説明

イオンチャネルリガンドとしてのアミド誘導体および薬学的組成物、ならびにこれらを使用する方法

以下の式(I)により表される式を有する化合物が開示される。この化合物は、薬学的組成物として調製され得、そして哺乳動物(ヒトを含む)における種々の状態の予防および処置のために使用され得、これら種々の状態としては、非限定的な例として、関節炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、疼痛症候群の処置および予防、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、神経変性障害、脱毛症、炎症性腸疾患および免疫障害その他が挙げられる。
【化26】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、新規化合物およびこのような化合物を含む薬学的組成物に関する。本発明はまた、本発明の化合物および薬学的組成物を使用して、哺乳動物における疼痛関連状態および炎症関連状態(例えば、関節炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、疼痛症候群(急性および慢性、またはニューロパシー性)の処置および予防、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、神経変性障害、脱毛症(毛髪損失)、炎症性腸疾患および免疫障害(しかし、これらに限定されない))を予防および/または処置するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
体内のシグナル伝達経路の研究は、イオンチャネルの存在を解き明かし、そしてこれらの役割を説明しようとしてきた。イオンチャネルは、異なる2つの特徴を有する膜一体型タンパク質である:これらイオンチャネルは、膜電位または化学的リガンドの直接結合のような特異的信号によってゲート操作され(gate)(開き、そして閉じる)、そして一旦開くと、これらイオンチャネルは細胞膜を横切って非常に高速でイオンを導く。
【0003】
多くの型のイオンチャネルが存在する。イオンに対する感受性に基づき、これらイオンチャネルは、カルシウムチャネル、カリウムチャネル、ナトリウムチャネルなどに分けられ得る。カルシウムチャネルは、他の型のイオンよりカルシウムイオンに対してより透過性であり、カリウムチャネルは他のイオンよりカリウムイオンを選択する、などである。イオンチャネルはまた、それらのゲート操作メカニズムに従って分類され得る。電圧ゲート操作性イオンチャネルにおいて、開口の確率は膜電位に依存し、一方、リガンドゲート操作性イオンチャネルにおいて、開口の確率は低分子(リガンド)の結合によって制御される。リガンドゲート操作性イオンチャネルは、リガンドからシグナルを受けるので、これらチャネルはまた、そのリガンドに対する「レセプター」とみなされ得る。
【0004】
リガンドゲート操作性イオンチャネルの例としては、nAChR(ニコチンアセチルコリンレセプター)チャネル、GluR(グルタミン酸レセプター)チャネル、ATP感受性カリウムチャネル、Gタンパク質活性化チャネル、環状ヌクレオチドゲート操作性チャネル、などが挙げられる。
【0005】
一過性レセプター電位(TRP)チャネルタンパク質は、多くの組織および細胞型において発現される、巨大かつ多様なファミリーのタンパク質を構成する。このファミリーのチャネルは、神経成長因子、フェロモン、嗅覚、血管の色調(tone)、および代謝ストレスなどに対する応答を媒介し、そしてこれらのチャネルは種々の生物、組織および細胞型(非興奮性平滑筋および非興奮性神経細胞を含む)において見出される。さらに、TRP関連チャネルタンパク質は、種々の疾患(例えば、いくつかの腫瘍障害および神経変性障害など)に関係する。例えば、非特許文献1を参照のこと。
【0006】
侵害受容器は、疼痛の感知を導く、特定の一次求心性ニューロンおよび一連の神経における最初の細胞である。これらの細胞のレセプターは、別個の有害な化学的刺激または物理的刺激によって活性化され得る。侵害受容器の基幹機能としては、有害な刺激の脱分極化への変換が挙げられ、この変換は、活動電位、中枢神経系における一次感覚部位からシナプスへの活動電位の伝達、およびシナプス前末端における活動電位の神経伝達物質の放出への転換を惹起し、これらの全てがイオンチャネルに依存する。
【0007】
特に有益な1つのTRPチャネルタンパク質は、バニロイドレセプターである。またVR1としても公知であり、このバニロイドレセプターは、非選択性カチオンチャネルであり、このチャネルは一連の異なる刺激(カプサイシン刺激、熱刺激および酸刺激、ならびに脂質二重層代謝産物(アナンダミド)(anandamide)、ならびにリポキシゲナーゼ代謝物を含む)によって活性化されるかまたは感受性にされる。例えば、非特許文献2を参照のこと。VR1は一価カチオンのなかのものを区別しないが、Ca2+>Mg2+>Na=K=Csの透過性の順序で二価カチオンについて注目に値する優先を示す。Ca2+は特にVR1の機能に重要である。なぜなら、細胞外Ca2+は、脱感作(特定の化学的シグナルまたは物理的シグナルへの全体的な応答を縮小することによって、特定の刺激に対してニューロンを順応させ得るプロセス)を媒介するからである。VR1は、ラット、マウスおよびヒトにおける一次感覚ニューロンにおいて高度に発現され、そして多くの内臓器官(真皮、骨、膀胱、胃腸管および肺を含む)を神経支配する。このVR1はまた、他の神経系組織および非神経系組織(CNS、核、腎臓、胃およびT細胞を含む)において発現される。VR1チャネルは、6個の膜貫通領域を有するイオンチャネルのスーパーファミリーの一員であり、TRPファミリーのイオンチャネルと最も高い相同性を有する。
【0008】
VR1遺伝子ノックアウトマウスは、温度刺激および酸刺激に対する感覚感受性を低減していることが示された。例えば、非特許文献3を参照のこと。このことは、VR1が疼痛応答の生成にのみでなく、感覚神経の基本的な活動の維持にも寄与するという概念を支持する。VR1アゴニストおよびVR1アンタゴニストは、種々の起源および病因学の疼痛(例えば、急性疼痛、炎症性疼痛およびニューロパシー性疼痛、歯痛ならびに頭痛(例えば、偏頭痛、群発性頭痛、および緊張性頭痛))の処置のための鎮痛剤としての用途を有する。これらはまた、関節炎の処置、パーキンソン病の処置、アルツハイマー病の処置、発作の処置、ブドウ膜炎の処置、喘息の処置、心筋梗塞の処置、疼痛症候群(急性および慢性[ニューロパシー性])の処置または予防、外傷性脳損傷の処置、脊髄損傷の処置、神経変性障害の処置、脱毛症(毛髪消失)の処置、炎症性腸疾患の処置および自己免疫障害の処置、腎臓障害の処置、肥満の処置、摂食障害の処置、癌の処置、統合失調症の処置、癲癇の処置、睡眠障害の処置、認識低下の処置、不安の処置、血圧の処置、脂質障害の処置、ならびにアテローム性動脈硬化症の処置のための抗炎症剤として有用である。
【0009】
本発明の化合物のような化合物は、バニロイドレセプターと相互作用し、これによってこれらの状態を処置または予防または緩和させる役割を果たし得る。
【0010】
異なる構造の広範な種々のバニロイド化合物(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に開示される化合物)は、当該分野で公知である。バニロイド化合物またはバニロイドレセプター調節因子の特に注目すべき例は、カプサイシンまたはトランス8−メチル−N−バニリル−6−ノネナミド(これは唐辛子植物から単離される)、カプサゼピン(非特許文献4)、およびオルバニルまたはN−(4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル)オレアミド(非特許文献5)である。
【0011】
特許文献5は、ジアリールピペラジンおよび関連化合物を開示し、これらは、カプサイシンレセプターまたはVR1レセプターとしても公知であるバニロイドレセプター(特に、I型バニロイドレセプター)に対して、高選択性および高親和性で結合する。これらの化合物は、慢性疼痛状態および急性疼痛状態、痒みおよび尿失禁の処置において有用であるといわれる。
【0012】
特許文献6、特許文献7および特許文献8は、バニロイドレセプターに高親和性を有する化合物が、胃−十二指腸潰瘍を処置するのに有用であることを示す。
【0013】
特許文献9および特許文献10は共に、鎮痛性活性、中枢神経系活性および精神薬理学的(pyschopharmacologic)活性を示すといわれる一連の3−ウレイドピロリジンを記載する。これらの特許は、特に、それぞれ化合物1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−フェニルウレアおよび1−(1−フェニル−3−ピロリジニル)−3−(4−メトキシフェニル)ウレアを開示する。特許文献11および特許文献12は、一連のピラゾール誘導体を開示し、これらはNPYレセプターサブタイプY5と関係する障害および疾患(例えば、肥満)の処置に有用であると述べられる。特許文献11は、特に、化合物5−アミノ−N−イソキノリン−5−イル−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドを開示する。特許文献11は、特に、以下の化合物を開示する:5−メチル−N−キノリン−8−イル−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、5−メチル−N−キノリン−7−イル−1−[3−トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、5−メチル−N−キノリン−3−イル−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、N−イソキノリン−5−イル−5−メチル−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、5−メチル−N−キノリン−5−イル−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、1−(3−クロロフェニル)−N−イソキノリン−5−イル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、N−イソキノリン−5−イル−1−(3−メトキシフェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、1−(3−フルオロフェニル)−N−イソキノリン−5−イル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、1−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−N−イソキノリン−5−イル−5−メチル−1N−ピラゾール−3−カルボキサミド、5−メチル−N−(3−メチルイソキノリン−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1N−ピラゾール−3−カルボキサミド、5−メチル−N−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド。
【0014】
特許文献13は、一連のピペラジン誘導体を記載する。この出願は特に、化合物N−[3−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−1,2−ジヒドロ−4−メチル−2−オキソ−7−キノリニル]−4−フェニル−1−ピペラジンカルボキサミドを開示する。
【0015】
ここで本発明者らは、VR−1アンタゴニストとして驚くほどの力価および選択性を有する特定の化合物を発見した。本発明の化合物は、VR−1アンタゴニストとして特に有益であるとみなされる。なぜなら、特定の化合物が改善された水溶性および代謝安定性を示すからである。
【特許文献1】欧州特許出願公開第0347000号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0401903号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第2226313号明細書
【特許文献4】国際公開第92/09285号パンフレット
【特許文献5】国際公開第02/08221号パンフレット
【特許文献6】国際公開第02/16317号パンフレット
【特許文献7】国際特許公開第02/16318号パンフレット
【特許文献8】国際特許公開第02/16319号パンフレット
【特許文献9】米国特許第3,424,760号明細書
【特許文献10】米国特許第3,424,761号明細書
【特許文献11】国際公開第01/62737号パンフレット
【特許文献12】国際公開第00/69849号パンフレット
【特許文献13】独国特許出願公開第2502588号明細書
【非特許文献1】Minkeら,APStracts 2002年、第9号、p6
【非特許文献2】Smithら,Nature,2002年,第418号,p186−190
【非特許文献3】Caterinaら,Science,2000年,第14号,p306−313
【非特許文献4】Tetrahedron,1997年,第53号,p4791
【非特許文献5】J.Med.Chem.,1993年,第36号,p2595
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
(発明の要旨)
ここで、本明細書中に記載される化合物のような化合物が、哺乳動物のイオンチャネル(例えば、VR1カチオンチャネル)を変更し得ることが見出された。この知見は、治療上価値を有する新規化合物に繋がる。このことはまた、活性成分として本発明の化合物を有する薬学的組成物へと、そして哺乳動物における一連の状態(例えば、種々の起源および病因学の疼痛(例えば、急性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛およびニューロパシー性疼痛)、歯痛および頭痛(例えば、偏頭痛、群発性頭痛、および緊張性頭痛)であるが、これらに限定されない)を処置、予防または緩和するための、それら化合物の使用に繋がる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従って、本発明の第1の局面において、式I
【0018】
【化6】

を有する、インビボでイオンチャネルを変更し得る化合物、またはその薬学的に受容可能な組成物、溶媒和物もしくはプロドラッグ;ならびにその異性体および立体異性体が開示され、ここで:
Aは、N、CR、Lと結合した炭素原子であるか、または原子でなく;
Aが原子でない場合、W、Z、B、YおよびXのうちの1つがLと結合した炭素原子であり、W、Z、B、YおよびXのうちの別の1つがGと結合した炭素原子であり、そしてW、Z、B、YおよびXのうちの残りの各々が独立してNまたはCRであり;
Lは置換または非置換の−(C−C)−、−(CR=CR)−または−(C≡C)−であり;
Gは、C=O、C=SまたはSOであり;
は、置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
は、水素であるか、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、置換または非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
各々のRは、独立して、水素、アルキル、置換もしくは非置換のアルキル、アシル、アシルアミノ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、アリールアルキル、スルホキシド、スルホン、スルファニル、アミノスルホニル、アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、ジヒドロキシホスホリル、アミノヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、カルバモイル、カルボキシル、シアノ、シクロヘテロアルキル、ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、またはチオであり;そして
およびRの各々は、独立して、H、ハロであるかまたは、置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキルもしくは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである。
【0019】
本発明のさらなる実施形態において、式IA:
【0020】
【化7】

