説明

イオンチャネルのモジュレーターとして有用なキノリン誘導体

本発明は、イオンチャネルの阻害剤として有用な化合物に関する。本発明は、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物、および種々の障害を処置するのにこの組成物を使用する方法も提供する。種々の疾患、障害または状態としては、限定されないが、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚、関節炎、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身性の神経痛、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、精神疾患、例えば、不安神経症および鬱病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節炎の疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部または頸部の疼痛、重症の疼痛または難治性の疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後の疼痛または癌の疼痛が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンチャネルの阻害剤として有用な化合物に関する。本発明は、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物、および種々の障害を処置するのにこの組成物を使用する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
Naチャネルは、あらゆる興奮細胞(例えばニューロンおよびミオサイト)で活動電位を発生する中核となる。Naチャネルは、興奮組織(脳、胃腸管の平滑筋、骨格筋、末梢神経系、脊髄および気管を含む)で役割を果たす。この場合、Naチャネルは、種々の疾患状態で役割を果たす。種々の疾患としては、例えば、てんかん(Moulard,B.およびD.Bertrand(2002)「Epilepsy and sodium channel blockers」Expert Opin.Ther.Patents 12(1):85−91)参照)、疼痛(Waxman,S.G.,S.Dib−Hajjら(1999)「Sodium channels and pain」Proc Natl Acad Sci USA 96(14):7635−9およびWaxman,S.G.,T.R.Cumminsら(2000)「Voltage−gated sodium channels and the molecular pathogenesis of pain:a review」J Rehabil Res Dev 37(5):517−28参照)、ミオトニー(Meola,G.およびV.Sansone(2000)「Therapy in myotonic disorders and in muscle channelopathies」Neurol Sci 21(5):S953−61およびMankodi,A.およびC.A.Thornton(2002)「Myotonic syndromes」Curr Opin Neurol 15(5):545−52参照)、運動失調(Meisler,M.H.,J.A.Kearneyら(2002)「Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy」Novartis Found Symp 241:72−81参照)、多発性硬化症(Black,J.A.,S.Dib−Hajjら(2000)「Sensory neuron−specific sodium channel SNS is abnormally expressed in the brains of mice with experimental allergic encephalomyelitis and humans with multiple sclerosis」Proc Natl Acad Sci USA 97(21):11598−602、およびRenganathan,M.,M.Gelderblomら(2003)「Expression of Na(v)1.8 sodium channels perturbs the firing patterns of cerebellar purkinje cells」Brain Res 959(2):235−42参照)、過敏性腸症候群(Su,X.,R.E.Wachtelら(1999)「Capsaicin sensitivity and voltage−gated sodium currents in colon sensory neurons from rat dorsal root ganglia」Am J Physiol 277(6 Pt 1):G1180−8、およびLaird,J.M.,V.Souslovaら(2002)「Deficits in visceral pain and referred hyperalgesia in Nav1.8(SNS/PN3)−null mice」J Neurosci 22(19):8352−6参照)、尿失禁および内臓痛(Yoshimura,N.,S.Sekiら(2001)「The involvement of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.8 (PN3/SNS) in a rat model of visceral pain」J Neurosci 21(21):8690−6参照)、およびさまざまな精神機能障害、例えば不安神経症および鬱病(Hurley,S.C.(2002)「Lamotrigine update and its use in mood disorders」Ann Pharmacother 36(5):860−73参照)が挙げられる。
【0003】
電位依存Naチャネルは、9種の異なるサブタイプからなる遺伝子ファミリーを含む(NaV1.1〜NaV1.9)。表Aに示されるように、これらのサブタイプは、組織に特異的に局在化し、機能的に異なっている(Goldin,A.L.(2001)「Resurgence of sodium channel research」Annu Rev Physiol 63:871−94参照)。この遺伝子ファミリーのうち3種(NaV1.8、1.9、1.5)は、周知のNaチャネルブロッカーTTXによる遮蔽に抵抗性を有し、この遺伝子ファミリーの中でサブタイプ特異性を示す。突然変異解析によってグルタメート387がTTX結合に必須の残基であることが同定された(Noda,M.,H.Suzukiら(1989)「A single point mutation confers tetrodotoxin and saxitoxin insensitivity on the sodium channel II」FEBS Lett 259(1):213−6参照)。
【0004】
表A(省略語:CNS=中枢神経系、PNS=末梢神経系、DRG=後根神経節、TG=三叉神経節):
【0005】
【化23】

