説明

アンテナ設計およびインテロゲータシステム

【解決手段】単一のケーブルは、データ搬送DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶ。RF信号および双方向的データ搬送DC電力信号は周波数選択的ネットワークを使用して分離される。あるいはまた、単一のケーブルは、変調されたRFデータ信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶ。RF信号および双方向的変調RFデータ信号は周波数選択的ネットワークを使用して分離される。RFスイッチング要素が一体化されている切り替え可能アンテナのアレイは単一のケーブルに接続され、そのケーブルを通じて電力が供給され、通信が行われる。切り替え可能アンテナのアレイは1、2または3次元の質問場を生成するよう構成されうる。接線方向および垂直方向の両方における磁場成分を生成するために、アンテナは一連の平行に離間された導体を提供するよう構成され、それらの導体に流れる電流は順番に切り替えられる。順番に切り替えられる電流の空間的な関係は、同じ場所で異なる時間に接線方向および垂直方向の磁場が生成されるのを確実にするように選択される。導体は平面的に配置され、かつ、接線方向および垂直方向の磁場はその平面の上方に生成されるのが好ましい。平行に離間された導体の単一層が1次元動作または2次元動作を提供する。直交するよう方向付けられた平行に離間された導体の第2平行層を追加すると、両方の層間で電流が順番に切り替えられる状況において3次元動作が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波による個体識別(RFID)の分野に関する。
【0002】
ある形態では、本発明はRFIDトランスポンダに質問(interrogating)するインテロゲータアンテナに関する。
【0003】
本発明は主に複数の受動的トランスポンダに質問するために開発された。これらの複数の受動的トランスポンダは、各トランスポンダによって識別されるべき物体に取り付けられる。以下、本発明はそのようなアプリケーションを参照して説明される。典型的なアプリケーションはRFIDトランスポンダまたは他のRFIDデバイスの識別である。そのようなRFIDトランスポンダまたは他のRFIDデバイスは、例えば書類や封筒に取り付けられ、互いに積み重ねられるプラスチックトークンやカードの中に埋め込まれる。
【0004】
以下では本発明をRFIDトランスポンダの識別に関して説明すると都合がよいであろう。しかしながら、本発明はその利用形態のみに限定されないことは理解されるべきである。
【0005】
ある形態では、本発明はインテロゲータとRF信号制御デバイスとの間の単一のケーブル上で双方向的にデータが交換されうる方法を提供する。別の形態では、本発明はRF信号を制御しそのRF信号を複数の出力ポートのうちのひとつに向けるための単一のケーブルポートを使用する方法を提供する。別の形態では、本発明はRFID質問(interrogation)信号を制御しその信号を多くのアンテナコイルのうちのひとつに向ける方法を提供する。別の形態では、本発明はインテロゲータとアンテナアレイとの間の単一のケーブル上で双方向的にデータが交換されうる方法を提供する。別の形態では、本発明は単一ケーブル入力ポートを有するアンテナコイルの構成を含むインテロゲータに関する。別の形態では、本発明は単一ケーブル入力ポートを有するアンテナコイルを制御する特定の方法に関する。別の形態では、本発明はアンテナコイルを制御するための単一ケーブル入力ポートを使用する方法に関する。
【0006】
本発明は多くのアプリケーションを有しており、それらのアプリケーションは、特に遠隔デバイスに質問することを目的として場を放射するためにアンテナが使用される任意のアプリケーションを含む。ある特定のアプリケーションでは、本発明は、RFトランスポンダ、タグ、トークン、ラベル、注入口(inlets)など(これらは例示のみを目的とする)のRFIDデバイスと併せて使用されうる。そのようなデバイスは広範な種類のアプリケーションにおいて使用されうる。そのようなアプリケーションが非限定的に含むのは、棚および保管システムなどの物品追跡、書類管理または物品識別および/または仕分け、ゲーム装置およびゲームトークン、宝石およびダイヤモンド展示および/または識別および/または追跡、および荷物識別である。
【0007】
以下では本発明をRFIDデバイスへの質問に関して説明すると都合がよいであろう。しかしながら、本発明はその利用形態のみに限定されないことは理解されるべきである。
【背景技術】
【0008】
本明細書を通じて、「発明者(inventor)」の語を単数形で使用する場合、一人の(単数の)本発明の発明者を示すものとされてもよいし、一人より多くの(複数の)本発明の発明者を示すものとされてもよい。本明細書全体を通して、本発明者の気付きおよび/または本発明者によるある先行技術中の課題の認識に基づいて議論がなされている。
【0009】
書類またはデバイスまたは行為または知識に関する本明細書中のいかなる議論も、本発明の内容を説明するために与えられる。したがってその内のいずれについても、それがオーストラリアまたは他の地域において、本明細書において開示された事項および請求項の優先日以前に、先行技術または関連技術分野における技術常識の一部を形成することを認めると解釈されるべきではない。
【0010】
RFIDおよび遠隔電力供給が使用され、識別されるべきアイテムの向きを保証することができないアプリケーション、例えば例示のみを目的として棚および保管システム、書類追跡、荷物識別、ゲームトークン、宝石およびダイアモンド識別、では、識別されるべきアイテムがミスされるおよび/または正しく識別されないことがあることが認識されている。
【0011】
出願人は1次元、2次元、限定的に3次元、または完全な3次元能力を提供する多くのトランスポンダシステムを知っている。これらのシステムは、2または3次元動作を達成するために、異なる座標軸で動作する多数のインテロゲータコイルを使用する。
【0012】
ある特に有利なインテロゲータ設計によると3次元で一様な場が生成される。この形態のインテロゲータはトンネルリーダプログラマ(Tunnel Reader Programmer、TRP)として知られている。オーストラリアにおいて全てのOH&SおよびEM規格を満たすTRPであってパレットやコンベヤ上のトランスポンダに質問するためのTRPの例は、米国特許第5258766号および国際特許出願第PCT/AU95/00436号に開示されている。
【0013】
TRPは優秀な3次元質問特性を有しているが、主たる欠点は、RFIDトランスポンダがTRPに入ってTRPから出ていくように通常はコンベアや同様のものの上をRFIDトランスポンダが動かされるようなアプリケーションにのみ適している点である。質問がテーブルや壁のような平坦な表面において生じる必要があるアプリケーションにはTRPは生来的に適さない。これらのアプリケーションには平坦な平面状アンテナコイルが必要であるが、これらのコイルはコイルに対して任意の位置で一方向にのみ場を生成するという難点を有しており、これらのコイルは2または3次元質問能力を有しない。
【0014】
図1は従来の平面状アンテナコイル構成を示す。図1では、コイル10はやや円形の巻線11を有する。
【0015】
図2は図1のX断面図であり、図1のコイルの巻線の断面を示す。巻線に電力を導くことによって生成される磁場は12で示される。トランスポンダ13はコイル(不図示)を有しそのコイルは例えばトランスポンダ13の外側上面に配置される場合、かつ、トランスポンダ13が図2に示されるように巻線間に実質的に水平に配置される場合、巻線11によって生成される場12はトランスポンダに電力を供給するための正しい配向を有する。同じくトランスポンダ14が図2に示されるように実質的に垂直に配置される場合も、トランスポンダ14は場12によって電力が供給される。しかしながら、トランスポンダ15が巻線11の近くまたは外側で実質的に水平に配置される場合、巻線によって生成される場12は正しく配向されず、トランスポンダ15に電力は供給されないであろう。同様に、16で示されるようにトランスポンダが巻線11および12の内側で実質的に垂直に配置される場合、巻線によって生成される場12は正しく配向されず、トランスポンダ15に電力は供給されないであろう。
【0016】
2次元または3次元質問を提供できるアンテナコイルの平坦平面状構成は国際出願第WO2007/030861号に示されている。WO2007/030861は本明細書において参照により組み入れられる。
【0017】
平面状コイルを重ね合わせ順番に切り替えることによって、拡張されたエリアに亘って1次元場を生成できる。WO2007/030861は、2次元質問場を生成するために、重ね合わせられ順番に切り替えられる平面状コイルを示す。WO2007/030861はさらに、第1層と直交して平面状コイルの第2層を配置することで3次元質問場を生成できることを示す。2次元動作および3次元動作の両方においてコイルアンテナアレイは、それぞれ対応する2次元質問場および3次元質問場を提供するために順番に操作される。
【0018】
図3(a)はWO2007/030861の従来技術のコイル構成333および334を示す。そこでは、いくつかのコイルからのコイル巻線331および332は、一連の平行に離間された導体を形成するために重ね合わせられる。接線方向および垂直方向の両方における磁場成分を生成するために、一連の平行に離間された導体に流れる電流は順番に切り替えられる。順番に切り替えられる電流の空間的な関係は、同じ場所で異なる時間に接線方向および垂直方向の磁場が生成されるのを確実にするように選択される。導体は平面的に配置され、接線方向および垂直方向の磁場がその平面の上方に生成されることが好ましい。平行に離間された導体の単一層は2次元動作を提供する。
【0019】
図3(b)は、WO2007/030861の従来技術のコイル構成333を示す。そこでは、直交するよう方向付けられた平行に離間された導体332の第2平行層334を追加することにより、両方の層331および332間で電流が順番に切り替えられる状況において3次元動作が提供される。
【0020】
平面状コイルと直交コイルとの間の重ね合わせの度合いはコイル間の相互カップリングを最小化するよう調整されうる。これは、コイル間の寄生相互作用を低減する点で有利である。WO89/10030は、このようにアンテナコイル間の相互カップリングを最小化する方法を示す。これは、多くのアンテナからなる大きなアレイを生成するのに有利である。
【0021】
2または3次元質問場を生成することと相互カップリングを最小化することとは二律背反の関係にある可能性があり、コイル間の有効カップリングを低減する他の方法が必要であるかもしれない。アンテナ間の寄生カップリングは、ひとつのスイッチデバイスまたは複数のスイッチデバイスを使用して非アクティブなアンテナコイルをオープンにすることによって低減されうる。スイッチデバイスはリレー、MEMs、またはPINダイオードまたはRF信号を遮断しうる他の任意のデバイスであってもよい。PINダイオードは特に制御可能なRFスイッチを提供する目的で設計された回路素子である。RF信号を回路開放するためにPINダイオードを使用する方法は、例えばWO2007/030861、WO2005/083893、WO2005/062421およびWO2000/067395に説明されている。非アクティブなアンテナコイルを回路開放するとコイル間の寄生カップリングを低減できる。非アクティブコイルの開放状態にあるスイッチを通じては電流は流れないか、流れても僅かであるからである。
【0022】
