説明

イオンチャネル調節化合物の投与レジメ

【課題】不整脈の治療または予防のための投与レジメ、投与経路および方法を提供すること。
【解決手段】これらの方法において、本明細書中で開示された投与レジメによって、その必要がある患者にイオンチャネル調節化合物を投与することによって、不整脈(例えば心房細動、心房粗動、早期後脱分極、およびQT間隔の延長)が、抑制または排除され得る。ヒトにおいて急性心房細動を治療する方法であって、ここで該方法は、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物を、薬剤学的に許容可能な担体中でヒトに投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、あるイオンチャネル調節化合物の投与レジメ、およびヒトの血漿において、一定の時間、ある濃度のイオンチャネル調節化合物を産生する方法に向けられる。本発明はまた、ヒトにおいて不整脈を治療または予防する、特に心房細動、心房粗動、トルサード・ド・ポアン、後天性QT延長症候群、多源性心室性不整脈、および上室性不整脈を治療または予防する方法にも向けられる。
【背景技術】
【0002】
背景
心不整脈は、多くの場合、心筋梗塞および心不全のような心臓疾患の合併症として起こる。重症の場合、不整脈は突然死を引き起こし得る。不整脈の治療は複雑であり、そして治療の局面、特に心室性速度の調節対不整脈の転換の決定は、まだ議論の余地がある。
【0003】
不整脈を治療するために、通常クラスIII抗不整脈薬(IKr遮断薬)が使用される;しかしこれらの薬剤はまた、不整脈誘発性であり、そしておそらくプルキンエ線維の再分極におけるIKrのより大きな寄与のために、心室の筋肉のものと比較して、より大きなプルキンエ線維活動電位の延長を引き起こすことが示された。例えば、ドフェチリド(10nM)は、ウサギプルキンエ線維のAPD90(90%再分極における活動電位持続時間)を83%(基本周期、またはBCL=1000ms)増加させることが示された。同様に、キニジン(10μM)は、ウサギにおいてAPD90を93%増加させた。薬剤によって誘発される再分極の分散に加えて、薬剤によって誘発される早期後脱分極(EAD)は、臨床的および動物モデルの両方で、トルサード・ド・ポアン(TdP)の重要な原因であると考えられる。
【0004】
クラスIII薬剤は、hERGカリウムチャネル(ヒト心室におけるIKr電流)の遮断のために不整脈誘発性であることが示された。hERGチャネルは、通常カリウム伝導イオンチャネルであると考えられる、ヒトether−a−go−go関連遺伝子の発現の産物を指す。キニジン(クラスIII薬剤)およびメキシレチン(クラスI薬剤およびナトリウムチャネル遮断薬)の組み合わせ治療は、動物モデルおよびヒトにおいて、心室性頻拍(VT)および心室細動(VF)の予防により有効であることが示された。単離された心臓において、これらの効果は、ナトリウムチャネル遮断のためであることが示された。EADの発生は、ヒトにおけるTdPの主要な原因であると考えられる。それに加えて、EADは、単離された冠血管灌流イヌ右心房における、終了後の心房細動(AF)の再誘導に寄与することが示された。ナトリウムチャネル遮断薬は、イヌモデルにおいてイソプロテレノール誘導TdPを予防し、そしてまた心室性心筋のM細胞において活動電位持続時間を短縮することが示された。
【0005】
興奮性組織における高密度の電位開口型ナトリウムチャネルは、興奮性細胞がナトリウムチャネル活性化の閾値に達するとき、迅速な膜脱分極を引き起こす。活動電位上昇過程(フェーズ0)におけるナトリウムチャネルの役割は、よく特徴付けられており、そしてナトリウムチャネルの遮断は、細胞の不応性に影響を与え、そして心臓のリズムを調節し得る。ナトリウムチャネルは、フェーズ0の間および再分極の間の最初の開口後に急速に不活性化する。これらの不活性化チャネルの回復が、細胞の、もう1回活動電位を発生させる能力を決定するのに重要である。細胞がもう1回活動電位を発生させられない期間は、有効不応期(ERP)として知られる。ナトリウムチャネルの遮断は、細胞の不応期を延長し得、そしてこの活性は、組織の有効波長を延長し、組織が支え得るリエントラント小波のサイズを抑制するために、抗不整脈の結果を有することが知られる。ナトリウムチャネルの遮断はまた、心臓における細動性活動の発生に役割を果たし得る、異所性拍動を抑制し得る。実際、選択的ナトリウムチャネル遮断薬テトロドトキシン(TTX)は、単離されたウサギ心臓においてVFを予防することが示された。最近の証拠は、ナトリウムチャネル活性は、活動電位の上昇過程に寄与するだけでなく、活動電位プラトー(フェーズ2)および再分極(フェーズ3)にも影響を与え得ることを示した。この持続する活性は、3つの別々のメカニズムの結果であると考えられる。そのようなメカニズムの1番目は、チャネルが不活性化しない、チャネルバーストとして記載された。2番目の要素は、window currentとして知られ、そして定常状態の活性化および不活性化曲線が重なる電位で起こる。3つ目のメカニズムは、ナトリウムチャネルが再分極フェーズの間に不活性化から回復する、非平衡現象である。これらの3つのメカニズムが寄与する、持続する内向きナトリウム電流が、膜電位が少量の内向きおよび外向き電流の両方によって調節される場合、活動電位のフェーズ2およびフェーズ3の間に再分極を調節し得る。活動電位のフェーズ0、2、および3に寄与する電流の調節は、不応性、活動電位持続時間およびEAD発生の調節に重要な役割を有し得る。
【0006】
本明細書中で記載されるイオンチャネル調節化合物は、心房選択的であり、そして頻度(または刺激)依存性の方式でナトリウムチャネルを遮断する。さらに、これらのイオンチャネル調節化合物は、ナトリウムチャネル電流の後期、初期および持続要素を遮断して、心臓の活動に実質的に干渉することなく、EADを防止し得る。
【0007】
本発明のイオンチャネル調節化合物は、特許文献1;特許文献2;特許文献3;および特許文献4において記載され、その開示は、その全体として本明細書中で全部参考文献に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第99/50225号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2004/099137号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/098525号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2005/018635号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の概要
患者において不整脈を治療する、予防する、および/または終了させるための投与レジメを使用する方法が、本明細書中で記載される。特に、あるイオンチャネル調節化合物を使用して、心室性または心房性不整脈、特に心房細動または心房粗動を含む不整脈を治療する、予防する、および/または終了させるための投与レジメを使用する方法が、本明細書中で記載される。本明細書中で記載される投与レジメを利用して、ある濃度レベルのイオンチャネル調節化合物を患者の血漿中で産生する方法も、本明細書中で記載される。
【0010】
よって、1つの局面において、本発明は、ヒトにおいて急性心房細動を治療する方法に向けられ、ここでその方法は、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物を、薬剤学的に許容可能な担体中でヒトに投与することを含み、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【0011】
【化17】

ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここで式(I)の化合物を、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与する:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の式(I)の化合物をヒトに投与すること;
b)2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、3番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間の2番目の投与量の式(I)の化合物をヒトに投与すること;および
d)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)およびc)を繰り返すこと。
【0012】
別の局面において、本発明は、ヒトにおいて急性心房細動を治療する方法に向けられ、ここでその方法は、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物を、薬剤学的に許容可能な担体中でヒトに投与することを含み、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【0013】
【化18】

ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここで式(I)の化合物を、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与する:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の式(I)の化合物をヒトに投与すること;
b)2番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間、または約1.0mg/kg/hrと約2.0mg/kg/hrの間の、2番目の投与量の式(I)の化合物をヒトに投与すること;および
c)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)を繰り返すこと。
【0014】
別の局面において、本発明は、ヒトにおいて急性心房細動を治療するための薬物を調整するための、イオンチャネル調節化合物の使用に向けられ、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【0015】
【化19】

ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここでその薬物は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによってヒトに投与するために処方される:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の薬物を投与すること;
b)2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、3番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間の2番目の投与量の薬物を投与すること;および
d)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)およびc)を繰り返すこと。
【0016】
別の局面において、本発明は、ヒトにおいて急性心房細動を治療するための薬物を調整するための、イオンチャネル調節化合物の使用に向けられ、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【0017】
【化20】

ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここでその薬物は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与するために処方される:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の薬物をヒトに投与すること;
b)2番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間、または約1.0mg/kg/hrと約2.0mg/kg/hrの間の2番目の投与量の薬物をヒトに投与すること;および
c)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)を繰り返すこと。
【0018】
本発明の様々なおよび特定の投与レジメが、下記の詳細な説明の項で詳しく記載される。投与レジメの1つのバージョンにおいて、投与レジメを患者に静脈内投与する。別のバージョンの投与レジメにおいて、投与レジメを患者に経口投与する。投与レジメによって利用される経口および静脈内処方は、他の任意の構成要素と共に、1つまたはそれ以上のイオンチャネル調節化合物を含み得る。経口および静脈内処方を、特定の投与レジメの間に同じ投与経路で投与し得るまたはし得ない。その処方をまた、反復投与によって、および実質的に持続投与によって伝達し得る。
【0019】
本発明の1つのバージョンにおいて、本発明の投与レジメにおいて利用されるイオンチャネル調節化合物は、心臓ナトリウムチャネル電流の初期成分(early component)を遮断する化合物である;ここでそのイオンチャネル調節化合物は、それが心臓ナトリウムチャネル電流の持続成分(sustained component)を遮断するのとおよそ同じくらい、またはそれ以上に、さらに心臓ナトリウムチャネル電流の初期成分(early component)を遮断する。いくつかのバージョンにおいて、そのイオンチャネル調節化合物は、心臓ナトリウムチャネルの後期成分(late component)を、それが心臓ナトリウムチャネル電流の初期成分(early component)を阻害するより約20%多く遮断する。
【0020】
本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメにおいて使用されるイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物を含む、式(Ib)の化合物の塩酸塩である:
【0021】
【化21】