概して、電位依存ナトリウムチャネル(NaV)は、神経系の興奮組織中の活動電位の迅速な上昇開始に関与し、正常および異常な疼痛感覚を作りだし、コード化する電気信号を伝達する。NaVチャネルのアンタゴニストは、これらの疼痛信号を弱め、種々の疼痛状態を処置するのに有用である。種々の疼痛状態としては、限定されないが、急性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛および神経因性の疼痛が挙げられる。既知のNaVアンタゴニスト、例えばTTX、リドカイン(Mao,J.およびL.L.Chen(2000)「Systemic lidocaine for neuropathic pain relief」Pain 87(1):7−17参照)、ブピバカイン、フェニトイン(Jensen,T.S.(2002)「Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence」Eur J Pain 6(Suppl A):61−8参照)、ラモトリジン(Rozen,T.D.(2001)「Antiepileptic drugs in the management of cluster headache and trigeminal neuralgia」Headache 41 Suppl 1:S25−32およびJensen,T.S.(2002)「Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence」Eur J Pain 6(Suppl A):61−8参照)およびカルバマゼピン(Backonja,M.M.(2002)「Use of anticonvulsants for treatment of neuropathic pain」Neurology 59(5 Suppl 2):S14−7参照)が、ヒトモデルおよび動物モデルで疼痛を軽減するのに有用であることが示されている。
【0006】
組織障害または炎症存在下で発症する痛覚過敏症(いくらか痛みを伴うほどの敏感すぎる状態)は、少なくとも部分的に、障害部位に介入する高閾値の一次求心性ニューロンの興奮性の高まりを反映する。電位感受性ナトリウムチャネルの活性化は、ニューロンの活動電位の生成および伝搬に重要な意味をもつ。NaV電流の調整がニューロンの興奮性を制御するのに使用される内因性機構であることを示す成長過程の身体での証拠が存在する(Goldin,A.L.(2001)「Resurgence of sodium channel research」Annu Rev Physiol 63:871−94参照)。いくつかの動力学的および薬理学的に区別できる電位依存ナトリウムチャネルが、後根神経節(DRG)ニューロンで発見されている。TTX抵抗性の電流は、μmol濃度のテトロドトキシンには応答せず、他の電位依存ナトリウムチャネルと比較すると、活性化して不活性化するまでの速度が遅く、脱分極活性化の閾値が高い。TTX抵抗性のナトリウム電流は、痛覚に関与すると考えられる感覚ニューロンの部分母集団に主に限定される。具体的に言うと、TTX抵抗性のナトリウム電流は、小さな細胞体直径を有するニューロンでほぼ排他的に発現し、小さな直径で伝達速度が遅い軸索を生じ、カプサイシン応答性のニューロンでほぼ排他的に発現する。実験による証拠の大部分は、TTX抵抗性のナトリウムチャネルがC繊維で発現し、脊髄の侵害受容情報の伝達に重要であることを示す。
【0007】
TTX抵抗性のナトリウムチャネル(NaV1.8)の固有領域を標的とするアンチセンスオリゴ−デオキシヌクレオチドを髄腔内投与することにより、PGEにより誘発される痛覚過敏症が顕著に減少した(Khasar,S.G.,M.S.Goldら(1998)「A tetrodotoxin−resistant sodium current mediates inflammatory pain in the rat」Neurosci Lett 256(1):17−20参照)。最近では、WoodらがNaV1.8の機能が欠損したノックアウトマウス株を作り出した。この変異は、炎症剤カラギナンに対する動物の応答を評価する試験では鎮痛作用を有している(Akopian,A.N.,V.Souslovaら(1999)「The tetrodotoxin−resistant sodium channel SNS has a specialized function in pain pathways」Nat Neurosci 2(6):541−8参照)。さらに、これらの動物は機械刺激および熱刺激を感じないことがわかった。Nav1.8ノックアウト変異によって示される無痛覚症は、TTX抵抗性の電流が痛覚にもたらす役割に関する観察結果と一致する。
【0008】
免疫組織化学的なin−situハイブリダイゼーションおよびin−vitro電気生理学実験により、ナトリウムチャネルNaV1.8が後根神経節および三叉神経節の小型感覚ニューロンに選択的に局在化することが示されている(Akopian,A.N.,L.Sivilottiら(1996)「A tetrodotoxin−resistant voltage−gated sodium channel expressed by sensory neurons」Nature 379(6562):257−62参照)。これらのニューロンの主な役割は、侵害刺激の検出および伝達である。アンチセンスおよび免疫組織化学による証拠は、神経因性の疼痛に対するNaV1.8の役割を裏付けるものである(Lai,J.,M.S.Goldら(2002)「Inhibition of neuropathic pain by decreased expression of the tetrodotoxin−resistant sodium channel, NaV1.8」Pain 95(1−2):143−52、およびLai,J.,J.C.Hunterら(2000)「Blockade of neuropathic pain by antisense targeting of tetrodotoxin−resistant sodium channels in sensory neurons」Methods Enzymol 314:201−13参照)。NaV1.8タンパク質は、神経障害付近の損傷していないC繊維に沿って量が多い。アンチセンスで処置すると、この神経に沿ってNaV1.8が再分布するのを防ぎ、神経因性の疼痛が回復する。遺伝子ノックアウトおよびアンチセンスのデータをひとまとめにすると、炎症および神経因性の疼痛の検出および伝達に果たすNaV1.8の役割が裏付けられる。
【0009】
神経因性の疼痛状態では、Naチャネル分布およびサブタイプが作り変えられる。損傷した神経では、NaV1.8およびNaV1.9の発現量は大幅に減少し、TTX感受性のサブユニットNaV1.3の発現が5〜10倍になる(Dib−Hajj,S.D.,J. Fjellら(1999)「Plasticity of sodium channel expression in DRG neurons in the chronic constriction injury model of neuropathic pain」Pain 83(3):591−600参照)。時間経過に伴うNaV1.3の増加は、神経障害後の動物モデルにおける異痛の発生と並行して起こる。NaV1.3チャネルの生物物理学は、活動電位後に不活性化した後に非常に速くリプリミングすることによって区別される。損傷した神経で多く見られるように、活動電位の発生が長時間持続する(Cummins,T.R.,F.Agliecoら(2001)「Nav1.3 sodium channels:rapid repriming and slow closed−state inactivation display quantitative differences after expression in a mammalian cell line and in spinal sensory neurons」J Neurosci 21(16):5952−61参照)。NaV1.3は、ヒトの中枢系および末端系で発現する。NaV1.9は後根神経節および三叉神経節の小型感覚ニューロンに選択的に局在化するという点でNaV1.8と同様である(Fang,X.,L.Djouhriら(2002)「The presence and role of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.9(NaN) in nociceptive primary afferent neurons.」J Neurosci 22(17):7425−33参照)。不活性化の速度が遅く、活性化に依存して左側にシフトした電位を有する(Dib−Hajj,S.,J.A.Blackら(2002)「NaN/Nav1.9:a sodium channel with unique properties」Trends Neurosci 25(5):253−9参照)。これらの2つの生物物理学的性質によってNaV1.9は侵害受容ニューロンの静止膜電位を作り出すという役割を果たす。細胞で発現するNaV1.9の静止膜電位は、ほとんどの他の末梢ニューロンおよび中枢ニューロンの−65mVと比較して−55〜−50mVの範囲である。この持続的な脱分極は、大部分はNaV1.9チャネルの低レベルの活性化が持続することによる。この脱分極により、侵害刺激に応答してニューロンで活動電位が発生するための閾値に容易に達する。NaV1.9チャネルを遮蔽する化合物は、痛みを伴う刺激を検出するための設定点を確立するのに重要な役割を果たす。慢性疼痛状態では、神経および神経終末は、中程度の刺激によって、または刺激がなくても膨張し、高感度に高周波数の活動電位を発生する。これらの病的な神経の腫れは神経腫と呼ばれ、神経腫で主に発現するNaチャネルはNaV1.8およびNaV1.7である(Kretschmer,T.,L.T.Happelら(2002)「Accumulation of PN1 and PN3 sodium channels in painful human neuroma−evidence from immunocytochemistry」Acta Neurochir (Wien) 144(8):803−10;discussion 810参照)。NaV1.6およびNaV1.7は、後根神経節ニューロンでも発現し、これらの細胞中で小型TTX感受性要素を構成する。そのために、NaV1.7は特に、神経内分泌興奮性に対する役割とともに潜在的な疼痛標的である(Klugbauer,N.,L.Lacinovaら(1995)「Structure and functional expression of a new member of the tetrodotoxin−sensitive voltage−activated sodium channel family from human neuroendocrine cells」Embo J 14(6):1084−90参照)。
【0010】
NaV1.1(Sugawara,T.,E.Mazaki−Miyazakiら(2001)「Nav1.1 mutations cause febrile seizures associated with afebrile partial seizures」Neurology 57(4):703−5参照)およびNaV1.2(Sugawara,T.,Y.Tsurubuchiら(2001)「A missense mutation of the Na+ channel alpha II subunit gene Na(v)1.2 in a patient with febrile and afebrile seizures causes channel dysfunction」Proc Natl Acad Sci USA 98(11):6384−9参照)は、熱性発作を含むてんかん状態と関わりがある。NaV1.1には熱性発作と関連する9個の遺伝子変異が存在する(Meisler,M.H.,J.A.Kearneyら(2002)「Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy」Novartis Found Symp 241:72−81参照)。
【0011】
NaV1.5のアンタゴニストが開発され、心臓の不整脈を処置するために使用されている。電流に対して大きく不活性化しない要素を作り出すNaV1.5の遺伝子欠損は、ヒトのQT延長症と関わりがあり、経口投与可能な局所麻酔薬メキシレチン(mexilitine)を使用してこの状態を処置している(非特許文献1)。
【0012】
てんかんを処置するために数種のNaチャネルブロッカーが現在使用されているか、または臨床的に試験されている(Moulard,B.およびD.Bertrand(2002)「Epilepsy and sodium channel blockers」Expert Opin.Ther.Patents 12(1):85−91参照);急性疼痛(Wiffen,P.,S.Collinsら(2000)「Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain」Cochrane Database Syst Rev 3参照)、慢性疼痛(Wiffen,P.,S.Collins,ら(2000)「Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain」Cochrane Database Syst Rev 3、およびGuay,D.R.(2001)「Adjunctive agents in the management of chronic pain」Pharmacotherapy 21(9):1070−81参照)、炎症性疼痛(Gold,M.S.(1999)「Tetrodotoxin−resistant Na+ currents and inflammatory hyperalgesia.」Proc Natl Acad Sci USA 96(14):7645−9参照)、および神経因性の疼痛(Strichartz,G.R.,Z.Zhouら(2002)「Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain」Novartis Found Symp 241:189−201、およびSandner−Kiesling,A.,G.Rumpold Seitlingerら(2002)「Lamotrigine monotherapy for control of neuralgia after nerve section」Acta Anaesthesiol Scand 46(10):1261−4参照);心臓の不整脈(An,R.H.,R.Bangaloreら(1996)「Lidocaine block of LQT−3 mutant human Na+ channels」Circ Res 79(1):103−8、およびWang,D.W.,K.Yazawaら(1997)「Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels」J Clin Invest 99(7):1714−20参照);神経保護(Taylor,C.P.およびL.S.Narasimhan(1997)「Sodium channels and therapy of central nervous system diseases」Adv Pharmacol 39:47−98参照)および麻酔薬として(Strichartz,G.R.,Z.Zhouら(2002)「Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain」 Novartis Found Symp 241:189−201参照)。
【0013】
多くの異なる疼痛適応となるナトリウムチャネルモジュレーターを試験するための臨床的な意義を有する種々の動物モデルが開発されている。例えば、悪性慢性疼痛(Kohase,H.ら,Acta Anaesthesiol Scand.2004;48(3):382−3参照);大腿癌の疼痛(Kohase,H.ら,Acta Anaesthesiol Scand.2004;48(3):382−3参照);非悪性の慢性骨の疼痛(Ciocon,J.O.ら,J Am Geriatr Soc.1994;42(6):593−6参照);関節リウマチ(Calvino,B.ら,Behav Brain Res.1987;24(1):11−29参照);骨関節炎(Guzman,R.E.ら,Toxicol Pathol.2003;31(6):619−24参照);脊髄狭窄症(Takenobu,Y.ら,J Neurosci Methods.2001;104(2):191−8参照);神経因性の腰の疼痛(Hines,R.ら,Pain Med.2002;3(4):361−5;Massie,J.B.ら,J Neurosci Methods.2004;137(2):283−9参照);神経因性の腰の疼痛(Hines,R.ら,Pain Med.2002;3(4):361−5;Massie,J.B.ら,J Neurosci Methods.2004;137(2):283−9参照);筋筋膜疼痛症候群(Dalpiaz & Dodds, J Pain Palliat Care Pharmacother.2002;16(1):99−104;Sluka KAら,Muscle Nerve.2001;24(1):37−46参照);線維筋痛(Bennet & Tai,Int J Clin Pharmacol Res.1995;15(3):115−9参照);側頭骨顎関節痛(Ime H,Ren K,Brain Res Mol Brain Res.1999;67(1):87−97参照);慢性内臓痛(腹部を含む)(Al−Chaer,E.D.ら,Gastroenterology.2000;119(5):1276−85参照);骨盤/会陰の疼痛(Wesselmannら,Neurosci Lett.1998;246(2):73−6参照);膵臓の疼痛(Vera−Portocarrero,L.B.ら,Anesthesiology.2003;98(2):474−84参照);IBS疼痛(Verne,G.N.ら,Pain.2003;105(1−2):223−30;La JHら,World Gastroenterol.2003;9(12):2791−5参照);頭の慢性疼痛(Willimas & Stark,Cephalalgia.2003;23(10):963−71参照);偏頭痛(Yamamura,H.ら,J Neurophysiol.1999;81(2):479−93参照);緊張性頭痛(群発頭痛を含む)(Costa,A.ら,Cephalalgia.2000;20(2):85−91参照);慢性神経因性の疼痛(ヘルペス後神経痛を含む)(Attal,N.ら,Neurology.2004;62(2):218−25;Kim & Chung 1992,Pain 50:355参照);糖尿病性神経障害(Beidoun Aら,Clin J Pain.2004;20(3):174−8;Courteix,C.ら,Pain.1993;53(1):81−8参照);HIV関連ニューロパシー(Portegies & Rosenberg,Ned Tijdschr Geneeskd.2001;145(15):731−5;Joseph EKら,Pain.2004;107(1−2):147−58;Oh,S.B.ら,J Neurosci.2001;21(14):5027−35参照);三叉神経痛(Sato,J.ら,Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod.2004;97(1):18−22;Imamura Yら,Exp Brain Res.1997;116(1):97−103参照);シャルコー・マリー・ツースニューロパシー(Sereda,M.ら,Neuron.1996;16(5):1049−60参照);遺伝性感覚性ニューロパシー(Lee,M.J.ら,Hum Mol Genet.2003;12(15):1917−25参照);末梢神経損傷(Attal,N.ら,Neurology.2004;62(2):218−25;Kim & Chung 1992,Pain 50:355;Bennett & Xie,1988,Pain 33:87;Decostered,I.&Woolf,C.J.,2000,Pain 87:149;Shir,Y.& Seltzer,Z.1990;Neurosci Lett 115:62参照);痛みを伴う神経腫(Nahabedian & Johnson,Ann Plast Surg.2001;46(1):15−22;Devor & Raber,Behav Neural Biol.1983;37(2):276−83参照);異所性の近位および遠位の放出(Liu,X.ら,Brain Res.2001;900(1):119−27参照);神経根障害(Devers & Galer,(Clin J Pain.2000;16(3):205−8;Hayashi Nら,Spine.1998;23(8):877−85参照);化学療法による神経因性の疼痛(Aley,K.O.ら,Neuroscience.1996;73(1):259−65参照);放射線治療による神経因性の疼痛;乳腺切除術後の疼痛(Devers & Galer,Clin J Pain.2000;16(3):205−8参照);中心性疼痛(Cahana,A.ら,Anesth Analg.2004;98(6):1581−4参照)、脊髄損傷の疼痛(Hains,B.C.ら,Exp Neurol.2000;164(2):426−37参照);卒中後の疼痛;視床痛(LaBuda,C.J.ら,Neurosci Lett.2000;290(1):79−83参照);複合性局所疼痛症候群(Wallace,M.S.ら,Anesthesiology.2000;92(1):75−83;Xantos Dら,J Pain.2004;5(3 Suppl 2):S1参照);幻想痛(phanton pain)(Weber,W.E.,Ned Tijdschr Geneeskd.2001;145(17):813−7;Levitt & Heyback,Pain.1981;10(1):67−73参照);難治性の疼痛(Yokoyama,M.ら,Can J Anaesth.2002;49(8):810−3参照);急性疼痛、急性の術後疼痛(Koppert,W.ら,Anesth Analg.2004;98(4):1050−5;Brennan,T.J.ら,Pain.1996;64(3):493−501参照);急性の筋骨格系疼痛;関節の疼痛(Gotoh,S.ら,Ann Rheum Dis.1993;52(11):817−22参照);機械的な腰の疼痛(Kehl,L.J.ら,Pain.2000;85(3):333−43参照);首の疼痛;腱炎;怪我/運動による疼痛(Sesay,M.ら,Can J Anaesth.2002;49(2):137−43参照);急性内臓痛(腹部疼痛を含む);腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニアなど(Giambernardino,M.A.ら,Pain.1995;61(3):459−69参照);胸部の疼痛(心臓の疼痛を含む)(Vergona,R.A.ら,Life Sci.1984;35(18):1877−84参照);骨盤痛、腎疝痛、急性分娩痛(陣痛を含む)(Segal,S.ら,Anesth Analg.1998;87(4):864−9参照);帝王切開術による疼痛;急性の炎症、火傷および外傷による疼痛;急性間欠性の疼痛(子宮内膜症を含む)(Cason,A.M.ら,Horm Behav.2003;44(2):123−31参照);急性帯状疱疹による疼痛;鎌状赤血球貧血;急性膵炎(Toma,H;Gastroenterology.2000;119(5):1373−81参照);突出痛;口腔顔面痛(静脈洞炎による疼痛、歯の疼痛を含む)(Nusstein,J.ら,J Endod.1998;24(7):487−91;Chidiac,J.J.ら,Eur J Pain.2002;6(1):55−67参照);多発性硬化症(MS)による疼痛(Sakurai & Kanazawa,J Neurol Sci.1999;162(2):162−8参照);鬱病中の疼痛(Greene B,Curr Med Res Opin.2003;19(4):272−7参照);ハンセン病による疼痛;ベーチェット病による疼痛;有痛脂肪症(Devillers & Oranje,Clin Exp Dermatol.1999;24(3):240−1参照);静脈炎による疼痛;ギラン・バレー病による疼痛;痛む脚と動く足趾症候群;ハグルンド症候群;肢端紅痛症による疼痛(Legroux−Crespel,E.ら,Ann Dermatol Venereol.2003;130(4):429−33参照);ファブリー病による疼痛(Germain,D.P.,J Soc Biol.2002;196(2):183−90参照);膀胱および泌尿生殖器の疾患(尿失禁を含む)(Berggren,T.ら,J Urol.1993;150(5 Pt 1):1540−3参照);過活動膀胱(Chuang,Y.C.ら,Urology.2003;61(3):664−70参照);痛みを伴う膀胱症候群(Yoshimura,N.ら,J Neurosci.2001;21(21):8690−6参照);間質性膀胱炎(interstitial cyctitis)(IC)(Giannakopoulos& Campilomatos,Arch Ital Urol Nefrol Androl.1992;64(4):337−9;Boucher,M.ら,J Urol.2000;164(1):203−8参照);および前立腺炎(Mayersak,J.S.,Int Surg.1998;83(4):347−9;Keith,I.M.ら,J Urol.2001;166(1):323−8参照)。
【0014】
電位依存カルシウムチャネルは、膜貫通型の複数のサブユニットをもつタンパク質であり、膜脱分極に応答して開き、細胞外環境からCaが流入することができる。カルシウムチャネルは、時間および電位に依存してチャネルが開くことと、薬理学的遮蔽に感受性であることに基づいて最初は分類されていた。そのカテゴリーは、低い電位で活性化するもの(主にT−型)および高い電位で活性化するもの(L、N、P、QまたはR−型)であった。この分類スキームは、表Bにまとめられているような分子サブユニット組成に基づく命名法に変更された(Hockerman GH,Peterson BZ,Johnson BD,Catterall WA.1997.Annu Rev Pharmacol Toxicol 37:361−96;Striessnig J.1999.Cell Physiol Biochem 9:242−69)。カルシウムチャネルを作る4種類の主なサブユニットα、αδ、βおよびγが存在する(例えば、De Waardら.Structural and functional diversity of voltage−activated calcium channels.In Ion Channels,(ed.T.Narahashi)41−87,(Plenum Press,NewYork,1996)参照)。αサブユニットは、薬理学的性質の主要な決定因子であり、チャネル孔と電位センサーとを含有する(Hockermanら,1997;Striessnig,1999)。αサブユニットには以下の表Iに示すような10種のイソ型があることが知られている。αδサブユニットは、サブユニットαに結合した2個のジスルフィドからなり、主要な細胞外および膜貫通のδサブユニットである。αδには4種類のイソ型αδ−1、αδ−2、αδ−3およびαδ−4があることが知られている。βサブユニットは、αサブユニットに結合する非グリコシル化細胞質タンパク質である。4種類のイソ型があることが知られており、β〜βと呼ばれている。γサブユニットは膜貫通タンパク質であり、Ca1チャネルおよびCa2チャネルの成分として生物化学的に単離されている。少なくとも8種類のイソ型があることが知られている(γ〜γ)[Kang MG,Campbell KP.2003.J Biol Chem 278:21315−8]。電位依存カルシウムチャネルの命名法は、表Iに示されているように、αサブユニットの内容に基づいている。それぞれのαサブユニットの種類は、種々のβ、αδまたはγサブユニットと関連性があり、それぞれの種類のCaは、サブユニットの多くの異なる組み合わせに対応している。
【0015】
表B
【0016】
【化24】

Ca2電流は、中枢神経系および末端神経系および神経内分泌細胞でほぼ排他的に見いだされ、シナプス前の電位依存カルシウム電流の主要形態を構成する。シナプス前の活動電位によってチャネルが開き、その後にカルシウムが中に入ると急速に神経伝達物質が放出される。このため、Ca2チャネルには神経伝達物質の放出を媒介する役割がある。
【0017】
Ca2.1およびCa2.2は、それぞれペプチド毒素ω−コノトキシン−MVIICおよびω−コノトキシン−GVIAに対する高親和性結合部位を含有し、これらのペプチドによってそれぞれのチャネル型の分布および機能が決定される。Ca2.2は、後根神経節からのニューロンのシナプス前の神経終末および後角の薄膜IおよびIIのニューロンで高濃度に発現する(Westenbroek RE,Hoskins L,Catterall WA.1998.J Neurosci 18:6319−30;Cizkova D,Marsala J,Lukacova N,Marsala M,Jergova Sら 2002.Exp Brain Res 147:456−63)。Ca2.2チャネルは、脊髄で第2の介在ニューロンと第3の介在ニューロンとの間のシナプス前の終末でも見いだされる。この両方の神経伝達は、脳に疼痛に関する情報を中継するのに非常に重要である。
【0018】
疼痛は、おおまかに3種類に分けることができる:急性疼痛、炎症性疼痛および神経因性の疼痛。急性疼痛は、組織損傷を起こしかねない刺激から生命を安全に保つのに重要な保護機能を担う。危険な熱量、機械力または化学物質が入ると、見過ごしてしまうと生命に重篤な損傷を与えてしまう可能性がある。急性疼痛は、損傷をおこす環境から個体を素早く移動させるのに役立つ。急性疼痛はまさにその性質から持続期間は短く、痛みは強い。一方、炎症性痛覚は急性疼痛よりも長く続き、痛みの強さはさまざまである。炎症は、組織損傷、自己免疫応答および病的侵襲を含む多くの理由によって起こり得る。炎症性痛覚は、サブスタンスP、ヒスタミン、酸、プロスタグランジン、ブラジキニン、CGRP、サイトカイン、ATPおよび神経伝達物質放出からなる「炎症スープ(inflammatory soup)」によって媒介される。第3の種類の疼痛は神経因性の疼痛であり、神経タンパク質および回路の再編成によって神経が損傷し、何年にもわたって慢性疼痛を引き起こす病的に「感受性の」状態を生じることを含む。この種類の疼痛には適応利点はなく、特に既存の治療法では処置するのが難しい。
【0019】
疼痛(特に神経因性の疼痛および難治性の疼痛)の治療法が渇望されているが、まだ十分な治療法がない。数百万人が、現在の治療法では十分に制御できない重症の疼痛を患っている。疼痛を処置するのに使用される既存の薬物としては、NSAIDS、COX2インヒビター、オピオイド、三環系抗うつ薬および鎮痙剤が挙げられる。神経因性の疼痛は、オピオイドでは高用量に到達しないと十分に反応しないため、処置するのが特に困難である。ガバペンチンは、神経因性の疼痛を処置するのに現時点では好ましいが、患者の60%にしか効果がなく、中程度の効力しか示さない。しかし、この薬物は非常に安全であり、副作用はほぼ許容範囲内であるが、高用量では鎮静状態になってしまうのが課題である。
【0020】
Cav2.2を神経因性の疼痛を処置するための標的としてよいかどうかは、Cav2.2チャネルの選択的なペプチドブロッカーであるジコノチド(ω−コノトキシン−MVIIAとしても知られる)を用いた試験で妥当性が確認された(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。ジコノチドをヒトの髄腔内に注入すると、難治性の疼痛、癌の疼痛、オピオイド抵抗性の疼痛および神経因性の疼痛の処置に有効である。この毒素でヒトの疼痛を処置すると成功率85%であり、モルヒネよりも効力が高い。Ca2.2の経口投与可能なアンタゴニストは、髄腔内に注入することなく同様の効力を有するはずである。Ca2.1およびCa2.3も侵害経路のニューロンに存在し、これらのチャネルのアンタゴニストを用いて疼痛を処置することができる。
【0021】
Ca2.1、Ca2.2またはCa2.3のアンタゴニストは、過剰なカルシウム取り込みが関与していることが明らかな中枢神経系の他の疾患を処置するのにも有用なはずである。脳虚血および卒中は、ニューロンの脱分極による過剰なカルシウム取り込みが関与している。Ca2.2アンタゴニストであるジコノチドは、実験動物を用いた局所的虚血モデルで梗塞面積を減らすのに効果的であり、このことは、Ca2.2アンタゴニストを卒中の処置に使用できることを示唆している。同様に、ニューロンに過剰なカルシウムが流れるのを減らすことは、てんかん、外傷性脳障害、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症および他の種類の認知症、筋萎縮性側索硬化症、健忘症、または毒または他の毒性基質によって生じるニューロン損傷の処置に有用である。
【0022】
Ca2.2は、交感神経系のニューロンからの神経伝達物質の放出も媒介しており、アンタゴニストを使用して心疾患(例えば、高血圧、心臓の不整脈、狭心症、心筋梗塞およびうっ血心不全)を処置することができる。
【0023】
残念ながら、上述のように、現在使用されているナトリウムチャネルブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーの上述の疾患に対する効力は、多くの副作用によって大部分が限定されてしまっている。これらの副作用としては、種々のCNS撹乱(例えば、視力障害、めまい、吐き気および鎮静状態、および潜在的に生命を脅かす心臓の不整脈および心不全)が挙げられる。従って、NaチャネルアンタゴニストおよびCaチャネルアンタゴニスト、好ましくは高い効力をもち、副作用が少ないものをさらに開発する必要性が依然存在している。残念ながら、上述のように、現時点で使用されているナトリウムチャネルブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーの上述の疾患に対する効力は、多くの副作用によって大部分が限定されてしまっている。これらの副作用としては、種々のCNS撹乱(例えば、視力障害、めまい、吐き気および鎮静状態、および潜在的に生命を脅かす心臓の不整脈および心不全)が挙げられる。従って、NaチャネルアンタゴニストおよびCaチャネルアンタゴニスト、好ましくは高い効力をもち、副作用が少ないものをさらに開発する必要性が依然存在している。
【非特許文献1】Wang,D.W.,K.Yazawaら(1997)「Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels.」J Clin Invest 99(7):1714−20参照
【非特許文献2】Bowersox SS,Gadbois T,Singh T,Pettus M,Wang YX,Luther RR.1996.J Pharmacol Exp Ther 279:1243−9
【非特許文献3】Jain KK. 2000.Exp.Opin.Invest.Drugs 9:2403−10
【非特許文献4】Vanegas H,Schaible H.2000.Pain 85:9−18
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0024】
(発明の概要)
本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な組成物が電位依存ナトリウムチャネルおよび/またはカルシウムチャネルの阻害剤として有用であることがわかっている。これらは式IA、式IB、式ICまたは式IDの化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0025】
【化25】

