説明

イオン性有機シリコン組成物で表面を処理する方法

本発明はイオン性有機シリコン化合物を含む水性溶液で無機質表面を処理する方法に関する。驚くべきことに、本発明まではシランを安定化するために少量で使用されていた水溶性のイオン性有機シリコン化合物の無機質表面への適用が、優れた疎水性を有する処理表面を提供することが見いだされた。本発明は、無機物の基体の表面処理の際に、はっ水性を与えるための主または単独の成分としてイオン性有機シリコン化合物をもっぱら利用する。本発明の方法は、本質的に少なくとも1つのイオン性有機シリコン化合物からなる水性溶液を無機質表面へ適用することにより、表面に対して水抵抗性を付与することを含む。処理後に、処理された表面は長期間のはっ水特性を有することにより特徴づけられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイオン性有機シリコン化合物を含む水性溶液による防水処理方法に関する。
さらに、本発明は、イオン性有機シリコン化合物を含む水性溶液で処理され、耐水性のフィルムが無機質表面を被覆するようにされた無機質表面に関する。耐水性は、石工およびコンクリートを含む多くのタイプの建造物における重要な問題である。これらのタイプにおける材料の吸湿性およびその移動は、膨張、収縮、クラッキング、汚れ、カビ、凍結および解凍、化学的な攻撃、強化鋼への腐食への耐性の低下、および沈降からの構造への損害に対する抵抗性のような問題を発生させるかまたはそれらに寄与するので、水に対する耐性はに非常に重要である。これらの問題のため、水はっ水剤による構造の表面処理をはじめとする、表面を耐水性にするための様々な技術が使用されてきた。使用されてきた従来のはっ水剤としては、油、ワックス、石鹸および樹脂があげられる。これらのはっ水剤は、ブラシ、ローラー、エアースプレーあるいはエアレススプレー技術によって表面に適用された。使用されてきた1つのタイプのはっ水性は有機シリコン化合物である。有機溶媒中のこれらの化合物は、レンガ、コンクリート、スタッコあるいはテラゾ表面に対してはっ水性を提供するのに役立つことが知られていた。
【背景技術】
【0002】
米国特許5,073,195(それらの内容は参照され本明細書に組込まれる)で議論されるように、防水処理のための表面への有機シリコン化合物の適用は当該技術分野において公知である。水抵抗性を与えるためのアルキルトリアルコキシ化合物のような有機シリコンの使用は、少なくとも30年前から知られている。伝統的に、これらの化合物の適用は、エタノール、メタノールおよび様々な液化炭化水素のような可燃性の溶剤中で行なわれた。適用中に、揮発性有機化合物(VOC)は多量に放出された。これらの問題により、著しい努力が石工およびコンクリート表面に対して水抵抗性を与えるため、不燃性の組成物を配合することに払われた。最初のアプローチは、有機シリコン化合物を含む様々な水エマルションを利用することを含んでいた。しかしながら、これらの配合物は溶剤に基づいた組成物に匹敵する水抵抗性を提供しなかった。水エマルション配合物に伴う欠点を評価して、配合物はアルキルトリアルコキシシランを可溶にするように開発された。このタイプの配合物は従来の配合物のアルキルトリアルコキシシランと共に水可溶のアミノおよび第四アンモニウムオルガノシランを利用する。これらの配合物の意図ははっ水剤特性を提供するアルキルトリアルコキシシランを可溶性にするための可溶のオルガノシランを開発することだった。
【0003】
水抵抗に加えて、多数のタイプの建設資材は抗菌物質での処理により利益を得る。抗菌物質は微生物による材料の汚染および劣化を防ぐ化学組成物である。恐らく、抗生物質の中で最も普及している群は第四アンモニウム化合物である。抗菌物質としての低レベルの(1%あるいはより低い)第四アンモニウムシランの使用は周知であり、以下の種種の米国特許中で教示される。米国特許3,560,385;3,794,736;および3,814,739。それらの抗菌特性により、それらの適用は、様々な表面、基体、装置および用途において有益である。そのような用途の例は以下の米国特許に記載される。3,730,701;3,794,736;3,860,709;4,282,366;4,504,541;4,615,937;4,692,374;4,408,996;および4,414,268;これらの内容は参照され本明細書に組込まれる。第四アンモニウムシランを含む水性溶液の適用は米国特許4,921,701および5,169,625で議論される。