WO2007/030861に記載されるアンテナアレイを順番に動作させるために、質問信号はアンテナアレイの各アンテナコイルへ順番に切り替えられる。複数の出力であってその複数の出力間で質問信号を順番に切り替えることができる複数の出力を有するインテロゲータまたはリーダは、WO2007/030861に記載されるアンテナアレイを動作させるのに特に有利である。
【0023】
そのようなリーダの一例が米国特許第6903656号に示される。米国特許第6903656号は、アンテナスイッチがリーダの出力に配置されるリーダを示す。アンテナスイッチはリーダと一体であり、リーダのデジタルコントローラによって直接制御される。複数のアンテナは接続ケーブルによってアンテナスイッチに動作可能なように接続される。US6903656はアンテナ調整方法を指向しており、2または3次元質問場を生成するための切り替えられる質問信号のアプリケーションは扱っていない。
【0024】
アンテナスイッチをリーダから離してリーダおよびスイッチに接続されるアンテナとの間に遠隔的に配置するのが有利であるようなアプリケーションが存在する。遠隔的に配置される場合、RFスイッチはRFマルチプレクサまたはRFMUXと呼ばれる。RFMUXとアンテナとの間のケーブル接続はかなりより短い。遠隔的に配置すると、設置においてケーブル長をかなり省くことができる。アンテナスイッチがリーダ内に設けられていた場合にはアンテナのそれぞれにリーダから複数のケーブルを引く必要があったのであるが、そのような複数のケーブルの代わりに単一のケーブルのみがリーダとRFMUXとを接続するからである。
【0025】
WO2007/094787は、リーダから遠隔的に配置され、リーダと単一のアンテナケーブルによって接続されるRFMUXを示す。質問信号、MUXに電力を供給するためのDC電力、MUXの動作を制御するための質問信号の変調、および質問信号のRF後方散乱によってMUXからリーダへ送り返される情報、を運ぶために単一のアンテナケーブルは使用される。MUXの出力ポートはアンテナまたは他のMUXにさらなるケーブルによって接続される。MUXを制御するためおよびMUXからリーダへ情報を後方散乱信号として送り返すためにRF質問信号を使用する方法は、質問信号と結合し質問信号を復調し後方散乱させることができる複雑なRF回路を必要とする。WO2007/094787に記載されるデータシグナリングの方法の重大な欠点は、回路の複雑さおよびコストである。
【0026】
RFIDシステムおよびアンテナを設置する人がリーダと関わり合うという別の課題も存在する。しかしながら、アンテナのタイプのそれぞれはある特性を有し、各リーダもまた通常あるタイプのアンテナと動作するよう設定される。アンテナがリーダと関わり合う場合、リーダはそのアンテナのタイプと動作するように設定されるべきである。しかしながら、そのような設定はされるとしても通常は人手でなされるものであり、したがってそのような設定は正しく行われないことが多い。
【0027】
書類またはデバイスまたは行為または知識に関する本明細書中のいかなる議論も、本発明の内容を説明するために与えられる。したがってその内のいずれについても、それがオーストラリアまたは他の地域において、本明細書において開示された事項および請求項の優先日以前に、先行技術または関連技術分野における技術常識の一部を形成することを認めると解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本明細書で説明される実施の形態のひとつの目的は、RF信号および制御信号の両方のための単一の接続ケーブルを使用して遠隔RFMUXを制御する、よりシンプルで廉価な方法を提供することである。
【0029】
本明細書で説明される実施の形態の別の目的は、RF信号および制御信号の両方のための単一の接続ケーブルを使用してアンテナアレイを制御する、よりシンプルで廉価な方法を提供することである。
【0030】
本明細書で説明される実施の形態のさらに別の目的は、RFIDデバイスに電力を供給することおよび/またはRFIDデバイスと通信することをより可能としうるアンテナ設計および/またはインテロゲータを提供することである。
【0031】
本発明のさらなる目的は、従来技術に伴う少なくともひとつの不利な点を軽減することである。
【0032】
本明細書で説明される実施の形態のさらなる目的は、関連技術のシステムの上述の欠点のうちの少なくともひとつを克服するまたは軽減すること、または少なくとも関連技術のシステムに対する役に立つ代替物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、本発明のある態様によると、通信方法および/またはデバイスを提供する。この通信方法および/またはデバイスは、第1デバイスと第2デバイスとの間の通信を可能とするものであって、RF信号を表す第1信号を提供することと、電力信号を表す第2信号を提供することと、制御および/またはデータ信号を表す第3信号を提供することと、第1、第2および第3信号を運ぶ通信経路を提供することと、を含み、第3信号は第1および/または第2信号上を運ばれる。
【0034】
ある実施の形態では、第3信号は第1信号上を運ばれる。
【0035】
別の実施の形態では、第3信号は第2信号上を運ばれる。
【0036】
本発明は、本発明の別の態様によると、第1デバイスを第2デバイスに接続する方法および/または第1デバイスを第2デバイスに接続するためのデバイスを提供する。この方法および/またはデバイスは、第1および第2デバイスの間に通信経路を提供することと、第1および/または第2デバイスに識別属性を提供することと、第1および第2デバイスへ間で属性を通信することと、通信から第1および第2デバイスが正しく接続されているか決定することと、を含む。
【0037】
ある形態では、本発明は識別システムおよびそのシステムで使用されるデバイスに関する。デバイスの例は、棚におけるおよび/または保管システムにおける保管のためにアイテムに組み入れられるトランスポンダおよび/または装置を含む。デバイスの別の例は、安全な場所にある法的な証拠サンプルなどの物品に組み入れられるトランスポンダおよび/または装置を含む。そこでは、サンプルに取り付けられたトランスポンダおよび/または他の識別デバイスをそのサンプルの移動の監視および/または記録のために使用する。デバイスのさらに別の例は、ゲームテーブルおよび/またはゲームデバイスに組み入れられるトークンおよび/または装置を含む。
【0038】
他の形態では、本発明は、カジノにおいてゲームトランザクションを監視および/または記録するためのシステムに関する。ゲームトランザクションは例えば自身にトランスポンダおよび/または他の識別デバイスを有するゲームトークンを使用するものである。
【0039】
他の形態では、本発明は、例えば交換所、問屋または小売店において宝石またはダイヤモンドの移動またはトランザクションを監視および/または記録するためのシステムに関する。トランザクションは例えば自身の中にトランスポンダおよび/または他の識別デバイスを使用するものである。
【0040】
読み出す方法は実質的にPCT/AU2003/001072にしたがうものであると好ましい。
【0041】
読み出す方法は実質的にUS5302954にしたがうものであると好ましい。
【0042】
RFIDデバイスに電力を供給し、RFIDデバイスに質問し、および/またはRFIDデバイスと通信する方法は、実質的にWO9934526にしたがうものであると好ましい。
【0043】
他の態様および好適な態様が本明細書において開示されおよび/または添付の請求項において規定され、本発明の説明の一部を形成する。
【0044】
要するに、本発明のある態様は、第1および第2デバイス、例えば好ましくは単一のケーブルによってリーダに接続されたスイッチアンテナアレイ、の間の通信に関する。その単一のケーブルはRF信号および/またはデータ(双方向的であるほうが好ましいが、一方向のみまたは双方向の通信もまた本発明の範囲内で想定される)を運ぶ。そのデータはデータ搬送DC電力信号を使用して運ばれる。また、RF信号およびデータ搬送DC電力信号は分離される。分離の態様はアプリケーションに依存してもよい。分離のある好適な形態は、周波数選択的ネットワークを使用することである。本発明のある実施の形態では、RFMUXは単一のケーブルに接続され、そのケーブルを通じて電力が供給されかつ通信が行われる。アンテナのアレイはRFMUXに接続される。アンテナおよびMUX回路は単一のスイッチアンテナアレイとして統合される。そこではRFスイッチング要素はアンテナと一体である。スイッチ可能なアンテナのアレイは1、2または3次元の質問場を生成するよう構成される。これは、アンテナが一連の平行に離間された導体を提供するよう構成されることによる。接線方向および垂直方向の両方における磁場成分を生成するために、一連の平行に離間された導体に流れる電流は順番に切り替えられる。順番に切り替えられる電流の空間的な関係は、同じ場所で異なる時間に接線方向および垂直方向の磁場が生成されるのを確実にするように選択される。導体は平面的に配置され、かつ、接線方向および垂直方向の磁場はその平面の上方に生成されるのが好ましい。平行に離間された導体の単一層が1次元動作または2次元動作を提供する。直交するよう方向付けられた平行に離間された導体の第2平行層を追加すると、両方の層間で電流が順番に切り替えられる状況において3次元動作が提供される。
【0045】
あるいはまた、第1および第2デバイスの間である通信方法が使用されてもよい。この通信方法では、第1デバイスが第2デバイスに、変調されたおよび/またはスイッチされたRF信号を使用して制御信号またはデータ信号を伝送する。そして制御信号またはデータ信号を受信するために、第2デバイスのなかに対応する受信回路および/または復調回路が設けられる。ある態様では、RF信号は短い期間スイッチオフされ、RF信号の包絡線がダイオードピーク検出回路によって検出される。別の態様では、制御またはデータRF信号の周波数はRF信号の周波数と同じではない。周波数選択的回路はRF信号から制御またはデータRF信号を分離する。要するに、本発明の別の態様は第1および第2デバイスのカップリングに関する。本発明のこの態様では、それらのデバイスのカップリングの度合いを証明するおよび/または決定するために、任意の適切な形式の属性が使用される。例えば、属性は信号、コーディング、シーケンス、データおよび/または識別の形であってもよい。
【0046】
本発明は多くの利点を生み出すことが分かった。それらの利点は例えば、
・RF信号を、およびデータ搬送DC電力信号を使用してデータを、運ぶための単一のケーブルを使用することを提供する、
・双方向的RF信号を、およびデータ搬送DC電力信号を使用して双方向的データを、運ぶための単一のケーブルを使用することを提供する、
・双方向的RF信号を、およびデータ搬送DC電力信号を使用して双方向的データを、運ぶための単一のケーブルのみを使用して遠隔RFMUXを動作させるシンプルな方法を提供する、
・双方向的RF信号を、およびデータ搬送DC電力信号を使用して双方向的データを、運ぶための単一のケーブルを使用して、1、2、または3次元の強い質問場を生成するシンプルな平面状アンテナ設計を提供する、
・単一のケーブルのみが平面状アンテナをリーダに接続する状況において、1、2、または3次元の強い質問場を生成するシンプルな平面状アンテナ設計を提供する、
・単一のケーブルのみが平面状アンテナをリーダに接続する状況において、1、2、または3次元の強い質問場を低減された放射放出とともに生成するシンプルな平面状アンテナ設計を提供する、
・テーブル取り付けに理想的であるまたはトランスポンダが質問されるために置かれる平坦面にまたはとして取り付けられるのに理想的であるシンプルな平面状アンテナを提供する、
