イオン壁形成装置
【課題】コロナ放電現象に伴うオゾン発生量を低減して、オゾンに起因する特有の異臭を軽減できるようにする。
【解決手段】本発明は、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、上流側に板状の基部２ａに複数の突起２ｂを有する放電電極２と、この放電電極２の下流側に、当該放電電極２に一定の間隔を保って対向する、一枚又は複数枚の互いに平行にした板状の対向電極３とを上記イオン風の流れ方向に沿って備え、かつ、上記放電電極２の板状の基部２ａを絶縁材料２ｃで被覆したことを特徴としている。
【解決手段】本発明は、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、上流側に板状の基部２ａに複数の突起２ｂを有する放電電極２と、この放電電極２の下流側に、当該放電電極２に一定の間隔を保って対向する、一枚又は複数枚の互いに平行にした板状の対向電極３とを上記イオン風の流れ方向に沿って備え、かつ、上記放電電極２の板状の基部２ａを絶縁材料２ｃで被覆したことを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、コロナ放電によるイオン風を利用するイオン壁形成装置としては、例えば、特許文献１に帯電エアーシャワーユニットとして開示されている。
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−９５９９８号公報
【０００４】
上記特許文献１に開示されている帯電エアーシャワーユニットは、イオン風によって形成された遮蔽膜（本発明でいうイオン壁）により空間を区画し、この区画された空間内の煙、臭い、塵埃、細菌等が区画外へ拡散するのを防ぐことを主目的とするものであって、その構成の概略は次のとおりである。図４は、帯電エアーシャワーユニットとして開示された従来のイオン壁形成装置の概略縦断面図である。
【０００５】
すなわち、上記帯電エアーシャワーユニットは、図４に示すように、上流側に板状の基部に複数の針状の突起を有する放電極（以下の本発明でいう放電電極）と、この放電極の下流側にこれに対向する２枚の平行した板状の陽極（以下の本発明でいう対向電極）とを備えたものである。
【０００６】
同図の帯電エアーシャワーユニット１０１においては、放電極１０２と陽極１０３とのコロナ放電用電極対に高電圧が高圧直流電源１０４により印加されると、吸気口１０５から吸入される空気の絶縁破壊によってコロナ放電が生じて負の電圧に印加された放電極１０２から電子が放出され、そして、その電子により負にイオン化された空気が陽極１０３方向に向かい、さらにそれを通過してイオン風となって排出口１０６から送り出され、膜状に整流された遮蔽膜が形成される。なお、１０７は、ユニットフレームである。
【０００７】
この負に帯電した遮蔽膜によって区画された空間内では、正に帯電している煙、臭い、塵埃、細菌等がこの遮蔽膜に接すると、電気的に中和されて下方に沈降、落下し、そして、上記したごとく、これらの区画外への拡散が防止されるのである。
【０００８】
ところで、一般的に、コロナ放電現象に伴ってオゾンが発生するが、このオゾン自体は人体に有害である。
上記したような帯電エアーシャワーユニット１０１等においては、イオン風に含まれるオゾンは、人体の健康被害には至らないまでも、周囲にオゾン特有の異臭を発するという問題点がある。
【０００９】
このオゾンを除去する手段として、例えば、オゾン分解触媒（例示：二酸化マンガン）、オゾン分解剤（例示：活性炭）、オゾン分解波長（２５４ｎｍ近傍）の紫外線照射等が知られており、上記帯電エアーシャワーユニット１０１の場合等では、陽極１０３近傍又はその下流、すなわち、イオン風の流路にこのオゾン除去手段を設けること等により、オゾンの一定の除去を図ることはできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、上記オゾン分解手段を用いる場合には、設備費、保全等に多額の費用を必要とするばかりでなく、そのオゾンの除去効果は、必ずしも満足すべきものではなく、オゾン発生量を低減させ得るイオン壁形成装置の開発が望まれている。
【００１１】
そこで本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、コロナ放電現象に伴うオゾン発生量を低減して、オゾンに起因する特有の異臭を軽減できるイオン壁形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記イオン壁形成装置において、上流側の板状の基部に針状の突起を有する放電電極と、この下流側にあって、この放電電極に一定の間隔を保って対向する板状の対向電極とによるコロナ放電に際し、放電電極の針状の突起以外の基部から異状放電があること、この基部を絶縁材料で被覆することにより異状放電が減少すること、さらに、熱収縮性樹脂を用いることにより基部を容易に被覆することができること、その結果、オゾン発生量を低減してオゾンに起因する特有の異臭を軽減できること等の新知見を得、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
