説明

アントラニルアミド系化合物の製造方法

【課題】特定のアントラニルアミド系化合物又はその塩の製造方法の提供。
【解決手段】下式:


(式中、R1a及びRは各々独立に、ハロゲン又はハロアルキルであり;Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物を塩基及び溶媒の存在下でハロゲン化剤と反応させ(ハロゲン化剤としては、塩素又は臭素を選択することができる)て3位を選択的にハロゲン化する工程を含むアントラニルアミド系化合物又はその塩の製造方法の提供。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アントラニルアミド系化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アントラニルアミド系化合物に関しては、農園芸分野の有害生物防除剤として優れた効果を示すことが、例えば特許文献1に開示されている。一方、特許文献2及び3には一定のアントラニルアミド系化合物の製造方法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】国際公開公報 WO 2005/077934
【特許文献2】国際公開公報 WO 2003/016283
【特許文献3】国際公開公報 WO 2004/011453
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、アントラニルアミド系化合物の製造方法については、種々の方法が提案されているが、後記式(I)の特定の置換基パターンのアントラニルアミド系化合物又はその塩をより効率的且つ安価に製造する方法が希求されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、式(II)で表される化合物の選択的なハロゲン化により式(I)で表されるアントラニルアミド系化合物又はその塩を高収率で製造できることを見出すと共に、その原料の一つである式(II-1)の化合物を効率的に製造できる方法を見出し、本発明を完成した。即ち、本発明は、式(II):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、R1a及びRは各々独立に、ハロゲン又はハロアルキルであり;Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物と、ハロゲン化剤を反応させることを特徴とする式(I):
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、Halは塩素原子又は臭素原子であり;R1a、R及びRは前述の通りである)で表されるアントラニルアミド系化合物又はその塩の製造方法に関する。また、本発明は、前記式(I)のRが臭素原子である式(I-1):
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、R1a、R及びHalは前述の通りである)の化合物の製造方法であって、式(II-1):
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させることを特徴とする前記アントラニルアミド系化合物又はその塩の製造方法に関する。
また、本発明は、式(III-1):
【0014】
【化5】

【0015】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物と酸化剤とを反応させるか、或いは、式(IV-1):
【0016】
【化6】

【0017】
(式中、RはC5-C10アルキルオキシ、置換可フェノキシ、置換可ベンジルオキシ、アルキルチオ、置換可フェニルチオ又は置換可ベンジルチオである)で表される化合物と、式(V−1):
【0018】
【化7】

【0019】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物を反応させることにより得られる式(II-1)の化合物と、ハロゲン化剤を反応させる前記式(I−1)の化合物製造方法に関する。又、本発明は、前記反応の原料である式(II-1):
【0020】
【化8】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物の製造方法であって、式(VI-1):
【0021】
【化9】

【0022】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物と式(VII):
【0023】
【化10】

【0024】
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子である)で表される化合物とを反応させて式(VIII-1):
【0025】
【化11】

(式中、R1a及びR2は前述の通りである)で表される化合物を製造し、得られた式(VIII-1)の化合物と;スルホン酸塩化物、塩素化剤又は酸塩化物とを反応させて;式(IX-1):
【0026】
【化12】

【0027】
(式中、Lはアルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ又は塩素原子であり;R1a及びR2は前述の通りである)で表される化合物を製造し、次に、得られた式(IX-1)の化合物と臭素化剤とを反応させて式(III-1):
【0028】
【化13】

【0029】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物を製造し、更に、得られた式(III-1)の化合物と酸化剤とを反応させる式(II−1)の化合物の製造方法に関する。また、本発明は、式(II−1):
【0030】
【化14】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物又はその塩、式(V-1):
【0031】
【化15】

【0032】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物又はその塩、式(VI-1):
【0033】
【化16】

【0034】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物又はその塩、式(VIII-1):
【0035】
【化17】

【0036】
(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物又はその塩、式(IX-1):
【0037】
【化18】

(式中、R1a、R及びLは前述の通りである)の化合物又はその塩、式(III-1):
【0038】
【化19】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物又はその塩、式(X-1):
【0039】
【化20】

【0040】
(式中、Rはアルキルであり、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物又はその塩;及び、式(XI-1):
【0041】
【化21】

【0042】
(式中、R1a及びRは前述のとおりである)で表される化合物又はその塩に関する。
【0043】
1a、R、R、R又はR中のアルキル又はアルキル部分としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシルのような、直鎖又は分岐状のC1-C6のアルキルが挙げられる。又、Rの「C5−C10アルキルオキシ」におけるアルキル部分は直鎖であっても分岐状であってもよい。
1a又はR中のハロゲン又は置換基としてのハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙げられる。置換基としてのハロゲンの数は1又は2以上であってもよく、2以上の場合、各ハロゲンは同一でも相異なっても良い。又、ハロゲンの置換位置はいずれの位置でもよい。
のフェノキシ、ベンジルオキシ、フェニルチオ及びベンジルチオの置換基としては、塩素原子、臭素原子、メチル、メトキシ又はニトロが挙げられる。
式(X−1)及び(XI−1)の化合物には、シス体及びトランス体の異性体が存在するが、いずれか一方であってもその混合物であっても構わない。
【0044】
前記化合物の塩としては、農薬上許容されるものであればあらゆるものが含まれる。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩のようなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
【発明の効果】
【0045】
本発明の方法によれば、ベンゼン環及びピラゾール環の特定の位置にハロゲン原子を持つアントラニルアミド系化合物又はその塩を効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に本発明に係わるアントラニルアミド系化合物又はその塩の製造方法につき詳述する。
式(I)のアントラニルアミド系化合物又はその塩は、以下の反応〔A〕と、通常の塩の製造方法に従って製造することができる。
【0047】
【化22】

【0048】
式中、R1a、R、R及びHalは前述のとおりである。
反応〔A〕は、式(II)の化合物を通常、塩基及び溶媒の存在下でハロゲン化剤と処理することにより行うことができる。
式(II)の化合物としては、3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル]−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−N−[4−クロロ−2−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル]−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、N−[4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル]−3−トリフルオロメチル−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドなどを挙げることができる。
ハロゲン化剤としては、塩素又は臭素を選択することができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムのような金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、化合物(II)に対して0.8〜5倍モル、望ましくは1〜3.5倍モル使用することができる。
【0049】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔A〕は、通常−20〜120℃、望ましくは0〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜48時間程度、望ましくは1〜24時間程度とすることができる。
【0050】
上記反応において、Rが臭素原子である式(I−1)の化合物は、式(II-1)の化合物から製造することができる。
【0051】
【化23】

【0052】
式中、R1a、R及びHalは前述の通りである。
反応〔A〕で使用する式(II−1)の化合物を含む式(II-A)の化合物は、〔B〕〜〔M〕又は、〔N〕〜〔Q〕の方法で製造することができる。
【0053】
【化24】

【0054】
式中、Rはアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルカルボニル、ハロアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ニトロ、ホルミル又はシアノであり、AはYで置換されたアルキルであり;Yはハロゲン、アルキル及びハロアルキルからなる群より選択される少なくとも1つの置換基で置換されてもよいC3−4シクロアルキルであり、mは0〜4である。
、A又はY中のアルキル又はアルキル部分は直鎖又は分岐状のいずれでもよい。その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシルのようなC1−6のものなどが挙げられる。
中のアルケニル又はアルケニル部分は直鎖又は分岐状のいずれでもよい。その具体例としては、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ヘキセニルのようなC2−6のものなどが挙げられる。
中のアルキニル又はアルキニル部分は直鎖又は分岐状のいずれでもよい。その具体例としては、エチニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、3−ヘキシニルのようなC2−6のものなどが挙げられる。
又はY中のハロゲン又は置換基としてのハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙げられる。置換基としてのハロゲンの数は1又は2以上であってもよく、2以上の場合、各ハロゲンは同一でも相異なっても良い。又、ハロゲンの置換位置はいずれの位置でもよい。
反応〔B〕は、通常、溶媒の存在下で式(III)の化合物と酸化剤とを処理することにより行なうことができ、式(II-A)で表されるアントラニルアミド系化合物を製造できる。
式(III)の化合物としては、3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドなどを挙げることができる。
酸化剤としては、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、クロラニル、o−クロラニル、過酸化水素、過酸化二硫酸アンモニウム、過酸化二硫酸ナトリウム、過酸化二硫酸カリウム、過マンガン酸カリウム、OXONE(商品名)、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルヒドロペルオキシド、酸素などが挙げられる。酸化剤は、式(III)の化合物に対して1〜10倍モル、望ましくは1〜4.5倍モル使用することができる。
【0055】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒、酢酸あるいは水などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔B〕は、通常0〜150℃、望ましくは15〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜50時間程度である。
上記反応において、式(II-1)の化合物は式(III-1)の化合物から製造できる。
【0056】
【化25】

式中、R1a及びR2は前述の通りである。
前記式(III)の化合物は、反応〔C〕に従い製造することができる。
【0057】
【化26】

【0058】
式中、R、A、L及びmは前述の通りである。
反応〔C〕は、通常、溶媒の存在下で、式(IX)の化合物と、等モル以上臭素化剤を処理することにより行なうことができる。
式(IX)の化合物としては、5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナート、5−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナート、5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナート、5−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナート、5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル メタンスルホナート、5−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル メタンスルホナート、5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル メタンスルホナート、5−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル メタンスルホナート、5−(4−クロロ−2−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル メタンスルホナートなどを挙げることができる。
【0059】
臭素化剤としては、臭素や臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アンモニウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化アルミニウム、三臭化リン、五臭化リン、臭化鉄、臭化銅、臭化亜鉛などの金属臭化物などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;酢酸のようなプロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔C〕は、通常−10〜150℃、望ましくは0〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜24時間程度である。
上記反応において、式(III-1)の化合物は式(IX-1)の化合物から製造できる。
【0060】
【化27】