【0026】
【化26】

これらの化合物および薬学的に受容可能な組成物は、種々の疾患、障害または状態を処置するか、または重篤度を軽減させるのに有用であり、種々の疾患、障害または状態としては、限定されないが、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚、関節炎、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身性の神経痛(general neuralgias)、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、精神疾患、例えば、不安神経症および鬱病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節炎の疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部または頸部の疼痛、重症の疼痛または難治性の疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後の疼痛または癌の疼痛が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(発明の詳細な説明)
(I.本発明の化合物の一般的な記載)
一実施形態では、本発明は、式I−A、式I−B、式I−Cまたは式I−Dの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0028】
【化27】

【0029】
【化28】

〔式中:
Wは、ハロ、OR’、SR’、N(R’)、CHF、CHFまたはCFであり;
とRとはそれらが結合している窒素原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和の3〜8員単環を形成し、この単環は窒素、硫黄または酸素から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子をさらに含み;RおよびRがともに形成した環は、それぞれ独立して1個以上の置換可能な炭素、窒素または硫黄原子でそれぞれのz個の独立した−Rで必要に応じて置換され、zは0〜5であり;
yは0〜5であり;
xは0〜5であり;
、RおよびRはそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;それぞれの場合にRは独立して、−R’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基であり;
R’はそれぞれ独立して、水素であるか、または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であるか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。〕
特定の実施形態では、以下の化合物は除外される。
【0030】
(i)式I−Aの化合物では、一緒になったRおよびRが4−エチル−ピペラジン−1−イルである場合、Wはクロロ、−OH、−OMeまたは−OCHCHOHではなく;
(ii)式I−Bの化合物では、WがOHまたはOMeである場合、一緒になったRおよびR
【0031】
【化29】

ではなく、Kは−C(O)NH、−C(O)OEt、−CNまたは3−メチル−2,4−オキサジアゾール−5−イルであり;
(iii)式I−Bの化合物では、Wがクロロである場合、一緒になったRおよびRは4−メチル−ピペラジン−1−イルではなく;
(iv)式I−Bの化合物では、Wが−NHである場合、一緒になったRおよびRはモルホリン−4−イルまたは2−(メトキシカルボニル)−ピロリジン−1−イルではなく;
(v)式I−Cの化合物では、WがOHまたはOMeである場合、一緒になったRおよびR
【0032】
【化30】

ではなく;
(vi)式I−Cの化合物では、Wがハロまたは−OMeである場合、一緒になったRおよびRは4−メチル−ピペラジン−1−イルではなく;
(vii)式I−Dの化合物では、Wがハロである場合、一緒になったRおよびRはピペリジン−1−イル、4−メトキシカルボニル−ピペリジン−1−イルまたはモルホリン−4−イルではなく;
(viii)式I−Dの化合物では、WがハロまたはOHである場合、一緒になったRおよびRは4−メチル−ピペラジン−1−イルではない。〕
(2.化合物および定義)
本発明の化合物として上に一般的に述べられるものが挙げられ、本明細書中に開示される分類、副分類および種によってさらに説明される。本明細書で使用される場合、他に言及されない限り、以下の定義が適用される。本発明の目的のために、化学元素は、元素周期表、CAS、Handbook of Chemistry and Physics 第75版に従って同定される。さらに、有機化学の一般的な原理は、「Organic Chemistry」(Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999)および「March’s Advanced Organic Chemistry」第5版、Smith,M.B.およびMarch,J.,John Wiley & Sons,New York編集:2001)に記載されており、これらの内容全体は本明細書に参考として組み込まれる。
【0033】
本明細書に記載される場合、本発明の化合物は、例えば上に一般的に説明されるかまたは本発明の特定の分類、副分類、種で例示されるような1個以上の置換基で必要に応じて置換されていてもよい。句「必要に応じて置換された」は、句「置換または非置換の」と相互に交換可能であることが理解される。概して、用語「置換された」は、用語「必要に応じて」とともに用いられていてもそうでなくても、所与の構造中の水素基が特定の置換基で交換されていることを示す。他に言及されない限り、必要に応じて置換された基は、基のそれぞれの置換可能な位置に置換基を有していてもよく、所与の構造中の2個以上の位置で特定の基から選択される2個以上の置換基で置換されている場合、この置換基は、あらゆる位置で同じであっても異なっていてもよい。本発明で想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定な化合物または化学的に実現可能な化合物を形成するものである。用語「安定な」は、本明細書で使用される場合、製造条件、検出条件、好ましくは回収条件、生成条件、本明細書に開示される1つ以上の目的での使用条件にさらされても実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態では、安定な化合物または化学的に実現可能な化合物は、水分が存在しない条件下または他の化学反応が起こらない条件下で40℃未満の温度で少なくとも1週間保持しても実質的に変化しない化合物である。
【0034】
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書中で使用される場合、直鎖(すなわち分枝していない)または分枝の、置換または非置換の完全に飽和であるか、または1つ以上の不飽和単位を含有している炭化水素鎖、または単環または二環の完全に飽和であるか、または1つ以上の不飽和単位を含有している炭化水素であるが、芳香族ではなく(本明細書で「炭素環」、「環状脂肪族」または「シクロアルキル」とも称される)、分子の残りの部分に対して1個の結合点を有するものを意味する。いくつかの実施形態では、「環状脂肪族」(または「炭素環」または「シクロアルキル」)は、単環または二環の完全に飽和であるか、または1つ以上の不飽和単位を含有しており、芳香族ではなく、分子の残りの部分に対して1個の結合点を有し、二環系の場合には任意の環が3〜7個の環原子を有する炭化水素を指す。適切な脂肪族基としては、限定されないが、直鎖または分枝の置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基およびこれらのハイブリッド、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが挙げられる。
【0035】
用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書で使用される場合、1個または2個の炭素原子が1個以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素で独立して交換された脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は、置換または非置換であってもよく、分枝していても分枝していなくてもよく、環状または非環状であってもよく、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環状脂肪族」または「ヘテロ環式」基を含む。
【0036】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ環状脂肪族」および「ヘテロ環式」は、本明細書中で使用される場合、1個以上の環原子が独立して選択されたヘテロ原子であり、非芳香族の単環系、二環系または三環系を意味する。いくつかの実施形態では、「ヘテロ環」基、「ヘテロシクリル」基、「ヘテロ環状脂肪族」基および「ヘテロ環式」基は3〜14個の環原子を有し、1個以上の環原子が酸素、硫黄、窒素またはリンで独立して選択されるヘテロ原子であり、環系のそれぞれの環の環原子は3〜7個である。
【0037】
用語「ヘテロ原子」は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素のうち1個以上を意味する(窒素、硫黄、リンまたはケイ素の任意の酸化形態、塩基性窒素の四級化形態、またはヘテロ環式環の置換可能な窒素、例えば(3,4−ジヒドロ−2H−ピロール中の)N、(ピロリジニル中の)NHまたは(N−置換されたピロリジニル中の)NRを含む)。
【0038】
用語「不飽和」は、本明細書中で使用される場合、1個以上の不飽和単位を有する部分を意味する。
【0039】
用語「アルコキシ」または「チオアルキル」は、本明細書中で使用される場合、上に定義されるようなアルキル基が酸素原子を介して炭素主鎖に結合している基(「アルコキシ」)または硫黄原子を介して炭素主鎖に結合している基(「チオアルキル」)を指す。
【0040】
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」および「ハロアルコキシ」は、1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルケニル基またはアルコキシ基、場合によっては1個以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルケニル基またはアルコキシ基を意味する。用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
【0041】
用語「アリール」は、単独またはさらに大きな部分である「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」の一部として使用され、全部で5〜14個の環原子を有し、この系の少なくとも1個の環が芳香族であり、この系のそれぞれの環の環原子が3〜7個である単環系、二環系、三環系を指す。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換可能に使用される。用語「アリール」は、以下に定義されるようなヘテロアリール環系も指す。
【0042】
用語「ヘテロアリール」は、単独またはさらに大きな部分である「ヘテロアラルキル」、「ヘテロアリールアルコキシ」の一部として使用され、全部で5〜14個の環原子を有し、この系の少なくとも1個の環が芳香族であり、この系の少なくとも1個の環に1個以上のヘテロ原子が含まれており、この系のそれぞれの環の環原子が3〜7個である単環系、二環系、三環系を指す。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または用語「ヘテロ芳香族」と互換可能に使用される。
【0043】
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキルなどを含む)基またはヘテロアリール(ヘテロアラルキルおよびヘテロアリールアルコキシなどを含む)基は、1個以上の置換基を含有してもよく、「必要に応じて置換されて」いてもよい。本明細書中で他に言及されない限り、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の適切な置換基は、一般的に、ハロゲン;−R°;−OR°;−SR°;R°で必要に応じて置換されたフェニル(Ph);R°で必要に応じて置換された−O(Ph);R°で必要に応じて置換された−(CH1〜2(Ph);R°で必要に応じて置換された−CH=CH(Ph);−NO;−CN;−N(R°);−NR°C(O)R°;−NR°C(S)R°;−NR°C(O)N(R°);−NR°C(S)N(R°);−NR°COR°;−NR°NR°C(O)R°;−NR°NR°C(O)N(R°);−NR°NR°COR°;−C(O)C(O)R°;−C(O)CHC(O)R°;−COR°;−C(O)R°;−C(S)R°;−C(O)N(R°);−C(S)N(R°);−OC(O)N(R°);−OC(O)R°;−C(O)N(OR°)R°;−C(NOR°)R°;−S(O)R°;−S(O)R°;−SON(R°);−S(O)R°;−NR°SON(R°);−NR°SOR°;−N(OR°)R°;−C(=NH)−N(R°);−P(O)R°;−PO(R°);−OPO(R°);−(CH0〜2NHC(O)R°;R°で必要に応じて置換されたフェニル(Ph);R°で必要に応じて置換された−O(Ph);R°で必要に応じて置換された−(CH1〜2(Ph);またはR°で必要に応じて置換された−CH=CH(Ph)から選択され、R°はそれぞれ独立して、水素、必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族、非置換の5〜6員ヘテロアリール環またはヘテロ環式環、フェニル、−O(Ph)または−CH(Ph)から選択されるか、または上の定義にかかわらず、同じ置換基上または異なる置換基上にある2個の独立したR°がそれぞれのR°が結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。
【0044】
本明細書で他に特定されない限り、脂肪族基R°上の任意の置換基は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)またはハロC1〜4脂肪族から選択され、上のR°のそれぞれのC1〜4脂肪族基は置換されていない。
【0045】
脂肪族またはヘテロ脂肪族基または非芳香族のヘテロ環式環は、1個以上の置換基を含有していてもよく、「必要に応じて置換されて」いてもよい。本明細書で他に特定されない限り、脂肪族またはヘテロ脂肪族基または非芳香族のヘテロ環式環の飽和炭素上の適切な置換基は、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和炭素について上に列挙されたものと、=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)または=NRとから選択され、各Rは独立して水素または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基から選択される。
【0046】
本明細書で他に特定されない限り、非芳香族ヘテロ環式環の窒素上の任意の置換基は、一般的に、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R+1、−C(=NH)−N(Rまたは−NRSOから選択され、Rは、水素、必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族、必要に応じて置換されたフェニル、必要に応じて置換された−O(Ph)、必要に応じて置換された−CH(Ph)、必要に応じて置換された−(CH1〜2(Ph)、必要に応じて置換された−CH=CH(Ph)、または酸素、窒素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む非置換の5〜6員ヘテロアリール環またはヘテロ環式環、または上の定義にかかわらず、同じ置換基上または異なる置換基上にある2個の独立したRがそれぞれのRが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。
【0047】
本明細書で他に特定されない限り、Rの脂肪族基上またはフェニル環上の任意の置換基は、−NH、−NH(C1〜4脂肪族)、−N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、−OH、−O(C1〜4脂肪族)、−NO、−CN、−COH、−CO(C1〜4脂肪族)、−O(ハロC1〜4脂肪族)またはハロ(C1〜4脂肪族)から選択され、上のRのそれぞれのC1〜4脂肪族基は置換されていない。
【0048】
用語「アルキリデン鎖」は、完全に飽和または1個以上の不飽和単位を有し、分子の残りの部分に対して2個の結合点を有する直鎖または分枝の炭素鎖を指す。
【0049】
上で詳細に示されるように、いくつかの実施形態では、2個のR°(またはR、R、R’または本明細書に同様に定義される他の変数)は、それらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。
【0050】
2個のR°(またはR、R、R’または本明細書に同様に定義される他の変数)は、それらが結合しているそれぞれの変数とともに形成する環の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。(a)同じ原子に結合している2個のR°(またはR、R、R’または本明細書に同様に定義される他の変数)は、それらが結合している原子とともに、環、例えばN(R°)を形成し、ここで、R°は窒素原子とともにピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基またはモルホリン−4−イル基を形成する。(b)異なる原子に結合している2個のR°(またはR、R、R’または本明細書に同様に定義される他の変数)は、それらが結合している両原子とともに、例えば2個のOR°で置換されたフェニル基
【0051】
【化31】

