説明

イオンチャンネルの調節因子としての二環系誘導体

式Iを有する二環誘導体およびその組成物は、イオンチャンネルアンタゴニストとして有用であり、ここで、Z、R、B、q、QおよびRは、請求項1に定義される。本発明の化合物および薬剤として許容される組成物は、これらに限定されないが、急性、慢性、神経障害性または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経炎、全身性神経痛、てんかんおよびうつ病などの精神疾患などを含む様々な疾患、障害または状態を治療するかまたはその重篤度を軽減するのに有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
この出願は、米国特許法§119の下、2005年5月10日に出願され、表題「BICYCLIC DERIVATIVES AS MODULATORS OF ION CHANNELS」の米国仮出願連続番号60/679,691の利益を主張する。上記の優先権出願の各々の内容全体は、参考として本明細書に援用される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、イオンチャンネルの阻害剤として有用な化合物に関する。本発明は、本発明の化合物薬剤として許容される組成物、および様々な疾患の治療におけるその組成物の使用方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
Naチャンネルは、ニューロンやミオサイトなどのすべての興奮細胞における活動電位の生成の中核をなすものである。これらは脳、胃腸管の平滑筋、骨格筋、末梢神経系、脊髄および気道を含む興奮組織において重要な役割を果たす。したがって、これらのNaチャンネルは、てんかん(Moulard, B. and D. Bertrand(2002年)「Epilepsy and sodium channel blockers」、Expert Opin. Ther. Patents 12(1):85〜91頁を参照されたい)、疼痛(Waxman, S. G., S. Dib−Hajjら(1999年)「Sodium channels and pain」、Proc Natl Acad Sci U S A 96(14):7635〜9頁およびWaxman, S. G., T. R. Cumminsら(2000年)「Voltage−gated sodium channels and the molecular pathogenesis of pain:a review」、J Rehabil Res Dev 37(5):517〜28頁を参照されたい)、筋緊張症(Meola, G. and V. Sansone(2000年)「Therapy in myotonic disorders and in muscle channelopathies」、Neurol Sci 21(5):S953〜61頁、およびMankodi, A. and C. A. Thornton(2002年)「Myotonic syndromes」、Curr Opin Neurol 15(5):545〜52頁を参照されたい)、運動失調(Meisler, M. H., J. A. Kearneyら(2002年)、「Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy」、Novartis Found Symp 241:72〜81)、多発性硬化症(Black, J. A., S. Dib−Hajjら(2000年)、「Sensory neuron−specific sodium channel SNS is abnormally expressed in the brains of mice with experimental allergic encephalomyelitis and humans with multiple sclerosis」、Proc Natl Acad Sci U S A 97(21):11598〜602頁、およびRenganathan, M., M. Gelderblomら(2003年)、「Expression of Na(v)1.8 sodium channels perturbs the firing patterns of cerebellar purkinje cells」、Brain Res 959(2):235〜42頁を参照されたい)、過敏性腸症(Su, X., R. E. Wachtelら(1999年)、「Capsaicin sensitivity and voltage−gated sodium currents in colon sensory neurons from rat dorsal root ganglia」、Am J Physiol 277(6 Pt 1):G1180〜8頁、およびLaird, J. M., V. Souslovaら(2002年)、「Deficits in visceral pain and referred hyperalgesia in Nav1.8 (SNS/PN3)− null mice」、J Neurosci 22(19):8352〜6頁を参照されたい)、尿失禁および内臓痛(Yoshimura, N., S. Sekiら(2001年)、「The involvement of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.8 (PN3/SNS) in a rat model of visceral pain」、J Neurosci 21(21):8690〜6頁を参照されたい)ならびに、不安およびうつ病などの一連の精神的機能障害(Hurley, S. C.(2002年)、「Lamotrigine update and its use in mood disorders」、Ann Pharmacother 36(5):860〜73頁を参照されたい)などの様々な疾患において重要な役割を果たす。
【0004】
電位依存性Naチャンネルは、9つの異なるサブタイプ(NaV1.1〜NaV1.9)からなる遺伝子ファミリーを含む。表Aに示すように、これらのサブタイプは組織特異的局在性と機能差を示す(Goldin, A. L.(2001年)、「Resurgence of sodium channel research」、Annu Rev Physiol 63:871〜94頁を参照されたい)。遺伝子ファミリーの3つのメンバー(NaV1.8、1.9、1.5)は、周知のNaチャンネル遮断剤TTXによる遮断に対して耐性を有しており、遺伝子ファミリー内でサブタイプ特異性を示している。突然変異分析により、グルタメート387はTTX結合のための必須残基であると確認されている(Noda, M., H. Suzukiら(1989年)、「A single point mutation confers tetrodotoxin and saxitoxin insensitivity on the sodium channel II」、FEBS Lett 259(1):213〜6頁を参照されたい)。
【0005】
表A(略語:CNS=中枢神経系、PNS=末梢神経系、DRG=後根神経節、TG=三叉神経節)
【0006】
【化13】

