説明

イオンチャネルのモジュレーターとして有用なビアリール

本発明は、イオンチャネルのインヒビターとして有用な、式(i)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩に関し、ここで、R、R、R3a、−R3d、およびRは請求項1に定義される通りである。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物、および種々の障害例えば、急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、一般的な神経痛、癲癇または癲癇性の状態、神経変性障害、精神障害、筋硬直症、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛、激痛もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発疼痛、または癌性疼痛など)の処置においてその組成物を使用する方法を提供している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、イオンチャネルのインヒビターとして有用な化合物に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物、および種々の障害の処置においてその組成物を使用する方法を提供している。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
Naチャネルは、ニューロンおよび筋細胞のようなすべての興奮性細胞における活動電位の生成の中心をなしている。それらは、脳、胃腸管の平滑筋、骨格筋、末梢神経系、脊髄、および気道を含む興奮性組織において重要な役割を果たしている。したがって、それらは、種々の疾患の状態(例えば、癲癇(Moulard,B.and D.Bertrand(2002)「Epilepsy and sodium channel blockers」Expert Opin.Ther.Patents 12(1):85−91参照のこと)、疼痛(Waxman,S.G.,S.Dib−Hajj,et al.(1999)「Sodium channels and pain」Proc Natl Acad Sci USA 96(14):7635−9、およびWaxman,S.G.,T.R.Cummins, et al.(2000)「Voltage−gated sodium channels and the molecular pathogenesis of pain:a revie」J Rehabil Res Dev 37(5):517−28参照のこと)、筋硬直症(Meola,G.and V.Sansone(2000)「Therapy in myotonic disorders and in muscle channelopathies」 Neurol Sci 21(5):S953−61、およびMankodi,A.and C.A.Thornton(2002)「Myotonic syndromes」Curr Opin Neurol 15(5):545−52参照のこと)、運動失調(Meisler,M.H.,J.A.Kearney,et al.(2002)「Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy」Novartis Found Symp 241:72−81参照のこと)、多発性硬化症(Black,J.A.,S.Dib−Hajj,et al.(2000)「Sensory neuron−specific sodium channel SNS is abnormally expressed in the brains of mice with experimental allergic encephalomyelitis and humans with multiple sclerosis」Proc Natl Acad Sci USA 97(21):11598−602、およびRenganathan,M.,M.Gelderblom,et al.(2003)「Expression of Na(v)1.8 sodium channels perturbs the firing patterns of cerebellar purkinje cells「Brain Res 959(2):235−42参照のこと)、過敏性腸(Su,X.,R.E.Wachtel,et al.(1999)「Capsaicin sensitivity and voltage−gated sodium currents in colon sensory neurons from rat dorsal root ganglia」Am J Physiol 277(6 Pt 1):Gl 180−8、およびLaird,J.M.,V.Souslova,et al.(2002)「Deficits in visceral pain and referred hyperalgesia in Navl.8(SNS/PN3)−null mice」J Neurosci 22(19):8352−6参照のこと)、尿失禁および内臓疼痛(Yoshimura,N.,S.Seki,et al.(2001)「The involvement of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.8 (PN3/SNS) in a rat model of visceral pain」J Neurosci 21(21):8690−6参照のこと)、ならびに不安や憂うつのような一連の精神機能不全(Hurley,S.C.(2002)「Lamotrigine update and its use in mood disorders」Ann Pharmacother 36(5):860−73参照のこと))において重要な役割を果たしている。
【0003】
電位型Naチャネルは、9つの異なるサブタイプ(NaV1.1〜NaV1.9)からなる遺伝子ファミリーを含む。下の表Aに示されるように、これらのサブタイプは、組織特異的限局性、および機能的相違を示す(Goldin,A.L.(2001)「Resurgence of sodium channel research」Annu Rev Physiol 63:871−94参照のこと)。その遺伝子ファミリーの3つのメンバー(NaV1.8、1.9、1.5)は、周知のNaチャネルブロッカーTTXによるブロックに対して耐性を示し、この遺伝子ファミリー内でのサブタイプ特異性を示す。突然変異分析により、グルタメート387は、TTX結合に対する重要な残渣であると同定されている(Noda,M.,H.Suzuki,et al.(1989) 「A single point mutation confers tetrodotoxin and saxitoxin insensitivity on the sodium channel II」FEBS Lett 259(1):213−6参照のこと)。
【0004】
表A(略語:CNS=中枢神経系、PNS=末梢神経系、DRG=脊髄神経節、TG=三叉神経節)
【0005】
【化22】