【００１３】
すなわち、本発明のイオン壁形成装置は、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するものであり、上流側に板状の基部に複数の突起を有する放電電極と、上記放電電極の下流側に上記放電電極に一定の間隔を保って対向する、一枚又は複数枚の互いに平行した板状の対向電極とを上記イオン風の流れ方向に沿って備え、かつ、上記放電電極の板状の基部を絶縁材料で被覆していることを特徴としている。
【００１４】
また、本発明のイオン壁形成装置は、上記絶縁材料が熱収縮性樹脂であることを特徴としている。
【００１５】
更に、本発明のイオン壁形成装置は、上記熱収縮性樹脂をチューブ状に形成していることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、上流側の板状の基部に突起を有する放電電極と、この下流側にあって、この放電電極に一定の間隔を保って対向する板状の対向電極とによるコロナ放電に際し、放電電極の基部を絶縁材料で被覆することにより異状放電が減少する等としたため、コロナ放電現象に伴うオゾン発生量を低減して、オゾンに起因する特有の異臭を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明のイオン壁形成装置について詳細に説明する。
先ず、本発明のイオン壁形成装置は、基本的には、放電電極と対向電極とのコロナ放電用電極対と、これが収容される筐体とから構成され、このコロナ放電用電極対に高電圧を印加するための高電圧直流電源は、この筐体内の一部に、あるいは筐体に外付け等して設けられる。
【００１８】
上記筐体は、上面に空気を吸入するための吸気用開口を有し、また、下面に上記コロナ放電用電極対によるコロナ放電で生起されたイオン風を送り出す送風用開口を有している。
そして、上記送風用開口は、風上からのイオン風を、形成されるイオン壁の幅（イオン壁形成装置の送風用開口を水平とする使用態様では、イオン壁の水平方向の長さ、送風用開口を垂直とする使用態様では、イオン壁の垂直方向の長さ）に整流する機能を有している。
なお、上記筐体の形状は、形成されるイオン壁の幅を考慮して適宜選択され、通常は横長の直方体であるが、断面がＬ字状のようなイオン壁を形成させる場合には、その筐体の形状をＬ字状にすればよい。
【００１９】
上記コロナ放電用電極対は、通常、上記筐体内の長手方向に沿って設けられ、そして、上流側に放電電極と、この下流側に放電電極に一定の間隔を保って対向する対向電極とをイオン風の流れ方向に沿って備えている。
上記放電電極は、板状の基部に複数の針状の突起を一体的に有する、いわゆる針状電極である。
また、上記対向電極は、一枚の板状又は複数枚の互いに平行にした板状の電極でイオン風の送風を妨げない構造にしたもの、二枚の平行にした板状の電極の放電電極側上端の略中間位置に更に棒状の電極を付加したもの等である。
【００２０】
そして、これらの放電電極と対向電極とが適宜に組み合わされてコロナ放電用電極対として使用され、この場合、上記筐体の内部にその放電電極が上流側、すなわち、吸気用開口側になるようにして絶縁性の部材等により支持される。
なお、上記放電電極及び対向電極の材料については、特に制限されず、従来コロナ放電に使用される各種導電材料が用いられ、例えば、ステンレス鋼等が好適に用いられる。
【００２１】
上記したイオン壁形成装置の使用に際し、放電電極には負の高電圧が印加され、対向電極には接地電位が利用されるか正の高電圧が印加されると、これらの電極間にある空気が絶縁破壊されてコロナ放電が生じ、放電電極の表面より電子が放出される。
上記放電電極近傍では、この電子と空気構成分子による電離衝突が生じ、その結果として、空気はこの電子により負にイオン化され、そして、この負にイオン化された空気は、上記対向電極方向に向かい、更に、それを通過しイオン風となって送り出される。ところが、このイオン風には、上記のごとく、コロナ放電現象に伴って発生する特有の異臭を有するオゾンが含まれることになる。
【００２２】
このようにして、上記筐体の吸気用開口から連続的に吸入された空気は、負にイオン化されたイオン風となり、更に、このイオン風は、上記筐体の送風用開口により整流されて送り出され、そして、イオン壁が連続的に形成されることになる。
【００２３】
