アンテナ
【課題】広帯域特性を有する平面アンテナを提供する。
【解決手段】アンテナ20は、板状のグランド導体1、グランド導体1に略平行に配置される放射導体2、それらの間に配置される折り返しT字プローブ3を備える。折り返しT字プローブ3は、縦辺部と横辺部を有するT字状の第一のT字導体4、縦辺部と横辺部を有し、第一のT字導体4に対して略同一形状であり略平行に配置される第二のT字導体5、第一及び第二のT字導体4,5の有する横辺部の各々の第一の端部を接続する第一の端部接続導体6a、第一及び第二のT字導体4,5の有する横辺部の各々の第二の端部を接続する第二の端部接続導体6bを有する。第一のT字導体4の有する縦辺部の第二の端部は給電回路に接続され、第二のT字導体5の有する縦辺部の第二の端部はグランド導体1に接続される。
【解決手段】アンテナ20は、板状のグランド導体1、グランド導体1に略平行に配置される放射導体2、それらの間に配置される折り返しT字プローブ3を備える。折り返しT字プローブ3は、縦辺部と横辺部を有するT字状の第一のT字導体4、縦辺部と横辺部を有し、第一のT字導体4に対して略同一形状であり略平行に配置される第二のT字導体5、第一及び第二のT字導体4,5の有する横辺部の各々の第一の端部を接続する第一の端部接続導体6a、第一及び第二のT字導体4,5の有する横辺部の各々の第二の端部を接続する第二の端部接続導体6bを有する。第一のT字導体4の有する縦辺部の第二の端部は給電回路に接続され、第二のT字導体5の有する縦辺部の第二の端部はグランド導体1に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平面アンテナとして広く用いられているマイクロストリップアンテナを背面から給電する場合には、給電プローブを背面から挿入する背面同軸給電法が用いられているが、プローブに流れる電流によって生じる誘導性リアクタンスにより狭帯域な反射特性となる問題がある。
【0003】
一方、マイクロストリップアンテナの反射特性の広帯域化(以下、広帯域及び広帯域化とは反射特性に関するものを言う)を得る従来の給電方法として、L字状のプローブや、T字状のプローブを用いて電磁結合によってマイクロストリップアンテナを給電する方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−250924号公報
【特許文献2】特開2001−177314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のマイクロストリップアンテナの広帯域化を得る給電方法は、グランド導体と放射導体との間隔が広い場合(使用周波数における波長の1/10程度以上の場合)においては、広帯域化に非常に有効であることが分かっている。しかしながら、グランド導体と放射導体との間隔が1/20波長以下のより狭い場合には、プローブの高さが低くなることによって入力抵抗が低下するため、広帯域な整合設計が困難となり、結果として、従来の背面同軸給電と同程度の帯域となってしまい、広帯域化が実現できないという問題があった。
一般的に言えば、グランド導体と放射導体との間隔が1/20波長以下である平面アンテナにおいて、従来の方法では、広帯域化を実現できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、グランド導体と放射導体との間隔が狭い場合においても、従来の背面同軸給電に比べて広帯域特性を有するアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明によるアンテナは、板状のグランド導体と、グランド導体に対して略平行に配置される放射導体と、グランド導体と放射導体との間に配置される折り返しT字プローブと、を備え、折り返しT字プローブは、縦辺部と、縦辺部の第一の端部に接続される横辺部とを有するT字状の第一のT字導体と、縦辺部と、縦辺部の第一の端部に接続された横辺部とを有し、第一のT字導体と略同一形状であり、かつ第一のT字導体に対して略平行に配置される少なくとも一つの第二のT字導体と、第一のT字導体及び第二のT字導体の有する横辺部の各々の第一の端部を接続する第一の端部接続導体と、第一のT字導体及び第二のT字導体の有する横辺部の各々の第二の端部を接続する第二の端部接続導体と、を有し、第一のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、グランド導体を介して給電回路に接続され、第二のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、グランド導体に接続され、折り返しT字プローブによって放射導体を電磁結合によって給電する、ものである。
このような構成により、グランド導体と放射導体との間隔が短い場合であっても、従来のアンテナに比べて広帯域特性を有するようにすることができる。
【0008】
また、本発明によるアンテナでは、放射導体は、長方形もしくは正方形であり、長方形もしくは正方形の放射導体の一辺の一部または全体と、グランド導体とを短絡させる短絡導体をさらに備えてもよい。
このような構成により、アンテナを小型化することが可能となる。
【0009】
また、本発明によるアンテナでは、第一の面上にグランド導体が設けられ、第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、折り返しT字プローブの縦辺部は、誘電体基板のスルーホールで形成され、折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、誘電体基板のストリップラインで形成されてもよい。
このような構成により、より容易に製造することができるようになる。
【0010】
また、本発明によるアンテナでは、第一の面上にグランド導体が設けられ、第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、折り返しT字プローブの縦辺部は、誘電体基板のスルーホールで形成され、折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、誘電体基板のストリップラインで形成され、短絡導体が、誘電体基板の一または複数のスルーホールによって形成されてもよい。
このような構成により、より容易に製造することができるようになる。
【0011】
また、本発明によるアンテナでは、放射導体が長方形または正方形であってもよい。
また、本発明によるアンテナでは、長方形または正方形の放射導体において、少なくとも一対の対向する角が面取りされていてもよい。
【0012】
また、本発明によるアンテナでは、放射導体が円形(円板形状)であってもよい。
また、本発明によるアンテナでは、円形の放射導体において、その円形の中心に対する対象な位置に対向して切り欠きが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるアンテナによれば、T字プローブを折り返し構造とすることで、従来のT字プローブに比べて入力抵抗が大きくなり、広帯域な整合設計が可能となる。その結果、従来の背面同軸給電に比べて広帯域特性を有するアンテナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1によるアンテナを示す斜視図
【図2】同実施の形態によるアンテナの側面図
【図3】同実施の形態によるアンテナの上面透視図
【図4】同実施の形態によるアンテナの給電点から見たインピーダンス特性のスミスチャート
【図5】同実施の形態によるアンテナのVSWR特性を示す図
【図6】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図7】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図8】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図9】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図10】同実施の形態における折り返しT字プローブの一例を示す斜視図
【図11】同実施の形態における放射導体と折り返しT字プローブとの位置関係の一例を示す図
【図12】同実施の形態における折り返しT字プローブの他の一例を示す斜視図
【図13】本発明の実施の形態2によるアンテナを示す斜視図
【図14】同実施の形態によるアンテナの上面透視図
【図15】同実施の形態における短絡導体の他の一例を示す斜視図
【図16】本発明の実施の形態3によるアンテナを示す上面透視図
【図17】同実施の形態によるアンテナの側面透視図
【図18】同実施の形態によるアンテナの側面透視図
【図19】本発明の実施の形態4によるアンテナを示す上面透視図
【図20】同実施の形態によるアンテナの側面透視図
【図21】同実施の形態によるアンテナの他の一例を示す上面透視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明によるアンテナについて、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、折り返しT字プローブを有するアンテナである。
【0017】
図1は、本実施の形態によるアンテナ20を示す斜視図である。図2は、本実施の形態によるアンテナ20を示す側面図である。図3は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。
【0018】
図1〜図3において、本実施の形態によるアンテナ20は、板状のグランド導体1と、放射導体2と、折り返しT字プローブ3とを備える。グランド導体1や放射導体2は、導体によって構成される。放射導体2は、グランド導体1に対向する位置に、グランド導体1と所定の間隔をおいて配置される。その放射導体2は、グランド導体1に対して略平行に配置されている。略平行とは、厳密に平行であってもよく、あるいは、製造誤差や使用時の経年変化に応じた誤差等の程度だけ平行でなくなってもよいという意味である。他の2個のものが略平行である場合にも同様であるとする。なお、グランド導体1の面積は、放射導体2の面積以上であることが好適である。また、グランド導体1や放射導体2の法線方向の遠方から両者を見た場合に、放射導体2がグランド導体1に含まれていることが好適である。すなわち、放射導体2のグランド導体1を含む平面上への正射影が、グランド導体1に含まれていることが好適である。図1,図3では、グランド導体1が円板形状である場合について示しているが、そうでなくてもよい。グランド導体1の形状は問わない。このように、グランド導体1の形状が限定されないことは、他の実施の形態においても同様である。また、図1,図3では、放射導体2が正方形である場合について示しているが、後述するように放射導体2の形状は正方形以外であってもよい。放射導体2の大きさは、所望の共振周波数に応じた大きさにあらかじめ設定されている。そして、放射導体2は、折り返しT字プローブ3との電磁結合によって電気的に接続され、励振される。