【0007】
【化14】

一般に、電位依存性ナトリウムチャンネル(NaV)は、正常な痛覚や異常な痛覚を構成しコード化する電気信号を伝達する、神経系の興奮組織での活動電位の急速な上方への動きを開始させることに関与している。NaVチャンネルのアンタゴニストは、これらの疼痛信号を減弱させることができ、これらに限定されないが、急性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛および神経因性疼痛を含む様々な疼痛の状態を治療するのに有用である。TTX、リドカイン(非特許文献1を参照されたい)、ブピバカイン、フェニトイン(非特許文献2を参照されたい)、ラモトリジン(非特許文献3および非特許文献4を参照されたい)およびカルバマゼピン(非特許文献5を参照されたい)などの既知のNaVアンタゴニストは、ヒトや動物モデルにおいて、疼痛を減弱させるのに有用であることが分かっている。
【0008】
組織損傷または炎症の存在下で進行する痛覚過敏症(何らかの痛みに対する極端な感受性)は、少なくとも部分的に、損傷の部位を刺激する高閾値一次求心性ニューロンの興奮性の増大を反映している。電位感受性ナトリウムチャンネル活性化は、ニューロン活動電位の発生および伝播にとって非常に重要である。NaV電流の調節が、ニューロン興奮性を制御するのに用いられる内在性の機序であることを示す数多くの証拠がある(Goldin, A. L.(2001年)、「Resurgence of sodium channel research」、Annu Rev Physiol 63:871〜94頁を参照されたい)。後根神経節(DRG)ニューロンにおいて、動力学的および薬理学的にいくつかの異なる電位依存性ナトリウムチャンネルが見出されている。TTX抵抗性電流は、テトロドトキシンのマイクロモル濃度の影響を受けず、他の電位依存性ナトリウムチャンネルと比較した場合、遅い活性化動態および不活性化動態と、より脱分極された活性化閾値を示す。TTX抵抗性ナトリウム電流は、主に、痛覚に関与していると思われる感覚ニューロンの亜集団に限定される。具体的には、TTX抵抗性ナトリウム電流はほぼ例外なく、小さな細胞体径を有するニューロンにおいて発現し、小径で遅い伝導性の軸索をもたらし、これらはカプサイシンに対して応答性である。数多くの実験的証拠によって、TTX抵抗性ナトリウムチャンネルがC線維で発現し、侵害受容情報の脊髄への伝達において重要であることが実証されている。
【0009】
TTX抵抗性ナトリウムチャンネル(NaV1.8)の特異領域を標的とするアンチセンスオリゴ−デオキシヌクレオチドのくも膜下投与によって、PGE−誘発の痛覚過敏性の著しい低下がもたらされる(Khasar, S. G., M. S. Goldら(1998年)、「A tetrodotoxin−resistant sodium current mediates inflammatory pain in the rat」、Neurosci Lett 256(1):17〜20頁を参照されたい)。より最近では、Woodおよびその同僚によって機能性NaV1.8が欠如したノックアウトマウス系統が生み出されている。炎症性物質のカラギーナンに対する動物の応答を評価する試験において、その変異は鎮痛効果を有する(Akopian, A. N., V. Souslovaら(1999年)、「The tetrodotoxin−resistant sodium channel SNS has a specialized function in pain pathways」、Nat Neurosci 2(6):541〜8頁を参照されたい)。さらに、これらの動物においては、機械受容性と温度受容性の両方の欠如が認められる。Nav1.8ノックアウト変異体によって示される痛覚欠如は、痛覚におけるTTX抵抗性電流の役割についての観察と一致している。
【0010】
免疫組織化学的なインサイツハイブリッド形成およびインビトロでの電気生理学実験はすべて、ナトリウムチャンネルNaV1.8が、後根神経節および三叉神経節の小さい感覚ニューロンに選択的に局在することを示している(Akopian, A. N., L. Sivilottiら(1996年)、「A tetrodotoxin−resistant voltage−gated sodium channel expressed by sensory neurons」、Nature 379 (6562):257〜62頁を参照されたい)。これらのニューロンの主要な役割は侵害刺激の検出と伝達である。アンチセンスおよび免疫組織化学的証拠も、神経因性疼痛におけるNaV1.8の役割を支持している(Lai, J., M. S. Goldら(2002年)、「Inhibition of neuropathic pain by decreased expression of the tetrodotoxin−resistant sodium channel, NaV1.8」、Pain 95(1−2):143〜52頁、およびLai, J., J. C. Hunterら(2000年)、「Blockade of neuropathic pain by antisense targeting of tetrodotoxin− resistant sodium channels in sensory neurons」、Methods Enzymol 314:201〜13頁を参照されたい)。NaV1.8タンパク質は、神経損傷部に隣接する損傷のないC線維に沿って上方制御される。アンチセンス処置は神経に沿ったNaV1.8の再配分を阻止し、神経因性疼痛を逆転させる。遺伝子ノックアウトとアンチセンスデータを合わせると、炎症性疼痛や神経因性疼痛の検出および伝達におけるNaV1.8の役割が支持される。
【0011】
神経因性疼痛の状態では、Naチャンネルの分布とサブタイプのリモデリングが行われる。傷ついた神経においては、NaV1.8とNaV1.9の発現が著しく低下し、他方、TTX感受性サブユニットNaV1.3の発現は5〜10倍上方制御される(Dib−Hajj, S. D., J. Fj ellら(1999年)、「Plasticity of sodium channel expression in DRG neurons in the chronic constriction injury model of neuropathic pain.」、Pain 83(3):591〜600頁を参照されたい)。NaV1.3の増大の時間過程に併行して、動物モデルにおいて神経損傷に続く異痛症が発現する。NaV1.3チャンネルの生物物理は、それが、活動電位に続く不活性化後に、非常に速い再プライミングを示す点で独特である。これは、傷ついた神経においてしばしば見られる高い発射速度の維持を可能にする(Cummins, T. R., F. Agliecoら(2001年)、「Nav1.3 sodium channels: rapid repriming and slow closed−state inactivation display quantitative differences after expression in a mammalian cell line and in spinal sensory neurons」、J Neurosci 21(16):5952〜61頁を参照されたい)。NaV1.3はヒトの中枢神経系および末梢神経系において発現する。後根神経節や三叉神経節の小さい感覚ニューロンにそれが選択的に局在するので、NaV1.9はNaV1.8と類似している(Fang, X., L. Djouhriら(2002年)、「The presence and role of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.9 (NaN) in nociceptive primary afferent neurons.」、J Neurosci 22(17):7425〜33頁を参照されたい)。その不活性化の速度は遅く、それは、活性化に対して左シフトした電位依存性を有している(Dib− Hajj, S., J. A. Blackら(2002年)、「NaN/Nav1.9: a sodium channel with unique properties」、Trends Neurosci 25(5):253〜9頁を参照されたい)。これら2つの生物物理学的特性は、NaV1.9が、侵害受容ニューロンの静止膜電位を樹立するのに役割を果たせるようにする。NaV1.9発現細胞の静止膜電位は、他のほとんどの末梢および中枢のニューロンについて−65mVであるのに対して、−55〜−50mVの範囲である。この持続的な脱分極は大部分、NaV1.9チャンネルの低レベルでの活性化が持続することに起因している。この脱分極は、ニューロンが、侵害受容刺激に応答した発射活動電位のための閾値により容易に到達できるようにする。NaV1.9チャンネルを遮断する化合物は、疼痛性刺激の検出のためのセットポイントを樹立するのに重要な役割を果たす。慢性疼痛の状態においては、神経および神経終末は、膨らみ過敏になり、弱い刺激で、または刺激がなくても、高頻度の活動電位発射を示す可能性がある。これらの病理学的神経膨張は神経腫と称され、そこで発現される主なNaチャンネルはNaV1.8およびとNaV1.7である(Kretschmer, T., L. T. Happelら(2002年)、「Accumulation of PN1 and PN3 sodium channels in painful human neuroma− evidence from immunocytochemistry」、Acta Neurochir (Wien) 144(8):803〜10頁;discussion 810を参照されたい)。NaV1.6とNaV1.7は後根神経節ニューロンでも発現され、これらの細胞に見られる小さいTTX感受性成分に寄与する。したがって、特にNaV1.7は、神経内分泌興奮性におけるその役割に加えて、潜在的な疼痛標的である(Klugbauer, N., L. Lacinovaら(1995年)、「Structure and functional expression of a new member of the tetrodotoxin− sensitive voltage−activated sodium channel family from human neuroendocrine cells」、Embo J 14(6):1084〜90頁を参照されたい)。
【0012】
NaV1.1(Sugawara, T., E. Mazaki−Miyazakiら(2001年)、「NaV1.1 mutations cause febrile seizures associated with afebrile partial seizures.」、Neurology 57(4):703〜5頁を参照されたい)およびNaV1.2(Sugawara, T., Y. Tsurubuchiら(2001年)、「A missense mutation of the Na+ channel alpha II subunit gene Na(v)1.2 in a patient with febrile and afebrile seizures causes channel dysfunction」、Proc Natl Acad Sci U S A 98(11):6384〜9頁を参照されたい)は、熱性発作を含むてんかん状態と関係がある。熱性発作に関連するNaV1.1には9つを超える遺伝変種がある(Meisler, M. H., J. A. Kearneyら(2002年)、「Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy」、Novartis Found Svmp 241:72〜81頁を参照されたい)。
【0013】
NaV1.5のためのアンタゴニストが開発されており、心不整脈の治療に用いられている。電流により大きな非不活性化成分をもたらすNaV1.5における遺伝子異常はヒトのQT延長と関係があり、経口使用が可能な局部麻酔剤のメキシレチンが、この状態の治療に用いられている(Wang, D. W., K. Yazawaら(1997年)、「Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels.」、J Clin Invest 99(7):1714〜20頁を参照されたい)。
【0014】
いくつかのNaチャンネル遮断剤が現在、てんかん(Moulard, B. and D. Bertrand(2002年)、「Epilepsy and sodium channel blockers」、Expert Opin. Ther. Patents 12(1):85〜91頁を参照されたい)、急性疼痛(Wiffen, P., S. Collinsら(2000年)、「Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain」、Cochrane Database Syst Rev 3を参照されたい)、慢性疼痛(Wiffen, P., S. Collinsら(2000年)、「Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain」、Cochrane Database Syst Rev 3, and Guay, D. R.(2001年)、「Adjunctive agents in the management of chronic pain」、Pharmacotherapy 21(9):1070〜81頁を参照されたい)、炎症性疼痛(Gold, M. S.(1999年)、「Tetrodotoxin−resistant Na+ currents and inflammatory hyperalgesia.」、Proc Natl Acad Sci U S A 96(14):7645〜9頁を参照されたい)、および神経因性疼痛(Strichartz, G. R., Z. Zhouら(2002年)、「Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain」、Novartis Found Symp 241:189〜201頁、およびSandner−Kiesling, A., G. Rumpold Seitlingerら(2002年)、「Lamotrigine monotherapy for control of neuralgia after nerve section」、Acta Anaesthesiol Scand 46(10):1261〜4頁を参照されたい);心不整脈(An, R. H., R. Bangaloreら(1996年)、「Lidocaine block of LQT−3 mutant human Na+ channels」、Circ Res 79(1):103〜8頁、およびWang, D. W., K. Yazawaら(1997年)、「Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels」、J Clin Invest 99(7):1714〜20頁を参照されたい);を治療するのに、また、神経保護(Taylor, C. P. and L. S. Narasimhan(1997年)、「Sodium channels and therapy of central nervous system diseases」、Adv Pharmacol 39:47〜98頁を参照されたい)および麻酔薬として(Strichartz, G. R., Z. Zhouら(2002年)、「Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain.」、Novartis Found Symp 241:189〜201頁を参照されたい)病院で用いられるか、試験されている。
【0015】
多くの異なる疼痛徴候に対するナトリウムチャンネル修飾因子の研究のために、臨床的に重要な様々な動物モデルが開発されている。例えば、悪性の慢性疼痛、Kohase, H.ら、Acta Anaesthesiol Scand. 2004年;48(3):382〜3頁を参照されたい;大腿骨癌疼痛(Kohase, H.ら、Acta Anaesthesiol Scand. 2004年;48(3):382〜3頁を参照されたい);非悪性の慢性骨痛(Ciocon, J. O.ら、J Am Geriatr Soc. 1994年;42(6):593〜6頁を参照されたい);関節リウマチ(Calvino, B.ら、Behav Brain Res. 1987年;24(1):11〜29頁を参照されたい);変形性関節症(Guzman, R. E.ら、Toxicol Pathol. 2003年;31(6):619〜24頁を参照されたい);脊髄の狭窄(Takenobu, Y.ら、J Neurosci Methods. 2001年;104(2):191〜8頁を参照されたい);神経障害性腰痛(Hines, R.ら、Pain Med. 2002年;3(4):361〜5;Massie, J. B.ら、J Neurosci Methods. 2004年;137(2):283〜9頁を参照されたい;
神経障害性腰痛(Hines, R.ら、Pain Med. 2002年;3(4):361〜5頁;Massie, J. B.ら、J Neurosci Methods. 2004年;137(2):283〜9頁を参照されたい);筋筋膜疼痛症候群(Dalpiaz & Dodds, J Pain Palliat Care Pharmacother. 2002年;16(1):99〜104;Sluka KAら、Muscle Nerve. 2001年;24(1):37〜46頁を参照されたい);線維筋痛(Bennet & Tai, Int J Clin Pharmacol Res. 1995年;15(3):115〜9頁を参照されたい);側頭骨顎関節痛(Ime H, Ren K, Brain Res Mol Brain Res. 1999年;67(1):87〜97頁を参照されたい);腹部を含む慢性内臓痛(Al−Chaer, E. D.ら、Gastroenterology. 2000年;119(5):1276〜85頁を参照されたい);骨盤痛/会陰部痛(Wesselmannら、Neurosci Lett. 1998年;246(2):73〜6頁を参照されたい);膵臓痛(Vera− Portocarrero, L. B.ら、Anesthesiology. 2003年;98(2):474〜84頁を参照されたい);IBS疼痛(Verne, G. N.ら、Pain. 2003年;105(1−2):223〜30頁;La JHら、World Gastroenterol. 2003年;9(12):2791〜5頁を参照されたい);慢性頭痛(Willimas & Stark, Cephalalgia. 2003年;23(10):963〜71頁を参照されたい);片頭痛(Yamamura, H.ら、J Neurophysiol. 1999年;81(2):479〜93頁を参照されたい);群発性頭痛を含む緊張性頭痛(Costa, A.ら、Cephalalgia. 2000年;20(2):85〜91頁を参照されたい);ヘルペス神経炎後疼痛を含む慢性神経因性(Attal, N.ら、Neurology. 2004年;62(2):218〜25頁;Kim & Chung 1992年、Pain 50:355を参照されたい);糖尿病性ニューロパシー(Beidoun Aら、Clin J Pain. 2004年;20(3):174〜8頁;Courteix, Cら、Pain. 1993年;53(1):81〜8頁を参照されたい);HIV関連ニューロパシー(Portegies & Rosenberg, Ned Tijdschr Geneeskd. 2001年;145(15):731〜5頁;Joseph EKら、Pain. 2004年;107(1−2):147〜58頁;Oh, S. B.ら、J Neurosci. 2001年;21(14):5027〜35頁を参照されたい);三叉神経痛(Sato, J.ら、Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 2004年;97(1):18〜22頁;Imamura Yら、Exp Brain Res. 1997年;116(1):97〜103頁を参照されたい);シャルコーマリーツースニューロパシー(Sereda, M.ら、Neuron. 1996年;16(5):1049〜60頁を参照されたい);遺伝性感覚性ニューロパシー(Lee, M. J.ら、Hum Mol Genet. 2003年;12(15):1917〜25頁を参照されたい);末梢性神経損傷(Attal, N.ら、Neurology. 2004年;62(2):218〜25頁;Kim & Chung 1992年、Pain 50:355;Bennett & Xie, 1988年、Pain 33:87;Decostered, I. & Woolf, C. J., 2000年、Pain 87:149;Shir, Y. & Seltzer, Z. 1990年;Neurosci Lett 115:62を参照されたい);有痛性神経腫(Nahabedian & Johnson, Ann Plast Surg. 2001年;46(1):15〜22頁;Devor & Raber, Behav Neural Biol. 1983年;37(2):276〜83頁を参照されたい);異所性の近位および遠位排出(Liu, X.ら、Brain Res. 2001年;900(1):119〜27頁を参照されたい);神経根障害(Devers & Galer, (Clin J Pain. 2000年;16(3):205〜8頁;Hayashi Nら、Spine. 1998年;23(8):877〜85頁を参照されたい);化学療法誘発の神経因性疼痛(Aley, K. O.ら、Neuroscience. 1996年;73(1):259〜65頁を参照されたい);放射線治療誘発の神経因性疼痛;
乳腺切除後疼痛(Devers & Galer, Clin J Pain. 2000年;16(3):205〜8頁を参照されたい);中心性疼痛(Cahana, A.ら、Anesth Analg. 2004年;98(6):1581〜4頁),脊髄損傷疼痛(Hains, B. Cら、Exp Neurol. 2000年;164(2):426〜37頁を参照されたい);脳卒中後疼痛;視床痛(LaBuda, C. J.ら、Neurosci Lett. 2000年;290(1):79〜83頁を参照されたい);複合性局所疼痛症候群(Wallace, M. S.ら、Anesthesiology. 2000年;92(1):75〜83頁;Xantos Dら、J Pain. 2004年;5(3 Suppl 2):S1を参照されたい);幻想痛(Weber, W. E., Ned Tijdschr Geneeskd. 2001年;145(17):813〜7頁;Levitt & Heyback, Pain. 1981年;10(1):67〜73頁を参照されたい);難治性疼痛(Yokoyama, M.ら、Can J Anaesth. 2002年;49(8):810〜3頁を参照されたい);急性疼痛、急性手術後疼痛(Koppert, W.ら、Anesth Analg. 2004年;98(4):1050〜5頁;Brennan, T. J.ら、Pain. 1996年;64(3):493〜501頁を参照されたい);急性筋骨格系疼痛;関節痛(Gotoh, S.ら、Ann Rheum Dis. 1993年;52(11):817〜22頁を参照されたい);機械的腰痛(Kehl, L. J.ら、Pain. 2000年;85(3):333〜43頁を参照されたい);頸痛;腱炎;損傷痛/運動痛(Sesay, M.ら、Can J Anaesth. 2002年;49(2):137〜43頁を参照されたい);腹痛を含む急性内臓痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆のう炎;腸閉塞;ヘルニア等(Giambernardino, M. A.ら、Pain. 1995年;61(3):459〜69頁を参照されたい);心臓痛を含む胸痛(Vergona, R. A.ら、Life Sci. 1984年;35(18):1877〜84頁を参照されたい);骨盤痛、腎臓疝痛、陣痛を含む急性分娩疼痛(Segal, S.ら、Anesth Analg. 1998年;87(4):864〜9頁を参照されたい);帝王切開疼痛;急性炎症性、火傷痛および外傷性疼痛;子宮内膜症を含む急性の間欠的疼痛(Cason, A. M.ら、Horm Behav. 2003年;44(2):123〜31頁を参照されたい);
急性帯状疱疹疼痛;鎌状赤血球貧血;急性膵炎(Toma, H;Gastroenterology. 2000年;119(5):1373〜81頁を参照されたい);突出痛;静脈洞炎痛、歯痛を含む口腔顔面痛(Nusstein, J.ら、J Endod. 1998年;24(7):487〜91頁;Chidiac, J. J.ら、Eur J Pain. 2002年;6(1):55〜67頁を参照されたい);多発性硬化症(MS)疼痛(Sakurai & Kanazawa, J Neurol Sci. 1999年;162(2):162〜8頁を参照されたい);うつ病における疼痛(Greene B, Curr Med Res Opin. 2003年;19(4):272〜7頁を参照されたい);ハンセン病疼痛;ベーチェット病疼痛;有痛脂肪症(Devillers & Oranje, Clin Exp Dermatol. 1999年;24(3):240〜1頁を参照されたい);静脈炎性疼痛;ギランバレー疼痛;痛む脚と動く足趾(painfull legs and moving toes);ハグランド(Haglund)症候群;肢端紅痛症疼痛(Legroux−Crespel, E.ら、Ann Dermatol Venereol. 2003年;130(4):429〜33頁を参照されたい);ファブリー病疼痛(Germain, D. P., J Soc Biol. 2002年;196(2):183〜90頁を参照されたい);尿失禁を含む膀胱疾患および泌尿生殖器疾患(Berggren, T.ら、J Urol. 1993年;150(5 Pt l):1540〜3頁を参照されたい);多動性膀胱(Chuang, Y. Cら、Urology. 2003年;61(3):664〜70頁を参照されたい);有痛性膀胱症候群(Yoshimura, N.ら、J Neurosci. 2001年;21(21):8690〜6頁を参照されたい);間質性膀胱炎(IC)(Giannakopoulos& Campilomatos, Arch Ital Urol Nefrol Androl. 1992年;64(4):337〜9頁;Boucher, M.ら、J Urol. 2000年;164(1):203〜8頁を参照されたい);ならびに、前立腺炎(Mayersak, J. S., Int Surg. 1998年;83(4):347〜9頁;Keith, I. M.ら、J Urol. 2001年;166(1):323〜8頁を参照されたい)。
【0016】
電位依存性カルシウムチャンネルは、膜脱分極に応答して開き、細胞外環境からのCa流入を可能にする膜貫通性マルチサブユニットタンパク質である。カルシウムチャンネルは当初、チャンネル開口の時間および電位依存、ならびに薬理学的遮断への感受性をもとにして分類された。そのカテゴリーは低電圧活性化(主にT型)のものと高電圧活性化(L,N,P,QまたはR型)のものであった。表Bに示すように、この分類スキームを、分子サブユニットの組成をもとにした命名法で置き換えた(Hockerman GH, Peterson BZ, Johnson BD, Catterall WA. 1997年、Annu Rev Pharmacol Toxicol 37:361〜96頁;Striessnig J. 1999年、Cell Physiol Biochem 9:242〜69頁)。カルシウムチャンネル−α、αδ、βおよびγという4つの主要サブユニット型がある(例えば、De Waardら、Structural and functional diversity of voltage−activated calcium channels. In Ion Channels, (ed. T. Narahashi) 41〜87頁(Plenum Press, New York, 1996年)を参照されたい)。αサブユニットは薬理学的特性の主要な決定因子であり、チャンネル細孔と電位センサーを含む(Hockermanら、1997年;Striessnig, 1999年)。以下の表Iに示すように、αサブユニットについては10個のイソ型が知られている。αδサブユニットは、2つのジスルフィド結合サブユニット、すなわち主に細胞外にあるαサブユニットと膜貫通δサブユニットからなる。αδの4つのイソ型、すなわちαδ−1、αδ−2、αδ−3およびαδ−4が知られている。βサブユニットはαサブユニットと結合した非グリコシル化細胞質タンパク質である。4つのイソ形態が知られており、β〜βと称される。γサブユニットは、Ca1およびCa2チャンネルの成分として生化学的に単離されている膜貫通タンパク質である。少なくとも8つのイソ形態が知られている(γ〜γ)[Kang MG, Campbell KP. 2003年、J Biol Chem 278:21315〜8頁]。表Iに示すように、電位依存性カルシウムチャンネルについての命名法はαサブユニットの内容をもとにしている。αサブユニットの各型を、β、αδまたはγの様々なサブユニットと関連づけることができ、それによって各Ca型をサブユニットの多くの異なる組合せと対応することになる。
【0017】
【化15】

