説明

イオン導電型アクチュエータの製造方法

【課題】 電極層の間に電解質層が挟まれたイオン導電型アクチュエータを、容易に製造でき、且つ電解質層も均一に薄く形成できる製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリフッ化ビリニデンなどのベースポリマーとイオン液体を含んだ液状組成物を、製造用基板10の表面10aに塗布して電解質半層2aを形成し、その上にベースポリマーとイオン液体とカーボンナノチューブを含む第1の電極層3を形成する。電解質半層2aと第1の電極層3の積層体11を製造用基板10から剥がす。同様にして電解質半層と第2の電極層の積層体を形成し、電解質半層どうしが対面するように積層体を重ね、熱プレスして一体化する。電解質半層2aは製造用基板10から容易に剥がれ、電解質半層2aが薄くても薄利工程で破損しにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質層内でイオンが偏移したときの体積膨張を利用して曲げを生じさせるイオン導電型アクチュエータに係り、特に、電解質層を薄型で安定して形成することが可能なイオン導電型アクチュエータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1と特許文献2にイオン導電型アクチュエータが開示されている。このイオン導電型アクチュエータは、イオン液体とベースポリマーを含むゲル状組成物で形成されたイオン伝導層の両側に、カーボンナノチューブとイオン液体とベースポリマーとを含むゲル状組成物の電極層が接合されている。
【0003】
電極層と電極層の間に電界が与えられると、イオン伝導層内およびそれぞれの電極層内に含まれる陽イオンが陰極の電極層側へ偏移する。その結果、陰極の電極層側において膨張応力が発生し、アクチュエータ全体に曲げ応力が作用して湾曲変形する。
【0004】
このイオン導電型アクチュエータは、イオン液体を含むゲル状組成物を主体として構成されているため、空気中または真空中で使用できる利点がある。
【0005】
以下の特許文献1に記載されているイオン導電型アクチュエータの製造方法は、カーボンナノチューブとイオン液体とベースポリマーを加熱混合したゲル状組成物を基板の表面に流し込み乾燥させて一方の電極層を形成し、その上に、イオン液体とベースポリマーを加熱混合したゲル状組成物を流し込んで乾燥させイオン伝導層を形成する。さらに、イオン伝導層の上に、カーボンナノチューブとイオン液体とベースポリマーを加熱混合したゲル状組成物を流し込み乾燥させて他方の電極層を形成し、これにより電極層/イオン伝導層/電極層の順に積層されたイオン導電型アクチュエータを完成させるというものである。
【0006】
以下の特許文献2に記載されているイオン導電型アクチュエータの製造方法は、イオン液体とベースポリマーとから成る組成物を溶媒に溶解し、押し出し法やキャスト法でゲル状組成物をフィルム状としたイオン伝導層を形成する。同様に、カーボンナノチューブとイオン液体とベースポリマーとから成るゲル状組成物をフィルム状とした2枚の電極層を形成する。そして、電極層/イオン伝導層/電極層の順にゲル状組成物を重ね合わせ、熱プレス工程で各層を接合してイオン導電型アクチュエータを得るというものである。
【特許文献1】特開2005−176428号公報
【特許文献2】特開2008−34268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されているように、基板上に、電極層/イオン伝導層/電極層の順に積層する製造方法では、基板上に形成する最下部の電極層がカーボンナノチューブを含みその表面が平滑ではないために、この電極層の上に形成するイオン伝導層を薄く構成することが難しく、安定したイオン伝導層を得るためには、イオン導電層を厚めに形成せざるを得ない。また、電極層はカーボンナノチューブを含んでいるために、3層の積層が完了した後に、最下部の電極層を基板の表面から剥がすのが難しく、最下部の電極層を破損するおそれがある。
【0008】
