説明

イオン液体の消泡

【課題】イオン液体を効果的に消泡すること。
【解決手段】少なくとも1種のイオン液体と、少なくとも1種の消泡剤と、適切な場合には溶媒および/またはさらに助剤もしくは添加剤とを含有する組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
イオン液体は、気体、特に空気または窒素およびその他の工業用ガス、さらに例えば水蒸気が剪断下で導入される数多くの用途で使用され提示されてきた。これは、多くの場合にその用途に悪影響(例えば、摩擦の増大に起因する材料の摩耗)を及ぼす発泡をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
したがって、本発明の目的は、イオン液体を効果的に消泡し、それによって、気体を剪断下で導入することができる用途においてイオン液体を普遍的かつ持続的に使用可能にすることである。
【0003】
これらは特に、イオン液体が潤滑液または圧媒液(hydraulic fluid)として使用され、また任意選択により溶解された導入気体がこのプロセスに固有の(潤滑)特性に低下をもたらし、いずれにせよ悪化させる場合の用途である。
【0004】
イオン液体そのものが、例えばコーティングまたはペースト/表面コーティングでごく少量で使用される系は、この場合の発泡がイオン液体によって引き起こされないので明らかに除外される。
【0005】
イオン液体は、一般に、低温(<100℃)で溶融する塩であり、イオンのみからなる新しい種類の液体である。高融点、高粘度、かつ非常に腐食性の高い媒体である古典的な塩溶融物とは対照的に、イオン液体は、低温でも液体であり、比較的低い粘度を有する(K.R.Seddon J.Chem.Technol.Biotechnol. 1997, 68, 351-356)。このイオン液体は、特に、完全なイオン構造を有するので、水とも異なっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、水性系において泡を防ぎ破壊するために使用される消泡剤は、この問題を解決することをついに見出した。これは、水が明白なイオン特性を有する液体ではないので、特に驚くべきことである。なお驚くべきことは、特に、界面活性剤によって安定化した水性(非イオン性)系を消泡するために開発された消泡剤が、水を含まない(または低水分の)高品質イオン液体において良好な消泡作用も有し、したがって本発明の目的が達成されるという発見である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の目的において、イオン液体は、一般式I、II、またはIIIの塩である:
[A][Y]n− (I)
(式中、nは、1、2、3、または4であり、[A]は、第4級アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、またはホスホニウムカチオンであり、[Y]n−は、1価、2価、3価、または4価のアニオンである。);または
一般式(II)の混合塩
[A[A[Y]2− (IIa);
[A[A[A[Y]3− (IIb);もしくは
[A[A[A[A[Y]4− (IIc)
(式中、[A、[A、[A、および[Aは、[A]に関して記述された群から独立して選択され、[Y]n−は、式(I)で定義された通りである。);または
一般式(III)の混合塩
[A[A[A[M[Y]4− (IIIa);
[A[A[M[M[Y]4− (IIIb);
[A[M[M[M[Y]4− (IlIc);
[A[A[M[Y]3− (IIId);
[A[M[M[Y]3− (IIIe);
[A[M[Y]2− (IIIf);
[A[A[M2+[Y]4− (IIIg);
[A[M[M2+[Y]4− (IIIh);
[A[M3+[Y]4− (IIIi);もしくは
[A[M2+[Y]3− (IIIj)
(式中、[A、[A、および[Aは、[A]に関して記述された群から独立して選択され、[Y]n−は、式Iに関して定義された通りであり、[M、[M、[Mは、1価の金属カチオンであり、[M2+は、2価の金属カチオンであり、[M3+は、3価の金属カチオンである。);または
ケトン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、および/または尿素−アルデヒド樹脂、および/またはそれらの水素化誘導体を含まない、式(I)〜(III)の全ての混合物。
【0008】
イオン液体は、例えば置換アンモニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、またはイミダゾリウムカチオンに結合された、例えばハロゲン化物、カルボキシレート、ホスフェート、チオシアネート、イソチオシアネート、ジシアナミド、スルフェート、アルキルスルフェート、スルホネート、アルキルスルホネート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、またはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどのアニオンを含み、上述のアニオンおよびカチオンは、多数の可能なアニオンの中からの小数の選択を表し、したがって完全なものを記載するものではなく、何の制約も課されていない状態である。
【0009】
本発明により使用されるイオン液体は、好ましくは第4級窒素および/またはリン化合物および/または硫黄化合物、および少なくとも1種のアニオンからなり、それらの融点は、約+250℃よりも低く、好ましくは約+150℃よりも低く、特に約+100℃よりも低い。さらに、イオン液体は、ケトン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、および/または尿素−アルデヒド樹脂、および/またはこれらの水素化誘導体を含まない。本発明により使用されるイオン液体またはその混合物は、特に好ましくは室温で液体である。
【0010】
本発明による組成物は、80から99.999重量%、好ましくは90から99.999重量%、特に少なくとも95重量%、特に好ましくは>98から99.999重量%の1種以上のイオン液体と、
0から20重量%、好ましくは0から10重量%、特に好ましくは0から5重量%の溶媒と、
0から20重量%、好ましくは0から10重量%、特に好ましくは0から5重量%の助剤および添加剤と、
0.001から10重量%、好ましくは0.001から5重量%、特に好ましくは0.05から1重量%の本発明による1種以上の消泡剤と
を含有し、この組成物の全成分を合計すると100重量%になる。
【0011】
本発明の目的で好ましく使用されるイオン液体は、例えば、下記の一般式の少なくとも1種のカチオンを含むことができる:
(IV)
=CR (V)
(VI)
=CR (VII)
(VIII)
(式中、R、R、R、Rは、同一または異なっており、各々、水素、1から30個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、5から40個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい脂環式炭化水素基、6から40個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、7から40個の炭素原子を有するアルキルアリール基、2から30個の炭素原子を有しており、1個以上のヘテロ原子(酸素、NH、NR’、ここで、R’は、二重結合を含有していてもよいC〜C30−アルキル基、特に−CH)によって介入され、かつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、2から30個の炭素原子を有しており、−O−C(O)−、−(O)C−O−、−NH−C(O)−、−(O)C−NH、−(CH)N−C(O)−、−(O)C−N(CH)−、−S(O)−O−、−O−S(O)−、−S(O)−NH−、−NH−S(O)−、−S(O)−N(CH)−、−N(CH)−S(O)−からなる群から選択された1個以上の官能基によって介入され、かつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、1から30個の炭素原子を有しており、OH、OR’、NH、N(H)R’、N(R’)によって末端が官能化されており(式中、R’は、二重結合を含有していてもよいC〜C30−アルキル基である)、かつ二重結合またはブロックもしくはランダム構造を有する式−(R−O)−Rのポリエーテル(式中、Rは、2から4個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素基であり、nは、1から1から100であり、好ましくは2から60であり、Rは水素である。)を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族または脂環式炭化水素基、1から30個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、5から40個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい脂環式炭化水素基、6から40個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、7から40個の炭素原子、または−C(O)−R基(式中、Rは、1から30個の炭素原子を有する直鎖または分枝脂肪族炭化水素基である。)を有しかつ二重結合を含有していてもよいアルキルアリール基、5から40個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい脂環式炭化水素基、6から40個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、または7から40個の炭素原子を有するアルキルアリール基である)。
【0012】
(IV)タイプの一般式(式中、Rは、1から20個の炭素原子を有するアルキル基、Rは、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、Rは、(CHCHRO)−H基(ここで、nは1から200であり、RはHまたはCHである。)、Rは、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、または(CHCHRO)−H基(ここで、nは1から200であり、RはHまたはCHである。)、Aは、1価のアニオンである。)によって特徴付けられる、アルカノールアミンエステルクアットとも呼ばれるアルコキシル化脂肪酸の第4級アンモニウム塩が好ましい。
【0013】
これらの化合物の中で、下式の物質が好ましい:
(i)R4−m[((CH−Q−R
(式中、各基Rは、独立して、1から6個の炭素原子を有するアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、またはベンジル基、好ましくはメチル基であり;各基Rは、独立して、水素、11から22個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基、11から22個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルケニル基であって、少なくとも1個のR基が水素ではないことを条件とし;
Qは、式−O−C O)−、−C(O)O、−NR−C(O)−、−C(O)−NR−、−O−C(O)−O、−CHR−O−C(O)−、または−CH(OCOR)−CH−O−C(O)−(式中、Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、またはブチルであり、Rは、水素またはメチルである。)の群から独立して選択され、Qは、好ましくは−O−C(O)−または−NH−C(O)−であり;mは、1から4であり、好ましくは2または3であり;nは、1から4であり、好ましくは2であり;Xは、可塑剤に適合するアニオンであり、例えば塩化物、臭化物、メチルスルフェート、エチルスルフェート、スルフェート、またはナイトレート、好ましくは塩化物またはメチルスルフェートである。)。第4級アンモニウム化合物は、水素ではなくかつその価数が1からmに及ぶ異なる基Rを有する化合物の混合物を含有することができる。そのような混合物は、平均して1.2から2.5の、水素ではない基Rを有することが好ましい。水素ではない基Rの割合は、好ましくは1.4から2.0であり、より好ましくは1.6から1.9である。
【0014】
好ましい第4級アンモニウム化合物は、下記のタイプの化合物である:
(ii)R[CHCHROH][CHCHROC(O)R
(iii)R[CHCHROC(O)R
(iv)R[CHCHROH][CHCHNHC(O)R
(式中、R、R、およびXは、式(i)に関して上記で定義された通りであり、Rは、水素ではないことを条件とする)。断片−C(O)Rは、脂肪アシル基であることが好ましい。脂肪アシル基は、トリグリセリド、好ましくは獣脂、植物油、部分水素化獣脂、および部分水素化植物油の天然の供給源から得られる。トリグリセリドの使用可能な供給源は、大豆油、獣脂、部分水素化獣脂、ヤシ油、パーム核、菜種、ラード、ココナツ、セイヨウアブラナ、ベニバナ油、トウモロコシ、米、およびトール油と、これらの成分の混合物である。
【0015】
当業者なら、脂肪酸含有化合物の組成は、収穫から収穫までの間の状態または植物油の多数の供給源に依存して、いくつかの自然の変動の影響を受けることがわかるであろう。R基は、通常、直鎖および分枝炭素鎖の飽和および不飽和脂肪族脂肪酸の混合物である。そのような混合物中の不飽和基Rの割合は、好ましくは少なくとも10%であり、特に好ましくは少なくとも25%であり、特に非常に好ましくは40%から70%である。そのような混合物中の多重不飽和基Rの割合は、10%未満であり、好ましくは5%未満であり、特に好ましくは3%未満である。必要なら、飽和特性を増大させて最終生成物の安定性(例えば、臭い、色など)を改善するために、部分水素化を行ってもよい。ヨウ素価によって表される不飽和材料の含量は、5から150の範囲内であるべきであり、好ましくは5から50の範囲内にある。不飽和基R中の二重結合のシス異性体とトランス異性体との比は、好ましくは1:1よりも大きく、特に好ましくは4:1から50:1の範囲内にある。
【0016】
式(i)の化合物の好ましい例は、
N,N−ジ(タローイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(N,N-di(tallowyloxyethyl)-N,N-dimethylammonium chroride);
N,N−ジ(カノリルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(N,N-di(canolyloxyethyl)-N,N-dimethylammonium chroride);
N,N−ジ(タローイルオキシエチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルスルフェート;
N,N−ジ(カノリルオキシエチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルスルフェート;
N,N−ジ(タローイルアミドエチル)−N−メチル,N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルスルフェート;
N,N−ジ(2−タローイルオキシ−2−オキソ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;
N,N−ジ(2−カノリルオキシ−2−オキソ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;
N,N−ジ(2−タローイルオキシエチルカルボニルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;
N,N−ジ(2−カノリルオキシエチルカルボニルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;
N−(2−タローイルオキシ−2−エチル)−N−(2−タローイルオキシ−2−オキソ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;
N−(2−カノリルオキシ−2−エチル)−N−(2−カノリルオキシ−2−オキソ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド;
N,N,N−トリ(タローイルオキシエチル)−N−メチルアンモニウムクロリド;
N,N,N−トリ(カノリルオキシエチル)−N−メチルアンモニウムクロリド;
1,2−ジタローイルオキシ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルクロリド;および
1,2−ジカノリルオキシ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルクロリド
である。
【0017】
別の好ましい第4級アンモニウム塩は、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、メチル硫酸ジタロージメチルアンモニウム、ジ(水素化獣脂)ジステアリルジメチルアンモニウムクロリドのジメチルアンモニウムクロリド、およびジベヘニルメチルアンモニウムクロリドである。
【0018】
別の可能なカチオンは、飽和または不飽和環式化合物から、およびいずれの場合も置換されていてよい4から10員複素環、好ましくは5または6員複素環内に少なくとも1個の3価窒素原子を有する芳香族化合物から得られたイオンである。そのようなカチオンは、下記の一般式(IX)、(X)、および(XI)による単純化された形(即ち、分子中の二重結合の正確な位置および数の表示がない)で記述することができ、この場合の複素環は、複数のヘテロ原子を含有していてもよい。
【0019】
【化1】