Ca2電流はほぼ例外なく中枢神経系および末梢神経系ならびに神経内分泌細胞の中で見出され、シナプス前電位依存性カルシウム電流の優勢形態を構成する。シナプス前活動電位はチャンネルの開口を引き起こし、神経伝達物質放出は、後続するカルシウム流入に著しく依存する。したがって、Ca2チャンネルは神経伝達物質放出の媒介の中心的役割を果たす。
【0018】
Ca2.1とCa2.2は、ペプチド毒素のω−コノトキシン−MVIICとω−コノトキシン−GVIAに対してそれぞれ高親和性結合部位を含み、これらのペプチドは、チャンネル型の分布と機能を決定するために用いられる。Cay2.2は、後根神経節からのニューロンと後角の薄膜IおよびIIのニューロンのシナプス前神経末端で高度に発現する(Westenbroek RE, Hoskins L, Catterall WA. 1998年、J Neiirosci 18:6319〜30頁;Cizkova D, Marsala J, Lukacova N, Marsala M, Jergova Sら2002年、Exp Brain Res 147:456〜63頁)。Caγ2.2チャンネルは、脊髄内の二次介在ニューロンと三次介在ニューロン間のシナプス前末端でも見出される。神経伝達の両方の部位は痛みの情報を脳に中継するのに非常に重要である。
【0019】
疼痛は大まかに、異なる3つのタイプに分けることができる。すなわち、急性、炎症性および神経障害性である。急性疼痛は、組織損傷をもたらす可能性のある刺激から、生物体を安全に保つ重要な保護機能の役目を果たす。過酷な熱的、機械的または化学的インプットは、もし治癒されない場合、生物体に重大な損傷を与える可能性がある。急性疼痛は、有害な環境から個体を迅速に遠ざける役目を果たす。急性疼痛はまさにその本質から、一般に短時間型でかつ激しいものである。他方、炎症性疼痛はより長期間持続する可能性があり、その激しさはより段階的である。炎症は、組織の損傷、自己免疫応答および病原体の侵入を含む多くの理由によって起こる。炎症性疼痛は、サブスタンスP、ヒスタミン、酸、プロスタグランジン、ブラジキニン、CGRP、サイトカイン、ATPおよび神経伝達物質放出からなる「炎症性スープ」によって媒介される。疼痛の第3の部類は、神経障害性であり、何年も持続する慢性疼痛を引き起こす可能性のある病理学的に「感作した」状態を生み出す、ニューロンタンパク質と回路の再組織化をもたらす神経損傷を含む。この種の疼痛はそれに見合う利益をもたらさず、既存の治療法では特に治療が困難である。
【0020】
疼痛、特に神経障害性および難治性疼痛はまだ対処されていない大きな医学的ニーズである。何百万もの個体が、現在の治療法では十分にコントロールできない激しい痛みに苦しんでいる。疼痛を治療するのに用いられている最近の薬物には、NSAIDS、COX2阻害剤、オピオイド、三環系抗うつ剤および抗けいれん剤が含まれる。高用量に達するまでオピオイドに十分応答しないので、神経因性疼痛は特に治療が困難である。現在ガバペンチンが神経因性疼痛の処置の好都合な治療法であるが、これは、患者の60%にしか働かず、その効能も穏やかなものである。しかしこの薬物は非常に安全であり、より高用量では鎮静の問題があるが、副作用は概ね許容されるものである。
【0021】
神経因性疼痛の治療のための標的としてのCa2.2の検証は、このチャンネルの選択的ペプチド遮断剤であるジコノチド(ω−コノトキシン−MVIIAとしても知られている)を用いた試験によって提供されている(非特許文献6;非特許文献7)。ヒトにおいては、ジコノチドの髄腔内注入は、難治性疼痛、癌性疼痛、オピオイド耐性疼痛および神経因性疼痛の治療に有効である。この毒素は、ヒトの疼痛の治療の成功率が85%であり、モルヒネより高い効能を有している。経口使用可能なCa2.2のアンタゴニストは、髄腔内注入を必要としないで、同様の効力を有していなければならない。Ca2.1およびCa2.3は侵害受容経路のニューロンにもあり、これらのチャンネルのアンタゴニストを疼痛の治療に用いることができる。
【0022】
Ca2.1、Ca2.2またはCa2.3のアンタゴニストは、過剰なカルシウム流入を明らかに伴う中枢神経系の他の病理を治療するのにも有用なはずである。脳虚血や脳卒中は、ニューロンの脱分極に起因する過剰なカルシウム流入と関係している。Ca2.2アンタゴニストジコノチドは、実験動物を用いた局所的虚血モデルにおいて、梗塞面積を低減させるのに有効であり、これは、Ca2.2アンタゴニストを、脳卒中の治療に使用できることを示唆している。同様に、ニューロンへの過剰なカルシウム流入の低減は、てんかん、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、多発梗塞性認知症および他の部類の認知症、筋萎縮性側索硬化症、記憶喪失、または毒物もしくは他の毒性物質によって引き起こされるニューロン損傷の治療に有用である。
【0023】
Ca2.2は、交感神経系のニューロンからの神経伝達物質の放出も媒介し、アンタゴニストを、高血圧症、心不整脈、狭心症、心筋梗塞症およびうっ血性心不全などの循環器疾患を治療するために用いることができる。
【非特許文献1】Mao, J. and L. L. Chen(2000年)、「Systemic lidocaine for neuropathic pain relief Pain 87(1):7〜17頁
【非特許文献2】Jensen, T. S.(2002年)、「Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence」、Eur J Pain 6 (Suppl A):61〜8頁
【非特許文献3】Rozen, T. D.(2001年)、「Antiepileptic drugs in the management of cluster headache and trigeminal neuralgia」、Headache 41 Suppl 1:S25〜32頁、
【非特許文献4】Jensen, T. S.(2002年)、「Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence」、Eur J Pain 6 (Suppl A):61〜8頁
【非特許文献5】Backonja, M. M.(2002年)、「Use of anticonvulsants for treatment of neuropathic pain」、Neurology 59 (5 Suppl 2):S14〜7頁
【非特許文献6】Bowersox SS, Gadbois T, Singh T, Pettus M, Wang YX, Luther RR. 1996年、J Pharmacol Exp Ther 279:1243〜9頁
【非特許文献7】Jain KK. 2000年、Exp. Opin. Invest. Drugs 9:2403〜10頁;Vanegas H, Schaible H. 2000年、Pain 85:9〜18頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
残念ながら、上記したように、上記の疾患状態を治療するために現在用いられているナトリウムチャンネル遮断剤やカルシウムチャンネル遮断剤の効力は、いくつかの副作用のため、非常に限定されている。これらの副作用には、視覚のぼけ、目まい、吐き気、および鎮静などの様々なCNS障害、ならびにより生命にかかわる可能性のある心不整脈や心臓麻痺が含まれる。したがって、好ましくはより高い効能とより少ない副作用を有する他のNaチャンネルおよびCaチャンネルアンタゴニストの開発が依然として必要である。残念ながら、上記したように、上記の疾患状態を治療するために現在用いられているナトリウムチャンネル遮断剤やカルシウムチャンネル遮断剤の効力は、いくつかの副作用のため、非常に限定されている。これらの副作用には、視覚のぼけ、目まい、吐き気、および鎮静などの様々なCNS障害、ならびにより生命にかかわる可能性のある心不整脈や心臓麻痺が含まれる。したがって、好ましくはより高い効能とより少ない副作用を有する他のNaチャンネルおよびCaチャンネルアンタゴニストの開発が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0025】
(発明の要旨)
本発明の化合物、および薬剤として許容されるその組成物が、電位依存性ナトリウムチャンネルおよびカルシウムチャンネルの阻害剤として有用であることをここに見出した。これらは、一般式Iの化合物
【0026】
【化16】

またはその薬剤として許容される塩である。
【0027】
これらの化合物および薬剤として許容される組成物は、これらに限定されないが、急性、慢性、神経障害性または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経炎、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、不安およびうつ病などの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症疼痛、ヘルペス後神経炎、糖尿病性ニューロパシー、歯根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、激しい痛みもしくは難治性疼痛、侵害受容疼痛、突出痛、手術後の痛みまたは癌性疼痛を含む様々な疾患、障害または状態を治療するかまたはその重篤度を軽減するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
一般式
一実施形態では、本発明は、電位依存性ナトリウムチャンネルおよびカルシウムチャンネルの阻害剤として有用な式Iの化合物または薬剤として許容されるその塩を提供する。
【0029】
【化17】

(式中、
環Zは、O、S、NもしくはNHから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和または芳香環であり、前記環Zはzが以下の通り出現するRで任意選択で置換されており、
zは0〜4であり、
はR、R、R、RまたはRから選択され、
環Bは、N、O、SまたはNHから独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、不飽和または芳香環であり、
環Bは、それと縮合したフェニル環と一緒になって、wが以下の通り出現するW−Rで任意選択で置換されており、
wは0〜4であり、
Wは結合またはC1〜C6直鎖もしくは分枝アルキリデン鎖であり、環Bと結合している炭素原子以外の最大で2個の隣接しないメチレン単位は、任意選択でかつ独立に−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−または−NRSONR−で置換されており、
はハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR、S(O)R、SO、NH、N(RまたはCOORから独立に選択され、
Qは結合であるか、またはC1〜C6直鎖もしくは分枝アルキリデン鎖であり、Qの隣接しない最大で2個のメチレン単位は、任意選択でかつ独立に、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−またはスピロシクロアルキレン部分で置換されており、
は、C1〜6脂肪族基、O、S、NもしくはNHから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の単環、あるいはO、S、NもしくはNHから独立に選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の二環式環系であり、
はR、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されており、
はRであり、
qは0または1であり、
はオキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、Rまたは(CH−Y(nは0、1または2であり、Yはハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COORまたはORである)であるか、あるいは
隣接環原子の2つのRは一緒になって1,2−メチレンジオキシまたは1,2−エチレンジオキシを形成しており、
は水素またはC1〜C6脂肪族であり、各RはR、RまたはRから独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されており、
は、R、R、RまたはRから独立に選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環、またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、
はOR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、またはP(O)(OR)(OR);であり、
は、最大で3つのR置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環、またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、
はHまたはC1〜C6脂肪族であり、RはR置換基で任意選択で置換されており、
はC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、各RはH、C1〜C6脂肪族または(CH−Z’(mは0〜2である)から独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されており、
Z’はハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1〜C6)脂肪族、S(O)−(C1〜C6)脂肪族、SO−(C1〜C6)脂肪族、NH、NH−(C1〜C6)脂肪族、N((C1〜C6)脂肪族)、N((C1〜C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1〜C6)脂肪族)またはO−(C1〜C6)脂肪族から選択され、
はアセチル、C6〜C10アリールスルホニルまたはC1〜C6アルキルスルホニルであり、
ただし、
(i)環Zが3−フェニル−オキサゾール−2−イルであり、Rが水素であり、QがOである場合、Rはブチルではなく、かつ、
(ii)環Zが3−メチル−チアゾール−2−イルであり、Rが水素であり、QがOである場合、Rはメチルではない)。
【0030】
定義
本発明では、化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edによって特定する。さらに、有機化学の一般原則は「Organic Chemistry」、Thomas Son−ell, University Science Books, Sausalito:1999年、および「March’s Advanced Organic Chemistry」、5th Ed., Ed.:Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York:2001年に記載されている。その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0031】
本明細書で説明するように、本発明の化合物は、上記に概略説明し、または本発明の具体的な部類、下位部類および種によって例示したものなどの1個または複数の置換基で任意選択で置換されていてよい。「任意選択で置換された」という語句は、「置換または非置換(の)」という語句と互換性をもって用いられることを理解されよう。一般に、「置換(の)」という用語は、「任意選択で」という用語が先行するかどうかに関係なく、所与の構造中の水素基を、特定の置換基の基で置き換えることを指す。別段の指定のない限り、任意選択で置換された基は、基のそれぞれの置換可能な(すなわち、所与の置換基が使用できる必要原子価を有する)位置で置換基を有することができ、所与の任意の構造における2つ以上の位置を、指定された基から選択される2つ以上の置換基で置換することができる場合、その置換基はどの位置において、同一であっても異なっていてもよい。本発明で想定する置換基の組合せは、安定しているかまたは化学的に実現可能な化合物が生成するものが好ましい。本明細書で用いる「安定(した)」という用語は、その製造、検出、好ましくはその回収、精製、および本明細書で開示する目的の1つまたは複数のための使用を可能にする条件に曝しても実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態では、安定しているかまたは化学的に実現可能な化合物は、水分が存在しないか、または他の化学的反応性の状態でない条件下で、40℃またはそれ以下の温度に保持しても、少なくとも1週間実質的に変化しない化合物である。
【0032】
本明細書で用いる「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、完全に飽和しているかまたは1つもしくは複数の不飽和単位を含む、直鎖(すなわち非分枝の)または分枝の置換または非置換の炭化水素鎖を意味する。別段の指定のない限り、脂肪族基は1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態では、脂肪族基は1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜6個の脂肪族炭素原子を含み、さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。適切な脂肪族基には、これらに限定されないが、直鎖または分枝の置換または非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基が含まれる。「脂環」という用語は、完全に飽和しているかまたは1つもしくは複数の不飽和単位を含むが芳香族ではなく、分子の残部に単一の結合点を有する単環式炭化水素、二環式または三環式の炭化水素を意味する。いくつかの実施形態では、「脂環」は、完全に飽和しているかまたは1つもしくは複数の不飽和単位を含むが芳香族ではなく、分子の残部に単一の結合点を有する単環式C〜C炭化水素または二環式C〜C12炭化水素を指す。ただし、前記二環式環系の中の任意の個別の環は3員〜7員を有する。
【0033】
別段の指定のない限り、本明細書で用いる「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環」または「複素環(の)」という用語は、1つまたは複数の環員のうちの1個または複数の環原子が独立に選択されたヘテロ原子である非芳香族の単環式、二環式または三環式の系を意味する。複素環は飽和していてもよく、1つまたは複数の不飽和結合を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、「複素環」、「ヘテロシクリル」または「複素環(の)」基は3〜14の環員を有しており、そのうちの1つまたは複数の環員は酸素、イオウ、窒素またはリンから独立に選択されるヘテロ原子であり、各環系中の各環は3〜7個の環員を含む。
【0034】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、イオウ、窒素、リンまたはケイ素(窒素、イオウ、リンまたはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または、複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの場合)、NH(ピロリジニルの場合)またはNR(N−置換ピロリジニルの場合)を含む)を意味する。
【0035】
本明細書で用いる「不飽和(の)」という用語は、ある部分が1つまたは複数の不飽和単位を有していることを意味する。
【0036】
本明細書で用いる「アルコキシ」または「チオアルキル」という用語は、酸素(「アルコキシ」)またはイオウ(「チオアルキル」)原子を介して主炭素鎖と結合している上記に定義したアルキル基を指す。
【0037】
単独に、または「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」のようなより大きな部分の一部としても用いられる「アリール」という用語は、合計5〜14個の環炭素原子を有し、その系の少なくとも1つの環が芳香環であり、かつ系の各環が3〜7個の環炭素原子を含む単環式、二環式および三環式の系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換性をもって用いることができる。
【0038】
単独に、または「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルコキシ」のようなより大きな部分の一部としても用いられる「ヘテロアリール」という用語は、合計5〜14個の環員を有し、その系の少なくとも1つの環が芳香環であり、系の少なくとも1つの環が1個または複数のヘテロ原子を含み、かつ系の各環が3〜7個の環員を含む単環式、二環式および三環式の系を指す。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」または「ヘテロ芳香族」という用語と互換性をもって用いることができる。
【0039】
「アルキリデン鎖」という用語は、完全に飽和しているかまたは1つもしくは複数の不飽和単位を有し、分子の残部に2つの結合点を有する直鎖または分枝炭素鎖を指す。
【0040】
「スピロシクロアルキレン」という用語は、同一炭素原子から分子の残部へ2つの結合点を有する脂環式環を指す。
【0041】
別段の指定のない限り、本明細書で示す構造は、すべての異性体(例えば、鏡像異性、ジアステレオマー性および幾何学的(または立体配座の))形態の構造;例えば、各不斉中心についてのRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体ならびに(Z)および(E)立体配座異性体も含むものとする。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学的異性体、ならびに鏡像異性、ジアステレオマー性および幾何学的(または立体配座の)混合物は、本発明の範囲内である。別段の指定のない限り、本発明の化合物のすべての互変異性型が、本発明の範囲内である。さらに、別段の指定のない限り、本明細書で示す構造は、1つまたは複数の同位体標識原子が存在することだけが異なる化合物も含むことも意味する。例えば、水素を重水素もしくは三重水素で置き換えるか、または炭素を13C−もしくは14C−標識炭素で置き換えることを除いて、この構造を有する化合物は本発明の範囲内である。そうした化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析手段またはプローブとして有用である。
【0042】
具体的な実施形態
一実施形態ではqは0である。他の実施形態ではqは1である。
【0043】
一実施形態では、Zは
【0044】
【化18】