式中、R1a、R2及びLは前述の通りである。
前記式(IX)の化合物は、反応〔D〕に従い製造することができる。
【0061】
【化28】

【0062】
式中、R、A、L及びmは前述の通りである。
反応〔D〕は、通常、塩基及び溶媒の存在下で式(VIII)の化合物と、等モル以上のスルホン酸塩化物、塩素化剤又は酸塩化物を処理することにより行なうことができる。
式(VIII)の化合物としては、N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、N−(4−クロロ−2−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドなどを挙げることができる。
スルホン酸塩化物としては、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリドなどが挙げられる。塩素化剤としてはp−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、チオニルクロリド、シュウ酸ジクロリド、三塩化リン、五塩化リンなどが挙げられる。酸塩化物としては塩化アセチル、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチルなどが挙げられる。
【0063】
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(VIII)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔D〕は、通常−20〜140℃、望ましくは−10〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜10時間程度である。
上記反応において、式(IX-1)の化合物は式(VIII-1)の化合物から製造できる。
【0064】
【化29】

式中、R1a、R2及びLは前述の通りである。
前記式(VIII)の化合物は、反応〔E〕に従い製造することができる。
【0065】
【化30】

【0066】
式中、R、A、X及びmは前述のとおりである。
反応〔E〕は、式(VI)の化合物に通常、不活性ガスの雰囲気条件下で、塩基及び溶媒の存在下で式(VII)の化合物を処理することにより行なうことができる。
式(VI)の化合物としては、例えばN−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミド、N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミド、N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミド、N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミド、N−(4−クロロ−2−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミドなどを挙げることができる。
不活性ガスとしては、窒素又はアルゴンのようなガスが挙げられる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リン酸三カリウム・水和物のような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(VI)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜3.5倍モル使用することができる。
【0067】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノールのようなアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応を促進するために金属触媒を添加することもできる。金属触媒としては、パラジウム−炭素、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロリドのようなパラジウム触媒から1種又は2種以上を適宜選択することができる。金属触媒は、式(VI)の化合物に対して0.005〜2.5倍モル、望ましくは0.01〜1倍モル使用することができる。
反応〔E〕は、通常0〜150℃、望ましくは25〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜50時間程度である。
上記反応において、式(VIII-1)の化合物は式(VI-1)の化合物から製造できる。
【0068】
【化31】

式中、R1a、R2及びXは前述の通りである。
【0069】
前記式(VI)の化合物は、通常、溶媒の存在下で式(X)の化合物とヒドラジンとを処理することにより製造することができる。
【0070】
【化32】

【0071】
式中、R、R、A及びmは前述の通りである。
式(X)の化合物には、シス体及びトランス体の異性体が存在するが、いずれか一方であってもその混合物であっても構わない。
【0072】
式(X)の化合物としては、4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸メチル、4−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸メチル、4−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸エチル、4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸メチル、4−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸メチル、4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸メチル、4−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸メチル、4−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸エチル、4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸メチル、4−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸メチル、4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸エチル、4−(4−クロロ−2−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸エチル、4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸メチルなどを挙げることができる。
ヒドラジンは、式(X)の化合物に対して0.9〜1.5倍モル、望ましくは1〜1.2倍モル使用することができる。
【0073】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノール、水のようなプロトン性溶媒;ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、通常−10〜150℃、望ましくは0〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.2〜20時間程度である。
上記反応において、式(VI-1)の化合物は式(X-1)の化合物から製造できる。
【0074】
【化33】

式中、R1a、R2及びRは前述の通りである。
前記式(X)の化合物は、〔G〕に従い製造することができる。
【0075】
【化34】

【0076】
式中、R、R、A及びmは前述の通りである。
化合物(X)及び(XI)にはシス体及びトランス体の異性体が存在するが、いずれか一方であってもその混合物であっても構わない。
反応〔G〕は、通常、溶媒の存在下で式(XI)の化合物と式(XII)の化合物とを処理するか、または溶媒および塩基の存在下で式(XI)の化合物と式(XII)の化合物の塩とを処理することにより行うことができる。
式(XI)の化合物としては、(E)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチル、(E)−3−(8−ブロモ−6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチル、(E)−3−(8−ブロモ−6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸エチル、(E)−3−(6−クロロ−8−メチル−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチル、(Z)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチル、(Z)−3−(8−ブロモ−6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチル、(Z)−3−(8−ブロモ−6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸エチル、(Z)−3−(6−クロロ−8−メチル−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチル、(E)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸エチルなどを挙げることができる。
又、式(XII)の化合物としては、α−メチル−シクロプロピルメチルアミン、α−メチル−シクロブチルメチルアミン、シクロプロピルメチルアミンなどを使用することができる。式(XII)の化合物の塩としては、塩酸塩、硫酸塩などの無機酸の塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸の塩などを使用することができる。式(XII)の化合物またはその塩は、式(XI)の化合物に対して等モル以上、望ましくは1〜5倍モル使用することができる。
式(XII)の化合物の塩を使用する場合は、塩基を用いることが望ましい。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XII)の化合物の塩に対して0.7〜5倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、通常−20〜120℃、望ましくは0〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
上記反応において、式(X-1)の化合物は式(XI-1)の化合物から製造できる。
【0077】
【化35】

式中、R1a、R2及びRは前述の通りである。
【0078】
上記式(X)の化合物は、反応〔H〕又は〔I〕の方法でも製造することができる。
【0079】
【化36】

【0080】
式中、R、R、A及びmは前述の通りである。化合物(X)及び(XIII)にはシス体及びトランス体の異性体が存在するが、いずれか一方であってもその混合物であってもよい。
上記反応で使用できる式(V)の化合物としては、2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド、2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド、2−アミノ−5−クロロ−3−メチル−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド、2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)ベンズアミドなどを挙げることができる。
反応〔H〕の一段階目の反応は、通常、溶媒の存在下で式(V)の化合物と無水マレイン酸とを処理することにより行うことができる。
無水マレイン酸は、式(V)の化合物に対して0.9〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒や酢酸などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0081】
本反応は、所望により塩基の存在下で行うこともできる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(V)の化合物に対して0.7〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
【0082】
本反応は、通常0〜150℃、望ましくは20〜110℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
【0083】
反応〔H〕の二段階目の反応は、通常、酸の存在下で式(XIII)の化合物と、等モル以上のR-OHで表されるアルコールとを処理することにより行うことができる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどから適宜選択することができる。
【0084】
酸としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素のようなハロゲン化水素;硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、ホウ酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸のような無機酸;ハロゲン化チタン、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化スズ、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化銅、トリフルオロボラン-エーテル錯体のようなルイス酸;ギ酸、C−Cアルキルカルボン酸、芳香族カルボン酸、C−Cアルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸のような有機酸などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。酸は化合物(XIII)に対して0.05〜10倍モル、望ましくは0.1〜5倍モル使用することができる。
本反応は、所望により溶媒の存在下で行うこともできる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、通常0〜100℃、望ましくは10〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常1〜50時間程度である。
【0085】
【化37】

【0086】
式中、R6は塩素原子又は臭素原子であり、R、R、A及びmは前述の通りである。式(X)、(XIV)及び(XV)の化合物にはシス体及びトランス体の異性体が存在するが、いずれか一方であってもその混合物であっても構わない。
反応〔I〕の一段階目の反応は、通常、溶媒の存在下で式(V)の化合物と式(XIV)の化合物とを処理することにより行うことができる。式(XIV)の化合物は、式(V)の化合物に対して0.9〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
【0087】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、所望により塩基の存在下で行うこともできる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(V)の化合物に対して0.7〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
【0088】
本反応は、通常−10〜150℃、望ましくは0〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
【0089】
反応〔I〕の二段階目の反応は、通常、溶媒の存在下、式(XV)の化合物と、等モル以上のR−OHで表されるアルコールとを処理することにより行うことができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、所望により塩基の存在下で行うこともできる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、アルコールに対して0.7〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
本反応は、通常−10〜150℃、望ましくは0〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
【0090】
また、前記反応〔G〕で使用される式(XI)の化合物は、〔J〕や〔K〕の反応に従って製造することができる。
【0091】
【化38】