【0020】
およびRは、上記で定義された通りであり、
Rは、水素、1から30個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、5から40個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい脂環式炭化水素基、6から40個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、または7から40個の炭素原子を有するアルキルアリール基であり、Xは、酸素原子、硫黄原子、または置換窒素原子である(X=O、S、NR)。
【0021】
上述のタイプの環式窒素化合物の例は、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピロール、イミダゾリン、オキサゾリン、オキサゾール、チアゾリン、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、インドール、カルバゾール、ピペリジン、ピリジン、異性体ピコリンおよびルチジン、キノリン、およびイソキノリンである。一般式(IX)、(X)、および(XI)の環式窒素化合物は、不飽和(R=H)であってもよく、または基Rによって一置換もしくは多置換されていてよく、Rによる多重置換の場合、個々の基Rは異なっていてもよい。
【0022】
さらなる可能なカチオンは、飽和非環式化合物、飽和または不飽和環式化合物から、および各々の場合において、4から10員複素環、好ましくは5または6員複素環内に2個以上の3価窒素原子を有する芳香族化合物から得られるイオンである。これらの化合物は、炭素原子上および窒素原子上の両方で置換することができる。これらの化合物は、置換または非置換ベンゼン環、および/またはシクロヘキサン環と縮合して、多環式構造を形成することもできる。そのような化合物の例は、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、N−メチルイミダゾール、ジヒドロピラゾール、ピラゾリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、2,3−、2,5−、および2,6−ジメチルピラジン、シモリン、フタラジン、キナゾリン、フェナジン、およびピペラジンである。イミダゾールとそのアルキルおよびフェニル誘導体から得られるカチオンは、イオン液体の成分として特に有用であることが見いだされた。
【0023】
さらなる可能なカチオンは、2個の窒素原子を含有し、かつ一般式(XII)を有するイオンである
【化2】

