説明

イオン源構成要素を洗浄するための方法

本発明は、1つには、半導体及びマイクロエレクトロニクス製造で使用されるイオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法に関する。イオン源構成要素は、イオン化チャンバと、イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを含む。イオン化チャンバの内面、及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素には、例えばカルボランC1012といったドーパント・ガス中に含有される元素の少なくともいくらかの堆積物が付着している。この方法は、洗浄ガスをイオン化チャンバに導入するステップと、イオン化チャンバの内面から及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分な条件下で洗浄ガスを堆積物と反応させるステップとを含む。洗浄ガスは、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物である。堆積物は、イオン注入装置の正常な動作に悪影響を及ぼし、ダウンタイムを頻繁にもたらし、ツール稼働時間を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つには、半導体及びマイクロエレクトロニクス製造で使用されるイオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法に関する。この方法は、ドーパント注入中に形成された堆積物を、洗浄ガス混合物を使用して除去することに関わる。堆積物は、イオン注入装置の正常な動作に悪影響を及ぼし、ダウンタイムを頻繁にもたらし、ツール稼働時間を減少させる。
【背景技術】
【0002】
イオン注入は、半導体/マイクロエレクトロニクス製造における重要なプロセスである。集積回路製造においては、ドーパント不純物を半導体ウェハに導入するためにイオン注入プロセスが使用される。望ましいドーパント不純物が、望みの深さのドープ領域を形成するように半導体ウェハに導入される。ドーパント不純物は、半導体ウェハ材料と結合して電気キャリアとなり、それにより半導体ウェハ材料の導電率を変えるように選択される。導入されるドーパント不純物の濃度が、ドープ領域の導電率を決定する。多くのそのような不純物領域は、トランジスタ構造、絶縁構造、及び他の電子構造を形成するために必然的に形成され、これらの構造が全体として半導体デバイスとして機能する。
【0003】
イオン注入プロセスでは、所望のドーパント元素を含むガス原料が使用される。ガスはイオン源チャンバ、すなわちイオン化チャンバに導入され、そのチャンバにエネルギーが導入されて、ガスをイオン化する。イオン化は、ドーパント元素を含むイオンを生成する。イオンは、所望のエネルギーのイオン・ビームの形態でイオン源チャンバから引き出される。この引き出しは、引き出し電極にわたって高い電圧を印加することによって行うことができる。高純度が望まれるとき、注入すべき種を選択するために、ビームが質量分析器/フィルタを通して輸送される。次いで、イオン・ビームを加速/減速させて半導体ウェハの表面に輸送して、ドーパント元素を半導体ウェハに注入する。ビームのイオンは、半導体ウェハの表面に侵入して、所望の導電率の領域を形成する。
【0004】
イオン注入プロセスの1つの問題は、イオン源チャンバの表面上及びイオン源チャンバ内に含まれる構成要素上でのガス原料の残留分の堆積に関わる。これにより、残留堆積物が蓄積されることがあり、これがイオン源チャンバの正常な動作を妨げ、例えば、イオン源チャンバ内で低電圧絶縁体上に形成される残留堆積物により電気的短絡が生じたり、イオン源チャンバ内で絶縁体上に形成された残留堆積物によりエネルギー高電圧スパークが生じたりする。残留堆積物は、イオン注入装置の正常な動作に悪影響を及ぼし、ダウンタイムを頻繁にもたらし、ツール稼働時間を減少させることがある。また、イオン源チャンバ及びイオン源チャンバ内に含まれる構成要素が洗浄のために取り外されるときに毒性又は腐食性蒸気が放出することにより、安全性の問題が生じる可能性もある。したがって、イオン源チャンバの正常な動作の妨げを最小限にするために、蓄積された堆積形成物をイオン源チャンバの表面及びイオン源チャンバ内に含まれる構成要素から除去する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、蓄積された堆積形成物をイオン源チャンバの表面及びイオン源チャンバ内に含まれる構成要素から除去する必要がある。イオン源チャンバの正常な動作の妨げを最小限にするために、蓄積された堆積形成物をイオン源チャンバの表面及びイオン源チャンバ内に含まれる構成要素から除去するための洗浄方法を開発することが当技術分野で望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、前記イオン化チャンバの内面及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素には、ドーパント・ガス中に含有される元素の少なくともいくらかの堆積物が付着している方法において、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面から及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分な条件下で、前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップと
を含む方法に関する。
【0007】