【0045】
【化19】

から選択される任意選択で置換された環である。
【0046】
本発明の化合物の特定の実施形態では、Zは
【0047】
【化20】

【0048】
【化21】

(式中、ZはR、RまたはRから選択される最大で2つの置換基を有する)から選択される。
【0049】
他の実施形態では、Zは
【0050】
【化22】

から選択される。
【0051】
あるいは、Zは式a−i−aである。
【0052】
他の実施形態では、Zは
【0053】
【化23】

から選択される。
【0054】
本発明の特定の実施形態では、Zは
【0055】
【化24】

から選択される。
【0056】
あるいは、Zは
【0057】
【化25】

から選択される。
【0058】
あるいは、Zは
【0059】
【化26】

から選択される。
【0060】
特定の実施形態では、Zは
【0061】
【化27】

から選択される。
【0062】
特定の実施形態では、Zは
【0063】
【化28】

から選択される。
【0064】
特定の実施形態では、Zは
【0065】
【化29】

から選択される。
【0066】
他の実施形態では、Zは
【0067】
【化30】

から選択される。
【0068】
他の実施形態では、Zは
【0069】
【化31】

から選択される。
【0070】
特定の実施形態では、Zは
【0071】
【化32】

から選択される。
【0072】
特定の実施形態では、Zは
【0073】
【化33】

から選択される。
【0074】
他の実施形態では、Zは
【0075】
【化34】

から選択される。
【0076】
式(I)の一実施形態によれば、Rはオキソである。あるいはRは=NN(R、=NN(Rまたは=NN(R)である。他の実施形態によれば、RはRである。
【0077】
一実施形態によれば、Rは(CH−Yである。あるいはRはYである。
【0078】
Yの例には、ハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SH、S(C1〜4脂肪族)、S(O)(C1〜4脂肪族)、SO(C1〜4脂肪族)、NH、NH(C1〜4脂肪族)、N(C1〜4脂肪族)、NR(C1〜4脂肪族)R、COOH、COO(C1〜4脂肪族)またはO(C1〜4脂肪族)が含まれる。あるいは隣接環原子の2つのRは一緒になって、1,2−メチレンジオキシまたは1,2−エチレンジオキシを形成する。他の実施形態では、Yはハロ、OH、SH、CN、NO、CF、OCF、COOHまたはC(O)O(C1〜C4アルキル)である。他の実施形態では、Rはハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、NHC(O)C1〜4アルキル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−モルホリニルまたはC(O)C1〜4アルキルから選択される。
【0079】
他の実施形態では、Rは(CH−Yである。一実施形態では、nはOまたは1である。あるいは、nは2である。一実施形態では、Yはハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR、S(O)R、SO、N(R、NRまたはCOORである。他の実施形態では、Yはハロ、OH、SH、CN、NO、CF、OCFまたはC(O)O(C1〜C4アルキル)である。
【0080】
一実施形態では、あるいは隣接環原子の2つのRは一緒になって、1,2−メチレンジオキシまたは1,2−エチレンジオキシを形成する。
【0081】
式(I)の他の好ましい実施形態によれば、Rは、最大で2つのR置換で任意選択で置換された直鎖もしくは分枝(C1〜C6)アルキルあるいは(C2〜C6)アルケニルまたはアルキニルである。
【0082】
一実施形態では、RはC1〜C6脂肪族である。他の実施形態では、RはC1〜C6直鎖または分枝アルキルである。他の実施形態では、RはC1〜C4アルキルである。他の実施形態では、RはRまたはRから独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されている。あるいは、RはRまたはRから独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されている。
【0083】
一実施形態では、Rは、R、R、RまたはRから独立に選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環である。脂環の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが含まれる。他の実施形態では、RはR、R、RまたはRから独立に選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたC6〜C10アリールである。アリール環の例には、フェニルまたはナフチルが含まれる。他の実施形態では、Rは、R、R、RまたはRから独立に選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたC3〜C8複素環である。複素環の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルが含まれる。他の実施形態では、Rは、R、R、RまたはRから独立に選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたC5〜C10ヘテロアリール環である。ヘテロアリール環の例には、ピリジル、ピラジル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、シンノリニル、フタラジン、キナゾリニル、キナオキサリニル(quinaoxalinyl)、ナフチリジニルまたはプテリジニルが含まれる。
【0084】
一実施形態では、RはORまたはORから選択される。あるいは、RはOC(O)RまたはOC(O)Rから選択される。他の実施形態では、RはC(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(RまたはC(O)N(R)から選択される。さらに他の実施形態では、RはN(R、N(RまたはN(R)から選択される。あるいは、RはNRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NRまたはNRC(O)N(Rから選択される。
【0085】
一実施形態では、Rは最大で3つのR置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環である。脂環の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが含まれる。他の実施形態では、Rは最大で3つのR置換基で任意選択で置換されたC6〜C10アリールである。アリール環の例には、フェニルまたはナフチルが含まれる。他の実施形態では、Rは最大で3つのR置換基で任意選択で置換されたC3〜C8複素環である。複素環の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルである。他の実施形態では、Rは最大で3つのR置換基で任意選択で置換されたC5〜C10ヘテロアリール環である。ヘテロアリール環の例には、ピリジル、ピラジル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、シンノリニル、フタラジン、キナゾリニル、キナオキサリニル、ナフチリジニルまたはプテリジニルが含まれる。
【0086】
一実施形態では、RはHである。他の実施形態では、RはC1〜C6脂肪族、好ましくはC1〜C6アルキルである。あるいは、RはR置換基で任意選択で置換されたC1〜C6脂肪族である。
【0087】
一実施形態では、Rは、H、C1〜C6脂肪族または(CH−Z’(mは0〜2である)から独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環である。脂環の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが含まれる。他の実施形態では、Rは、H、C1〜C6脂肪族または(CH−Z’(mは0〜2である)から独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されたC6〜C10アリールである。アリール環の例には、フェニルまたはナフチルが含まれる。あるいは、Rは、H、C1〜C6脂肪族または(CH−Z’(mは0〜2である)から独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されたC3〜C8複素環である。複素環の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルが含まれる。あるいは、Rは、H、C1〜C6脂肪族または(CH−Z’(mは0〜2である)から独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されたC5〜C10ヘテロアリール環である。ヘテロアリール環の例には、ピリジル、ピラジル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、シンノリニル、フタラジン、キナゾリニル、キナオキサリニル、ナフチリジニルまたはプテリジニルが含まれる。
【0088】
一実施形態では、Z’はハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1〜C6)脂肪族、S(O)−(C1〜C6)脂肪族、SO−(C1〜C6)脂肪族、NH、NH−(C1〜C6)脂肪族、N((C1〜C6)脂肪族)、COOH、C(O)O(−(C1〜C6)脂肪族)またはO−(C1〜C6)脂肪族から選択される。
【0089】
一実施形態ではQは結合である。
【0090】
他の実施形態ではQはO、SまたはNRである。実施形態では、QはOである。あるいは、QはSである。あるいは、QはNRである。あるいは、QはNHまたはN(C1〜C6)アルキルである。
【0091】
他の実施形態では、QはC1〜C6直鎖または分枝アルキリデン鎖である。ただし、Qのうちの最大で1個のメチレン単位はO、S、OCO、NHまたはN(C1〜C4アルキル)で置換されている。
【0092】
他の実施形態では、QはC1〜C6アルキルである。ただし、1個のメチレン基は、スピロシクロプロピレンなどのスピロシクロアルキレン基で置換されている。
【0093】
他の実施形態では、Qは−X−(X−であり、ただし、
は結合であるか、またはR、RもしくはRから独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されたC1〜C6脂肪族であり、
pは0または1であり、
はO、SまたはNRである。
【0094】
一実施形態では、XはC1〜C6アルキルまたはC2〜C6アルキリデンである。あるいは、XはRまたはRで任意選択で置換されたC1〜C6アルキルである。一実施形態では、Xは結合である。一実施形態では、Xは〜CH−、−CH−CH−、−(CH−、−C(Me)−、−CH(Me)−、−C(Me)=CH−、−CH=CH−、−CH(Ph)−、−CH−CH(Me)−、−CH(Et)−または−CH(i−Pr)−から選択される。
【0095】
特定の実施形態では、XはNHである。あるいは、Xは−N(C1〜C4アルキル)−である。
【0096】
一実施形態では、pは0である。
【0097】
他の実施形態では、pは1であり、XはOである。
【0098】
他の実施形態では、pは1であり、XはSである。
【0099】
他の実施形態では、pは1であり、XはNRである。Rは水素であることが好ましい。
【0100】
一実施形態では、RはC1〜6脂肪族基であり、ただし、RはR、R、R、R、またはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されている。
【0101】
他の実施形態では、Rは、O、S、NもしくはNHから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分的に不飽和または芳香族の単環であり、ただし、Rは、R、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されている。一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、NHC(O)C1〜4アルキルまたはC(O)C1〜4アルキルから選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されている。
【0102】
一実施形態では、Rは、任意選択で置換されたフェニルであり、ただし、Rは、R、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されている。一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、NHC(O)C1〜4アルキルまたはC(O)C1〜4アルキルから選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたフェニルである。
【0103】
一実施形態では、Rは、任意選択で置換されたナフチルであり、ただし、Rは、R、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されている。一実施形態では、Rは、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、NHC(O)C1〜4アルキルまたはC(O)C1〜4アルキルから選択される最大で5つの置換基で任意選択で置換されたナフチルである。
【0104】
あるいは、Rは、任意選択で置換された3〜8員の脂環式環であり、ただし、Rは、R、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されている。一実施形態では、Rは、任意選択で置換されたシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルから選択される。
【0105】
あるいは、Rは、O、S、NまたはNHから独立に選択される最大で3ヘテロ原子を含む、任意選択で置換された5〜6員の単環式の不飽和、部分的に飽和または芳香族環である。あるいは、Rは3〜7員の単環式の複素環である。
【0106】
一実施形態では、Rは、
【0107】
【化35】

【0108】
【化36】

から選択される任意選択で置換された環から選択される。
【0109】
他の実施形態では、Rは環i−xivまたはxviのいずれかから選択され、ただし、前記環は任意選択で置換されたフェニル環と縮合している。
【0110】
他の実施形態では、Rは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニルから選択される任意選択で置換された環から選択される。
【0111】
他の実施形態では、Rは、
【0112】
【化37】

から選択される任意選択で置換された環である。
【0113】
他の実施形態では、Rは、上記環xvii〜xxivのいずれか1つであり、ただし、前記環は任意選択で置換されたフェニル環と縮合している。
【0114】
他の実施形態では、Rは、O、S、NまたはNHから独立に選択される0〜5個のヘテロ原子を有する、8〜12員の飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の二環式環系であり、ただし、Rは、R、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されている。一実施形態では、Rは任意選択で置換されたナフチルである。あるいは、Rは任意選択で置換された8〜10員の二環式ヘテロ芳香族環である。あるいは、Rは任意選択で置換された8〜10員の二環式複素環である。
【0115】
一実施形態では、Rは、
【0116】
【化38】

から選択される任意選択で置換された環である。
【0117】
他の実施形態では、Rは、
【0118】
【化39】

から選択される任意選択で置換された環である。
【0119】
他の実施形態では、Rは、
【0120】
【化40】

から選択される任意選択で置換された環である。
【0121】
他の実施形態では、Rは以下のものから選択される。
【0122】
【化41】

【0123】
【化42】

他の実施形態では、Rは、ピロリジン−1−イル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、3−メチル−ピペリジン−1−イル、4−メチル−ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、4,5−ジメチル−4−ホルホリン−1−イル、2,6−ジメチル−ホルホリン−4−イル、インドール−1−イル、4−フルオロ−インドール−1−イル、5−クロロ−インドール−1−イル、7−クロロ−インドール−1−イル、テトラヒドロキノリン−1−イル、7−トリフルオロメチル−テトラヒドロキノリン−1−イル、6−メチル−テトラヒドロキノリン−1−イル、6−クロロ−テトラヒドロキノリン−1−イル、テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、7−クロロ−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチル−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、7−フルオロ−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、6−メチル−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、8−トリフルオロメチル−キノリン−4−イル、ピリジン−3−イルまたはピリジン−4−イルから選択される。
【0124】
一実施形態では、本発明は、式I−A−iの化合物を提供する。
【0125】
【化43】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0126】
一実施形態では、本発明は、式I−A−iiの化合物を提供する。
【0127】
【化44】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0128】
一実施形態では、本発明は、式I−B−iの化合物を提供する。
【0129】
【化45】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0130】
一実施形態では、本発明は、式I−B−iiの化合物を提供する。
【0131】
【化46】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0132】
一実施形態では、本発明は、式I−C−iの化合物を提供する。
【0133】
【化47】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0134】
一実施形態では、本発明は、式I−C−iiの化合物を提供する。
【0135】
【化48】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0136】
一実施形態では、本発明は、式I−D−iの化合物を提供する。
【0137】
【化49】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0138】
一実施形態では、本発明は、式I−D−iiの化合物を提供する。
【0139】
【化50】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0140】
一実施形態では、本発明は、式I−E−iの化合物を提供する。
【0141】
【化51】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0142】
一実施形態では、本発明は、式I−E−iiの化合物を提供する。
【0143】
【化52】

ただし、環Z、R、QおよびRは上記定義と同様である。
【0144】
他の実施形態では、本発明は以下の表1の化合物を提供する。
【0145】
表1
【0146】
【化53】

【0147】
【化54】

【0148】
【化55】

【0149】
【化56】

【0150】
【化57】

【0151】
【化58】

【0152】
【化59】

【0153】
【化60】

【0154】
【化61】

【0155】
【化62】

【0156】
【化63】

【0157】
【化64】

【0158】
【化65】

【0159】
【化66】

【0160】
【化67】

【0161】
【化68】

【0162】
【化69】

【0163】
【化70】

実施形態の調製
本発明の化合物は当技術分野で周知の方法を用いて容易に調製することができる。以下のスキーム1に示すものは、本発明の化合物を調製するためのそのような1つの方法である。
【0164】
スキーム1:
【0165】
【化71】