そして、上記イオン壁形成装置を用いて形成される１又は２以上のイオン壁で区画された空間内の煙、臭い、塵埃、細菌等は、区画外に流出することがなく、マイナスイオンによってその一部が電気的に中和されて沈降、落下し、また、排気装置によりこの空間内の空気を外気中に放出すれば、更にこの空間内の環境は改善される。
【００２４】
次に、本発明のイオン壁形成装置において、最も特徴とする点は、基部に複数からなる針状の突起を一体的に有する上記放電電極の板状の基部が絶縁材料（電気絶縁材料）で被覆されていることである。このことによって、コロナ放電時の異状な放電が防止されてオゾンの発生量が低減され、その結果、オゾン特有の異臭が軽減されるのである。
【００２５】
上記絶縁材料としては、一般的に使用されているものが有効に使用され、特に制限されないが、例えば、天然樹脂（例えば、シェラック等）、合成樹脂（例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチロール、テトラフルオロエチレン、シリコーン、エポキシ樹脂等）、天然ゴム（例えば、生ゴム等）、合成ゴム(例えば、ブチルゴム等）、雲母、ガラス、磁器等が挙げられる。
【００２６】
上記放電電極の板状にした基部の絶縁材料による被覆方法については、特に制限されず、公知の方法、例えば、塗装、熱収縮、溶融、単なる覆い等が適宜採用されるが、中でも、熱収縮材料を用いる熱収縮が作業効率上、好適である。
熱収縮材料としては、例えば熱収縮性樹脂等が挙げられるが、熱収縮性合成樹脂（例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン（例示：ポリエチレン等）が好適例として挙げられる。
なお、被覆については、放電のための針状の突起が露出されていて、基部又は針状の突起の基部近傍を含む基部が被覆されればよい。
【００２７】
また、熱収縮性樹脂、例えば熱収縮性合成樹脂を用いて熱収縮による被覆を行う場合には、この熱収縮性樹脂の材料をチューブ状に形成した使用するのが好ましい。また、このときの被覆方法については、例えば、この合成樹脂製の肉薄のチューブ内に上記放電電極の全体を挿入し、次いで、このチューブを熱風等で熱収縮させると、先ず板状の基部に一体的に設けられている針状の突起の尖端部が樹脂膜（チューブ壁）を突き破って露出し、続いて樹脂膜は更に熱収縮して、遂には針状の突起全体又は略全体が露出する一方、板状の基部の全体が被覆されることになり、作業効率よく、容易に被覆することができる。
【実施例１】
【００２８】
以下、本発明を図面を参照しつつ実施例により更に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
（実施例１）
図１は、本発明のイオン壁形成装置における放電電極の一実施例を示す縦断面図であり、図２は、図１に示す放電電極を用いる本発明のイオン壁形成装置の一実施例を示すものであって、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は下面図、（ｄ）は（ｂ）に示すＡ−Ａ線に沿う拡大断面図であり、また、図３は図１に示す放電電極と対向電極とからなるコロナ放電用電極対を分解して示す概略斜視図である。
【００２９】
図１において、放電電極２は、板状の基部２ａに互いに等間隔にした複数の針状の突起２ｂ…を一体的に有するものであり、基部２ａはその全表面が次に記載のごとくして絶縁材料２ｃで被覆されている。
例えば、絶縁材料２ｃである熱収縮性合成樹脂（例えば、ポリ塩化ビニル等）の肉薄のチューブに放電電極２全体を挿入し、次いで、このチューブを熱風等で熱収縮させると、先ず板状の基部２ａに一体的に設けられた針状の突起２ｂの尖端部が樹脂膜（チューブ壁）を突き破って露出し、続いて樹脂膜は更に熱収縮して、遂には針状の突起２ｂ全体又は略全体が露出する一方、板状の基部２ａの全体が、作業効率よく、容易に被覆される。
【００３０】
上記においては針状の突起２ｂとして、図１，３に示すように、三角形の板状体のものを示しているが、そのような形状に限る趣旨のものではなく、例えば縫い針のような形状にしたものであってもよい。
なお、上記「一体的に」の意味するところは、一体及び別体に形成したものを含むものである。
【００３１】
図２において、本発明の一実施例であるイオン壁形成装置１は、横長の直方体の筐体５の内部に、後記する枠体に組込まれたコロナ放電用電極対４が左右２組で収容され、筐体５の内部の一方の端部区画に高電圧直流電源６が設けられている。
筐体５の上面には吸気用開口５ａが、また、その下面にはイオン風をイオン壁に整流する機能を有する送風用開口５ｂがそれぞれ全面に亘り設けられている。
【００３２】
図２（ｄ）及び図３において、コロナ放電用電極対４は、１枚の放電電極２と、２枚の平行した板状で放電電極２に一定の間隔を保って対向する対向電極３とからなり、そして、筐体５の内部に放電電極２が上流側、すなわち、吸気用開口５ａ側に、対向電極３が下流側になるように、更に放電電極２と対向電極３とがイオン風の流れ方向に沿うようにして設けられている。