【0092】
式中、R、R及びmは前述の通りである。式(XVI)及び(XVII)の化合物にはシス体及びトランス体の異性体が存在するが、いずれか一方であってもその混合物であっても構わない。
反応〔J〕は、通常、式(XVII)の化合物を塩基および溶媒の存在下で酸クロリドと反応させて活性誘導体に変換させた後、塩基の存在下で式(XVI)の化合物と反応させ、更に活性化剤を加えて反応させることにより行なうことができる。
上記反応で使用できる式(XVI)の化合物としては、5−クロロアントラニル酸、3−ブロモ−5−クロロアントラニル酸、5−クロロ−3−メチルアントラニル酸などを挙げることができ、式(XVII)の化合物としては、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノプロピルエステルなどを使用することができる。
【0093】
上記反応は溶媒の存在下で行なうことができ、同一の溶媒中で一連の反応を行なうことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0094】
酸クロリドとしては、クロロ炭酸エステル類やスルホニルクロリドあるいはカルボン酸クロリド等を使用することができる。クロロ炭酸エステルとしては、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソプロピルなどが挙げられ、スルホニルクロリドとしては、メタンスルホニルクロリド、プロパンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどが挙げられ、カルボン酸クロリドとしては、塩化アセチル、塩化プロピオニルなどが挙げられ、なかでもメタンスルホニルクロリドが好ましい。この試薬は、式(XVII)の化合物に対して1.0から3.0倍モル、望ましくは1.1から2.0倍モルである。
塩基としてはピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、2,6−ルチジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。塩基は式(XVI)の化合物に対して1.0から2.0倍モル、望ましくは1.2から1.7倍モルである。
反応は、通常−30〜60℃、望ましくは−10〜40℃で行うことができ、反応時間は、通常5分〜1時間程度である。
【0095】
式(XVII)の化合物を活性誘導体に変換させた後、反応させる式(XVI)の化合物は、前記式(XVII)の化合物に対して0.9から1.2倍モル、望ましくは1.0から1.05倍モルである。
塩基は、上記活性誘導体化の際に使用したものを用いることができ、前記式(XVI)の化合物に対して2から4倍モル、望ましくは2.9から3.5倍モルである。式(XVI)の化合物及び塩基は溶媒との混合溶液にして加えることもできる。
反応は、通常−30〜60℃、望ましくは−10〜40℃で行うことができ、反応時間は、通常5分〜1時間程度である。
【0096】
活性化剤としては、クロロ炭酸エステルやスルホニルクロリド等を使用することができる。クロロ炭酸エステルとしては、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソプロピルが、スルホニルクロリドとしては、メタンスルホニルクロリド、プロパンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどが挙げられるが、なかでもメタンスルホニルクロリドが好ましい。活性化剤は、前記式(XVI)の化合物の1.0から1.5倍モル、さらに望ましくは1.1から1.3倍モルである。活性化剤は前述の酸クロリドと同一のものを使用することが望ましく、溶媒との混合物にして加えることもできる。
反応は、通常−30〜60℃、望ましくは−10〜40℃で行うことができ、反応時間は、通常1〜24時間程度である。
【0097】
【化39】

【0098】
式中、R、R及びmは前述の通りである。
式(XI)の化合物は、式(XVIII)の化合物を溶媒の存在下で活性誘導体に変換し、環化反応を行なうことによっても製造することができる。
活性誘導体に変換させる試薬として、クロロ炭酸エステル類やスルホニルクロリド、塩化チオニル、カルボン酸クロリド、カルボン酸無水物、塩化リン等を使用することができる。クロロ炭酸エステルとしては、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソプロピルなどが挙げられ、スルホニルクロリドとしては、メタンスルホニルクロリド、プロパンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどが挙げられ、カルボン酸無水物としては無水酢酸、無水プロピオン酸などが挙げられるが、なかでもメタンスルホニルクロリドや無水酢酸が好ましい。
上記活性化試薬は、前記式(XVIII)の化合物の1.0から1.5倍モル、さらに望ましくは1.1から1.3倍モルであるが、カルボン酸無水物を溶媒として用いる場合には前記式(XVIII)の化合物の3から20倍重量を使うこともできる。活性化剤は溶媒との混合物にして加えることもできる。また、硫酸、塩酸などの酸を添加することによっても反応を行なうことができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドのような極性非プロトン性溶媒;無水酢酸、無水プロピオン酸などのカルボン酸無水物などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応は、通常−30〜100℃、望ましくは−10〜60℃で行うことができ、反応時間は、通常1〜24時間程度である。
式(XI)の化合物のシス体は、塩酸などの酸で処理することによりトランス体に異性化することができる。
上記式(XVIII)の化合物は、〔L〕又は〔M〕の方法に従って製造することができる。
【0099】
【化40】

【0100】
式中、R、R及びmは前述の通りである。化合物(XVIII)及び(XIX)にはシス体及びトランス体の異性体が存在するが、それぞれ一方であってもその混合物であってもよい。
反応〔L〕の一段階目の反応は、通常、溶媒の存在下で式(XVI)の化合物と無水マレイン酸とを処理することにより行うことができる。無水マレイン酸は、式(XVI)の化合物に対して0.9〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒や酢酸などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0101】
本反応は、所望により塩基の存在下で行うこともできる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XVI)の化合物に対して0.7〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
【0102】
本反応は、通常0〜150℃、望ましくは20〜110℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
【0103】
反応〔L〕の二段階目の反応は、通常、酸の存在下で式(XIX)の化合物と、等モル以上のR5−OHで表されるアルコールとを処理することにより行うことができる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどから適宜選択することができる。
【0104】
酸としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素のようなハロゲン化水素;硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、ホウ酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸のような無機酸;ハロゲン化チタン、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化スズ、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化銅、トリフルオロボラン-エーテル錯体のようなルイス酸;ギ酸、C−Cアルキルカルボン酸、芳香族カルボン酸、C−Cアルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸のような有機酸などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。酸は式(XIX)の化合物に対して0.05〜10倍モル、望ましくは0.1〜5倍モル使用することができる。
本反応は、所望により溶媒の存在下で行うこともできる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、通常0〜100℃、望ましくは10〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常1〜50時間程度である。
【0105】
【化41】

【0106】
式中、Rは塩素原子又は臭素原子であり、R、R及びmは前述の通りである。化合物(XIV)、(XVIII)及び(XX)には、シス体及びトランス体の異性体が存在するが、各一方の異性体であってもその混合物であってもよい。
反応〔M〕の一段階目の反応は、通常、溶媒の存在下で式(XVI)の化合物と式(XIV)の化合物とを処理することにより行うことができる。式(XIV)の化合物は、式(XVI)の化合物に対して0.9〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
【0107】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、所望により塩基の存在下で行うこともできる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XVI)の化合物に対して0.7〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
【0108】
本反応は、通常−10〜150℃、望ましくは0〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
【0109】
反応〔M〕の二段階目の反応は、通常、溶媒の存在下で、式(XX)の化合物と、等モル以上のR5-OHで表されるアルコールとを処理することにより行うことができる。
式中、R5は前述の通りである。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
本反応は、所望により塩基の存在下で行うこともできる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのような無機塩基;ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような有機塩基などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XX)の化合物に対して0.7〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
本反応は、通常−10〜150℃、望ましくは0〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度である。
【0110】
前記式(II-1)の化合物を含む式(II)化合物は、以下の反応〔N〕〜〔Q〕に従って製造することができる。
【0111】

【0112】
式中、R1a、R、R及びRは前述の通りである。
上記反応で使用できる式(IV)の化合物としては、ペンチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート、ペンチル 3−クロロ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート、フェニル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート、S−ベンジル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボチオエートなどを挙げることができる。
式(V-1)の化合物としては、2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド、2−アミノ−5−クロロ−N−(シクロプロピルメチル)ベンズアミド、2−アミノ−5−クロロ−3−トリフルオロメチル−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミドなどを挙げることができる。
反応〔N〕は通常、塩基及び溶媒の存在下、式(IV)の化合物と式(V−1)の化合物を処理することにより行うことができる。
塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、化合物(V−1)に対して0.5〜5倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用することができる。
【0113】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応中の加水分解を防ぐために、反応系内に脱水剤を添加してもよい。脱水剤としては無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムなどが上げられ、化合物(V−1)に対し1倍〜100倍モル加えることができる。
【0114】
反応〔N〕は、通常0〜120℃、望ましくは5〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.25〜24時間程度、望ましくは0.5〜12時間程度とすることができる。
上記反応において、式(II-1)の化合物は式(IV-1)の化合物から製造できる。
【0115】
【化42】

式中、R1a、R2及びRは前述の通りである。
上記反応で使用できる式(IV-1)の化合物としては、ペンチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート、フェニル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート、S−ベンジル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボチオエートなどを挙げることができる。
【0116】
反応〔N〕で使用する化合物(IV)においてRがC−C10アルキルオキシ、置換可フェノキシ又は置換可ベンジルオキシである化合物(IV−2)は、以下の反応〔O〕に従って製造することができる。
【0117】

【0118】
式中、R4aはC5-C10アルキルオキシ、置換可フェノキシ又は置換可ベンジルオキシであり、Rは前述の通りである。
反応〔O〕は通常、酸及び溶媒の存在下、式(XXI)の化合物を酸化剤により処理することで行うことができる。
酸化剤としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、モノ過硫酸カリウム、過マンガン酸カリウムなどがあげられ、1種又は2種以上を適宜選択することができる。酸化剤は、化合物(XXI)に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
酸としては硫酸、リン酸、酢酸などがあげられる。酸は、化合物(XXI)に対して0.5〜5倍モル使用することができる。
【0119】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒あるいは水などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0120】
反応〔O〕は、通常0〜150℃、望ましくは15〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜4時間程度とすることができる。
【0121】
反応〔O〕で使用する化合物(XXI)においてRが塩素原子又は臭素原子である式(XXI−1)の化合物は、以下の反応〔P〕に従って製造することができる。
【0122】

【0123】
式中、R3aは塩素原子又は臭素原子であり、R4aは前述の通りである。
反応〔P〕は通常、式(XXII)の化合物を溶媒の存在下でハロゲン化剤と処理することで行うことができる。
ハロゲン化剤としては、オキシ臭化リン、オキシ塩化リンのようなオキシハロゲン化リンを用いることができる。ハロゲン化剤は、式(XXII)の化合物に対して0.33〜3倍モル、望ましくは0.5〜2倍モル使用することができる。
【0124】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0125】
反応〔P〕は、通常0〜120℃、望ましくは5〜100℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.2〜8時間程度、望ましくは0.5〜4時間程度とすることができる。
【0126】
化合物(XXII)は、以下の反応〔Q〕に従って合成することができる。
【0127】

