説明

アーク溶接システム、シングルアーク溶接システムおよびタンデムアーク溶接システム

【課題】本発明は、デジタル信号を用いて正確なアーク倣いを可能とするアーク溶接システム1を提供する。
【解決手段】アーク溶接システム1は、溶接ワイヤ13に溶接電力を供給する溶接電源30と、溶接トーチ12がアーム先端に装着された溶接ロボット10と、溶接電源30および溶接ロボット10を制御するコントローラ40とを備え、溶接電源30とコントローラ40とがデジタル信号を用いた通信を行うと共に、溶接電源30が、溶接電源同期信号が入力されたときの溶接電源フィードバック信号をコントローラ40に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ロボットの溶接トーチをウィービングさせながらアーク溶接を行うアーク溶接システムに関する。
【背景技術】
【0002】
溶接ロボットを用いて厚板等のワークを溶接線に沿ってアーク溶接を行う場合は、溶接ロボットの溶接トーチを左右にウィービングさせる。この場合、品質のよいアーク溶接を実現するためには、溶接トーチとワークの溶接線との位置ずれを検出し、溶接トーチの位置を補正しながら溶接トーチを溶接線に倣わせるアーク倣いが必要不可欠である(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【0003】
以下、図9を参照し、従来のアーク溶接システム9の概略を用いてアーク倣いについて簡単に説明する。図9に示すように、アーク溶接システム9は、溶接ロボット91と、溶接電源92と、コントローラ93とを備える。
【0004】
溶接ロボット91は、例えば、6軸構成の垂直多関節ロボット等のアーク溶接ロボットである。ここで、溶接ロボット91は、アーム先端に溶接トーチ91aが装着される。そして、溶接ワイヤ91bは、溶接ワイヤ送給モータ(不図示)によって、溶接トーチ91aに送給される。
【0005】
溶接電源92は、溶接ワイヤ91bに溶接電流を供給する電源である。また、溶接電源92は、アナログ通信路Anを介して、コントローラ93とアナログ信号により通信を行う。なお、本発明においてアナログ信号とは、データを連続的に電圧レベルに変換した信号である。
【0006】
コントローラ93は、溶接ロボット91および溶接電源92を制御する制御装置である。また、コントローラ93は、アーク倣いを行う倣い制御部93aを備える。
【0007】
このような構成により、アーク溶接システム9は、溶接電源92が供給する溶接電流によってワークWと溶接ワイヤ91bとの間でアーク放電を発生させながら、溶接ロボット91が溶接トーチ91aを溶接線上で移動させることで、ワークWをアーク溶接する。このとき、アーク溶接システム9は、倣い制御部93aによって、ワークWの位置ずれを検出し、溶接トーチ91aの先端位置を補正して、アーク倣いを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−095780号公報
【特許文献2】特開2008−093670号公報
【特許文献3】特開2003−103366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このようなアーク溶接システムを用いるユーザーは、近年、溶接ロボットメーカーに対してアーク溶接の溶接施工法の高度化やアーク溶接機の高機能化の実現を強く要求している。溶接ロボットメーカーがこのような要求に応えるためにはロボットコントローラと溶接電源間でより多くのデータを正確に通信させることが欠かせない。
【0010】
しかしながら、図9のようなアナログ信号による通信を行なう従来のアーク溶接システム9で多くの情報を通信するためには、新たな種類の信号(例えば、異常検出のような汎用的な信号)を追加する毎に、アナログ信号の通信路Anを増設する必要があり、配線ケーブルが複雑化し、通信の信頼性が低下するという問題がある。
【0011】
このような問題を解決するために、デジタル信号を用いて通信することが不可欠であるが、デジタル通信を行う場合は通信遅れが生じてしまい、アナログ信号による通信と比較して、アーク倣いの精度が低下するという問題が生じる。
【0012】
このような問題に対して、特許文献3に記載の発明は、各制御部をパラレルバス方式により接続し、デジタル信号で通信することにより、リアルタイム性を向上させることを可能とする。しかしながら、パラレルバス接続でデジタル通信を行なうと、通信路数が大幅に増加することにより、通信の信頼性が低下する。そして、信号データの欠落(例えばビット欠落)が発生した場合、複雑なリカバリー処理や異常検出処理が必要になる。また、パラレルバス方式はノイズに弱いのでケーブル長を比較的短く、例えば数m以下にしなければならないため、アーク溶接システムを構成するにあたり、配置等が制限される。特に、溶接電源を複数台接続して溶接をする場合は、配置等が非常に制限される。
【0013】
そこで、本発明は前記した課題を解決し、デジタル通信を用いつつ、通信の信頼性を高め、比較的自由なシステム配置、かつ、正確なアーク倣いを可能とするアーク溶接システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記した課題を解決するため、本願第1発明に係るアーク溶接システムは、溶接ワイヤに溶接電力を供給する溶接電源を1以上備えると共に、溶接トーチがアーム先端に装着された溶接ロボットおよび前記溶接電源を制御するコントローラを備えるアーク溶接システムであって、前記溶接電源は、前記溶接ワイヤの溶接電流値を検出すると共に、当該溶接電流値を示す溶接電流値検出信号を出力する溶接電流検出部と、前記溶接電源を制御する溶接電源制御信号と前記溶接電源への同期信号である溶接電源同期信号とが前記コントローラから入力され、前記溶接電流検出部から前記溶接電流値検出信号が入力され、前記溶接電源同期信号が入力されたときの当該溶接電流値検出信号を溶接電源フィードバック信号として前記コントローラに出力する溶接電源インタフェースと、前記溶接電源インタフェースを介して入力された前記溶接電源制御信号に基づいて、前記溶接電力を出力する溶接電源出力部と、を備え、前記コントローラは、前記溶接電源から前記溶接電源フィードバック信号が入力されると共に、前記溶接電源制御信号と前記溶接電源同期信号とを前記溶接電源に出力するコントローラインタフェースと、前記溶接ロボットを制御するロボット制御信号に基づいて前記溶接ロボットの駆動を制御すると共に、前記溶接ロボットへの同期信号であるロボット同期信号が入力されたときの前記溶接トーチの位置を示すロボットフィードバック位置信号を出力するサーボアンプと、前記溶接電源同期信号と前記ロボット同期信号とを生成すると共に、当該溶接電源同期信号と前記溶接電源制御信号とを前記コントローラインタフェースに出力し、アーク溶接中に入力される前記溶接電源フィードバック信号と前記ロボットフィードバック位置信号とから前記溶接トーチの位置ずれを検出し、前記溶接トーチの位置ずれを補正した前記ロボット制御信号を生成して前記サーボアンプに出力するロボット溶接電源制御部と、を備え、前記溶接電源と前記コントローラとは、シリアル方式で接続され、デジタル信号により通信を行うことを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、本発明のアーク溶接システムは、シリアル方式でデジタル信号により通信を行うことにより、通信路数は1通りでよく、高い信頼性がある通信を可能とする。
また、本発明のアーク溶接システムは、ノイズにも強いため、ケーブル長を長くとることができる。