一般的に、電位型ナトリウムチャネル(NaV)は、神経系における興奮性組織において、活動電位の急速な上昇(upstroke)の開始の原因となり、それは、正常および異常な疼痛の感覚を構成し、そしてコードする電気的シグナルを伝達する。NaVチャネルのアンタゴニストは、これらの疼痛シグナルを減衰化し得、そして種々の疼痛の状態(急性痛、慢性痛、炎症性疼痛、および神経因性疼痛を含むが、それらに限定されない)の処置のために有用である。公知のNaVアンタゴニスト(例えば、TTX、リドカイン(Mao,J.and L.L.Chen(2000)「Systemic lidocaine for neuropathic pain relief」Pain 87(1):7−17参照のこと)、ブピバカイン、フェニトイン(Jensen,T.S.(2002)「Anticonvulsants in neuropathic pain: rationale and clinical evidence」Eur J Pain 6(Suppl A):61−8参照のこと)、ラモトリジン(Rozen,T.D.(2001)「Antiepileptic drugs in the management of cluster headache and trigeminal neuralgia」Headache 41 Suppl 1:S25−32、およびJensen,T.S.(2002)「Anticonvulsants in neuropathic pain: rationale and clinical evidence」Eur J Pain 6(Suppl A):61−8参照のこと)、ならびにカルバマゼピン(Backonja,M.M.(2002)「Use of anticonvulsants for treatment of neuropathic pain」Neurology 59(5 Suppl 2):S14−7参照のこと)は、ヒトおよび動物モデルにおいて、疼痛の減衰化に有用であることが示されている。
【0006】
組織損傷および組織炎症の存在下で発症する痛覚過敏(痛むものに対する過剰な感受性)は、損傷部位を刺激する高閾値一次求心性ニューロンの興奮性の増加を少なくとも一部分は反映している。電位感受性ナトリウムチャネルの活性化は、ニューロン活動電位の生成および伝播のために不可欠である。NaV電流の調節は、ニューロンの興奮性を制御するために用いられる内因性のメカニズムであることを示す、数多くの証拠がある(Goldin,A.L.(2001)「Resurgence of sodium channel research」Annu Rev Physiol 63:871−94参照のこと)。数種の動力学的かつ薬理学的に独特な電位型ナトリウムチャネルが、脊髄神経節(DRG)ニューロンにおいて見出される。TTX耐性電流は、マイクロモル濃度のテトロドトキシンに感受性がなく、遅い活性化および不活性化動態、ならびに他の電位型ナトリウムチャネルと比較した場合、より脱分極化された活性化閾値を示す。TTX耐性ナトリウム電流は、侵害受容と関連がある感覚ニューロンの小集団に主に限定される。詳細には、TTX耐性ナトリウム電流は、小さな細胞体直径を有し;小直径の遅い伝達性軸索をもたらし、そしてカプサイシンに敏感なニューロンにおいて、ほぼ排他的に発現される。数多くの実験的証拠により、TTX耐性ナトリウムチャネルは、C線維上で発現され、それは脊髄への受容侵害情報の伝達において重要であることが示される。
【0007】
TTX耐性ナトリウムチャネル(NaV1.8)の特異的領域を標的にするアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの鞘内投与は、PGE誘発痛覚過敏の大幅な低減をもたらす(Khasar,S.G.,M.S.Gold,et al.(1998) 「A tetrodotoxin−resistant sodium current mediates inflammatory pain in the rat」Neurosci Lett 256(1):17−20参照のこと)。さらに最近になって、Woodおよび同業者により、機能的NaV1.8を欠くノックアウトマウス系が生成された。この変異は、炎症性物質、カラゲナンに対する動物の応答を評価する試験において、鎮痛効果を有する(Akopian,A.N.,V.Souslova,et al.(1999)「The tetrodotoxin−resistant sodium channel SNS has a specialized function in pain pathways」Nat Neurosci 2(6):541−8参照のこと)。さらに、機械的受容および温度受容の双方の欠陥が、これらの動物において観察された。NaV1.8ノックアウト突然変異体により示される痛覚消失は、侵害受容におけるTTX耐性電流の役割についての観察と一致している。
【0008】
免疫組織化学的な、in situハイブリッド形成法およびin vitro電気生理学の実験はすべて、ナトリウムチャネルNaV1.8は、選択的に脊髄神経節および三叉神経節の小感覚ニューロンに限局化されることを示している(Akopian,A.N.,L.Sivilotti,et al.(1996)「A tetrodotoxin−resistant voltage−gated sodium channel expressed by sensory neurons」Nature 379(6562):257−62参照のこと)。これらのニューロンの主要な役割は、侵害受容刺激の検出および伝達である。アンチセンスおよび免疫組織学的な証拠はまた、神経因性疼痛におけるNaV1.8に対する役割を支持している(Lai,J.,M.S.Gold,et al.(2002)「Inhibition of neuropathic pain by decreased expression of the tetrodotoxin−resistant sodium channel,NaVl.8」Pain 95(1−2):143−52、およびLai,J.,J.C.Hunter,et al.(2000)「Blockade of neuropathic pain by antisense targeting of tetrodotoxin− resistant sodium channels in sensory neurons」Methods Enzymol 314:201−13参照のこと)。NaV1.8タンパク質は、神経損傷に隣接する、損傷していないC線維に沿ってアップレギュレートされる。アンチセンス処置は、その神経に沿ったNaV1.8の再分配を防止し、そして神経因性疼痛を逆転させる。総合すれば、遺伝子ノックアウトおよびアンチセンスのデータは、炎症性疼痛および神経因性疼痛の検出および伝達における、NaV1.8に対する役割を支持している。
【0009】
神経因性疼痛の状態において、Naチャネルの分配およびサブタイプのリモデリングが存在する。損傷神経において、NaV1.8およびNaV1.9の発現は、著しく低減される。一方、TTX感受性サブユニットNaV1.3の発現は、5〜10倍にアップレギュレートされる(Dib−Hajj,S.D.,J.Fjell,et al.(1999)「Plasticity of sodium channel expression in DRG neurons in the chronic constriction injury model of neuropathic pain.」Pain 83(3):591−600参照のこと)。NaV1.3における経時的増加は、神経損傷に続く、動物モデルにおける異痛の出現と対応している。NaV1.3チャネルの生物物理学は、活動電位に続く不活性化後に非常に速いリプライミング(repriming)を示すという点で独特である。このことは、損傷神経においてしばしば見られるように、高い放電の持続率を可能にする(Cummins,T.R.,F.Aglieco,et al.(2001)「Navl.3 sodium channels: rapid repriming and slow closed−state inactivation display quantitative differences after expression in a mammalian cell line and in spinal sensory neurons」J Neurosci 21(16):5952−61参照のこと)。NaV1.3は、ヒトの中枢および末梢系で発現される。NaV1.9は、脊髄神経節および三叉神経節の小さな感覚ニューロンに選択的に限局化されることから、NaV1.8と類似している(Fang,X.,L.Djouhri,et al.(2002).「The presence and role of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.9 (NaN) in nociceptive primary afferent neurons.」J Neurosci 22(17):7425−33参照のこと)。NaV1.9は、活性化率が遅く、そして活性化に対する左にシフトされた(left−shifted)電位依存性を有している(Dib−Hajj,S.,J.A.Black,et al.(2002)「NaN/Navl.9:a sodium channel with unique properties」Trends Neurosci 25(5):253−9参照のこと)。これらの二つの生物物理学的特性は、NaV1.9が、侵害受容ニューロンの静止膜電位を固定する役割を果たすことを可能にする。NaV1.9発現細胞の静止膜電位は、たいたいの他の末梢および中枢ニューロンに対する−65mVと比較して、−55〜−50mVの範囲である。この永続的な脱分極は、大部分は、NaV1.9チャネルの持続的な低レベルの活性化が原因である。この脱分極化は、ニューロンが、侵害受容刺激に対する応答において放電活動電位に対する閾値に容易に到達することを可能にする。NaV1.9チャネルをブロックする化合物は、有痛性刺激の検出に対して、設定値(set point)を確立する上で重要な役割を果たし得る。慢性痛の状態において、神経および神経終末は腫大し得、かつ過敏になり得、軽度の刺激に、または刺激がなくても、高頻度の活動電位放電を示す。これらの病理学的神経腫脹は、神経腫と呼ばれ、それらで発現する主要なNaチャネルは、NaV1.8およびNaV1.7である(Kretschmer,T.,L.T.Happel,et al.(2002)「Accumulation of PNl and PN3 sodium channels in painful human neuroma− evidence from immunocytochemistry」Acta Neurochir(Wien)144(8):803−10;discussion 810参照のこと)。NaV1.6およびNaV1.7はまた、脊髄神経節で発現され、これらの細胞で見られる小さなTTX感受性成分に寄与している。したがって、NaV1.7は特に、神経内分泌興奮性における役割に加えて、潜在的な疼痛の標的となり得る(Klugbauer,N.,L.Lacinova,et al.(1995)「Structure and functional expression of a new member of the tetrodotoxin− sensitive voltage−activated sodium channel family from human neuroendocrine cells」Embo J 14(6):1084−90参照のこと)。
【0010】
NaV1.1(Sugawara,T.,E.Mazaki−Miyazaki,et al.(2001)「Navl.l mutations cause febrile seizures associated with afebrile partial seizures.」Neurology 57(4):703−5参照のこと)およびNaV1.2(Sugawara,T.,Y.Tsurubuchi,et al.8(2001)「A missense mutation of the Na+ channel alpha II subunit gene Na(v)1.2 in a patient with febrile and afebrile seizures causes channel dysfunction」Proc Natl Acad Sci USA 98(11):6384−9参照のこと)は、熱性痙攣を含む癲癇の状態と関連付けられている。熱性痙攣に関連するNaV1.1において、9種より多い遺伝突然変異が存在する(Meisler,M.H.,J.A.Kearney,et al.(2002)「Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy」Novartis Found Symp 241:72−81参照のこと)。
【0011】
NaV1.5に対するアンタゴニストが、心不整脈を処置するために、開発かつ使用されている。電流に対してより大きな非不活性(noninactivating)成分を産生するNaV1.5における遺伝欠損は、ヒトにおけるQT延長と関連付けられており、そして経口で利用可能な局所麻酔剤が、この状態を処置するために使用されている(Wang,D.W.,K.Yazawa,et al.(1997)「Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels.」J Clin Invest 99(7):1714−20参照のこと)。
【0012】
数種のNaチャネルブロッカーが、癲癇(Moulard,B.and D.Bertrand(2002)「Epilepsy and sodium channel blockers」Expert Opin.Ther.Patents 12(1):85−91参照のこと);急性痛(Wiffen,P.,S.Collins,et al.(2000)「Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain」Cochrane Database Syst Rev3参照のこと)、慢性痛(Wiffen,P.,S.Collins,et al.(2000)「Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain」Cochrane Database Svst Rev3、およびGuay,D. R.(2001)「Adjunctive agents in the management of chronic pain」Pharmacotherapy21(9):1070−81参照のこと)、炎症性疼痛(Gold,M.S.(1999)「Tetrodotoxin−resistant Na+currents and inflammatory hyperalgesia.」Proc Natl Acad Sci USA 96(14):7645−9参照のこと)、神経因性疼痛(Strichartz,G.R.,Z.Zhou,et al.(2002)「Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain」Novartis Found Symp 241:189−201、およびSandner−Kiesling,A.,G.Rumpold Seitlinger,et al.(2002)「Lamotrigine monotherapy for control of neuralgia after nerve section」Acta Anaesthesiol Scand 46(10):1261−4参照のこと);心不整脈(An,R.H.,R.Bangalore,et al.(1996)「Lidocaine block of LQT−3 mutant human Na+ channels」Circ Res 79(1):103−8、およびWang,D.W.,K.Yazawa,et al.(1997)「Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels」J Clin Invest 99(7):1714−20参照のこと);神経保護(Taylor,C.P.and L.S.Narasimhan(1997)「Sodium channels and therapy of central nervous system diseases」Adv Pharmacol 39:47−98参照のこと)を処置するために;ならびに麻酔剤(Strichartz.G.R.,Z.Zhou,et al.(2002)「Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain.」Novartis Found Svmp 241:189−201参照のこと)として、現在診療所で使用あるいは試験されている。
【0013】
臨床的に有意な種々の動物モデルが、数多くの異なる疼痛の指標(例えば、悪性慢性痛(Kohase,H.,et al.,Acta Anaesthesiol Scand.2004;48(3):382−3参照のこと);大腿癌性疼痛(Kohase,H.,et al.,Acta Anaesthesiol Scand.2004;48(3):382−3参照のこと);非悪性慢性骨痛(Ciocon,J.O.et al.,J Am Geriatr Soc.1994;42(6):593−6参照のこと);慢性関節リウマチ(Calvino,B.et al.,Behav Brain Res. 1987;24(1):11−29参照のこと);変形性関節症(Guzman,R.E.,et al.,Toxicol Pathol.2003;31(6):619−24参照のこと);脊柱管狭窄(Takenobu,Y.et al.,J Neurosci Methods.2001;104(2):191−8参照のこと);神経障害性腰痛(Hines,R.,et al.,Pain Med.2002;3(4):361−5;Massie,J.B.,et al.,J Neurosci Methods.2004;137(2):283−9参照のこと);神経障害性腰痛(Hines,R.,et al.,Pain Med.2002;3(4):361−5;Massie,J.B.,et al.,J Neurosci Methods.2004;137(2):283−9参照のこと);筋膜疼痛症候群(Dalpiaz&Dodds,J Pain Palliat Care Pharmacother.2002;16(l):99−104;Sluka KA et al.,Muscle Nerve.2001;24(l):37−46参照のこと);繊維筋痛症(Bennet&Tai,Int J Clin Pharmacol Res.1995;15(3):115−9参照のこと);側頭下顎関節疼痛;(Ime H,Ren K,Brain Res MoI Brain Res.1999;67(l):87−97参照のこと);慢性内臓痛(腸を含む)(Al−Chaer,E.D.,et al.,Gastroenterology.2000;119(5):1276−85参照のこと);骨盤/会陰疼痛(Wesselmann et al.,Neurosci Lett.1998;246(2):73−6参照のこと);膵臓(Vera−Portocarrero,L.B.,et al.,Anesthesiology.2003;98(2):474−84参照のこと);IBS疼痛(Verne,G.N.,et al.,Pain.2003;105(1−2):223−30;La JH et al.,World Gastroenterol.2003;9(12):2791−5参照のこと);慢性頭痛(Willimas&Stark,Cephalalgia.2003;23(10):963−71参照のこと);偏頭痛(Yamamura,H.,et al.,J Neurophysiol.1999;81(2):479−93参照のこと);緊張性頭痛(群発性頭痛を含む)(Costa,A.,et al.,Cephalalgia.2000;20(2):85−91参照のこと);慢性神経因性疼痛(帯状疱疹後神経痛を含む)(Attal,N.,et al.,Neurology.2004;62(2):218−25;Kim&Chung 1992,Pain 50:355参照のこと);糖尿病性ニューロパチー(Beidoun A et al.,Clin J Pain.2004;20(3):174−8;Courteix,C,et al.,Pain.1993;53(l):81−8参照のこと);HIV関連ニューロパチー(Portegies&Rosenberg,Ned Tijdschr Geneeskd.2001;145(15):731−5;Joseph EK et al.,Pain.2004;107(1−2):147−58;Oh,S.B.,et al.,J Neurosci.2001;21(14):5027−35参照のこと);三叉神経痛(Sato,J.,et al.,Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod.2004;97(1):18−22;Imamura Y et al.,Exp Brain Res.1997;116(l):97−103参照のこと);シャルコー・マリー・トゥスニューロパチー(Sereda,M.,et al.,Neuron.1996;16(5):1049−60参照のこと);遺伝性感覚ニューロパチー(Lee,M.J.,et al.,Hum MoI Genet.2003;12(15):1917−25参照のこと);末梢神経損傷(Attal,N.,et al.,Neurology.2004;62(2):218−25;Kim&Chung 1992,Pain 50:355;Bennett&Xie,1988,Pain 33:87;Decostered,I.&Woolf,C.J.,2000,Pain 87:149;Shir,Y.&Seltzer,Z.1990;Neurosci Lett 115:62参照のこと);有痛神経腫;(Nahabedian&Johnson,Ann Plast Surg.2001;46(l):15−22;Devor&Raber,Behav Neural Biol.1983;37(2):276−83参照のこと);異所性近位および異所性遠位放電(discharge)(Liu,X.et al.,Brain Res.2001;900(1):119−27参照のこと);神経根障害(Devers&Galer,Clin J Pain.2000;16(3):205−8;Hayashi N et al.,Spine.1998;23(8):877−85参照のこと);化学治療誘発神経因性疼痛(Aley,K.O.,et al.,Neuroscience.1996;73(l):259−65参照のこと);放射線治療誘発神経因性疼痛;乳房切除後疼痛(Devers&Galer,Clin J Pain.2000;16(3):205−8参照のこと);中枢痛(Cahana,A.,et al.,Anesth Analg.2004;98(6):1581−4参照のこと),脊髄損傷痛(Hains,B.C,et al.,Exp Neurol.2000;164(2):426−37参照のこと);卒中後疼痛(post−stroke pain);視床痛(LaBuda,C.J.,et al.,Neurosci Lett.2000;290(l):79−83参照のこと);複合性局所疼痛症候群(Wallace,M.S.,et al.,Anesthesiology.2000;92(l):75−83;Xantos D et al.,J Pain.2004;5(3 Suppl 2):S1参照のこと);幻視痛(Weber,W.E.,Ned Tijdschr Geneeskd.2001;145(17):813−7;Levitt&Heyback,Pain.1981;10(l):67−73参照のこと);難治性疼痛(Yokoyama,M.,et al.,Can J Anaesth.2002;49(8):810−3参照のこと);急性痛、急性術後痛(Koppert,W.,et al.,Anesth Analg.2004;98(4):1050−5;Brennan,T.J.,et al.,Pain.1996;64(3):493−501参照のこと);急性筋骨格系疼痛;関節痛(Gotoh, S.,et al.,Ann Rheum Dis.1993;52(11):817−22参照のこと);機械的(mechanical)腰痛(Kehl,L. J.,et al.,Pain.2000;85(3):333−43参照のこと);頚部痛;テノン嚢炎;損傷疼痛/運動疼痛(Sesay,M.,et al.,Can J Anaesth.2002;49(2):137−43参照のこと);急性内臓痛(腹痛を含む);腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア;など(Giambernardino,M.A.,et al.,Pain.1995;61(3):459−69参照のこと);胸部痛(心臓痛を含む)(Vergona,R.A.,et al.,Life Sci.1984;35(18):1877−84参照のこと);骨盤痛、腎仙痛、急性分娩痛(分娩陣痛を含む)(Segal,S.,et al.,Anesth Analg.1998;87(4):864−9参照のこと);帝王切開痛;急性炎症、熱傷痛、および外傷性疼痛;急性間欠痛(子宮内膜症を含む)(Cason,A.M.,et al.,Horm Behav.2003;44(2):123−31参照のこと);急性水泡帯状疱疹性疼痛;鎌状赤血球貧血;急性膵炎(Toma,H;Gastroenterology.2000;119(5):1373−81参照のこと);突発疼痛(breakthrough pain);口顔疼痛(orofacial pain)(静脈洞炎疼痛を含む)、歯痛(Nusstein,J.,et al.,J Endod.1998;24(7):487−91;Chidiac,J.J.,et al.,Eur J Pain.2002;6(l):55−67参照のこと);多発性硬化症(MS)疼痛(Sakurai&Kanazawa,J Neurol Sci.1999;162(2):162−8参照のこと);うつ病における疼痛(Greene B,Curr Med Res Opin.2003;19(4):272−7参照のこと);ハンセン病疼痛;ベーチェット病疼痛;有痛脂肪症(Devillers&Oranje,Clin Exp Dermatol.1999;24(3):240−l参照のこと);静脈炎疼痛;ギラン・バレー疼痛;痛む脚と動く足趾;ハグルンド症候群;肢端紅痛症疼痛(Legroux−Crespel,E.,et al.,Ann Dermatol Venereol.2003;130(4):429−33参照のこと);ファブリー病疼痛(Germain,D. P.,J Soc Biol.2002;196(2):183−90参照のこと);膀胱疾患および尿性器疾患(尿失禁を含む)(Berggren,T.,et al.,J Urol.1993;150(5 Pt 1):1540−3参照のこと);活動亢進膀胱(Chuang,Y.C,et al.,Urology.2003;61(3):664−70参照のこと);有痛膀胱症候群(Yoshimura,N.,et al.,J Neurosci.2001;21(21):8690−6参照のこと);間質性膀胱炎(IC)(Giannakopoulos&Campilomatos,Arch Ital Urol Nefrol Androl.1992;64(4):337−9;Boucher,M.,et al.,J Urol.2000;164(l):203−8参照のこと);ならびに前立腺炎(Mayersak,J.S.,Int Surg.1998;83(4):347−9;Keith,I.M.,et al.,J Urol.2001;166(l):323−8参照のこと))のためのナトリウムチャネルのモジュレーターの研究のために開発されている。
【0014】
電位型カルシウムチャネルは、膜脱分極に応答して開口する膜貫通(membrane−spanning)の、マルチサブユニットタンパク質であり、細胞外環境からのCaの進入を可能にしている。カルシウムチャネルは、チャネル開口の時間および電位依存性、ならびに薬理学的ブロックに対する感受性に基づいて、最初は分類されていた。その範疇は、低電位活性(最初はT型)および高電位活性(L型、N型、P型、Q型、またはR型)であった。この分類スキームは、表Bに要約されるように、分子サブニット組成物に基づく命名法に取って代わられた(Hockerman GH,Peterson BZ,Johnson BD,Catterall WA.1997.Annu Rev Pharmacol Toxicol 37:361−96;Striessnig J.1999.Cell Physiol Biochem 9:242−69)。カルシウムチャネルを構成する4つの主要なサブユニット−α、αδ、βおよびγが存在する(De Waard et al.Structural and functional diversity of voltage−activated calcium channels.In Ion Channels,(ed.T.Narahashi)41−87,(Plenum Press,New York,1996)参照のこと)。αサブユニットは、薬理学的特性の主要な決定因子であり、チャネル極および電位デンサーを含む(Hockerman et al.,1997;Striessing,1999)。以下の表Bに示されるように、αサブユニットの10種のアイソフォームが公知である。αδサブユニットは、二つのジスルフィド結合サブユニットからなり、それらはα(最初は細胞外)および膜貫通δサブユニットである。αδの4種のサブユニットが公知であり、それらは、αδ−1、αδ−2、αδ−3、およびαδ−4である。βサブユニットは、αサブユニットに結合するグリコシル化されていない細胞質タンパク質である。4つのアイソフォームが公知であり、それらはβ〜βと呼ばれる。γサブユニットは、Ca1およびCa2チャネルの成分として生化学的に単離されている膜貫通タンパク質である。8つのアイソフォームが公知である(γ〜γ)[Kang MG,Campbell KP.2003.J Biol Chem 278:21315−8]。電位型カルシウムチャネルの命名法は、以下の表Bに示されるように、αサブユニットの内容物に依存する。各αサブユニットは、種々のβ、αδ、またはγサブユニットと結合し得、その結果、各Ca型は、多くの異なるサブユニットの組み合わせに対応する。
【0015】
【化23】