【0019】
折り返しT字プローブ3は、グランド導体1と放射導体2との間に配置され、第一のT字導体4と、少なくとも一つの第二のT字導体5と、第一の端部接続導体6aと、第二の端部接続導体6bとを有する。なお、折り返しT字プローブ3がグランド導体1と放射導体2との間に配置されるとは、グランド導体1と放射導体2によって挟まれる空間内に配置されることであってもよく、あるいは、図11(c)の上面図で示されるように、グランド導体1と放射導体2によって挟まれる空間の近傍に配置されることであってもよい。なお、後者の場合(図11(c)の場合)であっても、折り返しT字プローブ3との電磁結合によって放射導体2が給電されることになるため、その給電を実現可能な程度に両者が近づいている必要がある。
【0020】
折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4は、横辺部4aと、縦辺部4bとを有するT字状である。横辺部4aは、縦辺部4bの第一の端部(放射導体2に近い方の端部)に接続される。その横辺部4aと縦辺部4bの第一の端部との接続位置は、横辺部4aの長さ方向の中央であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。第一のT字導体4の有する縦辺部4bの第二の端部(第一の端部と反対側の端部であり、放射導体2から遠い方の端部)は、グランド導体1を介して給電回路7に接続される。なお、縦辺部4bの第二の端部がグランド導体1を介して給電回路7に接続されるとは、例えば、図1で示されるように、縦辺部4bの第二の端部がグランド導体1の有する孔22を介してグランド導体1の裏面側に存在する給電回路7に接続されることであってもよい。
【0021】
折り返しT字プローブ3の第二のT字導体5は、横辺部5aと、縦辺部5bとを有する、第一のT字導体4と略同一形状である。略同一形状とは、厳密に同一形状であってもよく、あるいは、製造誤差や使用時の経年変化に応じた誤差等の程度だけ同一形状でなくなってもよいという意味である。第二のT字導体5は、第一のT字導体4に対して略平行に配置される。横辺部5aは、縦辺部5bの第一の端部(放射導体2に近い方の端部)に接続される。その横辺部5aと縦辺部5bの第一の端部との接続位置は、横辺部5aの長さ方向の中央であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。但し、前述のように、第二のT字導体5は、第一のT字導体4と略同一形状であるため、横辺部4aと縦辺部4bの第一の端部との接続位置が、横辺部4aの長さ方向の中央である場合には、横辺部5aと縦辺部5bの第一の端部との接続位置も、横辺部5aの長さ方向の中央である必要があり、横辺部4aと縦辺部4bの第一の端部との接続位置が、横辺部4aの長さ方向の中央でない場合には、横辺部5aと縦辺部5bの第一の端部との接続位置も、横辺部5aの長さ方向の中央でなく、第一のT字導体4における接続位置と同程度、中央からずれている必要がある。第二のT字導体5の有する縦辺部5bの第二の端部(第一の端部と反対側の端部であり、放射導体2から遠い方の端部)は、グランド導体1に接続される。
【0022】
折り返しT字プローブ3の第一の端部接続導体6aは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5の有する横辺部4a,5aの各々の第一の端部を接続する。また、折り返しT字プローブ3の第二の端部接続導体6bは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5の有する横辺部4a,5aの各々の第二の端部を接続する。なお、横辺部4a,5aの第一の端部や、横辺部4a,5aの第二の端部は、同じ側の端部である。同じ側の端部とは、近い方の端部であると考えてもよい。このように、第一の端部接続導体6a及び第二の端部接続導体6bによって横辺部4a,5aの端部がそれぞれ接続されることによって、図1,図3で示されるように、第一の端部接続導体6aと第二の端部接続導体6bと横辺部4a,5aとによって、矩形の回路が形成されることになる。なお、横辺部4a,5aの第一の端部や第二の端部は、横辺部4a,5aの厳密な端点であってもよく、あるいは、横辺部4a,5aの端点付近であってもよい。
【0023】
また、折り返しT字プローブ3の各構成、すなわち、横辺部4a,5aや、縦辺部4b,5b、第一及び第二の端部接続導体6a,6bは、それぞれ導体である。また、横辺部4a,5aや、第一及び第二の端部接続導体6a,6bは、グランド導体1や放射導体2に略平行に設けられる。また、縦辺部4b,5bは、グランド導体1や放射導体2に略垂直に設けられる。略垂直とは、厳密に垂直であってもよく、あるいは、製造誤差や使用時の経年変化に応じた誤差等の程度だけ垂直でなくなってもよいという意味である。他の2個のものが略垂直である場合にも同様であるとする。また、折り返しT字プローブ3の各構成は、線状(棒状)の部材で構成されてもよく、帯状の部材で構成されてもよい。また、折り返しT字プローブ3の各構成は、中空部材で構成されてもよく、あるいは、中実部材で構成されてもよい。
また、アンテナ20は、グランド導体1や放射導体2、折り返しT字プローブ3等の相対的な位置決めをしたり、支持したりするための誘電体等をさらに備えてもよい。なお、アンテナ20を、誘電体基板を用いて構成する場合については、実施の形態3,4を用いて後述する。
【0024】
次に、本実施の形態によるアンテナ20の動作原理について説明する。ここでは、本実施の形態によるアンテナ20を送信用アンテナとして用いた場合について説明するが、受信用アンテナとして用いた場合においても同様である。
【0025】
給電回路7からの信号は、折り返しT字プローブ3を介して、電磁結合によって放射導体2に伝わる。このとき、給電点(縦辺部4bの第二の端部)から見たアンテナ20の入力インピーダンスは、折り返しアンテナと同様の原理によって、従来のT字プローブの場合に比べて高い入力インピーダンスを得ることができる。従来のT字プローブの場合、グランド導体1と放射導体2間の間隔が、使用周波数における波長の1/20程度以下と狭い場合においては、アンテナの入力抵抗が小さくなるため、その分、T字プローブの高さ(縦辺部4b,5bの長さに相当)を高くする必要がある。T字プローブの高さを高くすると、それに伴い入力インピーダンスの周波数変化が大きくなり、その結果、従来の背面同軸給電の場合と同程度の特性となってしまう。一方、折り返しT字プローブ3を用いると、従来のT字プローブに比べて、上述のように高い入力インピーダンスが得られるため、折り返しT字プローブ3の高さは従来のT字プローブに比べて低くすることができ、それにより入力インピーダンスの周波数変化が従来のT字プローブに比べて抑えられる。その結果、折り返しT字プローブ3を用いることにより、従来の背面同軸給電の場合やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。
【0026】
図4は、本実施の形態によるアンテナ20について、給電点から見たインピーダンス特性を示すスミスチャートである。なお、図4は、グランド導体1と放射導体2間の間隔が、使用周波数における波長の1/50の場合の特性を示している。図4のスミスチャートにおいて、インピーダンス特性30は、従来の背面同軸給電の場合のインピーダンス特性を示し、インピーダンス特性31は、従来のT字プローブの場合のインピーダンス特性を示している。また、インピーダンス特性32は、本実施の形態によるアンテナ20のインピーダンス特性を示している。
【0027】
図4において、本実施の形態によるインピーダンス特性32では、スミスチャートの中心付近でループが形成されている。一方、従来の背面同軸給電の場合のインピーダンス特性30及び従来のT字プローブの場合のインピーダンス特性31では、上述のように入力インピーダンスの周波数変化が大きくなり、その結果、本実施の形態におけるインピーダンス特性32のようなループが形成されないことが分かる。
【0028】
図5は、本実施の形態によるアンテナ20のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)特性について、横軸を規格化周波数として示した図である。図5において、VSWR特性40は、従来の背面同軸給電の場合のVSWR特性を示し、VSWR特性41は、従来のT字プローブの場合のVSWR特性を示している。一方、VSWR特性42は、本実施の形態におけるVSWR特性を示している。なお、規格化周波数は、VSWR特性41においてVSWR=1となる周波数で規格化している。図5において、本実施の形態におけるVSWR特性42と、従来の背面同軸給電の場合のVSWR特性40及び従来のT字プローブの場合のVSWR特性41では、VSWRの最良値はどれも1程度と同程度であるが、その帯域幅については、本実施の形態の方が従来の背面同軸給電及びT字プローブの場合に比べて広帯域となっていることが分かる。
【0029】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20によれば、折り返しT字プローブ3を備えたことにより、インピーダンス特性がスミスチャート上で、従来の背面同軸給電及びT字プローブの場合には見られないループを形成することになる。その結果、従来の背面同軸給電等の場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。
【0030】
なお、本実施の形態における図1〜図3では、正方形の放射導体2の場合について説明したが、前述のように、放射導体2の形状は正方形に限られるものではない。例えば、図6で示されるように、放射導体2は長方形であってもよく、図7で示されるように、放射導体2は円形(円板形状)であってもよく、放射導体2は多角形状や中心に孔を有する円形、あるいは、その他の形状であってもよい。それらの場合においても動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。放射導体2が長方形であってもよいことは、後述する各実施の形態においても同様であり、放射導体2が円形や多角形状、中心に孔を有する円形、あるいは、その他の形状であってもよいことは、後述する実施の形態3においても同様である。
【0031】
また、円偏波放射特性を得るために、放射導体2として、図8に示すように、長方形または正方形の少なくとも一対の対向する角を面取り部16a及び16bのように面取りしたものを用いてもよく、図9に示すように、円形の中心に対して対称な位置に対向して切り欠き部17a及び17bを設けたものを用いてもよい。なお、放射導体2が円形である場合においても、対向する切り欠き部は、二対以上存在してもよい。それらの場合においても動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。これらのことは、後述する実施の形態3においても同様である。