また、本発明は、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、前記イオン化チャンバの内面及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素には、カルボラン(C1012)ドーパント・ガス中に含有される元素の少なくともいくらかの堆積物が付着している方法において、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面から及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分な条件下で、前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップと
を含む方法に関する。
【0008】
さらに、本発明は、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素内での、ドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物の形成を防止又は減少するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有している方法において、
前記イオン化チャンバにドーパント・ガスを導入するステップと、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を防止するのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガスを前記洗浄ガスと反応させるステップ、或いは、前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を減少させるのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガス、並びに前記ドーパント・ガスのイオン化中に前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上に生じる堆積物を、前記洗浄ガスと反応させるステップと
を含む方法に関する。
【0009】
さらに、本発明は、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素内での、カルボラン(C1012)ドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物の形成を防止又は減少するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有している方法において、
前記イオン化チャンバにドーパント・ガスを導入するステップであって、前記ドーパント・ガスがカルボラン(C1012)を含むステップと、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を防止するのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガスと前記洗浄ガスを反応させるステップ、或いは、前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を減少させるのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガス、並びに前記ドーパント・ガスのイオン化中に前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上に生じる堆積物と、前記洗浄ガスを反応させるステップと
を含む方法に関する。
【0010】
本発明の方法は、カルボラン注入中に形成される残留堆積物に関して、NFベースのプロセスなど他の既知のプロセスよりも高い除去速度を提供する。本発明の方法の実施により、顧客が所望の洗浄操作をより迅速に行うことができるようにし、したがってツール稼働時間を改良することができる。例えば、使用者は、本発明に従って、カルボラン堆積物を除去するためにNFベースの洗浄の代わりにF/Ar/Oベースの洗浄プロセスを行うことによって、ツール稼働時間を1日当たりさらに1時間増やすことができる。また、より迅速な洗浄操作により、洗浄ガスの利用量が減少され、したがってガス・シリンダ交換の頻度を減少することもできる。したがって、使用者はさらに、ツール・ダウンタイムを減少させ、またガス・シリンダ交換中に生じる安全性の問題を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】イオン注入システムの概略図である。
【図2】本発明で有用な様々なガス混合モードの概略図である。
【図3】本発明で有用な様々なプラズマ活性化及び熱活性化モードの概略図である。
【図4】除去速度に対する洗浄ガス流及びチャンバ圧力の影響を示すグラフである。
【図5】除去速度に対する酸素添加の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
イオン注入プロセスの実施中に、イオン源チャンバの壁上及び他の構成要素上に堆積物の層が形成される。これらの堆積物は、少なくとも一部は、ドーパント・ガス、例えば気化カルボラン(C1012)中に含有される元素である。ドーパント・ガスは固体源から得ることができ、例えばカルボラン(C1012)が固体源であり、加熱によって気化される。これらの堆積物は、イオン注入装置の正常な動作に悪影響を及ぼし、頻繁なダウンタイムを生じ、ツール稼働時間を減少させる。図1は、イオン注入システムの概略図を示す。破線のボックスとして示されるイオン源チャンバの壁上及び構成要素上に堆積物が形成され、本発明の洗浄方法が、それらの領域から堆積物を除去する。
【0013】
