説明

アントラニルアミド殺虫剤

【課題】有害生物防除剤として有用なアントラニルアミド、そのN−オキシドまたは塩の提供。
【解決手段】式1


[式中、Jは置換ピラゾール;R1a、R1b、R2、R3およびR6、R4は水素、アルキル基、ハロゲン、シクロプロピルメチル基等をあらわし、R4はそれぞれオキシラニルメチル、2−オキセタニルメチル、3−オキセタニルメチルまたは3−オキセタニル等を表す。];で表される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業的および非農業的使用に適切な特定のアントラニルアミド、それらのN−オキシド、塩および組成物、ならびに農業的および非農業的環境の両方における節足動物などの無脊椎有害生物の防除のためのそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高い作物効率を達成するために、無脊椎有害生物の防除は極めて重要である。成長中の農作物および貯蔵された農作物に及ぼす無脊椎有害生物による損害は、生産性の著しい減少を引き起こす可能性があり、それによって消費者に費用増加をもたらす可能性がある。林業、温室作物、装飾物、苗作物、貯蔵食品および繊維製品、家畜、家庭用品、芝生、木材製品、ならびに公衆衛生および動物の健康においても無脊椎有害生物の防除は重要である。これらの目的のための多くの製品が市販品として入手可能であるが、より有効であり、費用が低く、毒性が低く、環境的に安全であるか、または異なる作用形態を有する新規化合物に対する必要性が存続している。
【0003】
PCT特許公開(特許文献1)は、殺節足動物剤として式iのN−アシルアントラニル酸誘導体を開示する。
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、特に、AおよびBは独立してOまたはSであり;RはH、C〜Cアルキル、C〜CアルコキシカルボニルまたはC〜Cアルキルカルボニルであり;RはHまたはC〜Cアルキルであり;そしてRはH、あるいは場合により置換されていてもよいC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルである]
【0006】
【特許文献1】国際公開第03/015518号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、全ての幾何異性体および立体異性体を含む式1の化合物、それらのN−オキシドおよびそれらの農業的または非農業的に適切な塩、それらを含有する農業用および非農業用組成物ならびに無脊椎有害生物を防除するためのそれらの使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、
Jは場合によりRから独立して選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよいフェニルであるか;または
Jは
【0010】
【化3】

【0011】
よりなる群から選択される複素環であり;
1aはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、CHO、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CアルキルアミノまたはC〜Cジアルキルアミノであり;
1bはH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルケニル、C〜Cハロアルキニル、C〜Cハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、CHO、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ
、C〜Cハロアルキルスルフィニル、C〜Cハロアルキルスルホニル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノカルボニル、C〜Cジアルキルアミノカルボニル、C〜CアルキルアミノまたはC〜Cジアルキルアミノであり;
はHであるか;あるいはそれぞれ場合によりハロゲン、CN、NO、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜CジアルキルアミノおよびC〜Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキルであるか;あるいは
はC〜Cアルキルカルボニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜CアルキルアミノカルボニルまたはC〜Cジアルキルアミノカルボニルであり;
はH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルアミノ、C〜Cジアルキルアミノ、C〜Cシクロアルキルアミノ、C〜CアルコキシカルボニルまたはC〜Cアルキルカルボニルであり;
は、それぞれ場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよいC〜C12アルキルシクロアルキル、C〜C12アルケニルシクロアルキル、C〜C12アルキニルシクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、C〜C12シクロアルキルアルケニル、C〜C12シクロアルキルアルキニル、C〜C12シクロアルケニルアルキルまたはC〜C12アルキルシクロアルケニルであるか;あるいは
は、それぞれ場合によりC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、C〜CアルコキシカルボニルおよびC〜Cハロアルコキシカルボニルから独立して選択される1〜5個の置換基によって置換されていてもよいC〜Cオキシラニルアルキル、C〜Cチイラニルアルキル、C〜Cオキセタニルアルキル、C〜Cチエタニルアルキル、3−オキセタニルまたは3−チエタニルであるか;あるいはRは、窒素原子に結合されたR10によって置換され、そして場合によりC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、C〜CアルコキシカルボニルおよびC〜Cハロアルコキシカルボニルから独立して選択される1〜5個の置換基によって炭素原子上で置換されていてもよいC〜Cアジリジニルアルキル、C〜Cアゼチジニルアルキルまたは3−アゼチジニルであり;
各Rは独立して、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルであるか;あるいは
各Rは独立して、場合により1〜3個のRによって置換されていてもよいフェニルまたはピリジルであり;
各Rは独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルおよびC〜Cハロアルキルスルホニルよりなる群から選択され;
は場合によりハロゲン、CN、NO、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cアルコキシカルボニル、C〜Cアルキルアミノ、C〜CジアルキルアミノおよびC〜Cシクロアルキルアミノよりなる群から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC〜Cアルキルであるか;または場合によりRから選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルである
か;または

【0012】
【化4】

【0013】
であり;
はH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cハロアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cハロアルキニルであり;各Rは独立してC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;
10はH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルキルカルボニル、C〜Cハロアルキルカルボニル、C〜CアルコキシカルボニルまたはC〜Cアルキルスルホニルであり;そして
sは0、1または2であるが;
ただし、
(i)式1の化合物がN−[2−クロロ−6−[[(1−メチルシクロプロピル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド以外であり;そして
(ii)式1の化合物が3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド以外である]
【0014】
また本発明は、式1の化合物ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなり、場合により少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなる組成物も提供する。
【0015】
また本発明は、式1の化合物ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなり、場合により生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなる無脊椎有害生物の防除用組成物も提供する。
【0016】
さらに本発明は、生物学的に有効な量の式1の化合物または上記組成物と、噴射剤とを含んでなる無脊椎有害生物防除用噴霧組成物を提供する。また本発明は、生物学的に有効な量の式1の化合物または上記組成物と、1種もしくはそれ以上の食物材料と、場合により誘引剤と、場合により保湿剤とを含んでなる無脊椎有害生物防除用餌料組成物も提供する。
【0017】
さらに本発明は、前記餌料組成物と、前記餌料組成物を受け取るために適応されたハウジングとを含んでなる無脊椎有害生物防除用トラップ装置を提供する。ここで、ハウジングは、ハウジングの外側の位置から前記餌料組成物へと無脊椎有害生物が接近することができるように、無脊椎有害生物が開口を通過可能である大きさの少なくとも1個の開口を
有し、そしてハウジングは、無脊椎有害生物の潜在的もしくは既知の活性位置に、またはその付近に配置されるようにさらに適応される。
【0018】
また本発明は、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的に有効な量の式1の化合物(例えば、本明細書に記載の組成物として)と接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法も提供する。また本発明は、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的に有効な量の式1の化合物ならびに界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分を含んでなり、場合により、生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなる組成物と接触させることを含んでなるかかる方法にも関する。
【0019】
また本発明は、式10のアミドにも関する。
【0020】
【化5】

【0021】
[式中、R1a、R1b、R、RおよびRは式1に関して定義された通りであり、これは式1の化合物を製造するための中間体として有用である]
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本明細書に使用される場合、用語「含んでなる」、「含んでなっている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「含有する」もしくは「含有している」またはそれらの他のいずれかの変形は、非排他的包含を包括するように意図される。例えば、要素のリストを含んでなる組成物、混合物、プロセス、方法、物品または装置はそれらの要素のみに必ず限定されるのではなく、明白に記載されていないか、またはかかる組成物、混合物、プロセス、方法、物品もしくは装置に固有である他の要素を含んでもよい。さらに、それとは反対の記載が明白にされない限り、「あるいは、または、もしくは」は包含的論理和を指し、そして排他的論理和を指さない。例えば、条件AまたはBは以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(または存在する)、そしてBが偽である(または存在しない)。Aが偽であり(または存在しない)、そしてBが真である(または存在する)。ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0023】
また本発明の要素または構成成分を先行する不定冠詞「a」および「an」は、要素または構成成分の実例の数(すなわち、発生数)に関して非限定的であるように意図される。従って、「a」または「an」は1または少なくとも1を含むように読解されるべきであり、そして数が明らかに単数を意味しない限り、要素または構成成分の単数形は複数も含む。
【0024】
上記において、単独または「アルキルチオ」もしくは「ハロアルキル」などの組み合わせられた単語のいずれかで使用される用語「アルキル」としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルまたは種々のブチル、ペンチルもしくはヘキシル異性体などの直
鎖または分枝鎖アルキルが挙げられる。「アルケニル」としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、ならびに種々のブテニル、ペンテニルおよびヘキセニル異性体などの直鎖または分枝鎖アルケンが挙げられる。「アルケニル」としては、1,2−プロパジエニルおよび2,4−ヘキサジエニルなどのポリエンも挙げられる。「アルキニル」としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ならびに種々のブチニル、ペンチニルおよびヘキシニル異性体などの直鎖または分枝鎖アルキンが挙げられる。「アルキニル」としては、2,5−ヘキサジイニルなどの複数の三重結合から構成される部分も挙げることができる。
【0025】
「アルコキシ」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ならびに種々のブトキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシ異性体が挙げられる。「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、ならびに種々のプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオ異性体などの分枝鎖または直鎖アルキルチオ部分が挙げられる。「アルキルスルフィニル」としては、アルキルスルフィニル基の両エナンチオマーが挙げられる。「アルキルスルフィニル」の例としては、CHS(O)−、CHCHS(O)−、CHCHCHS(O)−、(CHCHS(O)−ならびに種々のブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニルおよびヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例としては、CHS(O)−、CHCHS(O)−、CHCHCHS(O)−、(CHCHS(O)−ならびに種々のブチルスルホニル、ペンチルスルホニルおよびヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」等は上記例と同様に定義される。「シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。用語「シクロアルキルアミノ」としては、シクロペンチルアミノおよびシクロヘキシルアミノなどの窒素原子を通して連結された同様の基が挙げられる。用語「(アルキル)シクロアルキルアミノ」は、メチルシクロペンチルアミノおよびエチルシクロヘキシルアミノなどの分枝鎖または直鎖アルキル基ともう1つのシクロアルキル基の両方が窒素原子に結合しているものを示す。
【0026】
用語「アルキルシクロアルキル」はシクロアルキル部分上のアルキル置換を意味し、そして例えば、エチルシクロプロピル、i−プロピルシクロブチル、3−メチルシクロペンチルおよび4−メチルシクロヘキシルが挙げられる。「アルケニルシクロアルキル」、「アルキニルシクロアルキル」等は上記例と同様に定義される。用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル部分上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例としては、直鎖または分枝鎖アルキル基に結合されたシクロプロピルメチル、シクロペンチルエチルおよび他のシクロアルキル部分が挙げられる。「シクロアルキルアルケニル」、「シクロアルキルアルキニル」等は上記例と同様に定義される。「シクロアルケニル」としては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどの基ならびに1個以上の二重結合を有する基、例えば、1,3−および1,4−シクロヘキサジエニルが挙げられる。用語「シクロアルケニルアルキル」はアルキル部分上のシクロアルケニル置換を意味し、そして例えば、シクロペンテニルメチルおよび1−シクロヘキセニルエチルが挙げられる。用語「アルキルシクロアルケニル」はシクロアルケニル部分上のアルキル置換を意味し、そして例えば、メチルシクロペンテニルおよび5−エチル−3−シクロヘキセニルが挙げられる。
【0027】
用語「芳香族環系」は、多環式環系が芳香族である完全不飽和炭素環および複素環を示す(芳香族とは、環系に関してヒュッケル則(Huckel rule)が満たされることを示す)。用語「場合により置換されていてもよい」は、芳香族環基に関連して、未置換であるか、または少なくとも1個の水素以外の置換基を有する基を指す。一般的に、任意の置換基の数は(存在する場合)、1〜4個の範囲である。
【0028】
用語「ハロゲン」としては、単独または「ハロアルキル」などの組み合わせられた単語のいずれかで、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられる。さらに「ハロアルキル」などの組み合わせられた単語で使用される場合、前記アルキルは、同一であっても、または異なっていてもよいハロゲン原子により部分的または完全に置換されていてよい。「ハロアルキル」の例としては、FC−、ClCH−、CFCH−およびCFCCl−が挙げられる。用語「ハロアルケニル」、「ハロアルキニル」、「ハロシクロアルキル」、「ハロアルコキシ」、「ハロアルキルチオ」等は、用語「ハロアルキル」と同様に定義される。「ハロアルケニル」の例としては、(Cl)C=CHCH−およびCFCHCH=CHCH−が挙げられる。「ハロアルキニル」の例としては、HC≡CCHCl−、CFC≡C−、CClC≡C−およびFCHC≡CCH−が挙げられる。「ハロアルコキシ」の例としては、CFO−、CClCHO−、HCFCHCHO−およびCFCHO−が挙げられる。「ハロアルキルチオ」の例としては、CClS−、CFS−、CClCHS−およびClCHCHCHS−が挙げられる。「ハロアルキルスルフィニル」の例としては、CFS(O)−、CClS(O)−、CFCHS(O)−およびCFCFS(O)−が挙げられる。「ハロアルキルスルホニル」の例としては、CFS(O)−、CClS(O)−、CFCHS(O)−およびCFCFS(O)−が挙げられる。
【0029】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合された直鎖または分枝鎖アルキル部分を示す。「アルキルカルボニル」の例としては、CHC(=O)−、CHCHCHC(=O)−および(CHCHC(=O)−が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例としては、CHOC(=O)−、CHCHOC(=O)、CHCHCHOC(=O)−、(CHCHOC(=O)−および種々のブトキシ−またはペントキシカルボニル異性体が挙げられる。「アルキルアミノカルボニル」の例としては、CHNHC(=O)−、CHCHNHC(=O)−、CHCHCHNHC(=O)−、(CHCHNHC(=O)−および種々のブチルアミノ−またはペンチルアミノカルボニル異性体が挙げられる。「ジアルキルアミノカルボニル」の例としては、(CHNC(=O)−、(CHCHNC(=O)−、CHCH(CH)NC(=O)−、(CHCHN(CH)C(=O)−およびCHCHCH(CH)NC(=O)−が挙げられる。
【0030】
「トリアルキルシリル」としては、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびt−ブチル−ジメチルシリルなどのケイ素原子に結合し、かつケイ素原子を通して連結した3個の分枝鎖および/または直鎖アルキルラジカルが挙げられる。
【0031】
置換基中の全炭素原子数を接頭辞「C〜C」で表し、ここで、iおよびjは2〜8の数である。例えば、C〜Cアルキルスルホニルはメチルスルホニルからブチルスルホニルを示し;CアルコキシアルキルはCHOCHを示し;Cアルコキシアルキル、例えば、CHCH(OCH)、CHOCHCHまたはCHCHOCHを示し;そしてCアルコキシアルキルは合計4個の炭素原子を含有するアルコキシ基によって置換されたアルキル基の様々な異性体を示し、例えば、CHCHCHOCHおよびCHCHOCHCHが挙げられる。
【0032】
置換基の数が1以上であり得ることを表す下付き文字を有する置換基により化合物が置換されている場合、前記置換基は(1以上である場合)、定義された置換基、例えば、sが0、1または2である(Rの群から独立して選択される。基が水素であり得る置換基、例えばRまたはRを含有し、この置換基は水素として見なされる場合、これが未置換である前記基に相当することは認識される。
【0033】
本発明の化合物は、1つもしくはそれ以上の立体異性体として存在することも可能であ
る。様々な立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体および幾何異性体が挙げられる。他の立体異性体に関して濃縮された場合、または他の立体異性体から分離された場合、1つの立体異性体がより活性であり得、そして/または有利な効果を示し得ることを当業者は認識するだろう。加えて、当業者は、前記立体異性体をいかにして分離するか、濃縮するか、そして/または選択的に製造するかを知っている。従って、本発明は、式1から選択される化合物、それらのN−オキシドならびに農業的および非農業的に適切な塩を含んでなる。本発明の化合物は、立体異性体の混合物として、個々の立体異性体として、または光学的に活性な形態として存在してもよい。
【0034】
窒素はオキシドへの酸化に利用可能な孤立電子対を必要とすることから、全ての窒素含有複素環がN−オキシドを形成し得ないことを当業者は認識し、N−オキシドを形成できるそれらの窒素含有複素環を当業者は認知するだろう。第三級アミンがN−オキシドを形成し得ることも当業者は認知するだろう。複素環および第三級アミンのN−オキシドの製造に関する合成法は当業者に周知であり、過酢酸およびm−クロロ過安息香酸(MCPBA)などのペルオキシ酸、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、ならびにジメチルジオキシランなどのジオキシランによる複素環および第三級アミンの酸化を含む。これらのN−オキシドの製造方法は文献に広く記載されており、再調査されている。例えば、T.L.ギルクリスト(T.L.Gilchrist)著、コンプリヘンシブ オーガニック シンテシス(Comprehensive Organic Synthesis)、第7巻、第748〜750頁、S.V.レイ(S.V.Ley)編、ペルガモン プレス(Pergamon Press);M.ティスラー(M.Tisler)およびB.スタノウニコ(B.Stanovnik)著、コンプリヘンシブ ヘテロサイクリック ケミストリー(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)、第3巻、第18〜20頁、A.J.ボウルトン(A.J.Boulton)およびA.マクキロップ(A.McKillop)編、ペルガモン プレス(Pergamon Press);M.R.グリムメット(M.R.Grimmett)およびB.R.T.ケーン(B.R.T.Keene)著、アドバンシス イン ヘテロサイクリック ケミストリー(Advances in Heterocyclic Chemistry)、第43巻、第149〜161頁、A.R.カトリッキー(A.R.Katritzky)編、アカデミック プレス(Academic Press);M.ティスラー(M.Tisler)およびB.スタノウニコ(B.Stanovnik)著、アドバンシス イン ヘテロサイクリック ケミストリー(Advances in Heterocyclic Chemistry)、第9巻、第285〜291頁、A.R.カトリッキー(A.R.Katritzky)およびA.J.ボウルトン(A.J.Boulton)編、アカデミック プレス(Academic Press);ならびにG.W.H.チーズマン(G.W.H.Cheeseman)およびE.S.G.ウェルスティク(E.S.G.Werstiuk)著、アドバンシス イン ヘテロサイクリック ケミストリー(Advances
in Heterocyclic Chemistry)、第22巻、第390〜392頁、A.R.カトリッキー(A.R.Katritzky)およびA.J.ボウルトン(A.J.Boulton)編、アカデミック プレス(Academic Press)を参照のこと。
【0035】
本発明の化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、オキサル酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4−トルエンスルホン酸または吉草酸などの無機または有機酸による酸付加塩が挙げられる。化合物がカルボン酸などの酸基またはフェノールを含有する場合、本発明の化合物の塩としては、有機塩基(例えば、ピリジン、アンモニアまたはトリエチルアミン)あるいは無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムの水素化物、水酸化物または炭酸塩)により形成されたものも挙げられる