・アンテナ設計によっては、トランスポンダは1、2、または3次元におけるその配向によらずに質問されうる。
【0047】
本発明のさらなる適用範囲が以下の詳細な説明によって明らかになる。しかしながら本発明の範囲を逸脱しない範囲における種々の変形例が可能であることは以下の詳細な説明の内容から当業者にとっては明らかであるので、その詳細な説明および具体例は、それは本発明の好適な実施の形態を示してはいるが、単に例示として示されているに過ぎないことは理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本願のさらなる開示、目的、利点および態様は、以下の好適な実施の形態の説明を参照することで当業者に良く理解されるであろう。その実施の形態は添付の図と関連して説明されるが、その添付の図は単に例示として示されているに過ぎずしたがって本発明を限定するものではない。
【0049】
【図1】従来のアンテナコイル構成を示す図である。
【図2】図1のコイルに伴う磁場および複数のトランスポンダ配向を示す図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、2および3次元の質問場を生成するためのWO2007/030861の従来技術のアンテナコイル構成を示す図である。
【図4】WO2007/094787の従来技術のRFMUX回路を示す図である。
【図5】図5(a)および図5(b)は、RF信号およびDC電力を運ぶために単一のケーブルを使用する実施の形態を示す図である。
【図6】図6(a)、6(b)および6(c)は、DC電力信号またはRF信号を使用してRF信号および双方向的データを運ぶために、図5(a)および5(b)に示される実施の形態がどのように単一のケーブルを使用できるかを示す図である。
【図7】RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用して双方向的データを運ぶために単一のケーブルを使用することの別の実施の形態を示す図である。
【図8】RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用して双方向的データを運ぶために単一のケーブルを使用することのさらに別の実施の形態を示す図である。
【図9】図9(a)、9(b)および9(c)は、RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用してデータを運ぶために単一のケーブルを使用することのさらに別の実施の形態を示す図である。
【図10】図10(a)および10(b)は、RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用してデータを運ぶために単一のケーブルを使用するRFMUX回路の実施の形態を示す図である。
【図11】RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用してデータを運ぶために単一のケーブルを使用するRFMUX回路の別の実施の形態を示す図である。
【図12】RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用して双方向的データを運ぶために単一のケーブルを使用するRFMUX回路のさらに別の実施の形態を示す図である。
【図13】アンテナがMUX回路の一部である状況において、RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用して双方向的データを運ぶために単一のケーブルを使用するRFMUX回路のさらに別の実施の形態を示す図である。
【図14】ひとつのRFスイッチを組み入れたアンテナの例示的な回路を示す図である。
【図15】いくつかのRFスイッチを組み入れたアンテナの例示的な回路を示す図である。
【図16】図16(a)および16(b)は、いくつかのRFスイッチを組み入れたアンテナの例示的な回路を示す図である。
【図17】図17(a)および17(b)は、少なくとも1次元の順番に切り替えられる質問場を生成するのに適するアンテナアレイを示す図である。
【図18】図18(a)および18(b)は、少なくとも2次元の順番に切り替えられる質問場を生成するのに適するアンテナアレイを示す図である。
【図19】図19(a)、19(b)、19(c)および19(d)は、順番に切り替えられる導体の2枚の平行パネルが互いに導体は直交するよう配向された状態で平行に配置された場合に3次元場をどのように生成するかを示す図である。
【図20】図20(a)および20(b)は、アレイが単一のケーブルによってリーダに接続される状況において、順番に切り替えられる質問場を生成するのに適したアンテナのアレイを示す図である。
【図21】本発明が棚システムに含まれる場合の、本発明のアプリケーションを示す図である。
【図22】本発明が密に積み重ねられた宝石や宝飾品トランスポンダを読み取るのに使用される場合の、本発明の別のアプリケーションを示す図である。
【図23】本発明が密に積み重ねられたゲームトークンを読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す図である。
【図24】本発明が密に積み重ねられたゲームトークンを読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す図である。
【図25】本発明が密に積み重ねられた書類を読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す図である。
【図26】本発明が陳列されたアイテムを読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す図である。
【図27】代替的な通信方法を示す図である。
【図28】別の代替的な通信方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図4は、WO2007/094787の従来技術のRFMUX回路を示す。WO2007/094787の従来技術のRFMUX回路は、質問信号、MUXに電力を供給するためのDC電力124、MUXの動作を制御するための質問信号の変調、および質問信号のRF後方散乱によってMUXからリーダに送り返される情報、を運ぶために単一のアンテナケーブル20を使用する。RF信号およびDC電力は周波数選択的キャパシタおよびインダクタネットワーク120およびC1を使用して分離される。双方向的データはRF信号を使用して運ばれる。RF信号はMUXのためのデータで変調され、RFカプラ130およびRF検出器132はMUXのためのデータを抽出し復調する。MUXからのデータはRF信号への後方散乱的な変調250とされ、RFカプラ130を通じてケーブル20に注入される。RFカプラ130、検出器132および後方散乱回路250は複雑であり、RFMUXに不必要なコストを加える。
【0051】
図5(a)は、RF信号52およびDC電力53を運ぶための単一のケーブル51を使用する構成を示す。RF信号およびDC電力は、ケーブルの各端部において周波数選択的キャパシタおよびインダクタネットワーク54および55を使用して結合され、分離される。インダクタ56および57はDCおよび低周波数を通過させ、一方でキャパシタ58および59はDCおよび低周波数を遮断し高周波数RF信号を通過させる。より良い周波数特性が望まれる場合は、より複雑な周波数選択的回路が使用されてもよい。
【0052】
図5(b)は、より複雑な周波数選択的回路54および55を示す。周波数選択的回路54および55では、インダクタ56および57はDC信号53を分離し、バンドパス回路510および511はRF信号52を通過させ、ハイパスおよび/またはバンドパス回路512および513は制御またはデータRF信号514を通過させる。
【0053】
図6(a)は、双方向的RF信号を運ぶために、かつ、DC電力信号を使用して双方向的データを運ぶために、図5(a)に示される構成がどのように単一のケーブルを使用できるかを示す図である。RF信号はケーブルの各端部においてキャパシタ68および69を通過するが、インダクタ62および64を通過することはできない。DC電圧および電流はケーブルの各端部においてインダクタ62および64を通過するが、キャパシタ68および69を通過することはできない。電力は電圧源61からインダクタ62へ、そこからケーブル63を通過してケーブルの他端のインダクタ64へと運ばれ、そこで電力610を提供するのに使用される。ある向きでは電圧モード伝送を使用し、逆の向きでは電流モード伝送を使用することにより、双方向的データ通信が達成される。電圧源61によって印加された電圧はインダクタ62、ケーブル63を通してケーブルの他端のインダクタ64に伝わり、そこで電圧センサ65によって検出される。電圧源61の振幅変調によって、データ611は電圧源61から電圧センサ65に運ばれる。電流源66によって与えられる電流はインダクタ64、ケーブル63、インダクタ62を通して電流を注入し、電流センサ67に至る。電流源66の振幅変調によって、データ612は電流源66から電流センサ67に運ばれる。
【0054】
図6(b)に示される等価なデュアル回路もまた双方向的通信のために使用されうる。そのデュアル回路では、電圧源61は電流源613に、電流源66はで電圧源614に、電圧センサ65は電流センサ615に、電流センサ67は電圧センサ616に、それぞれ置き換えられる。電流源613はインダクタ62、ケーブル63およびインダクタ64を通して電流を注入し、電力610を提供するために使用される。電流源613の振幅変調によってデータ611は電流源613から電流センサ615に運ばれる。電圧源614によってインダクタ64に印加される電圧は、インダクタ64、ケーブル63およびインダクタ62を通過して電圧センサ616に至る。電圧源614の振幅変調によってデータ612は電圧源614から電圧センサ616に運ばれる。図6(b)に示される等価なデュアル回路は、図6(a)に示される回路よりも電気的により効率が悪い。本発明の以下の説明では図6(a)で使用される回路が使用されるが、本発明はデュアルの場合にも等しく適用可能である。
【0055】
図6(c)は、RF信号を使用してDC電力信号、双方向的RF信号および双方向的データを運ぶために、図5(b)の構成がどのように単一のケーブルを使用できるかを示す図である。DC電力610は電圧源623からインダクタ62へ、そしてケーブル63を通過しケーブルの他端のインダクタ64へと運ばれ、そこで電力610を提供するために使用される。RF信号はケーブルの各端部においてバンドパスフィルタ617および618を通過する。双方向的データはケーブルの各端部においてハイパスフィルタ619および620を通過する。双方向的データRF信号はRFモデム621および622によって符号化および復号される。双方向的RF信号および双方向的データRF信号によって使用される周波数によっては、双方向的RF信号および双方向的データ信号を分離するために要素617、618、619および620についてローパス、バンドパスまたはハイパスフィルタのより有利な異なる組み合わせが使用されてもよい。より有利には、RFモデム621および622は、IEEE802.15.4「ZigBee(登録商標)」などの市販の安いショートレンジRFモデムを使用してもよい。
【0056】
