説明

アンテナ装置

【課題】狭小化の実現、可撓性の付与、低コスト化その等の利便性を向上させることができるアンテナ装置を提供する。
【解決手段】本発明のアンテナ装置1Aは、絶縁基板2の表面にループアンテナ3およびその裏面に磁性シート4Aを備える。ループアンテナ3の給電電極3a、3bは絶縁基板2の舌片部2a、2bに形成されている。また、絶縁基板2の舌片部2a、2bは、磁性シート4Aの貫通孔4Aa、4Abから引き出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に係り、特に、携帯電話機やカードに内蔵されるRFIDシステムに使用される無線通信回路のアンテナ装置として好適に利用できるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、カードや携帯電話機にRFID(Radio Frequency Identification:電波を利用した認証技術)システムを採用する場合、タグやラベル状に加工された無線通信機能付ICチップにアンテナ装置が接続されている。
【0003】
従来のアンテナ装置101は、その一例として、図11に示すように、絶縁基板102に、ループアンテナ103、磁性シート104およびICチップ108を備えている。ループアンテナ103は、一本の導電パターンを絶縁基板の表面の周縁に沿って巻回形状に印刷形成された導電パターンであり、その両端にそれぞれ給電電極105が形成されている。また、アンテナ装置101の裏側に配置された携帯電話機の金属筐体などの金属部品から放射されたノイズをループアンテナ103から遮断するため、ループアンテナ103の裏面全面には磁性シート104が貼付されている。そして、ICチップ108は、ループアンテナ103が短絡することを防止するための樹脂製短絡防止板110を介在させて、ループアンテナ103を跨ぐようにその両端の給電電極105に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−74310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単層の絶縁基板102にビアを形成したり、その裏面(磁性シート104の固着面)に導電パターンを形成したりすると、金属粉末を含有する磁性シート104が原因となって短絡するおそれがある。それを防止するため、絶縁基板102の表面(ループアンテナ103の形成面)においてループアンテナ103を跨ぐように樹脂製短絡防止板110を介在させてICチップ108を配置しなければならず、ICチップ108を図示しない他の外部回路に移設することができない。その結果、アンテナ装置101の厚みがICチップ108の厚み分だけ増えてしまうので、アンテナ装置101の狭小化を妨げるという問題があった。
【0006】
また、従来のアンテナ装置101においては、前述の通り、ICチップ108の配置が必須だったため、絶縁基板102を湾曲させるとICチップ108の接続箇所が剥離して断線の原因となるので、アンテナ装置101に可撓性を付与することが困難であるという問題があった。
【0007】
さらに、従来のアンテナ装置101においては、給電線となる図示しない配線を用いて外部回路と接続する必要があったため、当該配線およびその接続工程によって余分なコストが発生するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、狭小化の実現、可撓性の付与、低コスト化その等の利便性を向上させることができるアンテナ装置を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明のアンテナ装置は、その第1の態様として、基板の一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を裏側に折り曲げたような形状の舌片部を有する絶縁基板と、絶縁基板の表面に平面状に形成されているとともに、その給電電極が絶縁基板の舌片部の表面に形成されているループアンテナと、ループアンテナの全面を覆う大きさに形成されているとともに、シートの一部に設けられた貫通孔に絶縁基板の舌片部を通して絶縁基板の裏面に固着されている磁性シートとを備えていることを特徴としている。
【0010】
本発明の第1の態様のアンテナ装置によれば、絶縁基板の裏面に磁性シートが固着されていても、アンテナ装置の裏側からループアンテナの給電電極に接続することができる。
【0011】
