説明

イオン性銀錯体

【課題】抗菌性銀イオンを含有する治療剤の提供。
【解決手段】(a)水;(b)遊離銀イオン源;および(c)実質的に無毒で、実質的にチオールを含まず、実質的に水溶性の錯化剤、を含む成分を配合することにより得られる実質的に非コロイドの溶液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の詳細な説明]
発明の背景
発明の分野
本発明は錯イオン性銀を含む溶液に関する。さらに詳しくは、本発明は、溶液がその使用もしくは適用により健康のためになる錯イオン性の銀を含む溶液に関する。
関連技術の説明
銀は人ならびに他の動物の身体内および上における試薬として抗菌的に作用し、さらには抗菌的に有効であるのに必要な微少量で使用されるとき、哺乳動物細胞に比較的無毒であることはよく知られている。抗菌適使用のために最も有効な形態の銀は溶液中のイオンとしてにある。銀イオンは、抗菌性、抗ウィルス性および抗かび特性を有し、そして組織の再生に直接に寄与することが従来示されてきた。銀イオンがこれらの機能を成し遂げる正確な方法は知られていないが、それらは(1)呼吸機能を妨害する、もしくは(2)単細胞微生物の膜機能性を妨害する、もしくは(3)細胞のDNAに結合して細胞の機能を妨害する、ことができると信じられている。なぜ銀イオンが、組織を再生するのに有効であるものにみえるかは従来理解されていないが、それは明らかに抗菌剤として作用する以上のものを含んでいる。
【0002】
最近、イオン性銀化合物は人気が実質的に復活しており、かなり安全で有効な抗菌剤としてだんだんみられている。銀イオン物質は医学用途に、ならびに従来の抗生物質医薬の天然の代替物を求めることにより、ますます用いられている。イオン性銀物質は傷を手当てし、感染を防止し治療するために局所的包帯に用いられている。さらに、それらは公益事業のため上水道衛生設備に、薬剤設備の衛生設備に、そして病院の水システムにおいて在郷軍人病を引き起す微生物を含む微生物を殺すためにも用いられる。歯ブラシは、口腔内の菌と戦うために銀イオンを放出するように取り入れられている。
【0003】
しかし、身体内もしくは上で利用するために銀イオンを送り込むことには課題がある。なぜなら銀イオンは身体内もしくは上で多くの物質に電気的に引き付けられ、その結果、銀イオンは急速に錯体もしくは化合物を形成し、そこではイオンは適切な抗菌作用をもはや成し遂げるのに利用できない。銀イオンの制御された徐放は、この現象を補うために身体内もしくは上で銀イオンを適切に使用するために望ましく、特に経口摂取のような内部で銀イオンを抗菌的使用するのに要求される。錯体もしくは化合物の一部ではなく、したがって抗菌的に利用しうる銀イオンとして定義される遊離銀が、すぐに身体に送り込まれると、それらは不活性になる前に身体もしくは口腔組織と接触する瞬間に抗菌作用を果たす唯一の機会がある。
【0004】
抗菌イオン性銀の配合の望ましい特性は、実質的に有効であるほど急速ではあるが、十分な時間、抗菌作用を維持するのに十分にゆっくりであり、遊離銀イオンとして利用しうる銀含量を徐放する前に経口摂取により身体内での銀の移動性を促進し、しかも身体に無毒であるような態様で、摂取もしくは局所的適用に際して遊離銀イオンとして銀含量を徐放することである。
【0005】
イオン性銀の局所的適用は、内部的な、経口摂取適用が要求するような程度には銀イオンの制御された除放を要求しない。なぜなら試剤の比較的低い存在があり、それとともに銀イオンは、内部使用のための摂取と比べて局所的にさらされて、結合して錯体もしくは化合物を形成しうるからである。少なくとも1つの製品が、最近導入され、それは身体に化学的性質にさらされて銀イオンを徐放する錯体で含浸された薄膜包帯からなる。
【0006】
以前に、硝酸銀のような、いくつかの銀含有化学物質が、銀イオンの抗菌的利益を得ようと努力して用いられたが、これらの物質は、身体内もしくは上で最小で有効であるにすぎないことがわかった。なぜなら、それらは遊離銀イオンとしてすべての銀含量を直接に送り込むからである。硝酸銀のようないくつかのこのような物質は、代表的な用量で投与されると人体に毒性があり、望ましくない。
