説明

アンテナの同期回転装置

【課題】 航空機の管制に使用する空港面探知レーダ等のレーダシステムは複数のレーダ装置を使用する。このとき複数のアンテナは互いに同期して回転させなければならない。そのため一つの角度信号を複数のレーダ装置に配信しなければならず、配線設備コストが高くなるという課題があった。複数の空中線に対し角度信号を分配することなく、同期回転することができるレーダシステムを提供する。
【解決手段】 電波時計など、既設の無線放送波を利用して校正できる高精度な時計装置12aを設け、この時計装置12aの時刻信号に同期する同期回路3aを空中線9a毎に設ける。各レーダ装置の空中線毎に角度信号の伝送を行うことなく、複数空中線の同期回転装置を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダシステムに関し、例えば、空港面における航空機の離発着の管制目的に使用される複数の空港面探知レーダのアンテナの同期回転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、空港またはその周辺における航空機の管制のために、いわゆる空港面探知レーダ(ASDE)が使用されている。この装置は、近接して設置した複数の空中線(ビームアンテナ)をそれぞれ回転(一般には垂直軸周りに水平に回転)させて空港面の探知を行うものである。この場合、これら複数の空中線はその指向方向を互いに同期させて回転させなければ、互いに正面に向き合ってしまうと他の空中線からの放射電波を直接受信するなどして正常な動作をしなくなるおそれがある。複数の回転空中線の指向方向の回転を同期させる一方式として、例えば、特許文献1に記載の複数レーダ運用方式がある。この方式はそれぞれの空中線が制御される回転制御装置に対して、基準となる共通の角度指令信号を分配するものである。そのため、基準となる角度指令信号の発信装置から、数kmに渡って隔離される信号ケーブル等の伝送設備を全ての空中線に対して個々に配線しなければならない。
また、前記角度信号を無線電送することは技術的にはできるが、空港無線に影響を与えかねないため、空港内であらたな周波数の占有はできる限り避けたいという要求があって、使用できなかった。
【0003】
【特許文献1】特開平1−197685号公報 複数の近接する空中線の同期回転方式
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の複数の空中線を同期して回転させる方式は、基準となる一つの角度信号を全ての空中線に分配する必要がある。そのため、例えば、数kmに渡って隔離される信号ケーブル等の伝送設備を空中線に対して個々に配線しなければならず、一つ一つの空中線に多大の配線コストがかかるという課題があった。さらに長距離に渡ってのケーブルの引き回しによる信号の劣化や、ノイズの影響を受けるなどの技術品質上の課題もあった。また、無線電送は空港付近で新たな周波数の占有は避けたいという要求があった。
【0005】
この発明は上記の様な課題を解消するためになされたもので、複数の空中線に対して一つの角度信号の伝送を行う必要がなく、高精度な同期回転を空中線装置の数や設置場所、距離に関係なく実現させることができ、もって配線コストを低減したレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明にかかるアンテナの同期回転装置は、標準電波を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する電波時計、前記同期信号に同期して、所定の変化率で変化する角度信号を出力する同期回路、ビームアンテナの指向方向を前記角度信号にもとづいて回転させる制御装置を備えたことにより、前記ビームアンテナの指向方向を前記標準電波の時刻に同期して回転させるものである。
【0007】
また、標準電波を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する第1の時計、GPS衛星の電波を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する第2の時計、電話回線で供給される標準時刻信号を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する第3の時計の内、少なくとも2つを備えるとともに、前記備えた時計の前記同期信号から任意の1つを選択する切替えスイッチ、