また、コロナ放電用電極対４は、故障、修理、点検等に備えて、筐体５内の所定位置に着脱自在に装着できるカートリッジ式に構成されている。
【００３３】
具体的には、コロナ放電用電極対４は、上下が全面開放された絶縁性の枠体７内の長手方向に設けられていて、その放電電極２が上方中央部に４箇所等の支持部材７ａを介して、また、対向電極３が下方の内側面に直接取り付けられている。
【００３４】
更に、放電電極２及び対向電極３にはそれぞれ端子（図示せず）が設けられていて、枠体７を筐体５内の所定位置にセットすると、筐体５内の高電圧直流電源６からの端子に接触してコロナ放電用電極対４に高電圧が印加されるようになっている。
なお、枠体７は、縦に開閉可能にして内部の電極の修理、点検等が容易にできるように構成されている。
また、３ａは２枚の板状の対向電極３を２箇所等で電気的に連結すると共に、２枚の電極３の間隔を平行に維持するための部材である。
【００３５】
次に本実施例のイオン壁形成装置１の使用例について説明する。
コロナ放電用電極対４に高電圧直流電源６により高電圧（例えば、１５，０００Ｖ以上等）が印加されると、空気中でのコロナ放電によって筐体５の送風用開口５ｂ方向へのイオン風が生起される。
【００３６】
生起されたイオン風は、筐体５の送風用開口５ｂにより、イオン壁の幅に整流されて送り出され、イオン壁が連続して形成される。
このときのオゾン発生量につき、送風用開口５ｂの直下５ｃｍの位置でオゾン計で測定した。その結果、本発明の絶縁材料２ｃで被覆された放電電極２を用いるイオン壁形成装置１は、絶縁材料で被覆しない放電電極を用いる以外は同様のイオン壁形成装置に比し、オゾン発生量を２０％低減することができると共に、オゾン特有の異臭も軽減でき、顕著な効果を奏することがわかる。
【００３７】
そして、イオン壁形成装置１を用いて形成される１又は２以上のイオン壁で区画された空間内の煙、臭い、塵埃、細菌等は、区画外に流出することがなく、マイナスイオンによってその一部が電気的に中和されて沈降，落下し、また、排気装置によりこの空間内の空気を外気中に放出すれば、更にこの空間内の環境は改善される。
【００３８】
なお、本発明は上述した実施例に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
上述した実施例においては、互いに平行にした二枚の板状の対向電極を上記イオン風の流れ方向に沿って備えたものについて説明したが、一枚又は三枚以上の互いに平行した板状の対向電極を上記イオン風の流れ方向に沿って備えた構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３９】
【図１】は、本発明のイオン壁形成装置における放電電極の一実施例を示す縦断面図である。
【図２】は、図１に示す放電電極を用いる本発明のイオン壁形成装置の一実施例を示すものであって、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は下面図、（ｄ）は（ｂ）に示すＡ−Ａ線に沿う拡大断面図である。
【図３】は、図１に示す放電電極と対向電極とからなるコロナ放電用電極対を分解して示す概略斜視図である。
【図４】は、帯電エアーシャワーユニットとして開示された従来のイオン壁形成装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
【００４０】
１ イオン壁形成装置
２ 放電電極
２ａ 基部
２ｂ 針状の突起
２ｃ 絶縁材料
３ 対向電極
４ コロナ放電用電極対
５ 筐体
５ａ 吸気用開口
５ｂ 送気用開口
６ 高電圧直流電源
７ 枠体
１０１ 帯電エアーシャワーユニット
１０２ 放電極
１０３ 陽極
１０４ 高圧直流電源
１０５ 吸気口
１０６ 排出口
１０７ ユニットフレーム
【技術分野】
【０００１】
本発明は、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、コロナ放電によるイオン風を利用するイオン壁形成装置としては、例えば、特許文献１に帯電エアーシャワーユニットとして開示されている。
【０００３】
【特許文献１】特開２００２−９５９９８号公報
【０００４】
上記特許文献１に開示されている帯電エアーシャワーユニットは、イオン風によって形成された遮蔽膜（本発明でいうイオン壁）により空間を区画し、この区画された空間内の煙、臭い、塵埃、細菌等が区画外へ拡散するのを防ぐことを主目的とするものであって、その構成の概略は次のとおりである。図４は、帯電エアーシャワーユニットとして開示された従来のイオン壁形成装置の概略縦断面図である。
【０００５】