【0032】
また、折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4及び第二のT字導体5における縦辺部4b,5bは、図10(a)で示されるように、横辺部4a,5aの中心に接続されてもよく、あるいは、図10(b)で示されるように、横辺部4a,5aの中心以外の位置に接続されてもよい。なお、前述のように、縦辺部4b,5bが横辺部4a,5aの中心以外の位置に接続される場合であっても、縦辺部4b,5bは、同じ方向に同じ程度だけずれることが好適である。すなわち、第一のT字導体4を含む平面への第二のT字導体5の正射影が、第一のT字導体4と重なるようになることが好適である。このことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0033】
また、横辺部4a,5aと、第一の端部接続導体6aと、第二の端部接続導体6bとは、図10(a)で示されるように、その端点同士が接続されてもよく、あるいは、その端点以外の位置で接続されてもよい。後者のように、横辺部4a,5aと、第一の端部接続導体6aと、第二の端部接続導体6bとが、その端点付近で接続されている場合であっても、第一の端部接続導体6aは、横辺部4a,5aの第一の端部を接続し、第二の端部接続導体6bは、横辺部4a,5aの第二の端部を接続していると言うことができる。このことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0034】
また、本実施の形態では、第一のT字導体4の給電点が、正方形の放射導体2の端部に位置する場合、すなわち、放射導体2の一辺の中心の直下に位置する場合について説明したが、そうでなくてもよい。すなわち、放射導体2に対する折り返しT字プローブ3の位置は問わない。例えば、図11で示されるように、放射導体2の中心付近に折り返しT字プローブ3が設けられてもよい。また、正方形の放射導体2のいずれの辺とも平行でないように折り返しT字プローブ3が設けられてもよく、あるいは、グランド導体1と放射導体2とによって挟まれる空間の近傍に折り返しT字プローブ3が設けられてもよい。このことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0035】
また、本実施の形態における図1〜図3では、折り返しT字プローブ3として、第二のT字導体5が一つである場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、図12で示されるように、折り返しT字プローブ3は、2個の第二のT字導体5,21を有してもよい。その場合にも、第二のT字導体21は、横辺部21aと、縦辺部21bとを有しており、第一のT字導体4と略同一形状である。また、第二のT字導体21は、第一のT字導体4に対して略平行に配置される。また、横辺部21aは、縦辺部21bの第一の端部に接続される。そして、第一の端部接続導体6aは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5,21の有する横辺部4a,5a,21aの各々の第一の端部を接続し、第二の端部接続導体6bは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5,21の有する横辺部4a,5a,21aの各々の第二の端部を接続する。その結果、第一の端部接続導体6aと第二の端部接続導体6bと横辺部4a,5a,21aとによって、2個の矩形が並んだ形状の回路が形成されることになる。なお、折り返しT字プローブ3が2個の第二のT字導体5,21を有する場合に、第一のT字導体4及び第二のT字導体5,21の各横辺部4a,5a,21aは、均等な間隔となることが好適であるが、そうでなくてもよい。折り返しT字プローブ3が3個以上の第二のT字導体を有する場合にも同様である。また、折り返しT字プローブ3が2個以上の第二のT字導体を有する場合に、第一のT字導体4の位置は問わない。例えば、図12で示されるように、第一のT字導体4が最も外側に位置してもよく、あるいは、第一のT字導体4が2個以上の第二のT字導体で挟まれるところに位置してもよい。このように、折り返しT字プローブ3が2個以上の第二のT字導体を有する場合であっても、動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。このように、折り返しT字プローブ3が2個以上の第二のT字導体を有してもよいことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0036】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、放射導体とグランド導体とを短絡させる短絡導体をさらに備えたものである。
【0037】
図13は、本実施の形態によるアンテナ20を示す斜視図である。図14は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。
【0038】
図13,図14において、本実施の形態によるアンテナ20は、グランド導体1と、長方形または正方形の放射導体2と、折り返しT字プローブ3と、短絡導体8とを備える。短絡導体8以外の構成は、放射導体2が長方形である以外、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。なお、本実施の形態では、放射導体2が長方形である場合について説明するが、放射導体2は正方形であってもよい。また、放射導体2が長方形である場合に、その長方形は正方形を含むと考えてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0039】
短絡導体8は、放射導体2とグランド導体1とを短絡させる。すなわち、短絡導体8は、長方形または正方形の放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる。短絡導体8は、グランド導体1や放射導体2に略垂直に設けられる。また、本実施の形態による短絡導体8は、通常、矩形の形状である。
【0040】
次に、本実施の形態によるアンテナ20の動作原理について説明する。ここでは、本実施の形態によるアンテナ20を送信用アンテナとして用いた場合について説明するが、受信用として用いた場合においても同様である。
【0041】
給電回路7からの信号は、折り返しT字プローブ3を介して、電磁結合によって放射導体2に伝わる。そして、実施の形態1の場合の動作原理と同様に、給電点から見たアンテナ20の入力インピーダンスは、折り返しアンテナと同様の原理によって、従来のT字プローブの場合に比べて高い入力インピーダンスを得ることができる。その結果、折り返しT字プローブ3を用いることにより、従来の背面同軸給電の場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20を、いわゆる片側短絡型の平面アンテナとした場合においても、従来の背面同軸給電やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。また、いわゆる片側短絡型の平面アンテナとすることにより、アンテナ20を小型化することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、放射導体2が長方形の場合について説明したが、前述のように、放射導体2は正方形であってもよい。その場合であっても、動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。このことは、後述する実施の形態4においても同様である。
【0044】
また、本実施の形態では、短絡導体8が、放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、図15に示すように、短絡導体8は、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させてもよい。その場合においても、その動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。ここで、短絡導体8が、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させる場合に、その短絡させる箇所は1箇所であってもよく、2箇所以上であってもよい。後者の場合でも、その2箇所以上の短絡箇所は、放射導体2の一辺に含まれていなくてはならない。これらのことは、後述する実施の形態4においても同様である。また、短絡導体8は、図13,図15で示されるように、面状の導体であってもよく、あるいは、線状の導体であってもよい。
【0045】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、誘電体基板を用いて構成されるマイクロストリップアンテナである。
【0046】
図16は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。図17は、本実施の形態によるアンテナ20を第一のT字導体4側から見た透視側面図である。図18は、本実施の形態によるアンテナ20を第二の端部接続導体6b側から見た透視側面図である。
【0047】
図16〜図18において、本実施の形態によるアンテナ20は、グランド導体1と、放射導体2と、折り返しT字プローブ3と、誘電体基板9とを備える。なお、折り返しT字プローブ3及び誘電体基板9以外の構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0048】