選択された前記同期信号に同期して、所定の変化率で変化する角度信号を出力する同期回路、ビームアンテナの指向方向を前記角度信号にもとづいて回転させる制御装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明のアンテナの同期回転装置によれば、複数の空中線装置の各々に角度信号などを配信するケーブルの敷設を行うことなくそれぞれ独立して校正された時刻に同期した同期回転を行わせることができるため、ケーブル配線などの伝送設備を削減でき、高品質かつローコストな同期回転方式のレーダシステムを構築することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1の複数空中線の同期回転装置を図によって説明する。図1は実施の形態1に係る同期回転装置のブロック図である。図1には互いに同期させるべき2台のレーダ装置a及びbを示している。もとより同期させる空中線はもっと多くても良いが、ここでは説明の都合上、2台のみ図示している。
同図に示す構成は標準電波{ここでいう標準電波とは、例えば日本に於いては、通信総合研究所が福島県(40KHz)と佐賀県(60KHz)から送信している長波標準電波にAM変調で重畳されているリアルタイムの時刻情報(タイムコード)である。}を受信する受信アンテナ1a,1bと、この受信アンテナ1a,1bに接続された電波時計12a,12bを内蔵し、この電波時計12a,12bの信号を用いて同期信号を出力する同期回路3a,3bと、前記同期信号に基づいて空中線の回転を制御する角度信号を出力する空中線制御装置5a,5bと、サーボモータ7a,7bと、サーボモータ7a,7bによって回転駆動されるレーダ空中線9a,9bを含んでいる。電波時計12a,12bの受信アンテナ1a,1bは、標準電波を受信して時刻信号2a、2bを同期回路3a,3b内の電波時計12a,12bに送る。
【0010】
レーダ空中線9a,9bは例えばパラボラアンテナで機械的に回転するものでも良いし、フェーズドアレイアンテナのように機械的には固定され、電子的に指向方向が変化させられるものでも良い。ただし、以下の説明では機械的に回転するものを例として説明する。また、説明の都合上、アンテナの方向を回転させるという表現を、以下、随所に用いているが、これは正確にはアンテナのビームの指向方向を回転させるという意味である。
電波時計12a,12bは通常は内部の図示しない水晶発振回路により時刻信号を発しているが、累積した誤差を修正するために定期的(例えば1分ごと、30分ごとなど)に受け取った標準電波の時刻信号2a,2bを基準にして内部で時刻の校正を行う。そして校正された正確な時刻信号に基づいて例えば1秒ごとに同期信号90を出力する。これを図2a)に示す。
【0011】
同期回路3a、3bは電波時計12a,12bから受け取った同期信号90を基に生成した角度信号4a、4bを空中線制御装置5a,5bに送出する。角度信号4a,4bは例えば方位角で説明すれば図2b)に示すように0度から360度まで所定の変化率で漸増する鋸歯状波信号である。そこで角度信号4a,4bはサーボモータ7a,7bを駆動するための制御信号6a,6bに(例えばサーボモータがパルスモータならパルス信号に)変換される。サーボモータ7a,7bは駆動軸8a,8bによりレーダの空中線9a,9bと連動されており、サーボモータ7a,7bの回転量に応じてレーダの空中線9a,9bが回転動作を行う。
【0012】
同期回路3a、3bについて具体的に説明する。図3は、図1の同期回路3aの詳細を示すブロック図である。同期回路3bも同じ構成であるので図示を省略する。
入力段の時計装置(電波時計)12aは、通常、図示しない内部クロック(例えば水晶発振器)により時間を刻み、定期的(例えば数分の1秒〜数秒ごと)に同期信号90を次段の角度信号発生器14に送る。水晶発振器の誤差は小さいが累積され大きくなることを防ぐために一定期間ごとに校正用の時刻信号(前述の標準電波)2aを受信する。時計装置12aはこの時刻信号2aにもとづいて定期的かつ自動的に時刻の校正を行う。これにより異なるレーダ装置のそれぞれが有する時計は誤差の範囲内で同期する。これにより複数のレーダ装置が備えるそれぞれの時計の時刻誤差(即ち同期信号90のタイミング誤差)は最小限(例えば1/100秒程度)に抑えられる。