上述したように、本発明は、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、前記イオン化チャンバの内面及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素には、ドーパント・ガス中に含有される元素の少なくともいくらかの堆積物が付着しており、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面から及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分な条件下で、前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップと
を含む方法に関する。
【0014】
本発明の方法は、注入中、特にカルボラン(C1012)注入中に形成された堆積物を除去するための洗浄化学物質及びプロセスを提供する。本発明の方法は、ドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物を除去するために、Fと、希ガス(He、Ar、Xe、及びKr)及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとを含有する洗浄ガス混合物を使用することに関わる。好ましい一実施例では、洗浄ガスは、FとArの混合物、又はFとArとOとの混合物を含む。
【0015】
洗浄ガス混合物の組成は、約0.1〜約0.3のF/[Ar+F]モル比を含む。洗浄ガス混合物の組成は、約0.01〜約0.6のO/[F+O]モル比を含む。1つの好ましいガス混合物組成は、約0.15〜約0.25のF/[Ar+F]モル比と、約0.25〜約0.45のO/[F+O]モル比とを含む。好ましい一実施例では、FとArのガス混合物にOを加えることで、最適化された条件下では堆積物除去速度を約30〜40%高めることができる。別の実施例では、OとFを別々のガスとして使用するのではなく、Arと混合された二フッ化酸素(OF)などの酸素/フッ素含有ガスを洗浄ガスとすることもできる。
【0016】
洗浄ガス組成物は、好ましくはF/O/Arの混合物である。端点、すなわちF/[Ar+F]=0.3及びO/[O+F]=0.6では、1モルのガス混合物が、F、O、及びArをそれぞれ0.21、0.31、及び0.48モル含む。10〜25%のOFと残部のArの希釈混合物も、有用な洗浄ガス混合物となることがある。洗浄ガスは、イオン化チャンバ及びイオン化チャンバ内に含まれる構成要素の構成材料に対してよりも、堆積物に対して高い反応性を有するべきである。
【0017】
個々のガスは、別々に、又は予め混合して供給することができる。ガスは、別々にイオン源チャンバに配管供給する(plumbed)ことも、予め混合して供給することもできる。様々なガス混合モードが、本発明の方法で使用するのに適している。例えば別々のガス源からのF、Ar、及びOを混合し、混合物をイオン化チャンバに導入することができる。或いは、1つのガス源からのF及びArと、別のガス源からのOとを混合し、混合物をイオン化チャンバに導入することもできる。また、1つのガス源からのF、Ar、及びOをイオン化チャンバに導入することもできる。例えば、様々なガス混合モードを示す図2を参照されたい。
【0018】
例示的なドーパント源として、限定はしないがカルボラン(C1012)が挙げられる。カルボラン注入中に形成される堆積物は、プロセスチャンバ内での位置に応じて異なる量でB、C、及びWを含有する。ドーパント・ガスを構成する他の例示的な元素には、リン(P)及びヒ素(As)が含まれる。他の例示的なドーパント・ガスとしては、例えば、ホスフィン(PH)、アルシン(AsH)、ゲルマン(GeH)、四フッ化ゲルマニウム(GeF)、及びジボラン(B)が挙げられる。このような他の例示的なドーパント源を使用する注入プロセス中に形成される堆積物は、それぞれP、As、Ge、及びBを含有することがある。イオン源チャンバ内で形成される堆積物は、望ましいプロセス条件下でF、Ar、及び任意選択でのOの混合物と接触させることによって除去することができる。堆積物は、望ましい操作条件下で洗浄ガスにさらされると、F、O、Fラジカル、Oラジカル、及びOxFyラジカルと反応し、揮発性生成物として除去される。Arはキャリア・ガスとなり、また、活性種の損失の原因となる再結合反応を減少させる。Arのイオン化ポテンシャルはHeやNeに比べて低いので、Arは、HeやNeなど他の希ガスよりも好ましいキャリア・ガスである。また、Arがより安価であることも、ArをKr、Xe、及びRnよりも好ましい選択肢にする。Nは、Arと非常に似た費用構造及びイオン化ポテンシャルを有する。しかし、Wに関して、Ar/Fを使用する方がN/Fよりもエッチング・レートが低いため、キャリア・ガスとしてArの方がNよりも好ましくなる。Wは、イオン化チャンバ及びイオン化チャンバ内に含まれる構成要素のための一般的な構成材料である。
【0019】
本発明の方法は、望ましい洗浄作用を実現するために、熱及び/又はプラズマベースの活性化を採用することができる。洗浄ガスをプラズマによって遠隔から活性化して、活性種をイオン源チャンバに輸送することができ、又はプラズマをイオン源チャンバそれ自体の内部で発生させることができる。好ましいモードは、熱活性化とプラズマ活性化の組合せを使用する。洗浄プロセス中の反応温度は、約25℃〜約1000℃の範囲内でよい。好ましくは、イオン化チャンバの温度は、約200℃〜約1000℃の範囲内にすることができる。洗浄プロセス中の反応圧力は、約0.1Torr〜約10Torrの範囲内でよい。好ましくは、イオン化チャンバ内の圧力は、約0.1Torr〜約1Torrの範囲内にすることができる。
【0020】
洗浄ガスは、熱、プラズマ、又はそれら両方の組合せを受けて、活性ラジカル/イオンを生成する。例えば、様々なプラズマ活性化及び熱活性化モードを示す図3を参照されたい。本発明の一実施例では、熱活性化に加えてプラズマ活性化を導入することで、除去速度を大幅に高めることができ、例えば約3倍に改良することができる。熱活性化は、イオン源チャンバ又はイオン源チャンバの少なくとも一部を望ましい温度で維持することによって提供することができる。ガスは、遠隔プラズマ・システム、例えば図3A及び図3Bの遠隔プラズマ・モードを使用してプラズマ活性化を施し、次いでラジカル/イオンをイオン源チャンバに輸送することができる。
