説明

アントシアニジンを含む組成物及び使用方法

本明細書に記載され、そして本発明において特徴づけられる組成物は、デルフィニジン、例えばベリーに見出されるデルフィニジンを包含する、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組み合わせを含んで成るそれらの組成物を包含する。組成物は任意には、アンドログラホリド、例えばアンドログラフィス属の植物に見出されるアンドログラホリドを含んで成る組成物、又はミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体、及びプロアントシアニジン類、例えばバシニウム属の植物のハルバに見出されるプロアントシアニジンの組合せを含んで成る組成物のいずれかを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、一定量及びタイプのアントシアニジン類及び/又はそれらのグルコシド対応物を含む種々の組成物に関する。それらの組成物は単独で製造され、そして使用され得、又は他の組成物、例えばアンドログラホリドを含むそれらと組合して製造され、そして使用され得る。組成物は、医薬製剤として配合され得、又は食品、例えば飲料水及び穀物バー中に組込まれ得る。それらの管理又は消費は、免疫機能の維持を助け、免疫系を刺激し、炎症を低め、そして他の所望しない状態(例えば、代謝性症候群)に対して保護する。
【背景技術】
【0002】
アントシアニジン類及びアントシアニン類(糖基を含むアントシアニジン類)は、多くの種類の天然に存在する色素である。ほとんどの果物、花及びベリーの色彩は、アントシアニジン類及びアントシアニン類のそれらの含有率はより決定される。
他は、アントシアニジン類についての使用を提案している。例えば、アントシアニジン類及びアントシアニジン誘導体は、感染された細胞における抗ウィルス効果、及び新形成細胞における抗腫瘍効果を示すことが提案されている(PCT/NO97/00100号(WO97/41137号)を参照のこと)。アントシアニンに富んでいる抽出物がまた、障害性代謝症候群の処理のために開示されている(アメリカ特許公開番号2009/0176718号を参照のこと)。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、デルフィニジンに富んでいるアントシアニン又はアントシアニジン調製物を含む組成物の我々の研究に一部、基づかれる。アントシアニン類、及びベリー抽出物の抗酸化性質に有意な興味が存在するが、これは、我々の知識によれば、一定量のアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類のみならず、また一定量及び/又は一定タイプのデルフィニジンを含む組成物の最初の記載である。本発明の種々の組成物及び方法も同様に、他の区別できる特徴を有する。
【0004】
第1の観点においては、本発明の組成物は、1又は複数のデルフィニジンを富化された、1又は複数のアントシアニジン及び/又はアグリコール(aglycolic)アントシアニン類を含む。例えば、アントシアニジン類又はアントシアニン類の量又はタイプ、又はデルフィニジンの量又はタイプのいずれか(又は両者)は、天然に存在する組成物、例えばベリー又は他の植物部分又は製品に見出されるそれらとは異なることができる(例えば、多い)。本発明の態様においては、デルフィニジン含有(例えば、デルフィニジンに富んでいる)組成物は、追加の特定の化合物、例えばアンドログラホリド(例えば、アンドログラフィス(Andrographis)属の植物からの)を含むことができる。本発明に態様においては、デルフィニジン含有(例えば、デルフィニジンに富んでいる)組成物は、特定の化合物、例1又は複数の次のものを含むことができる:ミルチリン、シアニジン、ケルセチン、カフェオイルキナ酸誘導体、プロアントシアニジン及び/又はプロアントシアニン(例えば、バシニウム(Vccinium)属の植物のハルブ(例えば、葉)に見出されるような)。
【0005】
より特定には、本発明は、(a)組成物の少なくとも又は約35重量%がアントシアニン又はアントシアニジンであり、そして(b)前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類の少なくとも又は約15重量%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである、多くのアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類から成るか又はそれらを含む組成物を特徴とする。それらの組成物及び本発明の組成物のいずれかは、非毒性であり得、そしてすべては天然に存在しない(すなわち、天然の製品とは同一でない)。示されたように、組成物は、糖含有デルフィニジン、例えばデルフィニジングリコシド(例えば、デルフィニジン−3−O−サムブビオシド−5−O−グルコシド)を含むことができる。
【0006】
デルフィニジンの量は、本明細書に示されるパラメーターに従って変化することができる。例えば、アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類の少なくとも又は約15重量%(例えば、少なくとも又は約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%)が、デルフィニジン、例えばデルフィニジン−3−O−サムブビオシド−5−O−グルコシドであり得る。異なって表現すると、前組成物の少なくとも又は約5重量%(例えば、少なくとも又は約5%、10%、15%、20%又はそれ以上)が、デルフィニジン、例えばデルフィニジン−3−O−サムブビオシド−5−O−グルコシドであり得る。
【0007】
本発明の組成物においては、前記アントシアニン類又はアントシアニジン類の1又は複数、例えばすべてが、次の式:
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、R1, R2, R3, R4, R5, R6及びR7の個々は独立して、-H, -OH又はOCH3(下記表1を参照のこと)である]に適合する。
【0010】
特定の配合が下記にさらに論じられるが、及び配合方法、例えば他のアントシアニン含有調製物についてのそれらの方法は医薬及び食品産業においては知られているが、我々は、本発明の組成物が経口消費(例えば、食品の成分として)又は経口投与(例えば、錠剤、ピル、カプセル、カプレット及び同様のものとして)のために配合され得るか、又はそれらは非経口路による投与のために配合され得ることを、ここに示す。
【0011】
本発明の組成物(上記及びさらに下記に記載されるような)はまた、アンドログラホリドを含むことができ、そしてアンドログラホリドを富化され得る(例えば、アンドログラホリドは、組成物の少なくとも又は約10重量%(例えば、少なくとも又は約10%、15%、20%、25%、30%又はそれ以上)を構成することができる)。前記アンドログラホリドは、アンドログラホリド、デオキシ−アンドログラホリド、ネオアンドログラホリド、又はそれらの混合物であり、そしてそれは、アンドログラフィス(Andrographis)(例えば、アンドログラファス・パニキュラタ(Andrographus paniculata))属の植物の抽出物内に含まれ得る。アンドログラホリドの量は、アントシアニン類及び/又はアントシアニジンの量に対して表され得、そしてアントシアニン及び/又はアントシアニジン:アンドログラホリドの比は、約1.0:0.1〜約1.0:10(w:w)(例えば、約1.0:0.5(w:w)〜約1.0:2.5(w:w))である。
【0012】
ミルチリン、ケルセチン及び/又はシアニジンを含む組成物(例えば、前記成分に富んでいる組成物)は、少なくとも又は約15%(例えば、少なくとも又は約15%、20%、25%、30%又はそれ以上)のミルチリン、ケルセチン及び/又はシアニジンを含むことができる。
【0013】
本発明の組成物がプロアントシアニン又はプロアントシアニジンを含む場合、それは、バシニウム(Vaccinium)(例えば、バシニウム・アウグスチホリウム(Vaccinium augustifolium)及び/又はバシニウム・ミルチラス(Vaccinium myrtillus))属の植物から抽出される。
本発明の組成物がカフェオイルキネート誘導体を含む場合、それはクロロゲネート又はクロロゲン酸であり得る。
【0014】
他の成分に関しては、プロアントシアニン類及び/又はプロアントシアニジン類の量は、アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類に対して表され得る。例えば、前記多くのアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類:プロアントシアニン及び/又はプロアントシアニジンの比は、約1.0:0.1〜1.0:10(w:w)(約1.0:0.5〜1.0:2.5(w:w))である。カフェオイルキネートが存在する場合、前記多くのアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類:カフェオイルキネート誘導体の比はまた、約1.0:0.1〜1.0:10(w:w)(約1.0:0.5〜1.0:2.5(w:w))である。
【0015】
より特定の態様においては、本発明の医薬組成物は、(a)キャリヤーを含んで成る第1組成物、及び(b)1又は複数のアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る第2組成物約100mg〜400mgを含むことができ、ここで前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類は前記第1組成物の少なくとも35%を構成し、そして前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類の少なくとも15%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである。前記第1組成物は、微晶性セルロース、ラクトース、二酸化珪素、グリセリルモノステアレート、大豆レシチン又は月見草油を含むことができる。もう1つの特定の態様においては、上記医薬組成物は、アントシアニン又はアントシアニジンを含む第2組成物約35%〜45%を含むことができ、そしてアントシアニン類又はアントシアニジン類の約15〜50%は糖フリー又は糖含有デルフィニジンであり得る。
【0016】
医薬組成物はまた、アンドログラホリドを含んで成る第3組成物を含むことができる(例えば、第3組成物の約30〜40%がアンドログラホリドである)。アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る第2組成物:アンドログラホリドを含んで成る第3組成物の比は約1.0:0.5〜1.0:3.0(w:w)である。示されるように、組成物は、カプセルとして(例えば、ソフトセルロースカプセル又はハードゼラチンカプセルとして)配合され得る。
【0017】
もう1つの特定の態様においては、本発明は、次のものを含んで成る医薬組成物を特徴とする:アントシアニジンを含んで成る第1組成物100〜400mg(ここで前記第1組成物の約41%がアントシアニン又はアントシアニジンであり、そして前記アントシアニン類又はアントシアニジン類の約35%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである);アンドログラホリドを含んで成る第2組成物(ここで前記第2組成物の約35%がアンドログラホリドである);及びキャリヤーを含んで成る第3組成物(ここで前記第3組成物は任意には、1又は複数のグリセリルモノステアレート、大豆レシチン、月見草油、微晶性セルロース、ラクトース、二酸化珪素、ホピドン及びナトリウムカルボキシメチルセルロースを含む)。前記第3組成物は、30mgのグリセリルモノステアレート、20mgの大豆レシチン及び700mgの月見草油;400mgの微晶性セルロース、95mgのラクトース及び100mgの二酸化珪素;又は400mgの微晶性セルロース、15mgのポビドン及び10mgのナトリウムカルボキシメチルセルロースを含むことができる。
【0018】
もう1つの特定の態様においては、医薬組成物は、(a)キャリヤーを含んで成る第1組成物、(b)1又は複数のアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る第2組成物約100mg〜400mg(ここで前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類は前記第1組成物の少なくとも35%を構成し、そして前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類の少なくとも15%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである)、及び(c)カフェオイルキナ酸を含むことができる。
【0019】
上記及びさらに下記に記載される組成物は、種々の処理及び予防方法に使用され得る。1つの観点においては、本発明は、中でも、本明細書に記載される組成物を、免疫機能を維持するのに十分な量で及び十分な時間、免疫系を無防備状態にすることが知られている明白な条件を有さない対象に投与することにより、対象における免疫機能を維持する方法を特徴とする。組成物は、免疫機能を維持するのに十分な量及び時間、投与され得る。本発明の方法のいずれかにおいて、対象はヒトであるが、但しそれだけには制限されず、そして本発明の方法のいずれかは、組成物の“使用”として表され得る。例えば、上記方法は、薬物の調製(例えば、免疫機能の維持への使用のための薬物の調製)のために本明細書に記載されるような組成物の使用として表され得る。前記方法はさらに、、食餌標準及び/又は運動プログラムを対象のために処方する段階を含むことができる。
【0020】
処理される対象は、家畜として維持される動物であり、そして対象が家畜として維持される動物である場合、前記組成物の投与が予防性抗生物質処理についての必要性を低めるか、又は回避する。家畜は中でも、牛、羊、豚、鶏、七面鳥又は鴨を包含する。
【0021】
本発明は、本明細書に記載されるような組成物を、患者の免疫系を刺激するのに十分な量及び十分な時間、前記患者に投与することを含んで成る、免疫系が有害的に抑制される条件を有する患者の処理方法を特徴とする。前記患者はヒトであり、そして前記条件は、癌又は後天性免疫欠損症候群である。
【0022】
本発明は、本明細書に記載されるような組成物を、対象における炎症の徴候又は症状を低めるか又は改善するのに十分な量及び十分な時間、対象に投与することを含んで成る、対象における炎症を処理するための方法を特徴とする。 前記患者はヒトであり、そして前記炎症は、熱傷又は他の外傷性損傷、化学的刺激物又は毒素、感染(例えば、細菌又はウィルス感染)、又は自己免疫疾患により引起される。
【0023】
本発明は、本明細書に記載されるような組成物を、患者における代謝症候群の徴候又は症状を低めるか又は改善するのに十分な量及び十分な時間、患者に投与することを含んで成る、患者における代謝症候群の処理方法を特徴とする。前記患者はヒトであり、そして前記代謝症候群は、糖尿病、又は病状X、又はCHAOSに関連している。
本発明の1又は複数の態様の詳細は、添付図面及び下記の記載に示される。本発明の他の特徴、目的及び利点は、前記の記載及び図面、及び請求項から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、デルフィニジンの組成物により処理されたJurkat T細胞におけるカルシウム流れの4測定についての平均分光蛍光結果を示す。
【図2】図2Aは、50μMのデルフィニジンを含んで成る組成物により処理されたJurkat T細胞におけるカルシウム流れの4測定についての平均分光蛍光結果を示す。図2Bは、50μMのデルフィニジン及び10μMのBTP-2を含んで成る組成物により処理されたJurkat T細胞におけるカルシウム流れの4測定についての平均分光蛍光結果を示す。
【図3】図3は、100μM又は50μMのU7312212により前処理され、そして50μMのデルフィニジンにより処理されたJurkat T細胞についての分光蛍光結果を示す。
【0025】
【図4】図4Aは、0, 24, 48及び72時間後、デルフィニジンに富んでいる、1.75μg/mlのサンプルにおける最終濃度のアントラシアニジン類を含んで成る組成物により処理されたCaCo-2細胞のイムノブロットにおけるCOX-2レベルを示す。図4Bは、24時間後、デルフィニジンに富んでいる、1.75μg/mlのサンプルにおける最終濃度のアントシアニジン類を含んで成る組成物により処理されたCaCo-2細胞の即時PCRにおけるRNAm COX-2発現レベルを示す。図4Cは、デルフィニジンに富んでいる、1.75μMのサンプルにおける最終濃度のアントラシアニジン類を含んで成る本発明の組成物と共に、又はデルフィニジンに富んでいる、1.75μMのサンプルにおける最終濃度のアントシアニジン類及び50μMのアンドログラホリドを含んで成る本発明の組成物と共に、30分間プレインキュベートされ、そしてfMLPにより3時間、処理されたヒト好中球のイムノブロットにおけるCOX-2発現レベルを示す。
【0026】
【図5】図5は、レポーターベクターPPar-γ-Lucによりトランスフェクトされ、そしてデルフィニジンに富んでいる、0.175μg/ml、1.75μg/ml、17.5μg/mlのサンプルにおける最終濃度のアントシアニジンを含んで成る本発明の組成物により処理された、又はPMA, PGj2又はTNFαにより12時間、処理されたHL-60細胞における、対照に比較してのPPar-γ活性化を示す。
【0027】
【図6】図6は、次のラットの処理の3種のグループ、すなわち水により処理された対照グループ;デルフィニジンに富んでいる、7mg/kgの用量のアントシアニジン類を含んで成る本発明の組成物により処理されたグループ;及びデルフィニジンに富んでいる、70mg/kgの用量のアントシアニジンを含んで成る本発明の組成物により処理されたグループにおける糖血症上昇レベルについての結果;及びこの高められたレベルを低めるための本発明の組成物の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、アントシアニジン類、より好ましくはデルフィニジン類を単独で含んで成るか、又はアンドログラホリド、カフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントアシニジンから選択された化合物を含んで成る他の組成物と組合される多くの組成物を特徴とする。さらに下記に記載されるように、組成物は種々の手段で配合され得る。例えば、本発明内の配合物は、組成物自体、コンパクト経口配合物(例えば、抽出物及びキャリヤーを含むカプセル又は“ゲルタブ”)、及び食品(例えば、ジュース又は穀物バー)を包含する。
【0029】
さらに、本発明は、対象の免疫系を刺激するためへの、明白な条件を有さない対象における免疫機能を維持するためへの(すなわち、外観的に健康な個人(例えば、感染又は免疫性疾患を有するものとして診断されたことがない個人)における免疫機能を促進するか、又は維持するためへの)、認識できる状態(例えば、感染)を有する対象を処理するためへの、対象における炎症状態を処理するためへの、又は代謝性症候群の徴候又は症状を改善するためへのそれらの組成物の使用方法を特徴とする。
【0030】
用語“処理する”又は“処理”とは、1又は複数の次のことの達成を言及する:(a)障害の重症度の低減;(b)処理される障害の特徴的症状の進行の制限;(c)処理される障害の特徴的症状の悪化の制限;(d)これまで障害を有した対象における障害の再発の制限;及び(e)これまで障害に対して微候的であった対象における症状の再発の制限。本発明の方法のいずれかは、処理の必要な患者の同定段階を包含することができる。例えば、対象は、代謝性障害又は炎症を有するかどうかを決定するために、試験され得、そして/又は臨床試験にゆだねられ得る。中でも、処理を受ける病状は、代謝性障害、例えば症状X、ハスリン耐性症候群、Reaven’s症候群、及びCHAOSとして言及される症候群である。糖尿病もまた、処理され得る。
【0031】
より特定には、本発明は、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組み合わせを含んで成る組成物を特徴とする。1つの態様においては、組成物は植物抽出物内に見出される1又は複数の化合物を含む(すなわち、組成物が抽出物に基づかれるが、しかし抽出物自体ではない場合、組成物は抽出物内に天然において見出されるアントシアニジン類のいくらか又はすべてを含むことができる)。例えば、組成物(例えば、栄養製品又は食品)は、抽出物に天然において存在するアントシアニジン類のいくらか、ほとんど又はすべてを含むことができる。アントシアニジンは、次の式:
【0032】
【化2】