さらに、本発明のアーク溶接システムは、溶接電源同期信号とロボット同期信号とを用いることにより、それぞれのフィードバック信号のサンプリング間隔を常に一定にするため、アーク倣いにおける同期制御を可能とする。
【0016】
なお、本発明において、デジタル信号とは、データを離散的な値で表現した信号である。
また、本発明において、サンプリング間隔とは、連続的なデータ(アナログ信号)を取得する時刻と、前回のデータを取得した時刻との間隔(時間的な隔たり)である。
【0017】
また、本願第2発明に係るアーク溶接システムは、前記溶接電源インタフェースが、溶接電圧検出部で検出された前記溶接ワイヤの溶接電圧値を示す溶接電圧値検出信号がさらに入力され、前記溶接電源同期信号が入力されたときの前記溶接電流値検出信号と前記溶接電圧値検出信号との少なくとも一方を前記溶接電源フィードバック信号として前記コントローラに出力することを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、本発明のアーク溶接システムは、溶接電源が溶接電圧を検出して、溶接電圧値の検出信号を出力することにより、溶接電圧値をアーク倣いに用いることができる。
【0019】
また、本願第3発明に係るシングルアーク溶接システムは、溶接トーチがアーム先端に装着された溶接ロボットと、本願第1発明に係る1台以上の溶接電源と、本願第1発明に係るコントローラと、を備えることを特徴とする。
【0020】
また、本願第4発明に係るタンデムアーク溶接システムは、第1の溶接トーチおよび当該第1の溶接トーチと同じ挙動をとる第2の溶接トーチがアーム先端に装着された溶接ロボットと、本願第1発明に係るコントローラと、本願第1発明に係る2台以上の溶接電源と、を備えるタンデムアーク溶接システムであって、前記第1の溶接トーチに接続された第1の前記溶接電源は、前記第1の溶接ワイヤに溶接電力を供給し、前記第2の溶接トーチに接続された第2の前記溶接電源は、前記第2の溶接ワイヤに前記溶接電力を供給すると共に、前記コントローラとの間でシリアル方式でデジタル信号により通信を行い、前記コントローラは、前記溶接ロボットと、前記第1の前記溶接電源と、前記第2の前記溶接電源とを制御することを特徴とする。
【0021】
かかる構成によれば、本発明のタンデムアーク溶接システムは、シリアル方式でデジタル信号により通信を行うことにより、配線が簡単で第2の溶接電源を容易に追加でき、第1の溶接電源と第2の溶接電源との溶接電源フィードバック信号を同期させることができる。これによって、タンデムアーク溶接システムは、ハードウェア構成を柔軟にできると共に、低コストで、正確なアーク倣いを可能とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、シリアル方式でデジタル信号による通信を行うため、信頼性が高い通信を行なうことができる。また、本発明によれば、ケーブル長を長くとることにより、自由度の高いシステム配置を行なうことができる。さらに、本発明によれば、アーク倣いにおける同期制御により、パラレル方式に比べてリアルタイム性が劣るシリアル方式でも正確なアーク倣いを行なうことができる
【0023】
また、本発明によれば、通信路数が1通りであり通信の信頼性が高いため、信号データに欠落が発生した場合の複雑なリカバリー処理をする手間も大幅に低減することができ、かつ、異常検出処理を行なう頻度も低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のアーク溶接システムにおける、アーク倣いによる溶接トーチの位置ずれの検出および補正を説明する図であり、(a)は溶接トーチが溶接中心に沿っている場合であり、(b)は溶接トーチが溶接中心に対して右側にずれている場合である。
【図3】図1のアーク溶接システムにおける、アーク倣いによる溶接トーチの位置ずれの検出および補正を説明する図であり、(a)は溶接トーチが基準高さに位置する場合であり、(b)は溶接トーチが基準高さより高く位置する場合である。
【図4】図1のアーク溶接システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るアーク溶接システムの構成を示すブロック図である。
【図6】図5のアーク溶接システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施例1を説明する概略図である。
【図8】本発明の実施例2において、信号波形を示すグラフである。
【図9】従来のアーク溶接システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において同一の機能を有する手段には同一の符号を付し、説明を省略した。
【0026】
(第1実施形態)
[アーク溶接システムの構成:シングルアーク溶接]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システム1の構成について説明する。図1に示すように、アーク溶接システム1は、シングルアーク溶接を行うものであり、溶接ロボット10と、センサユニット20と、溶接電源30と、コントローラ40とを備える。
【0027】
溶接ロボット10は、6軸構成の垂直多関節ロボット等のアーク溶接ロボットである。ここで、溶接ロボット10は、後記するサーボアンプ42からモータ駆動信号が入力されると、内蔵するサーボモータ11が駆動し、所望の姿勢をとることができる。この溶接ロボット10のアーム先端に溶接トーチ12を装着し、溶接ワイヤ送給モータ(不図示)によって溶接ワイヤ13を溶接トーチ12に供給することにより、所望のアーク溶接作業を行なうことができる。なお、図1では説明を簡易にするために、1個のサーボモータ11のみを図示した。
【0028】
センサユニット20は、溶接電圧検出部21を備える。この溶接電圧検出部21は、後記する溶接電源出力部33によって溶接ワイヤ13に印加される溶接電圧を検出し、この溶接電圧値を溶接電圧値検出信号として溶接電源インタフェース32に出力する。なお、センサユニット20は、溶接トーチ12がワークW等に接触したことを検出するショックセンサとしての機能を備えてもよい。また、センサユニット20は、電気回路の開閉を行なう電磁接触器(不図示)を搭載してもよい。これにより、溶接ワイヤ13への電力供給を瞬時に遮断し、アーク溶接作業を即時に停止できる。
【0029】
溶接電源30は、溶接ワイヤ13に溶接電力を供給するものであり、溶接電流検出部31と、溶接電源インタフェース32と、溶接電源出力部33とを備える。なお、溶接電圧検出部21は、溶接電源30に内蔵してもよい。
溶接電流検出部31は、溶接電源出力部33が溶接ワイヤ13に印加した溶接電流を検出し、検出した溶接電流値を溶接電流値検出信号として溶接電源インタフェース32に出力する。
【0030】
溶接電源インタフェース32は、デジタル通信路Diを介して、後記するコントローラインタフェース41との間でデジタル信号を用いた通信を行う。具体的には、溶接電源インタフェース32は、コントローラインタフェース41から、後記する溶接電源制御信号と溶接電源同期信号とが入力される。そして、溶接電源インタフェース32は、例えば、溶接電源同期信号が入力されたタイミングで、溶接電流検出部31から出力された溶接電流値検出信号と、溶接電圧検出部21から出力された溶接電圧値検出信号とをラッチして取得する。ここでラッチとは、ある時刻のデータ(例えば、電流値や電圧値)を捉えて保持することを言う。
【0031】
さらに、溶接電源インタフェース32は、このラッチされた溶接電流値検出信号と溶接電圧値検出信号とを、溶接電源フィードバック信号としてコントローラインタフェース41に出力する。ここで、溶接電源インタフェース32は、溶接電圧検出信号を溶接電源フィードバック信号として用いてもよい。また、溶接電源インタフェース32は、電流と電圧の両方を用いてもよい。