【0128】
式中、R4aは前述の通りである。
反応〔Q〕は通常、塩基及び溶媒の存在下で3−クロロ−2−ヒドラジニルピリジンと、フマル酸エステルまたはマレイン酸エステル、あるいはそれらの混合物と処理することで行うことができる。
塩基としては、ナトリウムペントキシド、カリウムペントキシドのようなアルカリ金属アルコキシドを用いることができる。これらアルカリ金属アルコキシドは水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物及びナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属と、アルコールから調製することができる。塩基は、3−クロロ−2−ヒドラジニルピリジンに対して0.7〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
【0129】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノールのようなアルコール類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。アルコールが望ましく、特にフマル酸エステルまたはマレイン酸エステル及びアルコキシド塩基を構成するアルコールと同一のものが望ましい。
【0130】
反応〔Q〕は、通常0〜150℃、望ましくは20〜130℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜4時間程度とすることができる。
【0131】
また、前記式(I)で表される化合物は、以下の反応〔R〕と、通常の塩の製造方法に従っても製造することができる。
【0132】

【0133】
式中、R1a、R、R、R及びHalは前述の通りである。
反応〔R〕は通常、塩基及び溶媒の存在下で式(IV)の化合物と式(XXIV)の化合物を処理することにより行うことができる。
塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、化合物(IV)に対して0.5〜5倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用することができる。
【0134】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応中の加水分解を防ぐために、反応系内に脱水剤を添加してもよい。脱水剤としては無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムなどが挙げられ、式(XXIV)の化合物に対し1倍〜100倍モル加えることが出きる。
【0135】
反応〔R〕は、通常0〜120℃、望ましくは5〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
【0136】
更に、反応〔R〕に準じれば、式(I−B)の化合物を反応〔S〕に従って製造することができる。
【0137】

【0138】
式中、Rは水素原子、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであり、R1a、R、R及びRは前述の通りである。
反応〔S〕は通常、塩基及び溶媒の存在下、式(IV)の化合物と式(XXV)の化合物を処理することにより行うことができる。
塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、化合物(IV)に対して0.5〜5倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用することができる。
【0139】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応中の加水分解を防ぐために、反応系内に脱水剤を添加してもよい。脱水剤としては無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウムなどが挙げられ、化合物(XXV)に対し1倍〜100倍モル加えることが出きる。
【0140】
反応〔S〕は、通常0〜120℃、望ましくは5〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
【0141】
化合物(IV)は、以下の反応〔T〕に従って製造することができる。
【0142】

【0143】
式中、Zは塩素原子、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、メチルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基であり、R及びRは前述の通りである。
反応〔T〕の第一工程は、式(XXVI)の化合物を等モル以上の塩素化剤、酸塩素化物などと処理することにより行なうことができる。
塩素化剤としては例えば塩化チオニル、シュウ酸ジクロリド、三塩化リン、五塩化リンなどがあげられる。酸塩化物としてはクロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、メチルスルホニルクロリド、フェニルスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、などが挙げられる。
【0144】
この反応では溶媒を用いてもよく、溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔T〕の第一工程は、通常−20〜140℃、望ましくは−10〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜10時間程度、望ましくは0.5〜5時間程度とすることができる。
【0145】
式(XXVII)の化合物においてZがアルコキシカルボニルオキシ基、メチルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基である場合、第一工程は塩基の存在下で行うこともできる。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XXVI)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
【0146】
反応〔T〕の第二工程は通常、塩基及び溶媒の存在下で式(XXVII)の化合物と式(XXVIII)の化合物を処理することにより行うことができる。
塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XXVIII)の化合物に対して0.8〜3倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
【0147】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;ペンタノール、ヘキサノール、イソアミルアルコール、のようなアルコール類、水などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。ペンタノール、ヘキサノール、イソアミルアルコール、のようなアルコール類は化合物(XXVIII)の一例でもあり反応試剤を溶媒として利用することもできる。
反応〔T〕の第二工程は、通常−20〜120℃、望ましくは0〜40℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.25〜24時間程度、望ましくは0.5〜12時間程度とすることができる。
【0148】
化合物(XXVI)は式(IV)の化合物の加水分解により得られるWO03/016283などに記載の公知の化合物であり、当業者は既知の方法により得ることが可能である。式(XXVIII)の化合物も市販されていて容易に入手可能な公知の化合物である。
【0149】
前記反応〔H〕及び〔N〕で使用する式(V−1)の化合物及び前記反応〔R〕で使用する式(XXIV)の化合物は、以下の反応〔U〕に従って製造することができる。
【0150】


【0151】
式中、Zは塩素原子、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基であり、R1a、R及びHalは前述の通りである。
反応〔U〕の第一工程は、化合物(XXIX)に等モル以上の塩素化剤、酸塩化物などを作用させて行なうことができる。
塩素化剤としては例えば塩化チオニル、シュウ酸ジクロリド、三塩化リン、五塩化リンなどがあげられる。酸塩化物としてはクロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチルなどがあげられる。
この反応では溶媒を用いてもよく、溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔U〕の第一工程は、通常−20〜140℃、望ましくは−10〜120℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜10時間程度、望ましくは0.5〜5時間程度とすることができる。
化合物(XXX)においてZaがメトキシカルボニルオキシ基又はエトキシカルボニルオキシ基である場合、第一工程は塩基の存在下で行うこともできる。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XXIX)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
【0152】
反応〔U〕の第二工程は、通常溶媒の存在下で式(XXX)の化合物と等モル以上の置換アミン(XII-1)を作用させて行なうことができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔U〕の第二工程は、通常−10〜100℃、望ましくは0〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜24時間程度、望ましくは0.5〜12時間程度とすることができる。
反応〔U〕の第二工程は、塩基の存在下で行うこともできる。
塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(XXX)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
【0153】
反応〔U〕の第三工程は、通常、溶媒の存在下、式(XXXI)の化合物を、常圧〜数気圧の水素雰囲気下、金属触媒により接触水素化するか、又は酸性溶媒中で金属触媒を作用させて還元することにより行なうことができる。前記金属触媒としては、例えば,パラジウム炭素、酸化白金、ラネーニッケル、鉄、塩化第二スズなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔U〕第三工程の水素は、式(XXXI)の化合物に対して1〜200倍モル、望ましくは1〜50倍モル使用することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば水、酢酸、酢酸エチル;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類;ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔U〕の第三工程は、通常−10〜100℃、望ましくは0〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
【0154】
反応〔U〕の第四工程は、式(V-1)の化合物を通常、溶媒の存在下、ハロゲン化剤で処理することにより行うことができる。又、ハロゲン化剤として塩素又は臭素を使う場合、塩基及び溶媒の存在下で行うことができる。
ハロゲン化剤としては、塩素、臭素、N−ブロモスクシンイミド又はN−クロロスクシンイミドを選択することができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムのような金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、化合物(V-1)に対して0.8〜5倍モル、望ましくは1〜3倍モル使用することができる。
【0155】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔U〕の第四工程は、通常−20〜120℃、望ましくは0〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
【0156】
また、化合物(V-1)の化合物の内、R1aが塩素原子又は臭素原子の化合物は以下の反応〔V〕に従っても製造することができる。
【0157】

【0158】
式中、R1bは塩素原子又は臭素原子であり、Rは前述の通りである。
式〔V〕の第一工程は、前記反応〔U〕の第二工程と同様に行なうことができる。すなわち、化合物(XXXIII)は通常、溶媒の存在下で化合物(XXXII)と等モル以上の置換アミン(XII-1)を作用させることにより行なうことができる。
式〔V〕の第二工程は、前記反応〔U〕の第三工程と同様に行なうことができる。すなわち、化合物(XXXIV)は通常、溶媒の存在下で化合物(XXXIII)を常圧〜数気圧の水素雰囲気下、金属触媒により接触水素化するか、又は酸性溶媒中で金属触媒を作用させて還元することで合成することができる。
反応〔V〕の第三工程は、化合物(XXXIV)を通常、溶媒の存在下でハロゲン化剤と作用させることにより合成することができる。
ハロゲン化剤としては、例えば塩素、臭素のようなハロゲン類;トリクロロイソシアヌル酸、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドのような活性ハロゲン化剤;過酸化水素と塩化水素あるいは臭化水素の混合水溶液などから適宜選択することができる。
【0159】
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えばジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔V〕の第三工程は、通常−10〜+100℃、望ましくは0〜50℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜12時間程度、望ましくは0.5〜6時間程度とすることができる。
【0160】
前記反応〔U〕及び〔V〕で使用される化合物(XII-1)等のシクロアルキルアルキルアミンは公知化合物であり、例えば、J. Am. Chem. Soc.、1966年、88巻、2267頁に記載された方法、J. Med. Chem.、1997年、40巻、3215頁 等公知資料に準じて製造することができる。又、式(XXXVII)の化合物は、Eur.J.Med.Chem、2001年、265-286頁に記載された方法(Leuckart法)又はそれに準じて、以下の反応〔W〕に従っても製造することができる。
【0161】