【0007】
コロイド銀は何百年も使用されてきた物質である。それは身体内もしくは上で、かなりの程度で銀イオンの制御された放出および移動度を与える。コロイド銀は細かい粒子の銀から構成され、そのような粒子の少量の割合を含む銀イオンと組合わされている。これらの多くの粒子は、身体の化学性がこれらの粒子を破壊するにつれて、銀イオンの制御された徐放の程度を付与する。
【0008】
しかし、大部分のコロイド銀を製造するのに用いられる電解法は、最も望ましい適用のための分子量、粒径、イオンの割合により全溶液に対する銀の百万部あたりの質量(PPM)の点で、実質的な制約を有し、適切な調和を得させない。加えて電解質が製造工程の間に水に添加されるのが通常であり、その最も一般的なのはナトリウムであるので、物質の純度は限定されるのが通常である。製造工程からの酸化物は通常、望ましくない黄色もしくは褐色を生じることが多い。さらに、大部分が電気的に製造されるコロイド銀の能力は本来的に制限される。銀の濃度が約5PPM(銀が約20PPMの場合もある)に達した後に、製造法は電子が不足した銀粒子を生成し続け始めるのが通常である。このような濃度に達した後に生成される粒子は銀の合計濃度(水にもとづく溶液中の錯体化銀および遊離した、利用しうる銀の集合体)がこの適切なレベルに到達する前に初期に製造される粒子が成しうるような抗菌作用を発揮しえないのが通常である。
【0009】
コロイドという用語は「異なる媒体に懸濁されるもの」を意味し、したがって、保存性は、コロイド銀粒子が次第に水に沈降するので、本来、制約される。コロイド粒子は水媒体に溶解されない;それらは溶液中にはない。懸濁は、たとえば、ブラウン運動の結果であり、ずっと粒子を沈降させないでおくには不十分である。いくつかのコロイド銀物質は処方に付加されるタンパク質のような安定化剤を有するが、これらは、身体への銀イオンの有効性をさらに妨げやすい。したがって、必要なものは銀イオンを含有する組成物、そしてそのような組成物を製造し、使用する方法であり、それらは前述の課題に向けられる。
発明の要約
1つの態様において、本発明は、(a)水;(b)遊離銀イオン源;および(c)実質的に無毒で、実質的にチオールを含まず、実質的に水溶性の錯化剤、を含む成分を配合することにより得られる実質的に非コロイドの溶液に関する。
詳細な説明
本発明者は、(a)水;(b)遊離銀イオン源;および(c)実質的に無毒で、実質的にチオールを含まず、実質的に水溶性の錯化剤、を含む成分を配合することにより得られる実質的に非コロイドの溶液が、イオン性銀物質の前述の形態において固有の多くの制限を克服し、身体内および上で広い用途を有することを以外にも見出した。
【0010】
本発明の実質的に非コロイドの溶液はコロイド銀生成物により通常与えられる上述の良好な銀イオン濃度を提供する。その製法は通常、調和した組成物を提供する。本発明の組成物は非常に安定であり、何年もの保存性を有し、そして幅広い範囲の環条件下で調和と構造を維持する。実質的に広い範囲の錯体化された銀が生成物の望ましい特性を有意に傷つけることなく、入手されうる。本発明の組成物は、身体への銀錯体の実質的な移動性、ならびに銀含量の制御された、解錯体化を付与し、そこでその組成物は、経口摂取もしくは局所的適用により、身体の化学性に生成物を内部的に導入すると、利用しうる遊離銀イオンとして銀を徐放する。
【0011】
さらに本発明の、実質的に非コロイドの溶液は代表的な用量で人体に比較的無毒である。
本発明の実質的に非コロイドの溶液は、水;遊離銀イオン;および実質的に無毒で実質的にチオールを含まず、実質的に水溶性の錯化剤を含む成分から製造される。本発明の実施において用いられる水は、比較的純粋であるべきである。適切な種類の水は、脱イオン水、蒸留水、逆浸透ろ過水、試薬級の水および医薬品で用いるのに適したUSP級の水を含む。水は、寄生菌、病源菌、化学的混入物、および粒子状混入物のような、混入物を実質的に含まないのが望ましい。
【0012】
