説明

イオン性液体安定剤組成物

本発明は、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む組成物に関する。かかる組成物は低いGWP作動流体として有用である可能性がある。これらの組成物は、例えば、発泡剤、溶剤、エアゾール噴射剤、消火剤、滅菌剤または(冷凍システム、冷蔵庫、エアコンシステム、ヒートポンプ、チラーなどでの使用のための伝熱流体および冷媒などの)伝熱媒体を含む、作動流体において様々な実用性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む組成物に関する。組成物でのイオン性液体の使用は組成物を安定化させる。安定化組成物は、より高い地球温暖化係数の既存の作動流体の代替品として冷却システムにおいて有用である可能性がある。
【背景技術】
【0002】
作動流体に対する新たな環境規制により、冷凍およびエアコン業界は低い地球温暖化係数(GWP)の新規作動流体を探し求めてきた。少し挙げるだけでも、鎮火の分野で、膨張剤として発泡体の製造で、およびエアゾール噴射剤としてなど、フルオロカーボン作動流体にとって多数の他の用途がある。
【0003】
低いGWPを有し、毒性がなく、不燃性であり、適度のコストおよび優れた性能を有する代替作動流体が探し求められている。
【0004】
フルオロオレフィンが単独でまたは混合で作動流体として提案されている。しかしながら、フルオロオレフィンはそれら自体(例えば、高温)分解を示し得るおよび/または特定の使用および/または用途で存在する可能性がある他の化合物(例えば、水分、酸素、および他の化合物との縮合反応)と接触したときに有用な生成物または望ましくない副生物を生成し得ることが観察されてきた。かかる分解は、フルオロオレフィンが冷媒または伝熱流体として利用されるときに起こる可能性がある。この分解は、任意の数の異なるメカニズムによって起こる可能性がある。1つの場合には、分解は、極端な温度での化合物の不安定性によって引き起こされる可能性がある。他の場合には、分解は、システムに不注意にも漏れ込んだ空気の存在下での酸化によって引き起こされる可能性がある。かかる分解の原因が何であれ、フルオロオレフィンの不安定のために、これらのフルオロオレフィンを冷凍またはエアコンシステム中へ組み込むことは実用的ではないかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、フルオロオレフィンなどの提案される低いGWP代替品を安定化させる必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
システム運転の極限で(特に高温で)フルオロオレフィンの可能性がある不安定性を回避するために、特有の化合物、すなわち、イオン性液体を少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加すると、その安定性を増大させ、他の用途の中でも、冷凍またはエアコンシステム用途での使用を可能にすることが見いだされた。
【0007】
それ故、本発明に従って、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む組成物が提供される。かかる組成物は低いGWP作動流体として有用である可能性がある。
【0008】
少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物の分解を低減するための方法であって、前記分解が冷凍、エアコンまたはヒートポンプシステムにおける不注意な空気の存在によって引き起こされ、有効量の少なくとも1種のイオン性液体を少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加する工程を含む方法がまた提供される。
【0009】
少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物について酸素との反応を低減するための方法であって、少なくとも1種のイオン性液体を含む有効量の安定剤を少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加する工程を含む方法がまた提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む組成物を提供する。
【0011】
これらの組成物は、例えば、発泡剤、溶剤、エアゾール噴射剤、消火剤、滅菌剤または(冷凍システム、冷蔵庫、エアコンシステム、ヒートポンプ、チラーなどでの使用のための伝熱流体および冷媒などの)伝熱媒体を含む、作動流体において様々な実用性を有する。
【0012】
発泡剤は、ポリマーマトリックスを膨張させて気泡構造を形成する揮発性組成物である。
【0013】
溶剤は、基材から汚物を除去する、または基材上へ材料を沈着させる、または材料を運ぶ流体である。
【0014】
エアゾール噴射剤は、1気圧より大きい圧力を出して容器から材料を吐き出す1種以上の成分の揮発性組成物である。
【0015】
消火剤は、火炎を消すまたは鎮める揮発性組成物である。
【0016】
滅菌剤は、生物活性物質などを殺す揮発性の殺生物性流体を含有する揮発性の殺生物性流体またはブレンドである。
【0017】
(本明細書では伝熱流体、伝熱組成物または伝熱流体組成物とも称される)伝熱媒体は、熱を熱源からヒートシンクに運ぶために使用される作動流体である。
【0018】
冷媒は、流体が液体から気体へおよびその逆に相変化を受けるサイクルで伝熱流体として機能する化合物または化合物の混合物である。
【0019】
(イオン性流体とも称される)イオン性液体は、室温(約25℃)で液体である有機化合物である。それらは、非常に低い融点を有し、広い温度範囲にわたって液体である傾向があり、かつ、高い熱容量を有することが示されているという点においてほとんどの塩とは異なる。イオン性液体は本質的に蒸気圧を全く持たず、それらは中性、酸性または塩基性のいずれかであることができる。イオン性液体の特性は、陽イオンおよび陰イオンを変えることによって調整することができる。本発明に有用なイオン性液体の陽イオンまたは陰イオンは、原則として、陽イオンおよび陰イオンが一緒になって約100℃以下で液体である有機塩を形成するような任意の陽イオンまたは陰イオンであることができる。
【0020】
多くのイオン性液体は、窒素含有複素環、好ましくはヘテロ芳香環をアルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキル)と反応させて第四級窒素含有塩を形成し、イオン交換または様々なルイス酸もしくはそれらの共役塩基との他の好適な反応を行ってイオン性液体を形成することによって形成される。好適なヘテロ芳香環の例には、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピロールおよび置換ピロールが含まれる。これらの環は、実質的に任意の直鎖、分枝鎖もしくは環状のC1〜20アルキル基でアルキル化することができるが、C1〜16より大きい基はイオン性液体よりむしろ低融点の固体を生成する可能性があるので、好ましくは、アルキル基はC1〜16基である。様々なトリアリールホスフィン、チオエーテルならびに環状および非環状の第四級アンモニウム塩がまたこの目的のために使用されてもよい。使用されてもよい対イオンには、クロロアルミネート、ブロモアルミネート、塩化ガリウム、テトラフルオロボレート、テトラクロロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ナイトレート、トリフルオロメタンスルホネート、メチルスルホネート、p−トルエンスルホネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネート、テトラクロロアルミネート、テトラブロモアルミネート、パークロレート、水酸化物陰イオン、銅ジクロリド陰イオン、鉄トリクロリド陰イオン、亜鉛トリクロリド陰イオン、ならびに様々なランタン、カリウム、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、および他の金属含有陰イオンが含まれる。
【0021】
イオン性液体はまた、塩メタセシスによって、酸−塩基中和反応によってもしくは選択された窒素含有化合物の第四級化によって合成されてもよいし;またはそれらは、Merck(Darmstadt,Germany)もしくはBASF(Mount Olive,NJ)などの幾つかの会社から商業的に入手されてもよい。
【0022】
本明細書で有用なイオン性液体の代表的な例は、J.Chem.Tech.Biotechnol.、68(1997):351−356ページ;Chem.Ind.、68(1996):249−263ページ;J.Phys.Condensed Matter、5(1993):(supp 34B):B99−B106ページ;Chemical and Engineering News、1998年3月30日,32−37ページ;J.Mater.Chem.、8(1998):2627−2636ページ;Chem.Rev.、99(1999):2071−2084ページ;ならびに国際公開第05/113,702号パンフレット(およびその中に引用されている参考文献)などの情報源に記載されているものの中に含まれている。一実施形態では、イオン性液体のライブラリー、すなわち、組み合わせライブラリーは、例えば、第四級窒素含有陽イオンの様々なアルキル誘導体を製造し、関連陰イオンを変えることによって製造されてもよい。イオン性液体の酸性度は、ルイス酸のモル当量およびタイプおよび組み合わせを変えることによって調節することができる。
【0023】
一実施形態では、本明細書での使用に好適なイオン性液体には、次式:
【化1】

【化2】

[式中、R、R、R、R、RおよびRは、
(i)H;
(ii)ハロゲン;
(iii)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(iv)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、かつ、Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(v)C〜C20非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25非置換ヘテロアリール;ならびに
(vi)C〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換ヘテロアリールであって;
1.Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン、
2.OH、
3.NH、および
4.SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群から独立して選択され;
かつ、式中、R、R、R、およびR10は、
(vii)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(viii)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、かつ、Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(ix)C〜C25非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25非置換ヘテロアリール;ならびに
(x)C〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン、
(2)OH、
(3)NH、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群からそれぞれ独立して選択され;かつ、
式中、場合により、R、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10の少なくとも2つが環状もしくは二環状アルカニルもしくはアルケニルを一緒になって形成する]
から選択される陽イオンを有するものが含まれる。
【0024】
別の実施形態では、本発明に有用なイオン性液体は、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10から選択される少なくとも1つのメンバーがF−を含むフッ素化陽イオンを含む。
【0025】
別の実施形態では、本発明に有用なイオン性液体は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムなどの、イミダゾリウムを含む。
【0026】
一実施形態では、本明細書で有用なイオン性液体は、[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCNからなる群から選択される陰イオン;好ましくは任意のフッ素化陰イオンを有する。本明細書で有用なフッ素化陰イオンには、[BF、[PF、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON];およびFが含まれる。
【0027】
別の実施形態では、本明細書での使用に好適なイオン性液体は、上に定義されたようなピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択される陽イオンと;[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCN、および任意のフッ素化陰イオンからなる群から選択される陰イオンとを有してもよい。その上別の実施形態では、本明細書での使用に好適なイオン性液体は、上に定義されたようなピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択される陽イオンと;[BF、[PF、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]、およびFからなる群から選択される陰イオンとを有してもよい。
【0028】
さらに別の実施形態では、本明細書での使用に好適なイオン性液体は、上に定義されたようにピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択される陽イオンであって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10から選択される少なくとも1つのメンバーがF−を含む陽イオンと;[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCN、および任意のフッ素化陰イオンからなる群から選択される陰イオンとを有してもよい。さらに別の実施形態では、本明細書での使用に好適なイオン性液体は、上に定義されたようなピリジニウム、ピリダジニウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、ホスホニウム、およびアンモニウムからなる群から選択される陽イオンであって、R、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10から選択される少なくとも1つのメンバーがF−を含む陽イオンと;[BF、[PF、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]、およびFからなる群から選択される陰イオンとを有してもよい。
【0029】
一実施形態では、イオン性液体は、陽イオンとしてイミダゾリウムを、陰イオンとして[BFまたは[PFを含む。別の実施形態では、イオン性液体は、陽イオンとして1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(本明細書ではEmimとも称される)または1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(本明細書ではBmimとも称される)を、陰イオンとして[BFまたは[PFを含む。特定の実施形態では、イオン性液体は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EmimBF)である。この実施形態では、フルオロオレフィンは1234yfであってもよい。またはフルオロオレフィンは、単独でまたはHFC−32と組み合わせて1225yeであってもよい。
【0030】
一実施形態では、本組成物は、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む。幾つかの実施形態では、フルオロオレフィンは、炭素原子、フッ素原子および場合により水素原子を含む化合物である。一実施形態では、本発明の組成物に使用されるフルオロオレフィンは、2〜12個の炭素原子の化合物を含む。別の実施形態では、フルオロオレフィンは、3〜10個の炭素原子の化合物を含み、その上別の実施形態では、フルオロオレフィンは、3〜7個の炭素原子の化合物を含む。代表的なフルオロオレフィンには、表1、表2、および表3にリストされるようなすべての化合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0031】
本発明の一実施形態は、式E−またはZ−RCH=CHR(式I)(式中、RおよびRは、独立して、C〜Cのパーフルオロアルキル基である)を有するフルオロオレフィンを提供する。RおよびR基の例には、CF、C5、CFCFCF、CF(CF、CFCFCFCF、CF(CF)CFCF、CFCF(CF、C(CF、CFCFCFCFCF、CFCFCF(CF、C(CF、CFCFCFCFCFCF、CF(CF)CFCF、およびC(CFCFが含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、式Iのフルオロオレフィンは分子中に少なくとも約4個の炭素原子を有する。別の実施形態では、式Iのフルオロオレフィンは分子中に少なくとも約5個の炭素原子を有する。例示的な、比限定的な式Iの化合物は表1に示される。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
【表3】

