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アーチ型気柱及び気柱テント
説明

アーチ型気柱及び気柱テント

【課題】 伸縮性を有する糸条よりなるたて糸と通常の糸条のよこ糸とを織成した筒状の織布に対し、容易に伸長抑制手段を設置し、加圧時にアーチ型に湾曲するアーチ型気柱及び、当該アーチ型気柱を利用した気柱テントを提供することを目的とする。
【解決手段】 長さ方向に延びてその長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸10と、周方向に延びるよこ糸11とを織成してなる筒状の織布に、気密処理を施して柔軟な気密性筒体5を形成し、前記筒状の織布の周方向の一部にその長さ方向に沿って袋部6を形成し、当該袋部6内に伸長抑制部材7を挿通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は柔軟な気密性筒体を空気圧により膨らませた状態において、アーチ型に湾曲するアーチ型気柱及び、当該アーチ型気柱を骨組みとして当該骨組みに沿ってシートを展張してなる気柱テントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にテントは地面に支柱を立て、その支柱を支えにしてシートを展張してテントを形成するものであるが、長い棒状の支柱を必要とし、不要時に収容したり運搬したりするのに嵩がはって不便なものであった。
【0003】
そこで柔軟な気密性の筒体に圧縮空気を圧入して膨らませて棒状の気柱を形成し、この気柱を組み合わせて骨組みを形成し、その外側にシートを被せてテントとすることが行われている(実開平6-56395号公報)。
【0004】
しかしながらこのものにおいては、筒体に圧縮空気を圧入すると筒体は真っ直ぐな気柱を形成するため、個々の気柱は直線状とならざるを得ず、テントの骨組みを形成するためには、これらの直線状の気柱を接続して所望の形状の骨組みを形成することとなり、その構造は複雑なものとなる。
【0005】
また特開平7-71140号公報には、縦横方向に織成した通常の織布と斜めの糸条を織成したバイアス織布とを両側縁を接合して筒状とし、圧縮空気を圧入したときに斜めの糸条を織成したバイアス織布が伸長して、全体として湾曲した形状の気柱を形成するようにしたものが示されている。
【0006】
しかしながらこのものでは、性状の異なる二枚の織布を接合して筒状とするので、気柱の周方向に少なくとも二箇所の接合部が形成されることとなり、またその接合部は性状の異なる織布を接合するので、加圧時に二枚の織布の挙動が異なるため接合部に大きな力が加わり、接合強度が大幅に低下する可能性がある。
【0007】
このような事情に鑑み出願人は、単一の筒状の織布であって内圧をかけることによりアーチ状に湾曲する気柱テントの支柱となる気柱を開発し、先に特願2008−42436号として特許出願している。
【0008】
このものは、伸縮性を有する糸条をたて糸とし、よこ糸に通常の糸条を使用して筒状の織布を織成し、当該筒状の織布の周方向の一部に長さ方向に沿ってテープを貼り付けるなどの伸長抑制手段を講じたものであって、内圧をかけることにより前記たて糸が伸長して長さ方向に伸びると共に、周方向の一部の伸長を伸長抑制手段によって抑制することにより、全体としてアーチ状に湾曲するものである。
【0009】
図1はこの発明による気柱テント1を示すものであって、複数本の前記気柱2を並べて圧力流体を送入し、当該気柱2を円筒状に膨らませると共に、図面に示すようにアーチ状に湾曲させて立設する。そこでこのアーチ状に立設した気柱2を複数併設して骨組みとして、その外側に骨組みに沿ってシート3を展張することにより、気柱2がシート3を支えて内部に空間を形成し、テントを構築するのである。
【0010】
しかしながらこのものでは、筒状の織布にテープを貼り付けるのが困難である。特に筒状布にテープを貼り付ける際には筒状布の内面に貼り付けることが望ましいが、筒状布の外側からテープの位置を真っ直ぐに規制し、且つそれを筒状布に対して強固に接着又は縫着しなければならず、極めて困難である。
【特許文献1】実開平6-56395号公報
【特許文献2】特開平7-71140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、前述のような伸縮性を有する糸条よりなるたて糸と通常の糸条のよこ糸とを織成した筒状の織布に対し、容易に伸長抑制手段を設置し、加圧時にアーチ型に湾曲するアーチ型気柱及び、当該アーチ型気柱を利用した気柱テントを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
而して本発明のアーチ型気柱は、長さ方向に延びてその長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸と、周方向に延びるよこ糸とを織成してなる筒状の織布に、気密処理を施して柔軟な気密性筒体を形成し、前記筒状の織布の周方向の一部にその長さ方向に沿って袋部を形成し、当該袋部内に伸長抑制部材を挿通したことを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、前記筒状の織布が、伸縮性たて糸とよこ糸とを筒状に織成した筒状布であることが好ましい。また前記筒状の織布として、伸縮性たて糸とよこ糸とを織成した織布の両側縁を接合して筒状としたものを使用することもできる。