上記および本明細書中の他の場所で記載された、全てのイオンチャネル調節化合物に関して、本発明の投与レジメにおいて、化合物の単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体を使用し得る、および化合物の混合物を使用し得る。それに加えて、本発明の投与レジメにおいて、化合物の溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を使用し得る。
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
ヒトにおいて急性心房細動を治療する方法であって、ここで該方法は、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物を、薬剤学的に許容可能な担体中でヒトに投与することを含み、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【化1】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここで式(I)の化合物は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与される:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の式(I)の化合物を、ヒトに投与すること;
b)2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、3番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間の2番目の投与量の式(I)の化合物を、ヒトに投与すること;および
d)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)およびc)を繰り返すこと。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、ここで工程a)における式(I)の化合物の投与量は、約3.0mg/kgであり、そして工程c)における化合物の投与量は、約2.0mg/kgである、方法。
(項目3)
項目1に記載の方法であって、ここで最初の期間は、約5分と約15分の間、2番目の期間は、0と約15分の間、および3番目の期間は約5分と約15分の間である、方法。
(項目4)
項目1に記載の方法であって、ここで最初の期間は約10分、2番目の期間は15分、および3番目の期間は約10分である、方法。
(項目5)
項目1に記載の方法であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、静脈内または経口で独立に投与される、方法。
(項目6)
項目1に記載の方法であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、どちらも静脈内投与される、方法。
(項目7)
項目1に記載の方法であって、ここで最初の、2番目の、およびあらゆる続く投与量は全て静脈内投与される、方法。
(項目8)
項目1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、ここで式(I)の化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(Ia)の化合物である:
【化2】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される、方法。
(項目9)
項目1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物:
【化3】


またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩である、方法。
(項目10)
項目9に記載の方法であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である、方法。
(項目11)
項目1に記載の方法であって、ここで式(I)のイオンチャネル調節化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である:
【化4】


ここで式(Ib)の化合物の塩酸塩は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与される:
a)約10分の最初の期間に、約3.0mg/kgの最初の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩を、ヒトに静脈内投与すること;
b)約15分の2番目の期間の後に、急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;および
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、約10分の3番目の期間に、約2.0mg/kgの2番目の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩を、ヒトに投与すること。
(項目12)
ヒトにおいて急性心房細動を治療する方法であって、ここでその方法は、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物を、薬剤学的に許容可能な担体中でヒトに投与することを含み、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【化5】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここで式(I)の化合物は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与される:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の式(I)の化合物を、ヒトに投与すること;
b)2番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間、または約1.0mg/kg/hrと約2.0mg/kg/hrの間の2番目の投与量の式(I)の化合物を、ヒトに投与すること;および
c)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)を繰り返すこと。
(項目13)
項目12に記載の方法であって、ここで工程a)における式(I)の化合物の投与量は、約4.0mg/kgであり、および工程b)における化合物の投与量は、約0.5mg/kgまたは約1mg/kg/hrである、方法。
(項目14)
項目12に記載の方法であって、ここで最初の期間は、約5分と約15分の間、および2番目の期間は、約5分と約40分の間である、方法。
(項目15)
項目12に記載の方法であって、ここで最初の期間は約10分、および2番目の期間は約35分である、方法。
(項目16)
項目12に記載の方法であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、静脈内または経口で独立に投与される、方法。
(項目17)
項目12に記載の方法であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、どちらも静脈内投与される、方法。
(項目18)
項目12に記載の方法であって、ここで最初の、2番目の、およびあらゆる続く投与量は全て静脈内投与される、方法。
(項目19)
項目12〜18のいずれか一項に記載の方法であって、ここで式(I)の化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(Ia)の化合物である:
【化6】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される、方法。
(項目20)
項目12〜19のいずれか一項に記載の方法であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物:
【化7】


またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩である、方法。
(項目21)
項目20に記載の方法であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である、方法。
(項目22)
項目12に記載の方法であって、ここで式(I)のイオンチャネル調節化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である:
【化8】


ここで式(Ib)の化合物の塩酸塩は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与される:
a)約10分の期間に、約4.0mg/kgの最初の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩をヒトに静脈内投与すること;
b)約35分の期間に、約0.5mg/kgまたは約1mg/kg/hrの2番目の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩をヒトに静脈内投与すること。
(項目23)
項目1〜22のいずれか一項に記載の方法であって、ここでヒトに投与されたイオンチャネル調節化合物の全投与量は、ヒトの血漿中で、約0.1μg/mlより多い最高濃度のイオンチャネル調節化合物を産生する、方法。
(項目24)
項目23に記載の方法であって、ここで最高濃度は約0.3μg/mlと約20μg/mlの間である、方法。
(項目25)
項目24に記載の方法であって、ここで最高濃度は約12μg/mlより少ない、方法。
(項目26)
項目24に記載の方法であって、ここで最高濃度は約4μg/mlである、方法。
(項目27)
ヒトにおける急性心房細動の治療のための薬物を調製するための、イオンチャネル調節化合物の使用であって、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【化9】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここで薬物は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによってヒトに投与するために処方される:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の薬物を投与すること;
b)2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、3番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間の2番目の投与量の薬物を投与すること;および
d)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)およびc)を繰り返すこと。
(項目28)
項目27に記載の使用であって、ここで工程a)における薬物の投与量は、約3.0mg/kgであり、そして工程c)における薬物の投与量は、約2.0mg/kgである、使用。
(項目29)
項目27に記載の使用であって、ここで最初の期間は、約5分と約15分の間、2番目の期間は、0と約15分の間、および3番目の期間は約5分と約15分の間である、使用。
(項目30)
項目27に記載の使用であって、ここで最初の期間は約10分、2番目の期間は15分、および3番目の期間は約10分である、使用。
(項目31)
項目27に記載の使用であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、静脈内または経口で独立に投与される、使用。
(項目32)
項目27に記載の使用であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、どちらも静脈内投与される、使用。
(項目33)
項目27に記載の使用であって、ここで最初の、2番目の、およびあらゆる続く投与量は全て静脈内投与される、使用。
(項目34)
項目27〜33のいずれか一項に記載の使用であって、ここで式(I)の化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(Ia)の化合物である:
【化10】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される、使用。
(項目35)
項目27〜34のいずれか一項に記載の使用であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物:
【化11】


またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩である、使用。
(項目36)
項目35に記載の使用であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である、使用。
(項目37)
項目27に記載の使用であって、ここで式(I)のイオンチャネル調節化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である:
【化12】


およびここでその薬剤は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによってヒトに投与するために処方される:
a)約10分の最初の期間に、約3.0mg/kgの最初の投与量の薬物を、静脈内投与すること;
b)約15分の2番目の期間の後に、急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;および
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、約10分の3番目の期間に、約2.0mg/kgの2番目の投与量の薬物を投与すること。
(項目38)
ヒトにおいて急性心房細動を治療するための薬物を調製するための、イオンチャネル調節化合物の使用であって、ここでそのイオンチャネル調節化合物は、その単離された鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物である:
【化13】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される;および
ここで薬物は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与するために処方される:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の薬物を、ヒトに投与すること;
b)2番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間、または約1.0mg/kg/hrと約2.0mg/kg/hrの間の2番目の投与量の薬物を、ヒトに投与すること;および
c)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)を繰り返すこと。
(項目39)
項目38に記載の使用であって、ここで工程a)における薬物の投与量は、約4.0mg/kgであり、および工程b)における薬物の投与量は、約0.5mg/kgまたは約1mg/kg/hrである、使用。
(項目40)
項目38に記載の使用であって、ここで最初の期間は、約5分と約15分の間、および2番目の期間は、約5分と約40分の間である、使用。
(項目41)
項目38に記載の使用であって、ここで最初の期間は約10分、および2番目の期間は約35分である、使用。
(項目42)
項目38に記載の使用であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、静脈内または経口で独立に投与される、使用。
(項目43)
項目38に記載の使用であって、ここで最初の投与量および2番目の投与量は、どちらも静脈内投与される、使用。
(項目44)
項目38に記載の使用であって、ここで最初の、2番目の、およびあらゆる続く投与量は全て静脈内投与される、使用。
(項目45)
項目38〜44のいずれか一項に記載の使用であって、ここで式(I)の化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(Ia)の化合物である:
【化14】


ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される、使用。
(項目46)
項目38〜45のいずれか一項に記載の使用であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物:
【化15】


またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩である、使用。
(項目47)
項目46に記載の使用であって、ここで式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である、使用。
(項目48)
項目38に記載の使用であって、ここで式(I)のイオンチャネル調節化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である:
【化16】


