説明

イオプロミドの新規な製造方法

本発明は、X線造影剤として使用されるイオプロミドを製造する新規な方法に関するものである。この方法では、式(19)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリドおよび式(20)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドを中間体として導入することにより、製造過程で生成するビスマー副生成物を付加的な除去工程なしに除去して、高純度のイオプロミドを高収率で製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオプロミドの製造方法に関し、さらに詳しくは、式(19)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリドおよび式(20)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドを中間体として使用することにより、イオプロミドを製造する方法に関するものである。
【0002】
[式19]
【0003】
【化1】

【0004】
[式20]
【0005】
【化2】

【0006】
本発明によれば、イオプロミドの製造過程で生成し、イオプロミドの純度を低下させるビスマー(bismer)副生成物を、その付加的な除去・精製工程なしに、式(19)で示される中間体の単純な結晶化により、容易に除去して、最終的に、高純度のイオプロミドを高収率で得ることができる。
【背景技術】
【0007】
内臓などの検査で、内臓と周辺組織と間のX線吸収差が少ない場合には、X線吸収差を高めるために、吸収率の異なる「造影剤」が使用される。造影剤には、X線吸収性の良い陽性造影剤とX線透過性の良い陰性造影剤とがあり、検査の目的に応じて、適切なタイプが使用される。
【0008】
下記式(1)で示されるイオプロミドは、X線造影剤として広く使用されてきた。イオプロミドを製造する方法は、特許文献1(シェリング・コーポレイション(Schering Corporation),ドイツ)および特許文献2に開示されている。
【0009】
[式1]
【0010】
【化3】

【0011】
特許文献1は、イオプロミドの製造方法を3つ開示している。そのうちの1つのを下記反応スキーム1に示す。
【0012】
[反応スキーム1]
【0013】
【化4】

【0014】
上記反応スキーム1によれば、式(1)で示されるイオプロミドは、式(2)で示される5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリドをジメチルホルムアミド溶媒中でメトキシアセチルクロリドと反応させて、式(3)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリドを調製し、式(3)で示される化合物を、塩基性物質の存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中で、2,3−ジヒドロキシプロピルアミンおよび2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピルアミンと順次反応させる工程により製造される。
【0015】
しかし、上記反応スキーム1により、式(3)で示される化合物と2,3−ジヒドロキシプロピルアミンとの反応による式(4)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミドクロリドの合成工程では、下記反応スキーム2に示される経路により、式(4)で示される化合物に第2の2,3−ジヒドロキシプロピルアミンがさらに付加して、ビスマー副生成物である式(5)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸−N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ジアミドが多量に形成する。
【0016】
[反応スキーム2]
【0017】
【化5】

【0018】
従って、高純度のイオプロミドを得るためには、不可避的に生成した式(5)で示されるビスマー副生成物を除去しなければならない。反応式スキーム1による方法では、数種類の有機溶媒を多量に使用する多くの結晶化工程および濾過工程により、ビスマー副生成物を除去することができる。しかし、反応スキーム1による方法は、多くの精製工程を適用しなければならず、より複雑になり、最終的に、生産性および収率が低下するという短所がある。
【0019】
また、特許文献1に開示された他の2つの製造方法は、下記反応スキーム3および4に示されるように、基本的に同じ概念の方法である。
【0020】
[反応スキーム3]
【0021】
【化6】

【0022】
[反応スキーム4]
【0023】
【化7】

【0024】
上記反応スキーム3および4では、反応させるべき官能基を変更しながら、出発物質である式(7)で示される5−ニトロイソフタル酸モノメチルエステルを2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピルアミンおよび2,3−ジヒドロキシプロピルアミンと順次反応させる。これらの方法には、反応スキーム1および2と類似した経路で、2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピルアミンの更なる付加により形成されるビスマー副生成物である下記式(6)で示される化合物の生成を防止するという長所がある。
【0025】
[式6]
【0026】
【化8】

