アーク事象を定量的に測定するための確率的モデルを用いてアークを検出するための広帯域サンプリングの適用
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムは、プラズマチェンバーに投入されている(RF)電力における各電気的特性に基づいて第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサを備える。相関モジュールは、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する。上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示し、上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために用いられる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願に対する相互参照]
この出願は、2008年2月14日に出願された米国特許出願番号12/031,171の一部継続出願であり、2008年7月18日に出願された米国特許出願番号12/125,867の継続出願である。上記出願の開示は、本明細書に参照として含まれる。
【0002】
[分野]
本開示は、無線周波数(RF)プラズマ生成システムにおいてアークを検出することに関する。
【0003】
[背景技術]
本明細書において提供される背景技術の記載は、開示の内容を一般的に示す目的のものである。ここで名前を挙げられる発明者の成果は、背景技術の項目で記載されていても、明らかに、また、含意的に出願時の従来技術と見なされない。
【0004】
半導体装置またはフラットパネルディスプレイ等の加工品を製造する際に用いられる化学蒸着、スパッタ堆積、およびプラズマ強化エッチング処理等の様々な処理を行うために、プラズマチェンバーが用いられ得る。プラズマ放電は、電力源からのRF電力または直流電力をプラズマに結合することによって維持される。上記結合は、典型的にチェンバー内で電力源を電極に接続することによって、または、チェンバー内もしくはチェンバーに隣接するアンテナもしくは磁気コイルに接続することによって達成される。
【0005】
プラズマチェンバー内の状態は一般的に、チェンバー内にて行われる製造処理が進展している間に変化し、このような変化は、チェンバー内における電気的アークを時々引き起こす。プラズマと製造中の加工品との間で何らかのアークが発生すると、またはプラズマとチェンバーコンポーネントのいずれかの部分との間で何らかのアークが発生すると、加工品またはチェンバーコンポーネントにダメージが発生し得る。
【0006】
[概要]
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムは、プラズマチェンバーに投入されているRF電力における各電気的特性に基づいて第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する分析モジュールとを備える。相関モジュールは、第1信号および第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する。アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバー内で発生しているか否かを示し、アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために用いられる。
【0007】
他の特徴では、上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する減算モジュールを備える。上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールを備える。確率的モジュールは、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる。上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する。アナログ−デジタル(A/D)変換モジュールは、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する。上記RFセンサは、電圧/電流(V/I)センサであり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す。上記RFセンサは方向性結合器であり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す。
【0008】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法であって、プラズマチェンバーに投入されている無線周波数(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成し、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す工程と、上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいて上記アークにおける予測されるエネルギーを生成する工程とを含む。アーク検出信号は、プラズマチェンバーにおいてアークが発生しているか否かを示す。上記方法は、アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるようにアーク検出信号を用いる工程を含む。
【0009】
他の特徴において、上記方法は、上記第1信号および上記第2信号の1つずつから信号レベルを減算する工程をさらに含む。上記方法は、相関モジュールと通信するための第1信号および第2信号の期間を選択する工程を含む。上記方法は、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程をさらに含む。上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む。上記方法は、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する工程をさらに含む。上記方法は、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程をさらに含む。
【0010】
プラズマ生成システムのための検出システムは、プラズマチェンバーに投入されている(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサを備える。アナログ−デジタル(A/D)変換モジュールは、第1信号および第2信号に基づいて、デジタルデータを生成する。減算モジュールは、デジタルデータから数値を減算する。ウィンドウモジュールは、デジタルデータにウィンドウ関数を加える。相関モジュールは、第1信号および第2信号がウィンドウの施されたデジタルデータで表されるときにそれらと相関し、上記相関に基づいてアーク検出信号を生成する。上記アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバーにおいて発生するか否かを示す。
【0011】
他の特徴では、確率的モジュールは、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる。上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する。上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり得、上記第1信号および上記第2信号のぞれぞれは、上記RF電力における電圧および電流を示す。
【0012】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムは、プラズマチェンバーに投入されているRF電力の各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサを備える。分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する。上記アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバーにおいて発生するか否かを示し、上記アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために用いられる。さらに、分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアークの予測されるエネルギーを決定する。
【0013】
他の特徴では、減算モジュールは、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する。ウィンドウモジュールは、上記デジタルデータにウィンドウ関数を加える。確率的モジュールは、上記アーク検出信号に基づいてアーク事象の確率を演算する。確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる。上記分析モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する。アナログ−デジタル(A/D)変換モジュールは、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する。RFセンサは、方向性結合器であり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す。上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す。上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗じることによって決定され得る。上記電力予測は、以下の式によって決定され得る。
【0014】
【数1】
v[n]は、時間nにおける電圧であり、i[n]は、時間nにおける電流であり、rvi(τ:0)は、時間nにおける電力予測であり、E[v[n]]は、時間nにおけるv[n]の平均であり、E[i[n]]は、時間nにおけるi[n]の平均であり、∀nは、目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む。
【0015】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法は、プラズマチェンバーに投入されている無線周波数(RF)電力の各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいて、アーク検出信号を生成する工程とを含む。上記アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバー内で発生するか否かを示す。上記方法は、上記アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいて上記アークにおける予測されるエネルギーを生成する工程とを含む。
【0016】
他の特徴では、上記方法は、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する工程を含む。上記方法は、上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加える工程を含む。上記方法は、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程を含む。上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む。上記演算工程は、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる工程を含む。上記方法は、上記アーク検出信号を生成することを選択的に可能にする有効信号を受信する工程を含む。上記方法は、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程を含む。上記第1信号および上記第2信号は、上記RF電力における進行波電力と反射波電力とをそれぞれ示し得る。上記第1信号および上記第2信号は、上記RF電力における電圧および電流をそれぞれ示し得る。上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗じることによって決定され得る。上記電力予測は、以下の式によって決定され得る。
【0017】
【数2】
v[n]は、時間nにおける電圧であり、i[n]は時間nにおける電流であり、rvi(τ:=0)は、時間nにおける電力予測であり、E[v[n]]は、時間nにおけるv[n]の平均であり、E[i[n]]は、時間nにおけるi[n]の平均であり、∀nは、目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む。
【0018】
本開示の応用性におけるさらなる領域は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、説明目的のみを意図するものであり、開示の範囲を限定する意図のものではないことを理解しなければならない。
【0019】
[図面の簡単な説明]
本明細書における図面は、解説目的のみを意図するものであり、本開示の範囲を何ら限定する意図のものではない。
【0020】
[図1]無線周波数(RF)プラズマ生成システムの機能ブロック図である。
【0021】
[図2]分析モジュールの機能ブロック図である。
【0022】
[図3A]正規化されたRF電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0023】
[図3B]正規化されたRF電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0024】
[図4]図3AのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【0025】