【0162】
式中、Rはシクロプロピル、シクロプロピルアルキル、シクロブチル又はシクロブチルアルキルであり、Jは水素又はアルキルである。
反応〔W〕の第一工程は、酸存在下、式(XXXV)の化合物にホルムアミドを作用させて行うことができる。
溶媒としては、ホルムアミドを用いて行なうが、反応に不活性な溶媒であればホルムアミドと併せて利用でき、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類や水などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
酸としては、ギ酸、C−Cアルキルカルボン酸、芳香族カルボン酸、C−Cアルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸のような有機酸;塩化アンモニウム、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩、ピリジン塩酸塩、4−ジメチルアミノピリジン塩酸塩、2,6−ジメチルピリジン塩酸塩、4−ピロリジノピリジン塩酸塩、N−メチルモルホリン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩、のようなアミン塩酸塩類;ハロゲン化チタン、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化スズ、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化銅、トリフルオロボラン-エーテル錯体のようなルイス酸などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。酸は化合物(XXXV)に対して0.05〜10倍モル、望ましくは0.1〜5倍モル使用することができる。
反応〔W〕の第一工程は、通常0〜200℃、望ましくは30〜180℃で行うことができ、その反応時間は、通常1〜24時間程度、望ましくは2〜12時間程度とすることができる。
【0163】
反応〔W〕の第二工程は、通常、溶媒の存在下、式(XXXVI)の化合物を、酸もしくは塩基を用いて加水分解することにより行うことができる。前記酸としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、フッ化水素のようなハロゲン化水素;硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、ホウ酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸のような無機酸;ハロゲン化チタン、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化スズ、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化ケイ素、ハロゲン化銅、トリフルオロボラン-エーテル錯体のようなルイス酸;ギ酸、C−Cアルキルカルボン酸、芳香族カルボン酸、C−Cアルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸のような有機酸などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシドなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。酸あるいは塩基は、化合物(XXXVI)に対して0.1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。この場合の溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸のような極性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類や水などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔W〕の第二工程は、通常−10〜150℃、望ましくは0〜100℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜10時間程度、望ましくは0.5〜2時間程度とすることができる。
前記式(XXXVII)の化合物は製造工程で反応液に塩化水素、塩酸、硫酸などの酸を加えることによって、塩として取り出すこともできる。
【0164】
さらに、化合物(XXXVII)は、以下に示す方法に準じても製造することができる。
【0165】
【化43】

