アースドリル

【課題】シーブ軸を太くすることなく、シーブ軸の強度を確保して主巻きシーブと補巻きシーブとの間隔を広く取ることができるアースドリルを提供する。
【解決手段】主巻きシーブ15をシーブ軸14の中央部に配置し、補巻きシーブ24をシーブ軸14の一端側に配置する。シーブ軸14の他端側のブーム13の先端部に、基部がブーム13に固着されて先端が主巻きシーブ15に向かって延出し、内部にシーブ軸14の他端側が挿入される補強筒35と、補強筒35の先端部とブーム13の先端部とを連結して補強筒35の先端部を保持する補強枠部38とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アースドリルに関し、詳しくは、ブームの先端部に設けられたシーブ軸に、ケリーバ用ワイヤロープを巻掛ける主巻きシーブと作業用ワイヤロープを巻掛ける補巻きシーブとを備えたアースドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
アースドリルは、ベースマシンに設けたブームの先端部に、両端がブームに支持された状態のシーブ軸(ポイントシーブピン)を配置し、該シーブ軸に、ケリーバを吊持するためのワイヤロープ(ケリーバ用ワイヤロープ)を巻掛けるための主巻シーブと、作業時に使用する各種資材などを吊り上げるための作業用ワイヤロープを巻掛けるための補巻シーブとを回転可能に装着している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−296991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなアースドリルにおいて、大口径のケリーバを使用したり、作業用ワイヤロープを多本掛けで使用したりする場合は、作業用ワイヤロープの先端に設けた補巻きフックとケリーバとが干渉しないように、主巻きシーブと補巻きシーブとの間隔を広くする必要がある。主巻きシーブと補巻きシーブとの間隔を広くするためには、主巻きシーブ及び補巻きシーブを装着するシーブ軸を長くする必要があるが、シーブ軸を長くするとシーブ軸の支持間距離が長くなってシーブ軸に掛かる応力が増大することから、強度を確保するためにシーブ軸の径を太くする必要がある。しかし、シーブ軸の径を太くすると、シーブ軸自体の大幅な重量増やコストアップを招くだけでなく、ブーム先端の重量が増加するため、機体の安定度が低下するおそれもある。
【0005】
そこで本発明は、シーブ軸を太くすることなく、シーブ軸の強度を確保して主巻きシーブと補巻きシーブとの間隔を広く取ることができるアースドリルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のアースドリルは、ベースマシンに設けられたブームの先端部に配置したシーブ軸に、ケリーバを吊持するケリーバ用ワイヤロープが巻掛けられる主巻きシーブと、先端に補巻きフックを備えた作業用ワイヤロープが巻掛けられる補巻きシーブとを回転可能に取り付けたアースドリルにおいて、前記主巻きシーブを前記シーブ軸の中央部に配置し、前記補巻きシーブを前記シーブ軸の一端側に配置するとともに、前記シーブ軸の他端側の前記ブームの先端部に、基部がブームに固着されて先端が前記主巻きシーブに向かって延出し、内部に前記シーブ軸の他端側が挿入される補強筒と、該補強筒の先端部と前記ブームの先端部とを連結して前記補強筒の先端部を保持する補強枠部とを設けたことを特徴とし、該補強枠部が箱形構造を備えていると好適である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアースドリルによれば、中央部に主巻シーブを配置し、一端側に補巻シーブを配置したシーブ軸の他端側を、先端部が補強枠部を介してブームに保持され、基部がブームに固着された補強筒に挿入しているので、主巻きシーブと補巻きシーブとの間隔を広くするためにシーブ軸を長くしても、シーブ軸の径を太くすることなくシーブ軸の強度を確保することができる。また、主巻きシーブをシーブ軸の中央部に配置することにより、ベースマシンに設けられるケリーバ回転駆動装置との位置合わせを容易かつ確実に行うことができる。さらに、補強枠部を箱形構造とすることにより、重量増を抑えながら十分な強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一形態例を示すアースドリルの正面図である。
【図2】同じくアースドリルの要部正面図である。