[図5]図3BのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【0026】
[図6]図3AのRF電圧信号および図3BのRF電流信号の相互相関のグラフである。
【0027】
[図7]k:=4についてのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【0028】
[図8]k:=4についてのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【0029】
[図9]図3Aの電圧信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【0030】
[図10]図3Bの電流信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【0031】
[図11]電圧信号および電流信号の相互相関についての正規化された出力のグラフである。
【0032】
[図12A]サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0033】
[図12B]サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0034】
[図13]k:=4のVI相互相関関数における時間差をブロック処理することによって検出される、図12Aおよび図12Bのアーク事象のグラフである。
【0035】
[図14]アーク処理を示すマルコフ連鎖を示す図である。
【0036】
[図15]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0037】
[図16]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0038】
[図17]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0039】
[図18]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0040】
[図19]電力算出のサンプルサイズに対する、図15の信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【0041】
[図20]電力算出のサンプルサイズに対する、二重RFプラズマ生成システムについての信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【0042】
[詳細な説明]
以下の説明は本質的に例示のみを行い、本開示、その応用、または使用を限定する意図は無い。明確化を図るために、同じ参照番号が図面にも用いられており、同様の要素を識別している。本明細書で用いられるように、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、排他的論理和ではなく、論理和(A+B+C)という意味合いであると解釈すべきである。方法における工程は、本開示における原理を変えることなく異なった順番で実行されてもよいということを理解すべきである。
【0043】
本明細書において用いられるように、モジュールという用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、またはグループのもの)、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行するメモリ、組み合わせ論理回路、および/または、記述する機能性を実現する他の適切なコンポーネントを意味する。
【0044】
ここで図1を参照するが、いくつかの実施形態の1つにおける無線周波数(RF)プラズマ生成システム10が示される。RFプラズマ生成システム10は、プラズマチェンバー18についてのRF電力を生成するRFジェネレータ12を有する。RFセンサ16は、RF電力における各電気的特性を示す第1信号および第2信号を生成する。RFセンサ16は、電圧/電流(V/I)センサまたは方向性結合器とともに実装され得る。V/IセンサとともにRFセンサ16が実現されるとき、第1信号および第2信号はそれぞれ、RF電力における電圧および電流を示す。RFセンサ16が方向性結合器とともに実装されるとき、第1信号および第2信号はそれぞれ、RF電力における進行波電力および反射波電力を示す。この記述の残りは、RFセンサ16がV/Iセンサとともに実現されることを仮定するが、この記述は、RFセンサ16が方向性結合器とともに実現されるときにも適用されるということを理解すべきである。方向性結合器を用いるとき、進行波電力および反射波電力は、本明細書におけるRF電力の電圧および電流への言及に取って代わるものである。
【0045】
インピーダンス整合ネットワーク14は、RFジェネレータ12の出力インピーダンスをプラズマチェンバー18の入力インピーダンスに整合させる。インピーダンス整合ネットワーク14がRFセンサの下流に接続される状態が示されるが、それはRFセンサ16の上流に、すなわち、RFセンサ16およびプラズマチェンバー18の間に接続されてもよい。
【0046】
アナログ−デジタル(A/D)モジュール20は、RFセンサ16からの第1信号および第2信号をそれぞれデジタル信号に変換する。デジタル信号は、分析モジュール22に伝達される。分析モジュール22は、第1信号および第2信号に基づいて、プラズマチェンバー18内のアークを検出するために、相関関数を用いる。アーク検出方法を以下に詳細に説明する。分析モジュール22は、アーク検出方法の結果に基づいてアーク検出信号を生成する。アーク検出信号は制御モジュール24および確率的モジュール36に伝達され、アークがプラズマチェンバー18内で発生しているか否かを示す。
【0047】
制御モジュール24は、RFジェネレータ12のRF電力出力を制御する制御信号26を生成する。制御モジュール24はまた、分析モジュール22を介して第1信号および第2信号からアーク検出信号およびデータを受信する。制御モジュール24は、データおよびアーク検出信号に基づく出力を生成する。出力制御RFジェネレータでは、所望のようにプラズマが生成され、プラズマにおいて検出される任意のアークが、アーク検出信号に応じて消弧される。
【0048】
いくつかの実施形態では、RFジェネレータ12および/または制御モジュール24は、有効信号28を生成し、分析モジュール22に伝達する。有効信号28は、RFジェネレータ12がプラズマチェンバー18においてプラズマ生成を開始するときに用いられる。プラズマ生成を開始する一方、RF電力における電圧および電流は変動する。RFジェネレータ12および/または制御モジュール24は、有効信号28の生成を停止して分析モジュール22を無効にし、分析モジュール22が上記変動をアークと誤認することを防ぐ。
【0049】
いくつかの実施形態では、分析モジュール22は、プラズマ生成が開始しているか否かを検出し、有効信号28の必要性を除去する。分析モジュール22は、RF電力の電圧および電流を監視することによってプラズマ生成が開始しているか否かを判定し得る。ゼロからゼロでない数値へ上記電圧および上記電流が推移するとき、分析モジュール22は、上記電圧および上記電流がゼロでない数値で安定するまで、アーク検出信号の生成を遅らせ得る。
【0050】
確率的モジュール36は、後で説明する方法に基づいて、アーク検出信号を処理するために用いられ得る。確率的モジュール36は、確率的モデルを演算し、アーク事象の確率を予想するためにアーク検出信号を用いる。上記モデルはバウム−ウェルチアルゴリズムを用いて演算され、アーク事象の確率は、ビタビアルゴリズムを用いて演算される。確率的モジュール36は、データ収集後に上記モデルを生成するオフラインの処理であってもよい。その結果得られる確率的モデルは、半導体製造処理に関わるパラメータを処理するための変形が様々な期間においてアークが減少する可能性をもたらすか否かを判定する数値目標となる。
【0051】
ここで図2を参照するが、機能ブロック図は分析モジュール22を示す。分析モジュール22は、減算モジュール30、ウィンドウモジュール32、および相関モジュール34とを有する。減算モジュール30は、A/Dモジュール20によって生成されるデジタル信号からDCオフセットを減算する。ウィンドウモジュール32は、ウィンドウ関数を、減算モジュール30からのデジタルデータに加える。相関モジュール34は、後に説明する方法に基づいて、ウィンドウが設けられたデータと相互に相関する。
【0052】
相関モジュール34の操作をここで詳細に説明する。A/Dモジュール20からの広帯域、かつ高速のデジタルデータは、RFジェネレータ12とプラズマチェンバー18との間のRF伝達ラインに存在するRF電力の分光内容の有益情報を与える。これらの信号に含まれる空間的情報は、RF伝達ラインに接続されるシステムの一時的な挙動を示す。アーク検出は、空間的情報を、相関モジュール34内の相関関数の演算と組み合わせることによって達成可能である。確率的モジュール36は、アーク検出を強化し、アーク事象の可能性を低減することによって処理の向上を示すように数量的測定を実現するために、確率的なフレームワークを実施する。
【0053】
アーク事象は、RF生成プラズマと、プラズマチェンバー18の電極との間の放電に由来する急速かつ急激な推移によって特徴付けられ得る。アーク事象は、半導体製造処理の間に組み立てられる装置を損傷し得る。他のアーク事象は、プラズマからプラズマチェンバー28の側壁までの放電、および/または、プラズマ内のポリマー構造の形成から発生したプラズマ内の放電によって特徴付けられる。陰イオンが重合したものはまた、塵粒と称してもよい。連続して電力を供給されるプラズマのためのプラズマ覆いは、陰イオンを保持する。一定時間の後に、これらの陰イオンは組み合わさり、重合して汚染粒子を形成する。これらのアーク事象のいずれかが発生すると、上記放電に由来する推移によって、A/Dモジュール20によって示される電磁信号における摂動を招来する。
【0054】
相関モジュール34は、離散時間自己相関関数を実行する。
【0055】
【数3】
xは、第1デジタル信号および第2デジタル信号のうちの1つを示す。
【0056】
nはデジタルサンプルのインデックスを示す。
【0057】
τは、関数における遅滞または遅延を示す。
【0058】
式(1)は、偶関数であり、その最大値はτ=0において発生する。これは、後で説明するアーク検出スキームの効率的な実行に役立つ。式(1)における2つの付加的な特性は、アーク検出のために活用される。第1の特性は、式(1)が電圧および電流の変化の比率の測定を含んでいることである。第2の特性は、電圧信号および電流信号が周期的な成分を含んでいる場合、上記関数は周期的であることである。上記相関は、基礎的RF信号のM期間を含むN離散時間サンプルを含むデジタル信号におけるウィンドウが設けられたバージョンにおいて行われる。ウィンドウモジュール32は、デジタルサンプルにウィンドウ関数を加える。
【0059】
RF電力の周波数は、基本信号と称される。上記事象において、プラズマジェネレータシステム10は、異なる動作周波数を有する複数のRFジェネレータ12を備える。上記基礎的信号は、動作における最も低い周波数帯の最も低い周波数として選択される。
【0060】
信号のスペクトル予想を演算するための手順は、平均μxを、A/Dモジュール20からの離散時間信号xから減算する減算モジュール30を用いて開始する。
【0061】
【数4】
【0062】
【数5】
【0063】
ウィンドウ関数w[n]を加える工程は以下の式によって示される。
【0064】
【数6】
【0065】
xについての自己相関関数は、ra[T]と、ウィンドウ関数rw[T]についての自己相関関数の要素によって倍率をかけられる要素とに由来する。
【0066】
【数7】
【0067】
A/Dモジュール20からのサンプルにおけるオーバーラップしていないブロックから、アーク検出のための信頼性のあるブロック処理スキームが達成され得る。ここで図3Aおよび図3Bを参照すると、100MSPSの比率で得られる正規化されたサンプルのプロットが示される。図3Aは電圧包絡線50を示し、図3Bは電流包絡線60を示す。アーク事象は約150μsにおいて発生し、それは矢印52において示され、矢印54において示されるように、約23μsが経過した後に終了する。目視検査によると、一時的挙動は、電圧信号および電流信号において検出可能である。
【0068】
M:=6およびN:=44で、長さNのハニングウィンドウを用いて、電圧信号および電流信号について自己相関関数が演算される。電圧信号についての自己相関を図4に示す。図5は、電流信号についての自己相関関数を示す。電圧信号および電流信号は基礎的周波数(この場合13.56MHzであるが、他の周波数を用いてもよいということを理解すべきである)についての周期的要素を含むので、対応する相関関数も周期的である。τの遅滞はまた、プラズマから放出される周期的高調波を示す。時間52において、自己相関関数は、アーク事象の最初の出現と一致する急激な変化をもたらす。アークが発生していることを示すために安定状態値を一時的に達成した後で、自己相関関数はまた、時間54においてアーク事象の終わりと一致する急峻な推移を示す。図6は、相互相関関数rvi[T]を示し、また、実質的に検出可能なアーク事象を用いて周期関数をもたらす。
【0069】
アーク検出方法は、異なるプラズマ荷重インピーダンスおよび電力レベルに対して不変であるべきである。電圧信号および電流信号の相互相関機能は、スミスチャート全体にわたって、より広いレンジの信号に対する不活性を実現する。上記アーク事象は、時刻52と時刻54(図6参照)との間で顕著であり、相互相関関数から検出可能である。次に、アーク事象検出器について上記関数がどのように用いられ得るかを説明する。
【0070】
分析モジュール22は、擬似陽性アーク検出を最小に抑えなくてはならない。これを達成するために、分析モジュール22は、確率的モジュール36を有する。確率的モジュール36は、可能性を、検出されたアーク事象の数に割り当てる確率的フレームワークを実行する。擬似陽性は、正常に発生する推移によるものであり得、電力レベルにおける変化またははるかにより急激な変化から由来する不安定さによるものであり得る。後者に対する解決策は、プラズマが安定状態にあるときにアーク検出を行うために有効信号28を用いることである。これはパルシングのようなアプリケーションにおいて重要であり、上記の状態でなければ、プラズマ状態追随推移期間はアーク事象として誤って検出され得る。