また、溶接電源インタフェース32は、入力された溶接電源制御信号を溶接電源出力部33に出力する。
【0032】
溶接電源制御信号は、溶接電源30を制御する信号であり、例えば、溶接電源出力部33が出力する溶接電流指令値、および、溶接電圧指令値を示す信号である。
溶接電源同期信号は、溶接電源インタフェース32が溶接電流値検出信号と溶接電圧値検出信号とを取得するタイミングを示す溶接電源インタフェース32への信号である。
【0033】
溶接電源出力部33は、溶接電源インタフェース32から入力された溶接電源制御信号に基づいて、溶接ワイヤ13に溶接電力を出力する。具体的には、溶接電源出力部33は、ワークWと溶接ワイヤ13との間における溶接電流および溶接電圧が、溶接電源制御信号の溶接電流指令値および溶接電圧指令値となるように制御する。
図1に示すように、溶接電源出力部33では、電極供給ケーブルの一方を溶接トーチ12に接続している。また、溶接電源出力部33では、電極供給ケーブルの他方をワークWに接続している。
【0034】
コントローラ40は、溶接ロボット10および溶接電源30を制御するものであり、コントローラインタフェース41と、サーボアンプ42と、ロボット溶接電源制御部43とを備える。
【0035】
コントローラインタフェース41は、デジタル通信路Diを介して、溶接電源インタフェース32との間でデジタル信号を用いた通信を行う。具体的には、コントローラインタフェース41は、溶接電源インタフェース32から出力された溶接電源フィードバック信号をバッファメモリであるDPRAM(不図示)に一時的に格納する。そして、コントローラインタフェース41は、この溶接電源フィードバック信号を一定間隔でDPRAMに出力する。
また、コントローラインタフェース41は、ロボット溶接電源制御部43から出力された溶接電源制御信号を溶接電源インタフェース32に出力する。
【0036】
ここで、溶接電源インタフェース32とコントローラインタフェース41とは、例えば、デジタル信号を用いた通信として、ControllerAreaNetwork(以下、CANと略記)を用いる。この場合、溶接電源インタフェース32とコントローラインタフェース41は、溶接電源制御信号を一定間隔で送受信するフレームに収容する。これによって、アーク溶接システム1は、新たなフレームを生成して送信するイベントを抑制し、通信効率を向上させる。なお、送受信の間隔は任意で構わないが、数〜数十ミリ秒間隔であれば、良好なアーク倣いを実現できる。また、本発明でいうフレームとは、ビット列で表現され、かつ、様々なデータを集めたものであり、例えば、CANでは、データフレームおよびリモートフレーム等のフレームがある。
【0037】
サーボアンプ42は、ロボット溶接電源制御部43からのロボット制御信号に従って、溶接ロボット10の関節部分を動作させるために用いるサーボモータ11を駆動する。また、サーボアンプ42は、溶接トーチ12の位置を示すロボットフィードバック位置信号をロボット溶接電源制御部43に出力する。
【0038】
ロボット制御信号は、溶接ロボット10を制御する信号であり、溶接トーチ12の位置や、ウィービング動作(例えば、ウィービング方向、ウィービング周期、ウィービング幅)等の指令値に応じて、ロボット溶接電源制御部43が求めたモータ駆動量である。
ロボット同期信号は、サーボアンプ42がロボットフィードバック位置信号を取得するタイミングを示す溶接ロボット10への同期信号である。
【0039】
ロボット溶接電源制御部43は、以下で説明するアーク倣いによって溶接トーチ12の位置ずれの検出および補正を行うと共に、溶接ロボット10および溶接電源30の制御に必要となる各種信号を生成する。例えば、アーク溶接システム1のオペレータが、教示ペンダント(不図示)を操作して、溶接トーチ12を溶接開始位置から溶接終了位置まで移動させて、アーク溶接中に溶接トーチ12が動作する位置をロボット溶接電源制御部43へ教示する。そして、アーク溶接システム1のオペレータが、溶接電流、溶接電圧、ウィービング動作等の指令値を手動で設定する。続いて、アーク溶接を行う際に、ロボット溶接電源制御部43は、この溶接トーチの位置およびウィービング動作の指令値に応じてロボット制御信号を生成してサーボアンプ42に出力する。さらに、ロボット溶接電源制御部43は、オペレータにより設定された溶接電流指令値および溶接電圧指令値を示す溶接電源制御信号を生成してコントローラインタフェース41に出力する。
【0040】
また、ロボット溶接電源制御部43は、所定の間隔で溶接電源同期信号を生成してコントローラインタフェース41に出力する。さらに、ロボット溶接電源制御部43は、所定の間隔でロボット同期信号を生成してサーボアンプ42に出力する。このとき、ロボット溶接電源制御部43は、溶接電源同期信号とロボット同期信号とを同一間隔で出力してもよく、互いに異なる間隔で出力してもよい。
【0041】
<アーク倣いによる溶接トーチの位置ずれの検出および補正>
上記で説明した内容に加えてロボット溶接電源制御部43は、溶接中心に対する溶接トーチ12の位置ずれを検出し、この位置ずれを補正したロボット制御信号を生成し、アーク倣いを行なう。以下、図2および図3を参照してアーク倣いによる溶接トーチの位置ずれの検出および補正の詳細を説明する(適宜図1参照)。
【0042】
図2では、溶接トーチ12が溶接線に対して左右方向に位置ずれすることを補正する左右倣いを説明する。具体的には、ロボット溶接電源制御部43は、溶接トーチ12をウィービングさせながら溶接電流を検出し、溶接ワイヤ13の突き出し長さと溶接電流とが反比例することを利用して、左右方向での溶接トーチ12の位置を検出する。
【0043】
なお、図2上段は、左右にウィービングする溶接トーチ12とワークWとを図示したものである。この溶接トーチ12の位置は、前記したロボットフィードバック位置信号から判別する。また、図2下段は、図2上段の溶接トーチ12が左端から右端までウィービングする間に溶接電源フィードバック信号が示す溶接電流の検出値(実線)を図示したものである。
【0044】
図2(a)上段に示すように、溶接トーチ12が溶接中心Cに対して左右対称にウィービングしている場合、図2(a)下段に示すように、ウィービング左端における左端溶接電流Ilとウィービング右端における右端溶接電流Irとが等しくなる。一方、図2(b)上段に示すように、溶接トーチ12が溶接中心Cから右側にずれている場合、図2(b)下段に示すように、左端溶接電流Ilより右端溶接電流Irが大きな値となる。
【0045】
この場合、ロボット溶接電源制御部43は、左端溶接電流Ilと右端溶接電流Irとが等しくなるように、溶接トーチ12の位置ずれを補正したロボット制御信号を生成する。なお、図示を省略したが、溶接トーチ12が溶接中心Cから左側にずれている場合も、図2(b)と同様、ロボット溶接電源制御部43は、左端溶接電流Ilと右端溶接電流Irとが等しくなるように、溶接トーチ12の位置ずれを補正したロボット制御信号を生成する。
【0046】
図3では、溶接トーチ12の上下方向の位置ずれを補正する上下倣いを説明する。具体的には、ロボット溶接電源制御部43は、アーク溶接中に、ウィービングによって溶接トーチ12が上下する際に生じる溶接電流の平均値(溶接電流平均値)を求め、溶接電流平均値と予め設定された溶接電流指令値とを用いて、上下方向での溶接トーチ12の位置を検出する。
【0047】