ここで薬物は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与される:
a)約10分の期間に、約4.0mg/kgの最初の投与量の薬物の塩酸塩をヒトに静脈内投与すること;
b)約35分の期間に、約0.5mg/kgまたは約1mg/kg/hrの2番目の投与量の薬物の塩酸塩をヒトに静脈内投与すること。
(項目49)
項目27〜48のいずれか一項に記載の使用であって、ここで全投与量の薬物は、ヒトの血漿中で、約0.1μg/mlより多い最高濃度の薬物を産生する、使用。
(項目50)
項目49に記載の使用であって、ここで最高濃度は約0.3μg/mlと約20μg/mlの間である、使用。
(項目51)
項目50に記載の使用であって、ここで最高濃度は約12μg/mlより少ない、使用。
(項目52)
項目50に記載の使用であって、ここで最高濃度は約4μg/mlである、使用。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、最近発症したAF(3h−72hの間)を有する患者において、プラセボ、0.5および1mg/kgの化合物Aまたは2.0および3.0mg/kgの化合物Aを注入した後の、心房細動(AF)が終了した患者の累積パーセンテージを示す。
【図2】図2は、2mg/kgをi.v.で投与した患者、およびさらに3mg/kgをi.v.で投与した患者における、注入後の化合物Aの血漿濃度を示す。
【図3】図3は、臨床試験において、3時間から7日間のAFを有する患者における、心房細動の洞調律への転換のパーセンテージを示す。
【図4】図4は、臨床試験において、3時間から7日間の間のAFを有する、90分以内に洞調律へ転換した患者の時間経過およびパーセンテージを示す。
【図5】図5は、心房細動が90分以内に終了した、臨床試験における患者のパーセンテージを示す。
【図6】図6は、臨床試験において、患者のサブグループにおける投与後90分の心房細動症状の改善を示す。
【図7】図7は、臨床試験における投与後の患者の心拍数を示す。
【図8】図8は、臨床試験において、患者におけるQRSおよびQTc間隔に対する治療の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の詳細な説明
定義
本明細書中で使用される場合、「患者」は、一般的に本適用において記載される方法から利益を得る、あらゆるヒトまたは非ヒト動物であり得る。本方法の1つのバージョンにおいて、患者はヒトである。本方法のいくつかのバージョンにおいて、患者は哺乳類である。いくつかのバージョンにおいて、患者は、イヌおよびネコを含むがこれに限らない、あらゆる家畜である。いくつかのバージョンにおいて、患者はウマ、ブタおよびウシを含むがこれに限らない、家畜動物である。いくつかのバージョンにおいて、患者はベンガルトラを含むがこれに限らない、あらゆる動物園の動物である。
【0024】
本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、「治療」および「治療した」「治療している」等のような同様の用語は、臨床結果を含み、そして好ましくは臨床結果である、有利なまたは望ましい結果を得るためのアプローチである。治療は、任意で疾患または状態の症状の寛解、または疾患または状態の進行の遅延を含み得る。
【0025】
本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、「予防」および「予防された」「予防する」等のような同様の用語は、疾患または状態の発症を予防する、または疾患または状態の症状の発生を予防するためのアプローチであり、または任意で疾患または状態の発症を遅延させる、または疾患または状態の症状の発生を遅延させるためのアプローチである。本明細書中で使用される場合、「予防」および同様の用語はまた、疾患または状態の発症の前に、疾患または状態の強度、影響、症状および/または負担を抑制することを含む。
【0026】
本明細書中で使用される場合、物質の「有効な量」または「治療的に有効な量」は、臨床結果を含む有利な結果のような、望ましい生物学的効果を及ぼすために十分な量である。
【0027】
本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、あらゆるイオンチャネルの「阻害」および「阻害する」のような同様の用語は、そのチャネルを通じた電流のあらゆる減少を意味する。「阻害」が特定の濃度の文脈で使用される場合、それはIC50によって決定される。例えば、1μMの濃度でイオンチャネルを阻害するイオンチャネル調節化合物、そのイオンチャネル調節化合物に関してそのイオンチャネルは1μMのIC50を有すると言うことができる。この例は、説明の目的のためのみであり、そして決して制限することを意図しない。
【0028】
本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、「IC50」または「IC50濃度」は、特定の電流の振幅(ピークまたは定常状態、または統合された電流)が50%阻害される薬物濃度を意味する。
【0029】
本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、イオンチャネルの「遮断」または「遮断する」は、そのイオンチャネルを通じた電流のあらゆる遮断または阻害を意味する。
【0030】
本明細書中で使用される場合、「速度非依存性および使用非依存性」阻害は、阻害に関して、心拍数または刺激速度における、統計学的に有意な定常状態または一過性の変化の影響がないような、主に心拍数および/または刺激速度および使用非依存性である阻害を意味する。例えば、Kv1チャネルを「速度非依存性および使用非依存性」の方式で阻害するイオンチャネル調節化合物は、Kv1チャネルに対してそのイオンチャネル調節化合物によって産生される阻害の量に対して、心拍数または刺激速度の影響が存在しないことを意味する。
【0031】
本明細書中で使用される場合、「心房再分極電流に影響を与える」は、「心房再分極電流振幅に統計学的に有意な影響を有する」ことを意味する。
【0032】
本明細書中で使用される場合、「心房不応性を延長する」は、「心房不応性に対して統計学的に有意な延長効果を有する」ことを意味する。
【0033】
本明細書中で使用される場合、「心室組織に実質的に影響を有さない」は、「正常ヒト心室活動電位持続時間または不応性に対して統計学的に有意な影響を有さない」ことを意味する。従って、効果におけるあらゆる明らかな差異は、1つの局面における10%より少ない差異のような、内因性の可変性に起因する。
【0034】
本明細書中で使用される場合、「実質的に伝道を遅延させない」は、「心室における伝道の遅延に対して統計学的に有意な影響を有さない」ことを意味する。そのようであるので、効果におけるあらゆる明らかな差異は、従って、内因性の可変性に起因する。1つの局面において、イオンチャネル調節化合物は、伝道の遅延に対して統計学的に有意な影響を有さず、ここでその化合物は、生理学的な心拍数において、心臓QRS持続時間において15%より少ない、好ましくは10%より少ない増加を生ずる。
【0035】
本明細書中で使用される場合、イオンチャネルの「速度依存性阻害」は、イオンチャネルの阻害レベルが、刺激の頻度と共に変化することを意味する。
【0036】
「初期成分(early component)」「後期成分(late component)」および「持続成分(sustained component)」は、当該分野で公知のように使用される;例えば心臓ナトリウムチャネル電流のearly、sustainedおよびlate component。
【0037】
「QT間隔」という用語は、当該分野で公知であるように使用される;例えば、心電図から測定されるようなQT間隔。本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、「延長(prolongs)」または「延長(prolong」という用語は一般的に、持続時間におけるような延長するまたは長くすることを意味する。
【0038】
「抗不整脈の」という用語は、当該分野で公知であるように、例えば心拍数の不規則性を予防または軽減する化合物のように使用される。
【0039】
本明細書中で使用される「誘発する」という用語は、文脈が他に明らかにしなければ、一般的にその発生を刺激することを意味する。
【0040】
本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、「終了」または「終了する」という用語は一般的に、終わらせる、または停止することを意味する。
【0041】
「アルコキシ」という用語は、アルキル基で置換されたO原子、例えばメトキシ[−OCH、Cアルコキシ]を指す。
【0042】
「薬剤学的に許容可能な塩」という用語は、そのような化合物および有機または無機酸(酸付加塩)または有機または無機塩基(塩基付加塩)の組み合わせから得られる化合物の塩を指す。「酸付加塩」は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等のような無機酸、または酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等のような有機酸と形成された、フリーの塩基の生物学的有効性および性質を保持し、そして生物学的または他の点で望ましくなくない塩を指す。本明細書中で記載される化合物を、フリーの塩基で、または塩の形式のいずれかで使用し得、両方の形式は本明細書中で意図される範囲内であると考えられる。
【0043】
多くの場合、結晶化は本発明の化合物の溶媒和化合物を産生する。本明細書中で使用される場合、「溶媒和化合物」という用語は、本発明の化合物の1つまたはそれ以上の分子を、1つまたはそれ以上の溶媒分子と共に含む凝集物を指す。溶媒は水であり得、その場合溶媒和化合物は水和物であり得る。あるいは、溶媒は有機溶媒であり得る。従って、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、1.5水和物、三水和物、四水和物等を含む水和物として、および対応する溶媒和形式で存在し得る。本発明の化合物は、真の溶媒和化合物であり得るが、一方他の場合には、本発明の化合物は、単に外来性の水を保持し得る、または水プラスいくつかの外来性溶媒の混合物であり得る。
【0044】
イオンチャネルの活性に関連して、「調節する」という用語は、イオンチャネルの活性が、本明細書中で記載された化合物または組成物または方法の投与に反応して増加または減少し得ることを意味する。従って、より多くのイオンを運搬するために、イオンチャネルは活性化し得る、またはより少ないイオンがチャネルによって運搬されるように、またはイオンが運搬されないように遮断され得る。
【0045】
治療的使用のために「薬剤学的に許容可能な担体」という用語は、薬学分野において周知であり、そして例えばRemingtons Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編、1985)において記載される。例えば、滅菌生理食塩水および生理学的pHのリン酸緩衝化生理食塩水を使用し得る。保存剤、安定化剤、色素および香料さえも医薬品組成物中で提供され得る。例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−ヒドロキシ安息香酸のエステルを、保存剤として加え得る。Id.at 1449。それに加えて、抗酸化剤および懸濁化剤を使用し得る。Id.
本明細書中で使用される場合、「mg/kg」は、患者の体重1kgあたりのイオンチャネル調節化合物(compound)または化合物(compounds)の量を意味する。例えば、しかし制限無しに、体重50kgの患者に0.1mg/kgのイオンチャネル調節化合物を投与するために、投与量は5mgのイオンチャネル調節化合物(compound)または化合物(compounds)を含む。
【0046】
標準的な化学的文献記載の実施に従って、および本発明のイオンチャネル調節化合物の式に関して本明細書中で使用されるように、置換基から化合物の中央のシクロヘキサン環への波状の結合は、置換基が中央のシクロヘキサン環の面のいずれかの側に位置し得ることを示す。完全な楔状の結合は、置換基が環平面の上にあることを意味する;そして破線の楔状の結合は、置換基が環平面の下にあることを意味する。それに加えて、シクロヘキサン環から、シクロヘキサン環の1の位置における置換基、およびシクロヘキサン環の2の位置における置換基への結合に関して、1本の完全な結合および1本の破線の結合(すなわち-----)は、置換基がお互いおよびシクロヘキサン環の平面に関してトランスの関
係にあることを意味し、一方2本の完全な結合または2本の破線の結合は、置換基がお互いおよびシクロヘキサン環の平面に関してシスの関係にあることを意味する。
【0047】
(イオンチャネル調節化合物の一般的な説明)
本発明の目的のために、単一で、または1つまたはそれ以上のさらなる化合物と共に、心臓イオン電流のある組み合わせを選択的に阻害するあらゆる化合物が、イオンチャネル調節化合物である。心臓電流はナトリウム電流および初期再分極電流であり得る。本発明のイオンチャネル調節化合物は、あらゆる位置から心臓電流を阻害し得る。そのような化合物は、速い開始および停止の動態でイオンチャネルを阻害し得、そして頻度依存性の電流の遮断を示す。そのような性質は、不整脈を治療するために使用される化合物に関して全て有利である。
【0048】
本発明のイオンチャネル調節化合物は、心臓初期再分極電流および心臓ナトリウム電流を選択的に阻害し得る。本発明のイオンチャネル調節化合物を、「催不整脈性基質」が心臓に存在する条件下で、心臓初期再分極電流および心臓ナトリウム電流を選択的に阻害するために使用し得る。「催不整脈性基質」は、心臓活動電位持続時間の抑制および/または活動電位形態の変化、早発性活動電位、高い心拍数によって特徴付けられ、そして虚血または炎症による、活動電位間の時間の増加した変動および心臓環境酸性度の増加も含み得る。これらのような変化が、心筋虚血または炎症の状態、および心房細動または心房粗動のような不整脈の発生に先行する状態の間に観察される。本発明のイオンチャネル調節化合物は、心房選択的薬剤であり得る。本発明のイオンチャネル調節化合物は、心室性不整脈を治療または予防し得る。本発明のイオンチャネル調節化合物は、心臓ナトリウム電流または心臓初期再分極電流を遮断し得る。本発明のイオンチャネル調節化合物は、複数の心臓イオン電流を阻害し得る。本発明のイオンチャネル調節化合物を、心室性または心房性不整脈、特に心房細動または心房粗動を含む不整脈を治療または予防するために使用し得る。
【0049】
イオンチャネル調節化合物は、初期再分極電流およびナトリウム電流の原因となる心臓イオンチャネルを遮断し得る;および/または催不整脈性基質が心臓に存在する条件下で、心臓初期再分極電流および心臓ナトリウム電流を遮断し得る;および/または催不整脈性基質が心臓に存在する条件下で、初期再分極電流およびナトリウム電流の原因となる心臓イオンチャネルを遮断し得る;および/または細胞外、細胞内位置から、または心臓細胞の原形質膜内で心臓初期再分極電流および心臓ナトリウム電流を遮断し得る。
【0050】
1つのバリエーションにおいて、上記で言及した心臓初期再分極電流は、膜電位の後脱分極を迅速に活性化し、そして細胞の再分極をもたらすイオン電流を含む。早期再分極電流は、心臓一過性外向きカリウム電流(Ito)および/または非常に迅速な遅延整流性電流(IKur)を含み得る。心臓一過性外向きカリウム電流(Ito)および/または非常に迅速な遅延整流性電流(IKur)は、少なくとも1つのKv4.2、Kv4.3、Kv2.1、Kv1.4、およびKv1.5電流を含み得る。
【0051】
イオンチャネル調節化合物は、一般的にあらゆるpKaを有し得るが、イオンチャネル調節化合物は、典型的には4−9の間のpKa値を有し、そして5−7.5の間のpKa値を含む、8より少ないpKa値を有し得る。pKa値を決定する方法は、当該分野で周知である(例えばPerrin、「Dissociation Constants of Organic Bases in Aqueous Solution」、Butterworth、London、1972を参照のこと)。
【0052】
(本発明のイオンチャネル調節化合物)
本発明の投与レジメおよび方法において有用なイオンチャネル調節化合物は、PCT公開特許出願WO99/50225;PCT公開特許出願WO2004/099137;PCT公開特許出願WO2004/098525;およびPCT公開特許出願WO2005/018635において詳細に記載され、その開示はその全体として本明細書中で全部参考文献に組み込まれる。
【0053】
イオンチャネル調節化合物の全てのラセミ、鏡像異性、およびジアステレオ異性形式、およびその混合物が、本発明において使用することを意図される。純粋な立体異性体、鏡像異性体および/またはジアステレオ異性体の混合物、および異なるイオンチャネル調節化合物の混合物が、前述の特許出願において記載される。従って、本発明において有用なイオンチャネル調節化合物は、ラセミ化合物、ラセミ混合物として、および個々のジアステレオ異性体または鏡像異性体として存在し得、全ての異性体形式は本記載に含まれる。本発明に関して、ラセミ化合物またはラセミ混合物は、立体異性体の50:50の混合物のみを意味するのではない。様々な立体異性体の比の、他の鏡像異性的に濃縮された混合物も企図される。所定の構造式または化学名が化合物に関して示される場合、化合物の全ての可能な溶媒和化合物、薬剤学的に許容可能な塩、エステル、アミド、複合体、キレート、立体異性体、幾何異性体、結晶または非結晶形式、代謝物、代謝前駆体またはプロドラッグも、別々に化学構造式または化学名によって記載される。
【0054】
本発明の1つのバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(I)の化合物であり、ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される。
【0055】
【化22】