【0004】
本発明に関係を有する特許は米国特許5,209,775、5,421,866、5,695,551、並びにCA2,115,622およびJP3,159,975である。これらの特許はシリコン化合物の、水分散可能なまたは水エマルションのはっ水性組成物を指向する。これらの特許に示された組成物は(1)アルキルアルコキシシランあるいはシロキサン;(2) 水可溶のシラン;および(3)アミノシランあるいは第四アンモニウムシランのいずれかを含む。これらの組成物中の可溶性のシラン、アミノシランまたはイオン性の第四アンモニウムシランの役割は、アルキルアルコキシシラン、シロキサンあるいは他の水不溶性ポリマーを水中で安定化することである。
【0005】
アルコールおよび炭化水素のような、様々な有機溶媒中において水はっ水剤としての疎水性の水不溶性のシランの使用は、伝統的にそれらの優れたパフォーマンスのために好まれた。しかしながら、これらの溶剤タイプ組成物の主要な制限としては、それらの固有の毒性および燃焼性があげられる。溶剤系に基づくものによる処理と比較して環境上の改良を提供するものの、既存の有機シロキサンエマルションおよび水分散性シランまたはシロキサンは、安定性、浸透深さおよび処理された基体のビーディング効果の点においては、既存の溶剤系のシラン、シラン/シロキサンの組み合わせあるいはシロキサンと比較できない。さらに、界面活性剤の使用は、表面の再湿潤を引き起こすことがある。
【0006】
したがって、溶剤に基づいた組成物を利用した処理と少なくとも同等程度に効果的な水抵抗性を提供できる水性の防水処理の必要性が残っている。従って、本発明の目的は、水性溶液で表面を処理する方法を提供することである。ここで、処理された表面は、溶剤系の処理によって提供されるものと少なくとも等しい水抵抗性を示す。さらに、無機物の基質上に長期の疎水性を提供するための次の3点の非常に望ましい必要条件を提供することも本発明の目的である。(1)より安全で、環境上受容可能な水性溶液の適用、(2)分子レベルの疎水性の付与、および(3)基体と反応して長期的なパフォーマンスを提供すること。
【0007】
簡潔な発明の要約
本発明は、イオン性有機シリコン化合物を含む水性組成物で無機質表面を処理する方法および様々な無機質の処理された表面に関する。驚くべきことに、本発明まではシランを安定化するために少量で使用されていた水溶性のイオン性有機シリコン化合物の無機質表面への適用が、優れた疎水性を有する処理表面を提供することが見いだされた。本発明は、イオン性基、疎水基および珪素上に少なくとも1つのアルコキシ基を有するイオン性有機シリコン化合物を含む水性溶液の適用により、前述の必要条件を満たす。
【0008】
本発明は、無機物の基体の表面処理の際に、はっ水性を与えるための主または単独の成分としてイオン性有機シリコン化合物をもっぱら利用する。本発明の方法は、本質的に少なくとも1つのイオン性有機シリコン化合物からなる水性溶液を無機質表面へ適用することにより、表面に対して水抵抗性を付与することを含む。以下の説明に拘束されないことを望むが、水性のイオン性有機シリコン溶液の乾燥の際に、表面上の分子のパッキングがシランが無機質表面と化学結合を形成した後、水中への溶解を可能にするイオン性の基が構造内に深く埋められるような状態にされるためであると考えられている。従って、適用の後、処理された表面は、長期の防水剤コーティングであると見なされることができる。したがって、本発明の概念に従って教示されるものと、上記の多数の特許により説明された先行技術との教示との間には相違がある。
【0009】
詳細な発明の説明
本発明は以下の本発明のすべてではないがいくつかの実施態様により詳細に記載される。実際、これらの発明は様々な形式で具体化されることができ、ここに述べられた実施態様に制限されるように解釈されるべきでない;もっと正確に言えば、開示が適用される法的必要条件を満たすように、これらの実施態様は提供される。本発明における利用にふさわしい表面処理組成物は、水およびイオン性有機シリコン化合物をともに混合することにより形成される。
【0010】
本発明のイオン性有機シリコン化合物は、以下からなる群から選択される式を有する有機シランを含む;
【0011】
【化1】