角度信号発生器14は同期信号90によりスタートする図2b)の波形(角度信号)を発生する。この信号に後述する加減算器18により位相補正値を加えて角度信号4aとして出力する。
【0013】
空中線制御装置5a,5bは入力された角度信号4a,4bを基にサーボモータ7a,7bに対し制御信号(回転速度信号)6a,6bを送出する。サーボモータ7a,7bは与えられた制御信号6a,6bに従い、駆動軸8a,8bを介して、レーダの空中線9a,9bの回転速度を制御する。回転速度が上昇して角度信号4a,4bに空中線の回転角度が一致すると制御信号(回転速度信号)6a,6bが低下するので、空中線はの角度誤差は常に微少な一定値を保持して回転が続けられる。
時計装置12から出力された同期信号90は角度信号発生器14に入力され、角度信号4a,4bのスタート信号として使用されるので、例えば、1秒間に1回転するレーダ装置の場合、同期信号を1秒に1回発生させて角度信号のカウンタをリセット/スタートする様に構成する。これにより各々の空中線はそれぞれの時計装置12の時刻情報に同期して全く同じ動きをすることになる。
【0014】
さらに特定のレーダ装置の空中線のみをある一定の位相分だけずらせて回転させたい場合は、図3の位相設定スイッチ16と加減算器18とを使用する。角度信号発生器14により出力された角度信号15は加減算器18により、位相設定スイッチ16により設定された角度信号補正値17の値を加算または減算されて、任意の角度分ずれた回転位相に補正することができる。一例として、空中線の一方の位相を90°反時計方向にずらして回転させる場合の例を以下に示す。図4は2台の空中線の位相設定に−90°の位相差を持たせた場合の空中線の向きを示した説明図である。1秒間に1回転するレーダの場合、前述のように1秒毎に同期信号90が入力されて通常は2台の空中線は同じ方向を向いて回転するが、一方の空中線に対して−90°のオフセット値を設定すると補正後の角度信号は270°となり空中線の向きはもう一方の空中線に対して−90°の角度を向くことになる。以降、この位相差は保たれたまま2台の空中線は同じ回転速度で同期回転を続ける。上記の説明に於いて、オフセットの加算により0度〜360度の範囲を超えた角度は、360度加減算処理(角度値がマイナスの時は+360度、角度が360度以上のときは−360度補正する)により0度〜360度の範囲内に保持されることはいうまでもない。
なお、以上の説明に於いて、理解を助けるため図2の波形はアナログ波形として示しているが、全てのデータはデイジタル処理されていても良いことはいうまでもない。
角度信号は図2では所定の比率で漸増する例を示したが、これに限るものではない、例えば特定の方向については精細な探知が必要でない場合、特定の方向に向かった時のみ回転速度をあげるなどしてもよい。
この発明のアンテナの同期回転装置は、1台だけで運用するときには特別な同期回転の意味がない。即ち、複数台を設置したとき初めて互いのアンテナが同期して回転することにより、互いの発射電波を直接受信してしまうなどの弊害が防止され、同期回転する意味が生じる。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態1では電波時計を利用したものを示したが、離れた場所に設置されたレーダ装置が、互いに接続されることなく一定の同期信号を得られる手段、即ちGPS電波に含まれる時刻情報を利用する方法を用いてもよい。図5にGPS信号により校正される時計装置112a,112bを利用した複数空中線の同期回転装置の構成を示したブロック図を示す。アンテナ101aとアンテナ101bとは設置場所が離れているから、両アンテナが捕捉できるGPS衛星は瞬間的には互いに異なっている場合もある。したがって厳密には、両レーダ装置の時刻は互いに異なる時刻となるがその差はきわめてわずかであり、レーダアンテナの回転の制御には何の問題もない。
【0016】
実施の形態3.