銀イオン源は、成分として銀イオンを含有する、実質的にいかなる化合物もしくは錯体であってもよく、そこから銀イオンが、列挙される錯化剤と錯体化されるために、または本発明溶液の一部として遊離銀イオンとなるために、得られうる。銀イオン源は、酸化銀、クエン酸三銀、酢酸銀、水溶性銀塩もしくは本発明の範囲を逸脱することなく多くの他の銀源を含む。好適な態様において、銀イオン源は酸化銀(AgO)である。錯体化に際して、酸化銀は、余分な対イオンである、無害の水酸化物を除去する。水酸化物はすでに溶液中に存在するからである。
【0013】
実質的に無毒で、実質的にチオールを含有せず、実質的に水溶性の錯化剤は、第1に、生物学的に活性な銀イオンの「制御された放出」を付与するのに役立つ。本発明に関連して、錯化剤はイオン性物質を意味すると理解され得、それにより銀イオンは、錯化剤が銀イオンと弱い結合を形成するような態様で錯体化され、そこでは銀イオンの特徴である欠失電子の位置は錯化剤の電子により充足される。実質的に無毒で、実質的にチオールを含有せず、実質的に水溶性の錯化剤は、カルボン酸、または1級、2級もしくは3級のアミンを含みうる。本発明に関連して、実質的に無毒は、本発明による通常の量で本発明溶液に存在するとき、ならびに本発明溶液の通常の用量で本発明溶液の一部として投与されるとき、本発明が投与される宿主にほとんど毒性がないか、もしくは無毒であることを意味すると理解されうる。1つの態様において、実質的に無毒で実質的にチオールを含まず実質的に水溶性の錯化剤は、アミノ酸もしくはヒドロキシ酸を含む。好適な態様において、アミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、もしくはヒスチジンを含む。もう1つの好適な態様において、ヒドロキシ酸は、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、もしくはマンデル酸を含む。もっと好適な態様において、クエン酸は二塩基クエン酸塩を含む。代謝系の重要な成分であるクエン酸塩は、身体中で細胞に攻撃的に引きつけられ、解錯体化が生じる前に身体中に銀を拡散するための効率的な送り込み系を与え、銀は利用しうる遊離銀イオンとして徐放される。酢酸;或るクラウンエーテル;エタノールアミンのような1級、2級もしくは3級アミン、および他の従来公知の、実質的に無毒で、実質的にチオールを含有せず、実質的に水溶性の錯化剤も有用である。
【0014】
1つの態様において、本発明の実質的に非コロイドの溶液は、非フロイド溶液100万部当り、約20部より多い銀を有する。本発明に関連して、PPMは、水にもとづき、その中に含まれるすべての物質を含む全溶液の質量基準で1,000,000部に対する銀合計量の部として定義される。もう1つの態様において、実質的に非コロイドの溶液は非コロイド溶液100万部あたり約50部より多い銀合計量を有する。もっと好適な態様において、実質的に非コロイドの溶液は、非コロイド溶液100万部あたり約100部以上の銀合計量を有する。比較的高い100万部あたりの銀合計量の部は、生物学的有効性が、遊離銀のPPMが増加するのにつれて増加するので、望ましい。
【0015】
100PPMの銀が、非常に有効な濃度の銀を与えるので、銀の合計量濃度に際して望ましいレベルであるが、その濃度は小さい子供および小動物に関して適切な少量投与を測定し調剤する容易さを促進するのに十分に低い。しかし、銀の量は、他の成分が銀に対して相対的に変動されるかぎり、発明の範囲から逸脱しないで溶解限定内で実質的に変動しうる。もう1つの態様において、本発明溶液は約10PPMの少ない銀、または約10,000PPMもの多い銀を、本発明の範囲を逸脱することなく含みうる。
【0016】
本発明の1つの態様において、対イオンが使用されうる。このような対イオンは、必要ならば、列挙された錯化剤中への存在すら電荷を均衡させるために使用されうる。本発明における使用に適切な対イオン源は従来公知の対イオン源を含む。いかなる適切な対イオン源も使用され得、そこでは使用される対イオンが錯化剤に対して銀で満たされないかぎり、錯化剤は、対イオンが銀錯体の電気的安定を維持するのに必要とされる程度のものである。好適な態様において、対イオン源はカリウムイオン、もしくはカルシウムイオンを含む。
【0017】