(式中、R、R、R10、R11、R12は、同一または異なっており、各々、水素、1から30個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、5から40個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい脂環式炭化水素基、6から40個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、7から40個の炭素原子を有するアルキルアリール基、1から30個の炭素原子を有しており、1個以上のヘテロ原子(酸素、NH、NR’(ここで、R’は、二重結合を含んでいてもよいC〜C30−アルキル基である。))によって介入され、かつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、1から30個の炭素原子を有しており、−O−C(O)−、−(O)C−O−、−NH−C(O)−、−(O)C−NH、−(CH)N−C(O)−、−(O)C−N(CH)−、−S(O)−O−、−O−S(O)−、−S(O)−NH−、−NH−S(O)−、−S(O)−N(CH)−、−N(CH)−S(O)−からなる群から選択された1個以上の官能基によって介入され、かつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、1から30個の炭素原子を有しており、OH、OR’、NH、N(H)R’、N(R’)(ここで、R’は、二重結合を含有していてもよいC〜C30−アルキル基である。)によって末端が官能化されており、かつ二重結合またはブロックもしくはランダム構造を有する式−(R−O)−R(ここで、Rは、2から5個の炭素原子を含有する炭化水素基であり、nは1から100であり、Rは水素である)のポリエーテルを含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族または脂環式炭化水素基、1から30個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基、5から40個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい脂環式炭化水素基、6から40個の炭素を有する芳香族炭化水素基、7から40個の炭素原子、または−C(O)−R基(Rは、1から30個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい直鎖または分枝脂肪族炭化水素基である。)を有するアルカリアリール基、5から40個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい脂環式炭化水素基、6から40個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基、7から40個の炭素原子を有するアルキルアリール基である)。
【0024】
特に非常に好ましいイミダゾリウムイオン(XII)は、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)イミダゾリウム、1−(1−オクチル)イミダゾリウム、1−(1−ドデシル)イミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)イミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)イミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−エチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−ブチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−オクチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−オクチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、3−ブチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−ブチルイミダゾリウムおよび1,4,5−トリメチル−3−オクチルイミダゾリウムである。
【0025】
さらなる可能なカチオンは、特に、二量化、三量化、またはポリマー化されている上述のカチオンからなるジカチオン、トリカチオン、またはポリカチオンを形成するイオンである。これらは、ポリマー骨格、例えばシロキサン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、またはポリアクリレート、特に分枝および超分枝ポリマーに基づく骨格を有するジカチオン、トリカチオン、およびポリカチオンを包含する。
【0026】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がピリジニウムイオン(XIIIa)のイオン液体である
【化3】

(式中、
基RからRの1つは、メチル、エチル、または塩素であり、残りの基RからRは、各々、水素であり;
は、ジメチルアミノであり、残りの基R、R、R、およびRは、各々、水素であり;
全ての基RからRは、水素であり;
は、カルボキシまたはカルボキサミドであり、残りの基R、R、R、およびRは、各々、水素であり;あるいは
およびRまたはRおよびRは、1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであり、残りの基R、R、R、およびRは、各々、水素であり;
特に、
からRは、各々、水素であり;または
基RからRの1つがメチルまたはエチルであり、残りの基RからRは、各々、水素であるものである)。
【0027】
特に非常に好ましいピリジニウムイオン(XIIIa)は、1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ドデシル)ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)ピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)ピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチル−ピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1,2−ジエチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−エチルピリジニウム、1,2−ジメチル−5−エチルピリジニウム、1,5−ジエチル−2−メチル−ピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウムおよび1−(1−オクチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチル−3−エチル−ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウムおよび1−(1−ヘキサデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウムである。
【0028】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がピリダジニウムイオン(XIIIb)のイオン液体である
【化4】

(式中、
からRは、各々、水素であり;または
基RからRの1つがメチルまたはエチルであり、残りの基RからRは、各々、水素である)。
【0029】
さらに、カチオン[A]がピリミジニウムイオン(XIIIc)であるイオン液体が、特に非常に好ましい
【化5】

(式中、
は、水素、メチル、またはエチルであり、RからRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルであり;あるいは
は、水素、メチル、またはエチルであり、RおよびRはそれぞれメチルであり、Rは水素である)。
【0030】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がピラジニウムイオン(XIIId)であるイオン液体である
【化6】

(式中、
は、水素、メチル、またはエチルであり、RからRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルであり;
は、水素、メチル、またはエチルであり、RおよびRはそれぞれメチルであり、Rは水素であり;
からRは、各々、メチルであり;または
からRは、各々、メチルまたは水素である)。
【0031】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がピラゾリウムイオン(XIIIf)、(XIIIg)、または(XIIIg’)であるイオン液体である
【0032】

(式中、
は、水素、メチル、またはエチルであり、RからRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0033】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がピラゾリウムイオン(XIIIh)であるイオン液体である
【化8】

(式中、
からRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0034】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]が1−ピラゾリニウムイオン(XIIIi)であるイオン液体である
【化9】

(式中、
からRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0035】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]が2−ピラゾリニウムイオン(XIIIj)であるイオン液体である
【化10】

(式中、
は、水素、メチル、エチル、またはフェニルであり、RからRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0036】
別の適切なイオン液体は、カチオン[A]が3−ピラゾリニウムイオン(XIIIk)または(XIIIk’)であるイオン液体である
【化11】

(式中、
およびRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、エチル、またはフェニルであり、RからRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0037】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がイミダゾリニウムイオン(XIIIl)であるイオン液体である
【化12】

(式中、
RはHまたはメチルであり、RおよびRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、もしくはエチル、または14から22個、好ましくは16から18個の炭素原子を有する直鎖飽和もしくは不飽和アシル基であり、RからRは、各々、互いに独立して、水素、1〜4個の炭素原子を有しかつOH基を含有していてもよい直鎖飽和アルキル基、好ましくはメチルまたは脂肪酸基であり;RおよびRが脂肪アシル基であること、およびRまたはRおよびRが脂肪アシル基であることが特に好ましい)。式(XIIIm)に対応する物質は、特に重要なものである。文献中、これらには時々、紛らわしい式(XIIIm’またはXIIIlに類似する)も与えられる。
【0038】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がイミダゾリニウムイオン(XIIIm)または(XIIIm’)であるイオン液体である
【化13】

(式中、
RはHまたはメチルであり、RおよびRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、もしくはエチル、または14から22個、好ましくは16から18個の炭素原子を有する直鎖飽和もしくは不飽和アシル基であり、RからRは、各々、互いに独立して、水素、1〜4個の炭素原子を有しかつOH基を含有していてもよい直鎖飽和アルキル基、好ましくはメチルまたは脂肪酸基であり;RおよびRが脂肪アシル基であること、およびRまたはRおよびRが脂肪アシル基であることが特に好ましい)。式(XIIIm)に対応する物質は、特に重要なものである。文献中、これらには時々、紛らわしい式(XIIIm’またはXIIIlに類似する)も与えられる。
【0039】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がイミダゾリニウムイオン(XIIIn)または(XIIIn’)であるイオン液体である
【化14】