無線設備に限らず電波時計と同様の効果が期待でき、既設の電話回線の配線設備が利用できる場合には、例えば電話回線による標準時供給システム(電子情報認証などに利用されている)を用いても、同等の装置を実現でき、実施の形態1と同様の効果を得ることが出来る。図6に電話回線による標準時供給システムを利用した複数空中線の同期回転装置の構成を示したブロック図を示す。
図において、212a,212bは電話線により供給される標準時刻信号で校正される時計である。
【0017】
実施の形態4.
実施の形態1〜実施の形態3で説明したシステムでは、校正に用いる時刻信号として1つの系統を用いていた。このようなシステムでは、依存する時刻システムに異常が生じた場合、空港レーダの円滑な運用が妨げられることになりかねない。そこで、より高い信頼性を要求する場合においては、これらの手段のいくつかを併用することが有効である。一例として実施の形態1と実施の形態2を組み合せた構成を例として説明する。図7は上記の組合せにより構成された複数空中線の同期回転装置の構成を示したブロック図である。この構成では電波時計12aで運用していた場合に、何らかの事情(例えば落雷などの事故や機材のメンテナンス時など)により標準電波が停波した場合に代わりの基準信号を得る手段としてあらかじめGPS時計112aを設けている。仮に図示しない標準電波送信所において標準電波が停波した場合には自動又は手動切換によりGPS時計112aを基準信号の受信手段として選ぶ様に切替器107を操作して選択された角度信号108を選択する。
また、逆にGPS時計112aにおいて何らかの動作不良(例えば、衛星が建物の影などに入り受信感度が不安定になった場合など)にはこの逆の動作を試みれば良い。以上の様な構成にすることで現状の空中線の回転動作を維持したままでより高品質かつ回転ムラのない連続運転が可能となる。
【0018】
詳細な説明は省略するが各実施の形態のものを2つ以上くみあわせてもよい。即ち、標準電波を用いる時計を第1の時計、GPS信号を用いる時計を第2の時計、電話線で供給される標準時刻信号を用いるものを第3の時計とすれば、いずれか2つ以上を備えるとともに、任意の一つを切替器107により選択するようにすればよい。切替器107を自動切り替えとする場合、例えば所定の時間に渡って時刻校正が行われなかった場合に自動的に他の時計に切替えるようにする。
【0019】
実施の形態5.
実施の形態1〜4に説明したアンテナの同期回転装置は、どれも、信号の流れとしては上流から下流へと一方的に流れるものである。したがって複数のレーダ装置の内、どれか一台の同期がずれていても、その結果としてレーダ運用上の不具合が生じるまで、そのことに気づかない可能性があるという問題がある。
この発明のアンテナの同期回転装置は、レーダ装置に使用されることが多く、当然ではあるがアンテナで受信した信号をもとに構成したレーダ画像は、どこかのステーション(監視所)に送信され、人により監視されている場合がほとんどである。そこで、各実施の形態に示した各システムにおいて、同期信号とアンテナの回転とのずれを自動的に監視し、このずれが所定の角度、例えば3度を越えたような場合に、出力しているレーダ画像上に異常発生の警告表示を表すようにしても良い。
例えば、図2の同期信号90と、図1のアンテナ9aの図示しない回転軸に設けた回転検出スイッチ(回転検出手段)から生じる信号との時間ずれを監視する監視回路を制御装置内に設け、これがあらかじめ設定した所定の時間を超えたとき図示しない既設の電話回線で監視所(ここでは設備監視人がいる場所という意味)に自動的に連絡する。このような方式をとることにより、無人のレーダ設備であっても回転の同期が異常となったとき直ちに対応できるものとすることができ、しかも特別な通信線を設ける必要もない。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、例えば、空港面における航空機の離発着の管制目的に使用される空港面探知レーダ等のレーダシステムに利用するだけでなく、一定の近接した範囲内に複数のレーダを配置して用いる例、例えば航空路中継点の監視レーダ、艦船に複数搭載して使用される各種レーダにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1に係るアンテナの同期回転装置のブロック図である。
【図2】図1の動作を説明するための信号波形図である。
【図3】図1の同期回路の詳細を示したブロック図である。
【図4】図1の同期回転装置の位相設定と角度信号の関係を示した説明図である。
【図5】本説明の実施の形態2に係るGPS時計装置を使用したアンテナの同期回転装置の構成を示したブロック図である。
【図6】本説明の実施の形態3に係る電話回線による標準時供給システムを使用したアンテナの同期回転装置の構成を示したブロック図である。