【0071】
相関モジュール34は、相関関数のj番目の相関関数
【0072】
【数8】
に対する第1差異を実行する。電圧信号(図9)および電流信号(図10)の自己相関関数の第1差異において、例えばアーク事象の開始および消弧を検出する時間において、目だった隆線が検出され得る。図11は、電圧および電流の相互相関についての正規化された出力のプロットを示す。このプロットにおいて、アーク事象の期間は、示される期間を用いると容易に分かる。
【0073】
上記相関関数が偶関数であるので、アーク検出の効率的実行は、上記相関関数の半分のみを考慮することによって行われ得る。さらに、N個のサンプルのk番目のブロック毎についての相関関数のみが処理される必要がある。このシナリオは、図3Aおよび図3Bのアーク事象と比較するときに、上記アーク事象が、低信号振幅を有するいくつかのサンプルの順序で発生している困難な状況の下で検証される。この場合について用いられるデータは図12Aおよび図12Bに示される。図12Aは、電圧包絡線50を示し、図12Bは電流包絡線60を示す。アークは、70における下降スパイクとして示される。k:=4に関して、対応するアーク検出は、アーク事象70において大きなスパイク反応とともに示される。電圧および電流についての相互相関関数を用いるアーク検出を図13において示す。
【0074】
ここで図14を参照するが、一次マルコフ連鎖を示し、アーク事象の推移を分析するための手順についての確率的フレームワークを説明する。このモデルを時間等の指数に順次揃えることによって、期間を測るトレリスが生成される。上記期間は、処理工程、全工程についての時間の長さ、またはそれよりも長い時間と一致し得る。
【0075】
マルコフ連鎖は、3つの状態を含む。アークが全く検出されない状態(S0)と、アーク事象が検出される状態(S1)と、アーク事象が発生しつつある状態(S2)とを含む。可能性はまた、状態mから状態nまでの遷移可能性Pmnを説明するために示される。我々のアプローチを説明するために用いられる2つの例から、このモデルがアークにおける変化する期間の検出をどのように反映するかを確認することができる。図3Aおよび図3Bにおける第1例では、アーク事象は約23μs続いた。この場合について、アーク事象が時間52において検出されたとき、マルコフ連鎖は状態S0に始まりS1に遷移する。上記例が活性状態のままのアーク事象を有するので、S1からS2への遷移はこのシナリオを示す。アーク事象の間、アーク事象の最後が時刻54において検出されるまで、上記状態はS2のままである。時刻54において、S2からS1への状態の遷移が起こり、最終的に、S1からS0への遷移はアークの消滅を示す。これらの離散的状態遷移は、V:=[...S0S0S1S2S2...S2S2S1S0]の配列によって説明される。
【0076】
同様に、図12Aおよび図12Bに示される第2アーク事象を説明するための配列は、V:=[S0S0S1S1S0]である。S12までの遷移は、アーク事象の短い期間のため、発生しない。
【0077】
このフレームワークを用いることの説得力は、システムエンジニアが処理パラメータを調節し、定量的に結果として得られる改良を判定するためにこの情報を用い得る、アーク事象の可能性を判定する能力を与えるところにある。アーク検出器からの観察を用いる、この配列の解読は、ビタビアルゴリズムを用いることによって達成される。このアルゴリズムは、
【0078】
【数9】
から観察される配列の確率をもたらす。ここで、wは、我々のモデルにおける観察不可能な状態のベクトルを示す。RF等の他の観察可能な情報およびパラメータに影響を及ぼす他の処理を含むことについて何ら限定を行うものでないことを理解するべきである。
【0079】
処理調節に基づく改良を用いてシステムエンジニアの役に立つ量的指標として、状態遷移確率がまた演算され得る。調節が行われ、処理が行われるとき、観察可能な情報が集められる。後処理アルゴリズムを有するこの情報を用いて、遷移確率は演算され得、調節前の状態遷移可能性と比較され得る。これらの確率は、期待値最大化アルゴリズムを用いて演算される。期待値最大化アルゴリズムは、観察されたデータに基づくモデルパラメータを最大化するために用いられる反復性アルゴリズムである。期待値最大化モデルについて2つの工程がある。第1反復について、初期状態がモデルに適用される。第2反復の間、モデルパラメータは最適化される。モデルパラメータの収束が達成されるまで、これら2つの工程にわたって上記処理が反復される。上記手順は、表1における擬似コードによって説明される。
【0080】
【表1】
【0081】
いくつかの実施形態では、分析モジュール22は、アナログドメインにおいて実行されてもよい。このような実施形態では、A/Dモジュール20は取り除かれ(図1参照)、分析モジュール22はRFセンサ16からアナログの第1信号および第2信号を受信する。また、減算モジュール30、ウィンドウモジュール32、ウィンドウ関数、および相関モジュール34もアナログドメインにおいて実行される。
【0082】
ここで図15〜図20を参照して、本開示のいくつかの実施形態に係る相関モジュール34の操作を開示する。相関モジュール34は、自己相関関数を実行し得る。
【0083】
【数10】
ここで、v[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電圧を示し、i[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電流を示し、τは、上記関数における遅滞または遅延を示し、rvi(τ)は、τの遅延を有するRFプラズマジェネレータシステム10における電圧および電流の相互相関を示す。
【0084】
ゼロの遅延について、すなわち、τがゼロに等しいとき、相互相関関数は、電圧信号および電流信号に存在する電力と等しいドット積である。より適切な結果を得るために、また、オフセットのマイナス効果を改善するために、例えば、基礎的信号の周波数と一貫しないサンプリングレートによって引き起こされる効果を改善するために、相互相関を行う前に電圧信号および電流信号のそれぞれから平均が減算される。これによって、時間nにおける信号の電力は、以下の式によって特徴付けられる。
【0085】
【数11】
ここで、v[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電圧を示し、i[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電流を示し、rvi(τ:=0)は、遅延のないRFプラズマジェネレータシステム10の電圧および電流の相互相関を示し、E[v[n]]は、上記式(2)によって決定され得るv[n]の平均を示し、E[i[n]]は、上記式(2)によって決定され得るi[n]の平均を示す。遅延の無い、すなわち、τ=0のときの電圧信号および電流信号の相互相関の決定によって、基礎的信号に存在する電力がもたらされる。
【0086】
RFプラズマジェネレータシステム10に届けられる電力における急激な変化は、様々な遅延時間における相互相関に関して上記したように、上記システムにおけるアークを示し得る。さらに、アーク事象の期間はまた、本明細書において説明されるように、2つの信号の相互相関を監視することに基づいて決定され得る。これら2つの決定、すなわち、アーク事象の間の電力における期間および変化に基づいて、アーク事象において失われるエネルギーは、以下の式によって示される。
【0087】
【数12】
ここで、ΔPは、アーク事象の前の電圧信号および電流信号の(遅延の無い)相互相関と、アーク事象の間の相互相関との間の差異、例えば、上記式によって決定される差異を示し、tは、アーク事象の期間を示す。この式に基づいて、システムエンジニアは、プラズマチェンバー19に届けられるエネルギーにおける変化を予想し得る。
【0088】
ここで図15を参照するが、波形100は、x軸における時間に対するy軸における相互相関関数rvi(τ:=0)によって決定される信号電力のグラフである。波形100は、13.56MHzにおける基礎的信号周波数と、期間毎の7.4サンプルにおよそ対応する100MSPSのサンプル比とに基づく。アーク事象の最初は、矢印52によって示され、アーク事象はおよそ23μs後の、矢印54で示される時間に終了する。矢印線105は、アーク事象の間の信号の電力における変化を示し、一方、矢印線107は、アーク事象の期間を示す。電圧信号および電流信号はキャリブレーションされずに、実際の電圧および電流ではない測定された電圧および電流に基づくので、電力における変化もキャリブレーションされずに、信号における測定された電力と関連し、実際の電力ではない。その代わり、相互相関関数によって決定される電力における変化が国立標準技術研究所の追跡可能標準へキャリブレーションされるなら、その結果は信号の実際の電力における変化を含むものとなるであろう。上記のように、アーク事象の間に失われるエネルギーは、アーク事象の期間で電力における変化を乗じることによって予想することができる。
【0089】
ここで図16を参照するが、波形110は、短期間のアーク事象を説明する、時間に対する信号電力のグラフである。上記と同様に、矢印52はアーク事象の始まりを示し、矢印54はアーク事象の終わりを示す。アーク事象の期間は、矢印117によって示される。電力における変化は、矢印線115によって示される。図16では、アーク事象の期間は、1つの相互相関ブロックに限定される。したがって、上記期間は、このようなブロックの間の期間と等しいと予想される。したがって、さらに、相互相関関数によって決定される電力における変化はまた、測定される電力における変化の予想であるという事実によると、アーク事象のエネルギーは、正確な数値よりはむしろ予想を含む。
【0090】
ここで図17および図18を参照するが、信号電力波形100’および100”は、期間毎のサンプル数がそれぞれ22および32と等しい、波形100における交互の信号電力を含む。これらのグラフに基づいて、波形100”は、波形100のより可変的な(またはよりノイズの多い)バージョンであり、それゆえ、アーク事象のエネルギーを予測するにはあまり適切ではない。このため、期間毎のサンプル数(ここではNと称する)は、測定システムの正確さにおいて一定の役割を果たすものであり、任意に選択されるべきものではない。
【0091】
ここで図19を参照するが、サンプルサイズに対する相互相関関数の時間平均の標準偏差120を示す。上記のように、波形100は、RFジェネレータ12における13.56MHzの周波数と100MSPSのサンプリングレートに基づく。これらの設定されたポイントに基づいて、サンプル数はおよそ、期間毎の7.4倍に等しい。標準偏差が周期的間隔においてその谷に達する標準偏差波形120に基づいて、最も適切な信号電力予測を得るために、期間毎のサンプル数が目標期間におけるサンプル数の整数乗算になるように選択されなければならない。したがって、図17および図18に示されるように、期間毎のサンプル数が22に等しい波形100’は、期間毎において32に等しいサンプル数と関連する波形100”よりも適切であることが予測され、それは、数22は、数32よりも密接に7.4の整数乗算に対応するからである。
【0092】
ここで図20を参照するが、電力算出のサンプルサイズに対する二重周波数RFジェネレータシステムの電力の時間平均の標準偏差130のグラフを示す。二重周波数は、この例においては2MHzと27.12MHzである。図示するように、標準偏差130は、2MHzに対応する目標期間におけるサンプル数の乗算において、すなわち、50の乗算において、その谷に達する。したがって、二重または多重周波数システムにおいて、期間毎のサンプル数が、RFジェネレータにおける最低周波数に基づいて選択されなければならない。
【0093】
上記の説明から、当業者であれば、本開示における広い教示が様々な形態で実行できることを理解できるであろう。したがって、本開示が特定の例を含む一方、図面、明細書、および以下の請求項を読めば他の変更が当業者には明らかとなるであろうから、本開示の真の範囲は、それらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】無線周波数(RF)プラズマ生成システムの機能ブロック図である。
【図2】分析モジュールの機能ブロック図である。
【図3A】正規化されたRF電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図3B】正規化されたRF電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図4】図3AのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【図5】図3BのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【図6】図3AのRF電圧信号および図3BのRF電流信号の相互相関のグラフである。
【図7】k:=4についてのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【図8】k:=4についてのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【図9】図3Aの電圧信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【図10】図3Bの電流信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【図11】電圧信号および電流信号の相互相関についての正規化された出力のグラフである。
【図12A】サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図12B】サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図13】k:=4のVI相互相関関数における時間差をブロック処理することによって検出される、図12Aおよび図12Bのアーク事象のグラフである。