本発明の第2の態様のアンテナ装置は、第1の態様のアンテナ装置において、磁性シートの貫通孔は、シートの一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を折り曲げたような形状の舌片部を設けることにより形成されており、磁性シートの舌片部は、絶縁基板の舌片部の裏面に固着されていることを特徴としている。
【0012】
本発明の第2の態様のアンテナ装置によれば、絶縁基板の舌片部を磁性シートの舌片部により補強することができるので、絶縁基板の舌片部が断線することを防止することができる。また、磁性シートの舌片部によって磁性シートの貫通孔を部分的に覆うことができるので、磁性シートの貫通孔から放射ノイズが侵入することを抑制し、ループアンテナのアンテナ特性が劣化することを抑えることができる。
【0013】
本発明の第3の態様のアンテナ装置は、第1の態様のアンテナ装置において、磁性シートの貫通孔は、絶縁基板の舌片部の幅と同等の大きさに制限して形成されたスリットであることを特徴としている。
【0014】
本発明の第3の態様のアンテナ装置によれば、磁性シートに開口する貫通孔の大きさを最小限に設定することができるので、ループアンテナのアンテナ特性が劣化することを最小限に抑えることができる。
【0015】
本発明の第4の態様のアンテナ装置は、第3の態様のアンテナ装置において、絶縁基板の舌片部は、磁性シートに絶縁基板の舌片部の裏面が当接する角度に折り曲げたような形状であることを特徴としている。
【0016】
本発明の第4の態様のアンテナ装置によれば、ループアンテナの給電電極を磁性シートに配設した状態と同様の状態になるので、アンテナ装置の薄型化を実現させることができる。
【0017】
本発明の第5の態様のアンテナ装置は、第1から第3のいずれか1の態様のアンテナ装置において、絶縁基板の舌片部は、外部回路に接続させるための配線として用いることができる長さに形成されていることを特徴としている。
【0018】
本発明の第5の態様のアンテナ装置によれば、絶縁基板の舌片部を給電線として使用することができるので、別個の給電線をアンテナ装置と外部回路とに接続せずとも、アンテナ装置と外部回路とを導通させることができる。
【0019】
本発明の第6の態様のアンテナ装置は、第1から第5のいずれか1の態様のアンテナ装置において、絶縁基板は、樹脂を用いて形成された可撓性基板であり、磁性シートは、金属ガラス粉末を液体樹脂に混入して硬化させた可撓性ノイズ抑制シートであることを特徴としている。
【0020】
本発明の第6の態様のアンテナ装置によれば、アンテナ装置に可撓性を付与することができるので、アンテナ装置を内蔵する装置に対する設置可能性を高めることができる。また、絶縁基板および磁性シートの切断および折り曲げが容易になるので、絶縁基板の舌片部および磁性シートの舌片部を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のアンテナ装置によれば、絶縁基板に舌片部を形成してそれを引出電極や配線として用いたので、ICチップ等のチップ部品を外部回路に移設させることができるようになる。その結果、アンテナ装置について、狭小化の実現、可撓性の付与、低コスト化その等の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態のアンテナ装置を示す斜視図
【図2】第1の実施形態のアンテナ装置をループアンテナ側から示す平面図
【図3】第1の実施形態の絶縁基板に形成される舌片部を示す縦断面図
【図4】第1の実施形態の絶縁基板に形成される舌片部を配線として用いる状態を示す縦断面図
【図5】第1の実施形態の磁性シートに舌片部が形成された状態を示す縦断面図
【図6】第1の実施形態の磁性シートに舌片部が形成され、かつ、絶縁基板の舌片部を配線として用いる状態を示す縦断面図
【図7】第2の実施形態のアンテナ装置を磁性シート側から示す斜視図
【図8】第2の実施形態の絶縁基板に形成される舌片部を示す縦断面図
【図9】第2の実施形態の絶縁基板に形成される舌片部が折り返された状態を示す裏側斜視図
【図10】第2の実施形態の絶縁基板に形成される舌片部が折り返された状態を示す縦断面図
【図11】従来のアンテナ装置の一例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図1から図10を用いて、本発明のアンテナ装置を2つの実施形態により説明する。
【0024】
はじめに、第1の実施形態のアンテナ装置1Aを説明する。