【図7】本説明の実施の形態4に係る電波時計ならびにGPS時計を併用したアンテナの同期回転装置の構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0022】
1a,1b 電波時計の受信アンテナ、 2a,2b 時刻信号、
3a,3b 同期回路、 4a,4b 角度信号、
5a,5b 空中線制御装置、
6a,6b 制御信号、 7a,7b サーボモータ、 8a,8b 駆動軸、
9a,9b 空中線、 11 校正用時刻信号、 12 時計装置、
90 同期信号、 14 角度信号発生器、 15 補正前の角度信号、
16 位相設定スイッチ、 17 角度信号補正値、 18 加減算器、
19 補正後の角度信号、
101a,101b GPS時計の受信アンテナ、
102a,102b GPS時計信号、
103a,103b 同期回路、
104a,104b 電話回線に接続されたパソコン、
105a,105b 標準時時計信号、
106a,106b 同期回路、
107 切替器、 108 選択された角度信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準電波を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する電波時計、
前記同期信号に同期して、所定の変化率で変化する角度信号を出力する同期回路、
ビームアンテナの指向方向を前記角度信号にもとづいて回転させる制御装置を備えたことを特徴とするアンテナの同期回転装置。
【請求項2】
GPS衛星の電波を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する電波時計、
前記同期信号に同期して、所定の変化率で変化する角度信号を出力する同期回路、
ビームアンテナの指向方向を前記角度信号にもとづいて回転させる制御装置を備えたことを特徴とするアンテナの同期回転装置。
【請求項3】
電話回線で供給される標準時刻信号を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する電波時計、
前記同期信号に同期して、所定の変化率で変化する角度信号を出力する同期回路、
ビームアンテナの指向方向を前記角度信号にもとづいて回転させる制御装置を備えたことを特徴とするアンテナの同期回転装置。
【請求項4】
標準電波を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する第1の時計、GPS衛星の電波を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する第2の時計、電話回線で供給される標準時刻信号を受信して時刻が自動的に校正されるとともに、あらかじめ定めた所定時刻ごとに同期信号を出力する第3の時計の内、少なくとも2つを備えるとともに、
前記備えた時計の前記同期信号から任意の1つを選択する切替えスイッチ、
選択された前記同期信号に同期して、所定の変化率で変化する角度信号を出力する同期回路、
ビームアンテナの指向方向を前記角度信号にもとづいて回転させる制御装置を備えたことを特徴とするアンテナの同期回転装置。
【請求項5】
前記ビームアンテナは電波を放射し、他物体で反射した反射波を受信するレーダアンテナであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナの同期回転装置。
【請求項6】
前記同期信号は前記アンテナの指向方向の1回転に1回出力されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナの同期回転装置。
【請求項7】
前記同期回路は、任意の回転位相角を設定する位相設定スイッチと、前記回転位相角を前記
角度信号に加減算する加減算器とを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアンテナの同期回転装置。
【請求項8】
前記ビームアンテナは指向方向が電子的に制御されるフェーズドアレイアンテナであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンテナの同期回転装置。
【請求項9】
前記アンテナは、その指向方向が特定の方向になったときタイミング信号を出力する回転検出手段を有し、前記制御装置は前記タイミング信号と前記同期信号とのタイミングのずれを監視するずれ監視回路を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンテナの同期回転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−3304(P2006−3304A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182614(P2004−182614)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】