本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、上記で記載されたような式(I)の化合物であり、ここでRおよびRはどちらもメトキシである。
【0056】
本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(Ia)の化合物であり、ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択され、そしてここで:
【0057】
【化23】

本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、上記で記載されたような式(Ia)の化合物であり、ここでRおよびRはどちらもメトキシである。
【0058】
本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、式(Ib)の化合物:
【0059】
【化24】

またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩である。式(Ib)の化合物は、本明細書中で(1R,2R)−2−[(3R)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサンと命名される。
【0060】
本発明の別のバージョンにおいて、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である。式(Ib)の化合物のこの塩酸塩は、本明細書中で化合物Aとして同定され、そして本明細書中で(1R,2R)−2−[(3R)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩と命名される。
【0061】
1つのバリエーションにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、シクロヘキシル環を含み、ここでシクロヘキシル環は、シクロヘキシル環の1および2位の置換基のような、2つの隣接する置換基を含み、ここでその2つの隣接する置換基はお互いに相対的にトランスの位置に位置している。別のバリエーションにおいて、2つの隣接する置換基は、お互いに相対的にシスの位置に位置している。
【0062】
本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、式(Ia)の化合物またはそのあらゆる薬剤学的に許容可能な塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物、または1つまたはそれ以上の当該化合物またはそのあらゆる薬剤学的に許容可能な塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物を含む混合物である:
【0063】
【化25】

そして(1R,2R)−2−(3−ヒドロキシピロリジニル)−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩または(1S,2S)−2−(3−ヒドロキシピロリジニル)−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩または(1R,2R)−2−(3−ヒドロキシピロリジニル)−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩および(1S,2S)−2−(3−ヒドロキシピロリジニル)−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩の混合物からなるグループから選択され、ここで上記のいずれにおいてもヒドロキシ部分はRまたはS立体化学配置であり得る。
【0064】
本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、以下のものからなるグループから選択される、化合物または化合物を含む混合物、またはそのあらゆる溶媒和化合物である:
【0065】
【化26】

【0066】
【化27】

【0067】
【化28】

【0068】
【化29】

本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、以下の化合物の1つである:(1R,2R)−2−[(3R)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサンのフリー塩基またはそのあらゆる塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物;(1R,2R)−2−[(3S)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサンのフリー塩基またはそのあらゆる塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物;(1S,2S)−2−[(3R)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサンのフリー塩基またはそのあらゆる塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物;(1S,2S)−2−[(3S)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサンのフリー塩基またはそのあらゆる塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物;(1R,2R)−2−[(3R)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物;(1R,2R)−2−[(3S)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物;(1S,2S)−2−[(3R)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物;または(1S,2S)−2−[(3S)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩、またはそのあらゆる溶媒和化合物。
【0069】
本発明の別のバージョンにおいて、本発明の投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物は、本明細書中で記載されたあらゆるアミノシクロヘキシルエーテル化合物のプロトン化バージョンである。すなわち、本明細書中で記載されたイオンチャネル調節化合物それぞれに関して、化合物の四級プロトン化アミン形式も、イオンチャネル調節化合物と考え得る。これらの化合物の四級プロトン化アミン形式は、固相で、例えば結晶または非結晶形式で存在し得る、および溶液で存在し得る。これらの化合物の四級プロトン化アミン形式は、例えば2002年にVHCA(Switzerland)およびWiley−VCH(FRG)によって出版された、「Handbook of Pharmaceutical Salts,Properties,Selection,and Use」、P.Heinrich StahlおよびCamille G.Wermuth(編)において記載されたものを含むがこれに限らない、薬剤学的に許容可能な陰イオン性対イオンと会合し得る。
【0070】
(イオンチャネル調節化合物を作成する方法)
本明細書中で記載された投与レジメおよび方法において使用されるイオンチャネル調節化合物を合成するために使用し得る方法は、PCT公開特許出願WO99/50225;PCT公開特許出願WO2004/099137;PCT公開特許出願WO2004/098525;およびPCT公開特許出願WO2005/018635において記載された合成方法を含むがこれに限らず、その開示はその全体として本明細書中で全部参考文献に組み込まれる。
【0071】
(イオンチャネル調節化合物の投与形式、投与経路、および処方)
イオンチャネル調節化合物の投与形式、投与経路、および処方は、PCT公開特許出願WO99/50225;PCT公開特許出願WO2004/099137;PCT公開特許出願WO2004/098525;およびPCT公開特許出願WO2005/018635において記載されたものを含むがこれに限らず、その開示はその全体として本明細書中で全部参考文献に組み込まれる。あらゆる有効な投与形式、投与経路、および処方を、一般的に本明細書中で記載されたあらゆるおよび全ての他の局面と共に使用し得る。
【0072】
本明細書中で記載されたイオンチャネル調節化合物および処方を、経口、非経口、粘膜、鼻腔、舌下、経皮、頬側、局所、膣内、直腸内、眼内または他の投与を含むがこれに限らない、様々な投与経路による伝達に適当な投与形式に処方し得る。本明細書中で記載されたようなイオンチャネル調節化合物は、すぐおよび/または修飾されて放出される処方の形式であり得る、または比較的速い治療的効果の発生を可能にするために、比較的速い方式でイオンチャネル調節化合物を放出するよう設計し得る。本明細書中で使用される場合、イオンチャネル調節化合物の「化合物」および「組成物」は、本明細書中で記載されたようなイオンチャネル調節化合物を、単独で、または他の物質と組み合わせて含む。
【0073】
(本発明の投与レジメ)
一般的に、不整脈の治療のために、特に急性心房細動の治療のために使用される本発明の投与レジメは、治療的に有効な量の投与量のイオンチャネル調節化合物の投与が、患者において不整脈を治療するように、少なくとも1回の投与量の本発明のイオンチャネル調節化合物の投与を含む。
【0074】
投与レジメは、1回以上の投与量の投与を含み得る。反復される投与量として投与される場合、個々の投与量それぞれが、治療的に有効な量の本発明のイオンチャネル調節化合物を伝達し得るまたはしないかもしれないが、反復される投与量の累積効果は、治療的に有効な量の本発明のイオンチャネル調節化合物を伝達する。
【0075】
本発明の概要において上記で述べたように、本発明の1つの局面は、ヒトにおいて急性心房細動を治療するための方法における投与レジメの使用であり、ここでその投与レジメは以下の連続的な工程を含む:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の式(I)の化合物を、本発明の概要において上記で記載したように、ヒトに投与すること;
b)2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、3番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間の2番目の投与量の式(I)の化合物を、本発明の概要において上記で記載したように、ヒトに投与すること;および
d)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)およびc)を繰り返すこと。
【0076】
この局面のバリエーションにおいて、工程a)における式(I)の化合物の投与量は、約3.0mg/kgであり、そして工程c)における化合物の投与量は、約2.0mg/kgである。
【0077】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の期間は、約5分と約15分の間、2番目の期間は、0分と約15分の間、および3番目の期間は約5分と約15分の間である。
【0078】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の期間は約10分、2番目の期間は15分、および3番目の期間は約10分である。
【0079】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の投与量および2番目の投与量は、静脈内または経口で独立に投与される。
【0080】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の投与量および2番目の投与量は、どちらも静脈内投与される。
【0081】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の、2番目の、およびあらゆる続く投与量は全て静脈内投与される。
【0082】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)の化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(Ia)の化合物である:
【0083】
【化30】

ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される。
【0084】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物:
【0085】
【化31】

またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩である。
【0086】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である。
【0087】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)のイオンチャネル調節化合物は、上記で記載されたように、式(Ib)の化合物の塩酸塩であり、ここで投与レジメは以下の連続的な工程を含む:
a)約10分の最初の期間に、約3.0mg/kgの最初の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩を、ヒトに静脈内投与すること;
b)約15分の2番目の期間の後に、急性心房細動が終了したかどうかを決定すること;および
c)もし2番目の期間の後に、ヒトにおける急性心房細動が終了していなかったら、約10分の3番目の期間に、約2.0mg/kgの2番目の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩を、ヒトに投与すること。
【0088】
本発明の概要において上記で述べたように、本発明の別の局面は、ヒトにおいて急性心房細動を治療する方法における投与レジメの使用であり、ここでその投与レジメは以下の連続的な工程を含む:
a)最初の期間に、約3.0mg/kgと約5.0mg/kgの間の最初の投与量の式(I)の化合物を、本発明の概要において上記で記載したように、ヒトに投与すること;
b)2番目の期間に、約0.5mg/kgと約2.0mg/kgの間、または約1.0mg/kg/hrと約2.0mg/kg/hrの間の2番目の投与量の式(I)の化合物を、本発明の概要において上記で記載したように、ヒトに投与すること;および
c)任意で急性心房細動が終了するまで工程b)を繰り返すこと。
【0089】
この局面のバリエーションにおいて、工程a)における式(I)の化合物の投与量は、約4.0mg/kgであり、そして工程b)における化合物の投与量は、約0.5mg/kgまたは約1mg/kg/hrである。
【0090】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の期間は、約5分と約15分の間、および2番目の期間は、約5分と約40分の間である。
【0091】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の期間は約10分、および2番目の期間は約35分である。
【0092】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の投与量および2番目の投与量は、静脈内または経口で独立に投与される。
【0093】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の投与量および2番目の投与量は、どちらも静脈内投与される。
【0094】
この局面の別のバリエーションにおいて、最初の、2番目の、およびあらゆる続く投与量は全て静脈内投与される。
【0095】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)の化合物は、単離されたその鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体およびその混合物、またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩を含む、式(Ia)の化合物である:
【0096】
【化32】

ここでRおよびRは、水素、ヒドロキシおよびC−Cアルコキシから独立に選択される。
【0097】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物:
【0098】
【化33】

またはその溶媒和化合物または薬剤学的に許容可能な塩である。
【0099】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物の塩酸塩である。
【0100】
この局面の別のバリエーションにおいて、式(I)の化合物は、上記で記載されたように、式(Ib)の化合物の塩酸塩であり、ここで式(Ib)の化合物の塩酸塩は、以下の連続的な工程を含む投与レジメによって投与される:
a)約10分の期間に、約4.0mg/kgの最初の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩をヒトに静脈内投与すること;
b)約35分の期間に、約0.5mg/kgまたは約1mg/kg/hrの2番目の投与量の式(Ib)の化合物の塩酸塩をヒトに静脈内投与すること。
【0101】
一般的に、反復される投与量は、同じ投与経路で投与されなければならないことはない。例えば、最初の投与量を静脈内投与し、続いて2番目の投与を経口投与し得る。それに加えて、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物(compound)または化合物(compounds)を、同時に1回以上の投与量を投与することによって伝達し得る。制限しない例として、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物(compound)または化合物(compounds)を、経口および静脈内の両方で、投与量の同時またはほぼ同時投与によって伝達し得る。
【0102】
(不整脈を治療する方法におけるイオンチャネル調節化合物の血漿レベル)
一般的に、投与後に患者の血漿中に存在する、イオンチャネル調節化合物(compound)または化合物(compounds)の濃度は、患者の不整脈の必要な治療を実施するために十分なレベルである。
【0103】
本明細書中で使用される場合、文脈が他に明らかにしなければ、血漿レベルは、治療的に有効な量のイオンチャネル調節化合物(compound)または化合物(compounds)を患者に投与した後の、患者の血漿中のイオンチャネル調節化合物(compound)または化合物(compounds)の濃度である。
【0104】
治療的に有効な量の本発明のイオンチャネル調節化合物の患者への投与による、急性心房細動の患者の治療における1つの例において、本発明の投与レジメはヒトの血漿中で、約0.1μg/mlより多い最高濃度のイオンチャネル調節化合物を産生する。
【0105】
本発明のこの局面の1つのバリエーションにおいて、最高濃度は約0.3μg/mlと約20μg/mlの間である。
【0106】
本発明のこの局面の別のバリエーションにおいて、最高濃度は約12μg/mlより少ない。
【0107】
本発明のこの局面の別のバリエーションにおいて、最高濃度は約4μg/mlである。
【0108】
本発明のこの局面の別のバリエーションにおいて、最高濃度は約9.0μg/mlと約11.0μg/mlの間である。
【0109】
本発明のこの局面の別のバリエーションにおいて、最初の投与量の投与後、最高濃度は約11.0μg/mlである。
【0110】
本発明のこの局面の別のバリエーションにおいて、最初および2番目の投与量の投与後、最高濃度は約9.0μg/mlである。
【0111】
1つの制限しない例において、これらの血漿レベルは、本明細書中で記載されたように、2回またはそれ以上の反復される投与量を投与することによって維持される。
【0112】
(ある疾患および状態を治療または予防するためのイオンチャネル調節化合物の使用)
イオンチャネル調節化合物を、本明細書中で記載されたような、様々な疾患および状態を治療または予防するために使用し得る。本明細書中で記載される化合物、組成物、処方、方法、薬物等を、心室性不整脈(例えば心室性頻拍、心室細動、心室性期外収縮)、上室性不整脈(例えば上室性頻拍、心房細動、心房粗動、ウォルフ−パーキンソン−ホワイト症候群、上室性期外収縮)、およびQT延長症候群または洞不全症候群に伴う不整脈のような不整脈を含む、様々な疾患および状態の治療および/または予防において使用し得る。治療および/または予防され得る他の疾患または状態は、中枢神経系の疾患(CNS障害)、ルーゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症)、アルツハイマー、AIDS関連痴呆、多発性硬化症(MS)、痙攣、てんかん、てんかん性れん縮、うつ、不眠、不安、統合失調症、パーキンソン病、三叉神経痛、幻肢痛、腰痛、禁煙、呼吸器疾患、嚢胞性線維症、喘息、咳、炎症および炎症性疾患、過敏性腸疾患、過敏性腸症候群、クローン病、前立腺肥大症、虫刺され、乾癬、関節炎、アレルギー、胃腸障害、尿失禁、心血管障害、不整脈、心不全、低血圧、脳または心筋虚血、高血圧、QT延長症候群、脳卒中、偏頭痛、眼疾患、糖尿病、ミオパチー、ベッカーの筋緊張症、重症筋無力症、先天性パラミオトニー、悪性高熱症、高カリウム血性周期性四肢麻痺、トムゼン筋緊張症、自己免疫疾患、臓器移植または骨髄移植における移植片拒絶、脱毛症、イオンチャネルおよび受容体の疾患または機能不全、電位開口型イオンチャネルの疾患、麻痺を含むがこれに限らない。このリストは、本明細書中で記載されたように治療および/または予防し得る疾患の種類の説明であり、そして制限することまたは徹底的なものを意図しない。
【0113】
本明細書中で記載される化合物、組成物および方法を、抗毒素(antitoxins)、抗毒素(anti−venoms)、抗ウイルス薬、抗生物質、抗寄生虫薬、抗悪性腫瘍薬、抗侵害受容薬、鎮静薬、麻酔薬、鎮痛薬(analgesics)、鎮痛薬(painkillers)、抗精神病薬、局所(local)麻酔薬、局所(topical)麻酔薬、血管新生抑制薬、心筋保護液、および心臓保護剤として使用し得る。
【0114】
以下の実施例は、ヒトにおける不整脈、特に急性心房細動の治療における、本発明のイオンチャネル調節化合物の使用、特に化合物Aの使用を説明する。
【0115】
(あるイオンチャネルの特徴および他の生理学的特徴に対するイオンチャネル調節化合物の影響)
あるイオンチャネルの特徴および他の生理学的特徴に対するイオンチャネル調節化合物の影響が、PCT公開特許出願WO99/50225;PCT公開特許出願WO2004/099137;PCT公開特許出願WO2004/098525;およびPCT公開特許出願WO2005/018635において記載され、その開示はその全体として本明細書中で全部参考文献に組み込まれる。
【実施例】
【0116】
実施例
他に示されなければ、以下の実施例で使用される以下の省略は、以下の標準的な定義を有する:
「bpm」は、1分あたりの拍動を指す。
【0117】
「BP」は、血圧を指す。
【0118】
「AERP」は、心房性有効不応期を指す。
【0119】
「VERP」は、心室性有効不応期を指す。
【0120】
「WCL」は、Wenckebach周期を指す。
【0121】
「AH」は、心房性ヒス間隔を指す。
【0122】
「RF」は、高周波を指す。
【0123】
「QT」は、心電図におけるQT間隔を指す(ms)。
【0124】
「HV」は、ヒス心室性間隔を指す。
【0125】
「PR」は、心電図におけるPR間隔を指す(ms)。
【0126】
「PA」は、ヒス束の記録の間にP波の発生から低右心房性心電図の発生まで測定したPA間隔を指す。
【0127】
「MAP」は、単相性活動電位を指す。
【0128】
化合物Aは、本明細書中で記載されたような、(1R,2R)−2−[(3R)−ヒドロキシピロリジニル]−1−(3,4−ジメトキシフェネトキシ(phenethoxy))シクロヘキサン一塩酸塩の化学名、C2031NO・HClの分子式、および385.93g/molの式量を有する、式(Ib)の化合物の塩酸塩、すなわち以下の式の塩を指す:
【0129】
【化34】