を有する化合物は、インビボでイオンチャネルを変更し得る。
【0021】
式IAの化合物の特定の実施形態において、Lは置換もしくは非置換の−(C−C)−、置換もしくは非置換の−(CR=CR)−、または置換もしくは非置換の−(C≡C)−であり、GはC=Oであり、Rは、置換または非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり、Rは水素であり、そしてRは、置換もしくは非置換の脂肪族または置換もしくは非置換のアルキルある。
【0022】
式IAの化合物の別の特定の実施形態(以後、式IA’
【0023】
【化8】

の化合物として参照される)において、R−Lは、部分:CR=CRを表し、ここでRは式Iの化合物について定義されたとおりであり、そしてRおよびRは、独立して、水素、ハロ、置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキルおよび置換もしくは非置換のヘテロアラルキルから選択される。
【0024】
ある特定の化合物において、Rは、置換または非置換のC1〜6アルキル、置換または非置換のC1〜6シクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のアラルキルから選択され;そして各々RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、ならびに置換および非置換のC1〜6アルキルから選択され;そしてW、Z、XおよびYから選択される0〜3個の基は、NRを表す。
【0025】
式IA’の化合物において、RおよびRは、例えば、独立して、水素、ハロまたは置換もしくは非置換のC1〜6アルキルを表し得る。好ましくは、RおよびRは水素を表す。
【0026】
式IAの化合物の別の特定の実施形態(以後式IA”の化合物として参照される)において、R−Lは部分RC≡C−を表す。
【0027】
式I、IA、IA’、およびIA”の化合物において、好ましくは、GはCOを表す。あるいは、GはSOを表し得る。
【0028】
式I、IA、IA’、およびIA”の化合物において、W、Z、XおよびYは、例えば、各々CR、特にCHを表し得る。あるいは、XはNを表し得、そしてW、ZおよびYは各々CR4を表し得る。化合物の別の例の組において、X、YおよびZの各々は、CR、特にCHを表す。化合物の別の例の組において、WはNである。
【0029】
一般的に、式IおよびIAの化合物において、好ましくはLは、−(C=C)−または−C≡C−である。従って、化合物の1例の組において、Lは−(C=C)−を表す。化合物の別の例の組において、Lは−C≡C−を表す。
【0030】
式I、IA、IA’およびIA”の化合物において、R1は、例えば、置換または非置換のアリール(例えば、置換されたフェニル)を表し得る。置換基の例としては、アルキル、アルキル(OH)、−COOH、C(Me)、CH(Me)、ハロ、CF、シアノおよびメトキシが挙げられる。あるいは、このR1は置換または非置換のピリジルを表し得る。
【0031】
式I、IA、IA’およびIA”の化合物において、Rは好ましくは水素を表す。
【0032】
式I、IA、IA’およびIA”の化合物において、Rは、例えば、CR’Rを表し得、ここで、R’は水素、ハロまたは置換もしくは非置換のC1〜6アルキルを表し;RおよびRの各々は、独立して、ハロまたは置換もしくは非置換のC1〜6アルキルを表すか;あるいはRおよびRは一緒になって置換もしくは非置換のC3−8シクロアルキル環を形成する。例えば、Rは低級アルキル(例えば、メチル)を表し得る。例えば、Rは低級アルキル(例えば、メチル)を表し得る。特定の例において、R’は水素を表し得、そしてRおよびRはメチルを表し得る。あるいは、R’、RおよびRの各々はメチルを表し得る。あるいは、R’、RおよびRの各々は、フルオロを表し得る。あるいは、R’は水素を表し得、そしてRおよびRは一緒になってシクロヘキシル環を形成する。
【0033】
式I、IA、IA’およびIA”の化合物のさらなる実施形態において、Rは、例えば、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のヘテロアリールを表し得る。
【0034】
式IAの化合物の第一の代替実施形態において、Rは、CF、n−プロピルまたは式:
【0035】
【化9】

の基であり;ここでR2’は、水素またはアルキルであり;そしてここで2つのR2’は、一緒になって3〜8個の原子のシクロアルキル環またはシクロヘテロアルキル環を形成し得;但しR2’のうちの少なくとも2つはアルキルであるである。
【0036】
式IAの化合物に関して、Rは置換されたフェニルであり得るか、または代替的に、置換もしくは非置換のナフチルであり得る。さらに、Rはまた、置換もしくは非置換のヘテロアリールであり得、そして特定の実施形態において、このヘテロアリールは、ピリミジニル、チアゾリルおよびピラゾリルからなる群より選択され得る。さらに具体的には、このヘテロアリールは、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジルであり得る。特定の実施形態において、ヘテロアリール上の置換基は、水素、アルキル、トリフルオロメチル、ハロ、メトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノおよびカルボキシからなる群より選択される。なおさらなる特定の実施形態において、ヘテロアリール上の置換基は、tert−ブチル、シアノ、トリフルオロアルキル、ハロ、ニトロ、メトキシ、アミノおよびカルボキシからなる群より選択される。
【0037】
式IAの化合物より誘導される本発明のなおさらなる局面において、そしてその第二の代替実施形態において、インビボでイオンチャネルを変更し得るさらなる化合物が開示され、この化合物は式II
【0038】
【化10】

を有する:
ここで、L、W、X、Y、Z、Rは式IAに関して定義されたとおりであり、そしてRは式IAの第一の代替実施形態において定義されたとおりである。この第二の代替実施形態の特定の実施形態において、Rは、置換されたアルキルまたは−(CR−R4’であり得る。Rが−(CR−R4’である場合、Rは水素またはアルキルであり;R4’はRであり、そしてRは式1に関して記載されるとおりであり、そしてnは1〜3の整数である。この同じ実施形態において、R4’は、t−ブチル、アリール、シクロアルキル、シクロへテロアルキルおよびヘテロアリールから選択され得;そして代替的に、R4’は、置換もしくは非置換のフェニル、または置換もしくは非置換のナフチルから選択され得;さらに代替的に、R4’は、シクロプロピル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルからなる群より選択され得;なおさらに、R4’は、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、または置換もしくは非置換のモルホリニルから選択され得;なおさらに、R4’は、置換もしくは非置換のピリジニル、または置換もしくは非置換のピリミジニルから選択され得;そしてさらに、R4’は、置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のチオフェニル、置換もしくは非置換のピラゾリル、または置換もしくは非置換のチアゾリルから選択され得る。R4’はまた、置換または非置換のベンゾジオキサニル、置換もしくは非置換のベンゾピラニル、置換もしくは非置換のインドリル、置換もしくは非置換のインダゾリル、置換もしくは非置換のメチレンジオキシフェニル、置換もしくは非置換のキノリニル、置換もしくは非置換のイソキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロイソキノリニル、置換もしくは非置換のジヒドロキノリニル、または置換もしくは非置換のジヒドロイソキノリニルから選択され得る。特定の実施形態において、R4’はt−Buである。この実施形態における全ての前述の変数に関して、xは1または2である。
【0039】
が置換されたアルキルである式2の化合物に従うさらなる実施形態において、Rはt−Buであり得るか、あるいは置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロへテロアルキル、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり得、そして特に、置換もしくは非置換のシクロプロピル、または置換もしくは非置換のシクロペンチルであり得る。Rはまた、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のピペリジニル、または置換もしくは非置換のモルホリニルであるか、あるいは置換もしくは非置換のピリジニル、または置換もしくは非置換のピリミジニルであり得るか、あるいはさらに置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のチオフェニル、置換もしくは非置換のピラキソリル、または置換もしくは非置換のチアゾリルであり得る。さらなる実施形態において、Rはまた、置換もしくは非置換のベンゾジオキサニル、置換もしくは非置換のベンゾピラニル、置換もしくは非置換のインドリル、置換もしくは非置換のインダゾリル、置換もしくは非置換のメチレンジオキシフェニル、置換もしくは非置換のキノリニル、置換もしくは非置換のイソキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロイソキノリニル、置換もしくは非置換のジヒドロキノリニル、または置換もしくは非置換のジヒドロイソキノリニルであり得る。なおさらなる実施形態において、Rは、置換もしくは非置換のアリールであり得、そして特に置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフタレニル、2−ビフェニル、または置換もしくは非置換の4−ビフェニルであり得る。
【0040】
式IIの化合物から誘導される本発明なおさらなる局面において、インビボでイオンチャネルを変更し得るさらなる化合物が開示され、この化合物は、以下の式III
【0041】
【化11】