【図14】アーク処理を示すマルコフ連鎖を示す図である。
【図15】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図16】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図17】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図18】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図19】電力算出のサンプルサイズに対する、図15の信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【図20】電力算出のサンプルサイズに対する、二重RFプラズマ生成システムについての信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願に対する相互参照]
この出願は、2008年2月14日に出願された米国特許出願番号12/031,171の一部継続出願であり、2008年7月18日に出願された米国特許出願番号12/125,867の継続出願である。上記出願の開示は、本明細書に参照として含まれる。
【0002】
[分野]
本開示は、無線周波数(RF)プラズマ生成システムにおいてアークを検出することに関する。
【0003】
[背景技術]
本明細書において提供される背景技術の記載は、開示の内容を一般的に示す目的のものである。ここで名前を挙げられる発明者の成果は、背景技術の項目で記載されていても、明らかに、また、含意的に出願時の従来技術と見なされない。
【0004】
半導体装置またはフラットパネルディスプレイ等の加工品を製造する際に用いられる化学蒸着、スパッタ堆積、およびプラズマ強化エッチング処理等の様々な処理を行うために、プラズマチェンバーが用いられ得る。プラズマ放電は、電力源からのRF電力または直流電力をプラズマに結合することによって維持される。上記結合は、典型的にチェンバー内で電力源を電極に接続することによって、または、チェンバー内もしくはチェンバーに隣接するアンテナもしくは磁気コイルに接続することによって達成される。
【0005】
プラズマチェンバー内の状態は一般的に、チェンバー内にて行われる製造処理が進展している間に変化し、このような変化は、チェンバー内における電気的アークを時々引き起こす。プラズマと製造中の加工品との間で何らかのアークが発生すると、またはプラズマとチェンバーコンポーネントのいずれかの部分との間で何らかのアークが発生すると、加工品またはチェンバーコンポーネントにダメージが発生し得る。
【0006】
[概要]
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムは、プラズマチェンバーに投入されているRF電力における各電気的特性に基づいて第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する分析モジュールとを備える。相関モジュールは、第1信号および第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する。アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバー内で発生しているか否かを示し、アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために用いられる。
【0007】
他の特徴では、上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する減算モジュールを備える。上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールを備える。確率的モジュールは、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる。上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する。アナログ−デジタル(A/D)変換モジュールは、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する。上記RFセンサは、電圧/電流(V/I)センサであり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す。上記RFセンサは方向性結合器であり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す。
【0008】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法であって、プラズマチェンバーに投入されている無線周波数(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成し、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す工程と、上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいて上記アークにおける予測されるエネルギーを生成する工程とを含む。アーク検出信号は、プラズマチェンバーにおいてアークが発生しているか否かを示す。上記方法は、アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるようにアーク検出信号を用いる工程を含む。
【0009】
他の特徴において、上記方法は、上記第1信号および上記第2信号の1つずつから信号レベルを減算する工程をさらに含む。上記方法は、相関モジュールと通信するための第1信号および第2信号の期間を選択する工程を含む。上記方法は、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程をさらに含む。上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む。上記方法は、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する工程をさらに含む。上記方法は、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程をさらに含む。
【0010】
プラズマ生成システムのための検出システムは、プラズマチェンバーに投入されている(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサを備える。アナログ−デジタル(A/D)変換モジュールは、第1信号および第2信号に基づいて、デジタルデータを生成する。減算モジュールは、デジタルデータから数値を減算する。ウィンドウモジュールは、デジタルデータにウィンドウ関数を加える。相関モジュールは、第1信号および第2信号がウィンドウの施されたデジタルデータで表されるときにそれらと相関し、上記相関に基づいてアーク検出信号を生成する。上記アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバーにおいて発生するか否かを示す。
【0011】
他の特徴では、確率的モジュールは、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる。上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する。上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり得、上記第1信号および上記第2信号のぞれぞれは、上記RF電力における電圧および電流を示す。
【0012】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムは、プラズマチェンバーに投入されているRF電力の各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサを備える。分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する。上記アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバーにおいて発生するか否かを示し、上記アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために用いられる。さらに、分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号に基づいてアークの予測されるエネルギーを決定する。
【0013】
他の特徴では、減算モジュールは、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する。ウィンドウモジュールは、上記デジタルデータにウィンドウ関数を加える。確率的モジュールは、上記アーク検出信号に基づいてアーク事象の確率を演算する。確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる。上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる。上記分析モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する。アナログ−デジタル(A/D)変換モジュールは、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する。RFセンサは、方向性結合器であり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す。上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり得、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す。上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗じることによって決定され得る。上記電力予測は、以下の式によって決定され得る。
【0014】
【数1】
v[n]は、時間nにおける電圧であり、i[n]は、時間nにおける電流であり、rvi(τ:0)は、時間nにおける電力予測であり、E[v[n]]は、時間nにおけるv[n]の平均であり、E[i[n]]は、時間nにおけるi[n]の平均であり、∀nは、目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む。
【0015】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法は、プラズマチェンバーに投入されている無線周波数(RF)電力の各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいて、アーク検出信号を生成する工程とを含む。上記アーク検出信号は、アークがプラズマチェンバー内で発生するか否かを示す。上記方法は、上記アークを消弧するために、RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程と、上記第1信号および上記第2信号に基づいて上記アークにおける予測されるエネルギーを生成する工程とを含む。
【0016】
他の特徴では、上記方法は、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する工程を含む。上記方法は、上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加える工程を含む。上記方法は、上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程を含む。上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む。上記演算工程は、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる工程を含む。上記方法は、上記アーク検出信号を生成することを選択的に可能にする有効信号を受信する工程を含む。上記方法は、上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程を含む。上記第1信号および上記第2信号は、上記RF電力における進行波電力と反射波電力とをそれぞれ示し得る。上記第1信号および上記第2信号は、上記RF電力における電圧および電流をそれぞれ示し得る。上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗じることによって決定され得る。上記電力予測は、以下の式によって決定され得る。
【0017】
【数2】
v[n]は、時間nにおける電圧であり、i[n]は時間nにおける電流であり、rvi(τ:=0)は、時間nにおける電力予測であり、E[v[n]]は、時間nにおけるv[n]の平均であり、E[i[n]]は、時間nにおけるi[n]の平均であり、∀nは、目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む。
【0018】
本開示の応用性におけるさらなる領域は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、説明目的のみを意図するものであり、開示の範囲を限定する意図のものではないことを理解しなければならない。
【0019】
[図面の簡単な説明]
本明細書における図面は、解説目的のみを意図するものであり、本開示の範囲を何ら限定する意図のものではない。
【0020】
[図1]無線周波数(RF)プラズマ生成システムの機能ブロック図である。
【0021】
[図2]分析モジュールの機能ブロック図である。
【0022】
[図3A]正規化されたRF電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0023】