を形成し、ここで、2個のR°はそれらが結合している酸素原子とともに酸素を含有する縮合6員環
【0052】
【化32】

を形成する。2個のR°(またはR、R、R’または本明細書に同様に定義される他の変数)がそれらが結合している変数とともに種々の他の環を形成させることができ、上に詳細に記載された例は限定を目的とするものではないことが理解される。
【0053】
本明細書で他に特定されない限り、本明細書に示される構造は、その構造のあらゆる異性体形態(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または構造異性体))、例えば、各不斉中心でのRおよびS構造、二重結合の(Z)および(E)異性体、および(Z)および(E)構造異性体を含むことを意味する。そのために、本発明の1個の立体化学異性体およびエナンチオマー、ジアステレオマーおよび幾何異性体(または構造異性体)の混合物は、本発明の範囲内である。他に言及されない限り、本発明の化合物のあらゆる互変異性体は本発明の範囲内である。さらに、他に言及されない限り、本明細書に示される構造は、1つ以上の同位体元素を豊富に含む原子が存在しているということだけが異なっている化合物を含むことも意味する。例えば、水素原子を重水素または三重水素に交換した以外は同じ構造を有する化合物、または炭素原子を13C−または14C−が豊富な炭素に交換した以外は同じ構造を有する化合物、または窒素原子を15N窒素に交換した以外は同じ構造を有する化合物は本発明の範囲内にある。このような化合物は、例えば、分析ツールまたは生物学的アッセイのプローブとして有用である。
【0054】
(3.例示的な化合物に関する記載)
本発明の一実施形態では、RとRとがアゼチジル環
【0055】
【化33】

を形成する。
【0056】
本発明の別の実施形態では、RとRとがピロリジニル環
【0057】
【化34】

を形成する。
【0058】
本発明の別の実施形態では、RとRとがピペリジニル環
【0059】
【化35】

を形成する。
【0060】
本発明の別の実施形態では、RとRとがピペラジニル環
【0061】
【化36】

を形成する。
【0062】
本発明の別の実施形態では、RとRとがモルホリニル環
【0063】
【化37】

を形成する。
【0064】
本発明の別の実施形態では、RとRとがチオモルホリニル環
【0065】
【化38】

を形成する。
【0066】
本発明の別の実施形態では、RとRとがアゼパニル環
【0067】
【化39】

を形成する。
【0068】
本発明の別の実施形態では、RとRとがアゾカニル環
【0069】
【化40】

を形成する。
【0070】
一実施形態では、RとRとが以下に示す環(ii)または(jj)を形成する。
【0071】
【化41】

〔式中、
は、−N−、−CH−NH−または−CH−CH−NH−であり;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
は0〜2であり;
zは0〜4であり;
各RXXは、水素、C1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり;RXXは、それぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wは0〜3であり;
ただし、RXXが2個とも同時に水素ではなく;
YYは、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’または−PO(R’)であり;
11はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。〕
本発明の一実施形態では、1個のRXXが水素であり、他のRXXが水素ではない。
【0072】
本発明の別の実施形態では、RXXが2個とも水素ではない。
【0073】
本発明の一実施形態では、pが0である。または、pが1である。または、pが2である。
【0074】
本発明の一実施形態では、mおよびnがそれぞれ1である。または、mおよびnがそれぞれ2である。または、mおよびnがそれぞれ3である。
【0075】
本発明の一実施形態では、RXXがC1〜6脂肪族基であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である。または、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換されたC1〜C6アルキル基であり、wが0〜3である。
【0076】
本発明の一実施形態では、RXXがC1〜C6アルキル基である。
【0077】
本発明の別の実施形態では、RXXが窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である。
【0078】
別の実施形態では、RXXが、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である。
【0079】
別の実施形態では、RXXが窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である。
【0080】
別の実施形態では、RYYが、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’または−PO(R’)である。
【0081】
または、RYYが水素である。
【0082】
別の実施形態では、RYYが、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’または−PO(R’)である。
【0083】
一実施形態では、Rが水素である。または、RがC1〜C6アルキルである。好ましくは、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。
【0084】
別の実施形態では、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0085】
さらに別の実施形態では、pが0であり、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0086】
別の実施形態では、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0087】
さらに別の実施形態では、pが0であり、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0088】
本発明の一実施形態では、RとRとが以下に示す環
【0089】
【化42】

を形成する。
【0090】
一実施形態では、RXXがC1〜C6アルキルである。
【0091】
一実施形態では、RXXが、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルである。
【0092】
一実施形態では、RとRとが以下に示す環(kk)を形成する。
【0093】
【化43】

〔式中、
は−N−またはCHであり;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
は0〜2であり;ただし、GがNである場合、pは0ではなく;
は0または1であり;
zは0〜4であり;
Spは、単結合またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、C1〜C6アルキリデンリンカーである場合、2個までのメチレン単位は、必要に応じて独立して、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−または−NR’SONR’−と交換され;
環Bは、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4であり;
12はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。〕
一実施形態では、GがNである。または、GがCHである。
【0094】
一実施形態では、pが0である。または、pが1である。または、pが2である。
【0095】
別の実施形態では、qが0である。または、qが1である。
【0096】
一実施形態では、pが1であり、qが1である。
【0097】
別の実施形態では、GがCHであり、pが0であり、qが1である。
【0098】
一実施形態では、mおよびnがそれぞれ1である。または、mおよびnがそれぞれ2である。
【0099】
別の実施形態では、Spが−O−、−S−または−NR’−から選択される。一実施形態では、Spが−O−である。または、Spが−NR’−である。または、Spが−NH−である。
【0100】
一実施形態では、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0101】
別の実施形態では、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0102】
さらに別の実施形態では、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0103】
一実施形態では、wが0である。
【0104】
別の実施形態では、環Bがテトラヒドロフラニルである。
【0105】
さらに別の実施形態では、
(i)Spが単結合、Oまたは−O−CH−であり;
(ii)pが1であり;
(iii)Rが水素であり;
(iv)nおよびmは両方とも同時に1または2である。
【0106】
一実施形態では、Rが水素である。または、RがC1〜C6アルキルである。好ましくは、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。
【0107】
一実施形態では、RとRとが以下に示す式(kk−i)または式(kk−ii)の環
【0108】
【化44】

を形成する。
【0109】
一実施形態によれば、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0110】
別の実施形態によれば、Rが水素である。または、Rが水素であり、環Bがテトラヒドロフラニルである。
【0111】
さらに別の実施形態によれば、Spが単結合、−O−または−O−CH−である。
【0112】
一実施形態では、RとRとが以下に示す環(II)
【0113】
【化45】

を形成する。
【0114】
〔式中、
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
zは0〜4であり;
Spは、−O−、−S−、−NR’−またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、C1〜C6アルキリデンリンカーである場合、2個までのメチレン単位は、必要に応じて独立して、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−または−NR’SONR’−と交換され、ただし、Spは炭素原子以外の原子を介してカルボニル基に結合しており;
環Bは、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4であり;
13はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。〕
一実施形態では、Spが、−O−、−S−または−NR’−から選択される。または、Spが−O−である。または、Spが−O−CH−である。別の実施形態では、Spが−NR’−である。または、Spが−NH−である。または、Spが−NH−CH−である。
【0115】
一実施形態では、mおよびnがそれぞれ1である。別の実施形態では、mおよびnがそれぞれ2である。
【0116】
一実施形態では、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0117】
別の実施形態では、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0118】
さらに別の実施形態では、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0119】
一実施形態では、wが0である。
【0120】
別の実施形態では、環Bがテトラヒドロフラニルである。
【0121】
さらに別の実施形態では、Spが単結合、Oまたは−O−CH−であり;Rが水素であり;nおよびmが両方とも同時に1または2である。
【0122】
一実施形態では、Rが水素である。または、RがC1〜C6アルキルである。好ましくは、Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである。
【0123】
別の実施形態では、zが0である。
【0124】
一実施形態によれば、環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である。
【0125】
別の実施形態によれば、Rは水素である。または、Rが水素であり、環Bがテトラヒドロフラニルである。
【0126】
さらに別の実施形態によれば、Spが単結合、−O−、−O−CH−または−NH−CHである。
【0127】
一実施形態では、RとRとが以下に示す環(mm)
【0128】
【化46】

を形成する。
【0129】
〔式中、
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
は1〜2であり;
YZはw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC〜C脂肪族基であり、wは0〜3であり;
14はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。〕
一実施形態では、pが1である。または、pが2である。
【0130】
一実施形態では、mおよびnがそれぞれ1である。または、mおよびnがそれぞれ2である。または、mおよびnがそれぞれ3である。
【0131】
一実施形態では、RYZがw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC1〜C6脂肪族基であり、wが0〜3である。別の実施形態では、RYZがw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC1〜C4アルキル基であり、wが0〜3である。または、RがC1〜C6アルキル基である。
【0132】
一実施形態では、Rが水素である。または、RがC1〜C6アルキルである。好ましくは、Rがメチル、エチル、プロピルまたはブチルである。
【0133】
別の実施形態では、RとRとが以下に示す環(mm−1)
【0134】
【化47】

を形成する。
【0135】
〔式中、
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
は1〜2であり;
YZはw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC〜C脂肪族基であり、wは0〜3であり;
YZの2個までのメチレン単位が、−NR−、−O−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−CONR−、−CO−、−SONR−または−NRSO−と必要に応じて交換され、
14はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む。〕
一実施形態では、pが1である。または、pが2である。
【0136】
一実施形態では、pが0である。
【0137】
一実施形態では、mおよびnがそれぞれ1である。または、mおよびnがそれぞれ2である。または、mおよびnがそれぞれ3である。
【0138】
一実施形態では、RYZがw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC1〜C6アルキルであり、wが0〜3である。別の実施形態では、RYZがw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC1〜C4アルキル基であり、wが0〜3である。または、RがC1〜C6アルキル基である。
【0139】
一実施形態では、Rが水素である。または、RがC1〜C6アルキルである。好ましくは、Rがメチル、エチル、プロピルまたはブチルである。
【0140】
別の実施形態では、本発明は、式mm−2またはmm−3の化合物:
【0141】
【化48】

を形成する。
【0142】
式mm−2またはmm−3の一実施形態では、RYZが非置換のC〜C脂肪族基である。
【0143】
式mm−2の一実施形態では、RYZが、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCH(CHまたは−CHC(CHである。
【0144】
式mm−3の一実施形態では、RYZが、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CHCHCH、−CHCH(CHまたは−CHC(CHである。
【0145】
一実施形態では、RとRとが以下に示す環(nn)
【0146】
【化49】

を形成する。
【0147】
一実施形態では、Gが−N−である。または、Gが−CH−NH−である。または、Gが−CH−CH−NH−である。
【0148】
別の実施形態では、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0149】
さらに別の実施形態では、pが0であり、RYYは水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0150】
一実施形態では、RとRとが以下に示す環(pp)
【0151】
【化50】

を形成する。
【0152】
別の実施形態では、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0153】
さらに別の実施形態では、pが0であり、RYYは水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである。
【0154】
本発明の一実施形態では、WがOR’である。別の実施形態では、WがOHである。
【0155】
本発明の一実施形態では、WがSR’である。別の実施形態では、WがSHである。
【0156】
本発明の一実施形態では、WがN(R’)2である。別の実施形態では、WがNHR’である。または、WがNHである。
【0157】
本発明の一実施形態では、WがCHFまたはCHFである。一実施形態では、WがCHFである。別の実施形態では、WがCHFである。
【0158】
別の実施形態では、WがCFである。
【0159】
本発明の一実施形態では、zが0〜5である。別の実施形態では、zが1〜3である。さらに別の実施形態では、zが1〜2である。さらに別の実施形態では、zが1である。
【0160】
本発明の一実施形態では、Rが独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)であるか、C〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロ環状脂肪族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、環状脂肪族C〜Cアルキルまたはヘテロ環状脂肪族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0161】
本発明の別の実施形態では、Rが独立して、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SO(CHCH、−SOCH(CH、−SON(CH、−SOCHCH、−C(O)OCHCH(CH、−C(O)NHCHCH(CH、−NHCOOCH、−C(O)C(CH、−COO(CHCH、−C(O)NHCH(CH、−C(O)CHCHであるか、または−ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHシクロヘキシル、ピリジル、−CHピリジルまたは−CHチアゾリルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0162】
本発明の一実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−NRSOR’、−NRCOOR’または−NRCOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRSOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRCOOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRCOR’である。
【0163】
さらに別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピロリジン−1−イル(bb)であり、zが1または2であり、Rが、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’または−CHOR’である。
【0164】
別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれCl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’または−CHOR’、−NRSOR’、−NRCOOR’または−OCON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが、F、CF、CH、−CHCH、−OR’または−CHOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが−NRSOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが−NRCOOR’である。
【0165】
さらに別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−SOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である。別の実施形態では、RおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−COR’である。
【0166】
さらに別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−SOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−COR’である。
【0167】
さらに別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−SOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−COR’である。
【0168】
さらに別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−SOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−COOR’である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である。別の実施形態では、一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−COR’である。
【0169】
一実施形態では、yが0〜5である。別の実施形態では、yが0である。または、yが1〜3である。別の実施形態では、yが1〜2である。または、yが1である。
【0170】
一実施形態では、Rが独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−S(O)N(R’)、−OCOR’、−COR’、−COR’、−OCON(R’)、−NR’SOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、−OPO(R’)であるか、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロ環状脂肪族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、環状脂肪族C〜Cアルキルまたはヘテロ環状脂肪族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0171】
別の実施形態では、Rが独立して、Cl、Br、F、CF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SONHC(CH、−OCOC(CH、−OCOCHC(CH、−O(CHN(CH、4−CH−ピペラジン−1−イル、OCOCH(CH、OCO(シクロペンチル)、−COCH、必要に応じて置換されたフェノキシまたは必要に応じて置換されたベンジルオキシである。
【0172】
別の実施形態では、RがFである。または、RがOR’である。一実施形態では、RがOHである。
【0173】
一実施形態では、本発明は、式I−A−i、式I−B−i、式I−C−iまたは式I−D−iを有する化合物
【0174】
【化51】