特許文献2に記載されているように、イオン伝導層と2つの電極層とをそれぞれ別体に形成して接合する方法では、イオン導電層を薄くするのに限界がある。イオン伝導層をキャスト法で基板の上に薄く形成すると、イオン伝導層を基板表面から剥がすときに損傷するおそれがある。そのため、イオン導電層を厚く形成せざるを得ない。また、電極層は基板から剥がすのが難しく、剥離の際に損傷を与えやすい。
【0009】
以上のように、特許文献1と特許文献2に記載された製造方法で製造したイオン導電型アクチュエータは、イオン伝導層が厚くなるために、電極層間に電界を与えたときに、イオン伝導層内の陽イオンが陰極の電極側へ偏移する効率が低下し、変形力が小さくなり、また変形の際の応答速度も低下しやすくなる。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、電解質層を薄く形成でき、しかも各層の欠陥が少なく、製造の歩留りを向上できるイオン導電型アクチュエータの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の、イオン導電型アクチュエータの製造方法は、
(1)製造用基板の平坦な表面に、イオンとベースポリマーを含む組成物で電解質層を形成する工程と、
(2)前記電解質層の表面に、導電フィラーとベースポリマーを含む組成物で電極層を形成する工程と、
(3)前記(2)の工程で形成された電解質層と電極層との積層体を、前記製造用基板から剥離する工程と、
(4)前記(3)の工程で前記製造用基板から剥離された積層体を、前記電解質層どうしを対面させて接合して、前記電極層/前記電解質層/前記電極層の順に積層する、ことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のイオン導電型アクチュエータの製造方法は、製造用基板の平坦な表面に電解質層を形成しその上に電極層を形成するために、電解質層を薄く均一な厚さで形成できる。しかも電解質層と電極層との積層体を製造用基板から剥離するため、剥離する際に電解質層が損傷しにくく、歩留まりを高くできる。しかも、内部に導電フィラーを含む電極層を製造用基板の表面から剥がす必要はないため、積層体を製造用基板の表面から分離しやすく、また剥離工程によって電極層を損傷することもない。
【0013】
完成後のイオン導電型アクチュエータは、電解質層を薄く均一な厚みで形成できるため、内部での陽イオンの移動効率が良くなり、発生する変形力を大きくでき、また変形時の応答性も良好になる。
【0014】
例えば、本発明は、前記電極層はイオンを含んでいるものである。
本発明は、前記電解質層は、ポリフッ化ビニリデンをベースポリマーとして、イオン液体を含んだものであり、前記電極層は、ポリフッ化ビニリデンをベースポリマーとして、イオン液体と導電フィラーを含んだものである。
【0015】
また、前記導電フィラーは、カーボンナノチューブである。
本発明は、前記(1)の工程で、イオンとベースポリマーを含む組成物をスピンコート法またはスリットコート法で形成することも可能である。
【0016】
スピンコート法またはスリットコート法を使用することで、電解質層を従来では得られないほどに薄く形成できる。しかも、スピンコート法やスリットコート法で薄く形成した電解質層は、電極層と一緒に製造用基板から剥がすので、損傷が生じにくくなる。
【0017】
また、本発明は、前記(4)の工程において、前記製造用基板から剥離された1枚の積層体を、前記電解質どうしが対面するよう折り曲げて、前記電解質どうしを接合することも可能である。
【0018】
1枚の積層体を折り曲げて製造すると、上下の電極層の厚み寸法が均一になり、電極層間に与えられる電界をそれぞれの箇所で安定させることができる。
【0019】
さらに、本発明は、前記(4)の工程において、前記製造用基板から剥離された積層体の前記電解質層どうしを対面させる際に、2つの前記電解質層の間に他の電解質膜を挟んで接合するものである。
【0020】
この場合に、前記電解質膜が、前記電解質層と全く同じ組成で形成されていることが好ましい。ただし、前記電解質膜と前記電解質層とでイオン液体の含有量などの組成が相違していてもよい。
【0021】