【0036】
発明の開示において記載される本発明の実施形態としては、以下が挙げられる。
【0037】
実施形態1A.R1aがC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルである式1の化合物。
【0038】
実施形態1B.R1aがCH、CF、OCF、OCHF、S(O)CF、S(O)CHF、CNまたはハロゲンであり;そしてnが0、1または2である式1の化合物。
【0039】
実施形態1C.R1aがCH、F、Cl、BrまたはIである式1の化合物。
【0040】
実施形態1D.R1aがCH、Cl、BrまたはIである式1の化合物。
【0041】
実施形態1E.R1aがCHまたはClである式1の化合物。
【0042】
実施形態2A.R1bがH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルである式1の化合物。
【0043】
実施形態2B.R1bがH、CH、CF、OCF、OCHF、S(O)CF、S(O)CHF、CNまたはハロゲンであり;そしてpが0、1または2である式1の化合物。
【0044】
実施形態2C.R1bがCH、CF、OCF、OCHF、S(O)CF、S(O)CHF、CNまたはハロゲンである式1の化合物。
【0045】
実施形態2D.R1bがH、CH、CF、CN、F、Cl、BrまたはIである式1の化合物。
【0046】
実施形態2E.R1bがCH、CF、CN、F、Cl、BrまたはIである式1の化合物。
【0047】
実施形態2F.R1bがCN、F、Cl、BrまたはIである式1の化合物。
【0048】
実施形態2G.R1bがCl、BrまたはCNである式1の化合物。
【0049】
実施形態2H.R1bがClまたはBrである式1の化合物。
【0050】
実施形態2I.R1bがCNである式1の化合物。
【0051】
実施形態2J.R1bがH以外である式1の化合物。
【0052】
実施形態2K.R1bがCN以外である式1の化合物。
【0053】
実施形態3A.RがH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルである式1の化合物。
【0054】
実施形態3B.RがHである式1の化合物。
【0055】
実施形態4A.RがH、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルである式1の化合物。
【0056】
実施形態4B.RがHである式1の化合物。
【0057】
実施形態5A.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよいC〜C12アルキルシクロアルキルである式1の化合物。
【0058】
実施形態5B.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい1−メチルシクロアルキルである式1の化合物。
【0059】
実施形態5C.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい1−メチルシクロプロピルである式1の化合物。
【0060】
実施形態5D.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい1−メチルシクロブチルである式1の化合物。
【0061】
実施形態5E.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)である式1の化合物。
【0062】
実施形態5F.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cアルケニル)(C〜Cシクロアルキル)である式1の化合物。
【0063】
実施形態5G.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cアルキニル)(C〜Cシクロアルキル)である式1の化合物。
【0064】
実施形態5H.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルケニル)である式1の化合物。
【0065】
実施形態6A.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよいC〜C12シクロアルキルアルキルである式1の化合物。
【0066】
実施形態6B.Rが、それぞれ場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよいシクロプロピルメチルまたはシクロブチルメチルである式1の化合物。
【0067】
実施形態6C.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルキル)である式1の化合物。
【0068】
実施形態6D.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルケニル)である式1の化合物。
【0069】
実施形態6E.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルキニル)である式1の化合物。
【0070】
実施形態6F.Rが、場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜Cシクロアルケニル)(C〜Cアルキル)である式1の化合物。
【0071】
実施形態6G.Rが場合により置換されていてもよいC〜Cシクロアルキルアルキル以外である式1の化合物。
【0072】
実施形態6H.Rが場合により置換されていてもよい(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルキル)以外である式1の化合物。
【0073】
実施形態6I.Rがシクロプロピルメチル以外である式1の化合物。
【0074】
実施形態6J.Rが1−シクロプロピルエチル以外である式1の化合物。
【0075】
実施形態6K.Rが(2−メチルシクロプロピル)メチル以外である式1の化合物。
【0076】
実施形態6L.Rが(2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル)メチル以外である式1の化合物。
【0077】
実施形態6M.Rが(1−メチルシクロプロピル)メチル以外である式1の化合物。
【0078】
実施形態6N.Rが1−シクロブチルエチル以外である式1の化合物。
【0079】
実施形態7A.Rが、それぞれ場合によりシクロプロピル上で1〜2個のハロゲンによって置換されていてもよい1−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチルまたは1−シクロプロピルエチルである式1の化合物。
【0080】
実施形態7B.Rが1−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチルまたは1−シクロプロピルエチルである式1の化合物。
【0081】
実施形態7C.Rが、それぞれシクロプロピル上で2個のハロゲンによって置換された1−メチルシクロプロピル、シクロプロピルメチルまたは1−シクロプロピルエチルである式1の化合物。
【0082】
実施形態7D.Rが、場合によりシクロプロピル上で1〜2個のハロゲンによって置換されていてもよい1−メチルシクロプロピルである式1の化合物。
【0083】
実施形態7E.Rが1−メチルシクロプロピルである式1の化合物。
【0084】
実施形態7F.Rが、それぞれ場合によりシクロプロピル上で1〜2個のハロゲンによって置換されていてもよいシクロプロピルメチルまたは1−シクロプロピルエチルである式1の化合物。
【0085】
実施形態7G.Rがシクロプロピルメチルまたは1−シクロプロピルエチルである式1の化合物。
【0086】
実施形態7H.Rが、場合によりシクロプロピル上で1〜2個のハロゲンによって置換されていてもよいシクロプロピルメチルである式1の化合物。
【0087】
実施形態7I.Rがシクロプロピルメチルである式1の化合物。
【0088】
実施形態7J.Rが、場合によりシクロプロピル上で1〜2個のハロゲンによって置換されていてもよい1−シクロプロピルエチルである式1の化合物。
【0089】
実施形態7K.Rが1−シクロプロピルエチルである式1の化合物。
【0090】
実施形態7L.Rが1−メチルシクロプロピル以外である式1の化合物。
【0091】
実施形態7M.Rが場合により置換されていてもよい1−メチルシクロプロピル以外である式1の化合物。
【0092】
実施形態7N.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12アルキルシクロアルキル以外である式1の化合物。
【0093】
実施形態7O.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12アルケニルシクロアルキル以外である式1の化合物。
【0094】
実施形態7P.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12アルキニルシクロアルキル以外である式1の化合物。
【0095】
実施形態7Q.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12シクロアルキルアルキル以外である式1の化合物。
【0096】
実施形態7R.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12シクロアルキルアルケニル以外である式1の化合物。
【0097】
実施形態7S.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12シクロアルキルアルキニル以外である式1の化合物。
【0098】
実施形態7T.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12シクロアルケニルアルキル以外である式1の化合物。
【0099】
実施形態7U.Rが場合により置換されていてもよいC〜C12アルキルシクロアルケニル以外である式1の化合物。
【0100】
実施形態7V.Rが1−メチルシクロプロピルであり、そしてR1bがH以外である式1の化合物。
【0101】
実施形態8A.Rが、それぞれ場合によりCH、CF、ハロゲン、CNおよびC(O)OCHから独立して選択される1〜2個の置換基によって置換されていてもよいC〜Cオキシラニルアルキル、C〜Cオキセタニルアルキルまたは3−オキセタニルである式1の化合物。
【0102】
実施形態8B.Rが、それぞれ場合により1〜2個のCHによって置換されていてもよいオキシラニルメチル、2−オキセタニルメチル、3−オキセタニルメチルまたは3−オキセタニルである式1の化合物。
【0103】
実施形態8C.Rがオキシラニルメチルである式1の化合物。
【0104】
実施形態8D.Rが2−オキセタニルメチルである式1の化合物。
【0105】
実施形態8E.Rが3−オキセタニルメチルである式1の化合物。
【0106】
実施形態8F.Rが3−オキセタニルである式1の化合物。
【0107】
実施形態8G.Rが場合により置換されていてもよいオキシラニルメチル以外である式1の化合物。
【0108】
実施形態8H.Rが場合により置換されていてもよい2−オキセタニルメチル以外である式1の化合物。
【0109】
実施形態8I.Rが場合により置換されていてもよい3−オキセタニルメチル以外である式1の化合物。
【0110】
実施形態8J.Rが場合により置換されていてもよいC〜Cオキシラニルアルキル、C〜Cチイラニルアルキル、C〜Cオキセタニルアルキル、C〜Cチエタニルアルキル、3−オキセタニルまたは3−チエタニル以外である式1の化合物。
【0111】
実施形態8K.Rが場合により置換されていてもよいC〜Cアジリジニルアルキル、C〜Cアゼチジニルアルキルまたは3−アゼチジニル以外である式1の化合物。
【0112】
実施形態9A.Rが、それぞれ、窒素原子に結合されたR10を有し、そして場合によりCH、CF、ハロゲン、CNおよびC(O)OCHから独立して選択される1〜2個の置換基によって炭素原子上で置換されていてもよいアジリジニルメチル、2−アゼチジニルメチル、3−アゼチジニルメチルまたは3−アゼチジニルである式1の化合物。
【0113】
実施形態9B.Rが、それぞれ、窒素原子に結合されたR10を有し、そして場合により1〜2個のCHによって炭素原子上で置換されていてもよいアジリジニルメチル、2−アゼチジニルメチル、3−アゼチジニルメチルまたは3−アゼチジニルである式1の化合物。
【0114】
実施形態9C.R10がHまたはC〜Cアルキルである式1の化合物。
【0115】
実施形態10A.各Rが、H、CH、CF、CHCF、CHF、OCHCF、OCHFおよびハロゲンよりなる群から独立して選択される式1の化合物。
【0116】
実施形態10B.各Rが、独立して、ハロゲン、OCHCF、OCHFまたはCFである式1の化合物。
【0117】
実施形態10C.各Rが、独立して、Cl、Br、OCHCFまたはCFである式1の化合物。
【0118】
実施形態10D.各RがCl、Br、CFまたはC〜Cフルオロアルコキシである式1の化合物。
【0119】
実施形態11A.Rが、場合によりRから選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルである式1の化合物。
【0120】
実施形態11B.各Rが、独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンまたはCNである式1の化合物。
【0121】
実施形態11C.Rが次式で表される式1の化合物。
【0122】
【化6】

【0123】
実施形態11D.各Rが、独立して、H、CH、CF、CNまたはハロゲンである式1の化合物。
【0124】
実施形態12A.Rが次式で表される式1の化合物。
【0125】
【化7】

【0126】
実施形態12B.各Rが、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンまたはCNであり;そしてsが0、1または2である式1の化合物。
【0127】
実施形態12C.Rが次式で表される式1の化合物。
【0128】
【化8】

【0129】
実施形態12D.各Rが、独立して、H、CH、CF、CNまたはハロゲンである式1の化合物。
【0130】
実施形態13A.RがC〜CアルキルまたはC〜Cハロアルキルである式1の化合物。
【0131】
実施形態13B.RがCHCFまたはCHFである式1の化合物。
【0132】
実施形態14A.Jが場合により1〜4個のRによって置換されていてもよいフェニルである式1の化合物。
【0133】
実施形態14B.各Rが、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲンまたはCNである式1の化合物。
【0134】
実施形態15A.JがJ−1、J−2、J−3、J−4、J−5、J−6、J−7およびJ−8よりなる群から選択される複素環である式1の化合物。
【0135】
実施形態15B.JがJ−1、J−2、J−4、J−7またはJ−8である式1の化合物。
【0136】
実施形態15C.JがJ−1、J−2またはJ−4である式1の化合物。
【0137】
実施形態15D.JがJ−7またはJ−8である式1の化合物。
【0138】
実施形態15E.JがJ−1である式1の化合物。
【0139】
実施形態15F.JがJ−2である式1の化合物。
【0140】
実施形態15G.JがJ−3である式1の化合物。
【0141】
実施形態15H.JがJ−4である式1の化合物。
【0142】
実施形態15I.JがJ−5である式1の化合物。
【0143】
実施形態15J.JがJ−6である式1の化合物。
【0144】
実施形態15K.JがJ−7である式1の化合物。
【0145】
実施形態15L.JがJ−8である式1の化合物。
【0146】
上記実施形態1A〜15Lならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態を含む本
発明の実施形態は、いずれかの様式で組み合わせることが可能であり、そして実施形態における変化の記載は式1の化合物に関してのみではなく、式1の化合物の製造のために有用である式10の化合物を含む出発化合物および中間体化合物にも関する。加えて、上記実施形態1A〜15Lならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態を含む本発明の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせは、かかる実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせに記載の化合物を含み得る本発明の組成物、混合物および方法に関する。
【0147】
実施形態1A〜15Lの組み合わせの例としては以下が挙げられる。
【0148】
実施形態A.R1aがC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;
1bがH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;
およびRが、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;そして
が、それぞれ場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよいC〜C12アルキルシクロアルキルまたはC〜C12シクロアルキルアルキルであるか;あるいは
が、それぞれ場合によりCH、CF、ハロゲン、CNおよびC(O)OCHから独立して選択される1〜2個の置換基によって置換されていてもよいC〜Cオキシラニルアルキル、C〜Cオキセタニルアルキルまたは3−オキセタニルである式1の化合物。
【0149】
実施形態A1.R1aがC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;
1bがH、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、CN、NO、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルフィニル、C〜Cアルキルスルホニル、C〜Cハロアルキルチオ、C〜CハロアルキルスルフィニルまたはC〜Cハロアルキルスルホニルであり;
およびRが、それぞれ独立して、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、C〜CアルキルカルボニルまたはC〜Cアルコキシカルボニルであり;そして
が、それぞれ場合によりCHおよびハロゲンから選択される1〜6個の置換基によって置換されていてもよい(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキルまたは(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルであるか;あるいは
が、それぞれ場合によりCH、CF、ハロゲン、CNおよびC(O)OCHから独立して選択される1〜2個の置換基によって置換されていてもよいC〜Cオキシラニルアルキル、C〜Cオキセタニルアルキルまたは3−オキセタニルである式1の化合物。
【0150】
実施形態B.R1aがCH、CF、OCF、OCHF、S(O)CF、S(O)CHF、CNまたはハロゲンであり;
1bがH、CH、CF、OCF、OCHF、S(O)CF、S(O)CHF、CNまたはハロゲンであり;
およびRがHであり;
nが0、1または2であり;そして
pが0、1または2である実施形態AまたはA1の化合物。
【0151】
実施形態C.各Rが、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cハロアルコキシ、ハロゲンまたはCNであり;
各Rが、独立して、H、CH、CF、CHCF、CHF、OCHCF、OCHFまたはハロゲンであり;
が、場合によりRから選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルであるか;あるいは

【0152】
【化9】

【0153】
であり;
各Rが、独立して、C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンまたはCNであり;
がCHCFまたはCHFであり;そして
sが0、1または2である実施形態Bの化合物。
【0154】
実施形態D.各Rが、独立して、ハロゲン、OCHCF、OCHFまたはCFであり;