【0175】
【化52】

またはその薬学的に受容可能な塩を提供する。
【0176】
〔式中、R、R、R、R、xおよびyは上に定義されるとおりである〕。
【0177】
一実施形態では、xおよびyが両方とも0である。別の実施形態では、xが1であり、RがX−Rである。
【0178】
一実施形態では、XがC1〜C6アルキリデンである。別の実施形態では、XがC1〜C4アルキリデンである。または、Xが−CH−である。
【0179】
一実施形態では、Rが独立して、−R’、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択される。
【0180】
別の実施形態では、RがR’である。
【0181】
一実施形態では、xが1である。または、xが2である。または、xが3である。
【0182】
一実施形態では、Rが水素である。一実施形態では、Rが独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)であるか、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロ環状脂肪族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、環状脂肪族C〜Cアルキルまたはヘテロ環状脂肪族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0183】
さらに別の実施形態では、Rがそれぞれ独立して、Cl、Br、F、CF、−OCF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−NHCOCH(CH、−SONH、−CONH(シクロプロピル)、−CONHCH、−CONHCHCHであるか、または−ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジルまたはベンジルオキシから選択される必要に応じて置換された基である。
【0184】
別の実施形態では、Rがそれぞれ独立して、ハロゲン、CN、必要に応じて置換されたC〜Cアルキル、OR’、N(R’)、CON(R’)またはNRCOR’である。
【0185】
さらに別の実施形態では、各Rが独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCHまたは−CNである。
【0186】
さらに別の実施形態では、各Rが独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCHまたは−CNである。
【0187】
別の実施形態では、Rが独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCHまたは−OCHCHから選択される。
【0188】
さらに他の実施形態では、Rが独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCHまたは−OCHCHから選択される。
【0189】
別の実施形態では、Rが−CON(R’)または−NRCOR’である。
【0190】
別の実施形態では、RおよびRがそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCHまたは−OCHCHから選択される。
【0191】
一実施形態では、本発明は、式I−A−ii、式I−B−ii、式I−C−iiまたは式I−D−iiを有する化合物
【0192】
【化53】

を提供する。
【0193】
〔式中、RおよびRは上に定義されるとおりである〕。
【0194】
別の実施形態では、本発明は、以下の表2に示される化合物を提供する。
【0195】
【化54】

別の実施形態では、本発明は、以下から選択される化合物を提供する。
【0196】
【化55】

(4.一般的な合成方法)
本発明の化合物は、一般的に当業者に既知の方法によって調製されてもよい。本発明の化合物を調製するための例示的な合成経路を以下に示す。
【0197】
式IAの化合物は、以下のスキーム1に示されるように調製されてもよい。
【0198】
スキーム1
【0199】
【化56】

式IA−iの化合物は、以下のスキーム2に示されるように調製されてもよい。
【0200】
スキーム2
【0201】
【化57】

式IBの化合物は、以下のスキーム3に示されるように調製されてもよい。
【0202】
スキーム3
【0203】
【化58】

式IB−1の化合物は、以下のスキーム4に示されるように調製されてもよい。
【0204】
スキーム4
【0205】
【化59】

式ICの化合物は、以下のスキーム5に示されるように調製されてもよい。
【0206】
スキーム5
【0207】
【化60】

式IC−iの化合物は、以下のスキーム6に示されるように調製されてもよい。
【0208】
【化61】

式IDの化合物は、以下のスキーム7に示されるように調製されてもよい。
【0209】
スキーム7
【0210】
【化62】

式ID−iの化合物は、以下のスキーム8に示されるように調製されてもよい。
【0211】
スキーム8
【0212】
【化63】

スキーム9
【0213】
【化64】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃
スキーム10:式IA(ii)の化合物
【0214】
【化65】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃;(c)脱保護:Bocの場合 1:1 TFA/DCM、室温;Bnの場合 H、Pd/C;Bzの場合 NaOH、RSiの場合 TBAFなど;(d)酸塩化物の場合、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸の場合、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’の場合、THFまたはDMF、加熱。
【0215】
スキーム11:式IA(jj)の化合物
【0216】
【化66】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃;(c)脱保護:Bocの場合 1:1 TFA/DCM、室温;Bnの場合 H、Pd/C;Bzの場合 NaOH、RSiの場合 TBAFなど;(d)酸塩化物の場合、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸の場合、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’の場合、THFまたはDMF、加熱。
【0217】
スキーム12:式IA(kk)の化合物
【0218】
【化67】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃;(c)脱保護:Bocの場合 1:1 TFA/DCM、室温;Bnの場合 H、Pd/C;Bzの場合 NaOH、RSiの場合 TBAFなど;(d)X=Cl、BrまたはFの場合、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸の場合、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’の場合、THFまたはDMF、加熱。
【0219】
スキーム13:式IA(II)の化合物
【0220】
【化68】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃;(c)脱保護:Bocの場合 1:1 TFA/DCM、室温;Bnの場合 H、Pd/C;Bzの場合 NaOH、RSiの場合 TBAFなど;(d)X=Cl、BrまたはFの場合、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸の場合、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’の場合、THFまたはDMF、加熱。
【0221】
スキーム14:式IA(mm)の化合物
【0222】
【化69】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃;(c)脱保護:Bocの場合 1:1 TFA/DCM、室温;Bnの場合 H、Pd/C;Bzの場合 NaOH、RSiの場合 TBAFなど;(d)X=Cl、CClまたはイミダゾリルの場合、DCMまたはTHF、EtN;X=OR’の場合、THFまたはDMF、加熱。
【0223】
スキーム15:式IA(nn)の化合物
【0224】
【化70】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃;(c)脱保護:Bocの場合 1:1 TFA/DCM、室温;Bnの場合 H、Pd/C;Bzの場合 NaOH、RSiの場合 TBAFなど;(d)酸塩化物の場合、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸の場合、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’の場合、THFまたはDMF、加熱。
【0225】
スキーム16:式IA(pp)の化合物
【0226】
【化71】

条件:(a)RNH、EtN、DMF、160℃;(b)Pd(OAc)、KPO、Xantphos、トルエン、HO、150℃;(c)脱保護:Bocの場合 1:1 TFA/DCM、室温;Bnの場合 H、Pd/C;Bzの場合 NaOH、RSiの場合 TBAFなど;(d)酸塩化物の場合、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸の場合、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’の場合、THFまたはDMF、加熱。
【0227】
式IA−iの化合物は、以下のスキーム17に示されるように調製されてもよい。
【0228】
【化72】

条件:(a)MeNH、EDCI、DMF;(b)LDA、THF、−78℃;(c)n−BuLi、THF;(d)POCl;(e)i.KCO、RNH、DMF;ii.脱保護。
【0229】
式IBの化合物は、以下のスキーム4に示されるように調製されてもよい。
【0230】
スキーム18
【0231】
【化73】

条件:(a)t−BuOK;(b)POCl;(c)RNH、110℃、2〜12時間
式IB−1の化合物は、以下のスキーム19に示されるように調製されてもよい。
【0232】
スキーム19
【0233】
【化74】

条件:(a)t−BuOK;(b)POCl;(c)i.RNH、110℃、2〜12時間;ii.脱保護。
【0234】
式ICの化合物は、以下のスキーム20に示されるように調製されてもよい。
【0235】
スキーム20
【0236】
【化75】

条件:(a)i.DPPA、DBU、THF;ii.PhP、THF、HO;(b)NaOH、MeOH、HO;(c)POCl;(d)RNH、DMF
式IC−iの化合物は、以下のスキーム21に示されるように調製されてもよい。
【0237】
スキーム21
【0238】
【化76】

条件:(a)i.DPPA、DBU、THF;ii.PhP、THF、HO;(b)NaOH、MeOH、HO;(c)POCl;(d)i.RNH、DMF;ii.脱保護。
【0239】
式IDの化合物は、以下のスキーム22に示されるように調製されてもよい。
【0240】
スキーム22
【0241】
【化77】

条件:(a)POClNH;(b)NaCO、PdCl(dppf)・CHCl、CHCN、140℃
式ID−iの化合物は、以下のスキーム23に示されるように調製されてもよい。
【0242】
スキーム23
【0243】
【化78】