【0166】
式中、R及びJは前述の通りであり、Mは−OH又は−OG(Gはエーテル残基)であり、Gとしては、例えばメチル、エチルのようなC1-C6アルキル、C1-C6アルキルで置換されてもよいフェニルなどである。
【0167】
反応〔X〕の第一工程は、通常溶媒の存在下で,化合物(XXXV)と化合物(XXXVIII)を作用させて行うことができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類や水などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔X〕の第1工程は、通常0〜150℃、望ましくは30〜110℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
【0168】
反応〔X〕の第二工程は、通常、溶媒の存在下、式(XXXIX)の化合物を、還元剤を用いて還元することにより行うことができる。
還元剤としては、例えば,水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウムなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合には、三酸化モリブデン、四塩化チタン、塩化コバルト、塩化ニッケルなどのルイス酸を添加して反応性を高めることができる。
この場合の溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0169】
また、反応〔X〕の第二工程は通常、溶媒の存在下で式(XXXIX)の化合物を、常圧〜数気圧の水素雰囲気下で、金属触媒と接触水素化により還元することもできる。金属触媒としては、例えば,パラジウム炭素、酸化白金、ラネーニッケルなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
この場合の溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば水、酢酸、酢酸エチル;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類;ジエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
【0170】
反応〔X〕の第二工程は通常、−10〜100℃、望ましくは0〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは2〜12時間程度とすることができる。
【0171】
前述の反応〔A〕〜〔X〕で得られる化合物には、光学異性体、幾何異性体のような異性体が存在する場合があるが、本発明には各異性体及び異性体混合物の双方が含まれる。 尚、本発明には、当該技術分野における技術常識の範囲内において、前記したもの以外の各種異性体も含まれる。また、異性体の種類によっては、前記反応式に記載した構造と異なる化学構造となる場合があるが、当業者であればそれらが異性体の関係にあることが十分認識できる為、本発明の範囲内であることは明らかである。
【0172】
また、本発明には以下の方法が含まれる。
(1)前記反応〔B-1〕により、式(II-1)の化合物を製造する方法。
(2)前記反応〔C-1〕により、式(III-1)の化合物を製造する方法。
(3)前記反応〔D-1〕により、式(IX-1)の化合物を製造する方法。
(4)前記反応〔E-1〕により、式(VIII-1)の化合物を製造する方法。
(5)前記反応〔F-1〕により、式(VI-1)の化合物を製造する方法。
(6)前記反応〔G-1〕により、式(X-1)の化合物を製造する方法。
(7)前記反応〔B-1〕及び〔A-1〕により、式(II-1)の化合物を製造し、式(I-1)の化合物を製造する方法。
(8)前記反応〔E-1〕、〔D-1〕、〔C-1〕及び〔B-1〕により、式(VIII-1)の化合物を製造し、式(IX-1)の化合物を製造し、式(III-1)の化合物を製造し、式(II-1)の化合物を製造する方法。
(9)前記反応〔E-1〕、〔D-1〕、〔C-1〕、〔B-1〕及び〔A-1〕により、式(VIII-1)の化合物を製造し、式(IX-1)の化合物を製造し、式(III-1)の化合物を製造し、式(II-1)の化合物を製造し、式(I-1)の化合物を製造する方法。
(10)前記反応〔F-1〕、〔E-1〕、〔D-1〕、〔C-1〕及び〔B-1〕により、式(VI-1)の化合物を製造し、式(VIII-1)の化合物を製造し、式(IX-1)の化合物を製造し、式(III-1)の化合物を製造し、式(II-1)の化合物を製造する方法。
(11)前記反応〔G-1〕、〔F-1〕、〔E-1〕、〔D-1〕、〔C-1〕及び〔B-1〕により、式(X-1)の化合物を製造し、式(VI-1)の化合物を製造し、式(VIII-1)の化合物を製造し、式(IX-1)の化合物を製造し、式(III-1)の化合物を製造し、式(II-1)の化合物を製造する方法。
(12)前記反応〔N-1〕により、式(II-1)の化合物を製造する方法。
(13)前記反応〔N-1〕及び〔A-1〕により、式(II-1)の化合物を製造し、式(I-1)の化合物を製造する方法。
【実施例】
【0173】
本発明をより詳しく述べるために、以下に実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0174】
実施例1 (E)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチルの合成(1)
メタンスルホニルクロリド1.49gとアセトニトリル10mlの混合溶液を氷冷し、マレイン酸モノメチルエステル1.3gとピリジン1.34gのアセトニトリル10ml溶液を氷冷下にて5分かけて滴下したあと、同温度で5分間攪拌した。氷冷下、5−クロロアントラニル酸1.72g、ピリジン2.77gのアセトニトリル溶液10mlを2分かけて加えた後、アセトニトリル5mlでリンスし同温度で20分間攪拌した。メタンスルホニルクロリド1.49gを氷冷下で2分かけて加えアセトニトリル2mlでリンスし、30分間攪拌した後、室温に戻して4時間反応した。反応液を水20mlに投入した後30分攪拌した。結晶を濾過し、水、アセトニトリル:水(2:1)混合液で洗浄した後、乾燥し褐色の目的物1.82g(融点:162〜164℃)を得た。
1H-NMR (400MHz,CDCl3) δ: 8.20(dd,1H), 7.77(dd,1H), 7.61(dd,1H), 7.23(d,1H), 7.01(d,1H), 3.84(s,3H)
【0175】
実施例2 (E)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチルの合成(2)
(1)(Z)−5−クロロ−2−(4−メトキシー4−オキソー2−ブテンアミド)安息香酸の合成
室温で120mlのメタノールに3.7gの塩化水素ガスを吸収させた後、(Z)−2−(3−カルボキシアクリルアミド)−5−クロロ安息香酸30.2gを加え、30〜35℃で2時間攪拌した。反応液に150mlの水を加え、析出した結晶を吸引ろ過した。ろ過物を水で洗い、乾燥して、目的物25.4gを得た。
(2)(E)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチルの合成
(Z)−5−クロロ−2−(4−メトキシー4−オキソー2−ブテンアミド) 安息香酸15.2gと酢酸エチル61mlの混合溶液に無水酢酸15.2mLと濃硫酸0.15mLを加え、室温下に45分間攪拌した。濃塩酸0.3mlを加えた後、同温度で1時間攪拌した。結晶を濾過し、酢酸エチルで洗浄した後、乾燥し白色の目的物13.3gを得た
【0176】
実施例3 4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸メチルの合成
α−メチル−シクロプロピルメチルアミン塩酸塩0.73g、トリエチルアミン0.91gのアセトニトリル12mlの混合溶液を室温で1時間攪拌した後、前工程で得た(E)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチルの粗結晶0.53gを室温で加え、3時間室温で反応した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜8/2)で精製して、淡黄色の目的物0.22g(融点:154.4℃)を得た。
1H-NMR (400MHz,CDCl3) δ: 11.62(br,1H), 8.69-8.66(m,1H), 7.46-7.43(m,2H), 7.05(d,1H), 6.88(d,2H), 6.21(brd,1H), 3.80(s,3H), 3.53-3.48(m,1H), 1.32(d,3H), 0.96-0.90(m,1H),0.62-0.48(m,2H),0.42-0.36(m,1H), 0.34-0.29(m,1H)
【0177】
実施例4 N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミドの合成 (1)
4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソクロトン酸メチル0.56g及びエタノール3mlの混合液に、ヒドラジン一水和物90mgとエタノール3mlの混合液を加え、エタノール2mlでリンスした後、6時間加熱還流した。反応液を放冷後、析出した結晶を吸引ろ過し、結晶をエタノールで洗浄、風乾して目的物0.16g(融点:248℃)を得た。
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6) δ: 11.83(s,1H), 9.14(d,1H), 8.53(d,1H), 8.36(dd,1H), 7.57(t,1H), 7.38(dd,1H), 5.99(dd,1H), 3.99(t,1H), 3.30(m,1H), 2.56(dd,1H), 2.27-2.32(m,1H), 1.04(q,3H), 0.81(m,1H), 0.00-0.40(m,4H)
【0178】
実施例5 N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(1)
N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミド0.10g及び2,3−ジクロロピリジン0.09gの2−メチル−2−プロパノール3ml混合液に、パラジウム−炭素(アルドリッチ社製,DeGussa typeE105CA/W)を15wt%加え、次いでナトリウムt−ブトキシド0.045gを加えた。混合液を還流下に9時間反応させた。放冷後、反応液を1MHCl水溶液に注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。セライト濾過し、濾液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)で精製して、目的物0.11g(融点:165〜167℃)を得た。
1H-NMR (300MHz,CDCl3) δ: 12.17(s,1H), 8.58(d,1H), 8.25(dd,1H), 7.82(br,1H), 7.72(d,1H), 7.42(ds,2H), 7.10(dd,1H), 6.26(d,1H), 4.93(m,1H), 3.45(m,1H), 2.93(ds,2H), 1.24(d,3H), 0.89(m,1H), 0.12-0.64(m,4H)
【0179】
実施例6 N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(2)
N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミド1.0gを10mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、2,3−ジクロロピリジン 460mg、次いで水素化ナトリウム 350mgを加え、窒素雰囲気下に約70℃で約7時間攪拌した後、放冷した。反応液に水を加えて攪拌した後、酢酸エチルで抽出して得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/メタノール=9/1)で精製し、目的物1.15gを得た。
【0180】
実施例7 5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナートの合成
N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−ヒドロキシ−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド2.0g及びN,N−ジメチルホルムアミド41mlの混合液を0℃に冷却し、水素化ナトリウム(60%オイルサスペンション)0.2gを加えた。1時間撹拌後、0℃でp−トルエンスルホン酸クロリド1.2gを加えた。1.5時間撹拌後、反応液を1MHCl水溶液120mlに注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)で精製して、ペースト状の目的物2.45gを得た。
1H-NMR (300MHz,CDCl3) δ: 11.16(d,1H), 8.48(m,1H), 8.25(dd,1H), 8.08(dd,1H), 8.00(d,2H), 7.61(d,1H), 7.36(m,4H), 6.83(m,1H), 6.04(t,1H), 5.49(ddd,1H), 3.28-3.46(m,3H), 2.45(s,3H), 1.23(dd,3H), 0.86(m,1H), 0.23-0.63(m,4H)
【0181】
実施例8 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(1)
5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナート1.0g及びN,N−ジメチルホルムアミド25mlの混合液に臭化アンモニウム0.54gを加え、93℃に加熱した。1時間後、反応液を水50mlに注入し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)で精製して、ペースト状の目的物0.11gを得た。
1H-NMR (300MHz,CDCl3) δ: 11.48(d,1H), 8.50(dd,1H), 8.13(t,1H), 7.67(d,1H), 7.4(ds,2H), 6.9(m,1H), 6.03(t,1H), 5.50(ddd,1H), 3.35-3.58(m,3H),1.17(d,3H), 0.85(m,1H), 0.23-0.6(m,4H)
【0182】
実施例9 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(2)
氷冷下、5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナート1.0g及びテトラヒドロフラン9mlの混合液に三臭化リン0.16gのテトラヒドロフラン(1ml)溶液を滴下した。5分撹拌後、45℃に加熱した。5時間後、反応液を水50mlに注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)で精製して、ペースト状の目的物0.73gを得た。
【0183】
実施例10 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(3)
5−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルカルバモイル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−イル 4−メチルベンゼンスルホナート1.0g及びトルエン10mlの混合液に臭化カルシウム・2水和物0.25gを加え、約90℃で6.5時間加熱した。放冷後、反応液に炭酸水素ナトリウム0.41g、水10mlを加え、攪拌した。分液した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、粗製の目的物0.96gを得た。
【0184】
実施例11 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(1)
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン0.14gの1,4−ジオキサン6ml溶液に、3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド0.13gを加え、18時間加熱還流した。放冷後、反応液を水に投入し、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/2〜7/3)で精製して、目的物33mg(融点:231−233℃)を得た。
1H-NMR (400MHz,CDCl3) δ: 12.25(br, 1H), 8.48(dd, 1H), 8.44(d, 1H), 7.89(dd, 1H), 7.45-7.33(m, 3H), 7.01 (s, 1H), 6.23(d, 1H), 3.57-3.54(m, 1H), 1.34(d, 3H),0.95-0.90(m, 1H), 0.63-0.51(m, 2H), 0.43-0.32(m, 2H)
【0185】
実施例12 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(2)
3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド0.10gのN,N−ジメチルホルムアミド3ml溶液に、ペルオキソ二硫酸カリウム0.24gと硫酸0.02gを加えて、加熱還流した。1.5時間後、放冷し、反応液を水10mlに注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/2)で精製して目的物0.09gを得た。
【0186】
実施例13 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(3)
3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド0.53gの酢酸エチル12ml溶液に、30%過酸化水素水1.13gを加えて、加熱還流した。30時間後、放冷し、反応液を水に注入し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して目的物0.32gを得た。
【0187】
実施例14 3−ブロモ−N−[2−ブロモ−4−クロロ−6−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(1)
3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド6.0gと酢酸エチル75mlの混合溶液を氷冷し、水酸化ナトリウム(フレーク状)1.4gを加えた後、臭素2.8gを2時間かけて加えた。室温で18時間撹拌後、反応液に水60mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、析出した結晶を酢酸エチルとヘキサンの混合溶液(1:5)20mlで洗浄後、ろ過して、白色結晶の目的物6.2gを得た。
【0188】
実施例15 N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミドの合成 (2)
(1) (Z)−2−(3−カルボキシアクリルアミド)−5−クロロ安息香酸の合成
5−クロロアントラニル酸15g及び無水マレイン酸10.3gにジオキサン150mlを加え加熱還流した。5時間攪拌後、反応液を放冷し、析出した結晶を吸引ろ過した。ろ過物をヘキサン:酢酸エチル(3:1)混合液で洗浄した後風乾して、淡黄色の目的物15g(融点:194.4℃)を得た。
1H-NMR (400MHz,Acetone-d6) δ: 11.62(br,1H), 8.67(d,1H), 8.08(d,1H), 7.70(dd,1H), 6.67(d,1H), 6.39(d,1H)
(2) (Z)−5−クロロ−2−(4−メトキシー4−オキソー2−ブテンアミド) 安息香酸の合成
(Z)−2−(3−カルボキシアクリルアミド)−5−クロロ安息香酸1.0gのメタノール20mlの混合液に硫酸を10滴加え、室温で4.5時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、目的物0.91g(融点:136.9℃)を得た。
1H-NMR (400MHz,DMSO−d6) δ: 11.17(s,1H), 8.44(d,1H), 7.92(d,1H), 7.68(dd,1H), 6.65(d,1H), 6.43(d,1H), 3.64(s,3H)
【0189】
(3)(Z)−3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリル酸メチルの合成
(Z)−5−クロロ−2−(4−メトキシー4−オキソー2−ブテンアミド) 安息香酸0.35gと無水酢酸2mlの混合液を室温で30分攪拌し、さらに無水酢酸3mlを加え6.5時間室温で反応した。反応液を水に投入し、酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜8/2)で精製して、目的物0.24g(融点:117-118℃)を得た。
1H-NMR (400MHz,DMSO−d6) δ: 8.09(d,1H), 7.97(d,1H), 7.65(dd,1H), 6.80(d,1H), 6.59(d,1H), 3.76(s,3H)
(4)N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミドの合成
前工程で得られた(Z)―メチル 3−(6−クロロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)アクリルレートを用いて、前記実施例3及び実施例4の方法に準じて、N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミドを製造することができる。
【0190】
実施例16 N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミドの合成(3)
(1) 4−(4−クロロ−2−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸の合成
2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド100g及びN,N−ジメチルホルムアミド300mlの混合液を65℃に加熱した。これに撹拌下、無水マレイン酸49.5g加えた。1時間後、撹拌下900mlの水に反応液を注いだ。10分攪拌後、析出した結晶を吸引ろ過した。ろ過物を酢酸エチル250mlで洗い、風乾して、目的物135g(融点:173℃)を得た。
1H-NMR(300MHz,CDCl3) δ: 12.39(s,1H), 8.60(d,1H), 7.54(s,1H), 7.51(d,1H), 6.43(q,2H), 6.09(br,1H), 3.5(m,1H), 1.34(d,3H), 0.95(m,1H), 0.29-0.69(m,4H)
【0191】
(2)4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸メチルの合成
4−(4−クロロ−2−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸97.7gのメタノール950mlの混合液を0℃に冷却した。撹拌下、硫酸を滴下した。反応液を徐々に室温に戻しながら20時間攪拌した。反応液に1.4Lの飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、目的物95.0g(融点:131℃)を得た。
1H-NMR (300MHz CDCl3) δ: 11.19(s,1H), 8.57(d,1H), 7.44(d,1H), 7.4(dd,1H), 6.38(br,1H), 6.29(q,2H), 3.77(s,3H), 3.48(m,1H), 1.31(d,3H), 0.94(m,1H), 0.27-0.69(m,4H)
(3) N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキサミドの合成
4−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニルアミノ)−4−オキソイソクロトン酸メチル25g及びエタノール250mlの混合液に、ヒドラジン一水和物3.58gを滴下し、加熱還流した。5.5時間攪拌後、反応液を放冷した。析出した結晶を吸引ろ過した。ろ過物を酢酸エチル、次いでヘキサンで洗い、風乾して、目的物13gを得た。
【0192】
実施例17 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(4)
(1)ペンチル 2−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキシレートの合成