また前記気密性筒体は、前記筒状の織布の少なくとも内面に気密性の内張りを施したものであることが好ましい。またこの前記気密性筒体の他の形態としてとして、伸縮性たて糸とよこ糸とを織成した織布に気密処理を施し、その両側縁を接合して筒状としたものであってもよい。
【0014】
本発明における前記袋部としては、前記筒状の織布の周方向の一部に、縦口袋織組織により形成されていることが好ましい。また前記筒状の織布の他の構造として、伸縮性たて糸とよこ糸とを織成した織布の両側縁を接合して筒状としたものであって、前記織布の両側縁を重ね合わせ、その重ね合わせ部の両側縁を接合して当該接合部の間に袋部を形成したものとすることもできる。
【0015】
前記伸長抑制部材としては、ロープ、紐、ワイヤ、その他の長さ方向に伸張性を有しない紐状物を使用することができる。またこの伸長抑制部材として、長さ方向に伸張性を有しないベルトを使用することも好ましいことである。
【0016】
また本発明の気柱テントは、前記のいずれかに記載したアーチ型気柱に、圧力流体を送入して膨らませると共に湾曲させて、テントの骨組みを形成し、当該骨組みに沿ってシートを展張したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、筒状の織布における袋部の間に伸長抑制部材を挿通したものであるので、筒状の織布を形成した後容易に伸長抑制部材を挿通することができると共に、気密性筒体に圧力流体を送入して内圧を掛けることにより、袋部が伸長抑制部材に圧接されて伸長が抑制され、アーチ型に湾曲した気柱を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図2は本発明のアーチ型気柱4を示すものである。このアーチ型気柱4において5は気密性筒体であって、その気密性筒体5の周方向の一部に長さ方向に沿って袋部6が形成されており、当該袋部6内に伸長抑制部材7が挿通されている。
【0019】
図3はアーチ型気柱4をさらに詳細に示したものであって、気密性筒体5は筒状の織布の内面に気密性の内張り9を形成してなり、筒状の織物はたて糸10とよこ糸11とを筒状に織成した筒状布8が使用されている。
【0020】
そして前記たて糸10としては、その長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸が使用される。当該たて糸10の素材としては、合成繊維の巻縮加工糸や、ポリウレタン弾性糸などを使用することができる。またよこ糸11としては、通常の天然繊維又は合成繊維を使用することができ、伸縮性を有しない糸条を使用するのが好ましい。
【0021】
なおこの明細書において「伸縮性を有しない」とは、ことさらに伸縮性を付与する処理が施され、又はことさらに伸縮性が大きい点に特徴を有するものでないことを意味し、通常の天然繊維又は合成繊維が使用され、これらが本来の物理的性質として有している伸縮性までをも排除するものではない。
【0022】
また前記気密性筒体5を気密に構成する手段としては、前記筒状の織布に気密性のチューブを挿通するだけでも良いが、その筒状の織布の少なくとも内面に直接気密性の内張り9を形成するのが好ましい。
【0023】
そしてその筒状布8の周方向の一部には長さ方向に延びる縦口袋織組織12が形成されており、当該縦口袋織組織12においては筒状布8が部分的に内外二重になっており、前記袋部6が形成されている。また筒状布8の内面には柔軟なゴム又はプラスチックの内張り9が施され、気密に保持されている。
【0024】
また伸長抑制部材7としては、この例においては柔軟な織物よりなるベルトが使用されている。伸長抑制部材7としてはベルトに限らず、紐、ロープ、ワイヤ、その他の長さ方向に伸張性を有しない長尺物を使用することができるが、気密性筒体5に内圧を作用させたときにその内圧により袋部6が伸長抑制部材7に密着し、滑りを生じないようにするために、伸長抑制部材7としては袋部6に対して接触面積が大きい幅広のベルトを使用するのが好ましいのである。
【0025】
上記の例においては、気密性筒体5は縦口袋織組織12を有する筒状布8に内張り9を施したものが使用されているが、筒状布8に代えて、伸縮性たて糸10とよこ糸11とを織成した通常の扁平な織物の両縁を接合した筒状の織布を使用することもできる。この場合にはその筒状の織布の内側に内張り9を施してもよく、また織物にターポリン加工などの気密処理を施したものを筒状に成型することもできる。
【0026】
またこの場合には、織物の一部に縦口袋織組織により袋部6を形成することもできるが、図4に示すように、織物の両側縁を重ね合わせ、その重ね合わせ部13の両縁を接合することによりその接合部の間に袋部6を形成することもできる。
【0027】
本発明においては、気密性筒体5は基本的にはたて糸10とよこ糸11とを織成した筒状の織布に気密処理を施した構造を有しているので、その筒状の織布により耐圧力を有しており、且つ筒状の織布の柔軟性に基づいて不使用時に扁平に折り畳むことが可能な構造を有している。
【0028】
そして前記筒状の織布におけるたて糸10として、伸縮性たて糸が使用されているので、内圧がかかったときには伸縮性たて糸10に張力が作用し、気密性筒体5は長さ方向に伸長することができる。
【0029】