【0155】
【化10】

【0156】
であり;そして
各Rが、独立して、H、CH、CF、CNまたはハロゲンである実施形態Cの化合物。
【0157】
実施形態E.JがJ−1、J−2、J−4、J−7またはJ−8である実施形態Dの化合物。
【0158】
実施形態F.R1aがCH、F、Cl、BrまたはIであり;
1bがH、CH、CF、CN、F、Cl、BrまたはIであり;そして
各Rが、独立して、Cl、Br、OCHCFまたはCFである実施形態Eの化合物。
【0159】
実施形態G.JがJ−2、J−4、J−7またはJ−8であり;そして
が、それぞれ場合により1〜4個のCHまたはハロゲンによって置換されていてもよい1−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロブチル、シクロプロピルメチルまたはシクロブチルメチルであるか;あるいは
が、それぞれ場合により1〜2個のCHによって置換されていてもよいオキシラニルメチル、2−オキセタニルメチル、3−オキセタニルメチルまたは3−オキセタニルである実施形態Fの化合物。
【0160】
実施形態H.JがJ−1であり;そして
が、それぞれ場合により1〜4個のCHまたはハロゲンによって置換されていてもよい1−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロブチル、シクロプロピルメチルまたはシクロブチルメチルであるか;あるいは
が、それぞれ場合により1〜2個のCHによって置換されていてもよいオキシラニルメチル、2−オキセタニルメチル、3−オキセタニルメチルまたは3−オキセタニルであるが;
ただし、Rが1−メチルシクロプロピルである場合、R1bがH以外である実施形態Fの化合物。
【0161】
具体的な実施形態としては、
1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[2,4−ジクロロ−6−[[(2−オキセタニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−メチル−6−[[(2−オキセタニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−クロロ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[2,4−ジクロロ−6−[[(2−オキセタニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
1−(2−クロロフェニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[[(2−オキセタニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[[(2−オキセタニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−メチル−6−[[(1−メチルシクロプロピル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾー
ル−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[2,4−ジクロロ−6−[[(1−メチルシクロプロピル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−メチル−6−[[(1−メチルシクロプロピル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−N−[4−シアノ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド;および
3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
よりなる群から選択される式1の化合物が挙げられる。
【0162】
さらなる具体的な実施形態としては、上記群から選択される式1の化合物のいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0163】
上記実施形態のいずれかの化合物、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせと、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含んでなる組成物であって、場合により少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなる組成物も本発明の実施形態として注目すべきである。
【0164】
生物学的に有効な量の上記実施形態のいずれかの化合物、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせと、界面活性剤、固体希釈剤および液体希釈剤よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含んでなる無脊椎有害生物防除用組成物であって、場合により生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤をさらに含んでなる組成物も本発明の実施形態として注目すべきである。さらに本発明の実施形態としては、無脊椎有害生物またはその環境を、生物学的に有効な量の上記実施形態のいずれかの化合物、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせ(例えば、本明細書に記載の組成物として)と接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法が挙げられる。
【0165】
本発明の実施形態としては、上記実施形態のいずれかの化合物、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせを含んでなる土壌ドレンチ液体製剤の形態の組成物も挙げられる。さらに本発明の実施形態としては、生物学的に有効な量の上記実施形態のいずれかの化合物、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせを含んでなる土壌ドレンチとして液体組成物と土壌を接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法が挙げられる。
【0166】
本発明の実施形態としては、生物学的に有効な量の上記実施形態のいずれかの化合物、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせと、噴射剤とを含んでなる無脊椎有害生物防除用噴霧組成物も挙げられる。さらに本発明の実施形態としては、生物学的に有効な量の上記実施形態のいずれかの化合物、ならびに本明細書に記載のいずれかの他の実施形態およびいずれかのそれらの組み合わせと、1種もしくはそれ以上の食物材料と、場合により誘引剤と、場合により保湿剤とを含んでなる無脊椎有害生物防除用餌料組成物が挙げられる。本発明の実施形態としては、前記餌料組成物と、前記餌料組成物を受け取るために適応されたハウジングとを含んでなる無脊椎有害生物防除用装置も挙げられる。ここで、ハウジングは、ハウジングの外側の位置から前記餌料組成物へと無脊椎有害生物が接近することができるように、無脊椎有害生物が開口を通過可能である大きさの少なくとも1個の開口を有し、そしてハウジングは、無脊椎有害生物の潜在的もしくは既知の活性位置に、またはその付近に配置されるようにさらに適応される。
【0167】
注目すべきは、R置換基のシクロアルキルまたはシクロアルケニル部分がC〜C炭素環である式1の化合物である。従って前記化合物のRにおいて、「C〜C12アルキルシクロアルキル」は「(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルキル)」よりなり、「C〜C12アルケニルシクロアルキル」は「(C〜Cアルケニル)(C〜Cシクロアルキル)」よりなり、「C〜C12アルキニルシクロアルキル」は「(C〜Cアルキニル)(C〜Cシクロアルキル)」よりなり、「C〜C12シクロアルキルアルキル」は「(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルキル)」よりなり、「C〜C12シクロアルキルアルケニル」は「(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルケニル)」よりなり、「C〜C12シクロアルキルアルキニル」は「(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルキニル)」よりなり、「C〜C12シクロアルケニルアルキル」は「(C〜Cシクロアルケニル)(C〜Cアルキル)」よりなり、そして「C〜C12アルキルシクロアルケニル」は「(C〜Cアルキル)(C〜Cシクロアルケニル)」よりなる。
【0168】
注目すべきは、3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド以外の式1の化合物である。
【0169】
注目すべきは、3−ブロモ−N−4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]−カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。注目すべきは、3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]−カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる相乗的混合物である。さらに注目すべきは、3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドと、イミダクロプリドまたはチアメトキサムとを含んでなる相乗的混合物である。
【0170】
注目すべきは、3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド以外の式1の化合物である。
【0171】
注目すべきは、3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル
)アミノ]−カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。
【0172】
注目すべきは、JがJ−1であり、RがCFであり、Rが3−クロロ−2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、R1aがMeであり、そしてR1bがHまたはClである場合、Rがシクロプロピルメチル以外である式1の化合物またはそのN−オキシドである。
【0173】
注目すべきは、JがJ−1であり、RがCFであり、Rが3−クロロ−2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、R1aがMeであり、R1bがHまたはClであり、そしてRがシクロプロピルメチルである式1の化合物またはそのN−オキシドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。
【0174】
注目すべきは、JがJ−1であり、RがCFであり、Rが3−クロロ−2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、R1aがMeであり、そしてR1bがClである場合、Rが(2−メチルシクロプロピル)メチル、(2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル)メチル、(1−メチル−シクロプロピル)メチルまたは1−シクロブチルエチル以外である式1の化合物である。
【0175】
注目すべきは、JがJ−1であり、RがCFであり、Rが3−クロロ−2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、R1aがMeであり、R1bがClであり、そしてRが(2−メチルシクロプロピル)メチル、(2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル)メチル、(1−メチル−シクロプロピル)メチルまたは1−シクロブチルエチルである式1の化合物と、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。
【0176】
注目すべきは、JがJ−1であり、RがBr、Cl、CFまたはOCHCFであり、Rが、場合によりピリジニル環の3位および/または5位においてハロゲンによって置換されていてもよい2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、Rが1−シクロプロピルエチルであり、そしてR1aがMe、Et、ハロゲン、CF、CHFまたはOCHFである場合、R1bがH、ハロゲン、CF、CHF、NO、OMe、CH=CH、CH=CCl、C≡CH、C≡CI、C(O)CH、C(O)CF、C(O)OMeまたはC(O)Oi−Pr以外である式1の化合物である。
【0177】
注目すべきは、JがJ−1であり、RがBr、Cl、CFまたはOCHCFであり、Rが、場合によりピリジニル環の3位および/または5位においてハロゲンによって置換されていてもよい2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、Rが1−シクロプロピルエチルであり、R1aがMe、Et、ハロゲン、CF、CHFまたはOCHFであり、そしてR1bがH、ハロゲン、CF、CHF、NO、OMe、CH=CH、CH=CCl、C≡CH、C≡CI、C(O)CH、C(O)CF、C(O)OMeまたはC(O)Oi−Prである式1の化合物と、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。
【0178】
注目すべきは、JがJ−1であり、Rが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルであり、R1aがMe、Et、ハロゲン、CF、CHFまたはOCHFであり、そしてRおよびRがHである場合、Rがシクロプロピルメチル、1−シクロプロピルエチル、(2−メチル−シクロプロピル)メチル、(2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル)メチル、(1−メチルシクロプロピル)−メチルまたは1−シクロブチ
ルエチル以外である式1の化合物またはそのN−オキシドである。
【0179】
注目すべきは、JがJ−1であり、Rが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルであり、R1aがMe、Et、ハロゲン、CF、CHFまたはOCHFであり、RおよびRがHであり、そしてRがシクロプロピルメチル、1−シクロプロピルエチル、(2−メチル−シクロプロピル)メチル、(2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル)メチル、(1−メチルシクロプロピル)−メチルまたは1−シクロブチルエチルである式1の化合物またはそのN−オキシドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。
【0180】
注目すべきは、JがJ−1であり、Rが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルであり、そしてRおよびRがHである場合、Rがシクロプロピルメチル、1−シクロプロピルエチル(2−メチルシクロプロピル)メチル、(2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル)メチル、(1−メチルシクロプロピル)メチルまたは1−シクロブチルエチル以外である式1の化合物またはそのN−オキシドである。
【0181】
注目すべきは、JがJ−1であり、Rが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、そしてRがシクロプロピルメチル、1−シクロプロピルエチル(2−メチルシクロプロピル)メチル、(2,2−ジクロロ−1−メチルシクロプロピル)メチル、(1−メチルシクロプロピル)メチルまたは1−シクロブチルエチルである式1の化合物またはそのN−オキシドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。
【0182】
注目すべきは、JがJ−1であり、Rが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルであり、そしてRおよびRがHである場合、Rが場合により置換されていてもよい(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルキル)以外である式1の化合物またはそのN−オキシドである。
【0183】
注目すべきは、JがJ−1であり、Rが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルであり、RおよびRがHであり、そしてRが場合により置換されていてもよい(C〜Cシクロアルキル)(C〜Cアルキル)である式1の化合物またはそのN−オキシドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。
【0184】
注目すべきは、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]−カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる混合物である。特に注目すべきは、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]−カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドと、少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなる相乗的混合物である。さらに注目すべきは、3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(シクロプロピルメチル)−アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドと、イミダクロプリドまたはチアメトキサムとを含んでなる相乗的混合物である。
【0185】
注目すべきは、R1aがMe、Cl、BrまたはFであり、R1bがCNであり、RがH、RがHまたはMeであり、JがJ−1であり、RがF、Cl、Br、C〜CハロアルキルまたはC〜Cハロアルコキシであり、Rが、ピリジニル環の3位においてR9aとしてF、ClまたはBrによって置換され、そして5位において未置換で
あるか、または5位においてR9bとしてFまたはClによって置換された2−ピリジニルである場合、RがC〜Cシクロアルキルアルキル以外である式1の化合物である。
【0186】
注目すべきは、R1bがCNであり、JがJ−1であり、Rが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルであり、RがHであり、そしてRがHまたはMeである場合、RがC〜Cシクロアルキルアルキル以外である式1の化合物である。
【0187】
注目すべきは、R1bがCNであり、JがJ−1であり、そしてRが場合により置換されていてもよい2−ピリジニルである場合、RがC〜Cシクロアルキルアルキル以外である式1の化合物である。
【0188】
注目すべきは、実施形態1A〜2J、3A〜5D;6A〜6B;7A〜7U;10A〜10D;11A〜11D;12A〜12D;13A〜13B;14A〜14B;15A〜15Lの化合物および上記のいずれかの組み合わせであり、実施形態8Jおよび/または実施形態8Kの化合物である。実施形態8Jおよび8Kの化合物と、化合物3−ブロモ−1−(3−クロロ−2ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドとの組み合わせも注目すべきである。
【0189】
1つもしくはそれ以上の以下のスキーム1〜8に記載の方法および変法により、式1の化合物を製造することができる。以下の式1〜11の化合物におけるJ、R1a、R1b、R、RおよびRの定義は、特記されない限り、発明の開示において定義された通りである。式3aは式3のサブセットであり、同様に、式10aは式10のサブセットであり、そして式1aは式1のサブセットである。
【0190】
スキーム1に概説される通り、式2のベンゾオキサジノンと、式3のアミンとの反応によって、式1の化合物を製造することができる。
【0191】
【化11】

【0192】
そのまま、あるいはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルムまたはメタノールもしくはエタノールなどの低級アルコールを含む様々な適切な溶媒中で、室温から溶媒の還流温度の範囲に及ぶ最適温度で、この反応を実行することができる。アントラニルアミドを生成するベンゾオキサジノンとアミンとの一般的反応は、化学文献に十分に証明されている。ベンゾオキサジノンの化学に関する概説に関して、ジャコブセン(Jakobsen)ら,バイオーガニック アンド メディシナル ケミストリー(Bioorganic and Medicinal Chemistry)2000,8,2095−2103、およびその中の引用文献を参照のこと。G.M.コッポ
ラ(G.M.Coppola),ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J.Heterocyclic Chemistry)1999,36,563−588も参照のこと。
【0193】
様々な方法によって、式2のベンゾオキサジノンを製造することができる。特に有用である3つの方法を、スキーム2〜4に詳述する。スキーム2において、式4のカルボン酸と式5のアントラニル酸とのカップリングによって、式2のベンゾオキサジノンを直接製造する。
【0194】
【化12】

【0195】
これは、トリエチルアミンなどの第三級アミンの存在下における式4のピラゾールカルボン酸への塩化メタンスルホニルの連続添加、それに続く式5のアントラニル酸の添加、それに続くトリエチルアミンおよび塩化メタンスルホニルの第2の添加を伴う。この方法は、一般的にベンゾオキサジノンの良好な収率を可能にする。
【0196】
スキーム3は、式2のベンゾオキサジノンを直接提供するための、式7の酸塩化物と式6のイサト酸無水物とのカップリングを伴う、式2のベンゾオキサジノンの別の製造を示す。この反応のためには、ピリジンまたはピリジン/アセトニトリルなどの溶媒が適切である。塩化チオニルまたは塩化オキサリルによる塩素化などの既知の方法によって、式4の相当する酸から、式7の酸塩化物を入手可能である。
【0197】
【化13】

【0198】
スキーム4において、式2のベンゾオキサジノンは、式4のカルボン酸と式5のアントラニル酸とのカップリングによって直接製造される。これは、式4のピラゾールカルボン酸および式5のアントラニル酸の混合物への3−ピコリンなどのピリジン塩基の連続添加、そしてそれに続く塩化メタンスルホニルの添加を伴う。この方法は、ベンゾオキサジノ
ンの非常に良好な収率を可能にする。代表的な式2のベンゾオキサジノンの製造に関する追加的な参照に関しては、PCT特許国際公開第2003/015519号パンフレット、同第2004/011447号パンフレットおよび同第2004/067528号パンフレットを参照のこと。式5のアントラニル酸は、市販品として、または様々な既知の方法によって入手可能である。
【0199】
【化14】

【0200】
スキーム1において、式3のアミンが第一級アミンであり(RはH)、市販品として入手可能でなく、例えば2−オキセタニルメチルアミンである場合、式9の化合物を得るために、ミツノブ反応によって式8の相当するアルコールをフタルイミドと反応させることによって式3のアミンを製造することができる(スキーム5)。エチルアルコールなどのプロトン性溶媒中、高温でのヒドラジン水和物による処置によって、式3aのアミンを得る。アミン製造に関して当該分野で既知の様々な方法の一般的な総説に関して、ミツノブ,O.(Mitsunobu,O.) コンプリヘンシブ オーガニック シンテシス(Comprehensive Organic Synthesis);トロスト,B.M.(Trost,B.M.),フレミング,I.(Fleming,I.)編集;ペルガモン(Pergamon):オックスフォード(Oxford),1991;第6巻、65−101頁を参照のこと。第二級アミンの製造方法を記載する一般的な総説に関して、サルバトール,R.N.(Salvatore,R.N.)ら、テトラヘドロン(Tetrahedron)2001,57,7785−7811を参照のこと。
【0201】
【化15】

【0202】
式1の化合物の製造に関する別の方法をスキーム6に示す。このプロセスでは、式10のアミドが式4の酸に直接結合され、式1のアントラニルアミドが製造される。この方法は、式4の酸へのピリジンまたはピコリンなどのアミン塩基の2当量以上の添加、それに続く塩化メタンスルホニルなどのハロゲン化スルホニルの添加を伴う。次いで式10のアミドを添加すると直接カップリングが生じ、式1のアントラニルアミドが製造される。
【0203】
【化16】

【0204】
スキーム7に示されるように、スキーム6に記載される手順に従って、式10aのアミドの好ましい組み合わせを使用して、式1aのアントラニルアミドの好ましい組み合わせを製造することができる。
【0205】
【化17】

【0206】
スキーム8に示されるように、式3のアミンと式11のイサト酸無水物との反応を伴う既知の方法によって式10のアミドを製造してもよい。
【0207】
【化18】