図7は、DC電力信号713を使用して双方向的RF信号および双方向的データ714および717を運ぶために単一のケーブル73を使用する例示的な実施の形態を示す。双方向的通信のために要求される回路は非常にシンプルであり、非常に安い。電圧サプライ713はパストランジスタ71を使用してデータ714によってスイッチされる。トランジスタ71がオンのとき、サプライ電圧713はインダクタ72、ケーブル73、インダクタ74およびダイオード75を通過し、電力蓄積キャパシタ76に至る。電力蓄積キャパシタ76の電圧715は電力を提供するために使用される。トランジスタ71がオフされると、インダクタ72、ケーブル73およびインダクタ74の電圧はゼロボルトへと放電される。放電抵抗712は必要であれば放電を早めるのを助けることができる。トランジスタ71がオンされると、インダクタ72、ケーブル73およびインダクタ74の電圧はそのフルの値まで充電される。電圧の変化はインダクタ74の出力においてトランジスタ77によって検出される。抵抗716はトランジスタ77のためのベース電流リミッタの役割を果たす。トランジスタ78および抵抗79はデータ717によって制御される切り替え可能な電流源である。トランジスタ78がオンのとき、サプライ電圧713を抵抗値79で割った値に等しい電流がインダクタ74、ケーブル73、インダクタ72および電流検出抵抗710を通して流れる。電流検出抵抗710の両端電圧は電流に検出抵抗値を乗じた値に等しい。検出抵抗に流れる電流の変化はトランジスタ711によって検出される。
【0057】
図8は、DC電力信号814を使用して双方向的RF信号および双方向的データ815および816を運ぶために単一のケーブル83を使用するさらに別の実施の形態を示す。電圧サプライ814はパストランジスタ81を使用してデータ815によってスイッチされる。トランジスタ81がオンのとき、サプライ電圧はインダクタ82、ケーブル83、インダクタ84およびダイオード85を通過して電力蓄積キャパシタ86に至る。電力蓄積キャパシタ86の電圧はレギュレータ812によって固定のDC電圧に調整され、電力を提供するために使用される。トランジスタ81がオフされると、インダクタ82、ケーブル83およびインダクタ84の電圧はゼロボルトへと放電される。放電抵抗813は必要であれば放電を早めるのを助けることができる。トランジスタ81がオンされると、インダクタ82、ケーブル83およびインダクタ84の電圧はそのフルの値まで充電される。電圧の変化はインダクタ84の出力においてコンパレータ87によって検出される。トランジスタ88および抵抗89はデータ816によって制御される切り替え可能な電流源である。トランジスタ88がオンのとき、サプライ電圧814を抵抗値89で割った値に等しい電流がインダクタ84、ケーブル83、インダクタ82および電流検出抵抗810を通して流れる。電流検出抵抗810の両端電圧は電流に検出抵抗値を乗じた値に等しい。検出抵抗に流れる電流の変化はコンパレータ811によって検出される。
【0058】
図9(a)、9(b)および9(c)は、双方向的RF信号を運ぶためおよびDC電力信号を使用して双方向的データを運ぶために単一のケーブル90を使用することのさらに別の実施の形態を示す図である。
【0059】
図9(a)は、回路に接続された2線式メモリチップ91を示す。2線式メモリチップはデータ読み出しおよびデータ書き込みのために2本のワイヤを使用する。一方のワイヤ92はデータを入力するためのものであり、他方のワイヤ93はデータを出力するためのものである。データはシリアルに渡される。メモリへのサプライ電圧94は、ダイオード95、電力蓄積キャパシタ96および電圧レギュレータ97の作用によって維持される。メモリチップは一意に特定するデータでプログラムされうる。その結果、メモリチップはケーブルの他端にある回路/リーダ910へケーブルを通じてデバイスの身元(identity)および/または「タイプ」を知らせることができる。この場合、新しい回路98がケーブル90に接続されてもその回路98は自分自身で自動的にまたは要求に応じてケーブルの他端にある回路910に対して身元を明かすことができるので、とても有用である。ケーブルへの新しい回路98の設置において自動的な設定が可能となり、システムの手動設定を必要としないこれらの回路の真の「プラグアンドプレイ」が可能となる。
【0060】
図9(b)は、回路に接続された論理回路911を示す。論理回路はカウンタ回路であり、DC電力信号912がローレベルにパルスされるたびにクロックされる。トランジスタ913がオフされると、ケーブルに供給される電力サプライ電圧912は切り離され、ケーブルの電圧およびカウンタ回路のカウンタ回路クロック入力914の電圧は放電される。放電抵抗918は必要であれば放電を早めるのを助けることができる。カウンタ回路911へのサプライ電圧915はダイオード916および電力蓄積キャパシタ917の作用によって維持される。トランジスタ913がオンされると、クロッキング入力はハイレベルになり、カウンタ回路はそのカウント値を進める(increment)。カウンタ回路は任意の時にひとつのみの出力ライン918を順番に活性化させるよう構成される。図9(b)に示される回路はカウンタ回路911に接続される他の回路を順番に活性化させるために使用されうる。適切なカウンタ回路の例はCD4017デケードカウンタである。カウント長さはチップリセットを適切なデコード出力に接続することによって設定される。
【0061】
図9(c)は、回路に接続されたマイクロコントローラ919を示す。データ928は、DCサプライ電圧930の印加を制御するスイッチングトランジスタ929を制御する。トランジスタ920はマイクロコントローラにデータ928をクロックするために使用される。マイクロコントローラへのサプライ電圧921は、ダイオード922、電力蓄積キャパシタ923および電圧レギュレータ924の作用によって維持される。マイクロコントローラは、チューニング制御回路、メモリ回路、ディスプレイ、光および音などの他の回路を制御するために使用されうる。マイクロコントローラは回路機能を監視し、トランジスタ925および抵抗926からなるスイッチ電流源を使用してこの機能の情報と他の任意の返信データ931とを信号で送り返すことができる。返信データ913は電流検出抵抗932およびコンパレータ927によって検出される。返信データ913は、例えば予めプログラムされた識別子、予めプログラムされたデータ、電圧や電流や位相や温度や周波数などの回路パラメータ、およびチューニングパラメータを含みうる。
【0062】
図10(a)は、DC電力信号103を使用してRF信号およびデータを運ぶために単一のケーブル103を使用するRFMUX回路を示す。RFMUXはPINダイオード101を使用して、キャパシタ102、ケーブル103およびキャパシタ104を通過してきたRF信号を切り替える。DCサプライ電圧103は、スイッチ105、インダクタ106、ケーブル103、インダクタ107を通過し、制御回路109へ電力108を供給する。ダイオード1010および電力蓄積キャパシタ1011は、制御回路サプライ電圧108を、スイッチ105によって引き起こされるシグナリング電圧1012上のパルスから分離する。PINダイオード101は、電流制限抵抗1013およびインダクタ1014を通じて順方向バイアスされる。PINダイオード101は、対応するプルダウンスイッチ1015を閉じることによって順方向バイアスされる。インダクタ1016はDC電流を通過させ、スイッチ1015をRF信号から分離する。典型的にはいつでもPINダイオードひとつだけがオンされる。残りのPINダイオード101はプルアップ抵抗1017を通じて逆方向バイアスされる。出力キャパシタ1018はRF信号を出力ポート1019へと通し、PINダイオードのカソードにおけるDC電圧を出力ポートから分離する。制御回路109はプルダウンスイッチ1015を制御し、ダイオードスイッチを順番に切り替える。スイッチ105からのシグナリングパルスはデータを制御回路に伝送し、その動作を指示してもよい。放電抵抗1020はシグナリング電圧1012の放電を早めるのを助けることができ、デカップリングキャパシタ1021はインダクタ107を通じて結合されるRF電圧を低減できる。
【0063】
示される全ての回路の実施の形態では、ダイオードおよびDC蓄積キャパシタによって分離されるサプライ電圧は、後に電圧レギュレータ回路によってより低い電圧に調整されてもよく、または後に昇圧回路によってより高い値に昇圧されてもよい。より低い電圧は、例えば低電圧論理回路またはマイクロコントローラ回路によって必要とされうる。また、より高い電圧はPINダイオードスイッチによってより高い逆方向バイアスのために必要とされうる。レギュレータまたは昇圧回路を分離ダイオードおよびDC蓄積キャパシタ無しで直接接続することも可能である。
【0064】
図10(b)は図10(a)のRFMUX回路を示す。そこでは、サプライ電圧は論理回路またはマイクロコントローラ回路のために後に電圧レギュレータ1022によってより低い値LVへと調整され、かつ、PINダイオードスイッチにより高い逆方向バイアスを提供するために後に昇圧回路1023によってより高い値HTへと昇圧される。電流制限抵抗1013は電流制限回路1024によって置き換えられる。この電流制限回路1024は、線形またはスイッチング電流制限回路でありうる。
【0065】
実施の形態はRFスイッチとして使用されるPINダイオードを示すが、リレーや微小電気機械スイッチ(MEMS)などの他の形態のRFスイッチが使用されてもよい。
【0066】
図11は、DC電力信号111を使用して双方向的RF信号およびデータを運ぶために単一のケーブル110を使用するRFMUX回路の別の実施の形態を示す。カウンタ回路112は、トランジスタ113によって引き起こされるシグナリング電圧上のパルスによってクロックされる。適切なカウンタ回路の例はCD4017デケードカウンタである。カウント長さはチップリセットを適切なデコード出力に接続することによって設定される。カウンタサプライ電圧118はダイオード119およびDC蓄積キャパシタ1120によってシグナリングパルスから分離される。カウンタ出力114は順番にクロックされる。いつでもカウンタの出力のひとつだけがアクティブとされる。カウンタ112の出力はプルダウントランジスタ114と接続される。PINダイオード116のコモンノード115における電圧は1.0Vにだいたい等しい。この値は、PINダイオード116の順方向電圧降下(0.8V)にプルダウントランジスタ114の飽和電圧(0.2V)を加えた値である。全てのPINダイオードはそれぞれ対応するプルアップ抵抗117によって逆方向バイアスされる。PINダイオード逆方向電圧はDCサプライ電圧111から1.0Vを差し引いた値である。デカップリングキャパシタ1121および1122は、インダクタ1123および1124を通じて結合されるRF信号を低減する。PINダイオード116の順方向バイアス電流は電流制限抵抗1125によって制限される。インダクタ1126はDCバイアス電流を通過させ、回路をRF信号から分離する。
RF信号はケーブルの各端部においてキャパシタ1127および1128を通過し、インダクタ1123、1124および1126を通過できない。
【0067】