本発明の1つの態様において、本発明の非コロイド溶液は銀合計質量基準で約10wt%より少ない遊離の銀を有する。本発明の1つの態様において、非コロイド溶液は、銀合計質量基準で約1wt%より少ない遊離の銀を有する。本発明の1つの態様において、非コロイド溶液は、銀合計質量基準で約1/10wt%より少ない遊離の銀を有する。銀合計量(遊離していない銀および錯体化した銀を含む)に比べて比較的低い量の遊離銀は、平衡駆動力により放出されるまでずっと、本発明溶液中に反応しない状態で保持される。本発明組成物のこの制御された放出態様は、活性がずっと保持されるので望ましい。
【0018】
対イオンとしてカリウムを伴ってクエン酸塩と銀の錯体は、比較的純粋な水の溶液中に次のイオン錯体を含みうる:
【0019】
【化1】

【0020】
1つの好適な態様において、本発明溶液は、100万あたり100部の銀濃度を得るために、十分に純粋な水中で、酸化銀、クエン酸およびクエン酸三カリウムをそれぞれ約1:4:4のモル比で混合することにより製造されうる。二塩基クエン酸塩に対する銀の約1:2のモル比から約1:20のモル比を生じる他の配合は、本発明の範囲から決して逸脱しない。通常、錯化剤に対する銀の好適なモル比(乾燥成分もしくは溶液として)約1:1から約1:200、もっと好適には約1:1.5から1:50、最も好適には約1:2から約1:20である。
【0021】
もう1つの態様において、遊離銀イオンは抗菌的に有効な量で、実質的に非コロイドの溶液中に存在する。
さらに本発明者は上述の一般的な方法に従って、しかし上述の量の半分にクエン酸およびクエン酸カリウムの量を減少させて生成物を製造した。クエン酸カリウムに対するクエン酸の比が一般的に保持されるならば、数多くの他の変形もこれらの出発成分を用いて利用されうる。同様に、酸化銀に対するクエン酸およびクエン酸カリウムの相対的な量において、かなり同量の調製がなされるならば、酸化銀の量は実質的に増加もしくは減少されうるが、生成物はクエン酸およびクエン酸カリウムに対する酸化銀の比を100%変えてうまく製造されたという事実により例示されるように、実質的な許容範囲がその比に関して存在する。
【0022】
ここで先に述べたように、本発明の好適な態様のために、銀イオン、錯化剤および対イオンを産生する数多くの代替源成分も適切に調整された量を要求して、使用され得る。そして同様に、数多くの他の錯化剤および、必要であれば対イオン剤も、同様に生成物の成分として選択され得、所望の生成物を製造するために必要な適切な源成分の適切に調整された量をも要求する。
【0023】
イオン性銀は病気を引き起す650を超える微生物を殺すことができると主張されることが多かった。本発明は抗菌的作用を生じさせるのに必要な低い量で使用されるとき身体に絶対的に無害である。とくに配合物は、遊離銀イオンの効率的に制御された、徐放を付与するからである(錯化剤が無毒であれば)。そして、実質的にさらに高いレベルの銀摂取でも他の物質が付与しえない銀イオン活性の利益を得るために、比較的低い銀摂取を要求する。
【0024】
イオン性銀は文字通り何百もの病気(conditions)に対して使用され、目および耳の感染、鼻、空洞(sinus)および歯肉の感染、にきび、炎症を起こしたのど、風邪およびインフルエンザ、カンジダ、膀胱および膣感染、切傷および火傷、多くの皮膚病、虫刺され(bug bites)、爪および皮膚のカビと戦うこと、火傷をいやすこと、おむつかぶれおよび床ずれを和らげること、ひげそり後に和らげる皮膚トリートメントを付与すること、ならびに口腔内リンス液としての使用を含む。体臭は汗の中の細菌により引き起こされるが、それは本発明の適用により軽減されることが多く、いかに効率的にそれが細菌を殺すかを明瞭に示す。さらにイオン性銀は、潰瘍を悪化させる細菌と戦うこと、ならびに傷ついた胃を内装することの両方で、潰瘍を治療するのに使用される。イオン性銀は同様に多くの重大な病気に使用され、たとえば、結核、エプスタインーバーウィルス、ライム病、在郷軍人病、気管支炎、水疱瘡、および数多くの他の病気を含む。それに対してイオン性銀が使用されないような、微生物に関連する病気、もしくは組織の修復を要する病気は実際にはほとんどない。なぜなら、多くの要求が大部分の細菌を殺すのに有効であるばかりでなく、大部分とはいわなくとも多くのカビおよびウィルスに有効でもあるからである。いくつかの報告は、それが、身体に侵入する多くの寄生菌にも有効であることを指摘する。さらにイオン性銀は、ガンおよびHIVを治療するのにも有効であることがいくつかの研究者により報告されている。