【0208】
式1の化合物を調製するための上記のいくつかの試薬および反応条件は、中間体に存在する特定の官能基には適合しないであろうことが認識される。これらの例において、合成系中に保護/脱保護配列または官能性の相互転換を組み入れることにより、所望の生成物を得ることが助けられるだろう。保護基の使用および選択は化学合成の当業者に明白であ
ろう(例えば、グリーン,T.W.(Greene,T.W.);ワッツ,P.G.M.(Wuts,P.G.M.) プロテクティブ グループス イン オーガニック シンテシス(Protective Groups in Organic Synthesis),第2版;ウィリー(Wiley):ニューヨーク(New York),1991を参照のこと)。いくつかの場合、いずれかの個々のスキームに記述されたように与えられた試薬の導入後、式1の化合物の合成を完了するために、詳細に記載されていない追加の慣例合成工程を実行する必要があることを当業者は認識するだろう。式1の化合物を調製するために提案された特定の順序により示されるもの以外の順番で、上記スキームに図示された工程の組み合わせを実行する必要があることも当業者は認識するだろう。
【0209】
置換基を加えるため、または存在する置換基を変性するために、本明細書に記載の式1の化合物および中間体に、様々な求電子、求核、ラジカル、有機金属、酸化および還元反応を受けさせることができることも当業者は認識するだろう。
【0210】
さらなる詳細がなくても、前記を使用する当業者は、本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。従って、以下の実施例は単なる実例として解釈され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。H NMRスペクトルは、テトラメチルシランからのppm低磁場で報告され、「s」は一重項を意味し、「d」は二重項を意味し、「t」は三重項を意味し、「q」は四重項を意味し、「m」は多重項を意味し、「dd」は二重項の二重項を意味し、「dt」は三重項の二重項を意味し、「br
s」は広域一重項を意味し、そして「br t」は広域三重項を意味する。
【実施例】
【0211】
実施例1
1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトニトリル(10mL)中の、PCT特許国際公開第2004/067528号パンフレットに記載の手順によって製造された2−[1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−8−メチル−4−オキソ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−6−カルボニトリル(150mg、0.35ミリモル)を、シクロプロピルメチルアミン塩酸塩(112mg、1.0ミリモル)およびトリエチルアミン(0.145mL、1.0ミリモル)と組み合わせた。得られた溶液を還流下で数分間加熱し、次いで周囲温度で15分間撹拌した。水を添加し(10mL)、そして混合物を0℃まで冷却して、固体を沈殿させた。濾過によって固体を回収し、そして水およびエーテル/ヘキサンで連続的に洗浄し、表題の化合物を白色固体として得た(139mg)、m.p.235〜236℃。
【0212】
H NMR(CDCl)δ10.7(br s,1H)、8.50(d,1H)、7.90(d,1H)、7.63(s,1H)、7.61(s,1H)、7.43(dd,1H)、7.28(s,1H)、6.35(br t,1H)、3.29(dd,2H)、2.26(s,3H)、1.04(m,1H)、0.60(m,2H)、0.28(m,2H)
【0213】
実施例2
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトニトリル(10mL)中の、PCT特許国際公開第2003/015519号パンフレットに記載の手順によって製造された2−[3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−
ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−クロロ−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(157mg、0.35ミリモル)を、シクロプロピルメチルアミン塩酸塩(112mg、1.0ミリモル)およびトリエチルアミン(0.145mL、1.0ミリモル)と組み合わせた。得られた溶液を還流下で数分間加熱し、次いで周囲温度で15分間撹拌した。水を添加し(10mL)、そして混合物を0℃まで冷却して、固体を沈殿させた。濾過によって固体を回収し、そして水およびエーテル/ヘキサンで連続的に洗浄し、170mgの表題の化合物を白色固体として得た、m.p.172〜173℃。
【0214】
H NMR(CDCl)δ10.1(br s,1H)、8.46(d,1H)、7.85(d,1H)、7.40(dd,1H)、7.26(s,2H)、7.07(s,1H)、6.23(br t,1H)、3.25(dd,2H)、2.19(s,3H)、1.0(m,1H)、0.58(m,2H)、0.26(m,2H)
【0215】
実施例3
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−メチル−6−[[(2−オキセタニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
工程A:2−(2−オキセタニルメチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンの製造
2−ヒドロキシメチルオキセタン(0.250g、2.84ミリモル)、フタルイミド(0.501g、3.4ミリモル)およびトリフェニルホスフィン(0.892g、3.4ミリモル)をテトラヒドロフラン中に溶解した。次いでジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.659mL、3.4ミリモル)を約5分かけて添加し、そして溶液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、そして中圧液体クロマトグラフィ(酢酸エチル/ヘキサン勾配)によって精製し、表題の化合物を淡黄色固体(0.485g)として得た。
【0216】
H NMR(CDCl)δ7.86(m,2H)、7.72(m,2H)、5.06(m,1H)、4.62(m,2H)、4.08(m,1H)、3.92(m,1H)、2.73(m,1H)、2.54(m,1H)
【0217】
工程B:3−ブロモ−N−[4−クロロ−2メチル−6−[[(2−オキセタニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
エタノール(10mL)中の2−(2−オキセタニルメチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(すなわち、工程Aからの生成物)(0.150g、0.691ミリモル)の溶液にヒドラジン水和物(0.035g、0.691ミリモル)を添加した。反応混合物を16時間還流した。得られた混合物を、ジクロロメタン(10mL)中のPCT特許国際公開第2003/015519号パンフレットに記載の手順によって製造された2−[3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−クロロ−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(0.312g、0.691ミリモル)の溶液を含有するフラスコ中に焼成ガラスフリット漏斗を通して直接濾過した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。減圧下で反応物を濃縮し、そして粗製生成物をシリカゲル上中圧液体クロマトグラフィ(酢酸エチル−ヘキサン勾配によって溶出)によって精製し、本発明の化合物である表題の化合物を白色固体として得た(0.196g)、m.p.95〜97℃。
【0218】
H NMR(CDCl)δ10.1(br s,1H)、8.43(m,1H)、7.82(m,1H)、7.35(m,1H)、7.23(m,2H)、7.09(br
s,1H)、6.84(m,1H)、4.92(m,1H)、4.64(m,1H)、4.44(m,1H)、3.67(m,1H)、3.53(m,1H)、2.65(m,1H)、2.41(m,1H)、2.14(s,3H)
【0219】
実施例4
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの別の製造
工程A:2−アミノ−5−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)−3−メチルベンズアミドの製造
酢酸エチル(300mL)中の、PCT特許国際公開第2003/015519号パンフレットに記載の手順によって製造された6−クロロ−8−メチル−2H−3,1−ベンゾオキサジン−2,4(1H)−ジオン(1.0g、4.74ミリモル)の溶液を加熱して還流させ、ほとんどの固体を溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却し、そしてシクロプロピルメチルアミン(0.61mL、7.1ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。沈殿した固体を濾過し、廃棄した。濾液を乾燥状態まで濃縮した。残渣固体をヘキサンですすぎ、濾過によって回収し、そして乾燥させて表題の化合物を白色固体として得た(0.74g)、m.p.127〜128℃。
【0220】
H NMR(DMSO−d)δ8.46(br t,1H)、7.43(s,1H)、7.12(s,1H)、6.33(b s,2H)、3.08(t,2H)、2.08(s,3H)、1.00(m,1H)、0.42(dd,2H)、0.21(dd,2H)
【0221】
工程B:3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(シクロプロピルメチル)アミノ]−カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトニトリル(20mL)中の、PCT特許国際公開第2003/015519号パンフレットに記載の手順によって製造された3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.2g、0.66ミリモル)の溶液に、3−ピコリン(0.161mL、1.66ミリモル)を添加し、続いて塩化メタンスルホニル(0.054mL、0.70ミリモル)を添加し、次いで混合物を室温で10分間撹拌した。その後、2−アミノ−5−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)−3−メチルベンズアミド(0.158g、0.66ミリモル)を添加し、そして混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1N HClで洗浄し、続いて飽和NaCl水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濃縮した。残渣固体をシリカゲル上クロマトグラフィによって精製し、本発明の化合物である表題の化合物を白色固体として得た(0.100g)、m.p.166〜168℃。スペクトルデータは実施例2のデータと一致した。
【0222】
実施例5
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
工程A:1−シクロプロピルエタノンオキシムの製造
エタノール(50mL)中の1−シクロプロピルエタノン(アルドリッチ(Aldrich)、6.55g、78ミリモル)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.86g、113.1ミリモル)および酢酸ナトリウム(9.92g、121.7ミリモル)の混合物を還流下で16時間加熱した。次いで反応物を水性重炭酸ナトリウムと酢酸エチルとの間で分配した。有機溶液を水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして濾過した。濾液
を濃縮し、無色透明油状物として表題の化合物(5.8g)を得た。H NMRは、E異性体とZ異性体との混合物を示した。
【0223】
H NMR(CDCl)δ8.9(br s,1H)、2.44および1.60(2m,1H)、1.72および1.55(2s,3H)、0.85および0.74(2m,4H)
【0224】
工程B:α−メチルシクロプロパンメタンアミンの製造
ジエチルエーテル(10mL)中の1−シクロプロピルエタノンオキシム(すなわち、工程Aの生成物、0.5g、5.0ミリモル)の溶液に、ジエチルエーテル中1.0M水素化リチウムアルミニウム溶液(5.0mL、5.0ミリモル)を添加し、そして反応混合物を30分間室温で撹拌した。次いで、混合物をさらに8時間加熱して還流させた。反応混合物を冷却し、そして水(1.0mL)、15%NaOH水(1.0mL)および水(3.0mL)の連続滴下によって反応停止させた。エーテル層を水層からデカンテーションし、そしてさらに水層をジエチルエーテルで2回抽出した。エーテル抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濾過し、16mLの表題のアミンのエーテル中保存溶液を得た。これを工程Cにおいて直接的に使用した。
【0225】
工程C:3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトニトリル(5mL)中の、PCT特許国際公開第2003/015519号パンフレットに記載の手順によって製造された2−[3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−クロロ−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(0.080g、0.18ミリモル)の溶液を、過剰量のα−メチルシクロプロパンメタンアミン(すなわち、工程Bの生成物)を含有するエーテル溶液(6mL)と組み合わせた。得られた混合物を数分間加熱して還流させ、次いで一晩室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、そして固体をシリカゲル上クロマトグラフィによって精製し、本発明の化合物である表題の化合物を白色固体として得た(0.027g)、m.p.182〜183℃。
【0226】
H NMR(CDCl)δ10.15(s,1H)、8.48(d,1H)、7.83(d,1H)、7.38(m,1H)、7.26(m,2H)7.03(s,1H)、6.08(d,1H)、3.50(m,1H)、2.19(s,3H)、1.27(d,3H)、0.88(m,1H)、0.57(m,1H)、0.46(m,1H)、0.37(m,1H)、0.27(m,1H)
【0227】
実施例6
3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−N−[4−シアノ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトニトリル (25mL)中の、PCT特許国際公開第2004/067528号
パンフレットに記載の手順によって製造された2−[3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−8−メチル−4−オキソ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−6−カルボニトリル(0.200g、0.45ミリモル)の混合物を均質溶液になるまで加温し、次いで過剰量のα−メチルシクロプロパンメタンアミン(すなわち、実施例5の工程Bの生成物)を含有するエーテル溶液(4mL)と組み合わせた。得られた混合物を20分間周囲温度で撹拌した。反応混合物を濃縮し、そして固体残渣をジエチルエーテル中で懸濁させ、そして濾過によって回収し、本発明の化合物である表題の化合物を固体として得た(0.099g)、m.p.244〜245℃。
【0228】
H NMR(CDCl)δ10.06(s,1H)、8.48(d,1H)、7.86(m,1H)、7.60(d,2H)、7.41(m,1H)、7.05(s,1H)、6.20(d,1H)、3.49(m,1H)、2.24(s,3H)、1.31(d,3H)、0.89(m,1H)、0.60(m,1H)、0.50(m,1H)、0.38(m,1H)、0.32(m,1H)
【0229】
実施例7
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
工程A:(2E)−[(2−クロロフェニル)ヒドラゾノ]酢酸の製造
室温の水(300mL)中2−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩(18.8g、0.105モル)の溶液に濃塩酸(13.2g、0.136モル)を添加し、続いて20分かけて50%グリオキシル酸(17.1g、0.115モル)を滴下し、沈殿物を形成させた。次いで、反応混合物を30分間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、水で洗浄し、次いで酢酸エチル(400mL)中に溶解した。得られた溶液を乾燥させ(MgSO)、そして減圧下で濃縮し、黄褐色固体として表題の生成物を得た(20.5g)。
【0230】
H NMR(DMSO−d)δ12.45(s,1H)、10.7(s,1H)、7.59(d,1H)、7.54(s,1H)、7.40(d,1H)、7.23(t,1H)、6.98(t,1H)
【0231】
工程B:(2−クロロフェニル)カルボノヒドラゾン酸二臭化物の製造
0℃のN,N−ジメチルホルムアミド(188mL)中(2E)−[(2−クロロフェニル)ヒドラゾノ]酢酸(すなわち、工程Aからの生成物)(20.5g、0.103モル)の溶液に、30分かけてN−ブロモコハク酸イミド(35.7g、0.206モル)を添加した。得られた混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を水(150mL)で希釈し、そしてジエチルエーテル(3×200mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、そしてシリカゲルクロマトグラフィによって精製し、表題化合物を赤色油状物として得た(12.0g)。
【0232】
H NMR(CDCl)δ8.15(br d, 1H)、7.41(d,1H)、
7.31(d,1H)、7.21(d,1H)、6.90(d,1H)
【0233】
工程C:3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの製造
N,N−ジメチルホルムアミド(110mL)中の(2−クロロフェニル)カルボノヒドラゾン酸二臭化物(すなわち、工程Bからの生成物)(12.0g、38.5ミリモル)にアクリル酸メチル(13.85mL、153.8ミリモル)を一回で添加し、続いて15分かけてN,N−ジイソプロピルエチルアミン(7.38mL、42.3ミリモル)を滴下した。次いで反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、そしてジエチルエーテル(2×200mL)で抽出した。組み合わせた抽出物を水およびブラインで洗浄した。エーテル抽出物を乾燥させ(MgSO)、そして減圧下で濃縮し、表題の化合物を得た(12.2g)。
【0234】
H NMR(CDCl)δ7.4(t,1H)、7.34(d,1H)、7.21(d,1H)、7.1(t,1H)、5.2(m,1H)、3.55(s,3H)、3.4(m,1H)
【0235】
工程D:3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチルの製造
アセトン(400mL)中の3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル(すなわち、工程Cからの生成物)(12.2g、38.4ミリモル)の溶液に、反応温度を40℃未満に維持しながら、10分ごとに約1グラムづつ過マンガン酸カリウム(24.2g、153.6ミリモル)を添加した。次いで反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物をセライト(Celite)(登録商標)珪藻土濾過助剤を通して濾過し、次いでジエチルエーテル(4×100mL)で洗浄した。溶媒除去後、シリカゲル上クロマトグラフィによって粗製生成物を精製し、表題化合物を油状物として得た(5.8g)。これは静置時に凝固した。
【0236】
H NMR(CDCl)δ7.5(d,1H)、7.4−7.5(m,3H)、7.01(s,1H)、3.784(s,3H)
【0237】
工程E:3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸の製造
メタノール(40mL)中の3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸メチル(すなわち、工程Dからの生成物)(5.8g、18.4ミリモル)の溶液に12%水酸化ナトリウム水(8.8g、30.5ミリモル)を添加した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。次いで反応混合物を水(100mL)で希釈し、そしてジエチルエーテル(2×75mL)で洗浄した。水溶液を濃塩酸でpH2まで酸性化し、次いで酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。組み合わせた酢酸エチル抽出物を乾燥させ(MgSO)、そして減圧下で濃縮し、表題の化合物を得た(5.8g)。
【0238】
H NMR(CDCl)δ7.4−7.55(m,4H)、7.1(s,1H)
【0239】
工程F:2−[3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−クロロ−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オンの製造
3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(すなわち、工程Eからの生成物)(0.165g、0.55ミリモル)、2−アミノ−3−メチル−5−クロロ安息香酸(0.101g、0.55ミリモル)および3−ピコリン(0.277mL、2.8ミリモル)をアセトニトリル(10mL)と組み合わせ、そして−10℃まで冷却した。次いで、アセトニトリル(5mL)中の塩化メタンスルホニル(0.11mL、1.4ミリモル)の溶液を滴下し、そして反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。水(10mL)を混合物に滴下し、固体を沈殿させた。固体を濾過によって回収し、水およびヘキサンによって連続的に洗浄し、次いで窒素下で乾燥させ、表題の化合物を白色固体として得た(0.216g)。
【0240】
H NMR(DMSO−d)δ7.90(d,1H)、7.73(m,2H)、7.6(m,3H)、7.48(s,1H)、1.73(s,3H)
【0241】
工程G:3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトニトリル(20mL)中の2−[3−ブロモ−1−(2−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−クロロ−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(すなわち、工程Fからの生成物)(0.080g、0.18ミリモル)の溶液を、過剰量のα−メチルシクロプロパンメタンアミン(すなわち、実施例5の工程Bからの生成物)を含有するエーテル溶液(5mL)と組み合わせた。得られた混合物を数
分間加熱して還流させ、次いで一晩室温で撹拌した。反応混合物を濃縮し、そして固体残渣をジエチルエーテル中に懸濁させ、そして濾過によって回収し、本発明の化合物である表題の化合物を固体として得た(0.035g)、m.p.180〜181℃。
【0242】
H NMR(CDCl)δ10.03(s,1H)、7.49(m,1H)、7.42(m,1H)、7.381(m,2H)、7.26(s,1H)、7.23(s,1H)、7.041(s,1H)、6.10(d,1H)、3.47(m,1H)、2.184(s,3H)、1.27(d,3H)、0.84(m,1H)、0.54(m,1H)、0.46(m,1H)、0.35(m,1H)、0.29(m,1H)
【0243】
実施例8
3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−メチル−6−[[(1−メチルシクロプロピル)アミノ]カルボニル]−フェニル]−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
(1−メチルシクロプロピル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(0.300g、1.75ミリモル)および0.5mLのトリフルオロ酢酸の混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物にアセトニトリル(15mL)を添加し、続いて2−[3−ブロモ−1−(3−クロロ−2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−クロロ−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン(0.200g、0.44ミリモル)およびトリエチルアミン(0.400mL、2.86ミリモル)を添加した。次いで反応混合物を還流下で2時間加熱し、次いで室温まで冷却した。沈殿した固体を濾過によって回収し、そしてジエチルエーテルおよびヘキサンで洗浄し、本発明の化合物である表題の化合物を固体として得た(0.056g)、m.p.>250℃。
【0244】
H NMR(CDCl)δ10.15(s,1H)、8.45(d,1H)、7.83(d,1H)、7.39(m,1H)、7.20(d,1H)、7.12(d,1H)、6.43(s,1H)、2.16(s,3H)、1.42(s,3H)、0.78(m,2H)、0.75(m,2H)
【0245】
当該分野で既知の方法とともに本明細書に記載の手順により、以下の表1〜10の化合物を調製することができる。表中、以下の略号を使用する:CNはシアノを意味し、2−Cl−Phは2−クロロフェニルを意味し、そして3−Cl−2−Pyは3−クロロ−2−ピリジニルを意味する。
【0246】
【表1】

【0247】
【表2】

【0248】
【表3】

【0249】
【表4】

【0250】
【表5】

【0251】
【表6】

【0252】
【表7】

【0253】
【表8】

【0254】
【表9】

【0255】
【表10】

【0256】
【表11】

【0257】
【表12】

【0258】
【表13】

【0259】
【表14】

【0260】
【表15】

【0261】
【表16】

【0262】
【表17】

【0263】
【表18】

【0264】
【表19】

【0265】
【表20】

【0266】
【表21】

【0267】
【表22】

【0268】
表10に式10の特定のアミドを記載する。これはスキーム6および7の方法に従って、式1および式1aの化合物の製造のための中間体として有用である。
【0269】
【表23】