【0012】
上記の各式において:
YはROであり、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、(CHCHO)OH、ここでnは1から10の数値を有する、(CHOCHCHO)、あるいは(CHCHOCHCHO);aはゼロ、1または2の値をとる;R’はメチルまたはエチル基である;R’’は1から4個の炭素原子を有するアルキレン基である;R’’’、R’’’’およびRは、1から22個の炭素原子を有するアルキル基であり、かかる基の少なくとも1つは8個よりも多い炭素原子を有する、−CH、−CHCHOH、−CHOH、および−(CHNHC(O)Rviであり、xは2から10の数値を有し、およびRviは1から12個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基であり;Xは、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、アセテートあるいはトシレートであり、また、Zは、Cで表される正荷電の芳香族ピリジニウム環であり、MはNa、KあるいはLi、またはHである。
【0013】
1つの好ましい実施態様では、イオン性有機シリコン化合物は以下の式を有する:
【0014】
【化2】

【0015】
ここでRはメチルまたはエチルであり、aはゼロであり、R’’はプロピレンであり;R’’’メチルまたはエチルであり;R’’’’およびRは、1から22個の炭素原子を有するアルキル基であり、かかる基の少なくとも1つは8個よりも多い炭素原子を有し、Xは塩化物、アセテートあるいはトシレートである;が水中に溶解されて水性溶液を形成することができる。これらのイオン性有機シリコンを含む水性溶液は、水抵抗性を付与するために無機質表面に適用されることができる。
【0016】
本発明の範囲内のそのようなイオン性有機シリコン化合物の具体例は、以下の式によって表わされる:
【0017】
【化3】

【0018】
1つの異なる実施態様では、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル アンモニウムクロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルメチルジデシル アンモニウムクロライド、および3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルヘキサデシル アンモニウムクロライドが特に本発明にかかる無機質表面への適用のための水性溶液に好適である。これらのイオン性有機シリコン化合物の構造は以下のとおりである:
【0019】
【化4】


3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル アンモニウムクロライド;
【0020】
【化5】


3−(トリメトキシシリル)プロピルメチルジデシル アンモニウムクロライド;
【0021】
【化6】


3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルヘキサデシル アンモニウムクロライド。
【0022】
本発明にかかる組成物は水中にイオン性有機シリコンを溶解することにより作られる。さらに、1つよりも多いイオン性有機シリコン化合物を水に溶解し、1つよりも多いイオン性有機シリコン化合物を含有する水性組成物を配合することができる。更に、本発明の組成物のいつかは、さらに公知の添加剤、たとえば湿潤剤、界面活性剤、および抗菌物質を含むことができる。これらの組成物は、所望の適用量で、揮発性の有機含有成分(VOC)に関する地方の州および連邦規定に応じて、たとえばブラシ、ローラー、エアースプレーおよびエアレススプレー技術のような任意の既知の手段によって種々様々な表面に適用できる。イオン性有機シリコンを含む水性組成物が適用され乾燥された後に、処理された表面は、基体に結合した耐水性保護層を有して得られる。以下の説明により拘束されないことを望むが、乾燥する際に、シランが基体と化学結合を形成した後に、水中への溶解を可能にするイオン性基が構造中に埋められるように表面上の分子のパッキングが生じると考えられている。更に、中央のイオン性基上の長鎖は、分子の可溶性のイオン部分に水が達することを禁じると信じられている。従って、本発明は、さらに可溶性成分が、可溶性成分に結合する長鎖により水から遮蔽されているユニークな層を有する、処理された表面を提供する。
【0023】
シランアルコキシ基の加水分解によって生成されたシラノールと結合する官能基あるいは反応部位を備えたすべての表面は、本発明の水性溶液で処理された際にはっ水性となることができる。従って、本発明にかかる処理された表面は、イオン性有機シリコン化合物のポリ縮合物であるとして特性づけられる。いくつかの好適な表面としては、例えば重質および軽質コンクリート、石工製品、セッコウ、コンクリートブロック、シンダーブロック、軟泥レンガ、砂石灰煉瓦、ドレインタイル、セラミックタイル、砂岩、プラスター、クレー煉瓦、天然石および岩、屋根がわら、ケイ酸カルシウムレンガ、セメント物品、スラグ石およびレンガ、スタッコ、石灰石、砕石、大理石、しっくい、モルタル、テラゾ、クリンカ、軽石、土、コッタ、磁器、日干し煉瓦、珊瑚、ドロマイトおよびアスファルトがあげられる。本発明の組成物で処理されることができる非セメント表面としては、これらに限定はされないが、パーライト、セルラーグラス、蛭石、雲母、シリカおよびケイソウ土があげられる。
【0024】
1つの実施態様では、水性のイオン性有機シリコン組成物は、イオン性有機シリコン化合物を少なくとも約0.1重量パーセント含むことができる。さらに、いくつかの実施態様では約0.1から約10重量%のイオン性有機シリコン化合物を含むことができ、また他の実施態様では約10から99重量%、または約20から60重量%のイオン性有機シリコン化合物を含むことができる。
【0025】
実施例1
3−[トリ―(2−ヒドロキシエトキシ)シリル]プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド
2リットルの、コンデンサー、撹拌機、温度計および蒸留ヘッドを装備した三口フラスコに、360グラム(6モル)のエチレングリコールを投入した。この溶液に、200グラムの3−クロロプロピルトリメトキシシランを2時間にわたり、100℃で滴下した。混合物を6時間100℃で加熱し、その間に101グラムの物質(主として100℃以下で沸騰するメタノール)が回収された。460グラムのクルードの生成物混合物が得られた。クルード生成物混合物の主成分は(OHCHCHO)SiCHCH(CH)CHCl:
【0026】
【化7】