【0033】
[式中、R1, R2, R3, R4, R5, R6及びR7の個々は独立して、-H, -OH又はOCH3である]に適合し、そしてアントシアニジン類の少なくとも15%(例えば、アントシアニジン類の少なくとも又は約15%、20%、30%、40%、45%、50%又はそれ以上)がデフィニジンである。デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せは、デルフィニジン及びシアニジンの両者を含むことができる。
【0034】
本発明の組成物は、特定量のアントシアニジンが存在するそれらの組成物に限定されないが、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物の少なくとも(又は約)35%(例えば、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物の少なくとも又は約35, 40, 41, 42, 43, 44, 45又は50%)が、式Iのアントシアニジンであり得る。
【0035】
アントシアニン類は、pHに従って、赤、紫又は青色に見える水溶性液胞性フラボノイド色素である。アントシアニン類は高等植物の組織に存在し、そして葉、茎、根、花及び加実に色彩を提供する。光合成組織(例えば、葉及びいくつかの茎)においては、アントシアニン類は青−緑及びUV光を吸収することにより、高い光損傷から細胞を保護し、それにより、光阻害から組織を保護する。
【0036】
アントシアニン類(糖基を有するアントシアニジン類)は、ほとんど、アントシアニジン類の3−グルコシドである。アントシアニン類は、糖フリーアントシアニジンアグリコン及びアントシアニングリコシドに細分される。我々は、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物がアントシアニジン類の混合物を含むことができることを明白にすることを所望する。デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン類の組合わせはまた、シアニジンを含むことができる。
【0037】
源に関して、本発明の組成物は、アリストテリア(Aristotelia)、アロニア(Aronia)、エンテルペ(Enterpe)、グリシン(Glycine)、プルナス(Prunus)、リベス(Ribes)、ルバス(Rubus)、サムブカス(Sambucus)、バシニウム(Vaccinium)又はゼア(Zea)属の植物(任意には、果実又は他の食用植物製品を包含する)から抽出されるアントシアニジン類の組合せを含むことができる。アリストテリア属が使用される場合、抽出物は植物アリストテリア・キレンシス(Aristotelia chilensis)から製造され得る。前記果物又は他の食用植物製品が、アサイーベリー、コケモモの実、クロスグリ、黒豆、ブラックベリー、ブルーコーン、ブルーベリー、サクランボ、チョークベリー、クランベリー、エルダーベリー、グスベリー、マキベリー、ムラサキトウモロコシ、ラズベリー又はアカスグリであり得る。
【0038】
バシニウム種の植物、例えばブルーベリー、クランベリー及びコケモモの実、ルバス(Rubus)ベリー、例えばブラックラズベリー、レッドラズベリー及びブラックベリー、クロスグリ、ナスビの皮、黒米、コンコードブドウ及びムスカジンブドウ、赤ワイン、レッドキャべツ及び紫花弁がアントシアニン類に富んでおり、そして本発明の抽出物の源として使用され得る。アントシアニン類は、バナナ、アスパラガス、エンドウ豆、ウイキョウ、セイコウナシ及びジャガイモには多くないが、それらの植物の果実はまた、本発明の組成物の製造に使用され得る。高い量のアントシアニン類が、黒豆(Glycine max L. Merr.)の種子の皮膜(2000mg/100g)及びブラックチョークベリー(Aronia melanocarpa L.)の皮膜及びパルプ(1480mg/100g)に見出され、それらはまた、本発明の組成物の製造においても有用である。
【0039】
アリストテリア・キレンシス(Aristotelia chilensis)においては、主成分は、約0.9〜1.5%の濃度で果実に通常存在する、シグリコシドの形でのシアニジン及びデルフィニジンの誘導体である。
【0040】
より一般的には、アントシアニジン類の組合せは、アントシアニン類を含むいずれかの植物材料、例えばアリストテリア属(例えば、アリストテリア・キレンシス)又はバシニウム属(例えば、バシニウム・アウグスチホリウム(Vacciniumu augustifolium)又はバシニウム・コリムボサム(Vaccinium corimbosum))における1又は複数の植物からのベリーから調製され得る。
【0041】
組成物はさらに、キャリヤー又は賦形剤(例えば、油、例えば植物油又は動物油(例えば、魚油))を含むことができ、そして経口投与のために配合され得る。多不飽和ω−3酸に富んでいる油、例えばオエノセラ・ビエニス(Oenothera biennis)又はリヌム・ウサチシマム(Linum usatissimum)油又は魚油において抽出物を配合するために都合良く添加され得る。本発明の組成物のいずれかはまた、アジュバント、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤を含むことができる。微生物の作用は、抗菌剤、抗真菌剤又は抗ウィルス剤(例えば、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸及び同様のもの)の包含により阻害され得る。
【0042】
等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム及び同様のものを包含することがまた所望される。適切な緩衝剤は次のものを包含する:酢酸及び塩(1〜2%w/v);クエン酸及び塩(1〜3%w/v);硼酸及び塩(0.5〜2.5%w/v);及びリン酸及び塩(0.8〜2%w/v)。適切な保存剤は、塩化ベンズアルコニウム(0.003〜0.03%w/v);クロロブタノール(0.3〜0.9%w/v);パラベン(0.01〜0.25%w/v)及びチメロサール(0.004〜0.02%w/v)を包含する。
【0043】
経口投与に関して、組成物(すぐ上に記載されるか又は本明細書に記載されるそれらを包含する)は、錠剤、糖剤又はカプセル(例えば、バード又はソルトゼラチンカプセル又はセルロース基材のカプセル)として配合され得る。
【0044】
他方では、本発明の組成物のいずれかは、食品として配合され得るか、又は食品中に組込まれ得る。食品の形は高く変化することができ、そしていずれかの飲物又は飲料水(すなわち、液体形で摂取される溶液)、穀物又は穀物型バー又は“エネルギー”バーを包含する。飲料水として配合される場合、本発明の組成物は、本明細書に記載されるように、飲料水成分及び希釈剤を含むことができる。前記飲料水成分は、有益性、例えば感染の攻撃性を提供し、所望する栄養プロフィールを提供することに、及び増強された感覚刺激性質を提供するために、飲料水の効能を増強する成分を含むことができる。飲料成分は、茶、炭酸飲料又は栄養飲料であり得る。飲料水成分はさらに、1又は複数の興奮飲料又はフラバノール、糖又はノンカロリー甘味剤、ビタミン、風味剤、着色剤、保存剤、酸味剤、又は希釈剤(例えば、水)を含むことができる。本明細書における抽出物又は活性化合物は、本発明の飲料水配合物に分散され、溶解され、又は他方では、混合され得る。
【0045】
デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、免疫系が好ましくなく抑制されている状態を有する対象を処理するために使用され得る。例えば、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、免疫系が抑制される対象において、免疫刺激剤として作用することができる。精製された又は合成された成分(例えば、アントシアニジン類の混合物)から生成される組成物もまた、それらの処理方法に使用され得る。組成物は、対象における免疫刺激を促進するのに十分な量及び十分な時間、対象(例えば、ヒト)に投与され得る。
免疫抑制は例えば、癌又は後天性免疫欠損症候群を有する対象において存在する。
【0046】
我々の研究は、デルフィニジンに富んでいる組成物が、対象(例えば、ヒト)、例えば免疫系を無防備状態にするいずれかの明白な状態も有さない対象における免疫機能の維持において有用であることを示唆する。それらの方法は、アントシアニン類の組合せを含んで成り、そしてデルフィニジンに富んでいる組成物を対象に投与することを包含する。組成物は、対象における免疫機能を維持するのに十分な量で及び十分な時間、投与される。それらの組成物は免疫機能の維持において、及び従って、健康状態の促進又は維持において有用であるので、それらは食餌プログラムと共に及び運動プログラムと共に投与され得る。
【0047】
それらの及びいずれか他の本発明の組成物がまた、食餌と共に摂取され得る。免疫性は年齢と共に低下し、そして天然の免疫応答は、個人年齢として及び多くの状態に関連して、悪影響を受ける。それらの状態、例えばストレス及び種々の疾病、例えば癌、AIDS、肝炎及び他の疾病は、免疫抑制薬物の使用を包含する。デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、免疫性の天然の崩壊の妨害を所望するいずれかの環境下で使用され得る。例えば、それらは、一般的に健康な個人に投与され得る。個人は一定の年齢のものであり得る(例えば、50才以上の男性又は閉経近くか又は閉経後の女性)。
【0048】
デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物はまた、免疫抑制処理の副作用として、又は癌及び感染(例えば、細菌、菌類又はウィルス感染)に関連して発生する免疫性の低下を妨げるために使用され得る。
正しい細胞免疫(インターフェロンγ、いくつかのインターロイキン類)応答の欠失が、多くの生命−脅威の障害に包含されるキー特徴である。
【0049】
対象はヒトであり得るが、本発明はそのようには制限されない。デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、動物(例えば、ペットとして、動物園に、又は家畜として維持される動物)に投与され得る。家畜として維持される動物(例えば、手、羊、豚、ヤギ、鶏、七面鳥、鴨又は他の鳥)においては、組成物の投与は、予防性抗生物質処理の必要性を回避することができる。
【0050】
デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物はまた、対象における炎症を処理するためにも使用され得る。例えば、デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、炎症を処理するために使用され得る。精製された又は合成された化合物(例えば、アントシアニジン類の混合物)から生成される組成物もまた、それらの処理方法に使用され得る。組成物は、対象における炎症を阻害するのに十分な量及び十分な時間、対象(例えば、ヒト)に投与され得る。
【0051】
当業者が認識するように、有効投与量は、多くのパラメーターに基づいて変化することができ、そして特定の投与量が当業界において知られている方法により決定され得る。一般的に、我々は、本発明の組成物又はそこにおける活性成分の治療的有効量を、約0.001mg/kg〜約10g/kg体重(例えば、約0.005, 0.001, 0.05, 0.1, 1.0, 10.0,100, 250又は500mg/kg体重)に予測する。いくつかのそのような態様によれば、デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物の治療的有効量は、少なくとも又は約1g/kg体重(例えば、少なくとも又は約2.5, 5.0, 7.5又は10.00g/kg体重)である。それらの投与は、正確な含有率又は意図される使用にもかかわらず、適切である。
【0052】
炎症は、種々の条件又は外部損傷により引起され得る。例えば、炎症は、熱傷又は他の外傷性損傷、化学的刺激物又は毒素、感染(例えば、細菌又は感染)、又は自己免疫疾患により引起され得る。
【0053】
デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、代謝症候群の処理のために対象に投与され得る。組成物は、代謝症候群の徴候又は症状を改善するのに十分な量及び十分な時間、投与され得る。この方法又は本明細書に記載される方法のいずれかに関しては、前記方法は、組成物の投与から有益であることが予測される対象を同定する段階を包含することができる。例えば、本発明の方法は、患者が代謝症候群を有するか、又はたぶん有するかどうか、及び従って、記載される組成物による処理のための候補体であり得るかどうかを決定するために、診断試験及び/又は患者の試験及び/又はインタービューを実施する段階を包含することができる。
【0054】
代謝症候群は、肥満及び糖尿病に関連している。従って、デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、肥満及び/又は糖尿病が代謝症候群の関係内で発生するか、又は代謝症候群に関係ないかどうかに関係なく、それらの肥満及び/又は糖尿病を処理するために使用され得る。デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物はまた、コレステロールレベル、例えばLDL及びトリグリセリドのレベルの調節を助けるためにも使用され得る。本発明の組成物は、代謝症候群に関係して又はその症候群に関係なく、それらの状態を処理するために使用され得る。
【0055】
タイプII糖尿病の発生は、世界じゅうで急速に上昇しており、そしてそれは西欧世界において流行的割合に達して来た。それはまた、発展途上国においても上昇しており、そして推定1億9400万人の人々が現在、苦しめられている。末梢インスリン耐性がキー特徴であり、そしてその現象は、集合的には、代謝症候群(又は症候群X)として言及される多くの生命脅威の障害に包含される。
【0056】
他の態様においては、組成物は、(a)デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せ、及び(b)アンドログラホリドを含んで成る組成物を含んで成ることができる。デルフィニジンに富んでいる組成物は、精製された又は合成された化合物から製造され得る。デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せの少なくも35%(例えば、少なくとも又は約35%、40%、45%、又は50%)が、下記式:
【0057】
【化3】