を有し、ここでR1’はRであり;そしてxは1〜5より選択される。この実施形態において、xは1であり得;R1’は、メチル、イソプロピル、t−ブチル、シアノ、トリフルオロアルキル、ハロ、ニトロ、メトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニル、SOMe、SOCF、SONMe、およびカルボキシからなる群より選択され得;このR1’置換は4位に存在し得る。
【0042】
本発明のさらなる局面において、そして式IIおよびIIIの化合物に関して、W、X、YおよびZはCRであり得、そしてこれらのうちの1つ以上がNであり得る。特に、WおよびYは、各々Nであり得、その残りはCRであり得る。そして4つの位置のうちの任意の2つはNであり得、その残りの位置はまたCRであり得る。この特に記載される実施形態において、Lは、−(CR=CR)−(RおよびRの両方は水素であり、そして代替的に一方がメチルでありもう一方が水素である)であり得る。さらに、Lは−(C≡C)−であり得、そしてRはt−Bu、I−PrまたはCFであり得る。
【0043】
本発明のさらなる実施形態において、他の化合物は、インビボでイオンチャネルを変更し得る。これは、本明細書中では後で式IBの化合物として参照され、ここでBはGNRと結合する炭素原子であり;WはLRと結合する炭素原子であり;そしてA、X、Y、Zは、式Iの化合物について定義されたとおりであり、そして好ましくは各々はCRを、特にCHを表し;Gは、式Iの化合物について定義されたとおりであり、好ましくはCOであり;そしてR、L、RおよびRは、各々、式Iの化合物について定義されたとおりであり、そして好ましくは、式IA、IA’およびIA”の化合物について定義されたとおりである。
【0044】
なおさらなる特定の実施形態において、本発明の化合物が記載され、そして後に本明細書中の表1に記載される、これら化合物の包括的な列挙から選択され得る。この表は、合成された440以上の化合物を含み、そしてこれら化合物は、インビボでのイオンチャネルの変更能力における活性を集団的に実証し、これによって、カプサイシンおよびバニロイドレセプターに関して本明細書中に記載される治療適用において機能した。
【0045】
本発明の化合物は炎症性疼痛ならびに関係する痛覚過敏および異痛症の処置に有用である。これら化合物はまた、ニューロパシー性疼痛ならびに関係する痛覚過敏および異痛症の処置に有用である(例えば、三叉神経神経痛または疱疹性神経痛、糖尿病性ニューロパシー、カウザルギー、交感神経性に維持される疼痛、および求心路遮断症候群(例えば、腕神経叢捻除))。本発明の化合物はまた、関節炎の処置のための抗炎症剤として有用であり、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、外傷性脳損傷、脊髄損傷、神経変性疾患、脱毛症(毛髪消失)、炎症性腸疾患および自己免疫障害、腎臓障害、肥満、摂食障害、癌、統合失調症、癲癇、睡眠障害、認識低下、不安、血圧、脂質障害、ならびにアテローム性動脈硬化症を処置するための薬剤として有用である。
【0046】
1つの局面において、本発明は、インビボでイオンチャネルを変更し得る化合物を提供する。変更される代表的なイオンチャネルとしては、電圧ゲート操作性チャネルおよびリガンドゲート操作性チャネルが挙げられ、バニロイドチャネルのようなカチオンチャネルが含まれる。
【0047】
さらなる局面において、本発明は、本発明の化合物、および薬学的キャリア、賦形剤または希釈剤を含む薬学的組成物を提供する。本発明のこの局面において、この薬学的組成物は、本明細書中に記載される1つ以上の化合物を含み得る。
【0048】
本発明のさらなる局面において、本明細書中に列挙された状態のうちのある状態、そして特に、例えば関節炎、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、脱毛症(毛髪消失)、炎症性腸疾患および自己免疫障害と関係し得る状態に、感受性であるかまたはその状態に罹患した、哺乳動物(ヒトを含む)および低級哺乳動物種を処置するための方法が開示され、この方法は、ここに記載される1つ以上の薬学的組成物の有効量を投与する工程を包含する。
【0049】
処置の局面のなお別の方法において、本発明は、疼痛応答を惹起するかまたは感覚神経の基本活動の維持における平衡失調に関する状態に感受性であるか、この状態に罹患した哺乳動物を処置する方法を提供する。化合物は、以下の種々の起源または病因学の疼痛の処置のための鎮痛剤としての用途を有する:例えば、急性炎症性疼痛(例えば、変形性関節炎および慢性関節リウマチ);種々のニューロパシー性疼痛症候群(例えば、疱疹後の(post−herpetic)神経痛、三叉神経痛、反射性交感神経性ジストロフィ、糖尿病性ニューロパシー、ギラン−バレー症候群、線維筋痛症、幻想肢痛、乳房切除術後の(post−masectomy)疼痛、末梢ニューロパシー、HIVニューロパシー、ならびに化学療法誘導性ニューロパシーおよび他の医原性ニューロパシー);内臓疼痛(例えば、胃食道の反射疾患と関係する内臓疼痛、刺激性腸症候群と関係する内臓疼痛、炎症性腸疾患と関係する内臓疼痛、膵臓と関係する内臓疼痛、ならびに種々の婦人障害および泌尿器障害と関係する内臓疼痛)、歯痛および頭痛(例えば、偏頭痛、群発性頭痛および緊張性頭痛)。
【0050】
処置の局面のさらなる方法において、本発明は、以下のような神経変性疾患または神経変性障害に感受性であるかまたはこれらに罹患した哺乳動物を処置する方法を提供する:例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病および多発性硬化症;神経性炎症により媒介されるかまたは神経性炎症を生じる疾患および障害(例えば外傷性脳損傷、発作および脳炎);中心性に媒介される神経精神医学的疾患および障害(例えば、鬱躁、双極性疾患、不安、統合失調症、摂食障害、睡眠障害、および認識障害);癲癇障害および痙攣障害;前立腺不全、膀胱不全および腸不全(例えば、尿失禁、排尿躊躇、直腸過敏症、便失禁、良性前立腺肥大および炎症性腸疾患);呼吸性および気道性の疾患および障害(例えば、アレルギー性鼻炎、喘息ならびに反応性気道疾患および慢性閉塞性肺疾患);炎症により媒介されるかまたは炎症を生じる疾患および障害(例えば、慢性関節リウマチおよび変形性関節症);心筋梗塞;種々の自己免疫疾患および自己免疫障害;ブドウ膜炎およびアテローム性硬化症;痒み/掻痒(例えば、乾癬);脱毛症(毛髪消失);肥満;脂質障害;癌;血圧;脊髄損傷;または腎臓障害。この方法は、先に記載した1つ以上の薬学的組成物の状態処置有効量もしくは状態予防有効量を投与する工程を包含する。
【0051】
さらなる局面において、本発明は、本明細書中で後に開示される代表的な合成プロトコルおよび合成経路を用いた、本発明の化合物を合成するための方法を提供する。
【0052】
他の目的および利点は、以下の例示的な図面の参照を併せて、次の詳細な説明を理解することより、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
(発明の詳細な説明)
(定義)
化合物、このような化合物を含む薬学的組成物、ならびにこのような化合物および組成物を使用する方法を記載する場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有する。以下に定義される任意の部分は、種々の置換基で置換され得ること、およびそれぞれの定義はそれらの範囲内でそのような置換された部分を含むことを意図されることが、理解されるべきである。非限定的な例によって、このような置換基は、例えば、ハロ(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ)、−CN、−CF、−OH、−OCF、C2−6アルケニル、C3−6アルキニル、C1〜6アルコキシ、アリールおよびジ−C1〜6アルキルアミノを含み得る。
【0054】
「アシル」とは、−C(O)R基をいい、ここでRは本明細書中に定義されるように、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルである。代表的な例としては、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
「アシルアミノ」とは、−NR’C(O)R基をいい、ここでR’は本明細書中に定義されるように、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、そしてRは水素、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアラルキルである。代表的な例としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルカルボニルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
「アシルオキシ」とは、基−OC(O)Rをいい、ここでRは水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルである。
【0057】
「置換されたアルケニル」とは、本明細書中の「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特にアシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そして特に1〜3個の置換基)を有するアルケニル基をいう。
【0058】
「アルコキシ」とは、基−ORをいい、ここでRはアルキルである。具体的なアルコキシ基としては、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
【0059】
「置換されたアルコキシ」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そして特に1〜3個の置換基)を有するアルコキシ基をいう。
【0060】
「アルコキシカルボニルアミノ」とは、基−NRC(O)OR’をいい、ここでRは水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルであり、そしてR’はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0061】
「脂肪族」とは、構成炭素原子の直鎖状配置、分枝状配置または環状配置、および芳香属性不飽和の不在により特徴付けられるヒドロカルビル有機化合物またはヒドロカルビル基をいう。脂肪族としては、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニルおよびアルキニレンが挙げられるが、これらに限定されない。脂肪族基は代表的に、1個または2個〜約12個の炭素原子を有する。
【0062】
「アルキル」は、特に約11個以下の炭素原子を有し、低級アルキルの場合、より特定すると1個〜8個の炭素原子を、そしてさらにより特定すると1個〜6個の炭素原子を有する、一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基をいう。この炭化水素鎖は、直鎖状でも分枝状でもいずれであってもよい。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−オクチルなどのような基によって例示される。用語「低級アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基をいう。用語「アルキル」はまた、以下に定義される「シクロアルキル」を含む。
【0063】
「置換されたアルキル」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオールケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−、およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そして特に1〜3個の置換基)を有するアルキル基をいう。
【0064】
「アルキレン」とは、特に約11個以下の炭素原子、より特定すると1〜6個の炭素原子を有する、二価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基をいい、これは直鎖状または分枝状であり得る。この用語は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン異性体(例えば、−CHCHCH−および−CH(CH)CH−)などのような基により例示される。
【0065】
「置換されたアルキレン」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そして特に1〜3個の置換基)を有するアルキレン基をいう。
【0066】
「アルケニル」とは、好ましくは約11個以下の炭素原子(特に、2〜8個の炭素原子、そしてより特定すると、2〜6個の炭素原子)を有する、一価のオレフィン型不飽和ヒドロカルビル基をいう。これは、直鎖状または分枝状であり得、そして少なくとも1個、そして特に1〜2個のオレフィン型不飽和部位を有する。特定のアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH)、n−プロペニル(−CHCH=CH)、イソプロペニル(−C(CH)=CH)、ビニルおよび置換されたビニルなどが挙げられる。
【0067】
「アルケニレン」とは、特に約11個以下の炭素原子、そしてより特定すると2〜6個の炭素原子を有する、二価のオレフィン型不飽和ヒドロカルビル基をいう。これは、直鎖状または分枝状であり得、そして少なくとも1個、そして特に1〜2個のオレフィン型不飽和部位を有する。この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH=CHCH−および−C(CH)=CH−および−CH=C(CH)−)などのような基により例示される。
【0068】
「アルキニル」とは、特に約11個までの炭素原子を有し、そしてより特定すると、2〜6個までの炭素原子を有する、アセチレン型不飽和ヒドロカルビル基をいい、これは直鎖状または分枝状であり得、そして少なくとも1個、そして特に1〜2個のアルキニル不飽和部位を有する。アルキニル基の特定の非限定的な例としては、アセチレン型、エチニル(−C≡CH)、プロパギル(−CHC≡CH)などが挙げられる。
【0069】
「置換されたアルキニル」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そしてより特定すると、1〜3個の置換基)を有するアルキニル基をいう。
【0070】
「アルカノイル」または「アシル」とは、本明細書中で使用される場合、基R−C(O)−をいい、ここでRは上記で定義したとおりの水素またはアルキルである。
【0071】
「アリール」とは、親の芳香環系の1個の炭素原子からの1個の水素原子の除去によって誘導される、一価の芳香族炭化水素基をいう。代表的なアリール基としては、アセアンスリレンから誘導される基、アセナフチレンから誘導される基、アセフェナンスリレンから誘導される基、アントラセンから誘導される基、アズレンから誘導される基、ベンゼンから誘導される基、クリセンから誘導される基、コロネンから誘導される基、フルオランセンから誘導される基、フルオレンから誘導される基、ヘキサセンから誘導される基、ヘキサフェンから誘導される基、ヘキサレンから誘導される基、as−インダセンから誘導される基、s−インダセンから誘導される基、インダンから誘導される基、インデンから誘導される基、ナフタレンから誘導される基、オクタセンから誘導される基、オクタフェンから誘導される基、オクタレンから誘導される基、オバレンから誘導される基、ペンタ−2,4−ジエンから誘導される基、ペンタセンから誘導される基、ペンタレンから誘導される基、ペンタフェンから誘導される基、ペリレンから誘導される基、フェナレンから誘導される基、フェナントレンから誘導される基、ピセンから誘導される基、プレイアデンから誘導される基、ピレンから誘導される基、ピラントレンから誘導される基、ルビセンから誘導される基、トリフェニレンから誘導される基、トリナフタレンから誘導される基などが挙げられるが、これらに限定されない。特に、アリール基は6〜14個の炭素原子を含む。
【0072】
「置換されたアリール」は、明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルケニル、置換されたアルケニル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、置換されたアルキル、アルキニル、置換されたアルキニル、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、特に1〜3個の置換基)で必要に応じて置換されたアリール基をいう。
【0073】
「縮合アリール」とは、第二のアリール環または脂肪族環と共通した2つの環炭素を有するアリールをいう。
【0074】
「アルカリル」とは、上記に定義したような1つ以上のアルキル基で置換された、上記に定義したようなアリール基をいう。
【0075】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、上記に定義したような1つ以上のアリール基で置換された、上記に定義したようなアルキル基をいう。
【0076】
「アリールオキシ」とは、−O−アリール基をいい、ここで「アリール」は上記に定義したとおりである。
【0077】
「アルキルアミノ」とは、基アルキル−NR’R”をいい、ここでR’およびR”の各々は独立して、水素およびアルキルから選択される。
【0078】
「アリールアミノ」とは、基アリール−NR’R”をいい、ここでR’およびR”の各々は独立して、水素、アリールおよびヘテロアリールから選択される。
【0079】
「アルコキシアミノ」とは、基−N(H)ORをいい、ここでRは、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
【0080】
「アルコキシカルボニル」とは、基−C(O)−アルコキシをいい、ここでアルコキシは本明細書中に定義されるとおりである。
【0081】
「アルキルアリールアミノ」とは、基−NRR’をいい、ここでRはアルキル基またはシクロアルキル基を表し、そしてR’は本明細書中に定義されるアリールである。
【0082】
「アルキルスルホニル」とは、基−S(O)Rをいい、ここでRは、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基である。代表的な例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
「アルキルスルフィニル」とは、基−S(O)Rをいい、ここでRは、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基である。代表的な例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
「アルキルチオ」とは、基−SRをいい、ここでRは、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基であり、これらは必要に応じて本明細書中に定義されるように置換され得る。代表的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
「アミノ」とは、基−NHをいう。
【0086】
「置換されたアミノ」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に基−N(R)をいい、ここで各々のRは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アリール、シクロアルキル、置換されたシクロアルキルからなる群より選択され、そしてここで両方のR基は一緒になってアルキレン基を形成する。両方のR基が水素である場合、−N(R)はアミノ基である。
【0087】
「アミノカルボニル」とは、基−C(O)NRRをいい、ここで各々のRは独立して、水素、アルキル、アリールおよびシクロアルキルであるか、またはここでこれらR基は一緒になってアルキレン基を形成する。
【0088】
「アミノカルボニルアミノ」とは、基−NRC(O)NRRをいい、ここで各々のR基は独立して、水素、アルキル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、またはここで2つのR基は一緒になってアルキレン基を形成する。
【0089】
「アミノカルボニルオキシ」とは、基−OC(O)NRRをいい、ここで各々のR基は独立して水素、アルキル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、またはここでこれらR基は一緒になってアルキレン基を形成する。
【0090】
「アリールアルキルオキシ」とは、−O−アリールアルキル基をいい、ここでアリールアルキルは本明細書中に定義したとおりである。
【0091】
「アリールアミノ」とは、基−NHRをいい、ここでRは本明細書中に定義されるアリール基を表す。
【0092】
「アリールオキシカルボニル」とは、基−C(O)−O−アリールをいい、ここでアリールは本明細書中に定義されるとおりである。
【0093】
「アリールスルホニル」とは、基−S(O)Rをいい、ここでRは、本明細書中に定義されるアリール基またはヘテロアリール基である。
【0094】
「アジド」とは、基−Nをいう。
【0095】
「カルバモイル」とは、基−C(O)N(R)をいい、ここで各々のR基は独立して、本明細書中に定義される水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、これらは必要に応じて本明細書中に定義されるように置換され得る。
【0096】
「カルボキシ」とは、基−C(O)OHをいう。
【0097】
「カルボキシアミノ」とは、基−N(H)C(O)OHをいう。
【0098】
「シクロアルキル」とは、3個〜約10個の炭素原子を有し、そして単一環または多重環(縮合環系および架橋環系を含む)を有する環状ヒドロカルビル基をいい、この環状ヒドロカルビル基は、必要に応じて、1〜3個のアルキル基で置換され得る。このようなシクロアルキル基としては、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなどのような単一環構造、およびアダマンタニルなどのような多環構造が挙げられる。
【0099】
「置換されたシクロアルキル」とは、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そして特に1〜3個の置換基)を有するシクロアルキル基をいう。
【0100】
「シクロアルコキシ」とは、基−ORをいい、ここでRはシクロアルキルである。このようなシクロアルキル基としては、例として、シクロペントキシ、シクロヘキソキシなどが挙げられる。
【0101】
「シクロアルケニル」とは、3〜10個の炭素原子を有し、そして単一環または多重環(縮合環系および架橋環系を含む)を有し、そして少なくとも1個そして特に1〜2個のオレフィン型不飽和部位を有する、環式ヒドロカルビル基をいう。このようなシクロアルケニル基としては、例として、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロプロペニルなどのような単一環構造が挙げられる。
【0102】
「置換されたシクロアルケニル」は、明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そして特に1〜3個の置換基)を有するシクロアルケニル基をいう。
【0103】
「縮合シクロアルケニル」とは、第二の脂肪族環または芳香環と共通した2つの環炭素原子を有し、そしてこのシクロアルケニル環に芳香族性を与えるように位置するオレフィン型不飽和を有するシクロアルケニルをいう。
【0104】
「シアナト」とは、基−OCNをいう。
【0105】
「シアノ」とは、基−CNをいう。
【0106】
「ジアルキルアミノ」は、基−NRR’を意味し、ここで、RおよびR’は独立して、本明細書中に定義される、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、置換されたシクロヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、または置換されたヘテロアリール基を表す。
【0107】
「エテニル」とは、置換または非置換の−(C≡C)−をいう。
【0108】
「エチレン」とは、置換または非置換の−(C−C)−をいう。
【0109】
「エチニル」とは、−(C=C)−をいう。
【0110】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。好ましいハロ基は、フルオロまたはクロロのいずれかである。
【0111】
「ヒドロキシ」とは、基−OHをいう。
【0112】
「ニトロ」とは、基−NOをいう。
【0113】
「置換された」とは、1個以上の水素原子が各々独立して、同じ置換基(単数または複数)または別の置換基と置き換えられる基をいう。代表的な置換基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:−X、−R14、−O、=O、−OR14、−SR14、−S、=S、−NR1415、=NR14、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N,−S(O)、−S(O)OH,−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1415および−C(NR16)NR1415、ここで、各々Xは独立してハロゲンである;各々R14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアルキル、アリールアルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、−NR1819、−C(O)R18もしくは−S(O)18であるか、または必要に応じてR18とR19とはそれらの両方と結合する原子と一緒になって、シクロヘテロアルキル環もしくは置換されたシクロヘテロアルキル環を形成し;そしてR18およびR19は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアルキル、アリールアルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換されたヘテロアリールアルキルである。
【0114】
置換されたアリールの代表的な例としては、以下が挙げられる:
【0115】
【化12】