【0025】
図1は、第1の実施形態のアンテナ装置1Aを示す斜視図である。また、図2は、第1の実施形態のアンテナ装置1Aをループアンテナ3側から示す平面図である。また、図3は、第1の実施形態の絶縁基板2に形成される舌片部2a、2bを示す縦断面図である。
【0026】
第1の実施形態のアンテナ装置1Aは、図1に示すように、絶縁基板2、ループアンテナ3および磁性シート4Aを備える。
【0027】
絶縁基板2は、図1および図2に示すように、例えば、ループアンテナ3の大きさよりも大きな矩形状に形成されており、その一部に2個の舌片部2a、2bを有する。これら2個の舌片部2a、2bは、図2および図3に示すように、絶縁基板2の一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を裏側に折り曲げたような形状に形成されている。「略U字状」とは、U字状だけでなく、円弧状、コ字状、V字状その他のU字を変形させた形状をも含む形状である。
【0028】
また、「基板の一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を裏側に折り曲げた「ような」形状」とは、絶縁基板2の舌片部2a、2bが絶縁基板2の一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を裏側に折り曲げた「ように見える」形状であればよいことを意味している。換言すると、それは、絶縁基板2の舌片部2a、2bが絶縁基板2を実際に切断し、実際に折り曲げられることにより形成されることを強制していることを意味するものではない。たとえば、絶縁基板2が、可撓性基板でなく、リジット基板やセラミック基板のように、折り曲げることができない基板であっても、基板の成形法の工夫によって、前述のように折り曲げた「ように見える」形状の舌片部を絶縁基板2に形成することは可能である。
【0029】
また、絶縁基板2の舌片部2a、2bは、図3に示すように、少なくとも、磁性シート4Aから露出する長さに形成されていればよい。本実施形態においては、絶縁基板2の舌片部2a、2bが、図4に示すように、例えばアンテナ装置1Aの裏側に配置された図示しない外部回路に接続させるための配線として用いることができる長さに形成されていることが好ましい。
【0030】
絶縁基板2の材質としては、ポリイミド基板、FR−4などのガラス・エポキシ基板、メッシュ状樹脂シートなど、従来より回路基板として用いられた基板を用いることができる。絶縁基板2は、リジット基板であっても良いし、フレキシブル基板であっても良い。絶縁基板2に舌片部2a、2bを容易に形成することを考慮すれば、絶縁基板2の材質としては、樹脂を用いて形成された可撓性基板であることが好ましい。
【0031】
ループアンテナ3は、絶縁基板2の表面において1本の印刷線を矩形巻回することにより平面状に形成されている。このループアンテナ3の両端には、矩形状の給電電極3a、3bがそれぞれ形成されている。また、これら2個の給電電極3a、3bは、絶縁基板2の舌片部2a、2bの表面にそれぞれ形成されている。なお、これら2個の給電電極3a、3bは、絶縁基板2の舌片部2a、2bの先端に形成されていることが好ましい。
【0032】
磁性シート4Aは、図1に示すように、ループアンテナ3の全面を覆う大きさに形成されており、絶縁基板2の裏面に固着されている。また、この磁性シート4Aには絶縁基板2の舌片部2a、2bの個数に対応する2個の貫通孔4Aa、4Abが設けられている。これら2個の貫通孔4Aa、4Abは、図3または図4に示すように、絶縁基板2の舌片部2a、2bをそれぞれ通す位置に形成されている。
【0033】
また、磁性シート4Aの貫通孔4Aa、4Abは、図5または図6に示すように、磁性シート4Aに舌片部4Ac、4Adを設けることにより形成されていることが好ましい。この場合、磁性シート4Aの舌片部4Ac、4Adは、絶縁基板2の舌片部2a、2bの裏面に固着されていることが好ましい。この磁性シート4Aの舌片部4Ac、4Adは、絶縁基板2の舌片部2a、2bの形状と同様、シートの一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を折り曲げたような形状に形成されていることが好ましい。
【0034】
この磁性シート4Aの材質としては、例えば、鉄を主成分とした金属ガラスなどを熱硬化性液体樹脂に分散して熱硬化させた可撓性ノイズ抑制シートが好ましい。磁性シート4Aの具体的な商品としては、アルプス電気株式会社のノイズ抑制用磁性シート「リカロイ(登録商標)」が選択されていることが好ましい。