3−クロロプロピル−トリ−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−シランであった。
【0027】
同じ反応構成で、265グラム(0.9モル)のオクタデシルジメチルアミンがクルードの生成物混合物に加えられた。この混合物は20時間120℃に加熱された。20時間の後、反応を完了した。生成物混合物サンプルの滴定は、塩化物イオン濃度が4.35%であることを示した。主成分の構造は(OHCHCHO)SiCHCHCHN(CH1837Cl−:
【0028】
【化8】


3−[トリ―(2−ヒドロキシエトキシ)シリル]プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドであった。
生成物混合物のための計算された塩化物イオン濃度は4.40%だった。生成物はすべての割合で水と混和した。
【0029】
実施例2
2リットルの、コンデンサー、撹拌機、温度計および蒸留ヘッドを装備した三口フラスコに、636グラム(6モル)のジエチレングリコールを投入した。この溶液に、200グラムの3−クロロプロピルトリメトキシシランを2時間にわたり、100℃で滴下した。混合物を6時間125℃で加熱し、その間に101グラムの物質(主として100℃以下で沸騰するメタノール)が回収された。735グラムのクルードの生成物混合物が得られた。クルードの生成物混合物の主成分は(OHCHCHOCHCHO)SiCHCH(CH)CHClであった。
【0030】
【化9】

【0031】
同じ反応構成で、265グラム(0.9モル)のオクタデシルジメチルアミンがクルードの生成物混合物に加えられた。この混合物は20時間120℃に加熱された。20時間の後、反応を完了した。生成物混合物サンプルの滴定は、塩化物イオン濃度が2.97%であることを示した。主成分の構造は(OHCHCHOCHCHO)SiCHCHCHN(CH1837Cl−であった。
【0032】
【化10】


生成物混合物のための計算された塩化物イオン濃度は3.2%だった。生成物はすべての割合で水と混和した。
【0033】
実施例3
3−(トリメトキシシリル)−2−メチルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド
2リットルの、撹拌機、温度計を備えた加圧反応器に、225グラム(1.1モル)の3−クロロ−2−メチルプロピル−トリメトキシシラン、295g(1.0モル)のジメチルオクタデシルアミン、および100gのメタノールを投入した。混合物は120℃で30時間加熱された。30時間の後、反応は完了した。生成物混合物のサンプルの滴定は、塩化物イオン濃度が5.62%であることを示した。主成分の構造は(CHO)SiCHCH(CH)CHN(CH1837Cl−:
【0034】
【化11】


3−(トリメトキシシリル)−2−メチルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドであった。
生成物混合物のための計算された塩化物イオン濃度は5.71%だった。生成物はすべての割合で水と混和した。
【0035】
実施例4
3−[トリ―(2−ヒドロキシエトキシ)シリル]−2−メチルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド
2リットルの、コンデンサー、撹拌機、温度計および蒸留ヘッドを装備した三口フラスコに、360グラム(6モル)のエチレングリコールを投入した。この溶液に、212グラムの3−クロロ−2−メチルプロピルトリメトキシシランを2時間にわたり、100℃で滴下した。混合物を6時間100℃で加熱し、その間に101グラムの物質(主として100℃以下で沸騰するメタノール)が回収された。470グラムのクルードの生成物混合物が得られた。エステル交換生成物の生成物混合物の主成分は(OHCHCHO)SiCHCH(CH)CHCl;
【0036】
【化12】


3−クロロ−2−メチルプロピル−トリ−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−シランであった。
【0037】
同じ反応構成で、265グラム(0.9モル)のオクタデシルジメチルアミンがクルードの生成物混合物に加えられた。この混合物は20時間120℃に加熱された。20時間の後、反応を完了した。生成物混合物サンプルの滴定は、塩化物イオン濃度が4.17%であることを示した。主成分の構造は(OHCHCHO)SiCHCH(CH)CHN(CH1837Cl−:
【0038】
【化13】