【0058】
[式中、R1, R2, R3, R4, R5, R6及びR7の個々は独立して、-H, -OH又はOCH3である]に適合し、そしてアントシアニジン類の少なくとも15%(例えば、アントシアニジン類の少なくとも又は約15%、20%、30%、40%、45%、50%又はそれ以上)がデフィニジンである。デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せは、デルフィニジン及びシアニジンの両者を含むことができ、そして化合物は、植物、任意には、例えばアリストテリア(Aristotelia)(例えば、アリストテリア・キレンシス)、アロニア(Aronia)、エンテルペ(Enterpe)、グリシン(Glycine)、プルナス(Prunus)、リベス(Ribes)、ルバス(Rubus)、サムブカス(Sambucus)、バシニウム(Vaccinium)又はゼア(Zea)属の果実又は他の食用植物製品から抽出され得る。
【0059】
果実又は他の食用植物製品は、アサイーベリー、コケモモの実、クロスグリ、黒豆、ブラックベリー、ブルーコーン、ブルーベリー、サクランボ、チョークベリー、クランベリー、エルダーベリー、グスベリー、マキベリー、ムラサキトウモロコシ、ラズベリー又はアカスグリであり得る。
【0060】
アンドログラホリドを含んで成る組成物の少なくとも30%(例えば、少なくとも又は約30, 35, 40又は45%)が、アンドログラホリド(例えば、アンドログラホリド、デオキシ−アンドログラホリド、ネオアンドログラホリド、又はそれらの混合物)であり得る。アンドログラホリドを含んで成る組成物は、アリストテリア(例えば、アリストテリア・キレンシス)の植物のハルバ(herba)(例えば、葉)から調製され得る。
【0061】
デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せ:アンドログラホリドを含んで成る組合せの比は、約1.0:0.5(w:w)〜約1.0:10.0(w:w)(例えば、約1.0:0.1、1.0:0.5、1.0:1.0、1.0:1.5、1.0:2.0、1.0:2.5、1.0:3.0、1.0:3.5、1.0:4.0、1.0:4.5、1.0:5.0、1.0:5.5、1.0:6.0、1.0:6.5、1.0:7.0、1.0:7.5、1.0:8.0、1.0:8.5、1.0:9.0、1.0:9.5、1.0:10.0又は1.0:10.5)であり得る。
【0062】
アンドログラホリドを含んで成る組成物と組合された、デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、キャリヤー又は賦形剤と共に配合され、そして栄養補給食品として又は食品に関係して投与され得る。
【0063】
アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、免疫系が好ましくなく抑制されている状態を有する対象を処理するために使用され得る。例えば、アンドログラホリド類組み合わせを含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、免疫系が抑制される対象において、免疫刺激剤として作用することができる。精製された又は合成された成分(例えば、アントシアニジン類及びアンドログラホリド類の混合物)から生成される組成物もまた、それらの処理方法に使用され得る。組成物は、対象における免疫刺激を促進するのに十分な量及び十分な時間、対象(例えば、ヒト)に投与され得る。
免疫抑制は例えば、癌又は後天性免疫欠損症候群を有する対象において存在する。
【0064】
我々の研究は、アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物が、対象(例えば、ヒト)、例えば免疫系を無防備状態にするいずれかの明白な状態も有さない対象における免疫機能の維持において有用であることを示唆する。それらの方法は、a)デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せ、及びb)アンドログラホリドを含んで成る組成物を含む組成物を、対象に投与することを包含する。組成物は、対象における免疫機能を維持するのに十分な量で及び十分な時間、投与される。
【0065】
それらの組成物は免疫機能の維持において、及び従って、健康状態の促進又は維持において有用であるので、それら(及び本明細書に記載される他の組成物)は食餌プログラムと共に及び運動プログラムと共に投与され得る。それらの及びいずれか他の本発明の組成物がまた、食餌と共に摂取され得る。免疫性は年齢と共に低下し、そして天然の免疫応答は、個人年齢として及び多くの状態に関連して、悪影響を受ける。それらの状態、例えばストレス及び種々の疾病、例えば癌、AIDS、肝炎及び他の疾病は、免疫抑制薬物の使用を包含する。アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、免疫性の天然の崩壊の妨害を所望するいずれかの環境下で使用され得る。例えば、それらは、一般的に健康な個人に投与され得る。個人は一定の年齢のものであり得る(例えば、50才以上の男性又は閉経近くか又は閉経後の女性)。
【0066】
アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物はまた、免疫抑制処理の副作用として、又は癌及び感染(例えば、細菌、菌類又はウィルス感染)に関連して発生する免疫性の低下を妨げるために使用され得る。
【0067】
正しい細胞免疫(インターフェロンγ、いくつかのインターロイキン類)応答の欠失が、多くの生命−脅威の障害に包含されるキー特徴である。
【0068】
対象はヒトであり得るが、本発明はそのようには制限されない。アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、動物(例えば、ペットとして、動物園に、又は家畜として維持される動物)に投与され得る。家畜として維持される動物(例えば、手、羊、豚、ヤギ、鶏、七面鳥、鴨又は他の鳥)においては、組成物の投与は、予防性抗生物質処理の必要性を回避することができる。
【0069】
アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物はまた、対象における炎症を処理するためにも使用され得る。例えば、アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、炎症を処理するために使用され得る。精製された又は合成された化合物(例えば、アントシアニジン類及びアンドログラホリン類の混合物)から生成される組成物もまた、それらの処理方法に使用され得る。組成物は、対象における炎症を阻害するのに十分な量及び十分な時間、対象(例えば、ヒト)に投与され得る。
【0070】
当業者が認識するように、有効投与量は、多くのパラメーターに基づいて変化することができ、そして特定の投与量が当業界において知られている方法により決定され得る。一般的に、我々は、本発明の組成物又はそこにおける活性成分の治療的有効量を、約0.001mg/kg〜約10g/kg体重(例えば、約0.005, 0.001, 0.05, 0.1, 1.0, 10.0,100, 250又は500mg/kg体重)に予測する。いくつかのそのような態様によれば、アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物の治療的有効量は、少なくとも又は約1g/kg体重(例えば、少なくとも又は約2.5, 5.0, 7.5又は10.00g/kg体重)である。それらの投与は、正確な含有率又は意図される使用にもかかわらず、適切である。
【0071】
炎症は、種々の条件又は外部損傷により引起され得る。例えば、炎症は、熱傷又は他の外傷性損傷、化学的刺激物又は毒素、感染(例えば、細菌又は感染)、又は自己免疫疾患により引起され得る。
【0072】
アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、代謝症候群の処理のために対象に投与され得る。組成物は、代謝症候群の徴候又は症状を改善するのに十分な量及び十分な時間、投与され得る。この方法又は本明細書に記載される方法のいずれかに関しては、前記方法は、組成物の投与から有益であることが予測される対象を同定する段階を包含することができる。例えば、本発明の方法は、患者が代謝症候群を有するか、又はたぶん有するかどうか、及び従って、記載される組成物による処理のための候補体であり得るかどうかを決定するために、診断試験及び/又は患者の試験及び/又はインタービューを実施する段階を包含することができる。
【0073】
代謝症候群は、肥満及び糖尿病に関連している。従って、アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、肥満及び/又は糖尿病が代謝症候群の関係内で発生するか、又は代謝症候群に関係ないかどうかに関係なく、それらの肥満及び/又は糖尿病を処理するために使用され得る。アンドログラホリド類を含んで成る組成物と共に組合されたデルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物はまた、コレステロールレベル、例えばLDL及びトリグリセリドのレベルの調節を助けるためにも使用され得る。本発明の組成物は、代謝症候群に関係して又はその症候群に関係なく、それらの状態を処理するために使用され得る。
【0074】
タイプII糖尿病の発生は、世界じゅうで急速に上昇しており、そしてそれは西欧世界において流行的割合に達して来た。それはまた、発展途上国においても上昇しており、そして推定1億9400万人の人々が現在、苦しめられている。末梢インスリン耐性がキー特徴であり、そしてその現象は、集合的には、代謝症候群(又は症候群X)として言及される多くの生命脅威の障害に包含される。他の態様においては、本発明は、(a)デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せ、及び(b)ミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物を含んで成る組成物を特徴とする。それらの組成物においては、デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物の少なくとも又は約35%(例えば、少なくとも又は約35%、40%、41%、42%、43%、44%、45%又は50%)が、下記式:
【0075】
【化4】