[図3B]正規化されたRF電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0024】
[図4]図3AのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【0025】
[図5]図3BのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【0026】
[図6]図3AのRF電圧信号および図3BのRF電流信号の相互相関のグラフである。
【0027】
[図7]k:=4についてのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【0028】
[図8]k:=4についてのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【0029】
[図9]図3Aの電圧信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【0030】
[図10]図3Bの電流信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【0031】
[図11]電圧信号および電流信号の相互相関についての正規化された出力のグラフである。
【0032】
[図12A]サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0033】
[図12B]サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【0034】
[図13]k:=4のVI相互相関関数における時間差をブロック処理することによって検出される、図12Aおよび図12Bのアーク事象のグラフである。
【0035】
[図14]アーク処理を示すマルコフ連鎖を示す図である。
【0036】
[図15]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0037】
[図16]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0038】
[図17]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0039】
[図18]RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【0040】
[図19]電力算出のサンプルサイズに対する、図15の信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【0041】
[図20]電力算出のサンプルサイズに対する、二重RFプラズマ生成システムについての信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【0042】
[詳細な説明]
以下の説明は本質的に例示のみを行い、本開示、その応用、または使用を限定する意図は無い。明確化を図るために、同じ参照番号が図面にも用いられており、同様の要素を識別している。本明細書で用いられるように、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、排他的論理和ではなく、論理和(A+B+C)という意味合いであると解釈すべきである。方法における工程は、本開示における原理を変えることなく異なった順番で実行されてもよいということを理解すべきである。
【0043】
本明細書において用いられるように、モジュールという用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、またはグループのもの)、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行するメモリ、組み合わせ論理回路、および/または、記述する機能性を実現する他の適切なコンポーネントを意味する。
【0044】
ここで図1を参照するが、いくつかの実施形態の1つにおける無線周波数(RF)プラズマ生成システム10が示される。RFプラズマ生成システム10は、プラズマチェンバー18についてのRF電力を生成するRFジェネレータ12を有する。RFセンサ16は、RF電力における各電気的特性を示す第1信号および第2信号を生成する。RFセンサ16は、電圧/電流(V/I)センサまたは方向性結合器とともに実装され得る。V/IセンサとともにRFセンサ16が実現されるとき、第1信号および第2信号はそれぞれ、RF電力における電圧および電流を示す。RFセンサ16が方向性結合器とともに実装されるとき、第1信号および第2信号はそれぞれ、RF電力における進行波電力および反射波電力を示す。この記述の残りは、RFセンサ16がV/Iセンサとともに実現されることを仮定するが、この記述は、RFセンサ16が方向性結合器とともに実現されるときにも適用されるということを理解すべきである。方向性結合器を用いるとき、進行波電力および反射波電力は、本明細書におけるRF電力の電圧および電流への言及に取って代わるものである。
【0045】
インピーダンス整合ネットワーク14は、RFジェネレータ12の出力インピーダンスをプラズマチェンバー18の入力インピーダンスに整合させる。インピーダンス整合ネットワーク14がRFセンサの下流に接続される状態が示されるが、それはRFセンサ16の上流に、すなわち、RFセンサ16およびプラズマチェンバー18の間に接続されてもよい。
【0046】
アナログ−デジタル(A/D)モジュール20は、RFセンサ16からの第1信号および第2信号をそれぞれデジタル信号に変換する。デジタル信号は、分析モジュール22に伝達される。分析モジュール22は、第1信号および第2信号に基づいて、プラズマチェンバー18内のアークを検出するために、相関関数を用いる。アーク検出方法を以下に詳細に説明する。分析モジュール22は、アーク検出方法の結果に基づいてアーク検出信号を生成する。アーク検出信号は制御モジュール24および確率的モジュール36に伝達され、アークがプラズマチェンバー18内で発生しているか否かを示す。
【0047】
制御モジュール24は、RFジェネレータ12のRF電力出力を制御する制御信号26を生成する。制御モジュール24はまた、分析モジュール22を介して第1信号および第2信号からアーク検出信号およびデータを受信する。制御モジュール24は、データおよびアーク検出信号に基づく出力を生成する。出力制御RFジェネレータでは、所望のようにプラズマが生成され、プラズマにおいて検出される任意のアークが、アーク検出信号に応じて消弧される。
【0048】
いくつかの実施形態では、RFジェネレータ12および/または制御モジュール24は、有効信号28を生成し、分析モジュール22に伝達する。有効信号28は、RFジェネレータ12がプラズマチェンバー18においてプラズマ生成を開始するときに用いられる。プラズマ生成を開始する一方、RF電力における電圧および電流は変動する。RFジェネレータ12および/または制御モジュール24は、有効信号28の生成を停止して分析モジュール22を無効にし、分析モジュール22が上記変動をアークと誤認することを防ぐ。
【0049】
いくつかの実施形態では、分析モジュール22は、プラズマ生成が開始しているか否かを検出し、有効信号28の必要性を除去する。分析モジュール22は、RF電力の電圧および電流を監視することによってプラズマ生成が開始しているか否かを判定し得る。ゼロからゼロでない数値へ上記電圧および上記電流が推移するとき、分析モジュール22は、上記電圧および上記電流がゼロでない数値で安定するまで、アーク検出信号の生成を遅らせ得る。
【0050】
確率的モジュール36は、後で説明する方法に基づいて、アーク検出信号を処理するために用いられ得る。確率的モジュール36は、確率的モデルを演算し、アーク事象の確率を予想するためにアーク検出信号を用いる。上記モデルはバウム−ウェルチアルゴリズムを用いて演算され、アーク事象の確率は、ビタビアルゴリズムを用いて演算される。確率的モジュール36は、データ収集後に上記モデルを生成するオフラインの処理であってもよい。その結果得られる確率的モデルは、半導体製造処理に関わるパラメータを処理するための変形が様々な期間においてアークが減少する可能性をもたらすか否かを判定する数値目標となる。
【0051】
ここで図2を参照するが、機能ブロック図は分析モジュール22を示す。分析モジュール22は、減算モジュール30、ウィンドウモジュール32、および相関モジュール34とを有する。減算モジュール30は、A/Dモジュール20によって生成されるデジタル信号からDCオフセットを減算する。ウィンドウモジュール32は、ウィンドウ関数を、減算モジュール30からのデジタルデータに加える。相関モジュール34は、後に説明する方法に基づいて、ウィンドウが設けられたデータと相互に相関する。
【0052】
相関モジュール34の操作をここで詳細に説明する。A/Dモジュール20からの広帯域、かつ高速のデジタルデータは、RFジェネレータ12とプラズマチェンバー18との間のRF伝達ラインに存在するRF電力の分光内容の有益情報を与える。これらの信号に含まれる空間的情報は、RF伝達ラインに接続されるシステムの一時的な挙動を示す。アーク検出は、空間的情報を、相関モジュール34内の相関関数の演算と組み合わせることによって達成可能である。確率的モジュール36は、アーク検出を強化し、アーク事象の可能性を低減することによって処理の向上を示すように数量的測定を実現するために、確率的なフレームワークを実施する。
【0053】
アーク事象は、RF生成プラズマと、プラズマチェンバー18の電極との間の放電に由来する急速かつ急激な推移によって特徴付けられ得る。アーク事象は、半導体製造処理の間に組み立てられる装置を損傷し得る。他のアーク事象は、プラズマからプラズマチェンバー28の側壁までの放電、および/または、プラズマ内のポリマー構造の形成から発生したプラズマ内の放電によって特徴付けられる。陰イオンが重合したものはまた、塵粒と称してもよい。連続して電力を供給されるプラズマのためのプラズマ覆いは、陰イオンを保持する。一定時間の後に、これらの陰イオンは組み合わさり、重合して汚染粒子を形成する。これらのアーク事象のいずれかが発生すると、上記放電に由来する推移によって、A/Dモジュール20によって示される電磁信号における摂動を招来する。
【0054】
相関モジュール34は、離散時間自己相関関数を実行する。
【0055】
【数3】
xは、第1デジタル信号および第2デジタル信号のうちの1つを示す。
【0056】
nはデジタルサンプルのインデックスを示す。
【0057】
τは、関数における遅滞または遅延を示す。
【0058】
式(1)は、偶関数であり、その最大値はτ=0において発生する。これは、後で説明するアーク検出スキームの効率的な実行に役立つ。式(1)における2つの付加的な特性は、アーク検出のために活用される。第1の特性は、式(1)が電圧および電流の変化の比率の測定を含んでいることである。第2の特性は、電圧信号および電流信号が周期的な成分を含んでいる場合、上記関数は周期的であることである。上記相関は、基礎的RF信号のM期間を含むN離散時間サンプルを含むデジタル信号におけるウィンドウが設けられたバージョンにおいて行われる。ウィンドウモジュール32は、デジタルサンプルにウィンドウ関数を加える。
【0059】
RF電力の周波数は、基本信号と称される。上記事象において、プラズマジェネレータシステム10は、異なる動作周波数を有する複数のRFジェネレータ12を備える。上記基礎的信号は、動作における最も低い周波数帯の最も低い周波数として選択される。
【0060】
信号のスペクトル予想を演算するための手順は、平均μxを、A/Dモジュール20からの離散時間信号xから減算する減算モジュール30を用いて開始する。
【0061】
【数4】
【0062】
【数5】
【0063】
ウィンドウ関数w[n]を加える工程は以下の式によって示される。
【0064】
【数6】
【0065】
xについての自己相関関数は、ra[T]と、ウィンドウ関数rw[T]についての自己相関関数の要素によって倍率をかけられる要素とに由来する。
【0066】
【数7】
【0067】
A/Dモジュール20からのサンプルにおけるオーバーラップしていないブロックから、アーク検出のための信頼性のあるブロック処理スキームが達成され得る。ここで図3Aおよび図3Bを参照すると、100MSPSの比率で得られる正規化されたサンプルのプロットが示される。図3Aは電圧包絡線50を示し、図3Bは電流包絡線60を示す。アーク事象は約150μsにおいて発生し、それは矢印52において示され、矢印54において示されるように、約23μsが経過した後に終了する。目視検査によると、一時的挙動は、電圧信号および電流信号において検出可能である。
【0068】
M:=6およびN:=44で、長さNのハニングウィンドウを用いて、電圧信号および電流信号について自己相関関数が演算される。電圧信号についての自己相関を図4に示す。図5は、電流信号についての自己相関関数を示す。電圧信号および電流信号は基礎的周波数(この場合13.56MHzであるが、他の周波数を用いてもよいということを理解すべきである)についての周期的要素を含むので、対応する相関関数も周期的である。τの遅滞はまた、プラズマから放出される周期的高調波を示す。時間52において、自己相関関数は、アーク事象の最初の出現と一致する急激な変化をもたらす。アークが発生していることを示すために安定状態値を一時的に達成した後で、自己相関関数はまた、時間54においてアーク事象の終わりと一致する急峻な推移を示す。図6は、相互相関関数rvi[T]を示し、また、実質的に検出可能なアーク事象を用いて周期関数をもたらす。
【0069】
アーク検出方法は、異なるプラズマ荷重インピーダンスおよび電力レベルに対して不変であるべきである。電圧信号および電流信号の相互相関機能は、スミスチャート全体にわたって、より広いレンジの信号に対する不活性を実現する。上記アーク事象は、時刻52と時刻54(図6参照)との間で顕著であり、相互相関関数から検出可能である。次に、アーク事象検出器について上記関数がどのように用いられ得るかを説明する。
【0070】