1−ペンタノール15mlとトルエン30mlの混合溶液に水酸化ナトリウム0.75gを加え、共沸脱水装置を用いて加熱還流しながら脱水した後、トルエンを留去した。さらに、トルエン20mlを系内に加えた後、再度トルエンを加熱留去して、ナトリウムペントキシドの1−ペンタノール溶液を得た。この反応液に3−クロロ−2−ヒドラジニルピリジン2.5gを70〜80℃で5分間かけて少しずつ加えた後、1−ペンタノール5mlを加えて70〜80℃で25分間、加熱したあと、マレイン酸ペンチル5.1gと1−ペンタノール5mlの混合溶液を15分かけて滴下し、さらに70〜80℃で2時間反応した。放冷後、反応液に酢酸を加えて中和したあと、減圧下で濃縮した。残渣に水を加えて、酢酸エチルで抽出した後、有機層を希塩酸及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=6/4〜0/1)で精製して、褐色結晶の目的物(融点:66〜68℃)1.29gを得た。
(2)ペンチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4、5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
ペンチル 2−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−オキソピラゾリジン−3−カルボキシレート1.2g、オキシ臭化リン0.59gとアセトニトリル18mlの混合溶液を徐々に加温して25分後に加熱還流させ、1時間還流をした。放冷した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液をゆっくり加え5分間攪拌した。この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜8/2)で精製して、淡黄色結晶の目的物(融点:39〜42℃)1.06gを得た。
(3)ペンチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
ペンチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−4、5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート1.0gとアセトニトリル20mlの混合溶液に濃硫酸0.5mlとペルオキソ二硫酸カリウム1.4gを加え3時間20分加熱還流した。放冷した後、水に反応液をゆっくり加え、15分間攪拌した。この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8.5/1.5〜8/2)で精製して、油状の目的物0.47gを得た。
(4)3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド0.19g、ペンチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート0.30gとジメチルスルホキシド3mlの混合溶液にカリウム第3級ブトキシド0.11gを加え、室温で45分間反応した。希塩酸40ml中に反応液をゆっくり加えた。この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/2〜7.5/2.5)で精製して、白色結晶の目的物(融点:231〜233℃)0.058gを得た。
【0193】
実施例18 3−ブロモ−N−[2−ブロモ−4−クロロ−6−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(2)
3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド0.24gとジメチルホルムアミド5mlの混合溶液を氷冷し、60%水素化ナトリウム46mgを加えた後、室温に戻して25分間攪拌した。反応液を再度氷冷し、臭素0.15gとジメチルホルムアミド1mlの混合溶液を1分間で滴下した後、室温で2時間45分反応した。反応終了後、希塩酸60ml中に反応液をゆっくり加えた。この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/2〜0/1)で精製して、白色結晶の目的物(融点:244〜247℃)0.20gを得た。
【0194】
実施例19 3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(5)
(1)フェニル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸3.0gとトルエン30mlの混合溶液に塩化チオニル3mlとジメチルホルムアミド5滴を加え1時間加熱還流した後、塩化チオニルとトルエンを留去して、3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸クロリドの粗製物を得た。
フェノール1.03gとテトラヒドロフラン30mlの混合溶液に氷冷下で60%水素化ナトリウム0.48gを加え室温で20分反応した後、再度氷浴で冷却した。この混合液に前記粗製物とトルエン20mlの混合溶液を氷冷下で滴下し、トルエン10mlで反応容器をリンスした。氷冷下で15分、室温で1時間反応した後、反応液を水にゆっくり加えた。この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=9.5/0.5〜7/3)で精製して、白色結晶の目的物(融点:65〜67℃)2.37gを得た。
(2)3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド0.23g、フェニル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート0.30gとジメチルスルホキシド5mlの混合溶液に、カリウム第3級ブトキシド0.18gを加え、室温で1時間反応した。希塩酸に反応液をゆっくり加え、この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/2〜7.5/2.5)で精製して、目的物0.16gを得た。
【0195】
実施例20 3−ブロモ−N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成(3)
2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド0.23g、フェニル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート0.27gとジメチルスルホキシド5mlの混合溶液に、室温下で無水硫酸ナトリウム0.45gを加えた後、カリウム第3級ブトキシド0.16gを加え、1時間反応した。次に、水に反応液をゆっくり加えた。この混合液を酢酸エチルで抽出した後、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/2〜4/6)で精製して、目的物0.24gを得た。
【0196】
実施例21 フェニル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
(1)エチル 1−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−フリル−1H−ピラゾール−3−カルボキシレートの合成
エチル 2−フロイルピルベート11.19gの酢酸(150ml)溶液に、3−クロロ−2−ヒドラジニルピリジン7.64gを室温で加えた後、更に室温で1時間攪拌した。次に、反応溶液を100℃に加熱し、3時間反応させた。反応終了後、酢酸を減圧下で留去し、酢酸エチルと水を加えて抽出した。有機層を(1)炭酸水素ナトリウム飽和水溶液、(2)水、(3)飽和食塩水の順に洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、目的物結晶(融点116.7℃)14.5gを得た。
(2)1−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−フリル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の合成
前工程(1)で得たエチル 1−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−フリル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート14.5gをメタノール90mlと水45mlの混合溶媒に溶解した後、水酸化ナトリウム2.2gを加え、還流下に3時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、残渣に水を加えた後、エチルエーテルで洗浄した。水層を濃塩酸でpH3にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、目的物結晶11.9g(融点179.3℃)を得た。
(3)3−N−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−フリル−1H−ピラゾールの合成
前工程(2)で得た1−(3−クロロ−2−ピリジル)−5−フリル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸11.9g、ベンジルアルコール4.89g、ジフェニルホスホリルアジド12.4g及びトリエチルアミン5.0gをジオキサン100mlに加えた後、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下で留去し、酢酸エチルと水を加えて抽出した。有機層を(1)5%塩酸、(2)飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、(3)水、(4)飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して目的物結晶11.0g(融点133.4℃)を得た。
(4)3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸の合成
前工程(3)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−5−フリル−1H−ピラゾール8.9gをアセトニトリル70ml及び四塩化炭素70mlの混合溶媒に溶解した後、ルテニウムクロリド0.70g及び過よう素酸ナトリウム21.5gの水溶液(150ml)を加え、室温で12時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮後、残渣に酢酸エチルと1N塩酸を加えて抽出した。有機層を水洗後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、水層を濃塩酸でpH3にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、目的物結晶4.4g(融点79.1℃)を得た。
(5)3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸フェニルエステルの合成
前工程(4)で得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸2.97gをアルミナでメタノールを除いた塩化メチレン30mlに溶解した後、塩化オキサリル0.8mlとジメチルホルムアミド一滴を加え、室温で30分間攪拌後、2時間還流させた。反応終了後、溶媒を減圧下で留去して3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸クロリドを得た。この酸クロリドのテトラヒドロフラン(10ml)溶液を、フェノール0.75gと水素化ナトリウム(60%オイル懸濁物)0.35gのテトラヒドロフラン(30ml)懸濁溶液に氷冷下で、徐々に滴下した後、室温で8時間攪拌した。反応終了後、テトラヒドロフランを減圧下で留去し、残渣に酢酸エチルと水を加えて抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して目的物結晶2.8g(融点:150.2℃)を得た。
(6)3−アミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸フェニルエステルの合成
前工程(5)を繰り返すことにより得た3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸フェニルエステル3.0gの酢酸(50ml)溶液に、10%Pd-C粉末0.6gを加え、水素雰囲気下、室温で12時間攪拌した。反応溶液をセライトで濾過後、濾液と、セライト洗浄液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)で精製して目的物結晶1.1g(融点:140.4℃)を得た。
(7)3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸フェニルエステルの合成
臭化銅(II)0.72gとt−ブチルナイトライト(90%)0.55gのアセトニトリル(20ml)溶液に、前工程(6)で得た3−アミノ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−5−ピラゾールカルボン酸フェニルエステル1.0gのアセトニトリル(15ml)溶液を0℃で滴下し、同温度で更に2時間攪拌を続けた後、徐々に室温に戻した。反応終了後、反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して目的物結晶 0.88g(融点:64.3℃)を得た。
【0197】
実施例22
(1)ベンジル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸1.0gとトルエン10mlの混合溶液に塩化チオニル1.5mlとジメチルホルムアミド2滴を加え1時間加熱還流した後、塩化チオニルとトルエンを留去して、3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸クロリドの粗製物を得た。
ベンジルアルコール0.43g、トリエチルアミン0.40gとトルエン10mlの混合溶液に氷冷下で前記粗製物とトルエン10mlの混合溶液を氷冷下で滴下した。室温下で1時間反応した後、水に反応液をゆっくり加えた。この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製して、油状の目的物1.13gを得た。
(2)3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド0.12g、ベンジル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート0.20gとジメチルスルホキシド5mlの混合溶液に無水硫酸ナトリウム0.42gを室温下で加え5分攪拌した後、カリウム第3級ブトキシド0.072gを加え、室温で1時間反応した。次に、水中に反応液をゆっくり加えた。この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=8/2〜7/3)で精製して、目的物0.050gを得た。
【0198】
実施例23 4−メトキシベンジル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸1.52gを10mlのクロロホルムに溶かし、塩化チオニル0.55mlを滴下し、DMFを0.05ml加え30分間還流した。放冷後、溶媒を減圧下留去し、3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸クロライドの粗製物を得た。 4−メトキシベンジルアルコール0.85g、トリエチルアミン1.11mlとクロロホルム20mlの混合溶液に氷冷下で前記粗製物とクロロホルム5mlの混合溶液を氷冷下で滴下した。5分攪拌した後、室温下で1.5時間反応した。反応溶媒を減圧留去し、水50mlを加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜3/1)で精製して、目的物1.6g(融点:83℃)を得た。
【0199】
実施例24
(1)S−ベンジル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボチオエートの合成
3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸1.5gとトルエン10mlの混合溶液に塩化チオニル1.5mlとジメチルホルムアミド2滴を加えて1時間加熱還流した後、塩化チオニルとトルエンを留去して、3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸クロリドの粗製物を得た。
ベンジルメルカプタン0.68g、トリエチルアミン0.61gとトルエン20mlの混合溶液に氷冷下で前記粗製物とトルエン5mlの混合溶液を氷冷下で滴下した。室温で1時間反応した後、反応液を水にゆっくり加え、この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜7/3)で精製して、油状の目的物1.65gを得た。
(2)3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド0.24g、S−ベンジル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボチオエート0.41gとジメチルスルホキシド5mlの混合溶液に室温で無水硫酸ナトリウム0.85gを加え5分攪拌した後、カリウム第3級ブトキシド0.14gを加え、室温で1時間反応した。反応液を水にゆっくり加え、この混合液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜7.5/2.5)で精製して、目的物0.22gを得た。
【0200】
実施例25
(1)S−エチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボチオエートの合成
3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸1.52gを10mlのクロロホルムに溶かし、塩化チオニル0.55mlを滴下し、DMFを0.05ml加え30分間還流した。放冷後、溶媒を減圧下留去し、3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸クロライドの粗製物を得た。次に、エタンチオール0.5ml、トリエチルアミン1.11mlとクロロホルム20mlの混合溶液に氷冷下で前記粗製物とトルエン5mlの混合溶液を氷冷下で滴下した。5分攪拌した後、室温で14時間反応した。反応溶媒を減圧留去し、水50mlを加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜3/1)で精製して、橙赤色結晶の目的物1.4g(融点:94℃)を得た。
(2)3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの合成
S−エチル 3−ブロモ−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボチオエート0.35gと2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド0.24gをジメチルスルホキシド5mlに溶かし、無水硫酸ナトリウム0.85gを加えて5分攪拌した。これにカリウム第3級ブトキシド0.14gを室温で加え1.5時間攪拌した。反応液を水に加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)で精製して、目的物0.24gを得た。
【0201】
実施例26 1−シクロプロピルエチルアミンの合成(Leuckart法を用いた方法)
(1)N−(1−シクロプロピルエチル)ホルムアミドの合成
1−シクロプロピルメチルケトン30gとホルムアミド66.2gの混合溶液を室温で攪拌し、ギ酸7.5gを加えた後、180℃で加熱還流しながら1時間毎にギ酸7.5gを追加し8時間反応した。反応終了後、反応混合物を水中に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去して粗製のN−(1−シクロプロピルエチル)ホルムアミドの油状物を得た。
(2)1−シクロプロピルエチルアミンの合成
(1)で得られた粗製のN−(1−シクロプロピルエチル)ホルムアミドの油状物に濃塩酸115mlを加え1時間加熱還流した。系内を冷却した後、減圧留去し得られた塩酸塩を水に溶解した。系内を氷冷し水酸化ナトリウムで塩酸塩から1−シクロプロピルエチルアミンを遊離化したあと、常圧蒸留を行い、沸点が80〜100℃の画分から目的物を含む留分20gを得た。
【0202】
実施例27 1−シクロプロピルエチルアミンの合成(PtOを用いた合成)
シクロプロピルメチルケトン50gの水溶液200mlに塩化ヒドロキシルアンモニウム54.7gを加え、激しく攪拌しながら炭酸ナトリウム33.6gを少しずつ加えた後、4時間還流した。放冷後、エーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、粗シクロプロピルメチルケトオキシム50gを得た。
次に、得られた粗シクロプロピルメチルケトオキシム10gを酢酸エチル100mlに溶かして、酸化白金(IV) 1gを加え、反応器内を水素ガス置換した後、激しく攪拌した。16時間攪拌後攪拌を停止し、沈殿した白金をろ別した。上澄みに濃塩酸10mlを加え、分液ロートで激しく振り混ぜ、両溶媒を70℃加熱下で減圧留去し、粗1−シクロプロピルエチルアミン塩酸塩10gを得た(純度50%)。
粗1−シクロプロピルエチルアミン塩酸塩10gを水10mlに溶かして0℃に冷却した。これに水酸化ナトリウムを5℃以下でゆっくり加えてpHを14にした。ドライアイスコンデンサーを装着した蒸留装置を組み、常圧下で沸点92〜94℃の1−シクロプロピルエチルアミンを5g得た。
【0203】
実施例28 2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミドの合成
(1)5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)−2−ニトロベンズアミドの合成
5−クロロ−2−ニトロ安息香酸25g、トルエン25ml、塩化チオニル22.2g、ジメチルホルムアミド0.1mlの混合液を1時間加熱還流し、酸クロライドを合成した。1−シクロプロピルエチルアミン13.75g、テトラヒドロフラン375mlの混合溶液にトリエチルアミン18.0gを加え氷冷した。氷冷下、上記で合成した酸クロライドをトルエン30mlに溶解し滴下した。滴下終了後、室温で15時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水中に投入し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、淡黄色の目的物25g(融点:137−141℃)を得た。
(2)2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミドの合成
5−クロロ―N―(1−シクロプロピルエチル)−2−ニトロベンズアミド5.8gをエタノール88mlに溶解し、氷冷下、濃塩酸12.6mlを滴下した。同温度で0.5時間攪拌後、還元鉄4.0gを数回に分けて加えた。室温で3時間攪拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去した。残渣にヘキサン/酢酸エチルを加え攪拌後、ろ取して淡黄色の目的物3.5g(融点:135℃)を得た。
(3)2−アミノ−3−ブロモ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミドの合成
2−アミノ−5−クロロ−N−(1−シクロプロピルエチル)ベンズアミド0.1gをN,N−ジメチルホルムアミド3mlに溶かして0℃に冷却した。これに水素化ナトリウム0.02gを加えて1時間攪拌後、臭素0.09gを加えて2時間攪拌した。反応液を1M−HCl水溶液に加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/0〜1/1)で精製して、淡黄色の目的物0.08g(融点:177℃)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明は、農園芸分野の有害生物防除剤として優れた効果を示す、ベンゼン環及びピラゾール環の特定の位置にハロゲン原子を持つ新規なアントラニルアミド系化合物又はその塩、を提供すると共にそれらの効率的製造方法も提供する。
なお、2006年12月15日に出願された日本特許出願2006−339100号および2007年6月8日に出願された日本特許出願2007−152718号の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、R1a及びRは各々独立に、ハロゲン又はハロアルキルであり;Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルであり;Halは塩素原子又は臭素原子である)で表されるアントラニルアミド系化合物の製造方法であって、式(II):
【化2】