【0025】
イオン性銀の、他の使用は、水中にいくらかを入れることによりビン詰めされた水を清浄化することから、家庭で食物をだめにすることを阻止することにわたる。最近の研究は、ビン詰めの水の30%超が安全限界を超える水準の細菌を含有することを示しており、本発明の溶液数滴を水に添加することにより容易に指し向けられうる。本発明組成物を薄切りされた果物にスプレーすることはだめになる前に1週間もそれらを新鮮に保ち得、本発明溶液がいかに効果的に食物に付着する細菌を殺すかを明瞭に例証する。さらにそれは食物の存在する混入物を敗北させるのにも使用される。
【0026】
さらに、イオン性銀は、感染と戦い、歯肉をいやすことにおいて、口腔に細かな流れの水をスプレーする、消費者の使用のために設計された口腔洗浄器システムに非常に有用であると多くの人により考えられている。
イオン性銀が使用されるほとんどすべての用途において、比較的高いPPMの銀の利点、すなわち利用しうる遊離銀イオンの制御された徐放、ならびに本発明の好適な態様の場合に、毒性がなく、微生物の変異菌株を招く最小の可能性で、内部使用におけるキャリアとしてクエン酸塩の利益、すべては、イオン性銀が用いられるいかなる無数の病気のためにこの生成物を使用する者に実質的に優れた利益を提供するのに役立つ。
【0027】
この生成物はさらにその有用性を助長するために種々の種類のディスペンサーで容易にビン詰めもしくは包装されうる。点滴器を有するビンは目の点滴、耳の点滴、および鼻の点滴のために最も便利である。あるいは、プラスチック製の絞り出し(squeeze)ビンは、目の点滴および耳の点滴のための便利なディスペンサーとして役立ちうるが、鼻のスプレーと同一の形状は、空洞および鼻のスプレーとしての使用を容易に助長しうる。たとえばポンプスプレーのようなスプレーディスペンサーは、生成物を外部的に使用するのを非常に便利にし、さらに経口使用および内部摂取の便利で効率的な方法を提供する。口腔内に生成物をスプレーして生成物を付与することにより、そのようなスプレーは口腔内の組織内装により血液系への組成物の吸収を促進する。さらにスプレーディスペンサーは、のどの帯域に生成物をスプレーする間に人が吸入しうるので肺への生成物の送り込みを容易にする。吸入の間に、銀の光化学反応性とともに銀の弱い錯体の存在、ならびに利用しうる遊離銀イオンの存在のために、包装は好ましくはくもりガラス容器内で、ステンレス鋼容器内で、またはポリプロピレンもしくはポリエチレンプラスチック容器内にあるべきである。理想的には、ディスペンサーは同様にそのような物質で製造されるべきである。
【0028】
その生成物をしみ込まされた、ガーゼ、綿布、薄地の小片、または他の種類の包帯もしくは織物を局所的に適用することは生成物を使用するためのもう1つの代替である。
生成物は人間ならびに動物に使用されうる。錯化剤が無毒物質であるとき、生成物は子供およびペットに安全である。このように、本発明は医療および家畜病治療の両方に幅広い潜在的用途を有する。
【0029】
さらに生成物は表面上の微生物を殺すために表面に適用されうる。たとえば、それは、調理台表面(counter tops)、まな板(cutting boards)、便座、ドアノブ、電話の送受話器等にスプレーされうる。微生物細胞と接触して、利用しうる銀自由イオンは微生物細胞と反応して殺すであろうし、もう1つの銀イオンを錯体化から解き、錯化剤から開放させ、そして利用できるようにさせる。本発明は病気の予防および治療の両方に利用されうる。
【0030】