分析モジュール22は、擬似陽性アーク検出を最小に抑えなくてはならない。これを達成するために、分析モジュール22は、確率的モジュール36を有する。確率的モジュール36は、可能性を、検出されたアーク事象の数に割り当てる確率的フレームワークを実行する。擬似陽性は、正常に発生する推移によるものであり得、電力レベルにおける変化またははるかにより急激な変化から由来する不安定さによるものであり得る。後者に対する解決策は、プラズマが安定状態にあるときにアーク検出を行うために有効信号28を用いることである。これはパルシングのようなアプリケーションにおいて重要であり、上記の状態でなければ、プラズマ状態追随推移期間はアーク事象として誤って検出され得る。
【0071】
相関モジュール34は、相関関数のj番目の相関関数
【0072】
【数8】
に対する第1差異を実行する。電圧信号(図9)および電流信号(図10)の自己相関関数の第1差異において、例えばアーク事象の開始および消弧を検出する時間において、目だった隆線が検出され得る。図11は、電圧および電流の相互相関についての正規化された出力のプロットを示す。このプロットにおいて、アーク事象の期間は、示される期間を用いると容易に分かる。
【0073】
上記相関関数が偶関数であるので、アーク検出の効率的実行は、上記相関関数の半分のみを考慮することによって行われ得る。さらに、N個のサンプルのk番目のブロック毎についての相関関数のみが処理される必要がある。このシナリオは、図3Aおよび図3Bのアーク事象と比較するときに、上記アーク事象が、低信号振幅を有するいくつかのサンプルの順序で発生している困難な状況の下で検証される。この場合について用いられるデータは図12Aおよび図12Bに示される。図12Aは、電圧包絡線50を示し、図12Bは電流包絡線60を示す。アークは、70における下降スパイクとして示される。k:=4に関して、対応するアーク検出は、アーク事象70において大きなスパイク反応とともに示される。電圧および電流についての相互相関関数を用いるアーク検出を図13において示す。
【0074】
ここで図14を参照するが、一次マルコフ連鎖を示し、アーク事象の推移を分析するための手順についての確率的フレームワークを説明する。このモデルを時間等の指数に順次揃えることによって、期間を測るトレリスが生成される。上記期間は、処理工程、全工程についての時間の長さ、またはそれよりも長い時間と一致し得る。
【0075】
マルコフ連鎖は、3つの状態を含む。アークが全く検出されない状態(S0)と、アーク事象が検出される状態(S1)と、アーク事象が発生しつつある状態(S2)とを含む。可能性はまた、状態mから状態nまでの遷移可能性Pmnを説明するために示される。我々のアプローチを説明するために用いられる2つの例から、このモデルがアークにおける変化する期間の検出をどのように反映するかを確認することができる。図3Aおよび図3Bにおける第1例では、アーク事象は約23μs続いた。この場合について、アーク事象が時間52において検出されたとき、マルコフ連鎖は状態S0に始まりS1に遷移する。上記例が活性状態のままのアーク事象を有するので、S1からS2への遷移はこのシナリオを示す。アーク事象の間、アーク事象の最後が時刻54において検出されるまで、上記状態はS2のままである。時刻54において、S2からS1への状態の遷移が起こり、最終的に、S1からS0への遷移はアークの消滅を示す。これらの離散的状態遷移は、V:=[...S0S0S1S2S2...S2S2S1S0]の配列によって説明される。
【0076】
同様に、図12Aおよび図12Bに示される第2アーク事象を説明するための配列は、V:=[S0S0S1S1S0]である。S12までの遷移は、アーク事象の短い期間のため、発生しない。
【0077】
このフレームワークを用いることの説得力は、システムエンジニアが処理パラメータを調節し、定量的に結果として得られる改良を判定するためにこの情報を用い得る、アーク事象の可能性を判定する能力を与えるところにある。アーク検出器からの観察を用いる、この配列の解読は、ビタビアルゴリズムを用いることによって達成される。このアルゴリズムは、
【0078】
【数9】
から観察される配列の確率をもたらす。ここで、wは、我々のモデルにおける観察不可能な状態のベクトルを示す。RF等の他の観察可能な情報およびパラメータに影響を及ぼす他の処理を含むことについて何ら限定を行うものでないことを理解するべきである。
【0079】
処理調節に基づく改良を用いてシステムエンジニアの役に立つ量的指標として、状態遷移確率がまた演算され得る。調節が行われ、処理が行われるとき、観察可能な情報が集められる。後処理アルゴリズムを有するこの情報を用いて、遷移確率は演算され得、調節前の状態遷移可能性と比較され得る。これらの確率は、期待値最大化アルゴリズムを用いて演算される。期待値最大化アルゴリズムは、観察されたデータに基づくモデルパラメータを最大化するために用いられる反復性アルゴリズムである。期待値最大化モデルについて2つの工程がある。第1反復について、初期状態がモデルに適用される。第2反復の間、モデルパラメータは最適化される。モデルパラメータの収束が達成されるまで、これら2つの工程にわたって上記処理が反復される。上記手順は、表1における擬似コードによって説明される。
【0080】
【表1】
【0081】
いくつかの実施形態では、分析モジュール22は、アナログドメインにおいて実行されてもよい。このような実施形態では、A/Dモジュール20は取り除かれ(図1参照)、分析モジュール22はRFセンサ16からアナログの第1信号および第2信号を受信する。また、減算モジュール30、ウィンドウモジュール32、ウィンドウ関数、および相関モジュール34もアナログドメインにおいて実行される。
【0082】
ここで図15〜図20を参照して、本開示のいくつかの実施形態に係る相関モジュール34の操作を開示する。相関モジュール34は、自己相関関数を実行し得る。
【0083】
【数10】
ここで、v[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電圧を示し、i[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電流を示し、τは、上記関数における遅滞または遅延を示し、rvi(τ)は、τの遅延を有するRFプラズマジェネレータシステム10における電圧および電流の相互相関を示す。
【0084】
ゼロの遅延について、すなわち、τがゼロに等しいとき、相互相関関数は、電圧信号および電流信号に存在する電力と等しいドット積である。より適切な結果を得るために、また、オフセットのマイナス効果を改善するために、例えば、基礎的信号の周波数と一貫しないサンプリングレートによって引き起こされる効果を改善するために、相互相関を行う前に電圧信号および電流信号のそれぞれから平均が減算される。これによって、時間nにおける信号の電力は、以下の式によって特徴付けられる。
【0085】
【数11】
ここで、v[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電圧を示し、i[n]は、時間nにおいてRFプラズマジェネレータシステム10におけるサンプルされた電流を示し、rvi(τ:=0)は、遅延のないRFプラズマジェネレータシステム10の電圧および電流の相互相関を示し、E[v[n]]は、上記式(2)によって決定され得るv[n]の平均を示し、E[i[n]]は、上記式(2)によって決定され得るi[n]の平均を示す。遅延の無い、すなわち、τ=0のときの電圧信号および電流信号の相互相関の決定によって、基礎的信号に存在する電力がもたらされる。
【0086】
RFプラズマジェネレータシステム10に届けられる電力における急激な変化は、様々な遅延時間における相互相関に関して上記したように、上記システムにおけるアークを示し得る。さらに、アーク事象の期間はまた、本明細書において説明されるように、2つの信号の相互相関を監視することに基づいて決定され得る。これら2つの決定、すなわち、アーク事象の間の電力における期間および変化に基づいて、アーク事象において失われるエネルギーは、以下の式によって示される。
【0087】
【数12】
ここで、ΔPは、アーク事象の前の電圧信号および電流信号の(遅延の無い)相互相関と、アーク事象の間の相互相関との間の差異、例えば、上記式によって決定される差異を示し、tは、アーク事象の期間を示す。この式に基づいて、システムエンジニアは、プラズマチェンバー19に届けられるエネルギーにおける変化を予想し得る。
【0088】
ここで図15を参照するが、波形100は、x軸における時間に対するy軸における相互相関関数rvi(τ:=0)によって決定される信号電力のグラフである。波形100は、13.56MHzにおける基礎的信号周波数と、期間毎の7.4サンプルにおよそ対応する100MSPSのサンプル比とに基づく。アーク事象の最初は、矢印52によって示され、アーク事象はおよそ23μs後の、矢印54で示される時間に終了する。矢印線105は、アーク事象の間の信号の電力における変化を示し、一方、矢印線107は、アーク事象の期間を示す。電圧信号および電流信号はキャリブレーションされずに、実際の電圧および電流ではない測定された電圧および電流に基づくので、電力における変化もキャリブレーションされずに、信号における測定された電力と関連し、実際の電力ではない。その代わり、相互相関関数によって決定される電力における変化が国立標準技術研究所の追跡可能標準へキャリブレーションされるなら、その結果は信号の実際の電力における変化を含むものとなるであろう。上記のように、アーク事象の間に失われるエネルギーは、アーク事象の期間で電力における変化を乗じることによって予想することができる。
【0089】
ここで図16を参照するが、波形110は、短期間のアーク事象を説明する、時間に対する信号電力のグラフである。上記と同様に、矢印52はアーク事象の始まりを示し、矢印54はアーク事象の終わりを示す。アーク事象の期間は、矢印117によって示される。電力における変化は、矢印線115によって示される。図16では、アーク事象の期間は、1つの相互相関ブロックに限定される。したがって、上記期間は、このようなブロックの間の期間と等しいと予想される。したがって、さらに、相互相関関数によって決定される電力における変化はまた、測定される電力における変化の予想であるという事実によると、アーク事象のエネルギーは、正確な数値よりはむしろ予想を含む。
【0090】
ここで図17および図18を参照するが、信号電力波形100’および100”は、期間毎のサンプル数がそれぞれ22および32と等しい、波形100における交互の信号電力を含む。これらのグラフに基づいて、波形100”は、波形100のより可変的な(またはよりノイズの多い)バージョンであり、それゆえ、アーク事象のエネルギーを予測するにはあまり適切ではない。このため、期間毎のサンプル数(ここではNと称する)は、測定システムの正確さにおいて一定の役割を果たすものであり、任意に選択されるべきものではない。
【0091】
ここで図19を参照するが、サンプルサイズに対する相互相関関数の時間平均の標準偏差120を示す。上記のように、波形100は、RFジェネレータ12における13.56MHzの周波数と100MSPSのサンプリングレートに基づく。これらの設定されたポイントに基づいて、サンプル数はおよそ、期間毎の7.4倍に等しい。標準偏差が周期的間隔においてその谷に達する標準偏差波形120に基づいて、最も適切な信号電力予測を得るために、期間毎のサンプル数が目標期間におけるサンプル数の整数乗算になるように選択されなければならない。したがって、図17および図18に示されるように、期間毎のサンプル数が22に等しい波形100’は、期間毎において32に等しいサンプル数と関連する波形100”よりも適切であることが予測され、それは、数22は、数32よりも密接に7.4の整数乗算に対応するからである。
【0092】
ここで図20を参照するが、電力算出のサンプルサイズに対する二重周波数RFジェネレータシステムの電力の時間平均の標準偏差130のグラフを示す。二重周波数は、この例においては2MHzと27.12MHzである。図示するように、標準偏差130は、2MHzに対応する目標期間におけるサンプル数の乗算において、すなわち、50の乗算において、その谷に達する。したがって、二重または多重周波数システムにおいて、期間毎のサンプル数が、RFジェネレータにおける最低周波数に基づいて選択されなければならない。
【0093】
上記の説明から、当業者であれば、本開示における広い教示が様々な形態で実行できることを理解できるであろう。したがって、本開示が特定の例を含む一方、図面、明細書、および以下の請求項を読めば他の変更が当業者には明らかとなるであろうから、本開示の真の範囲は、それらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】無線周波数(RF)プラズマ生成システムの機能ブロック図である。
【図2】分析モジュールの機能ブロック図である。
【図3A】正規化されたRF電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図3B】正規化されたRF電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図4】図3AのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【図5】図3BのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【図6】図3AのRF電圧信号および図3BのRF電流信号の相互相関のグラフである。
【図7】k:=4についてのRF電圧信号の自己相関関数のグラフである。
【図8】k:=4についてのRF電流信号の自己相関関数のグラフである。
【図9】図3Aの電圧信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【図10】図3Bの電流信号についての自己相関関数の第1差異のグラフである。
【図11】電圧信号および電流信号の相互相関についての正規化された出力のグラフである。