【0270】
【表24】

【0271】
製剤/効用
本発明の化合物は一般的に、少なくとも1つの液体希釈剤、固体希釈剤または界面活性剤を含んでなる農業的または非農業的用途に適切な担体とともに製剤または組成物として使用可能である。製剤または組成物成分は、活性成分の物性、適用形態ならびに土壌タイプ、湿度および温度などの環境要因と調和するように選択される。有用な製剤は、場合によりゲルへと濃厚化されることが可能な、溶液(乳化可能な濃縮物を含む)、懸濁液、乳液(ミクロエマルジョンおよび/またはサスポエマルジョンを含む)等などの液体を含む。有用な製剤はさらに、水分散性(「水和」)または水溶性であり得る、ダスト、粉末、顆粒、ペレット、タブレット、フィルム(シード処理を含む)等などの固体を含む。活性成分を(マイクロ)カプセル化することができ、さらに懸濁液または固体製剤へと形成することができ、あるいは活性成分の全製剤をカプセル化(または「オーバーコート」)することができる。カプセル化により、活性成分放出を制御することができるか、または遅らせることができる。本発明の組成物は、場合により植物栄養素、例えば窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ホウ素、マンガン、亜鉛およびモリブデンから選択される少なくとも1種の植物栄養素を含んでなる肥料組成物を含んでなり得る。注目すべきは、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウムおよびマグネシウムから選択される少なくとも1種の植物栄養素を含んでなる少なくとも1種の肥料組成物を含んでなる組成物である。さらに少なくとも1種の植物栄養素を含んでなる本発明の組成物は
液体または固体の形態であり得る。注目すべきは、顆粒、小型スティックまたはタブレットの形態の固体配合物である。本発明の化合物または組成物を配合成分と一緒に肥料組成物と混合し、次いで粒化または押出などの方法によって配合物を製造することによって、肥料組成物を含んでなる固体配合物を製造することができる。あるいは寸法的に安定な混合物、例えば顆粒、小型スティックまたはタブレットの形態で予め製造された肥料組成物上に、揮発性溶媒中の本発明の化合物または組成物の溶液または懸濁液を噴霧し、次いで溶媒をエバポレーションすることによって、固体配合物を製造することができる。噴霧可能な製剤を適切な培地に施すことができ、1ヘクタールあたり約1〜数百リットルの噴霧量で使用することができる。さらなる製剤の中間体として、最初に高強度組成物を使用可能である。
【0272】
製剤は典型的に、以下の100重量%まで加算される適切な範囲内で、有効量の活性成分、希釈剤および界面活性剤を含有する。
【0273】
【表25】

【0274】
典型的な固体希釈剤は、ワトキンス(Watkins)ら、ハンドブック オブ インセクティサイド ダスト ディリューエンツ アンド キャリアズ(Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers)第2版、ドーランド ブックス(Dorland Books)、コールドウェル(Caldwell)、ニュージャージー(New Jersey)に記載されている。典型的な液体希釈剤は、マルスデン(Marsden)、ソルベンツ ガイド(Solvents Guide)第2版、インターサイエンス(Interscience)、ニューヨーク(New York)、1950に記載されている。マクカッチェオンズ デタージェンツ アンド エマルシフィアズ アニュアル(McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual)、アルレッド パブリッシング コーポレーション(Allured Publ.Corp.)、リッジウッド(Ridgewood)、ニュージャージー(New Jersey)およびシスレー(Sisely)およびウッド(Wood)、エンサイクロペディア オブ サーフェイス アクティブ エージェンツ(Encyclopedia of Surface Active Agents)、ケミカル パブリッシング カンパニー インコーポレイテッド(Chemical Publ.Co.,Inc.)、ニューヨーク(New York)、1964は界面活性剤および推奨される使用を記載している。全ての製剤は、発泡、ケーキング、腐食、微生物の増殖等を低下させるための添加剤、または粘度を増加させるための増粘剤を少量含有し得る。
【0275】
界面活性剤としては、例えば、ポリエトキシル化アルコール、ポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ジアルキルスルホスクシネート、アルキルスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、オルガノシリコーン、N
,N−ジアルキルタウレート、リグニンスルホネート、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボキシレート、グリセロールエステル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、および重合度(D.P.)と呼ばれるグルコース単位数が1〜3の範囲であり得、かつアルキル単位がC〜C14の範囲であり得るアルキルポリグリコシド(ピュア アンド アプライド ケミストリー(Pure and Applied Chemistry)72、1255−1264を参照のこと)が挙げられる。固体希釈剤としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトおよびカオリンなどの粘土、澱粉、糖、シリカ、タルク、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウム、ならびに硫酸ナトリウムが挙げられる。液体希釈剤としては、例えば、水、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−アルキルピロリドン、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、パラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、トリアセチン、オリーブ油、ひまし油、亜麻仁油、桐油、ゴマ油、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、大豆油、菜種油およびココナッツ油、脂肪酸エステル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、イソホロンおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン、酢酸エステル、ならびにメタノール、シクロヘキサノール、デカノールおよびテトラヒドロフルフリルアルコールなどのアルコールが挙げられる。
【0276】
本発明の有用な製剤は、消泡剤、フィルム成形要素および染料を含む製剤補助剤として既知の材料を含有し得、そして当業者に周知である。
【0277】
消泡剤としては、ロードーシル(Rhodorsil)(登録商標)416などのポリオルガノシロキサンを含んでなる水分散性液体が挙げられる。フィルム形成要素としては、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマーおよびワックスが挙げられる。染料としては、プロ−イゼド(Pro−lzed)(登録商標)カーラント レッド(Colorant Red)などの水分散性液体の顔料組成物が挙げられる。これが製剤補助剤の完全リストでないことを当業者は認識するだろう。製剤補助剤の適切な例としては、本明細書に記載されるもの、ならびにMC パブリッシング カンパニー(MC Publishing Company)から出版されたマカッチャンズ(McCutcheon’s)2001、第2巻:ファンクショナル マテリアルズ(Functional materials)および国際公報第03/024222号パンフレットに記載されるものが挙げられる。
【0278】
成分を単純に混合することにより、乳化可能濃縮物を含む溶液を製造することができる。ブレンドおよび通常、ハンマーミルまたは流体エネルギーミルにおいて粉砕することにより、ダストおよび粉末を製造することができる。懸濁液は通常、湿式粉砕により製造される。例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照のこと。予備形成された顆粒担体上に活性材料を噴霧することにより、または凝集技術により、顆粒およびペレットを製造することができる。ブローニング(Browning)、「アグロメレーション(Agglomeration)」、ケミカル エンジニアリング(Chemical Engineering)、1967年12月4日、第147〜48頁、ペリーズ ケミカル エンジニアズ ハンドブック(Perry’s Chemical Engineer’s Handbook)、第4版、マクグロウ−ヒル(McGraw−Hill)、ニューヨーク(New York)、1963、第8〜57頁以下および国際公開第91/13546号パンフレットを参照のこと。米国特許第4,172,714号明細書に記載されるようにペレットを製造することができる。米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書およびDE3,246,493号に教示されるように水分散性および水溶性顆粒を製造することができる。米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書および米国特許第5,208,0
30号明細書に教示されるようにタブレットを製造することができる。GB2,095,558号および米国特許第3,299,566号明細書に教示されるようにフィルムを製造することができる。
【0279】
製剤の分野に関するさらなる情報に関しては、T.S.ウッズ(T.S.Woods)、ペスティサイド ケミストリー アンド バイオサイエンス、ザ フード−エンバイロンメント チャレンジ(Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food−Environment Challenge)における「ザ フォーミュレーターズ ツールボックス−プロダクト フォームス フォー モダン アグリカルチャー(The Formulator’s Toolbox −Product Forms for Modern Agriculture)」、T.ブルックス(T.Brooks)およびT.R.ロバーツ(T.R.Roberts)編、プロシーディングス オブ ザ ナインス インターナショナル コングレス オン ペスティサイド ケミストリー(Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry)、ザ ロイヤル ソサエティー オブ ケミストリー(The Royal Society of Chemistry)、ケンブリッジ(Cambridge)、1999、第120〜133を参照のこと。米国特許第3,235,361号、第6欄、第16行〜第7欄、第19行および実施例10〜41;米国特許第3,309,192号、第5欄、第43行〜第7欄、第62行および実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138〜140、162〜164、166、167および169〜182;米国特許第2,891,855号、第3欄、第66行〜第5欄、第17行および実施例1〜4;クリングマン(Klingman)、ウィード コントロール アズ ア サイエンス(Weed Control as a Science)、ジョン ウィリー アンド サンズ インコーポレイテッド(John Wiley and Sons,Inc)、ニューヨーク(New York)、1961、第81〜96頁;ハンス(Hance)ら、ウィード コントロール ハンドブック(Weed Control Handbook)、第8版、ブラックウェル サイエンティフィック パブリケーションズ(Blackwell Scientific Publications)、オックスフォード(Oxford)、1989;ならびにデベロップメンツ イン フォーミュレーション テクノロジー(Developments in formulation technology)、PJB パブリケーションズ(PJB Publications)、英国、リッチモンド(Richmond、UK)、2000も参照のこと。
【0280】
以下の実施例において、全てのパーセントは重量によるものであり、全ての製剤は従来法で製造される。化合物番号は索引表A中の化合物を指す。さらなる詳細がなくても、前記を使用する当業者は本発明をその最も十分な範囲まで利用することができると考えられる。従って、以下の実施例は単なる実例として構成され、かついずれかの様式に本開示を限定するものではない。特記されない限り、パーセントは重量によるものである。
【0281】
【表26】