【0116】
これらの式において、R6’およびR7’のうちの1つは、水素であり得、そしてR6’およびR7’のうちの少なくとも1つは、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロヘテロアルキル、アルカノイル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、NR10COR11、NR10SOR11、NR10SO14、COOアルキル、COOアリール、CONR1011、CONR10OR11、NR1011、SONR1011、S−アルキル、S−アルキル、SOアルキル、SOアルキル、Sアリール、SOアリール、SOアリールから選択されるか;またはR6’およびR7’は、一緒になって5〜8個の原子の(飽和または不飽和の)環式環を形成し得、必要に応じてN、OもしくはSから選択される1個以上のヘテロ原子を含む。R10、R11およびR12は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、パーフルオロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたアルキルもしくはヘテロアルキルなどである。
【0117】
「ヘテロ」とは、化合物、または化合物上に存在する基を記載するために使用される場合、化合物または基のうちの1つ以上の炭素原子が窒素ヘテロ原子、酸素ヘテロ原子または硫黄ヘテロ原子によって置き換えられていることを意味する。ヘテロは、上記の任意のヒドロカルビル基(例えば、アルキル(例えば、ヘテロアルキル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘテロアルキル)、アリール(例えば、ヘテロアリール)、シクロアルケニル、シクロヘテロアルケニル、など)に適用され得、これは1〜5個のヘテロ原子、特に1〜3個のヘテロ原子を有する。
【0118】
「ヘテロアリール」とは、親のヘテロ芳香族環系のうちの1個の原子からの1個の水素原子の除去によって導かれる、一価のヘテロ芳香族基をいう。代表的なヘテロアリール基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アクリジンから誘導される基、アルシンドールから誘導される基、カルバゾールから誘導される基、β−カルボリンから誘導される基、クロマンから誘導される基、クロメンから誘導される基、シンノリンから誘導される基、フランから誘導される基、イミダゾールから誘導される基、インダゾールから誘導される基、インドールから誘導される基、インドリンから誘導される基、インドリジンから誘導される基、イソベンゾフランから誘導される基、イソクロメンから誘導される基、イソインドールから誘導される基、イソインドリンから誘導される基、イソキノリンから誘導される基、イソチアゾールから誘導される基、イソオキサゾールから誘導される基、ナフチリジンから誘導される基、オキサジアゾールから誘導される基、オキサゾールから誘導される基、ペリミジンから誘導される基、フェナントリジンから誘導される基、フェナントロリンから誘導される基、フェナジンから誘導される基、フタラジンから誘導される基、テリジンから誘導される基、プリンから誘導される基、ピランから誘導される基、ピラジンから誘導される基、ピラゾールから誘導される基、ピリダジンから誘導される基、ピリジンから誘導される基、ピリミジンから誘導される基、ピロールから誘導される基、ピロリジンから誘導される基、キナゾリンから誘導される基、キノリンから誘導される基、キノリジンから誘導される基、キノキサリンから誘導される基、テトラゾールから誘導される基、チアジアゾールから誘導される基、チアゾールから誘導される基、チオフェンから誘導される基、トリアゾールから誘導される基、キサンテンから誘導される基など。好ましくは、ヘテロアリール基は、5〜20員の間のヘテロアリールであり、5〜10員のヘテロアリールが特に好ましい。特定のヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、およびピラジンから誘導される基である。
【0119】
代表的なヘテロアリールの例としては、以下に挙げられる:
【0120】
【化13】

ここで、各々のYはカルボニル、N、NR、OおよびSから選択される。
【0121】
代表的なシクロヘテロアルキルの例としては、以下が挙げられる:
【0122】
【化14】

ここで、各々のXは、CR、NR、OおよびSから選択され;そして各々のYは、NR、OおよびSから選択され、そしてここでR6’はRである。
【0123】
代表的なシクロヘテロアルケニルの例としては、以下が挙げられる:
【0124】
【化15】

ここで、各々のXはCR、NR、OおよびSから選択され;そして各々のYは、カルボニル、N、NR、OおよびSから選択される。
【0125】
置換基を含むヘテロ原子を有する代表的なアリールの例としては、以下が挙げられる:
【0126】
【化16】

ここで、各々のXはC−R、CR、NR、OおよびSから選択され;そして各々のYは、カルボニル、NR、OおよびSから選択される。
【0127】
「ヘテロ置換基」とは、ハロ原子、O原子、S原子またはN原子を含む官能基をいい、これらは、本発明の化合物のA、B、W、X、YまたはZに対する直接的な置換基として存在する、RC基におけるRとして存在し得るか、またはこの化合物における「置換された」アリール基および「置換された」脂肪族基における置換基として存在し得る。
【0128】
ヘテロ置換基の例としては、以下が挙げられる:
−ハロ、
−NO、−NH、−NHR、−N(R)
−NRCOR,−NRSOR,−NRSOR、OH、CN,COR、
−COH、
−R−OH、−O−R、−COOR、
−CON(R)、−CONROR、
−SOH、−R−S、−SON(R)
−S(O)R、−S(O)R、ここで、各々のRは、独立して、アリールまたは脂肪族であり、必要に応じて置換基を有する。R基を含むヘテロ置換基のなかでも、本明細書中に定義されたアルキルのR基およびアリールのR基を有する物質が好ましい。本明細書中に好ましい置換基は、上記に列挙した置換基である。
【0129】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロヘテロアルキル」とは、N、OおよびSから独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、安定な複素環式非芳香環、および安定な複素環式縮合環をいう。縮合複素環式環系は、炭素環式環を含み得、ただ、1つの複素環式環のみ含んでいればよい。複素環式環の例としては、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されず、そして以下の例示的な例において示され:
【0130】
【化17】