Ca2電流は、中枢神経系および末梢神経系、ならびに神経内分泌細胞においてもっぱら見出され、そしてシナプス前の電位型カルシウム電流の卓越した形態を構成する。シナプス前の活動電位は、チャネル開口を引き起こし、神経伝達物質の放出は、次に起こるカルシウムの進入に強く依存している。したがって、Ca2チャネルは、神経伝達物質の放出を媒介する上で、中心的な役割を果たしている。
【0016】
Ca2.1およびCa2.2は、ペプチドトキシン、ω−コノトキシン−MVIICおよびω−コノトキシン−GVIAそれぞれに対する高親和性結合部位を含み、これらのペプチドは、各チャネル型の分配および機能を決定するために使用されている。Ca2.2は、脊髄神経節からのニューロン、および脊髄後角(dorsal horn)板IおよびIIのニューロンのシナプス前の神経末端にて、高度に発現される(Westenbroek RE,Hoskins L,Catterall WA.1998./Neurosci 18:6319−30;Cizkova D,Marsala J,Lukacova N,Marsala M,Jergova S,et al.2002.Exp Brain Res 147:456−63)。Ca2.2チャネルはまた、脊髄内の第二および第三の介在ニューロンの間のシナプス前末端において見出される。神経伝達の双方の部位は、脳への疼痛の情報を遅らせる上で非常に重要である。
【0017】
疼痛は、大まかに三種の異なる型;急性痛、炎症性疼痛、および神経因性疼痛に分類され得る。急性痛は、組織損傷を生成し得る刺激からの生体の安全を保つ上で、重要な保護的な機能を提供する。重度の熱入力、機械的入力、および化学的入力は、注意が払われない場合、生体に対して深刻な損傷を引き起こし得る。急性痛は、損傷環境から個体をすばやく取り除く役目をする。急性痛は、まさにその性質により、一般的に短い間持続し、強力である。一方、炎症性疼痛は、非常に長い期間にわたって持続し得、そしてその強度はより段階的である。炎症は、組織炎症、自己免疫応答、および病原体侵入を含む多くの理由のために生じ得る。炎症性疼痛は、P物質、ヒスタミン、酸、プロスタグランジン、ブラジキニン、CGRP、サイトカイン、ATP、および神経伝達物質の放出からなる「炎症性スープ(inflammatory soup)」により媒介される。疼痛の第三のクラスは、神経因性疼痛であり、何年にもわたって持続する慢性痛を生成し得る、病原体で「感作された」状態を生じさせる、ニューロンタンパク質およびニューロン回路の再構成をもたらす神経損傷を伴う。この型の疼痛は、順応的な利益を提供せず、現存する治療法で処置することは特に難しい。
【0018】
疼痛、特に神経因性疼痛および難治性疼痛は、大きな満たされない医学的必要性が存在する。数百万人の個体が、現在の治療法では十分に制御されない重度の疼痛に罹患している。疼痛を処置するために用いられる現行の薬剤としては、NSAID2、COX2インヒビター、オピオイド、三環系抗鬱剤、および鎮痙剤が挙げられる。神経因性疼痛は、高用量に到達するまでオピオイドに対して十分に反応しないために、処置が特に困難である。ガバペンチンは、現在、神経因性疼痛の処置のために好ましい治療剤であるが、60%の患者においてのみ作用し、中程度の効用を示している。しかしながら、その薬剤は、非常に安全であり、副作用は一般的に許容可能であるが、高用量での鎮静が問題である。
【0019】
神経因性疼痛の処置のための標的としての、Cav2.2の妥当性は、このチャネルの選択的ペプチドブロッカーであるジコノチド(ziconotide)(ω−コノトキシン−MVIIAとしても公知)を用いる研究により提供される(Bowersox SS,Gadbois T,Singh T,Pettus M,Wang YX,Luther RR.1996.J Pharmacol Exp Tlier 279:1243−9;Jain KK.2000.Exp.Opin.Invest.Drugs 9:2403−10;Vanegas H,Schaible H.2000.Pain 85:9−18)。ヒトにおいて、ジコノチドの鞘内投与は、難治性疼痛、心臓痛、オピオイド耐性疼痛、および神経因性疼痛の処置のために有効である。そのトキシンは、ヒトにおける疼痛の処置に対して85%の成功率を有し、モルヒネよりも大きな効力を有する。経口で利用可能なCa2.2のアンタゴニストは、鞘内投与の必要性なしで、同様の効用を有する。Ca2.1およびCa2.3はまた、侵害受容経路のニューロン内にあり、これらのチャネルのアンタゴニストは、疼痛を処置するために用いられ得る。
【0020】
Ca2.1、Ca2.2、またはCa2.3のアンタゴニストはまた、明らかに過剰のカルシウムの侵入を伴う、中枢神経系の他の病状を処置するために有用である。脳溢血および脳卒中は、ニューロンの脱分極のため、過剰のカルシウムの進入と関連している。Ca2.2アンタゴニストであるジコノチドは、実験動物を用いる局所的溢血モデルにおいて、梗塞サイズを低減させることに有用であり、Ca2.2アンタゴニストは、卒中の処置のために用いられ得ることを示唆している。同様に、ニューロンへの過剰なカルシウムの流入の低減は、癲癇、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、多発脳梗塞性痴呆、および他のクラスの痴呆、筋萎縮性側索硬化症、健忘症、または毒物もしくは他の毒性物質により引き起こされる神経損傷の処置のために有用であり得る。
【0021】
Ca2.2はまた、交感神経系のニューロンからの神経伝達物質の放出を媒介し、アンタゴニストは、高血圧、心不整脈、狭心症、心筋梗塞、およびうっ血性心不全のような心臓病を処置するために用いられ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
残念ながら、上で記載されるように、現在用いられている、上に記載される疾患の状態に対するナトリウムチャネルブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーの効用は、多くの副作用により、大部分が制限されている。これらの副作用としては、種々のCNS障害(例えば、視朦、めまい感、吐き気、および鎮静、ならびにより潜在的に生命を脅かす心不整脈および心不全)が挙げられる。したがって、さらなるNaチャネルおよびCaチャネルアンタゴニスト、好ましくはより高い潜在力を有し、より副作用の少ないものを開発する必要性が残されている。残念ながら、上で記載されるように、現在用いられている、上に記載される疾患の状態に対するナトリウムチャネルブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーの効用は、多くの副作用により、大部分が制限されている。これらの副作用としては、種々のCNS障害(例えば、視朦、めまい感、吐き気、および鎮静、ならびにより潜在的に生命を脅かす心不整脈および心不全)が挙げられる。したがって、さらなるNaチャネルおよびCaチャネルアンタゴニスト、好ましくはより高い潜在力を有し、より副作用の少ないものを開発する必要性が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
(発明の要旨)
本発明の化合物、ならびにその薬学的に受容可能な組成物は、電位型ナトリウムチャネルおよび/またはカルシウムチャネルのインヒビターとして有用であることが現在まで見出されている。これらは式I:
【0024】
【化24】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩である。
【0025】
これらの化合物ならびに薬学的に受容可能な組成物は、種々の疾患、障害、または状態(例えば、急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、一般的な神経痛、癲癇または癲癇性の状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安またはうつ病)、筋硬直症、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパシー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛、激痛もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発疼痛、または癌性疼痛が挙げられるが、それらに限定されない)の重症度を処置あるいは緩和するために有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(発明の詳細な説明)
1.本発明の化合物の一般的な説明
一つの実施形態において、本発明は、式I:
【0027】
【化25】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで:
Wは、ハロ、OR’、SR’、N(R’)、CHF、またはCHFである;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、硫黄、または酸素から独立して選択される0〜3個のさらなるヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜8員の単環式の飽和または部分的に不飽和の環を形成し;ここで、一緒になってRおよびRにより形成される該環は、z個の独立した出現の−Rで、一個または一個より多い置換可能な炭素原子、窒素原子、または硫黄原子にて、それぞれ必要に応じて、そして独立して置換され、ここで、zは0〜5である;
yは0〜5である;
3a、R3b、R3c、R3d、R、およびRの各出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して、置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;
各Rの出現は、独立して、水素または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基である;
各R’の出現は、独立して、水素、または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であるか;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する;
但し、
i)Wが−OMeである場合、一緒になったRおよびRは、
【0028】
【化26】

ではない、ここで、Kはメチルまたはエチルであり、そしてkは1または2である;
ii)Wが−OHまたは−OAc、R3dがMe、Rが5−メチル、そしてR3a、R3b、およびR3cが水素である場合、一緒になったRおよびRは、ピペリジルでもピロリジニルでもない;そして
iii)WがCFまたはCHFである場合、R3dはクロロではない。
【0029】
2.化合物および定義:
本発明の化合物は、上で一般的に記載された化合物を含み、そして本明細書中に開示されるクラス、サブクラス、および種によりさらに説明される。本明細書中で用いられる場合、次の定義が、他に示されない限り適用される。本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics、第75版に従って同定される。さらに、有機化学の一般的な原理は、「Organic Chemistry」,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、および「March’s Advanced Organic Chemistry」,第5版,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley&Sons,New York:2001に記載され、それらの全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0030】
本明細書中に記載される場合、本発明の化合物は、一つまたは一つより多い置換基で必要に応じて置換され得、それらは例えば、上で説明されるか、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種により例証される。表現「必要に応じて置換された」は、表現「置換されているか、または置換されていない」と取り替え可能に用いられることが理解される。一般的に、用語「置換された」は、用語「必要に応じて」の後にあろうとなかろうと、所定の構造における水素基の、特定の置換基の基との置換のことをいう。他に示されない限り、必要に応じて置換された基は、その基の置換可能な各位置にて、置換基を有し得、任意の所定の構造における一つより多い位置が、特定の基から選択される一つより多い置換基で置換され得る場合、置換基は各位置で同じであっても、異なっていてもよい。本発明で考察される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定または化学的に可能な化合物の形成をもたらすものである。用語「安定な」は、本明細書中で用いられる場合、本明細書中に開示される一つまたは一つより多い目的のための生成、検出、および好ましくは回収、精製、ならびに使用を可能にする条件に供される場合、実質的に変更されない化合物のことをいう。いくつかの実施形態において、安定な化合物または化学的に可能な化合物は、湿気または他の化学反応条件の非存在下で、少なくとも一週間にわたって、40℃または40℃より低い温度に保たれた場合、実質的に変更されない化合物のことをいう。
【0031】
用語「脂肪族」または「脂肪族基」は、本明細書中で用いられる場合、完全に飽和であるか、または一つもしくは一つより多い不飽和単位を含む、直鎖(すなわち、分枝されていない)または分枝鎖の、置換されているか、または置換されていない炭化水素鎖、あるいは、完全に飽和であるか、または一つもしくは一つより多い不飽和単位を含む単環式の炭化水素または二環式の炭化水素(しかし、芳香族ではない)(また、本明細書中で、「炭素環式」、「脂環族」または、「シクロアルキル」ともいう)を意味し、残りの分子に対して単独の結合点を有する。いくつかの実施形態において、「脂環族」(「炭素環式」または、「シクロアルキル」)は、残りの分子に対して単独の結合点を有する、芳香族ではない、完全に飽和であるか、または一つもしくは一つより多い不飽和単位を含む単環式または二環式の炭化水素のことをいい、ここで、上記二環式の環系における任意の個々の環は、3〜7員を有する。適切な脂肪族基としては、直鎖または分枝鎖の、置換されているか、または置換されていない、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ならびにそれらの化学結合(例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、および(シクロアルキニル)アルキル)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0032】
用語「ヘテロ脂肪族(heteroaliphatic)」は、本明細書中で用いられる場合、一個または二個の炭素原子が、一個または一個より多い酸素、硫黄、窒素、リン、もしくはケイ素で独立して置換される脂肪族基を意味する。ヘテロ脂肪族基は、置換されていても、されていなくてもよく、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、環式であっても非環式であってもよい。ヘテロ脂肪族基は、「複素環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環族(heterocycloaliphatic)」または「複素環(heterocyclic)」基を含む。
【0033】
本明細書中で用いられる用語「複素環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環族」または「複素環(heterocyclic)」は、非芳香族の、単環式、もしくは二環式、もしくは三環式の環系を意味し、その環において、一つまたは一つより多い環員は、独立して選択されたヘテロ原子である。いくつかの実施形態において、「複素環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環族」または「複素環(heterocyclic)」基は、3個〜14個の環員を有し、その環において、一つまたは一つより多い環員は、酸素、硫黄、窒素、もしくはリンから独立して選択されるヘテロ原子であり、そしてその系における各環は、3個〜7個の環員を含む。
【0034】
用語「ヘテロ原子」は、一個または一個より多い酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素(窒素、硫黄、リン、もしくはケイ素の任意の酸化された形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または、複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにおける)、NH(ピロリジニルにおける)またはNR(N置換ピロリジニルにおける)を含む)を意味する。
【0035】
用語「不飽和の」は、本明細書中で用いられる場合、一つまたは一つより多い不飽和単位を有する部分を意味する。
【0036】
用語「アルコキシ」または「チオアルキル」は、本明細書中で用いられる場合、酸素原子(「アルコキシ」)または硫黄原子(「チオアルキル」)を通して、主炭素鎖と結合したアルキル基(前述で定義される)のことをいう。
【0037】
用語「ハロアルキル」または「ハロアルコキシ」は、場合によって、一個または一個より多いハロゲン原子で置換されたアルキル、アルケニル、またはアルコキシを意味する。用語「ハロゲン」は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0038】
単独で用いられるか、または、「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」中のような、より大きな部分の一部分として用いられる、用語「アリール」は、合計で5個〜14個の環員を有する単環式、二環式、および三環式の環系のことをいい、ここでその系における少なくとも一つの環は、芳香族であり、そしてその系における各環は、3個〜7個の環員を含む。用語「アリール」は、用語「アリール環」と取り替え可能に用いられ得る。用語「アリール」はまた、下の本明細書中で定義されるヘテロアリール環系のことをいう。
【0039】
単独で用いられるか、または、「ヘテロアラルキル」、もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」中のような、より大きな部分の一部分として用いられる、用語「ヘテロアリール」は、合計で5個〜14個の環員を有する単環式、二環式、および三環式の環系のことをいい、ここでその系における少なくとも一つの環は芳香族であり、そしてその系における少なくとも一つの環は、一個または一個より多いヘテロ原子を含む。そしてその系における各環は、3個〜7個の環員を含む。用語「ヘテロアリール」は、用語「ヘテロアリール環」または「ヘテロ芳香族」と取り替え可能に用いられ得る。
【0040】
アリール基(アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシアルキル基などを含む)、またはヘテロアリール基(ヘテロアラルキル基、ヘテロアリールアルコキシ基などを含む)は、一つまたは一つより多い置換基を含み、したがって、「必要に応じて置換され」得る。本明細書中で他に明記されない限り、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和の炭素上の適切な置換基は、ハロゲン;−R゜;−OR゜;−SR゜;R゜で必要に応じて置換されたフェニル(Ph);R゜で必要に応じて置換された−O(Ph);R゜で必要に応じてで置換された−(CH1〜2(Ph);R゜で必要に応じて置換されたCH=CH(Ph);
【0041】
【化27−1】

R゜で必要に応じて置換されたフェニル(Ph);R゜で必要に応じて置換された−O(Ph)R゜で必要に応じてで置換された−(CH1〜2(Ph);またはR゜で必要に応じて置換された−CH=CH(Ph);から一般的に選択され、ここで、R゜の独立した各出現は、水素、必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族、置換されていない5〜6員のヘテロアリールまたは複素環、フェニル、−O(Ph)、−CH(Ph)から選択されるか;あるいは、上の定義にかかわらず、同じであるか、または異なる置換基上の、R゜の二つの独立した出現は、R゜基が結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0042】
本明細書中で他に明記されない限り、R゜の脂肪族基上の任意の置換基は、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、OH、O(C1〜4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1〜4脂肪族)、O(ハロC1〜4脂肪族)、またはハロC1〜4脂肪族から選択され、前述のR゜のC1〜4脂肪族基はそれぞれ、置換されていない。
【0043】
脂肪族基、またはヘテロ脂肪族基、または非芳香族の複素環は、一つまたは一つより多い置換基を含み得、したがって「必要に応じて置換され」得る。本明細書中で他に明記されない限り、脂肪族基またはヘテロ脂肪族基の、あるいは非芳香族の複素環の飽和された炭素上の適切な置換基は、アリール基またはヘテロアリール基の不飽和の炭素に対して上で列挙されたものから選択され、さらに、以下:=O,=S,=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)、または=NR(ここで、各Rは、水素または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基から独立して選択される)を含む。
【0044】
本明細書中で他に明記されない限り、非芳香族の複素環の窒素上の任意の置換基は、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R+1、−C(=NH)−N(R、または−NRSOから一般的に選択され、ここで、Rは、水素、必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族、必要に応じて置換されたフェニル、必要に応じて置換された−O(Ph)、必要に応じて置換された−CH(Ph)、必要に応じて置換された−(CH1〜2(Ph)、必要に応じて置換された−CH=CH(Ph);または、酸素、窒素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、置換されていない5〜6員のヘテロアリール、もしくは複素環であるか、あるいは、上の定義にかかわらず、同じ置換基上の、または異なる置換基上の、Rの二つの独立した出現は、各R基が結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0045】
本明細書中で他に明記されない限り、Rの脂肪族基上の、またはフェニル環上の任意の置換基は、−NH、−NH(C1〜4脂肪族)、−N(C1〜4脂肪族)、ハロゲン、C1〜4脂肪族、−OH、−O(C1〜4脂肪族)、−NO、−CN、−COH、−CO(C1〜4脂肪族)、−O(ハロC1〜4脂肪族)、または(C1〜4脂肪族)から選択され、ここで、Rの前述のC1〜4脂肪族基はそれぞれ、置換されていない。
【0046】
用語「アルキリデン鎖」は、完全に置換され得るか、または一つまたは一つより多い不飽和単位を有する直鎖または分枝鎖の炭素鎖のことをいい、残りの分子に対して二つの結合点を有する。
【0047】
上で詳しく述べられたように、いくつかの実施形態において、R゜(または、R、R、R’、もしくは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の二つの独立した出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0048】
R゜(または、R、R、R’、もしくは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の二つの独立した出現が、各変数が結合している原子と一緒になった場合に形成される例示的な環としては、以下:a)同じ原子と結合している、R゜(または、R、R、R’、もしくは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の二つの独立した出現が、その原子とともに形成した環、例えば、N(R゜)(ここで、R゜の双方の出現は、窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、またはモルホリン−4−イル基を形成する;ならびに、b)異なる原子と結合している、R゜(または、R、R、R’、もしくは本明細書中に定義される任意の他の変数)の二つの独立した出現が、それらの原子の双方と一緒になって形成した環(例えば、フェニル基がOR゜の二つの出現で置換された
【0049】
【化27−2】

、これらのR゜の二つの出現は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、酸素を含む縮合6員:
【0050】
【化28】

を形成する)が挙げられるが、それらに限定されない。R゜(または、R、R、R’、もしくは本明細書中で同様に定義される任意の他の変数)の二つの独立した出現が、各変数が結合している原子と一緒になった場合、種々の他の環が形成され得、上で詳細を述べた例は、制限するために意図されないことが理解される。
【0051】
本明細書中で他に明記されない限り、本明細書中に述べられた構造はまた、その構造のすべての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何異性体(または配座異性体))の形態;例えば、各不斉中心に対するRおよびS立体配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)配座異性体を含む。したがって、本発明の化合物の単独の立体異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何異性体(または配座異性体)の混合物は、本発明の範囲内にある。他に述べられない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体の形態は、本発明の範囲内にある。さらに、他に述べられない限り、本明細書中に述べられる構造は、一つまたは一つより多い同位体に富む原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことが意味される。例えば、本発明の構造を有する化合物は、重水素またはトリチウムによる水素の置換、あるいは、13Cまたは14Cに富む炭素による炭素の置換、あるいは15N窒素による窒素の置換を除いて、本発明の範囲内にある。そのような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして有用である。
【0052】
3.例示的な化合物の説明
本発明の一つの実施形態において、RおよびRは一緒になって、アゼチジニル環:
【0053】
【化29】