【0027】
しかし、これらの方法は、反応させるべき官能基を変更する多くの工程を必要とし、また、ほとんど全ての工程で、中間体を精製する多くの濾過工程および乾燥工程を必要とする。従って、反応スキーム1の製造方法と同様に、これらの方法は、生産性および収率の低下を回避することができず、産業上の利用が困難であるという重大な短所がある。
【0028】
上記の従来法には、これらの問題が伴うことから、ビスマー副生成物を効率的に除去して、高純度のイオプロミドを高収率で製造する経済的な方法が非常に求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第4,364,921号
【特許文献2】韓国特許第10−0286639号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明の目的は、多量のビスマー副生成物の生成、その除去に伴う収率および生産性の低下などの従来法における上記の問題を解決するために、新しい中間体を導入することにより、高純度のイオプロミドを高収率で製造する経済的な方法を提供することにある。
【0031】
本発明の別の目的は、イオプロミドを製造する過程で中間体として使用される新規な化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明は、式(19)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリドおよび式(20)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドを中間体として使用することにより、式(1)で示されるイオプロミドを製造する方法に関するものである。
【0033】
[式19]
【0034】
【化9】

【0035】
[式20]
【0036】
【化10】

【0037】
[式1]
【0038】
【化11】

【0039】
また、本発明は、イオプロミドを製造する過程で中間体として使用される式(20)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドに関するものである。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、イオプロミドを製造する過程で、式(19)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリドおよび式(20)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドを中間体として導入し、生成したビスマー副生成物を、式(19)で示される中間体の単純な結晶化により、効率的に除去することができるので、ビスマー副生成物を除去する付加的な精製工程なしに、高純度のイオプロミドを高収率で製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、式(19)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリドおよび式(20)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドを中間体として使用することにより、式(1)で示されるイオプロミドを製造する方法に関するものである。
【0042】
式(1)で示されるイオプロミドを製造する本発明方法を下記反応スキーム5に示す。
【0043】
[反応スキーム5]
【0044】
【化12】

【0045】
工程1
式(2)で示される5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリドを出発物質として使用する。式(2)で示される化合物をジメチルアセトアミド溶媒中でメトキシアセチルクロリドと反応させて、式(3)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリドを製造する。これは、次いで、付加的な精製工程なしに、次の工程に使用される。式(3)で示される化合物を、下記反応スキーム6に示されるように、トリエチルアミンの存在下、ジメチルアセトアミド溶媒中で、2,3−ジヒドロキシプロピルアミンと反応させて、式(4)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミドクロリドを形成する。
【0046】
[反応スキーム6]
【0047】
【化13】

【0048】
上記反応スキームでは、2,3−ジヒドロキシプロピルアミンを、好ましくは0.6〜1当量、より好ましくは0.7当量で使用する場合に、ビスマー副生成物である式(5)で示される化合物の生成を最小限に抑えながら、式(4)で示される化合物を充分な収率で得ることができる。
【0049】
さらに、式(4)で示される化合物と共に得られる濾液中に存在する未反応の式(3)で示される化合物を、付加的な回収工程なしに、次のバッチで再使用することができるので、結局のところ、従来法で多量に生成するビスマー副生成物の除去工程で生じるイオプロミドの収率低下を防止することができる。
【0050】
工程2
式(4)で示される化合物を、触媒である硫酸の存在下、酢酸溶媒中で、無水酢酸と反応させて、式(19)で示される化合物に変換する。1モルの反応あたり、好ましくは0.01〜0.2モル、より好ましくは0.05〜0.1モルの硫酸を、好ましくは0〜30℃、より好ましくは5〜25℃の温度で投入する。1モルの反応あたり、好ましくは0.19〜1L、より好ましくは0.35〜0.7Lの無水酢酸を使用する。
【0051】
式(4)で示される化合物を式(19)で示される化合物に変換したことに伴って、工程1ですでに生成した式(5)で示されるビスマー副生成物が同時に変換されて生成した化合物である下記式(21)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸−N,N’−ビス(2,3−ジアセトキシプロピル)ジアミドは、式(19)で示される化合物の単純な結晶化工程により容易に除去される。すなわち、付加的な除去工程なしに、副生成物である式(21)で示される化合物を除去することができる。これは、その結果として、従来法では除去することが困難なビスマー副生成物である式(5)で示される化合物を付加的な精製工程なしに効率的に除去することができることを意味する。
【0052】
[式(5)]
【0053】
【化14】