【0282】
【表27】

【0283】
【表28】

【0284】
【表29】

【0285】
【表30】

【0286】
【表31】

【0287】
【表32】

【0288】
本発明の化合物は、都合のよい代謝および/または土壌残留パターンを持つことを特徴とし、農業と非農業の無脊椎有害生物の範囲を防除する活性を呈する。また本発明の化合物は、植物において都合のよい葉面処理および土壌処理組織性を持つことを特徴とし、本発明の化合物を含んでなる無脊椎有害生物防除組成物と直接接触していない葉面および他の植物部位を保護するように転位置を示す。本願開示内容の文脈において、「無脊椎有害
生物の防除」とは、無脊椎有害生物の発育の阻害(死滅、摂食低下および/または交尾低下を含む)を意味し、そして結果として、無脊椎有害生物によって引き起こされる摂食(feeding)、あるいは農作物に対する損傷または建築構造に対する被害を大きく低下させる。関連の表現については同様に定義する。
【0289】
用語「農業的」は、食品および繊維などの農作物の生産を指し、コーン、大豆および他のマメ科植物、米、禾穀類(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦、米、トウモロコシ)、葉菜作物(例えば、レタス、キャベツおよび他のアブラナ属作物)結果野菜作物(例
えば、トマト、コショウ、ナス、十字花植物およびウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、果樹(例えば、梨状果、石果および柑橘類果物)、小果樹(ベリー、サクランボ)および他の特産作物(例えば、カノラ、ヒマワリ、オリーブ)の育成を含む。用語「農業的」は、都合のよい形質を提供するために遺伝子工学によって導入された(すなわち、トランスジェニック)か、または突然変異生成によって変性された遺伝形質を含有するかかる作物の製造も指す。かかる形質の例としては、除草剤への耐性、植物食性有害生物(例えば、昆虫、ダニ、アブラムシ、クモ、線虫、カタツムリ、植物病原性菌・カビ類、バクテリアおよびウイルス)への耐性、植物生長の改善、高温および低温、低土壌水分または高土壌水分ならびに高塩分などの不都合な生長条件の耐性増加、開花または結実の増加、より高い収穫量、より急速な成熟、収穫された産物のより高品質および/または栄養価、ならびに収穫された産物の貯蔵またはプロセス特性の改善が挙げられる。トランスジェニック植物は、多様な形質を発現するように変性可能である。遺伝子工学または突然変異生成によって提供された形質を含有する植物の例としては、イールド ガード(YIELD GARD)(登録商標)、ノックアウト(KNOCKOUT)(登録商標)
、スターリンク(STARLINK)(登録商標)、ボルガード(BOLLGARD)(登録商標)、NuCOTN(登録商標)およびニューリーフ(NEWLEAF)(登録商標)などの殺虫性バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)トキシンを発現する様々なコーン、綿、大豆およびジャガイモ、ならびにラウンドアップ レディ(ROUNDUP READY)(登録商標)、ライブラリー リ
ンク(LIBERTY LINK)(登録商標)、IMI(登録商標)、STS(登録商
標)およびクリアフィールド(CLEARFIELD)(登録商標) などの除草剤耐性
の様々なコーン、綿、大豆および菜種、ならびにグリフォセート除草剤に対する耐性を提供するN−アセチルトランスフェラーゼ(GAT)を表現する作物、またはアセチルアセテートシンターゼ(ALS)を阻害する除草剤に対して耐性を提供するHRA遺伝子を含有する作物が挙げられる。
【0290】
用語「非農業的」は、他の園芸作物(例えば、温室、苗床または原野で育成されない装飾用植物)、都市および工業環境における住宅用および商業用建造体、芝生(商業用、ゴルフ用、住宅用、レクレーション用等)、木材製品、貯蔵製品、農業−林業および植物管理、公衆衛生(人間の健康)および動物の健康(家庭用動物、ペット、家畜、家禽、飼いならされていない動物、例えば野生動物)用途を指す。無脊椎有害生物防除範囲および経済的重要性の理由のため、無脊椎有害生物防除による無脊椎有害生物により引き起こされる損害または傷害からの農作物の保護は本発明の実施形態である。
【0291】
本願開示で用いる場合、「無脊椎有害生物」という用語には、有害生物として経済的観点から重要である節足動物、腹足類および線虫を含む。「節足動物」という用語には、昆虫、ダニ、クモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ、ダンゴムシ、コムカデを含む。「腹足類」という用語には、カタツムリ、ナメクジ、その他の柄眼目を含む。「線虫」という用語には、回虫、、犬糸状虫および植物寄生性線虫(線虫綱)、吸虫(吸虫綱)、鉤頭動物門および条虫(条虫綱)などのあらゆる蠕虫類を含む。本発明の化合物は、生長および貯蔵農作物、林業、温室作物、装飾物、苗作物、貯蔵食品および繊維製品、家畜、家庭用品、公衆衛生および動物の健康の有害生物である広範囲の食葉性、食果実性、食茎性もしくは食根性
、食種子性、水生および土壌に住む無脊椎有害生物に対して活性を示す。全ての化合物があらゆる有害生物の全成長段階に対して同じように有効だとは限らないことは当業者であれば分かるであろう。
【0292】
農業的および非農業的有害生物としては、ヤガ科のアーミーワーム、根切虫、ルーパー、タバコガ(ハスモンヨトウ(Spodoptera fugiperda J.E.スミス(Smith))、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua ヒュブネル(Huebner))、タマナヤガ(Agrotis ipsilon ハフナゲル(Hufnagel))、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni ヒュブネル(Huebner))、オオタバコガ(Heliothis virescens ファブリシウス(Fabricius))など);メイガ科の穿孔性害虫、繭を作る害虫、食葉に巣を作る群局性害虫、コーンワーム、アオムシ、葉脈を残して葉を食害する害虫(アワノメイガ(Ostrinia nubilalis ヒュブネル(Huebner))、ネーブルオレンジワーム(Amyelois transitella ウォーカー(Walker))、ウスギンツトガ(Crambus caliginosellus クレメンス(Clemens))、ソッドウェブワーム(メイガ科、ツトガ亜科(Crambinae))、例えば、クロオビクロノメイガ(Herpetogramma licarsisalis ウォーカー(Walker))など);ハマキガ科のハマキムシ、芽を食害する害虫、種子を食害する害虫、果実を食害する害虫(コドリンガ(Cydia pomonella リンネ(Linnaeus))、グレープベリーモス(Endopiza viteana クレメンス(Clemens))、ナシヒメシンクイ(Grapholitamolesta ブスク(Busck))など);経済的観点から重要な他の多くの鱗翅目(コナガ(Plutella xylostella リンネ(Linnaeus))、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella ソーンダズ(Saunders))、マイマイガ(Lymantria
dispar リンネ(Linnaeus)など)などの鱗翅目の卵、幼虫および成虫;チャバネゴキブリ科およびゴキブリ科(トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis リンネ(Linnaeus))、アジアゴキブリ(Blatella asahinai ミズクボ(Mizukubo))、チャバネゴキブリ(Blattella germanica リンネ(Linnaeus))、チャオビゴキブリ(Supella longipalpa ファブリシウス(Fabricius))、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana リンネ(Linnaeus))、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea バーマイスター(Burmeister))、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae ファブリシウス(Fabricius))、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa サービス(Service))、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae ファブリ.(Fabr.))、ハイイロゴキブリ(Nauphoeta cinerea オリバー(Olivier))およびスムースコックローチ(Symploce pallens ステフェンズ(Stephens)))などのゴキブリをはじめとするゴキブリ目の卵、ニンフおよび成虫;ヒゲナガゾウムシ科、マメゾウムシ科、ゾウムシ科のゾウムシ(ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis ボヘマン(Boheman))、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus クッシェル(Kuschel))、オサゾウムシ(Sitophilus granarius リンネ(Linnaeus))、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae リンネ(Linnaeus))、アニュアルブルーブラスウィービル(Listronotus maculicollis ダイツ(Dietz))、ブルーグラスビルバグ(Sphenophorus parvulus ギレンハル(Gyllenhal))、ハンティングビルバグ(Sphenophorus venatus vestitus)、デンバービルバグ(Sphenophorus cicatristriatus フォーレウス(Fahraeus));
ハムシ科のノミハムシ、ウリハムシ、根食い線虫、ハムシ、イモハムシおよびハモグリムシ(コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata セイ(Say))、ウェスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera
virgifera ルコンテ(LeConte))など);コガネムシ科(Scaribaeidae)のコガネムシおよび他の甲虫(マメコガネ(Popillia japonica ニューマン(Newman))、オリエンタルビートル(Anomala
orientalis ウォーターハウス(Waterhouse))、ノーザンマスクドチェーファー(Cyclocephala borealis アロー(Arrow))、サウザンマスクドチェーファー(Cyclocephala immaculata オリバー(Olivier))、ブラックターフグラスアテニウス(Ataenius spretulus ハルデマン(Haldeman))、グリーンジューンビートル(Cotinis nitida リンネ(Linnaeus))、アジアンガーデンビートル(Maladera castanea アロー(Arrow))、メイ/ジューンビートルズ(Phyllophaga spp.)、ヨーロピアンコガネムシ(European chafer)(Rhizotrogus majalis ラゾウモブスキー(Razoumowsky))など);カツオブシムシ科のカツオブシムシ;コメツキムシ科のコメツキムシ;キクイムシ科のキクイムシ、ゴミムシダマシ科のコクヌストモドキをはじめとする鞘翅目の卵、食葉性、食果実性、食根性、食種子性および食小胞状組織性幼虫および成虫が挙げられる。また、農業的および非農業的有害生物としては、クギヌキハサミムシ科のハサミムシ(ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula
auricularia) リンネ(Linnaeus)、ブラックイヤウィグ(black earwig)(Chelisoches morio ファブリシウス(Fabricius))など)をはじめとする革翅目の卵、成虫および幼虫;カスミカメムシ科のカスミカメムシ、セミ科のセミ、ヨコバイ科のヨコバイ(カキノヒメヨコバイ(Empoasca)spp.など)、アワフキムシ科(Fulgoroidae)およびウンカ科のプラントホッパー、ツノゼミ科のツノゼミ、キジラミ科のキジラミ、コナジラミ科のコナジラミ、アブラムシ科のアブラムシ、ネアブラムシ科のネアブラムシ、コナカイガラムシ科のコナカイガラムシ、カタカイガラムシ科、マルカイガラムシ科およびワタフキカイガラムシ科のカイガラムシ、グンバイムシ科のグンバイムシ、カメムシ科のカメムシ、ナガカメムシ科のナガカメムシ(chinch bug)(例えば、ヘアリーチンチバグ(Blissus leucopterus hirtus モンタンドン(Montandon))およびサウザンチンチバグ(Blissus insularis バーバー(Barber))ならびに他のコバネナガカメムシ、コガシラアワフキ科のアワフキムシ、ヘリカメムシ科のヘリカメムシ、ホシカメムシ科のアカホシカメムシおよびホシカメムシなどの半翅目および同翅目の卵、幼若虫、成虫およびニンフも挙げられる。さらに、ハダニ科のハダニおよびアカダニ(リンゴハダニ(Panonychus ulmi
コッチ(Koch))、ナミハダニ(Tetranychus urticae コッチ(Koch))、マクダニエルダニ(Tetranychus mcdanieli マクレガー(McGregor))など)、ヒメハダニ科のヒメハダニ(カンキツヒメハダニ(Brevipalpus lewisi マクレガー(McGregor))など)、フシダニ科のサビダニおよびフシダニならびに他の食葉性ダニなどのコナダニ(ダニ)ならびに、人間および動物の健康にとって重要なダニすなわち、チリダニ科のヒョウダニ、ニキビダニ科のニキビダニ、ニクダニ科のムギコナダニ、マダニ科のマダニ(シカダニ(Ixodes scapularis セイ(Say))、オーストラリアマダニ(Ixodes holocyclus ニューマン(Neumann))、カクマダニ(Dermacentor variabilis セイ(Say))、ローンスターチック(lone star tick)(Amblyomma americanum リンネ(Linnaeus))、キュウセンダニ科、シラミダニ科、ヒゼンダニ科の疥癬や皮癬のダニの卵、幼虫、ニンフおよび成虫;バッタ、イナゴおよびコオロギ(クルマバッタ(Melanoplus sanguinipes ファブリシウス(Fabrici
us)、M.differentialis トーマス(Thomas))、アメリカイナゴ(Schistocerca americana ドルーリー(Drury)など)、サバクバッタ(Schistocerca gregaria フォースカル(Forskal))、トノサマバッタ(Locusta migratoria リンネ(Linnaeus))、ブッシュローカスト(bush locust)(Zonocerus spp.)、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus リンネ(Linnaeus))、ケラ(例えば、トーニーモールクリケット(Scapteriscus vicinus スカダー(Scudder))およびサウザンモールクリケット(Scapteriscus borellii ギグリオ−トス(Giglio−Tos))など)をはじめとする直翅目の卵、成虫および幼若虫;ハモグリムシ、ユスリカ、ミバエ(ミバエ科)、キモグリバエ(Oscinella frit リンネ(Linnaeus))、ウジバエ、イエバエ(Musca domestica リンネ(Linnaeus)など)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis リンネ(Linnaeus)、F.femoralis ステイン(Stein)など)、サシバエ(Stomoxys calcitrans リンネ(Linnaeus))、イエバエの1種(face fly)、ノサシバエ、クロバエ(Chrysomya spp.、Phormia spp.)および他のイエバエ(muscoid)有害生物、アブ(Tabanus spp.など)、ウマバエ(Gastrophilus spp.、Oestrus spp.など)、ウシバエ(Hypoderma spp.など)、メクラアブ(Chrysops spp.)、ヒツジシラミバエ(Melophagus ovinus リンネ(Linnaeus)など)ならびに他の短角亜目、カ(Aedes spp.、Anopheles spp.、Culex spp.など)、ブユ(Prosimulium spp.、Simulium spp.など)、クロヌカカ、スナバエ、sciaridsおよび他の長角亜目をはじめとする双翅目の卵、成虫および幼若虫;ネギアザミウマ(Thrips tabaci リンデマン(Lindeman))、フラワースリップス(flower thrips)(Frankliniella spp.)および他の食葉性アザミウマをはじめとする総翅目の卵、幼若虫および成虫;アリ(アカオオアリ(Camponotus ferrugineus ファブリシウス(Fabricius))、クロオオアリ(Camponotus pennsylvanicus デ・ギーア(De Geer))、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis リンネ(Linnaeus))、チビヒアリ(Wasmannia auropunctata Roger)、アカカミアリ(Solenopsis geminata ファブリシウス(Fabricius))、ヒアリ(Solenopsis invicta ブレン(Buren))、アルゼンチンアリ(Iridomyrmex humilis メイル(Mayr))、アシナガキアリ(Paratrechina longicornis ラトレイル(Latreille))、トビイロシワアリ(Tetramorium caespitum リンネ(Linnaeus))、ヒメトビイロケアリ(Lasius alienus フォースター(Forster))、コヌカアリ(Tapinoma sessile セイ(Say)))、ハチ(クマバチを含む)、スズメバチ(hornet)、スズメバチ(yellow jacket)、大形のハチ(wasp)、ハバチ(sawflies)(Neodiprion spp.;Cephus spp.)をはじめとするハチ目の昆虫有害生物;フロリダカーペンターアント(Camponotus floridanus バックレー(Buckley))、アシジロヒラフシアリ(Technomyrmex albipes fr.スミス(fr.Smith))、オオズアリ(Pheidole sp.)およびアワテコヌカアリ(Tapinoma melanocephalum ファブリシウス(Fabricius))などのアリ科の昆虫有害生物;シロアリ科(例えば、Macrotermes sp.)、レイビシロアリ科(例えば、Cryptotermes
sp.)およびミゾガシラシロアリ科(例えば、Reticulitermes sp.、Coptotermes sp.)科のシロアリ、ミゾガシラシロアリ(Retic
ulitermes flavipes コラー(Kollar))、セイヨウシロアリ(Reticulitermes hesperus バンクス(Banks))、イエシロアリ(Coptotermes formosanus シラキ(Shiraki))、ハワイシロアリ(Incisitermes immigrans シンダー(Snyder))、パウダーポストターマイト(Cryptotermes brevis ウォーカー(Walker))、ドライウッドターマイト(Incisitermes snyderi ライト(Light))、サウスイースタンサブタラニアンターマイト(Reticulitermes virginicus バンクス(Banks)、ウェスタンドライウッドターマイト(Incisitermes minor ハゲン(Hagen))、樹木シロアリ、例えば、Nasutitermes sp.および他の経済的観点から重要であるシロアリなどのシロアリ目の昆虫有害生物;セイヨウシミ(Lepisma saccharina リンネ(Linnaeus))、マダラシミ(Thermobia domestica パッカード(Packard))などのシミ目の昆虫有害生物;コロモジラミ(Pediculus humanus capitis デ・ギーア(De Geer))、アタマジラミ(Pediculus humanus
リンネ(Linnaeus))、ニワトリハジラミ(Menacanthus stramineus ニッツ(Nitszch))、イヌハジラミ(Trichodectes canis デ・ギーア(De Geer))、fluff louse(Goniocotes gallinae デ・ギーア(De Geer))、ヒツジハジラミ(Bovicola ovis シュランク(Schrank))、ウシジラミ(short−nosed cattle louse)(Haematopinus eurysternus ニッツ(Nitszch))、ウシジラミ(long−nosed cattle louse)(Linognathus vituli リンネ(Linnaeus))ならびに、人間や動物につく他の吸血シラミおよびハジラミを含むハジラミ目の昆虫有害生物;ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis ロッシュチャイルド(Rothschild))、ネコノミ(Ctenocephalides
felis ブーシュ(Bouche))、イヌノミ(Ctenocephalides canis カーティス(Curtis))、ニワトリノミ(Ceratophyllus gallinae シュランク(Schrank))、ニワトリフトノミ(Echidnophaga gallinacea ウェストウッド(Westwood))、ヒトノミ(Pulex irritans リンネ(Linnaeus))および人間や鳥を悩ます他のノミを含むノミ目の昆虫有害生物が挙げられる。包含されるさらに他の節足動物有害生物として、ドクイトグモ(Loxosceles reclusa グレッチュおよびミュレイク(Gertsch & Mulaik))ならびにクロゴケグモ(Latrodectus mactans ファブリシウス(Fabricius))などのクモ目のクモ、イエムカデ(Scutigera coleoptrata リンネ(Linnaeus))などの唇脚綱ゲジ目のムカデが挙げられる。本発明の化合物は、経済的観点から重要な農業有害生物(すなわち、ネコブセンチュウ属の根こぶ線虫、ネグサレセンチュウ属の根ぐされ線虫、ユミハリセンチュウ属のユミハリ線虫など)ならびに動物および人間の健康を害する有害生物(すなわち、経済的観点から重要なあらゆる吸虫、条虫および回虫であり、ウマの普通円虫(Strongylus vulgaris)、イヌの犬回虫(Toxocara canis)、ヒツジの捻転胃虫(Haemonchus contortus)、イヌの犬糸状虫(Dirofilaria immitis レイディ(Leidy))、ウマの葉状条虫(Anoplocephala perfoliata)、反芻動物の肝蛭虫(Fasciola hepatica リンネ(Linnaeus))など)などであるがこれに限定されるものではない、円虫目、回虫目、蟯虫目、ラブジチダ目、センビセンチュウ目、エノプルス目の経済的観点から重要な虫類をはじめとする、線虫綱、条虫綱、吸虫綱および鉤頭動物門の虫類にも活性を有する。
【0293】
本発明の化合物は、鱗翅目(ヤガの幼虫(Alabama argillacea Huebner)、果樹ハマキムシ(Archips argyrospila Walker)、セイヨウハマキ(A.rosana Linnaeus)およびその他のハマキ(Archips)種、ニカメイチュウ(Chilo suppressalis Walker)、コブノメイガ(Cnaphalocrosis medinalis Guenee)、ハムシモドキの幼虫(Crambus caliginosellus Clemens)、シバツトガ(Crambus teterrellus Zincken)、コドリンガ(Cydia pomonella Linnaeus)、ミスジアオリンガ(Earias insulana Boisduval)、クサオビリンガ(Earias vittella Fabricius)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera Huebner)、オオタバコガの幼虫(Helicoverpa zea Boddie)、オオタバコガの幼虫(Heliothis virescens Fabricius)、クロオビクロノメイガ(Herpetogramma licarsisalis Walker)、ホソバヒメハマキ(Lobesia
botrana Denis & Schiffermueller)、ワタアカミムシガ(Pectinophora gossypiella Saunders)、ミカンコハモグリ(Phyllocnistis citrella Stainton)、オオモンシロチョウ(Pieris brassicae Linnaeus)、モンシロチョウ(Pieris rapae Linnaeus)、コナガ(Plutella
xylostella Linnaeus)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua Huebner)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura Fabricius)、ヨトウガの1種(Spodoptera frugiperda J.E.Smith)、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni Huebner)およびキバガの1種(Tuta absoluta Meyrick)など)の有害生物に対して特に高い活性を示す。
【0294】
また本発明の化合物は、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthisiphon pisum Harris)、マメアブラムシ(Aphis craccivora Koch)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae Scopoli)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii Glover)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi De Geer)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola Patch)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani Kaltenbach)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii Cockerell)、ロシアコムギアブラムシ(Diuraphis noxia Kurdjumov/Mordvilko)、バラリンゴアブラムシ(Dysaphis plantaginea Paaserini)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum Hausmann)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni Geoffroy)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi Kaltenbach)、穀類につくアブラムシ(Metopolophium dirrhodum Walker)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosipum euphorbiae Thomas)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae Sulzer)、レタスアブラムシ)Nasonovia ribisnigri Mosley)、コブアブラムシ(Pemphigus spp.)、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis Fitch)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi Linnaeus)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum Rondani)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae Fabricius)、マダラアルファルファアブラムシ(Therioaphis maculata Buckton)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii Boyer de Fonscolombe)およびミカンク
ロアブラムシ(Toxoptera citricida Kirkaldy)、カサアブラムシ(Adelges spp.)、ペカンネアブラムシ(Phylloxera devastatrix Pergande)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci Gennadius)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii Bellows & Perring)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri Ashmead)およびオンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum Westwood)、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae Harris)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus Fallen)、フタテンヨコバイ(Macrolestes quadrilineatus Forbes)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cinticeps Uhler)、クロスジツマグロヨコバイ(Nephotettix nigropictus Stal)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens Stal)、トウモロコシウンカ(Peregrinus maidis Ashmead)、セジロウンカ(Sogatella furcifera Horvath)、イネウンカ(Sogatodes orizicola Muir)、シロリンゴヨコバイ(Typhlocyba pomaria McAtee)、チマダラヒメヨコバイ(Erythroneoura spp.)、十七年ゼミ(Magcidada septendecim Linnaeus)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi Maskell)、サンホゼカイガラムシ(Quadraspidiotus perniciosus Comstock)、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri Risso)、他のコナカイガラムシ(Pseudococcus spp.)、ヨーロッパナシキジラミ(Cacopsylla pyricola Foerster)、カキキジラミ(Trioza diospyri Ashmead)を含む同翅目の虫類に対して有用な活性を有する。
【0295】
また本発明の化合物は、アオクサカメムシ(Acrosternum hilare Say)、ヘリカメムシの一種(Anasa tristis De Geer)、コバネナガカメの一種(Blissus leucopterus leucopterus
Say)、コットンレースバグ(Corythuca gossypii Fabricius)、トマトバグ(Cyrtopeltis modesta Distant)、アカホシカメムシ(Dysdercus suturellus Herrich−Schaeffer)、茶色のカメムシの一種(Euchistus servus Say)、イッテンカメムシ(Euchistus variolarius Palisot de Beauvois)、ヒメマダラカメムシ(Graptosthetus spp.)、マツノミヘリカメムシ(Leptoglossus corculus Say)、ミドリメクラガメ(Lygus lineolaris Palisot de Beauvois)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula Linnaeus)、イネカメムシ(Oebalus pugnax Fabricius)、ナガカメムシの一種(Oncopeltus fasciatus Dallas)、ワタノミハムシ(Pseudatomoscelis seriatus Reuterを含む半翅目の虫類に対する活性も有する。本発明の化合物で防除される他の昆虫目としては、総翅目(ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis Pergande)、ミカンアザミウマ(Scirthothrips citri Moulton)、ダイズアザミウマ(Sericothrips variabilis Beach)およびネギアザミウマ(Thrips tabaci Lindeman)など);鞘翅目(コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata Say)、インゲンテントウ(Epilachna varivestis Mulsant)およびアグリオテス(Agriotes)属、アトウス(Athous)属またはリモニウス(Limonius)属のコメツキムシの幼虫など)が挙げら
れる。
【0296】
注目すべきは、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)の防除のための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)の防除のための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、トウモロコシウンカ(Peregrinus maidis)の防除のための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)の防除のための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)の防除のための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、コナガ(Plutella xylostella)の防除のための本発明の化合物の使用である。注目すべきは、ハスモンヨトウ(Spodoptera fugiperda)の防除のための本発明の化合物の使用である。
【0297】
本発明の化合物の1種もしくはそれ以上を、他の生物学的に活性な化合物または薬剤の1種もしくはそれ以上と混合することもできる。生物学的に活性な化合物または薬剤としては殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、殺線虫剤、殺バクテリア剤、殺ダニ剤、除草剤、発根刺激剤などの成長調整剤、不妊化剤、信号化学物質、忌避剤、誘引剤、フェロモン、摂食刺激剤、他の生物学的に活性な化合物または昆虫病原性バクテリア、ウィルスまたは菌・カビ類が挙げられ、より広範囲の農業的および非農業的効用を与える多成分有害生物防除剤が形成される。従って、本発明は、生物学的に有効な量の式1の化合物と、有効量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物または薬剤とを含んでなり、そして少なくとも1種の界面活性剤、固体希釈剤または液体希釈剤をさらに含み得る組成物にも関する。他の生物学的に活性な化合物または薬剤を、少なくとも1種の界面活性剤、固体または液体希釈剤を含んでなる組成物中に配合することができる。本発明の混合物に関して、他の生物学的に活性な化合物または薬剤を、式1の化合物を含む本発明の化合物と一緒に配合し、プレミックスを形成することができるか、あるいは他の生物学的に活性な化合物または薬剤を、式1の化合物を含む本発明の化合物と別々に配合し、そして二種の配合物を適用前に一緒に組み合わせる(例えば、噴霧タンク中で)か、あるいは連続的に適用することができる。
【0298】
本発明の化合物と配合することができるかかる生物学的に活性な化合物または薬剤の例は、アバメクチン、アセフェート、アセトアミプリド、アミドフルメト(S−1955)、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス−メチル、ビフェントリン、ビフェナゼート、ブプロフェジン、カルボフラン、カルタプ、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリホス、クロルピリホス−メチル、クロムアフェノジド、クロチアニジン、シフルメトフェン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、λ−シハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジエルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメトエート、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルベンジアミド、フルシトリネート、τ−フルバリネート、フルフェネリム(UR−50701)、フルフェノクスロン、ホノホス、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、モノクロトホス、メトキシフェノジド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン(XDE−007)、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダリル、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフ
ェン(BSN2060)、スピロテトラマト、スルプロホス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブホス、テトラクロルビンホス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタプ−ナトリウム、トラロメトリン、トリアザマト、トリクロルホンおよびトリフルムロンなどの殺虫剤;アシベンゾラー、アミスルブロム、アゾキシストロビン、ベノミル、ブラストサイジン−S、ボルドー混合物(三塩基性硫酸銅)、ボスカリド、ブロムコナゾール、カルプロパミド、カプタホール、カプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、酸塩化銅、銅塩、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、(S)−3,5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンズアミド(RH7281)、ジクロシメト(S−2900)、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェノコナゾール、(S)−3,5−ジヒドロ−5−メチル−2−(メチルチオ)−5−フェニル−3−(フェニルアミノ)−4H−イミダゾール−4−オン(RP407213)、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンカルアミド(SZX0722)、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチンアセテート、フェンチンヒドロキシド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトバー(RPA403397)、フルモルフ/フルモルリン(SYP−L190)、フルオキサストロビン(HEC5725)、フルピコリド、フルキンコナゾール、フルシナゾール、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホセチル−アルミニウム、フララキシル、フラメタピル(S−82658)、ヘキサコナゾール、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メフェノキサム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メトミノストロビン/フェノミノストロビン(SSF−126)、メトラフェノン(AC375839)、ミクロブタニル、ネオ−アソジン(メタンアルソネート第二鉄)、ニコビフェン(BAS510)、オリザストロビン、オキサジキシル、ペンコナゾール、ペンシクロン、プロベナゾール、ペンチオピラド、プロクロラズ、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロキナジド(DPX−KQ926)、プロチオコナゾール(JAU6476)、ピリフェノックス、ピラクロストロビン、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、スピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルズアミド、チオファナート−メチル、チラム、チアジニル、トリアジメホン、トリアジメノール、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、バリダマイシンおよびビンクロゾリンなどの殺菌・殺カビ剤;アルジカルブ、オキサミルおよびフェナミホスなどの殺線虫剤;ストレプトマイシンなどの殺バクテリア剤;アミトラズ、キノメチオナト、クロロベンジラート、シヘキサチン、ジコホル、ジエノクロル、エトキサゾール、フェナザキン、フェンブタチンオキシド、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、ヘキシチアゾクス、プロパルギット、ピリダベンおよびテブフェンピラドなどの殺ダニ剤;ならびに昆虫病原性バクテリア、例えば、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)アイザワイ(aizawai)属およびバチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)クルスターキ(kurstaki)属、ならびにチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のデルタエンドトキシン(例えば、Cellcap、MPV、MPVII);昆虫病原性菌・カビ類、例えば、グリーンムスカリン菌;ならびに昆虫病原性ウイルス、例えば、バクロウイルス、核多角体ウイルス(NPV)、例えばHzNPV、AfNPV;ならびに顆粒病ウイルス(GV)、例えば、CpGVを含む生物剤である。
【0299】
無脊椎有害生物に対してタンパク質毒性(例えば、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタエンドトキシン)を発現するように遺伝的に形質転換された植物に、本発明の化合物およびそれらの組成物を適用することができる。外因的に適用された本発明の無脊椎有害生物防除化合物の効果は、発現された
毒素タンパク質と相乗的であり得る。
【0300】
これらの農業用保護剤(すなわち、殺虫剤、殺菌・殺カビ剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤および生物剤)に関する一般的参照は、ザ ペスティサイド マニュアル(The Pesticide Manual),第12版,C.D.S.トムリン(C.D.S.Tomlin)編,ブリティッシュ クロップ プロテクション カウンシル(British Crop Protection Council),英国、サリー州、ファーナム(Farnham,Surrey,U.K.),2003およびザ バイオペストサイド マニュアル(The BioPestcide Manual),第2版,L.G.コッピング(L.G.Copping)編,ブリティッシュ クロップ プロテクション カウンシル(British Crop Protection Council),英国、サリー州、ファーナム(Farnham,Surrey,U.K.),2001である。
【0301】
特定の例において、同様の範囲の防除を有するが作用様式が異なる他の殺節足動物剤との組み合わせは、抵抗処理に関して特に有利である。従って、本発明の組成物は、同様の範囲の防除を有するが作用様式が異なる少なくとも1つの追加の無脊椎有害生物防除化合物または薬剤の生物学的に有効な量をさらに含んでなり得る。植物保護化合物(例えば、タンパク質)を発現するように遺伝子改変された植物または植物の位置を本発明の化合物の生物学的に有効な量と接触させることによっても、より広い範囲の植物保護をもたらすこともでき、抵抗処理に有利となり得る。
【0302】
特定の例において、本発明の化合物と他の無脊椎有害生物防除化合物または薬剤との組み合わせは相加より高い効果(すなわち、相乗効果)をもたらし得るか、そして/または相加より低い効果(すなわち、拮抗作用)をもたらし得る。有効な有害生物防除を確実にしながら、環境に放出される化学薬剤の量を減少することが常に望ましい。農業的に満足できるレベルの有害生物防除が得られる適用率において無脊椎有害生物防除剤の相乗効果が見られる場合、かかる組み合わせは、作物生産コストの低下および環境負荷の減少に関して都合がよい。
【0303】
表Aに、本発明の混合物、組成物および方法の実例である式1の化合物と他の無脊椎有害生物防除剤との具体的な組み合わせを記載する。表Aの第1欄は具体的な無脊椎有害生物防除剤(例えば、第1列の「アバメクチン」)を記載する。表Aの第2欄は、無脊椎有害生物防除剤の作用モード(既知の場合)を記載する。表Aの第3欄は、式1の化合物、そのN−オキシドまたは塩に対して無脊椎有害生物防除剤を適用可能である率の重量比範囲の実施形態を記載する(例えば、式1の化合物に対して、重量で「50:1〜1:50」のアバメクチン)。従って、例えば、表Aの第1列は具体的に、式1の化合物とアバメクチンとの組み合わせが50:1〜1:50の間の重量範囲で適用可能であることを開示する。表Aの残りの列は同様に解釈される。さらに注目すべきは、表Aは、本発明の混合物、組成物および方法の実例である式1の化合物と他の無脊椎有害生物防除剤との具体的な組み合わせを記載し、そしていくつかの具体的な混合物が注目すべき相乗効果を示す適用率に関する重量比範囲の追加的な実施形態を含む。
【0304】
【表33】