【0021】
洗浄ガスをイオン化チャンバに導入する前に、洗浄ガスをプラズマ・チャンバに導入することができる。洗浄ガスがプラズマ・チャンバ内で励起されて、プラズマを発生させる。次いで、プラズマからのイオン、ラジカル、中性子、又は他の解離種が、イオン化チャンバに導入される。例えば図3Aを参照されたい。
【0022】
洗浄ガスをイオン化チャンバに導入する前に、F/Arを含む洗浄ガスをプラズマ・チャンバに導入することができる。洗浄ガスがプラズマ・チャンバ内で励起されて、プラズマを発生させる。プラズマからのイオン、ラジカル、中性子、又は他の解離種が、前記プラズマ・チャンバから取り出され、Oと混合されてガス・ストリームを生成する。次いで、ガス・ストリームがイオン化チャンバに導入される。例えば図3Bを参照されたい。
【0023】
或いは、例えば図3Cの直接プラズマ・モードで、プラズマをイオン源チャンバそれ自体の内部で発生させることができる。好ましい一実施例では、プラズマはイオン源チャンバそれ自体の内部で発生され、これは、イオン源チャンバ内でカソードと反カソードの間に望ましい電位をかけることによって容易に実現することができる。直接プラズマ・モードは、以下のことを含めた、遠隔プラズマ・モードに勝るいくつかの潜在的な利点を有する。(i)フロー・ライン中での活性ラジカル又はイオンの損失がない。(ii)遠隔プラズマ機器をさらに設ける必要がない。(iii)インサイチュ・プラズマ発生は、熱活性化に必要とされる望ましい値までイオン源チャンバ壁の温度を上昇させるのに十分な熱エネルギーを発生する。
【0024】
温度、圧力、及び接触時間など、洗浄ガスと堆積物の反応に関する反応条件を大きく変えることもできる。イオン化チャンバの内面から及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分なそのような条件の任意の適切な組合せを本発明で採用することができる。洗浄プロセス中のイオン化チャンバ圧力は、約0.1〜約10Torr、好ましくは約0.1〜約1.0Torrの範囲内にすることができる。洗浄プロセス中のイオン化チャンバ温度は、約25℃〜約1000℃、好ましくは約400℃〜約600℃の範囲内にすることができる。イオン化チャンバ内での洗浄ガスと堆積物の反応時間は、約30秒〜約45秒の範囲内にすることができる。好ましい反応時間は、使用者が実施する洗浄の頻度に応じて変わる。洗浄ガス流量は、約10〜約1000sccm、好ましくは約50〜約250sccmの範囲内にすることができる。
【0025】
洗浄ガスと堆積物を反応させ、イオン化チャンバの内壁から及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去した後、堆積物は揮発性生成物としてイオン化チャンバから除去される。次いで、イオン化チャンバを排気することができ、洗浄プロセスを必要な回数だけ繰り返すことができる。排気された揮発性生成物は、焼却炉や湿式/乾式スクラバなど廃棄処理ユニットに送ることができる。
【0026】
上でも述べたように、この方法はまた、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、前記イオン化チャンバの内面及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素には、カルボラン(C1012)ドーパント・ガス中に含有される元素の少なくともいくらかの堆積物が付着しており、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面から及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分な条件下で、前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップと
を含む方法に関する。
【0027】
本発明の方法は、先に行われた注入プロセス中に堆積物が形成された後に堆積物を洗浄することを対象とする。代替モードでは、注入プロセスの進行中に、ドーパント源ガスと共に洗浄ガス混合物を連続的に供給することができる。
【0028】
上述したように、本発明は、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素内での、ドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物の形成を防止又は減少するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、
前記イオン化チャンバにドーパント・ガスを導入するステップと、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を防止するのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガスと前記洗浄ガスを反応させるステップ、或いは、前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を減少させるのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガス、並びに前記ドーパント・ガスのイオン化中に前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上に生じる堆積物を、前記洗浄ガスと反応させるステップと
を含む方法に関する。
【0029】