【0054】
[式(21)]
【0055】
【化15】

【0056】
工程3
式(19)で示される化合物を、塩基であるトリエチルアミンの存在下、ジメチルアセトアミド溶媒中で、2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピルアミンと反応させて、式(20)で示される化合物に変換する。式(20)で示される化合物をさらに精製せずに水酸化ナトリウム水溶液中で加水分解させて、式(1)で示されるイオプロミドを得ることができる。
【実施例】
【0057】
以下の実施例により、本発明をより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明の範囲をそれらに限定することを意図するものではない。
【0058】
実施例1:5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミドクロリド(式4)の合成
5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロリド(13.7kg、23mol)をジメチルアセトアミド(17.2kg)に溶解させ、この混合物を15℃に冷却した。メトキシアセチルクロリド(3.74kg、34.5mol)を2時間かけて滴下した後、この混合物を15時間撹拌した。HPLCで反応分析を実施して出発物質が消失していることを確認した後、撹拌しながら、反応混合物に、メチレンジクロリド(45.7kg)、水(11.5kg)を順次加えた後、攪拌を停止すると、層が分離した。得られた有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、減圧蒸留して濃縮した。得られた濃縮物をジメチルアセトアミド(43.1kg)に溶解させた溶液に、トリエチルアミン(1.95kg、19.32mol)を加えた後、0〜5℃を保持しながら、2,3−ジヒドロキシプロピルアミン(1.47kg、16.13mol)をジメチルアセトアミド(10.78kg)に溶解させた溶液を5時間かけて滴下した。さらに3時間撹拌した後、反応混合物を減圧蒸留して濃縮し、得られた濃縮物にメチレンジクロリド(213.33kg)を5時間かけて滴下して、固形物を形成した。この固形物を濾過して、表題化合物を白色の固形物(10.98kg、収率66.1%)として得た。
【0059】
H−NMR(DMSO−d,500MHz)10.2,10.06(2s,1H);8.79,8.71,8.63(3t,1H);4.5〜4.0(br,2H);4.04,4.00(2s,2H);3.71〜3.66(m,1H);3.48,3.47(2s,3H);3.40〜3.36(m,2H);3.36〜3.27(m,1H);3.2〜3.09(m,1H)。
【0060】
実施例2:5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリド(式19)の合成
5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジヒドロキシプロピル)アミドクロリド(9.97kg、13.8mol)を酢酸に分散させた後、無水酢酸(7.45kg)を加え、この混合物を5℃に冷却した。硫酸(135g)を徐々に加え、この混合物を1時間撹拌した。得られた透明な溶液に、酢酸ナトリウム・三水和物(376g)を0〜5℃で加えて溶解させた。その後、0〜10℃を保持しながら、水(96.6kg)を3時間かけて加え、固形物を形成した。生成した固形物を濾過して、表題化合物を白色の固形物(10.04kg、収率90.2%)として得た。
【0061】
H−NMR(DMSO−d,500MHz)10.12,9.99(2s,1H);8.91,8.80(2t,1H);5.10〜5.06(m,1H);4.32〜4.27(m,1H);4.20〜4.16(m,1H);4.01,4.00(2s,2H);3.52〜3.37(m,2H);3.47,3.46(2s,3H);2.02(s,6H)。
【0062】
実施例3:5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジヒドロキシプロピル)]ジアミド(イオプロミド)の合成
5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリド(7.23kg、8.97mol)をジメチルアセトアミド(12.6kg)に溶解させ、トリエチルアミン(1.95kg、19.32mol)を加え、2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピルアミン(943g、8.97mol)をジメチルアセトアミド(4.2kg)に溶解させた溶液を室温で滴下した。さらに2時間撹拌した後、この溶液を減圧蒸留して濃縮した。得られた5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドを水に溶解させた水溶液に、水酸化ナトリウム(897g、22.43mol)を水に溶解させた溶液を加え、20〜25℃を保持しながら、反応混合物を10時間撹拌した。反応溶液をカチオン交換樹脂カラムおよびアニオン交換樹脂カラムに通過させて、無色透明な水溶液を得た。得られた水溶液を減圧蒸留して水を完全に除去し、エタノールで結晶化し、濾過して、白色の結晶性イオプロミド(6.032kg、収率85%)を得た。
【0063】
H−NMR(DMSO−d,500MHz)10.07,10.03,9.97,9.90(4s,1H);8.66,8.57,8.52(3t,1H);4.76〜4.74(m,1H);4.72,4.67(2t,1H);4.59〜4.58(m,1H);4.54〜4.44(m,1H);4.00(s,2H);3.89〜3.88(m,1H);3.69〜3.68(m,2H);3.47(s,3H);3.44〜3.38(m,4H);3.23〜3.17(m,3H),2.85〜2.83(4s,3H)。
【0064】
実施例4:5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミド(式20)の合成
5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリド(80.65g、0.1mol)をジメチルアセトアミド(140.5g)に溶解させた後、トリエチルアミン(11.13g、0.11mol)を加え、2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピルアミン(10.5g、0.1mol)をジメチルアセトアミド(46.9g)に溶解させた溶液を室温で滴下した。さらに2時間撹拌した後、生成した固形物を濾過した後、濾液を減圧蒸留して濃縮した。得られた濃縮物に、ジエチルエーテルを滴下して、固形物を形成した。形成した固形物を濾過して、表題化合物を白色の固形物(85.8g、収率98%)として得た。
【0065】
H−NMR(DMSO−d,500MHz)10.10,10.06,10.00,9.92(4s,1H);8.93,8.83,8.78(3m,1H);5.09(br,1H);4.78〜4.74(m,1H);4.62〜4.58(m,1H);4.34〜4.26(m,1H);4.22〜4.16(m,1H);4.00(s,2H);3.89(br,1H);3.72〜3.65,(m,1H);3.49〜3.40(br,2H);3.47(s,3H);3.48〜3.38(m,2H);3.22〜3.12,(m,1H);3.07〜3.04(m,1H);2.87〜2.82(m,2H);2.03(s,3H);2.02(s,3H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)で示されるイオプロミドを製造する方法であって、式(19)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸(2,3−ジアセトキシプロピル)アミドクロリドおよび式(20)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸[(2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピル)−(2,3−ジアセトキシプロピル)]ジアミドを中間体として使用することを特徴とする製造方法:
[式(19)]
【化1】