【0305】
【表34】

【0306】
【表35】

【0307】
本発明の化合物と混合するための殺虫剤および殺カビ剤の一実施形態としては、シペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、β−シフルトリン、エスフェンバレレート、フェンバレレート、インドキサカルブおよびトラロメトリンなどのナトリウムチャネル調節剤;メトミル、オキサミルおよびチオジカルブなどのコリンエステラーゼ阻害剤;アセトアミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアクロプリドおよびチアメトキサムなどのネオニコチノイド;インドキサカルブなどの神経細胞ナトリウムチャネルブロッカー;スピノサド、アバメクチン、アベルメクチンおよびエマメクチンなどの殺虫性大環状ラクトン;エンドスルファン、エチプロールおよびフィプロニルなどのGABA(γ−アミノ酪酸)−制御クロライドチャネルブロッカー;フルフェノクスロンおよびトリフルムロンなどのキチン合成阻害剤;ジオフェノランおよびピリプロキシフェンなどの幼若ホルモン模倣品(mimic);アミトラズなどのオクトパミン受容体配位子;メトキシフェノジドおよびテブフェノジドなどのエクジソン作用薬;リアノジン、アントラニルアミドおよびフルベンジアミドなどのリアノジン受容体配位子;フェノチオカルブ;フロニカミド;メタフルミゾン;ピリダリル;ならびにピメトロジンが挙げられる。本発明の化合物と混合するための生物剤の一実施形態としては、バチルス チューリンゲンシスおよびバチルス チューリンゲンシス デルタトキシン、ならびに天然由来および遺伝子改変ウイルス性殺虫剤、例えばバクロウイルス科、ならびに食虫性菌・カビ類が挙げられる。
【0308】
式1の化合物、そのN−オキシドまたは塩を含む化合物と、追加的な無脊椎有害生物防除剤との重量比は、典型的に1000:1と1:1000との間であり、一実施形態は500:1と1:500との間であり、もう1つの実施形態は250:1と1:200との間であり、そしてもう1つの実施形態は100:1と1:50との間である。
【0309】
以下の表Bに、本発明の混合物および/または式1の化合物(化合物番号については索引表A中の化合物を参照のこと)および追加的な無脊椎有害生物防除剤を含んでなる具体的な組成物の実施形態を記載する。
【0310】
【表36】

【0311】
【表37】

【0312】
【表38】

【0313】
【表39】

【0314】
【表40】

【0315】
【表41】

【0316】
【表42】

【0317】
【表43】

【0318】
【表44】

【0319】
【表45】

【0320】
表Bに記載された具体的な混合物は、典型的に、式1の化合物および/または索引表A中に記載の化合物と他の無脊椎有害生物剤とを表Aに具体化された比率で組み合わせる。
【0321】
農業的および/または非農業的外寄生位置を含む有害生物環境に、保護されるべき領域に、または防除されるべき有害生物に直接的に本発明の化合物を含んでなる組成物を生物学的に有効な量で適用することにより、無脊椎有害生物は農業的および/または非農業的適用において防除される。農業的適用は、典型的に、植え付け前に作物の種に、作物植物の葉、茎、花および/または果実に、あるいは植物の植え付け前もしくは後に土壌または他の生長媒体に本発明の組成物または混合物の適用による無脊椎有害生物からの農作物の保護を含む。非農業的適用は、農作物以外の分野における無脊椎有害生物の防除を指す。非農業的適用としては、貯蔵穀物、豆および他の食料品、ならびに衣類およびカーペットなどの繊維品における無脊椎有害生物の防除が挙げられる。非農業的適用としては、装飾用植物、森林、庭において、道路および鉄道路線沿い、ならびに芝生、ゴルフコースおよび牧草地などの芝地における無脊椎有害生物の防除も挙げられる。非農業的適用としては、人間および/またはコンパニオンアニマル、農場の動物、牧場の動物、動物園の動物もしくは他の動物によって占有される家および他の建築物における無脊椎有害生物の防除も挙げられる。非農業的適用としては、建築物に使用される木材または他の構造用材料に損害を与え得るシロアリなどの有害生物の防除も挙げられる。
【0322】
非農業的適用としては、寄生虫性であるか、または伝染病を伝染させる無脊椎有害生物の防除による人間および動物の健康の保護も挙げられる。動物寄生体の防除としては、宿主動物の体の表面(例えば、肩、腋窩、腹部、大腿の内部)に寄生する外部寄生体の防除および宿主動物の体の内側(例えば、胃、腸、肺、静脈、皮下、リンパ組織)に寄生する内部寄生体が挙げられる。外部寄生または病害伝染有害生物としては、例えば、ツツガムシ、チック、シラミ、蚊、ハエ、疥癬、ダニおよびノミが挙げられる。内部寄生体としては、心糸状虫、鉤虫および蠕虫が挙げられる。本発明の化合物および組成物は、外部寄生または病害伝染有害生物を除去するために特に適切である。
【0323】
本発明の化合物および組成物は、農作業動物、例えば、牛、羊、ヤギ、馬、ブタ、ロバ、ラクダ、バッファロー、ウサギ、雌鶏、七面鳥、カモ、ガチョウおよびミツバチ;ペット動物および家畜、例えば犬、猫、ペットの鳥および水槽の魚;ならびに、いわゆる実験動物、例えばハムスター、モルモット、ラットおよびマウスに寄生する寄生体を除去するために適切である。これらの寄生体を除去することによって、死滅および性能低下(肉、ミルク、ウール、皮、卵、蜂蜜等に関して)は減少するため、本発明の化合物を含んでなる組成物を適用することは、より経済的かつ簡単な畜産を可能にする。
【0324】
獣医部門における非農業的な適用は、例えば、錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、ドレンチ調合剤、粒剤、ペースト、ボーラス、摂食による手順、座薬の形態の経腸投与によって;注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹膜内を含む)、インプラントによるような非経口投与によって;鼻からの投与によって;例えば、液浸または浸漬、噴霧、注入、洗浄、粉末によるコーティングの形態で、および本発明の化合物または組成物を含んでなるネックカラー、イヤーマーク、テールマーク、リム巻尺またはホールターなどの体に付ける装置による経皮投与によって、既知の様式で行なわれる。
【0325】
従って本発明は、無脊椎有害生物またはその環境と、生物学的に有効な量の1種もしくはそれ以上の本発明の化合物と、あるいは少なくとも1種のかかる化合物を含んでなる組成物と、または少なくとも1種のかかる化合物および生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物もしくは薬剤を含んでなる組成物とを接触させることを含んでなる、農業的および/または非農業的適用における無脊椎有害生物の防除方法をさらに含んでなる。本発明の化合物および生物学的に有効な量の少なくとも1種の追加の活性化合物または薬剤を含んでなる適切な組成物の例としては、追加の生物学的に活性な化合物が本発明の化合物と同一顆粒上に、または本発明の化合物が存在する顆粒から分離された顆粒上に存在する顆粒組成物が挙げられる。
【0326】
接触方法の一実施形態は噴霧による。あるいは本発明の化合物を含んでなる顆粒組成物を植物の葉面または土壌に適用することができる。本発明の化合物は、植物と、液体製剤の土壌水薬、土壌への顆粒製剤、苗床箱処理または移植浸透として適用される本発明の化合物を含んでなる組成物との接触による植物の取り込みを介しても有効に運搬され得る。注目すべきは土壌ドレンチ液体製剤の形態の本発明の組成物である。無脊椎有害生物の土壌環境を生物学的に有効な量の本発明の化合物と接触させることを含んでなる無脊椎有害生物の防除方法も注目すべきである。さらに注目すべきは、外寄生位置への局所適用によっても有効である本発明の化合物である。他の接触方法としては、直接および残留噴霧、空気噴霧、ゲル、シードコート、マイクロカプセル化、浸透移行性取り込み、餌料、イヤータグ、ボーラス、霧発生器、燻蒸剤、エーロゾル、ダスト等による本発明の化合物または組成物の適用が挙げられる。接触方法の一実施形態は、本発明の混合物または組成物を含んでなる寸法的に安定な肥料顆粒、スティックまたはタブレットである。無脊椎動物防除装置(例えば、昆虫網)を製作するために、本発明の化合物を材料中に含浸させてもよい。シードコートは、特殊化された形質を発現するように遺伝子改変された植物が発芽する種子を含む全ての種類の種子に適用可能である。代表的な例としては、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素などの無脊椎有害生物に対してタンパク質毒性を発現するものまたは「ラウンドアップ レディ(Roundup Ready)」種子などの除草剤耐性を発現するものが挙げられる。
【0327】
無脊椎有害動物によって消費されるか、またはトラップ、餌料ステーション等などの装置内に使用される餌料組成物中に本発明の化合物を組み入れることができる。かかる餌料組成物は、(a)活性成分、すなわち、生物学的に有効な量の式1の化合物、そのN−オキシドまたは塩と、(b)1つもしくはそれ以上の食物材料と、場合により(c)誘引剤と、場合により(d)保湿剤とを含んでなる顆粒の形態であり得る。注目すべきは、約0
.001〜5%の間の活性成分と、約40〜99%の食物材料および/または誘引剤と、場合により、約0.05〜10%の保湿剤とを含んでなる顆粒または餌料組成物であり、これは非常に低い適用率で、特に直接接触よりも摂取による致死量である活性成分の適用量での土壌無脊椎有害生物の防除において有効であり得る。いくつかの食物材料は、食料源および誘引剤の両方として機能し得る。食物材料としては、炭水化物、タンパク質および脂質が挙げられる。食物材料の例は、植物粉、糖、澱粉、動物脂肪、植物油、酵母抽出物および乳固形分である。誘引剤の例は、果物もしくは植物抽出物、香料、または他の動物もしくは植物成分、フェロモン、または標的の無脊椎有害生物を誘引することが既知である他の薬剤などの着臭剤および風味剤である。保湿剤、すなわち、湿分を保持する薬剤の例は、グリコールおよび他のポリオール、グリセリンおよびソルビトールである。注目すべきは、アリ(ant)、シロアリ(termite)およびゴキブリ(cockroach)よりなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物を防除するために使用される餌料組成物(およびかかる餌料組成物を利用する方法)である。無脊椎有害生物の防除装置は、本発明の餌料組成物と、餌料組成物を受け取るために適応されたハウジングとを含んでなり得る。ここで、ハウジングは、ハウジングの外側の位置から餌料組成物へと無脊椎有害生物が接近することができるように、無脊椎有害生物が開口を通過可能である大きさの少なくとも1つの開口を有し、そしてハウジングは、無脊椎有害生物の潜在的もしくは既知の活性位置に、またはその付近に配置されるようにさらに適応される。
【0328】
さらなるアジュバントを使用せずに本発明の化合物を適用することができるが、最も頻繁な適用は、適切な担体、希釈剤および界面活性剤とともに、可能であれば期待される最終用途次第の食品と組み合わせて1種もしくはそれ以上の活性成分を含んでなる製剤である。1つの好ましい適用方法は、本発明の化合物の水分散系または精製された油溶液の噴霧を含む。噴霧油、噴霧油濃縮物、散布展着剤、アジュバント、他の溶媒およびピペロニルブトキシドなどの協力剤との組み合わせも化合物効能を増加させることが多い。非農業的使用に関して、缶、ボトルまたは他の容器などの噴霧容器から、ポンプの手段によって、または高圧容器、例えば加圧エーロゾル噴霧缶からそれを放出することによって、かかる噴霧を適用することができる。かかる噴霧組成物は、様々な形態、例えば、噴霧、ミスト、泡、フェームまたはフォッグを取ることができる。従って、かかる噴霧組成物は場合によっては、噴射剤、発泡剤等をさらに含み得る。注目すべきは、生物学的に有効な量の本発明の化合物または組成物と、担体とを含んでなる噴霧組成物である。かかる噴霧組成物の一実施形態は、生物学的に有効な量の本発明の化合物または組成物と、噴射剤とを含んでなる。代表的な噴射剤としては、限定されないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ブテン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ペンテン、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ジメチルエーテル、およびそれらの混合物が挙げられる。注目すべきは、個々または組み合わせで含まれるカ(mosquito)、ブユ(black fly)、サシバエ(stable fly)、メクラアブ(deer fly)、アブ(horse fly)、大形のハチ(wasp)、スズメバチ(yellow jacket)、スズメバチ(hornet)、マダニ(tick)、クモ(spider)、アリ(ant)、ブヨ(gnat)等よりなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物を防除するために使用される噴霧組成物(および噴霧容器から分配されるかかる噴霧組成物を利用する方法)である。
【0329】
有効な防除に必要とされる適用率(すなわち、「生物学的に有効な量」)は、防除されるべき無脊椎動物の種類、有害生物の生命サイクル、生命段階、大きさ、位置、年齢、宿主作物または動物、摂食行動、交接行動、周囲湿度、温度等などの要因次第である。通常の環境下において、農業的生態系における有害生物を防除するために1ヘクタールあたり約0.01〜2kgの活性成分の適用率が十分であるが、0.0001kg/ヘクタール程度の少なさでも十分であり、または8kg/ヘクタール程度の多さが必要とされてもよい。非農業的適用に関して、有効な使用率は約1.0〜50mg/平方メートルの範囲で
あるが、0.1mg/平方メートル程度の少なさでも十分であり、または150mg/平方メートル程度の多さが必要とされてもよい。所望のレベルの無脊椎有害生物防除に必要な生物学的に有効な量を当業者は容易に決定することができる。
【0330】
相乗作用は「独立して作用する2つ(もしくはそれ以上)の効果の合計より、全体の効果が大きいか、またはより持続性があるような混合物中の2成分の共同的作用」として記載されている(P.M.L.テームズ(P.M.L.Tames),ネーデルランド ジャーナル プラント パソロジー(Neth.J.Plant Pathology),1964,70,73−80を参照のこと)。2つの活性成分間の相乗効果の存在は、コルビー(Colby)等式により確定される(S.R.コルビー(S.R.Colby),カルキュレーティング シネジスティック アンド アンタゴニスティック レスポンスズ オブ ハーバサイド コンビネーションズ(Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations)ウィーズ(Weeds),1967,15,20−22を参照のこと)。
【0331】
【数1】