、これらは、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1つ以上の基で必要に応じて置換される。置換する基としては、カルボニルまたはチオカルボニルが挙げられ、これらは例えば、ラクタム誘導体およびウレア誘導体を提供する。例において、MはCR、NR、O、またはSであり;QはO、NRまたはSである。RおよびRは、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より独立して選択される。
【0131】
「ジヒドロキシホスホリル」とは、基−PO(OH)をいう。
【0132】
「置換されたジヒドロキシホスホリル」は、明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、ヒドロキシル基のうちの一方または両方が置換されたジヒドロキシホスホリル基をいう。適切な置換基は、以下に詳細に記載される。
【0133】
「アミノヒドロキシホスホリル」とは、基−PO(OH)NHをいう。
【0134】
「置換されたアミノヒドロキシホスホリル」は、明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アミノヒドロキシホスホリルをいい、ここでそのアミノ基は1つまたは2つの置換基で置換される。適切な置換基は、以下に詳細に記載される。特定の実施形態において、ヒドロキシル基もまた置換され得る。
【0135】
「チオアルコキシ」とは、基−SRをいい、ここでRはアルキルである。
【0136】
「置換されたチオアルコキシ」は、明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、1個以上の置換基(例えば、1〜5個の置換基、そして特に1〜3個の置換基)を有するチオアルコキシ基をいい、この置換基は、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される。
【0137】
「スルファニル」とは、基HS−をいう。「置換されたスルファニル」とは、−RSのようなラジカルをいい、ここでRが本明細書中に記載される任意の置換基である。
【0138】
「スルホニル」とは、二価基−S(O)−をいう。「置換されたスルホニル」とは、R−(O)S−のような基をいい、ここでRが本明細書中に記載される任意の置換基である。「アミノスルホニル」または「スルホンアミド」とは、基HN(O)S−をいい、そして、「置換されたアミノスルホニル」「置換されたスルホンアミド」とは、RN(O)S−のような基をいい、ここで各々のRは、独立して、本明細書中に記載される任意の置換基である。
【0139】
「スルホン」とは、基−SORをいう。特定の実施形態において、RはH、低級アルキル、アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。
【0140】
「チオアリールオキシ」とは、基−SRをいい、ここでRはアリールである。
【0141】
「チオケト」とは、基=Sをいう。
【0142】
「チオール」とは、基−SHをいう。
【0143】
有機合成分野の当業者は、安定で化学的に実施可能な複素環式環におけるヘテロ原子の最大数が、芳香族性であれ非芳香族性であれ、環の大きさ、不飽和の程度およびヘテロ原子の原子価によって決定されることを理解する。一般に、複素環式環は、そのヘテロ芳香環が化学的に実現可能かつ安定である限り、1〜4個のヘテロ原子を有し得る。
【0144】
「薬学的に受容可能」とは、連邦もしくは州政府の管理機関によって認可されるかまたは米国薬局方に列挙されるか、または他の一般に認識される、動物における使用(そして特にヒトにおける使用)のための薬局方によって承認されることを意味する。
【0145】
「薬学的に受容可能な塩」とは、これは薬学的に受容可能であり、そして親化合物の所望される薬学的活性を有する、本発明の化合物の塩をいう。このような塩としては、以下が挙げられる:(1)酸付加塩:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸と形成される塩;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプタン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸、などのような有機酸と形成される塩;あるいは(2)塩:親化合物中の酸性プロトンが金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン)もしくはアルミニウムイオンによって置き換えられるか、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどのような有機塩基と配位するかのいずれかの場合に生成される塩。塩としてはさらに、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが挙げられる。そして化合物が塩基性官能基を含む場合、無毒性の有機酸または無機酸の塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩など)が挙げられる。用語「薬学的に受容可能なカチオン」とは、無毒性の受容可能な、酸性官能基のカチオン性対イオンをいう。このようなカチオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどによって例示される。
【0146】
「薬学的に受容可能なビヒクル」とは、希釈剤、アジュバント、賦形剤またはキャリアをいい、これらと共に本発明の化合物が投与される。
【0147】
「予防すること」または「予防」とは、疾患または障害を得る危険性の軽減(すなわち、疾患の臨床学的症状のうちの少なくとも1つを、疾患に曝され得るかまたはその疾患に罹りやすくあり得るが未だにその疾患の症状を体験も提示もしない被験体において、進行させないこと)をいう。
【0148】
「被験体」は、ヒトを含む。用語「ヒト」、用語「患者」および用語「被験体」は、本明細書中で相互交換可能に使用される。
【0149】
「治療有効量」は、疾患を処置するために被験体に投与される場合、その疾患のためのそのような処置を達成するのに十分である、化合物の量を意味する。この「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重篤度、ならびに処置される被験体の年齢、体重などによって変動し得る。
【0150】
任意の疾患または障害についての「処置すること」または「処置」とは、1つの実施形態において、疾患または障害を緩和させること(すなわち、その疾患またはその臨床学的症状のうちの少なくとも1つの進行を抑止するかまたは軽減すること)をいう。別の実施形態において、「処置すること」または「処置」とは、被験体によって識別し得ない、少なくとも1つの物理的パラメータを緩和することをいう。なお別の実施形態において、「処置すること」または「処置」とは、物理的に(識別可能な症状の安定化)か、生理学的に(物理学的パラメータの安定化)か、またはその両方のいずれかで、疾患または障害を調節することをいう。なお別の実施形態において、「処置すること」または「処置」とは、疾患または障害の発症を遅延させることをいう。
【0151】
「プロドラッグ」とは、切断可能な基を有し、そして加溶媒分解によってかまたは生理学的条件下でインビボで薬学的に活性である本発明の化合物になる化合物(本発明の化合物の誘導体を含む)を、いう。このような例としては、コリンエステル誘導体など、N−アルキルモルホリンエステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0152】
本発明の化合物の他の誘導体は、酸形態および酸誘導体形態の両方において活性を有するが、酸性感受性形態において、哺乳動物体内での溶解性、組織適合性、または徐放性放出の利益をしばしば提供する(Bundgard,H.、Design of Prodrugs,7−9頁,21−24,Elsevier,Amsterdam 1985)。プロドラッグとしては、当業者に周知の酸誘導体が挙げられ、例えば、親の酸と適切なアルコールとの反応により調製されたエステル、または親の酸化合物と適切な置換または非置換のアミンとの反応により調製されたアミン、または酸無水物、または混合無水物である。本発明の化合物にペンダントする酸性基から誘導された、単純な脂肪族エステルまたは芳香族性エステル、アミドおよび無水物は、好ましいプロドラッグである。いくつかの場合において、二重エステル型のプロドラッグ(例えば、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキレンエステル)を調製することが所望可能である。本発明の化合物のC〜Cアルキルエステル、C〜Cアルケニルエステル、アリールエステル、置換されたC〜C12アリールエステル、およびC〜C12アリールアルキルエステルが、好ましい。
【0153】
同じ分子式を有するが、その性質、または原子の結合の順位もしくは空間的な原子の配置が異なる化合物が「異性体」と称されることも、理解されるべきである。空間的に原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。
【0154】
互いに鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と称され、そして互いに重ね合せ不能な鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、この不斉中心は4個の異なる基と結合し、1対のエナンチオマーが存在し得る。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によって特徴付けられ得、そしてCahnおよびPrelogのR順位則およびS順位則によって記されるか、またはこの分子が偏光の平面を回転させそして右旋回性もしくは左旋回性として(すなわち、それぞれ(+)異性体または(−)異性体として)描かれる様式によって、記される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとしてかまたはそれらの混合物としてのいずれかで存在し得る。等量のエナンチオマーを含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0155】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有し得る;従って、このような化合物は、個々の(R)立体異性体もしくは(S)立体異性体としてかまたはそれらの混合物として生成され得る。他に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の記載または命名は、個々のエナンチオマーおよびその混合物(ラセミ体またはその他)の両方を含むことが意図される。立体化学の決定および立体異性体の分離に関する方法は、当該分野で周知である。
【0156】
(化合物)
本明細書中で先に記載されるように、本発明の化合物は、哺乳動物における広範な状態、とりわけ関節炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、発作、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、疼痛症候群(急性および慢性、またはニューロパシー性)の処置および予防、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、神経変性障害、脱毛症(毛髪喪失)、炎症性腸疾患ならびに自己免疫障害または状態を、予防および/または処置するのに有用である。
【0157】
本明細書中に記載される発明がより完全に理解され得るため、本発明の代表的化合物を表す以下の構造が記載される。これらの例は、例示の目的のみのためであり、そして本発明を任意の様式に限定するものとみなされるべきでないことが、理解されべきである。
【0158】
従って、特定の化合物のさらなる群が提供される。このように、そして本明細書中で先に考察したように、インビボでイオンチャネルを変更し得る適切な化合物は、以下の表1に列挙される化合物から選択され得、そして示されるようにかまたはこれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;ならびにそれらの異性体および立体異性体の形態でかのいずれかで、調製され得る。このようなすべての可変物は本明細書中で企図され、そして本発明の範囲内である。
【0159】
特定の局面において、本発明は、上記の式に従う化合物のプロドラッグおよびその誘導体を提供する。プロドラッグは、本発明の化合物の誘導体であり、これは切断可能な基を有し、そして加溶媒分解によるかまたは生理条件下でインビボで薬学的に活性である本発明の化合物になる。このような例としては、コリンエステル誘導体など、N−アルキルモルホリンエステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0160】
本発明の化合物の他の誘導体の例は、それらの酸形態および酸誘導化形態の両方において活性を有するが、この酸感受性形態は、しばしば、哺乳動物生物体中での溶解性の利点、組織適合性の利点または徐放性の利点を授け得る(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,7−9頁,21−24,Elsevier,Amsterdam 1985を参照のこと)。プロドラッグは、当業者に周知の酸誘導体(例えば、親の酸と適切なアルコールとの反応により調製されるエステル、または親の酸性化合物と置換または非置換のアミンとの反応により調製されるアミド、または酸無水物、または混合無水物)が挙げられる。本発明の化合物の酸性基ペンダントから誘導される、簡単な脂肪族エステルまたは芳香族エステル、アミドまたは無水物は、好ましいプロドラッグである。いくつかの場合において、二重エステル型プロドラッグ(例えば、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキレンエステル)を調製することが所望可能である。本発明の化合物のC〜Cアルキルエステル、C〜Cアルケニルエステル、アリールエステル、置換されたC〜C12アリールエステル、およびC〜C12アリールアルキルエステルが、好ましい。
【0161】
(薬学的組成物)
薬剤として使用される場合、本発明のアミド化合物は、代表的に、薬学的組成物の形態で投与される。このような組成物は、当該薬学的分野において周知の様式で調製され得、そして少なくとも1つの活性な化合物を含み得る。
【0162】
一般的に、本発明の化合物は、薬学的有効量で投与される。実際に投与される化合物の量は、代表的に、関連する状況(処置されるべき状態、選択される投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、その患者の症状の重篤度などを含む)を考慮して、医師によって決定される。
【0163】
本発明の薬学的組成物は、種々の経路(非限定的な例として、経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内が挙げられる)によって投与され得る。意図される送達経路に依存して、本発明の化合物は好ましくは、注射可能にか、経口組成物か、または経皮投与のための全てとして軟膏としてか、ローションとしてかもしくはパッチとしてのいずれかで、処方される。
【0164】
経口投与のための組成物は、バルクの液体溶液もしくは液体懸濁物、またはバルクの粉剤の形態をとり得る。しかしながら、より通常は、組成物は、迅速な投薬を容易にするために、単位投薬形態で提供される。用語「単位投薬形態」とは、ヒト被険体および他の哺乳動物のための単一の投薬として適切な、物理的に分離した単位をいい、各々の単位は所望の治療効果を生じるよう計算された活性物質の予め定められた量を、適切な薬学的賦形剤と一緒に含む。代表的な単位投薬形態としては、液体組成物の予め充填され予め計られたアンプルもしくはシリンジ、または固形組成物の場合で、丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。このような組成物において、フランスルホン酸化合物は、通常、微量成分であり(約0.1〜約50重量%、または好ましくは約1〜約40重量%)、残りは種々のビヒクルまたはキャリアおよび所望の投薬形態を形成するのを助ける処理補助剤である。
【0165】
経口投与のための液体形態は、適切な水性ビヒクルまたは非水性ビヒクルと、緩衝剤、懸濁剤および分散剤、着色剤、香味剤などとを含み得る。固形形態は、例えば、任意の以下の内容物または同じ性質の化合物を含み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガカント、またはゼラチン);賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primogel、またはトウモロコシデンプン);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);流動促進剤(glidant)(例えば、コロイド性二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、ショ糖またはサッカリン);または香味剤(例えば、ペパーミント香味剤、サリチル酸メチル香味剤またはオレンジ香味剤)。
【0166】
注射可能組成物は、代表的に、注射可能な滅菌生理食塩水もしくはリン酸緩衝化生理食塩水、または当該分野で公知の他の注射可能なキャリアに基づく。先のように、このような組成物における活性化合物は、代表的に微量成分であり、しばしば、約0.05〜10重量%であり、残りは注射可能なキャリアなどである。
【0167】
経皮組成物は、代表的に、一般的に、約0.01〜約20重量%、好ましくは約0.1〜約20重量%、好ましくは約0.1〜約10重量%、そしてより好ましくは約0.5〜約15重量%に及ぶ量で活性成分(単数または複数)を含む局所用軟膏または局所用クリームとして処方される。軟膏として処方される場合、活性成分は、代表的に、バラフィン性または水混和性の軟膏ベースのいずれかとともに混ぜ合わされる。あるいは、活性成分は、例えば水中油のクリームベースと共に、クリーム中に処方される。このような経皮処方物は、当該分野で周知であり、そして一般的に、この活性成分またはこの処方物の安定した皮膚浸透を増強するために、さらなる成分を含む。このような公知の経皮処方物および内容物の全ては、本発明の範囲内に含まれる。
【0168】
本発明の化合物はまた、経皮的デバイスによって投与され得る。従って、経皮投与は、レザバ型もしくは多孔性膜型、または固体マトリクス種類のいずれかのパッチを使用して達成され得る。
【0169】
経口投与可能な組成物、注射可能な組成物または局所投与可能な組成物に関する上記成分は、単なる代表的なものである。他の物質および処理技術などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、1985、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania(これは本明細書中で参考として援用される)の第8章において記載される。
【0170】
本発明の化合物はまた、徐放性形態でかまたは徐放性薬物送達系より投与される。代表的な徐放製物質の記載は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出され得る。
【0171】
以下の処方例は、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。しかしながら、本発明は、以下の薬学的組成物に限定されない。
【0172】
(処方1−錠剤)
式Iの化合物を、乾燥ゼラチン結合剤と、約1:2の重量比で乾燥粉末として混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加する。この混合物を、錠剤プレスにおいて240〜270mgの錠剤(錠剤1つあたり80〜90mgの活性化合物)に形成する。
【0173】
(処方2−カプセル)
式Iの化合物を、デンプン希釈剤と、約1:1の重量比で乾燥粉末として混合する。この混合物を、250mgのカプセル(カプセル1つあたり125mgの活性化合物)中に充填する。
【0174】
(処方3−液剤)
式Iの化合物(125mg)、ショ糖(1.75g)およびキサントガム(4mg)を混合し、10号メッシュU.S.篩を通し、次いで予め作製した、水中の微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89、50mg)との溶液と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)(香味剤)および着色剤を水で希釈し、そして撹拌しながら添加する。次いで、十分な水を添加して、総量5mLを生成する。
【0175】
(処方4−錠剤)
式Iの化合物を、乾燥ゼラチン結合剤と、約1:2の重量比で乾燥粉末として混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加する。この混合物を、錠剤プレスにおいて450〜900mgの錠剤(錠剤1つあたり150〜300mgの活性化合物)に形成する。
【0176】
(処方5−注射剤)
式Iの化合物を緩衝化した注射可能な滅菌生理食塩水中に、約5mg/mlの濃度に溶解するかまたは懸濁する。
【0177】
(処方6−局所用)
ステアリルアルコール(250g)および白色ワセリン(250g)を約75℃で溶解し、次いで、水(約370g)に溶解した式Iの化合物(50g)、メチルパラベン(0.25g)、プロピルパラベン(0.15g)、ラウリル硫酸ナトリウム(10g)、およびプロピレングリコール(120g)の混合物を添加し、そして得られた混合物を硬化するまで撹拌する。
【0178】
(処置方法)
本発明の化合物は、哺乳動物の状態の処置のための治療剤として使用される。従って、本発明の化合物または薬学的組成物は、人を含む哺乳動物における神経変性状態、自己免疫状態および炎症性状態を予防および/または処置するための治療剤としての用途を見出す。
【0179】
処置局面の方法において、本発明は、関節炎、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、脱毛症(毛髪喪失)、炎症性腸疾患、および自己免疫障害と関係した状態に感受性であるかまたはこのような状態に罹患した哺乳動物を処置する方法を提供し、この方法は、先に記載した1つ以上の薬学的組成物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0180】
処置局面のなお別の方法において、本発明は、疼痛応答を生じる状態、または感覚神経の基本活動の維持における不平衡に関する状態に感受性であるかまたはこれら状態に罹患する哺乳動物を処置する方法を提供する。化合物は、種々の起源または病因論の疼痛(例えば、急性炎症性疼痛(例えば、変形性関節炎および慢性関節リウマチと関係した疼痛);種々のニューロパシー性疼痛症候群(例えば、疱疹後の神経痛、三叉神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、糖尿病性ニューロパシー、ギラン−バレー症候群、線維筋痛症、幻想肢痛、乳房切除術後の疼痛、末梢ニューロパシー、HIVニューロパシー、ならびに化学療法誘導性神経痛および他の医原性神経痛);内臓疼痛(例えば、胃食道逆流(reflex)疾患、刺激性腸症候群、炎症性腸疾患、膵臓炎、ならびに種々の婦人障害および泌尿障害と関係する疼痛)、歯痛、および頭痛(例えば、偏頭痛、群発性頭痛および緊張性頭痛)の処置のための鎮痛剤としての用途を有する。
【0181】
処置局面のさらなる方法において、本発明は、神経変性疾患および神経変性状態(例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病、および多発性硬化症)、神経性炎症により媒介されるかまたは神経性炎症を生じる疾患または障害(例えば、外傷性脳損傷、発作および脳炎);中心性に媒介される神経精神学的疾患および状態(例えば、躁鬱、双極性疾患、不安、統合性失調症、摂食障害、睡眠障害、および認識障害);癲癇障害および発作障害;前立腺不全、膀胱不全および腸不全(例えば、尿失禁、排尿躊躇、直腸過敏、便失禁、良性前立腺肥大および炎症性腸疾患);呼吸性および気道の疾患および障害(例えば、アレルギー性鼻炎、喘息および反応性気道疾患、ならびに慢性閉塞性肺疾患);炎症により媒介されるかまたは炎症を生じる疾患および障害(例えば、慢性関節リウマチおよび変形関節炎、心筋梗塞、種々の自己免疫疾患および自己免疫障害、ブドウ膜炎ならびにアテローム性動脈硬化症);痒み/掻痒(例えば、乾癬);脱毛症(毛髪喪失);肥満;脂質障害;癌;血圧;脊髄損傷;ならびに腎臓障害)に感受性であるかまたはこれらに罹患した哺乳動物を処置するための方法を提供する。この方法は、先に記載した1つ以上の薬学的組成物の状態処置有効量または状態予防有効量を投与する工程を包含する。
【0182】
注射用量レベルは、全て約1〜約120時間の間、そして特に24〜96時間の間、約0.1mg/kg/時間〜少なくとも10mg/kg/時間に及ぶ。適切な安定した確実な状態レベルを達成するため、約0.1mg/kg〜約10mg/kgまたはそれ以上の前もって充填したボーラスもまた、投与され得る。最大の総用量は、40〜80kgのヒト患者に対して1日あたり約2gを超えないことが期待される。
【0183】
長期の状態(例えば、神経変性状態および自己免疫状態)の予防および/または処置のため、処置のためのレジメンは、通常、多くの年月にわたり、そのため、経口投薬が、患者の利便性および寛容性のために好ましい。経口投薬に関して、1日あたり1〜5回、そして特に1日あたり2〜4回、そして代表的に1日あたり3回の経口用量が代表的なレジメンである。これらの投薬形式を使用して、各々の投薬は、約0.01〜約20mg/kgの化合物またはその誘導体を与え、好ましい用量は各々が約0.1〜約10mg/kg、そして特に約1〜約5mg/kgを与える。
【0184】
経皮用量は、一般的に、注射用量を使用して達成するのと同じかまたはより低い血中レベルを提供するように選択される。
【0185】
神経変性状態、自己免疫状態または炎症性状態の発生を予防するために使用される場合、本発明の化合物またはその誘導体は、代表的には医師の助言および監督の下で、上記の投薬レベルで、これら状態を進行する危険性にある患者に投与される。特定の状態を進行させる危険性にある患者としては、一般に、その状態の家族歴を有する患者、またはその状態を進行させる可能性に特に高いことを遺伝子試験または遺伝子スクリーニングによって同定された患者が挙げられる。
【0186】
本発明の化合物は、単独の活性薬剤として投与され得るか、またはこれら本発明の化合物は、他の薬剤(他の活性な誘導体を含む)と組み合わせて投与され得る。
【実施例】
【0187】
(一般的合成手順)
本発明の化合物は、以下の一般的な方法および手順を使用して、容易に利用可能な出発物質から調製され得る。代表的または好ましい処理条件(すなわち、反応温度、反応時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられるが、他の処理条件もまた他に示されない限り使用され得ることが、理解される。最適な反応条件は、特定の反応物または使用される溶媒で変動し得るが、そのような条件は、慣用的な最適化手順によって当業者により決定され得る。
【0188】
さらに、当業者には明らかであるが、特定の官能基が所望されない反応を受けることを妨げるため、既往の保護基が必要であり得る。特定の官能基に適切な保護基、ならびに保護および脱保護に適切な条件の選択は、当該分野で周知である。例えば、多くの保護基およびそれらの導入および除去は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、第2版、Wiley、New York、1991および本明細書中に記載される参考文献において、記載される。
【0189】
標的化合物を、以下のスキームに概説される公知の反応により合成する。この生成物を、公知の標準的手順によって単離および精製する。このような手順としては、再結晶化、カラムクロマトグラフィー、またはHPLCが挙げられる(しかし、これらに限定されない)。例えば、適切に置換されたハロピリジンと、適切に官能化されたカルボキシボロン酸との反応によって標的化合物を調製し、所望のビアリールカルボン酸を取得し得る。このようにして得たカルボン酸中間体を、活性化、その後の適切な置換アミンとの反応によって、対応するアミドへと簡便に変換し得る。この生成物を、公知の標準的な手順によって単離しそして精製する。このような手順としては、再結晶化、カラムクロマトグラフィー、またはHPLCが挙げられる(しかし、これらに限定されない)。
【0190】
(置換安息香酸の調製)
(中間体1)
(4−((E)−3,3−ジメチル−ブタ−1−エニル)−安息香酸)
【0191】
【化18】

