説明

アンドラスト/グルココルチコイドの併用

【課題】喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、または他の呼吸器疾患に罹患した患者を治療するための医薬組成物の提供。
【解決手段】カルシウム活性化カリウムチャンネル開口薬であるアンドラスト2ナトリウム塩と、並びにプレドニゾロン、ベクロメタゾンジプロピオネート、フルチカゾンプロピオネート、ブデソニド、デキサメサゾン、モメタゾンフロエート、ゾチカゾン、およびシクレソニドからなる群から選ばれるグルココルチコイドと、並びに医薬的に許容される担体もしくは賦形剤と、を含む医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喘息、COPD、または他の呼吸器疾患に罹患した患者を治療するためのアンドラスト(andolast)およびグルココルチコイドの併用に関する。
【背景技術】
【0002】
喘息は、気道がアレルゲンへの曝露、冷気、運動、およびその他の種々の刺激に反応して狭くなる呼吸器系の慢性炎症性疾患である。この狭窄は、特に夜や早朝に喘鳴、無呼吸、胸苦しさ、および咳といった症状をもたらす。
【0003】
喘息の医薬は症状や気流制限の逆転や予防に用いられ、調節剤(controller)(または抑制剤)および緩和剤が含まれる。治療の目標は、「喘息の調節」を達成することであり、これは昼および夜の症状、活動制限、気道狭窄を最小限にし、気管支拡張剤の使用を助けることにより、生命を脅かす増悪のリスクや長期死亡率を減少させることを意味する。
【0004】
調節剤は、持続性喘息を制御下におき、維持するのに有用な、長期にわたり毎日服用する医薬である。調節剤には吸入用グルココルチコイド、ロイコトリエン修飾剤、肥満細胞安定化剤、抗コリン作用薬、および長時間作用型β2-アゴニストが含まれる。
【0005】
緩和剤には、短時間作用型選択的β2-アドレナリンレセプターアゴニスト、例えばサルブタモールおよびテルブタリンが含まれ、気管支収縮およびその随伴急性症状を緩和するように作用する。
【0006】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全には可逆性でない気流制限を特徴とする病状である。気流制限は、通常、喫煙に関連することが最も多い有害粒子に対する肺の異常な炎症性反応と関連があり、進行性である。
【0007】
COPDに特徴的な慢性気流制限は、小気道疾患(閉塞性細気管支炎)および実質破壊(肺気腫)の混合により生じる。
【0008】
慢性炎症は、小気道の再形成(remodelling)と狭窄をもたらす。炎症過程によってもおきる肺実質の破壊は、小気道への肺胞付着部の損失をもたらし、肺の弾性収縮力を低下させる。これらの変化は呼気中に気道が開いたままでいる能力を減少させる。用語「肺気腫」および「慢性気管支炎」は、しばしば臨床的に用いられ、COPDの定義に含まれる。肺気腫、または肺(肺胞)のガス交換表面の破壊は、COPDの患者に存在する種々の構造異常の1つを説明する。
【0009】
上記で予測したように、COPDは気道、実質、および肺血管系全体の慢性炎症により説明される。炎症の細胞的・分子的特性と強さは、疾患の進行に従って変化する。炎症は徐々に肺を損傷し、COPDに特徴的な病的変化をもたらす(Sutherland et al.; N. Engl. J. Med. 2004 (350), 2689-97)。実際に、COPDは、肺の種々の部分の好中球、マクロファージ、およびTリンパ球の増加を特徴とする。ある患者では特に増悪中に好酸球の増加がみられることがある。
【0010】
薬物療法は、症状の予防と調節、増悪の頻度と重症度の減少、健康状態の改善、および運動耐容能の改善に用いられる。したがって、COPDの治療は、抗炎症剤と気管支拡張剤に頼るところが大きい。しかしながら、既存のCOPD用の医薬はいずれもこの疾患の顕著な特徴である肺機能の長期間の低下の修飾を示していない。
【0011】
N-4-(5-テトラゾリル)-フェニル-4-(5-テトラゾリル)-ベンズアミドと化学的に定義されるアンドラスト(CR2039)は、新しいクラスのカルシウム活性化カリウム(K+)チャンネル開口薬に属する新規抗アレルギーおよび抗炎症薬である。
【0012】
別の実験は、アンドラストが気道の炎症反応の異なる成分を軽減することを示した。該化合物はアトピー対象の抗体介在性反応と細胞介在性炎症反応の両方を低下させる。前者に関して、アンドラストは、アレルギー性ドナー由来のヒトBリンパ球によるIL-4依存性IgE合成に対する強力な阻害効果を有し、この効果は、アレルゲン誘発性肥満細胞感作の減少と、次いでIgE依存性メディエーター放出の阻害をもたらす。