【0035】
式Iの化合物は、式RIのヨウ化パーフルオロアルキルを式RCH=CHのパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンと接触させて式RCHCHIRのトリヒドロヨードパーフルオロアルカンを形成することによって製造されてもよい。このトリヒドロヨードパーフルオロアルカンは次に脱ヨウ化水素化してRCH=CHRを形成することができる。あるいはまた、式RIのヨウ化パーフルオロアルキルを式RCH=CHのパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンと反応させることによって順繰りに形成された式RCHICHのトリヒドロヨードパーフルオロアルカンの脱ヨウ化水素によってRCH=CHRのオレフィンが製造されてもよい。
【0036】
ヨウ化パーフルオロアルキルとパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンとの接触は、反応温度での反応体および生成物の自生圧力下で運転することができる好適な反応容器中で反応体を組み合わせることによって回分式モードで行われてもよい。好適な反応容器には、特にオーステナイト型の、ステンレススチール、ならびにMonel(登録商標)ニッケル−銅合金、Hastelloy(登録商標)ニッケルベース合金およびInconel(登録商標)ニッケル−クロム合金などの周知の高ニッケル合金から製造されたものが含まれる。
【0037】
あるいはまた、反応は、パーフルオロアルキルトリヒドロオレフィン反応体が反応温度でポンプなどの好適な添加装置を用いてヨウ化パーフルオロアルキル反応体に加えられる半回分式モードで行われてもよい。
【0038】
ヨウ化パーフルオロアルキル対パーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンの比は、約1:1〜約4:1、好ましくは約1.5:1〜2.5:1であるべきである。1.5:1未満の比は、Journal of Fluorine Chemistry、Vol.4、261−270ページ(1974)にJeanneauxらよって報告されているように大量の2:1付加体をもたらす傾向がある。
【0039】
前記ヨウ化パーフルオロアルキルと前記パーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンとの接触のための好ましい温度は好ましくは、約150℃〜300℃、より好ましくは約170℃〜約250℃、最も好ましくは約180℃〜約230℃の範囲内である。ヨウ化パーフルオロアルキルとパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンとの反応のための好適な接触時間は、約0.5時間〜18時間、好ましくは約4〜約12時間である。
【0040】
ヨウ化パーフルオロアルキルとパーフルオロアルキルトリヒドロオレフィンとの反応によって製造されたトリヒドロヨードパーフルオロアルカンは、脱ヨウ化水素工程に直接使用されてもよいし、または好ましくは脱ヨウ化水素工程の前に回収され、蒸留によって精製されてもよい。
【0041】
脱ヨウ化水素工程は、トリヒドロヨードパーフルオロアルカンを塩基性物質と接触させることによって実施される。好適な塩基性物質には、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)、アルカリ金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化カルシウム)、アルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化カルシウム)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシド)、水性アンモニア、ナトリウムアミド、またはソーダ石灰などの塩基性物質の混合物が含まれる。好ましい塩基性物質は水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。トリヒドロヨードパーフルオロアルカンと塩基性物質との前記接触は、液相で好ましくは両反応体の少なくとも一部を溶解させることができる溶媒の存在下に行われてもよい。脱ヨウ化水素工程に好適な溶媒には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、および第三ブタノール)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、またはアジポニトリル)、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、またはスルホランなどの1種以上の極性有機溶媒が含まれる。溶媒の選択は、生成物の沸点および精製中の生成物からの痕跡の溶媒の分離の容易さに依存するかもしれない。典型的には、エタノールまたはイソプロパノールがこの反応にとって良好な溶媒である。
【0042】
典型的には、脱ヨウ化水素反応は、好適な反応容器中の他の反応体への反応体の1つ(塩基性物質かトリヒドロヨードパーフルオロアルカンかのいずれか)の添加によって実施されてもよい。前記反応容器は、ガラス、セラミック、または金属から製造されてもよく、好ましくは羽根車または撹拌機構で攪拌される。
【0043】
脱ヨウ化水素反応に好適な温度は約10℃〜約100℃、好ましくは約20℃〜約70℃である。脱ヨウ化水素反応は、周囲圧力でまたは減圧でまたは高圧で実施されてもよい。式Iの化合物が形成されながら反応容器から留去される脱ヨウ化水素反応に注目すべきである。
【0044】
あるいはまた、脱ヨウ化水素反応は、前記塩基性物質の水溶液を、相間移動触媒の存在下にアルカン(例えば、ヘキサン、ヘプタン、またはオクタン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、またはパークロロエチレン)、またはエーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチル第三ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグリム、またはテトラグリム)などのより低い極性の1種以上の有機溶媒中のトリヒドロヨードパーフルオロアルカンの溶液と接触させることによって行われてもよい。好適な相間移動触媒には、第四級アンモニウムハロゲン化物(例えば、臭化テトラブチルアンモニウム、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、および塩化トリカプリリルメチルアンモニウム)、第四級ホスホニウムハロゲン化物(例えば、臭化トリフェニルメチルホスホニウムおよび塩化テトラフェニルホスホニウム)、またはクラウンエーテルとして当該技術分野で公知の環状ポリエーテル化合物(例えば、18−クラウン−6および15−クラウン−5)が含まれる。
【0045】
あるいはまた、脱ヨウ化水素反応は、トリヒドロヨードパーフルオロアルカンを固体または液体塩基性物質に加えることによって溶媒なしで行われもよい。
【0046】
脱ヨウ化水素反応に好適な反応時間は、反応体の溶解性に依存して約15分〜約6時間またはそれ以上である。典型的には、脱ヨウ化水素反応は速く、完了のために約30分〜約3時間を要する。式Iの化合物は、脱ヨウ化水素反応混合物から水の添加後の相分離によって、蒸留によって、またはそれらの組み合わせによって回収されてもよい。
【0047】
本発明の別の実施形態では、フルオロオレフィンは環状フルオロオレフィン(シクロ−[CX=CY(CZW)−](式II)(式中、X、Y、Z、およびWは独立して、HおよびFから選択され、nは2〜5の整数である)を含む。一実施形態では、式IIのフルオロオレフィンは、少なくとも約3個の炭素原子を分子中に有する。別の実施形態では、式IIのフルオロオレフィンは、少なくとも約4個の炭素原子を分子中に有する。さらに別の実施形態では、式IIのフルオロオレフィンは少なくとも約5個の炭素原子を分子中に有する。式IIの代表的な環状フルオロオレフィンは表2にリストされる。
【0048】
【表4】

【0049】
本発明の組成物は、式Iもしくは式IIの単一化合物、たとえば、表1もしくは表2中の化合物の1つを含んでもよいし、または式Iもしくは式IIの化合物の組み合わせを含んでもよい。
【0050】
別の実施形態では、フルオロオレフィンは、表3にリストされるそれらの化合物を含んでもよい。
【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
【表7】

【0054】
【表8】

【0055】
【表9】

【0056】
表2および表3にリストされた化合物は商業的に入手可能であるか、または当該技術分野で公知の方法によってもしくは本明細書に記載されるように製造されてもよい。
【0057】
1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテンは、室温での気相で固体KOH上での脱フッ化水素によって1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタン(CHFCHCHFCF)から製造されてもよい。1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタンの合成は、米国特許第6,066,768号明細書に記載されている。1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンは、約60℃で相間移動触媒を使用するKOHとの反応によって1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ヨードブタン(CFCHICHCF)から製造されてもよい。1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ヨードブタンの合成は、自生圧力下に約200℃で約8時間のヨウ化パーフルオロメチル(CFI)と3,3,3−トリフルオロプロペン(CFCH=CH)との反応によって実施されてもよい。
【0058】
3,4,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2−ペンテンは、固体KOHを使用してかまたは200〜300℃で炭素触媒上での1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロペンタン(CFCFCFCHCH)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロペンタンは、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CFCFCFCH=CH)の水素化によって製造されてもよい。
【0059】
1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを使用する1,1,1,2,3,3,4−ヘプタフルオロブタン(CHFCFCHFCF)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0060】
1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを使用する1,1,1,2,2,4,4−ヘプタフルオロブタン(CHFCHCFCF)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0061】
1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを使用する1,1,1,3,3,4,4−ヘプタフルオロブタン(CFCHCFCHF)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0062】
1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを使用する1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロブタン(CHFCHCFCF)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0063】
1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテンは、固体KOHを使用する1,1,1,3,3,4−ヘキサフルオロブタン(CFCHCFCHF)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0064】
1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテンは、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(CFCHCFCH)を120℃で水性KOHと反応させることによって製造されてもよい。
【0065】
1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンは、約60℃で相間移動触媒を使用するKOHとの反応によって4−ヨード−1,1,1,2,2,5,5,5−オクタフルオロペンタン(CFCHICHCFCF)から製造されてもよい。4−ヨード−1,1,1,2,2,5,5,5−オクタフルオロペンタンの合成は、自生圧力下に約200℃で約8時間のヨウ化パーフルオロエチル(CFCFI)と3,3,3−トリフルオロプロペンとの反応によって実施されてもよい。
【0066】
1,1,1,2,2,5,5,6,6,6−デカフルオロ−3−ヘキセンは、約60℃で相間移動触媒を使用するKOHとの反応によって1,1,1,2,2,5,5,6,6,6−デカフルオロ−3−ヨードヘキサン(CFCFCHICHCFCF)から製造されてもよい。1,1,1,2,2,5,5,6,6,6−デカフルオロ−3−ヨードヘキサンの合成は、自生圧力下に約200℃で約8時間のヨウ化パーフルオロエチル(CFCFI)と3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CFCFCH=CH)との反応によって実施されてもよい。
【0067】
1,1,1,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテンは、イソプロパノール中でKOHでの1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−ヨード−2−(トリフルオロメチル)−ペンタン(CFCHICHCF(CF)の脱フッ化水素によって製造されてもよい。CFCHICHCF(CFは、約200℃などの、高温での(CFCFIとCFCH=CHとの反応
から製造される。
【0068】
1,1,1,4,4,5,5,6,6,6−デカフルオロ−2−ヘキセンは、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CFCH=CHCF)とテトラフルオロエチレン(CF=CF)および五フッ化アンチモン(SbF)との反応によって製造されてもよい。
【0069】
2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテンは、高温でフッ化物処理アルミナ上での1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブタンの脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0070】
2,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテンは、固体KOH上での2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンタンの脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0071】
1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテンは、高温でフッ化物処理アルミナ上での2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンタンの脱フッ化水素によって製造されてもよい。
【0072】
式I、式II、表1、表2、および表3の化合物の多くは、異なる立体配置異性体または立体異性体として存在する。具体的な異性体が指定されないとき、本発明は、すべての単一立体配置異性体、単一の立体異性体、またはそれらの任意の組み合わせを含むことを意図される。例えば、F11Eは、E−異性体、Z−異性体、または任意の比の両異性体の任意の組み合わせまたは混合物を表すことを意図される。別の例として、HFC−1225yeは、E−異性体、Z−異性体、または任意の比の両異性体の任意の組み合わせまたは混合物を表すことを意図される。
【0073】
一実施形態では、本発明は、HFC−1225ye、HFC−1234yf、HFC−1234ze、およびHFC−1243zfからなる群から選択される少なくとも1種のフルオロオレフィンと、有効量の少なくとも1種のイオン性液体とを含む組成物をさらに提供する。
【0074】
幾つかの実施形態では、本発明の組成物は、フェノール類、チオホスフェート、ブチル化トリフェニルホスホロチオネート、オルガノホスフェート、ホスファイト、アリールアルキルエーテル、テルペン、テルペノイド、フラーレン、ポリオキシアルキル化芳香族化合物、アルキル化芳香族化合物、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、ラクトン、アミン、アルキルシラン、ベンゾフェノン誘導体、チオール、チオエーテル、アリールスルフィド、ジビニルテレフタレート、ジフェニルテレフタレート、アスコルビン酸、ニトロメタン、および、この段落にリストされる化合物のいずれかの混合物を意味する、それらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物と、加えて、この段落にリストされる任意の化合物または化合物の組み合わせおよび上記のようなイオン性液体のいずれかまたはイオン性液体の組み合わせの混合物とをさらに含んでもよい。
【0075】
別の実施形態では、本組成物は、HFC−1225ye、HFC−1234yf、HFC−1234ze、およびHFC−1243zfからなる群から選択される少なくとも1種のフルオロオレフィンと;少なくとも1種のイオン性液体、ならびにフェノール類、テルペンおよびテルペノイド、フラーレン、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、アミン、ジビニルテレフタレートおよびジフェニルテレフタレート、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む有効量の安定剤とを含んでもよい。
【0076】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のチオホスフェートを含んでもよい。チオホスフェートは、1個以上の酸素原子を二価硫黄で置換することによってリン酸から誘導される化合物である。チオホスフェートは、モノチオホスフェート、ジチオホスフェートまたは高次チオホスフェートであってもよい。代表的ジチオホスフェートは、商標Irgalube(登録商標)63でCiba Specialty Chemicals(Basel,Switzerland)(本明細書では以下「Ciba」)から商業的に入手可能である。別の実施形態では、チオホスフェートには、ジアルキルチオホスフェートエステルが含まれる。代表的なジアルキルチオホスフェートエステル安定剤は、商標Irgalube(登録商標)353でCibaから商業的に入手可能である。
【0077】
別の実施形態では、本組成物は、式A
【化3】