(式中、
からRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、またはエチルであり、RからRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0040】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がチアゾリウムイオン(XIIIo)もしくは(XIIIo’)、またはオキサゾリウムイオン(XIIIp)であるイオン液体である
【化15】

(式中、
は、水素、メチル、エチル、またはフェニルであり、RおよびRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0041】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]が1,2,4−トリアゾリウムイオン(XIIIq)、(XIIIq’)、または(XIIIq”)であるイオン液体である
【化16】

(式中、
およびRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、エチル、またはフェニルであり、Rは、水素、メチル、またはフェニルである)。
【0042】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]が1,2,3−トリアゾリウムイオン(XIIIr)、(XIIIr’)、または(XIIIr”)であるイオン液体である
【化17】

(式中、
は、水素、メチル、またはエチルであり、RおよびRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルであり、またはRおよびRは一緒になって1,4−ブタ−1,3−ジエニレンである)。
【0043】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がピロリジニウムイオン(XIIIs)であるイオン液体である
【化18】

(式中、
は、水素、メチル、エチル、またはフェニルであり、RおよびRは、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0044】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がイミダゾリジニウムイオン(XIIIt)であるイオン液体である
【化19】

(式中、
およびRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、エチル、またはフェニルであり、RおよびRとRからRも、各々、互いに独立して、水素またはメチルである)。
【0045】
さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がアンモニウムイオン(IV)であるイオン液体である
【化20】

(式中、
からRは、各々、互いに独立して、C〜C18−アルキルであり;または
からRは、各々、互いに独立して、水素もしくはC〜C18−アルキルであり、Rは2−ヒドロキシエチルであり;または
およびRは、一緒になって、1,5−ペンチレンもしくは3−オキサ−1,5−ペンチレンであり、Rは、C〜C18−アルキル、2−ヒドロキシエチル、もしくは2−シアノエチルである)。
【0046】
特に好ましいアンモニウムイオン(IV)は、メチルトリ(1−ブチル)アンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム、N,N−ジメチルピペリジニウム、およびN,N−ジメチルモルホリニウムである。さらなる可能なイオン液体は、カチオン[A]がグアニジニウムイオン(IVv)であるイオン液体である
【化21】

(式中、
からRは、各々、メチルであり;または
からRは、各々、互いに独立して、C〜C18−アルキルであり;または
からRは、各々、互いに独立して、水素、もしくはC〜C18−アルキル、もしくは2−ヒドロキシエチルである)。
【0047】
特に非常に好ましいグアニジニウムイオン(IVv)は、N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサメチルグアニジニウムである。
【0048】
さらに可能なイオン液体は、カチオン[A]が、エタノールアミンの誘導体であるイオン液体であり、例えばコリニウムイオン(XIIIw)またはジエタノールアミン(XIIIw’)またはトリエタノールアミン(XIIIw”)である
【化22】

(式中、
およびRは、各々、互いに独立して、メチル、エチル、1−ブチル、または1−オクチルであり、Rは、水素、メチル、エチル、アセチル、−SOOH、または−PO(OH)であり;あるいは
は、メチル、エチル、1−ブチル、または1−オクチルであり、Rは、−CH−CH−OR基であり、RおよびRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、エチル、アセチル、−SOOH、または−PO(OH)であり;あるいは
は、−CH−CH−OR基であり、Rは、−CH−CH−OR基であり、RからRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、エチル、アセチル、−SOOH、または−PO(OH)であり;あるいは
は、メチル、エチル、1−ブチル、1−オクチル、アセチル、−SOOH、または−PO(OH)であり、RからRは、各々、互いに独立して、水素、メチル、エチル、アセチル、−SOOH、−PO(OH)、または−(C2nO)である(ここで、n=1から5、およびm=1から100))。
【0049】
R、R、およびRが、1から4個の炭素原子を有するアルキル基である化合物も好ましく、特に好ましくはメチル基であり、Rおよび/またはRは、8から22個の炭素原子、好ましくは12から18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸またはアシル基である。アシルまたは脂肪酸基の混合物(特に、例えば天然に生ずる割合)を存在させることも可能である。
【0050】
式(XIIIw”)では、R、R、Rは、各々、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル基と、Rが脂肪酸基であり、RおよびRは、各々、脂肪酸基または水素であるものが、特に非常に好ましい。
【0051】
可能なイオン液体は、カチオン[A]がホスホニウムイオン(VI)であるイオン液体を含む(ここで、RからRは、各々、互いに独立して、C〜C18−アルキルであり、特にブチル、イソブチル、1−ヘキシル、または1−オクチルである)。
【0052】
上述のカチオンの中で、ピリジニウムイオン(XIIIa)、イミダゾリウムイオン(XII)、およびアンモニウムイオン(IV)、特に1−メチルピリジニウム、1−エチルピリジニウム、1−(1−ブチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ヘキシル)ピリジニウム、1−(1−オクチル)ピリジニウム、1−(1−ドデシル)ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)ピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)ピリジニウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−エチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチル−ピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチルピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−メチル−ピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1,2−ジエチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−エチル−ピリジニウム、1−(1−テトラデシル)−2−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−エチルピリジニウム、1,2−ジメチル−5−エチル−ピリジニウム、1,5−ジエチル−2−メチルピリジニウム、1−(1−ブチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−オクチル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ドデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−テトラ−デシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−(1−ヘキサデシル)−2−メチル−3−エチルピリジニウム、1−メチルイミダゾリウム、1−エチル−イミダゾリウム、1−(1−ブチル)イミダゾリウム、1−(1−オクチル)イミダゾリウム、1−(1−ドデシル)イミダゾリウム、1−(1−テトラ−デシル)イミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)イミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−3−メチル−イミダゾリウム、1−(1−オクチル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ドデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−テトラデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキサデシル)−3−メチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ブチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−(1−ヘキシル)−2,3−ジメチルイミダゾリウムおよび1−(1−オクチル)−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−イミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−エチルイミダゾリウム、3−ブチルイミダゾリウム、1,4−ジメチル−3−オクチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−エチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−ブチルイミダゾリウム、1,4,5−トリメチル−3−オクチルイミダゾリウムおよび2−ヒドロキシエチルアンモニウムが好ましい。
【0053】
式(IIIa)から(IIIj)で記述された金属カチオン[M、[M、[M、[M2+、および[M3+は、一般に、周期表の第1、2、6、7、8、9、10、11、12、および13族の金属カチオンである。適切な金属カチオンは、例えば、Li、Na、K、Cs、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Cr3+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Ag、Zn2+、およびA13+である。
【0054】
本発明により使用されるイオン液体は、いずれの場合にも少なくとも1個のアニオンと組み合わせた上述のカチオンの少なくとも1種を含む。可能なアニオンは、基本的には、、イオン液体をもたらすカチオンと組み合わせた全てのアニオンである。イオン液体のアニオン[Y]n−は、例えば:
式F、C1、Br、I、BF、PF、A1C1、A1C1、A1C110、A1Br、FeCI、BC1、SbF、AsF、ZnCl、SnC1、CuC1、CFSO、(CFSO、CFCO、CC1CO、CN、SCN、OCN、NO、NO、N(CN)のハロゲン化物およびハロゲン含有化合物の群;
一般式SO2−、HSO、SO2”、HSO、ROSO、RSOのスルフェート、スルファイト、およびスルホネートの群;
一般式PO3−、HPO2−、HPO4−、RPO2−、HRPO、RPOのホスフェートの群;
一般式RHPO、RPO、RPOのホスホネートおよびホスフィネートの群;
一般式PO3−、HPO2−、HPO、RPO2−、RHPO、RPOのホスファイトの群;
一般式RPO、RHPO、RPO、RHPOのホスホナイトおよびホスフィナイトの群;
一般式RCOOのカルボキシレートの群;
一般式BO3−、HBO2−、HBO、RBO、RHBO、RBO2−、B(OR)(OR)(OR)(OR、B(HSO、B(RSOのボレートの群;
一般式RBO2−、RBOのボロネートの群;
一般式HCO、CO2−、RCOのカーボネートおよび炭酸エステルの群;
一般式SiO4−、HSiO3−、HSiO2−、HSiO、RSiO3−、RSiO2−、RSiO、HRSiO2−、HSiO、HRSiOのシリケートおよびケイ酸エステルの群;
一般式RSiO3−、RSiO2−、RSiO、RSiO、RSiO、RSiO2−のアルキルシランおよびアリールシラン塩の群;
下記の一般式
【化23】