特に、本発明は、1つには、イオン注入装置のイオン源構成要素内での、カルボラン(C1012)ドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物の形成を防止又は減少するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、
前記イオン化チャンバにドーパント・ガスを導入するステップであって、前記ドーパント・ガスがカルボラン(C1012)を含むステップと、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を防止するのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガスと前記洗浄ガスを反応させるステップ、或いは、前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を減少させるのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガス、並びに前記ドーパント・ガスのイオン化中に前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上に生じる堆積物を、前記洗浄ガスと反応させるステップとを含む方法に関する。さらに、この方法は、前記イオン化チャンバからイオン・ビームを引き出して基板に注入するステップを含む。
【0030】
イオン化チャンバの内面上及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を防止又は減少する方法に関して、洗浄ガス混合物の組成は、本明細書に述べるようなものでよい。この堆積物防止法は、現場的(in−situ)洗浄法であり、コブリード(co−bleed、混合流出)操作モードと呼ばれることもある。
【0031】
温度、圧力、及び接触時間など、洗浄ガスとドーパント・ガスの反応に関する反応条件を大きく変えることもできる。イオン化チャンバの内面から及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素からの堆積物の形成を防止又は減少するのに十分なそのような条件の任意の適切な組合せを本発明で採用することができる。洗浄ガスとドーパント・ガスの比は、約0.1:1から約3:1よりも大きい比までの範囲内でよい。イオン化チャンバ圧力は、約0.1〜約5mTorr、好ましくは約0.5〜約2.5mTorrの範囲内にすることができる。イオン化チャンバ温度は、約25℃〜約1000℃、好ましくは約400℃〜約600℃の範囲内にすることができる。プロセス中、洗浄ガス流量とドーパント・ガス流量は典型的には同様の大きさである。好ましくは、洗浄ガスとドーパント・ガスの流量は、約0.1〜約10sccm、より好ましくは約0.5〜約3sccmの範囲内にすることができる。
【0032】
コブリード・モードの作動中、洗浄時間は、ドーパント及び洗浄ガスが流される期間に等しい。このとき、この期間は、使用者のプロセス時間に応じて決まる。洗浄時間は、プロセス・レシピによって決まるだけでなく、ウェハの数及び工場の処理量によっても決まる。コブリード操作モードでは、使用者は、残っている堆積物の除去を保証するために、ドーパント・ガスを停止させた後でさえ洗浄ガスを流し続けることができる。
【0033】
イオン化チャンバの内面上及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を防止又は減少するこの方法は、本明細書に述べる熱/プラズマベースの活性化を採用する。ドーパント・ガスは、イオン化チャンバ内でプラズマを照射することによってイオン化され、イオン化チャンバ壁、及びイオン化チャンバ内に含まれる構成要素の温度は、加熱されたカソードからの伝導及び/又は放射により上昇する。
【0034】
熱/プラズマベースの活性化では、プラズマは、ドーパント・ガス、すなわちカルボラン(C1012)からの解離されてイオン化された成分と、洗浄ガス、すなわちF、Ar、及び任意選択でのOの混合物からの解離されてイオン化された成分とを含むことができる。ドーパント・ガスからの解離されてイオン化された成分は、洗浄ガスからの解離されてイオン化された成分と反応して、イオン化可能なドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物がイオン化チャンバの内面上及び/又はイオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素上に生じるのを防止又は減少する。マスフローコントローラを使用して、イオン化チャンバに導入される洗浄ガスとドーパント・ガスの比率を制御することができる。洗浄ガスとドーパント・ガスの比は、約0.1:1から約3:1よりも大きい比までの範囲内でよい。
【0035】
本発明の様々な修正形態及び変形形態が当業者には明らかであろう。そのような修正形態及び変形形態は、本出願の範囲、並びに特許請求の範囲の精神及び範囲に含まれるものであることを理解すべきである。
【0036】
「実施例1」
NF洗浄ガスと、本発明で用いる様々なタイプの洗浄ガス化学物質との性能を比較した。同様の処理条件下では、F/Ar混合物及びF/Ar/O混合物が、NFよりも高い除去速度を示した(以下の表A及びB参照)。熱活性化を用いた洗浄プロセスに関して、F/Ar/Oは、低温でさえ、残留堆積物除去速度が2倍よりも高かった。また、プラズマ活性化と熱活性化を組み合わせて操作したとき、F/Ar/Oベースの化学物質が、NFベースの化学物質よりも高い除去速度を示した。さらに、FでのF−F結合の結合解離エネルギーはNFでのN−F結合よりも低いので、十分に解離されたFプラズマを維持するのに必要なプラズマ出力はNFプラズマよりも低い。低い出力要件と組み合わされたより高い残留堆積物除去速度により、所望の洗浄操作を行うためのより広いプロセスウィンドウが使用者に提供される。
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