で表されるような少なくとも1種のブチル化トリフェニルホスホロチオネートをさらに含んでもよい。各RがHまたは第三ブチルから独立して選択される、ブチル化トリフェニルホスホロチオネートの例は、商標Irgalube(登録商標)232でCibaから商業的に入手可能である。
【0078】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のオルガノホスフェートをさらに含んでもよい。本組成物での使用に好適なオルガノホスフェートには、アミンホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアリールホスフェート、混合アルキル−アリールホスフェート(アルキルジアリール、ジアルキルアリールまたはアルキル化アリール)、アルキル化トリアリールホスフェート、および環状ホスフェート、ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。代表的なアミンホスフェートは、商標Irgalube(登録商標)349でCibaから商業的に入手可能である。代表的なトリアルキルホスフェートには、トリメチルホスフェート((CHPO、CAS登録番号512−56−1);トリエチルホスフェート((CHCHPO、CAS登録番号78−40−0);トリブチルホスフェート((CPO4、CAS登録番号126−73−8);トリオクチルホスフェート((C17PO、CAS登録番号1806−54−8);およびトリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート((CHCH(C)(CHPO4、CAS登録番号78−42−2)が含まれる。代表的なトリアリールホスフェートには、トリフェニルホスフェート((CO)PO、CAS登録番号115−86−6);トリクレジルホスフェート(TCP、(CHO)PO、CAS登録番号1330−78−5);およびトリキシレニルホスフェート(((CHO)PO、CAS登録番号25155−23−1)が含まれる。代表的な混合アルキル−アリールホスフェートには、イソプロピルフェニルフェニルホスフェート(IPPP、(CO)((CHCHO)PO、CAS登録番号68782−95−6)およびビス(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート(TBPP、((CHCCO)(CO)PO、CAS登録番号65652−41−7)が含まれる。この段落にリストされるオルガノホスフェートの全てが、Aldrich(Milwaukee,Wisconsin);Alfa Aesar(Ward Hill,MA);またはAkzo Nobel(Arnhem,the Netherlands)などの多数の化学薬品供給業者から入手可能である。アルキル化トリアリールホスフェートには、ブチル化トリフェニルホスフェート、第三ブチル化トリフェニルホスフェート、イソ−プロピル化トリフェニルホスフェートが含まれる。代表的な商業的に入手可能なアルキル化トリアリールホスフェートには、商標Syn−O−Ad(登録商標)8784でAkzo Nobel(Arnhem,the Netherlands)から商業的に入手可能な、ブチル化トリフェニルホスフェート;商標Durad(登録商標)620でGreat Lakes Chemical Corporation(GLCC,West Lafayette,IN)から商業的に入手可能な第三ブチル化トリフェニルホスフェート;ならびに商標Durad(登録商標)220および110でGLCCからまた商業的に入手可能な、イソ−プロピル化トリフェニルホスフェートが含まれる。
【0079】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のホスファイトをさらに含んでもよい。ホスファイトは置換ホスファイトを含んでもよい。特に、ヒンダードホスファイトは、アルキル、アリールまたはアルキルアリールホスファイト化合物の誘導体である。ヒンダードホスファイトには、トリス−(ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト、ジ−n−オクチルホスファイト、およびイソ−デシルジフェニルホスファイトが含まれる。全てがCibaによって、トリス−(ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイトは、商標Irgafos(登録商標)168で販売され、ジ−n−オクチルホスファイトは、商標Irgafos(登録商標)OPHで販売され、イソ−デシルジフェニルホスファイトは、商標Irgafos(登録商標)DDPPで販売されている。
【0080】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のフェノールをさらに含んでもよい。フェノール類は、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−第三ブチルフェノール、トコフェロールなどを含むアルキル化モノフェノール;t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンの他の誘導体などを含むヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン;4,4’−チオ−ビス(2−メチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)などを含むヒドロキシル化チオジフェニルエーテル;4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−もしくは4,4−ビフェノールジオールの誘導体、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)を含むアルキリデン−ビスフェノール;2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)を含む2,2’−もしくは4,4’−ビフェニルジオール;ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、2,6−ジ−第三−アルファ−ジメチルアミノ−p−クレゾール、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)などを含むヘテロ原子を含むビスフェノール;アシルアミノフェノール;2,6−ジ−第三ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィドを含むスルフィド;ならびに、この段落にリストされるフェノール安定剤のいずれかの混合物を意味する、それらの混合物などの、1種以上の置換もしくは非置換の環状の、直鎖、もしくは分枝鎖の脂肪族置換基を含むフェノールを含む任意の置換もしくは非置換フェノール化合物を含んでもよい。特定の実施形態では、安定剤はトコフェロールであってもよい。この特定の安定剤は、1234yfか、単独でまたはHFC−32と組み合わせてであってもよい1225yeかのいずれかと使用されてもよい。この特定の実施形態では、本発明の組成物は、フルオロオレフィンとして1234yfを、イオン性液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EmimBF)を、およびトコフェロールを含んでもよい。あるいはまた、本発明の組成物は、フルオロオレフィンとして1225ye、およびさらに、HFC−32を、イオン性液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EmimBF)を、およびトコフェロールを含んでもよい。
【0081】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のテルペンをさらに含んでもよい。テルペンは、2個以上の繰り返しイソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)単位を含有する構造で特徴づけられる炭化水素化合物を含んでもよい。代表的なテルペンには、ミルセン(2−メチル−6−メチレンオクタ−1,7−ジエン)、アロオシメン、ベータ−オシメン、テレベン、リモネン(特にd−リモネン)、レチナール、ピネン、メントール、ゲラニオール、ファルネソール、フィトール、ビタミンA、テルピネン、デルタ−3−カレン、テルピノレン、フェランドレン、フェンケン、ジペンテン、および、この段落にリストされるテルペン安定剤のいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。テルペン安定剤は商業的に入手可能であるか、または当該技術分野で公知の方法によって製造されてももしくは天然源から単離されてもよい。
【0082】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のテルペノイドをさらに含んでもよい。テルペノイドは、2個以上の繰り返しイソプレン単位を含有する、かつ、酸素を通常含有する構造で特徴づけられる天然産物質および関連化合物を含んでもよい。代表的なテルペノイドには、リコピン(CAS登録番号[502−65−8])、ベータカロテン(CAS登録番号[7235−40−7])、およびキサントフィル、すなわち、ゼアキサンチン(CAS登録番号[144−68−3])などの、カロチノイド;ヘパキサンチン(hepaxanthin)(CAS登録番号[512−39−0])、およびイソトレチノイン(CAS登録番号[4759−48−2])などのレチノイド;アビエタン(CAS登録番号[640−43−7]);アンブロサン(CAS登録番号[24749−18−6]);アリストラン(CAS登録番号[29788−49−6]);アチサン(CAS登録番号[24379−83−7]);ベイエラン(CAS登録番号[2359−83−3])、ビサボラン(CAS登録番号[29799−19−7]);ボルナン(CAS登録番号[464−15−3]);カリオフィレン(CAS登録番号[20479−00−9]);セドラン(CAS登録番号[13567−54−9]);ダンマラン(CAS登録番号[545−22−2]);ドリマン(CAS登録番号[5951−58−6]);エレモフィラン(CAS登録番号[3242−05−5]);オイデスマン(CAS登録番号[473−11−0]);フェンカン(CAS登録番号[6248−88−0]);ガンマセラン(CAS登録番号[559−65−9]);ゲルマクラン(CAS登録番号[645−10−3]);ジバン(CAS登録番号[6902−95−0]);グラヤノトキサン(CAS登録番号[39907−73−8]);グアイアン(CAS登録番号[489−80−5]);ヒマカラン(CAS登録番号[20479−45−2]);ホパン(CAS登録番号[471−62−5]);フムラン(CAS登録番号[430−19−3]);カウラン(CAS登録番号[1573−40−6]);ラブダン(CAS登録番号[561−90−0]);ラノスタン(CAS登録番号[474−20−4]);ルパン(CAS登録番号[464−99−3]);p−メンタン(CAS登録番号[99−82−1]);オレアナン(CAS登録番号[471−67−0]);オフィオボラン(CAS登録番号[20098−65−1]);ピクラサン(CAS登録番号[35732−97−9]);ピマラン(CAS登録番号[30257−03−5]);ピナン(CAS登録番号[473−55−2]);ポドカルパン(CAS登録番号[471−78−3]);プロトスタン(CAS登録番号[70050−78−1]);ロサン(CAS登録番号[6812−82−4]);タキサン(CAS登録番号[1605−68−1]);ツジャン(CAS登録番号[471−12−5]);トリコテカン(CAS登録番号[24706−08−9])、ウルサン(CAS登録番号[464−93−7])、および、この段落にリストされるテルペノイドのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれる。本発明のテルペノイドは商業的に入手可能であるか、または当該技術分野で公知の方法によって製造されてももしくは天然産源から単離されてもよい。
【0083】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のフラーレンをさらに含んでもよい。フラーレンは、部分的に5角形によって互いに連結された6角形炭素環(ベンゼン)として結合している閉炭素ケージを含む。頂点(a、炭素原子)の数と6角形炭素環の数(n)(5角形環は常に数12)との関係はa=2(n+10)で与えられる。この式は全ての理論構造を規定するが、比較的低い応力および歪みのそれらの分子のみが安定であろう。代表的なフラーレンには、Buckminsterフラーレン(C60、または「バッキーボール」、CAS登録番号[99685−96−8])、および[5,6]フラーレン−C70(C70、CAS登録番号[115383−22−7])、フラーレン−C76(CAS登録番号[135113−15−4])、フラーレン−C78(CAS登録番号[136316−32−0])、およびフラーレン−C84(CAS登録番号[135113−16−5])、ならびに、この段落にリストされるフラーレンのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0084】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のアリールアルキルエーテルをさらに含んでもよい。アリールアルキルエーテルは、式B(式中、nは1、2または3であり、Rは1〜16個の炭素原子のアルキル基である)で表され得る。
【化4】