なお、図3上段は、左右にウィービングする溶接トーチ12とワークWとを図示したものである。また、図3下段は、図3上段の溶接トーチ12が左端から右端までウィービングする間に、溶接電源フィードバック信号が示す溶接電流の検出値(実線)と、溶接電流指令値Isetと、溶接電流の検出値を平均した溶接電流平均値Iaveとを図示したものである。
【0048】
図3(a)上段に示すように、溶接トーチ12が所定の基準高さHに位置する場合、図3(a)下段に示すように、溶接電流平均値Iaveと溶接電流指令値Isetとが等しくなる。一方、図3(b)上段に示すように、溶接トーチ12が、基準高さHより高さdHだけ高く位置する場合、図3(b)下段に示すように、溶接電流指令値Isetより溶接電流平均値Iaveが低い値となる。なお、基準高さHとは、例えば、ロボット制御信号で指令された溶接トーチ12の高さである。
【0049】
この場合、ロボット溶接電源制御部43は、溶接電流平均値Iaveと溶接電流指令値Isetとが等しくなるように、溶接トーチ12の位置ずれを補正したロボット制御信号を生成する。なお、図示を省略したが、溶接トーチ12が基準高さHより低く位置する場合も、ロボット溶接電源制御部43は、図3(b)と同様に、溶接電流平均値Iaveと溶接電流指令値Isetとが等しくなるように、溶接トーチ12の位置ずれを補正したロボット制御信号を生成する。以上のように、ロボット溶接電源制御部43は、図2および図3に示したアーク倣いによって、溶接トーチ12の位置ずれを検出および補正することができる。
【0050】
なお、ロボット溶接電源制御部43は、図2、図3のアーク倣いを組み合わせて、溶接トーチ12の位置ずれを上下左右に補正および検出することもできる。また、図2および図3では、溶接電流を用いたアーク倣いを説明したが、本発明では、溶接電圧を用いてアーク倣いを行ってもよい。
【0051】
[アーク溶接システムの動作:同期制御]
以下、図4を参照し、図1のアーク溶接システムの動作および同期制御について、説明する(適宜図1参照)。なお、図4では、溶接電源出力部33を「出力部」と略記し、溶接電源インタフェース32を「溶接電源IF」と略記し、コントローラインタフェース41を「コントローラIF」と略記し、ロボット溶接電源制御部43を「制御部」と略記し、溶接電源同期信号を「WP同期信号」と略記し、ロボット同期信号を「R同期信号」と略記した。
【0052】
また、図4では、「指令値1」〜「指令値5」がそれぞれ溶接電源制御信号に相当し、「FB値1」〜「FB値5」がそれぞれ溶接電源フィードバック信号に相当し、「指令値A」および「指令値B」がそれぞれロボット制御信号に相当し、「FB値A」および「FB値B」がそれぞれロボットフィードバック位置信号に相当する。さらに、図4では、ロボット溶接電源制御部43は、溶接電源同期信号とロボット同期信号とを異なるタイミングで出力するとして説明する。
【0053】
まず、ロボット溶接電源制御部43は、コントローラインタフェース41にタイマ割り込みを行って溶接電源同期信号を出力する(ステップS1)。
ステップS1の処理に続いて、コントローラインタフェース41は、溶接電源インタフェース32にステップS1で入力された溶接電源同期信号を出力する(ステップS2)。
ステップS2の処理に続いて、溶接電源インタフェース32は、溶接電源フィードバック信号(FB値3)をバッファメモリにラッチして取得する(ステップS3)。
【0054】
ステップS3の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43は、サーボアンプ42にロボット同期信号を出力する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43は、コントローラインタフェース41に溶接電源制御信号(指令値3)を出力する(ステップS5)。
【0055】
ステップS5の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43は、サーボアンプ42にロボット制御信号(指令値A)を出力する(ステップS6)。すると、サーボアンプ42は、このロボット制御信号(指令値A)からサーボモータ11の駆動信号を生成し、サーボモータ11を駆動させて、溶接トーチ12を移動させる。
【0056】
ステップS6の処理に続いて、溶接電源インタフェース32は、溶接電源制御信号(指令値2)を溶接電源出力部33に出力する(ステップS7)。すると、溶接電源出力部33は、この溶接電源制御信号(指令値2)で指令された溶接電流および溶接電圧を溶接ワイヤ13に印加する。なお、この溶接電源制御信号(指令値2)は、ステップS1の処理の前に溶接電源インタフェース32に入力されている。
【0057】
ステップS7の処理に続いて、サーボアンプ42は、ロボットフィードバック位置信号(FB値A)を取得する(ステップS8)。
【0058】
ステップS8の処理に続いて、コントローラインタフェース41は、溶接電源フィードバック信号(FB値1)をロボット溶接電源制御部43に出力する(ステップS9)。なお、この溶接電源フィードバック信号(FB値1)は、ステップS1の処理の前にコントローラインタフェース41に入力されている。
【0059】
ステップS9の処理に続いて、サーボアンプ42は、ステップS8で取得したロボットフィードバック位置信号(FB値A)をロボット溶接電源制御部43に出力する(ステップS10)。そして、ロボット溶接電源制御部43は、溶接電源フィードバック信号(FB値1)と、ロボットフィードバック位置信号(FB値A)とを用いて、溶接トーチ12の位置ずれを補正したロボット制御信号(指令値B)を生成する。
【0060】
ステップS10の処理に続いて、コントローラインタフェース41は、溶接電源フィードバック信号(FB値2)の送信準備を行う。具体的には、コントローラインタフェース41は、この溶接電源フィードバック信号(FB値2)をバッファメモリ(DPRAM)に格納する(ステップS11)。
なお、送信準備された溶接電源フィードバック信号(FB値2)は、後記するステップS19の処理でロボット溶接電源制御部43が取得する。また、この溶接電源フィードバック信号(FB値2)は、ステップS1の処理の前にコントローラインタフェース41に入力されている。
【0061】
ステップS11の処理に続いて、コントローラインタフェース41は、ステップS5で入力された溶接電源制御信号(指令値3)を溶接電源インタフェース32に出力する(ステップS12)。
【0062】
ステップS12の処理に続いて、溶接電源インタフェース32は、ステップS3で取得した溶接電源フィードバック信号(FB値3)をコントローラインタフェース41に出力する(ステップS13)。
【0063】
ステップS13の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43は、コントローラインタフェース41にタイマ割り込みを行って溶接電源同期信号を出力する(ステップS14)。
【0064】
ステップS14の処理に続いて、コントローラインタフェース41は、溶接電源インタフェース32にステップS14で入力された溶接電源同期信号を出力する(ステップS15)。
【0065】
ステップS15の処理に続いて、溶接電源インタフェース32は、溶接電源フィードバック信号(FB値4)をバッファメモリにラッチして取得する(ステップS16)。
ステップS16の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43は、コントローラインタフェース41に溶接電源制御信号(指令値4)を出力する(ステップS17)。
【0066】