実施例1:ヒト心臓電気生理学に対する化合物Aの電気生理学的効果の例
この実施例は、化合物Aの2つの静脈内投与量の電気生理学的効果を決定するために行われた研究の結果を提供する。
【0130】
(研究の組み入れ基準:)
研究における患者は、電気生理学的研究を必要とし(高周波アブレーションありまたは無し)、そして18から75歳であった。
【0131】
(研究の除外基準:)
45%より少ない左心室駆出率;以前の心筋梗塞;または冠血管心不全を有する患者。
【0132】
研究の前またはその間に10分以上の心房細動を有する患者。
【0133】
QT延長、洞不全症候群、または徐脈を有する患者。
【0134】
5半減期以内に抗不整脈薬または心臓作用性薬剤を摂取した患者(ベータ遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、またはジゴキシンのような)。
【0135】
(電気生理学的効果の測定:)
研究およびアブレーション(もし適用可能なら)の後、心房MAPカテーテルを置き、そして以下の電気生理学的測定を行った:
1.伝導を反映する間隔:600msec AペーシングにおけるPA、AH、HV、QRS
2.再分極/不応性を反映する間隔:
a)CL600、400、300、250、および200msecにおける心房MAP50
b)600、400msecにおけるAERP、VERPおよび300msecにおけるAERP
c)Wenckebach周期
d)600msec、400msecにおけるAおよびVペーシングのQT間隔
3.600、400msecにおける洞結節回復時間(SNRT)
4.心拍数、上腕(カフ)血圧
(薬剤の投与:)
1.投与量レベル1(n=10):10分で2mg/kg、次いで0.5mg/kg/hrで35分間。全投与量は〜2.25mg/kgであった
2.投与量レベル2(n=9):10分で4mg/kg、次いで1.0mg/kg/hrで35分間。全投与量は〜4.5mg/kgであった。
【0136】
化合物A濃度のための血液サンプルを、薬剤注入の開始から0、10、および45分後に取り、そして翌日廃棄した。
【0137】
静脈内薬剤注入の開始から25分後(初回量の終了および維持注入の開始から15分後)、全ての電気生理学的測定を繰り返した。
【0138】
(患者の特徴(n=19):)
1.平均年齢=48.4±10.9歳、53%が男性
2.アブレーションありまたは無しの研究に関する適応症
a)房室正常回復時間(AVNRT)(n=4)
b)房室回復時間/ウォルフパーキンソンホワイト(AVRT/WPW)(n=7)
c)心房性頻脈(n=4)
d)心房粗動(n=3)
e)右心室流出路心室性頻脈(RVOT VT)(n=1)
2人の患者が、軽度の構造的異常を示した(肥大したRAを有する患者1人、および軽度の心筋症を有する患者1人)。
【0139】
(結果:)
研究の結果を、下記の表1−14に示す。
【0140】
【化35】

【0141】
【化36】

【0142】
【化37】

【0143】
【化38】

【0144】
【化39】

【0145】
【化40】

(副作用)
収縮期血圧の122から96mmHGへの低下を引き起こした、一過性の低血圧を起こした1人の患者が存在し、それは5分で解決した。
【0146】
一過性のピリピリ感を有した4人の患者が存在した。
【0147】
口中の金気を有した3人の患者および舌のしびれを有した1人の患者が存在した。
【0148】
(結論)
1.化合物Aは、用量依存的に心房不応期を延長する。
【0149】
2.化合物Aは、房室結節、ヒスプルキンエ、および心室組織において、小さいが有意な伝導遅延効果を有する。
【0150】
3.化合物Aは、研究した投与量において、心室不応性、再分極または伝導に有意な影響を有さなかった。
【0151】
(実施例2:急性心房細動の治療)
これは、ヒトに対する、無作為化、二重盲検、step−dose、プラセボ対照、平行グループ試験であった。3から72時間の心房細動を有する56人の患者を、2つの化合物A投与グループのうち1つまたはプラセボへ無作為化した。2つの化合物Aグループは、RSD−1(0.5mg/kgに続いて1.0mg/kg)またはRSD−2(2.0mg/kgに続いて3.0mg/kg)であり、用量を10分かけた静脈内注入によって与えた。第1のエンドポイントは、10分間の注入または続く30分の間の心房細動の終了であった。第2のエンドポイントは、注入後0.5、1、および24時間において洞調律にある患者の数、および洞調律への転換までの時間を含んでいた。RSD−2投与量は、1)30分以内の心房細動の終了(61%vs5%;p=0.0003);2)投与後30分において洞調律にある患者(56%vs5%:p=0.0008);3)投与後1時間において洞調律にある患者(53%vs5%;p=0.0014);および4)転換を達成する時間の中央値(14vs162分;p=0.016)において、プラセボに対して有意な差異を示した。化合物Aは、急性心房細動を、洞調律へ転換した。
【0152】
化合物Aは、混合頻度依存性Naおよび心房優先的Kチャネル遮断薬である。AFの動物モデルにおいて、化合物Aは、AFの終了およびその再発の予防に有効である。化合物Aは、心室不応性またはQT間隔に有意な影響を与えずに、心房の不応期を選択的に延長する。
【0153】
この研究における患者は、無作為化の時点で、3から72時間の持続性心房細動(AF)のリズムを有していなければならなかった。患者を3つのグループのうち1つに無作為化し、そして各グループにおいて、30分離れた2回までの10分の静脈内注入を受けた。注入は、プラセボに続いてプラセボ、0.5mg/kgに続いて1.0mg/kgの化合物A、または2.0mgに続いて3.0mgの化合物Aであった。各グループにおける2回目の投与量は、最初の投与量の終了から30分後にAFが存在する場合にのみ投与した。>113kgの体重の患者に関する投与量は、患者の体重が113kgであるように上限を課した。
【0154】
ホルターrhythm stripが連続的にECGを連続的にモニターし、バイタルサイン(血圧および心拍数、それぞれBPおよびHR)およびO飽和度を、注入の開始から5分後まで2分ごとに、および15、30、60、120、240、360、および480分および退院時および1週間のフォローアップにおいて記録した。12誘導ECGを、投与前および注入の間から5分後まで毎分、および15、30、60、120、240、360、および480分および退院時、24時間および1週間のフォローアップ、および不整脈の終了または有意なリズム変化時に得た。静脈血サンプルを、化合物Aの血漿濃度のために、0、15、30、120、240、480分、退院時およびAFの終了または有意な副作用時に取った。
【0155】
55人の患者を、有効性に関して評価した。データを、平均±SD、四分位範囲(IQR)とともに中央値として示し、全ての試験を両側性として行い、そして95%信頼区間(CI)を産生した;他に述べなければ、p<0.05を統計学的に有意と考えた。AFの終了および治療の間の関係の分析を、カイ二乗分析を用いて行った。small cell frequenciesの場合には、フィッシャーの正確確率検定を用いた。テーブルスコアを用いたコクラン−アーミテージ検定統計値を、有効性の上昇投与量評価を試験するために使用した。
【0156】
最初の注入の開始から転換までの時間を、イベント時間分析のCox回帰法および一方向性分散分析によって分析した。時点の値およびベースラインから各フォローアップのECG間隔(QRS、QT、QTc)、BPおよびHRの読みまでの平均変化の有意性の評価を、paired t testを用いて投与量グループ内で行い、そして投与グループ間の比較を、一方向性分散分析を用いて行った。
【0157】
研究における全ての患者に関する個体群統計学的特徴を、表15に示す。
【0158】
【化41】