本発明により提供される銀イオンの効率的な送り込みにより、個人は、予防法として日常的に生成物を摂取し得、微生物からの保護の実質的レベルを得るが、好適な態様において、生成物中に含まれる銀の量に関して、日常の、そして終生の銀摂取の非常に安全な限界内にとどまる。成人米国人の平均的な毎日の食品における銀の量は20世紀の前半とその世紀の後半部分の間で85%もの多くが消耗されたことを研究は示す。本発明の好適な態様において、潜在的な健康の利益の見地から日常的に実質物量の生成物を消費する個人は、実際に、その時間にわたって食品から消耗された量よりも多い銀は消費しない。
実施例
実施例1
純水2.5Lがマグネティックスターラーをつけた5ガロン(19L機能容量)中に入れられ、そのガラスビンの内側にはTeflon被覆磁気攪拌棒が置かれており、そのスターラーを低速でスイッチを入れ、クエン酸無水粉末(試薬級)6.7675g,クエン酸カリウムー水和物結晶(試薬級)11.43gおよび酸化銀粉末(試薬級)2.2450gを添加し、低速で約45分間攪拌した。ついで、低速でさらに約15分間攪拌を継続し、約8〜9Lに水位が達したときに水の投入を停止する間に、さらに水がゆっくり供給された。ついで、攪拌速度は高速に転換され、攪拌がさらに約30分間継続され、ガラスビンをおよそ18Lの印まで満たし、スターラーのスイッチを切り、水投入バルブを開き、ちょうど19Lの印で水投入を停止し、高速でスターラーのスイッチを再度入れ、そしてさらに60分間攪拌した。
実施例2
65才の男性が結膜炎になったが、目に実施例1の溶液を2滴投与すると5時間未満で軽減した。
実施例3
16才の女性が3〜4年間、にきびに悩んでいた。皮膚科医が定期的に治療したが、無益であった。彼女は実施例1の溶液のスプレーを1日3回、顔に3日間適用し、皮膚科医からの薬(products)を用いるのを停止したところ、3日目の終わりまでに彼女の顔表面はほとんど完全に治癒した。もはや乾燥もしくは赤みはなかった。
実施例4
45才の男性がリンパ腺ガンと診断され、実施例1の溶液を1日に茶さじ1杯の経口投与で2ヶ月間服用した後に、試験は病気の痕跡が残っていないことを示した。
実施例5
同一の店で一緒に働く31才の男性および28才の男性が成熟したインフルエンザにかかった。両者は、一度、経口投与で実施例1の溶液の15滴を服用し、1日半以内に両者はいかなる症状も完全に免れた。
実施例6
1才の男の子が左目を閉鎖涙管(blocked tear duct)と診断された。毎日、彼は緑膿汁で目覚め、一日中続いた。2人の内科医は外科医をすすめた。男の子の母親は、彼の目に実施例1の溶液を1滴だけ2日間、毎日服用した。病気は消失した。9ヶ月後の追跡調査の際に、病気は再発していなかった。
実施例7
53才の女性が450度(約232℃)のオーブンで手の甲をやけどした。やけどはおよそ径1インチ1/4(3.2cm)の径であった。1週間後、それはまだ治り始めなかった。痛みはまだひどく、彼女は手をほとんど動かせなかった。彼女は実施例1の溶液を2滴そのうえにつけた。同日の夜、それは完全にかさぶたを生じ、火傷の周囲全部はすでに新しい組織を発生していた。痛みは完全に去り、彼女は手の完全な動きを回復した。さらに約4日間、本発明を適用すると、それは完全に治癒され、傷跡は何もなかった。
実施例8
61才の男性が尿管感染にかかった。泌尿科医は20日間サルファ剤を服用させた。1週間の不断の吐き気に悩まされ、その時点で彼は残っている薬を捨てた。ついで彼は実施例1の溶液を1日あたり30滴服用し始め、3日後に感染はもはや検出されなかった。
実施例9
44才の男性が2本の親知らず歯の周辺の膿瘍にかかった。3人の口腔外科医は、2本の歯を抜かなければならないと彼に言った。彼は実施例1の溶液をおよそ茶さじ1杯、2つの冒された領域のそれぞれ互いに使用した。翌日までに感染はもはや検出されず、痛みは消失した。11ヵ月後の追跡調査はそれが再発していないことを示した。
実施例10
24才の女性が膣感染にかかった。医者の処方は、約2週間後にも役立たなかった。そこで彼女純水中に実施例1の溶液を茶さじ1杯半を混合し、注水法でその混合物を使用したところ、不快はほとんど直ぐに消滅し、3週間後の追跡調査の際に再発していなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水;(b)遊離銀イオン源;および(c)実質的に無毒で、実質的にチオールを含まず、実質的に水溶性の錯化剤、を含む成分を配合することにより得られる実質的に非コロイドの溶液。