一方筒状の織布の一部には袋部6が形成され、当該袋部6内に伸長抑制部材7が挿通されているので、気密性筒体5内に内圧が作用したときにはその内圧により袋部6が押し潰され、袋部6の内面がその内部に挿通された伸長抑制部材7に密着するため、前述の気密性筒体5の伸長は伸長抑制部材7により抑制される。
【0030】
従って前述のように気密性筒体5は長さ方向の伸長性を有しながら、周方向における袋部6の部分のみは伸長抑制部材7によりその伸長が抑制されるため、図5に鎖線で示すように長さ方向に湾曲してアーチ型を呈するのである。
【0031】
そしてそのアーチ型の気柱2を複数立設し、当該気柱2にシートを展張することにより、図1に示すようにアーチ型の気柱2により支持された気柱テント1を設置することができる。
【0032】
本発明によれば、伸長抑制部材7を筒状の織布の袋部6に挿通するだけであって、気密性筒体5内に挿入された圧力流体の圧力により伸長抑制部材7と袋部6が密着し、その摩擦力により伸長抑制部材7が気密性筒体5に対して保持されるので、伸長抑制部材7を筒状の織布に対して縫合する必要がなく、気密性筒体5に対して伸長抑制部材7を取り付けるのが極めて容易である。
【0033】
また伸長抑制部材7を袋部6内に挿通するときに、伸長抑制部材7のテンションを調節し、気密性筒体5と伸長抑制部材7との長さを調整することにより、気柱2の湾曲の程度をコントロールすることも可能である。
【0034】
また本発明の気柱テント1は、気柱2内に圧縮空気などの圧力流体を挿入して膨らませることにより容易にアーチ型の気柱2を形成し、当該気柱2にシート3を展張することにより容易に気柱テント1を形成することができると共に、不使用時には圧力流体を抜くことにより気柱2をコンパクトに畳むことができ、小さいスペースに収納することができ、また運搬も容易である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のアーチ型気柱は気柱テントの支柱として述べているが、この用途に限られるものではなく、例えばイベント会場における歓迎アーチなどの各種の用途に転用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】気柱テントの斜視図
【図2】アーチ型気柱の横断面図
【図3】アーチ型気柱の詳細な横断面図
【図4】アーチ型気柱の他の例を示す横断面図
【図5】アーチ型気柱の斜視図
【符号の説明】
【0037】
1 気柱テント
2 気柱
3 シート
4 アーチ型気柱
5 気密性筒体
6 袋部
7 伸長抑制部材
8 筒状布
9 内張り
10 伸縮性たて糸
11 よこ糸
12 縦口袋織組織
13 重ね合わせ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に延びてその長さ方向に伸縮性を有する伸縮性たて糸(10)と、周方向に延びるよこ糸(11)とを織成してなる筒状の織布に、気密処理を施して柔軟な気密性筒体(5)を形成し、前記筒状の織布の周方向の一部にその長さ方向に沿って袋部(6)を形成し、当該袋部(6)内に伸長抑制部材(7)を挿通したことを特徴とする、アーチ型気柱
【請求項2】
前記筒状の織布が、伸縮性たて糸(10)とよこ糸(11)とを筒状に織成した筒状布(8)であることを特徴とする、請求項1に記載のアーチ型気柱
【請求項3】
前記筒状の織布が、伸縮性たて糸(10)とよこ糸(11)とを織成した織布の両側縁を接合して筒状としたものであることを特徴とする、請求項1に記載のアーチ型気柱
【請求項4】
前記気密性筒体(5)が、前記筒状の織布の少なくとも内面に気密性の内張り(9)を施したものであることを特徴とする、請求項1に記載のアーチ型気柱
【請求項5】
前記気密性筒体が、伸縮性たて糸(10)とよこ糸(11)とを織成した織布に気密処理を施し、その両側縁を接合して筒状としたものであることを特徴とする、請求項1に記載のアーチ型気柱
【請求項6】
前記袋部(6)が、前記筒状の織布の周方向の一部に、縦口袋織組織(12)により形成されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のアーチ型気柱
【請求項7】
前記筒状の織布が、伸縮性たて糸(10)とよこ糸(11)とを織成した織布の両側縁を接合して筒状としたものであって、前記織布の両側縁を重ね合わせ、その重ね合わせ部(13)の両側縁を接合して当該接合部の間に袋部(6)を形成したことを特徴とする、請求項1に記載のアーチ型気柱
【請求項8】
前記伸長抑制部材(7)が、ロープ、紐、ワイヤ、その他の長さ方向に伸張性を有しない紐状物であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のアーチ型気柱
【請求項9】
前記伸長抑制部材(7)が、長さ方向に伸張性を有しないベルトであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のアーチ型気柱
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載したアーチ型気柱(4)に、圧力流体を送入して膨らませると共に湾曲させて、テントの骨組みを形成し、当該骨組みに沿ってシート(3)を展張したことを特徴とする、気柱テント

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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