「実施例2」
様々な操作条件でのカルボラン・ドーパント・ガスからの堆積物の除去速度を評価するために実験を行った。図4は、様々な流量のF/O/Ar混合物(F:O:Ar−0.18:0.09:0.73)及びF/Ar混合物(F:Ar−0.20:0.80)で観察した除去速度を示す。この実験で使用した混合物組成は以下のものである。
【0040】
/O/Ar混合物:F:O:Ar=0.18:0.09:0.73、すなわちF/[F+Ar]=0.20及びO/[O+F]=0.33
【0041】
/Ar混合物:F:Ar=0.20:0.80、すなわちF/[F+Ar]=0.20
【0042】
図4は、除去速度に対する洗浄ガス流及びチャンバ圧力の影響を示す。各データ点の傍に記した圧力値は、対応する実験中のチャンバ圧力である。F/Ar混合物とF/O/Ar混合物の両方に関して、洗浄ガス流(及び対応するチャンバ圧力)を約5分の1に減少させると、除去速度はそれぞれ約1.9分の1及び約1.6分の1に低下することが観察され、したがって低流量−低圧力モードでのより効率的な洗浄ガスの利用を示している。また、発生するプラズマの物理的な位置により、直接プラズマ・モードで洗浄が行われるときにはイオン源チャンバ内で低圧(1.0Torr未満)を維持することも望ましい。プラズマがアーク・チャンバ内全体に広がる傾向がある低圧操作とは異なり、高圧では、プラズマはアーク・チャンバ内でカソード領域の周りに局所化する傾向があり、したがってより均一な洗浄を可能にする。これらの結果は、約200sccm及びチャンバ圧力0.7TorrでF/Ar/O混合物を使用すると適度に高い除去速度を実現可能であることを示す。特定の注入装置構成に基いたさらなる最適化も可能である。
【0043】
図5は、洗浄ガス混合物の除去速度性能に対する酸素添加の影響を示す。ガス混合物中のOの相対濃度が増加するにつれて、始めのうちは除去速度が増加したが、O濃度が増加し続けるにつれて逆効果が観察された。試料に純粋な酸素ストリームが当てられたときには、除去速度はゼロに落ちた。これらの結果は、洗浄ガス混合物中でのOのモル分率[モルO/(モルO+モルF)]の好ましい範囲が約0.3〜0.5であることを示唆した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、前記イオン化チャンバの内面及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素には、ドーパント・ガス中に含有される元素の少なくともいくらかの堆積物が付着している方法において、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面から及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分な条件下で、前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記洗浄ガスが、FとArの混合物、FとArとOとの混合物、又は二フッ化酸素(OF)とArの混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
別々のガス源からのF、Ar、及びOが混合されて、前記混合物が前記イオン化チャンバに導入されること、1つのガス源からのF及びArと別のガス源からのOとが混合されて、前記混合物が前記イオン化チャンバに導入されること、又は1つのガス源からのF、Ar、及びOが前記イオン化チャンバに導入されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
/[Ar+F]モル比が約0.1〜約0.3であり、O/[F+O]モル比が約0.01〜約0.6である請求項2に記載の方法。
【請求項5】
/[Ar+F]モル比が約0.15〜約0.25であり、O/[F+O]モル比が約0.25〜約0.45である請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ドーパント・ガスがカルボラン(C1012)を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記堆積物が、B(ホウ素)、C(炭素)、W(タングステン)、及びそれらの混合物から選択される元素を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記洗浄ガスを、熱及び/又はプラズマベースで活性化する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
(i)前記洗浄ガスを前記イオン化チャンバに導入する前に、前記洗浄ガスをプラズマ・チャンバに導入し、前記洗浄ガスを前記プラズマ・チャンバ内で励起してプラズマを発生し、前記プラズマからのイオン、ラジカル、中性子、及び他の解離種を前記イオン化チャンバに導入するステップ、
(ii)前記洗浄ガスを前記イオン化チャンバに導入し、前記洗浄ガスを前記イオン化チャンバ内で励起してプラズマを発生するステップ、又は
(iii)前記洗浄ガスを前記イオン化チャンバに導入する前に、F/Arを含む前記洗浄ガスをプラズマ・チャンバに導入し、前記洗浄ガスを前記プラズマ・チャンバ内で励起してプラズマを発生し、前記プラズマからのイオン、ラジカル、中性子、及び他の解離種を前記プラズマ・チャンバから取り出し、前記プラズマからの前記イオン、ラジカル、中性子、及び他の解離種をOと混合してガス・ストリームを生成し、前記ガス・ストリームを前記イオン化チャンバに導入するステップ