を形成する。
【0054】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは一緒になって、ピロリジニル環:
【0055】
【化30】

を形成する。
【0056】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは一緒になって、ピペリジニル環:
【0057】
【化31】

を形成する。
【0058】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは一緒になって、ピペラジニル環:
【0059】
【化32】

を形成する。
【0060】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは一緒になって、モルホリニル環:
【0061】
【化33】

を形成する。
【0062】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは一緒になって、チオモルホリニル環:
【0063】
【化34】

を形成する。
【0064】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは一緒になって、アゼパニル環:
【0065】
【化35】

を形成する。
【0066】
本発明の別の実施形態において、RおよびRは一緒になって、アゾカニル環:
【0067】
【化36】

を形成する。
【0068】
一つの実施形態において、RおよびRが一緒になって、以下に示される環(ii)または(jj):
【0069】
【化37】

を形成し、ここで:
は、−N−、−CH−NH−、または−CH−CH−NH−であり;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、但し、m+nは2〜6である;
は0〜2である;
zは0〜4である;
各RXXは、水素、C1〜6脂肪族基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する、8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり;ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である;
但し、双方のRXXは同時に水素ではない;
YYは、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、または−PO(R’)である;
11の各出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して、置換され;そして、Rの各出現は、独立して、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有するか;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0070】
本発明の一つの実施形態において、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXは水素でない。
【0071】
本発明の別の実施形態において、RXXは双方とも水素ではない。
【0072】
本発明の一つの実施形態において、pは0であるか、またはpは1であるか、またはpは2である。
【0073】
本発明の一つの実施形態において、mおよびnはそれぞれ1であり、またはmおよびnはそれぞれ2であり、またはmおよびnはそれぞれ3である。
【0074】
本発明の一つの実施形態において、RXXは、C1〜6脂肪族基であり、ここでRXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である。または、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換されたC1〜C6アルキル基であり、ここで、wは0〜3である。
【0075】
本発明の一つの実施形態において、RXXは、C1〜C6アルキル基である。
【0076】
本発明の別の実施形態において、RXXは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である。
【0077】
本発明の別の実施形態において、RXXは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または完全に不飽和の単環式の環であり、ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である。
【0078】
別の実施形態において、RXXは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、または部分的に不飽和の、または完全に不飽和の二環式の環であり、ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である。
【0079】
別の実施形態において、RYYは、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、または−PO(R’)である。あるいは、RYYは、水素である。
【0080】
別の実施形態において、RYYは、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、または−PO(R’)である。
【0081】
別の実施形態において、Rは水素である。または、RはC1〜C6アルキルである。好ましいRとしてはメチル、エチル、プロピル、またはブチルが挙げられる。
【0082】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0083】
なおも別の実施形態において、pが0であり、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0084】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0085】
なおも別の実施形態において、pは0であり、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0086】
本発明の一つの実施形態において、RおよびRは一緒になって、以下に示される環:
【0087】
【化38】

を形成する。
【0088】
一つの実施形態において、RXXはC1〜C6アルキルである。
【0089】
一つの実施形態において、RXXはメチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、またはt−ブチルである。
【0090】
別の実施形態において、本発明は、式I:
【0091】
【化39】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで:
WはOR’またはCHFである;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、以下に示される環:
【0092】
【化40】

を形成する;
XXはC1〜C6アルキルである;
yは0である;そして
3a、R3b、R3c、およびR3dはそれぞれ水素である。
【0093】
別の実施形態において、本発明は、式I:
【0094】
【化41】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで:
WはOR’またはCHFである;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、以下に示される環:
【0095】
【化42】

を形成する;
XXはメチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、またはt−ブチルである;
yは0である;そして
3a、R3b、R3c、およびR3dはそれぞれ水素である。
【0096】
別の実施形態において、本発明は、式I:
【0097】
【化43】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで:
WはOR’である;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、以下に示される環:
【0098】
【化44】

を形成する;
XXはC1〜C6アルキルある;
yは0である;そして
3a、R3b、R3c、およびR3dはそれぞれ水素である。
【0099】
別の実施形態において、本発明は、式I:
【0100】
【化45】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで:
WはOR’である;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、以下に示される環:
【0101】
【化46】

を形成する;
XXはメチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、またはt−ブチルである;
yは0である;そして
3a、R3b、R3c、およびR3dはそれぞれ水素である。
【0102】
一つの実施形態において、RおよびRは一緒になって、以下に示される環(kk):
【0103】
【化47】

を形成し、
は、−N−、またはCHである;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、但し、m+nは2〜6である;
は0〜2であり;但し、GがNである場合、pは0ではない;
は0または1である;
zは0〜4である;
Spは、結合またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、ここで2個までのメチレン単位は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−、または−NRSONR’−で、必要に応じて、そして独立して、置換される;
環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である;
12の各出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して、置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する、8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有するか;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0104】
一つの実施形態において、GはNである。または、GはCHである。
【0105】
一つの実施形態において、pは0である。または、pは1である。または、pは2である。
【0106】
一つの実施形態において、qは0である。または、qは1である。
【0107】
一つの実施形態において、pは1であり、そしてqは1である。
【0108】
別の実施形態において、GはCHであり、pは0であり、そしてqは1である。
【0109】
一つの実施形態において、mおよびnは、それぞれ1である。または、mおよびnは、それぞれ2である。
【0110】
別の実施形態において、Spは、−O−、−S−、または−NR’−から選択される。一つの実施形態において、Spは−O−である。または、Spは−NR’−である。または、Spは−NH−である。
【0111】
一つの実施形態において、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である。
【0112】
別の実施形態において、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である。
【0113】
なおも別の実施形態において、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である。
【0114】
一つの実施形態において、wは0である。
【0115】
別の実施形態において、環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0116】
なおも別の実施形態において、
i)Spは結合、O、または−O−CH−であり;
ii)pは1であり;
iii)Rは水素であり;そして
iv)nおよびmの双方が同時に1または2である。
【0117】
一つの実施形態において、Rは水素である。または、RはC1〜C6アルキルである。好ましいRとしては、メチル、エチル、プロピル、またはブチルが挙げられる。
【0118】
一つの実施形態において、RおよびRは、一緒になって式(kk−i)または式(kk−ii):
【0119】
【化48】

の環を形成する。
【0120】
一つの実施形態にしたがって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である。
【0121】
別の実施形態にしたがって、Rは水素である、または、Rは水素であり、そして環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0122】
なおも別の実施形態にしたがって、Spは結合、−O−、または−O−CH−である。
【0123】
一つの実施形態において、RおよびRは、一緒になって環(II):
【0124】
【化49】

を形成し、ここで:
およびnはそれぞれ、独立して0〜3であり、但し、m+nは、2〜6である;
zは0〜4である;
Spは、−O−、−S−、−NR’−、またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、ここで、2個までのメチレン単位は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−、または−NR’SONR’−で、必要に応じて、そして独立して置換され、但し、Spは、炭素以外の原子を通して、カルボニル基と結合している;
環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である;
各R13の出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NRCOR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして、
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有する;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0125】
一つの実施形態において、Spは、−O−、−S−、または−NR’−から選択される。または、Spは、−O−である。または、Spは、−O−CH−である。別の実施形態において、Spは、−NR’−である。またはSpは、−NH−である。または、Spは、−NH−CH−である。
【0126】
一つの実施形態において、mおよびnはそれぞれ1である。別の実施形態において、mおよびnはそれぞれ2である。
【0127】
一つの実施形態において、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である。
【0128】
別の実施形態において、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である。
【0129】
なおも別の実施形態において、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここでwは0〜4である。
【0130】
一つの実施形態において、wは0である。
【0131】
別の実施形態において、環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0132】
なおも別の実施形態において、Spは結合、O、または−O−CH−であり;Rは、水素であり;そして、nおよびmの双方は同時に1または2である。
【0133】
一つの実施形態において、Rは水素である。または、RはC1〜C6アルキルである。好ましいRとしては、メチル、エチル、プロピル、またはブチルが挙げられる。
【0134】
別の実施形態において、zは0である。
【0135】
一つの実施形態にしたがって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここでwは0〜4である。
【0136】
別の実施形態にしたがって、Rは水素である。または、Rは水素であり、そして環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0137】
なおも別の実施形態にしたがって、Spは結合、O、−O−CH−、または−NH−CH−である。
【0138】
一つの実施形態において、RおよびRは、一緒になって環(mm):
【0139】
【化50】

を形成し、ここで:
およびnはそれぞれ、独立して0〜3であり、但し、m+nは、2〜6である;
は1〜2である;
YZは、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC〜C脂肪族基であり、ここで、wは0〜3である;
各R14の出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして、
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有する;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0140】
一つの実施形態において、pは1である。またはpは2である。
【0141】
一つの実施形態において、mおよびnはそれぞれ1である。または、mおよびnはそれぞれ2である。または、mおよびnはそれぞれ3である。
【0142】
一つの実施形態において、RYZは、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC1〜C6アルキルであり、ここで、wは0〜3である。別の実施形態において、RYZは、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC1〜C4アルキル基であり、ここで、wは0〜3である。または、RはC1〜C6アルキル基である。
【0143】
一つの実施形態において、Rは水素である。または、RはC1〜C6アルキルである。好ましいRとしては、メチル、エチル、プロピル、またはブチルが挙げられる。
【0144】
別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって環(mm−1):
【0145】
【化51】

を形成し;
およびnはそれぞれ、独立して0〜3であり、但し、m+nは、2〜6である;
は1〜2である;
YZは、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC〜C脂肪族基であり、ここで、wは0〜3である;
ここで、RYZにおける二つのメチレン単位は、−NR−、−O−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−CONR−、−CO−、−SONR−、または−NRSO−で必要に応じて置換される:
各R14の出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして、
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有する;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する。
【0146】
一つの実施形態において、pは1である。またはpは2である。
【0147】
一つの実施形態において、pは0である。
【0148】
一つの実施形態において、mおよびnはそれぞれ1である。または、mおよびnはそれぞれ2である。または、mおよびnはそれぞれ3である。
【0149】
一つの実施形態において、RYZは、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC1〜C6アルキルであり、ここで、wは0〜3である。別の実施形態において、RYZは、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC1〜C4アルキル基であり、ここで、wは0〜3である。または、RはC1〜C6アルキル基である。
【0150】
一つの実施形態において、Rは水素である。または、RはC1〜C6アルキルである。好ましいRとしては、メチル、エチル、プロピル、またはブチルが挙げられる。
【0151】
別の実施形態において、本発明は、式mm−2または式mm−3:
【0152】
【化52】

の化合物を提供する。
【0153】
式mm−2および式mm−3の一つの実施形態において、RYZは、置換されていないC1〜6脂肪族基である。
【0154】
式mm−2の一つの実施形態において、RYZは、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCH(CH、または−CHC(CHである。
【0155】
式mm−3の一つの実施形態において、RYZは、−CH、−CHCH、−CH(CH、−CHCHCH、−CHCH(CH、または−CHC(CHである。
【0156】
一つの実施形態において、RおよびRは、一緒になって環(nn):
【0157】
【化53】

を形成する。
【0158】
一つの実施形態において、Gは−N−である。または、Gは−CH−NH−である。または、Gは−CH−CH−NH−である。
【0159】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0160】
なおも別の実施形態において、pは0であり、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0161】
一つの実施形態において、RおよびRは、一緒になって環(pp):
【0162】
【化54−1】

を形成する。
【0163】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0164】
なおも別の実施形態において、pは0であり、RYYは水素であり、一つのRXXは水素であり、そしてもう一つのRXXはC1〜C6アルキルである。
【0165】
本発明の一つの実施形態において、WはOR’である。別の実施形態において、WはOHである。
【0166】
本発明の一つの実施形態において、WはSR’である。別の実施形態において、WはSHである。
【0167】
本発明の一つの実施形態において、WはN(R’)2である。別の実施形態において、WはNHR’である。または、WはNHである。
【0168】
本発明の一つの実施形態において、Wは、CHFまたはCHFである。一つの実施形態において、WはCHFである。別の実施形態において、WはCHFである。
【0169】
本発明の一つの実施形態において、zは0〜5である。別の実施形態において、zは1〜3である。なおも別の実施形態において、zは1〜2である。なおも別の実施形態において、zは1である。
【0170】
本発明の一つの実施形態において、Rは、独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環族、ヘテロ脂環族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、脂環族C〜Cアルキル、もしくはヘテロ脂環族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0171】
本発明の別の実施形態において、Rは、独立して、
【0172】
【化54−2】

または、−ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHシクロヘキシル、ピリジル、−CHピリジル、または−CHチアゾリルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0173】
本発明の一つの実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−NRSOR’、−NRCOOR’、または−NRCOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRSOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRCOOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRCOR’である。
【0174】
なおも別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたピロリジン−1−イル(bb)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRは、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、または−CHOR’である。
【0175】
別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、または−CHOR’、−NRSOR’、−NRCOOR’、もしくは−OCON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、または−CHOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRSOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRCOOR’である。
【0176】
なおも別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zは1であり、そしてRは−SOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zは1であり、そしてRは−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zは1であり、そしてRは−CON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zは1であり、そしてRは−SON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zは1であり、そしてRは−COR’である。
【0177】
なおも別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−SOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−CON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−SON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−COR’である。
【0178】
なおも別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−SOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−CON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−SON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−COR’である。
【0179】
なおも別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−SOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−COOR’である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−CON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−SON(R’)である。別の実施形態において、RおよびRは、一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−COR’である。
【0180】
一つの実施形態において、yは0〜5である。一つの実施形態において、yは0である。または、yは1〜3である。別の実施形態において、yは1〜2である。または、yは1である。
【0181】
一つの実施形態において、Rは、独立して、ハロゲン、
【0182】
【化54−3】

または、C〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環族、ヘテロ脂環族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、脂環族C〜Cアルキル、もしくはヘテロ脂環族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0183】
別の実施形態において、Rは、独立して、
【0184】
【化54−4】

4−CH−ピペラジン−1−イル、OCOCH(CH、OCO(シクロペンチル)、−COCH、必要に応じて置換されたフェノキシ、または必要に応じて置換されたベンジルオキシである。
【0185】
別の実施形態において、RはFである。または、RはOR’である。別の実施形態において、RはOHである。
【0186】
一つの実施形態において、本発明は、式I−A:
【0187】
【化55−1】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩を提供し;
ここで、R、R、R3a、R3b、R3c、およびR3dは、式Iに対して上で定義される通りである。
【0188】
一つの実施形態において、R3aは水素である。別の実施形態において、R3aはX−Rである。
【0189】
一つの実施形態において、XはC1〜C6アルキリデンである。別の実施形態において、XはC1〜C4アルキリデンである。または、Xは−CH−である。
【0190】
一つの実施形態において、Rは、独立して
【0191】
【化55−2】

から選択される。
【0192】
別の実施形態において、RはR’である。
【0193】
一つの実施形態において、R3bは水素である。別の実施形態において、R3cは水素である。または、R3bおよびR3cの双方は、同時に水素である。
【0194】
一つの実施形態において、R3bおよびR3cは、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環族、ヘテロ脂環族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、脂環族C〜Cアルキル、もしくはヘテロ脂環族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である。
【0195】
なおも別の実施形態において、R3bおよびR3cの各出現は、独立して、
【0196】
【化55−3】