条件:(a)POClNH;(b)i.NaCO、PdCl(dppf)・CHCl、CHCN、140℃;ii.脱保護。
【0244】
(5.使用、処方化および投与)
(薬学的に受容可能な組成物)
上述のように、本発明は、電位依存ナトリウムイオンチャネルおよび/またはカルシウムチャネルの阻害剤である化合物を提供し、本化合物は、疾患、障害または状態を処置するのに有用であり、種々の疾患、障害または状態としては、限定されないが、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚、関節炎、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身性の神経痛(general neuralgias)、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、精神疾患、例えば、不安神経症および鬱病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群および失禁が挙げられる。従って、本発明の別の局面では、本明細書に記載のいずれかの化合物を含み、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを必要に応じて含む薬学的に受容可能な組成物が提供される。特定の実施形態では、これらの組成物は、必要に応じて1個以上の治療薬剤をさらに含む。
【0245】
本発明の特定の化合物が処置のために遊離形態で存在しうるか、または適切な場合にはその薬学的に受容可能な誘導体の形態で存在しうることも理解される。本発明によれば、薬学的に受容可能な誘導体としては、限定されないが、薬学的に受容可能な塩、エステル、このエステルの塩、または必要とする患者に投与すると直接的または間接的に本明細書に記載の化合物を提供可能な任意の他の付加物または誘導体、またはその代謝物または残渣が挙げられる。
【0246】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを引き起こさずにヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するのに適した妥当な対危険便益比を有する妥当な医学的判断の範囲内にある塩を指す。「薬学的に受容可能な塩」は、本発明の化合物の任意の毒性のない塩またはエステルの塩であり、受容者に投与すると直接的または間接的に本発明の化合物を与えるか、または阻害活性を有する代謝物または残渣を与える塩を意味する。本明細書で使用される場合、用語「阻害活性を有する代謝物または残渣」は、代謝物または残渣が電位依存ナトリウムイオンチャネルまたはカルシウムチャネルの阻害剤であることを意味している。
【0247】
薬学的に受容可能な塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19(本明細書に参考として組み込まれる)で薬学的に受容可能な塩について詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、適切な無機および有機の酸および塩基を含む。薬学的に受容可能な毒性のない酸付加塩の例は、アミノ基と無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)とで形成される塩またはアミノ基と有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)とで形成される塩、またはイオン交換のような当該技術分野で使用される他の方法を用いて形成される塩である。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1〜4アルキル)塩が挙げられる。本発明は、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基を四級化したものも想定している。この四級化によって水溶性または油溶性または水分散性または油分散性の生成物を得ることができる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。さらに、薬学的に受容可能な塩としては、適切な場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、シュウ酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンのような対イオンを用いて形成される毒性のないアンモニウム塩、四級アンモニウム塩、およびアミンカチオンの塩が挙げられる。
【0248】
上述のように、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルをさらに含み、本明細書で使用される場合、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルとしては、望ましい特定の投薬形態に適した任意のあらゆる溶媒、希釈剤または他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、表面活性化剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体バインダー、滑沢剤などが挙げられる。Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)には、薬学的に受容可能な組成物の処方化に用いる種々のキャリアと、既知の調製技術とが開示されている。例えば、生体に任意の望ましくない影響を与えるか、そこまでではなくても薬学的に受容可能な組成物の任意の他の成分と相互作用して悪影響を与えることで本発明の化合物と不適合な従来のキャリア媒体を除き、従来のキャリア媒体を使用することは本発明の範囲内であると考えられる。薬学的に受容可能なキャリアとして役立ちうる物質のいくつかの例としては、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、バッファー基質(例えば、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウム)、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂)、糖類(例えば、ラクトース、グルコースおよびショ糖);デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);粉末状トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、ココアバターおよび坐剤用ワックス);油類、例えば、ピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油および大豆油;グリコール類;例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール;エステル類、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝化剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;非発熱性の水;等張性食塩水;Ringer溶液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝化溶液、および他の毒性がなく適合性の滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、および着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、保存剤および酸化防止剤が挙げられ、これらの物質は、考案者の判断に従って組成物中に存在させることができる。
【0249】
(化合物および薬学的に受容可能な組成物の使用)
さらに別の局面では、有効量の化合物またはこの化合物を含む薬学的に受容可能な組成物を必要とする被検体に投与する工程を含む、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚、関節炎、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身性の神経痛(general neuralgias)、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、精神疾患、例えば、不安神経症および鬱病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節炎の疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部または頸部の疼痛、重症の疼痛または難治性の疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後の疼痛または癌の疼痛を処置するか、または重篤度を軽減させる方法が提供される。特定の実施形態では、有効量の化合物または薬学的に受容可能な組成物を必要とする被検体に投与する工程を含む、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚を処置するか、または重篤度を軽減させる方法が提供される。特定の他の実施形態では、有効量の化合物または薬学的に受容可能な組成物を必要とする被検体に投与する工程を含む、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部の疼痛または頸部の疼痛を処置するか、または重篤度を軽減させる方法が提供される。さらに他の実施形態では、有効量の化合物または薬学的に受容可能な組成物を必要とする被検体に投与する工程を含む、重症の疼痛または難治性の疼痛、急性疼痛、手術後の疼痛、背中の疼痛、耳鳴りまたは癌の疼痛を処置するか、または重篤度を軽減させる方法が提供される。
【0250】
本発明の特定の実施形態では、化合物または薬学的に受容可能な組成物の「有効量」は、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚、関節炎、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身性の神経痛(general neuralgias)、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、精神疾患、例えば、不安神経症および鬱病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節炎の疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部または頸部の疼痛、重症の疼痛または難治性の疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後の疼痛、耳鳴りまたは癌のうち1つ以上の疼痛を処置するか、または重篤度を軽減させるのに有効な量のことである。
【0251】
本化合物および組成物は、本発明の方法によれば、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚、関節炎、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身性の神経痛(general neuralgias)、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、精神疾患、例えば、不安神経症および鬱病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節炎の疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部または頸部の疼痛、重症の疼痛または難治性の疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後の疼痛、耳鳴りまたは癌のうち1つ以上の疼痛を処置するか、または重篤度を軽減させるために有効な量および投与経路で投与されてもよい。実際に必要な量は被検体の種族、年齢および全身状態、感染の重篤度、特定の薬剤、投与態様などに依存して被験者によって変わる。本発明の化合物は、好ましくは、投与を容易にし、投薬量を均一にするために単位投薬形態で処方化される。「単位投薬形態」という表現が本明細書で使用される場合、処置される患者に適した物理的に別個の薬剤単位を指す。しかし、本発明の化合物および組成物の1日の全使用量は、妥当な医学的判断の範囲内で担当医によって決定されることが理解される。任意の特定の患者または臓器に特定の有効な投薬量は、種々の因子に依存する。種々の因子としては、処置される障害およびその障害の重篤度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事内容;使用される特定の化合物の投与期間、投与経路、および排出速度;処置期間;使用される特定の化合物と組み合わせて同時に使用される薬物など医学分野で周知の因子が挙げられる。用語「患者」は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0252】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、処置される感染の重篤度に依存して、ヒトおよび他の動物に経口投与、直腸内投与、非経口投与、嚢内投与、膣内投与、腹腔内投与、局所投与(粉末、軟膏または滴剤として)、口腔投与(bucally)(経口スプレーまたは経鼻スプレーなどとして)することができる。特定の実施形態では、本発明の化合物は、望ましい治療効果を得るために1日に被検体の体重あたり約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgの投薬量を1日に1回以上経口投与または非経口投与してもよい。
【0253】
経口投与のための液体投薬形態としては、限定されないが、薬学的に受容可能なエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。活性化合物に加えて、この液体投薬形態は、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、これらの混合物を含有してもよい。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤および香料も含むことができる。
【0254】
注射用調製物(例えば、滅菌注射用の水性懸濁液または油性懸濁液)は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて既知の技術に従って処方化されてもよい。滅菌注射用調製物は、非毒性の非経口に受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射用の溶液、懸濁液またはエマルションであることもできる(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液)。使用可能で受容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、Ringer溶液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌の固定油も溶媒または懸濁媒体として一般的に使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意のブランドの固定油を使用することができる。さらに、注射用液を調製するのに脂肪酸(例えばオレイン酸)が使用される。
【0255】
注射用処方物は、例えば、菌保持フィルターによるろ過によって、または使用前に滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散可能な滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。
【0256】
本発明の化合物の効果を長持ちさせるために、皮下注射液または筋肉内注射液からの化合物の吸収を遅らせることが望ましいことが多い。これは、結晶またはアモルファスの物質を含み、水溶性の低い液体懸濁液を使用することによって達成することができる。化合物の吸収速度は、化合物の溶解速度に依存し、言い換えると、その結晶サイズおよび結晶形態に依存することがある。あるいは、非経口で投与される形態の化合物の吸収を遅らせるには、油性ビヒクルに化合物を溶解または懸濁させればよい。注射用デポー形態は、生分解性ポリマー(例えばポリアクチド−ポリグリコリド)中で化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成させることによって製造される。化合物とポリマーとの比率および使用される特定のポリマーの性質に依存して、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)類およびポリ(無水物)類が挙げられる。注射用デポー処方物は、生体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルションで化合物を包むことによっても調製される。
【0257】
直腸投与用または膣投与用の組成物は、好ましくは、本発明の化合物と、室温では固体だが体温で液体になり、直腸または膣の空洞で溶解し、活性化合物を放出する適切な非刺激性の賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックス)とを混合することによって調製することができる坐剤である。
【0258】
経口投与のための固体投薬形態としては、カプセル、錠剤、丸薬、粉末および顆粒が挙げられる。このような固体投薬形態では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム)および/または(a)フィラーまたは増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、(b)バインダー(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖およびアカシア)、(c)保湿剤(例えばグリセロール)、(d)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケート、および炭酸ナトリウム)、(e)溶液保持剤(例えばパラフィン)、(f)吸収促進剤(例えば四級アンモニウム化合物)、(g)湿潤剤(例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール)、(h)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイトクレー)、および(i)潤沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物)と混合される。カプセル、錠剤および丸薬の場合には、投薬形態には緩衝化剤も含まれてもよい。
【0259】
同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤および高分子量のポリエチレングリコールなどを用いて軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中のフィラーとしても使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒の固体投薬形態は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティングおよび薬学製剤分野で周知の他のコーティングで調製することができる。これらは、必要に応じて乳白剤を含有してもよく、活性成分のみを放出する組成物で製造することもでき、または優先的に腸管の特定の一部分では必要に応じて徐放性の様式であるように製造することもできる。使用可能な包埋組成物の例としては、ポリマー基質およびワックスが挙げられる。同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤および高分子量のポリエチレングリコールなどを用いて軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中のフィラーとしても使用することができる。
【0260】
活性化合物は、上述の1つ以上の賦形剤を用いたマイクロカプセル形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒の固体投薬形態は、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび薬学製剤分野で周知の他のコーティングで調製することができる。このような固体投薬形態では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性希釈剤(例えば、ショ糖、ラクトースまたはデンプン)と混合されてもよい。このような投薬形態は、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の追加の基質、例えば、錠剤化潤沢剤および他の錠剤化助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび多晶質セルロースを含んでもよい。カプセル、錠剤および丸薬の場合には、投薬形態には緩衝化剤が含まれてもよい。これらは、必要に応じて乳白剤を含有してもよく、活性成分のみを放出する組成物で製造することもでき、または優先的に腸管の特定の一部分では必要に応じて徐放性の様式であるように製造することもできる。使用可能な包埋組成物の例としては、ポリマー基質およびワックスが挙げられる。
【0261】
本発明の化合物の局所投与用または経皮投与用の投薬形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤またはパッチが挙げられる。活性成分は、滅菌条件下で薬学的に受容可能なキャリアと混合され、必要な場合には任意の保存剤またはバッファーと混合される。眼科用処方物、点耳剤および点眼剤も本発明の範囲内にあると考えられる。さらに、本発明は、経皮パッチとしての使用も想定しており、化合物を体内に制御しつつ送達するという利点を有している。このような投薬形態は、化合物を適切な媒体に溶解または分散させることによって調製される。吸収促進剤を使用して、化合物が皮膚を通り抜けやすくすることができる。この通り抜ける速度は、速度制御膜を用いるか、または化合物をポリマーマトリックスまたはゲルに分散させることによって制御することができる。
【0262】
上に一般的に記載されているように、本発明の化合物は、電位依存ナトリウムイオンチャネルまたはカルシウムチャネル(好ましくはN型カルシウムチャネル)の阻害剤として有用である。一実施形態では、本発明の化合物および組成物は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2のうち1つ以上の阻害剤であり、任意の特定の理論によって束縛されることを望まないが、この化合物および組成物は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2のうち1つ以上の活性化または過剰な活性化が疾患、状態または障害と関与すると考えられる疾患、状態または障害を処置するか、または重篤度を軽減させるのに特に有用である。NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2の活性化または過剰な活性化が特定の疾患、状態または障害と関与すると考えられる場合、この疾患、状態または障害は、「NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9によって媒介される疾患、状態または障害である」または「CaV2.2によって媒介される状態または障害である」とも称される。従って、別の局面では、本発明は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2のうち1つ以上の活性化または過剰な活性化が疾患の状態と関与すると考えられる疾患、状態または障害を処置するか、または重篤度を軽減させる方法を提供する。
【0263】
本発明でNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2の阻害剤として使用される化合物の活性は、本明細書の実施例に一般的に記載される方法に従って、または当業者が利用可能な方法に従って評価されてもよい。
【0264】
本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物を組み合わせ治療に使用できること、つまり、本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物を1つ以上の他の所望な治療または医学的手技と同時に、その前に、またはその後に投与することができることも理解される。組み合わせ治療で使用する特定の治療(治療または手技)の組み合わせは、所望の治療および/または手技の適合性を考慮し、達成される所望な治療効果を考慮する。使用される治療が同じ障害に対して所望な効果を達成してもよく(例えば、本発明の化合物が同じ障害を処置するために使用される別の薬剤と同時に投与されてもよく)、または使用される治療が異なる効果(例えば、任意の副作用の制御)を達成してもよいことも理解される。本明細書で使用される場合、特定の疾患または状態を処置または予防するために通常投与される追加の治療薬剤は、「処置される疾患または状態に適した」ものであることが知られている。例えば、例示的な追加の治療薬剤としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:非オピオイド性鎮痛薬(インドール類、例えば、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン;ナフチルアルカノン類、例えば、ナブメトン;オキシカム類、例えば、ピロキシカム;パラ−アミノフェノール誘導体類、例えば、アセトアミノフェン;プロピオン酸類、例えば、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン;サリチレート類、例えば、アスピリン、トリサルチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサル;フェナメート(fenamate)類、例えば、メクロフェナム酸、メフェナム酸;およびピラゾール類、例えば、フェニルブタゾン);またはオピオイド(麻薬)アゴニスト(例えば、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィンおよびペンタゾシン)。さらに、薬物を用いない鎮痛アプローチを本発明の1つ以上の化合物の投与と組み合わせて使用してもよい。例えば、麻酔アプローチ(髄腔内注入、神経遮断(neural blocade))、神経外科的アプローチ(CNS経路の神経剥離術)、神経刺激アプローチ(経皮電気的神経刺激、脊髄後索刺激)、理学療法アプローチ(理学療法、矯正デバイス、ジアテルミー)または心理学的アプローチ(認知療法−催眠、バイオフィードバックまたは行動療法)を使用してもよい。これ以外の適した治療薬剤または治療アプローチは、一般的にThe Merck Manual,Seventeenth Edition,Ed.Mark H.Beers and Robert Berkow,Merck Research Laboratories,1999およびthe Food and Drug Administration website,www.fda.govに記載され、これらの内容全体は本明細書に参考として組み込まれる。
【0265】
本発明の組成物中に存在する追加の治療薬剤の量は、その治療薬剤を唯一の活性薬剤として含む組成物で一般的に投与される量を超えない。好ましくは、本開示の組成物中に含まれる追加の治療薬剤の量は、その薬剤を唯一の治療活性薬剤として含む組成物中に一般的に存在する量の約50〜100%である。
【0266】
本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な組成物は、移植可能な医療デバイス(例えば、プロテーゼ、人工弁、血管移植片、ステントおよびカテーテル)をコーティングするための組成物に組み込まれてもよい。従って、本発明は、別の局面では、移植可能なデバイスをコーティングするための組成物を含み、この組成物は、上に一般的に記載され、本明細書で分類および副分類で記載される本発明の化合物と、この移植可能なデバイスをコーティングするのに適したキャリアとを含む。さらに別の局面では、本発明は、上に一般的に記載され、本明細書で分類および副分類で記載される本発明の化合物と、この移植可能なデバイスをコーティングするのに適したキャリアとを含む組成物でコーティングされた移植可能なデバイスを含む。適切なコーティングおよびコーティングされた移植可能なデバイスの一般的な調製法については、米国特許第6,099,562号;同第5,886,026号;および同第5,304,121号に記載されている。コーティングは、典型的には生体適合性ポリマー材料であり、例えば、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレン−酢酸ビニル、およびこれらの組み合わせである。コーティングは、組成物の放出性能を制御するために、必要に応じて適切なトップコート(例えば、フルオロシリコーン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質またはこれらの組み合わせ)でコーティングされていてもよい。
【0267】
本発明の別の局面は、生体サンプルまたは患者でNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2活性のうち1つ以上を阻害することに関し、この方法は、患者に投与する工程、または生体サンプルと式Iの化合物またはこの化合物を含む組成物とを接触させる工程を含む。用語「生体サンプル」は、本明細書で使用される場合、限定されないが、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検物質またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙または他の体液またはその抽出物を含む。
【0268】
当業者にとって既知な種々の目的のために生体サンプルでNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2活性のうち1つ以上を阻害することは有用である。この目的の例としては、限定されないが、生体現象および病理現象に関するナトリウムイオンチャネルの試験;および新しいナトリウムイオンチャネル阻害剤の比較評価が挙げられる。
【0269】
本発明をよりよく理解するために、以下の実施例を記載する。以下の実施例は、例示の目的で記載されるものであり、本発明をいかなる様式でも限定することを意図しているわけではないことを理解されたい。
【実施例】
【0270】
(イソブチル 1−(3−クロロイソキノリン−1−イル)ピペリジン−4−イルカルバメート)
【0271】
【化79】

1,3−ジクロロイソキノリン(0.16g、0.78mmol)、イソブチルピペリジン−4−イルカルバメート(0.16g、0.78mmol)、EtN(0.11mL、0.78mmol)およびDMF(0.5mL)の混合物をマイクロ波対応容器に入れて密閉し、160℃で3分間マイクロ波を照射して加熱した。反応物を室温まで冷却し、水で希釈し、CHClで抽出した。抽出物を合わせ、水で洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮してイソブチル 1−(3−クロロイソキノリン−1−イル)ピペリジン−4−イルカルバメートを得た。LC/MS:m/z 362.2(M+H) 3.98分(10%−99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0272】
(イソブチル 1−(3−(2−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1−イル)ピペリジン−4−イルカルバメート(1))
【0273】
【化80】

1−(3−クロロイソキノリン−1−イル)ピペリジン−4−イルカルバメート(99mg、0.27mmol)、2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノール(92mg、0.42mmol)、KPO(0.17g、0.80mmol)、Pd(OAc)(3.9mg、17μmol)、Xantphos(6.6mg、11μmol)、トルエン(1.3mL)および水(0.1mL)の混合物をマイクロ波対応容器に入れて密閉し、150℃で10分間マイクロ波を照射して加熱した。反応物をろ過し、逆相HPLC(10%−99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))で精製し、イソブチル 1−(3−(2−ヒドロキシフェニル)イソキノリン−1−イル)ピペリジン−4−イルカルバメートを得た。LC/MS:m/z 420.2(M+H) 3.79分(10%−99%CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0274】
本発明の化合物について代表的な分析データを以下の表3に示す。
【0275】
表3
【0276】
【化81】

(化合物のNaV阻害性能を検出し、測定するアッセイ)
(化合物のNaV阻害性能をアッセイする光学的方法)
本発明の化合物は、電位依存ナトリウムイオンチャネルのアンタゴニストとして有用である。試験化合物のアンタゴニスト性能を以下のように評価した。目的のNaVを発現する細胞をマイクロタイタープレートに入れた。インキュベーション時間経過後、膜電位に感受性の蛍光染料で細胞を染色した。試験化合物をマイクロタイタープレートに添加した。細胞を化学的手段または電気的手段によって刺激し、ブロックされていないチャネルからのNaVに依存する膜電位変化を誘発し、膜電位に感受性の染料で検出し、測定した。アンタゴニストは、刺激に応答して膜電位の応答が下がることで検出された。光学的な膜電位アッセイは、GonzalezおよびTsien(Gonzalez,J.E.およびR.Y.Tsien(1995)「Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells」 Biophys J 69(4):1272−80、およびGonzalez,J.E.およびR.Y.Tsien(1997)「Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer」Chem Biol 4(4):269−77を参照)に記載される電位感受性のFRETセンサーと、蛍光変化を測定するための装置、例えばVoltage/Ion Probe Reader(VIPR(登録商標))(Gonzalez,J.E.,K.Oadesら(1999)「Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets」Drug Discov Today 4(9):431−439を参照)とを組み合わせて使用した。
【0277】
(B)化学刺激を用いたVIPR(登録商標)光学膜電位アッセイ法
(細胞ハンドリングおよび染料ローディング)
VIPRでのアッセイ24時間前に、NaV1.2型電位依存NaVを内因的に発現するCHO細胞をポリリジンコーティングした96ウェルプレートに60,000細胞/ウェルで接種した。他のサブタイプについても、目的のNaVを発現する細胞株を類似の様式で処理した。
【0278】
(1)アッセイ当日に、培地を吸引し、細胞をBath Solution #2(BS#2)225μLで2回洗浄した。
【0279】
(2)5mM クマリンストック溶液と10% Pluronic127を1:1で混合し、この混合物を適切な量のBS#2に溶解して15uM CC2−DMPE溶液を調製した。
【0280】
(3)Bath Solutionを96ウェルプレートから除去し、細胞をCC2−DMPE溶液80μLに入れた。暗室で室温で30分間、プレートをインキュベートした。
【0281】
(4)細胞をクマリンで染色しながら、オキソノールのBS#2溶液15μLを調製した。この溶液には、DiSBAC(3)以外にも0.75mM ABSC1および30μL ベラトリジンが含まれている(10mM EtOHストック(Sigma #V−5754)から調製)。
【0282】
(5)30分後、CC2−DMPEを除去し、細胞をBS#2 225μLで2回洗浄した。前述のように、残りの体積は40μLである。
【0283】
(6)Bath Solutionを除去したら、細胞をDiSBAC(3)溶液80μLとともに入れ、その後に試験化合物をDMSOに溶解したものを各薬物添加プレートから各ウェルに添加して所望の試験濃度にし、十分に混合した。ウェルに含まれる体積は約121μLであった。次いで、細胞を20〜30分間インキュベートした。
【0284】
(7)インキュベート終了後、細胞をナトリウム加減プロトコルを用いたVIPR(登録商標)アッセイのための準備をした。Bath solution #1 120μLを添加してNaV依存脱分極を刺激した。NaVチャネルをブロックするためにテトラカイン200μLをアンタゴニストポジティブコントロールとして使用した。
【0285】
(VIPR(登録商標)データの分析)
データを分析し、460nm〜580nmチャネルで測定してバックグラウンドを差し引いた発光強度を正規化した比率で報告した。各アッセイチャネルについてバックグラウンド強度を差し引いた。細胞を含まないアッセイウェルを同じ方法で同じ時間処理して発光強度を測定することによって バックグラウンド強度を得た。この応答は時間の関数であり、以下の式を用いて得た比率を用いて報告した。
【0286】
【化82】