【図12A】サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電圧信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図12B】サンプルインターバルと比較したときの、短い期間を有するアークにおける正規化された電流信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図13】k:=4のVI相互相関関数における時間差をブロック処理することによって検出される、図12Aおよび図12Bのアーク事象のグラフである。
【図14】アーク処理を示すマルコフ連鎖を示す図である。
【図15】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図16】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図17】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図18】RFプラズマ生成システムについて、時間に対する信号電力のグラフである。
【図19】電力算出のサンプルサイズに対する、図15の信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【図20】電力算出のサンプルサイズに対する、二重RFプラズマ生成システムについての信号電力の時間平均における標準偏差のグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムであって、
プラズマチェンバーに投入されているRF電力における各電気的特性に基づいて第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する分析モジュールとを備え、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示し、上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるように用いられ、上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号に基づいて、上記アークにおける予測されるエネルギーを決定する、アーク検出システム。
【請求項2】
上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する減算モジュールを備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項3】
上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールを備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項4】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する確率的モジュールをさらに備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項5】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる、請求項4に記載のアーク検出システム。
【請求項6】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる、請求項5に記載のアーク検出システム。
【請求項7】
上記分析モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項8】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化するアナログ−デジタル(A/D)変換モジュールをさらに備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項9】
上記RFセンサは方向性結合器であり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項10】
上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項11】
上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗ずることによって決定される、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項12】
上記電力予測は、以下の式によって決定され、
【数1】
ここで、v[n]は時間nにおける電圧を示し、i[n]は時間nにおける電流を示し、rvi(τ:=0)は時間nにおける電力予測を示し、E[v[n]]は時間nにおけるv[n]の平均を示し、E[i[n]]は時間nにおけるi[n]の平均を示し、∀nは目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む、請求項11に記載のアーク検出システム。
【請求項13】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法であって、
プラズマチェンバーに投入されている無線周波数(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成し、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す工程と、
上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程と、
上記第1信号および上記第2信号に基づいて上記アークにおける予測されるエネルギーを生成する工程とを含む、アーク検出方法。
【請求項14】
上記第1信号および上記第2信号の1つずつから信号レベルを減算する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項15】
上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加える工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項16】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項17】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項16に記載のアーク検出方法。
【請求項18】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項17に記載のアーク検出方法。
【請求項19】
上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項20】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項21】
上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項22】
上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項23】
上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗ずることによって決定される、請求項22に記載のアーク検出方法。
【請求項24】
上記電力予測は、以下の式によって決定され、
【数2】
ここで、v[n]は時間nにおける電圧を示し、i[n]は時間nにおける電流を示し、rvi(τ:=0)は時間nにおける電力予測を示し、E[v[n]]は時間nにおけるv[n]の平均を示し、E[i[n]]は時間nにおけるi[n]の平均を示し、∀nは目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む、請求項23に記載のアーク検出方法。
【請求項25】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムであって、
プラズマチェンバーに投入されている(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する相関モジュールとを備え、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示し、上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために用いられる、アーク検出システム。
【請求項26】
上記第1信号および上記第2信号における1つずつから信号レベルを減算する減算モジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項27】
上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項28】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する確率的モジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項29】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる、請求項28に記載のアーク検出システム。
【請求項30】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる、請求項29に記載のアーク検出システム。
【請求項31】
上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項32】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化するアナログ−デジタル(A/D)変換モジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項33】
上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり、上記第1信号および上記第2信号のぞれぞれは、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項34】
上記RFセンサは方向性結合器であり、上記第1信号および上記第2信号のそれぞれは、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項35】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法であって、
プラズマチェンバーに投入されている(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成し、上記アーク検出信号は上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す工程と、
上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程とを含む、アーク検出方法。
【請求項36】
上記第1信号および上記第2信号における1つずつから信号レベルを減算する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項37】
上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加える工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項38】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項39】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項38に記載のアーク検出方法。
【請求項40】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項39に記載のアーク検出方法。
【請求項41】
上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項42】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項43】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムであって、
プラズマチェンバーに投入されている各電気的特性RF電力に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、
上記第1信号および上記第2信号に基づいて、デジタルデータを生成するアナログ−デジタル(A/D)変換モジュールと、
上記デジタルデータから数値を減算する減算モジュールと、
上記デジタルデータにウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールと、
上記第1信号および上記第2信号がウィンドウの設けられたデジタルデータで示されるときに上記第1信号および上記第2信号を相関させ、上記相関に基づいてアーク検出信号を生成する相関モジュールとを備え、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す、アーク検出システム。
【請求項44】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する確率的モジュールをさらに備える、請求項43に記載のアーク検出システム。
【請求項45】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる、請求項44に記載のアーク検出システム。
【請求項46】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる、請求項45に記載のアーク検出システム。
【請求項47】
上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する、請求項43に記載のアーク検出システム。
【請求項48】
上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項43に記載のアーク検出システム。
【請求項49】