誘電体基板9は、いわゆる回路基板と同様のものであり、誘電体の基板である。その誘電体は、例えば、樹脂であってもよく、セラミックであってもよく、あるいは、その他の誘電体であってもよい。その誘電体基板9の第一の面上の一部または全面にグランド導体1が設けられている。また、誘電体基板9の第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体2が設けられている。前述のように、放射導体2は、グランド導体1よりも小さければよく、その形状は問わない。また、折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4及び第二のT字導体5の横辺部は、それぞれ誘電体基板9に設けられたストリップライン14a,15aで形成されている。また、折り返しT字プローブ3の第一の端部接続導体6a及び第二の端部接続導体6bも、誘電体基板9に設けられたストリップラインで形成されている。また、折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4及び第二のT字導体5の縦辺部は、それぞれ誘電体基板9に設けられたスルーホール14b,15bによって形成されている。したがって、第一のT字導体4は、ストリップライン14aである横辺部と、スルーホール14bである縦辺部とを有することになる。また、第二のT字導体5は、ストリップライン15aである横辺部と、スルーホール15bである縦辺部とを有することになる。なお、実施の形態1で説明したように、第一のT字導体4の縦辺部の一端は、グランド導体1を介して給電回路7に接続され、他端は横辺部に接続される。すなわち、スルーホール14bのグランド導体1側の端部は、給電回路7に接続され、他の端部は、ストリップライン14aに接続される。したがって、スルーホール14bのグランド導体1側の端部の位置には、実施の形態1と同様に、グランド導体1に孔22が設けられており、スルーホール14bとグランド導体1とが短絡していないものとする。一方、第二のT字導体5の縦辺部の一端はグランド導体1と接続され、他端は横辺部に接続される。すなわち、スルーホール15bのグランド導体1側の端部は、グランド導体1と接続され、他の端部は、ストリップライン15aに接続される。
【0049】
本実施の形態によるアンテナ20は、マイクロストリップアンテナによって実施の形態1と同様のアンテナを実現したものであり、その動作原理は、実施の形態1と同様である。また、本実施の形態によるアンテナ20の製造方法も、T字プローブが折り返し形状となった以外は、従来のマイクロストリップアンテナと同様であり、その説明を省略する。
【0050】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20によれば、いわゆるマイクロストリップアンテナとしてアンテナ20を構成することができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。したがって、従来の背面同軸給電やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。また、アンテナ20をマイクロストリップアンテナとして実現できるため、容易に製造することができるようになる。
【0051】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、グランド導体と放射導体とが短絡された、誘電体基板を用いて構成されるマイクロストリップアンテナである。
【0052】
図19は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。図20は、本実施の形態によるアンテナ20を第二の端部接続導体6b側から見た透視側面図である。
【0053】
図19,図20において、本実施の形態によるアンテナ20は、グランド導体1と、放射導体2と、折り返しT字プローブ3と、誘電体基板9と、グランド導体1と放射導体2とを短絡させる短絡導体であるスルーホール18とを備える。なお、グランド導体1、放射導体2、折り返しT字プローブ3、誘電体基板9の構成は、実施の形態3と同様である。すなわち、誘電体基板9の第一の面上にグランド導体1が設けられ、第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体2が設けられている。また、折り返しT字プローブ3の縦辺部が誘電体基板9に設けられたスルーホール14b,15bで形成され、折り返しT字プローブ3の横辺部、並びに、第一及び第二の端部接続導体6a,6bが誘電体基板9に配設されたストリップライン15a,15b等で形成されている。また、実施の形態2と同様に、短絡導体によってグランド導体1と放射導体2とが短絡されている。それらについては上述の各実施の形態で説明したため、詳細な説明を省略する。
【0054】
なお、本実施の形態では、グランド導体1と放射導体2とを短絡させる短絡導体が、略等間隔に配置された複数のスルーホール18で形成されている。そして、その複数のスルーホール18は、長方形の放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる。なお、略等間隔とは、厳密に等間隔であってもよく、あるいは、製造誤差等に応じた誤差等の程度だけ等間隔でなくてもよいという意味である。各スルーホール18の一端はグランド導体1に接続され、他端は放射導体2の一辺の付近に接続されている。その結果、放射導体2の一辺がグランド導体1に短絡されることになる。このように、本実施の形態によるアンテナ20は、マイクロストリップアンテナによって実施の形態2の片側短絡型の平面アンテナを実現したものであり、その動作原理は、実施の形態2と同様である。
【0055】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20は、片側短絡型マイクロストリップアンテナとしてアンテナ20を構成することができ、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。したがって、従来の背面同軸給電やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。また、アンテナ20をマイクロストリップアンテナとして実現できるため、容易に製造することができるようになる。
【0056】
なお、本実施の形態では、短絡導体である複数のスルーホール18が、放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、図21に示すように、短絡導体である略等間隔で配置された複数個のスルーホール18は、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させてもよい。その場合においても、その動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。なお、短絡導体であるスルーホール18の個数は1個であってもよい。ここで、短絡導体であるスルーホール18が、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させる場合に、その短絡させる箇所は1箇所であってもよく、2箇所以上であってもよい。後者の場合でも、その2箇所以上の短絡箇所は、放射導体2の一辺に含まれていなくてはならない。また、短絡導体が3以上のスルーホール18で形成されている場合に、3以上のスルーホール18は、前述のように略等間隔で配置されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0057】
また、実施の形態3,4では、グランド導体1及び放射導体2が誘電体基板9の表面に存在する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、グランド導体1の上にさらに別の誘電体の層が存在してもよい。そのような場合には、実施の形態3,4において、グランド導体1から放射導体2までの層について説明したと考えてもよい。
【0058】
また、上記各実施の形態において、グランド導体1と放射導体2との間隔が、使用周波数における1/20波長以下のより狭い場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。グランド導体1と放射導体2との間隔が1/20波長より大きい場合であっても、従来のL字状のプローブやT字状のプローブを用いたアンテナと同程度の帯域を有することになる。
【0059】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上より、本発明によるアンテナによれば、T字プローブを折り返し構造とした折り返しT字プローブによって平面アンテナを構成したため、従来例に対して広帯域化を実現することができ、例えば、マイクロストリップアンテナ等として有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 グランド導体
2 放射導体
3 折り返しT字プローブ
4 第一のT字導体
4a、5a、21a 横辺部
4b、5b、21b 縦辺部
5、21 第二のT字導体
6a 第一の端部接続導体
6b 第二の端部接続導体
7 給電回路
8 短絡導体
9 誘電体基板
14a、15a ストリップライン
14b、15b、18 スルーホール
16a、16b 面取り部
17a、17b 切り欠き部
20 アンテナ
22 孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、平面アンテナとして広く用いられているマイクロストリップアンテナを背面から給電する場合には、給電プローブを背面から挿入する背面同軸給電法が用いられているが、プローブに流れる電流によって生じる誘導性リアクタンスにより狭帯域な反射特性となる問題がある。
【0003】
一方、マイクロストリップアンテナの反射特性の広帯域化(以下、広帯域及び広帯域化とは反射特性に関するものを言う)を得る従来の給電方法として、L字状のプローブや、T字状のプローブを用いて電磁結合によってマイクロストリップアンテナを給電する方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−250924号公報
【特許文献2】特開2001−177314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のマイクロストリップアンテナの広帯域化を得る給電方法は、グランド導体と放射導体との間隔が広い場合(使用周波数における波長の1/10程度以上の場合)においては、広帯域化に非常に有効であることが分かっている。しかしながら、グランド導体と放射導体との間隔が1/20波長以下のより狭い場合には、プローブの高さが低くなることによって入力抵抗が低下するため、広帯域な整合設計が困難となり、結果として、従来の背面同軸給電と同程度の帯域となってしまい、広帯域化が実現できないという問題があった。
一般的に言えば、グランド導体と放射導体との間隔が1/20波長以下である平面アンテナにおいて、従来の方法では、広帯域化を実現できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、グランド導体と放射導体との間隔が狭い場合においても、従来の背面同軸給電に比べて広帯域特性を有するアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明によるアンテナは、板状のグランド導体と、グランド導体に対して略平行に配置される放射導体と、グランド導体と放射導体との間に配置される折り返しT字プローブと、を備え、折り返しT字プローブは、縦辺部と、縦辺部の第一の端部に接続される横辺部とを有するT字状の第一のT字導体と、縦辺部と、縦辺部の第一の端部に接続された横辺部とを有し、第一のT字導体と略同一形状であり、かつ第一のT字導体に対して略平行に配置される少なくとも一つの第二のT字導体と、第一のT字導体及び第二のT字導体の有する横辺部の各々の第一の端部を接続する第一の端部接続導体と、第一のT字導体及び第二のT字導体の有する横辺部の各々の第二の端部を接続する第二の端部接続導体と、を有し、第一のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、グランド導体を介して給電回路に接続され、第二のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、グランド導体に接続され、折り返しT字プローブによって放射導体を電磁結合によって給電する、ものである。