図12は、DC電力信号121を使用してRF信号および双方向的データを運ぶために単一のケーブル120を使用するRFMUX回路のさらに別の実施の形態を示す。DC電力信号はレギュレータ122によって、マイクロコントローラにより適するより低い電圧に調整されうる。マイクロコントローラ123はトランジスタ124からデータ127を受け取った。マイクロコントローラ125の出力はプルダウントランジスタ126と接続される。マイクロコントローラは、スイッチングトランジスタ128によって引き起こされる電力信号のパルスとして送られたデータ127の指示の下、その出力を制御する。ある実施の形態では、マイクロコントローラは順番にその出力を通じてカウントする。PINダイオード129のコモンノード1210における電圧は1.0Vにだいたい等しい。この値は、PINダイオード129の順方向電圧降下(0.8V)にプルダウントランジスタ126の飽和電圧(0.2V)を加えた値である。全てのPINダイオードはそれぞれ対応するプルアップ抵抗1211によって逆方向バイアスされる。PINダイオード逆方向電圧はDCサプライ電圧から1.0Vを差し引いた値である。逆方向バイアスが十分に大きくない場合、昇圧回路1212を含めてPINダイオード逆方向バイアス電圧HTを増大させることができる。マイクロコントローラは切り替え可能な電流源トランジスタ1214および抵抗1215によって返信データ1213を送ることもできる。トランジスタ1214がオンであるとき、サプライ電圧121を抵抗値1215で割った値に等しい電流が流れる。電流の変化はケーブルの他端において電流検出抵抗1216およびコンパレータ1217によって検出される。返信データ1213は、識別番号、予めプログラムされたデータ、電圧や電流や位相や温度や調整状態などの回路パラメータ値、を含みうる。例えば、RF信号電圧と電流との位相関係に比例する電圧を提供するチューニング検出器回路1218はマイクロコントローラによって監視されてもよく、また、調整状態情報は返信データ1213の一部として返されてもよい。ダイオード1219およびDC蓄積キャパシタ1220は、電力シグナリングパルスからLVおよびHT回路を分離する。他のセンサ1221はマイクロコントローラによって監視されてもよく、また、その状態は返信データ1213の一部として返されてもよい。温度、電流または電圧は監視されうるパラメータの例である。
【0068】
図13は、DC電力信号131を使用してRF信号および双方向的データを運ぶために単一のケーブル130を使用するRFMUXの実施の形態を示す。そこでは、切り替え可能なアンテナ132はMUX回路と一体となっている。MUXの出力ポートは切り替え可能なアンテナ132によって置き換えられた。各アンテナは、制御ポート133によって制御可能な組み込まれたRFスイッチを含む。回路ブロック1310は、論理回路または制御回路134と、データ伝送および受信回路135と、LVサプライのための電力サプライ電圧レギュレータ136と、逆方向バイアスHTサプライのための昇圧回路137と、分離ダイオード138と、DC蓄積キャパシタ139と、を含む。論理回路または制御回路134からの制御バス1311の個々の制御ラインは、切り替え可能なアンテナ132がアクティブ状態にあるか、アクティブでない状態にあるかを制御する。アンテナ132は論理回路または制御回路134によって個々に切り替えられる。組み込まれたPINダイオードスイッチをバイアスするために、逆方向バイアスHTが切り替え可能なアンテナ132に供給される。リレーやMEMsなどの他のRFスイッチがPINダイオードの代わりに使用されてもよい。アンテナ132は、ケーブル130の他端の回路1313から送られたデータ1312の指示の下、制御回路134によって順番に切り替えられる。データ1312はデータ受信回路135によって受信される。制御回路134は、データ伝送回路135を使用して、ケーブルの他端の回路1313に返信データ1314を伝送できる。インダクタ1315、1316および1317はDC電流を通過させ、RF信号から回路を分離する。RFスイッチの順方向バイアス電流は電流制限抵抗1318によって制限される。デカップリングキャパシタ1319および1320は、インダクタ1315および1316を通じて結合されるRF信号を低減する。RF信号はケーブルの各端部においてキャパシタ1321および1322を通過し、インダクタ1315、1316および1317を通過できない。
【0069】
図14は、ひとつのRFスイッチを組み入れたアンテナの例示的な回路を示す。PINダイオードRFスイッチ141は、インダクタ142、電流制限抵抗143、プルダウントランジスタ145およびインダクタ144によって順方向バイアスされる。トランジスタ143がオフのとき、ダイオードはプルアップ抵抗146によって逆方向バイアスされる。インダクタ147およびキャパシタ148は、PINダイオードスイッチ141に接続される同調アンテナ149を形成する。
【0070】
図15は、いくつかのRFスイッチを組み入れたアンテナの例示的な回路を示す。PINダイオードRFスイッチ151および152は、インダクタ153、154および155、電流制限抵抗156およびプルダウントランジスタ157によって順方向バイアスされる。トランジスタ157がオフのとき、ダイオードはプルアップ抵抗158および電圧均衡抵抗159および1510によって逆方向バイアスされる。同調アンテナは、同調回路素子1511および1512からなる。
【0071】
図16(a)は、いくつかのRFスイッチを組み入れたアンテナのさらに別の例示的な回路を示す。図16に示される回路では、プルアップ抵抗163を通じてアンテナの中央に逆方向バイアスを印加することによって、各PINダイオードスイッチ161および162の逆方向バイアスは2倍になる。これによると、逆方向バイアスはより少ない数の直列に接続されたダイオードの間で分割される。PINダイオードの順方向バイアス電流は、インダクタ164および165、電流制限または均衡抵抗166および167、インダクタ168および169、およびプルダウントランジスタ1610を通して、アンテナの両端から入力される。同調アンテナは、同調回路素子1611、1612および1613からなる。
【0072】
図16(b)は、いくつかのRFスイッチ161を組み入れたアンテナのさらに別の例を示す。各PINダイオードスイッチは、分離インダクタ163および抵抗164を通して別個に逆方向バイアスと接続される。トランジスタ165がオフのとき、プルアップ抵抗166によって各ダイオードに逆方向バイアス電圧が印加される。トランジスタ165がオンのとき、ダイオードは順方向バイアスされる。電流制限または均衡抵抗166は、各ダイオードに等しい電流が流れることを確かなものとする。
【0073】
当業者には理解されるように、アンテナの特性によって、示されたバイアス方法およびダイオードの数の組み合わせが使用されうる。隣接するまたは重ね合わせられるアンテナからの誘導的カップリングが高い場合、誘導電圧に対抗するために、PINダイオードごとのより高い逆方向バイアス電圧が要求されるであろう。隣接するまたは重ね合わせられるアンテナコイル間の浮遊容量が高い場合、より多くの場所でコイルを開状態にするためにより多くのPINダイオードが要求されるであろう。開状態のコイルの長さが短いほど、各長さの浮遊容量はより低くなる。
【0074】
実施の形態への変形例および/または実施の形態の種々の組み合わせによって、本明細書で開示される実施の形態の変形が可能であり、また要求されるかもしれないことは理解されうる。
【0075】
図17(a)、17(b)、18(a)、18(b)、19(a)、19(b)および19(c)は、種々のアンテナアレイを示す。明確にするために各アンテナは一巻きのみのものとして示されるが、それらのアンテナは複数回巻かれたものから構成されてもよい。複数回巻かれたコイルは、導体が直列に接続されるにつれてより強い場を生成し、かつ、より強いトランスポンダ返信信号を受け取るという利点を有する。導体は相互に接続されるのが好ましいが、電力源および/または通信源への任意の適切な態様での接続が実現されればよいので、接続は図示されない。
【0076】
導体および/またはアンテナは、互いに対して重ね合わせられる位置に置かれてもよい。重ね合わせの量は、0パーセントよりも大きく100パーセントよりも小さい任意の値であってもよい。
【0077】
図17(a)は、少なくとも1次元の順番に切り替えられる質問場を生成するのに適するアンテナアレイ171、172、173、174を示す。アンテナは、Z方向において信頼できる場の強さを確保するのに十分な程度で重ね合わせられる。ここでZ方向はアンテナ面に垂直である。a−a線断面図は、2つのアンテナ171および172のそれぞれについて、磁場の方向178および179を示す。Z方向において電力を供給されるよう方向付けられたタグは、アンテナ171および172の中心に近い位置175および176に示され、また重なり合う領域における位置177に示される。3つの位置175、176および177の全てにおいて、Z方向に信頼できる場の強さが存在する。重ね合わせることによって、アンテナアレイの上方(または下方)のタグの位置に依らずに、Z方向に信頼できる場が存在することを確かなものとすることができる。
【0078】
図17(a)のアンテナアレイは、少なくとも1次元の質問場を生成するために順番に切り替えられる。アンテナの近接性のため、誘導的および容量的寄生カップリングが高レベルで存在するであろう。容量的な寄生カップリングによって、浮遊容量を通してアクティブ状態のアンテナから非アクティブ状態のアンテナへ寄生電流が流れる。誘導的な寄生カップリングによって、非アクティブ状態のアンテナに電圧が誘起され、この電圧によって非アクティブ状態のアンテナに寄生電流が流れる。寄生電流および電圧は、アクティブ状態のアンテナの損失を増大させ、アクティブ状態のアンテナを離調する可能性があり、非アクティブ状態のアンテナに接続される回路において高調波を生成する可能性があり、かつ、場の方向を歪める可能性がある。これらの寄生カップリング効果は望ましくない。図14、15、16(a)および16(b)に示されるように各アンテナが個々にRFスイッチを組み込んでいるまたはRFスイッチの組み合わせを組み込んでいる場合、アンテナアレイを順番に切り替えることができ、アンテナ間の寄生相互カップリング(容量的および誘導的の両方)の影響を除去するか最小化することができる。
【0079】
図17(a)のアンテナアレイは4つのアンテナ171、172、173、174を有しており、リーダへの4本の接続ケーブルを必要とするであろう。アレイのサイズを増やすためにアレイ中のアンテナの数を増やすと、追加するアンテナごとに接続ケーブルを追加する必要があるだろう。大きくなっていくケーブルの束は、追加的なコストおよび設置の困難さを示す。
【0080】
図10(a)、10(b)、11、12および13は、DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶための単一のケーブルを使用して制御される、RFスイッチ制御に適した例示的な回路を示す。図17(a)に示されるアンテナアレイのアンテナにRFスイッチを直接組み込むことによって、かつ、DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶための単一のケーブルと共にアンテナアレイを制御することによって、接続ケーブルの束は単一のケーブルに置き換えられる。
【0081】
図17(b)は、少なくとも1次元の順番に切り替えられる質問場を生成するのに適するアンテナアレイを示す。そこでは、例えば図10(a)、10(b)、11、12および13に示されるRFスイッチ制御回路1714が含まれる。スイッチ制御回路1714は、DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶための単一のケーブル1715を使用して制御される。また、各アンテナ1710、1711、1712、1713は、例えば図14、15、16(a)および16(b)に示されるように、個々にRFスイッチを組み込んでいるまたはRFスイッチの組み合わせを組み込んでいる。アンテナアレイは図17(a)に示されるアンテナパターンと同じアンテナパターンを有しており、これによってZ方向において信頼できる場の強さが確保される。ここでZ方向はアンテナ面に垂直である。アンテナアレイにはケーブルを1本だけ接続すればよく、これによってコストおよび設置時の複雑さが大いに低減される。さらに、マルチポートリーダの各ポートは一つのアレイを制御でき、各アレイは多くのアンテナ素子を含むことができる。これによって、単一のリーダに接続されるアンテナの数を大いに増やすことができ、設置において必要とされるリーダの総数を低減できる。