のカルボキシミド、ビス(スルホニル)イミド、およびスルホニルイミドの群;
下記の一般式
【化24】

のメチドの群;
一般式Rのアルコキシドおよびアリールオキシドの群;
一般式[MHals−(ここで、Mは金属であり、Halはフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、rおよびtは正の整数であり、錯体の化学量論量を示し、sは正の整数であり、錯体上の電荷を示す。)のハロメタレートの群;
一般式S2−、HS、[S2−、[HS、[RS](ここで、vは2から10までの正の整数である。)のスルフィド、硫化水素、ポリスルフィド、ポリ硫化水素、およびチオレートの群;
Fe(CN)3−、Fe(CN)4−、MnO、Fe(CO)などの錯体金属イオンの群
から選択される。
【0055】
この場合、R、R、R、およびRは、各々、互いに独立して、水素;C〜C30−アルキルおよびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシル−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−、−CO−O−、または−CO−N−置換誘導体、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル(イソブチル)、2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシル、トリアコンチル、フェニルメチル(ベンジル)、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、3−シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シクロヘキシルプロピル、メトキシ、エトキシ、ホルミル、アセチル、またはC2(q−a)+(1−b)2a+b(ここで、q<30、0≦a≦q、およびb=0または1(例えば、CF、C、CHCH−C(q−2)2(q−2)+1、C13、C17、C1021、C1225));
〜C12−シクロアルキル、およびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシル−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−、または−CO−O−置換誘導体、例えばシクロペンチル、2−メチル−1−シクロペンチル、3−メチル−1−シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチル−1−シクロヘキシル、3−メチル−1−シクロヘキシル、4−メチル−1−シクロヘキシル、またはC2(q−a)−(1−b)2a−b(ここで、q≦30、0≦a≦q、およびb=0または1);
〜C30−アルケニル、およびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシル−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−、または−CO−O−置換誘導体、例えば2−プロペニル、3−ブテニル、シス−2−ブテニル、トランス−2−ブテニル、またはC2(q−a)−(1−b)2a−b(ここで、q≦30、0≦a≦q、およびb=0または1);
〜C12−シクロアルケニル、およびそのアリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシル−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−、または−CO−O−置換誘導体、例えば3−シクロペンテニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、2,5−シクロヘキサジエニル、またはC2(q−a)−3(1−b)2a−3b(ここで、q≦30、0≦a≦q、およびb=0または1);
2から30個の炭素原子を有するアリールまたはヘテロアリール、およびそれらのアルキル−、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキル−、ハロゲン−、ヒドロキシル−、アミノ−、カルボキシ−、ホルミル−、−O−、−CO−、または−CO−O−置換誘導体、例えばフェニル、2−メチルフェニル(2−トルイル)、3−メチルフェニル(3−トルイル)、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、4−フェニルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、またはC(5−a)(ここで、0≦a≦5);あるいは
2個の基が、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン、ヘテロ原子、および/または複素環によって置換されていてもよく、1個以上の酸素および/または硫黄原子、および/または1個以上の置換または非置換イミノ基によってによって介入されてもよい、不飽和、飽和、または芳香環を形成するものである。
【0056】
可能なアニオンは、例えば、塩化物;臭化物;ヨウ化物;チオシアネート;ヘキサフルオロホスフェート;トリフルオロメタンスルホネート;メタンスルホネート;ホルメート;アセテート;グリコレート;ラクテート;オキサレート;シトレート;マレート;マレエート;タルトレート;マンデレート;ナイトレート;ナイトライト;トリフルオロアセテート;スルフェート;硫酸水素塩(hydrogensulfate);メチルスルフェート;エチルスルフェート;1−プロピルスルフェート;1−ブチルスルフェート;1−ヘキシルスルフェート、1−オクチルスルフェート;ホスフェート;硫酸二水素塩;リン酸水素塩(hydrogenphosphate);C〜C−ジアルキルホスフェート;プロピオネート;テトラクロロアルミネート;AlCl;クロロジンケート;クロロフェレート;ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド;ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド;ビス(メチルスルホニル)イミド;ビス(p−トリルスルホニル)イミド;トリス(トリフルオロメチルスルホニル)−メチド;ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)メチド;p−トリルスルホネート;テトラカルボニルコバルテート;ジメチレングリコールモノメチルエーテルスルフェート;オレエート;ステアレート;アクリレート;メタクリレート;マレエート;クエン酸水素塩;ビニルホスホネート;ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート;ビス[サリチラート(2−)]ボレート、ビス[オキサラト(2−)]ボレート、ビス[1,2−ベンゾルジオラート(2−)−O,O’]ボレート、テトラシアノボレート、テトラフルオロボレートなどのボレート;ジシアナミド;トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート;トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロホスフェート、カテコールホスフェート(C)P(O)Oなどの環式アリールホスフェート、およびクロロコバルテートである。
【0057】
好ましいアニオンは、ハロゲン化物、ビス(パーフルオロアルキルスルホニル)アミド、またはビス(パーフルオロアルキルスルホニル)イミド、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、アルキルトシレート、およびアリールトシレート、パーフルオロアルキルトシレート、ナイトレート、スルフェート、硫酸水素塩、アルキルスルフェートおよびアリールスルフェート、ポリエーテルスルフェートおよびポリエーテルスルホネート、パーフルオロアルキルスルフェート、スルホネート、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート、過フッ素化アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート、アルキルカルボキシレートおよびアリールカルボキシレート、パーフルオロアルキルカルボキシレート、パークロレート、テトラクロロアルミネート、サッカリネートからなるがこれらに限定するものではない群から選択される。さらに好ましいアニオンは、ジシアナミド、チオシアネート、イソチオシアネート、テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ポリエーテルホスフェート、およびホスフェートである。特に非常に好ましいアニオンは、塩化物、臭化物、硫酸水素塩、テトラクロロアルミネート、チオシアネート、メチルスルフェート、エチルスルフェート、メタンスルホネート、ホルメート、アセテート、グリコレート、ラクテート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、p−トリルスルホネート、テトラフルオロボレート、およびヘキサフルオロホスフェートである。
【0058】
本発明の開示を目的として特に非常に好ましいイオン液体は、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム2−(2−メトキシエトキシ)エチル−スルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、テトラブチルアンモニウムベンゾエート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムビス(2,4,4−トリメチルペンチル)−ホスフィネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロ−エチルスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチル−スルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリ−フルオロメチルスルホニル)イミド、3−メチル−1−プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、メチルトリオクチル−アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、テトラブチル−アンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリヘキシル−テトラデシルホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムブロミド、1−ブチルピリジニウムブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、4−メチル−N−ブチルピリジニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルホスホニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムクロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−4−メチルピリジニウムクロリド、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリド、メチルイミダゾリウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラヘプチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムクロリド、ブチルアンモニウムa−シアノ−4−ヒドロシンナメート、ジエチルアンモニウムα−シアノ−4−ヒドロシンナメート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムデカノエート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムジシアナミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムジシアナミド、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムエチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−(3,3−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウムヘキサフルオロ−ホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロ−ホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロ−ホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロ−ホスフェート、1−メチル−3−(3,3−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−4−メチルピリジニウムヘキサ−フルオロホスフェート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルフェート、メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルフェート、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルフェート、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、テトラブチルアンモニウムメタンスルホネート、テトラブチルホスホニウムメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