すなわち、上記帯電エアーシャワーユニットは、図４に示すように、上流側に板状の基部に複数の針状の突起を有する放電極（以下の本発明でいう放電電極）と、この放電極の下流側にこれに対向する２枚の平行した板状の陽極（以下の本発明でいう対向電極）とを備えたものである。
【０００６】
同図の帯電エアーシャワーユニット１０１においては、放電極１０２と陽極１０３とのコロナ放電用電極対に高電圧が高圧直流電源１０４により印加されると、吸気口１０５から吸入される空気の絶縁破壊によってコロナ放電が生じて負の電圧に印加された放電極１０２から電子が放出され、そして、その電子により負にイオン化された空気が陽極１０３方向に向かい、さらにそれを通過してイオン風となって排出口１０６から送り出され、膜状に整流された遮蔽膜が形成される。なお、１０７は、ユニットフレームである。
【０００７】
この負に帯電した遮蔽膜によって区画された空間内では、正に帯電している煙、臭い、塵埃、細菌等がこの遮蔽膜に接すると、電気的に中和されて下方に沈降、落下し、そして、上記したごとく、これらの区画外への拡散が防止されるのである。
【０００８】
ところで、一般的に、コロナ放電現象に伴ってオゾンが発生するが、このオゾン自体は人体に有害である。
上記したような帯電エアーシャワーユニット１０１等においては、イオン風に含まれるオゾンは、人体の健康被害には至らないまでも、周囲にオゾン特有の異臭を発するという問題点がある。
【０００９】
このオゾンを除去する手段として、例えば、オゾン分解触媒（例示：二酸化マンガン）、オゾン分解剤（例示：活性炭）、オゾン分解波長（２５４ｎｍ近傍）の紫外線照射等が知られており、上記帯電エアーシャワーユニット１０１の場合等では、陽極１０３近傍又はその下流、すなわち、イオン風の流路にこのオゾン除去手段を設けること等により、オゾンの一定の除去を図ることはできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【００１０】
しかしながら、上記オゾン分解手段を用いる場合には、設備費、保全等に多額の費用を必要とするばかりでなく、そのオゾンの除去効果は、必ずしも満足すべきものではなく、オゾン発生量を低減させ得るイオン壁形成装置の開発が望まれている。
【００１１】
そこで本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、コロナ放電現象に伴うオゾン発生量を低減して、オゾンに起因する特有の異臭を軽減できるイオン壁形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１２】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記イオン壁形成装置において、上流側の板状の基部に針状の突起を有する放電電極と、この下流側にあって、この放電電極に一定の間隔を保って対向する板状の対向電極とによるコロナ放電に際し、放電電極の針状の突起以外の基部から異状放電があること、この基部を絶縁材料で被覆することにより異状放電が減少すること、さらに、熱収縮性樹脂を用いることにより基部を容易に被覆することができること、その結果、オゾン発生量を低減してオゾンに起因する特有の異臭を軽減できること等の新知見を得、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
【００１３】
すなわち、本発明のイオン壁形成装置は、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するものであり、上流側に板状の基部に複数の突起を有する放電電極と、上記放電電極の下流側に上記放電電極に一定の間隔を保って対向する、一枚又は複数枚の互いに平行した板状の対向電極とを上記イオン風の流れ方向に沿って備え、かつ、上記放電電極の板状の基部を絶縁材料で被覆していることを特徴としている。
【００１４】
また、本発明のイオン壁形成装置は、上記絶縁材料が熱収縮性樹脂であることを特徴としている。
【００１５】
更に、本発明のイオン壁形成装置は、上記熱収縮性樹脂をチューブ状に形成していることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、上流側の板状の基部に突起を有する放電電極と、この下流側にあって、この放電電極に一定の間隔を保って対向する板状の対向電極とによるコロナ放電に際し、放電電極の基部を絶縁材料で被覆することにより異状放電が減少する等としたため、コロナ放電現象に伴うオゾン発生量を低減して、オゾンに起因する特有の異臭を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明のイオン壁形成装置について詳細に説明する。