式Iの化合物の合成:i.ギ酸、トルエン、還流;ii.クロロスルホン酸、0℃;次いで加熱;iii.1)環Z−NH、ピリジン、60℃、2)EtOH/KOH、還流;iv.R−Q−COOH、HATU、EtN、DMF。
【0166】
使用、処方および投与
薬剤として許容される組成物
先に論じたように、本発明は、電位依存性ナトリウムイオンチャンネルおよび/またはカルシウムチャンネルの阻害剤である化合物を提供するものである。したがって、本発明の化合物は、これらに限定されないが、急性、慢性、神経障害性または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経炎、全身性神経痛、てんかんまたはてんかん状態、神経変性障害、不安およびうつ病などの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症症候群および失禁を含む疾患、障害および状態の治療に有用である。したがって、本発明の他の態様では、薬剤として許容される組成物であって、本明細書で記載の化合物のいずれかを含み、薬剤として許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを任意選択で含む組成物を提供する。特定の実施形態では、これらの組成物は、1種または複数の他の治療薬を任意選択でさらに含む。
【0167】
本発明の特定の化合物は、治療用に遊離形態か、または適切な場合、薬剤として許容されるその誘導体として存在できることも理解されよう。本発明によれば、薬剤として許容される誘導体には、これらに限定されないが、必要な患者に投与して直接または間接に、本明細書で別に述べた化合物、あるいはその代謝産物もしくは残留物を提供することができる薬剤として許容される塩、エステル、そうしたエステルの塩、または任意の他の付加体もしくは誘導体が含まれる。
【0168】
本明細書で用いる「薬剤として許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴うことなく、ヒトや下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、かつ、妥当な利益/リスク比に見合う塩を指す。「薬剤として許容される塩」は、レシピエントに投与して、直接または間接に、本発明の化合物、あるいは阻害剤として活性なその代謝産物もしくは残留物を提供することができる本発明の化合物の任意の非毒性塩またはエステルの塩を意味する。本明細書で用いる「阻害剤として活性なその代謝産物もしくは残留物」という用語は、その代謝産物または残留物も、電位依存性ナトリウムイオンチャンネルまたはカルシウムチャンネルの阻害剤であることを意味する。
【0169】
薬剤として許容される塩は当技術分野でよく知られている。例えば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences, 1977年、66、1〜19頁(これを本明細書に組み込む)に薬剤として許容される塩を詳細に記載している。本発明の化合物の薬剤として許容される塩には、適切な無機および有機の酸および塩基から誘導されるものが含まれる。薬剤として許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸で形成されるか、あるいは、イオン交換などの当技術分野で使用されている他の方法を用いることによって形成されたアミノ基の塩である。他の薬剤として許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルクロン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。適当な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属塩、アンモニウムおよびN(C1〜4アルキル)塩が含まれる。本発明は、本明細書で開示する化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定する。そうした四級化によって、水溶性もしくは油溶性または分散性の生成物を得ることができる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩にはナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。他の薬剤として許容される塩には、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、ならびにハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成されるアミンカチオンが含まれる。
【0170】
上記したように、本発明の薬剤として許容される組成物は、本明細書で用いるように、具体的な所望の剤形に適合させた、あらゆる溶媒、希釈剤もしくは他の液体ビヒクル、分散化もしくは懸濁化助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、固形結合剤、滑剤等を含む薬剤として許容される担体、アジュバントまたはビヒクルをさらに含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980年)は、薬剤として許容される組成物を処方するのに用いる様々な担体およびその製剤のための既知の技術を開示している。何らかの望ましくない生物学的影響をもたらすか、あるいは薬剤として許容される組成物のどれか他の成分と有害な形で相互作用することなどによって任意の通常の担体媒体が本発明の化合物と適合しない場合を含まない限り、その使用は本発明の範囲内であるものとする。薬剤として許容される担体として働くことができる材料のいくつかの例には、これらに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩、グリシン、ソルビン酸またはソルビン酸カリウムなどの緩衝物質、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス類、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、羊毛脂、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;セルロースおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのその誘導体;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐薬用ワックス類などの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油などの油類;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;トウモロコシ油および大豆油;プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;ピロゲンフリーの水;等張性の生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコールおよびリン酸緩衝溶液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の非毒性の適合性滑剤が含まれ、また、処方者の判断によって、着色剤、解除剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤および酸化防止剤も組成物中に含めることができる。
【0171】
化合物および薬剤として許容される組成物の使用
さらに他の態様では、急性、慢性、神経障害性もしくは炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経炎、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、不安およびうつ病などの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症疼痛、ヘルペス後神経炎、糖尿病性ニューロパシー、歯根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、激しい痛みもしくは難治性疼痛、侵害受容疼痛、突出痛、手術後の痛みまたは癌性疼痛を治療するかまたはその重篤度を軽減するための方法であって、有効量の化合物、または化合物を含む薬剤として許容される組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、急性、慢性、神経障害性または炎症性の疼痛を治療するかまたはその重篤度を軽減するための方法であって、有効量の化合物または薬剤として許容される組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。特定の他の実施形態では、歯根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛または頸痛を治療するかまたはその重篤度を軽減するための方法であって、有効量の化合物、または化合物を含む薬剤として許容される組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。さらに他の実施形態では、激しい痛みもしくは難治性疼痛、急性疼痛、手術後の痛み、背痛、耳鳴または癌性疼痛を治療するかまたはその重篤度を軽減するための方法であって、有効量の化合物、または化合物を含む薬剤として許容される組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
【0172】
本発明の特定の実施形態では、「有効量」の化合物または薬剤として許容される組成物とは、急性、慢性、神経障害性または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経炎、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、不安およびうつ病などの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症疼痛、ヘルペス後神経炎、糖尿病性ニューロパシー、歯根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、激しい痛みもしくは難治性疼痛、侵害受容疼痛、突出痛、手術後の痛み、耳鳴または癌性疼痛のうちの1つまたは複数を治療するかまたはその重篤度を軽減するのに効果的なその量である。
【0173】
本発明による化合物および組成物は、急性、慢性、神経障害性または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経炎、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、不安およびうつ病などの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症疼痛、ヘルペス後神経炎、糖尿病性ニューロパシー、歯根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、激しい痛みもしくは難治性疼痛、侵害受容疼痛、突出痛、手術後の痛み、耳鳴または癌性疼痛のうちの1つまたは複数を治療するかまたはその重篤度を軽減するのに効果的な任意の量および任意の投与経路を用いて投与することができる。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢および全身状態、感染症の重篤度、具体的な薬剤、その投与方式等に応じて対象毎に異なることになる。本発明の化合物は、ドーセッジの投与を容易にし、かつ均一にするために、単位剤形で処方することが好ましい。本明細書で用いる「単位剤形」という表現は、治療を受ける患者に適した薬剤の物理的に離散した単位を指す。しかし、本発明の化合物および組成物の1日の合計使用量は正しい医学的判断の範囲で担当医によって決定されることを理解されよう。任意の特定の患者または生物体のための具体的な効果的用量は、治療される疾患およびその疾患の重篤度;具体的な使用化合物の活性;具体的な使用組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事;投与の時間、投与経路および具体的な使用化合物の排出速度;治療の期間;具体的な使用化合物と併用するか同時に用いられる薬物ならびに当医学業界でよく知られている同様の因子を含む様々な因子に依存する。本明細書で用いる「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
【0174】
本発明の薬剤として許容される組成物は、ヒトおよび他の動物に、治療する感染症の重篤度に応じて経口、経直腸、非経口、嚢内、膣内、腹腔内、局所(粉剤、軟膏またはドロップで)、頬側、経口または経鼻噴霧等で投与することができる。特定の実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために経口または非経口で1日当たり約0.01mg/kg〜約50mg/kg対象体重、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kg対象体重のドーセッジレベルで、日に1回または複数回投与することができる。
【0175】
経口投与のための液体剤形には、これらに限定されないが、薬剤として許容される乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリ−ブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにその混合物などの溶媒、可溶化剤および乳化剤などの当技術分野で通常用いられる不活性希釈剤を含むことができる。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤ならびに芳香剤などのアジュバントも含むことができる。
【0176】
注射可能な製剤、例えば滅菌した注射可能な水性または油性の懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて周知の技術によって処方することができる。滅菌した注射可能な製剤は、非毒性の非経口で許容される希釈剤または溶媒、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としての注射可能な滅菌溶液、懸濁液または乳液であってもよい。用いることができる許容ビヒクルおよび溶媒は水、リンガー溶液、U.S.P.および等張性の塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌した不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として通常用いられる。このためには、合成のモノ−もしくはジ−グリセリドを含む任意の無菌性の不揮発性油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射物質の製剤に用いられる。
【0177】
注射用処方物は、細菌保持性のフィルターを通してろ過するか、または、使用前に、滅菌した水または他の滅菌した注射可能媒体中に溶解または懸濁できる滅菌した固体組成物の形態の滅菌剤を混ぜ込むことによって滅菌することができる。
【0178】
本発明の化合物の効果を延長させるために、皮下または筋肉内の注射による化合物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、難水溶性の結晶性または無定形の材料の懸濁液を使用することによって実現することができる。次に、化合物の吸収速度はその溶解速度に依存し、したがって結晶の大きさや結晶形態に依存する。あるいは、非経口で投与された化合物形態の遅延吸収は、油性ビヒクル中に化合物を溶解させるかまたは懸濁させることによって達成される。注射可能なデポー形態は、ポリ乳酸−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中にマイクロカプセル化したマトリックスを形成させることによって作製される。化合物とポリマーの比や用いられる具体的なポリマーの性質に応じて、化合物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)やポリ(アンヒドリド)が含まれる。デポー注射用処方は、リポソームまたは生体組織に適合するマイクロエマルジョン中に化合物を捕捉させることによっても調製される。
【0179】
経直腸または経膣投与のための組成物は、本発明の化合物を、周囲温度では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸内または膣内の空洞において溶融し、活性化合物を放出するココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬用ワックスなどの適切な非刺激性の賦形剤または担体と混合することによって調製できる坐薬であることが好ましい。
【0180】
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤が含まれる。そうした固体剤形においては、活性化合物を、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウムなどの少なくとも1種の不活性な薬剤として許容される賦形剤または担体、および/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸などのフィラーすなわち増量剤、b)例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ならびにその混合物などの滑剤と混合することができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含むこともできる。
【0181】
類似のタイプの固体組成物を、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量のポリエチレングリコール等の賦形剤を用いて軟質充填および硬質充填したゼラチンカプセル剤中でのフィラーとして用いることもできる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬剤処方技術において周知の他のコーティング法などのコーティングおよびシェルを用いて製剤することができる。これらは任意選択で乳白剤を含むことができ、腸管の特定の部分において、任意選択で遅延した形で、活性成分だけを放出するかまたはそれを優先的に放出する組成物であってもよい。用いられる埋め込み型組成物の例には、ポリマー物質やワックス類が含まれる。類似のタイプの固体組成物を、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量のポリエチレングリコール等の賦形剤を用いて軟質充填および硬質充填したゼラチンカプセル剤中でのフィラーとして用いることもできる。
【0182】
活性化合物は、1種または複数の上記した賦形剤を用いてマイクロカプセル化した形態であってもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固形剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび薬剤処方技術において周知の他のコーティング法などのコーティングおよびシェルを用いて製剤することができる。そうした固体剤形においては、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合することができる。そうした剤形は、通常の慣行として、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化滑剤およびステアリン酸マグネシウムや微結晶性のセルロースなどの他の錠剤化助剤を含むこともできる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含むこともできる。これらは任意選択で乳白剤を含むことができ、腸管の特定の部分において、任意選択で遅延した形で活性成分だけを放出するかまたは優先的に放出する組成物であってもよい。用いられる埋め込み型組成物の例には、ポリマー物質やワックス類が含まれる。
【0183】
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形には、軟膏、ペースト剤、クリーム剤、ローション、ゲル剤、粉剤、液剤、噴霧剤、吸入剤または貼布も含まれる。活性成分は、滅菌した条件下で、薬剤として許容される担体および必要に応じて任意の必要保存剤または緩衝剤と混合する。目用処方物、点耳剤および点眼剤も本発明の範囲内と考えられる。さらに、本発明は、身体への化合物の制御送達をもたらすさらなる利点を有する経皮貼布の使用を考慮する。そうしたドーセッジ形態は、その化合物を適切な媒体中に溶解または分注することによって調製する。皮膚を通る化合物のフラックスを増加させるために、吸収増進剤も使用することができる。その速度は、速度制御膜を備えるか、またはポリマーマトリックスまたはゲルの中に化合物を分散させることによって制御することができる。
【0184】
上記で概略説明したように、本発明の化合物は、電位依存性ナトリウムイオンチャンネルまたはカルシウムチャンネル、好ましくはN−型カルシウムチャンネルの阻害剤として有用である。一実施形態では、本発明の化合物および組成物は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCa2.2のうちの1つまたは複数の阻害剤であり、したがって、いかなる特定の理論に拘泥するわけではないが、その化合物および組成物は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCa2.2のうちの1つまたは複数の活性化または過剰活性が疾患、状態または障害にかかわっている疾患、状態または障害を治療するかまたはその重篤度を軽減するのに特に有用である。NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCa2.2の活性化または過剰活性が、特定の疾患、状態または障害にかかわっている場合、その疾患、状態または障害を、「NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8またはNaV1.9−媒介の疾患、状態または障害」または「Ca2.2−媒介の状態または障害」と称することもできる。したがって、他の態様では、本発明は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCa2.2のうちの1つまたは複数の活性化または過剰活性がその病状にかかわっている疾患、状態または障害を治療するかまたはその重篤度を軽減するための方法を提供する。
【0185】
NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCa2.2の阻害剤として本発明で用いる化合物の活性は、本明細書の実施例で概略説明する方法によるか、または当業者が利用できる方法によって試験することができる。
【0186】
本発明の化合物および薬剤として許容される組成物を、併用療法で用いることができる、すなわち、化合物および薬剤として許容される組成物を1つまたは複数の所望の治療または医学的処置と同時か、それに先行して、またはそれに続いて投与できることも理解されよう。併用レジメンで用いるための具体的な治療の組合せ(治療または医学的処置)は、所望の治療および/または医学的処置の適合性や達成される所望の治療効果を考慮に入れることになる。用いられるそれらの治療は、同じ障害に対して所望の効果を達成でき(例えば、本発明の化合物を、同じ障害を治療するのに用いられる他の薬剤と同時に投与することができる)、またそれらが別の効果を達成できる(例えば、何らかの副作用の制御)ことも理解されよう。本明細書で用いるように、特定の疾患または状態を治療または防止するために通常投与される他の治療薬は、「治療される疾患または状態に適している」ことが知られているものである。例えば他の治療薬の例には、これらに限定されないが、非オピオイド性鎮痛薬(エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンなどのインドール;ナブメトンなどのナフチルアルカノン;ピロキシカムなどのオキシカム;アセトアミノフェンなどのパラ−アミノフェノール誘導体;フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジンなどのプロピオン酸;アスプリン(Asprin)、トリサリチル酸コリンマグネシウム、ジフルニサルなどのサリチル酸塩;メクロフェナム酸、メフェナム酸などのフェナム酸塩;およびフェニルブラゾンなどのピラゾール);またはオピオイド(麻酔剤)アゴニスト(コデイン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィンおよびペンタゾシンなど)が含まれる。さらに、本発明の1つまたは複数の化合物の投与と合わせて、非薬物鎮痛剤アプローチを利用することができる。例えば、麻酔学的(脊髄内輸液、神経遮断)、神経外科的(CNS経路の神経剥離術)、神経刺激的(経皮電気的神経刺激、脊髄後索刺激)、理学療法的(理学療法、矯正装置、ジアテルミー療法)または心理学的(アプローチ方法−催眠法、生体フィードバックまたは行動論的方法)アプローチも利用することができる。他の適切な治療薬またはアプローチは、The Merck Manual, Seventeenth Edition, Ed. Mark H. Beers and Robert Berkow, Merck Research Laboratories, 1999年、およびFood and Drug Administration website, www.fda.govに概略記載されている。その全内容を参照により本明細書に組み込む。
【0187】
本発明の組成物中に存在する他の治療薬の量は、その治療薬をただ1つの活性剤として含む組成物で通常投与される量以下となる。本発明が開示する組成物中の他の治療薬の量は、その治療薬を唯一の活性剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲であることが好ましい。
【0188】
本発明の化合物または薬剤として許容されるその組成物は、人工器官、人工弁、代用血管、ステントおよびカテーテルなどの埋め込み型医療用具をコーティングするための組成物中に混ぜ込むこともできる。したがって、他の態様では、本発明は、埋め込み型用具をコーティングするための組成物であって、上記に概略説明し、かつ本明細書の部類および下位部類にある本発明の化合物と、前記埋め込み型用具をコーティングするのに適した担体を含む組成物を含む。さらに他の態様では、本発明は、上記に概略説明し、かつ本明細書の部類および下位部類にある本発明の化合物と、前記埋め込み型用具をコーティングするのに適した担体を含む組成物でコーティングされた埋め込み型用具を含む。適切なコーティング剤およびコーティングされた埋め込み型用具の一般的作製法は、米国特許第6,099,562号、同第5,886,026号および同第5,304,121号に記載されている。コーティング剤は一般にヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレン酢酸ビニールおよびその混合物などの生体適合性のポリマー材料である。フルオロシリコン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質またはその組合せからなる適切なトップコートでコーティング物を任意選択でさらに覆って、組成物に制御放出の特徴を付与することができる。
【0189】
本発明の他の態様は、生物学的試料または患者のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9、またはCa2.2活性の1つまたは複数を阻害することに関し、その方法は、患者に式Iの化合物または前記化合物を含む組成物を投与するか、または前記生物学的試料をそれと接触させることを含む。本明細書で用いる「生物学的試料」という用語は、非限定的に、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液または他の体液もしくはその抽出物を含む。
【0190】
生物学的試料中のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCa2.2活性の1つまたは複数の阻害は、当業者に周知の様々な目的に有用である。そうした目的の例には、これらに限定されないが、生物学的および病理学的現象におけるナトリウムイオンチャンネルの研究;ならびに新規なナトリウムイオンチャンネル阻害剤の比較評価が含まれる。
【実施例】
【0191】
概略スキーム
【0192】
【化72】

P=保護基;(a)保護、次いでClSO3H;(b)Z(NR)H、塩基;(c)脱保護;(d)q=C=0の場合;R−Q−COOH、HATUまたはBOP、塩基。q=0の場合;Br−Q−Cl、次いでH−R
【0193】
概略方法。ジュウテリオクロロホルム(CDCl)、重水(HO)、またはジメチルスルホキシド−D(DMSO)中の溶液として、HNMR(400MHz)および13C NMR(100MHz)スペクトルを得た。Phenomenex50×4.60mm luna−5μC18カラムを備えたApplied Biosystems API EX LC/MS装置を用いて、マススペクトル(MS)を得た。LC/MS溶出系は0.035%容積/容積のトリフルオロ酢酸を用いたHO中の10〜99%アセトニトリルであり、4.5分間線形勾配および4.0mL/分の流速を用いた。分取HPLCは、Phenomenex50×21.2mm luna−5μC18カラムを備えたGilson HPLC装置を用いて実施した。分取HPLC溶出系は、0.035%容積/容積のトリフルオロ酢酸を用いたHO中の5〜99%アセトニトリルであり、12分間線形勾配および30.0mL/分の流速を用いた。シリカゲルクロマトグラフィーは、230〜400メッシュの粒径を有するシリカゲル−60を用いて実施した。マイクロ波反応はEmerys Optimizerを用いて実施した。ピリジン、ジクロロメタン(CHCl)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、トリエチルアミン(EtN)およびジイソプロピルアミン(DIEA)は、乾燥窒素雰囲気で保持したAldrich Sure−Seal瓶によるものであった。別段の言及のない限り、すべての反応物は機械的に攪拌して行った。別段の指定のない限り、すべての温度は内部反応温度を指すものとする。
【0194】
N−ホルミルインドリン
【0195】
【化73】