3−[トリ―(2−ヒドロキシエトキシ)シリル]−2−メチルプロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドであった。
生成物混合物のための計算された塩化物イオン濃度は4.32%だった。生成物はすべての割合で水と混和した。
【0039】
実施例5
2リットルの、コンデンサー、撹拌機、温度計および蒸留ヘッドを装備した三口フラスコに、540グラム(6モル)のエチレングリコールモノエチルエーテルを投入した。この溶液に、200グラムの3−クロロプロピルトリメトキシシランを2時間にわたり、100℃で滴下した。混合物を6時間125℃で加熱し、その間に101グラムの物質(主として100℃以下で沸騰するメタノール)が回収された。735グラムのクルードの生成物混合物が得られた。クルードの生成物混合物の主成分は(CHCHOCHCHO)SiCHCH(CH)CHCl:
【0040】
【化14】


3−クロロプロピル−トリ−(2−エトキシエトキシ)−シランであった。
【0041】
同じ反応構成で、265グラム(0.9モル)のオクタデシルジメチルアミンがクルードの生成物混合物に加えられた。この混合物は20時間120℃に加熱された。20時間の後、反応を完了した。生成物混合物サンプルの滴定は、塩化物イオン濃度が3.45%であることを示した。主成分の構造は(CHCHOCHCHO)SiCHCHCHN(CH1837Cl−:
【0042】
【化15】


3−[トリ―(2−エトキシエトキシ)シリル]プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドであった。
生成物混合物のための計算された塩化物イオン濃度は3.52%だった。生成物はすべての割合で水と混和した。
【0043】
実施例6
0.1から5.0重量%の範囲の、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタルデシルアンモニウムクロライドの複数の水性溶液が、水道水に溶解することにより調製された。処理された基体は1片のコンクリートブロック、セメントシート、サンドフェイスプラスタおよび砂岩を含んでいた。恒量に到達するまで、これらの材料は100℃でオーブンの中で秤量され乾燥された。その後、試験片は秤量され、1cmの水中に1時間置かれ、再び秤量され、恒量に到達するまで、100℃のオーブンの中で乾燥した。個々の試験片が秤量され、はっ水剤溶液中に20秒間つけ、ついで乾燥し、また最後に秤量した。処理されたサンプルは、1cmの水中に1時間置かれ、秤量された。各実験におけるはっ水率を表1に示した。はっ水率は次の方法で計算された:
(未処理基体の水吸収量 − 処理された基体の水吸収量)×100/未処理基体の水吸収量
【0044】
【表1】


これらの結果は、1.5−3.5重量%の溶液が、ほとんどの基体において優れた疎水性を提供することを示す。
【0045】
実施例7
標準のM20ブロックサンプルが試験に使用された。標準サイズの煉瓦は試験のために3つの等しい部分に切られた。砂岩片は7cm×6mm×7cmだった。未処理の対照が比較のために含まれ、はっ水率が計算された。サンプルはワイヤーブラシとクロスで清潔にされた。恒量に到達するまで、試験片は100℃でオーブン中で秤量され乾燥された。水吸収量は、ASTM D−6489により確立された方法によって測定された。試験片は秤量され、1cmの水中に24時間置かれ、再び秤量され、恒量に到達するまで100℃のオーブン中で乾燥した。試験片は実施例6に記載されたようにしてはっ水剤で処理された。1cmの水中に24時間つけた後に試験片は再度秤量された。水吸収量、水吸収パーセント(水吸収量×100/乾燥重量)が測定され、はっ水率が次の方法で計算された:
(対照の水吸収量 − 処理された基体の水吸収量)×100/対照の未処理基体の水吸収量
【0046】
3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドの2.5重量パーセントの溶液を水道水に溶解することにより調製した。各基体の3つのサンプルが、20秒間サンプルを浸すことにより処理された。サンプルは、24時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。オーブンから取り出した後に、サンプルは室温にされ、測定が行われた。水吸収量はASTM D6489の方法を使用して測定された。3つのサンプルの平均の計算された結果は、表2にまとめられる。
【0047】
【表2】