無水THF(90mL)中の、4−カルボキシベンズアルデヒド(2.0g、13.32mmol)の冷却して(0℃)よく撹拌した懸濁液に、ヘキサン中の33.3mmolのネオペンチル塩化マグネシウムを20分間かけて添加し、そしてこの混合物を同温でさらに2時間撹拌し、その後、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチする。大部分のTHFをエバポレートし、そして水性混合物を濃HCl(50mL)で処理し、そしてこの混合物を加熱して2時間還流した。次いで、この混合物を周囲温度に冷まし、そして塩化メチレン(100mLで2回)で抽出し、その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、所望の4−(3,3−ジメチル−ブタ−1−エニル)−安息香酸を得る。
【0192】
(中間体2)
(((E)−4−ペンタ−1−エニル)−安息香酸)
【0193】
【化19】

THF中の−78℃の4−ホルミル−安息香酸(1.5g、10mmol)の撹拌溶液に、ヘキサン中の2.5当量のn−ブチルリチウムを添加し、そしてこの混合物を徐々に周囲温度まで温めた。さらに2時間の撹拌後、この反応物を飽和NHCl溶液でクエンチし、そしてEtOAc(100mLで2回)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、そして濃縮して粗製カルビノールを得、これを30% HSOで周囲温度で30分間処理した。次いで、この反応混合物を冷水でクエンチし、そして形成した沈殿を濾過し、水で洗浄し、そして減圧乾燥させて、表題の化合物(1.1g、57.9%)を得た。
【0194】
(中間体3)
(6−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)ニコチン酸)
【0195】
【化20】

6−クロロニコチン酸メチルエステル(500mg;2.93mmol)を、5ml反応バイアル中で1,4−ジオキサン(3ml)に懸濁した。この容器にジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(70mg;3mol%)、ヨウ化銅(12mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.63ml;3.5mmol)および3,3−ジメチルブタ−1−イン(0.44ml;3.5mmol)を添加した。この容器を密封し、そしてこの混合物を80℃で24時間加熱した。乾燥するまで溶媒をエバポレートし、そして20mlのテトラヒドロフランおよび20mlの10N NaOHを添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、そして溶媒をエバポレートした。この塩基性の層を濃HClで酸性にし、そしてEtOAcで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、そしてNaSOで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして、褐色粉末として所望の生成物(590mg;99%)を得た。
MS:MH+=204。
【0196】
(中間体4)
(4−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)安息香酸)
【0197】
【化21】

4−ヨード安息香酸メチルエステル(500mg;1.9mmol)を、5ml反応バイアル中で、1,4−ジオキサン(3ml)に懸濁した。この容器にジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(44mg;3mol%)、ヨウ化銅(7.5mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.39ml;3.5mmol)および3,3−ジメチルブタ−1−イン(0.275ml;3.5mmol)を添加した。この容器を密封し、そしてこの混合物を80℃で24時間加熱した。乾燥するまで溶媒をエバポレートしそして20mlのテトラヒドロフランおよび20mlの10N NaOHを添加した。この混合物を室温で30分間撹拌し、そして溶媒をエバポレートした。塩基性の層を濃HClで酸性にし、そしてEtOAcで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過しそしてエバポレートして、褐色粉末として所望の生成物(210mg;28%)を得た。
MS:MH+=203。
【0198】
(中間体5)
(2,2,2−トリフルオロエチルジフェニルホスフィンオキシド)
【0199】
【化22】

エチルジフェニルホスホナイト(1.98g;5.8mmol)および2,2,2−ヨウ化トリフルオロエチル(6.1g;29mmol)の混合物を窒素雰囲気下で室温で24時間撹拌した。過剰な試薬を減圧下で除去した。この残渣を、0〜100%のヘキサン−酢酸エチルの勾配を使用してシリカゲルで精製して、白色粉末として標的(800mg;49%)を得た。
MS:MH+=286。
【0200】
(4−(3,3,3−トリフルオロプロペニル)安息香酸)
【0201】
【化23】

4Aモレキュラーシーブ(7g;活性化粉末)を、THF中8.8mlの1.0M TBAFに懸濁し、そして窒素雰囲気下で室温で一晩撹拌した。この溶液に、10mlの無水THF中の4−ホルミル安息香酸メチル(160mg;0.97mmol)および2,2,2−トリフルオロエチルジフェニルホスフィンオキシド(415mg;1.46mmol)を添加した。一晩の撹拌の後、乾燥するまで溶媒をエバポレートした。この残渣をEtOAc中に溶解し、そして水およびブラインで洗浄した。有機物をNaSOで乾燥させ、濾過しそしてエバポレートした。この残渣を10mlのTHFおよび10mlの1N NaOHに溶解し、そして30分間還流した。この混合物を濃HClで酸性にし、そしてEtOAcで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、そしてNaSOで乾燥させ、濾過しそしてエバポレートして、褐色粉末として所望の生成物(125mg;60%)を得た。
MS:MH+=217。
【0202】
上記に列挙した安息香酸に加え、他の安息香酸(これは、本発明のアミド化合物を調製するために使用されたかまたは使用され得る)が、中間体1〜5について記載された手順に従って合成された。そして適切な試薬、出発物質および生成方法は、当業者に公知である。
【0203】
(カルボン酸のアミド化)
(実施例1)
(ベンズアミドの代表的な合成)
【0204】
【化24】