概略手順1:インドリン(145g、1.2モル)とギ酸(90%、92g、1.8モル)の混合物をトルエン中で還流させながらディーンスターク装置経由で水を除去した。6時間後、反応混合物を室温に冷却し、水で洗浄し、真空下で濃縮した。N−ホルミルインドリン(158g、1.1モル、88%収率)を灰白色固形物として単離し、さらに精製することなく次のステップで使用した。回転異性体の混合物:H−NMR (CDCl) δ 8.92 (s, 0.85H), 8.51 (s, 0.15H), 8.06 (d, J= 8.3 Hz, 0.15H), 7.26−7.16 (m, 3.85H), 7.16−7.02 (m, 1H), 4.13−4.02 (m, 2H), 3.21−3.12 (dt, 2H)。
【0196】
N−ホルミル−5−(クロロスルホニル)インドリン
【0197】
【化74】

概略手順2:N−ホルミルインドリン(88g、0.6モル)を、0℃で機械的に攪拌されているクロロスルホン酸(348g、3.0モル)に30分間かけて分割添加した。添加が終了したら、溶液をガスの発生がなくなるまで100℃で加熱した。反応混合物を室温に冷却し、砕氷中に注加した。得られた沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して上記スルホニルクロリド(123g、0.5モル、83%収率)を白色固形物として得た。H−NMR (CDCl) δ 9.03 (s, 0.7H), 8.58 (s, 0.3H), 8.25 (d, 0.3H), 7.91−7.84 (m, 2H), 7.30 (d, 0.7H), 4.27 (m, 0.6H), 4.17 (m, 1.4H), 3.36−3.24 (dt, 2H)。
【0198】
2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0199】
【化75】

ピリジン(250mL)中のN−ホルミル−5−(クロロスルホニル)インドリン(60g、0.26モル)と2−アミノチアゾール(25g、0.26モル)の混合物を60℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、氷/水に注加した。固形物をろ過し、トルエンと共蒸発させて完全に乾燥し、さらに精製することなく次のステップで使用した。粗製物質をEtOH/KOH(600mL、15〜20%KOH)中で還流させた。2時間後、真空下でエタノールの一部を除去し、薄茶色の沈殿物をろ過し、エタノールから結晶化させた。スルホンアミド(39g、62%収率)をHPLC−MSにより90%の純度で単離した。H−NMR (DMSO−d) δ 7.33−7.30 (m, 2H), 6.87 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 6.36−6.34 (m, 2H), 5.80 (s, 1H), 3.42 (dt, J = 12.0, 4.3 Hz, 2H), 2.88 (t, J = 8.5 Hz, 2H)。
【0200】
概略手順3:
【0201】
【化76】

DMF(2.0mL)中の2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(56mg、0.2ミリモル)、HATU(76mg、0.2ミリモル)およびEtN(0.1mL、0.6ミリモル)の攪拌溶液にカルボン酸(0.2ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で17時間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)により完全な生成物の生成が認められた。反応混合物をろ過し、Gilson分取HPLC(10〜99%CHCN)で精製して所望の生成物を得た。
【0202】
1−(2,4−ジクロロ−ベンゾイル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0203】
【化77】

概略手順3に従って合成した。H−NMR (DMSO−d) δ 12.70 (s, 1H), 8.22 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.74−7.58 (m, 4H), 7.26 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.79 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.16 (t, J = 8.3 Hz, 2H). LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 454.3; t = 2.94分。
【0204】
1−[2−(2−メトキシ−フェニル)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0205】
【化78】

概略手順3に従って合成した。H−NMR (DMSO−d) δ 12.66 (s, 1H), 8.08 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.63−7.60 (m, 2H), 7.28−7.24 (m, 2H), 7.17 (dd, J = 7.4, 1.6 Hz, 1H), 7.00−6.98 (m, 1H), 6.91 (dt, J = 10.2, 3.7 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.24 (t, J = 8.5 Hz, 2H), 3.78 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.22 (t, J = 8.5 Hz, 2H). LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 430.3; t = 2.71分。
【0206】
1−[3−(5−クロロ−インドール−1−イル)−プロピオニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0207】
【化79】

概略手順3に従って合成した。H−NMR (DMSO−d) δ 12.64 (s, 1H), 8.14 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.60−7.58 (m, 4H), 7.51 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.7, 2.1 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 6.42 (dd, J = 3.1, 0.7 Hz, 1H), 4.50 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.05 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 3.13 (t, J = 8.6 Hz, 2H), 3.02 (t, J = 6.6 Hz, 2H). LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 487.3; t = 3.04分。
【0208】
1−[2−(8−トリフルオロメチル−キノリン−4−イルオキシ)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0209】
【化80】

概略手順3に従って合成した。H−NMR (DMSO−d) δ 12.85 (s, 1H), 9.01 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 8.70 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.36 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.92−7.78 (m, 3H), 7.41 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 6.97 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 5.53 (s, 2H), 4.43 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 3.45 (d, J = 6.5 Hz, 2H). LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 535.3; t = 2.83分。
【0210】
1−(2−クロロ−アセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0211】
【化81】

−75℃でのDMF(10mL)中の2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(2.35g、8.36ミリモル)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(1.16mL、8.36ミリモル)を加え、続いて塩化クロロアセチル(1.88g、16.7ミリモル)を加えた。混合物を−75℃で1時間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)によって反応における生成物の生成が認められた。MeOHでクエンチし、混合物を室温に加温した後、真空下で溶媒を除去した。混合物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中に2%MeOH)で精製して所望のアミド(1.95g、5.9ミリモル、70%収率)を得た。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 359.3; t = 2.46分。
【0212】
概略手順4:
【0213】
【化82】

1−(2−クロロ−アセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(30mg、0.08ミリモル)とそれぞれのアミン(0.25ミリモル)をDMF(0.3mL)中に溶解し、室温で3〜72時間攪拌した。完全に転換させるために、いくつかの反応では、マイクロ波反応器を用いて150℃で300秒間加熱した。LC/MSにより生成物の生成の完了が認められた。反応混合物をろ過し、Gilson分取HPLC(5〜99%CHCN)で精製して所望の生成物を単離した。
【0214】
1−[2−(3−フルオロ−フェニルアミノ)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0215】
【化83】

概略手順4に従って合成した。反応混合物を室温で19時間攪拌し、LC/MSによって70%の転換率を確認した。概略手順4に従って、反応混合物を、マイクロ波を用いて150℃で300秒間加熱した。生成物への完全な転換が認められた。概略手順4に従って精製して所望のアミンを得た。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 433.20; t = 2.91分。
【0216】
1−[2−(3−メチル−ピペリジン−1−イル)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0217】
【化84】

概略手順4に従って合成した。室温で19時間攪拌した後、完全な転換が認められた。概略手順4に従って反応物を精製した。LC/MS (10−99%), M/Z: M+1 obs = 421.00; t = 1.91分。
【0218】
1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0219】
【化85】

水(250mL)中の2,3−ジヒドロ−1H−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(10.0g、35.0ミリモル)の溶液に、MnO(18.0g、213ミリモル)を一括して加えた。反応混合物を60℃で19時間攪拌した。混合物を周囲温度に冷却し、セライト(celite)でろ過した。ろ液を減圧下で蒸発させて乾燥した。残留物をCHCl/MeOH:50/50から沈澱させて、所望のインドール(0.98g、3.5ミリモル、10%収率)を白色固形物として得た。H NMR (DO) δ 7.99 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.09 (d, 1H), 6.80 (d, 1H), 6.29 (d, 1H), 6.25 (d, 1H)。
【0220】
概略手順5:
【0221】
【化86】

DMF(1.0mL)中の1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(56mg、0.2ミリモル)、フルオロ−N,N,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(53mg、0.2ミリモル)およびDIEA(0.105mL、0.6ミリモル)の攪拌溶液に上記酸(0.2ミリモル)を加えた。反応混合物を室温19時間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)により反応物の完全な転換が示された。反応混合物をろ過し、Gilson分取HPLC(10〜99%CHCN)で精製して所望の生成物を得た。
【0222】
1−(3,4−ジクロロ−ベンゾイル)−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0223】
【化87】

概略手順5に従って合成した。H−NMR (DMSO−d) δ 8.39 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 6.92 (dd, J = 3.8, 0.6 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 4.6 Hz, 1H). LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 453; t = 3.11分。
【0224】
1−[2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−アセチル]−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0225】
【化88】

概略手順5に従って合成した。H−NMR (DMSO−d) δ 8.42 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.05 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 7.78 (dd, J = 8.7, 1.9 Hz, 1H), 7.45−7.42 (m, 1H), 7.39−7.35 (m, 1H), 7.25 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.13−7.09 (m, 1H), 6.98 (dd, J = 3.8, 0.4 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H). LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 466.3; t = 3.09分。
【0226】
3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルバルデヒド
【0227】
【化89】

概略手順1に従って合成した。1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(25.0g、23.7mL、0.19モル)とギ酸(13.8g、11.6mL、1.2モル)をこの反応に用いた。LC/MS(10〜99%)によって、2時間後反応が完了していることが認められた。混合物を、20〜50%EtOAc/ヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーで精製して上記アミド(25g、0.15モル、82%収率)を透明な油状物として得た。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 161.8; t = 2.41分。
【0228】
1−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−塩化スルホニル
【0229】
【化90】

クロロスルホン酸(8.0mL、0.12モル)を、0℃で10分間かけて3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルバルデヒド(3.67g0.024モル)に分割添加した(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルバルデヒドが粘性シロップ状物であったので逆の添加方法は不可能であった)。概略手順2に従ってさらに合成して所望の塩化スルホニル(5.6g、0.022ミリモル、92%収率)を得た。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 260.0; t = 2.97分。
【0230】
1−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0231】
【化91】

1−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−塩化スルホニル(10.0g、0.04モル)をN雰囲気下、0℃でピリジン(15mL)中の2−アミノチアゾール(3.9g、0.04モル)の攪拌溶液に加えた。この混合物を室温に加温し、19時間攪拌した。混合物を、CHCl中の10%MeOHを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して上記スルホンアミド(1.50g、0.005ミリモル、12%収率)を得た。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 324.3; t = 2.21分。
【0232】
1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0233】
【化92】

EtOH(5.0mL)中1−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(0.50g、1.6ミリモル)とKOH(0.75g、13.4ミリモル)の溶液を室温で1時間攪拌した。生成した沈殿物をろ過し、1:1のEtOH:ETOで洗浄して所望のアミン(480mg、1.6ミリモル、100%収率)を白色固形物として得た。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 296.3; t = 1.90分。
【0234】
概略手順6:
【0235】
【化93】

1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(50mg、0.17ミリモル)、EtN(17mg、24μl、0.17ミリモル)およびCHCl(0.5mL)の攪拌溶液に酸クロリド(0.17ミリモル)を加えた。その溶液を室温で30分間間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)により生成物の生成が認められた。反応混合物を、Gilson分取HPLC(10〜99%CHCN−HO)で精製した。
【0236】
1−(2−フェノキシ−アセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0237】
【化94】

概略手順6に従って合成した。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 430.3; t = 1.78分。
【0238】
1−(4−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0239】
【化95】

概略手順6に従って合成した。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 468.1; t = 2.33分。
【0240】
1−(2−クロロ−アセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0241】
【化96】

雰囲気下で、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(50mg、0.17ミリモル)、EtN(17mg、24μl、0.17ミリモル)およびCHCl(0.5rnL)の溶液を0℃に冷却した。塩化クロロアセチル(77mg、56μl、0.68ミリモル)を10分間かけて滴下した。この反応混合物を0℃で2時間攪拌した。混合物を、CHCl中の2%MeOHを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して上記アミド(30mg、0.08ミリモル、47%収率)を得た。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 372.1; t = 2.51分。
【0242】
概略手順7:
【0243】
【化97】

1−(2−クロロ−アセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(50mg、0.13ミリモル)、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(53mg、0.40ミリモル)およびDMF(0.30mL)の溶液を、マイクロ波反応器を用いて150℃で300秒間加熱した。Gilson分取HPLC(10〜99%CHCN)で精製して所望の生成物を得た。
【0244】
1−(2−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル−アセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0245】
【化98】

概略手順7に従って合成した。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 469.4; t = 3.06分。
【0246】
1−[2−(3,3−ジフルオロ−ピロリジン−1−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−6−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0247】
【化99】

概略手順7に従って合成した。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 443.3; t = 2.00分。
【0248】
2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0249】
【化100】

2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−塩化スルホニル(8.4g、0.03モル)をピリジン(10mL)中に溶解し、60℃に加熱した。2−アミノチアゾール(2.5g、0.03モル)を徐々に加え、反応混合物を60℃で1時間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)により生成物への完全な転換が認められた。粗反応混合物を5%MeOH/CHClを用いてカラムクロマトグラフィーで精製して上記スルホンアミド(7.0g、0.018ミリモル、70%収率)を得た。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 392.0; t = 2.65分。
【0250】
1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0251】
【化101】

2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(5.0g、0.013モル)をEtOH(50mL)中に懸濁した。5分間かけてKOH(3.0g、0.05モル)を徐々にを加えると、溶液は透明になってきた。さらに10分間攪拌した後、生成した沈殿物をろ過し、EtOHで数回洗浄し、真空下で乾燥して上記アミン(3.0g、0.012ミリモル、95%収率)を得た。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 296.2; t = 0.66分。
【0252】
概略手順8:
【0253】
【化102】

DMF(0.3mL)中の1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(30mg、0.10ミリモル)とカルボン酸(0.10ミリモル)の攪拌溶液に、EtN(30mg、42μl、0.30ミリモル)とHATU(40mg、0.10ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)により完全な生成物の生成が認められた。Gilson分取HPLC(5〜99%CHCN)で精製して所望の生成物を得た。
【0254】
2−(2,4−ジクロロ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0255】
【化103】

概略手順8に従って合成した。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 468.1; t = 3.00分。
【0256】
2−[2−(7−クロロ−インドール−1−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0257】
【化104】

概略手順8に従って合成した。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 487.3; t = 3.07分。
【0258】
概略手順9:
【0259】
【化105】

DMF(0.3mL)中の1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(30mg、0.10ミリモル)とEtN(30mg、42μl、0.30ミリモル)の0℃での攪拌溶液に、上記酸クロリドを滴下した。0℃で1時間攪拌した後、反応混合物を室温に加温し、72時間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)により完全な転換が認められた。生成物をGlLSON分取HPLC(5〜99%CHCN)で精製した。
【0260】
2−(2−フェノキシ−プロピオニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0261】
【化106】

概略手順9に従って合成した。0℃で2−フェノキシ−プロピオニルクロリドを加え、混合物を室温で72時間攪拌した。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 444.2; t = 2.75分。
【0262】
2−(2−フルオロ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0263】
【化107】

概略手順9に従って合成した。2−フルオロベンゾイルクロリドを加え、混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで室温に加温した。反応は3時間後に完了した。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 418.1; t = 2.68分。
【0264】
2,2,2−トリクロロ−1−(1,3−ジヒドロ−イソインドール2−イル)−エタノン
【0265】
【化108】

雰囲気下、0℃で、塩化トリクロロアセチル(0.57mL、5.0ミリモル)をイソインドリン(1.0g、5.0ミリモル)、EtN(0.7mL、0.51g、5.0ミリモル)およびCHCl(20mL)の攪拌溶液に滴下した。溶液を室温に加温し、1時間攪拌した。真空下で溶媒を蒸発させた後、混合物を、8:2ヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して所望のアミド(1.2g、4.6ミリモル、91%収率)を得た。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 265.9; t = 3.51分。
【0266】
2−(2,2,2−トリクロロ−アセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−塩化スルホニル
【0267】
【化109】