上記のように、電解質層を対面して積層する際に、別に作成した電解質膜を2つの電解質膜を挟むことにより、完成後のアクチュエータの電解質層の厚みを自在に調整できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のイオン導電型アクチュエータの製造方法は、各層の損傷が少なく、製造時の歩留まりを向上でき、製造されたイオン導電型アクチュエータの品質も安定する。
【0023】
また全体を薄く構成できるようになり、特に電解質層を薄くできるため、アクチュエータの変形力を強くでき、また迅速に応答するアクチュエータを構成しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1(A)は、本発明の製造方法によって製造されるイオン導電型アクチュエータを示す部分断面図、図1(B)は前記イオン導電型アクチュエータの電極に電界が与えられた状態を示す部分断面図である。
【0025】
図1(A)(B)に示すイオン導電型アクチュエータ1は、電解質層2と、この電解質層2の一方の面に設けられた第1の電極層3と、電解質層2の他方の面に設けられた第2の電極層4とが重ねられて構成されている。
【0026】
電解質層2は、イオン交換が可能な層であり、ベースポリマーとイオン性液体で構成されたゲル状の組成物である。第1の電極層3と第2の電極層4は、ベースポリマーおよびイオン性液体にさらに導電フィラーとしてカーボンナノチューブが混入されたゲル状の組成物である。
【0027】
図1(B)に示すように、第1の電極層3が陽極側となり、第2の電極層4が陰極側となるように、第1の電極層3と第2の電極層4との間に電界(電圧)が与えられると、電解質層2内とそれぞれの電極層3,4内の陽イオンが陰極側である第2の電極層4へ偏移する。イオン性液体内に含まれる陽イオンは陰イオンよりもイオン半径が大きいために、陽イオンが第2の電極層4に偏移すると、第2の電極層4側のカーボンナノチューブが伸び、第2の電極層4側に膨張応力が発生する。第1の電極層3と第2の電極層4の応力差により、図1(B)に示すように、イオン導電型アクチュエータ1に曲げが発生する。
【0028】
図1(B)に示すように変形するイオン導電型アクチュエータ1の曲げ力を利用することで、各種小型機器の操作部や表示部を変形させたり、各種部品を駆動することなどが可能になる。
【0029】
図2(A)(B)と図3(A)(B)は、イオン導電型アクチュエータ1の製造方法の第1の実施の形態を工程別に示す断面図である。
【0030】
図2(A)に示す製造用基板10は各層を成膜するための治具であり、表面10aが平滑な石英プレート、シリコンプレートなどで形成されている。
【0031】
図2(A)の工程では、製造用基板10の表面10aに、前記電解質層2の半分の厚さに相当する電解質半層2aを形成する。この電解質半層2aは、ベースポリマーとイオン液体と溶媒とを混合した液状組成物を、スピンコート法やスリットコート法で製造用基板10の表面10aに薄く塗布し、自然乾燥または真空乾燥してゲル状組成物とする。液状組成物をスピンコート法やスリットコート法で塗布することで、電解質半層2aをきわめて薄く形成することができる。
【0032】
ベースポリマーは、ポリフッ化ビニリデン、またはポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのように、ポリフッ化ビニリデンを含むポリマーが使用される。イオン性液体は、常温で液体として存在する塩であり、アルキルイミダゾリウム塩などが使用される。ベースポリマーとイオン液体と溶媒とを80℃程度の温度で加熱混合して、液状組成物を調製し、製造用基板10の表面10aに塗工して乾燥させることで、ゲル状組成物である電解質半層2aが得られる。電解質半層2aは、イオン液体の含有量が、30〜70重量%程度である。
【0033】
次に、ゲル状の電解質半層2aの上に第1の電極層3を形成する。この工程では、ベースポリマーとイオン液体とカーボンナノチューブおよび溶媒を80℃程度の温度で加熱混合した液状組成物を調製する。そして、電解質半層2aが形成された製造用基板10をキャスティング用治具に保持させる。キャスティング用治具は、製造用基板10を囲み且つ電解質半層2aの周囲から電解質半層2aの上に所定高さの壁面を形成するものである。前記液状組成物を電解質半層2aの上に流し込むことで前記液状組成物を一定の厚さとすることができる。液状組成物を電解質半層2aの上に流し込んだ後に、常温または真空で乾燥することでゲル状組成物の第1の電極層3が得られる。