または、−ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、またはベンジルオキシから選択される必要に応じて置換された基である。
【0197】
別の実施形態において、R3bおよびR3cの各出現は、独立して、ハロゲン、CN、必要に応じて置換されたC〜Cアルキル、OR’、N(R’)、CON(R’)、またはNRCOR’である。
【0198】
なおも別の実施形態において、R3bおよびR3cは、それぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、または−CNである。
【0199】
なおも別の実施形態において、R3bおよびR3cは、それぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、または−CNである。
【0200】
なおも別の実施形態において、R3bおよびR3cは、独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、または−CNから選択される。
【0201】
別の実施形態において、R3bおよびR3cは、独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH、または−OCHCHから選択される。
【0202】
なおも他の実施形態において、R3bおよびR3cは、独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH、または−OCHCHから選択される。
【0203】
別の実施形態において、R3bおよびR3cはそれぞれ、−CON(R’)または−NRCOR’である。
【0204】
別の実施形態において、R3bおよびR3cは、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH、または−OCHCHから独立して選択される。
【0205】
一つの実施形態において、本発明は、式IA−i:
【0206】
【化56】

の化合物を提供し、
ここで、RおよびRは、上で定義される通りである。
【0207】
別の実施形態において、本発明は、下の表2に列挙される化合物を提供する。
【0208】
【化57】

別の実施形態において、本発明は、以下の表2Aにおける化合物を提供した。
【0209】
【化58】

4.一般的な合成方法
本発明の方法は、当業者に公知の方法により、一般的に調製され得る。例示的な合成経路が、本発明の化合物の調製のために、以下に説明される。
【0210】
式IAの化合物は、以下のスキーム1において説明されるように調製され得る。
【0211】
スキーム1
【0212】
【化59】

条件:a)Pd(dba)、PhP(R)、t−BuOK、トルエン、100C、o/n;b)PdCl(dppf)、NaCO、HO、DMF、80C、o/n
式Iの化合物は、以下のスキーム1において説明されるように調製され得る。
【0213】
スキームIA:式Iの化合物
【0214】
【化60】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C。
【0215】
スキーム2:化合物I(ii)の化合物
【0216】
【化61】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C;c)脱保護:1:1 TFA/DCM、rt、(Bocに対して);H Pd/C(Bnに対して);NaOH(Bzに対して)、TBAF(RSiに対して)、など;d)酸ハライドに対して、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸に対して、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’に対して、THFまたはDMF、加熱。
【0217】
スキーム3:式I(jj)の化合物
【0218】
【化62】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C;c)脱保護:1:1 TFA/DCM、rt、(Bocに対して);H、Pd/C(Bnに対して);NaOH(Bzに対して)、TBAF(RSiに対して)、など;d)酸ハライドに対して、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸に対して、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’に対して、THFまたはDMF、加熱。
【0219】
スキーム4:式I(kk)の化合物
【0220】
【化63】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C;c)脱保護:1:1 TFA/DCM、rt、(Bocに対して);H、Pd/C(Bnに対して);NaOH(Bzに対して)、TBAF(RSiに対して)、など;d)X=Cl、Br、またはFに対して、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸に対して、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’に対して、THFまたはDMF、加熱。
【0221】
スキーム5:式I(ll)の化合物
【0222】
【化64】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C;c)脱保護:1:1 TFA/DCM、rt、(Bocに対して);H、Pd/C(Bnに対して);NaOH(Bzに対して)、TBAF(RSiに対して)、など;d)X=Cl、Br、またはFに対して、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸に対して、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’に対して、THFまたはDMF、加熱。
【0223】
スキーム6:式I(mm)の化合物
【0224】
【化65】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C;c)脱保護:1:1 TFA/DCM、rt、(Bocに対して);H、Pd/C(Bnに対して);NaOH(Bzに対して)、TBAF(RSiに対して)、など;d)X=Cl、CCl、またはイミダゾリルに対して、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸に対して、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’に対して、THFまたはDMF、加熱。
【0225】
スキーム7:式I(nn)の化合物
【0226】
【化66】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C;c)脱保護:1:1 TFA/DCM、rt、(Bocに対して);H、Pd/C(Bnに対して);NaOH(Bzに対して)、TBAF(RSiに対して)、など;d)酸ハライドに対して、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸に対して、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’に対して、THFまたはDMF、加熱。
【0227】
スキーム8:式I(pp)の化合物
【0228】
【化67】

条件:a)Pd(dba)、Xantphos、t−BuONa、トルエン、140C;b)Pd(Ph、KCO、HO、CHCN、150C;c)脱保護:1:1 TFA/DCM、rt、(Bocに対して);H、Pd/C(Bnに対して);NaOH(Bzに対して)、TBAF(RSiに対して)、など;d)酸ハライドに対して、DCMまたはTHF、EtN;カルボン酸に対して、EDC、HOBt、EtN、DMF;X=OR’に対して、THFまたはDMF、加熱。
【0229】
5.使用、処方、および投与
(薬学的に受容可能な組成物)
上で考察されるように、本発明は、電位型ナトリウムイオンチャネルおよび/またはカルシウムチャネルのインヒビターである化合物を提供し、したがって、本発明の化合物は、急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、全身神経痛、癲癇または癲癇の状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安およびうつ病)、筋硬直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、および失禁を含む(しかし、それらに限定されない)疾患、障害、ならびに状態の処置のために有用である。したがって、本発明の別の局面において、薬学的に受容可能な組成物が提供され、ここで、これらの組成物は、本明細書中に記載される任意の化合物を含み、そして必要に応じて、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含む。特定の実施形態において、これらの化合物は、さらに必要に応じて、一種または一種より多いさらなる治療剤を含む。
【0230】
特定の本発明の化合物は、処置のために遊離形態で、または適切な場合、その薬学的に受容可能な誘導体として存在し得ることが理解される。本発明にしたがって、薬学的に受容可能な誘導体としては、薬学的に受容可能な塩、エステル、そのようなエステルの塩、または、任意の他の付加物または誘導体(それらは、必要な患者への投与の際に、直接的または間接的に、他に本明細書中で記載されない化合物、またはその代謝産物もしくは残渣を提供することができる)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0231】
本明細書中で用いられる場合、用語「薬学的に受容可能な塩」は、正しい医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、ヒトおよび下等動物の組織と接触した使用のために適切であり、合理的な便益/リスク比に釣り合う塩のことをいう。「薬学的に受容可能な塩」は、任意の無毒性の塩、または本発明の化合物のエステルの任意の塩を意味し、その塩は、レシピエント(recipient)への投与の際に、直接的にか、もしくは間接的に、本発明の化合物、またはその阻害活性代謝産物もしくは残渣を提供することができる。本明細書中で用いられる場合、用語「その阻害活性代謝産物または残渣」は、その代謝産物または残渣が、電位型ナトリウムイオンチャネルもしくはカルシウムチャネルのインヒビターでもあることを意味する。
【0232】
薬学的に受容可能な塩は当業者に周知である。例えば、S.M.Berge等は、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19(本明細書っ中に参考として援用される)において、薬学的に受容可能な塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩としては、適切な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に受容可能で、無毒性の酸付加物塩の例としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸)で形成されるアミノ基の塩、あるいは、当該分野で用いられる他の方法(例えば、イオン交換)を用いて形成されるアミノ基の塩が挙げられる。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩(hemisulfate)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリル酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN(C1〜4アルキル)塩が挙げられる。本発明はまた、本明細書中に開示される化合物の任意の塩基性の窒素含有基の四級化を考察している。水溶性、または脂溶性、または分散し得る生成物は、そのような四級化により得られ得る。代表的なアルカリの酸またはアルカリ土類金属の酸としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。さらに薬学的に受容可能な塩としては、適切な場合、無毒性のアンモニウム、四級化アンモニウム、およびアミンカチオン(ハライド、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩のような対イオンを用いて形成される)が挙げられる。
【0233】
上で記載されるように、本発明の薬学的に受容可能な組成物はさらに、薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含み、それらは、本明細書中で用いられるように、任意の、そしてすべての溶媒、希釈剤、または他の液体のビヒクル、分散補助剤、もしくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤、もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤などを、所望の特定の投与形態に適するように、含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に受容可能な組成物を処方する際に用いられる種々のキャリア、およびその調製のための公知の技術を開示している。任意の従来のキャリア媒体が、本発明の化合物が不適合である(例えば、任意の望ましくない生物学的影響を生成するか、または薬学的に受容可能な組成物の任意の他の成分と有害な方法で相互に作用する)ことがない限り、その使用は、本発明の範囲内にあることが意図される。薬学的に受容可能なキャリアとして役立ち得る物質のいくつかの例としては、イオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝性物質(例えば、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸、またはソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、羊毛脂、糖類(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);デンプン(例えば、コーンスターチおよびポテトスターチ);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース);粉末状トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤(例えば、ココアバターおよび坐剤用ろう(suppository wax));油脂(例えば、ピーナツ油、綿実油;サフラワー油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油およびダイズ油);グリコール類(例えば、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール);エステル類(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);寒天;緩衝剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);アルギン酸;発熱物質非含有水;等張性食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝溶液、ならびに、他の無毒性の適合な滑沢剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)が挙げられるが、それらに限定されない。着色剤、離型剤(releasing agent)、被覆剤、甘味剤、矯味矯臭剤および芳香剤(perfuming agent)、保存剤および抗酸化剤もまた処方者の判断に従って組成物中に存在し得る。
【0234】
(化合物および薬学的に受容可能な組成物の使用)
なおも別の局面において、急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、全身神経痛、癲癇もしくは癲癇の状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安およびうつ病)、筋硬直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛、激痛もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発疼痛、術後痛、または癌性疼痛の重症度を処置あるいは緩和するための方法が提供され、その方法は、有効量の化合物、または化合物を含む薬学的に受容可能な組成物を、その方法を必要とする被験体に投与する工程を包含する。特定の実施形態において、急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛の重症度を処置あるいは緩和するための方法が提供され、その方法は、有効量の化合物、または薬学的に受容可能な組成物を、その方法を必要とする被験体に投与する工程を包含する。特定の他の実施形態において、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛の重症度を処置あるいは緩和するための方法が提供され、その方法は、有効量の化合物、または薬学的に受容可能な組成物を、その方法を必要とする被験体に投与する工程を包含する。さらに他の実施形態において、激痛もしくは難治性疼痛、急性疼痛、術後痛、背部痛、耳鳴(tinnitis)もしくは癌性疼痛の重症度を処置あるいは緩和するための方法が提供され、その方法は、有効量の化合物、または化合物を含む薬学的に受容可能なキャリアを、その方法を必要とする被験体に投与する工程を包含する。
【0235】
本発明の特定の実施形態において、化合物または薬学的に受容可能な組成物の「有効量」は、一種または一種より多い急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、全身神経痛、癲癇または癲癇の状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安およびうつ病)、筋硬直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛、激痛もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発疼痛、術後痛、耳鳴、または癌性疼痛の重症度を処置または緩和するために有効な量のことである。
【0236】
本発明の方法にしたがって、化合物および組成物は、一種または一種より多い急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、全身神経痛、癲癇または癲癇の状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安およびうつ病)、筋硬直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛、激痛もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発疼痛、術後痛、耳鳴、または癌性疼痛の重症度を処置あるいは緩和するために有効な任意の投与量および投与経路を用いて、投与され得る。必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢、および全身の状態、感染の重症度、その特定の物質、その投与方法などに依存して、被験体ごとに異なる。本発明の化合物は、好ましくは、投与の容易さおよび投与量の一様性のために、投与単位形態で処方される。本明細書中で用いられる表現「投与単位形態」は、処置される患者のために適切な物理的に離散性の物質の単位のことをいう。しかしながら、本発明の化合物および組成物の毎日の使用の総計は、正しい医学的判断の範囲内で、担当医により決定されることが理解される。任意の特定の患者または生体に対する、特定の有効な投与レベルは、種々の要因(処置される障害、および障害の重症度、用いられる特定の化合物の活性;用いられる特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性、および食事;用いられる特定の化合物の投与の時間、投与経路、および排出率;処置の持続期間;用いられる特定の化合物と組み合わせて、または同時に用いられる薬剤、ならびに医学分野で周知の要因などが挙げられる)に依存する。用語、「患者」は、本明細書中で用いられる場合、動物、好ましくは哺乳動物、そして最も好ましくはヒトを意味する。
【0237】
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、処置される感染の重症度に依存して、ヒトおよび他の動物に、経口投与、直腸投与、非経口投与、槽内投与、膣内投与、腹腔内投与、局所的投与(粉末、軟膏、またはドロップでの投与のような)、口内投与、経口噴射投与、または鼻内噴射投与などで投与され得る。特定の実施形態において、本発明の化合物は、一日当たり、そして被験体の体重1kg当たり約0.01mg〜約50mgの投与レベルで、好ましくは一日当たり、そして被験体の体重1kg当たり約1mg〜約25mgの投与レベルで、一日に一回または一回より多く、所望の治療効果を得るために投与され得る。
【0238】
経口投与のための液体の投与形態としては、薬学的に受容可能なエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられるが、それらに限定されない。活性物質に加えて、液体の投与形態は、当該分野で一般的に用いられる不活性な希釈剤(例えば、水または他の溶媒、可溶化剤または乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレンアルコール、1,3−ブチレンアルコール、ジメチルホルムアミド)、油脂(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシおよびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物)を含み得る。不活性の希釈剤のほかに、経口組成物はまた、アジュバント(例えば、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤)を含み得る。
【0239】
注射可能調製物(例えば滅菌注射可能水性または油性の懸濁液)は、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いて、公知の技術にしたがって処方され得る。滅菌注射可能調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、無毒性の非経口で受容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能な溶液、懸濁液、またはエマルジョンであり得る。受容可能なビヒクルおよび溶媒の中で、水、リンゲル溶液、および等張性塩化ナトリウム溶液が用いられ得る。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁化媒体として慣例的に用いられ得る。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無菌の不揮発性油が用いられ得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸が注射可能物の調製において同様に用いられる。
【0240】
注射可能な処方物は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過により、あるいは使用の前に、滅菌水または他の滅菌注射可能媒体に溶解もしくは分散し得る滅菌固形組成物の形態の滅菌剤を取り込むことで、滅菌され得る。
【0241】
本発明の化合物の効果を延長するために、皮下注射および筋肉内注射からの化合物吸収を遅らせることがしばしば望まれる。このことは、わずかな水溶性を示す結晶性物質または無定形物質の液体懸濁液の使用により、達成され得る。次に、その化合物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、言い換えると、結晶の大きさおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口で投与される化合物の形態の遅延吸収は、その化合物を、油状のビヒクルに溶解または懸濁させることで達成され得る。注射可能なデポー剤の形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド−ポリグリコリド)中に、その化合物の微小被膜マトリクスを形成させることで、作製される。化合物とポリマーの割合、および用いられる特定のポリマーの性質に依存して、化合物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー剤注射可能処方物はまた、身体組織と適合なリポソームまたは微小エマルジョンに、その化合物を封入することで調製され得る。
【0242】
直腸投与または膣内投与のための組成物は、好ましくは、本発明の化合物を、適切な被刺激性のない賦形剤またはキャリア(例えば、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ろう)(それらは、周囲の温度では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸および膣腔で溶解し、そして活性化合物を放出する)と混合することで調製され得る坐剤である。
【0243】
経口投与のための固体の投与形態としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。そのような固体の投与形態において、活性化合物は、少なくとも一種の不活性な薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウム、またはリン酸二カルシウム、および/またはa)充填剤または増量剤(例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸)、b)結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシア)、c)湿潤剤(例えばグリセロール)、d)崩壊剤(例えば寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカスターチ、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム)、e)溶解遅延剤(例えばパラフィン)、f)吸収加速剤(例えば四級化アンモニウム化合物)、g)湿潤剤(例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート)、h)吸収剤(例えばカオリンおよびベントナイト粘土)、ならびにi)滑沢剤(例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、ならびにこれらの混合物)と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投与形態はまた緩衝剤を含み得る。
【0244】
類似の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖(milk sugar)のような賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を用いて、軟質および硬質の充填(filled)ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ得る。錠剤、糖剤、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体投与形態はコーティングおよびシェル(例えば腸溶性コーティングおよび製剤分野で周知の他のコーティング)で調製され得る。それらは必要に応じて乳白剤を含み得、必要に応じて遅延方法で、腸管の特定の部分において、活性成分のみを、あるいは優先的に放出する組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質、およびろうが挙げられる。類似の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖(milk sugar)のような賦形剤ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を用いて、軟質および硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ得る。
【0245】
活性化合物はまた、前述の一種または一種より多い賦形剤を用いて、微小被包形態であり得る。錠剤、糖剤、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体投与形態はコーティングおよびシェル(例えば腸溶性コーティング、放出制御コーティングおよび製剤分野で周知の他のコーティング)で調製され得る。そのような固体投与形態において、その活性化合物は少なくとも一種の不活性希釈剤(例えば、スクロース、ラクトース、またはデンプン)と混合され得る。そのような固体投与形態はまた、通常の実施の通り、不活性賦形剤以外のさらなる物質(例えば錠剤化滑沢剤および他の錠剤化補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロース)を含む場合がある。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投与形態はまた緩衝剤を含み得る。それらは必要に応じて乳白剤を含み得、必要に応じて遅延方法で、腸管の特定の部分において、活性成分のみを、あるいは優先的に、放出する組成物であり得る。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質およびろうが挙げられる。
【0246】
本発明の化合物の局所的投与または経皮投与のための投与形態としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション剤、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、またはパッチが挙げられる。活性成分は滅菌条件下で、薬学的に受容可能なキャリア、および任意の必要な保存剤、または必要に応じて緩衝剤と共に混合される。眼科的処方物、点耳剤および点眼剤もまた、本発明の範囲内にあると意図される。更に、本発明は、経皮パッチの使用を意図し、それは身体への化合物の制御された送達を提供する更なる利点を有する。そのような投与形態は、適切な媒体中に化合物を溶解または分散(dispense)させることにより調製される。吸収増強剤もまた、皮膚を通過する化合物の流束を増加させるために用いられ得る。その速度は速度制御膜を設けるか、またはポリマーマトリクスもしくはゲル中に化合物を分散させることにより制御され得る。
【0247】
上で一般的に記載されるように、本発明の化合物は、電位型ナトリウムイオンチャネルまたはカルシウムチャネル、好ましくはN型カルシウムチャネルのインヒビターとして有用である。一つの実施形態において、本発明の化合物および組成物は、一種もしくは一種より多いNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCaV2.2のインヒビターであり、したがって、任意の特定の理論により拘束されることを望まずに、その化合物および組成物は、疾患、状態または障害の重症度を処置あるいは緩和するために特に有用であり、一種もしくは一種より多いNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCaV2.2の活性化あるいは機能亢進がその疾患、状態、または障害に関係している。NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCaV2.2の活性化あるいは機能亢進が、特定の疾患、状態、または障害に関係している場合、その疾患、状態、または障害はまた、「NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、またはNaV1.9媒介性疾患、状態、または障害」あるいは「CaV2.2媒介性状態または障害」と言及され得る。したがって、別の局面において、本発明は、疾患、状態、または障害の重症度を処置あるいは緩和するための方法を提供し、一種もしくは一種より多いNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCaV2.2の活性化または機能亢進は、その疾患の状態に関係している。
【0248】
NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCaV2.2のインヒビターとして本発明で使用される化合物の活性は、本明細書の実施例に一般的に記載される方法に従って、または当業者に利用可能な方法に従って、評価され得る。
【0249】
特定の例示的な実施形態において、本発明の化合物は、NaV1.8のインヒビターとして有用である。他の実施形態において、本発明の化合物は、NaV1.8およびCaV2.2のインヒビターとして有用である。さらなる他の実施形態において、本発明の化合物はCaV2.2のインヒビターとして有用である。なおもさらなる他の実施形態において、本発明の化合物はNaV1.8およびTTX感受性イオンチャネル(例えば、NaV1.3またはNaV1.7)の二重のインヒビターとして有用である。
【0250】
本発明の化合物および薬学的に受容可能な組成物は、併用療法において用いられ得、したがって、その化合物および薬学的に受容可能な組成物は、一種または一種より多い他の所望の治療剤または医学的手順と同時に、先立って、またはそれに続いて投与され得ることが理解される。併用計画で用いるための特定の併用療法(治療または手順)は、所望の治療および/または手順、ならびに達成される所望の治療効果の適合性を考慮に入れる。用いられる治療はまた、同じ障害に対して所望の効果を達成し得る(例えば、本発明の化合物は、同じ障害を処置するために用いられる別の物質と同時に投与され得る)か、またはそれらは異なる効果(例えば、任意の有害な効果の制御)を達成し得ることがまた理解される。本明細書で用いられる場合、特定の疾患もしくは状態を処置または防止するために通常投与される、さらなる治療物質は、「処置される疾患または状態に対して適切である」ものとして公知である。例えば、例示的なさらなる治療物質としては、非オピオイド鎮痛剤(インドール(例えばエトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン;ナフチルアルカン(例えばナブメトン);オキシカム(例えばピロキシカム);パラアミノフェノール誘導体(例えばアセトアミノフェン);プロピオン酸(例えばフェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン);サリチレート(例えばアスピリン、コリンマグネシウムトリサリチレート、ジフルニサル);フェナメート(例えばメクロフェナム酸、メフェナム酸);ならびにピラゾール(例えばフェニルブタゾン));あるいはオピオイド(麻薬性)アゴニスト(例えばコデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン、およびペンタゾシン)が挙げられるが、それらに限定されない。さらに、非薬剤鎮痛方法は、一種または一種より多い本発明の化合物の投与と共に使用され得る。例えば麻酔学的(脊髄内注入、神経阻害)、神経外科的(CNS経路の神経剥離)、神経刺激的(経皮的電気神経刺激、後索電気刺激法)、理学療法的(物理療法、歯科矯正デバイス、ジアテルミー)、あるいは心理学的(認知法−嗜眠、バイオフィードバックまたは行動学的方法)な方法も利用され得る。さらなる適切な治療物質または治療方法は、The Merck Manual,Seventeenth Edition,Ed.Mark H.Beers and Robert Berkow,Merck Resarch Laboratories,1999;および食品医薬品局のウェブサイト(www.fda.gov)(その全体の内容は、本明細書に参考として援用される)に一般的に記載されている。
【0251】
本発明の組成物中に存在する、さらなる治療物質の量は、唯一の活性物質としてその治療物質を含む組成物中で、通常投与される量を超えない。好ましくは、本開示の組成物中のさらなる治療物質の量は、唯一の治療活性物質として、その物質を含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲である。
【0252】
本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な組成物は、植え込み型医療用デバイス(例えば、プロテアーゼ、人工弁、血管グラフト、ステント、およびカテーテル)を被覆するために組成物中に取り込まれ得る。したがって、本発明は、別の局面において、植え込み型デバイスを被覆するための組成物を含み、そのデバイスは、上で一般的に記載される、そして本明細書中のクラスおよびサブクラスにおける本発明の化合物、ならびに上記植え込み型デバイスを被覆するための適切なキャリアを含む。さらなる別の局面において、本発明は、組成物で被覆される植え込み型装置を含み、その組成物は、上で一般的に記載される、そして本明細書中のクラスおよびサブクラスにおける本発明の化合物、ならびに上記植え込み型デバイスを被覆するために適切なキャリアを含む。被覆された植え込み型デバイスの適切なコーティング剤および一般的な調製は、米国特許第6,099,562号;同第5,886,026号;および同第5,304,121号に記載される。そのコーティングは、代表的に生物適合的なポリマー物質(例えば、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ酪酸、エチレンビニルアセテート、およびこれらの混合物)である。コーティングは必要に応じて、組成物中の放出制御特性を付与するために、フルオロシリコン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質、またはこれらの組み合わせの適切な保護膜(top coat)でさらに被覆され得る。
【0253】
本発明の別の局面は、生物学的試料または患者における、一種または一種より多いNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、もしくはCaV2.2活性を阻害することに関し、その方法は、上記生物学的試料を含む組成物を患者に投与する工程、または上記生物学的試料を式Iの化合物または上記化合物を含む組成物と接触させる工程を包含する。用語「生物学的試料」は、本明細書で使用される場合、細胞培養物またはそれらの抽出物;哺乳動物から得た生検物質またはその抽出液;および血液、唾液、尿、糞、精液、涙液、もしくは他の体液、またはそれらの抽出液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0254】
生物学的試料中の一種または一種より多いNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCaV2.2活性の阻害は、当業者に公知の種々の目的のために有用である。そのような目的の例としては、生物学的および病理学的な現象におけるナトリウムイオンチャネルの研究;ならびに新しいナトリウムイオンチャネルインヒビターの比較評価が挙げられるが、それらに限定されない。
【0255】
本明細書に記載する本発明がより十分に理解され得るため、以下の実施例が示される。これらの実施例は例示的な目的のみに対するものであり、いかなる方法においても本発明を限定するものと解釈されないことが理解されるべきである。
【実施例】
【0256】
イソブチル4−(4−(2−ジフルオロメチル)フェニル)ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(12)
アセトニトリル中のイソブチル4−(4−クロロピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(8)、および2−(2−(ジフルオロメチル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(11)(1.2当量)の溶液に、Pd(PPh(0.10当量)、KCO(2当量)、および水を添加した。バイアルを密封し、マイクロ波照射により120℃で15分にわたって加熱した。溶媒をエバポレートし、そして残渣をDMFに溶解させ、逆相HPLCで精製した。m/z 391.1(M+1)、保持時間:3.59。
【0257】
(4−(3−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−カルボン酸イソブチルエステル(13))
【0258】
【化68】