【0076】
[式中、R1, R2, R3, R4, R5, R6及びR7の個々は独立して、-H, -OH又はOCH3である]のアントシアニジンを含み、そしてアントシアニジン類の少なくとも15%(例えば、アントシアニジン類の少なくとも又は約15%、20%、30%、40%、45%、50%又はそれ以上)がデフィニジンである。デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン組合せは、デルフィニジン及びシアニジンの両者を包含することができる。
【0077】
デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物は、アリストテリア・キレンシス植物であり得るアリストテリア属の植物から抽出され、そしてミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物は、例えばバシニウム・アウグスチホリウム(Vaccinium augustifolium)及び/又はバシニウム・ミルチラス(Vaccinium myrtillus)及び/又はバシニウム・コリムボサム(Vaccinium corimbosum)であり得るバシニウム属の植物から抽出され得る。バシニウムの他の種が使用され得るが、しかしそれらは最も経剤的に実効可能な源間にある。
【0078】
1つの態様においては、ミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物は、バシニウム属の植物のハルバ(葉)から抽出され得る。
バシニウム属の植物からの組成物は、ミルチリン、ケルセチン、又はコーヒー酸誘導体(例えば、クロロゲン酸)を含むことができる。バシニウム・アウグスチホリウム及び/又はバシニウム・コリムボサムの抽出物においては、カフェオイルキナ酸の含有率は、20%の範囲にあり得る。
【0079】
デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン組合せを含んで成る組成物:ミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物の比は、約1.0:0.5(w:w)〜約1.0:10.0(w:w)(例えば、約1.0:0.1、1.0:0.5、1.0:1.0、1.0:1.5、1.0:2.0、1.0:2.5、1.0:3.0、1.0:3.5、1.0:4.0、1.0:4.5、1.0:5.0、1.0:5.5、1.0:6.0、1.0:6.5、1.0:7.0、1.0:7.5、1.0:8.0、1.0:8.5、1.0:9.0、1.0:9.5、1.0:10.0又は1.0:10.5)であり得る。本明細書に記載される他の組成物に関しては、それらの組成物は、植物材料自体から抽出されるよりもむしろ、精製された又は合成された化合物(例えば、アントシアニジン類、ミルチリン、ケルセチン又はコーヒー酸誘導体からの)から調製され得る。
【0080】
成分の源に関係なく、化合物は経口投与又は消費のために配合され得る。例えば、組成物はさらに、キャリヤー又は賦形剤(例えば、植物油又は動物油(例えば、魚油))を含むことができる。組成物は、経口投与のために、既知技術を用いて、錠剤、カプセル及び同様のものに適合され得るか、又は食品(例えば、飲物(又は飲料水)又は穀物タイプのバー)に配合され得る。
【0081】
(a)デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン、及び(b)ミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物を含む組成物は、代謝症候群の処理のために対象に投与され得る。組成物は、代謝症候群の徴候又は症状を改善するのに十分な量及び十分な時間、投与され得る。この方法又は本明細書に記載される方法のいずれかに関しては、前記方法は、組成物の投与から有益であることが予測される対象を同定する段階を包含することができる。例えば、本発明の方法は、患者が代謝症候群を有するか、又はたぶん有するかどうか、及び従って、記載される組成物による処理のための候補体であり得るかどうかを決定するために、診断試験及び/又は患者の試験及び/又はインタービューを実施する段階を包含することができる。
【0082】
代謝症候群は、肥満及び糖尿病に関連している。従って、バシニウム属の植物から抽出され得る、ミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物は、肥満及び/又は糖尿病が代謝症候群の関係内で発生するか、又は代謝症候群に関係ないかどうかに関係なく、それらの肥満及び/又は糖尿病を処理するために使用され得る。バシニウム属の植物から抽出され得る、ミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物はまた、コレステロールレベル、例えばLDL及びトリグリセリドのレベルの調節を助けるためにも使用され得る。本発明の組成物は、代謝症候群に関係して又はその症候群に関係なく、それらの状態を処理するために使用され得る。
【0083】
タイプII糖尿病の発生は、世界じゅうで急速に上昇しており、そしてそれは西欧世界において流行的割合に達して来た。それはまた、発展途上国においても上昇しており、そして推定1億9400万人の人々が現在、苦しめられている。末梢インスリン耐性がキー特徴であり、そしてその現象は、集合的には、代謝症候群(又は症候群X)として言及される多くの生命脅威の障害に包含される。
【0084】
我々はしばしば、アントシアニジン類を言及するが、アントシアニジン類の糖含有対応物(アントシアノシドフラベノイド又はアントシアニン)もまた、本発明の組成物に包含され得る。従って、下記に言及される量はアントシアニジン類、アントシアノシド類、又は前記2種(それらのいずれか又は両者は本発明の組成物に含有され得る)の組合せに適用できる。従って、いずれかの態様において、組成物は、アントシアニジンの糖含有対象物である、1又は複数の化合物を含むことができる。すなわち、前記組成物は、本明細書に引用される1又は複数のアントシアニジン類の他に、又はその代わりに、対応する糖含有アントシアノシドフラベノイド(また、アントシアニンとしても知られている)を含むことができる。
【0085】
従って、アントシアニジン組合せを含んで成る組成物は少なくとも1つの次のものを含むことができる:デルフィニジン−3−ガラクトシド;デルフィニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−ガラクトシド;デルフィニジン−3−アラビノシド;シアニジン−3−グルコシド;ペツニジン−3−ガラクトシド;ペツニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−アラビノシド;ペオニジン−3−ガラクトシド;ペルニジン−3−アラビノシド;マルビジン−3−ガラクトシド;ペオニジン−3−グルコシド;マルビジン−3−グルコシド;ペオニジン−3−アラビノシド;マルビジン−3−アラビノシド;デルフィニジン−6−アセチル−3−グルコシド;シアニジン−6−アセチル−3−グルコシド;マルビジン−6−アセチル−3−ガラクトシド;ベツニジン−6−アセチル−3−グルコシド;ペニジン−6−アセチル−3−グルカシド;及びマルビジン−6−アセチル−3−グルコシド。他方では、又はさらに、抽出物は少なくとも1つの次のものを含むことができる:デルフィニジン−3−サムブビオシド−5−グルコシド;デルフィニジン−3,5−ジグルコシド;シアニジン−3−サムブビオシド−5−グルコシド;シアニジン−3,5−ジグルコシド;デルフィニジン−3−サムブビオシド;デルフィニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−サムブビオシド;及びシアニジン−3−グルコシド。
【0086】
【表1】