代表的なアリールアルキルエーテルには、アニソール、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼンおよび1,3,5−トリメトキシベンゼン、ならびに、この段落にリストされるアリールアルキルエーテルのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0085】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種の官能化パーフルオロポリエーテルをさらに含んでもよい。官能化パーフルオロポリエーテルは、(i)リンとフルオロカーボン基との間にモノ−またはポリ−アルキレンオキシド連結基を含有するか、(ii)米国特許第6,184,187号明細書、およびその中の参考文献に記載されているようにリンとフルオロカーボン基との間に連結基を全く含有しないかのいずれかの、パーフルオロポリエーテル−またはパーフルオロアルキル−含有およびリン−含有部分エステル化アリールホスフェート、アリールホスホネートおよびそれらの塩を含んでもよい。別の実施形態では、官能化パーフルオロポリエーテルは、パーフルオロアルキル側鎖かパーフルオロポリエーテル側鎖かのいずれかを含有する、上記の式Aで表されるような化合物であってもよい。別の実施形態では、官能化パーフルオロポリエーテル安定剤は、パーフルオロポリエーテルセグメントと、一般式、−CH(C2q)OH(式中、C2qは、2005年6月17日出願の米国特許出願第11/156,348号明細書に記載されているように、qが1〜約10の整数である二価の線状もしくは分枝鎖アルキル基を表す)を有する1つ以上のアルコールセグメントとを含むパーフルオロポリエーテルアルキルアルコールであってもよい。
【0086】
その上別の実施形態では、本発明の官能化パーフルオロポリエーテルは、構造[R−(C(u+v))]E(O)(C(u+v+1)(3−m)を有する置換アリールニクトゲン(pnictogen)組成物を含んでもよく、式中、
は、約400〜約15,000の範囲の式量を有するフルオロポリエーテル鎖であり、繰り返し単位を含み、そして
(a)J−O−(CF(CF)CFO)(CFXO)CFZ−、
(b)J−O−(CFCFO)(CFO)CFZ−、
(c)J−O−(CF(CF)CFO)CF(CF)CF−、
(d)J−O−(CQ−CFCF−O)−CQ−CF−、
(e)J−O−(CF(CF)CFO)(CFCFO)(CFXO)−CFZ−、
(f)J−O−(CFCFO)CF−、および
(h)それらの2つ以上の組み合わせ(ここで、
Jは、CF、C、C、CFCl、CCl、CCl、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるフルオロアルキルであり;
cおよびdは、c:dの比が約0.01〜約0.5の範囲であるような数であり;
XはF、CF、またはそれらの組み合わせであり;
ZはF、ClまたはCFであり;
は、CF、C、C、CFCl、CCl、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択されるフルオロアルキル基であり;
eおよびfは、e:fの比が約0.3〜約5の範囲であるような数であり;
はFまたはClであり;
はC、C、またはそれらの組み合わせであり;
jは、Rの式量が約400〜約15,000の範囲であるような平均数であり;
は、CF、C、C、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され;
kは、Rの式量が約400〜約15,000の範囲であるような平均数であり;
各Qは独立してF、Cl、またはHであり;
g、hおよびiは、(g+h)が約1〜約50の範囲であり、i:(g+h)の比が約0.1〜約0.5であるような数であり;
はCF、C、またはそれらの組み合わせであり;
rは、Rの式量が約400〜約15,000の範囲であるような平均数である)
からなる群から選択され;
各RおよびRは独立してH、C〜C10アルキル、ハロゲン、OR、OH、SOM、NR、ROH、RSOM、RNR、RNO、RCN、C(O)OR、C(O)OM、C(O)R、もしくはC(O)NR、またはそれらの2つ以上の組み合わせ(ここで、
は独立してH、C〜C10アルキル、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり;
はC〜C10アルキルであり;
Mは水素または、好ましくはアルミニウムではない、金属である)
であり;
tは(6+u)に等しく;
uは、0、2、4、6、8、10、12、14、16の任意の組み合わせであり;
vは独立して2か4かのいずれかであり;
nは0または1であり;
EはP、As、またはSbであり;
mは、約0.5より大きいから約3であり、ただし、2006年6月27日出願の米国特許出願第11/167,330号明細書に記載されているように;E=P、m=3.0およびt=6のとき、Rは専らHであることができないかまたはFを含有する。
【0087】
別の実施形態では、本発明の官能化パーフルオロポリエーテルは、R−(Y)−(C(u+v))−(O−C(u+v)−Rの式を有する一官能性アリールパーフルオロポリエーテル、R−[(Y)−(C(u+v))−(O−C(u+v)−R]の式を有する二官能性アリールパーフルオロポリエーテル、またはそれらの組み合わせである、アリールパーフルオロポリエーテルを含んでもよく、式中、
およびRのそれぞれは、約400〜約15,000の式量を有し;
は、
(a)J−O−(CF(CF)CFO)(CFXO)CFZ−、
(b)J−O−(CFCFO)(CFO)CFZ−、
(c)J−O−(CF(CF)CFO)CF(CF)−、
(d)J−O−(CQ−CFCF−O)−CQ−、
(e)J−O−(CF(CF)CFO)(CFCFO)(CFX−O)−CFZ−、
(f)J−O−(CFCFO)k’CF−、および
(g)それらの2つ以上の組み合わせ(ここで、
式CFCFOおよびCFOの単位は鎖に沿ってランダムに分配され;
JはCF、C、C、CFCl、CCl、CCl、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり;
cおよびdは、c/d比が約0.01〜約0.5の範囲であるような数であり;
Xは−F、−CF、またはそれらの組み合わせであり;
Zは−F、−Clまたは−CFであり;
は−Fまたは−Clであり、
は、CF、C、C、CFCl、CCl、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり;
eおよびfは、e/f比が約0.3〜約5の範囲であるような数であり;
は−C、−C、またはそれらの組み合わせであり;
jは、Rの式量が約400〜約15,000の範囲であるような平均数であり;
は、CF、C、C、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり;
kは、Rの式量が約400〜約15,000の範囲であるような平均数であり;
各Qは独立して−F、−Cl、または−Hであり;
g、hおよびiは、(g+h)が約1〜約50の範囲であり、i/(g+h)比が約0.1〜約0.5であるような数であり;
はCF、C、またはそれらの組み合わせであり;
k’は、Rの式量が約400〜約15,000の範囲であるような平均数である)
からなる群から選択される繰り返し単位を含み;
各Rは、独立して−H、ハロゲン、−OH、−SOM、NR、−NO、−ROH、−RSOM、−RNR、−RNO、−RCN、−C(O)OR、−C(O)OM、−C(O)R、−C(O)NR、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり、ただし、b=0のとき、Rは4個の水素原子および−OH、もしくは−Br、もしくは−NHであることができないか;またはRは専らHもしくは−NO、もしくはそれらの組み合わせであることができず;
各Rは、独立してH、−R、−OR、ハロゲン、−OH、−SOM、−NR、−NO、−CN、−ROH、−RSOM、−RNR、−RNO、−RCN、−C(O)OR、−C(O)OM、−C(O)R、C(O)NR、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり、ただし、b=0のとき、RとRとの組み合わせは4個以上の水素原子および−OH、−Br、−NH、または−NOであるこ
とができず;
各Rは独立してH、C〜C10アルキル、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり;
はC〜C10アルキルであり;
Mは水素または金属イオンであり;
aは0または1であり;
bは0〜5であり;
Yは二価基−CHOCH−、−(CH−O−、−(CF−、−CFO−、−CFOCF−、−C(O)−、−C(S)−、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり;
nは約1〜約5であり;
oは約2〜約5であり;
tは(6+u)に等しく;
uは、0、2、4、6、8、10、12、14、16の任意の組み合わせであり;
vは独立して2か4かのいずれかであり;
は、−(CFCFO)(CFO)CF−、−(CO)(CFCFO)(CFXO)CF−、−(CFCFO)(CO)CF(CF)−、−CF(CF)O(CO)−R−O(CO)CF(CF)−、−((CQ)CFCFO)CFCF−、またはそれらの2つ以上の組み合わせであり;
ここで、
e、f、X、およびQは、上に定義された通りであり;
p、qおよびrは、(p+q)が1〜50の範囲であり、r/(p+q)が0.1〜0.05であるような数であり;
各wは独立して2〜45であり;
は線状もしくは分枝鎖−C2m−であり;
mは1〜10であり;
sは、2005年9月1日出願の米国特許出願第11/218,259号明細書に記載されているように、Rの式量が400〜15,000の範囲であるような平均数である。
【0088】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のポリオキシアルキル化芳香族化合物を含んでもよい。本組成物では、アリール基への置換基はポリオキシアルキル化基である。かかる化合物は、式B(式中、R基は、少なくとも1個の−CHCHO−部分を含むポリオキシアルキル化基である)で表され得る。
【0089】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のアルキル化芳香族化合物をさらに含んでもよい。アルキル化芳香族化合物には、Shrieve Chemicalsから商標Zerol(登録商標)75、Zerol(登録商標)150およびZerol(登録商標)500(全て線状のアルキルベンゼン)、ならびに新日本石油株式会社(Nippon Oil)によって販売されるHAB 22(分枝鎖アルキルベンゼン)で商業的に入手可能な、分枝鎖および線状の両方の、アルキルベンゼン潤滑油が含まれるが、それらに限定されない。
【0090】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のエポキシドをさらに含んでもよい。エポキシドは、1,2−プロピレンオキシド(CAS登録番号[75−56−9])、1,2−ブチレンオキシド(CAS登録番号[106−88−7])、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメチルフェニルエーテル、1,4−グリシジルフェニルジエーテル、4−メトキシフェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルナフチルジエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、および、この段落にリストされる前述のエポキシドのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでもよい。
【0091】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のフッ素化エポキシドをさらに含んでもよい。フッ素化エポキシドは、式C(式中、R〜Rのそれぞれは、H、1〜6個の炭素原子のアルキルまたは1〜6個の炭素原子のフルオロアルキルであり、ただし、R〜Rの少なくとも1つはフルオロアルキル基である)で表され得る。
【化5】

代表的なフッ素化エポキシドには、トリフルオロメチルオキシランおよび1,1−ビス(トリフルオロメチル)オキシラン、ならびに、前述のフッ素化エポキシドのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。かかる化合物は、当該技術分野で公知の方法によって、例えばJournal of Fluorine Chemistry、volume 24(1984)、93−104ページ、Journal of Organic Chemistry、volume 56(1991)、3187−3189ページ、およびJournal of Fluorine Chemistry、volume 125(2004)、99−105ページに記載される方法によって製造されてもよい。
【0092】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のオキセタンをさらに含んでもよい。オキセタンは1個以上のオキセタン基を持った化合物であってもよい。これらの化合物は、式D(式中、R〜Rは同じまたは異なるものであり、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アリールもしくは置換アリールから選択することができる)で表される。
【化6】