ステップS17の処理に続いて、溶接電源インタフェース32は、ステップS12で入力された溶接電源制御信号(指令値3)を溶接電源出力部33に出力する(ステップS18)。すると、溶接電源出力部33は、この溶接電源制御信号(指令値3)で指令された溶接電流および溶接電圧を溶接ワイヤ13に印加する。
【0067】
ステップS18の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43は、ステップS11で送信準備された溶接電源フィードバック信号(FB値2)を取得する(ステップS19)。
【0068】
ステップS19の処理に続いて、コントローラインタフェース41は、ステップS13で入力された溶接電源フィードバック信号(FB値3)の送信準備を行う。具体的には、コントローラインタフェース41は、この溶接電源フィードバック信号(FB値3)をバッファメモリに格納する(ステップS20)。
【0069】
ステップS20の処理に続いて、コントローラインタフェース41は、ステップS17で入力された溶接電源制御信号(指令値4)を溶接電源インタフェース32に出力する(ステップS21)。
【0070】
ステップS21の処理に続いて、溶接電源インタフェース32は、ステップS16で取得した溶接電源フィードバック信号(FB値4)をコントローラインタフェース41に出力する(ステップS22)。なお、アーク溶接システム1では、ステップS1からステップS22の処理を繰り返すため、ステップS23以降の説明を省略する。
【0071】
以上、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システム1では、溶接電源同期信号およびロボット同期信号を用いて、溶接電源フィードバック信号(FB値1〜5)およびロボットフィードバック位置信号(FB値AおよびFB値B)のサンプリング間隔を常に一定にすることができる。具体的には、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システム1では、3回前の溶接電源同期信号により出力された溶接電源フィードバック信号(FB値1〜5)を取得することができる。
【0072】
これによって、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システム1では、同期信号を用いることにより、溶接トーチ12の位置ずれを補正したロボット制御信号を常に一定の間隔で出力することができるため、パラレル方式に比べてリアルタイム性が劣るシリアル方式においても正確なアーク倣いが可能となる。また、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システム1では、溶接電源30とコントローラ40とがデジタル信号を用いたシリアル方式で通信を行うため、新たな種類の信号を追加する場合でも通信路を増設する必要がない。また、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システム1では、通信路数が1通りであり通信の信頼性が高いため、信号データの欠落が発生した場合の複雑なリカバリー処理をする手間も大幅に低減することができ、かつ、異常検出処理を行なう頻度も低減することができる。さらに、本発明の第1実施形態に係るアーク溶接システム1では、ノイズに強いCANを用いるため、通信エラーを低減できる。
【0073】
(第2実施形態)
[アーク溶接システムの構成:タンデムアーク溶接]
図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接システム(タンデムアーク溶接システム)1Aの構成について説明する。図5に示すように、アーク溶接システム1Aは、タンデムアーク溶接を行うものであり、溶接ロボット10Aと、センサユニット20Aと、センサユニット20Bと、第1の溶接電源30Aと、第2の溶接電源30Bと、コントローラ40Aとを備える。
【0074】
溶接ロボット10Aは、アーム先端に第1の溶接トーチ12Aと、第2の溶接トーチ12Bとが装着される。この第1の溶接トーチ12Aおよび第2の溶接トーチ12Bは、図1の溶接トーチ12と同様のものであるため、説明を省略する。
【0075】
センサユニット20Aは、溶接電圧検出部21Aを備える。この溶接電圧検出部21Aは、溶接電源出力部33Aが第1の溶接ワイヤ13Aに印加した溶接電圧を検出し、検出した溶接電圧値を溶接電圧値検出信号として溶接電源インタフェース32Aに出力する。
【0076】
センサユニット20Bは、溶接電圧検出部21Bを備える。この溶接電圧検出部21Bは、溶接電源出力部33Bが第2の溶接ワイヤ13Bに印加した溶接電圧を検出し、検出した溶接電圧値を溶接電圧値検出信号として溶接電源インタフェース32Bに出力する。なお、センサユニット20Aおよびセンサユニット20Bは、第1実施形態で説明したように電磁接触器を搭載してもよい。
【0077】
第1の溶接電源30Aは、第1の溶接ワイヤ13Aに溶接電力を供給するものであり、溶接電流検出部31Aと、溶接電源インタフェース32Aと、溶接電源出力部33Aとを備える。
溶接電流検出部31Aは、溶接電源出力部33Aが第1の溶接ワイヤ13Aに印加した溶接電流を検出し、検出した溶接電流値を溶接電流値検出信号として溶接電源インタフェース32Aに出力する。
【0078】
溶接電源インタフェース32Aは、デジタル通信路Diを介して、後記するコントローラインタフェース41Aとの間でデジタル信号を用いた通信を行う。また、溶接電源インタフェース32Aは、後記する溶接電源インタフェース32Bとコントローラインタフェース41Aとの間で信号を送受信する際、デジタル通信路Diを介して両者の中継を行う。
【0079】
溶接電源出力部33Aは、溶接電源インタフェース32Aから入力された溶接電源制御信号に基づいて、第1の溶接ワイヤ13Aに溶接電力を出力する電源である。
なお、第1の溶接電源30Aの各手段は、図1の溶接電源30の各手段と同様のものであるため、説明を省略する。
【0080】
第2の溶接電源30Bは、第2の溶接ワイヤ13Bに溶接電力を供給するものであり、溶接電流検出部31Bと、溶接電源インタフェース32Bと、溶接電源出力部33Bとを備える。
溶接電流検出部31Bは、溶接電源出力部33Bが第2の溶接ワイヤ13Bに印加した溶接電流を検出し、検出した溶接電流値を溶接電流値検出信号として溶接電源インタフェース32Bに出力する。
【0081】
溶接電源インタフェース32Bは、図5に示すように、コントローラインタフェース41Aとの間で信号を送受信する際、溶接電源インタフェース32Aを中継してデジタル通信路Diを介し、コントローラインタフェース41Aとの間でデジタル信号を用いた通信を行う。このように、アーク溶接システム1Aでは、コントローラ40Aに対して、第1の溶接電源30Aと第2の溶接電源30Bとをカスケード状に配置している。
【0082】
溶接電源出力部33Bは、溶接電源インタフェース32Bから入力された溶接電源制御信号に基づいて、第2の溶接ワイヤ13Bに溶接電力を出力する電源である。
なお、第2の溶接電源30Bの各手段は、図1の溶接電源30の各手段と同様のものであるため、説明を省略する。
【0083】
コントローラ40Aは、溶接ロボット10A、第1の溶接電源30A、および、第2の溶接電源30Bを制御するものであり、コントローラインタフェース41Aと、サーボアンプ42Aと、ロボット溶接電源制御部43Aとを備える。
【0084】
コントローラインタフェース41Aは、デジタル通信路Diを介して、溶接電源インタフェース32Aおよび溶接電源インタフェース32Bとの間でデジタル信号を用いた通信を行う。ここで、溶接電源インタフェース32Aおよび溶接電源インタフェース32Bとコントローラインタフェース41Aとは、例えば、デジタル信号を用いた通信として、CANを用いる。