(式中、R1a、R及びRは前述の通りである)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させることを特徴とする前記アントラニルアミド系化合物又はその塩の製造方法。
【請求項2】
式(I-1):
【化3】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり;Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルであり;Halは塩素原子又は臭素原子である)で表されるアントラニルアミド系化合物の製造方法であって、式(II-1):
【化4】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物をハロゲン化剤と反応させることを特徴とする前記アントラニルアミド系化合物又はその塩の製造方法。
【請求項3】
式(III-1):
【化5】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり;Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物と酸化剤とを反応させるか;或いは、式(IV-1):
【化6】

(式中、RはC5-C10アルキルオキシ、置換可フェノキシ、置換可ベンジルオキシ、アルキルチオ、置換可フェニルチオ又は置換可ベンジルチオである)で表される化合物と、式(V−1):
【化7】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物を反応させることにより得られる式(II-1):
【化8】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物と、ハロゲン化剤とを反応させることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
式(II-1):
【化9】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり;Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物の製造方法であって、式(VI-1):
【化10】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物と式(VII):
【化11】

(式中、Xは塩素原子又は臭素原子である)で表される化合物とを反応させて式(VIII-1):
【化12】

(式中、R1a及びR2は前述の通りである)で表される化合物を製造し、得られた式(VIII-1)の化合物と、スルホン酸塩化物、塩素化剤又は酸塩化物とを反応させて式(IX-1):
【化13】

(式中、Lはアルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ又は塩素原子であり;R1a及びR2は前述の通りである)で表される化合物を製造し、次に、得られた式(IX-1)の化合物と臭素化剤とを反応させて式(III-1):
【化14】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物を製造し、更に、得られた式(III-1)の化合物と酸化剤とを反応させることを特徴とする前記式(II−1)の化合物の製造方法。
【請求項5】
式(X-1):
【化15】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルであり、Rはアルキルである)で表される化合物とヒドラジンとを反応させて式(VI-1):
【化16】

(式中、R1a及びR2は前述の通りである)で表される化合物を製造し;式(VI-1)の化合物と式(VII):
【化17】

(式中、Xは塩素原子又は臭素原子である)で表される化合物とを反応させて式(VIII-1):
【化18】

(式中、R1a及びR2は前述の通りである)で表される化合物を製造し;
式(VIII-1)の化合物と、スルホン酸塩化物、塩素化剤又は酸塩化物とを反応させて式(IX-1):
【化19】

(式中、Lはアルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ又は塩素原子であり;R1a及びR2は前述の通りである)で表される化合物を製造し;式(IX-1)の化合物と臭素化剤とを反応させて式(III-1):
【化20】

(式中、R1a及びRは前述の通りである)で表される化合物を製造し;更に、得られた式(III-1)の化合物と酸化剤とを反応させることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
式(II−1):
【化21】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物又はその塩。
【請求項7】
式(V-1):
【化22】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物又はその塩。
【請求項8】
式(VI−1):
【化23】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物又はその塩。
【請求項9】
式(VIII-1):
【化24】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物又はその塩。
【請求項10】
式(IX-1):
【化25】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり;Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルであり;Lはアルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ又は塩素原子である)で表される化合物又はその塩。
【請求項11】
式(III-1):
【化26】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルである)で表される化合物又はその塩。
【請求項12】
式(X-1):

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはシクロプロピルアルキル又はシクロブチルアルキルであり、Rはアルキルである)で表される化合物又はその塩。
【請求項13】
式(XI-1):
【化27】

(式中、R1aはハロゲン又はハロアルキルであり、Rはアルキルである)で表される化合物又はその塩。

【公開番号】特開2009−13158(P2009−13158A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321073(P2007−321073)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】