乾燥トルエン(5mL)中の3−ブロモクロロベンゼン(434mg、2.3mmol)、イソブチルピペラジン−1−カルボキシレート(6)(324mg、1.7mmol)、Pd(dba)(32mg、0.035mmol)、t−BuONa(251mg、2.6mmol)、およびXantphos(60mg、0.11mmol)を、マイクロ波容器中に密閉し、マイクロ波照射により140℃で40秒にわたって加熱した。反応混合物を冷却し、そして10mLのCHClで希釈し、水(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、そして減圧下でエバポレートした。残渣を逆相HPLC(10%−99%CHCN(0.035% TFA)/HO(0.05% TFA));LC/MS:m/z 297.4(M+H)、保持時間:3.84分(10%〜99% CHCN (0.035% TFA)/HO(0.05% TFA))で精製し、13を得た。
【0259】
((R)−1−[4−(2’−ジフルオロメチル−ビフェニル−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−2−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン−1−オン(化合物番号2))
【0260】
【化69】

2−(2−ジフルオロメチル−フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(34mg、0.11mmol)、1−[4−(3−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−2−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン−1−オン(34mg、0.13mmol)、Pd(PhP)(1.3mg、10μmol)、KCO(30.4mg、0.22mmol)、CHCN(900μL)、およびHO(100μL)を、マイクロ波容器中に密閉し、マイクロ波照射により150℃で10分間にわたって加熱した。反応物を濾過し、そして逆相HPLC(10%〜99% CHCN(0.035% TFA)/HO(0.05% TFA))で精製し、2を得た。LCMS:3.72分でm/z 403.7(M+H)(10%〜99% CHCN/HO)、(10%−99% CHCN(0.035% TFA)/HO(0.05% TFA)。
【0261】
本発明の化合物に対して、代表的な分析データが下の表3に示される。
【0262】
【化70】

(化合物のNaV阻害特性を検出および測定するためのアッセイ)
(化合物のNaV阻害特性をアッセイするための光学的方法)
本発明の化合物は、電位型ナトリウムイオンチャネルのアンタゴニストとして有用である。試験化合物のアンタゴニスト特性を、以下のようにアッセイした。対象となるNaVを発現している細胞を、マイクロタイタープレートに置いた。インキュベーション期間の後、細胞を膜貫通電位感受性蛍光色素を用いて、染色した。試験化合物を、マイクロタイタープレートに加えた。細胞を、化学的方法または電気的方法のどちらかで刺激し、NaV依存膜電位変化を、阻害されていないチャネルから引き出した。それを、膜貫通電位感受性色素で検出および測定した。アンタゴニストを、刺激に対する膜電位応答の低下として検出した。光学的膜電位アッセイでは、GonzalezおよびTsierにより記載される電位感受性FRETセンサー(Gonzalez,J.E.and R.Y.Tsien(1995)「Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells」Biophys J 69(4):1272−80;およびGonzalez,J.E.and R.Y.Tsien(1997)「Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer」Chem Biol 4(4):269−77を参照のこと)を、電位/イオンプローブリーダー(VIPR(登録商標))のような蛍光変化を測定するための計測器(Gonzalez,J.E.,K.Oades,et al.,(1999)「Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets」Drug Discov Today 4(9):431−439を参照)と組み合わせて使用した。
【0263】
B)化学的刺激によるVIPR(登録商標)光学的膜電位アッセイの方法
(細胞の取扱いおよび色素の添加)
VIPRによるアッセイの24時間前に、NaV1.2型の電位型NaVを内生的に発現するCHO細胞を、96ウェルのポリリシンで被覆されたプレートに、60,000個/ウェルで播種する。その他のサブタイプは、対象となるNaVを発現する細胞系において類似の様式で実施する。
【0264】
1)アッセイの日に、培地を吸引し、細胞を225μLのバス溶液(bath solution)2(BS番号2)で2回洗浄する。
【0265】
2)15μMのCC2−DMPE溶液を、5mMのクマリンストック溶液を10%のPluronic127と混合(1:1)し、次に混合物を適切な容量のBS番号2に溶解させることにより、調製する。
【0266】
3)バス溶液を96ウェルプレートから除去した後、細胞に80μLのCC2−DMPE溶液を加える。プレートを室温で30分間にわたって暗所でインキュベートする。
【0267】
4)細胞をクマリンで染色している間、BS番号2中の15μLオキソノール溶液を調製する。DiSBAC(3)に加えて、この溶液は、0.75mMのABSC1および30μLのベラトリジン(10mMのEtOHストックから調製、Sigma番号V−5754)を含有すること。
【0268】
5)30分後、CC2−DMPEを除去し、細胞を225μLのBS番号2で2回洗浄する。前回のように、残存容量は40μLになること。
【0269】
6)バスを除去する際に、細胞に80μLのDiSBAC(3)溶液を加え、その後、DMSOに溶解させた試験化合物を、所望の試験濃度が達成されるまで、薬剤添加プレートの各ウェルに添加し、十分混合させる。ウェルの容量はおよそ121μLになるようにすること。次に細胞を20〜30分間にわたってインキュベートする。
【0270】
7)インキュベーションが完了すると、細胞は、ナトリウム加減(addback)プロトコールを使用してVIPR(登録商標)によりアッセイされる状態となる。120μLのバス溶液番号1を添加し、NaV依存性脱分極を刺激する。200μLのテトラカインをNaVチャネルのブロックのためのアンタゴニスト陽性対照として使用した。
【0271】
(VIPR(登録商標)データの分析)
データを、460nmおよび580nmのチャネルにおいて測定されたバックグラウンド減算発光強度の標準化された割合として、分析かつ記録する。バックグラウンド強度を、各アッセイチャネルから減算する。バックグラウンド強度は、同様に処理した無細胞のアッセイウェルから、同じ期間の間の発光強度を測定することにより得られる。次に時間の関数としての応答を以下の式を使用して得られた比として報告する。
【0272】
【化71】