細胞介在性の過程に関して、アトピー性喘息患者から得られた予備的in vivoデータは、アンドラストが好酸球リクルーターであるサイトカインIL-5のTリンパ球(Th2)による産生に対する阻害効果を誘導することを示した。
最新の臨床薬理学的証拠は、2〜20mgの範囲の用量で吸入投与したアンドラストが、軽度〜中等度の喘息患者における特異的および非特異的気管支刺激攻撃、例えばAMP、運動、UNDW(蒸留水の超音波ネブライザー投与)、およびCAH(冷乾燥空気の過剰換気)に対する気道の過剰反応を用量依存的に抑制することを示している。さらに、アンドラストは、特異抗原攻撃後の初期および後期気道反応を完全に抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】WO90/09989
【特許文献2】EP1634595
【特許文献3】US 5976576
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Sutherland et al.; N. Engl. J. Med. 2004 (350), 2689-97
【非特許文献2】Spicer et al.、Brit. J. Pharmacol. (1990), 101, 821-828
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
(発明の詳細な説明)
上記の通り、本発明は、喘息、COPD、または他の呼吸器疾患に罹患した患者を治療するためのアンドラストおよびグルココルチコイドの新規複合薬に関する。
【0016】
N-4-(5-テトラゾリル)-フェニル-4-(5-テトラゾリル)-ベンズアミドと化学的に定義されるアンドラスト(CR 2039)は、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、および結膜炎のようなアレルゲンに対する過敏症に起因しうる種々の病状を治療するための候補薬剤としてWO90/09989に、またCOPDの治療に用いる薬剤としてEP1634595に記載されている。
【0017】
さらに、喘息の治療にアンドラストを用いる適切な医薬製剤がUS 5976576に記載されている。アンドラストは好ましくは2ナトリウム塩(および/またはその溶媒和物)として使用される。
【0018】
好ましくは、アンドラストおよびグルココルチコイドは、組み合わせると喘息、COPD、および他の気道疾患を治療するための有益な急性および持続性効果をもたらす治療的有効用量で吸入投与される。
(定 義)
【0019】
アンドラストは塩および溶媒和物を形成することができ、これも本発明の範囲内である。アンドラストに言及するときは、特記しない限りその塩と溶媒和物も含まれると理解される。
【0020】
グルココルチコイドは、副腎皮質で産生され、広範囲の生理作用、例えば炭化水素、脂肪、およびタンパク質代謝の調節に関与し、リン脂質放出の抑制、好酸球作用の低下、および他の機序により抗炎症性であるコルチコステロイドのサブクラスのホルモンである。
【0021】
合成グルココルチコイドは、関節痛、皮膚炎、肝炎、紅斑性狼瘡、アレルギー反応、喘息、および他の疾患の治療にグルココルチコイド補充のために用いられる。
【0022】
本発明に従って用いる好ましい薬理学的に活性なグルココルチコイドには、限定されるものではないが、ベクロメタゾンジプロピオネート、フルチカゾンプロピオネート、ブデソニド、モメタゾンフロエート、ゾチカゾン、デキサメサゾン、およびシクレソニドが含まれる。
【0023】
本明細書において活性成分に適用される用語「併用(combination)」は、本発明の両薬剤(すなわち、アンドラストおよびグルココルチコイド)を含む単一医薬組成物(製剤)、またはコンジョイント(conjoint)投与する本発明の単一薬剤(すなわち、アンドラストまたはグルココルチコイド)をそれぞれ含む2つの分離した医薬組成物(製剤)を定義するのに用いる。
【0024】
本発明の意味内で、用語「コンジョイント(conjoint)投与」は、アンドラストとグルココルチコイドを同時に1組成物で、もしくは同時に別の組成物で、または連続的に投与するのを表すのに用いる。
【0025】
しかしながら、連続投与が「コンジョイント」と考えられるためには、アンドラストとグルココルチコイドを喘息、COPD、および他の呼吸器疾患を治療するための作用の急速な発現および良好な長期効果を得るのがまだ可能な時間間隔で別個に投与しなければならない。例えば、アンドラストおよびグルココルチコイドは、同日(例えばそれぞれ1日に1または2回)、好ましくは互いに1時間以内に、最も好ましくは同時に投与しなければならない。