このような構成により、グランド導体と放射導体との間隔が短い場合であっても、従来のアンテナに比べて広帯域特性を有するようにすることができる。
【0008】
また、本発明によるアンテナでは、放射導体は、長方形もしくは正方形であり、長方形もしくは正方形の放射導体の一辺の一部または全体と、グランド導体とを短絡させる短絡導体をさらに備えてもよい。
このような構成により、アンテナを小型化することが可能となる。
【0009】
また、本発明によるアンテナでは、第一の面上にグランド導体が設けられ、第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、折り返しT字プローブの縦辺部は、誘電体基板のスルーホールで形成され、折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、誘電体基板のストリップラインで形成されてもよい。
このような構成により、より容易に製造することができるようになる。
【0010】
また、本発明によるアンテナでは、第一の面上にグランド導体が設けられ、第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、折り返しT字プローブの縦辺部は、誘電体基板のスルーホールで形成され、折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、誘電体基板のストリップラインで形成され、短絡導体が、誘電体基板の一または複数のスルーホールによって形成されてもよい。
このような構成により、より容易に製造することができるようになる。
【0011】
また、本発明によるアンテナでは、放射導体が長方形または正方形であってもよい。
また、本発明によるアンテナでは、長方形または正方形の放射導体において、少なくとも一対の対向する角が面取りされていてもよい。
【0012】
また、本発明によるアンテナでは、放射導体が円形(円板形状)であってもよい。
また、本発明によるアンテナでは、円形の放射導体において、その円形の中心に対する対象な位置に対向して切り欠きが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるアンテナによれば、T字プローブを折り返し構造とすることで、従来のT字プローブに比べて入力抵抗が大きくなり、広帯域な整合設計が可能となる。その結果、従来の背面同軸給電に比べて広帯域特性を有するアンテナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1によるアンテナを示す斜視図
【図2】同実施の形態によるアンテナの側面図
【図3】同実施の形態によるアンテナの上面透視図
【図4】同実施の形態によるアンテナの給電点から見たインピーダンス特性のスミスチャート
【図5】同実施の形態によるアンテナのVSWR特性を示す図
【図6】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図7】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図8】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図9】同実施の形態における放射導体の他の一例を示す上面斜視図
【図10】同実施の形態における折り返しT字プローブの一例を示す斜視図
【図11】同実施の形態における放射導体と折り返しT字プローブとの位置関係の一例を示す図
【図12】同実施の形態における折り返しT字プローブの他の一例を示す斜視図
【図13】本発明の実施の形態2によるアンテナを示す斜視図
【図14】同実施の形態によるアンテナの上面透視図
【図15】同実施の形態における短絡導体の他の一例を示す斜視図
【図16】本発明の実施の形態3によるアンテナを示す上面透視図
【図17】同実施の形態によるアンテナの側面透視図
【図18】同実施の形態によるアンテナの側面透視図
【図19】本発明の実施の形態4によるアンテナを示す上面透視図
【図20】同実施の形態によるアンテナの側面透視図
【図21】同実施の形態によるアンテナの他の一例を示す上面透視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明によるアンテナについて、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、折り返しT字プローブを有するアンテナである。
【0017】
図1は、本実施の形態によるアンテナ20を示す斜視図である。図2は、本実施の形態によるアンテナ20を示す側面図である。図3は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。
【0018】
図1〜図3において、本実施の形態によるアンテナ20は、板状のグランド導体1と、放射導体2と、折り返しT字プローブ3とを備える。グランド導体1や放射導体2は、導体によって構成される。放射導体2は、グランド導体1に対向する位置に、グランド導体1と所定の間隔をおいて配置される。その放射導体2は、グランド導体1に対して略平行に配置されている。略平行とは、厳密に平行であってもよく、あるいは、製造誤差や使用時の経年変化に応じた誤差等の程度だけ平行でなくなってもよいという意味である。他の2個のものが略平行である場合にも同様であるとする。なお、グランド導体1の面積は、放射導体2の面積以上であることが好適である。また、グランド導体1や放射導体2の法線方向の遠方から両者を見た場合に、放射導体2がグランド導体1に含まれていることが好適である。すなわち、放射導体2のグランド導体1を含む平面上への正射影が、グランド導体1に含まれていることが好適である。図1,図3では、グランド導体1が円板形状である場合について示しているが、そうでなくてもよい。グランド導体1の形状は問わない。このように、グランド導体1の形状が限定されないことは、他の実施の形態においても同様である。また、図1,図3では、放射導体2が正方形である場合について示しているが、後述するように放射導体2の形状は正方形以外であってもよい。放射導体2の大きさは、所望の共振周波数に応じた大きさにあらかじめ設定されている。そして、放射導体2は、折り返しT字プローブ3との電磁結合によって電気的に接続され、励振される。
【0019】
折り返しT字プローブ3は、グランド導体1と放射導体2との間に配置され、第一のT字導体4と、少なくとも一つの第二のT字導体5と、第一の端部接続導体6aと、第二の端部接続導体6bとを有する。なお、折り返しT字プローブ3がグランド導体1と放射導体2との間に配置されるとは、グランド導体1と放射導体2によって挟まれる空間内に配置されることであってもよく、あるいは、図11(c)の上面図で示されるように、グランド導体1と放射導体2によって挟まれる空間の近傍に配置されることであってもよい。なお、後者の場合(図11(c)の場合)であっても、折り返しT字プローブ3との電磁結合によって放射導体2が給電されることになるため、その給電を実現可能な程度に両者が近づいている必要がある。
【0020】
折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4は、横辺部4aと、縦辺部4bとを有するT字状である。横辺部4aは、縦辺部4bの第一の端部(放射導体2に近い方の端部)に接続される。その横辺部4aと縦辺部4bの第一の端部との接続位置は、横辺部4aの長さ方向の中央であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。第一のT字導体4の有する縦辺部4bの第二の端部(第一の端部と反対側の端部であり、放射導体2から遠い方の端部)は、グランド導体1を介して給電回路7に接続される。なお、縦辺部4bの第二の端部がグランド導体1を介して給電回路7に接続されるとは、例えば、図1で示されるように、縦辺部4bの第二の端部がグランド導体1の有する孔22を介してグランド導体1の裏面側に存在する給電回路7に接続されることであってもよい。
【0021】
折り返しT字プローブ3の第二のT字導体5は、横辺部5aと、縦辺部5bとを有する、第一のT字導体4と略同一形状である。略同一形状とは、厳密に同一形状であってもよく、あるいは、製造誤差や使用時の経年変化に応じた誤差等の程度だけ同一形状でなくなってもよいという意味である。第二のT字導体5は、第一のT字導体4に対して略平行に配置される。横辺部5aは、縦辺部5bの第一の端部(放射導体2に近い方の端部)に接続される。その横辺部5aと縦辺部5bの第一の端部との接続位置は、横辺部5aの長さ方向の中央であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。但し、前述のように、第二のT字導体5は、第一のT字導体4と略同一形状であるため、横辺部4aと縦辺部4bの第一の端部との接続位置が、横辺部4aの長さ方向の中央である場合には、横辺部5aと縦辺部5bの第一の端部との接続位置も、横辺部5aの長さ方向の中央である必要があり、横辺部4aと縦辺部4bの第一の端部との接続位置が、横辺部4aの長さ方向の中央でない場合には、横辺部5aと縦辺部5bの第一の端部との接続位置も、横辺部5aの長さ方向の中央でなく、第一のT字導体4における接続位置と同程度、中央からずれている必要がある。第二のT字導体5の有する縦辺部5bの第二の端部(第一の端部と反対側の端部であり、放射導体2から遠い方の端部)は、グランド導体1に接続される。
【0022】
折り返しT字プローブ3の第一の端部接続導体6aは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5の有する横辺部4a,5aの各々の第一の端部を接続する。また、折り返しT字プローブ3の第二の端部接続導体6bは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5の有する横辺部4a,5aの各々の第二の端部を接続する。なお、横辺部4a,5aの第一の端部や、横辺部4a,5aの第二の端部は、同じ側の端部である。同じ側の端部とは、近い方の端部であると考えてもよい。このように、第一の端部接続導体6a及び第二の端部接続導体6bによって横辺部4a,5aの端部がそれぞれ接続されることによって、図1,図3で示されるように、第一の端部接続導体6aと第二の端部接続導体6bと横辺部4a,5aとによって、矩形の回路が形成されることになる。なお、横辺部4a,5aの第一の端部や第二の端部は、横辺部4a,5aの厳密な端点であってもよく、あるいは、横辺部4a,5aの端点付近であってもよい。