(4−((E)−3,3−ジメチル−ブタ−1−エニル)−N−(3−メトキシ−フェニル)−ベンズアミド)
冷却し(0℃)、そしてよく撹拌した、EtOAcおよびDMFの混合物(1:1、25mL)中の4−(3,3−ジメチル−ブタ−1−エニル)−安息香酸(1.5g、7.34mMol)の懸濁液に、塩化オキサリル(0.364g、4.04mMol)を徐々に滴下し、そしてこの混合物を1時間撹拌した。次いで、EtOAc(5mL)中のm−アンシジン(Anisidine)(1.36g、11.01mMol)を添加し、そしてこの混合物を6.0時間撹拌し、その後、飽和炭酸カリウム溶液でクエンチした。沈殿物を濾過し、水で洗浄しそして減圧乾燥させて、表題の化合物を得た。
【0205】
(実施例3)
(自動化パラレル合成方法を使用したベンズアミド代表的な合成)
適切な安息香酸(2mmol)を15mlのクロロホルム中に溶解または懸濁し、そして20mmolの塩化チオニルで処理した。この反応混合物を15分間還流し、そして溶媒を減圧下で除去した。その残渣を、4mlの無水クロロホルムに溶解し、そしてこの溶液の60μl(30μmole)を96ウェルガラスプレートの各々のウェルに加えた。次いで、適切なアミン(60μmole)を対応するウェルに添加し、その後N,N−ジイソプロピルエチルアミン(120μmole)を添加した。次いで、このプレートを65℃で15分間加熱した。HT−12 Genevac遠心分離エバキュエーターを使用して溶媒を除去し、そして各々のウェルに100μlのDMSOを添加し、そして化合物を96ウェルポリプロピレン反応プレートに移した。次いでこのプレートをABgeneプレートシーラーを使用して密封し、そしてLC−MS精製に供した。
【0206】
(ライブラリーの自動化パラレルLC−MS精製のための一般的方法)
Shimadzu LCポンプを取り付けたPerkin Elmer API100質量分析計を使用して、これらのライブラリーを精製した。使用したクロマトグラフィーの方法は、1分当たり6mlの流速で、8分間にわたる10〜100%のアセトニトリル:水の勾配であった。使用したカラムは、10×50mm YMC C18であり、そして化合物をGilson 204フラクションコレクタを使用して収集した。
【0207】
実施例1または実施例2に関する上記の手順および適切な試薬、出発物質および当業者に公知の精製方法に従って、本発明のアミド化合物を調製した。
【0208】
以下の合成例および生物学的例は、本発明の例示のために提供され、そして本発明の範囲を限定するようには決して解釈されるべきでない。以下の実施例において、全ての温度は(他に示されない限り)摂氏温度である。本発明に従って調製した化合物は、以下の表にした形態で与えられる。これらの代表的化合物の合成を、上記の方法に従って実行した。
【0209】
(本発明の例示的化合物)
以下の化合物を本発明の方法に従って調製し、そして以下の表1に記載する。この表の目的のため、各々の化合物の生物学的活性を、以下の添え書きで注記したように表した。これは、この表の総括において参考にされるべきである:
「+」 カプサイシン刺激によって誘導されたカルシウムイオンの流入について、0〜25%の阻害を示した化合物
「++」 カプサイシン刺激によって誘導されたカルシウムイオンの流入について、25〜50%の阻害を示した化合物
「+++」 カプサイシン刺激によって誘導されたカルシウムイオンの流入について、50〜75%の阻害を示した化合物
「++++」 カプサイシン刺激によって誘導されたカルシウムイオンの流入について、75%以上の阻害を示した化合物
「++++」によって表わされる阻害百分率を有する化合物が、特に有益である。
【0210】
【表1−1】

【0211】
【表1−2】

【0212】
【表1−3】

【0213】
【表1−4】

【0214】
【表1−5】

【0215】
【表1−6】

【0216】
【表1−7】

【0217】
【表1−8】

【0218】
【表1−9】

【0219】
【表1−10】

【0220】
【表1−11】

【0221】
【表1−12】

【0222】
【表1−13】

【0223】
【表1−14】

【0224】
【表1−15】

【0225】
【表1−16】

【0226】
【表1−17】

【0227】
【表1−18】

【0228】
【表1−19】

【0229】
【表1−20】

【0230】
【表1−21】

【0231】
【表1−22】

【0232】
【表1−23】

【0233】
【表1−24】

【0234】
【表1−25】

【0235】
【表1−26】

【0236】
【表1−27】

【0237】
【表1−28】

【0238】
【表1−29】

【0239】
【表1−30】

【0240】
【表1−31】

【0241】
【表1−32】

【0242】
【表1−33】

【0243】
【表1−34】

【0244】
【表1−35】

【0245】
【表1−36】

【0246】
【表1−37】

【0247】
【表1−38】

【0248】
【表1−39】

【0249】
【表1−40】

【0250】
【表1−41】

【0251】
【表1−42】

【0252】
【表1−43】

【0253】
【表1−44】

【0254】
【表1−45】

【0255】
【表1−46】

【0256】
【表1−47】

【0257】
【表1−48】

【0258】
【表1−49】


【0259】
上記表1に列挙したアミド化合物に加え、下に記載した以下の化合物(これらは、本発明のビニル置換アミドおよびエチニル置換アミドを含み、ここでRおよびR2’は先に記載したとおりである)を、実施例1または実施例2ならびに対応する安息香酸について上記に記載した手順、適切な試薬、および当業者に公知の精製手順を使用して、調製され得る。
【0260】
【化25−1】

【0261】
【化25−2】

【0262】
【化25−3】

【0263】
【化25−4】

【0264】
【化25−5】

【0265】
【化25−6】

【0266】
【化25−7】

【0267】
【化25−8】


【0268】
(実施例4)
(カルシウム画像化アッセイ)
VR1タンパク質は、熱ゲート操作性カチオンチャネルであり、これはナトリウムイオン毎につき約10個のカルシウムイオンを交換して、神経細胞膜の脱分極および細胞内カルシウム濃度の上昇を生じる。従って、VR1レセプターにおける化合物の機能活性は、ニューロン(例えば、脊髄神経節)における細胞内カルシウムレベルの変化を測定することによって決定され得る。
【0269】
5% Penstrep、5% Glutamax、200μg/ml ハイグロマイシン、5μg/ml ブラスチシド(blasticide)、および10% 熱不活性化FBSを含むDMEM培地の存在下で、PDLでコーティングした96ウェル黒色壁プレートで、DRGニューロンを増殖させた。アッセイの前に、細胞を、通常の生理食塩水溶液中の5μg/ml Fura2で37℃で40分間ロードした。次いで、細胞を通常の生理食塩水で洗浄して、実験の開始前に色素を除去した。
【0270】
プレートしたニューロンを、Nikon eclipse TE300顕微鏡のステージ上のチャンバ中に移し、その後、ニューロンを、実験開始前に約10分間、安定な蛍光を獲得させた。このアッセイは、2段階(前処理フェーズおよびその後の処理フェーズ)からなる。最初に、試験化合物の溶液を複数のバルブの灌流系より細胞に1分間添加した(前処理)。続いて直ちに、試験化合物の存在下でカプサイシン(250nM)を20〜60秒の間の特定の時間の間、添加した(処理)。
【0271】
Fura2を、相対カルシウムイオン濃度を示すために、340nMおよび380nMで励起させた。波長変化の測定を、実験の経過全体にわたって行った。340nMで測定された蛍光を、380nMで測定された蛍光で除算することにより、蛍光比を計算した。Intelligent Imaging’s Slidebookソフトウェアを使用して、データを収集した。75%より大きいカプサイシン誘導性カルシウム流入を阻害する化合物を全て、ポジティブとみなした。
【0272】
表2は、得られたデータを示す。図1は、化合物155がカプサイシンと共に投与される場合に得られた結果を示す。カルシウムイオン流入を反映する蛍光は、低減される。図3および図4は、カプサイシンと共に化合物3および化合物2をそれぞれ投与する結果を示す。
【0273】
【表2】

(実施例5)
(カルシウム画像化アッセイを使用した、インビトロでの効率の決定のための、VR1アンタゴニストの高スループット分析)
流体工学制御および温度制御を取り付けたベンチトップ走査型蛍光光度計(Flex Station,Molecular Devices)を使用して、96ウェルの様式で、二波長比率測定(ratiometric)色素(Fura2)をカルシウムイオンの相対レベルについての指標として使用した。
【0274】
5% Penstrep、5% Glutamax、200μg/ml ハイグロマイシン、5μg/ml ブラスチシド、および10% 熱不活性化FBSを含むDMEM培地の存在下で、PDLコーティングした96ウェル黒色壁プレートで、293ニューロンを増殖させた。アッセイの前に、細胞を、通常の生理食塩水溶液中の5μg/ml Fura2で37℃で40分間ロードした。次いで、細胞を通常の生理食塩水で洗浄して、色素を除去した。
【0275】
このアッセイは、2段階(前処理フェーズおよびその後の処理フェーズ)からなる。50μlの化合物溶液を細胞に添加した(前処理)。続いて直ちに、生理食塩水中の50μlの試験化合物溶液(pH5.1)を添加した。Fura2を、相対的なカルシウム濃度を示すために、340nMおよび380nMで励起させた。4秒間の間隔で3分間にわたる実験の経過全体にわたって、波長変化の測定を行った。(試験化合物添加後のピークの蛍光比)−(試験化合物を用いる前処理前の基底の蛍光比)として応答を測定し、そしてSoftMaxProソフトウェアを使用して計算した。以下のようにExcelを使用して計算した、阻害百分率としてデータを表した。
【0276】
【数1】

75%より大きい阻害百分率を有する全ての化合物を、ポジティブとみなした。カルシウムイオン流入における各々の化合物の阻害の相対強度は、表2に記載される。
【0277】
(実施例6)
(ホールセルパッチクランプ電気生理学)
脊髄神経節(DRG)ニューロンを、新生仔ラットまたは成体ラットのいずれかより回収し、そしてポリ−D−リジンコーティングしたガラスカバーストリップ上にプレートした。プレートされたニューロンをチャンバ内に移して、コンピューター制御電磁弁ベースの灌流系を使用して、薬物をこれら細胞に添加した。これらの細胞を、標準的なDICオプティックスを使用して画像化した。細く引き延ばした(finely−pulled)ガラス電極を使用して、細胞をパッチした。pCLAMP8ソフトウェアにより増幅制御されたAxon Instruments Multiclampを使用して、電圧クランプ電気生理学実験を実施した。
【0278】
細胞を、ホールセル電圧クランプに配置し、そして間隔無し(gap−free)記録モードにおいて膜電流をモニタリングする間、−80mVの電圧に固定した。500nMのカプサイシンをコントロールとして30秒間加えた。30秒のカプサイシン適用の前に、種々の濃度の試験化合物を1分間細胞に添加した。コントロール実験とポジティブなカプサイシン実験との間の差異を使用して、各々の試験化合物の効率を決定した。50%より大きいカプサイシン誘導電流を阻害した全ての化合物を、薬物のポジティブとみなした。化合物155に関して得たデータを、表3に記載する。
【0279】
【表3】

図2は、カプサイシン誘導性カルシウム電流を阻害することにおける化合物155の活性を示す。
【0280】
前述の記載より、本発明の組成物および方法における種々の改変および変更が当業者に浮かぶであろう。添付の特許請求の範囲の範囲内の全てのこのような改変は、その範囲に含まれることが意図される。
【0281】
本明細書中に記載された全ての出版物(特許および特許出願を含む)は、個々の出版物が全体的に記載されるように本明細書中で参考として援用されることを具体的かつ別個に示される場合、本明細書中に参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【0282】
【図1】カプサイシン誘導性細胞内カルシウム電流を阻害する場合の、化合物155の活性を実証するグラフ。
【図2】カプサイシン誘導性細胞内カルシウム電流を阻害する場合の、化合物155の活性を実証するグラフ。化合物155の存在下で投与されたカプサイシンは、ニューロンにおいて、カプサイシン単独で同じニューロンに投与されるよりも、カルシウム流入をより低く生じる。
【図3】カプサイシン誘導性細胞内カルシウム電流を阻害する場合の、化合物3の活性を実証するグラフ。
【図4】カプサイシン誘導性細胞内カルシウム電流を阻害する場合の、化合物2の活性を実証するグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インビボでイオンチャネルを変更し得る化合物であって、以下の式:
【化1】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグであって、ここで:
ここでAは、N、CR、Lと結合した炭素原子であるか、または原子でなく;
Aが原子でない場合、W、Z、B、YおよびXのうちの1つがLと結合した炭素原子であり、W、Z、B、YおよびXのうちの別の1つがGと結合した炭素原子であり、そしてW、Z、B、YおよびXのうちの残りの各々が独立してNまたはCRであり;
Lは、置換もしくは非置換の−(C−C)−、置換もしくは非置換の−(CR=CR)−または置換もしくは非置換の−(C≡C)−であり;
Gは、C=O、C=SまたはSOであり;
は置換または非置換の脂肪族、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキルであり;
は、水素であるか、または置換もしくは非置換のアルキルであり;
は、置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
各々のRは、独立して、水素、アルキル、置換もしくは非置換のアルキル、アシル、アシルアミノ、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、アリールアルキル、スルホキシド、スルホン、スルファニル、アミノスルホニル、アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、ヒジドロキシホスホリル、アミノヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、カルバモイル、カルボキシル、シアノ、シクロヘテロアルキル、ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、またはチオであり;そして
およびRの各々は、独立して、H、ハロであるかまたは、置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアラルキルである、化合物。
【請求項2】
前記化合物が、式:
【化2】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物であって、ここで;
Lは、置換もしくは非置換の−(C−C)−、置換もしくは非置換の−(CR=CR)−または置換もしくは非置換の−(C≡C)−であり;
GはC=Oであり;
は、置換もしくは非置換の脂肪族、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、または置換もしくは非置換のヘテロアラルキルであり;
は、水素であり;
は、置換または非置換の脂肪族または置換もしくは非置換のアルキルである;
化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、ここでRは、CF、n−プロピルまたは式:
【化3】