【0026】
本明細書で用いている用語「治療(処置)する」は、対象の疾患の少なくとも1症状を軽減、緩和、遅延し、もしくは防ぐことを意味する。例えば、アレルギー性喘息の患者に関して、用語「治療する」は、吸入グルココルチコイドの使用のより大きな減少と増悪の少なさと関連した患者のクオリティオブライフの改善を意味することもある。
【0027】
本明細書で用いている用量または量に適用する用語「治療的に有効な」は、それを必要とするヒト対象に投与したときに望む活性を生じるのに十分な化合物または医薬組成物の量を表す。より具体的には、用語「治療的に有効な」は、喘息、COPD、または他の呼吸器疾患の少なくとも1の症状を減少させるかもしくは除去するのに十分な化合物または医薬組成物の量を表す。
【0028】
本発明の組成物に関連して用いる用語「医薬的に許容される」は、ヒトに投与した時に有害な反応を生じない生理学的に耐容できるような組成物の分子的存在および他の成分を表す。好ましくは、本明細書で用いている用語「医薬的に許容される」は、連邦政府もしくは州政府の監督官庁により承認されるか、または米国薬局方もしくはヒトに用いる他の一般的に承認された薬局方に記載されていることを意味する。
【0029】
本発明の意味内で、使用は、経口吸入、好ましくはエアロゾルの形で投与することを意味すると理解され、該エアロゾルは好ましくは0.1〜10ミクロンの粒径、好ましくは1〜3ミクロンの平均直径を有する。
【0030】
エアロゾル発生は、加圧ジェット噴霧器、プロペラント計量エアロゾル、または乾燥粉末用の無プロペラントの従来型携帯吸入器(例えばMIAT Monohaler(登録商標)、Diskhaler(登録商標)、Turbohaler(登録商標)、およびRotadisk(登録商標))により行うことができる。
【0031】
用いた吸入システムに応じて投与形は、必要な賦形剤を含んでよい。粉末吸入剤の場合は、水溶性担体、好ましくはラクトース、甘味料、好ましくはサッカリンナトリウム、香味料、好ましくはメントールもしくはペパーミント油;計量エアロゾルの場合は、プロペラント、乳化剤、安定化剤、保存料。
【0032】
アンドラスト(好ましくは2ナトリウム塩として)は、通常2〜24mg、好都合には8〜16mgの用量範囲で1日1〜3回投与される。
【0033】
グルココルチコイドは活性化合物に応じて、通常0.05〜2mg/日の用量で投与される。ブデノシドの場合は、好ましい1日用量は、0.1〜1mg/日の範囲であろう。
【課題を解決するための手段】
【0034】
さらに本発明は、活性化合物としてアンドラストおよびグルココルチコイドを含む、喘息、COPD、および他の気道疾患を治療するための医薬製剤を提供する。
【0035】
本発明は、本発明の製剤の成分の1またはそれ以上を含む1またはそれ以上の容器を含む医薬も提供する。関連する態様において、本発明は、第1容器にアンドラスト、第2容器にグルココルチコイド、ならびに所望により2剤を混合しおよび/または該組成物を投与するための指示書を含む、本発明の医薬組成物を製造するためのキットを提供する。該キットの各容器は、所望により1またはそれ以上の生理学的に許容される担体および/または賦形剤および/または補助物質も含んでいてよい。そのような容器には、医薬製品の製造、使用、もしくは販売を規制する政府機関により規定された形の、ヒト投与のための製造、使用、もしくは販売の該政府機関による承認を反映する情報が一緒になっていてよい。
【0036】
本発明の方法によれば、本明細書に記載の医薬組成物は、医薬的有効量で、好ましくは最小限の毒性で患者に投与される。好ましくは、アンドラストおよびグルココルチコイドはそれぞれ、併用した時に増強した効果、最も好ましくは各薬剤の単独投与では観察されない効果をもたらす用量で使用される。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の具体的医薬組成物によりさらに本発明を例示するが、これらは何ら本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0038】
実施例1
アンドラストナトリウム塩 8.00mg
ブデソニド 0.20mg
ラクトース 7.00mg
メントール 0.30mg
サッカリンナトリウム 0.50mg
合計 16.00mg
実施例2
【0039】
アンドラストナトリウム塩 16.00mg
ブデソニド 0.20mg
ラクトース 6.80mg
メントール 0.40mg
サッカリンナトリウム 0.60mg
合計 24.00mg
実施例3
【0040】
アンドラストナトリウム塩 8.00mg