【0034】
第1の電極層3に含まれるベースポリマーおよびイオン液体は、電解質半層2aと同じものを使用できる。カーボンナノチューブは、単層ナノチューブまたは多層ナノチューブのいずれかが使用される。あるいは単層ナノチューブと多層ナノチューブを混合したものが使用される。第1の電極層3でのベースポリマーとイオン液体の重量比は、電界質半層2aと同じであるが、第1の電極層3には、カーボンナノチューブが20重量%程度含まれる。
【0035】
図2(A)に示すように、製造用基板10の表面10aに、電解質半層2aと第1の電極層3との積層体11が形成された後に、図2(B)に示すように、この積層体11を製造用基板10から剥離する。このとき、電解質半層2aと第1の電極層3とが積層された積層体11を製造用基板10から剥がすため、電解質半層2aが薄くても、電解質半層2aを破損することなく製造用基板10から剥がすことができる。また、電解質半層2aと製造用基板10との剥離面にカーボンナノチューブが存在していないため、電解質半層2aを製造用基板10の表面10aから剥がしやすい。
【0036】
上記と同様の工程で、製造用基板10の表面10aに電解質半層2bを形成し、その上に第2の電極層4を積層した積層体12を形成する。電解質半層2bは電解質半層2aと同じ構成で同じ工程で形成され、第2の電極層4は第1の電極層3と同じ構成で同じ工程で形成される。
【0037】
図3(A)の工程では、製造用基板10から剥離した積層体11と、製造用基板10から剥離した積層体12を、電解質半層2aと電解質半層2bとが対面するように互いに位置決めして重ね合わせる。そして、50〜100℃程度に加熱して加圧することで、電解質半層2aと電解質半層2bとを接合して一体化させ、図3(B)に示すように、第1の電極層3と第2の電極層4との間に電解質層2が挟まれたイオン導電型アクチュエータ1が完成する。
【0038】
図3(B)に示すイオン導電型アクチュエータ1は、電解質層2を薄く構成できるため、第1の電極層3と第2の電極層4との間に電界(電圧)を与えたときの、陽イオンの移動効率が良く、大きな曲げ応力を発生させることができ、また電界を与えたときに変形する応答速度も速くなる。
【0039】
図4(A)(B)は、イオン導電型アクチュエータを製造する製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0040】
まず図2(A)(B)と同じ工程で、電解質半層2aと第1の電極層3とが積層された積層体11を製造する。図4(A)に示すように、前記積層体11を、電解質半層2aどうしが対面するように2枚重ねに折り、図3の工程と同様に、熱プレスで電解質半層2aと電解質半層2bとを接合する。そして、折り畳み境界部を切断線Lで切断して除去し、図4(B)に示すように、第1の電極層3/電解質層2/第2の電解質層(第1の電極層3から分離されたもの)が積層されたイオン導電型アクチュエータ1Aが完成する。
【0041】
図4(B)に示すイオン導電型アクチュエータ1Aは、第1の電極層3と第2の電極層4とが同じ構成で同じ厚さ寸法で形成することができ、全体としてバランスのとれた構造にできる。
【0042】
図5は本発明のイオン導電型アクチュエータの製造方法の第3の実施の形態を示している。
【0043】
図5に示すイオン導電型アクチュエータ101の製造方法は、まず、図2(A)(B)と同じ工程で、図3(A)に示すのと同じ積層体11と積層体12を形成する。また、前記積層体11,12とは別に、単独の電解質膜5を形成する。この電解質膜5は、図2(A)に示した工程と同様に、製造用基板10の表面10aに、ベースポリマーとイオン液体と溶媒とを混合した液状組成物を、スピンコート法やスリットコート法で薄く塗布して自然乾燥または真空乾燥し、その後に製造用基板10から剥離することで形成する。
【0044】
図5に示すように、積層体11の電解質半層2aと積層体12の電解質半層2bとの間に電解質膜5を挟み、全層を熱プレスしてイオン導電型アクチュエータ101を完成する。
【0045】