初期の比率(R)および最終的な比率(R)を算出することによってデータをさらに引き算した。これらの値は、刺激前の一部分または全期間および刺激時間中の一部分または全期間の平均比率値である。次いで、刺激R=R/Rに対する応答を算出した。Na加減分析の時間窓について、ベースラインは2〜7秒であり、最終応答は15〜24秒にサンプリングした。
【0287】
コントロール応答を、所望の性質を有する化合物(例えばテトラカイン)の存在下(ポジティブコントロール)、および薬理学的薬剤非存在下(ネガティブコントロール)アッセイを行うことによって得た。ネガティブコントロール(N)およびポジティブコントロール(P)に対する応答を上述のように計算した。化合物のアンタゴニスト活性Aを以下のように定義する。
【0288】
【化83】

式中、Rは試験化合物の比率応答である。
【0289】
溶液[mM]
Bath Solution #1:NaCl 160、KCl 4.5、CaCl 2、MgCl 1、HEPES 10、NaOHでpH7.4
Bath Solution #2 TMA−Cl 160、CaCl 0.1、MgCl 1、HEPES 10、KOHでpH7.4(最終K濃度 約5mM)
CC2−DMPE:DMSO中で5mMストック溶液として調製し、−20℃で保存。
【0290】
DiSBAC(3):DMSO中で12mMストックとして調製し、−20℃で保存。
【0291】
ABSC1:蒸留HO中で200mMストックとして調製し、室温で保存。
【0292】
(細胞培養物)
CHO細胞を10% FBS(ウシ胎児血清、指定;GibcoBRL #16140−071)および1% Pen−Strep(ペニシリン−ストレプトマイシン;GibcoBRL #15140−122)を追加したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium;GibcoBRL #10569−010)中で成長させた。細胞を通気口付キャップをしたフラスコ中、湿度90%、10%COで密集率100%になるまで成長させた。これをスケジュールに応じてトリプシン処理1:10または1:20によって分割し、次の分割の2〜3日前に成長させた。
【0293】
(C)電気的刺激を用いたVIPR(登録商標)光学膜電位アッセイ法
光学膜電位法#2を用いてNaV1.3阻害活性を測定する方法について以下の実施例で示す。他のサブタイプについて、目的のNaVを発現する細胞株を同じように測定した。
【0294】
NaV1.3を安定に発現するHEK293細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに入れた。適切なインキュベーション時間経過後、細胞を電位感受性染料CC2−DMPE/DiSBAC2(3)で以下のように染色した。
【0295】
試薬:
100mg/mL Pluronic F−127(Sigma#P2443)、乾燥DMSO中
10mM DiSBAC(3)(Aurora#00−100−010)、乾燥DMSO中
10mM CC2−DMPE(Aurora#00−100−008)、乾燥DMSO中
200mM ABSC1 HO中
10mM HEPES (Gibco #15630−080)を追加したHank’s Balanced Salt Solution(Hyclone#SH30268.02)
(ローディングプロトコル)
2XCC2−DMPE=20μM CC2−DMPE:10mM CC2−DMPEを等量の10% pluronicとともにボルテックスし、10mM HEPESを含むHBSSを必要量加えてボルテックスした。各細胞プレートには2XCC2−DMPE 5mLが必要であった。洗浄した細胞を含有するウェルに2XCC2−DMPE 50μLを入れ、最終染色濃度を10μMにした。暗室でRTで細胞を30分間染色した。
【0296】
ABSC1を含む2XDISBAC(3)=6μM DISBAC(3)および1mM ABSC1:必要量の10mM DISBAC(3)を50mlコニカル管に添加し、作成した溶液1mLあたり10% pluronic 1μLと混合し、ボルテックスした。次いで、HBSS/HEPESを添加し2X溶液を作成した。最後に、ABSC1を添加した。
【0297】
2XDiSBAC(3)溶液を使用して化合物プレートを可溶化することができる。2倍の薬物濃度で化合物プレートを作成したことを注記しておく。染色したプレートを再び洗浄し、残りの体積が50μLになった。2XDiSBAC(3)w/ABSC1 50uL/ウェルを添加した。暗室でRTで30分間染色した。
【0298】
使用した電気的刺激を与える装置および方法は、ION Channel Assay Methods PCT/US01/21652に記載されており、この内容は本明細書に参考として組み込まれている。この装置は、マイクロタイタープレートハンドラーと、クマリンおよびオキソノールの励起を同時に記録しつつクマリン染料を励起するための光学システムと、波長発生器と、電流または電圧を制御する増幅器と、ウェルに電極を挿入するためのデバイスとを備える。一連のコンピューター制御の下、この装置は、ユーザがプログラムした電気刺激プロトコルをマイクロタイタープレートのウェル内にある細胞に伝えるものである。
【0299】
(試薬)
アッセイバッファー#1
140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM HEPES、10mM グルコース、pH7.40、330mOsm
Pluronicストック(1000倍):100mg/mL pluronic 127、乾燥DMSO中
Oxonolストック(3333倍):10mM DiSBAC(3)、乾燥DMSO中
Coumarinストック(1000倍):10mM CC2−DMPE、乾燥DMSO中
ABSC1ストック(400倍):200mM ABSC1、水中
(アッセイプロトコル)
1.アッセイする各ウェルに電極を挿入または使用した。
【0300】
2.電流を制御する増幅器を使用して刺激波パルスを3秒間流した。刺激2秒前に記録し、非刺激時の強度を得た。刺激5秒後に記録し、静止状態になるまでの緩和を試験した。
【0301】
(データ分析)
データを分析し、460nm〜580nmチャネルで測定してバックグラウンドを差し引いた発光強度を正規化した比率で報告した。各アッセイチャネルについてバックグラウンド強度を差し引いた。細胞を含まないアッセイウェルを同じ方法で同じ時間処理して発光強度を測定することによって バックグラウンド強度を得た。この応答は時間の関数であり、以下の式を用いて得た比率を用いて報告した。
【0302】
【化84】

初期の比率(R)および最終的な比率(R)を算出することによってデータをさらに引き算した。これらの値は、刺激前の一部分または全期間および刺激時間中の一部分または全期間の平均比率値である。次いで、刺激R=R/Rに対する応答を算出した。
【0303】
コントロール応答を、所望の性質を有する化合物(例えばテトラカイン)の存在下(ポジティブコントロール)、および薬理学的薬剤非存在下(ネガティブコントロール)アッセイを行うことによって得た。ネガティブコントロール(N)およびポジティブコントロール(P)に対する応答を上述のように計算した。化合物のアンタゴニスト活性Aを以下のように定義する。
【0304】
【化85】

式中、Rは試験化合物の比率応答である。
【0305】
(試験化合物のNaV活性および阻害のための電気生理学アッセイ)
パッチクランプ電気生理学を使用して、後根神経節ニューロンでのナトリウムチャネルブロッカーの効力および選択性を評価した。ラットニューロンを後根神経節から分離し、NGF(50ng/ml)存在下2〜10日間培養した(培地は、B27、グルタミンおよび抗生物質を追加したNeurobasalAからなる)。小さな直径のニューロン(侵害受容器、直径8〜12μm)を目で見て同定し、微細なチップガラス電極を取り付け、この電極を増幅器に接続した(Axon Instruments)。「電圧固定」法を使用して、細胞を−60mVに保ち、化合物のIC50を評価した。さらに、「電流固定」法を使用して、電流注入に応答するブロッキング作用電位発生に対する化合物の効力を試験した。これらの実験結果から、化合物の効力プロフィールを定義した。
【0306】
(DRGニューロンを用いた電圧固定アッセイ)
パッチクランプ技術の全細胞変化を用いてTTX耐性のナトリウム電流をDRG体細胞から記録した。Axopatch 200B増幅器(Axon Instruments)を用い、壁の厚いボロシリケートガラス電極(WPI;抵抗3〜4MΩ)を用いて室温(約22℃)で記録した。全細胞の構造が確立した後、記録前に約15分かけて細胞内でピペット溶液を平衡状態にした。電流は2〜5kHzの低域のみを通過させ、10kHzをデジタル処理で抽出した。直列抵抗を60〜70%に補正し、実験中に連続してモニタリングした。細胞内ピペット溶液と外部の記録溶液との間の液間電位(−7mV)はデータ分析には含まれない。重力によって駆動する高速灌流システム(SF−77;Warner Instruments)を用いて試験溶液を細胞に適用した。
【0307】
60秒ごとに試験電位を+10mVに特異的に保持する実験で細胞を繰り返し脱分極することによって電圧固定法で用量依存相関を決定した。ブロッキング効果が一定になったら、次の試験濃度で試験した。
【0308】
(溶液)
細胞内溶液(mMで):Cs−F(130)、NaCl(10)、MgCl2(1)、EGTA(1.5)、CaCl2(0.1)、HEPES(10)、グルコース(2)、pH=7.42、290mOsm
細胞外溶液(mMで):NaCl(138)、CaCl2(1.26)、KCl(5.33)、KH2PO4(0.44)、MgCl2(0.5)、MgSO4(0.41)、NaHCO3(4)、Na2HPO4(0.3)、グルコース(5.6)、HEPES(10)、CdCl2(0.4)、NiCl2(0.1)、TTX(0.25x10−3
(化合物のNaVチャネル阻害活性のための電流固定アッセイ)
細胞を全細胞構造でMultiplamp 700A増幅器(Axon Inst)を用いて電流固定した。ボロシリケートピペット(4〜5MOhm)を以下の液体で満たした(mMで):150 K−グルコネート、10 NaCl、0.1 EGTA、10 Hepes、2 MgCl、(KOHでpH7.34に緩衝化)。細胞を以下の液体に浸した(mMで):140 NaCl、3 KCl、1 MgCl、1 CaClおよび10 Hepes)。ピペット電位をゼロにし、シールを作成した。液間電位は、取得時に補正しなかった。室温で記録した。
【0309】
NaV1.8チャネルに対する本発明の選択された化合物の活性を以下の表4に示す。表4の記号は以下の意味を示す。
【0310】
「+++」は10μM未満を意味し、「++」は10μM〜15μMを意味し、「+」は15μMを超えていることを意味する。
【0311】
表4
【0312】
【化86】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I−A、式I−B、式I−Cまたは式I−Dの化合物またはそれらの薬学的に受容可能な塩であって:
【化1】

式中、
Wは、ハロ、OR’、SR’、N(R’)、CHF、CHFまたはCFであり;
とRとはそれらが結合している窒素原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和の3〜8員単環を形成し、該単環は窒素、硫黄または酸素から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子をさらに含み;RおよびRがともに形成した環は、それぞれ独立して1個以上の置換可能な炭素、窒素または硫黄原子でそれぞれのz個の独立した−Rで必要に応じて置換され、zは0〜5であり;
yは0〜5であり;
xは0〜5であり;
、RおよびRはそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;それぞれの場合にRは独立して、−R’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基であり;
R’はそれぞれ独立して、水素であるか、または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であるか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含み;
ただし、
(i)式I−Aの化合物では、一緒になったRおよびRが4−エチル−ピペラジン−1−イルである場合、Wはクロロ、−OH、−OMeまたは−OCHCHOHではなく;
(ii)式I−Bの化合物では、WがOHまたはOMeである場合、一緒になったRおよびR
【化2】

ではなく、Kは−C(O)NH、−C(O)OEt、−CNまたは3−メチル−2,4−オキサジアゾール−5−イルであり;
(iii)式I−Bの化合物では、Wがクロロである場合、一緒になったRおよびRは4−メチル−ピペラジン−1−イルではなく;
(iv)式I−Bの化合物では、Wが−NHである場合、一緒になったRおよびRはモルホリン−4−イルまたは2−(メトキシカルボニル)−ピロリジン−1−イルではなく;
(v)式I−Cの化合物では、WがOHまたはOMeである場合、一緒になったRおよびR
【化3】

ではなく;
vi)式I−Cの化合物では、Wがハロまたは−OMeである場合、一緒になったRおよびRは4−メチル−ピペラジン−1−イルではなく;
(vii)式I−Dの化合物では、Wがハロである場合、一緒になったRおよびRはピペリジン−1−イル、4−メトキシカルボニル−ピペリジン−1−イルまたはモルホリン−4−イルではなく;
(viii)式I−Dの化合物では、WがハロまたはOHである場合、一緒になったRおよびRは4−メチル−ピペラジン−1−イルではない、化合物。
【請求項2】
とRとがアゼチジル環
【化4】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
とRとがピロリジニル環
【化5】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
とRとがピペリジニル環
【化6】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
とRとがピペラジニル環
【化7】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
とRとがモルホリニル環
【化8】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
とRとがチオモルホリニル環
【化9】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
とRとがアゼパニル環
【化10】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
とRとがアゾカニル環
【化11】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
とRとが以下に示す環(ii)または(jj)を形成する、請求項1に記載の化合物であって:
【化12】

式中、
は、−N−、−CH−NH−または−CH−CH−NH−であり;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
は0〜2であり;
zは0〜4であり;
各RXXは、水素、C1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり;RXXは、それぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wは0〜3であり;
ただし、RXXが2個とも同時に水素ではなく;
YYは、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’または−PO(R’)であり;
11はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む、化合物。
【請求項11】
1個のRXXが水素であり、他のRXXが水素ではない、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
XXが2個とも水素ではない、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
が0である、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
が1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
が2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
およびnがそれぞれ1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項17】
およびnがそれぞれ2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項18】
およびnがそれぞれ3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項19】
XXがC1〜6脂肪族基であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である、請求項10〜18のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
XXがC1〜C6アルキル基であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である、請求項10〜19のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
XXがC1〜C6アルキル基である、請求項10〜20のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
XXが窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項23】
XXが、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項24】
XXが窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、RXXがそれぞれw個の独立した−R11で必要に応じて置換され、wが0〜3である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
YYが、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’または−PO(R’)である、請求項10〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
YYが水素である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
YYが、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’または−PO(R’)である、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
Rが水素である、請求項10〜27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項29】
RがC1〜C6アルキルである、請求項10〜27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項30】
Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、請求項10〜27のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
YYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項32】
が0であり、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項33】
YYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項34】
が0であり、RYYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項35】
とRとが以下に示す環:
【化13】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
XXがC1〜C6アルキルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
XXが、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはt−ブチルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項38】
とRとが以下に示す環(kk)を形成する、請求項1に記載の化合物であって:
【化14】