フルチカゾンプロピオネート 0.25mg
ラクトース 7.00mg
メントール 0.30mg
サッカリンナトリウム 0.45mg
合計 16.00mg
実施例4
【0041】
アンドラストナトリウム塩 8.00mg
ベクロメタゾンジプロピオネート 0.25mg
ラクトース 7.00mg
メントール 0.30mg
サッカリンナトリウム 0.45mg
合計 16.00mg
【0042】
アンドラスト、グルココルチコイド、およびその併用の効果を、小動物モデル(例えばラット)を用いる前臨床試験で検討した。本発明の両成分は治療的に有効であることが解っている。
【0043】
本発明の複合薬は、比較的低用量で効果が高いのみならず、低毒性で副作用も少ない。
前臨床試験
【0044】
アンドラストとプレドニゾロン(グルココルチコイドの代表として摂取)の併用処置を、ヒト喘息の病状によく似たラットの肺好酸球増多症および過敏症モデルにおいて該薬剤の単独療法と比較試験した。
ラットのSephadex誘発好酸球増多症および肺過敏反応性に対する効果
【0045】
肺好酸球増多症および過反応性は慢性喘息に特徴的である。ラット肺における好酸球増多症および過反応性は、Spicer et al.の方法に従ったSephadex粒子の静脈内注射により誘導した(Brit. J. Pharmacol. (1990), 101, 821-828)。Sephadex G100の単回注射は、ラットの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の好酸球数の増加を誘発し、さらに該動物はアセチルコリン(Ach)により誘発された気管支収縮に対して過反応性になる。
【0046】
これに関連して、本発明者らはアンドラスト、プレドニゾロン、およびこれら2薬剤の併用の効果を試験した。
【0047】
第0日に動物にSephadex G100の1.5mg/ml懸濁液をi.v.(5ml/kg)注射した。
【0048】
同日のG100注射の1時間前および3時間後にラットに薬剤を投与した。次いで、薬剤を第1日〜第3日に1日1回、ならびに第4日のAchに対する気道反応性を測定する1時間前に投与した。
【0049】
アンドラスト2ナトリウム塩を生理食塩水に溶解して3ml/kgをi.m.投与し、プレドニゾロンを0.5%メチルセルロースに懸濁して5ml/kgを経口投与した。気管支収縮をAchにより誘発した。Achは、5分間間隔で0.03、0.1、0.3、3mg/kgまで増加させてi.v.(1ml/kg)投与した。
【0050】
気管支収縮をED50(mg/kg)として測定した。すなわち、50%の反応を生じたAchの用量を用量反応曲線の回帰線から計算した。
【0051】
得られた結果を表1に示す。
【表1】

【0052】
単独投与したアンドラスト(3mg/kg)およびプレドニゾロン(1mg/kg)の保護効果の計算値はそれぞれ33.3%および11.1%であったが、プレドニゾロン(10mg/kg)はほぼ完全な保護(88.8%)をもたらした。示した用量での併用処置は77.7%保護をもたらした。
【0053】
したがって、併用処置は、両薬剤の効果の相乗的増加をもたらし、例えばアンドラスト(3mg/kg)は、プレドニゾロン(1mg/kg)の効果の約7倍の増加をもたらすことができた。
【0054】
BAL液中の好酸球数は、Sephadex注射(コントロール)ラット(2.6x106)で正常ラット(約1x104)に比べて有意に増加した。
【0055】
プレドニゾロン(10mg/kg)は、BAL液中の好酸球増多症を全体的に抑制したが、プレドニゾロン(1mg/kg)はほとんど効果がなかった(2x106)。
【0056】
アンドラスト(3mg/kg)は、肺好酸球増多症を僅かに阻害した(1.75x106)が、併用処置は約80%の保護を示した(0.52x106)。
【0057】
したがって、BAL液中の好酸球増多症について、併用処置は両薬剤の相乗的保護効果を生じた。
臨床試験
アレルギー性喘息の軽減におけるグルココルチコイドと組み合わせたアンドラストの安全性と効果
【0058】
グルココルチコイドで処置した持続性喘息の成人患者におけるアンドラストの安全性と効果を評価するために、本発明者らは、低用量の吸入ブデソニドとの併用処置としての吸入アンドラストの多施設、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、用量反応、並列群間比較試験をこの複合剤の効果と安全性を試験するために提案する。
【0059】
下記の概要は考えられる試験デザインを説明する。
【0060】
軽度〜中等度の持続性アレルギー性喘息(予測値FEV1 80%)の患者のみをこの試験に含める。