【0087】
表1は、式1の選択されたアントシアニジン類及びそれらの置換類を示し、それらのいずれかが特定されるように、本発明の組成物中に組込まれ得る。示されるように、アグリコール対応物がまた使用され得る。
組成物は水性組成物であり得る。
【0088】
経口吸収を改善するために、本発明の組成物は、親油性キャリヤーに懸濁され得、ここでそれらのキャリヤーは、植物油(例えば、ピーナツ油、大豆油、トウモロコシ油及びオリーブ油)、半合成植物油、例えば分別されたヤシ油(中位の鎖の脂肪酸トリグリセリド混合物)、不飽和ポリグリコールグリセリド(GPGI)及び鉱油、例えば液体パラフィンを包含することができる。動物油、例えば魚油もまた使用され得る。正確な源にもかかわらず、油はまた、不飽和オメガ−脂肪酸及びリン脂質に富んでいるそれらの油であり得る。
【0089】
懸濁液は、キャリヤーに、微細化された抽出物を懸濁することにより(例えば、室温での撹拌により)、調製され得る。従来の流動学的改質剤がまた、懸濁液の物理的安定性を最適化するために添加され得、そして従来の界面活性剤(より一般的には、キャリヤー又は賦形剤として言及する)、例えば大豆レシチンが良好な保湿性を確保するために添加され得る。次に、得られる油状懸濁液が、ゼラチンカプセルに直接的に分配され得、又は適切な賦形剤、例えばコロイド状二酸化珪素、澱粉又はマンニトール上に吸収され得る。第2の場合、香紛において粉砕され、そして分配される練り物が得られるか、又は錠剤の調製のために使用され得る。
【0090】
オレアナン及びアルサン(ursane)骨格を有する他のポリフェノール及びトリテルペン類が、本発明の組成物に存在することができ、そしてまた、それらの効果を改善するであろう。
【0091】
アントシアニジン類又はアントシアノシド類の量に関して、その上限は50%、60%、70%、75%、80%、85%又は90%以下であり得る。例えば、組成物においては、アントシアニジン含有率は少なくとも5%(例えば、30%)であるが、しかし抽出物の80%(w/w)以下であり得る。
【0092】
今日までの我々の研究は、本明細書に記載される組成物が相乗的に作動することを示唆する。従って、アンドログラホリド類を含んで成る組成物により、又はミルチリン、ケルセチン又はカフェオイルキナ酸誘導体及びプロアントシアニジン類から選択された化合物の組合せを含んで成る組成物により組合されたアントシアニジン組合せを含んで成る組成物の効果は、それらの2種の組成物を単純に組合すことから予測されるよりも高く;それらは単純に付加的ではない。
【0093】
本明細書に記載される組成物はまた、いくつかのジテルペン類を含むことができる。それらの化合物は免疫刺激効果を有するので、それらは本発明の組成物のいずれかに含まれ得る。
【0094】
1つの態様においては、組成物は前述の植物から抽出され得る。
選択された植物の抽出物は、植物抽出物を調製するために、当業界において知られており、そして使用される方法に従って調製され得る。前記方法は、抽出物から抽出物への再現性及びコンシステンシーを改良するために標準化され得る。前記方法は、成熟果実、新鮮又は凍結果実、又は特定される場合、植物のハルバにより開始することができる。抽出は、有機酸又は鉱酸の存在下でエタノールにおいて、又は亜硫酸水素イオンの存在下で水により果実を抽出することにより進行することができる。J. B. Hrborne, The Flavonoids, Chapman & Hall ED. London p227を参照のこと。亜硫酸水素イオンは、当業界において知られている方法により(例えば、二酸化硫黄の添加により、又は単純にメタ亜硫酸水素ナトリウムの添加により)、調製され得る。
【0095】
果実:メタ亜硫酸水素塩含有水の比は1:10であり、そしてアントシアノシド類:亜硫酸水素ナトリウムのモル濃度比は、1:3である。次に、pHは一般的に1〜3.5の範囲である、亜硫酸水素塩アダクトの溶液は、そのpHが5に達するので、アルカリ化され、そして続いて、非イオン原性ポリマー樹脂を含むカラムを通して溶出され得る。酸性条件下で、アントシアノシド−亜硫酸水素塩アダクトは、pH5で抽出物に存在する他のポリフェノールにより吸収され得る。亜硫酸水素塩アダクトは驚くべきことには、溶液に存続し、ところが他のフェノール類は吸収され、そしてその結果、アントシアノシドから分離される。
【0096】
この方法により、ポリフェノール性物質又は純粋なアントシアノシドファミリーの実質的にすべてを含む2種の抽出物を調製することが可能である。全フェノール画分の場合、抽出物はアルキル化され得ず、そして酸性pHで樹脂上に直接、通され;化合物の吸収の後、カラムは、塩及び糖、及び不活性化合物を排除するために、水により溶出され得る。最終的に、樹脂は、亜硫酸水素塩アダクトとしてアントシアノシドを含むポリフェノール性物質の回収のためにエタノールによる洗浄される。アルコール性溶液は、果実重量の体積が半分に達するまで、約25〜40℃(例えば、35℃)の範囲の温度で真空下で濃縮され得る。次に、その濃縮物は、窒素に富んでいる雰囲気下で、希酸(例えば、塩酸)により酸性化され、二酸化硫黄が除去される。
【0097】
ガス流は、水酸化ナトリウム水溶液において泡立てられ、環境下での二酸化硫黄汚染物が回避される。フェノール性物質のすべてを含む濃縮物が蒸発乾燥される。純粋なアントシアノシド画分の調製の場合、濃縮物はpH6でアルキル化され、そしてn−ブタノール又は酢酸エチルにより抽出され、プロシアニジン類及びタンニン様物質が除去され得る。次に、その溶液が、上記のようにして、塩酸により酸性化され、二酸化硫黄が除去され得る。この場合、抽出物におけるアントシアノシド含有率は、90〜95%の範囲である。
【0098】
アンドログラホリドの調製物(例えば、アンドログラフィス・パニキュラタ抽出物)が濃縮される限り、乾燥された葉が、抽出できるが十分に回収されるまで、水混合性アルコールの混合物(例えば、水を含むエタノール、例えばエタノール/水50%v/v)と共に粉砕した後、抽出され得る。組合されたヒドロ−アルコール抽出物が濃縮され、この点で、曇った沈殿物及び葉の細かな粒子、等が濾過される。樹脂が水により溶出され、所望しない物質、例えば糖、ペプチド及び塩がほとんど排除され、そして次に、活性主成分が、消耗又は同様の現象まで、95%エタノールにより溶出される。エタノール溶出物が、約40℃を越えない温度で、真空下で濃縮され得る。アンドログラホリドの含有率は、一定の要因、例えば葉におけるオリジナル含有率に依存して、30〜40%の範囲にあることが予測される。
【0099】
この抽出物は、そのまま使用され得るか、又はアリストテリス・キレンシス又は他のアンドシアニジン含有植物の精製された抽出物と組合して使用され得る。
アントシアニン類は、糖フリーアントシアニジンアグリコン及びアントシアニングリコシドに細分され、そして本発明の方法の組成物はいずれかのタイプ又は両タイプのアントシアニン類を包含することができる。
本発明の組成物における個々のアントシアニン又は特定のアントシアニン又は他の活性化合物の治療的含有量は、約0.01mg/kg体重から約1g/kg体重に変化することができる。
【0100】
本発明の組成物のアントシアニン成分は、1又は複数の次のものを含むことができる:デルフィニジン−3−ガラクトシド;デルフィニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−ガラクトシド;デルフィニジン−3−アラビノシド;シアニジン−3−グルコシド;ペツニジン−3−ガラクトシド;ペツニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−アラビノシド;ペオニジン−3−ガラクトシド;ペルニジン−3−アラビノシド;マルビジン−3−ガラクトシド;ペオニジン−3−グルコシド;マルビジン−3−グルコシド;ペオニジン−3−アラビノシド;マルビジン−3−アラビノシド;デルフィニジン−6−アセチル−3−グルコシド;シアニジン−6−アセチル−3−グルコシド;マルビジン−6−アセチル−3−ガラクトシド;ベツニジン−6−アセチル−3−グルコシド;ペニジン−6−アセチル−3−グルカシド;及びマルビジン−6−アセチル−3−グルコシド;デルフィニジン−3−サムブビオシド−5−グルコシド;デルフィニジン−3,5−ジグルコシド;シアニジン−3−サムブビオシド−5−グルコシド;シアニジン−3,5−ジグルコシド;デルフィニジン−3−サムブビオシド;デルフィニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−サムブビオシド;及びシアニジン−3−グルコシド。
【0101】
我々は、所望する生理学的応答又は結果を誘発するために対象又は患者の身体と相互作用する、本発明の組成物における化合物を言及するために、用語“治療剤”及び“活性剤”を、交換可能に使用することができる。活性剤は、少なくとも1つのフラボノイド又はアントシアニン、又はその誘導体又は変異体、ブルーベリーのアントシアニン、例えば次のものであり得るが、但しそれらだけには限定されない:
【0102】
デルフィニジン−3−ガラクトシド;デルフィニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−ガラクトシド;デルフィニジン−3−アラビノシド;シアニジン−3−グルコシド;ペツニジン−3−ガラクトシド;ペツニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−アラビノシド;ペオニジン−3−ガラクトシド;ペルニジン−3−アラビノシド;マルビジン−3−ガラクトシド;ペオニジン−3−グルコシド;マルビジン−3−グルコシド;ペオニジン−3−アラビノシド;マルビジン−3−アラビノシド;デルフィニジン−6−アセチル−3−グルコシド;シアニジン−6−アセチル−3−グルコシド;マルビジン−6−アセチル−3−ガラクトシド;ベツニジン−6−アセチル−3−グルコシド;ペニジン−6−アセチル−3−グルカシド;及びマルビジン−6−アセチル−3−グルコシド、又はマクイベリーのアントシアニン、例えばデルフィニジン−3−サムブビオシド−5−グルコシド;デルフィニジン−3,5−ジグルコシド;シアニジン−3−サムブビオシド−5−グルコシド;シアニジン−3,5−ジグルコシド;デルフィニジン−3−サムブビオシド;デルフィニジン−3−グルコシド;シアニジン−3−サムブビオシド;及びシアニジン−3−グルコシド。
【0103】
“抽出する”とは、本明細書において使用される場合、化学的又は物理的工程により、お互い、1つの物質を抜き取り、回収し、蒸留し、又は他方では、分離する工程を言及する。抽出物は、植物から抽出された、固体、粘性又は液体物質、又は混合された合成化合物集団、又は同様のもの(濃縮された形でそのエッセンスを含む)であり得る。我々はまた、“薬物キャリヤー”、“キャリヤー”又は“ビークル”として“キャリヤー”を言及し、それらの用語は、本明細書に記載されるようなアントシアニン化合物、又はその変異体又は誘導体の投与のために適切なキャリヤー材料を言及する。
【0104】
本発明の組成物において有用なキャリヤーは、非毒性であり、そして他の成分と活動的に相互作用しない(すなわち、それらは不活性であると思われる)、当業界において知られている多くの材料を包含する。“医薬的に許容できるキャリヤー”は、活性剤の安定性又は生物利用性を改良することができる医薬的に通常使用されるいずれかの実質的に非毒性のキャリヤーである。有用なキャリヤーは、飽和又は不飽和であり得る、エステル化されたグリセリドを包含する。有用なキャリヤーはまた、ポリエチレングリコール及び脂肪酸を包含する。本発明の医薬組成物はまた、適切な固体又はゲル相キャリヤー又は賦形剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖、澱粉、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリマー、例えばポリエチレングリコール)を包含することができる。
【0105】
液体であろうと、又は固体であろうと、本発明の医薬組成物は、マイクロカプセル封入され得、そして適切な場合、1又は複数の賦形剤と共に、コクリエート化され、微小金粒子上に被覆され、リポソーム、すなわち組織中への移植のためのペレットに包含され、又は組織中に通過されるよう目的物上で乾燥され得る。本発明の医薬組成物はまた、顆粒、ビーズ、粉末、錠剤、被覆された錠剤、(マイクロ)カプセル、坐薬、シロップ、エマルジョン、懸濁液、クリーム、ドロップ、又は持効性活性化合物を有する調製物の形で存在することができ、それらの調製においては、賦形剤及び添加剤及び/又は助剤、例えば砕解剤、結合剤、被覆剤、湿潤剤、滑剤又は溶解剤が上記の様にして通常使用される。医薬組成物は、種々の薬物供給システムへの使用のために適切である。
【0106】
本明細書に記載されるアントシアン類は、医薬的に許容できる塩の形で供給され得る。医薬的に使用される場合、その塩は医薬的に許容できるべきであるが、しかし医薬的に許容できない塩は、医薬的に許容できるその塩を調製するために便利に使用され得る。そのような塩は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:次の酸から調製されるそれらの塩:塩酸、臭酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、蟻酸、マロン酸、琥珀酸、ナフタレン−2−スルホン酸及びベンゼンスルホン酸。また、そのような塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類塩、例えばカルボン酸グループのナトリウム、カリウム又はカルシウム塩として調製され得る。
【0107】
“医薬的に許容できる塩”とは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答及び同様のものを伴わないで、ヒト及び下等動物の組織と接触しての使用のために適切であり、そして適切な有益性/危険性比と相応するそれらの塩を意味する。塩は、本発明内に記載される化合物の最終単離及び精製の間、又は適切な有機酸と遊離塩基官能基との反応により別々に、現場調製され得る。代表的な酸付加塩は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、亜硫酸水素塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭酸塩、ヨウ酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオネート)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、p−トルエンスルホン酸塩及びウンデカン酸塩。
【0108】
また、塩基性窒素−含有基は、低級アルキルハロゲン化物、例えばメチル、エチル、プロピル及びブチル塩化物、臭化物及びヨウ化物;ジアルキルスルフェート、例えばメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミルスルフェート;長鎖ハロゲン化物、例えばデシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリル塩化物、臭化物及びヨウ化物;アリールアルキルハロゲン化物、例えばベンジル及びフェネチル臭化物及び他のもののような剤と四級化され得る。それにより、水又は油−溶性又は分散性生成物が得られる。医薬的に許容できる酸付加塩を形成するために使用され得る酸の例は、塩酸、臭酸、硫酸及びリン酸のような無機酸及びシュウ酸、マレイン酸、琥珀酸及びクエン酸のような有機酸を包含する。
【0109】
塩基性付加塩は、カルボン酸−含有成分と、適切な塩基、例えば医薬的に許容できる成分の水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩とを、又はアンモニア又は有機第一、第二又は第三アミンとを反応せしめることにより、本発明内に記載される化合物の最終単離及び精製の間、現場調製され得る。医薬的に許容できる塩は、アルキル金属又はアルカリ土類金属に基づくカチオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩及び同様のもの、及び非毒性第四アンモニア、及びアミンカルチオン、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン及び同様のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない。
【0110】
塩基付加塩の形成のために有用な他の代表的有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジン及び同様のものを包含する。医薬的に許容できる塩はまた、十分に塩基性の化合物、例えばアミンと、生理学的に許容できるアニオンを付与する適切な酸とを反応せしめることにより、当業界において良く知られている標準方法を用いても得られる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム又はリチウム)又はアルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)塩がまた製造され得る。
【0111】
配合物は単位投与形で便利には提供され得、そして薬学の業界において良く知られている方法のいずれかにより調製され得る。すべての方法は、1又は複数のアクセサリー剤を構成するキャリヤーと、糖フリーアントシアニジンアグリコン及び/又はアントシアニングリコシド又はその誘導体又は変異体との結合をもたらす段階を包含する。一般的に、配合物は、流体キャリヤー又は細かく分割された固体キャリヤー、又は両者と活性剤との結合を、均等に且つ親密にもたらし、そして次に、必要なら、生成物を所望する配合物に形状化することにより調製される。
【0112】
本明細書に記載されるようなアントシアニン及びアントシアニジン、又は医薬的に許容できるそのエステル、塩、溶媒化合物又はプロドラッグは、所望する作用を弱めない他の活性材料と共に、所望する作用を補充する材料(例えば、本明細書に記載されるアンドログラホリド)と共に混合され得る。非経口、皮膚内、皮下、鞘内又は局所適用のために使用される溶液又は懸濁液は、例えば次の成分を含むことができるが、但しそれらだけには限定されない:
【0113】
無菌の希釈剤、例えば注射用水、塩溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム;キレート化剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝液、例えば酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩、及び等張性の調節のための剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロース。親調製物は、ガラス又はプラスチックにより製造された、アンプル、使い捨て注射器又は多用量バイアルに封入され得る。静脈内投与される特定のキャリヤーは、生理食塩水又はリン酸緩衝溶液(PBS)である。
【0114】
次の例は、本発明を詳細に例示するが、しかしそれらは発明の範囲を制限するものではない。他の態様は、当業者に明らかになるであろう。
【実施例】
【0115】
例1アントシアニジン類及びポリフェノール類を含むA.キレンシス抽出物の調製
15gのアントシアニジン類を含むアリストテリア・キレンシスの凍結果実(1kg)を、5×1Lのエタノール/水(50%v/v)により抽出し;個々の抽出は4時間、実施された。第1及び第2抽出の両者に関して、7.5gの亜硫酸水素ナトリウムを、エタノール/水溶媒に溶解した。抽出された液体を、エタノールを排除するために、30℃の温度で真空下で2Lの体積に濃縮した。その濃縮物を、25〜60メッシュの粒子サイズを有する非極性ポリスチレン樹脂2.5Lのカラム上に負荷した。カラムを、10Lの水により洗浄し、そして次に、3Lのエタノール(95%)により洗浄した。そのエタノール溶液を、撹拌下で0.5L(実質的にエタノールを除去する)に濃縮し、そしてその濃縮された溶液を、NaOH溶液中に泡立てることにより、窒素流下でpH1に酸性化し、SO2を除去した。次に、暗赤色の溶液を真空下で注意して濃縮乾燥した。約30%のアントシアニジン含有率の抽出物150gを得た。
【0116】
例2アントシアニジン類及びポリフェノール類を含むA.キレンシス抽出物の調製
アントシアニジン類及びポリフェノール類の両者を含むアリストテリア・キレンシス抽出物を、例1の方法に実質的に従って調製した。但しエタノール溶液を1Lに濃縮し、そして酸性化の後、水により2.5Lに希釈し、そして例1に記載されるような2Lのポリスチレンカラム上に負荷した。カラムを記載されるように、エタノールにより溶出した。この工程により、抽出物の収量は約135gであり、そして約41%のアントシアニジンを含んだ。
【0117】
例3A. キレンシスからの高含有率のアントシアニジン類を有する抽出物の調製
15gのアントラアニジン類を含むアリストテリア・キレンシスの凍結果実(1kg)を、5×1Lのエタノール/水(50%v/v)により抽出した。個々の抽出は4時間、実施された。第1及び第2抽出の両者に関して、7.5gの亜硫酸水素ナトリウムを、エタノール/水溶媒に溶解した。抽出された液体を、エタノールを排除するために、30℃の温度で真空下で2Lの体積に濃縮した。その混合物を、NaOHの10%溶液の添加によりpH5.5にアルカリ化し、そして2Lの非極性ポリスチレン樹脂を含むカラム上に負荷した。カラムを2Lの水により溶出した。
【0118】
次に、水性溶出物を2Lに濃縮し、そして塩酸の添加によりpH1に酸性化し、そして次に、非極性ポリスチレン樹脂のもう1つの2Lカラム上に負荷した。我々は、溶出物が無色になるまで、水による洗浄を続けた。アントシアニジン類を、エタノールが無色になるまで、エタノールによる洗浄により樹脂から回収した。アルコール溶液を濃縮乾燥し、95%アントシアニジンを含む抽出物50gを得た。
【0119】
例4高含有率のアンドログラホリドを有する抽出物の調製
アンドログラフィス・パニキュラタの乾燥された葉(1kg)を、60℃で4時間、5Lのエタノール/水(50%v/v)により抽出した。3種の追加の抽出を、3Lの同じ溶媒混合物を用いて実施し、そして組合された抽出物を、アルコールが排除されるまで、45℃の温度で真空下で濃縮した。水性抽出物を遠心分離し、ポリマー性凝集物及び濁りを排除し、そして透明な溶液を、3Lの非極性ポリスチレン樹脂に通した。カラムを2Lの水により溶出した。吸収された材料を、アルコール溶出物が無色になるまで、樹脂のエタノール洗浄により除去した。アルコール性溶液を濃縮乾燥し、約35%の合計アンドログラホリド類(10%のアンドログラホリド、3%のデオキシアンドログラホリド及び1%のネオアンドログラホリド)を含む抽出物120gを得た。
【0120】
例5高含有率のキナ酸のカフェオイルエステル及びプロアントシアニジン類を有する抽出物
バシニウム・アングスチホリウムの乾燥された葉(1kg)を、60℃で4時間、5Lのエタノール/水(50%v/v)により抽出した。3種の追加の抽出を、3Lの同じ溶媒混合物を用いて実施し、そして組合された抽出物を、アルコールが排除されるまで、45℃の温度で真空下で濃縮した。水性抽出物を遠心分離し、ポリマー性凝集物及び濁りを排除し、そして透明な溶液を、3Lの非極性ポリスチレン樹脂に通した。カラムを2Lの水により溶出した。吸収された材料を、アルコール溶出物が無色になるまで、樹脂のエタノール洗浄により除去した。アルコール性溶液を濃縮乾燥し、約35%のカフェオイルキナ酸類、10%のプロシアニジン類、及び3%のトリテルペン酸を含む抽出物120gを得た。
【0121】
例6デルフィニジンは細胞内カルシウム放出を用量−依存性態様で誘発した
我々は、Jurkat T細胞における細胞内カルシウム放出に対するデルフィニジンの効果を評価した。抽出物は、例1の方法に従って調製された。
【0122】
0.9mMのCaCl2を有するハンクス溶液(HBSS)媒体(Invitoroggen)中、Jurkat T細胞を、37℃で30分間、フラ−2−アセトキシメチルエステル(2.5mMのFURA−2−AM)と共に負荷し、洗浄し、そして10μM、50μM及び100μMのデルフィニジンにおいてインキュベートした。Ca2+の流れを、340及び380nmでの励起及び509nmでの発光の比を、分光計(LS55, PerkinElmer)において37℃で300秒間、測定した。
【0123】
【表2】