1,3−ジメチルイミダゾリウムメチルスルフェート、メチルトリブチルアンモニウムメチルスルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムニトレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムニトレート、テトラブチルアンモニウムノナフルオロブタンスルホネート、テトラブチルアンモニウムヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムオクチルスルフェート、4−(3−ブチル−1−イミダゾリオ)ブタン−1−スルホネート、3−(トリフェニルホスホニオ)−プロパン−1−スルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、テトラブチル−アンモニウムテトラフルオロボレート、テトラヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロ−ボレート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、テトラペンチルアンモニウムチオシアネート、トリオクチルメチルアンモニウムチオサリチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトシレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトシレート、テトラブチルホスホニウムトシレート、トリイソブチルメチルホスホニウムトシレート、3−(トリフェニルホスホニオ)プロパン−1−スルホン酸トシレート、テトラエチルアンモニウムトリフルオロアセテート、4−(3−ブチル−1−イミダゾリオ)ブタン−1−スルホン酸トリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムトリフルオロ−メタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウム2−(2−メトキシエトキシ)エチルスルフェート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムデカノエート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルフェート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホネート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフェート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムニトレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムホスフェート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムオクチルスルフェート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムテトラクロロアルミネート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムサリチレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムチオサリチレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムトシレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムラクテート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムグリコレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムシトレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムオキサレート、1−ヒドロキシエチル−3−メチルイミダゾリウムタルトレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチル−アンモニウムアセテート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムトリフルオロアセテート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムブロミド、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチル−アンモニウムクロリド、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムデカノエート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムジシアナミド、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムヨージド、ビス(ヒドロキシ−エチル)ジメチルアンモニウムメタンスルホネート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムメチルスルフェート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムエチルスルフェート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムニトレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムホスフェート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムオクチルスルフェート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムテトラクロロアルミネート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムチオシアネート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムサリチレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムチオサリチレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムトシレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムトリフルオロメタン−スルホネート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムラクテート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムグリコレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムシトレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムオキサレート、ビス(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムタルトレートである。
【0059】
本発明のさらに好ましい実施形態では、1,3−ジアルキルイミダゾリウム、1,2,3−トリアルキルイミダゾリウム、1,3−ジアルキルイミダゾリニウム、および1,2,3−トリアルキルイミダゾリニウムカチオンと、ハロゲン化物、ビス(トリフルオロメチリルスルホニル)イミド、パーフルオロアルキルトシレート、アルキルスルフェートおよびアルキルスルホネート、過フッ素化アルキルスルホネートおよびアルキルスルフェート、パーフルオロアルキルカルボキシレート、パークロレート、ジシアナミド、チオシアネート、イソチオシアネート、テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェートからなる群から選択されたアニオンとの組合せを含有するイオン液体またはその混合物が使用される。
【0060】
さらに、TEGO(登録商標)IL T16ES、TEGO(登録商標)IL K5MS、TEGO(登録商標)IL DS、またはTEGO(登録商標)IL 2MS(Evonik Goldschmidt GmbHの製品)などの単純な市販の非環式第4級アンモニウム塩を使用することも可能である。
【0061】
水性系での泡は、両親媒性、したがって表面活性の界面活性剤分子が水/気体の界面に蓄積され、表面張力の低下をもたらすゆえに、形成される。得られる低い表面張力により、新しい水/気体の界面(=泡)が容易に生成される。さらに、水性系で形成された泡は、様々なメカニズムによって界面活性剤により安定化される。
【0062】
本明細書では、例として、当業者に知られているギブス−マラゴニ(Gibbs-Maragoni)効果と、泡の層の厚さが薄いときの界面活性剤分子の静電的および立体的反発についても述べることができる。これらの水性界面活性系用に開発された消泡剤は、例えば水/気体の界面での界面活性剤分子の変位および不活性化が役割を果たす様々な方法でこれらの安定化メカニズムに影響を及ぼす。
【0063】
水性かつ大部分が非イオン性の(界面活性剤により安定化される)系とは対照的に、イオン液体は、イオン成分のみからなる。イオン液体の泡の安定化は、水性系で作用する場合とは異なるメカニズムによって生ずる。それよりも、特に、非界面活性特性を有する不純物によって生ずる有機非水性油(例えば、ディーゼル油)の泡の安定化に似ているであろう。
【0064】
特に、界面活性剤安定化水性系を消泡するために開発された消泡剤が、水を含まない(または低水分)イオン液体中で良好な消泡効果も発揮し、したがって本発明の目的を達成することを発見したことは、一層驚くべきことであった。
【0065】
本発明の目的のため、消泡剤は、一般に、使用条件下で水に不溶な疎水性油、または微粉疎水性固形分を含む。油は、その作用を改善するために、微粉疎水性粒子を含有することができる。そのような疎水性固形分、油、または油中に粒子を分散させた分散体は、水性の適用例において剪断をほとんど必要とすることなく容易に乳化できるように、添加剤(例えば、乳化剤)とブレンドすることによって変性させることができる。適切な場合、これらの油または分散体は、水性エマルジョンを形成するために、通常の添加剤(乳化剤、増粘剤、保護コロイド、保存剤)と直接配合することもでき、エマルジョン生成用の均質化技法を使用することができる。
【0066】
水性系用の消泡配合物中に使用される疎水性油の例は、鉱油(A)、植物油(B)、シリコーン油(C)、ポリオキシアルキレン(D)、変性ポリシロキサン(E)、およびこれらの成分の混合物である。
【0067】
疎水性無機固形分の例は、任意選択で、疎水性化シリカ(F)、酸化アルミニウム、アルカリ土類金属炭酸塩など、当技術分野で知られておりかつ一般的な微粉固形分である。有機疎水性物質は、この目的で知られている12から22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸のアルカリ土類金属塩、そのような脂肪酸のアミド、ポリ尿素(G)、およびワックス(H)、およびこれらの固形分の混合物でもある。
【0068】
鉱油(A)は、特に、燃料油、鉱物シール油(mineral sealing oils)、ナフタレン油、およびパラフィン油でよい。
【0069】
シリコーン油(C)は、メチルおよび/またはヒドロキシル末端基を有し、好ましくは>50mPasの粘度、特に好ましくは100mPasから10000mPasの範囲の粘度を有する直鎖または分枝ポリシロキサンでよい。
【0070】
ポリオキシアルキレン(D)は、一般式(D−1):
−{[(C4−dR’O)(C2xO)(C4−dR”O)]−R (D−1)
を有することができ、上式で、Rは、アルコール、ポリエテロール、またはフェノールR−Hの基に相当する(Hは、アルコールまたはフェノールのOH基に属する)。R−Hは、好ましくは1価もしくは多価ポリエーテルアルコール、または好ましくは18から2000g/モルのモル質量を有しかつ1から8個、好ましくは1から4個のヒドロキシル基を有するアルコールである。挙げることのできる例は、アリルアルコール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン、トリエチレン、およびポリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレン、およびポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、または天然材料をベースにしたヒドロキシル含有化合物である。
【0071】
さらに、
dは1から3であり、
n≧0であり、
xは2から10であり、好ましくは2.5から4であり、
r≧0であり、好ましくは5から350であり、
t≧0であり、
n+r+t≧1であり、
zは1から8であり、好ましくは1から4、特に好ましくは1または2であり、
R’は1価の芳香族不飽和または飽和炭化水素基であり、
R”は水素、または1から18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
はH原子、1から40個の炭素原子を有する1価の有機直鎖もしくは分枝アルキル基、または分枝もしくは非分枝アルキルもしくはアリールエステルのカルボキシ基である。
【0072】
化合物は、純粋な化合物として、または互いの統計的混合物中に存在することができ、式で示される数値は、指数の値の統計的分布の平均に相当する。
【0073】
適切なポリシロキサン(E)は、例えば、参照によりその開示内容が本発明の開示に完全に組み込まれるDE10353856およびDE2829906に記載されている。これらは、下記の構造(E−1)を有することができる
【化25】