【0082】
図17(b)の順番に切り替えられるアンテナアレイのアンテナは、アレイの全サイズよりもかなり小さい。電気的に小さなループからの放射の放出は、アンテナコイルの磁気モーメントに比例する。電気的に小さなループは、動作周波数における自由空間波長の10分の1よりも小さな寸法を有するループであり、コイルの磁気モーメントはコイル面積に巻き数を乗じたものとコイル電流との積である。アレイ面積に等しいひとつの大きなアンテナに代えてアレイの総面積に等しい累積面積を有する多くの小さなアンテナを使用することによって、放射の放出をかなり低減できる。
【0083】
図18(a)は、少なくとも2次元の順番に切り替えられる質問場を生成するのに適するアンテナアレイ181、182、183を示す。アンテナは、XおよびZ方向において信頼できる場の強さを確保するのに十分な程度で重ね合わせられる。ここでX方向はアンテナアレイの面内にあり、Z方向はアンテナ面に垂直である。一様なアンテナ導体間隔を達成する重ね合わせ方が好ましい。a−a線断面図は、2つのアンテナ181および182のそれぞれについて、磁場の方向184および185を示す。XおよびZ方向において電力を供給されるよう方向付けられたタグは、それぞれ位置186および187に示される。アンテナアレイが順番に切り替えられるにつれて、アンテナアレイの上方(または下方)のタグの位置に依らずに、アンテナアレイの上方でXおよびZ方向に信頼できる場の強さが存在する。
【0084】
図18(a)のアンテナアレイは3つのアンテナ181、182、183を有しており、リーダへの3本の接続ケーブルを必要とするであろう。アレイのサイズを増やすためにアレイ中のアンテナの数を増やすと、追加するアンテナごとに接続ケーブルを追加する必要があるだろう。大きくなっていくケーブルの束は、追加的なコストおよび設置の困難さを示す。
【0085】
図10(a)、10(b)、11、12および13は、DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶための単一のケーブルを使用して制御される、RFスイッチ制御に適した例示的な回路を示す。アンテナにRFスイッチを直接組み込むことによって、かつ、アンテナアレイにDC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶために単一のケーブルを使用するRFスイッチ制御回路を直接組み込むことによって、接続ケーブルの束は単一のケーブルに置き換えられる。
【0086】
図18(b)は、少なくとも2次元の順番に切り替えられる質問場を生成するのに適するアンテナアレイを示す。そこでは、例えば図10(a)、10(b)、11、12および13に示されるRFスイッチ制御回路188が含まれる。スイッチ制御回路188は、DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶための単一のケーブル1812を使用して制御される。また、各アンテナ189、1810および1811は、例えば図14、15、16(a)および16(b)に示されるように、個々にRFスイッチを組み込んでいるまたはRFスイッチの組み合わせを組み込んでいる。アンテナアレイは図18(a)に示されるアンテナパターンと同じアンテナパターンを有しており、これによってXおよびZ方向において信頼できる場の強さが確保される。ここでX方向はアンテナアレイの面内にあり、Z方向はアンテナ面に垂直である。アンテナアレイにはケーブルを1本だけ接続すればよく、これによってコストおよび設置時の複雑さが大いに低減される。さらに、マルチポートリーダの各ポートは一つのアレイを制御でき、各アレイは多くのアンテナ素子を含むことができる。これによって、単一のリーダに接続されるアンテナの総数を大いに増やすことができ、設置において必要とされるリーダの数を低減できる。
【0087】
図19(a)、19(b)および19(c)は、順番に切り替えられる導体の2枚の平行パネルが互いに導体は直交するよう配向された状態で平行に配置された場合に3次元場をどのように生成するかを示す図である。これらのパネルは、図18(a)および18(b)に示され上述された順番に切り替えられる平行導体を構成または操作する原理にしたがって構成される。図19(a)、19(b)および19(c)において、X、YおよびZ方向は以下の通りである。X方向は紙面上で左から右への水平方向であり、Y方向は紙面上で上下の垂直方向であり、Z方向は紙面表面から直接出てくる第3の次元である。
【0088】
図19(a)に示されるアンテナパネル191は水平方向に配置された平行導体192を有し、この平行導体192はY方向およびZ方向の場を生成する。導体は相互に接続されるのが好ましいが、電力源および/または通信源への任意の適切な態様での接続が実現されればよいので、接続は図示されない。
【0089】
図19(b)に示されるアンテナパネル193は垂直方向に配置された平行導体194を有し、この平行導体194はX方向およびZ方向の場を生成する。導体は相互に接続されるのが好ましいが、電力源および/または通信源への任意の適切な態様での接続が実現されればよいので、接続は図示されない。
【0090】
その平面的な構成により、パネル191および193は図19(c)に示されるように互いの上に配置されうる。明確性のためにパネルはオフセットを有するよう示されるが、これは動作のためには必要とされず、パネルは互いの上に直接積み重ねられてもよい。この混合パネル内の導体は、一度にひとつだけのコイルまたは導体組がアクティブとされるように順番に切り替えられる。混合パネルは、それが順番に切り替えられるにつれて、X、YおよびZ方向に場を生成する。
【0091】
図19(c)のアンテナアレイは各アンテナについてリーダとそのアンテナとの間の接続ケーブルを必要とするであろう。アレイのサイズを増やすためにアレイ中のアンテナの数を増やすと、追加するアンテナごとに接続ケーブルを追加する必要があるだろう。
大きくなっていくケーブルの束は、追加的なコストおよび設置の困難さを示す。
【0092】
図10(a)、10(b)、11、12および13は、DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶための単一のケーブルを使用して制御される、RFスイッチ制御に適した例示的な回路を示す。アンテナにRFスイッチを直接組み込むことによって、かつ、アンテナアレイにDC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶために単一のケーブルを使用するRFスイッチ制御回路を直接組み込むことによって、接続ケーブルの束は単一のケーブルに置き換えられる。
【0093】
図19(d)は、3次元の順番に切り替えられる質問場を生成するのに適するアンテナアレイ195を示す。そこでは、例えば図10(a)、10(b)、11、12および13に示されるRFスイッチ制御回路196が含まれる。アレイは、図19(c)に示されるような直交するよう配置された導体の混合パネルである。明確性のために図19(c)ではパネルはオフセットを有するよう示されるが、これは動作のためには必要とされず、パネルは図19(d)に示されるように互いの上に直接積み重ねられてもよい。スイッチ制御回路196は、DC電力信号を使用して双方向的RF信号および双方向的データを運ぶための単一のケーブル197を使用して制御される。また、アレイ195内の各アンテナは、図14、15、16(a)および16(b)に示されるように、個々にRFスイッチを組み込んでいるまたはRFスイッチの組み合わせを組み込んでいる。アンテナアレイ195は図19(c)に示されるアンテナパターンと同じアンテナパターンを有しており、これによってX、YおよびZ方向において信頼できる場の強さが確保される。アンテナアレイにはケーブルを1本だけ接続すればよく、これによってコストおよび設置時の複雑さが大いに低減される。さらに、マルチポートリーダの各ポートは一つのアレイを制御でき、各アレイは多くのアンテナ素子を含むことができる。これによって、単一のリーダに接続されるアンテナの総数を大いに増やすことができ、設置において必要とされるリーダの数を低減できる。
【0094】
図20(a)および20(b)は、アレイが単一のケーブル202によってリーダ201に接続される状況において、順番に切り替えられる質問場を生成するのに適したアンテナのアレイを示す。
【0095】
図20(a)は、ケーブル入口204がアレイの側方からであるアレイ203を示す。アンテナアレイは、防護スリーブ205の中に封入される。この防護スリーブ205は、例えば「Firmex」、発泡塩化ビニル樹脂(PVC)などの軽くて丈夫なプラスチックから製造される。Firmexは軽く、正確に機械加工されることでアンテナアレイおよびアレイの部材を収納することができる。側方入口アンテナアレイは、アレイおよび接続ケーブルの両方が平坦な面上に置かれるべきアプリケーションに適している。
【0096】
図20(b)は、ケーブル入口207がアレイの面からであるアレイ206を示す。アンテナアレイは、防護スリーブ208の中に封入される。この防護スリーブ208は、例えば「Firmex」、発泡塩化ビニル樹脂(PVC)などの軽くて丈夫なプラスチックから製造される。Firmexは軽く、正確に機械加工されることでアンテナアレイおよびアレイの部材を収納することができる。表面入口アンテナアレイは、平坦な面上に置かれるべきであり、かつ、接続ケーブルは取り付け面を貫通する必要があるアプリケーションに適している。これは例えば壁固定のテーブルに適用でき、そこではリーダはテーブルの下または壁の後ろに配置される。
【0097】
図21は、本発明が棚システム211に含まれる場合の、本発明のアプリケーションを示す。本発明は、棚用キャビネットの棚212および/または側壁213および/または背面壁214および/または前面ドア215に含まれうる。本発明は、導体使用の配置および方向によって2または3次元読み取りを提供できる。本発明は、図17(a)、17(b)、18(a)、18(b)、19(a)、19(b)、19(c)および19(d)のいずれかまたは任意のひとつにしたがって作成されうる。
【0098】
図22は、本発明が密に積み重ねられた宝石や宝飾品トランスポンダ221を読み取るのに使用される場合の、本発明の別のアプリケーションを示す。宝石や宝飾品のそれぞれは小さな封筒222に入れられ、その封筒222は輸送および保管箱223の中で密に積み重ねられる。トランスポンダ221もまた各封筒の中に入れられ、宝石や宝飾品を特定する。トランスポンダは、宝石/宝飾品についての情報でプログラムされてもよく、および/または輸送情報でプログラムされてもよい。図17(a)、17(b)、18(a)、18(b)、19(a)、19(b)、19(c)および19(d)のいずれかまたは任意のひとつにしたがって作成されたパネル224の上に置くことによって、棚卸しや安全性の目的で箱の中身を素早く読み取ることができる。
【0099】
図23は、本発明が密に積み重ねられたゲームトークン231であって埋め込まれたトランスポンダ232を含むゲームトークン231を読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す。各トークンは、ゲーム、輸送および保管用のクルーピエトレイ233の中に密に積み重ねられて置かれる。トランスポンダ232はトークンを特定し、トークンおよび/またはトークンの所持者および/または輸送情報についての情報でプログラムされてもよい。図17(a)、17(b)、18(a)、18(b)、19(a)、19(b)、19(c)および19(d)のいずれかまたは任意のひとつにしたがって作成されたパネル234の上に置くことによって、運営、棚卸しまたは安全性の目的でクルーピエ箱233の中身を素早く読み取ることができる。