【0035】
次に、第1の実施形態のアンテナ装置1Aの作用を説明する。
【0036】
第1の実施形態のアンテナ装置1Aにおいては、図1から図3に示すように、絶縁基板2に舌片部2a、2bが設けられ、その絶縁基板2の舌片部2a、2bの表面にループアンテナ3の給電電極3a、3bが形成されている。また、第1の実施形態のアンテナ装置1Aにおいては、絶縁基板2の裏面に固着された磁性シート4Aに貫通孔4Aa、4Abが設けられており、絶縁基板2の舌片部2a、2bがその貫通孔4Aa、4Abを通過している。そのため、絶縁基板2の裏面に磁性シート4Aが固着されていても、アンテナ装置1Aの裏側、すなわち絶縁基板2の磁性シート4Aの固着面側からループアンテナ3の給電電極3a、3bが露出するため、アンテナ装置1Aの裏側からループアンテナ3の給電電極3a、3bに接続することができる。
【0037】
また、絶縁基板2の舌片部2a、2bは、図4に示すように、配線として用いられる長さに形成されていることが好ましい。この場合、絶縁基板2の舌片部2a、2bを給電線として使用することができる。通常、別個の給電線をアンテナ装置1Aと外部回路とに接続しなければならないが、絶縁基板2の舌片部2a、2bを給電線として用いた場合、別個の給電線を使用することなくアンテナ装置1Aと外部回路とを導通させることができる。
【0038】
このような絶縁基板2の舌片部2a、2bを通過させる磁性シート4Aの貫通孔4Aa、4Abは、図5または図6に示すように、舌片部4Ac、4Adを設けることにより形成されており、この磁性シート4Aの舌片部4Ac、4Adが絶縁基板2の舌片部2a、2bの裏面に固着されていることが好ましい。こうすることにより、絶縁基板2の舌片部2a、2bを磁性シート4Aの舌片部4Ac、4Adにより補強することができるので、絶縁基板2の舌片部2a、2bが切断され、給電電極3a、3bとループアンテナ3とが断線することを防止することができる。これは、図6に示すように、絶縁基板2の舌片部2a、2bが長く形成され、絶縁基板2と舌片部2a、2bとの付け根の部分が切断されやすい状態になっているときに特に有効である。また、磁性シート4Aの舌片部4Ac、4Adによって磁性シート4Aの貫通孔4Aa、4Abを部分的に覆うことができるので、磁性シート4Aの貫通孔4Aa、4Abから放射ノイズが侵入することを抑制し、ループアンテナ3のアンテナ特性が劣化することを抑えることもできる。
【0039】
そして、絶縁基板2が可撓性樹脂基板であり、磁性シート4Aが樹脂を基材とする可撓性シートであれば、絶縁基板2および磁性シート4Aの切断および折り曲げが容易になるので、絶縁基板2の舌片部2a、2bおよび磁性シート4Aの舌片部4Ac、4Adを容易に形成することができる。また、絶縁基板2および磁性シート4Aに可撓性が付与されると、アンテナ装置1Aの全体に可撓性を付与することができるので、アンテナ装置1Aを内蔵する装置に対する設置可能性を高めることができる。
【0040】
次に、第2の実施形態のアンテナ装置1Bを説明する。
【0041】
図7は、第2の実施形態のアンテナ装置1Bを磁性シート4B側から示す斜視図である。また、図8は、第2の実施形態の絶縁基板2に形成される舌片部2a、2bを示す縦断面図である。
【0042】
第2の実施形態のアンテナ装置1Bは、第1の実施形態と同様、絶縁基板2、ループアンテナ3および磁性シート4Bを備える。第1の実施形態と第2の実施形態との相違点は、磁性シート4Bに設けられる貫通孔4Ba、4Bbの形状および磁性シート4Bの舌片部の有無である。その他の点については、第2の実施形態のアンテナ装置1Bは第1の実施形態と同様である。
【0043】
第2の実施形態の磁性シート4Bは、図7および図8に示すように、絶縁基板2の舌片部2a、2bを通過させる2個の貫通孔4Ba、4Bbを有しており、舌片部を有していない。磁性シート4Bの貫通孔4Ba、4Bbは、図7および図8に示すように、絶縁基板2の舌片部2a、2bの幅と同等の大きさに制限して形成されたスリットであることが好ましい。
【0044】
絶縁基板2の舌片部2a、2bは、図8に示すように、磁性シート4Bから露出する長さに形成されていればよいし、図7に示すように、例えばアンテナ装置1Bの裏側に配置された図示しない外部回路に接続させるための配線として用いることができる長さに形成されていても良い。第2の実施形態の絶縁基板2の舌片部2a、2bは、図8に示すように、磁性シート4Bから露出する長さに設定し、図9および図10に示すように、絶縁基板2の舌片部2a、2bの裏面が磁性シート4Bに当接する角度、例えば180度程度折り曲げたような形状にしておくことが好ましい。