【0124】
表2に示されるように、処理後300秒間、340〜380nmの励起及び509nmでの発光の比の曲線下の面積(AUC)は、デルフィニジン濃度により変化した。10μM、50μM及び100μMのデルフィニジンにおいてインキュベートされた細胞に関しては、曲線下の面積は、未処理の対照細胞について得られたその面積よりも、それぞれ66.7%、275%及び316.7%高かった。それらの結果は、デルフィニジンが用量−依存性態様でJurkat T細胞においてCa2+流を誘発したことを示した。
【0125】
例7デルフィニジンはカルシウム流を通してT細胞を活性化した
我々は、次にJurkat T細胞における細胞内カルシウム侵入及び放出に対するデルフィニジンの効果の機構を調べた。
【0126】
カルシウム放出を測定するために、4×106個のFURA 2−AM−負荷されたJurkat T細胞を、例6に記載のようにして、HBSSカルシウムフリー媒体においてインキュベートした。細胞を、50μMのデルフィニジンにおいて、又は50μMのデルフィニジン及び10μMのN−[4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−1−イル]フェニル]−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド(BTP−2、Store−Operated Calcium Entry (SOCE)インヒビター)においてインキュベートした。Ca2+の放出を、分光計(LS55, PerkinElmer)において、37℃で200秒間、340及び380nmでの励起及び509nmでの発光の比として測定した。
【0127】
【表3】

【0128】
表3に示されるように、デルフィニジンのみにより処理されたサンプル、及びデルフィニジン及び10μMのBTP−2により処理されたサンプルの両者は、340及び380nmでの励起及び509nmでの発光の比のピークを生成した。デルフィニジンのみ及びデルフィニジン+10μMのBTP−2においてインキュベートされたサンプルについての曲線下の面積(AUC)は、未処理の対照細胞のその面積よりも、それぞれ1700%及び1566%高かった。それらのデータは、デルフィニジンのみ、及びデルフィニジン+10μMのBTP−2の両者がカルシウム放出を誘発したことを示唆した。
【0129】
200秒後、カルシウム侵入を測定するために、カルシウムレベルが基線に戻る場合、0.9mMのCaCl2を添加し、そしてCa2+の流れを、150秒間、分光計において、340及び380nmで励起及び509nmでの発光の比として測定した。
【0130】
【表4】

【0131】
表4に示されるように、デルフィニジンのみ及びデルフィニジン+10μMのBTP-2においてインキュベートされたサンプルについての曲線下の面積は、未処理の対照細胞について得られた値のそれぞれ184.2%及び100%であった。
【0132】
それらの結果は、BTP−2、すなわちSOCEのインヒビターが侵入を阻害したが、しかしCaCl2の放出を阻害しなかったことを示し、このことは、デルフィニジンが、Jurkat T細胞においてSOCEを通して細胞内カルシウム放出及びカルシウム侵入を誘発し、そしてデルフィニジンがカルシウム流を通してT細胞を活性化したことを示唆する。
【0133】
例8デルフィニジンは、可逆性であるT細胞におけるカルシウム放出により特徴づけられる細胞活性化を誘発した
4×106個のFURA 2−AM−負荷されたJurkat T細胞を、HBSSカルシウムフリー媒体においてインキュベートした。次に、その細胞を、50μMのデルフィニジンにおいてインキュベートし、そしてCa2+の流れを、分光計(LS55, PerkinELmer)において37℃で、340及び380nmでの励起及び509nmでの発光の比として測定した。
【0134】
図1に示されるように、カルシウム放出のピークを、デルフィニジン処理に続いて観察した。ピークは、2分後、基線に徐々に低下した。それらの結果は、デルフィニジンが可逆性カルシウム放出を誘発したことを示し、このことは、T細胞のデルフィニジン活性化が可逆性カルシウム放出により特徴づけられることを示唆する。
【0135】
例9デルフィニジンが貯蔵操作されたカルシウム流を通して細胞活性化を誘発した
我々は、例7に記載される方法に実質的に従って、貯蔵操作されたカルシウム流に対するデルフィニジンの効果を評価した。
【0136】
4×106個のFURA 2−AM−負荷されたJurkat T細胞を、HBSSカルシウムフリー媒体においてインキュベートした。次に、その細胞を、50μMのデルフィニジン又は50μMのデルフィニジン+10μMのBTP-2においてインキュベートし、そしてCa2+の流れを、分光計(LS55, PerkinElmer)において37℃で、340及び380nmでの励起及び509nmでの発光の比として測定した。
【0137】
図2Aは、50μMのデルフィニジンにおいてインキュベートされたJurkat T細胞におけるカルシウム流の4測定の平均についての分光蛍光結果を示す。図2Bは、50μMのデルフィニジン+10μMのBTP-2においてインキュベートされたJurkat T細胞におけるカルシウム流の4測定の平均についての分光蛍光結果を示す。
【0138】
図2Aに示されるデルフィニジン−誘発されたカルシウム流は、貯蔵−操作されたカルシウム侵入(SOCE)インヒビター、すなわちBTP-2の存在下で低められた(図2B)。それらの結果は、貯蔵−操作されたカルシウムチャネルがデルフィニジン−誘発されたカルシウム流を仲介し、そしてデルフィニジンが貯蔵−操作されたカルシウム流を通してJurkat T細胞の細胞活性化を誘発したことを示唆した。
【0139】
例10デルフィニジンはPLC−依存性機構を通してT細胞カルシウム放出を活性化した
我々は、選択的ホスホリパーゼCインヒビターU73122を用いて、デルフィニジン誘発されたカルシウム放出におけるホスホリパーゼC(PLC)の役割を評価した。
【0140】
4×106個のFURA 2−AM−負荷されたJurkat T細胞を、HBSSカルシウムフリー媒体においてインキュベートした。次に、細胞を、50μMのデルフィニジンにおけるインキュベーションの前、10分間、ビークルのみにより、又は50又は100μMのU73122により処理した。Ca2+の流れを、分光計(LS55, PerkinElmer)において37℃で、340及び380nmでの励起及び509nmでの発光の比として測定した。図3に示されるように、U73122による前処理は、ビークルのみにより処理された細胞においては観察されなかったデルフィニジン誘発されたカルシウム流における用量−依存性低下をもたらした。それらのデータは、T細胞のデルフィニジンの活性化がホスホリパーゼCにより介在され、そして膜受容体の活性化を包含することができることを示す。
【0141】
例11デルフィニジンはT細胞におけるインターロイキン−2生成を誘発したが、しかしシアニジンはそうではなかった
我々は、Jurkat T細胞におけるインターロイキン-2(IL-2)生成に対するデルフィニジン及びシアニジンの効果を調べた。
【0142】
RPMI培地における2×106個のJurkat T細胞を、ビークル対照溶液;又はT細胞活性化因子、ホルボール12−ミリステート13−アセテート/イオノマイシン(PMA/Io 2ng/ml 1μM);50μMのデルフィニジン;50μMのデルフィニジン+PMA/Io;50μMのシアニジン;又は50μMのシアニジン+PMA/Ioの存在下で、5%CO2において37℃で48時間インキュベートした。次に、上清液を集め、そしてIL−2生成を、市販のキット(Becton Dickinson, USA)を用いて、その供給者の説明書に従って、ELISAにより分析した。
【0143】
【表5】

【0144】
表5に示されるように、デルフィニジン−処理された細胞は、未処理の対照細胞が生成するよりも、有意に(p<0.05)高いレベルのIL-2(240%高い)を生成したが、ところがシアニジン−処理された細胞は、対照細胞よりもわずかに低いレベルのIL-2(10%低い)を生成した。このデータは、デルフィニジンがJurkat T細胞においてIL−2生成を誘発したが、しかしシアニジンはそうではなかったことを示唆した。
【0145】
予測されるように、陽性対照PMA/Ioは高レベルのIL-2生成を誘発した。デルフィニジン及びシアニジンがPMA/Ioと組合して添加される場合、両化合物はIL-2生成をわずかに低めた。
【0146】
例12デルフィニジンはT細胞におけるインターフェロン−γ(INF-γ)生成を誘発したが、しかしシアニジンはそうではなかった
我々は、Jurkat T細胞におけるインターフェロン−γ(INF-γ)生成に対するデルフィニジン及びシアニジンの効果を調べた。RPMI培地における2×106個のJurkat T細胞を、5%CO2において37℃で48時間インキュベートした。サンプルを、ビークル対照溶液;又はT細胞活性化因子、ホルボール12−ミリステート13−アセテート/イオノマイシン(PMA/Io 2ng/ml 1μM);50μMのデルフィニジン;50μMのデルフィニジン+PMA/Io;50μMのシアニジン;又は50μMのシアニジン+PMA/Ioの存在下でインキュベートした。次に、上清液を集め、そしてINF-γ生成を、市販のキット(Becton Dickinson, USA)を用いて、その供給者の説明書に従って、ELISAにより分析した。
【0147】
【表6】

【0148】
表6に示されるように、デルフィニジン−処理された細胞は、未処理の対照細胞が生成するよりも、有意に(p<0.05)高いレベルのINF-γ(250%高い)を生成したが、ところがシアニジン−処理された細胞は、対照細胞とほぼ同じレベルのINF-γを生成した。このデータは、デルフィニジンがJurkat T細胞においてINF-γ生成を誘発したが、しかしシアニジンはそうではなかったことを示唆した。
【0149】
予測されるように、陽性対照PMA/Ioは高レベルのINF-γ生成を誘発した。IL-2生成に対する効果に比較して、デルフィニジン及びシアニジンがPMA/Ioと組合して添加される場合、前記化合物は、INF-γ生成において相乗効果を示し、すなわちINF-γのレベルは、PMA/Ioのみにより処理された細胞のそのレベルの約2倍であった。
【0150】
例13デルフィニジンはSOCEを通してヒトT細胞におけるIL-2及びINF-γを誘発した
IL-2及びINF-γ生成に対するデルフィニジンの効果をまた、新しく単離されたヒトT細胞に対してアッセイした。ヒトT細胞を、Lymphoprep試薬を用いて、健康なボランティアの血液から単離した。RMPI培地におけるT細胞(1×106)を、ビークル対照溶液;50μMのデルフィニジン;50μMのデルフィニジン+1μMのBTP-2;50μMのデルフィニジン+5μMのBTP-2;50μMのデルフィニジン+10μMのBTP-2;1μMのBTP-2;5μMのBTP-2;又は10μMのBTP-2の存在下で、5%CO2下で37℃で48時間インキュベートした。次に、上清液を集め、そしてIL-2及びINF-γを測定するために、市販のELISAキット(Becton Dickinson, USA)を用いて、その供給者の説明書に従って分析した。
【0151】
【表7】

【0152】
表7に示されるように、デルフィニジン−処理されたヒトT細胞は、未処理の対照細胞が生成したよりも有意に高いレベルのIL-2を生成した。BTP-2は、試験されたすべての濃度でデルフィニジン−誘発されたIL-2生成を有意に(p<0.05)低めた。BTP−2処理のみは、IL-2生成を誘発しなかった。
【0153】
【表8】

【0154】
表8に示されるように、デルフィニジン−処理されたヒトT細胞は、未処理の対照細胞が生成したよりも有意に(p<0.05)高いレベル(950 %高い)のINF-γを生成した。BTP-2は、試験されたすべての濃度で、INF-γのデルフィニジン−誘発された生成における用量−依存性低下を示した。BTP-2処理のみがIL-2生成を誘発しなかった。
一緒にすると、表7及び8に示されるデータは、デルフィニジン−誘発されたIL-2−及びINF−γ生成がSOCE−依存性機能を通してヒトT細胞において介在されることを示唆する。
【0155】
例14デルフィニジンは、活性化されたT細胞の核因子(NFAT)活性化を通してIL-2生成を誘発した
次に、我々は、デルフィニジンが活性化されたT細胞の核因子(NFAT)活性化を
通してIL-2生成を誘発したかどうかを調べた。RPMI培地における2×106個のJurkat T細胞を、ビークル対照溶液;50μMのデルフィニジン;50μMのデルフィニジン+シクロスポリンA(CsA, NFAT経路のカルシネウリンインヒビター);又はCsAのみの存在下で、5%CO2において37℃で48時間インキュベートした。次に、上清液を集め、そしてIL-2生成を測定するために、市販のELISAキット(Becton Dickinson, USA)を用いて、その供給者の説明書に従って分析した。
【0156】
【表9】