[式(20)]
【化2】


[式(1)]
【化3】

【請求項2】
式(1)で示されるイオプロミドが反応スキーム5により製造される請求項1に記載の製造方法:
[反応スキーム5]
【化4】

【請求項3】
式(4)で示される化合物が反応スキーム6により合成される請求項2に記載の製造方法:
[反応スキーム6]
【化5】


ここで、式(2)で示される化合物を、ジメチルアセトアミド溶媒中で、メトキシアセチルクロリドと反応させて、式(3)で示される化合物を合成し、式(3)で示される化合物を、トリエチルアミンの存在下、ジメチルアセトアミド溶媒中で、2,3−ジヒドロキシプロピルアミンと反応させて、式(4)で示される化合物を合成する。
【請求項4】
式(3)で示される化合物を0.6〜1.0当量の2,3−ジヒドロキシプロピルアミンと反応させる請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
式(3)で示される化合物を0.7当量の2,3−ジヒドロキシプロピルアミンと反応させる請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
式(4)で示される化合物の精製工程で生成する濾液中に存在する式(3)で示される化合物を再使用する請求項3に記載の製造方法。
【請求項7】
式(4)で示される化合物を、硫酸触媒の存在下、酢酸溶媒中で、無水酢酸と反応させて、式(19)で示される化合物に変換する請求項2に記載の製造方法。
【請求項8】
1モルの反応あたり0.01〜0.2モルの硫酸を0〜30℃の温度で加え、1モルの反応あたり0.19〜1.0Lの無水酢酸を使用する請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
工程1で得られる式(5)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸−N,N’−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ジアミドを、式(21)で示される5−メトキシアセチルアミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸−N,N’−ビス(2,3−ジアセトキシプロピル)ジアミドに変換する請求項2に記載の製造方法:
[式(5)]
【化6】


[式(21)]
【化7】

【請求項10】
式(21)で示される化合物を式(19)で示される化合物の精製工程により除去する請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
式(19)で示される化合物を、トリエチルアミンの存在下、ジメチルアセトアミド溶媒中で、2,3−ジヒドロキシ−N−メチルプロピルアミンと反応させて、式(20)で示される化合物を合成し、式(20)で示される化合物を水酸化ナトリウム水溶液中で加水分解させる請求項2に記載の製造方法:
[式(20)]
【化8】

【請求項12】
式(20)で示される化合物:
[式(20)]
【化9】


【公表番号】特表2011−518878(P2011−518878A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507339(P2011−507339)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【国際出願番号】PCT/KR2009/001996
【国際公開番号】WO2009/134030
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(502345599)エルジー・ライフ・サイエンシーズ・リミテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】LG Life Sciences Ltd.
【Fターム(参考)】