【0023】
また、折り返しT字プローブ3の各構成、すなわち、横辺部4a,5aや、縦辺部4b,5b、第一及び第二の端部接続導体6a,6bは、それぞれ導体である。また、横辺部4a,5aや、第一及び第二の端部接続導体6a,6bは、グランド導体1や放射導体2に略平行に設けられる。また、縦辺部4b,5bは、グランド導体1や放射導体2に略垂直に設けられる。略垂直とは、厳密に垂直であってもよく、あるいは、製造誤差や使用時の経年変化に応じた誤差等の程度だけ垂直でなくなってもよいという意味である。他の2個のものが略垂直である場合にも同様であるとする。また、折り返しT字プローブ3の各構成は、線状(棒状)の部材で構成されてもよく、帯状の部材で構成されてもよい。また、折り返しT字プローブ3の各構成は、中空部材で構成されてもよく、あるいは、中実部材で構成されてもよい。
また、アンテナ20は、グランド導体1や放射導体2、折り返しT字プローブ3等の相対的な位置決めをしたり、支持したりするための誘電体等をさらに備えてもよい。なお、アンテナ20を、誘電体基板を用いて構成する場合については、実施の形態3,4を用いて後述する。
【0024】
次に、本実施の形態によるアンテナ20の動作原理について説明する。ここでは、本実施の形態によるアンテナ20を送信用アンテナとして用いた場合について説明するが、受信用アンテナとして用いた場合においても同様である。
【0025】
給電回路7からの信号は、折り返しT字プローブ3を介して、電磁結合によって放射導体2に伝わる。このとき、給電点(縦辺部4bの第二の端部)から見たアンテナ20の入力インピーダンスは、折り返しアンテナと同様の原理によって、従来のT字プローブの場合に比べて高い入力インピーダンスを得ることができる。従来のT字プローブの場合、グランド導体1と放射導体2間の間隔が、使用周波数における波長の1/20程度以下と狭い場合においては、アンテナの入力抵抗が小さくなるため、その分、T字プローブの高さ(縦辺部4b,5bの長さに相当)を高くする必要がある。T字プローブの高さを高くすると、それに伴い入力インピーダンスの周波数変化が大きくなり、その結果、従来の背面同軸給電の場合と同程度の特性となってしまう。一方、折り返しT字プローブ3を用いると、従来のT字プローブに比べて、上述のように高い入力インピーダンスが得られるため、折り返しT字プローブ3の高さは従来のT字プローブに比べて低くすることができ、それにより入力インピーダンスの周波数変化が従来のT字プローブに比べて抑えられる。その結果、折り返しT字プローブ3を用いることにより、従来の背面同軸給電の場合やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。
【0026】
図4は、本実施の形態によるアンテナ20について、給電点から見たインピーダンス特性を示すスミスチャートである。なお、図4は、グランド導体1と放射導体2間の間隔が、使用周波数における波長の1/50の場合の特性を示している。図4のスミスチャートにおいて、インピーダンス特性30は、従来の背面同軸給電の場合のインピーダンス特性を示し、インピーダンス特性31は、従来のT字プローブの場合のインピーダンス特性を示している。また、インピーダンス特性32は、本実施の形態によるアンテナ20のインピーダンス特性を示している。
【0027】
図4において、本実施の形態によるインピーダンス特性32では、スミスチャートの中心付近でループが形成されている。一方、従来の背面同軸給電の場合のインピーダンス特性30及び従来のT字プローブの場合のインピーダンス特性31では、上述のように入力インピーダンスの周波数変化が大きくなり、その結果、本実施の形態におけるインピーダンス特性32のようなループが形成されないことが分かる。
【0028】
図5は、本実施の形態によるアンテナ20のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)特性について、横軸を規格化周波数として示した図である。図5において、VSWR特性40は、従来の背面同軸給電の場合のVSWR特性を示し、VSWR特性41は、従来のT字プローブの場合のVSWR特性を示している。一方、VSWR特性42は、本実施の形態におけるVSWR特性を示している。なお、規格化周波数は、VSWR特性41においてVSWR=1となる周波数で規格化している。図5において、本実施の形態におけるVSWR特性42と、従来の背面同軸給電の場合のVSWR特性40及び従来のT字プローブの場合のVSWR特性41では、VSWRの最良値はどれも1程度と同程度であるが、その帯域幅については、本実施の形態の方が従来の背面同軸給電及びT字プローブの場合に比べて広帯域となっていることが分かる。
【0029】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20によれば、折り返しT字プローブ3を備えたことにより、インピーダンス特性がスミスチャート上で、従来の背面同軸給電及びT字プローブの場合には見られないループを形成することになる。その結果、従来の背面同軸給電等の場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。
【0030】
なお、本実施の形態における図1〜図3では、正方形の放射導体2の場合について説明したが、前述のように、放射導体2の形状は正方形に限られるものではない。例えば、図6で示されるように、放射導体2は長方形であってもよく、図7で示されるように、放射導体2は円形(円板形状)であってもよく、放射導体2は多角形状や中心に孔を有する円形、あるいは、その他の形状であってもよい。それらの場合においても動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。放射導体2が長方形であってもよいことは、後述する各実施の形態においても同様であり、放射導体2が円形や多角形状、中心に孔を有する円形、あるいは、その他の形状であってもよいことは、後述する実施の形態3においても同様である。
【0031】
また、円偏波放射特性を得るために、放射導体2として、図8に示すように、長方形または正方形の少なくとも一対の対向する角を面取り部16a及び16bのように面取りしたものを用いてもよく、図9に示すように、円形の中心に対して対称な位置に対向して切り欠き部17a及び17bを設けたものを用いてもよい。なお、放射導体2が円形である場合においても、対向する切り欠き部は、二対以上存在してもよい。それらの場合においても動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。これらのことは、後述する実施の形態3においても同様である。
【0032】
また、折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4及び第二のT字導体5における縦辺部4b,5bは、図10(a)で示されるように、横辺部4a,5aの中心に接続されてもよく、あるいは、図10(b)で示されるように、横辺部4a,5aの中心以外の位置に接続されてもよい。なお、前述のように、縦辺部4b,5bが横辺部4a,5aの中心以外の位置に接続される場合であっても、縦辺部4b,5bは、同じ方向に同じ程度だけずれることが好適である。すなわち、第一のT字導体4を含む平面への第二のT字導体5の正射影が、第一のT字導体4と重なるようになることが好適である。このことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0033】
また、横辺部4a,5aと、第一の端部接続導体6aと、第二の端部接続導体6bとは、図10(a)で示されるように、その端点同士が接続されてもよく、あるいは、その端点以外の位置で接続されてもよい。後者のように、横辺部4a,5aと、第一の端部接続導体6aと、第二の端部接続導体6bとが、その端点付近で接続されている場合であっても、第一の端部接続導体6aは、横辺部4a,5aの第一の端部を接続し、第二の端部接続導体6bは、横辺部4a,5aの第二の端部を接続していると言うことができる。このことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0034】
また、本実施の形態では、第一のT字導体4の給電点が、正方形の放射導体2の端部に位置する場合、すなわち、放射導体2の一辺の中心の直下に位置する場合について説明したが、そうでなくてもよい。すなわち、放射導体2に対する折り返しT字プローブ3の位置は問わない。例えば、図11で示されるように、放射導体2の中心付近に折り返しT字プローブ3が設けられてもよい。また、正方形の放射導体2のいずれの辺とも平行でないように折り返しT字プローブ3が設けられてもよく、あるいは、グランド導体1と放射導体2とによって挟まれる空間の近傍に折り返しT字プローブ3が設けられてもよい。このことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0035】
また、本実施の形態における図1〜図3では、折り返しT字プローブ3として、第二のT字導体5が一つである場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、図12で示されるように、折り返しT字プローブ3は、2個の第二のT字導体5,21を有してもよい。その場合にも、第二のT字導体21は、横辺部21aと、縦辺部21bとを有しており、第一のT字導体4と略同一形状である。また、第二のT字導体21は、第一のT字導体4に対して略平行に配置される。また、横辺部21aは、縦辺部21bの第一の端部に接続される。そして、第一の端部接続導体6aは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5,21の有する横辺部4a,5a,21aの各々の第一の端部を接続し、第二の端部接続導体6bは、第一のT字導体4及び第二のT字導体5,21の有する横辺部4a,5a,21aの各々の第二の端部を接続する。その結果、第一の端部接続導体6aと第二の端部接続導体6bと横辺部4a,5a,21aとによって、2個の矩形が並んだ形状の回路が形成されることになる。なお、折り返しT字プローブ3が2個の第二のT字導体5,21を有する場合に、第一のT字導体4及び第二のT字導体5,21の各横辺部4a,5a,21aは、均等な間隔となることが好適であるが、そうでなくてもよい。折り返しT字プローブ3が3個以上の第二のT字導体を有する場合にも同様である。また、折り返しT字プローブ3が2個以上の第二のT字導体を有する場合に、第一のT字導体4の位置は問わない。例えば、図12で示されるように、第一のT字導体4が最も外側に位置してもよく、あるいは、第一のT字導体4が2個以上の第二のT字導体で挟まれるところに位置してもよい。このように、折り返しT字プローブ3が2個以上の第二のT字導体を有する場合であっても、動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。このように、折り返しT字プローブ3が2個以上の第二のT字導体を有してもよいことは、後述する各実施の形態においても同様である。