代表的なオキセタンには、OXT−101(東亞合成株式会社)などの、3−エチル−3−ヒドロキシメチル−オキセタン;OXT−211(東亞合成株式会社)などの、3−エチル−3−((フェノキシ)メチル)−オキセタン;およびOXT−212(東亞合成株式会社)などの、3−エチル−3−((2−エチル−ヘキシルオキシ)メチル)−オキセタン、および、この段落にリストされるオキセタンのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0093】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のラクトンをさらに含んでもよい。ラクトンは、同じ分子中のアルコール基とカルボン酸基との反応によって生成され得る環状エステルを含む。本発明の代表的なラクトンには、ガンマ−ブチロラクトン(CAS登録番号[96−48−0])、デルタ−グルコノラクトン(CAS登録番号[90−80−2])、ガンマ−ウンデカラクトン(CAS登録番号[104−67−6])、6,7−ジヒドロ−4(5H)−ベンゾフラノン(CAS登録番号[16806−93−2])、および商標Irganox(登録商標)HP−136でCibaから商業的に入手可能な、5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−[2,3(または3,4)−ジメチルフェニル]−2(3H)−ベンゾフラノン(CAS登録番号[201815−03−4])、ならびに、この段落にリストされるラクトンのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0094】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のアミンをさらに含んでもよい。アミンは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリイソブチルアミン、p−フェニレンジアミン、およびジフェニルアミンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。別の実施形態では、アミンは、(N−(1−メチルエチル)−2−プロピルアミン、CAS登録番号[108−18−9])を含むジアルキルアミンを含む。別の実施形態では、アミンには、ヒンダードアミンが含まれる。ヒンダードアミンは、置換ピペリジン化合物から誘導されるアミン、特にアルキル置換ピペリジル、ピペリジニル、ピペラジノン、またはアルコキシピペリジニル化合物の誘導体を含む。代表的なヒンダードアミンには、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール;ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート(CAS登録番号[41556−26−7]);Cibaによって商標Tinuvin(登録商標)770で商業的に入手可能なヒンダードアミンなどの、ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート;Cibaから商標Tinuvin(登録商標)622LDで商業的に入手可能なものなどの、ポリ−(N−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジルスクシネート(CAS登録番号[65447−77−0]);N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、またはN,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミンなどの、アルキル化パラフェニレンジアミン;およびタローアミンまたはN−メチルビス(水素化タローアルキル)アミンなどのヒドロキシルアミンが含まれる。幾つかの他のヒンダードアミンには、商標Tinuvin(登録商標)765でCibaから商業的に入手可能な、または商標BLS(登録商標)1944およびBLS(登録商標)1770でMayzo,Inc.から商業的に入手可能なアミン酸化防止剤が含まれる。アミンにはまた、この段落にリストされるアミンのいずれかの混合物も含まれる。
【0095】
別の実施形態では、本組成物少なくとも1種のアルキルシランをさらに含んでもよい。アルキルシランには、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン(DMAMS、CAS登録番号[22705−33−5])、トリス(トリメチルシリル)シラン(TTMSS、CAS登録番号[1873−77−4])、ビニルトリエトキシ(VTES、CAS登録番号[78−08−0])、およびビニルトリメトキシシラン(VTMO、CAS登録番号[2768−02−7])、ならびに、この段落にリストされるアルキルシランのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0096】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のベンゾフェノン誘導体をさらに含んでもよい。ベンゾフェノン誘導体は、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素などの、ハライド、アミノ基、ヒドロキシル基、メチル、エチルもしくはプロピル基などのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ニトロ基、またはかかる基の任意の組み合わせを含む側基で置換されたベンゾフェノンを含んでもよい。代表的なベンゾフェノン誘導体には、2,5−ジフルオロベンゾフェノン;2’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン;2−アミノベンゾフェノン;2−クロロベンゾフェノン;2−フルオロベンゾフェノン;2−ヒドロキシベンゾフェノン;2−メチルベンゾフェノン;2−アミノ−4’−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−4’−フルオロベンゾフェノン;2−アミノ−5−ブロモ−2’−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−5−クロロ−2’−フルオロベンゾフェノン;2−アミノ−5−ニトロベンゾフェノン;2−アミノ−5−ニトロ−2’−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−2’,5−ジクロロベンゾフェノン;2−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン;2−メチルアミノ−5−クロロベンゾフェノン;3−メチルベンゾフェノン;3−ニトロベンゾフェノン;3−ニトロ−4’−クロロ−4−フルオロベンゾフェノン;4−クロロベンゾフェノン;4−フルオロベンゾフェノン;4−ヒドロキシベンゾフェノン;4−メトキシベンゾフェノン;4−メチルベンゾフェノン;4−ニトロベンゾフェノン;4−フェニルベンゾフェノン;4−クロロ−3−ニトロベンゾフェノン;4−ヒドロキシ−4’−クロロベンゾフェノン;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;2,4−ジメチルベンゾフェノン;2,5−ジメチルベンゾフェノン;3,4−ジアミノベンゾフェノン;3,4−ジクロロベンゾフェノン;3,4−ジフルオロベンゾフェノン;3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,4−ジメチルベンゾフェノン;4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン;4,4’−ジクロロベンゾフェノン;4,4’−ジフルオロベンゾフェノン;4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;および4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ならびに、この段落にリストされるベンゾフェノン誘導体のいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0097】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のチオールをさらに含んでもよい。メルカプタンまたはヒドロスルフィドとしても知られる、チオール化合物は、ヒドロキシル基含有アルコールの硫黄類似体である。代表的なチオールには、メタンチオール(メチルメルカプタン)、エタンチオール(エチルメルカプタン)、補酵素A(CAS登録番号[85−61−0])、ジメルカプトコハク酸(DMSA、CAS登録番号[2418−14−6])、グレープフルーツメルカプタン((R)−2−(4−メチルシクロヘキセ−3−ニル)プロパン−2−チオール、CAS登録番号[83150−78−1])、システイン((R)−2−アミノ−3−スルファニルプロパン酸、CAS登録番号[52−90−4])、およびリポアミド(1,2−ジチオラン−3−ペンタンアミド、CAS登録番号[940−69−2]、ならびに、この段落にリストされるチオールのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0098】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のチオエーテルをさらに含んでもよい。チオエーテルには、ベンジルフェニルスルフィド(CAS登録番号[831−91−4])、ジフェニルスルフィド(CAS登録番号[139−66−2])、商標Irganox(登録商標)PS 802(Ciba)でCibaから商業的に入手可能な3,3’−チオジプロピオン酸ジオクタデシルおよび商標Irganox(登録商標)PS 800(Ciba)でCibaから商業的に入手可能な3,3’−チオプロピオン酸ジドデシル、ならびに、この段落にリストされるチオエーテルのいずれかの混合物を意味する、それらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0099】
別の実施形態では、本組成物は、少なくとも1種のアリールスルフィドをさらに含んでもよい。アリールスルフィドは、ベンジルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、およびジベンジルスルフィド、ならびに前述のアリールスルフィドのいずれかの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0100】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種のテレフタレートをさらに含んでもよい。テレフタレートには、ジビニルテレフタレート(CAS登録番号[13486−19−0])およびジフェニルテレフタレート(CAS登録番号[1539−04−4])、ならびに前述のテレフタレートの混合物が含まれる。
【0101】
別の実施形態では、本組成物はアスコルビン酸(CAS登録番号[50−81−7])をさらに含んでもよい。
【0102】
別の実施形態では、本組成物はニトロメタン(CHNO、CAS登録番号[75−52−5])をさらに含んでもよい。
【0103】
一実施形態では、本組成物において、イオン性液体またはイオン性液体と他の化合物との混合物は、組成物のフルオロオレフィン成分を安定化させるという目的に役立つ。それ故、イオン性液体は安定剤と称されてもよい。さらに、本明細書で前に記載されたようなイオン性液体と他の化合物との組み合わせは、安定剤ブレンドと称されてもよい(これらの組み合わせは、同様にうまく、組成物のフルオロオレフィン成分を安定化させるという目的に役立つ)。
【0104】
一実施形態では、単一のイオン性液体が少なくとも1種のフルオロオレフィンと組み合わせられてもよい。あるいはまた、別の実施形態では、多数のイオン性液体化合物が安定剤ブレンドとしての機能を果たすために任意の割合で組み合わせられてもよい。安定剤ブレンドは、同じクラスの化合物からの多数の安定剤化合物または異なるクラスの化合物からの多数の安定剤化合物を含有してもよい。例えば、安定剤ブレンドは、2種以上のイオン性液体、または1種以上のラクトンと組み合わせた1種以上のイオン性液体を含有してもよい。
【0105】
さらに、本組成物中の化合物の幾つかは、多数の立体配置異性体または立体異性体として存在する。単一異性体または同じ化合物の多数の異性体が安定剤ブレンドを調製するために任意の割合で使用されてもよい。さらに、所与の化合物の単一のまたは多数の異性体が、安定剤ブレンドとしての機能を果たすために任意の数の他の化合物と任意の割合で組み合わせられてもよい。本発明は、全ての単一の立体配置異性体、単一の立体異性体またはそれらの任意の組み合わせもしくは混合物を包含することを意図される。
【0106】
意外なレベルの安定化を提供する化合物と組み合わせてフルオロオレフィンを含む組成物が特に注目すべきである。ある種のこれらの組み合わせは、相乗安定剤組成物、すなわち、調合物において互いの効率を増大させる化合物の組成物としての機能を果たす可能性があり、得られる安定化は、個々の成分の寄与の合計から予期されるものより大きい。かかる相乗安定剤組成物は、少なくとも1種のイオン性液体とフェノール類、テルペンおよびテルペノイド、フラーレン、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、ジビニルテレフタレート、およびジフェニルテレフタレート、ならびに、前述のもののいずれかとイオン性液体化合物との混合物を意味する、それらの混合物からなる群から選択される化合物のいずれかとを含んでもよい。
【0107】
安定剤組成物の有効性における限定因子は、能動的使用の時間にわたる安定剤の消費および機能性の損失である。本明細書では以下再生安定剤と称される、能動的使用中の消費された安定剤を再生することができる成分を含む安定剤の混合物を含む相乗安定剤組成物が特に注目すべきである。多数の安定化官能基を含む多機能性の単一の大きい安定剤化合物とは違って、小さい「相乗」安定剤を含む再生安定剤は、より高い易動度およびより高い安定化速度で機能する(安定化が起こる反応のより高い速度を意味する)。再生安定剤組成物は、使用後にそれらに活力を与えることができる、1種以上の安定剤を含有し、その結果長期間使用にわたって、組成物の有効性が維持される。
【0108】
再生安定剤の例は、イオン性液体および少なくとも1種のアミンである。再生安定剤組成物に含めるためのアミンは、本明細書で前に記載されたようなヒンダードアミンのいずれかを含んでもよい。置換ピペリジン化合物、特にアルキル置換ピペリジル、ピペリジニル、ピペラジノン、またはアルコキシピペリジニル化合物の誘導体、およびそれらの混合物から誘導されたそれらのヒンダードアミンが特に注目すべきである。代表的なヒンダードアミンは、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール;ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート(CAS登録番号[41556−26−7]);Tinuvin(登録商標)770などの、ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート;Tinuvin(登録商標)622LD(Ciba)などの、ポリ−(N−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジルスクシネート(CAS登録番号[65447−77−0])である。幾つかの追加のヒンダードアミンには、Tinuvin(登録商標)765(Ciba)、BLS(登録商標)1944(Mayzo,Inc.)、およびBLS(登録商標)1770(Mayzo)、ならびに、この段落に記載されるヒンダードアミンのいずれかの混合物を含む、それらの混合物が含まれる。
【0109】
任意の好適な有効量の安定剤が本発明の組成物に使用されてもよい。本明細書に記載されるように、語句「有効量」は、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加されたときに、安定剤なしの組成物と比べて冷却装置に使用される場合に分解して冷凍性能の大きな低下を生み出さない組成物をもたらす本発明の安定剤の量を意味する。安定剤のかかる有効量は、標準試験ASHRAE 97−2004の条件下の試験を用いて測定され得る。本発明のある種の実施形態では、有効量は、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物と組み合わせられるときに、どのような冷媒がこれまで類似のシステムに使用されてきたかに応じて1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)、または他の標準冷媒(R−12、R−22、R−502、R−507A、R−508、R401A、R401B、R402A、R402B、R408、R−410A、R−404A、R407C、R−413A、R−417A、R−422A、R−422B、R−422C、R−422D、R−423、R−114、R−11、R−113、R−123、R−124、R236fa、もしくはR−245fa)を含む組成物が作動流体として利用されている場合と同じレベルの冷凍性能および冷却能力で少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む前記組成物を利用する冷却装置が機能することを可能にする安定剤の当該量であると言うことができる。
【0110】
ある種の実施形態は、本明細書に記載されるような少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物の総重量を基準として、約0.001重量パーセント〜約10重量パーセント、より好ましくは約0.01重量パーセント〜約5重量パーセント、さらにより好ましくは約0.3重量パーセント〜約4重量パーセント、さらにより好ましくは約0.3重量パーセント〜約1重量パーセントを占める有効量の安定剤を本発明での使用のために含む。安定剤の混合物または安定剤ブレンドが使用されるとき、混合物または安定剤ブレンドの総量は、単一安定剤化合物について本明細書で上に記載されたような濃度で存在してもよい。
【0111】
別の実施形態では、本明細書で上に記載されたような本発明の組成物は、アレオキサリル(areoxalyl)ビス(ベンジリデン)ヒドラジド(CAS登録番号6629−10−3);N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルヒドラジン)(CAS登録番号32687−78−8);2,2’−オキサミドビス−エチル−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)(CAS登録番号70331−94−1);N,N’−(ジサリチリデン)−1,2−プロパンジアミン(CAS登録番号94−91−1);エチレンジアミン四酢酸(CAS登録番号60−00−4)およびその塩;トリアゾール;ベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、トルトリアゾール誘導体、N,N−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン;ならびに、この段落にリストされる前述の金属不活性化剤のいずれかの混合物を意味する、それらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属不活性化剤をさらに含んでもよい。
【0112】
別の実施形態では、安定剤組成物は、少なくとも1種のイオン性液体と、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の金属不活性化剤とを含む。金属不活性化剤は、アレオキサリルビス(ベンジリデン)ヒドラジド;N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルヒドラジン);2,2’−オキサミドビス−エチル−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート);N,N’−(ジサリチリデン)−1,2−プロパンジアミン;エチレンジアミン四酢酸およびその塩;トリアゾール;ベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、トルトリアゾール誘導体、N,N−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、ならびに、この段落にリストされる前述の金属不活性化剤のいずれかの混合物を意味する、それらの混合物からなる群から選択される。
【0113】
別の実施形態では、安定剤組成物は、少なくとも1種のイオン性液体と;エポキシド、オキセタン、ラクトン、ジビニルテレフタレート、およびジフェニルテレフタレートからなる群から選択される少なくとも1種の化合物と;アレオキサリルビス(ベンジリデン)ヒドラジド;N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルヒドラジン);2,2’−オキサミドビス−エチル−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート);N,N’−(ジサリチリデン)−1,2−プロパンジアミン;エチレンジアミン四酢酸およびその塩;トリアゾール;ベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、トルトリアゾール誘導体、N,N’−(ジサリチリデン)−1,2−ジアミノプロパン、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の金属不活性化剤とを含む。
【0114】
一実施形態では、本発明の組成物は、ハイドロフルオロカーボン、炭化水素、ジメチルエーテル、CFI、アンモニア、二酸化炭素(CO)および、この段落にリストされる前述の追加の化合物のいずれかの混合物を意味する、それらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物をさらに含んでもよい。
【0115】
一実施形態では、本組成物は、少なくとも1種のハイドロフルオロカーボン(HFC)をさらに含んでもよい。本発明のHFC化合物は、炭素、水素、およびフッ素を含有する飽和化合物を含む。1〜7個の炭素原子を有し、かつ、約−90℃〜約80℃の標準沸点を有するハイドロフルオロカーボンが特に実用的である。ハイドロフルオロカーボンは、E.I.du Pont de Nemours and Company,Fluoroproducts(Wilmington、DE、19898、USA)などの多数の製造業者から入手可能な市販製品であるか、または当該技術分野で公知の方法によって製造されてもよい。代表的なハイドロフルオロカーボン化合物には、フルオロメタン(CHF、HFC−41)、ジフルオロメタン(CH、HFC−32)、トリフルオロメタン(CHF、HFC−23)、ペンタフルオロエタン(CFCHF、HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CHFCHF、HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CFCHF、HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(CFCH、HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(CHFCH、HFC−152a)、フルオロエタン(CHCHF、HFC−161)、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン(CFCFCHF、HFC−227ca)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(CFCHFCF、HFC−227ea)、1,1,2,2,3,3,−ヘキサフルオロプロパン(CHFCFCHF、HFC−236ca)、1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロプロパン(CFCFCHF、HFC−236cb)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(CFCHFCHF、HFC−236ea)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(CFCHCF、HFC−236fa)、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCFCHF、HFC−245ca)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(CFCFCH、HFC−245cb)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCHFCHF、HFC−245ea)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(CFCHFCHF、HFC−245eb)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CFCHCHF、HFC−245fa)、1,2,2,3−テトラフルオロプロパン(CHFCFCHF、HFC−254ca)、1,1,2,2−テトラフルオロプロパン(CHFCFCH、HFC−254cb)、1,1,2,3−テトラフルオロプロパン(CHFCHFCHF、HFC−254ea)、1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(CFCHFCH、HFC−254eb)、1,1,3,3−テトラフルオロプロパン(CHFCHCHF、HFC−254fa)、1,1,1,3−テトラフルオロプロパン(CFCHCHF、HFC−254fb)、1,1,1−トリフルオロプロパン(CFCHCH、HFC−263fb)、2,2−ジフルオロプロパン(CHCFCH、HFC−272ca)、1,2−ジフルオロプロパン(CHFCHFCH、HFC−272ea)、1,3−ジフルオロプロパン(CHFCHCHF、HFC−272fa)、1,1−ジフルオロプロパン(CHFCHCH、HFC−272fb)、2−フルオロプロパン(CHCHFCH、HFC−281ea)、1−フルオロプロパン(CHFCHCH、HFC−281fa)、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン(CHFCFCFCHF、HFC−338pcc)、1,1,1,2,2,4,4,4−オクタフルオロブタン(CFCHCFCF、HFC−338mf)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(CFCHCFCH、HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(CFCHFCHFCFCF、HFC−43−10mee)、および1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロヘプタン(CFCFCHFCHFCFCFCF、HFC−63−14mee)が含まれるが、それらに限定されない。
【0116】
別の実施形態では、本組成物は少なくとも1種の炭化水素をさらに含んでもよい。本発明の炭化水素は、炭素および水素のみを有する化合物を含む。約3〜約7個の炭素原子を有する化合物が特に実用的である。炭化水素は多数の化学薬品供給業者を介して商業的に入手可能である。代表的な炭化水素には、プロパン、n−ブタン、イソブタン、シクロブタン、n−ペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、シクロペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、3−メチルペンタン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、およびシクロヘプタンが含まれるが、それらに限定されない。
【0117】
別の実施形態では、本組成物は、ジメチルエーテル(DME、CHOCH)などの、ヘテロ原子を含有する炭化水素を含む少なくとも1種の追加の化合物をさらに含んでもよい。DMEは商業的に入手可能である。
【0118】
別の実施形態では、本組成物は、様々な製造業者から商業的に入手可能であるかまたは当該技術分野で公知の方法によって製造されてもよい、ヨードトリフルオロメタン(CFI)をさらに含んでもよい。
【0119】
別の実施形態では、本組成物は、様々な製造業者から商業的に入手可能であるかまたは当該技術分野で公知の方法によって製造されてもよい、アンモニア(NH)をさらに含んでもよい。
【0120】
別の実施形態では、本組成物は、様々な製造業者から商業的に入手可能であるかまたは当該技術分野で公知の方法によって製造されてもよい、二酸化炭素(CO)をさらに含んでもよい。
【0121】
イオン性液体とHFC−1225yeおよびHFC−32;HFC−1225yeおよびHFC−134a;HFC−1225ye、HFC−134a、およびHFC−32;HFC−1225yeおよびHFC−1234yf;HFC−1225ye、HFC−1234yf、およびHFC−32;HFC−1225ye、HFC−1234yf、HFC−32、およびCFI;ならびにHFC−1225ye、HFC−1234yfおよびHFC−125からなる群から選択される組成物とを含む組成物が特に注目すべきである。
【0122】
2006年3月2日出願の米国特許出願第11/369,227号明細書、2006年3月30日出願の同第11/393,109号明細書、および2006年7月13出願の同第11/486,791号明細書に開示されているようなフルオロオレフィンを含む追加の化合物は、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0123】
一実施形態では、本発明の組成物は、鉱油、アルキルベンゼン、ポリ−アルファ−オレフィン、シリコーン油、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリオールエステル、ポリビニルエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の潤滑油をさらに含んでもよい。本発明の潤滑油は、冷凍またはエアコン装置での使用に好適なものを含む。これらの潤滑油の中に、クロロフルオロカーボン冷媒を利用する圧縮冷凍装置に通常使用されるものがある。かかる潤滑油およびそれらの特性は、参照により本明細書に援用される、1990年ASHRAEハンドブック、Refrigeration Systems and Applications(冷凍システムおよび用途)、「Lubricants in Refrigeration Systems(冷凍システムにおける潤滑油)」という表題の第8章、8.1から8.21ページに議論されている。本発明の潤滑油は、圧縮冷凍潤滑の分野で「鉱油」として一般に知られるものを含んでもよい。鉱油は、パラフィン(すなわち、直鎖および分枝鎖の炭素鎖の飽和炭化水素)、ナフテン(すなわち、パラフィンであってもよい、環状もしくは環構造の飽和炭化水素)および芳香族化合物(すなわち、交互二重結合で特徴づけられる1つ以上の環を含有する不飽和の環状炭化水素)を含む。本発明の潤滑油は、圧縮冷凍潤滑の分野で「合成油」として一般に知られるものをさらに含む。合成油は、アルキルアリール(すなわち、線状および分枝鎖アルキルのアルキルベンゼン)、合成パラフィンおよびナフテン、シリコーン、ならびにポリ−アルファオレフィンを含む。本発明の代表的な通常の潤滑油は、商業的に入手可能なBVM 100N(BVA Oilsによって販売されるパラフィン系鉱油)、Crompton Co.によってSuniso(登録商標)3GSおよびSuniso(登録商標)5GSの商標で商業的に入手可能なナフテン系鉱油、商標Sontex(登録商標)372LTでPennzoilから商業的に入手可能なナフテン系鉱油、商標Calument(登録商標)RO−30でCalumet Lubricantsから商業的に入手可能なナフテン系鉱油、商標Zerol(登録商標)75、Zerol(登録商標)150およびZerol(登録商標)500でShrieve Chemicalsから商業的に入手可能な線状アルキルベンゼン、ならびにHAB 22として新日本石油株式会社によって販売される分枝鎖アルキルベンゼンである。
【0124】
別の実施形態では、本発明の潤滑油は、ハイドロフルオロカーボン冷媒との使用を設計されており、かつ、圧縮冷凍およびエアコン装置の運転条件下に本発明の冷媒と混和性であるものをさらに含む。かかる潤滑油およびそれらの特性は、「Synthetic Lubricants and High−Performance Fluids(合成潤滑油および高性能流体)」、R.L.Shubkin編、Marcel Dekker、1993年に議論されている。かかる潤滑油には、Castrol(登録商標)100(Castrol(United Kingdom))などのポリオールエステル(POE)、Dow(Dow Chemical(Midland.Michigan))製のRL−488Aなどのポリアルキレングリコール(PAG)、およびポリビニルエーテル(PVE)が含まれるが、それらに限定されない。
【0125】
本発明の潤滑油は、所与の圧縮機の要件と潤滑油が曝されるであろう環境とを考慮することによって選択される。
【0126】
本発明の組成物は、所望量の個々の成分を組み合わせるための任意の便利な方法によって調製されてもよい。好ましい方法は、所望の成分量を秤量し、その後成分を適切な容器で組み合わせることである。必要に応じて、攪拌が用いられてもよい。
【0127】
本発明はさらに、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物を安定化させるための方法であって、少なくとも1種のイオン性液体を含む有効量の安定剤を添加する工程を含む方法に関する。
【0128】
本発明はさらに、少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む組成物を凝縮させる工程と;その後冷却されるべき本体の近くで前記組成物を蒸発させる工程とを含む冷却を行うための方法に関する。
【0129】
冷却されるべき本体は、冷凍またはエアコンを必要とする任意の空間、場所または物体であってもよい。固定用途では、本体は、構造体の内部、すなわち、住宅もしくは商業立地、または食品もしくは医薬品などの、傷みやすいもの用の貯蔵場所であってもよい。移動式冷凍用途向けには、本体は、道路、鉄道、海または空用の輸送装置中へ組み込まれてもよい。ある種の冷凍システムは、任意の移動式運搬装置に関して独立して作動し、これらは「複合一貫輸送」システムとして知られる。かかる複合一貫輸送システムには、「スワップボディ」(複合道路および鉄道輸送)だけでなく「コンテナ」(複合海/陸輸送)が含まれる。
【0130】
本発明はさらに、加熱されるべき本体の近くで少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む組成物を凝縮させる工程と、その後前記組成物を蒸発させる工程とを含む熱を生成するための方法に関する。
【0131】
加熱されるべき本体は、熱を必要とする任意の空間、場所または物体であってもよい。これらは、冷却されるべき本体と同様に住宅用か商業用かのいずれかの構造体の内部であってもよい。さらに、冷却について記載されたような移動式装置は、加熱を必要とするものと同様である可能性がある。ある種の輸送装置は、輸送中の材料が輸送コンテナ内部で凝固するのを防ぐために加熱を必要とする。
【0132】
空気が冷凍、エアコンシステムまたはヒートポンプに漏れ込むことは珍しいことではない。空気中の酸素との反応は、作動流体を含むシステムのある種の成分の酸化につながる可能性がある。従って、別の実施形態では、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物の分解を低減するための方法であって、前記分解が不注意な空気の存在によって引き起こされる方法もまた開示され;例えば、冷凍、エアコンまたはヒートポンプシステムにおいて、前記方法は、少なくとも1種のイオン性液体を含む有効量の安定剤を少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加する工程を含む。
【0133】
別の実施形態では、少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物について酸素との反応を低減するための方法であって;少なくとも1種のイオン性液体を含む有効量の安定剤を少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加する工程を含む方法もまた開示される。
【実施例】
【0134】
実施例について、以下の記載が適用される:
Ucon(登録商標)PAG 488は、The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能なポリアルキレングリコール潤滑油に対する商標である。EmimBFは、Fluka(Sigma−Aldrich)またはBASF(Mount Olive,NJ)から入手可能な1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートである。
【0135】
実施例1
熱暴露前後の安定剤についての遊離フッ化物測定
実施例1は、乾燥イオン性液体が175℃でのフルオロオレフィンの熱暴露中に形成された遊離酸と反応するのに有効であることを実証する。EmimBFはBASF(Mount Olive,NJ)から入手し、幾つかのサンプルを熱暴露前後の両方で、イオンクロマトグラフィーによって遊離フッ化物イオンについて試験した。サンプル調製は、ASHRAE/ANSI(American Society of Heating,Refrigerating and Air−Conditioning Engineers and American National Standards Institute)Standard 97−2004(米国暖房冷凍空調学会および米国規格協会)標準97−2004)に記載されている。
【0136】
サンプルを次の通り調製し、分析した:
1.銅、アルミニウムおよびスチールの金属クーポンを厚肉ガラス管に入れた。
2.この標準に記載されているように50:50重量比で冷媒(HFC−134a)および安定剤(EmimBF)を含む、作動流体サンプルをガラス管に加えた。
3.管をガラス細工トーチで密封した。
4.密封した管をオーブン中175℃で15日間加熱した。
5.15日後に、密封した管をオーブンから取り出し、観察し、分析した。
6.イオンクロマトグラフィー分析のために、各管の内容物をビーカーに移し、管を石油エーテルの2つの5mL洗液、引き続き3%水性HNO溶液の1つの5mL洗液、引き続き2つの5mL脱イオン水洗液で洗浄した(全ての洗浄液をビーカーに加えながら)。金属クーポンをサンプルから取り出した。
7.オーブン、オートサンプラー、溶離液発生器、電導度検出器およびグラジエントポンプを備えたDionexイオンクロマトグラフ、モデルLC25/AS40/EG40/CD20/GP20をそれぞれおよびIonpac(登録商標)AG15カラム(4×150mm)付きで用いてサンプル全て中の遊離フッ化物イオンを測定した。
【0137】
表4は、10億当たりの部(ppb)単位で3サンプルについての遊離フッ化物イオンの濃度をリストする。サンプルは、1)直接容器からの熱暴露で処理されていない新サンプル;2)熱暴露前に乾燥させなかった、「湿潤」サンプル;および3)熱暴露前に3mm分子篩上で乾燥させた、乾燥サンプルであった。含水率は、Mettler Toledo DL39 Karl Fisher電量滴定装置を用いる滴定によって測定した。
【0138】
【表10】