上記RFセンサは方向性結合器であり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項43に記載のアーク検出システム。
【請求項1】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムであって、
プラズマチェンバーに投入されているRF電力における各電気的特性に基づいて第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する分析モジュールとを備え、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示し、上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるように用いられ、上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号に基づいて、上記アークにおける予測されるエネルギーを決定する、アーク検出システム。
【請求項2】
上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号のうちの1つずつから信号レベルを減算する減算モジュールを備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項3】
上記分析モジュールは、上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールを備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項4】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する確率的モジュールをさらに備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項5】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる、請求項4に記載のアーク検出システム。
【請求項6】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる、請求項5に記載のアーク検出システム。
【請求項7】
上記分析モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項8】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化するアナログ−デジタル(A/D)変換モジュールをさらに備える、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項9】
上記RFセンサは方向性結合器であり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項10】
上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項1に記載のアーク検出システム。
【請求項11】
上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗ずることによって決定される、請求項10に記載のアーク検出システム。
【請求項12】
上記電力予測は、以下の式によって決定され、
【数1】
ここで、v[n]は時間nにおける電圧を示し、i[n]は時間nにおける電流を示し、rvi(τ:=0)は時間nにおける電力予測を示し、E[v[n]]は時間nにおけるv[n]の平均を示し、E[i[n]]は時間nにおけるi[n]の平均を示し、∀nは目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む、請求項11に記載のアーク検出システム。
【請求項13】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法であって、
プラズマチェンバーに投入されている無線周波数(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成し、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す工程と、
上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程と、
上記第1信号および上記第2信号に基づいて上記アークにおける予測されるエネルギーを生成する工程とを含む、アーク検出方法。
【請求項14】
上記第1信号および上記第2信号の1つずつから信号レベルを減算する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項15】
上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加える工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項16】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項17】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項16に記載のアーク検出方法。
【請求項18】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項17に記載のアーク検出方法。
【請求項19】
上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項20】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程をさらに含む、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項21】
上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項22】
上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項13に記載のアーク検出方法。
【請求項23】
上記アークにおける予測されるエネルギーは、上記アークの期間と、上記アークの間の上記RF電力の電圧および電流の電力予測における差とを乗ずることによって決定される、請求項22に記載のアーク検出方法。
【請求項24】
上記電力予測は、以下の式によって決定され、
【数2】
ここで、v[n]は時間nにおける電圧を示し、i[n]は時間nにおける電流を示し、rvi(τ:=0)は時間nにおける電力予測を示し、E[v[n]]は時間nにおけるv[n]の平均を示し、E[i[n]]は時間nにおけるi[n]の平均を示し、∀nは目標ウィンドウにおける全ての時間nを含む、請求項23に記載のアーク検出方法。
【請求項25】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムであって、
プラズマチェンバーに投入されている(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成する相関モジュールとを備え、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示し、上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために用いられる、アーク検出システム。
【請求項26】
上記第1信号および上記第2信号における1つずつから信号レベルを減算する減算モジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項27】
上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項28】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する確率的モジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項29】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる、請求項28に記載のアーク検出システム。
【請求項30】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる、請求項29に記載のアーク検出システム。
【請求項31】
上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項32】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化するアナログ−デジタル(A/D)変換モジュールをさらに備える、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項33】
上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり、上記第1信号および上記第2信号のぞれぞれは、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項34】
上記RFセンサは方向性結合器であり、上記第1信号および上記第2信号のそれぞれは、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項25に記載のアーク検出システム。
【請求項35】
プラズマ生成システムのためのアーク検出方法であって、
プラズマチェンバーに投入されている(RF)電力における各電気的特性に基づいて、第1信号および第2信号を生成する工程と、
上記第1信号および上記第2信号に基づいてアーク検出信号を生成し、上記アーク検出信号は上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す工程と、
上記アークを消弧するために、上記RF電力を生成するための上記第1信号および上記第2信号を変化させるために上記アーク検出信号を用いる工程とを含む、アーク検出方法。
【請求項36】
上記第1信号および上記第2信号における1つずつから信号レベルを減算する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項37】
上記第1信号および上記第2信号にウィンドウ関数を加える工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項38】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項39】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項38に記載のアーク検出方法。
【請求項40】
上記演算工程は、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる工程をさらに含む、請求項39に記載のアーク検出方法。
【請求項41】
上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項42】
上記第1信号および上記第2信号をデジタル化する工程をさらに含む、請求項35に記載のアーク検出方法。
【請求項43】
プラズマ生成システムのためのアーク検出システムであって、
プラズマチェンバーに投入されている各電気的特性RF電力に基づいて、第1信号および第2信号を生成する無線周波数(RF)センサと、
上記第1信号および上記第2信号に基づいて、デジタルデータを生成するアナログ−デジタル(A/D)変換モジュールと、
上記デジタルデータから数値を減算する減算モジュールと、
上記デジタルデータにウィンドウ関数を加えるウィンドウモジュールと、
上記第1信号および上記第2信号がウィンドウの設けられたデジタルデータで示されるときに上記第1信号および上記第2信号を相関させ、上記相関に基づいてアーク検出信号を生成する相関モジュールとを備え、上記アーク検出信号は、上記プラズマチェンバー内でアークが発生しているか否かを示す、アーク検出システム。
【請求項44】
上記アーク検出信号に基づいて、アーク事象の確率を演算する確率的モジュールをさらに備える、請求項43に記載のアーク検出システム。
【請求項45】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率的モデルを算出するために、バウム−ウェルチアルゴリズムを用いる、請求項44に記載のアーク検出システム。
【請求項46】
上記確率的モジュールは、上記アーク事象の確率を演算するために、ビタビアルゴリズムを用いる、請求項45に記載のアーク検出システム。
【請求項47】
上記相関モジュールは、上記アーク検出信号の生成を選択的に可能にする有効信号を受信する、請求項43に記載のアーク検出システム。
【請求項48】
上記RFセンサは電圧/電流(V/I)センサであり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における電圧および電流を示す、請求項43に記載のアーク検出システム。
【請求項49】
上記RFセンサは方向性結合器であり、上記第1信号および上記第2信号はそれぞれ、上記RF電力における進行波電力および反射波電力を示す、請求項43に記載のアーク検出システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2011−524601(P2011−524601A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546746(P2010−546746)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/083347
【国際公開番号】WO2009/102358
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/083347
【国際公開番号】WO2009/102358
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]