【0036】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、放射導体とグランド導体とを短絡させる短絡導体をさらに備えたものである。
【0037】
図13は、本実施の形態によるアンテナ20を示す斜視図である。図14は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。
【0038】
図13,図14において、本実施の形態によるアンテナ20は、グランド導体1と、長方形または正方形の放射導体2と、折り返しT字プローブ3と、短絡導体8とを備える。短絡導体8以外の構成は、放射導体2が長方形である以外、実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。なお、本実施の形態では、放射導体2が長方形である場合について説明するが、放射導体2は正方形であってもよい。また、放射導体2が長方形である場合に、その長方形は正方形を含むと考えてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0039】
短絡導体8は、放射導体2とグランド導体1とを短絡させる。すなわち、短絡導体8は、長方形または正方形の放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる。短絡導体8は、グランド導体1や放射導体2に略垂直に設けられる。また、本実施の形態による短絡導体8は、通常、矩形の形状である。
【0040】
次に、本実施の形態によるアンテナ20の動作原理について説明する。ここでは、本実施の形態によるアンテナ20を送信用アンテナとして用いた場合について説明するが、受信用として用いた場合においても同様である。
【0041】
給電回路7からの信号は、折り返しT字プローブ3を介して、電磁結合によって放射導体2に伝わる。そして、実施の形態1の場合の動作原理と同様に、給電点から見たアンテナ20の入力インピーダンスは、折り返しアンテナと同様の原理によって、従来のT字プローブの場合に比べて高い入力インピーダンスを得ることができる。その結果、折り返しT字プローブ3を用いることにより、従来の背面同軸給電の場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20を、いわゆる片側短絡型の平面アンテナとした場合においても、従来の背面同軸給電やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。また、いわゆる片側短絡型の平面アンテナとすることにより、アンテナ20を小型化することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、放射導体2が長方形の場合について説明したが、前述のように、放射導体2は正方形であってもよい。その場合であっても、動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。このことは、後述する実施の形態4においても同様である。
【0044】
また、本実施の形態では、短絡導体8が、放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、図15に示すように、短絡導体8は、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させてもよい。その場合においても、その動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。ここで、短絡導体8が、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させる場合に、その短絡させる箇所は1箇所であってもよく、2箇所以上であってもよい。後者の場合でも、その2箇所以上の短絡箇所は、放射導体2の一辺に含まれていなくてはならない。これらのことは、後述する実施の形態4においても同様である。また、短絡導体8は、図13,図15で示されるように、面状の導体であってもよく、あるいは、線状の導体であってもよい。
【0045】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、誘電体基板を用いて構成されるマイクロストリップアンテナである。
【0046】
図16は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。図17は、本実施の形態によるアンテナ20を第一のT字導体4側から見た透視側面図である。図18は、本実施の形態によるアンテナ20を第二の端部接続導体6b側から見た透視側面図である。
【0047】
図16〜図18において、本実施の形態によるアンテナ20は、グランド導体1と、放射導体2と、折り返しT字プローブ3と、誘電体基板9とを備える。なお、折り返しT字プローブ3及び誘電体基板9以外の構成は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
【0048】
誘電体基板9は、いわゆる回路基板と同様のものであり、誘電体の基板である。その誘電体は、例えば、樹脂であってもよく、セラミックであってもよく、あるいは、その他の誘電体であってもよい。その誘電体基板9の第一の面上の一部または全面にグランド導体1が設けられている。また、誘電体基板9の第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体2が設けられている。前述のように、放射導体2は、グランド導体1よりも小さければよく、その形状は問わない。また、折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4及び第二のT字導体5の横辺部は、それぞれ誘電体基板9に設けられたストリップライン14a,15aで形成されている。また、折り返しT字プローブ3の第一の端部接続導体6a及び第二の端部接続導体6bも、誘電体基板9に設けられたストリップラインで形成されている。また、折り返しT字プローブ3の第一のT字導体4及び第二のT字導体5の縦辺部は、それぞれ誘電体基板9に設けられたスルーホール14b,15bによって形成されている。したがって、第一のT字導体4は、ストリップライン14aである横辺部と、スルーホール14bである縦辺部とを有することになる。また、第二のT字導体5は、ストリップライン15aである横辺部と、スルーホール15bである縦辺部とを有することになる。なお、実施の形態1で説明したように、第一のT字導体4の縦辺部の一端は、グランド導体1を介して給電回路7に接続され、他端は横辺部に接続される。すなわち、スルーホール14bのグランド導体1側の端部は、給電回路7に接続され、他の端部は、ストリップライン14aに接続される。したがって、スルーホール14bのグランド導体1側の端部の位置には、実施の形態1と同様に、グランド導体1に孔22が設けられており、スルーホール14bとグランド導体1とが短絡していないものとする。一方、第二のT字導体5の縦辺部の一端はグランド導体1と接続され、他端は横辺部に接続される。すなわち、スルーホール15bのグランド導体1側の端部は、グランド導体1と接続され、他の端部は、ストリップライン15aに接続される。
【0049】
本実施の形態によるアンテナ20は、マイクロストリップアンテナによって実施の形態1と同様のアンテナを実現したものであり、その動作原理は、実施の形態1と同様である。また、本実施の形態によるアンテナ20の製造方法も、T字プローブが折り返し形状となった以外は、従来のマイクロストリップアンテナと同様であり、その説明を省略する。
【0050】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20によれば、いわゆるマイクロストリップアンテナとしてアンテナ20を構成することができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。したがって、従来の背面同軸給電やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。また、アンテナ20をマイクロストリップアンテナとして実現できるため、容易に製造することができるようになる。
【0051】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4によるアンテナについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるアンテナは、グランド導体と放射導体とが短絡された、誘電体基板を用いて構成されるマイクロストリップアンテナである。
【0052】
図19は、本実施の形態によるアンテナ20を上面から見た透視図である。図20は、本実施の形態によるアンテナ20を第二の端部接続導体6b側から見た透視側面図である。
【0053】
図19,図20において、本実施の形態によるアンテナ20は、グランド導体1と、放射導体2と、折り返しT字プローブ3と、誘電体基板9と、グランド導体1と放射導体2とを短絡させる短絡導体であるスルーホール18とを備える。なお、グランド導体1、放射導体2、折り返しT字プローブ3、誘電体基板9の構成は、実施の形態3と同様である。すなわち、誘電体基板9の第一の面上にグランド導体1が設けられ、第一の面と反対側の面である第二の面上に放射導体2が設けられている。また、折り返しT字プローブ3の縦辺部が誘電体基板9に設けられたスルーホール14b,15bで形成され、折り返しT字プローブ3の横辺部、並びに、第一及び第二の端部接続導体6a,6bが誘電体基板9に配設されたストリップライン15a,15b等で形成されている。また、実施の形態2と同様に、短絡導体によってグランド導体1と放射導体2とが短絡されている。それらについては上述の各実施の形態で説明したため、詳細な説明を省略する。
【0054】