データはさらに、初期(R)および最終(R)の割合を計算することにより換算される。刺激前の期間の一部またはその全ての間、および刺激期間の採取点(sample point)の間の平均の割合の値が存在する。次に刺激への応答R=R/Rを計算する。Na加減分析時間ウインドウに対して、ベースラインは2〜7秒であり、最終応答を15〜24秒で採取する。
【0273】
対照応答を、テトラカインのような所望の特性を有する化合物(陽性対照)の存在下、および薬理学的物質(陰性対照)の非存在下においてアッセイを行うことにより得る。陰性(N)および陽性(P)対照に対する応答は上記のように計算する。化合物のアンタゴニスト活性Aは以下のように定義される。
【0274】
【化72】

式中、Rは試験化合物の応答比である。
溶液[mM]
バス溶液番号1:NaCl 160、KCl 4.5、CaCl 2、MgCl 1、HEPES 10、NaOHによりpH7.4
バス溶液番号2:TMA−Cl 160、CaCl 0.1、MgCl 1、HEPES 10、KOHによりpH7.4(最終K濃度約5mM)
CC2−DMPE:DMSO中5mMのストック溶液として調製し、−20℃で保存。
DiSBAC(3):DMSO中12mMのストックとして調製し、−20℃で保存。
ABSC1:蒸留水中200mMのストックとして調製し、室温にて保存。
【0275】
(細胞培養)
CHO細胞を、10%PBS(ウシ胎児血清、検定済み;GibcoBRL番号16140−071)および1% Pen−Strep(ペニシリン−ストレプトマイシン;GibcoBRL番号15140−122)で補充したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium;GibcoBRL番号10569−010)中で生育させる。細胞を、通気孔のあるキャップ付きフラスコ中、90%湿度および10%CO中で生育させ、100%コンフルエンスにする。通常はトリプシン処理により日程の必要性に応じて、1:10または1:20に分離し、それらを次の分離まで2〜3日にわたって生育させる。
【0276】
C)電気的刺激によるVIPR(登録商標)光学的膜電位試験法
以下は、NaV1.3阻害活性を、光学的膜電位法#2を使用してどのように測定するかの例である。他のサブタイプを、対象となるNaVを発現する細胞系において類似の方法で行う。
【0277】
NaV1.3を安定的に発現するHEK293細胞を、96ウェルのマイクロタイタープレートで平板培養する。適切なインキュベーション期間の後、細胞を電位感受性色素CC2−DMPE/DiSBAC2(3)を使用して以下の通り染色する。
【0278】
(試薬:)
乾燥DMSO中、100mg/mL Pluronic F−127(Sigma番号P2443)
乾燥DMSO中、10mM DiSBAC(3)(Aurora番号00−100−010)
乾燥DMSO中、10mM CC2−DMPE(Aurora番号00−100−008)
O中、200mM ABSC1
10mM HEPES(Gibco番号15630−080)で補充した、ハンクス液(Hank’s Balanced Salt Solution)(Hyclone番号SH30268.02)
(添加方法)
2×CC2−DMPE=20μM CC2−DMPE:10mM CC2−DMPEを等容量の10%Pluronicとボルテックスし、その後10mM HEPES含有HBSSの必要量中でボルテックスする。各細胞プレートは5mLの2×CC2−DMPEを必要とする。50μLの2×CC2−DMPEを洗浄細胞含有ウェルに添加し、10μMの最終染色濃度がもたらされる。細胞をRTで暗所にて30分間にわたって染色する。
【0279】
2×DISBAC(3)とABSC1=6μM DISBAC(3)および1mM ABSC1:必要量の10mM DISBAC(3)を50mLの円錐管に添加し、作製される溶液の各mLに対して、1μL 10%pluronicと混合し、ともにボルテックスする。次にHBSS/HEPESを添加して2×溶液を作製する。最後にABSC1を添加する。
【0280】
2×DiSBAC(3)溶液は、化合物プレートを溶媒和するために使用され得る。化合物プレートは2×薬剤濃度で作製することに注意する。染色されたプレートを再度洗浄し、残存容量を50μLとする。50μL/ウェルの2×DiSBAC(3)w/ABSC1を添加する。RTで暗所にて30分間にわたって染色する。
【0281】
電気的刺激の装置および使用方法は、ION Channel Assay Methods PCT/US01/21652(本明細書に参考として援用される)に記載されている。その装置は、マイクロタイタープレートハンドラー、クマリンおよびオキソノールの発光を同時に記録する間クマリン色素を励起させるための光学システム、波形発生器、電流または電位制御型の増幅器、ならびにウェルに電極を挿入するためのデバイスを含む。統合型のコンピュータ制御下で、この装置は、ユーザーによりプログラムされた電気刺激プロトコールを、マイクロタイタープレートのウェル内の細胞に通す。
【0282】
(試薬)
アッセイ緩衝液番号1
140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM HEPES、10mMグルコース、pH7.40、330mOsm
Pluronicストック(1000×):乾燥DMSO中100mg/mL Pluronic127
オキソノールストック(3333×):乾燥DMSO中10mM DiSBAC(3)クマリンストック(1000×):乾燥DMSO中10mM CC2−DMPE
ABSC1ストック(400×):水中200mM ABSC1
(アッセイプロトコール)
1.アッセイする各ウェル内に電極を挿入または使用する。
2.電流制御型増幅器を使用して刺激波パルスを3秒間にわたって送達する。2秒間の刺激前記録を行い、未刺激強度を得る。5秒間の刺激後記録を行い、休止状態までの緩和を調べる。
【0283】
(データ分析)
データを、460nmおよび580nmのチャネルにおいて測定されたバックグラウンド減算発光強度の標準化された割合として、分析かつ記録する。バックグラウンド強度を、各アッセイチャネルから減算する。バックグラウンド強度は、同様に処理した無細胞のアッセイウェルから、同じ期間の間の発光強度を測定することにより得られる。次に時間の関数としての応答を以下の式を使用して得られた比として報告する。
【0284】
【化73】

データはさらに、初期(R)および最終(R)の割合を計算することにより換算される。刺激前の期間の一部またはその全ての間、および刺激期間の採取点の間の平均の割合の値が存在する。次に刺激への応答R=R/Rを計算する。
【0285】
対照応答を、テトラカインのような所望の特性を有する化合物(陽性対照)の存在下、および薬理学的物質(陰性対照)の非存在下においてアッセイを行うことにより得る。陰性(N)および陽性(P)対照に対する応答は上記のように計算する。化合物のアンタゴニスト活性Aは以下のように定義される。
【0286】
【化74】

式中、Rは試験化合物の応答比である。
【0287】
(試験化合物のNaV活性および阻害に対する電気生理学的試験)
パッチクランプ電気生理学を用いて、脊髄神経節ニューロンにおけるナトリウムチャネルブロッカーの効用および選択性を評価した。ラットニューロンを脊髄神経節から単離し、NGF(50ng/ml)の存在下で2〜10日間にわたって培地中で維持した(培地はB27、グルタミンおよび抗生物質で補充したNeurobasal Aからなる)。小径ニューロン(侵害受容器、直径8〜12μm)が視覚的に同定され、増幅器に接続した先の細いガラス電極(Axon Instrument)でプローブされている。「電位クランプ」方法を使用して細胞を−60mVに維持しながら化合物のIC50を評価した。さらに、「電流クランプ」方法を使用して、電流の注入に応答した活動電位生成の阻害における、その化合物の効用を試験している。これらの実験の結果はその化合物の効用の特徴の定義に寄与している。
【0288】
(DRGニューロンにおける電位クランプ試験)
TTX耐性ナトリウム電流を、パッチクランプ技術の全細胞変法を使用してDRG体細胞から記録した。記録はAxopatch200B増幅器(Axon Instrument)を用いて、厚壁ホウケイ酸ガラス電極(WPI、抵抗3〜4MΩ)で、室温(〜22℃)にて行った。全細胞の配置を固定化した後、約15分間にわたってピペット溶液を細胞内で平衡化し、その後記録を開始した。電流を、2〜5kHzの間で、低域濾波し、10kHzでデジタル的に採取した。連続抵抗を60〜70%相殺し、実験中を通じて連続的にモニタリングした。細胞内ピペット溶液と外部記録溶液との間の液体接合部の電位(−7mV)は、データ分析において考慮しなかった。重力駆動高速灌流システム(gravity driven fast perfusion system)(SF−77、Warner Instrument)により、試験溶液を細胞に適用した。
【0289】
用量−応答関係を、実験特有の保持電位から、60秒毎に一回+10mVの試験電位となるまで、細胞を反復して脱分極させることにより、電位クランプ方法で測定した。阻害効果を定常状態にした後に、次の試験濃度に進んだ。
【0290】
(溶液)
細胞内溶液(mM):Cs−F(130)、NaCl(10)、MgCl2(1)、EGTA(1.5)、CaCl2(0.1)、HEPES(10)、グルコース(2)、pH=7.42、290mOsm。
【0291】
細胞外溶液(mM):NaCl(138)、CaCl2(1.26)、KCl(5.33)、KH2PO4(0.44)、MgCl2(0.5)、MgSO4(0.41)、NaHCO3(4)、Na2HPO4(0.3)、グルコース(5.6)、HEPES(10)、CdCl2(0.4)、NiCl2(0.1)、TTX(0.25×10−3)。
【0292】
(化合物のNaVチャネル阻害活性に関する電流クランプ試験)
細胞を、Multiplamp700A増幅器(Axon Inst)により、全細胞配置にて電流クランプした。ホウケイ酸ピペット(4〜5MΩ)を以下(mM):150K−グルコネート、10NaCl、0.1EGTA、10Hepes、2MgCl(KOHでpH 7.34にまで緩衝)で充填した。細胞を以下(mM):140NaCl、3KCl、1MgCl、1CaCl、および10Hepesに浸した。ピペット電位をゼロとした後にシール形成し;液体接合部電圧は獲得中は補正しなかった。記録を室温にて行った。
【0293】
NaV1.8チャネルに対する本発明の選択された化合物の活性を、以下の表4に示す。表4において、符号は以下の意味を有する。
「+++」は<10μMを意味し;「++」は10μM〜15μMを意味し;そして「+」は>15μMを意味する。
【0294】
(表4)
【0295】
【化75】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であって、
ここで:
Wは、ハロ、OR’、SR’、N(R’)、CHF、またはCHFである;
およびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素、硫黄、または酸素から独立して選択される0〜3個のさらなるヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜8員の単環式の飽和または部分的に不飽和の環を形成し;ここで、一緒になってRおよびRにより形成される該環は、z個の独立した出現の−Rで、一個または一個より多い置換可能な炭素原子、窒素原子、または硫黄原子にて、それぞれ必要に応じて、そして独立して置換され、ここで、zは0〜5である;
yは0〜5である;
3a、R3b、R3c、R3d、R、およびRの各出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して、置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;
各Rの出現は、独立して、水素または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基である;
各R’の出現は、独立して、水素、または必要に応じて置換されたC1〜6脂肪族基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であるか;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する;
但し、
i)Wが−OMeである場合、一緒になったRおよびRは、
【化2】

ではない、ここで、Kはメチルまたはエチルであり、そしてkは1または2である;
ii)Wが−OHまたは−OAc、R3dがMe、Rが5−メチル、そしてR3a、R3b、およびR3cが水素である場合、一緒になったRおよびRは、ピペリジルでもピロリジニルでもない;そしてWがCFまたはCHFである場合、R3dはクロロではない、
化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項2】
およびRが一緒になって、アゼチジニル環:
【化3】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRが一緒になって、ピロリジニル環:
【化4】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRが一緒になって、ピペリジニル環:
【化5】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRが一緒になって、ピペラジニル環:
【化6】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
およびRが一緒になって、モルホリニル環:
【化7】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
およびRが一緒になって、チオモルホリニル環:
【化8】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
およびRが一緒になって、アゼパニル環:
【化9】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
およびRが一緒になって、アゾカニル環:
【化10】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、RおよびRが一緒になって、以下に示される環(ii)または(jj):
【化11】

を形成し、ここで:
は、−N−、−CH−NH−、または−CH−CH−NH−であり;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、但し、m+nは2〜6である;
は0〜2である;
zは0〜4である;
各RXXは、水素、C1〜6脂肪族基、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する、8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり;ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である;
但し、双方のRXXは同時に水素ではない;
YYは、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、または−PO(R’)である;
11の各出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して、置換され;そして、Rの各出現は、独立して、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有するか;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する、化合物。
【請求項11】
一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXが水素でない、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
XXが双方とも水素ではない、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
が0である、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
が1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
が2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
およびnがそれぞれ1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項17】
およびnがそれぞれ2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項18】
およびnがそれぞれ3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項19】
XXが、C1〜6脂肪族基であり、ここでRXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である、請求項10〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
XXが、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換されたC1〜C6アルキル基であり、ここで、wは0〜3である、請求項10〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
XXが、C1〜C6アルキル基である、請求項10〜20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
請求項10に記載の化合物であって、RXXは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を含む3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である、化合物。
【請求項23】
請求項10に記載の化合物であって、RXXは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または完全に不飽和の単環式の環であり、ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である、化合物。
【請求項24】
請求項23に記載の化合物であって、RXXは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、または部分的に不飽和の、または完全に不飽和の二環式の環であり、ここで、RXXは、w個の独立した出現の−R11で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜3である、化合物。
【請求項25】
YYが、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、または−PO(R’)である、請求項10〜24のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
YYが、水素である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
YYが、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、または−PO(R’)である、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
Rが水素である、請求項10〜27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
RがC1〜C6アルキルである、請求項10〜27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
Rがメチル、エチル、プロピル、またはブチルである、請求項10〜27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
YYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項32】
が0であり、RYYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項33】
YYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項34】
が0であり、RYYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項35】
およびRが一緒になって、以下に示される環:
【化12】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
XXがC1〜C6アルキルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
XXがメチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、またはt−ブチルである、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、RおよびRが一緒になって、以下に示される環(kk):
【化13】

を形成し、
は、−N−、またはCHである;
およびnはそれぞれ独立して0〜3であり、但し、m+nは2〜6である;
は0〜2であり;但し、GがNである場合、pは0ではない;
は0または1である;
zは0〜4である;
Spは、結合またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、ここで2個までのメチレン単位は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−、または−NR’SONR’−で、必要に応じて、そして独立して、置換される;
環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である;
12の各出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して、置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する、8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有するか;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する、化合物。
【請求項39】
がNである、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
がCHである、請求項38に記載の化合物。
【請求項41】
が0である、請求項38〜40のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
が1である、請求項38〜40のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
が2である、請求項38〜40のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
が0である、請求項38〜43のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
が1である、請求項38〜43のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
が1であり、そしてqが1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項47】
がCHであり、pが0であり、そしてqが1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項48】
およびnがそれぞれ1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項49】
およびnがそれぞれ2である、請求項38〜48のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項50】
Spが、−O−、−S−、または−NR’−から選択される、請求項38〜49のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
Spが、−O−である、請求項38〜50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
Spが、−NR’−である、請求項38〜50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項53】
Spが、−NH−である、請求項38〜50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項54】
請求項38〜53のいずれか一項に記載の化合物であって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である、化合物。
【請求項55】
請求項38〜54のいずれか一項に記載の化合物であって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である、化合物。
【請求項56】
請求項38〜55のいずれか一項に記載の化合物であって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である、化合物。
【請求項57】
が0である、請求項38〜56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項58】
環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項38〜57のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項59】
Spが結合、O、または−O−CH−であり;pは1であり;Rは水素であり;そしてnおよびmの双方が同時に1または2である、請求項38に記載の化合物。
【請求項60】
Rが水素である、請求項38〜59のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項61】
RがC1〜C6アルキルである、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
Rがメチル、エチル、プロピル、またはブチルである、請求項61に記載の化合物。
【請求項63】
およびRが、一緒になって式(kk−i)または式(kk−ii):
【化14】