【0159】
【化42】

ACE−I=アンジオテンシン変換酵素−I;Dilt/verap=ジルチアゼム/ベラパミル
ベースラインの臨床的特徴は、プラセボグループの患者が、化合物A投与グループより、過去においてAFをより頻繁に報告する傾向があった以外は、グループ間で類似していた。
【0160】
図1は、最近発症したAFを有する患者において、プラセボ、0.5および1.0mg/kgの化合物Aまたは2.0および3.0mg/kgの化合物Aの注入後の、心房細動(AF)を終了した患者の累積パーセンテージを含む、転換の有効性を示す。有効性は、プラセボ後より、2+3mg/kgの化合物A後に有意に高く(p=0.0003)、および2つの化合物A投与レジメの間で有意に異なっていた(p=0.0018)。AFの終了する時間の中央値は、化合物A治療グループにおいて最初の注入の開始から11分であった。
【0161】
注入の30分以内の累積AF終了は、2+3mg/kgの化合物Aの注入後に61%(18人の患者のうち11人)、0.5+1.0mg/kgの化合物Aの後に11%(18人の患者のうち2人)、およびプラセボ+プラセボの後に5%(19人の患者のうち1人)であった。一対比較法は、プラセボおよびRSD−2グループの間の統計学的に有意な差を示した(p=0.0003)。RSD−1グループおよびプラセボの間に、成功率において有意な差は無かった。RSD−2グループにおける11例のAF終了のうち、8例が最初の注入で終了した。
【0162】
注入後30分において洞調律にある患者の数は、RSD−2グループで56%(18人の患者のうち10人)、RSD−1グループで11%(18人の患者のうち2人)、およびプラセボグループにおいて5%(19人の患者のうち1人)であった。注入後1時間において洞調律にある患者の数は、RSD−2グループで53%(17人の患者のうち9人)、RSD−1グループで11%(18人の患者のうち2人)、およびプラセボグループにおいて5%(19人の患者のうち1人)であった。注入後24時間において洞調律にある患者(電気的に除細動されたものを除く)は、プラセボグループにおける50%(10人の患者のうち5人)と比較して、RSD−2で79%(14人の患者のうち11人)、RSD−1で56%(9人の患者のうち5人)であった。RSD−2およびプラセボ間の差異のみが30分(p=0.008)および1時間(p=0.0014)において統計学的に有意であった。
【0163】
RSD−2グループにおける11人のレスポンダーにおいて、最初の注入の開始から洞調律への転換までの時間の中央値は、162分(範囲、58から1119分)の中央値時間を有するプラセボグループにおける5人の自然のレスポンダーと比較して、14分(範囲、3から871分;p=0.016)であった。RSD−1グループにおける5人の最終的なレスポンダーにおいて、最初の注入の開始から洞調律への転換までの時間の中央値は、166分(範囲、1から332分;プラセボに対してp=0.886)であった。
【0164】
AFの終了までの時間の中央値は、RSD−2グループにおいて、最初の注入の開始後11分(範囲、3から58分)であった。実際、このグループにおける全てのレスポンダーは、薬剤注入の間、または最後の注入の10分以内に、第1のエンドポイントを達成した。このグループにおける11人のレスポンダーのうち1人は、AFから心房粗動へ転換し、そして続いて14.5時間後に洞調律に転換した。
【0165】
表16は、化合物AのECG効果を示す。化合物Aの注入は、プラセボと比較して、QTcまたはQRS間隔を有意に延長しなかった。洞調律への転換後最初に入手可能なECG記録を用いて、プラセボ(389±31msおよび414±16ms)およびRSD−2治療(366±28msおよび427±19ms)の間で、QTおよびQTc間隔に差はなかった。
【0166】
【化43】

【0167】
【化44】

グループ間で、注入後のECG間隔において統計学的に有意な差は無かった。心拍数は、2mg/kgの化合物Aの後に減少し(p<0.05)、このグループにおける洞調律に転換した患者の数を反映した。
【0168】
収縮期血圧において、臨床的に有意なベースラインからの変化は無く、そしてプラセボグループにおいて見られるものから実質的に異なる血圧の変化は無かった。プラセボグループにおいて報告された2例の有意な低血圧の例、およびRSD−2グループにおける1例の一過性の低血圧の軽度な例があった。平均心拍数における、ベースライン(平均:1分あたり106拍)からの臨床的に有意な治療に関連する減少が、T=15分で始まり、RSD−2投与量を投与された患者で起こった(平均:1分あたり90拍)。これはおそらく、数人の患者の正常洞調律への転換を反映した。
【0169】
全部で39人の患者が、研究の過程で122件の副作用を経験し、3つの治療グループ間で同様のイベント発生率であった。副作用の大部分は、軽度または中程度の強度であった。明確にまたはおそらく研究薬剤に関連すると考えられる、2人の患者で起こった4件の軽度の副作用があった。両方の患者は、RSD−2投与量グループであった:1人の患者は知覚異常を報告し、そして1人の患者は知覚異常、嘔気、および低血圧を報告した。
【0170】
この研究において経験された最もよくある副作用は、心障害であり、プラセボグループで7人の患者(35.0%)、RSD−1グループで4人の患者(22.2%)、およびRSD−2グループで3人の患者(16.7%)によって報告された。下記で議論する重篤な副作用に加えて、プラセボグループにおける心障害は、非持続性の心室性頻拍を有する2人の患者および心室性期外収縮を有する患者を含んでいた。心室性期外収縮はまた、低い投与量グループにおいて2人の患者で見られ、そして洞性徐脈が1人の患者で見られた。心室性期外収縮が、RSD−2グループにおいて2人の患者で見られ、そして洞性徐脈が別の患者で見られた。治療グループ間で同様の頻度で起こる他の副作用は、神経系の障害、一般的な障害および感染であった。
【0171】
重篤な副作用が、5人の患者(プラセボグループで4人、およびRSD−1グループで1人)で報告された。転換時に治療的国際標準比(INR)を有する、プラセボで治療した患者において、転換の1日後に一過性の脳虚血発作が起こった。転換の直後の重篤な徐脈および低血圧が1人の患者で起こり、肺浮腫が別の患者で、および4番目のプラセボ患者で再発性AFが起こった。RDS−1グループの1人の患者は、心室細動を経験し、それは2回目の注入を受けた1時間後に行われた電気的除細動の試みの間の非同期性の放電に起因した。
【0172】
研究の期間内に(24時間)、19人のプラセボ治療のうち9人(47%)、18人のRSD−1治療のうち9人(50%)、および18人のRSD−2治療患者のうち4人(22%)において電気的除細動が試みられ、そしてそれぞれ8人(89%)、9人(100%)、および4人(100%)で成功した。
【0173】
図2は、化合物Aに関するデータの薬物動態的分析を示し、そして2mg/kgi.v.で投与された患者(黒い反転した三角)およびさらに3mg/kgi.v.で投与された患者(黒丸)における注入後の化合物Aの血漿濃度を示す。化合物Aの投与量を、本文中で示されたように、10分かけて注入した。RSD−2グループにおいて、最初に2mg/kgの注入が与えられ、そしてもし必要ならさらなる3mg/kgが30分後に注入された。最初の注入(T1)の終わりと相対的に時間を示す。
【0174】
平均ピーク化合物A血漿レベルは、2.0および3.0mg/kg両方の化合物Aの注入を受けた患者において5.8μg/mL(範囲:4.0から8.6μg/mL)、および0.5および1.0mg/kg両方の化合物Aの投与を受けた患者において1.9μg/mL(範囲:0.1から3.4μg/mL)であった。2回目の注入の終わりに最高血漿レベルが見られた。注入後24時間における血漿薬物レベルは、RSD−1を投与された大部分の患者において、検出限界(5ng/mL)以下であった。同様に、RSD−2グループにおいて、24時間において無視できる血漿レベルが見られた;平均血漿レベルは0.017μg/mL(範囲:<0.005から0.028μg/mL)であった。2mg/kgの注入のみを投与された患者において、注入の終わりにおける平均ピーク血漿レベルは、2.6μg/mL(範囲:1.4から4.5μg/mL)であった。これらの患者における、AF転換時の血漿レベルの中央値は、1.3μg/mL(範囲:1.1から3.5μg/mL)であった。これらの患者における平均最終排泄半減期は、3.1時間(範囲1.7から5.4時間)であった。
【0175】
この研究は、化合物Aの高い方の投与量(2+3mg/kg)は、低い投与量の化合物Aおよびプラセボと比較して、AFを迅速におよび有効に終了させたことを示した。化合物Aに関連する重篤な副作用はなく、そして観察されたSAEは、プラセボグループでより普通であった。急性AFの転換に用いられる他の抗不整脈薬と対照的に、薬剤に関連する不整脈誘発の例はなかった。これらの最初の発見は、より大規模な臨床試験における確認を必要とするが、効果的なおよび迅速な開始とあわせたこの安全性プロファイルは、化合物Aが急性AFの医学的転換の有望な新規薬剤であることを確認する。
【0176】
化合物Aは、接触の2時間以内に、最近発症したAFの転換に関して、より高い純有効性(61%対5%=56%)を示す。
【0177】
この無作為化対照試験は、AFの治療のための、この心房特異的、Na/Kチャネル遮断薬の有効性の証拠を提供する。静脈内化合物A(2+3mg/kg)は、AFを迅速に終了させるのに有効であり、そしていかなる薬剤誘発不整脈誘発またはいかなる重篤な副作用とも関連していなかった。
【0178】
(実施例3:最近発症した急性心房細動の治療)
この研究は、ヒトにおいて心房細動から洞調律への転換における化合物Aの有効性および安全性を評価するために行った。
【0179】
この研究の第1のエンドポイントは、3時間から7日間の心房細動を有する、治療の90分以内に治療によって洞調律へ転換した患者の割合であった。2次的なエンドポイントは、3時間から7日間の心房細動を有する患者における、心房細動から洞調律へ転換するまでの時間;8から45日の心房細動を有する、治療の90分以内に治療によって洞調律へ転換した患者の割合、および3時間から45日の心房細動を有するグループ全体における、治療の90分以内に治療によって洞調律へ変換した患者の割合を含んでいた。
【0180】
336人の患者を、2:1の比の化合物A対プラセボに無作為化し(221人の患者が化合物Aを投与され、そして115人の患者がプラセボを投与された)、そして3時間から7日間および8から45日間の心房細動の期間によって層別化した。
【0181】
試験化合物(プラセボまたは3mg/kgの化合物A)の最初の10分間の注入が、各患者に投与された。もし心房細動が終了しないなら、2回目の10分間の注入(プラセボまたは2mg/kgの化合物A)を、15分後に投与した。副作用の発生率、バイタルサイン、検査値、ECGおよびホルターモニタリングによって安全性を評価した。
【0182】
以下の表17は、心房細動から洞調律への転換における化合物Aの有効性を示す:
【0183】
【化45】