【0061】
参加するには、患者は、4週間の導入期間中、適切な喘息の抑制に達するように適切な量の定量吸入グルココルチコイド(ブデソニド400mcg b.i.d.)を服用しなければならない。
【0062】
適格患者、すなわち、FEV1および症状の有意な改善により示される喘息の抑制が得られた患者を、以下のごとく4処置群に、喘息の重症度に従って層別化、無作為化する:
- プラセボ(ブデソニド 100mcg b.i.d.)
- アンドラスト(ブデソニド 100mcg + アンドラスト 8mg b.i.d.)
- アンドラスト(ブデソニド 100mcg + アンドラスト 16mg b.i.d.)
- アンドラスト(ブデソニド 100mcg + アンドラスト 24mg b.i.d.)。
【0063】
試験期間を通して患者の肺機能および昼間と夜間の喘息症状を記録する。
【0064】
試験の第一目的は、気道閉塞(FEV1、PEF、およびFVC)、「救急」薬使用、昼および夜間の喘息症状スコア、活動制限、増悪数、喘息の最初の増悪までの時間、脱落〜重症の喘息増悪について治療効果を評価することである。
【0065】
本発明を典型的態様により示し、説明したが、そのような言及は本発明を制限するものではなく、そのような限定を示唆するものでもない。本発明は、かなり修飾、変更することができ、当業者に明らかなように、形および機能の等価物はこの開示の利点を有する。したがって、本発明は、あらゆる点で等価に対する完全な認識を示す添付した特許請求の範囲の精神と範囲にのみ限定されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アンドラスト2ナトリウム塩、(ii))プレドニゾロン、ベクロメタゾンジプロピオネート、フルチカゾンプロピオネート、ブデソニド、デキサメサゾン、モメタゾンフロエート、ゾチカゾン、およびシクレソニドからなる群から選ばれるグルココルチコイド、および(iii)医薬的に許容される担体もしくは賦形剤を含む喘息、COPD、または呼吸器疾患を治療するための医薬組成物(ここで、該アンドラストおよびグルココルチコイドは治療的有効量で存在する)。
【請求項2】
経口吸入用の乾燥粉末として投与するのに適した請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
活性成分が、CR2039・2ナトリウム塩、および重量比がアンドラスト2ナトリウム塩に関して8〜320であるブデソニドである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
さらに、重量比がアンドラスト2ナトリウム塩に関して0.5〜10%であるメントールおよびペパーミント油からなる群から選ばれる香味料を含む請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
さらに、フルクトース、マンニトール、およびサッカリンナトリウムからなる群から選ばれる甘味料、およびラクトースである不活性水溶性担体を含む請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
経口吸入用の乾燥粉末を送達するための適切な用具とともに用いるための請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物を含む硬ゼラチンカプセル。
【請求項7】
アンドラスト2ナトリウム塩およびグルココルチコイドを活性成分として用い、メントールを香味料として用い、サッカリンナトリウムを甘味料として用い、ラクトースを水溶性不活性担体として用いる請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
喘息、COPD、または呼吸器疾患を治療するための医薬を製造するための、請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物、の使用。

【公開番号】特開2013−56925(P2013−56925A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−255517(P2012−255517)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2009−522100(P2009−522100)の分割
【原出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(598105824)ロッタファルム・ソシエタ・ペル・アチオニ (18)
【氏名又は名称原語表記】ROTTAPHARM S.p.A.
【Fターム(参考)】