(式中、平均分子中の基Rは、同一にまたは異なっていることができ、各々、1から14個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてよい−OH−官能性炭化水素基、または基−O−R(ここで、Rは、1、2、3、または4個の炭素原子を有するアルキル基である。)、または基−Z−(C2n−O)R’であってよく、ここで、
R’は、水素、または1から8個の炭素原子を有するアルキル基、またはアシルであり、
は、フェニル、エチル、メチル、ヒドロキシル、アミンであって、少なくとも90%がメチルであり、
Zは、式−O−、−NH−、−NR−(ここで、R=C1〜4−アルキル基)、−S−、−(CH−O−、または−CH−CH(CH)−CH−O−(ここで、p=2、3、4)の2価の基であり、
nは、>2.5から4.0の平均数値を有し、
mは、5から350の平均数値を有し、
aは、4から1500の平均数値を有し、
bは、0から100の平均数値を有し、
cは、0から100の平均数値を有する)。
【0074】
別の適切な変性ポリシロキサンは、式(E−2)の構造を有する
【化26】

(式中、基Aは、平均式(E−2a)
[(C4−dR’O)(C2xO)(C4−dR”O)] (E−2a)
のポリオキシアルキレンブロックであり、
ここで、
dは1から3であり、
n≧0であり、
xは2から10であり、
r≧0であり、
t≧0であり、
n+r+t≧1であり、
R’は、1価の芳香族置換または非置換炭化水素基であり、
R”は、水素、または1から18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
基Rは、H原子、1から40個の炭素原子を有する1価の有機直鎖または分枝アルキル基、または分枝もしくは非分枝アルキルもしくはアリールエステルのカルボキシル基であり、
基Bは、平均式(E−2b)のポリシロキサンブロックであり、
【化27】

ここで、
基Rは同一または異なっており、各々、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、またはフェニル基であり、
yは5から200であり、
mは2から100であり、
pは0または1であり、
qは0または1である)。
【0075】
別の適切な変性ポリシロキサンは、式(E−3)の構造を有する
【化28】

(式中、
基R、A、B、およびm、p、およびqは、構造(E−2)の場合に上記で定義された通りであり、
基Cは、2から20個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキレン基である)。
【0076】
化合物は、純粋な化合物または互いの統計的混合物として存在することができ、式に示される数値は、指数の値の統計的分布の平均に相当する。
【0077】
尿素油油導体(G)の例は、DE3245482およびDE19917186に記載されている。DE19917186は、一般式(G−1)を示す
【化29】

(式中、Rは、4から30個の炭素原子を有する炭化水素基、または4から24個の炭素原子および1個の窒素原子を有する炭化水素基、または4から30個の炭素原子および1個のカルボニル基を有する炭化水素基であり、
は、水素原子、または1から24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素原子、または1から24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、2から30個の炭素原子を有する有機基であり、
n=0から5である)。
【0078】
ワックス(H)の例は、ポリエチレンワックス、ポリアミドワックス、および使用温度よりも高い融点または軟化点を有するこれらの混合物である。
【0079】
本発明の組成物は、1種以上のイオン液体を、80から99.999重量%、好ましくは90から99.999重量%、特に少なくとも95重量%、特に好ましくは>98から99.999重量%と、
溶媒を、0から20重量%、好ましくは0から10重量%、特に好ましくは0から5重量%と、
助剤および添加剤を、0から20重量%、好ましくは0から10重量%、特に好ましくは0から5重量%と、
1種以上の本発明による消泡剤を、0.001から10重量%、好ましくは0.001から5重量%、特に好ましくは0.05から1重量%と
を含有し、
組成物の全成分は、合計すると100重量%になる。
【0080】
本発明の別の対象は、特許請求の範囲によって特徴付けられる。
【0081】
本発明の消泡剤および組成物は、イオン液体およびその使用と一緒に、下記の実施例に記載されるが、本発明は、これらの例示的な実施形態に限定するものではない。
【0082】
化合物の範囲、一般式、または種類が以下に示される場合、これらは、具体的に記述される化合物の範囲または群だけではなく、個々の値(範囲)または化合物を含まないことによって得ることができる化合物の全ての部分範囲および下位群も包含するものとする。文書が本明細書の記述に引用される場合、その内容は、参照により本発明開示内容に完全に組み込まれる。
【実施例】
【0083】
その範囲が記述全体および特許請求の範囲によって与えられる本発明を、実施例に示される実施形態に限定することなく、本発明を下記の実施例において例として示す。
【0084】
下記の表1は、例として、水性系を消泡するための市販製品の活性成分の基礎を示す。
【表1】