先ず、本発明のイオン壁形成装置は、基本的には、放電電極と対向電極とのコロナ放電用電極対と、これが収容される筐体とから構成され、このコロナ放電用電極対に高電圧を印加するための高電圧直流電源は、この筐体内の一部に、あるいは筐体に外付け等して設けられる。
【００１８】
上記筐体は、上面に空気を吸入するための吸気用開口を有し、また、下面に上記コロナ放電用電極対によるコロナ放電で生起されたイオン風を送り出す送風用開口を有している。
そして、上記送風用開口は、風上からのイオン風を、形成されるイオン壁の幅（イオン壁形成装置の送風用開口を水平とする使用態様では、イオン壁の水平方向の長さ、送風用開口を垂直とする使用態様では、イオン壁の垂直方向の長さ）に整流する機能を有している。
なお、上記筐体の形状は、形成されるイオン壁の幅を考慮して適宜選択され、通常は横長の直方体であるが、断面がＬ字状のようなイオン壁を形成させる場合には、その筐体の形状をＬ字状にすればよい。
【００１９】
上記コロナ放電用電極対は、通常、上記筐体内の長手方向に沿って設けられ、そして、上流側に放電電極と、この下流側に放電電極に一定の間隔を保って対向する対向電極とをイオン風の流れ方向に沿って備えている。
上記放電電極は、板状の基部に複数の針状の突起を一体的に有する、いわゆる針状電極である。
また、上記対向電極は、一枚の板状又は複数枚の互いに平行にした板状の電極でイオン風の送風を妨げない構造にしたもの、二枚の平行にした板状の電極の放電電極側上端の略中間位置に更に棒状の電極を付加したもの等である。
【００２０】
そして、これらの放電電極と対向電極とが適宜に組み合わされてコロナ放電用電極対として使用され、この場合、上記筐体の内部にその放電電極が上流側、すなわち、吸気用開口側になるようにして絶縁性の部材等により支持される。
なお、上記放電電極及び対向電極の材料については、特に制限されず、従来コロナ放電に使用される各種導電材料が用いられ、例えば、ステンレス鋼等が好適に用いられる。
【００２１】
上記したイオン壁形成装置の使用に際し、放電電極には負の高電圧が印加され、対向電極には接地電位が利用されるか正の高電圧が印加されると、これらの電極間にある空気が絶縁破壊されてコロナ放電が生じ、放電電極の表面より電子が放出される。
上記放電電極近傍では、この電子と空気構成分子による電離衝突が生じ、その結果として、空気はこの電子により負にイオン化され、そして、この負にイオン化された空気は、上記対向電極方向に向かい、更に、それを通過しイオン風となって送り出される。ところが、このイオン風には、上記のごとく、コロナ放電現象に伴って発生する特有の異臭を有するオゾンが含まれることになる。
【００２２】
このようにして、上記筐体の吸気用開口から連続的に吸入された空気は、負にイオン化されたイオン風となり、更に、このイオン風は、上記筐体の送風用開口により整流されて送り出され、そして、イオン壁が連続的に形成されることになる。
【００２３】
そして、上記イオン壁形成装置を用いて形成される１又は２以上のイオン壁で区画された空間内の煙、臭い、塵埃、細菌等は、区画外に流出することがなく、マイナスイオンによってその一部が電気的に中和されて沈降、落下し、また、排気装置によりこの空間内の空気を外気中に放出すれば、更にこの空間内の環境は改善される。
【００２４】
次に、本発明のイオン壁形成装置において、最も特徴とする点は、基部に複数からなる針状の突起を一体的に有する上記放電電極の板状の基部が絶縁材料（電気絶縁材料）で被覆されていることである。このことによって、コロナ放電時の異状な放電が防止されてオゾンの発生量が低減され、その結果、オゾン特有の異臭が軽減されるのである。
【００２５】
上記絶縁材料としては、一般的に使用されているものが有効に使用され、特に制限されないが、例えば、天然樹脂（例えば、シェラック等）、合成樹脂（例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチロール、テトラフルオロエチレン、シリコーン、エポキシ樹脂等）、天然ゴム（例えば、生ゴム等）、合成ゴム(例えば、ブチルゴム等）、雲母、ガラス、磁器等が挙げられる。
【００２６】
上記放電電極の板状にした基部の絶縁材料による被覆方法については、特に制限されず、公知の方法、例えば、塗装、熱収縮、溶融、単なる覆い等が適宜採用されるが、中でも、熱収縮材料を用いる熱収縮が作業効率上、好適である。
熱収縮材料としては、例えば熱収縮性樹脂等が挙げられるが、熱収縮性合成樹脂（例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン（例示：ポリエチレン等）が好適例として挙げられる。
なお、被覆については、放電のための針状の突起が露出されていて、基部又は針状の突起の基部近傍を含む基部が被覆されればよい。
【００２７】