2,2,2−トリクロロ1−(1,3−ジヒドロ−イソインドール2−イル)−エタノン(250mg、0.95ミリモル)を、N雰囲気下、−78℃でクロロスルホン酸(1.0mL、15ミリモル)に分割添加した。室温に加温した後、混合物を氷/水に注加し、EtOAcで抽出した。次いで有機層を真空下で蒸発させ、8/2ヘキサン/EtOAcを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して所望の塩化スルホニル(190mg、0.52ミリモル、55%収率)を得た。H−NMR (CDCl) δ 7.92−8.06 (m, 3H), 7.52−7.82 (m, 2H), 5.38 (s, 2H), 4.99 (s, 2H)。
【0268】
2−(2,2,2−トリクロロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0269】
【化110】

2−(2,2,2−トリクロロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−塩化スルホニル(0.25g、0.7ミリモル)を、2−アミノチアゾール(0.07g、0.7ミリモル)とピリジン(57μl、0.7ミリモル)の攪拌溶液に加え、60℃で1時間加熱した。次いで反応混合物をCHClと1N HCl水溶液に分配させた。有機層を真空下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl中に3%MeOH)で精製して上記スルホンアミドを黄褐色固形物(200mg、0.5ミリモル、67%収率)として得た。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 426.0; t = 2.88分。
【0270】
2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0271】
【化111】

2−(2,2,2−トリクロロアセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(0.10g、0.23ミリモル)とKOH(0.03g、0.46ミリモル)を、EtOH(0.5mL)とHO(0.13mL)の混合物中で、室温で19時間攪拌した。溶液を酢酸で酸性化し、真空下で濃縮した。白色固形物をさらに精製することなく次のステップで使用した。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 282.3; t = 2.62分。
【0272】
2−[2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド
【0273】
【化112】

2−(3−クロロ−4−フルオロフェノキシ)アセチルクロリド(52mg、0.23ミリモル)を、N雰囲気下で2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(65mg、0.23ミリモル)、EtN(64μl、0.46ミリモル)およびCHCl(500μl)の攪拌溶液に加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。LC/MS(10〜99%CHCN)により生成物の生成が認められた。Gilson分取HPLC(10〜99%CHCN)で精製して所望のアミドを得た。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 468.1; t = 2.95分。
【0274】
1−(2−クロロエチル)−N−(チアゾール−2−イル)インドリン−5−スルホンアミド
【0275】
【化113】

雰囲気下での2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸チアゾール−2−イルアミド(10.0g、35.6ミリモル)、EtN(5.0mL、3.6g、35.6ミリモル)およびDMF(10.0mL)の攪拌溶液に、1−ブロモ−2−クロロエタン(2.9mL、5.1g、35.6ミリモル)を加えた。溶液を室温で3日間攪拌した。混合物を水と酢酸エチルに分配させた。有機部分を減圧下で蒸発させて乾燥した。残留物を、CHCl中の3%MeOHを用いてシリカゲルクロマトグラフィーで精製して所望のアミン(3.1g、9.0ミリモル、25%収率)を透明な油状物として得た。H−NMR (DMSO−d) δ 7.39−7.37 (m, 2H), 6.83 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 6.43 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 6.28 (s, 1H), 4.23 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.88 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.47 (t, J = 8.7 Hz, 2H), 3.33 (s, 1H), 2.94 (t, J = 3.7 Hz, 2H). LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 344.0; t = 2.88分。
【0276】
1−(2−(キノリン−8−イルアミノ)エチル)−N−(チアゾール−2−イル)インドリン−5−スルホンアミド
【0277】
【化114】

概略手順10:1−(2−クロロエチル)−N−(チアゾール−2−イル)インドリン−5−スルホンアミド(50mg、0.15ミリモル)、8−アミノキノリン(65mg、0.45ミリモル)およびDMF(1.0mL)の攪拌溶液を、マイクロ波を用いて150℃で600秒間加熱した。LC/MS(10〜99%CHCN)により完全な転換が認められた。生成物をGilson分取HPLC(5〜99%CHCN)で精製した。LC/MS (10−99%) M/Z: M1 obs = 452.03; t = 2.08分。
【0278】
1−(2−(ベンゾ[d]チアゾール−2−イルアミノ)エチル)−N−(チアゾール−2−イル)インドリン−5−スルホンアミド
【0279】
【化115】

概略手順10に従って合成した。LC/MS (10−99% CHCN), M/Z: M+1 obs = 458.30; t = 2.47分。
【0280】
本発明の選択された化合物の分析データを以下の表2に示す。
【0281】
【化116】

【0282】
【化117】

【0283】
【化118】

【0284】
【化119】

化合物のNaV阻害特性を検出および測定するためのアッセイ
化合物のNaV阻害特性をアッセイするための光学的方法:
本発明の化合物は電位依存性ナトリウムイオンチャンネルのアンタゴニストとして有用である。試験化合物のアンタゴニスト特性は以下のようにして評価した。対象のNaVを発現する細胞をマイクロタイタープレート中に置いた。インキュベーション期間を経た後、細胞を膜貫通電位に敏感な蛍光染料で染色した。試験化合物をマイクロタイタープレートに加えた。細胞を、化学的または電気的手段で刺激して非遮断チャンネルからのNaV依存性膜電位の変化を惹起させ、これを膜貫通電位に敏感な染料で検出し測定した。刺激に応答して減少した膜電位としてアンタゴニストを検出した。光学的膜電位アッセイには、GonzalezおよびTsienが記載している電位感受性FRETセンサー(Gonzalez, J. E. and R. Y. Tsien(1995年)、「Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells」、Biophys J 69(4):1272〜80頁、およびGonzalez, J. E. and R. Y. Tsien(1997年)、「Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer」、Chem Biol 4(4):269〜77頁を参照されたい)を、電圧/イオンプローブリーダー(VIPR(登録商標))などの蛍光変化測定用の器具類(Gonzalez, J. E., K. Oades,ら、(1999年)、「Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets」、Drug Discov Today 4(9):431〜439頁を参照されたい)と組み合わせて使用した。
【0285】
化学刺激を用いたVIPR(登録商標)光学的膜電位アッセイ法
細胞の取扱いと染料の装荷
VPRでアッセイする24時間前に、NaV1.2型の電位依存性NaVを内因的に発現するCHO細胞を、96ウェルのポリリシンコーティングしたプレートにウェル当たり60,000細胞で播種する。他のサブタイプは、対象のNaVを発現する細胞系で同様の方式で実施する。
【0286】
1)アッセイ当日に培地を吸引し、細胞を225μlの浴溶液#2(BS#2)で2回洗浄する。
【0287】
2)5mMクマリンストック溶液と10%Pluronic127 1:1を混合し、次いでその混合物を適切な用量のBS#2の中に溶解させて、15uM CC2−DMPE溶液を調製する。
【0288】
3)96ウェルプレートから浴溶液を取り外した後、細胞に、80μlのCC2−DMPE溶液を装荷する。プレートを暗所で、室温で30分間インキュベートする。
【0289】
4)細胞をクマリンで染色している間に、BS#2中の15μLオキソノール溶液を調製する。DiSBAC(3)に加えて、この溶液に0.75mM ABSClと30μLベラトリジン(10mM EtOHストック、Sigma#V−5754から調製)を含ませる。
【0290】
5)30分後、CC2−DMPEを取り出し、細胞を225μlのBS#2で2回洗浄する。前のように、残る容量は、その前と同じく40μLとしなければならない。
【0291】
6)浴を取り外して、細胞に80μlのDiSBAC(3)溶液を装荷し、次いで所望の試験濃度になるように、DMSO中に溶解した試験化合物を薬物添加プレートから各ウェルに加え、完全に混合する。ウェル中の容積はほぼ121μLとすべきである。次いで細胞を20〜30分間インキュベートする。
【0292】
7)インキュベーションが完了したら、細胞は、ナトリウムアドバック手順を用いるVIPR(登録商標)でのアッセイの準備が完了する。120μlの浴溶液#1を加えてNaV依存性脱分極を刺激させる。NaVチャンネルの遮断のためのアンタゴニスト陽性対照として、200μLテトラカインを用いた。
【0293】
VIPR(登録商標)データの分析:
データを、460nmおよび580nmチャンネルで測定したバックグラウンド差し引き発光強度の正規化比として、分析し記録する。次いで、各アッセイチャンネルからバックグラウンド強度を差し引く。同じように処理した、細胞の存在しないアッセイウェルからの発光強度を同じ期間測定して、バックグラウンド強度を得る。次いで、時間の関数としての応答を、以下の式を用いて得られる比で記録する。
【0294】
【化120】

初期(R)の比と最終(R)の比を計算してデータをさらに変形する。これらは、予備刺激期間の一部またはすべてと、刺激期間での試料ポイント間との平均比の値である。次いで刺激への応答R=R/Rを計算する。Na加減分析時間窓のために、ベースラインは2〜7秒とし、最終応答は15〜24秒でサンプリングする。
【0295】
対照応答は、テトラカインなどの所望の特性を有する化合物(陽性対照)の存在下、薬理学的薬剤(陰性対照)の非存在下でアッセイすることによって得る。陰性(N)対照および陽性(P)対照に対する応答を上記のようにして計算する。化合物アンタゴニスト活性Aは:
【0296】
【化121】

(式中、Rは試験化合物の比率応答である)
で定義される。
【0297】
溶液[mM]
浴溶液#1:NaCl 160、KCl 4.5、CaCl 2、MgCl 1、HEPES 10、NaOHでpH7.4
浴溶液#2 TMA−Cl 160、CaCl 0.1、MgCl 1、HEPES 10、NaOHでpH7.4(最終K濃度約5mM)
CC2−DMPE:DMSO中の5mMストック溶液として調製し、−20℃で保存
DiSBAC(3):DMSO中の12mMストックとして調製し、−20℃で保存
ABSCl:蒸留水中の200mMストックとして調製し、室温で保存
細胞培養
CHO細胞を、10%FBS(ウシ胎仔血清、認定付(qualified);GibcoBRL#16140−071)および1%Pen−Strep(ペニシリン−ストレプトマイシン;GibcoBRL#15140−122)で補充されたDMEM(ダルベッコ変法イーグル培地;GibcoBRL#10569−010)中で増殖させる。細胞を空気抜きキャップ付フラスコ中で、90%湿度、10%CO雰囲気で100%コンフルエンスまで増殖させる。通常これらを、スケジュール上の必要に応じて、トリプシン処理によって1:10または1:20に分割し、次の分割の前に2〜3日増殖させる。
【0298】
電気的刺激を用いたVIPR(登録商標)光学的膜電位アッセイ法
以下に、光学的膜電位法#2を用いたNaV1.3阻害活性の測定の仕方の例を示す。他のサブタイプを、対象のNaVを発現する細胞系で、同様の方式で実施する。
【0299】
NaV1.3を安定的に発現するHEK293細胞を96ウェルマイクロタイタープレート中に蒔く。適当なインキュベーション期間後、以下のようにして、細胞を電位感受性染料CC2−DMPE/DiSBAC(3)で染色する。
【0300】
試薬:
脱水DMSO中に100mg/mL Pluronic F−127(Sigma#P2443)
脱水DMSO中に10mM DiSBAC2(3)(Aurora#00−100−010)
脱水DMSO中に10mM CC2−DMPE(Aurora#00−100−008)
O中に200mM ABSCl
10mM HEPES(Gibco#15630−080)で補充されたハンクス平衡塩溶液(Hyclone#SH30268.02)
装荷手順:
2X CC2−DMPE=20μM CC2−DMPE:10mM CC2−DMPEを等容積の10%pluronicと渦巻き混合させ、続いて10mM HEPESを含む必要量のHBSS中で渦巻き混合させる。各細胞プレートは5mlの2X CC2−DMPEを必要とする。50μlの2X CC2−DMPEを、洗浄した細胞を含むウェルに加え、10μMの最終染色濃度を得る。細胞を、暗所でRTで30分間染色する。
【0301】
ABSCl=6μM DISBAC(3)および1mM ABSClを用いた2X DISBAC(3):必要量の10mM DISBAC(3)を50ml円錐管に加え、溶液の各mLについて1μL10%pluronicとなるように混合し、一緒に渦巻き混合させる。次いで、HBSS/HEPESを加えて2×溶液にする。最後にABSClを加える。
【0302】
2X DiSBAC(3)溶液は、化合物プレートを溶媒和させるのに用いられる。化合物プレートは2×薬物濃度で作製されることに留意されたい。染色されたプレートを再度洗浄して、50μLの残留容積を得る。50uL/ウェルの2X DiSBAC(3)w/ABSClを加える。暗所でRTで30分間染色する。
【0303】
電気的刺激装置およびその使用方法は、PCT/US01/21652(これを参照により本明細書に組み込む)のイオンチャンネルアッセイ法に記載されている。この装置は、マイクロタイタープレートハンドラー、クマリン染料を励起させ、同時にクマリンおよびオキソノールの発光を記録するための光学系、波形発生器、電流式または電圧式の制御増幅器、およびウェルの中に電極を挿入するためのデバイスを備える。この装置により、統合型コンピュータ制御のもとで、マイクロタイタープレートのウェル内の細胞へのユーザープログラム式の電気的刺激手順が送られる。
【0304】
試薬
アッセイ緩衝液#1
140mM NaCl、4.5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM HEPES、10mM グルコース、pH7.40、330mOsm
Pluronicストック(1000×):脱水DMSO中に100mg/mL pluronic127
オキソノールストック(3333×):脱水DMSO中に10mM DiSBAC(3)
クマリンストック(1000×):脱水DMSO中に10mM CC2−DMPE
ABSClストック(400×):水の中に200mM ABSCl
アッセイ手順
アッセイする各ウェルに電極を挿入するかまたはそれを用いる。
【0305】
電流制御式増幅器を用いて刺激パルス波を3秒間送る。非刺激状態での強度を得るために予備刺激記録を2秒間実施する。静止状態への弛緩を試験するために刺激後記録を5秒間実施する。
【0306】
データ分析
データを、460nmおよび580nmチャンネルで測定したバックグラウンド差し引き発光強度の正規化比として、分析し記録する。次いで各アッセイチャンネルからバックグラウンド強度を差し引く。バックグラウンド強度は、その中に細胞が存在しない、同一処理アッセイウェルからの同じ期間の発光強度を測定して得る。時間の関数としての応答を、以下の式を用いて得られる比として記録する。
【0307】
【化122】

初期(R)および最終(R)比を計算してデータをさらにまとめる。これらは、予備刺激期間の一部の間またはその全期間と、刺激期間での試料ポイント間との平均比の値である。次いで刺激に対する応答R=R/Rを計算する。
【0308】
テトラカインなどの所望の特性(陽性対照)を有する化合物の存在下、薬理作用のある物質(陰性対照)の非存在下で、アッセイを実施することによって対照の応答を得る。陽性(N)対照および陽性(P)対照に対する応答を上記のようにして計算する。化合物のアンタゴニスト活性Aは
【0309】
【化123】