【0045】
次に、第2の実施形態のアンテナ装置1Bの作用を説明する。
【0046】
本実施形態のアンテナ装置1Bにおいては、図7および図8に示すように、磁性シート4Bの貫通孔4Ba、4Bbが前述のように大きさを制限されたスリットであることが好ましい。磁性シート4Bの貫通孔4Ba、4Bbをスリットにすると、磁性シート4Bに開口する貫通孔4Ba、4Bbの大きさを最小限に設定することができるので、ループアンテナ3のアンテナ特性が劣化することを最小限に抑えることができる。
【0047】
磁性シート4Bの貫通孔4Ba、4Bbから露出する絶縁基板2の舌片部2a、2bが、例えば、図7に示すように、外部回路に接続させるための配線として用いることができる長さに形成されていたとすると、第1の実施形態と同様、別個の給電線をアンテナ装置1Bと外部回路とに接続せずとも、アンテナ装置1Bと外部回路とを導通させることができる。
【0048】
それに対し、第2の実施形態の絶縁基板2の舌片部2a、2bは、図9および図10に示すように、磁性シート4Bに絶縁基板2の舌片部2a、2bの裏面が当接する角度に折り曲げた形状、つまり、折り返し形状になっている。これにより、ループアンテナ3の給電電極3a、3bを短絡させずに磁性シート4Bに配設した状態と同様の状態になるので、アンテナ装置1Bの薄型化を実現させることができる。
【0049】
すなわち、第1および第2の実施形態のアンテナ装置によれば、絶縁基板に舌片部を形成してそれを引出電極や配線として用いたので、ICチップ等のチップ部品を外部回路に移設させることができるようになる。その結果、アンテナ装置についての狭小化の実現、可撓性の付与、低コスト化その等の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0050】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1A、1B アンテナ装置
2 絶縁基板
2a、2b 舌片部
3 ループアンテナ
4A、4B 磁性シート
4Aa、4Ab、4Ba、4Bb 貫通孔
4Ac、4Ad 舌片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を裏側に折り曲げたような形状の舌片部を有する絶縁基板と、
前記絶縁基板の表面に平面状に形成されているとともに、その給電電極が前記絶縁基板の舌片部の表面に形成されているループアンテナと、
前記ループアンテナの全面を覆う大きさに形成されているとともに、シートの一部に設けられた貫通孔に前記絶縁基板の舌片部を通して前記絶縁基板の裏面に固着されている磁性シートと
を備えていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記磁性シートの貫通孔は、シートの一部を略U字状に切断してその切断線の内側に囲まれた非切断部を折り曲げたような形状の舌片部を設けることにより形成されており、
前記磁性シートの舌片部は、前記絶縁基板の舌片部の裏面に固着されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記磁性シートの貫通孔は、前記絶縁基板の舌片部の幅と同等の大きさに制限して形成されたスリットである
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記絶縁基板の舌片部は、前記磁性シートに前記絶縁基板の舌片部の裏面が当接する角度に折り曲げたような形状である
ことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記絶縁基板の舌片部は、外部回路に接続させるための配線として用いることができる長さに形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記絶縁基板は、樹脂を用いて形成された可撓性基板であり、
前記磁性シートは、金属ガラス粉末を液体樹脂に混入して硬化させた可撓性ノイズ抑制シートである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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