【0048】
実施例8
Rilem水圧水浸透試験(テストII.4)
3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドの2.5パーセントの溶液を水道水に溶解することにより調製した。各基体の3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、24時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。オーブンから取り出した後に、サンプルは室温にされ、測定が行われた。アップテークチューブが、圧力を加えながら、チューブの周縁と石工物質の表面との間に、細長いコーキング材を置くことにより、基質の表面に取り付けられた。その後、ゼロ目盛線に達するまで、水がチューブの穴に加えられた。20分間に基質によって吸収された水の量は、チューブ上の目盛線から読まれる。データは表3にしめされる。これは20分で失われたミリリッタ(ml)を示す。
【0049】
【表3】

【0050】
実施例9
浸透深さ
3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライドの2.5パーセントの溶液を、水道水に溶解することにより調製した。各基体の3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、24時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。サンプルは室温にされ、測定が行われた。ハンマーとたがねを使用して、長さ方向にサンプルを割った。各サンプルの2分の1は、破砕表面を下にして水溶性染料溶液の中へ置かれた。各サンプルの未処理部分だけが溶液を吸収し、色付けされた。浸透深さは表面から染色された領域まで測定された。平均浸透深さは表IV中に示される。
【0051】
【表4】

【0052】
実施例10
毛細管吸収試験
コンディショニングの後、処理されたコンクリートキューブと未処理のコンクリートキューブのサンプルを、さらなる実験のために得た。すべてのキューブの最初の重量が記録された。秤量されたサンプルは、濾紙のパックから作られた多孔質支持体上のコンテナ内に置かれた。パックの厚さはほぼlcmだった。濾紙のパックは、水と、濾紙の上に置かれたサンプルの表面だけの間の即時かつ連続的な接触を保証する。紙が完全に浸されるまで、水道水がコンテナ内へゆっくりつがれた。水位は、パックの頂部境界を越えて上昇しないようにされた。水の蒸発を低減するために、コンテナは板ガラスで覆われた。
【0053】
毛細管水吸収の評価のために、サンプルは1時間後にコンテナから取り除かれた。湿っているクロスで水に接していた表面を拭いた後に、サンプルはそれぞれ秤量された。得られた結果は、表V中で示される。
【0054】
【表5】