式中、
は−N−またはCHであり;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
は0〜2であり;ただし、GがNである場合、pは0ではなく;
は0または1であり;
zは0〜4であり;
Spは、単結合またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、C1〜C6アルキリデンリンカーである場合、2個までのメチレン単位は、必要に応じて独立して、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−または−NR’SONR’−と交換され;
環Bは、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4であり;
12はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む、化合物。
【請求項39】
がNである、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
がCHである、請求項38に記載の化合物。
【請求項41】
が0である、請求項38〜40のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項42】
が1である、請求項38〜40のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項43】
が2である、請求項38〜40のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項44】
が0である、請求項38〜43のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項45】
が1である、請求項38〜43のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項46】
が1であり、qが1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項47】
がCHであり、pが0であり、qが1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項48】
およびnがそれぞれ1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項49】
およびnがそれぞれ2である、請求項38〜48のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項50】
Spが−O−、−S−または−NR’−から選択される、請求項38〜49のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項51】
Spが−O−である、請求項38〜50のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項52】
Spが−NR’−である、請求項38〜50のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項53】
Spが−NH−である、請求項38〜50のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項54】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項38〜53のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項55】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項38〜54のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項56】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項38〜55のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項57】
が0である、請求項38〜56のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項58】
環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項38〜57のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項59】
Spが単結合、Oまたは−O−CH−であり;pが1であり;Rが水素であり;nおよびmは両方とも同時に1または2である、請求項38に記載の化合物。
【請求項60】
Rが水素である、請求項38〜59のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項61】
RがC1〜C6アルキルである、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
とRとが以下に示す式(kk−i)または式(kk−ii)の環
【化15】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項64】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R12で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項63に記載の化合物。
【請求項65】
Rが水素である、請求項63〜64のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項66】
Rが水素であり、環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
Spが単結合、−O−または−O−CH−である、請求項63〜66のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項68】
とRとが以下に示す環(II)
【化16】

を形成する、請求項1に記載の化合物であって、
式中、
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
zは0〜4であり;
Spは、−O−、−S−、−NR’−またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、C1〜C6アルキリデンリンカーである場合、2個までのメチレン単位は、必要に応じて独立して、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−または−NR’SONR’−と交換され、ただし、Spは炭素原子以外の原子を介してカルボニル基に結合しており;
環Bは、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4であり;
13はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む、化合物。
【請求項69】
Spが、−O−、−S−または−NR’−から選択される、請求項68に記載の化合物。
【請求項70】
Spが−O−である、請求項68または69に記載の化合物。
【請求項71】
Spが−O−CH−である、請求項68に記載の化合物。
【請求項72】
Spが−NR’−である、請求項69に記載の化合物。
【請求項73】
Spが−NH−である、請求項69に記載の化合物。
【請求項74】
Spが−NH−CH−である、請求項68に記載の化合物。
【請求項75】
およびnがそれぞれ1である、請求項68〜74のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項76】
およびnが2である、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または芳香族の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項68〜76のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項78】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む飽和の4〜8員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項77に記載の化合物。
【請求項79】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項68〜76のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項80】
が0である、請求項68〜79のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項81】
環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項68〜80のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項82】
Spが単結合、Oまたは−O−CH−であり;Rが水素であり;nおよびmが両方とも同時に1または2である、請求項68に記載の化合物。
【請求項83】
Rが水素である、請求項68〜82のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項84】
RがC1〜C6アルキルである、請求項68〜82のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項85】
Rが、メチル、エチル、プロピルまたはブチルである、請求項84に記載の化合物。
【請求項86】
zが0である、請求項68〜85のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項87】
環Bが、O、SまたはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を含む飽和の5〜6員ヘテロ単環であり、環Bは、それぞれw個の独立した−R13で必要に応じて置換され、wは0〜4である、請求項68〜76のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項88】
とRとが以下に示す環(mm)
【化17】

を形成する、請求項1に記載の化合物であって:
式中、
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、ただし、m+nは2〜6であり;
は1〜2であり;
YZはw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC〜C脂肪族基であり、wは0〜3であり;
14はそれぞれ独立してQ−Rであり;Qは単結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、C〜Cアルキリデン鎖である場合、Qの2個までの隣接しないメチレン単位は、必要に応じて独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−または−POR−と交換され;Rはそれぞれ独立して−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択され;
Rはそれぞれ独立して水素であるか、または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;R’はそれぞれ独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜8員単環、または窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を含む飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の8〜12員二環であり、R’は4個までの置換基を有するか;またはRおよびR’、2個のR、または2個のR’はそれらが結合している原子とともに必要に応じて置換された飽和または部分的に不飽和または完全に不飽和の3〜12員単環または二環を形成し、この単環または二環は窒素、酸素または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を含む、化合物。
【請求項89】
が1である、請求項88に記載の化合物。
【請求項90】
が2である、請求項89に記載の化合物。
【請求項91】
およびnがそれぞれ1である、請求項87〜90のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項92】
およびnがそれぞれ2である、請求項87〜90のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項93】
およびnがそれぞれ3である、請求項87〜90のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項94】
YZがw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC1〜C6アルキルであり、wが0〜3である、請求項88〜93のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項95】
YZがw個の独立した−R14で必要に応じて置換されるC1〜C4アルキル基であり、wが0〜3である、請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
がC1〜C6アルキル基である、請求項94に記載の化合物。
【請求項97】
Rが水素である、請求項87〜96のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項98】
RがC1〜C6アルキルである、請求項87〜96のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項99】
Rがメチル、エチル、プロピルまたはブチルである、請求項98に記載の化合物。
【請求項100】
とRとが以下に示す環(nn)
【化18】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項101】
が−N−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項102】
が−CH−NH−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項103】
が−CH−CH−NH−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項104】
YYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項100〜103のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項105】
が0であり、RYYは水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項100〜104のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項106】
とRとが以下に示す環(pp)
【化19】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項107】
YYが水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項106に記載の化合物。
【請求項108】
が0であり、RYYは水素であり、1個のRXXが水素であり、他のRXXがC1〜C6アルキルである、請求項100〜107のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項109】
WがOR’である、請求項1〜108のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項110】
WがOHである、請求項109に記載の化合物。
【請求項111】
WがSR’である、請求項1〜108のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項112】
WがSHである、請求項111に記載の化合物。
【請求項113】
WがN(R’)2である、請求項1〜108のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項114】
WがNHR’である、請求項113に記載の化合物。
【請求項115】
WがNHである、請求項114に記載の化合物。
【請求項116】
WがCHFまたはCHFである、請求項1〜108のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項117】
WがCHFである、請求項116に記載の化合物。
【請求項118】
WがCHFである、請求項116に記載の化合物。
【請求項119】
zが0〜5である、請求項1〜118のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項120】
zが1〜3である、請求項119に記載の化合物。
【請求項121】
zが1〜2である、請求項120に記載の化合物。
【請求項122】
zが1である、請求項121に記載の化合物。
【請求項123】
が独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)であるか、C〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロ環状脂肪族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、環状脂肪族C〜Cアルキルまたはヘテロ環状脂肪族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項1〜122のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項124】
が独立して、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SO(CHCH、−SOCH(CH、−SON(CH、−SOCHCH、−C(O)OCHCH(CH、−C(O)NHCHCH(CH、−NHCOOCH、−C(O)C(CH、−COO(CHCH、−C(O)NHCH(CH、−C(O)CHCHであるか、または−ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル、モルホリノ、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHシクロヘキシル、ピリジル、−CHピリジルまたは−CHチアゾリルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項123に記載の化合物。
【請求項125】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−NRSOR’、−NRCOOR’または−NRCOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項126】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRSOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項127】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRCOOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項128】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRCOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項129】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピロリジン−1−イル(bb)であり、zが1または2であり、Rが、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’または−CHOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項130】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれCl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’または−CHOR’、−NRSOR’、−NRCOOR’または−OCON(R’)である、請求項125に記載の化合物。
【請求項131】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが、F、CF、CH、−CHCH、−OR’または−CHOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項132】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが−NRSOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項133】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが−NRCOOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項134】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項135】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項134に記載の化合物。
【請求項136】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項134に記載の化合物。
【請求項137】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項134に記載の化合物。
【請求項138】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項134に記載の化合物。
【請求項139】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項134に記載の化合物。
【請求項140】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項141】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項140に記載の化合物。
【請求項142】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項140に記載の化合物。
【請求項143】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項140に記載の化合物。
【請求項144】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項140に記載の化合物。
【請求項145】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項140に記載の化合物。
【請求項146】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項147】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項146に記載の化合物。
【請求項148】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項146に記載の化合物。
【請求項149】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項146に記載の化合物。
【請求項150】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項146に記載の化合物。
【請求項151】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項146に記載の化合物。
【請求項152】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1または2であり、Rの少なくとも1個がそれぞれ−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’または−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項153】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項152に記載の化合物。
【請求項154】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項152に記載の化合物。
【請求項155】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項152に記載の化合物。
【請求項156】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項152に記載の化合物。
【請求項157】
一緒になったRおよびRが、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項152に記載の化合物。
【請求項158】
yが0〜5である、請求項124〜157のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項159】
yが0である、請求項158に記載の化合物。
【請求項160】
yが1〜3である、請求項158に記載の化合物。
【請求項161】
yが1〜2である、請求項160に記載の化合物。
【請求項162】
yが1である、請求項161に記載の化合物。
【請求項163】
が独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−S(O)N(R’)、−OCOR’、−COR’、−COR’、−OCON(R’)、−NR’SOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、−OPO(R’)であるか、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロ環状脂肪族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、環状脂肪族C〜Cアルキルまたはヘテロ環状脂肪族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項124〜162のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項164】
が独立して、Cl、Br、F、CF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SONHC(CH、−OCOC(CH、−OCOCHC(CH、−O(CHN(CH、4−CH−ピペラジン−1−イル、OCOCH(CH、OCO(シクロペンチル)、−COCH、必要に応じて置換されたフェノキシまたは必要に応じて置換されたベンジルオキシである、請求項163に記載の化合物。
【請求項165】
がFである、請求項164に記載の化合物。
【請求項166】
がOR’である、請求項163に記載の化合物。
【請求項167】
がOHである、請求項166に記載の化合物。
【請求項168】
前記化合物が式I−A−i、式I−B−i、式I−C−iまたは式I−D−iを有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の化合物であって;
【化20】

式中、R、R、R、R、xおよびyは請求項1に定義されるとおりである、化合物。
【請求項169】
が水素である、請求項168に記載の化合物。
【請求項170】
xが1であり、RがX−Rである、請求項168に記載の化合物。
【請求項171】
XがC1〜C6アルキリデンである、請求項170に記載の化合物。
【請求項172】
XがC1〜C4アルキリデンである、請求項170に記載の化合物。
【請求項173】
Xが−CH−である、請求項170に記載の化合物。
【請求項174】
が、独立して、−R’、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)または−OPO(R’)から選択される、請求項170に記載の化合物。
【請求項175】
がR’である、請求項174に記載の化合物。
【請求項176】
が水素である、請求項170に記載の化合物。
【請求項177】
がそれぞれ、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)であるか、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、ヘテロ環状脂肪族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、環状脂肪族C〜Cアルキルまたはヘテロ環状脂肪族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項170に記載の化合物。
【請求項178】
がそれぞれ、Cl、Br、F、CF、−OCF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−NHCOCH(CH、−SONH、−CONH(シクロプロピル)、−CONHCH、−CONHCHCHであるか、または−ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジルまたはベンジルオキシから選択される必要に応じて置換された基である、請求項177に記載の化合物。
【請求項179】
がそれぞれ独立して、ハロゲン、CN、必要に応じて置換されたC〜Cアルキル、OR’、N(R’)、CON(R’)またはNRCOR’である、請求項177に記載の化合物。
【請求項180】
各Rが独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCHまたは−CNである、請求項179に記載の化合物。
【請求項181】
が、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCHまたは−CNから選択される、請求項182に記載の化合物。
【請求項182】
が、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCHまたは−OCHCHから選択される、請求項183に記載の化合物。
【請求項183】
が−CON(R’)または−NRCOR’である、請求項170に記載の化合物。
【請求項184】
前記化合物が式I−A−ii、式I−B−ii、式I−C−iiまたは式I−D−iiを有する化合物である、請求項1に記載の化合物であって;
【化21】

〔式中、RおよびRは請求項1に定義されるとおりである、化合物。
【請求項185】
前記化合物が以下の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物:
【化22】

【請求項186】
請求項1〜185のいずれか1項に記載の化合物と薬学的に受容可能なアジュバントまたはキャリアとを含む、薬学的組成物。
【請求項187】
有効量の請求項186に記載の組成物を患者に投与する工程を含む、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛、または炎症性痛覚、関節炎、偏頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経痛、全身性の神経痛、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、精神疾患、例えば、不安神経症および鬱病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節炎の疼痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部または頸部の疼痛、重症の疼痛または難治性の疼痛、侵害受容性疼痛、突出痛、手術後の疼痛または癌の疼痛から選択される疾患、障害または状態を処置するか、または重篤度を軽減させる方法。
【請求項188】
前記疾患、障害または状態が、電位依存ナトリウムチャネルの活性化または過剰な活性化に関与すると考えられるものである、請求項187に記載の方法。
【請求項189】
前記疾患、障害または状態が、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性の疼痛または炎症性痛覚である、請求項188に記載の方法。
【請求項190】
前記疾患、障害または状態が、神経根の疼痛、坐骨神経痛、背中の疼痛、頭部の疼痛または頸部の疼痛である、請求項188に記載の方法。
【請求項191】
前記疾患、障害または状態が、重症の疼痛または難治性の疼痛、急性疼痛、手術後の疼痛、背中の疼痛または癌の疼痛である、請求項188に記載の方法。
【請求項192】
前記疾患が、大腿癌の疼痛;非悪性慢性の骨の疼痛;関節リウマチ;骨関節炎;脊髄狭窄症;神経因性の腰の疼痛;神経因性の腰の疼痛;筋筋膜疼痛症候群;線維筋痛;側頭骨顎関節痛;慢性内臓痛(腹部を含む);膵臓の疼痛;IBS疼痛;慢性の頭部の疼痛;偏頭痛;緊張性頭痛(群発頭痛を含む);慢性神経因性の疼痛(ヘルペス後神経痛を含む);糖尿病性神経障害;HIV関連ニューロパシー;三叉神経痛;シャルコー・マリー・ツース(Charcot−Marie Tooth)ニューロパシー;遺伝性感覚性ニューロパシー;末梢神経損傷;痛みを伴う神経腫;異所性の近位および遠位の放出;神経根障害;化学療法による神経因性の疼痛;放射線治療による神経因性の疼痛;乳腺切除術後の疼痛;中心性疼痛;脊髄損傷の疼痛;卒中後の疼痛;視床痛;複合性局所疼痛症候群;幻想痛;難治性の疼痛;急性疼痛、急性の術後疼痛;急性の筋骨格系疼痛;関節の疼痛;機械的な腰の疼痛;頸部の疼痛;腱炎;怪我/運動による疼痛;急性内臓痛(腹部疼痛を含む);腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニアなど;胸部の疼痛(心臓の疼痛を含む);骨盤痛、腎疝痛、急性分娩痛(陣痛を含む);帝王切開術による疼痛;急性の炎症、火傷および外傷による疼痛;急性間欠性の疼痛(子宮内膜症を含む);急性帯状疱疹による疼痛;鎌状赤血球貧血;急性膵炎;突出痛;口腔顔面痛(静脈洞炎による疼痛、歯の疼痛を含む);多発性硬化症(MS)による疼痛;鬱病中の疼痛;ハンセン病による疼痛;ベーチェット病による疼痛;有痛脂肪症;静脈炎による疼痛;ギラン・バレー病による疼痛;痛む脚と動く足趾症候群;ハグルンド症候群;肢端紅痛症による疼痛;ファブリー病による疼痛;膀胱および泌尿生殖器の疾患(尿失禁を含む);過活動膀胱;痛みを伴う膀胱症候群;間質性膀胱炎(IC);または前立腺炎から選択される、請求項188に記載の方法。

【公表番号】特表2008−540666(P2008−540666A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512433(P2008−512433)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/018872
【国際公開番号】WO2006/127329
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】