の環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項64】
請求項63に記載の化合物であって、環Bが、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R12で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である、化合物。
【請求項65】
Rが水素である、請求項63〜64のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項66】
Rが水素であり、そして環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
Spが結合、−O−、または−O−CH−である、請求項63〜66のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項68】
請求項1に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって環(II):
【化15】

を形成し、ここで:
およびnはそれぞれ、独立して0〜3であり、但し、m+nは、2〜6である;
zは0〜4である;
Spは、−O−、−S−、−NR’−、またはC1〜C6アルキリデンリンカーであり、ここで、2個までのメチレン単位は、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO、−SO−、−NR’−、−SONR’−、NR’SO−、または−NR’SONR’−で、必要に応じて、そして独立して置換され、但し、Spは、炭素以外の原子を通して、カルボニル基と結合している;
環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である;
各R13の出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの2個までの隣接していないメチレン単位は、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして、
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有する;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する、化合物。
【請求項69】
Spが、−O−、−S−、または−NR’−から選択される、請求項68に記載の化合物。
【請求項70】
Spが、−O−である、請求項68〜69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】
Spが、−O−CH−である、請求項68に記載の化合物。
【請求項72】
Spが、−NR’−である、請求項69に記載の化合物。
【請求項73】
Spが、−NH−である、請求項69に記載の化合物。
【請求項74】
Spが、−NH−CH−である、請求項68に記載の化合物。
【請求項75】
およびnがそれぞれ1である、請求項68〜74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
およびnが2である、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
請求項68〜76のいずれか一項に記載の化合物であって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の、または部分的に不飽和の、または芳香族の単環式の複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である、化合物。
【請求項78】
請求項77に記載の化合物であって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここで、wは0〜4である、化合物。
【請求項79】
請求項68〜76のいずれか一項に記載の化合物であって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここでwは0〜4である、化合物。
【請求項80】
が0である、請求項68〜79のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項81】
環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項68〜80のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項82】
Spが結合、O、または−O−CH−であり;Rは、水素であり;そして、nおよびmの双方は同時に1または2である、請求項68に記載の化合物。
【請求項83】
Rが水素である、請求項68〜82のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項84】
RがC1〜C6アルキルである、請求項68〜82のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項85】
Rが、メチル、エチル、プロピル、またはブチルを含む、請求項84に記載の化合物。
【請求項86】
zが0である、請求項68〜85のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項87】
請求項68〜76のいずれか一項に記載の化合物であって、環Bは、O、S、またはNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員の飽和の単環式複素環であり、ここで環Bは、w個の独立した出現の−R13で、必要に応じて置換され、ここでwは0〜4である、化合物。
【請求項88】
請求項1に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって環(mm):
【化16】

を形成し、ここで:
およびnはそれぞれ、独立して0〜3であり、但し、m+nは、2〜6である;
は1〜2である;
YZは、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC〜C脂肪族基であり、ここで、wは0〜3である;
各R14の出現は、独立してQ−Rであり;ここで、Qは、結合またはC〜Cアルキリデン鎖であり、ここでQの二個までの隣接していないメチレン単位は−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−、または−POR−で、必要に応じて、そして独立して置換され;そして、Rの各出現は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、または−OPO(R’)から独立して選択される;そして、
各Rの出現は、独立して、水素または3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;そして、各R’の出現は、独立して、水素、またはC1〜6脂肪族基、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式の環、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の二環式の環系であり、ここで、R’は4個までの置換基を有する;あるいは、RおよびR’、Rの二つの出現、またはR’の二つの出現は、それらが結合している原子と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された3〜12員の飽和の、もしくは部分的に不飽和の、もしくは完全に不飽和の単環式または二環式の環を形成する、化合物。
【請求項89】
が1である、請求項88に記載の化合物。
【請求項90】
が2である、請求項89に記載の化合物。
【請求項91】
およびnがそれぞれ1である、請求項87〜90のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項92】
およびnがそれぞれ2である、請求項87〜90のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項93】
およびnがそれぞれ3である、請求項87〜90のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項94】
YZが、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC1〜C6アルキルであり、ここで、wは0〜3である、請求項88〜93のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項95】
YZが、w個の独立した出現の−R14で、必要に応じて置換されたC1〜C4アルキル基であり、ここで、wは0〜3である、請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
がC1〜C6アルキル基である、請求項94に記載の化合物。
【請求項97】
Rが水素である、請求項87〜96のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項98】
RがC1〜C6アルキルである、請求項87〜96のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項99】
Rが、メチル、エチル、プロピル、またはブチルである、請求項98に記載の化合物。
【請求項100】
およびRが、一緒になって環(nn):
【化17】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項101】
が−N−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項102】
が−CH−NH−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項103】
が−CH−CH−NH−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項104】
YYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項100〜103のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項105】
が0であり、RYYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項100〜104のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項106】
およびRが、ともに環(pp):
【化18−1】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項107】
YYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項106に記載の化合物。
【請求項108】
が0であり、RYYが水素であり、一つのRXXが水素であり、そしてもう一つのRXXがC1〜C6アルキルである、請求項100〜107のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項109】
WがOR’である、請求項1〜108のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項110】
WがOHである、請求項109に記載の化合物。
【請求項111】
WがSR’である、請求項1〜108のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項112】
WがSHである、請求項111に記載の化合物。
【請求項113】
WがN(R’)2である、請求項1〜108のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項114】
WがNHR’である、請求項113に記載の化合物。
【請求項115】
WがNHである、請求項114に記載の化合物。
【請求項116】
Wが、CHFまたはCHFである、請求項1〜108のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項117】
WがCHFである、請求項116に記載の化合物。
【請求項118】
WがCHFである、請求項116に記載の化合物。
【請求項119】
zが0〜5である、請求項1〜118のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項120】
zが1〜3である、請求項119に記載の化合物。
【請求項121】
zが1〜2である、請求項120に記載の化合物。
【請求項122】
zが1である、請求項121に記載の化合物。
【請求項123】
が、独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環族、ヘテロ脂環族(heterocycloaliphatic)、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、脂環族C〜Cアルキル、もしくはヘテロ脂環族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項1〜122のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項124】
が、独立して、
【化18−2】

または、−ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHシクロヘキシル、ピリジル、−CHピリジル、または−CHチアゾリルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項123に記載の化合物。
【請求項125】
請求項1に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−NRSOR’、−NRCOOR’、または−NRCOR’である、化合物。
【請求項126】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRSOR’である、化合物。
【請求項127】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRCOOR’である、化合物。
【請求項128】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたアゼチジン−1−イル(aa)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRCOR’である、化合物。
【請求項129】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたピロリジン−1−イル(bb)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRは、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、または−CHOR’である、化合物。
【請求項130】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、または−CHOR’、−NRSOR’、−NRCOOR’、もしくはOCON(R’)である、化合物。
【請求項131】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、または−CHOR’である、化合物。
【請求項132】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRSOR’である、化合物。
【請求項133】
請求項125に記載の化合物であって、RおよびRが、一緒になって必要に応じて置換されたピペリジン−1−イル(cc)であり、ここで、zは1であり、そしてRは、−NRCOOR’である、化合物。
【請求項134】
請求項1に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zは1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である、化合物。
【請求項135】
請求項134に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zが1であり、そしてRが−SOR’である、化合物。
【請求項136】
請求項134に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zが1であり、そしてRが−COOR’である、化合物。
【請求項137】
請求項134に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zが1であり、そしてRが−CON(R’)である、化合物。
【請求項138】
請求項134に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zが1であり、そしてRが−SON(R’)である、化合物。
【請求項139】
請求項134に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたピペラジン−1−イル(dd)であり、ここで、zが1であり、そしてRが−COR’である、化合物。
【請求項140】
請求項1に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zが1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である、化合物。
【請求項141】
請求項140に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−SOR’である、化合物。
【請求項142】
請求項140に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−COOR’である、化合物。
【請求項143】
請求項140に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−CON(R’)である、化合物。
【請求項144】
請求項140に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−SON(R’)である、化合物。
【請求項145】
請求項140に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたモルホリン−1−イル(ee)またはチオモルホリン−1−イル(ff)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−COR’である、化合物。
【請求項146】
請求項1に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zが1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である、化合物。
【請求項147】
請求項146に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−SOR’である、化合物。
【請求項148】
請求項146に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−COOR’である、化合物。
【請求項149】
請求項146に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−CON(R’)である、化合物。
【請求項150】
請求項146に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−SON(R’)である、化合物。
【請求項151】
請求項146に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゼパン−1−イル(gg)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−COR’である、化合物。
【請求項152】
請求項1に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zが1または2であり、そしてRの少なくとも一つの出現は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、または−COOR’である、化合物。
【請求項153】
請求項152に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−SOR’である、化合物。
【請求項154】
請求項152に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−COOR’である、化合物。
【請求項155】
請求項152に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−CON(R’)である、化合物。
【請求項156】
請求項152に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−SON(R’)である、化合物。
【請求項157】
請求項152に記載の化合物であって、RおよびRが一緒になって、必要に応じて置換されたアゾカン−1−イル(hh)であり、ここで、zが1であり、そしてRは、−COR’である、化合物。
【請求項158】
yが0〜5である、請求項124〜157のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項159】
一つの実施形態において、yが0である、請求項158に記載の化合物。
【請求項160】
yが1〜3である、請求項158に記載の化合物。
【請求項161】
yが1〜2である、請求項160に記載の化合物。
【請求項162】
yが1である、請求項161に記載の化合物。
【請求項163】
が、独立して、ハロゲン、
【化18−3】

または、C〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環族、ヘテロ脂環族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、脂環族C〜Cアルキル、もしくはヘテロ脂環族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項124〜162のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項164】
が、独立して、
【化18−4】

4−CH−ピペラジン−1−イル、OCOCH(CH、OCO(シクロペンチル)、−COCH、必要に応じて置換されたフェノキシ、もしくは必要に応じて置換されたベンジルオキシである、請求項163に記載の化合物。
【請求項165】
がFである、請求項164に記載の化合物。
【請求項166】
がOR’である、請求項163に記載の化合物。
【請求項167】
がOHである、請求項166に記載の化合物。
【請求項168】
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで該化合物は、式I−A:
【化19】

を有し、ここで、R、R、R3a、R3b、R3c、およびR3dは、請求項1で定義される通りである化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項169】
3aが水素である、請求項168に記載の化合物。
【請求項170】
3aがX−Rである、請求項168に記載の化合物。
【請求項171】
XがC1〜C6アルキリデンである、請求項170に記載の化合物。
【請求項172】
XがC1〜C4アルキリデンである、請求項170に記載の化合物。
【請求項173】
Xが−CH−である、請求項170に記載の化合物。
【請求項174】
が、独立して
【化19−2】

から選択される、請求項170に記載の化合物。
【請求項175】
がR’である、請求項174に記載の化合物。
【請求項176】
3bが水素である、請求項170に記載の化合物。
【請求項177】
3cが水素である、請求項170に記載の化合物。
【請求項178】
3bおよびR3cの双方が、同時に水素である、請求項170に記載の化合物。
【請求項179】
3bおよびR3cが、それぞれ独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)、またはC〜C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環族、ヘテロ脂環族、アリールC〜Cアルキル、ヘテロアリールC〜Cアルキル、脂環族C〜Cアルキル、もしくはヘテロ脂環族C〜Cアルキルから選択される必要に応じて置換された基である、請求項170に記載の化合物。
【請求項180】
3bおよびR3cの各出現が、独立して、
【化19−3】

または、−ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、またはベンジルオキシから選択される必要に応じて置換された基である、請求項179に記載の化合物。
【請求項181】
3bおよびR3cの各出現が、独立して、ハロゲン、CN、必要に応じて置換されたC〜Cアルキル、OR’、N(R’)、CON(R’)、またはNRCOR’である、請求項179に記載の化合物。
【請求項182】
3bおよびR3cの各出現が、独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、または−CNである、請求項181に記載の化合物。
【請求項183】
3bおよびR3cが、独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、または−CNである、請求項182に記載の化合物。
【請求項184】
3bおよびR3cが、独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH、または−OCHCHである、請求項183に記載の化合物。
【請求項185】
3bおよびR3cがそれぞれ、−CON(R’)または−NRCOR’である、請求項170に記載の化合物。
【請求項186】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物は式IA−i:
【化20】

を有し、ここで、RおよびRが、請求項1に定義される通りである、化合物。
【請求項187】
請求項1に記載の化合物であって、該化合物は以下:
【化21】

から選択される、化合物。
【請求項188】
請求項1〜187のいずれか一項に記載の化合物、およびその薬学的に受容可能なアジュバントまたはキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項189】
急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、疱疹性神経痛、全身神経痛、癲癇または癲癇の状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安またはうつ病)、筋硬直症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛、激痛もしくは難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突発疼痛(breakthrough pain)、術後痛、または癌性疼痛から選択される疾患、障害、または状態の重症度を処置あるいは緩和するための方法であって、該方法は、有効量の請求項188に記載の組成物を患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項190】
請求項189に記載の方法であって、前記疾患、障害、または状態が、電位型ナトリウムチャネルの活性化または機能亢進に関連する、方法。
【請求項191】
請求項190に記載の方法であって、前記疾患、障害、または状態が、急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、もしくは炎症性疼痛である、方法。
【請求項192】
請求項190に記載の方法であって、前記疾患、障害、または状態が、根性痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部もしくは頚部痛である、方法。
【請求項193】
請求項190に記載の方法であって、前記疾患、障害、または状態が、激痛もしくは難治性疼痛、急性痛、術後痛、背部痛、または癌性疼痛である、方法。
【請求項194】
請求項190に記載の方法であって、前記疾患が、大腿癌性疼痛、非悪性慢性骨痛;慢性関節リウマチ;変形性関節症;脊柱管狭窄;神経障害性腰痛;神経障害性腰痛;筋膜疼痛症候群;繊維筋痛症;側頭下顎関節疼痛;慢性内臓痛(腹部を含む);膵臓;IBS疼痛;慢性頭痛;偏頭痛;緊張性頭痛(群発性頭痛を含む);慢性神経因性疼痛(帯状疱疹後神経痛を含む);糖尿病性ニューロパチー;HIV関連ニューロパチー;三叉神経痛;シャルコー・マリー・トゥスニューロパチー;遺伝性感覚ニューロパチー;末梢神経損傷;有痛神経腫;異所性近位および異所性遠位放電(discharge);神経根障害;化学治療誘発神経因性疼痛;放射線治療誘発神経因性疼痛;乳房切除後疼痛;中枢痛;脊髄損傷痛;卒中後疼痛(post−stroke pain);視床痛;複合性局所疼痛症候群;幻視痛;難治性疼痛;急性痛、急性術後痛;急性筋骨格系疼痛;関節痛;機械的(mechanical)腰痛;頚部痛;テノン嚢炎;損傷疼痛/運動疼痛;急性内臓痛(腹痛を含む);腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニアなど;胸部痛(心臓痛を含む);骨盤痛;腎仙痛、急性分娩痛(分娩陣痛を含む);帝王切開痛;急性炎症、熱傷痛、および外傷性疼痛、急性間欠痛(子宮内膜症を含む);急性水泡帯状疱疹性疼痛;鎌状赤血球貧血;急性膵炎;突発疼痛;口顔疼痛(orofacial pain)(静脈洞炎疼痛を含む);歯痛;多発性硬化症(MS)疼痛;うつ病における疼痛;ハンセン病疼痛;ベーチェット病疼痛;有痛脂肪症;静脈炎疼痛;ギラン・バレー疼痛;痛む脚と動く足趾;ハグルンド症候群;肢端紅痛症疼痛;ファブリー病疼痛;膀胱疾患および尿性器疾患(尿失禁を含む);活動亢進膀胱;有痛膀胱症候群;間質性膀胱炎(IC);または前立腺炎から選択される、方法。

【公表番号】特表2008−540665(P2008−540665A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512432(P2008−512432)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/018871
【国際公開番号】WO2006/124865
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】