【0055】
実施例11
標準のM20ブロックサンプルが補足試験に使用された。未処理の対照が比較のために含まれ、はっ水性が計算された。サンプルはワイヤーブラシとクロスで清潔にされた。恒量に到達するまで、試験片は100℃でオーブン中で秤量され乾燥された。水吸収は、ASTM D−6489による確立された方法によって決定された。試験片は秤量され24時間、1cmの水中に置かれ、再び秤量され、恒量に到達するまで、100℃でオーブン中で乾燥された。3−(トリメトキシシリル)プロピルメチルジデシルアンモニウムクロライド2.5パーセントの溶液を水道水に溶解することにより調製した。3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、24時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。オーブンから取り出した後に、サンプルは室温にされ、測定が行われた。水吸収量、吸水率パーセント(水吸収量×100/乾燥片の重量)および以下の式によるはっ水率%が計算された:
(対照の水吸収量 − 処理されたサンプルの水吸収量)×100/対照の水吸収量
3つのサンプルについて計算された平均はっ水率は87%だった。
【0056】
実施例12
標準のM20ブロックサンプルが補足試験に使用された。未処理の対照が比較のために含まれ、はっ水性が計算された。サンプルはワイヤーブラシとクロスで清潔にされた。恒量に到達するまで、試験片は100℃でオーブン中で秤量され乾燥された。3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド2.5パーセントの溶液を水道水に溶解することにより調製した。3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、24時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。サンプルは室温にされ、測定が行われた。水吸収量、吸水率パーセント(水吸収量×100/乾燥片の重量)および以下の式によるはっ水率%が計算された:
(対照の水吸収量 − 処理されたサンプルの水吸収量)×100/対照の水吸収量
3つのサンプルについて計算された平均はっ水率は85%だった。
【0057】
実施例13
標準のM20ブロックサンプルが補足試験に使用された。未処理の対照が比較のために含まれ、はっ水性が計算された。サンプルはワイヤーブラシとクロスで清潔にされた。恒量に到達するまで、試験片は100℃でオーブン中で秤量され乾燥された。実施例1で得られた生成物を水道水に溶解することにより2.5パーセントの溶液を調製した。3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、48時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。サンプルは室温にされ、測定が行われた。
水吸収、吸水率パーセント(水吸収×100/乾燥片の重量)およびはっ水率%は、以下の通りに計算された:
(対照の水吸収量 − 処理されたサンプルの水吸収量)×100/対照の水吸収量
3つのサンプルのために計算された平均はっ水率は91%だった。
【0058】
実施例14
標準のM20ブロックサンプルが補足試験に使用された。未処理の対照が比較のために含まれ、はっ水性が計算された。サンプルはワイヤーブラシとクロスで清潔にされた。恒量に到達するまで、試験片は100℃でオーブン中で秤量され乾燥された。実施例2で得られた生成物を水道水に溶解することにより2.5パーセントの溶液を調製した。3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、5日間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。サンプルは室温にされ、測定が行われた。
水吸収量、吸水率パーセント(水吸収量×100/乾燥片の重量)および以下の式によるはっ水率%が計算された:
(対照の水吸収量 − 処理されたサンプルの水吸収量)×100/対照の水吸収量
3つのサンプルについて計算された平均はっ水率は81%だった。
【0059】
実施例15
標準のM20ブロックサンプルが補足試験に使用された。未処理の対照が比較のために含まれ、はっ水性が計算された。サンプルはワイヤーブラシとクロスで清潔にされた。恒量に到達するまで、試験片は100℃でオーブン中で秤量され乾燥された。実施例4で得られた生成物を水道水に溶解することにより2.5パーセントの溶液を調製した。3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、48時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。サンプルは室温にされ、測定が行われた。
水吸収量、吸水率パーセント(水吸収量×100/乾燥片の重量)および以下の式によるはっ水率%が計算された:
(対照の水吸収量 − 処理されたサンプルの水吸収量)×100/対照の水吸収量
3つのサンプルについて計算された平均はっ水率は93%だった。
【0060】
実施例16
標準のM20ブロックサンプルが補足試験に使用された。未処理の対照が比較のために含まれ、はっ水性が計算された。サンプルはワイヤーブラシとクロスで清潔にされた。恒量に到達するまで、試験片は100℃でオーブン中で秤量され乾燥された。実施例5で得られた生成物を水道水に溶解することにより2.5パーセントの溶液を調製した。3つのサンプルが、20秒間サンプルを水性溶液に浸すことにより処理された。サンプルは、48時間硬化された。それらは、1時間100℃でオーブン中でさらに乾燥された。オーブンから取り出した後に、サンプルは室温にされ、測定が行われた。
水吸収量、吸水率パーセント(水吸収量×100/乾燥片の重量)および以下の式によるはっ水率%が計算された:
(対照の水吸収量 − 処理されたサンプルの水吸収量)×100/対照の水吸収量
3つのサンプルについて計算された平均はっ水率は93%だった。
【0061】
本明細書および図面の記載に関連して、本発明の多くの改良および他の実施態様が当業者に想到される。したがって、本発明は示された特定の実施態様およびその改良に制限されず、改良および他の実施態様は特許請求の範囲内に含まれるように意図される。特定の用語がここに使用されるが、それらは、制限の目的のためにではなく一般的かつ記述的な意味においてのみ使用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面をはっ水性にするための処理方法であって、表面に少なくとも1つのイオン性有機シリコン化合物から本質的に成る水性溶液を適用することを含む方法。
【請求項2】
前記のイオン性有機シリコン化合物が、次のものから成る群から選ばれる請求項1記載の方法:
【化1】


式中、YはROであり、Rは1から4の炭素原子を有するアルキル基、(CHCHO)OH、ここでnは1から10、または(CHOCHCHO)、または(CHCHOCHCHO);aはゼロ、1または2;R’はメチルまたはエチル基;R’’は1から4の炭素原子を有するアルキレン基;R’’’、R’’’’およびRは、1から22の炭素原子を有するアルキル基であり、そのような基の少なくとも1つは8よりも多くの炭素原子を有するか、または−CH、−CHCHOH、−CHOHおよび−(CHNHC(O)Rvi、ここでxは2から10の値を有し、Rは1から12の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基;Xは、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、アセテートあるいはトシレート;Zは式Cの陽電荷を有する芳香族ピリジニウム環;およびMはNa、K、LiまたはHである。
【請求項3】
水性溶液を適用する工程が、以下の式の1つのみのイオン性有機シリコン化合物を適用することを含む、請求項1記載の方法:
【化2】