【0085】
ロボット溶接電源制御部43Aは、アーク倣い機能を備えると共に、溶接ロボット10A、第1の溶接電源30A、および、第2の溶接電源30Bの制御に必要となる各種信号を生成する。
なお、コントローラ40Aの各手段は、図1のコントローラ40の各手段と同様のものであるため、説明を省略する。
【0086】
[アーク溶接システムの動作:同期制御]
以下、図6を参照し、図5のアーク溶接システムの動作および同期制御について、説明する(適宜図5参照)。なお、図6は、溶接電源出力部33Aおよび溶接電源出力部33Bを「出力部」と略記し、溶接電源インタフェース32Aおよび溶接電源インタフェース32Bを「溶接電源IF」と略記し、コントローラインタフェース41Aを「コントローラIF」と略記し、ロボット溶接電源制御部43Aを「制御部」と略記し、溶接電源同期信号を「WP同期信号」と略記し、ロボット同期信号を「R同期信号」と略記した。
【0087】
また、図6では、「指令値1−1」〜「指令値1−5」が溶接電源出力部33Aへの溶接電源制御信号に相当し、「指令値2−1」〜「指令値2−5」が溶接電源出力部33Bへの溶接電源制御信号に相当する。また、「FB値1−1」〜「FB値1−5」が溶接電源出力部33Aからの溶接電源フィードバック信号に相当し、「FB値2−1」〜「FB値2−5」が溶接電源出力部33Bからの溶接電源フィードバック信号に相当する。さらに、図6では、「指令値A」および「指令値B」がそれぞれロボット制御信号に相当し、「FB値A」および「FB値B」がそれぞれロボットフィードバック位置信号に相当する。さらにまた、図6では、ロボット溶接電源制御部43Aは溶接電源同期信号およびロボット同期信号を任意の間隔で出力するとして説明する。なお、溶接電源同期信号およびロボット同期信号は数〜数十ミリ秒間隔が好ましい。
【0088】
まず、ロボット溶接電源制御部43Aは、コントローラインタフェース41Aにタイマ割り込みを行って溶接電源同期信号を出力する(ステップS101)。
ステップS101の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源インタフェース32AにステップS1で入力された溶接電源同期信号を出力すると共に、溶接電源インタフェース32Aを介して、溶接電源インタフェース32Bに溶接電源同期信号を出力する(ステップS102)。
【0089】
ステップS102の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値1−3)をバッファメモリにラッチして取得する(ステップS103)
【0090】
ステップS103の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Bは、溶接電源フィードバック信号(FB値2−3)をバッファメモリにラッチして取得する(ステップS104)。
【0091】
ステップS104の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43Aは、サーボアンプ42Aにロボット同期信号を出力する(ステップS105)。
ステップS105の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43Aは、コントローラインタフェース41Aに溶接電源制御信号(指令値1−3)を出力する(ステップS106)。
【0092】
ステップS106の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43Aは、コントローラインタフェース41Aに溶接電源制御信号(指令値2−3)を出力する(ステップS107)。
【0093】
ステップS107の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43Aは、サーボアンプ42Aにロボット制御信号(指令値A)を出力する(ステップS108)。すると、サーボアンプ42Aは、このロボット制御信号(指令値A)からサーボモータ11の駆動信号を生成し、サーボモータ11を駆動させて、溶接トーチ12Aおよび溶接トーチ12Bを移動させる。
【0094】
ステップS108の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Aは、溶接電源制御信号(指令値1−2)を溶接電源出力部33Aに出力する(ステップS109)。すると、溶接電源出力部33Aは、この溶接電源制御信号(指令値1−2)で指令された溶接電流および溶接電圧を第1の溶接ワイヤ13Aに印加する。なお、この溶接電源制御信号(指令値1−2)は、ステップS101の処理の前に溶接電源インタフェース32Aに入力されている。
【0095】
ステップS109の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Bは、溶接電源制御信号(指令値2−2)を溶接電源出力部33Bに出力する(ステップS110)。すると、溶接電源出力部33Bは、この溶接電源制御信号(指令値2−2)で指令された溶接電流および溶接電圧を第2の溶接ワイヤ13Bに印加する。なお、この溶接電源制御信号(指令値2−2)は、ステップS101の処理の前に溶接電源インタフェース32Bに入力されている。
【0096】
ステップS110の処理に続いて、サーボアンプ42Aは、ロボットフィードバック位置信号(FB値A)を取得する(ステップS111)。
【0097】
ステップS111の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値1−1)をロボット溶接電源制御部43Aに出力する(ステップS112)。
【0098】
ステップS112に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値2−1)をロボット溶接電源制御部43Aに出力する(ステップS113)。なお、溶接電源フィードバック信号(FB値1−1、FB値2−1)は、ステップS101の処理の前にコントローラインタフェース41Aに入力されている。
【0099】
ステップS113の処理に続いて、サーボアンプ42Aは、ステップS111で取得したロボットフィードバック位置信号(FB値A)をロボット溶接電源制御部43Aに出力する(ステップS114)。そして、ロボット溶接電源制御部43Aは、ステップS112で入力された溶接電源フィードバック信号(FB値1−1)と、ステップS113で入力された溶接電源フィードバック信号(FB値2−1)と、ロボットフィードバック位置信号(FB値A)とを用いて、溶接トーチ12の位置ずれを補正したロボット制御信号(指令値B)を生成する。
【0100】
ステップS114の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値1−2、FB値2−2)の送信準備を行う。具体的には、コントローラインタフェース41Aは、この溶接電源フィードバック信号(FB値1−2、FB値2−2)をバッファメモリに格納する(ステップS115)。
なお、送信準備された溶接電源フィードバック信号(FB値1−2、FB値2−2)は、後記するステップS128およびS129の処理でロボット溶接電源制御部43Aが取得する。また、この溶接電源フィードバック信号(FB値1−2、FB値2−2)は、ステップS101の処理の前にコントローラインタフェース41Aに入力されている。
【0101】