【0157】
表9に示されるように、デルフィニジン−処理されたJurkat T細胞は、未処理の対照細胞よりも有意に高いレベルのIL-2を生成した。CsAは、IL−2のデルフィニジン−誘発された生成を有意に低めた(p<0.01)。IL-2生成は、CsAのみにより処理された細胞においては検出されなかった。表9に示されるデータは、デルフィニジンがNFAT活性化を通してJurkat T細胞におけるIL-2の生成を誘発したことを示唆した。
【0158】
例15T細胞におけるIL-2生成に対するアンドログラホリド+デルフィニジンの効果
我々は、新たに収穫されたヒトT細胞及びJurkat細胞系の両者におけるIL-2生成に対するデルフィニジン及びアンドログラホリドの組合せの効果を評価した。アンドログラホリドを、例4に記載される方法に従って調製した。ヒトT細胞を、Lymphoprep試薬を用いて、健康なボランティアの血液から単離した。RMPI培地におけるT細胞(1×106)を、ビークル対照溶液;5nMのアンドログラホリド;50μMのデルフィニジン;又は5nMのアンドログラホリド+50μMのデルフィニジンの存在下で、5%CO2において37℃で48時間インキュベートした。次に、上清液を集め、そして市販のELISAキット(Becton Dickinson, USA)を用いて、その供給者の説明書に従って分析し、IL-2生成を測定した。
【0159】
【表10】

【0160】
表10に示されるように、アンドログラホリド−処理された、及びデルフィニジン−処理されたヒトT細胞は、未処理の対象細胞によりも有意に高いレベル(それぞれ、112%及び117%高い)のIL-2を生成した。驚くべきことには、アンドログラホリド及びデルフィニジンが一緒に添加される場合、それらの2種の化合物はIL-2生成において相乗効果を示し、すなわち、IL-2のレベルは、アンドログラホリド及びデルフィニジンのいずれかのみにより処理された細胞の生成レベルよりも237%高かった。
【0161】
【表11】

【0162】
Jurkat T細胞を、ビークル対照溶液;5nMのアンドログラホリド:50μMのデルフィニジン;又は5nMのアンドログラホリド+50μMのデルフィニジンのいずれかにおいてインキュベートした。表11に示されるように、デルフィニジン−処理されたJurkat T細胞は、未処理の対照細胞が生成するよりも高いレベル(39.4%高い)のIL-2を生成し;わずかな低下がアンドログラホリドにより観察された。驚くべきことによは、アンドログラホリド及びデルフィニジンが一緒に添加される場合、それらの2種の化合物は、IL-2生成に対して相乗効果を示し、すなわちIL-2レベルは、アンドログラホリド及びデルフィニジンのみにより処理された細胞のレベルよりも127%高かった。
【0163】
例16NF-κBの活性化により感染されたアントシアニジン類
我々は、HL-60細胞(ヒト前骨髄細胞白血病細胞)においてルシフェラーゼレポーターアッセイを用いて、NF-κB活性化に対するアントシアニジンの効果を試験した。IMDM培地におけるHL-60細胞を、ルシフェラーゼプロモーターに位置するNF−κBコンセンサス配列を有するレポーターベクターにより、37℃で24時間トランスフェクトし、次に1:500000、1:50000及び1:5000に希釈されたデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類と共にインキュベートした。PMAが陽性対照として使用された。ルシフェラーゼ活性を、二重ルシフェラーゼアッセイキット(Promega)により、その供給者の説明書に従って測定した。レニラルシフェラーゼを構成的に発現したベクターを用いて、アッセイを標準化した。
【0164】
【表12】

【0165】
表12に示されるように、HL−60ルシフェラーゼトランスフェクタントは、ルシフェラーゼ活性において有意な用量−依存性低下を示した(少なくとも3種の独立した実験、P<0.05)。それらのデータは、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類の活性がNF−κBにより介在されることを示唆した。
【0166】
例17インビボモデルにおけるアントシアニジン類の抗−炎症効果
デルフィニジン類に富んでいるアントシアニジン類を含んで成る組成物を、本発明に従って調製した。
【0167】
我々は、急性足底炎症モデルにおけるインビボ炎症に対するアントシアニジン類の効果をアッセイした。炎症を、1%カラゲニン(Sigma−Aldrich)を用いて、Sprague Dawleyラット(200g)において誘発した。動物を、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン35mg/kg(例1に記載される方法に従って調製された)、又はジクロフェナック(2mg/kg)により処理した。処理された足の直径を、6時間に渡ってデジタルカリパスにより測定した。曲線下の面積(ABC0-6)を計算し;結果は表13に示される。
【0168】
【表13】

【0169】
表13に示されるように、デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類による処理は足底水腫を有意に低め(*P<0.05);この低下は、陽性対照剤ジクロフェナックにより達成されるその低下に類似した(**P<0.01)。
【0170】
例18シクロオキシゲナーゼ2発現に対する、アントシアニジン類、及びアンドログラホリドにより組合されたアントシアニジン類の効果
我々は、シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)、すなわち炎症工程を介在する酵素の発現に対するアントシアニジン、及びアンドログラホリドにより組合されたアントシアニジンの効果を分析した。Caco-2細胞(COX-2を構成的に発現する結腸癌の腫瘍系)を、5%CO2下で37℃でMEM培地において培養し、そして1.75μg/mlのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジンと共に24、48又は72時間インキュベートした。COX-2 mRNAのレベルを、SYBRGreen試薬(Stratagene)を用いて、COX-2特異的プライマーを用いる即時RT_PCRにより分析し;βアクチンは内部対照として作用した。COX-2タンパク質のレベルを、特異的COX-2抗体(Cayman)を用いてのイムノブロットによりアッセイし、発現を比較し;βアクチンは標準化された対照として使用された。
【0171】
図4Aは、0, 24, 48及び72時間後、1.75μg/mlのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジンにより処理されたCaCo-2細胞のイムノブロットにおけるCOX-2ポリペプチドレベルを示す。図4Bは、1.75μg/mlのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジンにより24時間、処理されたCaCo-2細胞におけるCOX-2 mRNAレベルを示す。図4Aに示されるように、1.75μg/mlのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジンによる24時間の処理は、COX-2ポリペプチドレベルを約50%低め;さらなる低下が48及び72時間で観察された。図4Bに示されるように、1.75μg/mlのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジンによる24時間の処理は、COX-2 mRNAレベルを対照レベルの50%に、有意に低めた。
【0172】
我々はまた、ヒト好中球におけるCOX-2ポリペプチドレベルを分析した。細胞を、1.75μMのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン、又は1.75μMのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン及び50μMのアンドログラホリドと共に30分間プレインキュベートした。次に細胞を、ホルミル−メチオニル−ロイシル−フェニルアラニン(fMLP)により3時間、処理し、COX-2発現を誘発した。COX-2及びβ−アクチンポリペプチドレベルを、上記のようにしてアッセイした。図4Cに示されるように、1.75μMのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジンによる処理は、COX-2ポリペプチドレベルを低めた。1.75μMのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン及び50μMのアンドログラホリドの組合せによる処理は、COX-2ポリペプチドのさらなる低下をもたらした。
【0173】
例19PPAR-γ活性化に対するアントシアニジン類の効果
PPar-γ(ペルオキシゾーム増殖体−活性化受容体、すなわちインスリンに対する感作に包含される受容体)の活性化を通して糖血レベルを調節する、チアゾリデンジオン(ロシグリタゾン及びピオグリタゾン)由来の薬物群の能力は知られている。アジポキン、前炎症タンパク質及び脂質の発現レベルの変更の他に、PPar-γの活性化はまた、成熟脂肪細胞の脂肪生成の上昇を伴わないで(Sugiiなど.,2009)、インスリンに対する感作を生成する。従って、PPar-γの活性化は、タイプII糖尿病の進行を妨げ、そしてインスリンに対する応答を改善することができる。
【0174】
我々は、PPAR-γ活性化に対するデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類の効果を試験した。IMDM培地におけるHL-60細胞を、Fugene 6試薬(Roche)を用いて、レポーターベクターPPAR-γ‐Luc (5μg)(Panomics)及びTK-RL (1μg)(Promega)によりトランスフェクトし、そして24時間、培養した。次に、細胞を、0.175、1.75又は17.5μg/mlのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類、ホルボールミリステートアセテート(PMA)、15−デオキシ−d12, 14−プロスタグランジンJ2(PGj2)又は腫瘍壊死因子α(TNFα)(対照として)において、12時間インキュベートした。ルシフェラーゼ活性を、Pramegaからの二重ルシフェラーゼレポーターアッセイキット(DLR)を用いて、ルミノメーター(Luminoskan)により測定した。
【0175】
【表14】

【0176】
表14に示されるように、PMA, PGj2及びTNF-αは、PPAR-γ-LucトランスフェクトされたHL-60細胞においてルシフェラーゼ活性を高めた。デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類による処理は、ルシフェラーゼ活性の用量依存性上昇をもたらした。それらのデータは、図5に開示されている。それらのデータは、デルフィニジンに富んでるアントシアニジン類がPPAR−γ活性を高めるので、そのような化合物はタイプII糖尿病において治療有益性を提供できることを示唆する。
【0177】
例20糖尿病性ラットにおける高血糖症に対するデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類の効果
我々は、糖尿病性ラットモデルにおけるデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類の効果を評価した。糖尿病を、ストレプトゾトシンの静脈内注射によりラットにおいて誘発した。7日後、動物の代謝プロフィールを分析し、ラットが高血糖症であるかどうかを決定した。
【0178】
高血糖性ラットを次の異なったグループにランダムに割り当てた:水処理された対照グループ、7mg/kgのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類により処理されたグループ;及び70mg/kgのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類により処理されたグループ。個々のグループは5匹のラットから成った。ラットを、ラットの飲料水に混合されたデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類により2週間、処理した。2週間の処理の後、1mlの血液を個々の動物から、眼窩後方の穿刺により得た。血糖レベルを、グルコースオキシダーゼ方法(Wiener-Lab)により血液において決定した。
【0179】
【表15】

【0180】
約200mg/dlの血糖の上昇が、ストレプトゾトシン処理の前のレベルに比較して、糖尿病性動物に観察された。表15に示されるように、7mg/kgの用量のデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類により処理された高血糖性動物は、低血糖症における有意な低下(p<0.05)を示し;興味あることには、高い用量70mg/kgのデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類により処理された動物は、対照動物の血糖レベルとほぼ同一である血糖レベルを有した。それらのデータは、図6に図示される。
【0181】
例21デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類を含んで成る組成物のハードゼラチンカプセル中への配合
単位組成物内に次の成分を含む:
アントシアニジン類を含んで成る組成物(41%のアントシアニジン類、このアントシアニジン類の35%がデルフィニジンである)・・・・・・400mg
微晶性セルロース・・・・・・・・・・・・・・・・400mg
ラクトース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95mg
二酸化珪素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10mg
【0182】
この例及び一定量の本発明の種々の成分を記載する次の例においては、本発明は、1又は複数の成分について提供される量は例えば約±10%、変化する類似する組成物を包含する。従って、本発明は、例えばアントシアニン/アントシアニジンが360−440mgで存在する、上記に列挙される成分を含んで成る組成物を包含する。
【0183】
例22アンドログラホリド及びデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン(比3:1)を含んで成る組成物のソフトセルロースカプセルのための油状懸濁液中への配合
単位組成物内に次の成分を含む:
アンドログラホリド類を含んで成る組成物
(35%の合計アンドログラホリド類)・・・・・・・300mg
アントシアニジン類を含んで成る組成物
(41%のアントシアニジン類、このアントシアニジン類の35%がデルフィニジンである)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100mg
グリセリルモノステアレート・・・・・・・・・・30mg
大豆レシチン・・・・・・・・・・・・・・・・・20mg
十分な量のメマツヨイグサ油・・・・・・・・・・700mg
【0184】
例23アンドログラホリド及びデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン(比3:1)を含んで成る組成物を含む組成物のハードゼラチンカプセル中への配合
単位組成物内に次の成分を含む:
アンドログラホリド類を含んで成る組成物
(35%の合計アンドログラホリド類)・・・・・・300mg
アントシアニジン類を含んで成る組成物
(41%のアントシアニジン類、このアントシアニジン類の35%がデルフィニジンである)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100mg
微晶性セルロース・・・・・・・・・・・・・・400mg
ラクトース・・・・・・・・・・・・・・・・・95mg
二酸化珪素・・・・・・・・・・・・・・・・・10mg
【0185】
例24アンドログラホリド及びデルフィニジンに富んでいるアントシアニジン(比1:1)を含んで成る組成物のハードゼラチンカプセル中への配合
単位組成物内に次の成分を含む:
【0186】
アンドログラホリド類を含んで成る組成物
(35%の合計アンドログラホリド類)・・・・・・200mg
アントシアニジン類を含んで成る組成物
(41%のアントシアニジン類、このアントシアニジン類の35%がデルフィニジンである)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200mg
微晶性セルロース・・・・・・・・・・・・・・400mg
ポビドン・・・・・・・・・・・・・・・・・・15mg
ナトリウムカルボキシメチルセルロース・・・・10mg
【0187】
例25デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類及びカフェオイルキナ酸(比1:1)を含んで成る組成物のハードゼラチンカプセル中への配合
単位組成物内に次の成分を含む:
カフェオイルキナ酸を含んで成る組成物
(20%のカフェオイルキナ酸)・・・・・・・・・200mg
アントシアニジン類を含んで成る組成物
(41%のアントシアニジン類、このアントシアニジン類の35%がデルフィニジンである)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200mg
微晶性セルロース・・・・・・・・・・・・・・400mg
ラクトース・・・・・・・・・・・・・・・・・95mg
二酸化珪素・・・・・・・・・・・・・・・・・10mg
【0188】
例26デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類のクロマトグラフィー分析
デルフィニジンに富んでいるアントシアニジン類を含んで成る組成物のクロマトグラフィー分析を実施した。
【0189】
【表16】