【請求項2】
非コロイド溶液が銀合計質量基準で約10wt%より少ない遊離銀を有する請求項1記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項3】
非コロイド溶液が銀合計質量基準で約1wt%より少ない遊離銀を有する請求項2記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項4】
非コロイド溶液が銀合計質量基準で約1/10wt%より少ない遊離銀を有する請求項3記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項5】
非コロイド溶液が、非コロイド溶液100万部あたり約20部より大きい銀合計量を有する請求項1記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項6】
非コロイド溶液が、非コロイド溶液100万部当り約50部より大きい銀合計量を有する請求項5記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項7】
非コロイド溶液が、非コロイド溶液100万部当り約100部以上の銀合計量を有する請求項6記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項8】
遊離銀イオン源が酸化銀、クエン酸三銀もしくは酢酸銀を含む請求項1記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項9】
遊離銀イオン源が酸化銀を含む請求項8記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項10】
実質的に無毒で、実質的にチオールを含まず、実質的に水溶性の錯化剤が、カルボン酸または1級、2級もしくは3級アミンを含む請求項1記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項11】
実質的に無毒で、実質的にチオールを含まず、実質的に水溶性の錯化剤が、アミノ酸もしくはヒドロキシ酸を含む請求項10記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項12】
アミノ酸がグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンを含む請求項11記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項13】
ヒドロキシ酸かグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸もしくはマンデル酸を含む請求項12記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項14】
クエン酸が二塩基クエン酸塩である請求項13記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項15】
遊離銀イオンが抗菌的に有効量で実質的に非コロイドの溶液中に存在する請求項1記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項16】
成分が対イオン源をさらに含む請求項1記載の実質的に非コロイドの溶液。
【請求項17】
対イオン源がカリウムイオンもしくはカルシウムイオンを含む請求項1記載の実質的に非コロイドの溶液。

【公開番号】特開2012−107014(P2012−107014A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−275453(P2011−275453)
【出願日】平成23年12月16日(2011.12.16)
【分割の表示】特願2000−580619(P2000−580619)の分割
【原出願日】平成11年11月5日(1999.11.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(501185316)
【Fターム(参考)】