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップが、前記イオン化チャンバ内で約25℃〜約1000℃の温度で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップが、前記イオン化チャンバ内で約0.1Torr〜約10Torrの圧力で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップが、前記イオン化チャンバ内で約30秒〜約45分の反応時間で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記洗浄ガスが、約10sccm〜約1000sccmの流量で前記イオン化チャンバに導入される請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記反応後に前記イオン化チャンバを排気するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記方法を1回又は複数回繰り返すステップをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
イオン注入装置のイオン源構成要素を洗浄するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有し、前記イオン化チャンバの内面及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素には、カルボラン(C1012)ドーパント・ガス中に含有される元素の少なくともいくらかの堆積物が付着している方法において、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面から及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素から堆積物の少なくとも一部を除去するのに十分な条件下で、前記洗浄ガスを前記堆積物と反応させるステップと
を含む方法。
【請求項17】
イオン注入装置のイオン源構成要素内での、ドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物の形成を防止又は減少するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有している方法において、
前記イオン化チャンバにドーパント・ガスを導入するステップと、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での、前記ドーパント・ガス中に含まれる元素の堆積物の形成を防止するのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガスを前記洗浄ガスと反応させるステップ、或いは、前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を減少させるのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガス、並びに前記ドーパント・ガスのイオン化中に前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上に生じる堆積物を、前記洗浄ガスと反応させるステップと
を含む方法。
【請求項18】
前記イオン化チャンバからイオン・ビームを引き出して基板に注入するステップをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ドーパント・ガス及び前記洗浄ガスを、熱/プラズマベースで活性化する請求項17に記載の方法。
【請求項20】
イオン注入装置のイオン源構成要素内での、カルボラン(C1012)ドーパント・ガス中に含有される元素の堆積物の形成を防止又は減少するための方法であって、前記イオン源構成要素が、イオン化チャンバと、前記イオン化チャンバ内に含まれる1つ又は複数の構成要素とを有している方法において、
前記イオン化チャンバにドーパント・ガスを導入するステップであって、前記ドーパント・ガスがカルボラン(C1012)を含むステップと、
前記イオン化チャンバ内に洗浄ガスを導入するステップであって、前記洗浄ガスが、Fと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスと、任意選択でのOとの混合物、或いは酸素/フッ素含有ガスと、希ガス及び/又は窒素から選択される1つ又は複数の不活性ガスとの混合物を含むステップと、
前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での、前記カルボラン(C1012)ドーパント・ガス中に含まれる元素の堆積物の形成を防止するのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガスを前記洗浄ガスと反応させるステップ、或いは、前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上での堆積物の形成を減少させるのに十分な条件下で、前記ドーパント・ガス、並びに前記ドーパント・ガスのイオン化中に前記イオン化チャンバの内面上及び/又は前記イオン化チャンバ内に含まれる前記1つ又は複数の構成要素上に生じる堆積物を、前記洗浄ガスと反応させるステップと
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−506962(P2013−506962A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532210(P2012−532210)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/050150
【国際公開番号】WO2011/041223
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(392032409)プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】