式中、YはROであり、Rは1から4の炭素原子を有するアルキル基、(CHCHO)OH、ここでnは1から10、または(CHOCHCHO)、または(CHCHOCHCHO);aはゼロ、1または2;R’はメチルまたはエチル基;R’’は1から4の炭素原子を有するアルキレン基;R’’’、R’’’’およびRは、1から22の炭素原子を有するアルキル基であり、そのような基の少なくとも1つは8よりも多くの炭素原子を有するか、または−CH、−CHCHOH、−CHOHおよび−(CHNHC(O)Rvi、ここでxは2から10の値を有し、Rviは1から12の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基;Xは、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、アセテートあるいはトシレート。
【請求項4】
前記のイオン性有機シリコンは前記水性溶液の約0.1から約10重量パーセントの間で含まれる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記の適用工程が、前記の水性溶液を前記表面にスプレーすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記の適用工程が、前記の水性溶液を無機質表面に適用することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記の表面は、コンクリート、石工製品、セッコウ、コンクリートブロック、シンダーブロック、軟泥レンガ、砂石灰煉瓦、ドレインタイル、セラミックタイル、砂岩、プラスター、クレー煉瓦、天然石および岩、屋根がわら、ケイ酸カルシウムレンガ、セメント物品、スラグ石およびレンガ、スタッコ、石灰石、砕石、大理石、しっくい、モルタル、テラゾ、クリンカ、軽石、土、コッタ、磁器、日干し煉瓦、珊瑚、ドロマイトおよびアスファルトからなる群から選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
以下を含む表面をはっ水性にするための表面処理方法:
i) イオン性有機シリコン化合物を水に溶解し、イオン性有機シリコン化合物の水性溶液を形成すること;
ii) 無機質表面上に該水性溶液を適用すること;および
iii) 該水性溶液を乾燥して、イオン性有機シリコン化合物を無機質表面上に存在する反応部位と結合させ、該無機質表面にはっ水性の保護層を形成すること。
【請求項9】
前記のイオン性有機シリコン化合物が、以下の式を有する化合物から選ばれる請求項8記載の方法:
【化3】


式中、YはROであり、Rは1から4の炭素原子を有するアルキル基、(CHCHO)OH、ここでnは1から10、または(CHOCHCHO)、または(CHCHOCHCHO);aはゼロ、1または2;R’はメチルまたはエチル基;R’’は1から4の炭素原子を有するアルキレン基;R’’’、R’’’’およびRは、1から22の炭素原子を有するアルキル基であり、そのような基の少なくとも1つは8よりも多くの炭素原子を有する、または−CH、−CHCHOH、−CHOHおよび−(CHNHC(O)Rvi、ここでxは2から10の値を有し、Rviは1から12の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基;Xは、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、アセテートあるいはトシレートである。
【請求項10】
前記のイオン性有機シリコンは前記の水性溶液に約0.1から10重量パーセントの間で含まれる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記のイオン性有機シリコンは、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルメチルジデシルアンモニウムクロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロライドの少なくとも1つである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記の水性溶液を適用する工程は、前記表面に前記水性溶液をブラシ塗布、ロール塗布およびスプレー塗布することの少なくとも1つから成る群から選ばれる、請求項11記載の方法。
【請求項13】
表面へ耐水性の層が結合された無機質物質表面を有するはっ水性物品であって、該はっ水性層が水可溶のイオン性有機シリコン化合物のポリ縮合物を含む物品。
【請求項14】
前記のはっ水性層および前記の無機質物質表面がSi−O−Si結合によって結合される、請求項1記載の物品。
【請求項15】
前記の耐水性の層は、イオン性基に結合した長鎖アルキル基をさらに含む、請求項14記載の物品。
【請求項16】
前記の長鎖アルキル基は、水が前記イオン性基に到達できないように位置する、請求項15記載の物品。
【請求項17】
前記の耐水性の層は、以下の式を有するイオン性有機シリコン化合物のポリ縮合物を含む、請求項16記載のはっ水性表面;
【化4】


式中、YはROであり、Rは1から4の炭素原子を有するアルキル基、(CHCHO)OH、ここでnは1から10、または(CHOCHCHO)、または(CHCHOCHCHO);aはゼロ、1または2;R’はメチルまたはエチル基;R’’は1から4の炭素原子を有するアルキレン基;R’’’、R’’’’およびRは、1から22の炭素原子を有するアルキル基であり、そのような基の少なくとも1つは8よりも多くの炭素原子を有するか、または−CH、−CHCHOH、−CHOHおよび−(CHNHC(O)Rvi、ここでxは2から10の値を有し、Rviは1から12の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基;Xは、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、アセテートあるいはトシレートである。
【請求項18】
はっ水層が3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルメチルジデシルアンモニウムクロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロライドの少なくとも1つのポリ縮合物を含む、請求項16記載のはっ水性表面。

【公表番号】特表2009−542838(P2009−542838A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517612(P2009−517612)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/IN2006/000304
【国際公開番号】WO2008/004242
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(509004767)
【Fターム(参考)】