【0085】
ASTM試験D892を用いた試験
下記の試験を、イオン液体TEGO(登録商標)IL IM ES(1−メチル−3−エチルイミダゾリウムエチルスルフェート)およびTEGO(登録商標)IL T 16 ES(エチルビス(ポリエトキシ(8)エチル)タロウアンモニウムエチルスルフェート)を使用して実施した。
【0086】
消泡効果について、室温で、ASTM試験D892と同様の手法で試験をした。この目的のために、消泡するイオン液体200mlを、ASTM装置のメスシリンダーに投入し、空気導入棒が内部を通過しかつそこに測定本体が固定される穴が開いたゴム栓で閉じた。定められた量の気体(Nガス、圧縮空気、または周囲空気、適切な場合にはアクアリウム用ポンプを用いて発生させる)(90ml/分)を液体に通し、泡を生成した。測定本体は、シリンダー内の中心に確実に吊り下げなければならない。5分後、泡の高さを決定し、ピペットを用いて消泡剤を導入した。泡の崩壊が観察され、消泡効果を、さらに5分後に評価した。
【0087】
消泡効果は、下記の通りにグレードスケールに従って評価した:
グレード1:泡は、最大50mlの泡に達する
グレード2:泡50ml〜100ml
グレード3:泡100ml〜最大
【0088】
下記の表2は、試験結果をまとめたものである。
【表2】

【0089】
表2は、ブランク(3)の場合よりも良好なグレード(1〜2)は、消泡成分を使用することによって完全に実現できることを示す。
【0090】
消泡効果は、イオン液体が、不純物として存在する水を含有する場合であっても、依然として見ることができ、および/または工業プロセスで形成することができる。
【0091】
機械的発泡機器を有する試験(DIN 53902/1)
下記の試験を、イオン液体Rewoquat(登録商標)W 18(ジノルタローカルボキシエチル)ヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルスルフェート)を使用して実施した。
【0092】
試験は、6シリンダー機械的発泡機器(DIN 53902/1)で実施した。
【0093】
この機器の個々のシリンダーには、操作中に素早い上下運動を開始することのできる、孔あき金属板で作製されたプランジャが備えられている。試験の前後に充填高さを読み取ることが可能なmlスケールが、シリンダーの外側に設けられている。「ストローク」数は、個々に設定することができる。実験は、60℃の温度で実施した(シリンダーは、流動する水によって取り囲まれており、加熱はサーモスタットを用いて行うことができる)。試験物質を60℃にし、シリンダー内に導入した。シリンダーに、250mlのマークまで生成物を充填し、その充填レベルを、プランジャの100ストローク後に読み取った。250mlを超えた体積の増加は、導入された空気に起因した泡の形成によって引き起こされる。
【0094】
2つの試験を実施した。試験Iでは、純粋なイオン液体Rewoquat W 18を含有するサンプルと、各々、本発明による種々の消泡剤を0.01重量%含有する4つのサンプルについても試験をした。第2の実験では、純粋なイオン液体Rewoquat(登録商標)W 18を含有するサンプルを、消泡剤の量を0.05重量%に増加させた4つのサンプルと一緒に試験した。結果を、下記の表3にまとめる。
【表3】

【0095】
消泡剤を0.01重量%のみ添加した場合であっても、ブランクに比べて泡立ちが明らかに減少したことがわかる。消泡剤の量が0.05重量%に増加すると、その効果をさらに高めることが可能になり;TEGO(登録商標)Antifoam 7001 XPの場合、わずかに250mlの泡の高さが見出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも80重量%の1種以上のイオン液体と、少なくとも1種の消泡剤と、適切な場合には溶媒および/またはさらに助剤もしくは添加剤とを含有する組成物であって、ケトン残基、ケトン−アルデヒド樹脂、および/または尿素−アルデヒド樹脂、および/またはそれらの水素化誘導体を含まない組成物。
【請求項2】
疎水性の水不溶性油および/または疎水性固形分並びにそれらの混合物が消泡剤として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
鉱油、植物油、シリコーン油、ポリオキシアルキレン、変性ポリシロキサン、シリカ粒子、ポリ尿素粒子、またはワックス粒子、および/またはこれらの成分の混合物が消泡剤として使用されることを特徴とする、請求項1および2の少なくとも一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記疎水性消泡油が、微粉疎水性粒子を含有することを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記消泡剤が、さらに添加剤および乳化剤を含有する、請求項3または請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記消泡剤が、乳化剤、増粘剤、保護コロイド、および/または保存剤などの通常の添加剤を使用して水中で乳化されていることを特徴とする、請求項3から5の少なくとも一項に記載の組成物。
【請求項7】
有機溶媒または水および/またはそれらの混合物が、溶媒として使用されることを特徴とする、請求項1から6の少なくとも一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記溶媒が有機溶媒であることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
変性ポリシロキサンが、消泡油成分として使用されることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
前記変性ポリシロキサンが、ポリエーテルシロキサンであることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
一般式(E−1)、(E−2)、(E−2a)、(E−2b)、または(E−3)の化合物(
【化30】

式中、
平均分子中のRは、同一または異なっていることができ、各々、1から14個の炭素原子を有しかつ二重結合を含有していてもよい−OH−官能性炭化水素基、または基−O−R(ここで、Rは、1、2、3、または4個の炭素原子を有するアルキル基である)、または基−Z−(C2n−O)R’であってもよく、
ここで、
R’は、水素、または1から8個の炭素原子を有するアルキル基、またはアシルであり、
は、フェニル、エチル、メチル、ヒドロキシル、アミンであって、少なくとも90%がメチルであり、
Zは、式−O−、−NH−、−NR−(ここで、R=C1〜4−アルキル基)、−S−、−(CH−O−、または−CH−CH(CH)−CH−O−(ここで、p=2、3、4)の2価の基であり、
nは、>2.5から4.0の平均数値を有し、
mは、5から350の平均数値を有し、
aは、4から1500の平均数値を有し、
bは、0から100の平均数値を有し、
cは、0から100の平均数値を有し;
(E−2)は、下記の構造に対応し、
【化31】

式中、
基Aは、平均式(E−2a)
[(C4−dR’O)(C2xO)(C4−dR”O)] (E−2a)
のポリオキシアルキレンブロックであり、
ここで、
dは1から3であり、
n≧0であり、
xは2から10であり、
r≧0であり、
t≧0であり、
n+r+t≧1であり、
R’は、1価の芳香族置換または非置換炭化水素基であり、
R”は、水素、または1から18個の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、
基Rは、H原子、1から40個の炭素原子を有する1価の有機直鎖または分枝アルキル基、または分枝もしくは非分枝アルキルもしくはアリールエステルのカルボキシル基であり、
基Bは、平均式(E−2b)のポリシロキサンブロックであり、
【化32】

ここで、
基Rは、同一または異なっており、各々、1から4個の炭素原子を有するアルキル基、またはフェニル基であり、
yは5から200であり、
mは2から100であり、
pは0または1であり、
qは0または1であるもの、
または、
構造(E−3)のポリシロキサン、
【化33】

式中、
基R、A、B、およびm、p、およびqは、構造(E−2)の場合に上記で定義された通りであり、
基Cは、2から20個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキレン基であるものである)が、変性ポリシロキサンとして使用されることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
イオン液体を消泡する方法における、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項13】
前記組成物が、分離プロセス、特に蒸留プロセスおよび/または濾過プロセスにおいて潤滑剤、圧媒液、熱流体として、例えば電池、スーパーキャップ、太陽電池、金属付着、金属研磨において電解質液として、吸収冷凍プロセスにおいて吸収剤として、生物精製プロセス、セルロース紡糸プロセスおよびセルロース誘導体化において洗浄液として使用されることを特徴とする、請求項12に記載の使用。

【公開番号】特開2009−185286(P2009−185286A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−23166(P2009−23166)
【出願日】平成21年2月4日(2009.2.4)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】