また、熱収縮性樹脂、例えば熱収縮性合成樹脂を用いて熱収縮による被覆を行う場合には、この熱収縮性樹脂の材料をチューブ状に形成した使用するのが好ましい。また、このときの被覆方法については、例えば、この合成樹脂製の肉薄のチューブ内に上記放電電極の全体を挿入し、次いで、このチューブを熱風等で熱収縮させると、先ず板状の基部に一体的に設けられている針状の突起の尖端部が樹脂膜（チューブ壁）を突き破って露出し、続いて樹脂膜は更に熱収縮して、遂には針状の突起全体又は略全体が露出する一方、板状の基部の全体が被覆されることになり、作業効率よく、容易に被覆することができる。
【実施例１】
【００２８】
以下、本発明を図面を参照しつつ実施例により更に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
（実施例１）
図１は、本発明のイオン壁形成装置における放電電極の一実施例を示す縦断面図であり、図２は、図１に示す放電電極を用いる本発明のイオン壁形成装置の一実施例を示すものであって、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は下面図、（ｄ）は（ｂ）に示すＡ−Ａ線に沿う拡大断面図であり、また、図３は図１に示す放電電極と対向電極とからなるコロナ放電用電極対を分解して示す概略斜視図である。
【００２９】
図１において、放電電極２は、板状の基部２ａに互いに等間隔にした複数の針状の突起２ｂ…を一体的に有するものであり、基部２ａはその全表面が次に記載のごとくして絶縁材料２ｃで被覆されている。
例えば、絶縁材料２ｃである熱収縮性合成樹脂（例えば、ポリ塩化ビニル等）の肉薄のチューブに放電電極２全体を挿入し、次いで、このチューブを熱風等で熱収縮させると、先ず板状の基部２ａに一体的に設けられた針状の突起２ｂの尖端部が樹脂膜（チューブ壁）を突き破って露出し、続いて樹脂膜は更に熱収縮して、遂には針状の突起２ｂ全体又は略全体が露出する一方、板状の基部２ａの全体が、作業効率よく、容易に被覆される。
【００３０】
上記においては針状の突起２ｂとして、図１，３に示すように、三角形の板状体のものを示しているが、そのような形状に限る趣旨のものではなく、例えば縫い針のような形状にしたものであってもよい。
なお、上記「一体的に」の意味するところは、一体及び別体に形成したものを含むものである。
【００３１】
図２において、本発明の一実施例であるイオン壁形成装置１は、横長の直方体の筐体５の内部に、後記する枠体に組込まれたコロナ放電用電極対４が左右２組で収容され、筐体５の内部の一方の端部区画に高電圧直流電源６が設けられている。
筐体５の上面には吸気用開口５ａが、また、その下面にはイオン風をイオン壁に整流する機能を有する送風用開口５ｂがそれぞれ全面に亘り設けられている。
【００３２】
図２（ｄ）及び図３において、コロナ放電用電極対４は、１枚の放電電極２と、２枚の平行した板状で放電電極２に一定の間隔を保って対向する対向電極３とからなり、そして、筐体５の内部に放電電極２が上流側、すなわち、吸気用開口５ａ側に、対向電極３が下流側になるように、更に放電電極２と対向電極３とがイオン風の流れ方向に沿うようにして設けられている。
また、コロナ放電用電極対４は、故障、修理、点検等に備えて、筐体５内の所定位置に着脱自在に装着できるカートリッジ式に構成されている。
【００３３】
具体的には、コロナ放電用電極対４は、上下が全面開放された絶縁性の枠体７内の長手方向に設けられていて、その放電電極２が上方中央部に４箇所等の支持部材７ａを介して、また、対向電極３が下方の内側面に直接取り付けられている。
【００３４】
更に、放電電極２及び対向電極３にはそれぞれ端子（図示せず）が設けられていて、枠体７を筐体５内の所定位置にセットすると、筐体５内の高電圧直流電源６からの端子に接触してコロナ放電用電極対４に高電圧が印加されるようになっている。
なお、枠体７は、縦に開閉可能にして内部の電極の修理、点検等が容易にできるように構成されている。
また、３ａは２枚の板状の対向電極３を２箇所等で電気的に連結すると共に、２枚の電極３の間隔を平行に維持するための部材である。
【００３５】
次に本実施例のイオン壁形成装置１の使用例について説明する。
コロナ放電用電極対４に高電圧直流電源６により高電圧（例えば、１５，０００Ｖ以上等）が印加されると、空気中でのコロナ放電によって筐体５の送風用開口５ｂ方向へのイオン風が生起される。
【００３６】
生起されたイオン風は、筐体５の送風用開口５ｂにより、イオン壁の幅に整流されて送り出され、イオン壁が連続して形成される。
このときのオゾン発生量につき、送風用開口５ｂの直下５ｃｍの位置でオゾン計で測定した。その結果、本発明の絶縁材料２ｃで被覆された放電電極２を用いるイオン壁形成装置１は、絶縁材料で被覆しない放電電極を用いる以外は同様のイオン壁形成装置に比し、オゾン発生量を２０％低減することができると共に、オゾン特有の異臭も軽減でき、顕著な効果を奏することがわかる。