【0190】
表16に示されるように、組成物中の35.45%の含有物がアントシアニジン類に対応し、これから、28.64%がデルフィニジン類であり、そして6.78%がシアニジン類である。最も多いものではないが、高含有率のデルフィニジン−3−O−サムブビオシド−5−O−グルコシドが観察された。この含有率は、合計含有物の6.38%に対応し、その含有物の18%がアントシアニジン類であり、そしてその含有物の22.3%がデルフィニジン類である。デルフィニジン−3−O−サムブビオシド−5−O−グルコシドは、本発明の組成物の特に特徴的成分であった。
【0191】
例27糖尿病性をラットモデルにおける血液グルコースレベルに対するバシニウム又はA. パニキュラタ抽出物と共に組合されたマキ(Maqui)抽出物の効果
我々は、糖尿病性ラットモデルにおけるマキ抽出物のみ、及びバシニウム又はA. パニキュラタからの抽出物と共に組合されたマキ抽出物の経口投与の効果を比較した。ラットを、60mg/kgでストレプトゾトシンにより処理し、糖尿病を誘発した。ストレプトゾトシン投与の1週間後、動物を、次の処理をそれぞれ受けた5つのグループに分けた:
【0192】
1)グループ1(n=5)、未処理の糖尿病対照;
2)グループ2(n=4)、マキ(20mg/kg);
3)グループ(n=5)、マキ(200mg/kg);
4)グループ4(n=4)、マキ(20mg/kg)+バシニウム(100mg/kg);
5)グループ5(n=5)、マキ(20mg/kg)+A.パニキュラタ(100mg/kg)。
処理の4日後、血液サンプルを採取し、そして血液グルコースレベルを、ACCU-CHEK(商標)キット(Roche)を用いて、その供給者の説明書に従って測定した。
【0193】
マキ抽出物は、新鮮なマキ果実の標準化された抽出物であり(35%の合計アントシアニジン類、最少;25%の合計デルフィニジン類;最少デルフィニジンDSG:5%);A. パニキュラタ抽出物は乾燥されたヘルバからであった(37%の合計アンドログラホリド類、約20〜40%w/wのアンドログラホリド、約5〜10%w/wの14−デオキシアンドログラホリド、及び約0.2〜0.8%w/wのネオアンドログラホリド)。バシニウム・アングスチホリウム(Vaccinium angustifolium)抽出物は、乾燥された葉の標準化された抽出物であった(クロロゲン酸16%)。
【0194】
処理後の平均血糖レベルは次の通りであった;1)グループ1、未処理の糖尿病対照、361.2±107.98(SEM=48.29);2)グループ2、マキ(20mg/kg)、354±176.71(SEM=88.35);3)グループ3、マキ(200mg/kg)、383.2±137.35(SEM=61.42);4)グループ4、マキ(20mg/kg)+バシニウム(100mg/kg)、261.5±99.71(SEM=49.85);5)グループ5、マキ(20mg/kg)+A. パニキュラタ(100mg/kg)、223.4±120.56(SEM=53.92)。それらのデータは、バシニウム又はA. パニキュラタのいずれかからの抽出物とマキ抽出物との組合せが、マキ抽出物のみよりも高い程度に血糖レベルを低めた。
【0195】
本発明の多くの態様が記載されて来た。それにもかかわらず、種々の修飾が本発明の範囲内で行われえることが理解されるであろう。例えば、アントシアニジンを含む植物抽出物は、そのような化合物を含むいずれかの植物(例えば、リベス、ビチス及びサムブカス属の植物、及び上記アリストテリア及びバシニウム植物)から製造され得る。従って、他の態様は、本発明の範囲及び次の請求項内に存在する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多くのアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る組成物であって、(a)前記組成物の少なくとも又は約35重量%がアントシアニン又はアントシアニジンであり、(b)前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類の少なくとも又は約15重量%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンであり、そして(c)前記組成物が非毒性であり、且つ天然に存在しないことを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記組成物が、糖含有デルフィニジンを含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の少なくとも5%が、デルフィニジン−3−O−サムブビオシド−5−O−グルコシドである、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
前記アントシアニン類又はアントシアニジン類の1又は複数、例えばすべてが、次の式:
【化1】

[式中、R1, R2, R3, R4, R5, R6及びR7の個々は独立して、-H, -OH又はOCH3である]に適合する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、経口消費又は経口投与のために配合される、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、錠剤又はカプセルとして配合される、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、食品の成分である、請求項5記載の組成物。
【請求項8】
対象における免疫機能を維持するための方法であって、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を、免疫機能を維持するのに十分な量で及び十分な時間、免疫系を無防備状態にすることが知られている明白な条件を有さない対象に投与することを含んで成る方法。
【請求項9】
前記対象がヒトである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記対象のために、食餌標準及び/又は運動プログラムを処方する段階をさらに含んで成る、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記対象が、ペット又は家畜として維持される動物である、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記対象が家畜として維持される動物であり、そして前記組成物の投与が予防性抗生物質処理についての必要性を回避する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記動物が、牛、羊、豚、鶏、七面鳥又は鴨である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
免疫系が有害的に抑制される条件を有する患者の処理方法であって、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を、前記患者の免疫系を刺激するのに十分な量及び十分な時間、前記患者に投与することを含んで成る方法。
【請求項15】
前記患者がヒトである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記条件が、癌又は後天性免疫欠損症候群である、請求項14記載の方法。
【請求項17】
対象における炎症を処理するための方法であって、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を、対象における炎症の徴候又は症状を低めるか又は改善するのに十分な量及び十分な時間、対象に投与することを含んで成る方法。
【請求項18】
前記患者がヒトである、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記炎症が、熱傷又は他の外傷性損傷、化学的刺激物又は毒素、感染、又は自己免疫疾患により引起される、請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記感染が、細菌性又はウィルス性感染である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
患者における代謝症候群の処理方法であって、請求項1〜7のいずれか1項記載の組成物を、患者における代謝症候群の徴候又は症状を低めるか又は改善するのに十分な量及び十分な時間、患者に投与することを含んで成る方法。
【請求項22】
前記患者がヒトである、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記代謝症候群が糖尿病に関連している、請求項21記載の方法。
【請求項24】
アンドログラホリドをさらに含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項25】
前記アンドログラホリドが、前記組成物の少なくとも又は約10重量%を構成する、請求項24記載の組成物。
【請求項26】
前記アンドログラホリドが、アンドログラホリド、デオキシ−アンドログラホリド、ネオアンドログラホリド、又はそれらの混合物である、請求項24記載の組成物。
【請求項27】
前記アンドログラホリドが、アンドログラフィス(Andrographis)属の植物の抽出物内に含まれる、請求項24記載の組成物。
【請求項28】
前記植物が、アンドログラファス・パニキュラタ(Andrographus paniculata)である、請求項27記載の組成物。
【請求項29】
アントシアニン及び/又はアントシアニジン:アンドログラホリドの比が、約1.0:0.5(w:w)〜約1.0:2.5(w:w)である、請求項24記載の組成物。
【請求項30】
(a)多くのアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類がミルチリン、ケルセチン又はシアニジンを含んで成り、又は(b)前記組成物がさらに、ミルチリン、ケルセチン及び/又はシアニジンに富んでいる組成物を含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項31】
ミルチリン、ケルセチン及び/又はシアニジンに富んでいる前記組成物が、少なくとも15%、ミルチリン、ケルセチン及び/又はシアニジンを含んで成る、請求項30記載の組成物。
【請求項32】
プロアントシアニン又はプロアントシアニジンをさらに含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項33】
前記プロアントシアニジンが、バシニウム(Vaccinium)属の植物から抽出される、請求項32記載の組成物。
【請求項34】
前記プロアントシアニジンが、バシニウム・アウグスチホリウム(Vaccinium augustifolium)及び/又はバシニウム・ミルチラス(Vaccinium myrtillus)から抽出される、請求項33記載の組成物。
【請求項35】
カフェオイルキネート誘導体をさらに含んで成る、請求項1記載の組成物。
【請求項36】
前記カフェオイルキネート誘導体がクロロゲネート又はクロロゲン酸である、請求項35記載の組成物。
【請求項37】
前記多くのアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類:プロアントシアニン及び/又はプロアントシアニジンの比が、約1.0:0.5〜1.0:2.5(w:w)である、請求項32記載の組成物。
【請求項38】
前記多くのアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類:カフェオイルキネート誘導体の比が、約1.0:0.5〜1.0:2.5(w:w)である、請求項35記載の組成物。
【請求項39】
(a)キャリヤーを含んで成る第1組成物、及び(b)1又は複数のアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る第2組成物約100mg〜400mgを含んで成り、ここで前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類は前記第1組成物の少なくとも35%を構成し、そして前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類の少なくとも15%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである、医薬組成物。
【請求項40】
前記第1組成物が、微晶性セルロース、ラクトース、二酸化珪素、グリセリルモノステアレート、大豆レシチン又は月見草油を含んで成る、請求項39記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記第2組成物の約35〜45%がアントシアニン又はアントシアニジンであり、そして前記アントシアニン類又はアントシアニジン類の約15〜50%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである、請求項39記載の医薬組成物。
【請求項42】
アンドログラホリドを含んで成る第3組成物をさらに含んで成る、請求項39記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記第3組成物の約30〜40%がアンドログラホリドである、請求項42記載の医薬組成物。
【請求項44】
アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る第2組成物:アンドログラホリドを含んで成る第3組成物の比が約1.0:0.5〜1.0:3.0(w:w)である、請求項42又は43記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記組成物がソフトセルロースカプセル又はハードゼラチンカプセルとして配合される、請求項39記載の医薬組成物。
【請求項46】
アントシアニジンを含んで成る第1組成物100〜400mg(ここで前記第1組成物の約41%がアントシアニン又はアントシアニジンであり、そして前記アントシアニン類又はアントシアニジン類の約35%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである);アンドログラホリドを含んで成る第2組成物(ここで前記第2組成物の約35%がアンドログラホリドである);及びキャリヤーを含んで成る第3組成物(ここで前記第3組成物は任意には、1又は複数のグリセリルモノステアレート、大豆レシチン、月見草油、微晶性セルロース、ラクトース、二酸化珪素、ポビドン及びナトリウムカルボキシメチルセルロースを含む)を含んで成る医薬組成物。
【請求項47】
前記第3組成物が、30mgのグリセリルモノステアレート、20mgの大豆レシチン及び700mgの月見草油;400mgの微晶性セルロース、95mgのラクトース及び100mgの二酸化珪素;又は400mgの微晶性セルロース、15mgのポビドン及び10mgのナトリウムカルボキシメチルセルロースを含んで成る、請求項46記載の医薬組成物。
【請求項48】
(a)キャリヤーを含んで成る第1組成物、(b)1又は複数のアントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る第2組成物約100mg〜400mg(ここで前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類は前記第1組成物の少なくとも35%を構成し、そして前記アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類の少なくとも15%が糖フリー又は糖含有デルフィニジンである)、及び(c)カフェオイルキナ酸を含んで成る第3組成物を含んで成る医薬組成物。
【請求項49】
(a)アントシアニン類及び/又はアントシアニジン類を含んで成る植物を供給し;
(b)前記植物の統合性を破壊し;
(c)前記破壊された植物から化学物質を抽出し、抽出液体を生成し;
(d)前記抽出液体を濃縮し、抽出混合物を生成し;
(e)前記抽出混合物をアルカリ化し;
(f)前記抽出混合物における少なくとも1つの成分を、前記抽出混合物における他の成分から分離し;そして
(g)前記分離された成分の少なくとも1つを集め、そして乾燥することを含んで成る、請求項1記載の組成物の製造方法。
【請求項50】
前記植物が、アリストテリア(Aristotelia)、アロニア(Aronia)、エンテルペ(Enterpe)、グリシン(Glycine)、プルナス(Prunus)、リベス(Ribes)、ルバス(Rubus)、サムブカス(Sambucus)、バシニウム(Vaccinium)又はゼア(Zea)属のものである、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記植物が任意には、果物又は他の食用植物製品を包含する、請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記植物がアリストテリア・キレンシス(Aristotelia chilensis)属のものである、請求項50記載の方法。
【請求項53】
前記果物又は他の食用植物製品が、アサイーベリー、コケモモの実、クロスグリ、黒豆、ブラックベリー、ブルーコーン、ブルーベリー、サクランボ、チョークベリー、クランベリー、エルダーベリー、グスベリー、マキベリー、ムラサキトウモロコシ、ラズベリー又はアカスグリである、請求項51記載の方法。
【請求項54】
前記抽出の溶媒が、エタノール/水(50%v/v)である、請求項49記載の方法。
【請求項55】
前記抽出段階が少なくとも5度、実施される、請求項49記載の方法。
【請求項56】
約7.5g/lの重亜硫酸ナトリウムが、抽出段階の間、溶媒に添加される、請求項49記載の方法。
【請求項57】
前記抽出液体の濃縮が真空濾過を包含する、請求項49記載の方法。
【請求項58】
前記アルキル化段階がpHを約5.5にもたらす、請求項49記載の方法。
【請求項59】
前記分離段階が、クロマトグラフにより促進される、請求項49記載の方法。
【請求項60】
前記抽出混合物が非極性スチレン樹脂のカラムに通される、請求項49記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−508347(P2013−508347A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534790(P2012−534790)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002698
【国際公開番号】WO2011/048479
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(511077775)マクイ ニュー ライフ ソシエダ アノニマ (1)
【Fターム(参考)】