図5に示すイオン導電型アクチュエータ101は、電解質半層2aと電解質半層2bおよび電解質膜5が、いずれも製造用基板10の表面に成膜してから剥がすことで形成されるため、製造工程が容易であり、また電解質半層2a,2bと電解質膜5を膜厚にむらのないように形成できる。そのため、完成後の電解質層102も厚さを均一にできる。また電解質膜5の厚さを調整することで、駆動条件に応じた膜厚の電解質102を形成できる。
【0046】
なお、電解質膜5の組成、例えば、イオン液体の濃度などは、電解質半層2a,2bと同一であることが好ましいが、例えば、電解質膜5のイオン液体の濃度を電解質半層2a,2bよりも多く設定するなど、目的とするアクチュエータの駆動条件に応じて、電解質膜5と電解質半層2a,2bの組成を変えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(A)はイオン導電型アクチュエータの構造を示す部分断面図、(B)は前記イオン導電型アクチュエータに電界が印加されて曲げ応力が発生した状態を示す部分断面図、
【図2】(A)(B)は、イオン導電型アクチュエータの製造方法の第1の実施の形態の工程を示す断面図、
【図3】(A)(B)は、イオン導電型アクチュエータの製造方法の第1の実施の形態の工程を示す断面図、
【図4】(A)(B)は、イオン導電型アクチュエータの製造方法の第2の実施の形態の工程を示す断面図、
【図5】イオン導電型アクチュエータの製造方法の第3の実施の形態の工程を示す断面図、
【符号の説明】
【0048】
1,1A,101 イオン導電型アクチュエータ
2 電解質層
2a,2b 電解質半層
2c 電解質層
3 第1の電極層
4 第2の電極層
5 電解質膜
10 製造用基板
11,12 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)製造用基板の平坦な表面に、イオンとベースポリマーを含む組成物で電解質層を形成する工程と、
(2)前記電解質層の表面に、導電フィラーとベースポリマーを含む組成物で電極層を形成する工程と、
(3)前記(2)の工程で形成された電解質層と電極層との積層体を、前記製造用基板から剥離する工程と、
(4)前記(3)の工程で前記製造用基板から剥離された積層体を、前記電解質層どうしを対面させて接合して、前記電極層/前記電解質層/前記電極層の順に積層する、ことを特徴とするイオン導電型アクチュエータの製造方法。
【請求項2】
前記電極層はイオンを含んでいる請求項1記載のイオン導電型アクチュエータの製造方法。
【請求項3】
前記電解質層は、ポリフッ化ビニリデンをベースポリマーとして、イオン液体を含んだものであり、
前記電極層は、ポリフッ化ビニリデンをベースポリマーとして、イオン液体と導電フィラーを含んだものである請求項2記載のイオン導電型アクチュエータの製造方法。
【請求項4】
前記導電フィラーは、カーボンナノチューブである請求項1ないし3のいずれかに記載のイオン導電型アクチュエータの製造方法。
【請求項5】
前記(1)の工程で、イオンとベースポリマーを含む組成物をスピンコート法またはスリットコート法で形成する請求項1ないし4のいずれかに記載のイオン導電型アクチュエータの製造方法。
【請求項6】
前記(4)の工程において、前記製造用基板から剥離された1枚の積層体を、前記電解質どうしが対面するよう折り曲げて、前記電解質どうしを接合する請求項1ないし5のいずれかに記載のイオン導電型アクチュエータの製造方法。
【請求項7】
前記(4)の工程において、前記製造用基板から剥離された積層体の前記電解質層どうしを対面させる際に、2つの前記電解質層の間に他の電解質膜を挟んで接合する請求項1ないし6のいずれかに記載のイオン導電型アクチュエータの製造方法。
【請求項8】
前記電解質膜が、前記電解質層と同じ組成で形成されている請求項7記載のイオン導電型アクチュエータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−68675(P2010−68675A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234478(P2008−234478)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】