ステップS115に続いて、コントローラインタフェース41Aは、ステップS106で入力された溶接電源制御信号(指令値1−3)を溶接電源インタフェース32Aに出力する(ステップS116)。
【0102】
ステップS116の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源インタフェース32Aを介して、ステップS107で入力された溶接電源制御信号(指令値2−3)を溶接電源インタフェース32Bに出力する(ステップS117)。
【0103】
ステップS117の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Aは、ステップS103で取得した溶接電源フィードバック信号(FB値1−3)をコントローラインタフェース41Aに出力する(ステップS118)。
【0104】
ステップS118の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Bは、溶接電源インタフェース32Aを介して、ステップS104で取得した溶接電源フィードバック信号(FB値2−3)をコントローラインタフェース41Aに出力する(ステップS119)。
【0105】
ステップS119の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43Aは、コントローラインタフェース41Aにタイマ割り込みを行って溶接電源同期信号を出力する(ステップS120)。
ステップS120の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源インタフェース32AにステップS120で入力された溶接電源同期信号を出力すると共に、溶接電源インタフェース32Aを介して、溶接電源インタフェース32Bに溶接電源同期信号を出力する(ステップS121)。
【0106】
ステップS121の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値1−4)をバッファメモリにラッチして取得する(ステップS122)。
【0107】
ステップS122の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Bは、溶接電源フィードバック信号(FB値2−4)をバッファメモリにラッチして取得する(ステップS123)。
【0108】
ステップS123の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43Aは、コントローラインタフェース41Aに溶接電源制御信号(指令値1−4)を出力する(ステップS124)。
【0109】
ステップS124の処理に続いて、ロボット溶接電源制御部43Aは、コントローラインタフェース41Aに溶接電源制御信号(指令値2−4)を出力する(ステップS125)。
【0110】
ステップS125の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Aは、ステップS116で入力された溶接電源制御信号(指令値1−3)を溶接電源出力部33Aに出力する(ステップS126)。
【0111】
ステップS126の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Bは、ステップS117で入力された溶接電源制御信号(指令値2−3)を溶接電源出力部33Bに出力する(ステップS127)。
【0112】
ステップS127の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値1−2)をロボット溶接電源制御部43Aに出力する(ステップS128)。
【0113】
ステップS128の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値2−2)をロボット溶接電源制御部43Aに出力する(ステップS129)。なお、溶接電源フィードバック信号(FB値1−2、FB値2−2)は、ステップS101の処理の前にコントローラインタフェース41Aに入力されている。
【0114】
ステップS129の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源フィードバック信号(FB値1−3、FB値2−3)の送信準備を行う。具体的には、コントローラインタフェース41Aは、この溶接電源フィードバック信号(FB値1−3、FB値2−3)をバッファメモリに格納する(ステップS130)。
【0115】
ステップS130に続いて、コントローラインタフェース41Aは、ステップS124で入力された溶接電源制御信号(指令値1−4)を溶接電源インタフェース32Aに出力する(ステップS131)。
【0116】
ステップS131の処理に続いて、コントローラインタフェース41Aは、溶接電源インタフェース32Aを介して、ステップS125で入力された溶接電源制御信号(指令値2−4)を溶接電源インタフェース32Bに出力する(ステップS132)。
【0117】
ステップS132の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Aは、ステップS122で取得した溶接電源フィードバック信号(FB値1−4)をコントローラインタフェース41Aに出力する(ステップS133)。
【0118】
ステップS133の処理に続いて、溶接電源インタフェース32Bは、溶接電源インタフェース32Aを介して、ステップS123で取得した溶接電源フィードバック信号(FB値2−4)をコントローラインタフェース41Aに出力する(ステップS134)。なお、アーク溶接システム1Aでは、ステップS101からステップS134の処理を繰り返すため、ステップS135以降の説明を省略する。
【0119】
以上、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接システム1Aでは、溶接電源インタフェース32Aおよび溶接電源インタフェース32Bとコントローラインタフェース41Aとが、デジタル通信路Diを介して、デジタル信号を用いた通信を行う。このため、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接システム1Aでは、第1実施形態と同様にサンプリング間隔を常に一定にすることができることに加え、溶接電源インタフェース32Aおよび溶接電源インタフェース32Bとコントローラインタフェース41Aとの通信時間にずれがあった場合でも、溶接電源インタフェース32Aと溶接電源インタフェース32Bとがそれぞれ検出した溶接電源フィードバック信号のうち同時刻に検出したフィードバック信号を取得できる。従って、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接システム1Aでは、タンデムアーク溶接においても、溶接トーチ12Aおよび溶接トーチ12Bの位置ずれを補正したロボット制御信号を常に一定の間隔で出力することができるため、正確なアーク倣いが可能となる。また、本発明の第2実施形態に係るアーク溶接システム1Aでは、第1実施形態と同様に、ノイズに強いCANを用いるため、通信エラーを低減できる。
【0120】
なお、本発明では、溶接電源同期信号およびロボット同期信号を出力する間隔に応じて、図4および図6の各ステップの順番を入れ替えることができる。
【0121】
また、本発明の第1、2実施形態では、デジタル信号を用いた通信としてCANを用いた例で説明したが、これに限定されない。例えば、本発明では、デジタル信号を用いた通信として、CANの他、RS−232C、Universal Serial Bus(USB)、Serial Peripheral Interface(SPI)、Inter Integrated Circuit(I2C)、および、イーサネット(登録商標)を用いることができる。