【図3】同じくアースドリルの要部側面図である。
【図4】図2のIV-IV断面図である。
【図5】図3のV-V断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本形態例に示すアースドリル11は、自走式のベースマシン12に起伏可能に設けられたブーム13の先端部に、該ブーム13の長さ方向に直交するシーブ軸14が水平方向に設けられ、該シーブ軸14に回転可能に支持された主巻きシーブ15に、主巻ウインチ16から主巻ガイドシーブ17を介して繰り出されたケリーバ用ワイヤロープ18を巻掛け、このケリーバ用ワイヤロープ18の先端にスイベルジョイント19を介してケリーバ20を回転可能に吊り下げ、主巻きウインチ16でケリーバ20を昇降させるように構成している。また、ブーム13の下方に支持されたアーム21の先端には、前記ケリーバ20が昇降可能な状態で挿通されるケリーバ回転駆動装置22がシリンダ23によって支持された状態で設けられており、該ケリーバ回転駆動装置22でケリーバ20を回転させるように構成している。
【0010】
さらに、前記シーブ軸14には、該シーブ軸14に回転可能に支持された補巻きシーブ24,24に、補巻ウインチ25から補巻ガイドシーブ26を介して繰り出された作業用ワイヤロープ27が3本掛けされ、この作業用ワイヤロープ27の先端には、補巻きフック28が取り付けられている。また、ベースマシン12の後部にはガントリ29が立設され、起伏ウインチ30からの起伏ロープ31が、ペンダントロープ32を介してブーム13の先端上部に設けられたブラケット33に連結されている。
【0011】
シーブ軸14は、ブーム13の先端幅以上の長さを有する中実の丸棒状金属からなるもので、該シーブ軸14の一端部は、ブーム13の先端一側部に固着されたボス34に挿入されて複数のボルト34aによって固定され、シーブ軸14の他端側は、ブーム13の先端他側部に基部が固着された補強筒35内に挿入されて複数のボルト35aによって固定されている。
【0012】
前記主巻きシーブ15は、シーブ軸14の中央部に軸受15aを介して回転可能に設けられており、前記補巻きシーブ24,24は、シーブ軸14の一端側で前記ボス34に隣接するようにして軸受24aを介して回転可能に設けられている。また、シーブ軸14の内部には、主巻きシーブ15の軸受15aや補巻きシーブ24,24の軸受24aに給油を行うための給油通路14a,14bが設けられている。
【0013】
主巻きシーブ15の軸受15aと補巻きシーブ24,24の軸受24aとの間には第1カラー部材36が装着されるとともに、主巻きシーブ15の軸受15aと補強筒35の先端面との間には、第2カラー部材37が装着され、主巻きシーブ15及び補巻きシーブ24,24の軸線方向位置が規定されている。主巻きシーブ15に隣接するブーム内側の補巻きシーブ24と主巻きシーブ15との間隔は、主巻きシーブ15から繰り出されるケリーバ用ワイヤロープ18に大口径のケリーバ20を吊持した際に、ブーム内側の補巻きシーブ24から繰り出される作業用ワイヤロープ27の先端に取り付けた補巻きフック28がケリーバ20と干渉しない広さに設定されている。
【0014】
前記補強筒35は、ブーム13の先端他側部に固着された基部からシーブ軸14の約1/3の長さ分、主巻きシーブ15に向かって延出しており、補強筒35の先端部は、ブーム13の先端部に固着された補強枠部38によって支持されている。補強枠部38は、補強筒35の挿通孔38aを有する支持板38bと、ブーム13の先端に設けられたブーム天板38cと、ブーム主材13aの間に掛け渡された格子材38d及び渡し板38eとで箱形構造に形成されており、これらの部材を介して補強筒35の先端部が受ける力をブーム主材13aに伝達することにより、主巻きシーブ15の近傍でシーブ軸14の他端側を支持した状態としている。
【0015】
これにより、アースドリル11が大型で、大口径のケリーバ20を使用したり、作業用ワイヤロープ27を多本掛けで使用したりする際に、作業用ワイヤロープ27の先端に設けた補巻きフック28とケリーバ20とが干渉しないように、主巻きシーブ15と補巻きシーブ24との間隔を広くするために長いシーブ軸14を使用しても、シーブ軸14の他端側中間部を補強枠部38で支持しているので、シーブ軸14の支持間距離を短くしてシーブ軸14に掛かる応力を軽減することができ、シーブ軸14として一般的な径のものを使用することができる。
【0016】