【0100】
図24は、本発明が密に積み重ねられたゲームトークン241であって埋め込まれたトランスポンダ242を含むゲームトークン241を読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す。各トークンは、ゲーム、輸送または保管用のテーブルまたはトレイ243上に垂直カラム241の形で密に積み重ねられて置かれる。トランスポンダ242はトークンを特定し、トークンおよび/またはトークンの所持者および/または輸送情報についての情報でプログラムされてもよい。アンテナ244上に置かれた全てのトークンは、運営、棚卸しまたは安全性の目的で素早く読み取られうる。パネル244は、図17(a)、17(b)、18(a)、18(b)、19(a)、19(b)、19(c)および19(d)のいずれかまたは任意のひとつにしたがって作成される。これは、ルーレットテーブルおよびゲームトークン用の大量保管システムにとって特に有益なインテロゲータアンテナである。
【0101】
図25は、本発明が密に積み重ねられた書類頁251であって取り付けられたまたは埋め込まれたトランスポンダ252を含む書類頁251を読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す。各頁は処理、輸送または保管用のトレイ253上に垂直カラム251の形で密に積み重ねられて置かれる。トランスポンダ252は書類頁を特定し、その頁および/またはその頁の所持者および/または輸送情報についての情報でプログラムされてもよい。アンテナ244上に置かれた全ての頁は、運営、棚卸しまたは安全性の目的で素早く読み取られうる。パネル244は、図17(a)、17(b)、18(a)、18(b)、19(a)、19(b)、19(c)および19(d)のいずれかまたは任意のひとつにしたがって作成される。これは、オフィスおよび書類用のアーカイブ保管システムにとって特に有益なインテロゲータアンテナである。
【0102】
図26は、本発明が宝石、宝飾品またはサングラス261などのかなりの価値がある陳列アイテムであって埋め込まれたまたは取り付けられたトランスポンダ262を含む陳列アイテムを読み取るために使用される場合の、本発明のさらなるアプリケーションを示す。各陳列アイテムは陳列、販売、輸送、棚卸しまたは保管用の陳列トレイ263上に置かれる。トランスポンダ262は陳列アイテム261を特定し、そのアイテムおよび/またはそのアイテムの所持者および/またはそのアイテムの価値および/または輸送情報についての情報でプログラムされてもよい。アンテナ264上に置かれた全ての陳列アイテムは、運営、棚卸しまたは安全性の目的で素早く読み取られうる。パネル264は、図17(a)、17(b)、18(a)、18(b)、19(a)、19(b)、19(c)および19(d)のいずれかまたは任意のひとつにしたがって作成される。これは、宝石、宝飾品またはサングラスなどの価値あるアイテムが販売のために陳列される小売店にとって特に有益なインテロゲータアンテナである。
【0103】
図27に関して、第1および第2デバイスの間で通信方法が使用されてもよい。この通信方法では、第1デバイスは、変調されたおよび/またはスイッチされたRF信号を使用して第2デバイスに制御またはデータ信号を伝送する。そしてその制御またはデータ信号を受信するために、対応する受信および/または復調回路が第2デバイスに設けられる。ある態様では、RF信号は短い期間スイッチオフされ、RF信号の包絡線がダイオードピーク検出回路によって検出される。図27は2つの代替的な通信方法を示しており、そのいずれが使用されてもよい。第1の方法では、DC電力2703上にデータ信号2701が重畳され、この場合、DCピーク検出器2702を介して信号2701が(例えばカウンタをクロックするために)使用される。第2の方法では、AC信号2704上にデータ信号2701が重畳されてもよく、この場合、ACピーク検出器2705を介して信号2701が検出される。
【0104】
図28に関して、第1デバイス2813は単一のケーブル2811を使用して第2デバイス2814と接続される。第1および第2デバイスの間で通信方法が使用されてもよい。その通信方法では、第1デバイスは、双方向的RF信号2812の周波数と同じではない制御またはデータ信号用周波数を使用して、第2デバイスへ制御またはデータ信号2810を伝送する。制御またはデータ信号は、第1デバイスのなかでRFモデム288を使用して変調される。そしてその制御またはデータ信号2810を受信して出力するために、対応するRFモデム289が第2デバイスのなかに設けられる。ある形態では、RFモデムは、IEEE802.15.4「ZigBee(登録商標)」に則った低コストショートレンジモデムである。モデム288および289間で双方向的データが交換されうる。第2デバイスのための電力283はDC電圧源280によって提供され、インダクタ281および282によって形成されるローパスフィルタを通過する。RF信号2812はバンドパスフィルタ284および285を通過する。RF変調された制御またはデータ信号2815はハイパスフィルタ286および287を通過する。
【0105】
本発明は特定の実施の形態とのつながりにおいて説明されてきたが、別の実施の形態も可能であることは理解されるであろう。本願は、主に本発明の原理にしたがう様々な使用例や改変を包含するように意図されている。そのような使用例や改変には、例えば本発明の属する技術分野においては既知または慣用である逸脱、および上述の主要な特徴を応用するものであると認められる逸脱などの本開示からの逸脱も含まれる。
【0106】
本発明には、本発明の主要な特徴の本質から逸脱しない範囲内で複数の形での実施の形態が可能である。つまりこれまで説明した実施の形態は、限定すると特記された場合を除き、本発明を限定せず、むしろ添付の請求項で定義された発明の本質および趣旨を逸脱しない範囲で広く解釈されるべきであると理解されたい。説明されている実施の形態は全ての点において例示のみを目的としており、かつ非限定的であるとみなされるべきである。
【0107】
本発明および添付の請求項の本質および趣旨の範囲に様々な変形例や等価な構成が含まれることが意図されている。したがって特定の実施の形態は、本発明の原理を実施する多くの方法を説明していると理解されるべきである。以下の請求項においては、ミーンズプラスファンクション節は、定義された機能をもつ構成および構成的な等価物、そして等価な構成をも含むよう意図されている。例えば釘は円柱状の表面を有し木材を互いに固定するが、ねじは螺旋状の表面を有し木材を互いに固定する。この点で釘とねじは構成的な等価物ではないかもしれない。しかしながら木材を固定する観点からは、釘もねじも等価な構成である。
【0108】
「サーバ」、「セキュアサーバ」という用語または同様の用語が本明細書において使用されている場合、文脈がそうでないことを要求していない限り通信システムで使用されうる通信デバイスが説明されており、本発明を特定の通信デバイスのタイプに限定するためのものと見なされるべきではないことに留意されたい。よって、通信デバイスは、セキュアかもしれないしセキュアでないかもしれない、ブリッジ、ルータ、ブリッジ−ルータ(ルータ)、スイッチ、ノード、または他の通信デバイスを含むがこれらに限定されない。
【0109】
フローチャートは本明細書において本発明の様々な側面を説明するのに使用されたのであて、本発明を特定のロジックフローチャートまたはロジック実施方法に限定するものであると解釈すべきではないことは注意されるべきである。説明されたロジックは、全体的な結果を変化させることなく、さもなければ、本発明の真の範囲から逸脱することなく、様々なロジックブロック(例えば、プログラム、モジュール、機能、または、サブルーチン)に分割されてもよい。多くの場合、ロジック構成要素は、全体的な結果を変化させることなく、さもなければ、本発明の真の範囲から逸脱することなく、追加され、変更され、省略され、異なる順序で実行され、あるいは、異なるロジック構成体(例えば、ロジックゲート、ループプリミティブ、条件付きロジック、および、その他のロジック構成体)を用いて実施されてもよい。
【0110】
本発明は多くの異なる形態で実施されてもよく、多くの異なる形態は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタル信号プロセッサ、または、汎用コンピュータ)とともに使用するためのコンピュータプログラムロジック、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはその他のPLD)とともに使用するためのプログラマブルロジック、個別部品、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、または、それらの組み合わせを含む何らかのその他の手段を含む。本発明の例示的な実施の形態においては、ユーザとサーバとの間の通信のおよそ全てが、コンピュータで実行可能な形式に変換され、そのようなものとしてコンピュータ読み取り可能な媒体内に保存され、オペレーティング・システムの制御のもとでマイクロプロセッサによって実行されるコンピュータ・プログラム・インストラクションの組として実装される。
【0111】
上述した機能のすべてまたは一部を実施するコンピュータプログラムロジックは、様々な形態で実施されてもよく、ソースコードの形態、コンピュータが実行可能な形態、および、様々な中間の形態(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、または、ロケータによって生成された形態)を含む。ソースコードは、様々なオペレーティングシステムまたはオペレーティング環境とともに使用するための様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、または、Fortran、C、C++、JAVA(登録商標)、または、HTMLのような高級言語)のいずれかによって実施された一連のコンピュータプログラムインストラクションを含んでもよい。ソースコードは、様々なデータ構造および通信メッセージを定義し、そして、それらを使用してもよい。ソースコードは、コンピュータが実行可能な形態であってもよく(例えば、インタープリタを介して)、あるいは、ソースコードは、コンピュータが実行可能な形態に変換されてもよい(例えば、トランスレータ、アセンブラ、または、コンパイラを介して)。
【0112】
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、または、フラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD−ROMやDVD−ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、または、その他のメモリデバイスのような有形のストレージ媒体として、永久的にかまたは一時的に、どのような形態(例えば、ソースコードの形態、コンピュータが実行可能な形態、または、中間の形態)ででも記録されてよい。コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、および、インターネットワーク技術を含むが決してそれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを用いて、コンピュータに送信可能な信号として、どのような形態ででも記録されてよい。コンピュータプログラムは、印刷文書または電子文書を添付された着脱可能なストレージ媒体(収縮包装された市販のソフトウェア)のような何らかの形態で頒布されてもよく、コンピュータシステムによって予めロードされてもよく(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)、あるいは、通信システム(例えば、インターネットまたはワールドワイドウェブ)を介してサーバまたは電子掲示板から頒布されてもよい。