【実施例1】
【0122】
上記した実施形態2にて説明したアーク溶接システムに関しての実施例を以下に示す。
(優先度)
以下、図7を参照して、通信手段にCANを用いた場合での、フレームの優先度について、実施例1として説明する。なお、図7では、本発明に係るアーク溶接システム1Cにおける、第1の溶接電源30A、第2の溶接電源30B、および、コントローラ40A以外の各手段については、図示を省略した。
【0123】
図7のアーク溶接システム1Cは、1本の溶接ワイヤ(1極)に対して電源2台で並列出力し、これを2極用いて、タンデムアーク溶接を行う。つまり、アーク溶接システム1Cは、第1の溶接電源30Aを2台の電源(以後、WP1(M)およびWP1(S)と記す)で構成し、第2の溶接電源30Bを2台の電源(以後、WP2(M)およびWP2(S)と記す)で構成する。
【0124】
優先度は優先度1が最も高く、順次低下するものとする。この優先度に従ってフレームを用いる。そして、アーク溶接システム1Cでは、図示を省略したコントローラインタフェースと溶接電源インタフェースとが、各種信号やデータを各優先度に対応したフレームに収容され、そのフレームを送受信する。
【0125】
以上のように、本発明の実施例1に係るアーク溶接システム1Cでは、高いリアルタイム性が要求される溶接電源同期信号と溶接電源フィードバック信号とを高い優先度に対応したフレームに収容している。これによって、本発明の実施例1に係るアーク溶接システム1Cでは、任意のサンプリング間隔での溶接電源同期信号と溶接電源フィードバック信号との送受信を実現している。なお、本発明では、優先度が前記した実施例1に限定されない。また、本発明では、実施例1に記載の優先度が、シングルアーク溶接に適用できることも言うまでもない。
【実施例2】
【0126】
(同期制御の検証)
以下、アーク倣いに必要となる同期制御の検証結果を、実施例2として説明する(適宜図1参照)。具体的には、溶接電流の検出値を模擬した正弦波(信号波形α)を図1の溶接電流検出部31に入力し、各手段での波形を測定して検証を行った。そして、その測定結果を図8に示す。
【0127】
図8には、信号波形α(一点鎖線)と、信号波形β(実線)と、信号波形γ(破線)との3個の波形が図示されている。信号波形αは、前記した溶接電流検出部31に入力した正弦波である。また、信号波形βは、溶接電流検出部31でフィルタリングを行った後の波形である。さらに、信号波形γは、コントローラ40で溶接電源フィードバック信号として入力されたときの波形である。なお、図8は、縦軸が電圧で横軸が時間を示す。また、図8に記載された符号Tはロボット溶接電源制御部43が溶接電源同期信号を出力する間隔(図4におけるS1から14までを一周期とする時間間隔)を示す。
【0128】
図8に示すように、信号波形γの周期は、信号波形βに対してT×3回分の遅れとなっている。このことから、信号波形βは3回前の溶接電源同期信号により出力された溶接電源フィードバック信号を取得していることが確認できた。
よって、本発明の実施例2に係るアーク溶接システム1では、溶接条件の切替の同期やアークONのタイミングの同期における定時制を確保して、アーク倣いにおける同期制御を実現していることがわかる。
【符号の説明】
【0129】
1,1A,1C アーク溶接システム
10,10A 溶接ロボット
20,20A,20B センサユニット
30,30A,30B 溶接電源
31,31A,31B 溶接電流検出部
32,32A,32B 溶接電源インタフェース
33,33A,33B 溶接電源出力部
40,40A コントローラ
41,41A コントローラインタフェース
42,42A サーボアンプ
43,43A ロボット溶接電源制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接ワイヤに溶接電力を供給する溶接電源を1以上備えると共に、溶接トーチがアーム先端に装着された溶接ロボットおよび前記溶接電源を制御するコントローラを備えるアーク溶接システムであって、
前記溶接電源は、
前記溶接ワイヤの溶接電流値を検出すると共に、当該溶接電流値を示す溶接電流値検出信号を出力する溶接電流検出部と、
前記溶接電源を制御する溶接電源制御信号と前記溶接電源への同期信号である溶接電源同期信号とが前記コントローラから入力され、前記溶接電流検出部から前記溶接電流値検出信号が入力され、前記溶接電源同期信号が入力されたときの当該溶接電流値検出信号を溶接電源フィードバック信号として前記コントローラに出力する溶接電源インタフェースと、
前記溶接電源インタフェースを介して入力された前記溶接電源制御信号に基づいて、前記溶接電力を出力する溶接電源出力部と、を備え、
前記コントローラは、
前記溶接電源から前記溶接電源フィードバック信号が入力されると共に、前記溶接電源制御信号と前記溶接電源同期信号とを前記溶接電源に出力するコントローラインタフェースと、
前記溶接ロボットを制御するロボット制御信号に基づいて前記溶接ロボットの駆動を制御すると共に、前記溶接ロボットへの同期信号であるロボット同期信号が入力されたときの前記溶接トーチの位置を示すロボットフィードバック位置信号を出力するサーボアンプと、
前記溶接電源同期信号と前記ロボット同期信号とを生成すると共に、当該溶接電源同期信号と前記溶接電源制御信号とを前記コントローラインタフェースに出力し、アーク溶接中に入力される前記溶接電源フィードバック信号と前記ロボットフィードバック位置信号とから前記溶接トーチの位置ずれを検出し、前記溶接トーチの位置ずれを補正した前記ロボット制御信号を生成して前記サーボアンプに出力するロボット溶接電源制御部と、を備え、
前記溶接電源と前記コントローラとは、シリアル方式で接続され、デジタル信号により通信を行うことを特徴とするアーク溶接システム。
【請求項2】
前記溶接電源インタフェースは、溶接電圧検出部で検出された前記溶接ワイヤの溶接電圧値を示す溶接電圧値検出信号がさらに入力され、前記溶接電源同期信号が入力されたときの前記溶接電流値検出信号と前記溶接電圧値検出信号との少なくとも一方を前記溶接電源フィードバック信号として前記コントローラに出力することを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接システム。
【請求項3】
溶接トーチがアーム先端に装着された溶接ロボットと、
請求項1に記載された1台以上の溶接電源と、
請求項1に記載されたコントローラと、を備えることを特徴とするシングルアーク溶接システム。
【請求項4】
第1の溶接トーチおよび当該第1の溶接トーチと同じ挙動をとる第2の溶接トーチがアーム先端に装着された溶接ロボットと、
請求項1に記載されたコントローラと、
請求項1に記載された2台以上の溶接電源と、を備えるタンデムアーク溶接システムであって、
前記第1の溶接トーチに接続された第1の前記溶接電源は、前記第1の溶接ワイヤに溶接電力を供給し、
前記第2の溶接トーチに接続された第2の前記溶接電源は、前記第2の溶接ワイヤに前記溶接電力を供給すると共に、前記コントローラとの間でシリアル方式でデジタル信号により通信を行い、
前記コントローラは、前記溶接ロボットと、前記第1の前記溶接電源と、前記第2の前記溶接電源とを制御することを特徴とするタンデムアーク溶接システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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