3時間から7日のグループで化合物Aを投与され、90分以内に洞調律へ転換した75人の患者のうち、転換までの時間の中央値は11分であった。これらの患者のうち、1人のみが試験化合物の投与から24時間以内に再発した。試験化合物の投与に続く30日の間隔において、重篤な副作用がプラセボグループの21人の患者(18%)、および化合物Aグループの29人の患者(13%)において起こり、心房細動の再発が最も多かった(プラセボグループで14人の患者(12%)、および化合物Aグループで13人の患者(6%))。薬剤に関連したトルサード・ド・ポアンの例はなかった。化合物Aグループにおいて、一過性の味覚の変化が最も多い非心臓性副作用であり、プラセボグループの1人の患者(0.9%)に対して、66人の患者(30%)で起こった。
【0184】
この研究は、化合物Aの投与は、心房細動から洞調律への迅速および高い転換率を提供することにおいて、最近発症した心房細動の安全および有効な治療法であることを示した。
【0185】
(実施例4:化合物Aによる、ヒトにおける最近発症した心房細動の治療における、年齢、性別、および以前の速度調節薬物療法の影響を示す実施例)
この実験は、本発明の化合物を用いた、心房細動(AF)の洞調律(SR)への転換に対する、年齢、性別、および速度調節薬物療法の使用の影響を評価するためにデザインした。
【0186】
患者(pts)を、二重盲検、対照試験において、化合物Aまたはプラセボを投与するために2:1の比で、ブロック無作為化し、AFの期間(3時間−7日;8−45日)で層別化した。化合物A(3mg/kg)または同様の外見のプラセボを、10分間で注入し、続いてもしAFが終了しなければ、2回目の注入を行った(2mg/kgまたはプラセボ)。3時間−7日のAF期間を有する、90分以内に治療によってSRへ転換した患者の割合が、第1のエンドポイントであった。年齢(<65vs≧65)、性別、および速度調節薬物療法の以前の使用(ベータ遮断薬、カルシウムアンタゴニスト、ジゴキシン)の影響を調査するために、ロジスティック回帰分析を用いた。
【0187】
全体で、220人の患者が第1のエンドポイントグループにおいて無作為化された:145人が化合物Aを投与され、そして75人がプラセボを投与された。プラセボグループより、化合物Aによる治療時により多くの患者がSRへ転換した(52%vs4%)(p<0.0001)。年齢、性別、および速度調節薬剤の以前の使用によるサブグルーピング:
【0188】
【化46】

SRへの転換は、年齢、性別、および速度調節薬物療法の以前の使用に基づいて、統計学的におよび臨床的に同様であった。さらに、3時間−45日のAF期間を有する研究グループ全体において、転換に対するこれらのパラメーターの影響は観察されなかった。化合物Aによる転換までの時間の中央値は、3時間−7日グループにおいて11分であった(n=75)。全体で、重篤な副作用が、薬剤投与後の30日間で21人(18%)のプラセボおよび29人(13%)の化合物A患者で起こった。薬剤に関連するトルサード・ド・ポアンの例は記録されなかった。
【0189】
化合物Aは、最近発症したAFのSRへの転換のために、安全および有効な薬剤である。それは年齢、性別、および速度調節薬物療法の以前の使用に基づくサブグループにおいて同様の結果を生ずるようである。
【0190】
(実施例6:心房性不整脈転換試験1)
この研究は、ヒトにおいて心房細動の洞調律への転換における化合物Aの有効性および安全性を評価するために行った。その研究は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照第III相試験であった。
【0191】
患者を2:1の比(化合物A:プラセボ)で無作為化し、そして心房細動の期間で層別化した。患者(pts)のグループ全体は、3時間から45日までの心房細動の期間を有していた。1つのサブグループは、3時間から7日の心房細動の期間を有していた。もう1つのサブグループは8日から45日の心房細動の期間を有していた。
【0192】
研究の第1のエンドポイントは、3時間から7日の心房細動の期間を有する、90分以内に治療によって心房細動から洞調律へ転換した患者の割合であった。2次的なエンドポイントは、3時間から7日の心房細動を有する患者における、心房細動の洞調律への転換までの時間、および8日から45日の心房細動の期間を有する患者のサブグループにおける、および3時間から45日の心房細動の期間を有する患者のグループ全体における、90分以内に心房細動が終了した患者の割合を含む。
【0193】
投与は以下のようであった:プラセボまたは3.0mg/kgの化合物Aを、10分間かけた注入によって投与し、15分間の観察期間が続いた。もし心房細動が終了しないなら、プラセボまたは2.0mg/kgの化合物Aを、10分間かけた注入によって投与した。
【0194】
患者集団を無作為化した(n=356)。20人の患者は薬物を投与されなかった。3時間から7日の心房細動の期間を有するサブグループに、220人の患者がいた。これらの220人の患者のうち、75人がプラセボを投与され、そして145人が化合物Aを投与された。8日から45日の心房細動を有するサブグループに、116人の患者がいた。これらの116人の患者のうち、40人がプラセボを投与され、そして76人が化合物Aを投与された。
【0195】
患者集団全体の個体群統計は以下のようであった:
【0196】
【化47】

3時間から7日の心房細動を有する患者のサブグループの個体群統計は以下のようであった:
【0197】
【化48】

心房細動期間の中央値に関する、プラセボを投与された患者集団および化合物Aを投与された患者集団の個体群統計は、以下のようであった:
【0198】
【化49】

結果:
短い期間のサブグループ(3時間−7日の心房細動)において、化合物Aを投与されたレスポンダーに関して、転換までの時間の中央値は11分であった。グループ全体(3時間−45日の心房細動)において、化合物Aを投与されたレスポンダーに関して、転換までの時間の中央値は11.5分であった。短い期間のサブグループおよびグループ全体の両方において、化合物Aを投与されたレスポンダーの76%が、最初の投与後に転換した。
【0199】
化合物Aレスポンダーグループにおいて、1人の患者が、投与後最初の24時間で心房細動を再発した。プラセボおよび化合物Aグループの両方において、反応しなかった患者において他の手段によって電気的除細動が以下のように試みられた。
【0200】
【化50】

投与後24時間の間の心室調律の結果は以下のようである:
【0201】
【化51】

【0202】
【化52】

3時間から7日のサブグループの患者における心房細動の洞調律への転換のパーセンテージを、図3に示す。
【0203】
3時間から7日のサブグループにおける、時間の関数として90分以内に洞調律へ転換した患者のパーセンテージを、図4に示す。
【0204】
患者集団全体(3時間から45日の心房細動)および8日から45日のサブグループにおける心房細動の期間を有する、90分以内に心房細動が終了した患者の割合を図5に示し、ここでそれぞれp<0.0001およびp=0.092である。
【0205】
3時間から45日の心房細動を有する患者のサブグループにおける、投与後90分における心房細動の症状の改善を図6に示す。
【0206】
投与後のグループ全体(n=336)における患者の心拍数を図7に示す。
【0207】
全ての患者における(ペースメーカーを有する人を除く)最初の投与後の時間の関数としての、QRSおよびQTc間隔に対する治療の影響を図8に示す。
【0208】
(副作用:)
投与後24時間の間の、最もよくある(≧5%)治療によって発生する副作用の発生率は、以下のようであった:
【0209】
【化53】

患者集団全体(3時間から45日の心房細動)において、投与後30日間のフォローアップ期間の、重篤な副作用の発生率は(≧1%)以下のようであった:
【0210】
【化54】

血漿レベル:
最初の注入後に様々な時間間隔で、可能な場合に、患者の血漿レベルを得た。時間間隔は、10分(すなわち、最初の注入の直後)、35分(すなわち、適用可能な場合、2回目の注入の直後)、50分、90分、および24時間であった。以下の表19は、化合物Aの両方の注入を投与された150人の患者に関する、測定された血漿濃度データを示す。示されたデータは、あらゆる間隔で測定された最高血漿濃度と共に、10分間隔で決定された血漿濃度である(Nは、データが最終的に基づく患者の数を示す)。
【0211】
【化55】

以下の表20は、化合物Aの最初の注入のみを投与された71人の患者に関する、測定された血漿濃度データを示す。示されたデータは、あらゆる間隔で測定された最高血漿濃度と共に、10分間隔で決定された血漿濃度である(Nは、データが最終的に基づく患者の数を示す)。
【0212】
【化56】

この研究は、化合物Aは、最近発症した心房細動の洞調律への転換のために安全および有効であること、化合物Aは迅速な作用の開始を示すこと、および化合物Aによる治療は続く電気的除細動に影響しないことを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−250998(P2012−250998A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−207833(P2012−207833)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【分割の表示】特願2007−540191(P2007−540191)の分割
【原出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(505408756)カーディオム ファーマ コーポレイション (12)
【Fターム(参考)】