なお、本実施の形態では、グランド導体1と放射導体2とを短絡させる短絡導体が、略等間隔に配置された複数のスルーホール18で形成されている。そして、その複数のスルーホール18は、長方形の放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる。なお、略等間隔とは、厳密に等間隔であってもよく、あるいは、製造誤差等に応じた誤差等の程度だけ等間隔でなくてもよいという意味である。各スルーホール18の一端はグランド導体1に接続され、他端は放射導体2の一辺の付近に接続されている。その結果、放射導体2の一辺がグランド導体1に短絡されることになる。このように、本実施の形態によるアンテナ20は、マイクロストリップアンテナによって実施の形態2の片側短絡型の平面アンテナを実現したものであり、その動作原理は、実施の形態2と同様である。
【0055】
以上のように、本実施の形態によるアンテナ20は、片側短絡型マイクロストリップアンテナとしてアンテナ20を構成することができ、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。したがって、従来の背面同軸給電やT字プローブの場合に比べて広帯域な特性を得ることができる。また、アンテナ20をマイクロストリップアンテナとして実現できるため、容易に製造することができるようになる。
【0056】
なお、本実施の形態では、短絡導体である複数のスルーホール18が、放射導体2の一辺の全体と、グランド導体1とを短絡させる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、図21に示すように、短絡導体である略等間隔で配置された複数個のスルーホール18は、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させてもよい。その場合においても、その動作原理は変わらないため、同様の効果が得られる。なお、短絡導体であるスルーホール18の個数は1個であってもよい。ここで、短絡導体であるスルーホール18が、放射導体2の一辺の一部と、グランド導体1とを短絡させる場合に、その短絡させる箇所は1箇所であってもよく、2箇所以上であってもよい。後者の場合でも、その2箇所以上の短絡箇所は、放射導体2の一辺に含まれていなくてはならない。また、短絡導体が3以上のスルーホール18で形成されている場合に、3以上のスルーホール18は、前述のように略等間隔で配置されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0057】
また、実施の形態3,4では、グランド導体1及び放射導体2が誘電体基板9の表面に存在する場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、グランド導体1の上にさらに別の誘電体の層が存在してもよい。そのような場合には、実施の形態3,4において、グランド導体1から放射導体2までの層について説明したと考えてもよい。
【0058】
また、上記各実施の形態において、グランド導体1と放射導体2との間隔が、使用周波数における1/20波長以下のより狭い場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。グランド導体1と放射導体2との間隔が1/20波長より大きい場合であっても、従来のL字状のプローブやT字状のプローブを用いたアンテナと同程度の帯域を有することになる。
【0059】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上より、本発明によるアンテナによれば、T字プローブを折り返し構造とした折り返しT字プローブによって平面アンテナを構成したため、従来例に対して広帯域化を実現することができ、例えば、マイクロストリップアンテナ等として有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 グランド導体
2 放射導体
3 折り返しT字プローブ
4 第一のT字導体
4a、5a、21a 横辺部
4b、5b、21b 縦辺部
5、21 第二のT字導体
6a 第一の端部接続導体
6b 第二の端部接続導体
7 給電回路
8 短絡導体
9 誘電体基板
14a、15a ストリップライン
14b、15b、18 スルーホール
16a、16b 面取り部
17a、17b 切り欠き部
20 アンテナ
22 孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のグランド導体と、
前記グランド導体に対して略平行に配置される放射導体と、
前記グランド導体と前記放射導体との間に配置される折り返しT字プローブと、を備え、
前記折り返しT字プローブは、
縦辺部と、当該縦辺部の第一の端部に接続される横辺部とを有するT字状の第一のT字導体と、
縦辺部と、当該縦辺部の第一の端部に接続された横辺部とを有し、前記第一のT字導体と略同一形状であり、かつ前記第一のT字導体に対して略平行に配置される少なくとも一つの第二のT字導体と、
前記第一のT字導体及び前記第二のT字導体の有する横辺部の各々の第一の端部を接続する第一の端部接続導体と、
前記第一のT字導体及び前記第二のT字導体の有する横辺部の各々の第二の端部を接続する第二の端部接続導体と、を有し、
前記第一のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、前記グランド導体を介して給電回路に接続され、
前記第二のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、前記グランド導体に接続され、
前記折り返しT字プローブによって前記放射導体を電磁結合によって給電する、アンテナ。
【請求項2】
前記放射導体は、長方形もしくは正方形であり、
長方形もしくは正方形の前記放射導体の一辺の一部または全体と、前記グランド導体とを短絡させる短絡導体をさらに備えた、請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
第一の面上に前記グランド導体が設けられ、前記第一の面と反対側の面である第二の面上に前記放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、
前記折り返しT字プローブの縦辺部は、前記誘電体基板のスルーホールで形成され、
前記折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、前記誘電体基板のストリップラインで形成される、請求項1記載のアンテナ。
【請求項4】
第一の面上に前記グランド導体が設けられ、前記第一の面と反対側の面である第二の面上に前記放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、
前記折り返しT字プローブの縦辺部は、前記誘電体基板のスルーホールで形成され、
前記折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、前記誘電体基板のストリップラインで形成され、
前記短絡導体が、前記誘電体基板の一または複数のスルーホールによって形成される、請求項2記載のアンテナ。
【請求項1】
板状のグランド導体と、
前記グランド導体に対して略平行に配置される放射導体と、
前記グランド導体と前記放射導体との間に配置される折り返しT字プローブと、を備え、
前記折り返しT字プローブは、
縦辺部と、当該縦辺部の第一の端部に接続される横辺部とを有するT字状の第一のT字導体と、
縦辺部と、当該縦辺部の第一の端部に接続された横辺部とを有し、前記第一のT字導体と略同一形状であり、かつ前記第一のT字導体に対して略平行に配置される少なくとも一つの第二のT字導体と、
前記第一のT字導体及び前記第二のT字導体の有する横辺部の各々の第一の端部を接続する第一の端部接続導体と、
前記第一のT字導体及び前記第二のT字導体の有する横辺部の各々の第二の端部を接続する第二の端部接続導体と、を有し、
前記第一のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、前記グランド導体を介して給電回路に接続され、
前記第二のT字導体の有する縦辺部の第二の端部は、前記グランド導体に接続され、
前記折り返しT字プローブによって前記放射導体を電磁結合によって給電する、アンテナ。
【請求項2】
前記放射導体は、長方形もしくは正方形であり、
長方形もしくは正方形の前記放射導体の一辺の一部または全体と、前記グランド導体とを短絡させる短絡導体をさらに備えた、請求項1記載のアンテナ。
【請求項3】
第一の面上に前記グランド導体が設けられ、前記第一の面と反対側の面である第二の面上に前記放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、
前記折り返しT字プローブの縦辺部は、前記誘電体基板のスルーホールで形成され、
前記折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、前記誘電体基板のストリップラインで形成される、請求項1記載のアンテナ。
【請求項4】
第一の面上に前記グランド導体が設けられ、前記第一の面と反対側の面である第二の面上に前記放射導体が設けられた誘電体基板をさらに備え、
前記折り返しT字プローブの縦辺部は、前記誘電体基板のスルーホールで形成され、
前記折り返しT字プローブの横辺部並びに第一及び第二の端部接続導体は、前記誘電体基板のストリップラインで形成され、
前記短絡導体が、前記誘電体基板の一または複数のスルーホールによって形成される、請求項2記載のアンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−239144(P2012−239144A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108550(P2011−108550)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年2月28日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会2011年総合大会講演論文集」に発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「ICT機器内ハーネスのワイヤレス化の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成23年2月28日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会2011年総合大会講演論文集」に発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「ICT機器内ハーネスのワイヤレス化の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】
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