したがって、主巻きシーブ15と補巻きシーブ24との間隔を広くする必要がある場合でも、シーブ軸14の長さを長くし、補強筒35と補強枠部38とを追加するだけでよいことから、シーブ軸14として径が太いものを用いたときのような大幅な重量増やコストアップを招くことがなく、補強筒35と、板材を組み合わせた簡単な構造の補強枠部38とを追加すればよいことから、重量増もコストアップも低く抑えることができる。さらに、補強筒35による支持点が主巻きシーブ15の近傍に位置することから、主巻きシーブ15からシーブ軸14に加わる応力を低減することができる。
【0017】
また、主巻きシーブ15と補巻きシーブ24との間隔を広くする際に、主巻きシーブ15をシーブ軸14の他端側に位置させた場合は、主巻きシーブ15から繰り出されたケリーバ用ワイヤロープ18に吊持されるケリーバ20の軸線とケリーバ回転駆動装置22の軸線とがずれてしまうが、主巻きシーブ15をシーブ軸14の中央部に位置させることにより、シーブ軸14を長くしてもケリーバ20の軸線とケリーバ回転駆動装置22の軸線とを一致させた状態としておくことができる。
【0018】
本形態例のアースドリル11では、図1に示すように、主巻きシーブ15に巻掛けられたケリーバ用ワイヤロープ18で口径の大きいケリーバ20を吊持し、ケリーバ回転駆動装置22を非作動位置に移動させた状態で、補巻きシーブ24,24に巻掛けられた作業用ワイヤロープ27の先端に設けた補巻きフック28で掘削バケットや拡底バケットを吊り上げたりする際に、補巻きフック28がケリーバ20に干渉されることなく、掘削バケットや拡底バケットを吊り上げて所定の位置に移動させることができる。また、作業用ワイヤロープ27を補巻きシーブ24,24に多本掛けすることにより、拡底バケットなどの重量物の吊り上げも安定して行うことができる。
【0019】
尚、本発明は、上述の形態例に限るものではなく、補巻きシーブの数は任意であり、1つであっても3つ以上であってもよい。また、補強筒の長さは、シーブ軸が補強できる長さであれば任意であり、さらに、補強枠の形状も前述の箱形構造のものに限らず任意であり、補強筒とブームとを適宜な形状の板材や形材で連結して支持することも可能である。
【符号の説明】
【0020】
11…アースドリル、12…ベースマシン、13…ブーム、14…シーブ軸、14a,14b…給油通路、15…主巻きシーブ、15a…軸受、16…主巻きウインチ、17…主巻きガイドシーブ、18…ケリーバ用ワイヤロープ、19…スイベルジョイント、20…ケリーバ、21…アーム作業用ワイヤロープ、22…ケリーバ回転駆動装置、23…シリンダ、24…補巻きシーブ、24a…軸受、25…補巻きウインチ、26…補巻ガイドシーブ、27…作業用ワイヤロープ、28…補巻きフック、29…ガントリ、30…起伏ウインチ、31…起伏ロープ、32…ペンダントロープ、33…ブラケット、34…ボス、34a…ボルト、35…補強筒、35a…ボルト、36…第1カラー部材、37…第2カラー部材、38…補強枠部、38a…挿通孔、38b…支持板、38c…ブーム天板、38d…格子材、38e…渡し板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマシンに設けられたブームの先端部に配置したシーブ軸に、ケリーバを吊持するケリーバ用ワイヤロープが巻掛けられる主巻きシーブと、先端に補巻きフックを備えた作業用ワイヤロープが巻掛けられる補巻きシーブとを回転可能に取り付けたアースドリルにおいて、前記主巻きシーブを前記シーブ軸の中央部に配置し、前記補巻きシーブを前記シーブ軸の一端側に配置するとともに、前記シーブ軸の他端側の前記ブームの先端部に、基部がブームに固着されて先端が前記主巻きシーブに向かって延出し、内部に前記シーブ軸の他端側が挿入される補強筒と、該補強筒の先端部と前記ブームの先端部とを連結して前記補強筒の先端部を保持する補強枠部とを設けたことを特徴とするアースドリル。
【請求項2】
前記補強枠部が箱形構造を備えていることを特徴とする請求項1記載のアースドリル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−67989(P2013−67989A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206980(P2011−206980)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】