【００３７】
そして、イオン壁形成装置１を用いて形成される１又は２以上のイオン壁で区画された空間内の煙、臭い、塵埃、細菌等は、区画外に流出することがなく、マイナスイオンによってその一部が電気的に中和されて沈降，落下し、また、排気装置によりこの空間内の空気を外気中に放出すれば、更にこの空間内の環境は改善される。
【００３８】
なお、本発明は上述した実施例に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
上述した実施例においては、互いに平行にした二枚の板状の対向電極を上記イオン風の流れ方向に沿って備えたものについて説明したが、一枚又は三枚以上の互いに平行した板状の対向電極を上記イオン風の流れ方向に沿って備えた構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３９】
【図１】は、本発明のイオン壁形成装置における放電電極の一実施例を示す縦断面図である。
【図２】は、図１に示す放電電極を用いる本発明のイオン壁形成装置の一実施例を示すものであって、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は下面図、（ｄ）は（ｂ）に示すＡ−Ａ線に沿う拡大断面図である。
【図３】は、図１に示す放電電極と対向電極とからなるコロナ放電用電極対を分解して示す概略斜視図である。
【図４】は、帯電エアーシャワーユニットとして開示された従来のイオン壁形成装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
【００４０】
１ イオン壁形成装置
２ 放電電極
２ａ 基部
２ｂ 針状の突起
２ｃ 絶縁材料
３ 対向電極
４ コロナ放電用電極対
５ 筐体
５ａ 吸気用開口
５ｂ 送気用開口
６ 高電圧直流電源
７ 枠体
１０１ 帯電エアーシャワーユニット
１０２ 放電極
１０３ 陽極
１０４ 高圧直流電源
１０５ 吸気口
１０６ 排出口
１０７ ユニットフレーム
【特許請求の範囲】
【請求項１】
空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、
上流側に板状の基部に複数の突起を有する放電電極と、上記放電電極の下流側に上記放電電極に一定の間隔を保って対向する、一枚又は複数枚の互いに平行にした板状の対向電極とを上記イオン風の流れ方向に沿って備え、かつ、上記放電電極の板状の基部を絶縁材料で被覆していることを特徴とするイオン壁形成装置。
【請求項２】
上記絶縁材料が熱収縮性樹脂であることを特徴とする請求項１に記載のイオン壁形成装置。
【請求項３】
上記熱収縮性樹脂をチューブ状に形成していることを特徴とする請求項２に記載のイオン壁形成装置。
【請求項１】
空気中でのコロナ放電によって生起されるイオン風を整流してイオン壁を形成するイオン壁形成装置において、
上流側に板状の基部に複数の突起を有する放電電極と、上記放電電極の下流側に上記放電電極に一定の間隔を保って対向する、一枚又は複数枚の互いに平行にした板状の対向電極とを上記イオン風の流れ方向に沿って備え、かつ、上記放電電極の板状の基部を絶縁材料で被覆していることを特徴とするイオン壁形成装置。
【請求項２】
上記絶縁材料が熱収縮性樹脂であることを特徴とする請求項１に記載のイオン壁形成装置。
【請求項３】
上記熱収縮性樹脂をチューブ状に形成していることを特徴とする請求項２に記載のイオン壁形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−２７９５５７（Ｐ２００９−２７９５５７Ａ）
【公開日】平成２１年１２月３日（２００９．１２．３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１３６４６６（Ｐ２００８−１３６４６６）
【出願日】平成２０年５月２６日（２００８．５．２６）
【出願人】（５９１１０１４９０）エイブル株式会社 (21)
【出願人】（５０５３１７６３２）エーエフシーバリア株式会社 (2)
【出願人】（０００１４１０６０）株式会社関電工 (115)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１２月３日（２００９．１２．３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年５月２６日（２００８．５．２６）
【出願人】（５９１１０１４９０）エイブル株式会社 (21)
【出願人】（５０５３１７６３２）エーエフシーバリア株式会社 (2)
【出願人】（０００１４１０６０）株式会社関電工 (115)
【Ｆターム（参考）】
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