブユニットの5’環外炭素に結合する非荷電のリン(III)含有サブユニット間結合によって連結されたモルホリノサブユニットを含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記モルホリノサブユニットが、以下の構造:
【化16】
に従うホスホロジアミデート結合によって結合されており、
ここで、Y1=Oであり、Z=Oであり、Pjは、塩基特異的な水素結合によってポリヌクレオチド中の塩基に結合するのに有効なプリンまたはピリミジン塩基対形成部分であり、そしてXは、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシまたはアルキルアミノである、
請求項4に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
X=NR2であり、各Rは、独立して水素またはメチルであり、正に帯電した結合の場合、Xは、1−ピペラジンである、請求項5に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
少なくとも2つかつサブユニット間結合の総数の半数以下が、正に帯電している、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記モルホリノオリゴマーが、配列番号13に示されるような正に帯電したサブユニット間結合を含む、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
前記ウイルス標的領域が、配列番号1〜11のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
前記ウイルス標的領域が、配列番号2または4を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号12〜47のうちのいずれか1つ以上の少なくとも10個連続した塩基を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号12または13を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
前記オリゴヌクレオチドが、ペプチド核酸(PNA)である、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
配列番号48〜62のうちのいずれか1つ以上の少なくとも10個連続した塩基を含む、請求項13に記載のPNAオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
配列番号48〜62のうちの1つ以上から本質的になる、請求項14に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
1つ以上のロックト核酸(LNA)サブユニットを含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
LNAサブユニットから本質的になる、請求項16に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
配列番号63〜114のうちのいずれか1つ以上の少なくとも10個連続した塩基を含む、請求項16に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
配列番号63〜114のうちの1つ以上から本質的になる、請求項18に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
前記オリゴヌクレオチドが、宿主細胞内への前記化合物の取り込みを増大させるアルギニンリッチポリペプチドに結合体化されている、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
前記アルギニンリッチポリペプチドが、配列番号115〜128からなる群から選択される、請求項20に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
インフルエンザウイルスの複製を減少させる方法であって、前記方法は、インフルエンザウイルスに感染した細胞を、請求項1〜21のいずれか1項に記載の抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドと接触させる工程を包含する、方法。
【請求項23】
前記細胞が、被験体内の細胞であり、前記方法が、前記被験体に前記アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程を包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記被験体が、二次的細菌感染を有し、細菌用抗生物質を、前記抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドと別個に、またはそれと同時に併用して投与する工程をさらに包含する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記二次的細菌感染が、連鎖球菌性肺炎への感染である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記抗生物質が、ベータ−ラクタムである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記抗生物質が、ペニシリン、アモキシシリン、セファロスポリン、クロラムフェニコールおよびクリンダマイシンから選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドと別個に、またはそれと同時に併用して、CD200またはCD200レセプターをコードするRNA分子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程をさらに包含する、請求項23または請求項24に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび薬学的に許容され得るキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項30】
細菌用抗生物質をさらに含む、請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項31】
CD200またはCD200レセプターをコードするRNA分子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項1】
単離された抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドであって、
a)ヌクレアーゼ抵抗性骨格;
b)12〜40ヌクレオチド塩基、ならびに
c)i)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのマイナスセンスウイルスRNAセグメントの5’または3’末端の25塩基
ii)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのプラスセンスcRNAの5’または3’末端の末端の30塩基
iii)インフルエンザウイルスのmRNAのAUG開始コドンの周辺の45塩基、および
iv)選択的スプライシングに供されるインフルエンザmRNAのスプライス供与部位またはスプライス受容部位の周辺の50塩基
から選択される標的領域にハイブリダイズする少なくとも10塩基長の標的化配列
を含む、単離された抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドが、ウイルス標的領域とヘテロ二重鎖構造を形成する能力により特徴付けられ、ここで、前記ヘテロ二重鎖構造が:
a)前記ウイルスのプラスセンス鎖またはマイナスセンス鎖および前記オリゴヌクレオチド化合物から構成され、そして
b)少なくとも45℃の解離Tmにより特徴付けられる、
請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドが、
i)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのM1またはM2領域のマイナスセンスウイルスRNAセグメントの5’または3’末端の25塩基、
ii)インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスBおよびインフルエンザウイルスCのM1またはM2領域のプラスセンスcRNAの5’または3’末端の末端の30塩基
iii)インフルエンザのM1またはM2 mRNAのAUG開始コドンの周辺の45塩基、および