【0139】
データは、熱暴露後にEmimBF安定剤組成物がより低い遊離フッ化物を有することを示し、それが酸捕捉剤として働くことを示す。ブレンド中に成分として添加されたEmimBFは酸を取り除き、こうして熱暴露サンプルで測定される遊離フッ化物は出発イオン性液体よりも低い。
【0140】
実施例2
冷凍システムの化学安定性
ASHRAE/ANSI(American Society of Heating,Refrigerating and Air−Conditioning Engineers and American National Standards Institute)Standard 97−2004に記載されている条件下に化学安定性試験を行って、安定剤なしの組成物と比べて本発明の安定化組成物の化学安定性を測定する。サンプル調製は、実施例1について記載されたように行った。
【0141】
表5は、非安定化組成物と比べて本発明の安定剤についての酸価をリストする。酸価は、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)での電位差滴定法によって異なるサンプルについて測定した。Metrohm Titrino Model「DMS Titrino 716」を測定のために用いた。酸価は、この試験の条件下に冷媒中に存在する酸性物質の量の尺度である。潤滑油を冷媒と組み合わせて50重量%冷媒および50重量%潤滑油である組成物を生成した。全サンプルはまた2容積パーセント空気を含有し、2週間130℃に暴露された。
【0142】
【表11】