の基であり;
ここでR2’は、水素またはアルキルであり;そしてここで2つのR2’は、一緒になって3〜8個の原子のシクロアルキル環またはシクロヘテロアルキル環を形成し得;但しR2’のうちの少なくとも2つがアルキルである、化合物。
【請求項5】
前記化合物が式:
【化4】

である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
が置換されたアルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
は、−(CR−R4’であり;Rは水素またはアルキルであり;R’はRであり;Rは請求項1に記載のとおりであり、そしてxが1〜3の整数である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
4’がt−ブチル、アリール、シクロアルキル、シクロヘテロアルキルおよびヘテロアリールから選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
4’が、置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のナフタレニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
4’が、置換もしくは非置換のシクロプロピル、置換もしくは非置換のシクロペンチル、または置換もしくは非置換のシクロヘキシルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
4’が、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のペピリジニル、または置換もしくは非置換のモルホリニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
4’が、置換もしくは非置換のピリジニルまたは置換もしくは非置換のピリミジニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
4’が、置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のチオフェニル、置換もしくは非置換のピラゾリルまたは置換もしくは非置換のチアゾリルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項14】
4’が、置換もしくは非置換のベンゾジオキサニル、置換もしくは非置換のベンゾピラニル、置換もしくは非置換のインドリル、置換もしくは非置換のインダゾリル、置換もしくは非置換のメチレンジオキシフェニル、置換もしくは非置換のキノリニル、置換もしくは非置換のイソキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロイソキノリニル、置換もしくは非置換のヒジドロキノリニルまたは置換もしくは非置換のジヒドロイソキノリニルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項15】
4’が、t−Buである、請求項8に記載の化合物。
【請求項16】
xが1または2である、請求項8〜15のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
がt−Buである、請求項6に記載の化合物。
【請求項18】
が、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロヘテロアルキルまたは置換もしくは非置換のヘテロアリールである、請求項5に記載の化合物。
【請求項19】
が、置換もしくは非置換のシクロプロピルまたは置換もしくは非置換のシクロペンチルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、置換もしくは非置換のピロリジニル、置換もしくは非置換のペピリジニル、または置換もしくは非置換のモルホリニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項21】
が、置換もしくは非置換のピリジニルまたは置換もしくは非置換のピリミジニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
が、置換もしくは非置換のフラニル、置換もしくは非置換のイミダゾリル、置換もしくは非置換のチオフェニル、置換もしくは非置換のピラゾリルまたは置換もしくは非置換のチアゾリルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項23】
が、置換もしくは非置換のベンゾジオキサニル、置換もしくは非置換のベンゾピラニル、置換もしくは非置換のインドリル、置換もしくは非置換のインダゾリル、置換もしくは非置換のメチレンジオキシフェニル、置換もしくは非置換のキノリニル、置換もしくは非置換のイソキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロキノリニル、置換もしくは非置換のテトラヒドロイソキノリニル、置換もしくは非置換のジヒドロキノリニルまたは置換もしくは非置換のジヒドロイソキノリニルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項24】
が、置換または非置換のアリールである、請求項5に記載の化合物。
【請求項25】
が、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフタレニル、置換もしくは非置換の2−ビフェニル、または置換もしくは非置換の4−ビフェニルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物が、式:
【化5】

の化合物であって、ここでR1’がRであり;そしてxが1〜5から選択される、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
xが1である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
請求項27に記載の化合物であって、ここで、R1’が、メチル、イソプロピル、t−ブチル、シアノ、トリフルオロアルキル、ハロ、ニトロ、メトキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、フェニル、SOMe、SOCF、SONMeおよびカルボキシからなる群より選択される、化合物。
【請求項29】
1’置換が4位において存在する、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
W、X、YおよびZの各々がCRである、請求項5〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項31】
WがNでありそしてX、YおよびZの各々がCRである、請求項5〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
YがNでありそしてW、XおよびZの各々がCRである、請求項5〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項33】
W、X、YおよびZのうちの2つがNである、請求項5〜29のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項34】
Lが−(CR=CR)−である、請求項30〜33のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項35】
およびRが両方とも水素である、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
がメチルでありそしてRが水素である、請求項34に記載の化合物。
【請求項37】
が水素でありそしてRがメチルである、請求項34に記載の化合物。
【請求項38】
Lが または−(C≡C)−である、請求項30〜33のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項39】
がt−Buまたはi−Prである、請求項34〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
がCFである、請求項34〜38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項41】
請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が、5、13、17、35、81、87、111、117、142、143、185、196、208、211、213、238、239、275、もしくは305である、化合物。
【請求項42】
請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が、11、20、24、98、116、121、194、217、286、もしくは304である、化合物。
【請求項43】
請求項24に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が、2、3、15、30、31、32、33、37、39、40、41、42、43、44、45、47、61、62、66、78、130、132、136、145、148、150、151、153、156、158、169、171、172、225、226、227、228、230、233、242、244、245、246、247、248、249、252、313、330、331、332、334、336、337、338、もしくは358である、化合物。
【請求項44】
請求項24に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が、48、52、53、64、67、68、70、71、72、74、75、76、77、105、106、166、168、202、203、234、256、259、260、261、324、341、344、345、もしくは351である、化合物。
【請求項45】
請求項24に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が54、55、204、もしくは205である、化合物。
【請求項46】
請求項24に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が、8、12、56、65、181、207、214、237、もしくは287である、化合物。
【請求項47】
請求項5に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が、6、9、14、16、26、29、49、60、80、88、93、95、109、112、120、123、125、126、127、139、164、179、183、190、191、192、193、197、198、206、209、216、218、219、223、224、236、267、281、283、308、315、316、356、もしくは357である、化合物。
【請求項48】
請求項38に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグであって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、もしくは412である、化合物。
【請求項49】
請求項38に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が411、413〜439、もしくは440である、化合物。
【請求項50】
請求項40に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;およびその立体異性体であって、ここで該化合物が表1のものであり、そしてここで該化合物の識別番号が388、389、390、391、392、470、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、もしくは405である、化合物。
【請求項51】
薬学的に受容可能なキャリアおよび請求項1〜50のいずれかに記載の化合物の薬学的有効量を含む、薬学的組成物。
【請求項52】
前記キャリアが非経口性キャリアである、請求項51に記載の薬学的組成物。
【請求項53】
前記キャリアが経口性キャリアである、請求項51に記載の薬学的組成物。
【請求項54】
前記キャリアが局所性キャリアである、請求項51に記載の薬学的組成物。
【請求項55】
疾患または状態を予防、処置、緩和または管理するための方法であって、該方法は、このような予防、処置、緩和または管理を必要とする患者に、請求項1〜50のいずれかに記載の化合物の予防有効量もしくは治療有効量、または請求項51〜54のいずれかに記載の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項56】
前記疾患または状態が疼痛状態である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記疾患または状態が自己免疫疾患である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記疾患または状態が炎症性疾患または炎症性状態である、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記疾患または状態が神経性疾患もしくは神経性状態、または神経変性疾患もしくは神経変性状態である、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
疾患または状態を予防、処置、緩和または管理するための方法であって、該方法は、このような予防、処置、緩和または管理を必要とする患者に、請求項1〜50のいずれかに記載の化合物の予防有効量もしくは治療有効量、または請求項51〜54のいずれかに記載の薬学的組成物を投与する工程を包含し、ここで該疾患または状態が:疼痛(急性疼痛、炎症性疼痛およびニューロパシー性疼痛を含む);慢性疼痛;歯痛;頭痛(偏頭痛、群発性頭痛、および緊張性頭痛を含む);パーキンソン病;アルツハイマー病;多発性硬化症;神経性炎症、外傷性脳損傷、発作または脳炎により媒介されるかまたは神経性炎症、外傷性脳損傷、発作または脳炎を生じる疾患および障害;中心性に媒介される神経性精神医学的疾患または障害(鬱病、躁病、双極性疾患、不安、統合失調症、摂食障害、睡眠障害、および認識障害を含む);癲癇障害および痙攣障害;前立腺不全、膀胱不全および腸不全、尿失禁、排尿躊躇、直腸過敏症、便失禁、良性前立腺肥大および炎症性腸疾患;呼吸性および気道性の疾患および障害(アレルギー性鼻炎、喘息ならびに反応性気道疾患および慢性閉塞性肺疾患を含む);炎症により媒介されるかまたは炎症を生じる疾患または障害(関節炎、慢性関節リウマチおよび変形性関節症を含む);心筋梗塞;自己免疫疾患および自己免疫障害;ブドウ膜炎およびアテローム性硬化症;痒み/掻痒;乾癬;脱毛症(毛髪消失);肥満;脂質障害;癌;高血圧;脊髄損傷;または腎臓障害である、方法。
【請求項61】
前記疾患または状態がパーキンソン病である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記疾患または状態がアルツハイマー病である、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記疾患または状態が外傷性脳損傷である、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記疾患または状態が発作である、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
前記疾患または状態が疼痛である、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記疾患または状態がニューロパシー性疼痛である、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
請求項1〜66のいずれかに記載の化合物を調製するための方法であって、該方法は、請求項1〜50のいずれかに記載の化合物を生成するのに十分な条件下で、式R−L−Cy−COClの化合物または式R−L−Cy−SOClの化合物と、式RNHの化合物とを接触させる工程を包含し;そしてここでCyはアリールまたヘテロアリールである、方法。
【請求項68】
カプサイシンへの曝露の症状、熱への曝露に起因する火傷または刺激の症状、光への曝露に起因する火傷または刺激の症状、火傷の症状、催涙ガスへの曝露に起因する気管支収縮または刺激、および酸への曝露に起因する火傷または曝露刺激の症状からなる群より選択される少なくとも1つの症状に罹患した哺乳動物を処置する方法であって、該方法は、請求項1〜50のいずれかに記載の化合物の疾患処置有効量もしくは状態処置有効量、または請求項51〜54のいずれかに記載の薬学的組成物を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
【請求項69】
前記疼痛が、乳房切除術後の疼痛症候群、断端疼痛、幻想肢痛、咽頭ニューロパシー性疼痛、シャルコー疼痛、歯痛、毒蛇の咬傷、蜘蛛の咬傷、虫刺され、疱疹後の神経痛、糖尿病性ニューロパシー、反射性交感神経性ジストロフィ、三叉神経痛、変形性関節症、慢性関節リウマチ、線維筋痛症、ギヤン−バレー症候群、感覚異常性大腿神経痛、口内焼灼感症候群、両側性末梢ニューロパシー、カウザルギー、坐骨神経炎、末梢神経炎、多発性神経炎、分節性神経炎、ゴンボー神経炎、ニューロン炎、頚腕神経痛、頭側神経痛、膝神経痛、舌咽頭筋神経痛、偏頭痛性神経痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、顎関節神経痛、モートン神経痛、鼻毛様体神経痛、後頭神経痛、紅色神経痛、スラダー神経痛、脾臓口蓋神経痛、眼窩上神経痛、ヴィディウス神経痛、洞頭痛、緊張頭痛、分娩、出産、腸管ガス、月経、癌および外傷からなる群より選択される状態と関係した、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
医薬組成物としての使用のための、請求項1〜50のいずれかに記載の化合物。
【請求項71】
請求項55〜66、68または69のいずれかに記載の状態の処置のための医薬品としての使用のための、請求項1〜50のいずれかに記載の化合物。
【請求項72】
請求項55〜66、68または69のいずれかに記載の状態の処置のための薬学的組成物の調製における、請求項1〜50のいずれかに記載の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−509043(P2007−509043A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534356(P2006−534356)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/033163
【国際公開番号】WO2005/046683
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505140384)レノビス, インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】