iv)インフルエンザM1またはM2 RNAのスプライス供与部位またはスプライス受容部位の周辺の50塩基
から選択される標的領域と相補的な少なくとも10塩基を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドが、1つのサブユニットのモルホリノ窒素を隣接サブユニットの5’環外炭素に結合する非荷電のリン(III)含有サブユニット間結合によって連結されたモルホリノサブユニットを含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記モルホリノサブユニットが、以下の構造:
【化16】
に従うホスホロジアミデート結合によって結合されており、
ここで、Y1=Oであり、Z=Oであり、Pjは、塩基特異的な水素結合によってポリヌクレオチド中の塩基に結合するのに有効なプリンまたはピリミジン塩基対形成部分であり、そしてXは、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシまたはアルキルアミノである、
請求項4に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
X=NR2であり、各Rは、独立して水素またはメチルであり、正に帯電した結合の場合、Xは、1−ピペラジンである、請求項5に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
少なくとも2つかつサブユニット間結合の総数の半数以下が、正に帯電している、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
前記モルホリノオリゴマーが、配列番号13に示されるような正に帯電したサブユニット間結合を含む、請求項6に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
前記ウイルス標的領域が、配列番号1〜11のうちのいずれか1つ以上を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
前記ウイルス標的領域が、配列番号2または4を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号12〜47のうちのいずれか1つ以上の少なくとも10個連続した塩基を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
前記オリゴヌクレオチドが、配列番号12または13を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
前記オリゴヌクレオチドが、ペプチド核酸(PNA)である、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
配列番号48〜62のうちのいずれか1つ以上の少なくとも10個連続した塩基を含む、請求項13に記載のPNAオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
配列番号48〜62のうちの1つ以上から本質的になる、請求項14に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
1つ以上のロックト核酸(LNA)サブユニットを含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
LNAサブユニットから本質的になる、請求項16に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
配列番号63〜114のうちのいずれか1つ以上の少なくとも10個連続した塩基を含む、請求項16に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
配列番号63〜114のうちの1つ以上から本質的になる、請求項18に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
前記オリゴヌクレオチドが、宿主細胞内への前記化合物の取り込みを増大させるアルギニンリッチポリペプチドに結合体化されている、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
前記アルギニンリッチポリペプチドが、配列番号115〜128からなる群から選択される、請求項20に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
インフルエンザウイルスの複製を減少させる方法であって、前記方法は、インフルエンザウイルスに感染した細胞を、請求項1〜21のいずれか1項に記載の抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドと接触させる工程を包含する、方法。
【請求項23】
前記細胞が、被験体内の細胞であり、前記方法が、前記被験体に前記アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程を包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記被験体が、二次的細菌感染を有し、細菌用抗生物質を、前記抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドと別個に、またはそれと同時に併用して投与する工程をさらに包含する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記二次的細菌感染が、連鎖球菌性肺炎への感染である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記抗生物質が、ベータ−ラクタムである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記抗生物質が、ペニシリン、アモキシシリン、セファロスポリン、クロラムフェニコールおよびクリンダマイシンから選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記抗ウイルス性アンチセンスオリゴヌクレオチドと別個に、またはそれと同時に併用して、CD200またはCD200レセプターをコードするRNA分子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを投与する工程をさらに包含する、請求項23または請求項24に記載の方法。
【請求項29】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび薬学的に許容され得るキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項30】
細菌用抗生物質をさらに含む、請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項31】
CD200またはCD200レセプターをコードするRNA分子を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項29に記載の薬学的組成物。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図2−1】
【図2−2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図2−1】
【図2−2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【公表番号】特表2013−510584(P2013−510584A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539038(P2012−539038)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/056613
【国際公開番号】WO2011/060320
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(501237039)サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/056613
【国際公開番号】WO2011/060320
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(501237039)サレプタ セラピューティクス, インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】
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