【0113】
上述した機能のすべてまたは一部を実施するハードウェアロジック(プログラマブルロジックデバイスとともに使用するためのプログラマブルロジックを含む)は、伝統的な人手による方法を用いて設計されてもよく、あるいは、コンピュータ援用設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDLまたはAHDL)、または、PLDプログラミング言語(例えば、PALASM、ABEL、または、CUPL)のような様々なツールを用いて、設計され、入手され、シミュレーションされ、あるいは、電子文書化されてもよい。
【0114】
プログラマブルロジックは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、または、フラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD−ROMやDVD−ROM)、または、その他のメモリデバイスのような有形のストレージ媒体に永久的にかまたは一時的に記録されてもよい。プログラマブルロジックは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、および、インターネットワーク技術を含むが決してそれらに限定されない様々な通信技術のいずれかを用いて、コンピュータに送信可能な信号として記録されてよい。プログラマブルロジックは、印刷文書または電子文書を添付された着脱可能なストレージ媒体(収縮包装された市販のソフトウェア)として頒布されてもよく、コンピュータシステムによって予めロードされてもよく(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)、あるいは、通信システム(例えば、インターネットまたはワールドワイドウェブ)を介してサーバまたは電子掲示板から頒布されてもよい。
【0115】
「Comprises/Comprising」という言葉は、本明細書中で使用された場合、記述された特徴、実体、ステップまたは部品が存在することを規定するとともに、一またはそれ以上の他の特徴、実体、ステップ、部品またはそれらのグループが存在することおよび付加されることを除外しない。したがって、文脈が明らかにそうでないことを要求する場合を除き、ここでの説明および請求項を通して、「comprise」、「comprising」およびそれらの類似語はインクルーシブ(inclusive)であると解釈されるべきである。このインクルーシブ(inclusive)とは、例えば「含むがそれに限られない」という意味であり、排他的な意味または言い尽くしたという意味とは反対の意味を持つ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1デバイスと第2デバイスとの間の通信を可能とする通信方法であって、
RF信号を表す第1信号を提供するステップと、
電力信号を表す第2信号を提供するステップと、
制御および/またはデータ信号を表す第3信号を提供するステップと、
前記第1、第2および第3信号を運ぶ通信経路を提供するステップと、を含み、
前記第3信号は前記第1および/または第2信号上を運ばれる、方法。
【請求項2】
前記第3信号は前記第1信号上を運ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3信号は前記第2信号上を運ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通信は一方向的である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記通信は双方向的である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1デバイスはリーダである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第2デバイスはMUXおよび/または少なくともひとつのアンテナである、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1および/または第2デバイスはRFIDにおいて使用される、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記第2信号はDC電力信号である、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記第1信号は、周波数選択的ネットワークを使用して前記第2および第3信号から電気的に分離される、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第2デバイスは、前記通信経路と接続されその経路によって電力が供給され通信が行われるメモリデバイスおよび/または論理デバイスおよび/またはマイクロコントローラを含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記第2デバイスは、前記通信経路と接続されその経路によって電力が供給され通信が行われるRFMUXを含む、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記第2デバイスは、前記通信経路と接続されその経路によって電力が供給され通信が行われるアンテナのアレイを含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記第2デバイスは複数のアンテナまたはアンテナのアレイを含み、放射の放出を低減するために各アンテナは前記アレイのサイズの2分の1よりも小さい、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記アレイのアンテナの任意のひとつまたは任意の組み合わせに切り替えるために、RFスイッチング要素が提供される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記スイッチング要素は、1次元、2次元または3次元の質問場の生成を可能とするよう構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のアンテナは、接線方向および垂直方向の両方の磁場成分を生成するために、一連の平行に離間された導体を提供するよう構成され、その導体を通じた電流は順番に切り替えられる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記順番に切り替えられる電流の空間的な関係は、同じ場所で異なる時間に接線方向および垂直方向の磁場が生成されるのを確実にするように選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2デバイスの導体は平面的に配置され、かつ、前記接線方向および垂直方向の磁場はその平面の上方に生成される、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
平行に離間された導体の単一層が1次元動作または2次元動作を提供する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
直交するよう方向付けられた平行に離間された導体の第2平行層が設けられ、両方の層間で電流が順番に切り替えられ、第2平行層が3次元動作を提供する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
本願で開示される方法。
【請求項23】
本願で開示される装置および/またはデバイス。
【請求項24】
請求項1から23のいずれかにしたがった通信に適合されたMUX。
【請求項25】
請求項1から23のいずれかにしたがった通信に適合されたリーダ。
【請求項26】
第1デバイスを第2デバイスに接続する方法であって、
前記第1および第2デバイスの間に通信経路を提供するステップと、
前記第1および/または第2デバイスに識別属性を提供するステップと、
前記第1および第2デバイスへ間で前記属性を通信するステップと、
前記通信から前記第1および第2デバイスが正しく接続されているか決定するステップと、を含む方法。
【請求項27】
前記第1デバイスはリーダである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2デバイスは通信経路、少なくともひとつのアンテナ、アンテナアレイ、および/またはMUXのうちの任意のひとつまたは任意の組み合わせである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第2デバイスはRFIDデバイスである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記決定にしたがって、少なくとも前記第1および/または第2デバイスにおける少なくともひとつの設定が調節されるステップをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記設定はソフトウエアを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記設定は前記第1および/または第2デバイスの動作を調節する、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記属性は信号、データ、コーディング、シーケンス、および/または前記第1および/または第2デバイスの識別の形である、請求項26から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
請求項26から33のいずれかに記載の方法を可能とする通信経路。
【請求項35】
前記通信経路はワイヤやケーブルなどの単一の導電路である、請求項1から22、26から33のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18a】
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【図18b】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図19d】
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【図20a】
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【図20b】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2011−524050(P2011−524050A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512785(P2011−512785)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際出願番号】PCT/AU2009/000737
【国際公開番号】WO2009/149506
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(500297111)マゼラン テクノロジー ピーティーワイ.エルティーディー. (8)
【Fターム(参考)】