(式中、Rは試験化合物の応答比である)
と定義される。
【0310】
試験化合物のNaV活性および阻害のための電気生理学的アッセイ
パッチクランプ電気生理学手法を、後根神経節ニューロンにおけるナトリウムチャンネル遮断剤の効力と選択性の評価のために用いた。ラットのニューロンを後根神経節から単離し、NGF(50ng/ml)(B27、グルタミンおよび抗生物質で補充されたNeurobasalAからなる培地)の存在下で培養物中に2〜10日間保持した。小径ニューロン(侵害受容器、8〜12μmの直径)が目視で確認され、増幅器に連結された先細のガラス電極(Axon Instruments)でプローブした。化合物のIC50を評価するために、「電圧クランプ」方式を、細胞を−60mVで保持して用いた。さらに、「電流クランプ」方式を、電流注入に応答した活動電位の生成を遮断する際の化合物の効力を試験するのに用いた。これらの実験結果は化合物の効力プロファイルの規定に寄与する。
【0311】
DRGニューロンでの電圧クランプアッセイ
TTX抵抗性ナトリウム電流を、パッチクランプ技法のホールセル変動を用いて、DRG体細胞から記録した。記録は、Axopatch200B増幅器(Axon Instruments)で肉厚壁を有するホウケイ酸ガラス電極(WPI;抵抗3〜4MΩ)を用いて、室温(約22℃)で行った。ホールセル配置を確立した後、セル内でピペット溶液が平衡になるように約15分間かけ、続いて記録を開始した。2〜5kHzで電流を低域フィルタリングし、10kHzでデジタル的にサンプリングした。直列抵抗を60〜70%補償し、実験を通して連続的に監視した。データ分析において、細胞内ピペット溶液と外部記録溶液との間の液界電位(−7mV)は考慮しなかった。重力駆動式急速かん流システム(SF−77;Warner Instruments)を用いて、細胞に試験溶液を施した。
【0312】
電圧クランプ方式で、用量反応関係を、実験固有の保持電位から+10mVの試験電位まで60秒毎に1回細胞を繰り返し脱分極化させることによって測定した。次の試験濃度に進むまで、遮断効果をプラトー状態に保った。
【0313】
溶液
細胞内液(mMで):Cs−F(130)、NaCl(10)、MgCl2(1)、
EGTA(1.5)、CaCl2(0.1)、HEPES(10)、グルコース(2)、pH=7.42、290mOsm。
【0314】
細胞外液(mMで):NaCl(138)、CaCl2(1.26)、KCl(5.33)、KH2PO4(0.44)、MgCl2(0.5)、MgSO4(0.41)、NaHCO3(4)、Na2HPO4(0.3)、グルコース(5.6)、HEPES(10)、CdCl2(0.4)、NiCl2(0.1)、TTX(0.25×10−3)。
【0315】
化合物のNaVチャンネル阻害活性のための電流クランプアッセイ
Multiplamp700A増幅器(Axon Inst)を用いて、細胞を、ホールセル配置で電流クランプした。ホウケイ酸塩ピペット(4〜5MOhm)を(mMで):150K−グルコン酸塩、10 NaCl、0.1 EGTA、10 Hepes、2 MgCl(KOHでpH7.34に緩衝させた)で充満させた。細胞を(mMで):140 NaCl、3 KCl、1 MgCl、1 CaCl、および10 Hepes)中に浸した。シール形成の前にピペット電位をゼロに合わせ、取得中は液界電位を修正しなかった。記録は室温で実施した。
【0316】
NaV1.3チャンネルに対する、選択化合物についての活性データを以下の表4に示す。活性範囲は以下の通りである。
【0317】
「+++」<2μM<「++」5μM<「+」
表4.
【0318】
【化124】

【0319】
【化125】

【0320】
【化126】

当業者には明白である、本明細書で説明した実施形態の多くの修正および変更を、本発明の範囲を逸脱することなく行うことができる。本明細書で説明した具体的実施形態は単に例として示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

の化合物または薬剤として許容されるその塩であって、ここで式中、
環Zは、O、S、NもしくはNHから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和または芳香環であり、該環Zはzが以下の通り出現するRで任意選択で置換されており、
zは0〜4であり、
はR、R、R、RまたはRから選択され、
環Bは、N、O、SまたはNHから独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、不飽和または芳香環であり、
環Bは、それと縮合したフェニル環と一緒になって、wが以下の通り出現するW−Rで任意選択で置換されており、
wは0〜4であり、
Wは結合またはC1〜C6直鎖もしくは分枝アルキリデン鎖であり、環Bと結合している炭素原子以外の最大で2個の隣接しないメチレン単位は、任意選択でかつ独立に−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−または−NRSONR−で置換されており、
はハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR、S(O)R、SO、NH、N(RまたはCOORから独立に選択され、
Qは結合であるか、またはC1〜C6直鎖もしくは分枝アルキリデン鎖であり、Qの隣接しない最大で2個のメチレン単位は、任意選択でかつ独立に、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−またはスピロシクロアルキレン部分で置換されており、
は、C1〜6脂肪族基、O、S、NもしくはNHから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の単環、あるいはO、S、NもしくはNHから独立に選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の二環式環系であり、
はR、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されており、
はRであり、
qは0または1であり、
はオキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、Rまたは(CH−Yであり、ここでnは0、1または2であり、Yはハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COORまたはORであるか、あるいは
隣接環原子の2つのRは一緒になって1,2−メチレンジオキシまたは1,2−エチレンジオキシを形成しており、
は水素またはC1〜C6脂肪族であり、各RはR、RまたはRから独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されており、
は、R、R、RまたはRから独立に選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環、またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、
はOR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、またはP(O)(OR)(OR);であり、
は、最大で3つのR置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環、またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、
はHまたはC1〜C6脂肪族であり、RはR置換基で任意選択で置換されており、
はC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、各RはH、C1〜C6脂肪族または、mが0〜2であるCH−Z’から独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されており、
Z’はハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1〜C6)脂肪族、S(O)−(C1〜C6)脂肪族、SO−(C1〜C6)脂肪族、NH、NH−(C1〜C6)脂肪族、N((C1〜C6)脂肪族)、N((C1〜C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1〜C6)脂肪族)またはO−(C1〜C6)脂肪族から選択され、
はアセチル、C6〜C10アリールスルホニルまたはC1〜C6アルキルスルホニルであり、
ただし、
(i)環Zが3−フェニル−オキサゾール−2−イルであり、Rが水素であり、QがOである場合、Rはブチルではなく、かつ、
(ii)環Zが3−メチル−チアゾール−2−イルであり、Rが水素であり、QがOである場合、Rはメチルではない、
化合物または薬剤として許容されるその塩。
【請求項2】
Zが
【化2】

【化3】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がR、RまたはRから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
zが0〜2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が水素、ハロ、C1〜C6脂肪族、またはC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環もしくはC5〜C10ヘテロアリール環から独立に選択される任意選択で置換された基であり、前記脂環、前記アリール、前記複素環または前記ヘテロアリールが、R、R、RもしくはRから選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が水素、Cl、C1〜C6直鎖もしくは分枝アルキル、C2〜C6直鎖もしくは分枝アルケニルまたはC2〜C6直鎖もしくは分枝アルキニルから選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Qが結合、またはC1〜C6直鎖もしくは分枝アルキリデン鎖から選択され、前記アルキリデンの最大で2つのメチレン単位が、O、S、OCO、NH、N(C1〜C4アルキル)またはスピロシクロアルキレン基で独立に置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Qが−X−(X−であり、
ただし、
は結合、またはR、RもしくはRから独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されたC1〜C6脂肪族であり、
pは0または1であり、
はO、SまたはNRである、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が結合、C1〜C6アルキルまたはC2〜C6アルキリデンであり、前記アルキルおよびアルキリデンはRまたはRで独立にかつ任意選択で置換されている、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
が結合、−CH−、−CH−CH−、−(CH−、−C(Me)−、−CH(Me)−、−C(Me)=CH−、−CH=CH−、−CH(Ph)−、−CH−CH(Me)−、−CH(Et)−または−CH(i−Pr)−から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が任意選択で置換されたフェニルまたはナフチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
が、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル、OH、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、C(O)NH、NH、NH(C1〜4アルキル)、N(C1〜4アルキル)、NHC(O)C1〜4アルキルまたはC(O)C1〜4アルキルから選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】

【化4】

【化5】

【化6】

から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が任意選択で置換された3〜8員の脂環式環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
がシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルから選択される任意選択で置換された環である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
が、O、S、NもしくはNHから独立に選択される最大で3つのヘテロ原子を含む、任意選択で置換された5〜6員の単環式の不飽和、部分的に置換された環または芳香族環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】

【化7】

から選択される任意選択で置換された環である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が、任意選択で置換されたフェニル環と任意選択で縮合している、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
が、任意選択で置換された8〜10員の二環式の複素環またはヘテロ芳香族環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】

【化9】

から選択される任意選択で置換された環である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
が、ピロリジン−1−イル、3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、3−メチル−ピペリジン−1−イル、4−メチル−ピペリジン−1−イル、4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル、4,5−ジメチル−4−モルホリン−1−イル、2,6−ジメチルモルホリン−4−イル、インドール−1−イル、4−フルオロ−インドール−1−イル、5−クロロ−インドール−1−イル、7−クロロ−インドール−1−イル、テトラヒドロキノリン−1−イル、7−トリフルオロメチル−テトラヒドロキノリン−1−イル、6−メチル−テトラヒドロキノリン−1−イル、6−クロロ−テトラヒドロキノリン−1−イル、テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、7−クロロ−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、7−トリフルオロメチル−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、7−フルオロ−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、6−メチル−テトラヒドロ−イソキノリン−2−イル、8−トリフルオロメチル−キノリン−4−イル、ピリジン−3−イル、またはピリジン−4−イルから選択される、請求項17または20に記載の化合物。
【請求項23】
以下の式I−A−i、式I−B−i、式I−C−i、式I−D−i、式I−E−i、式I−A−ii、式I−B−ii、式I−C−ii、式I−D−iiまたは式I−E−ii:
【化11】

を有し、ここで、環Z、R、QおよびRは上記で定義される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
表1の化合物から選択される、請求項1または23に記載の化合物。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか一項に記載の化合物、および薬剤として許容される担体、アジュバントまたはビヒクルを含む医薬組成物。
【請求項26】
(a)患者、または
(b)生物学的試料
においてNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9またはCav2.2活性の1つまたは複数を阻害するための方法であって、前記患者に式I:
【化12】

の化合物または薬剤として許容されるその塩を投与するか、または前記生物学的試料をそれと接触させることを含む方法であって、ここで式中、
環Zは、O、S、NもしくはNHから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を有する5〜7員の不飽和または芳香環であり、前記環Zはzが以下の通り出現するRで任意選択で置換されており、
zは0〜4であり、
はR、R、R、RまたはRから選択され、
環Bは、N、O、SまたはNHから独立に選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する5〜7員の単環式、不飽和または芳香環であり、
環Bは、それと縮合したフェニル環と一緒になって、wが以下の通り出現するW−Rで任意選択で置換されており、
ここで、wは0〜4であり、
Wは結合またはC1〜C6直鎖もしくは分枝アルキリデン鎖であり、環Bと結合している炭素原子以外の最大で2個の隣接しないメチレン単位は、任意選択でかつ独立に−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−または−NRSONR−で置換されており、
はハロ、CN、NO、CF、OCF、OR、SR、S(O)R、SO、NH、N(RまたはCOORから独立に選択され、
Qは結合であるか、またはC1〜C6直鎖もしくは分枝アルキリデン鎖であり、Qの隣接しない最大で2個のメチレン単位は、任意選択でかつ独立に、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR−、−CONRNR−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−O−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR、−NRNRCO−、−NRCO−、−S−、−SO、−SO−、−NR−、−SONR−、NRSO−、−NRSONR−またはスピロシクロアルキレン部分で置換されており、
は、C1〜6脂肪族基、O、S、NもしくはNHから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の単環、あるいはO、S、NもしくはNHから独立に選択される0〜5個のヘテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の二環式環系であり、
はR、R、R、RまたはRから選択される最大で4つの置換基で任意選択で置換されており、
qは0または1であり、
はRであり、
はオキソ、=NN(R、=NN(R、=NN(R)、Rまたは(CH−Yであり、ここでnは0、1または2であり、Yはハロ、CN、NO、CF、OCF、OH、SR、S(O)R、SO、NH、NHR、N(R、NR、COOH、COORまたはORであるか、あるいは
隣接環原子の2つのRは一緒になって1,2−メチレンジオキシまたは1,2−エチレンジオキシを形成しており、
は水素またはC1〜C6脂肪族であり、各RはR、RまたはRから独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されており、
は、R、R、RまたはRから独立に選択される最大で3つの置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環、またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、
はOR、OR、OC(O)R、OC(O)R、OC(O)OR、OC(O)OR、OC(O)N(R、OC(O)N(R、OC(O)N(R)、OP(O)(OR、OP(O)(OR、OP(O)(OR)(OR)、SR、SR、S(O)R、S(O)R、SO、SO、SON(R、SON(R、SONR、SO、SO、C(O)R、C(O)OR、C(O)R、C(O)OR、C(O)N(R、C(O)N(R、C(O)N(R)、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(O)N(OR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、C(NOR)R、N(R、N(R、N(R)、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)R、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)OR、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRC(O)N(R、NRC(O)NR、NRC(O)N(R、NRSO、NRSO、NRSO、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、NRSONR、NRSON(R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、N(OR)R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R)、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR)N(R、P(O)(OR、P(O)(OR、またはP(O)(OR)(OR);であり、
は、最大で3つのR置換基で任意選択で置換されたC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環、またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、
はHまたはC1〜C6脂肪族であり、RはR置換基で任意選択で置換されており、
はC3〜C8脂環、C6〜C10アリール、C3〜C8複素環またはC5〜C10ヘテロアリール環であり、各RはH、C1〜C6脂肪族または、mが0〜2である(CH−Z’から独立に選択される最大で2つの置換基で任意選択で置換されており、
Z’はハロ、CN、NO、C(ハロ)、CH(ハロ)、CH(ハロ)、−OC(ハロ)、−OCH(ハロ)、−OCH(ハロ)、OH、S−(C1〜C6)脂肪族、S(O)−(C1〜C6)脂肪族、SO−(C1〜C6)脂肪族、NH、NH−(C1〜C6)脂肪族、N((C1〜C6)脂肪族)、N((C1〜C6)脂肪族)R、COOH、C(O)O(−(C1〜C6)脂肪族)またはO−(C1〜C6)脂肪族から選択され、あるいは
はアセチル、C6〜C10アリールスルホニルまたはC1〜C6アルキルスルホニルである、
方法。
【請求項27】
前記化合物が式I、式I−A−i、式I−B−i、式I−C−i、式I−D−i、式I−E−i、式I−A−ii、式I−B−ii、式I−C−ii、式I−D−iiまたは式I−E−iiを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
急性、慢性、神経障害性または炎症性の疼痛、関節炎、片頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス神経炎、全身性神経痛、てんかんもしくはてんかん状態、神経変性障害、不安およびうつ病などの精神疾患、筋緊張症、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、変形性関節症疼痛、ヘルペス後神経炎、糖尿病性ニューロパシー、歯根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛もしくは頸痛、激しい痛みもしくは難治性疼痛、侵害受容疼痛、突出痛、手術後の痛み、脳卒中、双極性障害、あるいは癌性疼痛から選択される疾患、障害または状態を治療するかまたはその重篤度を軽減するための方法であって、有効量の式I、式I−A−i、式I−B−i、式I−C−i、式I−D−i、式I−E−i、式I−A−ii、式I−B−ii、式I−C−ii、式I−D−iiまたは式I−E−iiによる化合物を前記患者に投与するステップを含む方法。
【請求項29】
前記化合物が、請求項1から24のいずれか一項によるものである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記疾患、状態または障害が電位依存性ナトリウムチャンネルの活性化または過剰活性に関係している、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記疾患、状態または障害が歯根痛、坐骨神経痛、背痛、頭痛、頸痛または神経障害である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記疾患、状態または障害が、激しい痛みもしくは難治性疼痛、急性疼痛、手術後疼痛、背痛または癌性疼痛である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記疾患、状態または障害が電位依存性カルシウムチャンネルの活性化または過剰活性に関係している、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記疾患、状態または障害が急性、慢性、神経障害性、炎症性の疼痛または炎症性突出痛である、請求項33に記載の方法。


【公表番号】特表2008−540539(P2008−540539A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511228(P2008−511228)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/017699
【国際公開番号】WO2006/122014
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】