【0143】
上記データは、存在する空気ありおよびなしで本明細書に開示されるような安定剤の存在下でのフルオロオレフィン含有組成物の化学安定性の向上を示す。劇的な向上は、全体濃度が単独で使用されたトコフェロールと同じものである、トコフェロール/EmimBFの組み合わせについて観察された。
【0144】
実施例3
冷凍システムの化学安定性
ASHRAE/ANSI(American Society of Heating,Refrigerating and Air−Conditioning Engineers and American National Standards Institute)Standard 97−2004に記載されている条件下に化学安定性試験を行って、安定剤なしの組成物と比べて本発明の安定化組成物の化学安定性を測定する。
【0145】
手順をここに示す:
1.銅、アルミニウムおよびスチールの金属クーポンを厚肉ガラス管に入れる。
2.潤滑油を含む、作動流体サンプルを安定剤ありおよびなしで、場合により2容積%空気を管に加えて調製する。
3.この標準に記載されているようにサンプルを密封される管に加える。
4.管をガラス細工トーチで密封する。
5.密封した管をオーブン中指定温度で14日間加熱する。
6.14日後に、密封した管をオーブンから取り出し、金属/液体外観、液体の適切な容積、ガラスの外観、および金属微粒子などの異質材料の不存在について観察する。
7.(業界慣行による)次の判定基準に基づいて格付けを各サンプルに割り当てる:
1=クーポンおよび液体について軽い変化;
2=クーポンおよび液体について軽い〜中程度の変化;
3=クーポンおよび液体について中程度〜かなりの変化;
4=クーポンおよび液体について激しい変化;
5=クーポンおよび液体について極端な変化、すなわち、黒色液体または多くの沈着物でコークス化。
【0146】
表6は、非安定化組成物と比べて本発明の安定剤についての推定結果をリストする。潤滑油、Ucon(登録商標)PAG 488を下表6に示すような作動流体(冷媒)と組み合わせて50重量%作動流体および50重量%潤滑油である組成物を生成する。
【0147】
【表12】

【0148】
推定値は、存在する空気ありおよびなしで安定剤の存在下での化学安定性の向上を示す。
【0149】
実施例4
冷凍システムの化学安定性
実施例3について記載されたような、ASHRAE/ANSI(American Society of Heating,Refrigerating and Air−Conditioning Engineers and American National Standards Institute)Standard 97−2004に記載されている条件下に化学安定性試験を行って、安定剤なしの組成物と比べて本発明の安定化組成物の化学安定性を測定する。
【0150】
表7は、表に記載されるような各サンプルについて目視外観の推定値をリストする。潤滑油を冷媒と組み合わせて50重量%冷媒および50重量%潤滑油である組成物を生成した。全サンプルが空気を含まず、2週間130℃に暴露された。
【0151】
【表13】

【0152】
上記推定値は、本明細書に開示されるような安定剤の存在下でのフルオロオレフィン含有組成物の化学安定性の向上を示す。より大きい向上は、これらの安定剤のいずれかが単独で使用されるときのトコフェロールまたはEmimBFと全体濃度が同じものである、トコフェロール/EmimBFの組み合わせについて示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のイオン性液体と少なくとも1種のフルオロオレフィンとを含む組成物。
【請求項2】
イオン性液体が、
【化1】

【化2】

[式中、R、R、R、R、RおよびRは、
(i)H;
(ii)ハロゲン;
(iii)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(iv)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、かつ、Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(v)C〜C20非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25非置換ヘテロアリール;ならびに
(vi)C〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換ヘテロアリールであって;
1.Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン、
2.OH、
3.NH、および
4.SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群からそれぞれ独立して選択され;かつ、
式中、R、R、R、およびR10は、
(vii)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(viii)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含み、かつ、Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン;
(ix)C〜C25非置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25非置換ヘテロアリール;ならびに
(x)C〜C25置換アリール、またはO、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC〜C25置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NHおよびSHからなる群から選択される少なくとも1種のメンバーで場合により置換された、−CH、−C、またはC〜C25の直鎖、分枝鎖もしくは環状アルカンもしくはアルケン、
(2)OH、
(3)NH、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール
からなる群からそれぞれ独立して選択され;かつ、
式中、場合によりR、R、R、R、R、R、R、R、R、およびR10の少なくとも2つが環状もしくは二環状アルカニルもしくはアルケニルを一緒になって形成することができる]
からなる群から選択される少なくとも1種の陽イオンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10のいずれの1つ、またはそれらの2つ以上のいずれの群がF−を含む請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
イオン性液体が、[CHCO、[HSO、[CHOSO、[COSO、[AlCl、[CO2−、[HCO、[NO、[NO、[SO2−、[PO3−、[HPO2−、[HPO、[HSO、[CuCl、Cl、Br、I、SCNおよび任意のフッ素化陰イオンからなる群から選択される陰イオンを含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
フッ素化陰イオンが、[BF、[PF、[SbF、[CFSO、[HCFCFSO、[CFHFCCFSO、[HCClFCFSO、[(CFSON]、[(CFCFSON]、[(CFSOC]、[CFCO、[CFOCFHCFSO、[CFCFOCFHCFSO、[CFCFHOCFCFSO、[CFHCFOCFCFSO、[CFICFOCFCFSO、[CFCFOCFCFSO、[(CFHCFSON]、[(CFCFHCFSON]、およびFからなる群から選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
ハイドロフルオロカーボン、炭化水素、ジメチルエーテル、二酸化炭素、アンモニア、ヨードトリフルオロメタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の化合物をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
鉱油、アルキルベンゼン、ポリ−アルファ−オレフィン、シリコーン油、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリオールエステル、ポリビニルエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される潤滑剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
フェノール類、チオホスフェート、ブチル化トリフェニルホスホロチオネート、オルガノホスフェート、ホスファイト、アリールアルキルエーテル、テルペン、テルペノイド、フラーレン、ポリオキシアルキル化芳香族化合物、アルキル化芳香族化合物、エポキシド、フッ素化エポキシド、オキセタン、ラクトン、アミン、アルキルシラン、ベンゾフェノン誘導体、チオール、チオエーテル、アリールスルフィド、ジビニルテレフタレート、ジフェニルテレフタレート、アスコルビン酸、ニトロメタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の追加の安定剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
a.前記フェノール類が、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール;2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール;2,4−ジメチル−6−第三ブチルフェノール;トコフェロール;ヒドロキノン;t−ブチルヒドロキノン;4,4’−チオ−ビス(2−メチル−6−第三ブチルフェノール);4,4’−チオビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール);2,2’−チオビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール);4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール);4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−第三ブチルフェノール);4,4−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール);ブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT);2,6−ジ−第三−アルファ−ジメチルアミノ−p−クレゾール;4,4−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール;アシルアミノフェノール;2,6−ジ−第三ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール);ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルベンジル)スルフィド;ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィドおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
b.前記チオホスフェートが、モノチオホスフェート、ジチオホスフェート、トリチオホスフェート、ジアルキルチオホスフェートエステル、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
c.前記ブチル化トリフェニルホスホロチオネートが式A:
【化3】

(式中、各Rは、Hまたは第三ブチルから独立して選択される)
で表される少なくとも1種の化合物を含み;
d.前記オルガノホスフェートが、アミンホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアリールホスフェート、混合アルキル−アリールホスフェート、環状ホスフェート、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
e.ホスファイトが、トリス−(ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト、ジ−n−オクチルホスファイト、イソ−デシルジフェニルホスファイト、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
f.前記アリールアルキルエーテルが、式B:
【化4】

(式中、nは1、2または3であり、Rは、1〜16個の炭素原子のアルキル基である)
で表される少なくとも1種の化合物を含み;
g.前記テルペンが、イソプレン、ミルセン、アロオシメン、ベータ−オシメン、テレベン、リモネン、レチナール、ピネン、メントール、ゲラニオール、ファルネソール、フィトール、ビタミンA、テルピネン、デルタ−3−カレン、テルピノレン、フェランドレン、フェンケン、ジペンテン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
h.前記テルペノイドが、リコピン、ベータカロテン、ゼアキサンチン、ヘパキサンチン、およびイソトレチノイン、アビエタン、アンブロサン、アリストラン、アチサン、ベイエラン、ビサボラン、ボルナン、カリオフィレン、セドラン、ダンマラン、ドリマン、エレモフィラン、オイデスマン、フェンカン、ガンマセラン、ゲルマクラン、ジバン、グラヤノトキサン、グアイアン、ヒマカラン、ホパン、フムラン、カウラン、ラブダン、ラノスタン、ルパン、p−メンタン、オレアナン、オフィオボラン、ピクラサン、ピマラン、ピナン、ポドカルパン、プロトスタン、ロサン、タキサン、ツジャン、トリコテカン、ウルサン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
i.前記フラーレンが、バックミンスターフラーレン、[5,6]フラーレン−C70、フラーレン−C76、フラーレン−C78、フラーレン−C84、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
j.前記ポリオキシアルキル化芳香族化合物が、式A(式中、R基は少なくとも1個の−CHCHO−部分を含むポリオキシアルキル化基である)で表される少なくとも1種の化合物を含み;
k.前記アルキル化芳香族化合物が、少なくとも1種の線状もしくは分枝鎖アルキルベンゼン潤滑剤を含み;
l.前記エポキシド安定剤が、1,2−プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルメチルフェニルエーテル、1,4−グリシジルフェニルジエーテル、4−メトキシフェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルナフチルジエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
m.前記フッ素化エポキシドが、式C:
【化5】