【0332】
コルビー(Colby)の方法を使用して、単独で適用された2成分の活性を基準として、混合物の予測される活性pを最初に計算することによって、2つの活性成分間の相乗相互作用の存在を確定する。pが実験的に確定された効果より低い場合、相乗作用が生じている。pが実験的に確定された効果と等しいか、それより高い場合、2成分間の相互作用は加法型または拮抗作用のみであることを特徴とする。上記等式において、Aは率xで単独で適用された1成分の観察された結果である。用語Bは、率yで適用された第2の成分の観察された結果である。それらの効果が厳密に付加的であり、かつ相互作用が生じていない場合、この等式はp、率xにおけるAと率yにおけるBとの混合物の殺菌・殺カビ活性を推定する。コルビー等式を使用するため、試験において混合物の活性成分を別々に、ならびに個別に適用する。
【0333】
以下の試験は、具体的な有害生物における本発明の化合物、混合物または組成物の防除有効性を実証する。しかしながら、化合物、混合物または組成物によって与えられる有害生物防除保護はこれらの種に限定されない。特定の例において、本発明の化合物と他の無脊椎有害生物防除化合物または薬剤との組み合わせが特定の重要な無脊椎有害生物に対して相乗効果を示すことがわかっている。
【0334】
混合物または組成物間の相乗作用または拮抗作用の分析については、コルビーの等式を使用して決定した。試験化合物単独に関する平均死亡率%のデータをコルビーの等式に挿入した。観察された(観察)平均死亡率%が「p」、予想される死亡率%より高い場合、
混合物または組成物は相乗効果を有した。観察された平均死亡率%が「p」、予想される死亡率と等しいか、またはそれより低い場合、混合物または組成物は相乗効果を有さないか、または拮抗効果を有した。化合物の記述に関しては索引表Aを参照のこと。索引表において以下の略号が使用される。Meはメチルを意味し、そしてCNはシアノを意味する。略号「Ex.」は「実施例」を表し、その後ろに化合物が調製される実施例を示す数字が続く。
【0335】
【表46】

【0336】
【表47】

【0337】
【表48】

【0338】
本発明の生物学的実施例
試験A
コナガ(Plutella xylostella)の防除を評価するために、12〜14日齢ラディッシュ植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。コアサンプラーの使用により、昆虫食餌の一片において10〜15個体の新生幼虫で、これを事
前に外寄生させ、シート上に多くの発育幼虫を有する硬化した昆虫食餌のシートからプラグを取り出し、そして幼虫および食餌を含有するプラグを試験ユニットに移した。食餌プラグが乾燥すると、幼虫は試験植物上へと移動した。
【0339】
10%アセトン、90%水、ならびに300ppmのX−77(商標)スプレッダー ロー−フォーム フォーミュラ(Spreader Lo−Foam Formula)非イオン性界面活性剤(アルキルアリールポリオキシエチレン、遊離脂肪酸、グリコールおよび2−プロパノール含有)(米国、コロラド州、グリーリーのラブランド・インダストリーズ・インコーポレイテッド(Loveland Industries,Inc.Greeley,Colorado,USA))を含有する溶液を使用して、試験化合物または混合物を配合した。各試験ユニット上1.27cm(0.5インチ)上に位置する1/8JJカスタムボディーを有するSUJ2噴霧器ノズル(米国、イリノイ州、ホイートンのスプレーイング・システムス・カンパニー(Spraying Systems Co.Wheaton,Illinois,USA))を通して、配合された化合物または混合物を1mL液体で適用した。これらの試験の全実験化合物を10ppmで噴霧し、全てについて三回繰り返した。これらの試験の実験混合物に関して、各化合物の所望の混合物濃度を得るため、二種の混合物組み合わせ化合物のそれぞれの所望の濃度の二倍を等容積中で一緒に混合した。
【0340】
配合された試験化合物または混合物の噴霧後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで黒色のスクリーンキャップを上部に置いた。25℃および70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。次いで、消費された葉を基準にして、植物摂食損害を視覚的に評価した。
【0341】
試験された式1の化合物の中で、以下のものが非常に良好なレベルから優れたレベルの植物保護(20%以下の範囲の摂食損害)をもたらした:1、2および3。
【0342】
試験された混合物に関して、結果を表A1に記載する。「」は、観察された保護率%がコルビー(Colby)の等式によって計算された保護率%より高いことを示す。
【0343】
【表49】

【0344】
試験B
ハスモンヨトウ(Spodoptera fugiperda)の防除を評価するために、4〜5日齢コーン(トウモロコシ)植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。昆虫食餌の一片において10〜15個体の1日齢幼虫で、(コアサンプラーの使用により)これを事前に外寄生させた。
【0345】
試験Aに記載された通り、試験化合物1、2および3を配合し、そして10ppmで噴霧した。適用を三回繰り返した。噴霧後、試験Aに記載された通り試験ユニットを育成チャンバー中で保持し、次いで視覚的に評価した。
【0346】
試験された式1の化合物の中で、以下のものが優れたレベルの植物保護(20%以下の範囲の摂食損害)をもたらした:1、2、3、4、5、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30および31。
【0347】
試験C
接触および/または浸透移行性手段によるモモアカアブラムシ(Myzus persicae)の防除を評価するために、12〜15日齢ラディッシュ植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。培養植物から切除した葉の一片上の30〜40個体のアブラムシを試験植物の葉の上に置くことにより、これを事前に外寄生させた(カットリーフ法)。葉の一片が乾燥すると、幼虫は試験植物上へと移動した。事前外寄生後、試験ユニットの土を砂の層で覆った。
【0348】
試験Aに記載された通り、全試験化合物を配合して50ppmで噴霧し、そして三回繰り返した。試験Aに記載された通り、全試験混合物を配合し、そして三回繰り返した。配合された試験化合物または混合物の噴霧後、各試験ユニットを1時間乾燥させ、次いで黒
色のスクリーンキャップを上部に置いた。19℃〜21℃および50%〜70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。各試験ユニットにおいてアブラムシの死亡数および全数を数え、死亡率を決定した。
【0349】
試験された式1の化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、3、4、6、8、9、10、11および12。
【0350】
試験された混合物に関して、結果を表C1に記載する。「」は、観察された死亡率%がコルビー(Colby)の等式によって計算された死亡率%より高いことを示す。
【0351】
【表50】

【0352】
試験D
接触および/または浸透移行性手段によるジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca
fabae Harris)の防除を評価するために、5〜6日齢ロンジオビーン(Longio bean)植物(出現した初生葉)を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。適用前に、土の上部に白砂を加え、そして初生葉の一枚を切除した。試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、50ppmで噴霧し、そして適用を三回繰り返した。噴霧後、5個体のジャガイモヒメヨコバイ(18〜21日齢成虫)によってそれらを後外寄生させる前に、試験ユニットを1時間乾燥させた。黒色のスクリーンキャップをシリンダーの上部に置いた。19℃〜21℃および50%〜70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。次いで、昆虫死亡率に関して各試験ユニットを視覚的に評価した。
【0353】
試験された式1の化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:2、3、9、10および11。
【0354】
試験E
接触および/または浸透移行性手段によるワタアブラムシ(Aphisgossypii)の防除を評価するために、6〜7日齢綿植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。試験Cに関して記載されたカットリーフ法に従って、葉の一片上の30〜40個体によって、これを事前に外寄生させ、そして試験ユニットの土を砂の層で覆った。試験Aに記載された通り試験化合物を配合し、そして50ppmで噴霧した。適用を三回繰り返した。噴霧後、試験Aに記載された通り、試験ユニットを育成チャンバー中に保持し、次いで視覚的に評価した。
【0355】
試験された式1の化合物の中で、以下のものが少なくとも80%の死亡率をもたらした:1、2、3、4、5、6、8、9、10および11。
【0356】
試験F
接触および/または浸透移行性手段によるトウモロコシウンカ(Peregrinus
maidis)の防除を評価するために、3〜4日齢コーン(トウモロコシ)植物(穂)を内部に含む小型開放シリンジ状容器で各試験ユニットを構成した。適用前に、土の上部に白砂を加えた。試験Aに記載された通り三回繰り返して試験混合物を配合し、そして噴霧した。噴霧後、サンドシェーカーによって砂上にそれらを振り撒くことによって、10〜20個体のトウモロコシウンカ(18〜20日齢若虫)によってそれらを後外寄生させる前に、試験ユニットを1時間乾燥させた。黒色のスクリーンキャップを各容器の上部に置いた。19℃〜21℃および50%〜70%相対湿度で育成チャンバー中に6日間、試験ユニットを保持した。各試験ユニットにおいてトウモロコシウンカの死亡数および全数を数え、死亡率を決定した。
【0357】
試験された混合物に関して、結果を表F1に記載する。「」は、観察された死亡率%がコルビー(Colby)の等式によって計算された死亡率%より高いことを示す。
【0358】
【表51】

【0359】
試験G
接触および/または浸透移行性手段によって、ミカンキイロアザミウマ(Western Flower Thrip)(Frankliniella occidentalis パーガンド(Pergande))の防除を評価するために、5〜7日齢豆(var.Soleil)植物を内部に含む小型開放容器で試験ユニットを構成した。
【0360】
試験Aに記載された通り、三回繰り返して試験混合物を配合し、そして噴霧した。噴霧後、試験ユニットを1時間乾燥させ、22〜27個体の成虫のアザミウマを各ユニットに加え、次いで黒色のスクリーンキャップを上部に置いた。25℃および45〜55%相対湿度で7日間、試験ユニットを保持した。各試験ユニットに関する植物損傷の量を評価し、植物保護率を決定した。
【0361】
試験された混合物に関して、結果を表G1に記載する。「」は、観察された保護率%がコルビー(Colby)の等式によって計算された保護率%より高いことを示す。
【0362】
【表52】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

[式中、
JはJ−1
【化2】

で表される複素環であり;
1aはC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、CHO、NO2、C1〜C4アルコキシ、
1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1
〜C4アルキルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルチオ、C1〜C4ハロアルキルスルフィ
ニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4アルコキシカルボニル、C2〜C4アルキルアミノカルボニル、C3〜C5ジアルキルアミノカルボニル、C1〜C4アルキルアミノまたはC2〜C6ジアルキルアミノであり;
1bはH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6ハロアルケニル、C2〜C6ハロアルキニル、C3〜C6ハロシクロアルキル、ハロゲン、CN、CHO、NO2、C1〜C4アルコキ
シ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C1〜C4ハロアルキルチオ、C1〜C4ハロアルキルスルフィニル、C1〜C4ハロアルキルスルホニル、C2〜C4アルキルカルボニル、C2〜C4アルコキシカルボニル、C2〜C4アルキルアミノカルボニル、C3〜C5ジアルキルアミノカルボニル、C1〜C4アルキルアミノまたはC2〜C6ジアルキルアミノであり;
2はHであるか;あるいはそれぞれ場合によりハロゲン、CN、NO2、ヒドロキシ、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキルスルフィニル、C1〜C4アルキルスルホニル、C2〜C4アルコキシカルボニル、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノおよびC3〜C6シクロアルキルアミノよりなる群
から選択される1個もしくはそれ以上の置換基によって置換されていてもよいC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニルまたはC3〜C6シクロアルキルであるか;あるいは
2はC2〜C6アルキルカルボニル、C2〜C6アルコキシカルボニル、C2〜C6アルキ
ルアミノカルボニルまたはC3〜C8ジアルキルアミノカルボニルであり;
3はH、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6
クロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルアミノ、C2〜C8ジアルキルアミノ、C3〜C6シクロアルキルアミノ、C2〜C6アルコキシカルボニルまたはC2〜C6アルキルカルボニルであり;
4はそれぞれ場合によりCH3およびハロゲンから選択される1〜4個の置換基によって置換されていてもよい1−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロブチル、シクロプロピルメチルまたはシクロブチルであるか;あるいは
4はそれぞれ場合により1〜2個のCH3によって置換されていてもよいオキシラニルメチル、2−オキセタニルメチル、3−オキセタニルメチルまたは3−オキセタニルであり;
6はH、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル、ハロ
ゲン、CN、C1〜C4アルコキシ、C2〜C4アルコキシカルボニル、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4ハロアルキルチオ、C1〜C4ハロアルキルスルフィニルおよびC1〜C4ハロアルキルスルホニルよりなる群から選択され;
7は場合によりR9から選択される1〜3個の置換基によって置換されていてもよいフェニルであり;そして
各R9は独立してC1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C6ハロアルキル
、ハロゲン、CN、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4ハロアルキルチオ、C1〜C4ハロアルキルスルフィニルまたはC1〜C4ハロアルキルスルホニルである]
で表される化合物、そのN−オキシドまたは塩。
【請求項2】
2−アミノ−5−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)−3−メチルベンズアミドである化合物。
【請求項3】
2−アミノ−5−ブロモ−N−(シクロプロピルメチル)−3−メチルベンズアミドである化合物。
【請求項4】
2−アミノ−3,5−ジクロロ−N−(シクロプロピルメチル)−ベンズアミドである化合物。
【請求項5】
2−アミノ−3,5−ジブロモ−N−(シクロプロピルメチル)−ベンズアミドである化合物。
【請求項6】
2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)−3−メチルベンズアミドである化合物。
【請求項7】
2−アミノ−5−ブロモ−N−(1−シクロプロピルエチル)−3−メチルベンズアミドである化合物。
【請求項8】
2−アミノ−3,5−ジクロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)−ベンズアミドである化合物。
【請求項9】
2−アミノ−3,5−ジブロモ−N−(1−シクロプロピルエチル)−ベンズアミドである化合物。

【公開番号】特開2013−56915(P2013−56915A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248223(P2012−248223)
【出願日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【分割の表示】特願2007−543368(P2007−543368)の分割
【原出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】