(式中、R〜Rのそれぞれは、H、1〜6個の炭素原子のアルキルまたは1〜6個の炭素原子のフルオロアルキルであり、ただし、R〜Rの少なくとも1つはフルオロアルキル基である)
で表される少なくとも1種の化合物を含み;
n.前記オキセタンが、式D:
【化6】

(式中、R〜Rは、水素、アルキルもしくは置換アルキル、アリールもしくは置換アリールから独立して選択される)
で表される少なくとも1種の化合物を含み;
o.前記ラクトンが、ガンマ−ブチロラクトン、デルタ−グルコノラクトン、ガンマ−ウンデカラクトン;6,7−ジヒドロ−4(5H)−ベンゾフラノン;5,7−ビス(1,1−ジメチルエチル)−3−[2,3(または3,4)−ジメチルフェニル]−2(3H)−ベンゾフラノン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
p.前記アミンが、トリエチルアミン;トリブチルアミン;ジイソプロピルアミン;トリイソプロピルアミン;トリイソブチルアミン;p−フェニレンジアミン;ジフェニルアミン;N−(1−メチルエチル)−2−プロピルアミン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル);ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート;ポリ−(N−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジルスクシネート;N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン;N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン;タローアミン;N−メチルビス(水素化タローアルキル)アミン;フェノール−アルファ−ナフチルアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
q.前記アルキルシランが、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
r.前記ベンゾフェノン誘導体が、2,5−ジフルオロベンゾフェノン;2’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン;2−アミノベンゾフェノン;2−クロロベンゾフェノン;2−フルオロベンゾフェノン;2−ヒドロキシベンゾフェノン;2−メチルベンゾフェノン;2−アミノ−4’−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−4’−フルオロベンゾフェノン;2−アミノ−5−ブロモ−2’−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−5−クロロ−2’−フルオロベンゾフェノン;2−アミノ−5−ニトロベンゾフェノン;2−アミノ−5−ニトロ−2’−クロロベンゾフェノン;2−アミノ−2’,5−ジクロロベンゾフェノン;2−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン;2−メチルアミノ−5−クロロベンゾフェノン;3−メチルベンゾフェノン;3−ニトロベンゾフェノン;3−ニトロ−4’−クロロ−4−フルオロベンゾフェノン;4−クロロベンゾフェノン;4−フルオロベンゾフェノン;4−ヒドロキシベンゾフェノン;4−メトキシベンゾフェノン;4−メチルベンゾフェノン;4−ニトロベンゾフェノン;4−フェニルベンゾフェノン;4−クロロ−3−ニトロベンゾフェノン;4−ヒドロキシ−4’−クロロベンゾフェノン;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;2,4−ジメチルベンゾフェノン;2,5−ジメチルベンゾフェノン;3,4−ジアミノベンゾフェノン;3,4−ジクロロベンゾフェノン;3,4−ジフルオロベンゾフェノン;3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;3,4−ジメチルベンゾフェノン;4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン;4,4’−ジクロロベンゾフェノン;4,4’−ジフルオロベンゾフェノン;4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
s.前記チオールが、メタンチオール、エタンチオール、補酵素A、ジメルカプトコハク酸、グレープフルーツメルカプタン、システイン、およびリポアミド、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
t.前記チオエーテルが、ベンジルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、3,3’−チオジプロピオン酸ジオクタデシル、3,3’−チオプロピオン酸ジドデシル、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み;
u.前記アリールスルフィドが、ベンジルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィド、およびジベンジルスルフィド、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む
請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
フルオロオレフィンが、
(i)式E−またはZ−RCH=CHR(式中、RおよびRは、独立して、C〜Cパーフルオロアルキル基である)のフルオロオレフィン;
(ii)式シクロ−[CX=CY(CZW)−](式中、X、Y、Z、およびWは、独立して、HまたはFであり、nは2〜5の整数である)の環状フルオロオレフィン;ならびに
(iii)テトラフルオロエチレン(CF=CF);ヘキサフルオロプロペン(CFCF=CF);1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCF)、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CF=CHCF)、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(CF=CFCHF)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCHF)、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CH=CFCF)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CHCF)、1,1,2,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CF=CFCHF)、1,1,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CF=CHCHF)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(CHF=CFCHF)、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH=CHCF)、2,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHFCF=CH);1,1,2−トリフルオロ−1−プロペン(CHCF=CF);1,2,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHFCF=CHF);1,1,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHFCH=CF);1,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CHFCH=CHF);1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−ブテン(CFCF=CFCF);1,1,2,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−1−ブテン(CFCFCF=CF);1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(CFCF=CHCF);1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCFCF);1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(CHFCF=CFCF);1,3,3,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−プロペン((CFC=CHF);1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF=CHCFCF);1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF=CFCHFCF);1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF=CFCFCHF);2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CFCFCF=CH);1,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCFCF);1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCHFCF);1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCFCHF);1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CHFCF=CFCHF);1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CHFCF=CFCF);1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CHFCH=CFCF);1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(CFCH=CFCHF);1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF=CFCFCHF);1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン(CF=CFCHFCHF);3,3,3−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−プロペン(CH=C(CF);1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHFCH=CFCF);1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CFCH=CFCHF);3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CFCFCH=CH);1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHFCH=CHCF);1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHCF=CFCF);2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH=CFCFCHF);1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHFCF=CHCHF);1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHCFCF=CF);1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン(CHFCF=CFCHF);1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−メチル−1−プロペン(CF=C(CF)(CH));2−(ジフルオロメチル)−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(CH=C(CHF)(CF));2,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CH=CFCHFCF);1,2,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCHCF);1,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCHFCF);1,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CHCFCHF);1,2,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン(CHF=CFCHFCHF);3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン(CH=CHCFCHF);1,1−ジフルオロ−2−(ジフルオロメチル)−1−プロペン(CF=C(CHF)(CH));1,3,3,3−テトラフルオロ−2−メチル−1−プロペン(CHF=C(CF)(CH));3,3−ジフルオロ−2−(ジフルオロメチル)−1−プロペン(CH=C(CHF);1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ブテン(CFCF=CHCH);1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン(CHCF=CHCF);1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−2−ペンテン(CFCF=CFCFCF);1,1,2,3,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−1−ペンテン(CF=CFCFCFCF);1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CFC=CHCF);1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CFCF=CHCFCF);1,1,1,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CFCH=CFCFCF);1,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CHF=CFCFCFCF);1,1,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CF=CHCFCFCF);1,1,2,3,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−1−ペンテン(CF=CFCFCFCHF);1,1,2,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CHFCF=CFCFCF);1,1,1,2,3,4,4,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CFCF=CFCFCHF);1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−2−ペンテン(CFCF=CFCHFCF);1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CFCF(CF);1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF=CFCH(CF);1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CFCH=C(CF);1,1,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF=CHCF(CF);2,3,3,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテン(CH=CFCFCFCF);1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンテン(CHF=CFCFCFCHF);3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH=C(CF)CFCF);1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF=CHCH(CF);1,3,4,4,4−ペンタフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CHCF(CF);1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CF=C(CF)CHCF);3,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン((CFCFCH=CH);3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CFCFCFCH=CH);2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH=CFCFCFCHF);1,1,3,3,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ブテン(CF=CHCFCHCF);1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロ−3−メチル−2−ブテン(CFCF=C(CF)(CH));2,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH=CFCH(CF);1,4,4,4−テトラフルオロ−3−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CHF=CHCH(CF);1,1,1,4−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CHFCH=C(CF);1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン(CHCF=C(CF);1,1,1−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CFC=CHCH);3,4,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2−ペンテン(CFCF
CF=CHCH);1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−ブテン(CFC(CH)=CHCF);3,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−1−ペンテン(CH=CHCFCHFCF);4,4,4−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH=C(CF)CHCF);1,1,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−1−ヘキセン(CF(CFCF=CF);1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,6−ドデカフルオロ−3−ヘキセン(CFCFCF=CFCFCF);1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CFC=C(CF);1,1,1,2,3,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CFCFCF=CFCF);1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CFC=CHC);1,1,1,3,4,5,5,5−オクタフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CFCFCF=CHCF);3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン(CFCFCFCFCH=CH);4,4,4−トリフルオロ−3,3−ビス(トリフルオロメチル)−1−ブテン(CH=CHC(CF);1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−3−メチル−2−(トリフルオロメチル)−2−ブテン((CFC=C(CH)(CF));2,3,3,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH=CFCFCH(CF);1,1,1,2,4,4,5,5,5−ノナフルオロ−3−メチル−2−ペンテン(CFCF=C(CH)CFCF);1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン(CFCH=CHCH(CF);3,4,4,5,5,6,6,6−オクタフルオロ−2−ヘキセン(CFCFCFCF=CHCH);3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1−ヘキセン(CH=CHCFCFCFCHF);1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CFC=CHCFCH);4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH=C(CF)CH);3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−メチル−1−ペンテン(CFCFCFC(CH)=CH);4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロ−2−ヘキセン(CFCFCFCH=CHCH);4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロ−1−ヘキセン(CH=CHCHCF);1,1,1,2,2,3,4−ヘプタフルオロ−3−ヘキセン(CFCFCF=CFC);4,5,5,5−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)−1−ペンテン(CH=CHCHCF(CF);1,1,1,2,5,5,5−ヘプタフルオロ−4−メチル−2−ペンテン(CFCF=CHCH(CF)(CH));1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(トリフルオロメチル)−2−ペンテン((CFC=CFC);1,1,1,2,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロ−2−ヘプテン(CFCF=CFCFCF);1,1,1,2,2,3,4,5,5,6,6,7,7,7−テトラデカフルオロ−3−ヘプテン(CFCFCF=CFCF);1,1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン(CFCH=CFCFCF);1,1,1,2,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−2−ヘプテン(CFCF=CHCFCF);1,1,1,2,2,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(CFCFCH=CFCF);および1,1,1,2,2,3,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロ−3−ヘプテン(CFCFCF=CHCF)からなる群から選択されるフルオロオレフィン
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
アレオキサリルビス(ベンジリデン)ヒドラジド;N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルヒドラジン);2,2’−オキサミドビス−エチル−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート);N,N’−(ジサリチリデン)−1,2−プロパンジアミン;エチレンジアミン四酢酸およびその塩;トリアゾール;ベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、トルトリアゾール誘導体、N,N−ジサリチリデン−1,2−ジアミノプロパン、およびそれらの混合物からなる群から選択される金属不活性化剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1に記載の組成物を凝縮させる工程と、その後冷却されるべき本体の近くで前記組成物を蒸発させる工程とを含む冷却を行うための方法。
【請求項13】
加熱されるべき本体の近くで請求項1に記載の組成物を凝縮させる工程と、その後前記組成物を蒸発させる工程とを含む熱を生成するための方法。
【請求項14】
少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物の分解を低減するための方法であって、前記分解が冷凍、エアコンまたはヒートポンプシステム中の不注意による空気の存在によって引き起こされ、有効量の少なくとも1種のイオン性液体を少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加する工程を含む方法。
【請求項15】
少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物のための酸素との反応を低減するための方法であって、少なくとも1種のイオン性液体を含む有効量の安定剤を少なくとも1種のフルオロオレフィンを含む組成物に添加する工程を含む方法。

【公表番号】特表2010−540729(P2010−540729A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527169(P2010−527169)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/077824
【国際公開番号】WO2009/042847
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】